黒きヒレ軍団 スタイル

クラフトモチーフ103
Black Fin Legion Style

黒きヒレのケシュ 著

多くの者が黒きヒレ軍団はアルゴニアンを守るための軍隊だと思っている。それは間違いだ。私たちは人間であろうとサクスリールであろうと、平和に暮らすことを望む全ての人々に仕えている。私は自分たちだけを守るために戦うのではなく、隣人たちと肩を並べて立つことが、ギデオンにできた新たな故郷を守るための最高の手段だと信じている。黒きヒレ軍団はあらゆる種族を歓迎する。望むのは屈強な腕と熱意だけだ。
ブラック・マーシュの境界地域にいる軍隊にとって、最初の敵は気候そのものだ。ここでは特別な油をつけない鉄と鋼は錆び、弓の弦は腐り、北の木材でできた武器の柄は反り始める。黒きヒレ軍団の兵士は頭から爪先まで、他の土地の武器や防具を破壊する環境に適した服装をしなければならない。だが、沼地が準備不足な者にとって敵であるなら、沼地での振る舞いを学ぶ戦士にとっては力強い味方にもなりうる。
当然ながら、緑は黒きヒレ軍団の基本色となる。ギデオンを取り巻く森と沼地で、迷彩の価値を見過ごすことはできない。真鍮と金の明るい輝きは場違いのように思えるかもしれないが、それにも目的がある。水面にきらめく陽光を模倣するのだ。

ブーツ

私たちの軍団の兵士は、しばしば湿地、茂み、流砂と戦ってきた。過剰な装飾や重量のある履き物は、一歩ごとに足元がはまってもつれる危険をはらんでいる。そのため、黒きヒレ軍団のブーツは簡素で装飾がない形にデザインされている。

ベルト

黒きヒレ軍団の兵士のベルトは真鍮のバックルを備え、鼠径部を守るため分節された腰当てを支えている。中装や軽装鎧では腰当ての分節部をボイルドレザーで作り、ギデオン周辺の湿度が高い状況でも、腐敗を抑える処理を施している。

発見される前に敵を発見するのが、ブラック・マーシュで生き延びる者が守る最初のルールだ。私たちは最大限の視野を確保するため、顔が露出した兜を好む。それに葉や苔を模したボロ布の覆いで迷彩を施す。

脚当て

黒きヒレ軍団が通り抜けねばならない地形を考慮し、脚防具は可能な限り軽くなっている。中装鎧と軽装鎧はほぼ完全に省略しているが、重装鎧も他の土地における同様の防具より水を含むことが少ない、足にぴったりしたグリーヴを用いている。

ブラック・マーシュの最も一般的な樹木に含まれるバニヤンは、あまりにも柔らかく吸水性が高いため、弓としては使い物にならない。だが、バニヤンの根から切り出した木材は丈夫で耐久力があり、湿度の高い環境下でも反らず膨張しない。黒きヒレ軍団の弓に最強の威力はないが、この気候を耐え抜くことができる。また、私たちの鬱蒼とした森林に覆われた地形で、長距離射撃が可能になることは滅多にない。

胸当て

最も効果的な迷彩は、直線や人工的な形状を崩れた輪郭に置き換える。周囲の自然の不規則な様子を反映するものだ。黒きヒレ軍団のブレストプレートと胸当ては、葉と苔のような形をした緑のボロ布の覆いを備えていて、兵士が沼地の茂みの中で隠れ続けるために役立っている。

ギデオン周辺で鋼の刃の状態を維持する苦労は無視できないため、黒きヒレ軍団の兵士たちの間で、剣はあまり一般的ではない。典型的な軍団の剣は頑丈な刃で、切断と刺突の双方の用途に向けてデザインされている。つり下がっている植物の蔓に引っかからないよう、簡素な鍔がついている。

肩防具

鋼か頑丈なボイルドレザーのポールドロンが軍団兵の肩を守る。黒きヒレ軍団の兵士の鎧の他の部分と同様、肩防具も深い緑でエナメル加工が施されるか、染色されている。より重装の者は、苔や葉に擬態するためボロ布の覆いを備えている。

手袋

丸みを帯び、他の戦士がしばしば身に着けるような突き出た棘や突起のない黒きヒレ軍団の篭手は、枝や蔓に引っかからないよう滑らかだ。

黒きヒレ軍団の盾は、軽い鋼を使って特別な三角盾の形にされている。葉のようなデザインにカットされたオイルレザーの覆いは、装備者が深い群葉の中で身を隠し続けるために役立ち、ブラック・マーシュとブラックウッドの湿った環境による、絶えず存在する錆の脅威から鋼を守る。

