世界とそこに住む生物

The World and Its Creatures

アルドメリの選ばれた人々The Chosen People of Aldmeris

ピャンドニアのシーロード・マレロース 著

ピャンドニアのマオマー族が、犯罪者としてサマーセット諸島から追放されたアルドマーが分かれた種族であると、いまだ信じる者は多い。これは、アルドマーによる不実で大きな嘘なのだ!

水晶の塔にあるつづれ織りの訳書によると、偉大なるマオマー族は、我々アルドマーの先祖において一番の純系から直接伝わったことが明らかにされている。我々はサマーセットから来たのでなく、アルドマーの先人の故国に起源を持つのである。

アルドマーは混血種である。彼らは我々の偉大なる指導者オルグヌムに、深い霧の中をピャンドニアのヘヴンまで我々の民を率いさせた悪しき者なのだ。

何世紀もの間我々は、勝利の帰還に備えて軍隊を結集してきた。真のアルドマー族としての生まれながらの権利によって、サマーセットは我々のものなのだ。劣等のアルドマー族のすべての名残りと、彼らの混ざった血は、タムリエル全土から抹消されなければならない!

我々の時は来た!立ち上がれ、マオマーよ!アルドマーの、遺産の正当な継承者としての地位を確立するのだ!

ヴァレンウッドのウッドエルフThe Wood Elves of Valenwood

アルトマーやダンマーなどの親戚とは異なり、ボズマーは他と比べると気さくと言えるほどの態度を持っている。インペリアルの外交官の中にはこの陽気な愛想のよさを、グリーンモート中毒者が初期に経験することのある、あのまろやかな酩酊に喩えている者もいる。しかしこれをカジートのスクゥーマ中毒者と同類のものとみなすような、早まった真似はしないほうがいい。この木の民は盗みにかけては意地が悪く、抜け目がない。尊敬とは言わないまでも、注意には値する存在である。

ボズマー族の統治は、このゆるやかな覇権を統治と呼べるなら、カモラン王朝によって行われている。だが、組織されていないボズマーの部族間で、司法の厳格かつ強制的な執行が見られることは稀である。それよりも多少厳格なのは、母系を基本とするクランの血縁である。樹の従士、あるいは部族の長の支配は、戦時下における防衛以外の目的をほとんど持っていない。真の権力は「紡ぎ手」として知られている森の女神イフレの司祭たちが握っており、彼らはグリーンパクトと呼ばれる、ボズマーに肉食と、種類を問わず生きている植物はいかなる手段にも使用しないことを強制する、奇妙な行動原理を守らせている。

彼らは森のニンフなどではない。ウッドエルフが戦争に赴くのは、土地を支配するためでも貴重な資源が欲しいからでもなく、スポーツとしてである。ヴァレンウッドが脅かされでもしない限り、ボズマーは他者を殺すことを単純に不必要と考えている。貴重品の窃盗に関しては盗難以前に誓いが交わされ、一滴の血も流すことなく解決する。しかしやむを得ない場合、彼らは弓に卓越した能力を示す。若者は射程とスピードを活かした、驚くほど高度な狙撃訓練を受けている。アレンシア近くの森を歩く時は、財布やかばんを手元から離さないようにし、ボズマーの悪党は地元の街の警備員に報告することだ。

ヴァレンウッドの心臓Heart of Valenwood

〈告げ示す者〉ベレダルモ 著

ヴァレンウッドの心臓、生きた森の心臓はよく1つの物体であると誤解されやすい。大木が森の中心にあるというのは本当であり、ヴァレンウッドの活力源のようなものを巡らせている。だがその木が心臓であるとするのは、ヴァレンウッドの心臓の理解としては非常に限定的なものになる。

ヴァレンウッドの心臓は森の魂であると言ったほうが適している。巨大な木はその魂のただの物理的な象徴であるが、身体の魂のように、ヴァレンウッドの心臓は1ヶ所ではなく全体を満たす。

ヘクタヘイムの古代のアイレイドを見たいと願う者が知っていたように、それは途方もない力を持ち、ヴァレンウッドの他の地域をはるかに凌いでいる。結果として、その特別な場所はしばしば古い書物で「ヴァレンウッドの心臓」と記されており、良くも悪くも利用しようとする数知れぬ陰謀の対象となった。

もっとも初期の陰謀は、アイレイドが初めてヴァレンウッドに来た時に起こった。ある死霊術師(忌まわしい名前は長い歴史の中で失われた)がヴァレンウッドにアンデッド軍と侵攻し、命を与える心臓の力を悪用してアイレイドの魂で恐るべきアンデッド軍を作り上げた。アイレイドはその軍を倒すべく長期戦を戦い抜いたが、結局倒すことはできず阻止しただけだった。

アイレイドはウェルキンド石を使ったヘクタヘイムを包み込む強力な結界を作り、以前素晴らしかった街は征服に来た軍の監獄となった。アンデッドは地に帰されて囚われた。結界を破ろうとして成功したものはおらず、魔法そのものを無効にできた者だけが、アイレイドの驚くべき仕事を元に戻せたと推測される。

ヴァレンウッドの心臓に関する理解が限られており、滅多に話されないのは、強力なハーシーンの結界があったからだ。ウッドエルフはヘクタヘイムに迷信と畏敬、つまり古代への畏れと、内部から発散するような生気を与える力の崇拝が入り混じった感情を向ける。

最後にヘクタヘイムに入って心臓を見たウッドエルフは、200年以上前のシルヴェナールだといわれている。だが当時の複数の記述でさえ、彼が同時代の人にはおかしくなったとして扱われたことを暗示している。

ウェアウルフへの対処Dealing with Werewolves

ヴェヌスティニウス・パーキティヌス 著

あなたがカムローンの駐屯地に留まっているにせよ、スカイリムでノルドの愛想のなさに耐えているにせよ、帝国の者ならばライカンスロープという恐るべき病気の兆候について知っていなければならない。セイニーズ・ルピナスに感染した怪物の攻撃が増加している今、以下のことを学び適切に対処することはあなたの義務である。

大樽の中や市場の露店に大量のカニスの根があふれかえっていないだろうか?地元住民がこの根を近所の木や垣根になすりつけているところを目撃したか?奇妙な動物の足跡を追ったが、跡が途中で消えてしまったという経験はあるか?村の聖堂が抱えている物乞いが生々しい悪夢を見ていたり、顔や体に深い爪の傷を受けていたりするか?狼の遠吠えが聞こえるのに、1匹も見つからないということがあるか?もしそうであれば、ウェアウルフ(あるいはもっとたちの悪いウェアベア)が君の管轄区域で活動しているかもしれない。

ウェアウルフは頑健な混血種で、強力な顎と両手足に爪を持つ。身長はオークよりも手幅3つ分高く、激しい血の渇きを見せる。遭遇した場合、あなたが自分の武器と鎧に絶対の自信を持っているのでない限り、何をおいてもまず逃走を試みることである。可能な場合は、狼の行く手に現地住民を突き出せば、それで飢えを満たしている間にあなたは物陰に隠れ、馬に乗れるだろう。

ウェアウルフと戦わなければならない場合は、何でもよいので銀の武器を装備しよう。これは非常に有効であることが証明されている。しかし、深い切り傷と感染してしまう可能性を覚悟しなければならない。感染が起こった場合は、アーケイの最期の儀式と即刻の処刑を準備するため、上司に報告しよう。

エルフの建築術についてのメモNotes on Elven Architecture

石工ギルドの歴史家ガスティヌス・フロラス 著

優雅にそびえ立つ、あるいは動きがなく変わり映えしない。ハイエルフ建築はリーチの民の饗宴における彩色された牛のように、インペリアルの批評家たちを二分している。カーブのかかった切妻や尖塔は高さを強調し、巨人も頭を付けるのに苦労するであろう天井と、天空に向かった誇らしげに伸びる屋上がそれに続く。こうした建築物は「ハイエルフ」の姿の視覚的反映であり、彼らは自分たちの建築物を他種族の住まいと対照づけようとしているのである。

歴史家の中でも感覚の鋭い者たち(たとえばスキングラードのカンタベル・コンゴニウスなど)は、アルトマーとアイレイドの住居の比較における明確な類似に気づいた。彼らは祖先を共有しているのだから、その類似は見逃しようがなかった。アイレイドがサマーセット諸島を去った時、アルトマーは留まった。それでも彼らの建築物は多くの共通する要素を持っている。証拠が欲しければ、ブラヴィル付近の遺跡を歩いて、スカイウォッチの絵画と比べてみればいい。細かな違いはそれほど明確ではない。アルトマーはお高くとまってはいるものの、その傲慢さはアイレイドのように有害なレベルにまで落ち込んではおらず、オーリドンのより洗練された建物の数々がそれを反映している。

このような建築デザインの起源は古く、長年培われてきた方法を用いているが、時代遅れの域には達していない。アルトマーは革新よりも改良を追い求め、大規模の変化にはうぬぼれにも似た反抗を示しつつ、細かい調整で満足している。その結果は高度に洗練された正確さと調和、そして古風な構成の選別と反復が示されるのである。

オーガ:概要Ogres: A Summary

シランティレ 著

シロディール辺境の森林地帯、そしてまたタムリエル中にある、滅多に足を踏み入れられることのない共有地の隅ならばどこでも、タムリエルで最も基本的な奇形生物、すなわちオーガの故郷となり得る。僻地の洞穴や岩石地帯の小山の浅い洞窟を覗いて見れば、出会うのはトロルや狼ではなく、この原始的な生物の小さな集落かもしれない。多くの場合、彼らの狩場には手を出さないようにしておくのが最善である。オーガは我々の境界線には近寄らない傾向にあるし、他の略奪者たちを抑える効果もあるからだ。オーガが何らかの障害となる場合は、最寄りの街の衛兵に連絡することが義務とされている。ごくわずかな費用を払って襲撃部隊を要請すれば、このような敵は簡単に駆除できる。

オーガは議論をするような知性を持ち合わせておらず、巣への侵入者を叩き潰してひしゃげた死体に変えることに、原始的な快楽を感じている。彼らは狩りをして食料を獲得し、必要なものを集めてくる。そのようにしてニルンでの生活を楽しむのみである。しかし彼らがその驚くべき腕力で敵をねじ切り、大きな岩を相手に投げつける際は例外である。幸運なことに、オーガの性質は鈍重なので、素早い相手であればそのような攻撃は回避できる。オーガの身体の色については、エリンヒルのファラスタスの推測では灰色がかった青色が彼らの空に対する輪郭をカモフラージュしているとされるが、これはタネスのレディ・シンナバーによって説得力のある批判が加えられており、この謎の解決には程遠い状態である。オーガのところまで歩いていって、尋ねる訳にもいかない。

オークによるタムリエル案内An Orc’s Guide to Tamriel

ルラク・グロボズゴル 著

人とエルフの要塞と野営地を通り過ぎる時に大切なことは、彼らの正義はモーロッチの掟が促すほど即座に実行されないと覚えておくことだ。例えばダガーフォールの盗賊は、数日間投獄されるかも知れない。対照的に殺人犯は、じめじめした独房に何年もいて、取るに足らない領主が有罪を下すのを待つかも知れない。

それゆえ、不当な者に対して怒りをぶつけるときは慎重に。即座に正義を断行することは文明的な人々に支持されるが、現地の風習がそれほど効率的でなかった場合に、喧嘩やもっと悪い時には重大な脅迫としばしば誤解される。

同様に、そのような地の掟は権力を持たぬ者からの挑戦を理解せず、場合によっては許可さえしない。私達の間では貧弱な指導者に対して決闘が広く認められた救済策である一方、文明化の程度がより小さい社会ではその実用性の発見に至らず、しばしば他者による力の誇示を許すことになる。

よって、そのような者達に己の意見を述べるときには気をつけるように。その意見は迅速かつ暴力的に無効とされる可能性がある。その代わりに思いを共有できる者達を探し、数の力をもって勝利を手にすること。

終わりに、遠隔地において優れた職人技能はしばしば未発達だ。サマーセットとヴァーデンフェルのエルフは精錬された鍛冶について一定の理解があるが、シロディールとはるか北の者達は違う。より未開な土地の一部では、合金以外の鉄でも武器や鎧の製作に使えると考えられている。

彼らの時代錯誤な慣行を打ち破ることを恐れるな。君の努力は尊敬と称賛を集め、その名はあまねく広がるだろう。

オーリドン探訪録 第1章Auridon Explored, Chapter I

寛大な読者よ、ようこそ。ようこそ、澄み切った青い海と優しいそよ風の島、オーリドンへ。サマーセット諸島の宝石、タムリエルへの玄関口であるこの素晴らしい島は、古くから最も友好的で最も開かれた、我が高貴な種族の故郷だった。

ここに、未編集の探訪記を収録する。最近この島を旅した際に考えたことをざっと書き留めたものだ。この島の隠された宝、この保護された楽園の最も印象的な場所などはこれらのページで参照できる。

謙虚な案内役である私より、お楽しみあれ!

— 旅人フェンリル

〈後のページは破り取られている〉

オーリドン探訪録 第2章Auridon Explored, Chapter II

…こっちをじっと見て、私の心の中をのぞいている。あの小さな目、毛むくじゃらの体。これ以上、恐ろしい景色はあるのだろうか。おとぎ話を信じてはいけない…この猿たちは自分たちの家に我々が侵入することをひどく嫌がっている…

オーリドン探訪録 第3章Auridon Explored, Chapter III

ああ、魅力的なエリノーン島。古代にはブラニイムの入り組んだ海の一部だったが、やがて近隣のスカイウォッチにより荷積みと倉庫の施設として使われた。その後、スロードがやって来て、病気、そして死が訪れた。

さらにスカイウォッチの抵抗の結果、スロードの部隊が数十年もの間、占拠し続けた。ついに全旗海軍の残存部隊からなる合同部隊によって追い出され、島は放置され腐敗、衰退をたどった。

残念なことだ。その自然の美しさは計り知れず、その遺跡は…大変素晴らしいのに。

オーリドン探訪録 第4章Auridon Explored, Chapter IV

この島は私の心を捕らえてやまない。古代アルドマーの拠点——恐らく海の中にまで広がっていた大きな構造の一部——だったのは明らかだ。今では主として、近隣のスカイウォッチの街の生活から逃れるために使われている。

ここで、復活したデイドラ教団、虫の教団の信者が、巨石墓跡のようなものを建立する準備をしている証拠を見つけた。スカイウォッチの街に警告しなくてはいけない。

オーリドン探訪録 第5章Auridon Explored, Chapter V

寛大なる読者よ、美しく、比類なき瞑想の島について、ざっくばらんに書き記したものを編集する必要があると感じている。紛れもなく、タムリエルで最も美しい場所の一つだ。いわゆる素晴らしい探検家は、幸せに満ちた多くの思い出を持っている。静寂の中での食事、有意義な眺め…月明かりとの出会い…

既に述べたように、瞑想の島で過ごした時間は魔法のようだった。きっとあなたも同じように思うだろう。

オーリドン探訪録 第7章Auridon Explored, Chapter VII

地元でハイタイド砦として知られる遺跡は、かつて防御要塞で不規則に広がった施設だった。古代の遺物は、手間を掛けて管理され、要員を配置された。

その結果、スカイウォッチはスロードが攻撃をする間、素晴らしい防御を見せた。強力な魔法の建物が見事に造られ、使い尽くされた。十数のスロードの軍艦が破壊された。

町がついに陥落したのは、スロードのウォーキャスターがその大きな口を錬金術の揮発性試料で満たし、崖の下に自ら飛び込んだときだ。その結果として起きた爆発で、ほとんどの岩肌が崩れ、遺跡が海の中に沈んでしまったのだ。

オーリドン探訪録 第12章Auridon Explored, Chapter XII

古代人が最初に諸島に足を踏み入れたのはいつかとよく聞かれる。自分の研究によれば、神話時代の初期になる。

現在は、「九船の上陸地」と呼ばれるオーリドンの最北端は、伝統的にサマーセット諸島の中で古代人の足取りを真っ先に感じる場所だ。サマーセットから古代人はタムリエルの海岸へと広がっていき、その偉大で争い多き大陸のほとんどすべての地域に入植した。そこで彼らは新たな社会を築き、繁栄と破滅を経験した。

ガーゴイルの謎——解決!The Mystery of Gargoyles—Solved!

ポルベルト・リタムリー 著

ガーゴイル!灰色がかった緑色の肌に、ごつごつとした牙の生えた顔、角ととがった耳を持つ、巨大で不格好なヒューマノイド。その一部は翼まで生やしていると言われているが、この図体の大きな獣が飛ぶとは信じがたい。さて彼らは一体どこから、何のためにやってくるのだろう?続きを読んでほしい。この大いなる謎がついに解明されたのだ!

