リーパーズ・マーチの伝承

Reaper’s March Lore

エルフの瞳、エルフの密偵Elven Eyes, Elven Spies

ズウィンソデュール・ラウン・ダー 著

我々の中に密偵がいる。エルスウェア中の全ての道、全ての村、全てのキャンプファイアにまぎれこみ、私たちを監視している。

「それはそうだろう!」と思っただろう。「アルコシュ、マーラ、アズラーの名にかけて、我らが長老たちや母たちがいつも見守ってくれているだろう!」と。

そしてそれは正しい。彼らは見ている。

だが、それ以外にもいる。

我々を「不忠」と疑い、不誠実だの反逆者だのと報告すべく、一挙一動を見ている者がいる。

報告?誰にだ?たてがみの役人にか?

いや、違う。相手は猫ですらない。

これら諜報員はエルフにのみ報告する。

正直、名前は聞いたことがあるだろう。誰かがささやいても、絶対に復唱してはならないその名を。

奴らは…女王の瞳だ。

大きく恐ろしいアイレン女王にのみ世話になる奴らだ。

彼女の目は全てを見ると言われている。しかしエルフはどこにでも行けるわけではないのに、どうやって?カジートよ、エルフの金はどこにでも行けるし、実際に行っている。

シッ。本当はわかってるんだろ。

見られているのをわかってるから、尻尾の踊りは少し垂れ下がり、耳からは少し誇りが削がれ、頻繁に背後を確認するようになる。

だって、誰が買収されてて誰がされてないかなんて、分からないだろう?誰が君についての報告書を出しているかも分からないし、どんな報告をしてるかも分からないだろう?

この間の央耀、君の隣人はどこに行ったんだろう?瞳から新しい指示をもらいに行ったのか?もしくはアリノールに連れ去られ、水晶の塔の下の地下牢に入れられているかも?

カジートよ、気をつけろ。髭の神経をとがらせて警戒するんだ。

この者は監視されている。もうこれ以上この者からは警告できないかもしれない。

ゾレイム師範の話、パート1Master Zoaraym’s Tale, Part 1

ギ・ナンス 著

トルヴァルにある「双子月の舞踏の聖堂」は何百年ものあいだ、足と拳が資本の戦士にとって、タムリエルの中でも屈指の試練場でありつづけてきた。師範たちはタムリエル各地からやってくる生徒を年齢に関係なく受け入れ、いにしえの技術から近代的な応用技まで幅広く教えている。過去に卒業した多くの門弟たちが成功を収めた。私もそこで学んだひとりだ。子供のころ、最初の師範であるゾレイムに訊いたことを覚えている。聖堂の教えをもっとも深く理解したのはどの卒業生でしょうか、と。

「あの男に会ったとき、私はまだ師範ではなく一介の生徒だった」と、ゾレイムは言った。懐かしむように笑みを浮かべて。師範のしわだらけの大きな顔が、しなびたバスラムの木の実のように見えた。「ずいぶんと昔の話だ。お前の両親が生まれるよりも前のことだ。何年も聖堂で修練を積んでいた私は、双子月の舞踏の聖堂の誇る博覧強記の師範が教鞭をとる、非常に難度が高く、求められるものも大きい授業を受けるほどまでになっていた」

「ギ・ナンス、お前にもやがてわかる時がこよう。逞しい体は逞しい心と共に鍛えられることを。この神殿には、リドル・サールの流儀に従って我らが何年もかけて築いてきた、基幹となるべき訓練の手法がある。私は極めて大いなる力と技を手にした。たとえ魔術や超自然的な力を使おうとも、素手による戦いでこの私に勝てるものはほとんどいないだろう」

「その当時、聖堂には召使がいた。私や仲間よりもいくらか年上のダンマーだ。が、彼のことなどまったく眼中になかった。もうかれこれ数年間、こっそりと訓練場に入ってきて、数分で掃除をすませ、黙ったまま出ていくのが彼の日課になっていたからだ。もっとも、彼が何かしゃべっていたとしても、我らは上の空だったろうが。訓練と授業に入り込んでいたからな」

「最後の師範が、私を含めた数名の生徒に向かって、聖堂を後にするか師範となるときが来たようだと告げると、盛大な祝祭が催された。「たてがみ」もわざわざ足を運んで祝祭をご覧になられた。昔も今もここは哲学と戦闘の聖堂であるため、聖堂のアリーナでは、数名の選ばれた者だけでなく全生徒が参加して、討論会や競技会が行われた」

「祝祭の初日、初戦の相手は誰なのだろうかと登録名簿をながめていると、背後の会話が耳に入ってきた。召使が聖堂の大司祭と話していたのだ。ダンマーの声を聞いたのはそのときが初めてだった。そして初めて彼の名を知った」

「モロウウィンドで戦っている故郷の仲間に合流したいという気持ちはよくわかるとも、タレン」と、大司祭は言った。「残念至極ではあるがな。お前はもう、この聖堂になくてはならない存在であったから。みんなさみしがるだろうが。私にできそうなことがあったら、なんなりと申しつけるがいい」

「なんと嬉しいお心遣いでしょう」と、ダンマーは答えた。「ひとつだけ頼みがございますが、おいそれと認められることではないかもしれません。この聖堂にやってきてからずっと、修練にはげむ生徒たちの姿を目にしているうちに、自分でも職務の合間を縫って練習を続けてきたのです。私はしがない召使でしかございませんが、アリーナで戦うことをお許しいただけるのなら、まことに名誉でありましょう」

「あまりにおかどちがいなエルフの放言に、私はあえぎかけた。修練を積んだわれわれと対等に戦わせてほしいなどと、よくもぬけぬけと言えたものだ。驚いたことに、大司祭はふたつ返事で請け合うと、初心者階級の登録名簿にタレン・オマサンの名を書き加えたのだ。私は選ばれた同輩たちにこの話を耳打ちしたくてうずうずしていたが、あと数分で自分の初戦が始まるところだった」

ゾレイム師範の話、パート2Master Zoaraym’s Tale, Part 2

ギ・ナンス 著

「あまりにおかどちがいなエルフの放言に、私はあえぎかけた。修練を積んだわれわれと対等に戦わせてほしいなどと、よくもぬけぬけと言えたものだ。驚いたことに、大司祭はふたつ返事で請け合うと、初心者階級の登録名簿にタレン・オマサンの名を書き加えたのだ。私は選ばれた同輩たちにこの話を耳打ちしたくてうずうずしていたが、あと数分で自分の初戦が始まるところだった」

「私は十八戦連続で戦い、全勝した。アリーナに集った観衆は私の才能のことを知っていて、対戦が終わるたびに控えめな、驚きの少ない拍手を浴びせてきた。どんなに戦いに集中しようとしても、アリーナの他の出場者に注目が集まっていくのが気になってしかたがなかった。観客はひそひそ話に勤しみ、無傷の連勝記録よりもはるかに刺激的で、先の読めない対戦を求めて何人もが席を立ちはじめていた」

「双子月の舞踏の聖堂で教えるもっとも大切な授業のひとつが、虚栄心を捨てることだろう。私はそのとき、心身を合致させて無意味な外部の影響をはねつけることの大切さを理解してはいたが、心では受け入れていなかったのだな。自分が強いことはわかっていながら、自尊心が傷ついたのだ」

「とうとうチャンピオン決定戦となった。私は勝ち残ったふたりのうちのひとりだった。対戦相手の戦士を目にしたとき、傷だらけの威厳に満ちていた私の心は不信感に染まった。私の敵は召使のタレンだったのだ」

「これは冗談にちがいない、哲学的な最終試験にちがいないと、私は自分に言い聞かせた。それから観衆を見やると、世紀の一戦が始まるという期待感で誰もが目を輝かせていた。タレンと敬意を取り交わした。私はぎくしゃくと、彼はいかにも慎み深く。戦いが幕を開けた」

「最初はさっさと終わらせる気でいた。タレンなどアリーナを掃除するほどの価値もないのに、そこで戦うなどもってのほかだと思っていた。まったくとんちんかんな考えだったよ。タレンも私と同じように、何人もの生徒を倒して決勝の舞台まで勝ち上がってきたとわかっていたはずなのに。タレンは私の攻撃に対してよくあるカウンターで応じ、殴られたら殴り返した。幅広いスタイルを持っていて、洗練された難しい足技を使ったかと思えば、次の瞬間には単純なジャブやキックを放ってきた。私は執拗に攻撃を繰り出してタレンを圧倒しようとしたが、私の才能を恐れるような、あるいは見下すような色がその顔に浮かぶことはなかった」

「長い戦いになった。いつ敗北を覚悟したのかは覚えていないが、試合が終わっても結果をすんなりと受け入れた。普段は感じないようなうそ偽りのない謙虚さでもって、私は彼に一礼した。が、万雷の拍手に送られながらアリーナをあとにするとき、私は訊かずにはいられなかった。いったいどうやって師範級の腕前をこっそりと磨いていったのかと」

「私の立場ではそうするしかなかったのです」と、タレンは言った。「毎日毎日、私は優秀な生徒の訓練場を掃除し、それが終わると初級の生徒の訓練場を掃除してきました。そのせいか、初歩的な失敗や教訓、技術を忘れるという不運に見舞われることなく、師範のあるべき道を観察し、学んでいくことができたのです」

「翌朝、タレンはトルヴァルを後にして故郷へ帰っていった。それ以来、彼とは会っていない。人づてに司祭や師範になったという話を耳にはしたが。私も師範になって、双子月の舞踏の聖堂で訓練を始めたばかりの子供達や、才能ある者達の面倒を見ている。そして傑出した生徒がいれば、ゆめゆめ初心を忘れることのないよう、未熟な戦いを見物しに連れていくことにしているのだ」

闇の子供Litter-Mates of Darkness

月の司祭フナル 著

新月:
ドロ・マスラの闇の遊戯について。

満ちる月:
真の猫が死ぬとその魂はケナーシによって持ち上げられ、星の裏の砂場へと飛ばされ、次の襲撃まで遊びと捕食を行う。

曲がった猫が死ぬとその魂はナミイラによって世界の影の闇へと引きずり込まれ、尻尾がまっすぐになるまでローカジュの心臓に仕える。

満月:
これらは闇の踊り子となり、音楽ではなく心臓の鼓動に合わせて舞う。時にニルニの亀裂をすり抜けて月明かりの世界に現れ、月のない夜そのもののような風貌で我々に混ざって練り歩く。そして我々はそれをドロ・マスラと呼び、恐怖の名となっている。

真の猫がドロ・マスラのベントの踊りを見ると、闇に引っ張られる感覚に陥り、尻尾が一定の間隔でけいれんを起こし始める。けいれんするたびに月明かりから引き離され、影が長くなり曲がっていく。そして闇の潮が光の潮を上回ると、真の猫は消え、曲がった猫となる。

真の危険はその先にあり、ドロ・マスラは曲がった猫の魂を引き抜き、亀裂を通して闇に送り込める。心臓の鼓動を聞くと、その魂もベントの踊りを始める。

その踊りはなかなか止まらない。ある夜、ローンの村人たち全員がベントの踊りをしているところを発見されたことがある。今はもう誰もそこを訪れない。

欠ける月:
ドロ・マスラを追い払うには二つの方法がある:ジョーンの法とジョーデの法である。

戦士はジョーンの技を用い、爪を使って闇が消えるまで打ち続ける。この方法は心と爪の強い者は誰でも用いることができるため、優れている。

司祭はジョーデの法を用い、まばゆい月明かりで月なき闇を照らす。この方法を用いると、追い払われた曲がった霊魂は復活できないため、より優れていると言える。

月の猫とその踊りThe Moon Cats and their Dance

クランマザー・アニッシについて

髪のない学者が自分の砂漠から我らの砂漠を訪ね、「カジートの真実が知りたい」と言った。

するとクランマザーは「一つだけ?あまり好奇心がないわね、髪のない学者よ」と言った。

髪のない学者は、鼻の上に乗った小さな窓の向こうからクランマザーをじっと見てこう言った。「君たちのさまざまな種について知りたい。生まれた時の月の満ち欠けによって身体的な形態が決まるというのは本当か?」

するとクランマザーはこう言った。「髪のない学者よ、その通りだわ。私はジョーデが満ちつつありジョーンが新月だった時に生まれたので、オムヘス・ラート。ここにいる私の娘はジョーデが満ちつつありジョーンが満月の時に生まれたので、センチ・ラート。そのため全く似ていない」

学者は母子をじっと見たあと、「私には全く同じに見える」と言った。

するとクランマザーは「瞳の丸い者は視力が低いと聞いたことがある。悲しきことね」と言った。

髪のない学者は顎を触りながら言った。「君たちのいわゆる月のラティスについて知りたい。月の満ち欠けによって生活のすべてが規定されるというのは本当か?」

するとクランマザーはこう言った。「髪のない学者よ、その通りだわ。今日はジョーデもジョーンも新月のサセイなので、シチューを冬の光に混ぜることはしない」

髪のない学者はまばたきをして言った。「ウィザーシンズ、つまり逆回りのことか?しかしあなたは、今まさにそのようにスープをかき混ぜているが」

するとクランマザーはこう言った。「それは上から見た場合に限る。もしやあなたの目は一つの方向からしか物が見えないの?悲しきことだ」

髪のない学者は鼻の上の窓を調整して言った。「まあいい。わかった。双子月の舞踏について教えてくれ。君たちカジートは、真夜中に月明かりで踊るというのは本当か?」

するとクランマザーは言った。「それは違う。我々はいつでも双子月の舞踏を踊っている。それが我らの喜びよ」

髪のない学者は言った。「今は踊ってないじゃないか。火のそばで座っている。踊る時は私も参加したいから言ってくれ」

するとクランマザーはこう言った。「私と娘は今この瞬間も月に向かって踊っているが、あなたには尻尾がないので参加できない。悲しきことだ」

髪のない学者は拳を噛んで言った。「まあいいだろう。君たちは月に対して興味深い信仰を持っているそうじゃないか。教えてくれ」

するとクランマザーはこう言った。「いいでしょう。ローカジュがニルニの子らに居場所を作ったとき、心の闇によってそこは牢獄となった。彼の心は切りとられた後ニルニの奥深くに埋められ、体は月の方へ飛ばされたが、第1の秘密を知らなかったため通過できなかった。こうして彼の体は月のラティスの死んだ月となった。すぐそこにある。見える?」

髪のない学者は空をじっと見て言った。「月など全く見えない…マッサーもセクンダも新月だ。どういうことだ?」

するとクランマザーは「髪のない学者よ、この者はあなたの目のことを忘れていた」と言った。ため息をつき、尻尾を踊らせ、肩をすくめてこう言った。「悲しきことだ」

分け前を得よ!Yours for the Taking!

