溺れた海兵 スタイル

クラフトモチーフ116
Drowned Mariner Style

海のサルベージャー、「怒鳴り屋」シレイン 著

グレイブン・ディープは海難貨物の宝庫だ!神々の思し召しがあれば手に入れられる!この忌まわしい冒険から生きて帰るつもりなら、船と戦利品を守らなくてはならない。でなければ、今度は我々が遭難するだろう!この老いぼれの怒鳴り屋の知恵を紙に記して、ひよっこをいっぱしのサルベージャーに変えてやる!

ブーツ

足先をナイフみたいに尖らせた奴は、索具を登っている最中に綱を切っちまう!足先は丸くして縫い目には防水加工を施し、上は覆うか折りたため。バランスを保つ高価なルーンなんて必要ない。靴底に刻み目を入れて、摩擦を高めておけ。後で俺に感謝するだろう。

ベルト

船乗りの装備で最も重要なものだ。異論は認めない。海が荒れ狂っている時は、尻が足の周りで揺れていなくても、バランスを崩す危険はいくらでもあるからな!ベルトはフジツボのようにしっかりと締めて、お宝を確実にしまえるようにしておけ。

頭を覆うものは、要するに天候との戦いで役立つ。結びつけたシャツや帆布の切れ端でも、太陽や風、海水には十分耐えられる。縁が逆さになった上等な帽子は確かに魅力的だ。耳の覆いが付いていれば実用的でもある。

脚当て

快適さが鍵だ。ずぶ濡れの尻を抱えたまま、衣のついた切り身みたいに船を転げ回りたいか?嫌だろう。これは軽く風通しのいいやつにしておけ。そうすればすぐ、第二の皮膚みたいに馴染んでくるはずだ。

風や波を考慮する技術が必要になるため、海では顧みられにくい武器だ。船員の弓はしなやかな流木が手に入るならそれで作られ、握りの上部に布か羽をあしらって、風の方角を確認できるようにする。

胸当て

船乗りは軽く、ゆとりのある服を着ている時が一番いい。丈の長い上着と、呼吸が楽なシャツがいいだろう。金属?補強具?船外に放り出された時、錨になりたいのか?それとも、蛙鋼が木になるとでも思ってるのか?風が通り抜けるようなものに身を包んで、臭いと湿気を受け止めろ。そのほうが仲間のためだ。

刃を長くすれば、それだけ鋭く保つための労力も増える。手に負えるサイズにすることだ。重い両手剣を扱えるなら使えばいい。俺は簡素で軽快なやつのほうが好みだ。飾り気がなく、相手がカミソリのような刃を甘く見るような剣。それが俺の好きなカトラスだ。

肩防具

そりゃ、キジみたいに切り裂かれるのは誰だって嫌だ。だが頭を木の実みたいにかち割られるのが怖くて腕を上げられない船乗りなんて、誰の役にも立たん。動きやすい防具にしておけ、すばしっこい奴が乗り込んできて胸に斧を埋めようとした時、軽くあしらえるくらいにな。

手袋

船乗りになぜ手袋が要るのか理解できないようなら、船に乗るのには向いていない。ましてや船を操るなんてもってのほかだ。指を覆うか露出させておくかは、俺にとっちゃどうでもいい。最低限、帆布で手を覆っておけ。いくら皮膚の分厚い熟練の船乗りでも、まともな手袋なしで索具を握ろうとしたら、手のひらがズタズタになっちまう。

盾は太陽のように丸く、無風地帯のように平たく作れ。樽の上に乗せてカードをしてもいいし、乗り込んでくる敵の顔をぶん殴ってもいい。釘で打ちつけて船体の裂け目を塞ぐのにも、船が沈むようなら浮かぶのにも使える。盾は最大の友だ。失くした場合は、他の奴の友になるかもしれん。

魔法のマストだ!俺たちの杖は三又の銛の先端を模しているが、この部分は実用に適さない。焦げた魚の臭いが残っちまうからな。氷も炎も電撃も、三又槍の先端から出てくるのを受けると、特別な感じがするもんだ。お前もそう思うかどうか、試してみろ!