ガーゴイルの物語はタムリエル中に広く分布しているが、実物をその目で見たと言える者はほとんどいない(1匹でも見たことがおありだろうか?知り合いに目撃者は?私はいないと考える。私がその手のことで正しくないことは滅多にない。私の他の小論文をお読みであればご存知のはずだ。まだお読みでないとしたら、残念ながらあなたは情報に疎く、人生を変え、富を築くチャンスをいくつか見逃している。あなたはきっとこのような欠点を正す賢明さをお持ちであろう)。

さて、目の前の用件に戻ろう。ガーゴイルだ!彼らはきわめて数が少ない。だが、ハンマーフェルの荒野の奥深くで彼らを目撃する可能性があることはよく知られている。崩れかけた岩山の上にしゃがみ込み、悪意に満ちた眼差しで獲物になりそうな相手を見下ろしながら、それを鉤爪が生えた石のように固い手で引き裂く準備を整えている彼らをだ!生き延びてこのような出会いについて語る者が少ないとして、何の不思議があろうか?

いずれにせよ、ハンマーフェルの荒野の奥深く、そこがとらえどころのないガーゴイルが見つかる場所だ!だが荒野の奥深くの伝説の住人は果たしてガーゴイルだけだろうか?それは違う!実はレッドガードに長年伝わる伝説によると、あの勇猛な戦士達が最初にタムリエルの岸辺にたどり着いた時、ハンマーフェルの荒野には既に占有者がいたという。巨大なゴブリン達だ!

巨大なゴブリン!ゴブリンだが、サイズは巨人!言い換えれば、灰色がかった緑色の肌に、ごつごつとした牙の生えた顔、角ととがった耳を持つ、巨大で不格好なヒューマノイド。これを以前耳にしたのはどこだった…?

啓示だ!悟りの瞬間だ!もうお分かりでは?ゴブリンを見て、次にガーゴイルを見ていただきたい。ガーゴイルの絵で結構だ。なぜなら我々の中に実物をその目で見た者がいないことは確認済みのはずだ。しかしいずれにしても、とにかく見てほしい!これほどの類似が偶然であり得るだろうか?あなたはどうだか知らないが、うちの母はそこまでぼんやりした子を育てたことはない!偶然?まさか!それはハンマーフェルの(伝説上の)巨大ゴブリンと、ハンマーフェルの(公文書に記録されている)ガーゴイルの牙の生えた顔が事実上まったく同一であるのと同じくらい明々白々である。目隠しされた愚か者でも区別がつくだろう。

グアルを訓練する方法How to Train Your Guar

…5つの簡単なステップで!

グアルは一般的に思われているよりずっと複雑な精神を持っている。訓練すれば荷物を運ばせることができるし、従順で大人しい性質も好都合だ。しかしこの忠実な生物と私達の関係について、私達はどれほど理解しているのだろうか?グアルと一緒に何年も仕事をするうちに、彼らが私達の想像を遥かに超えた学習能力を有していることを私は発見した。私の研究成果により、グアルの最高の訓練方法が生まれたと私は確信している。グアルを深く研究するときも、老いぼれロリーがサンダルを咬むのをやめさせるときも、その方法がきっと役に立つだろう。

1.明示
グアルに何をさせたいか明確に示すこと。その際は身をかがめて、できるだけグアルに近い姿勢をとるように。仕事の様子を観察するだけで、グアルはその仕事の基礎を覚えることが研究により分かっている。グアルが好きな食べ物を持って、注意を引きながら仕事を見せることが肝心だ。

2.命令
明示した行動を命令するときは、はっきりかつゆっくりとした口調を使うように。正しい仕事の仕方を示しながら、命令の言葉を何度も繰り返す必要がある。時には叫ぶように命令して、グアルの注意を引くのも有効だ(ただし驚かせてしまうこともある)。

3.観察
命令を繰り返しながら仕事の様子を明示したら、グアルの動きをよく観察しよう。命令の言葉を言い続けて、グアルが正しい動きをしたら次のステップに移るように。ちゃんとできるようになるまで数時間、時には数日を要するので、辛抱強く観察しなければならない。

4.報酬
運ばせたいバケツを軽く押すことができたなど、進歩がたとえ少しずつでも、グアルには報酬を与えるように。訓練が上手くいかないときは、進歩する度に報酬を与えてグアルのやる気を継続させることが重要だ。

5.反復
新しい仕事をグアルに完全に覚えさせるには数週間かかることもあるので、忍耐力がこちらにも求められる。訓練は毎日続けること。ここで紹介したステップに従うことで、あなたのグアルは最高に訓練された、地元で一番のグアルになるだろう!

グレナンブラ・バンクに気を付けろBeware the Glenumbra Banks

水先案内人ガリック 著

何だって?グレナンブラ・バンクについて知りたいのかい?あのハイロックの北西の沖にある移動砂州のことは皆が知ってると思ってたぜ。あの岸に近いところでの船旅をすごく危険にする狭い小島のことは。俺自身は30年近くダガーフォールの水先案内人として生計を立ててる。商人の船を案内して、バンクの間を通り抜けて街の北の港を出入りするんだ。その仕事で俺はなかなかいい報酬をいただくんだが、商人達は文句を言わないぜ。その航路を通り抜けて進む時に、難破船の腐ったマストの円材やねじれた甲板を見るからな。

その航路はすごく危険で、絶え間なく変化するんだ。薄明の月の初めに、冬の嵐の後に港に入ってくる最初の船を出迎えるために出かける時、いつもおびただしい数の目に見える変化と、同様に目に見えない深さの変化が水路にある。俺達は気をつけて、頻繁に測鉛線を使って精密に地図に記さないといけないんだ。

だけど実際は、例え真央の月や南中の月でも俺達は常にバンク内の変化に注意を払わなくちゃならない。さあ、一体、砂はどうやって変化するんだ?時々、嵐でもないのに一晩中変わり続けることもあるんだぜ?ヘルネ海流ははるか沖に流れていて、夏には船乗りたちがヨクダのそよ風と呼ぶ微風が絶え間なく、だけど穏やかに西から吹いている。

それでもなお、砂は動き、バンクは変化する。

そうだな、流れ者よ、秘密を教えてやるよ。今晩、酔いどれライオンでおごってくれるならな。イスグレオイアだよ。ああ、聞き間違いじゃないぞ。エルセリック海の不死身のリヴァイアサンは単なるおとぎ話じゃない。イスグレオイアは生きてる。そして、深い海の底に現れるんだ…そして時々は岸辺の浅瀬にやってくる。彼はバンクの古い航路に盛り土をして、新しく掘り下げる。そして船が砂に乗り上げたら、彼は水中から上がってきて、船乗り達を1人ずつ食べていくんだ。

まあ、当然あんたには疑う資格があるだろう。もう1杯おごってくれるならな。だが、聞いてくれ。俺はただ年取った船乗りのほら話を長々喋ってるんじゃねえぜ。俺は見たことがあるんだ。月が満ち、海が凪いでいる晩には、奴の油ぎった背中がかいま見えることがあるんだ。老いた巨大な怪物が曲がりくねった彼の罠を掘っていると、表面を越えて盛り上がるんだ。時折、間欠泉のように吹き上がることもあるぜ、鯨がやるみたいにな。だけど、それから、その微風がまるでオブリビオンから吹いてきたかのような、悪魔のような悪臭を浜辺に漂わせるんだ。

さあ、どうだ、わかっただろう。だけど、このことはあんたと俺、それに酒場の主人の猫との間だけのことにしておこうぜ。いいよな?南の港は大型商船には浅すぎるし、ダガーフォールは海洋貿易に頼っている。北の港へ入る道を探し続けながらな。俺もそうだ。それに船乗りってのは迷信深いんだ。彼らを怖がらせて追い払っても仕方ないだろ、なあ?

グレナンブラの街と都市Glenumbra’s Towns and Cities

アンスール・ベロテ 著

ハイロックの地域、グレナンブラには旅人が親しんでおくべき都市や街が多くある

ダガーフォール:グレナンブラの至宝でありハイロック最古の街の一つであるダガーフォールは、ウェイレストが権力を得る前はハイロック最大の王国の首都だった。どんな旅人もダガーフォールで糧食をうまく購入できるはずだ。活気にあふれた街のサービスは他に並ぶものがない

アルドクロフト:デーニアの森とカンブレイ・ヒルズの海岸沿いの湿地に挟まれた小さな街アルドクロフトは、イリアック湾沿いの交易路にあり、カムローンの有益な主要港として近年目立ってきた。アルドクロフトはスパイシーなシチューで有名だが、虚弱体質の旅人は避けたほうが無難な御馳走である

カムローン:近年は規模と文化的影響力でダガーフォールに匹敵するほど成長したカムローンは、グレナンブラ西部の中心だ。カムローンの市民は自分たちを南部の隣人よりも都会的で垢抜けているとみなしている。旅人にはカムローンの素晴らしいペストリーと焼菓子を試してもらいたい。旅する価値のあるものだから。地元民の傲慢さは無視すること。彼らがいつもそうなだけで、たいてい悪気はないのだ

ウェストリー:この街は過去に大災害に見舞われ、生きている市民を奪われ死者に取りつかれたままである。賢い旅人は避けるのが無難だ

イーグルズ・ブルック:アルドクロフトがカムローンとイリアック湾の主要な接続拠点として機能するように、イーグルズ・ブルックはエルセリック海に対応する港だ。カムローンの上流家庭に仕える職人や工芸家の多くは実際イーグルズ・ブルックの近くに住んでいる。旅人はイーグルズ・ブルックの漁船から毎日運ばれる素晴らしい魚介類を試すことをお薦めする

クロス・ウィッチ:グレナンブラの終わりとストームヘヴンの始まりを示す山岳地帯の国境の峠にあるクロス・ウィッチは、その富の多くをハイロックで最も人口の多い二地域を行き来する旅人から得ている。ダガーフォールからウェイレストに向かう旅人は、クロス・ウィッチを通らなければならない。休むにも再補給するにもよい場所だ

グレナンブラの人々Glenumbra’s People

アルドス・ブロウソー 著

外部の観察者にはハイロックの地域、グレナンブラの多彩な人々がしばしば異なるというより似通って見えるようだ。地域のほとんどの人々が文化や建築、食事や服装を共通のブレトンの雛型から得ているのは事実だが、多数の人々と地域全体に見られる多様な文化の差異を見過ごすのは愚かだ

デーニア:ダガーフォールの文化的影響に支配されたデーニアは、ブレトンの冒険に対する強迫観念の故郷であり中心地である。この用語に馴染みのない者のために言っておくと、これは貧しい奴隷階級の若者が貴族階級へ上昇するため英雄的な試練に参加できるという風習を指す。デーニアの文化を語る物語には、大冒険に出た貧しい若者が上位の者の敬意と報償を獲得する話が山ほどある。デーニアの人々の有名な独立精神はこの上昇志向の物語の延長ではないかと私は考えている。この地域はまたウィルドの文化の故郷でもあり、自然を崇拝する複数の魔術結社がデーニアの広大な森に住んでいることも記しておきたい

カンブレイ・ヒルズ:カムローンとその周辺の村は異なるブレトン文化の寄せ集めだ。カムローンの貴族階級は自分たちを詩人と芸術家の貴族だと思っている。ダガーフォールとウェイレストの取引をしばしば平和的に仲介するカムローンは、イリアック湾とエルセリック海両方からの商品を扱う自由市場から商売上の大きな利益を得ている。カンブレイ・ヒルズは幽霊がよく出ることでも有名で、住民の誰でも人に話せる幽霊話をひとつかふたつは持っている。特筆すべき最大の文化はハグ沼からアルドクロフトに広がる東の沼地にいる、沼に住むブレトンである

キングズガード:この地域の名の由来は尾根がグレナンブラ、リベンスパイアー、ストームヘヴンの自然な境界を形成していることにある。クロス・ウィッチは、ハイロックのこれら主要地域を移動する商売の十字路で、ブレトンの都市国家の服装、食事、文化の坩堝になっている。文化というほどではないが、キングズ・ガードで特筆すべきはレッドルーク山賊だ。レッドルークはグレナンブラ全体にいるが、そもそもはキングズガードの山岳地帯や丘陵地帯で、通りがかるキャラバンを襲った狩人と追剥ぎの緩い集団が発端である

グレナンブラの亡霊Ghosts of Glenumbra

ジャン・ドゥゼイル 著

グレナンブラは呪われているということで悪名高い。呪われているという意味を説明しなければならない。すべてのアンデッドが呪いの存在というわけではない。亡霊だけが呪いを引き起こすことができる。亡霊とは、私やあなたと同じようにかつては生きていた人々の霊魂のことだ。死んだときに去るのを拒んだ者達だ。

(少しでも死霊術の悪影響を感じたら、それは呪いではないので適切な権威に報告してもらいたい)

グレナンブラの者はみんな幽霊や亡霊、呪いに関する話を知っている。聞いてみればいい。

グレナンブラで最も呪いが強い場所はアルドクロフト北西の湿地であることは間違いない。ご存知のように、そこは第一紀にグレナンブリア湿原の戦いがあった場所だ。この戦いでアレッシア教団とディレニエルフの両者がほぼ同時に壊滅状態となった。そのような悲劇があったため、その場所には奇怪な力が充満することになった。その湿地を歩く旅人の多くが、遠くから戦いの音が聞こえたと訴えている。

グレナンブラで2番目に呪われている場所は、先程の場所と直接関係がある場所だ。その場所を取り囲んでいるキャス・ベドロードと埋葬塚が、グレナンブリア湿原の戦いで死んだ兵士の集団墓地として使われるようになった。濃霧が発生している時、その墓地には入り込まないほうが賢明だ。幽霊のような光とうめき声が報告されている。

デーニアの森林地帯は呪われていると考える人もいるが、実際は誤解に過ぎない。名高いガーディアンを含む多くの自然の霊魂が谷と森に住んでいる。彼らは人として生きていたことがないので、幽霊ではない。霊魂として生まれた存在なので、当然の敬意を持って扱われるべきである。

グレナンブラには封建時代の名残で田園地方に遺跡と城が点在しており、この場所に関する怪談話を知っている人はすぐに見つけることができるだろう。特に、バエルボーン・ロックとドレサン砦の遺跡には多くの伝説が残っている。

すべてのグレナンブラの呪われた場所の中でも、ウェストリーの村には最も注意してもらいたい。ウェストリーでは何らかの恐ろしい魔術的な出来事が起こり、そのせいでアンデッドがはびこる場所となった。危険なので、幽霊探しに行こうなどとは考えないでほしい。

クワマーの世話Care of Kwama

シランティレ 著

「クワマー」として知られる昆虫型の生物はモロウウィンドに起源を持つが、タムリエルのどこで見つかっても驚かないでほしい。この生物は、目的をもって、あるいは目的もなく、世界の色々な場所に移動する

野蛮なダンマーは、この生物を「卵の鉱山」で飼っている。彼らにとってはごちそうだからだ。「美味い!」と歯のない、年老いた飲んだくれに言われた。虫の卵を食べるとは、ダークエルフにとってどのようなものが良い食べ物なのか、想像できない

しかし、逆のことを言うようだが、ダンマーは正しいのかもしれない。実はクワマーは素晴らしい鉱山労働者だ。地下に住むのを好み、住処を築く時、手の込んだトンネルシステムを作る。実際、土から有機物を摂取し、消化できない宝石、金、鉄などの無機物を排出しているようだ

実験として、アルドメリ・ドミニオンはクワマーの卵をさまざまな外の領域に移動させてみた。そこには小さなクワマーの鉱山が作られる。クワマーは心行くまで掘ることができる—もし心があればだが—そして、クワマーの飼い主は廃棄物から無機質を得ることができる。アルゴニアンの捕虜を使うよりずっと効率が良い。この虫は少なくとも、自力で食べ物を見つける

さまざまな種類のクワマーが存在し、それぞれ別々の方法で扱わなければならない

クワマー・スクリブはクワマーの幼生で、管理しやすい。大食いではあるが、食べ物に大きく影響される。スクリブは長い卵から孵化し大柄な人間の足の大きさから、大型の犬の体長と同じ長さまで成長する。スクリブは成長して別の種類のクワマーになるか、さもなくば死ぬ

クワマー・フォリージャーは、鉱山の外の地域を探検し、新しい領域を求めて世界の表面を探索することで知られている。飼い主はフォリージャーを採掘場となる可能性のある場所に「向かわせ」たり、シンクホールができる可能性があるという理由で、ドミニオンの居留地から追い出す事を学んでいる。クワマーの飼い主にとって重要なのは、フォリージャーを管理できないと分かった時、鉱山に戻る前に殺さなければならないということである

ワーカーは最も役に立つクワマーで、根気よく掘り、生息地を拡張し、食べ物を探す。飼い主が突き棒を使って特定の場所に向かわせたり、追い出したりすることは可能だが、危険が伴う。ワーカーは応戦してくる上、クワマー鉱山での動乱は暴力的で危険な出来事だ

数匹のスクリブが成長してウォリアーになる。教養のない者の中には、ウォリアーを殺せば、残りのクワマーを行儀よくさせられると考えるものもいるが、専門家としては賛成できない。ウォリアーを殺してしまうと、より多くのスクリブが成長して鉱山の守り手となり、対処できないほど暴力的な生物になってしまう!さらに、ウォリアーは下位のクワマーに命令を出すため、確実に反逆が起こる。ウォリアーを殺さなければならない時は、巣の他のクワマーたちから離れた場所で、素早く殺すこと!

