神々

Divines and Deities

アヌアドの解釈The Anuad Paraphrased

最初のものたちはアヌとパドメイの兄弟でした。彼らが「虚無」にやってきて「時」が始まったのです。

アヌとパドメイが「虚無」をぶらついていると、光と闇がまざりあってニールが生まれました。アヌもパドメイもニールの出現に驚き、喜びましたが、彼女が愛したのはアヌでした。パドメイは傷心のまま行方をくらましました。

ニールは身ごもりました。ところが、赤ちゃんを産む前にパドメイが戻ってきて、ニールへの愛を打ち明けたのです。私が愛しているのはアヌだけなの。そう告げられたパドメイは怒りにまかせて彼女を打ちのめしました。アヌは帰って来てパドメイと戦い、「時」から追放しました。ニールは「創造」を産み落としましたが、殴られた時の傷のせいで間もなく死んでしまいました。アヌはとても悲しみ、太陽の中に隠れて眠りにつきました。

そのあいだに、「創造」の十二界に生命が芽吹き、繁栄していきました。いくつもの時代が流れてから、パドメイは「時」に戻ることができました。「創造」に会うと、憎しみがわいてきました。彼は剣を抜き放すと、それぞれがつながっている十二界をずたずたに切り裂きました。アヌが目覚め、またもやパドメイと戦いました。長い、激しい戦いのすえ、アヌが勝利しました。パドメイは死んだものと思われました。アヌはパドメイを捨て置いて、十二界の破片をかき集めて一つの世界ニルン、つまりタムリエルにすることで「創造」を救おうとしました。その時でした。パドメイの死に際の一撃がアヌの胸を貫いたのです。アヌはパドメイにしがみつくと、パドメイもろとも「時」の外へと身を投げました。

パドメイの血はデイドラとなり、アヌの血は星となりました。二つの血が混ざり合うと、エドラが生まれました。(そのため、エドラは善にも悪にもなれるのです。「創造」とのつながりがないデイドラよりも、エドラのほうがこの世の出来事に深く関わっているのも頷けます)

ニルンの世界は混沌に満ちていました。「創造」の十二界の唯一の生き残りが、エルノフェイとヒストでした。エルノフェイはエルフと人間の祖先で、ヒストはアルゴニアの樹木です。ニルンは内陸の海原を含めたすべての大地ですが、大洋ではありません。

エルノフェイの世界の巨大なかけらは、それほど壊れることなくニルンに落ちました。エルノフェイの民はそのままそこで暮らし、エルフの祖先となったのです。エルノフェイの民は外界の混沌とをへだてる境界を強化し、彼らの静かな土地をこっそりと隠して、これまでと同じように暮らそうとしました。十二界が裂けたことによる大混乱のさなかには、他のエルノフェイの民もニルンにやってきて各地に散らばり、何年ものあいだ、仲間を見つけながらさまよい歩きました。最終的に、エルノフェイの流浪の民は、前時代のエルノフェイの民が暮らす秘密の土地を探し当て、自分たちの親戚がいにしえの壮麗な暮らしをつづけていることに驚き、喜びました。流浪の民は、この安息の地で歓迎されると思っていましたが、エルノフェイのいにしえの民にとって、彼らは落ちぶれた下劣な民でしかありませんでした。詳しい理由はわかりませんが、戦争が起こり、ニルン全土へと戦火が広がっていきました。いにしえの民が古代の神秘や知識を受け継いできていたとはいえ、流浪の民は数で勝っていたばかりか、長いあいだニルンで懸命に生き抜いてきたため、とてもたくましかったのです。この戦いはニルンの様相を一変させました。たくさんの土地が海に沈み、現在、わたしたちが知る土地(タムリエル、アカヴィル、アトモーラ、ヨクダ)だけがあとに残りました。いにしえの民の土地はこの争いで手ひどく荒らされたものの、後にタムリエルとなりました。生き残った流浪の民は、三つの大陸に散っていきました。

長い時を経て、タムリエルのエルノフェイの民は次のように分かれました。
・マー(エルフ)
・ドゥエマー(深きもの。ドワーフと呼ばれることも)
・チャイマー(変わりしもの。のちのダンマー)
・ダンマー(黒きもの、忌まわしきもの。ダークエルフ)
・ボズマー(緑の民、森の民。ウッドエルフ)
・アルトマー(古きもの、高きもの。ハイエルフ)

他の大陸では、エルノフェイの流浪の民が人間となり、アトモーラのノルド、ヨクダのレッドガード、アカヴィルのツァエシとなりました。

ヒストの民はエルノフェイの戦を黙って見ていましたが、彼らの領地のほとんどは戦渦に巻き込まれて滅びました。難を逃れたわずかな土地はタムリエルのブラック・マーシュとなったものの、その大半は海のもくずと消えました。

やがて、人間がタムリエルに戻ってきました。まず最初に、伝説的人物、イスグラモルの率いるノルドが、先史時代にタムリエルの北岸に入植しました。歴史的文献に初めて登場したノルドは、彼の家の十三代目にあたるハラルド王です。この王の出現によって、神話の時代は終わりを告げたのです。

ヴィベクとメファーラVivec and Mephala

アルムシヴィとは何者か?

モロウウィンドは聖なる国で、神々は血肉を備えている。これらの神々は総じて、トリビュナル、三位一体のアルムシヴィ、ダンマーの徳を体現する三大神と呼ばれている。アルマレクシアは慈悲を、ヴィベクは統制を、ソーサ・シルは神秘を体現する。彼らのうちでヴィベクが最も人気を得やすい。ヴィベクはまた、最も大衆的である。というのも彼は愛された戦士、真なる民の詩人で、美しさと残忍さという相反する性質を備えていたからだ。ヴィベクは風雅な暴力である。ヴィベクはモロウウィンドの聖なる王の1人として、聖堂の文学や典礼に描かれている。彼はヴァーデンフェルという聖ヴェロシの亜大陸を守護し、レッドマウンテンを見張っている。彼は聖トリビュナルの1人で、新聖堂の神、そして神聖にして高潔なアルムシヴィの姿である。

守護神王かつ戦士詩人ヴィベクについてのこの明確な説明は、西の者にとってはもっともよく目にする上になじみのあるものだ。しかしヴィベクがダンマーにとっては、彼の守護者である黒き手のメファーラ、すなわち最初期のチャイマーを作ったデイドラの進化した姿であったことを覚えておくことは重要である。このヴィベクの闇の側面は、人気のある文学や典礼には出ていないが、ダンマーにはヴィベクの神聖な側面に不可欠な部分として無意識に理解され、受け入れられている。ヴィベクの複雑な性質をさらに完全に理解するには、ヴィベクの守護者メファーラの性質と、このデイドラの主の流儀と動機によって表される闇の主題についての理解が必要である。

メファーラとは何者か?

トリビュナルの三大神にはそれぞれ、チャイマー文化の黎明期にその守護者となる存在が描かれている。この守護者は、西では邪悪なデイドラの主アズラ、ボエシア、メファーラとして知られている。聖堂の神学では、アズラはアルムシヴィの魔術王ソーサ・シルの守護者である。ボエシアはアルムシヴィの母にして淑女たるアルマレクシアの守護者だ。メファーラはヴィベクの守護者である。伝説によれば、この3人のデイドラの主の導きにより、現状に不満を抱くアルトマーの群衆が自らを新たな人類に変え、新たな地を創り上げた。策略のデイドラの主として知られるボエシアがこの変化を引き起こすのに必要な革命的な方法を授けたが、メファーラはそれらの方法の陰の開発者であった。

西で知られているように、メファーラは殺人と性と秘密の悪魔である。これらの主題にはどれも、微細な側面と激しい側面が含まれる(暗殺と虐殺、求愛と乱交、配慮と詩的な真実)。メファーラはこれらの相反する主題を逆説的に含み、統合すると考えられている。これらの微細な暗示と矛盾はどれもみな、聖堂の教義では明示も説明もされていないにもかかわらず、ダンマーの持つヴィベクの概念の中には存在するのである。

ダンマーはヴィベク卿を殺人と性と秘密の怪物として思い描くことはない。むしろ彼らはヴィベク卿を善の王、守護戦士、詩人で芸術家として思い浮かべる。だが同時に、無意識にではあるが、彼らはヴィベクの善なる側面の下にほの暗く隠された底流があるという概念を受け入れている。

たとえば、ヴィベクにまつわる長く伝えられる神話の中で最も目を引くものの一つに、彼が支配者の仲間であるアルマレクシアとソーサ・シルと共謀して、ダンマー最高の英雄にして将軍のネレヴァル卿の殺害を企てた物語がある。この物語はアッシュランダーの口承に由来するが、聖堂のどの伝承とも全面的に矛盾している。それにもかかわらず、この話はダンマーの想像力の中に確固たる地位を築いている。それはあたかもこう言っているかのようだ。「もちろん、ヴィベクがネレヴァル卿を殺そうと共謀したはずはないが、とても昔に起きたことだ…誰が真実を知り得るだろうか?」

ヴィベクの表向きの顔は温和で繊細、思いやりがあって下の者を守るというものだ。同時に、ヴィベクの隠された側面、すなわち守護者の持つ、もっと原始的で無慈悲な衝動に関連した、暴力や性欲や陰謀の混じった闇の側面に、ダンマーは見境のない満足を覚えているように思われる。

タムリエルの神々と崇拝についてGods and Worship In Tamriel

タムリエルの神々と崇拝についての概要

帝国大学研究序説部準代書人 ヘッチフェルド修道士 著

神々とは、世界の事象への関心を示すことによって評価されるものだ。ここにはありふれた事柄に神が積極的に関わるという基本理念があるが、疫病や飢饉に対する神々のあからさまな無関心ぶりを鑑みることでその危うさに気づかされよう。