草が生い茂り、頻繁に豪雨が発生するブラック・マーシュでは、かなりの近距離で小競り合いが起きることが多い。射手、歩兵、魔術師を問わず、全ての黒きヒレ軍団の兵士は白兵戦に備えなければならない。そのため黒きヒレ軍団の杖は、魔法使いが混戦に巻き込まれた時のために、打撃用の鉛でできた先端と、しっかりした真鍮の柄を備えている。

戦棍

より好戦的なアルゴニアンの部族はブラック・マーシュの硬材で作ったツォジェイという棍棒を好むが、こういった素朴な武器は鎧やプレートに対して効力が低い。黒きヒレ軍団は、しっかりとした真鍮の柄がついた双頭の鉛のハンマーを採用した。錆びにくく柔らかいが重量のある金属は、強烈な打撃をもたらす。

短剣

叩き切るか切り刻むというより、鎧の継ぎ目に突き刺すためデザインされた黒きヒレ軍団の短剣は、強い先端と細い柄を備えている。絶えず存在する錆の脅威に耐えるため、通常はカエルの脂肪から作られた油を十分に塗り続ける。

ブラック・マーシュでは、斧は武器であり道具である。黒きヒレ軍団の兵士は、いつ茂みを切り開いて進み、木を切り倒していかだを作ることになるか分からない。そのため、私たちの斧は刃の反対側がハンマーのように平らになっている、片刃の武器だ。柄は真鍮か青銅でできている。これは鋼ほど強くないが、錆に耐える。

太古リーチ スタイル

クラフトモチーフ94
Ancestral Reach Style

帝国軍副隊長アブリアナ・ネストロ 著

リーチの民の戦士は、戦闘時の凶暴性と原始的な武器と防具で広く知られている。鉄を精錬するリーチの民はほとんどおらず、鋼など言うまでもない。リーチの民の金属細工は最上級でも粗末なものだ。リーチの民は武器の製造に金属ではなく、自然がもたらす素材に依存している。木、石、皮、骨といったものだ。少し前に女帝ヘストラが行った、リーチへの帝国支配を確立させるための軍事作戦中、我々はリーチの民の皮の盾や鉄鋲をつけた樺が激しい矢を止め、ドルアダッチの熊の肩甲骨で作った斧が、軽鎧のつなぎ目を断ち切ることを知った。原始的なのは確かだが、実用性は高い。

ブーツ

急勾配の地形と厳しい天候のリーチでは、最も頑丈な足装備以外、全てすぐに壊れてしまう。リーチの民はブーツに対してとても気を使う。大抵は羊毛が裏打ちされたヘラジカの皮で作られ、頑丈な生皮の紐で固定される。中には雪や氷、または急な丘の斜面で滑らないように、鋲のついた靴底のものもある。

ベルト

リーチの民にタムリエルの文明化された人々の職人技に匹敵する工芸技術があるとすれば、それは革細工だ。リーチの戦士の衣類は純粋に機能重視だが、しっかりとした革ベルトは何年ももたせることを意図している。大抵は身に着けた者が高く評価している動物の、図案化された姿が型押しされている。熊、ヘラジカ、狼、ワタリガラスの姿が最も一般的だ。

リーチの民の兜の大部分は、内側に羊毛の緩衝材をつけた重い皮で作られている。さらなる防護が必要な時は、熊やダイアウルフなどの大きく恐ろしい動物の頭蓋骨をくり抜いたものが好まれる。頭蓋骨と雄鹿は一般的な文様だ。頭蓋骨の図案は威嚇を意図したものだが、雄鹿は狩猟の王であり、リーチの民の神の長であるハーシーンを称えるためのものである。

脚当て

脚当てを身に着けるリーチの戦士はめったにいない。長い間険しい地形を歩き回れば、すぐに足元を軽くすることが重要だと分かる。大人数での戦闘が予想されるときは、彫りを入れたアイアンウッドか硬化させた革をすねの周りに括り付ける。脚当ては、大抵作りのよいベルトに見られるのと同じような獣の像で装飾されている。

