付呪師助手メール 17週間目

116日目
踊り狂うスキャンプに魅了されながらも、囚われの若い男も同じくらい心配でした。その時私は、何らかの魔法や付呪の影響を受けているのではないか、と思いつき、私の興味はさらに高まりました。あなたに材料を送った後、レイヴンウォッチの掟に従い行動すると決めました。

117日目
踊り狂うスキャンプを驚かせて、闇の中に追い払うのは簡単でしたが、光る岩の輪の中に歩みを進めるのは、まったく別の話でした。輪の境界線を踏み越えた途端、またもや踊り出したいという衝動がこみ上げてきたのです。それはあたかも泡立つ火口から噴き出す溶岩のようでした。

118日目
魔術の無言の圧力に抗うのは至難の業でした。私は足がすくみましたが、その時突然ひらめいたのです。光る石の一つを蹴り倒した私は、光が弱まり、踊り出したいという衝動が石鹸の泡のように弾けて消えたことに気付きました。囚われた男から感謝の言葉を期待していたわけではありませんが、彼の眼に浮かんでいたのは恐怖だけでした。

119日目
ところが、若い男の目に浮かんでいた恐怖は私に対するものではなく、背後に忍び寄る人影に向けられたものでした。私が間一髪のところで身をかわすと、デイドラの崇拝者が振った剣が、私の首がほんの少し前まであったところを通り過ぎたのです。もちろん忘れてはいませんよ。材料は同封してあります。

120日目
どうやってデイドラ信者を片づけたかというような、退屈な些事は省かせていただきます。私に関する事実が重荷となってあなたを動揺させ、最悪私を疑いの眼で見るようになって欲しくはありませんので。なのでこういう事にしておきましょう。私は悪党を片づけ、伯爵の厳格な掟を守ったのです。貪ってはならない——悪党を除いては。

121日目
さて、どこまでお話しましたか?ああ、そうそう、悪党です。それほど手こずることなくカルト崇拝者を始末し、軽い食事をとりました(戦いの後は小腹が空くものです)。残念ながら、私の行為は囚われの若い男を動揺させたようで、私を避けようとしました。正直なところ、助けてあげたことで少しは感謝してくれるものと思っておりました。束縛から解放してあげたのですから…

122日目
古くからの言い伝えは正しいですね。最初のデートでがっつくな、ということです。カルト崇拝者の手から助け出した男は下級貴族の息子でした。彼はリアム・フォントボンといい、長身で黒い瞳と豊かな黒髪の男ですが、無礼で恩知らずでもありました。こともあろうに私を化け物呼ばわりしたのです!2度目のデートがあるなんて思っていたら、勘違いもいいところです!