伝説的偉業への介入から日常生活における実体化まで、タムリエルの神の活動に何らかのパターンが認められたことはない。いろいろな意味において、神の関心は定命の者の領域の毎日の試練とは関係がないか、少なくとも関心がないように思える。だが、例外はもちろんある。

歴史的な文献や伝説の多くが、絶望の時代に神、あるいは神々の直接介入があったことを指摘している。たいていの英雄譚では、神のため、神の聖堂のために働き、戦った勇者に授けられた神の祝福について語られている。この世で知られている強力なアーティファクトのいくつかは、元々こうした褒美として神から与えられたものだ。徳のある司祭なら、望みが失われた時は聖堂で神に呼びかけ、祝福や援助を求めることができるという報告もある。こうした神との接触や与えられる祝福が実際にどのようなものであるのか、それについては推測するより他はない。というのも、聖堂はこうした神との交流は聖なるものであるとし、秘密にしておくからである。これらの接触が事実であるなら、神が俗世のことを気にかけていると信じているものにとっては心強いかぎりだろう。が、多くの状況において、まったく同じ神々が、苦痛や死の瀬戸際にあるものたちを前にしても手をこまねいて見ていることがあるのだ。まるで、手を下す必要などないと言わんばかりに。つまるところ、神の用いる理屈や論理は人間の理解のほとんど及ばないところにあるのではないかという結論が導かれる。

すべての神や女神に共通するはっきりとした特徴のひとつが、崇拝や奉仕への興味であろう。神聖なる探求としての奉仕は、神々の気を引く数ある行為のうちのひとつでしかない。各聖堂の規律や義務に従うことは日々の暮らしにおける奉仕の形であり、神々を満足させると考えられている。聖堂で執り行われる儀式もまた神々の気を引くにはもってこいだろう。どういう儀式にすべきかは対象となる神々にとって異なる。結果がはっきりと目に見えるとは限らないが、犠牲や捧げ物も神々の関心をこちらに向けさせるために欠かせないとされる。

毎日の聖堂生活における神々の直接介入が報告される一方で、平凡な暮らしにおける神々の存在が実際のところどういったものであるのかについては、おおいに議論の余地があろう。ウッドエルフのことわざに「こちらの奇跡はあちらの事故」というものがある。毎日の暮らしに積極的に介入するとされる神もいるが、他方では、移ろいゆく出来事への無関心ぶりで知られる神もいるわけだ。

一説によると、賞賛や犠牲や奉仕による崇拝などから神々は実際に力を得ているという。神々の社会における総合的な地位は、その崇拝者の数によって決まるという論理すら成り立つかもしれない。これはあくまでも私的な推論でしかないが、小規模な宗教施設と比較して、大聖堂では神の祝福や支援がさしたる苦労もなくあっさりと手に入るという明白な事実がその根拠となっている。

別の報告書によるとこの世には、人間の行動や奉仕を自らの力に変えられる能力を持つ、まるで神のような霊魂が存在するという。こうした霊魂の真の姿を解明することで、神と崇拝者の絆についてのいっそう深い理解が得られることだろう。

こうした霊魂が存在することで、彼らは神や女神の領域まで自らを高められさえするのではないかという推測が導き出される。帝国神学校のモツスオは、こうした霊魂が時の流れと共に信者のほとんどすべてを失った神や女神のなれの果てであり、神格の本源ともいえる最古の姿に退行したものではないかという説をとなえた。「古代の流儀」を実践するものたちは、この世に神がおらず、上級と下級の霊魂のみが存在すると口にする。ひょっとすると、これらの説はどれも真実であるのかもしれない。

モノミス:「シェザールの歌」Monomyth: “Shezarr’s Song”

シロディール「シェザールの歌」

これはシェザールが神に説明した新たなことだった。母親や父親になること、責任を持つこと、成功の保証なく大きな犠牲を払うことを話したが、その話し方が見事だったため、神々は心を動かされ、疑問や涙を飲み込んだ。エドラは自分達の一部から新たな生命を創れるように、世界や獣や他の生き物に自ら生命を生む権利を与えた。しかしこの自ら生命を生む権利は大きな痛みを伴う物で、この後エドラは創始の頃より持ち続けていた若さ、頑健さ、力強さを失ってしまった。

中には自分達が失った物に失望し、憤慨するエドラもいて、彼らはシェザールが自分達に嘘をついて騙したと感じていたため、彼自身と全ての創造に対して腹を立てた。アーリエルを筆頭とするアルドマーの神々であるこれらのエドラは、弱体化した自分自身と自分達が創ったものに嫌悪感を抱いた。「今も未来も全ては駄目になってしまった。我々にできるのは、エルフの種族に威厳を持って気高く我慢することを教え、自分達の愚かさを責めて、シェザールとその仲間に復讐を果たすことくらいだ」だからエルフの神は暗く陰気なのである。だからエルフは定命であることに満足できず、この苛酷でろくでもない世界の厳しさの中でも誇り高く冷静でいられる。

他のエドラは想像を見て、とても喜んでいた。これらのエドラはアカトシュを筆頭とした人間と獣人の神々で、彼ら定命の種族を褒めたたえ、大事にした。「我々は癒えることない痛手を負い、衰え続けるが、我々の作った定命の者世界は輝かしく、心と魂を希望で満たしてくれる。定命の種族に良い生き方や美しさと誠実さを大切にすること、そして我々が彼らを愛しているようにお互いを愛すことを教えよう」だから人間の神々は優しく忍耐強い。だから人間と獣人は楽しむ心や苦しむ心を持ち合わせ、より素晴らしい知恵とより良い世界に大きな望みを抱いているのだ。

デイドラの主はシェザールの言葉を聞き、彼と他のエドラをあざ笑った。「自分達の一部を切り離す?しかもそれを失う?永遠に?そんなの馬鹿げている!きっと後悔するぞ!我々はお前達より賢い。世界は自分達で創るが、切り離したりも、馬鹿にさせたりもしない。完全に支配できる、永遠に自分達のものとなる世界を自分達の中に創る」

そうしてデイドラの主はデイドラの領域と、偉大な者も低級な者も含めた下級デイドラを作った。デイドラの主の身近には常に崇拝者やしもべや玩具ができたため、彼らは大変満足した。しかし同時に彼らは時折、羨みの目で定命の者の領域を見ていた。確かに定命の者は粗野で力も弱く卑劣だが、その情熱や野心は愚かな下級デイドラと比べてずっと驚きがあり、面白かったのだ。これゆえ、デイドラの主は興味深い定命の種族の生き物、特に情熱的で力強い者に言い寄り誘惑する。彼らにとって、野心を抱く偉大な定命の者をシェザールとエドラから盗み取るのは、至福の喜びなのだ。「お前達は自分をバラバラにする愚か者だ」とデイドラの主はあざ笑い、「その上、自分達の一番上等な欠片を引き止めることすらできない。彼らは考えがまとまっていないエドラの愚かな低俗さよりも、デイドラの主の栄光と力を選んだぞ」と言った。

モノミス:アービスの神話Monomyth: The Myth of Aurbis

アルテウムの擁護者達は、副題に「サイジックの対価」と付けられた「神話のアービス」の中で、ユリエル5世が統治していた初期の最も華々しい時代における、基本的なアルドメリの宗教について皇帝に説明している。この中ではロルカーンの概念に対する批判や偏見が巧みに避けられている。これはシロディールの者達から神々の失われた兄弟「シェザール」として尊敬を集めている存在だ。これにも関わらず、サイジックは古代の視点を見事に概要としてまとめてくれているため、我々のここでの目的を果たしてくれる。この版は帝国神学校の保管所にあった、身元不明の書記官の手書きの書である。

謎のアービスは架空の不自然な領域として、計り知れないほど昔から存在している。

「アービス」はアヌとパドメイの肯定的および否定的存在とのグレーゾーン、つまり判断しにくい曖昧な部分を暗示するために使われている。これには、エセリウスやオブリビオンなどの組織化がそれほどしっかりしていない多数の領域が含まれる。

神秘のアービスから派生した魔法的存在は長い時間をかけ、物語にぴったりな複雑な道を歩みながら、神話を形成していく。

これらは不死の両極性の一部から作られた魂である。これらの最初となったのが時のドラゴン、アカトシュであり、アカトシュの形成によって他の魂が自分達を形成しやすくなった。神と悪は形成を繰り返し、子供をもうける。

最後に、神秘のアービスの魔法的存在が究極の物語を伝えた。彼ら自身の死についてである。これはある者にとっては、具体的で魔法のない世界への芸術的な変貌だった。他の者にとっては、すべての者が殺され、その身体を世界の物質の一部とする戦争だった。または、親の魂が死に、続いていく定命の者達に道を譲るというロマンチックな結婚と子育てだった。

この共有判断をもたらしたのは初期の神話で詐欺師やペテン師と非難されたロルカーンである。もっと共感的な作りになっている物語では、ロルカーンこそ定命の者の次元が存在する理由であるとされている。

芸術家や職人としてか、それとも溢れる創造力からか、はたまた他の類似の感覚からか、魔法的存在は定命のアービスという種族を自分達のイメージに合わせて創った。

魔法的存在はその後、死んで原初の神々になった。原初の神々は定命の者によって神や魂やアービスの特質として認識され、崇められている。彼らの死にも関わらず、これらの魔法的存在は自分達を不自然な領域にいる他の魔法的存在から切り離していた。

デイドラがオブリビオンやパドメイの虚無に近い領域に適した、魂や神として創られたのもこの頃だった。これによって神話の時代(神話紀)が始まった。原初の定命の者達はこれを喜びに満ちた「第二の創造」もしくは(特にエルフからは)痛みを伴う神からの破砕など、様々に認識されている。これらを生み出したのは常にロルカーンだった。

