テルヴァンニの書

Telvanni Tomes

アザンダーからの手紙Letter from Azandar

ニルン、タムリエル、オーリドン、スカイウォッチ、聖域
アザンダー・アルサイビアデスより

ごきげんよう!私たちの冒険についてしばらくいろいろと考えていて、この手紙をしたためることにした。

歴史、とでも考えてくれたらいい。

歴史的記録を詳しく調べたことがある者なら、歴史の力の奇妙な盛衰に直面することがあるだろう。私たちの美しい世界は数えられないほど長い間、定命の者、アルケイン、デイドラ、エドラの力によって形作られてきた。その結果は、率直に言って乱雑だ。千年続く集落もあれば、浜辺の砂の城のように栄えては消える文明もある。

それが研究や神秘、ほつれた運命の修復を目的とした勇気ある冒険とどう関係があるのかって?いい質問だ。

私は定命の者の人生が、このプロセスを小さな規模で反映していると考えている。一部の者は穏やかな人生を歩み、地元の池に小さな波を立てる程度だ。自分のいる社会で影響力を持っていても、定命の者の大きなタペストリーにおいてはわずかに言及される程度だ。

意志の力だけでアービスの根幹をかき回して火花を散らす者もいる。武力、魔法、何らかを用いてとてつもない可能性を見せるが、結局、継続的な変化はほとんど起こさない。

この後者が、残念ながら私の運命だったのではないかと思う。私の運命線は、外部の力に影響されなければ、研究中の事故による不名誉な死で終わっていただろう。もしくは敵に消されていたかもしれないし、年老いてから不運による、惨めで痛ましい終わりを遂げていたかもしれない。

お前のおかげで、私はもうそんな心配はしていない。私たちが共に過ごした時間は、協力というものを深く理解させてくれた。今では、似たような関係における以前の立ち振る舞いがずいぶんと身勝手だったと考えるほどだ。

仲間よ、お前は老人の心を変えてくれた。不思議な粘土のように形作り、総体的なものに改善してくれた。過去に自分でも試みて、見事に失敗していたことだ。

うまく表現できていることを願うのだが、私はお前をこの上なく尊敬している。これまでに私たちが達成したことすべて、そして今後達成することすべてを考慮して。

私の感謝の気持ち、称賛、熱烈な礼をどうか受け取ってほしい。

いつものように、前に進め!

アザンダー・アルサイビアデス

アラヴェリスでの仕事についてOn the Work at Alavelis

マスター・シェルレニ、

アラヴェリスでの作業はほぼ完了しました。隠された一族は注意深く指示に従いました。門はご命令通りに用意できるでしょう。聖なる像を再建するためにあなたがお求めになった石は現在、与えられた目的地へと向かっております。デイドラ公の祠はもうすぐ、かつての栄光を取り戻すでしょう!

ドレモラのトーヴェサードが到着いたしました。彼は我々に、アポクリファへの侵入に加勢する準備を整えることを望んでいます。彼はもうすぐ夢の中で見た扉の場所が正確にわかるだろうと言っています。主のないデイドラはあまり信用できませんが、彼に従えというのが我らがデイドラ公の命令です。

ドリームウィーバーと疫病のデイドラ公の栄光のために、
ニレス族長

アラヴェリス鉱山の購入についてOn the Purchase of the Alavelis Mine

キンリーヴ・ライル、

私はアラヴェリスの村の碧水晶鉱山を購入した。同盟者の隠された一族はぺライト公とヴァルミーナ公が提供した化合物、クジャク石の神秘的性質を利用し、私が特別に作った呪文と合わせてあの場所にアーチ型の門を建設する。これで、ハルメアス・モラの注意を引くことなくアポクリファに入るためのポータルが手に入るでしょう。

あなたのドリームカーヴァーをアラヴェリスに送り、トーヴェサードの合図を待ちなさい。早まった攻撃はしないように!トーヴェサードの夢に出てきた扉を探す前に、遺物と儀式を確保したい。でなければ運命のデイドラ公が自身の危機に気づいてしまう。

アラヴェリスでその他の問題が起きた場合は、あなたの判断で対処して。

マスター・シェルレニ・バロ

アラヴェリス鉱山の調査Survey of the Alavelis Mine

ギルドマスター・ピュヴォル、

アラヴェリスからご挨拶を申し上げます。村の地下にある碧水晶鉱山の調査を完了いたしました。今回、この事業への投資はお勧めできません。枯渇には程遠い状態ですが、残された鉱床は商品として通用しません。大量の鉱石を得るために必要な労力と費用はあまりに大きく、特にヴァーデンフェルのより大規模で生産効率のいい鉱山との競争を考えると、現実的ではありません。

成功の見込みがありそうな事業の可能性は2つあります。まず、大型の水晶を装飾用として採掘できるかもしれません。この鉱山の上部を通っているクジャク石の鉱脈層は、溶かして金属様の碧水晶にするには役立ちませんが、とてもきらびやかです。アラヴェリスのクジャク石は武器や防具へ使うには脆すぎるとしても、建築素材の石にする程度の質は間違いなくあります。

次に、私は鉱石の中に特別なアルケインの共鳴があることに気づきました。適切な利害関心(あるいは風変りな趣味)を持つ魔術師なら、ここにあるものに大金を払うかもしれません。しかし、そんな客がどれくらいの数いるものでしょう?

手短に言えば、アラヴェリス鉱山は確かにはした金で購入できます。しかしここを黒字に変えることはできないでしょう。大きなクジャク石の水晶を、ただの水晶として欲しがるような客が見つからない限り、投資する理由はありません。

私は数日間滞在してからサイレン・ヴァルゲイトに戻る予定です。宿屋は快適ですし、ここにいる間、近くの地方を探検しようかと思っています。

敬具、
調査員テニス・ヴァション

あらゆる魔術師に死をDeath to All Mages

我が子の上に立ち、死体から漏れ出る温もりを感じた時、私に理解できたことは一つだけだった。トゥウェルヴェインがいなければ、こんなことにはならなかった。あの悪魔は、自分の魔術ならジャヴァラを冒していた衰弱の病気を治せると言った。あの女の薬はジャヴァラの苦しみを軽減するだろうと約束したのだ。だがそれは嘘だった。あの邪悪な液体がジャヴァラの口に入った瞬間、恐ろしい悲鳴と共にあの子の生は終わりを告げた。

魔術師は皆嘘つきだ。治せると主張するが、奴らの行いは苦痛と死を生むだけだ。たとえ本気で治すつもりでも、奴らの力は邪悪だ。

私たちは力を合わせなければ。失ったものすべてのために。まだ守れる人々の安全のために。あの魔術師たちは害悪だ。奴らの病気が街全体を覆いつくす前に、抹殺しなければならない。

魔術師や魔術を使う者はすべて殺せ。だがトゥウェルヴェインは私のために残しておけ。

元アルカニスト、ヤセイラ

アラロス・サーヴロシの墓石Aralos Sarvrothi Gravestone

アラロス・サーヴロシの遺体
サーヴロシ家の
トリビュナルからの離脱の罪で
聖なる宝物庫から追放
安らかに眠らぬことを

アルカニストとは何か?パート1What’s an Arcanist? Part 1

ガブリエル・ベネレ 著
グウィリム大学の月間回覧向けに書かれたもの

アルカニストとは何者でしょうか?私はこの質問を少なくとも十数人の学生と、その半分ほどの数の教授から受けましたが、作り話だと思われないような答えを思いつくために大変な苦労をしています。まずは基礎から出発しましょう。スイートロールにアイシングを追加するくらい簡単な部分から。

体系化された神秘術

組織的なアルカナムについての短い余談から始めましょう。あなたが私のように、ここ数年間で何人かの冒険者と話す機会を得ていたら、大学の布告を見逃したかと思わせるような用語が投げかけられるのを耳にしているはずです。「テンプラー、ウォーデン、ナイトブレイド」といった、究極的には実地の教育者にとって大した意味を持たない肩書きです。

魔術が何で「ある」かについて何らかの合意を得ることがほぼ不可能な時代において、なぜこうした用語に意味があるのでしょうか?それこそが目的ではないですか?今の流行を支配しているアルケイン思想の、形式にこだわらない性質を見れば、どんなものであろうと分類が存在することが、いかに有意義で魅惑的に思えるかわかるでしょう!

最近のインタビューで、我らが魔術師ギルドのデュレフがウォーデンとは何かについて論じているのを読めば、こうした肩書きが世界中の学ある人々にとってどれほどの可能性を秘めているかを理解できるでしょう。

(余談になりますが、私がシャド・アツーラ大学にいた時の体験を元に書いた「魔法の流派」を参照してください。ヴァヌス・ガレリオンからの拒絶の手紙が増え続けている事実から、彼はまだこの主題に関心を持っていない可能性が高いのですが、皆さんの中には関心のある方がいるかもしれません)

学識と機会の書物

さて、私の解答は十分に表現したので、直接質問に答えましょう。私の知る限り、アルカニストとはアポクリファの力に触れられた神秘の書物から学ばれ、そこから力を得ているアルケインの呪文形態を利用する魔術師です。

学識ある大学のメンバーの多くは知っているとおり、「オブリビオンの領域」はスペクトルに沿って点が存在しているのと同じ程度には特定され、制限された物理的な場所に存在しています。私たちは詳細な文献により、生物や呪文の技術が、オブリビオンの領域に転送された定命の者さえ、その領域を支配するデイドラ公の影響により順応か変化することを知っています。

アポクリファの場合、ハルメアス・モラによって選ばれた(課せられた?)メタファーは広大な蔵書庫です。そのため、領域に進入する獣がその場所に適応して変化するのと同様、存在している領域の一部分が、自らに与えられた神秘的メタファーに適応して変化することも理解できます。要するに、この「書物」はアポクリファそれ自体の一部という仮説を立てています。オブリビオンの基体が姿を変え、ニルンと決定的なことに、定命の精神に住み着いたのです。

アルカニストとは何か?パート2What’s an Arcanist? Part 2

ガブリエル・ベネレ 著
グウィリム大学の月間回覧向けに書かれたもの

深淵の海の流れ

では、アルカニストは何をするのでしょうか?デュレフはウォーデンとは何かを説明するのに苦労していましたが、私もこの呪文使いを分類するのに困難を覚えています。大まかな説明を試みますが、完全なものでないことを予め断っておきます。

アルカニストの呪文詠唱はいくつかの力のあるメタファーを使用します。それぞれのメタファーはとても強力な作用を生むようです。すべての魔術師は様々な種類のルーンを使用しますが、アルカニストが用いるルーン技術は極端に綿密です。

こうしたルーンフォームは強力なビームの放出、ほぼ貫通不可能なスペルアーマー、それに様々な可能的帰結を伴う――あえて「独創的な」と言っておきますが――回復呪文を可能にします。ルーンと言語はアルカニスト神秘術の基礎を成す部分であるようです。他のメタファーも個々の呪文使いによって様々に利用されていますが、ルーンを刻み込むことで現実を形成し、変化させる発想はすべてに共通しているように思えます。

占いし者の領域とのつながりを考えれば、複数の共通する呪文技術に触手が一定の役割を果たしていることは、おそらく読者も驚かないでしょう。攻撃手段として、この方法はとても見事かつ不快です。私はアルカニストを自称する者が素早く触手を召喚し、グレナンブラの郊外でアンデッドの群れを撃退する光景を直接見ました。視覚的にも嗅覚的にも、音響的にも忘れがたい経験でした。

もう一つの一般的なメタファーは、アポクリファを規定するある特徴から引き出されています。それはこの領域の大部分を占領している深淵の海です。深淵の海の沖合は私が知っているどの研究者によってもまだ十分に探索されておらず、あのインクのような水の深部は、おそらく生者の記憶が想像する以上の秘密を飲み込んできたはずです。波や渦、波浪や浅瀬など、このニルン外の海はアルカニストにとって強力な魔術の源泉であり、彼らはその水をいとも簡単に自分の意思で転送し、形成できるようです。

運命それ自体が、アルカニストの道具箱における鋭利な武器となります。私はアルカニストが、狡猾で面白い方法を用いて周囲の確率を変化させるのを見てきました。アポクリファの公が有していると言われる、運命視の反響です。

以上のことをどう考えるか

大学に警鐘を鳴らし、私たちの世界ではよくあるように、我々の目前で新しく強大な神秘の力が威信を高めてきていると宣告したくなる気持ちも、理解できないではありません。だが真実はもう少し複雑だと私は考えています。この現象を研究した結果、私は「アルカニスト」がしばらく前から私たちの中に存在していたものの、おそらく別の形式で、人目を引く呼称を持たずにいたのだと考えています。

また指摘しておくべきこととして、デイドラ公の間におけるハルメアス・モラの「役割」は、こうした呪文使いが用いる神秘的なメタファーに重大な役割を果たしているものの、全面的にアルカニストが秘密の領域に対して持っている関係によるものであり、デイドラ公自身とは関係していません。事実として、私が最近話を聞いた複数のアルカニストは知識のデイドラ公に対して深い不信や、憎悪さえ表明していました。もっとも、不可避の知者に対して信者のような熱狂を示す者もいましたが。

タムリエルの魔術は私たちの学術論文や見事な歴史書が認めるよりも、遥かに多様かつ独特だと申し上げましょう。私はあなたの注意をアルカニストという現象に向けることによって、あなた自身の地域や街にも、新しく刺激的なメタファーの組み合わせが出現していることに気づいてもらえるのではないかと考えています。

ある召使の物語A Servant’s Tale

奴らはろくでなしだ。魔術師のふりをしているだけの、軟弱で甘えた愚か者たちだ。

あの間抜けの雇い人、ハルグロドの地位はどう考えてもすぐに剥奪し、ふさわしい者に明け渡すべきだ。スペルライト・ヴァースヴァのもとで奴がどうやってあの地位を得たのかは、ソーサ・シルでさえ解き明かせない謎だ。

泣き虫のバルヴァーはいつも泣き言ばかりの愚かな家臣で、自分の計画が気づかれていないと思い込んでいるが、私の目はごまかせない。奴は背中を向けて、自分は安全だと思っている。だが、私は奴の動きをすべて見ているし、奴の計画も知っている。しかも、奴からは酷い臭いがする。

そして誓約者ラルロがいる。育ちの悪い成り上がりで、遅かれ早かれ失脚する奴だ。短期間は地位を保つかもしれないが、奴が脱落するのは早いほうがいい。奴の傲慢を利用してやる。

スペルライト・ヴァースヴァとモランは私がこの馬鹿どもの誰よりも価値ある存在だと気づくだろう。魔術を形成する私の能力にはまだ改善の余地があるが、私はまだ召使でありながら、その野心はすでに最高位の賢者をも上回るほどなのだ。私だけが地位を動かし、奴らのいなくなった隙間を狙い、素人には見えない機会を作り出すことができる。

賢者たちも自分たちが見逃していた才能にすぐ気づいて、鋭い知性と巧みな手腕が役に立つことを知るだろう。チャンスを作ることさえできれば。

エリストレネ・スターフラワーへの手紙Letter to Elistrenne Starflower

愛しいエリストレネ、

新しい隠れ家の用意ができた。デシャーンの忘れられた墓地にある。そう、君がやめようと言った場所だ。鍵を同封してある。以前の契約者が鍵を誤った者の手に渡して問題になったことがある。肌身離さず持っていてくれよ。いいな?かばんに入れて放置しないように。

それから、どうか近いうちに訪ねて来てくれ!夜のごとく鋭き者が追ってくるのを待っているんだが、退屈で死にそうだ。痕跡をうまく隠しすぎたかもしれない。

あと、もうお気に入りのペットを自分で手に入れているのなら、ぜひ連れてきてくれ。こっちには夜のごとく鋭き者の妹がいる。彼女のことは多分話しただろう。「鈍い」ほうだ。会話していても彼には到底かなわない。さらに悪いことに、彼女は調整のプロセスに抵抗している。まったく。遊びに来てくれ!この退屈から救って欲しいんだ。

近いうちに話そう、
ソンディヴェル

エロヴル・アラーンディルの墓石Elovul Alarndil Gravestone

エロヴル・アラーンディルの遺体
アラーンディル家が
ネレヴァリンの歌を冒涜した罪で
聖なる宝物庫から追放
安らかに眠らぬことを

オブリビオンの入口の指示書Oblivion Gateway Instructions

この指示に文字通り従うこと。少しでも指示から外れれば、予測にない、おそらく破滅的な出来事が生じるだろう。

ブライトクラウンの薬と、ヴァルミーナから受け取った夢のエキスが石に組み込まれた。トーヴェサードは位置の情報を提供し、私はすべてをつなぎ合わせる呪文を作りだした。

キーストーンが設置されたら、門の用意ができる。トーヴァサードが指令を出すまでは起動しないように。門が開くたびに、ハルメアス・モラが侵入に気づく可能性が高まる。

アポクリファに到達するための呪文を以下に記す:

第七の影と陰鬱の名のもと、
セファリアークの神殿よ、開け。

マスター・シェルレニ

オペレーション・サイフォンの報告Report on Operation Siphon

ラルズ評議員、

アルド・イスラにおける我々の作戦は未だに発覚していません。我々がマスター評議会の内部に設置した情報源は定期的に連絡を取り、機密文書を横流ししています。この情報源の価値は計り知れません。支払ったゴールドには十分見合います。

あなたは我々が安全に情報をやり取りする手順を詳しく説明せよとお求めになられた。毎週日耀と央耀の夜遅くに、トレデシムは北にあるこの地域のカゴーティの巣の中に新しい情報を入れた箱を隠すのです。その後我々は水耀と木耀の朝に書簡を回収します。テルヴァンニのマスターに直接の力添えをするなら、もっと臭いの強烈でない場所を選びたいところですが、成果は否定できません。

トレデシムが積極的に情報を提供してくれるのは実にありがたいことです。傲慢か欲によるものかは不明ですが、奴の口の軽さには万金の価値があります。このレベルの協力者を手に入れるために、幾季節も努力したかいがありました。

我々の作戦の現在の段階はもうすぐ終わるはずですが、機密情報の流入は将来に備えて維持しておくつもりです。

我らが名家のために、
タネル・ドーレス

ガドリからフェデロへのメモNote from Gadri to Federo

フェデロ、

一つ頼みがある。この顧客にはもう俺を使わないでくれ。

仕事自体は構わないが、こんなコソコソしたやり方は報酬の割に合わない。ただでさえ、ドワーフ遺跡の橋の近くにある秘密の扉を通って、秘密の拠点に行くんだぞ!他の契約者には、扉自体のそばに鍵を置いていくと伝えてくれ。それなら見つけるのに大した手間はいらないだろう。

よし、これで文句は終わりだ。今のところはな。俺はグニシス付近で数日泊まるつもりだ。他にやることがあったら言ってくれ。なければ、報酬をどこに送るのか教えて欲しい。

ガドリ

カモンナ・トングの暮らしLife in the Camonna Tong

ゴヴァル・サドリオン 著

ゴヴァル・サドリオンについて最初に知っておくべきことは、俺が密輸業者ではなく、酒場の喧嘩屋だということだ。俺の知識は誰に教わったものでもない。血とあざの教訓を通じて自分で学んだものだ。口で拳を受け止める方法を学ぶまでに、結構な数の歯を失った。素早く身につけた教えもあるが、いくつかは学ぶのに時間がかかった。

小さい頃は物がなかった。小さな家に、泥だらけの床。両親は貧相な自分の土地で一日中働いていたが、生活は潤わなかった。俺たちは自分の家の中でクズのような生活をしていた。泥の上で眠り、泥の中で働き、食料が足りない時は泥を食いもした。それでも、両親は誇りを持っていた。頑固な土の塊から、家庭を一つ作り上げたのだから。

だから誓約者が父について嫌味を言い、雇い人が母を見下した時、俺は何をすべきだった?奴らの侮辱をそのままにしておく?ありえない。俺はいわゆる名家の助けを得ることなく家族を、家庭を一つ築くのがどれだけ大変か知っている。あのクッションに座ってぬくぬくと肥えるだけの連中に、俺たちを見下す資格なんてない!

若い頃はかなりの数のクズどもに絡まれた。数えるのも面倒なくらいよく痛めつけられた。だが偉そうな連中が俺たちを下衆と呼んでくる限り、俺は反撃した。母は言葉が拳よりも痛いと言っていた。傷つく言葉はよく聞いたが、俺の拳はそれ以上に痛かったはずだ。

収穫が悪かった時は、父はスジャンマに溺れた。大きなジョッキで何杯も。飲みすぎた後の不愉快な臭いが家中に広がった。母は必要な分を越えては金貨1枚も使いたがらなかった。母は外に出て苦い野菜を引き抜き、生で食った。俺たちが見つけた時、母は寒さで凍結していた。

それだけ苦労して得たものは何だ?自分の農場の土で凍りついた母親と、胃の内容物を肥料にする父親だ。両親は誰よりもよく働き、俺たち全員に同じ生活を強いた。何のために?多分それが母から教わった最後の教訓だ。人生の運命を受け入れたら、死ぬまで馬鹿にされて、叩きのめされるだけだと。

その後はすぐに立ち直って自立するようになった…と言いたいが、そうはしなかった。酒場の喧嘩屋だったと言ったのは覚えているか?俺は昔身分の低い名家の連中と喧嘩したこと、俺を鼻で笑ったあのクズどもに仕返しするのが爽快だったことを思い出した。俺はもっと喧嘩を挑んだ。長い間、戦って過ごしていた。俺の拳は変わった。言い返してくる馬鹿どもを殴って黙らせるのが上手くなった。俺より殴るのが上手い奴もかなりの数いたが、そういう連中の大半はどこかのトングに属していたから、それほど気にはしなかった。

俺は多少の注目を集め始めていたらしい。タフな野郎だという評判が生まれ、それでどこかの血に飢えた戦士たちが感心して、ある夜コーナークラブで俺に接触してきた。酒をおごろうと言われたが、断った。アルコールは父のゲロの臭いがするから、飲めたものじゃない。連中はそれでなおさら感心したようだった。こういう奴を雇いたかったんだと連中は言った。当時俺はそれを聞いて、物に釣られない賢い奴という意味だと思っていたが、今では俺がやった殴り合いのことだったのを理解している。連中は安定した仕事と旅行の機会、さらに母をネクロムに送ってまともな埋葬をしてやれるくらいのゴールドを約束した。それに、奴らは俺たちを破滅させたクズどもに報復する機会もくれると言った。

クズどもは綺麗な服を着て、本物のベッドで寝ているのに、なぜ俺はずっとあんな生活をしなきゃならない?なぜ俺は土を耕して、土と泥にまみれなきゃならない?俺にはもっとマシなことがやれる。もっとマシな生活をする資格がある。

だから俺はカモンナ・トングに入った。連中の言葉は正しかった。支払いはいい。いつも仕事はあるし、正しい人々の関心を買う方法もある。まださらなる戦いが待っているし、叩きのめすべきクズがいて、今はそいつらを実際に叩きのめすことができる。あんなに沢山の鼻から血を噴き出させたのも、あんなに色々な連中の態度を改めさせてやったのも初めてだった。そのうち、奴らは皆俺を恐れるようになった。少なくとも、俺の拳が引き起こす苦痛を恐れていた。

ここでは俺は尊敬されている。前の季節にはトロールを1匹殴り倒した。それで俺は追加のゴールド1袋と、ネクロムに母を訪ねるための短い休暇をもらった。母は俺を誇りに思っている。男前になったと言ってくれた。やっと十分な食事ができるようになったねと。危険な仕事なのは気に入ってくれなかったが、俺の両親には反抗する勇気がなかった。両親は人生から与えられた以上のものを取ることを知らなかった。俺は知っている。

母は言葉は拳よりも痛いと言っていた。俺は拳も受けたし、言葉も聞かされた。もうどっちも痛くない。俺は痛みを利用して強くなる方法を身につけた。たとえ、カモンナルーンに帰る途中でニレラがトロールに殺されたように、俺が何かに殺されることがあったとしても、俺は少なくとも出発点よりはマシなところに行けたんだ。俺は死ぬまで、この人生から俺が得て当然のものを取り続ける。それがカモンナ・トングのやり方だ。

サヴィエニー・マヴリンの墓石Savienie Mavlyn Gravestone

サヴィエニー・マヴリンの遺体
マヴリン家が
偉大なるヴィベクを疑った罪で
聖なる宝物庫から追放
安らかに眠らぬことを

サシルの研究メモSathile’s Research Notes

疑念がネズミのように心に這いあがってきた時は、自分が正しかったことを思い出すようにしている。私は正しい。彼の死は無駄ではなかった。私の仕事はもうすぐ、もうすぐ成果を挙げる。我々は発見に近づいている。きっとそうだ。

デルモン胞子サンプル1105号
さらに高速で生命体を分解している。前例がないほどの速さだ。胞子の攻撃性は被験者の感情の乱れが激しくなるにつれて増大する。私の計算では、サンプル902号から計測された激しい感情的執着以来、壊死の速度は二倍になっている。何かのきっかけでより強力な反応が起きたら、私の結界では防げないかもしれない。

対処法
被験者が感情的な均衡を回復するまで、徹底的な隔離と一日2回の病棟の清掃を行うこと。被験者の執着や苦悩から考えると、これにはしばらく時間がかかり、私の魔術と体力にかなりの負担をかけることになりそうだ。結界の規模を縮小し、より小さな隔離地区を用意しよう。感染が拡大するか、状況が危険すぎると判断される場合は鎮静物質の使用も考慮する。

被験体
確保して牢屋に入れてある。外見上はテストしてよさそうだ。そこで次の問題が生じる。

治療合成シリーズ6905-6999号
もっと頼れる協力者が見つかるまでは封鎖中。召使の女ダシアを手放したことを後悔しているが、この状況はすでに危険すぎた。どこから頼れる協力者を手に入れればいい?奴隷では私の要求に合致しないし、奴隷は詮索しすぎる。最近はフェデロでさえ傭兵を維持するのに苦労していると聞いている。だが私に傭兵は必要ない。研究助手すら不要だ。欲しいのは私がもう一人。あの問題には自分で対処したいが、ここ20数年、私の手はこの件で塞がっている。

サンヴィス・ゴルサシンの墓石Sunvys Golsathyn Gravestone

サンヴィス・ゴルサシンの遺体
ゴルサシン家が
よそ者と共謀した罪で
聖なる宝物庫から追放
安らかに眠らぬことを

シャデヤからの身代金を求めるメモRansom Note from Shadeya

盗賊、

お前はシャデヤのことを知らない。だが長老エイリース・ドロはこの者に奴のちっぽけな陰謀と、お前の関与を教えてくれた。

シャデヤはあの行商人どもから受け取るわずかなゴールドよりも、護符のほうがいい金になると考えている。

長老とその残された家族に生きていて欲しければ、キャンプ東の放棄された基地に護符を持ってこい。

妙な真似をすれば、この基地をバーンダリの血に染めてやる。

シャデヤ

ソンディヴェルの日記Sondivel’s Journal

ついにやった。この金属、ティラナイト・カルクスは適切な熱と魔術を加えることで展性が生まれる。結合はアルゴニアンの鱗に対してサラマンダー以上に大きな刺激と興奮を引き起こす。しかし、私の影響下にある被験者は炎症にも刺激にも一切文句を言わない。私の最新のシリーズで、被験者たちは完全な暗示の影響下にあり、私の指示をすべて明確かつ熱心に遂行する。私の意思が彼らの欲望だ。彼らは意識明瞭に見えるが、調和を外されると元に戻る際に記憶の間隙が生じ、まるで何も起きなかったかのように振る舞う。

夜のごとく鋭き者が発揮したような、模範的な意志力と抵抗力による「突破」はもう起こらないだろう。彼を探し出して再び調和させたら、彼の記憶は戻り、これまでどおり「鋭く」なる。彼の厄介な自由への欲求は除くが。とはいえ、あれのせいで彼は私にとって特別な存在だった。この躍進は彼のおかげなのだから。

初期の実験で破滅しかかった後、ここにいることだけでも満足を覚える。我が野望は愛する人々に過大すぎた。多くの友を失い、都合の良い婚約者も失った。孤独になった時、夜のごとく鋭き者は奴隷の一群の唯一の生き残りだった。大変な強さだ。以前我々が交わした会話が懐かしい。奴隷以外でも、夜のごとく鋭き者ほど私のアイデアに反抗した者はいなかった。あれに匹敵する話相手はいない。あの反抗心がいつも、私の霊感を燃え上がらせる刺激になった。私の計画という剣のための砥石だ。彼は私の完璧な実験、私の最後の試練だった、いや、今でもそうだ。無理矢理私の手から奪われたことで、彼は私に関する記憶を失ったが、腹を立てる気にはなれない。彼を失わなかったら、どう考えてもこの躍進を手にすることはなかっただろう。彼を私の意思に従わせ、かつあの特別な性質を無傷のまま保つことができたら、それは私が成功した証だ。私の名はネクロムからダガーフォールに至るまで、すべての魔術師の耳に鳴り響くだろう。しかしそれも夜のごとく鋭き者を取り戻すことに比べたら、小さな成果にすぎない。手の届くところに置いておくだけでは足りない。彼に手を噛みちぎられる不安なく、私の手から食べ物を与えられるようにしたい。私が欲しいのはあの鋭い舌であり、爪ではない。

私は何度も再会を思い描いてきた。きっと彼は自分の記憶を欲しているだろう。でなければ、私を探し出して殺そうとするはずがあろうか?あの男が自分の言うよりも遥かに好奇心を抱き、警戒していることは、私の有利に働く。当の本人は自分が失ったものを惜しんでいると認めないだろうが、私なら必ず、彼を完璧にしてやれる。

ただあの男を見つけ出せばいいのだ。

ダスクセイバーについての報告A Report on the Dusksabers

レンシアス大司教
シェイディンハル、アーケイ大礼拝堂

閣下

本日はハルルンの監視所での事件に関する調査について報告いたします。閣下もおそらく覚えておいでかと思いますが、ブラヴィルのある強盗団が、街の廃墟で野営している間に壊滅させられました。唯一の生存者は影を蠢く剣と、血を滴らせた牙を持つ怪物について語りました。

明らかに、これは地域のゴブリン部族の仕業ではない。それゆえ襲撃を行った怪物を追うため私が派遣されたのです。

私はブラヴィルの生存者に話を聞き、ダスクセイバーという名を知りました。この吸血鬼たちは高度な技術を持つ傭兵として働き、腕(と牙)にものを言わせて、報酬を支払う顧客に特別なサービスを提供しています。今回の場合、ダスクセイバーはあるテルヴァンニの魔術師に雇われ、ブラヴィルの強盗が探していたものと同じ、アイレイドの財宝を入手しようとしたのです。

私はこの脅威を排除するためモロウウィンドへ向けて出発しました。我らの教団員はトリビュナル聖堂の地では歓迎されないことを考え、変装に身を包んで旅をしました。ダスクセイバーのような怪物たちがどこに隠れようとも、アーケイの神聖なる裁きから免れさせるわけにはいきません。

ヴォスの酒場にて、私はダスクセイバーを見つけた…というより、彼らが私を見つけたのです。私はある怪しいダークエルフを観察し、彼が立ち去るのを待って隠れ家まで追跡しようと考えていました。しかし日が暮れてもこの男は去ろうとせず、私がついに諦めると、彼は立ち上がって近づいてきたのです。

「もう出ていく必要はないぞ、司祭」と彼は牙をきらめかせて言いました。「ここに残っているのは我々とお前だけだ」

この建物に残っているダークエルフたちが全員、飢えた真紅の目で私を見ていることに気がつきました。私は自分の不注意を呪いながら、アーケイの光に呼びかけ、命を捧げようと身構えました。しかし私と向かい合った吸血鬼は片手を上げました。「我々はそのためにいるのではない」と彼は言い、私の向かい側に座りました。

「では、何だ?怪物と口論する気はない。殺すなら殺せ。トリビュナルのオーディネーターが仕事を引き継いでくれる」。私はそう尋ねました。

「私のためを思っての警告だとでも言うつもりか?」と私は言い返しました。

「警告は我々のためだ。お前の教団にメッセージを持ち帰ってもらいたい。お前たちがテルヴァンニ半島でダスクセイバーを襲えば、それは我々を雇っているマスターを襲うのと同じことだ。テルヴァンニのマスターと争う意思があるのか、よく考えろ。その覚悟がないなら、どこか別のところで吸血鬼狩りを続ければいい」

「お前たちを雇っているのはどのマスターだ?」と私は聞きました。

「どのマスターもだよ。時期によって変わるがね」と私の敵は冷たい笑みをたたえながら言いました。「我々はとても有能なんだ。さあ、行け」

私は気が進まないながらも去りました。勝ち目の薄い戦いを始めるよりも、このメッセージを修道院に届けるほうがよいと判断したのです。

閣下もご存じのとおり、ここに我々の仲間はほとんどいません。テルヴァンニは彼らの中に吸血鬼がいても、それがいずれかのマスターの役に立っている限り、まったく問題なく受け入れる連中です。そしてダスクセイバーは実際、非常に役立っているらしいのです。

あなたの僕、
礼拝堂衛兵、エラティオ・フレンナ

ダスクセイバーの報告Dusksaber Report

指示通り、私はダスクセイバーの部隊を集め、テル・レンディスに野営地を設営した。我々はすぐに行方不明の賢者の防備がまだ機能しており、極めて危険だということを突き止めた。この場所を3歩も進めば、怒れる精霊に気づかれてしまう。簡潔な調査で明らかになったことは以下だ。

賢者の塔:閉鎖中
馬小屋:破壊されている
召使の部屋:特別なものはない
旧広間:奇妙な結界によって守られている
食堂:精霊に守られていた。現在は安全
客室:精霊に守られている

マスター・シェルレニが到着するまで、戦いを続ける理由はない。彼女は間違いなく不満を示すだろう。

ダスクのゼンフィス隊長

ダスクのゼンフィス隊長からの命令Dusk Captain Zenfis’s Orders

ダスクセイバー

マスター・シェルレニはテル・バロ塔の入口を塞ぐため、新たなアルケインの結界を設置した。警戒は怠るなよ。この結界は彼女がより恒久的で持続力のあるものを召喚するまでの、一時的なものにすぎない。

お前たちの中で塔に入ることを許可されたごく少数の者たちだけが、一時的に結界を解除して中に入れるようにするため、テル・バロの紋章が必要になる。紋章がないなら、塔の入口に近づいた時の責任は負えない。

塔の洞窟全体に、4つの錠が設置されている。

ダスクのゼンフィス隊長

デイドラ崇拝とダークエルフDaedric Worship and the Dark Elves

ゴトルフォントのハデラス 著

モロウウィンドのダンマーはいくつかの宗教的伝統に従っている。相手によっても異なるが、第一にして最大のものはトリビュナルの生き神、すなわちアルマレクシア、ヴィべク、ソーサ・シルの崇拝だろう。ダークエルフ文化の変わらぬ特徴の一つは、先人の霊魂に向けられる敬意と崇拝を中心としている。どちらの伝統も名家のダンマーによって実践されているが、アッシュランダー・クランは特定の先人と三柱の「善なる」デイドラ――アズラ、メファーラ、ボエシアを崇拝する。アッシュランダー・クランはトリビュナルの神性を拒絶している。

では、ダークエルフたちはいかにしてデイドラ崇拝とそれ以外の宗教的伝統を共存させているのだろうか?すべては彼らの先人崇拝への傾向に遡る。というのも、ダークエルフは(彼らの言い方によれば)善良なデイドラをすべてのダークエルフ民族の祖先と見なしている。これはトリビュナル神学にさえ組み込まれており、これらのデイドラ公は三大神の「守護者」であるとされている。

善良なデイドラが存在するなら、邪悪なデイドラもまた存在すると考えてよい。ダークエルフにとって、それは災厄の四柱神という形態を取り、これはまた敵対者、試す神々としても知られている。デイドラ公メエルーンズ・デイゴンとシェオゴラス、マラキャス、モラグ・バルがこれに含まれる。これらのデイドラ公に捧げられた古代の聖堂はモロウウィンド中に見られ、一部の主張するところでは今日に至るまで秘密裡に崇拝されている。

デイドラ崇拝のその他の例は、他のデイドラ公信仰も含めて、ダークエルフの地でもそこかしこで見出されるが、最も有力なのは上記の崇拝形態である。トリビュナルと名家の支配下にある、いわゆる文明化された街では、聖堂のオーディネーターが熱心に異教の教えを狩り出しており、大半のデイドラ崇拝がその対象となっている。

デイルデラ・ギルロムの墓石Dayldela Gilrom Gravestone

デイルデラ・ギルロムの遺体
ギルロム家の
モラグ・ガルの冒涜の罪で
聖なる宝物庫から追放
安らかに眠らぬことを

テルヴァンニ家の歌House Telvanni Song

どのようにしてテルヴァンニ家で
頂点まで這い上がるか?
どのようにしてテルヴァンニ家で成功し
ナイフを背に突き付けられながら生き延びるか?

嘘つきの雇い人の底辺から始まり
家臣から誓約者へと昇る
法執行官に到達して休む者もいる
高みへ登るのは疲れるから

どのようにしてテルヴァンニ家で
頂点まで這い上がるか?
どのようにしてテルヴァンニ家で成功し
裏切りと嘘に耐えられるか?

次の歩みで代弁者となる
マスターや賢者を代表する
その上にはスペルライトと魔道師
塔が育つように高く登る

いつか我々はマスターとなり、高みから導く
賢者の影響が強くなる
その時望み、計画し、夢を見られるだろうか?
全てを統べるアークマギスターに

どのようにしてテルヴァンニ家で
頂点まで這い上がるか?
どのようにしてテルヴァンニ家で成功し
真実が希少で裏切りが安い場で生き延びるか?

テルヴァンニ家の地位と肩書きRanks and Titles of House Telvanni

学者アンドゥンリリーによって、アリノールのアルウィナレ女王代理の宮廷のために作成された報告書

宮廷の皆様方にご挨拶を申し上げます。

私はアルドメリ・ドミニオンの魔術師にして顧問であるペネウェンの依頼により、ダークエルフとも呼ばれる我らの親類ダンマーの社会について説明し、要約する役目を仰せつかりました。ダークエルフは諸々の家に分かれ、それらすべてに固有の内部社会組織があります。本報告は最も複雑な層構造の社会を有するテルヴァンニ家のダークエルフにほぼ限定してお伝えいたします。以下に記すものがテルヴァンニ家の地位です。

「奴隷」は通常、社会的地位に含まれません。所有物と考えられているからです。ダークエルフの家の大半は、エボンハート・パクトに加入した際にこの忌むべき実践を放棄しましたが、テルヴァンニ家は奴隷制を伝統とみなし、奴隷の所有を地位の証と考えています。

「雇い人」は地位と認められている中でも最下層の存在であり、高位のエルフ家によって直接雇用されている自由人を指します。この地位に含まれるのは主に召使、書記、傭兵といった者です。雇い人は望むままに受け入れることも追いだすこともでき、タムリエルのどの民族でもよく、打算的なテルヴァンニには使い捨ての手駒として扱われています。雇い人の家族は独立した存在であり、正式に家の一員と見なされることはありません。

「家臣」は雇い主の家へ正式に受け入れられた雇い人です。家臣はより恒久的な仕事や住居を持ち、テルヴァンニの誓約者と直接やり取りします。家臣は家の許可があれば結婚も可能で、自分と同じ地位の者と結婚する傾向にあります。家臣の子もまた家臣と見なされています。

どのテルヴァンニの家も、その大部分は「誓約者」で占められています。他の名家もまた雇い人、従者、誓約者の地位を用いますが、テルヴァンニは他の名家よりもこれらの地位を強調する傾向にあります。誓約者の活動にはより自由が認められており、家を補佐するため個人的に行動することが期待されています。誓約者の子は誓約者と見なされます。

「法執行官」、「スペルライト」、「代弁者」はどれも、専門化された誓約者です。これら3つの集団は、自らを一般的な誓約者よりも優れた地位にあると見なしています。法執行官は衛兵や看守など、複雑なテルヴァンニ法制度の公的な代弁者です。スペルライトは中堅クラスの力を持つ魔術師であり、しばしば初めて大きな責任を担わされた見習いが就く地位です。

テルヴァンニの「代弁者」はより大きな責任と、より高い地位を担う存在です。彼らはより強大な魔術師(魔道師やマスター、賢者、アークマギスター)に仕え、その公的な発言を代弁し、大部分の領域で代理人の役目を果たします。彼らは主人の声で語り、行政事務を動かす存在です。各代弁者は、自らの主人の代理として大きな権力を有しています。

「魔道師」はテルヴァンニ家において最初に真の権力を有する地位です。このレベルの地位を獲得したテルヴァンニの魔術師は誰でも、マスターや賢者を含むより大きな地位を目指すことができます。

「マスター」は強大な力を持つ貴族の魔術師によって構成されています。マスターはテルヴァンニ家の評議会に一つ以上の席を得ることができ、その中にはマスター評議会や権威あるテルヴァンニ評議会も含まれます。評議会への所属権は評議会そのものへの招待状です。アークマギスターが評議会を率い、評議会はテルヴァンニ家に対する主要な脅威に対処する責任を担います。また危機の時にはホーテーターを選抜する役目も担っています。

「ホーテーター」は希少かつ、一般的に特異な性質を持つ地位です。ホーテーターはどのダークエルフ名家にも存在し、テルヴァンニ社会では非魔術師が占める最高の地位です。ホーテーターは危機の時代に任命され、広範な権威を与えられます。過去のホーテーターには強力な戦士や才能ある誓約者、さらにはオーディネーターも見受けられます。ホーテーターは緊急事態が持続している間のみ、戦争の指導者の役割を果たします。ホーテーターはマスターよりも上の地位ですが、マスターはホーテーターの権力をいつでも棄却できます。

「賢者」はマスターの地位を獲得した魔術師の中で最も強力な者を指します。合意によって得られたにせよ、別の方法によって他のマスターたちを納得させたにせよ、賢者の肩書きはその魔道師がアークマギスターと対等か、あるいはそれ以上の力を持ち、アークマギスターの地位に挑戦する資格を持つと見なされていることを意味します。

「アークマギスター」はテルヴァンニ家公式のリーダーであり、テルヴァンニ評議会によって選出されます。現在のリーダーはネロス・オセリで、この人物には自分の書斎で孤独に過ごす以外の望みはありません。評議会の残りの者の大半はこれと同じ考え方を持っているため、彼の支配は未だ脅かされていません。テルヴァンニ家の危機が速やかに、かつ静かに、他の者によって処理されている限り、オセリの支配は安泰でしょう。

地位を上げることは努力によって可能です。空いている地位の数は限られているため、昇格には激しい競争が伴い、地位の低いテルヴァンニはしばしば陰謀(政治あるいは毒)によって上位者を取り除き、昇格のための機会を作ろうとします。

この最後の特性により、外部勢力が地位の低いテルヴァンニを利用して騒乱を引き起こし、問題のあるリーダーをより受け入れやすい者に置き換える機会が生まれやすくなっています。野心のある個人なら、テルヴァンニ家が弱体化するような状況を容易に作りだせるでしょう。この方面に関してはさらなる調査を行う価値があると思われます。

テルヴァンニ家の歴史概説A Brief History of House Telvanni

学者アンドゥンリリーによって、アリノールのアルウィナレ女王代理の宮廷のために作成された報告書

宮廷の皆様方にご挨拶を申し上げます。

私はアルドメリ・ドミニオンの魔術師にして顧問であるペネウェンの依頼により、ダークエルフとも呼ばれる我らの親類ダンマーの社会について説明し、要約する役目を仰せつかりました。ダークエルフは諸々の家に分かれ、それらすべてに固有の内部社会組織があります。本報告は最も複雑な層構造の社会を有するテルヴァンニ家のダークエルフにほぼ限定してお伝えいたします。以下に記すものがテルヴァンニ家の簡潔な歴史です。

テルヴァンニはチャイマーの末裔であるダークエルフの名家です。チャイマーは我らの祖先アルドマーの子孫でした。彼らは反乱軍の予言者ヴェロスの指揮の下で我らの地を去り、現在ではモロウウィンドと呼ばれている、大陸北西部に居を据えました。この時代のテルヴァンニは第一公会議の一員としてドワーフとドレロス家に敵対していました。テルヴァンニはまた、レッドマウンテンの戦いですべてのダンマーが経験した変化の影響を受けました。

レッドマウンテンの戦いの直後、勝利したダークエルフの家がモロウウィンドを支配し、テルヴァンニはその中でも筆頭の存在でした。しかしこの時期はまたトリビュナル、すなわち神に昇格したと主張し、自らの宗教を創設したダークエルフの指導者たちの隆盛を印づけた時代でもあります。この「生き神」たちはすべてのダークエルフに尊敬されていますが、テルヴァンニ家は他の名家よりも懐疑的です。トリビュナルの成り上がりたちの誰もテルヴァンニ家の出身ではありません。テルヴァンニが他の名家にならって三大神を卑屈に崇拝することに消極的なのは、おそらくこの事実から説明できるでしょう。

第一公会議戦争の最中、テルヴァンニは優れた魔道師と危険な魔法攻撃を戦場に提供しました。テルヴァンニの真の力はここにあります。テルヴァンニ家の格言は「力強い意志を表現することが、真の栄誉を先人に与える」です。この力強い意思の表明は通常魔術を意味します。彼らのリーダーは強力な呪文使いであり、統治評議会は最も優秀な魔術師たちで構成されています。それぞれの魔術師は自身の他者に対する優越を証明する機会をうかがっています。自らのアルケインの知識や作品をライバルから守ろうとし、他のすべてのテルヴァンニを自分のライバルと見なしています。その結果、テルヴァンニは極端なまでに隠遁主義かつ孤立主義の態度を取る傾向にあります。

テルヴァンニが組織化された聖堂ではなく先人崇拝を行っていることは、半島の東沿岸にあるネクロムの街を潤わせてきました。ヴィべクが大いなる怪物に敗れた場所へ築かれたと伝説に言われるこの街は、地下墓地と納骨堂の迷路と化しており、死者の番人が墓を維持管理しています。あらゆる名家のダークエルフが先人たちを埋葬、回想するためにこの街へとやってきます。テルヴァンニは他の名家との関係を保つことで、こうした訪問者たちから恩恵を受けています。今やネクロムは国際的な大都市と化しているからです。

テルヴァンニの歴史は有名な(あるいは悪名高い)魔道師たちによって印づけられています。犠牲のヴォルリスやディヴァイス・ファー、アルナス・テニム、狂乱のダロデル、現在のアークマギスター・ネロスはそのほんの一部です。彼らの歴史は内部対立や一族内での争いに満ちています。彼らは他の名家との協力に消極的で、特にエボンハート・パクトへの加入を拒んでからはその傾向が強まっています。テルヴァンニ家はヴィべクの枝角の戦いで雪の悪魔カマルを倒すために兵士や魔術師を派遣しましたが、それは嫌々なされた決定で、人員もごく少数でした。軍事的支援が必要になると、彼らは通常傭兵や冒険者を雇います。

テルヴァンニ家はヴァーデンフェル地域で強大ですが、孤立主義の結果として、一族の多くの者は他の名家から離れた遠隔地に家庭を築くことを求められます。彼らの権力の大部分はヴァーデンフェルとモロウウィンドの東端に集中しています。その結果、彼らの名が冠された半島には小さな私有地が散りばめられ、通常それらは一族の年長の者、それも主に強大な魔術師によって支配されています。テルヴァンニのカースト制度は住民に忠誠心を要求し、伝統的な価値を強制します。

そうした価値の中で重要なのが奴隷の所有であり、これこそテルヴァンニがダークエルフの親類たちと共にエボンハート・パクトへ加入しなかった最大の理由です。パクトへの加入は爬虫類のアルゴニアンを対等の存在と認め、アルゴニアン奴隷を軛から解放することを意味しました。その結果、テルヴァンニは他のダークエルフからそれまで以上に孤立しました。

テルヴァンニ家は強大な魔術の力を持っていますが、私見ではダークエルフの脆弱な部分です。テルヴァンニは他の名家のような統一性を欠いており、その性質はより孤立主義的であり、エボンハート・パクトへの加入も拒否しました。その結果、力のある個人が外部からの接触を受けて伝統的な忠誠心に背を向け、将来の対立において密偵や同盟者として利用される可能性があります。個人的なプライドや魔術への欲は、彼らのうちで最も頑健な者さえも揺るがし、各個撃破を許してしまうでしょう。

デレドリアンへの手紙Letter to Deredrien

デレドリアン、

あなたに助けを求めろとメヴェイに説得されたわ。私には余裕がないし、あなたが私の手紙に返事をくれないのが耐えられない。この手紙はあなたの扉の下に滑り込ませたから、取ったのはわかってる。

私たちは古いセイレンモラの基地から河を渡ったところに野営している。二つの岩の間の道を北に向かったところよ。

助けてくれれば、メヴェイと私があなたをどこか新しい場所で再出発させてあげる。改革者の手から遠く離れたところで。

約束するわ、グラーウッドのようにはならない。私はあいつが品物に与えた損害を、安全に取り除く方法を見つけたの。今回はあなたに危険がない。誓うわ。

R.T.

トーヴェサードからの通信Correspondence from Torvesard

マスター・シェルレニ、

アラヴェリスにおけるお前の尽力は高く評価されている。我々はもうすぐ、グレートアイにすら見えないアポクリファへの扉を手にするだろう。

ブライトクラウンと奴の隠された一族が、ネクロムの状況に直接対処している。我々がもうすぐ遺物を入手し、知識と秘密の領域への扉を開くことは確実だろう。黒の書を入手し、儀式の情報を得たらすぐに知らせてくれ。すべては適切な時に用意しなければならないことを忘れぬように。

デイドラ公たちは最後の調整が終わり次第、お前のライバルたちを始末するため力を貸すつもりだ。

トーヴェサード

ドーレスの伝言Dres Message

アラム、

秘密の名前を使う時期は終わった。モラグ・トングがお前を探しにくる。もう見つけているかもしれない。とにかくこの伝言が早くお前に届くことを祈る。

これを読んだらすぐに、南にある私たちの野営地に来い。躊躇するな。予定を立てようとするな。逃げる以外のことをするにはもう手遅れだ。

お前はドーレス家のために大いに貢献した。その報酬を受ける資格がある。我々はお前を護衛して半島の外に出し、ドーレスの領地に帰して保護する。お前は身を隠すための新しい素性を受け取る。もうお前はアラム・グイトットではなくなるが、少なくとも死なずにはすむ。

ドーレス家の命令House Dres Orders

ドーレス家のすべての同胞たちへ、

我々は憎き敵、テルヴァンニ家に対して大きな勝利を手にする瀬戸際にいる。確かに我々は利益の出る相互商業協定を結んでいる。だが我々が現在アルド・イスラで行っている作戦は、何世代分もの富を我らの家にもたらすだろう。

残念ながら、モラグ・トングの密偵がテル・フーレンに向けて放たれたという知らせが届いた。密偵の女が持っている文書は我々の尽力を数週間後退させる可能性がある。それどころか我らの作戦を完全に崩壊させるかもしれない。彼女が連絡先に荷物を届けないよう取り計らえ。

トライス・レーロの墓石Triys Rehlo Gravestone

トライス・レーロの遺体
レーロ家の
アークカノンの大虐殺の罪で
聖なる宝物庫から追放
安らかに眠らぬことを

ドリームストーンの歴史History of the Dreamstone

研究者マレニア・コルスによる、ドリームストーンの不穏なる歴史についての短い記述

ドリームストーンは信じがたいほど謎の多い、奇妙な物体である。その発見についてはいかなる記録も存在しない。ダヴォンズ・ウォッチにある魔法道具の宝物庫に、これの追加を告げる目録表の記述が1行あるだけだ。由来が記されていない以上、この石は誰にも気づかれず、場所を知られぬよう秘密裡に宝物庫へ加えられたのだと考えるしかない。しかし、魔術師ギルドの人々に特有の好奇心だけでは説明できない様々な理由により、ドリームストーンが研究されずにいた期間は長く続かなかった。

我々の記録によれば、ナヌルレミルは学習や講義の課題を眠った状態で行うことができるという仮説を調べようとした。これが事実ならば、いくつものクラスで無意識の学生たちが日夜を問わず、講義の内容を実践し考察し続けることができる。ナヌルレミルは4日後、ぐったりしているところを発見された。その後ほどなくして彼の生は終わりを告げた。

その十年ほど後、アルフリンはドリームストーンの調査を任された。彼女はこの物体の観察記録を残すことができなかった。同じ日の夜に死亡したからである。

ドリームストーンの所有者がナヌルレミルからアルフリンへ変わるまでの間、3人の宝物庫管理人が退職した。彼らは理由として眠れないこと、あらゆる魔法道具に対するそれまでにない嫌悪感が生じたことを挙げている。不眠はストレス性の症状として退けられたが、神秘恐怖症と名づけられたもう一つの現象は、少なからず厄介なものだった。これ以後、悪影響を及ぼす魔術に対して結界を張ることは、すべての宝物庫管理人の標準的実践となった。この実践は今日まで続いているが、結界が本当に保護を与えてくれているのかについては、誰もはっきりとわかっていない。

次にドリームストーンを手に取った魔術師グラウマニオンは、正気を失った。彼女は意味不明な言葉を喚き、世界の終わりを宣言しながら、残りの生涯を隔離院で過ごした。彼女はドリームストーンと接触して「アンスール」という名を発した、記録されている中で最初の魔術師である。これはドリームストーン研究における進歩を意味した。

グラウマニオンの後に現れたのはオワイ・ナート、エドレルド・パリエル、クザム、そしてスローアロンである。彼らは協力してドリームストーンを研究し、現在ではアンスールの支配として知られるものをいくつかの季節の間耐えることに成功したが、その後は各人なりの道を辿って支配に屈した。この集団研究の重要な側面は、アンスールを抑制し、その影響を跳ね返すためにどの結界が効果を発揮するかを証明したことである。このグループはアンスールを保全し、無害にしたように見えたが、結果的に彼らの努力は失敗に終わり、アンスールは彼らの精神を征服した。詳細は重要でないし必要でもないが、拷問者アンスール――それが現在の名称である――は、エドレルド・パリエルに仲間たちを引き裂いて喰わせたのである。

失敗した集団研究の後、ドリームストーンは宝物庫の深く暗い隅に戻された。石は警告にくるまれ、厳重に結界を張られた器の中に眠っている。この物体を研究したいと望む者は、自らの身に危険が及ぶことを自覚した上で行うこと。

ドレイニスのメモ、項目001Dreynis’s Notes, Entry 001

ゴルン島のインドリル家の地所に宿泊所を確保した。また、この島にはすでに正気を失った魔道師のための隔離場があるとはいえ、インドリルのマスターたちは私が研究を行う間、完全なプライバシーを保証してくれた。皮肉な事態なのは承知しているが、これが私の必要としている転換点になってくれることを願う。

若い頃の発見に続く成果を挙げるのに苦労していることを認めるのは苦痛だ。魔術研究の領域で、私は若きポータルマスターとして名を挙げたものだが、今では――

いずれにせよ、新発見は時間の問題だと感じている。すでに私は屋敷のロタンダを魔術のフォーカスに仕立て直した。アルケインのフォーカスを部屋の周りに配置することで、島の中心部にうまく中継点を作れた。ここからなら、以前よりもさらに深くポータル魔術を探究できるはずだ。そして多少の運さえあれば、私が未だに後れを取っているあの若きドレイニスに対し、ついに目にものを見せてやれそうだ。

ドレイニスのメモ、項目007Dreynis’s Notes, Entry 007

彼の名前を紙に記したくない。彼の贈り物がいかに大きくとも、私の研究の中に彼の名前を含めれば、研究のすべては戯言と化してしまうだろう。それにしても、だ。

プリズムは不可解であると同時に、美しくもある。私の後援者は消滅間近な知恵のプリズムと呼んでいる。私の個人的な蔵書の中にはそのようなものの記録が見つからなかったし、ネクロムの蔵書庫に尋ねても、これまでのところ何も出てきていない。しかし、この点にあまり執着するつもりはない。

プリズムの構造を調べるため、私はこれを持ち上げて太陽光に向けてみた。そこで私はプリズムの真の美しさを目にした。プリズムはフィルターの役割を果たす。平凡で見知ったものを切り捨て、未知のものを明らかにするレンズなのだ。それこそ、我々の次元を維持している魔術の核心部分だ。

おそらくこれはプリズムが示すもののほんの一部だ。だがまずは、お茶だ。美味しいハニーベリーティーが飲みたい。いや、そうだ!プッカーミントがいい!

ドレイニスのメモ、項目028Dreynis’s Notes, Entry 028

親愛なる私の後援者は、ゴルンをデイドラの一団で活気づけようと思ったようだ。彼の判断は正解だったと言わざるを得ない。私はずっと、閉じこもって埃を被った古い本をめくっているのがどれだけ退屈か気づかなかった。ポータルの反射がどうの、動的次元がこうのと、退屈極まりない!

