帝国蔵書庫

Imperial Library

アイシャへのラブレターLove Letter to Aishah

美しいアイシャへ

柔らかい愛しき人。エズダッシュのことを叩き、尻尾を踏み、執行官の棍棒で顔を殴ったことは許そう。貯蔵小屋にいた放火犯の言葉を伝えたのはこの者の落ち度だ。だが何て言えば良かったんだ?エズダッシュは恋愛のことになると、愚かで衝動的になる。それに私の話にもいくらか真実が含まれている。君は姿を現すなり、エズダッシュの腰に火をつけたね。耐えられないほどの熱さだったよ、陽気なハニー。蒸し焼きにでもするつもりだったのか?

自分の衝動を否定する必要はない。なぜ取り繕う?君は快活な乙女、エズダッシュは頑健な悪党だ。これはジョーンとジョーデと同じくらい昔の話だろう?物語の始まりは静かだが、最後は情熱的な毛繕いと熱心な愛のレスリングの長い夜で幕を閉じる。

反抗しても構わない。エズダッシュにあだ名をつけて、捕まえるために必要な令状を書いても構わない。だが心と臀部は待ち焦がれている。この目で見たんだ!濡れた唇、平らな鼻、背中に逆立って生えた少量の毛皮。蹴られても、エズダッシュは腿の変形、大きくカールした尻尾は分かる。君の望みは間違えようがない。

日没に樹木園で会おう、私の激しい子猫。触れ役が熱い夜になると言っていた。蒸した夜になる。活気のある「マトンを隠せ」ゲームにぴったりな陽気だろう?スパイス入りワインのボトル…ただそれだけを手にジュニパーの木の下で待っている。

たくさんの濡れたキスと共に
エズダッシュ

これで終わりだThis is the End

グレイバイパー、帝都、帝国そのもの、つまり我々全てが絶望的な状態にある。デイドラは止められない。彼らは衝動のみで行動し、それは見るも恐ろしいものだ。

何年か先、もし誰かが生き残りこの文書を見つけるならば、道楽と犯罪に染まった生涯を終えた後の宿命を嘆き悲しむグレイバイパーを皮肉に思うのかもしれない。しかし、私がバイパーとしてしたことは生き残るためのものだった。デイドラの侵攻の前の繁栄時に、ある研修中の学者が、帝都の全ての人に備えがあるわけではないことを発見した。私はグレイバイパーに入ることで、自分自身の備えを用意してきたわけだ。

しかしながらこのデイドラ達は…我々を殺し、傷つけ、悪魔的な病気に感染させる上、それにより活気づけられている。それが彼らにとって、苦悩を生むための芸術であり、想像力のはけ口なのだ。改造するための定命の者の体がなくなれば、それを得るために乗り出してくる。じきに私の番が来るだろう。そして私は、彼らが創り出すグロテスクな宿命を拒絶するだろう。

だから私はコレクションを始めた。看守長の道楽のために監房から外に駆り出され、見せしめにされて鞭打たれている時に、その辺りの死体からロープや布の切れ端を略奪しているんだ。週が終わる頃には、ここから出られるだけの量が揃うだろう。

シヴキンについてOn the Xivkyn

招聘されたデイドラ学者の評議員、ペラギウス・ハーバー 著

デイドラ学は、大惨事が生んだ科学である。我々の素晴らしい発見は必ず黒焦げの羊皮紙に震える文字で書き記されている。私の場合も同様だ。次元融合によってデイドラに対する理解は劇的に深まったが、その代償も大きい。自分の成果が今回の災厄で消失していないことを祈るしかない。

モラグ・バルの先遣隊の精鋭シヴキンについて書き記すのは自分が初めてだと思われる。「シヴキン」という単語は、言うまでもなくシロディールの影響を多分に受けている——ズィヴィライとドレモラの双方に類似性を持つことから作られた品のない混成語だ。また実のところ、彼らはモラグ・バルが自身の護衛として「育成」したハイブリッド種でもある。彼らは、時間によってストラヴィリク、キムリキフ、ヴィルサゴと名乗り方を様々に変える。あらゆる定命の者を嫌っているが、その中でも特に彼らと同盟を結んでいるドレモラを憎んでいる。シヴキンは忠誠を非常に重んじるため、ドレモラのメエルーンズ・デイゴンに対する背信行為は許しがたい罪と見なしている。

全てのデイドラの中で、シヴキンが最もモラグ・バルに似ている。彼らは、彼の定命の者の魂に対する抑えきれない欲望や魂石入手への執着心を共有している。私からすれば、これらの「収集」に対する貪欲さはある種の病に見え、行き過ぎた吸血行動に取りつかれているようにも見える。これまでシヴキン同士で物理的に争っている場面は見たことがないが、より多くの魂石を手に入れようとお互いを陥れようと画策することは日常的にある。これらの企みは日常的に行われるが、より位の高いデイドラから咎められることは滅多にない。

悪巧みを企てるシヴキンだが、彼らは厳格な軍事的能力を維持している。モラグ・バルに対する忠誠心が身体的な力や神秘の力と組み合わさることで、彼らはデイドラのタイタン以来の非常に恐ろしい存在となっている。まだ分からないことはたくさんあると思うが、この辺りでこの分野の研究を終わりにしようと思う。

ジリンダラガンの告白Glyndallagan’s Confession

私はジリンダラガン。これは私の告白だ。

まず事の始まりから話すことにしよう。そんなものが本当にあるかは分からないが。街にやってきた頃、私は貧しい魔術師だった。ポケットには穴が開き、唯一の所持品は小間物が詰まったうるさい荷車だけ。詐欺師といって差し支えないことをしていた。簡単なゲームだ。金を持った狭量な人間を荷車のところに呼び寄せ、賭けを持ちかける。「賭けてもいい、私はあなたのポケットに入っている物を全てリンゴに変えられる」と言ってね。もちろんいつもリンゴという訳じゃない。指ぬき、ボタン、古い靴の時もあった。彼らは必ず賭けに乗ってきた。そこで簡単な転位呪文を唱え、彼らの所持品を自分の荷車に、そしてその代わり前日に拾ったゴミを相手の方へと素早く移す。このような転位は実際の変性転換と比べると非常に簡単だ。こうすることで私には二重の得がある。相手が持ち歩いていた物が手に入り、賭け金ももらえる。このおかげでしばらくの間はまともな生活ができていた。あのガイコツ野郎に出会うまでは。

彼は非常に背が高かった。そしてとてもとても細かった。彼が歩くと、手持ちの小銭入れから驚愕の音が聞こえた。まるで骨と骨が擦れ合うような音だ。私は彼の足を止める必要も口説き文句も言う必要がなかった。彼は自分のポケットに手を入れると掌いっぱいに何かを握っていた。歯、骨のかけら、光る破片…無言が私を不安にさせ、その手に握られた様々な不気味なものに平静さを失いそうだった。でも当時の私は強欲だった
。強欲で愚かだった。

ようやく彼は低い耳障りな声でこう言った。「賭けないか?」

「いいとも!」と私は答えた。「小装飾品8個をドレイク8枚でどうだ!」

「成功したらドレイク50枚にしよう。だが失敗したら…」と彼は言った。

賭け金がドレイク50枚!これを理解するのにしばらく時間がかかった。失敗することについて一度だって考えたことはなかった。「そうだな、失敗したら私がドレイク50枚支払おう」と言ったが、これが彼の気持ちを逆なでしてしまったらしい。品物をポケットにしまって去っていった。

今なお、この時の恐怖に深い眠りから息を切らしながら目を覚ますことがある。何度も繰り返し思い出す。彼をそのまま立ち去らせていれば。他の標的に気が逸れていたら、あるいはもっと昼食を早くとっていれば、これらは全て避けられたのかもしれない。だが先ほど言ったとおり、私は強欲で愚かだった。彼の背に向かって「他に何が欲しい?」と叫んだ。

彼は振り向くと、笑みを浮かべていた。少なくとも笑みだったと思う。彼の顔を覚えていない、分かるだろう?誰も彼の顔を覚えていない。彼は小声で「手品が終わったら返すことを約束してほしい」と囁いた。

彼は私のゲームを心得ていた。街の詐欺師はドレイク5枚で変性転換の呪文を唱えたりしない。彼は転移呪文を使って私が自分の荷車に物を移動させていることを知っていた。それなら何を心配する必要がある?呪文を唱えた後、荷車に手を伸ばして物を渡すだけでいい。みぞおちの辺りに恐怖を感じたが、彼の湿った青白い手をとり握手した。「約束する」と私は言った。この言葉によって自分の運命が決まった。

いつも通り転位の呪文を唱えた。明るい閃光とカラフルな煙が現れた。全ては計画のうちだ。そして期待通り、彼が持っていた一握りの恐ろしい小装飾品が、ボタン、曲がった銀食器、靴革のクズへと「変わった」。

「素晴らしい」ガラガラ声で彼は叫んだ。「さあ、私の物を返してくれれば賭けはおしまいだ」

私は有頂天になった!ドレイク50枚!三流の騙し技でドレイク50枚をもらえることに、私は荷車を開けながらほとんど踊っている状態だった。しかし何かがおかしかった。私の物が全てなくなっていたのだ。何もかも。あらゆる場所を探した。ポケットの中、荷車の中、その下の道路も。何もない。「どうやら失敗したようだな」と彼は言った。

こうしてガイコツ野郎への終わりなき奉仕の日々が始まった。死ぬまでなくなった彼の所持品を探し続ける。

私の人生は呪われている。夜は悪い夢ばかり見て、昼間は起きている状態で恐怖を感じる。骨に負担がかかり、きしむ。髪は日に日に細く薄くなっている。すべては一握りの骨と歯のゴミクズのために。

そこで私は親愛なる読書であるあなたに協力をお願いしたい。あなたの恐ろしい小装飾品を持ってきてほしい。骨片や血だらけの爪を。それを私の戦利品保管室に持ってきてくれれば、想像できないほどの富を与えよう。それらがどこから来たのかなんて詮索しないほうが身のためだ。多くの富を…手に入れる必要があった。罪の意識は呪われた者が手に入れることのできない贅沢品だ。いや、小装飾品以外のことに興味はない。

いつの日にはガイコツ野郎の小装飾品を全て見つけられるかもしれない。もしその日が来たら自らの命を絶ち、この憎き世界を後にする。

テルバー・ストーンについて:第1巻On the Tel Var Stones: Volume 1

テルバー・ストーンの性質について:第1巻
ヘルミニアス・ソフス 著
帝国大学の錬金術師へ:

まずは錬金術師の同胞たちに忠告する。このレシピは私が入念に吟味しながら開発を行った。数えきれないほどの時間を研究と実験に費やして出来上がったものだ。自分の功績であることに議論の余地はないが、専門知識はないものの親切な従者、アゼイ・アトオウィノクに感謝の言葉を述べなければ、それは私の怠慢と言えるだろう。ただアゼイは優秀な研究者でありながら、テルバー・ストーンについて馬鹿げた考えを抱いている。彼はこれらが神々、あるいは創造そのものと関連があると繰り返し、壊してはいけないと注意してきた。このような憶測に一切の根拠はなく馬鹿げており、石の実験を中止する理由に値しない。

レシピ自体については、寸分の狂いもなく行う必要がある。優れた才能を持つ者が行えば成果が出ると確信している。相応しくない者の手で行えば、きちんとした成果が出ないかもしれない。以上が称讃すべきこの作業に伴うリスクだ!

テルバー・ストーンについて:第2巻On the Tel Var Stones: Volume 2

テルバー・ストーンの性質について:第2巻
ヘルミニアス・ソフス 著
帝国大学の錬金術師へ:

テルバー・ストーンの準備は下記の通り:

テルバー・ストーンを乳鉢と乳棒で必要な分だけすり潰す。ろ過水をそこに加え、専門家か学者用に作られた蒸留器で抽出を行い、別の研究に使用する蒸気を分離させる。ここで炉に粉っぽい液体を移すが、必ず低品質なものを使用すること。これはシンプルな材料でできたラミキンを使った方が、自然な温かさで混合物が灰になることを防げるからである。鉄製のおたまで混ぜながら、表面に浮いている脂肪のような白っぽい凝固物を取り除いてきれいにする。液体が透明でなくなったら(そしてやや不気味な光を放つようになったら)、最初に用意したテルバー・ストーンと同量のオーリピグメンタムの粉を振り入れ、さらに小石18~20個程度の重さがあるドゥエマー硬貨半分ほどの鶏冠石を入れる。オーリピグメンタムと鶏冠石が混ざりあったら、クリムゾン・ニルンルートの粉末カプセルを投入する。粉は強い光を放ち、淡く光る。光が弱まったら、正確に計量できるよう縁に注ぎ口や刻み目がついたおたまで玉虫色になった凝固物を取り除き、混合剤の約半分を上級錬金術師用の蒸留機に流し込む。残った液体から数滴取り出して、神聖水が入った別の小瓶に落とす。注意:この時、小滴が丸く、尾を引く様子がなければ、テルバーの量が少ないことを意味する。加熱が不十分だった可能性が考えられる。こうなった場合、レシピは無駄になり、調べるまでもなく取り込まれていたマジカは解放されている。

(自分の助手が単純かつ迷信的である場合、このような失敗によって多少なりとも創造の本質が失われたと思い込み、泣きごとを漏らす者がいるかもしれない。もちろん、そのような事実はない。このような考えは無知を助長させる可能性があるため、厳しく注意したほうがいいだろう)

テルバー・ストーンについて:第3巻On the Tel Var Stones: Volume 3

テルバー・ストーンの性質について:第3巻
ヘルミニアス・ソフス 著
テルバー・ストーンの観察および魔法の流派:

本物の錬金術師なら、本論文の第2巻で説明した方法で精製されたテルバーペーストはこれまで行われてきた研究の中で最高品質を誇るものだということに同意いただけると確信している。最も暗愚な新人でさえ、この実験によって精製されたアイレイドゥーンの集合体は、強力かつ独自の形態でそのままのマジカを含有しているとの結論に至るはずだ。事実として定着しているこの主張と共に、テルバー懸濁液の特異性へと話を進めよう。

最も明白な(そして専門知識が少ない者にとって不吉に感じられるらしい)性質はペーストの永続的な温かさと水晶の粒が放つ明るく揺るぎない赤みを帯びた光だ。もちろんこれは錯覚と復元の双方と強い関連性があることを示唆している。また濃厚懸濁液から汚水をろ過した後、その表面にオリハルコンを置くことで力の本質が発現する。鉱石が空中に浮かぶのだ。これは変異の可能性を秘めていることを示す明確な証拠だ。よく調べてみれば、液体が大量の微細な白い水晶の溶液に変わっていることが分かるだろう。これらの粒子状物質は集まって塊となり、魔術師の石と同じように振動する。懸濁液自体に他の錬金術的な物質を混ぜると、基本的な障害のすべてに対して局所的に遅くなったり弱くなったりする可能性がある。つまりすさまじい破壊力を有していることは否定できない。最後になるが、前のレシピで蒸留器から取り出したテルバーの蒸気に向かって強力な破壊の呪文を一度使用すれば、蒸気そのものがその単純な効果を跳ね返すようだ。神秘主義の明確な特性といえる。これによってこれらの石には、あらゆる魔法の性質が内在していると結論づける他ない。

テルバー・ストーンについて:第4巻On the Tel Var Stones: Volume 4

テルバー・ストーンの性質について:第4巻
ヘルミニアス・ソフス 著
テルバー・ストーンの性質に関する結論

この有意義な作業によってまず判明したのは、テルバー・ストーンそのものと数多く存在する独創的な魔法の使用方法との間には、強い繋がりがあるということだ。物理的にいえば、これらは紛れもなく魔法的な輝きを持つ汚れなき石だ。しかし専門知識のある者が調べれば、何らかの方法でこれまで研究されてきたどの物質よりも多くの魔法の力が込められていることが分かる。アイレイド自身でここまでの力を作り出したとは考えにくく、長きに渡って魔法を集結させた空っぽの採石場から実質的に同じ性質を持つ石を掘り起こしたのではないかと考えられる。あるいはニルンの彼方から織り合わされた魔法の糸の中心に触れたのかもしれない。はたまた本や大昔に亡くなった学者の資料からこの素材を作り出したのかもしれない。これらはすべて仮定に過ぎず、さらなる証拠なしには事実として認めることはできない。第2巻で紹介した方法は石に含まれる魔法の蒸気を見つけるための方法の一つにすぎない。他にも方法はあるかもしれない。かつて、このような魔法現象を調べるためにドゥエマーが装置を設計したことが分かっている。この装置によって、テルバー・ストーンの起源についてさらにデータが手に入り、最終的にはどのような石がさらなる研究実験に役立つか分かるかもしれない。

ボロボロのメモBattered Note

このメモは間違えていた。出口はない。ホーヴァーがさらにいるだけだ

最初のはミシンディルと私が殺した。でもその後肉の獣が来て、もう1対来た。それぞれがツバを吐いてきた

1回、そして2回とツバを吐くと、ミシンディルは一瞬で溶けてしまった。1回、そして2回…

何故私を殺さないのだ?

