伝承と文化

Lore and Culture

アッシュランダーの賢女Ashlander Wise Women

ジウバ・ロサレン 著

よそ者がアッシュランダーのキャンプの周りをうろうろしており、交流を図り、クランのメンバーの一部と話をしている。このよそ者はアシュカーンが部族を率いていると思い込んでいるようだ。通常はアシュカーンが最も強い戦士だからだ。よそ者が交渉時や援助要請時に部族内の微妙な力関係を無視すれば、この思い込みは彼らを苦悩へと導くだろう。部族の精神的指導者は賢女で、アシュカーンでさえ賢女に助言を求めその預言に従う。

賢女は、一般的な流派のマジカの使用法の訓練を積んだ者達とはまったく違った種類の魔法を使う。彼女の魔法は自然界に根差したもののようだ。預言的な幻視を受けられる賢女がいるという証拠も存在する。アッシュランダーのクランを研究している学者は、この夢分析は単に直感とクラン内の人間関係や支配関係の徹底的な理解を用いたもので、それによって預言的な幻視を得られると考えている。賢女は、真偽は疑わしいが、便利な薬草の錬金術を使うことができる伝承の継承者だと見なされている。この考え方は傲慢なもので、観察者側の学術的研究不足の証拠である。

私はアッシュランダーのクランと共に時間を過ごし、賢女が重傷を負った狩人を治癒するのを個人的に目撃した。重傷から1日足らずで回復した様は奇跡としか言いようがなかった。何らかの生物によって重傷を負わされたこの狩人は、賢女の元に連れて来られたときは死の淵をさまよっていた。出血量だけを見ても生存は絶望的だった。この治癒過程で賢女が行った儀式がどのようなものかは見ることができなかった。しかし、私は狩人と話すことができた。彼女は1日足らずで、起き上がって歩くことができるようにまでなっていた。

アッシュランダーのクランとうまく付き合いたいと望むならば、クランの賢女は決して無視するべきではない。その助言は絶対に聞き入れるべきだ。

アルゴニアンについてOn Argonians

シランティレ 著

タムリエルの様々な種族を研究する中で、いくつかの奇妙な事実を発見した。人型の種族の中でも、アルゴニアンが最も興味深い種族かもしれない。彼らは身体的な意味でも精神的な意味でも冷血な種族にも関わらず、どのような気候の場所でもどういうわけか哺乳類と同じ回復力で活動できる。亜熱帯気候や熱帯気候を好むにも関わらず、寒帯地域や亜寒帯地域でも哺乳類と同じくらい容易に活動できるのだ。本当に驚くべきことだ。

ほとんどのアルトマーの学者はこの奇妙な事実をまともに取り合わないが、私は詳しく研究することにし、その理由を突き止めたと確信している。アルゴニアンは、自分達が「ヒスト」と呼ばれる魔法の力に結びついていると主張している。宗教信仰が理由ならば簡単な話だが、私は身体的な理由もあると確信している。

ヒストはタムリエル全域で生息していると言われているが、「ヒストの木」のヒストは特に強力だ。巨大で、古いことが多く、すべての大規模なアルゴニアンの集落の中心部で生息が確認された。このヒストの木にはすべてのアルゴニアンの集合的記憶と集合的知識が蓄えられていると、アルゴニアンは信じている。

これが真実であろうとなかろうと、ヒストの木から出る樹液には高濃度のマジカが含まれている。アルゴニアンにその論理的な身体的限界を超えた能力を与え、「木の番人」と呼ばれている呪術師に力を与えているのはこのヒストの樹液であろう。我々のような魔法を操り慣れている種族がそのヒストの木に含まれているエネルギーを取り出せれば、そこから獲得できるものは計り知れない。

アンドゥルの蔵書庫The Library of Andule

高貴なヴェロシ文化時代の名家の知識が存在する。入場の許可を得る前に、知識と叡智のかがり火をつけよ。闇の中で、アンドゥルの結界は誰も通さない。

預言者ヴェロスを信じよ。サマーセットから脱出し、モロウウィンドまで続くタイルの道に沿って行け。そうすれば、ヴェロシのように探し物が見つかるだろう。

イーストマーチのクラン:ダイアフロストClans of Eastmarch: The Direfrost

ダイアフロストの祖先は、有史以前に遡る。最も正確な記録によると、北イーストマーチを平定して周囲の村の領主となった知られているうちでは最も古い守護者、ホロルディン・ダイアフロストまで、少なくとも13世代は続いている家だという。

ダイアフロスト家は、親切で温厚な統治者と評価されている。魔法の実践者を除いては。魔法の実践については、不寛容であることで悪名高い。数世紀の間、何百人もの市民が魔法を使用した罪で処刑された。

ダイアフロスト城はイーストマーチにあり、山脈に隣接している。ダイアフロストの酒倉で燃える暖炉の火が、冷たい北風を寄せ付けないと言われている。

知られている限り、彼らの統治に対する反乱は起こっていない。

イーモンド王家The Royal House of King Eamond

エバーモア城のデリック・アンドラス執事長 著

王の忠実な執事長として、高貴な血筋について詳しい話を民衆に伝えなければならない。重荷だが名誉と思い、喜んで引き受けよう。

イーモンド王は、オルシニウムの陥落後に港が建設されて以来エバーモアに住まう、貴族グイマード家の末裔である。エバーモアの子供でも知っているように、我らがすばらしき街は第一紀983年にオークを鎮圧したことでビョルサエ貿易が開始された後、リバーホースブレトンによって建設された。詳細については城の保管庫にあるグイマード家の文書を見ない限り確認できない(この不安定な時期に、誰が確認できようか?)。しかし、その名は女帝ヘストラが制定した領土法に基づきハイロックがシロディール帝国の傘下に入った後に記されている。第一紀1029年に記されたこの文書には、「リバーバンクのガイ・マルデ男爵」についての引用が含まれている。

以来グイマード家の英雄たちがエバーモア年代記には繰り返し登場する。第一紀2260年の、全旗海軍の男爵船長オルシエン・ガイ・マード、第一紀2305年の、アレッシア帝国軍に対抗しバンコライ駐屯地を防衛した女男爵ファリンヌ・ギマール、第二紀431年の、オルシニウム第二次略奪の際に武勲で公領を改善したフルヴェルト・ギマール男爵などである。

542年、エバーモアの先の統治者であるモイル家のヘセフ王が後継者を残さぬまま死んだ時、街はブラック・ドレイクのダーコラクの圧政を受けていたが、ブレイズ・ギマール公爵は聖ペリンの騎士を率いて街を奪還した。ブレイズ公爵はバンコライの貴族によって王位に立てられ、ギマール家は王族に列することになった。

ブレイズ王はランセルの戦争でエメリックの援護に向かい、見返りとしてエメリックの姪アーツェラを息子のイーモンド王子と結婚させることになった。その後すぐ、568年にブレイズ王は死に、イーモンド王が後を継いだ。アーツェラ女王は2人の健康な子供を王との間に設けた。それがエララ王女とエイドリアン王子である。彼らの統治下で、我が国の平和と繁栄が続きますように!

ヴァーデンフェルの先人の墳墓Ancestral Tombs of Vvardenfell

ヴィベク・シティの大司書、ブレイディン 著

先人の墳墓は、ダークエルフの名家における文化と社会で重要な意味を持っている。古く地位が確立された名家は、富と影響力のある一族は特に顕著に、死者を埋葬して敬うために墳墓を建てた。これらの墳墓はヴァーデンフェルの至る所に散在し、故人の遺体に安らぎの場を提供する。埋葬された先人の子孫にとっては、黙想、崇敬、沈思の場でもある。

墓の中では、埋葬壷に死者の火葬された遺骨が入っている。儀式の祭壇と故人にとって重要な意味を持つ品が内部の空間を飾っている。それには愛読していた書物、神聖な巻物、健在な頃の宝飾品や防具、武器、家財、黄金など、思い出の品が含まれる。墓は複数の部屋がある大きくて広々とした納体堂から、玄室が一つしかない小さな納体堂まである。

一部の先人の墳墓は様々な理由から封印されているが、普通は次の二つのいずれかが理由である。その墓が定員に達したか、家族が中身を保護するために封印する決断をしたかだ。後者の場合、次に一族の者が死亡した時に封印が解かれ、墓が開かれる。そして埋葬が完了すると再び封印し直される。

開かれたままの先人の墳墓では、定期的に何らかの活動が見られる。多くの家族が頻繁に訪れて、先人に敬意を示し、黙想し、今もなおダークエルフの文化の一部である先人崇拝に関連した重要な儀式を行なう。これらの墳墓の責任を担う一族には、トリビュナルへの祈願や、吸血鬼やさまようデイドラが住み着いたために傭兵を雇う必要が起こることもある。それも先人の墳墓を維持管理する代償の内だ。

ヴァレンウッドの猟犬Valenwood Hounds

アルトマーの旅行ガイドより抜粋

ハーシーンの猟犬は伝説的な狩人たちだが、さらに伝説的なのはヴァレンウッドを猟場とする者たちだ。

その高い評判にはいくつかの理由がある。まずはヴァレンウッドそのものだ。未開なままの原生林で、地域全体を覆い、開発されぬまま残っている。思いもかけないような生き物の故郷だと言う者もいる。もっとも優れた追跡者のみが、迷わずこの森の中で獲物を狩ることができる。

2つ目は、ほとんどの狩人がウッドエルフだということだ。生まれながらの狩人で、追跡に優れている。

だがヴァレンウッドのハウンドの評判の最大の理由は、ハラスという狩人にある。彼自身が伝説となっており、存在を否定する者もいるが、彼の偉業を知らないハウンドはいない。

ハーシーンへの信仰と追跡の技では並ぶ者がないと言われている。最後に噂されたのは100年以上前に、伝説的なペール・センチタイガーの狩りに出かけた時だ。ヴァレンウッドで狩りをする者の中には、その捕まえにくい獣をいまだに追っている彼を見かけたという者もいる。その話が本当だとしたら、ハラスは普通のエルフよりも長生きすることになる。

それでも、ヴァレンウッドのハウンドの全員がハラスのように訓練しており、知名度と能力で彼を越えたいと希望している。それだけでもヴァレンウッドのハウンドは、タムリエルのもっとも優れた狩人ということになる。

ウーズに沈むSunk into Ouze

…生き返ることはない。しかし彼らの処置はどうする?エキスを消して骨を燃やすのはやり過ぎだ。彼らはそれでも選ばれた種族の一員であるし、我々の兄弟であり姉妹でもあるのだ。いや、彼らは封じ込められなくてはならないが、罰せられるべきではない。

我々は彼らをウーズに埋める。ここの地面は柔らかく暖かいため、彼らの骨にとって安らかに眠れる最適な場所になるはずだ。彼らの魂は永遠の眠りにつくだろう。あるいは、紡ぎ手によって解放の物語が語られるまで。もし抵抗するようであれば、我々は…

ウッドエルフのエチケット:インペリアルの視点Wood Elf Etiquette: An Imperial Perspective

2723年、ケランダス・カルヴァス 著

現在帝国の勢力範囲はヴァレンウッド王国まで広がっている。旅の途中で森のエルフと出会っても驚くなかれ。ウッドエルフ達は驚くほど社交的で、よそ者達にも非常に愛想が良い時があるが、彼らを怒らせないため、その風変りな文化と慣習には気をつけなければならない。

ウッドエルフ達はグリーンパクトと呼ばれる厳格な宗教に従う。自発的にパクトに取り組むウッドエルフは、ヴァレンウッドの木や植物へ危害を加えることを禁じられている。これには木を切り倒したり、果物を収穫したり、地面から野菜を掘り起こすことが含まれる。

この結果、グリーンパクトに従うウッドエルフは肉とチーズの厳格な食事を行う。この食事に関する極めて具体的な制限は、公の場ではあまり見ることがないであろう、とある身体的反応につながる。もしウッドエルフが「炎を養う」と言った場合、20回心臓が波打つ間は口呼吸をすることにただ慣れるように。

花を摘んだり、樹脂を集めるために木を叩いたりして悪く思うウッドエルフはほとんどいないが、一部はその行為を不敬だと捉えるだろう。グリーンパクトの最も厳格な信者達は非常に強硬な、ひょっとすると暴力的な反応を示すかも知れない。

恐がらせる意図はない!ヴァレンウッドの森には敬意を払うことを忘れるな。もし分からないことがあれば、最も近いところにいるウッドエルフの「樹の従士」に指導を仰げ。誰に見られてるか分かったもんじゃないからな。

エセリアルのかけらAetherial Fragments

タネスのレディ・シンナバー 著

多くの若い学生達は次元について、とっつきにくい分野だと考えている。同年輩のエリンヒルのファラスタスは利己的な議題で読者を遠ざけるが、私は最初に先入観のない具体的な実例を用いて説明すべきだと考えている。エセリアルのかけらを学べば、自然と次元について理解できるようになる。

読者も流星を見たことがあるだろう。これは、精神的次元であり魔法の源でもあるエセリアルの破片が排除されてニルンに落ちてくることで起こる現象である。落ちた場所に行けば2種類の物質、隕鉄と碧水晶が見つかるはずである。この両物質は並外れた魔力を秘めている。この本では、珍しい流星碧水晶に焦点を絞り、歴史の中での使用例とその様々な性質を見ていく。

第一紀初期までシロディールを支配していたエルフ、アイレイドは、このスカイストーンを幅広く使用していた。彼らは先進的な魔法の知識を活用して青色ウェルキンド石とヴァルラ石を作ることで、エセリアルの星光を利用し、マジカを貯蔵し、付呪物質に力を与え、消えることのない明かりを作り上げた。破壊魔法を封じ込めることもあり、自動化された防衛装置としてその役割を果たしていた。

この星の器の作成方法は現在失われている。アイレイドは流星碧水晶を複製してそれに付呪することで、相当数の星の器を作り上げた。新たなウェルキンド石やヴァルラ石の合成だけでなく、力を失った流星碧水晶の再生も今のところ成功していない。実験をしているとオリジナルの石が砕けて役に立たなくなってしまうことが頻繁に起こる。研究が上手く行かなかったり、アイレイド遺跡の危険な探索が必要となったりすることも珍しくない。

金色をしている現代のマロンド石とクランダ石は青色アイレイドの破片と似ている。ハイエルフの生産物か発見の一つであり、サマーセット諸島で最も多く見かける。マロンド石は再充填が可能なため、魔術師はこれをマジカの補充や、マジカの保管、付呪アイテムの充填に使用できる。クランダ石は明るい金色の光を発する。魔法効果を引き起こしたりマジカを保管できるが、使用したり空になったりすると砕けてしまう。

読者もエルフ文化を盲目的に称賛しているファラスタスの話はご存じだろう。彼はアルトマーがアイレイドの数々の秘密を解き明かして、それに改良を加えたと主張している。ファラスタスはそれだけでなく、彼らがマロンド石とクランダ石を小麦のように栽培していると考えているようだ。それよりも、現存しているアイレイドストーンと流星碧水晶を応用研究したことで、さらに信頼できる再充填方法を発見したとする説の方が筋が通っているだろう。

別の種類のエセリアルの破片であるスカイプリズムは、月が特定の並びになるとバラバラになってニルンに降り注いでくる。欠片を3つ集めると、未知の力によって銀色のプリズムを再形成し、融合によって解放された力を近くの物質に付与する。他のスカイストーンと同じようにこの石も比較的珍しく、研究のために見本を手に入れるのは容易ではない。空を起源にしているにも関わらずたびたび地下で見つかるが、これは地底に住む生物が光源として利用するために地下へと持ち込むからである。

十分な検証と研究が行われれば、この便利なアイテムの作成方法を解明できると考えている。そして次元を完全に理解できれば、その力を手に入れることも不可能ではないだろう。

オーク:怪物か誤解か?Orcs: Monsters or Misunderstood?

神話の作り手タレオン 著

オークは単なる獣人で、ゴブリン種族の1つだと思うだって?考えを改めよ!

アルトマーの先人でも最強の霊魂であるトリニマクが、誇りを持った強きオークを生み出した。彼がデイドラ公ボエシアによって変えられた時、彼の民も変わり、今日我々が知るオークとなった。

この気高い生き物は戦闘において確固たる度胸を発揮する。他の種族の誰しもを圧倒するような苦難において、不屈の我慢強さを見せるのだ。広く恐れられ嫌われているオークは、それにもかかわらず帝国において徐々に認められてきている。

オーク社会は過酷で残酷であると想像されるが、そこには彼らの文化に深く広まった激しい忠誠がある。防具屋が作る鎧にはタムリエルで最も上等なものもあり、それはオークが、キャンプで語られるような怪物ではないと決定的に証明するものである。

そうは言っても、オークが獰猛で強いことは間違いない。彼らの戦争を仕掛ける能力を甘く見てはいけない。オークは会話を始めるよりも先に襲いかかる傾向があるし、それはいつだって相手を殺すか、重傷を負わせるつもりで襲ってくるのだ。身体的に大きく、卓越した技量があるために、彼らは自然に両手武器へと引きつけられるが、その扱い方は荒々しく奔放である。

その恐ろしい容貌と驚くべき背の高さを、彼らの愚鈍さや教養のなさと勘違いしてはいけない。ひどく嫌われ恐れられてはいるかもしれないが(後者はいい意味で)、彼らを知性のない怪物として否定する者は誰でも、大きな覚悟を持ってそうすべきである。

オーク?まあまあだOrcs? Could Be Worse

私はオークについてこう考えている。今、彼らが私達の味方であることを心から嬉しく思う。

これまでは必ずしもそうではなかった。40年前、私の祖父はオルシニウムの襲撃に参加した。オークは情け容赦がない、と祖父は言っていた。オークが血を流し、骨が折れ、泥の上で倒れた後に立ち上がってくると最悪の事態になる。なぜなら、彼らはそうなるとさらに危険な存在になるからだ。

だからレッドガードと一緒にオルシニウムを襲撃したのだ。だから見つけたオークの砦を片っ端から燃やして、オークが復活しないように、その灰を踏みつけたのだ。私達は彼らを足止めするだけで精一杯だった。

現在オルシニウムはこれまで以上に頑丈な作りになっている。だが皆が知っているように、私達は今オークよりも大きな問題を抱えている。

私は、オークが抑圧者である私達のことを恨んでいると考えていた。だが面白いことにその考えはオークには当てはまらないのだ。オークが他のオークの顔面を殴っているのを実際に見たことがある。鼻を折られたその男は、その場から動かず、ただニヤリとした。彼らは喧嘩したり、死んだりすることもあるが、オークは何が起ころうとも、本当に一瞬のうちに解決する。そしてそれで終わりなのである。

オルシニウムを燃やされたとき、彼らは顔面を殴られる以上の痛みを味わったはずである。だが彼らはすぐに条約を結んだ。

戦いが苦手なオークには会ったことがないが、中には戦いよりも生きることが大切だと考えている者もいるようだ。自分の作った剣や鎧で生かされ、殺されることで、初めて自分がその武具を正しく作れたことを知ることができるのだ。彼らの職人の素晴らしい腕前には驚くばかりである。彼らが作った物は壊れない。

ブレトンもオークも、戦うよりもお互いに取引をすることでより多くの利益を得られることに気が付いたらしい。ブレトンが得意なことを一つ挙げるとすれば、それは金の稼ぎ方だ。得意なことは他にもあるが、私の言いたいことは理解できるはずだ。

私は自分とオークとの立ち位置を理解している。そしてノルドとの立ち位置も理解している。彼らがまたハイロックを襲撃してきたとしても、今の私達にはオークの軍隊がいる。ノルドは彼らに尻を蹴り飛ばされてスカイリムまで退却するだろう。

だからこそ私はこう言い続ける。オークが私達の味方であることを心から嬉しく思う。

オースブレイカーの眠りOathbreakers’ Rest

2つに分かたれ、グリーンパクトを受け入れたボズマーはイフレの祝福を受け森の中に住んでいるが、パクトを拒否した者達は呪いをかけられた。絶え間なく形が変わり続ける彼らは、生命を奪われウーズのタール坑へと投げ込まれ、永遠の眠りへと沈んだ。

しかしウーズの魂は眠ることはなく、オースブレイカーもいつの日か戻って来るかもしれぬ。同胞に復讐を企てるために戻って来るかもしれないが、我々の永遠の希望は彼らがグリーンパクトを受け入れ、イフレの寵愛と仲間の腕の中へと戻ることである。

オールド・ライフからニュー・ライフへFrom Old Life To New

2つのフェスティバルの物語
ボトジョルフ・ミードウォーマー 著

「お父さん、ニュー・ライフの使者はなんであんなに怖いの?」

ニュー・ライフ・フェスティバルについて、末子に問われて私は笑った。私自身、父親に同じ質問をしたことがある。その時は「秋になったら、おばあちゃんに聞くといい」と言われた

その答えは、日が短くなり畑が使われなくなる季節に開かれるオールド・ライフ・フェスティバルにある。この時期になると我々は暗い物語や不気味な歌を交換する。例えば、船の上で乗客がマントを着た謎の人物を目撃したが、他の乗客は誰も見ていなかったという話。森の中で迷子になった小鹿が、母親を殺して成り済ましている狼に追われていたが、急いで逃げるあまり狼のねぐらに避難してしまった話。真夜中に来た宿泊客が部屋を借りたが、夜明け前に宿屋の主人の子供と姿を消す話。

夜が長くなってくると、我々はこういった物語を伝え合う。種族によって異なる点もあるが、タムリエル全体に共通するテーマがある:暗闇の中の危険、若き者や無実な者への脅威、安全な家庭に入り込んでくる悪質な生き物などである。中でも空を欲した狼の話は、明るい場所であっても、今でも思い出して震えてしまう。

昔私の祖母が村の子供たちに語った話だが、燃えるような目つきをした狼が夜に大地を彷徨っていたそうだ。無限の空腹にかき立てられた狼は大地を渡り歩き、モロウウィンドの火山を食い、イリアック湾を飲み干してアリクル砂漠を生み出し、ヴァレンウッドの大木をつまようじ代わりに使っていた。しかしどれだけ飲み食いしても、狼が満たされることはなかった。さらに多くを欲し続けた。

ある夜、狼は2つの月が空で踊っているのを見た。大きい方のマッサーは笑いながら踊り続けた。小さい方のセクンダはマッサーについて行った。

「静かにしろ!」と狼は怒鳴った。「さもないと空から引きずり下ろすぞ。そしてアイレイドの街のように、かち割って中身を食いつくしてやる」

「私たちのところに手が届くはずがない!」とマッサーが嘲笑った。「はずがない」とセクンダが復唱した。

「そうか?」狼が言った。「一番高い山から跳んで空まで行ってやる。そして2つの月にまたがって立ち、跡形もなくなるまで噛みちぎって引き裂いてやる」

「だが私たちのどちらかがいなくなれば誰もが気付く!」とマッサーが叫んだ。「誰もが気付く」とセクンダが復唱した。

「私の毛皮の色を変えてお前たちに化けてやる」と狼が言った。「お前たちの代わりに、私の目が燃えるように輝く。誰も気付かないだろう」

「太陽が私たちの異変に気付くはず!」とマッサーが叫んだ。「気付くはず」とセクンダが復唱した。

「だったら太陽も食ってやろう」と狼は言った。「その後は星も全部食ってやる」

「私たちにそんなことをできるはずがない!」とマッサーが叫んだ。「はずがない」とセクンダが復唱した。

「いいや、できる」と狼は言った。「そして空を食べつくし、全てが暗闇になったら、世界中に遠吠えを響かせてやろう」

そして祖母が前かがみになって手を狼の爪のような形にすると、突然狼の頭をした何かが部屋の中に入ってきた。子供たちは悲鳴を上げた。するとろうそくの明かりが消えた。

私は暗闇の中で震えながら、必死に音を立てないようにした。おそらく十数秒の間だったが、永遠のように感じられた。

祖母が持っていたランターンから優しい光が発せられた。彼女は狼頭に向かってこう言った。「まだだめよ、狼。太陽の光は豊かすぎる。逆にあなたが食われるでしょう」

「ならば太陽が弱まる時まで待とう」とスキンチェンジャーが答えた。「その日丸のみにしてやろう」

「やってみるといい」と祖母がきっぱりと言った。「けど、太陽にも考えがあると思うわよ」

すると、ランターンが燃え上がった。スキンチェンジャーは痛みで悲鳴を上げ、部屋から逃げ出した。数刻の間、沈黙が流れた。そして祖母はこう言った。

「暗闇に潜む危険を忘れてはいけない。あなたたちに忍び寄って暗闇の中に引き込んでしまうかもしれない。けれど、過ぎ去ったオールド・ライフが僅かな光を灯してくれる。すぐにニュー・ライフがやってきて、太陽がその訪れを知らせてくれる」

それから数週間が過ぎた。ニュー・ライフ・フェスティバルが始まった。正午前に広場に集まったのを覚えている。狼男が堂々と近づいて来て、子供たちが悲鳴を上げていたのも覚えている。だが男が狼の頭を脱ぎ捨て、その下にいた人物が見えると、みんな止まった。

私の父親だったのだ!

