文学

Literature

カラスとレイヴン:3つの寓話Crow and Raven: Three Short Fables

カラスとレイヴンは、鵜が魚を求めて飛び込むのを見ていた。「飛び込むことができたらなあ」カラスが言った。「魚を食べるのが好きなんだ」「なんですって?」レイヴンが言った。「あなたにできないことが鵜にできるって言うの?そんなばかなことってないわ。あなたは鵜の倍も大きいじゃない」「君の言う通りだ!」カラスは言って、水に飛び込んだ。30秒後、彼は水面に浮かび上がってのたうちまわった。レイヴンは近くに立っていた。「レイヴン!」カラスはあえぎながら言った。「どうしてあんなことを言ったんだ?もう少しで溺れ死ぬところだったんだぞ!」レイヴンは肩をすくめて言った。「鳥を食べるのが好きなの」

カラスとレイヴンは、ナゲキバトが浅い水たまりで水浴びしているのを見ていた「ぼくも同じように水浴びできるはずだ」カラスは言った。彼は舞い下りて水たまりで水をバシャバシャはね飛ばし、レイヴンの隣に飛んで戻ってきた。「思った以上によかった!」カラスは言った。「それはどうして?」レイヴンが言った。「あなたの羽もくちばしも目も、前と同じで黒いじゃないの」「その通り」カラスは言った。「でもぼくが水たまりに下りていったら、ナゲキバトが驚いて、巣に飛んで帰ってしまったんだ。それで巣の場所がわかったのさ」「ランチは卵ね!」レイヴンが言った。

カラスとレイヴンは道路沿いの宿屋の上にさしかかる木にとまっていた。下では家畜の仲買人が酔っ払って前後不覚になっていびきをかいていた。カラスは首をかしげて言った。「あの眠っている人のシャツにピカピカのピンがついてるよ」「あれは賞品よ」レイヴンは言った。「あの人はエールを飲んで手に入れたの。彼のマグの残りのエールを全部飲んだら、あなたもピカピカのピンをもらえるわ」「ピカピカのピン!」カラスは言った。彼はテーブルに舞い下りて、残りのエールを飲んだ。そして倒れ込み、起き上がることができなかった。レイヴンは舞い下りて、仲買人のシャツからピンをむしり取った。「ピカピカのピン!」彼女はそう言って飛び去った。

シェオゴラス神話 第1巻Myths of Sheogorath, Volume 1

ミモフォナス 著

シェオゴラスとライアンディール王

ライアンディール王は非常に合理主義的な男として有名だった。彼は小さく、簡単な造りの、芸術品など全くない、みすぼらしい宮殿に住んでいた。「これ以上は必要ない」彼は言うのだった。「軍や重要な公共事業に使えるものを、なぜそんなぜいたく品のために私の金を使うんだ?」

彼の王国はその実用本位の規則のもとで繁栄した。しかし、人々はいつも王の実用主義的考えを理解していたわけではなかった。必ずしも実用的とは言えなくても、見た目に美しい家を建てる者もいたのだった。彼らは芸術作品に時間とエネルギーを費やした。ぜいたくな祝賀行事を催したことだろう。一般的には、彼らは全くもって幸せだった。

ライアンディール王は彼らのような多くの者が王の見本に従わず、質素で実用的な生活をしなかったことに落胆した。彼は何年もこのことについて考えた。そしてついに、そんなつまらない活動に時間を浪費しなければ、どんなに多くのことを成し遂げられるのかを人々が単に理解していないだけだと彼は確信した。おそらく、人々にはもっと見本が必要だっただけなのだと彼は判断したのだ。

王は今後新たに建てるすべての建物は簡素で、装飾もなく、住居として必要な大きさを超えないように命じた。人々はこれには不満だったが、王のことは好きだったので新しい法を尊重した。2、3年が経過すると、豪華な建物より簡素な建物のほうが多くなった。しかし人々は節約した金をさらに多くのぜいたくな芸術品の作成、購入、そしてさらに度を超えた式典に費やした。

ライアンディール王は、自分の時間と財産をもっと実用的な目的に使えばどれだけ有益か、厳しい見本をもう一度人々に示すことにした。彼は都の中のすべての芸術品を禁止した。これには人々もかなり怒ったが、王が人々のためを思ってやっていることだと理解した。しかし、人間の本性はそんなに簡単には否定できない。さらに2、3年が経過すると、都は簡素で、簡単な造りで、芸術のかけらもない建物ばかりになった。しかし、今や人々はさらに多くの金と時間をパーティーや式典に費やしていた。