よれよれのメモFrayed Note

ヴァロスとイリウス。2人共、愛してる

監獄は陥落するThe Prison Must Fall

デイドラが監獄を制圧している。闇から生まれた大きな羽根を持つ巨大な生き物達がはびこっている。

しかし、私が書いているのはその副官についてだ。「肉の彫刻家」と呼ばれている強力な死霊術師だ。市民がここに連れて来られ、収穫されているのは彼の命令によるものだ。この彫刻家は、定命の者の臓器を疫病と病気を運ぶ肉の装置に変えてしまう悪戯を習得している。その肉の装置は周辺に有害な雲を吹き出して、大地を汚染する。彼らは街中にこの殺戮エンジンを千体、分散配置するつもりだ。

この戦いは、すぐに終わりを迎えるだろう。

救助に誰も来ないということは、将軍達も諦めてしまったとしか思えない。しかし監獄は帝国の元に戻されなければならない。

表門を越えて奥深くに進めた者はいないし、そこから先も決死の道のりが続く。帝国に仕える者として、この知らせが上の者に伝われば嬉しく思う。

管理人の手紙Groundskeeper’s Letter

リナス

さて、若造。アレンタスからお前が火葬場の外で幽霊を見たとかなんとか言って、血相を変えて請負人のオフィスに駆け込んだって聞いた。まだ仕事を始めて日が浅いから、説教は勘弁してやる。本当のことを言うと、この記念地区にはたくさんの「幽霊」が出る。幸いなことに、奴らはお化けじゃない。どこにでもいるただの墓荒らしだ。忌々しいカジートが小麦粉を被って、一晩中宝石を探しまわる。そんな奴らの後始末をするのが面倒じゃない訳がない。

「何を探しているのか」だって?お前が生まれるずっと前の話だが、ここは昔、市場だったんだ。それはとても素晴らしく…シロディールで1番だった。香辛料、絹織物、良質な宝石を値切ろうと多くの人で賑わっていた。お前にも見せてやりたかったよ。とにかくヴァレンがコロヴィアの部隊を連れて現れた時、レオヴィックの軍団はここで最後の力を振り絞った。当時はまだ子供だったから週の半分以上を下水道の中で過ごし、事態が収まるのを待っていた。濡れた小石の上で眠り、汚い水を一週間飲み続けた——その間聞こえたのは叫び声、金属がぶつかり合う音、それに爆発音ばかりで、歯がガタガタ震えて抜け落ちるんじゃないかと思った。全てが終わると、地区がまるごとなくなっていた。文字通り、全部消えていた。自分の膝より高いものは見当たらなかった。当時9歳か10歳だったのに。あとは死体があった。何百と。ひょっとしたら何千かもしれない。あんな臭いは二度と嗅ぎたくない。エリアナの馬車の下で見つけた犬みたいな匂いだった。しかもあの時はそれから逃れられなかった。周辺全体に充満してたんだ。

ヴァレンがレオヴィックを排水路に捨てると、手下に命じて全ての死体を集めさせ、集団墓地に放り込ませた。全てが終わる頃には、市場のためのスペースは最早残っていなかった。そこで地区全体を墓地にしたんだ。そうして記念地区ができた。

さて、歴史の授業はこれくらいでいいだろう。話をカジートに戻そう。馬鹿げたことに、彼らはこの地区にまだ宝石とかが残っていると思っている。言っておくが、まだここに高価な物が残っているならこの手で見つけられたはずだ。見つけられていたら、こんなところで鋤を振り回し働いてない。

明日、バルスのじいさんのとこに行ってこい。上質な強い弓を買ってくるんだ。今度「幽霊」を見たら、そいつの尻に矢を放って、刺さるかどうか試してみるといい。きっとドアに尻尾を挟まれたイエネコみたいな悲鳴を上げる。ドレイク10枚賭けてもいい。

——管理人ガヴロス

丸められたアリーナのチラシCrumpled Arena Flyer

寄ってらっしゃい見てらっしゃい!残虐な死の祝宴をご覧あれ!

帝都のアリーナがついに営業開始!定命の者が大量に血を流し、苦痛に悶えながら革新的で屈辱的な死を迎える様子が見たくなったら、昼夜を問わずいつでもどうぞ!
宴は次元融合が完了するか、定命の者がいなくなるまで、休むことなく続きます。

お急ぎください!恐怖の雄叫びと苦悶の叫びが皆さんをお待ちしています!

残虐の王の名によって
リングマスター・ドレダザ

元老院の議事録Minutes of the Elder Council

白金の塔の評議会室にて開催された会合

参加した評議員:ロビディカス評議員長、ファレリア評議員、ジリッチ評議員、アボール評議員、イティニア評議員。
欠席:摂政女帝クリビア・サルン、アブナー・サルン議長、側近マニマルコ、ヴァンダシア評議員

その他の参加者:第二軍団のニピア将軍、ムスピダス執政長官、サマーセット諸島のリンエディル大使、ハイロックのジャディール・プローデ大使。

古い出来事:
ジリッチ評議員の報告によると、最近施行された政策によってエルフの庭園における動物の排泄物の問題に改善が見られた。

イティニア評議員の報告によると、前回の評議会の会合にて決定した今年の軍団兵舞踏会を南中の月の1日まで延期するという件について多くの賛同が得られている。リンエディル大使は、新しい日程であれば、スカイホールドから絹が届いてから参加者が新しい衣装を発注するまで十分な時間があるという。

ヴァンダシア評議員は不参加だったが、届いた手紙にはギデオンに残ることにしたと書かれていた。ニベネイ盆地で起こった鉄の危機の対処に当たるほうが、役に立つと確信があったのだろう。

新しい出来事:
ロビディカス評議員長は記録として残すため、今月の決算によると摂政女帝とその側近たちの支出が、皇帝ヴァレン時代の年間支出の7倍以上に相当していることを指摘した。評議員長はニピア将軍に武装した護衛を送り込ませ、サルン議長を強制的に次の評議会の会合に参加させる動議を出した。ニピア将軍はこれについて、強く反対した。この件は採決を行うことになり、動議は却下される形となった。

採決後、アボール評議員は具合が悪いと主張。今朝、神々の聖堂で食べたブランチのマッドクラブが腐っていたと思われる。アボール評議員が途中退席。

ジャディール・プローデ大使は、直ちにバンコライから第七軍団を撤退させるよう再度評議会に申し出た。ジリッチ評議員は軍団兵の議会でこの件を議題として取り上げるよう動議を出した。この案は採決によって、可決された。ロビディカス評議員長はニピア将軍にこの件を次の軍団兵の議会で取り上げるよう頼んだ。将軍は来年の蒔種の月まで開く予定がないことを伝えた上で、議題にすることを約束した。

ニピア将軍は、帝国軍の中に陰謀を企てる裏切り者集団がいるとの噂が広がり続けていると評議会で報告した。彼は自分の副官たちに徹底的な調査を行わせるべく、その資金を求めた。これについて動議を出す者はいなかった。

ニピア将軍はこの件についてより細かな部分を話し合おうとしたが、断続的に起こった地面の揺れによって妨げられることとなった。帝都のノルバナス衛兵隊長が評議会室に入ってくると、「ダークアンカー」が街のすぐそばにやってきて、貴族地区にはデイドラも目撃されているとの報告を告げた。

これを受け、ファレリア評議員は、状況把握のために評議会の会合の一時休止の動議を出した。この動議は採決にかけられ、可決したがロビディカス評議員長はこれに反対した。

ロビディカス評議員長は、今年の恵雨の月に行われた祝祭が一週間長かったせいで街に広がったと思われる悪臭を軽減させるためにメテグリン香水を下水道の水に加えるというムスピダス執政長官の案を採決するまで評議会の中断はできないと主張。イティニア評議員は香水を入れる動議を出した。本件は採決によって、可決された。

ここでファレリア評議員は再度会合の一時中断を求める動議を出し、採決の結果、可決された。元老院の本会合は一時中断となった。

死霊術師の日記Necromancer’s Journal

もう1人の同房者が死んだ。いつものことだ。ここで生き残るための体力と性格を兼ね備えた定命の者はそういない。でももし私の体が疲れ果てた時には、若きヴァイロンを王座に就け(主達が彼の肉体を使い終わったら)、私のために仕えてもらおう。

主達にできることが私にもできればいいと思う。彼らは死者達を活気ある外観に戻し、その皮膚を刈り取り、戦争で使う生きた肉体の武器を作る。

将軍も、摂政女帝も、その他帝国の階級にいる者達が、戦いを続けようとしているのはバカげている。もうデイドラの支配下にあることを認めるべきだ。私は認めている。デイドラは何も無駄にしないし、彼らの下では全ての人に役割が与えられる。もしその役割が、戦車の前面に仕えることだったとしても。飾りとしてだが。

出口A Way Out

これを偶然見つけた者へ

計画どおりにすべて進めば、私は今頃、この監房にいた元囚人になっているはずだ。出口を創り出すための魔法の材料を集めるのに何ヶ月もかかったが、ついに完成した。新入りの者に言っておくが、デイドラは我々を嘲る為に毎晩檻を開けるんだ。今夜その時、私の魔法を解き放ち、東側の壁を破壊する

私は以前衛兵だった。これは確信を持って言えることだが、この先の洞窟が1番近い出口だ

自由が待っている。東側の壁だ。覚えておけ

崇高なるかがり火The Sublime Brazier

崇高なるかがり火の謎
帝国大学歴史記録部、歴史学者助手、オーグスタ・プルシウス

聖アレッシアの素晴らしい統治の開始と共に、時の竜神アカトシュは彼女に数多くの贈り物を授けた。知恵、自制、活力、そして王者のアミュレットだ。アミュレットがアカトシュと人間やエルフの契約を保つ役割を果たしていることはよく知られている。だがもう一方の「崇高なるかがり火」に関してはあまり知られていない。

かがり火は職人が鋳造した大釜で、ドラゴンのねぐらを模した彫刻を施されている。伝説によると大釜の底はニルンの中心部まで届くほどの深さで、誰も傍にいない時は彫刻のドラゴンたちが遥か昔に滅びた言葉を使い、互いに囁き合うという。かがり火はアカトシュの原初の光となる。これが灯ると、上の街のドラゴンファイアが灯る。

かがり火の場所は極秘となっている。アレッシアの子孫にはエセリアルの「歌」を通じて呼ばれるのが聞こえるという者がいる。この考えによって、多くの者が下水道へと誤って導かれていった。自分がドラゴンボーンだと信じる高慢で愚かな者たちが地下に潜ると、それを隠れて待ちわびていた生物の胃の中へと納まっていった。しかし、これがかがり火の真の目的である可能性もある。皇帝となるに相応しい力と狡猾さを試しているのかもしれない。帝国の下水道は愚か者を容赦しない。歌が聞こえないなら、かがり火を探さないように。

第12章:帝都の墓荒らしChapter XII: The Graverobber of Imperial City

最後にセクンディヌスについて記そう。本当の名前ではないが、こう呼ばれるのは彼に名前がなく、例の罪に問われた2番目の男だったからだ。

セクンディヌスは、何ヶ月間にも渡って毎晩のように起こっていた殺人事件の罪を問われていた。犠牲者の死体は大抵、数日後に掘り起こされ、二度と人目に触れることはなかった。彼が死体をどう処理したのか知る者はいない。彼は犠牲者を掘り起こしているところを帝都の衛兵に見つかり、追われて殺された。彼は誰も知らない魔術か儀式に関する物品をいくつか身につけていた。

実はセクンディヌスが生きている、という話が広まった。彼が殺されたとされる日から数日の間に、彼を殺した衛兵たちが行方不明になったのだ。そのうちの1人は絞め殺されていた。その夜、マントをまとった誰かが下水に死体を引きずっていく姿を見たという目撃者が何人かいる。捜索するも、手がかりは何も見つからなかった。

帝国建築家の書簡Imperial Architect’s Correspondence

元老院の名誉あるメンバー各位

喜ばしいことに、ようやく伝説的な街のセントラータを見つけた!知っての通り、街の地下には入り組んだ下水道や崩れかかっているアイレイドの遺跡が広がっている。以前から、建設には壮大な構想があったと考えていたが、それを証明するのに必要な証拠が不足していた。だが、サルン議長と賢きマニマルコの力を借り、想像よりも遥かに奥深くまで調べられた。

調査によって、全ての水路と道は白金の塔の土台が収納される巨大な地下室、セントラータに繋がっていることが判明した。これは、なかなか目を見張る物がある。塔は6つの巨大な円形構造物に支えられた石製のモノパイルの上に鎮座している。この発見のすごさはどれだけ誇張しても足りないほどだ。6つの地区と塔の関連に関する数えきれないほどの説や街のインフラが作られた時代を裏付けるものとなる。もしかすると、白金の塔の性質とニルンに及ぼす力に関する貴重な見識も得られるかもしれない。

もっと徹底的に調査を行いたいところだが、優秀な協力者のマニマルコが周辺を立入禁止とした。恩を仇で返すつもりはない。彼がいなければセントラータを見つけることはできなかった。それでも、どのようにこの部屋が作られたのかが分かるかもしれない。元老院が仲裁に入ってくれることを願っている。

感謝を込めて。

都市計画議会、帝国建築家、マイセリス・ジュルス

帝国監獄懲罰記録Imperial Prison Discipline Records

承認者:アリウス看守

囚人 20240
新しい監房に移されることを拒否し、監獄職員に暴力を振るった
20日間の独房監禁

囚人 20241
監獄職員を脅迫し、卑猥な言葉を叫び、摂政女帝をののしった
10日間の独房監禁

囚人 20242
衣服の下に鋭利なガラスを隠し所持
15日間の独房監禁

承認者:ダスク看守長

囚人 20243
はっきりと禁止されているにも関わらず、監視者の死霊の凝視が顔を引き裂いている時にまばたきをした
即処刑

囚人 20244
この恥知らずは同房者の心臓を丸ごと食べようとした
即処刑

囚人 20245
職員が監獄文書をこの囚人の肌に刻んでいる時に、この囚人はニルン生まれの動物のような金切り声をあげた
即処刑

囚人 20246
処罰執行前に職員が取り除いた付属肢の損傷について絶え間なく不平を言った
即処刑

囚人 20247
即処刑

囚人 20248
即処刑

囚人 20249
即処刑

囚人 20250
即処刑

囚人 20251
即処刑

囚人 20252
面目を失ったことについて絶え間なく不平を言った
即処刑進行中

コールドハーバーの伝承

Coldharbour Lore

デロディールの消失The Whithering of Delodiil

(著者不詳)

かつて、遥か昔、ハートランドにある街があった。デロディールという名だった。その街には素敵な散歩道があり、勤勉な学者たちがおり、技巧優れた職人たちがおり、踊り子たちがいた。そしてまた、デロディールには勇猛で誇り高い戦士たちがいて、散歩道を、学者たちを、職人たちを、そして踊り子たちを守っていた。戦士たちの数は少なかったが、彼らは屈強だった。

そしてデロディールの人々は多くの神々を崇拝していた。彼らは敬虔で、すべての神に敬意を払っていたからである。しかし彼らは他のどの神々にもまして光の淑女を崇めており、メリド・ヌンダのために色とりどりの光に満ちた教会を建てた。それは栄光のためであり、まるでエセリウスの一部分が定命の者たちの世界に降りてきたかのようだった。そしてデロディールの人々はそれに誇りを持っていた。

だが、谷を超えたところにアバガーラスというもう一つの街があり、デロディールが光を尊ぶのと同じように、闇を尊んでいた。そしてアバガーラスはデロディールと同じくらい多くの市民を有していたが、その中に踊り子や職人、学者の数は少なかった。なぜなら大部分は勇猛で誇り高き戦士だったから。その戦士たちは他の国や街に貸し出され、戦争での働きと引き換えに富を得ていた。そのようにしてアバガーラスは独自のやり方で繁栄を遂げた。

そしてアバガーラスの王はデロディールの誇りだった光の教会を見て、こう言った。「アバガーラスはデロディールと同じくらい偉大な街ではないのか?我々は自分たちの偉大な教会を持つべきだ」。そして王はアバガーラスの富の大部分が、彼自らの守護神、すなわちモラグ・バル王のための祠の建設に費やされることを命じた。そしてアバガーラスの人々はモラグ・バルのための広大な祠を打ちたてたが、彼らは職人ではなく粗暴な兵士たちにすぎなかったので、祠は作りが悪く、色合いもひどく、見るに堪えるものではなかった。しかし、それにもかかわらず、祠はデロディールの光の教会よりも大きかったので、アバガーラスの王は自分の街がそのためにデロディールよりも偉大だと自慢した。それでもデロディールの人々は嫌悪感を示すこともなく、今まで通り自分たちの仕事にいそしんでいた。

そしてデロディールのこうした無関心がアバガーラス王の心に穴を穿ち、彼は苦悩の末、狂気へと追いやられた。王は兵士たちを送り、アバガーラスにあったメリド・ヌンダの小さな祠を冒涜させ、それからモラグ・バルの広大な祠へ行き、大きな誓いを交わした。そうしてある家族をデロディールを訪問した罪で祭壇の前で殺し、王は軍を集結させ、谷を越えて進軍し、デロディールの民すべてを捕らえ、光の教会の中でモラグ・バルへの生け贄に捧げると誓った。

そしてアバガーラスの王は自分の兵士をすべて集め、激しく舞うオーロラによって空が輝いたある夜、谷を越えてデロディールに進軍した。だが王とその軍が到着した時、その地が空っぽであることを発見した。デロディールの街はなくなっていた、煉瓦のひとかけらに至るまで!

