ロスガーの書

Wrothgar Writings

アイスハート戦士長へTo Warlord Ice-Heart

アイスハート戦士長

この約束の金とあなたのクランへの独占販売権目当てに、私は我が民を裏切り、すべてを危険にさらしている。遅延やミスがあってはならない。オルシニウムでの私の努力を確実にするため、すでに金の一部はカジートの商人グループに渡してある。

物資のキャラバンが、僻地のクランの越冬を支援するために十分な食料を持って、じきに商人の門から到着するだろう。キャラバンは毛皮、薬などの物資も運んでいる。あなたのクランの役に立つはずだ。私の出した予定表を参照すれば、不意打ちを食らわせられる。

速やかに攻撃し、ハーピーを使って物資をキャンプに空輸しろ。気をつけろ。バズラグ族長と部下の兵士達が、通商路をパトロールしている。あのオークは残忍だ。奴らを全力で避けるよう、戦士達に話しておいた方がいいだろう。

ヴァルチャー

アヴァリアンの巻物The Scroll of Avalian

「戦士の神の書:3:24—アヴァリアンの戦い」から抜粋

そして火山は雷のような轟音を立てて噴火した。大地は震え、空は灰に覆い尽くされた。それでもアヴァリアンの意志はくじけなかった。彼は敵を見つめた。溶岩と石でできた猛々しい神を。トリニマクに祝福されし子、アヴァリアンは剣を抜き、山に突撃した。山には溶岩が流れ、道を覆っていたが、熱で脚が焦げる間もないくらい俊敏に進んだ。風のように素早く山へと飛び込み、野獣の心臓に剣を突き立てた。

アグラ・クルンAgra Crun

盾夫人バグラールは初陣で、小さな体には大きすぎるほどの両手マトックを装備した。だが残念ながら、戦闘のさなかバグラールは剣と盾を使うことになった。より小さい武器を押しつけられ、顔を赤らめて戸惑い、それを見た他の戦士達に嘲笑された。

軽めの武器を手にしたバグラールは戦場で猛威を振るうようになった。その剣は敵が一太刀返す前に数回突き刺し、盾はどんなものでも防ぐようになった。こうしてトロール殺しの異名を勝ち取った。

バグラールは自らの腕前をマラキャスに感謝し、バラゴグの血の粛清の間、身を捧げて信頼に足る守護者となった。盾は「血の盾」を意味する「アグラ・クルン」の名で有名になった。

アズヌラからのメモNote from Azhnura

ウシェナト

受け取った報告書には、お前の最近の新入者2名が数日間引き延ばしたあげく、うわべだけ従順に振る舞って教官や監視係を安心させて逃げ出そうとしたとあった。好ましくない事態だ。彼らの会話は本音だったに違いない。彼らはトリニマクに心を開き、思いを捧げていたのだろう。

候補者2人を対決させるという最近お前が出した案は、有望そうに思える。結果が待ち遠しいが、以前のより気に入っている。

アズヌラ

あなたの小さな友、エドゥについてYour Little Friend, Edu

この手紙が無事に届くことを願っています。シロディールでの作戦は伝説となっています。帰還された折には、武勇伝を聞かせていただくことをとても楽しみにしております。

新たな都、オルシニウムへのご家族の移住はほぼ順調に進みましたが、しかしながら途中で大切な仲間を失ってしまいました。調教したリークルの召使のエドゥです。旅の最初の晩に姿を消しました。

あの者をとても気に入っておられたことは存じております。タムリエル語を教えたり、正しいテーブルの準備を教えられていらっしゃいましたから。道化師の日にあの者にガウンを着せてやっていたのが思い出されます。可愛らしい奴でした。リークルにしてはですが!「乙女のキス」を売るとおっしゃって、化粧を塗りたくったエドゥを出した時の男の子たちの顔を覚えておられますか?朝食を戻してしまった子もいました!

エドゥが消えた夜にテントの側で騒ぐ声が聞こえましたが、兵士たちは何でもないと断言しました。しかし朝になるとエドゥは消えていました。逃げ出したとも思えません、ご家族にもとても気に入られてましたから。おそらく道に迷ったのでしょう。ともかく、遺体を見つけることはできませんでした。

誠に残念なことですが、ご心配なく。あの小さなエドゥはどこかで自分の仲間に出会い、教わった通りにテーブルを準備していることでしょう。

あなたの友
エメロード

ヴァイアの巻物The Scroll of Vaia

「戦士の神の書:4:18—ヴァイアの勇気」から抜粋

槌が振り落とされても、ヴァイアは崩れ落ちなかった。破壊者ロガルは、すでにその魔法の槌の力で全軍を打ち砕いていた。だが、ヴァイアの決意は揺るがなかった。頭に盾をかざした彼女は、トリニマクに見守られていることに気づいていた。大きな破壊音、雷のような轟音、それにそばの木々が倒れる音が、あたり一面にこだましていた。だが砂埃がおさまると、大地に砕け落ちていたのは、ヴァイアの木の盾ではなく、ロガルの強大な槌だった。

ヴォーグロシュ・ロットタスクの汚い戦法指南Vorgrosh Rot-Tusk’s Guide to Dirty Fighting

よし、間抜け面したエルフ好きのバカども。静まれ!今日は貴様ら不細工なクズどもがアリーナには「名誉」がないとか、そういうくだらねえことを愚痴ってやがったから呼びつけた。見てみろ、貴様らは自分のケツの臭いをかいでる牙のない子犬も同然だ。どうせ時間の無駄だろうが、貴様らの鈍いオツムにありがたい知識を叩き込んでやる。

名誉だと。フン!名誉について教えてやろう。名誉とは小さな孤児どもの言い訳だ。どうして大好きなパパが油断して、ウッドエルフに石のナイフで殺されちまったのかを説明する時に使うんだ。名誉とは自尊心を守りはするが、ケツは風に晒したまま矢に貫かれちまう盾だ!名誉とは勇敢なオークの大敵だ。このしがらみを早く捨てるほど、戦いに勝つ確率が高くなる。

戦闘で重要なことは一つだけだ。間抜けに殺される前に殺すことだ。つまり頭を使って弱点を探し、鎧の隙間を見つけるんだ。よく聞け。名誉とは鎧に開いた大きな隙間だ。

まず最初だ。貴様ら青二才どもが相手に向かって頭を下げてるのを見かけたら、しばき倒してやる。相手に頭を下げさせろ。相手が下を向いたら、膝を顎にお見舞いして歯を叩き折ってやれ。

必ず敵の目を潰せ。土、雪、血しぶきはどんな斧にも劣らず使いやすい上に、どこにでもある。敵の顔に何かを投げつけてないのに、二撃目を振りかぶってるんなら大間違いだ。

常に、必ず、絶対に股間を狙え。2、3発食らわせろ。下にいいのが入ったらオーガだって、お気に入りのお人形をなくしたブレトンの女の子みたいにすすり泣く。

話すのをやめるな。俺が言いたいのは紅茶とクランペットを交えた楽しい会話じゃない!相手の不細工な母ちゃんのことや、姉ちゃんのベッドがきしむことや、父ちゃんの臆病さのことだ。そいつらの名前を知っていれば文句なしだ。言われたことに本当のことが含まれていれば効果は絶大だ。ただ口に出せばいいってもんじゃない。本気で罵れ!怒った戦士は失敗する。そして失敗は相手を殺しやすくしてくれる。

手刀を食らわせられないなら、蹴れ。蹴れないなら、殴れ。殴れないなら、噛みつけ。噛みつけないなら… ふむ、噛みつけないならきっと間抜けなことをしでかしたんだろう。

よし、今日はここまでだ。マラキャスのひび割れた牙にかけて、なぜわざわざこんなことをするのか分からない。帯を締め直して訓練を続けろ!

ヴォシュ・ラクVosh Rakh

宗教再生の研究 王の書記官ウグドルガ 著

何世代にも渡り、オークは3つの不変の真理を信仰してきた。それは要塞、恨み、マラキャスの怒りである。しかし、一部の伝承と著名な学者によれば、マラキャスの前にトリニマクがいたという。ヴォシュ・ラクという最近生まれた運動が信者を増やし、人気を集めている。この運動はオークをその民のルーツへと回帰させ、戦士の神トリニマクに栄光を取り戻し、オークにとってふさわしい地位を回復することを約束している。

オルシニウム再興という構想を受け入れた者がこの新興宗教の信者となるのはまったくいぶかしむに当たらない。その信仰と教義は統一ロスガーという夢想にあつらえて作ったようなものだ。ヴォシュ・ラクは荒々しく粗暴なオークの気質を「文明化」したいと説く。オークを向上させ、他の種族と対等の地位に押し上げ、それどころかさらなる高みへと引き上げたいのだ。また彼らは古代都市オルシニウムを再建し、新たに誕生する強力なオーク国家の輝かしいシンボルにしたいのだ。とはいえ、クログ王はこの新たなトリニマク信仰を支援し、オルシニウムに聖堂を建てるほどであるにもかかわらず、自身はヴォシュ・ラクの過激派信者とは関係を持っていないようだ。

ヴォシュ・ラクとは何者か?これは簡単に答えられる問いではない。この運動のメンバーは皆、その素性を隠しているからだ。祝賀や祈りの集いでは、トリニマクの金色の肌を模したオーク風の黄金の仮面を被る。その名を翻訳すればオーク語で「勇気の刃」となり、トリニマクの伝説の武器、ペニテントを指す。彼らは自身をトリニマクの剣の化身になぞらえ、古臭く、息苦しい伝統を切り払い、新たな道を拓くという。彼らは伝統が「何世代ものオーシマーの民を虐げてきた」という。

オークの古参衛兵の多くはヴォシュ・ラクをいずれ消え去る愚かしい流行と見ているが、一方でオークの生き方を破壊するまで止まらない危険な狂信者と見ている者もいる。いずれにせよ、古参衛兵はその主張や甘言に振り回されることを拒んでいる。彼らの言葉によれば、オークを「強く逞しく、どんな軟弱なエルフよりもマシな」者にする伝統を捨て去る気はない。彼らは要塞とクランという概念を墨守し、単一オーク国家の創造を求める声を拒絶している。彼らが恨みを抱き続けるのは、悪意と恨みが腹の中の炎と心の中の怒りを燃え立たせるからだ。呪いと裏切りの神マラキャスへの篤い信仰を抱き続けるのは、マラキャスが争いと血塗られたマラキャスの掟を与えてくれるからだ。

しかしヴォシュ・ラクにとって古参の衛兵は、単にトリニマクの助けで克服できる試練の一つでしかない。マラキャスは貧弱で、執念深い偽者で、トリニマクの栄光をかすめ取ろうとしているのだと言う。オークがトリニマクを受け入れ、種族として団結すれば、トリニマクはどのような戦が待ち受けようと援助と救いをもたらしてくれる。オルシニウム再建の戦いからリーチの民との戦争、そして他の種族との名誉と栄光をかけた戦いでも、トリニマクは勝利と栄光をもたらすという。

追記:これを執筆している時点で、噂が出回り始めた。ヴォシュ・ラクは汚い上に危険な戦術を使ってオークの心を引き付けようとし始めたというのだ。今のところ噂の裏付けは取れておらず、古参衛兵の怒りにまかせた言葉以上のものではないが、書き加えておくことにした。調査を続け、発見したことを後の書物に記録するつもりである。

ヴォシュ・ラクの命令Vosh Rakh Orders

我々の密偵は所定の場所にいる。オルシニウムの暮らしにすっかり溶けこんだから、街の者なのかヴォシュ・ラクの一員なのか誰にも見分けられまい。この点では儀式用の仮面がうまく役に立った。

クランの族長達はムートに集まる時、罠に足を踏み入れているとは全く気づかないだろう。我々は、トリニマクの勇気ある神聖な剣として目的を成就させる。頑固な族長達を抹殺し、真の統合を果たしたオーシマーの国を築くのだ。

ガントレットを終了し、最終試験に合格した信者の第1グループを、ただちにオルシニウムに派遣しろ。彼らの任務は単純だが重要だ。ムートが始まる前に、街の裏切り者達はどんな犠牲を払っても拘束しなくてはならない。彼らに続く第2グループは、万一に備えての後方支援役だ。

愛するリーダーより
愛するリーダーより

ウシェナトのメモUshenat’s Notes

これまでのところ、冷気を利用して、トリニマクの神聖なる光の道へ人々を向けさせる方法には満足している。グラグズと彼の火による「洗礼」が、徴募のやり方としてはおぞましいと強く感じざるを得ない。生存率はお粗末なものだった。その上、火は人を恐慌に陥れる。恐慌に陥った人には理屈が通じない。真の対話に必要なのは、候補者の心に入り込み、恐怖から抜け出す道を示してやり、トリニマクの神聖なる恩寵をしっかり受け入れさせることだ。

私の方法は、手堅すぎるほどだと思う。(はは。文字どおり堅いのだ。氷を使うのだから確かにそうだ)。私が考案した氷の構造物を使って、逃げ出されないようにして窮地に追い込むことで、不必要に恐慌へ陥れることなく苦痛と安心の両方を与える。さらに特典として、軽めの(といっても私から見てだが)苦痛を終わらせる選択肢を徴募兵に与えるのは、自分で言うのも何だが、卓越した案だ。忘れずにヘンガートにメモを送り、スイッチと氷の台のデザインへの感謝を伝えよう。

この手法の最新版は、これまでになく効果的なようだ。少なくとも、一定水準の楽しみをもたらす。2人の候補者を同時に氷の台に置き、両者にスイッチを渡した。そしてここからが非凡なところだ!どちらのスイッチにも相手を解放させられるのだ!だから、どちらかが相手を生かすために自らの命を犠牲にする?そして生き残った方はどうなる?生き残った方の罪はトリニマクの光への道を開くだろう。生き残った方は、トリニマクを十二分に余すところなく受け入れるだろう。相手を死なせてしまったことを受け入れられないからだ。その心と魂は、完全にヴォシュ・ラク、そしてトリニマクのものになるだろう。

この対決させる手法は、正直言って少し時間を食うが、台が崩れ始めたとき、どちらが先に決断するか楽しく見ていられる。実験が進むほど、ますます楽しめる。

ウスノクの巻物The Scroll of Usunok

「戦士の神の書:4:22—ウスノクの怒り」から抜粋

ウスノクが狩りをするのは食料や遊びのためではなかった。殺しのスリルのためでもない。力を証明するためだ。彼の前で立ち上がった野獣は、木々よりも高くそびえていた。自らの拳と、信じる神トリニマクの祝福しか武器はなかったが、前進し、一発お見舞いした。トリニマクの祝福を受けた彼には一撃で十分だった。一瞬で終わった。どんなに多くの鱗や脂肪や筋肉を持つ生き物でも、彼が怒って標的を殴る力は止められなかった。野獣は叫ぶことも泣くこともほとんどできないまま倒れた。ウスノクは浮かれなかった。喜ばなかった。ただ次なる挑戦を求めて狩りに行くだけだった。

ウズビダクの兜Uzdabikh’s Helm

ロスガーの歴史は戦争の歴史だ。ウズビダクはファルン峠の戦闘のさなか、どこからともなく現れ、誰よりも名高い英雄となった。

ウズビダクの性別については諸説あるが、ウムサ主事は女性説を好んでいる。ウズビダクの戦闘部隊はレッドガード兵の侵略からトンネルを防衛する任務を任されたが、敵が全軍を送り込んでくるのは想定外だった。

戦闘部隊は次々に倒れ、ついに立っているのは彼女だけとなった。彼女は弓、斧、ナイフ、さらには素手でも戦い、トンネルは血まみれになった。その日、1001人のレッドガードが亡くなった。ウズビダクの兜は神の加護を受け、どんな攻撃からも彼女を守ったという。しかし駆けつけたレッドガードの増援部隊は、彼女のひしゃげた兜の周囲に、レッドガードの死体が積み重なっている光景を目にした。

ウッドエルフの伝言The Wood Elf’s Message

私達 がとても小さなエチャテレを愛しているって知ってた?

今、 君は群れなどあれやこれやにいる。暮らして幸せ?

いる のを見ると、君は穏やかで落ち着き払っている。

ところ で君が提供するチーズはおいしくて、とても評価されている。

ハ、 宿屋と酒場、砦と城、ハッ、小さなエチャテレ、

隠し ているのは王と国。人生は不公平ね。

部屋 がきっと毛に覆われた背中にある。いつでももう1袋積むのよね?

合 わせた知識で、皆に欠けていることを教えてくれる?

言葉 では伝えきれないくらい愛している、小さなエチャテレ。

オークは マンモスや野兎よりも素敵だと、知っている。

きっと 心配しないで、もうこれ以上戸惑わせない。

匂わない 愛を、育った証にちょうだい。最後の抱擁に。

オーガの氷の長老The Ice Elder of the Ogres

私は、通常の(そして気まぐれな)マッドクラブからアルゴニアの残忍で強いワマスまで、タムリエルの野生生物の調査にかなりの時間を費やした。オルシニウムに招かれたときは、手つかずの野生を探検できるチャンスに小躍りした。

私達のキャラバンはオルシニウムの街に着きもしない内に、卑劣なウィンターボーンの襲撃を受けた。護衛達は殺されるか丘に逃げるしかなかったため、私も彼らの後を追った。まもなく私は迷子になった。動揺した私は谷に落ちた。

その記憶を最後に、再び目覚めたときは、青い毛の巨人達に囲まれていた。私の健康状態を気にしているようだった。あるいは後で私を食べるために生かしているのか、そのどちらかだ。オーガは、厳密に言えばゴブリンの眷属であり、知性のほどは知られていないが、大半の動物よりはるかに賢い。私は通常、知性の高い種族の研究は行っていない。こういう状況に置かれている彼らについて、私は観察結果を記録したくなるほど興味を引かれた。

私の見たところ、ロスガリアンの山麓に住むオーガは、ウェイレストでたまに出会う粗雑な獣もかなり進歩的だ。彼らの中の数人は、おそらく長老で、氷の操作に関連する、ある種原始的でトーテム信仰的な魔法を使っているようだ。彼らの1人が近づいて来て、私が彼らに向けるのに劣らない好奇心を見せてこちらをしげしげと見た。そのとき、驚くべきことが起こった。

私は落下時に足を折り、出血し、歩けない状態だった。そのオーガの長老が片手を上げ、私は攻撃を予期した。ところが、エネルギーの光の束が私の足に向かって放たれ、足の動きを止めた。傷が縫合されながら、骨が治っていくのを感じた。痛みはひどかったが、同時に爽快な気分だった。

治った脚で立ち上がると、周囲のオーガから動揺と興奮のうなり声が聞こえた。驚かせてしまったと思ったが、騒ぎの音は外からだった。オーガの会話とは普通の話術ではなく、うめいたり声を発するものだ。オーガ達は「ウルカズブル。ウルカズブル!」と同じ言葉を繰り返した。現実とは思えなかった。

テントを出て目にしたのは大虐殺の光景だった。ひときわ激しく怒っているひときわ大きいオーガが他のオーガ達を怖がらせていた。大きなオーガは、骨の鉤爪を腕に装着していた。それで地面を叩いた。その衝撃に氷が飛び散り、他のオーガ達を激しく打ち、転倒させた。私の脚を治したオーガは、きらめく雪の球のようなものを大きなオーガに向かって放った。それが命中すると、大きなオーガは後ずさり、叫んだ。彼が身振りをすると、周囲の雪が上昇し、彫像のようなものを形成し、戦いに加わった。

この暴力騒ぎにオーガ達が気を取られているうちに、私は逃げ出した。いつか完全に回復したら、ウルカズブルと彼の氷の彫像がどうなったか見に戻るかも知れない。

オークと死後の世界についてOn Orcs and the Afterlife

比較宗教学者 エリサ・ムーアクロフト 著

宗教と死後の世界に関する信仰をオークに語ってもらうのを難しく感じたことは一度もない。どこのオークのクランと要塞にも豊かな口承が息づいているのだから、驚くには当たらないだろう。むしろ驚かされたのは、一貫性のある全体像を描くことの困難さだった。最も基本的な概念においてすら、どの口承も一致することがなかった。

対立する信仰がオークの魂を巡って角を突き合わせている今、耳にした多くの物語が極めて感動的であると同時に恐ろしいものに思える。さらに、このテーマに関する書物は一冊も見つけることはできず、関連書籍でこの題材に言及しているものを見つけることもできなかった。死後の世界や、あの世での褒美や罰を受ける場所に関してオークの概念を学ぶ唯一の方法は、適切な質問を重ね、様々な口承に耳を傾けることだった。膨大な研究と無数の聞き取り調査の末、ようやくオークにとっての碧落の岸やソブンガルデの物語に相当するものを発見した。実際、様々な口承において一致が見られるのはそれだけのようだった。アシェンフォージはそのようにして発見された。

マラキャスを信奉するオークが死後に約束された褒美とは不死、豊富な食物と酒、そしてアシェンフォージの奥深くで繰り広げられる永遠の戦いである。アシェンフォージはオークのクランの人生における、3つの不変の真理の精髄だ。要塞、恨み、マラキャスの掟である。各概念を説明し、オークの死後にどう関わっているかを解説し、その意味を明らかにしよう(少なくとも各要塞が明らかにしようとしている程度に)。次に、異なっているだけでなく、時に矛盾する物語をなんとか一つの話にまとめられるように最善を尽くそうと思う。

アシェンフォージはアッシュピットにあるマラキャスの要塞の中心に鎮座する。一部の学者は、マラキャスのオブリビオンの平原が塵と煙と灰だけでできているという。しかし信者は永遠の虚空に、彼らが重視するものや、不死となった彼らの存在を強化するために必要なものすべてが含まれていると信じている。オークの要塞の究極形態であるマラキャスのアッシュピットの城壁は、平原に果てしなく広がり、星々の向こうへと伸び、エセリウスにまで至り、生の世界から次の世界へと渡った偉大なオークに開かれている。マラキャスの要塞の中で、すべてのオークは族長で、族長は1000の妻をはべらせ、1000の妻にはそれぞれ1000の奴隷がいて、あらゆる仕事をこなしてくれる。要塞の壁は100フィートの高さがあり、煙に覆われた空へと伸び、研磨された鋼と鍛えられた鉄でできている。壁の内側には石の砦、鉄塔、そして中央広場を囲む巨大なロングハウスがあり、アシェンフォージの住人の住み処となっている。

アシェンフォージとはマラキャスの鍛冶場の中で無限のスペースを占有する巨大な高炉で、その燃え盛る炎は太陽よりも熱いと言われている。タムリエルのオークがマラキャスの掟に従うことによって、この炎が燃え続けるとのことだが、詳細は後述する。この炎の中で、生の世界から渡ってきたオークは、まず焼き戻しの儀式を受けねばならない。オークは石炭の中に投げ込まれ、死後の世界に持ち込んだあらゆる恨みが熱され、溶け、最後には次世代の生身のオークとなる。タムリエルでの恨みが焼き戻されて生の世界に送り返されることで、不死のオークはようやく新たな存在として恨みを結べるようになる。とりわけ根深い恨みはアシェンアンヴィルというアシェンフォージの脇に据えられた巨大な作業台で鍛え、伝説的な品質の武器や鎧にできる。

アシェンフォージを燃え立たせる熱は白熱した炭から生まれる。オークの語り部が私に話してくれたところでは、この炭は血塗られたマラキャスの掟が具現化したものだという。掟によって空虚、裏切り、破られた約束の炎が燃え盛り、新たに生まれたオーク一人一人に、生の世界を突き進ませる悔しさと怒りの土台を叩き込むことができると考えている。それは前の世代が努力し、マラキャスの掟を守り抜くことで、必ずや後に続く世代が前の世代よりも向上させたいという願いなのだ。

それでも、マラキャスの信奉者は不死、食事、そして絶え間ない戦闘という褒美をアシェンフォージの奥深くで与えられると信じている。終わりなき戦いの日々、終わりなき美食、そして自らの力を見せつけ武具の凄さを誇れる機会で満ちた永遠の生が続くと。

トリニマク信者の信仰と比較すると、その面白さがことさら際立っている。語る者によって要塞ごとに異なり、歪み、成長するマラキャスの口承とは違い、トリニマク信者の伝承は驚くほど一定しており、彼らは喜んで語ってくれた。ことに大司祭ソルグラはこの報告の執筆に多大な貢献をしてくれた。トリニマク信者が死ぬと、彼らはエセリウスに昇り、先人に迎えられると彼女は語る。トリニマク信者の死後の世界もまた、終わりなき争闘と祝賀に満たされているが、前の世代の一族と再び共に暮らせる点が強調されている。結論としては、トリニマク版の方がマラキャス信者の野蛮かつ感情的な信仰に比べていくぶん穏健なように思われた。

オークのクランとシンボル学Orc Clans and Symbology

抜粋
記憶のクラルサ 著

オルシニウムの時代、すなわち現在イレの名で知られる聖堂が最初に創建された時に存在した街の時代、この地域にオークの6つのクランが名を高めた。この各クランは現在、もっと強大なクランに吸収されるか、単純に消滅するかして姿を消したが、最盛期にはオークの文化とオルシニウムの繁栄に強い影響を与えた。これらのクランとその目印となるシンボルを見てみよう。

クラン・ブラゴシュ、槌のクラン
鍛冶の技術で有名なこのクランは、特殊な鎧と武器を作り、物資の商人として知られる。残された証拠により、後にモークル・クランに吸収されたことが示唆されている。

クラン・パンドラム、火のクラン
原始的な治癒師と呪術師があふれるほどいたという噂があるクランで、火を操って武器や、様々な用途に用いる道具として使ったと思われる。オルシニウムの2度目の攻城戦後、歴史から消えたと見られている。

クラン・エンクレイヴ、星のクラン
この謎めいたクランについて知られていることと言えば、独自の目的で他のクランを援助したことくらいだ。ロスガーの荒野の奥深くに今でも存続しているという根強い噂がある。

クラン・ルクシン、狼のクラン
このクランは、夜間に効果的で恐ろしい襲撃をすることで有名だった。暗闇での行動に熟練しており、奇襲をかけて敵を殲滅することも少なくない。後にシャトゥル・クランに吸収されたと考えられている。

クラン・ムルタグ、岩のクラン
現存する最古のクランの1つで、ロスガーの山々を拠点とし、岩場の奥深くを切り出して住居にしている。

クラン・ラスカール、フクロウのクラン
弓の名手のクランで、驚異的な追跡、捜索能力で有名だった。あらゆる種類のフクロウを崇拝し、とりわけシロフクロウを崇めている。

オーシマー栄光の館The House of Orsimer Glories

王の命令:オーシマーの民の輝ける英雄と、ロスガーの歴史についてのあらゆる遺物、家宝、古代の書物をできるだけ速やかに収集し、オーシマー栄光の館に引き渡さなくてはならない。

オーシマー栄光の館の多くの展示場所を、歴史的に貴重なアイテムで埋め尽くすことが目標だ。ウムサ館長には、博物館に寄贈される全アイテムに対して報酬を与えるものとする。

詳細を知り、求められる遺物のリストを入手するには、オルシニウムにあるオーシマー栄光の館にいる、ウムサ館長に尋ねるとよい。

オールド・スナガラの育て方Old Snagara Breeding Guide

これが読まれているということは、おそらく私は亡くなっているだろう、ここ最近10人の世話人達と同じく。私が学んだ知識が次の世話人の役に立つよう今これを書いている。

あまりやることはない。オールド・スナガラが檻にいるか確認すればいい。彼女は数日置きに子供を産む。どうやって雄牛が自分の役目を果たせるくらい彼女に接近しているのかは不明だが、いつもこそこそしている。一部の治癒師は、伝統的な妊娠方法でなくてもいい動物もいると言ってたが、彼女は私の牙を引っ張っているだけのはずだ。

安全に関する助言:
1.檻を開けてブラッシングや毛づくろいをしてはならない。オールド・スナガラに噛まれる!
2.子供が到着したら、応援を頼め。運ぶには、少なくとも12本の手で抑えてもらう必要がある。
3.子供はすぐに檻に入れろ。逃げられてしまうから。

一番大事なのは、オールド・スナガラの前で子供を殺さないことだ。最初の世話人がそれをやった。その後、彼は彼女に穏やかでない目に遭わされた。

用心しろ、健康と幸運を祈る。これが読まれる頃には私は引退して金持ちのデブになっていたい。死ぬのではなくな。

オリハルコンに関するメモNotes on Orichalcum

オリハルコンとは、思うにタムリエルで最も不思議な鉱物だ。オークが好むのも実によく分かる。実際のところ、両者には多くの共通点がある。オリハルコンは緑色で、抜群の硬度を誇り、鋼より強く、とても扱いにくい。まるでオークのように!

大抵の鉱山労働者はオリハルコンの鉱脈を目にすると喜ぶ。採掘にそれほど苦労しないですむからだ。というのも、オリハルコンは脆い頁岩で発見される。堆積には脈石がないので、選鉱も不要だ。この鉱石の真の難関は精錬作業にある。

オリハルコンの精錬は困難なことで悪名が高い。低熱を維持し続けないと脆くなり、ひび割れてしまう。往々にして鉄がつなぎとして使われるが、私が話したオークの鍛冶は、この手法を怠惰さと腕の悪さの表れだと言ってはねつけた。ガーズボグ・グラグログという高名な鍛冶によると、純粋なオリハルコンは鉄との合金として精製されたものよりもずっと軽くて強いのだという。双方を検査したが、私も同意していいと思っている。両方とも非常に重いのだが、重量の差に軽視できないものがあった。巨大なプレートアーマーを好むオークに、重量の違いは多少でも重要なのだ。

オリハルコンの武器は従来の金属製の他の武器よりも切れ味が長続きし、錆びや刃こぼれにも驚くほど強い。ユニークな色味も特筆に値する。ハイエルフのガラスのように派手ではなく、鉄や鋼のように地味でもない。

ここオルシニウムの鍛冶屋たちからもっと話を聞きたい。学ぶことはまだまだある!

オルシニウムの隠しトンネルThe Hidden Tunnels of Orsinium

「オークの街の秘密」より
建築家グリルバー 著

次にオークがオルシニウムの街を再建すると決心した時、街路の下に、包囲の結果街が再び陥落しても脱出ルートとして使えるトンネルを作ろうと決めた。そのトンネルは現在も残っており、オルシニウムの最新の石が基礎の上に置かれている。

王の職人は街の建設を続け、トンネルの中には封鎖され崩壊したものもあった。しかし、トンネルの大半は、より古い建造物の古代の基礎の下に隠されたまま、街の下を縦横に延び続けている。架空の物語「オルシニウムの戦闘」に描かれている、こうしたトンネルの中で最も有名なのは聖堂トンネルで、オルシニウムの聖堂からスカープ砦の裏山までつながっているという。

上記の物語によると、秘密の通路がトンネルへの道を守っている。トンネルにたどり着くには、少なくともその物語では大族長の息子が、謎を解いて秘密の通路を開かなくてはならなかった。

秘密の通路を開くことを、聖堂の司祭が許してくれる時が来るのを楽しみにしている。そのときこそ、二枚舌のバンゴールの物語は事実に基づいているのか、まったくの架空なのかはっきり見極められる。

オルシニウムの戦いThe Battle of Orsinium

二枚舌のバンゴール 著

オルシニウムの戦いは激しさを増した。奇襲攻撃にすでに動揺しているクランが聖堂に撤退すると、ブレトンはついに壁を突破し、街になだれ込んだ。クランの族長達はすぐに撤退しなければ、愛する聖堂の中で死ぬことになると覚悟していた。

背後の聖堂の扉に掛け金を掛けたとき、大族長は振り返り、長男に指示した。聖堂の下のトンネルへの道を開けるには、柱を正確に配置する必要がある。これから言う言葉を覚えていれば、道は開ける。

そう言って大族長は次の言葉を伝えた。「私の目は戦場を眺めているが、心は穏やかだ。右側面はクラン・ルクシンが激しく戦い、敵を寄せ付けない。左側面はクラン・ブラゴシュが盾として、見えない場所から守っている。頭上はクラン・ラスカールが丘を守り、弓を構えている。

今度は大族長の息子の出番だ。あの言葉を思い出し、クランとシンボルの知識を呼び起こすのだ。さもなければトンネルは開かず、オークのクランは滅びるだろう。そんなことを許してはならない。

カル・イートの日記Kal-Eeto’s Journal

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とても寒い。それにとてもひもじい。何日も経ち、あの青っぽい生き物に襲われた傷は熱をもって燃え上がるようだ。体全体は震えているというのに。頭をはっきりさせねばならない。何としてもだ。熱のせいでまともに頭が働かないが、このパズルが宝へ導いてくれるはずだ。見つけ出してやるぞ。古いメモの切れ端が残されていた。どうでもいいオークの話だ。たいまつが夜を照らし、槌が剣を生み出し、剣が狼を殺すとかいう話だ。頭痛が収まってくれないものか。

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狼、たいまつ、フクロウ、槌?槌、たいまつ、フクロウ。狼、狼、たいまつ。槌。クギ。狼の耳のパイ。ごちゃごちゃになってしまう。腹ペコだ。

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何を書いたんだっけ?しばらく気を失っていた。いくらか熱が下がった。とても寒い。暖を取れるのは魔術師のロウソクだけだ。ロウソクだ!これを使って覚えておこう!

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よし。疲れ果てた。ここは広すぎる。ちょっとだけ休もう。とても、とても寒い。ブラック・マーシュの家。家。家に帰る—

キレスのノート、1ページKireth’s Notebook, Page 1

このノートは非凡なダンジョン探検家であり、ドゥエマー遺跡の熟練した探検家であるキレス・ヴァノスの所有物である。

と、いうわけで、兄弟のレイノーとの最新の冒険について書きたくてウズウズしているの。オーク国家を助けるためロスガーに専門家を呼び込む案内を受け取ったとき、そのチャンスに飛びついたわ。私は古代遺跡をうろうろするのが大好きだし、レイノーはドワーフの遺物をいじくり回すのが大好きだもの。

オルシニウムに着いた次の日、朝早くから教えられた場所へと向かった。その遺跡が実際にドワーフのものであったと確信するのに時間はかからなかった。レイノーによると、ツェンガナズと呼ばれる古代遺跡でほぼ間違いないみたい。

遺跡の外側を調査して状況を探っていたとき、私が、えっと、遺跡の中へ飛び込んで見てみることにしたの。いや、だめよ。ノートの中では絶対に嘘はつかないと誓ったもの。本当は滑ったの。中へと転げ落ちてお尻を打った!あんなに痛くなければ面白かったんだけど。でも、雪のおかげで少しはましだったわ。

キレスのノート、5ページKireth’s Notebook, Page 5

ここはすごい!私たちが今まで見てきた遺跡と違って、ここには動く装置や古代のガーディアンがある。足元に気をつけないと。スパイダー・コンストラクトや転がる大玉に追いかけられたくないもの。あと、センチュリオン!暗くて怖い遺跡の中で、あんなのと出くわしたくないわね。あれ、ちょっと待って…

今気づいたけど、ノートの最初の2ページがなくなっているわ。こういうのは嫌いなのよ!もっと持ち物を大事にしろっていつもレイノーに言われるんだけど、あのオルシニウムの商人が欠陥品を売りつけてきたに違いないわ。だってこの製本を見てよ!もうひび割れてほつれているじゃない!要塞の壁のように頑丈だなんて、よく言えたわね!

まあ、遺跡の中に転がり込んでしまったんだから、レイノーに怒られないように成果をあげましょう。ドワーフのパワーコアを見つけてあげればいい。彼はそういう古臭いものを集めるのが大好きだから。もしかすると今回は、ああもすぐに爆発させないかもしれない。

キレスのノート、11ページKireth’s Notebook, Page 11

あれは… ええ、多分そうよ!あの部屋の中にドワーフのパワーコアがあるわ!すぐに中に入って手に入れよう。レイノーが喜ぶわ。これを渡したときの表情が早く見たい。

やっぱり、新しい作戦を考えたほうがいいわね。私はいつも正攻法で結果を出してきたけど、今回ばかりはそれが最善とは思えない。あの部屋の中はドワーフのコンストラクトでいっぱいだし、パワーコアの近くにはツェングのガーディアンっていう怖そうなセンチュリオンがいる。もう少し辺りを調べてみて、あのパワーコアをこっそり盗む方法を考えてみるわ。

キレスのノート、17ページKireth’s Notebook, Page 17

ここに来られなかった兄弟は羨ましがるでしょうね!彼は暗くて危険な場所を這いずりまわるのを嫌がるけど、彼がいじくり回して楽しんでいるものは、大抵こういう所で見つかるのよ。「私がドワーフの遺跡に入らないと、レイノーはドゥエマーのもので遊べないのにね」っていつも言ってる。とりあえず言われた通りメモをたくさん取ってるから、彼は後でそれを見返すといいわ。

ああもう、オブリビオンに堕ちろ!このノート、ハチミツ酒を飲んでいるノルドのゲップみたいにページが落ちているわ。つまり頻繁に、最悪のタイミングでよ!大事なものをなくしてないといいけど。

あら、あれ面白そうじゃない!ドワーフの工学と職人技の賜物ね!あの円が素晴らしいわ!車輪の中にまた車輪があって、全てが中心を起点に回っている感じ。というか、稼働していたときは回っていたんだろうなという想像に過ぎないけど。

レイノーならこれの役割が何だったか分かるかしら?そういえば、兄弟は一体どこにいるの?本当に私のことが大事なら、機械の蜘蛛なんて怖がってないで助けに来るはずでしょう!それか、せめてロープを投げてくれたらいいのに!