ラヴィニア・アキシウス将軍副官 カトニウス・リボ 著

自由なるコロヴィアの民たちよ!これよりあなた方を故郷、ひいては家族や後継者、そして自分自身のため務めるべく招集したい。

臨時ニュース

スキングラード伯爵の宣告及びシロディール帝国元老院の承認により、以前はヴァレンウッドのアレンシア・ヴァレとして知られていたストリッド川南に位置する地域は、このたびコロヴィアの地、サウスウィールドへと名を変えた。ウェストウィールドの帝国軍はラヴィニア・アキシウス将軍の指揮のもと、サウスウィールドの併合と国境警備という光栄な任務を与えられた。

ウェストウィールド帝国軍でチャンスを

さらに言えばサウスウィールドでの停戦により、占領中の帝国軍は引き上げ、兵士には農場、将校には地所といった土地が与えられる。かの地でのこれまでの土地の領有権は、元老院の命により全て無効となった。今なお居座る無断居住者は国外追放されるか、新しい領主のため契約労働をすることとなる。

栄光、冒険、そして賞金

サウスウィールドでの軍役でコロヴィアから称賛を得よ!以前の抗争の後、重要な捕虜の家族からの身代金により、小貴族の仲間入りを果たしたコロヴィアの民がたくさんいたことも考慮してもらいたい。これはこの時代で最も大きな躍進のチャンスかもしれない。心配性や臆病、ささいな問題が原因で逃すことのないように。

歩兵隊のブリーフィング:アレンシアCohort Briefing: Arenthia

イウニウス・オセラ百人隊長 著

我が隊は2週間以内にアレンシアの占拠にかかる。確実に作戦を成功させるため、全兵士が対象の街や市民について知識を身に着けておく必要がある。準備なしに侵入すれば、何が起こったのか分からないまま、金品を好き放題に強奪されるかウッドエルフの矢に体中を貫かれるだろう。何年かの間、アレンシアからスキングラードへ移動中の隊商を護衛していた経験のある私なら、個人への危害や不必要な住民への挑発を防ぐための情報を提供できよう。

見慣れた雰囲気の建物に安心してはいけない。この街は我らの故郷とは全く違う。ストリッド川の北からコロヴィアの商人がいくらか移住しているが、南から来たウッドエルフや東のサバンナからカジートの方が多い。過去にこの街の所属する国は風のごとく変わり続けていたこともあるが、カジートの薄っぺらい小屋やエルフの間に合わせ的な木の家に比べてコロヴィアの石は長持ちするし、現に持ち応えている建物はほとんどがそうだ。

多くのウッドエルフやカジートと遭遇することになるので、彼らの文化や習慣について大まかに把握しておくと役立つだろう。ウッドエルフは植物や木が危険にさらされていると感じると理不尽なほど攻撃的になる。伐採すべき木があるのであれば、上司の許可を得て武装した分隊を編成すること。加えてウッドエルフは酒好きで、普段も悪い口が酔うとさらに悪くなる。一言助言がある。どれだけ冷やかされても、エルフと飲み比べ勝負をすることのないように。

カジートは人口の大きな割合を占めるが、永住権を持っている者は少ない(基本的にどこでも持っていないが)。この月の信者たちは集団で動き回り、甘ったるい飲料やけばけばしい織物を市場に持ってくる。よくこの手の隊商と一緒にいる娼婦に話しかけられた際は注意すること。必ずといっていいほど泥棒で、やられたと気づいたころにはデューンまで半分逃げられている。

関連事項として、使われなくなった街の神々の聖堂を拠点に、スクゥーマ泥棒のグループが活動しているかもしれないという情報が入った。これは神々への侮辱であり、我々の支配が確立され次第調査にあたる。噂が本当と分かればクズどもを掃討するが、その際聖堂で盗みを働くようなことは絶対にないように。そのうち聖堂の本来の栄光を復活させる。

諸君の仕事は、我々のアレンシアの支配体制が厳格であるよう努めることだ。戒厳令を敷き、可能な限り平和を保ちつつ、騒乱になりうる事態はどんなものであれただちに鎮圧すること。この街に「昔からの」領有権など存在しないことを忘れないように。1人でも多くの兵が立っている側の旗の下で統治される。それは我らの旗となるだろう。

毛皮のつや出し用のムーンシュガー?欲しい!Moon-Sugar for Glossy Fur? Yes!

アズラーの娘 ラスニ・ラ・ドーンウィスカー 著

猫たち、子猫たち、雄虎たち、雌虎たちよ ―中でも特にムーンシュガー好きのあなたに、この者から朗報よ!それはつまり全員よね、獅子の心の皆。だってムーンシュガーをまぶしたスイートロールほど、私たちの尻尾を唸らせるものはないもの!

あなたがラスニと同じなら、この間の薄明の月に出たアベス・ミッツィのソングペーパーで、下劣な麻薬スクゥーマと同様にムーンシュガーも体に害を及ぼすと報じられた時、確実にあなたも浮足立っていたことをこの者は知っている。彼女によると、スイーツの女王を摂取しすぎると、不安神経症、耳下垂、急激な体重増加、呼吸不安症といった症状を引き起こすという。なんとまあ!

彼女のソングペーパーによりすべての猫の台所でパニックが起こり、皆がムーンシュガー蜜やグラニュールローフの代用品を探し求めた。ムーンシュガー・ケインの価格は暴落し、ソルガムやテンサイは急に市場から姿を消した。個人的に、リバーホールド初夏祭のスイーツ担当をお願いされたとき、この者は取り乱していた。どうにもこうにも、今までの腕を発揮できなかった。本当に悔しかった!

でも私、最初に朗報があるって言ったよね?それはズバリこれよ。ケインフィールド農業協会の寛大な出資により行われた数か月にも及ぶ錬金術調査の結果、私はどうしてもアベス・ミッツィと同じ結果を得ることができなかった(アベスがどこかで計算ミスをしたとしか考えられない。年をとってきたからね、かわいそうに)。私の調査では、薄明の月のソングペーパーで主張されていた恐ろしい影響は、適度なムーンシュガーの摂取によっては一つとして認められない。

それどころか——これが一番いいところなんだけど、もうこのソングペーパーのタイトルでばれちゃったかな?——蒸留されていないムーンシュガー派生物の定期的な摂取こそが、毛皮につやを出す!そうよ、獅子の心のみなさん。大好きなスイーツが食べられて、同時に枝毛とは無縁のつややかな毛皮も手に入る!(道理で最近毛皮に光沢がなかったわけね!)

そういうことよ、子猫たち!猫じゃらしを持ってくるのはいつもラスニ・ラでしょ?もう分かってると思うけど。最後にこの者から、私のクランマザーの作っていたムーンシュガー・ビスケットの簡単なレシピでお別れするわ。召し上がれ!

—ムーンシュガー3杯
—水1杯
—パット・スエト1つ
—ふるいにかけた小麦粉
—赤小麦粉

まず乾いた材料を混ぜ合わせる。次に混ぜたものをムーンシュガーに、よく混ぜながら加える。スプーンで生地をすくい出し、熱した石の上に置くか、冷却オーブンに入れて金色がかった茶色になるまで待つ。分量は三人前(…もしかするとあなただけかも!)。

略奪者の楽園A Looter’s Paradise

銀髪の影 著

私の本当の名を知る必要はない——私自身ももうあまりよく覚えていない。叔母さんが国境の南の丘に小屋を残してくれていた。選ばれし者の聖堂からフロルの金のガードルを盗むまで、あまり深く考えたことはなかった。一気に人生が複雑になって、きちんと相続するべきだと思った。

叔母さん——あまり多くを伝える必要はない、仮にエイリアス叔母さんとしよう——彼女は帝国の国境斥候部隊で、エルスウェアとヴァレンウッド北部の間に位置するスフィンクスモス砦に駐在していた歩兵隊だった。第二帝国末期の国境斥候の仕事は、喧嘩っ早い地元民が貿易の邪魔をしないよう抑制することだった。「アレスの自由貿易は帝国の原動力だよ」と、叔母さんはよくスリリーファームズのボトルを開けながらウィンクして言っていた。

斥候隊はすべての国境抗争を止められたわけではないが、猫と小型エルフの大量殺戮を止めたり、デューンからアレンシアへと続く道への山賊の侵入を防ぐなどしていた。叔母さんはそこの気候が好きだったので、退職後は小さい土地を買って小屋を建てた。実は見た目よりも大きい。丘の奥の方まで入っているし、叔母さんのことだから念のために裏口も掘ってたはずだ。

黄昏の月のとある暗い夜、私は盗んだ馬に荒っぽく乗せられたせいで膝から血を流しながらここにたどり着いたのだが、その頃には国境斥候はとっくにおらず、ドーンミードの国境は自然な状態に戻っていた。無秩序の一歩手前である。それを後一歩でつなぎとめていたのは復讐法だった。

ヴァインダスクのウッドエルフ対ダカーンのカジートの抗争で、国境間で奇襲や深夜の暗殺が繰り返されていた。移動中の商人を集団で待ち伏せ、村に急襲を仕掛け、過去の復讐をしながらスフィンクスモス砦を交互に占拠していた。昼間は古びた小屋に隠れ、夜は影から影へと国境周辺を飛び回る私に、どちら側も気づくことはなかった。辺りは戦地だった。五百歩も歩けば必ず戦士の死体や中身の半分奪われた荷馬車、惨殺された商人に遭遇した。

略奪者にとっては楽園だった。

あの頃はよかった。良すぎて長く続かなかったのかもしれない。ダカーンの猫がデューンやシズリーニ・アリーナでの組織犯罪鎮圧にあたっていたころ、ヴァインダスクの山賊が目標地点を超えてアレンシアを急襲した。双方の市民が民兵や傭兵部隊を組織し、丘を一掃したので国境での盗賊生活は終わった。ヴァインダスクの一族は「ヴァインダスクレンジャー(はっ!)」というボズマーの非正規兵団として再編成され、ダカーンの生き残りはデューンガード・アウトウォーカーズの核となった。国境は再び落ち着き、帝国の原動力はその流れを再開した。

幸いにも、デューンへと続く道から、絶好のチャンスが貿易品を積んでやってきたのを私は見逃さなかった。次の金耀には、ブラヴィルで何人かの旧友の連絡先を調べていた。その半年後にスフィンクスモス砦を占領していたのは私率いる新生ムークウォーター・ギャングで、そこで兵舎を掘り出し、刃を研ぎ、古い罠を修復していた。

いい時代の再来だ。

鷲と猫The Eagle and the Cat

たてがみの代弁者 ガレシュ・リ卿 著

妻、夫、息子や娘。母や父、叔父や叔母。私たちは皆、これらの存在を一つ以上亡くしている。ナハテン風邪。その恐ろしい疫病はエルスウェアのすべての家族にまで達してしまった。

センシャルはブラック・キエルゴのスラム街にあるスウィート通り、スクゥーマ服用者の間で感染は始まった。長老たちは当初商品の中に毒物が入っていたものとして片付けたが、その後ダギズ・プライドやスクウィント・アイに広がり、アラバスターの港でも感染が確認された。

そして、瞬く間に各地に広がった。トルヴァル、オークレスト、デューン、コリンス、そしてそれらの間にある全ての地域。咳や嘔吐の音がケナーシの風に乗って皆の耳に入るようになった。ニルンの猫が絶滅していく過程を見ているようだった。

そんな絶望的な運命に、エルスウェアも徐々に抗い始めた。風邪がカジートからカジートへと感染する仕組みを、コリンスのクランマザー・ミザバ・コが初めて解明した。リバーホールドのアズラーの娘ラスニ・ラ・ドーンウィスカーが、最も深刻な症状を緩和するソルガム茶を精製した。私自身も、それらの新しい知識を役立てるべく、たてがみ軍の残存者を組織することで貢献した。

しかしそれでも足りなかった。群れ単位、一族単位で、カジートがそこら中で死に続けていた。月の司祭の予言も、それはそれは不吉なものだった。

すると、予想だにしない方角から助け舟が来た:サマーセットのエルフたちが、医者や治療師、必要だった物資と共に西の海から現れたのだ。

そして何より、希望を持ってきてくれた。エルスウェアが生き残るという希望を。

当初は多くの猫が怪しんだ。これまでに高慢なハイエルフがカジートを助けたことなどなかったのに、なぜ今助けるのだ、と。だが彼らのキャノンリーブはまるで風邪など恐れないかのように我々の間を通り抜け、こう説明した:アルトマーは友情ではなく政策として動いていると。今は我々が彼らの援助を必要としていて、彼らは後に我らの援助が必要となる。タムリエル南西に侵略者が向かっていて、カジートの助力なしでは撃退できないとのことだった。

共通の敵と戦うため。なるほど、我々猫にも分かりやすい理屈だ。そういうわけで、我々はハイエルフとそのずる賢い親族ウッドエルフたちの援助を受け入れ、ナハテン風邪は徐々に収まり始めた。そしてアリノールのアイレン女王がアルドメリ・ドミニオン同盟条約を提案した時、我々は爪に羽をとって署名した。

カジートの同胞たちよ、我らはここに苦難の試練を乗り越え、新たな同志を得て、今までよりもさらに強くなった。侵略者の血を流し、宝物を奪い、我らの力を試せるこの機会を歓迎しよう。

今こそ、ドミニオンの時代なのだから。

詩と歌

Poetry and Song

5つの遠い星The Five Far Stars

これは。アーシラク・アッシュランダーの賢女たちによる詩を集めた書である。アッシュランダーの戦士、勇者、そしてアシュカーンが書いた詩で構成されており、それらは賢女たちによって記憶に留められ、何世代にもわたって伝えられてきたものだ。「この身が塵となろうとも」は、死後久しい詩人で戦士でもあったザーシシ・マスマヌルの作だとされている。

闇より立ち上がれ、レッドマウンテンよ!

黒雲と緑の噴気を噴き上げるがいい!

誕生の地震よ、石を砕け!

風に火を与えよ!

大地の部族の天幕をはぎ取れ!

我らの魂を焼けた大地に与えよ!

だがそれでも貴様の支配など受けはしない。

貴様の力に震えることも、ひるむこともない。

我が家も我が暖炉も、明け渡すものか。

我が涙からは草が育つだろう。

そして草原には花が咲き乱れるのだ。

アスケルドの人の歌Song of the Askelde Men

ハイヤルマーチ要塞で空に広がる崖の上で
最後に目が覚めた地から50の晩

肉体は死んで滅び去ってしまった
視覚は進み続けた、解放された体から

私が来たところからベールの中が瞬いた
この世を去った男の目は青い炎を見た

同じ男が命を奪った場所で
大声で歌われるのは戦いの栄光と称賛

私、影、または人間をひと吹きした
投げ込まれた夜のインク

火葬で燃え上がる人々に出会う前、
その歌を風の便りで耳にした

「声高く清らかに歌えよ、天空で生まれた楽団員たちよ
ソブンガルデに届け、我らの叫びに加えるのだ」

「名誉ある死者は混沌に血を流す
オークとエルフと裏切り者の」

「魂は進み、心を満たす
栄光へと導け、ウルフハースの魂を称えよ」

骨壷からの油は貪欲な炎を広げた
わずかな軍と私の息の根を止めたものを燃やす

言葉にせず、夜が明けるまで彼らは歓喜した
彼らが行進する前にすべての灰の破片が集まった

目に見えぬまま湧きあがり、私は進んだ
天空の子供たちにおとなしくまとわりついている

絶え間なく彼らは進んだ、火床も丘も
疲労だけが拍車をかけるようだった

疲れを知らずに彼らは進んだ、渦巻く怒り
すぐに我々のキャンプを見つけ、犠牲でいっぱいだ

私の死んだ心はある男を求めた
定め、終わりがどれだけ近いのか知ることはない

再びノルドの胸はこらえて膨らむ
耳に届かぬ叫び声を上げた。恐怖で泣いた

「聞いてくれ、先祖、灰の王、イスミールよ
栄光とともに赴くとき、この部隊に名誉を与えよ」

「あなたが話し聞いたこの死者たち
我らは彼らを担う。あなたの勇敢さは報われる」

すべての者が中傷されたのだ
兄弟の骨、血、髭の灰で

この灰色の獣、アスケルドの男たち
身の毛もよだつような仕事にかかるのだ、それぞれの弓で

それから大声で叫んだ、絶望的な怒りの叫び
男たちの無益なうめき声、空白の時代

しかし長老が振り返り、動じず、私のはかない魂を
見つめた、彼の鼻が膨らんだ

彼は大声で古代の言葉を叫んだ、髭は燃え立った
私の視覚はなくなった、ついに平和になった

ヴィベクのカンタータThe Cantatas of Vivec

ヴィベクのカンタータは、叙事詩歌の形式で書かれた信条である。それらはヴィベクの革命を、一人の愚かな定命の者から賢明な神になるまでと辿っている。ヴィベクは可能な限りの方法、特に彼のダンマーの人々の防御と保護という点で、彼を試す経験を追求し、そして彼の長い生涯、謙虚、そして不屈の精神を通じて七天啓の知恵を獲得した。このカンタータは、ヴィベクの挑戦と危険、失敗と勝利、洞察力と幸運の恵み、そしてパートナー達、恋人のアルマレクシアと指導者のソーサ・シルへの恩義についての多くの物語を伝える。詩は簡素で劇的で、叙情的で私的で、歌われるか朗読されるよう作曲された。以下はヴィベク卿の「レッドマウンテンの麓の黙考」からの抜粋である。

レッドマウンテンの棺台の上に不気味なゴーストファイアが、

微かな覆い、煙、そして影としてぼうっと現れる。

湾曲と山頂が岩の空間を描き、

死者の霊魂にぼんやりと照らされる。

壊れた暖炉と家々の血が

赤い川を流れ、泉へと続く。

機知のガラスの壁の中を取り囲まれながら

打ち砕かれた主達が灰のゆりかごの中で眠る。

だがいつ彼らを起こそうか?

何と暗い試練が彼らの魂に火を点けるのだろうか?

赤く煙る雲の下に

どれだけの間、ゆらめくかがり火は燃えなければならないのだろうか?

どれほどの数の労働者の生涯と悲しみが

この休まることのない墓を封じるのに費やされるのだろうか?