心を痛めたライアンディール王は、人々は子供のように扱わないといけないのだと考えた。そして子供のように、人々には生活に本当に重要なものは何かを理解させるため権威ある偉人の定めた規則と罰が必要だった。彼は都にお祭り騒ぎは必要ないと考えた。歌、踊り、音楽はすべて禁止された。食べ物や飲み物でさえ、水と簡単な食料品に限定された。

人々はもうたくさんだったが、ライアンディール王には非常によく訓練され、整備された軍隊があったために、逆らうことはできなかった。人々は大挙して聖堂や神殿を訪れ、ライアンディール王がこれらの新しい圧政的な法を取り消してくれるよう、すべての神、デイドラ公にさえ祈った。

シェオゴラスは人々の願いを耳にして、ライアンディール王のもとを訪れることにした。彼は花びらの代わりの腕と中心にあるマッドゴッドの顔で花畑のように夢の中にいる王の前に現れた。「私は創造者の君主であり、乱れし者の君主である。お前には私の創造した贈り物は無用なので、豊富にある他の贈り物で祝福することにした」

その翌日から、都で生まれた子供は皆狂気に襲われた。幼児の心の病は露呈しなかったため、気が付くまでに数年かかった。王自身の息子も犠牲者の1人で、発作や妄想に苦しんだ。しかし、ライアンディール王は方針を変えることを拒んだ。

彼の息子グリントが12歳だった時、寝ているライアンディールを刺した。死に際にライアンディールは尋ねた、「なぜだ?」息子は答えた、「これが僕にできる一番実用的なことだ」

新しい若い王は王宮にいる召使を全員殺すように命じた。彼は新しい治世とライアンディールの法の撤廃を祝って盛大な式典をするように命じた。集まった人々に出したシチューは王宮の召使の死体から作ったものだった。彼はすべての建物の東面の壁を赤く塗り、西面の壁を縞模様に塗るように命じた。彼はすべての市民は豪華な仮面を頭の後ろにつけるように命じた。それから王宮を焼き払い、新しい王宮の建設を始めた。

新しい王宮では、若い王は自分の部屋に扉をつけないように命じた。小さな森林生物が襲ってくることを恐れたためだ。彼は太陽や月がねたんで彼の死を企てることを恐れて、王宮に窓をつけないようにも命じた。

こうして、ライアンディール王の政策は終わりを告げた。都の人々は豪華な芸術品と騒々しい式典のある生活へと戻った。彼らはまるで自分たちには生き生きとした王がいて、王宮を維持しているかのように話して振舞い、王宮を家のように使い、狂った子供の世話をした。シェオゴラスはこの結果に非常に喜んだ。その翌日から、都はあり得ないほどの数の優れた芸術家と乱れた市民という祝福を受けた。

シェオゴラス神話 第2巻Myths of Sheogorath, Volume 2

ミモフォナス 著

シェオゴラスは音楽を発明する

最古の時代、世界がまだ未開だった時代に、シェオゴラスは人間に混じって歩くことを決めた。彼は杖を持った紳士に変装して、気付かれずにあちこち移動した。11昼夜の後、シェオゴラスは人間の生活が彼の超俗的な生活よりはるかに退屈であると確信した。

彼らの生活をもっと面白くするために何ができるだろうか?と彼はつぶやいた。同時に、近くにいた若い女が物憂げにつぶやいた、「鳥の奏でる音はとても美しい」

シェオゴラスは黙って彼女にうなづいた。人間は美しく、心を動かされるような鳥の鳴き声を作ることができなかった。その声は哀れで、平凡なものだった。彼は人間の本質を変えることができなかった、それは他のデイドラ公の権限だったためである。しかし、彼は人間に美しい音を奏でる道具を与えることができた。

シェオゴラスは短気な女を捕まえて、バラバラに引き裂いた。そして、その腱でリュートを作り、その頭蓋骨と腕の骨で太鼓を作り、その骨でフルートを作った。彼はこれらの贈り物を人間に渡し、こうして音楽が生まれた。