グスラグの仮面Guthrag’s Mask

オークでおそらく最も有名な外交官は、第一紀の9世紀末から10世紀初めに活躍した石語りのグスラグだ。雄弁な演説で、オルシニウムの攻城戦を10年以上引き延ばしたが、ダガーフォールへ向かう途中で亡くなったのは避けられない事態だった。

その交渉術とは別に、彼の魅惑の仮面の物語はそれ以上に興味深い。言い伝えによると、仮面には、オークの容貌を観察者にとってもっと魅力的に変える力があったという。だが、仮面の力にはそれ以上のものがあった。大使と密偵は、グスラグの仮面を数世紀の間、外国でオーシマーの大義を促進するために利用した。

記録に残っている仮面の最後の持ち主は、謎に包まれたファルン要塞の「族長の目」だ。矢が仮面を貫き、大密偵の額を突き刺したとき、仮面の力は消えた。力が消えた後も、仮面は歴史的意義のあるアイテムとして残されている。

クラーラの日記Kraala’s Journal

騒音、騒音、騒音!騒音で溺れちまうわ!

薄汚いオークどもが一日中鉄を叩いて、木を切って、石を砕いている。休む間もなくね!自分の家ですら、臭いウィンターボーンが通路をうろつき、咳き込んでは汚らしい鼻を拭っている。招かれざる客たちからは古い鹿皮と腐敗臭がしている!奴らにも使い道はあるけど、あまりに少ない。少なすぎる!

安らぎを与えてくれるのは鳥たちだけ。その声は騒音を打ち消してくれる。そして騒音がやんだとき、そのささやきだけが残る。あの汗臭い野蛮な男たちが森の中をバカみたいに駆け回っている間、鳥が本物の情報を持ち帰ってくれる。秘密という名の情報を。もっとたくさん鳥がいたらいいのに。空を鳥で埋め尽くすわ。そうしたら私の手が届かないものはない!

たくさんの鳥?そうよ!なんて名案なの!

もっと鳥を作りましょう!

グラグズ宛てのメモNote to Graguz

グラグズ

有望な候補者の改宗に対するお前の熱意には感謝するが、お前が担当した改宗における生存率がますます低くなっていることが気になる。ひょっとすると、もう少し「お前らしさ」を薄め、もう少し辛抱した方が、いたずらに全体の人数を減らすよりも、我々の数を増やして有益かも知れない。

もっと注意しろ。さもないと。

アズヌラ

クランのスポーツThe Sport of Clans

ヴォシュ・ボールは、オーシマーの最初期にまでさかのぼる長く伝説的な歴史がある。オーク達が集まってクランが生まれた頃、「勇気」のボールの概念が発展させられた。当初はスポーツや余暇の娯楽ではなく、クランの戦士の勇気と回復力を試すテストとして始まった。

ヴォシュ・ボールの最初期の形は、オークの頭部大の木や金属で作った重い球体を使った。白羽の矢を立てられた見習いの戦士が、中庭から1歩外れた最も奥に立つ。その見つめる先には、両手にヴォシュ・ボールを持った古参兵の隊列がある。古参兵達は、交代でヴォシュ・ボールをあらん限りの力で投げつける。一斉攻撃が下火になったとき、もしも見習いがまだ立っていられたら、勇気を証明したことになり、戦士としてより高い地位に昇格する。

年月が流れ、このテストは、組織化されたスポーツになり、クラン間で名誉と表彰のためにチームで競った。ボールは重い金属に代わって重い革になり、ルールや規則が体系化され、参加クランのあいだで承認された。

現在のクランの集まりでは、必ずヴォシュ・ボールの競技会で数日間、白熱した戦いを繰り広げる。ファルン・クランは現在連勝記録を保持しており、7連勝で他を大きく引き離している。ファルンの最優秀選手賞であるバズラグ族長は、「骨壊し」と自称する、迫力満点のえげつない球を投げる。

ヴォシュ・ボールのルールは絶えず変更されているが、根底のルールは不変だ。オーク6名でチームを作って対戦する。吊るした3個のヴォシュ・ボールで武装し、重いボールを力いっぱい投げつけて対戦相手を気絶させ、囲んだコートの制圧を競う。その上、オークの誰ひとりとして矛盾や混乱を見つけられないルールと規則が多数ある。問題ない。栄えあるヴォシュ・ボールの試合を目にしたものは誰でも、興奮状態に陥って息をのみ、勇気という言葉の定義を改める。

クランの地図Map of Clans

オーシマーの人々は、その歴史の大半において、記録を取ることを避け、伝統的な口述に頼った。しかし初期オークの学者サグボ・グロー・ツットは口承の伝統を、かの有名な著書「13クランの歴史」にまとめた。すでに原本は消失し、おそらく破棄されたが(サグボが述べた各クランの起源や領土について、同意しないクランもあった)、初代の要塞の場所が書かれた地図は現存している。

サグボによるクランの地図は、経年と水、エール、血の汚れで古びているが、深遠の暁紀の終わりに13の各クランが拠点を築いたと彼が信じていた場所を示している。現存できたのは、経緯は不明だがブレトンの博物館の手に渡ったからだ。クログ王は地図を購入したが、品物は届かなかった。

グルーロット族長の深い思索Deep Thoughts of Chief Gloorot

私のエチャテレが泥の中で転がったときの毛に、空が似ているのはなぜだ?

トリニマクかマラキャス?選ぶ理由は?どちらも無視しよう、過去は過去でいい。

私が木なら、完璧な存在だと思う。例外は鳥相手のときだ。鳥は嫌いだ。

牙を外すか牙で突き刺すか?なぜ選ぶ?

思考夫人がいればいい。彼女が私の思索について考えているうちに、私は別のことを考える。

風はどこから来る?そしてどこへ行く?それを考えると夜も寝られない。

オークは王に頭を下げるべきか?考えもみてくれ、彼が本当にオーク王なら、私達に頭を下げるよう言う訳がない。オークはその手のことはしない。

カブは回転させてから食べるのがいつだって最高だ。目が回るほど味がよくなる。

ウィンターボーン:脅威か迷惑か?

アルゴニアン:人か、自動で配達される手荷物と上着か?

大根はピリッとしてシャキッとする完璧な食糧だと思う。くそっ。腹ぺこだ。

クログ王年代記、1巻The Chronicles of King Kurog, Book I

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

クログ・グロー・バグラクに初めて出会ったのはエルスウェアの荒野だった。ウェイレストからきた学者を装ってはいたが、私の本当の目的はカジートの故国で見聞したことをウェイレストのエメリック王に報告することだった。私は密偵という立場で、型破りでカリスマにあふれたオークの戦士と最初の邂逅を果たしたのだ。彼はロスガーからきたばかりで、ガスパール・ストーカーズという傭兵団で身を立てようと奮闘していた。聞く限りでは、勇敢で、頭が切れ、しかも抜群の身体能力を誇るとのことだった。私にも確かにそのように見えた。

ブレトンの傭兵団長、ガスパール・エスムリーはどんな種族にも門戸を開いていた。命令に従い、全力を尽くす限り、ガスパールは部隊に居場所を用意してくれた。クログは、彼に忠誠を誓う精悍な戦士数名を引き連れて入隊した。ほどなくして彼らはストーカーズの中で頭角を現し、最も危険な任務を任され、たんまりと分け前にあずかるようになっていた。

クログとは何度も会い、親しくなることができた。彼は女に色目を使われるのが好きで、彼同様にカジート料理の食べ歩きを好む、気立てのよいブレトン女をとりわけ気に入ってくれた。酒食を共にした折、油断した彼は、他の男の前では決して口にしないような話も聞かせてくれた。オークレストの街の薄暗く怪しげな酒場で密会を重ねるうち、あるときクログは自身の過去と将来の夢を語り始めた。

オークの要塞の悲惨な暮らしは誰でも話に聞いている。クログは、遠くロスガーにあるクランでの若かりし日のことを話してくれた。彼は若い世代で最も強く、聡明な男だった。強く、速く、そして多くの点で同世代やほとんどの年長者に抜きん出ていた。しかし、彼はクランでの暮らしに物足りなさを感じていた。戦で実力を示したかったのだ。世界を見聞したかったのだ。そして彼も族長も、クログが要塞に少しでも長く居続ければ、どちらかが死ぬことになると確信していた。それがオークの生き方だった。

不和を悪化させて族長に挑む代わりに、クログは腹心たちを引き連れてガスパール・ストーカーズという傭兵団のスカウトに身を投じた。ハンマーフェルやシロディールの紛争で勝利に貢献した後、傭兵団はエルスウェアへとやってきた。クログは得意の絶頂にあるようだった。珍しいものを見、うまいものを食べ、女たちを抱き(彼の言葉だ、私のではない)、戦という戦で勝ちまくった。スプーンですくったハチミツプリンをクログに食べさせ、もう片方の手は力強い腕に置き、無邪気を装って聞いた。「でもこの先はどうするつもりなの、逞しいお兄さん?」

「この先だって?」クログは笑った。「国に帰るさ。老いぼれ族長を殺し、クランを牛耳るんだ!」

クログは当然とばかりに言い放った。虚勢を張っているのではなかった。私の気を引こうとしているわけでもなかった。単に自分が信じていることを口にしただけだった。そして実際、私もそう信じた。彼は確実にエメリック王が注意しておくべきオークだった。よく覚えておいてほしい。

クログ王年代記、2巻The Chronicles of King Kurog, Book II

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

クログがウェイレストを訪れた際、エメリック王に引き合わせることができた。彼はオークの戦士たちと連れ立っていた。ガスパール・ストーカーズ傭兵団との契約を辞退したばかりで、ロスガーの荒野への帰途にあったのだ。エルスウェアで親しくしていたよしみで、ウェイレストに寄るので会いたいという連絡をもらっていた。私はすぐに承諾し、滞在中は観光案内をすると申し出た。

数日の間、クログに街を案内し、ブレトン社会の様々な食物を紹介した後(クログは本当に食べることに目がない!)で、ウェイレスト城を内密に訪れ、彼を驚かせた。正直なところ、会談がどのような結果に終わるか多少の不安を覚えていた。クログは声が大きく粗野な上、社交上の儀礼についてはほとんど何も知らない。後から考えれば、心配するまでもなかった。エメリック王とクログは意気投合したのだから!政治や戦争に関して二人の考えは通じるところがあり、夢中になって相手を笑わせようとしていた。その晩の終わりに、クログはロスガーに戻って、クランの族長という自らの正当な地位を奪還する予定であることを打ち明けた。

「心配すべきか?」エメリック王は微笑みながら尋ねた。

「もちろん心配すべきですよ」クログは笑った。「ですが、あなたが気に入った。エメリック王。ハイロックに目を向けるのは、ファルクリースにあるヤシュナグの王国をなんとか再建してからにしよう」

二人が握手したとき、背筋に戦慄が走った。重大な出来事を目撃しているのだという直感があった。この瞬間がいずれどれほどの重要さを持つことになるのかは分からなかったけれども。クログが暇乞いをしようとしたところで、エメリック王は驚き続きのこの晩に、さらにもう一つの驚きを付け足した。「友よ」と、エメリックは切り出した。「頼みがある。レディー・ゼフリンをロスガーに同行させてくれ。彼女は遠くの国々での私の目と耳の役を務めてきた。そして私は、そなたの野望の行く末を何としても知りたい」

クログは再び笑った。周りを巻き込まずにはおかない笑い声だった。「自分の密偵をロスガーに連れて行けとおっしゃるのか?」またもクログは自身が多くの人が思っているような愚鈍なオークではないことを示した。彼がいつから私の正体を察していたのか考えてしまった。「ええい。彼女は愉快だし、食通だ。おまけにとびきりの美人ときてる。荷造りをしな。暖かい服を用意しておけよ。ロスガーの天気はちょっと肌寒いぞ」

そういう経緯で、私はクログの供をしてオークの国へと赴くことになった。

クログ王年代記、3巻The Chronicles of King Kurog, Book III

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

ロスガーへの旅は思っていたよりも愉快なものになった。クログは陽気で快活な道連れであり続けた。それどころか、生まれ故郷に近づくにつれ、ますます上機嫌になっていった。道々、多くのことを語り合った。その中には抑圧的で厳格な民族の伝統の一部を変革するというクログの夢も含まれていた。「大きな都市をいくつも作るんだ。多種族が暮らし、教育と文化の施設も用意する」とクログは言った。「そして料理だ。とにかくいっぱい料理を呼び込む。ただの食い物よりずっといい」

ついにロスガーへの国境を越えると、クログの仲間のオークたちは沈鬱で深刻な面持ちになった。彼らはクログに味方し、族長に刃向かうことの意味を承知しており、それがもたらす結果を覚悟していた。だが、それでも、破滅の可能性への行軍が気楽なものであるはずがなかった。一方、クログは快活さを保ったままで、むしろ子供のようにはしゃぎ続けていた。彼はこの時のために一生を捧げてきたのだ。そして運命にまっしぐらに突き進んで行く覚悟ができていた。彼のことが心配ではあったが、彼を友と呼べることが誇らしくもあった。そして、大胆なことではあるけれども、クログが誇らしげに馬に乗っている姿を見るだけで胸が高鳴るのを感じた。私はこのカリスマにあふれたオークの戦士に、多少は心を奪われていたのだろう。

ある時点で、クログは私の視線に気づいたようだ。オークらしい魅力的な笑顔を見せ、ウィンクをすると「族長になったら、妻の一人に加えてやろう。答えはいつでも構わん」と言った。私は顔をそむけた。赤面してしまったのに気づかれていないことを祈った。この馬鹿げた申し出を笑ってよいのか、激怒して叫ぶべきなのか分からなかった。しかし考えがまとまって話をつけようとしたときには、クログは籠手をつけた手を上げていた。「ここからは、」彼は言った「一人で行く」

ボラズガー族長はクログを待ち受けていた。オークの巨漢戦士4人が族長につき従い、怒りに燃えた目でクログを睨み据えていた。その後ろには、クラン全員と思われる人々がこれから起こることを見届けにきていた。「族長にひれ伏して許しを乞う気か、クログ?」ボラズガーが嘲った。「いや、今日はよしとく、」クログは陽気に答えた。「今日はクランの支配権を賭けて挑戦しにきた」

遠くからでもボラズガー族長が憤怒に身を震わせているのが見て取れた。「無礼者めが」族長は叫んだ。「公平な勝負で俺に勝てると思っているのか?ええ?」

クログは肩をすくめた。「正直言って、勝てると思ってる。あんたは太り、弱くなった。一方、俺は遠い国々で戦を続けてきた」
クログが言い放った。「実際、この戦いのどこが公平なのか分からない」

憎悪の塊を叫びに変え、ボラズガーは武器を抜き、突っかけた。まったく対照的に、クログは静かに剣を鞘から抜き、構えた。そして無駄のない動きで族長の力任せの一撃を受けると、強烈な一太刀を見舞った。ボラズガーの頭は三度跳ね、その選り抜きの衛兵のブーツに当たって止まった。

場は長い間静まり返っていた。そして最初の声が上がった、「クログ族長万歳」残りの人々もこの声に続き、順番に強大なクログの前に片膝をついた。彼は微笑んだ。「今日はオーシマーの新たな始まりだ!」クログが宣言した。「お前たちを栄光へと導こう!誓ってもいい!」

彼の言葉を信じたのが、私だけでないことは明らかだった。

クログ王年代記、4巻The Chronicles of King Kurog, Book IV

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

何年かが過ぎ去り、私はエメリック王とクログ族長の仲介役を頻繁に務めるようになっていた。この役目と族長との間の変わらぬ友情もあり、クログの身に起きた多くの重大事件を知る機会に恵まれた。さらに、事件そのものだけでなく、クログの考えや気持ちをも知ることができた。それというのも彼は私を信頼し続け、相談役を務めさせ、離ればなれになっているときでさえ手紙をくれるほどだったからだ。(だが、残念ながら、そういうことではない。彼の妻の一人となる申し出は受けなかった。クログは族長となって間もなく妻を集め始めた。厩舎の主が馬を集めるのと違っていたわけではない。だがそのことはまたの機会に書こう)

クログは数年を費やして権力を固め、クランに力を蓄え、自分の目標と理想を支持する族長たちと同盟を結んでいった。クログが大望の詳細を明かしたのは、およそこの頃のことである。「偉大なるヤシュナグの衣鉢を継ぎ、スカイリムに侵攻する」と彼は書き送ってきた。「ファルクリースでオークの王国を再興し、麗しのウェイレストに匹敵するオークの都を造る」。クログが北で活躍している間、エメリック王はハイロック中央部の問題と格闘していた。ショーンヘルムのランセル王がウェイレストに宣戦布告したのだ。王と密会した後、クログの元に向かわねばならないと意を決した。

ドラゴンスター付近でクログに追いついたとき、彼の軍勢はスカイリム西部の山脈に集結しつつあった。彼らは予想を越える困難に遭遇していた。ノルドは内戦で割れてはいたものの、有能かつ勇敢な戦士であることを見せつけた。ファルクリースへの道程は遠く険しかった。岩と雪はこの戦争が終わる前に両陣営の戦士の血に染まるだろう。ある晩、そばに腰を下ろし、燃え盛る炎を見ていると、クログはかつてエルスウェアで一緒に過ごした時のように腹を割って話してくれた。

「ノルドの奴らめ、」クログは言った。「少しは礼儀をわきまえて、武器を置いて道を空けてくれてもよさそうなもんだ。だが、そんなことは起こらない。敵対してないクランの連中は俺たちに賄賂を送って自分たちの手助けをさせようとする。俺たちが征服者だとは思っていない。傭兵だと思ってやがるんだ!ファルクリースの夢はこの雪と氷に打ち砕かれちまうんじゃないかと思い始めたとこだ。ノルドどもも、あいつらのハチミツ酒もクソくらえ!」

私はクログの膝に手を置き、静かに言った。「もし私が別の、もっといい夢を提案したらどうする?そしてその夢を実現する権限を与えたら?」クログはじっと私を見つめていた。そして立ち上がって、私を見下ろすと説明を迫った。答える代わりに、私は外套に手を入れ、皮の書類ポーチを引き出して、クログに手渡した。彼は炎の灯りで中身を読んだ。そして再び読んだ。さらにもう一度目を通した。それから、これは何かの罠なのかと尋ねた。私は罠などでないことを保証した。これは申し出だった。「あなたがエメリック王に手を貸し、エメリック王があなたに手を貸すの」と言った。そして私たちは夜更けまで話を続けた。

朝がくると、クログはすでにウェイレストへ復命させる要求のリストを用意していた。私は舌を巻いた。厳しい要求を突き付けてはいたが、エメリック王がランセルの戦争を一気に終わらせるために必要な力を貸すとも申し出ていた。エメリック王に書類を早急に届けると告げた。見返りとして、彼は自軍を待機させ、エメリックの号令に備えることを約束した。ただし、署名の入った文書を手にするまでは動かないとのことだった。

このようにして、オークがダガーフォール・カバナントに加盟し、クログはロスガーの王となった。

クログ王年代記、5巻The Chronicles of King Kurog, Book V

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

ロスガーのクログ王の妻の話をしよう。彼が妻を娶り始めたのは、ロスガーに戻り、ボラズガーを倒してクランの族長となってすぐのことだった。最初の選択は純粋に政治的なもので、妻を娶って他のクランとの絆を強固にするためだった。この頃、私はクログの母親であるアルガの存在に気がついた。母親のことは何年ものつきあいの間に何度か話に出てきたことはあったが、彼の人生に大きな影響を与えてきたようには思えなかった。少なくとも、傭兵暮らしの頃は大きな存在ではなかった。

クログがクランの族長となるや、母親は彼が考えつきもしなかった重責を務めるために立ち上がった。彼女は鍛冶の大母の称号を受け、息子の結婚交渉に奔走し始めた。オークの伝統に詳しくない方のために書くと、クランの中で妻を迎えることができるのは族長だけだということを理解しなければならない。族長の役割はライオンの群れのボスのようなもので、若くて強い者にその地位を奪われるまで権勢を誇ることになる。ちょうどクログとボラズガーのように。族長の妻は要塞の中で最高位につき、部族の重要行事を取り仕切る。一方、族長は距離を置いて監督することになる。略奪の指揮であるか、クランを投じての宿敵との戦争かに関わらず、族長自ら指揮する活動は戦争だけなのだ。

族長の妻の中で最も影響力を持ち、権勢を誇るのが狩猟夫人で、アルガが最初にまとめようとしたものだった。何人もの若き候補者がその地位を狙ってしのぎを削っているという噂が流れたが、アルガとクログの心にはすでに目当てがあった。最終的には、シャトゥル族の有力な娘が選ばれた。シャトゥル族はロスガー高地で名を馳せる狩人で、クラン間の同盟を確固たるものにするのが目的だった。ノロガは忠誠を誓い、狩猟夫人の地位に就いた。

クログに鍛冶と採掘を監督する鍛冶夫人を娶る時が来ると、アルガは武器と鎧鍛冶で名高いモークル・クラン以外には目もくれなかった。明白な選択はモークルの族長の長女で、アシャカというオークの乙女だった。だがアルガが強い関心を示したのはその妹のタグハだった。この娘は2年の間、領外に出て、スカイリム西部の鍛冶師について修業してきたのだった。その経験、現代的な気風、そして明らかな知性によって、彼女がクログとそのクランの鍛冶夫人の座を射止めたのだった。

有力なクランをもう一つクログの旗のもとに呼び寄せる以外に必須条件があるとすれば、暖炉夫人の役割は家事を上手にこなすのはもちろんのこと、ありきたりのマウンテンベア炒めの域をはるかに超える料理の腕が求められた。年代記の前の巻で書いた通り、食物はクログの情熱の対象だった。戦いと食事のどちらをクログがより好むかは私にとっても極めつけの難問だった。そういうわけで、オーク的なしとやかさと類まれなる才能を兼ね備え、妻としての重責を担える者を見つけるには何年もかかるかと思われた。しかし最終的にはクログがエメリック王の救援に向かい、ランセルの戦争を終わらせようとしている間に、一大コンテストが催されることになった。

クログが留守の間に、少なくとも私はそう聞いたのだが、鍛冶母のアルガがいまだクログと手を組んでいない有力クランの中からふさわしいオークの乙女を集め、暖炉夫人の称号をかけて腕を競わせた。彼女の命で乙女たちはクログがかつて臨んだどんな争いにもひけをとらないほど荒々しく血なまぐさい料理戦争に駆り立てられた。女たちは自分の食材を追い、仕留め、捌かねばならなかった。異国からのスパイスを確保するために争うこともあった。さらには完成した料理を制限時間内に披露しなければならなかった。アルガとクログの最初の妻のノロガとタグハが、各挑戦者の料理を審査し、クラン・ムルタグのバラザルが勝利した。腕力(彼女はマウンテンベアを素手で屠ったと伝えられている)もさることながら、繊細なスパイスを巧みに使ったことが評価されたのだ。

クログには数多くの様々な身分の低い妻がいたが、そのほとんどについては多くを知らない。彼女たちは裏方で、表に立つことがほとんどなかったからだ。しかしながら、そのうちの二人は常にクログのそばに控えていた。護衛を務める盾夫人である。屈強な戦士二人がクログの家でこの役割についている。オシュガサとラズベラという戦士の姉妹だ。姉妹は互いに忠実で、また王にも同様だった。必要とあらばいつでも王を守るために身を投げ出す覚悟ができていた。ノロガとタグハですら、盾夫人の前では行儀よくしていた。

追記:各婚姻がクログと様々なクランとの結びつきをある程度は強化したものの、クログが王の称号を手にしたことで、娘との婚姻によってクログの傘下に加わった族長の一部が心変わりをしたことを指摘しておくべきだろう。族長たちは姻戚関係の手前、大っぴらにクログに反対することはなかったが、公に彼をオークの王として認めてはいなかった。このことを、きっと予想に難くないだろうが、クログは極めて不愉快に思っていた。

クログ王年代記、6巻The Chronicles of King Kurog, Book VI

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

さて、数ページを割いてロスガーとオークの国に関するクログ王の壮大な構想を記録しておきたい。その計画がとりとめのない夢物語から、構想の核となり、やがてオルシニウムの再建を目指す戦略へと育っていくまで、何年にも渡って聞き続けた。

知り合ったばかりの頃のことだが、あるときクログは驚くほど大量の濃厚ムーンシュガーラムをあおり続けていた。そのせいで内省的、かつ恐ろしく饒舌になっていた。ところどころ微笑み、タイミングよく笑いをさしはさみ、また時にはお世辞と質問を交え、クログにたくさんのことを打ち明けさせた。そして夜が更けるにつれ、彼はオーシマーにかける夢を語りだした。オーシマーとは我々がオークと呼ぶ種族に彼が付けた名前である。

「要塞」。クログは言った。「あれは何世代にも渡ってオーシマーの役に立ってきた。だが伝統は、我々を助け導く一方で、足を引っ張りもする。時代錯誤な考えや無意味な規則で身動きが取れなくなる」。無論、話はそれだけではなかった。暴力の必要性を理解し、その卓越した使い手でありながら、彼は要塞の中ではあらゆることが暴力と殺人で解決されていることを嫌っていた。「大事なことを穏便に話し合うことがとても難しいんだ」と彼は嘆いた。「なぜなら、遅かれ早かれ誰かが重い物や鋭い物を手に取って、自分の意見を貫き通しちまうからだ。何かを変えねばならない」

次にこの話題が出たのは、糖蜜茶を飲みながらテンマー・フォレストへと沈む夕日を見ていた時だった。クログがこの件について以前に話して以来、色々と考えていたのは明らかだった。オーシマーの暮らしを向上させることに加え、今や政治的にも人々を高みに引き上げようと考えていた。「古い掟に囚われているようでは、他の王国はまともに取り合ってくれやしない、」と言った。その声にははっきりと苦悩がにじんでいた。「現代的な社会を築かないと、他の種族と対等に張り合っていくことはできないんだ。オーシマーの街や都市を作らねばならない。外交と貿易が行われ、古めかしく、抑圧的な要塞に見えないものをだ。同世代の仲間に畏れられるのは悪くない。交渉の時には大いに役立つ。だが恐怖を植え付けるような態度と振る舞いはどうだ?それは敵のために取っておくべきものだ。いつも出しっぱなしにしておいて、敵味方なくビビらせるためのものじゃない」

エルスウェアでの最後の日のことだった。私はウェイレストへ帰る支度にかかり、カジートの地方に長期滞在するのもこれで最後か、と思っていたところに、クログからディナーの誘いがあった。クログは近くの宿に個室を予約し、そこのシェフに二人のための別れの晩餐を用意させていた。干したシュガーミートとキャラメルをかけたスウィートケーキをほおばっていると、クログは故郷に帰って如何にして人々を助けるかという話の続きを語りだした。「過去の栄光を再建するつもりだ。おそらくファルクリースにあったヤシュナグの古代オーシマー王国を再建するか、オルシニウムの遺跡そのものを発掘することになるだろう」

クログの夢は目標となり、その気骨と魂の力を試すべく、自身に課した試練となった。それはクログがロスガーに帰還し、クランの族長としての地位を、彼を追放した「生意気なリーダー」(彼の言葉で私のではない)から簒奪することから始まる。そして他のクランの族長を彼の旗の下に従え、独立した小国で構成された国家を築くのだ。十分な大きさと力を持ったオークの王国を打ち立て、クログはその国の王として仰がれる。「エメリックに伝えておけ。次に会うときは対等であるか、さもなければ敵同士だとな!」クログは言った。「俺の治世で、オーシマーはウェイレストやウィンドヘルムの市民が享受しているあらゆる権利と機会を持つ。古いやり方を捨て去り、新たな時代の夜明けがオーシマーに訪れるのだ。これが俺の誓いだ!」

否定はしない。クログの言葉、情熱に胸を打たれた。彼が成功し、そのよき治世の下でオークが台頭し、繁栄すると信じたかった。彼が語ってくれたことを忘れはしない。後日、エメリック王がどうしても援軍が必要になったとき、私はクログのことを思い出し、エメリックに耳打ちした。こうして同盟が誕生した。

ゴーラーの日記 パート1Gorlar’s Journal, Part One

スコゾッドの聖域として知られる伝説の遺跡にたどり着いた。間もなく、スコゾッドのように強大で不死の死霊術師となる夢は実現する。偉大なる者は私の才能を見抜き、その願いを認めて下さるだろう。私が死者の秘密を学ぶことを熱望している同志だと分かって下さるだろう。

古の伝統に則り、自ら作ったゾンビを遺跡に送り、来訪を告げ、弟子入りの志願をした。それが昨日のことだったが、遺跡からの返事はない。大いなる者を怒らせてしまったのか?私の創造物の出来がよくなかったのか?

もう待てん!暗闇のゴーラーを無視するなど許せん、それが偉大なるスコゾッドであってもだ!しきたりを破り、招かれなくとも遺跡に行く。そうすれば大いなる者も対面せざるをえまい。伝説と対峙したその時に、果たしてどちらが軽んじられるべきかはっきりするだろう。

ゴーラーの日記 パート2Gorlar’s Journal, Part Two

偉大なるスコゾッドだと?ハ!奴はペテン師だ。実体のない幻だ。伝説のスコゾッド、国中で恐れられている不死の死霊術師に拝謁にきたというのに。この深い落胆は想像もできまい。スコゾッドなどいない。いるのはゴーラーだけだ!

噂の不死身の者はただの病み衰えた老いぼれオークだった。老齢と病で衰弱しきっていた。生意気な子供ほどの力もなく、私を畏怖させるどころか、明らかに奴の方が私に怯えていた!ほとんど労せずして奴のアンデッド軍団を奪い取り、聖域の所有権を奪った。惜しむらくは怒りと落胆のあまり、思わず衰弱した老いぼれオークを殺してしまったことだ。私に教えられる秘術があったとしても、奴はアシェンフォージへ持ち去ってしまった。

いや待てよ…

死体を蘇らせるだけでなく、生前の知識を抜き取る方法を編み出せないものだろうか?少なくとも時間潰しにはなる。

面白い。若いオークがやってきた。どうやら、こいつもスコゾッドを探しにきたようだ。ふん、暗闇のゴーラーは戦利品を分かち合ったりしない。スケルトンどもにあしらわせ、仕事を続けるとしよう。

コールドウィンドの頭蓋骨Coldwind’s Skull

トラグ王は存命中、ロスガー最強の雪熊を味方につけた。雪熊は幾多の戦場で王を騎乗させ、その速さと冷酷なまでの勇猛さで「コールドウィンド」の異名を取った。

しかし長い年月が流れ、コールドウィンドは弱っていった。トラグ王は北の彼方に彼女のための巣を見つけてやった。そこで雪熊は眠り、食べ、連れ合いを見つけ、その血統を継ぐたくましい子熊を数多く残し、ついには年齢には勝てず亡くなった。トラグ王は巣の一部を墓に作り変え、忠実なる友人を埋葬して封印した。

ある日、彼女が復活するという噂が流れた。再び目覚める兆しが、彼女の頭蓋骨に現れるという。こんなことができるのはロスガーの英雄だけだ。ただの伝説かもしれないが。

ザンダデュノズの心臓Heart of Zandadunoz

初代オルシニウム崩壊後の暗黒の時代、邪悪なタイタン、破壊者ザンダデュノズがロスガー南部を恐怖させた。追い詰められたオーク達は、ザンダデュノズに仕え信仰を捧げる教団まで設立した。

ザンダデュノズの信徒は、このタイタンの名の下で異端者としての活動を行った。同時に、他の戦士達のグループがタイタンを抹殺しようと集結した。スルズ・グロー・ファルンは五十人団を率い、ロスガー南部を守るべく身を捧げた。

果てしない戦闘が数週間続いた後、スルズの部隊は教団に勝ったが、多大な犠牲を払った。スルズは生き残ったわずか12名とともに、「名誉の休息地」に隠れたザンダデュノズを攻撃した。炎に身を焦がされながらも、タイタンの胸から激しく脈打つ黒い心臓をもぎ取り、オークの英雄となった。この心臓は聖句箱に姿を変えたが、オブリビオンからタイタンを呼び起こし、再びオーシマーを脅かす可能性があると言われている。

シャーファムの手紙Sharfum’s Letter

父さん

がっかりさせてしまうだろうから、夜のうちに旅立ちます。父さんに見つからないうちに。

行先は見当がつくでしょう。新しい都です。トリニマクの神官になることにしました。

スネッグを責めるでしょうけど、それはやめて。これは自分で決めたことなの。理由は、私がずっとオークであることを恥じてきたからよ。他の種族がショーンヘルム、ストームヘヴン、ダガーフォール、モーンホールド、エバーモアといった街を構え、強大になっていくのを横目に、オークは家もなくみじめなまま。オルシニウムでは、もうみじめな思いをしなくてすむの。

この手紙を目にするのがいつであれ、そして父さんがどう思おうと、父さんをいつも愛している。そして父さんのことを恥ずかしいと思ったことなんて一度もないことは覚えておいて。

あなたの娘、シャーファム

スコゾッドからの手紙Letter from Thukhozod

愛する息子へ

この長い年月の間どれだけお前に会いたかったか、言葉では言い表せない。きっと健康で強く育っているだろうと想像している。まだ乳飲み子だったお前を置いて行かねばならなかった理由は、ヤゾガから聞いていると思う。私の聖域は子供には合わないし、私の仕事は父親であることを許さない。私がロスガリアン山脈で最も恐れられる唯一無二の死霊術師スコゾッドであるということも、ヤゾガから聞いている頃だろう。彼女はそう教えるよう言われていた。

だが彼女は話の半分しか知らない。実は私は唯一無二のスコゾッドではない。最も近くその称号を受け継いだオークに過ぎない。私の本名はクログールで、ウェイレストの靴屋に生まれた。スコゾッドの名を私に引き継いだのは大叔父で、今度は同じようにそれをお前へと引き継ぐ。

私は老い、もう長くないことは分かっている。お前がスコゾッドになれば、アイレイドの遺跡はお前に反応し、ここの生き物たちはお前に仕える。それだけでも今まで想像しえなかったほど強大な力となるが、一番の宝はその名前だ。「スコゾッド」の名を聞くと誰もが恐怖で震え上がる。お前に文句をつけてくる奴はいなくなるだろう。

権利を継承するのに必要なことは、お前の血を私の血と混ぜるだけだ。この手紙に私の血を染み込ませているから、そこに自分の血を垂らすだけでいい。私と同じくらい、継承した力を楽しんでもらえることを願っている。

父より

スコゾッドの伝説The Legend of Thukhozod

おお、なんという伝説を作りあげてしまったのか!強大にして不死、そして死霊術を極めしスコゾッドに一体誰が挑もうと言うのか?スコゾッドは現在も、過去も、そして永遠へと続く存在だ。何百年も前に現れ、秘密の聖域を築き上げ、儀式と実験をひっそりと行ってきた。近隣の住民に畏れられ、族長や戦士長と付き合い、死者の霊魂と語らう。

今、永遠のスコゾッドとして30年という節目を迎えた。そこでこの汚らしくちんけな秘密を書き記すことにした。スコゾッドは一人だけでなく、無数にいた。そして私は代々続く強力な死霊術師の末代でしかない。

最初のスコゾッドが元のスコゾッドだ。彼は大望と夢を抱くオークの死霊術師だった。彼は三クラン戦争に参加した時、自身は不死身であると謳った。シャトゥル・クランの勝利に大きく貢献したことで、その功績を称えられた。しかし次に起こったことを彼が意図していたとは思えない。むしろ息子のグラゾズの手柄というべきだろう。

スコゾッドが唐突に死んだ時、息子にして見習いだったグラゾズは、事件を隠し通すことにした。彼は父の遺体を処分し、その父に成りすました。そのようにしてスコゾッドは生き続け、不死への行進が始まった。

我が祖先のオーク一人一人が刻まれたリストは何ページにも及び、この聖域の奥深くにある隠し金庫に保管されている。その中には少なくとも二人の娘が含まれている。自身の真の性別をまったく悟らせずに父の役割を引き継いだのだ。今、この忌々しい病に身を蝕まれながら、我が息子、コルゾスの到着を待っている。母親のヤゾガはあの子に自身の遺産を伝えているはずだ。これを書いている間にも、ここに向かっているはずだ。息子が新たな人生へと踏み出すのを手助けできるくらい、健康な内にたどり着いてくれるとよいのだが。

スコゾッドの腕当てThukhozod’s Bracer

オーシマーの伝説の中でも、偉大なスコゾッドの伝説ほど尊ばれ、恐れられている伝説は数少ない。この偉大かつ強力な死霊術師は、不老不死なのか、何世代にも渡って存命した。もちろんどの伝説も、偉大なスコゾッドについて1人のオークが見たり聞いたりしたものだ。彼の隠れ家を探したと言う者は他に5人いるが、この謎の人物の痕跡は見当たらなかったという。

伝説の死霊術師の真実が何であれ、彼のさまざまな物語で、左腕に装着している貴重な腕当てについて語られている。魔力はないが、美しく人目を引くという。オーシマーの栄光の館にとっては、貴重な追加展示品となるだろう。

スティボンズのやることリストStibbons’s To-Do List

– 装備をアルファベット順に整理する
– 食料を栄養価別に分類する
– 朝食にパン、チーズ、ドライフルーツを用意する
– 火で体を暖める
– レディの下着を洗濯、乾燥する
– アルコール飲料が十分かどうかを確認する
– 十分なアルコール飲料の1本を飲む
– キャンプ内の除雪をする
– キャンプ用に夕食の魚のシチューを用意する
– レディに野菜を食べさせる
– レディの下着の氷を溶かす
– (ここは寒すぎるため!)火が熱く燃えているか確認する
– 歴史的な相違点をカースサンと議論する
– レディの博物館への報告書を校正する
– レディの櫛とブラシを大きさ順に整理する
– レディの旅枕を膨らませ、寝袋を折り畳む
– レディのふわふわな枕の上に砂糖漬けの木の実を置く
– 明日のやることリストを書く

ゼイシャラの1つ目のメモZayshara’s First Note

残ったのは今やゼイシャラだけ。隠れ、祈り、泣く。

アジンは私の幼いエルザールが、この寒さや呪われた丘をうろつく化け物から生き延びられたはずはないと思ってる。あの子がはぐれたのは天の慈悲だと言う。エルザールはこの猛烈な吹雪の中で身をまるめ、安らかに眠り、やがて寒さで息を引き取っただろうと。

だけどアジンは間違っている。母親には分かる。

あなたのために残しておくわ。ちょっとした魔法の贈り物。覚えてる、ミストラルのおうちでこの者が色や渦を呼び出して笑わせてあげたでしょ?あなたが柔らかな手で叩いていたおもちゃが消えて、また現れたでしょ。おかしな詩やお話を眠る前にささやいてあげたでしょ?