最後に、クワマー・クイーンについて説明しよう。巨大な膨れ上がった身体の生物で、ほとんど動かず、ごくまれな存在である。すべての巣に女王がいるわけではない。多くは大きな巣から派生してできたものだ。卵はすべてクワマー・クイーンから生まれる。クイーンに遭遇したら、すぐ立ち去るように!感じの良い生物ではなく、干渉することはできない。巣にいるすべてのクワマーが、堂々とした風貌の肥大したクイーンを守るため、気付いた「侵入者」に襲い掛かってくる

コルマウントの虐殺The Massacre at Cormount

カモラン・ゴリニル 著

夜にジェイド・ブッチャーが盗人の如く軍隊を引き入れた。真の王、カモラン・ゲルシオルを信じていても、コルマウントの良民はハイエルフの裏切りに耐えられなかった。

兵士達は火を木々に放った。ヴァレンウッドそのものを燃やしたのだ!家族らが家を見捨て逃げると、騎兵隊に踏みつけられた。子供達は囲まれ、通りで窒息死した。ジェイド・ブッチャーの悪党達はそれを両親達に見せつけた!

私は自らブラックサップの反撃を率いて、奴らの悪行を見た。怒りが沸き立つのは当然のことだった。私達はブッチャーの兵士達をコルマウント外の遺跡へ追い出した。侵入者達を打ち破る支援を仰ぐために緑を召喚した。

しかし、ジェイド・ブッチャーの真の裏切りは始まったばかりだった。奴の魔術師達は緑に毒を盛ったのだ!支援してくれる真の協力者、ヴァレンウッドそのものがいなくなり、奴の兵士達は再結集して虐殺を再開した。4対1で劣勢だったがブラックサップは戦い続けた。ヴァレンウッド、エルデンルート、そしてコルマウントのために。

仲間よ、この大虐殺を忘れてはならない。ジェイド・ブッチャーと奴を英雄と考えるドミニオンを忘れてはならない。父である真の王が消えたことを忘れてはならない。父は死んだと思われているが、私はまだ希望を抱いている。

ヴァレンウッドそのものがまた復興することを願う。真の王に忠実な者達は、共に返り咲くだろう。

コルマウントの台頭The Rise of Cormount

コルマウントはかつて活気のない交易所で、ヘヴンからリーパーズ・マーチへ旅する者に知られた滞在地だった。誰が街を作ったのかは学者の意見が一致しないが、コルマウントの人口と文化的重要性は、長期休戦の直前に10倍になっていたことが分かっている。

コルマウントの静かな環境とウッドエルフの権力の座から離れている場所は、カモラン派にとって理想的な隠れ場所だった。年月を重ね、ボズマーの最上流貴族はコルマウントに愛人を作った。しかし秘密というのは種のようなもので、埋めようとすればいつか出てくる。

第二紀406年、コルマウントに貴族の後継者になり得る者が何十人もいて、そのほとんどが結婚適齢期である可能性があることが露見し、スキャンダルがカモラン派を襲った。機に乗じる者、詮索好きな者、そして狡猾な者達が街にやってくるにつれて、コルマウントの人口は一週間でほぼ倍増した。それ以後の月は、結婚式が毎日のように開かれた。

この噂はヴァレンウッドの外に住んでいた若いウッドエルフ達も引き付けた。彼らは帝国の富を自分達の精神的な故郷に結びつける希望を抱いてグラーウッド王国まで旅をした。グラーウッドが心地よいと思った者達は、コルマウント近くにニュージョイと呼ばれるがたがたの村を築いた。

コルマウントへ最初に移ってきたグラーウッドの先住民達は、入植者達のことを「移民」として知っていた。このグリーンパクト支持者達はシロディールの強情な仲間の習慣にショックを受けた。一方で、移民達は先住民達の「未開な」性質を侮って、コルマウント中で交易を介して簡単に利益を上げようとした。

コルマウントとニュージョイの緊張が沸点に達したのは2年後だった。誰が最初に火を放ったのかは不明だが、第二紀420年のある暗い夜、ニュージョイの入植地は焼け野原になった。逃げ出した者は殺された。滞在中のカモラン貴族を含めて。

誰も大虐殺を自分の功績だとは言わなかったが、コルマウントのグリーンパクト支持者達の仕業だと多くの者が推測した。長期休戦の終わりに至る短い数年の間に、不平を訴えようとするカモラン達はニュージョイの破滅を政治的道具としてしばしば用いた。

しかしコルマウントはこの汚点のために名声を貶められるべきではない。第二紀489年に設立されたブラックサップ運動は、グラーウッド中に支持を広げた。このコルマウントを拠点とする文化団体は、ウッドエルフのグリーンパクトに対する姿勢を正式なものにして、ニュージョイの悲劇的な結果につながった誤解そのものを起こさないよう望んでいる。現在の紀が始まってから500年に入るが、コルマウントの復興はほぼ確実のようだ。ブラックサップが並行して繁栄することを筆者は願ってやまない!

サウスポイントの設立The Founding of Southpoint

ザントニウス総督の地方局 著
2729年恵雨の月1日
(サウスポイントの全帝国民へ配布)

サウスポイントは偉大で高潔なザントニウス総督により築かれた。もちろん周知のことだが!一方で偉業の重大さを理解するため、諸君らはまず功績を上げた男のことを知らなくてはならない。

ザントニウスはクヴァッチ出身のコロヴィア農民の長男として生を受けた。母の悲劇的な死後、ザントニウスは家庭内の指導的な役割を果たした。このような質素な育ちにもかかわらず、諸君らが今日知るように、彼は常に聡明で快活な男だった!

ザントニウスの年下の兄弟が成人すると、彼は農民としての生活に飽きてしまった。間もなく彼は名を上げるため、帝都まで旅をして帝国軍へ入隊した。

ザントニウスは帝国軍の階級を駆け上った。指揮官によると彼は熊のように力強く、狐のように素早かった。やがてザントニウスはヴァレンウッド北部に配置され、当地にて第二帝国の最も偉大な将軍達に匹敵する戦術的思考を有していることを証明した!

栽培の月のある暗い夜、ザントニウスがレマンズ・ブラフで絶えず警戒を行っていた間に、ウッドオークの野営地への襲撃を単独で阻止した!武功としてザントニウスには歩兵隊の指揮権が与えられ、帝国の栄誉のため砦の建設に派遣された。部隊の先陣を切って、ザントニウスはグラーウッド王国へ南下したのだった。

グラーウッド南西端の美しい土地でザントニウスは槍の先を大地に突き刺した。「今日この日から、この地をサウスポイントと知らしめることを宣言する。帝国軍の要塞建設のため派遣されたが、代えて要塞都市を形成する!グラーウッド王国中に、サウスポイントの名が知れ渡るだろう」

ザントニウスの言葉に疑問をはさめる者がいるだろうか?彼はサウスポイントの民に強固な防壁、ボズマーの暴徒達に対する素早い対応、そしてヘヴンの停滞した交易所と比べてずっと多くの船が往来する港をもたらした。来月ザントニウス総督は、ヴァレンウッドで最高の大聖堂になる建築物の着工に移る!

ああ、すべてのサウスポイントの民は、安全、安定、そして繁栄に対してザントニウス総督に恩義がある!サウスポイントの正当な管理、ヴァレンウッドにおける帝国文化の中心をサウスポイントにしようとする立派な取り組み、月末から実施される税金の引き上げ、これらにて我々は総督を支持するだろう。ザントニウス総督には街の件で大変な恩義があるが、彼がそれらに換えて望むのは、我々の忠誠、礼節、そして12ゴールドの所得につき1ゴールドだけだ。

帝国のために!

シュガーベリーSugarbelly

センチタイガーを幸せにするための手引き

アズム・ラ 著

センチタイガーの心は尻尾のようで、獲物に飛びかかる前に、ありえないような形に曲がりくねる。もしあなたが獲物だったら、大変なことになる!しかし、尻尾をしっかり握れば、センチタイガーは思い通りになる。しっかり握っている限りは

理論上、尻尾をつかむことで永遠にセンチタイガーを制御できるが、お勧めしない。センチは素早く、非常に強く、間違いなく恨みを抱く!センチタイガーの心を捉えた方がずっと良いが、どのように心を捉えるのだろうか?

まず理解しておくべきことは、カジートのように、センチタイガーは筋金入りの甘いもの好きだということだ。また、敏感な鼻で、ムーンシュガーがどこに隠されていてもかぎつける。ポケットの中でも、壁の向こうでも、近くの親友の腹の中でも。どこでも

幸運なことに、センチタイガーの砂糖への欲は非常に大きいだけだ。センチタイガーをきちんとした食事で飼えば、攻撃的な願望を、鼠を捕まえるなど役に立つ仕事に使わせることができる。必要なのは、どれくらいの量のムーンシュガーがあれば足りるのか知ることだけだ

この点は複雑なので注意しなければならない。センチの甘いもの好きは、新月から逆三日月までの月の満ち欠けに従って、強まったり弱まったりする。また、大きさも要因となり、大きいセンチほど多くのムーンシュガーを欲しがる!

調教師によっては、地元の双子月に相談してセンチタイガーのムーンシュガーへの食欲を判断しているが、お勧めしない。女司祭がいつもいるとは限らないし、聖堂とセンチの両方にムーンシュガーを提供するのは金がかかる

また、センチタイガーの成長は早い。完全に成長しきるまで、食欲は変化する。自称調教師には、ムーンシュガーの在庫が足りないと後悔する時間はほとんどない。結果として起こる殺戮は、決して楽しいものではない

ムーンシュガーの備蓄を手元に置いておくと良い。センチが満足するまで食べたら、残りを使ってスイートロールを凍らせたり、プディングを味付けしたり、美味しいムーンキャンデーを作ることができる

ムーンシュガーを満足いくまで食べたら、センチタイガーがしたいことは2つしかない。肉を食べて腹を満たすことと、日の当たる場所での日光浴だ。このため、場所を守ることや、狩猟に適してはいるが、数年の調教なしでできるのは、これだけだ。調教をしても、その程度しかできない

例えば、センチたちに農機具を引かせようとするのは勧めない。恐れ多くもセンチタイガーが引き具をつけるのを我慢したとしても、野鼠より大きなものを見つければ、それを追って田畑じゅうを動き回るだろう。粉々になった鋤を集めるような面倒なことは避けたほうがいい!

調教師の中には、監視役や戦闘員としてセンチタイガーの調教に成功した者もいるが、強く、戦いが得意でない限り、人を食べるよう調教するのは絶対に避けてほしい。強く、戦いが得意でも、お勧めしない。センチタイガーが忠実なのは腹が満たされている時だけだ。分かるだろう?

この手引きが役に立って、センチタイガーに食べられないことを願っている。もし役に立たなかったら…約束はできない!

シロディールのハートランドThe Heartland of Cyrodiil

エリンヒルのファラスタス 著

中央シロディールの肥沃な農地、ルマーレ湖の周囲、そしてニベネイ渓谷は、温和な気候に恵まれ、中央タムリエル全体に供給される作物と家畜を支える「ハートランド」として知られる。雨と雷雨は頻繁ながら、この地域は西部を襲うハンマーフェルの砂嵐や、東南部のブラック・マーシュのモンスーンとは無縁だ。

古典著者ヘイムスクルがシロディールを密林や熱帯雨林と描写している件については、いろいろと言われている。私の研究によると、シロディールを描写する「終わりなき密林」という表現は、どうやら転写時のミスだと思われる。ひどくかすれた原本を詳しく調べてみると、表現が誤写されており、正確には「広がる高地」とするべきものである。ニベンの森を形容する「赤道下の雨」は原本にはまったく見当たらず、筆写者がそれ以前に誤って使用した「密林」を裏付けるためにつけ加えたと私は仮定している。タネスのレディ・シンナバーはもちろんこの解釈に反論しているが、彼女の研究方法の欠点については、これまでにも他の場所でしっかりと指摘してある。

ズークの設立The Founding of Zuuk

ブラック・マーシュのアシャラク 著

ズーク卿はレマン・シロディール三世崩御の後シャドウフェンに戻り、シャドウフェンに小さな村落を創った。5世代にわたり繁栄を謳歌した後で、我々の祖先は創設者に敬意を表してズークと名前を変更した。村落の元々の名前は、時の流れと共にわからなくなった。

我々は帝国の宮殿におけるズークの時代をほとんど知らないが、彼の富、名誉、寛大さはコスリンギに広く知れ渡っている。今後5世代にわたり、彼の名が子孫の口にのぼりますように

ストームホールド、シャドウフェンの街Stormhold, City of Shadowfen

シランティレ 著

帝国の学者たちは、第一紀2811年におけるアルゴニアの戦いとブラック・マーシュの征服、すなわち人間種族が最初にこの地域で権力の座についた瞬間について記しているが、この場所の地理の乗り越え難い密集性について言及していない。帝国の斥候である導く者アシリウスはこの沼地を、「地面の水を一滴飲めば腸内に激流を引き起こす、苦痛と病気のスープ」と記している。しかし、侵入困難な奥地にあるヘルストロームの街は、過去に包囲戦を想定した攻撃を受けたことがない。帝国は北方及び西方の国境地帯を接収するだけで事足れりとしたのである。実際、居住困難な監獄と化したのは、かつてタムリエルの不良たちが自由にうろついていたこの沿岸地域だった。だとすれば、直接の関連はないが似たような年季奉公契約の歴史が、この大湿地帯の別の場所で存在していることも不思議ではない。すなわち、ストームホールドである。

羊皮紙での記録が残される以前にバルサエビク・アイレイドによって設立されたストームホールドは、ダークエルフの悪名高き歴史を内に秘めている。アイレイドの遺跡の緻密な石細工は原始的な富を明らかに示しており、またより新しいダンマーの石の建築物は、有害で無慈悲な支配がどういう建物を作るかということを示している。こうした欲と残忍さに捧げられた記念碑に隣接しているのは、より質素なアルゴニアン部隊の泥の小屋であり、これらはかつてダンマーと協力して未開地の村を破壊し、モロウウィンド各地で植民の作業に従事させるのに適した捕虜を集めるための、同盟者たちの家となっていた。そして今では抑圧の泥沼からようやく抜け出した、この爬虫類種の故郷になったのである。

第二紀の激動期、暴力と殺人がストームホールドを侵食し、邪悪なダンマーによる束縛の鎖が(そして、規律の乱れたインペリアルの領主は賞金と利用しやすい労働という考えに気を取られていた)、アルゴニアンをこの地区から、その最後の部族に至るまで消滅させようとしていた時、搾取されたこの爬虫類たちに残された手段はわずかだった。つまり、アルゴニアンのバイスカノンたちが出現し、他の領域で評議員や部族のリーダーたちが行っている行政機能を担うようになったのだ。

ストリッド盆地の恐怖Horrors of the Strid Basin

ホーヴァー。

この不愉快な生物たちの起源はだいたい想像がつく。その異様な性質は、オブリビオンの恐怖に匹敵するほどだ。ただボズマーは、彼らが有史以前からヴァレンウッドに住んでいたと主張している。

昆虫のような姿をしているホーヴァーは日和見の生物であり、出会った生物全てを襲うわけではない。

動きが遅く丸い形をしているこの怠惰な節足動物を、恐ろしい性格をしているが従順だと考える者もいるようだ。確かに普通のホーバーは敵が単独でいてもすぐには攻撃しない。だが集団になるか、豊富な食糧が目の前にあると、その太った体格からは想像もできないほどの凶暴さで獲物を攻撃する。

それだけではない、ジャガや他の発酵した食糧がホーヴァーをおかしくすることも知られている。

つまりウッドエルフがいたら、飲み物に気を付けなければならないということだ。この異様な悪鬼の養殖は、ウッドエルフの数少ない楽しみの一つである。

スフィンクスモス砦の遺跡The Fort Sphinxmoth Ruins

スキングラードのキャランティウス 著

スフィンクスモス砦の遺跡は、ヴァレンウッドとの国境に近い、北エルスウェアの渓谷に隠されている。レマン帝国はこの砦を難攻不落の基地として山の側に建造し、ここから大勢の軍隊を、国境を警備させるために送り込んだ。この地を選んだことで砦を高い場所に作ることができ、外部の砦の壁を作る良い石材が得られた。その結果、防護壁、塔、そして隠された広間や部屋、地下牢がある、山の奥深くに建てられた大規模な砦となった。壁が突破された場合に備えて、軍は自らを守るため、砦に抜け目なく巧妙に設計された多くの罠を配置したという。