狼男でも何でもなかった。太陽の光の下で見ると、衣装を着たただの人間だった。爪もうなり声も顔も、太陽の下で見るとバカバカしいと感じるほどだった。父親は微笑み、太陽の光に希望をもらったためニュー・ライフ・フェスティバルの使者を務めることになったのだと話した。

だからなぜニュー・ライフの使者が怖いのかと末子に問われた私は、笑ってこう答えた。

「秋になったら、おばあちゃんに聞くといい」

オグマの責任The Onus of the Oghma

エリンヒルのファラスタス 著

彼や彼女の人生を記録することは定命の者の義務である。古典から引用する形で、若い学生にそのことを分かりやすく説明していく。

あらゆるタムリエル人は人生の出来事を記憶することが我々の義務であることを知っている。この世界が生まれたときに神々が我々に授けた義務である。現在確認されているなかで、この「記録の義務」について言及している最古のものは、エルフの偉大な始まりの物語アルドメリアドで、神ザルクセスの言葉を引用して、アーリエルに対して次のように書いている。

「汝はエトアダの真なる子供である。汝の人生を敬うことで我々を敬うのだ。汝ひとりひとりのなかに神の光が宿っている、ゆえに行動を記録することは神聖なる義務である。オグマよ、汝らひとりひとりが記録するのだ、永遠なる巻物が汝のつかの間の人生を記憶してくれるだろう。少なくともそうすれば汝の光は不滅となる」

神話紀末期、ノルド文化の英雄であるイスグラモルがエルフの文字をもとにルーン文字を開発した。これによりアトモーラの言葉を文字に残すことができるようになった。この新たな文字を利用したイスグラモルの最初の仕事は、彼自身の人生とその出来事を年代記として残すことであり、これによりイスグラモルは人類初の歴史家となった。この偉大な英雄は「帰還の歌、第1巻」のなかで次のようなことを言っている。

「私は不誠実なエルフ達に対して大きな怒りを感じていた、だからジルクルフィクに急いで向かって船を使ってタムリエルに戻り、掃いて捨てるほどいる奴らの首をウースラドで切り落とそうと考えた、だが私は囚われの身になったときに、狡猾なエルフ達の学習能力の高さと知識を目の当たりにしていた。しかし奴らは不道徳なことや恥ずべきことをなすためにその力を利用していた。私はエルフを倒し、この大地から奴らを排除しなければならないと考えた。その英知は人間が利用すべきものだ。そして私はロングランチャーにオウフルボウストリングを取り付け、偉大なハクガン、ファルドロスタの住む東の沼を探索した。そして鷹の羽の矢で彼女を仕留め、その美しい羽を抜き、それを使ってエルフと同じように私の言葉を書き留めた。そして、ショールがスネッガに勝利したことをシヴァリング氷河の両脇に刻みつけたように、今後はあらゆる人間に自分の意見や考えを記録させるようにすることを誓った。それに、エルフを始末した事実を後世に残すにはこれが一番いい方法だろう」

この義務は聖アレッシアの時代とシロディール帝国の建国時に再び批准された。「人類の最初の息吹」は自らの手で年代記を書き続け、「アダバル・ア」として後世に残した。そこに書かれている最初の教えのひとつが「あらゆる出来事を記録することについて」である。

「そしてモリハウスが鼻を鳴らし、非記録者に対して激しく言った。”先人の行いがあらゆる時代の人々に忘れられてもいいのか?サリアチェの数々の罪が消え、暴力に対する7つの弁解の正当性が失われることになるぞ?そんなことをアカトシュが許すはずがない!時の竜が認めるはずがない!時の竜が我々に時間を与えたのは、時の流れのなかで物事が起こり、それが起こったことを我々が思い出せるようにするためだ!苦悶の時代末期、傲慢なサリアチェにより物語を記録することを妨げられた。だが二度とそんなことはさせない!”そして彼らの首を落とすと、血が石に垂れて文字となり、その死がそこに記録された」

だから学生諸君、両親や教師から日記を書くように言われても、面倒だと不満の声を上げたり、あら探しをしたり、難癖をつけたりしないようにしてほしい。なぜなら日記をつけることは、祖先達が血と引き替えに手に入れた権利なのだ。

カジートの敬称Khajiiti Honorifics

サルモールの南西エルスウェア代表
トルヴァルのレディ・ラドゥッラ・ドラ 著

タニオン校長に会ったことがおありだろうか?最も礼儀正しく正確なエルフだが、私にふさわしい「ドラ」の代わりに、最も不適切な接尾辞を私の名前につけたと知らせたとき、驚きの表情を浮かべた。(これ以上彼に恥をかかせないためにここで詳細を述べるのはやめておくが…いつか私がトーニーポートワインを2杯ほど飲んだ後にでも尋ねていただきたい)

という訳で、もっとも一般的な——少なくとも妥当な——カジートの称号のリストをまとめるのはアルドメリ礼節学校の利益にとって、そしてサマーセットとヴァレンウッドから来た私達の新たな盟友にとって得策だと思われる。

女性の敬称

「…ドラ」とは、その知恵と機知において知られた者への敬意か、または高齢に達した女性への労いを表す称号。私の場合は、前者の条件が当てはまっていると思いたい。

「…ダロ」は、小さな装飾品や、ばらけた小銭といったきっちり管理されてない物の素早い取り扱いに優れた者に対するもの。これはよく舌が回る者に対して使われることもある。

「…ド」は戦士として名声を得た者——普通は男性だが、まれに女性であることもある(個人的見解だが、ほとんどない)。

「…コ」は尊敬されている治癒師、魔術師、そして学者の称号で、時々は知識豊富な先祖に対しても付けられる。きっと、この者が死んだら子供達が彼女を「ラドゥッラ・コ」と呼ぶのよね? …なんだか心温まるわね。

「…ラ」は、未婚の優美な乙女、またはそうであるかのように振舞う人々に使われる、それはそれははかない称号。この者も「ラドゥッラ・ラ」であった時のことを懐かしく思い出すわ。ほんの去年のことよ。違った?

「…マ」は男女どちらでも小さい子供に対して使う、愛情を込めた呼称。その子がわめいたりうなったりしてる時を除いてね。

男性の敬称

「…ダー」はおそらくすべてのカジートの称号の中でもっとも古くからあるもので、指先と頭の回転がすばやく、探究心があって貪欲な者が得られる呼称。これは時々政治家にも使われると聞いたことがあるけど、そのような使い方は間違いなく滑稽よ(私はこんな使い方しませんよ!)。

「…ド」は戦場や個人的な決闘で栄誉を獲得した者に対する敬称。その名誉を与える者を待たず、自分で自分にその敬称を当てはめて気取って歩いているライオンには気をつけて。

「…ドロ」は知恵ある年長者、族長、祖父達、それに市場で人の前をものすごくゆっくり歩く人達に適用される称号。

「…ジョ」は詐欺師やいかさま師にもよく使われているが、尊敬される医者、学者、それに魔術師に対する敬称よ。私に1連の「魔法の」真珠を売りたがったコリンセのハンサムな黒ヒョウのことを思い出すけど…この話はまた別の機会に。

「…ラ」は軍人、商業、統治における敬われる指導者に対するもの。「猫・ラ」はしばしば「子猫・ラス」のハーレムを持ち、時にそれを誇示する。特に、もし彼が短い尻尾という欠陥をそれで埋め合わせている場合は。

「…リ」はめったに与えられない。我が同胞の偉大な指導者、伝えし者、王、そしてたてがみが確保しているから。それに多分、枕に囲まれて格闘している最中の男らしい恋人もそう呼ばれる、らしいって聞いたことがあるわ。

アラバスターの流行に敏感な若者の間では、敬称を名前の後でなく前につけるのが流行りだとも聞いた。ラドゥッラ・ドラはファッショナブルでありたいとは思うけど、それはカジートの名前をあまりにも似た感じにしてしまう傾向があるので、彼女としては認められない。それではつまらないだろうし…誰だってつまらない人になりたくはない。そうよね?

カジートの武器と鎧Khajiiti Arms and Armor

エルスウェアの息が詰まるほど熱い気候の中に暮らす種族にとって、重い服や鎧を着ることは大抵の場合、実用的ではない。猫の民の生まれ持ったしなやかな骨格と手先の器用さには、より軽量の防御手段が適している。カジートは束縛と重荷を嫌悪し、生産者たちは動き回るのを助ける鎧を提供することに熱心である。最も軽いものになると、カジートの鎧はよく実用的な(しかしきらびやかな)普段着に間違えられる。キルト地や綿を詰めた服が銅と致命的な部分に添えられる。これが鮮やかな色模様で強調され、さらにゆったりとしたショールにリボン、装身具でアクセントが付く。カジートのように退廃主義的、快楽主義的でない種族が着れば、嘲笑されかねない装備である。

カジートが反撃を予想するような戦いの場合、彼らは布と革製の脚当てに篭手、軽兜を好む。これならば最大限に軽快な動きが可能になり、スピードを(ファッションも)犠牲にせずに済む。

俊敏さを旨とするこの種族にとっては、最も重いカジートの鎧でさえゆったりしているが、それでも漆塗りの金属板を革で縫い合わせたものが付いており、その下には刺繍入りのチュニックが入り、さらに曲げた銀と丈夫な麻の兜を装備する。カジートが全身用戦闘鎧を装備するのは、最も悲惨な条件においてのみである。

武器に関して言えば、曲がった三日月刀、サーベルやナイフ、あるいは彼ら自身の鋭い爪の延長としての飛び出し短剣がある。時として、この爪の形状は儀式用の三又槍や長弓の矢、投げ槍の先端の形状に用いられる。

キス、愛しの母A Kiss, Sweet Mother

おや、闇の一党を召喚したいのか?誰かが死ぬのを見たいって?ならば、祈れ。夜母に願いが聞き届けられるように祈るんだ。

そして、最も背徳的な儀式——黒き聖餐を行わなければならない。

心臓、頭蓋骨、筋肉を含む本物の身体の部位を使って犠牲となる人物を模した人形を作るんだ。そしてその人形をロウソクで囲む。

これで儀式は始まる。次にベラドンナの花弁で擦った短剣を使って人形を繰り返し刺しながら次の言葉を唱える。

「愛しの母、愛しの母、あなたの子供を私の元へ届けてください。卑しい者の罪を血と恐怖をもって清めなければならないのです」

そして待つのだ。常闇の父なるシシスは辛抱強き者に報いる。お前の元に闇の一党を代表する者達がやって来るだろう。そうして血で結ばれた契約が始まる。

グリーンパクト・ボズマー:観察Green Pact Bosmer: Observations

ディニクサス・プレシス 著

著者は自身が観察したヴァレンウッドの奥深くに住むウッドエルフと、ニルンの反対側に住むウッドエルフについての詳しい違いを簡潔に説明したく思う。ここで記録された観察は彼らが「古き習わし」と呼ぶものに拘る野生のボズマーについて詳細を説明するものであり、一般の社会に適合したウッドエルフにはあてはまらない。

ヴァレンウッドの奥のウッドエルフ、もしくは彼ら自身が称する「グリーンパクト・ボズマー」は、グリーンパクトに熱狂的な信仰を捧げる者とされている。彼らは戦闘で倒した敵を含む肉のみ口にし、住処とする森を害する者を攻撃する。

それでも彼らを「野蛮なもの」としてしまうのは間違いである。実際彼らは実に知的で好奇心を持ち、理性的である。豊かな文化を持ち森に帰属し、精神的な指導者、語り部、「紡ぎ手」を持っている。

戦闘では極めて獰猛だが、刺激しなければ攻撃せず、よそ者には実に親切だ。自然界から恐れと尊敬を交えつつもヒントを得て、教養があり、緑がパクトを冒涜する者と対決する怒りの復讐のような物語を伝えてきたのは間違いない。

実際早くよりパクトのボズマーは、パクトを冒涜するボズマーが落ちる地獄のようなものであるウーズを信じるよう育てられ、危害を加えるボズマーのクランにすべての野生の力を浴びせるという、緑のさらに恐ろしい話を聞いている。

グリーンレディたちLadies of Green

シランティレ 著

ウッドエルフは基本的に秘密主義で隠遁生活を好むが、私は彼らが外部の人間から意図的に隠れて暮らしているわけではないと考える。例えば世代毎に新たなリーダーを選ぶという慣行について取り上げてみる。ウッドエルフがどのように「グリーンレディ」を選ぶのかを正しく知っている外部の人間はいないが、この地位、役割、称号についてはすぐに多くの事実を発見できた。

世代毎に——期間が定められていないためこれ自体が不明瞭な概念だが——すべてのウッドエルフの中から1人の若い女性が選ばれ、自らのアイデンティティを捨て去り、グリーンレディとなる。グリーンレディは、私が理解している通りだとすれば、ボズマーの凶暴性、力、そして純粋な身体的特徴の象徴だ。

これは彼女が戦争指導者、あるいは首領ということを意味するのだろうか。正しくはそうではない。確かにグリーンレディの力は戦闘に向けられることが多いが、彼女は民の身体能力や健康の顕現であると言ったほうが正しい。真の神やウッドエルフ自身に対して失礼かもしれないが、私はグリーンレディは神格化された神だと考える。それが適切な表現だろう。

クロウブリンガーCrow Bringer

クロウブリンガーはハグレイヴンの力を持っていると言われていた。彼は複数の恐ろしいカラスに変身し、一度に百方向から敵を攻撃することができた。光の力を持つ者によって彼のチャンピオンの座がすぐに奪われてしまったのは避けられないことだったのかもしれない。クロウブリンガーは変身して有徳のハグロフに襲い掛かったが、カラス達は眩しい光によって焼きつくされ、カラスがいた場所には硫黄の王冠しか残されていなかった。

王座を奪取した相手:隠されしアレリス

敗北した相手:有徳のハグロフ

セイラン、ルレニルズ・フォールの戦士長Ceyran, Warlord of Rulanyil’s Fall

セイランは第一紀中期の、下級のアイレイド戦士長だった。その長い人生の中で3つの同盟を作って失ったことで最もよく知られている。シロディールのアイレイド粛清の影響を受けて難民として逃れてきたのか、それともクランがヴァレンウッドに逃げてきた後に誕生したのかは分かっていない。モラグ・バルに傾倒していたと言われており、最終的には第一紀1102年、身元不明の暗殺者によって殺害された。

センチネル王家の系図The Royal Lineage of Sentinel

親愛なる読者よ。我々の慈悲深い王の血は最も気高い。祖先は上級王アルアザル、次にジャフルール王、そしてマカラ大公に遡る。マカラ大公はアンチフィロスのグランデヤ・ファネッシュと結婚し、そのため家に偉大なるジジーンのフィロシドの血がもたらされている。

ファハラジャード王陛下は、高潔なるマカラとファネッシュの唯一の子だった。ある時まだ若い王子であったファハラジャードはタネスの花、ザリファーを妻に迎え、彼女は3人の健康な子供を産んだ。残念ながらタネスの花は3人目の出産時に命を失い、ハンマーフェルのレッドガード全員が喪に服した。

とはいえ、陛下の輝かしい子孫は、サタカラームの宝石、長女マラヤ、そしてアルマンダインの星、次女ラカナ、さらにアンチフィロスの獅子、若き皇太子アザーが残っている。

ダガーの環The Ring of Daggers

軍団兵通信の真の著者、アエミリアヌス・ファルト 著

「ダガーの環」

あなたもその名がささやかれるのを耳にしたことがあるだろう。そしてその意味も知っているはずだ。堕落した役人達。原因不明の失踪。暗闇での殺人。

ダガーの環。密偵、侵入者、おとり。残虐な商人王、血塗れのエメリックの下で汚れ仕事をする死の商人。

あなたが住むこの街で。あなたの家の近所で。おそらくあなたが信用し、よく知っていると思っている人々の間でも。

だが実際のところ、あなたは隣人をどれほどよく知っているだろうか?彼はおじさんを訪ねてサタカラームに行ってきたという話だが…果たしてそれは本当の旅行先か?彼女の客間のあの新品の手結びの敷物…代金はカバナントの金で支払ったのか?酒場で彼と一緒に酒を飲んでいたブレトン…彼らはあんなにひそひそと何を話していたのだろう?

あなたの住む地域に、ダガーの環は入り込んでいるだろうか?はっきり答えられるのは、自分の隣人を十分把握している人だけだ。目に見えるものだけを信用し、説明できることだけを信じるのもいい。だがダガー達が、肩をすくめてよそ見しているあなた達に依存していることを忘れるな。彼らの破壊活動を見逃してはならない。さもないと、次はあなたが狙われるかも知れない!

何か疑わしいものを見聞きしたとき、行動を起こすかどうかはあなた次第だ。疑わしい行動は最寄りの帝国の占領当局に届け出てほしい。市民諸君、その後は我々が引き継ごう。

タムリエルのカリグラフィ、第七章Tamrielic Calligraphy, Chapter VII

ヴァレンウッドのインク

アリノールのアラーニャ 著

よく見逃される事実だが、インクの使用は書道家以上のことをする。管理された環境で、芸術家は正確に色と形を理解し、ページを越えて読み手に伝えられる。天気や気温のような外部の要素が、書道家が必要とするものを著しく変えてしまうことがあることは忘れられやすい。

例えば、深いヴァレンウッドの熱と湿気の中で、正式なアリノールの書道では一番広く使われている精巧な真夜中のインクは、単純に乾かない。紙を横向きにすると、ただちにインクがページを流れてしまう。穏やかなアリノールの気候では考えられないが、ちょっとした船の旅ではよくある。かわりに、地元では水の中でも乾くインクを使う。快適な書き物机がある書記には馬鹿馬鹿しいことだが、暴風雨の中でも緊急の書状を書く斥侯には非常に重要なことである。

ヴァレンウッドのインクのもうひとつの重要な進化は、多くの場合、暗闇でかすかに光るということである。このような性質はアリノールのような明るい街ではほとんど必要とされない。森の深い闇の中、読むための月の光がなくても微かに光るインクにより、重要な文書を正確に読むことができる。

最後の肝心な点として、インクはさまざまな表面にしっかり書くためによく使われている。高品質の羊皮紙は滅多に手に入らず、紙でさえも地元のボズマーの信条によっては手に入りにくいことがある。落ち葉や平らな石に書状を書くというのは、アリノールでは考えられない。森の深いところではよくあることで、その方が好まれることが多い。先に述べた精巧な真夜中のインクは、紙に書くには使う価値がないにもかかわらず、高く評価されている。多孔質の石に書いた場合、勢いよく振るまで、形は保たれる。

そのため、石とインクはかなり長い間使い回せる。インクがきちんと乾かないため、書かれた文字は数か月以上も長持ちする。このため、普及しているアリノールのインクは、ボズマーの間で非常に希少価値が高い。彼らの異なる環境によって、アルトマーの熟練の書記にすら知られていない、可能性が高いインクの性質を発見することになった。

引き続きタムリエル本土でインクの研究を続け、アリノールの書記にこの一連の章を提供していくつもりである。

タムリエルのチーズCheeses of Tamriel

料理長ギルバード・ラロッケ 著

あなたが私の同類なら、「チーズ」という言葉に心を揺さぶられるはずだ。家族や友人と一緒に食べた料理や、寒い冬にピッタリの料理、もしくは旅行中に木陰でつまむ簡単な食事のことが思い浮かぶのではないだろうか。あなたが考えているよりもチーズが遥かに奥深いものであるということを、私がこれから説明しようと思う。タムリエルを一緒に旅して、想像したこともないような様々な料理を発見しよう!

最初は簡単なものから始めよう。エイダールチーズ。スカイリムで人気があり、ノルドは暖かい串焼きと一緒にこれを食べる。彼らは私達ブレトンとは違い、洗練された料理は作らない。だがエイダールの芳醇な土の香りと滑らかな舌触りは様々なソースと相性がいい。鶏肉料理と一緒に食べたり、若いコレキュイバと合わせたりしてみてほしい。

スカイリム生まれのもっと風変わりな味を楽しみたかったら、マンモスのミルクから作ったチーズを探す必要がある。このチーズは巨人が作ったものであり、彼らからそれを奪うことのできる本当に勇敢なものだけが手にすることができる(そのとおり、巨人だ!それ以外にマンモスの乳搾りができる生物がいるとでも?)。だがその強壮効果と強い香りは、危険を冒すだけの価値はある。だんだん癖になる味だと言われているが、これを使った温かいシチューの完成度の高さにはあなたも舌を巻くはずだ。

ブレトン料理の習慣を守る者としては、これを本当のチーズとは呼ぶことはできないが、冒険好きのためにスカトルについて言及しておこう。この美味なごちそうは、驚かないでもらいたいが、モロウウィンド原産の甲虫の肉でできている。その材料や脂ぎった見た目を理由にしてスカトルを避けないでもらいたい。そのピリッとした複雑な味わいがダークエルフに愛されているのには正当な根拠があるのだ。

精の出るものが食べたければ、エルスウェアフォンデュを試すべきだ。この料理には様々なレシピがあるが、基本はいつも同じである。質の良いチーズと濃い目のブイヨン、そしてもちろんムーンシュガーだ。火は弱火に保ち、エールを入れすぎないように気を付ける。最高の瞬間は、自分好みの味付けを探しながら、チーズに食べ物を絡ませているときである。これは私からの助言だが、毎回加えるハーブを変えるようにしてみよう!

溶けると言えば、レッドガードのチーズだ。彼らは非常に奇抜なチーズを作る。彼らはその作り方を秘密にしており、外国の客人にそれを出して驚かすのが大好きである。シュリーキングチーズと呼ばれている。ある温度に達して溶け始めると、本当に叫び声を上げるのだ!鍋で香辛料の利いた肉を調理しているときに、このチーズを小さく切ったものをその上に乗せるというのが一般的な使い方である。チーズが叫び声を上げたら、準備完了!