こういう思い出の中で、あなたは私に会えるでしょう。私には分かる。

ゼイシャラの2つ目のメモZayshara’s Second Note

私たちはバーンダリ。旅する者。けれど必ず暖かな砂地に戻ってくる。灰色ではなく、緑の地へと。柔らかな声と笑いが聞こえる。アジンはいつだって必ず私たちのもとに帰ってくる。そしてエルザールが育ったのを見て笑う。旅ができるほど大きくなったぞ。そう言ってあなたを放り上げる。あなたが喜んで笑うから。

そうして旅をして商売をしてきた。私たちは交易の腕と、遠く様々なところへ旅をする力で一目置かれている。遠くまで旅をするから、この不思議な世界を他の人々よりずっと多く目にしてきたと思ってる。月は私たちの旅路を見守って下さる。

すべてはうまくいっていた。ロスガーにくるまでは。寒さ。危険。死。危険な生き物に襲われた。ウスリが古い遺跡を見つけ、そこに駆け込んだ。避難するつもりだった。ウスリとシュラが火をおこし、この者はあなたを探した。来る日も来る日も探したのよ、私のかわいい坊や。

風と雪はあなたの痕跡を消し去ってしまっていた。

でも母親には分かる。私のエルザール。あの子は生きている。他の人たちはこの者を憐れみの目で見る。悲嘆にくれるアジンですらそう。でもこの者には分かる。あなたにまたおかしな話ができるって。ゲームをして、あなたが笑う声をまた聞くことができるって。

母には分かる。

ゼイシャラの3つ目のメモZayshara’s Third Note

長い静寂の中、この者の心は悲しみで満ちている。希望だけが、いえ、希望の記憶がこの者をこれほど長い間支えてきた。熱にうなされて夢を見た。私のかわいい坊やが大人になっているのを。バーンダリの商人となり、がらくたや安物で誰かのポケットの金をせしめようとしている。

いつの日か、エルザールはこのゲームを見つけてくれる。覚えておいて。あなたの母のゼイシャラは悲しみの中でも、微笑みながらこれを作ったの。遺跡の中の闇と寒さの中、このささやかな魔法が幸せな記憶を照らしてくれた。

あなたはバーンダリ・クランの商人の息子。旅と駆け引き。それがあなたの血なの。あなたの遺産よ。

双子月があなたを照らし、祝福してくれるように。

センチネルからの積み荷はお断りNo More Shipments From Sentinel

お前がその特技に秀でていることは分かっている。それが名前の由来で、それを周囲に知らしめたいんだろう。

しかし、サソリはロスガーの気候に慣れていない。奴らは必然的に、最も暖かい場所——ここで唯一まともな屋外便所に向かう。バーズンガクは松ぼっくりみたいなのに手を伸ばして手を失いかけた。

雪の中での仕事を強いられたら、お前に砂は使わせない。屋外便所からサソリがいなくなるまでセンチネルからの積み荷は拒否する。

管理者

ツェンガナズの目Eye of Zthenganaz

ツェンガナズの目は、ギアのような車輪の上に備え付けられた大きな宝石で、言い伝えによると、第一紀の初めにオークの要塞を調べに来たドワーフによって作られた。オーシマーとドゥエマーの衝突や敵対行為については、記録でも口承でもほとんど残っていないが、この目の伝説には、どんなことが起こりえたか、いくらかヒントが含まれている。

ある物語によれば、オークの呪術師である呪い作りのシュラグが、奇襲時にこの目をつかみ、呪いをかけた。それからというもの、これを卑しい目的で遠くのオークの要塞を覗くために使うと、頭をおかしくさせる異様な光景が見えるという。

ルキンダレフトの遺跡周辺でシュラグが死ぬと、この目は歴史から消えた。

トラグ・アグ・クラザックTorug ag Krazak

ゴルトラッガ・トラグ・ネ・ムリムシュ・ロチャン・シム

ゴルトラッガ・トラグ・ネ・ロヒ・オルニム・ロチャン・ノルギム・クラザック

* * *

ゴルトラッガ・トラグ・デク・ヴォルキム・ロラク・エブ・ノルギミン・シム

トラグ・ダラグ・クラザック・エブ・ジュル・ウゴ・シム・レン・タム・ベシュカー

* * *

トラグ・ゲシュ・グラシュン・ズグカ・ウゴ・マジカ・ロリシュ

ウバ・エブ・ウバ・ウルガリック・ヴォシュ・オルニム・タラスク・トラグ・ゴルザルガ・ウベシュカ

トリニマクの家庭用偶像Trinimac House Idol

この第一紀後期の古代トリニマクの家庭用偶像は、初代オルシニウムの時代にもトリニマクを熱心に信仰していたオークが、家庭内の私的な信仰としても実際に存在したことを示している。

こうした小さな像は純金製で、トリニマクに捧げる野獣を様式化した形をしている。家内安全と安らぎをもたらすもの、そして個人信仰の中心的存在として家の中に安置された。この時代のものとしてトリニマクの印を持つ金色の熊、豚、ヤギ、さらにはホーカーまでもが見つかっている。

古代トリニマクの崇拝施設であるパラゴンの記憶の周囲は、長年に渡ってこれらの小像の産地となっていた。現存する偶像を回収できる可能性が最も高い場所だ。

トロールの脂肪の使い方基礎講座101 Uses for Troll Fat

うう。今日もまたオルシニウムだ。クラヴェル。正直に言うが、早いところオーリドンへ帰らないと狂ってしまうかも知れない。

この街で商売してる商人どもは恥知らずばかりだ!オークの露天商が何を売りつけようとしたか信じられまい。何気なく根菜とスノーベリーの詰め合わせを見ていたんだ。ちなみにどれもしなびて悪くなっていた。すると、歯のない商人が器に盛った脂肪を私の顔に突き付けた。器に山盛りの脂肪だ。信じられるか?それが伝説のトロールの脂肪だとかそういうでたらめを並べるんだ。誰がそんなものを買いたがるんだと尋ねると、彼はしょぼついた目を怒らせた。トロールの脂肪についてもっと知りたいか?今や私もエキスパートだ。

トロールの脂肪はタムリエルで最も高濃度な脂肪だと知っていたか?ホーカーの脂肪よりもだぞ。知らなかったろう。どうやら、この脂肪は優秀な潤滑油になり、特に寒い気候では理想的なものだそうだ。そしてロスガーが寒いことはよく知っているよな?

鎧がくたびれて見えるって?じゃあこの気色悪い脂肪を使ってみろ。タムリエル中を探したってトロールの脂肪よりいい研磨剤はない!湿布や他の様々な薬としても使える。窓枠に塗れば害獣避けにもなる。乾燥させれば気持ちの悪いジャーキーにもなる。煮ればとても強力な接着剤にだってなる。吸血症すら治癒できる!知らなかったな。

奴が寝室でのトロールの脂肪の様々な使い方を話し始めた時、失礼させてもらわざるをえなくなった。
それからマラキャスと話すときにも使えるとも言っていたな。それだけはちょっと面白いと思った。どうやら、トロールの脂肪をマラキャスの偶像に塗りたくれば、デイドラ公と話ができるそうだ。これは試してみないとな。なんで彼の緑の子供たちが、こんな粗悪品を売って回ってるのか聞いてみたい!

もう1週間ここを試してみるつもりだ。エチャテレチーズやマンモスの胃袋シチューをあと一度でも勧められたら、バルケルガード行きの船に飛び乗って帰る。お前がいようがいまいがな!

ドワーフライトDwarf Light

ドワーフの遺跡は、ロスガーのどこよりも意外な場所にある。オーシマーは鍛冶屋と職人の種族として昔から、ドゥエマーの発明品に魅了されてきた。

オーシマーの歴史と複雑に絡み合ってきたそうした遺物の1つが、不思議なドワーフライトだ。民話によると、ウルボク・ルーインウォーカーが、秘密のドゥエマーの遺跡で炎の必要ないランターンを見つけた。だが、そのランターンを所持した者には不幸が続いたらしく、ランターンを持って夕暮れの散歩をしていたウルボクは穴に落ち、首を折った。

ボックとシャビフク兄弟の逸話もある。兄弟は悪名高いこのドワーフライトを使って、ニジャレフト・フォールズ周辺の探索を試みたが、それ以来、兄弟とランターンは行方知れずとなった。

ナルシス・ドレンと失われたノートNarsis Dren and the Lost Notebook

あなたがこのノートを見つけたのなら、私が置き忘れたということだ。またしても。このノートが高名なトレジャーハンターにしてダンジョン探検家のナルシス・ドレンの物であることを覚えておいてくれ。恐縮だが、モーンホールドに足を運ぶことがあったら、フラミング・ネッチというコーナークラブのオーナーに届けてほしい。必ずや私の手に届けてくれるだろう。たとえ次の冒険がどこであろうとだ。

さて、仮に「ナルシス・ドレンと追放者の墓地」と呼んでいる冒険の記録を自ら執筆する羽目になっている。それというのも、書記兼見習いが外で待つことにしたからだ。彼女のために言っておくと、キャンプで待つように言いつけたのだ。だが、これまでその程度のことで私の側を離れたりすることは滅多になかった。今度に限って言いつけを守るとは!まあ、いい。考えを書き残したことがないわけじゃない。今日のような有名で人気の探検家となる前のことだが。こういう趣向も面白いかもな!

* * *
このクソッタレの墓地を何時間もうろついている!面白い古代ノルドの遺物を色々目にしたが、ここは地下室と石棺だらけだ。しかしこの墓地で見つかるはずのお宝は影も形もない。そのお宝とはドラゴンプリーストの仮面だ!手掛かりを調べ上げた結果、ドラゴンプリーストがこの場違いな埋葬場所に絡んでいるのは間違いない。結局のところ、そうでなければどうしてノルドがお気に入りのスカイリムから遠く離れたところにこんなものを建設したんだ?諦める前に、もう少し捜索を続けねば。

* * *
ふむ、予想もしなかったことだ。何を触ったのかはっきりしないが、何かをしてしまったに違いない。ノルドの死体が目覚め始めた!しかもドラウグルだ!私がどれほどドラウグルを苦手としてるか分かるだろうか。それはな、本当に心底嫌っているんだ。ほとんど召使のボーフリーのクモ嫌いと同じくらいだ!脱出して新たな作戦を考えねばならない。それに近隣の村にも警告をしておかないと。人には親切にしないとな。

ニコルヴァラの小屋の規則Rules of Nikolvara’s Kennel

1.ビーストマスターのいないところでヅラゾグに餌をやろうとしないこと。

2.常に腕と脚に防護用の革を着けること。

3.ヅラゾグの目を直視しないこと。

4.許可されている歌:酔っぱらいの犬、隠れ家の冬、魔術師の顔面にパンチ

5.禁止されている歌:好色なアルゴニアンの侍女、ヅラゾグを囲んで

6.ヅラゾグが檻から逃げ出した場合は捕らえようとせず、その場で殺すこと。

7.ヅラゾグは犬ではない。「スポット」や「ローバー」のようなニックネームをつけないこと。

8.油断は死を招く。

9.口笛を吹かないこと

ヌザヴァの金床Nuzava’s Anvil

金属細工師の初期クランの中で、最も尊敬された金属細工師の一人がモークル・クランホールドのヌザヴァだ。篤く尊敬されたこの鍛冶夫人は、モークルの武器や鎧の特徴的なスタイルを決定づけた。

腕前を買われて引っ張りだこだった彼女は、要塞間の移動のお供として持ち運べる、旅用の特製金床を持っていた。その金床に刻まれた精緻な彫り物は、秘密のルーンではないかと疑う者も少なくなかった。彼女はそうした噂を一笑に付し、自分の技は魔力で高めるまでもないと言ったが、噂は消えなかった。

真偽はともかく、伝説ではヌザヴァの金床を使おうとした鍛冶屋の誰もが仕事中、事故に見舞われたという。槌が壊れ、金属が粉々になり、誤って指を強打することさえあった。ヌザヴァは異国への長旅から戻る途中、金床もろとも姿を消した。氷の岸から彼女はすぐに帰ると伝言をよこしてきたが、彼女が現れることはなかった。

ネラモの日記、1ページNeramo’s Journal, Page 1

格言は正しいのかも知れない。成功とは成功した者にとっての不幸であり、成功できなかった者にとっての死であるというやつだ。プライドと虚栄心のために道を誤った気がしている。またしても。

オークは頑固で疑り深いが、皆よくしてくれた。その彼らにどう報いたか?コンストラクトの大群をけしかけ、ドゥエマーの機器で採石場を埋め尽くしてしまった。

彼らは採石場で懸命に石を切り出し、大いなる都を築こうとしていた。貴重なグレイストーンがもたらされるたびに、私はゴールと身の破滅へと招き寄せられていった。狙いは最初から彼らを遺跡へ誘導することにあった。採石場の下に遺跡が眠っていると確信していた。伝説上のドゥエマーの遺跡、ムジンダインが。派手な名前がついた(後に思い知らされたが)極めて危険な遺跡だ。

入口を見つけると同時に、ドゥエマーのオートマトンの大群に襲われた。奴らは息ができなくなるガスを撒き散らしながら現れた。どうやら防衛機構のようだった。採石場の作業員はシャベルやつるはしで身を守ろうとしたが、あっという間に制圧された。叫びがあちこちで上がり、混乱を極めた。私が辛くも生き残れたのはコンストラクトの性能を熟知していたからだった。幸運なことに、その知識を駆使して狩猟夫人シャボンの娘も守れた。

とはいえ、私は教訓から学ぶことができないようだ。経験がもたらすはずの知恵をつかみ損ねてしまうのだ。この遺跡の秘密を探り出さねばならない。オークたちの犠牲を無駄にしてはならない。

ネラモの日記、2ページNeramo’s Journal, Page 2

遺書としてこの数ページを書き残すことにした。確かに縁起でもないが、発見を世界に伝えねばならない!

自分の愚かさで採石場の善良なオークを死なせてしまった罪悪感に打ちのめされている。だが、それよりも後ろめたいのは、この遺跡で新たな発見があるたびにささやかな興奮を覚えていることだ。代償を知りつつも、探険にこのような喜びを覚えてしまうのは不謹慎だろうか?

ここまでくれば学術的な価値があると言ってもいいだろう。残されたのは仕事だけだ。採石場の作業員を生き返らせることはできないが、機器の拓本やサンプルを持ち帰ることはできる。遺跡は宝の山だ。これほど危険でなければ言うことはないのだが。

ネラモの日記、3ページNeramo’s Journal, Page 3

さらに深くへと歩み入る。遺跡の奥深くから凄絶な叫びが聞こえた。最も恐れていたことが確実になった。何かが住み着いているのだ。時を超えた何か。不死身の危険なものが。いや、ひょっとして、とてつもなく古く、メンテナンスの必要な機械がきしむ音を立てているのかも知れない。前者の方がよりドラマチックで詩に向いている。時がくれば分かるだろう。

これを見つけてくれた人よ。私は自らの愚行の果てに死を迎えることになったが、それでも平凡な最期よりはよかった。心からのお詫びとお悔やみをオークたちに伝えてくれ。とりわけ愛らしいシャボンに。彼女と仲間たちを巻き込んだことを、すまなく思っていると伝えてくれ。

それから、兄弟に伝えてくれ。いつも気にしていたと。財産はすべて彼に譲る。もちろん、私が生き延びられたら話は別だ。

ネラモ

バロス・ブラッドタスクの装身具Torc of Baloth Bloodtusk

オルシニウムのワイルドボアーと呼ばれたバロス・ブラッドタスクは、ロスガーの敵と戦った。特に、ブレトンとレッドガードの侵略軍と。

彼の伝説の装身具、槌をつけた重い鎖は突き刺してくる剣をそらし、レッドガードの攻撃から自らを救った。しかし鎖は切れ、装身具は現在「名誉の休息地」と呼ばれる場所の近くで歴史の中に埋もれている。

フォールズの警告Warning at the Falls

これを見たら、彼らに警告しろ。オルシニウムに警告しろ。

フォールズには工房がある。ニジャレフト・フォールズだ。そこのコンストラクトは動く。彼らは疲れ知らずだ。彼らは止まらない。そして彼らを破壊したら、それ以上のものになる。そのまま放っておいたら、じきにそのコンストラクトがオルシニウムを行軍し、私達全員を破壊する恐れがある。

フォールズを避けろ。あるいは軍を派遣し、滝の下に埋もれた遺跡を破壊しろ。

オルシニウムの命運がかかっている。

フロストブレイクの聖杯Frostbreak Chalice

フロストブレイク要塞は、元々ロスガーの奥深くにあるブレトンの要塞で、兵士達が放棄して以来荒れ果てていた。オークのクランがたびたび移り住んできたが、じきにこの遺跡にはブレトンの亡霊が取り憑いていると言って出て行った。

マラグ・クランを率いるガスツォグ族長は退散を拒否し、自分用に指揮官の兵舎を設けた。彼は要塞の印が紋章として描かれたゴブレット、フロストブレイクの聖杯を愛用した。というのも、この杯で飲んだものはすべて復活の力を持つと信じていたからだ。

他の族長達もこの伝統を続け、この古代の杯にまつわる偉大な伝説は高まっていった。噂では、リーチの戦士長ウルフォン・アイスハートがこの地を引き継いだとき、気に入りのワインをこの杯で飲み、味がまずくなると言った。すると要塞から外に吹っ飛ばされ、近くの雪の中に沈んだという。

ヘンリサ船長へのメモNote to Captain Henrisa

船長

いつも通り、任務の詳細は息子に教えずともよい。エシアンは真面目だが、冷徹な思考が求められる状況を乗り切る強さに欠けている。お前が艦隊の入港を遅らせるつもりなのはあれも知っている。息子と結婚したがめつい女が、緑の野蛮人どもの手に飛び込むのが遅れれば遅れるほどよい。エメリックの顔を潰してやりたいのだ。目下の者に平和と繁栄をもたらそうという奴の夢を打ち砕いてやりたいのだ。だが、それがうまくいかなかったかチャンスが訪れたのなら、私のトラブルをすべて解決する方法で、レディ・ソヴェレを片付けてくれて構わない。

ただ、うちのバカ息子にはすべて伏せておいてもらいたい。あれの軟弱な心が砕けてしまうだろうからな。

失敗は許さんぞ、ヘンリサ。

マテーレ男爵

マイルナへの手紙Letter to Mairrna

マイルナへ

なんてこった!みんなどこに行ったんだ?グラリシャン、エンゴテイン、マネシュタ… 先週まで一緒に飯を食っていたのに、今では一人も見つからない。ここ何日かで脱走者が異常に増えているか、何かとてつもなく悪いことが起こっているか。どちらかだ。

ここでは人がどんどん減り、鳥がどんどん増えている。しかも変な鳥だ。もしや、鳥が人を喰っているなんてことはないよな?後で話そう。今からウチュイラン戦士長と会わねばならない。彼が説明してくれるかもしれない。

ファスクーン

マクセヴィアン王の命令King Maxevian’s Orders

監視人の砦の騎士へ

この任務は決して喜ばしいものではないが、極めて栄誉ある任務だ。我が軍はオークに打ち勝ち、その首都を壊滅させ、土地を支配した。生き残った者は地域のあちこちへ散り、僻地の要塞や、さらなる遠方へと逃亡している。

だが戦いは終わっていない。獣たちが故郷に戻り、王国の再建を試みる日はやがて来る。何があっても、それを許すな!ロスガーの監視を途切れさせてはならない。オークが再び現れた時は、奴らを打ち倒すのだ。

監視人の砦で、5年間の任務に就いてほしい。任期終了後、騎士を派遣してお前たちをダガーフォールへ帰郷させる。この約束は必ず果たす。

王家と国への奉仕に感謝する
マクセヴィアン王
第二紀434年、薪木の月10日

マクセヴィアン王への手紙Letter to King Maxevian

ダガーフォールのマクセヴィアン王陛下

最大の敬意を込め、ここに再び手紙を書かせていただきます。

剣を持てるようになった年からずっと、この監視人の砦で任務に就いてきました。24年もの間、私と同胞は監視を続けております。王と国への愛は変わらずとも、食料や物資が減るにつれ士気も下がる一方です。このままでは、監視態勢が長く持ちません。

どうか、我々をこの任から解いていただけないでしょうか。

あなたの忠実なる従者
オレント・レテン隊長
第二紀458年、降霜の月27日

マグナーの正体The True Nature of Magnar

敵を知ることは敵を打ち破る第一歩だ。

マグナー・ベアストームは、またの名を子供喰いのマグナーという。奴はロスガー全土の群れを少なくとも50年に渡って率いてきた。その若い頃のことはほとんど知られていない。奴が人間の姿をしているのを見た者はいない。奴が子供であったことはないという者もいる。ハンティング・グラウンドから爪で道を切り裂いて現れた時、成長しきって憤怒に満ちていたという。

マグナーが初めてロスガーの山地に現れた時は、大勢の子供を真夜中にさらった。食べるためだったと思われる。騎士団は奴が子供たちを最初の群れの構成員に仕立て上げた可能性も排除してはいない。どちらの可能性がよりショッキングであるかは何とも言えない。

マグナーとは二度戦った。二度とも危うく死にかけた。奴は取り立てて敏捷でも、気配を消すのに長けているわけでもない。そんな必要はないのだ。最後に立ち向かった時、私の剣を少なくとも三度はまともに喰らったが、ひるみもしなかった。このために騎士団の一部には奴が不死身だと思っている者もいる。奴がハーシーンの化身で、月の野獣に姿を変えているのではないかという者すらいる。みんな与太話であるのは言うまでもない。よく聞け、新入り。マグナーは生身だ。奴を殺してそれを証明してやる。

ヴォラス・ナイトアイズ

マッド・ウルカズブルの氷の彫像Mad Urkazbur’s Ice-Effigy

歴史が過去に追いやられることはない。重要な出来事が起こるに伴い毎日作られる。例えば、オーガの呪術師マッド・ウルカズブルの脅威について見てみよう。このオーガの長老は残忍な獣の中で強いリーダーとして頭角を現し、ロスガー北部の荒野に小さな軍を編成した。

このいかれたオーガは屈強な仲間達を統率するだけでなく、雪と氷を操る魔法の持ち主であるという話が伝わっている。そんな彼の目覚ましい能力の1つに、氷で自分の付呪複製を作りあげる力がある。こうした彫像は最初子供の人形並みに小さいが、成長し、味方として戦ってくれるほど大きくなる。

現在の危機的状況を脱すれば、博物館は行事を祝うために喜んで氷の彫像を展示するだろう。きちんと付呪する前に回収すると、彫像は小さく凍ったままになる。ここ最近の危機的状況に対して絶好の遺物だ。

マテーレ男爵からの手紙Letter from Baron Materre

息子よ

ウィンドヘルムの密偵からの報告によると、ジョルン王が交易隊をオルシニウムに遣わしたそうだ。オークの街には奴らが先に着くだろう。パクトの下種どもに上級王エメリックが喉から手が出るほど欲している交易権を奪われるのを見過ごすのは悔しいが、ロスガーの緑の獣の相手をするくらいならノルドの方がマシだ。我々のような真のブレトン貴族はエメリックの真意がどこにあるのか、カバナントや他の計画にはどういう意図があるのか考えざるを得ない。

お前の妻は愛らしい女性だ。間違いなくな。だが彼女の政治観は野蛮人どもの利益を真のブレトンに優先している。彼女に正しい道を選ばせてやりなさい。真のブレトンなら、ロスガーはブレトンが治めるものだと心得ている。オークに褒美としてくれてやるものではない。

お前が心配しているのは分かっている。しかし、自分の意見は胸にしまい、父の言葉に従え。すべてうまくいく。

父、マテーレ男爵

リークル族長王の笏Scepter of the Riekr King-Chief

「族長王」を自認する屈強なリークルが近頃、オルシニウム北東部を震え上がらせている。彼が使う古代の笏は、かつてロスガー北部で繁栄したオーガク・オーククランの初代族長、クロスが作ったと博物館は考えている。オークのクランにとって力と権威のシンボルであり、「族長王」も同様の使い方をしたらしい。

この歴史的な遺物が下等なリークルの手に渡っている間、オーシマーは安らげない。下等なリークルがどんなに屈強でもあろうとも。

レディ・ローレントのやることリストLady Laurent’s To-Do List

– スティボンズに装備をアルファベット順に整理させる
– スティボンズに食料を栄養価別に分類させる
– 朝食を食べる
– スティボンズに汚れた下着を洗濯させる
– 探検隊の生き残りに演説する
– 明日行う、次のトラグの祠行きの計画を建てる
– 夕食を食べる(スティボンズが魚のシチューを作ることを期待して)
– 歴史の詳細についてカースサンと(再び)議論する
– 博物館への毎日の報告書を書く
– 魔術師ギルドとテレンジャーからの書簡を見直す
– ナルシス・ドレンとヴァノスたちからの手紙に返信する
– 次の分の回顧録を口述してスティボンズにすべてを書き出させる
– 気に入りの櫛とブラシで髪を100回ブラッシングする
– 手が疲れたら、スティボンズに髪をブラッシングさせる
– 就寝前に捜査官ヴェイルの新章を読む
– スティボンズがいつも枕に置いている砂糖漬けの木の実を探す
– 明日のやることリストを書き出す
– 私が就寝できるための仕事をスティボンズがすべて終えたか確認する

ロスガーの鳥Birds of Wrothgar

アリノール・バードウォッチング協会の副会長、ハイネリスによる観察日誌。

第二紀582年 降霜の月3日
まだロスガーに来て数週間だが、独特の珍しい鳥をたくさん見つけるという希望は叶わないかもしれない。今のところ、見つけたのは一握りのカラスや鶏だけだ。タムリエルの他の地域で見られるものに比べると少し大きめではあるが、それ以外に特徴的といえる点はなさそうだ。

第二紀583年 恵雨の月15日
もう6ヶ月以上、ロスガーの凍った荒地を散策し続けてきたが、記録するにふさわしいものは何も見つけていない。もう帰る準備を始めることにした。

第二紀583年 恵雨の月19日
暗い夜を乗り越えた後には、必ず朝日が昇るものだ!諦めかけていたそのとき、我が協会の歴史上最大ともなりうる発見をした。

昨日ロスガリアン山脈のとりわけ辺ぴな場所を歩いていたら、遠くでアオホオジロの鳴き声が聞こえた。気のせいに違いないと思いつつも、調査してみることに決めた。

ホオジロの声を追っていくと、次第に他の鳥の鳴き声も聞こえてきて、人里離れた洞窟へとたどり着いた。入口をのぞき込んだだけで、アオホオジロ、カナリア、カーディナル、それにミドリサンジャクまで確認できた。これほど多種の鳥が同じ場所に生息しているのを私はかつて見たことがない。

明日は洞窟の奥へと入っていく。一体何が見つかるだろうか?今までの人生でこれほどワクワクしたのは初めてだ

悪鬼の儀式Rites of the Abomination

棘と血。
ブライア・ハートの手足が揺れる。

羽と恐怖。
ブライア・ハートの手足が目覚める。

骨と爪。
ブライア・ハートの手足が殺す。

死ね、ブライア・ハート、そして再び生き返れ。

王のなぞなぞThe King’s Riddle

背が高く勇敢な、鎧を着た兵士はどこだ?
剣を手に、覆われた墓に眠る。

斧と弓を持った狩猟夫人はどこだ?
熊の爪にやられた。

黄金の剣を持った騎士はどこだ?
深い川で怪物と戦っている。

壊れた玉座に座る王はどこだ?
騎士も兵士も彼の家を守らない。

テーブルには何もなく、骨すらなく、
王は悲しみ、常に孤独だ。

王の命令The King’s Orders

愛しい盾夫人へ

ムートへの道はすべて封鎖しろ。まもなくことを起こすが、何にも邪魔されたくない。

玉座の間の扉を封鎖した後は、立ち向かい私に楯突く相手と戦うため、愛しい盾夫人の力がいる。特に、裏切ったあのよそ者には気をつけろ。

よそ者に注意しろ。そしてソルグラ大司祭に対処するために派遣した兵士と合流し、ムートへの唯一の道を封鎖しろ。彼女をヴォシュ・ラクのリーダーとした後は、一刻を争う状況になる。

まもなくオーシマーが、1つの旗の下に集う。クログ王とオーシマー国の旗だ。そのとき、我々は他国と対等な国家になるだけではない。他国を上回る国になるのだ。

愛しい妻よ、この日を忘れるな、今これから歴史を作るのだから!

お前の王

恩赦の提案Offer of Amnesty

監視人の砦を占拠している者たちへ

ダガーフォール王室の記録を見返している学者たちによると、今君たちのいる場所には、大昔に騎士の集団が派遣されたそうだ。彼らはオークたちのオルシニウム再建を永久に防ぐよう命じられた。

私は新しい王として、状況が変わったことを知らせなくてはならない。オークは信頼すべき味方になり、私はオルシニウムの再建を許可した。

君たちの長く辛い見張りは終わり、帰還すべき時だ。オークの旅人への強盗や殺人を止めるように。

この申し入れと共に王の使者を送ろう。完全なる恩赦と、これまでの仕事に見合うだけの金の入った箱を届けさせている。活動を止め、オルシニウムのオウファ軍曹の元へ向かうこと。この命令に従えなければ、獅子の守護団を派遣して君たちを殲滅する。

エメリック上級王

火の使用Application of Flame

火の元素のマスターであるグラグズが続けているメモがある。

火が新参者の誤った考えを浄化する。

不服な者に特定の石を使って立たせるのは、この過程の重要な部分である。瞬く間に熱くなる石もある。そのため最初に、痛みを非常に激しく急に引き起こすことで、動転して聞く耳をもたなかった新参者も論理的に考え、ヴォシュ・ラクの流儀を受け入れる。もっと丸くて大きい石はもっとゆっくり熱くなることで、新参者に状況を理解しやすくさせ、明快な考え方と正しい選択に心を開かせる。

最新の徴募で選ばれた候補者124、125は有望だ。2人とも期待どおり粘り強い。まず最初は、個人的に火を使わせないで、単純な障壁の技術を試すつもりだ。もっと高い火の壁を使うべきだとアズヌラに言い張られたが、潜在的な恐慌レベルを操作することで、改宗がより成功しやすくなると強く感じている。125は解放を懇願する可能性が高く、最初に改宗するだろう。彼女は戦士の有力候補だ。

候補者121、122、123:2人は改宗プロセスを乗り越えられなかった。123は軽いやけどを治癒師に手当てしてもらっている。手当てが終わったら、ガントレットにふさわしい候補になるだろう。

候補者119、120:パニックを起こした。119は生き延びたが、気が弱い。忠実な召使としては有能だが、組織でそれ以上の地位には就けないだろう。訓練と手引きはよそに任せた。

候補者118:前の候補者4人に何が起こったか見た後、火への恐怖がすぐに現れた。このやり方の有効性を調査すべきだ。私には決して理解できない理由で、火を恐れる者は少なくない。生まれつきの臆病さみたいなものかも知れない。

候補者114、115、116、117:個人に適用する段階まで全員が抵抗した。各人とも改宗に成功し、現在は治癒の最中だ。

候補者113:気絶して火の中に着地し、誰にも気づかれないまま死亡。どう見てもトリニマクとは無縁だ。

我がヒスイの姫へ捧げる頌歌Ode to My Jade Princess

ボラサッドによるあるオークの愛の詩

我が愛しき者、我が愛しき剣、我が愛しき貴婦人よ。
あなたの柄頭は、装甲手袋のように我が手にしっくりなじむ!

我らが楽しみを決して退屈なものにしないことを約束する
彼の頭蓋骨を砕いたときでも!

我が貴婦人の姿は、大理石を刻んだ像のよう、
一目見ただけで、情欲に満たされる。

我が愛の剣は、鋭くしてはならない、
カーテンの暗がりで我らが抱き締め合うときは!

あなたの切なる愛がそばにある限り、
我が心が恐怖の感触を知ることはない!

改宗の状況Conversion Status

最新の徴募兵達は大きな可能性を秘めている。基本的な仕事しか与えられない者も多いが、数名は戦士にとって大きな力になるかも知れない。改宗が済んだら、忠誠心を確認する。

各徴募兵の名と地位は以下のとおり。

バーベシュ・グラムホランク。徴募後、合併症で死亡。

アシュバー。信者で、我々の仲間に加わるため自発的に来る途中だったと言っている。忠誠の部屋に送って試す。

ソルク。料理人。改宗プロセス待ち。単細胞?その振りをしている?痛い目に遭えば真実が分かるだろう。

ウンスラグ。治癒師らしい。治癒師は必要だが、彼女には改宗が必要だ。ウシェナトに引き渡し、しばらく冷凍庫で、我々の大義を言い聞かせてもらう。

ガハール。魔術師。呪文で徴募官を1名殺した。ウシェナトの冷凍庫のもう1人の候補。

シャルダガン。ちょっとした職人だが、気が強い。こちらのやることなすことに反抗してくる。グラグズに引き渡して鍛冶場で修正させる。

ラザーシャ。彼も職人だ。逃げられた。ハーピーに殺されたはずだ。

モルシャナ。武器の腕前はすごいが頑固者だ。改宗が必要。グラグズの候補の1人?

バタシャ。強情な老女。杖を使う。動きが用心深く遅い。有能な召使になるかも?改宗待ち。

ドゥルダン。ちょっとした工芸作家。臆病なようだ。丘で徴募の荷馬車から落ちて行方不明になった。おおかたエチャテレの群れの餌食にでもなっただろう。

監視人の誓いThe Watcher’s Pledge

祖先の剣にかけて、監視人とマクセヴィアン王の正当な後継者に忠誠を誓う。これより監視人の法と規則に則り、監視隊長とその代理が下す如何なる命令も疑うことなく、躊躇せず、忠実に実行する。オークが石を積むことを許さず、人、エルフ、獣であろうと、あらゆる敵から砦を守る。

この誓いに躊躇なく身を捧げ、死を迎えるまでこれに従う。

監視人の報告書Watcher’s Report

監視隊長殿

旧都市の動向が活発になっているのに斥候が気づきました。遺跡の奥へと踏み込み、状況を調査する許可を求めています。知っての通り、オークどもがここ最近、大量に流れ込んできています。新たな集落を作るつもりかも知れません。手をこまねいて、奴らを居座らせる隙を与えるわけには参りません。

マリーン軍曹は先週の襲撃で捕えたオークを尋問しています。どうやらあの野蛮な部族の間に何らかの不和が生じているようです。主導権争いのように思われます。あの獣どもが街へ舞い戻るつもりならば、戦争を覚悟しなければなりません。オークに石を積むことを許すわけにはいきません。誓いに従って行動せねばなりません!

警戒を怠らない部下
ジェラール隊長

看守からの手紙Letter from a Prison Guard

親愛なるヤトレラへ

我が愛しき姉妹よ。調子はどうだ?王を自称する大口叩きに良い印象を与えようと相変わらず頑張っているのか?お前が自分は幸せだ、ホーカーを愛していると言うのは分かっているが、彼をどう見ているのかが分からない。クログが我が族長の盾を磨くことはできなかったし、彼もそう思っているのは確かだ。少なくとも、お前も以前はそう思っていた。

どのみち、私は今もファルンの牢獄を守っている。この単純な案がクランの利益の中心になるとはずいぶんな驚きだ。族長が雇ったブレトンの職人が巨大な施設を作ったのが明らかになったならば、周辺の全クランに対して、牢獄サービスの提供を申し出るのは当然の成り行きだ。どんなクランでも、好ましくない者を追放したり、公然と殺したりせずに投獄を望めば、ファルンの牢獄の一角を借りられる。お前の自称王様が、その半分でも優れた案を思いつくことはありえん!

ここではあらゆる種類の者がいる。私は殺人者、盗賊、殺し屋、暗殺者を監視している、彼らは、精神錯乱者と悪党が興味深い具合に融合している。とてもおとなしく礼儀正しいオークの女さえいて、1度も面倒を起こしたことがない。だが彼女が一番怖い。彼女には絶対に背中を向けないことにしている!