リーチの民の弓は何よりもまず狩猟の道具だ。大抵は接着させた木、角、骨で軽く造られたものだが、その大きさと重さに比較すると驚くほど強力だ。矢尻は通常欠けさせた石か削った骨だ。軽い矢は遠距離から撃ってもあまり飛ばないが、至近距離では重装鎧を貫くこともできる。

胸当て

リーチの民の鎧は皮と革だ。軽い防護のためなら強化した革が一層あれば十分だが、より重装の鎧は多層のボイルドレザーと硬化させた厚い皮で構成される。

リーチの民は剣という名に値するものを作る金属加工の技術に欠けている。その代わりに彼らは刃を購入し、倒した他の土地の戦士から戦利品を奪う。これら外国製の剣はその後リーチ製の柄、握り、柄頭で仕上げるか改修する。

肩防具

大抵の場合、リーチの民の衣類と防具はこの上なく実用的で、装飾や細かい仕上げなどはほとんどない。だが、肩の部分はリーチの民が身に着けるものを飾り立てる場所だ。あばら骨、希少な毛皮、小動物の頭蓋骨、恐ろしい形相を彫刻した木製の肩当てなどが典型的で、他には類を見ない。

手袋

リーチの民は完全な手袋より、指を出した手を包み込むことを好む。手袋を縫うのはとにかく単調で時間がかかるが、皮や羊毛のミトンは寒い時に着けるのが容易だ。よく硬化させたしなやかな革は手の衣類として好まれるが、拳全体に骨を彫って作った鋲やトゲを付け加える戦士もいる。いつ人の顔に拳を叩きこむ必要があるか分からないからだ。

リーチには頑丈な引き板を作るために必要な高さまで育つ木がほとんどないため、リーチの民の盾は多層の硬化させた皮でできている。好まれるのはブリストルバックの皮だが、入手しやすいのはヘラジカの皮で、接着して十分な層にすると同程度に丈夫となる。最高の盾は危険な強打のために骨の突起が磨かれる。威嚇の効果もある。

リーチで、杖は魔女の武器と考えられている。ほとんどの杖はアッシュ、サンザシ、アイアンウッドで作られ、様々なお守りや呪物で飾られている。素朴な外観にもかかわらず、リーチの民の杖はとても破壊的な魔法を生み出し、召喚を行うことができる。リーチの魔女の魔法に関して、遅れている面は全くない。

戦棍

彼らの身近にある素材を考慮すると、リーチの民にとって各種の棍棒は最も製造が容易な武器の部類に入る。リーチの一般的な戦棍は、重いアイアンウッドと砥がれた石片が革ひもでまとめられている。

短剣

リーチの民は石の小さな短剣を作ることが多い。石の短剣は適切な石を砕き、欠けさせて作る。石が脆ければ、剃刀のようにするどい刃が現れる。リーチの民はほぼ全員がこの種の皮剥ぎ石を持っている。しかし、戦闘用の刃は他の地との交易で入手されることが多く、それに頑丈なリーチの革細工の柄が付く。

リーチの金属細工は原始的だが、砥いだ鉄で重い斧頭を作ることは難しくない。ギザギザでバランスの悪い刃は厚く皮を巻かれた頑丈な柄に付けられ、原始的だが効果的な武器となる。

アークスザンドの武器庫 スタイル

クラフトモチーフ96
Arkthzand Armory Style

グウィリム大学、マシン・パラルド 著

ドワーフが武器や鎧を作り出す際に用いた、合金や技術に対抗できる民族はまだいない。悲しいかな、ドワーフによる金属加工の秘密の多くは遠い昔にタムリエルから消え去ってしまった。同様に、いくつかのアークスザンドのアーティファクトにも魔法のクリスタル、恐らく様々な神話的な歴史で触れられているエセリウムが使われているが、その目的と力を理解する他の民もいない。だが、恐れを知らぬ冒険者がリーチの地下に眠るドワーフの遺跡の奥底から回収した品を注意深く研究することで、我々は伝説のアークスザンドで好まれた形式に関する貴重な見識を引き出すことができる。

ブーツ

これはアークスザンドのドワーフが機動性よりも保護を重視した証拠であると思われる。この装甲したブーツは脚の下部の周囲を完全に囲み、同様に足の上面も覆っている。簡素な幾何学模様をつけて鍛造した角度のある膝当てが、膝を守っている。

