付呪師助手メール 6週間目

36日目
栄えある雇い主殿、あなたが夢見るような素材が満載の荷物をお送りしておいた。これらを集めるのには、いつもと変わらず汗と血を流し、戦って手に入れたものだ。果たしてあなたも私と同じことをしてくれるだろうか。別に憎んでいる訳ではない。ただすべてを、何もかも見通せるのだ。まるで碧水晶でできているかのように。それもクジャク石ではなく、眼鏡に使われるような。恐ろしいとさえ感じる。

37日目
猫族には世界はこのように映っているのだろうか?まるで捻じ曲がった鏡を覗いているかのようだ。私と兄弟で集めた物品が満載の荷物を改めてお送りする。すべて無事に到着するといいが。私には中身が箱を通して見えるのだ。少なくとも私にはそう見える。エズダブの奴は最近、私に対して苛ついているようだ。あなたも同様だろうか?

38日目
有頂天の雇い主殿、私はいま、自分自身の汚物の山の上より、この文を書いている。無論、それが仕事の邪魔になるようなことは無く、今回お送りする積み荷は今までと同じ品質のものだ。実は最近、私の人生に面白い変化が起きたのだ。これほどまでに自由だった事は未だかつてない。クリフ・レーサーたちが空高く飛ぶ時も、このような感覚なのだろうか。

39日目
敬愛する雇い主殿、先のアブナブの手紙について、私エズダブが兄弟に代わってお詫び申し上げる。この手紙と共にいつもの積み荷をお送りする。アブナブは酒に弱く、その状態であなた宛てに手紙を書いたことを酔っ払いながら話したのは、残念ながら前回の荷物を送った後であった。今後も我々との仕事関係を継続して頂けることを切に願う。

40日目
我が友よ、私の最近の手紙についてすでにエズダブより謝罪の言葉があったかと思うが、実は彼は、すべてを知らない。はっきり言ってしまうと、私はスクゥーマ中毒なのだ。少し前、荷物を急いで売り払おうとしていたカジートに出会った。そこでムーンシュガーを大幅に安い値段で売ってもらったのだが、残念なことにそれは加工された状態のものであった。今後もあなたと仕事ができることを願う。

41日目
栄えある雇い主殿、今回も積み荷をお送りさせていただく。すでに聞き飽きておられると思うが、改めてスクゥーマの影響下で書いてしまった手紙についてお詫びしたい。私の事はすでに蔑まれているかも知れないが、それでも私を付呪用素材の主たる供給源として頼っていただけたらと思う。私の先人たちも、私自身も己を恥じているつもりだ。

42日目
付呪以外の分野では、私は生きていけなかったかも知れない。その筋の専門家として己の才を見いだせたことは実に幸運だ。さて、今週の遠征ではプロのシェフに出会ったのだが、私がムーンシュガーを軽く振り掛けたクワマーの卵(一時的なスクゥーマ中毒からどうしても食べたくなってしまった)を食べているのを見られてしまい、そのダンマーの美食家からは思わず消え入りたくなるような蔑みの眼差しを向けられてしまった。