上の要塞で、ちょっとした騒ぎが起きているようだ。状況を確かめに行った方がいいだろう。ああ、それとヤトレラ、お前が戯れるのが好きだったシロクマのぬいぐるみはまだ持っている。送ってほしいか?はは!危険でしぶといというお前の評判がきっとガタ落ちするな。ホーカーの盾夫人の一員になる可能性が台無しになりかねない。ふむ。考えてみれば、いい案だ。次のオルシニウム行きのキャラバンに託して送ろう。

お前の兄弟、
ロアゴス

館長による優先捜索遺物のリストCurator’s List of Sought-After Relics

最初の憲章:西部の山中で行方不明になったもの。

ドワーフライト:伝説でランターンが一番最後に使われたのは、ニジャレフト・フォールズ周辺の探索においてである。

ウズビダクの兜:古代にファルン峠で起きた戦闘のさなかに行方不明になった。

トリニマクの家庭用偶像:私的な信仰に用いられる古代の小像。最後に目撃されたのはパラゴンの記憶近郊。

グスラグの仮面:最後の持ち主は、ファルン要塞の族長の目。

フロストブレイクの聖杯:噂では、ウルフォンの手下の一人によって回収され、要塞の塔の下に隠されているという。

アグラ・クルン:マラキャスの信徒が用いた血染めの盾で、ロスガーの荒野で行方不明になった。

ヌザヴァの金床:持ち主は、モークルのスタイルを決定づけた伝説の鍛冶屋ヌザヴァ。帰国途中に氷の岸で行方不明になった。

サグボによるクランの地図:破壊された歴史的文章を復元したが、オルシニウムへの道中で行方不明に。

ザンダデュノズの心臓:タイタンの聖句箱になり、「名誉の休息地」近くで行方不明になった。

バロス・ブラッドタスクの装身具:「ワイルドボアー」が首にかけていた重い首飾り。現在「名誉の休息地」と呼ばれる場所の近くで行方不明になった。

獣の角笛:破壊され、おそらく旧オルシニウムの遺跡かその近くに眠っている。

百人隊長の印章:パラゴンの記憶周辺で行方不明になった。

スコゾッドの腕当て:死霊術師によって授けられ、彼の聖域に隠されていると考えられている。

水銀:かつてアージェント鉱山の奥深くから採掘された稀少金属。

黒い羽ペン:伝説の吟遊詩人の筆記道具で、コールドパーチ洞窟にまつわる言い伝えがある。

ツェンガナズの目:付呪したドワーフのアイテムで、ルキンダレフトの遺跡周辺で行方不明になった。

碧水晶の槌:クリスタルの塊から彫り出され、旧オルシニウムの遺跡で行方不明になった。

族長王の笏:オークの遺物で、現在の持ち主は下等で屈強なリークル。

マッド・ウルカズブルの氷の彫像:オーガの長老の1人によって作られた。

メモ:長く失われたトラグ王の仲間の最高の遺物は、ロスガーの真の英雄にしか取り戻すことはできない。最も価値のある者のみには、準備が整った時に館長から接触があるだろう。

救援願いA Plea for Help

お前に連絡しようとしている。そう、お前にだ。存在しない紙に言葉を書くことは想像以上に難しい。

白い光。俺の周りには白い光がある。

俺は生きているのか?夢を見ているのか?これは色のある部屋か?

助けてくれ。俺は家に帰りたい。頼む。

ダリアン

狂信者の命令Fanatic’s Orders

聖堂前を監視せよ。彼女の命をすべて果たすには時間がかかる。だから不審なものに目を光らせろ。

何か怪しげな動きがあったら合図しろ。こちらへ自力で来るはずだ。

愚かな兵士のほとんどは魔術師ギルドの上にある入口を知りもしない。仲間の誰かが出入りすることを考えて、開けたままにしておく。

王の兵士が事態を飲み込む頃には任務を果たし、消えているだろう。ともかく、一瞬たりとも気を抜くな!

兄弟の贈りものA Brother’s Gifts

兄弟

あなたにこの手紙が無事届くことを願っている。そもそも私達は親密なわけではないのだし。あなたがオルシニウムへの招待状を受け取ったとき、私はあなたを愚か者の使い呼ばわりし、残って一緒に父の仕事を手伝えと言い張った。あなたから最初の贈りものが届いたとき、私が間違っていたとあなたに手紙を書きかけた。あの金が潤沢に入った袋が店を救い、義理の兄弟と姪を数週間食いつながせたの。

2個目の贈りものが届いたとき、興味を引かれた。まぎれもない好奇心よ!あのマッドクラブのような脚。あのかわいい鼻と毛に覆われた背中。あの愛くるしい生き物は、ウェイレストから旅してきた裕福なブレトンに、どうしても欲しいと言われて売った。大金が手に入った。またしても、私がずっと間違っていたと手紙を書きかけたけど、思いとどまった。

数週間たって、思いとどまってよかったと思う。

彼らの姿が見えるより先に、そのにおいに気づいた。巨大なとさかを持つ獣を引っ張ったあのウェイレストのブレトンが、うちの屋台のカウンター越しに叫んだ。この獣に彼の上等なシルクシャツを食べられたから、チップを上乗せして金を返せと。あの怪物は今や大きさが、牙のある巨大な雄牛並みで、ブレトンの家の柱に頭突きするのを好み、危うく倒壊させそうになったそうよ。

幸いにも、執政官はこの論争で「買い手が用心すべき」と言って私に有利に判断した。

この野獣が何であれ、送りつけてくるなんて大馬鹿よ。もう送らないでいいから。

愛とキスを込めて、
姉妹より

追伸。でもお金は気にせずもっと送ってね。

継続中の仕事Our Continued Labor

このところ聖なるリーダーから命令を受けていない。だが、私達の仕事は重要だ。続けなくてはならない。闇の王の望みは、大立石を維持して何も変えないことだ。ご存じのとおり、その点で我々は闇の王の望みを裏切った。

黒き虫に尽くしてきた私達のクランは、その問題の修正を迫られている。罪滅ぼしが必要だ。私達には古代のパワーストーンを盗んだ報復として、オルシニウムを略奪するほどの兵力はない。彼らは私達の石を街の建設に使い、錨すら下ろさないうちに建物を建て始めた。私達は一からやり直し、ドルメンを改めて作らないといけない。

* * *

ようやく相手と連絡が取れた。再建できる場所を見つけたら、タイタンのザンダデュノズが個人的に守ると約束してくれた。そして再建するだろう。これを私の遺産としよう。もしも私が亡くなったら、黒き虫のクランにこの仕事をさせてくれ。

だから私は言った、放っておいてくれと。

月の歌The Moons Rhyme

小さな月、微笑みのように、
黄金の様式で沈む。

小さな月、金ぴかの双子、
大きく、にんまりと笑う。

高い月、気高き月、
天高く、早く沈む。

3つの月が夜に見える、
なんと奇妙な光景か。

月を規則通りに置け、
小さな、静かな泉のそばに。

高い月、微笑む月、そして金ぴかの双子、
正しく置けば、ゲームはあなたの勝ち。

古代ノルドの石板Ancient Nord Tablet

アーソシースへの敬意を表して
全ての日々を捧げ、
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 | | | /// |||⧵⧵⧵ ⧵⧵n
その後さえ奉仕しようとする誇り高き意志に敬意を表す。
  死と共に

交易許可証Permit of Trade

この交易許可証の正当な所持者である商人、ナマディン、トラボフィア、ジャロレーは、提携先として認められ、オルシニウムの街で書籍や関連アイテムの売買専用の場所の設立を許可されている。

オルシニウム公認の売買人として許可されるのと引き替えに、上記の商人達は、街内の取引を規定するあらゆる法律を遵守し、納付金と税金を期限どおりに支払い、この合意の一環として供給される施設を適切な方法で修理、維持することに合意する。

王の取引評議会が提携先に授ける、包括的で譲渡できない免許は、上記の権利と特権を、有効な一年の間最大限に利用できる。この提携では、免許や地所をこの合意に定められた以外の目的で利用することはできない。

この合意による権利や特権の行使、あるいは納付金と税金の支払いを不履行、遅滞した場合、この合意を期限前に取り消すことができる。

この許可証が不備なく利用された場合、双方の合意によって再び期間を更新できる。

黒い羽ペンThe Black Quill

口承の伝統と物語に大きく依存してきた文化のため、オークの大半はものが書けない。伝説の語り部のラゾサは、その例外として有名だ。

吟遊詩人のラゾサは、その時代最高の語り部であることに満足しなかった。自分の物語が後世に残ることを確実にしたかった。そのためハイエルフの魔術師に、ハグレイヴンからむしった黒い羽に付呪するよう頼み、黒い羽ペンを作らせた。

この黒い羽ペンで書くと、どんな物語でも忘れられることはなかった。少なくとも伝説ではそう伝わっている。ラゾサは、この付呪した羽ペンを見習いに譲った。こうして受け継がれていった最後の持ち主は、コールドパーチ洞窟近くで失踪した。洞窟は、黒い羽をむしられたハグレイヴンの住みかだったのだ。

最初の憲章The First Charter

トラグ王は、単なる新たなオークの集落にとどまらないものとして、最初のオルシニウムを建設した。文明と繁栄を誇る壮大な街を構想したが、オークの文化を反映、発展させた形を望んだ。そのため、街の運営を規定する権利、特権をまとめ上げ、現在「最初の憲章」の名で知られる文書を作成した。

「最初の憲章」には、トラグ王がオークの暮らしにおいて最重要だと考えたことが書き残されている。初代オルシニウムの崩壊後、「最初の憲章」は破壊されたと信じられていた。しかし言い伝えでは、その文書は襲撃者の戦利品として現存しているそうだ。襲撃者は沿岸への帰還途中に殺され、文書は西の山々のどこかで行方知れずになっているという。

採石場への採掘命令Quarry Work Order

オルシニウムの王にして大族長、全ロスガーの戦士長クログが以下を命ずる

——クラン・タムノッシュのグレイストーン採石場から最上級の石材を50、最初の狩りの終わりまでに届けよ。

——加えて同等の石材100を年末までに届けよ。

約束手形での先払いとし、この発注書に添えて送る。石材の納品が完了した時点で、約束手形は石材の市場価格の125%に等しい金と交換できるものとする。

命に従わない、または完遂できなかった場合、クラン・タムノッシュは深刻な影響を被るであろう。

採石場監督官の苦情Quarry Overseer’s Complaint

ラマシュ族長。この醜い山羊の息子め。どうやって150の石材を来年中に採掘しろってんだ?普段の生産量のほぼ倍じゃないか。

なんでトリニマクを信じる奴らの街から仕事を請ける?先祖の顔すら覚えていない上、他人に自分の仕事を押し付けるような輩だぞ。

そんなに石がほしけりゃ、人手を寄こせと言え。部下の一日の仕事量はすでに限度を超えている。いくらオークでも不死身ってわけじゃない。この分だとみんな年の瀬までに死んじまうぞ。過労死したら、お前のせいだからな!

採石場監督官ヤダール

獣の角笛Horn of Beasts

ロスガーの呪術師である野歩きのズブルガトは、自らの少なからぬ力のすべてを野獣の角笛に込めていた。オルシニウムを「トラグの愚行」と呼び、生涯の大半に渡って避けたが、攻城戦開始後まもなくして街に現れた。

野歩きとゴルカール王は互いをあまり好きではなかったが、王は獣の角笛を快く受け入れた。ズブルガトは「月の周期ごとに1回までしか使ってはならない」と警告し、去って行った。王は角笛で、熊やエチャテレなど多くのロスガーの野生動物を召喚して集め、街の壁を守らせた。

攻城戦の初めの頃、角笛は戦争の行方に大きな影響を与えた。だが残念なことに、王が月の周期に3回使うことに決め、3回目を吹いた時、角笛にひびが入った。角笛は今も旧オルシニウムのどこかに眠っていると言われる。

書物と写本の目録Catalog of Tomes and Manuscripts

目録の項目は、東側の壁から始まり、南、西へと続く。

1.オークの喜び:オーシマーの人々の料理表現。
2.フィクション:ロスガーの人々による、あるいは人々についてのほら話。
3.宗教:崇拝と神に関するオークの考え方についての論考。
4.エルフ:タムリエルの弱々しいエルフについてのエッセイ。
5.オルシニウム建設:再建設プロジェクトに関する文書。
6.ブレトン:ブレトンの民の歴史。
7.タムリエル:世界の地図と概要。
8.ロスガーのクラン:オークのクランの歴史とシンボル。
9.クリーチャー:ロスガーの動物と怪物。
10.クラフティング:鍛冶、縫製などの一般的なクラフトについての論文。
11.禁止事項:下品な話題や性的な話題の取り扱い方。
12.ゲーム:オークの余暇の過ごし方で人気のものを数多く詳述、ヴォシュ・ボール、「叫ぶまで尻尾を切れ」などを含む。
13.不明?既存の分野への分類が難しい本。

傷んだ監視隊長の日記Ruined Watchmaster’s Journal

(文章の多くがシミのために判読不能)

第ニ紀442年 薄明の月24日

最後の声明から何ヵ月も経ち、騎士たちに動揺が広がっている。砦を捨てることを声高に叫ぶ者もいる。すでに兵士2名を扇動のかどで鞭打ちに処した。体罰だけでは間に合わなくなる日が近い気がしている。

第ニ紀459年 恵雨の月2日

下級将校3名を反乱未遂で絞首刑にせざるを得なくなってしまった。反応は割れていた。一部の部署の者は改めて服従を誓ったが、レテネ隊長には人望があった。次の計画を阻止するのはより困難になるだろう。ジスボーンを補給係に昇進させ、武器をすべて施錠して保管するよう命じた。反乱分子を探り出すまでの措置だ。この不快な思いもダガーフォールからひとたび救援がきさえすれば瞬く間に終わるだろう。八大神よ、お助け下さい。どんな犠牲を払おうとも、任務は死守する。

第ニ紀460年 蒔種の月12日

ジスボーンと私は砦と青白き監視者を救う策を考え付いた。どうして今、紙に書き残しているのかは分からない。罪の意識のせいだろうか?計画が実を結んだら、このうしろめたさも報われる。

ジスボーンとその副官は精巧な文書を偽造した。文書はマクセヴィアン王の後継者からきたことになっていて、我々の勢力を無期限に維持するように命じている。うまくいくかも知れない。兵士の多くは内密に結婚し、変化のない日常を営んでいる。この種の行いは通常の軍隊の規律に背いてはいるが、好きにさせている。結婚、子供、安らぎ、日常… こういったことが冒険心を殺し、根を固めさせてしまう。兵士が軍人としての覚悟を維持し、指揮系統を守るのならば、大目に見ておこう。

第ニ紀471年 暁星の月5日

震える手でこれを書いている。死は思ったほど遠くないようだ。

ジスボーン、警備隊(この日誌も)は間もなくお前のものになる。何年もの間、この衰弱した部隊が健全になるように世話を焼いてきた。お前の指揮下で部隊はきっと栄えるに違いない。

努力を続けよ。伝統をつなげ。ダガーフォールの栄光を守り、オークに再建を許すな。これが過去も、今も、そして今後も我々の誓いだ。誓いを守らせるのだ。八大神がお前と、青白き監視者をお守り下さるように。

小屋の世話係の手紙Kennel Tender’s Letter

テルフォーへ

ようやくここロスガーで仕事にありつけたよ。華やかじゃないが、給料は十分だ。上司は「ヅラゾグ訓練師ニコルヴァラ」と呼ばれているビーストマスターだ。言いにくいだろ?君には言うけど、変な人だよ。少し頭がおかしいのかもしれない。だが動物の扱い方は一級品だよ。正直、人より動物の方が好きなんじゃないかと思ってる。

言ったように給料は十分だが、楽じゃない。ここの獣たちは今までに見たことないくらい獰猛なんだ。ヅラゾグはガメット爺さんの犬を倍の大きさにして、3倍危険にした感じだ。この間は手を噛みちぎられた男を見たよ。木からリンゴを取るように、いとも簡単にね。でも大丈夫、細心の注意を払うよ。

近々、金を送る。ギルダから目を離さないようにして、鶏の餌やりも忘れないようにな。

愛しき兄弟
フィリップ

乗客の日誌:海難事故Passenger’s Log: Disaster at Sea

7日目

エルセリック海の温暖な海域はハイロック北岸の冷たい抱擁へと変わった。この地域に適応できるのはオークやホーカーぐらいのものだ!砂浜は雪と氷に覆われた岩礁へと変わった。なぜこんな海域を航海しているんだ?船乗りでなくたって、オルシニウムがこんな凍りついた沿岸にないことは分かる!

8日目

身を切るような突風のため、ほとんどの乗員と乗客は甲板の下で身を寄せ合うことになった。吹雪が近づいてるのは確実だ。それも猛烈なものになるだろう。だが大使は気を揉んでいるようには見えなかった。あの女性は悪臭ただよう湿ったダンジョンですら、日の光を見つけられる。

9日目

ああ、気のせいだったらどんなによいことか!吹雪が船団を飲み込んだ。しかも猛り狂うブリザードだ!帆は凍りつき、マッドクラブ大の雹が恐ろしい勢いで甲板を叩く。船団が雪と霧で散り散りになったのではないかと気が気ではない。雪と霧はあまりにひどく、数歩先すら見通せない。吹雪がすぐに止んでくれるか、避難できる場所を探せねば、船団は座礁するか互いに追突してしまうだろう。

にもかかわらず、ヘンリサ船長は自信があるようだった。船乗りたちは彼女を高く買っていて、恐怖に度を失うようなことはなかった。少なくとも今のところは。

浄化師サイラスへの手紙Letter to Purifier Cyrus

浄化師サイラスへ

銀なる暁教団が危険にさらされている!子供喰いのマグナーとその野蛮なウェアウルフの群れの隠れ家を探す旅で、恐ろしい情報を入手してしまった。マグナーの群れが教団を狩りにきている!

最後に捕らえたウェアウルフを殺す前に、詳細を吐かせることができた。マグナーの群れは教団の一員をアージェント鉱山まで追跡したそうだ。今もマグナーの群れが鉱山の近くで集結し、教団の心臓部を襲撃しようと企んでいる!

鉱山を整え、防御を強化し、通路を補強しろ。マグナーの群れが来るぞ!この知らせが間に合うと良いのだが。

斥候アバライン

浄化師の日記Purifier’s Journal

銀なる暁教団の歴史は第二紀428年、クリムゾンムーンの呪いとして知られるウェアウルフ危機がハイロックを襲った時代までさかのぼる。最愛の息子ジャロンが獣の呪いにかかったことをきっかけに、銀斧のアデリザが設立した。彼女は村を救うため我が子を殺すはめになったのだ。彼を追悼すると同時に教団の結集点を作るため、我らの永遠のシンボルとなる旗をアデリザは糸と毛糸と涙で編んだ。教団への献身を示すため、自分の血も何滴か入れた。それ以来指揮官となった者は全て、自分の血を旗に垂らすことで伝統を受け継いできた。

やがてアデリザの下で教団は強力な勢力へと成長した。彼女は教団をロスガーへと連れていき、作戦基地を建てた。この場所を我々は今でも本部として使っている。かつてアデリザの家族を大金持ちにした銀鉱山、アージェント鉱山は、銀なる暁教団の秘密基地となったのだ。我々は今でもそこから武器や防具を作るための銀を掘り出し、神聖なる旗は浄化師の間に置いている。

私の任期はわずか6年前に始まったのだが、とあるウェアウルフとその野蛮な従者たちに悩まされている。子供喰いのマグナーが群れを結集したのだ。奴らはロスガーとハイロックを荒らしまわり、襲撃と略奪を行い騒乱を巻き起こしながら、その非道で野蛮な一族に加入する者を探している。

中でも子供喰いのマグナーはオブリビオンの最も腐った場所に幽閉されるべきだ。その名前は、一般人を脅かすためだけのものではない。実際に子供の柔らかい肉を好み、そのようなものを持ってきた群れの狩人には褒美を与えている。銀なる暁とマグナーの群れは戦争状態にあるといっても過言ではない。両側で犠牲者が増えているが、斥候が群れの隠れ家を発見できると期待している。そうすれば最後の襲撃をかけ、マグナーと子分たちを永久に駆逐できる。

職人のメモArtisan’s Notes

あのノルド達が現れたとき、面倒を起こしに来たのだと思った。だが、彼らは洞窟施設での作業のために、私を始めクランの者達を雇うと決めた。なるほど。金が出続ける限り、このオークは文句なく司祭や信徒のために働くだろう。たとえこちらが彼らのことを、少し薄気味悪く感じたとしても。

* * *

これほど精緻な浅浮き彫りを彫るのは初めてだ。彫った一連のパネルを通して1つの物語を語る極めて困難な作業だ。しかし、ぜひ私にと司祭に言い張られたので、全力を尽くした。司祭は物語を向上させるための提案さえ受けれ入れてくれた。

* * *

仕事はもう少しで終わる。この場所で作業を終えられれば嬉しくなるだろう。仕事は興味深く、報酬もいいが、埋葬室を作っていることに気づくと、疑念が頭をもげ始めた。私のクランは死者がそばにいると落ち着かない。それに司祭にも不安を感じた。不思議な表情をしている。だが、私はこの石を完成できることが誇らしくてたまらない。万事順調にいけば、明日には担当した部分が終わる。家に帰れるのだ。

* * *
土壇場になって司祭から、私が完成させたばかりの大きな浅浮き彫りの、小型版を4つ作るよう要求された。交渉の末、浅浮き彫りの各パネルに興味深い要素を1つ加えることを納得させた。司祭の信徒は高難度の施錠装置を作り上げていた。私に言わせれば、ドワーフは重量やボタンなどについては無茶苦茶なところがある。新たに設置するこの新装置のために、この小さめのパネルを頼まれた。

* * *

他のオークの職人たちの中には、スカイリムに作られているこれと似た墓の話を聞いた者もいた。そこの職人たちは仕事が完成すると、墓の秘密を守るために抹殺されたという。悪い暖炉夫人の話みたいに思える。

信仰の道Path of the Faithful

怒れる者、忌まわしき呪いの番人、裏切られし者の守護者。これらは崇拝者や立てられた誓いの子供達が知っている、偉大なるマラキャスの異名の内のごく一部に過ぎない。

聴け、入信者よ!聞け、忠実なる者よ!あなたの歩まねばならない道は決して生やさしくはないが、正しく敬虔な態度で進めば、掟の作者の懐へと導かれるだろう。

ファルン砦の祠には、聖域への道が隠されている。聖なる管理者たちから自由に与えられた、人生で最も貴重な液体の贈り物だけが、道を明らかにする。

祈りの間でマラキャスの光を拒んだ者達は、永遠に暗闇を歩き、信仰の間を目にすることはない。

信仰の間では、どんなに下まで落ちようともマラキャスが捕まえてくれると信じろ。

最後に、聖言の聖域では、生贄だけが怒れる者の教えを呼び起こすだろう。

信号塔に関する命令Signal Tower Orders

忠実なるブレトンよ

どれほど風が強かろうが、雪が激しかろうが、なさねばならない仕事がある。ヘンリサ船長とその艦隊が間もなくやってくる。艦隊の帆が見えるまで狼煙を絶やすな。火を消すのはそれからだ。

この忌々しい嵐で船長の計画が多少狂ったかも知れないが、天候を逆手に取ることができると思っている。

水銀Liquid Silver

ロスガーの山々は、あらゆる種類の鉱物と鉱石に満ちている。金、銀、鉄が大量に見つかる。だが、この地とタムリエル以外では見つからない稀少金属がある。その1つが入手困難な水銀だ。

水銀は錬金術師が称え、鍛冶屋が欲するが、つるつる滑るため、両者にとって実用的な価値はない。今のところは。

水銀は重く粘着性のある金属で、治癒や寿命を延ばす効用があると考えられている。また、ウェアウルフに悪影響を与える効果があるとも信じられている。そのため水銀を注入したボルトは、どの戦士ギルドの武器庫でも貴重で大事な部品となっている。ロスガーのアージェント鉱山は、かつて稀少金属の豊かな産地だったが、もう長年使われていない。

他の嫌いなものOther Things I Hate

ファンシー・ナズバビール 作

-うずくまって物を盗むスリ
-発煙弾が残すひどい残留物
-ナイフを拭かないお粗末な殺し屋
-馬鹿げた帽子をかぶった人々
-馬鹿げた人々
-馬鹿げた帽子
-人々
-帽子
-ナイフをダメにする分厚いのど笛
-海賊
-馬鹿げた帽子の海賊
-パンタロンをはいた海賊
-ウグイアビの帽子
-ウグイアビ
-馬鹿げた帽子をかぶったウグイアビ
-ズボンをはいたウグイアビ(大胆な説明!)
-小さな月
-レリサ——自分で思っているほど狡猾じゃない!
-賄賂の受け取り方を知らない衛兵
-亡霊
-派手な亡霊
-嫌味な亡霊
-自分より着こなしが上手な亡霊
-生きていた時よりも長いあいだ亡霊でいる亡霊
-子猫
-子犬
-ウェイレスト
-吟遊詩人
-海賊兼吟遊詩人
-ウェイレストから来た海賊兼吟遊詩人
-ウェイレストから来たウグイアビの帽子をかぶった海賊兼吟遊詩人
-ウェイレストから来たウグイアビの帽子をかぶった海賊兼吟遊詩人の亡霊

暖炉の母への手紙Letter to Hearth-Mother

暖炉の母よ、私を見つけに来て。暖かい火とお腹を満たすスープを持って来て。みんな寒くて空腹で、もうこれ以上歩けないから。

この探検に選ばれたとき、我々は誇らしく自信に満ちていた。ソロウ登頂!伝説の山頂に2世代以上ぶりに登頂したオークになれるのだ!だが、ソロウがその恐るべき高さへの登山を拒んでいることに気づくと、瞬く間に自信は絶望に変わった。

先陣の2チームは、そう遠くまでたどり着けなかった。分かっている限り、第1陣はハーピーやオーガに襲われ、第2陣はひどい強風と寒さに見舞われた。ホーカー数人は哀れなことに、凍えるような霧に隠れていた断崖から転落した!

しかし、我々は怯むことも、コースを変更することもなかった。今になってみれば、そうすべきだったと分かるが。レディ・ローレントは我々を再編成し、カースサンは我々の功名心に訴えた。我々は血にたぎる炎と夢の輝きとともに、再び山頂をめざして前進した。

雪崩でクーロンを失った。雪と氷の下敷きになって彼女の両脚は折れた。やむを得ず置き去りにし、山道を進んだ。普通のコースなら探検隊は破滅していただろう。もちろん、破滅は思っていた以上に近くに迫っていた。

我々はたいしたことを成し遂げたと言えるかも知れない。実際、トラグの祠の扉にたどり着いた。その碑文を見つけ、カースサンに教わったとおりにこすった。曲がり角から3人組のオーガが現れたとき、中に入ろうとした。勝利の確信もなく野獣3人を相手にする気にはなれなかったから、隠れてやり過ごすことにした。だが、要領の悪いスキーヴァーのアーゴンが斧を落とした。そのとき、登るより降りるほうが賢明だと思った。

ブロクークは最善の選択肢が、通り過ぎた洞窟に引き返すことだと思った。洞窟にオーガが住んでいたとしても、隅に隠れ場所を見つけられるはずだと彼は言った。それでうまくいっただろう。もしも祠から逃げる時、物資の大半を失わなければ、もしも火を燃やすのに燃料を使い切らなかったら。

少なくとも我々は碑文をこすった。カースサンがはるばるここまでたどり着けば、祠がそう遠くないことに気づくだろう。

頂上のトラグ、完訳Torug at the Summit, Complete Translation

トラグ族長は、略奪者がその遺体を見つけることを許さない。

トラグ族長は、より弱きオークが自身より高い位置に埋葬されることを許さない。

* * *

トラグ族長は篭手を抱え、瀕死の体に鞭打った。

山頂に登ると、自ら築いた石塚に入った。

* * *

そしてソロウのキスを魔法の腕輪の上に置いた。

こよなく愛した宝物をふさわしいオークが手にするまで、永遠に待ち続ける。

The Whistle

その笛と、自分の特有の才能を見出したのは13歳の夏だった。それよりずっと前から自分には何か未発見の潜在能力があり、その能力で仲間たちと一線を画すことができるという気がしていた。

子供の頃は人との交流が苦手だった。そのため自分より大きく強い子供たちの間で、いたずらやからかいの対象になっていた。その頃には彼らはすでに戦士や木こりといった力強い職業を自負していて、ほっそりとしていた私は大きく後れを取っていた。だが動物たちの中には良き友をたくさん見つけ、どんなに孤独な時も一人ではなかった。

ある時、自分たちの力を誇示したがる年上の残酷な子供たちが、私にとあるいたずらをしようと思いついた。そのいたずらで使われたのは彼らが見つけた笛で、多くの生き物を荒れさせる音を発するものだった。故郷に生息していたヅラゾグは特にこの音に影響を受けやすかった。当時ヅラゾグがねぐらとしていた洞窟へ連れていかれ、殴られたくなければ笛を吹けと命令された。前述したように、この子供たちは私よりはるかに強く残酷だった。彼らに暴行を受けて片足を引きずって帰ったことも多かった。

だが今思えば、暴行の脅迫だけでは笛を吹くことはしなかっただろう。私の度胸に対する侮辱や嘲笑の言葉が、笛を吹かせた。物理的な力で負けていたのは明らかだったが、勇気と精神力では絶対に負けないと思っていたから。

臆病者と謗られるよりはましだと思い、私は危険が大きい方の選択をして、笛を手に取り大きくはっきりとした音を吹いた。自分の勇敢さを示すため、必要以上に長くその音を出し続けた。その音を聞いたいじめっ子たちは本性を現し、吹くのをやめるよう懇願し始めた。頭がおかしいのか、死にたいのかなどと言われた。

私は笛を吹くのをやめず、歯をむき出しにして口をゆがめたヅラゾグがねぐらから出てくるまで音を出し続けた。私が止まると、彼らも止まった。一瞬、お互いを見つめ合った。わずか数歩先で、まるで合図を待つかのように止まっていた。私は再び笛を口につけ音を出した。すると彼らも再び近寄り始めたが、私に殺意が向けられているようには感じられなかった。むしろ指示を欲しがっているようだった。この仮説を試すべく、私は家で飼っている犬でやるのと同じように、手を上に向けて合図した。すると犬と同じように、ヅラゾグたちは一斉に後ろ脚で立った。続けて「お座り」や「ねんね」といった合図を笛の音と共に出してみると、ヅラゾグたちは何度もそれに応えた。

これを見たいじめっ子たちからは恐怖が拭われ、今度は自分たちに笛を使わせるよう懇願していた。ヅラゾグに命令してみたかったのだろう。それを拒否するのは、正直に言うと気持ちよかった。とうとう奴らは私に嫉妬していて、敬意を勝ち取ったのだと実感したからだ。

だが奴らの中で最も体の大きかったレジッドというバカが、私の頭を殴り笛を奪った。ようやく意識がはっきりしてくると(それだけの力で殴られたのだ)、奴が笛を吹く音とヅラゾグのうなる声が聞こえてきた。徐々に回復する視界の中で、怒りと殺気に満ちたヅラゾグたちがレジッドの方へと走っていくのが見えた。レジッドに飛びかかり、肉を噛みちぎっていた。奴は泣き叫び、笛を使ってヅラゾグたちを追い払うよう懇願したが、私は何もしなかった。

他の者たちは喰われるレジッドを恐怖に満ちた表情で見ていたが、私がそのとき感じていたのは誇りだけだ。私たちよりも動物のほうが勝者と敗者を見分ける感覚を持っていると、ずっと信じてきた私の考えが立証された気がしたのだ。

食事の終わった獣たちはねぐらへと戻っていった。他に笛を欲しがる者はおらず、その時からずっと私が持っている。タムリエル各地でヅラゾグをしつけ、訓練するために使っている。反抗されたことは一度もない。たった一度もだ。

はたして魔法なのか?この笛に魔法があるとすれば、私の注ぎ込む勇気と技術だけだろう。

百人隊長の印章Centurion’s Signet

「オーシマーが世界中の目の敵にされた時代がある。我々は戦い、死ぬだろうが、名誉を捨てたりはしない。世界に対し、彼らが言うよりも優秀なことを示すだろう。そしてもしも滅びるならば、敵の喉をつかんだまま滅びるだろう」

この言葉の主は、帝国の百人隊長に叙せられ、皇帝に仕える栄光を勝ち取った初のオーシマーだ。

そのオークの百人隊長の名前は歳月に埋もれてしまったが、彼の印章はそう遠くない10年前、パラゴンの記憶周辺で見つかった。

碧水晶の槌Hammer of Glass

初代オルシニウムは、当初街というより武装キャンプだった。やがてキャンプは村となり、村は街へと発展した。わずか数年で、人と建物の集合体として無秩序に広がり、隙だらけで攻撃の絶好の的になった。

鍛冶夫人のモーツガは、トラグ王の多くの妻の中で最初の妻であり、最も偉大な妻だった。街の周囲に石壁を建てて街の境とするために、熟練した石工を探した。石工は熟練の職人であると同時に、記録的な早さで任務を遂行できる戦士や交渉人としての技量も備えていなくてはならなかった。彼女はクスバーグを選出し、任務を任せた。

クスバーグは任務を言われたとおりに成し遂げ、旧オルシニウムの周囲に、今も残る堅牢な壁を建てた。報酬として、クリスタルの塊から彫り出した、碧水晶の槌を賜った。その印象的な彫刻は旧オルシニウムの遺跡の中にまだ残っていると信じられている。

オルシニウムの記録

Orsinium Archive

アーグドシュの送られなかった手紙Urgdosh’s Unsent Letter

ウラカ

スカルグは我々を真実に導いた。彼に対する評価が辛口だったかもしれないが、網の紡ぎ手に対する彼の愛は行き過ぎたものだと今でも言える。氷を砕くと小道に邪魔がなくなったが、彼は導くメファーラの歌の網が見えると言い張った。

ラコラ達一行を見つけた。負傷しているが生きている。彼らが麓で何を見たか信じないだろう、ウラカ。ドワーフの所業は見たことがあるが、今回は…

それは、ある種の鍛冶場で、見えない力を抑え込むように作られている。だが、この場所では周囲に力を感じる。ここはとても暖かいのに、何度となく体が震えている。

ドワーフの痕跡はなかった。ガーディアン達の誰ひとりとして、この場所を守るものはいない。瓦解しつつある。これほど風格があるのになぜ放棄しようとしたのか?

この地を自分達のものだと主張すべきだとグザルは言う。再建し、改造する。私達のものにする。忌々しいスカルグが言うには、それがメファーラの願いだと…私達が追うべき糸だと。意味不明だ。

すぐに帰宅できることを願っている。

—アーグドシュ

アイスハートの日記Ice-Heart’s Journal

包囲が続いている。クログと、薄汚いオークどもめ!

我がウィンターボーンが進撃を行った後、いわゆる豚の子供どもの王が外遊から帰国し、オークのクランを束ねた。突然、我が戦士長達は追われる身となって次々と殺され、我が隊の戦士は四方に散り散りになった。だがいいか。我々はこの包囲を耐えてみせる!

このブレトンのかつての砦は、神に遣わされたものだ。あの愚かな豚の子供どもに突破されなどしない。ましてやハーピーをやり過ごすなどとうてい無理だ。ハーピーが無警戒のオークを急襲して捕まえるのを見るのは最高だ。オーク達を凍らせ、粉々に砕く音を聞くのに負けず劣らず楽しい。だが、これほどの建造物を誇ったブレトンがこの地を制圧できなかったのは不思議でならない。彼らは豚の子供どもより愚かだったに違いない!

我々の店を支援する物資は毎日続々届いている。愚かな豚の子供どもめ!彼らがロスガーに送り込んだキャラバンは1つ残らず、我がウィンターボーンにとっての雑貨屋になるのだ。支払いを気にせず、望みどおりのものを手に入れられる雑貨屋だ!確かにクログが召喚したよそ者達には、いささか手を焼いている。だが結局は大差ない。到着したそばから殺すのだ!

ハグレイヴン達は完璧な手順を続け、ブライア・ハートを育て、彼らを使ってブライア・ハートの戦士を作り出している。あの木は魔法による見事な逸品だ。とりわけあれを考えたのがハグレイヴン達だと思うとな。しかし、たとえ出所がどこであろうと、私は優れた案を却下したりはしない。ブライア・ハートのおかげで我が戦士達は不死身だ。だからこそウルフォン・アイスハートはこの戦いに勝つのだ。だからこそウィンターボーンが勝利を得るのだ!

アゴラスの日記Agolas’s Journal

項目297
新しいカモを見つけた。ザバニはオルシニウムがどういうところか何も分かっていない。こいつを利用して王のコーナークラブに侵入するか?

項目298
奴を金庫の近くに行かせ、中身を頂いてから、何も知らないカモのザバニを衛兵に差し出してやった。奴が罪を負い、俺がブツを得るってわけだ!

項目299
こんな手間をかけて、醜いマグが手に入っただけか?

項目300
どんな盗品商もこれには手を出さない!グリーディー・ガットでアスティルムと会えるよう手配しないといけない。彼女は何でも買う。これはケリがつくまで、水道橋の岩の北に隠しておく

X = 水道橋の橋脚、細い木、灰色の大蛇

アゴラスへのメモNote to Agolas

アゴラス

この不細工なマグを守るのに、なぜこれほど難しい鍵を使っているのか理解できない。感傷的な価値でもあるの?