精神力の争い

以前、ラバトという名の強力な魔術師が、時の風を歩いてシェオゴラス卿を見つけた。彼の目的はこの最も移り気なデイドラ公に気に入られることだった。シェオゴラスを見つけると、ラバトは謙虚に話しかけた、「シェオゴラス卿、お願いがございます。私にその偉大な魔力をお与えいただければ、あなた様の名のもとに喜んで1000人を発狂させましょう」

ラバトにとって幸運なことに、シェオゴラスはご機嫌だった。彼は勝負をもちかけた、「もしお前が3日間正気でいられたら、願いをかなえてやろう。その間、お前を発狂させることに全力を注ごう。楽しいことになりそうだ」

ラバトはこの新しい取引にあまり気が向かないと確信していた。彼は本当に1000人を発狂させることを楽しみにしていたのだが。「シェオゴラス卿、私の浅はかで自分勝手な要求であなた様の邪魔をしたことを後悔しております。私は不運な願いを撤回し、畏れながらこの場を去ります」

シェオゴラスは笑っただけだった、「遅すぎる、強力なラバトよ。勝負は始まっている、お前は続けなければならない」ラバトは逃げたが、すぐにデイドラの領域からのすべての出口が閉ざされたことに気付いた。彼は後ろを何度も振り返り、あらゆる音に驚きながらあてもなくさまよった。シェオゴラスが仕掛けてくるのを待っていると、次々と新しい恐怖が襲ってきた。

3日後、ラバトはあらゆる植物や動物はシェオゴラスの道具なのだと確信した。シェオゴラスが食べ物や飲み物に毒を入れるのを恐れて、食べることも飲むこともしなかった。シェオゴラスが夢の中に侵入してくるのを恐れて眠らなかった。(それは愚かだった、夢はヴァルミーナの領域なので、私たちに安らかな眠りを与えてくれるであろうから)

その時、シェオゴラスが彼の前に現れた。ラバトは叫んだ、「あなた様は世界中が私を監視するようにされました!あらゆる生物や植物は私を発狂させようというあなた様の命令で動いています」

シェオゴラスは答えた、「実際、私は何もしていない。お前は自分の恐怖で勝手に発狂したのだ。その妄想がお前が本当に発狂している証拠だ、だから私の勝ちだ。お前は1000人を発狂させることを望んでいたが、私はお前1人の心を狂わすことを望んでいたのだ」

その翌日から、ラバトはシェオゴラスのあらゆる思い付きのために働いた。勇敢な旅人がシェオゴラスに近づこうとすると、いつでもラバトは警告する、「シェオゴラス卿はすでに我々の中にいる。お前はすでに失われているのだ」

ワバジャックWabbajack

ちっちゃい子は、大人が見てないところで、永遠の闇の力をつかっちゃいけないって。そんなの知っているけどね。でもあの蒔種の月の5日、良く晴れた夜は大人はいらなかったんだ。欲しかったのは、デイドラの知識、学習、ゴム、そしてニス、あとハルメアス・モラだ。蒔種の月の5日はハルメアス・モラの夜だって僕に教えてくれたのは、いんばかの蔵書庫の下に住んでいた、幅の広い胸を持つきれいな男の人。それで、知識の書オグマ・インフィニウムが必要ならば、彼を召喚しなければならないんだ。ソリチュードの新しい王さまになったなら、どんな小さなことでも役に立つからね。

オブリビオンのデイドラ公を誘い出すには、普通だったら魔女集会か、魔術師ギルド、他には少なくとも一揃いの枕カバーとシーツが必要だって。蔵書庫の男の人は、自分一人で儀式をやる方法を教えてくれたんだ。めちゃめちゃすごい嵐をまって、猫の毛を剃ればいいと彼が教えてくれたんだ。それ以外の儀式の手順は忘れちゃった。問題ないけどね。

誰かが来て、ハルメアス・モラだと僕は思った。でも何だかおかしいなと一つ思ったのは、本で読んだハルメアス・モラは大きくて太っていて、いくつもの目とかぎ爪を持つ怪物だって書いてあったのに、目の前の男の人はベストを着た銀行家のように見えたこと。それに、彼は自分のことをハルメアス・モラではなくシェオゴラスだって言い続けてたんだ。んでも僕はハルメアス・モラをうまく召喚できたことがうれしかったし、なんか変だなってことは気にしないことにしたんだ。彼は僕には難しいこと(多分大人の人でも理解力、経験、知識の域を超えていたと思う)をいくつかさせ、それから彼の使用人が、ワバジャックと呼ばれる何かを僕にくれたんだ。ワバジャック。ワバジャック。