その他の珍しいチーズといえば、もしそれを見つけられるぐらい幸運であればの話だが、この上ないほど芳醇なオルロイチーズというものもある。このチーズの素晴らしさを伝えるには、決して誇張しているわけではなく、その香りのためだけでも、数多くの挫折を味わい、数カ月間シロディールの南部を歩き回っただけの価値があったと言えば十分だろう。

ホールのチーズに、くさび形のチーズに、薄切のチーズのチーズ!たくさんあるが、これはまだ始まりだ。この世界にはまだ数多くのチーズがある。美味しいチーズを探すために長旅ができなくても、この説明を読んだことで、あなたが見つけたチーズを片っ端から試したくなるようになれば幸いである。

ドラゴンファイアについて(断章)Of the Dragonfires (Fragment)

…そしてアレ=エシュは言った。「我々はよこしまなエルフたちを倒したが、彼らがオブリビオンで我々を苦しませることを恐れています。彼らは私達を悲しみ嘆かせるため、これまでデイドラの王と取引してきました。我々は武器をとっては力強く戦えますが、偉大な悪魔たちは我々の力を超えています」

だがさらに続いた神の声はこう言う。「ニルンの定命の者のためにこうしよう。そなたはドラゴンボーンだから、そなたが引き継がなければならない。彼らがドラゴンファイアを燃やし続けるかぎり、悪魔の王は今の場に留まらなければならない。

アレ=エシュは感謝したが、まだ困っていた。「ならばもし私の家が途絶えたら?どうやって自分たちを守るんですか?」

すると世界が震えたが神の声は穏やかに言った。「そなたの人々が道を見つける。デイドラと違って定命の者は創造の輝きがあり、これまでにない新しい物を作るかもしれない。一つ防御があるところには、また…」

トリニマクの失墜The Fall of Trinimac

信仰なき者 著

マラキャスを本当に知るには、神の恩寵を失ったトリニマクと、その苦悶の混乱につながった事件の物語を思い出さねばならない。

神話紀の時代、アルドマーの反体制派は一般的に受け入れられていたサマーセット諸島の崇拝を捨て、若き預言者ヴェロスの教えに従い始めた。ボエシアは夢や幻視の中でヴェロスに話しかけ、定命の者は昇華し神になることができるという信条によって、アルドメリの新たな宗派を導くよう指導した。トリニマクの司祭たちはその新宗派を冒涜であるとして非難し、ヴェロスの教えを捨てなければ流刑にすると脅した。司祭らが採決を下そうとした時、トリニマクを飲み込んだボエシアが現れて、トリニマク本人の声で自分の教えが嘘であることを明らかにした。彼の暴露に面目をつぶされ打ちひしがれた司祭に満足したボエシアは、自分の不名誉を完結させるために、集まった者の前で自らトリニマクを解放したのだった。

トリニマクがどのように倒されたのかは不明だが、倒された後にボエシアによって食べられ、その腹の中で彼の霊魂は拷問されたと言われている。トリニマクの拷問に飽きると、ボエシアは牢獄から彼を解放し、息苦しい灰の世界へと追放した。この拷問と侮辱は、トリニマクの心を歪ませて激怒させた。トリニマクは消え、呪いの神マラキャスとして生まれ変わった。復讐に歪んだ彼の心により、彼の最も熱心な信徒は彼と調和するべく変わり、流浪にさまようように呪われた家なき種族、オーシマーとなった。

ニルンの霊魂Spirit of Nirn

ロルカーンは全ての定命者にとっての神、ニルンの霊魂である。しかし、これは全ての者が崇拝しているとか、知っているという意味ではない。エルフにとっては忌み嫌われる存在であり、創造は精神世界から彼らを切り離す行為だと考えられている。人間の多くには存在を告げる者として崇められている。定命者世界、ムンダスとも呼べるニルンの創造は、生きる者全てにとって精神的苦痛を生み出す源である。全ての魂は奥深くにおいて、自分達が別の場所から来た存在であり、ニルンは次に進むための厳しくも重要なステップだと認識している。では次とは何か?中には、元いた精神世界に戻りたいと望み、ロルカーンはその道を阻む邪悪なる者だと考える者もいる。彼らにとって、ニルンは監獄であり、抜け出すべき錯覚なのだ。また、ロルカーンは超越性を試す場としてこの世界を創ったという者もいる。その者達にとって、精神世界は既に監獄であり、真の脱出が可能な状態でもある。

ヌチュナクの火と信仰Nchunak’s Fire and Faith

ヌチュナク 著

この書は、カグレナクの理論を説明しながらドゥエマーの様々な植民地を旅したヌチュナクの報告書を翻訳したものである。

彼が代弁して語った人々の啓もうの状態がどうなっているか、私は調査してみた。カグレナクの理論に対する敬意があれば、近くにいる唯一の学者が人々を導いて、真の誤りへとつながる迷路を切り抜けて進んでくれると彼は答えた。

しかしカグレナクの教訓はケラカーで教わったものだと、彼は私に明かした。世界で最も博学な民であるケラカーのドゥエマーに会えたことが、これまでで一番うれしいことだと彼は言った。彼らはそこでカグレナクの言葉を勉強し、あの世での彼らの居場所について思いをはせていた。またそこでは、平面分割も、健忘症の計算法も、それ以外の実用性を持つあらゆるものも、自己の理解および心臓に対するその関係性以上に価値があるとされることはなかった。

私はこれを賛辞と受け止めるだけの礼儀正しさを持ち合わせていた。そして兜を脱いで、彼に感謝し、無限に続くお辞儀に送られてその場を後にした。

ノルド社会への忍耐Enduring Nord Society

ネヴィル・フレラン

本稿を書いた不幸な作者と同じように、もしあなたの家がノルドの「同盟」や「商売仲間」との定期的な付き合いを要求するなら、そしてそのことを不満に思っているなら…そんなあなたなら、彼らの社会的交流はダンマーの精緻かつ気品のある文化とはかけ離れていることがすぐ分かるだろう。彼らの習慣や行動に頻繁に触れる機会があったおかげで、ノルドからの肉体的な危害を避けることにおいて、私は専門家のような立場になった。私の知識が読者の皆様のお役に立てると幸いだ。

ノルドにとって侮辱とは必ずしも侮辱ではない。ノルドしかいない場での会話においては、普通なら相手を怒らせるような言葉(例えば「この老いぼれホーカーのケツめ」など)も実は愛情表現なのかも知れない。しかし話題になっているノルドのことをよく知らない場合は、そのような汚い言葉を使うのは避けた方がよい。また、ノルドの力、勇気、名誉をどんな言葉であれ侮辱すると、侮辱されたノルドはむきになって自身を証明しようとするので、必ずと言っていいほど暴力沙汰になることも覚えておいてほしい。

一杯勧められたら決して断わってはいけない。ハチミツ酒を6杯も7杯も飲まされる事態に備えて、テーブルの下にこっそり捨てる技術を身につけておくべきだ(テーブルの下にはすでに捨てられた酒の海ができているので、誰も気づかない)。勧められた酒を断わると、それは弱さを認めたことになり、ただでさえ一緒に働くのが嫌な仕事仲間からさらに仲間外れにされる羽目になる。

最後にもう1つ、言葉遣いはできるだけ単純明快にすること。ノルドは馬鹿馬鹿しい話が好きだが、込み入った会話は得意ではないし、難しい言葉を使う者に対して疑念を抱く。そうなるとノルドは危険だ。突然感情を爆発させて叫んだり、「わざとややこしいことを言って俺を騙す気だな」とあなたを責め立てるかも知れない。単純明快に話せば怪我をしないで済む。

それでは幸運を祈る。ここに書いた忠告は柄の悪い人間と付き合う際にも役に立つだろう。

バーンダリのやり方The Way of the Baandari

バーンダリの他の子供を中傷するな。

取引では常に気を配れ。

贈り物は必ず返せ。

公平な取引は金でなくても成立する。

真実と賢さは必ずしも敵ではない。

失ったものを見つけ、見つけたものを取引し、意味のないことは無視しろ。

バーンダリ行商人組合の脅威Threat of the Baandari Pedlars

サタカラームの大司祭ズラドル 著

誠実な人よ、今週の私の説諭は長くも比喩でもなく警告だった。すべての真のレッドガードに、門の外に群がり自らをバーンダリ行商人と呼ぶ盗人と異教徒で邪悪な猫の種族の策略に気づかせるための警告だ。

うろついている野獣のような者たちが盗み、詐欺、ごまかしを働くために商人を装っていることは前からわかっていた。ではなぜ執政官は街の門前に野営を許しているのか?なぜ追放しないのか?

明らかに他の力が働いている。神を冒涜する異端者の力だ。この生き物に庇護を与えるのがどんな愚行であり、悪徳と背徳に寛容な権力者がどれだけ無知であるか、どう説明しよう。

「でもどうしてわかるのだ、ああズラドルよ」あなたは問うかもしれない。「この真実をどのようにして知ったのだ」

では聞こう。誰かがくしゃみをしたらなんと言う?「トゥワッカの祝福を」だ。そうだろう。なぜだ?古の文書にあるように、くしゃみは邪悪な霊がいることを示しているからだ。

私のような多くの信心深い者が、猫のような人間と会うとどうなるか?くしゃみをする、目に涙がたまり、またくしゃみがでる。

気をつけろ、トゥワッカの警告に耳を傾けるのだ。バーンダリは人間の姿をした邪悪な霊魂だ。つきあいをやめ、野営地を避け、家に持ってくる穢れた商品で苦しまないようにするのだ。

バーンダリ行商人組合の掟Code of the Baandari Pedlars

ロードのセムシル・ダール 著

街の者があなたを盗人、ペテン師、不名誉なる者と呼ぶ時は耳を傾けるな。そうした人々は無知で狭量で、自分の街の境界線の先のことは何も知らない。真の不名誉だ!生きていく上での行動規範を持つ者は不名誉ではない。それはバーンダリにも当てはまる。

だから我々の規範、バーンダリに従いなさい、さもなければ私たちから追放される。規範を破り、追放猫になる者は同情されるかもしれないが、私たちの中では再び認められない。私たち自身を信頼できなければ、世界がどうして私たちを信頼してくれよう?

私たちが拠って立つバーンダリの掟は成文と慣習の両方から成る。慣習が成文化されることはないかもしれない。成文化が可能ならどうして慣習なのだろう?だが成文は以下の通りだ。

財貨入手の掟:対象物が緩んで何も入っていないことがある。ポケットや引き出し、手の中から落ちることが。こうした物は破棄されたものと見なし、合法的に入手される。明らかにきちんと保管されたかどうかを誰も気にしていないものだからだ。バーンダリでは、こうして捨てられたものを入手するのは合法であり推奨される。バーンダリは倹約家で無駄を嘆くからである

預言の掟:街の住人はこれから先に起こる出来事に関する助言や預言の見返りに、バーンダリに対して金銭を支払うことがある。この取引では、顧客が聞いて最も嬉しいことを語らなければならない。不親切な言葉や望まない言葉で顧客の感情を害するのは深刻なマナー違反だからだ。こうした違反を防ぐために、バーンダリは地元の宿屋や食堂で鋭い耳を持ち、時を過ごすのがふさわしいと考え推奨する。そうすれば確実に、地元の顧客が最も喜ぶ可能性のある助言を行える

保証の掟:本物のバーンダリは素晴らしい商品しか売らない。街の住人は最高級品しか買いたがらないからだ。素晴らしい新しい買い物に大金を使って貰えるほど自慢できることはない。バーンダリは何よりも顧客に大きな値引きをして、最高品質の品を手に入れたと自慢して貰いたがっている。だから顧客には商品の由来、珍しさ、好ましさについて、最高の保証をつけて提供することがふさわしく推奨される。

これがバーンダリの掟の成文である。これらの掟はすべての場合に厳格に適用され、議論の余地はない。ただし、もちろん慣習等に覆されるときは除く。

ハグ、ハーピー、ハグレイヴンHags, Harpies, and Hagravens

サタカラームの歌姫、ベールをとったアザディエ 著

そして私は大聖堂のたいそう立派なズラドル大司祭による説教を聞いた。彼は誘惑する女シャクハリの物語とジェゼレ女王の罪を引用しながら、女であることと、その生来の悪を痛烈に非難した。「ハグ、ハーピー、ハグレイヴンのことを考えなさい」彼は言った。「どの怪物も女だ。だから邪なのでしょう?」

「司祭が女を好まぬだけのように思える。どうして?」私はそう思った。

どうして?それにもし女が邪悪なら、彼はどのようにして当然の結果として暗示している、男の美徳を見つけるのだろう。卑しく13人の妻を取り換えたクワリズム大公は男ではなかったか?恐ろしい丘のオーガや山の巨人はいつも男ではなかったか?伝説のミノタウロスをごらんなさい。あれも男性ではないの?

神を惑わす者、セプは男ではなかった?

たいそう立派なズラドル大司祭にこの考えをぶちまけたけれど、彼は恥じず、私を慎みがなくでしゃばっていると決めつけた。「ええ、そうでしょうね」私は言った。「あえて言わせてもらいましょう」。そして私はベールを取り、服を脱いで言った。「あなたが邪だと恐れるものはこれでしょうか。神聖なる司祭よ」

司祭は震えて汗を流し、欲深く震える指を伸ばした。でも私は笑ってそれをはねのけ、衣服を元のようにまとった。そして言った。「ああ司祭よ、考えてごらんなさい、真の女はそれを敬わないものには何も与えないのです」

私はこのようにして大司祭に説教したのだ。

ヒストの神話と伝説Myths and Legends of the Hist

シランティレ 著

潰瘍やグリーンスポア、その他のより激しい衰弱を伴う病気を厭わない者たちは、高位の種族によって地図に記されていないブラック・マーシュの区域に分け入っていくかもしれない。沼の腐敗やニクバエの噛み傷、そして叫び声をあげ歯を打ち鳴らし、あるいは単に暗がりに横たわり、あなたの手足に齧りつく機会を待っている見えない生物たちの止むことのないわずらわしさに耐えられる少数の者は、沼の最奥に到達できる。インペリアルの探検家で最も頑強な、これ以上勇気を証明する必要もないほどの発見をなした者であれば、ヒストの樹を目にすることができるかもしれない。

噂によればヒストの樹は、この暗い沼地の鱗を持つ民の間での、主要な崇拝の形態であるという。一部の者の仮説によるとこの木は知覚能力を持ち、深い知識と、人間とエルフのあらゆる種族以前の時代に遡る計り知れない秘密を持っているという。近年発見されたダンマーの文書の大まかな翻訳は、アルゴニアンの間で行われる儀式の存在を示しているようだ。しかしこれとても、事実よりは伝説に近い。

サクスリールは未熟状態を脱した時、近くにヒストの樹を見出し、その幹から樹液を吸ったと言われている。樹液に含まれる成分はホルモン分泌を加速させ、それはアルゴニアンの性別を決定する器官を成長させる。そのすぐ後に適切な相手が見つかり、交配が行われる。雌は間もなく1つかそれ以上の卵を産み、それは熟成と孵化の場である孵化槽へと運ばれる。

最近行われた、ブラック・マーシュ中央部のインペリアルによる探検が不完全に終わったこと(埋葬地はコルニクス・ケパリウスが提供した地図に記されていた)、また甘言を弄したにもかかわらず地元住民がこの寓話的な木の謎について話すことに積極的でなかったため、我々のヒストの樹についての知識は、驚くほどわずかなものに留まっている。

インペリアル城庭園の主任園芸家ティチュリニア・ペティリアは、もし発見された場合、この木から得られる樹液や種の扱いと回収には細心の注意を払うよう要請している。我々の薬剤師たちにとって大きな利益をもたらすかもしれないからである。

フェリアン・ダークストームFerian Darkstorm

消極的なフェリアンとしても知られているフェリアン・ダークストームは、瞬く間にチャンピオンの地位を奪われることになった。王座に就いたことで熱意を失い、満足してしまったためだと言われている。また、痛烈な批判を受けた時にしか戦わなかったことでも知られている。彼が王冠を守ることに無頓着だったことが原因で、剣闘士の反乱が引き起こされると、ついにはフェルホーンという名の優れた剣闘士がクランを率いてアリーナに姿を現れ、フェリアンが引っ張り出された。フェリアンは、怒った剣闘士達から自分と守衛を守るために最後には戦いに応じるが、最終的にはフェルホーンの剣に屈した。

王座を奪取した相手:ホワイトベア

敗北した相手:フェルホーン

フェルホーンFelhorn

フェルホーンは、剣闘士の反乱として知られる、血みどろの反乱で硫黄の王冠を手に入れた。彼は軍隊を率いてアリーナに入ると、現王者のフェリアン・ダークストームに決闘を申し込んだ。フェリアンが仕方なくこれに同意すると、歴史に残るような戦いを繰り広げたのち、前王者はフェルホーンの魔法の剣で真っ二つにされた。フェルホーンはこの薄氷の勝利を期に自分を見つめ直し、軍を解体して聖なるるつぼのチャンピオンとなった。マラキャスのために、アリーナの中に偉大な記念碑を建てたのは彼である。

王座を奪取した相手:フェリアン・ダークストーム

敗北した相手:偉大なサナレル

ブラジックの頭Head of Brazzefk

ブラジックはかつて名を馳せたドゥエマーの錬金術師だった。彼は不死に関する研究を行い、ついには自身を欠点の多い肉の体から解放して、石の生きた巨人に変えられる薬を作り出したと言われている。その薬の効果は抜群で、彼の体は石に変わり不死となったが、動けなくなってしまった。

これはブラジックの頭だろうか?彼には回りが見えているのだろうか?私達には想像することしかできない。

ペリナルの歌 第1巻The Song of Pelinal, Volume 1

その名について

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれ、同じ文書からの断章という可能性もあるものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

彼の名前「ペリナル」はまことに驚くべきであり、奇妙である。多くの異名は後についたものにすぎない。それはエルフの名であるが、ペリナルはエルフに災いをもたらすものであり、その名はエルフにとって皮肉というよりも残酷であった。若い時分から、ペリナルは白髪をたなびかせ暴れまわった。敵であるエルフたちが彼らの言葉で彼をペリナルと呼んだのだろうか、しかし、その名がエルフの言葉で「栄光の騎士」を表していて、もちろん彼がそのような存在ではなかったことを考えると、そうとは考えにくい。彼がタムリエルにいた頃、他のものたちは多くの異名をペリナルの名に加えて呼んだ。彼は、光り輝く左手で敵を討つペリナル・ホワイトストレークであり、血(を飲ん)で勝利を祝うペリナル・ブラッディであり、聖戦士たちを立ち上がらせたペリナル・インサージェントであり、兵士がその旗印を見て八大神に感謝を捧げる、勝利の化身ペリナル・トライアンフであり、彼の剣一本に頼る戦略について来られない味方を叱責するペリナル・ブレイマーであった。また彼はペリナル・サードとも呼ばれたが、これについては彼が三度蘇った神の化身であるからとも、彼が反乱に加わる以前、聖アレッシアとも呼ばれるペリフが自由への祈りの中で見た3番目の幻影が彼の姿だったためともいわれている。

ペリナルの歌 第2巻The Song of Pelinal, Volume 2

その訪れ

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

(そして)ペリフは天を仰ぎ、神々の使いに語りかけた。天はエルフが地上を支配し始めてから、その慈悲を失っているように見えた。ペリフは、命に限りある人間であった。彼女の同胞である人間の、弱さの中の強さや謙虚は神々の深く愛するところであり、人間が、最後にある死を知りながら命を燃やす姿は神々の憐みを誘っていた(向こう見ずに魂を燃やす者たちが竜の一族に好かれるのと同じ理由である)。そして、彼女は神々の使いに語りかけた: 「そして、私はこの思いに名前をつけ、それを自由と呼びました。失われし者シェザールの、別の名前だと思います…(あなたは)彼が失われたとき、最初の雨を降らせました。(そして)私は今、彼に起こったのと同じことが邪な支配者たちに起こるよう願います。彼らを打ち破り、彼らのした残虐な仕打ちの代償を支払わせ、トパルの地へ追いやり(たいのです)。あなたの息子、あの強く、荒ぶる、猛牛の角と翼を持つあのモリハウスをもう一度地上につかわし、私たちの怒りを晴らさせてください」…(そしてその時)カイネはペリフに新しい印を与えた。それはエルフの血で赤く染まったダイヤモンドで、その面は(なくなり、形を変え)一人の男となってペリフの縛めを取り払った。その男は「星の騎士」(を意味する)ペリナルと名乗り、(そして彼は)(未来の)武具を身に付けていた。そして彼はシロドの密林へと分け入り、そこにいるものを殺した。モリハウスはペリナルの出現に喜び、地上に降りてペリナルに寄り添った。(それからペリナルは)ペリフの率いる反乱軍の陣地に戻り、自分の剣と戦棍に刺さったエルフのはらわた、首、羽、アイレイドの印である魔玉などを見せた。血で固まったそれらを掲げたペリナルは言った「エルフの東の長だったものだが、こうなっては名乗ることもできまい」と。

ペリナルの歌 第3巻The Song of Pelinal, Volume 3

その敵

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

ペリナル・ホワイトストレークは当時のシロドに住む全てのエルフの敵であった。しかし、彼はアイレイドの妖術師の王たちを、戦争ではなく、主に彼自身が決闘をして倒していた。反乱はパラヴァニアの軍隊と彼が甥と呼んだ雄牛モーハスに任せていた。ペリナルは銅と茶のハロミアをトールでの決闘に呼び出し、彼の頚動脈を噛み切ってレマンを称える雄たけびを上げた。レマンという名は、当時誰にも知られていなかった。形作るものゴードハーの首は山羊の顔を模したニネンダーヴァの祭壇に落とされ、ウェルキンドの魔力によって悪が蘇らないよう、ペリナルは賢明にも呪文によって彼らを封印した。その同じ季節のうちに、ペリナルはセヤ・タールの御影石の階段でハドフールを倒した。火の王の槍兵が初めて破られた戦いであった。その当時、アイレイドの武器でペリナルの防具を貫けるものは何一つ無かった。ペリナルはその防具が人間の作ったものでないことは認めても、それ以上のことはどんなに請われても語らなかった。ペリナルが初めて憤怒に我を忘れたのは、彼が農奴から重装歩兵にまで育てあげ、非常にかわいがっていたフーナが、シンガーのセレスレルのくちばしから作られた矢じりで殺されたときであった。彼はナルレミーからセレディールまで全てのものを破壊しながら進み、これらの土地をエルフと人間の地図の上から消してしまった。ペリフは神々にいけにえを捧げ、この行いに怒って地上を去らないよう祈らなければならなかった。そして、その後、白金の強襲が起こった。アイレイドたちがメリディアのオーロランたちと協定を結んで彼らを呼び出し、金色の半エルフ、羽なしのウマリルを彼らの味方の闘士にしたのである。そして、地上に現れて初めて、ペリナルは決闘に呼び出される側になった。アダの血をひくウマリルは不死身であり、恐れを知らなかった。

ペリナルの歌 第4巻The Song of Pelinal, Volume 4

その功績

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

(ペリナルは)妖術師の軍隊をニベンより追い払い、東の土地全てをパラヴァニアの反乱軍のものにした。カイネは人間たちがそこで進軍のための陣をはれるよう、雨を降らせて村やアイレイドの旗が降ろされた砦から血を洗い流さなければならなかった。(それから)ペリナルはヴァータシェの扉を壊し囚人たちを解き放った。このとき、モリハウスに乗った奴隷の女王が頭上を飛び、人間たちは彼女を初めてアレ=エシュと呼んだ。彼はまた…の門を抜け、その夜アイレイドに盗まれたセドール(今では誰も知らないが、当時は名高い部族であった)の千の精鋭の手を取り戻した。二千の手を魔族の骨で作られた荷車に載せると、荷車は女の悲痛な叫びのような音をたててきしんだ。…(文章欠落)…クリーズ族の北方における勢力を強化した最初の大虐殺(の後)、彼は白い髪をエルフの血で茶色く染めてヘルドン橋に立ち、ペリフの鷹匠に導かれてきたノルドたちはその姿を見てショールの再来と恐れおののいたが、ペリナルはその名前を冒涜するかわりに彼らの足元に唾を吐きかけた。それでもとにかくペリナルは彼らを率いて西の内陸へ進み、アイレイド達を白金の塔の方角へと追い詰めていった。アイレイド達は突然自由になった人間たちの勢いと、この激しさがどこからもたらされたものなのかを理解できぬまま後退を余儀なくされていた。ペリナルは、ウマリルが反逆者の進軍を止めようと放つサンダーナックを戦棍で砕き、「カイネの息」モリハウスがくちばしの矢の一斉射撃で傷ついたときは、彼を賢しきツアサス(ケプトゥの名を持つガネード)のもとまで運び治療させた。スキフ評議会において、パラヴァニアの兵士やノルドたちが白金の強襲に怯え、アレ=エシュすらもが決闘の延期を勧める中、ペリナルは激高し、考えなしに突き動かされてウマリルを罵り、まわりの臆病者たちを罵り、一人で白金の塔へ赴いた。

ペリナルの歌 第5巻The Song of Pelinal, Volume 5

モリハウスへの愛情

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

モリハウスがカイネの息子であることは厳然たる事実である。しかし、ペリナルがシェザリンであるかどうかについては語らないほうがいいだろう(あるとき、短剣使いのプロンチヌがそれを言って、その夜蛾を喉につまらせて死んだ)。しかし、モリハウスとペリナルが互いを家族と呼び合ったことはよく知られている。モリハウスが弟分であり、ペリナルは彼を甥と呼んでかわいがった。しかし、これらは単に神々に近い不死身の彼らの気まぐれな遊びだったのかもしれない。ペリナルは、戦いに関してはモリハウスに助言などしなかった。この半牛人は素晴らしい戦いぶりを見せていたし、兵をうまく導き、憤怒に身を任せることもなかったからだ。しかしホワイトストレークは、モリハウスがペリフに対して募らせていた愛にだけは警告を与えた。「モール、俺たちはアダだ。愛によって何かを変えなくてはならない。さらなる怪物をこの地上に生み落とさないように気をつけろ。お前が思いとどまらなければ、彼女はお前を愛するようになり、お前のせいでシロドはその姿を変えてしまうぞ」これを聞いたモリハウスは彼の雄牛のような姿を恥じ、彼がパラヴァニアにとって醜すぎるのではないかといつも思い悩んでいた。ペリフが彼の服を脱ぐのを手伝ってくれる時などは特にそうだった。ある夜、彼は小月神の月の光に鼻輪を光らせ、鼻を鳴らして言った。「彼女はまるでこの鼻輪の光のようだ。ときどき気まぐれに光り輝くが、夜にこうして頭を動かせばいつでもそこに見ることができる。そして、俺は決して手に入れられないものを知るのだ」

