ダンジョンの伝承

Dungeon Lore

アークス・コリニウム:蒔種の月の報告書Arx Corinium — First Seed Report

士官の記録:百人隊長ポンティウス

沼の中に砦を建設するのは容易なことではないが、私と部下たちはアークス・コリニウムでこれを達成した。休息なき戦いの日々だった。昆虫が媒介する病気と、湿地帯の野生生物との戦いだ。だが帝国はこの地区に足がかりを求めていた。我々はそれを提供したのだ。

残念ながらこれを書いている時点で、我々はマリアヌス連隊長の命令で武器と防具をまとめ、我々の築き上げたものを置いて立ち去る準備をしている。連隊長はアークス・コリニウムを維持するために毎月半ダースの兵士たちを失い続けていることを「戦争努力にとって有害」と表現している。私はこれに賛成だ。それに私が1年半前に我々がここに到着した時点で、この結果を予測していたことをはっきりさせておきたい。私は繰り返し言ったのだが、連隊長は計画を進めよとの命令を下したのだ。これは苦情ではなく、事実の表明である。

建設は多くの困難に妨げられた。沼地はことあるごとに進捗を妨げ、我々が建てた当初の土台は1ヶ月で沈んでしまうことが明らかになった。より北の方へ場所を移した時、我々は獰猛なワマスに出くわし、私はそいつを敷地から追い払うのに10人の部下を失った。複数回の遭遇を繰り返した後、我々のウォーウィザードであるベリサロはそいつに暴風のガナクトンという名を付けた。この獣がその体中の穴という穴から電撃を放出するのを見たからである(「ガナクトン」とはオークの血を持つと噂される、嫌われ者の叔母のあだ名である)。

濃厚な湿気はもう一つの敵であり、建設を始めた最初の数ヶ月の間、我々のプレートアーマーは汗が詰まった鋼鉄の樽へと変わってしまった。規則には反するが、私は兵士たちに夏の間、布鎧という贅沢を与えてやった。そうしなければ熱中症で死ぬしかなかっただろう。もし攻撃を受けていたら不利な状況に陥っただろうが、アークス・コリニウムにまで進軍して来るような敵は何者であれ、我々のところまでたどり着く頃には半死半生になっているだろう。いずれにせよ、そのようなことは一度も起きなかった。

それでも、戦いは我々を見逃してくれなかった。この沼にいる獣はどれも、その大小は関係なく、歩く死の罠である。ある日は大人の頭ほどもある大きさの昆虫を剣で突き刺して戦い、また別の日は我々の魔術師たちが、暴風のガナクトンをはじめとする、砦を襲い続ける連中の対処に苦心した。こいつは東の壁を何度も破壊しており、奴の頭蓋骨を私のマントに乗せるチャンスを得られなかったのが残念である。しかし、我々はついにここを去ることができるのだから、喜んでガナクトンを生かしておいてやろう。

この1年半を振り返ってみて、アークス・コリニウムを建設するために要した人的および物的資源を考えると、それだけの価値があったとは思えない。繰り返すが、これは不平の表明ではない。自分が受けた命令に関して、私は自分の上司に何のわだかまりも持っていない。しかし、私がこの計画に先んじて複数回の警告をしていたこと、そしてアークス・コリニウムの建設が帝国にとって破滅的な冒険となりうると私が考える理由を詳述した、私の直接の上司マリアヌス連隊長への手紙の写しを集めてあることを述べておきたい。

これは私自身であれ、私の部下たちであれ、マリアヌス連隊長であれ、誰かの失敗を宣告するものではないということを明確にしておきたい。私は決定がヒラリオ護民官の責任であることを完全に理解しており、上述の手紙を読むよう、私は彼に勧めたい。私はすでに知らせを送り、すべての士官が帝都の軍の公文書館で手紙を読めるようにしておいた。

ウェイレストの下水溝:略歴Wayrest Sewers: A Short History

第1巻

ヒレール・ベニケ 著

ウェイレストの街が常に景気がいいのは、多くは商人達によるものである。豊富な資金によって街は驚異的な発展を遂げ、ウェイレストは「湾の宝石」とあだ名されるまでになった。つまり、市民の富裕層が資金を出したのである。街の建設のための輝く石や、警察機関の者が着るきらびやかな鎧。最も重要なのは、ウェイレスト下水道である。

街の建設当時までさかのぼった報告によれば、ウェイレスト下水道が完成する前、街は宝石は宝石でも肥やしと泥に埋もれた宝石だった。第一紀801年に、インペリアルの船乗りだったシルヴィア・カトーが書いている。「ビョルサエ川はごみと鼻をつく臭いと病気の水路で、イリアック湾もビョルサエ川が流れ込む場所で同じようにひどく不快なところになっている。これがいまいましいブレトンの街なのだ」

今日、ビョルサエ川はウェイレスト自体と同様に素晴らしく輝いている。これは何もかも下水道のおかげだ。下水道は昔のドゥエマーによって作られたどんなものにも匹敵しうる建築工学のたまものである。今日に至るまで建設を続けていられるように、そして地上と同じようにたやすく地下でも街の中を移動できるように、下水道のモジュールが設計されている。下水道は街と同様、常に拡張されているのだ。しかし規模の点でシステム全体の欠点が1つある。下水道が大規模になったために、ウェイレストの警察機関がすべてをパトロールすることは難しく、それゆえに犯罪が湾の宝石にやって来るということだ。街そのものと同様、スクゥーマの取引や死霊術といったこうした違法行為のほとんどをする余裕があるのは金持ちに限られる(スクゥーマはタムリエルの広範囲で禁止されている麻薬、死霊術は死人を蘇らせる魔法の術で、こちらも多くの地域で禁止されている)。

第2巻には下水道敷設に際して最も多くの寄付をした貴族の家名の一覧が掲載されている。オルシニウム陥落の直前に下水道を思いついた元々の設計者の名は残っていないが、第3巻には第一紀末からこれまで下水道の拡張と発展のために働いてきた職人と技術者の一覧表が掲載されている。

ヴォレンドラングとは何かWhat is Volendrung?

グロワー 著

ヴォレンドラングは歴史上最も悪名高い神話世界のアーティファクトだ。これまで記述されたどの説明についても、それぞれの説明が同じものを指しているのかどうかも含めて学者たちの見解は一致していないが、それはデイドラと同様ドゥエマーとも文化的な結びつきがある。

研究者達はヴォレンドラングと呼ばれるあるアーティファクトがローケン・クランによって造られたドゥエマーの遺物だと考えている。それは首領の武器であったし、同時に家紋として戦場に持ち込まれたものであり、ローケンがチャイマーとドゥエマーの第一公会議への参加を拒否したのをきっかけに有名になった。残りのドゥエマーが彼らを些細なことで見捨て、ローケンは彼らとともに留まることが不倶戴天の敵であるチャイマーとの同盟を意味するようになると、彼らの元を去ることにした。

そしてローケンの首領はヴォレンドラングを空に投げ上げ、それが地に落ちた場所がどこであろうとそこを故郷とすると誓った。こうしてヴォレンドラングは放浪の身となったローケン・クランの導きの光としての役割を果たすことになった。投げ上げられた槌は、獣のような咆哮を上げて空を横切っていった。昼間は2つ目の太陽のように、夜は月々の姿を映して、ローケンを大陸の反対側へと導いた。そこで彼らは伝説の街ヴォレンフェルを発見したと言われている。その街は実在したとしても、未だに発見されてはいない。

しかしいかにして、正体不明のローケンの首領がそのような途方もない投擲をやってのけたのか?ドゥエマー軍は戦争の遂行力と機械の歩兵で知られていた。ドゥエマーが武器一つを大陸横断するほどの距離まで投げる能力があったのだとすれば、なぜ彼らは戦争でそのような長距離攻撃を行わなかったのか?現代のアークメイジであったとしても、物体をそのように長い距離で飛ばす魔法を発明するのは困難であっただろう。ヴォレンドラングが実は飛行エンジンで、失われたドゥエマーの機械技術の力によるものだったというのでなければ、一連の物語はボズマーの話のように思われる。

この説の提唱者に限らず、ドゥエマーのヴォレンドラングの飛行はさまよえるローケン・クランを単に詩的な想像力で表現したものだと信じる懐疑論者はいる。

ヴォレンドラングと呼ばれる2つ目の槌は、記録ではドゥエマー説とほぼ同じくらいに古くから存在しているが、今度はデイドラ公マラキャスが所有するデイドラのアーティファクトである。マラキャスの遺物はドゥエマーの槌と同じ名前で、そのため多くの人々は同じ伝説上の武器であると考えている。しかしなぜ、呪いの神が敵の手で造られたものと関りをもつというのだろうか?ドゥエマーの作品の模造品を作るため?ドゥエマーが大事にしていたものを奪って彼らに対抗する道具として使うため?むしろ破壊工作的で間接的な、マラキャスの歴史に伝えられてきた率直な精神性には似合わない行為だ。

アンガリンの「デイドラの武器」はこの槌の魔法的性質について推測している。この文章はいくつかの魔術師ギルドの論文を引用した上で、この槌が使用者に力を与え、打撃を加えた敵の強さを失わせると主張する。マラキャスの意図によく合致した性質である。疑問点は、それを名づけたのが定命の者だったのか、それともマラキャス自身だったのか、そしてローケンのクランが数世紀後に同じ槌を使用したのかどうかだ。

ヴォレンドラングとは何か。タムリエルには知りえぬ謎かもしれない。

クワマー卵料理の本The Art of Kwama Egg Cooking

はじめに

ベラミ・レヴァルソー 著

クワマーの卵はいつもダンマーのごちそうでした。とはいえ、帝国の台所でも活用されていると聞いたことがあります。(あのような手合いがクワマーの卵でどんな不気味な料理を作るのか、知りようもありません。チキンに詰めるとか?ゆでてパンに乗せるとか?彼らは尊大な人々なので、尊大な料理を作るのでしょう)

クワマーの卵をそれなりにうまく料理するとは、ぴりっとした酸味とねばねばした食感を使いこなすということです。この意味でクワマーの卵はスクリブのゼリーと同じで、若いシェフの多くが(年配の人に教えてもらえばよかったのに教えてもらわなかったダンマーのシェフさえも)卵を他の材料の背後に隠そうとして、不快感に気づかせまいとごまかそうとしています。シェフは自分の料理でクワマーの卵を甘くしたり、苦味を加えたりして謝罪してはなりません。適切な作り方をすれば、クワマーの卵の素材の持ち味に助けられて、グルメな教養人が刺激的な栄光のうちに料理を受け入れてくれることでしょう。

ではどのような準備がひつようでしょうか?ダンマーだけが知っています。ダンマーだけが自身をクワマーの卵料理の達人と呼ぶ必要がある経験をするからです。つまり、クワマーを最初にてなずけたのは私達なのです。

私はといいますと、この技術に没頭して人生の大部分を過ごしてきました。農民にも貧民にも、大師範にも首領にも、クワマーの卵料理をお出しして、どなたにも喜ばれました。親愛なる読者のみなさん、この本には私の職歴すべてから得た知識が詰まっています。クワマーの卵の繊細ながらも素晴らしく際立った種々の料理法を本当に究めるには一生かかるものですが、私はここにそのすべてを紹介しました。少なくとも価値のあるものすべてを。レシピ通り正確に作ってください。魔術師が魔法を唱える時、客間にデイドラを呼び寄せてしまわぬよう即興の呪文を控えるべきであるように、クワマーの卵の料理人は私がここで引いた道、長年の試行錯誤から苦心の末編み出した方法を外れてさまよってはいけません。

私を信じてください。うまくいけばわかります。

ああ、それから、ムーンシュガーは脇に置いておいてくださいね。卵が台無しになります。

ここに来た者へTo All Who Pass Through

私はドゥゼイル。オブリビオンの職人である。そしてこれらは我が狂気の地下室である。刮目せよ。そして怯えよ。

これらは我が敵どもを閉じ込めるために設計された。私に苦痛を与えるためだけに生きていた悪党どもである。あの邪悪な連中は何年もの間私を嘲り、せかし、挑発した挙句、最後にウェイレストの貴族たちを私に手向かわせた。連中は西方における卓越した建築家としての私のキャリアを台無しにしてしまった。