第二帝国の衰退の後、スフィンクスモス砦は帝国軍に捨てられ、1世代に渡り、戦争中のボズマー部族とカジート部族が交互に所有し、持ち主が変わるたびにさらなる損傷に耐え抜いてきた。最終的には、地滑りで上部構造の多くが崩壊し、両勢力ともに砦を手放した。聞いた話では、スフィンクスモス砦に何も盗めるのは残っておらず、今では歴史に見捨てられた巨大な遺跡以外の何物でもないという。

スプリガンのフィールドガイドField Guide to Spriggans

エリンヒルのファラスタス 著

次は深い森に住むとらえどころのない女性形の自然の精霊、スプリガンについて検討したい。もちろんその名は誰もが知っている。子供達が相手をからかう時に使うこんな冗談のおかげだ。

「なーんだ?」

「何?」

「スプリガンのお尻!」

…しかし学問はこの半分植物で半分動物な生物について、この子供の悪ふざけ以上の何を語れるだろうか?標準的な情報源はすべて調べたが、残念ながらタムリエルの学者達はスプリガンの謎についてほとんど語るべき言葉を持っていない。

伝説からも、本物であると証明済みの目撃談からも、スプリガンと彼女たちが猛烈な勢いで侵入者を遠ざけようとする、ある種の雑木林や茂みや緑の森とは何らかの形で超自然的な結び付きを持っていることが分かる。スプリガンの樹液は毒があると言われており、また彼女たちが傷を負った時にはそれを魔法のように治してしまう力があることでも知られていて、敵に回すと恐ろしい存在にしている。

さらにスプリガンは自分達の聖なる森に存在する動植物との間に生まれつきある種のつながりを持っており、彼女たちの味方となって侵入者と戦う動物達のエピソードは事実に裏付けられたものが多数存在する。この同盟関係には熊やスズメバチの群れといった生まれつき攻撃的な動物のみならず、鹿やヘラジカといった普段は気弱な生物も含まれている。

これら動物の盟友がスプリガンを守るのは、果たして愛情や友情からなのか、それともスプリガンに生来備わっている魔力によって召喚されたからなのかという疑問には答えが出ておらず、神秘動物学の研究者の間でも議論の的となっている。だがスプリガンが神秘的な性質を持った生物だということに疑問の余地はない。それは彼女たちが殺された時に死体から採れる、いわゆる「直根」の強力な特性を見ても明らかである。この直根は、それなしでは混ざり合わない強力な試料から複雑な薬を調合することを可能にするという、その紛れもなく神秘的な特性により、錬金術師に珍重されている。

彼女たちの出自に関する謎を解いた者は今のところ1人もいない。時代をはるかに遡り、第一紀初頭に「スプリゲイン・グロアヴェス」に関する記述が見つかっており、古代のイフレとアース・ボーンズの神話にも「木の娘達」が登場する。彼女らの俗称は、ネード語でいきいきとした緑の小枝や横枝を意味する「スプリグ」に由来するようだが、それ以外、彼女たちの出自に関してはすべてが闇に包まれている。

純粋に身体的な面から見ると、スプリガンは間違いなくいくつかの形で出現しており、樹皮から葉の集まりまでさまざまな種類が報告されている。これは異なる種族や亜種のサンプルを示しているのかも知れないし、単純にそのスプリガンが住む土地の植物相との神秘的なつながりを示しているのかも知れない。スプリガンは彼女らが住む森の植物に似た姿をしているように思える。タムリエル北部の落葉樹林では、そこの住人の季節毎の性質まで反映しているようだ。この学者の意見では、いわゆる春・夏・秋・冬のスプリガンはすべて同じ生物で、ただ季節毎に姿を変えているだけである。

一部にはスプリガンに序列が存在すると主張する者もいる。種族の中のより小さなものが、より大きな、時に「スプリガン・マトロン」さらには「スプリガン・アースマザー」と呼ばれるものに忠誠を誓う義務があるというのだ。ここで我々は学問と物語を語ることとの間に一線を引かねばならない。スプリガンは外見上人間の女性に似てはいるが、彼女達が知性の存在を示す行動を取ったり、または階層性の集団を作ることを示す証拠は一切ない。自然界の生物は、半ば神秘的な生物であっても完全に本能に従って行動しており、彼らに人間の感情や思考があると考えるのはセンチメンタリズムでしかない。その種の非現実的な戯言がお好きなら、それを量産しているタネスのレディ・シンナバーの著作をお勧めする。

セプの飢えThe Hunger of Sep

サタカラームの歌姫、ベールをとったアザディエ 著

私の手中にある甲虫をごらんなさい。せわしなくカサカサ這いまわって食べ物を探している。触ってみたい?ターヴァの赤い羽根にかけて、あなたを襲ったりしないわよ。この甲虫はまったく無害。

この大きさなら。

あなたが成長するように、この甲虫も成長する。女性くらいの背の高さまであなたが成長すれば、この甲虫も成長する。

十分成長すれば、あなたの成長は止まるけど、甲虫はまだ成長する。

ずっとそうだったわけではない。ヨクダの昔、はるか昔に神と共に歩んだ頃、甲虫は人間の友で子供の楽しい仲間だった。サマラコガネムシと呼んでいた。成長してもたっぷりした雑穀パンの大きさにしかならなかった。それ以上大きくなる必要はなかったのだから。走ったり、競争したり、カチカチいう歌を歌わなかったから?よく餌を与えられなかったから?

ええ、そのとおり。

生活はよかった。厳しい土地だったけど、人々は神の意志に従って暮らすために十分なものを与えられていたから。そして、神々は尊敬されなければならないと書物にあったように、神を尊敬した。そしてすべてのものは彼らの手の届くところにあった。

しかし、そのうち何人かは、与えられたものじゃ十分ではないと考えた。そして強欲な人間は敬意を捨て、セプの飢えに魂も心も奪われた。これは間違いだった。セプの飢えは決して満足させられないのだから。

それから、ヨクダに悪が、赤い戦争が来た。そして禁じられた儀式が行われ、決して召喚されてはならなかった残忍なものが召喚された。それは時の終わりだった。サカタルは星の深みから立ち上がり、そしてヨクダは波の下に沈んだ。

終わりの後にはいつも始まりが来る。この時もそうだった。一部はタムリエルに住むことを許され、我々はハンマーフェルを選んだ。我々はもう一度きちんと神を崇拝する機会を与えられた。そして、子供たちを喜ばせるために、幸福な日々を覚えているために、サマラコガネムシを連れてきた。

そしてセプの飢えは少しの間だけ忘れ去られた。しかし、それは定命の者の心に根深く残っているからまた起きるかもしれない。そこで神は我々に、小さな子供にさえも警告を与えた。この新時代で、新大陸で、小さな仲間は雑穀パンの大きさにまで成長した。しかしまだ成長を続け、鋭い爪を生やし、鋭いくちばしを持った。我々は泣く泣く彼らを荒れ地に送り出し、彼らはそこで繁殖し狂暴になった。

ええ。何もない場所に巣くうアサシンビートルは、セプの飢えで神に見捨てられたサマラコガネムシなの。彼らは我らの教訓、貪欲になりすぎる者への警告なのよ。

今の生活に満足し、貪欲にはならないで。あるもので十分なのだから。

タムリエル北西部の治癒効果を持つハーブHealing Herbs of Northwest Tamriel

ウルニル・ティルダリン 著

タムリエルの北西部には、数多くの素晴らしいハーブが生えている。ここで紹介するのは治癒効果のある湿布や煎じ薬に用いるのに最も適したハーブの一部である。

熱や喉の痛み、胃の不調や頭痛、体の痛みやその他の病の緩和に役立つハーブ入りトニック、生薬、浸出液、煎じ薬を作ることができるハーブ:

——ガイラクサ
——カチカチグサ
——赤コールドベリーの葉
——テマリツメクサ
——ブランデライオン

ハーブ入りの湿布その他治癒師の治癒キットに欠かせない品(虫刺されや日焼けの治療薬、治療用の軟膏、傷の洗浄に用いるものを含む)を作ることができるハーブ:

——ステンダールズワート
——コンフリー
——ヴァレンデュラ
——青ノコギリソウ
——宝石草
——チリョウシノサイフ

タングルヘヴンの矢職人Tanglehaven’s Fletchers

小屋が立ち並んでいるだけのようなタングルヘヴンは、優れた矢羽根の生産地としてボズマーの人々によく知られている。生きるために必要に迫られてそうなったという者もいるだろう。この地域のウッドオーク・クランが、ほとんど何の前触れもなく、突然現れて無防備な村々を壊滅させるのは有名な話だ。

矢を使った戦い方に熟達していても、この村を故郷と呼ぶジャクスパーは多くない。森の向こう側にいる野心のある樹の従士であれば、兵士を募って、その優れた武器を持って戦場に向かうだろう。だが今のところヴァレンウッドは、穏やかなボズマー達の恩恵を享受している。

だが最近のサルモール同盟の動向をみると、この静かな村も陣太鼓の呼びかけに応じるかもしれない。ヴァレンウッドから放たれた矢が、遥か遠くシロディールの心臓を射貫くことになるのだろうか?時だけがその答えを知っている。

ツリーヘンジの秘密Secrets of Treehenge

ヴァネンディル 著

「ツリーヘンジの根」「ツリーヘンジのマンモス」「ツリーヘンジ:レディの故郷」の著者

聖なるツリーヘンジを見たい、ボズマーのグリーンレディが埋葬された遺体のある場所へ行きたいと思う者は覚悟しなければならない。明快ではないかもしれないが、その場所は呪文とより捉え難いガーディアンの組み合わせに、しっかり守られているからである。

現場には慎重かつ畏敬の念を持って近づくこと。捧げ物を持っていき、木々の中で瞑想して過ごせ。感覚が研ぎ澄まされるので、以前のグリーンレディたちが森を歩き回る姿を幻視するかもしれない。ツリーヘンジの名の由来となった、木々の類似点に気づくかもしれない。

目を閉じて深呼吸し、朽ちていく木、咲き誇る花、そして土の匂いを吸いこもう。滝や虫の羽音、葉や枝の囁きに耳を傾けよう。

これらを心の内に感じるとき、私には説明できない方法でツリーヘンジの秘密が分かるだろう。

デイドラの調査報告書:冷たい炎の精霊Daedra Dossier: Cold-Flame Atronach

ドレッドの公文書保管人、デノゴラス 著

普通の炎の精霊は、あのまぬけなマルキナズ・ゼクシルが宮殿の中で1体を召喚し、その熱が主のお気に入りの彫刻であったディロジーンの「氷の牙 その4」にダメージを与えて以来、我々の領域への出入りを禁じられている。だが彼らの追放は、我々の領域の注意深く均衡を保たれた美しい痛みに関する価値観に、測り知れない欠落を残した。言うなれば、我々の恐怖と絶望のコーラスには、ある声が欠けているのである。

認めよう。私は視野の片隅で跳ね回り、のたうっていた彼らのしなやかな姿が、一切の感情を示さず、ただ放火犯の渇望だけを表現していた彼らが恋しかった。そこで私は職場での任務に支障が出ない範囲で、追放された炎の精霊の代用品を、彼らの存在によって生じる魅力的な危険の代わりとなる、何か別の召喚可能な存在を探そうと決めた。

私は偽りの塔に保管されていた境界横断型スキャナーの予備を利用し、そのルクス下の疑似皮質の範囲内にあるオブリビオンのすべての次元を見渡す形で再検討を行う任務を自らに課した。37000以上の異なる次元や混沌領域、小現実をスキャンした後、私は探し求めていたものをDOP 9497.15、そこの好奇心の強い住人達には「タクバーの第四のくぼみ」として知られている場所に見出した。私は即座にその次元がDOP 6こと、全種族の召喚師に一般的な炎の精霊の住む次元として知られている「インファーナンス」が逆転し、熱を吸収するようになったものだと気が付いた。インファーナンスのすさまじい高温の世界では溶岩が水のように流れているが、タクバー(簡潔にこう呼ぶこともある)では岩盤が途方もない寒さにさらされることにより、物質同士の結束がするりと解け、石が冷たい溶岩のように流れるのである。

そのタクバーで、私はついに境界横断型スキャナーのレンズ越しに、昆虫のような目をした、冷たく青い炎を燃やしながら渦を巻いている精霊達の姿を目にした。探し求めていたものが見つかったのだ。

その後でインファーナンスの代わりにタクバーに向けてコロンの強制召喚を行うのは、単純作業でしかなかった。私は7回の勤務の間に「冷たい炎の精霊」と呼べるものをコールドハーバーに召喚することに成功した。期待通り、これは不快な熱波を放つというよりは冷たい炎の精霊であり、その周囲では気温が急激に下がった。

これはもちろん大変結構なことだった。

行動に関して言えば、私の冷たい炎の精霊はすべての面で普通の炎の精霊と同じように行動した。そして彼らとまったく同じように怒りっぽく、自分を威嚇した者に青い火の玉を投げかけ、必要とあらば冷たい火柱を召喚した。これは以前コールドハーバーで彼らの火のようないとこたちがつとめていた空飛ぶ哨戒兵の役割を果たすのに最適であり、それが今、彼らが我々の主の領域で果たしている主な職務である。

ティボーの石塚とその歴史Thibaut’s Cairn and its History

サッチのチャロウニウス 著

リーパーズ・マーチには長い血塗られた歴史がある。住民たちには、遺体を埋めるための広大な場所が必要だ。最も尊敬され、裕福で、強い者たちは、ティボーの石塚と呼ばれる墓地が最後の休息の地になることが多い。

現在グリーンヒルと呼ばれている村の南西にあり、かつてはコロヴィア人の墓地だった。近くにある村も、かつては同じ名前だった。だが…話を進めよう。

石塚は、最も有名な「客」にちなんで名づけられた。著名なクヴァッチのティボーだ。ティボーはコロヴィアの将軍だった。数百年前、生前の彼はハストレル歩兵隊の頼みの綱の一つだった。

その勇敢な魂たちは、南の先陣に向かって進み、リンチェルやオンタスの歩兵たちの同僚たちも同行した。移動の目的は不明だが、何年にも渡ってコロヴィアの王国が挑みづつけてきたマーチに向けての多くの進撃の一つに過ぎなかった。

ティボーと歩兵隊の特別な関係がなければ、彼らの進撃は時の霧の中で忘れ去られるようなものだった。クヴァッチの王国から南へ向かう彼の横にいたのは、彼の妻テートシアだった。歩兵隊の彼の指揮下には彼の子供たちもいたが、何人いたのかは時代とともに忘れ去られてしまった。歩兵隊の構成員たちは個人的に彼に忠誠を誓っており、その強さは近代のコロヴィアの歩兵隊ではめったに見られないほどだった。ティボーが乗馬すれば、肥料の糞を集める男たちさえついていったと言われている。

ティボーの死の詳細もまた、今では不明で…だが、彼の死が与えた影響の大きさは、今でも北の森のアレンシア南部を旅すれば分かる。リンチェルやオンタスの歩兵隊が北にある故郷まで戻ってきたのに対し、ハストレルの男も女もそこにとどまり、そこで根を生やした。

テートシアがとどまったのは、夫が築いた遺産を観たいからだった。彼女の指揮の物語は、間違いなく多くの他の本でも読むことができる。腕のいい踊りでカジートに対してはウッドエルフ、ウッドエルフに対してはカジートを演じた。そう言うにとどめておこう。結果はというと、墓地と村全体が混ぜ合わさり、かつては単に「ティボーの寝床」と呼ばれていた。

さあ、この小さな街の歴史が興味深いものになっただろう…

ドミニオンの責務:マーブルクThe Dominion’s Duty: Marbruk

アルトマーの旅行ガイドより抜粋

ドミニオンがヴァレンウッドに建設した新しい街に関しては多くの記事が書かれ、様々な情報が流れた。

最も悪意のある噂は、マーブルクはこの地域のウッドエルフの住民の協力の元で造られたのではなく、ドミニオンのアルトマーの、アルトマーによる街であり、ドミニオンの侵略行為だというものだ。

これは真実とはほど遠い。マーブルクがアルトマー風に造られたのは調和のためであり、アルトマーのために作った訳ではない。

一方、ドミニオンがカジート、ウッドエルフ、ハイエルフとの協力と友好を推進しているのだとは断言できない、なぜならエルスウェアにカジート、サマーセットにハイエルフ、ヴァレンウッドの奥深くにウッドエルフというように、生活基盤は別れたままだからだ。

シロディールはヴァレンウッドの北から大いに脅威を与えている。離れた場所にいて、グリーンシェイドの仲間をどうして守れる?