急いでキャンプに戻るわ。盗賊ギルドであなたの友人達に会うのが待ち切れない!

—Z

ウィンターボーンのメモWinterborn’s Note

マイルナ

ウチュイラン戦士長は何も説明してくれないが、失踪の原因を突き止めたと思う。戦士長の愛人、ハグレイヴンのクラーラが鳥の剥製のトーテムを使って、囚人を鳥に変身させていた。

ハグレイヴンは、変身の技を囚人だけに使っている訳じゃなさそうだ。仲間たちにもトーテムを使っているんだ!できるだけ早く逃げろ。私も―

〈乾いた血で汚れ、手紙の残りは読めない〉

エチャテレのすべてAll About Echatere

スタグブラルツ・グロー・シャトゥル 著

食事の時に、何が腹を満たしてくれる?エチャテレだ。寒さが厳しい時に何が身を包んでくれる?エチャテレだ。忘れるな。エチャテレは食い物だ。エチャテレは服だ。これが放牧地の最初の掟だ。

エルフが村にきてエチャテレが「かわいい」とか「気高い」とか抜かしたら。ぶん殴ってやれ。エチャテレはかわいくも気高くもない。醜く、嫌らしく、尖ってる。エチャテレを愛すれば、エチャテレに殺される。これが放牧地の第二の掟だ。

口笛を吹かずにエチャテレを集めることはできない。だが口笛を吹くとエチャテレは怒る。それでもやらねば食べることができない。死なないためには殺される危険を冒さねばならない。これが放牧地の第三の掟だ。

エチャテレを屠る時は、喉を切ってその血をたらいにためろ。さもないと、中から腐ってしまう。これは掟ではない。常識だ。腐った肉など食いたくない。

エチャテレの子供に名前を付けると、子供が夢中になってしまい、屠る時に泣かれる。だからエチャテレが区別できなくて、どれがどれだか分かるように名前を付けたい時でも、「バカなハムスター蟹」とか「毒々しいの」とか「尖りすぎ」といった名前にしろ。オーク風に名づけてはならん。そうしないと子供がなついてしまって、一生恨まれることになる。

これが放牧地の掟のすべてだ。これを守れば群れは増え、腹も満たせ、子供にも嫌われなくてすむ。

追記:エチャテレが一匹の時はエチャテレだ。二匹ならばエチャテレズだ。誰でも知ってることだ。だが一生放牧しているなら、「エチャテレが5匹あっちにいる」と言っても構わない。なぜならあいつらはみんな同じだからだ。

オークと牙Orcs and Their Tusks

非公式の研究
フォルムズ・セレス 著

典型的なオークの牙の魅力とは何か?断言する。彼らがあの牙をこまめに磨き研いでいなかったとしても、あらゆる反射する表面を間近に見て、隣の牙を物欲しそうに眺めている。そしてこれらを行わない時は、自らの牙をほとんど家宝や古代の遺物のように語る。言っておくが、これだけでもこのダークエルフを怒らせるには十分だ!

牙にまつわる執着についてオークにずばり聞くのは失礼だと思うが、日常のオークの会話に牙という言葉と概念がどう使われているか学ぶことは、理解がある水準まで達する役に立つかも知れない。この目的のために近づいた最初のオークは女で、ここではオーカと呼ぶ。怒った顔をしていた。少なくとも怒っているように見えた。平均的なオークの顔つきとなると、その違いは区別しにくい。オーカは怒った声で「牙を外せ!」と言ってきた。

何て奇妙な言い回しだろうか。「牙を外せ」とは。シンプルで断定的だ。ほとんど意味をなしてないが、オーカの口から発せられたのだ。私に何を求めたのかははっきり分かった。彼女が傍らに吊してあった斧に手を伸ばすのと同時に、私は大慌てで詫びながら側から離れた。

これを機にオークの他の表現も、さまざまな場面で耳にする言葉を含め、考えるようになった。例えば「マラキャスの牙にかけて!」という言葉は、感嘆の言葉として万能で、そのオークの有名無名具合にかかわらずぴったりの名詞代わりだ。私はオーク達が何々にかけてという時の何々に、マラキャス、トリニマク、クログ、バズラグ、鍛冶の母アルガ、ほら吹きのウルゾ、さらには暖炉の母や、誓った当人以外誰も覚えていない古代の先人を当てはめて誓うのを聞いたことがある。そして誓いに使った牙は、目先を変え、削り、割り、壊し、欠けさせ、刺し、様々な影や色にした。

他にもオルシニウムの酒場で何度も聞いた表現に「牙を蹴るよりいい」がある。何か不愉快な経験をしても、他の不愉快な経験ほどではないという意味のようだ。オークの1人がもう1人に「ヒルがうじゃうじゃいる池にお前が落ちたと聞いた」と言うと、もう1人がこう感嘆する。「牙を蹴るよりいいわ」と。オークがどんなにひどい苦労を味わっても、もっと悪いことがあるかも知れないと私は結論づけた。オークの牙は非常に傷つきやすく、蹴ると耐えがたい痛みをもたらすのだろう。あるいは、それは単なる話し言葉で、会話からより深い何かを暗示することはできないのかもしれない。オーク達には本当に混乱させられる。

しかし、これは言わば牙の豆知識に過ぎない。オークの酒場で数時間過ごすと、牙に関するありとあらゆる表現を耳にできる。「牙にしてやる!」「誰が牙を渡す?」「馬鹿者に牙を刺す!」「牙とは?」「周囲に牙するのはやめて!」「私に牙を!」。そして私のお気に入り候補は「自分に牙を刺せ」で、一見無理な注文に思えるが、オークの牙が肉親に対して何ができるか見ている。オークはこういう横暴な提案をする者は嫌いなようだ。

牙の話題をオークと議論するためにもう1つ試してみようと決めた。今回選んだのは、人目を引く若い女で、暗い隅に腰を下ろし、オルシニウムのピンクの黒葡萄ワインのボトルを飲み尽くそうとしていたところに、オークの言葉における「牙」のいろいろな使い方について話してくれないかと頼んだ。

「牙はだめ!」と彼女ははっきり言った。それでも私は粘った。

「牙でからかう気なの?」と彼女は尋ねた。私が「牙でからかう気はない」と言うと、彼女はこぶしを丸めて、私の尻をなぐった。

「牙!」と私は叫んだ。こうして私は牙の本当の意味を理解できた。

オークの古いことわざ:盾Old Orc Sayings: Shields

これはオークの知恵の言葉を集めたものであり、第二紀の初めに36年間オークと暮らしたロアルド・ケンウェイによって記録されたものである。

1. 敵の盾を破壊するときは、破片に気をつけろ。

2. 肋骨が砕けるよりは盾が砕けるほうがましだ。

3. 魔導士を殴るには盾がいい。だが、こん棒ならもっといい

4. 盾に矢がたくさん刺さっても、顔に刺さるよりはましだ。

5. 盾の壁は、石の要塞のごとく動かない。

6. 斧は切るために。盾は防ぐために。

7. 戦士の剣は多くの命を奪うが、その盾は1つの命を守る。

8. 壊れた盾は守りが薄い。

9. 盾を敵の血で染めろ。

10. 強い盾は攻撃する者の心を折る。

11. 盾は皿として使いにくいし、皿も盾として使いにくい。

12. 1つ盾を持っていれば大きな価値があるが、2つ盾を持っていてもバカみたいだ。

13. 奴らは我らの盾を見て恐れるだろう。

14. 春には無傷の盾も、夏の終わりには壊れているだろう。

15. オーク戦士の愛するものは2つある。1つは剣、もう1つは盾だ。

16. 君のクランが持っている盾は、君だけだ。

17. 石塚の石の多くは、盾を持たずに戦闘に出た者だ。

18. 木製の盾でも、盾がないよりはましだ。

19. 敵が盾の後ろに隠れたら、足を切り落とせ。盾を下げたら、首を切り落とせ。

20. 盾を前に構えていれば、マラキャスがいつも味方してくれるだろう

オーシマーの奇妙な儀式Strange Rituals of the Orsimer

タムリエルの民の死の儀式についての調査
アーケイの司祭チャプレイン・ジョーダン 著

私は埋葬と葬儀の神の敬虔な信徒として、リーダーや家族や愛する者が亡くなったとき、タムリエルの様々な種族が行う儀式の研究に生涯を捧げてきた。この巻では、ロスガーのオークとしても知られるオーシマーの死の儀式を探っている。

よく知られている言い伝えによって、オークの遺体は死んだ場所に安置されると信じられている。その話には一片の真実があるかも知れないが、オークは他の知的な種族に劣らず、病気には詳しい。腐敗の進む遺体をその場に散らかして悪臭が放たれることを誰も望まないし、そうした遺体はありとあらゆる昆虫や捕食者を引き寄せる。だから、オークが死んだ場所は同胞によって印を刻まれ、神聖に近い場所とみなされるが、遺体がその場に置かれる時間は数時間もない。それまでのあいだ家族や友人が立ち寄り、最後のお別れをする。そして遺体は移動される。行き場所は分からないが。

オークは口承の伝統を持つが、よそ者に説明し詳細を語ることは拒んでいる。私としては観察結果や交わすことのできた会話を元に学識を交えて推測するしかなかった。だが、これまでのところ、オークが遺体をどう扱うか教えてくれる者はいそうもなかった。

* * *

オークの古代の埋葬地を、ソロウと呼ばれる山で見つけた。この雪に覆われた山頂は危険な生物だらけで、気候も死と隣合わせだ。数世代に渡り、オークの亡骸の保管場所の役目を果たしたが、過去のある時点において突然、この習慣は終わりを迎えた。どう見ても、この山はオークの中でも最も勇敢で屈強な者のためのものだ。そうした者は、最後に死に襲われるまで、できる限り高いところまで登ることを求められた。こうしたオークは力尽きた場所に残されるが、遺体に石が積みあげられ、遺体を保護する石塚か、くさび型墓と呼ばれる独特な建造物になった。

これもまた、オークが死んだり力尽きたりする場所に、神聖なる岩で印をつける習慣と関係があるようだ。オークはその岩を「タムナー」と呼ぶが、これはオークの言葉で「死の石」を意味すると思われる。

* * *

ようやく、死の儀式についの話を提供してくれる老女のオークを見つけた。厳密に言えば、彼女は「ベシュカー・ノア」と呼ばれる「死の鍛冶」の習慣について議論したがっていた。

どうやら、リーダーや英雄や敬愛された年配者など、偉大なオークの遺体は、「死の鍛冶」として知られる行程を経ることになるらしい。この行程を老女のオークは難解な言葉で説明してくれた。遺体から血を抜いて後で使うときまで取っておくのか、遺体をまるごと灰になるまで燃やして灰をとっておくのかはよく分からない。いずれにせよ、取っておかれた遺体は最後には、溶解した金属と混ぜ合わされ、敬愛されたオークは、たいていは剣、槌、盾などの強力な武器や道具に姿を変える。

* * *

こうして、ロスガーのオークによる複雑な埋葬儀式の習慣を完璧に理解しようという探求は、今も続いている。かなりのことを学んだつもりだが、それでも何も学んでない自覚はある。一般にオークは死者を埋葬しないが、ソロウの山のような場所では埋葬する。オークが強力なオークが亡くなった時は印をつけるのは知っているが、死体をそのままにして腐敗させることはおそらくしないだろう。そして、亡くなったオークは部分的に保存され、「死の鍛冶」として知られる行程を経て、新たに鍛造された武器や道具になることも学んだ。

これからも調査、研究は続けるが、それも、こうした矛盾をはらんだ習慣に魅せられたからだ。願わくば、悪いオークに腹を立てて自らオークの死の儀式を学ぶのだけはごめんだ。そんなことはないだろうが。

オーゾーガへの手紙Letter to Orzorga

コマンダー・オーゾーガ

頼むから、復職願いを再考してくれ。お前には非正規軍を指揮する以上の力がある。お前以上の将校は思いつかない。私は多くの戦いを経験してきたのだぞ。

ルマーレ湖岸で起こったことは悲劇だが、将校の誰もが学ばなくてはいけない教訓だ。兵士達は消耗品だ。時には攻城兵器の弾や馬の飼葉のように消費される。これは兵站の問題だ。それ以上の問題ではない。

私の話を考えてくれ。白金の塔は手の届く所にある。

プロキシマス将軍

オルシニウムへの招待状Invitation to Orsinium

your name

私が最も信頼する使者の1人に友情と尊敬を込めて託した、この招待状をお受け取りください。強大なクログ王の名によって、私はあなたが荘重なロスガーの荒野で腕を試されることを歓迎し、招待いたします。

オーシマーはあなたがどこに忠誠を誓っていても気にしません。オルシニウムの街の再建と、ウィンターボーンの脅威の鎮圧にご協力をお願いします。偉業を成し遂げようとしている王をお助けいただければ、富と名誉はあなたのものです。

あなたをロスガーに迎えるよう招待するため、私はラズガラ大使をあなたのもとに遣わしました。彼女には、ダガーフォール、ダボンズ・ウォッチ、バルケルガードのどこかで会えるでしょう。街に着いたら、彼女を探してください。

あなたと直接会えるのが楽しみです。あなたの冒険についてはすばらしい報告を聞いています。オルシニウムに着いたら、私の前に姿を現してください。

鍛冶の母アルガ
オルシニウム、ロスガー

ガラクルの日記Gharakul’s Journal

長いあいだずっと孤独だった。だが、もう一人ではない。彼女が絹の夢に誘ってくれると分かっている。

私達はほぼ全滅した、エルフによって。あるいはスカルグの愚かさによって。彼はここ数年うぬぼれが強くなっていた。自分が大蜘蛛の勇者だと思い込んだ。「我々には古い血が必要だ。エルノフェイの血が!」とよく言い、意気込んで探した。

スカルグが破滅のきっかけを見つけた。魔術師を生きたまま壊さずにここへ連れて来た。黄金のエルフで、長身で誇り高く人目を引いた。その琥珀色の目に欲望が見えた。私に対してでも、おそらく定命者の肉体でもなく、もっと何か偉大なものに対する欲望。

スカルグはエルフに以前私達がよく使っていた飲み物を与えた。エルフを鎖でつなぎ、最も貴重な血の容器としてできるだけ長く生かしておくつもりだった。

私達は口論になった。これは私が聞いたあの歌ではない、メファーラの糸に沿って歩いた道でもない。だがスカルグに、彼女の複雑な網は私に見えないと言いくるめられた。だから信じた。

エルフは屈服せず、激昂した。スカルグは燃え尽きて灰になり、私は泣き叫んだ。エルフは、血で鍛錬したガーディアン達さえものともせずなぎ倒し、鍛冶場へ向かった。そしてボルズを倒し、槌を両手で持った。

ローブから小さなフォークを出現させ、それで槌を軽く叩いた。モークルディンはぎこちなく動き身震いした。壁が抗議の叫びを上げた。周囲にいたクランは耳や目から血をあふれさせて死んだ。その叫びをエルフの笑い声がかき消した。だが、その声の中にあの歌が聞こえた。

私は背後からエルフに近寄った。恐怖はなかった。あるのは信念だけで、絹のような髪を握り、彼の金色の顔を鍛冶場の火炎の中に押し込んだ。

静寂。静まり返っている。

いまだに絹の夢の中で彼女の声が聞こえる。その囁きは、鍛冶場を鎮め、眠らせ、隠しておく方法を教えてくれる。ここでの私の時間は終わりだ、まもなく、スパイラル・スケインの頂きで彼女に会うだろう。

いつか、別の者が彼女の歌を聞くだろう。たとえ彼らが自分達を何が駆り立てているのか分からなくても。その日、鍛冶場は息を吹き返し、銀の大蜘蛛の栄光を輝かせるだろう。

時が来た。我が身を彼女の子供達に与えよう、そうすれば彼らは大いに楽しみ、巣を作るかも知れない。私の抜け殻を彼らの子孫のための器、子育ての繭にしよう。無数の目に見つめられながら生きていこう。そうすれば、彼女の栄光を知るだろう。

クミー・アトタミナの送られなかった手紙Unsent Letter From Qumih at-Tamina

エズミ

採掘は順調に進んでいる。信じられないものがいろいろ見つかった。岩の話だけでインクを切らしたら嫌がられているのは分かっているけれど、どれも面白い岩なんだ。

ロズルスとシャレラを覚えている?彼らは槌とノミ、切り離せない相棒同士だろ?最初は反目し合っていたようだ。私達が発見したこの墓のすべてにおいて。

もちろん私は距離を置いていた。どちらの言い分が正しいか分からないから。何より不思議なのは、オークの墓の扉に描かれているのが――

またその話かって?

2週間以内に戻れると思う。調査は間違いなくもっと長く続くけれど、私の担当は終わった。

私の代わりにティリーにキスしてあげて。馬上から空を見上げ、早く戻れるのを祈るよう言っておいてくれ。君たちに、そして家の温かな砂に会えるのが待ち遠しい。

戻るまでに2人が持ちこたえられるだけのお金を送った。それに、君にちょっとしたおまけをね。

愛を込めて
クミー

グラズダーのメモ:槌の迂回路Grazdar’s Notes: Hammer’s Bypass

メモを持ってこられないなんて誰も言わなかった!きっとマラキャスも私に劣らずパズルは嫌いだ。

ザグの話では、最初の門のために覚えておくべき、単純な子供の童謡がある:

4つのシンボルの元になっている鍵は、
街を作ったクランのもの
今日、称えているのは誰の名か
イリアック湾のオーク達の中で

最初に来たのは、壁を建てた者達
次は、広間を武装したクラン
3番目は、燃料を与え続けた者
最後は、すべてを統治した者

この手紙を見つけた者にFor Letter Finder

この手紙を見つけた者に

コレグの息子、マルゴスの息子、アガラバグの息子、金属の地の偉大なる部族の書記が記す。この地にとても長く暮らし、太陽は空に青白く、暖かさが消えた時のことを書く。食べ物は育たないがときどき肉が食べられ、洞窟にキノコがある。

司祭は「大いなる暖かさ」に生け贄を捧げ、パイプを叩き、機械仕掛けの魔物の攻撃を止める。読み書きを教えるのは難しくなった。欲しいのは食べ物だ。本はいらない。欲しいのは暖かさだ。本を燃やすと暖かい。

金属の地の部族の最期の言葉を書く。再び暖かくなる前に、お互いを食べることになるだろう。司祭は生贄を捧げる。族長は暖かくする場所を探す。古い地図に道は記されている。族長は読まない。

私はクランの肉を食べない。死ぬ。私は読み書きができる最後の者だ。他の者に食われる。他の者は生きる。

ジェアムンの作業記録Jeirmun’s Work Log

この先で生き物を見つけるとは期待していなかった。しかし、オークかオークのようなものが、こちらをひと目見るなり襲ってきた。私たちは退却して体制を立て直した。道を切り開くべく傭兵達が先に進んだ。

* * *

シノサリオンはあの青白いオークに執着している。私はただ眠りたかったが、彼がオークの死体の1つにぶつぶつ語る声が聞こえる。気持ち悪い。

それでも彼らは間違いなくオークのようだが、壊れ変貌していた。エルフの見解では、傷から見て体を何度も切り開かれては何度も閉じられているらしい。手足を失っている者も、別の部分を失っている者もいる。もうこれ以上知りたくない。

* * *

寝つけない。

* * *

グラーバシャとドランドがまた議論している。彼は続行を望んでいる。彼女は撤退を望んでいる。彼女を非難できない。この少し先には何かがいる。

どこのドワーフの遺跡も不気味だが、ここは特別だ。空に向かって開け放たれている部分が、どことなく重苦しさを感じさせる。威圧感がある。

* * *

頭の中から声が聞こえてくる。罠にかかったと。ここから出られないと言っている。

酒が欲しい。

* * *

日記を見つけた。筆者は、あの青白いオーク達を切り刻んだ者だ。何が書いてあるのかほとんど理解できない。シノサリオンに見せようとしたが、結局、シノサリオンに言葉で説明するはめになった。

* * *

日記を失った。日記を拾って以降、コンストラクトに素知らぬ顔をされながらも、監視され、跡をつけられているのを感じた。日記を放り捨て洞窟に隠した。すると追って来なくなった。

仲間を見つけなくては。ここを立ち去らないとまずい。

* * *

私達はルキンダレフトに来るべきではなかった。

ジョイル王からメルセディーン将軍への命令King Joile’s Orders to General Mercedene

M

お前がこれを読む頃には、精鋭の部隊が包囲ラインを越えて到着するだろう。彼らのことは労働者として身分を伏せろ。戦闘が始まったら、彼らを使って攻撃しろ。お前は私の死刑執行人になる。攻撃は迅速にな。

より暖かい地方ではあのドラゴンが必要になる。彼は死んではならない。彼の騎士については知り過ぎている。ダガーフォールの敵として扱え。

—J

スカルグの日記Skalg’s Journal

彼女の子供達がこの場所を自分達のものだと主張したのは、私達よりずっと前だ。彼らはドワーフ達を追い出したのかもしれない。働いていると、彼らの多数の目が見守り、待っているのが見える。彼らは私達を恐れていないと思う。彼らは分かっている。私がクランの中を歩いているのを、そして私が彼らと同じくらい彼女のものだと。彼らは私達を許す。私を許す。

* * *

残りの中では、ガラクルだけ見込みがある。鍛冶場の増強が完了したら他はお払い箱だ。

ガラクル。彼女の髪は銀色で細長い。大蜘蛛の勇者である動かぬ証だ。メファーラが振る舞い方を教えてくれる。私達の糸は私達を結び付け、私達の運命を縛り付ける。今度私達が孤立したら、彼女に話しかけよう。彼女はあの歌も聞いている。聞かなくてはならない。

* * *

メファーラは心から祝福してくれた。寝ている間にガラクルは私を見つけ出した。彼女は私を起こすときこうささやいた。情欲は愛、嘘は真実、死は生。私の喉に手を回して締め付けた。私の視界は暗転し、輝きは塵となった。まだらの腹が私の顔の上で踊っているかのように。その瞬間、私はメファーラの子供の1人をつかんだが、彼女の毒が私の内側を液状化させた。

私達は神聖な結合の後、秘密を分かち合った。今では鍛冶の真実を理解している。贈り物を炎に与えながら銀の大蜘蛛を崇め、彼女の作品を世界へ運び出している。

彼女のためにもっと贈り物を見つけてやらないと。よりよい贈り物。彼女を養わないといけない。

トラグの腕輪Armlet of Torug

オルシニウムに最初の街を建てたトラグ王は、「トラグの腕輪」と呼ばれる強力な遺物を持っていた。言い伝えによれば、腕輪は魔力を持つブレスレットで、表面に宝石が散りばめられていた。その力を用いてトラグはロスガーの未開の荒野を支配し、オルシニウムの最初の街を築いた。

古代の文書の断片に、その腕輪とトラグの祠と、ソロウのキスと呼ばれるものについて記されている。著名な探検家レディ・クラリス・ローレントは、このわずかな情報を手がかりに、オーシマー栄光の館のために探検隊を率いて登頂し、遺物を探して回収することに同意した。

他の歴史的意義のあるものと同様に、博物館の中では決して何にも触らないこと。

ドランドの最期のメモDorand’s Final Notes

この奇妙な生き物を何かが操っている。ドゥエマーコンストラクトを操るようにだ。だがどうやって、何のために?

圧力弁と関係があるに違いない。バゾーグベグは3つ見つけた。遺跡内に点在している。「起動、変換、収斂」と彼は呼んでいた。あの熱のすべてが、エネルギーのすべてが施錠された中央の部屋に流れ込んでいる。何のために?よからぬことに違いない。

圧力弁が鍵だ。すぐに閉めなければ!圧力が解放され、エネルギーが逃されれば、中央の部屋の扉が開くはずだ。願わくは我々がまだ——

バゾーグベグの探検日誌Bazorgbeg’s Expeditionary Journal

1日目
ルキンダレフトでの最初の数時間は、成果がほとんどなかった。青白いオーク達に襲われたのだ。彼らは気がふれているように見えた。雇った傭兵を何人か失った。ジェアムンとグラーバシャは、この場所は呪われていると信じて疑わなかった。

愚か者どもめ。危険でなかったら、価値あるものが中にあるわけない!ドランドが責任者でよかった。彼が続行を望んでいるのだから続行だ。

2日目
奇妙な日だったが、成果はあった。だが相変わらず、青白いオーク達が気がふれている原因は不明だ。彼らを昨日よりも数多く見かけたが、慌てて氷河の中に隠れてしまった。いい厄介払いだ。

ドワーフのコンストラクトは永久不滅に思え、驚かされる。いくつかは凍って固まっているが、まだ微音を立てているものもわずかにある。彼らからの攻撃が予想されたが、無視された、まるで私達が存在しないかのように。たまに視線を感じて振り向いても、立ち去られてしまう。

ドランドはコンストラクトの調査を許可しなかった。「奴らに理由を与えるな」と言うのだ。彼の言うとおりだと気づかされる。

3日目
遺跡が溶けている理由が判明した。ドゥエマーの後に誰かがここにいたのだ、おそらくかなり長い間。彼らの意図を突き止めるのは困難だが、研究素材が周囲に散乱していたからには、そのために魔術師の大規模チームが、熱を調和する力を膨大に必要としたことがうかがえる。私達は後で研究に使えそうなものを残らず回収した。

ドランドが自制心を失った。続行するかグラーバシャと議論していたと思ったら、次の瞬間、ほとんど音を立てずに跳び上がった。彼は遺跡は生きていると繰り返し言う。あの壁は私達を監視しているのだと。彼には少し睡眠が必要だ。

4日目
青白いオーク達に襲われた後、ドランド達が別行動を取った。傭兵2人を任された。名前すら知らないが、2人は返事をしてくれる。とりあえずこれでいい。

2人にここに来る途中で見かけた、熱を調和するバルブについて話し、バルブを閉じるよう命じた。ドランドが言うように、圧力で扉は閉じている。バルブを解放すれば、扉が開く。扉の脇で2人がバルブを解放するのを待つことにした。中に入れば、全圧力が一室に集中している理由を突き止められるかどうか分かる。

5日目
まだ十分ではなかった。扉は圧力を失ったが、びくともしない。1時間後、圧力がひとりでに復旧した。傭兵は戻って来なかった。逃げ出したのか?殺されたのか?

このコンストラクトはこちらを監視している。近づいてくる。このままじっとしていたら――

バロス・ブラッドタスクBaloth Bloodtusk

ふてぶてしく立ち
死はその友を訪れない
ただその強大な盾に弾かれるのみ
常にその背後に。

バロス・ブラッドタスクへの手紙Letter to Baloth Bloodtusk

強きバロス・ブラッドタスクよ

オルシニウムであなたの兄弟が私の軍を相手にして倒れたと聞いた。残念なことだ。私が心から嘆いていることを知ってほしい。彼が立派な王にひざまずきさえすれば、あなたの隣でごちそうを飲み食いしていただろうに。彼の死の責任を問われるべき者がいるとしたら、ゴルカール王だとあなたも同意するだろう

あなたとその傭兵は、その力をこの偽りの王にずっと利用させてこなかった、その点は賢い。この新たな知らせが、あなたの剣の矛先を正しい方向に、真の悪者へと向けさせることを願っている。

私の申し出に変わりはない。

—ダガーフォールのジョイル王 著

ブライア・ハートの世話と餌やりThe Care and Feeding of Briar Hearts

ガル・クーはブライア・ハートを愛している!彼女は興味深い古い鳥、あのハグレイヴンだ。古いブレトンの砦に来て以来、私の役目はウィンターボーンの中でガル・クーを支援し、彼女がブライア・ハートを成長、繁殖させるためにどんなことでもしてやることだ。ブライア・ハートは不思議だ。大きな果実のようにも、大型動物の心臓のようにも見える。あるいは人間の心臓のようにも。

今日は世話の行程を間近で見ることになった。まずは死体だ。ウィンターボーンは敵の死体を好むが、彼らに罪の意識はない。オークでもウィンターボーンでも、はたまたハーピーですら、どんな死体でも構わない。死体で生まれたら、それをハグレイヴン自ら考案した奇妙な儀式で清め、特別に仕立てた区画の土の上に置く。そして、ファンファーレが響く中敬虔な態度で、置かれた死体にブライア・ハートの種を加える。

この死の庭園に、呪文と血が餌と水として与えられ、まもなく死体から最初の芽が出る。芽はまたたくまに苗木となり、やがて小さな木となる。この小さな木々は根の組織を通じて、砦の中庭でハグレイヴン達が世話をする大樹とつながっている。苗木は大樹の健康と総合的な力に貢献していると思うが、この件についての私の疑問は、ガル・クーを初めとするハグレイヴン達に無視された。

一方、ブライア・ハートの果実は苗木にも大樹にも実り、耳について離れない滝のような音を要塞じゅうにこだまさせる。果実が熟すと、もう移植できる。そしてここで我らが戦士の出番となる。たいてい、ウィンターボーンの戦士が戦闘で死ぬと、ハグレイヴンは熟したブライア・ハートを戦士に授けられる。その魔法の手順では、死んだ戦士にブライア・ハートを押し込み、蘇らせ、ブライア・ハートの戦士にふさわしい力と不屈の心を新たに授ける。

そして詳しいことは分からないが、生きた戦士にブライア・ハートを埋め込む方法もあると考えられる。檻の中で最も強力で忠実な戦士達が瞑想し、ブライア・ハートの戦士になる心の準備をしているのを見たことがある。その名誉を私が授かることをガル・クーが同意したら、彼らも許してくれるだろう。そうなったら、どんな結果になるかお知らせする。

フロストブレイク要塞にて、あなたの姉妹

ホーカーに捧げる歌Ode to a Horker

吟遊詩人の卵ドラスク作の詩

静かな港で腰かけ、凍った海を眺め
ホーカー達が無邪気にはしゃぐのを見つめる。

水中で、氷上で、彼らは走り回り
彼らの大声や呼び声はまるでからかってるよう。

大きな雄牛アルバクロスに私は大喜びして笑う
動物達が戯れる姿は、跳ね上がる馬を思い出させる。

マラキャスとトリニマクMalacath and Trinimac

王の書記官ウグドルガによる信仰論

何世代にも渡り、オークは3つの不変の真理を信仰してきた。それは要塞、恨み、マラキャスの怒りである。しかし、一部の伝承と著名な学者によれば、マラキャスの前にトリニマクがいたという。今日、オルシニウムの街では、知的な討論と敬虔な信仰の両面にまたがる議論が鳴り響いている。オーク達の真の神は誰かと?

伝統主義者にとって、疑問はない。マラキャスが主であり神だ。彼は、立てられた誓いと忌まわしき呪いを擬人化したものだ。彼の人物像には、衝突、戦闘、破られた約束、苦悶もある。オークが世界における自らの立場に感じる不安は何もかも、怒れる者から来ている。オークは自分達を裏切られし者と思い、マラキャスがその信仰を強めている。マラキャスにとって、クランとは強力であるべきだが、先人伝来の要塞で孤立しなければならないものだ。最強の者が支配し、弱き者は度が過ぎた不寛容さで捨て去られる。

バズラグ族長などクランの族長達は、オーシマーの王という考えに異議を唱え、マラキャスの教えに固執している。

新しいオーシマーにとって、トリニマクは夢と希望の到達点だ。この戦士の神は、文化と文明を擬人化している。彼は呼びかけている。不和でなく、団結を。悪意に満ちた混迷でなく、力を。彼が表しているのはオーシマーの統合だ。オークを卑しい自然を超える存在へと高め、他の種族と対等にすることだ。

クログ王とオルシニウムのオーシマーは、トリニマクの教えに従う。

マラキャスとリーチMalacath and the Reach

オークは自分達はマラキャスの子供だとよく言う。私の部族は異を唱えるだろう。マラキャスがオークやオーガ、トロールを使って、本当に選んだ種族、つまりリーチの民を試すことが稀にあるとリーチの民は教わる。

私に言わせれば、どちらも間違っている。灰と骨の王は私達の誰にも関心を持たない。彼を崇拝することは愚かであり、皆で破滅することになるだろう。

例えば、このトークン「復讐の目」は、我が部族が湿っぽい墓で血眼になって探したものだ。このつまらない小装飾品のために、計り知れないほどの血を無駄に流してきた。オークと我が部族の確執は何世紀も続いてきた。私達の呪術師の話では、マラキャスが彼の名において、私達の誰かがこれを運ぶことを求めているという。オークの話では、これは彼らのものだそうだ。

両者とも、2つの種族を踊らせる弦は見えていない。

私達がデイドラにしてきたのはそういうことだ。遊びの慰みものだ。彼らの贈り物は毒入りだ。そう考えなければ愚かだ。だが、我々は愚者の世界に生きている。皆が自分たちはどこか違うと思っているのだ。どこか特別だと。私達が殺し、信仰のために殺される間、デイドラは微笑んでいる。

モークルディンの最後の届けものMorkuldin’s Final Delivery

スカルグ

これが私の最後の積み荷だ。今、邪悪な目が私を見ている。しがない盗賊や街の小者が行方不明になっても気づかれないと思っていたが、間違っていた。お前の鍛冶場を満足させる別の方法を見つけないといけない。

この最後の積み荷の内容は以下のとおり:

オーク4名:健康
カジート2名:病気の可能性あり
ブレトン3名:凍傷
エルフ2名:1名は健康、1名は死体

死人についてはすまない。仕方がなかった。だが、前回エルフの血について言っていたから、死体も残しておいた。

いつもどおり、いつもの場所にモークルの鍛冶武具と鎧の一式が届いていることを願っている。

友よ、糸が導きますように

—ズシュラク

モークルディンの訪問者の観察Morkuldin Visitor’s Observations

人目を避けて暮らしているモークル・クランから招待を受けた。ロスガリアン山地の奥深くにある、彼らの最高傑作を作っている鍛冶場を見るのを許されたのは、そこの親方の話では私が初めてだという。初日だけでも、オークにできるとは思ってもなかった驚くべき光景をいくつも目撃した。大学へ戻る前に、この体験を記録しようと決意した。

ここのオーク達の秘密主義には驚いた。大きな鍛冶場の入口でさえ用心深く隠され、そこにあることを知らなければ目に入らない。それでもまだ足りないとばかりに、一族や、ある種の方法で自分を証明できる者にしか開かない道もあるようだ。もっと探ってみないと。

鍛冶場は驚異的だった。正直言うと、しょせんオークだと半信半疑だったが、とんでもない光景だった。あえて触れないが、鍛冶場を作ったのがオークでないことは明らかだ。実際、その起源を隠すためにオークはいろいろ外観を凝らしていた。しかし、内部の仕組み、精密なデザインはどうだ?オークの石の下に隠されているのはドゥエマーの才気だ。それは疑問の余地がない。

オーク達は鍛冶場を自慢気に語り、様々な道具を使って作業しているが、鍛冶槌については何も語らない。自分達が何を持っているかさえ分からないのか?鍛冶場はたぐいまれなものだが、ここでこれを作ったのがドゥエマーだと考えるのが自然だと思いつかないほど、こちらも鈍くはない。鍛冶槌はかなり古いものだが、今でも丈夫だ。槌の持ち主が彼らではなくて私だったら何ができるだろう!

いつかチャンスがあるかも知れない。今は鍛冶場の親方に、休息と水分を取れるように脇の控室を案内された。この場所は熱でうだるように暑く、頭を曇らせる。頭がすっきりしていたから、なおさらだ。

ヤザラへの手紙Letter to Yazara

ヤザラ

オグゾー族長が死にかけていると聞いた。オルシニウムから戻って族長の座に挑むつもりよ。マラキャスは勝利者を好む。

―U

やる気のない徴募兵の告白Confessions of a Reluctant Recruit

ヴォシュ・ラクが仮面を被るのは私にとって好都合だ。差し支えなければ、ここでは本名を伏せさせてもらいたい。私のことは、そうだな、ローグと呼んでくれ。私は真っ当なオークだった。クランの族長の話を聞いた。恨みと破られた約束を糧に生きようとした。そして、そんな時私は啓示を受けた。トリニマクの言葉を聞いてから私の人生は一変した。

何が起こったって?クランの名高い切り株のエールの樽を持ってオルシニウムの街へ行く途中、ヴォシュ・ラクの徴募官の一団に襲撃された。トリニマクの名を称えろ!地面にねじ伏せられた私は頭に袋をかぶせられ、どこか秘密の場所に連れて行かれた。正直言って、震え上がるほど怖かった!

何時間も経ったような気がした後、年配のヴォシュ・ラクが私の頭の覆いを外した。彼女は、私の古くさい考え方が誤っていることを教えてあげると言った。私の心を開かせ、トリニマクの神聖なる言葉を受け入れやすくするのだと。詳細は省くが、彼女の手法の中には、何度も殴り、殺し文句を延々と繰り返し、家族のことで脅迫し、彼女曰くトリニマクの言葉が理解しやすくなるというまずい飲み物を適度に飲ますものもあった。

ついに私が根負けし、トリニマクとヴォシュ・ラクに対する信仰を口にすると、それからもう1時間、年配のヴォシュ・ラクが私が本心から言っているのだと確信するまで続いた。そして仮面とローブを渡され、ヴォシュ・ラクの仲間として迎えられた。トリニマクを称えよ!