そして王は空の光の中から笑い声が聞こえてきたように思った。陽気な騒ぎ声は恐怖の悲鳴に変わった。それは上空からではなく、背後にある谷の向こうから来ていた。王は急いで兵士たちを進めて自らの街に戻ったが、彼らがアバガーラスに到着すると、そこに見出したのはまるで光に焼かれたかのように、すっかり破壊された街だった。兵士たちや王の家族の名残といえば、ただ街の壁に焼きつけられた影が見つかっただけだった。

これが、アバガーラスの物語である。だがデロディールの運命については、これ以上のことは何も知られていない。

ブラックフォージThe Black Forge

キンガルド・ナズクリクソーによる在庫目録の報告

グレート・シャックルのための原料:

黒檀合金の冷たい鉄の供給は17500トンで安定しているが、鋳造過程で発生する減量の一般的な割合を考慮すると、これではシャックルを鋳造するのにぎりぎり間に合う程度の量しかない。もう2000トンの採掘のために、鉄の巨像の巨大な死体の脇にある炭鉱の穴に人を送ったほうが賢明かもしれない。後で謝ることになるくらいなら、安全策を取ったほうがいい。

悔恨の木炭の物資における枯渇の原因を発見したと報告することができるのは喜ばしいことだ。灰インプどもが忘れ去られたプラズム菅を通って倉庫に入り込み、RのCを貪り食っていたんだ(このことがわかったのは、腹が膨れすぎて開いた管を通って戻れなくなった奴を1匹見つけたからだ)。我々は爆発するダクトワームを挿入し、それが巣を発見して灰インプどもをすべて粉砕した。悔恨の木炭における物資の不足は、コスリンギの魂なき者に対する拷問のノルマを上げることで作り出されたものだった。

こういうことを言うのは気が引けるが、私の義務として報告すると、たとえシャックルがスケジュール通りに鋳造されたとしても、1000人の無実の者の血の積み荷を受け取れなければ冷却できないだろう。我々は流血執行人サルタンティクスが繰り返し、積み荷はこちらに向かっており「今すぐにでも」届くだろうと請け合っているが、これまでのところ、受け取ったのは約束だけだ。このことをオーバーキンのレベルにまで持っていくのはためらわれるが、この問題の査察を依頼すべき時だと思う。

メリド・ヌンダの解釈Exegesis of Merid-Nunda

エリンヒルのファラスタス 著

率直に言って、メリド・ヌンダの冊子は第一紀初期から我々まで続いてきた神話史の作品の中でも最も奇妙で、最も理解されることの少ないものの一つだ。冊子は部分的な手稿の形でのみ存在しており、帝都の秘術大学蔵書庫に唯一の写しが保管されている(少なくともかつてはそうだった。しかし魔術師ギルドがヴァレン皇帝の失踪に関して非難を受け、シロディールから追放されて以来、かつては立派だったあの蔵書庫が現在どうなっているか私は知らない)。

幸運にも、私はギルドがまだ所持していた頃に注釈を施された冊子を細部にわたって研究する機会を与えられた。それで私は自分のために私用のコピーを作り、エリンヒルへ戻った際にその謎を解き明かす作業を続けられるようにしたのだった。

メリド・ヌンダの冊子を理解する際の問題は二重である。第一に、現存する文書は明らかにより大きな作品の一部であり、おそらくは真ん中あたりから始まっている。前後の部分がないために、残された部分に関する文脈がほとんど分からない。第二に、冊子はアイレイドの言葉をネードの構文で使用する特殊な隠語で書かれており、その中には他のいかなる文献にも見られない、起源不明の言葉が多く含まれている。

しかしながら、過去にウェネグラス・モンハナおよびヘルミニア・シンナによって翻訳された断片を元に作業することで、この謎の多い手稿における重要な部分のいくつかに関して、新しい光を投げかけられると思う。我々の形式は、各文の翻訳を提示し、次にその意味についての私の解釈を記すものである。

「…は九光輝として知られる、マグナスによって連れていかれる道を選んだ者たちである。メリド・ヌンダはこれら姉妹たちの出身であり、同時に、ニーモ・リーやゼロ・リグ、また…」

これは「デイドラ公」のメリディアといわゆる星の孤児たちに対応するようである。星の孤児とはマグナスがアービスの創造から身を退いた際に、マグナスから分かれたアヌイ=エルの原初存在である。これら星の孤児たちの中で最もよく知られているのはおそらく、青星のニーモリーであろう。ニーモリーは非時間的出来事と結びつけられ、ドラゴンブレイク時の昼間の空でさえ視認できると言われている。

「…それゆえ我々は光についてメリド・ヌンダに話しかけ、セネデリンを呼んで大地を拘束した。それは彼女が暗闇を恐れず、引力と回転の波を泳ぐことのできる稀有な存在だったからである…」

言うまでもなく、アイレイドにとって光は創造の4つの要素のうちの1つである。この文はメリディアが野生のエルフにとって光の化身であったことを確証していると思われる。この文の翻訳は間違っていないはずなのだが、正直に言って最後の文の意味は把握しかねる。

次の文はかなり難しかったが、この翻訳は深遠の暁紀についての我々の理解に対し、まったく新しい挿話を加えることになる。

「混沌領域の王たちはメリド・ヌンダの違反を叱責し、彼女のアービスへの帰還を命じ、その際に現存するすべての球は彼らのものだと主張した。しかしメリド・ヌンダは自らの実体から偉大なるドラグレンズを形作り、マグナスの光はそれによって屈折させられた。光線は新しい球を混沌から[削りだし?集中させ?]、メリド・ヌンダはそれを[笑いながら?きらめきながら?]自分のものと主張した」

これはどうやらメリディアのオブリビオン領域として知られる色彩の間の起源を、神聖な意志の行いによって混沌の物質から直接形成されたものとして詳述しているようである。

そして最後に:

「…それゆえメリド・ヌンダは虹の道を端から端まで[乗る?滑る?]。一方の端ではドラゴンを伸ばし、もう一方の端では縮めながら…」

実に不思議な文である。「ドラゴン」とはもちろん、伝統的に我々が時の神アカトシュとして知る神を指している。どうやらこれは「虹の道」(光の多色反射についての言及か)を旅することによって、メリディアが何らかの意味で時間の流れの進みかたを変化させられるということを示唆しているようである。

時間の「速度」を変える?これは後期アイレイドのソーサラー司祭たちの単なる馬鹿げた思いつきか、それとも、デイドラ公のうちでも最も理解されることの少ない存在の性質についての、真の洞察なのだろうか?

一体、誰に分かろう?

黄昏の蔵書庫:希少本The Library of Dusk: Rare Books

第12貯蔵庫:希少本コレクション

立ち入り禁止

品目:

ミモフォヌス著「アセドリクスの難問」
—9つの驚異的な問いと、読者を狂気へと追いやる解答の数々。

著者不明「ホシルの配置」(カリソスもしくはモラチェリス所有)
—シロディールのノルドにおけるアトモーラの民間伝承を記述した叙事詩の物語。

アーリエイト・サーペント著「グウィリム実践」
—知性を持つ怪物が死ぬ瞬間に、そのマジカを吸収する方法。

アルカン著「バーン・ダルの第3の巻物」
—偉大なる盗賊がいかにしてヴィベクから「第37の教え」を盗んだか——彼がそれを書き記すよりも前に。

「アレッシアとベルハルザの手紙」
—初代女帝と人牛との親密な往復書簡。

リンダイの異端者著「十祖先による十一のその他の勅令」
—古典「十一勅令」のパロディで、十祖先はデイドラよりもアーリエルを崇拝していたと仮定している。

技師カグレナク著「ヌミディウムの青写真」
—巻物がすべて行方不明——回収してくれば報酬あり

ペリナル・ホワイトストレーク著「ロルカーンの心臓との会話」
—アービスの本質についての考察。注意:創作の可能性大。

操舵手トパル著「南海岸は東の海ほどにも遠く」
—偉大なるアルドマー探検家の航海記。

アークメイジ・シャリドール著「考察」(初版本)
—ドラゴンの起源と性質に関する学術論文。

猿の預言者マルク著「アレッシアの教義:手稿原本」
—アカトシュの非エルフ的性質の教理を定義した長い論説。

モリアン・ゼナス著「アポクリファの研究」
—ゼナスが信じることを拒否したアポクリファから判明した真実の概説。全14巻。

透明なる者著「書簡的洞察」
—有害なデイドラの禁じられた祈祷。

コルヴス・ディレニ著「グリモア」
—強大な召喚師の呪文の秘訣。

匿名の作者著「メリド・ヌンダの冊子」(完全版)
—メリディアの本質と、彼女を星の孤児たちと同一視することの誤りを解明する作品。

伝統的な「好色なアルゴニアンの侍女」(完全収録)
—修復中——蔵書庫司書により誤って破損。

吟遊詩人のフョッキ著「愛と剣さばきの技法」
—信じがたく、かつ奇妙に説得力のある数々の功績を持つ遊び人のノルド、フョッキの有名な自伝。希少ではないが、本蔵書庫で年間を通しての人気作。

光なき土牢The Lightless Oubliette

光なき土牢に関するキン報告

過去に光なき土牢での勤務を経験したことがないのなら、よく注意を払うことだ。なぜなら、ここはミスを犯すべき場所ではないからだ。土牢はあの光の尻軽女の虜になったしもべたちのために特別に建設された拘留施設だ。我らがドレッドロードが彼女をどう思っているかは知っているだろう。もしあのオーロランやラストラントたちのどれか1人でも、お前の当番中に逃げ出してみろ。第2級の低速身体分解で済めば運がいいくらいだ。

さて、俺はお前が701の布告をよく知っているかどうかとか、強制追加条項の章や節をそらんじているかどうかとか、そういうことは気にしない。光なき土牢で大切なルールは次のものだけだ。

1.白や黄色に光るクリスタルを施設内に持ち込んではいけない。

陰気なのが好きだからじゃねえんだよ、馬鹿。囚人たちは光の特定の波長を捻じ曲げて、自分たちのために利用できるからなんだ。照明には青いクリスタルを使うか、あるいは剥き出しの炎ならもっといい。

2.囚人たちを拷問して遊んではいけない。

これにはエルフ王も含まれる。いや、俺はなぜかなんて知らん。ただそういうことになっているのだ。噂じゃドレッドロードはあの光の尻軽女のためにとんでもない驚きを企画していて、そのためには彼女のしもべたちの身体が無傷で残ってなくちゃならないんだと。本当かもしれんが、俺は知らんよ。

3.ちゃんと後始末をすること。

ここは最も警備が厳重な施設だ。だから魂なき者は誰も入ってはいけない。管理人でもだ。汚したら、ちゃんと洗うこと。これには実戦演習の時に飛び散った体液も含まれる。今度またフラグストーンに染みが付いてるのを見つけたら、次の勤務時間は痛みの輪の中でやらせるからな。

混沌のクリエイシア:アズール・プラズムChaotic Creatia: The Azure Plasm

ライザンディウス博士 著

境界間神話神秘学の博士として、私は長い間魂と身体の問題、すなわち消滅後のデイドラの身体の再形成、および「面影」として一般に知られるエキスの周囲での身体の形成に興味を抱いてきた。我々がコールドハーバーへの移転を強制されて以来、輝きの淑女の取り計らいにより、私はこの工程を直接観察する数多くの機会を得ることができたため、ムンダスにおいては単なる推測にすぎなかった多くの仮説を確証できる立場に身を置いている。

長い間理解されてきたところでは、デイドラは「魂」として知られるアヌイ=エルのアニムスを欠いており、その身体が破壊されても死ぬことはない。ムンダスにおいて殺されたデイドラは単に「消滅」してやって来た次元に帰るだけであり、そこにおいてデイドラの形態、あるいは「面影」が少しずつ新しい身体を形成し、いずれデイドラは復活する(これは自らの出身地であるオブリビオンで殺されたデイドラにも起きることである)。

さらに、我々がデイドラ自身から学んできたことによれば、デイドラの身体は混沌の物質そのものによって形成されており、これはオブリビオンの「クリエイシア」という、無形かつエネルギーを持つ素材としての面影の周囲に蓄積し、形態の遺伝パターンに順応する。

ムンダスにいた頃、私は単純にもこのクリエイシアを虚無のどこかに渦巻いている、霧状の無形物質のようなものだと考えていた。我々がコールドハーバーに到着して後、コールドハーバー全土に広がるこの青いスライムの液だまり、我々が今では「アズール・プラズム」と呼んでいる物質が、実はクリエイシアがこの次元において取る形態だと気づくまでしばらくかかった。その延長として、私は混沌のクリエイシアがオブリビオンのそれぞれの領域において、次元に対応した、互いに異なる形態を取るのではないかと推理した。この理論は後に、ソージュルナーという名の、無数の次元で存在することを直接経験していたズィヴィライの盗賊によって、私にとっては確証済みのものとなった。

実際、プラズム付着の過程が進行しているところを観察できる、秘密の洞穴の1つを初めて私に教えてくれたのはソージュルナーだった(デイドラが「生まれる」この類の洞穴を見つけるには、ただアズール・プラズムのゆったりした流れを観察し、その向かう先を追っていくだけでいい。プラズム付着は付近の源泉からの遅い吸収を引き起こすからである)。面影が少しづつアズール・プラズムを吸収し、それを一般的から特殊へと変化させていき、ゆっくりと巨大な爬虫類型のデイドロスの大きさと形になっていくのは、実に見事な光景だ。

そして魂なき者という名で知られる哀れな奴隷たちがいる。どれも死に際してムンダスから誘拐されてきた定命の者であり、その魂はモラグ・バルによって、何か想像もできないような目的のために盗まれ、その代わりとして面影がここコールドハーバーにおける紛い物の身体を形成しているのだ。しかし彼らはオブリビオンの生まれではないから、魂なき者の身体は人生に倦み疲れた身体の惨めな模造品でしかなく、急速な消耗と腐敗に苦しんで死ぬ。しかもその死は解放ではなく、面影は再び身体を形成し、それは無限に繰り返されるのだ…

以上が事実である。以下に続くのは、ソージュルナーの不定期かつ予期せぬ訪問の最中に彼と交わした会話から生まれた思弁である。彼の理論では、魂なき者の身体が不完全なのは、それがアヌイ=エルの魂の集中原理を失っているからであり、それゆえに彼らの身体の面影は不完全な模様になっている。それはあり得ると私は同意し、それから魂を失っておきながら、何か別のアヌイ=エルの内的姿を所有している魂なき者の存在という、理論的な可能性を提示した。この魂なき者の「パラゴン」とでも言うべき存在はコールドハーバーにおいて、ムンダスでまとわれていた身体の完璧な複製である無欠の身体を形成するだろう。実際、もしこのパラゴンが十分に高いアヌイ=エル原子価を帯びていれば、パドマーのクリエイシアとの接触によって、その身体はほとんど一瞬のうちに形成されるだろう。

ソージュルナーは私の理論を一笑に付したが、にもかかわらずその発想には興味をそそられたらしかった。彼はさらに思弁を進めて、もしそのようなものがあり得るとすれば、おそらくそれはムンダスが存在の危機に瀕している時に発生するだろうと言った。その場合、ニルンの心臓は自発的にそのような「パラゴン」個体を、破壊から自らを守る手段として生産するだろう。定命の者の身体が伝染病を撃退するのと似たようなものである。

ああ、ソージュルナー。君の刺激的な話が懐かしい。なんという空想の飛躍だろう!しかし、この次元での長期にわたる私の生活で見てきた驚異の数々を思えば、本当に不可能なことなどあるだろうか?

