サイジック会の遺物

サマーセットの遺物 Relics of Summerset

遺物マスターグレナディル

君がここに来たのはもちろん、失われた遺物を探すためだな。
いいか、モアウィタの宝物庫で事件が起こった。サイジックが、最も呪われているという遺物を保管している場所だ。だが、普段よりもがらんとしている。どうも押し入られたようでな。
そして、再び回収するのを手伝ってもらうわけだ。できれば誰かが負傷する前に。何せ、あそこの品はあらゆるたぐいの悪さをするからな!

あれは間違いなく危険だ。直接触ることは勧めない。副作用はまちまちだが、その効果は… 控えめに言っても、およそ愉快とは言えないな。憂鬱になり、正気を失い、リュートを弾き続ける、といったところだ。
実際は言葉の響きよりひどいんだ。保証するよ。まだ興味があるなら、各遺物の研究をまとめてある。展示箱の前にある巻物を読むといい。その能力がよく分かるはずだ。
そうだ。モアウィタの宝物庫で適切な名称が貼られている展示箱を探して、その中に遺物を置けばいい。そうすれば、無事に呪いを封じ込められる。

偽りのランターン

偽りのランターン Lantern of Lies

偽りのランターンは、その炎を見た嘘つきの魂を閉じ込めるという。炎を見る勇気はあるか?

童謡、起源不明
-遺物マスターグレナディルによる複写

ランターンと火に気をつけよ
その赤々とした火には力がある
見える所に置けば
ランターンはお前を貪り食う

インドリクの心臓

インドリクの心臓 Heart of the Indrik

インドリクの結晶化された心臓は、不純な心を持って触れた全ての者を呪うという。

シヌタルモ教授による講義の抜粋
-遺物マスターグレナディルによる複写

美しいだろう?ルビーに似ているが、この石は結晶化したインドリクの心臓である。なに、簡単なことだ。月が照らす中で100晩、心臓を純水に浸すだけでいい。

不可能だと思うか?素早くやればできる。

目も眩むほどだが、ほとんどの者はこの水晶に悪事が働けるとは思わない。そして触れない限り、それは確かに真実だ。しかし、不純な心を持つ者に触れられると、水晶の中央に暗い影が現れる。そうなった後は、それを所有する者全員を呪って悲痛をもたらす。そして、まあ…その後は長生きしないとだけ言っておこう。

銀舌の羽根ペン

銀舌の羽根ペン The Silver-Tongued Quill

この羽根ペンで書いたことは、すぐに実現すると言われている。問題は、この羽根ペンが自我を持っていることが多い点だ。

盗賊ギルドマスター、ライシフの書簡
-遺物マスターグレナディルによる複写

オルズダーグ、

計画は取り消しだ。あのいやな魔術師め、汚い真似をしてくれた。これまでの脅迫で十分だろうと思っていたが、仕方がない。次に会う時は、斧のとがったほうを味わわせてやる。とりあえず今は、羽根ペンが役に立たないと知っておけ…少なくとも今回の目的にはな。

問題が大きくなった。まず魔術師は、羽根ペンを使った奴が書いたことは信じられるなんて言ってなかった。まあそれは、もし書かれる内容を選べたらどうにか対処できただろうが。とにかく、面倒な付呪だ。あれを使って書こうとした最後の2人は、縛りつけるはめになった。羽根ペンめは一人に高い屋根から飛び降りるように吹き込み、もう一人には…まあ、独創的になってきてるとだけ言おう。もう二度と起きてほしくない。

あんな呪われたものは川に投げ捨てようと言いたいところだが、誰かが欲しがるかもしれない。買いたがる愚か者の客を見つけよう。探す場所さえ知っていれば、こういうものには収集家がいるものだ。

解けるワンド

解けるワンド The Unraveling Staff

忍耐力のない織工によって発注されたこのワンドは、どんな糸も解ける。問題は建物、木、肉体さえもバラバラにできることだ。

仲裁者アンバーウェンの報告書
-遺物マスターグレナディルによる複写

報告4587:南中の月27日

容疑者を拘束し、杖は魔法の検疫に回した。容疑者の家で見つかった正式な書類から、あの男は街で有名な紡ぎ手から杖を作るように委託されていたことが分かる。あの杖はもともと、絡まった糸をほどくためのものだったと考えられる。