インドリル家が屋敷の現在の状態を見たらどう思うかは想像もつかないが、それは私の問題ではない!私は大切な友達のプリズミーと話すのに忙しいのだ。プリズマ?プリシム?あれに名前を聞くのを忘れないようにしなければ。

我々が初めて共にお茶を飲んだのはほんの昨日のことのように感じる。それ以来、まあ自慢するわけではないのだが、私は自分の能力を十倍にも高めてきた。私は手を軽く振るだけで、汗一つかかずに島中を転移できる。

いつも何かをやり遂げるたびに、私は次の新発見の出発点にいるような気がしている。ここに来たのは出版を期待してのことだが、今ではあの頭の固い魔術師どもに私の大切なプリズムを見せることなど考えられない。あれの秘密はすべて私のものになる。

トレデシムに関する手紙Letter Concerning Tredecim

高貴なるソヴァリ、

この要請の手紙を我々の命令系統ではなく、貴殿に直接送ることをどうかご容赦願いたい。通常の行政網を通す時間の余裕がない、緊急の要件なのです。

貴殿もご存じのとおり、私はテルヴァンニ家の指導者から情報を引き出す長期の任務に就いています。内部にいる我々の密偵トレデシムが、最近の情報引き渡しの際に次のようなメモをよこしてきたのです。

* * *

原因は不明ですが、マスターは自分たちの中にスパイがいることに気づきました。マスター・スリスはモラグ・トングの執行令状を発動したものと思われます。この仕事に危険が伴うことは承知していますが、私の身は安全だと思っていました。このままでは、私の腹にナイフを突き刺される可能性がとても高くなっています。

危険が高まったため、私は緊急の手段を取りたいと思います。あなたには私の季節ごとの支払いをネクロムの銀行にあるマスター・スリスの口座に送金していただきたい。そうすれば雇われた暗殺者に対する私の恐怖を、一時的に和らげることができるでしょう。この要請を躊躇するならば、これからの情報を犠牲にすることを覚悟してください。

これから先、私は標的に言及する際には暗号を用いるつもりです。そうすればもし私が捕まっても、否認する余地ができます。これからは以下の名前を使っていただきたい。

マスター・スリスは「雀」
マスター・フォーヴスは「ブリストルバック」
マスター・シルセは「ビートル」

雀の口座への送金を期待してよいのか、教えてください。不可能とおっしゃるなら、これ以上我々の関係を継続する必要はありません。

* * *

我々の潜入作戦は見事な成果を挙げています。少々のゴールドの追加を惜しんでこの重要な情報源を失うのは得策ではありません。どうか要求された送金を行ってください。完了後はご一報を願います。

モヴィス・ドーレス

トロールの連れ帰りBringing Home the Trolls

ボス、

妙なものを見つけたので、持って帰ります。隅のほうに大型の檻を用意しておいてください。いつも豚用に使ってる中型のやつは、ファナサ・ロルズが先週激突して首を折っちまったんで。あれは酷いもんでしたよ。あの女の残骸をあれだけ回収できたのが驚きです。

で、見つけたもののことですがね。あまり心配される前に言いますが、ご命令どおりラビリンシアンには行きましたよ。トロールは大したことありませんでした。しばらく前から連中には苦労していませんし、俺たちが持ち帰る奴らの見た目はあなたも気に入ると思います。

とにかく、去ろうとしたその時、巨大な岩が見えたんです。岩は何かのキノコのようなものに覆われていましたが、カサの部分は硬かった。ああ、それとカサが青く光ってたんです。これは重要です。ルラーラム・ヴェラスは美しいと言ってましたが、どうですかねえ。あのキノコを見てると、なんか耳がかゆくなるんですよ。見た目は黄金に似ています。

いや、別に岩を檻に入れろと言ってるわけじゃありません。残りの荷物と一緒に運べばいいだけですから。でも、あの岩には何か不思議なことが起きている気がするんです。あれは卵みたいなものじゃないでしょうか。ラビリンシアンで自然に生えたわけじゃないと思うんです。それにあの虫も戻ってきました。前に俺が言ってた、大きな丸いやつです。テトリス・ラモリはシャウラスっていう名前だと言ってました。あいつが言うには手懐けられるそうです。

いずれにしても、そいつらを何匹か持って帰ります。トロールは岩に興味がないようなので、俺たちが帰る前に岩を壊しはしないでしょう。

これで先週のヘマを忘れてもらえるくらい、いい儲けが出ることを祈ってますよ。

フェラレア・セニム

ナシンへのメモNote to Nathyn

ナシン、

私はテル・ドレロスを去るわ。遠縁の親類が死んでまとまった金が手に入ったから、もう召使として働く必要がなくなったの。

ミストレス・ドレロスは私が向かう場所を教えないほうがいいと言っている。まず、彼女はいつもあなたの状態を正しく理解していたし、結界を出ればあなたは間違いなく死ぬでしょう。それから、私はどこかの金持ちのよそ者と結婚して、平和で贅沢な人生を送るつもりよ。私は色々と苦労したし、あなたの母親のために頑張って働いたんだから当然だわ。

あなたのことを本当に愛していたとは言えないけど、死んで欲しいとは思わない。私を追わないで。あなたの母親の言うとおりにしなさい。彼女はよくわかってる。

元気でね
ダシア・カロ

ニルファスとソリンの通信Communications Between Nilphas and Thoryn

ニルファス、

台帳にメモを書いて通信するなんて、名案だ! それはそうと、西棟でドワーフ・スパイダーが騒音を起こしている。真夜中にスパイダーの足が床に当たってガタガタ音を立てるんだ。ずっと眠れない。自分で見に行きたいところだが、君は研究所のあの区画に入る許可を私に与えるのを忘れただろう。それにプロトゥスは私のために道を開いてくれないんだ。

君の調査が順調に進んでいることを願っている。この神聖な地の管理者仲間として、君の研究についてもっと知りたいものだ。私はトリビュナルに詳しいから、君の助手にだってなれるかもしれないぞ!

いずれにせよ、元気で。

ソリン

* * *
君の協力とトリビュナルについての専門知識は必要ない。

西棟のコンストラクトは私が処理しておく。ただし外で崖をうろついているスペルライトを、今度こそ完全に追い払ってもらいたい。君はあの女に他の情報の泉を探すよう丁重に頼んだようだが、明らかに無駄だった。

ニルファス

* * *
ニルファス、

あのスペルライトがまだいるって? 彼女はケメル・ゼーの研究所を妨害しないことがトリビュナルにとってどれほど大事か、理解してくれたように見えたんだが。わかった。もう一度彼女と話をつけてこよう。三大神の神聖な願いを尊重しろと彼女に言うつもりだ。彼女がエレベーターシャフトに侵入しなくても、この広大な場所を管理する仕事は十分に大変なんだ。君がこのことをプロトゥスに話したかどうか知らないが、エレベーター付近の警備を強化したらどうだ?

三大神の光の導きが君にあるように。

ソリン

* * *
私の仕事のやり方に口を出す前に、スペルライトを片づけて自分の仕事をするがいい。プロトゥスの警備体制は計算し尽くされたものだ。ケメル・ゼーは適切に守られている。

ニルファス

* * *
ニルファス、

不服を言いたかったわけじゃない。ただ君が最近プロトゥスの指令の一部を変えたのを見たんだ。君の変更で控えの間の防備が弱まったことを見逃して欲しくなかっただけだ。もちろん、君が私よりもプロトゥスの能力についてよく理解していることは認めるよ。

ここのコンストラクトがどういう活動をしているのか詳しく説明してくれれば、私ももっと協力できるんだが。私はトリビュナルについて詳しいが、ソーサ・シルが私に最も縁遠い生き神なのは確かだ。私の感性は母により近い。だが学ぶつもりはある。三大神によりよく仕えられるように、特に君が力を貸してくれればな。.

トリビュナルが君を記憶に留めて下さるように、
ソリン

ニレス族長への命令Orders to Kindred Rector Nyleth

ニレス族長、

アラヴェリスでの進捗報告には満足している。トーヴェサードに失われた夢を取り戻す計画を説明してもらったが、夢が隠されている場所を知るためにモラのインクで汚れた記録を調べるそうだ。お前にはキンリーヴ・ライルとドリームカーヴァーの任務に同行してもらいたい。奴らが秘密を探すのを手伝うのだ。言われていたのと状況が違った場合は、お前が自分で入手しろ。

忘れるな、お前は親方の命でドリームウィーバーに仕えている。

ぺライトの名のもとに、
ブライトクラウン

ネクロム・クワマーの準備、第五稿Preparing Necrom Kwama, Fifth Draft

アーシン・ヘランダス 著

ネクロムのクワマー農場は、クワマーを葬式や装身具用にしっかりと準備する役割を任される高貴な立場である。この責任は母から残されたと言いたいが、実際は私が奪ったかもしれない。

ちなみに母は気にしなかった。今では他の地を訪れては、何か新しいことやひどいことを発見している。(この序文は削除すべきだ。いや、前書きか?わからない。金を貯めてどこかのいい書記を雇って、書き直してもらおう。とにかく続けよう。これはどこかに書き留めておかなくては)

スクリブ
クワマーの幼虫段階であるスクリブには、ネクロム特有の用途が複数ある。しかしまず、しっかりと入れておける囲いが必要だ。すぐに逃げ出すからだ。

脚の関節をすり潰して粉にする。この粉は一部の訪問者、主にフラールが、先人の周りでロウソクにふりかけ、一瞬だけきらびやかな光を放たせるために使われる。私はこの作業にルーブダイトで作られた特別な乳鉢と乳棒を使う。粉は潰されたばかりでないと使えない。

スクリブにいつも毒キノコを与えていれば、そのゼリーを食べ物を主体とした捧げ物に使用できる。先人のために作る料理やお菓子の中に新鮮なゼリーをスプーン1杯混ぜ入れれば、その捧げ物は数日間鮮度を保てる。自分で食べることはお勧めできない。アルゴニアンなら特に。見たことがあるが、二度と経験したくないと思うような痛みを2日間味わうだろう。これもゼリーは作りたてのものでないと、乾物の材料とうまく混ざらない。(どうして毒キノコなのかは私もまだ知らない。錬金術と関係がありそうだ。第六稿までに調べるか?)

食べ物がここの者たちのものである必要性も明記すべきだろう。エルスウェアのフォンデュのレシピでうまくいくと思ってはいけない。レドランの祖母がモラグ・マールで採れた材料を使ったレシピに変えたとかいう話は聞きたくない。

クワマー・ワーカー
こうしたクワマーは仕事をしたいだけだ。させてはいけない。囲いの中に入れて満足させておくことだ。近くに生きたスクリブが少しいれば、何らかの決まった行動に落ち着くだろう。この獣が持つ通常の用途に加えて、ネクロム特有の用途もいくつかある。

テルヴァンニは先人への捧げ物をここのワーカーで作られたばかりの盆に乗せることを好む。甲羅を扱う際、内側の腹膜をそのまま残す特殊な切り方がある。職人が作業を始める前に、その膜を甲羅にそっと巻いておく。職人は錬金術の試薬で処理してから、膜を甲羅の上で乾かす。その結果、甲羅の盆は金属的な輝きを帯びる。その後、職人は客の注文どおりの彫刻をその層に彫る。かなり装飾的な盆になることもある!鉱山労働者の中で、クワマー・クィーンが卵、スクリブ、ワーカー、フォリージャー、ウォリアーに囲まれた絵を頼んだ者がいた。彼は鉱山を守っていて死んだので、まさにぴったりだったと思う。(ここでオル・マージーのことを話す必要はないだろう。最終原稿で削除するように。)

正しく扱えば、クワマーのカトルはネクロム中で見掛けるようなロウソクにできる。クワマー・ワーカーから収穫したら、カトルはネクロムにいる死者の番人のロウソク商に取っておく。ちゃんとした薬草と錬金術の試薬に混ぜ入れるために、新鮮なものが必要なのだ。この処理により、ネクロムのロウソクは普通のロウソクよりもずっと長持ちする。また煙が立ち、消えかかることもない。さらに匂いもいい。新鮮なスクリブのゼリーを明るく輝く夕焼けに混ぜた感じだ。先に言っておくが、これは売り物ではない。ここの死者の番人が作るもので、材料と作り方は秘密にされている。(でも、明るく輝く夕焼けとはどんな匂いなんだ?第六稿で削除候補に入れよう。)

そしてもちろん、クワマーの収穫にまつわるその他ありふれたことも全部行えるが、それはネクロムと訪問者が必要とする上記のアイテムを提供してからだ。

この素晴らしい獣をどこから採ってくるかというと、複数の場所があり、どれも完璧なスケジュールが決まっていて、翌日の仕事用にワーカーとスクリブがバランスよく揃うようになっている。ネクロムの需要が大きければ、鉱山にたっぷりいる場合に限り、より多く入手できる。

第六稿でここは絶対に削除するが、スクリブのゼリーを売った後で思いついたからちょっとここに書き留めておこう…

スクリブのゼリー
最高、最高
お腹の中
全部自分の、自分の

その鳴き声
素敵、素敵
心の奥をじらす
ほとんどいつも、いつも

さあここへ来て
今日を満たしてくれ
その素早い動きと
気楽な視線で

スクリブの不思議
最高、最高
お腹の中
全部自分の、自分の

ネクロムの歴史:死者の街History of Necrom: The City of the Dead

メラリン・ランダス 著

この手引きが今日を越え、過去が教えるすべてをあなたに示してくれることを願う。

先人たち

実は偉大なる街ネクロムを創設したのが何者なのか、誰も知らない。本当だ。ネクロムは数千年前にもこの河口の街だった。アズラの呪いよりもずっと前だ。またトリビュナルについて講義するつもりはないが、この古代都市は大昔でさえ、見目麗しい街だった。

チャイマーは世界の中に自分の道を切り開き、自分自身の神々、つまり我々が今日デイドラ公と呼ぶ者を崇拝するためこの地域にやって来た。新鮮な水と守りに向いた地形は、彼らの初期の集落にとって完璧な場所だった。彼らはボエシアやメファーラ、アズラの祠を築き、こうした庇護者たちから学んだ教訓の多くを実践に移した。一例として、彼らはボエシアの教えに従って、大穴を渡るため木の大きな足場を築いた。その痕跡は今日でも大理石の歩道の中に見られる。

チャイマー文化の遺産と明確にわかるものは、ほとんど残っていない。呪いの後の数百年、我らの先人の多くは、もはや彼らに無関係と思えた過去に背を向けることを望んだ。だが現在ネクロムとなったこの古代都市では、後にダンマーの先人崇拝となるものの原型が、記録されている時代が始まるより以前に、アルトマーによって実践されていた崇拝の形態から初めて分離したことがわかっている。ボエシアが我らの古代の民の祖神であったのなら、我々自身の先人が前面に現れたのはネクロムにおいてだった。

死とネクロム

この街にはどこか、死者に呼びかけるものが常にある。チャイマーの時代においてさえ、当時の文献は生死の境を越えて先立った人々と話すのがいかに容易であるかを語っている。生と死が同じ道の部分にすぎないとしたら、古代人はネクロムをその長くねじ曲がった道の経由地と見なすようになっていった。

内面を見て、家族やクランの先人の価値を理解し、死後もなおその活躍を称えてより高い存在へと移行させること、それが我らの民にとっての根本的な転換点だった。それがチャイマー文化全体で起きていたことは疑う余地がない。結局のところ、ボエシアは強力な模範だったのだ。だがここネクロムでは、ある家族の殺された親類を崇拝することが日常生活の一部になった。私は以前ある家族が、死んだ親戚が生前好きだった書物を紛失したという古い物語を読んだ。その家族はただ親戚がどこに本を置いたかを聞くためだけに、彼の霊と話しに行ったのだ!

愉快な物語だが、これが書かれたことにはちゃんとした意図がある。死者と生者のどちらも、ネクロムを故郷としているのである。

街と街

アズラの呪いと忌み嫌われたドゥエマーの消失後、ネクロムはダンマー文化のお膝元となり、アッシュランドの隅にまで広がっていった。死者の街はエボンハートからヴァーデンフェルまで広く見られるが、長い間ネクロムは我らの民全体にとって、唯一無二の死者の街であり続けてきた。名家の出身であろうと、小さなクランの者であろうと、金持ちでも貧乏人でも、著名人も不遇の人も、ネクロムで悔悟者は両手を広げて迎え入れられる。

祝祭の日にこの街を見に来るといい。喪に服する人々の列がすべての歩道を埋め尽くし、ここからバル・フォイエンまでの道を渋滞させることもあるほどだ。香の煙が盛大に空を駆け上って空気を満たし、死者たちは街頭に列をなして並び、生者が彼らを祀ると同時に、死者もまた生者に敬意を表する。なかなかの見ものだ。

想像はつくと思うが、このように死者たちの中で生きることで、この街の人々は独特の人生観を持つようになる。もちろん、死者が街頭を歩いているのを見かけたら、敬意をもって遇することだ。旅立った人々の最大の秘密を知っているなどと主張する行商人やペテン師が中庭を埋め尽くしているが、そういう者は無視するように。それと、ネクロムの路上芸人が少々不謹慎な冗談を言っているのを聞きとがめても、寛大な心でいてほしい。死は我々の周り中にあり、それは人を変えてしまう。あなたも変わるかもしれない!

パクトを越えて

こうして、当然ながら今日に至る。エボンハート・パクトが形成され、テルヴァンニの賢者たちが大同盟への加入を拒んだことで、三大神は賢明にも死者の街の平穏と安全を保証するよう動いた。

パクトの問題は脇において、我々にこの「中立」の地の統治を許すことで、彼らは我々の民全員が大巡礼を続けられることを保証したのだ。ハイエルフの不信やブレトンの帝国主義が我らの門を閉じ、我らの聖堂を焼かないように。

ネクロムは独立しているが、我ら全員と共に立っている。

そして、これは道を通るすべての者に言っていることだ。ここを去り、この街の一部をあなたが持っていく時、あなた自身の一部をこの街に残していくことになっても、驚かないでもらいたい。

バーン・ダルの目The Eye of Baan Dar

エイリース・ドロはこの歴史がバーンダリにとって永久に失われてしまうことを恐れている。子供たちがこの歴史を知り、心を軽くしてくれることを願って、ここに書き写しておく。

* * *
多くの時代を遡った頃、ダークエルフは出会う者すべての征服を望んだ魔術師、燃え上がる者に導かれてエルスウェアの砂地を渡った。カジートたちがこの灰を被った顔の異国人を両手で迎え入れた時、胸に剣を突き刺されなかった者たちは枷をはめられて輸送され、二度と姿を見ることはなかった。

この者の小祖先はキャラバンと共に砂漠へ逃れた。燃え上がる者は日の出が迫るように彼らを追い回した。食料も避難する場所もなく、彼らは逃げ場を失って捕らえられた。燃え上がる者は小祖先を取り調べ、獲物を掲げた。カブほどの大きさの宝石。双子月のように明るく、多くの手を渡ってきたために滑らかになっていた。

「これは何だ?」燃え上がる者は尋ねた。

だが小祖先は舌を噛み、何も言わなかった。

「お前たちにとって神聖なものか?」

小祖先はまだ沈黙していた。

「大きな力を秘めているのだろう、違うか?」

そしてついに、小祖先は口を開いた。「バーンダリの手を離れれば無力よ」

燃え上がる者は戦士たちに退くように手で合図した。宝石は彼を魅了したのだ。「その惨めな命をせいぜい大事にしろ」と彼はバーンダリに言った。「私が故郷に凱旋し、我が不屈の意志をもってこの聖なる宝石に込められた秘密の力を解き明かすことを知って泣くがいい」

そうして燃え上がる者はクランをその惨めな命と共に、砂漠の中に置いていった。

しかし燃え上がる者は知らなかった。小祖先がこの宝石をクランマザーから受け取ったのは、人々の心を元気づける甘美な歌と交換にだったこと。小祖先はこの宝石をいとこに贈り、小祖先がずっと前から欲しがっていた、いとこの口琴と交換してもらうつもりだったことを。

だからクランは涙を流した。だがそれは笑いの涙だった。バーン・ダルの目は確かに神聖なものだったが、バーンダリの手を離れては、本当に無価値だったからだ。

バルヴァー・ベミスの日記よりFrom the Journal of Balver Bemis

ルラロ・ララスは私がこれまでに出会った中で最低の誓約者だ。あの男は残忍で恐ろしく、傲慢だ。テルヴァンニの基準からしてもだ!先週、奴はスペルライト・ヴァースヴァの目の前で私を怒鳴りつけた。私は頭を下げて立ち尽くし、奴の暴言を耐え忍ばねばならなかった。そのうえで奴は私の後頭部を殴った!殴ったんだ!涙が出たよ!

奴がいびり屋の悪党だということは皆が知っている。奴は自分の気の短さを「頭痛」のせいにしている。それなら、その「頭痛」を永久に治してやろうじゃないか。

材料の大部分はありふれたものだが、一部は少々入手困難だ。特別な種類のスッポンタケ、特殊なブル・ネッチの臭腺、ある地域のシュルームビートルの背中に生えるキノコ。強力なやつを作れば、ルラロはおしまいだ!おまけに、奴の地位に空きができる。

この計画に欠陥があるとすれば、私が自分で薬を渡せないことだ。それは無理だ。奴は怖すぎるし、あいつに目を向けられた瞬間、私は狼狽してしまうだろう。いや、手下が必要だ。毒を渡してくれそうな、人目を引かないお人よしが。それさえ何とかなれば、奴の頭痛は完全に「治療」できるだろう。テルヴァンニ家の全員のためになるぞ。

ファヴァミ・セラヴェルの墓石Favami Seravel Gravestone

ファヴァミ・セラヴェルの遺体
セラヴェル家の
アルマレクシア様のみぞ知る罪で
聖なる宝物庫から追放
安らかに眠らぬことを

フェデロへの謎の手紙Mysterious Letter to Federo

フェデロ、

私も昔はあなたと同じだった。テルヴァンニ家の賢者の下で要求される忌まわしい仕事を我慢してやり遂げ、彼らの仲間になれば、状況も変わるだろうと自分に言い聞かせていた。

忠告を聞きなさい。私たちのような地位を昇ろうとする者と奴隷との唯一の違いは、奴隷に生まれつき価値があるということよ。私たちの誰かが死ねば、別の者が喜んでその空白を埋める。

そして奴隷とは違い、私たちには立ち去る選択肢がある。

あなたが誰のために働いているかは知っている。あなたの懐を潤している魔道師を知っている。以前そいつは私の懐を潤していたのだから。あなたが何かミスを犯し、奴があなたの役に立つ時期は過ぎたと判断するのが時間の問題だということも知っている。

まだチャンスがあるうちに立ち去りたいのなら、誰にも言わないで。特別な用意などせず、東へ行くの。地元の者にトビンの居場所を聞きなさい。ウィットの娘の北よ。その場所の目印は2つのランプ。そこなら安全だわ。

返事は送らないで。時が来れば、私があなたのために新しい、まっとうでお金も稼げる生活を築く手助けをしてあげる。

そしていずれ、あなたが私たちのような人々を助けるためにもっと力を尽くしたいと思う時は、喜んで迎え入れるでしょう。

フォルシの報告Folsi’s Report

あなたの令状に載っている、トレデシムという標的の正体を突き止めることに関してはまったく進展がない。ただしドーレス家が、アルド・イスラの南に野営地を設営したことを発見した。あなたが探している裏切り者が、そのドーレス家の密偵と共謀していることは疑う余地がない。

奴らの活動を調査することをお勧めする。でも気をつけて。私が関心を持っていることに、気づかれたかもしれない

ブライトクラウンの命令Blightcrown’s Orders

香炉を焚き続け、修道院をぺライトの祝福されし息吹で充たすのだ。だが注意せよ、目的のものを見つける前に物資を使い果たすな。

我らがデイドラ公の賜物を受けた番人を尋問せよ。遺物はどこにある?ダードリン副院長の墓はどこだ?墓地には他にどんな秘密が隠されている?熱病に冒された状態でなら、奴らは遺物を探すために必要な情報を明かすはずだ。

イルヴェル修道院長は他の死者の番人よりも詳しく知っているかもしれない。奴を自分の部屋に運んでおけ。私が直々に尋問する。

ブライトクラウン

ぺライトの救済Peryite’s Salvation

レイナ・ブレイディンの思想

私たちは土から生まれました。私たちの中で最も裕福な者でさえ、石や砂、塵の抱擁を逃れることはありません。私たちの体は崩れ去り、私たちを養い、覆ってくれた大地へと還ってゆく。ノルドを覆う氷から、葉をまとうウッドエルフの体まで、私たちは皆、不浄なる獣です。それに異を唱える者は皆、錯覚に惑わされています。

土と共にあるだけでなく、私たちは皆、腐敗します。病は若者にも老人にも、健康な者にも弱者にも襲いかかります。熱病や咳、体の痛みの前ですべては平等です。

なぜアズラの偽りの約束を信じるのですか?夜明けに希望などありません。どんな温もりや慰めも、体を繊細な塵へと分解する汚泥の冷たい抱擁を越えては続かない。定命の世界の苦痛を終わらせる神など存在しないのです。いかなる癒し手も、あなたを死から救い出してはくれません。

自然の秩序を受け入れなさい。真の秩序を。不浄と病気の秩序を。唯一の定め、それは時は短く、苦痛は無限だということ。私たちの居場所は、腐敗のデイドラ公と共にあります。あの方こそは定命の者のあり方を完全に理解している唯一のデイドラ公。あの方は嘘をつかず、定められたこと以上の何も約束しません。私たちの献身に対する恩寵は、私たちの種族の他すべての者を悩ます疫病です。私と同じ不適合者たちよ、ぺライトを信じなさい!私たちをその真の姿のまま、汚物として受け入れる唯一の神を崇拝するのです!

マスター・シェルレニのメモ:トーヴェサードMaster Shelreni’s Notes: Torvesard

もう2年ほど前のことだが、トーヴェサードというドレモラが私に興味深い提案を持ってやって来た。彼はアークマギスターになりテルヴァンニ家を支配するという、私の生涯の野望を実現すると約束したのだ。私はただ暗黒の力のデイドラ公ヴァルミーナに奉仕することを誓えばいい。それで夢がすべて叶うという。

彼は何かがずっと昔に、世界から奪われたと説明した。奪われたものを修復するのが彼の運命なのだと。その修復はある夢から始まった、だから彼はヴァルミーナと手を組んだという。彼は夢の中でドリームウィーバーの祠があったことを覚えていた。私がその祠の修理に協力することが欠かせないらしかった。

多くの研究と調査の結果、私たちはこの古代の地に行き着いた。あとはトーヴェサードが夢で見た祠を探せばいい。

マスター・シェルレニのメモ:修復Master Shelreni’s Notes: The Restoration

何ヶ月もの準備を経て、私たちはついに古いヴァルミーナの像を完全に修復する作業を開始できるようになった。私はまだこの像の重要性を十分に理解していないが、どうすれば像を元の姿に修復できるか、力の限りを尽くして考えた。

トーヴェサードは私と共に作業を行い、できる限りのことを学ぼうとしている。理由を尋ねても彼は答えようとしない。ただ像を修復することが失われたものを取り戻すための鍵だと言うだけだ。今や私はヴァルミーナ信者の軍団を従えており、さらにぺライトの信奉者もそこに加わっている。ブライトクラウンは不愉快だが、奴の知性と指揮能力は否定できない。

アラヴェリス採石所からついにクジャク石が届いたので、作業に着手できる。もうすぐ、ヴァルミーナは私がテルヴァンニ家のアークマギスターになるための力を与えてくれるだろう。

マスター・シェルレニの命令Master Shelreni’s Orders

ダスクのゼンフィス隊長、

テル・レンディスでの仕事はまだ完了していない。ダスクセイバーの強力な部隊を割き、塔の付近に野営地を設営しなさい。私はそこで合流する。

私が到着するまではテル・レンディスに入らないこと。口なきメルンがあそこに強力な防備を設置したので、回避するにはそれなりの時間がかかる。あの古ぼけた愚か者が憎い!

マスター・シェルレニ・バロ

マスターの警告Master’s Warning

一部の召使が鍵を軽率に扱っているという情報が、マスター評議会のもとに入ってきた。我々はお前たちを大いに信頼し、お前たちが我々の意向に従って与えられた雑務をこなせるよう、重要な場所へのアクセスを与えている。その特権を濫用してはならない!

召使がまた中庭のテーブルに鍵を放置しておいたとの知らせを受けたら、召使の部屋のすべての住民が等しく罰を受けるよう私が取り計らう。

マスター・フォーヴス

まとめられた研究メモCompiled Research

項目001
ゴルン島のインドリル家の地所に宿泊所を確保した。また、この島にはすでに正気を失った魔道師のための隔離場があるとはいえ、インドリルのマスターたちは私が研究を行う間、完全なプライバシーを保証してくれた。皮肉な事態なのは承知しているが、これが私の必要としている転換点になってくれることを願う。

若い頃の発見に続く成果を挙げるのに苦労していることを認めるのは苦痛だ。魔術研究の領域で、私は若きポータルマスターとして名を挙げたものだが、今では――

いずれにせよ、新発見は時間の問題だと感じている。すでに私は屋敷のロタンダを魔術のフォーカスに仕立て直した。アルケインのフォーカスを部屋の周りに配置することで、島の中心部にうまく中継点を作れた。ここからなら、以前よりもさらに深くポータル魔術を探究できるはずだ。そして多少の運さえあれば、私が未だに後れを取っているあの若きドレイニスに対し、ついに目にものを見せてやれそうだ。

項目004
数週間経ったが、何も見せるものがない。なんということだ。さらに悪いことに、私の若い頃の出版物に立ち戻り、ページの中の自信たっぷりのドレイニスと泥酔状態で議論をして夜を過ごしてしまっている。あの自信が今の私にもあればいいのだが。

あれ以来、ロタンダを改造して我々の次元の向こうまで探索できるようにした。次元間ポータル魔術はまだ生まれたばかりだ。この分野で発見を成すことができれば、向こう百年は揺るがない先鞭をつけることができるはずだ。

項目005
どうやら私の魔法の探知ロッドに気づいた者がいるらしい。今朝目を覚ますと、ロタンダにメモが置かれていた。メモにはただ「お茶でもいかが?」と書かれていた。

項目006
今日私はあの狂気のデイドラ公の訪問を受けた。今でも彼の笑い声が聞こえる。私の無茶な研究の努力を嘲笑ったのだ。だが私が彼の出てきたポータルに押し戻してやろうかと思っていた時、彼は何かを差し出した。贈り物。プリズムだ。

項目007
彼の名前を紙に記したくない。彼の贈り物がいかに大きくとも、私の研究の中に彼の名前を含めれば、研究のすべては戯言と化してしまうだろう。それにしても、だ。

プリズムは不可解であると同時に、美しくもある。私の後援者は消滅間近な知恵のプリズムと呼んでいる。私の個人的な蔵書の中にはそのようなものの記録が見つからなかったし、ネクロムの蔵書庫に尋ねても、これまでのところ何も出てきていない。しかし、この点にあまり執着するつもりはない。

プリズムの構造を調べるため、私はこれを持ち上げて太陽光に向けてみた。そこで私はプリズムの真の美しさを目にした。プリズムはフィルターの役割を果たす。平凡で見知ったものを切り捨て、未知のものを明らかにするレンズなのだ。それこそ、我々の次元を維持している魔術の核心部分だ。

おそらくこれはプリズムが示すもののほんの一部だ。だがまずは、お茶だ。美味しいハニーベリーティーが飲みたい。いや、そうだ!プッカーミントがいい!

項目010
すでにこのプリズムは私の若い頃の発見を取るに足らないものにしてしまった。次元や次元同士の関係、それが魔術の流れをどのように湾曲させるかについての私の理解を。

極めて不愉快だ。マッドマンの導きによらなければ、私がこの理解に到達することは不可能だったのだから。裏切られたかのような気分だ。これは自分で獲得した知識ではない。だがどうしても続けたい。これを書いている今でさえ、もう片方の手がすでにプリズムに漂っていく。美しい。

項目016
まだ彼の笑い声が聞こえる。頭から離れない歌のようだ。眠る時も口ずさんでいる。

項目021
今日はゴルンの海辺沿いを歩いた。いや、「歩いた」は正確ではない。海辺沿いをポータルで移動したのだ。日没を眺めに外に出たのだが、記憶していたよりも色が褪せている気がした。泥のようなオレンジと、どんよりした茶の、哀れな物体だ。それでも私は立って見ていた。太陽の光と共に、色が消えていくのを見ていた。

項目024
プリズムは私の目を曇らせてしまったようだ。この物体が歪めている光にどのような影響があるのか、私は考えていなかった。この光をこれほど長い間、自分の目の中に直接受けていたとは。プリズムは世界の別の種類の美しさを私に明かそうとしているのかもしれない。もう一度だけ見てみよう。

項目028
親愛なる私の後援者は、ゴルンをデイドラの一団で活気づけようと思ったようだ。彼の判断は正解だったと言わざるを得ない。私はずっと、閉じこもって埃を被った古い本をめくっているのがどれだけ退屈か気づかなかった。ポータルの反射がどうの、動的次元がこうのと、退屈極まりない!

インドリル家が屋敷の現在の状態を見たらどう思うかは想像もつかないが、それは私の問題ではない!私は大切な友達のプリズミーと話すのに忙しいのだ。プリズマ?プリシム?あれに名前を聞くのを忘れないようにしなければ。

我々が初めて共にお茶を飲んだのはほんの昨日のことのように感じる。それ以来、まあ自慢するわけではないのだが、私は自分の能力を十倍にも高めてきた。私は手を軽く振るだけで、汗一つかかずに島中を転移できる。

いつも何かをやり遂げるたびに、私は次の新発見の出発点にいるような気がしている。ここに来たのは出版を期待してのことだが、今ではあの頭の固い魔術師どもに私の大切なプリズムを見せることなど考えられない。あれの秘密はすべて私のものになる。

メルンの作業リストMeln’s To-Do List

1.中庭にもっと召喚サークルを加える

2.召使はスパイの可能性がある。解雇する

3.テル・レンディスの間のポータルにつながる扉は、私が作った破壊的共鳴の結界で封鎖した。解除スイッチで結界が無効化される。隠されていることを忘れないように。何かへ触る前に亡霊の視覚を使うこと!

4.料理人を追いだす。私に毒を盛ろうとしているのはわかっている

5.本を暗号化する?隠す?暗号化して隠す。誰も信用できない!

リラシへのメモNote to Rilasi

親愛なるリラシへ

君の頑張りが誰にも気づかれていないとしたら残念だ。

私は気づいたぞ。

近いうちに話そう。
君だけの、ロスガードの雲雀

レイニラの日記Reynila’s Journal

ティラナイト・カルクス

この金属はダークアンカーの生産に用いられる格子間合金で、魂石の欠片が込められており、知りたくもない他の材質を検知するようになっている。ソンディヴェルは魂魔術の儀式を使ってこれを柔軟性のある輪へと形成し、手首や足首に固定している。これはニルンとオブリビオンの間の障壁を弱めるのと同じように装着者の意思を弱め、支配者の思い通りに服従させる。ソンディヴェルの思考は装着者にとって命令となり、欲望となる。こうして惨めな奴隷や自動機械、精神を欠いた抜け殻に命令する、強い不快感を味わわずに済むようになる。

理論上は。「改革者」はまだこのプロセスを完全に実現していない。

調整

調整に成功すれば、被験者は意識の薄明状態に入る。被験者は完全に自我を保っており、明晰で、きっかけを与えられれば自分の考えを述べられる。ただし支配者――彼の自称では「改革者」――による許可なしでは行動できない。

彼との調整から解放されると、失われた記憶はダムが崩壊して川に流れ込むように戻ってくる。これは非常に不愉快なプロセスであり、被験者が調整されていた期間に比例して、飲みすぎた夜の後のような元気のない状態になる。ソンディヴェルは数ヶ月、あるいは数年分の報酬をまとめて受け取ることと引き換えに、人々が自らの意思でこの調整を志願するようになることを計画しているため、これは彼にとって大きな障害の一つである。

もう一つの問題は、支配者としての改革者の共鳴が、ティラナイト・カルクスの大きな欠片を通じて伝達されていることである。彼はこの実践を大規模に導入したがっているが、私は複数の被支配者を調整させることがどうやって可能になるのか、理解に苦しんでいる。彼はもっと先に進むまでこの問題を気にする必要はないと言っている。

最後の問題だが、調整のプロセスを引き起こすには、その背後に大量の動力源が必要だ。魂1つを他人の命令に従わせるには、魂1つの力が必要なのだ。これは彼が考えているように、束縛から命を助けるものではない。実際、このプロセスはすでに彼の奴隷の大部分の命を奪っている。私はこれを続けるのが非現実的だし、倹約の観点から考えても時間の無駄だと言ったが、彼はそれを知っても手を緩める気はさらさらないようだった。

調整の解除

私は調整された者をソンディヴェルの支配から安全に切り離すプロセスを開発した。魂魔術とティラナイト・カルクスの共鳴について、ごく初歩的な理解があれば可能なことだった。あのような意識の領域で自分が取る行動を記述するのは困難だが、調整された者と金属の欠片との間の媒介として、私自身を用いた。私は気づかれることなく共鳴の中に入り込み、調整された者の魂の絆を安全に切り離すことができる。彼らの生命のエキスは媒介である私を通じて、漏斗にインクを入れるように流れ込み、一瞬の間に通りすぎてゆく。記憶が私自身の記憶であるかのように瞬く。私が見て、感じたもの――束縛状態で過ごした短い生活の浮き沈み――は、これ以上ないほど強く、私の決意を固めさせた。

このプロセスには何時間もかかるが、ソンディヴェルは別のところに意識を集中しているため、通常はこれを感じ取らない。

どれだけ多くの者を救っても、私は夜のごとく鋭き者のことと、彼にしてしまったことを決して忘れないだろう。最も助けを必要としていた私の友。他の者たちの調整の解除は髪の毛を切るように一切痛みを伴わなかったが、夜のごとく鋭き者の場合は毛を根元から引き抜くようなものだった。彼を解放しようと急ぐあまり、私がどれほどの被害をもたらしたのかはアズラのみがご存じだ。

彼を見つけられたらいいのに。まだ彼の一部はティラナイト・カルクスの中で共鳴したままだと思う。

たとえ彼が私や、若くして誘拐され命を落とした彼の最後の卵の親族や、彼を大切に想っていたディーク・ヌジェイを思い出せなくても、私は彼が自由に生き、残りの生涯を平穏に暮らして欲しいと心の底から願っている。

一等航海士ダルミールの記録First Mate Dalmir’s Log

〈22日前〉
ヴィべク・シティを朝の潮にて出立、サドリス・モラへ向かう。出航にちょうどいい朝だ。

〈18日前〉
サドリス・モラの港に到着し、ボロ雑巾の貨物を引き受けた。

〈15日前〉
ファイアウォッチで客を乗せた。ファラム司教とその側近で、沈黙の誓いを守っている。妙な集団で、全員傷跡を身に帯びている。これは過去に天然痘か何かにかかった印だ。聖堂の者でこういうのは見たことがない。それに彼らは大量の貨物を抱えていた。中で何かが死んでいるみたいな臭いのする木箱だ。船室に臭いが移らなければいいが。

〈11日前〉
荒れた海の中、テルヴァンニ半島の北の岬を周回した。今日は乗組員の半分ほどが体調を崩して動けなかった。司教と側近たちは甲板下から動かない。数人が船室にいるのさえ見た。

〈4日前〉
ネクロムまであと3日。乗組員はスキーヴァーに苦情を言っている。船室に何かの感染が起きているに違いない。おそらく司教が持ち込んだあの木箱と関係しているのだろう。中身を確認に行こう。そうしたら、ネクロムに到着するまでは閉じ込めておく。

隠された一族の指示Hidden Kindred Instructions

我が同胞たる一族よ、

我らが栄光ある教団の卓越せし病の主として、私はこの指示へ厳密に従うよう命じる。疫病の王の道具をファイアウォッチまで運び、港で私と合流せよ。ネクロムへの旅は商船ストームウィングに乗って遂行する。

病の聖なる瘴気が込められた小瓶は注意深く密閉せよ。ネクロポリスの誤れるモンクたちに分け与えるまで、ぺライトの息吹が薄められないようにすることが肝心だ。

私はネクロムで必要になるローブと頭巾を持っている。私は聖堂の司教と偽り、お前たちは私の補佐となる。もうすぐ邪魔されることなくネクロポリスを探り、目当てのものを見つけられる。

ぺライトと隠された一族の栄光のために!
ブライトクラウン

運命論理学に対する批評Commentary on Fate Dialectal

[エリドリナ・ナスリンによるアザンダーの論文の分析は簡潔かつ苛烈で、たったの数ページで効率的に論じつくされている]

結論として、私の弟子の思想は方向性を誤り誤解に満ちているが、明らかな魅力もある。アザンダーの学識は完全に要点を外しているが、興味深く魅力的に概念を表現している。この仕事をシャド・アツーラの研究資料を用いてさらに発展させることは即刻却下されるが、私はアザンダー・アルサイビアデスが独自に学術研究を続けることを応援したい。

時間と経験、および実践的な研究技法の指導があれば、おそらく彼はこれから先、素晴らしい魔術師、研究者になれるだろう。

エリドリナ・ナスリン、シャド・アツーラ学究兼神秘学顧問

我らが貧弱な同盟者Our Puny Allies

向こう見ずなリガート 著

スカルド王ジョルンは言いました。「リガート、我らが貧弱な同盟者ダークエルフについて書いてくれ。モロウウィンドでの外交任務の最中に彼らについて学んだことを、皆に伝えるんだ」

リガートは答えました。「わかりました、陛下。どうしてもとおっしゃるなら」。スカルド王ジョルンにはいつもそのように言わなければならないからです。

さて、リガートは色々なことができますが、物書きはできません。私は王のように詩人ではないのです。あの勇敢なスクリブの本の著者のように、作り話をすることもできません。あの勇敢なスクリブの物語は大好きです!

リガートはただの大きな使節で、素晴らしいノルド文化交流の一員です。文化を広める者としての役目を通じて、私は同盟の絆を強める助けをしています。特に強大なスカイリムのノルドと、貧弱な、いやつまり小さな、あるいはそれほど大きくないダークエルフとの絆を。あるいはダンマーでしょうか。彼らはこちらの名称を好みます。多分そうです。リガートは何を書いていたんでしたっけ?

おお、そうだ!思い出しました!我らが貧弱な――いや、小さな――同盟者!アカヴィリが北方を侵略した時、彼らは大きな助けになってくれました。小さなダークエルフは奴らを叩きのめすのに力を貸してくれたのです。我らノルドに助けが必要だったわけではありません。まったく不要でした。しかし我々は戦いに加わればあの小さな尖った耳も喜ぶだろうと思ったのです。そうして我らの同盟が生まれたのです。エボンハート・パクトが。リガートは別の名称を提案したのですが、5つ目の案を出した時、ジョルン王は私を追いだしたのです。

他にリガートは何を言いましょうか?ダークエルフは時に偉そうで傲慢で、気取った服を好みます。しかしあんな貧弱な民にしてはよく戦います。それと、リガートは彼らの飲み物はかなり美味だと思いました。しかしあらゆるものに虫やキノコが少々入りすぎている気がします。

我らダンマーの遺産Our Dunmer Heritage

第二紀第330年、誓約者志願者モルンシュ・バラムによるレドラン家のための要約

他のエルフおよび人間にダークエルフとして知られる、ダンマー民族の内在的優越性を研究し説明する機会を与えられたことを、レドラン家の代表者一同に感謝する。

ダンマーは神話の島アルメリスからの最初の植民者、最初の民アルドマーの直接の子孫である。高き民アルトマーはその子孫であるが、このエルフたちはそれ以来先人の道を外れていった。他の多くの集団はいわゆる古代の民、野生のエルフ、シーエルフ、ドワーフ、オークといった民族から派生した。しかしダンマー民族の祖先であるチャイマーだけが、アルドマー文化に忠実なまま留まった。

チャイマーは巡礼者ヴェロスに率いられて退廃的なアルトマーをサマーセットに残して去り、モロウウィンド北東の端に住み着いた。そこで彼らの力は花開き、やがてドワーフと裏切りのダゴス家と争うようになった。両者は戦い、伝統的なチャイマーの家が勝利したものの、彼らは永遠にダンマーへ変貌を遂げた。しかしこの事態を通しても、我らが民は全員先人たちの規範と真理に忠実なままに留まったので、真にアルドマーの子と呼びうる存在なのである。

我々が維持した伝統のうち最初のものは、古代人から我らの家系や族長に至るまでの先人崇拝である。貴族の古代墓地であれ、ネクロムの偉大なるネクロポリスの墓地であれ、我らダークエルフは過去の霊魂を崇拝し、その導きを求め続けている。残存している名家はその血統をヴェロスその人にまで辿り直すことができ、それぞれの先人は大切にされ敬意を払われている。

第二の伝統は家族の強さである。アルドマーの古代文書や芸術の大半は失われているが、彼らの習わしが我々に類似したものだったということは自信を持って言える。家族の統一が最重要であり、最も力ある最年長の者がすべてを統治する。家族には個別主義的な側面もあり、小さな共同体では力の劣る家族と協力することもあれば、名家の庇護を求めることもある。このようにして、ダンマーは先人たちとのつながりを保ち、また同時代の人々から力を得ているのである。

伝統の第三の柱は、確立され認知された社会的秩序を中心としたものである。アルドマーには貧民と王侯貴族がいたが、ダンマーの名家はそれを洗練させ、安定した社会体制へと築き上げた。地位の名称は名家によって異なるが、最も一般的な位に誓約者と家臣がいる点では共通している。また与えられた地位とは無関係に、テルヴァンニ家の最も貧相な者でも位を昇りつめることは可能であり、才能と実力のある者は相応の待遇を受けられる。社会階層の中で自分の位置を知ることは、我々に所属意識と仲間意識を与えてくれる。

いくつもの時代を通じて、ダンマーは新たな土地に適応しつつも、我らが民の核心となる理念を維持してきた。アッシュランダーのように野蛮に近い状態に堕落した者もいるが、名家、特にレドラン家が先人の霊魂への献身を揺るがせたことは一度もない。我々は先人の助言を聞き入れ、その偉大なる伝統を引き継ぐことで彼らを称えている。このように、我々はアルドマー文化の真の継承者なのである。

我らはパクトを拒否するWe Reject the Pact

慈愛の母と主、そして謎の父に挨拶と感謝、深い尊敬の念を捧げつつ、以下に署名する我々はモロウウィンドの他の名家と共に、エボンハート・パクトへ加入するという申し出を即刻拒否する。

テルヴァンニ家は独立を保つ。

威厳ある我らの政体は、ヴァーデンフェルが若かった頃以来、力と優越の牙城であり続けて来た。アンドゥルの蔵書庫の発掘や焼灼の分裂、第一公会議戦争、レッドマウンテンの戦い、そして忌み嫌われたドゥエマーの消失以前から、我々は自らの評議会を保ち、自らの道を選び取ってきた。

ストンフォール東とデシャーン北のテルヴァンニの地はこれからも評議会の信任によって統治され、パクトの勢力がこれらの領地に入ろうとすれば、速やかで激しい反撃に出会うだろう。

この信書に付帯して、古代都市ネクロムに関する交易、防衛、海上航路、租税、使節権、旅行規定に関する我々の提案を要約した写本を送付する。

弁護士ギルドの代表者たちが連絡を取るだろう。

アークマギスター、ネロス・オセリ

マスター・バロ、ミストレス・ドラサ、賢者メルン(欠席)、賢者ゴスレン、マスター・フィルス、賢者セラナ、マスター・マレナ、ミストレス・アリス、賢者ギヴィン、賢者シルドレス

顧問ディヴァイス・ファー

「力強い意志を表現することが、真の栄誉を先人に与える」

改革者からの手紙Letter from the Reformer

デレドリアン、

作戦に歓迎する!レイニラとの過去の関係はもちろん許そう。私の言うようにすれば、ハーン・オレンヴィへの負債はすぐに消え去るだろう。

私の傭兵を数人用意して、ネクロムの外で君と待ち合わせるようにしてある。そこから彼らをレイニラの野営地に案内してくれ。要求どおり、彼女の組織について名前や追加の情報を渡してくれれば、それに応じて追加の金を払おう。あの女はずっと頭痛の種になっていたのでね。

ディミクはまだ私の役に立つ。可能ならば、あの女は生かしておけ。

しかし、夜のごとく鋭き者が現れたら、すべての指示を放棄して彼の捕獲を優先しろ。

彼は奇妙な運命によって、レイニラの跡を追っている。彼女がいるところには、あの男もいる可能性がある。君は夜のごとく鋭き者に仕返しをしたいだろうが、どうか修復不可能になるまで傷つけないでもらいたい。生かして彼を連れて来るんだ。そうすれば約束した額の3倍を払おう。

共に働けて光栄だ、

改革者

改革者からの別の手紙Another Letter from the Reformer

フェデロ!

その傭兵と直接話そう。レイニラの仕事から引き抜くんだ。だが支払いを約束しろ。そうすれば疑われずにお前の招集に応じてくれるだろう?私よりこの手紙のほうが先に着くだろうが、その夜のごとく鋭き者には私が来ることは秘密にしておいてくれ。

彼が私を覚えているか考えてしまう。彼の鱗はまだあの薄暗い真夜中の青色をしているだろうか。彼のとさかにはまだ黒い羽根がきらめいているだろうか。彼の中の変わらない部分が、再び私に所有されることを求めている。私にはわかるんだ。でなければ、私が知っている唯一の名を使い続けているはずがないだろう?

彼には私のことがわかるはずだ。いや、わかってもらう。私を見て、私の名を知り、私の絶え間ない試みが彼の独特の性質を飼い馴らすことを思い出す。私と二度目の出会いを遂げる時、彼がどんな顔をするのか楽しみだ。

お前の力を尽くして今回の出会いを準備してくれ、フェデロ。そうすればお前が望むとおりの報酬をくれてやる。

近いうちに、
ソンディヴェル・ウルレス

賢者メルン・レンディスへの手紙Letter to Magister Meln Rendys

賢者メルン・レンディス、

テル・バロのマスター、シェルレニ・バロの指示により、この手紙を直接貴殿に送ります。貴殿はまだ日々の仕事を担当させる代弁者を任命していないためです。

マスター・シェルレニは貴殿の塔テル・レンディスにて、明日の日の出の時刻に貴殿との対話を要請しています。今回、彼女はこの数年間我々相互の交流を乱してきた敵意に対し、ついに終止符を打つ提案を示す心づもりです。

マスター・シェルレニは自分の意図がテルヴァンニ家の古き良き伝統に合致し、また自分が賢者の地位を受けるにふさわしい人物であることを示したいと望んでおり、この点で貴殿の支援を希望しています。

最後に、マスター・シェルレニは貴殿の所有しているあるアイテムを交換、購入するための交渉の機会を望んでいます。「苦しめる目」という古代の書です。貴殿に使い道はなくても、マスター・シェルレニにとってはとても重要なものです。

マスター・シェルレニは今回の件を解決するため、明朝、貴殿の塔に到着する予定です。

マスター・シェルレニ・バロの代弁者
ヴァブドル
アルド・イスラにおけるマスター評議会

残された者のための飲み物Beverages for the Bereaved

ネクロムの喪中の人々は酒で悲しみを紛らわすことも、腰のフラスコからフリンを啜って我慢することも不要である。以下に記す飲み物は、より手間がかかるものの、先人を忘れないために必要な努力を示しつつ、逝去の苦痛を和らげるための完璧な機会を提供してくれる。

* * *
スパイス入りスジャンマのミルク酒

このコショウの効いたミルク酒は体を中から温め、すぐに死者の最も甘美な記憶を思い出させてくれるだろう。ネクロムの外では、半分の量のハチミツ酒を3倍の水で薄めたものが、止むを得ない場合にスジャンマの代替品となる。

グアルの乳 2
水 1
中サイズのクワマーの卵 1個
スジャンマ 6
アニス スプーン1杯
スライスしたショウガ スプーン3杯
カルダモン スプーン1杯
フェンネルシード スプーン1/2杯
ファイアペタル 1個
虚無の塩 1つまみ

グアルの乳とクワマーの卵を混ぜて泡立てる。水で薄め、沸騰するまで加熱する。軽く煮立つ程度に火を弱め、残りの材料を加える。香りが立つまで浸ける。スパイスを漉し、熱々の状態で提供するか、冷ましてスプーンで提供する。

* * *
フリン・フィズ

この元気の出る調合薬は、冷やして出すのが一番いい。氷なしで作った場合、最低限薄めるためにスプーン1杯の水を加えること。

フリン 2
クワマーの卵(小)の卵白 1個分
マーシュメロウリキュール スプーン1杯
ロータスシロップ スプーン1杯
ベルベズジュース スプーン1杯

氷か冷凍石の入ったシェイカーに材料を入れて混ぜる。泡立つまで混ぜたら漉して氷または石を捨て、液体の大部分が泡になるまで混ぜ続ける。砂糖漬けのコンベリーを飾る。縁にムーンシュガーをまぶしたグラスで提供すると、さらに高級感が増す。

* * *
沼の泥

結果的には似たような風味になるが、このレシピに実際の泥は使われていない!この飲み物をまったく不快と感じる者もいるが、多くの喪中の者は、これの意外性を歓迎してくれる。

グアルの乳 1
グリーフ 1
レモン汁 1
グリーフとレモン汁を混ぜ、グアルの乳とは混ぜないようにしておく。

味わい方:グアルの乳を口に含み、口をほぼ満たす。だが飲み込まないこと。頭を後ろに傾け、グリーフとレモン汁を混ぜたものを口が一杯になるまで加える。口を閉じ、液体が凝固するまで頭を前後に振る。どこまで続ければいいかは、泥の塊を飲み込んでいるような感覚がするのでわかる。

死者の宴、第一章A Feast Among the Dead, Chapter I

高名な旅行者セヴェリア・クアシット 著

ダンマーの故郷への旅は回りくどい道を通る羽目になったが、ついにヴォス行きの商船に席を確保し、セドリス・モラに向かうことができた。そこからはシルトストライダーを駆り、狭海を渡ってアルド・イスラへ行き(南中の月と収穫の月の風がない日にのみ取られる航路だ。それ以外の時に渡航するのは危険すぎるとされている)、最後にネクロムへ向かう巡礼の列に加わればよい。

ネクロム!「死者の街」は逆説的にも適切な異名であると同時に、まったくそぐわない名称でもある。時によっては、この街が霊廟のような場所であることは私も認める。静寂と厳粛な反省に満たされた場所である。魂にのしかかり、肺から嘆きの声を絞り出させるような重厚な雰囲気がある。しかし別の時には動きが飛び交っている――ここではすべての名家のダークエルフや種々の人々が等しく同胞となり、交流し、取引し、騙し、食事を味わう機会を捉えている。ここではインドリルとレドランも、十数世代ほど前に生きた祖先の血を共有していることを知って家の旗を収める。彼らは共にその祖先を称え、安らかな休息を願うのである。

私は心からの願いが叶って、そうした墓前での会合の一つに招待してもらえた。寄宿学校で寝台を共にした者――2人で1台だったのだ、まったく!――が、幸運にも清潔でノミも持っていない、恰幅がよく気さくな織物商だった。彼はエボンハートの西の辺りの出身で、彼の親族数十人の先例にならって、ずっと前に死んだ遠縁の親類を訪ねるためにネクロムに来たそうだ(正直に告白するが、彼が曾祖母の三人目のいとこと、三人目のいとこの曾祖母の違いを説明し始めた時、私の目はぼやけていた)。

この家族の会合の目的である死者の名は、あまりにも多くのHとLから成っており、聞き取ることができなかった。この男はかつて大いに名を知られた料理人であり、ヴィべクのハイ・フェインの食堂に60年近くも務めていたという。彼の死は200年ほども前のことである。私に理解できた限り、多くの先人の霊魂はもっと短期間で定命の次元を去ることを望むらしい。しかし私のホストは懇切丁寧に、この死者は子孫のうちの誰かが自分の料理人としての遺産を受け継ぐに足る能力を証明するまで、定命の次元を手放したくないのだと説明してくれた。私は興味を引かれた。引かれない者がいるだろうか?そして街に夜が落ちかかり始め、長い影が骨のように白い石を覆う頃、私たちはネクロポリスと、その地下にある古代の宝物庫へと出発した。

死者の宴、第二章A Feast Among the Dead, Chapter II

高名な旅行者セヴェリア・クアシット 著

私たちは二十人以上おり、各人が何らかの物品を携えていた(ある年長の女性が私に目をやり、リネンの束を渡してくれた。私にはこれを担う「力がある」と言って)。多くの笑い声や世間話が交わされる中、一同はネクロムの暗く湿った、時にはほとんど真っ暗な地下墓地へと行進した。正直に認めるが、明かりのない時間は危険を感じた。私たちはやがて緑青で緑がかった小さな金属の扉のある、通路の終端にたどり着いた。一行の中で最年長の、賢そうな節くれだったダンマーの老人が、服の内側に手を入れて鍵を取り出した。彼はそれを扉に差し込んだ。

小さな扉の向こうには大きな部屋が広がっていた。陽光は入ってこなかったが、ダークエルフの大きな地所でよく見られる、手入れの行き届いた台所だ。湧き水の小さな噴水が桶に集められ、同じ水の排水溝が台所で出たゴミを街の地下の暗い穴へと運んでいる。私のホストたちはオイルランプを灯しながら、死者は最期の数年間に非常な労力を払って、自分の霊廟に私が見たような様々な設備を導入するよう取り計らったのだと話してくれた。大きな料理用の火は、死者の定命の器が火葬に付された焼却場でもあることがわかった。彼の灰を集めた小さな壺を取り、大きな石のテーブルの頂点に置いた。

少し経つと、部屋は暖かく快適になった。運ばれてきた荷物の束は、私の高級リネンも含めて開封され、部屋を豪華な食事に相応しい広間へと変えるため用いられた。ホストたちが墓に持ち寄った食事を調理し始めると、素晴らしい香りが漂ってきた。年少のある子孫が小さなグラスを乗せたトレイを持って忙しく駆け回った。私は喜んで酒を味わった。スパイス入りのスジャンマが、最も私の口に合った。

私たちは間もなく、食事の用意ができたので着席するようにと言われた。ホストたちは全員首を垂れて祈り、栄誉ある祖先の霊魂に姿を現すことを、そしてこの食事のうちに満足できるものを見出し、定命の次元をついに未練なく離れてくれることを願った。

壺が揺れ、テーブルが少し震えたと思うと、私たちの前に霊が現れた。死者はテーブルの上に光を放っていた――堂々とした目と乱れた髪の、驚くほどハンサムなダークエルフだった。この霊魂は厳粛な言葉で彼の家族と、家族が用意した食事の存在を認めた。彼は食事の開始を要求した。これ以上待てば、食事は墓のように冷たくなってしまうだろうと彼は主張した。

家族はそれぞれコース料理をテーブルに運び、そのたび先人の霊魂にそれぞれの料理を吟味してもらうため立ち止まった。私はこれに好奇心をそそられた――幽霊は食事をするのか?そして提示されたそれぞれの食事について多くのメモを書き記した。

死者の宴、第三章A Feast Among the Dead, Chapter III

高名な旅行者セヴェリア・クアシット 著

食事の最初のコースはヴィベク・シティのカントン聖堂で聖職者が食べるような、ウィックウィートのクラッカー三種だった。それぞれのクラッカーには違うトッピングが配されていた。慈悲の母にはホイップしたグアルミルクのガナッシュ、戦詩人にはビターグラスの棘、ラードのような油は聞いたところによると、秘密の父の機械油を表しているという。

食欲が刺激されたところで、第二のコースは酸味の効いたグレービーソースに浸った小さな団子が出された。団子は糖度を吟味されて選ばれたアッシュヤムを焼いて皮をむき、ピューレ状にしたものから作られていた。そこから、ティアー周辺の土地で育つらしいサルトリスを発酵させたものを砕いて小麦粉と混ぜ、それをアッシュヤムのピューレに加えてグレービーで煮込む。甘い団子と酸っぱいソースはデザートとして美味だが、全体としては変わり種の第二コースと言える。

第三コースはサラダだった。それぞれの皿にはフェンネルと思われるものが積み上げられていた。私はやや残念に思ったが、判断が早かったことを思い知らされた。あるホストがすぐにこの貧相な野菜の皿に、かなり辛いソースをかけたのである。このソースは主にオイルをベースとした煎じ汁のようだった。というのも壺の底からすくった部分にはいくつもの小さな、シラミに似た殻状のものが入っていたからだ。私はまったく無邪気に、この断片は唐辛子の残骸かと尋ねた。私はサイビアデスに唐辛子を使ったオイルをかけるのを見たことがあり、この方法は他のものよりずっと食欲をそそると思ったのだ。私の質問に答えは返ってこなかった。

第四、第五、第六のコースは同時に運ばれてきた。これはトリビュナルを称えるためであり、各コースはそれぞれの生き神に捧げられ、どれかが他よりも優先されるということはない(お腹の中でも、という話である)。彼らはそれぞれ独自の素晴らしさを持っているのである。

私が味わった最初の料理は、皿に盛られた蒸しクワマー・スクリブだった。これはそれぞれの客人に提供されたが、不思議な料理の錬金術により、この生物の硬い甲殻はゼリーのように柔らかく調理されていた。聞いた話では、これを調理する際にはレッドマウンテンの残積層から採取した溶液でスクリブを湯がく工程があるという。私のホストたちはこともなげに、甲殻をこれほど柔らかくするために、スクリブは1匹ずつその溶液で十回以上も湯がいていると述べた。また、彼らはこの工程がスクリブにとって凄まじい苦痛を伴うものであることを請け合った。その話には複雑な気分にさせられたが、これによって肉がさらに甘みを増すらしい。

二つ目の料理にはいくつかのカゴーティの胸腺が使われていた。これは私が名称を間違えただけなのだが、何度も言ってもらったにもかかわらず、この料理の名前をどうしても聞き取れなかったのだ。とにかく、羊のような動物の胸腺と同じく、私たちはカゴーティの複数の異なる腺を提供された。それぞれの腺には戦詩人の流儀にならって一つの徳があてがわれた。この徳もまた、正確に思い出せないのだが、これに関してはダークエルフ言語の複雑さよりも、ダンマーのうぬぼれた生き神に対する私の嫌悪感によるものである。

最後の料理はむしろ儀礼的な性格のものであるという印象を受けた。殺されて間もないウナギが切り身にされ、私たちの目の前で、発酵させたマーシュメロウを主材料としたキャラメル色のタレが入った小さな容器に浸される。私が見ていると、ホストたちは注意深く指をこのタレに浸し、手から液体をこぼしてウナギへと流れ落ちるようにした。ウナギが身をよじる光景といったら!ウナギはまるでまだ生きているかのように震え、身をくねらせた(ただし頭がなかったので死んでいることは確実だった)。ウナギの自然に反する動きはすぐに収まり、不思議なことにウナギの肉にはタレが染み込んでいた。これがどうしてソーサ・シルを称えることになるのかはよく理解できなかった。おそらく文化的な意味があるのだろう。

死者の宴、第四章A Feast Among the Dead, Chapter IV

高名な旅行者セヴェリア・クアシット 著

食事の主要な部分が過ぎたため、私のホストたちは先人の霊魂に向き直った。彼は私たちの食事を厳格な静寂さで見やった。彼の目がテーブルからテーブルへと移るのが見えた。後で寝台の仲間に教えてもらったのだが、彼は目をやるだけでそれぞれの料理がどのように調理されたのかを見極めていたのだという。それが料理における彼の特技だったのだ!