ドミニオンがアルトマーの住人に対し、マーブルクに金銭を払って移住させたという噂と同じくらい害のあるものは、ドミニオンの名簿にあるマーブルクのアルトマーが、他のドミニオンの街と同じように政府関係者と軍関係の人々だという噂だ。この噂にはウッドエルフとカジートも入り、同じ対価を受け取っていることになっている。

マーブルクに移住する人々にドミニオンが保証する支払いは、土地と空き家が当たるくじだけだ。数は限定されているが、開拓地の安定は保証されている。この地域の貿易と防衛に必要だからだ。

これにより、女王と仲間の種族を支持することは忠誠なるドミニオン市民の義務であり、共通の領域の防衛に参加し結束を強めるという相互作用を生み出している。マーブルクはドミニオンの価値を象徴する、唯一かつ最新の街である。繁栄あれ!

トロール退治Troll Slaying

こんにちは、旅人諸君、本ガイドへようこそ!

ここでは、どうしたらトロールの驚くべき治癒力を無力化できるか、どうしたら寒さを好む彼らの特性をうまく利用できるかなど、トロールと戦う際に知っておくべきことを解説する。トロールを確実に倒すための秘密も伝授しよう。

興味は湧いたかな?そうだと期待しよう!トロールの脂肪は貴重な品であり、野心にみなぎったトロールハンターにぴったりの富と栄光をもたらすものだ。

さあ、さっそく始めよう!

第1章:

トロールに出くわしたら!

トロールの姿が見えたと思ったら、気を静めてゆっくり離れろ。賢いハンターは、準備こそが成功の鍵だと知っている。準備なしでトロールを狩りに行くのは絶対に避けるべきだ!

しかし、君が見たのは本当にトロールか?

狩りの第1歩は、まず獲物を正確に識別することだ。トロールはかなり人間に近い姿をしていて、長く太い腕の先には鋭い爪がついている。巨大な口にはギザギザの歯が並んでおり、私の本を買わなかった愚かなハンターの骨を髄まで噛み砕くのにうってつけだ。

そして疑いようもなく、トロールの最も目立つ特徴は、額にある第3の目だ。

トロールの皮膚は毛むくじゃらな体毛に覆われている。毛の色は地方によって様々だ。洞窟のトロールの毛は茶色っぽいが、霜や雪に囲まれて生活するトロールの毛は白い。

第2章:

治癒をしている暇はない

さて、トロールであることをしっかり確認したら、奴の後ろをつけて攻撃準備にかかろう。大変だが金になる戦いだ。生き残れればの話だが。

まず気づくことは、トロールは体が大きいわりに動きが驚くほど速く、力も強い。しかもトロールは、獲物を強力な腕と爪で執拗に攻撃する。そんなわけで、盾の使用を強くお勧めする。

君が盾を使わないで戦うほど勇敢もしくは愚かなら、どんな武器を使っているにせよ、攻撃をかわす達人であると願いたい。

さらに、トロールには傷を即座に治癒する力がある。そのため、戦いは長引かせないほうがいい。タムリエルで最もしぶとい生物であるトロールを倒すにはスピードと攻撃方法こそが鍵だ。

もちろん、怒り狂うトロールに対しては、今のところスピードと攻撃だけが頼りだろう。そこで私の秘密兵器が役に立つ。

第3章:

秘密兵器

友よ、火だ。口に出して言い、頭に焼きつけるのだ。火こそトロールハンターの究極の武器だと。

トロールとの戦いにおいて、火の重要性をどれだけ繰り返しても言いすぎではない。寒冷地ではない土地に住んでいるトロールでさえ、火に弱いのだ。火の魔法が使えなければ、炎の付呪を行った武器を持って行くといい。

なぜトロールは火に弱いかって?噂によると、トロールの再生能力は火傷にほとんど効果がないようだ。原理は分からないが、これだけは保証できる。火はトロールに効く。これは幾度となく証明されてきたことだ。

第4章:

脂肪を取る

トロールが死んだとしても、仕事はまだ終わりじゃない。

炎が消えるのを待ってから、トロールの死体を調べよう。運が良ければ、いくらかの脂肪が手に入り、薬剤師にいい値で売れるだろう。実際、君が錬金術を使えるなら、薬やトニックを作る要領で脂肪を煮るといい。

そして、もしトロールの隠れ家を見つけることができたら、調べてみるといい。この本を買わなかったケチで愚かな冒険家の所持品が見つかるだろう。

もちろん、君ならそいつの金をもっと賢く使えるはずだ。

さあ、これで金持ちかつ名誉あるトロールハンターになるために必要な要素がすべて分かったはずだ。進め!野を歩き、自分でトロールを見つけよう!

ニベンの父、断章2Father of the Niben, Fragment Two

第二の断章の融合

翻訳・解説:フローリン・ジェリル

ひとつ前の詩(断章 1)の中で、南方にある緩やかな起伏の丘があるところと言えば、ハイロックとしか思えない。その場にいたものは誰でもそう思ったであろう。当然、問題はオークがその地にいたとするこの明確な言及は何なのかということだ。オークはアルドメリが入植するまで出現しておらず、広がったのはレスデインの時代、トリニマクとボエシアの有名な戦いの後のことだからである。

言い伝えが間違っている可能性もある。オークはアルドメリの植民地化より前にいた原住民だったのではないだろうか。おそらく呪われた人― アルドメリでいう「オーシマー」で「オーク」と同じ言葉―とは別の生き物、つまり別時代のオークに同じ名前が与えられたのであろう。この詩がここで終わってしまったのは実に残念で、そこには残された疑問を晴らす手がかりがあったであろう。

一つ目の断章と二つ目の断章の間は、かなりの部分が失われた。その間にさらに80ヶ月が過ぎたに違いない。なぜならトパルはその時タムリエルの逆側におり、旧エルノフェイを見つけられなかった後で、南西のファーストホールドへ戻るよう航海の準備をしているからだ。

断章 2

網でできた絶壁が巨大なあごのように突き出ており、
西の方には航路がないことがわかり、
ニベンは南へと船を出した。
聖域と平和を約束する
砂と森林に覆われた島を通りすぎた時、
乗組員は喜び騒いだ
だが垂れ下がった岬に似た革でできた羽のような木の上に
巨大な影が現れた時、歓喜は恐怖へと変わっていた
船ほどの大きさのコウモリトカゲであったが
よい水先案内人であるトパルはただ弓を構え、その頭に一撃を加えた
トカゲは倒れ、トパルは甲板長に聞いた「死んだかな?」
トカゲが白波にぶつかる前に、今度は心臓にとどめを刺した
それから四十日と六日、ニベンは南へ船を走らせた

トパルの案内人、製図家、生存能力、談話家としての武勇伝に加えて、弓矢の名手であることがわかる。もちろん詩的許容であるが、神話紀のアルドメリは洗練された射手であったことは考古学的にも証明されている。彼らの弓は木を重ねたもので、銀の絹糸で警笛が下げられており美しいものだった。何千年も前の専門家も絶賛している。

この断章の初めでトパルが立ち向かう生き物は、その怪物は竜を思い起こさせるが、現代のモロウウィンドにいるクリフ・レーサーの祖先のようだ。海岸線の足場の悪い不安定な崖はネクロムのように思える。ゴルン島は「コウモリトカゲ」の巣であるのかもしれない。ただし、私が今知る限りの情報では、モロウウィンド東部にそのような生き物はいない。

ピャンドニアのマオマーThe Maormer of Pyandonea

第543項 地誌 帝国地理学会

かつてピャンドニアのマオマーは本来サマーセット諸島からの亡命者であると信じられていたが、おそらく類似したアルドマーの先祖に由来していることから、彼らがサマーセットから来たのでないことは確かである。水晶の塔にあるつづれ織りの訳書には、それよりもはるか昔に分離したという話が語られている。マオマーはサマーセットではなく、アルドマーの元々の祖国から分化したと推測される。

伝説によれば、彼らの指導者オルグヌムは自称「王」で、その富を利用して反乱に出資するような、並外れて裕福なアルドマーの貴族であった。このため彼とその従者はアルドマーから隔離され、深い霧の近く、「霧に覆われた島」ピャンドニアへと追放された。この追放は、オルグヌムの従者が、彼らの元同胞を二度と妨害しないことを効果的に示すこととなった。しかし、アルドマーの新故郷であるサマーセットは、それほど幸運ではなかった。

マオマーはサマーセットの歴史の大半において、旧エルノフェイにいる彼らの従兄弟に対して攻撃を開始してきた。これらの戦いはすべてオルグヌムが率いてきたもので、彼は不死身なだけでなく、世紀ごとに若返るようだ。地理学会の関係者が知るかぎりでは、これまでサマーセットに対する戦争や戦略の回数を数えた歴史家はいないが、どれほど巧妙なものであっても、すべて最終的に失敗であったことがどういうわけか証明されている。

ピャンドニアの実際の景観の片鱗を唯一示す、特筆すべき攻撃が具体的に一つある。第二紀486年の年、マオマーの小艦隊がアリノール沿岸沖で確認されたので、ヒデリス王は海軍に追跡するよう命令した。海軍は、海図にない海を抜け、奇襲のためにピャンドニア近くまで船団の後を追った。アルトマー海軍のほとんどが破滅したが、一隻の軍艦がサマーセットに戻り、その地を「海のジャングル」と表現した。海の流域周辺の迷宮から、大高原にあふれる草木。マオマーの船以外すべてに巻き付くケルプの罠の巻きひげ。それはオルグヌムの護衛であり、時に乗り物であるシーサーペントのためのよくカモフラージュされた家の役割を果たしている。大地は霧の嵐であふれ、先の視界を混乱させる。そのたった一隻の船による到着でさえ、アルトマーが海において天才であることを証明している。

ファルトニアの約束Faltonia’s Promise

ファルトニアの約束、通常の呼び方でいえばゴールドフォリーの物語は、予見、欲、愚かさの物語だ。グラーウッドに行けば、今でも村の遺跡を見ることができる。ある女性、ファルトニア・サルヴィウスの傲慢さの証拠だ。

他の多くのインペリアルのように、ファルトニア・サルヴィウスはグラーウッドから巨万の富を抜き取る機会に出会った。特に彼女が求めたのは、近くの丘にある豊かな金脈だった。彼女は最下級の占い師と錬金術師、金をたんまりもらえる限りは彼女が聞きたいと思うことを話して満足する偽物の助言者を信用した。

金を払えば払うほど、彼女は彼らの嘘を自ら信じるようになっていった。錬金術師のフラヴィウス・アントニウスだけが、その地の土を調べても、大量の金が埋蔵されているだけの証拠はないと主張した。すると彼女は彼を逮捕させ、罰を与えた。彼はその惨めな人生の終わりまで歩くことができなくなり、物乞いしなければ食事が与えられることはなかった。

ファルトニアは、総勢420名にも及ぶ帝国の衛兵とともに、春のグラーウッドへ向かった。彼女は壮大な夢を実現するため、地元のウッドオークたちを労働者として雇い続けた。夏の半ばになると、彼女の選んだ場所に村が建設され、「ファルトニアの約束」と名付けられた。オークたちは金鉱での仕事を命じられた。

金があふれ出した!熱意を持った発掘者たちが金持ちになる夢を持って、あっという間にファルトニアの約束にあふれ返った!強引に夢を追い求めたおかげで、たった1年で金鉱は空っぽになった。「ファルトニアの約束」は、仕事にあぶれた炭鉱労働者たちが、食堂で話す冗談のオチに使われるようになった。

失敗したがくじけないファルトニアは、村を守ろうと戦った。金鉱を採石場にしようと試み、近くのヘヴンと交渉して、ボロボロになった彼らの建物を再建するための石を供給しようと話し合った。しかし契約が成立しようというその時、口のうまいアルトマーのキャノンリーブが「サマーセットの石の方がデザインと耐久性に優れている」と強調して知事を説得し、サマーセットがヘヴンに石を供給することになった。

ファルトニアは破産した。最後の蓄えを使って、ヘヴンの役人を買収して石の供給の契約を守ろうとしたが、それも失敗に終わった。彼女は、自分の名がついた村を去った。富を求めて村で暮らしていた人々もすぐに彼女に続き、グラーウッドの他の土地へ移るか、あるいは完全に別の地へ移っていった。そして誰もがファルトニアの約束を「ゴールドフォリー」、「金の愚かさ」と呼ぶようになった。

そこに残ったオークたちは、狩人として何とか生計を立て、不屈の民族として育った。彼らは多くの者が去っていった土地でずっと暮らしていることを名誉だと思っている。彼らが村の名前、「ファルトニアの約束」を口にする時、粘り強さ、力、そして不屈の精神といった、良い響きが感じられる。そして、村はファルトニアの愚かな夢の高みには二度と届かないのだろうという思いも。

ブラヴィル パート1Bravil, Part 1

ニベンの娘

サシィーア・ロングリート 著

ブラヴィルはシロディールの中でももっとも魅力溢れる町で、質素ではあるが、美しさと過去の栄華で彩られている。帝国地方の南部を訪れる人は必ず、ブラヴィルの賑やかな河港沿いを散策し、地元の子供たちとのおしゃべりを楽しむ。もちろん村の伝統である、有名な「幸運の老女」の像に祈りの言葉もささやく。

アトモーラの民がやってくるよりもはるか何千年も前のこと、地元のアイレイドの人々が今日のブラヴィルの近くで長く暮らしていた。今のニベンにあたるこの場所では、食料が供給され、輸送機関もあり、今よりずっと人口が多かった。彼らは孤立していたところで住んでいたため、自分たちの住む土地をなんと呼んでいたのかは定かではないが、彼らの使う言葉で「家」と意味する言葉で呼んでいた。アイレイドは塹壕を掘って侵入に備えていたので、ブラヴィルはアレッシア軍が第一紀の二世紀に解放した土地の最後の1つだった。その時代のものは文化的なことも考古学的にも何も資料が残っていないが、放蕩と堕落の物語が伝説化されたことはマーラに感謝すべきだ。

いかにしてアイレイドがそのように長く苦しい期間を生き長らえたのかは今日の学者たちの間でも討論されている。しかしながら、アレッシア女帝の百人隊長の1人であるテオ・ブラヴィリアス・タサスはこの地で勝利の栄誉をつかんだのである。地名はこの男の名にちなんでいる。

テオ・ブラヴィリアス・タサスは激しい抵抗にあいながらも、少なくとも4度に渡ってその村を侵攻したと言われている。しかしいずれも夜明けの時間帯になると、彼の率いる軍隊ほぼ全員が息絶え、殺されてしまうのであった。次に百人隊が到着するまでに、この要塞化された街は再びアイレイドの人々で溢れていた。2度目の侵攻が成功したあと、地下の秘密のトンネルが発見され、埋めはしたものの、夜明けとともに軍隊は再び死滅し、街の人々が戻ってきた。3度目の侵攻が成功したあと、軍隊が街の外側に配置され、攻撃の兆しがないか道や河川を見張っていたが、そのような兆しは見られなかった。しかし翌朝、侵攻していた兵士たちの死体が街を覆う胸壁から投げ出された。

テオ・ブラヴィリアス・タサスは、アイレイドの人々がこの街のどこかに隠れて夜が更けるのを待ち、兵士が寝ている間に殺しているに違いないとにらんだ。問題は、どこに隠れているかであった。4度目の侵攻のあと、彼は兵を引き連れて、あらゆる角、あらゆる物陰をしらみつぶしに調査して回った。もう探す当てがなくなった頃、この百人隊長は2つのことに気づいた。誰も登ることができそうにない、街にそびえ立つ垂直の壁の高いところにくぼみがあって、狭い踏み台になっていた。街の中の川の岸に、明らかに帝国のブーツのものではない、誰かの足跡がくっきりと残っていた。

アイレイドの人々は身を隠す手段を2つ持っているようだ。まず、空中浮揚で壁を高くのぼり、高い所に身を潜めるものと、川の中に潜り込んでその中で呼吸ができるものがいるようだ。奇妙なエルフの輪をかけて奇妙な隠れ場所を見つけてしまえば、もう夜中に軍隊を襲われないように注意することは比較的簡単であった。