戦棍

こいつは愛すべき怪物だ。腕力があれば、立ちはだかるどんな敵でもミンチにしてやれる。それに船員用の両手戦棍は、緊急時に錨としても使える。俺もこれまで、意外なほどこいつが役立つことが多かった。だから俺戦棍の先端には、網を巻きつけておくようにしている。

短剣

短剣。これこそ俺の心を射止める武器だ。油断していると、お前の心臓も射止める。俺は自分の前腕ぐらい長く、必要なら歯に挟めるくらい薄刃の短剣が好みだ。俺の短剣は意外なほど簡素な作りなんで、まだ誰も盗もうとしたことがない。誰かがこいつを奪うつもりなら、俺の死体から取るんだな。

いいか、一番いい斧ってのは、幅広い上質な刃の反対側に、鉤かスパイクをつけたやつだ。引きはがす、登る、敵船に乗り込む、鍵を開ける、穴を開けるなど、力を籠めれば何にだって役立つ。金貨やリボンのような戦利品で飾れば、色々な意味で目を引くだろう。

イフレの意思 スタイル

クラフトモチーフ115
Y’ffre’s Will Style

シストレス養蜂家協会樹木医長、ナウリエル・エライア 著

以下に記すのは、抜きんでて才能豊かなガレンのドルイド防具職人と共に働いていた時に集められた注釈や観察である。これほど才能ある植物の職人たちと仕事ができたことは素晴らしい経験だった。養蜂家は彼らに正当な敬意を表明するべきだ。

ブーツ

私は当初、ブーツがふくらはぎをとてもきつく締めることに驚いた。ぎこちなく動き回る私はさぞかし滑稽に見えただろう。だがしばらく経つと、私はもう長いこと、自分の年では無理だと諦めていた足さばきができるようになっていた。このブーツは、私の半分の年齢の者に匹敵するバランス感覚を取り戻させてくれた。

ベルト

実はこの事業が始まったのは、私の娘がドルイドのパートナーの手で作られた見事なベルトを持ち帰ってきた時だった。体に密着するベルトの形状は全体をしっかり締めつけるだけでなく、重い武器や荷物を持ち上げる際に腰の下部を支える役割も果たしてくれる。

この兜があれば、太陽の暑さも夜の寒さも問題にならない。重装備の場合は、目に飛び込む強風を逸らす木の飾りもついている。この滑らかで、ほとんど柔らかいと言ってもいい顔防具は手で作られる。私自身がこの目で見た。この職人たちは、他の者が粘土を扱うように木を削れるのだ。

脚当て

ドルイド・アルッラは、ドルイドが手懐けた獣から革を作るのは最後の手段だと説明してくれた。彼女の言い方には悲しみが込められていて、物言わぬ敬意と喪失の表明だった。しかし同時に、この防具が間違いなく救うであろう命を想っての安堵でもあった。

私は以前、弓使いが弓を自分の意思に従わせようとしながら、自分は弓の意思に従おうとしないのが武器に対する冒涜だという説を聞いた。弓使いは戦いで柔軟さを示し、弓を作るために育てられた、しなやかな枝のようにならなければならない。

胸当て

初めて彼らの胸当てを装備した時、私は涙を流した。私は単なる鎧を着ているのではなかった。製作者の系譜に加わることができたのだ。縫い目や継ぎ目はそれぞれが、職人から職人へと受け継がれてきたものだった。鎧に対して「心温まる」という形容をするのは妙な気分だ。

育てられたどの武器にも、その背後に才能あるドルイドの鍛冶師がいる。彼らが剣とたがねに注いだ技術と労力に想いを馳せよう。どちらも完璧なバランスを持ち、用途を補完するための形状をしている。そしてどちらも、正しい者の手に握られれば等しく致命的となる。