戦いと苦闘の人生A Life of Strife and Struggle

ラロリアラン・ダイナー王の私的な覚え書き「アイレイドの最後の王」への注釈

構成:慣習に則った10章立て。10人の祖先のそれぞれに1章ずつ

第1章:後期アイレイド時代の苦闘(263-331)
—我が父は女帝に辱められた
—ネナラータのシロディール帝国への隷属状態
—非奴隷経済への困難な移行
—強制されたアレッシア八大神の受容
—我、ネナラータの王冠を戴く
—高まる無力と絶望

第2章:アレッシア教団、アイレイドの無秩序(332-371)
—帝都の反乱
—我、皇帝に忠誠を誓う
—シロディールの神権政治
—アイレイドの迫害
—従属国家の縮小
—ネナラータの孤立

第3章:失われたネナラータへの涙(372-374)
—皇帝の最後通告
—頑固者たちとの協議
—ネナラータでの最後の時
—シロディールからの不穏な旅路
—頑固者たちの虐殺の知らせ
—ゴブリンに噛み殺される

第4章:ビョルサエの避難民たち(375-452)
—ディレニによる歓迎
—オークを追放し、街を設立
—湖のビスネンセル
—ブレトンとの緊急緩和、オークとの平和条約
—シロディールからの不快な知らせ

第5章:太古の探究者の驚異(453-460)
—ハルメアス・モラの邪悪な教団
—奇妙な儀式、消えない幻視
—大司祭ウルスキャントが権威を主張する
—夜の殺人
—王家の逃亡

第6章:ディレニの中の聖域(461-477)
—バルフィエラ島
—リャン、エイデン、レイヴン
—スカイリムとの戦争
—戦術家にして戦略家:我が天職の発見
—エルフ殺しのホアグ倒れる

第7章:アレッシア軍の接近(478-479)
—ハートランドから聞こえる不満
—アレッシア主義に転向するブレトンの発見
—宣教師たちの処罰
—アレッシア軍の西進
—クラグローンの陥落

第8章:ハイロックの集結(480-481)
—隷従王への使者
—エイデン、不承ながら権利章典に署名
—農場労働者たちを軍団兵に
—軍がハイロックへ接近
—アレッシアの虐殺

第9章:グレナンブリア湿原の戦い(482)
—開幕の小競り合い
—餌をまく
—ファオルチュ罠にかかる
—隠れていた騎士たちの突撃
—コルヴスとカラーニの召喚獣
—アレッシアの潰走

第10章:ネナラータへの帰還(482-484)
—アレッシア軍の追撃
—クラグローンでの抹殺
—マルーカティの殉教者たち
—ハートランドへの帰還
—ネナラータにおびき寄せられる
—モラグ・バルの狡猾な罠
—コールドハーバーの囚人

ここではたっぷりと時間がある。私の筆記用具が取り上げられなければいいのだが。いかにドレモラとはいえ、そこまで残酷になれるだろうか?

定命の者により召喚されたI was Summoned by a Mortal

デスブリンガー・クランのキンヴァル・ゼッデンカシク 著

私が記憶している限り——そしてドレモラなら誰でもそうであるように、私の記憶は、特に復讐に関する記憶は優れている——私は自分のクランの士官たちに忠実に仕えてきたし、それを通じて我が主、モラグ・バルに仕えてきた。しかしながら、常にというわけではなかった。恥ずべきことながら一度だけ、私は他の者に仕えることを強制されたからである。

私は終わりなき階段を警備する任務に就いていた。これはいつでも楽しい仕事だった。というのも、通りがかる魂なき者を馬鹿にしたり嫌がらせをしたりでき、しかも奴らのノルマ達成について責任を負わなくてもいいからだ。爪の柱のかげから飛び出し、「見つけたぞ、弱き者め!」と叫ぶのは、面白くてしょうがない。

私はダークアンカーの鎖の連結部の後ろに潜み、近づいてくる魂なき者をいきなり殴り倒し、「相手にならん」と嘲笑して、恐怖を与えてやろうと待ち構えていた。すると突然、角から足先まで体中にちくちくと痛みを感じた。目まいがして、危うく青いプラズムの池に倒れこんでしまうところだった。そして突然、終わりなき黒い虚無の中に自分が投げ込まれるのを感じたのだ。

最初は不安を感じなかった。終わりなき黒い虚無に投げ込まれたことのない者がいるだろうか?その場所で自分の体が具現化し始め、空気の味を感じて、初めて最初の不安を覚えた。「弱き者の臭いがする」と私はつぶやいた。私はまったく正しかった。

そこで初めて、私を召喚した者の声を聞いた。召喚者は「ああ、これはなかなか強そうだな」と言い、自分の置かれた恐ろしい状況が明らかになった。なにせ、私を召喚したのは…定命の者だったのだ。

私はぎょっとして振り向き、いったい誰がニルンとの無限の距離を超えて私を召喚したのか見ようとした。すると、目の前にいたのは背の高いサマーセットのエルフだった。こうした手合いは知っている。私はこれまで少なからぬ数のアルトマーの魂なき者をいたぶってやった。それも大いに楽しんで。こいつらは定命の者にはふさわしくない、偉ぶった傲慢さを隠そうともしない。このエルフは私に軽い、値踏みするような一瞥をくれた後、背を向けて「ついてきて戦え。虫の教団の信者どもを退治する」と言った。

虫の教団の信者。この屈辱を想像できるだろうか?憎たらしい定命のエルフによって自分の任務から引き離されただけでなく、そいつのためにマニマルコの、つまり我らがドレッド・ロードの副官にして副王となるべき存在のしもべを殺さなければならないのだ!私は抵抗しようとして我が不屈の意思を振り絞ったが、この定命の魔術師の拘束呪文はあまりにも強力だった。私にできることは「誰も逃さん!」と言ってこの者に従い、一対のたいまつを通り過ぎて地下のトンネル迷路へ向かうことだけだった。

「ドレモラよ、お前は偉大なるヴァヌス・ガレリオンに仕えるのだ」と私の召喚者は宣言した。誰もそんなことは聞いていない——自分を奴隷にしている主人の名前を知る必要がどこにあるというのか?しかし私は考え直し、その名を我々の誰もが持つ長いリストに心の中で付け足した。「復讐」という名のリストに。

私は付き従ったが、私の召喚者が身を隠すためにしゃがみ込んでも、ただこの召喚者をにらみつけて心の中で「お前の心臓を貪り食ってやる」と考えていた。しかし実際は、このヴァヌスとかいうエルフについていくしかなかった。というのもトンネルは数が多く入り組んでいた。我々ドレモラは恐れを知らず無慈悲で、オブリビオンのどこを探しても戦士としては右に出る者がいないとはいえ、方向感覚には優れていない。密使の任についていた時、私はムーンレスウォークのど真ん中で道に迷い、出発地の光なき土牢に戻ってきてしまうことで有名だった。

そのうち、ヴァヌスは頻繁に立ち止まり、耳を澄ませるようになった。これが私の怒りと苛立ちを一層あおった。結局、彼は足を止め、私に向かって「静かに!」と言った。まったくもって理不尽だ。私は一言も言葉を発していなかったのだから。しかし奥のトンネルから人間の話し声が聞こえてきた時、私はなぜ彼が止まったのかがわかった。一瞬もためらうことなく、私は自分のグレートソードを取り出して前方に突進していった。「近くに抗いし者がいる!」と叫びながら。エルフは悪態をついて後からついてきたが、自業自得だ——私は命令を忠実にこなしていたのだから。

その後の時間は、真のドレモラならば戦闘中に誰でも感じる、あの赤い憤怒の中で過ぎていった。しかし、普段は流血の殺戮が喜びをもたらすものの、自分が手にかけているのはドレッド・ロードが望まない相手なのだという意識にさいなまれ、喜びとは程遠い体験だった。私が虫の教団の信者たちの手足や頭を切り落としている間、エルフの強力な魔法のエネルギーが火花を散らしながら私を通り過ぎ、離れた場所にいる敵を焼き払っていたが、私は屈辱に打ちひしがれ、破壊の狂騒にひたれなかった。エルフは私が最後の虫の隠者を細切れにしているところにずかずかとやって来て「こいつらもこれで終わりだな。思い知ったか、マニマルコ!」と言ってほくそ笑んだ。

「相手になる者などいない」と私は不機嫌に応じた。すると、再びあの奇妙なちくちく感が襲ってきた。私をニルンへと誘った召喚術が弱まってきたのだ。拘束が解けると私はエルフに向かって威嚇の一歩を踏み出したが、そこで再び私の周囲の次元が回転し、また終わりなき黒い虚無の中に戻ってしまった。

感覚を取り戻すと、私はターコイズ色のスライムの池に横たわり、見上げると上司であるキンリーヴ・ザルゾルキグの笑顔が見えた。「さて、ゼッデンカシク」と彼はうなり声をあげた。「任務中に持ち場を離れたのか?こいつは痛みの輪ものだぞ!」

「しかし、キンリーヴ」と叫びながら、私はがばっと起き上がり言った。「仕方がなかったのです!私は召喚され、ニルンに向かわされてしまったのです——定命の者によって!」

ザルゾルキグはさらに口を広げて微笑んだ。「そんなくだらん嘘をつく奴には、痛みの輪をさらに追加してやろう。さあ歩くのだ、ゼッデンカシク」と彼は叫んだ。棍棒で私を叩きながら。「左、右、左、右、左、右…」

ザルゾルキグが笑うとロクなことがない。キンリーヴだろうが関係ない。彼の名前も私のリストに入れておこう。

侮辱の法廷の手続きProtocols of the Court of Contempt

ジャッジ・シベン 著

すべての手続きは厳密に記録されるべきものとする。ただし、その手続きが記録によって影響を被ると命ぜられた場合は例外とする。

罪ある者は本法廷に敬意を持ってあたるものとする。でなければ執政官ボグトロにより適切な処罰を受けるものとする。

罪ある者は適切なかつらを身に着けたスキャンプの格好で審議に参加する権利を持つものとする。ただしスキャンプは本質的に低俗であることから、侮辱の法廷で口をきくことは禁じられている。

罪ある者はこれらの手続きにおいて、自らの屈辱を時間をかけて、最も激しい言葉を用いて表現することが推奨されている。裁判官と執政官の余興のためである。

侮辱の法廷の公平性についての評判は、100パーセントの有罪率によって証明されている。

連れていけ!

名誉を失ったクランの誓いOath of a Dishonored Clan

ライランス 作

目的が達成されるまで、決して再び休むことはない。

誤りし者に報復する機会を探し続ける。

ヴァルキナズ・セリス:裏切りの代償を払わせよ。

オーバーキンに対する我々の義務でさえ、これには及ばない。

二度とフールキラーズ・クランの名を耳にすることなかれ。それは苦痛である。

我らは目的を助ける者に対しては寛大になるだろう。

デスブリンガー・クランの偽りの優位に終止符を打つ。

デシャーンの伝承

Deshaan Lore

クワマーの採掘の楽しみと利益Kwama Mining for Fun and Profit

フラール家のドレイン・レダス 著

クワマー鉱山を開拓し維持すれば利益が得られるだろう。さらに重要なことは、それぞれがクワマーとクワマーの環境条件について時間をかけて学べば、もっと利益が上がるだろうということだ。クワマーとは、卵鉱山と呼ばれる地下に作られたコロニーに生息している巨大な虫だ。卵はすべてのクワマー鉱山にとって主要な収入源だが、鉱山で産出できる生産物は決して卵だけではない。クワマーのカトル、スクリブのゼリー、スクリブジャーキーなどがすべてクワマー鉱山にとっての収入源となる。

クワマー鉱山に着手するにあたって:

1a.野生のクワマーコロニーを見つけ出して手なずける(難易度は高い)、あるいは
1b.過剰供給状態の鉱山から余ったクワマーを購入する(高価である)
2.クワマーの匂いが体にしみ込むまでコロニーの近くに住む
3.クワマー・クイーンの部屋には決して近づかない
4.卵を集めカトルを集める
5.利益を計算する

その名前に反して、クワマー鉱山は生きた生物から構成されている。賢明かつ控えめな維持を行えば、中規模の鉱山から貴重なクワマーの卵を大量生産できる。さらに、クワマー鉱山では味のいいスクリブジャーキー、すっぱいスクリブのゼリー、錬金術師に評価が高いクワマーのカトルの生産も可能である。

クワマーコロニー:利益が見込める鉱山を手に入れるには、まずは健康なクワマー・クイーンと大量のクワマー・ワーカーを確保することだ。クイーンは鉱山の最奥部にある部屋で卵を産む。クワマー・ワーカー達が卵の世話をし、必要な空間や環境条件、卵の発育状況に合わせて様々なトンネルや部屋へと卵を運ぶ。クワマー・ワーカー達は、鉱山のための食べ物の生産、クイーンの給餌や洗浄、コロニーの発達に合わせた鉱山の拡大なども行う。普段の仕事をしていない時、クワマー・ワーカー達は発展し続ける迷宮のごとき鉱山の中に新たな部屋やトンネルを掘ることもある。クワマー・ワーカーは普段は大人しいが、威嚇や攻撃を受けたりクイーンが危険に晒されると凶暴化する。

クワマー・ウォリアー達はコロニーを守っており、危険を察知すると迅速に対応する。攻撃的で極めて危険なため、慎重に丁寧に扱わなければならない。クワマー・ワーカーが四足歩行なのに対し、クワマー・ウォリアーは二足歩行で非常に強力である。

スクリブは、鉱山労働者が未熟なクワマーと呼んでいるように、クワマーコロニーの中を自由に動き回る。鉱山では通常スクリブの群れを2つのグループに分ける。ワーカーやウォリアーに成長させるグループと、ゼリーやジャーキーにするため幼いうちに捕獲するグループだ。スクリブのゼリーは食料源など様々な用途に使用されるが、薬を作り病気を治癒するための重要な材料として錬金術師に重宝される。スクリブの薄切り肉を乾燥させて作られるスクリブジャーキーには多少の回復効果があり、ダークエルフの料理専門家のあいだで大変美味だと評判である。

クワマー鉱山の入手:設置済みの鉱山からクイーンとクワマーを購入する際にかかる法外な料金を支払いたい人はいないだろうから、まずは野性のコロニーを見つけ出して手なずける必要がある。しかしこの方法でも資金が必要ないわけではない。野生のコロニーの探索へと本格的に着手する前に、鉱山オーナー志願者はフラール家からライセンスを購入する必要がある。

有望なコロニーを見つけても、すぐに中に入って営業開始というわけにはいかない。鉱山労働者がコロニーの凶暴な戦士達によって始末されてしまうだろう。そのための解決法がある。順応することだ。順応作業には時間がかかるが、時間をかけてコロニーを慣れさせ、中に入っても不快だと思わせないようにすることで、(コロニーのメンバーと鉱山労働者両方の)負傷者や死者の数を最小限に抑えられる。鉱山労働者がその辺りのクワマーと同じ匂いを発するようになれば、ウォリアー達は彼らをコロニーの仲間だと認識するようになる。