こうしたことに対する怒りのために、私はデイドラを探し求めた。デイドラはやって来て私の才能を活かせる契約を提示した。彼らは私を苦しめていた者たちを捕まえ、ここに投獄する。その見返りとして、私は彼らのために建築を行う。私は喜んで引き受けた。

ウェイレストでは、私は法の執行のための逃亡不可能な牢獄や、庭園区画の貴族たちのためのオパールの城を設計した。私の仕事は芸術的追求と建築学的機能性との融合として歓迎された。しかし私がオブリビオンの次元のために作り上げたものはそれよりも遥かに上である。陰謀を練るコールドハーバーの王のための黒い尖塔は、彼の偉大さに対する記念碑であると同時に、拷問の器具でもある。デッドランドのカミソリ穴は決して鈍ることがなく、破壊の公のために肉、骨、そして霊的エキスも切り裂くことができる——最も強力な治癒師にも治せないような仕方で。

とはいえ、こうした作品のすべて——モラグ・バルの身ごもる胞子の塔から火花を放つウェイレストのペリンゲール邸まで——は、この地下室に比べれば子供のおもちゃでしかない。これらは我がデイドラの三日月であり、我がアカヴィリの戦刀であり、我が技術の結集、私の最高傑作である。

それにこれらは時とともにさらに特別なものに成長する。かつては私の定命の生を台無しにした3人のイカサマ師のための永遠の苦悶の場所だったものが、今ではタムリエルのあらゆる種類の魂のための拷問の中枢になったのである。私がこれらの地下室に注いだ労力はあまりに優れたものなので、デイドラ公でさえ私に魂を送って監視させてくれているほどである。

そして親愛なる来客のあなた——ここであなたが経験する痛みは生涯を尽くした改良と反復の賜物だということを知るがよい。ありがたく受け入れ、のたうち回り、そして恐れるのだ。

テンペスト島のブリーフィングTempest Island Briefing

オルドゥロウよ、お前は命令を受けた。そしてお前はいつも通りきちんとそれをこなした。しかしこの任務に関して、俺はもう一度謝っておきたい。キャノンリーブがテンペスト島の駐屯地のための俺の計画を崩壊させなければ、これは不要なはずの任務だった。俺は島の防衛のため白鳥型の船の艦隊を派遣するようにとの請願書を書いた。ピャンドニアからの長射程船の艦隊を寄せつけないために十分な戦力だ。要請は却下された。

「マオマーはパクトとカバナントの後で相手をすればよい」と連中は言った。資源不足を理由に、俺の「根拠のない懸念」のために注げる戦力はないと。だから俺は何人かの知り合いに昔の戦いでの貸しを思い出させて、やっと数隻の偵察船を送れた。

最初の週に、異常な気象現象が報告された。沿岸から来たと思ったら去っていく、素早い雷雲だ。2週目になると嵐は強くなり、容赦のない荒天に紛れて戦艦の艦隊がやって来た。キチン製の船体に乳白色の帆、甲板は稲妻の杖と剣の火花で照らされていた——俺たちが記憶している通りの、マオマーの戦争用装備だ。俺の斥候たちは奴らの勢力は小さいと判断した。全面的侵略のための艦隊ではなかったんだ。だが奴らが攻撃の決定を下せば、マラバル・トールの沿岸は完全にやつらの手に落ちてしまうだろう。

キャノンリーブたちが一瞬でも地図から目を離してオークや人間の動きを追うのをやめてくれれば、恐るべき脅威が彼らの鼻の下まで膨れ上がってきているのに気づいただろう。俺の斥候たちは毎週、マオマーが力を増していることを報告している。数日ごとに船が数隻、何らかの気象魔法に隠れて現れるんだ。数ヶ月遅かったと、今ではキャノンリーブたちも俺に賛成している。

お前とお前の兵士たちに多くを頼みすぎていることは重々承知してる。だがオルドゥロウ。お前が奴らを止めなければ、ドミニオンはこの戦争でさらにもう1つ戦線を増やすことになる。デイドラよりも、エボンハート・パクトよりも、ダガーフォール・カバナントよりも強く、マオマーはアルトマーの死を望んでいる。奴らはずっとそうだったんだ。

奴らに慈悲をかけるなよ。

結びつけの石The Binding Stone

番人の手引き 第2巻 結びつけの石

訂正担当キャノンリーブの執務室より

アルトマーの文献には様々な罠の魔法が言及されている。そういった魔法の中には、第一紀初期の「アニネーレの塔」のように、標的の周囲に物理的なフィールドを創り出すものもある。この類の魔法は魔法の石壁や内向きの結界のようなもので、それなりの力をもって打ち砕かなければ破ることができない。その効果の強さは魔法によって様々だが、一般的には素人を閉じ込めておくには効果的で、れんがやしっくいよりも頑丈で壊れにくい。

もちろん、壁では閉じ込めておけない魔法か何かの生物を閉じ込める方法を、魔術師が模索することもある。ガス体のワイルドハントやネザーリッチ、種々の亡霊や幽霊はみな、物理的な障壁をすり抜けられる。こういったものは、完全に通さない壁を作り出し、同時に閉じ込めておくもののマジカを吸収もしくは取り除くような魔法を使って捕獲しなければならない。このような魔法は効果が失われないように常に詠唱し直さなければならず、魔法の使い手がマジカを多く消費するのが常である。

結びつけの石は、まだだったとしてもすぐに番人の長が教えてくれるだろうが、こういった呪文を組み合わせたものとして役に立つ。形があって小さく、それゆえに持ち運ぶことができるが、自分よりも強力であってもマジカを使うすべての生物を捕らえておくことができる。捕らえた者を逃すことが、自分個人にもオーリドンやタムリエル全体にとっても、どのような意味を持つか理解していることと思う。結びつけの石の状態は捕らえた者の状態よりも重要だ。まさに番人の命そのものが、この石を適切に保ち続けられるかどうかにかかっているのである。

捕らえた者について。その者に話しかけてはならない。そうすることで特段の危険があるわけではないが、そうした交流はどんなものであれ実りのないものだ。自分自身を監視せよ、互いを監視せよ、自らの義務を果たせ。さすればその名は、かの者の脅威からオーリドンを守ることに注力した者として永遠に残るであろう。

黒檀の刀剣に関する記述With Regards to the Ebony Blade

以下は収集したモラグ・トングの覚書の全文で、デイドラのアーティファクトである黒檀の刀剣についての推測が記されている。

まず始める前に、序文を述べさせてもらおう。デイドラ公メファーラと彼女の信奉者は、他の何よりも神秘を高く評価している。このことは時が経てばわかるだろう。ハルメアス・モラにとって知識は力であるが、メファーラは選び抜かれたほんの一部にしか関心を持たない。知識は隠されており、非公開である。

メファーラにまつわる種々のデイドラのアーティファクトにも、この傾向がある。中でも重要なのは、黒檀の刀剣であるが、これについてはほとんど知られていない。トングの記録自体も金属の中に秘められた価値に関して意見が食い違っている。だが私は知っていることを伝えようと思う。その代わりに、お前にはギルドのための最初の任務を完遂してもらいたい。黄金の花にふさわしい作戦拠点を見つけてくれることを願う。お前の部屋は私の部屋の中でもお気に入りだ。温かく、乾燥している。

その1:初めてモラグ・トングがその剣に注目した(少なくともここ10年)のは、我らの仲間オルンドラスが別の仲間、リヴィスから奪って手に入れた時だった。リヴィスは何年も、仲間のモラグ・トングから隠れて、隠れ家に剣をしまっていた。オルンドラスはどうやってリヴィスを見つけたのか?彼はその秘密を墓まで持っていくだろうが、彼の上官のささやきによれば、ウェブスピナー本人が彼に告げたのだという。トングもその剣がメファーラとどのような関連があるのかを知らない。彼女の姿の延長なのか、彼女の本質がその剣に結び付いているのか。だがこの剣は彼女にとって重要だ。ということは、我々にとっても重要なのだ。

その2:リヴィスは野心的な魔術師で、トング有数の強さを誇っていた。そして彼はオルンドラスが自分の隠れ家から黒檀の刀剣を持ち出すのを許しはしなかった。2人の間で争いが起き、オルンドラスがその剣を使って初めて血を流し、殺し損なった時、彼はリヴィスが炎の魔法で自分を圧倒してこなかったことに驚いた。その剣が魔術師を沈黙させたか、マジカの流れを阻害したか、単にマジカを吸収した可能性がある。

その3:リヴィスは戦いの感覚が鋭敏で、オルンドラスよりも技に長けていた。だがオルンドラスは黒檀の刀剣を振るっていた。戦いが続いている間に、彼が受けた傷はひとりでに塞がった。あたかもオルンドラスが傷を受けていなかったかのようだった。恐らく黒檀の刀剣の回復させる性質だろう。

その4:リヴィスの最期の言葉は「我々全員はいずれ吸血鬼になる」だった。オルンドラスは、彼が刀剣について言っていたのであり、リヴィスが恐怖から刀剣を隠していたのは理にかなっていたと信じていた。最も立派なモラグ・トングであっても、追い詰められればどんなことでも言うだろうと私は思っている。私はそうしてきた。

その5:オルンドラスは剣を取り戻し、詳細な報告書を上官に宛てて作成し、それから彼らの虐殺を試みた。彼は1人を除いて全員殺した。彼の行動には目に見える理由も動機もなかった。彼が最後に目撃されたのは黄金の花の3階でのことだった。

黒檀の刀剣を我らの元に取り戻してもらいたい。オルンドラスはどうなっても構わない。左目の下に傷跡のあるダンマーを探せ。

魂縛1:序章Soul-Trapping I: An Introduction

妖術師エリニョン 著

死についての長い議論が続くことをご容赦願いたい。肝心の部分、魂縛の実際のやり方には遠からず到着するだろう。最初の版の出版によって生じた倫理的論争の後では、「魂縛」の本改訂版に導入の章を一つ盛り込まなければいけないと感じたのである。

魂縛とは生物の死に際してその魂を奪い、適切な大きさの聖句箱に閉じ込める技術のことである。魔法の歴史全体を通じて、魔術師も哲学者もこの技術の道徳性について争い続けてきた。

魔術師たちの中には、いったん死んで魂を捕縛されてしまえば、生物の霊魂は前世の影に過ぎず、自分の周囲で何が起こっているかを認識することはもはやできないと主張する者もいる。ごくまれに見られる、幽体状の狩人となってタムリエルの暗闇に潜んでいる者たちも、自然の衝動に従って行動する捕食者以上のものではない。このような魔術師たちにとって、個体は一度死ねば輝きを失うということであり、生物学的な死によって何か触れることのできない元素が失われ、再びそれを得ることはできないということになる。だとすれば、魂縛は倫理に反する行いではないと彼らは主張する。それどころか、死去した者の魂をそのまま放っておくのは資源の無駄でさえある。

当然ながら、我々生者はまだ生きている以上、確実に知ることはできない。死後の世界に関する理論は無数にあるが、タムリエルで最も強力な魔術師たちでさえ、死神の手から帰還して、死の状態における知覚の程度を報告した者はいない。それゆえ、タムリエルの共同体の中には魔法に携わるかどうかを問わず、魂縛の呪文の使用を非難するものがある。第一紀の型破りなアークマグスであるエロミオンがこう尋ねたことはよく知られている。「あなたは死後の生を、私の浮遊の杖に力を供給して過ごしたいと思うだろうか?」アークマグスは生涯にわたって、一度も魂縛の呪文を使用したことがないと主張した。

