アポクリファのページ

Apocryphal Pages

3冊の本が未翻訳状態であるためそのまま載せています、日本語訳が補充されたら並べ直します。

Ilasaba’s ExcusesIlasaba’s Excuses

Ilasaba didn’t make it to the party because she feels superior to the rest of you.

Your sense of style offends this one. And your food tastes like moist sawdust.

However, Ilasaba is too much of a coward to say this out loud, so she shall always find some reason to be busy and not attend.

Onri Murien’s Hidden WishesOnri Murien’s Hidden Wishes

I wish I’d never left my family to travel with him.
I wish I had enough gold to buy a nicer home.
I wish he loved me as much as my last husband.
I wish he noticed how nice the flower bed looks.
I wish he’d die.

Zeirinia’s Silent AdmissionZeirinia’s Silent Admission

Once, when I was a child, I smeared ink on the walls of my mother’s house. Afterwards, I smeared ink on the dog’s fur so she would take the blame.

When I think back on that, it still makes me laugh.

アポクリファの住民Denizens of Apocrypha

解読者プラウティス 著

アポクリファはもちろん、オブリビオンの次元である。こうした場所に自然の獣はほとんど住んでいない。我ら定命の解読者はデイドラの世界への訪問者にすぎない。一部の低級な霊魂はニルンの獣と似ていなくもない形態を取るが、それ以外の者は知性的な種族に類似し、また一部は自然世界に見られない奇異な形態を取る。

デイドラの小動物
解読者のミッデンを1時間も散歩すれば、定命の世界の害獣に似た日常的な小動物に出会うだろう――外見上は、ということだが。デイドラットとフィエンドロースはオブリビオンのあらゆる場所に存在しているらしく、ニルンをネズミや昆虫が這い回るのと同じように辺りを駆け回り、ゴミを漁っている。アポクリファに固有の小動物デイドラ種がトームシェルである。これは捨てられた本に取りついて動かす生物で、蟹が他の生物の殻を借りるのに似ている。トームシェルは基本的に無害だが、追い詰められれば突進してくることもある。デッドマイトについては話したくもない。

下級デイドラ

いわゆる下級デイドラの多くは、果てしなき蔵書庫や隠された色彩中で見られる。どのデイドラ公もインプやクランフィア、オグリムなどを従えており、ハルメアス・モラも例外ではない。だがグレートアイはこうした獣にほとんど注意を払わない。これらの獣は単にモラが守りたい場所に集められ、あとは放っておかれる。定命の訪問者はアポクリファで出会うこうしたデイドラに十分気をつけるべきである。この下級デイドラはグレートアイの忠実な崇拝者を侵入者と勘違いし、襲ってくるからだ。

グレートアイのしもべたち
ハルメアス・モラは一般的に獣へ似たデイドラを無視するが、より知性的な種族には遥かに強い関心を示している。モラはウォッチリングを伝令や記録者として頻繁に使用し、アポクリファで静かに機能している秘密の役所で難解な宗教的職務を行わせている。ウォッチリングのより大きく強力な親類である監視人は、しばしば監督官やガーディアンとして活動し、グレートアイのより重要な懸案に対処している。

ハルメアス・モラのしもべの中では、アポクリファの固有種として言及に値するデイドラが2種類いる。シーカーはモラの領域の学者である。この次元のすべてのデイドラの中で、彼らはグレートアイの秘密の目的に最も適しているようだ。彼らは秘密の番人として、また運命の書記として、不気味な沈黙のうちに不可解な使命を遂行している。魚に似た恐るべきラーカーはそれに対し、グレートアイの海との古いつながりを体現する存在である。彼らはモラの強大なガーディアンであり、アポクリファに対する脅威を、それがどんな形で現れようと撃退するために存在する。

侵入者たち
アポクリファの十分奥深くまで行けば、この次元で生まれたのではないが、ここに閉じ込められた獣におそらく出会うだろう。その最大の事例がハッシュドである。これは解読者のミッデンの解読者のように、かつては定命の書記だった者たちである。しかし知識にのめり込み、さらなる知への飢えによって自己のアイデンティティを失った。大半のハッシュドは定命の者に出会っても無視するが、時としてハルメアス・モラはこの不運な獣を使って、見られたくない場所を守らせている。ハッシュドが命令を遂行している時には邪魔をしないほうがいい。何の警告もなしに敵対する可能性があるからだ。

アポクリファの歴史書Chronicle of Apocrypha

記録によって示そう。グレートアイ、すなわちハルメアス・モラは、アポクリファを守り、ヴァルミーナとぺライトの脅威から次元を救うために定命の勇者を選んだ。選ばれた定命の者は放浪のデイドラであるトーヴェサードに対処するため、またグレートアイの領域の最も大切な秘密を守るために欠かせない存在となった。

記録によって示そう。your name>は運命に選ばれし者であり、ハルメアス・モラによって印を受け、この危機が続く間運命の糸を守る役目を託された。選ばれし者はモラの敵がアポクリファを破壊するのを阻止し、領域を弱体化させていた毒の腐敗を終わらせ、ヴァルミーナと隠された一族を追い出し、アポクリファとニルン、そして存在するすべての領域の存在を救った。

your nameはアポクリファの歴史書に記録され、運命のために遂行した行動のため永遠に記憶される。運命に選ばれしものを称えよ!ハルメアス・モラを称えよ!

アンダーウィーブのウォッチリングへの注意Reminders for Underweave Watchlings

ほどかれるのを待つ運命は、ちょっとした読書を許されない。

織り直すことが可能な衣服とは異なる。そのため安全を第一とする。

ラーカーが復讐の織機の吐き口に入らないようにしなくてはならない。流れ出ているもので肥大している可能性がある。

ヴァルミーナに捧げる歌Ode to Vaermina

ネクロムの詩人(第二紀120年没)ガリナ・ラスリ 作

おお、ヴァルミーナ、悪夢の王よ
我が午睡に絡みつく蛇の噛み傷よ
邪悪なる怪物の夢を見せてくれ
お前の領地を歩ませてくれ

激しい苦悶の夢を見せてくれ
肉をはぎ取られ、その下の骨が見える夢を
皮膚の下でうめき声をあげる者の夢を
私の目の奥で叫ぶ幽霊の夢を

お前の国をさまよわせてくれ
揺れ動く大地と、壊れた魂の国を
お前の無気力の中で踊らせてくれ
その円環の中で迷わせてくれ

お前の予兆を夜に歩かせて
眠る愚か者たちを集めてくれ
予兆は彼らの夢と希望と嘘を盗み
持ち帰ってお前の力に変えるだろう

お前の毒で世界を汚し
夢見る者の眠りを奪い去ってくれ
恐怖が彼らの魂を貪り
激しく追いやるように

眠らせてくれ、だが休息は要らぬ
狂気を内に染み込ませ
我が心にお前の闇を抱きしめさせてくれ
おおヴァルミーナ、我が願いを聞け!

〈編集注記:これは一部の界隈で正気を失った詩として知られる、有名なガリナ・ラスリの最後の詩である。ラスリはこれを完成させた後、高所から飛び降りた〉

ヴォイドプラウラーの日記Voidprowler Journal

今日の仕事

– ファーグレイブで剣を5本、盾を3つ買う
– ヘゼークを探す
– ヘゼークからマダム・ウィムの秘密を盗む
– 新しい剣を研ぐ
– ラーカー(?)を捕まえる
– ラーカーが何を食うのか調べる
– 隠れた広場に軽く襲撃をかける

ウクスナスからのメモNote from Uxunath

ついにやった。レムナントに対する我々の攻撃が成功した。セノタフは今やドリームカーヴァーのものだ。

レムナントの力を我らのものとするにはまだ多くの課題が残っている。レムナントはハルメアス・モラとの契約を、クラッツと呼ばれる小次元の内部に閉じ込めている。この契約は奴らの力の中核であり、我らの襲撃の標的だ。

私が配布した石は私の容貌に調整されている。私が以前記した儀式のために石を使え。私のエキスがレムナントと融合したら、クラッツの壁は崩れ去るだろう。

ウルダザーンの手紙Uldazaan’s Letter

解読者アカシーン、

お前の頼み事は可能だが、定命の者にとっては普通でない要求だ。求めている儀式を教えてやってもいいが、その代償はお前に背負える以上のものかもしれない。死を拒絶するには、生をもまた拒絶しなければならない。

私はもうすぐネイディル極点を訪ねる。旅の祠から遠くないところに、我々の目的に適した場所がある。定命の金貨を十分なだけ持ってこい。

異端の番人ウルダザーン

オブリビオンの扉に関するメモNotes on Doors of Oblivion

これは私の問題じゃない。私はこのモリアンではない。違う者だ。偽者。再検討によって切り落とされた、以前のバージョン。嘘によって作られたものだ。私ではない!

それに、このセイフィジ・ヒッジャとかいう奴は何様のつもりだ?私について書き、私の頭の中で喋っている。これは私の名前と私の頭だ。人を訪ねる時は土産を持ってくるのが礼儀だろうに。行くなら他の奴の家にしろ。私のところに来るな。どこかに行って、自分の人生を生きればいい。好きにすればいい。とにかく私を巻き込むな。

なぜディヴァイス・ファーという名前に聞き覚えがあるんだ。カーならカラスだが、ファーは違う。ファーなんて軟弱で、曲がりやすそうで信用ならない。秘密を語る者、真理を保つ者。解読者のように。奴の約束は信じられない。そもそも約束さえしない。お前の本を私によこすな。

一体この戯言は何だ?他の領域についてもっと教えてくれ。記述の仕方も悪い。アッシュピットが空気中の埃や塵でどんな音を立てているのか言及していない。「既知」のような間延びしたブーンという音。体を持ち上げはしない代わりに、肺を満たそうとしてくる蜂の羽音だ。

コールドハーバーは大部分において正確だが、ムーンシャドウは美しくない。まるで絵画を泣かせようとするようなものだ。目に油を注ぎこまれたら、いずれはすべてを頭から追いだしてどこかへ行ってしまうだろう。

クアグマイアで、私の目の前であの男が皮を剥がれた話はどこにいった?私は確かにあの話を細部に至るまで話したはずだ。私はあれを見せられたのだから、読者も同じくらい詳細に読むべきだ。今呼んでいるが、恐ろしい部分が欠けている!これは許せん。愚かな創作物め、なぜ現実を反映しない?

全体としては、この著者に長い手紙を書くのを忘れないようにしなければ。こいつはまったく間違っているし、真実を十分に創作していない。私は自分が読むすべてのものに夢中になりたい。不運な魚のように地表を跳ね回りたいのではない。

ギャラリーの獣Beasts of the Gallery

この共同著作は、フェラル・ギャラリーの居住者を世話している目の解読者全員の協力を得て作成された。

火壺の蜘蛛

自然な生息地:ソーサ・シルの工房

望ましい気候:なし

記述:この蜘蛛はクロックワーク・シティで見られる火壺の蜘蛛のプロトタイプである。通常の可燃性液体を含んでいるが、推進力を得る方法は最終的なバージョンと異なっている。また、最終バージョンよりもかなり大型で、そのために最終バージョンのような曲芸的な動きを安定して遂行できない。

追記:注意せよ。外的な素材でこの蜘蛛の火壺を点火しようとすると、火壺は非常に高確率で爆発する。我々は複数の原プロトタイプと、1つ以上の囲いの壁を火災によって失った。繰り返さないように。

ブリストルバック

自然な生息地:ソルスセイム、ムンダス

望ましい気候:雪山の高地、氷点下の気温

情報:背骨に沿った毛皮は逆立っていて硬く、この動物の名称の由来となっている。リークリングによってしばしば労働用あるいは騎乗用の動物として用いられ、ソルスセイムの他の住民には肉のために狩られる。リークリングはブリストルバックを日々の生活でうまく役立てているが、解読者は誰一人として、ブリストルバックの攻撃的な性向を抑えることに成功していない。

世話用メモ:ブリストルバックは攻撃的で縄張り意識が強い。彼らは自分たちの囲いへの侵入者をよく思わない。必要なものは通路を使って配るか、眠りの煙を用いてから中に入ること。

追記:インペリアルのモリアン・ゼナスは、ブリストルバックが貴族であるという印象を抱いている。多くの解読者は彼の主張を笑うが、筆頭解読者フリールヴィはかつてブリストルバックに頭を下げたことがあり、それゆえに現在ブリストルバックは彼女が通りすぎても気にしないと噂されている。これは明らかに馬鹿げた流言だが、彼女はこの話の真偽を明言していない。