肩防具

我々の研究者の中でも未熟な者が見ると、この肩当ては単なる瓦礫から作られていると思ってしまうかもしれない。しかしそれは違う!もしよければ、肩当ての匂いをしっかり吸い込んでもらいたい。木の実のような、土っぽい香りがするだろう。残骸のように見えるものは一種の香りの盾として機能し、装着者の匂いを地域の野性生物から隠す。

手袋

私は狩人たちが迫りくる獣に対して、手だけでなく前腕を丸ごと差し出すのを見てきた。驚くべき無防備さだが、これには理由があった。狩人の腕に巻かれていたものは、彼らが狩りをする森を象徴する生地で織られていた。これは狩人と獣が対等であることを示す、簡潔な方法だったのである。

これは早期からの育成とドルイドの影響が見慣れた木の成長にどれほど大きな変化をもたらすか、という驚くべき一例である。この場合、ドルイドはこのマホガニー混合種の幹にある毛管の数を大幅に増加させている。これによって鉄に匹敵するほど密度が高まり、この防具に最適な素材となっている。

ドルイドは彼らが使用する木が切り倒され加工された後でさえ、生きて意識を保っていると主張する。その最大の事例はまるでまだ成長し、呼吸し、地面から水を吸い上げようとしているかのようにリズミカルな音を発する彼らの杖だろう。

戦棍

この石の戦棍の先端部を削りだすには大変な労力を要する。鍛冶師が削りとる一片は、すべて完璧に調和のとれた武器を生み出すための計算されたステップである。ドルイド・アルッラが刺激的な演舞で説明してくれたが、訓練された戦士は戦棍が命中する部分を、自分の手の延長のように想定できるという。

短剣

この短剣の刃の切れ味は、噛みつく風のようであると聞いている。背筋が凍るほど鋭く、どんな鎧でも防ぐことはほとんど不可能だ。私は滞在してすぐにこれを贈られたが、自分の体を切ってしまうのが怖くて未だに鞘から抜いていない。

刃の根元から斧の柄までを覆っている絡まった根は、単なる装飾ではない。私はドルイドの武器職人がこの根を導き、ほどくことがほぼ不可能なほど細密な構造に変えていくのを見ていたが、自分の目が信じられないくらいだった。

超越騎士団 スタイル

クラフトモチーフ111
Ascendant Order Style

超越の勇者 著

超越騎士団のスタイルで武器や防具を作成するための指南書

我らが大義へ歓迎しよう!私がお前と同じように、騎士団へ志願したのはそれほど前のことではない。献身とたゆまぬ努力により、私は騎士から守護者、旗騎士へと位を登りつめ、ついに超越の王その人により騎士団の勇者に選ばれた。私を手本とし、同じ情熱をもって任務に励んでもらいたい。

我々は騎士団の任務を行うにあたって、顔を隠さねばならない。とはいえ我々の武器や正装は、それを見る者に騎士団への帰属を表明するものであるべきだ。我々は暴徒でも、野盗でもない!影の中から立ち上がり、我々を虐げ混乱に陥れる者へと立ち向かう騎士なのだ。誇りをもってフードや兜を被るがいい。お前はそれを身に着けるすべての者と、友愛の絆を分かち合うだろう。

我々の武器と防具に関して、騎士団が求めるものを以下に記す。

ブーツ

素早さと隠密性は超越騎士団の騎士にとって、防御力と同じくらい重要である。膝と足首を鋼鉄のプレートで補強した柔軟な革は、機動性に優れるだけでなく、より覆う範囲が広いサバトンよりも足音が静かだ。重装鎧の場合、ダークレザーの層で挟んだ鋼鉄製の脛当てを追加する。

ベルト

強化革で作られた丈夫な幅広のベルトが騎士団の兵士の腰を守り、下半身に装備する武器や防具を支える。重装鎧の場合、繋ぎ合わされたプレートで鼠径部の守りを補強する。

超越の王が好んで言うように、「匿名性は我らの剣であり盾である」。超越騎士団の騎士が顔を隠すのは、すべての種族と国に属するからだ。最も軽い防具一式にも、装着者の素性を隠すための仮面とフードは付属している。