この論争に一定の重みを与えているのは、そうした魂は捕縛状態においても非常定命の者らしい感情を保っているという噂である。噂が真実ならば、アルトマー王家の人々はすでに進化型の魂縛を使って、古代の上級王族を数人、死後ずっと閉じ込めてきたという(おそらくライリス家の人間であろう。あの家はその奇矯さで悪名高く、彼らの魂はその2倍も変わっているだろうから)。上級公は彼の(それの?)能力を保っており、日々見張りの者たちを挑発し、嘲ると言われている。この王族がどこにいるのか私は知らないし、知りたくもない。首を失くすのはごめんだ。だが、彼の存在それ自体が、魂にどれほどの知覚が可能かということを物語っている。ここからさらに魂縛の道徳性について仮説を立てることも可能だろう。

この主題について私は何を信じているのか?私は魂縛について10巻もの本を書いた。教育上の、理論的な、歴史的性質を持つ本である。それでいて私はこの問いに答えることができない。あなたもまた答えられないだろうというのが、私の信ずるところである。しかしあなたに答えられるのは、私が以下の巻で教えている素材が使うに値するかどうかということだ。私が頼んでいるのは、それを読んでもらいたいということに過ぎない。

子孫へTo Posterity

ハファラ 著

魔女と魔女ハンターは生来、互いに反目しあっているが、イーストマーチの魔女と我がクラン、ダイアフロストの魔女ハンターとは、とりわけ仲が悪い。彼女達の憎しみを魔女のせいにはできない。この山岳地帯でしばしば我々は衝突してきたし、我々ダイアフロストは彼女達を殺すことに非常に長けている。イーストマーチにはかつて野蛮人が横行し、風景の中に彼女達の集落が点在していた。振り向けばどこにでも、汚らしいあばら家がデイドラ公か何かを称えて建てられているのを目にしたものだった。幾世代にもわたる我が家の努力のおかげで、その数はかなり少数にまで減少した。彼女達は確かにいる。オブリビオンの企みは数え切れないが、魔女はダイアフロストの炎によって狭められた影の間を、恐れてずぶぬれになりながら動き回っている。

彼女達がはびこっていた時代、彼女達は幼い子供を拉致し、子供を殺し、死体を冒涜した。彼女達を悼むことはないだろう。最後に栄光のファンファーレと共に、彼女達をイーストマーチの地上から永遠に葬り去るのだ。

冒涜された死者への無礼となることのないように、我が世代のダイアフロストが決して忘れられない大罪を犯した悪名高い魔女のリーダー達を以下に記す。デイドラとの取引がこの魔女達に長寿を与えた。残念ながら、以下の者達を全員集めて殺す姿を、私が生きて見ることはないかも知れない。だが最後の1人が死んだ時には、彼女達の犠牲者を忘れないための記念碑を建て、彼女達の罪とダイアフロストによる死を説明してもらいたいと、子孫に対して心から願う:

フランヴァルド・フロストフィンガー。13人がメエルーンズ・デイゴンへの生贄として火あぶりにされたことが知られている。亡霊の海へ逃走し、そこでシルバーボルトが召喚された肉の精霊をフロストフィンガー自身ごと貫いたのをハンターが目撃した。死亡確認済。

ウィッテスタドルのヘンギルド。20人の犠牲者に、未確認のデイドラの主の怒りを和らげるための生贄として血を流させ、死に至らしめたことが知られている。イーストマーチ南部の山道で捕らえられ、拷問によって死んだ。死亡確認済。※※

災厄のローガー。27人の犠牲者が知られている。死因は多岐にわたるが、いずれも未確認のデイドラをなだめるために処刑された。数ヶ月にわたる捜索はうまくいかなかったが、ローガーがアデグレル・ダイアフロストの妻オドラマを挑発したことをきっかけに捕縛され、ダイアフロスト砦の階段で首をはねられた。石は夕食前に清められた。死亡確認澄。※※※

アイスリーチのドロッダ。107人の犠牲者がモラグ・バルをなだめるために凍らされ、魂を囚われたことが判明している。今なお勢力が強く、相当危険な存在である。イーストマーチの集落最古の魔女で、ただ一人、時の流れとともに力を増している。※※※※

注:

総犠牲者数と死亡の詳細について、ロガンガーによって修正。

※※レディ・ストドリルによて上記の通り修正。

※※※オゴンダルによって上記の通り修正。

※※※※現在の犠牲者数について、アゴマーによって修正。

天候戦争War Weather

これをネイディル宛に至急届けよ。古い文章の写しだが、彼女は見る必要がある。ノルドの伝説とサイジックに関する憶測は無意味だと言って申し訳なかったが、この文章には彼女が求めていた攻撃の側面についても書いてある:

天候魔法は正確な科学ではない。恐らくは制御方法が知られていないものの、予測のできない性質によるものなのだろう。

一陣の風や稲妻を出すちょっとした魔法はよくあるが、地域の気候を操作するのははるかに難しい。戦争魔術師は侵略に先駆けて敵国境地帯で起こる雹を伴う嵐の災害規模を抑え、過酷な天気の中で予期せざる行軍をするために猛吹雪を止める能力を望んできた。

そのような魔法、外国やその向こうに端を発する魔法が存在するとの説がある。

はるかスカイリムのノルドの一族が呪文に似たドラゴンの言語を操り、それによって天候をある程度支配できるようになったという伝説がある。この神話紀のドラゴン戦争間のノルドの能力に関する記述には、急な叫びによって霧や霞や雲を消す力も含まれている。ネジルの「ウィンドヘルムのドラゴン」には、大声を上げるノルドの一軍が、雷雲の下で攻撃しようとしていたドラゴンによる空からの奇襲を失敗させたと書かれている。ネジルはこう書いている。「我々は分厚い雲がうまく分かれて見えてほしいと思った。そして我々が力の言葉を唱えると、雲もそのようになった。だがそれが通過しても、太陽は隠れたままだった。その後一見してそれとわかるドラゴンの翼が青空をよふぃって広がり、ヴォフォドルの口から発せられた呪いは私の口に心からの大笑いをもたらしたのである。我々の力の言葉のおかげで戦闘をせずに済んだが、彼らは我々に、戦闘が近いと言った。我々は喜んで戦闘に参加した」マオマーはドラゴンの言語に接しはしなかったが、ノルドが達成したことが何であれ、我々の願望にかなうものであると私は信じている。

スカイリムの南西遠く、サイジック会の会員は長い間、使用者のほしいままに元素を曲げる、魔法の古き習わしを持っていると噂されてきた。我々の斥候は、アルテウムの沖合いで何年も、突然の稲妻と豪雨が小規模の吹雪に変わることを報告してきた。その事象に関する指導書が存在する可能性はある。それを古き習わしから理解可能な魔法に翻訳することは難しいが、出発点としては優れている。

アレセアの「デイドラ入門」には、デイドラ公シェオゴラスが考案した、天候操作術と呼ばれる魔法が記述されている。彼女はこう記述する。「シェオゴラスの呪文所には、彼の気分に天気を合わせるまじないが入っている。マッドハウスの王は自分が気に入った定命の者に魔法を教え、彼らが地域一帯の気候を変えられるようにしたことで知られている。この魔法は誰が唱えようが、シェオゴラスの気分次第で機能する。つまり完全にランダムな効果ということだ。彼の信者が鉄砲水を食い止めようとしたが、かわりに土砂降りの雨を降らせてしまったり、山火事を消そうとして望まなかった雷雨を起こし、火の勢いをいっそう強めてしまったりした物語がある。シェオゴラスとデイドラの契約を結ぶことは、恐らく我々が優先的に関心を持つべきことではないが、狂乱のデイドラ公から学ぶことも何かしらあろう。

上記の例からこのように言える。大規模な気候の操作は世界中で記録されており、オルグヌム王や彼に近しい人々がそうした能力を兵器に転用したとすれば、マオマー軍にとって途方もない資産となるだろう。

去る冬に私は、20人の修行者の助けを借りてこの問題の解明を始めた。完全な成功はまだだ。とはいえ、成功の入口には到達している。海の近くの開けた平原を片付けて、独自に作り出した稲妻を伴って通過する雲の動きを操作することで、雷雨を創造した。それはうまくったが、突然の嵐と予測できない雷により、グループの1人を失った(実に残念なことである)。我々の創造した嵐が力を使い果たしていなければ、我々全員が命を落としていた可能性もあった。我々は何度か試して、そのたびに嵐の持続時間を延ばしてきたし、雨の範囲を指定する方法もわかった。しかし我々の魔法の持続時間が問題となり続け、ついにはこの行為が戦闘中に役立たないことを認めざるを得なかった。

結論としては、もし魔法を高い位置で物理的に持続させる何らかの手段があれば実現する。パイプのような装置だろうか?恐らくそうした一式の装置があればマジカの消耗を続ける必要がなくなり、詠唱者が長距離を隔てて嵐を操作することが自由にできるようになるだろう。

盗賊の神の宝The Thief God’s Treasures

真実の伝播者ワファルツ 著

ラジーン、俊敏にして速さと敏捷性と狡猾さの化身は、諸国の金庫から多くの宝物を拝借した。誰の所有物であっても、彼の欲望から安全ではなかった。デイドラ公の所有物であってもだ。

ラジーンの最もよく知られた略奪品は有名なカジートの指輪だ。我が種族にちなんで名づけられたものである。それはかつては守護者の指という名であり、タムリエルに行き着いた。というのは、網の紡ぎ手自身の八番目の腕から盗まれたからである。カジートの指輪とともに、ラジーンは神のひらめきを手に入れた。それは彼を影で包み込み、その影があまりにも濃いので誰も彼を捕えることができなかった。ヴィベクの守護者も、時の流れすらも。

だがラジーンはそれだけでは終わらなかった。出て行く時に彼は影の黒い刃たるクモを殺す言葉を見かけてそれも手に入れた。奪うのがあまりにも素早かったので、ヴィベクの守護者は何がなくなったのか気づかなかった。その後の怒りは激しいものであったが、ラジーンはもはやそこにはいなかった。ラジーンは残酷でも意地悪でもない。月が気分に合う時に、彼は盗んだものを返すこともある。

網の紡ぎ手の追及の糸から逃れて、ラジーンは全ての木が倒れた地に行き着いた。唯一の通貨は知識である。その場所でラジーンはすべてを知る者から知の書を奪い、風にまぎれて消え去った。その地の王は貴重な書物を探すことをやめておらず、月がちょうどよい時には見つけることもある。時々ラジーンが返すからだ。

結局のところ、ラジーンはあまりに何度も頻繁に盗んだので、カジートの指輪が彼の盗みに飽きてしまったのだという。ラジーンが敵に囲まれた時、指輪は彼を見捨て、それが彼の破滅の元になったそうだ。この者は知っている。ラジーンは単に指輪を返したのだということを。

燃えあがる面影、第1巻Burning Vestige, Vol. I

妖術師エンディル 著

本書にはデイドラ公メエルーンズ・デイゴンに関する特権的な情報が載っている。万が一あなたが記録された歴史の黎明期からアイレイドの遺跡に住んできた場合を考えて述べておくと、デイゴンとその同類へのかかわりは、タムリエルの大部分の民から強烈に忌み嫌われている。この本やその他の巻を所持することは、あなたの隣人たちや法の執行者たちからの疑惑を招く可能性がある。多くの区画において、カミソリを統べる者の崇拝は違法であり、デイドラ公に関する交流の儀式は死刑に処される可能性がある。

デイドラ公たちの中でさえ、定命の者たちの苦痛にこれほど明確にかかわっている存在は他にいない。デイゴンが姿を現す時、その跡には必ず破壊が残される。そしてカミソリを統べる者との接触は多くの場合、召喚者の死を引き起こす。その付近にいる全員を道連れにして。突然の洪水や雷の嵐、その他タムリエル中で発生する自然災害は、メエルーンズ・デイゴンとの交流に結びつけられている。そして私が読んだ中で最も詳細な報告は、イーストマーチで起こったものである。

イーストマーチの魔女フランヴァード・フロストフィンガーは、一夜にして13人の罪なき人々をデイゴンへの生け贄に捧げ、デッドランドからスカイリムへ通じるポータルをわずかの間でも開いてくれるよう、このデイドラ公に促したと言われている。唯一の目撃者は魔女狩りのクランであるダイアフロスト家の者たちで、彼らはフランヴァードを発見し、殺すことに成功した。そのすぐ後、一家は謎の激しい襲撃を受けた。彼らのリーダーであるイロソンがただ1人生き残り、後に覚え書きを記している:

「私たちは肉の焦げる悪臭を半マイル追跡し、夕暮れに亡霊の海で(フランヴァードに)追いついた。彼女は13人の犠牲者たちの間でケラケラと笑っており、死体は集団墓地に折り重なって倒れ、クモのような文字で囲われていた。彼女を殺すのは簡単だった。銀のボルトを1発打ち込むだけのことだった。しかし成すべきことが終わった後、空気が突然沸き立ち、ひび割れるような音がした。呪文の残留を恐れ、私は部下たちを一番近くの道へ退かせ、そこから地面の雪が燃え上がり、空が火災に引き裂かれるのを見た。我々は逃げようとしたが、もう手遅れだった。空の裂け目から炎が流れ出し、私の部下30人を飲み込んだ。私は彼らを助けようとしたが、炎は消えることがなく、しかし私の肉体を焼くこともなかった。上空の燃え盛る口から声が響いた。「正者たちの中で、お前はより苦しむであろう」」

イロソンはダイアフロストのハンターたちの中でも尊敬される存在だったが、魔術師ギルドのメンバーたちも含めた多くの者が、イロソンの話に懐疑的である。亡霊の海ではメエルーンズ・デイゴンのいかなる手がかりも発見されなかった。吹き飛ばされ、鏡のようになった砂があっただけである。当然ながら、ダイアフロストはこれに納得していない。ハンターが30人も行方不明になる問題があったのだから。それ以来、ダイアフロストはイーストマーチの魔術結社に対する戦争を強化している。

しかし魔術師ギルドは亡霊の海の吹き飛ばされた砂を自然現象として、この出来事を彼らの記録から削除してしまった。だが、イロソンは正しかったのだと私は信じた。私はその場にいたのである。あの浜辺を調査したチームの、上級顧問として。

本書の第2巻には、私が亡霊の海で発見したすべてのものの詳細な報告が載っている。その中にはイロソンが記述した「クモのような円」の片割れも含まれている。メエルーンズ・デイゴンと接触する機会を得たいと望む召喚師は必読である。

偏狭のジョセフJosef the Intolerant

イリサ 著

聖なるるつぼにその名を連ねた伝説的な剣闘士はたくさんいる。中でもフェルホーン、偉大なサナレル、隠されしアレリスは恐ろしい戦闘力と闘志で知られている。一方で、偏狭のジョセフのように、別の理由で有名になった者もいる。

まず初めに言っておきたい。スカイリムの聖なるるつぼには、タムリエル中から様々な挑戦者が腕試しをしに来る。同盟規模で戦争が勃発しているこの時世にあって、アルトマーが負傷したオークを助ける場面や、レッドガードがアルゴニアンを庇って矢を受ける場面が見られることはそうそうない。だが聖なるるつぼにはそれがある。るつぼではチームこそが国家であり、硫黄の王冠を手に入れるという目標こそがその国の宗教なのである。

だが、そこに現れたのがジョセフという若い剣闘士だ。ブレトンの獅子の守護団からやって来た彼は、清潔感のある顔をしていて剣の腕も良かった。彼が健康体であり、るつぼに旋風を巻き起こすであろうことを誰もが疑わなかった。だがジョセフはいつまでたってもるつぼの中の社会の仕組みを理解できず、他のブレトンにしか信頼を置かなかった。剣闘士たるもの、同族の者よりもチームに信頼をおかねばならないということをどうしても解せなかった。

剣闘士オベレールはこう語った。「試合が始まると、ブレトンの若造がいきなりチームメイトのカジートを地面に叩きつけたんだ。すると俺の目を見て2回、ゆっくりとまばたきをした。「あいつ、ウインクしようとしているのか?」と、俺の仲間のドウマントが小声で言っていた。その愚行に付け混んで、俺たちはその若造とカジートを意識がなくなるまでボコボコにしたよ。聖なるるつぼにおいて、そういう幸運をみすみす逃すのはご法度だからね」

時が経つにつれ、若きジョセフはますます短気になっていった。異種族の剣闘士と協力しようという提案をことごとく嘲笑った。彼のその態度は参加者のみならず観客も激怒させ、おかげで経営者側には気に入られていた。「あいつは我々の宝だ。できることなら、通貨にあいつの顔を印刷したいぐらいだよ」彼らは語った。

剣闘士たちはそう思っていなかった。

ダンマーの刃ダルは、こう語った。「クワマーの農民とは絶対に協力しないと、ジョセフに言われたよ。あと、毎日のようにクワマーの卵をよこせと言われた。絶対に俺が持っているか、もしくは奇跡的に生産できるとでも思いこんでいたらしい。クワマーの卵なんて食べたこともないよ。俺はスカイリム出身だ」

ダンマーの狂気エセネンは、こう語った。「ジョセフはいつも俺のことをダルって呼んでたよ」

紅の猫アズルカナは、こう語った。「戦いのときは信頼してくれと言ったんだ。今後も剣闘士を続けたいならそうしないといけない、ってね。すると奴はガラガラ声でこう言ったんだ。「この者は、ムーンシュガーでも食って黙っておけばいいと思う」ってな。気に食わなかったよ」

天空のカミソリのイナーファーは、こう語った。「10年来の相棒フラスバードが戦いで死んだとき、俺はチャンピオンの間で泣いていたんだ。するとあのブレトン小僧に見つかって、こう言われた。「ハチミツ酒を買う金が無くなったのか?その気持ちは分かるが、お前らノルドと違って泣くほどではないな」その後8分間、フラスバードの弔い合戦も兼ねて奴をボコボコにしてやった」

ジョセフほど短期間で悪名を轟かせた剣闘士は他にいなかったが、その後すぐに姿を消してしまった。

現在の居場所は分かっていない。

魔法が出会う場所Where Magical Paths Meet

妖術師アルダーレ 著

召喚に熟達することは、あらゆる領域を自在に操る手段を得るということだ。

—炎の魔法が必要?炎の精霊を召喚せよ。炎の化身の形を借りて、そういった魔法を1ダース使いこなすことができる。

—夜の闇に捕らわれ、光の魔法があればよかったのにと後悔している?ウィル・オ・ウィスプを召喚せよ。その天然の発光が闇を打ち消してくれる。

—進路をふさぐ大岩をどかす念力の魔法がない?嵐の精霊を召喚して岩を持ち上げてもらうがよい。

—突然降ってきた雹から身を守るのに必要な結界を忘れた?氷結の精霊を召喚して空気を頭上で結晶化させ、一時的な避難所を作るがよい。

—探索の魔法では逃げた標的を荒野で他の生物と識別できない?狼の仲間を召喚して匂いをかぎ当てさせよ。

召喚魔法の柔軟性は私に情熱を与えてきた。私は特定のよく使われる魔法を、代用となる召喚魔法に置き換える総合的な手引きを編集した(詳細は第2巻7ページ参照)。

召喚魔法によってデイドラの力を手にすることもできる(あえてその力を振るおうとする者にとって)。召喚に熟達した魔術師は、スキャンプからドレモラ・ロードに至るまで、あらゆるデイドラを召喚できる。私の本はこうした魔法の初の入門書ではないが、第3巻にはオブリビオンの住人を招き寄せる手引きを説明している。「召喚の起源」もこの話題についての有用な読み物である。

私はここで召喚について高度に、ほとんど贅沢なぐらいに書いている。この全書の残り(第2巻から22巻まで)を読んでいただければ、私の言葉に重みがあることがわかっていただけるだろう。

著者注:言うまでもないことだが、オブリビオンに接触する際には最大限の慎重さが必要である。軽率な魔術師であれば、命を失うか、さらに悪いことにはデイドラにつけ込まれる可能性もある。

礼儀と作法:ウッドオーク1Civility and Etiquette: Wood Orcs I

エルデン洞穴

コリスター、賢者ソジャーナー 著

オークはアルドメリの神トリニマクがデイドラ公ボエシアに食われた時に誕生したと言われている。神話の続きはこうだ。ボエシアはトリニマクの死体を排泄し、トリニマクを信奉していたアルドマーがその排泄物を自分自身に塗りつけてオークになった。恐らくこれは単なる神話だが、イメージは妥当だ。不快でばかばかしく、少し滑稽な、まるでオークそのものである。しばらくしてこの人々の一派がヴァレンウッドにやってきて、独自の文化を発展させていった。それがウッドオークである(オルシニウムオークに関しては、第2巻参照のこと)。

オークは一般的にエルフにはつき合いづらい相手だが、このウッドオークは身体的にはウッドエルフの近縁であるボズマーと同様である。ウッドオークはボズマーよりも不作法で意地が悪いが、同じやり方で対応すべきである。忍耐と導きと注意深い目をもって、だ。アルトマーの適切な導き手がいなければ、どちらの種族も自己破壊的で無秩序な、周囲の文化的な人々すべてにとって不都合で危険な野蛮人となる可能性がある。

それでは、アルトマーはウッドオークにどう対処すべきだろうか?

まず、オークの尊敬を得ること。北方のオークであるオルシニウム(よりオークらしいオーク)と同様、ウッドオークは身体的な強さを賛美するが、それに加えて敏捷性、すなわちスピードや地理学的な知識も(同様に戦術的知識も)高く評価する。この分野での能力を示してみせれば、オークからしぶしぶながらの賞賛を受けられるだろう。

会話を始めるいくつかの方法をここに紹介しよう(尊敬の証として、自己紹介するが、少なくともまず目を合わせるようにすること)。

1.武器を使わない戦いを仕掛けてウッドオークを従わせる。ウッドオークは殴り合いを楽しむ。

2.ウッドオークと一緒に歩くことがあったら、先を歩き続けるように。こうすることで徒競走をリードすることになる。競争に勝ち、ウッドオークの賞賛を勝ち取るのだ。

3.大きな岩、つまり体と同じかもっと大きな岩を見つけて見えるように叩きつける。必要なら力の魔法を使っておくように。ただしウッドオークに知られないようにすること。

これが活発な子供の一団に自分を印象づけるようなものだと思うのであれば、それはさほど大間違いというわけではない。上記の方法には注意が必要だ。予測可能であるかも知れないが、ウッドオーク達はそれぞれ異なる個人なので、相手に合わせた即興の機転が必要になる。

さらに、アルトマーがウッドオークとやり取りをする時にすべきでないことをここにいくつか挙げておこう。

1.魔法の能力をひけらかすこと。優れた魔法を見せることが生涯にわたる熱意と最高の技の卓越性を示すことだとアルトマーは知っているが、オークは総じて魔法に対して文化的に不信感を抱いている。無知ではあっても、オーク達は魔法の基本的な働きがオーク達を抑圧し、使うことによって束縛することであると信じている。

2.戦いに火をつけるつもりがないのであれば、ウッドオークの領域で木々の間に隠れてはならない。開けたところを歩くように。ボズマーはもう知っていることだが、ウッドオークは森に潜む者達に対して親切に接することはない。それは悪意ある卑怯な秘密の行為に等しい。

第2部ではウッドオークと会話する時に生じてくるかも知れない特別な障害を説明する。たとえば宗教やマラキャス、ウッドオークにとってのオルシニウム砦に等しいものなどだ。

礼儀と作法 第5巻:アンデッドCivility and Etiquette V. 5: Undead

コリスター 著

第1部

すべてのアンデッドと幽体状の亡霊は、死霊術の生物学に従っていると一般には信じられている。実際、捕食性の野生生物の大部分がそうであるように、怪物たちの多くは生者のエネルギーを吸収し、消耗させるためにのみ存在している。このような存在とは交渉できないし、話し合いも通じない。アルトマーはこれらの怪物を狂犬病にかかった狼や、意地の悪いオークを扱うように対処するべきである。すなわち、殺すのみである。