モノミス:ロルカーンとサタカルMonomyth: Lorkhan and Satakal

ロルカーン

この創造者、詐欺師にして試練を与える神は、タムリエルに存在するどの神話にも登場する。彼の最も一般的に知られる名前はアルドメリの「ロルカーン」か破滅の太鼓である。彼は父親であるパドメイが始まりの場所に不安定さをもたらして現状を乱したのと同じように、原初の魂を説得、もしくはけしかけて定命の者の次元を生み出させた。その世界が実現すると、ロルカーンは神の中心地から離れ、伝承によっては不本意ながらという説もあるが、原初の神々の創造地をさまよう。これらの出来事は文化によって解釈が大きく違う。これから挙げるものは比較的良く知られている例である。

ヨクダ、「ワールドスキンのサタカル」

「サタクは最初の蛇と呼ばれる過去から来た蛇で、未来はこの蛇の光る鱗で眠っていた。しかし、それはとても大きく、他には何も存在せず、とぐろを巻いていた。未来は互いの間をすり抜けながらも、呼吸も存在することもままならないほどの空間しか与えられていなかった。そこでこの世界は外に出してくれるよう助けを求めるが、当然のごとく、最初の蛇の外には何も存在していなかったため、助けは内に求めるしかなかった。これが飢えのアケルである。アケルが存在を現し、サタクはこれ以上ないほどの空腹を感じることしかできずに、食べて食べて食べ続けた。しばらくすると世界に空間が生まれ、始まりの時を迎えたのだった。これらは新しく生まれたばかりで、存在することに慣れていないために間違いを犯すことも多かった。そのため、大抵の場合はすぐに早い段階で終わるか、上手にできないか、自分達で見切りをつけた。始まろうとする者も多かったが、サタクが近づいて全部食べてしまった。何とも惨い時代だった。

「それからすぐにアケルは、サタクを自らの心臓に噛みつかせ、それで終わりを迎えた。しかし、死後も空腹は治まらず、最初の蛇は脱皮し、新たな存在に生まれ変わろうとした。古き世界が消滅するとサタカルが始まり、物事はその図式に気が付くと、その中で彼らの果たすべき役割についても気が付いた。そのうちにラプトガやトゥワッカのような名前を名乗り、仲間を求めて歩き回った。サタカルは自分を繰り返し何度も何度も食べたが、強い力を持った魂は奇妙な方向に移動することで、それを回避できるようになった。この行動はウォークアバウトと呼ばれるワールドスキンの合間を歩く方法である。ラプトガはとても大きかったため、弱い魂が自分達の行き先を見つけやすいよう空に星を散りばめられた。これによって魂は道をとても見つけやすくなり、ここは碧落の岸と呼ばれる次の皮膚を待つ場所になった。

「ラプトガは周期を通して多くの子を生み出す事ができたため、長身のパパという名で知られるようになった。他の者のために星を並べて空を作り続けたが、周期が何度も何度も巡るうちに助けを必要としている魂が増えすぎてしまった。そこで過去の皮膚の残骸から助手を作り出した。これをセプもしくは第二の蛇と呼ぶ。セプの中には大きな飢えが残っていた。複数の皮膚にあった複数の空腹感である。その強い空腹感のせいで正気を保てない場合もあった。時折、助けなければいけない魂を食べてしまいそうになったが、長身のパパが必ず手を伸ばして魂を引き離してくれた。しかし結局、長身のパパの手伝いに飽きたセプは、古いものから新しいものを作りだせば新しい世界にたどり着けると言って魂を騙し、古い皮膚の残りを集めてひとまとめに丸めた。魂はこの方が楽だったため、この生き方をとても気に入った。1つの場所からまた別の場所に行かなくていいのだ。多くの魂はこれは良いことだと信じて加わった。これに対して長身のパパは、ただ首を振るだけだった。

「ほどなくして、サタカルの本当の世界から距離が離れすぎているために、丸められた皮膚の塊は死に始めた。そして、ようやく碧落の岸に飛び込むにも遠すぎることに気が付いた。残った魂は長身のパパに元の場所に戻してくれるよう懇願した。しかし、厳しいラプトガはそれを聞き入れず、今度は自分達で星を辿り、碧落の岸に行きつく方法を新たに見つける必要があると言った。それができないなら、自らの子供を通して生き続ける他なかった。しかし、セプにはもっと大きな罰が必要だったため、長身のパパはこの蛇を大きな棒で叩き潰した。すると空腹感が死んだセプの口から零れ落ち、それが第二の蛇に唯一残された物となった。セプを除いて新しい世界の者は皆、神格へと戻るために懸命に努力することを許されているが、セプは死んだ皮膚の中でコソコソ動き回るか、空を泳ぎ回ることしかできず、空腹を感じると嫉妬して星を食べようとしたのだった」

モノミス:世界の心臓Monomyth: The Heart of the World

モノミス:アルトメリ「世界の心臓」

アヌは過去も現在も、全てのものを包み込んでいる。自身がアヌイエルの魂と他の魂全てを創ったことに気が付いているのかもしれない。全ての魂と同様、アヌイエルも自己を顧みる傾向があったため、自分の形、性格、思考力に違いを付ける必要に迫られた。こうして生まれたのがシシス。アヌイエルが自分について思索する際に使用する限界の全てを持つ者である。このため、全ての物の魂であったアヌイエルは様々なものになったが、過去も現在も、これはアービスとの相互作用である。

最初、アービスはアヌイエルの熟考がやみくもに続いたため、動揺し、混乱した。それからアービスの一部は先々の予定や、完全な知識の外で長く楽しむための方法について尋ねた。こうした方法で自分自身を理解できるように、アヌは自分の魂の魂、アーリエルを創り出した。アーリエルはアービスから時という新しい力として流れ出た。時間と共に、アービスの側面は自分達の本質や限界を理解し始めた。そしてマグナス、マーラ、ゼンという名前を持つようになる。これらの1つ、ロルカーンは本質というより限界であり、どこであれ長く存在することはできなかった。

アヌイエルの各側面に立ち入ったロルカーンは、限界を基盤とする考えを植えつけた。その側面の側面が内省することさえできる魂をアービスのために創るという計画について述べたのだ。彼は多くの支持者を得ることができ、アーリエルでさえ、新しい世界の王になれると言われてロルカーンに手を貸すことに同意した。そうして、彼らは自分達の側面が生きるためのムンダスを創り、原初の神々となった。

しかしこれには裏があった。ロルカーンの思惑通り、この世界には限界が多く、そのためアヌのものなどほとんど何もない。ムンダスはシシスの家だったのである。彼らの側面が次々と死にいく中、原初の神々は完全に消滅した。マグナスのように逃げる者もいた。これゆえ魔法には限界がない。イフレのように世界全体が死んでしまわないよう、アース・ボーンズのエルノフェイに姿を変える者もいた。生き延びるために結婚や子供を作らなければならない者もいた。それぞれの世代は前の世代よりも弱く、すぐにアルドマーが現れた。そして暗闇に覆われる。ロルカーンは人間と呼ばれる最も弱い魂から軍を作り、シシスを隅々へと送った。

アーリエルは彼らを取り戻すようアヌに懇願したが、既に他のものでそれらの場所を埋めてしまっていた。しかし彼の魂は以前より穏やかでアルドマーを人間の大群から守れるようにと、アーリエルに自分の弓と盾を与えた。穢れた原初の神々に耳を貸したチャイマーのように人の女を妻にめとることで時の流れを汚した者もいた。

アーリエルはエルダーウッドであるアルトモラを助けることができず、人間に敗れた。彼らは旧エルノフェイまで南へ東へと追いかけられ、すぐ後ろにロルカーンが迫っていた。彼は地面を粉々に打ち砕いた。最後にアーリエルの最も偉大な騎士だったトリニマクがロルカーンを彼の軍勢の前で打ち倒し、彼の心臓を抜きだした。それでも完全には死んでいなかった。人間はロルカーンの身体を引きずっていき、未来永劫アーリエルの子孫に血であがなわせることを誓った。

しかし、トリニマクとアーリエルがロルカーンの心臓を破壊しようとすると、心臓が笑い出した。そしてこう言った。「この心臓は世界の心臓。一方が他方を満足させるために作られたものだ」アーリエルは心臓を矢にくくりつけると海の遥か遠くへ、新しい世界の誰にも見つからないところまで飛ばしたのだった。

モノミス:竜神と不在の神Monomyth: Dragon God & Missing God

「ムンダスにおいては、紛争と不均衡こそが変化をもたらすのであり、変化とは十一の力の中でも最も神聖なるものである。変化とは焦点も根源ももたない力である」
—エグニスル、タヘリタエ、PSJJJJ会

簡単に言えば、人間とアルドメリの世界観の違いは神と定命の者との関係性にある。人間は不死の者の力によって自分達は創られたと謙虚な姿勢を示しているが、アルドマーは自分達がそういった者たちの直系であると考えている。一見、大したことではないように見えるが、これがそれぞれの神話を作り上げる違いとなっている。

タムリエルにおける宗教の始まりは皆同じである。人間であれエルフであれ、世界の始まりはアヌとその片割れという二元論から始まる。この2つの力にはアヌとパドメイ、アヌイエルとシシス、アクとエル、サタクとアケル、肯定的存在と否定的存在といった多くの名前が付けられている。アヌイエルは言語に絶する永遠の光、シシスは言葉で言い表せない堕落した行為である。その中間がグレイ・メイビーだ(エルノフェクスで「ニルン」を意味する)。

多くの文化でアヌイエルは世界の創造に関わった者として崇められているが、実際の反応を生み出すのはシシスであるため、より高い位置付けとなる。このためシシスは原初の創造者であり、自分が意図していなくても本質的に変化をもたらす存在なのである。その存在はヒストでさえも認めている。