脚当て

超越騎士団の騎士は群衆の中に気づかれないよう紛れ込む、屋根の上に登る、重装鎧を着て敵から逃げるなどの行為を求められることがある。我々の脚当てにとって最適なのは、軽くて肌に密着する、硬化革か鋼鉄のプレートである。これならスピードを犠牲にすることなく、最大限の防御力を発揮できる。

どの地域にも弓のために好まれる素材や形状があるようだが、タムリエル中から志願者を集める利点として、それぞれが提供する最上の要素を取り入れられることがある。騎士団の弓は丈夫なローズウッドかイチイから作られた複合弓で、近距離ならば重装鎧のプレートをも貫けるほどの威力がある。

胸当て

超越騎士団の仕事の多くには、隠密と偽装が求められる。ダークレザーにより騎士は攻撃する瞬間まで身を隠し、仕事が終わった後再び姿を消すことが可能となる。重装防具のブレストプレートでさえ、通常は音を吸収し、鋼鉄の光沢を隠すためにソフトレザーで覆われる。

プレートアーマーを刃だけで打ち破れる剣は少ない。そのため超越騎士団は密度を強化して、斬撃のみならず刺突にも力を発揮するようにした幅狭の刃を用いる。関節部やバイザーに穴を開けるのは、鎧に覆われた敵を刃で叩き潰そうとするよりも有効だ。頑丈な鍔は激しい戦闘の最中でも、使用者の手を保護するのに役立つ。

肩防具

超越騎士団の戦士は通常、肩と上腕部を保護するため、肌に密着する丸い肩当てを装備する。この防具には装飾がほとんどなく快適なため、装着者は手軽に外套を着脱し、群衆の中に紛れ込める。またこれは茂みや葉に引っかかることが少ない。

手袋

手超越騎士団の兵士の腕や手は、軽装鎧の場合ボイルドレザー、もしくはより重い鎧では鋼鉄の籠手で保護する。丈夫な革手袋は装着者の指を覆う。柔軟性と装着の容易さは、騎士が必要に応じて防具を隠すために役立つ。

軽く強靭な鋼鉄のプレートを重ねて作った超越騎士団の盾は、上部の縁のギザギザ模様と側面の刻み目を特徴とする頑丈なヒートシールドである。熟練の戦士ならば、一見して装飾と思えるこの部分で敵の刃を容易に受け止められる。当然ながら、この盾は我らの王冠と籠手の紋章を誇り高く示している。

剣と盾で戦う騎士もいれば、呪文と杖で戦う騎士もいる。超越騎士団は暴政と戦う覚悟のあるすべての者を歓迎している。超越騎士団の杖は丈夫な鋼鉄の棒に、ダークレザーの握りを付けたものである。この武器の先端は、必要になれば接近戦で致命的な打撃を繰り出せる重量を備えている。

戦棍

超越騎士団はしばしば重装備の敵を相手にする。そして鎧を破壊するには、重く上質な戦棍以上のものがない。プレートアーマーを身に着けた騎士でさえ、脚への戦棍の一撃で動きを封じ、兜に打撃を加えて気絶させることができる。強靭な鋼鉄の柄はこの武器の重さに釣り合いを取り、戦闘中に壊れないようになっている。

短剣

長さの割に比較的幅の狭い超越騎士団の短剣は、斬撃ではなく刺突のためにデザインされている。細い刃は簡単に鎧を貫けるが、曲がらず折れない程度の強度を備えている。また、鍔は敵の刃を受け止め、弾き飛ばすために使える。

接近戦では、武器のあらゆる部分が勝敗を決しうる。超越騎士団の斧の刃には突きに適した強靭な先端の突起と、敵の攻撃を防ぐための丈夫な鋼鉄製の柄が付いている。また鉤状の刃は、騎兵を引きずり下ろすためにも使える。