ベルト

アークスザンドのスタイルでは、ベルトは胴体の下部と腰の大部分を防護する。バックルのプレートは極めて大きく、さらなる保護をもたらす連結されたフランジを支えている。

ほとんどのドワーフの兜が顔を覆うが、アークスザンドの武器庫の装備も例外ではない。この兜のバイザーは険しい表情の戦士の顔をかたどっている。幾何学的なシンボルが彫刻された、目を引く頂飾が頭頂部に乗っている。

脚当て

しっかりと連結された、優れたドワーフの合金プレートが着用者の脚の上部を守る。臀部のプレートには、一般的なアークスザンドの文様であるエセリウムクリスタルのオーブの形をした、図式化された目がついている。下には幾何学的な光線が彫り込まれている。

これらの武器を弓と呼ぶべきかどうかは難しい。弓の形をした機械と言ったほうが適切だろう。アークスザンドの職人は弓のリムを硬く柔軟性のない金属で作るが、隠されているとても強いバネが、金属の矢尻がついた矢を猛烈な力で飛ばすために必要な力をもたらす。

胸当て

巧みに繋げられたドワーフの合金製の胸当てであるアークスザンドの胸防具は、ほぼ貫通不可能だ。胸プレートの受け口には発光するアルケインクリスタル、ブラックリーチの領域で採掘された伝説のエセリウムのオーブが入っている。エセリウムクリスタルは何らかの形で防具に力を与えていたと考えられるが、その秘密は時間の流れと共に失われてしまった。

ドワーフの剣は、完全に鋼鉄と同程度の硬さと耐久性を持ち、また鋼鉄以上に腐食にも強い不思議な真鍮色の合金で作られている。刀身は重く、切るよりも突き刺すことに適しているように思われる。同様に、握りは武器全体の長さに比較して極めて長く、必要な時には幅の広い両手で握ることも可能になっている。

肩防具

先端を切り取った半円錐形の合金鎧であるアークスザンドの肩防具は、プレートの上を跳ねて兜に入り込む可能性がある攻撃を全て遮る、内側部分の高く広がった縁が際立っている。埋め込まれたアルケインクリスタルのオーブが、わずかに蓄積されたドワーフの魔法によって柔らかな光を放っているが、実際の機能は時の流れと共に失われてしまっている。

手袋

他の部分のドワーフの防具と比較すると、手袋は驚くほど軽い作りになっている。指は関節を覆う小さなリベット以外に保護するものがない。これは着用者の精密な機械を扱う技術を損なわないようにするためである可能性が高い。それぞれの腕甲の小さい受け口には、エセリウムクリスタルのオーブが入っている。

先のとがった、切込みのある楕円形に作られた大きな三角盾であるアークスザンドの盾は、ほぼ破壊不可能な1枚の合金でできている。装飾的な工具使いによる仕事が、高度に図案化された幾何学的な光線を発している目を描写している。

仮にドワーフが木材を使って仕事をしていたとしても、その記録は残っていない。彼らの杖は軽く強い金属の合金でできている。頭部は小さい機械のような形に作られているが、これらの機器がどのようにドワーフの杖の効果に貢献していたのかは知られていない。

戦棍

アークスザンドのドワーフは、斧と同様に、その印象的な頭部と同じ強さと耐久性を持つ金属の柄がついた戦棍を作った。実際、アークスザンドの戦棍はひと目見ただけでは斧と見分けるのが困難だろう。この武器の大きく重いフランジは、斧の刃と極めてよく似ている。だが、戦棍は切れ味が鈍く、ドワーフの斧に見られる2つの刃の代わりに4つのフランジがついている。

短剣

一般的にドワーフは刃物よりも斧や戦棍を好むようだが、短剣や剣を作る際には素晴らしい技術を発揮する。刀身自体は、外見上真鍮に似ているが鋼鉄よりも硬く耐久性がある合金でできている。それが何から作られているのかは、現在まで知られていない。

ドワーフの斧は両刃で、丈夫な金属の柄と共に作られている。他の民が作った同様の武器よりも圧倒的に重いが、うまくバランスが取れていて、また極めて頑丈だ。アークスザンドの斧の威力に耐えられるのは最も重いプレートアーマーだけだ。

グレイムーア スタイル

クラフトモチーフ85
Greymoor Style

ソリチュード衛兵、ヴィッドグリル隊長 著

グレイホストについて紹介する必要はないだろう。蘇った古代の軍隊で、躊躇なく命を奪いこの地を蹂躙している。敵を知っておくことは重要なことだ。この恐怖と刃を交えた者は多いが、その武器と防具に関してはひどく誤解されている。そこで私は、グレイホストの武具に関して知る限りのことを詳述することにした。読者がより備えられれば幸いだ。