ペリナルの歌 第6巻The Song of Pelinal, Volume 6

その憤怒

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

(そして)彼はパドメイのように、シシスによってこの世界に生まれ、この世を変える力を与えられていたと言われる。ニューテードのフィフドのように、あるものは、ペリナルの星の防具に隠された胸はぽっかりと開いてその中に心臓はなく、ダイヤモンドの形をした赤い憤怒が粗暴なドラゴンのように吼えているだけだという。これは、彼が神話の再現者であることの証であるという。彼が歩を進めたところは思い通りに形作られたともいわれる。ペリナル自身はこれらの言説を気にかけず、神の論理を唱える者は全て殺した。しかし、美しきペリフだけは例外であった。ペリナルは彼女について「話すより前に行動する。実行を伴わない言葉は死んだ目撃者のようなものだ」と言った。兵士たちが彼がそう言い放ったのを聞いて呆然としているうちに、彼は笑って剣を抜き、カイネの雨の中へ飛び出して行った。そして彼は捕虜のアイレイドたちを虐殺し、「おお、神よ、これが俺たちの憤怒だ!お前たちを見る俺を見ているお前たちが見えるぞ!俺たちが作ったウマリルは、俺たちを呼び覚ました!」と叫んだ。(そして、そういった)怒りに任せた気まぐれを行うとき、ペリナルは憤怒に我を忘れるのだった。そうなったとき、彼が通った後の土地は神の力を持つ彼の狂暴によって全て滅ぼされ、憤怒の後の虚無がやってくるまでその状態は続くのだった。アレッシアは神々に祈り助けを求めねばならず、神々は心を一つにして救いの手を差し伸べ、ホワイトストレークに殺しの願望を忘れさせ、地上のもの全てを破壊することをやめさせた。ギー族のガリドはかつて、そうしたペリナルの憤怒を遠くから目の当たりにしたが、その後、ペリナルが落ち着いたころにともに酒を飲む機会を得、憤怒に身を任せているあいだはどんな気分なのかと尋ねた。ペリナルは簡潔に答えて言った、「見るもののいない夢のようなものだ」と。

ペリナルの歌 第7巻The Song of Pelinal, Volume 7

ウマリルとの戦い、そして切断

(編者注:この断片はカヌルス湖にあるアレッシア教団の修道院の廃墟から見つかった写本を元にしている。第一紀2321年の正義戦争の前のどこかに書かれたと思われる。しかし、文章の解析によればこの断片には歌のかなり初期のバージョンが含まれていて、600年代中頃のものと思われる)

(そして)ウマリルの軍勢(との数々の戦いの末)オーロランの死体が玉座を取り巻くろうそくのように横たわり、ペリナルはアイレイド最後の妖術師の王たちと、重厚なヴェーリアンスで武装した彼らの魔族たちに取り囲まれていた。ホワイトストレークが彼の戦棍で床を突くと、その音に敵はひるんだ。彼は「俺を呼び出したウマリルをつれてこい!」と言った…(しかし)一方、力強さをたたえた顔つきの、邪悪で不死身の金色のウマリルは、接近戦よりも遠いところからの狙い撃ちが好きだったので、白金の塔の陰に長くとどまっていた。さらに多くの兵士たちがペリナルのもとへ送り込まれては死んでいった。彼らはウマリルが(最初の戦いの時から)ため込んでいた長いヴァーリアンスで強化した斧や矢でペリナルの防具を貫くのがやっとだった。(やがて)このハーフエルフは(メリディアの光に包まれて)姿を現し…彼のアイレイドの血筋を語り、その父、(前のカルパの)世界河の神について語った。そして、ついに流血し荒い息をつくペリナルを見て喜んだ…(文章欠落)…(そして)今やウマリルは地に倒れ、その兜についた天使の顔はへこんで醜く歪んだ。ペリナルはそれを見て笑った。。ウマリルの羽のない翼は(いらだつ)ペリナルの剣によって切り落とされた…ペリナルはウマリルの祖先を侮辱し、全ての旧エルノフェイから渡ってきた者たちを罵った。(このことを聞いて)エルフの王たちは怒り、憤怒に我を忘れた…(そして彼らは)ペリナルに襲いかかり、彼らの(頼りの)武器をふるい…ペリナルの体を八つ裂きにした。混乱し雄たけびをあげる(ペリナルの声は)スキフ評議会にすら(聞こえた)…(文章欠落)
…は(次の朝)モリハウスが角で塔全体を揺らしている時に逃げた。あるものは大量虐殺のさなか興奮状態にあり、人間たちは全てのアイレイドを殺そうと待ちかまえていたが、逃げ出した王たちや魔族たちを救おうとするものは全てペリナルに殺された後だった…王たちが彼らのやったことを証明するために残しておいたホワイトストレークの頭部はモリハウスが見つけた。彼らは会話を交わし、ペリナルは後悔を口にした…しかし、反乱軍の者たちはすでに引き返しており、これを聞く者は誰もいなかった…そして、不死身の彼らは(その後もさらに)話しこんだが、パラヴァントでさえもそれを聞こうとはしなかっただろう。

ペリナルの歌 第8巻The Song of Pelinal, Volume 8

啓示とアレ=エシュの死

(編者注:これは最も古く最も断片的なペリナルの文章である。しかし、これは元々話されたか歌われた「歌」の原型に最も忠実なものと思われる。従って、短さにも関わらず価値がある。奇妙なことに、アレッシア崩壊の際にペリナルは居合わせたようだ。伝説ではウマリルによって、アレッシア崩壊の数年前に死亡している。一部の学者はこの断片がペリナルの歌の一部ではないと考えているが、ほとんどの学者はこれが本物だと考えている。しかし、重要性については多くの議論がある)

「…そして、私の半身とともに力を集めさせたのだ、その半身はその死すべきものの観念に光を与えた。それは(神々の)喜び、それは自由、天にもその本当の意味は知られていない(だからこそ)父なる…(文章欠落)…協定より以前、最初の(日々?精霊?渦巻き?)…の中でこの世の憤怒を模して。(我々は)今あなたをつれてゆく。我々の本当の顔を(見せて)やろう…(それらは)時がくるたびに失われた記憶の中で互いに食らい合う」

ペリナルの歌 第10巻The Song of Pelinal, Volume 10

水の思考者による記憶の覚え書き

(編集者によるメモ:9巻~12巻は帝国蔵書庫にある、学者たちにシロドの推移補遺と呼ばれる無題の文書から取られている。古文書の断片から成っていて、レマンの原稿をまとめた学者によって収集されたようだ。断章の原典は学会の論争の議論の対象だが、いまだ由来や日付について合意は得られていない)

「見てごらん」とベルハルザが言った。「パラヴァニクが光って(消えて)いるところをよく見るんだ。夜明けの星のように消えていく。それから…ペリン・エル、彼のことを知ってるのが全員虫の餌だって覚えてる?」。それから水の思考者たちは囁き声で話した。ホワイトストレークの承認(のできごと)はヘカトゥーム橋(のちのヘルドンズ)の赤い週だった。なぜなら前後に赤い川が流れる時、それはフルクラムだ。当時の民はそれを年央の騒乱と呼んでいたが、月に従えばそれは南中の月のことで、コンヴァレント除草剤が(第六の?)謎で難問に言及していた。「なぜエルフは年央を夏中に引き伸ばし、ネードの仕事を40+17日間中断も休息もなしにやったのか。ペリナルは肩をすくめて声を上げた。もし暦がエルフのものなら、俺はそれをバラバラにしてやると。その飢えにより月が割れたのだろうか…それとも(日々が?)ただ先の岸に流されたのだろうか?」

ホワイトベアWhitebear

ホワイトベアは、主にノルドで構成されていた最初の剣闘士クラン、ベアー・クランを創設した。これ以降、他の名のある剣闘士達も自らクランを立ち上げるようになり、組織されたクラン同士の戦闘という習慣が生まれるようになった。奇妙なことだが、訓練と寝食を共にしているにも関わらず、アリーナで同クラン対決になると普段よりも激しい戦いになり、情け容赦のない内容に発展することがままある。これが聖なるるつぼの剣闘士達の聖なる伝統なのである。

王座を奪取した相手:屈強なルシウス

敗北した相手:フェリアン・ダークストーム

ホワイトベア・クランClan of the White Bear

ホワイトベアの10の信念。

1.他者を支配するのは力である。自分を支配するのは本当の力である。

2.複数の武器を習得し、相手に使用する武器を悟られないようにする。

3.本番で訓練と同じ力が出せるように、訓練は本番を想定して行わなければならない。

4.痛みは一瞬。敗北は永遠。

5.混乱の最中はチャンスを探せ。

6.敵以上に己の弱点を知れ。

7.本当の勇気は恐れを克服することであり、恐れないことではない。

8.計画は無意味。計画することは不可欠。

9.一撃で木を倒すことはできない。それは戦いでも同じだ。

10.死を恐れるよりも名誉を重んじろ。

マケラ・レキの記憶石、第1部Memory Stone of Makela Leki, Pt. 1

これはバンコライ峠で発見されたマケラ・レキの記憶の石に記録された、第一紀973年のものと推定される思考を忠実に再現したものである。ダガーフォールとセンチネル、そしてダイアグナ騎士団の協力によってオルシニウムが陥落する7年前のことだ。

この再現のほぼすべては一人称で語られている。マケラは自身を記憶の石に記録する時の外交儀礼や学問的形式などには縁がなかったためである。それにもかかわらず、彼女の英雄的態度と勇敢な行いは生き続け、石に新鮮な形で残された彼女の記憶は、誰にでも聞き、感じられる。

「…むうー、あー、これって本当にうまくいくのかな?

もしだめだったら、あの魔術師は25000ゴールドも私から盗んだってことじゃない。信じられる?この石が私の考えを記録するだって?あいつらは何て言ってたっけ?銀紙を剥がして、革の袋を取って、体に触れればすぐに記録が開始される。

あああ、痛い。我慢しなきゃ。このまま痛い痛いって言うのを記録してたら、誰もこの石を持って私の考えを聞いたりしてくれない。戦いの美徳の間で受けた訓練に感謝しなきゃ。こんな痛みなんか我慢できるんだから。うーん、ちょっと、あ、ほら、もう大丈夫。

まあ、それでもまだ意識の向こう側で、痛みが飢えた狼みたいに潜んでいるのが見える。遠からず私を食い尽くしてしまう狼ね。それからこの忌々しい傷が原因の、避けられない死も見える。もう薬はないし、回復のクリスタルと指輪は使っちゃったし、私にはロウソクを灯すほどの魔力もない。ああ、でも神々は私に他の才能をくれた。ソードシンガーとしての才能、戦いの喜び、フランダー・フンディングの円環の書、そして「剣の道」。あ、でもそうだ、それが私の物語だ。先に進みすぎちゃった。

私はマケラ・レキ。戦士であり、ソードシンガーであり、第2級のアンセイ。揺り籠の中にいた時から、私は霊剣シェハイを作れた。謎の刃よ。私のは純粋な思考で形成され、蛇が薔薇の蔓と絡み合って刃を作っていた。その美しさは…

ああ、でも私はそのことも含めて全て話しましょう。私の物語を。勇ましい戦い、恋、戦争、裏切り、そして栄光に満ちた最後の勝利の物語を。私がどうやってこの遠く離れた寂しい峠にやって来て、5人の仲間と一緒に人間や魔物と戦い、夜の臆病者みたいに私の民に襲いかかろうとしていた軍を撃破したか…でも、また先に進みすぎたみたいね。

私はただの戦士よ。霊剣の乙女として育った。思い出せる限り、私は物心ついた頃からシンガーになりたいと思っていた。自分の手にある刀剣の飢えを感じ、それが命を持って私の敵を倒すのを感じたかった。私たちの民は大昔、砂漠の故郷では職人と詩人だったと言い聞かされた。今はハンマーフェルという名で知られているこの新しい故郷では、私たちの多くがそうした昔の道に戻っている。でも私にとって、道は一つしかなかった。それは「剣の道」。

ああ、何て言ったらいいかわからないわ。私は貴族の家庭で育った。3人の兄弟と2人の姉妹のうち、剣の歌の呼び声を感じたのは私一人だった。父は理解してくれた。彼もまた呼び声を感じた人だったから。彼は私たちの土地に落ち着いて家庭を築くずっと前に、師範になり、アンセイになった。11歳の時、私は戦いの美徳の間に入り、霊剣の乙女に加わった。私のチームは6人だった。優しいジュリア、頼れるパティア、大柄なカティ、細くておしゃれなセギラ、頭のいいゼル、そして私…みんなもういない。私一人を除いて。そして私も、もうすぐみんなの仲間入りだ…見知らぬ戦の神の殿堂で会うでしょう。

私たちは共に飲み、共に戦い、共に泣き、共に剣の道を学んだ。私たちは剣の兄弟たちと美徳の間での修練に参加した。お互いから学び、私たちは全員美徳の間の師範の前に跪いて、シェハイの奥義を学ぼうと努力していた。フランダー・フンディングがしたように、霊剣を本物の武器に変えることを。純粋な心と勇気を持つ少数の者だけが、進み出て剣聖アンセイの謎を学ぶことができる。

ああ、話すことがいっぱいある。思い出がいっぱいだわ。あなたにも知っておいて欲しい宝物がこんなにたくさんあるのよ、見知らぬお友達さん。どこから始めればいいんだろう?

うーん。痛みがまだ飢えた目つきをして外をうろついてる。私に残されたものをゆっくりと貪ってる。最後の戦いについて話したほうがいいかもしれない。私をここに取り残していった戦い。その後でまだ気力が残っていたら、私の人生と、私の愛するラリフについて話すわ。ああ、まったくあいつの女好きときたら。私たちが過ごした時間は、それはもう…ごめんなさい、気が散ってしまった…最後の戦いに移るわ。

うーん、真ん中あたりから始めるかな。そう。私たち霊剣の乙女は成長し、学び、そして放浪の儀式を完了して道を極めた。シンガーでないあなたに説明しておくと、これはフランダー・フンディングの時代を真似た荒野の旅よ。その途上で私たちは地方を巡り、不正を正し、怪物を退治し、美徳の名の下に冒険をこなすの。美徳の間では終えるのに何年もかかる人もいる。そこには常に危険がある。私たち6人の乙女はそれぞれ自分の力で短時間の内に帰還できたけど、多くの者は放浪の儀式から生きて帰還することはない。

私たちはそれぞれ自分の生活に戻り、週1回美徳の間で会って、新たな乙女と兄弟に自分の話をしたり、剣の道における教練を行ったりした。すべては順調だった。真央の月の祭りの夜までは」

マケラ・レキの記憶石、第2部Memory Stone of Makela Leki, Pt. 2

「私たちはそれぞれ自分の生活に戻り、週1回美徳の間で会って、新たな乙女と兄弟に自分の話をしたり、剣の道における教練を行ったりした。すべては順調だった。真央の月の祭りの夜までは。

私たちの民はみんな、好き放題飲み食いして…失礼…食事を楽しんでいた。私たち6人の乙女を除いては。祭りの日はたまたま私たちが美徳の間で会う日だった。私たちが祈りを捧げ、断食することで、剣の道に敬意を表する日だったの。

夜遅く、私たちが集まると、扉をノックする音が聞こえた。私が扉を開けると、バンコライ峠の衛兵がいた。傷ついて、死にかけていた…彼は私たちに知らせてくれた。北方からの裏切りを、ダガーフォールのジョイル王に率いられ、ハイロックの支援を受けた侵略…オルシニウムとの戦争における、私たちの同盟者にね!

私たちは素早く治癒のクリスタルを使い、彼の生命力を回復させた。彼を王の元へ送り、私たち6人は武器と力の鎧を取り、薬と刻印、クリスタルと指輪を持てるだけ持った。

私たちは飛ぶように駆けた。手遅れではありませんようにと祈りながら。私たちが向かったことは無駄ではなかった。最後の3人の衛兵が大軍に飲み込まれた、ちょうどその瞬間に到着したから。峠に向かって、私たちは昔ながらの戦線を形作って突撃した。6人で横並びよ。
私たちは本当によく戦った。

剣の歌は楽し気な音を立てて邪悪な者たちの波を切り裂いていった。私たちは何時間も戦い続けた。最初に倒れたのはジュリアだった。卑劣にも毒を塗った短剣が鎧の隙間を縫って刺さって。そして一人、また一人と倒れていった。私を除いて。

…ああ、残酷な運命よ…そして私の愛した剣、蛇の紋章を帯び、達人の刀鍛冶にしてシンガーのタンザルによって鍛えられた我が父の剣が、私の手の中で折れた。すべては失われた。6人の命が無駄に費やされてしまった。そして、とてもたくさんの兵士が峠に押し寄せようとしていた。私は赤子のように餌食になってしまうでしょう。私は辛さに涙を流した。

その時、私は家の暖炉を思い出した。あの本、フランダー・フンディングの円環の書、戦略の道。私は霊剣シェハイに手を伸ばした。私は必要な時に作れた試しがなかったのに、見ると…剣は生きていた。生きて、炎に輝いていた。剣は私の手の中に作られた。力で燃え上がっていた…そう、私は力を込めて切り裂いた。右に、左に、小麦を鎌で刈り取るみたいに。ダガーフォールの王のところまで、私は戦って道を切り開いた。私は一撃で彼の魔法の鎧を粉々に打ち砕いた。二撃目が彼の首を切り落とした。

でもそうしたことで、私は大きな代償を払った。無数の敵から傷を負ったの。私は魔法の鎧を身に着けていたとはいえ、鎧は私の刀剣のように霊魂ではなかった。それは私の刀剣や私の霊魂のように無敵ではなかった。そして私はひどい傷を負ってしまった。

ジョイル王が倒れたことで、彼の軍は崩壊した。敵たちは私の憤怒の前に逃げ出した。峠を逃げ帰り、死者や負傷者を回収するために足を止めさえしなかった。立てる者たちはみな、助かろうとして逃げ、私は手の届く限りすべての敵を殺した。でも、息が続かなくなって、そして痛みが…

そうして私は休んだ。今私がいる、この岩の上で。どうしてこの石を持ってこようと思ったのか分からない。ただの気まぐれで買っただけなのに。あの戦利品と…まあいい。ここらで止めて、順番に話をしたほうがいいかな。もう少し、あなたに話してあげられると思う…永遠の夜が来るのは、思ったよりも先みたい。

まだ辞世の句を作るには早いわ。水を一口飲んでから…そう、話を戻して、私の人生について話してあげる。戦いについての詳細もちょっと入れたほうがいいかな。それから、ああ、そうだ。ラリフと私たちの子供のことも。うーん、どこから始めようか。

…ああ…うう…

私は…ただの戦士で…霊剣の乙女として、育った…思い出せる…限り…」

マルセル卿の伝説The Legend of Dame Marcelle

エバーモア城のデリック・アンドラス執事長 著

ドレル家は何世紀にも渡って多くの名士を生み出してきた。魔術師、戦士、学者、商人王…その全てが高名な家の強さと権力を強めることに貢献してきた。これまでドレル家に生まれた男子と女子の中で、最も輝いていたのはショーンヘルムの騎士、マルセル・ステンリク卿だ。

マルセル卿は強い戦士だった。勇敢で、純粋だった。彼女は完璧な騎士の鑑であり、アーリク・ドレル卿の忠実な姪でもあった。彼女の偉業はその時代でも伝説的で、ドレルの敷地を守り、山賊や怪物と戦い、周辺の領土との条約交渉までした。

恐ろしいトロールが森から現れてショーンヘルムを恐怖に陥れた時、マルセル卿は不潔な生き物に立ち向かった。激しい戦いは1日と1時間続き、木や2階建ての農家がなぎ倒された。戦いが続く中、お互いに血を流し、疲労していった。戦いは、どちらかが完全に疲れ果てて倒れるまで続くかに思えた。だがマルセル卿は秘めた力をふりしぼった。彼女の剣、「ドーントレス」の力強い一振りでトロールの首を落とした。ショーンヘルム全体が沸き立った。

大確執の時の物語もある。タムリスのベレンダとドレルのアイレックス(アーリク卿の弟だった)がお互いに侮辱し合い、お互いが前回よりもひどく侮辱し合った。やがて侮辱は暴力に変わり、両家が戦争直前までなった。確執が最大に高まった時、アーリク卿の息子のランシオトがタムリス家に従う山賊たちに捕まってしまった。山賊たちはタムリスの公爵たちから忠誠を誓うための報復の書状を渡されるまでは、リベンスパイアーの道で旅人たちを襲うことで悪名高かった山賊団、「アンブレージの槌」の一員だった。

ランシオトの危機を知ったマルセル卿は、すぐに行動を起こした。クレストシェイドの外の荒野にある隔離された塔に山賊がいることを突き止め、状況をすぐに把握した。ランシオトは塔の頂上に閉じ込められていて、大勢の山賊が警備していた。ドレルの末裔は安全で傷つけられる心配はないと確信したマルセル卿は、大胆にも山賊のキャンプに立ち入り、自ら名乗った。彼女の名を聞いただけで、山賊の多くが恐怖に震えた。5人の山賊は、名前を聞くとすぐに武器を投げ捨てて逃げていった。それでも7名の山賊が残っていて、その中にはリーダーのリーン・スッコースもいた。

勇敢なマルセル卿の手には愛用の剣、ドーントレスがあった。彼女は神が守ってくれていると信じていた。剣を振る度に山賊たちは倒れていき、最後に彼女とリーンが残った。状況を有利にしようとしたリーンは、ランシオトを捕まえ、彼女の剣と自分の間に差し出した。ドレルの最も輝く騎士は笑った。固く、慈悲のない笑いだった。「その子を離せば殺さない」マルセル卿は冷たく言った。「さもないと、3つ数えてから殺す」

「脅しても無駄…」リーンが話し出した言葉は、彼の命と共に消え去った。

「3」マルセル卿は言った。ドーントレスが光った。リーンの目が見開かれた。山賊のリーダーは、地面に倒れる前にすでに死んでいた。

「ランシオト、今度旅をしたいと思った時は…」マルセル卿は今度は笑顔になって、暖かく言った。「私に教えてください。喜んでお伴しますので」

今ここに記したのは、マルセル卿の偉大な伝説のうち、たったの2つだけだ。

ミイラ化の8つの手順The Eight Steps of Mummification

トゥワッカの司祭、震えぬ手のフェズマーニ 著

— 手順1:死体をトゥワッカの祝福で祭る。

— 手順2:腐るとしみの原因になる内臓をすべて取り出す。

— 手順3:脳組織をすべて取り出す。フックつきスプーンを使って鼻腔から取り出せば、頭や顔の皮膚が傷つかない。

— 手順4:焼塩で覆って死体を乾燥させる。また、体内にも焼塩の小袋を入れる。

— 手順4:減った死体のかさを不活性物質で補充する。顔の特徴を念入りに復元すること。

— 手順6:包帯で巻く。100ペースのリネンで死体を包み、ジュニパーの樹脂で塗装する。これを3回行う。

— 手順7:アミュレットでの装飾。死体を生きている時と同じようにアミュレットや腕輪で飾り立てる。

— 手順8:死体を用意した石棺に安置する。共同墓地に埋葬する。

モーロッチ、オークの父Mauloch, Orc-Father

ラマーバック・グロー・アバマース 著

ボエシアから踏みつけられた呪いの王、モーロッチを知れ。

はるか昔、ボエシアの哀れな手先であるヴェロスに従うために一族を捨てたエルフの教団は、サマーセット諸島を後にした。トリニマクはこの不正に対してボエシアに立ち向かい、戦いの挑戦を受けた。トリニマクが強力な一撃を与えようとした時、メファーラが現れ、彼の背中を刺した。トリニマクはひざまずき、メファーラの裏切りによって傷ついた。ボエシアはほくそ笑み、恐ろしい儀式で彼の外見に傷をつけてねじまげ、息が詰まる空気と灰の場所へと彼を投げ込んだ。

失敗に激怒したトリニマクは自分の胸を切り開き、血によって再生して、魂から恥辱をもぎ取った。呪いの神モーロッチは灰の中から立ち上がり、ボエシアの悪意に対して彼を呪った。