ブルーオアシス・ドラゴンフロッグ

自然な生息地:ヒューズベイン、ムンダス

望ましい気候:焼けるように暑く、日陰の多い砂岩地帯

情報:ブルーオアシス・ドラゴンフロッグの派手な色と独特な炎の色は、かなり見ごたえがある。ドラゴンフロッグの中にはペットとして飼われ、芸を仕込まれているものもいるが、この種族は元の本能と行動を保つために可能な限り手を触れないようにしてある。

世話用メモ:このカエルはあまり多くのものを必要とせず、囲いを探検して空を飛び跳ねるだけで満足しているようだ。炎を吐くが、射程が短く簡単に避けることができる。触れられることにはあまり反応せず、囲いの中に解読者が入っても無視する。

ドワーフ・キャリアー

自然な生息地:リーチ、ムンダス

望ましい気候:なし。このコンストラクトはあらゆる地下の気候に耐えるよう作られている。コンストラクトであるため、好き嫌いは示さない。

情報:おそらくは重い荷物を持って長いトンネルを輸送させるために、ドワーフによって作られた。この生物は驚異の技術力の結晶である。肉体を持つ生物の脳にも似た中枢システムを有しているが、この生物が我々と同じように思考するのかどうか、議論の余地なく証明した者はいない。

世話用メモ:このコンストラクトは仕事を与えておかないと退屈し、暴れ出す。できる限り、囲いの中に重い岩を配置しておくこと。そうすればしばらくの間は岩を持ち上げたり降ろしたりを繰り返すだけで、問題は起こさないだろう。

マッドクラブ

自然な生息地:タムリエル全土

望ましい気候:沿岸や海辺

情報:社会的生物であるため、我々は複数のマッドクラブをこの囲いの中で一緒に住まわせている。囲いの床には付呪が施されており、マッドクラブたちが下を掘り進んでも、囲い自体の境界を越えては逃げられないようになっている。このマッドクラブたちは奇妙な形式のダンスを実践するようである。彼らは輪になって集まり、リズミカルに左右に揺れる。彼らはこのダンスを1日に数回行う。

世話用メモ:どのような状況にあっても、このマッドクラブたちに囲まれて踊りを始められないようにせよ。彼らのせいですでに数人の解読者が、うわごとを言う錯乱状態に陥っている。

ギャラリーの知覚ある獣Sentient Beasts of the Gallery

これは現在進行形の作業であり、フェラル・ギャラリー内に囲われている近くのある獣について、そうした獣を世話している目の解読者たちの協力によって行われている。

モリアン・ゼナス

自然な生息地:ムンダス

望ましい気候:蔵書庫や講堂

情報:年齢、体格ともに平均的なインペリアル男性。かつて強大な魔術を操っていたが、技術を忘れてしまったようだ。「オブリビオンについて」や「アポクリファで聞きつけた秘密」などの作品の著者であり、また「オブリビオンの扉」に登場するモリアンは、抜きんでた力と教養を持つ魔術師だった。彼はアルケイン大学で境界学の教授として教え、そこでセイフィジ・ヒッジャやディヴァイス・ファーと出会った。これらの定命の者が彼の人生に果たした役割をよりよく理解するためには、モリアンの以前の著作を参照すること。

モリアン・ゼナスはアポクリファに居を据える前、アッシュピットやムーンシャドウ、クアグマイアを通ってきたと報告されている。彼はそこから離れていない。憶測によると、モリアン・ゼナスはここにいる間に何らかの禁じられた知識を発見してしまい、今は去ることができなくなっている。ハルメアス・モラはモリアン・ゼナスがここで正気を失うのを見て楽しんでいると言う者もいれば、秘密の王が楽しむのは自身の秘密を守ることだけだと言う者もいる。いずれにせよ、モリアン・ゼナスはこの領域を離れることができず、離れたいと思ってもいないようだ。

世話用メモ:モリアンが最も好む余暇の形態は、文学である。
世話用メモへの追記:彼が話しかけてきても会話をしないこと。彼の状態が感染性のものかどうかは不明瞭である。
世話用メモへの追記への追記:感染性ではなかったが、彼の言葉を理解するのは困難であり、話し方も支離滅裂である。時間を無駄にしないためにも、彼の呼び声は無視して、自分の仕事に集中せよ。

シュライク

自然な生息地:エバーグローム

望ましい気候:霧と夕日に包まれた森林地帯

情報:とてつもなく知性的なデイドラであるシュライクは、異常なまでに感情の揺れが激しい。他のデイドラは不気味なほどおとなしいか、常に気まぐれだったりするが、シュライクは2つの状態を持つ傾向にある。我々が世話をしているシュライクは、2つの一般的状態のうち1つしか示さず、常に変わらず陰鬱である。フェラル・ギャラリーに来る解読者の誰も、シュライクが深い悲しみと憂鬱以外の状態にあるのを報告したことがない。

世話用メモ:シュライクを憐れみ、近くに寄りすぎないこと。シュライクは元気がなくても危険であり、これまでにも複数の解読者を自分の囲いの中に誘い込んでいる。

ハヴォクレル

自然な生息地:なし

望ましい気候:溶岩の海と炎の穴

情報:ハヴォクレルは恐るべき体格と気性を持つ視覚を持たないデイドラだが、我々が世話しているハヴォクレルはある方法を発達させ、見ることができると主張する。叫ぶのである。それも大声で。そして、声の音が触れるものを見ることができると述べている。当然だが、彼の主張を証明することは我々にできない。彼は頻繁に叫び、非常に大きく、限りなく甲高い声を出すからである。以前の解読者たちは彼のために障害物コースをデザインして移動させ、この主張を証明しようと考えたが、危険すぎると判断された。

世話用メモ:ハヴォクレルの声の音量を下げるか、声に長時間さらされた際の苦痛を軽減する呪文を見つけること。複数の解読者がハヴォクレルの囲いを含んだ部屋に入った後で耳鳴りを報告している。

ウィスプマザー

自然な生息地:ムンダス

望ましい気候:ウィスプのいるところ

情報:ウィスプマザーはどの解読者とも口をきこうとしない。食い下がると、彼女はすべての発言と要求を周囲のウィスプに対して言う。彼女は最大で10体のウィスプを支配できるが、そのうちの1体を気に入っており、そばにおいて遊びたがる。他のウィスプたちはスカートのヒダの裏に安全にしまわれていると主張するが、複数の解読者が彼女の囲いの境界外からウィスプたちを回収している。ウィスプマザーは自分のウィスプが逃げ出していることを知っているのか、逃げ出せることを理解しているのかは不明である。

世話用メモ:ウィスプマザーはウィスプをしばしば子供たちと呼んでいる。ウィスプマザーを子供たちから引き離さないように。

キンマーチャー・ストリクスの日記Kynmarcher Strix’s Journal

秘密のデイドラ公に呪いあれ!

ニミック砦での任務が簡単でもなければ短時間で済むものでもないことがわかった。この壁の中には無数のニミックが保管されているが、手では触れられない思考として存在しているだけだ。あれに接触するには、広大な迷路の中で正しい場所に行き、思考に命令して見える形態へ出現させなければならない。試行錯誤を必要とする面倒な過程だ!

何らかの対策がされていることはもちろん予測していた。だがニミックがうまく姿を現しても、ハルメアス・モラは第二の防衛手段を用意している。それぞれの名前は部分に分けられ、異なる場所に保管されている。分離された状態からニミックを復元するための暗号か合言葉があるはずだ。だがモラのしもべがその手続きをどこかに記録しているとしても、まだ見つけられていない。

とりあえずドリームカーヴァーには、見つけられた部分的なニミックをすべて出現させ記録しておくよう指示しておいた。モラの暗号化の秘密さえわかれば、遥かに多くのことができるのだが!

グリフィックとは何か?What About Glyphics?

解読者ドロドス・ドロム 著

アポクリファはその秘密と禁断の知識を、あらゆる形状とサイズの器に保管している。最も一般的なものは書物の形態を取ることが多いが、巻物や羊皮紙、モラの目、石板や金属板もある。だがおそらく多様な器の中で最も興味深いのは(モラの目を除けば)グリフィックだろう。

グレートアイの領域の特性に詳しくない者は「グリフィックとは一体何だ?」と思っているだろう。心配は要らない。この風変りなアイテムの詳細を手短に説明しよう。

アポクリファのすべてのものと同じく、グリフィックはハルメアス・モラの創造物である。結晶化された記憶、あるいは観念上の瞬間を後に開示するために固形の状態で捉えた凝集体と考えればいい。どんなグリフィックにもある特定の知識の一部や、特定の記憶が込められている。適切に引き出せば、グリフィックをその内に込められた概念の具象化されたバージョンへと変身させられる。

グリフィックはグレートアイによって特別に作られたものなので、それぞれのグリフィックにはハルメアス・モラにとって思い入れや重要性のあるものが入っていると考えていい。グリフィックはアポクリファ全体の中でも最も安全で、改ざんされにくい知識の保管庫なのだ。グリフィックにはグレートアイが何らかの理由あって追放した知識や記憶が込められていると言う者もいる。また、モラは神としての自分の関心や目的のための情報を保管するためにグリフィックを使っていると言う者もいる。いずれにせよ、グリフィックを取り扱う機会があったら、そこに込められた知識を書き記す際には慎重になってもらいたい。

ダガーフォールの悪魔との契約Pact of the Daggerfall Devil

第七日の第三の時間、
定命の者の第二紀455年の最後の月、
アビサル・セファリアーク、人間の庭師は、ダガーフォールの悪魔として知られる定命の者と、同意と理解により契約を形成する。

ダガーフォールの悪魔が無実の者数十人の命を奪ったこと、およびその罪のためにダガーフォールの街にて処刑を定められていることを知り、ハルメアス・モラは彼に庇護を提供する。その見返りに、ダガーフォールの悪魔は彼の精神をコーラスに、彼の身体をレクトリー・コーポリアに、定命の者の500年の間捧げるものとする。

ダガーフォールの悪魔が受け入れるのなら、彼は速やかに処刑を免れ、追跡者の手の届かない場所へ置かれるだろう。

タムリエルの双子神話Tamrielic Twins of Myth

タムリエルの双子神話への導入

タムリエルの遠い地にまで旅する喜びを味わったことがない人のために、イメージを描こう。降霜の月の爽やかな空気を想像してもらいたい。最後の陽光が大きく壮麗な山脈の背後でゆっくりと消えていく。あなたは暖かく快適な宿屋か、親切な他人の家、あるいはそれに類する、夜を過ごせる家の前に立っている。一日の疲れを振り落とす前に、あなたは暗くなっていく空をもう一度見る。そこに見えるものは?双子だ。

ジョーンとジョーデはタムリエルの神話における双子の力の証拠だ。だが、悲しい真実を知らせなければならない。最も偉大な神話や伝説の多くは、紙に記されていない。いや、皆まで言うな。物語学者たちが一斉に身震いしているのはわかっている。しかし本当のことだ。私の旅で最も力強く活き活きとした物語は、焚き火の周りで若者たちに向けて語られる物語だ。そういう物語を3つ伝えられることを誇りに思うが、ある点を明確にしておきたい。これは特権だ。これらの物語は大切にされるべきものであり、学問的な正確さで解剖するべきじゃない。

第一の物語は、アルゴニアンの子供が私の革で綴った日記に噛みついている間に話してもらった。古代のザンミーアの奥に迷い込んでしまったアルゴニアンの双子、イジクとツウィールの物語だ。それから私たちはシストレス沿岸に行き、そこではマオマーの双子クリシナとオーミリルが呪われたスロードの海に深く潜っていく。最後はノルドの神話だ。目覚めると魔法の吹雪の中で迷子になっていた、フィルンリグとライナの物語だ。

デイドラ公との取引Deal with a Daedric Prince

ティアーの癒し手リンドラル・シラノの証言、第二紀573年頃

ついに究極の手段に訴える時が来た。疫病と災厄が我らの地を冒した。最初は夏に一連の凍える夜が、その後は津波、そして重苦しい瘴気が街に襲いかかった。その後、水が黒ずんで飲めなくなった。そして、動物たちが病気になり始め、次いで人々、ダークエルフまでもがやられ始めた。

私と仲間の癒し手たちは当初、呪文や湿布、薬で何とか対処していた。だがすぐに病人の数が増えすぎたため、近くの集落に助けを求める知らせを送ったが、彼らは自分たちのところに疫病が拡散するのを恐れて拒絶した。我々は自分たちの物資を使い果たし、しまい込んであった蓄えも使ってしまった。そして癒し手さえもが病に倒れ始めた。

もうこれ以上は耐えられない。私は古代の文書を漁り、指示されたように吸血鬼の塵、銀、デスベル、ルビーを使い、異界の言葉を唱えて私たちの病の源泉を召喚した。

「ぺライトよ!我は汝の釈明を求める!」

まばゆい閃光と立ち昇る煙と共に、幽霊のようなスキーヴァーが渦巻く霧の中から姿を現した。召喚は失敗だと思ったが、スキーヴァーは口を開いた。「汝は呼んだ。我は応じた。汝はいかにして我を称える?」