今?今の私はヴォシュ・ラクの忠実な一員であり、トリニマクの鋭利な刃の1つだ。ヴォシュ・ラクのために戦う。頼まれればヴォシュ・ラクのために死ぬだろう。だが内心では、少し別の思いもある。ヴォシュ・ラクにはなりたくない!はっきり言って、最近の改宗者の大半はグループの一員にはなりたがらない。自分達自身に我慢ならないんだ。徴募活動はそんなにいいものではない。

ルキンダレフトの族長会議Rkindaleft’s Council of Chiefs

15日目
我々族長は何日も会合を重ねた。外では敵が待ち構えているが、中には何が待ち受けているのか分からない。食料だけが減っていく。

遺跡の中の機器が冷え始めた。やがてまた氷が張り、陥落前のオルシニウムよりも厚い壁の中に閉じ込められるだろう。

問題は、ここを出るか、突き進むかだ。

17日目
ようやく、斥候を送ることを決断した。遺跡の奥に何があるのか、やがて明らかになるだろう。

18日目
斥候が戻った。ドワーフの装置によって暖められた谷があり、しかも獲物が豊富にいるとのことだった。

他の族長はその報告に縋り付きたがっていたが、私は訝しく思った。斥候はハーシーンの狩場を見つけたような口ぶりだった。

19日目
我々は決を取った。私は華々しく戦場で散り、オルシニウムの犠牲者の仇を討ち、バロス・ブラッドタスクへの裏切りを正すことに票を投じた。

しかし通ったのは斥候の大げさな話だった。我々は内部へと歩を進めた。

ロスガーのオーガ:継続中の論文The Ogres of Wrothgar: A Continuing Treatise

シランティレ 著

タムリエルのオーガについての以前の研究では、オーガについて、その行動、基本的な知性を詳しく議論した。あの研究「オーガ:概略」には、あの能なしの獣についてもっと学びたい人向けに十分な情報を盛り込むべきだが、ロスガーを旅して以降、耳にした誤解を晴らすのを目的にこの補遺を書いている。

1、オーガはある種の社会的組織を形成している、などとは誰にも言わせてはならない。他の動物と同じく、強いオーガは自らの優越性を誇示して弱いオーガを率いる。単純かつ明快だ。

2、オーガは魔法を使えない。「オーガの呪術師」について報告があるが、それらは誤解に基づく悪質な誇張だ。説明しがたい力を持つオーガもごくわずかはいるが、私達が目にできるのは、複雑さで言えば、蜘蛛が巣を作るのと大差ないものだ。

最後に、優雅なセンチや便利なグアルと違い、オーガには何の取り柄もない。訓練することも飼い慣らすこともできない。自然災害と同様に扱い、オーガを大きく避けるか、近くから排除することが賢明だ。これが最高の回答だ。

ロスガーのリークル:観察記録Riekrs of Wrothgar: Observations

1日目

マスター・ステロンのゴブリン臭の調合を使用すると、リークルたちは私を一員として認めたようだ。彼らはとても社交的な生き物で、それぞれが役割を担っている。

私は槌で石を砕く役割を与えられた。この役割の目的がまだよく分かっていないが、他の者たちは嬉しそうに鳴きながら石を砕いているので、特に気になっていないようだ。

2日目

さらに石を砕く。腕の筋肉を痛めてしまったかもしれない。

3日目

リークルの社会構造を観察するうち、魔法とその使用者に対する不思議な態度が見受けられた。知能の低い生き物のため、タムリエル各地で見られるような正式な訓練は受けられない。その代わり、彼らはこの世の魔法とのつながりを持って生まれてくる。

その魔法とのつながりを示した者は、たちまち兄弟たちにのけ者にされる。私がクランに入った当初砕いていたような石を投げつけられ、追い払われる。魔術師は野生へと逃げるか、死ぬしかない。しばらく追放された後、新鮮な鹿、熊、エチャテレなどの肉を手土産にクランへと戻る。

その後魔術師はクランの中で崇拝される存在となり、族長とともに力と影響力を持つ。

5日目

魔術師たちが会議を行い、移住の合図が出された。新たな食料源が見つかったようだ。

6日目

食べ物の入った箱でいっぱいの洞窟に到着した。何らかの野営地であったことは間違いないが、所有者は見当たらない。

7日目

リークルの一人が箱の中で本を見つけ、これは何かと私に聞いてきた。見たところレシピ本のようだった。そう伝えると、彼はそれにかぶりついた。

「レシピ、おいしくない」と言って吐き出した。

8日目

私の石砕きは他のリークルたちに追いついておらず、怪しむような目で見られはじめている。リークルはしっかり働かない者には優しくない。完全にばれる前に、そろそろ出て行ったほうがいいかもしれない。

ロズルスへの手紙Letter to Lozruth

ロズルス

書状を受け取った。出発が承認された。今のところ1人だ。すぐに行く。

君が仕事をできるように、全力を尽くしてみんなを引き離している。楽ではないけれど。

よろしく
ゴルズ

怨みの岩の滝の伝説The Legend of Grudge-Rock Falls

どんなオークも恨みの概念を理解している。オークの心に、血や戦闘やヴォシュ・ボールに劣らず根づいている。だが、おそらくロスガー全土の中でも恨みが格別な意味を持っているのは、怨みの岩の滝として知られる場所だ。

ジョーマグとトーカグが、2人のとっておきのエチャテレをつがわせて生まれた子供の所有権を巡っていさかいを起こし、名もない高原の頂きで会って解決した時、岩肌の絶壁に滝は流れていなかった。だが、2人が戦闘中に出会ったとき、遺恨を巡る争いが一昼夜続いた。

2日目の朝、ジョーマグの斧と剣がトーカグの槌とぶつかり合った結果、金属同士の衝撃音が岩を震わせ、大きく切り裂き、そこからものすごい勢いで水がどっとあふれ出た。今も流れている。

それが真実か伝説かは定かではないが。

音声メモ、屈折81u5Auditorial Notes, Declension 81u5

…魂の部分がずっと絡み合い続けなくてはならない。危険性は極めて高い。転移の途中で何かがなくなったら、確実に失敗する。試みが不成功なら、例えこの過程を乗り切っても、基礎となる獣は著しく弱体化する。つまりどうしても不健康になる。

ヴァーデンフェルの方法論の私なりの分析を通じて考えるに、有機物の部品とコンストラクトの融合を複製するのはより簡単だ。注意すべきは、この技術が標準的な方法以上の利益は生まず、多くの点で劣っていることだ。希少なことと、顧みられないことが理由だろう。

ルキンダレフトにはまだ十分な手段が残っている。要するに、それがドゥエマーの意志だ。そして、適した宿主の創造についての私の研究は完成している。今後の年月は、意識の本質、意識と魂との関係、(ひいては)記憶との関係に費やさなくてはならない。これが鍵なのは確かだ。そこに近づいている。

忘れてはならない。ルールは存在しない。どんな壁であろうと、まだ突き破ったことのない壁だ。

時間はかかる。一生涯かかるだろう。だが、その分の蓄えはある。

監視塔に捧げる歌Ode to a Watchtower

吟遊詩人の卵ドラスク作の詩

生きて目にすることがあるとは思ってもみなかった
私より情けない形の建物を。

倒れた石と壊れた王冠が
私の眉間の深い皺を和らげることはない。

それは木々の中に寂しく立ち
果たされない約束が果たされることは永遠にない。

血の丘の試練The Challenge at Bloody Knoll

歌の前の時代、クランはそれぞれうごめき、酷寒の北の地でしのぎを削った。やがて山のように積み上げられた死者たちと、その石塚へとつながる深紅の道が雪の上に拓かれた。

秋となり、クランは講和し、牧場や放牧地や農場から遺体を回収した。その数はあまりに多く、遺体を集め終わるまでに秋は二度巡ってきた。

死者の数を目にし、働く者のいない田畑が放置されているのを見て、シャーとトゥルの族長たちは密会した。「互いの戦士を虐殺しあうことに栄光も名誉もない。今年頭角を現した英雄は次の年に死ぬ。我々が年老いた時に跡目を継いでくれる精悍なオークが残っているか?」と語らった。

そこで彼らはマラキャスを訪ね、エチャテレと自らの血を捧げた。するとデイドラ公は二人に答えた

「死者の記念碑を建てて我に捧げよ。シャーとトゥルの犠牲者の石塚だ。そこで互いの軍から最も強き者を選び出せ。選ばれし者たちが石塚の頂上で決闘し、石塚が敗者の血で清められるまで続けるのだ。勝者を新たなシャー・トゥル・クランの族長とせよ」

族長たちはマラキャスの命に従った。部族間の戦は終結し、新たなクランが生まれた。最初の決闘が行われた地は血の丘と呼ばれた。戦死者の死体で築かれ、決闘の敗者の血で清められたからだ。

残酷な息子達の戦いの歌Savage Sons War Chant

バロス!バロスのために!
我らは昼も夜も進む。
敵はいない!
我らは戦いにおける恐怖そのもの。

自由のために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!
兄弟のために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!

バロス!我らがバロス!
我らが勇者。
ワイルドボアー!ブラッドタスク!
彼の名前に栄光がある。

バロスのために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!
他人のために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!

バロス!友なるバロス!
我らを雪から引っぱり出してくれた。
国を追われた者!クランのない者!
皆が知る以上に残酷に。

残酷な息子達よ、突撃だ!

狩猟のラコラLakora of the Hunt

瞳は鋭く
破滅が近づいた時でさえ
仲間を引き寄せ
栄光への道へと導いた。

小さなエチャテレLittle Echatere

鋭い矢のエヴェリ作の詩

私達がとても小さなエチャテレを愛しているって知ってた?
今、君は群れなどあれやこれやにいる。暮らして幸せ?

いるのを見ると、君は穏やかで落ち着き払っている。
ところで君が提供するチーズはおいしくて、とても評価されている。

ハ、宿屋と酒場、砦と城、ハッ、小さなエチャテレ、
隠しているのは王と国。人生は不公平ね。

部屋がきっと毛に覆われた背中にある。いつでももう1袋積むのよね?
合わせた知識で、皆に欠けていることを教えてくれる?

言葉では伝えきれないくらい愛している、小さなエチャテレ。
オークはマンモスや野兎よりも素敵だと、知っている。

きっと心配しないで、もうこれ以上戸惑わせない。
匂わない愛を、育った証にちょうだい。最後の抱擁に。

捜査官ヴェイル:マンドレイク邸の呪いInvestigator Vale: The Curse of Mandrake Manor

「かけがえのない友よ、亡霊などいないわ。犯人は、鍛冶屋のパルウィンよ!」

捜査官ヴェイルの言葉が壁にこだまし、蔵書庫に集まった大勢は、レディ・マンドレイクの周囲で息を呑んだ。犯人と呼ばれた者を探そうと四方を見回した。部屋の奥に、鍛冶屋が不安げな様子で立っていた。かぶりを振っているが、その顔には、やましい表情が広がっていた。

「何をおっしゃる?これほどの厄介事を、ただの定命の者が起こせるわけがない」と鍛冶屋は弁解するように言った。「どうして密室に忍び込んで執事を殺せる?どうして死体を隠せる?ずっと鍛冶仕事をしていたのに。証拠もないくせに!」

部屋は静まり返り、全員の目は再び捜査官ヴェイルへ向けられた。だが、激しい言葉にも、彼女がひるむ様子はなかった。燭台の炎がちらつく中で、目を輝かせると、肩を引いて顎を心持ち上げ、漆黒の髪を背中になびかせた。右手の握り拳の中に何かを掴んでいるようだ。おもむろに拳を開いて指を広げると、そこに現れたのは、頭蓋骨の形をした光り輝くブロンズの鍵だった。

「親愛なるパルウィン、またしても私を甘く見たようね」とヴェイルは言った。「証拠は、あなたの顔に鼻があるのと同じくらい明らかよ。この頭蓋骨の鍵を入手できたのはあなただけだった。マンドレイク邸からなくなった鍵を!」

パルウィンの目が見開かれた。彼は言葉に詰まり、気を取り直そうとした。そして言った。「そ…それが私のものだとどうして分かる。どうやって手に入れた?答えを…聞こう。私を利用したんだろう!」

ヴェイルは頭を戻し、長く優雅な喉から、嬉しそうな笑い声を発した。「あら、お馬鹿さんね!もちろん利用したわ!ゆうべ2人で飲んだあのお酒は?あなたの分にチンキを入れたの、あなたがぐっすり寝て部屋を調べられるように。そうなれば、部屋のどこが不自然か見抜くのはたやすかった」

ヴェイルは、部屋を動き回って聴衆に訴えかけながら、続けた。「床にあるひっかき傷は本棚を動かしてできたもので、明らかに、隠し扉があるという証拠よ。血に染まった手袋が、隅に無造作に投げ捨てられていた。死体の発見現場には、森の草がべったりついたブーツがあった。そしてこの鍵は、誰からも見えるあなたのナイトスタンドにあった」

「それが何の証拠になる?お前が私をはめたこと以外に」とパルウィンは怒鳴った。

「何もかも証明している」とヴェイルはにこやかに言った。「亡霊ではなく、不満げな鍛冶屋がいて、邸宅の地下のトンネルをさまよっていた。この鍵の元に行ける唯一のトンネルを。最初は脅かしやゆすりとして始まった企みは、ついに殺人へと至った」

「違う!」とパルウィンは叫んだ。「私のものを使ってだまそうたって、そうはいかない!二度と!」。彼はベルトから短剣を抜くと、ヴェイルへ突進した。ヴェイルが間一髪でよけると、パルウィンはバランスを崩し、頭から壁にぶつかった。崩れ落ちた彼の胸に短剣が刺さった。

「殺人は償えない」とヴェイルは言った。「さて、もう下がっていいかな。強い酒のボトルが私を待っているの。そして、また謎が現れる。いつだって謎が現れる」

捜査官ヴェイル:鳥の仕掛けInvestigator Vale: Fowl Play

「鴨だわ、タムシン伯爵」。捜査官ヴェイルは、たくましい貴族から転がるように離れながら声を上げた。

タムシンは困惑し、柔らかい曲線を持つ秘密捜査官が体の上から消えたことを惜しんだ。肘をついてもがきながら叫んだ。「セクシーな探偵よ、鴨とは?そんな話をする時間じゃない」

ヴェイルは裸の伯爵を置き去りにしてベッドから跳び出し、シルクのシーツを体に巻いた。「あら、絶好の時間よ!あなたの屋敷で何が起こったか、ようやく突き止めた」

タムシンは枕で体を隠そうと無駄な抵抗をしながら、「謎の死のこと?」としどろもどろに言った。起き上がって彼女のそばに行くか、そのままベッドにいるか迷っていた。「確かに君を雇ったのは難題を解くためだが、その前にやることをやってから解決して欲しいな」

「そんなムードにはもうなれないのよ、タムシン伯爵。羽をむしり取るべき鳥が他にできたから」

「何の話をしているんだ、ヴェイル?」。伯爵は狼狽しながらも、同じくらいに怒ってどうしても声を抑えられなかった。「分かりやすく話せ!」

「分かりやすく?分かりやすく話してるのに!創意工夫に富んだ計画だったけど、捜査官ヴェイルがいつもどおり解決したの」

「ヴェイル!私の理性も君のムードと同じくらい、切れてなくなりそうだ…」

ヴェイルは笑みを浮かべて窓際に腰を下ろすと、漆黒の長い髪をそよ風にたなびかせた。「猟区管理人のジェリター・ナッレだわ。死んだ時の状況を調べてみると、どれも鴨のローストを食べた直後だった。ナッレが気前よく提供した鴨を。彼があなたの部下を毒殺したのよ」

「あの悪党め!」とタムシン伯爵は怒鳴った。「切り刻んで、奴の鴨の餌にしてやる、ふざけおって!」

突然、ヴェイルは体を伯爵に密着させた。二人を隔てるのはシルクのシーツ1枚のみ。「伯爵、大好きよ、あなたの考え方」と甘えた声で言った。「ムードが戻って来たみたい」

「猟区管理人はどうなる?」

「正義は遅かれ早かれ下されるわ、タムシン」とヴェイルは囁いた。「でも私達は途中だったのに、急に事件が解決して水を差されてしまった。私は欲しくてたまらない。鴨よりもう少し中身のあるものが欲しいムードなの」

「ああ、捜査官ヴェイル」と伯爵は言い、捜査官とベッドに戻った。

捜査官ヴェイル:密室殺人Investigator Vale: The Locked Room Murder

「ええ、殺人が起きたとき、あの部屋は確かに密室でした」と捜査官ヴェイルは、瀟洒な服から埃を払いながら言った。彼女に劣らず埃にまみれた皿洗いの召使は、顔を紅潮させ、慌ててエプロンを直しながら、錬金術師用の在庫豊富な棚の裏から走り去った。

「この裏で何があったのです、捜査官?」と錬金術師クレラナがいぶかしげに尋ねた。

「ああ、元気のいい召使が手伝ってくれたんです、私の…捜査を」とヴェイルは素知らぬ顔で言った。「あなたが注意を払うべきは、この半分空になったワマスの胆汁の瓶よ」

錬金術師クレラナは不安そうに身をよじりながら、2人の会話に改めて興味を向けているたくましい街の衛兵をちらりと見た。クレラナは唾を飲んでから言った。「私の古い備品室とグラス頭取の死とどう関係がある?彼は鍵がかかった自室で死んだのに」

ヴェイルは、手袋をはめた指を棚から引き戻した。「ええ、この場所はかなり汚い。この倉庫施設は何ヶ月も使われていないとあなたは言っていた。でも、ワマスの胆汁の瓶に気づいた?埃はほとんど拭き取られていた。理由が分かる?」

「なぜです?」とたくましい衛兵が尋ねた。

ヴェイルはとっておきのまぶしい笑みを彼に与えた。「頭取が中から鍵をかけたとき、すでに死んでいたからよ。彼はそれに気づいていなかった!」

ヴェイルは錬金術師に勝利の笑みを見せた。「認めなさい。この数週間、致死性の胆汁をかなりの量、頭取の羽ペンに塗ったのね。哀れな頭取に徐々に毒を盛った!」

「忌々しいヴェイルめ!」と錬金術師は吐き捨てるように言った。「しかし、私が地下牢に連行される姿を見物はさせないぞ!」。衛兵が止める間もなく、クレラナは瓶の中身を喉に流し込んだ。床に倒れこんだが、その時には肌がもう灰色に変色していた。

「クレラナ、あなたが死んでも私は満足しない」とヴェイルは残念そうに言った。そして気を取り直して言った。「ところで、流し場の召使は…あの意地悪女はどこに逃げたの?」

多くの舌のマズガーMazghar Many-Tongues

洞窟を光で満たし
微動だにせずその間に立つ
暖かさと勇気の言葉は
常に耳から離れない

大いなる暖かさThe Great Warmth

大いなる暖かさに頭を垂れよ
大いなる暖かさに祈れ
大いなる暖かさに捧げよ

大いなる暖かさは汝の父だ
大いなる暖かさは汝の主人だ
大いなる暖かさが見ている

暖かさなくして命はない

怒れる者の怒りPrayer to the Furious One

呪いの神よ、我が祈りを聞け!

裏切られし者の神よ、我に力を授けろ!

恨みの番人よ、私の心を強くしろ!

破られた約束の持ち主よ、私の苦悶を焚きつけろ!

立てられた誓いの主よ、敵に勝たせる凶暴さを授けよ!

マラキャス、私の祈りを聞け!

逃げた理由Why We Fled

我々がオルシニウムから逃げたのは臆病だったからだと言われるだろう。子供たちよ、それは嘘だ。時が流れ、人々が己の出自を忘れたとしても、恥じ入って項垂れてはならない。トラグの愚行、バロスの裏切り、そしてゴルカーの墓の物語を忘れるな。

オークは強い種族だ。精悍で戦を恐れない。血は我々の生来の権利だ。マラキャスの筋肉が我々の骨を包んでいる。だが我らは座して動かないでいられるようには作られてはいない。腰を据えて土地を耕すように生まれついてはいないのだ。その代り、旅をして略奪するように生まれついている。我々の力は破壊のためだ。滅ぼした者から戦の栄光を刈り取るのだ。それだけが我々に必要な糧なのだ!

だが何年も前に、力と怒りにおいてオークの中でも抜きんでたトラグというオークが、我が民に構想をもたらした。大いなる都を作るのだと彼は言った。さすれば世界中が恐怖し、敬意を抱くだろうと。

確かに恐怖はもたらしたが、決して尊敬はされなかった。たとえ彼の築いた都がどれほど巨大でも。

彼らは岩の中に街を築いた。まばゆい宝石のような都を。それがオルシニウムだ。確かに偉大な都ではあったが、オークは街で暮らすように生まれついていない。防衛のために作られた壁は我々を閉じ込めただけだった。三重の門は我々を封じ込めた。街はトラグの野望の墓標となり、オークの夢の墓標ともなった。やがてレッドガードとブレトンが街を滅ぼしにやってきた。

我々が逃げたのは戦を恐れたからではない。我々が脱出したのは敵と戦うためだった。そして敵軍を滅ぼし、その国土を滅ぼした。奴らのロスガーの所領は我々の行軍に震え、我々の足音に大地は揺れた。

ああ、栄光よ!ああ、喜びよ!再びオークとなれるとは!自由に旅をするのだ!

しかし勢いは長続きしなかった。敵が集結させた軍勢は我が軍をはるかに上回っていた。そして我々は山の麓へと追い詰められた。永久に氷で閉ざされた平原へと。機械仕掛けの悪魔に守られ、我らはぬくもりと住居、防衛策を見出した。いつの日か我らは、輝かしく牙を剥き出したマラキャスの笑みの下、雄々しく身を現し、勝利へと向かうのだ。

謎のウグイアビMystery of the Chub Loon

オークの土地に、何とも説明しがたい生き物がいる。ウグイアビは目的意識がなく、その歴史もほとんど知られていない。しかし、ムーンシュガー・シロップとシトラスで料理すると絶品だ。

私ザビアーコの一行は、ファルン要塞のオークと安全な取引を模索していた時、交渉が相手の不興を買ったことに気づいた。族長に船を燃やされ、追っ手の戦士を差し向けられると、我々は死に物狂いで逃げるしかなかった。極寒の亡霊の海を望む、寒々とした岩だらけの海岸がその晩のねぐらとなった。うなる海風が、毛皮の少し中まで猛威を振るった。それでも闇夜になると、ついに眠りは訪れた。

ドリュアダク山地に日が昇ると、波が岩に当たるリズミカルな平和を騒々しい音が打ち砕いた。他の者達は未知の野獣が自分達を食べに来ることを恐れたが、こちらは好奇心が恐怖心に打ち勝ち、毛布を抜け出し、杖をつかみ、海岸へ向かい、ここに留まるか逃げるか、この目で決めようとした。目の前を通り過ぎた生き物の中で何より不思議だったのは、切り株のような脚でよちよち歩く鳥で、氷盤や岩の上に群がっていた。体の側面にある役立たずの羽をぱたぱたしながら、何羽ずつかで寄り集まって暖め合っていた。その鳴き声も、彼らを見下ろしたとき最初は驚かされたが、コミカルな響きがあった。

故郷の蔵書庫で借りた古いよれよれの野生動物のガイドブックには、この鳥に似た鳥は何も載ってなかった。友情の門からの脱出は後回しにできる。これは新種だ。新種は価値がある。最初の2、3羽はとても慎重に捕らえたが、じきにこの鳥が愚かすぎてカジートから逃げ切れないことを学んだ。けれど、オークからは難なく逃げ切れている!どんな手頃な獲物でも、カジートが現れれば逃げ出そうとするが、この恐れ知らずの鳥は別だ。我々はこの鳥達をすくい上げるように捕らえ、ファルンのクランにこちらの匂いをかぎつけられて追いかけられないように、門へ急いだ。

ウェイレストで最初に寄ったのは、魔術師ギルドだ。少しお金を払って、彼らの自然史の蔵書庫に入れてもらった。そこには野生動物のガイドブックの新版が堂々と陳列されていた。ウグイアビは神出鬼没の生物とされ、初期の書き手は触れていない。なぜあんな気に障る生物が見落とされていたのだろう?

数日間、そして数夜ロウソクの灯りとともに過ごし、タムリエルの生き物と野生動物に関する全書物に目を通した。第二紀初めより前にウグイアビの存在についての記述はなかった。そんなことがありえるのか?最初の記述は、ホーカーが書いた文で、ホーカーの居住地に現れ、食料源を混乱させたとだけ記されている。ノルド達のように、他の土地から来たということがありえるのか?あの愚かな鳥は、アトモーラから旅人に連れて来られたのか?氷の塊に乗るだけで自力で亡霊の海を渡って来られるのか?どうやって来たにせよ、ロスガーの岩場の海岸に新たな居住地を確保し、繁栄しているのだ。

不屈のアラカウルArakaul the Unbroken

族長を殺したが、クランは放っておいた、
エルフにも人にも屈服せず、
オークを永遠に自由にした。

樫の盾で守り、
最後までバロスを守りし、
忠実なる友は永遠に。

戦ったのは国でも金貨でも王のためでもない、
何より大事なのは同胞、
残酷な息子よ、永遠に。

風歩きのタマールWindwalker Tamahl

いつも忠実なのはタマール、
機転が利き、しぶとい、
だから友にとっても忘れられない。

剣を比類なきほど優雅に振り、
落ち着き払った仮面を顔に被る、
敵の記憶に残るように。

ガイデン・シンジの忠実なる助けのおかげで、
名誉の借りは必ず返される、
誰もが忘れないだろう。

「名誉の休息地」の記念碑Honor’s Rest Monument Stone

この広間で戦士が安らぎを見つけ、
壁に永遠に名が刻まれる、
忘れられてはならない。

灰と骨、ここで彼らは眠る、
鉄と石によって名誉は証明される、
それを忘れられてはならない。

宝石より偉大な宝物の中に、
記念の池の贈り物の中に、
彼らを忘れてはならない。

遠い昔に失われた記憶を深く学べ、
薄れかけた歴史に光を当てろ、
それは忘れられてはならない。

傭兵が残した焦げた日記Mercenary’s Scorched Journal

…この仕事を得た。バゾーグベグは私達を死へ送りだした。私が最後の1人だと思う。

ここはドワーフの機械が追ってきたりはしないが、寒すぎる。

* * *

大きな管にもたれかかった。全てがシフトした。灯りと蒸気があった。少なくとも今は暖かい。

* * *

他のと同じような管が見える。最初のは部屋を暖めた。とすると、次はドワーフの食料?食料はないのだから、失うものなどあるか?

グレナンブラの伝承

Glenumbra Lore

アルドメリ・ドミニオンへの警告A Warning to the Aldmeri Dominion

エリステラ・リジェン 著

アルドメリ・ドミニオンの君主達に対しここに警告する。武力侵略の野望を放棄して自分の島や密林へ戻れ。さもなければダガーフォール・カバナントの憤怒が神々の槌のように振り下ろされるだろう。

アルドメリの計画にエルフによる他の種族、特に人類とオークに対する支配を取り戻そうとする狙いがあることは周知の事実だ。彼らは第一、第二帝国の遺産を覆し、歴史から消し去ろうとしている。これを許してはならない。自由となった人類とオークがエルフの圧政に従うことは二度とない!

ドミニオンの原動力が傲慢なサマーセットのハイエルフであることは明らかだ。我々カバナントはディレニを受け入れることでエルフと平和に暮らせることを示してきたが、アイレン女王は戦争を求めている。女王のタムリエル大陸侵攻は武力侵略以外の何ものでもない。ドミニオンにシロディールの領土権はない。アルトマーがサマーセットに戻らないなら、侵略軍は倒される。

ウッドエルフとカジートはイリアック湾の王国と長年交易してきたが、裏切り者のサマーセットのアルトマーの味方になるという過ちを犯した。カバナントとして彼らに敵意はないが、ドミニオンとの同盟を続けるならば、我々の手によりハイエルフと同じ運命に苦しむことになるだろう。考え直すか、憤怒に直面するかだ。

ウィレス:名づけの娘達Wyresses: The Name-Daughters

喋る樫のグラーガーギル 著

エルデンの時代、エルフの時代、イェフレは訪れた
走った場所で生物達を名づけた

すべては混沌としていて、名前は存在しなかった
彼の贈りものは獣、植物、石それぞれに名前を与えることだった

人とエルフ以外のすべてのものが身のほどをを知っていた
どこへいっても略奪と破壊を繰り返した彼らを除いて

「お前達をアースボーンと名づける」とイェフレは告げた、
「森、石、根、種の王よ。
この遺産を育む、その保護者となれ
その価値がある者を守りとして指名せよ」

それ以来ウィルドの女性達は緑を守る、
ツンドラから森まで、頂上から谷底まで、

虎であろうと虫であろうと、すべての生物に思い出させる
その名前、その性質、その機能と姿を。

緑を堕落させようとする者には
ウィレスがあらゆる場所で立ち向かうだろう。

だから森を歩く時は注意しろ、イェフレのやり方に敬意を払え
さもなければ監視するウィルドの女性達に連れ去られる。

ウェアウルフの皮The Werewolf’s Hide

謎のパックリーダー 著

我々の最大の強みはその飢え、数、怒り、爪、牙、だと言う者もいるだろう。愚か者だ。ハーシーンの贈り物は武器だけではなく、守りに関するものもある。

主人の大きな猟場で狩りをするには、痛みを感じず、自分の体を支配する必要がある。

多くのウェアウルフの狩人がこの理由から皮を奪おうとする。身につけるか、或いは燃やそうとする。いずれにせよ、これは最大の宝であり、汚したり壊したりしないよう注意せねばならない。
狼の毛皮は地位の証でもある。それは体の代わりに傷つき、痛みから守ってくれる。貴族が装飾品を扱うように扱うこと。なぜならお前はハーシーンの家来だ。

汚い毛皮をした、野生化した狼をよく見かける。お前は野性の犬ではない!獣として森をさまようしかない愚かな狼ではない!狩人達の王だ!
敵に襲われ、敵が押し寄せて剣や鎌、熊手や槍と対峙するために真の姿に変身した時、私に感謝するだろう。その毛皮は輝いて恐怖を呼び起こし、どんな打撃にも傷つくことはない。

オークの本性(発禁版)The True Nature of Orcs (Banned Ed.)

オークたちは深遠の暁紀の最後の頃に誕生したとされている。歴史的にはゴブリンに近い獣人の類と誤認されてきたが、オークは実際はハイエルフの祖霊の中でも最も強大と言われたトリニマクの子供たちだ。トリニマクがデイドラ公ボエシアにより食われ、汚らわしきこの神の臓物と化した時、オークたちも変容してしまったという。オークの古名は「追放されし者たち」を意味する「オーシマー」である。現在のオークたちはトリニマクの遺骸であるモーロッチを信仰している。

モーロッチとは?

一般的には、追放されし者やのけ者にされし者、誓約、そして血の呪いを司るデイドラ公マラキャスとして知られている。厳密にはデイドラ公ではなく、他のデイドラも仲間と見なしてはいないが、その領分を考えればふさわしい扱いといえよう。マラウクはかつてハイエルフの神々の英雄トリニマクとしてハイエルフたちを内外の敵から守り、場所によってはアーリエルすらも凌ぐ人気を博していた。ところがトリニマクは従徒たちと共にヴェロシの反乱を阻止しようと試みた際に、ボエシアに食われてしまう。そしてその肉体と魂を汚され、マラキャスとして世に現れたのである。従徒たちも悲惨な変貌をとげ、神聖なるアーリエルを筆頭に万人から蔑まれ、サールザル近くの北方の荒地へと逃れた。彼らは居場所を手に入れようとノルドとチャイマー相手に戦ったが、得られた領土は僅かであった。スカイリムでマラキャスはオーキー、もしくは叩く者として知られ、イスミールとの戦いの数々は伝説の域となっている。

(指令:この悪しき、伝統的だが反オーク的なプロパガンダは、ダガーフォール・カバナントの全域で禁書となった。各管理者が責任を持つように)

ダガーフォール・カバナントへの案内Guide to the Daggerfall Covenant

ダガーフォール・カバナントは北西タムリエルの人々、ブレトン、レッドガード、オークの間で結ばれた協定であり、タムリエル全域の平和と秩序の実現のために相互防衛同盟を形成している。実際にカバナントの王達はレマンを参考にし、自らを第二帝国の精神的後継者と主張している。

ダガーフォール・カバナントは、「ブラック・ドレイク」のダーコラク率いるリーチの民の大群の侵略を撃退するためにハイロックの王達が同盟を結んだ第二紀542年に結成された。東の山々から来た野蛮なリーチの民はエバーモアを破滅させ、ウェイレストを包囲し、カムローンを略奪し、ようやくブレトンが止めた頃にはダガーフォールの門まで進軍していた。ダーコラクが倒されると、ダガーフォール、ウェイレスト、カムローン、エバーモア、そしてショーンヘルムの王達の間でいわゆる「最初」のダガーフォール・カバナントが結ばれた。互いの王国を守り外敵に対しては一丸となって戦うことを厳粛に誓った。

ブレトンの再建とともにハイロックは繁栄した。第二紀561年にウェイレスト付近の鉱山労働者が歴史に残る最大のオリハルコンを掘り当てた後は特に栄えた。鉱山があったカンバーランド伯爵のエメリックは、鉱山で得た富をウェイレスト艦隊の補強とハイロック全体の貿易の改善に使うことを提案した。ウェイレストのガードナー王は承認したが、艦隊が完成する前に恐るべきナハテン風邪がウェイレストを襲い、ガードナー王家の全員が亡くなった。その後エメリック伯爵が王になり、カンバーランド家がウェイレストの第二王朝となった。

ウェイレストの新しいエメリック王はショーンヘルムのランセル王の娘に求愛していたが、第二紀566年にセンチネルのマラヤ王女と結婚した。裏切られたと感じたランセルがウェイレストに奇襲を仕掛け、最初のカバナントは崩壊しかけた。カムローン、エバーモア、ダガーフォールの王達は皆ウェイレストの味方につき、エメリックの優れた外交術によりセンチネルの軍もエメリックの女王を守るために戦いに参加した。さらに、エメリックはロスガーの大きなオーク・クランに呼び掛け、協力の礼としてオルシニウムを与えると提案した。ショーンヘルムは倒され、カバナントは再生した。単なるブレトンの防衛協定としてではなく、新たな多国間の同盟として。

同盟の交渉の秘密会議はあらゆる場面で論争や議論を伴いながら、数ヶ月に及んだ。最終結果はエメリック王の構想を元にしており、多数の妥協と注意深く交渉された条件により実現された。地域全体の貿易の自由が保障され、リベンスパイアーの貴族やアリクルのクラウン・レッドガードの反対にも関わらず、オークは対等な同盟の一員として受け入れられた。やがて、北西タムリエルのすべての街と州が、上級王エメリックが議長を務めるカバナント王立議会に忠誠を誓った。同盟の設立者として、王は最高の統率力を誇った。

これが現代のダガーフォール・カバナントである。ファハラジャード王率いる北ハンマーフェルのレッドガード、オルシニウムのクログ王率いる北東山間部のオーク、ウェイレストの宮殿から統治するハイロックのブレトンの王エメリックによる同盟だ。理想的には、第一・第二帝国のすべての良い面を象徴する、騎士の精神を持つ高潔な人々による高貴な同盟である。そしてこの強固な基盤から、もしかすると第三の、より強力な帝国が台頭し、タムリエルの全住民に相互尊重、活気溢れる貿易、神々の崇拝の恩恵を与えてくれるかも知れない。

モーロッチの掟The Code of Mauloch

「モーロッチの掟において!」私は何度この誓いを薄汚い酒場で聞いたか、興奮した傭兵が腹の底から叫んでいるのを聞いたか知れない。だがオーク要塞がその言葉を規範としていないと言ったら嘘になるだろう。この私、アマンダ・アレイアが、良い戦士を作り上げるために「伝統」や「昔のやり方」が必要だと言う事はほとんどないが、オークに関しては先祖に忠実でいる事が勝利への近道のようだ。

少し遡ったところから説明させてもらおう。オークによると、オーク要塞は自分達の種族の歴史と同じくらい長く存在しているのだそうだ。それは控えめに言うと武装したキャンプ、大げさにいうと要塞である。壁の内側にいるすべての者が生まれた時からそれを守るよう訓練されている。武器や鎧はすべて要塞内で製造され、食料はオーク戦士によって狩りで捕獲され、獲物を持ち帰ると要塞に住む皆で食べる。

彼らに従うべき法律はなく、自分たちの中に刻み込んだ、文字には記されない「モーロッチの掟」と呼ばれる規範に従っている。これはマラキャスとも呼ばれる、彼らの神々の1人から名付けられている。ほとんどは、盗むな、殺すな、理由もなく人を襲うな(多くの例外があるようだが)というシンプルな内容だ。しかし、オークは要塞内に犯罪者を拘束する監獄を持たない。その代わりにあるのが、血の代償だ。犯した罪に見合った物を差し出すか、被害者が満足するまで血を流し続けるのだ。言うまでもないが、オークは血の気が多い。

掟には誰が要塞を管理すべきかという内容も含まれている。通常は最も強い男が族長で、何かを決断し、モーロッチの掟が守られているかどうかを判断する。ここにいる女はすべて族長の妻か娘だが、例外として儀式や治癒を行うための賢女がいる。深刻な議論は短くも激しい戦いで処理するが、族長とうまくやっていけない者の多くは要塞を追い出され、私達と共に生活する。オークはすべての事柄と戦うよう教えられて成長するが、戦うほどの価値がない物に関して、この掟は適用されない。

オーク要塞はよそ者が好きではなく、今も昔も自分たちだけで自活している。なぜこんなに熟知しているかというと、要塞を去ったオークの大多数は傭兵や兵士になり、ハチミツ酒を数杯飲めば彼らも故郷の事を話し始めるからである。時折、オークがオークでない者を「親族」にすることがあり、そうするとその者が一族として要塞内で暮らすのを許されるという話を耳にする。もちろん、実際に起こったという話は聞いた事がない。

モーロッチの掟に定められている変わった規範や伝統は、覚悟を持った戦士を育て上げる。また、彼らは普通の戦士とは集中の仕方が違う。武器を抜くまでに躊躇せず、隠し立てする事なく問題を解決しようとする。これこそが要塞内にいるオークと街中にいるオークの真の違いだと思う。法は争いを治安官によって解決するよう定めているが、モーロッチの掟は自分の問題を自分で解決するように求めている。これは傭兵として生きるには、うってつけの考え方だと言えるだろう。

リーチの魔術師の陰謀Schemes of the Reachmage

ウィザードのガブリエル・ベネレ 著

墓の歌い手アンゴフとしか知られていないリーチの魔術師を止めようとする獅子の守護団の試みに対し、私は魔術師ギルドの正式な代表として、調査中に予期せぬ事態が起きた場合に備えて発見や推測を記録することにしました。魔術師ギルドの仕事がこれほど危険で興奮するようなものになると、誰が予測したでしょう?とにかく、これは私が書き記した時点では正確かつ最新の記録です。間違いや後日発覚した事実については、後の巻で補足することにします。もし書いたものを自動的に更新する魔法を発明できたら…ダメです。1度に1つのことに集中しなければ!