卵の捕獲:クワマーの卵の実際の「採掘」には技術はそれほど必要ない。鉱山労働者は仕事を行うための根気と常識を持ち合わせていれば十分だ。卵の捕獲者にはバランスを見極める目が必要だ。卵を多く取りすぎるとウォリアー達やクイーンを刺激してしまう可能性がある。少なすぎると、クイーンの卵産出量が減少してしまう。鉱山管理者はクイーンの卵産出量が多すぎたり少なすぎたりしないように、注意深く目を配らなければならない。産出量が大幅に上下してしまうと利益に影響が出て計画を立てるのがより困難になる。避けなければならない。

クイーンの部屋には決して近付かないこと。クイーンに近付くといかなる者もクワマー・ウォリアーとクワマー・ワーカーによって脅威と見なされ、適切な対処をされる。コロニーに混乱が起こってしまうと鉱山労働者が安全に鉱山に入れず、生産を中止せざるを得ない。コロニーで暴動が起きている際に鉱山労働者を何人か失ってしまうかもしれないが、ここで忘れてはいけない最も重要なことは、クワマーはいずれ落ち着きを取り戻し、鉱山労働者が中に入っても再び受け入れるようになるということだ。

注意:フラール家の卵鉱山ライセンス取得後は、定期的に生産高を報告する必要がある。遵守できなければ制裁措置や罰金が課せられ、鉱山の閉鎖を強いられる場合もある。そうなるとつまらないし、当然儲けを出すこともできない。

ゴーストスネークの伝説Legend of the Ghost Snake

第二紀568年、マブリガシュの観察記録。放浪者ボノリオンの日記より

デシャーンでは奇妙なダークエルフのアッシュランダーの部族に遭遇した。彼らは自分自身をマブリガシュと呼んでいる。ヴァーデンフェルの同胞とは違ってこの部族は遊牧民ではなく、彼らがゴーストスネークの谷と呼ぶデシャーンの中でも隔絶した地域に定住しているようだ。恐ろしいゴーストスネークの話は、外部の人間が村に長居しすぎないように彼らがでっち上げたものに違いない。しかし正直に言わせてもらうと、これまでに出会ったどの文明的なダークエルフにも負けないほどのあの無礼さがあれば、そんなことをしなくても外部の人間は逃げていくだろう。しかしその孤立した部族に対する好奇心が勝り、私はその無礼さになんとか耐え、近くに滞在して観察記録をつけられた。わかったことは以下の通りだ。

マブリガシュは訪問者を歓迎しない。

マブリガシュは母系社会のようで、明らかに男性よりも女性のほうが力を持っている。数の上でも男性の3~4倍はいるようだ。この社会は男性を嫌悪しているとまでは言わないが、男性に対する信頼度は明らかに低く、あまりよく思われていない。少なくとも私が見た限りは。

彼らはゴーストスネークが谷を越えて助言を与え、見守ってくれていると主張している。訪問者を怖がらせて村の人口を一定に保つために、このいわゆる「ゴーストスネーク」を利用しているに違いない。

彼らはこの架空の神に部族内の仲間をいけにえとして捧げているようだ。長老達はこの「ゴーストスネーク」を称えるための試練を促しているが、ほとんどの場合参加者の死亡という結果に終わっている。

ゴーストスネークの伝説の内容を、6才か7才くらいのかわいい少女が教えてくれた。彼女はまったく怖れたり遠慮することなく私に近付いて来た。なぜそんなに気味が悪くてずっと監視しているのかと尋ねられた。少なくとも要点はそういう内容だった。私はマブリガシュの方言はせいぜい初歩的なものしか理解できない。私はその質問には答えず質問で返した。「みんなが口にしているゴーストスネークとは何なんだ?」私は彼女に尋ねた。

「くねくね道を進んで行ったらわかるよ」と、そのかわいい小さなまつ毛をまばたかせながら彼女は答えた。「谷を大事にしていればゴーストスネークが助言をくれて守ってくれるの」。彼女は続けた。「みんな知ってるよ」。彼女は話し続けてくれた。ゴーストスネークとは部族の女性の祖先の霊的実体が合わさったもので、幽霊のような外見をしていると部族に信じられ崇められているということだった。あるいは、谷を呪っている恐ろしい死んだ蛇が罪のないマブリガシュの子供達を好んで食べていると言っていたのかもしれない。彼女は早口で喋った上に、さっき書いた通り、私の方言の理解度は完璧にはほど遠いものだったのだ。

経済的な観点から話をすると、部族は独特な蛇革を作る。服からリュックサック、シンプルな鎧に至るまで、彼らは何を作るにもこの蛇革を使う。しかしこんなにも素晴らしい物にも関わらず、外部の人間どころか部族内の男性にさえも、それを売ったり交換したりしようとはしない。もしマブリガシュに外界との取引を説得できれば、関わった者全員が一財産を築けるだろう。

偵察中のマブリガシュの斥候に出会ったこともある。彼女には「くねくね道の亡霊と大蛇の中に投げ込む」と脅された。幸いにも私の走る速さと木登りの腕は彼女よりもはるかに上回っていたので、この残忍な儀式は避けることができた。さらに観察を続けると、彼らは主に蛇の肉を食べて暮らしているということがわかった。彼らの手に負えない非友好的な態度はその食生活のせいかもしれない。

近くに野営し観察を数日間続けた頃、ずいぶん恐ろしいマブリガシュの戦士の訪問があった。グラカーンと名乗ったその人物は、彼らが私を谷の大蛇の中に投げ込まなかった理由は、千里眼が私を不運な愚か者と認識したからにすぎない、と言った。きっと翻訳の過程で何かを聞き逃してしまったのだろう。千里眼に会いたいと申し入れると、その腰にぶら下げたずいぶん危険な見た目をした剣の柄を握ったグラカーンの手に力が入ったように見えた。それでマグリガシュ族と過ごす時間を終わらせることにした。

***

第二紀576年、部族学者司祭
ニュロス・ラロロからの注釈

この非常に馬鹿げた「観察記録」は、ストンフォールとの境界近くに捨てられているところを数年前に発見された。このボズマーの歴史家であるボノリオンは、変わった出来事や民族の正確な記録方法に関して5才児ほどの理解力も持ち合わせていなかったようだ。作り話や飛躍した論理ともいえないようなものを用いて彼が言うところの「結論」を出している。少なくともマブリガシュとの会話を行っているという点や、当部族に関する情報は珍しいという点から、この文書はトリビュナル蔵書庫内に保存されており出版もされている。

シャド・アツーラ魔法大学の手引きShad Astula Academy Handbook

魔法大学シャド・アツーラへようこそ!ここはエボンハート・パクトの才能溢れる魔術師達が共通の学び舎を持ち、魔術師コミュニティのリーダーとなるために学ぶ場所です。あなたの旅はここから始まるのです。

多くの人にとって、魔法の達人への道のりは挫折と困難に満ちたものです。ここで行われている訓練は、最高の教師と指導法のおかげで、奉仕の人生とやりがいのある仕事へと繋がっていきます。この魔法大学に招待された人は全員、偉大な魔術師になれる可能性があるという将来性を見込んで招待されたわけですが、実情を言えば、全員が与えられた課題に合格できるというわけではありません。不運にも落第してしまった人達には、自分自身や他人に危害を加えることなく足りない技術に磨きをかけるための、セーフティネットとしての役割をシャド・アツーラが担います。

しかしあなたは落第しません。あなたはその不運な1人ではありません。あなたなら乗り越えられます。エボンハート・パクトのリーダーになるのです!

あなたは自分がマジカという才能を持ち、他の人達とは違っていることにもう気付いていることでしょう。さあ、力の世界へと誘われる準備はいいですか。あなたのために、翼を広げる場所をシャド・アツーラが提供します。魔術師の達人であるスタッフの助けを借りて、ただ飛び方を学ぶどころか、空高く舞い上がるのです!

魔法大学が選んだ一員として、魔法を学ぶ際に通常設けられる制約や規則はあなた達に適用されません。ああいった規則は、自分自身や他人に危険をもたらす可能性がある魔術師の安全を確保するために設けられています。魔法大学が選んだ生徒達は優秀であろうと見込んでいますので、すぐに自分の限界を学ぶことができるでしょう。しかしいくつかのルールはあります:

——指定された召喚サークル以外ではオブリビオンの次元から生物を召喚しないこと。
——大学の他の生徒に魔法の実験を行うことは禁止されています。
——スタッフへの魔法の実験は大いに結構です。隙を狙って行い、スタッフも反撃するので気を抜かないように。
——「子分」として助手を持つことは厳しく禁止されており、教団や密教の行動あるいは組織に関わった者は厳しく処分します。権力欲は卒業後まで取っておくように。
——感情制御と精神安定試験(ECMSE)に落第した生徒は部屋の共有を禁止されています。
——魔法による決闘は、スタッフの魔闘士の監督下でない限り厳しく禁止されています。

まもなく校長との面会日時が取り決められ、その際にシャド・アツーラについてや大学の一員としての立場について校長から説明があります。それまでは、自由にキャンパスを歩き回り、学友に自己紹介などしてください。その中には同級生になる人もいれば、下級生になる人、あるいは上級生になる人もわずかながらいるでしょう。しっかり顔見知りになっておいてください。

シャド・アツーラへようこそ。翼を広げて大空に飛び立ちましょう!本当に期待しています。失望させないでくださいね。

ドゥエマーのダンジョン:私が知っていることDwemer Dungeons: What I Know

非凡なダンジョン探検家、キレス・ヴァノス 著

彼らについてはほとんど何も分からない。最も興味深く、興奮に満ちた遺跡を残していったということ以外は。誰について話しているのかわかるでしょう。そう!ドワーフ。あるいはこれを読んでいるかもしれない学者達の間ではドゥエマーと呼ばれている人達。(私の兄弟のレイノーにはドゥエマーと呼べと言われるけど、ドワーフという呼び方のほうが好きよ。そっちのほうが言いやすいから)

さて、ダンジョン探検というのは(どれだけ楽しくもなりうると言っても)大変な仕事で、非常に危険なことでもある。ドワーフの遺跡は発見するだけでも簡単ではないし、中に入って無事に出て来るのはほとんど不可能に近いわ。しかしそれについて書く前に、まず遺跡自体について書きましょう。

ドワーフは建物や街からなる巨大なネットワークを地下に建設した。なぜ岩や土の下に建設することを選んだのかは分からないけど、しかしとにかくそこに建設したの。だから、ドワーフの遺跡を訪れたいなら地下に行かないといけない。1つでも見つければわかるでしょう。地上の入口から地下の構造に至るまで、ドワーフ建築は独特な見た目や雰囲気をしている。彼らは岩に自然に開いていた裂け目を用い、元からあった岩や自然の柱を飾ったり彫ったりして使ったの。他の構造を支える際や砦を設置する際など、どうしても必要な場合にのみ新たな構造を建設したのよ。

自然の岩を彫ったり形作ることに加え、ドワーフは主要な建築材料として石を使ったわ。遺跡内には金庫もある。アクセントとして、あるいは機械の中に、主に銅が使われているの。そして、ここが最も面白い部分なんだけど、ドワーフは装置を好んだようで、遺跡の中は装置だらけなの!罠だけではないわ。非常に巧妙な罠が遥か昔にいなくなったドワーフによって設計されて作成されたのは事実だけど、それだけじゃないの。蒸気ピストンと素晴らしいギアで構成された冷暖房設備、壁から光を放つライト、滝によって回転する巨大な車輪、光のビームを放つ多面型の宝石などなど、他にも驚くべき物が多数ありすぎて書き切れない。

ドワーフの遺跡を通り抜けるのは不気味な仕事よ。空っぽで無人なはずなんだけど、ライトが光り続けてパイプからは蒸気が出続けている。その場所は誰かの帰りを待っているかのようね。まるでドワーフがちょっと外出したっきり、そのまま何百年も帰って来なかったかのように。

さらに、ドワーフの建物はあなたが考えるほど生命体が存在しないわけじゃない。遺跡には住人がいるの。実際には、事実上その生命体だらけになっている遺跡もある。しかしその生命体は、私やあなたが知っているようなものではない。機械の生命体よ。コンストラクトね。彼らはダンジョンの部屋や通路を歩き回り、遥か昔に与えられた任務をこなしているの。しかし、間違えないでね。コンストラクトに見つかってしまうと、襲ってくるわ。音を立てる刃とピストンで動く剣を使って、ドワーフのコンストラクトはダンジョン探検家の全てに多大なる脅威を与えて来る。さらに悪いことに、そのコンストラクトはお互いを修理する方法を心得ている。遺跡の中に、この機械の生物がいなくなることはないらしいわね。

従って、ドワーフの遺跡に入って無事に出て来るには、巧妙な罠を見分けるか避け、強力なさまようコンストラクトの大群を避けるか倒し、鍵のような物がいるのかいらないのか分からない、奇妙な錠の開け方を突き止めなければいけないの。少し面倒かもしれないけど、個人的にはこの挑戦って、とても楽しいものだと思うわ。

もちろん、ここまでに書いてきたことはすべて学説と憶測よ。私の兄弟と私はまだドワーフの遺跡に入ったことはないの。この世界に点在する平凡なダンジョンでしか実践を積んだことはない。でも、本はすべて読んだわ!ようやくブサヌアルというドワーフの遺跡に立ち向かうために必要な資金を調達できた。近いうちにその冒険について書くつもりよ。

ところで、皆遺跡では注意しましょう。ダンジョンは楽しいことばかりじゃないわ。生存とは大変な仕事で、私達は成功だけを狙ってはいけない。生き残りもしないとね!

モーンホールドのポケットガイドA Pocket Guide to Mournhold

旅人よ、ようこそ!光と魔法の街、モーンホールドはあなたを歓迎します!このポケットガイドは第二紀481年に丁寧に書かれたもので、あらゆる要求に応えられる最新のものであることを保証します。

モロウウィンドの首都であるモーンホールドは、タムリエル一偉大な街です。祈りや交易をもたらしてくれる旅人達を心から歓迎します。

毎日あまりにも多くの巡礼者が集まるため、迷っていたり困惑していたり、時には喧噪や街の設計に苛立っている外国人を見かける場合があるということをご理解ください。

すべての訪問者に対応するために、楽しんでいただけそうな場所や活動、従っていただく必要のあるトリビュナルの教えなどをまとめた便利な案内を街の記録官が編集しました。よく読んでよく学び、楽しい時間をお過ごしください!

崇拝:モロウウィンドの最果てやさらに遠い場所から、ダンマーがトリビュナルの生き神に祈りを捧げ崇敬の念を表するために毎日やって来ます。もしあなたが私達ダンマーの兄弟あるいは姉妹であるなら、トリビュナル三大神のアルマレクシア、ヴィベク、ソーサ・シルへの崇敬の念の表し方はすでに心得ていることでしょう。トリビュナル聖堂を含む街の至るところにある聖なる祠では寄進も受け付けています。

あなたがダンマー以外の訪問者の場合は、市民をよく見れば正しい崇敬の念の表し方を身につけられます。最も安全なやり方は最も簡単なものです。ダンマーが行動するように行動してください。ダンマーが言うことを言うようにしてください。そして歩く場所に気を配ってください。

異教徒がトリビュナルの正義の裁きを受けているところを見ても慌てないようにしてください。記録官は異教徒に対する対処法をしっかりと心得ていますので、ご心配なさらないように。あなた方の安全は私達の最優先事項の1つです。

大市場:モーンホールドはモロウウィンドの商業の中心地です。商売は大歓迎です!この偉大な街に来るのが初めてだという場合は、街の監視所でお尋ねいただければ商業地区への安全な最短ルートをお教えします。

市場の中でも最大で、最も厳重にパトロールされている大市場には、滞在中にぜひ訪れておいたほうがいいでしょう。野外劇場で行われている季節ごとのイベント、街広場で行われる放浪の受難劇、手入れが行き届いた公園で行われている聖歌隊の合唱は必見です。そして買物をする度に、モーンホールドの素晴らしいお土産が手に入ることもお忘れなく。

しかしながら、買物は登録された認定商人からのみ行うようにしてください。そうしなければ、違法な手数料や物品税を取られてしまうことがあります。

ブリンディジ・ドローム広場:迷える人々は、彫像に囲まれたブリンディジ・ドロームの庭園を歩き回ることで安らぎを見出すことができます。木々や花が太陽からの栄誉を求めて空へと伸びるように、モーンホールド市民はトリビュナルの叡智を求めて手を上げるのです。ここであなたに慰めが与えられますように!