「称えるだと!」私は吐き捨てるように言った。「お前は我が街に疫病を放った。何の理由も目的もなく。止めてくれ!」

「疫病?何の疫病のことを言っている?」スキーヴァーは無邪気に尋ねた。

私は鋭く返答した。「感冒や悪寒、衰弱。激しい震え。扁桃腺炎。動悸の異常!新たな病気が起きるたび、前よりも悪くなっていく!」

スキーヴァーは肩をすくめたように私には見えたが、次のように言った。「我は自然のあるべき経過に任せる以外のことを何もしていない」

「お前が私の村を滅茶苦茶にしたんだ!」と私は言った。

「お前は苦痛の停止を願うか?」とスキーヴァーは尋ねた。

「命令しているのだ!これを止めろと!」と私は叫んだ。

スキーヴァーはケラケラと笑った。「デイドラ公に命令?本気か?お前に強制できるというのか、定命の者よ?」

「私には知識がある」と私は応じた。「もっと知識を得てもいい。お前を追及し続けてやる。その知識を国中に広めてやる。お前の死の病に対処するだけじゃない。根元から絶やしてやる!お前の力は衰え、お前は劣った存在になるんだ」

一瞬だけ沈黙が下りた。そしてスキーヴァーは言った。「何を求める?」

「私の患者たちがあの疫病から解放されること」と私は言った。「サイレン・ヴァルゲイトの民がもはや病気にかからないことを望む」

そして少し考えてから、私は付け加えた。「1年と1日の間でいい」

再び沈黙が下りた後、クスクスと笑い声が響いた。そんな声がスキーヴァーから聞こえてくるのはとても不思議な感じだった。「よかろう」

その言葉と共に、幽霊のようなスキーヴァーは姿を消した。そして夜明けになると、サイレン・ヴァルゲイトの人々は回復し始めた。体力を消耗させる咳は弱まり、悪寒は退いた。最悪の扁桃腺炎を患っていた者たちさえ、体力を回復し始めた。

だが、代償は伴った。デイドラとの取引には常に重い対価が伴うのだ。私はすぐに手足の力が抜けるのを感じ、その後数日して、私の皮膚はトカゲのような鱗状に変わり、それが片腕全体に広がった。もう片方の腕には腫瘍が現れた。食べ物はまったく味がしなくなった。眠ることもできず、呼吸も辛くなった。

今や私の視界もぼやけている。私は衰弱した。私の胸の中で何か不愉快なものが動いている。私は自分の部屋に閉じこもり、皆には私に近寄らないよう伝えた。弱っていく耳を通じて、鐘の音が聞こえる。サイレン・ヴァルゲイトが歓喜の声と共に健康を祝っているのだ。私は民のために喜んだ。だが自らの身に起きたことは呪わしい。

私はぺライトを呪う。そしてデイドラ公と取引した自身を呪う。

〈この写本は第二紀573年、リンドラル・シラノの執務室の中、腐った死体のそばで発見されたものである。死体は燃やされたが、浄化の炎にくべられる際にもまだ動いていたと言う者もいる〉

トーヴェサードの日記Torvesard’s Journal

記憶は揺れ動き、一定しない。そのため、俺は定命の者のようにペンとインクを取り、思考を記録することにした。過去に起きたと思われることが、もし再び起きた場合に備えて。

* * *
俺は自らの目的を未だ明確に捉えられていないが、常に栄光ある目的に充たされていた。衝動が俺を突き動かしている。ある過ちを正したいという激しい欲望。過ちが犯されたという確信はあるが、それは未だにぼやけている。明確にしてみせる。そして正義を行う。いつの日か。

待つことはできる。

時間は無限にあるのだから。

* * *
夢。一般的にデイドラは夢を見ない、少なくとも定命の者が理解しているような意味では夢を見ないと考えられている。だが俺は思い出せる限りの昔から、時折ある一つの夢に苛まれ続けている。最近、その夢はさらにしつこくなり、ほぼ毎日繰り返されるようになった。興味深いことに、俺はデイドラ公に仕えたこともなければクランと歩んだこともないのに、夢はデイドラ公ヴァルミーナとぺライトに関係している。この問題に関する専門家に相談する時が来たのかもしれない。

* * *
俺の夢は俺だけのものではないようだ。ヴァルミーナとぺライトはどちらもこの夢をある形で経験したことがある。だがその夢は俺ほど頻繁でも、強力でもなく、細部も欠けている。だが夢と悪夢のデイドラ公でさえ、この夢の意味を理解させてはくれなかった。俺が今記憶として知覚するものの、ごくわずかな断片を思い出させてくれただけだ。

その断片の中で、俺はヴァルミーナとぺライトがもう一つの強大な存在と、夢のデイドラ公の大きな像の前で激しい言い争いをしている場面を目撃している。そこで像は爆発し、その存在が秘密のデイドラ公ハルメアス・モラであることがわかる。突然俺は理解した。これは実際に起きたことだ。そしてこれが起きた時、ある重要なものが我々から奪い取られた。どれだけの努力と代償を払っても、取り戻さなければならない記憶が。

* * *
信頼できる味方の協力によって、今や複数の計画が動いている。ヴァルミーナとぺライトはモラに激怒し、手伝うことに同意した。テルヴァンニのマスターを含む、定命の者の協力も確保した。我々はアポクリファの宝物庫に侵入する。禁断の知識のデイドラ公の秘密を暴くのだ。そして我々から盗まれたものを取り戻す。

俺は自分の不死の存在にかけて、このことを誓う。

とても小さなトームシェルThe Littlest Tomeshell

解読者ムキーシュによる、ほぼ真実の物語

昔、あるデイドラの霊魂がオブリイオンの蒸気を漂っていました。霊魂に自分の領域はなく、命令を与えるデイドラ公もなく、住まう形態もありませんでした。あったのはただトルグという名前と、次元の流れが運ぶほうへ漂っていく欲望だけでした。

そのうち、すべてのものに起きることですが、トルグは知識と秘密の領域アポクリファに引きつけられていきました。すべての方向に伸びている書物の山脈は霊魂を魅了しました。あらゆることが記されているこれほどの数の書物が高く広く積み上げられている光景は、見たことがありませんでした。霊魂は本の間を漂いながら、それぞれの中に込められている情報を想像しました。遠く離れた場所や強大な存在、驚異の遺物についての幻視を浮かばせました。しかし物理的な形態がないため、トルグはページをめくることも表紙を開くこともできず、一言だって読めませんでした。

がっかりしたトルグは、すぐ近くで揺れが起きていることに気がつくまで長い時間がかかりました。霊魂は叫び声や唸り声、苦痛の泣き声を追いかけ、本の山2つが重なっている行き止まりにたどり着きました。この領域の作法や危険に疎い若い解読者が1人、本の壁を背に動けなくなっていました。彼の向こうにはドレムナケンが4本の頑丈な足で立ち、口には鋭く尖った牙を生やしていました。

若い解読者は持っている唯一のものを盾にしていました。それはとても小さな本で、表紙は彼の掌ほどの大きさ、厚みは掌の半分ほどしかありません。言葉は剣よりも鋭いと言いますが、この小さな本はあまり頼れる武器とは言えません。ドレムナケンは一瞬も怯みませんでした。

ドレムナケンが体を持ち上げて襲いかかろうとした時、トルグは前に突進し、小さな本の中に滑り込みました。霊魂は自分をこの小さな本の隅々にまで行き渡らせ、ページを自らの体に、表紙を翼に変えました。トルグはマッドクラブが殻に住むように、小さな本に住みつきました。そしてトルグは激しく羽ばたいて空中に飛び、ドレムナケンと解読者の間に割り込みました。

ドレムナケンは困惑し、羽ばたいて空中に浮かんでいる小さな本を眺めました。本とは思えないこの行動にどう対処したものか、明らかに迷っていました。トルグは突然身を翻し、ドレムナケンの鼻の中に真っすぐ飛び込んでいきました。この大きな生物が叫んだのは痛みよりも驚きのためでしたが、それで十分でした。ドレムナケンは背中を向けて逃げ、果てしない本の壁の隙間に消えていきました。

若い解読者は新たに誕生したトームシェルに感謝しました。アポクリファでは霊魂に憑依された本はそう呼ばれるからです。トルグは揺れと羽ばたきで感謝を受け入れたように見えました。そしてトルグは飛び去り、トームシェルの生活を送りに行きました。

若い解読者のほうは年を取ってより賢い解読者になりました。それは私のことかもしれないし、そうではないかもしれません。

ナーニュレルの航海日誌Naanurrel’s Logbook

嵐はもう4日間も続いており、ゲイルは打ちつける波に耐えられそうにない。船と乗り手全員をこの重苦しい海の中に失うかもしれない。息子を水の墓に葬るわけにはいかない。だから禁忌の手段を使うしかない。ずっと以前、私はある昔の船乗りから大いなる力と契約するための儀式を学んだ。息子を救えるチャンスは今しかない!

〈一連の奇妙な、揺れ動くグリフが血で描かれており、その後には次のように記されている〉

危機に瀕した今、私はお前を呼ぶ!私と船員の命を奪い、息子を救ってくれ!この恩恵のために、私は永遠の奉仕を誓う!

〈字体の異なる手書き文字で、一連の奇妙な見慣れないグリフが描かれており、その後は以下のようになっている〉

申し出は受け入れられた。契約は成された。ナーニュレルを溺死者のための我が案内人としよう。かく行われるべし!

〈最後の数行には、ナーニュレルの書いた文字がある〉

息子よ、お前を海に沈めることはできない。禁忌に手を染めるしかない。許してくれ。

ニミックの性質についてOn the Nature of Nymics

ディヴァイス・ファー 著

私は研究の最中、しばしばデイドラと取引することになる。実際、生きている定命の者で私以上にデイドラに詳しい者を知らない。さて、タムリエルのより遅れた一部の地域では、これが卑しい意図の表明と見なされるかもしれない。なにせデイドラ信者は、定命の者の世界で見られる最低の悪事の原因なのである。

このような非難に対して、私は自分が利用するデイドラの力を注意深く選んでおり、どのデイドラも崇拝していないことを指摘しておく。デイドラは我々定命の者が理解しているような意味で邪悪な存在ではないが、それは単に彼らがデイドラだからである。デイドラの邪悪は、彼らが代表する役目と概念から生じるものである。そこでデイドラとそのニミックについての興味深く、また難解な問題が提起される。

デイドラのニミック――あるいは呪文における真の名は、しばしば考えられているような、単なる呼称とは違う。定命の者は新しい帽子を被るのと同じくらい簡単に名前を変えられる。日々、復讐を試みる敵から逃れるため、あるいは新しい地でやり直すために偽名を名乗る者は後を絶たない。しかしデイドラは、その真の名によって規定されている。彼らにはそれを捨てることも変えることもできない。自分の身体や意識を捨てられないのと同様である(そうする方法もあるが、私の論点は明白だろう)。事実、デイドラの物理的な形態が完全に破壊されても、そのニミックは残留する。

このことから、ニミックは魂のようなものだと思われるかもしれないが、それは大きな勘違いである。定命の魂はどちらかというと初歩的な魔術でも容易に別の器へ移し入れられる。それに定命の者には自分のあり方を変え、古い欲望や野望を捨て、新たなものと取り換える選択ができる。しかしニミックが再び姿を現す時は、常に単一かつ不変の形態を取るのだ。

例えば、メエルーンズ・デイゴンのようなデイドラ公は、ただ破壊の神であることをやめられない。デイゴンの役割のその部分は、デイゴンを常に規定し続けている。滅ぼされたとしても、デイゴンのニミックはいずれ以前とまったく同じように再形成されるだろう。それゆえニミックとは、生物がオブリビオンの永遠の混沌から姿を現した時に創造された、その生物を規定する模様か定式と考えるべきだろう。

さて、ここからがこの問題の本当に面白い部分だ。正しい魔術を用いれば、この模様に手を加えることができる。ニミックを変化させれば、それによって規定されるデイドラを変化させられる。デイドラの完全なニミックを学んだ真に有能な魔術師ならば、デイドラの忠誠心を変化させ、その力を制限し、異なる物理的形態(何かの物体など)に固定させ、あるいは単に消滅させてしまうこともできる。当然ながら、より強力なデイドラほどそのニミックも複雑になり、そのような変化を引き起こすことは難しくなる。