その日信徒に「掟」を語ったモーロッチは、それを破る者に対する報復を誓った。

「盗むべからず。
自分の一族を殺すべからず。
理由なく攻撃をするべからず。
これらの規則を破った者は”血の代償”を払うべし」

そしてオークは、血の元に生まれた。モーロッチの血の元に。

ラー・ネトゥの正しい屠り方:12Correct Ways of Slaying Ra-Netu: 12

トゥワッカからみるとラー・ネトゥーは悪鬼であり、信仰深い人全てへの侮辱だが、だからといって敬意なしに扱っていいものではない。人間にとっては肉体は聖杯である。神の祝福を受けた定命の者の魂で満たされていたとしても、邪な魂で満たされていたとしても。

アシャバーは聖杯を守るあらゆる手段を講じながら、邪を退治する役割を担う。そして許しの求めを述べながら、打撃17でラー・ネトゥーを打ち倒す。

ラー・ネトゥーの正しい屠り方

打撃12:美しく首を落とす

— 向かってくるラー・ネトゥーを上段から切り下げるふりをする

— 刃を旋回させながらラー・ネトゥーの裏に回って踏み出す

— 許しの求めを述べる

— 刃をラー・ネトゥーの第三頸骨と第四頸骨の間に入れ、きれいに首を落とす

— 真摯な謝辞を述べる

— 争いで置き去られないよう落ちた首を拾い、後で埋葬する時のため体の近くに置く

ランセル王の激昂The Fury of King Ranser

ワフィムレス・マスタレット(語り部) 著

563年、ウェイレスト第二王朝の成立の後、若き王エメリックは妃となる女性を探し始めた。彼が最初に選んだのはショーンヘルムのランセル王の娘、レイエルだった。しかし結婚の契約が完成する前に、エメリックはセンチネルのレッドガードの姫マラヤと結婚してしまった。これは各地をまたいで多くの国に衝撃を与え、詩人たちはすぐにマラヤの魔法のごとき美しさを歌った。しかし、戦略家たちはこの行動をハイロックとハンマーフェルとの間の貿易を強めるためのものと捉えた。566年に行われたエメリックの結婚式の後、ハイロックは貿易の黄金期に突入した。3ヶ月過ぎると、ハイロックは血なまぐさい内戦へと突入した。

リベンスパイアーはハイロックの辺境として知られている。ランセルは強情な丘陵部の人間、北方の子供であり、気難しさと粗暴な規則を設けることで知られていた。エメリックの侮辱は彼にとって堪え難いものであった。タムリエル北方でも最も無愛想な傭兵の軍団と、彼自身の民からなる軍勢とで、ランセルは山を駆け下り、イリアック湾へ向かって大々的に突撃した。エメリックは不意を突かれた。彼の獅子の守護団が必死に防戦したため、かろうじてウェイレストの壊滅だけは免れた。ランセルは短時間での決着を望んでいたが、長引く攻城戦を強いられることになった。

長期にわたる攻城戦は春まで続いたが、リーチの民の侵略の終結時にすべてのブレトン王国によって交わされた、相互防衛の盟約であるダガーフォール・カバナントがついに発効し、カムローン、エバーモア、ダガーフォールが戦いに引き込まれた。ウェイレストを諦めるよう進言する者もあったが、この地域で最も裕福な都市との貿易はあまりにも重要であったため、それはできなかった。街と周辺の田園地帯から攻撃を受けても、ランセルの軍は持ちこたえた。彼の傭兵たちは十分な支払いを受けていたし、流血にも備えていたからだ。しかし紅帆の船団とレッドガード上級戦士の軍団が湾岸から到着すると、流れは変わった。ランセルの勢力は壊滅し、ランセルが帰還した時、ショーンヘルムはすでに炎上していた。これはクログ・グロー・バグラクの血の支配のもとにあったオークたちの仕業だった。

ブレトンの槌とオークの金床の間に挟まれ、ランセルの部隊はマルクワステン・ムーアの戦いで完全に消滅してしまった。ランセルはエメリックの抜け目のなさを考慮に入れていなかった。ウェイレスト王はロスガー山に特使を送り、もしオークがショーンヘルムの憎き敵を攻撃してくれれば、彼らにオルシニウムを返還しようと約束していたのだ。リベンスパイアーは略奪され、オークたちの中には135年ほど前にブレトンがオルシニウムを没落させた攻撃を、ショーンヘルムのブレトンたちが導いたことを覚えている者もいた。その借りはショーンヘルムへ完全に返された。ランセルの戦争はダガーフォール・カバナントの今日の状態を打ち立てた。ストームヘヴン、リベンスパイアー、ロスガーには、この出来事が拭い難い印象を与えた。

レキの刀剣の教科書This Text Property of Leki’s Blade

四剣人
辛辣な学者のシマ 著

伝説上の戦士の中にさえ、古きヨクダの剣聖達に匹敵する者はほとんどいない。しかしそのような剣豪は確かに存在する。その中でも、マミレー、アカモン、ロシャドン、炎のロクダンの4人は群を抜いている。

ネードの故郷に第一次の侵攻を行った際、高名だったヨクダの戦士達の中で、彼らは最も有力であった。

伝承によれば、彼らのうち3人は計り知れないほど力強く、より劣った剣聖達が夢見ることしかできないような剣さばきを駆使した。彼らはたった1人でネードの要塞を制圧し、小川を飛び越えるように軽くネードの城壁を突破し、霊剣を一振りして敵全軍をズタズタに切り刻んだ。

伝説はそう伝えている。レッドガードの最強の戦士達も、彼らと比較すると老いた政治家のように大人しく見えてしまう。

伝承はまだ続く。ヨクダに仕えた恐るべきアンセイの中で、この四剣人は「戦士の星座」から特に恩寵を受けていた。彼らはその星座を思い、深く瞑想した。その結果、星の向こう側へと繋がり、さらに優れた技を身につけられたのだ。

もちろん、彼らもやがて滅んだことは想像に難くない。彼らを倒したものがネードの守り手の長槍と斧でないとしたら、自然に死亡したのだろう。しかしこのヨクダの優れた剣人達の墓は、未だ見つかっていない。老学者である私はクラグローン全域を調査し、ヨクダの墓地をすべて隅から隅まで調べたが、4人の痕跡は見られなかった。彼らが沈みゆくヨクダに帰還したのでなければ、おそらく元から存在しない伝説上の人物だったのかも知れない。

レッドマウンテンの戦い パート1The Battle of Red Mountain, Part 1

(以下はヴィベク王自身の言葉を書き起こしたものである)

遠い昔のことをはっきり思い出せる人はいない。しかしお前は、レッドマウンテンの戦いを取り巻く出来事、トリビュナルの誕生、そしてネレヴァル再誕の予言について私の言葉で話すよう求めた。私に言えることはこうだ。

チャイマーが遊牧民族だった先祖から受け継いだ家畜とテントを捨てて最初の名家を築いた時、我々はデイドラを愛し、神として崇めた。だが我らの同朋であるドゥエマーはデイドラをあざけり、我らの儀式を愚行と罵り、理性と論理の神を崇めることを選んだのだった。そのためチャイマーとドゥエマーはいつも激しい戦闘状態にあったが、ノルドがレスデインを侵略するとチャイマーとドゥエマーは自分達の争いを忘れ、ともに侵略者を追い出すために協力した。

1度ノルドを追い出すと、チャイマーのネレヴァル将軍とドゥエマーのドゥマク将軍は互いを敬愛し尊敬するようになり、それぞれの民を和解させることを決めた。その時私はネレヴァルとネレヴァルの女王アルマレクシア、そして彼のお気に入りの助言者ソーサ・シルの助手にすぎず、チャイマーとドゥエマーのこれまでの激しい紛争を考えるとそんな平和が続くかどうか疑問だった。しかし交渉と妥協を重ね、ネレヴァルとドゥマクはどうにか不安定な平和を保った。

だが、ネレヴァルとドゥエマーの双方が友のように信頼するダゴス家の王ダゴス・ウルによって、ドゥエマーの上級技師カグレナクがロルカーンの心臓を発見し、その力の利用法を習得して新たな神とチャイマーの信仰、そして恐ろしい武器を作っているという証拠がもたらされた時、我々はネレヴァルに、ドワーフに戦争をしかけてチャイマーの信仰と安全に対する脅威を滅ぼすよう強く勧めた。ネレヴァルは悩んだ。彼はドゥマクの元へ行きダゴス・ウルの言葉は真実か尋ねた。しかしカグレナクは憤慨した。そして、ドゥエマーの問題を判断しようとするなんて何様のつもりなのかと問いただした。

ネレヴァルはさらに悩み、アズラの神聖な聖堂があるホラマヤンへ巡礼の旅に出た。そしてアズラはダゴス・ウルの言葉は間違いなく真実であると認め、このドゥエマーによる新たな神の創造は何としても阻止しなければならないとした。ネレヴァルが戻って我々に女神の言葉を伝えた時、我々は判断が正しかったと感じて再び戦争をするよう進言した。彼の純真な友への信頼をたしなめ、ネレヴァルにチャイマーの信仰と安全をドゥエマーの不信心で危険な野望から守ることが仕事だと念を押した。

そしてネレヴァルは最後にヴァーデンフェルへ帰り、交渉と妥協によって再び平和が守られることを願った。しかし今回は友人のネレヴァルとドゥマクが激しい言い争いになり、その結果、チャイマーとドゥエマーは戦争へと向かった。

ドゥエマーはレッドマウンテンの要塞で堅固に守られていたが、ネレヴァルはその狡猾さでドゥマク軍のほとんどを外へおびき出して足止めし、その間にネレヴァルとダゴス・ウル、そして少人数の仲間で秘密裏に心臓の間へと進んだ。そこでチャイマー王ネレヴァルはドワーフ王ドゥマクを見つけたが、双方とも深い傷を負い、魔力を使い果たす結果となった。ドゥマクが倒れるとともに、ダゴス・ウルらに脅かされたカグレナクが持っていた道具を心臓に向けた。そしてカグレナクと他のドゥエマーらは同時に世界から消えたと、ネレヴァルは言った。その瞬間、すべてのドゥエマーは痕跡もなく消えた。しかしカグレナクの道具は残り、ダゴス・ウルはそれをネレヴァルの元へ届け、こう言った。「カグレナクが自分の民を滅ぼした道具です。これが悪の手に渡らないように、すぐに破壊すべきです」

だがネレヴァルは、話し合うことを決めた。女王や戦争を見越していた将軍らの助言を2度と無視しないと決めていたからだ。「トリビュナルにどうしたらいいか聞きに行く。彼らは私にはない知恵を持っていた。忠実なるダゴス・ウル、私が戻るまでここにいろ」ネレヴァルは自分が帰るまでダゴス・ウルに道具と心臓の間を守るよう命じた。

そしてネレヴァルはレッドマウンテンの坂で待っていた我々に、レッドマウンテンの下で起きていることを話した。ネレヴァルはドゥエマーが特別な道具で民を不死にしたこと、ロルカーンの心臓には不思議な力があることを語った。後でその場に居合わせた他の者から聞いた話だが、ダゴス・ウルはドゥエマーが不死になったのではなく滅びたと思っていた。本当に何が起こったかは誰にも分からない。

レッドマウンテンの戦い パート2The Battle of Red Mountain, Part 2

(以下はヴィベク王自身の言葉を書き起こしたものである)

ネレヴァルの話を聞いた後、彼の求めに応えて提案した。「道具はチャイマーの民の幸福のために保管するべきだ。ドゥエマーが永遠に去ったかなど誰にも分からないが、ただどこか遠い土地に移動しただけであれば、いつか再び我々に危険をもたらすかも知れない。それゆえに、道具を保管して原理を研究すべきだ。それで未来の世代は守られるだろう」

ネレヴァルは大きな不安を口に出したが、条件を1つ出して助言者の提案を受け入れた。それはドゥエマーのような下劣な意図で道具を決して使わないと、ともにアズラに固く誓うというものだった。我々はすぐに同意し、ネレヴァルの指示に従って固く誓った。

我々はネレヴァルとともにレッドマウンテンへ戻り、ダゴス・ウルに会った。ダゴス・ウルは道具を渡すのを拒んだ。危険なものであり、我々には触れられないと言う。ダゴス・ウルは様子がどこかおかしく、他の者は信用できず道具は渡せないと主張したため、我々は彼が道具に何かしらの影響を受けたと考えた。今になって思えば、彼は道具の力を密かに知り、どういう訳か自分が道具を持たなければならないと思い込んだのだろう。ネレヴァルと衛兵は力ずくで道具を奪った。ダゴス・ウルとその家来は逃げたが、我々は手に入れた道具を研究と保管のため、ソーサ・シルに渡した。

何年間かは我々もネレヴァルとともにアズラへの誓いを守ったが、その間、ソーサ・シルは密かに道具を研究し、謎を解明していたに違いない。そしてとうとう彼は新しい平和の構想を掲げて我々の元へ現れた。それは、貴族には正義と名誉を、平民には健康と繁栄を、そしてトリビュナルを不滅の後援者であり案内人にするというものであった。そして我々はこのより良い世界の構想に専念し、レッドマウンテンまで巡礼してカグレナクの道具の力で我々自身を変えた。

儀式を終えて新しい力を手に入れるや否や、デイドラの主アズラが現れ、誓約を破ったとして我々に呪いをかけた。そしてその力でこう予言した。英雄であり誓約に忠実なネレヴァルが裏切りを罰するため、そしてそのような不敬な知識が2度と神の意志に背かないよう、戻って来ると。しかしソーサ・シルは彼女に言った。「古い神は残酷で気まぐれで、エルフの希望や恐怖から遠い場所にいる。お前の時代は終わった。我々が新しい神になる。人間から生まれた、民に必要な知恵と優しさを持ち合わせた神に。我々に脅しや警告は効かないぞ、気まぐれな霊魂め。我々はお前を恐れなどしない」

その途端、すべてのチャイマーはダンマーに変容し、肌は青白くなり、目が燃えた。もちろん、その時はそれが我々に起きたことだとしか分からなかったが、アズラはこう言った。「これはお前達自身が招いた結果だ。自分や民の運命を選択したのだ。そしてすべてのダンマーはお前達の運命を永久に共有する。お前達は自分達を神だと思っているが、目も見えず、闇しか残っていない」そしてアズラは我々を置き去りにした。闇の中で我々は皆恐れていたが、平静を装い、我々の夢である新しい国を築くためにレッドマウンテンをあとにした。

我々が築いた新しい世界は壮麗さと寛容さを併せ持ち、ダンマーの崇拝は熱心で忠実だった。ダンマーは最初、自分たちの新しい顔を恐れたが、ソーサ・シルが民にこう言った。これは呪いではなく恵みであり、本質の変化の印、新しいエルフとして幸せになる特別な恩恵の証だと。もはや亡霊や霊魂の前に怯える蛮族ではなく、定命の友や後援者、三つの顔を持つトリビュナルとも直接話す教養のあるエルフ族であると。我々はソーサ・シルの演説と構想に刺激を受け、元気を取り戻した。そして時間をかけて公正で立派な社会の慣習と制度を築き、レスデインの土地は他の蛮族が知らない何千年もの平和と公平さ、そして繁栄を知った。

レマナーダ 第1章The Remanada, Chapter One

第1章:サンクレ・トールとレマンの誕生

その時代にはシロディールの帝国は死して、記憶の中に残るのみとなっていた。戦乱とナメクジによるがごとき飢えと不道徳な支配者たちにより西が東から分離し、コロヴィア人の別離が四百年にも及び、大地がこの別れにより病んでいたからである。かつては偉大であった西方のアンヴィルとサーカル、ファルクリースとデロディールの王たちは、傲慢と慣れにより盗賊の王のごとき存在となり、盟約を忘れてしまった。国の中核においても状況は大差無く、神秘師や偽の聖蚕の王子たちが薬で正気を失うか邪なるものの研究に没頭し、玉座に座る者が不在の時代が何世代も続いた。蛇および蛇の警告は無視され、大地は亡霊や冷たい港の深き穴により血を流した。王者の栄光の証であるチムエル・アダバルの護符でさえ失われ、人々はそれを見つけようとする理由すら見出せなかったといわれている。

このような闇の中でフロル王は、いずれも西方の息子たちや娘たちからなる、十八より一人少ない騎士たちを引き連れ、失われしトウィル以遠の地から出立したのであった。フロル王は啓示の中で来たるべき蛇たちを目の当たりにし、先人たちの描いた境界線を全て癒せればと考えたのである。そんな彼の前にようやく、太古の時代の女王であるエル=エスティアその人に似た霊魂が現れた。その左手にはアカトシュの竜火を持ち、その右手には盟約の玉石を持ち、その胸には傷があり、その押し潰された両足に虚無をこぼし続けていた。エル=エスティアおよびチムエル・アダバルを目にしたフロル王とその騎士たちは嘆き悲しみ、跪いて全てが正されるよう祈った。霊魂は彼らに語りかけ、我は万人の癒し手にして竜の母であるが、汝らが幾度も我から逃れたように、我も汝らが我が痛み、すなわち汝らとこの地を殺すそのものを知るまで、汝らから逃れることにする、と口にした。

そして霊魂は彼らから逃れ、彼らは悪党と成り果てた自らを嘆きながら、手分けをして丘の間や森の中を探したのであった。彼女を見つけたのはフロル王とその従士の二人だけで、王は霊魂に語りかけた。美しいアレッスよ、聖なる雄牛とアーリエルとショールの美しき妻よ、私は汝を愛している、そして再びこの地に息吹を吹き込まんと欲す。それも痛みを通じてではなく、盟約の竜の火への回帰をもって、東と西を統一させ、滅びを捨て去ることで。そして王の従士は見た、精霊が王に肌を曝し、近くの岩に「そしてフロルは丘にて愛した」と刻み、契りの場を目の当たりにしながら死んでいくのを。

残りの十五人の騎士たちがフロル王を見つけた時、王は泥の山にもたれかかり、果てていた。彼らはそこで道を別ち、何人かは正気を失い、トウィルの向こうにある故郷へと帰り着いた二人はフロルのことは口にせず、彼のことを恥と感じ続けた。

だが九ヶ月が過ぎると、かの泥の山は小さな山となり、羊飼いや雄牛たちの間でささやき声が聞こえた。丘が成長し始めて間も無い頃に少数の信者たちがその周囲に集まり、それを金の丘、「サンクレ・トール」と名づけた。そして彼の産声を耳にした羊飼いのセド=イェンナが丘を登り、その頂上にて丘から生まれし赤子を見つけ、「人の光」を意味するレマンと名づけたのであった。

そして赤子の額にこそチムエル・アダバルがあり、ありし日の神に約束されし竜の火が燃えさかっていた。そしてセド=イェンナが白金の塔の階段を上るのを邪魔する者はおらず、彼女が赤子レマンを玉座に置くと、彼は成人のごとく言葉を発し、「我こそシロディールなり」と口にした。

レマンズ・ブラフの興隆The Fall and Rise of Reman’s Bluff

プラエトルのアエミリアヌス・レクター 著

はしがき

帝国軍のヴァレンウッド征服については多くが書き記されているが、本論文は占領地における帝国兵士達の日曜品に焦点を当てたいと思う。本論文にはレマンズ・ブラフの上に建設された帝国の砦を守る任務を受けた歩兵隊の収集された手紙、日記、目録、また聞きの報告を含む

1.補給係の目録(第一紀2719年)
小麦粉——100袋、塩——10袋、乾燥果物——5袋、塩漬け肉——50袋

2.指揮官の日記(第一紀2720年)
病気と脱走により指揮する部下は20人足らずまで減った。増援と支援物資の要請についての返事はない。今日は残りの物資を配給している。

オークの兵士達がずっと北西で姿を見せているから狩猟隊を派遣することは避けているが、選択肢はもうあまり残っていない。

3.補給係の目録(第一紀2720年と推定される)
小麦粉——0袋、塩——5袋、塩漬け肉——150袋

最近の狩猟で肉の供給は増えたが、ある種類の虫が残りの小麦粉を傷つけてだめにしてしまった。

4.指揮官の日記(第一紀2720年と推定される)
あの愚かなザントニウスが、条約の締結を申し出るために近づいてきた呪術師を打ち殺した。奴が重要な地主の息子でなければ、この手で帝都監獄まで連行しただろう。その代わりに奴を最低の怠け者達と共に南へ派遣して、野営地を建てるように言った。これで奴は他人の問題児になった。

5.補給係の目録(第一紀2721年と推定される)
小麦粉——0袋、塩——5袋、塩漬け肉——0袋

ある種の生物が貯蔵庫に潜り込んで、すべての肉の切れ端を食べてしまった。残ったものはかじられた骨とその生物の崩れ落ちた穴のみ。指揮官はオーク達の仕業だと考えている。私もその線で考えている。

6.指揮官の日記(第一紀2722年と推定される)
襲撃はやまない。増援を申請に送った使者の首は、翌日にはオークの槍に刺さっている。5人まで減った。5人の兵士達で一つの砦を守るとは!奴らが気づいたら終わりだ。

この野蛮人達が得られないささやかな勝利がある。私を殺す楽しみは与えない。

付記:
バークバイト要塞の名で住民達に知られる、レマンズ・ブラフに現在居住しているウッドオークのクランは、第一紀に帝国の砦を侵略したオークのクランとは直接関係がない。

闇の兄弟たち(第一版)The Brothers of Darkness (1st ed.)