混沌のシシスに対し、アヌイエルは秩序として認識されている。アヌイエルが神話的背景でもシシスによる気まぐれの影に追いやられてしまうことから窺えるように、定命の者にとっては完全な停滞状態より変化を思い描くことの方が容易いのかもしれない。非常に生き生きと描かれているヨクダの民話で、サタクは「ハム」としてほんの数回しか出てこない。その力はあまりにも偏在しすぎていて、まるで存在していないも同然になっている。

ともかくこの2つの存在から原初の神々、もしくは原初の魂と呼ばれるものが生まれたのだ。これらの原初の神々は人間にとっての神や悪だが、アルドマーにとってはエドラ/デイドラ、もしくは「先人」なのである。タムリエルの神殿では原初の神々全員を祀っているが、文化によって神々として認識されているメンバーはそれぞれ違う。しかしどの神殿にもアヌやパドメイのような竜神と不在の神の典型が含まれている。

竜神と不在の神

竜神は必ず時と関連していて、一般的に「最初の神」として崇拝されている。「日が差すようになった無限の世界にある止まり木」の持ち主であり、アカトシュと呼ばれることが多い。シロディール帝国における神の中心である。

不在の神は必ず定命の者の次元と関連があり、人間とアルドメリを分ける際の鍵ともなる。「不在」というのは、この神が神殿にいない(様々に解釈されている別の精神的苦痛)という意味、もしくは不死の者から「聖なる光」を奪われたことを意味している。ロルカーンと呼ばれることが多く、良くも悪くも、様々な呼び名が多数存在する。

ここではまだタムリエルと定命の者の次元は存在していないことに注意してもらいたい。グレイ・メイビーはまだ原初の魂の遊び場なのだ。より強くアヌの光と結びつきがある魂もあれば、不可知な虚無とより強い結びつきを持つ魂もある。これらは一定流用と相互作用によって数を増やし、長い時間をかけて性格が固まっていく。アカトシュが形成されると時が始まり、魂が自身について過去と未来を持った者だと気が付きやすくなる。認識可能な魂のうち、最も強いものはメファーラ、アーケイ、イフレ、マグナス、ラプトガなどを具体化する。他は、概念やアイデアや感情のまま残る。その中でも最も強い、ロルカーンと呼ばれたむき出しの衝動がムンダス、つまり定命の者の次元を創る計画を練り上げた。

レッドガードを除く人間はこの行為を神の慈悲、低級生物が不死を手に入れる悟りと見なしている。逆にダークエルフを除くアルドマーはこの行為を、精神世界との繋がりを切り離す残酷な企みと見なしている。

月夜のロルカーンThe Lunar Lorkhan

ファル・ドルーン 著

アダマンチンの塔での出来事に関する様々な報告を説くつもりはない。また、明瞭なる暗喩の戦から生じた話が、俗に呼ばれる「物語」というものの特性に欠けていることに関しても、述べるつもりはない。皆それぞれに、ロルカーンに関するお気に入りの物語、ニルン創造の背後にあるお気に入りのロルカーンの動機や彼の心臓を巡るお気に入りの物語があるだろう。しかし、「月夜のロルカーン理論」はとりわけ注目に値する。

端的に言うと、今も昔も月は、ロルカーンの「聖なる肉体」の二等分から成り立っている。他の神々のように、ロルカーンは「偉大なる創造」に加わった次元(惑星)であった…八大神は自らの神聖なる肉体を一部貸し与え、定命の者の次元(惑星)を創り上げた。一方で、ロルカーンの肉体は粉々に砕け、流星の如くその聖なる光はニルンへ落ち、「その存在価値と多少の利己心の跡を残す」こととなった。

従って、マッサーとセクンダは、二分割の化身(アルテウムによるところの「裂けた二元論」)であり、ロルカーンにまつわる伝説でしばしば非難の対象となるのである。それはすなわち、アニマとアニムス、善と悪、有と無、そして肉体と嗚咽や、失敗した者のうめきと沈黙を織り成す詩歌などといった概念を指す。ロルカーンは、己の役割に命の限りがあることをいつも忘れぬよう、夜空に月を置いたのである。

この理論を支持する者によると、他の「心臓物語」はすべて、月の真原点に関する陳腐な神話であると言う。(また、言うまでもなく、「空虚なる三日月理論」に対しても同様にとらえている)

八大神の九戒Nine Commands of the Eight Divines

聖アレッシアの代祷によって、人は神の恵みや、そこから得られる力や知恵で満たされることだろう。その結果、これらの教えから八大神教団とその栄光の真の意味に至ることもできよう。八大神の知恵が大空というインクで、大海原という羊皮紙に記されているとしたら、多岐にわたる真理と美徳の機微のすべてを人の心に伝えることはきわめて難しい。それでもアカトシュは、人というものがせっかちで、悟りまでの苦しい道のりを嫌うとわかっていたため、その知恵において、力強い明確さと簡潔な定義でもってこれらの単純な十の訓戒をはっきりと書き記すことをお許しになられている。

一の戒:ステンダールいわく、優しさと寛大さをもってタムリエルの人々に接すること。弱者を守り、病人を癒し、貧民に施すこと。

二の戒:アーケイいわく、生と死を分け隔てることなく、大地、生物、精霊を敬うこと。この世の恵みを保護し、慈しむこと。また、死者の魂を冒涜しないこと。

三の戒:マーラいわく、まじめに穏やかに暮らすこと。両親を尊敬し、家庭や家族の平和と安息をいつも心がけること。

四の戒:ゼニタールいわく、懸命に働くものは報われ、賢くお金を使えば心が救われるだろう。盗まなければ、罰せられないだろう。

五の戒:キナレスいわく、母なる自然の恵みを賢く使うこと。自然の力を敬い、自然の怒りを恐れること。

六の戒:ディベラいわく、美や愛の神秘に心を開くこと。友情という宝を大切にすること。謎めいた愛のなりかたちに喜びや創造力を見いだすこと。

七の戒:ジュリアノスいわく、真実を知ること。法を守ること。疑念があれば賢者の知恵を借りること。

八の戒:アカトシュいわく、皇帝に奉仕し、従うこと。誓約を学ぶこと。八大神を崇拝し、務めを果たし、聖人や司祭の言うことを聞くこと。

九の戒:八大神いわく、何にもまして、お互いに優しくすること。

おのおのがこの九戒という鏡をのぞきこみ、そこに天の恵みが映って見えたのなら、これらの訓戒を忠実に守っていれさえすれば、人は悲しみ、悔い改め、慎み深くなるだろう。従順なものが八大神の祭壇を訪れれば祝福され、八大神の慰みや癒しを授けられ、様々な慈悲に感謝の意を表するだろう。

聞き分けのない不道徳なものは、顔を背け、全知全能の八大神より授けられる純粋な知恵をないがしろにし、罪過と無知に満ちあふれた毎日を過ごす。犯した罪の耐えがたい重荷を背負い、人にも神にも邪念を見とがめられ、八大神の祭壇や神殿を訪れても祝福や安息を与えられることはないだろう。

それでも、悪人や愚者が救われないわけではない。どこまでも慈悲深い八大神はこう言っている。「悔い改め、善行を積むのだ。さすれば、恵みの噴水のしぶきはまたお前にも降りそそぐことだろう」

罪を悔い改めよ。過料として皇帝に金銭を納めるがいい。信仰とその恵みを人々にあまねく伝えるために使われよう。

善行をするがいい。輝かしい徳を積み、汚名をそそぐがいい。正義漢としての名声を八大神に知らしめるがいい。そのときこそ、聖堂の祭壇や祠に歩を進めれば、八大神の慰みと恵みを授かることができよう。

調理師助手メール 7週間目

43日目
今回の品物をお送りします。ちなみに「好色なアルゴニアンの侍女」は傑作でした。時代をまたいで読み継がれるような古典であることは間違いありません。しかもまだ回収されていない伏線が沢山あるんです。どこかに続編などはないものでしょうか。

44日目
いつもスイートロールが足りなくなってしまいます。

45日目
昨晩、偶然にも陽気な人々の一団と知り合いました。彼らは私をまるで待っていたかのように迎え入れ、強い酒を振る舞われたり、背中を叩かれたり、非常に楽しい時間を過ごせました。ただ目が覚めると、私の身体に奇妙な刺青が入っていたのです。どうやら私は「モラグ・トング」とかいう懇親団体の一員になれたようです。本当にいい人達ばかりでした。また会えるといいんですけど。

46日目
品物をお送りします。なぜかは分からないのですが、私はどうやらある種の名声を手に入れたようなのです。見知らぬ人から私を知っているかのようにウィンクされたり、お店の人から割引きされたりするんです。そのような恩恵を受けることはしていないのですが、とにかくありがたい話です。あのモラグ・トングの人々のおかげだったりするのでしょうか?

47日目
真夜中にフードを被った人物がやって来ました。彼は私と同じ刺青をしていたので、信頼できる人物だと一目で分かりました。彼は地元の村人の名前が書かれた巻物を手渡し、「そいつがネライだ」と言いました。でも巻物には「ファーファル」と書いてあったのです。とにかく私はその「ネライ・ファーファル」さんの所へ行って、モラグ・トングに代わって宜しく伝えておくと言っておきました。

48日目
いやはや、モラグ・トングの会員というのは、とてもお得なものですね。そのネライ・ファーファルという人は、私を家に上げてくれて、食事をご馳走してくれて、大量のお金も持たせてくれたのです。ちょっと変わった人物のようで、神経質なところもあり、顔が引きつってましたけど、とても良い人でした。あなた宛ての品物を同梱しておきます。

49日目
品物ついて、取り急ぎご連絡を。モラグ・トングの正体が分かったので、今すぐここから逃げます。ところで刺青を消せそうな信頼できる方をご存じではありませんか?