しかしだからこそ、すべてのデイドラは敵に自分のニミックを知られる可能性を恐れ、あれほど大事に守っている。

ハッシュドの破滅The Doom of the Hushed

賢きレラミル 著

アポクリファは定命の訪問者にとって多くの危険を秘めている。この次元の一部の場所は恐るべきデイドラの獣によって守られている。他の地域は一見して無限に続く陰鬱な迷路のように見える。さらに別の地域で、旅人は実現しなかった運命の中に迷い込む可能性がある。不注意な者を自ら作り上げた世界に閉じ込める、不可思議な現実である。

しかしハッシュほど油断のならない、恐るべき危険は存在しない。

これはアポクリファの悲惨な真実であり、ハルメアス・モラとのあらゆる取引の核心に待ち受ける罠である。定命の者が知るべきでない物事を知るためアポクリファに来る者は、自らの精神を危険にさらしている。

定命の者が自分の知性に収まるよりも遥かに大きな秘密を知ってしまうと、その精神の内容にずれが生じる。アポクリファ以前の人生の記憶、例えば大切な人々の顔や名前、定命の者をハルメアス・モラの領域へと導いた野心や欲望といった記憶は、徐々に失われていく。しかし知への渇望は定命の者を突き動かし、さらに先へと向かわせる。禁じられた知識の追求のため、自己を捨ててしまうほどに。

目の解読者はこの破滅の歌をハッシュと呼んでいる。そしてこの破滅に屈した者はハッシュドと呼ばれる。

ハッシュドは本来の素性や目的を忘れ、自らが抱える秘密の器でしかなくなった存在である。彼らは言葉を話せず、意思の疎通も取れない。大半は無言のままアポクリファの書架を徘徊し、周囲のものを一切気にかけることなく、さらなる難解な書物を探し求める。だが一部の者は均衡を崩して凶暴化し、出会うすべての者に襲いかかる。ハッシュドが何をするか知る方法はまったく存在しない。

学者たちの中には、ハルメアス・モラがその秘密を利用して定命の者をハッシュへと誘い込み、破滅へと導く邪悪な意図を持っていると信じる者もいる。私の考えでは、ハッシュドは悪意でなく、無関心の犠牲者である。運命のデイドラ公は約束を守る。定命の者が何かを求めてモラと取引する時、モラはそれを与えてくれる。その何かが定命の者の破滅であるとしても。

ファーグレイブ:神話の都市Fargrave: A City of Myth

ファーグレイブはオブリビオンの奥まった小次元にすぎないと思う者もいるが、豊かな歴史と重要な役割を有している。交差点としての機能を果たすファーグレイブは、次元の旅人にとって馴染みの場所である。

例えばサマーセット出身の魔術師が、ストリクチャーのシヴキン・グラスプと会話を交わすこともまったく意外ではない。このためファーグレイブは、熱意ある冒険者にとって刺激的な場所である。実際、私が前回訪れた時には、アービス収集団が窃盗を働いたスキャンプを尋問している場面を目撃した。タムリエルの平凡な田舎ではまず見られない光景だ。

ファーグレイブの豊かな歴史に関するこの導入が、次元の旅を始めたばかりの冒険者たちにとって、この小次元をより魅力的な場所にしてくれることを願っている。

ファゾムズ・ドリフトの伝説The Legend of Fathoms Drift

アイベアの魔導師ナエルーナ 著

沿岸の商人にせよ、島々を飛びまわる者にせよ、海賊にせよ、船乗りは基本的に迷信深い。彼らは海に出るたび、混沌とした未知の中に飛び込んでいく。吉兆を求めて空を見、球電を探して嵐を見る。鵜のうちに死んだ恋人の霊魂を見るのだ。船乗りはアホウドリを殺さない。船員全体が呪われてしまう。彼らは自らの霊魂を守るため、多種多様なアミュレットや魔除け、呪文の結び目を持ち運ぶ。船乗りは出航前に風の女神キナレスへ生贄を捧げ、ハルムス・モラと呼ぶハルメアス・モラのことを低い、畏れに満ちた声で話す。

ハルムス・モラは多くの名で知られている。運命のデイドラ公、人間の庭師、不可避の知者などである。北方の民やウッドエルフは森の男と呼ぶ。ハイエルフにはハイルマ・モラという名で知られている。カジートの間では波の王と呼ばれる。そして船乗りはハルムス・モラと呼び、不可知の海をモラの領域と見なしている。海は深く、我々はその表面しか知らない。知識と秘密自体にも似て、海の力はその深淵に眠るのである。

ハルムス・モラをより強力な力の欠片、あるいはより大きな謎の一面と呼ぶかどうかはともかく、船乗りたちはモラの名にかけて誓うが、モラの名を罵りもする。モラは隠された浅瀬や渦、突然のスコールのデイドラ公なのである。モラは自らの領域に挑み、その知識を解き放とうとするすべての者に試練を与える。モラに関係する伝説のうちおそらく最大のものは、モラが海から手に入れた宝を難破船の墓場に隠した場所とされる、ファゾムズ・ドリフトの伝説だろう。

船が跡形もなく消滅する時、それはハルムス・モラの意志だと言われている。そうした不運な船は予兆を無視した乗組員や、禁じられた貨物が積まれた船倉、あるいはハルムス・モラの力を軽んじ、挑発した船長を抱えている。こうした船は海に飲み込まれ、大渦に巻き込まれ、また重い波に転覆させられ、すべての人員を抱えたまま遭難する。彼らは海の底に引きずり込まれ、波の王の手に包まれて、最終的にファゾムズ・ドリフトの伝説の海辺に流れ着く。

なぜ波の霊魂、深淵の監視者はこのような戦利品を集めるのだろうか?なぜモラは船体を忘れ去られた海辺で朽ち果てさせ、乗組員を異界の空の下にある無人の浜辺で永遠にさまよわせるのか?誰にわかるだろう?波の王の思考や気まぐれを理解できる者など存在するだろうか?それに、このような問いに誰が答えようとするだろうか?

ファンリリオンの日記Fanlyrion’s Journal

また行き止まりだ。くそっ。セポラタワーに侵入し、はったりを駆使してライトマスターの個人蔵書庫に入り込み、カビだらけの紙切れを探しただけでは足りない。この本と怪物の領域に、命からがらたどり着いただけでも足りないのか。

記されていた儀式の地に来た。紙切れにはここで暗黒の知恵を手に入れられると書いてあった。それによれば、逸脱した星を整列させなければならないらしい。星とは何のことだ?それを見つけるまで、目的もなくこの荒野を放浪しろとでもいうのか?

いや、もっとまともな方法がある。この近くにモラを崇拝する信者たちの街がある。明日そこに行き、信者たちに助けを求めよう。

今は休もう。この忌々しい場所に来てから、ずっと酷い頭痛が続いている。

ブライトクラウンのメモBlightcrown’s Notes

腐敗の香炉は傑作だ!夢の物質と邪悪な病気を組み合わせて感染性の苦悶にすることで、これほど強力で有用なものができるとは思わなかった。無限のパノプティコンのガーディアンは香炉が発する腐敗に倒れた。これは我々の姿を奴らに見えなくするだけでなく、奴らをこの場所に入るすべての者へ無差別に襲いかかる、凶暴な怪物に変えてしまう。

この忌まわしい領域のデイドラ公から我々を隠すため役立つかどうかはわからないが、これの力を強化するため、マスター・シェルレニとの協力を続けたい。

私とドレモラのトーヴェサードが必要な情報を探している間、シェルレニはテルヴァンニ半島に戻り、黒の書から儀式を引き出す作業を続ける。

フルクラム・オブスキュラについてOn the Fulcrum Obscura

グレートアイが定命の者、ダードリン副院長の祈りに応えて、アポクリファの遺物フルクラム・オブスキュラを作るために必要なルーンを彼に与えた時、秘密の王はルーンに秘密の場所と内容を、それがどこに隠れていようとも明らかにする力を込めた。副院長はルーンをネクロムの歴史に関係する、ある古い骨に刻んだ。

さて、これは私の意見だが、運命のデイドラ公は定命の者にこの遺物をずっと持たせておくつもりはなかった。またネクロムの墓地の中に永遠に埋められることも意図していなかった。グレートアイはどこかの時点でフルクラム・オブスキュラを回収するか、時が来れば別の信者に授けると思われる。

それまでの間、遺物に刻み込まれた奇跡を記録しておきたい。というのも、ハルメアス・モラの贈り物の中でも、信者が望み通りの場所を探し、重大な秘密を開示することを可能にしてくれるものは他にないからである。例えば

モリアン・ゼナスの監房メモMorian Zenas Cell Note

やったぞ!あれが起きる時のための安全で、眠れる場所をようやく見つけた。もう3年にもなるが、きっと私もいずれは飽きるだろう。ここの番人たちが言うには、私は他の獣と一緒に住まされるらしい。連中の大いなる泡の王は、どうも私が重要人物だということを、私に気づかれたくないらしい。

他の動物たちは喋るのを止めないので、私は耳が痛くなった。だが言葉を話す動物よりはマシかもしれない。奴らが何を言っているか、想像できるか?

うーむ。それは自分で突き止めたほうがいいか。この本を読み終えたら。

* * *
何だこれは?未完成だ。著者はおそらく、読者に残りの言葉を補ってもらいたかったのだろう。自分で結末は書けと。大したことは書いていない。本全体を自分で書くべきかもしれない。前にもやったことがある。

* * *
新しい本がもうずっと来ていない。自分の思考と鳥の呼び声を相手にするのはもう沢山だ。呼び声を返そうとしたが――自分の思考と鳥の両方に――どちらも私の声を真似してくれない。鳥の言葉をもっとちゃんと学ぶしかないか。鳥は隔離施設の間を飛べるのだ。ここから出る道が見えるはずだ。

* * *
また話しかけてきた。心の中の声が。声には私のものでない名前があり、声は川底の石みたいな響きだ。気に入らない。私に戻れと懇願し続けてくる。戻れというが、私は行きたくない。ここは安全だ。本と新しい知識で、私の心が忘れた分を安全に充たせる。出ることはできない。頭にこんなに穴が開いて、腕にこんなに目があるのだから。

* * *
足が寒い。

* * *
掘るんだ。地表の下に出口があるはずだ。ないところに土が積もっていく。手を使い、足で引っかく。地面を食べる。歯と指と爪を使ってこするんだ。

フリールヴィがモリアンを探しているが、見つけられないだろう。彼は地面に食べられて、永遠に行方不明だ。謎だ。彼女が望んだよりも特別だ。

ラリデイルモは正気だLarydeilmo is Sane

この者がこれらを集めた。ラリデイルモだ。他の奴、闇の中の影ではない。ラリデイルモがやったのだ。証拠だ、と沈黙の中で叫ぶ。他の皆がおかしくなっている証拠だ。この者だけが正気なのだ。誰もが不可能だと言ったが、この者は正気を保った。そうだ、自分の名前だって憶えている。他の者たちにはできなかった。彼らのメモは暗い、文字の海の中に散らばっている。それらすべてを探すのがこの者の運命だ。メモを読むべきなのはわかっている。ラリデイルモはアポクリファに勝ったのだ。

* * *
インクは血、紙は皮膚。我々は本だ。そのことは知られている。

* * *
前に聞いた。ターラーシルとヒルゴットは聞かなかったが、私は聞いた。喚き声。近づいている。わかるんだ。彼らに見せてやる。あの濡れたジュルジュル言う音がこっちに来る前に。そうするしかない。あれを止める唯一の方法は、聞くことだ。

* * *
本があった。書架のすぐ次の列の先にあると思ったから、グループを離れた。今や本も、仲間たちの姿も見当たらない。書架は私の周りを移動して、私の視界の隅を動き回っている。何かがあれを操作して、私が道を見つけられないようにしているんだ。書架を見たが、古い地図ばかりだ。私をここに閉じ込めているものが何か知らないが、残忍なユーモアを持っているに違いない。だが、地図の端をつなぎ合わせることで、線ができることがわかった。アポクリファの暗い広間の中を導く光だ。書架を動かす怪物よ、お前を出し抜いたぞ!この区画から抜け出す道を見つけ、私が本来いるべき歴史書架に戻ってやる。見ていろ!

* * *
精神が抑えられない。喉のない声。心臓がガラスの胸の中で脈打っている。壊れていて、破れていて、引き裂かれているのに、まだ完全無欠だ。床に飛び散っている。海に滑り落ちたのに、乾いたままだ。

* * *
そう、彼は私を選んだ。彼は望まない者をここに留めておかない。私は気に入られた。祝福されたのだ。この書架を歩き、彼の名において管理する信用を得た。感じる。私の皮膚の下から生えてくる触手を。それを外に出させる方法を見つけなくては。私はシーカー。知識を探す者、侵入者を探す者。私はこの場所を清潔に保つ。

* * *
あれが囁くのを止めない。本が。大声ではない。表紙を通して聞こえるくぐもった声だ。だがあの声は、いつも聞こえる。話している。私に何か言っている。嘘をついている。本が嘘をつく!