しかしながら、死後の存在の中には感覚を有する者、あるいは獲得した者もいる。たとえば吸血鬼、リッチ、そしてレイスである。一定の慎重さを保ってさえいれば、これらの怪物とは会話が可能である。

1.言葉を話すアンデッドは強力な存在であることが多い。死においても感覚を保っていられるだけの強い魔力を持つ存在は、不承不承にしてもアルトマーの敬意に値する。

2.アンデッドは決して信用してはいけない。アンデッドとその力には敬意を払うべきであっても、すべてのアンデッドは生者から何かを求めており、彼らが奪い取ることを妨げるものはあまりない。彼らが目の前にいる間、アルトマーは警戒していなくてはならない。常に。

3.アンデッドは見た目通りの存在とは限らない。多くの強大な魔術師は自分の外見を変化させる幻惑呪文を所持しているが、アンデッドも同様である。道に迷ってさまよう子供の霊魂が、飢えたリッチの変装だということもあり得る。

とはいえ、会話に持ち込むことができれば、感覚を持つアンデッドの長年積み重ねた知識からアルトマーが学べることは多くある。明敏なアルトマーは記憶の失われた時代の古代呪文や、歴史的事象の直接の報告、あるいは失われた遺物の場所を学べるかもしれない。それにはそのアルトマーが重要な質問をすることが条件である。アンデッドと会話する際、アルトマーが取るべき態度は以下である。

1.謙遜。アルトマーとしての出自は大きな意義を持つため、理想的な世界においてはあらゆる民が、リッチや吸血鬼やレイスも含めて、アルトマーの階級概念を支持し、それに従って行動するべきである。しかしながら大部分のアンデッドは、アルトマーのアンデッドでさえ社会的慣習を支持することが稀である。そのため、アルトマーの中で最も由緒正しき者であっても、上記のリストの1つ目の点に注意するべきである。アンデッドは長老たちのようなものだと考えてみればいい。力強く、決してひるまず、すぐに怒り出す連中である。

2.知性。アルトマーにとってと同様、特に由緒正しきアルトマーにとってはそうであるように、アンデッドは愚か者に我慢がならない。あまりあからさまでないように注意しつつ、アルトマーは魔法の才覚や抜け目のなさを見せ、軽くあしらってよい相手ではないことを教える機会を探すべきである。この場合も、頑固な長老を威嚇によって従わせる例を思い浮かべるとよい。

3.自制。アルトマーがリッチやレイス、吸血鬼やその他の存在を平和的な交流に持ち込むことができたと仮定して、アルトマーには疑いなく多くの質問があるはずだ。しかしいくつ質問をするかということには気をつけるべきである。アンデッドは進んで自らの知識を披露してくれるかもしれないが、全く話してくれないこともある。

本書の第2部においては、アンデッドとの会話において生じる可能性のある障害について詳しく述べる。特にレイスと吸血鬼、そしてリッチが相手の場合である。要求される社交的知性の運用は、このいずれにおいても異なる。

傭兵 スタイル

クラフトモチーフ19:
Mercenary Style

ガスパール・ストーカーズ隊長、ガスパール・エスムリー

最高顧問ヴェルシデュ・シャイエの征服戦争中に、帝国に従属する金で雇われた部隊が暴走し、帝国軍が鎮圧するまで領土内で略奪を繰り返したことから傭兵部隊の評判は悪かった。だが3つの同盟の台頭とタムリエル全土に戦争が戻ってきたことで、我々のサービスの需要は高まっている。再び傭兵の出番がやってきた!

ブーツ

傭兵のブーツはシンプルかつ実用的だ。傭兵は仲間と共に行進して戦いに参加しなければならないため、耐久性の高さと履き心地の良さの双方を兼ね備えている。

ベルト

傭兵の腰に巻くベルトは幅が広く、それぞれにバックルが付いている重厚な革のストラップが2~3個平行に並んでいるものが多い。戦場にいる上官のものには傭兵部隊の印がついている場合がある。

通常、傭兵の兜は様式的などくろを真似たものに、牙や「角」が中央に施されている。この額の尖った物体は、敵と戦う前に相手へほんの少しだけ敬意を表しているとの見方もある。

脚当て

重なったプレートが傭兵の脚の正面を、柔軟性のある革が裏側をガードする。膝を守る膝当ては、ヘルメットの「角」に似た垂直のスパイクが付いている。

傭兵の弓は強力なもので、最も厚いものを除けば、あらゆる鎧に鋼の矢を貫通させられる。反曲させた角を使ったリムの後ろには小さな金属製のシールドプレートが取り付けられ、左手の弓を便利な盾として使いながら、右手で短剣を抜くことができる。

胸当て

傭兵の胸当ては重厚な革で作られ、表面は鋼のスケールやプレートで加工が施されているものが多い。胸当ては革の弾帯が交差していて、ギアや副武器を運べる。

傭兵の剣はファルシオンのように幅が広くて重く、切りつけるだけでなく打撃を与えることにも適した設計になっている。前のエッジだけが尖っていて、後ろのエッジは攻撃を受け止めたり、力を籠めて受け流せるように設計されている。

肩防具

傭兵のポールドロンと語当ては、最も防御を必要とする箇所に使用するため、兵士の利き腕が他より厚くできている。通常、ポールドロンの下には弾帯と剣帯がベルトで巻かれている。

手袋

傭兵は激しく押して受け流すことを好むため、ほとんどの武器に鍔が付いていない。手や前腕は分厚い籠手に守られ、その上には前腕の腕甲の多関節プレートが重なっている。

傭兵の盾はノルドのカイトシールドと形が似ていて、大きさもほとんど変わらない。鋼鉄や銅でメッキされており、少ないが傭兵の中にはわざわざラッカーやペンキを塗ったりする者もいる。これは装飾品ではない。鎧の一部で、攻撃を阻止するために設計されている。そうしてそんなものにペンキを無駄に使うんだ?

魔法を使う傭兵にとって、杖は武器にも盾にもなる。柄の両端は受け流しができるようシリンダー状の鋼鉄で加工が施されている。杖の先端に鋭いスパイクが1つ、あるいは複数ついている場合があるが、それはただの飾りではなく、窮地に追い込まれた時、短い槍として役に立つ。

戦棍

傭兵の戦棍は、重いシリンダー状のヘッドに鋭いスパイクが散りばめられている。斧と同様に戦棍の柄の上部は鋼鉄製のランゲットが取り付けられていて、下部の先には金属製のスパイク付きフェルールが施されている。

短剣

傭兵の短剣は剣幅が広いが、長さは一般的な短剣とさほど変わらない。気絶させた敵が身に着けている鎧の弱点を打ち抜く、または切り開くために作られた。投げるにはバランスが悪いが、強く投げれば強力な一発をお見舞いできるほどの重量がある。

重量感のある傭兵の斧が作られた目的はただ一つ。相手の鎧を叩き潰すか、めった切りすることだ。ヘッドの下の柄にはシリンダー状の鋼鉄製ランゲットが付いていて、斧の切断を防止し、敵の攻撃を受け流せるようになっている。通常、柄の下半分は骨製で、先端部分には鋭く尖った鋼鉄製のフェルールが施されている。

ホロウジャック スタイル

クラフトモチーフ42:
Hollowjack Style

ホロウジャックの先唱者

呼び出せ、呼び出せ、ジル&ジャック
武器と鎧の鋲を収穫し
カボチャの落胆、黒のサンザシ
不気味な装飾になれ

ブーツ

皮の足裏に尖った爪先
警戒せぬ敵を驚かす
ホロウジャックは踏みつける
倒れた者の死体を

ベルト

チンキが服を、しっかり止める
夜をさまようためきっちりと
紐は武器を近くに留め
恐怖の時に備えは万全

にやつくホロウジャックは笑わねばならぬ
切り裂き、切りつけ、脱穀し
内にくすぶる怒りが現れる
目の場所が輝きながら

脚当て

皮と樹皮が組み合わさり
足元を守る
武器が振られ、矢が放たれても
跳ね返されるだろう

トゲのない木を、たわめて放つ
トゲのある矢は死をまき散らす
作られた矢は、ねじれて飛び
目標の眉間に突き刺さる

胸当て

皮の丈夫な胴当て
前との後ろの胴を守る
全ての武器、尖りや刃を跳ね返す
突き通せぬ垣根のように

剣は切り、刃は切り離す
適切な品を作る
尖りは柄に、エッジは裏に
ホロウジャックに三日月刀を

肩防具

肩のプレート、ポールドロンを使え
危険なダメージは避けて通る
皮は堅く、蔓は長い
ホロウジャックの鎧は強い

手袋

トゲのある夜の黒さの籠手
ホロウジャックの手を覆おうとする
でも柔軟で、喉も絞められ
目をこすり、涙、そしてばらばらに

サンザシの皮とねじれた枝
恐ろしき姿で跳ね返す
どんな武器が来ようとも
この盾を貫くものはない

陽気な寄せ集めを呼び出せ
ホロウジャックの杖は長く危険
良き呪文と悪しき呪文を唱えよ
カボチャは印を知っている

戦棍

叩き潰すために作られた、尖った槌
鎧を屑に変える
ホロウジャックは喜びに微笑む
大虐殺に

短剣

針は深く突き通す
肋骨を抜け、内臓を抉る
オレンジジャッカルの蔓のように
カボチャのナイフは悪名高い

曲がった刃に意地悪な尖り
腸を抜き関節を砕く
切って切り裂き叩き斬る
ホロウジャックの良い仕事

オブリビオンの伝承

Oblivion Lore

オブリビオンについてOn Oblivion

モリアン・ゼナス 著

どれほど習慣的であっても、オブリビオンの次元の居住者を「魔族」と呼ぶのは適切ではない。おそらくこの習わしは、第一紀の予言者マルクによるアレッシアの理論に始まる—その中に「魔族との取引を禁ず」と、興味深く記したが、魔族とは何なのかについての説明を怠った。

おそらく、オブリビオンの次元から出でる、動機不明で強力な魔物という意味を持つ、エルフの古語「デイドラ」を誤って「魔族」と記したと考えられる。理論の原本が発表されてから約千年後、スカイリムの敬虔王ヘイルによる小冊子の中で彼は政敵を、「オブリビオンの魔族のように邪悪…彼らの腐敗はサングインの如くであり、ボエシアのように残酷であり、モラグ・バルの如く打算的、そして、シェオゴラスのように狂っている」と比較表現した。そこでヘイルは長々と記録にデイドラの四柱について説明し、書き込ませた。

しかし、結局のところ文書の記録はオブリビオンやそこに住むデイドラについて調査する最善の手段ではない。「魔族と取引」を行うような者は、ほとんどの場合、その行為を他に知られたくないからである。それでも、第一紀の書物には日記や日誌、魔女が焼かれた知らせやデイドラと戦う者向けの指南などが記載されている。これらを私は主要な情報源としてきた。これらは、最低でも私自身が召喚して長話を交わしたデイドラの主ほどは信用できる。

どうやら、オブリビオンは多数の領域で構成されているらしい。よって、オブリビオンには多数の同意語が存在する。コールドハーバー、クアグマイア、ムーンシャドウ等。オブリビオンの個々の土地は一人のデイドラの主によって支配されていると仮定して間違いはなさそうだ。デイドラの主たちで、その名が太古の記録に頻出する(確実に存在した裏づけや内容の真正を証明するものではない)のは前記したサングイン、ボエシア、モラグ・バル、そしてシェオゴラス、これらに加えて、アズラ、メファーラ、クラヴィカス・ヴァイル、ヴァルミーナ、マラキャス、ハルメアス(または、ヘルマエウス、ホルマイウス、ヘルマ—決まった呼び名はないようだ)モラ、ナミラ、ジャガラグ、ノクターナル、メエルーンズ・デイゴン、ペライトである。

経験から、デイドラの構成は非常に複合的であると言えるであろう。強大な力と過激主義であることを除いたら、彼らを一つの分類に収めるのは不可能に近い。とはいえ、純粋な学術便宜上、いくつかの事例に関して分類を試みた。