ペラニー・アッシー 著

その名が示すとおり、闇の一党は暗黒に包まれた歴史を持つ。彼らの生き方は、兄弟の一団以外には秘密である。(「兄弟」と言う表現は総称である。彼らの中で最も恐ろしい暗殺者のうちの数名は女性であるが、それでもしばしば兄弟と呼ばれる)

どのようにして影の中で生き続けているのか、なぜ彼らに依頼しようとする人々には簡単に探し出せるのかなどは、彼らを取り巻く謎の一部にすぎない。

闇の一党は、宗教的な一団であるモラグ・トングから第二紀に生まれた。モラグ・トングは儀式的殺害を彼らに促したデイドラの霊魂、メファーラの崇拝者たちであった。創成期には誰も先頭に立って牽引しなかったため、彼らも他の行き先不透明な新興宗教団体のように混乱しており、集団として身分の高いものを殺そうとはしなかった。しかし、これは夜母の台頭によって変化した。

後に闇の一党となったモラグ・トングの指導者たちは、夜母と呼ばれていた。同じ女性が(女性かは定かではないが)第二紀から闇の一党を指揮していたかは分かっていない。信じられていることは、初代夜母がモラグ・トングの重要な教理を生み出したことだ。その信条は、メファーラは彼女の名において犯される殺人ごとに強くなるが、特定の殺人が他に比べてさらに良いとされていたことだ。憎悪からの殺人は欲から生まれた殺人よりもメファーラを悦ばせ、偉大な人物の殺害は、あまり知られていない人を殺すよりもメファーラを満足させた。

モラグ・トングによって犯された、知られている初の殺人で、この教理が受けいれられたおおよその時期は予想できる。第二紀の324年、支配者ヴェルシデュ・シャイエは彼の王宮、現在はセンシャルのエルスウェア王国にて殺害された。すぐさま夜母は、壁に支配者の血で「モラグ・トング」と書くことによって、下手人の素性を公表した。

それ以前のモラグ・トングは魔術結社のように、比較的平和な中で暮らしていた。時折、迫害を受けたがたいていの場合は取り合わなかった。闘技場と化したタムリエルがバラバラに分断されていた時期に、驚くべき同時性でモラグ・トングは大陸全土で非合法とされた。国王たちは皆、教団の廃絶を最優先事項とした。その後100年間、彼らに関しては何も伝えられていない。

特に他の暗殺者ギルドがタムリエル史上に散発的に出現していた最中、モラグ・トングが闇の一党として再び現れた時期を特定するほうが難しい。闇の一党に関する初めての言及を見つけたのは、ヘガテの血の女王アーリマヘラの日誌のなかである。彼女はその手で敵を殺すか、必要であれば、「我らの一族が祖父の代から雇ってきた秘密兵器、夜母とその闇の一党の手を借りてでも」と語っている。アーリマヘラはこれを第二紀の412年に書き記しているので、もし彼女の祖父が本当に雇っていたのであれば、闇の一党は最低でも360年から存在していたものと推測できる。

闇の一党は教団であると同等に事業であったことが、闇の一党とモラグ・トングの重要な違いである。支配者や裕福な商人たちは、この一団を暗殺者ギルドとして利用した。闇の一党は、この儲かる事業がもたらす明確な恩恵と、彼らの必要性から、もはや支配者は彼らを迫害できないという副次益まで得た。彼らは必需品の商人のような存在となっていた。とても高潔な指導者であっても、闇の一党を粗末に扱うのは愚かである。

アーリマヘラの日誌への書きこみから間もなくして、おそらくは闇の一党の歴史上、もっとも有名な連続処刑が行なわれた。430年、薄明の月のある晩、アカヴィリの皇帝、サヴィリエン・チョラックと彼の相続人の全員が惨殺された。その後二週間のうちに、敵が大喜びするなか、アカヴィリ王朝は崩壊した。

闇の一党は仕事の機会に困らない。闇の一党は処刑のことを婉曲的に「清算」と呼ぶことを好んでいるそうだ。公式には盗賊ギルドのように、帝国のあらゆる場所で非合法の存在だと考えられているが、ほとんど全世界的に存在を許容されている。

偉大なサナレルSanarel the Great

偉大なサナレルは、およそ2世紀にわたり王座を守り続けた。彼の盾と剣の技術は随一で、その勝利は一瞬で容赦がなかった。トリニマクが付呪した魔法の盾を持っていたと言われていた。このアーティファクトには敵の目をくらます力があったため、敵は彼の初撃を防ぐことができなかった。その伝説と傲慢ぶりが有名になるにつれ、ひいきにしていた神も彼に対する寵愛を失っていき、ついに溶岩の女王によって倒されることになった。

王座を奪取した相手:フェルホーン

敗北した相手:熔岩の女王

隠されしアレリスAleris the Shroud

アレリスは聖なるるつぼの初代チャンピオンであり、40年にわたりその座を保持し続けた。幻惑魔法の技術と巧みな剣さばきで知られていた。その実力や人気はアリーナのなかでも抜きん出ていた。

王座を奪取した相手:なし

敗北した相手:クロウブリンガー

栄光と嘆きGlories and Laments

アレクサンドル・ヘトラルド 著

スキングラードと帝都を結ぶ黄金道の半ば近くにあるゴトルフォント修道院に到着した私は、古代アイレイド語で「父なる森の影」を意味するセイヤタタルの素晴らしい遺跡を見るために寄り道をしようと決めた。絡みつくサンザシや雑草をかき分けつつ進むのに何時間も費やした後、私の視界に突然飛び込んできたのは、五本の純白の柱が深緑の蔦の山から伸び、生い茂った森の緑の頭上でV字型のアーチや柱頭へと繋がっている光景だった。これを目にした私は失われた過去の栄光や、時間という名の生い茂った古墳から骨の欠片のごとく顔をのぞかせている、高度な文明の嘆かわしきなれの果てについて瞑想させられたのであった。

私は繁茂せし森の中で、視覚と光と洞察の神であるマグナスに捧げられた巨大な地下殿堂の本堂へと繋がる入口をみつけた。力が枯渇しかけている魔法の泉から発せられる淡い光に照らされ、その一角の割れた壁は青く、冷たく輝いていた。

中央広場の大理石の長椅子は外周を取り囲む池に面しており、池の外側には頭上の丸天井を支える長い柱や鋭角的なアーチが見えた。中央にある島状の部分からは立派な橋が淀んだ池を渡り、柱の後ろ側の狭い渡り廊下に繋がっていた。その先には天井の高い幅広の街道や、流れの止まった水路が闇の中へと続いていた。倒壊した柱や崩れた壁、魔法の泉の中で無秩序に生い茂った植物の根や蔦などが池に映り込んでいた。

古代アイレイドたちは四元素を現代の自然哲学で定義されるもの、すなわち土、水、気そして火ではなく、ハイエルフの宗教での四元素、すなわち土、水、気、そして光と認識していた。アイレイドたちは火を、弱く劣化した状態の光と考えており、アイレイドの哲学者たちは光を主要な魔法原理と同一視していた。そのため彼らの手による太古の地下神殿や聖域は魔法のランプや光球、そして限りなく純粋な魔力の池や泉によって照らされていたのである。

私は弱まりつつもいまだに力を残しているこれら太古の魔力の光のもとで、遥か昔に亡くなってしまったアイレイドの建築家たちのかつての映画を目の当たりにした。周囲を取り囲む池の、まるで硝子に映り込んだかのような鏡像を通し、水の底深くでゆっくりと明滅を繰り返すウェルキンド石の光が見えたのであった。

探検家にとってこれらの遺跡で最も大きな脅威となるのは、アイレイドたちが地下聖域への侵入者を煩わせ、惑わせるために設けた、精巧にして非常に危険な仕掛けの数々である。長い年月の後、それらの仕掛けがアイレイドの残したものに憧れる者たちの脅威となろうとは、実に皮肉なことである。何故ならば、それらが無駄骨であったのが明白だからである。あれだけの仕掛けを施しても、アイレイドたちの真の敵に対しては奏功しなかったのである。その敵とは反乱を起こして残忍な主人たちを倒した奴隷たちでもなく、アイレイドの主人たちから戦いや魔法の術を学んだ野蛮な獣人たちでもなかった。アイレイドたちを破滅そして忘却へと追い込むことになったのは他でもない、彼ら自身が自らの偉業に対して感じたおごりと誇りであり、帝国が永遠に続くであろうという過ぎた自信だったのである。

円環の書、火耀の格言The Book of Circles, Tirdas Maxims

フランダー・フンディング 著

忠実な者たちよ、火耀には次の師範の格言について考えよう

「剣は己であり、刃は心である」

「恐れの外套を取り除く方法は、敵に着せることだ」

「流れ行く砂を止めようと叫んでも、声が枯れるだけだ」

「勝利には血を流す覚悟をせよ。だが一滴たりとも無駄にするな」

「勝者の速さは敵を掴み、滅ぼす」

「79番目の攻撃:夜明けに研いだ漁師の槍」

「戦の一瞬ごとに一喜一憂せよ」

円環の書、地耀の格言The Book of Circles, Loredas Maxims

フランダー・フンディング 著

忠実な者たちよ、地耀には次の師範の格言について考えよう

「誤った反応をさせるために敵を鍛えよ」

「思い切り行った最悪の行動は、怯えて行った最高の行動に勝る」

「突くのは優雅で、斬るのは強力だが、時に頭突きが正しいこともある」

「高い位置のガードはフェイントやクロスオーバーに適しているが、下肢には気をつけろ」

「敵の剣は敵ではない。剣ではなく敵を見ること」

「8種の基本斬りを完璧にこなすことは重要である。しかし戦場で使うことは絶対にない」

「閉ざされた線は開いていない」

円環の書、日耀の格言The Book of Circles, Sundas Maxims

フランダー・フンディング 著

忠実な者たちよ、日耀には次の師範の格言について考えよう

「味方には夜明けのようであれ、そして敵には黄昏を与えよ」

「405番目の攻撃:目を刺すかのような大蛇の鋭い牙」

「ハエが群がってきた時は、縁を越えた平面を求めよ」

「怒りとは、船を沈める船体のひび割れである」

「最初の血は、死に比べればさほど重要ではない」

「何マイルでも多くの旅をせよ。しかし、戦いの美徳の間を去るな」

「敵の癖を見つけ、己の癖を捨てよ」

「勝利の調べの頂点で旋律を忘れるな」

演劇への招待Introduction to Stagecraft

崇高なるカンデルウィッジ 著

成功を収める舞台役者となるには、決して忘れてはならないことが幾つかある。演劇の最も大切な要素は…脚本だ!すべての興行は聴衆を引き付け、驚かせる要素がなければ、役者の他の技量の有無にかかわらず退屈なものになってしまう。できれば想像力や怒り、愛情、可能なら3つすべてを聴衆から引き出す、彼らに合う場面を探すんだ!そうして忘れられない演劇の土台ができあがる。有名な登場人物、歴史的事件、忌々しい怪物、またはひいき客の注目や興味をかりたてる、既知の何かに目を向けるように。

これで演劇の本質を理解できたから、次はそれを真に感動的なものにする!一部の者達は成功を収めるために爆発と訓練された獣達が必要だと教えるだろうが、本当のことを言うと、すべての利用可能な資源を想像力豊かに用いれば、同じくらい成功できるだろう。声をはっきり出すか、数ヶ国語を話せるか?初歩的でもいいから魔法の才能をもつ者は知り合いにいるか?鮮やかな色の織物や色の変化するキンドルピッチを入手できるか?以上いずれかのこと、また他のことは演劇の重要な要素になり得るし、見落としてはならない。

前提条件と支えるシステムが決まったところで、次はセリフを磨くことにしよう!舞台上で言葉に詰まるなんて絶対にしたくないから、この部分は他と同様に大切だ。大雑把な下書きから始めて作業し、調和が取れるようにすでに確立した口調と文脈に留意する。友人や家族に演技を見てもらって、荒削りなところを直す。

セリフに自信ができたら、練習、練習、練習に尽きる!演技は第二の天性であるべきだが、やじを飛ばす者や熱狂的な聴衆達が声を上げるときには、即興で演じる必要があるかも知れない。あまりセリフにこだわって臨機応変に修正できないのはダメだと覚えておくように。

最後の助言だ。舞台上ではリラックスして楽しむように!自分が本当に楽しめば聴衆も楽しめるだろう。

さあ、これで分かったな。舞台に上がって聴衆に歓喜をもたらす準備は整ったはずだ!

炎と闇 パート1Fire and Darkness, Part 1

炎と闇:死の同志たち パート1

イニル・ゴーミング 著

「同志よ、憎悪の試練にも屈しなかった血のきずなで結ばれたお前を、今でも同志と呼ぶ。今では必然とも思える俺の死だが、たとえ殺されようとも、これだけは覚えておけ、同志よ。我々は無垢ではない。故にお互いに向けられた敵意は悲劇ではなく、恐怖である。毒殺や寝首を掻き、突然矢が放たれ、巧みにダガーを使う、静かな、闇の中の戦いの終わりは、俺には見えてこない。和解の可能性はない。部屋の中では影が動いているが、ロウソクの炎は微動だにしない。これが俺の…」

この覚え書きは第二紀358年にノルドの村、ジャレンハイムにある廃屋の床下から発見された。物静かな靴職人が住んでいたといわれているが、34年前にタムリエル全土で禁止された暗殺者のギルド、あの恐ろしいモラグ・トングの一員であったと一部の人たちからはささやかれている。靴職人が突然消えてしまったかのように、家そのものはきちんと整頓されていた。覚え書きには一滴の血が付いていた。

闇の一党が訪れたのである。

この覚え書きや、これに近いものが発見されることは非常に珍しい。モラグ・トングも、そこから憎まれつつ派生した闇の一党も、証拠品を残すことに関して神経を尖らせている– 各自、団の秘密を漏らす行為は致命的な違反であると理解しているからである。これは当然、彼らの過去を辿ろうとする歴史家の任務を困難にするものである。

多くの学者によると、モラグ・トングは当初からモロウウィンドをそのまま映し出したようなものであった。モロウウィンドの太古の名前であるレスデインの歴史には、団の特質である暗殺、血の生け贄や、宗教への熱狂がはびこっていた。モラグ・トングは今も昔もデイドラ公メファーラの名誉のために殺人を犯したと一般的には言われているが、一般の仮説が全面的に正しいことは稀である。当初のトングはメファーラに加えて、さらに古く邪悪な神を崇拝していたというのが私の主張である。オブリビオンのデイドラ公は恐ろしいが、彼らはさらに巨大な悪を崇拝していたし、今でもそうしている。

第一紀の暗殺命令書は、モラグ・トングの最初の理念を垣間見ることができる貴重な資料だ。今日の命令書と違わず淡々と書かれているが、暗殺命令書の多くには、何百年もの間、学者たちを困惑させてきた詩の断片が含まれている。「舌足らずが歯擦音でささやく」「天空の甘い支配」「非常な罪の臭うくちづけ」など、他にも奇妙な、正気を失ったような命令書への書き込みは、目標の名前や彼らの居場所、そして暗殺の時刻などを伝える暗号であった。

また、これらはシシスと言う神聖な霊魂への直接的引用でもあった。

炎と闇 パート2Fire and Darkness, Part 2

炎と闇:死の同志たち パート2

イニル・ゴーミング 著

モラグ・トングの暗殺における専門技術の証拠はほとんど必要ない。彼らは我慢強く有能で、道具の使い方に精通している為、彼らの殺害の企てを逃れた数名の事例は共通して珍しく、注目に値する。有名な鍛冶師の私物の中から発見された手紙の切れ端は、我々の保管室に以前から封印されている。おそらく、団のための武器を注文する際に、一般には知られていないトングの暗殺者によって書かれたものであり、彼らが武器に何を求めていたかを知る手掛かりを提供していると共に、トングが引退した密偵を送っていた、ヴヌーラ島に関しても触れている。

「あなたの短剣の芸術性、バランス、重量に対して賛辞を述べる。ナイフの刃は剃刀のように薄く、上品に鍛造されているが、実用性がない。動脈は切られたときに自己治癒する性質があり、出血を妨げてしまうため、もっと大胆な刃が必要だ。私は新しい道具の検品をしに、2週間後にヴヌーラを発つ。できあがったものがもっと満足のいく品であることを願う」

モラグ・トングは第二紀の早い時期に、静かにタムリエル全土に広がり、これまでにも行なってきたとおり、メファーラとシシスを血で崇めた。

モラグ・トングが皇帝レマンを第一紀2920年に、彼の後継者である最高顧問ヴェルシデュ・シャイエを第二紀324年に暗殺したとき、非常に長い間影の中にいた暗殺者たちは突然光の下へと押し出された。彼らは殺人に文字通り酔いしれ、壁に「モラグ・トング」と最高顧問の血で書き記した。

モラグ・トングは瞬間的に、そして何の異議を唱えるものもなくタムリエルの隅々で禁止された。本国であるモロウウィンドを除いて。モロウウィンドだけは、西の他地方との関係を完全に断ち切ってしまっている議会の承認を受け、活動を続けた。その土地では、うわべだけの合法的な存在を続け、闇の令状を引き受けて、罰せられることなく殺しを続けていた。

大多数の学者は闇の一党、非宗教的で利益のために殺人を犯す暗殺者の一団の誕生は、宗教的な分裂の結果だと信じている。双方の秘密性を考慮すると、本質を推測するのは困難ではあるが、ある種の理論的な仮説は立てられる。

モラグ・トングはその存続の為にモロウウィンドの最高権力に訴えかけたのは間違いなく、それは当時の第二紀、アルマレクシア、ソーサ・シル、ヴィベクから成るトリビュナル以外は考えられない。トングがシシスと共に崇拝したメファーラはヴィベクの守護者であると言われていた。存続を許されるための見返りに、トングがメファーラの崇拝を止め、ヴィベクを崇拝したと推測するのが論理的ではなかろうか。

モラグ・トングは我々の知る通り、シシスの崇拝を続けている。闇の一党はたいていの人々から宗教的な集団とは見なされておらず、非宗教的で金のために殺しを提供する組織と考えられている。しかし、私は令状の中で、闇の一党が他のどんなデイドラよりもシシスを崇めていた証拠を見つけた。

そうなると読者諸君は、ではどこに分裂の原因があるのか、と問うだろう。お互いに極めて近い存在でありながら、どうしてこんな静かな戦いが始まったのか。ともに暗殺者のギルドであり、結果的にはシシスを崇めているではないか。しかし、そこでこの仮説を唱える人々を止めてしまう人物が歴史から浮かび上がる。

夜母。

夜母が誰なのか、どこから来たのか、彼女の機能が何なのかは誰も知らない。概ね良い歴史考証がされたカルロヴァック・タウンウェイの歴史小説「2920:第一紀の最後の年」の中で、彼は夜母をモラグ・トングの指導者として描くことを試みている。しかし、彼女は歴史的に闇の一党とのみ結び付けられており、トングとは一切関わりがない。

我が愛する友よ。夜母とは、メファーラのことである。トリビュナルの命令によって拘束されない西の闇の一党は、メファーラの崇拝を続けた。彼女を名前では呼ばないかもしれないが、殺人、性行為、秘密のデイドラは彼らの指導者であることに変わりはない。そして今も昔も、彼女をないがしろにした同胞を許してはいない。

第二紀に最期を遂げた靴職人、闇の一党とトングの戦いの終わりが見えないといった彼の感覚は、正しかった。帝国の闇の中で、死の同志たちは戦い続け、おそらく永遠に戦い続けるであろう。

学びし者の到来、第1巻Coming of the Learned One Vol. I

第1巻

今までに見た魔法の中でもっとも輝かしい魔法にすると約束して、学びし者は上階の部屋で作業を始めている。それは保管庫の上階を消耗し尽すだろう。そして私は上階の管理係だ。私には、学びし者の魔術に悶え苦しむよりも良い死に方は考えられない。しかしそれは私のニルンでの時間が短くなることを意味する。

従って、私は最後の日々を学びし者の到来について述べることに費やすことにする。以下は保管庫の決定的瞬間の記録である。我々はエセリウスに到達するためこれを建造したのだが、エセリウスの居住者によって見つけられた。

学びし者の到来、第2巻Coming of the Learned One, Vol. II

第2巻

学びし者は光の輝きに身を包み、雷のような轟音と共にやって来た。その光は久しぶりに異国の輝きで貴賓室を満たした。

当初、我々は当惑し、失望もしたが、先立ったのは苛立ちだった。我々は傲慢にも彼女が保管庫とその秘密に近づくことを拒否できるだろうと考えていた。まるで、我々の惨めな塔の中で、彼女が簡単に上回れないことを見たか、接したか、何かをしたかのように。
我々は彼女の到着に対し、不満を露わにして立ち去るように伝えた。アンガリンとエンヴァリルはまるで何も不都合はないかのように調査を続け、輝きを読み通すために目を細めていた。

彼女の輝きは気を悪くしたことを我々に告げていた。その激しさは増大し、その瞬間、小さな太陽のように燃えあがり、彼女はニルンにやって来たマグナスではないかと我々は考えた。ヴァンドレとヤナリル、それにツインターはその光に飲み込まれ、二度と戻らなかった。彼らが立っていた場所に爆発的な稲妻を残して。

残った者は崩れ落ち、膝をついた。敗北感からではない。酔い痴れるような高揚感からだ。このような驚くべき魔法は、かつて1度たりとも目にしたことがなかった。

そして我々は彼女を歓迎した。他に選択肢があるだろうか?彼女が塔に足を踏み入れた時、我々は涙を流し、彼女の足にキスをした。

学びし者の到来、第3巻Coming of the Learned One, Vol. III

第3巻

当初、学びし者は頻繁に実験室に姿を現した。

その最初の日、彼女の存在そのものが刺激となり、長い間休眠状態にあった魔法サークルがすべて一度に活性化した。私の部下のうち3人が、嵐の間で硬く凍っていた。突然押し寄せた魔法の中に迷い込んでしまったのだ。

さらに1ダースが炎の階段で消え去った。学びし者が入ってきた時に命を吹き込まれた炎はあまりにも激しく、そこには灰も、彼らがいたという痕跡も残ってはいなかった。私が今までに使ったどの呪文よりも効率的に焼却された12の生命。それは美しいものだった。

学びし者の到来、第10巻Coming of the Learned One, Vol. X

第10巻

我々原初の魔術師は、何年もの間我々こそが英知の頂点であると考えていた。学びし者はわずかな日々で、我々は全生涯をただやみくもによろめいていたのだと明らかにした。

だが、その力にもかかわらず、彼女は苦しんでいる。彼女は自分自身を信用していない様子だ。保管庫が必要だと彼女は言う。今までで最高の魔法を使うために。彼女自身を上階に封じるために。定命の者を保護するために。タムリエル全体を保護するために。彼女の言う意味が私にはわかる。彼女は行く所どこにでも魔法を、美をもたらす。危険はほんの副作用だ。

学びし者は言う。原初の魔術師たちが彼女の呪文に習おうとしたら、わずかしか生き延びることはできないだろうと。しかし、イーリルとその臆病な友達とは異なり、我々のほとんどは彼女の手による死を大切に思っている。彼女の魔法の領域を押し広げるものは何でも。

私は彼女の計画について時間をかけて彼女と話をし、その可能性に心が震えた。彼女は何をしようとしているのか?魔法の武装で上階を守ること?私は彼女が召喚した武器を弄り回しているのを見た。以前、彼女ははっきりと戦うために魔法を求めたことがある。彼女は召喚した盾で上階を覆い隠そうとしているのか?信じられないほどの代償を求め、非効率的だが、うまくいくだろう。

それとも、彼女は(私はこれを安易に書いているのではない)、ドラゴンの後ろに隠れようとしているのか?衰弱したドラゴンの?糸の上を渡り、そしてそれを切る。彼女自身を誰一人追うことのできぬ状況に包み込むために?そのような危険な冒険は、彼女の恐怖さえも明らかにするかもしれない。それは彼女が取り組んでいる魔法がどのようなものか明らかにするだろう。

でなければ、私は考えすぎているのだ。彼女は今まで遭遇した中で最も強力なソーサラーであるにもかかわらず、私に真似できぬ彼女の魔法のように率直だった。彼女が何を計画していようと、それは魔法の偉業となるだろう。そしてそれは我々を動かす。間違いなく。

割り当てられた魂The Distributed Soul

クラシウス・ヴィリア修道院長 著

ある新人修道士が昨夜私の瞑想を邪魔した。彼は驚き取り乱していた。「修道院長様!」と彼は泣き叫んだ。「今までで一番恐ろしい夢を見ました。トンネルで長老達の世話をしていたのです。水や食べ物を持って行ったり、安らぎの歌に耳を傾けたり…いつもと同じ静かな一時でした。聖蚕の優しげな羽ばたきが聞こえました。しかし突然、私の視界はおぞましい亡霊どもで一杯になったのです!肉体を持たない死者が回廊をさまよっていました。まるで聖蚕が彼らをエサにしているように私には見えました。彼らの霊的物質の名残…おそらく魂そのものを吸い取り、それで空腹を満たしたのです!修道院長様、これは狂気なのでしょうか…ただの夢にすぎないと言ってください!」。

我が教団の新人修道士が不穏な夢に悩まされるのは珍しいことではない。我々の聖なる任務と星霜の書、そしてその計り知れない謎に近づく知恵を与えてくれた先人について学ぶとき、新人がそのような夢を見ることはよくあるのだ。書から得られる知識の多くはあくまでも体得しなければ自分のものにはならない。私は日々の激務で疲れ果てていたが、何とか彼の中にある恐怖を取り除くことができた。我が教団と魂との関係性、そして定命の者の存在を越えて知識の断片を守っている聖蚕に関して、彼の疑念を取り払ったのだ。

我々の奥義は召喚師や死霊術師が使うような粗野なものではない。彼らは魂を宿主から引き剥がし、それを拘束して、魂の行き先や本質を考慮せずにそのエネルギーを無理矢理方向転換させるだけだ。聖蚕と先人の魂の交流はもっと繊細であり、聖歌の木のように自然なものだ。そして我々は、織糸を見て宇宙のつづれ織りを読み解こうとする根気強い観察者だ。聖蚕と先人に仕えることによって、我々は導きを得る。因果関係を理解せずに、意志を不器用に行使することなど決してない。

私は彼にこう言った。魂は聖蚕と多くを共有している。その2つは象徴的な組み合わせだ。すべての存在の中心にあるエドラの衝動が魂そのものであると考えがちだが、私は別の見地で捉えるよう忠告した。言わばそれは、聖蚕の羽のように鱗片をはがされたもので、定命の存在に起こる事象を終始流れる導管で構成されていると想像すればよい。ニルンでの生命から解放されると、一種の消散が始まり、その後魂が持つ「平和への意思」の歌を聖蚕は学ぶ。そしてそれが我々に導かれ、何世代にも渡って守られ続けるのだ。

「平和への意思」そのものは、創造の偉大なる織物や、行き先のすべてに散在した魂の名残との関係を保たなければならない。このつながりと辛抱強い世話を通じて、現在や過去や既知の世界を超えた時間の関与しない場所から我々は導きを授かる。聖蚕は先人の魂を拘束や消化するのではなく、まるで壮大な歌の序奏部のように、彼らがろ過したものを我々に復唱するだけだ。

完全なる理解の夜明けはまだ彼に訪れていないものの、聖蚕に対する彼のむき出しの懸念はどうやら解消されたようだ。彼の旅の手助けができて私は満足だった。私は彼にこう告げた。来週はシルクの部屋の床を磨いてもらう。その間、魂の本質について考える時間はたっぷりあるだろうと。私の夜の瞑想を邪魔した罰として、それぐらいはしてもらわなければ困る。

完璧な主催者The Perfect Host

非凡なハウスイベントプランナー、マレンフォード・フラール 著

どのような集まり、パーティー、あるいは祭りにも、必要なものがある。完璧な主催者である。完璧な主催者はいかなる催しにおいても頼みの綱で、笑顔で皆を歓迎し、すべての客が飲み食いをして良い時間を過ごせるようにするための、もてなしや世話をするパーティーの主催者である。

しかし、完璧な主催者は、客に熱狂的な良い時間を過ごしてもらう方法や、思い出に残る催しを開く方法を生まれつき知っているわけではない。完璧な主催者になるには、数年の訓練、数日の戦略的な計画、そして数時間の準備と調整が必要だ。

あるいは、私の豊富な経験と数年に渡る催しの企画の成功体験に基づく、この簡単な手順に従ってもよい。

まず最初に、パーティーや催しのテーマを選択する。良いテーマは、集まりがどういうものか決め、客に楽しく注目すべきワクワクするテーマを提供する。例としては、ダンマーの古典劇、春や秋の収穫、ノルドの飲み比べ、そして(個人的にお気に入りの)残酷で憂うつな日などが挙げられる。

2番目に、客を選択する。どれくらいの規模の催しを開きたいのだろうか?快適に会場に入れる人数を決めよう。そして、テーマによって、絞り込めれば絞り込めるほど良い。そして、招待を断る者や、当日来ない者がいることを考え、その2倍の人数を招待する。

人数を選び、決め、招待したい人々を選んだ後は、招待の準備を始める。招待が開催しようとしている催しに合うよう、用紙やメッセージをできる限りテーマに合わせる。それから、招待を早ければ1ヶ月前に、遅くとも1週間前には送る。

3番目に、テーマに従い、座ってくつろぐものか、立って交流するものか決める。テーブルと椅子がテーマに合うのであれば、注意深く席を決め、どこに座るか分かるように座席指定用の札を用意する。どれだけ座席の配置が重要か、いくら強調してもしきれない。楽しい会話をさせることも、興味をそそる議論をさせることも、あるいは有意義な関係を築くこともできる。すべては、誰が誰の隣に座るかによる。

4番目に、メニューを考える。どの催しにも食べ物と飲み物は必要だ。テーマと会場次第で、色々な意味に解釈できる。正式のディナーか?スナックと軽食を提供するか?金で買える最高のワインか?あるいは単純に、客全員に気持ちよく倒れてもらうため、安いアルコールをできるだけ大量に用意するか?テーマと予算に合う限り、自分次第である。

5番目に、客を楽しませよう!最初の4つの段階は、楽しく思い出に残る企画を作り出すための長い道のりだ。しかし、ケーキにアイシングをかけるには、決定的な楽しみがなければならない。吟遊詩人や吟唱詩人たちは歌と踊りに関係するテーマにぴったりだ。詩人や語り部は、客に参加者ではなく聞き手となってほしい演目に基づく催しに最適だ。奇術師、動物使い、武器使い、役者などは、夜の余興としては言うまでもない。テーマに合わせて騒ぐだけで、客は喜ぶだろう!