本件においては、数名の目撃者による証言が集められた。

「ああ、アニルヨンの隣人になってからもう数年になる。彼からは全て聞いた。解ける杖と呼んでた。最後に話を聞いた時は、見事に機能してた。どうした?何かあったのか?」

「ひどかった!彼は狂ったように笑いながら通りを走っていた。そしてどこかを示し指すたび、哀れなエルフの服が解けてしまった!あれは恥ずかしい。」

「服が解けるというのは知らない。建物がばらばらになる様子に気が取られていた!石や板が、まるで生きてるかのように飛んでいった。知らなかったな…死者が何人だって?」

「ああ、見た。杖で指したら…彼女はただの若い娘だった。どう説明したらいいか。ああ、かわいそうに。彼女の肉体がまるでただの…すまない、もうこれ以上話せない。」

容疑者は法廷が承認する日まで留置。保釈は認められない。

些細な呪いの頭蓋骨

些細な呪いの頭蓋骨 Skull of Minor Cursing

死を引き起こしたという話はないようだが、この頭蓋骨は多くの者に悲劇をもたらした。

氏名不明なカジート商人の売り込み
-遺物マスターグレナディルによる複写

さて、誰にも嫌いな奴が一人くらいいるだろう?もちろん憎むほどではないが、何かひどいことをしてきた者。不当なことをされたり。死んでほしいほどではないが、少し不快な思いをさせたいとか?少し問題を起こしたいとか?それなら、いいものがある!

こちらの些細な呪いの頭蓋骨ならぴったりだ。ひどい水虫!そこそこ不安にさせる悪夢!止まらないしゃっくり!目的の被害者をかんかんに怒らせること間違いなし。お値段も手頃だ。

影裂きの刀剣

影裂きの刀剣 The Shadowcutter Blade

この輝く刀剣は闇を貫く光の弧を作り出す。人間やエルフの魂の闇さえも貫く。

女司祭エンドゥノルの説教
-遺物マスターグレナディルによる複写

シラベインは刀剣を作り上げ、異常な闇さえ切り裂けるように、それを影裂きと名付けた。自身の作品の素晴らしさを見せようと、シラベインは友人にそれを披露した。

「さあ」シラベインは友人に言った。「壁に映る自分の影を見ろ。それを2つに割いてやる」

友人が影を見つめる中で、シラベインは光を放つ刀剣を高く掲げた。それを大きく下に振り下ろすと、光の弧が前へ押し出された。そして彼の言ったとおり、影が2つに切り分けられた。

しかし、友人は膝から崩れ落ちた。シラベインはエルフの友人の元へ駆け寄ったが、手遅れだった。彼の中にある闇、全ての人間とエルフが持つ闇も、2つに割かれた。彼の魂が貫かれたのだ。そして彼は殺された。

魂の番人の壷

魂の番人の壷 The Soulkeeper’s Urn

強力な魂の器。壷の中に刻まれた碑文は、これが数百年前に作られたことを示している。

刻まれた碑文
-遺物マスターグレナディルによる翻訳、複写

警告:危険な霊魂が入っている。開く前に厳粛な予防措置を取ること。月の周期7回ごとに結界の呪文をかけること。取扱注意。熱湯で洗わないこと。

非難の箱

非難の箱 Chest of Condemnation

この魔法で封印された箱からは、小さな泣き声が聞こえてくる。どんな魔法や獣がこの音を作り出したのかは知られていない。ずっと聞いていると、おかしくなる者が多い。

競売者ポーシャの話の引用
-遺物マスターグレナディルによる複写

さて、この美しい箱の入札を始める前に、一言警告を。気が小さい者には向かない品だ!こういう品の起源についてはあらゆる話が聞かれるが、ほとんど何も知られていない。確かなのは、強く呪われたものだということだ!

皆さん、よく聞いてほしい。聞こえるか?くぐもった、かすかなうめき声。安っぽい芸ではない!言っておくが、中に助手を仕込んでなどいない。非難の箱はいつも泣き声を上げているが、誰もその理由を知らない。中に何があるのか?残念ながらそれも謎だ。手が器用でないと封印を破れないだろうが、そんなことはお勧めしない。

しかし、真の呪いはそんなものじゃない。ちょっとしたうめき声など、害はないだろう?だがしばらくすると、頭をどうにかする傾向がある。この箱のこれまでの所有者は全員、しばらくすると完全にいかれてしまった。ここでは鍵をかけて誰にも聞こえない場所にしまっている。購入者も同じようにしたほうがいいだろう。

さて、入札を始めよう。まずは…50000ゴールドからでどうかな?

終わりなき巻物

終わりなき巻物 The Never-Ending Scroll

この終わりがないように見える巻物は、書いた者を誰でも虜にする。虜になった者は、疲労によって倒れて死ぬまで執筆を続ける。

サマーセットの古い民話、原作者不明
-遺物マスターグレナディルによる複写

ある夏の日、古風で趣のある小さな店で、エルフが古い巻物を買った。彼女は買ったばかりの巻物を使いたくて、兄弟に手紙を書くため座った。しかし、書き始めると何ともおかしなことが起きた。手がまるで勝手に動いてるかのように、物語を書き始めたのだ。

なんとも不思議で魅惑的だった。書きながら、彼女には目の前で物語が展開していくのが見え、まるで言葉の中でその冒険を体験しているような気がした。巻物には終わりがなく、延々とほどかれながらも減ってはいかないようだった。

そうして彼女は次々と書いていった。

数日後、兄弟が彼女の死体を見つけた。指はインクまみれで、口元は微笑みをたたえた状態で横たわっていた。そして彼女が書いた物語は何の意味も持たず、文字は不可思議で不明なものだった。