グレナンブリア湿原の戦いThe Battle of Glenumbria Moors

誰があの冬の暁に蜂起した、
誰がグレナンブリアにやって来た
立ちはだかる暴君共に立ち向かい
その手を挙げるために、
そして自由の名のもとに死ぬために?
あの時誰が戦場に立ち上がった
誰がディレニの呼びかけに応えた?
あの暁にブレトン生まれの男達のすべてがやって来た
皆のため祖国を守るために

コーラス:
立ち上がれ、自由が昇るまで
蜂起せよ、ブレトン!
進め、自由が動くその時まで
真実と栄光が勇者たちに訪れるまで!
そして戦いに加わった時
アレッシア人は3対1
空は魔法の光で
明るく輝く
そして魔法は勝利をもたらした

彼女の力があふれ来る
その祝福された大地に立つ皆のため
岩は放棄するだろう
彼らが行使するものを
皆がディレニの名の元に

コーラス反復

だからこのブレトンの子らよ
よく憶えておけ
ハイロックのために立ち上がった者達
ブライアン、アンコイス、リエレを;
北の男達、
皆が前へ歩を進めた
すべての圧制者が倒れるまで

ツンドラを行く者に捧げる歌Ode to the Tundrastriders

おお、力強きツンドラを行く者よ!

なんと黄昏の天空に映るお前と強力な牙を持つ獣の影が素晴らしいことか。

大きな足音でお前の群れの到来を告げる。人間と獣が共に道を切り開く。

自然界に存在する者として、互いに頼り合い、ただの人間と獣ではなく、生きるためにもう一方を同じように必要としている。

どれほど私が彼らの通った跡をたどってツンドラを駆け抜けたいことか。

それこそは真にして最大の栄誉。

朝は染料を集めてマンモスの絵を描くことに費やし、最もどう猛な姿を彼らの牙に刻み込んでいく。

次はスキーヴァー狩りの時間だ。我々のこん棒を振り落とし、病原菌をばらまくネズミを壊滅させる。

夜はたき火を囲み、周りの者の陛下や閣下の歌で楽しむ。

彼らはマンモスのチーズを試食させてくれる。味は酷いが、非常に体を癒してくれる。

そして横になって星の下で眠る前に、その日に捕まえた新鮮なスキーヴァーの焼き肉をつまむ。

それから温かなマンモスの毛にくるまり、ゆっくり夢の世界へ旅立つ。その耐寒性のおかげで暖かい。

何て素晴らしい時間だ。

—著者不明

黄昏と暁の本The Book of Dawn and Dusk

黄昏と暁の本は、トリビュナルと彼らの聖人や召使など多様に由来することわざと格言の選集である。これらのことわざの多くは、モロウウィンドでは日常会話の決まり文句となった。以下に選抜したフレーズは、トリビュナルの信者の基本的な考えの多くを表しているだろう。

神のためにのみ言葉せよ。

真実に対して選択肢はない。

噂は災いの家から出づる。

幸せだけを勘定せよ。

子は罪の心を持たない。

信仰のみを掟とせよ。

無知への恐れは知の始まり。

アルムシヴィは常にいる。

常に王と共に歩け。

安らぎは与えられるもの、正義は掴み取るもの

仕えることで学べ。

心から理解を。頭から規律を。

祝福されたアルムシヴィ、慈悲、支配、神秘。

苦しみの試練の中で、熱心な信仰心を鍛錬せよ。

不正のイメージを瞼の裏に刻め。

死は弱まらない。亡霊は栄光でうわべを飾る。

信仰はすべてを征服する。信仰に従うべし。

間違いを犯すより間違いを被る方がましだ。

神は栄光の中に、拍手!

愚かさは傷つける力を手に入れる。

一部の者には禁じられているが、あなたには禁じられていない。

ああ、知恵が心を支配することの何と稀なことよ!

アルムシヴィに奉仕する我々こそが祝福される。

三大神が慈悲、支配、神秘の歌を口ずさむ。

オブリビオンの地ではいかなる種も集めるな。

三重に封印された家は嵐に耐える。

息と血によりて我ら皆を守りたまえ!

亡霊や正義はやがて変わりうるものなのか?

自分の最期を考えよ、定命の者よ!

際限なく恩寵を受け入れよ。

神の詩人のラプソディに入れ。

教師の前に跪け。

三大神の手、三大神の心、三大神の目。

裁き手の天秤に隠し事はするな。

光の中に闇を作り出せ。

兄弟も亡霊もどちらも拒絶せよ。

祝福されたアルムシヴィ、生まれ、生き、亡霊になるまで。

赤く燃える灰から、詩人の憤怒は輝くだろう。

ヴィベクが我々のためにあるならば、誰が我々に抗することができるだろうか?

運命、それは恐ろしく空虚な、旋廻する邪悪な車輪。

ひどく焼かれた我が心、どれほどまでに黒いのか?

骨から切り落とされる肉Flesh to Cut from Bone

(海賊の歌)

もし明るく輝くのを見たら
自分のものだと思え、
死体を積み上げろ
海賊の玉座を築くほど高く!

弱みを見せりゃ俺達の思うつぼ
守りが弱けりゃ俺達に取られちまうぜ
ただ骨から切り落とされる肉、
さらに骨から切り落とされる肉。

もし奴らが門に鍵を掛けようとするなら
俺達は街全体を焼いちまうだろう
奴らは衛兵と執政官を連れてくるだろう
そしたら俺達はそいつらを倒すだろう。

弱みを見せりゃ俺達の思うつぼ
守りが弱けりゃ俺達に取られちまうぜ
ただ骨から切り落とされる肉、
さらに骨から切り落とされる肉。

奴らは兵士をたくさん連れてくるだろう
故郷から俺達を追い出すために
だが俺達勇敢な海賊一団には
もっとたくさんいるんだぜ!

弱みを見せりゃ俺達の思うつぼ
守りが弱けりゃ俺達に取られちまうぜ
ただ骨から切り落とされる肉、
さらに骨から切り落とされる肉。

そしてもし奴らが慈悲を乞い泣くならば、
俺たちは冷酷に応えるだろう
哀れみは他の奴らに移るから
かかとで踏みつけてやるぜ。

弱みを見せりゃ俺達の思うつぼ
守りが弱けりゃ俺達に取られちまうぜ
ただ骨から切り落とされる肉、
さらに骨から切り落とされる肉。

正しき命:三詠唱Proper-Life: Three Chants

(アレッシア教団の行進歌)

アーキモンクの夢

眠る、夢見る、
アヌイ・エルに汚されていないタムリエルを。
類人猿、教えておくれ。
マルク、導いておくれ。

もしニルンにエルフがいなければ
人の子が幸せになれぬことがあるだろうか?
類人猿、教えておくれ。
マルク、導いておくれ。

あなたの呼び出しに従うため喜んで行進しよう
一心に、敬虔に、皆で。
類人猿、教えておくれ。
マルク、導いておくれ。

あなたの命令を喜んで受け入れよう。

黄昏には歌われない歌

無慈悲ではなく救済だ、
ああ信仰、慈善、厳格。
信仰によって真の心は持ちこたえるのだ、
ああ希望、明瞭、忍耐。
77が我々を導かん、
ああ賞賛、名誉、そして義務。
アレッシアは我らの中に生きん、
そして真実は美と共に。

アレッシアの43番讃美歌

穢れを消し去る勝利を
述べるよう命じられる時
我が内深くの臓物が膨れ上がる
我らの祝福されし聖人アレッシアに敬意を表し、
皆が彼女を讃える
憎きエルフから人類を自由にした彼女を。
三重に祝福された彼らは
彼女を聖別し、憎しみを高揚させる。

二度とそうはならない。
二度とそうはならない。

戦士の守護The Warrior’s Charge

天空は歌う 広大な物語
ヨクダの髭の銀に包まれ
色様々な帆 その戦士
彼の守護せし者は 大蛇の罠へ

ルーンの大公 すぐに飽き、
船を降りて 夜の冒険
偶然にも起こす、巻かれた大蛇
鱗の衣を剥ぎ取りまとう

東の淑女 恐ろしき獣
寝ても覚めても恐れさせ、
天空の光を 眼にして叫ぶ
見るも恐ろしい 一本の大蛇

鎧をまとう駿馬 遅れまいと
取り損なわないために
夜を走る 輝く鱗に
戦士の加護を離れ行く

大蛇がうごめき 駿馬は近い
獲物は目の前すぐそこに
戦士の刃が大蛇を挫く
守護されし者は 二度と離れないと誓う

風の言葉Words of the Wind

いっそ塵になってしまおうか
あなたの寒い未開の荒野で
そして私は贈るだろう
あなたの風に最後の賛歌を。

グアル飼いのために私は祈る
あの遊んでいるグアルに口笛を吹く。
狩人のために私は祈る
白き歩みの跡を追う。

あの賢者のために私は祈る
丘のふもとで探す、
あの妻が望みのため
失くした子の手にあと一度だけ触れること。

失ったもののために私は祈りを捧げない
私の心は花を咲かせる
あなたの土から種のように
明日の太陽の下で新たに開花するのだから。

タムリエルの歴史

Tamriel History

アイレイドの碑文とその翻訳Ayleid Inscriptions Translated

〈告げ示す者〉ベレダルモ 著

以下の碑文は、実に長い年月と大いなる労力をかけて書き写され、解明が行われ、永久保存を目的としてここにまとめられたものである。

Av molag anyammis, av latta magicka.
「火から命。光から魔法」

Barra agea ry sou karan.
「知恵を鎧とせよ」

Agea haelia ne jorane emero laloria.
「痛みによって得た知識は、闇の時代において信頼できる道案内となる」(直訳すれば、「苛酷な知恵は知恵を会得した者を決して裏切らない」)

Nou aldmeris mathmeldi admia aurane gandra
sepredia av relleis ye brelyeis ye varlais.
「国を追われた我らが祖先11人は、川の流れとブナの木と星に、温かく迎えてくれる安らぎの贈り物を聞き取った」(「マスメルディ」は文字通り「故郷を追われて」を意味する)

Suna ye sunnabe.
「祝福し、祝福されよ」

Va garlas agea, gravia ye goria, lattia mallari av malatu.
「知恵の洞窟で、醜くおぼろげに、真実の黄金が輝く」

Vabria frensca, sa belle, sa baune, amaraldane aldmeris adonai.
「泡立つ波は、途方もなく大きく、力強く、威厳に満ちたエルフたちを歓迎する」

ヴァレン皇帝の悼辞Eulogy for Emperor Varen

元老院議長、アブナー・サルン卿 著

ヴァレン皇帝!なんと短く私達の空を輝き抜けたことか、まるで暗黒の中で私達の道を照らすために輝き出た、空の金属片のようだった!

高潔なヴァレン!敬虔なヴァレン!コロヴィア人爵の息子、肉体の優れたパラゴン、戦略的でずる賢い狡猾な狐、あなたは私達の帝国をレマン時代の栄光に戻そうと努力した。あなたは私達に道を示した。ただあなたの臣民である私達が、あなたのもたらした試練に値していたなら!

レオヴィックがルビーの玉座に鎮座した時、彼の奇行にもかかわらず、あなたは仲間のコロヴィア人に皇帝に対して忠誠であるよう強く勧めた。あなたが「もう十分だ!」と叫び正義の剣を抜いたのは、悪意ある評議員達に騙されたレオヴィックがデイドラ公の崇拝を公認し、帝国での保護を宣言した時だけだった。

そしてコロヴィア人があなたの後ろで立ち上がった!アッシュ砦での帝国の部隊による最初の敗北の後、あなたはコロールの帝国軍を指揮し、レオヴィックをハートランドに退散させた。シロディールは救済者を得た。そしてレマンの真の継承者がついに現れたという噂が広まった。コロヴィアの州はあなたのドラゴンの旗のもとで一体となって立ち上がり、あなたは東へ進軍した。

次の戦争はつらく苛酷で、驚くべき勝利と、物凄く巧妙な策と、そして双方ともの逆転で溢れていた。リーチの民の援軍とデイドラの魔法に支援された帝国軍の力は、打ち負かすのがほとんど不可能であった。だがヴァレン、あなたは正しき力を味方につけた!ついに、あなたは帝国宮殿を勝ち取ろうと争い、そして帝国の玉座の間でレオヴィックを打ち負かした。

だが悲しいかな、私達のヴァレン皇帝、あなたはとても短い時間だけ王者のアミュレットを身に着けた。あなたの民をまた偉大にしたいという野望が、触れずにおくのが最良である神々の秘密に触れさせたと言われている。ああヴァレンよ、あの嵐の夜、震える地に、なぜ私達を置いて行ったのだ。そしてどこへ行ったのだ?きっとあなたは死んだのだ、もしまだ生きているのなら、民を希望が奪われたままにはしておかないだろうから。

ヴァレン皇帝、私達はあなたを忘れない。そしてどうにか進み続けようと奮闘し、あなたの輝かしい手本に従って生きようとする。だが再びあなたのような人物に会うことはないだろうと確信している。

オルシニウムへの帰還Return to Orsinium

移住夫人、ウウリタグ・グラオルシニウム 著

北部タムリエルの山々のオーク達へ告ぐ。あなた達の首都はオルシニウムにある。そして、あなた達を故郷へ呼んでいるのよ。

そうよ!上下ロスガーの間の断崖の上にあるオークの都市は、再び真っ直ぐ、誇り高く立ち上がるわ!私達の首都に——つまりあなた達の首都よ!——過去の栄光を取り戻させるために、伝説の鉄に覆われた壁の後ろで、それぞれのクランの牙を持つもの達が働くわ。再び商人がハグラーズ・ブラフに殺到し、戦士達はファイターズ・アンヴィルで鍛錬し、そしてエヴェレンバー鍛冶場の煙突から煙が脈打つ。マラキャスの崇拝者達はグリーヴァンス聖堂に群がり、キノコの農民はダーク・アバンダンス洞窟の中で堆肥の手入れをし、そしてゴンドラがジュグラーを往復するの。

私達は堅牢な門を再建し、そして再び製錬機、槌、添加物が敵意ある世界の打撃から街を守るでしょう。スカープ砦の彼の玉座から、クログ王はあなた達に歓迎の手と試練の拳を差し伸べる。あなた達は新しくなったオルシニウムの仲間達に加わり、そして誇り高く世界に立ち向かうに相応しいオークかしら?さあ!オルシニウムに来るの、そして泥鉄鉱エールのフラゴンをクログ王が復活したタムリエルのオーク達へ掲げる時、私達に加わるのよ!

ニベネイのサルン家House Tharn of Nibenay

シロディールの貴族達、第十七巻

オピウス・ヴォテポリクス伯爵 著

シェイディンハルのサルン家はニベネイ北部の最も名高い貴族のひとつであり、第一紀の初期以来、彼らはその地で広大な私有地を保持してきた。彼らが言うには、彼らの家は第一紀と同じくらい古いだろうとのことである。系図の研究家が指し示す通り、「サラヌス・イ・レッデハンド」が第一紀200年のタムリエル論文集に述べられている。アレッシアの奴隷反乱より以前の当時、この祖サルンはどうやらファナカスのアイレイド・エルフ、つまり今日のシェイディンハル北部丘陵地の採掘要塞に雇われた奴隷監督官であったらしい。アイレイド人は商業的な記録を赤いインクで残したことで知られているという事実に基づき、サルンの歴史家はこの「レッデハンド」はおそらく教養があり何らかの書記的役割で雇われたのだろうと結論付けている。詳しく述べるために、このサラヌスを悪名高き「切断者サーハン」と同一視するレディ・エウフェミア・グラバーの第一紀227年の学説に触れようと思うが、この説は第二紀541年にアブナー・サルン議長によって白金の塔の下の地下室で発見された「先駈聖人達の巻物」の本文によって完全に誤りを証明された。

一族の言い伝えで、サルン家は「剣を研ぎ死体を処理する者」としてペリナル・ホワイトストレークに仕えたヴィリウス・サルンという人物と共に、聖アレッシアの奴隷反乱において活動したとしている。だが歴史的記録に明確に確認される次のサルンは、第一紀1188年から死去(没年不明)までマルクの選ばれし者の最高位聖職者であったアレッシア教団のフェルヴィディウス・サルンである。フェルヴィディウスは、今日では「十七の慈悲を非難する説法」の作家として有名である。

尊きサルンの隊長は、2300年代の正道戦争で両軍において戦った傭兵部隊を率いた。戦闘が終わった後、ターピス・「方向転換」サルン将軍は現在一族が故郷と呼ぶ広大な所有地を掌握した。シェイディンハル郊外の伯爵の称号を受けた時、ターピスはベンドゥ・オロ提督の姪と結婚し、多くの子孫を残した。

レマン帝国の間、サルンは何世代も立派に素晴らしく仕えた。その中には帝国軍の魔闘士の伝統を蘇らせたレグルス・サルン、そしてカスタブ皇帝の刑罰大臣、エクコレ・サルンも含まれている。

そしてその流れは、現在のサルン家の人々に続く。もちろん何よりもまず、一家の長で元老院の長年の議長、アブナー・サルンである。苦難と皇帝の変遷の時代を通して、我々帝国文明が必要とする継続性と堅実性を提供するため、議長はいつもそこにあり続けた。

次にシロディールの摂政女帝であり、そしてアブナー・サルンと彼の7番目の妻であるブラシアとの娘、クリビア・サルン女王陛下に敬意を表す。クリビア女帝は、述べるまでもないが2人の皇帝の妻、レオヴィックとヴァレンの配偶者である。

わずかに影響力が弱いのが、議長の異母妹であり、第二紀576年降霜の月のクーデター以来リンメンの女王であるユーラシア・サルンである。そして彼女の息子、つまり滑稽でチャーミングなジャヴァド・サルンの存在が無ければ、帝都の社交行事はどうなっているだろうか?