シストレスの守護者 スタイル

クラフトモチーフ114
Systres Guardian Style

元衛兵の学者、ゾエレネ・ルクヴィル 著

若い頃、私はゴンファローネ湾を巡回して安全を確保していた。その頃の私は警備隊によって提供された、カニスという老人が作成した装備の品質と実用性を高く評価するようになった。口が悪く、腹を空かせて失礼な男だったが… 路上を巡回する同僚たちが不足を感じることはなかった。

彼はいつも、「見た目を派手にするのは優先事項じゃない。だが、役に立つこともある」と言っていた。

ブーツ

巡回中には快適なブーツを履きたい。ごろつきの相手をするときには、蹴りに向いたブーツがいい。こいつはどちらにも向いている。革を提供してくれたオルナウグ狩人のおかげだ。それからもちろん、カニスのおかげでもある。

元衛兵の助言を与えよう。パングリットの唾を布地に付けると防水効果がある。礼は不要だ。

ベルト

目立たないベルトが好みなら、これは向いていないだろう。兵舎で交わされる話によれば、この紋章は大昔にハイ・アイルを買収した金貨男爵を表すとされている。だから我々は隊長を「シーホーク」と呼んだのだ。兵舎にいる者たちは今もそうしているはずだ。

頭に強い打撃を少なからぬ回数受けてきた者として、ぜひこの兜のことは話しておきたい。軽装鎧の兜でさえ額を打撃から守ってくれるし、裏地は強い衝撃の影響が長く続くことを防いでくれる。

確かにこの兜はもう少し暖かい夏の時期に適しているが、髪の毛を中に押し込めば濡れることはない。

脚当て

ヒラヒラしたローブがいいか、それとも悪天候に強いレギンスのほうが好きか?どちらもあり、どちらにもカニスの調合薬が使われている。ゲロや雨水、小便、塩水、糞のシミ、それに日々沖から吹いてくる風から守ってくれる。

私自ら飛び込んで、海からヘマをした奴を何度引っ張りだしたことか。私は生まれながらの船乗りにも匹敵するぐらい甲板を熟知している。

衛兵はよく単独で警備するので、矢筒のデザインは実用的であると同時に一風変わったものになっている。金属の装飾は補助的な防具として機能する。複数の敵に襲撃された場合はこれが命を救ってくれる。幅広の矢は、ドルイドが提供するカラスの羽根を使った矢羽根になっている。

ドルイドはただ鳥に話しかけてその羽根を譲ってもらうという話を聞いたことがあるが、でたらめに決まっている。

胸当て

肌に合うオルナウグの皮とハイ・アイル鋼鉄を組み合わせる作りのため、衛兵はぴったり体に合うよう胸当てを特注しなければならない。

私が特に気に入っていたのは斜めにかかったストラップで、非番の時はこれでジョッキを支えていた。シーホーク隊長はあまりいい顔をしなかったが、非番なのだから私の勝手だ。

シストレス衛兵を相手にしていることに気づかない奴がいたら、鍔のシーホークを見ればすぐにわかるだろう。柄の握りは手によくなじむし、この剣の鍔は一般的な剣と違って、芸術的に洗練されているといつも思っていた。

ただ、何も考えずに振り回さないようにしてほしい。港を警備する我々にとって、あの紋章には特別な思い入れがある。

肩防具

扉を無理やり開けなければならないこともある。そしてゴンファローネ湾の扉は蹴りにとても強いので、肩を使う必要がある。ありがたいことに、この防具のスタイルは金属の下に入っているオルナウグの皮で、ある程度衝撃を吸収してくれる。

ただし、こういうことは遊び半分でやらないように。それから、仕事が終わったら風呂に浸かったほうがいい。

手袋

手を守るための防具を装備したが、邪魔でしかなかったことは誰にでもあるだろう。我々の籠手と手袋はそんなことにならない。ストラップは肌にしっかり合うし、柔軟な革のおかげで繊細な動きが可能で、金属部分は武器による攻撃をよく弾く。まだ疑うなら、これを身に着けたまま路上で手術を行えることを、私自身の経験から保証しておこう。