伝記集

Biographies

アイレン:不測の女王Ayrenn: The Unforeseen Queen

アルドメリ礼儀作法大学のタニオン学長 著

当大学のボズマーおよびカジートの生徒の中には、美しい我らがアイレン女王の下に団結するのはすべてのサマーセットのアルトマーではないと誤解し、流言を繰り返す者がいる。それはまったくの嘘である!我々ハイエルフには、古くからある洗練された文化に新たに触れた者には時に勘違いされてしまうような、「しゃれ」や言葉の軽妙なやりとりを好む習慣がある。私はこの件を解決するべく、我らが敬愛するアリノールの女王についてアルドメリ・ドミニオンの新たな仲間にも理解してもらえるように、簡素かつ率直に紹介することを目的に、この簡潔な入門書を整理した。

アルトマーはニルンを創造した神々からの連綿とした子孫であることは当然のことだ。アリノールの王族に関しては、特に当てはまる。威厳ある名を残したアイレンの父ヒデリス王は、サマーセット諸島を長い間うまく統治し、エルフの儀式制君主政治において最良のやり方を例証して、下す決断はすべてプラキスの書に制定された判例を基盤とした。

やがてヒデリス王とその妻の公女トゥインデンは書が定めるとおりに子を儲け、そしてプラキスが決定づけたとおり、その子をアイレンと名付けた。アイレン王女が生まれた第二紀555年の栽培の月5日は吉兆に満ちた日だったが、その重要性を完全に理解するための背景が不足しているだろうから、理由については割愛したい。しかし、サマーセット、オーリドン、アルテウムの全島民が、王女の誕生を55日間にわたって祝ったということは信じてくれて良い。

アイレン王女は自分が生まれてきた、騒然とした落ち着きのない時代を反映すると予言されたが、そのとおりになった。頭の回転が早く勘がいいアイレンは、家庭教師の授業を早々に極め、学業においても若年から型破りな方法で取り組んだ。実際に時折、独自の研究に没頭しすぎるあまり、何日も居場所がわからずにいたこともあった。野外に出かければ際立った知識を身につけて戻り、卓越した新しい技能を披露した。

573年の星霜の月のある日、アルトマーの王政プラキスと儀式制君主政治を必ず3555日間学ぶ大学であるサピアルチの迷宮への入学が許可されたアイレンを祝うため、アリノールの全王族が水晶の塔に集まった。だが、アイレンは現れなかった。王女は宮殿と塔の間のどこかで姿を消し、司法高官による第十七段階の捜査にもかかわらず、どこにも見当たらなかった。しかしサピアルチの迷宮は、アイレンの失踪した夜は兆候と前兆に満ちていたと報じた。淑女座が駿馬座に乗っているかのように見え、大天球儀は反対に廻り、幼い鷲のヒナが探検家トパルの像の上で見つかった。

その結果、アイレンの弟の内もっとも年長だったナエモン王子がアリノール王の後継者として指名され、575年に迷宮へ入学した。ナエモンは自分の父親同様生まれながらの儀式制君主で、後継者のしきたりによって決定する慣習や任務を心から享受しているようだった。ヒデリス王が580年にエセリウスに上がった時も、ナエモン王子は父親の地位へと昇進する八十日の即位の典礼を表明する準備を即座に始めた。

その後、予告もなしにその不測は起きた!大陸にあるポート・ヴェリンから、アイレン王女が白鳥型の船でオーリドンに向かう途中であると便りが来たのである!驚きあわてたアリノールの宮廷は王女を出迎えにファーストホールドへ向かい、王女の予期せぬ帰還を歓迎するために間に合うよう到着した。アイレン王女は最年長の後継者としてアリノールの王座を引き受ける準備ができていると発表し、最高司法官はそれが確かに王女の権利であることを認めた。580年降霜の月7日、王女はアイレン女王として即位した。

さて、諸君の中には、アイレン王女がサマーセットにいなかった間に経験した、冒険に関する数々の面白い話を聞いたことがある者がいるかもしれない。一等航海士としてアンヴィルの海賊船長と共に航海したとか、ネクロムの宝物庫でインディゴの書を読むためにダンマーに変装したとか、リハドの修道僧に刀剣の舞いで打ち勝ったとか、ハチミツ酒飲み比べコンテストで、ウィンドヘルムの炎の髪のマブジャールン女王よりも飲んだとか。断言するが、全ての俗説や噂は実にばかげているし、非常にふざけている。我らが女王は単にご自分のやり方で独自の研究を行い、プラキスと儀式制君主政治の準備をしていて不在であっただけの話だ。

王座を継承してからというもの、女王はこの地の規則を改変させた。ただ、それは女王の吉兆な誕生の時に予言されたとおりで、サピアルチは誰もが近代化を支持した。であるからして、諸君。アイレンは島々の女王であることは明白であり、すべてはそうあるべくして正しく、当然のことなのである。

スカルド王ジョルンJorunn the Skald-King

ウィンドヘルムの吟遊詩人、リュート・ボイスのヘルグレイル 著

第二紀546年に炎の髪のマブジャールン女王のもとに生まれたジョルン王子は、姉のナルンヒルデが即位する宿命にあるということを理解し育った。人間の声が持つ力をあがめる文化において稀に見る歌の才能を見せたジョルンは、リフテン外部に位置するゴールド島にある、スカルドの静養所で学んだ。彼はそこで、東王国で最も名高い吟遊詩人らから学べる限りのすべてのことを教わった。ジョルンは、スカイリムの「スカルド王子」と呼ばれていた。

ジョルンはほとんどの青年時代を芸術や哲学的探究に費やし、東スカイリム全域と、それを越える地域から実に様々な芸術家、職人、演者を育てた。モーンホールド、ストームホールド、サッチ、エリンヒルで過ごした彼だが、西スカイリムの首都であるソリチュードを変装して訪れたという噂まである。また、政治や統治に興味はないと主張していたが、生まれ持った指導力のおかげで、どんな独創的な分野に身を置いてもリーダー的存在となっていた。戦闘と武力行使の策謀に関して受けた正規の教育はほんのわずかだった(といっても、ノルドの王子が何とか習得できるほどのわずかさだが)一方で、タムリエル全土を旅するのはいつでも危険な行為であった。旅をすることで、彼は問題への対処法を正統ではない方法で学んだのである。

第二紀572年にアカヴィリのディル・カマルがスカイリムの北東海岸を襲撃した時、ジョルンはリフテンにいた。ジョルンと彼の親しい仲間による「吟遊詩人団」は戦いながら海岸を進み、ウィンドヘルムへ到着したのは、アカヴィリによってその門が破られるまさにその時であった。ジョルンは戦いに身を投じ、それなりに慣れていた市街戦に加わったが、街の陥落も、戦いに向かったマブジャールンと「短命の女王」となってしまったナルンヒルデの殺害も防げなかった。

負傷し、精神的にもひどく落ち込んだジョルンは、ウィンドヘルムの略奪をどうにか無事に逃れた。王家生まれの責任を初めて感じた彼は、グレイビアードに援助を訴える決心をして、隠れながらも大急ぎでハイ・フロスガーへと向かった。その理由は明らかになっていないが、グレイビアードはスカルド王子に、ソブンガルデから英雄を召喚し、召喚者の言葉のために戦うスームを教えた。しかしジョルンの声では、スームは王家の勇気の呼び声となってしまい、召喚される英雄は灰の王、ウルフハース以外にいなかった。

今やスカルド王の称号を共に得たウルフハースとジョルンは東スカイリムのノルドを再結集し、リフトと、イーストマーチの外側領域から兵力を集め、その後リフテンを要塞化した。ウィンドヘルムから南に移動したディル・カマルが目にしたものは、ウルフハースの存在に触発されて怒ったノルドがリフテンを守り、しきりに戦いたがっている姿であった。それを見たディル・カマルは、レッドマウンテンの戦い以来、初めてリフテンを迂回してモーンホールドへ前進を続けた。アカヴィリの指揮者が立ち去るのを見て喜ぶだろうと考えたからだ。

その選択は致命的な誤りだった。ジョルンとウルフハースは兵を率いてアカヴィリ部隊を追跡し、ノルド軍はレッドマウンテンの戦い以来、初めてモロウウィンドに入った。アカヴィリ軍はストンフォールで、ノルドとアルマレクシア率いるダンマーの軍団の間で捕まった。大規模な戦いの行く末がどちらに転ぶかは不明であったが、爬虫類の魔闘士3人が率いる、アルゴニアン・シェルバックの部隊が予期せぬ介入を行ったことによって決着した。アカヴィリの戦線は突破され、海へと追いやられた彼らは、数千人単位で溺れ死んだ。

目的を果たした灰の王はソブンガルデへと帰っていった。3週間後のウィンドヘルムでは、ジョルンが王の宮殿の王座の間にて、上級王に即位した。

皆に対して情け深いファハラジャード王The All-Beneficent King Fahara’jad

第一章:立派な青年時代

ああ幸福な読者よ。センチネルの王座まで上り詰めた立派な話を始めとする、国王陛下の非常に恵まれた人生の話を、そして陛下の数えきれない長所と美点の列挙を、いかにして語ればよいのか。

ああ、敬愛する読者よ。我らが吉兆の王の家は貴族であり王族でもあるが、父はジャフルールのマカラの子孫、まさにアルアザル上級王の子孫である。同様に、母の先祖は、最も威厳ある名と功績を残したジゼーンをはじめとする、アンチフィロスの大公である。いかにもジゼーン大公に関しては、あまりにも誠実だったために、婦女の浴場に誤って入ってしまった際、直ちに自分の目をくりぬき、みだらな行為を未然に防いだという逸話が、詩人ベロウズによって伝えられている。