レムナントの契約Pact of the Remnants

 

レムナントの真実The Remnant Truth

ホラティウス・ホフ 著

アルケインの研究者が亡霊に悩まされている。あなたも噂話は聞いたことがあるはずだ。研究を突然やめ、説明を求められると目に恐怖を浮かべて拒む学者を知っているかもしれない。これまで、多くがそのような恐怖の原因となる話について言及することを避けてきた。

しかしそれはもう終わりだ。

レムナントについて知られていることを、私がついに明らかにしよう。細かな点は異なっていても、どの話にも共通したことがある。これらの獣は知識の間に現れ、遺物や書物、その他の研究対象を持ち逃げする。もしかしたらあなたも深夜、剣を向けられて何かを盗まれたことがあるかもしれない。そうした強盗に抵抗すれば、腹を切られるか、運がよければ未知の真っ黒な触手に押さえつけられる程度で済むこともある。そしてその獣は跡形もなく消えるのだ。

ショーンヘルムの魔術師ギルドでデイドラの存在について研究するオーシマーの魔術師(彼は正しい種族名が使われることを好む)、達人ゴラトから話を伺った。レムナントについて調査する中で、彼はそれがドレモラの集団かクランであり、一部の者たちが主張するような特異な獣でないことを突き止めた。ドレモラがクランを組織することは学者の間でよく知られているが、達人ゴラトはレムナントが自分たちにとって一般的な階級的組織を否定していると考えている。階級のない、まったく平等な組織のようなのだ。指導者の指示なしでどのように任務を達成しているのか、私にはさっぱりわからない。

博識な達人ゴラトはさらに、一連のレムナントの出現における共通点も発見した。彼らはただ単純な魔法の装身具を定命の者から盗むのではなく、唯一無二の強力なアイテムを求めるようなのだ。どの場合においても、レムナントは研究者がそのアイテムの用途を突き止める前に現れる。そして私たちを永遠なる無知の状態に取り残す。

この情報を基に、私は魔法考古学者カトリッセ・ギリエンを探した。アルケイン遺物の学者として彼女は評判があり、レムナントの絶好の標的だったからだ。私が見つけた時点で、彼女はちょうどアイレイドの遺跡の奥深くから純オニキス製の円筒を掘り出したところだった。私がレムナントの話題を持ち出しても、彼女は驚きや不安を見せなかった。それどころか、すでに何度か遭遇したことがあることを落ち着いて話してくれた。彼女はレムナントといい関係にあると信じていた。

学者ギリエンは円筒の調査を続け、達人ゴラトによるドレモラのクランの説明を裏付けた。謎のデイドラ公ハルメアス・モラに仕える集団というのが彼女の表現だった。私はレムナントが、自分たちを盗賊ではなく保護する者として見ていることを知った。各地で、他者にとっては強力すぎると考えられるアイテムを集めているのだ。どうやら、遺物に加えて知識も封印するらしいが、それがどういう形でなのかはまだ不明なままだ。

レムナントによる暴行の問題を持ち出すと、学者ギリエンは私に軽蔑的な視線を向けた。暴力を受けるのは、その取り組みに抵抗するほど勝手な者か傲慢な者だけだと言うのだ。レムナントはあまりにも強力なものを保護する立派なことをしているのだと。彼女はレムナントの任務を信頼しているため、実は本人が認める以上の情報を得ている感じがした。私を見るその目には、間違いなく黒い十字の影が見えた。

これで以上である。アルケインの研究者を悩ませるレムナントと呼ばれる謎の勢力は、私たちを守っていると考えている。私たちを支配する権利というのはどこからきているのか?なぜ彼らに命を脅かされなくてはいけないのか?そして私たちから盗んだものをどこへ運んでいるのか?これらの疑問は未解決のままだ。いつか私も価値あるものを発見したときには彼らが現れるかもしれない。そのときまで、研究を行う際には護衛を雇うことをお勧めする。

暗号化された書簡Coded Missive

我らがデイドラ公はどの書が道を照らすのに最善か、確信を持てずにいる。

秘密の王はその誇りにかけて、間違いなくこの秘密を恒星回廊に保管された強力な書のいずれかに閉じ込めるだろう。

我々は可能な鍵すべての回収を、解読者の誰かに委ねるべきだ。

もうすぐ、我らがデイドラ公は忘れ去られたものを思い出すだろう。

それがマスターの命令であり、実現されるべきである。

クラジウス・ランプロニウス

運命と逆説:学術論文Predestination and Paradox: A Treatise

目の解読者の長老、ネルクエリエル 著

[この長大な本は運命と運命線、時間の力が定命の者の生に作用する際の性質について、ネルクエリエルの観点を詳細に解説したもので、全体が高尚なスタイルで書かれている。彼女の研究に関係する無数の補遺が添えられている]

補遺G:運命の予兆テム

ここに運命の本性について欠かせない相談相手となった、運命の予兆テムとの出会いに関する詳細を記録しよう。定命の生の縦糸と横糸が、彼のような者には明確に見えている。そのためこうした力について研究する者は、彼に接触するのがいいだろう。とはいえ、注意せよ。テムは運命の流れに干渉しようとする者を快く思わない。警告はしておく。

テムを見つけたいならば、貪欲沼近くにある運命の凝集点の召喚地を探すこと。テムは正しく描かれたサークルならばどこにでも呼び出せるが、この場所だと特に交渉がしやすい。テムは聞かなければ何の情報もくれない。尋ねるには複雑な手順が必要になる。様々な失敗を経た後、以下のアイテムが双方の対話を確立するために最も有効であることがわかった。

– デイドラの性質の巻物から作られたトームダスト。言葉自体は重要ではない。

– シーカーの鉤爪。生きているものが一番いい。死んでいても効果はある。

– 貪欲沼近くの泉から取ったイコルの小瓶。

サークルでは3つの召喚道具を順番に使うこと。私は3つ質問を聞くことができたが、3つだけだった。

次は議論を、尋問と標本目録作成の方法論に移そう。

運命の波の主Master of the Tides of Fate

賢きレラミル 著

運命のデイドラ公ハルメアス・モラは知る者、秘密の王、運命の波の主といった、多くの称号を持っている。私はいつもこの最後の呼称に興味を持っていた。だから私は禁断の知識の番人が持つこの肩書きの起源を、より詳しく調べてみることにした。

おそらく最初の問いは、運命とは何か?ということだろう。これはもちろん信奉する哲学によるが、支配的な立場では、運命とはより高次の力によって規定される出来事の展開と説明される。その力の本性や素性は議論の的だが、ハルメアス・モラが運命の少なくとも一部分を支配していることは明らかである。常に見ている目として、モラは絶えず運命の波を占い、次に起こるよう定められている出来事を知ろうとしている。それゆえに、モラは運命の波の主と呼ばれる。

私の知る限り、知る者は運命が展開するあり方を変え、導くことはない。しかしモラは糸が導く先を観察し、その不可避の帰結を追う。糸というのは私の比喩だが、運命を記述するのは容易ではない。運命を絶えず糸を紡ぐ織り機と見る者もいれば、未来へ向かって波が永遠に満ち引きを続ける、広大な海と考える者もいる。

それでは、運命の波の主という名称はどこから生じたのだろうか?私の考えでは、知識を広大かつ底知れぬ海と考えるモラの信者たちに由来している。彼らはモラがこの海の上空に浮かんでいるか海の中に住んでいて、常に深部を覗き込んで運命の流れを追跡していると思い描いている。モラは運命を操作するからではなく、すべての可能性と結果を知り尽くしているがゆえに主なのだ。

確かに、モラの領域アポクリファにはその表面の下に秘密や禁断の知識を隠した、まさしく終わりなき海に類似した地域が存在する。究極的にはどちらが先か、誰にわかるだろう?ハルメアス・モラが運命の波を記録する巨大な存在であるという考えか、そしてアポクリファの海上に浮かび、その深淵を覗き込む偉大なるデイドラ公というイメージか。おそらく、一方は他方の反映にすぎないのではないだろうか。

疫病作成者の指示Plague Concoctor’s Instructions

親方への贈り物は調合され、中央の間の祭壇にある彼の肖像の前に出す用意が整った。ただ3つ集め、病の君に献上するだけだ。だが忘れるな。親方は異質なものを嫌う。つまり、贈り物を同じ種類にするよう注意しろ。例えば深紅の病、血の腐敗といったように。

サンプルの効果は軽微で、疫病そのものよりも遥かに弱いはずだが、3つ以上は摂取しないように。強烈な影響が出て、苦しみが大きく増すだろう。

解読者アカシーンの日記Cipher Akacirn’s Journal

ついに答えを得た!

「セタリヤックスの異端」がすべてを明らかにしてくれた。秘訣は魂を定命の体から解き放つことだ。身体を持たない霊魂として、純粋な知識として永久に存在すること。私はどんな主題でも関心の向くまま探究する永遠の時間を手にする。そして劣った器がこの哀れな世界によって消滅させられる前に、その知識を飲み干してやれる。

残る障害は一点だけ。神秘の儀式だ。危険がないではないが、やってみるしかない。協力者を見つけて「神秘のグリモア」を読ませれば、私の精神を破壊することなく、儀式の知識をその者の精神から直接引き出すことができる。辛い決断ではあるが、協力者も生き続けられる。私がその者のすべてを得て、さらにそれ以上の存在となるのだから。

もう一度ウルダザーンを読み、異端を正しく理解できたかどうか確かめねばならない。無駄にできる時間は少ない。今日すでに二度、私の心臓は止まりかけ、視界は暗くなった。手早く作業しなければ。

解読者サビニアスの謝罪Cipher Sabinius’s Apology

解読者の同志たちよ

申し訳なかった。私は愚か者だった。私は最初のしもべの命令でクワイアズ・ウィンドを破壊した。

始まりは小さな願い事だった。なくなっても誰も気にしない本と引き換えに、ゴールドや野望の実現の協力を受けていた。だが最初のしもべは私を放さず、奴の陰謀に引きずり込んだ。そのうち、私は奴の要求をまったく断れなくなった。

もう逃げることはできない。奴が私に隠させた呪われた巻物が、デイドラを完全に暴走させてしまった。奴らはもうすぐ私を見つけるだろう。あの竜の顔を持つ怪物に力を貸すことで、どれほどの害をもたらしていたか、私は知らなかった。知っておくべきだったのだ。

サビニアス

解読者トラクサルトのメモCipher Tlaxalt’s Note

解読者トラクサルト、

ミッデン蔵書庫で「神秘のグリモア」第1巻を探し、いつも会う場所まで持ってきてもらいたい。私はあれを安全に読む方法を解明したのだが、お前の協力が必要だ。力を合わせれば、我々はあの本の禁断の知識を探れるだろう。

この繊細な仕事を手伝ってくれて感謝する。このことは解読者プラウティスへ言わないように。それから書架で「神秘のグリモア」を取るところは誰にも見られないようにしてくれ。

A.

解読者ドレイラのメモCipher Dreyla’s Note

解読者ドレイラ、

おめでとう!今日は君が我らの教団内部の地位を登り始める日だ。だがまずは、ミッデン蔵書庫から「神秘のグリモア」第2巻を取ってきてもらいたい。私が伝えた場所まで持ってきてくれ。あれを安全に読む方法を解明したが、君の協力が必要なのだ。力を合わせれば、我々はあの本の禁断の知識を探れるだろう。

君のことを誇りに思う。この特別な使命について他の誰にも言わないようにして欲しい。この秘密を解読者プラウティスに明かしてはならない。彼女は理解してくれないだろう。

A.