霊魂が言葉を発し始めると、部屋には沈黙が訪れた。彼は集まった親族たちに、自分はこの部屋で遺骸を焼かれて以来、40回以上も饗宴を捧げられてきたと述べた。その間、彼の基準に合致する料理は全くなかった。多くの料理が惜しいところまで行ったが、十分ではなかった。
それはこの瞬間までのことだ。霊魂の眉がほとんどわからないくらいわずかに震えた。彼は微かに声を震わせながら、この夜に提供された料理それぞれの美点を称賛した。残るは卵のカスタードで作り、ヴェルムをトッピングした伝統的なタルトで食事を締めくくるだけ。タルトがテーブルに運ばれてきた時、集まった会食者たちの期待は肌で感じられるほどだった。集まった親族の全員が先人の最終的な評価を、そして願わくば定命の次元からの永遠の別離を待ち受けた。

タルトはテーブルに置かれ、重い銅製の覆いが外された。先人の唇がわずかに上ずったことは、すでに十分な評価だった。テーブルの近い位置にいた親族たちの間で感嘆の声が上がり、それは私のホストたち全員に広がった。タルトは完璧だった。

その夜の残りに起きたことは、ほとんど思い出せないくらいである。私たちは完璧な饗宴を祝ってあまりに飲みすぎたため、思い出そうとするだけでまだ頭が痛むほどだ。だがあの厳粛な出来事を思い返すと、私の胸は高鳴る。そしてあの死者たちの饗宴を思うと、私の腹は今でも鳴ってしまう。

死者の番人への加入についてOn Joining the Keepers of the Dead

新加入者に向けたパンフレット
ネクロムのネクロポリス、イルヴェル修道院長 著

我々は死者の番人への加入について尋ねる手紙を数十通受け取っている。規則として、我々は加入予定の者を拒絶することはない。先人を尊敬し、我らの神聖なる使命に向いていると感じるすべてのダークエルフなら誰でも、ネクロムに来て修道院生活を始められる。実際、相当数の他種族の者たちも、先人が遠く離れた地に眠っているとはいえ、我々の仲間に加わっている。彼らはここで必要とされていると感じているのだ。

我らの組織は千年近くも前に創設された。ダードリン副院長はネクロムの古い墓地の上に修道院を築き上げた。彼は我らが従うべき規則と、我らが使命を行う際に守るべき誓いを定めた。これだけの年月を経た今も、我々は創設者の教えに従っている。遠い昔に始められ、先人の意思に適えば自身の生が終わった後も長く続くであろう、神聖なる見守りの役目に加わるといい。

我らの組織のモンクの一日は、朝と正午、夕方の礼拝によって過ぎる。それらの間に炊事や洗濯、生活空間の維持といった、家事や共同体の仕事を与えられる。もちろん、我々は毎日先人の墓の世話をする。夜の間中、我々は墓地で見張りを行い、先人たちの眠りを妨げる悪しき事態が起こらないよう取り計らう。最後に、我々は助けを求める訪問者にいつでも導きと助言を与える。義務と反省の生活だが、深く達成感のある生活だ。

さて、ここからが難しい部分だ。死者の番人の中で仕えた長い年月の間、私は多くの新人が入っては出ていくのを見てきた。修道院生活が誰にでも向いているわけではない。番人になりたいと願う多くの者がネクロムにやって来て我らのローブをまとうが、数ヶ月後にはその生活が自分には合わないと気づくのだ。

私はこのように挫折した新人たちが、ほぼ常にある一点で共通していることに気づいた。彼らは何か他の物事から逃げるために我々のもとへやって来た。番人になることは、傷ついた心を癒してくれない。両親との関係を修復してくれないし、過去を捨て去る手段や、己自身の霊魂に宿る暗闇を克服する手段を与えてもくれない。この使命をやり遂げるためには、ただ以前の生活を否定するだけではなく、死者の番人の生活を肯定しなければならない。

よく考えて選択して欲しい。自分の心に聞いて。それでもまだ番人の誓いを受け入れる気があるのなら、我々はネクロムで待っている。

修道院長の命令により閉鎖しますClosed By Order of the Abbot

さらなる通知があるまで、ネクロムのネクロポリスは閉鎖します。

ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

先人への訪問は準備が整い次第、速やかに再開いたします。

小動物の危険:テルヴァンニ半島Critter Dangers: Telvanni Peninsula

テル・ヴァラノ 著

塔と書物とネクロムに向かう果てしない行列は、ただ一つのことを示している。お前はテルヴァンニの領域にいるのだ。足の踏み場には気をつけろ。お前がアッシュランドの沿岸にいようと、死者の街の裏路地を歩いていようと関係ない。ここでは、すべてのものがお前を殺したがっている。

私の助言は「殺されるな」だ。ここにテルヴァンニ低地の動物についてのメモをいくつか記しておいた。使うか使わないかは任せよう。

おそらく殺そうとしてこない動物

ネクロム地域では敵対的でない獣でさえ、潜在的な脅威である。可愛いコヒョウグアルは別だ。あれは三大神が穏やかな魂と優しい心を持つ証拠だ。だが、テルヴァンニの領地の大半は野性的で未開拓に見えるが、それは魔道師たちがそう思わせたがっているのである。数百年の間、賢者とその手下たちはこの地域を開拓し、岩だらけの尖塔や切り立った巨大なキノコを育て、自分たち好みの景観を形作ってきたのだ。風景は芸術だということを理解してもらいたい。

それゆえ、その辺りを徘徊する張り出した岩の下を歩く穏やかなコヒョウグアルや、波の中を走り回るヴァルドヴァーク、運河の橋を渡る時頭上にゆったりと漂うネッチといった獣は、お前のためにいるのではない。テルヴァンニ家の貴族やマスターたちのものだ。そして魔道師の所有物へ手を出す者には災いが降りかかる。

おまけ:踏み潰す獣には注意を払え。でなければ火の玉が飛んできて酷い目に遭う。だがヴァルドヴァークは撫でていい。可愛いからな。

殺しにくるかもしれない動物

賢者の力をもってしても、一部の獣はあまりに強情か、有用すぎるため半島から追いだされずにいる。クワマー鉱山は我らダークエルフが住む場所ならどこでも大量に見られる。ネクロム周辺地域もまた例外ではない。ストンフォール東で営まれる商業の大半と同様に、この大都市の合併会社も大きな獣を世話している。地方の鉱山産のスクリブジャーキーには他の場所では見られないスパイスが使われているという話だが、私には何とも言えない。私はああいうものが大嫌いだ。

それに対し、クワマーの卵は大好きだ。半島の鉱山から産出されるものは間違いなく、微かなコショウの風味が効いており、スカトルや葉物野菜、練り団子によく合う。練り団子とは、ノルドが作る団子を私なりにアレンジしたものである。

もちろんそれはよいのだが、クワマー・クィーンとその子供たちの間に立たないことだ。賢者たちはクワマー合併会社に大量のゴールドを投資しているため、クワマーの巣は大陸中の他のどんな鉱山よりもこき使われている。下層階級のテルヴァンニ魔術師は召使をぞんざいに扱うと思うだろう。相手が家畜の場合にどうなるか、一度見てみるといい。

一方で、この虫だらけの土地では、ニックス・オックスが王様だ。この巨大な虫は他のダークエルフの国、つまりパクトの国でも利用されているが、それはテルヴァンニのお家芸である奴隷労働の代わりとしてだ。ネクロム出身のある集団が、デシャーンやエボンハート、ヴィベク・シティで急成長を遂げていたニックス・オックス事業を半島に宣伝しようと試みたが、受け入れる者は少なかった。数人の賢者が領地の世話をさせるために購入したが、哀れなニックス・リマは脚を折ってしまい、彼らは不満を述べた。

事業が頓挫した時、忙しい市場の売り手たちはもっと栄えている集落にニックス・オックスを連れ戻さず、ただその場に放してしまった。だから半島中にあのデカブツがうろついてる。自然の奥深くで小さな虫の王国を築いているのさ。

おまけ:クワマー鉱山は二重に危険な場所になりつつある。衛兵たちは怒れる魔道師と、限界まで産卵させられているクィーンのどちらに殺されるか不安を抱えている。また、半島のニックス・オックスはすべて失敗した投機事業の結果野生化したものだ。避けたほうが賢明だろう。

確実に殺しにくる動物

私はネクロム付近の大きな怪物に哀れみさえ感じそうになる。変なことだろうか?オーガやトロールに共感するのは奇妙か?いや、おかしいのは私だと言われ続けているが、まだ気持ちは変わらない。「だがテル・ヴェラノよ、なぜお前はあんな粗野で野蛮な盗賊どもに心を動かされたんだ?」とお前は言うだろう。いい質問だ。その口を閉じてよく聞け。

テルヴァンニ家最高のある賢者――報復が怖いので名前は挙げないが――が、大陸中から野獣や害獣を集めてきらびやかな大展覧所を作ろうと思いついた。その賢者はどうやら戦争が始まる前、休暇でサマーセット諸島に行って、そこの豪勢で世話の行き届いた動物園に感銘を受けたらしい。実際、その賢者は自分の魔法の空間を削り出せば、ハイエルフの施設よりもいいものができると思った。

それが何を意味してるのか、テル・ヴェラノに聞かないでもらいたい。私は聞いた話を繰り返しているだけだ。手短に言うと、その神秘の動物園はデシャーンの地方芸人一座が最後にやった演劇「ヴィべクの三十六誓約」よりも酷い結果に終わった。そして今ではオーガやトロールの小さな部族たちが、同族から孤立して、その賢者の代弁者に雇われた狩人たちから逃げつつ、半島の高地を巡回している。狩人たちは主人に恥をかかせないようにするためだけに、そいつらを皆殺しにするつもりだ。

おまけ:テルヴァンニ半島のような隔離された楽園でさえ、自然は自らの道を進む。暗い谷間や岩だらけの洞窟に入る時は注意しろ。それとから醜悪なかつらを被ったアルマレクシアが舞台上で暑苦しい逢瀬を繰り返すのを延々と見せられたくなかったら、今度デシャーンを訪れる時は地元の芸人一座よりもマシな娯楽を探すことだ。

新たな教団の出現A New Cult Arises

オーディネーター・キラオによる報告

知ってのとおり、我らトリビュナルのオーディネーターは異端を軽く受け止めることはない。新たなデイドラ教団がテルヴァンニ半島に地歩を築こうとしているという知らせが我々に届いた時、状況を調査するため私が即座に派遣された。言うまでもなく、テルヴァンニ家の支配下にある土地で行動するのは最良の条件でも容易なことではないが、最近のテルヴァンニのマスターたちは何かの理由により、普段以上に非協力的になっている。

数日間の足踏みが続いた後、私はついにネクロムを調査中にフィルバート・シエンヌというブレトンに出会った。私が何も聞かないうちに、彼は疫病のデイドラ公ぺライトの驚異について私に説教し始めた。彼は私がオーディネーターだとは夢にも思わなかったらしい。オーディネーターの存在さえ理解していなかったかもしれない。私は話を聞き、こちらからも質問してみることにした。彼は喜んで自分の異端信仰について話したからだ。

私はこの男が腫れ物や病気について延々と話すのを聞いた。彼は本気で私を勧誘し、病気とネズミの教団に入るよう説得してきた。口を挟む機会が巡ってきた時、私は彼が噂に聞く新しいデイドラ教団の一員かと尋ねた。

「ああ、隠された一族のことだな」と彼は少し動揺した様子で言った。「あれは二柱の異なるデイドラ公に忠誠を誓う、信者たちの緩い連携みたいなものだ。私の小さな支部、神聖なるスキーヴァーの献身的な信者たちも参加を求められたが、関わらないことにした。まあ、私しかいないんだし、暴力は好まない。人は人さ」

この男の無意味な戯言には混乱させられたが、私はついにこの隠された一族と呼ばれる教団についての有力な詳細を引き出すことができた。彼が言うには、この教団は等しい数のぺライトとヴァルミーナ信者、すなわち病気のデイドラ公と夢のデイドラ公に忠誠を誓う者たちから成っている。ブライトクラウンと名乗る大司教がこの合同勢力を率いており、フィルバートは詳しいことを知らないと言いつつも、教団がこの地域で何か忌まわしいことを計画しているという確信を持っていた。

彼にさらなる質問をし、また異端の罪で逮捕しようとしたが、その前にネクロポリスへ向かう巡礼の行進が突然広場を埋め尽くした。人の波に押されて、私はこのぺライト信者の姿を見失った。フィルバート・シエンヌがトリビュナルにとって大きな脅威になるとは思わないが、隠された一族について彼が話した内容は気にかかる。二柱のデイドラ公信者による合同勢力がテルヴァンニ半島で活動しているというのは、どう考えてもよい兆しではない。

調査を続け、新しい発見があればできる限り速やかに報告する。

聖ヴォリスの寓話Parables of Saint Vorys

夜明け半ばの後、聖ヴォリスは地位を高めたネクロポリスの拡張を監督した。彼の建築家がやってきて、岩が水を浸透させやすいため海をせき止められないと不平を言った。聖ヴォリスは大地の変化を感じたが、動かなかった。そんな中、グルガ・モル・ジルの骨が白い街の周囲で渦を巻き、もろい石となり、空から降って不平を言う者たちを押しつぶした。

「力強い意志を表現することが、真の栄誉を先人に与える」とその聖人は言った。「躊躇なく最期を迎える者たちの犠牲を光栄に思う。忠実なる者は海を押し返すべく生き、ネクロポリスの神聖な部屋に埋葬されるに値するであろう」

そして、故郷から遠くはるか離れた場所で戦死することになると確信しながら、聖ヴォリスはじっとしていられずにネクロムを離れた。従者とエルスウェアへ進軍した。そして最初に到達した村がまったく抵抗を見せないと、彼はそこを跡形もなく破壊することを命じた。

「焼け焦げた地面は、甘い果実を実らせる新たな命を生み出す」と、敬われた聖人は従者に言った。「他者の命によって温められた己を見よ。火をつけなくてはいけないとしても」

そうして猫族は聖ヴォリスのことを恐れ、彼がアネクイナ中に残した火の道から逃げた。ようやく反撃を受けると、彼はこの者たちが一族の中で最も強いと判断し、命を奪う代わりにモロウウィンドへと連れ帰った。

「他者を育み、種を手に送り出さなくてはならない」とその高貴な聖人は従者に言った。「我々の畑で何日も、延々と腰を曲げているところを見るだろう」

組織のメモOrganization Notes

名前:?
(彼らに名前はないとデレドリアンは言っている)

シンボル:2つのランターン

既知の工作員/味方:
– メヴェイ・アンドロス、アルド・イスラ
– ヌエテパ、アルコン
– シリル・カロ、クロップスフォード
– スカイウォッチのテルダンディンド、スカイウォッチ
– 骨を切り裂く者、ギデオン
– カータグ?場所は不明

待機の扉The Waiting Door

聖ヴェロスの大絶望が新たな物語の始まりを告げる
トリビュナルの生みの苦しみ、アズラの慈悲は退けられた
先人は夢から覚め、親族はうわべを崇拝する
ネレヴァルはチャイマーを堕落へ導いた

アズラの呪いに屈せず、ダンマーは歩み続けた
先人たちは昼、日没、夜明けにも呼び出された
新たな司祭が新たな思想をもたらし、待機の扉が求められた
ネクロムの壁の中に死者の街を築いた

生の終わりは霊魂を解放する、それを逃れる者はない
だから、息を吸うたびに先人を称えるがいい
止むを得ぬ時を除き、恩恵を求めぬこと、さもなくば定命者の戦慄が訪れるだろう
ネクロムで死と交流せよ

お前はいずれ死ぬ
お前はいずれ崇拝される
お前は待機の扉を求めるか?

ネクロムの暗い広間のどこにいても、司祭の足音が聞こえる
彼らは訪問者をその先人の家へ迎え入れる
地下墓地をさまようことを恐れるな。お前は孤独ではない
先人と司祭が思い出させてくれる…

生の終わりは霊魂を解放する、それを逃れる者はない
だから、息を吸うたびに先人を称えるがいい
止むを得ぬ時を除き、恩恵を求めぬこと、さもなくば定命者の戦慄が訪れるだろう
ネクロムで死と交流せよ

お前はいずれ死ぬ
お前はいずれ崇拝される
お前は待機の扉を求めるか?

代弁者ヴァブドルの日記Mouth Vabdru’s Journal

〈新しい区切り、その1〉
今日は代弁者サルースと不愉快な会話をした。彼女は自分のマスターの要求を私に伝えてきたのだ。マスター・シェルレニが他のテルヴァンニのマスターにスパイや探知装置を使うのをやめさせろと言ってきた。私はそのような侵害を否定したが、代弁者サルースは私の抗議を一蹴した。

〈その2〉
また面倒が持ち上がった。マスター評議会は新しい準則を設けて、メンバーたちにテルヴァンニ家外部の人間や生物とのあらゆる取引、合意、同盟を開示せよと要求することを考慮しているらしい。この知らせをマスター・シェルレニにどう伝えたものか。

〈その3〉
恐れていたとおり、新たな規則はマスター・シェルレニの私的な取引を暴露するために作られたものだった。私は彼女の否定を同僚たちに伝えた。すると代弁者デルヴィは不信任の投票を呼び掛けたが、私はこれを取り下げさせることに失敗した。マスター・シェルレニは喜ばないだろう。

〈その4〉
アラヴェリスからダスクセイバーの領収書をさらに受け取った。それからブライトクラウンとだけ名乗る、何者かからの奇妙な要求も受け取った。もちろん、支払いはする。マスター・シェルレニはこれらの出費を捻出するに足りるだけの資金を私に任せてくれている。だが、この種々の企みは何のためだろう?それに、なぜマスターはテル・バロの防備を強化したのだろう?新たな結界を解除するには特別な紋章が必要だというが、それは過剰ではないか。

〈その5〉
まだマスター・シェルレニからの返事は来ない。評議会にマスターの代理として何らかの返答をしなければならないが、何と言おう?彼らはこれ以上の否定や遅れを受け入れないだろう。まったく、マスターは日々私の仕事を難しくしてくれる。

〈最新の記述〉
ついに、マスター・シェルレニからの返事が来た!当然ながら、まったく実行できないものだ。マスターはアルド・イスラで同僚たちとの公式聴聞会を要求している。何か恐ろしいことを計画しているのではないだろうか。だが、私はどうすればよい?代弁者として、私はマスターの指示どおりに行動し、彼女の利益を最優先しなければならない。

ああ、今ほど他のマスターと共謀していればよかったと思う瞬間はない!

代弁者ヴァブドルへの手紙Letter to Mouth Vabdru

ヴァブドル、

お前の前回の手紙には失望したと言うしかないわね。代弁者の仕事はアルド・イスラの政治がマスターのより重要な仕事の邪魔にならないようにすることよ。私がライバルたちのくだらない懸念に応答しなければならないとしたら、お前は一体何のためにいるの?

私が何か間違ったことをしたと連中が主張し続けるなら――テルヴァンニの慣習と伝統に従えばそれは不可能なことなのに――会議を開かせればいい。そうなったら、私がライバルたちを完全に始末する。

それまでの間、もっとうまくやりなさい。また私を失望させたら、生きたままお前の皮を剥いで、毛皮の外套に変えてやるわよ。

マスター・シェルレニ・バロ

大魔道師トゥウェルヴェインの布告Archwizard Twelvane’s Decree

魔術は力。それについては皆が同意してくれるでしょう。元素を召喚し、幻影を生み出し、失われたものを再生し、存在するものを破壊し、世界を根本的に変化させる力。これは神々の能力よ。エドラでも、デイドラでも同じ。

それならば、なぜ私たちは自分よりも弱い者と共に生きねばならないのでしょう?私たちの力は、ただ考えるのと大差ない努力で自分の世界を形作ることができる。奴らは錆びたなまくらの道具で変化を引き起こそうとする。私たちは魔術を持たない者たちよりも優れていない?魔術とは、定命の者の歩みにおける明確な進歩でなければ何?

魔術師である私たちは遥かに進んでいる。私たちは権力を持ち、力も強い。私たちは魔法の獣を生み出し、世界の境界を越えた場所から呼び出すことができる。オブリビオンのすべてで最弱の生物、魔術を持たぬ定命の者と共に生きるのは、私たちの力への侮辱でしかない!最下級のデイドラでさえ、魔術を持たぬ定命の者よりも強大で、寿命も長い。

この者はニルンにはびこる弱者たちを間引くため、ある獣を作りだした。そうした連中はニルンの地表からごく短期間で消滅するでしょう。私たちのほうが強い。私たちだけが生き残るに値する。

第三十四説話の尖塔The Spires of the 34th Sermon

注記:この走り書きされた無記名の回想録は、ネクロムの裏路地で濡れてボロボロになった状態で発見された日記である。この記述がいつ記されたのかは不明だが、用いられている言語からするとかなり古いものだろう。街のある見習いが死者の番人から金貨数枚で購入したものであり、私はこれを今月の民話出版物の付録として、後世のために載せておく。この嘆願者の痛切な経験は記憶する価値があると私は思う。真理を信仰のうちに探るすべての者に、長身のパパの加護があらんことを。

ザムシク・アフハラズ、グウィリム大学

* * *
私はネクロムの中庭に立ち、天空に眼差しを向けた。私の目は涙で濡れ、父の灰はまだ私の髪の毛から落ちてくる。彼と私はいつも、あの岩の連なりを驚嘆して眺めていた。あれは現実だったのだろうか?第三十四説話が主張するように、私たちよりも以前にあの怪物がいたというのは?

ここには私のものは何も残っていない。家は背を向けた。母はもうずっと墓地に眠っている。私は安心するべきなのだろう。彼の苦痛が終わりを迎えたことに。彼が母や先人たちと共に立ち、私もまた彼らのそばに来る日を待っていることに。私はまだ彼の拳の骨を持っていた。故郷の祠に加え、我らの尊敬されし死者の殿堂の仲間入りをさせるために。

* * *
フェリーでヴィベク・シティへ。マスターに聞いてみようか。喪中の息子になら答えてくれるだろう。

* * *
央耀に到着。列は長く、立ち続けるのは疲れた。私は快適な枕や、ロウソクのちらつく光、羽の先で搔いてもらうことに慣れていた。財布にあったすべての金貨は施しと、自分や他の告解者たちのための食料、そして特別早くマスターに会わせてくれると請け合った聖職者へと消えた。聖職者の笑顔がひどく明るかったことを覚えている。あの歯のなんと白かったことか。

* * *
施しが断食に移行するまで、どれだけ待ったか思い出せない。ただ祈りたいだけなら、数時間で終わると言われた。いや、質問をしたいのだと私は言った。詩人に作品のことを聞きたい。長くかかるだろう、と言われた。それでもいいと私は言った。欲しいのは真実だ。

* * *
マスターのそばに跪いた時は地耀になっていた。私は言われたとおり頭を下に向けていたが、彼が私の前に座った――いや、浮遊した――時、彼の視線の熱さを感じられた。この瞬間が来るまでどれくらい待ったかはわからないが、ひしゃくから飲んだ水は清潔で冷たかった。ウィックウィートの薄焼きはご馳走のように感じられた。私は話そうとしたが、しゃがれ声しか出てこなかった。マスターの強く深い忍耐心と、時間の経過が感じられた。時間があまりにも少なかった。

私がここに来た目的の言葉を言えるとようやく感じた時、私は頭を上げた。後ろにいた聖職者は誓いの言葉を呟いたが、マスターの表情は変わらなかった。彼らは待っていた。

「王よ、私は遠くから来て、長い間待ちました。私と父親、そして彼の父親とさらにその父親が、ネクロムへ来る者たちのために死者の巻物を書きました。私の家族はもう何世紀も街の中庭に立ち、尖塔を見守ってきました。私たちは第三十四説話のことを考え、それについて話し、復唱しました。私たちはあなたの言葉に動かされたからです。特に、少し前に先人たちに加わった私の父がそうでした。」

これほど長く喋るのは実に久しぶりだったので、息を整えるのに少し時間がかかった。マスターの表情は変わらず、わずかにさえ歪むことなく、私を見つめ続けていた。

「あなたにどうしても伺いたいのです、マスター。私の父と家族のために。そうすれば私はネクロムに帰り、街の人々に何が真実で何が詩なのかを伝えられます。街に高くそびえる尖塔は、グルガ・モル・ジルの骨なのでしょうか?彼がモラグ・バルの息子だったというのは本当でしょうか?あなたが海辺の街で彼と会い、あの獣が海の中に両足で立ち、困った顔を浮かべたというのは?あれがムアトラの最後に自らの意志で死に、今私の故郷の街の下に眠っているというのは?」

母――怪物たちの父、モロウウィンドのマスター、ヴィべク王は座り、あまりに長い間私を見つめていたので、私は自分が死んだのだと思った。自分の体が精神から抜け落ちて、光の冠が部屋を照らしていた松明の周囲から放出された。私は泣いた――

* * *
「しかし、なぜ?なぜそのような言葉をお使いになるのです?あなたを愛する定命の者は、一つの言葉をこれほど求めているのに?」

彼らは首を振った。その小さな動きは私の髪を乱し、扉のそばにいたアークカノンを気絶させた。

「お前は曖昧さのない真理という、存在しないものを求めている。お前は私に、比喩の中に存在する謎を解くことを求めているが、それは私の役目ではない」。そう話すマスターの表情は、ほとんど悲しげと言ってよいものだった。

「灰の娘と息子、一族の最後の者よ、世界のすべての物事がお前に知られるためにあるわけではない。お前が説話を理解しているかどうかなど、説話も私も気にかけない。世界が理路整然としていなければならないとお前に言ったのは誰だ?物事は真か偽でなければならず、その間には何も存在しないと教えたのは?」

* * *
これ以上は一言も聞きたくなかったが、マスターは再び言葉を発した。「お前はこの答えが気に入らないようだな。お前はここに来た時間が無駄だったと感じている。だが生を無駄に過ごすことは不可能だ。生は天空に昇る月の弧ではなく、グアルの喉目がけて飛ぶ矢の軌跡でもない」。彼らがかがみこむと、私は自分の顔に神聖なる息吹を感じた。

彼らが身振りをし、光が部屋を去る前に言った最後の言葉、私が一人に、真の意味で完全に一人になる前に言った言葉は、次のようなものだった。「お前の生は出来事の一つの連鎖、それ以上でもそれ以下でもない。お前がそこから教訓を学ぶか、あるいは学ばないか。その真理はお前が選ぶもの、お前にしか選べないものだ」

泥に覆われた手紙Mud-Covered Letter

トレデシム、

お前の情報は着実に成果を挙げ続けている。我々としては感謝するしかない。浸透の罠計画についてのお前の最近のメッセージは、我らの家の魔術師たちに大きな刺激を与えた。テルヴァンニ家がそのような凄まじい兵器を手にすれば、力の均衡が奴らの有利に傾きすぎる。お前の尽力が我らの地の平和を保証するだろう。

ブリストルバックが要請したように、我々は雀の口座にゴールドを送金しておいた。詮索する者がいたとしても、これでお前から注意が外れる程度には疑念を生じさせるはずだ。

ブリストルバックには支援すべてに感謝していると伝えて欲しい。我々は長く実りある関係を望んでいる。

配達人の許可証Courier’s Permit

魔術師ギルドの命により、本文書は以下の者:

ベルヴィス・サラヴェル
古遺物収集家協会配達人

に対し、魔術師ギルドのメンバーに通行を許されているすべての国、城塞、国境を公正かつ自由に移動するための速やかな許可を与える。

本文書の所持者は、移動中に発生した費用、すなわち通行料や許可費、賄賂、食費、宿泊費、保険料、身代金、賭け事の損失、強盗被害、その他諸々に対する責任を負うことに同意する。

輸送中に古遺物が損失した場合、古遺物のゴールド換算価値が配達人の給料から減算される。

本文書の所持者は魔術師ギルドおよび古遺物収集家協会の利益を代表して行動するが、どちらの組織にも成員として属していない。本文書が発見された場合、最寄りの魔術師ギルドホールに返却されたし。

本文書は所持者が死亡した場合の支払いを約束するものではない。

署名、
ヴァヌス・ガレリオン、魔術師ギルド創設者にしてアークメイジ

斑点の塔The Spotted Towers

この荒れた地と
高くそびえる山の驚異を見た時
灰の砂に感謝した
頼れるキノコを育む地に

キノコの塔は強く高く
皆を愛する我らの王を守る
斑点の守護者、キノコの友
終焉までそびえ続けますように

遠い昔、先人はさまよった
同族に追放されて仕方なく
心と星に導かれ
故郷と呼ぶ高いキノコを見つけた

キノコの塔は強く高く
皆を愛する我らの王を守る
斑点の守護者、キノコの友
終焉までそびえ続けますように

風にも獣にも倒されることがない
豪勢な塔は空を埋め尽くす
キノコの避難所は安全で
いつも目を楽しませる

キノコの塔は強く高く
皆を愛する我らの王を守る
斑点の守護者、キノコの友
終焉までそびえ続けますように

番人の誓いOath of the Keepers

死者の番人は、ネクロムのネクロポリスを維持管理する役割を担う献身的なモンク構成された宗教的教団である。彼らは職務を遂行するために命令や儀式、法令の山のようなリストを使用している。しかしすべては、それぞれの番人が任命を受ける際に交わす誓いから始まる。

* * *
死者の番人の誓いを復唱し、ネクロムのネクロポリスに奉仕することを約束せよ。

死者の声に耳を澄ませるべし。
子孫を常に探し求める先人へと導くべし。
死者の家は規則正しく清掃するべし。
贈り物は死者の墓に置かれるべし。
先人の霊魂の眠りを乱してはならぬ。
その時が来たら、敬意をもって遺骸を取り扱うべし。
死者のために奉仕すべし。
以上すべての義務を、今生きている生と、その後に送る生にかけて守ることを誓う。

副院長のフルクラムThe Prior’s Fulcrum

イルヴェル修道院長 著

ネクロムのネクロポリスと死者の番人の創設者であるダードリン副院長については多くの物語が伝えられている。彼はモロウウィンドのすべての草とキノコを知っており、匂いを嗅ぐだけで錬金術的性質を言うことができた。彼は土や灰、石を調べ、内海と亡霊の海の間にある土地で百の種類を見分けた。彼はネクロムの古代史に異常な関心を示し、77のデイドラの名前を知っていた、など。

さて、大半の定命の者にとって、デイドラと取引するのは危険な試みである。どれだけ善意があっても歪められ、デイドラの隠された目的に利用される。だがダードリン副院長は正義感に溢れると同時に賢いモンクであり、先人の教えに精通し、かつ揺るぎなき信仰を持っていた。彼の心にはデイドラの囁きや誘惑がつけ入る隙はなかった。信仰を鎧としたダードリン副院長は他の定命の者に隠された多くのことを、オブリビオンの力との奇妙な対話を通して学んだのである。

ダードリン副院長はトリビュナルを親密な協力者として、また生き神として頼りにした。ある時点で、ヴィべク王は副院長に褒美として、戦詩人の大冒険の一つに由来する記念品、何かの巨大な獣の牙を渡した。彼はダードリンにデイドラとのつながりを利用して、この想い出の品を強力な遺物に変化させるよう命じた。そうしてダードリンはフルクラム・オブスキュラを考案したのである。文字どおり「秘密の鍵」を意味するこの道具を、彼は忘れられた記憶や、時の中に失われた名前や顔、かつて読まれ、聞かれたがもはや記憶されていない知識を取り戻すために思いついた。死者の秘密でさえ、白日の下に置き直すことができた。

祈りと反省で多くの日々を過ごした後、ダードリンはこの遺物を作るためにデイドラ公の協力を求めることにした。彼は禁断の知識の番人にして秘密の王ハルメアス・モラを召喚した。副院長とハルメアス・モラの間に交わされた取引についての記録は存在しないが、ダードリン副院長はその後間もなく、フルクラム・オブスキュラをヴィべク王に献上した。

ヴィべク王が遺物を使ったかどうか、戦詩人は何も言っていない。だがある時点で彼はこれをダードリンに返還した。副院長は死者の懸案を調停し、不正を正すために遺物を使ったという。彼は殺人事件を解決し、失われた財宝を発見し、遺志を表明する前に死んだ者たちの望みに従って遺産を公正に分配した。ダードリン副院長はネクロムの死者から奪った秘密で利益を得ていたと示唆する者もいる。さらに、フルクラム・オブスキュラは定命の者が使うには危険すぎる道具だと考える者もいる。ダードリン副院長が問いに答えを得るたび、彼はさらなる秘密への飢えを強めていった。最終的に彼は目覚めている時間のすべてを、遺物が彼に明かした内容を調べるために使った。

ダードリン副院長はその人生の最後の数年間、フルクラム・オブスキュラと共に自室へ籠もった。彼が何を見て調べたのか、誰も知らない。彼はついに餓死したと言われている。遺物から離れるのが嫌で、ただの一度も食事をとらなかったのだ。ダードリンの死後、他の死者の番人は誰もこの遺物を受け取ろうとしなかった。遺物がダードリンの力をも超えていたのなら、知力や信仰心で彼に劣る者が身を滅ぼさずにいられるはずはなかった。そのため、番人たちはこの偉大なるモンクの墓の中にフルクラム・オブスキュラを埋葬し、今日でもそのままになっている。

訪問者への案内:テルヴァンニ半島Visitor’s Guide: Telvanni Peninsula

オリン・ヴァルケネル 著

著者注:では、ネクロムのネクロポリスに干渉することを選んだ者がいるわけだ!年老いた私は、多くの親族や仲間、愛するペットまでネクロムに休ませてきた。それが死者の街の外の生活を探究する機会を与えてくれた。あなたの悲しむ心が観光と探索という単純な薬を求めているか、むしろ海辺や太陽を味わいたいのなら、私がネクロムからバル・フォイエンまでに利用可能な歓楽施設、宿泊施設、それ以外の様々なものを案内しよう!

ネクロム

あなたが喪中であるなら、おそらくネクロムを去る頃にはこの街の作法や哀歌、壺などによく慣れ親しむことができるだろう。唯一忠告しておきたいのは、ここで死者に正しい道を与えるべきだということだ。特に街の階段にある木の窪み付近だ。これは主に死者の番人が棺を入れるために使われる。この忠告を無視すれば、永遠に滞在する危険を冒すだろう。

ゴルン

インドリル家の管理下にある島だ。一説によれば、自らの魔術と実験によって正気を失ったテルヴァンニ家の魔術師のための療養所だという。これを書いている時点で、常識的な価格でゴルンへ渡らせてくれる船を見つけられなかった。おそらくそのほうがいいのだろう。危険を十分承知した上で向かうこと。

アンクレ卵鉱山

ネクロムから南に少し行ったところにあるこの目立たないクワマー鉱山は、この地域の重要な食料源だ。クワマー農場を見たことがなければ、労働者に頼み込めば案内してくれるかもしれない――ただし丁寧に頼むこと。

ヴェン・テル・フルラグ

ネクロムから南にあるこの場所は、かつて川を見下ろしていた、大きな塔の廃墟らしい。今では、パドメイ山頂に向かう途中の、便利な休息所としての役割を果たしている。

フンガル低地

ヴェン・テル・フルラグの川の反対側にあるこの一帯には、探検家の興をそそる広大な平野が開けている。川沿いには平坦な地が多くキャンプに向いており、道路と沿岸の間には人里から離れた空き地がいくつかある。

テル・バロ

伝統的なキノコの塔のスタイルに合わせるのではなく、山の側面に築かれた緊密な土地だ。この風変りな建築は隣接した丘から眺めることを勧める。これを書いている時点で、ここの居住者は訪問者に好意的でない衛兵を雇っているからだ。

ケメル・ゼー

この北西の遺跡の唯一残された入口への道は驚くほど美しいが、探索を試みる前によく考えたほうがいい。テルヴァンニ家で最も影響力のある者でさえ、内部を覗く許可を与えられることは滅多にない。ツアーはなく、宿泊施設もなく、浜辺にも接していない。

テル・レンディス

この巨大な地所はかつての所有者によって何十年も放置されていたようだ。中を探索したいと言うなら責任はとれない。だが外に出れば、ピクニックに適した快適な場所が多く見つかるだろう。

テル・ドレロス

2つの見事なキノコの塔が沿岸を見下ろす、灰にまみれた土地。地上の働き手や研究員は数が少なくよそよそしいため、勝手に丘を下って2つの塔の間へ行き、自分だけの美しい浜辺を探せる。ツアーはない。

セイレンモラ

テルヴァンニ家の守護聖人、聖ヴォリスのための手入れの行き届いた墓地と祠がある。聖ヴォリスの護符が展示されている。近くで見られるのは一定の地位を有するテルヴァンニ家の者だけだが、見ること自体は一般にも開かれている。古いセイレンモラ基地は最近廃墟と化したので、宿泊所は別を当たった方がいいだろう。

アルド・イスラ

パドメイ山頂に行くつもりがないのなら、ネクロムからすぐ南東に行けばシルトストライダーを借りてアルド・イスラまで向かえる。この西海岸の宝石はテルヴァンニ賢者の代弁者たちの住まう場所である。代弁者はテル・ヴァラの塔に事務所を構えており、塔は訪問者にも開かれているが、必ずしも歓迎はされない。何かの重要な会議室があると言われるテル・フーレンの塔でも似たような待遇を受けるだろう。しかし、外の陸地はよく管理されていて安全であり、快適な観光旅行ができる。どうしても尋ねたいことがあるのなら、通りかかる召使に聞くこと。その際は服装をきちんとしておこう。でないと召使に間違われる。

カモンナルーン

親愛なる旅人よ、この地域の南西から外れた地区カモンナルーンには何もないという私の言葉を信じてもらいたい。バル・フォイエンの近くにあるからといって、訪問者向けの場所だと思わないように。その堂々とした外観に惹きつけられてはいけない。あなたがモロウウィンド出身の者でないならなおさらだ。急いで街道に引き返し、南の環状路を通ってアラヴェリスに向かってくれ。後悔はしないと約束する。

アラヴェリス

南端の奥まった部分にある素敵な村だ。健康的で陽気な住民たちは、主に付近の碧水晶鉱山の労働者であり、宿屋〈緑の碧水晶〉はネクロムのより陰鬱な宿泊地と比べて一服の清涼剤である。お勧めの観光地であり、可能ならば長期の滞在を勧める。

冒険者よ、注意せよ!Adventurers, Take Heed!

トリビュナル聖堂は我らが生き神たちの意志を実行するため、有能な冒険者を求めている。

冒険者とその仲間たちのための特別な機会が豊富にある。栄誉ある任務、優れた仕事への報酬もある。

詳しくはネクロムのハイオーディネーター・ボリンに尋ねること。

夜のごとく鋭き者からの手紙Letter from Sharp

かつて、自分が未開の地を自由に流れる川になった夢を見た。進む方向を求めて広がるが、どこを向いても進めず、干からびた。

自分を知ろうとするのはまさにそういう感じだった。だからやめた。

ソンディヴェルにはあらゆるものを奪われた。家。家族。自由意志。奴の実験を通し、記憶も奪われた。

お前と出会ったとき、過去に関する答えが再び顔を出した。自分の中を流れるものを感じた。あることさえ知らなかったものだ。

フェデロ。私とはまったく違うが、私を変えようとも抑制しようともしなかった。前と同じように感じさせてくれた。以前は気づかなかったが、友人だ。

ディミク・エイ。血は繋がっていないが、魂や記憶よりも深いところで繋がっている。彼女を守ると約束したことは覚えていないが、失敗すると打ちひしがれた。

反抗心。母国語であるジェル語の一部。釣り…記憶でも習慣でもなく、もっと強いものだ。ヒストの木の近くで感じるのと似ている。切望と絆。平穏と混乱。

ソンディヴェルに由来する部分もある。再び自分が川になったのを夢見ると、奴に流れをせき止められ、泥を走らされ、自分に属さないもので埋め尽くされた。不信。暴力への傾倒。ずっと抱いてきている怒り。

しかし今はお前がいる。前とは違う。

再び、川になった夢を見た。飛び跳ねる魚がたくさんいる山の急流だった。緑の森の中で笑う小川だった。強くて深い流れが日当たりのいい谷間を曲がりくねりながら進んでいた。大地が自分を形作り、導いたが、抑制しようとはしなかった。

俺を変えてくれたのはソンディヴェルではない。お前だ。

野営地の状況Camp Update

この規模の野営地では普通だが、規則を破った者や怠け者が出ている。

ハルヴェルは夕食後、奴隷たちにこっそり食べ物を与えている。

デダエンクは警備シフトの間に眠っている。

ブラノスは雇われの作業員を通じて密輸品を取引している。

お前が適切と思う判決と罰を教えてくれ。そのとおりに処罰する。

勇敢なスクリブとリバー・トロールBrave Little Scrib and the River Troll

勇敢なスクリブはクワマー鉱山から出て、明るい朝日に出会いました。

「やあ、また会ったね、小さなスクリブ」と、ホタルが巨大キノコのカサの下を飛びまわりながら歌いました。「今日はどんな楽しいことをするのかな?」

「いや、ここに座って甲羅に日を浴びているだけだよ」と勇敢なスクリブは言いました。「あなたはどうなの、小さなホタルさん?」

「そうだな、リバー・トロールにいたずらを仕掛けようとしていたんだ。でも君が一人でくつろいでいたいのなら、私のお遊びくらい我慢してもいい」とホタルは歌いました。

さて、勇敢なスクリブはリバー・トロールが小川の曲がり角でゴミ漁りをしているのを見ていました。そいつは凶暴で力持ちで、友達のマッドクラブを容赦なく貪っていました。スクリブにはリバー・トロールにいたずらを仕掛けるなんて、まるで楽しそうには思えませんでした。

「だめだめ」と勇敢なスクリブは言いました。「ここで日を浴びているだけで満足だよ。あなたも一緒にどう、ホタルさん?」

「私はホタルなんだよ。光と熱は自分で作れる。どこにいても手に入るんだ。ずっと飛び回っていられるのに、座ってじっとしているなんて面白くないね」

「ああ、そうだった。あなたが飛べることを忘れていたよ、ホタルさん。羨ましい。でもリバー・トロールの長い手よりも高く飛べるとは思えない。あなたの羽根は小さすぎるもの!」

ホタルは勇敢なスクリブの言葉に傷ついたようでした。「冗談だろう!私が飛べば、誰にも捕まえられないよ。君にも自分の羽根があったらわかっただろう」

「多分そうだね、ホタルさん。羽根を持って空を飛ぶのがどういうものか、私は知らない。私はこの太い脚8本で地面に釘づけだから。でも…」

「でも、何だい?」

「リバー・トロールはあの長い長い腕の先に、とても鋭い爪を持っている。羽根があっても、私ならいたずらで腹を立てたリバー・トロールに捕まえられるのが怖くなると思う。一瞬でも飛ぶのが遅れたら、やられてしまう」

「ホタルがのろまだって言いたいのかい?ホタルの羽根がリバー・トロールの不器用な、空も飛べない爪より遅いって?」

「まさか、そんなことは言わない。でも…」

「また”でも”か!いいさ、見せてあげよう、小さなスクリブ!リバー・トロールにいたずらして、あいつが気づく前に飛んで逃げてやる!」

するとホタルは力強くうなりながら飛び去り、小川の曲がり角に突進してリバー・トロールにいたずらを仕掛けに行きました。その瞬間、太陽の前に雲が通りかかり、気持ちの良い陽光は消え去りました。

「まあ、家に帰りましょうか」と勇敢なスクリブは言い、卵の部屋に戻っていきました。ホタルやリバー・トロール、いたずらなどのことは全部忘れてしまいました。
「明日はきっとまた別の冒険があるわ」

妖術師ヴァントンの研究提案Warlock Vanton’s Research Proposal

シャリドール、トゥウェルヴェイン、およびこの問題に関して適切な地位を有している方々へ、

私、妖術師ヴァントンはドリームストーンに接触する許可を要請するためにこれを書いている。石がダヴォンズ・ウォッチ地下の宝物庫に隠されていることは知っている。私はドリームストーンの危険性を承知しているが、危険に対処するのにふさわしい人物だということは、きっと同意していただけるだろう。

私は眠り薬と自然な眠りとの差異の分析を完成させるために、ドリームストーンを必要としている。おそらく最も大きな差異は、2つの無意識状態によって生み出される夢にある。十分に訓練すれば、私はおそらく自分が落ち込んでいる夢の状態を認識できると思う。これは測り知れないほど有用なはずである。なぜなら今のところ2つの間にはほとんど区別がなされておらず、知的な精神の持ち主たちは多くの時代を通じて、どちらの状態がより強力かという問題に頭を悩ませてきたからだ(魔道師サラヴェル、へリック、シャー、オゲス、メーセイらを参照)。この問いについに決着を付けられれば、多くの探究に答えが与えられ、将来の魔術を改良するための洞察も得られるだろう。

添付の参考文献からもわかるとおり、私はこの近距離結界や予防呪文に関しては最先端の専門家であり、劣った魔術師の多くがより派手な魔術研究のために放棄している研究に関わる、繊細な技術に習熟している。

私はまた、今回の要請以前にドリームストーンを所持した者たちの報告も調べた。私はアンスールの犠牲者たちのそれぞれが何を適切に行わなかったかを確認しているし、彼らの過ちを繰り返さないための計画も有している。さらに、研究期間中私は隔離されることになるので、知識のない人々を危険にさらすこともない。私がこの知識の探究において失敗することはまったく不可能である。

簡単に言えば、ドリームストーンの怒りに対処しうる者が存在するなら、それは私だ。あなたがたにも同じ結論に到達していただけることを願っている。

敬具
妖術師ヴァントン

卵運び全員への警告Attention All Egg-Hands

スクリブをよく見張っておくこと。小さいスクリブが何匹も鉱山の古い部分に迷い込んで、緑の粘液にまみれて戻ってくるのを目にしている。何かのカビか、地表から漏れ出したものかもしれないが、あれのせいでスクリブは凶暴になっている。普段はおとなしいスクリブに、私はもう2回噛まれた。

会社は気に入らないだろうが、この緑のイコルがどこから来ているのかわかるまで、生産を停止したほうがいいかもしれない。鉱山中に病気が蔓延したら最悪だからな。

ウルフェンガル監督官

穢された卵鉱山の報告Tainted Egg Mine Report

イコルは想像をはるかに上回るほど効果的だった。鉱山内に素早く広がり、コロニーのほぼ完全崩壊につながった。

イコルの効果を遅くすることを試みるべきだ。気づかれる頃には毒ができるだけ生産ラインの先まで広がっているのが理想である。穢れた鉱山は処分できるが、ネクロム中で売られる毒された卵は?卵が毒されていると気づく頃には、もう手遅れになっているだろう。

とはいえ、現段階でも、イコルは強力な武器になってくれる。

ペライトを称えよ

アポクリファのページ

Apocryphal Pages

アポクリファの住民Denizens of Apocrypha

解読者プラウティス 著

アポクリファはもちろん、オブリビオンの次元である。こうした場所に自然の獣はほとんど住んでいない。我ら定命の解読者はデイドラの世界への訪問者にすぎない。一部の低級な霊魂はニルンの獣と似ていなくもない形態を取るが、それ以外の者は知性的な種族に類似し、また一部は自然世界に見られない奇異な形態を取る。

デイドラの小動物
解読者のミッデンを1時間も散歩すれば、定命の世界の害獣に似た日常的な小動物に出会うだろう――外見上は、ということだが。デイドラットとフィエンドロースはオブリビオンのあらゆる場所に存在しているらしく、ニルンをネズミや昆虫が這い回るのと同じように辺りを駆け回り、ゴミを漁っている。アポクリファに固有の小動物デイドラ種がトームシェルである。これは捨てられた本に取りついて動かす生物で、蟹が他の生物の殻を借りるのに似ている。トームシェルは基本的に無害だが、追い詰められれば突進してくることもある。デッドマイトについては話したくもない。

下級デイドラ

いわゆる下級デイドラの多くは、果てしなき蔵書庫や隠された色彩中で見られる。どのデイドラ公もインプやクランフィア、オグリムなどを従えており、ハルメアス・モラも例外ではない。だがグレートアイはこうした獣にほとんど注意を払わない。これらの獣は単にモラが守りたい場所に集められ、あとは放っておかれる。定命の訪問者はアポクリファで出会うこうしたデイドラに十分気をつけるべきである。この下級デイドラはグレートアイの忠実な崇拝者を侵入者と勘違いし、襲ってくるからだ。

グレートアイのしもべたち
ハルメアス・モラは一般的に獣へ似たデイドラを無視するが、より知性的な種族には遥かに強い関心を示している。モラはウォッチリングを伝令や記録者として頻繁に使用し、アポクリファで静かに機能している秘密の役所で難解な宗教的職務を行わせている。ウォッチリングのより大きく強力な親類である監視人は、しばしば監督官やガーディアンとして活動し、グレートアイのより重要な懸案に対処している。

ハルメアス・モラのしもべの中では、アポクリファの固有種として言及に値するデイドラが2種類いる。シーカーはモラの領域の学者である。この次元のすべてのデイドラの中で、彼らはグレートアイの秘密の目的に最も適しているようだ。彼らは秘密の番人として、また運命の書記として、不気味な沈黙のうちに不可解な使命を遂行している。魚に似た恐るべきラーカーはそれに対し、グレートアイの海との古いつながりを体現する存在である。彼らはモラの強大なガーディアンであり、アポクリファに対する脅威を、それがどんな形で現れようと撃退するために存在する。

侵入者たち
アポクリファの十分奥深くまで行けば、この次元で生まれたのではないが、ここに閉じ込められた獣におそらく出会うだろう。その最大の事例がハッシュドである。これは解読者のミッデンの解読者のように、かつては定命の書記だった者たちである。しかし知識にのめり込み、さらなる知への飢えによって自己のアイデンティティを失った。大半のハッシュドは定命の者に出会っても無視するが、時としてハルメアス・モラはこの不運な獣を使って、見られたくない場所を守らせている。ハッシュドが命令を遂行している時には邪魔をしないほうがいい。何の警告もなしに敵対する可能性があるからだ。

アポクリファの歴史書Chronicle of Apocrypha

記録によって示そう。グレートアイ、すなわちハルメアス・モラは、アポクリファを守り、ヴァルミーナとぺライトの脅威から次元を救うために定命の勇者を選んだ。選ばれた定命の者は放浪のデイドラであるトーヴェサードに対処するため、またグレートアイの領域の最も大切な秘密を守るために欠かせない存在となった。

記録によって示そう。your nameは運命に選ばれし者であり、ハルメアス・モラによって印を受け、この危機が続く間運命の糸を守る役目を託された。選ばれし者はモラの敵がアポクリファを破壊するのを阻止し、領域を弱体化させていた毒の腐敗を終わらせ、ヴァルミーナと隠された一族を追い出し、アポクリファとニルン、そして存在するすべての領域の存在を救った。

your nameはアポクリファの歴史書に記録され、運命のために遂行した行動のため永遠に記憶される。運命に選ばれしものを称えよ!ハルメアス・モラを称えよ!

アンダーウィーブのウォッチリングへの注意Reminders for Underweave Watchlings

ほどかれるのを待つ運命は、ちょっとした読書を許されない。

織り直すことが可能な衣服とは異なる。そのため安全を第一とする。

ラーカーが復讐の織機の吐き口に入らないようにしなくてはならない。流れ出ているもので肥大している可能性がある。

イラサバの言い訳Ilasaba’s Excuses

イラサバがパーティーに行かなかったのは、あなたたちよりも自分が優れていると思うから。

あなたたちのセンスはこの者に対する侮辱。あなたたちの食事は湿ったおがくずのような味がする。

でも、イラサバは臆病だから声に出して言えない。だからいつも何か理由を見つけて、忙しくて出られないと言う。

ヴァルミーナに捧げる歌Ode to Vaermina

ネクロムの詩人(第二紀120年没)ガリナ・ラスリ 作

おお、ヴァルミーナ、悪夢の王よ
我が午睡に絡みつく蛇の噛み傷よ
邪悪なる怪物の夢を見せてくれ
お前の領地を歩ませてくれ

激しい苦悶の夢を見せてくれ
肉をはぎ取られ、その下の骨が見える夢を
皮膚の下でうめき声をあげる者の夢を
私の目の奥で叫ぶ幽霊の夢を

お前の国をさまよわせてくれ
揺れ動く大地と、壊れた魂の国を
お前の無気力の中で踊らせてくれ
その円環の中で迷わせてくれ

お前の予兆を夜に歩かせて
眠る愚か者たちを集めてくれ
予兆は彼らの夢と希望と嘘を盗み
持ち帰ってお前の力に変えるだろう

お前の毒で世界を汚し
夢見る者の眠りを奪い去ってくれ
恐怖が彼らの魂を貪り
激しく追いやるように

眠らせてくれ、だが休息は要らぬ
狂気を内に染み込ませ
我が心にお前の闇を抱きしめさせてくれ
おおヴァルミーナ、我が願いを聞け!

〈編集注記:これは一部の界隈で正気を失った詩として知られる、有名なガリナ・ラスリの最後の詩である。ラスリはこれを完成させた後、高所から飛び降りた〉

ヴォイドプラウラーの日記Voidprowler Journal

今日の仕事

– ファーグレイブで剣を5本、盾を3つ買う
– ヘゼークを探す
– ヘゼークからマダム・ウィムの秘密を盗む
– 新しい剣を研ぐ
– ラーカー(?)を捕まえる
– ラーカーが何を食うのか調べる
– 隠れた広場に軽く襲撃をかける

ウクスナスからのメモNote from Uxunath

ついにやった。レムナントに対する我々の攻撃が成功した。セノタフは今やドリームカーヴァーのものだ。

レムナントの力を我らのものとするにはまだ多くの課題が残っている。レムナントはハルメアス・モラとの契約を、クラッツと呼ばれる小次元の内部に閉じ込めている。この契約は奴らの力の中核であり、我らの襲撃の標的だ。

私が配布した石は私の容貌に調整されている。私が以前記した儀式のために石を使え。私のエキスがレムナントと融合したら、クラッツの壁は崩れ去るだろう。

ウルスキャントの宣言Uluscant’s Manifesto

勇敢なるビスネンセルのエルフたちよ!

