シストレスの守護者 スタイル

クラフトモチーフ114
Systres Guardian Style

元衛兵の学者、ゾエレネ・ルクヴィル 著

若い頃、私はゴンファローネ湾を巡回して安全を確保していた。その頃の私は警備隊によって提供された、カニスという老人が作成した装備の品質と実用性を高く評価するようになった。口が悪く、腹を空かせて失礼な男だったが… 路上を巡回する同僚たちが不足を感じることはなかった。

彼はいつも、「見た目を派手にするのは優先事項じゃない。だが、役に立つこともある」と言っていた。

ブーツ

巡回中には快適なブーツを履きたい。ごろつきの相手をするときには、蹴りに向いたブーツがいい。こいつはどちらにも向いている。革を提供してくれたオルナウグ狩人のおかげだ。それからもちろん、カニスのおかげでもある。

元衛兵の助言を与えよう。パングリットの唾を布地に付けると防水効果がある。礼は不要だ。

ベルト

目立たないベルトが好みなら、これは向いていないだろう。兵舎で交わされる話によれば、この紋章は大昔にハイ・アイルを買収した金貨男爵を表すとされている。だから我々は隊長を「シーホーク」と呼んだのだ。兵舎にいる者たちは今もそうしているはずだ。

頭に強い打撃を少なからぬ回数受けてきた者として、ぜひこの兜のことは話しておきたい。軽装鎧の兜でさえ額を打撃から守ってくれるし、裏地は強い衝撃の影響が長く続くことを防いでくれる。

確かにこの兜はもう少し暖かい夏の時期に適しているが、髪の毛を中に押し込めば濡れることはない。

脚当て

ヒラヒラしたローブがいいか、それとも悪天候に強いレギンスのほうが好きか?どちらもあり、どちらにもカニスの調合薬が使われている。ゲロや雨水、小便、塩水、糞のシミ、それに日々沖から吹いてくる風から守ってくれる。

私自ら飛び込んで、海からヘマをした奴を何度引っ張りだしたことか。私は生まれながらの船乗りにも匹敵するぐらい甲板を熟知している。

衛兵はよく単独で警備するので、矢筒のデザインは実用的であると同時に一風変わったものになっている。金属の装飾は補助的な防具として機能する。複数の敵に襲撃された場合はこれが命を救ってくれる。幅広の矢は、ドルイドが提供するカラスの羽根を使った矢羽根になっている。

ドルイドはただ鳥に話しかけてその羽根を譲ってもらうという話を聞いたことがあるが、でたらめに決まっている。

胸当て

肌に合うオルナウグの皮とハイ・アイル鋼鉄を組み合わせる作りのため、衛兵はぴったり体に合うよう胸当てを特注しなければならない。

私が特に気に入っていたのは斜めにかかったストラップで、非番の時はこれでジョッキを支えていた。シーホーク隊長はあまりいい顔をしなかったが、非番なのだから私の勝手だ。

シストレス衛兵を相手にしていることに気づかない奴がいたら、鍔のシーホークを見ればすぐにわかるだろう。柄の握りは手によくなじむし、この剣の鍔は一般的な剣と違って、芸術的に洗練されているといつも思っていた。

ただ、何も考えずに振り回さないようにしてほしい。港を警備する我々にとって、あの紋章には特別な思い入れがある。

肩防具

扉を無理やり開けなければならないこともある。そしてゴンファローネ湾の扉は蹴りにとても強いので、肩を使う必要がある。ありがたいことに、この防具のスタイルは金属の下に入っているオルナウグの皮で、ある程度衝撃を吸収してくれる。

ただし、こういうことは遊び半分でやらないように。それから、仕事が終わったら風呂に浸かったほうがいい。

手袋

手を守るための防具を装備したが、邪魔でしかなかったことは誰にでもあるだろう。我々の籠手と手袋はそんなことにならない。ストラップは肌にしっかり合うし、柔軟な革のおかげで繊細な動きが可能で、金属部分は武器による攻撃をよく弾く。まだ疑うなら、これを身に着けたまま路上で手術を行えることを、私自身の経験から保証しておこう。

シストレス衛兵の盾についているシーホークは見逃しようがない。その衛兵を矢で狙っているのでもない限りは。その場合、盾は矢を弾くのにも役立つが、他の武器による攻撃を防ぐのにも使える。ちゃんと扱えれば。

裏返しにすれば、まな板としてもそこそこ使える。別にそんな使い方をしていたわけじゃないが。

我々の規定で杖の両側が尖っているのは、カニスの内輪ネタなんだ。彼のある旧友が昔魔術師をしていたが…あまり優秀ではなかったらしい。だからカニスは悪党がこの友人を突き刺すことを思いとどまらせるため、こいつを作った。

考えてもみてほしい。これを肩に突き刺されて、ねじられたらどうする?もう少し神秘的な言い方をすると、この杖から稲妻や炎が出てくると思うと、尖った二つの先端がさらに恐ろしく見えてくるだろう。

戦棍

好戦的な酔っ払いを相手にする時は、この戦棍で峰打ちするよりも、柄頭で殴るほうがいいだろう。「反撃は攻撃と同程度に留めておけ、エスカレートさせるな」。シーホークは兵舎で毎晩そう言っていた。私も完全に同意見だ。両手持ち武器で戦うほうが得意なら、権威を思い知らせる必要がある場合はシーホークの紋章を見せるといい。

短剣

素手での戦闘で手が汗まみれになるようなら、この短剣がお勧めだ。どんな秘密の技を使ったらオルナウグ革の柄が水分を逃がすようになるのかは知らないが、カニスはうまくやったらしい。前に私の短剣を大きなエールのジョッキから引っ張りだす羽目になったことがあるが(理由は聞くな)、握って構えた時にはもう乾いていた。

とはいえ、防具はすべて身に着けたほうがいい。衛兵にとって、手をむき出しにするのは傷をつけてくれと言っているようなものだからな。

この二重柄の逸品は、髪の毛を縦に切り裂けるくらい鋭い刃を持っている。私は何度かそれをやって賭けに勝ったものだ。これも柔軟なオルナウグの皮を握りに使用している。何を使って皮を柔らかくしたのか、カニスに聞かないように。知ると後悔するぞ。