解読者ネルフィンのメモCipher Nelfynn’s Note

解読者ネルフィン、

君に「神秘のグリモア」第3巻を持ってきてもらいたい。私はあれを安全に読む方法を解明したが、君の助けが必要だ。力を合わせてあの本の禁断の知識を探ろう。

私はファゾムズ・ドリフトで待っている。場所はわかるだろう。

解読者のミッデンの誰にも、君がやろうとしていることを言わないように。解読者プラウティスは間違いなく「神秘のグリモア」を取らせないようにするだろう。だが、リスク以上に得るものがあると約束しよう。

解読者のミッデンについてOn Cipher’s Midden

アポクリファのどこに行っても、集落や安全な場所はデッドランドの雪玉のように希少である。それでも、ハルメアス・モラが目の解読者を作るためにニルンから定命の者を招き始めた時、居住地や生活必需品が必要となった。初期の解読者たちが一ヶ所に集まり、今では解読者のミッデンとして知られている場所に最初の避難所を設置するまで、長くはかからなかった。

今日、解読者のミッデンは数多くの機能を果たしている。第一に、ミッデンは目の解読者を構成する学者たちの、緩やかな連邦の本部である。彼らの組織には構造的な地位や上下関係が存在しないため、控えめに言っても漠然とした組織である。解読者たちは様々な仕事や研究で助け合ったり、助け合わなかったりするが、全員が理解しているのは、解読者のミッデンに入れば食料や水、避難所、そして似た志を持ち、学識のある人々と出会えることだ。

この地域中で丘のようにそびえたっている本の山の間に築かれた解読者のミッデンは、木や石の建物と底上げした道の集合体であり、果てしなき蔵書庫のインクの運河に三方を取り巻かれた、一片の土地の上に築かれている。ここで訪問者は寝食を与えられ、アポクリファのねじ曲がった道の案内を受けられる。解読者はここで生活と仕事をし、時には解読者の間に集って、より幅広い聴衆に向けて学術研究を発表する。

ドレモラ・ジルは現在解読者のミッデンに食料や水、その他の必需品を供給しているデイドラ商人である。彼はファーグレイブやその他のオブリビオンの地を拠点に活動する協会と取引しているが、彼が扱う品物は全面的に需要と供給に依存している。

解読者のミッデンの変化し続ける書架について、言及すべきことが一点ある。研究者たちは様々な場所からやって来て、解読者によって管理されている書物の山に取り組んでいるが、特定のものを探し出すのは魔術の助けを借りなければ困難である。書架の中身は常に変化しており、解読者が書物のコレクションを目録化するやり方にはあまり一貫性がない。それゆえ、客員研究員や魔術師は多大な労力を払って、自分の研究を助けてくれる特定の解読者との関係を築こうとする。

回廊への召喚Call to the Cloisters

メーナイ・シャイというみすぼらしい解読者が、意図せずして恒星回廊の秘密を知る手助けをしてくれた。

足場は築かれ、モラの大切な書物はもうすぐ我らが主の名において集められるだろう。急いで回廊に集合せよ。

もうすぐ、我々は回廊の貴重な秘密をすべて知るだろう。

干潮の章 第一巻Tidefall Cantos I

1.
夢も見ないある夜のさなか、私はおぞましい浜辺で目を覚ました。波はインクのように黒かったのに、私の皮膚も服も汚れなかった。立ち上がって口からインクを吐き出すと、私はこの海辺にまで来た記憶を一切持っていないことに驚愕した。岩にも、木の幹にも船はつながれていなかった。実際、見える場所には船などなかった。どんな船もあの暗く果てしない地平線に到達することはなかったのだ。その時、私の心の中で忍び寄る恐怖が形になった。私はまだ海辺の向こうの陸地にまで目を向けていなかった。なぜか、私の足首に囁き声のように打ちつけるこの暗く果てしない海の波は、私の背後で燃えている甘ったるい秘密よりも安全な気がした。

2.
私の父と似ていなくもない声。あの震えるテノールは私を簡単に怯える子供に変えてしまう。今でさえ足首の力が抜けるのを感じる。それとも、足元の砂が私の躊躇に苛立って、突然絡みついてきたのだろうか。だが声はまだ続いている。その言葉は私の心の筋を辿る指のようだ。私の名前は口にされなかったのに、声の命令は私の名を無言のうちに引き連れていた。「振り向け」と。だから私は振り向いた。

3.
私の前に浮かんでいたのはシーカーだった。インクの滲んだボロ切れと握りしめる手で作られた存在。アポクリファの拷問を生き延びた学者の、震える手で書かれた文字でしか読んだことのない生物。突然、私は悟った。アポクリファ。シーカーの恐るべき姿の向こうにあったのは、果てしない場所だった。触手とインクの泡立つ粘液。光を放つ植物と膨れ上がった書物。うず高く積み上がった化石と、歓迎しない眼差しのように重く垂れ下がる空。突然、私は波の中に消えてしまう以外のことを望まなくなった。だが声が戻ってきた。「恐れるな」。だから、私は恐れなかった。

4.
シーカーはその多くの手の1本を差出し、私はためらうことなくそれをつかんだ。シーカーが私を連れて海辺から去っていく間、私は急に子供のような気分になった。小さく脆く、新たな案内人にまったく依存している。それに今、シーカーは静かだった。私の心の水源には何の言葉も流れてこなかった。化石の積み上げられた丘にたどり着いた時、私はもう少しで子供っぽい怒りに我を忘れるところだった。穴だ。いや、塔だ。逆転。「蔵書庫」。だがそれだけではなかった。それは贈り物だった。

管理記録、エントリー3412Administrative Ledger, Entry 3,412

レクトリーの定期監査。新たな器たちはコーラスへの統合にほぼ問題を示さず。複数の者が契約の条項により解放された。コーラスにいた時間のことを聞きたいが、私は聞ける立場にない。

解読者ボンフィスの状態は悪化し続けている。彼は死が近づいていると信じ、コーラスの歴史と性質についてこれまで以上に精力的に教えている。

今日はコーラスに接触し、干渉する方法の特徴を扱った。ボニフィスはそれを無限の高さを持つ壁に囲まれた庭に喩えた。ハルメアス・モラは庭の中にいる者たちと同居している。どんな力も壁を壊せないし、登ることもできない。庭に入る唯一の方法は、魔術とレクトリーの技を使うことである。

老解読者ボニフィスは、おとぎ話が大好きなのだ。

危難の書についてOn Tracts Perilous

解読者セサリ 著

アルケインの技を学ぶ者ならば誰でも、危険な書物の存在には慣れ親しんでいる。実際、大半の魔術師はおそらく、自分の本棚に数冊は持っているだろう。そうした本のページの中に、読者は軽率な(あるいは邪悪な)者の手に渡れば恐るべき危害を引き起こすような、力のある秘密を見出すことができる。アポクリファの果てしなき蔵書庫を管理する我々は、こういう類の書物にいかなる措置も取っていない。才能か欲求に従ってアポクリファに導かれた定命の者に対して、入手可能な本を拒んではならないというのがグレートアイの意志である。

しかし、読む者が利用する可能性のためではなく、読む者に及ぼされる影響のために危険な書物も存在する。こうした書物は時として、危難の書と呼ばれる。

こうした本の一部には、定命の者の精神と相容れない概念が含まれている。読む者が記されている内容を理解するためには、自分の正気の一部、あるいは全部を手放さなければならない。また他にも、こうした禁断の書には密かな取引が含まれている場合がある。読むことによって本の著者と契約が結ばれ、読者自身を未知の(そしておそらくは邪悪な)知性の力に支配させることになる。本自体が読者を邪悪な付呪の中に捕らえ、読者が本来ならば望まない役目や目的を強制的に行わせる場合もある。

幸運にも、本物の危難の書はかなり稀である。大部分は一冊しか存在せず、二度と再版されない。目の解読者に知られている中で、危難の書には以下のものが含まれる:

黒の書。それぞれの黒の書には禁断の秘密が込められており、それはグレートアイに気に入られた定命の者にとっての誘惑か宝である。黒の書はアポクリファへの通路でもある。黒の書を読むことは、ハルメアス・モラの面前に連れてこられることを意味する。グレートアイ自身を除いては誰も黒の書が何冊存在するのか、どこにあるのかを知らない。しかし、噂では「隠された夕日」という名で知られる書が、オーリドン付近の遺跡で失われた可能性があるという。「苦しめる目」という別の黒の書は、あるテルヴァンニの賢者が所有していると言われている。

ザルクセスの神秘の書。強大な力を持つ書物であり、デイドラ公メエルーンズ・デイゴンによって書かれたと言われている。その所在は不明である。

神秘のグリモア。生前と死後の両方における定命の者の魂の解剖を、3巻にわたって記した書物。狂気に陥ることなくこれを読める定命の者は存在しないと言われている。唯一知られている巻は、解読者のミッデンの蔵書庫に保管されている。

オグマ・インフィニウム。読者に神にも類する知識と力を与えると言われるオグマ・インフィニウムは、最も強力な精神を持つ者以外が読もうとすれば破滅する。グレートアイはこの書を他のどんな本よりも大切にしているが、大地に飲み込まれたあるアイレイドの街で失われたと考えられている。

これ以外にも危難の書が存在していることは疑う余地がない。だがそれが何であるか、どこにあるかについて、目の解読者は把握していない。

苦しめる目の秘密Secret of the Tormenting Eye

〈本を開くと、一行の文章だけが浮かび上がった〉

一冊の黒の書に一つの忌まわしき目的あり。最も危険で、忘れ去られたままにしておくべき秘密を解除するために必要な儀式。

原初の契約についてOn the Pact Primordial

〈本を開くと、数行の文章だけが浮かび上がった〉

「忘れぬことだ」と原初のデイドラは語った。「汝の領域に我らは入らず、汝も我らの領域には入らぬ。互いの領地にて、それぞれの公が統べるべし。互いの領地に姿を現すのは、招かれし時のみ」

以後、それが物事の定めとなった。

最初のしもべの手紙、1ページFirst Servant’s Letter, Page 1

解読者サビニアス、

お前の忠誠心を証明する時が来た。ちょっとした任務がある。やり遂げれば、豊かな報酬が出ると約束しよう。お前は私の見習い司祭として、私が独立した時横に並び立つのだ。

この4枚の白紙の巻物をクワイアズ・ウィンドに持っていき、書架と広間の間の適切な場所に配置せよ。それぞれの巻物を配置したら、私が教えた呪文を詠唱するのだ。それが終わったら、巻物のそばに留まらないこと。捕まらないようにしないと大変なことになるぞ。

最初のしもべの手紙、2ページFirst Servant’s Letter, Page 2

呪文を口にした後で何も起きていないように見えても、驚いてはならない。効果は目立たないし、一定の遅延がある。だが、私が白紙の巻物に込めた呪文が発動すれば、風のシーカーたちは私の巻物に引き寄せられ、黒の書に自らを同化させるよう誘われるだろう。

お前が適切に作業を行えば、私はニルンで変化された本が読まれた時、アポクリファから呼び出される。だがサビニアス、お前が期待に背けば私はここに釘づけだ。そしてそのことに激怒するだろう。

大昔、アトモーラの者たちは私を裏切った。その上奴らは、私を裏切り者と呼んだのだ!お前の協力があれば、ついに私は奴らの子孫たちに、祖先の過ちを教えてやれる。

最初のしもべ

最初のレムナントの日記Journal of the First Remnant

我々のデイドラ公のために知識を集めている者たちにとって、レムナントの歴史がうまく記録されているとは言い難い。我々は考えたことすべてを書き記すような学者ではないし、秘密裡にコレクションを黙々と整理する学芸員でもない。レムナントは兵士である。ハルメアス・モラの意志に仕える剣と盾なのだ。しかし、アービス中の知恵を確保する任務を達成するには、我々自身についての知も含めなければならない。

孤独に虚無の中を漂っていた我々は、全ての目の精神から流れてきた声を聞き、即座に何者かを知った。それはある深い欲求を伝えた。アポクリファの領域に勇者が必要だったのだ。自らに値しない知識を探し求める侵入者を追い返す、力強い腕が。デイドラ公は我々をその任務に選び、我々は従った。

* * *
我々は新しい故郷に到着した時、二つの品を発見した。望遠鏡と鍵だ。それらはこの領域から虚無を貫いて湧き上がり、我々の知らない場所にまで力を放出していた。我々のエキスがこれらの遺物と融合し、クラッツと呼ぶようになった小次元への門を開いた。

足を踏み入れると、我々の精神は融合して一体となった。レムナントは一つの全体の中に加わり、モラ卿に仕える一つの体となった。このクラッツが我々のためだけに作られたことは知っていた。すでに我々の署名が加えられた契約者が待ち受けていた時、その信念に確証を得た。この場所を見つけ、この領域に仕えること、それこそが初めから我々の運命だったのだ。

支援を求むA Plea for Aid

フェラル・ギャラリーがドリームカーヴァーに攻撃を受けている。奴による被害は拡大しており、我々は蹂躙されるのではないかと恐れている。多くの囲いがすでに破壊され、管理していた獣が野放しになっている。殺されたものもいる。

奴らを撃退し、展示している獣を閉じ込めるには人手が足りない。あなたがグレートアイに仕える者ならば、救援を送って欲しい。

筆頭解読者フリールヴィ

次元の探求 第14巻:ダークリーブの司祭Planar Exploration Vol. 14: Darkreave Curators

ハルコート・マルコット 著

注意して聞くがいい。私は敵について語ろう。あまりに怒りと憎悪に満ち、熟練の探検家であっても全力で避けるよう忠告せざるを得ない者たちだ。この巻では、アポクリファのダークリーブの司祭を扱う。