暴君ラロリアラン・ダイナーがついに退位したと告げられることを喜ばしく思う。奴とその少数の支持者たちはすでに我らが麗しき街から姿を消した。遠く離れた地の親族に庇護を求めるつもりだろう。今日は我らが民の新たな出発を大きく印づける日である!

諸君らも知ってのとおり、軍は奴隷帝国の隆盛からアイレイドの領地を守ることに失敗した。我々はまた、憎悪に駆られ無慈悲な戦争以外の考えを持てなくなっている者たちを相手に、外交で対処できるとも思えない。ビスネンセルと、この世界における我々自身の生存を守るために、別の道を探さなくてはならない。ハイルマ・モラを信じなければならないのだ。

黄金の目はすでに神聖なるプライマル・シーカー教団に、暴君ラロリアランを打倒する方法をお与えになった。今やあの方はビスネンセルを幻影と秘密の衣に包むことで、我々をアレッシアの暴徒から守れることをお示しになられた。ハルシオン湖の岸にどんな軍団が到達しても、我らの防衛網を突破することも、ここに来る目的を思い出すこともできないだろう。ハイルマ・モラの保護下にあれば、ビスネンセルはアイレイドの民の偉大さの礎となるすべてを守れるだろう。

黄金の目は我らの献身に安全と繁栄で報いてくださる。私は諸君の大司祭として、このことを約束する。

ウルスキャント

ウルダザーンの手紙Uldazaan’s Letter

解読者アカシーン、

お前の頼み事は可能だが、定命の者にとっては普通でない要求だ。求めている儀式を教えてやってもいいが、その代償はお前に背負える以上のものかもしれない。死を拒絶するには、生をもまた拒絶しなければならない。

私はもうすぐネイディル極点を訪ねる。旅の祠から遠くないところに、我々の目的に適した場所がある。定命の金貨を十分なだけ持ってこい。

異端の番人ウルダザーン

オブリビオンの扉に関するメモNotes on Doors of Oblivion

これは私の問題じゃない。私はこのモリアンではない。違う者だ。偽者。再検討によって切り落とされた、以前のバージョン。嘘によって作られたものだ。私ではない!

それに、このセイフィジ・ヒッジャとかいう奴は何様のつもりだ?私について書き、私の頭の中で喋っている。これは私の名前と私の頭だ。人を訪ねる時は土産を持ってくるのが礼儀だろうに。行くなら他の奴の家にしろ。私のところに来るな。どこかに行って、自分の人生を生きればいい。好きにすればいい。とにかく私を巻き込むな。

なぜディヴァイス・ファーという名前に聞き覚えがあるんだ。カーならカラスだが、ファーは違う。ファーなんて軟弱で、曲がりやすそうで信用ならない。秘密を語る者、真理を保つ者。解読者のように。奴の約束は信じられない。そもそも約束さえしない。お前の本を私によこすな。

一体この戯言は何だ?他の領域についてもっと教えてくれ。記述の仕方も悪い。アッシュピットが空気中の埃や塵でどんな音を立てているのか言及していない。「既知」のような間延びしたブーンという音。体を持ち上げはしない代わりに、肺を満たそうとしてくる蜂の羽音だ。

コールドハーバーは大部分において正確だが、ムーンシャドウは美しくない。まるで絵画を泣かせようとするようなものだ。目に油を注ぎこまれたら、いずれはすべてを頭から追いだしてどこかへ行ってしまうだろう。

クアグマイアで、私の目の前であの男が皮を剥がれた話はどこにいった?私は確かにあの話を細部に至るまで話したはずだ。私はあれを見せられたのだから、読者も同じくらい詳細に読むべきだ。今呼んでいるが、恐ろしい部分が欠けている!これは許せん。愚かな創作物め、なぜ現実を反映しない?

全体としては、この著者に長い手紙を書くのを忘れないようにしなければ。こいつはまったく間違っているし、真実を十分に創作していない。私は自分が読むすべてのものに夢中になりたい。不運な魚のように地表を跳ね回りたいのではない。

オンリ・ムリエンの秘密の願いOnri Murien’s Hidden Wishes

彼と旅するため、家族のもとを去らなければよかった。
もっといい家を買える、ゴールドがあればよかった。
彼が前の夫と同じくらい、私を愛してくれたらよかった。
彼が花畑の素敵さに、気づいてくれたらよかった。
彼が死んでくれたらいい。

ギャラリーの獣Beasts of the Gallery

この共同著作は、フェラル・ギャラリーの居住者を世話している目の解読者全員の協力を得て作成された。

火壺の蜘蛛

自然な生息地:ソーサ・シルの工房

望ましい気候:なし

記述:この蜘蛛はクロックワーク・シティで見られる火壺の蜘蛛のプロトタイプである。通常の可燃性液体を含んでいるが、推進力を得る方法は最終的なバージョンと異なっている。また、最終バージョンよりもかなり大型で、そのために最終バージョンのような曲芸的な動きを安定して遂行できない。

追記:注意せよ。外的な素材でこの蜘蛛の火壺を点火しようとすると、火壺は非常に高確率で爆発する。我々は複数の原プロトタイプと、1つ以上の囲いの壁を火災によって失った。繰り返さないように。

ブリストルバック

自然な生息地:ソルスセイム、ムンダス

望ましい気候:雪山の高地、氷点下の気温

情報:背骨に沿った毛皮は逆立っていて硬く、この動物の名称の由来となっている。リークリングによってしばしば労働用あるいは騎乗用の動物として用いられ、ソルスセイムの他の住民には肉のために狩られる。リークリングはブリストルバックを日々の生活でうまく役立てているが、解読者は誰一人として、ブリストルバックの攻撃的な性向を抑えることに成功していない。

世話用メモ:ブリストルバックは攻撃的で縄張り意識が強い。彼らは自分たちの囲いへの侵入者をよく思わない。必要なものは通路を使って配るか、眠りの煙を用いてから中に入ること。

追記:インペリアルのモリアン・ゼナスは、ブリストルバックが貴族であるという印象を抱いている。多くの解読者は彼の主張を笑うが、筆頭解読者フリールヴィはかつてブリストルバックに頭を下げたことがあり、それゆえに現在ブリストルバックは彼女が通りすぎても気にしないと噂されている。これは明らかに馬鹿げた流言だが、彼女はこの話の真偽を明言していない。

ブルーオアシス・ドラゴンフロッグ

自然な生息地:ヒューズベイン、ムンダス

望ましい気候:焼けるように暑く、日陰の多い砂岩地帯

情報:ブルーオアシス・ドラゴンフロッグの派手な色と独特な炎の色は、かなり見ごたえがある。ドラゴンフロッグの中にはペットとして飼われ、芸を仕込まれているものもいるが、この種族は元の本能と行動を保つために可能な限り手を触れないようにしてある。

世話用メモ:このカエルはあまり多くのものを必要とせず、囲いを探検して空を飛び跳ねるだけで満足しているようだ。炎を吐くが、射程が短く簡単に避けることができる。触れられることにはあまり反応せず、囲いの中に解読者が入っても無視する。

ドワーフ・キャリアー

自然な生息地:リーチ、ムンダス

望ましい気候:なし。このコンストラクトはあらゆる地下の気候に耐えるよう作られている。コンストラクトであるため、好き嫌いは示さない。

情報:おそらくは重い荷物を持って長いトンネルを輸送させるために、ドワーフによって作られた。この生物は驚異の技術力の結晶である。肉体を持つ生物の脳にも似た中枢システムを有しているが、この生物が我々と同じように思考するのかどうか、議論の余地なく証明した者はいない。

世話用メモ:このコンストラクトは仕事を与えておかないと退屈し、暴れ出す。できる限り、囲いの中に重い岩を配置しておくこと。そうすればしばらくの間は岩を持ち上げたり降ろしたりを繰り返すだけで、問題は起こさないだろう。

マッドクラブ

自然な生息地:タムリエル全土

望ましい気候:沿岸や海辺

情報:社会的生物であるため、我々は複数のマッドクラブをこの囲いの中で一緒に住まわせている。囲いの床には付呪が施されており、マッドクラブたちが下を掘り進んでも、囲い自体の境界を越えては逃げられないようになっている。このマッドクラブたちは奇妙な形式のダンスを実践するようである。彼らは輪になって集まり、リズミカルに左右に揺れる。彼らはこのダンスを1日に数回行う。

世話用メモ:どのような状況にあっても、このマッドクラブたちに囲まれて踊りを始められないようにせよ。彼らのせいですでに数人の解読者が、うわごとを言う錯乱状態に陥っている。

ギャラリーの知覚ある獣Sentient Beasts of the Gallery

これは現在進行形の作業であり、フェラル・ギャラリー内に囲われている近くのある獣について、そうした獣を世話している目の解読者たちの協力によって行われている。

モリアン・ゼナス

自然な生息地:ムンダス

望ましい気候:蔵書庫や講堂

情報:年齢、体格ともに平均的なインペリアル男性。かつて強大な魔術を操っていたが、技術を忘れてしまったようだ。「オブリビオンについて」や「アポクリファで聞きつけた秘密」などの作品の著者であり、また「オブリビオンの扉」に登場するモリアンは、抜きんでた力と教養を持つ魔術師だった。彼はアルケイン大学で境界学の教授として教え、そこでセイフィジ・ヒッジャやディヴァイス・ファーと出会った。これらの定命の者が彼の人生に果たした役割をよりよく理解するためには、モリアンの以前の著作を参照すること。

モリアン・ゼナスはアポクリファに居を据える前、アッシュピットやムーンシャドウ、クアグマイアを通ってきたと報告されている。彼はそこから離れていない。憶測によると、モリアン・ゼナスはここにいる間に何らかの禁じられた知識を発見してしまい、今は去ることができなくなっている。ハルメアス・モラはモリアン・ゼナスがここで正気を失うのを見て楽しんでいると言う者もいれば、秘密の王が楽しむのは自身の秘密を守ることだけだと言う者もいる。いずれにせよ、モリアン・ゼナスはこの領域を離れることができず、離れたいと思ってもいないようだ。

世話用メモ:モリアンが最も好む余暇の形態は、文学である。
世話用メモへの追記:彼が話しかけてきても会話をしないこと。彼の状態が感染性のものかどうかは不明瞭である。
世話用メモへの追記への追記:感染性ではなかったが、彼の言葉を理解するのは困難であり、話し方も支離滅裂である。時間を無駄にしないためにも、彼の呼び声は無視して、自分の仕事に集中せよ。

シュライク

自然な生息地:エバーグローム

望ましい気候:霧と夕日に包まれた森林地帯

情報:とてつもなく知性的なデイドラであるシュライクは、異常なまでに感情の揺れが激しい。他のデイドラは不気味なほどおとなしいか、常に気まぐれだったりするが、シュライクは2つの状態を持つ傾向にある。我々が世話をしているシュライクは、2つの一般的状態のうち1つしか示さず、常に変わらず陰鬱である。フェラル・ギャラリーに来る解読者の誰も、シュライクが深い悲しみと憂鬱以外の状態にあるのを報告したことがない。

世話用メモ:シュライクを憐れみ、近くに寄りすぎないこと。シュライクは元気がなくても危険であり、これまでにも複数の解読者を自分の囲いの中に誘い込んでいる。

ハヴォクレル

自然な生息地:なし

望ましい気候:溶岩の海と炎の穴

情報:ハヴォクレルは恐るべき体格と気性を持つ視覚を持たないデイドラだが、我々が世話しているハヴォクレルはある方法を発達させ、見ることができると主張する。叫ぶのである。それも大声で。そして、声の音が触れるものを見ることができると述べている。当然だが、彼の主張を証明することは我々にできない。彼は頻繁に叫び、非常に大きく、限りなく甲高い声を出すからである。以前の解読者たちは彼のために障害物コースをデザインして移動させ、この主張を証明しようと考えたが、危険すぎると判断された。

世話用メモ:ハヴォクレルの声の音量を下げるか、声に長時間さらされた際の苦痛を軽減する呪文を見つけること。複数の解読者がハヴォクレルの囲いを含んだ部屋に入った後で耳鳴りを報告している。

ウィスプマザー

自然な生息地:ムンダス

望ましい気候:ウィスプのいるところ

情報:ウィスプマザーはどの解読者とも口をきこうとしない。食い下がると、彼女はすべての発言と要求を周囲のウィスプに対して言う。彼女は最大で10体のウィスプを支配できるが、そのうちの1体を気に入っており、そばにおいて遊びたがる。他のウィスプたちはスカートのヒダの裏に安全にしまわれていると主張するが、複数の解読者が彼女の囲いの境界外からウィスプたちを回収している。ウィスプマザーは自分のウィスプが逃げ出していることを知っているのか、逃げ出せることを理解しているのかは不明である。

世話用メモ:ウィスプマザーはウィスプをしばしば子供たちと呼んでいる。ウィスプマザーを子供たちから引き離さないように。

キンマーチャー・ストリクスの日記Kynmarcher Strix’s Journal

秘密のデイドラ公に呪いあれ!

ニミック砦での任務が簡単でもなければ短時間で済むものでもないことがわかった。この壁の中には無数のニミックが保管されているが、手では触れられない思考として存在しているだけだ。あれに接触するには、広大な迷路の中で正しい場所に行き、思考に命令して見える形態へ出現させなければならない。試行錯誤を必要とする面倒な過程だ!

何らかの対策がされていることはもちろん予測していた。だがニミックがうまく姿を現しても、ハルメアス・モラは第二の防衛手段を用意している。それぞれの名前は部分に分けられ、異なる場所に保管されている。分離された状態からニミックを復元するための暗号か合言葉があるはずだ。だがモラのしもべがその手続きをどこかに記録しているとしても、まだ見つけられていない。

とりあえずドリームカーヴァーには、見つけられた部分的なニミックをすべて出現させ記録しておくよう指示しておいた。モラの暗号化の秘密さえわかれば、遥かに多くのことができるのだが!

グリフィックとは何か?What About Glyphics?

解読者ドロドス・ドロム 著

アポクリファはその秘密と禁断の知識を、あらゆる形状とサイズの器に保管している。最も一般的なものは書物の形態を取ることが多いが、巻物や羊皮紙、モラの目、石板や金属板もある。だがおそらく多様な器の中で最も興味深いのは(モラの目を除けば)グリフィックだろう。

グレートアイの領域の特性に詳しくない者は「グリフィックとは一体何だ?」と思っているだろう。心配は要らない。この風変りなアイテムの詳細を手短に説明しよう。

アポクリファのすべてのものと同じく、グリフィックはハルメアス・モラの創造物である。結晶化された記憶、あるいは観念上の瞬間を後に開示するために固形の状態で捉えた凝集体と考えればいい。どんなグリフィックにもある特定の知識の一部や、特定の記憶が込められている。適切に引き出せば、グリフィックをその内に込められた概念の具象化されたバージョンへと変身させられる。

グリフィックはグレートアイによって特別に作られたものなので、それぞれのグリフィックにはハルメアス・モラにとって思い入れや重要性のあるものが入っていると考えていい。グリフィックはアポクリファ全体の中でも最も安全で、改ざんされにくい知識の保管庫なのだ。グリフィックにはグレートアイが何らかの理由あって追放した知識や記憶が込められていると言う者もいる。また、モラは神としての自分の関心や目的のための情報を保管するためにグリフィックを使っていると言う者もいる。いずれにせよ、グリフィックを取り扱う機会があったら、そこに込められた知識を書き記す際には慎重になってもらいたい。

ゼイリニアの沈黙の告白Zeirinia’s Silent Admission

昔、私が小さかった頃、母の家の壁にインクをぶちまけたことがあった。その後、私は犬の毛にインクをぶちまけ、彼女が責めを負うように仕向けた。

思い返すと、今でも笑えてくる。

ダガーフォールの悪魔との契約Pact of the Daggerfall Devil

第七日の第三の時間、
定命の者の第二紀455年の最後の月、
アビサル・セファリアーク、人間の庭師は、ダガーフォールの悪魔として知られる定命の者と、同意と理解により契約を形成する。

ダガーフォールの悪魔が無実の者数十人の命を奪ったこと、およびその罪のためにダガーフォールの街にて処刑を定められていることを知り、ハルメアス・モラは彼に庇護を提供する。その見返りに、ダガーフォールの悪魔は彼の精神をコーラスに、彼の身体をレクトリー・コーポリアに、定命の者の500年の間捧げるものとする。

ダガーフォールの悪魔が受け入れるのなら、彼は速やかに処刑を免れ、追跡者の手の届かない場所へ置かれるだろう。

タムリエルの双子神話Tamrielic Twins of Myth

タムリエルの双子神話への導入

タムリエルの遠い地にまで旅する喜びを味わったことがない人のために、イメージを描こう。降霜の月の爽やかな空気を想像してもらいたい。最後の陽光が大きく壮麗な山脈の背後でゆっくりと消えていく。あなたは暖かく快適な宿屋か、親切な他人の家、あるいはそれに類する、夜を過ごせる家の前に立っている。一日の疲れを振り落とす前に、あなたは暗くなっていく空をもう一度見る。そこに見えるものは?双子だ。

ジョーンとジョーデはタムリエルの神話における双子の力の証拠だ。だが、悲しい真実を知らせなければならない。最も偉大な神話や伝説の多くは、紙に記されていない。いや、皆まで言うな。物語学者たちが一斉に身震いしているのはわかっている。しかし本当のことだ。私の旅で最も力強く活き活きとした物語は、焚き火の周りで若者たちに向けて語られる物語だ。そういう物語を3つ伝えられることを誇りに思うが、ある点を明確にしておきたい。これは特権だ。これらの物語は大切にされるべきものであり、学問的な正確さで解剖するべきじゃない。

第一の物語は、アルゴニアンの子供が私の革で綴った日記に噛みついている間に話してもらった。古代のザンミーアの奥に迷い込んでしまったアルゴニアンの双子、イジクとツウィールの物語だ。それから私たちはシストレス沿岸に行き、そこではマオマーの双子クリシナとオーミリルが呪われたスロードの海に深く潜っていく。最後はノルドの神話だ。目覚めると魔法の吹雪の中で迷子になっていた、フィルンリグとライナの物語だ。

デイドラ公との取引Deal with a Daedric Prince

ティアーの癒し手リンドラル・シラノの証言、第二紀573年頃

ついに究極の手段に訴える時が来た。疫病と災厄が我らの地を冒した。最初は夏に一連の凍える夜が、その後は津波、そして重苦しい瘴気が街に襲いかかった。その後、水が黒ずんで飲めなくなった。そして、動物たちが病気になり始め、次いで人々、ダークエルフまでもがやられ始めた。

私と仲間の癒し手たちは当初、呪文や湿布、薬で何とか対処していた。だがすぐに病人の数が増えすぎたため、近くの集落に助けを求める知らせを送ったが、彼らは自分たちのところに疫病が拡散するのを恐れて拒絶した。我々は自分たちの物資を使い果たし、しまい込んであった蓄えも使ってしまった。そして癒し手さえもが病に倒れ始めた。

もうこれ以上は耐えられない。私は古代の文書を漁り、指示されたように吸血鬼の塵、銀、デスベル、ルビーを使い、異界の言葉を唱えて私たちの病の源泉を召喚した。

「ぺライトよ!我は汝の釈明を求める!」

まばゆい閃光と立ち昇る煙と共に、幽霊のようなスキーヴァーが渦巻く霧の中から姿を現した。召喚は失敗だと思ったが、スキーヴァーは口を開いた。「汝は呼んだ。我は応じた。汝はいかにして我を称える?」

「称えるだと!」私は吐き捨てるように言った。「お前は我が街に疫病を放った。何の理由も目的もなく。止めてくれ!」

「疫病?何の疫病のことを言っている?」スキーヴァーは無邪気に尋ねた。

私は鋭く返答した。「感冒や悪寒、衰弱。激しい震え。扁桃腺炎。動悸の異常!新たな病気が起きるたび、前よりも悪くなっていく!」

スキーヴァーは肩をすくめたように私には見えたが、次のように言った。「我は自然のあるべき経過に任せる以外のことを何もしていない」

「お前が私の村を滅茶苦茶にしたんだ!」と私は言った。

「お前は苦痛の停止を願うか?」とスキーヴァーは尋ねた。

「命令しているのだ!これを止めろと!」と私は叫んだ。

スキーヴァーはケラケラと笑った。「デイドラ公に命令?本気か?お前に強制できるというのか、定命の者よ?」

「私には知識がある」と私は応じた。「もっと知識を得てもいい。お前を追及し続けてやる。その知識を国中に広めてやる。お前の死の病に対処するだけじゃない。根元から絶やしてやる!お前の力は衰え、お前は劣った存在になるんだ」

一瞬だけ沈黙が下りた。そしてスキーヴァーは言った。「何を求める?」

「私の患者たちがあの疫病から解放されること」と私は言った。「サイレン・ヴァルゲイトの民がもはや病気にかからないことを望む」

そして少し考えてから、私は付け加えた。「1年と1日の間でいい」

再び沈黙が下りた後、クスクスと笑い声が響いた。そんな声がスキーヴァーから聞こえてくるのはとても不思議な感じだった。「よかろう」

その言葉と共に、幽霊のようなスキーヴァーは姿を消した。そして夜明けになると、サイレン・ヴァルゲイトの人々は回復し始めた。体力を消耗させる咳は弱まり、悪寒は退いた。最悪の扁桃腺炎を患っていた者たちさえ、体力を回復し始めた。

だが、代償は伴った。デイドラとの取引には常に重い対価が伴うのだ。私はすぐに手足の力が抜けるのを感じ、その後数日して、私の皮膚はトカゲのような鱗状に変わり、それが片腕全体に広がった。もう片方の腕には腫瘍が現れた。食べ物はまったく味がしなくなった。眠ることもできず、呼吸も辛くなった。

今や私の視界もぼやけている。私は衰弱した。私の胸の中で何か不愉快なものが動いている。私は自分の部屋に閉じこもり、皆には私に近寄らないよう伝えた。弱っていく耳を通じて、鐘の音が聞こえる。サイレン・ヴァルゲイトが歓喜の声と共に健康を祝っているのだ。私は民のために喜んだ。だが自らの身に起きたことは呪わしい。

私はぺライトを呪う。そしてデイドラ公と取引した自身を呪う。

〈この写本は第二紀573年、リンドラル・シラノの執務室の中、腐った死体のそばで発見されたものである。死体は燃やされたが、浄化の炎にくべられる際にもまだ動いていたと言う者もいる〉

トーヴェサードの日記Torvesard’s Journal

記憶は揺れ動き、一定しない。そのため、俺は定命の者のようにペンとインクを取り、思考を記録することにした。過去に起きたと思われることが、もし再び起きた場合に備えて。

* * *
俺は自らの目的を未だ明確に捉えられていないが、常に栄光ある目的に充たされていた。衝動が俺を突き動かしている。ある過ちを正したいという激しい欲望。過ちが犯されたという確信はあるが、それは未だにぼやけている。明確にしてみせる。そして正義を行う。いつの日か。

待つことはできる。

時間は無限にあるのだから。

* * *
夢。一般的にデイドラは夢を見ない、少なくとも定命の者が理解しているような意味では夢を見ないと考えられている。だが俺は思い出せる限りの昔から、時折ある一つの夢に苛まれ続けている。最近、その夢はさらにしつこくなり、ほぼ毎日繰り返されるようになった。興味深いことに、俺はデイドラ公に仕えたこともなければクランと歩んだこともないのに、夢はデイドラ公ヴァルミーナとぺライトに関係している。この問題に関する専門家に相談する時が来たのかもしれない。

* * *
俺の夢は俺だけのものではないようだ。ヴァルミーナとぺライトはどちらもこの夢をある形で経験したことがある。だがその夢は俺ほど頻繁でも、強力でもなく、細部も欠けている。だが夢と悪夢のデイドラ公でさえ、この夢の意味を理解させてはくれなかった。俺が今記憶として知覚するものの、ごくわずかな断片を思い出させてくれただけだ。

その断片の中で、俺はヴァルミーナとぺライトがもう一つの強大な存在と、夢のデイドラ公の大きな像の前で激しい言い争いをしている場面を目撃している。そこで像は爆発し、その存在が秘密のデイドラ公ハルメアス・モラであることがわかる。突然俺は理解した。これは実際に起きたことだ。そしてこれが起きた時、ある重要なものが我々から奪い取られた。どれだけの努力と代償を払っても、取り戻さなければならない記憶が。

* * *
信頼できる味方の協力によって、今や複数の計画が動いている。ヴァルミーナとぺライトはモラに激怒し、手伝うことに同意した。テルヴァンニのマスターを含む、定命の者の協力も確保した。我々はアポクリファの宝物庫に侵入する。禁断の知識のデイドラ公の秘密を暴くのだ。そして我々から盗まれたものを取り戻す。

俺は自分の不死の存在にかけて、このことを誓う。

とても小さなトームシェルThe Littlest Tomeshell

解読者ムキーシュによる、ほぼ真実の物語

昔、あるデイドラの霊魂がオブリイオンの蒸気を漂っていました。霊魂に自分の領域はなく、命令を与えるデイドラ公もなく、住まう形態もありませんでした。あったのはただトルグという名前と、次元の流れが運ぶほうへ漂っていく欲望だけでした。

そのうち、すべてのものに起きることですが、トルグは知識と秘密の領域アポクリファに引きつけられていきました。すべての方向に伸びている書物の山脈は霊魂を魅了しました。あらゆることが記されているこれほどの数の書物が高く広く積み上げられている光景は、見たことがありませんでした。霊魂は本の間を漂いながら、それぞれの中に込められている情報を想像しました。遠く離れた場所や強大な存在、驚異の遺物についての幻視を浮かばせました。しかし物理的な形態がないため、トルグはページをめくることも表紙を開くこともできず、一言だって読めませんでした。

がっかりしたトルグは、すぐ近くで揺れが起きていることに気がつくまで長い時間がかかりました。霊魂は叫び声や唸り声、苦痛の泣き声を追いかけ、本の山2つが重なっている行き止まりにたどり着きました。この領域の作法や危険に疎い若い解読者が1人、本の壁を背に動けなくなっていました。彼の向こうにはドレムナケンが4本の頑丈な足で立ち、口には鋭く尖った牙を生やしていました。

若い解読者は持っている唯一のものを盾にしていました。それはとても小さな本で、表紙は彼の掌ほどの大きさ、厚みは掌の半分ほどしかありません。言葉は剣よりも鋭いと言いますが、この小さな本はあまり頼れる武器とは言えません。ドレムナケンは一瞬も怯みませんでした。

ドレムナケンが体を持ち上げて襲いかかろうとした時、トルグは前に突進し、小さな本の中に滑り込みました。霊魂は自分をこの小さな本の隅々にまで行き渡らせ、ページを自らの体に、表紙を翼に変えました。トルグはマッドクラブが殻に住むように、小さな本に住みつきました。そしてトルグは激しく羽ばたいて空中に飛び、ドレムナケンと解読者の間に割り込みました。

ドレムナケンは困惑し、羽ばたいて空中に浮かんでいる小さな本を眺めました。本とは思えないこの行動にどう対処したものか、明らかに迷っていました。トルグは突然身を翻し、ドレムナケンの鼻の中に真っすぐ飛び込んでいきました。この大きな生物が叫んだのは痛みよりも驚きのためでしたが、それで十分でした。ドレムナケンは背中を向けて逃げ、果てしない本の壁の隙間に消えていきました。

若い解読者は新たに誕生したトームシェルに感謝しました。アポクリファでは霊魂に憑依された本はそう呼ばれるからです。トルグは揺れと羽ばたきで感謝を受け入れたように見えました。そしてトルグは飛び去り、トームシェルの生活を送りに行きました。

若い解読者のほうは年を取ってより賢い解読者になりました。それは私のことかもしれないし、そうではないかもしれません。

ナーニュレルの航海日誌Naanurrel’s Logbook

嵐はもう4日間も続いており、ゲイルは打ちつける波に耐えられそうにない。船と乗り手全員をこの重苦しい海の中に失うかもしれない。息子を水の墓に葬るわけにはいかない。だから禁忌の手段を使うしかない。ずっと以前、私はある昔の船乗りから大いなる力と契約するための儀式を学んだ。息子を救えるチャンスは今しかない!

〈一連の奇妙な、揺れ動くグリフが血で描かれており、その後には次のように記されている〉

危機に瀕した今、私はお前を呼ぶ!私と船員の命を奪い、息子を救ってくれ!この恩恵のために、私は永遠の奉仕を誓う!

〈字体の異なる手書き文字で、一連の奇妙な見慣れないグリフが描かれており、その後は以下のようになっている〉

申し出は受け入れられた。契約は成された。ナーニュレルを溺死者のための我が案内人としよう。かく行われるべし!

〈最後の数行には、ナーニュレルの書いた文字がある〉

息子よ、お前を海に沈めることはできない。禁忌に手を染めるしかない。許してくれ。

ニミックの性質についてOn the Nature of Nymics

ディヴァイス・ファー 著

私は研究の最中、しばしばデイドラと取引することになる。実際、生きている定命の者で私以上にデイドラに詳しい者を知らない。さて、タムリエルのより遅れた一部の地域では、これが卑しい意図の表明と見なされるかもしれない。なにせデイドラ信者は、定命の者の世界で見られる最低の悪事の原因なのである。

このような非難に対して、私は自分が利用するデイドラの力を注意深く選んでおり、どのデイドラも崇拝していないことを指摘しておく。デイドラは我々定命の者が理解しているような意味で邪悪な存在ではないが、それは単に彼らがデイドラだからである。デイドラの邪悪は、彼らが代表する役目と概念から生じるものである。そこでデイドラとそのニミックについての興味深く、また難解な問題が提起される。

デイドラのニミック――あるいは呪文における真の名は、しばしば考えられているような、単なる呼称とは違う。定命の者は新しい帽子を被るのと同じくらい簡単に名前を変えられる。日々、復讐を試みる敵から逃れるため、あるいは新しい地でやり直すために偽名を名乗る者は後を絶たない。しかしデイドラは、その真の名によって規定されている。彼らにはそれを捨てることも変えることもできない。自分の身体や意識を捨てられないのと同様である(そうする方法もあるが、私の論点は明白だろう)。事実、デイドラの物理的な形態が完全に破壊されても、そのニミックは残留する。

このことから、ニミックは魂のようなものだと思われるかもしれないが、それは大きな勘違いである。定命の魂はどちらかというと初歩的な魔術でも容易に別の器へ移し入れられる。それに定命の者には自分のあり方を変え、古い欲望や野望を捨て、新たなものと取り換える選択ができる。しかしニミックが再び姿を現す時は、常に単一かつ不変の形態を取るのだ。

例えば、メエルーンズ・デイゴンのようなデイドラ公は、ただ破壊の神であることをやめられない。デイゴンの役割のその部分は、デイゴンを常に規定し続けている。滅ぼされたとしても、デイゴンのニミックはいずれ以前とまったく同じように再形成されるだろう。それゆえニミックとは、生物がオブリビオンの永遠の混沌から姿を現した時に創造された、その生物を規定する模様か定式と考えるべきだろう。

さて、ここからがこの問題の本当に面白い部分だ。正しい魔術を用いれば、この模様に手を加えることができる。ニミックを変化させれば、それによって規定されるデイドラを変化させられる。デイドラの完全なニミックを学んだ真に有能な魔術師ならば、デイドラの忠誠心を変化させ、その力を制限し、異なる物理的形態(何かの物体など)に固定させ、あるいは単に消滅させてしまうこともできる。当然ながら、より強力なデイドラほどそのニミックも複雑になり、そのような変化を引き起こすことは難しくなる。

しかしだからこそ、すべてのデイドラは敵に自分のニミックを知られる可能性を恐れ、あれほど大事に守っている。

ハッシュドの破滅The Doom of the Hushed

賢きレラミル 著

アポクリファは定命の訪問者にとって多くの危険を秘めている。この次元の一部の場所は恐るべきデイドラの獣によって守られている。他の地域は一見して無限に続く陰鬱な迷路のように見える。さらに別の地域で、旅人は実現しなかった運命の中に迷い込む可能性がある。不注意な者を自ら作り上げた世界に閉じ込める、不可思議な現実である。

しかしハッシュほど油断のならない、恐るべき危険は存在しない。

これはアポクリファの悲惨な真実であり、ハルメアス・モラとのあらゆる取引の核心に待ち受ける罠である。定命の者が知るべきでない物事を知るためアポクリファに来る者は、自らの精神を危険にさらしている。

定命の者が自分の知性に収まるよりも遥かに大きな秘密を知ってしまうと、その精神の内容にずれが生じる。アポクリファ以前の人生の記憶、例えば大切な人々の顔や名前、定命の者をハルメアス・モラの領域へと導いた野心や欲望といった記憶は、徐々に失われていく。しかし知への渇望は定命の者を突き動かし、さらに先へと向かわせる。禁じられた知識の追求のため、自己を捨ててしまうほどに。

目の解読者はこの破滅の歌をハッシュと呼んでいる。そしてこの破滅に屈した者はハッシュドと呼ばれる。

ハッシュドは本来の素性や目的を忘れ、自らが抱える秘密の器でしかなくなった存在である。彼らは言葉を話せず、意思の疎通も取れない。大半は無言のままアポクリファの書架を徘徊し、周囲のものを一切気にかけることなく、さらなる難解な書物を探し求める。だが一部の者は均衡を崩して凶暴化し、出会うすべての者に襲いかかる。ハッシュドが何をするか知る方法はまったく存在しない。

学者たちの中には、ハルメアス・モラがその秘密を利用して定命の者をハッシュへと誘い込み、破滅へと導く邪悪な意図を持っていると信じる者もいる。私の考えでは、ハッシュドは悪意でなく、無関心の犠牲者である。運命のデイドラ公は約束を守る。定命の者が何かを求めてモラと取引する時、モラはそれを与えてくれる。その何かが定命の者の破滅であるとしても。

ハルマ・モラ:ウッドランドの男?Herma-Mora: The Woodland Man?

レジナス・ブーカ 著

デイドラ公ハルメアス・モラは、彼が運命や秘密の知識を支配しているという事実を反映する数多くの呼称を有している。例えば秘密の王、不可避の知者、知る者、等々である。しかしその中で特に異色と思われる肩書きが、「ウッドランドの男」である。この名称は古代アトモーラの民によって与えられたものであり、ハルメアス・モラはこの民に「ハルマ・モラ」として知られていた。

現代の学者にとって、「ウッドランドの男」がイフレのような森の神のための肩書きのように響くのは確かである。しかしアトモーラ人(および古代スカイリムのノルド)はハルマ・モラを誘惑者、すなわち無警戒な者に知識や力を差し出して罠にかける存在だと見なしていた。ハルマ・モラは狩りや天候、森での生活、生存の苦難といったものとまったく無関係だった。

この矛盾はおそらく、一見してそう思えるほどに解決不可能ではない。

簡単に言えば、我々は古代アトモーラの言葉についてほとんど何も知らない。北方の地の民の間に書かれた言葉が出現するには、イスグラモルの時代まで待たなければならない。最初期の数十年の間に用いられた文字は頻繁に混同され、用法を変えられ、省略されることさえあった。この問題を調査していて、私は資料の正確さに疑問を抱くようになった。

スカイリムで生き残った最古の文書を注意深く調べると、学者たちがこの言い回しを数百年もの間誤解してきた可能性が浮かび上がる。「ウッドランド」の語源となる言葉は「荒野」と翻訳すべきものであり、荒廃した、あるいは居住不可能な場所という含意がある。同様に、アトモーラ語における「男」の語源は、話すという概念に結びつく。この解釈に従えば、「男」とは言葉を話す動物である。

それゆえ合わせると、全体としては「ウッドランドの男」は「荒野にて話す者」と訳すべきである。

荒野の神ハルマ・モラ?あるいは、荒廃した地で恐るべき秘密を話す者ハルマ・モラ?それならば禁断の知識の番人として知られるデイドラ公にとって、より筋の通る解釈になるはずだ。

ファーグレイブ:神話の都市Fargrave: A City of Myth

ファーグレイブはオブリビオンの奥まった小次元にすぎないと思う者もいるが、豊かな歴史と重要な役割を有している。交差点としての機能を果たすファーグレイブは、次元の旅人にとって馴染みの場所である。

例えばサマーセット出身の魔術師が、ストリクチャーのシヴキン・グラスプと会話を交わすこともまったく意外ではない。このためファーグレイブは、熱意ある冒険者にとって刺激的な場所である。実際、私が前回訪れた時には、アービス収集団が窃盗を働いたスキャンプを尋問している場面を目撃した。タムリエルの平凡な田舎ではまず見られない光景だ。

ファーグレイブの豊かな歴史に関するこの導入が、次元の旅を始めたばかりの冒険者たちにとって、この小次元をより魅力的な場所にしてくれることを願っている。

ファゾムズ・ドリフトの伝説The Legend of Fathoms Drift

アイベアの魔導師ナエルーナ 著

沿岸の商人にせよ、島々を飛びまわる者にせよ、海賊にせよ、船乗りは基本的に迷信深い。彼らは海に出るたび、混沌とした未知の中に飛び込んでいく。吉兆を求めて空を見、球電を探して嵐を見る。鵜のうちに死んだ恋人の霊魂を見るのだ。船乗りはアホウドリを殺さない。船員全体が呪われてしまう。彼らは自らの霊魂を守るため、多種多様なアミュレットや魔除け、呪文の結び目を持ち運ぶ。船乗りは出航前に風の女神キナレスへ生贄を捧げ、ハルムス・モラと呼ぶハルメアス・モラのことを低い、畏れに満ちた声で話す。

ハルムス・モラは多くの名で知られている。運命のデイドラ公、人間の庭師、不可避の知者などである。北方の民やウッドエルフは森の男と呼ぶ。ハイエルフにはハイルマ・モラという名で知られている。カジートの間では波の王と呼ばれる。そして船乗りはハルムス・モラと呼び、不可知の海をモラの領域と見なしている。海は深く、我々はその表面しか知らない。知識と秘密自体にも似て、海の力はその深淵に眠るのである。

ハルムス・モラをより強力な力の欠片、あるいはより大きな謎の一面と呼ぶかどうかはともかく、船乗りたちはモラの名にかけて誓うが、モラの名を罵りもする。モラは隠された浅瀬や渦、突然のスコールのデイドラ公なのである。モラは自らの領域に挑み、その知識を解き放とうとするすべての者に試練を与える。モラに関係する伝説のうちおそらく最大のものは、モラが海から手に入れた宝を難破船の墓場に隠した場所とされる、ファゾムズ・ドリフトの伝説だろう。

船が跡形もなく消滅する時、それはハルムス・モラの意志だと言われている。そうした不運な船は予兆を無視した乗組員や、禁じられた貨物が積まれた船倉、あるいはハルムス・モラの力を軽んじ、挑発した船長を抱えている。こうした船は海に飲み込まれ、大渦に巻き込まれ、また重い波に転覆させられ、すべての人員を抱えたまま遭難する。彼らは海の底に引きずり込まれ、波の王の手に包まれて、最終的にファゾムズ・ドリフトの伝説の海辺に流れ着く。

なぜ波の霊魂、深淵の監視者はこのような戦利品を集めるのだろうか?なぜモラは船体を忘れ去られた海辺で朽ち果てさせ、乗組員を異界の空の下にある無人の浜辺で永遠にさまよわせるのか?誰にわかるだろう?波の王の思考や気まぐれを理解できる者など存在するだろうか?それに、このような問いに誰が答えようとするだろうか?

ファンリリオンの日記Fanlyrion’s Journal

また行き止まりだ。くそっ。セポラタワーに侵入し、はったりを駆使してライトマスターの個人蔵書庫に入り込み、カビだらけの紙切れを探しただけでは足りない。この本と怪物の領域に、命からがらたどり着いただけでも足りないのか。

記されていた儀式の地に来た。紙切れにはここで暗黒の知恵を手に入れられると書いてあった。それによれば、逸脱した星を整列させなければならないらしい。星とは何のことだ?それを見つけるまで、目的もなくこの荒野を放浪しろとでもいうのか?

いや、もっとまともな方法がある。この近くにモラを崇拝する信者たちの街がある。明日そこに行き、信者たちに助けを求めよう。

今は休もう。この忌々しい場所に来てから、ずっと酷い頭痛が続いている。

ブライトクラウンのメモBlightcrown’s Notes

腐敗の香炉は傑作だ!夢の物質と邪悪な病気を組み合わせて感染性の苦悶にすることで、これほど強力で有用なものができるとは思わなかった。無限のパノプティコンのガーディアンは香炉が発する腐敗に倒れた。これは我々の姿を奴らに見えなくするだけでなく、奴らをこの場所に入るすべての者へ無差別に襲いかかる、凶暴な怪物に変えてしまう。

この忌まわしい領域のデイドラ公から我々を隠すため役立つかどうかはわからないが、これの力を強化するため、マスター・シェルレニとの協力を続けたい。

私とドレモラのトーヴェサードが必要な情報を探している間、シェルレニはテルヴァンニ半島に戻り、黒の書から儀式を引き出す作業を続ける。

ブラックスケール島の呪いThe Curse of Blackscale Island

第八章:裏切り者の剣

虚無に染まった海賊たちが呪われた宝箱からあふれ出し、剣に喉の毛を切り落とされても、ゴールドスマーク船長は自分を裏切った女の目だけを見つめていた。彼女の一等航海士の紫の目である。突然、ゴールドスマークの心は初めて出会った瞬間へと漂っていった。

酔っ払いの喧嘩で、彼女たちはアルドマーの監獄に放り込まれた。プライドを飲み込み、協力して脱出した。8個の鍵を開け、6人の衛兵を倒した後、2人は離れがたい存在となった。これまでの年月は、この瞬間のためだったのだろうか?あの紫の目の裏に隠された嘘。ラリッサ・ブラックスケールの呪われた乗組員を解放させた嘘。

「これでわかった?」と一等航海士は言い、下の甲板で勝手に始まった戦いを見やった。ゴールドスマークは何年もかけて一緒に集めてきた船員たちが、虚無に力を得た海賊の群れと、燃え盛る船上で戦わされているのを見なければならなかった。

「ラリッサ・ブラックスケール」とゴールドスマークは唸るように言った。「死人のくせに、ずいぶん綺麗な顔をしているじゃない」。それでも、ゴールドスマークの心は過去へと漂った。一緒に飲み干した酒樽。一緒に強奪した船。彼女が戦いに気持ちを集中させようとすると、次第に腹が立ってきた。騙されたのだ。剣から逃れる道を探したが、ラリッサは笑った。

一緒に灰の海賊を倒し、彼の大事にしていた船を奪った時、ダークウォーターの入江に響いた笑い声。かつてスラシア海域を木の残骸とイチジクの漬物の樽に浮かんで漂っていた時に、ゴールドスマークを慰めてくれた笑い声。満月が輝き、互いの体以外に暖める手段がなかった時、ゴールドスマークの髭をぞくぞくさせた笑い声。

「あなたはずっと幽霊を追っていると思っていた」とラリッサは言った。「でも間違いよ、船長」。彼女はその肩書きを毒のように吐き捨てた。「追いかけていたんじゃない。私があなたを縄につないだ犬みたいにここに導いたの」。彼女は剣をさらに強く、ゴールドスマークの喉に押し当てた。吹き出した血が彼女の皮膚を濡らした。

あまりの出来事だった。埋めてしまうには重すぎる想い出。忘れるには多すぎる夜。なぜエヴリンは…いや、ラリッサは、共に過ごした日々をこれほど簡単に捨てられるのか。だがその時、ゴールドスマークはラリッサの下唇が微かに震えるのを見た。そして彼女の一等航海士の目が、剣の切っ先から滴り落ちる血を眺めるのを。そして最大の手がかりは、眉にわずかな皴が寄っていることだった。賭け事でラリッサが動揺したことは一度もなかった。簡単ではなかったのだ。むしろ、これは彼女にとって最も辛いことかもしれない。

「わかるわ」と、ゴールドスマークは突然自信を取り戻して言った。その自信はラリッサを驚かせ、剣を向ける彼女の手がわずかに緩んだ。「どんなに辛かったでしょうね、ラリッサ。自分の船員が閉じ込められていることを知りながら、何年も航海し続けるなんて」

「彼らのことを思わない日は一日もなかったわ」とラリッサは叫んだ。声が震えていた。

「あなたは誤解している。この者は危害を加えるつもりなんてなかった。あなたがどういう気持ちでいたか、ゴールドスマークには想像もつかない。どれだけの苦悩を抱え込んでいたのか」。ゴールドスマークはラリッサが足の位置を変えたことに気づいた。ゴールドスマークは体勢を立て直し、反撃の機会をうかがった。「なぜその重荷を私と分かち合ってくれなかったの?」

「そして私がしたことを認めろと?私が自分の船員を見捨てたことを?あなたにこの痛みを理解できるはずがない」

「できるわよ」ゴールドスマークは言った。憐れみではなく、愛情を込めて。「なぜだと思う?」

「なぜ…」とラリッサは言おうとしたが、ゴールドスマークは言葉が紡がれるよりも先に動いた。一瞬にして彼女はラリッサの剣から逃れ、矢のように素早く身をかがめた。ゴールドスマークの尻尾がラリッサの足に巻きついて引き倒し、ラリッサは船首の方向へ転がった。気がつくと、ラリッサはゴールドスマークの剣先を見上げていた。

「私たちが優れた船長だからよ」とゴールドスマークは言った。「船員を救うためなら、オブリビオンの先までも船を走らせるわ」。ゴールドスマークは後退し、剣の切っ先でラリッサに立ち上がるよう合図した。「私の船員を救うために、生涯愛した人を倒すしかないのなら――」彼女はその言葉をしばし宙に漂わせた。燃える船から立ち昇る煙よりも重い言葉だ。「そうするまでよ」

ラリッサは立ち上がり、剣を構えた。悲しそうな笑みをたたえた顔から、涙が流れ落ちていた。彼女はうなずいた。「そういうことよ」

フルクラム・オブスキュラについてOn the Fulcrum Obscura

グレートアイが定命の者、ダードリン副院長の祈りに応えて、アポクリファの遺物フルクラム・オブスキュラを作るために必要なルーンを彼に与えた時、秘密の王はルーンに秘密の場所と内容を、それがどこに隠れていようとも明らかにする力を込めた。副院長はルーンをネクロムの歴史に関係する、ある古い骨に刻んだ。

さて、これは私の意見だが、運命のデイドラ公は定命の者にこの遺物をずっと持たせておくつもりはなかった。またネクロムの墓地の中に永遠に埋められることも意図していなかった。グレートアイはどこかの時点でフルクラム・オブスキュラを回収するか、時が来れば別の信者に授けると思われる。

それまでの間、遺物に刻み込まれた奇跡を記録しておきたい。というのも、ハルメアス・モラの贈り物の中でも、信者が望み通りの場所を探し、重大な秘密を開示することを可能にしてくれるものは他にないからである。例えば

モリアン・ゼナスの監房メモMorian Zenas Cell Note

やったぞ!あれが起きる時のための安全で、眠れる場所をようやく見つけた。もう3年にもなるが、きっと私もいずれは飽きるだろう。ここの番人たちが言うには、私は他の獣と一緒に住まされるらしい。連中の大いなる泡の王は、どうも私が重要人物だということを、私に気づかれたくないらしい。

他の動物たちは喋るのを止めないので、私は耳が痛くなった。だが言葉を話す動物よりはマシかもしれない。奴らが何を言っているか、想像できるか?

うーむ。それは自分で突き止めたほうがいいか。この本を読み終えたら。

* * *
何だこれは?未完成だ。著者はおそらく、読者に残りの言葉を補ってもらいたかったのだろう。自分で結末は書けと。大したことは書いていない。本全体を自分で書くべきかもしれない。前にもやったことがある。

* * *
新しい本がもうずっと来ていない。自分の思考と鳥の呼び声を相手にするのはもう沢山だ。呼び声を返そうとしたが――自分の思考と鳥の両方に――どちらも私の声を真似してくれない。鳥の言葉をもっとちゃんと学ぶしかないか。鳥は隔離施設の間を飛べるのだ。ここから出る道が見えるはずだ。

* * *
また話しかけてきた。心の中の声が。声には私のものでない名前があり、声は川底の石みたいな響きだ。気に入らない。私に戻れと懇願し続けてくる。戻れというが、私は行きたくない。ここは安全だ。本と新しい知識で、私の心が忘れた分を安全に充たせる。出ることはできない。頭にこんなに穴が開いて、腕にこんなに目があるのだから。

* * *
足が寒い。

* * *
掘るんだ。地表の下に出口があるはずだ。ないところに土が積もっていく。手を使い、足で引っかく。地面を食べる。歯と指と爪を使ってこするんだ。

フリールヴィがモリアンを探しているが、見つけられないだろう。彼は地面に食べられて、永遠に行方不明だ。謎だ。彼女が望んだよりも特別だ。

ラジーンはいかにして知る書を盗んだかHow Rajhin Stole the Book that Knows

歩く猫ラジーンはひょんなことから、ハーモーラーが海の下の蔵書庫にため込んでいる財宝に興味を抱いた。ラジーンにとって、何かに興味を持つことは欲望を掻き立てることであり、欲望を掻き立てることは、自分のものにすることだった。だから彼は海辺に行って漁師の船を奪い、南方海域を遠くまで航海し、そのうち寂しく突き出した石に行き当たった。それはハーモーラーの住処の一番高い尖塔であり、その一ヶ所だけ、波間から顔を出していたのだ。

ラジーンは夜のように静かに、波の王の広間の探索を始めた。彼はそこで多くの奇妙かつ興味深いものを見たが、彼の好奇心を刺激するものはなかった。だがついに彼はねばねばした台座に本が置かれている部屋を見つけた。ハーモーラーの蔵書庫にある何千もの本の中で、この本がなぜ特別なのかと訝りながらも、ラジーンは本に好奇心を抱いた。だが彼が手を伸ばして本を取ろうとしたその時、ハーモーラーの目が彼を見つけた。

「見えているぞ、影よ」とハーモーラーは言った。「何者だ?」カジーティの指輪のおかげで、ラジーンの姿は見えなかった。だがすべてを見る者は何かがいることに気づいたのだ。

「私は目に映るただの塵だ」とラジーンはハーモーラーに答えた。「あなたの眼を逃れるものが存在しない以上、それ以外にありえない」

「かもしれぬ。だが我も塵と言葉を交わしたことはない」とハーモーラーは言った。

「ならば見る者よ、もう一つの目を向けてくれ。私がもうここにいなければ、塵でしかなかったことがわかるだろう」とラジーンは言った。

「よかろう」とハーモーラーは言った。ハーモーラーは十ほども目を向けた、すべて同時に!それでも彼はラジーンが立っていた場所に影を知覚した。「思ったとおり。お前は私の目に映る塵ではないな、影よ。何者だ?」

「あなたのすべての目で調べるといい。そうすれば見えるかもしれない」ラジーンは答えた。

そうしてハーモーラーはすべての目を部屋に向け、口をきいた影を調べようとした。これは波の王にとってさえ大きな労力だった。彼は数えきれないほどの目を持っていたし、そのすべてを出現させるのは簡単なことではなかったからだ。ついにハーモーラーが再び見た時、部屋は空っぽになっていた。明かされるべき影は残っておらず、台座の上の本はなくなっていた。ラジーンはハーモーラーが目を集めようと苦心している間に本を取り、出ていったのだ。

こうしてラジーンは海の下のハーモーラーの蔵書庫から、知る書を盗んだのだった。

ラリデイルモは正気だLarydeilmo is Sane

この者がこれらを集めた。ラリデイルモだ。他の奴、闇の中の影ではない。ラリデイルモがやったのだ。証拠だ、と沈黙の中で叫ぶ。他の皆がおかしくなっている証拠だ。この者だけが正気なのだ。誰もが不可能だと言ったが、この者は正気を保った。そうだ、自分の名前だって憶えている。他の者たちにはできなかった。彼らのメモは暗い、文字の海の中に散らばっている。それらすべてを探すのがこの者の運命だ。メモを読むべきなのはわかっている。ラリデイルモはアポクリファに勝ったのだ。

* * *
インクは血、紙は皮膚。我々は本だ。そのことは知られている。

* * *
前に聞いた。ターラーシルとヒルゴットは聞かなかったが、私は聞いた。喚き声。近づいている。わかるんだ。彼らに見せてやる。あの濡れたジュルジュル言う音がこっちに来る前に。そうするしかない。あれを止める唯一の方法は、聞くことだ。

* * *
本があった。書架のすぐ次の列の先にあると思ったから、グループを離れた。今や本も、仲間たちの姿も見当たらない。書架は私の周りを移動して、私の視界の隅を動き回っている。何かがあれを操作して、私が道を見つけられないようにしているんだ。書架を見たが、古い地図ばかりだ。私をここに閉じ込めているものが何か知らないが、残忍なユーモアを持っているに違いない。だが、地図の端をつなぎ合わせることで、線ができることがわかった。アポクリファの暗い広間の中を導く光だ。書架を動かす怪物よ、お前を出し抜いたぞ!この区画から抜け出す道を見つけ、私が本来いるべき歴史書架に戻ってやる。見ていろ!

* * *
精神が抑えられない。喉のない声。心臓がガラスの胸の中で脈打っている。壊れていて、破れていて、引き裂かれているのに、まだ完全無欠だ。床に飛び散っている。海に滑り落ちたのに、乾いたままだ。

* * *
そう、彼は私を選んだ。彼は望まない者をここに留めておかない。私は気に入られた。祝福されたのだ。この書架を歩き、彼の名において管理する信用を得た。感じる。私の皮膚の下から生えてくる触手を。それを外に出させる方法を見つけなくては。私はシーカー。知識を探す者、侵入者を探す者。私はこの場所を清潔に保つ。

* * *
あれが囁くのを止めない。本が。大声ではない。表紙を通して聞こえるくぐもった声だ。だがあの声は、いつも聞こえる。話している。私に何か言っている。嘘をついている。本が嘘をつく!