(アルアザル上級王については、知りたがり屋の探検家が「立派なアルアザルの偉業」の書を探している)

さて、皆に対して情け深いファハラジャード王がまだアンチフィロスの王子だった頃、ある日大公の庭で象牙の弓を使って野鳥狩りをしていると、大カラスがイチジクの木に止まったのを見た。するとファハラジャード王子は、「我はこのカラスを、オンシのまばゆい刀剣にかけて殺害せん!」と誓った。そうして王子は象牙の矢を象牙の弓につがえて放った。見よ、それはカラスの目に命中し瞬時にして死んだ。

その時、空から忌まわしいハグレイヴンが辛辣な呪いをもって落ちて来た。「そなたは我が愛情を注いだ子を殺したがゆえ、死なねばならぬ!その目を引き抜き、葡萄のように食らってやろう!」と叫びながら、若き王子を汚れたかぎ爪で脅した。そして大きな叫び声をあげながら、王子の眼球を引っかいた。

すると、天から金の光の筋が照らされ、永遠に壮大なるオンシがまるでまばゆい刀剣の上を闊歩するかのように降りてきて、「待て、悪魔の生き物よ」と叫んだ。そして、ハグレイヴンのカラスをひょうのように地面に落として打ち負かすと、彼女も同様に倒れ、神にひれ伏して情けを請い始めた。オンシは、「嘆願しても無駄だ。金切り声のうるさい女め。お前は我が特別に大事に育て守るべき運命の王子を脅かした。この貴族の青年ファハラジャードは、長年にわたる危難において人々を導く予言を与える者であるゆえ、お前は死なねばならぬ」と言って、ハグレイヴンの首をはねた。

ひどく驚いた王子は両目を覆い、もう一度見てみた時には、神もハグレイヴンもいなかった。それゆえ自分の目を疑った王子は聖堂へと急ぎ、オンシの司祭に起きたことをすべて話した。そして、司祭は王子が見たことは真実であると判断した。これが、第一の王室の予言であった。

君主の勝利、第三章Triumphs of a Monarch, Ch. 3

第三章:ダガーフォールの門にて

グランデン・トールの戦いの十数年後、平和だったハイロックの王国では、ウェイレスト、ダガーフォール、センチネルの商船がタムリエルの全港の遠くや近くで商売をしていた。ウェイレストにある父の商売の間では、配送した荷の追跡、収支バランス、通貨の変動を学んだ。だが、カンバーランドのピエリックは世界の本質を知っていて、自分の息子に単に平和と商売のやり方だけを学ばせても満足はしなかった。毎日朝にはカンバーランドの戦闘の達人とスパーリングし、昼は天気の許す限り軍馬に乗ってメネヴィアの重装竜騎兵と運動した。それはただの練習ではなかった。毎年夏の2ヶ月間は馬に乗ったエバーモア・キャラバンの護衛団の副官として旅に出て、山賊やゴブリンの襲撃者、リーチの民の部隊を片手では数えきれないほど撃退した。

私がまだ20歳だった第二紀541年、ブラック・ドレイクのダーコラクがリーチに勢力を広げ、野蛮な部族民を戦争に招集した。武器を長く手にしていたのは幸運なことだった。蹴られた蟻塚の蟻のように山の隠れ家から噴出してきたリーチの民は、雄叫びを挙げて略奪をしながらバンコライへと突入した。わずか3日の包囲の末、エバーモアはこの軍勢の手に落ちた。土地は略奪され、人々は大量に虐殺された。ホーリンズ・スタンドは比較的長く抵抗したが、最終的には異教徒の軍勢によって占領されてしまった。ビョルサエの向こう側にいる彼らは、数日のうちにウェイレストに迫ると思われた。

その頃は街が大きくなったせいで古い壁が限界に来ており、ガードナー王がウェイレスト周辺に新しく壁と胸壁を建てたことを皆が喜んでいた。地方から大勢の人が殺到してきて、街の壁の中にメネヴィア、ガヴァウドン、アルカイアが全て入っているように見えた。しかし、ウェイレストにリーチの民の嵐が突如現れると、その混雑もデイドラを愛好する異教徒の怒りから自分たちを守るための、小さな犠牲のように思えた。

このようにして、叙事詩にあるウェイレストの包囲が始まった。ストームヘヴンのブレトンは恐ろしい敵の攻撃から57日間壁を守り抜いた。攻城兵器が不足していたリーチの民は、新しい壁を破壊することも街を略奪することもできなかった。また、船が不足していたため、港を封鎖することも、街を飢えさせて人口を減らすこともできなかった。手詰まりだ。ダーコラクによるハイロックの侵略は終わったのか?

いや、そうではなかった。恐れなき凶暴なリーチの戦士は、そこまで我慢強くはなかった。ブラッド・ドレイクは、我々を中に閉じ込めておくよう壁の周辺にある護岸に十分な軍勢を残し、あっさりとグレナンブラへ去っていってしまった。奇襲を受け、新たに独立した都市国家カムローンが陥落して略奪された。そしてその後、ダーコラクは南へ、ダガーフォールへとその目を向けた。

幸運にもガードナー王が、重装竜騎兵を輸送するために我々の商船を使用するという助言に耳を傾けてくれた。それがきっかけで、ウェイレスト最高の槍騎兵を引率し、ダガーフォールの街門の前で固まっていたリーチの民の背後から突入した。ブラック・ドレイクの戦士がいかに完全な不意打ちを受けたか、私がどのようにダーコラクを倒して奴の不浄な旗を引き下ろしたか、ブレトンは皆知っている。我々が始めた仕事をベルガモット王のダガーフォール騎士が終わらせ、強風の前の秋の落ち葉のように破れた異教徒軍を追い散らしたことを、ブレトンは知っているのだ。

その後たったの2週間で、ダガーフォール、カムローン、ショーンヘルム、エバーモア、そしてウェイレストの王たちが最初のダガーフォール・カバナントに署名したところを、私は頭を伏せながら見ていた。

君主の勝利、第六章Triumphs of a Monarch, Ch. 6

第六章:ランセルの戦争——ウェイレスト包囲

第二紀563年は重大な年だった。ウェイレストの国王に即位してから、王妃を誰にするかが私と側近の関心事だった。ショーンヘルムのランセル王にラエレ王女という美しい娘がいて、ショーンヘルムにいる私の仲間がその娘をしょっちゅう私に勧めてきた。実際に、私はショーンヘルムの王女を受け入れる決心をほぼしていたが、センチネルを訪れた際にファハラジャード王の娘、マラヤ王女を初めて見た時に気持ちが変わった。その瞬間から、マラヤ以外にウェイレストの女王はいないと誓った。もちろん、他にも予期せぬ利点があった。彼女が持参金として2つの国の通商協定を持ってきたおかげで、皆が大きく繁栄したのだ。

悲しいことにランセル王は娘の手を取らなかった私に激怒し、ウェイレストの宮廷にいる大使を召喚した。566年の春、私とマラヤの結婚式にはランセルを招待したが、彼はカバナントの他の王たちと同様に、ショーンヘルムにとどまって怒りで煮えくり返っていた。

おそらく私はランセルの機嫌の悪さにもっと注意を向けるべきだったが、新しい花嫁と、イリアック湾界隈での商売の問題に夢中になりすぎたために、山地のショーンヘルムは遠く無関係のように思われた。この誤りによって、王座を危うく失うところだった。

1年以上もの間、ランセルは静かに軍勢を集結し、傭兵への支払いのために金庫を空にしていった。第二紀566年の収穫の月、彼は南に落雷が落ちる中軍隊を率いてショーンヘルムを後にした。ランセルがアルカイアとメネヴィアを進軍して通り抜ける直前まで、我々はその接近に気がつかなかった。ショーンヘルムの先遣隊がウェイレストの門に到達した頃、我々が急いで招集した民兵はまだ列を成して門を通り過ぎていた。これが、歴史を揺るがす幕開けの時だった。オールドゲートの槍騎兵隊の攻撃が我々の民兵を追い散らして門を占拠していれば、ウェイレストは1時間以内に攻撃者の手に落ちていたかもしれない。

幸いにも、私自身がカンバーランドの衛兵と門にいた。事の重大さに気がついた私は、自分の旗手に突撃を知らせ、オールドゲートの槍騎兵隊に対抗するべく門衛と家の兵士を率いた。兵士たちは鎧兜に身を固め、私は鎧を着けていなかったが、利点の多い魔法の剣、オリハルコンのメスを腰につけていた。オリハルコンのメスを使ったのはその時が初めてだったが、我々が槍騎兵隊に猛然と突っ込んでいくと、製材機の刃のようにきらめいてうなった。挑む敵が混乱した不正規軍ではなく武装した古参兵であることを急に理解した敵は、突如到来した雷雨によってさらに打ち負かされた。ひょうに激しく打たれた敵の馬は雷を怖がり、首や手足を刈るオリハルコンのメスに直面した。評判の高いオールドゲートの槍騎兵隊もたじろぎ、急に方向を変えてあわてて門から逃げ出した。

ランセルの主力が現場に到着した時、すでに我が軍は全員壁の中だった。門は固く閉まっていたが、ショーンヘルムの王は後に引かなかった。ウェイレストの街はまたもや包囲され、リーチの民のダーコラク以上の策略と周到な準備を持ったランセルは、攻城兵器を伴ってやってきていた。