要約

これまでの巻では、私たちはアービスの無数の次元で見られる、様々な動植物を懐柔する方法を記述してきた。スキャンプに生肉を放るのと違って、ダークリーブの司祭たち(以下ダークリーブと記す)の注意を逸らす簡単な方法はない。いったん知覚されてしまったら、戦うか逃げる以外の選択肢は存在しない。幸運なことに、ダークリーブは武器と呼べるほどのものを持っていない。彼らは純粋に、感情に駆られた暴力で攻撃してくる。

私たちはダークリーブを可能な限り避けることを勧める。それが無理ならば遠くから攻撃しよう。

歴史

ダークリーブに彼らの起源を直接尋ねることは明らかに不可能なため、アポクリファの他の住民に答えを探すしかない。知識に捧げられた領域にしては、このドレモラのクランに関する情報を有する者を探すのはかなり大変だった。結局、私たちは最も信頼できる情報源に頼った。ファーグレイブのマダム・ウィムである。

透明性のために言っておくと、私たちはダークリーブについての詳細を知るためマダム・ウィムに報酬を払った。別の悪名高いドレモラのクランについて、私たちが移動中に知った秘密を提供したのである。それと交換に、彼女は赤く薄いキチン製の、デイドラの文書が刻み込まれた石板を渡してくれた。

この石板から、私たちはダークリーブが存在のあらゆる部分を目録化しようとしていることを知った。酷くささいなことから、とても古い物事まですべてを。彼らはすべての椅子やスプーン、オーブ、デイドラについての文字化された記録を欲している。彼らはハルメアス・モラのために倦むことなく働くが、彼らの情熱は奉仕を越えた執着を示している。

この目的への献身により、ダークリーブは書かれた作品を暴力的なまでに大切にするよう導かれた。彼らは使命の巨大さにより歪められ、狂信的で危険な不寛容さを見せるようになったのではないだろうか。

環境

通常なら、次元の探検家はアポクリファの知識の貯蔵所内部にダークリーブがいることを想定すべきである。こうした場所は当然そこら中にあるが、より大型の施設に入る際はさらなる注意を払うべきである。そうした場所にはかなりの数のダークリーブが集まっているからだ。

特に、貪欲沼にある秘密の広場に入る時は油断しないことだ。広場は外部の者が文書や秘密を交換できる、情報取引の場として機能している。この実践はダークリーブを引き寄せる。特別な知識が日々届けられるからである。

生存の秘訣

ダークリーブと会話を試みないこと。存在に気づかれてしまうと、その時点ですでに危険だ。

賄賂を試みないこと。本を相手に向かって放っても、彼らは注意を逸らさない。

ダークリーブは特別注意深いようには見えない。気づかれないよう通りすぎるのが最善だろう。

遠くからダークリーブを観察するのは面白く、知的にも充実した経験になりうる。彼らのほうでもあなたを観察していない場合に限るが。

失われた記憶Memories Lost

なんという不愉快な気分だろう。何の問題もない日があったかと思えば、次の日には目覚めた瞬間から不安と心配が続き、何かが足りないという確信がある。何か決定的に重大なものが。

今私はそれを経験している。自分が昨日までは深く、完全に知っていたものが消滅したような気分。漠然とした夢を除いては、痕跡も残さずに消えてしまった。仕事にも影響がある。他の解読者に同じような喪失感を経験しているかと尋ねた。彼らはすぐによそ見をして、答えようとしなかった。

たとえどうかしていると思われようとも、現実が何らかの仕方で変化したのだと私は思う。何かが昨日まで絶対的な真理だったものを消去したのだ。最悪なのは自分が失ったものが何か、見当もつかないことだ。

このことで上司には注意されたが、グレートアイと直接話さなくてはならない。何かが現実を変えたのなら、我らが主もきっと知りたがるはずだ。

もしかすると、この変化に気づいたことで褒美を与えてもらえるかもしれない。

召喚士のためのニミック案内A Summoner’s Guide to Nymics

解読者セサリ 著

アルケインを学ぶ者なら誰でも、デイドラが危険な相手であることを知っている。強大なデイドラと戦えるのは勇敢な英雄や、実績のある魔術師だけである。だがどのデイドラも隠された弱点を持っており、それにより駆け出しの見習いでもデイドラを操ることができる。その弱点とはデイドラのニミック、あるいは真の名前である。

デイドラのニミックの知識を身につければ、定命の者は自分を昆虫のように粉砕できるデイドラを閉じ込め、追放し、強制できる。一般的に、単純な精神を持つデイドラは単一のニミックしか持たず、より強力な意思と目的を持つデイドラには2つか3つ、あるいはそれ以上のニミックがある。定命の魔術師はそれぞれのニミックを利用し、デイドラを自分の意思に服従させなければならない。

ニミックの各部分は以下に記す通りだ。

第一の、もっとも単純なニミックはプロトニミックである。学者たちの中にはプロトニミックが自身を個体として意識する能力を欠いた獣を指す、親族か種族の記述だと考える者もいる。しかしこれは疑わしい。すべてのデイドラットが同じ名前を持っているとは思えない。

より洗練されたデイドラはプロトニミックに加えてネオニミックを有している。ドレモラやスカーフィン、ウォッチャーといった獣はプロトニミックだけで抑制する(あるいは怒らせる)ことができるが、召喚士は確実に追放するためネオニミックも用いなければならない。

それに加えて、多くの知性的なデイドラは所属や地位を示すトリビュニミックとヒエロニミックを所有している。デイドラにとって、これらは単なる肩書き以上のものであり、その生物のアイデンティティの一部である。定命の召喚士にこうしたニミックが必要かどうかは難しい問題だが、デイドラのニミックを利用する前に、できる限りのことを知っておくべきだと考えたほうがいいだろう。

噂だが、デイドラ公はプロトニミックとネオニミック以上のニミックを所有しているという。これは命令に従わせようとする敵から身を守るためのさらなる防護手段として機能する。そうしたニミックが存在するならば、それは非常に強力で、細心の注意を払って守られているはずだ。

最後に、書記の身で僭越ながら忠告をしておきたい。ニミックを利用することは、敵を作ることである。デイドラはこの方法で彼らに力を行使しようとする者を酷く嫌う。実際、デイドラのニミックを書き記すことさえとてつもなく危険である。自分の名前の一部でもどこかに記録されていることを当のデイドラに知られれば、そのデイドラは万難を排して記録を破壊し、それを書き記した定命の者を罰するだろう。

新たな標的Your New Target

秘密を取引しているという割に、マダム・ウィムは慎みのない者を雇っているな。彼女はある秘密をあのヘゼークとかいうスカーフィンに渡したが、そいつがかなりの金になりそうだ。ウィムの館の常連客でもある我々の仲間が知らせてきたが、あの秘密はアポクリファにある隠れた広場に運ばなければならないらしい。

お前の仕事は、貪欲沼に行き、そのスカーフィンの居場所を突き止め、秘密を手に入れることだ。売れば相当な金になる。もちろん、秘密が何に関係しているかにもよるが。

アポクリファの泥をせいぜい楽しむんだな。

キンリーヴ・キルフェ

真実の危険The Dangers of Truth

解読者ファンディニンルー

変わり者のモラの書記たちは、知識こそがオブリビオンのすべての領域で最も重要な概念だと信じている。彼らの思い込みは誤りである。真実こそが求めるに値する唯一の特性である。思い込みや錯誤、誤情報は知識を汚してしまう。知識は風に舞うインクのように空をさまよう思いつきと同じで、何の実体も持っていない。真実だけが恒常的である。真実は小川の流れを定め、水路の形状を変化させる岩だ。

これほどに巨大で揺るぎなきものを理解するのは容易なことではない。実際に小川の中の岩を観察したことはあるだろうか?水は岩にしがみつき、岩全体の形を感じ取ろうとするが、常に押し流されてしまう。我々もまた、自らが手に入れようと務める真実の射程を理解することは決してない。我々は探し求める真実によって永久に変化させられるが、誰もが我々の小川の中の真実について、暗い影のような理解しか有していない。

我々に理解しうる真実はこれが限界だ。真実には危険な性質がある。真実には否定的な側面が秘められており、最も安定したデイドラの精神にさえ理解できないような含みがある。ハルメアス・モラだけが真実と運命を支配し、それらに関する領域を支配できる。

真実の発見はせいぜい、調査されている主題の性質に関する仮説の死を保証する程度だ。集められた知識のすべては岩に叩きつけられ、流れにさらわれる。仮説や理論の崩壊はしばしば、劇的かつ根本的な理解の変化を帰結する。この変化は最初に研究されていた主題に限定されるものではない。むしろ、変化は急速に拡大し、以前に理解されていたすべての物事を転覆させる。真実は一直線に進むものではなく、有限でもない。発見されたどんな真実も、我々が現実を知覚する方法に持続的な影響を残す。

例えば、あるインペリアルが平坦で木のない農地で育ったとする。実際、農場を取り巻く3つの村の中に、木は1本しか生えていない。このインペリアルは当然老齢に達しても、世界全体に木は1本しか存在しないという知識を持ったままだろう。このインペリアルが初めて森を見る時どのような体験をするか、想像できるだろうか。知識と真実の差異がわかるだろう。真実がどれほどの重みを抱えているか、感じるだろうか?

この例はごく小さな真実を表すにすぎない。より大きな真実の理解がどのような影響をもたらすか考えてもらいたい。変化のみならず、持続的な害を引き起こすほど巨大な真実は存在しうるのだろうか?真実は怪我や死を導きうるか?当然導きうる!歴史を見ればよい!真実や秘密、あらゆる種類の発見は数えきれないほどの死を生み出してきた。定命の者は秘密のために殺し合いをする。彼らはムンダスの暗い隅に至るまで、互いを追い回す。

これが定命の者の真実を解明することに対する報いであるとしたら、デイドラの真実を発見することは何を意味するのだろうか?遥かに危険なのは明らかである。定命の者とは違い、デイドラには完璧な復讐を計画するための無限の時間がある。彼らは侵入者や目ざわりな定命の者を始末するための陰謀を練っている。デイドラ公はなおのこと徹底的である。ハルメアス・モラは特に、真実を管理している。モラは自分が許容できると判断したものだけを我々に知覚させている。モラの秘密は我々が理解できるどころか、生き延びられる真実の射程を遥かに超えているのだ。

我々が問題にしている真実の規模を示す例を一つ挙げよう。「既知」はあまりにも強大な真理であり、その巨大さにさらされると狂気に陥る。だからといって、「既知」がある特別な種類の真実であるとか、そもそもそれ自体が一つの真実であるわけではない。私が聞いた噂によれば、一部の「既知」は本の姿で現れ、そのページは歴史から消え去った過去の出来事を記録しているという。その他の「既知」は大昔に失われた領域の獣や、誰も聞いたことのない最高のシェフによる料理だ。「既知」の厳密な性質や、なぜ知られているのか、「既知」の間にどのような共通点があるのか、といったことは不明だが、それらの影響は詳細に記録されている。「既知」にさらされた定命の者は、通常即座に狂気に陥る。「既知」の影響力と、それが秘めている真実の重みは、定命の者の精神には抱えきれないほど大きいのである。

それゆえ、知識を集めることと真実を理解することのどちらがより偉大な目標か、という問いに応えるならば、真実に軍配が上がるだろう。といっても、真実を探究するすべての者が、自らの企図の重みを理解しているわけでも、自らが発見するものを理解する覚悟ができているわけでもない。我々の大部分は小川に流れる水のように、自らの生を漂いつつ両手を広げ、微かに岩に触れながらもすぐ流され、通りすぎるだけである。

断続的に眠る者との会話Conversations with Sleeps-Fitfully

以下に記すのは、コーラスに入ろうとするアルゴニアンと、その世話人である解読者ヴェエリとの会話を文字に起こしたものである。

断続的に眠る者:痛くないだろうな?

解読者ヴェエリ:私が理解している限り、コーラスへ入るのは眠るのに似ている。

断続的に眠る者:その中にいる間はどんな感じなんだ?

解読者ヴェエリ:コーラスはハルメアス・モラの実験に同意するすべての者の精神と声が集まる場所だ。いわば、共有された幻視だ。

断続的に眠る者:じゃあ、そこに行っても何も悪いことは起こらない?