レムナントの契約Pact of the Remnants

 

レムナントの真実The Remnant Truth

ホラティウス・ホフ 著

アルケインの研究者が亡霊に悩まされている。あなたも噂話は聞いたことがあるはずだ。研究を突然やめ、説明を求められると目に恐怖を浮かべて拒む学者を知っているかもしれない。これまで、多くがそのような恐怖の原因となる話について言及することを避けてきた。

しかしそれはもう終わりだ。

レムナントについて知られていることを、私がついに明らかにしよう。細かな点は異なっていても、どの話にも共通したことがある。これらの獣は知識の間に現れ、遺物や書物、その他の研究対象を持ち逃げする。もしかしたらあなたも深夜、剣を向けられて何かを盗まれたことがあるかもしれない。そうした強盗に抵抗すれば、腹を切られるか、運がよければ未知の真っ黒な触手に押さえつけられる程度で済むこともある。そしてその獣は跡形もなく消えるのだ。

ショーンヘルムの魔術師ギルドでデイドラの存在について研究するオーシマーの魔術師(彼は正しい種族名が使われることを好む)、達人ゴラトから話を伺った。レムナントについて調査する中で、彼はそれがドレモラの集団かクランであり、一部の者たちが主張するような特異な獣でないことを突き止めた。ドレモラがクランを組織することは学者の間でよく知られているが、達人ゴラトはレムナントが自分たちにとって一般的な階級的組織を否定していると考えている。階級のない、まったく平等な組織のようなのだ。指導者の指示なしでどのように任務を達成しているのか、私にはさっぱりわからない。

博識な達人ゴラトはさらに、一連のレムナントの出現における共通点も発見した。彼らはただ単純な魔法の装身具を定命の者から盗むのではなく、唯一無二の強力なアイテムを求めるようなのだ。どの場合においても、レムナントは研究者がそのアイテムの用途を突き止める前に現れる。そして私たちを永遠なる無知の状態に取り残す。

この情報を基に、私は魔法考古学者カトリッセ・ギリエンを探した。アルケイン遺物の学者として彼女は評判があり、レムナントの絶好の標的だったからだ。私が見つけた時点で、彼女はちょうどアイレイドの遺跡の奥深くから純オニキス製の円筒を掘り出したところだった。私がレムナントの話題を持ち出しても、彼女は驚きや不安を見せなかった。それどころか、すでに何度か遭遇したことがあることを落ち着いて話してくれた。彼女はレムナントといい関係にあると信じていた。

学者ギリエンは円筒の調査を続け、達人ゴラトによるドレモラのクランの説明を裏付けた。謎のデイドラ公ハルメアス・モラに仕える集団というのが彼女の表現だった。私はレムナントが、自分たちを盗賊ではなく保護する者として見ていることを知った。各地で、他者にとっては強力すぎると考えられるアイテムを集めているのだ。どうやら、遺物に加えて知識も封印するらしいが、それがどういう形でなのかはまだ不明なままだ。

レムナントによる暴行の問題を持ち出すと、学者ギリエンは私に軽蔑的な視線を向けた。暴力を受けるのは、その取り組みに抵抗するほど勝手な者か傲慢な者だけだと言うのだ。レムナントはあまりにも強力なものを保護する立派なことをしているのだと。彼女はレムナントの任務を信頼しているため、実は本人が認める以上の情報を得ている感じがした。私を見るその目には、間違いなく黒い十字の影が見えた。

これで以上である。アルケインの研究者を悩ませるレムナントと呼ばれる謎の勢力は、私たちを守っていると考えている。私たちを支配する権利というのはどこからきているのか?なぜ彼らに命を脅かされなくてはいけないのか?そして私たちから盗んだものをどこへ運んでいるのか?これらの疑問は未解決のままだ。いつか私も価値あるものを発見したときには彼らが現れるかもしれない。そのときまで、研究を行う際には護衛を雇うことをお勧めする。

暗号化された書簡Coded Missive

我らがデイドラ公はどの書が道を照らすのに最善か、確信を持てずにいる。

秘密の王はその誇りにかけて、間違いなくこの秘密を恒星回廊に保管された強力な書のいずれかに閉じ込めるだろう。

我々は可能な鍵すべての回収を、解読者の誰かに委ねるべきだ。

もうすぐ、我らがデイドラ公は忘れ去られたものを思い出すだろう。

それがマスターの命令であり、実現されるべきである。

クラジウス・ランプロニウス

運命と逆説:学術論文Predestination and Paradox: A Treatise

目の解読者の長老、ネルクエリエル 著

[この長大な本は運命と運命線、時間の力が定命の者の生に作用する際の性質について、ネルクエリエルの観点を詳細に解説したもので、全体が高尚なスタイルで書かれている。彼女の研究に関係する無数の補遺が添えられている]

補遺G:運命の予兆テム

ここに運命の本性について欠かせない相談相手となった、運命の予兆テムとの出会いに関する詳細を記録しよう。定命の生の縦糸と横糸が、彼のような者には明確に見えている。そのためこうした力について研究する者は、彼に接触するのがいいだろう。とはいえ、注意せよ。テムは運命の流れに干渉しようとする者を快く思わない。警告はしておく。

テムを見つけたいならば、貪欲沼近くにある運命の凝集点の召喚地を探すこと。テムは正しく描かれたサークルならばどこにでも呼び出せるが、この場所だと特に交渉がしやすい。テムは聞かなければ何の情報もくれない。尋ねるには複雑な手順が必要になる。様々な失敗を経た後、以下のアイテムが双方の対話を確立するために最も有効であることがわかった。

– デイドラの性質の巻物から作られたトームダスト。言葉自体は重要ではない。

– シーカーの鉤爪。生きているものが一番いい。死んでいても効果はある。

– 貪欲沼近くの泉から取ったイコルの小瓶。

サークルでは3つの召喚道具を順番に使うこと。私は3つ質問を聞くことができたが、3つだけだった。

次は議論を、尋問と標本目録作成の方法論に移そう。

運命の歌Song of Fate

ああ潮を煎じる、計り知れない闇のデイドラ公
ページと隠蔽の間の、インクを透かして見る
来い子供たち、待たせてはいけない
ああ偉大なるハルメアス、知識と運命の主

小さなドロノスは時間の回避を狙う
眠りを払うは犠牲者のない罪
クワマーの卵のキッシュを食べて遅くまで起き
つないだデイドラットを訓練する

鈍いモドリンさえデイドラ公への願いがある
欺き印象付け、説得する力
このような会話ができれば、母のもとへ行き
スイートロール泥棒が兄弟だと言いつけられる

ニレラは浮遊を学びたい
そうすればクリフ・レーサーの移動を追える
ビターコーストを高く舞い上がり
一番嫌いな子に唾を吐けるだろう

そして父を亡くしたヴリン
彼をあの世から戻そうとする
父が戻って肌が保持されれば
デイドラ公に永遠の奉仕を誓う

甘いヴリンはデイドラ公を知り、犠牲を払うべきと知る
決まり文句ではあるが、契約には拘束され
知る者は与えたより多くを奪う
生より長い、満たされぬ飢えを得る

運命の波の主Master of the Tides of Fate

賢きレラミル 著

運命のデイドラ公ハルメアス・モラは知る者、秘密の王、運命の波の主といった、多くの称号を持っている。私はいつもこの最後の呼称に興味を持っていた。だから私は禁断の知識の番人が持つこの肩書きの起源を、より詳しく調べてみることにした。

おそらく最初の問いは、運命とは何か?ということだろう。これはもちろん信奉する哲学によるが、支配的な立場では、運命とはより高次の力によって規定される出来事の展開と説明される。その力の本性や素性は議論の的だが、ハルメアス・モラが運命の少なくとも一部分を支配していることは明らかである。常に見ている目として、モラは絶えず運命の波を占い、次に起こるよう定められている出来事を知ろうとしている。それゆえに、モラは運命の波の主と呼ばれる。

私の知る限り、知る者は運命が展開するあり方を変え、導くことはない。しかしモラは糸が導く先を観察し、その不可避の帰結を追う。糸というのは私の比喩だが、運命を記述するのは容易ではない。運命を絶えず糸を紡ぐ織り機と見る者もいれば、未来へ向かって波が永遠に満ち引きを続ける、広大な海と考える者もいる。

それでは、運命の波の主という名称はどこから生じたのだろうか?私の考えでは、知識を広大かつ底知れぬ海と考えるモラの信者たちに由来している。彼らはモラがこの海の上空に浮かんでいるか海の中に住んでいて、常に深部を覗き込んで運命の流れを追跡していると思い描いている。モラは運命を操作するからではなく、すべての可能性と結果を知り尽くしているがゆえに主なのだ。

確かに、モラの領域アポクリファにはその表面の下に秘密や禁断の知識を隠した、まさしく終わりなき海に類似した地域が存在する。究極的にはどちらが先か、誰にわかるだろう?ハルメアス・モラが運命の波を記録する巨大な存在であるという考えか、そしてアポクリファの海上に浮かび、その深淵を覗き込む偉大なるデイドラ公というイメージか。おそらく、一方は他方の反映にすぎないのではないだろうか。

疫病作成者の指示Plague Concoctor’s Instructions

親方への贈り物は調合され、中央の間の祭壇にある彼の肖像の前に出す用意が整った。ただ3つ集め、病の君に献上するだけだ。だが忘れるな。親方は異質なものを嫌う。つまり、贈り物を同じ種類にするよう注意しろ。例えば深紅の病、血の腐敗といったように。

サンプルの効果は軽微で、疫病そのものよりも遥かに弱いはずだが、3つ以上は摂取しないように。強烈な影響が出て、苦しみが大きく増すだろう。

解読者アカシーンの日記Cipher Akacirn’s Journal

ついに答えを得た!

「セタリヤックスの異端」がすべてを明らかにしてくれた。秘訣は魂を定命の体から解き放つことだ。身体を持たない霊魂として、純粋な知識として永久に存在すること。私はどんな主題でも関心の向くまま探究する永遠の時間を手にする。そして劣った器がこの哀れな世界によって消滅させられる前に、その知識を飲み干してやれる。

残る障害は一点だけ。神秘の儀式だ。危険がないではないが、やってみるしかない。協力者を見つけて「神秘のグリモア」を読ませれば、私の精神を破壊することなく、儀式の知識をその者の精神から直接引き出すことができる。辛い決断ではあるが、協力者も生き続けられる。私がその者のすべてを得て、さらにそれ以上の存在となるのだから。

もう一度ウルダザーンを読み、異端を正しく理解できたかどうか確かめねばならない。無駄にできる時間は少ない。今日すでに二度、私の心臓は止まりかけ、視界は暗くなった。手早く作業しなければ。

解読者サビニアスの謝罪Cipher Sabinius’s Apology

解読者の同志たちよ

申し訳なかった。私は愚か者だった。私は最初のしもべの命令でクワイアズ・ウィンドを破壊した。

始まりは小さな願い事だった。なくなっても誰も気にしない本と引き換えに、ゴールドや野望の実現の協力を受けていた。だが最初のしもべは私を放さず、奴の陰謀に引きずり込んだ。そのうち、私は奴の要求をまったく断れなくなった。

もう逃げることはできない。奴が私に隠させた呪われた巻物が、デイドラを完全に暴走させてしまった。奴らはもうすぐ私を見つけるだろう。あの竜の顔を持つ怪物に力を貸すことで、どれほどの害をもたらしていたか、私は知らなかった。知っておくべきだったのだ。

サビニアス

解読者トラクサルトのメモCipher Tlaxalt’s Note

解読者トラクサルト、

ミッデン蔵書庫で「神秘のグリモア」第1巻を探し、いつも会う場所まで持ってきてもらいたい。私はあれを安全に読む方法を解明したのだが、お前の協力が必要だ。力を合わせれば、我々はあの本の禁断の知識を探れるだろう。

この繊細な仕事を手伝ってくれて感謝する。このことは解読者プラウティスへ言わないように。それから書架で「神秘のグリモア」を取るところは誰にも見られないようにしてくれ。

A.

解読者ドレイラのメモCipher Dreyla’s Note

解読者ドレイラ、

おめでとう!今日は君が我らの教団内部の地位を登り始める日だ。だがまずは、ミッデン蔵書庫から「神秘のグリモア」第2巻を取ってきてもらいたい。私が伝えた場所まで持ってきてくれ。あれを安全に読む方法を解明したが、君の協力が必要なのだ。力を合わせれば、我々はあの本の禁断の知識を探れるだろう。

君のことを誇りに思う。この特別な使命について他の誰にも言わないようにして欲しい。この秘密を解読者プラウティスに明かしてはならない。彼女は理解してくれないだろう。

A.

解読者ネルフィンのメモCipher Nelfynn’s Note

解読者ネルフィン、

君に「神秘のグリモア」第3巻を持ってきてもらいたい。私はあれを安全に読む方法を解明したが、君の助けが必要だ。力を合わせてあの本の禁断の知識を探ろう。

私はファゾムズ・ドリフトで待っている。場所はわかるだろう。

解読者のミッデンの誰にも、君がやろうとしていることを言わないように。解読者プラウティスは間違いなく「神秘のグリモア」を取らせないようにするだろう。だが、リスク以上に得るものがあると約束しよう。

解読者のミッデンについてOn Cipher’s Midden

アポクリファのどこに行っても、集落や安全な場所はデッドランドの雪玉のように希少である。それでも、ハルメアス・モラが目の解読者を作るためにニルンから定命の者を招き始めた時、居住地や生活必需品が必要となった。初期の解読者たちが一ヶ所に集まり、今では解読者のミッデンとして知られている場所に最初の避難所を設置するまで、長くはかからなかった。

今日、解読者のミッデンは数多くの機能を果たしている。第一に、ミッデンは目の解読者を構成する学者たちの、緩やかな連邦の本部である。彼らの組織には構造的な地位や上下関係が存在しないため、控えめに言っても漠然とした組織である。解読者たちは様々な仕事や研究で助け合ったり、助け合わなかったりするが、全員が理解しているのは、解読者のミッデンに入れば食料や水、避難所、そして似た志を持ち、学識のある人々と出会えることだ。

この地域中で丘のようにそびえたっている本の山の間に築かれた解読者のミッデンは、木や石の建物と底上げした道の集合体であり、果てしなき蔵書庫のインクの運河に三方を取り巻かれた、一片の土地の上に築かれている。ここで訪問者は寝食を与えられ、アポクリファのねじ曲がった道の案内を受けられる。解読者はここで生活と仕事をし、時には解読者の間に集って、より幅広い聴衆に向けて学術研究を発表する。

ドレモラ・ジルは現在解読者のミッデンに食料や水、その他の必需品を供給しているデイドラ商人である。彼はファーグレイブやその他のオブリビオンの地を拠点に活動する協会と取引しているが、彼が扱う品物は全面的に需要と供給に依存している。

解読者のミッデンの変化し続ける書架について、言及すべきことが一点ある。研究者たちは様々な場所からやって来て、解読者によって管理されている書物の山に取り組んでいるが、特定のものを探し出すのは魔術の助けを借りなければ困難である。書架の中身は常に変化しており、解読者が書物のコレクションを目録化するやり方にはあまり一貫性がない。それゆえ、客員研究員や魔術師は多大な労力を払って、自分の研究を助けてくれる特定の解読者との関係を築こうとする。

回廊への召喚Call to the Cloisters

メーナイ・シャイというみすぼらしい解読者が、意図せずして恒星回廊の秘密を知る手助けをしてくれた。

足場は築かれ、モラの大切な書物はもうすぐ我らが主の名において集められるだろう。急いで回廊に集合せよ。

もうすぐ、我々は回廊の貴重な秘密をすべて知るだろう。

干潮の章 第一巻Tidefall Cantos I

1.
夢も見ないある夜のさなか、私はおぞましい浜辺で目を覚ました。波はインクのように黒かったのに、私の皮膚も服も汚れなかった。立ち上がって口からインクを吐き出すと、私はこの海辺にまで来た記憶を一切持っていないことに驚愕した。岩にも、木の幹にも船はつながれていなかった。実際、見える場所には船などなかった。どんな船もあの暗く果てしない地平線に到達することはなかったのだ。その時、私の心の中で忍び寄る恐怖が形になった。私はまだ海辺の向こうの陸地にまで目を向けていなかった。なぜか、私の足首に囁き声のように打ちつけるこの暗く果てしない海の波は、私の背後で燃えている甘ったるい秘密よりも安全な気がした。

2.
私の父と似ていなくもない声。あの震えるテノールは私を簡単に怯える子供に変えてしまう。今でさえ足首の力が抜けるのを感じる。それとも、足元の砂が私の躊躇に苛立って、突然絡みついてきたのだろうか。だが声はまだ続いている。その言葉は私の心の筋を辿る指のようだ。私の名前は口にされなかったのに、声の命令は私の名を無言のうちに引き連れていた。「振り向け」と。だから私は振り向いた。

3.
私の前に浮かんでいたのはシーカーだった。インクの滲んだボロ切れと握りしめる手で作られた存在。アポクリファの拷問を生き延びた学者の、震える手で書かれた文字でしか読んだことのない生物。突然、私は悟った。アポクリファ。シーカーの恐るべき姿の向こうにあったのは、果てしない場所だった。触手とインクの泡立つ粘液。光を放つ植物と膨れ上がった書物。うず高く積み上がった化石と、歓迎しない眼差しのように重く垂れ下がる空。突然、私は波の中に消えてしまう以外のことを望まなくなった。だが声が戻ってきた。「恐れるな」。だから、私は恐れなかった。

4.
シーカーはその多くの手の1本を差出し、私はためらうことなくそれをつかんだ。シーカーが私を連れて海辺から去っていく間、私は急に子供のような気分になった。小さく脆く、新たな案内人にまったく依存している。それに今、シーカーは静かだった。私の心の水源には何の言葉も流れてこなかった。化石の積み上げられた丘にたどり着いた時、私はもう少しで子供っぽい怒りに我を忘れるところだった。穴だ。いや、塔だ。逆転。「蔵書庫」。だがそれだけではなかった。それは贈り物だった。

管理記録、エントリー3412Administrative Ledger, Entry 3,412

レクトリーの定期監査。新たな器たちはコーラスへの統合にほぼ問題を示さず。複数の者が契約の条項により解放された。コーラスにいた時間のことを聞きたいが、私は聞ける立場にない。

解読者ボンフィスの状態は悪化し続けている。彼は死が近づいていると信じ、コーラスの歴史と性質についてこれまで以上に精力的に教えている。

今日はコーラスに接触し、干渉する方法の特徴を扱った。ボニフィスはそれを無限の高さを持つ壁に囲まれた庭に喩えた。ハルメアス・モラは庭の中にいる者たちと同居している。どんな力も壁を壊せないし、登ることもできない。庭に入る唯一の方法は、魔術とレクトリーの技を使うことである。

老解読者ボニフィスは、おとぎ話が大好きなのだ。

危難の書についてOn Tracts Perilous

解読者セサリ 著

アルケインの技を学ぶ者ならば誰でも、危険な書物の存在には慣れ親しんでいる。実際、大半の魔術師はおそらく、自分の本棚に数冊は持っているだろう。そうした本のページの中に、読者は軽率な(あるいは邪悪な)者の手に渡れば恐るべき危害を引き起こすような、力のある秘密を見出すことができる。アポクリファの果てしなき蔵書庫を管理する我々は、こういう類の書物にいかなる措置も取っていない。才能か欲求に従ってアポクリファに導かれた定命の者に対して、入手可能な本を拒んではならないというのがグレートアイの意志である。

しかし、読む者が利用する可能性のためではなく、読む者に及ぼされる影響のために危険な書物も存在する。こうした書物は時として、危難の書と呼ばれる。

こうした本の一部には、定命の者の精神と相容れない概念が含まれている。読む者が記されている内容を理解するためには、自分の正気の一部、あるいは全部を手放さなければならない。また他にも、こうした禁断の書には密かな取引が含まれている場合がある。読むことによって本の著者と契約が結ばれ、読者自身を未知の(そしておそらくは邪悪な)知性の力に支配させることになる。本自体が読者を邪悪な付呪の中に捕らえ、読者が本来ならば望まない役目や目的を強制的に行わせる場合もある。

幸運にも、本物の危難の書はかなり稀である。大部分は一冊しか存在せず、二度と再版されない。目の解読者に知られている中で、危難の書には以下のものが含まれる:

黒の書。それぞれの黒の書には禁断の秘密が込められており、それはグレートアイに気に入られた定命の者にとっての誘惑か宝である。黒の書はアポクリファへの通路でもある。黒の書を読むことは、ハルメアス・モラの面前に連れてこられることを意味する。グレートアイ自身を除いては誰も黒の書が何冊存在するのか、どこにあるのかを知らない。しかし、噂では「隠された夕日」という名で知られる書が、オーリドン付近の遺跡で失われた可能性があるという。「苦しめる目」という別の黒の書は、あるテルヴァンニの賢者が所有していると言われている。

ザルクセスの神秘の書。強大な力を持つ書物であり、デイドラ公メエルーンズ・デイゴンによって書かれたと言われている。その所在は不明である。

神秘のグリモア。生前と死後の両方における定命の者の魂の解剖を、3巻にわたって記した書物。狂気に陥ることなくこれを読める定命の者は存在しないと言われている。唯一知られている巻は、解読者のミッデンの蔵書庫に保管されている。

オグマ・インフィニウム。読者に神にも類する知識と力を与えると言われるオグマ・インフィニウムは、最も強力な精神を持つ者以外が読もうとすれば破滅する。グレートアイはこの書を他のどんな本よりも大切にしているが、大地に飲み込まれたあるアイレイドの街で失われたと考えられている。

これ以外にも危難の書が存在していることは疑う余地がない。だがそれが何であるか、どこにあるかについて、目の解読者は把握していない。

苦しめる目の秘密Secret of the Tormenting Eye

〈本を開くと、一行の文章だけが浮かび上がった〉

一冊の黒の書に一つの忌まわしき目的あり。最も危険で、忘れ去られたままにしておくべき秘密を解除するために必要な儀式。

原初の契約についてOn the Pact Primordial

〈本を開くと、数行の文章だけが浮かび上がった〉

「忘れぬことだ」と原初のデイドラは語った。「汝の領域に我らは入らず、汝も我らの領域には入らぬ。互いの領地にて、それぞれの公が統べるべし。互いの領地に姿を現すのは、招かれし時のみ」

以後、それが物事の定めとなった。

最初のしもべの手紙、1ページFirst Servant’s Letter, Page 1

解読者サビニアス、

お前の忠誠心を証明する時が来た。ちょっとした任務がある。やり遂げれば、豊かな報酬が出ると約束しよう。お前は私の見習い司祭として、私が独立した時横に並び立つのだ。

この4枚の白紙の巻物をクワイアズ・ウィンドに持っていき、書架と広間の間の適切な場所に配置せよ。それぞれの巻物を配置したら、私が教えた呪文を詠唱するのだ。それが終わったら、巻物のそばに留まらないこと。捕まらないようにしないと大変なことになるぞ。

最初のしもべの手紙、2ページFirst Servant’s Letter, Page 2

呪文を口にした後で何も起きていないように見えても、驚いてはならない。効果は目立たないし、一定の遅延がある。だが、私が白紙の巻物に込めた呪文が発動すれば、風のシーカーたちは私の巻物に引き寄せられ、黒の書に自らを同化させるよう誘われるだろう。

お前が適切に作業を行えば、私はニルンで変化された本が読まれた時、アポクリファから呼び出される。だがサビニアス、お前が期待に背けば私はここに釘づけだ。そしてそのことに激怒するだろう。

大昔、アトモーラの者たちは私を裏切った。その上奴らは、私を裏切り者と呼んだのだ!お前の協力があれば、ついに私は奴らの子孫たちに、祖先の過ちを教えてやれる。

最初のしもべ

最初のレムナントの日記Journal of the First Remnant

我々のデイドラ公のために知識を集めている者たちにとって、レムナントの歴史がうまく記録されているとは言い難い。我々は考えたことすべてを書き記すような学者ではないし、秘密裡にコレクションを黙々と整理する学芸員でもない。レムナントは兵士である。ハルメアス・モラの意志に仕える剣と盾なのだ。しかし、アービス中の知恵を確保する任務を達成するには、我々自身についての知も含めなければならない。

孤独に虚無の中を漂っていた我々は、全ての目の精神から流れてきた声を聞き、即座に何者かを知った。それはある深い欲求を伝えた。アポクリファの領域に勇者が必要だったのだ。自らに値しない知識を探し求める侵入者を追い返す、力強い腕が。デイドラ公は我々をその任務に選び、我々は従った。

* * *
我々は新しい故郷に到着した時、二つの品を発見した。望遠鏡と鍵だ。それらはこの領域から虚無を貫いて湧き上がり、我々の知らない場所にまで力を放出していた。我々のエキスがこれらの遺物と融合し、クラッツと呼ぶようになった小次元への門を開いた。

足を踏み入れると、我々の精神は融合して一体となった。レムナントは一つの全体の中に加わり、モラ卿に仕える一つの体となった。このクラッツが我々のためだけに作られたことは知っていた。すでに我々の署名が加えられた契約者が待ち受けていた時、その信念に確証を得た。この場所を見つけ、この領域に仕えること、それこそが初めから我々の運命だったのだ。

支援を求むA Plea for Aid

フェラル・ギャラリーがドリームカーヴァーに攻撃を受けている。奴による被害は拡大しており、我々は蹂躙されるのではないかと恐れている。多くの囲いがすでに破壊され、管理していた獣が野放しになっている。殺されたものもいる。

奴らを撃退し、展示している獣を閉じ込めるには人手が足りない。あなたがグレートアイに仕える者ならば、救援を送って欲しい。

筆頭解読者フリールヴィ

次元の探求 第14巻:ダークリーブの司祭Planar Exploration Vol. 14: Darkreave Curators

ハルコート・マルコット 著

注意して聞くがいい。私は敵について語ろう。あまりに怒りと憎悪に満ち、熟練の探検家であっても全力で避けるよう忠告せざるを得ない者たちだ。この巻では、アポクリファのダークリーブの司祭を扱う。

要約

これまでの巻では、私たちはアービスの無数の次元で見られる、様々な動植物を懐柔する方法を記述してきた。スキャンプに生肉を放るのと違って、ダークリーブの司祭たち(以下ダークリーブと記す)の注意を逸らす簡単な方法はない。いったん知覚されてしまったら、戦うか逃げる以外の選択肢は存在しない。幸運なことに、ダークリーブは武器と呼べるほどのものを持っていない。彼らは純粋に、感情に駆られた暴力で攻撃してくる。

私たちはダークリーブを可能な限り避けることを勧める。それが無理ならば遠くから攻撃しよう。

歴史

ダークリーブに彼らの起源を直接尋ねることは明らかに不可能なため、アポクリファの他の住民に答えを探すしかない。知識に捧げられた領域にしては、このドレモラのクランに関する情報を有する者を探すのはかなり大変だった。結局、私たちは最も信頼できる情報源に頼った。ファーグレイブのマダム・ウィムである。

透明性のために言っておくと、私たちはダークリーブについての詳細を知るためマダム・ウィムに報酬を払った。別の悪名高いドレモラのクランについて、私たちが移動中に知った秘密を提供したのである。それと交換に、彼女は赤く薄いキチン製の、デイドラの文書が刻み込まれた石板を渡してくれた。

この石板から、私たちはダークリーブが存在のあらゆる部分を目録化しようとしていることを知った。酷くささいなことから、とても古い物事まですべてを。彼らはすべての椅子やスプーン、オーブ、デイドラについての文字化された記録を欲している。彼らはハルメアス・モラのために倦むことなく働くが、彼らの情熱は奉仕を越えた執着を示している。

この目的への献身により、ダークリーブは書かれた作品を暴力的なまでに大切にするよう導かれた。彼らは使命の巨大さにより歪められ、狂信的で危険な不寛容さを見せるようになったのではないだろうか。

環境

通常なら、次元の探検家はアポクリファの知識の貯蔵所内部にダークリーブがいることを想定すべきである。こうした場所は当然そこら中にあるが、より大型の施設に入る際はさらなる注意を払うべきである。そうした場所にはかなりの数のダークリーブが集まっているからだ。

特に、貪欲沼にある秘密の広場に入る時は油断しないことだ。広場は外部の者が文書や秘密を交換できる、情報取引の場として機能している。この実践はダークリーブを引き寄せる。特別な知識が日々届けられるからである。

生存の秘訣

ダークリーブと会話を試みないこと。存在に気づかれてしまうと、その時点ですでに危険だ。

賄賂を試みないこと。本を相手に向かって放っても、彼らは注意を逸らさない。

ダークリーブは特別注意深いようには見えない。気づかれないよう通りすぎるのが最善だろう。

遠くからダークリーブを観察するのは面白く、知的にも充実した経験になりうる。彼らのほうでもあなたを観察していない場合に限るが。

失われた記憶Memories Lost

なんという不愉快な気分だろう。何の問題もない日があったかと思えば、次の日には目覚めた瞬間から不安と心配が続き、何かが足りないという確信がある。何か決定的に重大なものが。

今私はそれを経験している。自分が昨日までは深く、完全に知っていたものが消滅したような気分。漠然とした夢を除いては、痕跡も残さずに消えてしまった。仕事にも影響がある。他の解読者に同じような喪失感を経験しているかと尋ねた。彼らはすぐによそ見をして、答えようとしなかった。

たとえどうかしていると思われようとも、現実が何らかの仕方で変化したのだと私は思う。何かが昨日まで絶対的な真理だったものを消去したのだ。最悪なのは自分が失ったものが何か、見当もつかないことだ。

このことで上司には注意されたが、グレートアイと直接話さなくてはならない。何かが現実を変えたのなら、我らが主もきっと知りたがるはずだ。

もしかすると、この変化に気づいたことで褒美を与えてもらえるかもしれない。

召喚士のためのニミック案内A Summoner’s Guide to Nymics

解読者セサリ 著

アルケインを学ぶ者なら誰でも、デイドラが危険な相手であることを知っている。強大なデイドラと戦えるのは勇敢な英雄や、実績のある魔術師だけである。だがどのデイドラも隠された弱点を持っており、それにより駆け出しの見習いでもデイドラを操ることができる。その弱点とはデイドラのニミック、あるいは真の名前である。

デイドラのニミックの知識を身につければ、定命の者は自分を昆虫のように粉砕できるデイドラを閉じ込め、追放し、強制できる。一般的に、単純な精神を持つデイドラは単一のニミックしか持たず、より強力な意思と目的を持つデイドラには2つか3つ、あるいはそれ以上のニミックがある。定命の魔術師はそれぞれのニミックを利用し、デイドラを自分の意思に服従させなければならない。

ニミックの各部分は以下に記す通りだ。

第一の、もっとも単純なニミックはプロトニミックである。学者たちの中にはプロトニミックが自身を個体として意識する能力を欠いた獣を指す、親族か種族の記述だと考える者もいる。しかしこれは疑わしい。すべてのデイドラットが同じ名前を持っているとは思えない。

より洗練されたデイドラはプロトニミックに加えてネオニミックを有している。ドレモラやスカーフィン、ウォッチャーといった獣はプロトニミックだけで抑制する(あるいは怒らせる)ことができるが、召喚士は確実に追放するためネオニミックも用いなければならない。

それに加えて、多くの知性的なデイドラは所属や地位を示すトリビュニミックとヒエロニミックを所有している。デイドラにとって、これらは単なる肩書き以上のものであり、その生物のアイデンティティの一部である。定命の召喚士にこうしたニミックが必要かどうかは難しい問題だが、デイドラのニミックを利用する前に、できる限りのことを知っておくべきだと考えたほうがいいだろう。

噂だが、デイドラ公はプロトニミックとネオニミック以上のニミックを所有しているという。これは命令に従わせようとする敵から身を守るためのさらなる防護手段として機能する。そうしたニミックが存在するならば、それは非常に強力で、細心の注意を払って守られているはずだ。

最後に、書記の身で僭越ながら忠告をしておきたい。ニミックを利用することは、敵を作ることである。デイドラはこの方法で彼らに力を行使しようとする者を酷く嫌う。実際、デイドラのニミックを書き記すことさえとてつもなく危険である。自分の名前の一部でもどこかに記録されていることを当のデイドラに知られれば、そのデイドラは万難を排して記録を破壊し、それを書き記した定命の者を罰するだろう。

織られぬものThe Never-Woven

その1
私の正気を失うほどの価値があるのか?知識、私が探し求める限り、果てることのない知識に。すべての運命は崖の上でぐらついている。実現するか、しないかの境界線にいる。我々は選択を行い、実行しようとする物事の道筋と、その道の進み方を選ぶ。運命自体がこの道筋を紡ぎ上げ、そのうち我々の運命線は強化され、破れることのないタペストリーとなる。

その4
境界線を特定できた。織られぬもの。解けたもの、とでも呼ぶべきか?それが形成され始める瞬間、休止状態に留まっているその時。アザンダーが以前うるさく言っていた「予感」だ。

そして、時として選択は成され、その後は無だ。だが何もないのではない。解けた運命には力がある。ハルマ・モラの手は存在するものの境界を越えて、存在しえたものにまで伸びている。もしかしたら、いつか私の手は彼の手に届くかもしれない。

アザンダーがここにいたら私を笑っただろうが、私のほうでも奴を笑っただろう。奴は正しく、かつ誤っていた。あいつの考えは私が見たものを想定してはいなかった。

その5
もうどこに行っても見える。見捨てられた、成されなかった私の選択が。私はそれを占う方法を見つけた。私の血が、そうした実現されぬ可能性へと私を繋げてくれる。ほつれた、解けた運命が、瓦礫のように私の背後へ散らばっている。私たちはそれを背後に残している。私たちが命を吹き込まれた瞬間にまで繋がっている果てしない鎖。あまりに多くの、生きられることのなかった生。私はそのすべてから学ぶのだ。アザンダーと私がずっと望んでいたように。

その12
人々は運命が血によって個人へと結びついていると言う。本当にそう言われていたか?私が言っただけかもしれない。今となっては、「私」と「人々」を区別するのは困難だ。この力、この可能性。私は学ぶだけだと思っていたが、得られるものは遥かに多い。

私は擦り切れた、選ばれなかった運命を力へと変えられる。何の価値もない運命だ。洞窟の壁に映った影にすぎない。力に変えない理由があるか?私は影を映し出す炎にして、光ではないか?

その14
やってよかった。知識は私のものだ。私は知っている、それは私なのだ。漂流の匂いがわかる。私は運命の漂う波を放浪できる。不安にならなくていい。もう二度と。私はやった、アザンダー。知識を手に入れた。すべての知識を。

新たな標的Your New Target

秘密を取引しているという割に、マダム・ウィムは慎みのない者を雇っているな。彼女はある秘密をあのヘゼークとかいうスカーフィンに渡したが、そいつがかなりの金になりそうだ。ウィムの館の常連客でもある我々の仲間が知らせてきたが、あの秘密はアポクリファにある隠れた広場に運ばなければならないらしい。

お前の仕事は、貪欲沼に行き、そのスカーフィンの居場所を突き止め、秘密を手に入れることだ。売れば相当な金になる。もちろん、秘密が何に関係しているかにもよるが。

アポクリファの泥をせいぜい楽しむんだな。

キンリーヴ・キルフェ

真実の危険The Dangers of Truth

解読者ファンディニンルー

変わり者のモラの書記たちは、知識こそがオブリビオンのすべての領域で最も重要な概念だと信じている。彼らの思い込みは誤りである。真実こそが求めるに値する唯一の特性である。思い込みや錯誤、誤情報は知識を汚してしまう。知識は風に舞うインクのように空をさまよう思いつきと同じで、何の実体も持っていない。真実だけが恒常的である。真実は小川の流れを定め、水路の形状を変化させる岩だ。

これほどに巨大で揺るぎなきものを理解するのは容易なことではない。実際に小川の中の岩を観察したことはあるだろうか?水は岩にしがみつき、岩全体の形を感じ取ろうとするが、常に押し流されてしまう。我々もまた、自らが手に入れようと務める真実の射程を理解することは決してない。我々は探し求める真実によって永久に変化させられるが、誰もが我々の小川の中の真実について、暗い影のような理解しか有していない。

我々に理解しうる真実はこれが限界だ。真実には危険な性質がある。真実には否定的な側面が秘められており、最も安定したデイドラの精神にさえ理解できないような含みがある。ハルメアス・モラだけが真実と運命を支配し、それらに関する領域を支配できる。

真実の発見はせいぜい、調査されている主題の性質に関する仮説の死を保証する程度だ。集められた知識のすべては岩に叩きつけられ、流れにさらわれる。仮説や理論の崩壊はしばしば、劇的かつ根本的な理解の変化を帰結する。この変化は最初に研究されていた主題に限定されるものではない。むしろ、変化は急速に拡大し、以前に理解されていたすべての物事を転覆させる。真実は一直線に進むものではなく、有限でもない。発見されたどんな真実も、我々が現実を知覚する方法に持続的な影響を残す。

例えば、あるインペリアルが平坦で木のない農地で育ったとする。実際、農場を取り巻く3つの村の中に、木は1本しか生えていない。このインペリアルは当然老齢に達しても、世界全体に木は1本しか存在しないという知識を持ったままだろう。このインペリアルが初めて森を見る時どのような体験をするか、想像できるだろうか。知識と真実の差異がわかるだろう。真実がどれほどの重みを抱えているか、感じるだろうか?

この例はごく小さな真実を表すにすぎない。より大きな真実の理解がどのような影響をもたらすか考えてもらいたい。変化のみならず、持続的な害を引き起こすほど巨大な真実は存在しうるのだろうか?真実は怪我や死を導きうるか?当然導きうる!歴史を見ればよい!真実や秘密、あらゆる種類の発見は数えきれないほどの死を生み出してきた。定命の者は秘密のために殺し合いをする。彼らはムンダスの暗い隅に至るまで、互いを追い回す。

これが定命の者の真実を解明することに対する報いであるとしたら、デイドラの真実を発見することは何を意味するのだろうか?遥かに危険なのは明らかである。定命の者とは違い、デイドラには完璧な復讐を計画するための無限の時間がある。彼らは侵入者や目ざわりな定命の者を始末するための陰謀を練っている。デイドラ公はなおのこと徹底的である。ハルメアス・モラは特に、真実を管理している。モラは自分が許容できると判断したものだけを我々に知覚させている。モラの秘密は我々が理解できるどころか、生き延びられる真実の射程を遥かに超えているのだ。

我々が問題にしている真実の規模を示す例を一つ挙げよう。「既知」はあまりにも強大な真理であり、その巨大さにさらされると狂気に陥る。だからといって、「既知」がある特別な種類の真実であるとか、そもそもそれ自体が一つの真実であるわけではない。私が聞いた噂によれば、一部の「既知」は本の姿で現れ、そのページは歴史から消え去った過去の出来事を記録しているという。その他の「既知」は大昔に失われた領域の獣や、誰も聞いたことのない最高のシェフによる料理だ。「既知」の厳密な性質や、なぜ知られているのか、「既知」の間にどのような共通点があるのか、といったことは不明だが、それらの影響は詳細に記録されている。「既知」にさらされた定命の者は、通常即座に狂気に陥る。「既知」の影響力と、それが秘めている真実の重みは、定命の者の精神には抱えきれないほど大きいのである。

それゆえ、知識を集めることと真実を理解することのどちらがより偉大な目標か、という問いに応えるならば、真実に軍配が上がるだろう。といっても、真実を探究するすべての者が、自らの企図の重みを理解しているわけでも、自らが発見するものを理解する覚悟ができているわけでもない。我々の大部分は小川に流れる水のように、自らの生を漂いつつ両手を広げ、微かに岩に触れながらもすぐ流され、通りすぎるだけである。

断続的に眠る者との会話Conversations with Sleeps-Fitfully

以下に記すのは、コーラスに入ろうとするアルゴニアンと、その世話人である解読者ヴェエリとの会話を文字に起こしたものである。

断続的に眠る者:痛くないだろうな?

解読者ヴェエリ:私が理解している限り、コーラスへ入るのは眠るのに似ている。

断続的に眠る者:その中にいる間はどんな感じなんだ?

解読者ヴェエリ:コーラスはハルメアス・モラの実験に同意するすべての者の精神と声が集まる場所だ。いわば、共有された幻視だ。

断続的に眠る者:じゃあ、そこに行っても何も悪いことは起こらない?

解読者ヴェエリ:もちろん。お前の精神はコーラスにいる間安全だ。お前の体はここに残り、私と他の解読者たちによって、お前が滞在している間世話を受ける。

白金:アイレイドの視点White-Gold: The Ayleid Perspective

序文

古代の野生のエルフの豊かな歴史を詳細に記した書物は間違いなく数えきれないほどあるが、卓越したサリアチェの問題について、古代の力に相応しい敬意をもって取り組んだものは一つもない。というのもサリアチェは最初のタムリエルの帝国を築き、その支配は記録されている歴史よりも以前に遡るからであり、その事実が古代帝国に関する刺激的な探求に不慣れな人々にとっては驚くべきものと映ることは疑いないが、そうした人々に対しては災厄に関する聖蚕の目の予言や、無限の力を求めるデイドラ契約の恐るべき物語へと話を飛ばしてしまわないよう願いたい。もっとも、多くの学者がアイレイド史の、刺激的には違いない時代についてのより深い探究を専門としていることは理解しているが、すでに調べつくされた道を辿り直すだけで、どうやって新しく未知なものを発見できるのだろうか。そうした道は繰り返しの多い学問的な長広舌ばかりで、単に学者の自尊心を保ち、業績を稼ぐ以外の役には立たぬというのに、いわゆる大家と呼ばれる連中は自らを偽り

(序文はこのような調子で、45ページにもわたって書き連ねられている)

秘密という通貨The Currency of Secrets

解読者プラウティス 著

初めてアポクリファに来た時、私はついに自由を得て、難解な伝承を調査する情熱を追及できると思っていた。もう希少な書物を購入する資金をどうやって捻出するか、飢えることなく研究生活を維持するにはどうすればいいか、考えなくてもよくなると。私はハルメアス・モラが、自分のような学者にとっての楽園を作りだしたと想像していたのだ。

その後、私は真の自由が何を意味するかを知った。確かにグレートアイの領域では、研究したいと望むどんな秘密でも自由に調べられる。だが餓死することも、読んではいけない本で精神を堕落させることも、定命の者を恐るべき陰謀の手駒として利用するデイドラの支配にあえぐこともまた自由である。アポクリファにいても、生き残る方法は考えなければならないのだ。

私は最終的に解読者のミッデンに行き着いた。私は飢え疲れて落ち着きを失い、持ち物といえば身につけていたボロ布と、アポクリファの最初の日に学んだことについての走り書きで埋まった、擦り切れた日記だけだった。だが、それで十分だった。というのもアポクリファでは、秘密が通貨として通用するからだ。

私はアイレイド魔術師の学習帳の中に見つけたいくつかの難解なメモと交換に、食料と寝る場所を得た。目覚めた時、私はエチャテレの歯の形状と機能についての論文と引き換えに新しい服を手に入れた。こうして私は目の解読者たちが、法律も君主も硬貨もなく栄えている理由を知った。

解読者の豊かさと地位は、その人物が知っている秘密によって測られる。秘密の価値は主に2つの方法で計測される。排他性と力である。少数の者しか知らない物事は、アポクリファで多くの者に知られている物事よりも価値がある。大きな、あるいは恐るべき影響を及ぼす秘密は、取るに足らない秘密よりも価値がある。そして予測はつくかもしれないが、奇怪な秘密や、世間を騒がすような秘密、あるいは有名な人々に関する秘密はそれ自体で付加価値を有する。

解読者のミッデンでは、秘密の交換が頼み事と義務の隠された網目を形成している。これがあることで、解読者は品物をアポクリファに輸送し、それを他の解読者と物々交換するよう取り計らうことができている(ニルンに存在するハルメアス・モラの様々な教団は有用な物資供給者であり、サラアス・トングやファーグレイブの商人も同様である)。新米の解読者は、自分が最近発見した情報を共有すると約束することで、年長の解読者の庇護を購入することもできる。また、年長の解読者は研究を始めたばかりの者に多少の価値ある品を与えることで、助手を雇うこともできるようになっている。

当然ながら、ある秘密の価値は取引されるに従って変化する。なにせ、いったん私があることを言ったら、あなたがそれを他の者に伝えるかどうかは私の自由にならない。真に希少な秘密も、不注意に繰り返されることで価値を失うことがある。時として不実な新参者は、最近獲得されたばかりの秘密を、その価値がなくなる前にすぐ他のものと交換する誘惑に駆られる。だがそうするのは誤りである。

というのも、どんな解読者も大好きな秘密は、誰が価値ある秘密を軽率に取り扱ったか、という情報だからである。

部屋の指示書Chamber Instructions

解読者たち

仲間からの忠告だ。ハルメアス・モラの聖なる涙を使う場合は、補充しておくのが礼儀だ。あれがなければ、他の解読者たちが問いの泉を使えなくなることを忘れるな。

涙はハイルマ・モラ、ハルマ・モラ、ハーモーラーの祠で復活させられる。グレートアイのそれぞれの姿に敬意を表し、この回廊を歩めるお前たちは祝福されていることを思い出せ。

解読者エルミド

変更されたナーニュレルの航海日誌Altered Naanurrel’s Logbook

〈文章は以前のままだが、1行だけが変化している〉

嵐はもう4日間も続いており、ゲイルは打ちつける波に耐えられそうにない。船と乗り手全員をこの重苦しい海の中に失うかもしれない。息子を水の墓に葬るわけにはいかない。だから禁忌の手段を使うしかない。ずっと以前、私はある昔の船乗りから大いなる力と契約するための儀式を学んだ。息子を救えるチャンスは今しかない!

〈一連の奇妙な、揺れ動くグリフが血で描かれており、その後には次のように記されている〉

危機に瀕した今、私はお前を呼ぶ!私と船員の命を奪い、息子を救ってくれ!この恩恵のために、私は永遠の奉仕を誓う!

〈字体の異なる手書き文字で、一連の奇妙な見慣れないグリフが描かれており、その後は以下のようになっている〉

申し出は受け入れられた。契約は成された。ナーニュレルを、あるいは彼に関する記憶を溺死者のための我が案内人としよう。かく行われるべし!

〈最後の数行には、ナーニュレルの書いた文字がある〉

息子よ、お前を海に沈めることはできない。禁忌に手を染めるしかない。許してくれ。

忘れ去られた夢Dreams of the Forgotten

〈本を開くと、数行の文章だけが浮かび上がった〉

忘れられたものは、存在しなかったものにあらず。ゆえにそれはただ不可避の知者にして、秘密の王である者によって所有される。それをかつて知っていた者は、不穏な夢の中でその欠如を微かに感じるやもしれぬ。

秘密の王がその果てしなき領域の中に、忘れられたすべての記憶を保管している場所があることを知れ。

本のスープのレシピRecipe for Book Soup

このレシピに風味があるとほのめかすつもりはない。できるだけ口当たりのいいスープを作るようにしただけだ。

まず本のページを破り取り、千切りにする。小さければ小さいほど、スープの食感が滑らかになる。

次に、本の表紙を大釜に入れ、煮始める。のりを分解し、革をほぐす。

大釜がぐらぐらと煮立つようになったら、革を取り除き始める。残ったのりは削り取り、大釜に戻すこと。

だし汁の見た目は乳白色になっているはずで、そこに味付けをしていく。最近ではだし汁にフットラップやシャツを加え、自分たちの汗から塩分を引き出すのが好みだ。壊れた本棚の木材は素晴らしい風味を与えてくれるし、羽根ペンもそうだ。いろいろと工夫しよう。

だし汁の味付けをしている間、革表紙を短い細切りにしていく。最初に煮てあるので切りやすくなっているはずだ。この細切りはスープの“肉”になる。うまくやれば、噛み応えがあってあまり不快な食感ではないはずだ。表紙を切り終えたら、風味出しや味付け用の服を取り除き、切った革を入れる。

そのまま、表紙の細切りが歯で裂けるようになるまでだし汁を煮込み続ける。

次に、千切りにした紙を加えて、もう目を離せないし空腹に耐えられない、という気持ちになるまで混ぜる。それまでに紙は柔らかくなってジャガイモのような食感になっているはずだ。

盛り付けていただく。

本のリストList of Books

マスターはお前に、以下の書を感知の広場まで届けるよう求めている:

「天体の先触れ」
「予言百科事典」
「計り知れない視線」
「闇の地図」

速やかに運び、誰にも言わないこと。

無限のパノプティコンでの活動Working in the Infinite Panopticon

目録作成者ヴォルグン 著

無限のパノプティコンは無限の小次元の中にある部屋と通路の果てしない迷路のように見える。伝説によると、入口は二度同じ場所に現れることがないとされ、発見することはほぼ不可能となっている。この次元外の空間の中は何一つ我々が知っている現実に合致せず、内部は一見してまったく無秩序に変化する。

なぜグレートアイ、ハルメアス・モラはこのような場所を創造したのか?その理由は一つしかない。彼の最も貴重な秘密を守るためである。

私はパノプティコンの中で長い間、目録作成者として働いてきた。もちろん、この場所の内部では時間にほとんど意味がないので、どれだけの期間私が働いているか正確に言うことはできない。この中であまりに長く過ごすと、最も強い定命の者の精神でさえ壊れてしまう。だが私の場合、まだ正常なままだ。私は広間を守護者のように放浪するハッシュドと共に仕事をしている。他にもラーカーやシーカー、監視人、その他にも説明するのが困難なデイドラのガーディアンがいる。私の仕事は内部に保管されている黒の書や書物を管理することではないし、うず高く積み上げられた無数のグリフィックを管理することでもない。

私の役目は本のように棚に並べられた無数のモラの目を管理することだ。モラの目とは何か?その名のとおりだ。ハルメアス・モラの栄光である終わりなきオーブから取られた、浮遊する目玉である。それぞれの目はノルドよりも大きく、ハルメアス・モラによって直々に目撃された記憶が込められており、重要な物事の記憶として保管される。内包された記憶を見るためには、実際に目の中に入る必要がある。しかし中には自由に入れるわけではなく、しばしば鍵や合言葉、あるいは他の手段を用いなければならない。

私の仕事は目の世話をして無事に保ち、判別を容易にするために内容の目録を作ることである。だが私が接触したのは最も平凡な記憶だけだ。最も大きく、恐ろしい秘密は私でさえ触れることのできない目の中にしまい込まれている。おそらく、私の正気がまだ無傷でいられるのはそのためだろう。無限のパノプティコンで雇われた、他の者たちとは違って。

無限のパノプティコンについてOn the Infinite Panopticon

アポクリファの小次元の内部に存在する無限のパノプティコンは、ハルメアス・モラの秘密の保管庫の中で最も厳重に守られたものである。遷移した次元の中に隠されている上、パノプティコンへの入口は常に移動している。同じ場所には二度と出現しない。パノプティコンを守るそれ以外の防衛措置も存在すると噂されており、変化する部屋や回廊、ハッシュドの軍団、さらに正確に記述するにはあまりに強大かつ未知のガーディアンなどがいるとされている。

これほどの守りを必要とする秘密の知識とは何なのかと思うだろう。それはグレートアイが自分以外の者に任せるには危険すぎる、あるいは深すぎる意味を持つと考える知識である。

伝説によれば、こうした秘密は書物や巻物、特別に設計されたグリフィック、あるいは空を漂うモラ自身の目に込められたモラの記憶の断片の中に保管されている。パノプティコンの中であまりに長く過ごしていると、定命の者の精神は正気を失うと言われている。

目の解読者Ciphers of the Eye

賢きレラミル 著

私が学術界で昇格を目指していたある時期、知る者ハルメアス・モラが私に特別な機会を与えてくれた。禁断の知識のデイドラ公は、オブリビオンにおける自らの領域であるアポクリファに来て、目の解読者になってはどうかと提案したのだ。

それが私の知る者との最初の本当の出会いであり、アポクリファに記録された未知の秘密を初めて垣間見た瞬間だった。専門的な学者や研究者にとってこの申し出は魅力的だったが、私は断ることにした。私は自身の努力によってアポクリファや解読者についてもっと学びたかった。そしてその研究は後に、私がハルメアス・モラとの特別な協定を交わした時に役立ってくれた。

目の解読者はハルメアス・モラによって個別に選ばれ、アポクリファに招かれた、ニルン出身の定命の者たちから成っている。彼らは次元の残りの部分からこの領域に絶えず降りかかってくる莫大な量の知識を管理、整理する役目を担っている。モラがなぜこの果てしない任務を定命の者に任せることにしたのか、誰も理由を知る者はいない。解読者はすぐにたったの数人から、目録作成者や研究者、蔵書庫の管理人の小さな軍団に成長した。彼らは解読者のミッデンという居留地を築き、同志たちのための本部のようなものを作った。

アポクリファの地形全体に丘や峡谷を形成している、絶えず変化する書架を整理するという、自動的に生成される任務に加え、解読者は意図的に、あるいは偶然この領域へたどり着いた定命の者に、歓待と避難の場所を与えている。解読者のミッデンは敵対的で過酷な地における避難所であり、かつ学びの場でもある。それぞれの解読者は専門領域を持っており、仕事へのアプローチの仕方も異なっている。時として、解読者たちは彼らが整理する巨大な書架のように乱雑で無軌道にも見えるが、アポクリファが現在のように機能するためには、彼らの存在を欠かすことができない。

溺れた海兵 スタイル

クラフトモチーフ116
Drowned Mariner Style

海のサルベージャー、「怒鳴り屋」シレイン 著

グレイブン・ディープは海難貨物の宝庫だ!神々の思し召しがあれば手に入れられる!この忌まわしい冒険から生きて帰るつもりなら、船と戦利品を守らなくてはならない。でなければ、今度は我々が遭難するだろう!この老いぼれの怒鳴り屋の知恵を紙に記して、ひよっこをいっぱしのサルベージャーに変えてやる!

ブーツ

足先をナイフみたいに尖らせた奴は、索具を登っている最中に綱を切っちまう!足先は丸くして縫い目には防水加工を施し、上は覆うか折りたため。バランスを保つ高価なルーンなんて必要ない。靴底に刻み目を入れて、摩擦を高めておけ。後で俺に感謝するだろう。

ベルト

船乗りの装備で最も重要なものだ。異論は認めない。海が荒れ狂っている時は、尻が足の周りで揺れていなくても、バランスを崩す危険はいくらでもあるからな!ベルトはフジツボのようにしっかりと締めて、お宝を確実にしまえるようにしておけ。

頭を覆うものは、要するに天候との戦いで役立つ。結びつけたシャツや帆布の切れ端でも、太陽や風、海水には十分耐えられる。縁が逆さになった上等な帽子は確かに魅力的だ。耳の覆いが付いていれば実用的でもある。

脚当て

快適さが鍵だ。ずぶ濡れの尻を抱えたまま、衣のついた切り身みたいに船を転げ回りたいか?嫌だろう。これは軽く風通しのいいやつにしておけ。そうすればすぐ、第二の皮膚みたいに馴染んでくるはずだ。

風や波を考慮する技術が必要になるため、海では顧みられにくい武器だ。船員の弓はしなやかな流木が手に入るならそれで作られ、握りの上部に布か羽をあしらって、風の方角を確認できるようにする。

胸当て

船乗りは軽く、ゆとりのある服を着ている時が一番いい。丈の長い上着と、呼吸が楽なシャツがいいだろう。金属?補強具?船外に放り出された時、錨になりたいのか?それとも、蛙鋼が木になるとでも思ってるのか?風が通り抜けるようなものに身を包んで、臭いと湿気を受け止めろ。そのほうが仲間のためだ。

刃を長くすれば、それだけ鋭く保つための労力も増える。手に負えるサイズにすることだ。重い両手剣を扱えるなら使えばいい。俺は簡素で軽快なやつのほうが好みだ。飾り気がなく、相手がカミソリのような刃を甘く見るような剣。それが俺の好きなカトラスだ。

肩防具

そりゃ、キジみたいに切り裂かれるのは誰だって嫌だ。だが頭を木の実みたいにかち割られるのが怖くて腕を上げられない船乗りなんて、誰の役にも立たん。動きやすい防具にしておけ、すばしっこい奴が乗り込んできて胸に斧を埋めようとした時、軽くあしらえるくらいにな。

手袋

船乗りになぜ手袋が要るのか理解できないようなら、船に乗るのには向いていない。ましてや船を操るなんてもってのほかだ。指を覆うか露出させておくかは、俺にとっちゃどうでもいい。最低限、帆布で手を覆っておけ。いくら皮膚の分厚い熟練の船乗りでも、まともな手袋なしで索具を握ろうとしたら、手のひらがズタズタになっちまう。

盾は太陽のように丸く、無風地帯のように平たく作れ。樽の上に乗せてカードをしてもいいし、乗り込んでくる敵の顔をぶん殴ってもいい。釘で打ちつけて船体の裂け目を塞ぐのにも、船が沈むようなら浮かぶのにも使える。盾は最大の友だ。失くした場合は、他の奴の友になるかもしれん。

魔法のマストだ!俺たちの杖は三又の銛の先端を模しているが、この部分は実用に適さない。焦げた魚の臭いが残っちまうからな。氷も炎も電撃も、三又槍の先端から出てくるのを受けると、特別な感じがするもんだ。お前もそう思うかどうか、試してみろ!

戦棍

こいつは愛すべき怪物だ。腕力があれば、立ちはだかるどんな敵でもミンチにしてやれる。それに船員用の両手戦棍は、緊急時に錨としても使える。俺もこれまで、意外なほどこいつが役立つことが多かった。だから俺戦棍の先端には、網を巻きつけておくようにしている。

短剣

短剣。これこそ俺の心を射止める武器だ。油断していると、お前の心臓も射止める。俺は自分の前腕ぐらい長く、必要なら歯に挟めるくらい薄刃の短剣が好みだ。俺の短剣は意外なほど簡素な作りなんで、まだ誰も盗もうとしたことがない。誰かがこいつを奪うつもりなら、俺の死体から取るんだな。

いいか、一番いい斧ってのは、幅広い上質な刃の反対側に、鉤かスパイクをつけたやつだ。引きはがす、登る、敵船に乗り込む、鍵を開ける、穴を開けるなど、力を籠めれば何にだって役立つ。金貨やリボンのような戦利品で飾れば、色々な意味で目を引くだろう。

イフレの意思 スタイル

クラフトモチーフ115
Y’ffre’s Will Style

シストレス養蜂家協会樹木医長、ナウリエル・エライア 著

以下に記すのは、抜きんでて才能豊かなガレンのドルイド防具職人と共に働いていた時に集められた注釈や観察である。これほど才能ある植物の職人たちと仕事ができたことは素晴らしい経験だった。養蜂家は彼らに正当な敬意を表明するべきだ。

ブーツ

私は当初、ブーツがふくらはぎをとてもきつく締めることに驚いた。ぎこちなく動き回る私はさぞかし滑稽に見えただろう。だがしばらく経つと、私はもう長いこと、自分の年では無理だと諦めていた足さばきができるようになっていた。このブーツは、私の半分の年齢の者に匹敵するバランス感覚を取り戻させてくれた。

ベルト

実はこの事業が始まったのは、私の娘がドルイドのパートナーの手で作られた見事なベルトを持ち帰ってきた時だった。体に密着するベルトの形状は全体をしっかり締めつけるだけでなく、重い武器や荷物を持ち上げる際に腰の下部を支える役割も果たしてくれる。

この兜があれば、太陽の暑さも夜の寒さも問題にならない。重装備の場合は、目に飛び込む強風を逸らす木の飾りもついている。この滑らかで、ほとんど柔らかいと言ってもいい顔防具は手で作られる。私自身がこの目で見た。この職人たちは、他の者が粘土を扱うように木を削れるのだ。

脚当て

ドルイド・アルッラは、ドルイドが手懐けた獣から革を作るのは最後の手段だと説明してくれた。彼女の言い方には悲しみが込められていて、物言わぬ敬意と喪失の表明だった。しかし同時に、この防具が間違いなく救うであろう命を想っての安堵でもあった。

私は以前、弓使いが弓を自分の意思に従わせようとしながら、自分は弓の意思に従おうとしないのが武器に対する冒涜だという説を聞いた。弓使いは戦いで柔軟さを示し、弓を作るために育てられた、しなやかな枝のようにならなければならない。

胸当て

初めて彼らの胸当てを装備した時、私は涙を流した。私は単なる鎧を着ているのではなかった。製作者の系譜に加わることができたのだ。縫い目や継ぎ目はそれぞれが、職人から職人へと受け継がれてきたものだった。鎧に対して「心温まる」という形容をするのは妙な気分だ。

育てられたどの武器にも、その背後に才能あるドルイドの鍛冶師がいる。彼らが剣とたがねに注いだ技術と労力に想いを馳せよう。どちらも完璧なバランスを持ち、用途を補完するための形状をしている。そしてどちらも、正しい者の手に握られれば等しく致命的となる。

肩防具

我々の研究者の中でも未熟な者が見ると、この肩当ては単なる瓦礫から作られていると思ってしまうかもしれない。しかしそれは違う!もしよければ、肩当ての匂いをしっかり吸い込んでもらいたい。木の実のような、土っぽい香りがするだろう。残骸のように見えるものは一種の香りの盾として機能し、装着者の匂いを地域の野性生物から隠す。

手袋

私は狩人たちが迫りくる獣に対して、手だけでなく前腕を丸ごと差し出すのを見てきた。驚くべき無防備さだが、これには理由があった。狩人の腕に巻かれていたものは、彼らが狩りをする森を象徴する生地で織られていた。これは狩人と獣が対等であることを示す、簡潔な方法だったのである。

これは早期からの育成とドルイドの影響が見慣れた木の成長にどれほど大きな変化をもたらすか、という驚くべき一例である。この場合、ドルイドはこのマホガニー混合種の幹にある毛管の数を大幅に増加させている。これによって鉄に匹敵するほど密度が高まり、この防具に最適な素材となっている。

ドルイドは彼らが使用する木が切り倒され加工された後でさえ、生きて意識を保っていると主張する。その最大の事例はまるでまだ成長し、呼吸し、地面から水を吸い上げようとしているかのようにリズミカルな音を発する彼らの杖だろう。

戦棍

この石の戦棍の先端部を削りだすには大変な労力を要する。鍛冶師が削りとる一片は、すべて完璧に調和のとれた武器を生み出すための計算されたステップである。ドルイド・アルッラが刺激的な演舞で説明してくれたが、訓練された戦士は戦棍が命中する部分を、自分の手の延長のように想定できるという。

短剣

この短剣の刃の切れ味は、噛みつく風のようであると聞いている。背筋が凍るほど鋭く、どんな鎧でも防ぐことはほとんど不可能だ。私は滞在してすぐにこれを贈られたが、自分の体を切ってしまうのが怖くて未だに鞘から抜いていない。

刃の根元から斧の柄までを覆っている絡まった根は、単なる装飾ではない。私はドルイドの武器職人がこの根を導き、ほどくことがほぼ不可能なほど細密な構造に変えていくのを見ていたが、自分の目が信じられないくらいだった。

シストレス諸島の書物と暦

Archipelago Books and Almanacs

アークドルイドの手紙Archdruid’s Letter

ドルイド・ウヴェン

そのクリスタルは命に代えても守れ。それを作るのにはとても苦労したのだ。お前が与えられた任務に失敗しても、これ以上クリスタルを作る機会はないだろう。人の通らない洞窟を探し、気づかれずに火山の裂け目に接近できるようにせよ。できるだけ長く、他のサークルの愚か者どもに知られずにいたい。モーナード家に我々の活動を警戒されるのはまずい。遠からず、奴らもファイアソングの力を思い知るだろう!