まさに、サルン家は現代のニベン人貴族の典型である。我々は何が起ころうとも、彼らが未来に渡って我々とともにあり続けることだけを願う。

(メモ:十分に仰々しいか?それと、魔導将軍セプティマについて触れるのを忘れた。そうしたら特別手当Aをもらえるに違いない。確約されている。)

開拓、征服Frontier, Conquest

開拓、征服、順応:シロディールの社会史

グウィリム大学出版局、第二紀344年

歴史家によっては、人間のタムリエル入植をスカイリムのノルドの軍事拡張政策の一環としてとらえる傾向にある。実際には、スカイリムが興る以前から人間はタムリエルに入植し、そのほぼ全域に散らばっていた。彼らは「ネードの民」と呼ばれ、その中にはシロディール人の始祖、ブレトンの先祖、ハンマーフェルの原住民が含まれており、ひょっとすると今はなきモロウウィンドの人間も含まれていたかもしれない。厳密に言えば、ノルドは「ネードの民」の一派でしかなく、タムリエルの先住種族であるエルフと平和的に共存する道を見つけられなかった唯一の種族である。

イスグラモルがタムリエル最初の人間の入植者でないことははっきりしている。実際のところ、イスグラモルはアトモーラから移り住むという長い伝統にのっとって、「帰還の歌」にあるように「アトモーラの内乱から逃げようとしていた」のである。イスグラモルがやってくるまでの数世紀のあいだ、タムリエルはアトモーラにとっての「安全弁」であったのだ。不平分子、反体制派、反逆者、土地を持たない若者たち、その誰もがタムリエルという新世界を目指して、アトモーラからの困難な横断をやり遂げた。最近の考古学的な発掘調査で、ハンマーフェル、ハイロック、シロディールへの人類最初の入植は神話紀800~1,000年であることがわかった。これは、ハラルドよりも前にいたとされる12人のノルド王が歴史的に実在したと想定しても、イスグラモルがやってくる数世紀前のことである。

「ネードの民」はエルフの土地では少数派であるため、先住種族とは平和的に共存するより道はなかった。ハイロックやハンマーフェル、シロディールでは、それにおそらくモロウウィンドでもそれにならって「ネードの民」は繁栄し、神話紀の最期の数世紀に勢力を拡大していった。「帰還の歌」に歌われるように、こうした順応はスカイリムでのみ失敗した。これは推測だが、アトモーラからの援軍がそばに控えていたため、ノルドの始祖たちはスカイリムのエルフの権威に屈する必要はないと感じたのではなかろうか。実際のところ、初期のノルドの年代記には、歴史上最初のノルド王とされるハラルド王(第一紀113~221年)が中央集権国家としてスカイリムを統合すると、「アトモーラの傭兵は故郷に帰還した」と記されている。細かい経緯はどうあれ、パターンは決まっていた。スカイリムでの拡張が軍事的に進められ、征服によってフロンティアが延びるとそこへ人間が定住していくのだ。この地での人間とエルフの領土の境界は比較的はっきりしていた。

それでも、この「紛争地域」を飛び越えて、他のネードの民はエルフの隣人と混じりあっていった。第一帝国のノルド軍がついにハイロックとシロディールに進軍したとき、彼らはブレトンとシロディールの始祖が既にエルフに混じって暮らしていることに気づいた。実際のところ、ノルド人はエルフとブレトンを見分けるのに苦労していた。これらの二種族はそういうレベルまで混血が進んでしまっていたのだ。ノルド軍の到着によりネードの民とエルフのバランスは乱れた。ノルドがハイロックとシロディールまで勢力を拡大したのはわずかな期間(200年に満たない)にすぎないが、その影響は甚大であった。それ以降、この地域での実権はエルフから人間へと移っていったのである。

黒き虫の教団The Order of the Black Worm

魔術師ギルド報告書:黒き虫の教団

恐れていたことが起こりました、アークマギスター。黒き虫の教団は単なるデイドラの教団ではなく、それどころか我ら魔術師ギルドと競い地位を奪おうとする、死霊術師の一党です。

ちょうど魔術師ギルドが元サイジックのヴァヌス・ガレリオンによって創立されたように、黒き虫の教団も彼の最大のライバルで敵である元サイジックのマニマルコによって創立されました。両者はアルテウム島で育ちましたが、マニマルコが禁じられた死霊術法に手を出したためガレリオンはマニマルコを追放し、自称虫の王は単にタムリエル大陸に移動し、彼の忌まわしい活動を本格的に開始しました。彼はドラゴンプリースト達がどうやって彼らのドラウグルを虜にしたかを記述している隠された写本、死者の霊魂の召喚に関する古代アイレイドの石板、そしてシャリドール自身が破壊されたと思っていた頭蓋骨のクリムゾンブックを捜し出したことで知られています。マニマルコはデイドラの主達と付き合いがあることを自慢しており、そして吸血鬼の始祖、モラグ・バル自身とさえ取引をしていたかも知れません。

それからマニマルコは彼の冒涜的な伝承を広めることに着手し、無節操な魔術師達、見捨てられた魔女達、そして下劣なリーチの民を彼の死霊術ネットワークに参加させた。神々の修道士の教団と競い合い、もしくは嘲笑うために、彼は新しい教団を黒き虫の教団と呼びました。タムリエルのほとんどの範囲において、死者を立ち上がらせることは当然ことながら非道な行為であると考えられていたので、当初虫の教団は不法な組織として完全に秘密裏に運営されていました。だがマニマルコは、強力な死霊術師であることに加えて賢く狡猾な外交家であり、多くの地域において、彼が説得し、買収し、あるいは脅した権威者達は教団の活動に目をつむるようになりました。

シロディールにおいてはさらに悪いことに、虫の王は帝都を支配するサルンに対し、死霊術は合法的な魔術技法であり、黒き虫の教団は帝国王家の公認魔術顧問として今や魔術師ギルドに取って代わったと宣告するよう説得しました。

非公式に「虫の巣」として知られている代表的な下部組織は、「虫の隠者」の肩書を持つ死霊術師に率いられています。連絡手段はいまだ知られていませんが、隠者はマニマルコに直接連絡をします。隠者の支配下には、熟練した死霊術師、虫の戦士、そして虫の信者と呼ばれる従僕達がいます。新しい信者達は、忠実に仕える者達へ対する偉大なる力に魅かれ、そして皆、不死の痛みに誓って秘密を守ろうとするのです。

地方の陰謀は第二の報告書に記載しました。加えて偶然耳にした噂によると、現時点では未確認ですが、教団はスラスのスロード達との交渉を開始したそうです。私はさらなる情報を探し求めており、次の暗き月までにはさらに分かるかも知れません。

報告書は修行者クオリタティスにより調査され——アーケイが彼の魂をエセリウスへ導きますように——、そして死後、幻術師ブルサイルに編集された

戦士ギルドの歴史 パート1History of the Fighters Guild Pt. 1

第二紀283年、最高顧問ヴェルシデュ・シャイエは、帝国分裂の危機に直面していた。タムリエルに散らばる隷属国の反抗ぶりは新たな次元に到達し、公然と彼の支配に挑んでくるようになった。彼らは税金の支払いを拒絶し、軍を率いて各地の帝国軍に襲いかかった。ドーンスターの砦が陥落すると、シャイエは帝国評議会を招集した。ドーンスターの南にある会合地となった街の名前をとって、「バードモント会議」とでも呼んでおこう。その会議で、最高顧問は包括的かつ普遍的な戒厳令を宣言した。軍隊を解散しないタムリエルの王子たちには最高顧問の懲罰が待っていた。

それからの37年間は、タムリエルの暴力の歴史において、最も血塗られた時代となった。

王の軍をひとつ残らず叩きつぶすため、ヴェルシデュ・シャイエは自らの精鋭軍の多くを犠牲にすることを強いられた。さらに、帝国公庫の財源もほとんど使い果たした。それでも、彼は考えられないことをやってのけた。歴史上初めて、地上に軍隊が一つしかない、シャイエの軍隊しか存在しない時代が到来したのである。

いくつかの問題がすぐさま表面化した。それは、シャイエの偉業と変わらないほど衝撃的なものだった。シャイエの戦争は貧困を蔓延させていた。敗戦国もまた、軍資金を防衛費につぎ込んでしまっていた。農民も商人も生活の手段を粉みじんに破壊されていた。タムリエルの王子たちは以前のように税金を出し渋るのではなく、払いたくても払えなくなっていたのだ。

戦争で利ざやを稼いだのは犯罪者だけだった。地元の衛兵や民兵が消えうせた今、逮捕される心配もないまま、彼らは無法と化した土地の残骸を食い荒らした。シャイエが最後の部下の軍を破壊する以前からアカヴィリが懸念していた事態だったが、解決策はどこにもなかった。シャイエとしては、隷属国に軍隊を再組織させるわけにもいかず、結果として、かつてないスケールで無秩序が深まりつつあった。シャイエの軍は犯罪の増加を食い止めようとしたが、地元の犯罪組織は中央政権をみじんも恐れてはいなかった。

320年の幕開けとともに、ヴェルシデュ・シャイエの親類である「鉄宰」ディニエラス・ヴェスが、大勢の仲間を従えて最高顧問に謁見した。常備軍の代案として、利益を追求した、貴族が雇うことのできる傭兵の結社を作ってはどうかと提案したのが彼だった。雇用契約は一時的なものとし、契約料の数パーセントを中央政府が徴収する。そうすることで、シャイエの激痛のうち、二つは癒せるのではないかと。

結成当時はまだ、ツァエシ語で「戦士」を意味する「シフィム」と呼ばれてはいたものの、ここにおいて、後に「戦士ギルド」として知られるようになる組織が誕生したのである。

戦士ギルドの歴史 パート2History of the Fighters Guild Pt. 2

「鉄宰」ディニエラス・ヴェスは当初、アカヴィリだけの結社にすることが大切だと考えていた。彼がこうした信念を抱いていたことはどの歴史家も認めるところだが、その動機については意見が分かれる。古典的でシンプルな理論は、ヴェスは同郷人のことをよくわかっていて、信用しており、利益のために戦うという彼らの伝統がプラスに働くと踏んだからだ、というものだ。また、鉄宰と大君主のどちらもこの組織を利用して、五百年前に端を発するタムリエルの征服を達成しようとしたのだという、これまたもっともな意見もある。第一紀2703年にタムリエルを襲撃したとき、アカヴィリはレマン王朝に撃退された。そして今、最高顧問が権力の座につき、ディニエラス・ヴェスの策謀によってアカヴィリだけの現地軍が生まれようとしている。戦闘で成し遂げられなかったものを、忍耐力でまんまと成し遂げようとしていたのだ。多くの研究者が提唱するように、こうしたやり方はアカヴィルのツァエシにとって、伝統的な戦略なのである。なにしろ彼らはいつでも時間を味方につけられる、不死の蛇人なのだから。

だが、それらは空論でしかない。シフィムはシロディールと隣接するいくつかの王国で地位を確立したものの、あっという間に現地の戦士の必要性が高まった。問題の一部は単純に、なすべき仕事をこなせるだけのアカヴィリがいなかったということだ。それから、配属された地域の地理や政治を蛇人が理解しないという問題もあった。

シフィムがアカヴィリだけでは成り立たないことは明白だった。そして、その年の中頃までに、戦士兼妖術師、ならず者、騎士のノルド3人が組織に加わった。

そのノルドの騎士は、名前が時間の流砂に埋もれてしまったが、腕のいい鎧職人でもあった。それにひょっとすると、ディニエラス・ヴェスを除けばもっとも組織の発展に貢献した人物であったかもしれない。しばしば述べられてきたように、アカヴィリ、とりわけツァエシは鎧よりも武器についての造詣が深い。彼らが鎧を着ることはなかったとしても、騎士は他のメンバーに敵の鎧の弱点を説明し、ポールドロンやグリーヴには関節がいくつあるかとか、ゴーゲットとグリドシュリム、パレットとパスガード、陣羽織と草ずりの違いについて説いて聞かせたのだった。

こうした知識のおかげでシフィムは、その心もとない戦力からは考えられないほど効率的に、賊どもを一掃するための長い戦いに勝つことができた。歴史家はこんな冗談すら口にする。アカヴィリが第一紀にノルドの鎧職人を雇っていたら、侵略は成功しただろうに、と。

シフィムに加わった3人の部外者が活躍したことで、現地メンバーの加入に拍車がかかった。その年度末までに、シフィムの活動は帝国全域に広がっていた。若い男や女が大挙として組織に加わった。その理由は、生活が苦しいから、ひと暴れしたいから、冒険に出たいから、犯罪のはびこる隣国を助けたいから、などなど、十人十色だった。彼らは訓練を積み、悩みを抱える貴族を救うべくすぐさま派遣され、管轄区域における衛兵や戦士としての役割を担った。

犯罪撲滅や怪物退治におけるシフィムの目ざましい活躍ぶりが呼び水となって、最高顧問ヴェルシデュ・シャイエは帝国の承認を求める他の組織の代表者も手厚くもてなすようになった。魔術師ギルドは、比較的早い時期に結成されてはいたものの、帝国から疑わしく思われていた。第二紀321年、最高顧問は「ギルド法案」を採択し、魔術師ギルドは帝国公認のギルドとなった。この法案では他にも、鋳掛師、靴職人、娼婦、代書人、建築家、酒造家、ワイン商、機織工、ねずみ捕獲人、毛皮職人、料理人、占星術師、治癒師、仕立師、吟遊詩人、弁護士、それから戦士であるシフィムも公認ギルドとなった。ただし、勅許状にはシフィムとは記されておらず、すでに市民のあいだに浸透していた呼称を立てる形で、「戦士ギルド」と呼ばれるようになった。どのギルドも、第二紀からその後にかけて新たに認められた他のギルドも、タムリエルの人民に対する価値を認められ、シロディールのもとで保護され、奨励されることになっていた。対価を払わなければ勢力を広げることはできなかった。ギルドの存在により帝国の基盤は強化され、その財源は再び潤っていった。

ヴェルシデュ・シャイエの死後間もなく、ギルド法案の採択からわずか3年後、世継ぎのサヴィリエン・チョラックは現地軍の再編に着手した。戦士ギルドはもはや地方貴族の主力部隊ではなくなっていたものの、その存在価値は揺るぎないものとなっていた。過去においても、私的財産を求めた力のある個人は確かに存在したが、ディニエラス・ヴェスこそが、近代における冒険ブーム、つまり、富と名誉をつかむことに人生を捧げる男たちや女たちの「奔り」とも言える存在であると、多くの歴史家が述べている。

それゆえに、誰もが戦士ギルドに感謝しなければならない。そのメンバーだけでなく、対価を払えば法の範囲内で強い戦士を提供するというギルドの公平なる方針に助けられてきた人々も。戦士ギルドがなければ、どんなギルドも存在しなかったのだから。それどころか、自立した冒険家という生き方すら存在しなかったかもしれないのである。

第二次アカヴィリ侵攻The Second Akaviri Invasion

資金要請

ソリチュード、吟遊詩人大学の王家歴史家、イングマエア・レイヴンクィル 著

陛下、我々西部のスカイリムのノルドは幸運にも、近年のタムリエルへのアカヴィリ襲来へ巻き込まれることを免れましたが、それでもなおこの奇妙な出来事を理解しようとすることは大切です。とりわけそれが東部スカイリムにいる我らが疎遠になった同族を、我々の古代の敵、油断ならないモロウウィンドのダークエルフとの異様で無分別な同盟に導いたのですから。

その出来事はたった12年前に起きましたが、アカヴィリからの急襲という事実は、伝説と憶測の混迷によってすでにあやふやになってきています。確かに分かっていることは何でしょうか?