シストレス衛兵の盾についているシーホークは見逃しようがない。その衛兵を矢で狙っているのでもない限りは。その場合、盾は矢を弾くのにも役立つが、他の武器による攻撃を防ぐのにも使える。ちゃんと扱えれば。

裏返しにすれば、まな板としてもそこそこ使える。別にそんな使い方をしていたわけじゃないが。

我々の規定で杖の両側が尖っているのは、カニスの内輪ネタなんだ。彼のある旧友が昔魔術師をしていたが…あまり優秀ではなかったらしい。だからカニスは悪党がこの友人を突き刺すことを思いとどまらせるため、こいつを作った。

考えてもみてほしい。これを肩に突き刺されて、ねじられたらどうする?もう少し神秘的な言い方をすると、この杖から稲妻や炎が出てくると思うと、尖った二つの先端がさらに恐ろしく見えてくるだろう。

戦棍

好戦的な酔っ払いを相手にする時は、この戦棍で峰打ちするよりも、柄頭で殴るほうがいいだろう。「反撃は攻撃と同程度に留めておけ、エスカレートさせるな」。シーホークは兵舎で毎晩そう言っていた。私も完全に同意見だ。両手持ち武器で戦うほうが得意なら、権威を思い知らせる必要がある場合はシーホークの紋章を見せるといい。

短剣

素手での戦闘で手が汗まみれになるようなら、この短剣がお勧めだ。どんな秘密の技を使ったらオルナウグ革の柄が水分を逃がすようになるのかは知らないが、カニスはうまくやったらしい。前に私の短剣を大きなエールのジョッキから引っ張りだす羽目になったことがあるが(理由は聞くな)、握って構えた時にはもう乾いていた。

とはいえ、防具はすべて身に着けたほうがいい。衛兵にとって、手をむき出しにするのは傷をつけてくれと言っているようなものだからな。

この二重柄の逸品は、髪の毛を縦に切り裂けるくらい鋭い刃を持っている。私は何度かそれをやって賭けに勝ったものだ。これも柔軟なオルナウグの皮を握りに使用している。何を使って皮を柔らかくしたのか、カニスに聞かないように。知ると後悔するぞ。

シラベイン海兵 スタイル

クラフトモチーフ112
Syrabanic Marine Style

マティアス・ヴェルヴィンス 著

蛙鋼、別名シラベイン鋼は、現在とても珍重される希少品である。しかしいつの時代もそうだったわけではない。水に浮く性質を持つことで知られるこの金属は、アメノス周辺の海兵にとって驚くべき宝である。供給は悲しいほどに限られており、決して容易に手に入るものではない。そこで、私はシラベイン鋼が海中に失われる以前のデザインを記述したい。頑強な海の騎士たちがこれらの武器防具を用いていた頃、彼らは足元の甲板を揺らす波を恐れなかった。この測り知れない深海の騎士たちは、その武具と共に研究に値する存在である。

私はこうした騎士が、自らの装備の素晴らしさを詳細に記述した記録を発見した。親愛なる読者が私と同様、彼の記述を楽しんでくれることを願っている。

ブーツ

足装備は、特に船の上では柔軟かつ軽量でなくては役に立たない。常に接近戦を行うような最も頑丈な戦士でさえ、防御力と機動力のバランスを取らなければならない。柔軟な革は高い順応性をもたらすため、装着者は足を自由に動かし、足元が定まらない船の甲板に適応できる。

ベルト

我々のベルトは丈夫だが、薄い革やロープなどの軽い素材で作られることが多い。シラベイン鋼のおかげで溺れる心配なく戦えるが、それ以外の装備もこの点を考慮しなくてはならないのである。戦士の種類に応じて、ベルトには中心点を表すため、軽い鋼鉄で作られた貝殻を付ける。

我らは深海の獣のように立ち上がり、海の怪物の軍団として団結し、一体となって戦う!我らの兜の多くは恐怖を与える見た目をしており、深海の恐ろしい獣の頭をかたどっている。頭頂部に立つ明るいオレンジ色の水かきは、鮫のように警告の役割を果たしている。