アークドルイド・オルレイス

アイビーヘイムへの侵入者A Trespasser in Ivyhame

グウィリム大学民俗学助教授、ザムシク・アフハラズ 著

ガレンの古代ドルイドは、いつも私を魅了してきた。研究者としての生活を通じ、私は何度もシストレス諸島を訪ね、この島の最初のドルイドたちが残していった遺跡を調査し、生きた末裔たちに話を聞いてきた。何年もの間、私は古代ドルイド王の玉座の間、アイビーヘイムについての噂を聞いてきたが、そこへ連れていってくれるようドルイドを説得できたことは一度もない。

ついに、私はそこへ行く別の手段を用意することに決めた。ヴァスティルの狩人を雇い、ガレン北東の荒野の沿岸へ案内してもらうことにしたのだ。暖かい森と切り立った丘を二日歩き、私たちは丘から海へと下っていく、絶壁に覆われた谷の頂点にまでたどり着いた。

ここで私の案内人は立ち止まり、それ以上近づくことを拒否した。「あんたをここに連れてくるだけでも、ドルイドたちの怒りを買う危険を冒しているんだ。俺はここで待つ」と言っていた。

私はただの学者だが、勇気がないわけではない。私は道を下ってアイビーヘイムの入口へと向かった。古のドルイドは王の住処として城や宮殿を建設しようとしなかった。その代わりに、ドルイド王はこの聖なる谷に君臨したのだ。もっともアイビーヘイムに王がいなくなって、もう30世紀近くも経っている。しかし神聖な雰囲気と隠された力がここには残留している。岩と自然の大聖堂だ。

私は畏敬の念に包まれつつ、もうほとんど誰にも読めないグリフに覆われた立石や、谷の壁に削りだされた、崩れかけた簡素な小屋の入口を通りすぎた。谷から海に出る場所の近くで、私は丘の内部にある大きな石の扉と、その手前に置かれたボロボロの台座を見つけた。さらなる印が扉中に張り巡らされている。そのシンボルは解読できなかったので、私は座って日記を開き、シンボルのスケッチを描き始めた。

もう少しで描き終えられると思った時、突然聞こえた声に私はぎょっとした。「やめろ!」

慌てて立ち上がると、赤褐色のローブに身を包んだ、厳格そうな髭のドルイドが私の背後に立っていた。彼の服からは灰が流れ落ち、その杖の先端には煤がくすぶって明かりを放っていた。ファイアソング・サークルのドルイドに会ったことはなかったが、目の前にいるとわかった。「後で研究するために絵を描いているだけです」と私は抗議した。

「お前は自分に属さないものを持ち去ろうとしている」と彼は応じた。「お前には値しないものを。立ち去れ、そして二度と戻ってくるな」

スケッチはもう少しで完成するところだったが、ドルイドの怒りは明らかだった。ファイアソングのドルイドが本土人と話すなどという話は聞いたことがなかった。私は自分が未知の状況にいることを知った。「わかりました、去りましょう」と私は言った。私は炭筆をしまい、向きを変えて立ち去ろうとした。

ファイアソングのドルイドは素早く大股で三歩進み、私の手から日記を奪った。彼はスケッチが描かれたページをちぎり、日記を私の足元に投げてよこした。「まだわからないのか?この印はこの地にのみ属するものだ。お前が持ち去ることは許さん!」

私にも常識はあった。私は傷ついた日記を拾い上げ、足が許す限り急いで退散した。

親愛なる読者よ、もしアイビーヘイムを訪ねる機会があったら、ぜひ行って欲しい。美しく、また神聖な場所である。しかし持ち帰るのは想い出だけにするよう、気をつけることだ。

あらゆるシーエルフに告ぐ!Calling All Sea Elves!

ガレンの自然の美を愛している?新しい人々に会うのは好き?本土から来る金払いのいい客のために、凶暴そうな笑みを作ってみせることはできる?それなら、サベージシストレスツアーにはぴったりの仕事があります!

関心と暇のあるシーエルフ船長は、ヴァスティルのジュリーン・クールセレに詳細をお尋ねください。

アルノーとリゼッテ:真実Arnoit and Lisette: The True Story

ジャコア・デュフォート 著

マダム・パジャウドはなんという人だろう。彼女は他でもない私の祖先から極めて詳細な話を聞いておきながらそれを無視し、自分の勝手な空想で恋愛物語を捏造したのだ!当時、現実に起きた悲劇に基づく明らかな警告の物語を、彼女がこのように扱ったのは唾棄すべきことだ。

私がこの文書を書くのは、マダム・パジャウドが「嵐とひまわり」の中で加えた脚色の中で最も甚だしいものを訂正するためである。以下の記述はアルノー・デュフォート(私の祖先)とリゼッテ・モーナード(彼の恋人とされる人物)との間に起きたことについて、私の両親から聞いた詳細である。私の両親は自分たちの親からその話を聞き、親はまたその親から聞いた。この悲劇が実際に起きた家族に行き着くまで遡れる話なのだ。

この物語が正確に描写されたのは、アルノーを「船大工を代表する金髪の男」と形容するところまでだ。この本はリゼッテ・モーナードをありえないほどきらびやかな存在として描いている。賢く勇敢で、騎士としての実力に優れ、愛の殉教者でもあると。彼女はそこまで完全な人間だったのか?ここから、この作品が明らかにフィクションであることがわかる。マダム・パジャウドは明白にモーナード家へ肩入れしており、それを隠そうともしていない。

一度視線を交わしたら後は手紙だけで成立する恋愛を見せられては、きっと読者も困惑したに違いない。これほど底の浅い、馬鹿げた話を聞いたことがあるだろうか?親愛なる読者よ、残念ながらリゼッテはマダム・パジャウドが描くような(あるいはマダム・パジャウド自身がそうありたいと望んだような)、勇敢で美しい人物ではない。

真実は、ナヴィール城でトーナメントを見ていた若い娘、リゼッテ・モーナードがアルノー卿に手紙を渡し、彼は親切心からそれを受け取った。リゼッテはそれから数年間アルノー卿に執着するようになり、卿がその想いに応じなかった時、不幸にも彼女はドルイドに頼ったのである。現実に使われたのはドルイドが毒を塗った剣などではなく、親切を装って手渡された、ドルイドの惚れ薬の入ったコップだった。そう、リゼッテ・モーナードは自分が魔女であることを隠し、ドルイド魔術を使ってシストレスの貴族家を破滅させようと目論んでいたのだ。ヴァスティルを見れば、今日に至るまでドルイドとモーナード家が異様なほど近い関係にあることがわかるだろう。

リゼッテはその後、魔法にかかったアルノーを説得して、彼女と共に船を盗ませた。彼女はアルノーをイフェロンに連れていき、ドルイドの儀式を行ってファイアソング山からガレンに炎の雨を降らせ、ついにガレンをドルイドの手中に収める計画を立てていたらしい。しかし、ここで何が起きたのかについては確かに議論の余地があるが、彼らの船は海賊に襲撃されたか、あるいはリゼッテが船を座礁させてしまい、海辺まで泳ごうとしていた最中にスローターフィッシュの餌食になった。いずれにせよこの話が描いているのは、敬愛された祖先が忌まわしい誘惑者の犠牲になった悲劇である。しかしどの話が真実だとしても、リゼットがふさわしい最期を迎えたことにせめてもの慰めを見出せるだろう。

しかしこの本は二人を、家臣たちの求めに共感する正当な指導者として描いている。彼らは「真実の愛」のために死に、曖昧な結末で読者を失望させている。フィクションとして見た場合でさえ、あらゆる点で面白さを欠いている!虚しく悲惨だ。こんなものは読まないほうがいいだろう。

イヴェス・グランバシェの台帳Yves Grandvache Ledger

フロレンティーノ、どうかこのメモを他の者たちに回してもらいたい。俺には時間も適正もない。真紅を愛する我らが友の相手で手一杯だからだ。

ヴァスティル
我々はここヴァスティルで通常の活動から一時的に退く。レッドブレイドとの契約は重要すぎる。営業所には警備に必要なだけのスタッフを残し、残りはファウンズ・チケット近くの発掘現場へ送るように。我々の注意がよそに向いている間、地域の誰かが変な気を起こすようなら、遺産を見つけた後に始末すればいい。

ゴンファローネ湾
現地の奴らに探らせろ。超越騎士団は仕事の機会になりそうだ。その間、ダーヴィル・ドティルへの働きかけを続けておけ。あいつは利用できる。適当な交渉材料さえ見つければいい。

フンディング港
冷眼のアルガーが機会を与えてくれたことを感謝しなければ。斥候たちが刻印の丘から戻ってきたら知らせるように。素晴らしいチャンスになるかもしれん。成り行きを見守ろう。

アバーズ・ランディング
あそこは滅茶苦茶だ。鉄の車輪ギルドは完全に暴走している。うちの者たちは退散させて、事態が落ち着くまで待たせるつもりだ。アンビに金を払って状況の報告を続けさせろ。それ以外、今のところあそこでやることはない。

ヴァスティルのドルイドの食事Druid Food of Vastyr

旅行記作家カスタス・マリウス 著

ハイ・アイルの休日ラッシュから逃れるため、私はガレンのヴァスティルの港にいるが、胃がゴロゴロと鳴っている。

私はこの街の蔓地区にある岩だらけのトンネルをさまよって、収穫したてのドルイド産品を売っている質素な屋台をいくつか見つけた。この農産物は名前だけなら他の場所にあるものと何ら変わりないが、単に香りと材料だけでも十分に特徴的である。ドルイドたちの間で、食べ物は売り物というより分け合うものであり、新鮮というよりまだ生きており、風味を強める生命力がこもっている。ハイ・アイルで長い時間を味にうるさい上流社会の仲間たちと過ごした後で、私はヴァスティルの石で覆われた街路を歩き、ストーンロアの森で摘まれたリンゴを食べてみた。最初の一口で、私は生命力が復活したように感じた。元気が出た私は、もっと食べたいと思った。

ドルイド王がキメラを創造したとかいう話に触発されたあるドルイドは、「歌う根菜」と名づけられた野菜を見せてくれた。紫の線が入ったネギと人参、ニルンルートの混合種である(ニルンルートは栽培が難しいことで悪名高いが、灰が多いシストレスの土でよく育つのだと教えられた)。彼女はこの野菜の葉の小さなサラダを提供してくれた。細切りにしてエシャロットと混ぜ、ムーンシュガーのドレッシングをかけたものだ。軽くシャキシャキした食感に加えて、夕焼けの色が耳元で鳴り響くような、強烈な風味があった。この体験はあまりに生々しく激烈だったので、私は浜辺近くの平たい岩の上に横になって、感覚が過ぎ去るのを待たねばならなかった。

そのドルイドは後でまた来て、ある根を味見してくれと言っていた。彼女はそれを午後いっぱいかけて煮込んでシチューにし、サルトリスを添えて出す予定だという。しかし私が覚悟を決めて彼女のところに戻った時は、もう夜遅くになっており、鍋は空だった。別のドルイドが私を憐れんで、砕いたオーツを加えたコンベリーの粥に取れたての蟹肉を添えたものを食べさせてくれた。こんな味の組み合わせが合うとは想像もできなかったし、実際合わなかった。それでも腹はふくれ、元気を取り戻したので、島の北にあるドルイド居留地、グリマーターンへ向かっていたグループと共に、一晩かけて歩いた。

ガレンでは春の水でさえ澄んでいるようだ。地域の住民の大半は私がこのことを言うと妙な視線を向けるが、この島のドルイド魔術が関係しているに違いない。それとも、シストレスの骨格を形成する火山岩のせいだろうか。

全体として、ヴァスティルの質素な環境はその食事にも反映されている。どこでも手に入る滋養豊かで簡素な材料が、ドルイドの手によって新たな命と風味を与えられているのである。耕作や他家受粉のプロセスについて質問すると、戸惑ったような謎めいた笑顔が返ってくる。まるでそのような秘密はドルイド仲間にしか教えられないとでも言うようだ。

だとすれば、それはそれで構わない。世界の半分がここにあるような風味の自然魔術を取り入れようとするくらいなら、私はそんな秘密はすぐさまガレンに委ね、帰る口実とするだろう。

ヴァスティルの歌Song of Vastyr

路上につま先を打ちつけても
何も恐れることはない
ダンスはいつでも大歓迎
来たれヴァスティルの街へ!

きらめく港からモーナード城まで
遠い民も近くの者も
決して友には事欠かない
来たれヴァスティルの街へ!

(コーラス)
ヴァスティル、ヴァスティル!ガレンの光り輝く宝石!
ヴァスティル、ヴァスティル!波を越えて高く!
ヴァスティル、ヴァスティル!その旋律を聞け!
ヴァスティル、ヴァスティル!歌のある街!

〈うんざりしたオルナウグ〉で飲めば
あなたの不安も消え失せる
ドルイド、貴族、観光客も歓迎しよう
来たれヴァスティルの街へ!

シストレスの美しい海岸に沿い
我らが海辺を目指して来たれ
名所を巡り、夜は踊り明かそう
来たれヴァスティルの街へ!

(コーラス)
ヴァスティル、ヴァスティル!ガレンの光り輝く宝石!
ヴァスティル、ヴァスティル!波を越えて高く!
ヴァスティル、ヴァスティル!その旋律を聞け!
ヴァスティル、ヴァスティル!歌のある街!

丈夫な壁と商人の店のため
船が埠頭を行き交う
シストレスにこれ以上の場所はない
来たれヴァスティルの街へ!

ヴァスティルの漁師歌Vastyr Fisherfolk Song

よいと引け、よいと引け
海辺が視界に入るまで
夜が朝へと変わるまで
すべての網を使いつくすまで

いったん獲物を見つけたら
それがそいつの運の尽き
俺たちの目からは逃げられない
すぐに味見をしてやろう

さあ勝負の始まりだ
船が揺れても回っても
俺たちは鉤、網、槍で
獲物を近くに巻き寄せる

よいと引け、よいと引け
海辺が視界に入るまで
夜が朝へと変わるまで
魚釣りして角笛を吹く

港じゃ行きかう人々の
視線が俺たちの品に集まる
溢れんばかりの大漁で
皆が踊って跳ね回る

その日の仕事が終わったら
踊るも遊ぶも思いのまま
宿で体を休める時の
ハチミツ酒の甘さがたまらない

よいと引け、よいと引け
再び出発するまでは
好きなように生きればいい
そうして海に出た時は
歌い騒いで帆を揚げる
それがヴァスティル漁師の生き方よ!

ヴァスティルの詩の王者The Poet-Champion of Vastyr

ディベラ司祭、チャンター・ミリウス 著

第二紀400年、最高顧問サヴィリエン・チョラックは最高顧問による統治四世紀を記念して数ヶ月にもわたる祝祭を開いた。帝都の数多くのゲームや余興のうちの一つとなったのが、詩の大会である。実力を認められた詩人たちがタムリエル中から最高顧問の宮廷で詩作をするために訪れ、その多くは有名な詩人であった。ヴァスティルからはシストレス諸島の外で無名のブレトン、ニネル・ドゥマリスという平民生まれの商人が来た。

多くの者が最高顧問に聞かせるため、壮大な叙事詩や威風高き頌歌を歌った。しかし誰もが驚いたことに、サヴィリエン・チョラックの心を揺さぶったのは、ガレンから来た無名の平民が記した言葉だった。最高顧問はニネル・ドゥマリスを詩の大会の優勝者とし、彼女に王宮での地位を進呈した。しかしニネルは辞退し、故郷をあまりにも愛しているので、永遠に離れるのは忍びないと言った。彼女はヴァスティルに戻り、長い生涯の間、数多くの美しい作品を作った。

今日ではニネル・ドゥマリスの優勝作品が、船乗りの恋人を想う女の嘆きを歌ったソネット「太陽のごとく恐れを知らず」であったことがわかっている。女がいくら愛しても、恋人がライバルである海の声に従うことを止める力は彼女にはない。それをニネルは「海鳥の笑い声、鐘の音、船長の呼び声」と印象深い手法で記している。ガレンの民によればこの偉大な詩人は若い頃、若く勇ましい船長を愛した苦い経験を基にしてこの作品を書いたという。

「太陽のごとく恐れを知らず」は有名だが、ガレンで最も愛されている詩ではない。その名誉はソネット「しなやかな妖精」に与えられる。美しいガレン島への喜ばしい讃美歌である。軽く読んだだけだと、ニネルは遊び好きの自然の霊魂について書いていると思っても無理はないだろう。しかしこの詩人はもっと巧妙である。「妖精」とは彼女の島への愛のことであり、彼女がガレンの「太陽に浸った峡谷」と「神聖なる霧」に身を任せたいという心からの想いである。この詩を口ずさめばヴァスティルのどの酒場でも、客たちは立ち上がり、胸に手を当ててあなたが言い終わるのを待つだろう。

ニネル・ドゥマリスは夕暮れの大聖堂の地下にある栄誉の地に、有名な騎士や君主たちと共に眠っている。ヴァスティルの多くの者は、栄誉を受けているのがニネルと共に眠る名士たちであり、その逆ではないと言う。

ヴァスティル包囲Siege of Vastyr

リロス・モレットの日記より。第二紀365年の日付。「群れる嵐」によるヴァスティル包囲終盤の一夜を記したもの。

* * *

昨晩炎が胸壁に降り注ぎ、それを強風が壁から散らし、屋根に振りまいた。我々は長い夜の間中働き、井戸から手桶に水を汲んで、手から手へと渡して運んだ。運の悪い建物の屋根は、我々に戦争を挑んできた「群れる嵐」艦隊のための灯となってしまった。私の家は燃やされる屈辱を免れた。何時間もかけて草ぶきの屋根に十分な水をかけておいたおかげだ。それでも城壁から街路に向かって火花が漂うたび、私は一瞬手を止めて八大神に祈った。私のアトワンと、私たちの大切な拾い子、ノム・タの無事を願った。

衛兵の呼び声が聞こえた。「群れる嵐」のシーエルフたちが我々の沿岸に船を散開させているらしい。奴らのシーメイジが風を呼び起こす呪文を止め、強風が収まったのを感じた。燃えていた家の火は再び勢いを取り戻したが、一瞬の間、手桶を運ぶ手が途中で止まった。すべては静かだった。

そして、驚くべき雷鳴と共に、ある衛兵が叫んだ。「海が退いていくぞ!」

列の中の数人は自分の持ち場を離れて、この奇妙な出来事を見ようと胸壁に駆けていった。他の者たちは手桶を丸石の地面に放り出し、封鎖されたヴァスティルの門めがけて走った。

給水部隊を指揮していた騎士はこの動きを叱責して怒鳴った。「持ち場に戻れ、街が炎に焼かれてしまうぞ!」その声で一部の者は持ち場に戻ったが、さらに多くの者たちが意を決して中心の広場から抜け出していった。最も愚かな者たちは古いドルイドのトンネルの暗闇の中へと駆けこんでいった。私は彼らの影が自分を通りすぎ、墨汁のような地下の暗闇へと消えていくのを見た。

手桶は拾われ、水で満たされたが、人数は減り、列は崩れていた。人員同士の間隔が広がったため、手桶を手渡すのにより多くの労力がかかるようになり、手の皮膚がズタズタになりそうだった。だが我々は必死に耐え、炎が東市場の屋台を飲み込むのを防ぐことができた。

上空から市民と衛兵両方の恐怖の叫び声が聞こえてきた。這うようなその金切り声は、それを引き起こした何かが迫るにつれ、より高く大きくなっていくようだった。視線を上げると、走る足音と共に胸壁から叫び声が迫って来ていた。「逃げろ」人間の洪水は叫んだ。「逃げないと、お前たちも大波に飲み込まれるぞ」。私は理解に苦しんだ。何が襲ってくるのかわからなかったからだ。しかしパニックに陥った人々が迫ってくること自体、十分に危険だった。

「大波だ、逃げろ。高い場所に行くんだ」。その声を受けて私は前進し、階段を上り、急な坂を駆けあがった。私たちが走るにつれ、波の音は大きくなっていった。聞き逃しようのない、不可能なほど高い、間延びした唸りだった。ほんの少し前まで多くの人が立っていた胸壁に、波がぶつかる音を私は聞き、感じた。波はヴァスティルの高い壁にぶつかって割れ、破壊的な水の壁となって側面を流れていった。家はその重さに砕け散った。石は固定用具から切り離され、停泊中の船でさえ目もくらむような余波を受けて突然飛び出し、港に激突した。

私の後ろを走っていた群衆がどうなったかはわからないが、背後に水の音が聞こえてこなくなるまで足を止めなかった。一番高い場所に到達してようやく、私は動きを止めた。全力で走ったため、胸が激しく上下していた。そして振り向いて、「群れる嵐」が召喚した恐るべき何かの姿を見た。

我らがヴァスティルは部分的に沈没していた。残骸が漂い、暗い水の下に沈んでいた。奇妙なことに、私の頭へ最初にはっきり浮かんだのは怒りでも哀しみでもなく、憂鬱な諦めだった。夜明けが来たら、古いドルイドのトンネルから死体を引き上げなければならないだろう。

ウミンディオルからのメモNote from Umindior

クエン

放置してすまない。だがネリのことが頭から離れない。彼女を探しに行くことにした。ドレッドセイルから抜けるよう説得してみる。彼女に遺物の場所を教えてもらえれば、この依頼を終わらせることくらいはできる。

神々の加護があれば、ここに戻ってきて合流しよう。待っていてくれ!

ウミンディオル

エメリックの裁定Emeric’s Judgment

(上級王エメリックが、ランセルの戦争の終結と大ダガーフォール・カバナントの形成、エメリック自身によるハイロックおよびその同盟国の上級王への即位を受けて発した声明の写し)

第二紀567年、新たに即位した大ダガーフォール・カバナントの上級王によって発せられた以下の簡易判決は、ランセルの戦争として知られる事態における、モーナード家の裏切りと戦争への参加、およびウェイレストとその近隣諸国の扇動に対して下されたものである。

ショーンヘルムのランセルの側につき、彼の計略を支援するために騎士と武器を送ったことにより、アヴリッペ・モーナードは即座に、かつ永久に公爵およびシストレス公爵領の管理者としての地位を奪われる。モーナード家はその領地を保持するが、諸島の管理権はデュフォート家に移され、モーナード家の指導者はそれに劣る伯爵の地位を恒久的に担うものとする。

上級王エメリックはこの判決において寛大さと慈悲を示したが、モーナード家がその誓いと義務を再び破るようなことがあれば、王はモーナード家の名も領地もニルンから完全に消し去るだろう。

さらにデュフォート家とその指導者ドノヴェン・デュフォートは、この日より公爵の地位を担い、シストレス諸島公爵領の統治権を与えられるものとする。

以上に記したことを遵守せよ。

より高き上級王、エメリック!

カエルを盗む計画Frog Stealing Plans

へレイン

助手からヴァスティルに滞在中のレッドガード商人の噂を聞いた。名前はムヌブラといい、ある特別なものを持ってハンマーフェルからはるばる来たそうよ。ドラゴンフロッグ。この男はどうやら、このカエルをビジネスパートナーか何かだと思っているみたい。信じられる?

そこで。まああなたが見てもわからないでしょうが、信じて。その獣には同じ重さの黄金に見合う価値がある。そして私には、あれをかすめ取る完璧な作戦もある。港にいる友人が、あの商人の船にいくつか穴を開けてくれる。奴が大慌てで荷物を救いだそうとしている間に、カエルを奪うの!

シストレスでドラゴンフロッグを見たことはない。そもそも他のどこでもない。だから高値で売れるはずよ。
ベルナデッテ

追伸:カエルが暴れた時のために、水を入れたバケツを用意しておいたほうがいいかな。

カソレインの夢The Dream of Kasorayn

三つの種を、一本の木の上に見た
ローワンの種、アッシュの種、オークの種
慎重に種を塵に収めた
民を導き教えるため

三本の木、九本の枝、五百枚の葉
それぞれの根に一つの季節
それぞれの種を深く眠らせよ
さすれば玉座は新たにされる

山が揺れ、種を蒔く者が目覚めし時
玉座は再び花開く
一つの選択、一つの意志、一つの縛りし言葉
すべての地に祝福か災いをもたらすだろう

カソレインの最後の夢The Final Dream of Kasorayn

三つの種を、一本の木の上に見た
ローワンの種、アッシュの種、オークの種
慎重に種を塵に収めた
民を導き教えるため

三本の木、九本の枝、五百枚の葉
それぞれの根に一つの季節
それぞれの種を深く眠らせよ
さすれば玉座は新たにされる

山が揺れ、種を蒔く者が目覚めし時
玉座は再び花開く
一つの選択、一つの意志、一つの縛りし言葉
すべての地に祝福か災いをもたらすだろう

遠い季節の末に来る
種を蒔く者を起こす日が
進んで与えられるなら、すべて良く
奪われるなら、災いが訪れる

カソレインの夢(注釈付き)The Annotated Dream of Kasorayn

グウィリム大学民俗学助教授、ザムシク・アフハラズ 著

シストレス諸島のドルイドは、タムリエルの他の地ではほぼ知られていない莫大な民間伝承の担い手である。彼らの語りは第一紀初期にまで遡る童話や歌、物語を含んでいる。おそらく最も重要なのは「カソレインの夢」と呼ばれる予言の詳細であろう。ガレンのドルイドなら誰でもこれを暗記しているが、予言の真の意味は何だろうか?筆者はささやかながら、以下のページにてこの問いの探究を試みたい。

まず、ガレンの伝達の石に記されている予言を考えよう:

三つの種を、一本の木の上に見た

ローワンの種、アッシュの種、オークの種

慎重に種を塵に収めた

民を導き教えるため

三本の木、九本の枝、五百枚の葉

それぞれの根に一つの季節

それぞれの種を深く眠らせよ

さすれば玉座は新たにされる

山が揺れ、種を蒔く者が目覚めし時

玉座は再び花開く

一つの選択、一つの意志、一つの縛りし言葉

すべての地に祝福か災いをもたらすだろう

興味深い比喩に満ちた、美しい詩のようだが、それぞれの行には秘密の言及が多く含まれている。より深い意味を探ろう。

「三つの種を一本の木の上に」はシストレスにある3つのドルイド・サークルを指している。ローワンは知恵と謙虚な奉仕、すなわちストーンロア・ドルイドの道を意味する。アッシュは神秘の力と再生を意味し、これは隠遁するファイアソング・ドルイドの象徴である。オークは当然力と勇気の象徴であり、エルダータイド・サークルを表している。最後のドルイド王カソレインはここで、3つのドルイド・サークルの確立についての言及を避けている。

ここで我々はとてもいくつかの興味深い数字が、一気に読む者に与えられていることを見出す。枝と葉、根は重要ではない。むしろ、夢の狙いは数字を見出すことだ。3×9×500、すなわち13,500である。さらに「それぞれに一つの季節」ということは、3,375年の期間になる。夢が第一紀4世紀のどこかに位置づけられるとした場合、この期間は第二紀の第6世紀末頃に終わりを迎える。確実に特定できないのは、夢がいつ記されたのか正確には知られていないからである。そして言うまでもなく、ドラゴンブレイクによって事態はさらに複雑化している。しかし、これが約束している出来事はそれほど遠くないと思われる。

第三節は予言が完了に近づいた時に注意すべき兆候と共に始まる。ここで「山」と言われているのはイフェロンの大火山、ファイアソング山である。意外なことではないだろうが、シストレスのドルイドたちはこの山にとても注目している。カソレインが「種を蒔く者」と呼んでいるのが何なのか、誰もはっきりとは知らない。第一節で言及されている種と何らかの関係があるとする学者もいる。しかし筆者はその見解に反対である。種を蒔く者はただの比喩かもしれない。

だが、我々はカソレインの夢から何を期待しているのか?ここで我々は予言の核心に迫っている。第二節と第三節の両方で言及されている玉座は、蔦の玉座のことである。ドルイドの伝説によれば、ドルイド王はガレンにある儀式の地から統治を行ったとされている。この予言は実際、新しいドルイド王の任命あるいは帰還と関係している。三千年以上の時を経て、この肩書を手にする者と。

推測ではあるが、最後の節にある「一つの選択」は新たにされた蔦の玉座を獲得する者の決断を意味しているのだろう。そして「縛りし言葉」は自然の霊魂そのものを束縛して命令する、ドルイド王の象徴と言われるものを指している可能性が高い。すべての地を祝福か災いで包むという部分の意味を解明する証拠は、筆者にはほとんど見つけられなかった。話したドルイドは議論を拒んだが、この予言は善か悪のどちらかで終わるのだろう。しかしシストレスのドルイドでさえ、カソレインの夢の真の意味については一致した見解を持っていない。

ガドからの手紙Letter from Gad

ボス、

あのふざけた海賊たちが最初の頃に力となったことはわかっていますが、奴らは発掘現場で何の役にも立ちません。ファウンズ・チケットに奴らが来なければよかったと思うくらいです。

もう何度か、酔っ払いの殴り合いのせいで作業員をヴァスティルに送り返す羽目になりました。我々の掘削がうるさすぎるというので、奴らはしょっちゅう腹を立てるんです。入口付近の波で溺れ死んだ奴までいます。海賊が腰の高さの水で溺れるなんて、呆れるばかりです。

しかもあのレッドブレイドとかいうレディは、常に監視しています。あの女には、酷く気持ちを落ち着かなくさせる雰囲気があります。気分が暗くなってくる。

あの海の犬どもを抑えておければ、もっとずっと早く財宝を発見できると思います。

ガド

ガレンの獣The Beast of Galen

エリンヒルのフラスタス 著

「カイメラ、カイメラ、カイメラ!今日は何本首がある?」
――伝統的なブレトンの庭遊び

子供の集団がカイメラ遊びをやっているのを最初に見たのは、数年前にウェイレストに旅行した時のことだった。タムリエル中の文化でよく見られる、列を作るタイプの娯楽である。私は酒場の玄関口に立って食事と楽しい歓談を待っていたが、子供たちは互いに向き合う列を2つ作っていた。子供たちはゲームの開始の合図を一斉に叫び、私は笑みを漏らした。「カイメラ」とは明らかにガレン語の「キメラ」の変形だった。先頭にいた子供は自分がどの首かを宣言した。そのグリフォンだか蛇だかの首の子供は反対側の列の子供に向かって走り、その子も同じようにした。彼らは場所を入れ替わり、列の次の子供に、自分の首を宣言する順番を譲った。それは全員の番が終わるまで続いた。

「蛇の首はシュシュシュシュって音を出せよ!」
――伝統的なブレトンの庭遊び

ガレンの深い森にあるエルダータイドの居留地に入ると、そこでは遥かに厳粛な雰囲気が私を取り巻いた。軽く雨が降る中、私は案内人に連れられていくつかの石の小屋や曲がった柱を通りすぎた。カーテンのかかった入口の向こうからは低い歌声が漏れ、出会う視線はどれも静かな軽蔑の念を込めて私を見つめた。私が研究機関と関係しておらず、案内人に多額のゴールドを支払っていなかったら、このキャンプは敵意に満ちた、むしろ危険な場所になっていただろうと確信している。私たちの先には、雲がかった空にくっきりと輪郭を表す立石がいくつか見えた。石の下には巨大な洞窟の入口が横たわっていた。その中からは低い唸り声が聞こえてきた。まるで大きな獣が発したかのような声だ。その音は深く強く、私は一瞬動きを止めた。

「ライオンの首はウオーンって鳴けよ!」
――伝統的なブレトンの庭遊び\

クラウディ・ドレッグの外にいた子供たちはまだ遊んでいたが、私は座ってグウィリム大学の敬愛する学者仲間と食事を始めた。彼女はブレトンとドルイドの伝説におけるキメラの役割について快く話してくれた。一見してわかるように、言葉それ自体が面白い。タムリエルの多様な文化の研究に従事して日の浅い学者の多くは、キメラというこの語が「チャイマー」という文化的名称の変形であると考えがちだ。チャイマーとは今日、ダンマーに先立つ伝統集団を指すために用いられる語である。実際のところダークエルフ以前の者を指すこの語の現代的用法は、「変化」を意味する遥かに古いアルトマー語変形である。そのため当然、チャイマーという文化集団を指すもう一つの一般的な言い方は「変化した者」となる。

「変化の獣」あるいは「変化した獣」を意味する語はディレニ王朝の時代に出現したとされているが、これはアレッシア以前の文書が現代になって研究されたことで生まれた推測である。その時代におけるこの語の用法については、解釈によるところがとても大きい。というのも、この名称を担うガレンの獣たちが創造されるのは、この語が第一紀初期に若いディレニの書記によって教師の手紙の中に書き記された時には、まだ数世紀も先のことだったのだから。

かなりの量の飲酒と探りを入れた後でようやく、私の食事相手はこの語自体が元来はブレトン自身を指していた可能性を認めた。実際、当時の高尚なディレニの学者たちにとって、半人半エルフを指す言葉として「キメラ」以上にふさわしいものがあっただろうか?

「グリフォンの首はクゥオオオオオって鳴くんだぞ!」
――伝統的なブレトンの庭遊び

神聖なる地の下にある石造の核へと降りていくと、周囲の壁が暖かくなっていった。明らかに、シストレスの火山の影響である。これがこの洞窟の気候を、私の目の前に立ち上がってきた巨大な獣にとって快適なものにしているのだろう。獣はこちらを向き、三対の眼が私に向けられた。獣が立ち上がると、三つの頭とその筋張った首が伸びて左右に動いた。私は首筋に冷たい針を当てられたような恐怖を感じた。すると突然、獣はよろめいた。そしてオークの木のような不動の意志を休息へと向け、唸り声をあげて暖かい大地の中に戻っていった。

キメラたちはこの地から消え去ってしまった。今では、最後のドルイド王の時代に置かれた古代の石を守るための数体が残っているだけである。キメラを作るための秘密すら忘れ去られている。案内人によれば長老の中でさえ、呪文を使ってイフレの手を導けるのは数人だけだろうということだった。私の前で眠っていた獣はその蛇の首を真っすぐ立てて、時の経過により鈍った眼で管理人を見た。そのドルイドは彼のサークルが召喚した嵐のように厳格で臆することなく、獣の脇に立ってその鼻に優しく手を置いた。私の想像かもしれないが、彼のフードの下に涙が光っているのが見えた気がする。

「カイメラ、カイメラ、カイメラ!門を抑えて石を守れ!みんな家に帰るから!」
――伝統的なブレトンの庭遊び

私たちが酒場の扉からよろよろと出てきた時、子供たちはゲームを終えていた。私たちは気持ちよく別れを済ませ、私は宿への帰り道を歩き始めた。歩きながら、私はブレトン種族の大きな物語におけるキメラの役割を思った。ドルイドたちの長期の離散と、彼らがより広い文化に刻みつけた痕跡を。キメラがその良し悪しはともかく変化を象徴しているのなら、ドルイドもまた何らかの意味で同じものを象徴しているのだろうか?そして現代の世界において、彼らはどのような役割を演じるのだろうか?

彼らは適応して生き残るのか?それともいつか、私たちはガレンのドルイドについてキメラと同じような物語を書くことになるのだろうか?いつの日か消失する、偉大なる文化の過ぎ去った一部として?

ガレンの動植物The Flora and Fauna of Galen

旅の博物学者、エリス・アグリルミルの日記より

ガレン島は自然の二面性に関する驚くべき一例である。この島は大量のひまわりが、豊かな落葉樹の森へ広がる緑の楽園だ。どんな旅人も羨む旅行先だろう。しかし溶岩だらけの無慈悲な熱帯雨林はすぐそばにあり、足を踏み入れるうかつな犠牲者を飲み込もうと待ち構えている。私はごく短時間島に入っただけだが、そこで見ただけでも心臓が凍りつきそうになった。私はできる限りメモを取った。この島を調査することで得られる知識があると思ったからだ。ここの動植物はこれまで見たもののどれにも似ておらず、未だ発見されていない秘密への手掛かりが隠されているかもしれない。まずはこの島の温暖で快適な部分について記そう。

南ガレン

私はこの島にいた時間の大半を、南ガレンの青々と茂った平原の探索に費やした。ここは広大かつ静かな土地で、引退後にここへ住むことも容易に想像できる場所だ。ゆるやかな起伏のある開けた野には、蝶や種々の野生動物が生息している。私が特に気に入ったのは、地域住民が「ファウン」と呼ぶ、一見して認知能力のある獣の集団である。タムリエル中を旅してきた私も、この諸島以外でこの生物を見たことはない。彼らは二本の後ろ足で立ち、わずかに背中を曲げている。体は長身で細身のエルフのようだが、毛皮で覆われている。頭は鹿のような大型の枝角が飾っている。

鹿を後ろ足で直立させ、両腕を与えればファウンになるだろう。彼らの行動を理解できるほどは接近できなかったが、原始的な文化を有するようだ。彼らは自然と強い結びつきを持っているようで、自然が脅かされれば守ろうとする。私はファウンが道具を使い、踊り、楽器の演奏までするところを見た。コミュニケーションを取りたいと思ったが、聞くことができたのはただの唸り声や鳴き声だった。おそらく最も興味深い点は、明らかにメスのファウンがいないことだった。彼らは私が最初に思ったよりも魔術的な存在なのか、それとも生殖の方法が伝統的なものとは異なっているのか。メスを一目から隠すのが上手いだけかもしれない。

西ガレン

さらに北や西へ進んでいくと、ゆるやかな平原は徐々に落葉樹の森へと変わっていった。温暖さにおいては劣るものの、森には息を飲むような自然美があった。私が本当に自然とつながっていると感じたのはここを散策していた時である。野生動物もこのつながりを感じているのではないだろうか。私はこの地域で「スプリガン」と呼ばれている、感覚能力を持つ植物を数多く見かけた。これまでにもタムリエルで見たことのある生物だが、ここのスプリガンのような振る舞いを私は見たことがない。通常、スプリガンは木のような存在であり、ねじれて縦長の柱のようになった根を持っている。スプリガンは根を使って地面に沿って移動し、森を傷つける者を攻撃する。ここのスプリガンは違っている。より人っぽいのだ。胴にあたる部分を形成している根は分かれて二本の足になっている。彼らは最近の侵入に応じて、より攻撃的になっているのかもしれない。スカイリムの巨人並みの大きさの、巨大なスプリガンがいるという噂も聞いている。自分では目にしていないが、そのスプリガンの怒りは小さなスプリガンよりもさらに強力なのではないだろうか。

北東ガレン

巨大スプリガンは恐ろしいかもしれないが、この島の北東で私が見かけたものに比べれば何でもない。落葉樹の森林は突然、絡みあった茨のジャングルと溶岩の川に変化した。これほどまでに居住不可能な場所は見たことがない。馬ほどに大きい蜂。マグマそのものから生まれたように見える巨大なトカゲ。この島は火山性であり、どの地形にも一定の火山活動が見られるが、このジャングルは火山に絡みつき、そこから栄養を得ているかのようだ。

地元のドルイドたちがこのような場所で生活できていることには驚愕させられる。私の飽くなき好奇心がもう少しで破滅を招くところだった。この危険な地域を住処とするあるドルイドの集落を見つけようとしたのだが、その途中で私は何かを見た。生涯を終えるまで私の記憶に付きまとうだろう。あれは蔓で作られた怪物だった。棍棒を持っており、光る眼で私を見た。あの眼は私の魂を燃やした。よそ者に対する憎しみは明らかだった。私は侵略者であり、縄張りを守ろうとしたのだ。耳をつんざくような金切り声をあげ、あの体格の獣にはありえない素早さで私に接近してきた。私は逃げた。もうあの場所には二度と戻らない。決して!

ガレンへの旅:ある学者の旅Journeys In Galen: A Scholar’s Travels

ジャン・デュシール 著

15日目
私の想いはしばしば大切なフィアンセへと向かう。彼女が分厚い毛布を屋根裏部屋から持ってきて、それにくるまって暖まる姿を思い描く。この旅は執筆中の地域の幽霊についての論文のために欠かせないものとなるだろう。間違いない。だがたとえ一日でも、彼女のそばにいられないのは辛い。

17日目
なんとかある程度の成果を得た。ブレトンはどこに旅をしても、木の霊魂の物語を話す。

論文のための文章:「祖母や宿屋にいる民、鍛冶屋に聞けば、闇の中に光る目の物語を聞かせてくれるだろう」

ガレンのドルイドたちは、闇の中の目を味方につけたらしいことがわかった。彼らによれば、緑がある場所の自然を自分たちの心に受け入れる方法を教えたという。彼らは目を「ドレイフーン」と呼ぶが、酒場やヴァスティルの市場にいた者たちは全員別の名称で呼んでいた。フォレストレイスだ。

18日目
大発見だ。ガレンの奥地を歩くだけでは、木で出来たあの怪物に出会う可能性が低いと人々は言っていた。だが強力なシストレスの酒を集中的に用いることにより、フォレストレイスを生み出す方法がいくつかあるらしいとわかった。

酒場の友人から聞いた話は、我らがグレナンブラの怪談とそっくり同じだった。

論文のための文章:「森で迷子になったある旅人が視界から消える。ドルイドたちは死者の魂を物言わぬ歩哨へ変え、彼らの古代の森を巡回させる。その恐るべき叫び声に注意せよ!」

さらに魅惑的なことに、ドルイド信仰の何らかの宗派が、「緑に服従する」ためのある儀式を記録しているらしい。このドルイドたちは野性の霊魂を自分たちの体に入らせ、レイスに変身するのだという。これは危機的な状況においてのみ行われるとのことだが、真実性には疑問が残る。

19日目
案内人と契約して、グリマーターンと呼ばれるドルイド居留地まで連れていってもらうことにした。そこではフォレストレイスの秘密の一部が、古代ドルイドの石板に保存されているらしい。この若い女性の案内人とちょっと会話しただけでも、すでに極めて興味深い話が聞けた。彼女によればレイスはドルイド王カソレインの逝去後の時期に生み出されたもので、オールウィザーと呼ばれる何かと関係しているのではないかという。不思議な話だが、調べてみる価値はありそうだ。

20日目
この森の幽霊についての真実を明らかにするのはやはり難しい。しばらくはここに留まることになるかもしれない。我が愛する人にメモを送って、ブーツの餌やりなどを頼もう。運が良ければ、キナレスの風が遠からず私を彼女の下へ連れ戻してくれるだろう。

ガレン観光案内Visitor’s Guide to Galen

エミッセ・フェアウィンド卿 著

沈む太陽のごとく美しいガレン島は、シストレス諸島の隠された宝石である。本土からの多くの訪問者はハイ・アイルより先に進まない。しかしちょっとした船旅を厭わないのなら、真の意味で忘れがたい経験によって報われるだろう。ガレンの野生の沿岸と木々の生い茂った峡谷の美しさは他で見られない。さらにこの島の自然の驚異を探検している間、神秘的なガレンのドルイドに出会えるかもしれない!

この島への訪問は古く趣のあるヴァスティル港から始まる。ここはガレンへ向かうほぼすべての船の目的地である。この街はドルイドの集落があった場所に築かれており、蔓地区や街の他の部分には今でもこの古代の村落の名残を見ることができる。ここでは最初のドルイドたちに会えるだろう。街のこの地区にいる商人や職人の多くはドルイドの信仰に従っており、旅人の好奇心にもよく順応している。

街の中央付近にある酒場〈うんざりしたオルナウグ〉は素晴らしい宿だ。燻された垂木と古い旗のある魅力的な部屋には、現地の民と船乗りが集まり活気に満ちている。それ以外にもヴァスティルで必見の場所として、港を見下ろせる美しい夜の大聖堂や、街から北の高地にある雄大なモーナード城がある。ここはガレンの管理者であるレオナード・モーナード伯爵が宮廷を開く場所である。

もちろん、ガレンまで旅をしてヴァスティルの市内に留まる者はいない。旅の疲れを癒した後は、ガイドを雇って島の残りの部分を見に行こう!

ヴァスティルの西門から北に向かい、道を進んでガレン内陸への探検を始めよう。島の中心部にある大峡谷を見下ろす吹きさらしの高い崖にそびえるのが、古代ドルイドの記念碑「伝達の石」である。この地域の伝説によれば、この石は最後のドルイド王によって立てられたもので、王の予言的な夢を保存しているという。だが眺めを見るだけでも訪ねてゆく価値はあるだろう。

伝達の石から北西に旅を続け、人里離れた壮大な西岸に向かおう。ここでは絵画のように美しいトネール城の廃墟がある。これは数百年も前に放棄された金貨男爵の居城である。ガレンの石はそれぞれに固有の物語があり、この城の廃墟も同様だ。トネールの物語はドルイド・サークルにとって神聖な地に家を立てた誇り高い王と、後に彼へ訪れたドルイドの血なまぐさい復讐の恐るべき物語である。実に興味深い!

トネール城から北に旅を続けると、北ガレンの美しい野生の丘に入っていく。ドルイドの村グリマーターンは素敵な山中の湖と、ガレンで最も標高の高い山のふもとに位置する滝に囲まれている。友好的なストーンロア・サークルのドルイドたちが住むグリマーターンは、本場ガレンにおけるドルイド文化の優れた見本を提供している…とはいえ、景色のためだけでもここは見逃せない場所である!

グリマーターンから南東へ向かうと、アメノス海峡とガレン東岸へ着く。見る者を驚かせるアイビーヘイム峡谷には絵に描いたような美しい遺跡がいくつもあり、その中には多くの立石もある。しかしこの地域で出会う可能性のあるドルイドは、グリマーターンのドルイドのように友好的ではない。アイビーヘイムは神聖な地であり、観光客は歓迎されない。さらに南下して、眺めのいいサンクレフト入江に向かうことをお勧めする。この海に面した崖の内部にある洞窟はとても美しく、訪ねてゆく価値は十分にあるだろう。

サンクレフト入江から南には、ドルイドの村トゥイニュがあるが、この一帯は避けたほうが無難である。トゥイニュは孤立を好みよそ者を嫌うエルダータイド・サークルに属しているからだ。岬沿いに伸びている道から外れないようにして、ウィンドラック・ポイントの古い砦へ歩を進めよう。ここからはガレン東に位置する火山島イフェロンを一望できる。ファイアソング山も見えるかもしれない!イフェロンの火山は日中、頻繁に煙を吐き出し、夜には暖炉のごとく明かりを放つ。

旅の最後に、ガレンの南岸沿いを西に進もう。こうしてヴァスティルの街を囲み、島の食料供給を担っている耕作地や住宅地に戻ってくることができる。遠からず、ヴァスティル東の丘の下を流れるガレン入江に到着する。この入江は海に出る船が航海するには浅すぎるが、釣りに最適であり、暖かい日には地元の人々が集まってくる。古代のドルイドが丘の下に掘ったトンネルを通り、ヴァスティルの東門から街に戻ろう。

おめでとう、読者よ!島を一巡りした今、あなたはドルイドの島、ガレンを探索したと豪語できる、希少かつ大胆な旅人の仲間入りを果たしたのだ!

キコの謎かけKiko’s Riddles

この半分は掘られた空き地の、絡まった根の影の下に眠る。火の流れが木を切り、見る者の家の南を通る

第二の欠片は手の届くところにある。西の岸から風と難破の浜辺の間。職人は鋤を手にして近づき、大釜を見て砂を返せ。

キコの最後の謎かけKiko’s Final Riddle

歌い手の道の太陽で温められた側が、宝の場所だ。船に闇のランターンを吊るし、すべての目から船を包み隠せ!

グリマーターン:ストーンロアのコミュニティGlimmertarn: A Stonelore Community

マノン・ロレイン 著

私がガレン最大のドルイド居留地グリマーターンを歩き回る許可を求めた時、ストーンロアのドルイドたちは快諾してくれた。この辺りにドルイド以外の者は少なく、この報告を読んだ者にもここへ行くことはあまり勧められない。言葉にできないほど美しい場所だが、ここは彼らの故郷であり、ドルイドの生活を体験しようと望む者のためのリゾート地ではない。

私はグリマーターンを美しい風景の断面だと考えている。十分に遠くから見れば、この牧歌的な村を構成する二つの明確に区別される色があることがわかる。底の部分から始めよう。ここには丘の中腹を貫いて流れる、渦のような小川の豊かな青がある。水は雲にまで登っているかのように見える、強大な滝から押し出されている。目を上に動かすと見えてくる第二の層は、よく茂った緑に包まれた景色である。グリマーターンはドルイドの村である以上、当然のごとく自然美に敬意を払っている。明るい木々の葉、活気ある植物、エメラルド色に輝く根の堆積が、グリマーターンの主要地区の大半を覆っている。木々はドルイドが集まる場所の大部分に守護者のごとく立っており、まるで記憶の中で永遠に根を下ろした、昔のドルイドがそこにいるかのようだ。

ガレンの豊かな野性の中に根づいているだけでなく、グリマーターンはいくつか石の建物を擁している。それらは時間の経過によって損傷しているが、真に見る価値のある建物だ。曲がりくねった階段、崖の表面へ綺麗に削りだされたトンネル、流れ続ける滝や岩だらけの断崖などだ。グリマーターンの建物は伸ばされた手のように広がり、自然の風景の中に織り込まれている。

グリマーターンには一種の階級が存在するという話を聞いた。階級という言葉は、ドルイドの生き方に慣れていない我々とは大きく違うものを意味している。富の大きさや生まれが問題ではなく、ドルイドの肩書きは獲得されるものである。志願者は見習いのドルイドであり、新しく、しばしば(常にではないが)若いドルイドである。彼らは最も経験の浅いドルイドだ。その次の地位は入門者であり、少し経験を積んでいるが、最後のドルイドの試練を通過していない者たちである。私はグリマーターンに滞在中、そうした神聖な試練をいくつか見学する機会を得た。ただし近くからではなく、かなり遠くからである。どんな試練が行われていたかはともかく、美しい光景だった。入門者が試練を通過すれば、正式にドルイドになることができる。これがグリマーターンの人口の大半を構成している。そしてもちろんアークドルイド、すなわちマスタードルイドが、基本的にコミュニティを率いている。

他のドルイド・サークルの居留地も同じような肩書きを用いて、類似の美しさを誇っていると考えていいだろう。しかし私には自分の目で見たものを書き記すことしかできない。グリマーターンは文化と美、歴史に満ち溢れた場所である。親愛なる読者のためにもっとうまく説明できないことが悔やまれる。とにかく、あなたがこれまでの人生の大半を街で過ごしてきたのなら、私の記述が新しい視点を開いてくれることを願っている。

シーエルフって何?Who Are the Sea Elves?

不明なブレトンの子供によって書かれたもの

シーエルフって何?お母さんは悪いやつだと言っていたけど、ちょっとおかしな名前だと思う。マオマーだって。妹が言おうとしたら、モー!オー!マー!っていう音になった。お母さんは僕たちがこのことを話すと嫌がるけど、お父さんは夜遅くになるとたまに物語を聞かせてくれる。

お父さんはシーエルフが大きな海の蛇に乗ること、オルグヌムという大きな怖い王様がいることを話してくれる!お父さんはその王が不死身だって言ってたけど、そんなことありえないよね?不死身じゃなくても怖そうだった。

シーエルフは怖い。お父さんの話にはたくさん血が出てくる。海の戦いも!妹は物語が怖すぎて、わんわん泣いてしまうこともある。お母さんはそういう時腹を立てる。シーエルフのことなんか話さないほうがいいし、知らないほうがいいって。でも、そんなこと言われたら余計知りたくなるじゃないか!

シーエルフって本当に何なんだろう?どんな音楽が好きなんだろう?僕や妹みたいな子供がいるんだろうか?シーエルフの船には玩具があるんだろうか。玩具がなかったらとても退屈だろう。

シーエルフは僕たちと同じものを食べるのかな?自分たちが乗る海蛇に名前を付けるのかな?僕だったら自分のにはダーセルと名づけよう。

シーエルフに聞けたらいいのに。手紙を書いて送ろうかな。シーエルフは手紙を書くのかな?船の上で手紙を受け取れるんだろうか?シーエルフに手紙を書こうとしたら、お母さんは怒るだろうけど、気になって仕方がない。シーエルフの肌は本当に青なの?きっと綺麗だろう。全員が悪人なのかな。優しい人もいるんじゃないかな。

シーロード・ナロスからの命令Orders from Sealord Nalos

ドレッドセイル艦隊の船長

船員を集合させ、ヴァスティルの街を大艦隊で襲撃する準備をせよ。捕虜たちは目立った弱点を明かしていないが、我々の数なら防衛部隊が反撃を展開する前に街を制圧できるだろう。

ファイアソング・サークルの援護には期待するな。アークドルイド・オルレイスはドルイド議会で我々が協力したことへの返礼として力を貸すと約束したが、あの女は我々の襲撃前にストーンロアの種を探したいと言っている。俺は待ちたくないし、正直言ってあの女は信用できない。

シーロード・ナロス

シストレスのワインWines of the Systres

ワインとスピリッツの愛好家にして地域情報の専門家メリニー・アグナンによる、シストレス諸島のすべての島において最も豪勢かつ独自色豊かなワインについての解説

ハイ・アイル

ハイ・アイルの気候と等級は、素晴らしいワインを発見するのにとても適している。私はハイ・アイルで低品質のワインを飲んだことがないが、以下に記すワインを探すことを勧める。これらは特に独特なワインなので、諸島を回る旅の価値を大いに高めてくれるだろう。

リーダーズライズ・レッドブレンド

ハイ・アイルで支配的な名家たちによる提携の成果であるこのレッドワインブレンドは、モーナード家のブドウ園のブドウを使い、デュフォート家の職人によって製作された樽で熟成される。このビンテージの創造は、二つの貴族の家の友好の時代を象徴するものだった。このワインは深みのあるボディと微かな温かみを持ち、夏のワインとして完璧である。デュフォート家の賓客はしばしば、ハイ・アイルのひまわり畑を見学中にこのワインを供される。

アルバトロス・カベルネ

アルバトロス騎士団の団員であるルドヴェル・ガマシェ卿は、キャンプファイアを囲んで伝説を語り聞かせる際のお供に完璧なワインを生み出した時、伝説の騎士の地位を獲得した。このワインの豊潤な風味は飲む者を香り豊かな冒険へ連れだし、騎士を目指す者は冒険の味を心に刻みつけるため、このワインをワインスキンに入れて旅に出ることで知られている。

デュフォート・シンギュラーアンバー

デュフォート家によって開発された、希少なスペシャルブレンド。ピーチやチェリーなどに由来するまろやかな舌触りと紅茶のような風味に、甘くならないハチミツが垂らされる。第二紀571年のビンテージは最も人気が高く、市場にほとんど残っていない。その年のボトルを見つけたなら、強くお勧めしよう!

揺るぎなき者のシャルドネ

揺るぎなき邸宅で、バカロ卿の慈善パーティーのために開発された。この単体で飲むためのワインは非常な人気を博したので、シストレス諸島中の宿屋に複数の樽が輸送された。驚異的にバランスの取れた味と、豊かな黄金の色合いを実現したことで知られている。

ガレン

ガレンに足を踏み入れるハイロックやシヴァリング・アイルズの貴族は少ないが、この島はそれでも素晴らしいワインを生産する。

ストーンロア・ゴラップルミード

シストレス諸島中で、ドルイドは数えきれないほどの年月、あらゆる種類の果実やベリーをフレーバーにしてワインやミードを作ってきた。しかしガレンにおいて、ストーンロア・ドルイドの強力なゴラップルミードはドルイド以外の住民の間でも人気がある。噂によるとエルダータイドのケルプミードのレシピが存在し、それはさらに美味であるとされているが、これを味わったことのあるブレトンは存在しないため、ゴラップルミードと比較することはできない。

モーナード・レッド

この濃厚なワインを味わうのは、もはやヴァスティルだけではない!モーナード家のワイン業者は芳醇で味わい深いワインを開発し、常に進化を続けている。この進化の理由はステファン・モーナードにあるとも言われている。彼はドルイドと親交が深く、モーナードのぶどう園はおかげで不当な有利を得ているとのことだ。ここまで美味しいワインができるなら、そんなことを誰が気にするだろう?