メエルーンズ・デイゴン、モラグ・バル、ペライト、ボエシア、そしてヴァルミーナじゃその破壊的本分から、デイドラの中でも常に「悪魔的」のようだ。もちろん、他のデイドラも同様に危険だが、めったに上記の五柱のような破壊のためだけの行動を取らない。そしてまた、これらの五柱ですら、それぞれの破壊性が同質という訳ではない。メエルーンズ・デイゴンは怒りを発散するのに、大地震や噴火などの自然災害を好むようだ。モラグ・バルは他のデイドラを巻き込み、ボエシアは人間の戦闘意欲をかき立てる。ペライトの本領は悪疫で、ヴァルミーナは拷問を好む。

この連続記事の次掲載分を準備するために、私がデイドラ研究者となってから興味を持ち続けてきた二つの事柄を調査する。一つ目は、初期に数々の記事でハーシーンと紹介された特定のデイドロスで、デイドラの主だ。ハーシーンは「狩人のデイドラの主」や「獣人の父」と呼ばれているが、いまだ召喚できる人を目にしたことがない。二つ目、そしてさらに達成できるか疑わしい目的は、人間がオブリビオンへ渡れる実用的な手段を探すことだ。かねてからの私の持論は、理解できないものを怖がる必要はない、だ。私はいつもそれを心に刻んで目的を追っている。

オブリビオンの扉、パート1The Doors of Oblivion, Part 1

セイフィジ・ヒッジャ 著

「そなたがオブリビオンに立ち入るとき、オブリビオンが汝に入りこむ」

—ナイ・チロル・ラー

これまでに存在した最高の魔術士は私の師匠、モリアン・ゼナスであった。デイドラに関するあらゆる事柄の必読本である「オブリビオンについて」の著者として、彼の名を耳にしたことがあるであろう。彼は長年寄せられている多くの嘆願をよそに、古典を新しい発見や説で更新しようとはしなかった。それは、これらの領域に関して深く調べれば調べるほど、確信を持てなくなってくることに気が付いたからである。彼は憶測ではなく、事実を探していた。

「オブリビオンについて」の出版前と後の数十年間で、ゼナスはデイドラの住みかであるオブリビオンに関する巨大な個人蔵書庫を作り上げた。彼は自分の時間の半分をその研究に、そして我々の世界を超越した危険な場所に入りこむ道の発見に成功したとき、その間の進路を進むには強大な力が必要であるという推測の下、残りの半分を個人の魔力育成に費やした。

ゼナスが一生準備を重ねてきた旅に発つ12年前、彼は私を助手として雇った。私はその立場に必要な3つの特性を持っていた。私は若く、何も問わず熱心に手伝い、本を1度読むだけで内容を記憶し、若いにもかかわらず、既に召喚のマスターであったのである。

ゼナスも召喚のマスターであった—実際、彼は全学問のマスターであったが—彼の最も危険な研究を前に、自分1人だけの力を頼りにしたくはなかった。地下室で、彼らの故郷に関する話を聞くために彼はデイドラを召喚した。彼らが到着し、拘束され、問題なく送り帰されることを確実にするために、もう1人召喚士が必要であった。

あの地下室は一生忘れないであろう。質素で飾り気のない見た目ではなく、見えなかったものを忘れない。花と硫黄、性と腐敗、力と乱心、それらの香りが召喚された魔物が帰った後も、かなりの間漂った。今なおその記憶が私を悩ませる。

召喚の仕組みに関する知識を持たない素人に説明しよう。召喚は術者の心を召喚される側の心に結び付ける。それは脆いつながりであり、単に引き寄せ、留め、送り帰すだけのものであるが、マスターが行うことによって、さらに強力になる。サイジックやドゥエマーは何マイルも離れた相手と心をつなぎ、会話することができる。(ドゥエマーの場合、できたと言うべきか)この能力はたまにテレパシーと呼ばれる。

雇われている最中、ゼナスと私の間にそのようなつながりが構築された。2人の強力な召喚士が、お互いに密接して作業を行った結果からの偶然であったが、このつながりは彼がオブリビオンへの旅に成功した場合、大変貴重な能力になるであろうと確信した。あの地の居住者は未熟な召喚士の技術でさえ接することができるため、彼があの地にいる間、発見を記録するためにこの能力で通信を続けることが可能かもしれない。

「オブリビオンの扉」モリアン・ゼナスの言葉を引用すると、それは簡単には見つからず、我々が鍵を握るある1つを見つけるまでにたくさんの可能性を検討しつくした。

アルテウムのサイジックは、デイドラの領域に踏み入り、戻ってこれる、夢見る洞窟と呼ばれる場所を所有していた。イアケシスやソーサ・シルやネマティグ、その他にも多数がこの方法を採ったと記録されているが、修道会への度重なる懇願も叶わず、我々はその利用を拒否された。修道会の指導者であるセララスは、皆の安全のために洞窟は封印されたと我々に言った。

読者諸君は他の扉のことを聞いたことがあるかもしれないが、我々はすべての扉を探そうと試みたことは自信を持って言える。

いくつかは完全な伝説であったが、または残された情報だけでは辿ることができなかった。言い伝えのなかで、これらについて言及している:マルクの地獄、コーリングトンの鏡、クロスロード、マンテランの十字架、マウス、さらにはジャシンスと呼ばれる錬金術の調合法の謎、ライジングサン。他にもたくさんの場所や物体が扉とされているが、我々には見つけられなかった。

存在はするが、安全には入れないものもある。バルの大渦巻きと呼ばれるアビシアン海の渦は船を消失させることができ、オブリビオンへのポータルかもしれないが、その渦に乗ったときの衝撃は誰をも殺してしまうであろう。同じく、スラスの柱からの跳躍もその危険を冒す価値があるとは考えなかった。それは千フィートもの高さがある珊瑚の螺旋であり、スロードが行う生け贄の行為は目撃したことがある。その犠牲者の一部は落下によって殺されてしまうが、一部は岩に砕かれるまえに消えてしまうように見受けられる。スロードにもなぜ一部は連れ去られ、また一部は死ぬのかがはっきりとしていなかったため、飛び込みの勝算には否定的であった。

一番簡単であり、気が狂うほど複雑なオブリビオンへの移動方法は、単純にここでの存在をやめ、あそこで存在し始めることである。歴史を通して、我々の領域を超えた場所へと、一見任意で移動していたような魔術師たちの例がある。もし存在したのであれば、これら旅人の多くはとうの昔に死んでいるが、我々は1人だけ生きている人を探し出せた。モロウウィンド地方、ヴァーデンフェル島のザフィルベル湾の近くにある塔に、非常に老齢で、非常に人目を嫌うディヴァイス・ファーと呼ばれる魔術師が存在した。

オブリビオンの扉、パート2The Doors of Oblivion, Part 2

ディヴァイス・ファーと接触するのは容易なことではなく、また彼はモリアン・ゼナスとオブリビオンへの扉を分かち合うことに気が進まなかった。幸いにも、我が師匠の伝承に関する知識がファーを感心させ、かれはゼナスに道を教えた。ここでその手順を説明することはゼナスやファーへの約束を破ることになるし、できたとしても、明かしたくはない。もし、知り得る危険な知識が存在するならば、これがそうである。しかし、ファーの仕組みは、長く行方不明で死んだと推定される、テルヴァンニの魔術師によって作り出された数々の領域へのポータルを有効に生かすことに頼っている。これだけはあまり明らかにせずとも言える。侵入箇所が限られる不利益と、信頼性や通路の安全性を比較検討した時、我々はこの情報提供者がいて幸運であると考えた。

そして、モリアン・ゼナスはこの世界を離れ、探検を開始した。私は蔵書庫に留まり、彼の情報を書き起こし、彼が必要な調査の手伝いをした。

「塵」旅の初日に彼はそうささやいた。その言葉特有のわびしさにもかかわらず、私は彼の興奮を声に聞き、それが心の中でこだました。「私には、世界の端から端が百万もの灰色の色加減で見えている。空も、地も、空気もなく、ただ単に粒子が私の周りで浮かび、落ち、旋回しているだけである。私は浮揚し、魔力で呼吸しなければならない…」

ゼナスはしばらくその不透明な世界を探索し、実質のない魔物や、煙の王宮などに遭遇した。デイドラ公には出会わなかったが、我々は彼がアッシュピットにいるとの結論を下した。そこは苦悩や裏切りや破られた約束が、冷酷な空気に灰が充満するようなマラキャスの家であった。

「空が燃えている…」次の領域に進んだ彼が言うのを聞いた。「地面はぬかるんでいるが、歩ける。焼け焦げた廃墟がいたるところに見える。大昔に戦争でもあったかのようだ。空気は凍てつくようだ。暖かさの呪文を周囲にかけたが、全方向から氷の短剣が刺してくるようだ」

ここはモラグ・バルがデイドラ公として君臨するコールドハーバーであった。残虐の王の下、そこは苦痛に満ち、荒廃した不毛の地であり、ゼナスにはそこが未来のニルンであるかのように見えた。モリアン・ゼナスが見たものに対してすすり泣く声や、血と排せつ物が飛び散っている帝都の王宮に身震いするのも聞こえた。

「美しすぎる…」次の領域に入るとゼナスは息をのんだ。「半分眼が見えない。見えるのは花と滝、堂々とした木々、銀の街、しかし、すべてが霞んで見える。水彩のように色が流れている。今は雨が降り、風は香水のような匂いがする。ここは間違いなくアズラが住む、ムーンシャドウだ」

ゼナスは正しく、そして思いがけなくも彼は、彼女の薔薇の王宮で黄昏と暁の女王に謁見さえした。彼女は彼の物語を笑顔で聞き、ネヴェヴァリンの到来のことを彼に話した。私の師匠はムーンシャドウを相当気に入り、半分眼が見えないまま永遠に留まることを望んだが、さらに進み、発見のための旅を完結しなければならないことを知っていた。

「嵐の中にいる…」次の領域に入ると彼は私に言った。彼がそこの景色を、暗黒のねじ曲がった木々、ほえる霊魂、うねる霧と表現したとき、メエルーンズ・デイゴンの死の地に入ったと思った。しかし、すぐに彼は「待て、もう森の中にはいない。稲妻の閃光が走り、今は船上にいる。柱はぼろぼろだ。乗組員は皆、惨殺されている。何かが波の中を近づいてくる…「ああ、神よ…待て、今度は湿った地下牢の密室だ…」」

彼は死の地にはいなかったが、そこはクアグマイア、ヴァルミーナの悪夢の領域。数分毎に稲光が発生して、必ず不快で恐ろしい方向に現実が移り変わる。一瞬、暗闇の城にいたかと思えば、次は飢えた獣のねぐら、月に照らされた沼地、生きたまま埋められた棺の中など。師匠は恐怖に耐え切れず、素早く次の領域へと向かった。

彼の笑い声が聞こえた。「我が家にいるようだ」

モリアン・ゼナスは何重にも積み重ねられ、全方向に広がる本棚の列があり、果てしなく続く蔵書庫を説明した。本が、彼には感じられない神秘的な風で浮き上がっている。すべての本には題名がなく、黒い表紙が施されていた。誰も見えなかったが、積み上げられた本の間を動き、永遠に本の中を調べ続けるゴーストの存在を感じた。

そこはアポクリファであった。ハルメアス・モラの地であり、すべての禁じられた知識が見つけられる場所である。心の中に震えが生じたが、私のか、師匠のかは分からなかった。

私が知る限り、モリアン・ゼナスは違う領域へは行かなかった。

師匠が最初の4つの領域を訪れている最中は、常に話しかけてくれた。アポクリファに入った途端、研究と調査の世界に引き寄せられたかのように彼は静かになっていった。それは、ニルンにいた間に彼の心を支配した情熱と同じであった。必死になって彼に呼びかけてみたが、彼は私に心を閉ざした。

そして彼はささやいた。「そんな馬鹿な…」

「誰もこの真実を想像し得ないであろう…」

「さらに学ばねば…」

「世界が見える、錯覚の最後のきらめき、世界が我々の周りで崩れ去っている…」

私は彼に叫び返し、何が起きているのか、何を見ているのか、何を学んでいるのかを教えてくれるよう懇願した。私は召喚術を使って彼をデイドラであるかのように召喚しようとさえ試みたが、彼はそこを離れることを拒否した。モリアン・ゼナスは失われた。