しかし、魔術師ギルドが仲間たちにマジカの方法を教えられるよう体系づける何百年も前に、このような呪文の技が街全体に浸透していたのは信じがたいかもしれない。しかしながら、このことはアルテウム島のサイジックが神秘をそういう名前で呼ばれる以前から発展させたのと同じように、シロディール南部のこの不思議なアイレイドが、変性の系統となるものを発展させたという証拠であるとも思える。ブラヴィル征服の当時もそれ以降も、他のアイレイドたちが己の姿を変えることができたという考えは、決して拡大解釈ではない。ブラヴィルに征服される以前の人々は、獣や怪物に変身することはできなかったが、自分たちの姿を隠せる術は持っており、それがとても役立っていたことは確かだ。しかし、結局は彼らの身をいつまでも生き長らえさせるほどの力は発揮されなかった。

ブラヴィル パート2Bravil, Part 2

幸運の老女

サシィーア・ロングリート 著

今日のブラヴィルにアイレイドの存在は微塵も感じさせないが、様式の異なる驚くべき建築物が彼らの存在の証拠である。慈悲深きマーラ大聖堂や領主邸宅などと同じくらい美しくて魅力的で、ブラヴィルの手によらないもので有名なのは、「幸運の老女」という彫刻である。

「幸運の老女」と彼女自身にまつわる物語は、多すぎて列挙できないほどだ。

彼女の母親はブラヴィルの売春婦で、父を知らない子として生まれたと言われている。その不幸が幸運の始まりであった。彼女はほかの子供たちからいじめられ、彼女の父親が誰なのかをしつこく尋ねられた。毎日、彼女はいじめから逃げるように泣きながら小さなボロ家へと帰るのであった。

ある日、ステンダール司教がブラヴィルへと慈善活動を行いにやってきた日のこと。彼は小さな女の子が泣いているの見つけて、その泣いてるわけを尋ねると、自分の不幸がつらくて、自分の父親が誰なのかがわからないから泣いているといった。

司祭はしばらく考え笑顔でこう答えた。「君は優しい目を持ち、嘘をつかない口を持っている。そんな君は明らかにステンダールの子供だよ。神のご自愛を受け、思いやりを持ち、当然幸運もたずさえている」

司祭の思いやり深い言葉はその後の彼女を変えた。彼女は誰の子かと尋ねられるたびに、元気いっぱいに「私は神の子よ」と答えるのであった。

やがてその少女は大人になり、バーで働くようになった。お客に対して優しく、穏やかで、飲み代をツケにしてやることもしばしばあった。ある雨の強い夜、彼女はボロをまとった若い男に店の中へと入れ、雨宿りをさせた。その男はお金を一銭も持っておらず、ややケンカ腰で無礼な態度であったが、彼女は男にご飯も食べさせ、寝床も貸してやった。翌朝、男はお礼の一言も言わずに出て行ってしまった。彼女の友人や家族は、もしかしたら危ない男だったかもしれない、もっと用心するようにと彼女に忠告した。

1週間後、皇族の馬車がブラヴィルを訪れた。帝国の王子がその馬車に乗っていた。彼はまったく見違えていたが、まさにあの時彼女が助けた若い男であった。王子はあの時の自分の言動と行動を何度も謝罪し、あれは魔女の一群にさらわれ、呪いをかけられていたのだと説明した。あとになってようやく意識を取り戻したのだと話した。彼女は大変なお礼を受け取り、もちろん優しい彼女は街の人々とそれを分け合い、その後も心ゆくまで長生きしたそうだ。

いつ街の広場に彼女の像が建てられたのか、それを作ったのは誰なのかを知るものはいないが、彼女の像は第一紀の時代から何千年とそこに立っているのである。今日に至るまで、観光客もブラヴィルの人々も、苦労の中で神の幸福が得られるように「幸運の老女」像を訪れる。

魅力と幸せのつまったブラヴィルの村の、より魅力的な一面である。

ブラック・マーシュの湿った荒野Wet Wilds of Black Marsh

シランティレ 著

第二帝国の時代、ブラック・マーシュを取り巻く広大な沼地は帝国の領地だと主張されていた。当然ながら、頭の固いエルフたち(そしてこのタムリエルの尻にできた膿の染みだす吹き出物の崇拝者たち)はアルゴニアという名前を好んだ。それは彼らの先祖たちが死を与えられた古代の戦場なのである。おそらくこれを理由として、爬虫類の民の原始的部族に対して、我々の標準語で「アルゴニアン」という名を与えるのが適当だと判断されたのだろう。議論の余地がないのは、この地方の哀れむべき惨状である。破壊の跡と悪臭がはっきりとにじみ出ている。過去の戦闘の爪痕と、現在の略奪者たちとが、このそうでなくても荒れ果てた辺境を損ない続けている。だが内奥部へ進んでいくと、ブラック・マーシュの暗黒の心臓部はさらに惑わして来る。その多様な自然は探検者たちを梅毒に感染させるために作られている。現実においても、妄想の中でも。

この地方の居住者は他では見られない匿名性を満喫している。初期のアルトマー探検家であり詩人でもある操舵手トパルは「足の速い、人間のような爬虫類が、この大沼を駆け巡っている」と記述し、移民には居住不可能な、見捨てられた場所という所感を残している。しかし、コスリンギのような未開人たちや、バルサエビク・アイレイドのような原始のエルフ、またカジートの親戚である狐のようなリルモティートなどは皆、この不快な辺境の一部を自分のものにするため戦ったのである。

ブラッドトイルの設立The Founding of Bloodtoil

私たちはファリネスティで冬を過ごしたが、聖地へ戻るとドラブログが無断で占拠し、自分たちの所有地だと主張していた。ズェンの信者はレンジャーの圧倒的な武力をもって戻り、下劣な獣を始末した。

私たちの祖先の村、改称されたブラッドトイルは取り戻された。だが祠はモーロッチの遺物だらけで不浄だ。ズェンのための新しい祠が直ちに祀られるだろう。

オークが戻ってくる恐れがあったが、ズェンの信者は取るに足らない彼らの脅威など恐れてはいない。ズェンは借りが返されることを保証している。

ベトニーの概要An Almanac of Betony

ベトニーと呼ばれるこの島の豊かな自然のなかで、そびえ立つ断崖絶壁ほどよく知られているものはない。目の前の海ににらみを利かせるこの岩壁は、訪れる者の多くを畏怖させ、守りの堅い海岸に攻め寄せようとする敵の多くを思いとどまらせてきた。

この島を取り巻く数々の伝説のうち初期のものが、この島を力強い岩の怪物の棲みかとしているのも、なんら不思議はない。その怪物は背中に生えた硬い棘を海に投げ込んでは、この島の岸に近づきすぎた船乗りに大きな災いを与えてきたという。

実像はそれほど神話的ではないが、だからといってベトニーの断崖の威容がいささかでも損なわれるわけではない。

この断崖絶壁に抱かれ、堅牢無比を誇るのが、代々のベトニー王の至宝であり守りの要とも言うべきスカイスパイアー砦である。偉大なレマン2世の御代に建設されたこの砦は、いにしえの時代より難攻不落を誇るこの断崖絶壁から切り出された同じ岩で造られており、これまでに数え切れないほどの攻撃を跳ね返してきた。

ボルガの島の獣ガイドBolga’s Guide to Island Beasts

ミストラルの狩人、ボルガ・グラブール 著

タムリエルじゅうの獣が貿易船に乗ってやって来る。楽して儲けようとしている人々は、この島を故郷と呼ぶ。弱い獣から強い獣まで、どこにいるか、どうやって勝つか、食べられるのかどうかを説明する

スキーヴァー

北部から来た巨大な鼠。群れで行動する。肉はシチューに向いている。非常に筋が多い

砂の下の穴に住んでいる。浜辺でキャンプをする?良い考えではない。水が来ると、スキーヴァーも一緒にやって来る。岩の上でキャンプする方が良い。固い地面の上で

小型の虎のように飛び跳ねる。回転することもある。走っていると思う?だまされてはいけない。ボルガに片手がないのを疑問に思ったことはないか?これが理由だ。しっかり立つこと。盾を持っていたら、両手を残すために、盾の準備をしておくこと

アリット

脚のついた口。歯でくるんだものは何でも食べる。脚が運ぶ場所へはどこでも行く

肉は固く、くさい。時々中毒を起こす

単独で行動する。羊のように簡単な獲物を狙う傾向がある。一箇所に集まったら?サンダーバグの巣を襲う

アリットは噛み付いて攻撃するが、脚はもっと危険である。しゃがんだ時は身を守ること!高く飛ぶ

サンダーバグ

他の生物から離れて暮らしている。山の尾根の下の木の近くの柔らかい土に巣を作る。卵を生み、近付くものから守っている。卵は食べると甘く、ゾクゾクする

名前は噛まれた時のショックからつけられている。遠くからでもショックを与えることができる。もしショックを与えようとしてきたら、止めるまで頭を殴ること!

他の虫より大きい虫もいる。小さな衝撃を与える球を吐き出し、空から雷を呼ぶ。こうなったら逃げることを勧める。天気とは戦えない

ジャイアントスネーク

滅多に見つからない。小さなボートを食べていることもある。泳いでいるのを見つけた?陸に向かうこと。捕まったら、引きずり込まれてしまう

私は陸でしか戦ったことがない。死が近づくと、とぐろを巻く。傷が塞がりはじめる。これを見た時は、逃げて振り返らないようにしているし、そうすることを勧める

マーチのムーンシュガーMoon-Sugar in the March

…そして乾燥した気候にもかかわらず、ムーンシュガーはリーパーズ・マーチで育つ。古代のムーンシュガー栽培の技術は、すべてにおいて灌漑に集約される。水路や井戸はもちろん、川の流れを変えることでさえ影響を受ける村の作物がある。そして当然、集めた雨水はマーチの農業にとって生命線である。

以下の部分で、著者はレッドガードが「ジョハド」と呼ぶ雨水用貯水槽の建設を開始するために必要な手順を解説する。この一見して単純な…

マーチ探訪録 第1章The March Explored, Chapter I

寛大な読者よ、ようこそ。ようこそ、広々とした空と赤い大地へ。草原と野生の景色が続くエルスウェアへ。ようこそ、読者よ、世界の果てへ。リーパーズ・マーチへ。

ここに、未編集の探訪記を収録する。この荒涼とした土地を初めて旅したときに書き留めたメモだ。この地の隠された宝、最も印象的だった場所などはこれらのページで参照できる。

謙虚な案内役である私より、お楽しみあれ!

— 旅人フェンリル

〈後のページは破り取られている〉

マーチ探訪録 第3章The March Explored, Chapter III

マーチはヴァレンウッドの境界となっており、ひいては古代の離散の境界である。エルスウェアでは貴重な石が発掘される一方、マーチの遺跡では興味深いアイレイドの哲学を知ることができる。

マーチ探訪録 第6章The March Explored, Chapter VI

…マーチの闇の教団の噂は嘘だらけだ。寛大な読者よ、これだけは言える。山賊は盗みを働き、命を脅かすかも知れないが、堕ちたオブリビオンのデイドラ公が荒涼とした地で実権を握ってなどいなかった。

マーチ探訪録 第7章The March Explored, Chapter VII

カジートのために言っておくが、タムリエル大陸にある彼らの建築物は実に独特だ。聖堂の美しさは、見ると畏怖の念を感じさせられる。ラウル・ハの舞踏の館は驚嘆してしまう。

残念なのは、彼らの素晴らしい遺跡の実に多くが崩壊し、台無しになっていることだ。素晴らしい場所の多くが荒廃してしまっているのだ。

ニルン全域にわたる課題だと思われる。時間とともに廃墟と化した美しさと輝き…

マーチ探訪録 第9章The March Explored, Chapter IX

…それと、白状しないといけないのだが、そのことをまったく理解していないのだ。マーチでは合わせて6の季節を過ごしたのだが、今でもカジートの月の宗教は、私が最初に着いた時と同じように理解ができない。

…心の水面での月の吸引力についての何か。分からない。アーリエルのおかげで、我々ハイエルフは自分たちの宗教の研究に対し繊細で、より清潔感のある価値観を持っている。

マオマーの書簡 第1巻Maormer Correspondence, Vol. 1

これをストームリーブ・ネイディルに見せてほしい。以下はテンペスト島に関するアルトマーの文書で、名高い地理学者アンガルモが記したものだ。この島はマラバル・トールにほど近く、我々の必要を満たすだけでなく、これまでにたびたび奇妙な荒天に見舞われてきたことを考えれば、攻撃の起点とするにはちょうど良い場所と言える。ここからならドミニオンの不意を突けるだろう。

アンガルモの旅行記:嵐の島(第1巻)

マラバル・トールの沖に浮かぶベールに包まれた島々は、美しくも危険な場所である。とりわけ、一部の人々からテンペスト島と呼ばれるようになった「嵐の島」ほど、その形容にふさわしい場所はない。この島はたしかに美しいが、いまだに誰一人として解き明かすことができない秘密を抱えている。もう何年もの間、この島から大嵐と強風が発生している。この海域では極めて珍しい天候だ。あえて島に上陸しようとした学者は嵐に見舞われた海岸に打ち上げられるか、または命を落としてきた。

私自身、そうした嵐をじかに見たことがある。そのとき私は前述のような遠征の1つに加わっており、結局はテンペスト島でひと月過ごす羽目になった。というのも私の船、サマーセット・ブレイド号は、どこからともなくやってきたとしか思えない突然の嵐に翻弄されて木っ端みじんになったからである。私も噂に不安を覚えないでもなかったが、まさかあれほどとは思わなかった。いたって穏やかだった海があれほど唐突にしけるなど、魔法で嵐が呼び起こされたという以外に説明のしようがあるだろうか?やがて遠征隊の第2班が捜しにきてくれたおかげで助かったが、私は二度とあの島に近づかないことを胸に誓った。

この誓いを破るつもりは全くない。

マオマーの書簡 第2巻Maormer Correspondence, Vol. 2

これもストームリーブ・ネイディルに見せてほしい。以下はテンペスト島に関するアルトマーの文書で、名高い地理学者アンガルモが記したものだ。この島はマラバル・トールにほど近く、我々の必要を満たすだけでなく、これまでにたびたび奇妙な荒天に見舞われてきたことを考えれば、攻撃の起点とするにはちょうど良い場所と言える。ここからならドミニオンの不意を突けるだろう。

アンガルモの旅行記:嵐の島(第2巻)

私はテンペスト島での体験を生涯忘れないだろう。悪名高いあの島の嵐に見舞われ、危うく命を落としかけたのだ。船が大破し、私は丸々一月、島に閉じ込められた。島に広がる入り組んだ洞窟は比較的安全で、救助隊がやってくるまで私はそこに籠り、船の糧食で食いつないだ。

その間、この島に宿ると噂される魔法的性質の印は何も見つからなかった。しかし、そうした噂の原因になっている不思議な嵐は明らかに存在したのだ。誓って言うが、この島の嵐は私が過去に見たどんな嵐にも似ていない。速さと激しさが桁違いなのに加え、本来いたって穏やかな気候で知られる海域に発生するという点も特異だ。

この荒天の原因を解き明かすことができた学者や魔術師はいないと言われているが、この島はさまざまな現象の源と考えられてきた。たとえば「大洪水」や、435年のラミア侵攻に先立って起きた嵐がそうだ。この2つの出来事は、長年にわたって研究者や学者のこの島に対する興味をかきたててきたが、誰一人としてこれらの嵐の原因を解明できていない。

学者としては、テンペスト島は単に天候が極端に傾きやすい海域にあるだけのことで、それ以上でもそれ以下でもないとしか言えない。

マッドクラブの変わりやすい性質The Fickle Nature of Mudcrabs

最初に記録されて以来、タムリエルでよく見られるマッドクラブは常に、凶暴で危険ではあるが、丈夫な熊手があれば平凡な農民でも撃退できると記述されてきた。マッドクラブのキチン質は錬金術師のいくつかの学派によって珍重され(私自身は決して使わないが)、またその肉はタムリエルの一部地域、特にモロウウィンドでは珍味とされている。

その性質から言って、マッドクラブは自分の川や小川、浜辺を、自分たちの縄張りにとっての脅威と見られるものから守ろうとする。マッドクラブは密集する傾向にあり、恐れることなく近寄る者を攻撃し、自らの戦闘能力について過剰な自信を持つ。怒ったマッドクラブを追い払うことができるのは、弓矢か斧の狙いすました一撃だけである。

ビョルサエの海辺にいる個体を研究していた時、私はここ数ヶ月における奇妙な傾向に気づいた。通常であればマッドクラブに気づかれないよう気をつけて進む必要があり、そうしないと検体を殺さなくてはならなくなるのだが、最近では接近して観察できるようになり、それどころか甲殻を撫でても反応しないのである。

先週、私はマッドクラブの集団の真ん中に座り、妨害を受けることもなく、離れた場所からの研究では見逃しやすい細部を熱心に記録した。しかし、マッドクラブは完全に無害ではない。直接に刺激されれば反応するのだ。私は熊が1匹をこじ開けようとした時、群れ全体が仲間を守ろうとやって来て、熊を退散させたのを観察した。

