鍛冶師助手メール 30週間目

208日目
新人が慣れるまで、通常より長くかかるかも知れない。あの子は指示に応えるものの、到着してから一言も喋っていない。正直に言って会う前に聞かされていなければ、あの不恰好な獣人が私の息子と同じ年齢だとは思わなかっただろう。あの子の腕の太さは、私の腰回りと変わらない。

209日目
ああ、若いウルベクが慣れてきた。他の見習いと住まわせようとしたが、ベッドが壊れてしまい、地下に住みたいと言った。つまり、不満げにブツブツ言って、石の床で羽を伸ばしたということだ。かなり心地良いようだ。

210日目
クラン・タムノッシュのオークは石を砕き、炭鉱で働いていたのだろう。送られてきた子が雄牛に似ているのもうなずける。彼には私達の優れた金属加工と、彼が継承するラウモント家の豊かな歴史を説明したが、あの子はなんとあくびをした。話しても無駄なようだ!

211日目
鍛冶場でウルベクを働かせるのは気が引ける。吹子をやらせるのさえ憚られる。オークと仕事をした経験があるのなら、助言を求めたい。今のところは鉱山を見せて、鉱石を掘るように言ってある。

212日目
シェオールの血にかけて、あのオークの子は掘れる。私の背丈ほどもある新しい鉱石の山ができた。当分の間、安定供給を約束できるのは彼のおかげだ。もし店のつるはしを壊していなければ、今でも掘りに行っていただろう。

213日目
ウルベクが鉱石の出所を理解できるようになった今、鉱石がいかに使える形に変えられるのかを見てもいい頃だろう。彼は鉱山から作業用の積荷を持ってくる。うまくいけば、ラウモントの刻印に相応しい金属を精錬する。

214日目
配達が遅れていたら本当に申し訳ない。ウルベクが鉱山の荷車をまるごと製錬所に引っ張って、危うく埋められそうになったのだ。私は学習者を叱らないようにしている。正直に言えば、あの子を怒らせると命を取られそうだ。