脚当て

我らの脚当ての革は、普通の鎧よりも魚の鱗に近い見た目をしている。これは美的な選択であると同時に、防御力の問題でもある。層を重ねることによって、革は遥かに貫通されにくくなる。

我々は本当の意味で弓を使っているのか?それとも背中に負った海の大蛇が、背を曲げて棘つきのヒレを発射しているのか?確かなことは誰にもわからない。我々の武器は確かに、曲がりくねった体と鋭いヒレを持つ恐るべきリヴァイアサンに似ている。だが我々は外見のために実用性を犠牲にすることはない。

胸当て

我らの鎧は地位に応じて大きく異なるが、胸当てには通常、共通している特徴が二つある。第一にとても動き回りやすい、そして第二に、見事な防御力を発揮することだ。装着者の体に最も密着した部分に用いる革には特別な加工が施されているため、塩水や悪天候に長期間さらされても傷まないようになっている。

我らの剣は刃の一部にあえて切り込みを入れているため、フックに類似している。これにより剣は恐るべき武器となる。先端部分は一撃で二度敵を切り裂けるからだ。柄はシラベイン鋼で作られており、先端を削った長く鋭いヒレの形になっている。握りには刀身の重さと釣り合いを取るため、曲がった触手を束ねたものが付いている。

肩防具

我らが戦士たちの肩は軽い鋼鉄の板に覆われる。大半のポールドロンは滑らかな水かきの形状をしている。この装備を身に着けていると、波の下に軽々と潜り、底知れぬ深海を地上と同じように征服できそうに見えるだろう。幻想のように聞こえるかもしれないが、真実からそれほど遠くない。

手袋

我らの手袋は武器を握る仕事と、帆を結ぶ仕事の両方をこなせなくてはならない。このため、我々は手袋を軽くして機敏に指を動かせるように作り、かつ甲をシラベイン鋼で補強して装着者を守っている。

我々の盾はある恐るべき獣の背中を思わせる。波の下を這い回り、獲物を待ち受ける獣だ。上部にあるイカのような顔に覆われた光るオレンジの甲殻が、盾の防御性能の大部分を担っている。シラベイン鋼のおかげで、この盾はとても大型で派手ながらも、使用者の動きを鈍らせない。

空気のように軽い我らの杖は、美しくかつ強力である。暗いオレンジ色のヒレは空に向かって伸びており、深海から獲物に向かって飛びかかる生物に見えなくもない。細い金属製の杖自体は扱いやすく、重さがほとんどない。杖の底部は身を潜めるタコの形状をしており、これが重心となっている。

戦棍

我らの戦棍を目にした者は、凄惨な最期を遂げる前に、ほんの一瞬ながらその見事な細工を目にするだろう。雄羊の角、あるいはより近くで見るならば海の獣の鱗つき触手のような形をしたこの戦棍は、見た目からして恐怖を誘う。装飾のヒレが各部分をまとめあげ、明るい色で周囲の目を引きつけるようになっている。

短剣

我らの短剣は明かりのもとにさらすと暗いオレンジ色に輝き、釣り針のような光沢を示す。わざわざこう説明するのは、多くの者がこの短剣を見て、敵ではなく魚をえぐる道具だと思うからだ。しかしどちらも肉には変わりがないし、我らの短剣は最も硬い肉でも切り裂ける。こうこうと輝く金属のヒレが柄から伸び、使い手の握りを保護している。

我らの斧の恐るべき外見は、どこにいてもわかるだろう。太陽に輝く刃の黄金のきらめきはとても印象的な光景である。意匠の他の部分を見れば、我々の出自と、海が我らの技を磨き上げたことを忘れる者はいないだろう。塗装された金属から削りだした鋭いヒレがこの武器の先端から展開され、さらに鋼鉄で作られた笑う魚の突起が、敵の気力を削ぐ。
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