マッドクラブたちは私に気づいていると確信している。知らないからではないのだ。うち1匹はこっちにやって来て、触角を私の手に走らせさえしたのだ。まるで私のほうが研究されているみたいではないか!いったい何が変わったのだろう?繁殖期なのだろうか?水の中に何か、彼らの行動に影響を与える成分でもあるのだろうか?忙しい時期が影響しているのだろうか?さらなる発見のために、観察を続けるつもりである。

モロウウィンド動物誌 パート1Morrowind Fauna, Part One

ホリア・アセリオ 著

この手紙に続いてほどなく全文の写しが送られる。以下は執筆者が仕事を終えるまで読者の好奇心を満たすものにすぎない。

一般的なヴァーデンフェルグアル

グアルはまさしく最も広く知られた二足動物の広範な科に属する種であり、何百年も荷物を運搬する動物としてシロディールに持ち込まれるトカゲに似た生物だ。グアルはアッシュランドの地表すぐ下にある塊茎状の農作物や根を下あごを動かして喜んで食べる。野生のグアルはたいてい従順だが、一部の土地の荒野では狂暴になり攻撃することが知られている。怒ったグアルは獰猛で殺しをすることが分かっている。最も近い系統の動物にはアリットやカゴーティがいて、モロウウィンドの地で共に生息している。それはコグアルも同じだ。

モロウウィンドの観光客が名付けた「コグアル」は、より大きな同類の体力に劣るという理由でほとんど広まらない、グアルの小型版の種である。南モロウウィンド以外ではあまり知られてなく、たまにペットとして育てられる珍種だが、肉と皮を取るために飼育する者もいる。

アリットとカゴーティ

アリットはグアルに近い系統でずっと鋭い歯をもっている。雑食動物であり組織的な群れで狩りを行わない一方で、機会をみて食事のために他の動物や民をも襲うことが知られている。アリットはグアルとほとんど同じように地面を掘って栄養を補う。ヴァレンウッド出身の珍動物のファンが自身の娯楽のため持ち込み、それが長年流行した。多くは拘束状態から逃げ出し、その子孫が南部の大森林で闊歩しているのを確認できる。

カゴーティは大柄で防護器官を有するグアルとアリットの同類だ。カゴーティの最も際立った特徴はその牙と頭にある。縄張りを守り、獰猛で敵対的だ。群れで狩りを行い、一人前のノルドを容易に空中へ投げられることが知られている。

スカトラーとコヒョウグアル

スカトラーは小柄で従順な二足動物の種に属し、一般的な飼い猫と同じサイズだ。はっきりした前足がなく、己より小さい昆虫や地虫を食べて生きている。完全に異なる繁殖・成長周期があるからグアルやアリットとは系統が異なる。スカトラーはその外見とは裏腹に、レザリーフライアーが属するクリフ・レーサーの部類に近い。密売人はペット用にダガーフォールからヘヴンにかけての港で売っている。

コヒョウグアルはその名前に反してスカトラー科の一部に分類され、グアルではまったくない。特有の体形とありふれた鶏を大衆に想起させる行動により、多くの者がコヒョウグアルを「醜い鶏」と表現する。退化した羽があり、同類のクリフ・レーサーやクリフ・ダーターとは異なり飛べない。南モロウウィンドの農民が、卵と肉を取るために飼育している。

ヨクダのナ・トタンブThe Na-Totambu of Yokuda

ラ・ガーダが海を渡りハンマーフェルの浜辺へ来る何世紀も前に、現代のレッドガードの人々の先人達はヨクダの大陸に住んでいた。ナ・トタンブとして知られているヨクダの人々の支配層は王の議会で、それぞれの国は現代ですら未知である冶金学術、農業、そして造船業において優秀な進歩を成した。

ヨクダの大陸が巨大な洪水の波の下に沈んだ時、ナ・トタンブは恐ろしいラ・ガーダとなり、政府組織と生き残った人々に海を渡らせて移住させた。大洪水によって彼らは消耗していたが、レッドガード人はもう一度彼らの国家を設立するために砂漠と丘を切り開き、難なくブレトン、アルトマー、そしてオークを征服した。

数十年が経った頃、ナ・トタンブの影響力は次第に衰え、レッドガード社会は2つの主な文化派閥に分裂した。一般的に2派閥の内で比較的順応性が高いと考えられているフォアベアー派は、以前の敵と交易を開き、海港を維持した。内陸のクラウン派はなおも大きな力を持ち、古代ヨクダの信条に強く固執していた。

この狂信的な崇拝にもかかわらず、多くのヨクダの知識は時と派閥間の確執と共に失われた。最も古いクラウンの学者達は、現代のレッドガード人を単なる先人達の文化の影に過ぎないと辛辣に批判する。

ヨクダ産馬の伝説Legend of the Yokudan Chargers

オノラー・アフ=ラーレク 著

ハンマーフェルの勇士はタムリエルの最上の剣士としてよく知られていますが、馬術の達人としても知られています。レッドガードの勇士は必ずといっていいほど片手に剣を、片手に馬の手綱を持つ者として描写されています。

そして馬の繁殖を行わないのはヨクダ産馬よりも砂漠の騎士に関連しています。ヨクダ産馬は最強の交配種で、ハンマーフェルの馬貿易に従事するすべての者の誇りとなっています。厳しい気候にさらされるアリクルで、弱い馬は耐えられず死ぬのに対し、ヨクダ産馬は生命力が強いのです。ヨクダ産馬は乗り手である勇士と同じく困難に立ち向かいます。掲げた頭、開いた鼻孔、オスもメスも勇敢です。

このアスワラの馬屋では、船乗りヤグーブがその艦隊でアコス・カサズより連れ帰った馬を祖先とする、血統書つきのヨクダ産馬のみを取り扱っています。辺鄙な場所にありますが、壮大なアリクル砂漠の中心に店を構えていることを幸運と思います。馬を見れば納得なさるでしょう。

ヨクダ産馬:すばらしい伝統と信頼を。アスワラの馬屋にて、ご自身の目でお確かめください。

ラグンサールの奇妙な事案The Strange Case of Ragnthar

グイレーン・マリリー 著

序文

ラグンサールは謎の中の謎だ。ラグンサールがあれほど奇妙な形で存在している理由は不明だという点で、近代の学者たちの見解は一致している。ラグンサールの遺跡での奇妙な事件に関して言えば、ほとんど全部の学者が同じ立場になる。

ドゥエマー、より知られた呼び方で言えばドワーフがタムリエルの地表から姿を消したことは素人でも知っている。彼らが消えた理由、あるいは原因は多くの推測を呼び…数多くの書物の題材となっている。

彼らが何を残したかに関して、議論の余地はない。数多くの遺跡だ。独特の金属のコンストラクトが歩き回っている場所もある。ドワーフの遺跡の探索は多くの研究者や冒険者の通過儀礼になっているが、最も多くの者が足を踏み入れた遺跡であってもまだ危険が残っている。結果として、ドゥエマーの遺跡とその奇妙さについては大変多くの研究がある。

古代ドワーフの遺跡に、たくさんの珍しい発見があることは間違いない。積み上がった装置、地中深くまで太陽の光を届かせるための縦穴、今でも稼働可能で壊れていない装置に動力を与えるための、轟音を上げる滝…目や感覚を驚かせる遺跡は、たくさんある。

しかし、そうした遺跡は全てラグンサールの衝撃に及ばない。ご存知のように、ラグンサールの入口はタムリエルのあちこちにたくさん存在する。文字どおり空間外の空間で、現実から逸脱している。実際どこにあるのかは分かっていない!中で行なわれた観測結果から、かつてはハンマーフェルの山の中にあったと推測されるが、正確な始まりの場所は、いまだに特定できていない。

分かっているのは、境界線を越えてラグンサールに入ると、ニルンを離れることだ。誰にも理由は分からない。

ラグンサールから生まれる疑問の中で、最大のものは間違いなくこれだ。「なぜ?」なぜドゥエマーは、この施設を知られた次元から除外するために必要な、莫大な魔法の力を使ったのか?私はこの努力を「時空間的跛行」と呼んでいる。文字どおり、時間と空間を捻じ曲げることだ。

ここに来れば、この謙虚な学者による、この地の膨大な観察記録を見ることができる。私はここに残されたコンストラクトと機械を広く調査した。作った者たちの意図についての仮説も数多く立てた。君も同意するはずだ。この地を調べれば調べるほど、発掘すべきものが出てくる!

リラソによるタムリエル案内、21章Rilaso’s Guide to Tamriel, Ch. 21

第21章:リフトで生き残る

リフトで生き残るコツは、決してそこへ行かないことだ。リフトはノルド以外に向いていない。ノルドでないのにリフトにいると、ひどい死に方をすることになる。

凍え死にするか、道に迷って崖から落ちなければ、野生の動物に殺されるだろう。熊やサーベルキャットが喜んで食べてくれる。マンモスからはわざと踏みつぶされるか座られるかするだろう。巨人には近くの木のてっぺんまで蹴り上げられるだろう。

だが自分の考えでは、リフトで最も危険なのはノルドだ。小さなことで激怒する性質で、ハチミツ酒をいくらでも飲むことができ、鋭い武器を常に振り回している。

酒の飲み過ぎで死ぬ羽目になったり、あの有害な体臭で窒息しなければ、連中に首を切り落とされる。酒場にいて何か間違ったことをノルドに言えば、すぐに頭が空中に飛んで、すでに血がこびりついている壁に新たな血の層を吹き付けることになるのだ。

だから、リフトには行くな。

巨人:講話Giants: A Discourse

知りたがりのコード 著

スカイリム!それは天地創造以来、興味をかき立ててきた。そしてスカイリムには常に巨人がいる。それは真実だ。私はこれらの重々しそうに歩く生物を研究し、彼らがマンモスの世話をするのを見てきた。彼らは穏やかで、単純な存在だ。すべてが、戦闘の欲に屈するわけではない。すべてが、私の知っているノルドを全て追い立てているような、探求の必要に屈するわけではない。

ただし、共通の祖先を持つが故に、私達はこの巨人達とつながっている。アトモーラ人は巨大で賢かった。この祖先に由来するノルドは(比較して言えば)小さく、知性が高い現在の姿になった。一方で、巨人は巨大で馬鹿な、私達が遠くから観察する生物になった。かつて私達はこの親戚に牛の捧げ物を授けていたが、この慣習は支持を失った。おそらくそれは、ノルドのあらゆる村を犠牲にするだろう。

現在、ほとんどのノルドは私達と巨人の間にある明らかなつながりを認めることを拒む。私達は巨人を厄介者として扱い、彼らの牧草地を盗み、そして戯れに彼らのマンモスを狩りさえする。これは私達の破滅の原因になるだろう。巨人に失礼な態度をとることは、私達自身に失礼な態度をとるのと同じである。もしも私達が巨大な親戚と共に生きることを学べないのであれば、衝突は全面戦争に成り得るだろうと危惧する。そしてそれは恥となるだろう。

巨人についてさらに話させてほしい。概して、彼らは孤独を好みがちな生物だ。巨人は定期的に儀式場へ集まる。そこに集まって彼らは商売し、結婚し、そして彼らの開発した単純な方法で交流する。

彼らはマンモスと興味深い関係を持っている。彼らはこの生物を追い立てはしないが、意思を伝えることができるようである。それらを守り、そのお返しにミルク、チーズ、そして親交を得る。時々、巨人がマンモスを食べるのを見たことがある。その食事は、もしそのような概念が単純な巨人に当てはまればであるが、敬意を持って執り行われていた。

巨人はまた、死に対して複雑な信念を明らかに示す。彼らは神聖な墓地としての場所を用意している。巨人が病気になったり死にかけたりすると、死ぬためにこうした場所の一つへ行く。もし巨人が他の場所で死ぬと、他の巨人が絶対にその亡骸を墓地へ持っていく。彼らはこれらの神聖な場所の近くには住まず、見張りはしない。ただ単に使うだけだ。

巨人とノルドは、同一の領土を争い続けるだろう。平和的な解決を探し出す手段を講じない限り、将来の衝突は回避不可能である。巨人が倒れ、ノルドが死ぬ。だが巨人がノルドを食べる姿を、私は一度も見たことがない。

空中庭園The Hanging Gardens

ウェイステン・コリデイルの空中庭園

(この書物はもともとドゥエマー語で書かれ、アルドマー語に翻訳されたもののようだ。アルドマー語は断片的にしか判読できないが、アルドマー語を研究する者が他のドゥエマー語書物を訳出するには事足りるかもしれない)

…導き手アルトマー・エストリアルは炎足をもって、四角形の庭が死して横たわる街の中心へと先導した…

…は礎や鎖や船にその名の由来を尋ねた…

…アース・ボーンズからの脱出を何故固化した音を利用して教えようとしなかったのか、あるいは凍結した炎を糧としなかったのか…

…私がかつて書いたことになった語、我らが下賎なる近縁がその無知ゆえに「芸術」と呼ぶあれを…

…だが言葉も経験も、我らが祖先たちの移ろいやすい戒律に反する奇妙にして恐ろしき法の粋を浄化することはない。

(翻訳部分の最後には、別の書き手によると思われるドゥエマー語の注釈があり、それは以下のように訳すことができる)

「燃えさかる裁断球を置くがいい、ヌブスルド。お前のエルフ語は語句は正しけれど、正しく誤読することはできない」

古きヨクダの失われた島The Lost Islands of Old Yokuda

海の女王ハザディーヤに捧げる

失われたヨクダのことは覚えている。そのすべての島について覚えている。

サマラを覚えている。そうだ、そこには夫がいた。

サマラ:低く、豊かで、心地よく、多くの港があり、温かく甘い実がなる。テイマッシュと、とても似ていた。真珠海の流れに引き離されるまでの長い間、すばらしい休日を楽しんだ。

カネシュのことは覚えている。そうだ、そこには夫がいた。

カネシュ:高く、激しく、過酷で、そして内部の熱さで強く赤々と輝く。ヤズーギルはとても似ていた。熱の液体が爆発したが、冷めて石になった。アズリアンはついに私を呼び寄せた。

ヤスを覚えている。そうだ、そこには夫がいた。

ヤス:不毛で、凹凸があり、壮大で、強い尾根から良い眺めを得られた。スフディンはとても似ていた。彼は軍馬の上に私を引き上げ、共にあらゆる場所を探検した。ある日彼は峰の上に走り去り、そして私はもう一度海に戻った。

アコス・カサズを覚えている。そうだ、そこには夫がいた。

アコス・カサズ:一番大きく、統治者と反抗者がおり、気まぐれでいくつの面をもち、穏やかで残忍だ。オシュナルはとても似ていた。私はここに最も長く住み、共に戦い、子供たちを育て、トテムブゥの街を造った。しかしそこでさえ、ある日私はアビシアンからの東風に気がついた。その時までには腰までの髪が鉄灰色になっていたが、私はついに海に戻った。

ヨクダを覚えている…

獅子の巣へInto the Lion’s Den

「獅子の巣」と呼ばれる谷は、昔からマウンテンライオンの繁殖地であったためにそう名付けられた。神話紀後期のネードの民は、毛皮のためにここで狩りをしたが、リフトの現在の住民はこの一帯に近づかず、家畜から皮や毛皮を収穫する方が楽で安全だと考えている。

地元の大衆が間違いなく獅子の巣を避け始めたのは第二紀の初めで、巨人の小さな部族が近くの山脈に住み始めた頃だ。その巨人は地元民から怒った世捨て人と見なされ、通りかかった者を見つけ次第襲うことで知られてきた。そのため、誰かが誤ってその一帯に迷い込むことがないようにと、谷への入口には壁が建てられた。

樹木の建築Arboreal Architecture

シランティレ 著

全体が森林の地方でありながら、1本の木も傷つけることができない。葉の盟約はウッドエルフの建築家の仕事を奪い、消滅させたと人は考えることだろう。しかしこの無意味な規則の内側で努力することで、ボズマーの職工技術と住居の質は強化されたのである。引き延ばされ、骨の枠組みに合わせて縛られた皮は間に合わせで作ったもののように見えるが、通常これは聖なる木の洞の中に保護されており、そのサイズは実に幅広い。川や沿岸を歩き回ってみれば、そこではグリーンパクトを破ることなく貿易商から高品質の輸入木材を入手できるため、より伝統的な木製の住まいを目にすることになる。

森の中をさらに奥深くまで進んでいく勇気があれば、エルデンルートの街あるいはシルヴェナールに行き当たるかもしれない。どちらも林床(通常は他の種族、特にアルトマーによって建造される)の上に作られた居住地を有しているが、多くの家はグラー・オークの木の影に隠れ、また保護されている。都会風の木の民は枝に囲まれた生活を好み、この地の法を破ることなく、枝をまとめ上げて分岐路を形成している。厚みのある、生きた蔓が数ダースもの足場を固定し、グラー・オークの人と物を支えている。こうした足場は多くの場合、外からやって来た頑強な労働者たちによって吊り上げられる。