ワバジャック。

ワバジャック。ワバジャック。ワバジャック。ワバジャック。ワバジャック。ワバジャック。

たぶん、ワバジャックが知識の書なのかも。猫だけどコウモリで、ネズミなのに帽子、ブヨだったり、あれは、これと一緒だってわかったんだから、僕は賢くなったのかも。そうなんだよ、ドアにイノシシ、いびきとか床とか、うなり声だって胞子、お前のものは僕のものって。いろいろな仕組みがとてもはっきり分かっているんだから、僕は賢いんだ。なのになんで、他の人は僕の頭がおかしいと言い続けるのだろう?

ワバジャック。ワバジャック。ワバジャック。

狂気の十六の協約、第6巻16 Accords of Madness, Vol. VI

ハーシーンの物語

常に尊大で高慢なオブリビオンの憤怒のデイドラ公は、初夏月のある木曜日にスカイリムの極寒の頂に立ち、旨みのある話をハーシーンに持ちかけた。狩人の神はその日が自分の日であったために姿を現していて、シェオゴラスの大胆さが彼の興味をそそったのだ。

比類なき皮肉さを持つシェオゴラスは、クスクス笑う愚か者と、派手な作家、臆病な切断者を、自らの領域に抱え込んでいる。憤怒のデイドラ公は得をしない駆け引きに精を出し、他者の混乱と悲劇と憤怒がもたらす喜びに過ぎない無意味な流血を促すだろう。つまりシェオゴラスは、自分がハーシーンの好敵手を演じるためのお膳立てをしたのだ。

控えめなデイドラ公はあわてることなく、争いを申し出た。それぞれは、きっかり3年後に再びこの場所で会い、命懸けの戦いをするために、野獣を調教することになった。恐ろしい顔つきの陰に無表情さを浮かべてハーシーンは同意し、吹きだまりにわずかな雪のみを残して、それぞれの世界に去った。

ハーシーンには自信があったが、シェオゴラスが詐欺師であることも知っていたため、隠された世界において、密かに醜悪な物を育んだ。彼は太古のデイドロスを召喚し、邪悪なライカンスロープの呪いを吹き込んだのである。暗黒の心と尖った牙がもたらす恐怖は、ハーシーンの領内にいる偉大な狩人たちにとってさえ、とても言葉では言い表せない、他に類を見ない物だった。

3年目の定められていた日にハーシーンは戻ってきた。そこではシェオゴラスが足を組んで石にもたれかかり、口笛を吹いて、暇そうにしながらも辛抱強く待っていた。狩りのデイドラ公は槍を地面に刺し、うなり声を上げる不自然な巨獣を呼び出した。シェオゴラスはいつものように意味ありげに帽子を持ち上げて見せ、立ち上がって脇に身を寄せ、石の上に留まっていた色彩豊かな小鳥の姿を明らかにした。激しい突風の中で、小鳥はかろうじて聞こえる控えめな声でさえずった。

身をよじるようにして跳ねたデイドロスは石に飛びかかり、巨石があった場所にがれきのみを残した。勝利を確信した怪物の血まみれの口は、丸まってあざけるような笑みとなったが、控えめな歌がすがすがしい空気に漂った。小さな鳥は、怒り狂うデイドロスの鼻の周りを軽やかに跳ね回った。大きな獣の恐ろしげな両目の間で、ウロコに挟まった物をついばむちっぽけな生き物の姿を、穏やかな陽気さを浮かべてシェオゴラスは眺めた。憤激の吠え声を上げながら、狼めいた物は厄介者を引きちぎろうとして我を忘れた。争いは何時間も続き、ハーシーンは、自分が生み出した最良の獣が、無邪気な鳥を追い回すうちに次第に自滅していく姿を、恥ずかしげに見ていた。その間ずっと、鳥は自分だけに聞こえるぐらいの範囲内で悲しげな調べをさえずっていた。

激怒しながらも打ちのめされたハーシーンは、ズタズタになった獣の死体を焼き、忘れ去られた言葉で悪態をつきながら、自分の世界に引き下がった。彼の呪いは今でもその頂にとどまっているため、ぼんやりと見えるその高地に込められた彼の激怒を恐れて、旅の者は誰もが素早く通り過ぎようとする。