君主の勝利、第十章Triumphs of a Monarch, Ch. 10

第十章:運命の召喚

読者の諸君、これが私の話だ。ここまで、私のカンバーランド家での気楽な青春時代、私の父ピエリック卿が通商の船で私を訓練してくれた経緯、戦争や国について、そしてダガーフォールの門にてダーコラク相手に初めて大勝利を収めたことや、カンバーランド鉱山で当家が掘り当てたオリハルコンの巨大な鉱脈のことも読んでいただいたと思う。ナハテン風邪が到来した悲劇によって私の父とウェイレストの王族全員が命を奪われ、我々の王国が大混乱の時代に指導者のいない状態になってしまった経緯もお分かりいただいただろう。ウェイレストの王座に、説得されて就任したことが私にとって不本意であったこと、即位式で太陽が金の円光を縁取ったことも、もうご存知かと思う。あの神々による賛同の予兆のおかげで私の疑念はすべて晴れ、最もねたんでいたライバルでさえ、心の底からの盟友と変わった。

ランセルの戦いの真の歴史と、ハンマーフェルのレッドガードや、我々が最も切実に援助を必要としていた時に来てくれたオルシニウムのオークを含み、どのようにしてそれが第二次の、より偉大なダガーフォール・カバナントへと導いたのかをこれで学んでいただけたと思う。タムリエルの自由な人々は、それが内部であれ外部からのものであれ、全ての脅威に対して共に抵抗することを誓ったのだ。

我々はすぐに試されることになった。第二紀578年、協定を結んでいたヴァレン皇帝が帝都から姿を消し、シロディールはまたもやデイドラの陰鬱な陰謀に支配された。ヴァレンの謎の失踪により、野蛮なリーチの民の子孫であるクリビア「女帝」がルビーの玉座に就任した。それ以降帝国の中心部は、狂気、殺人、腐敗に陥ってしまった。我々の民にとっては(実際のところ、タムリエルのすべての民にとっては)帝国の真の炎がまだダガーフォール・カバナントで燃えていることは幸いなことである。今はひどい時代だが、我々の運命は、我々の前にレマンの道々のようにまっすぐ、そして真実味を帯びて並んでいる。我々はシロディールを行進して偽の女帝とその血統すべてを倒し、タムリエルの帝国を取り戻さなければならない。そうすれば、血と炎ではなく、平和と正義による国の統治が今一度実現されるだろう。

死の幻惑The Illusion of Death

[断片]

…その後、猿の娘ダルサをもてあそんだために、マルクは自らの世紀の秘跡をストーンメドウズで過ごしたが、目は焼け、舌は腫れ上がり、皮膚はまだら模様になって、左手の親指は常に塔の星を指していた。そして、アレッシュの影が絶えず彼に話しかけ、概念の臓器をノコギリの言葉でギシギシとこすり、苦痛によって知恵をもたらした。

そして彼は、その猿の血が流れる中で、グリフを使って懇願のスカープに彼女の言葉を記録し、人面の石には血から燃える火によって七十七の不動の教義が刻まれた。そして、労働が劣化しようとも自分の実体を惜しむことなく破壊したのは、死が幻であることを知っていたからだ。死んでいるにもかかわらず、アレ=エシュが話すナイフを貫かなかったから?そして、ペリナルはウマリルの死で彼自身死んだのに、彼女の死の目撃者ではなかったのか?そうするとマルクは、真の命とエルノフィックの破棄に捧げられた正しき到達が、死の幻惑を越えて存続することを知っていたが、それは腐敗を消し去る原動力がアーケイの円環でさえ打ち負かすことができるからだ。

聖アレッシアの裁判Trials of Saint Alessia

[聖アレッシアの裁判からの断片]

はるか昔のその当時、アカトシュはアレッシアと契約を結んだ。彼はオブリビオンのもつれた糸を集め、それを血まみれの心臓の腱であっという間に編んでみせると、アレッシアに贈ってこう言った。「これを、汝の血と誓いが事実であるかぎり、我が血と誓いが汝にとって事実であるという我が印とする。この印は王者のアミュレットとなり、霊魂の王である我と、定命の女王である汝の間で契約が結ばれよう。汝は定命の者の肉体すべての証人となり、我は不死の魂すべての証人となろう」

そしてアカトシュは胸から一握りの燃える心臓の血を取り出し、アレッシアの手に渡しながら言った。「これも、我らの結ばれた血と、固く誓った誓約の印となろう。汝と汝の後裔が王者のアミュレットを身につけているかぎり、永遠の炎であるこのドラゴンファイアが、人類と神々すべてにとって信義の印として燃え続けるであろう。そしてドラゴンファイアの火が灯っているかぎり、我が心臓の血がオブリビオンの門を堅く保つことを、汝とそのすべての子孫に誓う」

「ドラゴンの血がその支配者に強く流れるかぎり、帝国の栄光はいつまでも拡大するであろう。ただし、ドラゴンファイアが弱まり、王者のアミュレットを身につける我らの血を受け継ぐ者が誰もいなければ、帝国は闇へと陥り、失政の悪魔の権力者がその地を統治することになろう」

—ドラゴンファイアの再点火式より

同胞団の偉大な導き手Great Harbingers of the Companions

この歴史は、第二紀ジョルバスクルのサークル、千里眼のスワイクによる記録だ。私は文才に恵まれなかったが、自分の前の同胞団の歴史を学び、私の代でそれが失われることのないよう記録を始めた。ここには有名な同胞団の導き手の一覧を記す。闇を貫き、我らをソブンガルデの栄光に導いた者達だ。

導き手のメモ:同胞団にはイスグラモル以来本当の統率者はいない–誰にもジョルバスクルで鼓動する偉大な心臓を統率するような強さはなかった。魔術師や盗賊などは階級によって何を着るかも変わって来るが、我々同胞団は自ら栄光の運命を掴める。導き手は助言し、問題を解決し、名誉に関する疑問が上がったら解明する。同胞団は何千年もの間ジョルバスクルにあり、導き手の中には悲惨な者も卓越した者も共に存在する。腕や心、その魂によって。歌や行動に影響を与えた最も栄光ある導き手を記載する。

イスグラモル:最初の導き手、最初の人間、言葉をもたらす者、そしてはるか昔、遠く離れた地で初めて同胞団に栄光をもたらした者。もっと良い者が彼について書いているため、ここには記載しない。

川のジーク:帰還中のジョルバスクルの船長で、スカイフォージの発見者、ホワイトランの創設者、時と共に失われた、同胞団の最初の誓いの番人。他の乗組員は征服に栄光を求めていたが、彼の乗組員は最初に定住し、戦争に向かない者がその地で遅れた時、彼らの護衛を勤めた。

撤退者ムライフウィール:イスグラモルの死から数百年後、同胞団は傭兵より少しましな雇われ兵士の集団だった。戦争で戦うために雇われたが、個人の名誉を追求したため、盾の兄弟は否応なく戦場で顔を合わせた。ムライフウィールの知恵により、いかなる戦争や政治的な争いにも関与しないと宣言するまで、同胞団の名誉の絆は崩壊する寸前だった。彼の優れた統率力のおかげで、今日の同胞団は公平な調停者として、戦場の栄光とともに有名だ。

高慢なシロック:最初のアトモーラ人以外の導き手。これはノルドが自分達をノルドだと考え始め、純粋さとイスグラモルの遺産を巡って大きな論争があった頃だ。シロックは最初従者としてジョルバスクルに来たが、このレッドガードは当時の名誉のない戦士から不当な扱いを受けた時、すぐに勇気を証明した。導き手の沈黙のタルバーを助けた後、彼は名誉ある同胞団の地位を得た。盾の兄弟で最も有能な戦士として知られ、速さと狡猾さではあらゆるアトモーラを上回った。彼が導き手となった時間は短かったが、その剣さばきは訓練を通して新しい同胞団へ受け継がれている。

よそ者ヘナンティア:最初のエルフの導き手。前のシロックのように、彼もまたジョルバスクルに着いた当初は嘲りの的で、時期的な事もあって(第一紀が終わるところだった)エルフは正式な同胞団にはなれず、殿堂の中を見ることさえほとんどの者に許されなかった。日中のヘナンティアは謙虚に、頼まれた事を何でもやった。夜は中庭の外で激しく訓練し、翌日の仕事を再開するまで数分しか眠らなかった。彼は数名の導き手に尽くし、休まず不満も言わず、心と体を磨き続けた。長い年月が過ぎ、彼は同胞団に名誉のあり方を教える助けとなる者として信用されるようになった。

弟子の1人が導き手となり、老人となった時、ヘナンティアは死の床に付き添った。導き手はすべての同胞団を集め、彼の後継者にヘナンティアを指名してこう言った。「エルフもノルドの心を持って生まれる事がある」その日同胞団には武器を置く者もいたが、真の名誉を知る者は残った。我々は彼らの遺産を担っている。

鋭い眼のマッケ:その美しさで知られる導き手だが、それを理由に過小評価した者は同じ過ちを繰り返せないだろう。敵軍の半分を睨み倒し、残りを単独で倒したと言われている。導き手として8年目に行方不明になった理由は不明だが、多くの中傷的な嘘が理由として挙げられている。

長鼻のキルニル:第二紀の暗黒期の後、相次ぐ不誠実で不名誉な導き手がジョルバスクルに対する権利を主張していた時、真の心を持った同胞団を荒野に集め、ジョルバスクルに猛攻撃を仕掛けたのが、長鼻のキルニルだった。昔ながらのやり方で強奪者を倒し血を流して名誉を取り戻した。彼は若く新しい同胞団に規範を示す、サークルと呼ばれる信頼できる相談役(偉大なるイスグラモルの船長の議会から名付けた)を創設した。

名誉の概念を壊れない伝統として、彼は同胞団が進む道を定めた。我々は再びイスグラモルの下へ向かい、ソブンガルデへと進めるようになった。

秘術師ガレリオンGalerion the Mystic

荒れ果てた時代だった第二紀の初期、無名の貴族ソルリチッチ・オン・カーのジルナッセ卿の農奴、トレクタスとして生まれたのが、後のヴァヌス・ガレリオンである。トレクタスの父と母は普通の労働者だったが、父はジルナッセ卿の法に逆らい、密かにトレクタスに読み書きを教えた。奴隷が教養を持つことは自然に反しており、奴隷自身と貴族にとって危険な存在であると、ジルナッセ卿は教えられてきた。ソルリチッチ・オン・カーにある本棚はすべて封鎖されており、ジルナッセの砦の外では、すべての本屋、詩人、教師が禁じられた存在だった。しかしながら、少しずつ密かに書物と巻物が持ち込まれ、ジルナッセの目を盗んで出回っていた。