旅人の多くは、モロウウィンドの生き神が住まうトリビュナル宮殿を訪れるのを楽しみにしています。私達はあなたの熱意を歓迎する一方、過剰に熱意を表しすぎるとオーディネーターが異議を唱えることもあるかもしれないということをご理解ください。例によって、節度が大事です。熱意を抑えられない時は、街の至る所にあるトリビュナルの祠が贖罪のための寄進を受け付けています。

お探しのものはすべてモーンホールドで見つかるでしょう。司祭、記録官、街の衛兵が保証します。滞在をお楽しみください!

闇の遺跡Dark Ruins

狂気のシリロ 著

人は私の頭がおかしいと決めつける。私はその烙印を受け入れ、誇り高く受け入れることにする。私に与えられた名前は、私が闇の中に何度も入ろうとした証に他ならない。世界に知識をもたらすため、狂気と混沌の遺跡に挑んだ証なのだ。三大神よ、私が見つけたものから守りたまえ。そしてこの知識を世界と分かち合うまで私の心を保ちたまえ!

初めてデイドラの遺跡を見つけたのは、ずっと若い頃だ。それはトリビュナルの守護者を祀った古代の祠だった。私は群れからはぐれたクワマー・スクリブを捕まえようとしていた。秘密の峡谷までスクリブを追ったところで、はぐれたスクリブの痛ましい鳴き声が岩壁の裂け目から聞こえてきた。その狭い裂け目を何とか抜けると、岩の中に巨大な空間が広がっていた。しかし、私が足を踏み入れたのはただの洞穴ではなかった。その空間は彫刻を施された石だらけで、それを目にした途端、私は恐怖と感嘆の念に襲われた。その威圧的な石の数々にはクモの巣とクモの模様が施されており、中央に立つ像は他でもないヴィベクの守護者である網の紡ぎ手メファーラを模していた。

像の土台に彫られていた言葉が今も脳裏に焼き付き、決して忘れることはない。「肉欲は愛。嘘は真実。死は命」この言葉に恐怖を覚えたと同時に、心が踊った。この経験から狂気と知識への道へと導かれた。その終わりと始まりの境界線はわからない。

クワマー鉱山へと戻り、スクリブを群れへと導いた。それから荷物をまとめ、母に別れを告げ、デイドラの遺跡が眠る隠された祠と、闇の場所を探し求め始めた。

すべての荒れ果てた祠が地下にあるわけではない。人里離れた平原に隠されたものもある。草が生い茂る場所や、なだらかな丘のくぼみや岩だらけの峡谷に隠されていることもある。海底に眠る祠を訪れたこともあった。

地下洞窟の祠や建造物は、地上の大自然の中にあるものに比べて不気味で威圧感を与える傾向にあるが、それは単に絶えず存在する暗闇や、岩壁の圧迫感を意識することによる影響かもしれない。古代の祠は暗闇にひっそりと佇んでいることもあるが、巨大な建造物の中心を担っているものもあり、その多くが精巧な罠や凶暴な怪物、あるいはその両方によって守られている。

これまで数多くのデイドラの遺跡を訪れてきたが、その中には聖堂の荒れ果てようからは想像できないほどに頻繁に使われているものもある。デイドラ公を称え、崇拝する者は日常的に存在し、私自身かなりの数の新鮮な捧げ物や生贄を目にしてきた。しかし私が新しい名を手にするに至った理由である真の秘密とは、そんなものではない。それに関しては、先入観を持たずに覚悟して聞いてもらう必要がある。なぜなら、これから明らかにする事実は作り話のように聞こえるかもしれないからだ。キャンプで就寝前にたき火を囲みながら、怖がらせるために話すような怪談話のようにさえ聞こえるかもしれない。しかしはっきりと断言する。これは真実だ。

私が最初にたまたま迷い込んだ網の紡ぎ手の祠で見たもの。両親が住む家を飛び出してデイドラの遺跡をさらに探し求めようと思った理由。それは声だった。美しく魅惑的な声。その声が私に囁き、聞いたこともない秘密を教えてくれた。その囁きは古代のひび割れた像から発せられ、洞窟の壁からこだましていた。私の心の中まで鳴り響き、私自身の考えと記憶をかき消すまで、その音量と激しさを増していった。私はこの囁き声に怯えた。しかし、同時に心が踊り、もっと聞きたい衝動に駆られた。しかし網の紡ぎ手はそれ以上囁いてくれなかった。叡智の言葉と闇の秘密を告げ、沈黙したのだ。その場所は再び荒れ果てた場所に戻っていた。

もう一度あの声を聞くには、別の祠を探す必要があった。そして私は聞かずにはいられなかった。こうして私のライフワークが始まった。他の秘密の場所や隠された遺跡を探すしかなかった。他のデイドラが何を語ってくれるのか、聞かなければならなかった。彼らを崇拝しているからではない。何らかの黒魔術にかかってしまったからでもない。知識を世界に広めるために、もっと学ぶ必要があったのだ。それが私の使命であり、義務だったのだ!しかし、こうして言葉をつづりながらも、あの囁き声が私に語ってくれた内容を書くのは不可能に思う。あの囁き声を書き記そうとしても、手が動いてくれない。何度やってみても、それを拒否するのだ!

どうやら使命は果たせないらしい。知るべき秘密が存在している、と伝えることしかできない。しかしその秘密を学びたい者は、自ら足を運ぶしかないようだ。闇の遺跡を訪れ、囁きを聞いてほしい。あなたのほうが私よりもうまくやれるかもしれない。そしてあの囁き声を聞いても、正気を保てるかもしれない。

許容される殺人Sanctioned Murder

ミアラー・ヴィリアンの日記より

物心がついた時からずっと他人の命を奪うことに人生を捧げてきた。手当たり次第殺したわけではない。法を破った者やモロウウィンドの名家を陥れた者、トリビュナルの聖なる教えを冒涜した者を殺してきただけだ。

奴らの命は私の物だったのだ。私に与えられたと言ってもいいかもしれない。奴らは死ぬべきだったのだから。そして私は殺しの達人だったのだから。

私に殺された者達のほとんどは、私に殺されるとは予想もしていなかった。他人を陥れたと自覚している者はいた。無実の者を殺し、名家から窃盗を行い、人の恋人と寝たということを。しかし奴らは何も悪いことはしていないと言い張った。私が誤解していると。人違いだと。しかし喉に剣を突き付けられた人間が、正直にすべてを告白をしてくれる様には感心させられる。

次から次に始末していった。喉を素早く切り裂いた。表面の肉が口を開き、細い血管がきれいに切り裂かれた。叫ぼうとしても、あとは肺に貯まった真っ赤な血で窒息するだけだ。

私は死が大好きだ。他にどんなことをしても得られなかったような喜びで満たしてくれた。これが私の人生だ。これが私という人間だ。

人は私を怖れた。私の兄弟や姉妹を怖れた。我々を突き放し、必要になれば我々を抱きしめた。

英雄として称えられたと思えば、殺人鬼として怖れられた。権力者は我々の秘密の剣に倒れた。そして我々に指図していた者達が我々に従うようになった。

しかし誤りを犯してしまった。過程に欠陥があった。完全になりすぎていたのだ。罪なき血から正義を抜き取ってしまった。

どんなに明確な契約にさえも、こういうことはある。法が誤っているという可能性はいつも存在する。法が過ちを犯したという可能性が。契約は決して嘘をつかないが、いつも正しいというわけでもない。どんなに小さくて無害に見える行いでも、のちに破壊的な津波を引き起こすことがある。

愚か者の自尊心が決断力を鈍らせる。激情の瞬間、壁に塗りたくられた血がすべてを物語る。「モラグ・トング」。その言葉が大声で執拗に叫び続ける。その言葉が世界中に響き渡り、我々に無慈悲な殺人鬼だというレッテルを貼る。規範を守らず法を持たない殺人鬼だと。

常に隠れて秘密裏に動いていたトングが突然凝視にさらされた。奴らが我々を闇から光へと引きずり出そうとしていた。我々は闇の深部へと潜った。契約は減り、仕事は雑事に変わった。暇を持て余した名家の貴族の使い走りをさせられた。我々は耐えた。

そして我々は従った。忠誠を尽くした。目的の達成を命に賭けて誓ったのだから、立ちはだかっているものがどれだけ困難であろうとも背を向けない。世界が我々に背を向けようとも、我々は諦めない。

指導者たちが我々に囁く。忍耐を実践せよと。我々の正義の手が再び伸ばされ世界を支配する日が必ずやって来ると。来るべき闇が世界を一掃するだろうと。

そしてモラグ・トングが再び必要とされるだろう。再び重要となるだろう。

しかし私はもう年老いた。私の人生は終わろうとしている。ヴォウノウラへと旅立つ準備をし、このマントを誰か若い者に手渡さなければならない。経験が少なく、あまり賢くない者に。息子と娘は間もなく短剣を手にするだろうが、彼らは我々が偉大だった時を知らない。2人はモラグ・トングのため、新たな道を切り開かなければならぬ。

戦争の闇がやって来る。その怒りを免れる者は誰もいない。

モラグ・トングはこれまで耐えてきた過ちのことを、ひとまず忘れねばならない。覚悟が必要だ。

生き神The Living Gods

神学者デュリリス 著

ニルンの他宗教は、ダークエルフが知っている絶対的真理にたどり着くことは決してできない。神が彼らを支配し、神は彼らの中におり、神はモロウウィンドの他の住人と同じように実際に存在しているという真理だ。モーンホールドのトリビュナル聖堂の権力の座から、トリビュナルの生き神は民を護り助言を与えている。必要な時には罪や過ちを罰するが、貴き者にも賎しき者にも、それぞれに必要な恩恵を与えてくれる。

しかし生き神とは何か?超人的な鍛錬と積徳、人智を超えた叡智と洞察力によって神性を手に入れた、強大な力を持つダークエルフ達だ。モロウウィンドの3人の神王として、ダンマーの国を神の力によって導いている。三大神——神、母、魔術師——については、以下の通りだ。

戦士であり詩人であり、モロウウィンドの主であるヴィベクは、三大神の中で最も人気がある神かもしれない。彼は公に姿を現すことも多く、人々は彼を愛している。戦士であり詩人であるヴィベクは、情欲や殺人といった、粗野で冷酷な衝動に関わる陰の一面も持っている。

モロウウィンドの母として知られているアルマレクシアは、治癒師と教師の守護聖人である。彼女は治癒の母であり、慈悲と共感の源であり、貧しき者と弱き者の守護者だ。アルマレクシアはダンマーの文化と目的の良き部分の化身だ。彼女は慈悲を体現し、その叡智は日々の細事に至るまでダークエルフを導いてくれる。

機構界の神であるソーサ・シルは、トリビュナルの神の中でも最も知られておらず、隠された神である。モロウウィンドの謎と称されることもある彼は、魔術師であり発明家と魔術師の守護聖人だ。おそらく世界一の力を持つ魔術師で、最も博識な魔術師であることは間違いない。知識の光、クラフトと魔術に関する啓示と見なされている。

生き神はトリビュナル聖堂の三本柱だ。ダンマーの人々の力と統制の象徴であり、慈悲と法規範の遵守を組み合わせることによって統治している。

聖ヴェロスの審判The Judgment of Saint Veloth

マギストリックス・ヴォクス 著

強力な治癒の遺物の多くは巡礼者の聖ヴェロスと関連している。おそらく最も有名で名を残しているアーティファクトは聖ヴェロスの審判だろう。この強力なデイドラの戦槌は、追放者と霊的知識探求者の守護聖人としてヴェロスが具現化した物すべての輝かしい象徴である。

他の聖なるアーティファクトと共にトリビュナル聖堂の地下墓地に厳重に保存されている聖ヴェロスの審判は、預言者と人生の秘密の源泉の役に立ってきたが、聖ヴェロスが聖人に即位して以来伝説的な力を持つようになった。モロウウィンドの神王達がこの遺物を見守っており、領域の防衛にこの遺物の力が必要となった時のために準備を整えている。

聖ヴェロスは勇気を体現した人物であり、彼の人生の教訓と教義を信奉する者はその勇気を学び、大胆な物の見方を育てていく。彼は善きデイドラと悪いデイドラとの違いを明確にし、善きデイドラ公と元の協定の交渉に当たりさえした。善と悪を見分ける能力はこの生きた聖人の特質で、彼の治癒と治癒アイテムの傾向でもあった。この2つの面は彼の個人的な力の象徴であり、審判という名で知られている戦槌に統合されている。

ヴェロスの審判の権威は世界中に知れ渡り、その魔法は堕ちた魂による腐敗を浄化するために使われる。元々は武器として使われていたことは間違いない。しかしヴェロスは、外科医がメスを操るのと同じくらいの正確さでその戦槌を操り、魂から腐敗を取り除いて残りの部分を正常な状態で残すことができた。その戦槌は取り除いた腐敗を蓄え、使い手が戦槌の力の強化に使えるエネルギーへと変えられた。

もちろん、そんなに強力なアーティファクトは、誤った者の手に渡ってしまうと益となるよりも害と成り得る。この理由で、トリビュナルはこの審判を他のアーティファクトと共に鍵を掛けて保存している。審判の使い道として、治癒の道具としてではなく、生物の魂すべてを吸い出して、使い手の力を無限に増大させるために使えるのではないかと提案されたこともある。この提案は実現されなかったし、トリビュナルが道を誤らない限り、決して実現されないだろう。

二家の戦争War of Two Houses

フラール家歴史学者ドレリサ・フラール 著

モロウウィンドの名家間の戦争は珍しいことではなく、現在でも世界のどこかで2つまたはそれ以上の名家の間でしばしば対立が起きている。この対立が策略や陰謀から全面戦争にまで発展することは稀であるが、敵意が露わにされることはモロウウィンドの歴史上珍しいことではない。この戦争の中から、ある1つの戦争について書こうと思う。

第二紀559年、フラール家とドーレス家は通常の緊張関係や牽制を超えて、ブラック・マーシュの境界上ナルシスの南に戦闘部隊を配置した。商売敵である両家が戦うのはこれが最初ではなく最後でもなかったが、この戦争は戦況が進むにつれ膨らんでいった規模と犠牲者の数の両方において、記憶に残る戦いだった。

フラール家は係争中の領土に断固として交易所を設立しようとしていた。ドーレス家も同様に、これを断固として阻止しようとしていた。交易所の建設が半分ほど終わった頃、フラール家の作業員は突如としてドーレス家の傭兵に包囲されていることに気付いた。作業員の護衛を任されていたピュリラ・ファレンが率いるフラール衛兵の少数部隊はすぐさま防御を固め、交易所の防衛の準備に取りかかった。フラール衛兵の5倍ほどの人員を保有していたドーレス家の傭兵は、フラール衛兵をさっさと片付けて昼食前には交易所を全焼させられるだろうと考えていた。

しかし、そうはいかなかった。

ピュリラと衛兵達は最初の攻撃を比較的容易に撃退した。援軍が到着するまで何としても戦線を死守すると彼女は決意していた。援軍の到着を助けるために、ピュリラは連れて来ていた1人の魔術師にナルシスへのポータルを開く作業に取りかからせた。衛兵がドーレス家の傭兵の猛攻を十分な時間食い止められれば、開いたポータルからフラール家の戦闘商人達が溢れ出して戦況を逆転できる。あと少しの時間でよかった。

魔術師がポータルを開く儀式を行っている間、ピュリラと衛兵達はドーレス家の攻撃に技術と残忍さで対抗していった。傭兵達は突入し、交易所のバリケードを破るために何度も部隊を送り込んだ。軍はことごとく撃退されたが、打撃を与えていないわけではなかった。軍を4度送り込み4時間が経過したころ、ピュリラの軍の数は3分の1まで減っていた。その頃にはドーレス家の次の攻撃を撃退するために残っている者は、ピュリラと衛兵6人のみとなっていた。魔術師が儀式を終えてポータルを開くまではあと数分というところだった。「何としても時間を稼ぐのだ!」ピュリラは宣言した。「フラールのために!」