シェオゴラスは振り返り、自分の肩に留まるよう、小さな鳴き鳥に手招きしてから、アビシアン海岸の暖かいそよ風と鮮やかな日の光を目指して、ゆっくりと山を下りた。タムリエルで最も小さなチャンピオンがさえずる調べに合わせて、口笛を吹きながら。

好色なアルゴニアンの侍女 第1巻The Lusty Argonian Maid, Volume 1

(一部)

第4幕、第3シーン、続き

尾を上げる者:とんでもありません、旦那様!ただお部屋の掃除に来ただけです。

クランティウス・コルト:お嬢ちゃんはそれだけのために来たのかい?私の部屋へ?

尾を上げる者:なんの事だかわかりません、ご主人様。私はただの哀れなアルゴニアンの侍女です。

クランティウス・コルト:そうだな、おチビちゃん。たくましい足に整ったシッポ、いい侍女だ。

尾を上げる者:恥ずかしいです、旦那様!

クランティウス・コルト:恐れる事はない。私と居れば安全だ。

尾を上げる者:旦那様、お部屋のお掃除を済ませなければなりません。さもなければ奥様に叱られてしまいます!

クランティウス・コルト:掃除だと?それではこれを掃除してもらおうか。ほら、俺の槍を磨け。

尾を上げる者:とても大き過ぎます!一晩中、掛かるかもしれません!

クランティウス・コルト:愛しい子よ、時間はたっぷりとあるぞ。たっぷりとな。

第4幕、第3シーン、完

好色なアルゴニアンの侍女 第2巻The Lusty Argonian Maid, Volume 2

(一部)

第7幕、第2シーン、続き

尾を上げる者:まあ、大きなパンの塊!でもどうすれば私の炉に入るかしら?

クランティウス・コルト:このパンはまだ焼く準備ができていないんだ、愛しい人。まだ膨らんでない。

尾を上げる者:急いでできればいいのですが。どうすればいいでしょうか?

クランティウス・コルト:おお、愚かで小さなアルゴニアンの侍女よ、お前の手を使わなければならない。

尾を上げる者:パンをこねればいいのですか?ここでですか?

クランティウス・コルト:もちろんだ。

尾を上げる者:でももし奥様が私を捕まえたら?あなたのパンは彼女の食欲を満たすためになります。

クランティウス・コルト:心配するな、私の繊細な花よ。後で奥様の希望もかなえるさ。

尾を上げる者:分かりました、ですが私の炉はまだ暖まっていません。時間がかかってしまいます!

クランティウス・コルト:愛しい子よ、時間はたっぷりとあるぞ。たっぷりとな。

第7幕、第2シーン、完

神聖なアルマレクシアの説教The Homilies of Blessed Almalexia

ソーサ・シルとスクリブ

幼いソーサ・シルが卵の鉱山で遊んでいたとき、深い立て杭にたくさんのスクリブがいるのを見つけました。そこで彼はスクリブ達に石を投げ始め、右往左往して散り散りになる様子を見て笑いました。とうとう1匹のスクリブが苦しみながら頭をもたげ、ソーサ・シルに向かって叫びました。「どうか、どうかお慈悲をください、小さな坊や、あなたにとっての楽しみが、私達にとっては苦痛と死なのですから」

そうしてソーサ・シルは、ある人のちょっとした楽しみが他の人の重大な拷問となるかも知れないことを知りました。

ヴィベク卿と喧嘩好きな獣

ショークとカゴーティがフォヤダを気取った足取りで行ったり来たりしながら、互いの見てくれについて非難し合っていました。「お前は生き物の中で一番醜いな」ショークがカゴーティに言いました。「いや、お前こそが一番醜い生き物だ」カゴーティがショークに言いました。どちらも自分が一番ハンサムで、相手が一番醜いと思っていたのです。

そこにヴィベク卿が通りかかり、彼らの争いをおさめました。「いや、お前達どちらも一番醜い生き物だ。私の楽しい滞在をお前達の見苦しくつまらない口げんかで台無しにされるわけにはいかない」そして彼は両者に強力な一撃を加えて頭を粉々に砕き、彼らを永遠に黙らせて、楽しく旅を続けました。