アンゴフには計画の遂行を助ける多くの仲間がいます。奴は「手下」と呼んでいるようです。この邪悪な死霊術師に協力していると疑われる者について、復習しましょう。

ライカンスロープと関係があり、カムローンに攻撃を仕掛けたファオルチュは、より強力な者の命令で動いているように見えます。おそらくアンゴフだと推測しますが、この繋がりを示す証拠はまだつかんでいません。

ブラッドソーン教団は明らかにアンゴフと繋がりがあります。奴が教団のリーダーか、単なるメンバーかはまだ判断しかねますが、両者に関係があることは確信しています。信者達は遺物や力を持つ物品を求めて土地を探し回り、組織には多くの死霊術師が属しています。デイドラ公のような者と関係があっても驚きません。当て推量をするなら、モラグ・バルでしょうか。

デイドラもまた、アンゴフの矢筒の矢のように思えます。農民が風に種を投げるように、アンゴフはデイドラを世界に放っています。アンゴフのしもべがさらに潜んでいるはずですが、現時点で他の提案は単なる憶測の域を越えません。代わりに、リーチの魔術師本人について発見したことを述べましょう。

まず、アンゴフは何かしらの方法で大地を毒しているように思えます。通った場所に生える汚れた蔓が、魔法が地方を汚染していることを示す証になっています。その名前、墓の歌い手そのものが死の魔法に関する執着と能力を表しています。死と腐敗がアンゴフの領域であり、生と死を支配することを求めています。

信者達はアンゴフを強く説得力のあるリーダーであると考えています。喜ばせるためなら文字どおり死ぬ者もいるでしょう。そのような献身は不健全であり、誰かが他人にそれほどの影響力を持つことを個人的には恐ろしく思います。

アンゴフはできるだけ多くの混乱と破壊を起こそうとしています。最終目的は分かりません。グレナンブラに来たのは征服するためか、破滅させるためか?最終的にその違いに意味はあるのか?分かるのは、止める方法を見つけねばならないことです。絶対に!

さて、続きはまた後日書きましょう。今は出掛けて、キャス・ベドロード近くの要塞で獅子の守護団と合流しなければなりません。集めた知識は、目の前の任務に応用できるでしょうか。

帝国の真の後継者True Heirs of the Empire

エリステラ・リジェン 著

喜べ、北西タムリエルの人々よ!ニルンの他の地は戦争、狂気、デイドラの恐怖に苦しめられているものの、ダガーフォール・カバナントにはレマン帝国の栄光と名誉が存続している。我々は貿易の優位、自由の原理、神々への崇拝に忠実だ。

敵の世界に対して、イリアック湾の貿易の有力者達は強力な同盟を形成した。ハイロック、ハンマーフェル、オルシニウムは、ウェイレストの上級王による支配のもとで1つとなった。オークとブレトンの職人技により同盟は経済的に恵まれ、オークとレッドガードの軍事力により侮れない勢力となった。我々の王達は住民とともにタムリエル帝国の復活、それに伴う経済的繁栄を望んでいる。正しい皇帝が帝都を支配するために、方法は1つしかない。自ら手にすることだ。

現在の「シロディール帝国」はレマンの栄光の第二帝国を真似た見せ掛けだけのごまかしにすぎない。ルビーの玉座に座る詐欺師達は公の場で神々を嘲り、人類の敵であるオブリビオンの王の機嫌を取る。有望と思われたヴァレン皇帝でさえもデイドラの堕落の被害者となり、その改革はデイドラの徒党の黒幕により一掃されてしまった。

ダガーフォール・カバナントが第二帝国の原理を受け継ぐ唯一の真の後継者である。神々の名のもと、シロディールを征服してレマンの遺産の栄光を復興せねばならない。シロディールを堕落させ、ニルンに脅威をもたらしている病的なデイドラ崇拝を、タムリエルから一掃しなければならない。タムリエル・カバナントを設立し、新たな王朝のもとですべての王国に大議会の席を与えるのだ。

進め、カバナントの兵士達!神々の名のもとにすべての人々を自由にしろ!新たな帝国、新たな法と正義の時代のために!

様々な宗派:オークVarieties of Faith: The Orcs

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

オークは他の神の存在も認識しているが、崇拝する神は1つだ:

マラキャス、またはモーロッチ(オークの父、偉大な族長):

オークはモーロッチを最初のオークとして崇めており、名誉や報復などの問題について指示するモーロッチの掟に従って生きる。

モーロッチの掟

掟は明白に述べるよりも暗示することが多いが、以下が記されている:

——鋳造と鍛冶への敬意。
——族長とその妻達の伝統的な役割。
——挑戦と戦いにより新しい族長を選ぶ伝統。
——罪を犯した者は被害者(または被害者の親族)に「血の犠牲」を払うという習慣。
——名誉を傷つけられた者は復讐するという条件。
——戦いで死ぬことはモーロッチを満足させるという認識。

トリニマク教団

多くのオークがエルフの神トリニマクがボエシアに食べられ、排泄された時にトリニマクはマラキャスに、全信者はオークに変異したという起源の神話を信じている。オークの種がエルフに由来するというこの説を信じる者は自らを「オーシマー」と呼ぶ。

ゆえに、オークの中にはマラキャスよりトリニマクを神の祖先として崇拝する者がいる。トリニマク教団のオークたちの主張によると、トリニマクはその体内を通ることで腐敗するとボエシアには信じ込ませ、実際はボエシアの力の一部を吸収して信者に分け与えたという。この考えではオーシマーを「進歩したエルフ」ととらえることができる。

様々な宗派:ブレトンVarieties of Faith: The Bretons

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

八大神

アカトシュ(時の竜神):アカトシュは八大神(シロディールおよびその各地方に普及している一大宗派)の主神であり、タムリエルのすべての宗教で登場する二つの神の一方である(もう一方はロルカーン)。一般に、始まりの場所に出現した神々のうち最初の神だったと見なされている。アカトシュの存在が確立すると他の神格も存在という過程を経るのが容易になり、世界中に様々な神々が登場したという。アカトシュはシロディール帝国の究極神であり、そこでは耐久、無敵、そして永劫に続く正当性などの資質の象徴とされている。

キナレス(大気の女神):キナレスは八大神の一員であり、天空を司る中では最も力のある神格であり、船乗りと旅人を守る。伝説によってはロルカーンの案に最初に同意し、虚無の中に次元を作るための空間を確保したとされている。彼女は雨とも繋がりがあるが、これはロルカーンの神性が失われる以前にはなかったという。

ジュリアノス(叡智と論理の神):ノルドの言語と数学の神であるジュナールとの繋がりがしばしばあるジュリアノスはシロディールの文学、法学、歴史と矛盾の神である。ブレトンの魔術師に最も好まれる。

ディベラ(美の女神):八大神の一員で人気のある女神。様々な分派が存在し、女性を尊ぶもの、芸術家や美学を尊ぶもの、性愛の指導を身上とするものなどがある。

アーケイ(生と死の円環の神):八大神の一員であり、他の地方でも人気があるアーケイは、父であるアカトシュが時の神としてあまり扱われていないか、あるいは人々に分かりにくい場合、その文化集団で重要視されていることが多い。アーケイは埋葬と葬儀の神であり、四季との繋がりがある場合もある。アーケイの司祭は死霊術およびあらゆるアンデッドに対し強い敵意を抱いている。アーケイは世界がロルカーンの指導/推奨/欺まんのもとで作られるまでは存在しなかったと言われている。そのため、定命の者たちの神と呼ばれることもある。

ゼニタール(労働と商業の神、商いの神):
八大神の一員であるゼニタールは当然ながらボズマーのズェンとの関連がある。しかしハイロックでは格段に洗練された商人や職人、中流貴族の神となっている。信者たちはその謎めいた出自にもかかわらず、ゼニタールは常に勝利する神だと主張する。

マーラ(愛の女神):ほぼ全ての宗派に存在する女神。元々は神話の時代の多産の女神として登場した。ハイロックでは母神とされている。マーラは時にアヌアドのニール、すなわち宇宙の女性的基盤であり、創造を生み出した存在と関連づけられている。ブレトンの神話では、マーラはアカトシュと夫婦になっている。

ステンダール(慈悲の神):八大神に属するステンダールはノルド由来の神から思いやり、時には正しき統治の神へと発展している。ステンダールは執政官、支配者、遍歴の騎士の守護者とされている。

ブレトンの宗派で著しく重要とされる神

マグナス(メイガス):魔術の神であるマグナスは最後の最後で世界の創造から身を引いたが、その代償は大きかった。この世に残っている彼の名残りは定命の者たちに魔法として認識され、操られている。伝説の一つでは、定命の次元を生み出すこと自体はロルカーンの発案だったものの、実際の構築に必要な図式や図表を作り出したのはマグナスだったとされている。マグナスは黄金の目、天体観測儀、望遠鏡、もしくは、もっとも一般的である杖の姿で描かれることがある。シロディールの伝説でマグナスは強大な魔術師の体に宿り、力を貸すことができると言われている。

イフレ(森の神):時の竜アカトシュが神の王であっても、イフレは「現在」の霊魂として崇拝されている。エルフによると定命の者の次元の誕生後、何もかもが混沌に陥っており、最初の定命の者たちは植物に姿を変えては動物に変化し、再び戻ることを繰り返していた。そこでイフレがアース・ボーンズを意味する最初のエルノフェイ、もしくは「アース・ボーンズ」に姿を変えた。これら自然の掟が確立した後、定命の者たちは新たな世界を理解することで、ある程度の安全を確保できるようになったという。

シェオール(バッドマン):ハイロックでは、バッドマンがあらゆる争いの元凶とされている。当初は凶作の神であったが、今日の神学者の大半はノルドのショールやアルドメリのロルカーンを悪魔化したもので、サールザル陥落後の暗黒時代に誕生したものと見なしている。

フィナスタール:サマーセット諸島の英雄神であり、アルトマーに歩幅を狭めることで自然の寿命をもう100年延ばす方法を伝授したとされている。ディレニの守護神にして「教師」であり、エルフの血を強調するブレトンの魔術師に崇拝されることが多い。

グラーウッドの伝承

Grahtwood Lore

アウルビクの謎4:エルデンの木Aurbic Enigma 4: The Elden Tree

〈告げ示す者〉ベレダルモ 著

樹皮から明らかになった真実がある

アダマンティアのスパイクとゼロストーンは、彼らの物語もしくはドラゴンの(時に縛られた)寓話の展開の中にある本質をアース・ボーンズのために解明するため、アウルビクに関連する真実の構造を口述筆記させた。アルドメリの神話紀のエルフは単一の目的を持っていたが、それは他の塔がそれぞれの石を持ち、それぞれ集注の設計者によって刻まれた規則に従う物語をするかも知れないと気付くまでの話だった。そしてエルフはそれぞれ屈折し、それぞれが創造を始めた。チャイマーはレッドハートに従い、ボズマーはグリーン・サップを芽生えさせ、アルトマーはクリスタルのような法を創設した。

しかし様々なエルフの中でも、ハートランドのアイレイドほど厚かましいものは無かった。彼らはアダマンティアの露骨な模倣にて塔を建て、彼らの発掘した偉大なるレッド・ダイヤモンドを礎石として使った。ロルカーンの心臓そのものから取った血液を結晶化したと言われるチム・エル・アダバルである(ハートランドを超えてきた矢の付いた心臓は、その4つのうちの1つの意味を生み出した)。

知っての通り、次の様に白金は一の塔となった

聖蚕の目に予言された様に、アイレイドの慢心は辛い結果を招いた。オーバーワールドを見据える彼らの高い理想のせいで、奴隷達が決起して塔を彼らから奪うまで、足元で煮え立つネードの波風に気付けなかった。チム・エル・アダバルも同様に奪われたが、アークメイジのアヌマリルはその時までに、八叉の塔杖を作っていた。各部位が踊りにおける塔の外観を示していた。そしてその時、7つの部位が白金の騎士達によって遠く折り畳まれし地まで運ばれ、そこで隠された。

(これはすべてペリン・アルエッシアには確実に知られていなかった、もしくは異なる八大神がいたのかも知れない!)

こうして、白金はグリーンサップに変わった

ボイシェ・エルフはイェフレと緑の歌に最も耳を傾けたアース・ボーンズであった。彼らは塔を建てず、不確実なドングリから広がる偉大なるグラー・オークを拡大した。これが彼らの石だった。そして、ドングリが他のどこかにもいた可能性があるため、グリーンサップは多様で様々な存在になった。そして、各々歩むことができた。

それゆえ、それぞれのグリーンサップはあらゆるグリーンサップでもあった。真実の結末を持つ全ての緑の話がそれぞれにされており、その点で扉は常に不確実な扉だった。しかし、彼らの本質はプリズムの分裂の中にあったので、ボイシェはボズマーに成ることに慣れ、不確実な扉を楽しむ様になった。こうして、ボズマーはどの歌が木を踊らせるのか、どの踊りをしてもよいのか学んだ。

さて、8つの部位、もしくはアヌマリルがその外観を、零の塔を反映している一の塔として作った一の部位へ話を戻そう。アイレイドがハートランドから逃れた時、彼らは四方八方へ向かい、その行先は選択の余地があったが、多くはその先で終焉を迎えた。しかしヴァレンウッドへ逃れたアイレイドは、その他の方向へ行った者達よりも多く吸収された。これもまた選択の一つだった。これらのクランの中で、アヌマリルは大腿骨として一の部位を身に着けた。歩くこと以外の方法のために、スポークはハブを動かせるだろうか?

グリーンサップのエルフは、ハートランド人が緑の歌を調和させることに応じる限り、アイレイドを歓迎した。気付かれぬ様、手を当てて咳をしたアヌマリルを救うために、皆これに応じた。アヌマリルは偉大なるカモランにグリーンサップを見せる様頼み、その時エルデンルートに偶然立っていた一つの元へ連れていかれた。偉大なるグラーの内部で彼は不確実な扉を通り、彼が求めていた不確実なドングリを見つけた。それは多くのうちの一つだったが、アヌマリルにとっては十分だった。

次にアヌマリルは、一の部位を根の先へ運び金の木の実に見せて結末を告げた。石を確実なドングリにするために。そのエルデンの木は再び歩くことはできなくなったが、アヌマリルはさらに活用する意図を持っていた。歯を楽器として使い、彼は自分の骨を徐々に取り除き、それでニルンとその惑星を映し出すムンダス・マシーンを作った。そしてこの太陽系儀を作り出すためにすべての材料を使い終わった時、その部位の杖を内に置き、月と月の間に隠した。

そして彼は待った。しかし彼の待っていたことは起きず、おそらく彼はいまだに待っているだろう。アヌマリルはハートランド人が新たな領域を作れるように、グリーンサップを白金に変質させることを望んでいた。しかし、なぜ自分の計画が見込みを外れたのか、アヌマリルは知らずそもそも知ることができなかった。お分かりのとおり、アイレイドの魔法は起こるかも知れない、起こるであろう、起こるに違いない事柄だ。しかし、グリーンサップの元で、すべては不確実なのである。

アイレイドの計画は成功しなかった。そして失敗もしなかった。これはいまだに結末のない話だから。

ヴァスタリーの伝説The Legend of Vastarie

生徒にして友 アフワ 著

死霊術は召喚師によって用意された、もしくは場合によっては作り出された魂の支配として広く知られている。

技術的に正確を期した場合、これはこの方法で意思に反して呪縛された魂が、解放される望みなく閉じ込められることを示唆している。

また人間であれエルフであれ、構成物を占めている魂は常に知的能力があると考えられる様である。兵士や肉体労働者として死体に生命を吹き込むことによって固定化された、誤った考えである。

この誤解と誤用の可能性は、死霊術への非難と、マニマルコやその仲間達のアルテウム島からの追放を引き起こした。

エンター・ヴァスタリーはサイジック会の学徒であり、ヴァヌス・ガレリオンやマニマルコといった著名人と同時代の人物である。

マニマルコが死霊術の力を直接利用して力を探求する一方で、ヴァスタリーの目的ははるかに難解だった。彼女は知的生物が死んだ時に魂の解放を遅らせて協議し、その知識を長年保持する手段を探し求めた。

彼女はアルテウムを去った後、この目的のためにマニマルコと共に働き、下級デイドラを捕らえられる可能性がある、魂を閉じ込める方法を探求した。

モラグ・バルが秘密を隠していると信じた二人は、コールドハーバーに入って吸血鬼の始祖その人から奪おうと企てた。彼らは共に計画を立てた。

若者のみが持つ無鉄砲な勇気により、マニマルコと仲間達はデイドラ公の世界へのポータルを開いた。冒険を熱望したヴァスタリーは深く足を踏み入れ、見たこともない類の黒いクリスタルを持ち帰った。

マニマルコにとって、それは完璧なものだった。小さく、最も強き魂さえ入れることができ、一見すると不滅であった。ヴァスタリーにとっては非常に欠陥があった。魔法がなければ、魂を深みから自由にできなかったためである。

たとえそうでも、彼女は石を複製する仕事に取りかかった。分解して様々な物質と分析し、そして幸運にも新しいものを作り出した。それが最初の印晶石である。

クリスタルの様に透き通ったこの新しい装置は、知的生物の魂をその深みの中に閉じ込めることができた。だが支配の王から力ずくで奪った宝石と違って異常に壊れやすく、たった数日しかその力を保てない様だった。

一度閉じ込められると、魂は晶石の間を移転させられた。それを魂石として利用すると、魂が解放された。

ヴァスタリーは探し求めていたものを見つけたが、マニマルコは怒り狂った。魔法のために仕えない魂石などどうすればいいのだ?彼はヴァスタリーに、彼女の作品を彼の目的に合う様に修正する方法を探せと要求した。

彼女の友が探求を止めず、彼とのさらなる発見は彼の目標に向かうだけであると気付いたため、彼女は研究を集め、夫であり強力な死霊術師であるテラカルと共に去った。

彼らは共にマニマルコの手中から逃れ、ヴァレンウッドにあるアイレイド遺跡の奥深くに隠れた。彼らが長年住んだ場所は、彼らの技を完成させるためにこれ以上ないほど静かだった。彼らは数十年に渡りお互いを支え合い、幸せそうだった。ヴァスタリーが去る日までは。

その後数年、彼女はニルンの地をさまよい、力のある場所を探索した。彼女はウェイレスト、アリクル、水晶の塔、そしてデューンの蔵書庫を訪れ、彼女の魂を苛む疑問の答えを探した。

やがて彼女は探していたものを見つけ、ヴァレンウッドへ帰った。そこで彼女は塔を建て見習いを雇い、彼女の死霊術の特殊な型を教え、そして研究を進めた。

印晶石を使って、我々は下級デイドラの魂を呪縛し、魂石の力でオブリビオンへの帰還を遅らせた。それから、閉じ込められた霊魂をこの世界に表す方法に取り組んだ。

初期の試みは予期されていない、むしろ危険な結果をもたらした。晶石は砕け、壊れた水晶の破片は仲間の生徒の肉体に突き刺さった。誤用された力は生きた魂を小さな石に呪縛した。しかし、学ぶに連れて我々は、失敗を正し手法を洗練した。

ついにヴァスタリーは習熟した。死の瞬間に印晶石を使用することで、魂をその深みに留めることができた。召喚の応用によって、ゆっくりと協議できる場所である霊体の殻に引き込むことができた。

彼女はその発見を魔術師ギルドに手紙で知らせた。ヴァヌス・ガレリオン自身が、彼女の実演に立ち会いに来た。その実演は手法の実演に自主的に協力した、古い管理人と協議することを含んでいた。

彼女が魂を器具に呪縛した時、彼は衝撃を受け、過程が終了して古い管理人が解放され、エセリウスへ還ることができた時、彼は真っ青になった。

ゆっくりと彼は立ち上がり、集まった生徒達へ話しかけた。復讐の悪意と怒りを交えて話し、その様子は彼の気取らない態度から誰も予期しないものだった。話し終えると、身を翻して去った。

幾人かは彼を追った。誰も彼らを非難できなかった。彼は間違ってはいなかった。印晶石は危険な創造物だった。悪用されれば戦争の火種となり、歴史上前代未聞の破滅をもたらす可能性があった。

ヴァスタリーはくじけず、ガレリオンの頑固な無知は彼を破滅へ導くであろうと説得したが、数年内に何か他のものが彼女の注意を奪ったようだった。広大な遺跡が彼女の塔の基礎の下から発見された。それはデイドラ公の力によって、目と探知から隠されていたのだ。

やがて、彼女はその遺跡に入り、二度と出てこなかった。我々の一部は、今もなお彼女の帰りを待っている。

ヴァレンウッドで生き残ったアイレイドAyleid Survivals in Valenwood

タムリエル細目の第四階層学者 クラウドレストのクイヌア 著

この報告書は、我々の血縁であるウッドエルフの血統へ組み込まれた、アイレイドの血筋を強調することに教化的利点があるかどうか調査するため、サルモール同盟委員会によって委嘱された。広範囲にわたるヴァレンウッドへの旅によって、このテーマに隠れた歴史的事実を突き止めることができた。これらの事実が同盟親睦を深める有益な組織的活動を後押しできるかどうかは、委員会と教化サピアルチ次第である。

ダスクのプルリベルが彼女の権威ある著書「アイレイドの崩壊」で記しているとおり、第一紀243年の白金の大災害には破滅的な要因が様々にあり、契約していた人間の労働者による血の反乱は、主因ではないのかも知れない。プルリベルは、保守的なエドラを崇拝するアイレイドのクランと、退廃的で今なお確実に強力であり、デイドラ崇拝を取り入れたクランが対抗し合った、神話紀末期のナーフィンセル分裂を重要視している。私も同意見だ。この衝突は、第一紀198年にウェンデルベックの粛清で、アタタアのグリンフェレン王がアイレイドの伝統主義者バルサエビクに対してデドラフィル戦士の連合軍を率いた時に頂点を迎えた。バルサエビクはハートランドからアルゴニア北西部へ追放され、それ以降シロディールにおけるデイドラ崇拝に対する組織的な反抗は事実上終わった。

いずれにしても一般的な見解からすれば、アイレイド文明は白金の塔がネードの残虐行為に屈するまでの数世代で次第に衰えた。素晴らしいエルフ文化の廃墟の中に佇みながら勝者は、敗れたクランを拷問と残酷を好む暴力的なデドラフィルに仕立て上げることで、虐殺の正当性を捏造した。奴隷女王の一団と運命を共にしたエドラ信奉者を大部分とするクランのために、例外が作られた。もちろんこれは彼らの根絶をただ遅らせただけに過ぎず、シロディールの他のエルフが絶滅に追いやられた後すぐ、残虐なネードは否応なくかつての盟友を追跡した。

この様に、ハートランドのエルフが新しい居住地をタムリエルのどこかに見つけようとするアイレイドの離散が始まった。そして明らかに、ある程度の成功を収めた。かつてファルマーが所有していた土地へ北の方から逃れた者達は、悪名高き虐殺者ヴレイジ率いるノルドによって虐殺された。その時までアルゴニアに定着していたバルサエビクはかつての迫害者であるアタタア人への迎合を拒否し、ほとんどのクランは猫人の領地への不運な遠征で消滅した。いくつかのクランはハンマーフェルからイリアック湾への長い行軍に出発し、一部は到達して、そこで長い歴史を持つバルフィエラのディレニに合流した(そして吸収された)。

最も成功を収めた、かなりの数がいるクランはヴァレンウッドの森林下にある南西へ逃れた。アヌトウィル、ヴィルヴェリン、タルウィンク、バウン、ヴァロンドのクランはみな、森の中に新しい生活を切り開くべくほとんど無傷で逃れた。これらのクランはみなデイドラ公達を崇拝していたが、ヴァレンウッドへの移住を強いられた後はその崇拝熱が薄れたかの様に見えた。おそらく、見捨てられたクランが助けを必要としている時に、デイドラ公達がほとんど、あるいはまったく手助けしなかった事実が原因だろう。幸い彼らの新しい主人であるボズマーは、ハートランドのエルフがグリーンパクトのあらゆる面を受け入れて森に害を与えない限り、アイレイドを領地へ受け入れることに驚くほど寛大であった。アイレイドは同意するしかなく、おそらくこれが彼らの文化を薄れさせる一因となった。

本来の形が薄められていくうちに、やがて吸収され、そしてついに忘れられた。私はヴァレンウッドの素晴らしいアイレイド遺跡を歩いた。ヘクタヘイム、ルレニルズ・フォール、ベララダ、ラエロリア、さらに1ダースもの遺跡。どれもあの離散から、2000年もまだ経っていないのだ。何らかの理由でアイレイドはある時偉大なるグラー・オークに従属し、その独特の文化は完全に消滅した。

ヴァレンウッドのアイレイドの絶滅を説明する時に、私の前任者であるヴェラスピドのゲルガラドは彼の「ディシェリテージの定説」、つまり何らかの理由により森のアイレイド同士で繁殖できなくなり、地元民のボズマーとの結婚でしか子孫を残せなくなったという説を重要視した。この説は確かにアイレイドの緩やかな消滅を説明するかも知れないが、残念なことにゲルガラドの定説は旧い物語や言い伝えに裏付けられているに過ぎず、事実による立証が欠けている。

シメレネ大学のセティス博士の反論はここで言及するに値する。彼女の説明はアイレイドの衰退を、以上に強いボズマーの飲み物を過剰摂取したことによるとしている。喪失への深い悲しみに傷つき易くなっていたアイレイドは、ウッドエルフの麻痺性のある飲み物に取りつかれてしまい、努力をやめてしまったとセティス博士は考えている。これに関しては、他の者達の勤勉な努力の誇示によってしばしば侮辱されるボズマー達自身から勧められたのかも知れない。

では我々の森にすむ血縁者は、アイレイドから何を学んだのであろうか?明らかに、高度な石細工と石工の技術の他はほとんどない。ハートランドのエルフの文化はウッドエルフの文化に永続的な影響をほとんど与えなかった様だ。ウッドエルフの意見は、エルデンルートの旧族長であるフォンロアにアイレイドについて尋ねたときの彼の返答である、以下の言葉に集約されている様に思える。「アイレイド?ああ、そうだな。いい奴らだった。だが自分達のことを真面目に考えすぎていたな。で、彼らに何が起きたんだ?」

ヴァレンウッドの標準的武器Common Arms of Valenwood

ミストラル・アウレリアヌス・テリスコル 著

ヴァレンウッドで、金属武器はあまり広く行き渡っていない。いくつかの地域においては泥炭や石炭で金属を鍛造可能な温度まで焼き上げられるとはいえ、ウッドエルフのグリーンパクトは火床を燃やすための木の使用を禁止している。他のボズマーは骨の棍棒か、石か黒曜石の刃の斧や槍を使用する。

ヘヴンやポート・ヴェリンのような沿岸部の街では、ボズマーの剣士集団がアルトマーの顧問の指導と輸入された金属武器の安定した供給から利益を得ている。妙なことに、ハイエルフはおそらくタムリエルで最高級であるボズマーの加工角弓を認めていない。

相互便益協定としてドミニオンを評する者はいるが、ここでは相互憤激協定とみなしたい。剣士集団が好例である。ほとんどのウッドエルフは伝統的なアルトマーの軍事教育に当たる知的訓練を受けていない。彼らは容易に気を散らし、訓練の哲学的観点に対する我慢強さもない。剣士集団のシステムを「適切なる闘争」と評したアルトマーの指導者は、その技能をより身長が低くリーチの短い弟子に適応させることを拒否した。

そこで、ボズマーは彼らの伝統的な戦闘方法、弓術に戻った。14になると、ウッドエルフの若者は狩猟集団に同行できる弓の達人となる。長距離射手はジャクスパーと呼ばれる。ジャクスパーの弓の引き方は「掴み、放すまでが連続的な1動作」と表現される。これは非常に高度な射撃を維持するジャクスパーが可能にする。もっとも、そのような速さで精度を保つには何年にもわたる訓練が必要とされる。

ボズマーは他の種族が作った木の弓矢は何の問題もなく喜んで購入し、使うが、自身で作成することはグリーンパクトによって禁じられている。伝統的なボズマーの弓は角と腱から作成される。弦もまた腱から作られ、カジートのガットが最高だと言われている。そして、このためにヴァレンウッドの射手の間で高値がつく。

ボズマーの矢は骨から刻まれ、様々な種類の鳥の羽根をつけられる。ウッドエルフは使われた骨の源が矢の特徴に影響すると信じている。マンモスの骨の矢はターゲットをノックダウンさせるのに十分な一撃を加えると考えられている。鳥の骨の矢はより速く、正確に飛ぶ。センチタイガーの骨の矢は追加ダメージを見舞う。帝国の立会人による検証では主張されたような効果が再現できていないが、これを聞くとボズマーはただ舌を鳴らし、わずかに微笑むのである。

ウッドオークと共にIn the Company of Wood Orcs

シサリオンの私的な日記より

オークは奇妙である

彼らはほとんどあらゆる面において大雑把で、残忍で、単刀直入である。性格に個人差はあるものの、ボズマーがオークに対していつも予想できるいくつかの事柄がある。私達の文化は、それらの一つも完全に理解できない。

様々な理由を除けば、彼らの血縁であるウッドオークはなおもよそ者である。皮肉なことにボズマーとの方が共通点があり、主にヴァレンウッドに居住している。

ウッドオークは強さと名誉を何よりも重んじるが、意味することの解釈は、彼らの北方の血縁であるオルシニウムとは一線を画す。例えば、ウッドオークにとって強さを持つことは、筋力と持久力を持つことを意味するのと同様に、敏捷さと可動性を持つことを意味する。この点についてオルシニウムオークの見解を聞いてみたいが、オルシニウムオークは重々しい歩兵連隊の一員の様に鍛えられており、ウッドオークは同じ軍の身軽な散兵の様なものであると考えていると想像する。

ウッドオークもまたボズマーの様に、森林地域において繁栄している。彼らはグリーンパクトを誓っていない。グリーンパクトを完全に無視し、それについての知識も欠如している。しかし、彼らが木で一杯の地区を進んでいくところを見たことがある。どうにかしてイフレに気に入られていても驚きはしない。

なぜこのことを心配するのか?私は最近ウッドオークのことばかり考えている。私の様に彼らに囲まれたことがあると、考えずにはいられないのだ。私は現地のバトルリーブより、彼らの領土を通って伝言を届ける様命じられた。発見されないことは容易いだろうと言われて。だがウッドオークは先に詳細に記述した通り、オークの中でもかなり異なった種類である。これまで私はボズマー以外に捕らえられたことがなかったが、彼らが私を捕まえた時、彼らは私の存在に木の上から気づいた。彼らは森の中で何日間も何かを警戒し続けていたに違いないという気がするの。だが私は準備ができており、同じ矢で攻撃してきた3人のうち2人を倒した。

私は不意を打たれた。3人とも倒せると予想していたからだ。だが最後の1人は、不可解で全くオークらしくないことに、稲妻の様に飛び出してきた。湾曲した手斧が森の中をくるくる旋回し、私の心臓のあったであろう場所を貫いた瞬間、私は跳び上がり地面を転がった。私は足に短剣が準備されているのを思い出し、私の手からナイフを振り落とす寸前だった手斧の二撃目をかわした。ウッドオークは唸って再び打ちかかった。その瞬間の私は、彼を血縁であるオルシニウムのオークと区別できなかっただろう。彼は敏捷さと私の種族の優雅さに、北方のオークの誓いに縛られた憤怒を組み合わせて戦った。私が一握りの土を彼の目に投げた時、彼は私の脇腹に深い傷を負わせた。私は痛みで半分視野を失いながら、暗い森の比較的安全な方へよろめいた。彼は悪態をついて唾を吐き、私を「森と戦わずして森を隠れ蓑にする卑怯者」と呼んだ。

その日の私にはハーシーンの加護があったに違いない。私は確かに戦いに負けたのだから。ウッドオークはあまりにもどう猛に戦い、森を嫌というほど知っていた。だが彼は二度と私を見つけられなかった。私は喜んで二回戦を受けて立とう。ただしボズマーの領土にて。

ギル・ヴァ・デールの猛火The Devouring of Gil-Var-Delle

ファスター 著

ギル・ヴァ・デールで何が起こったのか皆が知っている。そして、同時に、誰も知らない。伝説では恐ろしいデイドラ公モラグ・バルが、ウッドエルフの街に足を踏み入れて焼き尽くした。神話の正確な意味は分からない。古代の物語は兵士を雇う軍隊のように隠喩を使うのだ。

もしバル自身がこの世界を邪悪な意志と共に訪れたなら、なぜ我らの生き残りがいるのか?彼についての説話を考えれば、ウッドエルフの街1つを完全に破壊しただけで止まったとは考えられない。タムリエルのすべてが炎に包まれるまで止めないだろう。デイドラ公の訪れと呼ばれるものについては、多くの場合この問題が疑問視される。

ひょっとしたら敵対するデイドラ公、神々、エドラの使途など、誰かが彼を止めたかもしれないという反論もある。しかしまた戻るが、この証拠がどこにあるのか?魔術師、歴史家、少なくとも、話したことのある誰もが、この情報のためのはっきりとした文章を参照できないでいる。

多くの歴史的な創作物の欠片はそこで起きたことを脚色しようと試みるが、その物語のどれもがはっきりと確認されない。街を襲った壊滅的な出来事への言及以外には。住民は殺されたのか逃れたのか。その後は誰も消息が伝わっていない。しかし、誰でも知っていることは、大きな火が犯人だったということだ。ウッドエルフの家への火がどれほど壊滅的な被害を与えるか、想像もできない。

今日、ギル・ヴァ・デールは有害な場所であり、思い切って近くを冒険するものも多くはない。しかし、具体的な敵がいる訳ではない。怯えと迷信に妨げられているだけだ。

偉大なる木の本The Book of the Great Tree

(抜粋)

すべてのものは木へ

木から、すべてのものに

——アイレイドの預言

* * * * *

これを最初の講義にしよう。最初の木の根はこの地面の全てをつかんでいる。雨や風が来ても、根がしっかりと捕まえていてくれるだろう。その根の下にはニルンが横たわり、その主枝の上にエセリウスが輝く。彼女は床と屋根の両方を与えてくれている。その他の避難所など必要ないように。

* * * * *

アズラの根はゆっくりと流れる川の川岸に沿って伸びる。泥から離れてゆっくりとその根を引くと、根は湿った布に巻きつく。このため、植物は輸送可能かもしれない。十分な水分を保ってやれば、苔のバスケットや鉢に根づくだろう。

* * * * *

サラシェのエルフが初めてエルデンルートにきたとき、彼らはメリディアの輝ける色によって導かれており、それはこれが彼女の贈り物であり、祝福であると語った。その木の枝と根が手とすると、ムンダスとオーバーワールドに同時に届く。これによって、我々はムンダスの最も偉大な街を築き、彼女の最も誉れ高き、最上の種族であることを証明した。

* * * * *

夏の熱気の中では、クワズイモの葉はシルクで覆い隠しなさい。成長過程をそれだけ遅らせたならば、果実はより大きく、甘くなるだろう。イフレはその落ちた実を捧げものとして食べたそうだ。

アロメリア植物はこれに関係しているが、実を結ばない。ホテイアオイの例を知っているかもしれない。

* * * * *

彼等は到着したときに、こう言った、「これは偉大なる木の森だ。これは賢者の森であり、エルフの森である。我々は生命と知識を運んできており、偉大なる木の陰に、教室と蔵書庫を作ろう。理知の遺産を集めることができるように」

* * * * *

ニルンルートの種は鳥やその他の生物によってはるかに遠くまで運ばれるかもしれない。偉大なる木の近くでは、シダ類の葉が高く青々と茂っている。ずっと離れた場所では、ひょろひょろとして、そんなに丈夫ではない。