ブーツ

グレイホストの衣装のデザインは格調高く繊細で、その意図を誤解されかねない。ブーツも同様だ。薄い黄金のプレートが、強化された靴底までを覆っている。短剣のように尖った爪先は、短剣と同等のダメージを与えられるだろう。

ベルト

グレイホストのベルトは黄金のコウモリが際立つ。デザインは様々だが、翼を広げた姿は共通している。機能より装飾を重視しているようだ。グレイホストが固執している華美な様式を強調しているのかもしれない。

グレイホストの兜は、暗いオニキス色のプレートで補われている。頭頂部にはドラゴンのような鋭い角が飾られている。バイザーの上には翼のように広がる黄金がアクセントを加えている。面頬を開けたままにしている者も、覆いの中から野獣のような眼光がのぞいている者もいる。この兜を見ると…鋭さを感じる。

脚当て

グレイホストは黒い革のグリーヴを好む。プレートと同じような扱いだが、夜にはほとんど見えない。隠密性を重視しているのは間違いない。もっとも大抵は、腰回りや膝の周囲に黄金の金属を加えて防御を強化している。

グレイホストは羨ましいほど素晴らしい弓を作る。メッキを施され、アーチを描いた翼が矢筒と弓を飾っている。その二つの組み合わせは単純な戦闘を、戦場で目を奪わずにおかない闇の美しさと恐ろしさを備えた何かへ変貌させる。

胸当て

グレイホストの胸には黄金の紋章がある。胸全体に広がるデザインも、中央の小さな部位に意匠を凝らしたものもある。鎧の深く暗い黒に対して黄金の輝きが映え、見る者に畏敬を覚えさせる。

グレイホストの短剣と同じく、剣も細く精妙になっている。その外見はほとんど針を思わせるが、だから危険でないわけではない。その金属は頑強で、肉も筋も貫き通せる。そしてあまりに刃が薄いので、その攻撃が見えにくい。

肩防具

グレイホスト軍の肩は、吸血鬼の牙のように鋭い黄金のポールドロンで守られている。兵士の実際の肩幅をはるかに越えて伸び、より厳つく屈強に見せている。肩当てのへりは、剣と同じように鋭く見える。

手袋

黒い革のため、グレイホストの手は夜間にほぼ見えない。とどめの一撃を受ける前には、月明かりで黄金の閃光を目にするかもしれないが。

グレイホストの盾を飾るのは、重くねじくれた金属だ。精緻な装飾が恐怖を誘う。そのためにこの盾は、彼らのシンボルとなったのだろう。金属の中に恐ろしい顔を見たという者もいる。持ち主がかざすたび、盾がおぞましい笑みを浮かべるように見えたという。

グレイホストの杖は戦棍に酷似していて、違いはサイズが小さい点だけだ。杖の先端は恐ろしい鉤爪を思わせる。吸血鬼の王を模したのかもしれない。いずれにせよ、恐ろしい姿をしている。

戦棍

個人的には、グレイホストの戦棍が三叉鉾と似ているように思える。複数の穂先が打撃力を補っている。穂先は均等に先端で揃えられ、鉤刃は肉へ食い込み引き裂く。

短剣

無知な者が一見すれば、グレイホストの短剣は脆そうに思える。だが多くが証言するように、この細身の刃は刺突向きだが、どんな短剣にも劣らず危険だ。設計の精密性が、この短剣を特に危険な武器へと仕上げている。

グレイホストの斧は実に恐ろしい。黄金の大きな二枚刃が恐るべき破壊のアーチを繰り出す。彼らの他の武器と同様、この斧は優雅なために真の危険性を認識できないかもしれない。美しさに騙されてはならない。

パイアウォッチ スタイル

クラフトモチーフ83
Pyre Watch Style

パイアウォッチ名誉歴史書記、タゼク・アトラジド 著

死は終わりでなければならない。パイアウォッチが戦士に求めるのは、この要求を堅持することである。後から来た者たちは我々が灰と骨の山を扱うのを目にして、その任務を見下すかもしれない。「この塵に何の危険があるのか」と問うだろう。だが、血の幽鬼と獣人の群れがバンコライの門を行進する姿を目にした我々は忘れない。この不浄の墓には怪物が眠っていることを。生者を守るための力を与えてくれる、我らの武器と鎧のことをよく知るとよい。なぜなら、グレイホストを目覚めさせてはならないからだ。死は終わりでなければならない。