怒り狂った立派な7人の防衛者達は、魔術師が儀式の最後の手順を終えようとしている間、名誉とすさまじい決意と共に戦った。衛兵が1人やられた。2人。4人。砦に残っているのはピュリラと衛兵2人だけとなっていた。これまでの戦いを援助し見守っていたフラール家の作業員達もまた砦に赴き、工具ややられた衛兵の武器を使って交易所の防衛に参加していた。こうした懸命の努力も関わらず、彼らはドーレス家の攻撃の重圧に押しつぶされそうになっていた。

その時ポータルが開いた。

フラール家の戦闘商人達がポータルからあふれ出し、驚いた傭兵達の隊列に呪文や矢を浴びせた。ポータルから歩兵隊の一個部隊が現れ、ドーレス家の傭兵の戦列を破壊した。ドーレス家は少しの間持ち応えたが、まもなくフラール家の部隊の重圧に崩れ落ちた。戦線が崩壊したドーレス家の傭兵達はついに打破され、残った傭兵達は逃亡した。戦闘商人は完敗を理解させるために十分な長さだけ彼らの後を追い、そのあとは交易所を守るために整列した。

フラール家の勝利は勇敢で誇り高きピュリラ・ファレンの賜物だったが、彼女は最後の戦いで息絶えていた。撤退する途中に、ドーレス家の傭兵の刃が彼女の首を捕らえたのだった。治癒師が到着した時、彼女は死んでいた。しかしこのような歴史によって、彼女の偉業は決して忘れ去られることがないだろう。

シヴキン スタイル

クラフトモチーフ17
Xivkyn Style

ドレッドの公文書保管人、規則推進者デノゴラス 著

我らが主の新たなシヴキン儀仗兵は、強大なるモラグ・バルに栄光をもたらし、敵を恐怖させる身なりをしなければならない。以下に記した規則は厳守されねばならず、例外は許されない!これに反する者は、痛みの輪でその報いを受ける。

ブーツ

シヴキンのブーツのつま先は、倒れた敵を蹴り上げる際に役立つように重みのある金属製のものとする。プレートには可動部を設け、攻撃性能や防御性能を損なわずに足を動かせなければならない。

ベルト

シヴキンのベルトの締め金は幾何学的な形状で、デイドラが前かがみになると不快感を覚えるような大きなものでなくてはならない。その他の部品や重い帯には、鋭いひし形のプレートを格子状に組んだものを使うこととする。これを捕虜の拘束に使用すれば、苦痛を与えられる。

シヴキンの兜は戦士の頭頂部だけでなく、頬も覆うものとする。兜には鋲をちりばめ、角をあしらい、モラグ・バルの敵には悲惨な死を想起させる外見でなければならない。

脚当て

シヴキンの脚当てはブーツのプレートと一体化して見えるようにし、またスパイク付きのひざ当てを使用しなければならない。

シヴキンの弓には、射手が攻撃を受け流せるように翼状の金属製スパイクを付属させる。シヴキンの射手の矢筒は薄いアーマープレートで覆われ、大量のリベットで固定されていなければならない。無論、リベットの数は多いほど好ましい。

胸当て

シヴキンの胸当ては、鱗上に金属片を重ねて模様を描いたものとする。模様は我らが強大なる恐怖の王の頭蓋骨を想起させ、また畏敬の念を抱かせるものでなければならないが、直接的な描写は許されない。胸当てには、着用者の強さを知らしめる重厚感を持たせなければならない。

短剣同様、シヴキンの剣には幅広の刃を使うものとする。モラグ・バルに逆らう愚か者に、恐ろしい傷を負わせるためだ。この両刃の剣は、常に良く研がれた状態で維持しなければならない。柄のまわりには翼状のスパイクを付属させるものとする。

肩防具

シヴキンのポールドロンや肩当ては、肩だけでなく首も守れるように上下に広がった形状でなければならない。また、アクセントとして暗い赤色、定命の者の乾いた血の色を使うものとする。

手袋

シヴキンは可動部のある、金属製の籠手を使うものとする。指の部分は戦士の爪が届く範囲をさらに伸ばす、鋼の鉤爪で覆われていなければならない。またサイズは1種類で、全員が使えるものでなければならない。

シヴキンの盾は凧のような形状とし、周りには翼状のスパイクが付属していなければならない。また利き手が違っても問題がないように、両側面の上端を刺突に使える形状にする。ここでもリベットは惜しまず、ふんだんに使うことを推奨する。

シヴキンの魔法使いは、上端が翼状のスパイクで装飾された杖を持たなければならない。これは必要となれば魔術師が敵の臓物を切り抜くことにも使えそうな外見でなければならない。翼状のスパイクは3つの部分に分けられ、各装飾部の中心には呪文のエネルギーを放出する鋭利な金属に似た宝石がなければならない。またシヴキンの杖は地面に立てれば照明としても使用できる。

戦棍

シヴキンの戦棍には、重く、鋭い突起のある八角形の柄頭を使うものとする。敵の頭上に落下しただけで粉砕しそうな外見でなければならない。

短剣

シヴキンの短剣は、切り傷から大量の血が流れ出るように幅の広い刃を使うものとする。柄には翼状の金属製スパイクを付属させ、敵を刺せるように柄頭が鋭利でなければならない。

シヴキンの片手斧の刃は、死刑執行用の斧に使う刃と同じものとし、逆側には下向きに少し弯曲した薄いスパイクがなければならない。両手持ちの斧は両刃斧で、こちらも刃は死刑執行用の斧のものでなければならない。斧はいずれも刃のすぐ下に翼状の金属製スパイクを付属させるものとする。

デイドラ公

Daedric Princes

アズラの祈りInvocation of Azura

シギラウ・パレート 著

300年もの間、私はアズラことムーンシャドウのデイドラ公、薔薇の母そして夜空の女王の女司祭をしてきた。どのホギトゥムも我々は蒔種の月21日を祝い、価値ある美しいものをあの方に捧げるのと同様に助言を求めて彼女を呼び出す。彼女は残酷だが、賢い支配者である。どのホギトゥムであれ、雷雨の時は彼女に祈らない。たとえ日取りが重なったとしても、こうした夜はマッドゴッドのシェオゴラスに属するからである。そのようなときアズラは我々の注意を理解している。

アズラの祈りは非常に個人的なものである。私は他3柱のデイドラ公の女司祭をしてきたが、アズラは礼拝者の性質と彼女への崇拝の裏にある真実を重視する。私は16歳のダークエルフで侍女であったとき、企みのデイドラ公ことモラグ・バルを礼拝する、祖母の魔術結社に参加した。恐喝、ゆすりそして賄賂は闇の魔法であると同時にモラグ・バルの魔女の武器でもある。モラグ・バルの祈りは、暴風雨を除いて星霜の月20日におこなわれる。この儀式が行われないことはめったにないが、モラグ・バルはしばしば他の日に人間の装いで自分の崇拝者たちの前に姿を現す。ファイアウォッチの後継ぎに毒を盛ろうとして祖母が亡くなったとき、私は自分の信仰をもう一度問いただした。

兄弟はボエシアの教団のウィザードだった。彼の話から、闇の戦士は信用ならないモラグ・バルよりも私の精神に近かった。ボエシアはデイドロスの誰よりも戦士らしいデイドラ公である。数年間を陰の策略で過ごした後では、行動に直接結果が生まれる主人は好ましかった。その上、私はボエシアがダークエルフのデイドラの1人であるのが気に入った。黄昏の月2日、籠手と呼ぶ日に我々の教団は彼女を召喚した。血まみれの戦いが彼女に敬意を表して行われ、9人の信者の命が他の信者の手で奪われるまで衝突は続いた。ボエシアは彼女の信者に対してほとんど気を使わず、彼女の関心は我々の血だけだった。誤ってスパーリング中に兄弟を倒してしまったとき、彼女は確かに笑った。私の恐怖が彼女を大喜びさせたのだと思う。

その後すぐに教団を離れた。ボエシアは私にひどく冷たかった。心に深みのある支配者が欲しかった。人生の次の18年間、私は誰も崇拝しなかった。その代わり、本を読んで研究をした。古くて俗な書に、不可思議なノクターナルの夜の女王、ノクターナルの名前を見つけた。その本が指示したように、炉火の3日、聖なる日に彼女に呼びかけた。ついに、長いこと求めていた自分の主を見つけたのだ。彼女の不可思議な痛みの元になる、入り組んだ哲学を必死で理解しようとした。話し方や私に求めた言動でさえも、彼女に関することはすべて闇に包まれていた。私がノクターナルを理解できることはないという、単純な事実を理解するまで数年かかった。ボエシアへの残忍な行為やモラグ・バルへの裏切りと同じように、彼女の神秘は彼女にとって不可欠だった。ノクターナルを理解することは彼女を否定し、その部分を闇で覆う幕をめくることだ。私は彼女を愛する程に、彼女の謎を解く無益さに気がついた。代わりに彼女の姉妹、アズラのことを考えるようになった。

アズラは私が崇拝したデイドラ公の中で、唯一信者を気にしているように思える。モラグ・バルは私の精神、ボエシアはは私の腕、そしてノクターナルはおそらく私の好奇心を欲しがった。アズラはそのすべてを望み、とりわけ愛を欲しがる。盲従ではなく、誠実で純粋なあらゆる私達の愛だ。そしてその愛は、内側にも向かわねばならない。我々が彼女を愛し自身を憎むと、彼女は我々の苦しみを感じる。私が今後他の主に仕えることはないだろう。

エドラとデイドラAedra and Daedra

神、悪魔、エドラ、デイドラという名称は一般の大多数にとっては紛らわしい物である。これらは同意語として使われることも多い。

「エドラ」と「デイドラ」は相対語ではない。両方共、エルフ語で正確な定義がある。アズラはスカイリムとモロウウィンドのデイドラである。「エドラ」は通常「祖先」と訳され、シロディール語としてはエルフ語の概念に可能な限り近づけている。一方、「デイドラ」は大まかに言うと「我々の祖先ではない」という意味になる。伝説上の系図がイデオロギーを根本的に分岐させているダンマーにとって、この違いはとても重要な物だった。

エドラは静止に関連付けられる。デイドラは変化を象徴する。

エドラは定命の者の世界を作り、アース・ボーンズに縛られている。一方、想像ができないデイドラは変化をもたらす力を持っている。

神の創造に基づく契約の一部として、エドラは殺すことができる。ロルカーンと月がその証明である。

契約が適用されない、変幻自在なデイドラは、追放することしかできない。

オプスカルス・ラマエ・バル・タ・メッザモルチェOpusculus Lamae Bal ta Mezzamortie

ラマエ・バルと休まらぬ死の概要

マベイ・アイウェニル 書記

グウィリム大学出版局翻訳 第二紀105年

光が大きくなると、陰の闇が濃くなる。デイドラのモラグ・バルがアーケイを見て、人間やエルフ族の死を支配するエドラを高慢と考えた時、それは真実となった。

残酷な抑圧と定命の者の魂を罠にかける役割のバルは、ニルンの人間やエルフ族、獣人も死からは逃れられないと知っているアーケイを邪魔しようとしていた。エドラは自分の役割を疑わず、だからこそモラグ・バルは最高の死をニルンに送った。

バルが人の姿になってネードの民のラマエ・ベオルファグの乙女を奪った時、タムリエルはまだ若く、危険や驚くべき魔法に満ちていた。バルは乱暴に愛もなく彼女の体を汚した。その叫びが悲鳴の風になり、今もスカイリムのフィヨルドでは聞こえるところがある。1滴の血を彼女の額に流し、バルは怒りを撒き散らしながらニルンを去った。

乱暴を受け意識のない状態で、ラマエは遊牧民に発見され世話を受けた。2週間後、遊牧民の女性は彼女が他界したために布で覆った。習わしに従い、遊牧民はたき火を作り魂のない体を焼いた。その夜、ラマエは火葬の薪の中から立ち上がり、燃えたまま群衆に襲いかかった。彼女は女性の喉を裂き、子供の目を食べ、バルに暴行されたように残酷に男性を犯した。

そしてラマエ(血の母として有名)はタムリエルの人達に呪いをかけ、醜悪な物を際限なく生み出した。最も狡猾な夜の恐怖、吸血鬼はここから生まれた。タムリエルには不死の苦しみがもたらされ、原初の神々の時代から続くアーケイの生と死のリズムを残酷に阻害したのだ。アーケイは悲しんだが、元に戻すことはできなかった。

ハーシーンのトーテムThe Totems of Hircine

ハーシーンから最も貴重なライカンスロープの贈り物を授かった我々の間で、彼が自分の力をこの世界に存在する特定のアーティファクトにもたらしたという伝説がある。それは人間が書く事も話す事も考える事もほとんどできなかったが、選ばれし者達には野獣の血がまだ色濃く流れていた頃の時代の話だ。

第1:彫刻がほどこされた狼の頭蓋骨。
我々一族を作り上げた血の儀式で古代の呪術師によって使われ、その前にひれ伏す人々への存在感を高めると言われている。それは、ハーシーンの顔をちらっとでも見たことのある人々以外は、彼らの姿を見ると未知の恐怖で縮み上がるほどだと言われる。

第2:頭蓋骨同様、彫刻が施された大腿部の骨だが、何の動物の骨かは不明。より古代の仲間の多くが薬効効果のある棒として使用し、視力も嗅覚も高めると言われていた。そのため感覚が鋭くなった我々から獲物が遠くに逃れられなくなった。

第3:平凡な太鼓。そのありふれた外観はおそらく長い歳月の中で忘れ去られたことを意味するのだろう。我々の父が戦場から仲間を呼ぶために拍子をとったように、太鼓を鳴らせば我々の血の中に眠る先祖が同族を呼び集めるだろう。

これらのトーテムを通して、我々は野獣の力を呼び起こし、集中させる。ウェアウルフが人々に知られている魔法を見限る一方で、我々は時により直接的な自然エネルギーと接触できる。そしてこのようなトーテムを通して、人工的な文明に汚される前の最初に世界を支配した力を見つけられるのだ。

フラグメンテ・アビーサム・ハルメアス・モラスFragmentae Abyssum Hermaeus Morus

…そしてイスグラモルは巨人の妻の嘆きを集め、フロアとグロスタの元に持って行き、イスグラモルの強弓ロングランチャーを張り直すため、より合わせて悲嘆の弦にしてもらった。以来、ロングランチャーは運ばれるとため息をつき、発射されると嘆きの声をあげた。そして、イスグラモルはそれを狩りに持って行くことにした。

そして彼はアトモーラのフロストウッドで狩りをして、多くの獲物を仕留めてから、喉を心ゆくまで潤そうと浅瀬で立ち止まった。そこにフォーレルグリムの白鹿が、流れを越えて飛び跳ねた。イスグラモルは鹿を射た。だが彼は何と射損じた。不機嫌な彼は誓った。白鹿を倒すまで追い続けると。だが鹿は静かに落ち着いて、雪の上にかかる霧のごとく通り過ぎていった。イスグラモルは何度も鹿を見たが見失った。悲嘆の弦のため息が、白鹿の足音より大きくなったがゆえに。

再び跡を見失い、怒りに燃えて立ち止まったとき、ウサギが現れて言葉を発した。「鹿はあそこの谷の中に潜んでいます」「どうしてわかるのだ?」イスグラモルはウサギに問いただした。ウサギは答えた。「長い耳があるのでわかります。ええ、あなたも私ほどの長い耳を持っていたら、獲物がどこに行っても聞きつけることができますよ」

「それならば」イスグラモルは言った。「私の耳が汝のものほどの長さになるように」するとウサギの鼻がひくひくと動き、イスグラモルは自分の耳が伸びて先が尖るのを感じた。ところが一匹のキツネが雑木林から飛び出して、ウサギに飛びかかって殺した。イスグラモルは不思議なことに、自分の耳が縮んでいつもの大きさになったのを感じた。