前回彼からのささやきを受け取ったのは6ヶ月前であった。その前は5年間が経過して、そしてその前は3年。彼の思考はすでにどの言語でも理解できない。おそらく彼はいまだにアポクリファをさまよっているのかもしれないが、出たくない罠の中で幸せなのかもしれない。

できることなら彼を救いたい。

できることなら彼のささやきを止めたい。

デイドラの分類パート1Varieties of Daedra, Part 1

治癒師、および反体制の司祭、アラネア・ドレサン 著

我々がデイドラの分類や、それらがどのようにデイドラ公やその支配に関わっているのかを知ることは、あまり期待できない。我々の世界に現れるデイドラの分類が、その仲間たちや後援者とどう関係しているかなど、把握することはできない。1ヶ所で見られた姿が別の場所では全く逆な場合もあり、また違う場所では矛盾して両方であったりもする。

どのデイドラがこのデイドラ公に仕えている?どのデイドラが命令を下し、どのデイドラが仕えていて、どのような上下関係がどのような状況下でありうる?どのデイドラがどの団体にいて、どのデイドラが永遠の敵対関係にあるのか、そしてどのデイドラが孤独、または社交的、もしくはその両方を行き来するのか?観察でき得る行動の種類には限りがなく、1ヶ所ではコレであり、また違う場所ではソレであり、彼らを定義する法則には必ず矛盾があり例外が生じる。

さらに、位階に関して誰から答えを求めればよいのであろうか?ほんの一握りしか知識を持たない人間から?我々の支配を続けるために、隠し事をし、謎めいた出来事を謎々で話す神から?決して率直さや正直の見本とはいえず、嘘や撹乱で有名なデイドラから?

もしデイドラが真実を語ったとしても、我々はどのようにして彼ら自身が理解しているのかを確認すればよいのか?実際に知ることができる真実すらあるのか?デイドラの取り決めは永遠に変わらないとでも言うのか?

単純に言えば、知り得ることは少なく、信じられることは皆無なのである。

これらのことを述べた上で、私が探し出し、彼の療養院にいたコープラスの犠牲者に安息をもたらすと申し入れた相手、テルヴァンニの魔術師、ディヴァイス・ファーから私が見聞した、デイゴンのしもべの話の関連付けを試みる。

ディヴァイス・ファーは、自ら進んで2柱のデイドラのみと交流を持ったと私に言った。メエルーンズ・デイゴンとアズラだ。

アズラはすべてを知り理解していたが、これらについて話すことを断った。話したとしても謎かけだった、と彼は言った。

一方、メエルーンズ・デイゴンは、ごう慢さや、目的の不変性、そして想像し得る繊細な考え方の欠如から何も知らず、何も理解しておらず、包み隠さず遠慮なく話したがった。

デイゴンの主なしもべ、ドレモラはデイゴンのようにごう慢で、目的を変えず、繊細さがなく、さらに追加してデイゴンに対してや自身の階級の中でも奇妙な特徴の敬意と忠誠心を持っていたとディヴァイス・ファーは言った。

ドレモラはクランと階級制度の中に命令されて入り、これらのクランと階級制度は明確に定義されていた。個人としてドレモラの階級は上がったり下がったりするし、クラン間の移動も可能であったが、複雑な誓いなどで統制されており、デイゴンの気分次第であったとも言っていた。

ドレモラは彼ら自身のことを「キン」(人々)と呼んでおり、他のデイドラを無思考の動物と考え彼らと差別化した。言葉「キナーズ」はドレモラ種族の一員を指す。

キン階級の最下層はチャールであり、それはドレモラの平凡な大衆であり、彼らの最下層階級である。チャールは上位にこびるが、人間や他のデイドラに対してはとても残酷である。

次の階級はケイテフであり、彼らは何も考えずに熱中し、常に全力な生物である。信頼できないが、積極的で熱心なケイテフは、バーサーカーや突撃隊などの予備部隊としてデイドラの派閥争いに使われる。

ドレモラ部隊の通常階級のなかでも最高級はキンヴァルである。かれらは戦騎士であり、戦闘において際立った活躍をし、慎重性を持った戦闘隊長の候補である。

戦士階級のチャール、ケイテフ、キンヴァル階級の上は士官階級である。

キンリーヴはクラン保安官、またはクラン将校である。キンリーヴは通常、クラン戦闘部隊か戦闘に関する管理任務と関係している。

キンマーチャーはロードであり、デイドラ宮殿や砦や門の上級将校である。キンマーチャーは通常、部隊と「フィエフ」(管理責任を問われる土地か場所)に関連する。

キンマーチャーの上はマルキナズ、またの名を「大公」である。マルキナズはロードのロードであり、メエルーンズ・デイゴンのロード評議会、マーキンの一員である。

ドレモラの最高階級はヴァルキナズ、または「王子」である。戦士デュークはメエルーンズ・デイゴンの個人衛兵であるヴァルキンの一員である。タムリエルでヴァルキナズに遭遇するのは極稀である。通常かれらはメエルーンズ・デイゴンの側にいるか、デイゴンが重要視する作戦の指揮を執っている。

デイドラの分類パート2Varieties of Daedra, Part 2

ディヴァイス・ファーのコープラスアリアムで仕えていたときに出会った他のデイドラの種類は、オグリム、ゴールデンセイント、デイドロス、翼もつ黄昏、スキャンプ、クランフィアである。言えることは多々あるが、あまり有用でもなければ信用もできない。

ディヴァイス・ファーがドレモラに似たようなデイドラで、さらに強く、独立の意思を持ち、自立したデイドラを呼ぼうとしたとき、彼はズィヴィライを召喚したことを明記しておく。ズィヴィライはドレモラに似た性格と気質を持つが、違うのは彼らが絶対的な服従を嫌い、もし敬意をもって接せられていないと感じた場合、裏切りや不忠を働きやすい点だ。

野生化した、クランフィアやデイドロスに似た獣のようなデイドラはデイドラの派閥のいたるところに現れ、それは一般的な生物の存在を表している。オブリビオンの荒野の野生動物のように。スキャンプやスパイダー・デイドラのような、他のどう猛で半知的生物もデイドラの主の領域で見られる。

一方で、元素の精霊に関してはあまり明確ではない。例をあげると、炎の精霊と氷の精霊は非常に知的に見えるが、元素の精霊のすべてが社会的、またが言語能力を持っている訳ではなさそうである。ディヴァイス・ファーはこれらの生物と多少関わったことがあるが、これらの性質にまったく興味がなかったため、召喚を嫌がった。よって、テル・ファーでの滞在中、それらの生物に関してはあまり学べなかった。

デイドラの霊魂Spirit of the Daedra

汝、我々を以下と見なすがいい

死、敗北、そして恐怖と

我々は死することはない。死を恐れることもない

肉体を破壊すれば憎悪は闇へと追いやられる。だが憎悪はいずれ戻ってくる

だが我々全てが勇猛なわけではない

我々は苦痛を感じ、それを恐れる。我々は恥を感じ、それを恐れる。我々は損失を感じ、それを恐れる。我々は闇を憎み、それを恐れる。

スキャンプが考えが小さく、恐怖も小さい

ヴェルマイは考えがなく、恐怖も無い

ドレモラは考えが深く、恐怖を知り、克服しなければならない

クランの絆

我々は生まれたわけではなく、父も母もいないが、親類やクランはいる

クランの形は強大で、肉体と考えを形作る

クランの形には力と目的がある

誓いの絆

我々は、我々の意思で他者に仕える。我々は加護を得るため、強きものに仕える

クランは伝統に沿って仕えるが、伝統が変わることもある

ドレモラは長きに渡りデイゴンに仕えているが、初めからそうではなかった

誓いの絆が固く、相互に信用がある時、伝統も固くなる

誓いの絆が弱ければ、苦痛と、恥と、損失と、闇と、大いなる恐怖に繋がる

我々が人をどう思っているか

汝はスキャンプを滑稽に思い、ヴェルマイを粗野に思うかもしれない

ならば、我々が汝らをどう思っているかわかるか?

汝らは獲物であり、我々は狩人なのである

スキャンプは猟犬であり、ヴェルマイは勢子なのである

汝らの肉は旨く、狩りは良き余興である

汝らが狐や兎を讃え、その機転や素早さを褒め、猟犬がその肉を裂くのを惜しく思うのと同じく、我々は時に獲物を褒めそれが我々の罠や追い立てをかいくぐると密かに喝采を送るのである。

だが、万物の例に漏れず。汝らはやがて廃れ、荒れていく。齢を重ね、醜く、弱く、愚かな存在へと成り果てる。遅かれ早かれ、汝らは失われるのである

時に獲物が踵を返し、我々に噛みつくことがある。だがそれも些事に過ぎぬ。傷ついたり疲れたとしても、我々はその場から飛び去り、回復するだけである。時に価値あるものが失われることもあるが、その危険があればこそ、狩りの楽しみも高まるのである。

人の謎

人は定命であり死と挫折と損失から逃れられぬ運命にある

我々が理解できぬのは、汝らが何故、絶望せずにいられるかである

デイドラ全書The Book of Daedra

アズラは闇と光の橋渡しをする神秘の領域である黄昏と暁をつかさどり、「ムーンシャドウ」「薔薇の母」「夜空の女王」とも呼ばれる。

ボエシアは虚偽と陰謀、秘密裏に行われる殺人、暗殺、反逆、法に依らない権力の転覆などをつかさどる。

クラヴィカス・ヴァイルは儀式的な祈祷や契約による力の授与や願いの成就をつかさどる。

ハルメアス・モラは運命の流れをつかさどる。星と天から過去や未来を読みほどき、知識や記憶という財宝をその手に有する。

ハーシーンはデイドラの娯楽でもある偉大なるゲーム、狩猟をつかさどり、「狩人」とも「獣人の父」とも呼ばれる。

マラキャスは拒絶されしもの、追放されしものたちの後見人であり、誓約や血の呪いの守護者でもある。

メエルーンズ・デイゴンは、破壊、変化、変革、活力、野望をつかさどるデイドラである。

メファーラは領域のはっきりしないデイドラである。「蜘蛛糸を紡ぐもの」「紡ぐもの」「蜘蛛」としても知られており、定命の者に介入すること以外に統一性がない。

メリディアは領域のはっきりしないデイドラである。生きとし生けるものの活力と関わり合いがある。

モラグ・バルは定命の者を支配し、奴隷とするデイドラである。人間の魂を刈り取って懐柔することを望んでおり、そのために定命の者の領域に不和の種をばら撒いている。

ナミラは古代の闇をつかさどるデイドラである。「霊魂のデイドラ」とも呼ばれ、あらゆる悪霊や邪霊を統べている。蜘蛛、昆虫、ナメクジなどの人間が本能的に嫌悪する薄気味悪い生物と関わり合いがある。

ノクターナルは夜と闇をつかさどるデイドラで、「夜の女王」としても知られる。

ペライトはオブリビオンの最下層階級を統べる「親方」とも呼ばれるデイドラである。

サングインは快楽主義的な供宴や道楽、よこしまな欲望への耽溺をつかさどる。

シェオゴラスは乱心をつかさどるデイドラで、その真意は誰にもわからない。

ヴァルミーナは夢と悪夢をつかさどるデイドラで、凶兆はその領域より生まれる。

「マラキャス」の項には印がつけられており、「神の怒り」に関する興味深い記述がみられる。要約すると、マラキャスに祝福されたこの武器は人の為に作られたもので、デイドラがその力を引き出そうとするとオブリビオンの虚空へと追いやられてしまうらしい。

デイドラの伝説のアーティファクトの中でも、「アズラの星」や「シェオゴラスのワバジャック」などはよく知られているが、災厄、マッカーンの槌、デイドラ殺しなどは馴染みが薄いようである…