アメノス

アメノスのワインについては、できるだけ言及しない方がいい。

イフェロン

私自身は以下に記すワインのどちらも味わったことがない。ドルイドを除いて、イフェロンに足を踏み入れた者はごく少数だからだ。とはいえ、私は何人かのドルイドに話を聞く機会を得た。彼らはファイアソング山のふもとで育つぶどうのワインが極めて独特であるという点で意見の一致を見ている。

スモークスパイス・ブランデー

ワインや古い樽から蒸留された、この濃厚なアルコール飲料は煤のように黒く、加えられたスパイスによって深く豊潤な風味を得たらしい。その複雑性を理解するには、味わって飲むしかない。

アッシュ・ホワイト

煙と灰をファイアソングは歓迎している。この蒸留に使われる穀物は蒸留する前に自然に燻され、濾過され瓶に詰められる前に、島の火山の裂け目によって長く樽で熱せられるという。味は豊潤で深く、煙の匂いがするようにも思われる。賛否は分かれるかもしれないが、とても個性が強い。

シストレスの歴史:ヴァスティルSystres History: Vastyr

グウィリム大学上級講師、ヴァロナ・ヴェドラル 著

集落はドルイド王カソレインの時代以来、ガレン南端の海辺に位置している。丸石が密集した近代都市ヴァスティルの地下で行われた採掘により、ドルイドのトンネルや古代の掘っ立て小屋、ドラオイフェの儀式場、シニストラルの戦争野営地、ソードシンガーの試合場、さらにはスロードのスライム飼育場の明らかな痕跡まで見つかっている。

今日の我々が知っているこの街は、諸島最北の島の宝石のような海辺に、ほんの最近付け加えられたものだ。ゴンファローネ湾は男爵提督オロによる船舶建造の中心地としての名誉を(正当にも!)得ているが、ガレンの広大な密林は、全旗海軍の船大工たちにとって無視できない魅力を放つ宝の山だった。

何世紀も本土からの統治を受けたことで、ハイ・アイルではゴンファローネ湾の北岸から、平民が雑木林を管理する伝統的なシステムが出来上がっていた。それに対して、ガレンはドルイドのサークルたちが何世紀も費やしてその聖地としての威厳を保っていたため、実質的に手つかずの原野であった。第一紀2240年頃、男爵提督ベンドゥ・オロとその部下たちは船舶建造にさらなる力を入れた。スラスへの襲撃に備えるため、ガレンの緑野とドルイドたちが艦隊の成功に不可欠だと確信していたのだ。物資はあらゆる港から本土に届けられていたが、ガレンにある未開発の資源は無視できるものではなかった。

フォルヴス・ネルヴィロの覚え書きには、「提督のブーツは泥に浸かり、残った我々は波に乗った。ドルイドの評議会には使者を送っていたが、砂を歩く間、浜辺には誰もいなかった。彼が振り返ったので、松明の光の下でにやけた自信のありそうな顔が見えた。船長は向き直り、立ち尽くして待った。一晩中待ったように思えていたが、突然浜辺の反対側で焚火が灯された。ドルイドが来たのだ。三つのサークルが全て、数百のドルイドがいた。指導者は交渉に来たのだが、オロが勝ったことはもうわかっていた」と記されている。

全旗海軍の港と造船所として機能していた初期の時代以来、ヴァスティルではブレトンとドルイド文化が混ざりあっていた。この街は常に立石の群と八大神を崇拝するための空間が同居しており、真の道についての繊細な議論は、港沿いの酒場でも、貴族のゴシップや詩人の歌の中でもさかんに取り交わされていた。

ヴァスティルが本当の意味で自立したのは第二紀初期、モーナード家の財産が増大を始めた頃だった。中傷と賄賂、暴力によりファネ・モーナードはシストレス諸島の地方統治官の地位に上り詰めた。この一族の主な関心はハイ・アイルの豪邸やアメノスでの採掘事業だったが、一族の中の多くの者は、ファネの母ドロナのおかげで、ドルイド文化との強い結びつきを感じていた。

ドロナはウィルドと緑に深いつながりを持っていたと言われており、家族に対してドルイドのためにも一族のためにも、ヴァスティルに投資するべきだと力説したのである。

モーナードの金貨の価値が証明されたのは、数百年後に「群れる嵐」が街を襲撃した後のことである。帝国の凋落はタムリエル中に混沌を生み出した。シストレス人たちはタムリエルの民にも劣らぬ苦境にあえいだ。支配者になろうと目論む者や、王を僭称する者たちが百年の間に六度も諸島を襲撃したからである。第二紀365年におけるヴァスティルの陥落は、この島の歴史の中で最も凄惨な瞬間の一つだった。街の半分が破壊され、市民の大半は野へ追われ散り散りになった。

後のルッフェ・モーナード公爵は独裁を非難されたが、彼の祖先は再建者にして新たなヴァスティルの守護者であるとして尊敬を集めた。ベルニクは攻囲の後何十年もの間「街の母」として知られるようになった。モーナードの各領地から流れる金貨と支援物資により、街が立ち直り、世界の中に新たな地位を占められるようになったからである。ヴァスティル湾のどちらの終端にもある高い壁や、今では街の景色の中心となった広大な邸宅は、この時代の名残である。

ナハテン風邪とランセルの戦争という二つの災害の後、モーナード家は傷を癒し将来の計画を練るため、ヴァスティルへ退いた。この近代都市はハイ・アイルとドルイド、そして本土の文化のるつぼとなっている。世界中からやって来たアイデアが街の門から流れ込み、ドルイドの産品は街の壁を越えて海に出て、大陸中の顧客へと届けられる。

ヴァスティルはガレンの自然の端にあって、常に「文明的な」文化の足掛かりであり続けてきた。多くの世界、多くの文化、多くの約束を持つ街なのだ。

シストレスの歴史:補遺Systres History: Addendum

グウィリム大学上級講師ヴァロナ・ヴェドラルによって発見され翻訳された、あるドルイドによる文書

第一紀2484年のファイアソング山の噴火は、アメノス、ハイ・アイル、ガレンの主要な集落すべてを完全に破壊するか、居住不可能なレベルで損壊させた。今日でもシストレス諸島の学者や歴史家の多くは騎士や貴族の行いを扱っており、その後に続いた「緑の時代」についての我々の理解は、主に二次的な歴史資料を基にしたものである。

以下に記すのは、第一紀のストーンロアがいた場所の採掘により発見された複数のドルイド文書を、私ができる限り再構成して翻訳したものである。私とディーン・へラドレンに同行して諸島へ向かった学生たちには、これらの希少な断片の回収を助けてくれた功績を感謝したい。

最初の記述は、噴火が始まった直後に記されたもののようだ:

「今日はまた空から灰が降り注ぎ、(彼らの)骨の熱が、石が海と出会う場所へと流れた。私たちはまだ動ける者たちを集め、(解読不能)ができる(安全な場所)に移動した。私たちの中には、街の絹や船の革を身に着けた人々は追い返せと言う者もいたが、アークドルイドは聞き入れなかった。こうして私たちはファイアソング山の歌が下の大地を揺らせている間、できる限り多くの人々をかくまった」

2つ目の記述は噴火が弱まってから数ヶ月後に書かれたものらしい:

「ベリーは豊富だ。私たちの(真の道の魔術)により、木々の葉が戻り、茂みが実をつけることができた。これで私たちの枝の下に隠れる者たちも、島中の揺れに耐えて安全にしていられる。私たちはできる限りのことをタムリエルの民に教え、彼らもまたその返礼として私たちに教えを与えてくれた。ドルイド(判別不能な名前)はウェイレスト出身の男を夫として受け入れた。新しい親族を得て、私たちの絆は強くなった。この災害では多くが失われた。私たちは、これが種を蒔く者の予兆ではないかと恐れた。だが今日は、新しい命が灰の下から芽生えたようだ。緑よ、感謝します」

3つ目の記述は1年か2年後のものだ。この文書は経年による劣化が激しく、その意味の多くは同時代の作品に基づいた私の推測である。学術論文でこの文に言及する際は、その点を考慮してもらいたい:

「すべては(時間の無駄/嘘)だった。(よそ者?)は(諸島/イフレを尊敬)しない。彼らは私たちの贈り物を受け取っておきながら、(ドルイド・サークルの)目に唾を吐きかけるのだ。いつか夢は(実現?)し、私たちは世界の中に自分たちの居場所を獲得するだろう。そのことは石の中にも、我らの心と魂の中にも見えている」

参照のために言っておくが、ここに含まれている文書はすべて、元々は軽石とダークウッドを組み合わせた板に記録されていた。石には印が刻まれており、木にはこの地域のベリーブラッド・インクが使われていた。こうした遺物は要請に応じて大学の保管庫で閲覧できる。

シストレスの歴史補遺:ガレンのドルイドSystres History Addendum: The Druids of Galen

グウィリム大学上級講師、ヴァロナ・ヴェドラル 著

シストレスの歴史の本文でディーン・へラドレンが論じたとおり、ドルイドは諸島についての我々の理解を形成するために決定的な役割を果たしてきた。ガレン島はハイロックから最初の離散以来、真の道の中心であり続けてきた。口承によれば、ガレンはドルイドたちが第一紀330年に初めて上陸した場所である。

脇道にそれるが、とても学問的な題「ガレンのドルイド」は、この一般に真理とされる出来事に由来するのだろう。自分も歴史的先入観の罠に陥ったことがある学者として、このことを記すのは単にいきさつを説明するためである。

ガレン初期の時代がどのようなものだったか想像するのは難しい。ディレニに支配された本土での生活とは劇的な対照をなす、美しく感動的な体験だったことは疑いない。ついに自らの信仰を追及する自由を得て、緑の限りない優しさを与えられた最初のドルイド使節たちは、この島を楽園へ作り変えた。多くの伝説的な力の場や、深い森をさまよう独特な獣たちが現れたのは、ドルイド移住の初期の時代だった。

最後のドルイド王カソレインは、この時期の安定と成長の立役者であった。現代の記述ではドルイド王が観想的な立場の存在とされ、信者たちを遠くから見守り、どうしても必要な時を除いて介入しなかったと言われる。しかしそれでも、王は魔術と世俗の資源を大量に費やし、ドルイドたちの新たな故郷を補強した。キメラやフォレストレイス、その他のガレンの古代の石にまつわる奇妙な現象についての現代の記述を読むだけでも、そのことは明らかだろう。

ドルイド王の死は謎に満ちており、単に王は引退してシストレスの奥地に退いたと述べている記述もある。そうした記述によれば、ドルイド王は穏やかに逝去し、民には変わらず称賛され崇拝されたが、民から離れ私的な生活にいそしむことを許されていた。別の記述では、何か暴力的で忌まわしいことが王の支配を突然終わらせたことになっている。大挙してハイロックに帰還し、かつての圧制者を打ち倒すよう扇動したドルイドがいたのだろうか?文書の記録は少なく、口伝には対立する内容が多いため、確実なことは永遠にわからないかもしれない。

ドルイド王の死に続く数世紀の間、深き森は不可侵の領域だった。第一紀660年のシニストラルの襲撃は当時の物理的な記録の多くを破壊したが、ドルイドたち自身はその多くがいわゆる「レフトハンド・エルフ」の侵略を生き延びたようである。ガレンの奥地に退くことで、カソレインの子たちは侵略者に対して強力な防衛線を張ることができた。

ディーン・へラドレンは第一紀668年のファイアソング山の噴火が、何らかの仕方でレッドマウンテンの災害と関係していると示唆するが、私はドルイドたち自身がイフェロンの火山を活性化させたかもしれない証拠を見つけている。確かに爆発の際はドルイドたちも死んだが、ガレンの中心である彼らの聖地はほぼ無事だった。それが偶然ではなかったことを示す証拠は豊富にある。

ドルイドの統治評議会であるドラオイフェは、何世紀も後の全旗海軍の形成へ公的に参加することはなかったが、私はドルイドたちが海軍と船に乗ったことを示す当時の記述を複数発見した。彼らはスラスへの旅路で天候を鎮め、道案内をする役割を担ったが、大陸を沈没させるにも一定の役割を果たした可能性がある。とはいえ、それは残された乏しい資料に基づいた、私の単なる推測であることは断っておかなければならない。しかし明らかなのは、海軍の負傷者たちが男爵提督オロの帰還に際して、ドルイドの癒し手たちによる大規模な治療を受けたことである。

ドルイドの信仰とその治癒の能力は、第一紀の終わり近くに二度目のファイアソング山の噴火が起きた時、再び注目を集めた。残された地域の貴族と本土の公爵たちはシストレスの平民が飢え死にしても何とも思わなかったが、ファイアソングとエルダータイド、そしてとりわけストーンロアのサークルたちは島中に人員を展開させた。彼らは火山から飛び散った炎を消し、家を失った者のために避難所を築き、火傷を治療し、避難民たちを養うための新たな作物を育てた。

「ヴェイルテ」、「ドライ」、「ゲイテ」といったドルイドの言葉がシストレスの民の間で一般的に用いられるようになったのは、「緑の時代」として広く知られる、歴史のこの時期に由来している。これはドルイド史の中で最も活発で、協力的な時期の一つを印づけるものであり、真の道のすべての成員が自らの聖地と深き森を離れ、友人や隣人、家族たちの生存を助けた。

こうして我々は最近の歴史に行き着く。シストレス諸島の所有権がグイマルド家から、様々に姿を変えた帝国、ブレトンの金貨男爵、モーナード家へと移り変わり、現在のダガーフォール・カバナントとデュフォート家による半独立の状態へと、終わりなき変遷を遂げた時期である。これらの変化の間ずっと、ガレンのドルイドたちは古代の伝統を維持し、遠く離れた地にある黄金の会計事務所で文書が交わされたことなどほとんど気づきもしなかった。諸島を管理する貴族の大半はドラオイフェに評議会を開かせておくのを妥当とみなし、必要な時を除いて介入しなかった。特に部分的な汚名を被ったモーナード家には、ドルイド・サークルを認容してきた長い歴史がある。

実際のところ、どちらのグループもガレン島の二重の物語を象徴している。片足はしっかりと過去に根ざし、もう片足は不確定な未来の砂地を踏みしめている。

しなやかな妖精A Lissome Sprite

ガレンの詩人、ニネル・ドゥマリス 作

しなやかな妖精の軽やかな笑い声が
見守る木々を通り抜けてさまよい
秘密の喜びをたたえて、石と小川に口づけをする
それは他の者に見えぬ愛の触れあい

麗しき緑の丘の向こう、立石が
遠い昔の聖なるドルイドの夢を覚えている
この陽気な妖精は、誰にも見られずアイビーヘイムの
玉座に姿を現し、海辺に留まる

陽気な妖精の笑い声が私を呼ぶ
日々の仕事への没頭から引き出されて
私は作業を止め、自由に踊る
太陽に浸された峡谷の、聖なる霧の中で

私はガレンを歩く、独りで
森や丘、海への想いだけを胸に抱えながら

タムリエルの城への案内A Travel Guide to Tamriel Castles

アスティニア・イサウリクス 著

私がここに大いなる喜びをもってお届けするのは、旅へのはなむけであり、探検への誘いであり、普段の生活から抜け出て世界を見ることへの気軽な招きである。これはタムリエル全土の独自で恐ろしく、血と栄光に浸った主な城十選を論評したものだ。私は旅の間に、これらの魅惑的な建物であなたと出会えるかもしれない!

ウェイレスト城
おそらくタムリエルで最も有名なウェイレスト城は、第一紀の初期からストームヘヴンの中心地、すなわちブレトンの中心地に立っている。この城の最大の特徴は、街だけでなくその先の地方までも見通せる巨大な尖塔である。ガードナー家によって建設されたこの城は古典的な石造の砦として、以降数百年の間、貴族たちの家屋の基準を決定してきた。

モーナード城
シストレス諸島最北の島の街、ヴァスティルの深水港を見下ろし、広大な複数の棟を有するモーナード家の城塞は、この街の心臓であり魂であると言えるだろう。ある意味で、モーナード城こそがヴァスティルなのだ。「群れる嵐」による第一紀365年の攻囲の後、急遽再建されて出来上がったこの城は、「ヴァスティルの母」と言われたベルニク・モーナードにふさわしい記念碑でもある。彼女の遺産は広大な石壁のカーテンと、海側の丈夫な防波堤の中で存続している。

ソーン城
ソーン家の奇妙な伝統については噂が絶えないが、祖先からの家の壮麗さは否定しがたい。中央には巨大な尖塔がハーフィンガル山脈のふもとから突き出し、その同心円状の壁には、それぞれミナレットが添えられている。私は信頼できる情報筋から、一族が城の公共の空間の見学を許可しているが、朝限定であると聞いている。だから早い時間に訪れて欲しい。

アリノール宮殿
サマーセットのハイエルフには息をのむような古代建築の伝統があり、アリノール宮殿は数千年の時を遡る王族の系列を代表する。この城は複数の大きく風通しのよい部屋を基礎とし、その上に空高く伸びる尖塔が築かれている。実はそもそもこの本を書くアイデアを私に与えたのは、アルドマー評議室の巨大な窓壁だった。

エボンハート城
エボンハートの街の中心部にある城は美しくも恐ろしい古い石の建物であり、アッシュマウンテンのふもとで狩りをするクリフ・レーサーのように鎮座している。ダークエルフの宗教的恍惚とトリビュナルへの崇拝は、訪問者を困惑させるような建築上の選択を生んでいるが、その結果作られた三重尖塔の、古風ではあるが雄大な輝きは誰もが認めるだろう。

スカープ砦
オルシニウム砦とも呼ばれるこの広大な石の建物は、オーク王の権力の座である。今では廃墟となった古代都市、旧オルシニウム中心部の王宮を元として作られたこの近代建築物は、昼夜を問わず炎の輝きと笑い声、そして饗宴に満たされている。洞窟のような大広間に足を踏み入れ、この広大な空間を挟み込む巨大な石の柱を見上げる時に感じる畏敬の念は、決して忘れられないだろう。

ナヴィール城
遠く離れたハイ・アイルに立つナヴィール城から無秩序に広がる大地は、ほとんど目を疑うほどである。緑豊かな野生の花畑が、ドルイドによって世話された古代の森へと続いている。城自体は古典的なブレトン風の驚くべき建物であり、デュフォート家が居住している。私は年に二度行われるサファイアトーナメントの最中に訪れることができたが、騎士のチャンピオンに観客が送る声援の轟きを聞くことほど、血をたぎらせるものはない。

レイヴンウォッチ城
リベンスパイアー北の山脈のふもとにそびえるレイヴンウォッチ城は、このリストに載っている他の場所の壮大さに比べると、少々控えめなように見えるかもしれない。それは間違いだ!このブレトン建築の古典的な代表作は保存状態が完璧で、レイヴンウォッチ家の者たちはこの歴史的価値の高い建物を見学する際に、素晴らしいもてなしを提供してくれる。特に、城の地面の下を通る洞窟のような霊廟を探検することを勧める。

レヤウィン城
タムリエルの古代の建造の中から一番のお気に入りを選ばなければならないとしたら、私はレヤウィン城を選ぶだろう。ブラックウッドの入口にそびえるこの美しいインペリアルの建物は、壮麗な城に求めるすべてのものを備えている。頑強な円形の塔、空高くまで伸びる大広間、四方八方に広がり、街を見下ろす主砦まで通じている廊下。見事だ。このニベン下流の宝石に行く機会があったら、ぜひとも逃さないように!

ブルー・パレス
西スカイリム、ソリチュードの中心から大きなアーチを広げるブルー・パレスは、この大陸で最も独自の建物かもしれない。訪問者はとてつもない大きさの外壁を越え、広大な階段が二つある印象深い入口の間に入る。この豪勢な城は、この地域のノルドの荒々しい評判にはそぐわないように思える。しかし実際のところ、この美しさは見せかけにすぎない。ブルー・パレスは最も苛烈な攻囲にも耐えられるようになっており、帝国式の舞踏会場では貴族の美を示しつつも、戦争への備えを万全にした砦である。

以上だ!親愛なる読者たちよ、この本があなたの出発点から目的地へと向かう長旅の、ささやかな楽しみとなってくれれば幸いである。街道から離れないように。そして、キナレスがあなたの旅の無事を保証することを祈ろう!

ドルイド・セナの最後の記録Druid Senna’s Last Account

ファイアソングは私たちを殺しに来た。これはドルイド・セナの最後の記録になるかもしれない。私の最高の作品ではないかもしれないけど、死の手紙に多くは望めない。

ファイアソングが襲ってきた時、私はとっさの反応で、哀れな友人や家族と同じ運命を避けられた。私は彼らの命が消されるのを、岩陰に隠れながら見ていた。ファイアソングは私の隠れている場所にじわじわと近づいてきた。武器を抜き、炎を高く掲げて。だがとても奇妙なことが起きた。

私たちも皆知っている霊魂の塵が、谷間を越えて分厚い幕のようになって降りてきたのだ。塵はファイアソングに落ちかかり、彼らの姿は霧に包まれた影と化した。ごく短い間苦悶の声が響いた後、彼らの武器はそばに落ちた。床に倒れて深い眠りについたのかと思ったが、彼らは滝に向かって歩いていき、視界から消えた。その後彼らがどうなったのかは知らないが、不気味だった。

塵は私を囲んでおり、動物たちもそこら中を徘徊している。私は生き延びられないかもしれないが、この記録は残したい。誰かに起きたことを伝えたい。クロニクルを守らなければ。クロニクルは私たちが何者かを教えてくれるのだから。

ドルイドたちの脱出Exodus of the Druids

ストーンロア・サークルのドルイド・ローレル 著

ドルイドの教団はハイロックで生まれ、その地を愛したが、ハイロックでの生活は最終的に彼らへ耐え難いものとなった。イフレを崇拝するドルイドは第一紀330年にハイロックを去ったが、それが徐々に敵意を増すディレニ王朝に追われた結果なのか、ドルイドたちが自ら出て行ったのかは不明である。私の調査によれば、動機はどうあれドルイド王カソレインが移住の旅を計画し、ドルイドたちに船を育てさせ、それによってついに本土から脱出できたようだ。

ドルイドの伝説や口承が伝えるところによると、この海に浮かぶ船はイフレと緑による特別な贈り物であり、夢の中でドルイド王に与えられたものである。王はドルイドたちにこの船を生み出す歌を教えた。その歌はハイロックの植物や木々を、正確に決められた大きさに成長させられたのだ。残念ながら、この船を作る秘密は時の流れによって失われてしまった。

今存在する三つのサークルに分かれる以前、ドルイドの本来の共同体はどれほどの大きさだったのだろうか?私には推測しかできない。真の道を信奉する者は百万ほどもいたと主張する長老もいるが、数千だとする者もいる。いずれにせよ、ドルイド王は民をディレニから逃れさせるため多数の船からなる船団を必要とし、出発する準備が整うまでこの計画を秘密にしておく方法を考えねばならなかった。残っている物語によれば、ドルイド王は成功したことになっている。最後の戦いや危機一髪の脱出はなかった。ドルイドたちはディレニに気づかれることさえなく、ある夜、ただ姿を消したようだ。

さて、タムリエル西の広い海に出航することを想像して欲しい。当時、タムリエルの民による長い航海は行われていなかったし、海辺が見えない場所を航海する船もほとんどなかった。しかしドルイドたちは新たな故郷と呼べる場所を探そうとしていた。ドルイド王によって約束された地を。伝説によれば、ドルイド王は夢とイフレの囁きによってシストレス諸島へ導かれたが、民には王が未知の海を越えて自分たちを安全に運んでくれると信じる根拠があったのだろうか?

ハンマーや釘で作られたのではなく、生やされた奇妙な船の一団が、海辺から出航していく様を思い浮かべてもらいたい。実に異様な光景だったに違いない!ドルイド王が船団をどうやって離れ離れにならないようにしたのか、完全にはわかっていない。船を導く海図のようなものを持っていたのだろうか?確実なことは永遠にわからないかもしれないが、最近の発見が示すところ、少なくとも1隻のドルイド船が諸島にたどり着けなかった。嵐やその他の障害で遭難した船がどれだけいたのかは不明だが、たどり着けなかった船が1隻あったなら、おそらくそれ以外にも沈むか遭難するか、他の原因で姿を消した船がいたと思われる。

結果として、ドルイド船団の生き残った船はシストレス諸島の海辺にたどり着いた。最終的にドルイドたちは諸島の全土に広がったが、船団が最初に上陸したのはガレンだとされている。イフレの導きで我々はこの島々にたどり着いたのだが、ここの自然は無秩序だった。ドルイド王と民は最初の季節をかけて自然に秩序を与え、この地を維持する助けとするため霊魂を召喚した。素晴らしい時代だったに違いないのだが、とても多くの情報が失われてしまっている。

私はドルイド王カソレインの時代の生活についての探索と調査を続けるつもりだ。ドルイドの失われた歴史について、さらなる解明を試みたい。

ドルイドのモノリスThe Druid Monoliths

高名な学者にしてあらゆる文化の学徒、イグナティウス・ガレヌス 著

これはシストレス諸島のドルイドの島を旅した記録である。

私は冒険を続け、ガレン島へ流れ着いた。ここの一部しか見ることができていないが、ドルイドの大きな石の記念碑がまず目についた。彫刻とエッチングでわずかに飾られているが、意味は推測するしかない。石の柱は、どんな祠や聖堂よりも強力な何かを発していた。

こうした巨大な石を装飾する時、何をすべきだろうか。最初のモノリスにあった螺旋のパターンは肥沃の象徴だと思われる。自然が循環する性質と、季節に対するドルイドの考えを示している。円と曲線は、ほとんど官能的にも思えるほどだ。

他にもエッチングとして、環のパターンで重なり合っている同心円がある。この彫刻は、発せられる力と解釈すべきだろう。属性の力と、自然の力を組み合わせればいかに強力になるかを例示している。率直に言うと、この簡素だが意義深いデザインに秘められた情報には驚かされる。

疑問に思っていることはある。刻まれ飾られたこうした巨大な石には、メッセージが含まれているのだろうか?それとも単に美学の問題で、見たものに喜びを与えようとしているだけか?宗教的意義があるのか?話したがるドルイドを探し、強力なモノリスの意味を説明してもらわねばならない!

何人かのドルイドが、私のモノリスに対する意見を聞いてくれた。その視線からは多くのことが読み取れた。会話はかわされなかった。彼らは首を振るだけで、私が熟考するに任せた。

ドルイドがここで作りだしたのは、何とも際立って魅力的な文化だ。

ドルイドの葬式:イフレの断片Druid Funerals: A Piece of Y’ffre

エルデンルートのアレネス 著

シストレス諸島に住むドルイドがいるという話を最初に聞いた時、私は彼らに会わなくてはならないと思った。タムリエル中の他の民も私たちと同じように木々へ囲まれて生活することを好むことは知っているが、ドルイドの生き方について聞いた物語は、なぜか私の心に残っていた。最近、私はイフレから離れていると感じていた。もしかしたら、新たな視点を開くことでイフレの抱擁に戻る道を探す助けになるのではないかと思ったのだ。

ガレンへの旅は簡単だった。難しかったのはドルイドを見つけることだ。結局ある宿の主人の助けを借りて、ストーンロア・サークルのメンバーであるタイラと会うことができた。彼女は最初から親切だった。私が故郷から遠く離れて、とても居心地が悪かったことを見て取ったのかもしれない。

私は持っていたわずかな金貨を差し出して、この辺りの案内をしてもらうか、あるいは彼女の仲間たちについて話してもらおうと思った。彼女はそれを見て笑ったが、嘲る様子はなかった。ゴールドは彼女にとって使い道がないのだった。しかし彼女は、サークルの他の者たちに私を紹介すると言ってくれた。

タイラの村に入ると、大きな集まりが私の注意を引いた。彼らはいくつかの輪を作って、その中心に何かがあるようだったが、よく見えなかった。内側の輪には5人しかいなかった。その外側の輪には11人くらいだろうか。一番外の輪にはさらに多くの人がいた。儀式が行われていたのだ。私は折りの悪い時に来たのではないかとタイラに言った。

彼女は暖かく微笑んで、首を振った。長老が亡くなったので、あれはその葬式だったのだとタイラは説明した。自然死で、何も悲しむことはない。長老を失って寂しいのは確かだが、生は死と手を取り合って歩む。ありふれた感情だ。

私は葬式に出席してもいいかと尋ねた。タイラは困ったような顔を見せた。不安だったのかもしれない。彼女はガレンの外の生活についてある程度知っていたので、ドルイドの儀式を不快に思うよそ者がいることを理解していた。私は反射的に少しにやついてしまったかもしれない。ウッドエルフは外部の者を不快にさせる伝統に慣れている、と私は説明した。私が彼女に勝手な判断を押しつけることはないと。

集会に近づくと、私は言葉ではない低いハミングを聞いた。いくつかの音は重なり、輪になった人々の間を漂っていた。それはまるで森の中を吹き抜ける風のように、強くなっては弱くなっていた。

中央では、亡くなったドルイドが石板の上に裸で横たわっていたが、新鮮な枝と花びらで覆われていた。とっさに不快感を覚えたことを恥じている。彼らは生きている緑を育った場所から取り払ったのだ。だが私は自分に言い聞かせた――自分は他者の生き方を学ぶために来たのだ。私の信念を教えに来たのではない。それに、タイラには判断を押しつけないと約束したではないか。

レディンという名の女性が立ってグループに語り掛けていた。彼女は私に理解できない言語で話していたので、タイラが親切にも私のために翻訳してくれた。言葉を日記に書き記すのは失礼だと思ったので、レディンが言っていたことを私の大雑把な記憶からここに記しておく。

「死ぬのは正しいことです。死ぬとはかつて生きたということ。終わりは私たちに、いつも始まりがあることを思い出させてくれます。

歌い手は、この世界を流れている息吹で私たちを祝福することを望みました。その息吹から離れていくこと、それもまた祝福なのです。

私たちはこの世界の掟を知っています。命は命となり、それがまた命となる。だから私たちはエミルの死を受け止め、それを命へ返すことで彼を称えましょう」

という内容だった。レディンの声にはある種の確信があった。彼女はこれが物事のあり方だと知っていたのだ。

私は内側の輪のメンバーがローブからナイフを取り出すのを見た。彼らはそれぞれ、死者の体の一部分を切り取った。最初の女性は片目を、次の男性は耳を一つ。その後は、子供が足の指を1本取った。その女の子はいたずらっぽくもう一人の大人に笑いかけ、その大人も笑顔を返した。明らかに彼らの間の私的な冗談のようだった。おそらく死者の想い出と関係しているのだろう。

儀式は内側の輪が完了するまで続いた。その後は次の輪の人々が取り除く部分を選ぶ作業を始めた。私は見ていて落ち着かない気分になった。それはあまりにも親密だったからだ。死者の体から何を切り取るかという選択は明らかに、各人にとって何かを意味していた。私はとても個人的な決断を盗み見ていたのだ。

またしても、タイラは私を心配し出した。彼女は話をするために私の腕を取って連れ出した。

少しした後、彼女は庭の植物の茎を切る意味を知っているかと私に尋ねた。私は知らない理由を簡潔に説明した。彼女は多くの庭に植物を広げるための方法だと説明した。植物の一部を切り取り、新しい土に植える。うまくやれば、切った部分は根を生やし、新しい命へと育つ。

サークルの死者についても同じだと彼女は言った。当人に最も近しかった人物から始め、各人はその人個人にとって意味のある部分を選ぶ。選んだ部分は切り取って、それをどうするかは各人の自由だ。皿に乗せて外に置き、動物たちに食べさせる者もいる。木の近くの地面に埋める者もいる。あの子供は足指を乾燥させ、ペンダントとして身に着けるつもりだろうと彼女は予想した。

いずれにしても、部位は生者のもとに還る。動物は食事を得るし、木は栄養を得る。子供は祖父の想い出を抱えて笑い、森の中で遊ぶ。あの子供の選択は比較的珍しいと彼女は認めた。

それでも、サークルのメンバーは死者をどうやって自然の循環へ還すのかを自分で選択する。誰しも、歌い手への道を自分の心の中に持っているのだから…

私はそれ以来、この知恵についてずっと考えてきた。私なら自分のどの部分をイフレに捧げるだろう?もしかすると私の人生の目標は、自分のすべての部分がイフレに値するようになることなのかもしれない。

ドルイドの童話:シストレスのビーバーDruid Fables: Systres Beavers

アークドルイド・イレスによる語り 著

森の中である木が倒れ、シストレスのすべての動物が見に来ました。

それはビーバーとその連れ合いの仕業でした!まだ海水をポタポタさせながら海辺までやって来た彼らは、休む暇もなく川の隣にあった木を嚙みちぎったのです。ビーバーは確かに泳ぎがうまいことで知られていますが、ガレンに住む獣たちはずっと、わざわざアビシアンを越えてシストレスなんかに来る奴はいないだろうと思っていたのです。

「そんなに大きな音を立てる必要ある?」と鳥たちはさえずりました。

「その木を切り倒す必要はある?」とリスたちは鳴きました。

「川にダムを作る必要はあるの?」と狐は吠えました。巣が浸水したので、子狐を連れて逃げなくてはならなかったのです。

ビーバーたちはびっくりしました。「我々には皆と同じように、ここに家を作る権利がある!」と彼らは言いました。「でなきゃどうやって子供たちを食わせていくんだ?」

他の動物たちはぐうの音も出ませんでした。動物たちのほうが先にこの島に来て、この地に調和して生きてきたとはいっても、彼らは心優しかったので、せっかくここまで泳いできたビーバーたちを追いだすのは残酷だとわかっていたのです。狐は子供たちを連れて新しい巣を探し、鳥とリスは他にも住みつける木がこの島にはたくさんあると考えました。

「新しいお隣さんのために場所を空けてやらないとな」と動物たちは言いました。

時は過ぎました。シストレスに元々住んでいた動物たちはお隣さんのために場所を空けましたが、ビーバーたちは同じようにしませんでした。子供たちが成長すると、彼らは別の川で木を切り倒して自分たちの巣を作るため、出て行ってしまいました。

すると、ずっと前に出て行った二匹に何があったのか気になった他のビーバーたちがやってきました。彼らもまた森を切り崩し、どんどん大きなダムを作りました。シストレスの動物たちは、島を完全に追い出されるのではないかと心配になってきました。

するとある日、大地が揺れ始めました。ファイソング山が歌い出し、空から炎と灰が降り注ぎました。ビーバーたちの丈夫なダムでさえこの揺れには耐えられませんでした。ダムが決壊すると、強力な波が次のダムに送り出され、さらに次のダム、さらに次のダムへと続きました。かつて綺麗な水が流れていた場所に溶岩の川が流れ込み、まだビーバーたちが中にいるダムを焼き尽くし、あるいは煮えたぎる海の中に放り出しました。

生き残ったわずかなビーバーたちは、シストレスの他の動物たちに卑屈なほど親切にして残りの日々を過ごしました。でも彼らは、この諸島で最後のビーバーとなったのです。

何かを建てられるなら、いくらでも建てて構わないと思うかもしれません。でも自然の意見はいつも違います。自然が声を発するのは、時間の問題なのです。

ドルイドの童話:ファウンロードDruid Fables: Butterfly and Faun Lord

アークドルイド・イレスによる語り

昔、広大な森を支配する偉大なるファウンロードがいました。ファウンの中で一番強く大きく、誰も挑戦しようとはしませんでした。ロードは誰彼構わず、自分の力のすごさを自慢しました。ウサギは恐れ、狐は自分の草むらを踏んで通ってくる時に隠れていました。鳥でさえ、近づいてくるのを見ると木から飛び去っていきました。

ある日、ファウンロードはすべての動物を、霧の立ち込める高い山のふもとにある崖に集めました。声が動物たちの上に轟きました。

「俺はこの森で一番強い生き物だ」とファウンロードは誇り高く宣言しました。「誰も俺を倒せる奴はいない」

動物たちは全員、同意するようにうなずきました。

「俺が常にこの森を支配するんだ」とファウンロードは続けました。

別の声が割り込みました。「私も強いわよ!」

ファウンロードが振り向くと、近くに小さな蝶が浮いていました。蝶は絶えず羽をパタパタさせていました。

ファウンロードは嘲笑い、手を振って蝶々を追い払おうとしました。

「お前はこの森でも一番無力だ、消え失せろ」と王様は言いました。

「そんなことはないわ!」蝶は退きませんでした。「今すぐあなたを倒すこともできるのよ!」

何匹かの動物が笑いました。他の動物たちはその大胆さに驚きました。ファウンロードは唸り声を上げ、蹄を地面に食い込ませて蝶に向き直りました。

「ならやってみろ!ひねりつぶしてやる!」と王様は叫びました。

他の動物たちは蝶がファウンロードに向かって飛んでいくのを見て恐怖しました。ファウンロードは蝶を捕まえようとしましたが、蝶はとても素早く、羽を揺らして崖の端っこのほうへ飛んでいきました。ファウンロードは蝶を追いかけ、手を右に左に振り回してつかみ取ろうとしました。

蝶は毎回、爪をぎりぎりのところで避けました。蝶は風に乗って優雅に飛びまわり、ファウンロードをてんてこ舞いにさせました。ファウンロードはイライラして唸りました。

「こんなことで俺を倒したつもりか」とファウンロードは言いました。「単なる嫌がらせではないか!いつまで続けるつもりだ!こっちに向かってこい、虫けら!」

そこで蝶はファウンロードの鼻先に止まりました。

ファウンロードは驚いて瞬きしました。あまりに驚いたので反応できなかったのです。ファウンロードは息を吸い込み、激しいくしゃみをしました。その力がとても強かったので、崖から転げ落ちてしまいました!

蝶はファウンロードが崖から消えると同時に、何事もなく飛んで戻ってきました。動物たちは喝采をあげました。

自然は予測がつかないものです。一番小さな生き物でも巨人を倒せるのです。小さな火花が山火事を引き起こすこともあります。イフレの領域には、軽く見てよいものなどありません。強い者は決して傲慢になってはならないのです。

ドルイドの童話:誇り高きファウンDruid Fables: The Proud Faun

アークドルイド・イレスによる語り

ファウンは森で最も賢い獣でした。その蹄は素早く軽やかで、滑り落ちることも地面に足をつけることもなく、岩から岩へ飛び移ることができました。毛皮は滑らかで輝いていました。二本の角は美しく曲がり、完全な左右対称になっていました。ファウンはそういうことを全部知っていました。そして、自分の頭がいいことも知っていました。森の他の獣たちを簡単に言いくるめて、従わせられることも。そして波の上に泡が集まるように、すぐ考えをまとめられることも。

ある日、ファウンは茂みを跳ね回っている時、罠を踏んでしまいました。突然ミシッという音がして、罠が蹄に巻きつき、締めつけました。驚いたファウンは罠にかかった蹄ごと足を蹴りだし、絡まって森の地面から少し離れた位置にぶら下がってしまいました。

ファウンはもがき、力強い足で蹴りましたが、ロープはしっかり食い込んでいました。バタバタと身をよじると、ロープはファウンがとても誇りにしていた美しい巻き毛に絡みつき、引きちぎってしまいました。ファウンは宙ぶらりんになったまま、涙を懸命にこらえました。

森の動物たちの中でも一番小さく静かな蛇が、ファウンのすすり泣きの音で目を覚ましました。「ファウンさん、どうしたの?」と蛇は尋ねました。

蛇が近くにいたことに気づいていなかったファウンは、すぐ我に返りました。「別に何でもないのだ、蛇よ」。毛皮も蹄もない獣に弱みを見せるなんて、ファウンのプライドが許さなかったのです。

「空中にぶら下がっているようだけど」

「そうしたかったのだ。昼寝をしようと思ったが、地面ではゆっくり休めなかったのでね」

「足首のあたりにロープがあるけれど」

「あるに決まっている。他にどうやって自分を高く持ち上げるのだ?お前の弱い頭では理解できないだろう」

蛇はもう一度だけ尋ねてみました。「降りるのを手助けしたほうがいい?」

「助けを借りてどうなる?お前には手も蹄もないじゃないか。たとえ助けてもらおうと思っても、お前には助けられないだろう」

「そうか。それなら、私はもう行くよ」

ファウンは蛇が去っていくのを見ながら、自分のプライドと必死に戦っていました。近くに他の獣は見えないし、吊るされているおかげで目がくらみ、苦しくなっていたからです。ほとんど考えることもできませんでしたが、何かしなければなりませんでした。

「蛇よ!」ファウンは叫びました。

「何だい?」、と蛇は答えます。

「もし地面にロープの結び目が見えて、それをほどきたいのなら、我慢しなくてもいいぞ」

蛇はファウンと会った時の傲慢さを思い返しながら、意地の悪い笑みを浮かべました。「でもどうしてそんなことをするのかな?ロープの結び目をほどくなんて。あなたのお休みを邪魔したくないよ」

そして蛇はファウンから去っていきました。森で一人、空中に吊るされたままで。ちゃんと助けを求めることもできないくらい、プライドが高い自信家だったのです。

ドルイドへの不当な非難Druid Scapegoats

「嵐とひまわり」におけるドルイドへの偏見の検討
エルダータイド・サークル、ドルイド・ニヴィエンヌ 著

フィービー・パジャウドはシストレス諸島で休日を過ごす恋愛好きの読者の心に訴えるため、「事実を基にした」歴史恋愛小説を執筆した。この作品から同名の歌も生まれている。この物語の目立たないながらも否定しようのない成功は、ジャコア・デュフォートによる反論と、彼の祖先の「真実の物語」の主張を呼び起こした。この作品はフィクションであり、一度たりとも実名に言及していないにもかかわらず。興味深いことに、どちらの話でも実在するエルダータイド・サークルの名が言及されている。私がこれから論じるのはこのサークルについてである。

まず、事実を確認しよう。リゼッテ・モーナードとアルノー・デュフォートは第二紀初期にシストレスに生まれた。それは二人の一族の家系図を、ナヴィール城のトーナメントの日付と合わせれば容易に確認できる。ナヴィール城のトーナメントの記録から、リゼッテ・モーナードが確かに騎士であったこと、彼女が第二紀42年トーナメントのチャンピオンであったことがわかる。注目すべきは、物語の重要な証拠の一つが見つからない点だ。すなわち、手紙である!この恋愛の記録が隠匿されたか、破壊されたのはなぜだろうか?この点は後に検討しよう。

私はモーナード側が語る物語を聞いたことがあるが、似ているのは一族の内で語り継がれてきた点だけである。彼らの物語では、アルノーの剣に毒を塗ったのがドルイドではなく、デュフォート家の弟アンデールだった。これは一石二鳥の計画だった。高貴なるリゼッテと無能な兄を一挙に始末し、ライバルの一族を弱体化させると同時に自らの一族の中で地位を確保できるわけだ。アルノーはアメノスに送られ、そこですぐ一番高い崖を探して飛び降りた。狡猾なデュフォート家は人々に愛されたガレンの娘を堕落させ殺した、不実な悪者として描かれている。

だが、モーナード側の物語でさえ、恋人たちがドルイドの介入によって追い詰められたと主張しているのは事実だ。この点についての議論はほとんど見たことがない。あるいはジャコア・デュフォートの空想的な考えについても同様である。リゼッテ・モーナードの正体が…ドルイドなのか?魔女なのか?彼はどちらとも決めかねているようだ。いずれにせよ、この物語のそれぞれのバージョンで、ドルイドは本土のブレトンにシストレスを去るよう求める、正体不明の怪物であるという感情が込められている。

これに関する私の意見は、それの何がおかしいのか、だ。ドルイドがこの島に住んだ最初の者であることを考えれば、それほど大きな要求だろうか?確かに空想的な考えではある。だがドルイドの観点からすれば、理不尽なものではない。

また、非ドルイド文化に基づいて判断できる内容でも、この二人の悲劇の恋人たちの物語の矛盾点を明らかにできると思われる。
リゼッテとアルノーが第一子であることを考えると、一方の手で他方の嫡子が事故死したのに、この家の間で全面戦争が引き起こされなかったことになる。そんな話を本当に信じてよいだろうか?

それに二人が家系図に記されている時期に死亡したのだとすれば、彼らはどこに埋葬されたのか?

そして、最後の疑問がある。対立しているにもかかわらず、なぜ両家はドルイドが何らかの形でリゼッテとアルノーの末路に責任がある点で意見を一致させているのか?

恋人たちの観点を想像してもらいたい。公的に添い遂げる選択肢はない。シストレスから一緒に逃げることは不可能であり、ブレトンがすぐに適当な見合い結婚を用意する民族であることを考えれば、どちらかが一番財布の重い金貨男爵へ家畜のように売りに出される前に、素早く手を打たねばならなかったはずだ。

ここで認めておくが、私のエルダータイド・サークルの口承の歴史では、確かにこの恋人たちの間の手紙を運んでいるし、それ以上のこともしている。おそらく我々は彼らの結婚を執り行い、ガレンとハイ・アイルから彼らを隠したのだろう。実際、シストレスには脱出不可能とされる島が存在している。

そう、私が言っているのはアメノスだ。考えてみよう。二人の家を統合させる契約が破られることがあれば、おそらく死に帰結する。つまり、彼らは自らを良心の牢獄に閉じ込めたのだ。これは彼らの家族に強力なメッセージを送りつける、優れた計画だった。

むしろ、強力すぎたと言うべきかもしれない。

第一子が共に家族の名を拒絶し、一緒になれる島から実質的に出られないよう自らを縛ったのだ。私が非ドルイドのブレトン文化について知っていることからすれば、このような事件は間違いなく破滅的なスキャンダルであり、本土にまで届く余波を巻き起こすだろう。これは生涯の敵同士が、双方の合意の上で一つの物語を作るに至るほど強力なものである。すなわち、両家の子たちは互いの手で死に、かつドルイドが彼らを追い詰めてそうさせたという物語だ。

リゼッテとアルノーについてだが、名を捨て、本土の習慣も捨ててアメノスのドルイドとしての生を受け入れたことで、長く幸福な生涯を送ったはずだ。それほど考えられないことだろうか?

私はあり得ることだと思うが、同意してくれる人は少ないだろう。

ドレッドセイルの脅威Dreadsails: Threat to the Isles

街の警備隊長殿

これを書きたくはありませんでした。ここにいる者は皆まっとうな市民だと思っていました。当然、ドレッドセイルのような海賊どもが我々の生活に及ぼす危険を承知していると。私は間違っていました。

造船所で一日働いた後、酒場〈うんざりしたオルナウグ〉に座ってエールを飲んでいた時、ダミエン・ギニーズが大きな口を開けてこう言うのが聞こえたのです。「ドレッドセイルが欲しがっているものをくれてやったらどうだ?ヴァスティルを明け渡す。俺たちはどこでもやり直せるさ」

ヴァスティルを明け渡す?あの男は街を明け渡せば襲撃が止むとでも思っているのでしょうか?奴らが欲しいのは土地ではない。奴らが港を襲うのは、ヴァスティルに住みたいからではないのです!

ドレッドセイルに区画を渡したら、奴らは軟弱と思い、我々が諦めた証と見なすはずです。ヴァスティルの路地が奴らの手に落ちたら、もう攻撃が止むことはありません。我々が全員死に、奴らがガレンを海賊の隠れ家か何かに変えてしまうまでは。

だから何があっても、ダミエン・ギニーズのような愚か者の言葉に耳を貸してはなりません。海賊の要求に屈してはいけない。そしてモーナード家を信じ続けてください。彼らは我らの街を守り、悪党どもを追い払ってくれるのですから。

忠実なる市民、クリストフ・アリエル

ドレッドセイルへの命令Dreadsail Orders

ドレッドセイルよ!

私はお前たちに安息の地を約束した。今、我らの新たな故郷への道が目の前に開けている。私はガレンの強大なドルイドと取引した。その人物が、島で我らが要塞の確保を助けてくれる。

見返りとしてその人物は敵対するサークル、エルダータイドが所持する、ある遺物の入手を求めている。島の東岸を襲撃し、その遺物を探せ。見つからなければ、捕虜を捕えて尋問し。エルダータイドのドルイドの中に、伝承の語り部がいるはずだ。探し方を知っているだろう。

俺を失望させるな。ドルイドの遺物だけで、新たな家が手に入るんだぞ!

シーロード・ナロス

ナヴィール城の騎士The Dame of Castle Navire

船乗りたちよ、集まって耳を貸せ

激しい愛の物語を話そう

私は略奪者と戦い、極寒のスコールにも耐えた

だがナヴィールでの試合で恋に落ちた

伝令の布告を聞いて、我々は遠くから来た

山の崖から、寒い海辺から

腕を掲げ、我らが愛する人を称えた

ナヴィール城の騎士となった人を

巻きついた船の綱よりもがっしりした筋肉

「戦艦の一撃」とあだ名された右手のフック

彼女はゴンファローネの路上で孤独に育ち

一度もトーナメントで負けたことがなかった

伝令の布告を聞いて、我々は遠くから来た

山の崖から、寒い海辺から

腕を掲げ、我らが愛する人を称えた

ナヴィール城の騎士となった人を

汗でもつれた髪の毛で、彼女は剣を掲げ

その切っ先をナヴィールの騎士団長に突きつけた

「私はすべての騎士を倒し、すべての試練に打ち勝った

ハイ・アイルで一番強い者に馬上試合を挑みたい」

伝令の布告を聞いて、我々は遠くから来た

山の崖から、寒い海辺から

腕を掲げ、我らが愛する人を称えた

ナヴィール城の騎士となった人を

蹄が叩く音と声援に囲まれ、二人は激しく戦った

壊れた盾は血まみれの中庭に投げ捨てられた

老いも若きも、男たちは彼女の死を恐れた

二人は激突し、我らは全員息を止めた

この老いぼれの海賊はもうずっと

涙を流したことなんてなかったが

砂埃が収まり、彼女の姿が現れた時は

海を贈れそうなほど感激した

伝令の布告を聞いて、我々は遠くから来た

山の崖から、寒い海辺から

腕を掲げ、我らが愛する人を称えた

ナヴィール城の騎士となった人を

ナヴィール城の騎士となった人を

ネリへのメモNote to Neri

ネリ、

忙しくしているようだが、本当の任務のために少しは体力を温存しておけ。

ミナヘルはあのエロリエンとラニウィスの馬鹿どもが何をしたのか、はっきりするまで閉じ込めておきたいと言っている。奴らは古いドルイドの部屋にいる。俺たちが普段、酔いつぶれたり暴れたりした船乗りを、酔いが醒めるまで閉じ込めている場所だ。シーウィッチよりも先に、奴ら同士で殺しあわないよう見張っておけ。今は奴らに、それなりに元気なまま生きていてもらわねばならん。

ミナヘルは何だか知らんが奴らが起動させたものを元に戻すため、二人を生かしておく必要があると何度も念を押している。ミナヘルは奴らの愚かさに怒り狂ったかと思えば、急に冷静になる。そういう時は、彼女に魅力を感じるよ!普段なら恐ろしい存在なんだが。しかしドルイドが不気味な儀式をしていた場所にあった古代の遺物を使ってみようと思うなんて、相当な馬鹿だな。

それはそうと、お前の新しいおもちゃに嫉妬したほうがいいか?

モリグ

バカロ卿の日記Lord Bacaro’s Journal

〈直近の記述が以下に記されている〉

当初、ハイ・アイルとガレンでの失敗には怒りが収まらなかった。成功を確実にするためあらゆる準備をしたのに。同盟の指導者たちは海で死ぬはずだったが、奴らはしぶとかった。そして魔導師は全旗の小島で奴らを仕留めることに失敗した。レディ・アラベルの勇者があの愚か者を殺していなかったら、私が始末していたところだ。

さらに奴らはガレンでの計画も阻止した。モーナード家は倒れ、私は統一されたドルイド帝国を味方につけているはずだった。そして揺るぎなき者の会を解散させ、超越騎士団に置き換えるはずだった。

魔導師は傲慢すぎたし、アークドルイド・オルレイスは臆病すぎた。他の者にまた裏切られるのはごめんだ。新たなドルイド王が立ち上がり、予言を実現して聖なる象徴を手にするべきだ。

私はこの瞬間を常に目指してきた。これは私の血の遺産なのだ。私はドルイド王カソレインの最後の生きた末裔。我が母の血筋により、ブレトンの遺産は私が手にするべきだ!私は自分が権力を集中させて計画を練っている間、しばらくはオルレイスに統治を任せてやるつもりだった。だがあの女は弱すぎた。今、私が足を踏み出さねばならないことがわかった。ルビーの玉座の腐敗に代えて、純粋なる蔦の玉座を置かなければならない。自然もそれを求めている。

王の象徴を手に入れ、ファイアソング山の真の力を目覚めさせたら、今の秩序など炎と灰の中に沈めてやる。そして灰の中から新たな秩序が立ち上がる。脆いルビーと石ではなく、絡みつき成長し、広がっていく茨と蔦、根の秩序だ。新たな緑の時代が幕を開け、古い時代の血を糧とするだろう!

ファウンズ・チケット調査メモFauns’ Thicket Research Notes

ドルイド・マデナ、ファウンズ・チケット

観察 45:
ファウンは目立たないながらも厳格な階級の下で生きている。群れはオスとメスのつがいによって率いられ、おそらく指導者のつがいに報告する副官たちを見分けられると思う。その下には食料を探すファウンや若者の世話をするファウン、危険を見張るファウンがいる。

観察 46:
すべてのファウンは明確にベリーと果物を好むが、最も若いファウンが常に、手に入る中で最も熟した食料を与えられる。これまで群れの中では見られなかった利他的行動である。

観察 47:
ある副官が群れを指導するメスと普段より長い時間を過ごしている。

観察 50:
ファウンには意識があるのか?これはガレンのドルイドたちの間で大いに議論されている。彼らは道具を使用する能力を示し、娯楽のためにゲームをする。しかしカラスも道具を使いゲームをするが、我々はカラスに意識があるとは考えない。ここでの観察を続けよう。この根本的な問いへの答えは、私の住居と海辺の間の距離くらいに、私の知性から遠く離れている。

観察 52:
ファウンたちは私の持ち物を漁り始めている。紙を踏みつけた者がいる。また別のファウンは、土に残った蹄の跡でわかるが、私の毛布めがけてわざとインクの瓶をひっくり返したようだ。この程度の被害で済んだことを喜ぶべきなのだろうが、そんな気にはなれない。毛布の染みはもう落とせないだろう。

観察 53:
指導者のオスが下剋上を狙う副官に気づいた。今夜は群れから多くの鳴き声が聞こえる。彼らの争いと議論で、私の休息が妨害されるのではないかと不安だ。

観察 60:
ファウンの戦闘における様々な戦法の図を書いた。機嫌の悪いファウンと戦う羽目になったら、彼らの蹄の威力についてより正確な予測ができるだろう。

観察 61:
狡猾な副官は群れから追放された。彼が肩を落として夜明けに去っていくのを見た。私も夜は眠れず辛かったが、あのファウンは間違いなく、それ以上に辛い思いをしたはずだ。

観察 63:
いくつかの石に警告と呪いの言葉を刻んでおいた。ファウンは私の怒りを恐れはしないだろうが、ドルイド魔術の匂いは知っている。私の住居は安全だ。今のところは。

観察 67:
指導者のつがいは宮廷での王や女王のように振る舞っている。彼らはチケットを大々的に巡回し、自分たちの優れた毛皮と、群れのファウンに対する支配力を見せびらかしている。若いファウンたちが女王に花や収穫したばかりのベリーを持ってくるのもこっそり見た。王は自分の領地を視察し、群れの安全を守るために歩哨を増やすべき場所を指図した。見事な光景だったし、彼らが複雑な階級を有しているという、私の信念を強めてくれた。

観察 70:
これは茶番だ。ファウンたちは私が観察しているのを見て、宮廷生活の真似事をしようと決めたのだ。王と女王だって?彼らは互いを好きでさえなかった。私が巡回を観察した後、「宮廷」のある若いメンバーが私のほうを向いて忍び笑いを漏らしたのに気づいた。彼らは領地を視察していたのではなく、チケット中を歩き回って、私によく見えるよう取り計らっていたのだ。

私はここに留まりすぎた。夜が明けたらすぐグリマーターンに出発しよう。ファウンたちが私をからかっていただけということにより、私の仕事はすべて台無しになってしまった。

ブレトンの遺産Legacy of the Bretons

ステファン・モーナードによる一連の考察

ブレトンとして学術を学んだ貴族であり、ガレンのドルイドと共に学んだ者として、私はしばしば自分の本当の素性について考える。要するに私はいつもブレトンであるとはどういうことか、我々の先人たちはどのような遺産を残したのかを理解しようと努めている。それ以上に重要なのは、後に来る者たちのために我々がどのような遺産を残すべきかということだ。

モーナード家の子でありブレトンである私の場合、どちらの遺産の方が大きく、今日の私を形作っているのだろう?それよりも、私はどちらの側を望むのだろう?人間でありエルフでもあるという私の二重の性質は、私の血管を流れる血に由来するのか?ブレトンは我々の歴史の初期、望まれぬ混血種と考えられていたが、我々はその暗黒時代を乗り越え、ハイロックと諸島の中核をなす民となった。だが、そのことは何を意味しているのか?私は人間か、それともエルフか?それとも合わさって新しい何かに、足したよりも優れた何かになったのだろうか?