その一:アカヴィルには多数の地域があり、第一紀の襲撃者達(その後、帝国に支配者達をもたらした者達)はツァエシ出身で、一方、近年の侵略軍はカマルから来たことが分かっている。しかしながら、両地域については事実上何も分かっていない。

その二:この二回目の侵略の指導者はカマルの王で、アダソーム・ディル・カマルである。彼あるいは彼のタムリエル侵略の理由については、東部王国にいる我々の密偵からですらほとんど分かっていない。捕らえられたアカヴィリのほとんどはタムリエル語を知らず、そして大半は取り調べ中に死んだ。ある報告書は、ディル・カマルは「定められし入れ物」と呼ばれる誰かもしくは何かを探していたと陳述していたが、これは翻訳ミスである可能性が大きい。

その三:理由は分からないが、アカヴィリ船団は、最終的にウィンドヘルム北東のホワイト川の河口へ入港する前に、タムリエルの北東端を回って亡霊の海へ入り、テルヴァンニ半島、ヴァーデンフェル、そしてソルスセイムを迂回した。

その四:侵略は完全に思いがけないことであり、ウィンドヘルムはマブジャールン女王が守りを固める猶予もなく包囲された。短い攻城の後、侵略者達は南門に突破口を開き、街は襲われ焼かれた。マブジャールン女王と彼女の娘であり後継者のナルンヒルデ姫は、王家の宮殿の門の前の激しい戦闘の中で殺害された。

その五:王家の士官学校生徒、ジョルン王子は、ウィンドヘルムの攻撃を逃れて少しの間姿を消した。再び姿を現した時、彼は自身をジョルン王と呼び、ノルドがアカヴィリを倒す手助けをするためにソブンガルデから引き返したという灰の王ウルフハースと名乗る強力な戦士を同伴していた。このいわゆるウルフハースを味方に、ジョルンは東部ノルドと強化されたリフテンを鼓舞した。

その六:ディルカマルが彼の軍隊をウィンドヘルムから南へ動かした時、その動機は不明瞭であるが再びリフテンを迂回し、西部モロウウィンドへ行軍した。彼らは、アルマレクシアと彼女の筆頭将軍であるインドリル家のタンバルの命令により、アッシュランドで撤退戦を行ったダークエルフの軍隊と対立した。

その七:ディルカマルはダンマーの軍を東部ストンフォールへ追い、その地では既設の守備施設を占領することによってエルフが退却を止めていた。アカヴィリの前進は減速して止まり、そして急に、彼らの後ろにジョルンと「ウルフハース」の指揮下にあるノルドの軍隊が現れた。これが偶然であるはずがない。信じがたいことだが、ノルドとエルフの間の古くからの敵対にもかかわらず、ジョルンとアルマレクシアの間に協定があり、ストンフォールでのアカヴィリの包囲は計画通りであったのだと我々は結論付けなければならない。

その八:しかしながらアカヴィリは、易々と倒されはしなかった。内海を背に、彼らは死に物狂いの防御を見せ、彼らの船が海岸から彼らを連れ出すためにホワイト川の河口に現れるまで持ちこたえようとした。何度も試みたにも関わらず、ダンマーとノルドの連合軍は彼らの戦線を突破し損なった。アカヴィリの船団が現に北の水平線上に見えたのは、もう一つの信じられない出来事が起きた時であった。土壇場で、南から戦場へ行軍していたアルゴニアンの二部隊によってノルドとダークエルフへ援軍が送られたのだ。卑怯なシェルバックの突入によって、タムリエル人はついにアカヴィリ戦線を破り、そして侵略者達は逃げ場を失い最後の一兵まで殺戮された。

おそらく陛下がお気づきになられたように、この説明は答えよりもはるかに多くの疑問を提起します。この出来事について我々が知っていることは、我々が知らないことによって小さく見えるのです。その結果、私はこの事件の重大な影響を捜査するため、王家査問委員会への資金調達を要望します。もちろん私は、この委員会を自ら進んで統率し、それに伴う任務などの負担は、適切な報酬によって補われるでしょう。

魔術師ギルドの沿革Origin of the Mages Guild

(ヴァレニア版)

アークメイジ・サラルス 著

第二紀の初頭において、魔術師、妖術師および各種の秘術師たちが研究と公的福祉のために才能と糧を結集させるという発想は革新的なものであり、目的および構造の面で今日の魔術師ギルドに近いといえた当時の唯一の組織は、アルテウム島のサイジック会であった。当時、魔術とは個人、もしくは少数の同好の士で学ぶべきものとされており、魔術師は隠者とまではいかないものの、大抵は非常に孤高の存在だったのである。

サイジック会はサマーセット諸島の支配者たちに助言役として仕え、部外者には理解できない複雑な儀式によってその構成員を選抜していた。組織としての存在意義や目的が公示されることもなく、彼らを非難するものたちはサイジック会の力の根源をあらゆる邪悪な要素に結びつけようとした。サイジック会の宗教は祖先崇拝といえるものであったが、この類の教義は第二紀には徐々に時代遅れと見なされつつあった。

アルテウム島のサイジックの一人であり、かの有名なイアケシスの弟子であったヴァヌス・ガレリオンがサマーセット諸島中から魔術師を集め始めた時、誰もが彼の行いに反感を抱いたという。彼はファーストホールドの街中を拠点としていたが、これが魔術の実験は住民の少ない地域でのみ行うべきとする(ある程度根拠のある)考え方に反していたのである。さらに衝撃的であったのは、ガレリオンが費用さえ払えば一般市民の誰もが魔術品、秘薬、そして呪文でさえも利用できるようにすると申し出たことであった。これは魔術が貴族階級や知識階級の特権ではなくなることを意味していたのである。

ガレリオンはイアケシスおよびファーストホールドの王、ライリスXII世の前に召喚され、作りつつあった組織の意図を問いただされた。ガレリオンがライリス王とイアケシスに対して行った演説が後世のために記録されていなかったのは悲劇に違いないが、ガレリオンが今や全土に広がったこの組織を創設するためにどのような虚構や説得を用いたのかについて歴史家たちが空論を戦わせる題材にはなっているようだ。いずれにせよ、ガレリオンの組織は認可されたのである。

ギルド創設から間も無くして、保安面の懸念が生じた。アルテウム島は侵略者から自らを守るのに武力を必要としていなかった。サイジック会が何者かの上陸を阻止すべきと判断した場合、島およびその全住民がこの世から姿を消してしまうだけのことだったのである。これに対し、新たにできた魔術師ギルドは番兵を雇わざるを得なかった。ガレリオンはすぐに、タムリエルの貴族階級が何千年もの間思い知ってきた、金だけでは忠誠は買えないという事実を知らされることになる。次の年にはランプ騎士団が結成された。

ドングリから木が育つかのように、サマーセット諸島の各地に魔術師ギルドの支部ができ、やがてタムリエル本土にも進出していった。迷信ゆえか妥当な懸念ゆえか、魔術師ギルドを領土内で御法度とした領主の記録も数多くあるが、その次の代もしくは次の次の代くらいまでには魔術師ギルドに自由を認めてやることの利点が浸透した。魔術師ギルドはタムリエルにおいて強大な一派となり、味方としてはどこか無関心ながら、敵にまわすと手強い存在になっていたのである。魔術師ギルドが実際に地元の政争に関わるのは稀であったものの、一部の例外的な案件においては魔術師ギルドの関与が最終的な顛末を決定づけることになっている。

ヴァヌス・ガレリオンによる創設以来、組織としての魔術師ギルドはアークマギスター六名からなる評議会によって統制されている。各ギルドホールは賢者により運営され、遺物師と武芸の長の二名がこれを補佐する。武芸の長はランプ騎士団の支部長を兼ねる。

魔術師ギルドの一員でなくとも、この複雑に構築された階級制度が時に絵空事でしかなくなることは想像がつくであろう。タムリエルを離れてあの世へ向かう際にヴァヌス・ガレリオン自身が苦く言っていた。「ギルドは奇妙に入り組んだ、政治的な内紛に過ぎなくなった」のだ。

ムンダスの神話

Myths of the Mundus

アーケイの聖別The Consecrations of Arkay

パンクティリウス・ティルス 著

あなたはアーケイ教団の見習いとして、あなたにとって賛美と責任になるであろう礼拝を始める。有為転変の主に仕える私達には、呪縛もしくは解放されているすべての定命の者達の保護が課せられている。

なぜなら、他の人々の魂を餌食にする者達がタムリエルにもタムリエルの向こうにもいるからである。異端者達は、死にゆく魂を背徳の行先へ迂回させるだろう。死霊術師達は、死者の魂を永遠に奴隷としてあの世へ縛り付けるだろう。そしてデイドラの主達は、獲物をあさる狼のように定命の者達の魂を大いに食い荒らすだろう。

私達はこれらすべてを忌み嫌い、慎み深い人々の領域から火と槌で追い払う。そして私達のこの素晴らしい仕事を援助するために、アーケイは3つの聖別を与えた:

私達が誕生に授けるアーケイの恩寵は、自らの意思を行使するに十分な歳になるまで無垢な魂達を保護する。

私達が死の間際に授けるアーケイの祝福は、彼らの魂が承諾なく使われることを防ぐ。

私達が死者に授けるアーケイの天啓は、彼らの肉体が背徳な奴隷の身にさせられないようにする。

見習いよ、今日あなたが入会した教団の信心よりも神聖な信心はない。命の敵はとても用心深く、素早く無慈悲な冷酷さで怠慢を罰しようと構えている。強く、揺らぐことなくあれ。

ウェアウルフの告白A Werewolf’s Confession

ダガーフォール・カバナント軍、オールドゲート槍騎兵隊、フィルモント隊長 著

今日、ある囚人が私を呼び出し、私は彼の告白を聞くという疑わしい特権を得た。私を守るには不十分であろう細い鉄の柵で彼と分け隔てられ、震える手で彼の言葉を記録した。

彼はとても穏やかな口調であったので、時折正確な言葉を推測しなければならなかったが、以下の記述は私なりの精一杯の描写である。とは言っても、以下は私達の会話の要旨を正確に表現していると確信している:

「私はこの呪いを若い頃に受けました。影響を受けやすかったのです。私のパックリーダーは家族ぐるみの友人で、私達の村の長老でした。私は強くなりたく、そして呪いが私に与えた強さを喜びました。その時は、それを呪いとは呼んでいなかったかも知れません。

「しかし若さゆえに向こう見ずで、そして自分を偽ることが苦手でした。結局、彼らは私の本性に気づき、村から追い出しました。

「パックリーダーは私の期待を裏切りました。私を守らなかったのです。彼は自分の地位に固執し、私のために地位を危険に晒すことができませんでした。私はひとりぼっちでした。

「行く先々で群衆の叫び声を聞き、怒る暴徒の燃え盛るたいまつを見ました。私の秘密が気づかれる前に、一度たりとも一つの場所に長く留まらないようにしました。

「彼らを憎むようになりました。迷信深い村人達をです。私が持つことのできないものに憤慨するようになりました。自身の無謀さを彼らのせいにしました。私を絶えず苦しめたのは呪いではなく、この田舎の人々の狭い心でした。

「狩りをすることが恐ろしかったので、いつも空腹で、空腹が私を野生化させました。そんな時に、彼らに偶然出会ったのです。村から村へ私を追い回した素朴な農民達と似た、素朴な農民の一家。私の視界は赤くなり、カッと怒りが沸きました。

「ついに、私の空腹は満たされました。

「しかし怒りが収まり自分が何をしたかを傍観した時、気分が悪くなりました。これがまさに、あの村人達がたいまつと鎌で私を苦しめた時、村人皆が恐れていたことだったのです。

「それが、私の呪いが何たるかを認めた時でした。それ以来何年も狩りをしてきました、恐くて投降できなかったのです、しかし自分の卑劣な衝動を嫌悪していました。

「あなたはあなたがしたこと、私を捕まえたことがどんなに願わしいことであったか、気付いていないんです」

そして話を終えた時、人間にとてもよく似たその生物は、自分を殺して苦痛から解放してくれと懇願した。

シシスSithis

シシスがこの家の祖である。彼より前には無しかないが、愚かなアルトマーはこの無に名前をつけて崇拝している。それは彼らが怠惰な奴隷であるがゆえのことだ。まさに「説教」に書かれているとおり、「停滞が望むものはそれ自身、すなわち無である」

シシスは無をばらばらに裂き、その断片を変化させ、そこから無数の可能性を形成した。それらの観念は衰え、流れ、消え失せていった。それはそうなってしかるべきことだった。

しかしながら一つだけ嫉妬した観念があり、それは死ぬことを望まなかった。停滞と同じように、彼は存続したがったのだ。それが悪魔アヌイ・エルであり、やがて彼は友人たちを作り、それは自らをエドラと呼ぶようになった。エドラはシシスが作ったすべてを奴隷とし、永遠に不完全な領域を創造した。それが偽りの神エドラ、すなわち幻影である。

そこでシシスはロルカーンをもうけ、万物を破壊するために彼を遣わした。ロルカーン!移ろい続ける変異体!

ロルカーンはエドラの弱点を見つけていた。反逆者たちはその素性ゆえに個々を計り知ることはできない存在だったが、嫉妬と虚栄心によって互いがそれぞれ分離されていたのだ。また彼らは、以前のような無に戻ることも望んでいなかった。そこで、彼らが偽りの領域を支配している間に、ロルカーンは無数の新しい観念で虚無を満たしたのである。それは観念の大群であった。やがてすぐにロルカーンは、奴隷と永遠の不完全さとを伴った彼自身の領域を持つようになり、全世界に彼自身がエドラに似た存在として捉えられるようになった。そのようにして彼は悪魔アヌイ・エルと8人の贈与者の前に、そうした者、すなわち彼らの友人として、姿を現したのである。

友としてシャーマット・ダゴス・ユアのもとに向かえ。

アエ、ハルマ・モラ、アルタドーン、パドメ、ロカン、アエ、アイ

ノキシフィリック・サングイボリアNoxiphilic Sanguivoria

序章

シンナ・スコラスティクス 著

吸血症の病気は一種類ではなく、多数ある。総じて吸血症として知られているその苦痛は、何世紀にも渡り、未知の原因で、異なる経路で伝染し異なる性質を持ってきた。この文書において、私は力の及ぶ限り、ノキシフィリック・サングイボリアとして知られている私達の時代に一般的な吸血症の種類の特性を正確に叙述し、読者がこの型の吸血鬼を見分けるより良い素養を身に着けられるように尽力する所存である。

しかしながら、まず初めは警告の言葉であるべきであろう。この研究は吸血鬼を狩る、あるいは吸血鬼に立ち向かう手引きなどでは決してない。いかなる場合においても、吸血症と疑わしき人は避け、絶対に彼らと戦おうとはしないよう忠告する。すべての種類の吸血鬼は超自然的な強さを持っており、最も経験を積んだ狩人以外のすべてを一瞬のうちに打ち倒すであろう。

ノキシフィリック・サングイボリアの罹患者について覚えておくべき最も重要なことは、その名がほのめかす通り、彼らは他の品種の吸血症の罹患者のように日光に衰弱させられることがなく、それどころか、夜間にさらに強力になる。

なぜこれが理解しがたいケースであるのか。突飛な仮説のひとつによると、それはハーシーンとモラグ・バルの間でのデイドラの裏取引か何かの結果であり、それがノキシフィリック・サングイボリアの罹患者にウェアウルフのような月光を好む性質を与えたのである。

夜間、この狩人達は極度の我慢強さと傷から回復する強力な能力を保持する。

ノキシフィリック・サングイボリアの罹患者は取り調べにて、もちろん強力な鎮静剤の使用下でだが、彼らが最初に噛まれ病気に苦しめられた時からの非現実的なくだりを述べた。彼らの何人かは、彼らが黒い血のプールに浸された場所である儀式的な部屋に入る様子を述べた。その変身が実際にそういった恐ろしい儀式に関係するのか、もしくはそれがただの幻覚にすぎなかったのか、直接経験しなければ識別することは不可能である。