これもまた同様に講義しよう。

部族ボズマーの戦闘習慣War Customs of the Tribal Bosmer

ミストラル・アウレリアヌス・テリスコル 著

街のウッドエルフは主として飲み物と帝国から提供されるぜいたく品に満足しており、密林の奥地に住む遠方の部族ははるかに残忍である。争いはヴァレンウッドの軒下で絶え間なく行われる。部族がカジートを盛んに襲撃していない時、彼らは気晴らしにお互いを襲撃しあっている。

文明化した人々と異なり、部族のボズマーは有意義な目的や建設的な目的のために戦わない。彼らには領土支配のため、物資のため、国境を守るために戦うというコンセプトが理解できない。ヴァレンウッドを傷つける輩を追い出すために包囲することはあれど、己のための征服にまったく興味がないのは明らかである。むしろ、ウッドエルフは、戦利品、自慢、退屈が目的でお互いに襲撃しあう。部族間の侵略者は典型的に、森林マンモスとサンダーバグを盗む。多くの盗品(または人々)は持ち主によって買い戻しが可能だ。

この突飛で変則的な戦争行為は殺しを目的とするものではない。死は生じるが、それは偶然であり、たいてい悔やまれるものである。多くの侵略は少しの戦いもなく終わる。気づかれることなく代価のため他の部族の村に忍び入り、品物を盗むことは技術の極地と考えられる。その品が大きければ大きいほど、名声は増す。何世紀にもわたるこの練習のおかげで、部族のボズマーのステルスは伝説的な腕だ。彼らの最も有名な詩の題名は、「メー・アイレイディオン」で、その意味は「何千もの利益を隠したるもの」である。

戦闘中に死が生じたとき、ミート・マンデイトの古代の規定は、倒れた敵を3日以内に完食しなければならないと要求している。この伝統には今や最も遠く離れた残忍な村のみが従っている。敵を大量に殺した戦士の家族は、その食事を手伝ってもよい。

伝統的な「弔い合戦」は、いまだ街の外のほぼあらゆるところで従われている。部族の一員が殺されたとき、彼ないし彼女は象徴的に侵略の際とられた人質によって置き替えられる。その部族は近隣の集団から捕虜を奪うだろう。もし、故人が部族において、特別に強く、信望のあるものだった場合、多数の捕虜が代わりに連れてこられるかもしれない。

彼らの価値を試すためということになっている肉体的な責め苦の期間の後、捕虜は喜ばしくクランに迎え入れられる。恐ろしい虐待から愛ある抱擁というこの突然の手のひら返しは、苦しみに忠実なボズマーの捕虜の弱った知性を混乱させる。伝統的に犠牲者は死亡したメンバーの地位、所有物、そして家族を与えられる。もっとも、この慣行は最近滅多に履行されない。

様々な宗派:ウッドエルフVarieties of Faith: The Wood Elves

様々な宗派:ウッドエルフ

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

八大神

(ただし、帝国の外ではほとんどのボズマーが神を八柱に限ろうとしない):

アーリエル(アルドマーの王):

エルフのアカトシュはアーリエルである。アーリエルはアヌイ・エルの魂であり、同様にアヌイ・エルは「すべてのもの」のアヌの魂。ほとんどのアルドマーの神々の長である。大抵のアルトマーとボズマーがアーリエルの直接の子孫であると主張している。唯一知られる欠点として、アーリエルは定命の者の次元の創造で役目を果たすことに同意したが、それは永久なる霊魂の世界からエルフが永遠に分断される行いであった。その埋め合わせをするべく、アーリエルは神話の時代に最初のアルドマーを率いてロルカーンの軍と戦い、強大な力に打ち勝って、アルトマー、アルトモラ、旧エルノフェイの、最初の諸王国を建立した。その後彼は、信奉者たちが定命の者の次元から逃避するのに必要な道のりを学べるよう、皆が注目する中で天に昇った。

イフレ(森の神):

ボズマーの神々の中で最も重要な神格。時の竜アカトシュが神の王であっても、イフレは「現在」の霊魂としてボズマーに崇拝されている。ウッドエルフによると定命の者の次元の誕生後、何もかもが混沌に陥っており、最初の定命の者たちは植物に姿を変えては動物に変化し、再び戻ることを繰り返していた。そこでイフレがアース・ボーンズを意味する最初のエルノフェイ、もしくは「アース・ボーンズ」に姿を変えた。これら自然の掟が確立した後、定命の者たちは新たな世界を理解することで、ある程度の安全を確保できるようになったという。イフレは時折、語り部とも呼ばれるが、これは彼が最初のボズマーに教えた講義のためである。ボズマーの一部はグレート・エフェクト(ワイルドハント)に利用できるこの混沌の時代の知識をいまだに所持している。

アーケイ(輪廻の神):

アーケイは埋葬と弔いの儀式の神、そして時折、四季とも結びつけられる。彼の司祭は死霊術師とすべての形態のアンデッドの断固たる敵である。アーケイは、ロルカーンのうるさく、詐欺的な監督下の神によって世界が創造される前には存在していなかったそうだ。このため、定命の者の神と呼ばれることもある。

ザルクセス:

ザルクセスは先祖と秘密の知識の神である。始めはアーリエルの書記だった彼は、時間が始まって以来、小さいものも大きいものも含め、これまでのすべてのアルドマーの偉業を記録している。妻のオグマは、歴史上自分が気に入った節目から作り出した。

マーラ(愛の女神):

万物の女神といっても過言ではない。起源は豊穣の女神として神話の時代に始まった。創造を生んだ宇宙の女性の本源である、「アヌアド」のニールを時に連想させる。ボズマーにとっては、アーリエルの妻。

ステンダール(慈愛の神):

慈悲と公正な規範の神。アルドマーの初期の言い伝えの中では、ステンダールは人類の弁証者である。

ズェン(労苦の神):

報酬と報復の両方を含む、ボズマーの応報の神である。研究によれば、アルゴニアンとアカヴィリの両方の神話に起源があるようだ。おそらくコスリンギの船乗りたちによってヴァレンウッドに伝わったのだろう。表面上は農業の神であるが、ズェンは時折、より高次の存在であることを証明する。

バーン・ダル(山賊神):

カジートから借りてきた盗賊と物乞いのいたずら好きな霊魂。

主なボズマーの教団の追加神:

ハルマ・モラ(ウッドランドの男)

悪意のあるいたずら好きの霊魂(さらに増えた!)、そのボズマーの信者はデイドラのハルメアス・モラと混同しないようにと言っている(他のものはこの主張を嘲笑している)。

ジョーンとジョーデ(小月神と大月神):

アルドマーの月の神、彼らは幸運と悪運の両方の運の霊魂である。

ハーシーン(ハンツマン、獣人の父):

偉大なる狩りのマスターであり、全てのライカンスロープの王。ハーシーンの崇拝者たちは他のデイドラを崇拝するものたちのように無慈悲などではなく、つねに獲物に少なくとも1回は小さな脱出の機会を与える。

ロルカーン(不在の神):

この創造者、詐欺師にして試練を与える神は、タムリエルに存在するどの神話にも登場する。彼の最も一般的に知られる名前はアルドメリの「ロルカーン」か破滅の太鼓である。彼は父親であるパドメイが始まりの場所に不安定さをもたらして現状を乱したのと同じように、原初の魂を説得、もしくはけしかけて定命の者の次元を生み出させた。その世界が実現すると、ロルカーンは神の中心地から離れ、伝承によっては不本意ながらという説もあるが、原初の神々の創造地をさまよう。彼と彼の「計画」については文化によって解釈が大きく違う。エルフにとっては崇高なる力において最も不浄な存在であるが、それは彼らの精神世界へのつながりすべてを永久に壊したためである。言い伝えにおいて彼はいつでもアルドマーの敵であり、ゆえに初期の人間にとっては英雄である。

様々な宗派:力ジートVarieties of Faith: The Khajiit

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

その異端の姿にふさわしく、カジートは多くの神々を崇拝し、帝国の八大神のみを崇拝する者はごく少数である。

八大神:

アルコシュ(猫たちの竜王):

前リ・ダッタ王朝アネクイニネの神格。アルトマーのアーリエルの変化形の1つであり、それゆえアカトシュ——カジートの始祖にとっての文化的英雄である。彼の崇拝はリドル・サールの確立と重なり、エルスウェアの未開拓地方では、今でも絶大な人気を誇っている。その姿は恐ろしいドラゴン、カジート曰く「ただの本物の大きな猫」として描かれている。神話の時代、ペリナル・ホワイトストレークの初期アルドマーの虐殺を撃退した。

リドル・サール(双子月の舞踏):

カジートの宇宙秩序の神格、リドル・サールは、預言者にしてたてがみのリドサーリ・ダッタによって明らかにされている。単独の存在というよりも生き方の一連の指針となっているが、彼の化身は神のしがない伝令として出現するのを好んでいる。また砂糖の神としても知られる。

ジョーンとジョーデ(小月神と大月神):

ともに、月の象徴の神格、運命、そして幸運。カジートは信仰の中で、ジョーンとジョーデは月のラティスまたはジャ・カージェイの姿である。

マーラ(母猫):

万物の女神のような存在。本来は豊穣の女神だが、カジートは「アヌアド」のニルニと習合させ、女性的宇宙原理とした。アルコシュの恋人である。

スレンダル(子猫、慈愛の神):

スレンダルの領域には慈悲、事前、そして正義を含む。アルドマーの初期の言い伝えの中では、スレンダルは人類の弁証者である。

ケナーシ(風の神):

ケナーシは最も強い空の霊魂である。いくつかの伝説によれば、定命の者の次元を創造するというローカジュの計画に最初に賛同し、虚空にその創造のための空間を提供している。また、ローカジュの聖なる光以前には起こらなかったといわれる現象、雨と結びつけられている。

バーン・ダル(山賊神):

大多数の地域において、バーン・ダルはあまり重要な神ではなく、盗賊と物乞いのいたずら好きな精霊である。エルスウェアにおいてはより重要であり、追放されし者とみなされた。この側面において、バーン・ダルは、器用さ、または辛抱強いカジートの、どたんばの計画で常に彼らの(エルフまたは人間)敵のたくらみをひっくり返すという、命知らずの特徴となる。彼はまた、カジートの行商団であるバーンダリ行商人組合にその名を貸している。

主なカジートの教団の追加神:

マグルス(猫の目、太陽神):

カジートにおけるマグナス、太陽と魔術の神、カジートの魔法使いに人気がある(たとえアズラーほどではなくとも)。

ラジーン(追いはぎ):

盗賊でいたずら好きな神、満悦の虚言者、カジートの語り部たちから大変愛されている。ラジーンはセンシャルのブラック・キエルゴで育った。エルスウェアの歴史上、最も有名な強盗であり、眠っている女帝キンタイラの首からタトゥーを盗んだといわれている。

アズラー(暁と黄昏の女神):

カジートの魔法使いの守護者、その時折みせる計略のため恐れられるよりも尊敬されている。神話によれば、彼女はアルドマーの系種から外れたカジートの始祖と結び付いている。

シェッゴロス(スクゥーマの猫、狂神):

狂気の王は、正気と責務の拘束にいらだつ猫人間の陰の側面を強調している。

ハーシーン(腹を空かせた猫):

狩りとスキンチェンジングの神、獰猛さと狡猾さが敬愛されている。

サンジーン(血の猫):

死と秘密の殺人の神。サンジーンの地位は猫の目からは隠されていて見えない。「誰が血の滾りを制御できるのか?」

ナミイラ(深い闇):

生けるものの敵、崇拝されているというよりも鎮められている。

ローカジュ(月の獣):

前リ・ダッタ王朝アネクイニネの神格であり、たやすく不在の神、ロルカーンと同一視された。この創造主——いたずら好き——試験官な神格はすべてのタムリエル的な神話の伝承の中にある。彼は父親であるパドメイが始まりの場所に不安定さをもたらして現状を乱したのと同じように、原初の魂を説得、もしくはけしかけて定命の者の次元を生み出させた。その世界が実現すると、ローカジュは彼の神的中心から隔離され、伝承によっては不本意ながらという説もあるが、原初の神々の創造地をさまよう。彼と彼の「計画」については文化によって解釈が大きく違う。伝説の中で、彼はほとんど常にアルドマーの敵であり、そのため、初期人類の英雄である。

ストームヘヴンの伝承

Stormhaven Lore

アダマントの塔Tower of Adamant

ソリチュード、吟遊詩人の大学、住宅建築家フレーム 著

ハイ・フロスガーを除いて、スカイリムのどこを見てもディレニの塔のようなものはない。自然のものである大きな山とは違って、その塔は建造物である。しかし伝説が真実であるなら、建てたのは人やエルフではなく、エドラ達ということになる。

イリアック湾にあるバルフィエラの島の中心高く、切り立つ荒涼とした場所にそれはあり、時の始まりから建っている。建物を構成する物質が未知で不朽なことからアダマンチンの塔と呼ばれており、それと第零の塔はムンダスに存在するどの建物よりも古い建造物である。

ディレニのハイエルフは第一紀の始まりからバルフィエラを支配している。彼らは塔を取り囲むごく最近の砦しか所有権を主張できないにもかかわらず、その塔に自身の名を付けている(塔の地下墓地を調査する権利者は誰かという話は、答えのない議論である)。

私はアリノールのハイエルフと協議をしなかったが(する人なんているのか?)、ディレニのエルデン古物研究家である高貴なコロイデンは質問に答えてくれた。彼によれば、塔は神々がムンダスの運命を決めるために集まった深遠の暁紀に建てられたようだ。その頂点で、アルドマーの偉大な神アーリエルが詐欺師ロルカーンを殺して彼の心臓に矢を突き刺し、それを世界に向けて撃ち放ったという。心臓はただ笑い声に似た音を出して生き続けた。

その後、エドラはムンダスの事情から手を引き、ディレニが自身の物としているその塔を去っていった。彼らがそこで見つけた秘密とは何だったのか?今日まで何を隠しているのか?その秘密が何であろうと、ディレニはこんな程度の低いノルドの建築家には秘密を明かさなかった。

しかし、その周囲の8地点からディレニの塔の測量を行った結果、そこに秘密があるのは間違いないことが分かった。周知の建材を利用している前提で計算を行うと、あの規模の建造物を建てることは不可能なのである。

ウェイレスト、湾の宝Wayrest, Jewel of the Bay

(カンバーランド版)

長老サシル・ロングリート 著

ウェイレストはタムリエル西部にある最も輝かしい街の1つである。現代の美しさ、そしてその歴史の輝かしさ。ハイロックにある他のどの街よりも価値がある。ブレトンの文化にこれほど寄与した街はない。その街の賢き者達の魂は通りを見ればすぐに分かる。切り妻造りの屋根、雄大な並木道、香り漂う市場。ウェイレストの人々には、ダガーフォールの人々のように歴史に囚われるのではなく、その真価を見抜く力がある。ウェイレストを訪れた人は皆、近代的な街だと感じるのだが、そこには何世紀にもわたる文明こそが織り成せる魔法が存在しているのだ。

歴史家にとって、ウェイレストが創立された日を断言するのは困難なことである。ビョルサエ川がイリアック湾に注ぐ場所には、少なくとも第一紀800年からいくつかの集落が存在していた。ウェイレストの商人と漁師を取り囲むのは非友好的な集団ばかりであった。オークの首都オルシニウムはどんどん北の方向に勢力を伸ばし、西の島々には海賊や襲撃者が群がった。ウェイレストという名に何ら不思議はない。イリアック湾の東の端まで耐え抜いてきた多くの旅人にとって、ビョルサエにある小さな漁村は願ってもいない宿泊所だったのである。

スカイリム占領時代の自慢気な調査にウェイレストのことは一切言及されていない。ダガーフォールの年代記において、第一紀948年にジョイル王がガイデン・シンジに送った手紙には次のような言及がなされている。「オークはウェイレストの人々をずっと苦しめ、今にも大陸の中心に迫る勢いである」

ウェイレストが実際に栄えたのは、第一紀980年のオルシニウム崩壊の後である。勤勉な商人達が貿易同盟を結成する際の助けとなり、それにより湾での海賊の活動も衰退していった。商人として成功を収めたガードナー家は、街の中に城壁を巡らせた宮殿を建てると、そこで銀行やその他の商売を始めるに至った。ガードナー家のファランゲルは、第一紀1100年にウェイレストが王国と名乗ることを認められた際、王に任命された者である。

ウェイレストは一族によって支配されることになったが、商人が持つ偉大な力は相変わらずであった。多くの経済学者がこう主張する。苦境の中でもウェイレストが無限の富を得られるのは、商人と王のこの奇妙な関係に因るものだと。ガードナー王家の跡はカンバーランド王家が継いだが、ウェイレストの王が革命や暗殺によって退位させられることは決してなかった。ウェイレストの商人としての心を忘れる王は1人もいない。商人と王は互いに尊敬し合い、その関係は互いを強くしているのだ。

ウェイレストは荒廃、干ばつ、天災、海賊行為、侵略、そして戦争をその素晴らしい気質と実行力で乗り越えてきた。第一紀2702年、海賊や襲撃者、そしてスラシアの疫病からの保護を理由に、街の人口の大部分は強制的にガードナーの城壁の中へ移された。より愚かな人々には耐えられなかったかもしれないが、ウェイレストの人々は何世代にもわたって生き延び、タムリエルを豊かにしている。

オーク:我々の中の害獣Orcs: The Vermin Among Us

アブソロン・ソリック 著

奴らは穴をねぐらにして寝る。奴らは大量に繁殖し、腐った肉の臭いがする。賢い読者の諸君、これはスキーヴァーのことではない。オークのことだ。差し迫る脅威、無慈悲な大軍。「待て、ソリック。今や彼らとは同盟の仲ではないのか?」と諸君が言っているのが聞こえてくる。エメリック王の指揮を信じたいのならそれもいい。私達をオルシニウムの獣人に縛りつけている、このカバナントを信じたいのであれば。

しかし、実際諸君の信念は間違っている。王への信頼は間違いだ。この不完全な人間どもには残忍で邪悪な狡猾さが備わっているからだ。狩りをする狼の群れのように、オークは今でも草原に潜んでいる。私達の警戒が緩むのをじっと待っているのだ。陛下のような偉大な方々も、この単純な戦略によって誤りへ導かれるかも知れない。

奴らは今や私達の身近な存在だ。名誉ある獅子の守護団に仕えている。裕福な商人の護衛をしながら、傭兵として働いている。聖堂で聖職者の護衛としても働いている。賢い読者の諸君、分からないか?私達がこの獣達に贅沢を与えれば付け上がるだけだということを?あの粗削りの刃を、私達の鎧に突き刺す機会を与えているだけだ!

ブレトンがやるべき仕事を、奴らはその異常な力で奪っている。奴らの臭く厚い皮は、どんなレッドガードも太刀打ちできない防御を与えている。カバナント領域内の様々な都市で、オークが女性を強姦して異常な混血児を発生させているという話も増えている!

読者の諸君、これをどれだけ放っておくつもりか?この不潔な獣にどれだけ屈服するつもりか?私はもううんざりだ!今日、自身の村で志を同じくする者同士団結しよう。そして、この獣どもに対して反乱を起こすのだ!このくずどもに。この…オークどもに。

かつてOnce

〈告げ示す者〉ベレダルモ 著

かつて、我々は偉大であった。

かつて、バトルリーブは戦争の達人であり、サピアルチは賢く教養があった。かつて、我々はエルセリック海からロスガーの山々までハイロックのすべてを支配した。そしてネードは我らの奴隷であり、道具であった。

かつて、ティリゲルの白鳥ことディレニ・シグナスはバルフィエラとその塔を発見し、自身のものだと主張し、後から来た彼女のクラン全員に彼女の名を冠するように命じた。

かつて、錬金術は、アルテウムの初期のサイジックに入会依頼を受けたアスリエル・ディレニが「試料簡略年鑑」を編集するまでほぼ不明瞭であった。

かつて、レイヴン・ディレニの「エルドリッチ結合の法則」の確立以前は、付呪すべてが大変珍しいものであり、その試行のほぼすべてが失敗に終わるようなものであった。

かつて、アレッシア改革の間、リャン・ディレニは帝国に耐え忍んだ。彼のブレトン軍はディレニのエルフから武器の供給と指示を受け、東はマルカルスとエリンヒルまでを支配するに至った。オルシニウムのオークの要塞は何度も略奪を受けたが、そこを最初に略奪したのは我々ディレニである。

かつて、グレナンブリア湿原の戦いで、エイデン・ディレニの無数の軍勢はアレッシアの大軍に圧勝し、彼らをシロディールに追い返した。

かつて、下級デイドラの召喚でさえも恐れられ避けられていた頃に、コルヴス・ディレニは召喚の法則を体系化した。

かつて、ペレグリン・ディレニは自身の真なる意志をイリアック湾の波に変え、ラ・ガーダの船隊をセンチネルへ追い返した。

かつて、ペラディル・ディレニは石の精霊の軍団を召喚することで、リルモシート遺跡に散らばった瓦礫からたった1日でブラックローズ監獄を建設した。

そう、我々はかつて偉大だった。しかし、個人の功績が何であろうと、シグナス以来ディレニは皆、成功に恵まれることはなくなってしまったのだ。

なぜなら我々はゼロストーンの謎を解き明かせず、それによって守られたアージャント・アパーチャーを開くことができないからである。

成人すると、高潔な血筋のディレニは皆、塔の地下宝物庫へ案内され、ゼロストーンを見せられる。我々はそれに触ることができる。我々が決して使うことができない力、そこに流動する神秘的で並外れた力を肌で感じるのだ。そして隣接する金属製の壁にあるアージェント・アパーチャーを見せられる。その扉にはゆっくりと逆回転する13の輪の錠が付いている。決して開くことができない扉だ。

我々ディレニがストーンから力を吸収するか、アパーチャーを開くことができなければ、間違いなく他にできる者はいないだろう。我々は世界の高みへ戻り、壮大なことを成し遂げる。自身の失敗を受け止めずに済むように。

しかし、我々は死の間際に一度、それぞれの知識、功績を集結させ、もう一度地下宝物庫へと続く階段を作る。清算するために。ただ一度だけ。

大半は1日か2日以内に、死んだ状態か体がひどく捻じれた状態で発見される。私の最愛の人であるヘロンのように、中には生き延びる者もいるが、怪我がひどく、混乱状態で自分達に起きたことを理解できない。

私?私はトルマリン尖塔にある自分の部屋に留まり、昼間はヘロンの世話をして、夜は蔵書庫でアイレイドの書物の翻訳をしている。この生活にも十分満足している。

しかし、古代のグリモアやリブラスの魔術師のことを調べていると、長らく行方不明だった一族のアルケインの書物は秘密にしておくべきなのかどうか、時に疑問に思うこともある。

そこでこう考える。何の役にも立たない知識は存在するのか?そしてこう考える。この知識は何の役に立つのだろうか?

そして私は階下への長い道のりに足を踏み出す。

ただ一度だけ。

ハイロックの騎士団The Knightly Orders of High Rock

タネスのレディ・シンナバー 著

封建的な階級制度へのブレトンの愛着は、最も身分の低い小自作農民からウェイレストの上級王に至るまでハイロックのすべての側面に浸透している。ブレトンの騎士社会の興味深い現象においてこれほど明確なものは他にはない。

ここハンマーフェルで、私達レッドガードは剣の握り方を知る男女すべてに平等な市民権を与えている。そう、私達にも支配階級がある。もちろん文明には指示と管理がつきものだ。しかし、この貴族政治と比べると差はほとんどない。

ハイロックでは事情が異なり、皆が自身の階級の高さがどれくらいかを自覚している。それは、ディレニのエルフの大君主達から領土を解放したブレトンの一族にまで遡る。ハイロック文化の歴史の基盤には、エルフの支配を振り払った気高き勇敢な「ブレトンの騎士」の物語が存在している。この騎士達がディレニをバルフィエラの島に追い払った後、貴族の伝統を守るため、そして有事の際にハイロックができるだけ守り手を持てるように騎士社会を築き上げたのである。

少なくとも話ではそうなっている。今日、ハイロックにあるすべての王国と公爵領は独自の騎士社会を築いており、ブレトン解放の全盛期まで遡ると言われるほどの伝統も備えている。ダガーフォールの竜騎士団、アルカイアのフレイム騎士団、エバーモアの聖ペリン騎士団など、例を挙げればきりがない。

これらの騎士団は、その輝きを放つ大剣と鎖かたびらを正当化するために近頃どんな任務をこなしているのか?彼らの旗と豪華な式典の先を見越せば、騎士団はハイロックの社会において主に2つの目的を達成していることが分かる。

まず彼らは、多過ぎる貴族の息子や娘が満足できるほど「高貴な」職業を与えている。貿易によりハイロックが栄えたように、長い時間をかけて商人という職業は、貴族の子供達にとって君主に代わる職業として受け入れられてきた。しかし、実際には男爵の子供すべてに数字と交渉の才能があるわけではない。これらの数多いる後継者候補にとって、地元の騎士社会には常に自分のものにできる地位が存在する。

2つ目に、下層階級の人々に騎士爵を与えることは、社会(や、成り上がって行く君主)に対する顕著な貢献に対して報いる手軽な手段である。彼らはブレトンの社会において重要な階級を得ることになる。騎士のほとんどはこのケースだが、平民が戦闘以外の功績で騎士爵を受ける場合、その騎士団への在籍は名ばかりだ。そうした「卿」は有事に剣と盾を掲げることを期待されていない。しかし、彼らの功績が貿易において極めて重要なものであれば、新たな「商人騎士」は、騎士団の財政維持に対して、重要かつ持続的な貢献を期待される。

外交や貿易の仕事でウェイレストやエバーモアに来て、輸送会社の頭としてドリック卿が紹介されたり、宿泊所を束ねる経営者としてリザベッテ卿が呼ばれたりしても驚かないでほしい。目の前にいるのは、ハイロックの伝説的なブレトンの騎士の1人に過ぎない。

ブレトン:雑種か上位種か?The Bretons: Mongrels or Paragons?

エリンヒルのファラスタス 著

人間とエルフが交配できることは、神話紀の中期に最初の人間がタムリエルの海岸に辿り着いた頃から知られている。しかし、エルフと人間の交配が広まったのは大陸のごく限られた北西地域のみであり、そこでブレトンという人種が発生したのである。タムリエルの他の地域における人間とアルドマーの子孫との紛争の歴史を考えれば、このような交配がいかにして、またどうしてハイロックで発生したのであろうか?

その答えは、かつてタムリエルの北西部を支配していたエルフのクラン・ディレニの(エルフにとっては)独特な文化の中にある。出会った人間をすべて容赦なく奴隷にするシロディールのアイレイドとは対照的に、ディレニは征服した地元のネードを、単に貴族社会のカーストに組み込んだだけだった。上流階級のエルフは人間を臣下として支配する封建制度を敷き、その権利や特権には望んだ人間を誰でも相手にできる「性交の特典」が含まれた。魅力的なネードとの性交はちょっとした娯楽として考えられ、ディレニの貴族達は、極めて魅力的な人間の臣下をどれだけ抱えられるかを競ったのである。

このような性的関係から必然的に生まれた半エルフの子供は亜エルフと考えられ、ディレニの親の家族に引き取られることはなかったが、ネードの臣下の中でも特権を与えられることがよくあった。これにより、長い時間を経て、「ブレトン」(エルノフェクスの「ベラトゥ」もしくは「ハーフ」から)という名を与えられた混血の人間のカーストがはっきりと形成されるようになった。ブレトンは人間とだけ結婚することを許され、長い時間をかけて彼らのエルフの血はより薄くなり、ネードの外見が濃く出るようになった。

第一紀の頃は彼らも偉大な力を備えていたが、その頃でもクラン・ディレニのエルフは決して数が多くなかった。支配地域の拡大とともに、管理と支配は少しずつブレトンのカーストへと移っていった。第一紀482年に侵攻してきたアレッシアの大軍を打ち負かした後、クラン・ディレニは散り散りになり力を失ってしまった。エルフがハイロックの中央、最終的にはバルフィエラの島に逃れる一方、ブレトンは易々と彼らの跡を継いだ。ディレニが敷いた封建制度をそのまま受け継ぎ、彼らの地位に自分達の貴族を就かせたのである。

ディレニの伝統と自身を区別することを強要されてきたブレトンの貴族は、エルフやエルフに関するすべてを自分達から遠ざけることで新たな即位を正当化した。皮肉にも、古い貴族の家ほどエルフの血が強く残っていたのは言うまでもないが。ディレニは以前の臣下にますます中傷されるようになり、島のクランはさらに隔離されて孤立していった。しかし、彼らは今でも偉大な魔術師として知られており、第一紀907年に起きたレッドガードの侵攻を追い払うほどの力を持っていたことは間違いない。

ブレトンは自身を再定義し続けた。ディレニの支配に抵抗した気高い歴史の神話を創作し、タムリエルの沿岸地方で貿易を行う商人階級を育て続けた。女帝ヘストラとその軍団が第一紀1029年にバンコライ峠に到着した頃には、人間の帝国に加わり、八大神に帰依する態勢が整っていたほどである。レマンの支配下において、ハイロックは第二帝国の中ではおそらく最も安定して栄えた場所であっただろう。

そして、題目の(わざと挑発的にした)質問に戻ってくる。ブレトンは雑種か上位種か?その答えはもちろん両方である(もしブレトンを雑種と呼べば、少しばかりの鋼鉄が飛んできそうだが)。ブレトンという情熱的な人種を見れば、人間とエルフ両方の強さ、そして欠点も同様に体現していることが分かるだろう。

わが使命、わが誓いOur Calling, Our Pledge

ドゥラク修道院長 著

この一団に入ってきた新人はほとんどが私に「霊魂の守人になることの意味とは?」と尋ねてくる。この戸惑いは当然のことだと思う。アズラは道を示して下さるが、それがいつも我々が考えている方法で示されるとは限らない。彼女は私に話しかけてきたが、それも人生で2度である。それも夜に辛うじて聞き取れる穏やかな囁きのみであった。

ドリームシャードとはアズラの贈り物だ。我々が毎晩飲む夢見ずのの薬も同様である。アズラが予見するのは、悪夢の女王ヴァルミーナがこの地にいつ狂気の災いをもたらすのかということだ。我々がそれを止めない限り、数え切れない罪のない命が失われるだろう。

夢見ずの薬を飲めば我々はヴァルミーナの狂気から守られる。そうすれば他の人々を、夢で気を狂わされた魂や犠牲者を助けられるかも知れない。災いの時、我々は立ち向かう。これはアズラ、そして誓いによって示された…我が使命なのだ。

石喰いの聖なる儀式Sacred Rites of the Stonechewers

ネリック・ステロン 著

私は長期間にわたって石喰いゴブリンの部族を観察している。彼らの日々の活動を記録してきて、その習慣や日課に随分詳しくなってきた。ゆっくり時間をかけて、少しずつ彼らのキャンプの境界近くまで近付いた。時々姿を見せて相手に自分の接近を慣れさせるようにも仕向けた。ある時、木の後ろで用を足そうとしていた1人の戦士が私の監視所を見つけ、不平を言いつつ不格好でありながらも使いやすそうな短剣を取り出した時は、私の仕事もここまでかと思った。幸運なことに、部族の呪術師が私の近くへやって来ると、戦士に声を荒げて、彼の剣を振り払ったのだ。呪術師は私を指差して、自分の頭の側でゆっくりと手を回転させた。私が思うに、それはゴブリンの意思表現の1つで、格上の知性を認識したことを意味するのだろう。いわゆるこのような原始生物にそんな学識の一面があるとは誰が考えただろうか?

それ以降、敵対行動は一切なく、彼らの女子供とそれなりの距離を保っていれば、ゴブリン達は私の存在を許容してくれたのだ。時折、戦士が吠えてくることはあったが、私はただ自分の頭の横で手を回転させて「知性的存在」の意思表示を行った。すると、戦士は肩をすくめて自分の仕事に戻っていくのだ。

ゴブリンの宗教的な習慣について知られていることはほとんどないため、私は部族の呪術師を詳細に調べることにした。彼の仕事場のシンボルは骨の棒、おそらく大腿骨だが、その先端に小さな頭蓋骨を取り付けた物であった。その頭蓋骨もおそらくは幼児の物であろう。この頭蓋骨は様々な羽、とげ、そして動物の爪で飾られている。中は木の実の外皮のような物で満たされているため、振るとガラガラと大きな音を立てる。呪術師は、聖なる儀式の招集をかける際や女の食事の給仕が遅い際に、この神聖なシンボルを振り鳴らすのだ。

特に重要な儀式では、呪術師はそのシンボルを胸に当て、それから頭に当てた後、それを空に向けて「モロク!」と叫ぶ。最初私はこれに戸惑った。彼らがヅラゾグや子供を折檻する際に使う言葉「モールク」や糞便に対応する言葉「ムロコー」に類似していたからだ。しかし、少しずつその差異を学び、呪術師が叫ぶ「モロク!」にはゴブリンの神を呼び起こす意味があると、ある日私は気付いたのである。

その言葉がとても印象的だ。「モロク」は「モーロッチ」とそれほど違いがない。まさかゴブリンの神とオークの神は同一のものなのか?

このほどの発見ならウェイレストの大学で終身在職権を得られる!そのためにはこの発見を第三者が確認することが必要だ。だがどうやって?

夢から夢へTo Dream Beyond Dreams

百の預言の予兆 著

メネヴィア、緑多き愛しきメネヴィア、そこにある若いブレトンが住んでいた。彼は歴史的遺産を受け継いでおり、身の周りの世話は人を雇っていたため自分は何もする必要がなかった。間仕切り窓のところに座り、ひし形窓の外で田舎の風景が日の光とともに変化する様子をじっと眺めた。その日彼は、辺りが暗くなり就寝の時間になるまでずっとうとうとと過ごしていた。その後床に入った彼は夢を見たのである。

彼はどんな夢を見たのか?それは自身の所有地の夢だった。しかし日中のものよりも色が濃く、実物以上、さらに汚れのない清らかなものであった。夢のメネヴィアは現実のメネヴィアよりも現実味があり、起きている時よりも寝ている時の方が生を実感できたのだ。毎日彼は間仕切りのところで、夢を越える夢を見る方法を模索した。夢見のメネヴィア、レヴァリメネヴィアで永遠に暮らす方法を。

彼は「レヴァリメネヴィア」と言う。それは祈りの言葉であった。「レヴァリメネヴィア、レヴァリメネヴィア」。彼は何千回もこの祈りの言葉を口にした。すると、その言葉はみるみる「ヴァーメネヴィア、ヴァーメネヴィア」に変化していき、さらに回数を重ねて短くなっていった。そして最後には「ヴァルミーナ」となり、彼は何度もそれを繰り返す。「ヴァルミーナ、ヴァルミーナ」

そこで夢の形でヴァルミーナが現れ、彼のことを天上の夢見人、最初のナイトコーラーと呼ぶと、百の預言の予兆と名付けたのである。目覚めた後も、まだ夢の中にいるようで夢うつつで言葉を発し、彼は他の夢見人を彼のもとへ、レヴァリメネヴィアへ呼ぶのであった。

あなたもすぐに彼のようになれる。ナイトコーラーはそれを夢見てきた。ある夜夢を見たら、そこでその名前を言うのだ。そうすれば彼女が現れる。

霊魂の守人の創設Founding of the Spirit Wardens

信者のサークルの第三の番人、ジャニス・ムリック 著

第1章:ドゥラクの若年時代

ドゥラク修道院長は我々の崇高な指導者であるが、彼がその肩書に満足することはない。巨匠ウグバクがかつて言ったように、その理由はオルシニウムの廃墟での彼の幼少時代に関係しているようだ。オークにしては小柄なドゥラクが、オークにとっては馴染みの薄い神秘主義の道へ進んだのは、兄弟のいじめのせいだというのは誰もが考え得ることである。

ウグバクが言うように、ドゥラクの物語はオルシニウムから始まる。そこでの彼の運命は辛く寂しいものであった。ドゥラクの生活が一変したのは、デイドラ公アズラが囁きかけてきた夜からである。アズラは、ドゥラクが偉大な任務を完遂すると語ったのだ。彼はストームヘヴンへ行き、そこで彼女の名のもとに崇拝者の一団を築き上げる。この一団「霊魂の守人」が混沌の時、ストームヘヴンの人々が悪夢の狂気に苦しめられる時に向けて備えるであろうと。

ドゥラクはこの囁きを兄弟に教えるつもりはなかった。魔法の知識と身体能力が乏しいせいで、すでに嘲笑されていたからだ。彼は杖以外何も持たずにオルシニウムの家を出発し、ストームヘヴンへの長い旅を始めたのであった。

ドゥラクはストームヘヴンへ辿り着くが、「霊魂の守人」の一団をどのようにして築いて、どこで暮らせばいいのか見当もつかなかった。途端に彼は絶望した。ある夜、彼が嘆きの巨人の下で宿りをしていると、再び囁きが聞こえてきた。穏やかなアズラの声が語った内容はムーンリット・モーの西にある丘に隠された道についてであった。その行き着く先で、ドゥラクは草に覆われて見捨てられた古代の大修道院を見つけた。ここが霊魂の守人の本拠地なのだと彼は悟ったのだ。そして、そこがアズラへ通ずる我らが聖堂となったのである。

ドゥラクの指導の下、我々はヴァルミーナによる夢の災いに備えている。我々はストームヘヴンを悪夢から守るために築かれた。命尽きるまでそれを遂行しよう。