幸運を祈る!さあ、これで完璧な主催者への道を進もう!

犠牲の熟練Mastery of Sacrifice

私が降霜の月に震えていた時期に、真実を求める自分の運命を捨てることが求められていると分かった。私は生まれ故郷を離れ、それからずっと戻ることはない。

サタカルの永遠に変わり続ける影響の下、ソードシンガーは犠牲の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

近代タムリエルにおける死霊術Necromancy in Modern Tamriel

ワフィムレス・マスタレット(語り部) 著

永遠の眠りはかつて、当然のものだった。しかし今、タムリエルの各地で死霊術が行われている。匿名の密偵が特定したところによると、事態の引き金となった陰湿な勢力は黒き虫の教団だという。この教団は、いったん姿を消し、各地に分散しつつある。そして意志の弱い者に、一見すると絶対確実な権力掌握の道を提供している。この教団の主な対抗勢力は魔術師ギルドだが、ギルドがシロディールで名誉を失い、帝都から消滅してしまったため、黒き虫の教団は勢いを増しているようだ。

この死霊術師たちの地下組織は虫の巣と呼ばれており、虫の隠者たちを束ねる不死の司祭に率いられている。そうした司祭たちはアンデッドに姿を変えていることもあり、その後彼らは虫の隠遁者と呼ばれるようになる。彼らは常に、召喚もしくは復活させたアンデッドの護衛の側を離れない。この教団の指導者はアルトマーの魔術師マニマルコであるが、信者たちはその名を決して口には出さない。彼は虫の王として知られる存在である(口に出す時は囁き声)。これ以上、彼について書くわけにはいかない。彼の力と影響は遠くにまで及ぶのだから。

屈強なルシウスLucius the Stalwart

屈強なルシウスは元チャンピンである有徳のハグロフの弟子だった。ルシウスは学者で、ハグロフの伝記を書くために雇われて聖なるるつぼを訪れた。ハグロフが破れたときに伝記はまだ書き終わっておらず、師を失ったことにルシウスは激怒した。復讐を約束したルシウスは、ハグロフの能力を習得するために数十年に渡り修行を積み、それと同時に千の矢の毒に対する耐性を身につけた。ルシウスと千の矢の戦いは長く激しいものだった。最後には、毒に対する耐性のおかげでルシウスは勝利するが、これが原因で永久に力を失うことになった。1年後、ホワイトベアと呼ばれる挑戦者が現れた。弱体化していたルシウスでは、もはや相手にならなかった。ルシウスはその崩壊した体から生きる目的が失われたときから、死を受け入れていたと言われている。復讐を果たされたハグロフがソブンガルデで忠実な僕を待っていたからである。

王座を奪取した相手:千の矢

敗北した相手:ホワイトベア

献身の熟練Mastery of Devotion

私が南中の月の下を通過した時期に、私は神の力に跪いた。これからずっと使用する私のシェハイを作るため、剣の霊魂に自らをすべて捧げた。

長身のパパの祝福の下、ソードシンガーは献身の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

見習いの手引きThe Apprentice’s Assistant

アラムリル 著

私の冒険物語を聞いたことがあるだろう。地域から地域へと伝わり、タムリエル中が私の優れた魔法の力による功績に畏敬の念を抱いている。「もしアラムリルの能力があったら。そうすれば魔法の決闘で富と名声を手に入れられたのに!」と何度も思ったことだろう。

それも当然だ。大いなる名声と巨万の富は成功者を待っている。だが成功するには、最高の者から学ぶ必要がある。だからこの本を買った、そして教えを受けられる。私は、当然ながら、最高だ。

それでは助言だ。これに従えば、君もタムリエル中で有名になれる。

1.敵を知ることは敵の弱点を知ること。

ただの鋼の剣とは比べ物にならないほど万能に、優れた魔術師は豊富な呪文を好きなように使える。それだけでなく、使う最適なタイミングがわかる。冷気の呪文は獣の突進を止めたり、残酷な野獣の剣から距離を保てる。雷撃の呪文は敵のマジカを失わせる。幻惑呪文は敵の集団を仲間割れさせられ(一対一では勝てないと相手が分かっている時には、正々堂々としていない戦いが一般的だ)、すべてが有効でなかった時にも、自分を助けられる呪文がある。

2.自分を知ることは自分の限界を知ること。

最高の魔術師でもマジカの量には限りがある。まだマグナスの無限の力を与えられたものは生まれていないからだ。そして、優れた魔術師は能力以上のことをしない。安全を保つのに十分なマジカを常に確保している。それがダメでも、相当量の薬の供給を常に準備している。それがダメでも、常に脱出路を確保している。偉大なアラムリルは戦いから逃げたことがない。だがもちろん彼女のように最高の天与の才能がある者ばかりではない。だからこそ訓練しなければならない。

3.結界は命を奪いかねない(自分の)。

結界はどんな魔術師志望者にも重要な道具であることに疑問の余地はない。呪文を防げるし、敵の攻撃を無効にしてマジカを無駄に消費させる。しかし優れた魔術師は、結界に頼りすぎるべきではないと分かっている。結界を長く張りすぎると魔法使いのマジカを消費し、反撃できなくなり、最悪の場合結界も維持できなくなって完全な無防備となる。

4.両手が片手より良いとは限らない。

上級の魔法使いなら誰でもダメージを増やそうと両手で呪文を放つことを学んだ。それが有利になる時は確かにある。例えば相手が既に弱っている時、または見物に集まった大勢の人から大きな反応を引きだす時だ。しかし、いつも最善の戦略にはならない。例えば集中呪文は、特に敵が素早い時よく使われる。この例で言えば、両手を別々に使えば同時により広い範囲に対応できる。火炎球を両手で放つ魔術師は、すぐに結界を張れず、攻撃を続ける間回復できない。

5.常に挑戦を受けて立つ。特に勝てると分かっている時は。

最優先事項は当然生きることだ。しかし同じくらい大事なのは、観客を喜ばせることだ。あなたの冒険は、結局彼らの気前の良さに掛かっている。ここでは魔法以上のものが影響する。決闘が始まる前に相手の能力を感じ取れたら、自信を持って取りかかれる。自分が相手より優っていると分かっているのは非常に重要で、それは観客に良いショーを提供できるという意味だ。同様に、前もって決闘に負けるだろうと分かっていれば、突然どこか別の場所に雇われる機会が与えられ、決闘に参加できなくなる。(私はそんなことをしたことはない。ただ名声が大きすぎてすべての決闘の申し込みに応えられないことがある)

これらを心に留め、冷静な判断力を保ち、優れた魔法を見せれば有名になれる。それでは。だが、十分な成功者になったら、私からの挑戦があるかもしれない!

賢者の格言Sayings of the Wise

過去は狼だ。賢い狩人は狼から目を離さないのに対し、愚かな狩人はよそ見をして餌食になる。

妻の言葉に耳を傾けない族長は、長く族長ではいられないだろう。

戦いはまず胃袋のなかで勝負が決まる。

自分の義務を怠るオークと遮二無二義務を果たそうとするオークは、同じ毒を飲む。

オークの筋力だけではできないことでも、オークの刀剣ならできる。

経験の浅い戦士は、たとえ最高の防具を身に着けても、自分のすね当てに蹴つまずく。

族長を腐すだけで挑戦しないオークは、1年後もやはり族長を腐しているだろう。

骨の祭壇Altars of Bone

ウーズのガーディアンがかつて…

…ていたのはモラグ・バルだった。大きなマンモスの骨に含まれていたのは十分な黒い…

我々の目的のために祭壇を回す。オースブレイカーをウーズで拘束し続けている同じエネルギーによって、彼らを支配できる。しかし慎重にならなければいけない!万が一祭壇が勝手に変えられたり、さらに悪いことに、もしも…

骨の配置を…する際は気をつけろ。彼らは祭壇を暗くするはずだが、しかし…

祭壇が設置されたら、そこからは掘り続けるのだ。…付近での作業で得られるはずであるものは、十分な…

師範の言葉Words of the Masters

昔、学生だった時と同じくらい学ぶことが今でもある者による前書き。

師範たちからレキの刀剣で剣の使い方を教わってから、長い時が経った。しかし、今でも全ての教訓を戦場で学んだ訳ではない。

かつては高名だった学校を率いた、師範たちの言葉を思い出す。剣に加えて心で勝てる戦いのために、言葉の意味をまとめておく。

心に留めよ!

— ファダリア・アトアハタル

最も鋭い刃は、会話の代わりになることがある。

毎日の雑用の前に、困難な仕事を最初に済ますべきだ。

兵士たちは仲間であり、兄弟姉妹である。気を配れば、守ってくれるだろう。

意地悪な性格の者は、他人に憎しみを抱かせる。

謙虚に語れば、行動の時に優れる。

何が正しくて公正なのか?どちらも守る行動を取れ

敵の足元を見れば負ける。目を見て、意図を読み取れ

あらゆる勝利から学べ。敗者としてどのように行動するか考えよ。なぜ敵が負けたのか理解すれば、必ず勝利する

沈黙から強さを得られる

蛇は腹で這う相手が何であれ、真摯に向き合う

敵の戦略を見極めるまで手を出さなければ、生き延びて一撃を加えられないかもしれない。敵の意図を知るためにだけ待て。名誉をもって戦っていないと分かったら、先に一撃を加えろ

今日食べるべきパンは、明日に取っておくな

死者の崇拝Reverence for the Dead

トゥワッカと現代レッドガード文化における埋葬文化

修道士オピリオ・コンゴニウス 著

死去した祖先に対するレッドガードの崇拝の熱心さは、他の多くの種族が神々に対して行う献身に匹敵する。ブレトンは華麗なアーチ付きの聖別された地に棺を置き、ノルドは風で乾燥させた死体を地下墓地に安置するが、レッドガードは死者たちのために広大な葬儀用の建築物を設計、建立しており、その威厳の高さは規模の大きさにも負けていない。レッドガードを生まれる以前から死んだ後まで縛っている名誉の糸は強力である。空高くそびえるこれらの巨大な霊廟は、往年のままのヨクダ建築を純粋な形で体現するものであり、霊魂を飛び立たせ、彼らの信じる神々との会合へと向かわせるために建設されている。

この種類の埋葬地の最も優れた見本はおそらく、ハンマーフェルのアリクル砂漠の広大な台地の頂点に据えられた、トゥワッカの玉座だろう。この巨大な聖堂は策略の神にして魂の導き手、そして遠い海辺の守り手に捧げられている。砂漠の牧草地を登り、台地の側面を削って作られた石の階段を上がっていくと、岩と砂の広がる平らな空間の上から、これほどの眺めが得られることに驚かされる。トゥワッカの玉座を手入れし、常に警戒を怠らない玉座の守り手たちの元を通り過ぎると、この神聖な場所の真の雄大さを目にする。

このネクロポリスは無秩序に広がった埋葬地であると同時に、神聖な遺跡でもある。この聖域の暗い隅から見つめているトゥワッカの存在の他にも、この聖堂は大陸が波の下に沈んだ際に命を落とした、数知れぬヨクダの死者たちのための記念碑としての役割も果たしている。巡礼者たちは刺すような砂地を通って旅し、これらの犠牲者たちに、またこの迷宮的なネクロポリスに埋葬されているレッドガードの歴史上の王に敬意を捧げに来る。

次の機会を待てWait Till Next Time

フルグルシュ・グロー・オスガル 著

クログ王がダガーフォール・カバナントと協定を結んで以来、私は渡航規制が緩くなったのを機に、ハイロックとハンマーフェルで商売する機会を求めてきた。予想していたとおり、鼻であしらわれて罵倒されたことは何度もあった。酒場では近くのテーブルにいる声のでかいオークの冗談を聞き流し、すれ違った時足下に唾を吐く衛兵にも気付かないふりをした。だが予想外だったのが、私の会ったブレトンとレッドガードの多くが、オークの要塞を褒めそやしていたことだった。私達が意見の不一致を(たとえ剣を使ってでも)すぐに解消して、わだかまりなく次に進むということについても感心していた。

愚かな人間達だ。

寛容なのは他のオークに対してだけだということに気付いていないのだ。モーロッチの掟で、どれだけ時間が掛かろうとも、あらゆる怒りに対して仕返しをしなければならないと定められていることを知らないのだ。奴らは今、私達が尊いカバナントの熱烈な一員だと考えている。私達がオルシニウムの襲撃を忘れ、過去のことを水に流すと信じているのだ。

奴らは間の抜けた牙のない顔で私に微笑みかける。そして私は微笑み返し、うなずき、エルフの冗談を言う。だが心の中で、オルシニウムを略奪した者は、その何倍もの報いを受けることになることを知っている。だがブレトンとレッドガードがそれに気付くことはない。なぜなら奴らは、あらゆるオークが次のような信条を心に秘めていることを知らないからだ。

「次の機会を待て」

自制の熟練Mastery of Discipline

私が恵雨の月を通過した時期に、自分が最強であると証明するために90以上の決闘を戦ってきた。38種類の握り、750種類の攻撃の構え、1800種類の防御の構え、9000種類の攻撃をこれから鍛錬する。

オンシの祝福の下、ソードシンガーは自制の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

蛇との戦いAgainst the Snakes

デンスカー 著

私達のアカヴィリとの戦いについてずっと考えている。意見がある。書き留めておこうと思う。

もしもあのウィンドヘルムの馬鹿達が気を利かして蛇達を海へ投げ返していれば、忌々しい戦争すべては回避できたかも知れない。ショールに召されろ!

いまだに、ジョルンがウィンドヘルムへ援軍を送るために動いていたらよかったのにと思う。あの日、何人かのいい男達を失った。

ジョルンはリフテンの防備を固めたが、蛇達は通り過ぎて行った。なぜアッシュランドへまっすぐ行かないのか?

リフテン南部、ヴィラク砦北側の戦闘は十分に敬意を表されていない。あの男達は動けなくされ、負かされ、そしてそれでもなお彼らは耐えた。

男達があの日戦い続けたただひとつの理由は、ウルフハースった。ジョルンはただのこわっぱだった。彼は酒場さえ扇動できなかった。

ヴィラク砦の崩落後、蛇達はストンフォールに押し入った。なぜだ?奴らは何が欲しかったのだ?

ダークエルフの一部が攻撃をまずシェルバックへ向けた、という噂を聞いた。アルゴニアンに救出されるという考えに我慢ならなかったと。忌々しい馬鹿が。

ショールが蛇の島すべてを召しますように。奴らに別の虎の悪魔を送ってやれ!我々再び叩きのめしてやる!

収穫の終わりHarvest’s End

マスターソーサラー、サモナーにしてディレニの家臣シメール

シメール・グレイギンは野心的なディレニ・クランの家臣だった。ディレニ家はデイドラとの有益だがリスクの高い取引から身を起こした。シメールはおそらくディレニで最も賢く野心的なサモナーだった。デイゴン卿に陰謀さえ企て勝った。罠が成功し、デイゴンはオブリビオンに追放された。しかしその瞬間、デイゴンは自分を騙した定命の者を消し去った。シメールは永遠に、友や同胞と共に楽しく故郷で暮らすことを保証されていた。シメールのその言葉を曲解したデイゴンは、小さなケシリー島(グレナンブラの海岸沖にある小さな島)を掬い上げ、虚無に投げ捨てた。シメールの友も同胞も即死し、残った声がシメールを苦しめた。シメールも着実に老い、関節炎に苦しみつつ永遠に生きることを強いられ、自分がデイドラの主を騙して起こした悲劇的結果について考えさせられた。

救世主の皮の鎧:

デイドラの主マラキャスによって作られたこの防具は、誓いを破る者を攻撃するためにすばらしい特性を発揮する。シメールはデイゴンを騙して、守るつもりのない力に背く誓いを立てた。救世主の皮はデイゴンのシメールに対する大いなる怒りをかわし続け、シメールが攻撃できるまで時間を稼いだ。使われたのはデイゴンの「プロトミニック(すなわち真の名の呪文)」だった。残念ながら、他のマラキャスの贈り物と同じようにこの防具には一長一短がある。魔法攻撃には特に弱いため、特別な場合のみ着用すべきものなのである。

デイゴンのプロトミニック

シメールはデイゴンの力を徐々にすべて虚無に流す魔術のために、デイゴンのプロトミニックを使った。だがシメールはデイゴンの抵抗が、力の流出を止めることはできずとも遅らせられることを読み違えた。その結果、デイゴンはシメールを呪い、シメールの契約を文字通りに遂行できた。ただ力を虚無に流すのではなく、デイゴンはそれをすべて呪いにこめた。その結果ケシリー島は虚無に投げ出され、住民もすべて惨殺された。シメールは壮大な野望の廃墟の中で、永遠に生きることを強いられた。

狩りの儀式

無実の犠牲者の礼拝堂:シメールはデイゴンが自分を個人的に嘲笑い苦しめるために、ケシリー島を無実の犠牲者の礼拝堂を置く場所として作ったと信じている。魔法で作られた緑のクリスタルの建造物は、タムリエルから引き裂かれて虚無に放たれてから、島で唯一の建物となった。

グレートハントにより使われた冷酷な慈悲の槍は、おそらくハントに聖別されその制限に束縛される者を除いては、定命の者でも不死の者でも扱えなかったと思われる。だがシメールは、槍の力が偉大であるが無限ではなく、明らかに魔法がかかった(たとえばマラキャスによる救世主の皮の鎧のように)ものなら、定命の者、不死の者に関わらず、守ることができることを究明した。

巡礼の道Path of the Pilgrim

ヒスミールの助修士、ビックス・ゼー 著

文明国家とされる国の多くが我らの故郷をブラック・マーシュと呼んでいるが、ヒスミールの巡礼者や司祭はもっとよく知っている。アルゴニアンの土地はゴミの山にはほど遠い。土壌は豊かで活気に満ちている。植物や動物もよく育つ。耳を傾ける者にはヒストが語りかける

外に出た我らアルゴニアンの兄弟姉妹たちは、ヒストと交流できないと自分の一部を失くしたように感じる。このためあちこちからの巡礼者がヒスミールを訪れ、試練を受けて交流を図るのだ

巡礼者ヴェロスVeloth the Pilgrim

誇り高き者カシウス 著

巡礼者ヴェロスとしても知られる聖ヴェロスは、ダンマーの列聖の中でもおそらく最も有名かつ最も崇められている存在である。サマーセット諸島の後期中神話紀に名を挙げたヴェロスは、自分に付き従う者たちのためにより禁欲的で純粋な生き方を探し求め、彼らを集めてタムリエル南西地域から北西までの大巡礼に出発したとされている。現代の文章によれば、彼は「1隻の船もなく、食料も武装した人間も、この脱出行の仲間に入れることなく、レスデインの地を目指して進んだ」。

新しい地へ向かった彼の大所帯の巡礼は、その途上で厳格な規範を打ち立て、かつ成功裏に終わった。この種族は高度な文化の一時期を経験し、多くの者にとってそれは黄金期として知られている。ヴェロスの導きが何世代もの石工や建築士、さらに司祭と一般の民を形作った時期である。彼は強力な戦槌、ヴェロスの審判を手にしていたが、ヴェロスは基本的に温和で学を好む精神の持ち主と考えられており、ダンマーにおける治癒の付呪が彼の名前を冠していることからもうかがえる。

予言者としてのヴェロスの力は疑う余地がないが、ダンマーの祖先崇拝に関する極端に保守的な教えは一考に値するだろう。というのも彼はトリビュナルが起こるに先立って「善きデイドラ」の神としての崇拝を、ほぼ独力で開始したからである。ヴェロスの民は彼に絶大な敬意を払っており、彼の影響は数世代後になっても感じられる。スカイリム南東のヴェロシ山への登山や、ダンマーの長老が自らの種族を「ヴェロシ」と呼んでいるのを聞くと、エルフの世界を形作った師の存在を今でも感じられるのである。

正当なるリスラヴ、パート2Rislav the Righteous, Part 2

シンジン 著

リスラヴ王にはそれまで戦闘の経験がなかったのだろうが、すぐにそんなことは言っていられない状況になった。一度は領地を差し出したはずのスキングラードが申し出を撤回したという話があっという間に帝国に広まった。ゴリエウスは帝位に就く以前から熟練した戦士であり、皇帝になってからの17年間の平穏な状態はかろうじて保たれたものだった。ドラルドが暗殺されてリスラヴが支配の座に就くわずか8ヶ月前、ゴリエウスと配下のアレッシア軍は、やはり戴冠式の参列者の一人であった白王クジョリックと凍てつく北の平原で相対していた。スカイリムの族長たちの長はサンガードの戦いで命を落とした。残された族長たちが新たな指導者を選んでいる間、シロディールはスカイリム南部での失った領土を取り戻すことに余念がなかった。

要するに、ゴリエウス皇帝は反抗的な臣下に対処するやり方を知っていたのだ。

年代記編者の言葉を借りるなら「死の洪水のように」スキングラード征服に必要な数を大幅に上回るアレッシア軍が西に向かって突進していった。実際の戦闘がどのようなものになるかは、ゴリエウスも知り得なかった。前述したようにリスラヴの戦争経験は皆無かそれに近いもので、家庭教師の下で訓練を数日したに過ぎない。彼の王国とコロヴィア西部全域は疫病で甚大な被害を被ったばかりである。武器をちらつかせるだけで降参するに違いないとアレッシア軍は踏んでいた。