現代のブレトンには二重の遺産がもう一対ある。騎士団の伝統と、我々が生まれ持つ魔術だ。それは我々の血の中に流れている。だがアルケインの呼び声は、我々の血筋を流れる唯一の魔術ではない。ドルイドの自然魔術は、ブレトンの出現からまだそれほど経っていない時代、ハイロックに最初のドルイド共同体が集まった後に生み出された、真の意味でブレトンが創った最初のものかもしれない。我々の魔導騎士や魔術師の魔術は独特な形式ながら、ドルイドの魔術と一定の類似を有している。呪文や儀式へ特に顕著に現れているが、アルケインが形式的な教えや魔術書に依拠するのに対し、ドルイドは自然の霊魂やイフレの神聖なる力に呼びかける。

これらすべてと関わるのは、古来よりの戦いである。すなわち、どちらの社会形態がブレトンをより代表しているのか?まずハイロックで発展し、それからシストレスに手を伸ばした騎士と城塞の家紋と栄光か、それとも自然の受容と純粋で飾り気のない生への呼びかけか、どちらがブレトン文化の真の証なのか?私はどちらの方式も、我々に共通の遺産を形成していると信じる。融合させて新しい、完全にブレトン的なものへ作り変える道を見つけたいと思う。それこそが正当なる遺産となるだろう。

ベライとモルモーBelaigh and the Molmor

上級歴史家、シリノ・ヘンター 著

全旗海軍がスラスに出航し、正義の稲妻のごとくスロードを滅ぼしたと一般に言われている。しかし、これが物語のすべてではない。スラスのスロードは無気力で臆病だったかもしれないが、彼らはハイ・アイルの造船所で形を取りつつあった破滅を予期していた。スロードは何度か巨大な海の怪物を解き放ち、シストレス諸島を攻撃させた。その中でも最強の怪物は、モルモーと呼ばれる獣である。

生存者の中には、滴り落ちる粘液に覆われた巨大なクジラと記している者がいる。また、タコのような触手でものを掴むと主張する者もいる。そしてモルモーを見た者の一部は、それぞれ騎士の槍よりも長い鋭い棘が、まさしく森となって生えていたと語っている。モルモーが泳げば、海は黒く泡立つ。そして海岸まで寄ってくると、その途上にあるすべてのものは粉砕される。

7年間、この獣はガレンの沿岸を荒らしまわった。全旗海軍の多くの船長がモルモーを倒そうとしたが、成功しなかった。ついに男爵提督ベンドゥ・オロは支援を呼びかけ、この獣を倒すことのできた者には誰であろうと、望みの褒美が与えられると約束した。

モルモーは狩ろうとしたほぼすべての者を溺れさせ、あるいは貪り食ってしまったため、最も勇敢な英雄でさえ躊躇した。しかしその時、無名の若いガレンのドルイドが前に進み出た。「私はエルダータイドのベライです」と彼女は男爵提督に言った。「その怪物を追い払いましょう。しかしあなたには約束を守り、私に褒美を与えてもらいます」

ベンドゥ・オロはすぐに同意したが、自分の約束について不安を抱いてはいなかった。ベライは20歳にもならないメイドであり、葦のごとく細身で、ボロを身にまとっていた。しかしこの若い女の態度の何かが、彼を困惑させた。そのためオロは自分の家から騎士を同行させ、彼女の行動を報告させることにした。

まずベライはガレンで最も高い丘に登り、その頂上から石の欠片を取った。そして彼女は島の森へ行き、最も元気なオークの木からドングリを拾った。次に、ベライは蒸気を噴き出す火口へ行き、灰を集めた。最後に、彼女は島の中心にある深い泉に行き、その清水を使って灰とドングリ、石を混ぜ固めた。「これで獣の相手をする用意ができました」と彼女は困惑する騎士に言った。

「濡れた土くれでどうやってモルモーを殺すつもりだ?」と騎士は嘲笑った。

「モルモーは自分で自分を殺すでしょう」とベライは答え、海辺に行って怪物を探した。モルモーを探すのは難しいことではなかった。モルモーは西の湾に浮かんで休んでいた。脇腹の部分から汚い泡が噴き出していた。乙女は湾を見下ろせる場所まで登り、怪物に呼び掛けた。「忌まわしき獣よ!私は小さな肉片だけど、あなたの腹を満たしましょう。来て私を食べるがいい!」

モルモーは彼女の叫びを聞き、急いでやって来た。そのあまりの素早さと恐ろしさに、ベンドゥ・オロの騎士は恐怖で転んでしまった。しかしモルモーが口を開けてベライを飲み込もうとした時、彼女は石と種、灰と水の塊を怪物の喉の奥に投げ込み、緑に呼びかけた。モルモーはあと少しのところでベライも飲み込んでしまうところだったが、彼女は横に飛びのいた。もう一度襲いかかる前に、大きな痛みが怪物の腹を襲った。

モルモーは咆哮を上げながらもがき、海に戻っていった。騎士が驚いたことに、以前は粘液が垂れていた穴から、生きた茨の蔦が噴出していた。怪物の触手や脇腹は石のようになり、急速に海底へと引きずりこまれた。そして突き出していた棘は木に変わっていた。ほんのわずかな間に、モルモーは海の中で大岩に変化し、海草で覆われ、小さな森を生やしていたのだ。

「終わりました」とベライは騎士に言った。「さあ、あなたの指導者のところへ連れていって」

騎士は求められた通り、ベンドゥ・オロに見たことをすべて伝えた。男爵提督はベライを見て頭を下げた。「約束は守ろう。望みの褒美を言うがいい」と彼は言った。

「ガレンの生きた木を切ること、石を壊すことをやめてください」と彼女は答えた。「あなたたちの木こりと鉱山労働者を呼び戻して。この島をあなたたちの艦隊を作るために利用してはなりません」

ベンドゥ・オロは無念そうにため息をついた。ガレンの力強い木々と豊富な鉱脈があれば、全旗海軍の建設に大きな助けとなっただろうに。しかし約束はすでになされた。そして彼は約束を守った。「よかろう」とオロは答えた。こうしてガレンは斧とつるはしによるこれ以上の被害を免れたのだった。

ベライについて、これ以上の物語は伝えられていない。だがモルモー島はガレン西岸沖の海に今でも残っている。

ヘレニー卿の冒険Dame Helenie’s Quest

モーナード家のヘレニー卿による、ヴァスティルの宝石を取り戻す危険な冒険を成功させた英雄物語。アルバトロス騎士団のランディル卿によって記録された

悪しき盗賊の一団が、モーナード城の衛兵たちを騙すことに成功した。無謀で傲慢ではあったが、盗賊たちは宝物庫への道を見つけだし、ヴァスティルの貴重な宝石を盗む程度には巧妙だった。盗みを働く間に血は一滴も流れなかったが、モーナード家に対する侮辱が無視されることはなかった。

ヘレニー卿は勇敢にも盗賊たちを追いかけることを志願した。彼女は二週間で盗賊どもを裁きにかけると約束した。モーナード家はこれを認め、旅のための物資を彼女に与えて送り出した。
ヘレニー卿は城を去ると、三日間盗賊たちの痕跡を追った。ヘレニー卿は馬に乗って進んだが、海からやって来た激しい嵐に巻き込まれ、ガレンの深い森へと逃げ込んだ。そこから彼女は道を見失わないため、機転と地形についてのわずかな知識を用いなければならなかった。彼女はスプリガンやファウンなど、自然に潜む凶暴な敵と戦い、眠る時はすぐに飛び起きて戦えるよう、剣を膝の上に乗せた。

盗賊たちにはモーナード城を出た後別々の道を行くほどの知恵がなかったので、ヘレニー卿は簡単に彼らの痕跡を追うことができた。盗賊たちは愚かにも、ガレンの自然深くにあるドルイド集落の近くにいれば、モーナード家も追手をよこすまいと思い込んでいた。だがヘレニー卿はそんなことで怯むような人間ではなかった。それどころか、彼女は道の途中で数人のドルイドに話しかけ、盗賊を見なかったかと尋ねた。大部分のドルイドは友好的で、貴重な情報を与えてくれた。彼女を追い払い、明確に敵意を見せた者はごくわずかだった。そのような障害に出会った場合でさえ、ヘレニー卿は礼儀正しく話し合いで解決した。彼女の任務はモーナード家のために犯罪者に裁きを下すことだけだ。それ以外は島の何も乱すつもりはなかった。

旅の10日目、ヘレニー卿の食料は残り少なくなり、馬は足を引きずるようになった。彼女は馬を休ませた。盗賊たちが野営した場所はすぐ近くにあることを知っていたからだ。彼女は盗賊たちの不意を突くため夜明けに起きた。影のように音もなく、ヘレニー卿は盗賊の野営地に忍び込み、一番近くにいた盗賊の首に短剣を突きつけた。彼女は口を開くなと言い、盗賊の手足を縄で縛った。そして彼女は他の盗賊たちに互いを縛り上げるよう命じた。その間もずっと、最初の盗賊の喉元に刃を突きつけながら。

盗賊たちを見事に捕えた後、ヘレニー卿は彼らの馬を集めて、盗賊たちを全員ヴァスティルまで送り届けた。彼女は大股で街を歩き城へ向かったが、見てもほとんどヘレニー卿だとはわからないほどだった。彼女の鎧は泥に覆われ、ブーツからは葉が突き出し、顔には引っかき傷や泥の汚れが付いていた。十四日の間、街の外にいた彼女は野生の獣のように見えた。だがヘレニー卿はモーナード家に盗賊たちを突き出して、にやりと笑った。その後、ヘレニー卿は自らの手でヴァスティルの宝石を宝物庫へ返却し、彼女を称える祝宴が開かれた。

ボルガによるガレンの獣ガイドBolga’s Guide to Galen Beasts

ミストラルの女狩人、ボルガ・グラブール 著

編者注:オークの狩人ボルガは友人を訪ねるため、美しいガレンに来ている。そのため彼女はペンを取って紙に記すことにした。ここではボルガが彼女なりの面白おかしい方法で、ガレン島の獣について教えてくれる。弱い獣から強い獣までの倒す方法と、食べて旨いかどうかを。

* * *

フェニックスモス

綺麗だけど燃えている。食べるには最悪。

ドルイドは自分たちがこの蛾を作る物語を話す。本当なら大したものだけど、ボルガは疑わしいと思う。

育つまでは熱い芋虫。お茶に入れるとすぐ暖まる。

藁のテントにでも住んでいるのでなければ、危険はあまりない。その場合、水を用意すること。

* * *

ハドリッド

大きな蟹の民。喋る?よくわからない。

とても危険。強力な魔術と鋭い武器を持つ。集団で狩るために移動する。できれば海辺は避けるべき。

小さなグアルのような生き物を飼っている。サメのようなグアル。サメル?グアサメ?

倒せるなら、食べるととても美味しい。喋る蟹の民を食うのは間違っている?そういう話は学者に任せる。もっとバターが欲しい。

* * *

マグマフロッグ

カエル。でも火がついている。どうして燃えないのだろう?

長い舌で打ちつけ、長い距離をジャンプする。オスには硬い角がある。ヘラジカに似ているけど、尖ってる。

最初のマグマフロッグはイフレの道の物語から飛び出してきたという話を聞いた。どういう意味かはよくわからない。

意外なほど美味。秘密のレシピ:肉の切り身を冷まし、塩とニンニク、パプリカを振る。果物のジュースに一晩浸けて柔らかくする。サラダに加えて食べる。

* * *

ファイアニクサド

これは一体何なの?虫?人間?気味が悪い。

刺すし、噛む。あなたがボルガの兄弟より馬鹿なら、服も燃える。

危険というより害虫。食べるのにはまるで向かない。熱すぎて舌が火傷するし、味は灰のようだ。

ヴァスティルの人がニクサドに、音に合わせてハミングする芸を教えていた。いい音だった。\

* * *

キメラ

首が三つあるライオンみたいなやつ。多分会うことはないだろう。見たら走って逃げたほうがいい。急いで。

友達が昔キメラの世話をしていたけど、死んでしまったと言っていた。その話をする時、彼女は悲しそうだった。

食べようとするのは労力に見合わない。ボルガを信じて欲しい。

* * *

ファウン

鹿の民。ボルガは友達になりたかったが、殺されそうになった。

鋭い武器と欺きの魔術。避けたほうがいい。

鹿は美味しい。でもファウンを食べるのはどう考えても間違っている気がする。ハドリッドと何が違うのか?

ボルガに聞かないで。ボルガは真実を書いているだけ。

* * *

アッシュホッパー

大きなバッタ。あまり危険はない。

味はとてもいい!体は食べ応えがあり、たんぱく質は豊富だ。火にかける前に濃いソースを塗る。溶岩に直接突っ込んでもいい。それでも焼ける。

* * *

フォレストレイス

ボルガには不気味すぎる。物語は聞くが、見たことはない。探そうともしなかった。

これはボルガの推測だけど、多分味もよくない。

* * *

パングリット
旅をしていたら、あのサメグアルの名前がわかった。パングリット!

アリットに似ている。口に脚が付いている。歯が多すぎる。

可愛くて調教しやすいだけでなく、かなり美味。この点ではグアルに似ている。

ハチミツを塗って焼くか、スパイスを効かせたベリーソースがいい。

マッドクラブのモリスMolith the Mudcrab

ガレンの潮だまりにモリスというマッドクラブが住んでいた。
誰も関わりたがらない、気難しい蟹だった。
彼は6まで数えることができた、脚1本につき1つ
そしてシャウラスの卵の色をした、自分の殻を誇りにしていた

大きな恐ろしい爪で、彼は小さい動物に命令した
シースラグや魚、水面を走るものに
爪を打ち鳴らして、彼はこうしろああしろと命じた
そして言い返す者がいたら、彼は叩き潰してしまった

「ウニやヒトデや、その他の雑魚どもよ
この仕事をやらなければ、すぐさま放り出すぞ!
そこの海草を片づけろ、その真珠を磨け
そこのフジツボを削り取って、投げ捨ててしまえ!」

動物たちは全員従い、仕事をすべてやった
海辺に投げ捨てられないようにするためにはそれしかなかった
海辺は乾いて不愉快な場所、拾い上げられて食べられるだけ
厳しく働くか、誰かのシーフードになるかだった

ほとんどのマッドクラブは宗教なんて言葉を知らないが
彼らが働いている間、モリスは内面に深く目を向けた
彼は塩水に浸った心の中に、愛と似ていなくもない温かみを感じた
そして大きな蟹が空の上から見守っていると考えた

彼は石でできた大きな爪を持つ蟹を思い描いた
自分の殻と似たような、明るく輝く殻を持ち
それから名前も!そう、名前だ!重要な蟹には名前がある
ゾリスとかゴリスとか、そういう名前が

大きな蟹が見たらどんなに素晴らしいことだろう
モリスが海のこの部分を手懐けたことを
この潮だまりは彼のもの、すべては美しく秩序だっている
どの表面も手入れされ、完璧に磨かれている

するとモリスのささやかな家の上に影が立ち上る
泡を突き抜けてブーツの底が現れる
そのわずかな一瞬だけ、彼はあの方が来たと思った
お空の大きな蟹が、一泳ぎするために降りてきた!

だがそれはゾリスでもゴリスでもなく、名のあるどんな神でもなかった
ジャンヌとかいう名前の、ただの若い船乗りだった
彼女は無頓着に潮だまりを駆け抜け
足を置く場所なんて気にもかけなかった

そして船乗りはやって来たと思ったらいなくなり
動物たちはがっかりしたかと思うだろう
彼らは泣き、肩をすくめてため息をついたかもしれない
マッドクラブのモリスが死んだ哀しみのせいで

でも潮だまりは静かになって、誰も命令しなくなった
海草が絡まっても、伸びすぎても誰も気にしない
フジツボが居座って、真珠がくすんだからどうだって?
誰も通りすがりのカモメに放り投げられるのを怖れなくてもよくなった

だから誰も汚れに文句を言わなくなった
潮だまりには活気が戻ってきた、シースラグとその粘液も戻ってきた
海草たちもすくすくと伸びた
今じゃフジツボの家族も、モリスという殻に住み着いた

ミナヘルのメモMinahel’s Note

エロリエンとラニウィスのように愚かな連中が、他にドルイドの小物を見つけていないか確認しなさい。とりあえずアンキュルは眠らせるしかなかった。彼はあの遺物の効果により早くやられてしまった。愚かにもあれを素手で触ったから。

妙な感覚がするようになったら、部屋を離れなさい。水辺を歩いたほうがいいかもしれない。新鮮な空気とそよ風は影響を緩和してくれる可能性がある。私たちはこの遺物が引き起こすらしい、最悪の衝動を抑えられるものがないか探している。

この遺物の力を抑制する方法を見つけてみせる。実際、遺物の作用を恒久的にどうにかする方法を発見できる日も遠くないかもしれない。でもそれには時間がかかる。できるだけドレッドセイルには近づかないように。奴らの規則的な生活は影響をそれなりに緩和しているけど、私たちが取り組んでいる解決法が完成するまで、バランスを崩したくない。

ミナヘル

ミラの日記:サルベージMirah’s Journal: The Salvage

(水で損傷しているため、この日記の記述の多くはほとんど解読できない)

滑らかな肌の者が地図と夢を持ってくるたびに金貨をもらえていたら、ミラはガラクタと交換で愚か者どもに自分の船を貸し出す必要なんてなかっただろう。今日、ガルスという財宝を嗅ぎまわる者がありったけの船乗りに頼み込んで、スラシア海域に連れていってもらおうとしていた。あの哀れな愚か者は、船乗りがどれだけ迷信深いか知らないらしい。

* * *
今日、あのガルスとかいう奴がまた来た。ミラは彼の地図に一瞬だけ目を通した。もしかすると、これは本物かもしれない。

* * *
ミラの目が恐ろしいとガルスが言う。ランターンが消えると、獣の目のように輝くと。この者はそれが悪いことだとは思わない。ミラは財宝を探す滑らかな肌の者の相手をする時、恐怖が強力な道具になることを学んだ。それに、夜中にランターンを消して航海するのはこの者の発案ではない。ガルスの奴が言い張ったのだ。今奴は地図に目を凝らしているが、それでも考えは変わらないらしい。爪の鈍った愚か者め、顔にほとんど毛もないくせに。ジョーンとジョーデよ、導きたまえ!

* * *
死んだサンゴ礁の端まで来た。ガルスは興奮しているようだが、この者にとっては危険な海域で1週間を無駄にしただけだ。しかし、ガルスには水泳の才能があるらしく、水中呼吸の魔術の知識も持っているようだ。奴は一日の大半を海に飛び込んで過ごし、石の破片や残骸を引き上げている。富を約束し、もうすぐだと言っているが、怪しいものだ。

* * *
今日、妙なことが起こった。釣りをしている時、この者はガルスが息継ぎのため針の近くに上がってくるのを見たように思った。ミラはよくも夕飯を追い払ったなと叱ろうとした。奴が持ってきた石を投げようと手に取ったほどだ。だがそれはガルスじゃなかった。この者が瞬きすると、財宝探しの顔が見えたと思った場所には、午後の陽を浴びて白く色褪せたサンゴの死骸があるだけだった。

* * *
3日間潜り続けた後、ガルスはついに金目のものを見つけた。アレッシア帝国のシンボルが印璽された、ゴールドの詰まった袋だ。この滑らかな肌の者は、全旗海軍の船の残骸を見つけたのだ。この下にはまだ何が眠っているかを思って、ミラは唾を飲み込んだ。

* * *
日没になったのに、ガルスはまだ息継ぎに上がってこない。いくら魔術が使えるといっても、奴がこれほど長い間水中にいられるはずがないことをミラは知っている。その意味を考えると、ミラの胃がぎゅっと締めつけられた。もう沖に出ていても仕方ない。太陽は低すぎるし、海風さえなくなった。ガルスが朝までに戻らなかったら、この者はヴァスティルに戻るため船を出す。

* * *
船体がノックされている?気のせいじゃない。何かが水面下から、船の外側を叩いているのだ。一刻も早く夜明けが来て欲しい。

* * *
奴の姿が見えた。ガルスだ。風を受けて、もうサンゴ礁から遠く離れているのに、この文を書いているミラの爪が震える。奴は歪められていた。異形の抜け殻へと変貌させられていたのだ。地図もあの海域もクソ喰らえだ。キナレスよ、ガルスをレレスウェアに導きたまえ。

* * *
ノックだ。まだノックの音が聞こえる。

王からの命令Orders from the Lord

ドルイド・エドレルド、

ギャリックズ・レストの地下にある庭園が満開だそうだな。完璧だ。積荷のワインを受け取ったら、以下のように事を進めてもらいたい。

お前が新たに開発した毒をワインボトルのうち1本に加えろ。私はボトルがレディ・アラベルへの贈答品に入るよう取り計らっておいた。彼女は疑いを強めており、我々が行動しなければ揺るぎなき邸宅にいる密偵を発見されてしまう可能性が高い。彼女はこの希少なビンテージの誘惑に耐えられまい。ワインには目がない女だからな。

エリア女公爵に送る贈り物にも同じようにせよ。その後残りのボトルを木箱に詰めろ。配達人が外でお前に会う。配達された品を受け取り、ワインの木箱を配達人に渡せ。配達人はそれをナヴィール城に送る命令を受けている。すべて計画通りに行けば、アラベルとエリアは両方とも死に、その責任は当然、デュフォート家の不平分子に課せられるだろう。

遺物については、私が離れている間お前に保管してもらう。揺るぎなき邸宅が私の留守中に破損した場合は、館の地下室の下にあるトンネルに入れ。そこにある文書はすべて破棄しろ。その時が来るまで、我々の真の素性を明かすわけにはいかない。

超越の王

火山の霊魂Spirit of the Volcano

(ドルイドの歌)

我らが山の歌は煙と炎をもたらす
熱を恐れるなかれ、手懐けようとするなかれ
大地は割れ、炎は飲み込む
不吉な予兆も、怒りも責めてはならぬ

山の震える言葉に耳を傾けよ
山が声を発するたび、木々は折れ
波も山に当たって砕け、その足元で煮え上がる
山はどんな王にも膝を曲げることはない

火山の霊魂は自らの織り機で命を紡ぐ
炎が弾けるところには、今や花が咲き
大地が割れるところには、島が育つ
快晴の空は、分厚い煙を貫いて現れる

夜が明けると、我らは山を称えて歌う
鳥たちはその燃え盛る視線から帰還し
新たな命が焼けただれたふもとから育つ
その霊魂は我々の生を越えて続く

我がシストレスを見るためにTo See My Systres

1.
亡霊の海の海岸を抱きしめ
囁き声を聞くたび飛び上がる
カイネの麗しき眷属に最期のキスを
だが私はシストレスを見たい

(コーラス)
進め、波に揺られながら
陽光のきらめきに包まれて
輝く青い海を越え、船を走らせる
我がシストレスのために

2.
作業員を乗せダンマーの国を進み
サクスリールの早口言葉を歌う
モロウウィンドで酒を飲み、罪を犯しに行けばよい
私はそれよりシストレスを見たい

3.
レヤウィンへ船を走らせ
上品な乙女や紳士と出会う
トパル湾から錨を上げ
シストレスを見るため船を出す

4.
カジートの地には暖かい砂
尻尾と髭には心地よい
だが猫の仲間たちは絶えず喉を鳴らす
我が甘美なるシストレスへの愛のために

5.
ボズマーの乙女が私に船代を払った
力添えを頼むために
金さえもらえば一晩中でも船を走らせる
我がシストレスを見るためならば

6.
ヴァルケルガードで吟遊詩人と寝た
逆らえない魅力を持っていた
サマーセットに太陽が沈むなら
昇るのは我がシストレスの上

7.
地上から離れず、足にまめを作って世界を歩く
そんな男の話ほど悲しいものはない
だがアリクルの声援と共に、彼も船に乗り
祝福されし我がシストレスに出会うだろう

(コーラス)
進め、波に揺られながら
陽光のきらめきに包まれて
輝く青い海を越え、船を走らせる
我がシストレスのために

8.
ストーントゥース要塞でオークのクランに出会った
牙とでこぼこの髭を持つ者たちに
海辺を遠く離れれば、もう戦わない
休戦は我が愛するシストレスのため

(コーラス)
進め、波に揺られながら
陽光のきらめきに包まれて
輝く青い海を越え、船を走らせる
我がシストレスのために

9.
人生は船乗りの歌のように長い
私は死のことなど考えない
運命の波に逆らうつもりもない
だから私をシストレスに帰してくれ
我々をシストレスに帰してくれ

歓迎しよう、新たなる者よ!Welcome, Initiates!

ようこそ、超越騎士団の入団者たち!

全旗の小島での事件以来、多くの者が我々は敗退したと信じている。だが理想の炎はそう簡単に消えるものではない。お前たちは噂をたどって我々にたどり着いた。他の者たちも遠からず、我らの地を支配している戦争狂の王族に抗う大波に加わるだろう。

シストレスに蜂起が迫っている。ガレンの事件は始まりにすぎない。ドルイドの同志に加わり、我らの正当な所有物を取り戻せ!カソレインの夢は現実となり、我らは力を合わせてブレトンの遺産を取り返す!

私はそれを誓う。
超越の王

救い出してくれRescue Me

(哀愁漂う旋律)

鎮まった海の岸から遠く離れて
私たちは遭難した
悲劇だ
やむを得ずグログを節約した
キナレスが我らを解放してくれるまで

孤独な漂流の旅、笑顔も消えた
故郷からは遠く
未知の領域へ向かう
この先に起こることを予期して
航海士の心は重く沈む

[リフレイン]
空は赤く光り、パンにはカビが生える
絶望が皆の心をふさぎ込ませる
我らは運命に絡めとられた、もはや手遅れだろうか
この呪われた戒めから逃れるのは

道を示してくれるものもほぼなく
我らは皆で祈った
遠く、道を見失って
希望はいまだ残っている、我らの湾を見つけて
宴会の日までに、故郷へ帰りたい

[リフレイン]
空は赤く光り、パンにはカビが生える
絶望が皆の心をふさぎ込ませる
我らは運命に迷い込んだ、もはや手遅れだ
この呪われた戒めから逃れるのは

[虚ろなこだま]
戒め
[長く響かせる]
戒め

キナレスよ許してくれ、我が願いを聞いてくれ
私を解放してくれ
この海から
この旅路で残されたのは私だけ
誰か、私を救い出してくれ
誰か、私を救い出してくれ
どうかキナレスよ、私を救い出してくれ

禁じられた島、イフェロンY’ffelon, the Forbidden Island

高名な学者にしてあらゆる文化の学徒、イグナティウス・ガレヌス 著

これはシストレス諸島のドルイドの島を旅した記録である。

この島に着いた時から、私が歓迎されないかもしれないことはわかっていた。この島から離れようとしない、秘密に包まれたドルイドの知識を記録し保存するために必要なリスクではある。 危険があったとしても構わないと思っていた。しかし、危険はあらゆる場所に潜んでいる。そして、ハイ・アイルやガレンのストーンロア・ドルイドから受けたような歓迎はイフェロンで受けられなかった。

島と建物を研究した結果、私はこの地のドルイドと接触を目指した。彼らは私の報告をより詳細にしてくれるし、その導きがなければ報告を完成できないだろう。どんな学術文書にも文脈は要る。ストーンロアは歓迎してくれたが、エルダータイドはそうでもなかった。

しかし羽根ペンを手にイフェロンのドルイド、ファイアソングの元へ向かうと、当初は混乱された。次に無表情となり、すぐに怒りが続いた。彼らに挨拶してから無害な質問を始めたが、質問が進むごとに表情が険しくなっていった。質問に対する彼らの反応はメモして、沈黙を唯一の非ドルイドとのコミュニケーションとして解釈を続けた。その時、ついにあるドルイドが前へ出て来てこちらを指さしてきた。無意識の反応として、敵意がないことを示すため手を上げようとした。しかし、羽根ペンのインクが乾き切っていなかった。それは指を指して来たドルイドの目に飛び込んだ。ただの事故だったのだが。

その場を離れるのが最善だと感じて、ドルイドから離れようとした。一歩離れるたびにドルイドは追ってきた。杖を握り、歯を剥き出して。理解できないが、私を傷つけようというのだ!必死に雇った船に戻って、船長に出港を願った。残念ながら、ファイアソング山のふもとに住むドルイドからこれ以上の情報は引き出せなかった。しかし、学術研究にはよくあることだ。

後は、学者仲間に任せよう。

現代のブレトン:人間かエルフか?Modern Day Bretons: Man or Mer?

ヴァスティルの歴史家、フィリバート・ビューシャム 著

ブレトンの歴史はかなり錯綜しており、長年の間多くの学者たちによって議論されてきた。この著作が出版されてずっと後になっても、議論が止むことはないだろう。それが謎というものだ。

積年の議論はある問題に集約される。ブレトンとは何者か、人間なのかエルフなのか?一般的な理解で我々ブレトンはそのどちらでもあるとされているが、どちらが優勢なのかについては様々な見解がある。

私の調査はもう何度も行ったり来たりを繰り返している。私はブレトンにおける人間性の優位についてと同じほどエルフの血の優位を論じてきたが、次の朝になると考えが変わってしまう!だが、ようやく一方の側に足を落ち着けることができたと思う。すなわち、エルフの側だ!

いかにしてこの結論に到達したのか、説明させて欲しい。ブレトンの起源として最も広く受け入れられている説は、神話紀におけるネードとアルドマーの交雑を基盤としている。ディレニ・クランがハイロックに来た時、彼らは我々のネードの祖先を見出したが、その中でも特筆すべきはガレンのドルイドと呼ばれる、ドルイド王の一族を通じてこの地域を統治していた集団であった。ディレニ・クランが影響力を行使し統治を行うにつれ、我らの祖先たちは封建的制度を構築し、それは多少の変化を加えながらも今日まで続いている。ディレニとネードの子供たちは人間よりエルフに近いと考えられたが、ディレニの親たちに受け入れられるには至らなかった。完全なエルフから排除される程度の違いはあったのである。

幸運にも、この違いは彼らを人間種から排除するほど大きくはなかった。むしろ、この違いは彼らの地位を高めたようだった。この子供たちはネード社会の中で有利な地位を占めた。そうして共同体が築かれ、その中で人々は繁栄した。

現在、我らブレトンがエルフよりも人間であると信じる者の多くは、我々の祖先が有利な立場にあったとはいえ、他の人間としか婚姻を許されなかったという事実に依拠している。文書や絵、その他の記述によっても、この事実は長年の間、我々の血統に一定の影響を及ぼしてきたことが見て取れる。尖った耳や角ばった顔、細身の体、特徴的な目などのエルフの身体的特徴は徐々に消えていった。その論理は確かに理解できる!我々の中のエルフの血が、時と共に薄められていったという考えは理に適っている。いわば池の中に落ちた絵具の雫のようなものである。

だが、ここからが私の仮説だ。我々がいくらかでもエルフ的血統の兆候を有しているということは、それが今でも我々の中で力を持っている証拠である。我々と、最初のブレトンの祖先たちは無数の世紀を隔てている。我々の特徴は時と共により人間的になっていったが、我々のエルフ的性質が完全に消滅していないことは重要である。ブレトン出身の人間としか子供を生むことを許されなかったのであれば、我々のうちにほとんどエルフは残っていないはずだ。これだけ長い間、これほど明確にエルフの性質が生き残ってきたことは、その強さを物語っている。

この文書で私は、問題が割合ではなく、強さであると申し上げたい!以下の23章で、私はこの仮説を詳細に解説し、これまでに集めた調査をより整理された形で展開していく。

古代ドルイドの血脈Ancient Druid Bloodlines

第二紀541年、レディ・ラリーナ・マーチャドによって依頼された詳細な系図調査

網羅的な調査を終え、ある程度の確実性を持って言えることは、あなたの一族が常に感じていたことがほぼ間違いなく真実だということです。マーチャドの血筋は確かに古代ブレトンの血筋であり、ハイロックにハーフエルフ種族が最初に出現した時にまで遡ります。さらに今日知られているこの一族が、ガレンのドルイドたちの最初の艦隊と共に、シストレス諸島に到着したドルイドにまで祖先を辿れる明確な証拠を発見いたしました。第一紀にハイロックを去ったドルイドです。

その上、マーチャドはブレトン原始ドルイドの祖先の一部だっただけでなく、明らかに王族の血筋であったことも自信を持って主張できます。ドルイド王カソレインが、現在のハイロックを統治する貴族に比較しうる存在と考えるならの話ですが。それにヴォロラスの血筋について我々が知っていることを付け加えれば、あなたのご子息は両王朝で最高の部分を受け継ぐことになるでしょう。

マーチャド家の紋章が種と葉を蒔く三つの器として描かれていることの説明は、ドルイドとの繋がり以外にありうるでしょうか?

〈この後にはこの文書が書かれた日からガレンの原始ドルイドの古い時代までたどり直す、複雑な系譜の記述が続いている。最後のドルイド王カソレインが明らかに家系図の中に示されている。この文書が記された日の最後の記述は、以下のようになっている〉

レディ・ラリーナ・マーチャド、第二紀521年――
ルーカン・ヴォロラス卿、第二紀516年――
(第二紀538年に結婚)

バカロ・ヴォロラス、第二紀540年――

使者の報告Messenger’s Report

倉庫長はあのフードを被った騎士たちが、造船所を警備するためデュフォート家に雇われたただの傭兵だと言っているが、信用できない。実際、デュフォート家の紋章を身につけた作業員がここには誰もいない。

はぐれ騎士団が造船所を奪取しているという、バカロ卿が受け取った報告は事実なのかもしれない。この情報をすぐにバカロ卿に届けたいが、倉庫長は出発前に造船所を巡っていくことを強く求めている。断れば疑いを招くかもしれない。揺るぎなき邸宅へ戻るには、少し待たなければなるまい。

使者への対処Deal with the Messenger

騎士隊長

揺るぎなき者の会はダンカン・ジェニスという使者をデュフォート造船所へ派遣した。我々が造船所を引き継ぐことを確認し、バカロ・ヴォロラス卿に我々の活動を報告する命令を受けている。到着したら、始末しておけ。我々の存在が確認されたことは、できる限り長い間秘密にしておかねばならん。

デュフォート造船所は我々の部隊を再建するために必須だ。必要と思うならばどんな方法でも使ってよい。支配を維持せよ。

超越の王

司祭とドルイドの議論12Argument Between Priest and Druid Number 12

八大神の司祭アーナレルウェとストーンロア・サークルのドルイド・マクセロットとの対話。
ドゥニウス・ソシアによってヴァスティルの路上で聞かれ、後世のために記録された。

(注記しておくべきと思われるが、著者はこの宗派間の議論がいつ起こるかを日常的に予想できるので、スイートロールを持って見物に来ていた。彼らのやりとりは友人同士の議論より、貴族が好む馬上槍試合に近いものである。著者はこれを大いに楽しんでおり、すべての議論を立ち聞きしている)

「ドルイドよ!質問を受ける覚悟はいいか!」
「おお、友よ。大聖堂では元気にやっているかね?」
「面倒な挨拶はいい。お前はなぜイフレだけに尽くす?八大神が与えたもう恵みには敬意を払わないのか?」
「その言い方はちょっと酷いだろう」
「それは謝るが、質問の意味は明確だろう、ドルイドよ。なぜイフレが唯一崇拝に値する神なのだ?」
「そうだな、他の者が何を信じているかは知らないが…まあ、周りを見てくれ。こんなに美しいものを見て、跪きたいと思わずにいられるだろうか?これはイフレの贈り物だ。私は自分に見える贈り物に感謝している」
「それでは心が狭すぎるのではないか?」
「そんなことはない。ああ!キナレスやマーラも称えるべきだと言いたいのか?それらの神々もいいだろう。君が彼らを称える歌を歌うならどうぞご自由に。しかし私は君の神々にあまり訴えるものを感じない。正直言って、八大神すべてを称える時間を君がどうやって見出しているのかわからないよ」
「時間だって?八大神のそれぞれには定められた饗宴や祝祭がある。我々は彼らの御業をすべての物事の中に認め、求められる通りに感謝を捧げるのだ」
「それじゃ同じことの繰り返しじゃないか」
「繰り返し?何を言う、反復はニルンの自然秩序だ。季節は回り続ける車輪のごとく巡る。鳥や獣の群れは規則的に移住する。雨は予測のつく道を通って降る。崇拝とはすべて繰り返しなのだ」
「だから君には自然の荒々しさが理解できないのさ。自然の自発性と神秘がね。確かに、私たちはイフレが教えるとおりの季節に従う。だが君は祭典や祝祭に従っている」
「八大神は称えられることを期待している」
「もちろんだとも」
「神々の知恵と命令に異を唱えたら、私は一体何になってしまうだろう?」
「単に自分の使命に忠実な司祭じゃないか?」
「この議論に勝ったと思っているのだろう?」
「まあ心配するな。きっと次はもっとちゃんと準備してくるんだろう」
「また明日、いつもの時間に市場でだな?」
「もちろん。たとえイフレが与えてくださるハチミツのためでも、議論の機会を逃したくはない!」
「今度は、大聖堂で崇拝することについて、お前の考えを聞かせてもらおう」
「大聖堂の中で?草と木から離れて?風を避けて?そんなところでは祈る相手がいないじゃないか」
「いや、いるのだよ!お前が崇拝する森の騒音から離れれば、我々の内に働く八大神を見出すことができる。我らの善行の一つひとつのうちに、神々の声を聴くことができる。そして――」
「アーナレルウェ!議論は明日のためにとっておけよ!」
「これは失礼。ではまた」

次の祝典に向けてFor Your Next Celebration

宛先:ナヴィール城、エリア・デュフォート女公爵

デュフォート家の昇格記念日に、貴家の大好物のワインならばお喜びいただけるのではないかと思いました。これの入手がいかに難しいかは承知しております。どうぞ貴家のため、お父上のため杯を掲げてください。デュフォート家による諸島の諸島統治よ、永遠なれ!

差出人:あなたの崇拝者より、情熱と感謝をこめて

自然の秩序を受け入れることEmbracing the Natural Order

ドルイドと生活した都会人の報告、パリッセ・エルガラ 著

私はヴァスティルで育った。この街はいつでも私の故郷だ。私は石に囲まれて、子供の頃は街路に導かれて育った。だがヴァスティルに住むすべての者と同じように、私は街の外にある自然の物語を聞き、想像力を満たしながら育った。ヴァスティルは島のほんの小さな一部分だが、それでも世界のすべてと感じられるような場所だ。少なくとも私にとってはそうだった。そしてヴァスティルの外にあるものはすべて魔法のような未知の何かで、大人たちの穏やかな声から聞こえてくるものだった。

私は同郷の大部分よりもガレンの他の場所に魅了された。ドルイドたちの物語に対する私の興味は尽きることがなかった。結局、都会は自分に向いていないと判断した。私は物語の中と蔓地区で見た数人のドルイドのように、緑の丘と自然への献身を求めた。両親は少女の空想癖と受け止め、いずれは過ぎ去るだろうと思っていたが、それは間違いだった。

17歳の時、私は食料とお気に入りの杖だけを持って出発した。街の北にあるストーンロア・サークルの居留地グリマーターンを目指して。ストーンロア・サークルがサークルの中で最も友好的であり、ドルイドの生き方を求める者を歓迎してくれることを知っていたからだ。私は新しい生活を始める覚悟を固めて、自信たっぷりに進んでいった。

ストーンロア・ドルイドは物語に言われていたとおり優しく歓迎してくれ、すぐに私のための休息所を用意してくれた。最初の夜、私は長旅で疲れていたにもかかわらず、自然の音で何度も目を覚ました。正体のわからない獣の吠え声や、葉のこすれる音、流れる水の踊る音を聞いた。その次の日、居留地の中や周辺を通っている無数の道を探検していた時、私は木の葉の堆積を踏みつけてしまい、それが足中に広がる発疹を引き起こした。この病気を治している時、私は何か食べて体力を回復するように言われた。残念ながら、ストーンロア・ドルイドの食事は私にとってあまり食欲をそそるものではなかった。食べ慣れていない味が多かったし、食感も不快に感じた。それにまだ虫のことを話していなかった。私は生きたまま喰われかけたと言ってもいい。自分の体のどこかを掻いていなかったことは一瞬たりともなかったくらいだった。

グリマーターンで5日間過ごした後、私はもう限界だと思った。ドルイド・パリッセになる夢は、自然という恐るべき現実によって速やかに打ち砕かれてしまった。ありがたいことに、私が最も親密にしていたストーンロア・ドルイドはとても優しかった。自然の中で生きるのに向いていないからといって、何も恥じることはないと彼らは言ってくれた。私はヴァスティルに戻った。腹は空き、体はかゆく、疲れ果て、完全に自分へ失望していた。そして私はここに留まったのだ。

この報告は、私自身の成長のためだけでなく、私のようにドルイドの風変りな生活を夢見て育った者たちにとっても重要な意義を持っている。私は自分の中の若者の欲望を尊重し、ヴァスティルの外の大地を探検したことをよかったと思っている。大人になった自分は最終的に、自然に囲まれているよりも街の中で安全にしていたほうが幸せだと判断したが、少なくとも試してみるだけの勇気はあったのだから。

自然の霊魂についてOn Nature Spirits

アークドルイド・デュアナ 著

私たちドルイドは周囲の霊魂と特別な、不可逆のつながりを結んでいる。森や山、川に結びついた霊魂は私たちの生活にとって、人間と同じほど欠かせない存在である。私たちは他の人々に感じ取れない方法で霊魂を知るが、自然の霊魂を称え、理解しようと努めて生を送ってきた私たちでさえ、霊魂を完全に知ることはできない。それが彼らの存在の美点である。自然とは予測不可能で、不可知なものなのだ。どれだけ解読しようとしても、完全に理解することはできない。

だからといって、私たちがイフレの意思に従う霊魂について何も知らないわけではない。

一部の自然の霊魂が恐ろしく強大なことはわかっている。感情を持つ霊魂もおり、深い優しさや激しい攻撃性を示すことがある。また霊魂の中には比較的この世界に来て新しく、葉に溜まる朝露のように新鮮なものもいるが、ガレンを歩んだ最初のドルイドと同じくらい古い霊魂もいる。私たちは霊魂も人間と同じように迷い、途方に暮れることがあるのを知っている。霊魂はまた私たちが目的、あるいは場所に迷っている時は、導きの力ともなりうる。

しかし自然の霊魂との協調は、私たちが彼らに敬意を払わなければうまくいかない。自然の霊魂をその居場所から追いだし、無理やり働かせ、霊魂を意思に従属させるような真似をすれば(そのようなことが可能だとしても)、彼らと交信する希望は失われる。いかなる時でも、私たちは協力を求める霊魂のそれぞれを理解しようと最善を尽くさなくてはならない。この霊魂は守護者か?門番か?動かない石の霊魂に作物の生育を助けるよう頼むことはできないし、心優しい花の霊魂に捕食者から私たちを守るよう頼むこともできない。自然の霊魂と交信するにはまず霊魂に自らを紹介し、友情とも呼べる関係を築かなければならない。

霊魂はドルイド魔術の影響を受けるが、私は多くの場合、その手段に反対している。霊魂が苦しんでいるのでない限り、自然な状態に介入する理由はない。攻撃的な霊魂でさえ、変化させようとするより手を出さずに放っておいたほうがいい。それが真の道である。私たちが自然を支配できたとしても、この世界のためにはならないだろう。イフレは決してそんなことを望みはしなかった。それに誤った魔術が霊魂の性質を歪めてしまったら、危険でもある。

まとめると、私たちドルイドは自然を尊重し、すでに存在するものの調和を乱さないよう努めている。この大地や海に住む多くの霊魂と交信できることは私たちにのみ許された栄誉であり、そのことを決して軽く考えてはならない。

出荷ラベルShipping Label

ショアバード運送代理店
差出人:ダガーフォール
宛先:揺るぎなき邸宅

内容
防具屋〈雄鹿と馬〉から木枠箱6個

担当者:揺るぎなき者の会、マルガリーテ隊長

助けになる揺るぎなき手A Helpful, Steadfast Hand

市井の歴史家、アダンドラ 著

揺るぎなき者の会はシロディールの戦場と、タムリエル中の自然災害の発生地でその名声を築いた。バカロ・ヴォロラス卿によって創設されたこの会は治癒師や看護師、および物資を抱えたチームを必要に応じて移動させるための、小規模な騎士団によって構成されている。

バカロ卿は繰り返しこう述べている。「我々はできることをやっている。これ以上のことができる人数や資源があればいいのだが」

ブラヴィルの街近くでは、エボンハート・パクトとアルドメリ・ドミニオンの軍が激戦を繰り広げた後で素早く現地に入り込み、戦争による負傷者や避難民に支援を提供した。著者は兵士と市民に話を聞いたが、どちらも戦いで受けた負傷を、この会の治癒のテントで治療している最中だった。

「ここの善良な治癒師たちの手早い治療のおかげで、私の足が救われたのは間違いない。あのハイエルフの槍で貫かれた時は、この足を失うことになると確信していた」と、北の僻地から来たノルドの兵士ヘイルブリットは説明した。

「私は何かの呪文の爆発に巻き込まれたんだ」とブラヴィルの住民ルリウスは言った。「私の家も破壊されたよ。この会がなかったら住むところもなく、家族は飢え死にしていただろう。バカロ卿の慈悲に感謝する!」

「この戦争は忌まわしい」と癒し手プロールは言った。「若者の内臓を、手で握らずにすむ日が来るのが待ち遠しいよ。でもそれまでは、力の限り支援を続ける。やらないわけにはいかない」

その後、私はハイ・アイルにある揺るぎなき者の会の本部を訪ねた。ここは携帯可能なテントでは処置できない、より集中的な長期の治療が必要になる負傷者を扱う診療所を擁している。バカロ卿は一族の地所のかなりの部分を、この会が使用するために割いている。

「私はその力がある者は誰でも、可能な限り他者の手助けをするべきだと信じている」とバカロ卿は言う。「良心があるなら、そうせずにはいられないだろう?」

三同盟すべてが揺るぎなき者の会の中立性と優れた活動を尊重し受け入れているが、だからといって自分たちの防備を顧みないわけではない。私はこの点について揺るぎなき者の会の副官であり、騎士団のリーダーであるマルガリーテ隊長に話を聞いた。

隊長は次のように説明してくれた。「私たちのテントやキャラバンは食料や医薬品などの物資を大量に運んでいるから、野盗や怪物の標的になりやすい。だから、基本的にその時発生している戦争に参加している戦闘員を恐れる必要はなくても、私たち自身を守る必要はある。騎士の数は多くないけど、私たちのところで働く騎士たちはよく訓練されていて、勇敢すぎるくらいよ。私は彼らの指揮官であることを誇りに思っているわ」

あなたが戦争や飢餓、病気のために支援を求めるようなことがあれば、揺るぎなき者の会の治癒のテントに掲げられた特徴的な旗を探そう。「私たちは助けを必要としている者なら、誰も追い返すことはない」とマルガリーテ隊長は言っていた。

新たな成功を祝して!Congratulations On Another Success!

宛先:ゴンファローネ湾マンドレイク邸、レディ・アラベル・ダヴォー

またしても、あなたは予想を上回る偉業を成し遂げました!あなたの行いにより、三同盟の指導者たちが苦痛に満ちた死から救われたのです。これで和平は単なる希望に留まらず、実現する可能性が残されました。私の称賛と共に、この希少なビンテージをお楽しみください。これからもご健闘のほどを!

差出人:あなたの崇拝者より、情熱と感謝をこめて

生命の儀式の始まりRitual of Life’s Commencement

あらゆる生命が存在するのは、それ以前の生命が存在したおかげである。我々はすべての生物の喜ばしい創造を祝い、その歓喜に浸ることを奨励する。

適切な時期に、儀式は指導役の二人組と共に開始される。彼らの模範は風に舞う種のごとく拡散するだろう。情熱を分かち合うことは、生命の報酬である。

次の月の周期に、我々はこの力を受け入れる。完了すれば、その力は満たされ旅立つだろう。

捜査官ヴェイルとダークマストInvestigator Vale and the Darkmasts

捜査官ヴェイルは港に立ち、地平線まで伸びる青い海をじっと眺めていた。ガレンを訪れるのは初めてだった。彼女はもう何度もシストレスを旅行していたが、これまではいつもハイ・アイル止まりだったのだ。

「どう思う、捜査官?」と騎士団長が尋ねた。「これは恐るべきダークマストの仕業だろうか?」

ヴェイルはため息をついて、再び木の板の上に横たわった死体を見た。明らかに港で働いていたこの地域の人間で、海風と船の油の匂いがするたくましい作業員だ。今は残念なことに、死臭がそれに加わっていた。

「海の近くで出た災害や死人をすべて海賊やシーエルフのせいにするのは簡単だけど」とヴェイルは言った。「この犯罪にはシーエルフの略奪らしい形跡がないわね」

騎士団長は顔をしかめた。「確かなのか?アダラードは明らかにこの埠頭で殺された。それに彼に加えられた暴力を見てくれ。ダークマストがもっと悲惨な目に遭わせるのを私は見てきた」

「そのとおり!シーエルフ海賊が沿岸までやって来て、たった一度の攻撃で済ませるなんて聞いたことある?略奪も破壊もせずに?それにこの傷はサーベルや戦棍のような、ダークマストが使う典型的な武器によるものじゃない。この男は作業員のフックで殺されたのよ。そして犯人は哀れなアダラードが殺される前に、これを何度か武器として使っている」

その時バラリン・ルモンズという作業員が進み出た。邪魔をしないよう離れていたが、ヴェイルと騎士団長の会話が聞こえる程度には近くにいたのだ。「違う、俺はダークマストの船をこの目で見たんだ!」と彼は怒鳴った。「アダラードを殺したのはシーエルフだ!シーエルフに間違いない!」

騎士団長はバラリンとヴェイルの間に入り、厳しく、だがなだめるような口調で言った。「落ち着け、バラリン。お前の証言は聞かせてもらった。捜査官に仕事をさせてやれ」

「ちょっといい、騎士団長」とヴェイルは口を挟んだ。「バラリンだった?あなたのベルトにフックが垂れ下がっていないのが、どうしても気になるんだけど。有能な港の作業員で、フックを持たずに歩く者なんて私は知らないわ」

バラリンは目を細め、表情は険しくなった。「一体何が言いたいんだ?」と彼は詰問した。

騎士団長はヴェイルからバラリンへと目をやり、彼の表情もまた険しくなった。「質問に答えろ、バラリン。お前のフックはどこだ?」

バラリンは答えず、騎士団長を捜査官ヴェイルに向けて突き飛ばし、向きを変えて逃げだした。それを予測していたヴェイルはあっさりと横に移動してかわした。ヴェイルは何気なく手を伸ばして木箱から魚をつかみ取った。もちろん、朝の漁獲分の残りである。そしてバラリンに向かって投げつけた。魚は彼の分厚い首の後ろに気持ちのいい音を立てて直撃し、気絶させた。男は地面にぐったりと伸びてしまった。

「バラリンのフックを見つければ、凶器が見つかる。これはシーエルフの襲撃の結果じゃない」とヴェイルは説明した。「仕事仲間同士の口論が行き過ぎただけよ」

騎士団長は意識を失った作業員を縛り上げてから、ヴェイルに向き直った。「問題が我々の間で起きていることを認めるよりも、外から来たものだと信じるほうが楽だったという話のようだな」

ヴェイルは木箱から別の魚を選び出して匂いを嗅ぎ、袋に入れた。「夕食用にもらうわ」とヴェイルは言った。「報酬から値段分を引いてくれてもいい。まあ、あなたの言うとおりよ騎士団長。私たちは身近にいる人々を仲間だと思いたがる。安全だとね。でも私の経験上、ほとんどの殺人事件の犯人は犠牲者が知っている人物で、偶然出会った未知の悪党じゃない」

立ち去ろうと向きを変える途中で、ヴェイルは付け加えた。「でもだからといって、ダークマストに警戒しなくていいわけじゃない。奴らはあなたの作業員を殺さなかったけど、危険には違いない。さて、この魚の調理法を知ってる人を探しに行かなきゃ。誰かいい人を知らない?」

太陽のごとく恐れを知らずFearless as the Sun

ガレンの詩人、ニネル・ドゥマリス 作

海に踊る太陽のごとく恐れを知らず
短く力強い一瞥で私の心を見抜く
私の恋人は夕刻の雨を駆け抜け
陸へ来て私を求める、彼の財宝を

だが別の乙女が彼の心を招き寄せる
私を選んだことを妬む、魅惑的な美女
千人の恋人を虜にしてきたこの敵手が
今や私の恋人に向かって声を張り上げる

女がただ呼びかければ、彼はそちらへ向かう
海鳥の笑い声、鐘の音、船長の呼び声
魅了された彼は、雄鶏が鳴くよりも早く去っていく
あの女の力は強く、私の力は弱い

だが泣いても仕方がないことは知っている
定命の女が海に勝てるはずはないのだから

注意!大樽に触るな!Warning! Do Not Touch Cask!

このエール樽の中身には極度の圧力がかけられている。いかなる事情があっても触れてはならない。

これは警告である。

嵐とひまわりThe Storm and the Sunflower

(シストレスの歌)

ひまわりよ、波の音が聞こえるだろうか
私たちを引き合わせてくれた海が、今は引き離そうとしている
私はもうすぐ最後の息を吐き
心に愛の傷を抱いて死ぬだろう
望まぬ戦争を終わらせる夢を見たことを、慰めと思いながら

さあ、頭を下げて
その柔らかな花びらのような唇で、最後の口づけを
抱き寄せて、私のひまわりよ
私たちが交わした愛は、罪ではない
ただマーラの慈悲を知ることを、時が許さなかっただけ

あなたが雨の雫を味わう時、私の唇を思い出して
あなたが顔に風を感じたら、それは優しく撫でる私の手
そして遠くに雷鳴が聞こえる時、それはあなたの名を呼ぶ私の声
雷がひまわりと出会う時は、辺りを炎に包むものだから

ひまわりよ、私を覚えていてくれるだろうか
結ばれて、誰にも縛られず自由になる夢を共に見たことを
それとも、あなたも私の後に続くだろうか
ただ一緒になりたいがために、私たちが犠牲にしたものを思いながら?
海を飲むつもりなら、雨を求めてあえがなくてもいい

嵐とひまわりThe Tempest and the Sunflower

ニヴィエンヌ・トネール 著
実話を基にした物語

レディ・マーラがナヴィール城の馬上槍試合の会場に微笑みかけた。二人の騎士、好敵手、よく似た心の持ち主の運命的な戦いに、これ以上ふさわしい日はなかった。

船大工を代表する、金髪のサンフラワー卿は、ガレンの長女、憂鬱なるレディ・テンペストと対峙した。どちらも、相手の家名に憎悪を抱くよう育てられてきたのだ。槍は互いに向けて勢いよく繰りだされた。乱戦の中、剣は交差し火花が散った。だが兜が外れた時、両者の間に沈黙が下りた。そこに生まれた穏やかな驚愕と好奇心は、見物人ならば煮えたぎる敵意と見誤っただろう。

二人は短く言葉を交わし、それから弱々しくそれぞれの地所に帰った。最大の負傷は、打ち砕かれた心だった。トーナメントの勝者となったのはレディ・テンペストだったが、儚き台風にふさわしく、先に威勢を弱めたのは彼女だった。

***

サンフラワー卿はレディ・テンペストの想いを震える両手で抱えた。彼女は多大な労力を費やし、手紙が彼の元へ届くよう取り計らった。エルダータイド・ドルイドへ秘密裡に諸島の反対側へ届けるよう依頼したのである。今、彼はレディ・テンペストの破滅になりえた。この女はトーナメントに勝利して、彼の家を侮辱したのだ。

だが、レディ・テンペストの言葉は夏の嵐のように届いた。手紙はまるでサンフラワー卿の心臓のうちに響くこだまを書き写したかのようだった。剣が交わされた時、彼女もずっとこのまま、二人が島を隔てることなく、すぐそばに居られるよう望んだのである。レディ・テンペストの想いに対して無感動を装うことは、彼にとって最大の苦痛だった。

家族の敵意は今や、この巨大な情熱に比べれば些細なものに感じられた。なんと勇敢な女性だろう!ドルイドに助けを頼むとは、なんと賢いのだろう。彼は返事の手紙にありのままに自分の愛を記し、「あなたの破滅」と署名した。彼女が微笑んでくれることを願って。

季節がいくつも巡り、潮が満ちては引く間も、二人は手紙を書き続けた。エルダータイドはシストレスを越えて彼らの秘密の手紙を運んだ。言葉を通して、二人は互いの魂を隅々まで探った。だが時を経るにつれ、言葉だけでは足りなくなった。

今度、先に折れたのはサンフラワーの方だった。

次にナヴィール城で会う時、テンペストはトーナメントの終わりに彼と結婚してくれるだろうか?

感動の波に包まれたレディ・テンペストは承諾した。だが、誰が結婚させてくれるのか、どこで結婚するのか?

ここで、サンフラワー卿はドルイドに助けを求めた。

だが今回、ドルイドたちは見返りを求めた。

***

彼らの結婚式とグランドメレーの夜、レディ・テンペストとサンフラワー卿は夕闇に紛れて会った。一緒にいられるのはごくわずかな間だけであることをどちらも知っていた。

サンフラワー卿は彼女を腕に抱いた。長い間待ち望んでいたのだ。サンフラワー卿は恋人に願いへ同意してくれるかどうか尋ねるような、愚かなことはしなかった。

ガレンの島を去れ、とドルイドたちは言った。お前たちが結婚し、両家が一つになったら、ドルイドでない者は二度とこの島に足を踏み入れるな。

愛のためなら大きすぎる代償などない、と強がることもできた。だが二人は、自分たちの家が決してそれを許さないことを知っていた。結び合わせるくらいなら、家族は二人の死を選ぶだろう。ましてやエルダータイドの求めるものを与えるなどもってのほかだった。

「ガレンが私だけのものであったなら、喜んで譲り渡しましょう」とレディ・テンペストは言った。まるで彼の考えを読むかのように。「ただ――」

「臣下たちを見捨てることはできない」とサンフラワー卿は彼女の心を読み、言った。

サンフラワー卿は彼女の目を見つめた。

「結婚する場所は気にしない。結婚などしなくてもいい。ただ一緒にさえいられれば」と彼は言った。「どんな名前でも、どんな旗の下でも、結婚しようがしまいが、私は君のものだ。トーナメントが終わったら、人目を盗んで抜け出し、私の父の船を奪おう。祝祭も、秘密の結婚式も忘れよう。シストレスが私たちを結び合わせてくれないのなら、そうしてくれる国を探そう」

そうして彼らは次の日に会う約束をして別れた。暗闇の中にエルダータイドの耳があることにも、復讐の罠が彼らの周りに仕掛けられつつあることにも気づかずに。

***

サンフラワー卿は彼の婚約者、正当なるチャンピオン、強敵テンペストと対峙した。これはすべて見世物だ、と彼は自分に言い聞かせた。今夜、彼は恋人と海辺から去り、死ぬその時まで共に暮らすのだ。

だがそれについて、実現したのは半分だけだった。

剣が最後に交わされた。誰が勝つかは問題ではなかった。ただ敵意が本物に見えればよかった。彼の剣が彼女の手首をかすめた時に滴った血は本物だった。彼女がバランスを崩し、膝をついて倒れたのも本当だった。彼は叫んで彼女を抱きとめ、彼女の顔が苦痛で歪む…待て、これは本当なのか?

「ドルイドが」レディ・テンペストは声を絞り出した。二人はようやく気づいた。剣に揺らめく毒に。エルダータイドはテンペストとサンフラワーがガレンを渡さないのなら、互いの破滅となることを確実にしたのだった。

レディ・テンペストが息絶えると、サンフラワー卿は首を垂れて泣いた。結び合うよりも死ぬことを世界が望むならば、彼は死ぬことを選ぶであろう。

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