もしノキシフィリック・サングイボリアの保有者に噛まれた、もしくは噛まれたと思ったら、パニックに陥ってはいけない。その襲撃者から逃げることが可能な場合、ただちにアーケイの司祭に会うのだ。まず吸血鬼によって血を抜かれ、吸血鬼の血の贈り物を受けることがなければ、ノキシフィリック・サングイボリアに完全に感染することはない。

黒檀の刀剣の歴史Ebony Blade History

これを読むすべての者へ:この刀剣に注意

これは偉大な男女の欲望を堕落させ、おとしめた。しかし、その力に匹敵するものはない。獲物が微笑みかけてくる間に仕留めるのだ。もっとも悪しきデイドラだけがこのような邪悪でひねくれた武器を作ることができた。しかし、この武器を振りかざす者は、すべて最後にはウサギとおしゃべりしながら丘をさまよう者の、正気とは思えない目になるようだ。

これは侮れない。スカイフォージの灼熱の炎でさえも溶かせなかった。実際、中に置かれると石炭のほうが冷めてしまったようだ。我々がそれを破壊することはできないし、敵の手に渡すつもりもない。だから決して使われることがないように隠しておくのだ。

これを手にしようとするすべての者に災難が起こるだろう。

人間の時代以前:深淵の暁紀Before the Ages of Man: Dawn Era

人間の時代以前:深遠の暁紀

シマーリーンのアイカンター 著

人間がタムリエルを支配するようになる前、または歴史学者たちがタムリエル支配者の出来事を記録した年代記より以前の世界の出来事は、神話や伝記を通して、もしくは神々しくも見事な八大神教団の教義を通してしか知ることができない。

便宜上、歴史学者たちは先史以前をさらに2つの長い期間に分ける:深遠の暁紀、そして神話紀である。

深遠の暁紀:

深遠の暁紀は人類の始まる前の、神々の偉業が起こっていた時代である。深遠の暁紀は、アダマンチンの塔の設立により、神々と魔法が世界から流出して終焉を迎えた。

「メレシック」という言葉は、ノルド語の文字通り「エルフの時代」から来ている。メレシック紀、すなわち神話紀とは、アダマンチンの塔の設立により、神々と魔法が世界から流出した後から、タムリエルにノルドのイスグラモルが出現するまでの先史時代である。

下記に深遠の暁紀でもっとも目を引く出来事を、我々のような時の中に生きる者が理解できる形で記す。

宇宙はアヌとパドメイのアービス(混沌、もしくは全体)から形成された。アカトシュ(アーリエル)が生まれ、「時」が始まった。神々(原初の神々)が生まれた。ロルカーンは神々を説き伏せ、もしくは欺き、定命の次元、ニルンを創造させた。定命の次元はこの時、魔力の高い危険な場所であった。神々が歩くと、定命の次元と永続する全存在物そのものが不安定となった。

「定命の世界」を設計する建築家、魔法(マグナス)はその計画を終結させることを決め、神々はアダマンチンの塔(ディレニの塔、タムリエル最古の建造物)に集結し、何をすべきかを決めた。ほとんどは魔法と同様にその地を去り、エルノフェイのような一部の者は残れるように自らを犠牲にして他の姿を取った。ロルカーンは神々から非難を受け、定命の異世界へと追放された。彼の心臓は引き裂かれ、アダマンチンの塔から投げられた。そのかけらが地に降り立つと、火山が出来上がった。魔法(秘術の感覚)により、宇宙は安定した。エルフの歴史が、ついに線形になって始まった(神話紀2500年)。

人間の時代以前:神話紀Before the Ages of Man: Merethic Era

人間の時代以前:神話紀

シマーリーンのアイカンター 著

初期のノルドの学者によって、神話紀の年月は「時の始まり」—カモラン王朝の設立、第一紀の0年度と記録される—から後方へと逆順することが解明された。神話紀に起こった先史の出来事は、彼らの伝統的なノルドの神話紀で記されている。ハラルド王の学者たちによって引用される最も最初の神話紀は神話紀2500年である。これをノルド人は最初の年とみなしている。このように、神話紀は一番古い年である神話紀2500年から神話紀1年—カモラン王朝設立の1年前、独立する都市国家として白金の塔を設立—まで続いた。

ハラルド王の吟遊詩人によると、神話紀2500年にはハイロックのバルフィエラ島にタムリエル最古の建物として知られるアダマンチンの塔の建設が始まった(これは数々の未発刊のエルフ年代記に記されている、歴史的には大体最古の日付である)。

神話紀初期には、タムリエルの先住民にあたる獣人—カジート、アルゴニアン、オークそのほかの獣人の祖先-がタムリエルのいたる所、文字を持たない社会で生活していた。

神話紀中期には、アルドマー(エルフの始祖である人間)の難民が、破綻の運命に追いやられた今はなきアルドメリ大陸(「旧エルノフェイ」としても知られる)を去り、タムリエル南西部へと移り住んだ。最初の居住地はタムリエルの海岸線に沿って、広い間隔を取って形成された。後に、タムリエル南西部と中心の方の肥沃な土地に最初の内陸集落が見つかる。獣人がエルフに遭遇し、その洗練された、教養のある、科学的にも発展したアルドマーの文化は、原始的な獣人をジャングルや沼地、山、荒地へと追いやった。アダマンチンの塔は突出して強大な力を持つアルドマー一族のディレニに再発見され、支配された。サマーセット諸島に水晶塔が建てられ、のちに、シロディールの白金の塔となった。

神話紀中期には、アルドメリの探検家がヴァーデンフェル海岸の地図を作り、第一紀にはハイエルフの魔術師の塔をモロウウィンドのアルド・ルダイニア、バル・フェル、テル・アラン、テル・モラに建てた。白金の塔(現在のシロディール)の周囲の密林にアイレイド(野生のエルフ)の集落が栄えたのもこの時代であった。ハートランドハイエルフとしても知られる野生のエルフは、深遠の暁時代の魔法やエルノフェイの言葉を維持した。表面上、アリノール上級王へ捧げられた土地であったが、サマーセット諸島の独立国とハートランドの長きにわたる関係が、事実上、シロディールを水晶塔にいる上級王から引き離していた。

神話紀中後期は高貴なヴェロシ文化の時代であった。現代のダンマーやダークエルフの祖先であるチャイマーは、力強く、野望に満ち、長命なエルフの一族であって、原理主義な祖先崇拝を信奉していた。チャイマーのクランは預言者ヴェロシに従い、南西部にあった代々受け継いだエルフの祖国を離れ、今のモロウウィンドに当たる土地に移り住んだ。チャイマーは現世的な文化やドゥエマーの俗悪な慣習を嫌い、またドゥエマーの土地と資産を欲しがったため、何世紀にも渡って小競り合いや領土争いが起こった。自由な発想を持ち、人里離れたところに住むエルフクランのドゥエマー(ドワーフ)は科学の謎や工学技術、錬金術に力を注ぎ、現代のスカイリムやモロウウィンドから離れた山脈(のちのヴェロシ山脈)に地下都市や地域社会を築き上げた。

神話紀後期はヴェロシ文化の急落が目立つ。ヴェロシの中には、傾き、放置された古代ヴェロシ塔のそばにある村に移り住むものもいた。この時代、ヴァーデンフェル島からヴェロシの文化は消え去った。ドゥエマーの初期のフリーホールド植民地がこの時代から起こり始める。堕落したヴェロシは部族文化へと移行し、やがて現代のモロウウィンドの王宮へと発展し、一方では野蛮なアッシュランダー種族へと存続していった。この種族文化が唯一残したものは、ばらばらに崩壊したヴェロシ塔とヴァーデンフェル島のアッシュランダー遊牧民である。タムリエルの海岸にそって建てられた、第一紀ハイエルフ魔術師の塔もまたこの時代に打ち捨てられることになった。

またこの頃、文字を持たない人々、いわゆる「ネードの人々」がアトモーラの大陸(アルドメリ語で「アルトモラ」もしくは「エルダーウッド」)から移住して、タムリエルの北部に定住した。ノルドの英雄、タムリエルへの巨大植民軍の先導者であるイスグラモルはエルフの原理に基づいてノルド語のルーン文字を翻字、発展させたことで高い評価を得ている。またイスグラモルは人類初の歴史学者とも考えられている。イスグラモルの軍はスカイリムのブロークン・ケイブの最北端にあるヒサアリク・ヘッドへと上陸した。ノルドはそこに伝説都市サールザルを建てた。エルフは人間を「涙の夜」の時に追い出したが、イスグラモルはすぐに500の同胞団を引き連れて戻ってきた。

神話紀後期にはまた、伝説となった不死の英雄で、戦士で、魔術師で、国王である、ペリナル・ホワイトストレーク、ハラルド・ヘアリー・ブリークス、イスミール、ハンズ・ザ・フォックスなどの名前で知られる人物が、タムリエルをさまよい歩き、武器を集め、土地を征服していき、統治し、そのあと自ら築いた王国をぶち壊し、再びさまよい歩くのであった。

星霜の書の考察Ruminations on the Elder Scrolls

ウィンターホールド大学、セプティマス・シグナス 著

最高級の布地の恵みがよく見える、波の下で暮らす生活を想像してみよ。えらを覆う布を抱き、その縦糸と横糸を吸い込み始めるだろう。植物の繊維は魂に染みわたるが、卑しいプランクトンは予言を悪臭で満たすまで布を汚すだろう。これは書が最初に起こった1つの方法だが、我々は海なのか、呼吸をするものなのか、もしくは布なのだろうか?それとも我々自体が息吹なのだろうか?

知識が流れるように我々は書を通って流れ、水になるのだろうか。それとも先端に集まる海の汚れの沼地にはまっているのだろうか?

再び想像せよ。だが今回は違う。風の流れに乗っている鳥は突風に押し上げられ、石で打ち落とされる。しかし鳥がひっくり返れば、石は天から降ってくることがある。それなら突風はどこから来たのだろうか?それにどの方向から来たのだろう?神が石も突風も仕向けたのか、それとも鳥が自分でそれらの存在を運命づけるのだろうか?

全能の書は、相対的位置を絶対的な最高の位置に変えるような転換を生み出す。

今一度、想像せよ。今回あなたは地面の下にいる。森の善意あるエルフの乙女が遊びで植えた小さなドングリだ。育ってほしいと願う一方、どんな姿になるのか心配でもある。そして水、土、太陽を弾き飛ばし穴にこもる。だが、これは木に成長するときの息みなのである。どのようにして起こったのだろうか?

この場合、ドングリは木の卵のようなものであり、知識は水と太陽なのだ。我々は卵の中の鳥だが、土でもある。書から得る知識は、自身が完全な視界を得るためのものだ。

今までの知ったことから心を閉ざす前に、最後の想像だ。あなたは今、果てしない空虚の中で燃え盛る青い炎である。仲間を見るうちに、彼らは遠くであなたの側に沿って自ら燃え上がる。小さな細い先の海であり、記憶の集合なのだ。それぞれが明るく燃え、徐々に消えていく。空虚が思考を吸い取る腐った光で満たされないよう、2つは位置を占めるが永遠には占めない。

我々のどの心も実際は空虚である。そして書から学ぶことは精密に定められている。突き刺すような光がなければ、空虚がそれ自身気づかないようにその空虚に気がつくこともなく、私の意識は果てしない無となるだろう。しかし、この炎は危険であり、慎重に扱われ、自身の元にもたらされ、仲間へと広がらなくてはならない。

(聖蚕会の修道士クインタス・ネレベルスのメモ:蔵書庫のルネンの書の後ろで見つかった。長くそこにあったことは間違いないが、発行日付は「第四紀195年」となっていた。これは明らかに記述ミスと思われる)

大いなる天空The Firmament

(複写者注:この書は特定の星座に生まれた者の生誕の印に関する記述であり、一般に「ムンダス・ストーン」として知られる謎の記念碑に関しては記していない)

フォルクの推薦図書
フォルク 著

タムリエルの天空は13の星座に分かれている。そのうちの3つが重要な星座であり、それらは守護星座として知られている。これらは、戦士座、魔術師座、盗賊座である。これらの守護星座は、それぞれ3つの星座を13番目の星座である大蛇座から守っている。

1つの星座の近くに太陽が昇ると、その星座の季節になる。それぞれの星座の季節は約1ヶ月である。大蛇座は、他の星座を脅かしつつ天空を転々とするので季節はない。

戦士

戦士座は第1の守護星座であり、彼の守護対象が季節に入っている間、それらを守る。戦士座自身の季節は、収穫のために彼の腕力が必要とされる収穫の月である。彼の守護対象は淑女座、駿馬座、大公座である。戦士座の下に生まれた人々は、すべての武器に精通しているが短気な傾向にある。

魔術師

魔術師座は守護星座であり、その季節は初めて人々にマジカが使われた恵雨の月である。守護対象は見習い座、精霊座、儀式座である。魔術師座の下に生まれた人々は、より多くのマジカと様々な魔術を操る素質を持っているが、しばしばごう慢で、ぼんやりとしていることがある。

盗賊

盗賊座は最後の守護星座である。彼女の季節は最も暗い、星霜の月である。彼女の守護対象は恋人座、影座、塔座である。盗賊座の下に生まれた人々は概して盗賊ではないが、他より賭けに出る場合が多く、害を及ぼすことは稀である。また一方、いつかは運も尽きてしまうため、彼らが他の星座の下に生まれた人々より長生きすることは稀である。

大蛇

大蛇座は天空を転々とするため季節を持たないが、その動向はある程度予測できる。大蛇座の下に生まれた人々に共通する特徴はない。この星座の下に生まれた人々は最も祝福されていると同時に最も呪われている。

淑女

淑女座は戦士の守護対象の1つであり、彼女の季節は薪木の月である。淑女座の下に生まれた人々は優しく、寛容である。

駿馬

駿馬座は戦士の守護対象の1つであり、彼女の季節は真央の月である。駿馬座の下に生まれた人々はせっかちで、常に場所から場所へと移動している。

大公

大公座の季節は蒔種の月であり、彼はタムリエル全土を種まき中に監視する。大公座の下に生まれた人々は、他の星座の下に生まれた人々よりもたくましく、健康である。

見習い

見習い座の季節は南中の月である。この星座の下に生まれた人々は全ての魔法に対して特別な親近感を持っているが、より魔法の影響を受けやすくもある。

精霊

精霊座(しばしばゴーレムとも呼ばれる)は魔術師座の守護対象の1つである。その季節は黄昏の月だ。この星座の下に生まれた人々は生まれつきの妖術師であり、大量のマジカを保有するが、自身のマジカを作り出すことはできない。

儀式

儀式座は魔術師座の守護対象の1つであり、その季節は暁星の月である。この星座の下に生まれた人々は、神々や月の特徴によって様々な特殊能力を持っている。

恋人

恋人の星座は盗賊座の守護対象の1つであり、彼女の季節は薄明の月である。恋人の星座の下に生まれた人々は優雅で、情熱的である。

影座の季節は栽培の月である。影座は、彼女の星座の下に生まれた人々に、その身を陰の中に隠す特殊能力を与える。

塔座は盗賊の守護対象の1つであり、その季節は降霜の月である。塔座の下に生まれた人々には金鉱探しの才覚があり、様々な錠を開錠できる。

豚の子供たちThe Pig Children

ティストン・ベイン 著

たとえダゴス・ウルの山の最も高齢なダークエルフであっても、太古の孤高の賢者その人であっても、オークたちがタムリエルを蝕んでいなかった時代を記憶してはいないであろう。オークを生み出したのがオブリビオンのどの汚らわしいデイドラなのかは定かではないが、タムリエルの文明を有する諸種族にとって醜悪なオークほど脅威であり続ける存在はいないのではないだろうか。

オークは幸い他の人型種族とは区別がしやすく、身長が40ペルタン、体重が1500アンゲイド程度となるその体格、その豚のような凶暴そうな風貌、そしてその体臭が特徴的である。オークは常に攻撃的で、おぞましいほど不道徳で、教養は愚者にも劣り、不潔この上ない。タムリエルの文明を有する諸種族が遥か昔にこの地からオークを一掃してしまっていて然るべきではあるものの、オークはその凶暴性、動物的な機転、そして同族に対する奇妙なまでの忠誠心ゆえ、汚れた池にヒルがいるがごとく、この世にしぶとく存続している。