ブーツ

パイアウォッチは誰も不浄の墓に入らず、誰も出てこないよう見張っている。我々が戦士に要求するのは、敵の遺骸に対するあらゆる干渉に目を配ることである。足の痛みに気を取られていると、重要な瞬間を逃す恐れがある。だから我々はブーツに柔軟な革を使い、快適さを保つ。

ベルト

グレイホストは遠距離で戦わない。グレイホストの軍団は爪を使い、至近距離で戦う。アンデッドの長い爪に捉えられれば、どんな戦士も長くはもたない。一番いいベルトを締めるべきだ。布がなびいていると敵に隙をさらす。パイアウォッチの印章を留め金に付け、出会う相手に汝の犠牲を知らしめよ。

パイアウォッチより高い目的のために過去を捨てている。以前の生活は終わりにして、目的から気を逸らすようなものは一切を取り除かなければならない。顔を覆うことで素性を取り除き、大義への完全な献身を示す。

脚当て

今でさえ、悪党が埋葬された敵を蘇らせようとしているのを感じる。柔軟な馬の革で作られ、最低限の金属板を加えたパンツやスカートにより、我々は脅威の徴候を見ればすぐさま行動に移れる。脅威を始末するために走り、回転し、跳躍する必要があっても、この足装備は邪魔にならない。

グレイホストがバンコライに来た時、私は凍りついて邪悪な幽鬼の群れが押し寄せるのを眺めていた。射手が素早く反応していなかったら、私は確実に死んでいただろう。矢の波状攻撃が敵を打ち倒したことで、私も勇気を取り戻した。我らが弓の優れた速度と威力は、仲間の生死を分ける。

胸当て

金属の重鎧は刃や矢から身を守ってくれるが、装着者の動きを鈍らせる。敵が超自然的なまでに素早いアンデッドである以上、速度はより重要である。我々は体にぴったり合う柔軟な革で胸防具を作り、反応速度を高く維持している。吸血鬼や狼に接近された時、金属鎧は爪を防いでくれない。

我らが民の偉大な剣士の物語は、蔵書庫を埋め尽くせるほどにある。我らが作る剣は全て、その伝承に恥じぬものでなければならない。刃に刻まれた細密な意匠と完璧なバランスは、幾世代にもわたる優れた金属加工師の技の結晶である。

肩防具

肩はしっかりと守るべきだ。爪による浅い切り傷でさえ、腕が使えなくなる危険がある。分厚いがよく曲がる革は、自由な動きを可能にする。さらに金属プレートの層は、牙に立ち向かう者を保護する。

手袋

パイアウォッチは闇に対抗する武器である。剣が使用者の意思に応えねばならないように、我々の体もトゥワッカの命令へ機敏に応答しなければならない。我らの手袋はこの上なく柔軟で物をつかみやすいため、戦闘時に武器を失って、欺きの神の名誉を汚すようなことはない。

グレイホストは闇に仕えている。そして奴らの灰もまた闇に留まるべきである。パイアウォッチは暗闇の中で見張るが、我らは光に仕えている。よく磨いた銀と金で作られた盾は、墓地で出会う者に汝が仕える相手を知らせる。

グレイホストは戦場をとても素早く移動する。離れて位置する魔術師も、しばしば接近戦を強いられる。パイアウォッチの杖は上質のモウルノス材で作られているが、威力を高めるため金属プレートで強化されている。幽鬼の顔に叩きつけても、先が割れることはない。

戦棍

敵を倒すために何度も武器を振るう必要があるとすれば、それは死を招くようなものだ。この武器の重量を正しく生かせば、標的は二度と動くまい。頭蓋骨を砕けば、吸血鬼であっても脅威とはならない。

短剣

強力で素早く、あらゆる点で完璧にバランスが取れている。これがパイアウォッチの短剣の特徴である。緩やかに湾曲した刃は、全てのバンコライの意匠が持つ洗練された優雅さを反映している。我々は短剣を隠しつつ、常に使えるよう備えている。我々自身と同様に。

我らは一般的に剣を用いるが、破壊力のある斧は装着者に特別な利点を授ける。重い刃は広範囲を薙ぎ払う際に斧を支える。敵に囲まれた場合に一撃で複数の敵を倒せる力は、死と次の戦いに赴く生を分ける。
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