トレクタスが8歳になったころ、書物を持ち込んだ者たちが逮捕され、投獄された。無学で信心深く、夫を恐れていたトレクタスの母の裏切りによるものだと言われているが、他の噂もある。裁判は存在せず、すぐに刑が執行された。トレクタスの父の遺体は、何世紀もすさまじい暑さが続いているソルリチッチ・オン・カーの真夏の時期に、何週間も吊るされたままにされた。

3ヶ月後、トレクタスはジルナッセ卿の元から逃げ出した。サマーセット諸島までの道のりの中間地点、アリノールまでたどり着いた。道脇の水路で丸くなって死にかけていた彼は、吟遊詩人の楽団の手によって介抱され、食事と寝床の見返りに雑用係として雇われた。吟遊詩人の1人、予言者ヘリアンドがトレクタスの精神を試したところ、内気ではあるが、劣悪な環境で育ったにも関わらず、不思議なほど知的で洗練されていると分かった。アルテウム島で秘術師としての訓練を受けていたヘリアンドは、少年の中に自分と共通するものを感じた。

サマーセットの東の果て、ポテンサで一座が演奏をしていた時、ヘリアンドは11歳になっていたトレクタスをアルテウム島へ連れていった。島の賢者イアケシスはトレクタスの資質を見抜き、生徒として受け入れ、ヴァヌス・ガレリオンの名を与えた。ヴァヌスはアルテウム島で精神、そして身体を鍛えた。

そして、魔術師ギルド最初のアークマギスターが誕生した。彼はアルテウム島のサイジックから訓練を受けた。幼少期からの欲望と不当な扱いから、彼は知識を分かち合う哲学を身につけていた。

付呪師助手メール 3週間目

15日目
敬愛する雇い主殿、今回もアブナブの兄弟、エズダブより文をお届けする。アブナブは今も行方知れずであるが、あなたへの素材の送付は、今後も間違いなく行うことをご承知いただきたい。アブナブの名を汚さぬため、現在は彼の分の仕事もこなしている。例え再び会うことがなくとも。彼を馬鹿にしたことは後悔している—と言いたいところだが、私にとって、それこそがもっとも大切な思い出なのだ。

16日目
愛する雇い主殿、いつも通りの素材をこれまでと同じ品質でお送りする。それから我が兄弟アブナブの生存が確認されたことをご報告したい!レキの輝く刃に誓って、まさかまたあいつに会えるとは思ってもみなかった。私だけでは3回目の積み荷を用意する事は難しかったのだが、アルバブナブの三日月刀が集結した今なら、まったく問題ない!

17日目
栄えある雇い主殿、実に久方振りとなる!この私、アブナブはつい最近、タムリエルを苦しめる海賊団の手から、ようやく逃れてきたところだ!長らく留守にしてしまって申し訳なく思う。海賊共は私の剣技に興味があったようで、私を連中の用心棒に使おうとしていたのだ。だがその話はまた別の機会に取っておこう。今はいつも通り、この素材をぜひ使って欲しい。

18日目
この素材が栄えある雇い主殿の益になる事を願う。そういえばあなたには例の海賊団から、私が脱出した話をしていなかった。あの連中はまったくとんでもない者たちだった。奴らの為に誰かを殺すか私が死ぬか選べ、というので、相手から武器を拝借して、代わりに奴らを叩き斬ってやった!私はまさしくヨクダの神話の英雄のようだったぞ!なお、奴らは全員悪党だったのでその点は心配しなくても大丈夫だ。

19日目
今回の積み荷については、残念ながらいつも以上の代償が必要だった。但し栄えある雇い主殿たるあなたではなく、私とその兄弟にとってだ。海賊団に囚われて以来、私の剣は血を欲しているのだが、その流れでつい戦いを呼び込んでしまった。そして今日、短剣で我が兄弟に飛び掛かろうとしていた男を私は斬り伏せた。我らはその場から逃げ出した。

20日目
この素材があなたの益になる事を願う。私達は街から脱出したが、衛兵たちは我々の追跡の手を緩めてはいない。もう二度と己よりも下の人間に対して剣を抜くまい。古き時代の剣聖たちも同様にして怒りを抑え込んだと聞く。

21日目
栄えある雇い主殿への新たな積み荷をお送りする!これが役立つことを願っている。今我らは自然の中へと戻り、土地より得られる物を使って生活し、可能な限り遠くの洞窟や放棄された尖塔などを探索して品々を手に入れている。タムリエルにはそういった場所が数多く存在する事には幸運としか言い様がない。そして私に対しての幸運が、あなたにも舞い降りる事を祈っている。生きている事こそが喜びだ。

ダガーフォール・カバナント スタイル

クラフトモチーフ26
Daggerfall Covenant Style

ダガーフォール・カバナントの武器と鎧

バリクター・ステラニー将軍 著

確かにダガーフォール・カバナントの武器と鎧は第二帝国の古典的なデザインに基づいたものであり、我々はそれに関して悪びれるところはない。実際、誇りに感じている!カバナントはレマンの帝国と、比類なき高みにあるタムリエル文明の継続的な理想の象徴である。オークを含めた誰もが、史上最も偉大な連合の一員なのだから。失われた栄光を取り戻すため、我々はこのデザインと象徴で敵に思い出させようとしている。

ブーツ

鋼のサバトンだ。質実で実用的である。カバナントの戦士が履くのは、シロディールやその先までも続く長い行進にふさわしいブーツだ。我々の騎士たちは丈夫な動物に乗るかもしれないが、戦闘時には大半が降りて、歩兵や射手とともに徒歩で戦う。

ベルト

カバナントのベルトは強く丈夫で、正方形の鎖で作られているが、正面には丸いバックルが付いている。バックルの抽象的なデザインはニルンの全世界を象徴しており、その中心にはタムリエルがある。我らがエメリック王によって実証されたレマンの理想の下、再結合したタムリエルを表している。

我々の胸の防具は帝国のデザインに基づいているかもしれないが、兜に関しては、カバナントはハイロックの騎士団の鎧から発想を得ている。面頬と、首を保護するための鎖かたびらが備わっていて、顔の全面を覆う兜を我々は採用した。

脚当て

カバナントのグリーヴは地味だが、部隊のぜい弱な下腿を最大限に守るため、分厚くて頑丈である。デザインは、ブレトンの騎士の鎧と、オークの鍛冶作業着の両方に基づいている。

カバナントの弓は獅子のかぎ爪と、恐るべき広範な攻撃範囲を与えてくれる!ダガーフォール・カバナントでは体力を基準に射手を選抜し、最も分厚い鎧を貫ける強さで弓を引ける筋肉の持ち主が選ばれる。

胸当て

ダガーフォール・カバナント部隊の胸当てはデザインも形もあからさまに帝国のものだが、胸に目立つ立ち上がる獅子の装飾は、紛れもなくカバナントのものだ。これを同盟の象徴としてお選びになった時、エメリック王はまさに賢明な選択をされたのだ!

ダガーフォール・カバナントの部隊は、第二帝国が使用していたものを思い起こさせる剣を装備している。幅広で真っ直ぐな両刃の剣は、切りつけ突き刺せるように設計されており、柄の上の頑丈な鍔は接近戦の最中の大胆な受け流しを可能にする。

肩防具

カバナントの肩当ては、ブレトンの騎士団が身につける鎧に特有の、実用的なポールドロンに起源がある。自分たちが荒々しく強大な存在であることを忘れないよう、うなり声を上げる獅子の顔で飾り立てる場合もある。

手袋

レマン帝国では、手と前腕を守る目的で腕当てのみを着用していた。カバナント軍では、現代的な接近戦においてさらなる保護が必要だと我々は感じている。手の動きの自由は比較的保ちながらも、前腕を守るため、強靭な籠手を上部に加えることにした。

カバナントの兵士は凧の形をした盾に守られて進撃する。そこに彫られているのは、我らが君主、エメリック国王陛下が自ら同盟の印としてお選びになった、立ち上がる獅子の輝かしい象徴だ!進め、ダガー!

魔法に関して、カバナントの同盟で最も生まれつき才能があるのはブレトンである。ハイロックの魔法使いたちは、我らが上級王エメリックの立ち上がる獅子を先端に頂く杖を、誇らしげに振りかざす。錬鉄の獅子は通常、ファセットカットされた何らかのフォーカス・クリスタルの上に、後ろ脚で立っている。

戦棍

ダガーフォール・カバナントの戦棍は、全面にスパイクが付いた、重く丸いヘッドで統一されている。これは昔ながらの非常に実用的なオークのデザインだ。どのように棍棒を持っても同じなら、戦闘の最中にヘッドが正しい方向を向いているかどうか、気にする必要もなくなる。

短剣

幅広ではあるが突き刺せるように尖ったカバナントの短剣は、第二帝国の帝国軍が突き刺す際に用いる短い剣に基づいている。皇帝レマンを信奉する兵士たちが良さを十分に認めるものであれば、我々にとっても良いものに違いない!

我々の斧にはダガーフォール・カバナントの立ち上がる獅子が装飾されている。一振りする度、敵は獅子に噛まれる思いがするだろう!硬く、頑丈で、鋭く、重い。それはオークから学んだことだ。そう、我々は帝国に少しばかり何かを教え込むこともできる。
1 90 91 92 93 94 101