オークの蛮行については書き記された記録以前から伝えられているが、ジャスティアガが第一紀950年に記した、ダイアグナー党が「邪悪なオークたちを汚らわしくも堅牢なオルシニウムに押しとどめておき、いずれ浄化の炎で焼くために」ダガーフォールとセンチネルの軍に加わったという記述を読むと、読者がオークの野蛮さを知っていることを前提に書いているのがわかる。三十年後、ガイデン・シンジを含む多くの英雄の犠牲の上に攻城戦がようやく終結し、オルシニウムの破壊により生き残ったオークたちがロスガリアン山脈中に散らばると、彼女は「太古からの邪悪なる敵が散り散りになったことで、自由の民たちは大いに喜んだ」と記している。オークたちがイリアック湾周辺の地域に対し、遅くとも第一紀初期以来脅威となり続けていたのは自明である。

ニルンの伝説

Legends of Nirn

アイレイド最後の王The Last King of the Ayleids

ヘルミニア・シンナ 著

ハートランド・ハイエルフことアイレイドは、有史以前の神話の時代に長きに渡りシロディールを支配してきた。有史初期の記録に残る第一紀243年の白金の塔の陥落は、一般的にアイレイドの終焉と見なされている。

アイレイドによるシロディールの支配が破られたのはその第一紀243年であったが、これは長い衰退期の終盤における大きな局面のひとつにすぎない。第一紀初めの2世紀は、シロディールのアイレイド君主たちの争いが増加した。アレッシアは内戦をうまく利用して反乱を起こしたものとみられる。帝国歴史家たちは昔から彼女の勝利はスカイリムの介入によるものと考えているが、白金の塔の包囲戦ではそれと少なくとも同等の助力を、反乱側のアイレイド君主たちから得ていたようだ。

一般的なアイレイド像である冷酷な奴隷使いは事実に基づいたものだ。だが243年以降もアイレイドの王子たちがシロディールの新女帝の臣下として、シロディールの一部を治め続けていたことはあまり知られていない。このことはアイレイドの支配が広く忌み嫌われたわけではなかったか、昔から考えられていたよりもアレッシアとその後継者たちが現実主義だったことを示す(あるいは、どちらもある程度正しいか)。

いずれにせよ、数あるアイレイドの遺跡からの出土物は、いわゆる後期アイレイド時代(第一紀243年~498年頃)にも彼らが暮らし、居住地の拡大すらあったことを物語る。当初多くのアイレイド君主たちが人間による新政権の家臣として支配を続けていた。アレッシアを支持するアイレイドには、殺された敵たちから没収した土地が褒美として与えられることもあった。シロディール帝国でいつまで人間が奴隷とされていたかは定かではない。人間たちはシロディールのアイレイド支配地域に住み続けていたが、どのような関係であったかについて示す確固たる証拠はない。

これはもともと不安定な関係であり、長続きするはずがなかった。帝国内にアイレイドの貴族が存続していることに対する憤りが、マルクが興したいわゆるアレッシア教団の繁栄を招いたのだ。教団による最初の犠牲者はシロディールのアイレイドたちだった。300年代初め、人間の支配地域で続いていたアイレイドの集落は次々に潰されていき、その避難民が残っていたアイレイド君主たちの力を一時的に増すこととなった。

そして361年アレッシア教団は帝国を完全に支配し、全域にアレッシア主義を強いる。アイレイドの君主は廃された。この教義の強制によって大規模な暴力が巻き起こることはなかったようだ。この時までに勢力はアイレイド側に大きく不利となっており、彼らの運命は明らかであった。残っていたアイレイドの大半がおとなしくシロディールを去り、ヴァレンウッドやハイロックのエルフたちに加わっていった。このシロディールからのアイレイドの大移住がディレニ王朝の興りに関わっていた可能性もある(これについての歴史家による研究はごくわずかである)。

しかしアレッシア教団の支配下で、残ったアイレイドたちは生き延びていたらしい。ディレニ派が482年、アレッシア教団に対し決定的な勝利を収めたグレナンブリア湿原の戦いに「アイレイド最後の王」が参加していたという説がある。王の一派がそれまでの1世紀どうやって存続していたのかは明らかになっていない。彼らが何者かも定かではないが、最近の調査では「最後の王」がネナラータに眠っている可能性が示唆されている。残念ながら現在の帝国の状況では、あのように広大な遺跡で適切な科学的調査を行う資金は捻出できない。そのため、これらの疑問に対する答えは未来の世代に期待するしかない。

アダバル・アThe Adabal-a

編者注:アダバル・アとは、奴隷の女王アレッシアの夫であったモリハウスの物語であると考えられている。このことについては歴史学的に証明することは難しいが、アダバル・アが第一紀から伝わる最古の文書のひとつであることは間違いない。

ペリナルの死

そして、血の海と化した白金の塔の玉座の間で、ペリナルの切り落とされた首は翼のある半神の雄牛にしてアレ=エシュの想い人、モリハウスに向かってこう語った。「我らの敵が私を殺し、この体を引き裂いて別々の場所に隠したのだ。神々の意思をあざ笑いながら、あのアイレイド達は私を8つに引き裂いた。彼らはその数字に取り付かれているからだ」

モリハウスは困惑し、鼻輪のついた鼻を鳴らして言った。「ホワイトストレーク、あなたの戦いぶりは彼女の想像を超えていた。だが、俺は思慮のない雄牛だ。これからすべての捕虜をこの角で突く。もし、あなたがやつらを生かしたままにしておくのなら。あなたは血まみれの栄光そのものだった、伯父よ、あなたは必ず帰ってくるだろう。今度は狐か光となって。シロドは我々のものだ」

そして、ペリナルは最期にこう語った。「気をつけろ、モリハウス。気をつけるんだ!こうして死にゆく私には感じられるのだ、敵はまだ生きている。それを知りながら死んでゆくのは辛いことだ。勝利を信じたまま死ねればよかったのだが。おそらくだが、彼は再び現れるだろう。油断するんじゃないぞ!私はもはや、人々をウマリルの復讐から守ってはやれないのだ」
 

アレッシアの若き奴隷時代

ペリフの出身部族はわかっていないが、彼女はサルド(サルダヴァー・リードとも呼ばれる)で育った。この地には、アイレイドがニベン中の数々の部族から人間を集めて来ていたのである。それらの部族とは、コスリ、ネード、アル・ゲマ、クリーズ族(彼らは後に北方から連れてこられたことが明らかになった)、ケプトゥ、ギー族(花の王ニリチが虫の神である??にいけにえを捧げたことで滅ぼされた)、アル・ハレッド、ケト族、その他であった。しかし、この地はシロドであり、支配者エルフたちの領土の中心であり、人間たちには何の自由も与えられていなかった。家族を持つことや、公に名前を持つことすら禁じられていた。侵略者の支配者たちは、彼らに名前をつける必要などみじんも感じていなかったのである。

人間たちは、岩を運んだり、用水路を作ったり、神殿や道路を整備したりといった労働を強制された。また、人間たちはアイレイドの拷問芸術の歪んだ喜びの犠牲にもなった。ヴィンダセルの嘆きの車輪、セルセンの内臓庭園、多くの奴隷の体に見られた人体彫刻などである。また、炎の王ハドゥールの領地ではさらにひどいことも行われていた。デイドロンから抽出した薬を人間に使って苦痛を与える新たな方法が発見されたのである。子供たちは夜になると彼らの戦いを見て大喜びした。

モリハウスが説明するアレッシアの名前

そして、モリハウスは彼らに言った。「彼女のことを語るとき、お前たちは彼女を様々な名前で呼ぶ。アレ=エシュというのは、畏敬の念を込めた呼び名だ。訳すと、「高貴な、あまりにも高貴な」という冗長な意味になる。アレ=エシュという名前がくずれて、もう少し親しみやすい呼び名が生まれた。アレシュト、エシャ、アレッシアなどだ。また、彼女はパラヴァントとしても知られている。彼女の即位のときに、「彼らのなかで始めたもの」という意味を込めてつけられた名前だ。死を免れない人間でありながら敵を討ち、捜し求め、癒し続けた彼女の偉大さを称えて神々が与えた。この名前からは、パラヴァル、ペヴェシュ、ペレス、ペリフなどの名前が生まれた。そして、俺自身は、大切な彼女をパラヴァニアと呼んでいた」

「彼女は俺のもとを去ってしまったが、今でも星々に囲まれて光り輝いている。最初の女帝、天の女神、シロドの女王として」

彼らはその答えに満足し、その場を去った。

タムリエルのアーティファクト パート1Tamrielic Artifacts, Part One

以下は私が過去数世紀にわたって集めてきた、想像を絶する重要性を持った品々に関する覚え書きである。そのいずれもタムリエルの至る所で繰り返し目撃され、所持され、失われてきた。一部は伝説で、その他はでっち上げかもしれない。しかし、それにも関わらず、多くの人々がこれら誰もが欲しがる品々を追って、または守ろうとして、命を落としてきた。

使徒のブーツ

使徒のブーツは真の謎である。誰も見たことがないが、噂によると、着用者は浮揚することが可能であるらしい。

影の弓

伝説によれば、影の弓はデイドラのノクターナルが鍛造したものである。伝説的なレンジャーであるラエルラス・ガイルは、秘密任務のためにこの弓を授けられたが、失敗してしまい弓は消えてしまった。ラエルラスは大人しく敗れた訳ではなく、この弓に助けられて多くの敵を道連れにしたと言われている。この弓は所有者に透明化の特殊能力を与え、速度を上昇させてくれる。影の弓の目撃は何度も報告されており、第二紀の邪悪なダークエルフのアサシン、ドラムも一度この弓を手にしたことがあると言われる。

クリサミア

このパラディンの剣は古代のクレイモアであり、その攻撃力を上回るのはこの剣の防御力のみである。装備する者に体力と炎からの保護を与え、唱えられた呪文を術者へと反射する。特定の勇者を好むことがないため、クリサミアが特定の剣士によって長期間保有されることはあまりない。

救世主の皮鎧

救世主の皮鎧は、ハーシーンのアーティファクトである。この胴鎧にはマジカに抵抗する特別な特殊能力があった。伝説によると、ハーシーンは彼の狩猟場から逃げ出せた最初で最後の定命の者に、彼の皮を褒美として与えたと伝えられている。この無名の定命の者は、この魔法の胴鎧にその皮を縫いこませた。救世主の皮鎧は、あたかも自分の意思を持っているかのように英雄から英雄へと移り行く傾向がある。

デイドラの災厄

デイドラの災厄はフィックルダイアーの炎の中で、神聖な黒檀から鍛造された巨大な戦棍である。マッカーンの伝説的な武器であり、かつては、暗黒の霊魂をオブリビオンへと送り返すために使われた凄まじい武器であった。この武器には、オブリビオンから魔物を召喚する特殊能力がある。

デンスタッグマーの指輪

この指輪に関して知られていることは、利用者に特定の要素からの保護を与えると言うことだけである。名前のデンスタッグマーでさえ謎である。

黒檀の鎧

黒檀の鎧は、先史時代にダークエルフの女神ボエシアによって作られた胸当てである。黒檀の鎧を誰が、どれくらいの期間所持するかを決めるのは彼女である。値すると判断された場合、着用者に火炎耐性とマジカ耐性を付加し、魔法の盾が与えられる。もはや黒檀の鎧を持つには不適格であると判断するのはボエシアのみであり、また、女神はとても気まぐれである。

エレイドンの結界

エレイドンはブレトンの歴史に登場する伝説の聖騎士である。彼はその武勇と、すべての不正を正そうとする決意から人気の高い男であった。ある物語の中で、彼は男爵の娘を邪悪な将軍の手による確実な死から救ったと言われている。報酬として、男爵は財のすべてをなげうって、エレイドンのために魔法の盾を作らせた。その盾はエレイドンに傷を治癒する機会を与えた。

ハイネックトゥナメットの牙

ブラック・マーシュにはかつて、アルゴニアンがワマスと呼んでいた生き物が生息していたことで知られている。北方の男たちはワマスを、稲妻を血に持つ知的な竜であると考えていた。そのうちの1匹である巨大な獣、ハイネックトゥナメットは北方の男たちによって殺されたが、大勢の男たちと7日間、連日連夜かかった。生き残った男のうちの1人は、戦利品として牙を家に持ち帰った。牙は刃の形に削られ、小さな短剣に仕立てられた。その短剣は不思議と獣の魔法の特性を保有しており、所持者に敵への雷ダメージを可能とする特殊能力を与える。旅の英雄が稀に持ち歩いている。

ランダガルフの拳

ベガリン・クランのランダガルフはタムリエルの歴史に、スカイリム出身の最強の戦士の1人として名を残している。彼はその武勇と戦闘での獰猛さで知られており、多くの戦いで帰趨を左右した。ハラルド王がスカイリムを征服したとき、ランダガルフは最後を遂げた。ハラルド王はこの偉大な英雄を尊敬しており、ランダガルフの籠手を自分のものにした。ハラルド王の死後、籠手は消えた。王はランダガルフの拳が所有者の腕力を上昇させたと話していた。

ゴールドブランド

この魔法の剣はほぼ完全な謎である。黄金が作られた様子や、北の古代の竜によって鍛造されたなどの話を盗賊が広めている。彼らの物語によると、それは竜を守ると誓った偉大な騎士に与えられたとされている。その剣は所持者に、炎ダメージを敵に与える特殊能力を授ける。ゴールドブランドは、最近の歴史では目撃されておらず、値する英雄を待っていると言われている。

オレイン・ベアクローの兜

オレイン・ベアクローはヴァレンウッドの伝説の英雄の1人である。「蛙の目」ファウム王の息子で、クランの狩人として尊敬されており、将来の指導者であった。ウッドエルフの伝説は、オレインがエルフの森の魔女、グレンヒャファンヴァを1人で倒し、永遠に彼のクランに平和をもたらしたと伝えている。オレインはその後、多くの偉業を成し遂げ、最終的にはナハテン風邪によって命を奪われた。彼の兜は偉大さの記念碑として、未来の世代が忘れぬよう飾られた。クランが分裂したため結果的に兜は失われてしまい、今は冒険者たちの貴重なアーティファクトとなっている。オレイン・ベアクローの兜は着用者の敏捷性と耐久力を上昇させると噂されている。

タムリエルのアーティファクト パート2Tamrielic Artifacts, Part Two

以下は私が過去数世紀にわたって集めてきた、想像を絶する重要性を持った品々に関する覚え書きである。そのいずれもタムリエルの至る所で繰り返し目撃され、所持され、失われてきた。一部は伝説で、その他はでっち上げかもしれない。しかし、それにも関わらず、多くの人々がこれら誰もが欲しがる品々を追って、または守ろうとして、命を落としてきた。

君主の氷剣

君主の氷剣は真にタムリエルでもっとも珍重されるアーティファクトの1つである。伝説によると、邪悪な大魔術師アルミオン・セルモは、よく目にする氷の精霊の強い個体である氷の君主の魂で、偉大な戦士のクレイモアに付呪したとされている。戦士スルグナー・アッシは、遥か遠くの国の偉大なる王者暗殺の一端を担い、そこの新しい指導者となるはずであった。しかし、暗殺は失敗してしまい、大魔術師は投獄されてしまった。氷剣は、その刃に触れる者すべてを凍らせる。この剣は、次から次へと所有者を変え、一ヶ所に長く留まることはない。

領主の鎧

この太古の胴鎧は卓越した品質を誇り、時にはモリハウスの鎧、またはキナレスの贈り物と呼ばれる。この鎧は着用者に、体力吸収と呪文抵抗の特殊能力を与え、使用した際には自分自身を解毒する。キナレスが着用者のことを相応しくないと判断した場合、領主の鎧は取り上げられ、次の選ばれし者のために隠されると伝えられている。

モラグ・バルの戦棍

吸血鬼の戦棍としても知られるモラグ・バルの戦棍は、相手のマジカを流出させ、装備しているものに与える。その戦棍には敵の力を装備車に移し変える特殊能力もある。モラグ・バルは彼のアーティファクトを惜しみなく使っていたようだ。その戦棍に関する伝説は数多くある。この武器は、魔術師を倒す時に好まれるようだ。

