木工師助手メール 25週間目

171日目
やるべきことはやった。次は今の共犯者、華麗なる前足という名のカジートだ。いつもは俺のライバルだが、犯罪王と俺はある種の取り決めをしていた。それというのもシェドリック治安官が目障りになってきたからだ。だが治安官との問題は解決した。華麗なる前足と話をつけないとな。

172日目
「この者に教えてほしい、問題は片づけたのか?」華麗なる前足が尋ねた。「端的に言え」と、俺は答えた。「猫語を話されても俺が理解できないのは知ってるだろう」。犯罪王の眼に怒りが燃え上がったが、自らを抑え、こう言った。「シェドリック治安官だ。この者が頼んだ通り、治安官を始末したのか?」

173日目
「善良なる治安官殿のことは片づけた。俺をつけ狙うことはもうない」と言ってやった。俺は華麗なる前足の眼が動くのを見逃さなかった。何か致命的な間違いをしたことを唐突に気付いたのだ。そこにシェドリックが飛び込んできた。正義を代表した正義漢づらでだ。「自白は聞かせてもらったぞ、猫」と宣告した。「お前は地下牢行きだ」

174日目
華麗なる前足は抵抗するもんだとばかり思ってた。シェドリック治安官や法の手をかいくぐろうとして殺されることになるだろうと。だが違った。代わりに犯罪王は両手を差し出して言った。「華麗なる前足は負けた、治安官殿」。奴は鋭い一瞥を俺に投げかけ、治安官の部下に連行されていった。

175日目
よう、槌のマーゴッグだ。材料が無事に届いたことを願ってる。フォーローンはかつてなく上手くいってる。カジートの犯罪王が逮捕されたからだ。シェドリック治安官との関係もしばらくは安泰だろう。俺が露骨なことさえしなければだが。少なくとも善良なる治安官殿の目の前ではな。

176日目
別の木工プロジェクトを始めた。のこぎりとハンマーを手にするのはいいもんだ。起業家生活は忙しすぎて、好きなことをするのもままならない。だが、このプロジェクトにかかりっきりになることだろう。思い出の品の箱を作ることになったんだ。有名な伝説や言い伝えのシーンを彫り込むんだ。すごいアイデアだ!

177日目
よう、新プロジェクトは順調だ。箱は美しく、ちょうつがい付きの蓋があって、隠しスペースもある。蓋にどんな物語を彫ろうか決めかねている。「ネッチよ、いたるところに」にするか、それとも「勇敢なる小さなスクリブ」にするか。どう思う?どっちの話も子供の時のお気に入りだから決められないな。