ところが、リスラヴは戦闘の準備を行っていたのだ。自軍の状態を手早く視察して彼は計画を立てた。

それまでリスラヴの人生には目もくれなかった年代記編者たちはここに至って、崇拝にも似た喜びを持ち、この王のあれやこれやについて書き連ね始めるのである。それは文学的価値や趣には欠けた文章だったかもしれないが、少なくともそのおかげでようやく我々は何らかの詳細を知ることができるようになる。驚くにはあたらないが、王は当時としては最高の鎧を身につけていた。タムリエル全体の中でも最高の皮鎧–当時は皮鎧しかなかった–を作る職人たちがコロヴィア私有地に住んでいたからだ。王のクリバニオン鎧は、丈夫にするために茹でてからロウを塗り、1インチの鋲を打ち込んだもので、深みのある赤茶色をしており、彼は黒いチュニックの上にそれを着て、さらにその上に黒い外套を身につけていた。スキングラードに現在建っている正当なるリスラヴの像は美化された姿であるとはいえ、鎧以外はほぼ正確に作られている。コロヴィア西部に住む吟遊詩人が市場に向かう時でも、あそこまで簡単な防備で出かけることはなかっただろう。しかし銅像には、後に詳しく述べるように、リスラヴにとって最も重要な装備もちゃんと含まれている。訓練された鷹と、足の速い馬だ。

冬の雨は南へと続く道を洗い流し、大量の水がウェストウィールドからヴァレンウッドへと流れ込んでいた。皇帝は北のルートを選択していて、少数の偵察隊を引き連れたリスラヴ王は、現在は黄金の道という名で知られている低い道で彼に出くわした。皇帝軍は、その行軍の音が数百マイルも離れたアネクイナの野獣の耳にも届いたと言われるぐらい巨大なものだったが、不本意にも皇帝は恐怖に震えていたと年代記編者たちは記している。

一方のリスラヴは震えていなかったと書かれている。完ぺきな礼儀正しさを保ちながら、彼はスキングラードの小さな王国でもてなすにはあまりにも軍隊が大きすぎることを皇帝に伝えた。

「次にいらっしゃる時は…」と、リスラヴが言った。「前もってご一報ください」

アレッシアの皇帝の多くがそうであるように、ゴリエウスはあまりユーモアを解する男ではなく、リスラヴの頭にシェオゴラスでも取りついたのだろうと考えた。そして、この哀れな頭のおかしい男を捕まえるように警護の者たちに命じたのだが、その瞬間、スキングラードの王は片腕を上げて鷹を空にはなったのである。それは彼の軍隊が待ち受けていた合図だった。アレッシアの兵士たちはすべて、リスラヴ軍が放つ矢が届く範囲内の道の上にいた。

リスラヴ王と警護の者たちは、年代記編者いわく「興奮したキナレスに口づけされたかのように」西に向かって一目散に馬を走らせた。あえて振り返って確かめようとはしなかったが、計画は完ぺきに進んでいた。その道の東の突き当たりは転げ落とされたいくつもの大きな岩でふさがれていたため、アレッシア軍は西に向かう以外になかった。スキングラードの射手たちは報復攻撃を受ける心配のない高台にいて、帝都軍に向けて矢の雨を降らせた。怒り狂ったゴリエウス皇帝はリスラヴを追いかけてスキングラードを遥かに越え、ウィルドからコロヴィア台地にまで進軍したが、その間に配下の軍隊は見る見る小さくなっていった。

コロヴィア台地の古い森の中で、帝国軍はリスラヴの義父であるクヴァッチ王の軍隊に出くわすことになった。アレッシア軍はおそらくまだ数の上で敵より優勢ではあったが、疲労困ぱいしており、矢のあられを浴びせられたことで士気は失われていた。1時間の戦闘の後、彼らは現在では帝国保護区として知られている北の地域に向かって撤退し、そこからさらに北、そして東へと向かい、ニベネイまで退却して傷と誇りの回復に努めた。

それがアレッシアの覇権にとっての終えんの始まりだった。コロヴィア西部の諸王もクヴァッチおよびスキングラードに加勢し、帝国の侵略に抵抗した。リャン率いるディレニの一族もそれに刺激され、ハイロックの全所有地からアレッシア改革派の宗教を追放し、帝国の領土へと攻め込み始めた。新たにスカイリムの族長たちの長となったホアグはホアグ・メルキラーという名で呼ばれるようになり、公然と異国人を嫌っているという点では皇帝と同じだったが、やはり抵抗運動に加わった。ホアグが戦死した後にはその後継者となったアトモーラのイスミール・ウルフハース王が闘争を続け、やはり歴史にその名を残すことになった。

実質的に一人で皇帝軍に立ち向かい、その終えんの端緒を開いた英雄的なスキングラードの王は、まさに、正当なるリスラヴという愛称で呼ばれるのにふさわしい人物だったのである。

聖ヴェロスの遺物Relics of Saint Veloth

トリビュナルの生き神に続いて、聖ヴェロスはダンマーの歴史の中で特に尊敬された者の1人だ。デシャーンにあるいくつかの礼拝所は、ヴェロスの記憶と彼自身と当時の従者によって残された偶像崇拝に捧げられている。一部の遺物の説明と、その重要性は以下の通りだ。

ヴェロスの審判:聖ヴェロスはサマーセットからの大脱出の際に、この戦鎚を巧みに操った。ヴェロスは戦争に注いでいた心を、レスデインにチャイマーの新しい故郷を築き上げるという仕事に向けると誓った時に、この武器を放棄するべきだと判断した。現在、ヴェロスの審判はトリビュナル聖堂にあり、堕落した魂を浄化する力があると言われている。

聖ヴェロスの涙:この光を放つ水晶は、ヴェロスが幻視の中で見た新しい故郷、レスデインの地を最初に見た時に流した涙だと信じられている。伝説によると、その涙はヴェロスの頬を伝いながら凍ったのだという。ムス・グナールの修道院のモンクによって保管されたこのクリスタルは、強力な治癒と回復能力があるが、それはモンクが徹夜の祈りとその様式を守ることが条件である。

ヴェロスの聖なる器:ヴェロスが大脱出の際に、病んだ従者の喉の渇きを癒やすため水を運ぶのに使い、その後新しい故郷で新しい農作物を潤すために使ったこの聖なる器は、現在はセルフォラの聖堂にある。

聖ヴェロスの聖骨箱:デシャーンにある聖ヴェロスの祠にある聖骨箱は、正確には遺物ではないが、その代わりヴェロスに関連した遺物の中でも特に強力で神聖な遺物、彼の頭蓋骨と骨が収められている。その骨には様々な魔法の力があると言われ、彼の祝福を受けようと巡礼者がモロウウィンド中から訪れる。伝説によれば、極めて信心深い者には、聖骨箱の前で瞑想して祈りを捧げている間、彼の幻視が見えることがあるという。

千の矢The Thousand Arrows

千の矢は謎に満ちたチャンピオンだった。彼女は一人でトーナメントに参加すると、その技術と正確さで無傷のまま全てのグラディエーターを倒した。有徳のハグロフに勝利した後も、新たな挑戦者がアリーナに現れるまで姿を現さなかった。彼女の得意武器は弓で、毒の塗られた矢を使っていた。毒は彼女が考案したものだった。巨大な敵も、かすり傷を負っただけで数秒で倒れた。彼女は毒の作成法を最期まで誰にも教えなかった。現在もその素材について、タムリエル中の錬金術師の間で激しい議論が交わされている。

王座を奪取した相手:有徳のハグロフ

敗北した相手:屈強なルシウス

第一公会議戦争War of the First Council

アグリッパ・ファンダリウス 著

(この説明は様々なインペリアルとダンマーの情報に基づいて西方の読者のために帝国の学者アグリッパ・ファンダリウスが書いた物である)

第一公会議戦争は、世俗的なダンマー名家のドゥエマー、ダゴス、正統派ダンマー名家のインドリル、レドラン、ドーレス、フラール、テルヴァンニの間で起きた、第一紀の宗教衝突である。第一公会議は最初の汎ダンマー自治組織であったが、ドゥエマーによる魔術や付呪行為が他の名家から冒涜とみなされたことによって崩壊した。

世俗派の名家は数こそ少なかったが政治的にも魔術的にも進歩しており、土地や戦利品を約束したノルドやオークのクランから援助を受けた。最初はモロウウィンドの北方で大成功を収め、それから現在のレドラン、ヴァーデンフェル、テルヴァンニ地区からなる土地のほとんどを占領した。正統派の名家は広範囲に散らばっていて、まとまりが悪く、ネレヴァルが全名家部隊の将軍になるまで敗北を喫していた。

ネレヴァルは遊牧民部族の援助を得て、ヴァーデンフェルのレッドマウンテンにある世俗派の要塞に大攻勢をかけた。アッシュランダーの斥候の助けもあり、世俗派側の部隊は裏をかかれて敗北し、生存者はレッドマウンテンにあるドゥエマーの要塞まで後退した。

短い包囲攻撃の後、ネレヴァルとその軍隊は要塞の中に入ることができた。そこで世俗派の指導者は殺されたが、ネレヴァルも致命傷を負った。将軍は徹底的に虐殺を行い、ドゥエマーとダゴスの名家は断絶した。そして傷を負ったネレヴァルは、間もなくこの世を去った。

正統派の中の3人―ヴィベク、アルマレクシア、ソーサ・シル–が再結成された第一公会議で実権を握った。これはモロウウィンドの大議会と名づけられ、やがてトリビュナルもしくはアルムシヴィとして知られる神王と不死の君主を生むこととなった。

嘆きの泉の埋葬の儀式Mourning Springs Burial Rites

気をつけて洗い、敬意をもって乾かす。

愛をこめて修繕し、注意して手当てする。

注意して巻き、敬意をもって結ぶ。

中央に向け、魂を休ませる。

刀剣作りの初歩:7つの教訓Beginning Bladecraft: 7 Precepts

マスター・ゲルウェズー 著

— 柄を締めつけすぎない。しっかりと、だが軽く掌に握る。

— 刀剣の反り:エッジは硬く、フラットは柔軟でなければならない。剣の可動域の感触を研究すること。

— 剣は武器ではなく、武器の先端にすぎない。体全体が武器であり、一つにならなければならない。

— 攻撃する時に隙が生まれる。だが攻撃しなければ当たらない。

— 剣の腰で、最も強い一撃を繰り出せる。

— 常に動き、突きを止め、突き、かわし、バックステップ、サイドステップで防御する。静止していれば死ぬ。

— 自分と敵の間合いを知ること。見ずとも感じること。

犯罪者の精神The Criminal Mind

学者ミンガリオン

数年前私は帝都の牢獄を訪ね、囚人の死体をいくつか調べた。誰の話を聞いてもその囚人達はひどく暴力的で精神的におかしな連中だった。ヴィリアスという悪名高きコロヴィア人に通常の検死をしている最中、彼の頭蓋骨の底部に奇妙な刻み目を見つけた。それに基づき、2つの要点から成るある仮説を私は発展させた。

まず、犯罪行動は主に脳の変形に起因するということ。そして2つ目は、暴力的な犯罪者にはエルフと人間の初期段階の種族(その暴力性で知られている)と同じ頭蓋骨の構造が見られるということだ。それゆえこのような犯罪者は、大きな顎や傾斜のついた額などの共通的な身体構造で特定できる。私はそう考えている。

私自身による膨大な研究成果とそのような特徴の計測結果を基にして、犯罪者の種族別の序列表を作成した。それによると、頂点に分類されるのはノルド、レッドガード、ダンマーで、ボズマー、ブレトン、カジートが序列の最後に来る。種族間で共通して使用できる測径器があれば非常に便利だ!

残念ながら私の仮説を発表しようとする試みは、敵意と嘲笑の対象になるだけだった。種族差別主義者だと公然と批判されたこともある!だから私は心を決めた。私の研究を書き残し、次の世代の人々に託すのだ。彼らが広い心でこの画期的な科学分野を受け入れ、検証してくれることを願う。

物語を紡ぐSpinning a Story

シランティレ 著

アルドメリ・ドミニオンの同盟国でありながら、ボズマーについて調査する時間は今まで少ししかなかった。彼らの文化は奇妙で孤立しているようだ。それにあまり書き記さない。ボズマーは他人への警戒心が強く、質問は危険なことがある。

その唯一の例外が、司祭、呪術師、あるいは彼らが呼ぶところの「紡ぎ手」で、かなり饒舌だ。実際、紡ぎ手に話をさせるのは全く難しくない…難しいのは、彼らが何について話しているのか理解することだ。

ボズマーの紡ぎ手は本質的にイフレの司祭だが、礼拝において人々を導くのを主な仕事とする他の司祭と異なり、紡ぎ手はボズマーにとってもっと吟遊詩人や歴史家のような存在だ。物語を語るために生きているかのように生き、大部分が同じように語る。

しかし彼らは古き良き時代を語る地方の老人ではない。紡ぎ手は未来の出来事についても物語を紡ぐ。他の人々が過去について覚えているように彼らは予知し預言する。そして年を重ねるほど、その予言の力は強まるようだ。

私がシルヴェナールに到着したとき、街の3人の紡ぎ手で最も若いエインレルが橋のところで私を出迎えた。そこでガーディアンの近くで、若い紡ぎ手は門までの私の旅の物語を経験したかのように語り、それから次の数日間の出来事を、まるでもう起こったかのように続けた!

シルヴェナールの他二人の年上の紡ぎ手に会った時、私は何が起きたのか話す気すらない。少なくとももっとよく理解するまでは。紡ぎ手は3人全員が何かに怒っているかのようだ。私はもっと学び…そしてもちろん、もっと書き記したい。

分別の熟練Mastery of Wisdom

私が薪木の月に晒された時期に、私は真実の本質を考えるための深い考察に入った。私は自分の意識を剣のように研ぎ澄まし、これからずっと敬意を示すであろう信念を固めた。

ターヴァの祝福の下、ソードシンガーは分別の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

魔女の尋問On the Interrogation of Witches

数世紀に及ぶ経験により、ダイアフロストのウィッチハンターは、魔術の利用が疑われる者を尋問するには拷問だけが唯一効果的な方法であることを知っている。

命を助けると魔女に信じ込ませることに疑問を抱く者もいる。たとえ罪を告白したとしても、魔女はほぼ間違いなく命を失うことになるからだ。

どんな形であってもその意見には耳を傾けなければならない。他の魔女に対する証言をしてくれた場合は、非常に評判の悪い魔女でも死刑にはせずに、終身刑を言い渡すべきだと考える者もいる。しばらくの間は終身刑の約束を守り、後で火あぶりにすべきだと言う者もいる。ウィッチハンターが命を守ることを約束しても差し支えない。その後にそのウィッチハンターが刑を執行しなければ、他の者に任せればいいという意見もある。

このような脅迫と約束を用いても魔女の自白を得られなかった場合、ウィッチハンターは刑を執行し、認められた方法を用いて囚人の拷問を行わなければならない。拷問中に魔女は、被疑内容に従い尋問を受けることになる。最初は軽い罪の尋問から始まるが、これは重い罪よりも軽い罪の方が進んで告白する可能性があるためだ。

拷問をして魔女が告白したら、ウィッチハンターは他の場所に移動して告白を確認し、拷問による強制だけで自白を引き出したわけではないことを証明しなければならない。さらにウィッチハンターは、デイドラの影響を受けた者が、魔女を助けるか自殺に追い込む可能性があるため、拷問をしていない間は、常に魔女の近くに衛兵を配置しておかなければならない。

民話A Folk Tale

ラナルダは、ヴァレンウッド中を舞い踊った。どうにかして木の葉の色を変えようと思ったのだ。しかし何も起こらなかった。木々の前では彼女はあまりに無力だった

彼女は腹を立てた子供のように地団駄を踏んだ。すると、足元で大地がえくぼを作ったのが見えた。大いに喜んだラナルダは、何度も何度も地団駄を踏んだ。足を踏みならす度に谷は深くなっていく。雨が降ると、彼女は自分の掘った穴の中で、熱心に舞を踊った

雨はゆっくりと、その穴を満たしていった。ラナルダは、雨が自分を覆い尽くすのも構わず、嬉々として踊り続けた。彼女の水の中での踊りが、湖のさざ波を作りだしていると言われている

目を覚ますよう願うPlea for Open Eyes

ベールをとったアザディエ 著

長身のパパはその指で散在する星に軽く触れ、その影は視界内外の地平線を超えてどこまでも伸び、その権威は前の世界と次の世界の霊魂を支配する。そんな彼でも子供達には慈悲深い。我が兄弟と姉妹が蛇のとぐろで締めつけられているのを見ると、私の心は痛みます。彼らは聖なる教えから目を背け、当然感じるべき羞恥心に唾を吐きかけ、錆びた剣を我々の伝統の心臓に突き刺すのです。彼らは皇帝達のぜいたくな暮らしに目がくらみ、誘惑されてきた。だから私は古き習わしを破った罪をここに暴露する。ラプトガよ…彼らがしっかり目を開き、この罪のおぞましき様相を認識し、そして悔い改めることを祈ります。

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「先人を敬え。先人の言動をおろそかにする者は、自分の剣を折りそれを燃える風の中に投げ込むようなものだ」。しかしセンチネルで、ヨクダ語の歌が宮殿の広間に響くことはありません。異国の英雄達の物語が、耳障りな言葉で語られるだけです。我らが先人の父の言葉は甘い水を切に求めるが、彼らの伝説は崩れて埃と化すでしょう。我々が世話を怠れば、新たな終わりの時が、前回よりもっとひどい形で再び訪れるでしょう。

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「”戦士の波”を邪魔する恥知らずに慈悲など必要ない」。しかし我が兄弟と姉妹は従順にも追放者達を同胞として受け入れ、我々の名誉を泥まみれの足で踏みにじり、我々の歴史を常に汚しています。そのようなことが許されているのを見て、私のような忠実な鳴き鳥の心は傷つく。ターヴァの目には血の涙がにじみ、ダイアグナの剣を持つ腕が裏切りの深紅で燃え上がるのは言うまでもありません!

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「従うべきはヨクダの神々のみだ。血の通わない肩によりそい、自分の力の弱さに唾棄する者から、碧落の岸は遠ざかっていく」。しかし緑の地の優しき王は我々の子供達に命じるのです。彼は白金を見つけるために、子供達を死へと送り込む。彼は子供達のたくましき背中に乗って上へと登る。彼の神の指が私達の心臓を突き刺し、モルワは頭を振る。

兄弟姉妹よ、これを読みなさい。あなた達は体の左側に仕事を与え、灼熱の太陽に目を閉じた。今や沈んでしまったヨクダの記憶が薄れるにつれて、あなた達の名誉には暗い影がさすでしょう。だがすべてが失われたわけではない。剣を持ちなさい。先人達のやり方で鍛えられ、正義の炎で精製され、真の名誉で鋭く研がれた剣を。道を誤った「新たな動き」を捨て去り、家族のもとへ帰るのです。彼らはあなたの過ちを許してくれるでしょう。だが、早く帰らなければ手遅れになります。

夜母の真実The Night Mother’s Truth

ガストン・ベレフォート 著

モロウウィンドのモラグ・トングやさらに有名なタムリエルの闇の一党の両方を題材に様々なことが書かれてきたが、いつどのようにしてこの2つの恐ろしい暗殺者ギルドが形成されたのかは曖昧なままだ。もっと具体的に言うと、前者が後者から生じたということは広く知られているが、いつどのようにして闇の一党がモラグ・トングから離脱したのだろうか。

最大の論点は、どちらの組織でも重要な位置を占めている夜母の存在のようである。多くの研究や聞き込み調査を行ったことで、多少なりとも自分の命を危険にさらすことにはなってしまったが(闇の一党はこの情報を神聖なものとしているため)、その甲斐あって、ついにこの大昔から続く謎を解き明かした。

もうその女の名前はわからなくなってしまったが、夜母はかつて帝国のシロディール地域にある現在のブラヴィルの街にあたる場所にあった小さな村に住む定命の者であるダークエルフの女にすぎなかった。彼女はモラグ・トングの一員として評判が高く、仲間同様、暗殺者としてデイドラ公メファーラへの奉仕を誓った。その上、組織の中で女性として1番高い地位である夜母の肩書を有していた。特定の派閥の夜母になるには、その派閥の監督者–尊敬され、恐れられるメファーラのお気に入り–にならねばならなかった。

しかし、女を恐ろしいものへ変えたのはメファーラではなく、さらに恐ろしい悪魔とも呼ばれる、終わりのない虚無の化身、ドレッド・ロードのシシスだった。

第二紀324年の支配者暗殺に続いて、モラグ・トング内で衝突が起こり、シロディールと帝国の大部分でギルドはほとんど絶滅した。これらの出来事はダンマーの女がシシスの声が聞こえると主張したすぐ直後に起こった。彼女はドレッド・ロードは立腹していると言った。彼はモラグ・トングの失敗に不服だった。彼は彼女に、虚無は魂を求めていると言った。そして、物事を正すのは彼女の宿命だった。

闇の一党の伝説によると、シシスは夜母の寝室を訪れて5人の子供をもうけた。信じがたいことが起こるまでに2年が過ぎた。ダークエルフの女はドレッド・ロードの最終的な計画をやり遂げた。ある晩、女は自分の子供たちの息の根を止め、その魂を虚無に奉げた。子供たちの父親のもとに。

村人たちはこの侮辱的な話を聞いて、女に反発した。このような行為はモラグ・トングの夜母だとしても理解しがたいことだった。ある夜、村人たちは女を襲って始末し、残虐事件が起こったその家を焼き払った。それで、この話は終わった。とにかく、誰もがそう思った。

それから30数年後、名前は明らかではないがある男は気持ちが安らぐような不思議な声を聞いた。ダンマーの女が彼女の内側でシシスの声を聞いたと主張したのと同じである。声は自分を夜母と名乗り、男を最初の「聞こえし者」と名付けた。

不浄なる母は使いを彼のほうへ歩みださせた。彼は闇の一党として知られる新しい組織を結成した。それはメファーラではなくドレッド・ロードのシシスへ仕える組織だ。今やモロウウィンドでのみ生存しているモラグ・トングは忘れられた時代の遺物だった。闇の一党は取引と死を結びつけるだろう。この組織は富と権力をもって力を伸ばし、虚無は新鮮な魂でいっぱいになるだろう。夜母は聞こえし者に、それは完璧な取り決めだと言った。

闇の一党の初期の頃に夜母とその子供たちの体はもとの埋葬地から回収され、夜母の家の下に位置する墓地に葬られた。今日でも残っている。

旅の途中にブラヴィルの街に立ち寄ることがあり、(その地方の習慣に倣って)幸運の老女の像に願いごとをすることがあれば、自分が神聖な地にいることを覚えておくように。特にあなたが邪悪なものならば。夜母こと不浄なる母の上に立っているあなたの運は、今まさに尽きようとしているからだ。

有徳のハグロフHagrof the Righteous

ハグロフは、誇り高く、謙虚で、他の剣闘士達を尊重するチャンピオンであった。彼は倒した敵の名誉のために、倒した敵をその敵の習慣に従って死体を埋葬した。彼が無数の傷口から血を流しながらアリーナの中心に倒れ込んで敗北を喫したとき、あらゆる種族の剣闘士が無言のまま立ち尽くしていたと言われている。彼の死体が古い薪の山に運ばれた後、ノルドの王に匹敵するような規模で葬儀が執り行われた。

王座を奪取した相手:クロウブリンガー

敗北した相手:千の矢

溶岩の女王The Lava Queen

溶岩の女王は聖なるるつぼ史上最も偉大な王者である。アリーナでの彼女の武勇に肩を並べる者はおらず、およそ4世紀にわたり聖なるるつぼを統治している。無謀にもアリーナで彼女に挑んできた者は全員、彼女の火の魔法に圧倒され、炭になるまで焼きつくされた。彼女は聖なるるつぼのためだけに存在し、聖なるるつぼは彼女のために存在していると言われている。アリーナに対する彼女の支配力は圧倒的で、その舞台も彼女の思うままに作り変えられる。彼女と戦うことは、活火山の力や破壊力と戦うことを意味する。

王座を奪取した相手:偉大なサナレル

敗北した相手:

嵐の女神、ノルドの母Goddess of Storm, Mother of Nords

ノルドの八大神の一人であるカイネは、一部の人々からは神々を率いていると考えられている。彼女は炉の神々の一人で、現在の世界の循環を見守っている。彼女の称号は非常に多く、カイネの性格について数多く明らかにしている。

ほとんどのノルドはカイネが死者をソブンガルデへ率いたと認めているため、カイネは最後のキスと呼ばれる。彼女は嵐の女神として崇められており、乾燥の時期に雨と雪をもたらすよう求められる。彼女は広々としたスカイリムを定期的に通過する、荒れ狂う強風とブリザードから信者達を守る。カイネは他にも、ショールの寡婦やノルドの母との称号で呼ばれる。

戦士達は戦闘での強さと争いでの勝利をカイネに求めるため、カイネを支持する。