そしてキツネが言葉を発した。「知るがよい、定命の者よ。我が名はショール。この者はウサギなどではなく、ハルマ・モラである。汝を欺き、エルフの仲間に変えるところであった。これより後は、人間の素直なやり方に頼り、エルフのごまかしを避け、彼らのようにならぬようにせよ。さあ、谷で汝を待つ白鹿のもとへ向かうがよい」

ハイルマ・モラ・パド・アダ・オイア・ナガイア・アバ・アゲア・カヴァ・アポクラ・ディーナ・ゴリア・ガンドラ・アルカン

「ハルメアス・モラはアダ、アビサル・セファリアークよりも年長であり、この下劣な者の請願に耳を傾ける。私が否定された知識を交換するに至ったがゆえに。私が求めるものはこの羊皮紙に名前が書かれており、それによって私はお前に敬意を表して知識の悪魔を使役する。我が願望にとって知ることは計り知れず、償いには名づけられたいかなる対価もみたされるであろう」エ・ハルマ・モラ

エ・ハルマ・モラ・アルタドゥーン・パドメ・ルカン・エ・アイ

(私の次なる夢は)アポクリファの夢だった。そこで私は(名もなき書物)の間の影の広間、煙のごとく吸い込んだ意見と議論の間を歩いた。左手にはベラムの巻物、右手には羽根ペンを持ち、通り過ぎてきた歴史(を書いた)が、巻物が文字で満たされることはなかった。(言葉を)下に書くにつれて上の(言葉が)消えていくからだった。

そして私はラピスラズリの台座の元で立ち止まった。そこにはこれまで述べてこなかった(物が)しまってあった。奇妙な装飾の壷だった。そこで私は巻物と羽根ペンを(脇に置いて)、装飾をつかんで蓋を持ち上げた。

(壷の中には)ねばねばした不快な匂いの(液体)があった。その上に浮かんでいたのは、灰色に輝く定命の者の(思考器官)だった。それで、なぜかはわからないが理解した。その(液体)は塩水ではなく、その脳は保存されていたのではなく生きていて、警戒しており、闇の知性によって思考を続けていたのだと。私は蓋をしめて壷(から目を上げて)、そして(台座の向こうの)長くどこまでも続く回廊を見やった。左右に数え切れないほどの台座が並び、(それぞれの台座の上には)壺があった。

(そういうわけで)私が目を覚ました(時)、私の舌は刺し貫かれていたのであった。

ボエシアの証明Boethiah’s Proving

(以下の説明は真実である。聞く耳と考える心を持つ人々に警告として届きますように)

ある日ある時刻に、信仰深い者たちは主を一目見ようとある儀式を行うために集った。日程は正しく、まさしく召喚日和だった。

ベールに立ち込める煙を掻き分けて、恐ろしくもまばゆい女が姿を現した。彼女は太陽の表面よりも熱く燃え上がる刀剣を振りかざしながら、月が出ていない夜よりも暗い漆黒の衣装で着飾っていた。ダンマーの戦う女王の姿だったが、レッドマウンテンから彫り出された像のようにそびえ立っていた。

「なぜ私の眠りを妨げたのだ?」

驚いて、人々の間で1番目の者は祈った。

「ボエシアよ、策略のデイドラ公にして民を惑わす者であり、影の女王でありそして破壊の女神でもああるお方よ。あなた様に崇拝を奉げるために参りました!」

彼女は証言をしようと集まった彼らを見下ろした。不機嫌そうな顔で最初に尋ねた。

「答えよ。お前は私を知っているが、私はどうやってお前を知ればいいのだ?」

恐る恐る男は答えた。

「毎晩あなた様に祈ります。毎晩あなた様の素晴らしいお名前を声に出してお呼びします。もちろんあなた様は私の声がお判りになりますよね?最も忠実な信者ですよ?」

彼女は顔をしかめて長い溜息をもらすと、そこから出た空気が男を包み、突然彼の姿は消えた。

2番目の者の方を向き、彼女は尋ねた。

「お前はどうだ?どうお前の価値を見定めればいい?」

その声の力に衝撃を受け、男は漆黒の衣装を纏った彼女の前で頭を垂れた。

彼女が手をたたくと、彼もまた消えた。

3番目の者には次のように尋ねた。

「そこのお前、答えてみろ。私は先ほどの彼ら、そしてお前のように情報がない者をどう知ればいいのだ?」

震え、仲間の失踪に言葉を失い、男は囁いた。

「我々にお慈悲を!」

彼女は2度まばたきした。1度目のまばたきで男は苦しみ悶絶し、2度目で死んだ。

彼女は残りの者たちに容赦ない視線を向けて言った。

「私は慈悲を与えはしない」

他の者たちも一緒だった。彼女は彼らを試し、彼らは何も与えられなかった。

ついに、怒りで目をぎらつかせ憎しみで舌を濡らし、彼女は私のところに来て言った。

「すべての私の信者の中で残りは2人だ。最後から2番目の者よ、どうやってお前の存在を証明するのだ?」

ためらうことはなく私は武器を抜いて、隣に立っているもう1人の胸を突き刺した。恐れることなく答えた。「今この刃から血を流すこの男に、私が存在しているかどうかを聞いてください」

彼女は微笑んだ。そして彼女の歯の間にあるオブリビオンの門が開いた。それから言った。

「最後となった者よ、なぜ他の者たちがいない場所に残るのだ?」

私は刃をしまい、答えた。

「そこにいる者が死んだから、私は生きています。私が存在しているのは、その意思があるからです。この刃から血が滴るように私が仕事をする証がある限り、私は生き残るでしょう」

贈り物を受け取りながら、彼女は言った。

「確かに」

(もし、これを読んでいるときに血管の血が煮えたぎり、心が燃えていたなら、ボエシアに呼ばれるだろう。彼女の声に耳を傾けることは最も賢明である)

モラグ・バルの子供The Spawn of Molag Bal

モラグ・バルは奴隷にする。モラグ・バルは冒涜する。

モラグ・バルは従わざる者との子供を生み、軽率な者の魂を刈り取る。

伝説によれば、モラグ・バルは最初の吸血鬼の父である。吸血鬼の多くの種についての詳細は明らかではないが、吸血鬼はみな彼の子と考えられるかも知れない。

大部分の吸血鬼は血をたどっていくと同じ遠い祖先に行き着く。モラグ・バルに汚された、ネードの従わざる処女だ。彼は怪物の血を生み出し、怪物達はさすらい、彼の汚れを遠くに撒き散らした。

モラグ・バルとの契約や取引の結果吸血鬼となった種もある。モラグ・バルは契約の見返りに、不死と永遠の罰を伴う力を約束したのだ。

モラグ・バルは混沌と不和の種を蒔き、次々と魂を腐敗させることで争いを撒き散らす。彼の軍は勢をなし、彼の忍耐は無限である。彼の究極の目的は、生きとし生けるものすべてを支配し、奴隷とすることだ。

現代の異端者Modern Heretics

帝都内のデイドラ崇拝の研究

ゴトルフォントのハデラス 著

シロディール内でデイドラ崇拝は法で禁じられてはいない。これは主に、デイドラの召喚を許可するために帝都が魔術師ギルドに対して認めた特権の結果といえる。にもかかわらず、聖職者および一般大衆からのデイドラ崇拝への風当たりが非常に強いため、デイドラ関連の儀式を行うものたちは秘密裏に活動している。

一方で、諸地方に目を向けてみるとデイドラ崇拝に対する見方は様々である。シロディール内でも年月と共に伝統的な世論に少なからぬ変化が見られ、デイドラを崇拝する集落も存続している。伝統的なデイドラ崇拝を志す者には信仰心や個人的な信念を動機とする者がいるのに比べ、現代的なデイドラ信者の多くは魔法的な力を目当てにしている傾向がある。とりわけ冒険家と呼ばれる人種は、伝説に名高いデイドラのアーティファクトの、武器や魔法的な利点を追い求める傾向にある。

筆者自身も、夜明けと黄昏の女王であるアズラを信仰する一団と遭遇している。デイドラ崇拝に興味をもつ研究者は複数の方法で調査を進めることができる。既存の文献の研究、古代のデイドラの祠の探索および発見、各地の情報通からの聞き取り、そして信者そのものからの聞き取りなどが挙げられる。筆者自身はアズラの祠を発見する際にこれらの手段を全て用いている。

筆者は最初に文献を紐解くことにしている。本書のような解説書からデイドラの祠に関する一般的な事情などを知ることができる。筆者が自身の研究によりシロディール内のデイドラの祠について理解している事項を例示すると、一般的に、デイドラの主の像が祠の象徴となっており、祠の位置は集落などから離れた野外にあり、各々の祠には信者の一団がついており、祠ごとにデイドラの主への嘆願等を行うべき特定の時間(週の間のある日であることが多い)が決まっており、デイドラの主は嘆願者が十分な力を有しているか、相応の人物でない限り嘆願に応じないことが多く、また返答を得るには適切な供物を捧げる必要があり(捧げるべき供物については信者の一団のみが知る秘密となっていることが多い)、そしてデイドラの主は何らかの仕事や使命を達成した冒険家には、しばしば魔力をもったアーティファクトを授けることがわかっている。

筆者は次の段階として、周辺地域の地理に精通している地元住民に聞き取りを行う。とりわけ得るものが多い聞き取り対象は二つあり、一つめは(移動中に祠を発見する可能性のある)旅の狩人や冒険家であり、二つめは魔術師ギルドの学者たちである。アズラの祠については、どちらの対象も有益な情報源となってくれた。旅路の途中で奇妙ながらに雄大な彫像を見かけたというシェイディンハルの狩人によると、像は両腕を伸ばした女性の姿をしており、片方の手には星を、他方の手には三日月を持っていたとのことだった。祟りを恐れて像を避けたものの、その位置は記憶しており、シェイディンハルの遥か北方、アリアス湖の北西、ジェラール山脈の奥深くという情報が聞き出せた。像の外観に関する情報が得られたので地元の魔術師ギルドを訪ねてみると、その外見を元に崇拝の対象となっているデイドラの主の正体が特定できたのであった。

祠の位置が判明したので現地に足を運んでみると、祠の周囲に信者の一団が住み着いていることがわかった。デイドラ崇拝に対する風当たりの強さゆえ、信者たちは当初こそ自分たちの素性を認めたがらなかったものの、筆者が彼らの信頼を得た後にはアズラが嘆願に耳を貸す時間帯(夕暮れから夜明けまで)に関する秘密や、捧げるべき供物がウィル・オ・ウィスプから得られる「発光する塵」であることを教えてもらえた。

筆者は一介の聖職者兼学者であるため、ウィル・オ・ウィスプを発見して発光する塵を入手することはかなわなかったうえ、供物として捧げられたとしてもアズラが耳を貸してくださったかどうかは定かではない。しかし、仮に供物を捧げてアズラがそれを認めてくださった場合、筆者は何らかの使命を与えられ、それを達成できた暁には伝説的な魔力を秘めたデイドラのアーティアクト「アズラの星」を授かることができた可能性があったのは確かである。

筆者はその後、シロディール内に上記以外にも複数のデイドラの祠が存在すること、およびそれぞれの守護神であるデイドラの主の名、そして冒険家たちが授かりうるデイドラのアーティファクトに関する噂を耳にしている。狩人のハーシーンは強力な魔力を帯びた鎧である「救世主の皮鎧」の伝説と結びついている。魔剣「ヴォレンドラング」は妖魔の王マラキャスと関連があるらしく、名をそのまま冠した「モラグ・バルの戦棍」もデイドラ崇拝の対象となっているようである。シロディール内にあるこれら以外のデイドラの主の祠および信者たちについては、たゆまぬ努力を続ける探究者たちによって明らかにされていくことだろう。

災厄の神The House of Troubles

聖ヴェロスとチャイマーに従って約束の地モロウウィンドへと向かった祖先の霊魂の中で、デイドラの主である4人、マラキャス、メエルーンズ・デイゴン、モラグ・バル、シェオゴラスは、災厄の四柱神として知られている。彼らデイドラの主は、トリビュナルの助言と勧告に反発し、クランと名家に大いなる騒動と混乱をもたらした。

マラキャス、メエルーンズ・デイゴン、モラグ・バル、シェオゴラスは、試練の時に障害物の役割を果たすという意味において聖人である。時に彼らは、この地域の敵であるノルド、アカヴィリ、あるいは山のオークとさえ交流を持った。

マラキャスはかつてトリニマクだった者の残骸であり、弱いが復讐心に燃えた神である。ダークエルフは彼がオークの神王マラクだと言う。彼はダンマーの身体的な弱さを試す。

モラグ・バルは、モロウウィンドにおける残虐の王である。彼は名家の血統を壊そうと試みており、さもなければダンマーの遺伝子プールを汚すつもりでいる。モラグ・アムールに住んでいたと言われる怪物の種族は、前紀に行われたヴィベクの誘惑の結果である。

シェオゴラスは狂気の王である。彼は常にダンマーの精神的な弱さを試す。多くの伝説において彼は、ダンマーのある派閥に対抗しようとする派閥に招かれている。物語のうち半数において、彼は自分を呼んだ者たちを裏切らず、そのため、全体的な枠組みにおける彼の立場について混乱が生じている(果たして彼は我々を助けられるのか?障害にはならないのか?)。彼は、例えば帝国のように、ダンマーが恐怖を抱く他の種族と、役に立つ同盟者として結びつくことがある。

メエルーンズ・デイゴンは破壊神だ。火事、地震、洪水など、自然の危険と関わりを持つ。ある者たちにとって、彼はモロウウィンドの住みにくい土地の象徴である。耐えて生き延びる意思がダンマーにあるかどうかを試す。

これら四柱の邪悪は崇拝は、聖堂の掟と慣習に反することである。しかし、四柱に仕えようとするどん欲で無謀な者や、正気を失った者が絶えた試しはない。古代の聖堂の掟と秩序、そして帝国の法に基づいて、こうした魔女やウォーロックたちは処刑される。帝国の駐留部隊は聖堂のオーディネーターやボイアント・アーミガーと協力して、荒野の隠れ家や古代の遺跡に隠れて冒とく的な崇拝を行う者たちを追い詰め、始末している。

夢中の歩みThe Dreamstride

1000年以上もの間、ヴァルミーナの司祭は錬金術の達人である。彼らの混合剤の複雑さと効用は、まさに伝説にほかならない。このような錬金術の秘宝は非常に人気があり、闇市に出回る水薬1つが大金を生むこともある。

現在知られている数多くの薬の中でも、おそらくヴァルミーナの不活性薬が1番素晴らしいだろう。この粘着性のある液体を一滴飲むだけで、「夢中の歩み」として知られる状態に陥る。使用者は他人の夢を、まるで自分がそこに入り込んだかのように体験できるのである。対象者は最初から居たかのように夢の世界に溶け込み、夢の重要な一部になる。夢の中に登場する人々からは、使用者の方が夢を見ている人だと思われるだろう。使用者は、自分の癖や話し方、適切に広がった知識さえも目にするはずだ。

観察者の目には、薬を飲んだ使用者の姿が消えてしまうようだ。対象者が夢の中で行ったり来たり歩くとき、観察者たちもまた実際の世界を行ったり来たり移動する。不活性薬の効き目が切れると、対象者の姿は再び見えるようになり、夢の中でいた場所とまったく同じ場所に出現する。わずか数フィートしか動かなかった対象者もいるし、ほんの数分で元の場所から数千マイルも離れた場所に現れた者もいる。

注意すべきこととして、夢中の歩みは非常に危険で対象者に様々な潜在的危険を与えることだ。ある夢では、対象者は病気や、暴行そして死のような生命を脅かす状況にさらされた。ほとんどの場合は傷を負うことなく現実の世界に戻って来れるが、場合によっては対象者は帰ってこずに薬の効き目が切れたと見なされるか、死亡した状態で現れる。現実世界においては危険で有害な場所に戻ってきてしまうことも多い。たとえ夢中の歩みの中では、そこが安全な場所であったとしてもだ。

ヴァルミーナの不活性薬は、それを作り出す錬金術師のように不思議でとらえ所がないものである。この独特の移動装置が不活性薬自体の効果なのか、単にヴァルミーナの奇妙な企みなのか定かではない。しかし、通り抜けられるはずのない障害物を通り抜ける夢中の歩みの効果は、確実にその不思議な性質によるものである。