解読者ヴェエリ:もちろん。お前の精神はコーラスにいる間安全だ。お前の体はここに残り、私と他の解読者たちによって、お前が滞在している間世話を受ける。

白金:アイレイドの視点White-Gold: The Ayleid Perspective

序文

古代の野生のエルフの豊かな歴史を詳細に記した書物は間違いなく数えきれないほどあるが、卓越したサリアチェの問題について、古代の力に相応しい敬意をもって取り組んだものは一つもない。というのもサリアチェは最初のタムリエルの帝国を築き、その支配は記録されている歴史よりも以前に遡るからであり、その事実が古代帝国に関する刺激的な探求に不慣れな人々にとっては驚くべきものと映ることは疑いないが、そうした人々に対しては災厄に関する聖蚕の目の予言や、無限の力を求めるデイドラ契約の恐るべき物語へと話を飛ばしてしまわないよう願いたい。もっとも、多くの学者がアイレイド史の、刺激的には違いない時代についてのより深い探究を専門としていることは理解しているが、すでに調べつくされた道を辿り直すだけで、どうやって新しく未知なものを発見できるのだろうか。そうした道は繰り返しの多い学問的な長広舌ばかりで、単に学者の自尊心を保ち、業績を稼ぐ以外の役には立たぬというのに、いわゆる大家と呼ばれる連中は自らを偽り

(序文はこのような調子で、45ページにもわたって書き連ねられている)

秘密という通貨The Currency of Secrets

解読者プラウティス 著

初めてアポクリファに来た時、私はついに自由を得て、難解な伝承を調査する情熱を追及できると思っていた。もう希少な書物を購入する資金をどうやって捻出するか、飢えることなく研究生活を維持するにはどうすればいいか、考えなくてもよくなると。私はハルメアス・モラが、自分のような学者にとっての楽園を作りだしたと想像していたのだ。

その後、私は真の自由が何を意味するかを知った。確かにグレートアイの領域では、研究したいと望むどんな秘密でも自由に調べられる。だが餓死することも、読んではいけない本で精神を堕落させることも、定命の者を恐るべき陰謀の手駒として利用するデイドラの支配にあえぐこともまた自由である。アポクリファにいても、生き残る方法は考えなければならないのだ。

私は最終的に解読者のミッデンに行き着いた。私は飢え疲れて落ち着きを失い、持ち物といえば身につけていたボロ布と、アポクリファの最初の日に学んだことについての走り書きで埋まった、擦り切れた日記だけだった。だが、それで十分だった。というのもアポクリファでは、秘密が通貨として通用するからだ。

私はアイレイド魔術師の学習帳の中に見つけたいくつかの難解なメモと交換に、食料と寝る場所を得た。目覚めた時、私はエチャテレの歯の形状と機能についての論文と引き換えに新しい服を手に入れた。こうして私は目の解読者たちが、法律も君主も硬貨もなく栄えている理由を知った。

解読者の豊かさと地位は、その人物が知っている秘密によって測られる。秘密の価値は主に2つの方法で計測される。排他性と力である。少数の者しか知らない物事は、アポクリファで多くの者に知られている物事よりも価値がある。大きな、あるいは恐るべき影響を及ぼす秘密は、取るに足らない秘密よりも価値がある。そして予測はつくかもしれないが、奇怪な秘密や、世間を騒がすような秘密、あるいは有名な人々に関する秘密はそれ自体で付加価値を有する。

解読者のミッデンでは、秘密の交換が頼み事と義務の隠された網目を形成している。これがあることで、解読者は品物をアポクリファに輸送し、それを他の解読者と物々交換するよう取り計らうことができている(ニルンに存在するハルメアス・モラの様々な教団は有用な物資供給者であり、サラアス・トングやファーグレイブの商人も同様である)。新米の解読者は、自分が最近発見した情報を共有すると約束することで、年長の解読者の庇護を購入することもできる。また、年長の解読者は研究を始めたばかりの者に多少の価値ある品を与えることで、助手を雇うこともできるようになっている。

当然ながら、ある秘密の価値は取引されるに従って変化する。なにせ、いったん私があることを言ったら、あなたがそれを他の者に伝えるかどうかは私の自由にならない。真に希少な秘密も、不注意に繰り返されることで価値を失うことがある。時として不実な新参者は、最近獲得されたばかりの秘密を、その価値がなくなる前にすぐ他のものと交換する誘惑に駆られる。だがそうするのは誤りである。

というのも、どんな解読者も大好きな秘密は、誰が価値ある秘密を軽率に取り扱ったか、という情報だからである。

部屋の指示書Chamber Instructions

解読者たち

仲間からの忠告だ。ハルメアス・モラの聖なる涙を使う場合は、補充しておくのが礼儀だ。あれがなければ、他の解読者たちが問いの泉を使えなくなることを忘れるな。

涙はハイルマ・モラ、ハルマ・モラ、ハーモーラーの祠で復活させられる。グレートアイのそれぞれの姿に敬意を表し、この回廊を歩めるお前たちは祝福されていることを思い出せ。

解読者エルミド

変更されたナーニュレルの航海日誌Altered Naanurrel’s Logbook

〈文章は以前のままだが、1行だけが変化している〉

嵐はもう4日間も続いており、ゲイルは打ちつける波に耐えられそうにない。船と乗り手全員をこの重苦しい海の中に失うかもしれない。息子を水の墓に葬るわけにはいかない。だから禁忌の手段を使うしかない。ずっと以前、私はある昔の船乗りから大いなる力と契約するための儀式を学んだ。息子を救えるチャンスは今しかない!

〈一連の奇妙な、揺れ動くグリフが血で描かれており、その後には次のように記されている〉

危機に瀕した今、私はお前を呼ぶ!私と船員の命を奪い、息子を救ってくれ!この恩恵のために、私は永遠の奉仕を誓う!

〈字体の異なる手書き文字で、一連の奇妙な見慣れないグリフが描かれており、その後は以下のようになっている〉

申し出は受け入れられた。契約は成された。ナーニュレルを、あるいは彼に関する記憶を溺死者のための我が案内人としよう。かく行われるべし!

〈最後の数行には、ナーニュレルの書いた文字がある〉

息子よ、お前を海に沈めることはできない。禁忌に手を染めるしかない。許してくれ。

忘れ去られた夢Dreams of the Forgotten

〈本を開くと、数行の文章だけが浮かび上がった〉

忘れられたものは、存在しなかったものにあらず。ゆえにそれはただ不可避の知者にして、秘密の王である者によって所有される。それをかつて知っていた者は、不穏な夢の中でその欠如を微かに感じるやもしれぬ。

秘密の王がその果てしなき領域の中に、忘れられたすべての記憶を保管している場所があることを知れ。

本のスープのレシピRecipe for Book Soup

このレシピに風味があるとほのめかすつもりはない。できるだけ口当たりのいいスープを作るようにしただけだ。

まず本のページを破り取り、千切りにする。小さければ小さいほど、スープの食感が滑らかになる。

次に、本の表紙を大釜に入れ、煮始める。のりを分解し、革をほぐす。

大釜がぐらぐらと煮立つようになったら、革を取り除き始める。残ったのりは削り取り、大釜に戻すこと。

だし汁の見た目は乳白色になっているはずで、そこに味付けをしていく。最近ではだし汁にフットラップやシャツを加え、自分たちの汗から塩分を引き出すのが好みだ。壊れた本棚の木材は素晴らしい風味を与えてくれるし、羽根ペンもそうだ。いろいろと工夫しよう。

だし汁の味付けをしている間、革表紙を短い細切りにしていく。最初に煮てあるので切りやすくなっているはずだ。この細切りはスープの“肉”になる。うまくやれば、噛み応えがあってあまり不快な食感ではないはずだ。表紙を切り終えたら、風味出しや味付け用の服を取り除き、切った革を入れる。

そのまま、表紙の細切りが歯で裂けるようになるまでだし汁を煮込み続ける。

次に、千切りにした紙を加えて、もう目を離せないし空腹に耐えられない、という気持ちになるまで混ぜる。それまでに紙は柔らかくなってジャガイモのような食感になっているはずだ。

盛り付けていただく。

本のリストList of Books

マスターはお前に、以下の書を感知の広場まで届けるよう求めている:

「天体の先触れ」
「予言百科事典」
「計り知れない視線」
「闇の地図」

速やかに運び、誰にも言わないこと。

無限のパノプティコンでの活動Working in the Infinite Panopticon

目録作成者ヴォルグン 著

無限のパノプティコンは無限の小次元の中にある部屋と通路の果てしない迷路のように見える。伝説によると、入口は二度同じ場所に現れることがないとされ、発見することはほぼ不可能となっている。この次元外の空間の中は何一つ我々が知っている現実に合致せず、内部は一見してまったく無秩序に変化する。

なぜグレートアイ、ハルメアス・モラはこのような場所を創造したのか?その理由は一つしかない。彼の最も貴重な秘密を守るためである。

私はパノプティコンの中で長い間、目録作成者として働いてきた。もちろん、この場所の内部では時間にほとんど意味がないので、どれだけの期間私が働いているか正確に言うことはできない。この中であまりに長く過ごすと、最も強い定命の者の精神でさえ壊れてしまう。だが私の場合、まだ正常なままだ。私は広間を守護者のように放浪するハッシュドと共に仕事をしている。他にもラーカーやシーカー、監視人、その他にも説明するのが困難なデイドラのガーディアンがいる。私の仕事は内部に保管されている黒の書や書物を管理することではないし、うず高く積み上げられた無数のグリフィックを管理することでもない。

私の役目は本のように棚に並べられた無数のモラの目を管理することだ。モラの目とは何か?その名のとおりだ。ハルメアス・モラの栄光である終わりなきオーブから取られた、浮遊する目玉である。それぞれの目はノルドよりも大きく、ハルメアス・モラによって直々に目撃された記憶が込められており、重要な物事の記憶として保管される。内包された記憶を見るためには、実際に目の中に入る必要がある。しかし中には自由に入れるわけではなく、しばしば鍵や合言葉、あるいは他の手段を用いなければならない。

私の仕事は目の世話をして無事に保ち、判別を容易にするために内容の目録を作ることである。だが私が接触したのは最も平凡な記憶だけだ。最も大きく、恐ろしい秘密は私でさえ触れることのできない目の中にしまい込まれている。おそらく、私の正気がまだ無傷でいられるのはそのためだろう。無限のパノプティコンで雇われた、他の者たちとは違って。

無限のパノプティコンについてOn the Infinite Panopticon

アポクリファの小次元の内部に存在する無限のパノプティコンは、ハルメアス・モラの秘密の保管庫の中で最も厳重に守られたものである。遷移した次元の中に隠されている上、パノプティコンへの入口は常に移動している。同じ場所には二度と出現しない。パノプティコンを守るそれ以外の防衛措置も存在すると噂されており、変化する部屋や回廊、ハッシュドの軍団、さらに正確に記述するにはあまりに強大かつ未知のガーディアンなどがいるとされている。

これほどの守りを必要とする秘密の知識とは何なのかと思うだろう。それはグレートアイが自分以外の者に任せるには危険すぎる、あるいは深すぎる意味を持つと考える知識である。

伝説によれば、こうした秘密は書物や巻物、特別に設計されたグリフィック、あるいは空を漂うモラ自身の目に込められたモラの記憶の断片の中に保管されている。パノプティコンの中であまりに長く過ごしていると、定命の者の精神は正気を失うと言われている。

目の解読者Ciphers of the Eye

賢きレラミル 著

私が学術界で昇格を目指していたある時期、知る者ハルメアス・モラが私に特別な機会を与えてくれた。禁断の知識のデイドラ公は、オブリビオンにおける自らの領域であるアポクリファに来て、目の解読者になってはどうかと提案したのだ。

それが私の知る者との最初の本当の出会いであり、アポクリファに記録された未知の秘密を初めて垣間見た瞬間だった。専門的な学者や研究者にとってこの申し出は魅力的だったが、私は断ることにした。私は自身の努力によってアポクリファや解読者についてもっと学びたかった。そしてその研究は後に、私がハルメアス・モラとの特別な協定を交わした時に役立ってくれた。

目の解読者はハルメアス・モラによって個別に選ばれ、アポクリファに招かれた、ニルン出身の定命の者たちから成っている。彼らは次元の残りの部分からこの領域に絶えず降りかかってくる莫大な量の知識を管理、整理する役目を担っている。モラがなぜこの果てしない任務を定命の者に任せることにしたのか、誰も理由を知る者はいない。解読者はすぐにたったの数人から、目録作成者や研究者、蔵書庫の管理人の小さな軍団に成長した。彼らは解読者のミッデンという居留地を築き、同志たちのための本部のようなものを作った。

アポクリファの地形全体に丘や峡谷を形成している、絶えず変化する書架を整理するという、自動的に生成される任務に加え、解読者は意図的に、あるいは偶然この領域へたどり着いた定命の者に、歓待と避難の場所を与えている。解読者のミッデンは敵対的で過酷な地における避難所であり、かつ学びの場でもある。それぞれの解読者は専門領域を持っており、仕事へのアプローチの仕方も異なっている。時として、解読者たちは彼らが整理する巨大な書架のように乱雑で無軌道にも見えるが、アポクリファが現在のように機能するためには、彼らの存在を欠かすことができない。