こうしてヴィベク卿は、醜さは外見と同様態度にも表れるということを明らかにしたのです。

ゆでカゴーティ

カゴーティが沸騰するプールに足を踏み入れたら、すぐに飛び出して難を逃れると言われています。

ところが、カゴーティがプールの中に立っていて、魔術師がゆっくりと少しずつ温度を上げていくと、カゴーティはプールの中に落ち着いて立ち続け、ついにはゆでられてしまいます。

このことから、私達は明白な危険に対してだけではなく、最終的に危険になるかも知れない微細な変化にも気をつけるべきだということがわかります。

怪しい治療師

昔昔、あるテルヴァンニが自分の塔を飛び出して、世界中に向けて、自分は強力で博識な治癒師で、あらゆる魔法と薬に通じ、すべての病を治すことができると宣言しました。

ヴィベク卿はこの魔術師を見て、彼の自慢を聞いて、それから彼に尋ねました。「自分自身の尊大さと愚かさという症状を治すことができていないのに、どうして他人にすべての病を治す処方をするふりができるのかね?」

グアルとマッドクラブ

グアルは他の生き物にあまりにも苦しめられてきたので、どこに行けばよいのかわからなくなってしまいました。彼らに近づく獣が1匹でもいるのに気づくやいなや、彼らは恐怖にかられて逃げ去ってしまうのです。

ある日彼らはニックスハウンドの一群が歩き回っているのを見て、絶望的なパニックに陥りました。全グアルが海に向かってほうほうの体で逃げていき、こんな恐怖の続く生よりは自ら溺れ死ぬことを選びました。ところが彼らが海岸に近づくと、マッドクラブの集団がいました。彼らはグアルの接近におびえて、大慌てで逃げ出し、自ら水に飛び込んでいきました。

「本当のところ」グアルの1匹が言いました。「物事ってのは見た目ほど悪くはないんだ。だって、いつだって自分よりも惨めな誰かがいるんだからね」

傷ついたネッチ

傷ついたネッチが自分の餌場の静かな片隅で横たわっていました。彼の元気な仲間達が大挙してお見舞いにやって来ましたが、どの仲間も彼がとっておいた飼葉を好きに取って食べてしまいました。その結果哀れなネッチは死んでしまいました。傷のせいではなく、かつての友人達の強欲と短慮のせいで。

このように、考えなしの仲間は助けよりも害をもたらすことがあるのは明らかなのです。

伝説の災厄The Legendary Scourge

「その夜になるまで奴らは現れなかった」と彼は答え、メエルーンズ・デイゴンの従徒たちとのやりとりについて語った。マッカーンにとっては風の跡をたどって口笛を吹きつつ無駄足を踏まされるほうが、彼の配下の蛙たちと戦うよりも容易だろうとのことであった。これを聞いたマッカーンはこう言った:

「以後は自分の身を守ることを考えろ
そして自らの領分および誇りを逸脱するな
さもないとマラキャスの災厄なるこの鉄槌が
迷わずお前の耳と相まみえるだろう
俺が「均衡」と叫ぶのにかかる時間で
たとえお前に腕が八本あろうとも
死者の領分に足を踏み入れるお前の頭蓋に
無数のこぶができるだろう」

解説:マッカーンが愛用したとされる伝説の武器であるマラキャスの祝福こと災厄の戦棍はフィックルダイアーの泉で聖なる黒檀から作られたものであり、常に闇の住人たちに破滅をもたらす存在であり続け、友無き者を守るこの品の一撃でオブリビオンに送り返された黒き霊魂は数多い。

謎かけの赤い本The Red Book of Riddles

この手軽なる書物にこそ、様々な謎かけやおふざけが収められ、入念な研究を通じ、教養ある慎重なる紳士は、同輩の者たちの鋭い才知により当惑させられることはなくなるだろう。

(西方の貴族社会では謎かけの応酬は慣習の一つとなっている。貴族や社交界での活躍を図る者たちは謎かけの本を集めて研究し、会話の際に狡猾にして機知に富んでいる印象を与えられるよう、努力を重ねるという)

問いかけ:

汗水流して働けど

暮らし良くなる気配無し

努力の挙句に手元に残るは

返し:

これぞドレイク金貨なり

問いかけ:

人とエルフの心とは

詩人こそ知るところなり

熊に詩吟を詠ませたら

返し:

瞬く間にのけものなり

問いかけ:

爺を殴って殴りつけ

見慣れぬ顔に仰天す

慌てて周囲を見まわせど

返し:殴る拳を違えたか