ところが、マラキャスは「災厄」を祝福して仲間のデイドラに対抗しうる力を吹き込んだものの、それが彼らの手に落ちることはどうしても避けたかったため、卑怯者と落伍者の私闘における武器にしようと考えた。こうした事情からマラキャスは、邪悪な仲間のデイドラが武器の力を引き出そうとしても虚空が開いてその者を飲み込み、オブリビオンの彼方へと放逐されるよう呪いをかけ、そこから時の乱れのない実在と非実在の世界へ追い返そうとしたのだ。

最も深い闇Darkest Darkness

モロウウィンドでは、崇拝者も妖術師も位の低いデイドラを召喚し、奴隷や従者のようにこの世に縛りつけている。

妖術師の召還するデイドラの僕のほとんどはわずかな時間で消えてしまい、命令系統もきわめて心もとなく、縛りつづけておくのは難しい。このおかげでデイドラの暴走を防げるのだから幸運と言えるかもしれないが、数分もあればこの僕たちは敵だけでなく術者にも手ひどいダメージを追わせることができる。

崇拝者はデイドラの僕を儀式や契約でこの次元に縛りつけることができる。デイドラの僕は少なくとも物質化した姿が破壊されたとしても、その元となる霊的存在がオブリビオンに逆流してしまうまで、いつまでもこの世界に留まれるようになる。遺跡や墓でデイドラを見かけることがあったら、彼らはこの世界の長きにわたる訪問者であると考えてもらっていいだろう。

同じように、デイドラの主によって武器や鎧に縛りつけられる下級の存在にも、わずかな時間だけ召喚されるもの、壊れたり消えたりしないかぎり存在しつづけるものがある。聖堂の信者や召喚士の呼び出す魔力の武器や鎧は効果があまり持続せず、「メエルーンズのカミソリ」や「クラヴィカス・ヴァイルの仮面」のようなデイドラのアーティファクは効果が長い間持続する。

モロウウィンドのトリビュナル聖堂では、不滅のアルムシヴィに従属する下級の霊魂としてデイドラを崇拝している。アルムシヴィとは、アルマレクシア、ソーサ・シル、ヴィベクが三位一体となった神である。下級デイドラは善のデイドラと悪のデイドラに分類され、善のデイドラはアルムシヴィの権威に服することをいとわないが、悪のデイドラはアルムシヴィに反抗的で、仲間よりも敵になることの多い背教者なのである。

善のデイドラはボエシア、アズラ、メファーラである。ハンガーは「策略の父」ボエシアとつながっている強大かつ凶悪な下級デイドラである。しなやかで長い手足と尻尾を持ち、その顔は獣のようで、麻痺能力や武器や鎧を解体する能力で知られている。翼もつ黄昏は黄昏と暁の女神であるアズラの死者である。西方の野蛮なハーピーとよく似ているが、ふくよかな体つきははるかに魅力的で、すらりと伸びた鉤爪は比べものにならないほど強力だ。スパイダー・デイドラはメファーラの僕で、蜘蛛と人間の中間のような姿をしている。禿げあがった頭、胴体、両腕はどれも人間のようで、8本の足を持ち、巨大蜘蛛の甲殻によって守られている。残念ながら、このデイドラはあまりに凶暴で理性に欠けるため、「紡ぐもの」メファーラの命令を忠実に守るとは言いがたい。そのため、モロウウィンドでこうした怪物を呼び出す、あるいは支配しようとする召喚士はまれである。

悪のデイドラはメエルーンズ・デイゴン、マラキャス、シェオゴラス、モラグ・バルである。すばしこくて煩わしいスキャンプ、猛獣のようなクランフィア、気高き死の番人ドレモラはどれもメエルーンズ・デイゴンと繋がりのある下級デイドラである。ワニの顔を持つヒューマノイドのデイドラはデイドロスと呼ばれるモラグ・バルの僕である。一方、体はいかついが血の巡りの悪いオグリムはマラキャスの奴隷である。シェオゴラスの下級デイドラであるゴールデンセイントは半裸の女性の姿をしており、魔法に耐える力がとても強く、危険な魔法使いである。

モロウウィンドでしばしば遭遇するその他の下級デイドラに、精霊、もしくは元素の精霊がいる。精霊とデイドラの主の間に連帯感はなく、
彼らと手を結ぶこともない。気まぐれに世界を渡り歩きながら、誘惑や衝動、あるいはタイミングによって立場を変えるのである。

コールドハーバーの自然On the Nature of Coldharbour

エリンヒルのファラスタス 著

これは第八講である。コールドハーバーの自然について扱う。どうやらいるはずの人数より多くの人がここにいるようだ。だからどうかご自分の台帳を確かめてほしい。もしトランスリミナル・ブリッジズと書いてあったら、部屋を間違えている。

コールドハーバーは残忍、奴隷、吸血症、そしてその他様々な嫌悪の対象のデイドラ公、モラグ・バルによって支配されるオブリビオンの領域である。それゆえ、気持ちの良い場所ではない。その次元の説明はオブリビオンのいかなる研究においても相変わらず広く多様化しているが、コールドハーバーは陰気で冷たく、そして大部分は生物が住んでいない。恐怖の毒気が充満した場所で、そこでは彷徨える魂が永遠に苦しめられているという点ではすべての説明は一致している。

これは、私の前回の講義で述べた、まさしく混沌によって作られているオブリビオンの次元が、その支配者の本質を反映した姿と気質を帯びているという論点を強調する。それゆえコールドハーバーは、強力なモラグ・バルの目的を具現化するよう形成されてきた。

ではそれらの目的とは何だろうか?最近折よく、ステンダール教団の後期カーディナル・ベルフォートの蔵書庫と文書を手にしたので、私はこの問題に権威をもって話すことができる。カーディナルはタムリエルから全種類のデイドラ信者達を取り除くことに生涯を捧げた。彼は特に、モラグ・バルの崇拝者達の迫害において厳格であり、そしてその時代の彼らの胸の悪くなる小論文や論文を多く手に入れた。

これらの資料の研究は、モラグ・バルの欲望、とりわけ定命の者達の魂を奴隷にすることについて明らかにした。この目的、つまり魂の状態をあの世への旅からコールドハーバーの次元での監禁と隷属に転換するこの最終的な目標のために、様々な厭わしい卑怯者達が雇われた。モラグ・バルの領域への到着に際し、魂はオブリビオンのいくつかの解き放たれたクリエイシアに自身を結び付け、生きていた時の外観を持つ見せかけの肉体を形成する。魂なき者と呼ばれるこの悲しき奴隷達はその後、彼らの主である奴隷王モラグの栄光と快楽のための苦痛の中で骨を折って働く。

私はこれまで明らかにされていなかった教団のこれらの秘密を伝える、だから諸君達は…ホール内のあのひどい混乱は何だ?あんな身の毛もよだつ叫び声の中でどうやって講義しろというのだ?このような状況では働けないな。

コールドハーバーの奴隷の穴The Slave Pits of Coldharbour

キンブリーフィング 3/97:

さてお前達は身体喪失も痛みの輪の刑を宣告されることもなく穴での最初の2シフトを生き延びた。今やそのすべてを知ったと思っている。そうではないのだ、キンワームよ。最初の2シフトは、どんな馬鹿でもできる簡単な仕事を任務として与える。だからお前達は、ありがちな失敗で私達を当惑させはしないだろう。しかし次は3番目のシフトだ、キンワーム達よ。これからノルマの話をする。

これらの魂なき者はお前達の気晴らしのために連れてこられたのではないのだ。オーバーキンとして、それらは私の気晴らしのために連れてこられたものでもないと言える。それらはただ単にデイドラ公の気晴らしのためにここにいる。そして彼は大いに楽しむ。だから注意を払え。お前達は魂なき者を割り当てられた。それらがする必要のあることを命じられ、そして必ずそれをやらせるのだ。

そしてお前達は、それについて情け容赦ない態度でいるように。楽しい部分だがコツのいる部分でもある。なぜなら私達は限られた数だけの魂なき者を手にし、それらを長続きさせなければならないからだ。もちろん、魂なき者はきっと苦しむだろう。でなければ、お前達は苦痛のノルマを達成しない。しかし魂なき者をあまり早く使いきってはいけない。でなければお前達は苦労のノルマを逃すだろう。そしてもしお前達がそのどちらかのノルマを逃したら…

そうだ。お前達は痛みの輪を見たことがあるな。

そういうことだ。キンワーム達よ・苦労と苦痛、そしてその二つの間のバランスを保つ。お前達の何人かは失敗し、ゆっくりと苦しい身体喪失を受ける。だが他の者達は内なる嫌悪と勝利を見つけ、ノルマを満たし、至福の監房での時間を手に入れるだろう。それはお前達次第だ。キンワーム達よ。切り開くのか、それとも痛みかだ。

セレスティアル スタイル

クラフトモチーフ41:
Celestial Style

星のガーディアン

上記のように、下記の通り。これが我々の信条である。それ故、セレスティアルの下に武器や防具を作ろうとする者は、星座の上の導きと模範にしたがわねばならない。

ブーツ

空を駆け、黄昏から暁まで夜を纏う者は誰か?尊き馬、駿馬である。そなたはセレスティアルの旅を全て支える、駿馬のようなブーツを作る。

ベルト

黄道を巡り、自由に這い回る者は誰か?星なく月なき大蛇である。そなたのベルトはウィルムのように強く、12の月の頭が尾に付くように長い。見るが良い。

空の顔から光る目で見守る者は誰か?暁星の月の儀式である。その目は見ているが、その顔は隠されている。儀式のように顔を兜とバイザーに隠し、見ているが見られぬこと。そなたの行動が明らかにするまで、知られぬままでいると良い。

脚当て

必要で些細な魔法を極める助けになる者は誰か?そなたのすぐ後に続き、南中の月まで支える見習いである。この脚当てを、見習いのように支えとするが良い。良き意志を持って。

遠くから撃ち、全ての心に共感を燃やすのは誰か?淑女である。彼女は天空で弓のようにたわむ。その矢は真実を射抜くだろう。この言葉を記すといい、セレスティアル。

胸当て

高き場所にて、ニルンを悪しき粒子から守る者は誰か?オーロラである。光のカーテンは星を覆う。オーロラを胸当てとしたかのように、その胸当ては武器からそなたを守る。

剣と鋤を持ち、種と敵を植える者は誰か?蒔種の月の守護者、剣と鋤を極めた大公である。そなたの剣を大公のように直立させ、誉れ高く掲げよ。

肩防具

栽培の月に、足元に隠れて攻撃するのは誰か?影である。見られているが見られず、空の動きを全て模倣する。そなたのポールドロンも影のようにせよ。そなたの動きに従い、忠実に静かに、攻撃の折に守らせると良い。

手袋

安全な季節がなくなった時、手袋を取る者は誰か?恋人である。彼女は蒔種の月まで全てを覆い、その後は何も覆わない。手袋は恋人に続き、それゆえそなたの手袋はしなやかに纏われ、危険な時には守ってくれる。しかし、外された時により美しい。

世界を支えるセレスティアルを守る者は何か?道を開きも閉じもする塔である。そなたの盾を塔のように強くして、敵の武器の道を塞ぎ、自らが叩く道は開けよ。

最も強き武器として、杖を持つ者は誰か?恵雨の月の魔術師である。その手は杖によりマジカを降らせる。そなたの杖は魔術師の杖を真似よ。より速き星の魔術師として、星雲を装飾するが良い。

戦棍

空を魔法の力で叩くものは誰か?夜と昼を蹂躙する精霊だ。そなたの戦棍を精霊の力強い腕のようにするといい。空から降る岩のように、敵を叩きのめせ。

短剣

外科医のメスのように短剣を操る者は誰か?星霜の月のように暗い盗賊である。そなたが運命を切り払う時、この幸運の短剣を持つといい。そなたの短剣から、宝が得られるだろう。

斧を帯びる者は誰か?収穫の月の戦士である。戦士のように、そなたの斧は強く鋭い。その刃は三日月のごとし。戦士の星のように光り輝く。