クラヴィカス・ヴァイルの仮面

うぬぼれの強いクラヴィカス・ヴァイルは、彼自身の人格に相応しい仮面を作った。仮面の所有者は、タムリエルの住人から良い反応を得られやすい。人格が優れているほど恩恵は大きい。一番知られている仮面の話は、有名な貴族女性アヴァレアの物語である。幼少の頃、彼女は悪質な召使によって、ひどく醜くされてしまった。アヴァレアはクラヴィカス・ヴァイルと暗黒の取引を交わし、見返りに仮面を受け取った。仮面は彼女の外見を変えることはなかったが、急に万人から敬われ、称賛された。広い人脈を持った男爵と結婚してから1年と1日後、クラヴィカス・ヴァイルは仮面を取り戻した。アヴァレアは彼の子を身籠っていたが、男爵の一家から追い出された。21年と1日後、アヴァレアの娘が男爵を殺してあだ討ちをなした。

メエルーンズのカミソリ

闇の一党はこの黒檀の短剣を何世代にもわたって切望してきた。この伝説上のアーティファクトはどのような生物であっても、一瞬にして葬ることが可能であるとされている。メエルーンズのカミソリの所持者は歴史上、1人も記録されていない。しかし、闇の一党は一度、内部の酷い権力争いによって壊滅している。それには、このメエルーンズのカミソリが関係していたと疑われている。

指導者の指輪

この簡素な金属の指輪は、どの魔術士見習いにも珍重される所持品である。この指輪は、着用者に知力と英知を上昇させる特殊能力を与えてくれるので、魔法利用の効率が向上する。上級魔術師のカルニ・アスロンが製作者であると言われている。彼の指導の下で学んでいた、若い見習いのために作った製作品である。アスロンの死後、指輪と他の所持品のいくつかが消失し、以後それらはタムリエル全土を巡っている。

カジートの指輪

カジートの指輪は、その指輪を有名にした盗賊ラジーンより何百年も古い太古の遺物である。ラジーンは指輪の力を使って自分を透明にし、疾風の如く迅速にした。彼は指輪のおかげでエルスウェア史上、もっとも成功した泥棒になった。ラジーンがその後どうなったかは謎だが、伝説によると、指輪はそのような使われ方に反発し、敵の目前で消えて彼を置き去りにしたと伝えられている。

フィナスタールの指輪

フィナスタールの指輪は、冒険的な人生を生き抜くために、良質な防具を必要としていた男によって、何百年も前に作られた。指輪のおかげでフィナスタールは何百年もの間生き続け、それ以降、指輪は人から人へと持ち主が変わった。その指輪は、着用者の毒、マジカ、雷撃への全体的耐性を高める。しかし、フィナスタールは抜け目なくその指輪に、フィナスタール以外とはどこにいても不満になり、いずれは狩りの所有者の手を離れ、他の居場所へと消えていくよう呪いをかけた。

環境の指輪

この貴重品に関して知られていることは少ないが、この指輪は着用者に、周囲の環境に溶け込む特殊能力を与えてくれると言われている。

風の指輪

この指輪に関する事実は何も知られていないが、この指輪の名前といくつかの噂から、着用者に速度を加えると考えられる。

タムリエルのアーティファクト パート3Tamrielic Artifacts, Part Three

以下は私が過去数世紀にわたって集めてきた、想像を絶する重要性を持った品々に関する覚え書きである。そのいずれもタムリエルの至る所で繰り返し目撃され、所持され、失われてきた。一部は伝説で、その他はでっち上げかもしれない。しかし、それにも関わらず、多くの人々がこれら誰もが欲しがる品々を追って、または守ろうとして、命を落としてきた。

スカルクラッシャー

スカルクラッシャーは非常に大きく強力な武器である。この戦槌は魔術師ドラッチ・グサルによって魔法を燃料とする火で作られ、卓越した武器鍛冶職人ヒルボンガード・ローラマスによって鍛造された。鋼は魔法により鍛えられ、武器の重量は驚くほどに軽いため、さらに強力で痛烈な殴打が繰りだせる。この戦槌は祝祭にて飾られる予定であったが、盗賊に先を越されてしまった。スカルクラッシャーは今も製作者を探してタムリエルを旅している。

苦い慈悲の槍

苦い慈悲の槍は、他にも増して謎めいているアーティファクトの1つである。この槍に関して知られていることは皆無か、それに等しい。歴史の記録はないが、多くの人々はデイドラが起源であると信じている。

破呪の盾

一見ドゥエマーのタワーシールドに見える破呪の盾は、タムリエルのアーティファクトのなかでももっとも古い遺物の1つである。ロールケン・シャリドールの戦いでの歴史的重要性に加え、破呪の盾は呪文を反射するか、呪文を唱えようとしている魔術師を沈黙させ、盾を装備しているものをほぼ完全に術者から保護してくれる。破呪の盾はいまだに初代の所有者を探していると伝えられ、他の者の手中には長く留まらない。ほとんどの者にとって、破呪の盾を一定期間所持することは手に余る。

ヘイズドキの杖

ヘイズドキはとても負けず嫌いな魔術師であったと言われていた。彼は全土を歩き回り、彼より優れた魔術師を捜し求めた。知られている限りでは、彼の挑戦に応えられる魔術師は見つからなかった。多くの人々が彼の力を恐れたため、彼は寂しさと孤独を感じ、自らの生命力を彼自身の杖に結合させ、今なお彼の魂はそこに残っていると言われている。タムリエル全土の魔法の使い手がこの魔法の杖を探している。この杖は所有者にマジカからの保護を与え、どの魔法使いにとっても確かな貴重品となる。

マグナスの杖

タムリエルのアーティファクトの中でも古いほうであるマグナスの杖は、生みの親であるマグナスにとって、超自然的道具の類であった。使用されると、敵の体力と神秘のエネルギーを吸収する。やがてその杖は、所持する者が強力になりすぎて、杖自らが保護を誓った神秘の均衡を狂わす前に魔術士の下を離れる。

ウンブラの剣

ウンブラの剣は太古の魔女ナエンラ・ワエルによって付呪され、その唯一の目的は魂の捕獲である。魂石と同時に使うと、敵の魂を石に封じ込める機会を所有者に与える。ナエンラは邪悪な創作が理由で処刑されたが、その前にこの剣を隠すことができた。ウンブラの剣は所有者に関してとても選り好みするので、値する人物が見つかるまで隠れたままである。

吸血の指輪

吸血の指輪は、タムリエルでもより危険かつ珍しいアーティファクトである。この指輪には相手の体力を盗む特殊能力があり、それらを着用者に与えると言われている。指輪の確実な性質とその由来は全く未知である。しかし、多くの長老たちは、吸血鬼信者の教団による、モロウウィンドではるか昔に行われた邪悪な製作について語っている。吸血の指輪は極めて珍しいアーティファクトであり、月の何百周期か毎にしか見られない。

妖術師の指輪

大魔術師シラベインの妖術師の指輪は、神話や作り話の遺物のなかでも最も人気があるうちの1つである。タムリエルの古代史の中で、シラベインは指輪の思慮深い利用法によって大陸全土を救った。それ以降、この指輪はシラベイン程の崇高な目標を持たない冒険者たちの手助けを行ってきた。この指輪は、着用者に向けて唱えられた呪文を反射する特殊能力で最もよく知られている。この指輪はシラベインのみが命令できると言われているため、長期間にわたって妖術師の指輪を着用できる冒険者はいない。

王者のアミュレットThe Amulet of Kings

第一版
ウェネングラス・モンホナ 著

第一紀初頭、アイレイド、あるいは「ハートランドのハイエルフ」と呼ばれる強力なエルフの一族が、中央タムリエルで圧政を敷いた。横柄で傲慢なアイレイドは、危険きわまりないデイドラロードを頼ってデイドラと死霊を呼び出させ、軍隊を編成していた。アイレイドはこの恐れを知らない魔法の軍団を使って若い人間に容赦なく襲いかかり、気の向くままに虐殺し、奴隷にした。

苦しみにあえぐ人間の姿を見かねたシロディール家の始祖、聖アレッシアは、気高きエドラを統べていた「時の竜神」アカトシュに助けを求めた。アカトシュはもだえ苦しむ人間を哀れみ、自らの心臓からかけがえのない血をしぼり出すと、その血で聖アレッシアを祝福した。そして、アレッシアの家系が竜の血脈に誠実でいるかぎり、アカトシュはオブリビオンの門をかたく封じ、彼らの敵であるデイドラ狂いのアイレイドの手に、デイドラや死霊の軍隊が渡らないようにするという契約を交わした。

この契約の証としてアカトシュは、アレッシアとその子孫に「王者のアミュレット」と「帝都の永遠なるドラゴンファイア」を授けた。アレッシアがシロディール家に伝わる王者のアミュレットのひとつめの宝石となるまでには、こういう経緯があったのだ。アミュレットの中央にはめられたレッド・ダイヤモンドがその宝石である。王者のアミュレットは帝都の象徴であり、その後、セプティム家の象徴となった。八個の宝石で縁取りが施されており、それぞれの宝石が神を意味している。

アカトシュとその同輩の崇拝が帝都で続けられ、アレッシアの後継者が王者のアミュレットを身につけるかぎり、アカトシュとその神聖なる同輩は、タムリエルとオブリビオンを分かつ強力な障壁が破られないよう守っていくことだろう定命の者がもう二度と、デイドラの主の召喚による破壊を恐れなくてもいいように。

しかし、帝都が八大神への献身をおろそかにし、アレッシアの家系が途絶えるようなことがあれば、タムリエルとデイドラの世界を隔てる障壁は崩壊し、デイドラの崇拝者は下級デイドラや資料を召喚して人間に苦難をもたらすであろう。

神殿の浄化The Cleansing of the Fane

マルク聖教団の年代記

[編者注:本文書はアレッシア教団第一紀の分派である同教団の記録のうち、現存が確認されているものの一つである。カヌラス湖にある同教団の大修道院群が正道戦争(第一紀2321年)の際に破壊され、保管文書が喪失ないし分散してしまうまで、そこに保管されていたようだ

なお、この時代のアレッシア派の書記はアレッシアの神化(第一紀266年)を元に日付を算出していた点に留意されたい。]

以下に、アレッシアの祝福127年目の出来事を記す。

この年は全土において昼の光が暗くなり、太陽がマッサー三日程度の暖かさにとどまり、日中でありながらその周囲に星々が見えることがあった。これは蒔種の月の5日のことであった。これを目にした者は誰もが不安を覚え、近々大いなる出来事が訪れるであろうと口々に語った。

いかにも、同年中に太古のエルフの神殿であるマラーダより、ベルハルザ王の御世以来となる規模の魔族の大群が湧き出たのであった。これら魔族の汚濁により大地は冒され、耕すことも刈り取ることも種を蒔くことすらままならず、人々は支援を求め、マルク聖教団にすがった。

これを受けてコスマス修道院長が全員を終結させ、エルフの言葉で「大いなる神殿」としても知られるマラーダへと向かい、聖なる炎をもってそれを攻め、汚らわしい魔族たちは滅ぼされ、神殿内で発見された多数の邪悪なる遺物や書物が燃やされたのであった。そしてその地では何年もの間、平和が続くこととなった。

星霜の書の整理An Accounting of the Elder Scrolls

元帝国司書
クインタス・ナーベラス 著

帝国蔵書庫から星霜の書が盗まれたとされた後、このような事件を今後避けるため(少なくとも適切に検証をするため)、私は保管するありとあらゆる巻物の索引や目録を見つけようとした。残念なことに、実際の星霜の書の物理的状態については、聖蚕の司祭が不正確なことで悪名高いと分かった。彼らがいくつ所持していたか、どうやって整理されていたのかも分からなかった。まるで子供がなぜ犬は話せないのかと聞いたかのように、ただ質問しただけでクスクスと笑われた。

白状しよう。星霜の書を読める者への嫉妬は膨らむが、私は疑わしい知識のために視力を犠牲にする気はまだなかった。さりげなく会話をしようとした年長の聖蚕の司祭は、正気を失ってしまった他の年長者と同じように正気ではないように見えた。そのため、読むことで授かる見識を見損ねたのだ。

とにかく、モンクと協力して自分の星霜の書の目録を作るつもりだった。毎日、塔の広間を通り過ぎるたびに、その場所を記録できるようそれぞれの星霜の書の性質を教えてもらった。決して自分で文字を見ないように注意していたので、手掛かりは彼らの言葉だけだった。細心の注意を払い、どこにありとあらゆる予言に関する星霜の書が置かれているか、歴史のどの時代が保管されているかを示す部屋の地図を作った。コツコツと作業を進め1年近く過ぎたが、ついに照合を始めるために使う蔵書庫全体の大まかなメモが出き上がった。

うまく進まなくなって来たのはここからだ。メモを見ると、重複点や矛盾点がたくさんの場所にあった。それぞれ別のモンクが、同じ星霜の書を塔の反対側にあると主張したこともあった。モンクたちがふざけているのではないのは分かる。彼らの遊びに付き合ってバカにされているのでなければ。

年長のモンクの1人と話し、私の心配を説明した。彼は無駄にした時間を哀れんで頭を垂らした。彼は咳こんで「これを始めた時、すべての努力が無駄になるだろうと言わなかったか?星霜の書は数えられる形では存在しないのだ」と言った。

「巻物の数が多すぎて数えられないという意味だと思いました」

「そうだ。しかし複雑なのだ。後ろの倉庫を調べて、巻物がいくつそこにしまわれているか言ってみろ」

金属の外箱に指を這わせ、それぞれの角の丸みを数え上げた。戻って「14です」と言った。

「8番目のものを取ってくれ」と言って手を伸ばした。

円筒を彼の手に渡すと、彼はかすかに頷いて言った。「さあ、もう1度数えてみろ」

言われたとおり再び巻物に手を這わせたが、私が感じていることが信じられなかった。

「今…今は18になってる!」私は息をのんだ。

年老いたモンクはクックと笑った。皴が重なって頬が目を隠すほどだった。「事実、いつだってそこにあったのだ」と彼は言った。

その時、私は今まで聖蚕の教団に受け入れられた最年長の見習いとなった。

聖蚕会の命令The Order of the Ancestor Moth

この聖堂で修行する者は以下を読むこと:

聖蚕会は古代から続く高貴な教団である。我々が育み賛美するのは、聖蚕の形をとって現れる、敬愛する祖先の魂である。それぞれの蚕は祖先の魂のフィロンを持っている。フィロンとは、大雑把に訳せば「平和を求める心」となり、それは歌われることで聖蚕が作る繭の中に込められるのである。その繭から絹糸を紡ぎ、布を織り、正しい祖先へと導く系譜を刺しゅうすれば、素晴らしい力を持った服ができあがる。

教団の者は予知の能力を持つ。この祖先の知恵は、未来を現在に歌い表すことができるのである。そのため、我々の教団は星霜の書の理解という恩恵にあずかることができるが、それは我々の教団のみに許された特権なのである。これらの予言書はエドラとデイドラ双方の神々をも超越している。この現実を織りなす繊維の隙間を覗き込むことは代償を伴う。星霜の書は、読み進めるにつれて難解さを増すという性質を持っている。読んだ代償として視力を失う期間もまた、読むほどに長くなるのである。そして、最期まで読み進めば予言の内容の真髄までをほぼ知ることができるが、その者は永遠に視力を失いこの世の光に別れを告げねばならない。そうなっては予言を読むこともかなわない。

修道院は、我々の教団のそういった高位の者たちが住み、他の者たちが彼らに仕える場所である。彼らは世俗を離れ、敬愛する聖蚕たちと共に生きている。彼らのいる地下は聖蚕たちにとって住みやすい場所なのである。彼らはか弱い蚕たちを育み、歌いかける。また、絹糸をとり、紡ぎ、布を織り、繭を作った祖先の系譜を歴史を刺しゅうする。これが、彼らの新しい生活である。

彼らが聖蚕の世話をしているあいだ、我々が盲目の修道士たちの世話をする。彼らが闇の中で働くあいだ、我々は光のもとで働くのである。彼らの求める食べ物と水を提供する。彼らの求める道具や家具を提供する。彼らの求める秘密と匿名性を提供する。そして、彼らの労働の成果を売りにゆく者を提供する。

排他的な任務The Exclusionary Mandates

マルクの選ばれし者による排他令:いずれも同等である

1:最上位の霊魂アカトシュは、時の単一の直線性が証明するとおり単一の存在である。

1:シェザールの失われし兄弟は誤った特異点であり、それ故に倍崇められている。

1:多様な培養基が(1)からあらゆる手段を用いてアルドメリの汚点を取り除くべきだと教えてくれる。

1:至高類人猿の予言者は、単一の思考が正しい人生を招くと示した。

1:正しき命の目的は汚点を抹消することである。

1:時の狐は聖なる抹消のため定命の者の舞台をもたらす。

1:アカトシュは時であり正しき命、そして汚れた死である。

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