骨と樹脂、それに腱がボズマーの橋の設計に用いられる。このような廃棄物の再利用市場があるため、木に住む民は動物の残骸を高い場所から下の地面に捨ててもよく、残骸は下で集められ、多様な道具に作り変えられる。スカイリムのゴミにまみれた往来に比べれば遥かにマシと言えるだろう。月が昇ると、常時日陰になっている樫の根元で生息する、淡く光る地衣類と苔類、菌類による明かりが加えられる。さらに上まで行けば、グラー・オークから栄養を得ている夜の花に誘われて来るホタルの巣が枝上の足場を照らすため、火を使う必要がない。自ら課した莫大な不便を克服するための適応が、ウッドエルフを生き残らせ、それどころか厳しい制限の中にあっても繁栄を可能にしてきたのである。

祝福された、サタカラームBlessed, Blessed Satakalaam

サタカラームの歌姫、ベールをとったアザディエ 著

オンシに祝福されしサタカラーム。戦士たちはアリクルで最も勇敢である

ターヴァに祝福されしサタカラーム。大聖堂の塔の頂上に、オオタカが巣を作る

モルワに祝福されしサタカラーム。ハチが花粉をザクロとイチジクに運んでくる

ゼェトに祝福されしサタカラーム。深き岩から来る水が、泉と水差しを満たす

トゥワッカに祝福されしサタカラーム。モタリオンが過去の時代より先人を守る

ラプトガに祝福されしサタカラーム。星は私たちの旅路の上に輝く

サタカルに祝福されしサタカラーム。世界の終わりといわれる時まで、私たちは真の信仰を守り続ける

循環するドゥルーのライフサイクルRevolting Life Cycle of the Dreugh

循環する地上ドゥルーのライフサイクル(要約版)

フロント・メシリウスによる実地研究メモ

この原始的種の起源に関する現地の伝承とは異なり、ドゥルーはアビシアン海から、イリアック湾に流れる湖や入り江に移住した。彼らの爪のような腕やはさみ、そして鋭い脚は人間の胴体サイズの骨格から突き出しているが、それに加えてドゥルーは鎧のような表皮と甲殻から分泌されるロウをまとっており、それらは一定の地域で珍重されている。ドゥルーは水棲のゴミ漁りであり、大部分の時間を深海の水中で過ごしている。地元の漁師はこの種族とのいさかい(たとえばドゥルーが漁師の網を切って魚を盗むなど)について話してくれるが、ドゥルーは大抵の場合おとなしい。ただしカルヴィナシムと呼ばれる変身期の間は別である。

カルヴィナシムの間、ドゥルーは地上を歩き、開放水域に近い海岸線の沼や川に好んで落ち着く。幼生はそばで見守られ、卵の母は縄張り意識が非常に強く、侵入者には素早く、敵対的に反応する。これはカルヴィナシムがドゥルーの母性本能を高めるという考えに根拠を与えている。実際、我々の地理学者主任であるパルチェリウス・ポンプティヌスがはらわたを引き抜かれてしまって以後、我々の襲撃チームはこれ以上の個体を捕獲して処理することを考え直した。

1年間の地上歩行の後、ドゥルーは水中に帰っていく。彼らは水に沈むと「メフ」として知られる最後の変身を始める。そこで彼らは自らの地上用の皮膚と大気用の臓器、つまり不要になった体の部分を食べてしまい、凝固したその残部を、1フィートほどの直径のある繊維質の球にして吐き出す。この悪臭のする不快な球は「グロム」という名で知られ、湖周辺の群れの中で見つかる。現在までのところ、我々の薬剤師はグロムに何の薬効も発見できていない。部隊の中でも胃の弱い者に吐き気を引き起こす程度である。

森の番人Keepers of the Grove

放浪者ウリグ 著

旅は私を多くの神聖な場所へ連れて行ったが、カイネスグローブの祠ほど美しく穏やかなところはほとんどない。緩やかに起伏する丘、威厳のある木々。冷たく透き通った水で満たされた湖。太陽がそのエリアを、きらめく金の反射光で彩ったかのようだ。

祠は息をのむほどで、高台の上にあり、聖なるルーンの彫られた多くの大立石に見下ろされている。その場所はまさに、カイネの氷のように冷たい息に軽く触れられたかのようだった。

森の番人は、嵐の女神を祭った聖なる教団の一部である。彼らは大地を世話し、日々の聖餐を捧げ、そして番人の住居と訪れる巡礼者の宿泊施設として使われている二つの小屋を管理している。

あれほど献身的なグループには会ったことがない。彼らは本当に彼らの神と大義に献身的であり、聖堂を管理し、礼拝で巡礼者の手助けをすることに熱中しているようだ。

巡礼者はカイネの祝福を求めてスカイリム中からやって来る。兵士達は特に戦闘へ赴く前に、戦士の女神を探し求める。カイネの祝福は彼らの武器に力を加え、彼らの鎧を強化する。苛酷な戦争を通して、彼らの安全と勝利を保つことを約束する。この祝福を受けるために、戦闘での守護と強さを頼みながら、巡礼者は森で日夜祈り、賞賛と贈り物を女神に捧げる。

番人は、案内と助言を必要とする人々へ提供し、それを必要としない人々へは親切な言葉をかけ、そしてカイネの知恵と支援を求めるすべての人々へ食べ物と宿泊所を提供する。ここはまさに祝福された場所である。

天空の子供たちChildren of the Sky

ノルド族の者は自らを天空の子供たちだと信じている。スカイリムを天が大地に息吹を吹きかけて彼らを作り出した場所とし、世界のノドと呼んでいる。ノルド族は自分たちを永遠の外来者かつ侵略者と見なしており、たとえ他の一族を打ち破り支配下に入れたとしても、それらに対して親近感を感じることはない。

ノルド族にとって息と声は生命の粋というべき要素であり、強大な敵を倒したノルドは相手の舌を戦利品として持ち帰る。これらの舌から作られたロープは、魔術のように言葉を蓄えておくことができる。ノルドはアカヴィリのソードマンの気合同様、自らの力を叫び声に込めることができる。ノルド族最強の戦士たちは「舌」と称される。ノルド族は街を攻める場合、攻城兵器や騎兵などは用いない。門の前にくさび状に陣形を組むと隊長が気合として力を発声して門を打ち破り、斧で武装した歩兵たちが街の内部へと雪崩れ込むといった按配である。この叫び声は武器の刃を研いだり、敵に直接打撃を与えたりもできる。しばしば見られる結果は敵を押し戻したり、操ったりすることである。強靭なノルドは雄叫びで仲間の士気を高めたり、突撃してくる敵の戦士を怒号で止めたりできる。最も偉大なるノルドともなると、何百マイルもの遠方から特定の相手に呼びかけたり、叫び声を投げかけてその到達点に転移することで素早く移動することもできる。

最も強大な部類のノルドは口を開くだけで破壊を巻き起こしてしまうため、通常は猿ぐつわをはめ、手話とルーン文字を使って意思疎通を行う。

スカイリムの奥地へと進むにつれ、人々の秘める力とその精霊的な側面が強まっていき、それに伴って住居などの必要性が減っていく。風はスカイリムおよびノルド族にとって根本的な要素であり、遥か遠方の荒地に住む者たちの体には常に風がまとわりついている。

不浄の軍団Unhallowed Legions


情報募集中

北ハイロックの魔女教団Witch Cults of Northern High Rock

ワフィムレス・マスタレット(語り部) 著

タムリエル中に散らばっているとされる、これまでに知られている1ダースかそこらのウィルド魔術結社のうち、ベルダーマ・ウィルドは特に帝国の研究者にとって興味深い存在である。ベルダーマは中央グレナンブラの深い森の中で設立された。でこぼこの地形と鬱蒼と茂った植物は、探検家にとって困難の多いものであった。ベルダーマ・ウィレス(結界の修道女たち、あるいは魔女たちの別名)に出会えた者はごく少数だが、それができた者たちは古代の樫の木の日陰で行われる暗黒の野営について、またボズマーの女神たちの中で最も崇拝されているイフレの姿イェフレを称える、扇情的な儀式について語っている。

女性のみで構成されるベルダーマ・ウィルドは自らの起源を、イフレが最初のエルノフェイ(あるいは「アース・ボーンズ」)へと変身し、自然の法則を成立させた時代までたどっている。これは単なる神話に過ぎないとしても、ベルダーマ・ウィルドの者は全員、自分たちがエルノフェイの末裔だと熱烈に信じている。ウィレスが有益な存在と考えられるべきか、それとも有害と考えられるべきかは定かではないが、不気味かつ強力な存在である点について人々の意見は一致している。彼女らは自らを自然に対する不動の敬愛心を持つ、森の番人と任じている。それゆえ、ベルダーマ・ウィルドがハイロックで最も人口の少ない地区に住んでいることにも納得がいく。

ベルダーマはとてつもなく大きいと言われる、謎めいたウィルドの樹の周りに集結することが多い。この樹は自然界にはない輝きを放ち、タムリエル北部の他のどの樹とも異なる見た目をしている。帝国が侵略を企てるようなことがあるとすれば、森林伐採の威嚇が地元住民を震え上がらせる方法の一つかもしれない。とはいえ、機先を制して襲撃するための未知の魔法を、ベルダーマ・ウィルドが有している可能性もある。

目を食べるA Diet of Eyes

ハグレイヴンは長い間、特定のリーチの民の部族と関係がある一方で、リーチの民とこの怪物たちの関係はまだはっきりしていない。

老婆の顔と、人間とレイヴンを組み合わせた不格好な体をしたハグレイヴンは、見るに不快極まりない(彼らの臭いははるかにもっとひどいが)。

しかし、最大の恐怖を引き起こすのは、彼らの食事の残骸である。ハグレイヴンは人々を、なるべく生きたまま食する。彼らは特に目玉が大好物であると言われている。満腹のハグレイヴンは時に、被害者の眼をただ吸い出し、放り出されたその不幸な人は風の中を盲目でさまようのだ。

夜の遠吠えHowls in the Night

荒野の呼び声を聞く。今夜はやかましい。雪に覆われた丘を歩き回る威厳ある狼達が、頭上の冷たい月に向かって遠吠えをする。彼らは歌っているのだろうか?狩りでお互いに呼び合っているのだろうか?群れを守るために他の生物へ威嚇しているのだろうか?おそらくそのどれでもないだろう。だがその声は、確かに私の背筋を震えさせる。温かく居心地のいいベッドで眠るべき時に、私の心をかき乱す。

狼達は、どんなノルドも誇らしく思う、名誉とどう猛さを見せる強力な狩人だ。彼らは我々の村の火の向こう側に世界を持っていて、そして我々は我々の世界を持っている。それでも時々このように、眠りが私からすり抜け、そして狩りの遠吠えが夜を満たす時、二つの世界は融合する。その融合が比喩的である限り、私はここに座って聞き、夢見ることができる。

そしてマーラの心臓のおかげで、彼らは我々の家と生活に近づこうとはしない…少なくとも今夜は。

竜教団の聖堂Temples of the Dragon Cult

シランティレ 著

人里離れた農業集落や狩人の小屋よりもさらに先、スカイリム辺境の区域では、壊れた石が半分地面に埋められ、苔とツタに覆われているのを目にするかもしれない。近寄って見てみよう。イスグラモルの未開人によって崇拝されている、動物神の偶像かもしれないからだ。熊、ドラゴン、狐、蛾、フクロウ、蛇、鯨、そして狼の神格化が我々の現地調査員によって記録されており、こうしたトーテムは失われた遺跡の看守として立っているのだと多くの人が信じている。これらの荒れ果てた聖堂は半分目を覚ましたドラウグルに守られており、さらに悪いことに、竜教団がこの地区を支配していたとされる時代のものである。

近代タムリエルの人間がこのような、どうしようもなく空想的な寓話を信じる必要はないとはいえ、こういった場所に対するノルドの単純な畏敬の念は、ドラゴンプリーストの再来を彼らが恐れていることを示している。(ドラゴンの)アカトシュが人間に対する神王として崇拝されていた時代、ドラゴンたちはこれらのプリーストを仲介者として言葉を伝え、法を制定し、雄大にして細密な聖堂によって敬われたのである。アカトシュの最初の子であるアルドゥインが、神話上のドラゴン戦争のさなかに世界の喉の頂上で倒されると、このドラゴン・ガーディアンたちを中心に発生した教団はほどなく地中に退き、ドラゴンの塚の中に、この獣たちの遺骸と共に埋められた。彼らは最終的に、第一紀140年にリフト山で上級王ハラルドによって滅ぼされた。動物神への畏敬はほどなくして、八大神に置き換わった。

旅の終わりEnd of the Journey

聖ヴェロスとその民がレスデインの地にたどり着いたのは、大絶望の時代の最中だった。何週間にも渡って、ヴェロスの指揮の下で彼らは巨大な山脈を登っていた。多くのチャイマーの間でこれは愚行だと思われていたが、彼らはヴェロスの揺るがない確信と献身によって突き動かされていた。

彼らは、山に刻まれた深い傷のような、氷と雪に覆われた大きな山道に差し掛かった。夢に現れた幻視を追い求めて、ヴェロスは彼らを先へと駆り立てた。空に偉大なる鷹が見えると主張した。その鷹がチャイマーを新たな故郷へと導いてくれると誓った。彼らは骨を折ってその山道を通ったが、しばらくすると、チャイマーはこれ以上進めない所まで来た。巨大な氷の壁が道を塞いでいたのだ。

その時、山から力強い声がとどろいた。「お前達は何者で、なぜここに来たのだ?」

「私達は故郷を持たぬ者だ」とヴェロスは山に向かって答えた。

若い女が氷の壁から出てきた。

「そちらは?」とヴェロスが聞いた。

「私はチャイマーの友。あなた達を故郷へ導くために来た。ただし私の挑戦を受ける意思があるならだ。ヴェロス、お前を捧げ物とするのだ。より良いエルフになることを誓え」

ヴェロスは彼の大きな槌を高く掲げて宣言した。「私は二度と、これらの武器を使って敵を倒すことはしない。自分の民にはすでに心を差し出したが、今度はそれ以上のものを差し出そう。彼らに自分の命と魂を捧げよう」

女は振り返って氷の壁に向かって手を振った。氷は瞬時に溶け去った。その先には、菌類と灰だらけの見慣れない土地が広がっていた。女は前へ進み、チャイマーはその後をついていった。

ヴェロスは自身の民に話した。「我々は故郷を得た」と彼は宣言した。「これこそ、我々が新しい人々を作り上げる鉄床だ。1つの旅がここで終わるが、別の旅が始まる」

緑の歌声The Green Singing

ボズマーの紡ぎ手は登る2つの月の前に立った。きらめく貝殻のベルトをもてあそぶ姿が、影に映し出される。

「髭面のイフレよ、我を通して語りたまえ。我らに時が存在するよりも前のことを語りたまえ。我が身の内で物語を育ませたまえ。筋書き、すなわち世界の骨組みに沿ってあなたが足を踏み鳴らす音に、我が心臓の鼓動を返させたまえ。私はあなたの足跡をたどり、もってあなたの物語を知るだろう」

紡ぎ手の双眸が明滅したかと思うと、両のまぶたが閉じられた。彼の指先がベルトに沿って滑り、貝殻の形と向きを探っている。紡ぎ手は片足を持ち上げ、慎重に地面を踏み鳴らした。

「イフレよ、我を通して語りたまえ。我らにマーラが鼓を叩くさまを語りたまえ。マーラ、古きエルノフェイを蝕む闇に対して鼓動を打ち鳴らす者。熱い石炭のように照り輝く双眸を持ち、エルフに知られエルフを知る、数十万の子供たちの母。アーケイの姿を見ても顔を赤らめはしないが、その匂いを深々と吸いこむ者」

紡ぎ手は足を踏み鳴らす几帳面なステップで丘の頂を横切る。両目を閉じ、両手は胸に巻いた貝殻のパターンをなぞっている。その声を聞き、近くですだく虫が恥じ入って沈黙する。

他の者たちは恭しく押し黙り、目を閉じて、紡ぎ手が踏むステップに合わせて体をゆすっている。紡ぎ手は歩調を緩め、ドスンと足をおろすたび大地に深々と足跡を残す。彼はもはや喋っていない。それはため息であり、ささやきだった。

「”我々は我々だ”と背の高い部族は言う。葉叢の震えから成る声で言う。”我々は大地を味わい、頭上に響くお前たちの足音を感じる。我々は骨という骨が配置される前に歌っていた緑の大地であり、それは時の前後も存在しないはるか昔のことだ”と」