逃れられぬ兜

逃れられぬ兜 The Inescapable Helm

この兜を装備した多くの者が、出来の悪さではなく呪いによって死んだ。この奇跡の兜が外れるのは、装着者が死んだ時だけだ。

グラッシュの日記
-遺物マスターグレナディルによる抜粋の複写

107日目

この兜を永遠に脱げないかもしれないことを受け入れた。気に入らないが、仕方がない。これを売っていたあのクソ野郎が言っていたとおり、破壊不可能だということが分かった。あらゆる鍛冶を試したが、誰にも何もできなかった。

245日目

今日は別の魔術師に会った。他の連中と同じで、興味を持ったようだった。口ごもって何かを言って、書物を読んだりした。あらゆる呪文を試した。もちろん何も起きなかった。友人を紹介されたが、もうとっくに望みは捨てている。

487日目

かゆみが収まらない。あらゆることを試した。今朝だけでも千回は氷水に頭を突っ込んだはずだ。宿のベッドがシラミだらけなんて、最悪だ。

682日目

書くのはこれで最後だ。書くたび、何もかもが役立たずだということが分かる…もう望みはない。こんな姿で、どうやって生きていくんだ?兜から頭が出ない相手と家族を持とうとする者などいるわけがない。軍隊か何かに入ろうと思う。見込みが低いほどいい。こんなふうに生きていくより、戦場で死ぬほうがましだ。

手放せぬリュート

手放せぬリュート The Sticky-Fingered Lute

無慈悲な音楽教師によって作られた品。このリュートの弦をかき鳴らした者は、完璧に演奏するまで手放すことができない。残酷だが、とても効果的だ。

上級公女ライリルシルウェの手紙
-遺物マスターグレナディルによる複写

拝啓、サピアルチ・テマティラナ様

息子の件をご親切に引き受けてくださりありがとうございます。母親として、ナルリンドリの回復を一刻も早く助けていただくことが唯一の望みです。息子は何日も眠っていないため、あなたの質問には答えられないと思われます。あの額で十分に足りることを願います。

さらに調べましたが、いまだに誰がナルリンドリにリュートを贈ったのかは不明です。12才になったばかりで、祝宴に来た客人も贈り物も多数でした。息子の現状を考慮すると、このまま分からぬままになるのが心配です。明らかに罠だったと、今では分かります。

リュートは美しく、ナルリンドリはすぐに気に入りました。その日の夜から、添えられていた音楽の書にあった曲を演奏しようとしました。最初は熱心なだけだと思っていましたが、夜が更けるにつれて音にうんざりしていきました。やめるように言うと、私の目を見ることも拒んでただ弾き続けました。私が何を言っても、やめさせることはできませんでした。しまいにはリュートを奪い取って、朝まで部屋にいるように命じました。

彼は最初何も言いませんでしたが、震え始めました。体全体が同時に震えていました。そして苦しみながら地面に倒れ、手足はけいれんしていました。「母さん!リュートを返して!」と叫び、その声は拷問を受けているかのように苦しそうでした。

息子の命が心配になり、もちろんリュートを返してやりました。それ以来演奏を止めておらず、もう3日目に入ります。我が家の治癒師は息子のそばから離れていませんが、指が切れて血を流しているのを見ていると心が痛みます。睡眠も食事もほとんど取っておらず、いつもあの呪われたリュートを弾いているのです。

夫がナルリンドリと一緒に向かいますので、他に質問があれば答えられるはずです。どうか、何とかしてやってください。家族そろって恩に着るでしょう。一人息子の命と引き替えならば、費用は惜しみません。

敬具
上級公女ライリルシルウェ

偽顔の扇

偽顔の扇 Fan of False-Face

この扇を身に付けた者は、他者の顔を盗める。ただし、自らの顔もゆっくりと失われていく。

代弁者ギルザロンの手紙
-遺物マスターグレナディルによる複写

リジケー、この仕事を任せられると信じているから、この警告のせいで思いとどまったりするな。この品の使用を許したのは数年ぶりで、とても強力だ。だがお前の標的は簡単ではない。マグニフィコ・ナドブシャールは自分の命が狙われてることを知っていて、深く恐れている。

必要な品は持っているし、ナドブシャールの側近を捕らえるのは楽なはずだ。扇の魔法は被害者が生きていないと効かないから、彼女は生かしておけ。扇を広げるのは、必ず二人きりになってからにすること。お前たちの顔の間に持って、折れ目の中をじっくりと見つめるんだ。次にまばたきをする頃には、側近イムラサーの顔になっているはずだ。

この段階では特に時間が大切だ。扇の効果はゆっくりだが、一定している。すぐ不快に感じるだろうが、訓練のおかげで乗り越えられるはずだ。しかしゆっくりと夜が更けるにつれて、真の姿は消えていく。イムラサーのように考えるようになり、自分はイムラサーだと信じるようになる。朝の光が訪れる前に、変身は完了しているだろう。そうさせてはならない。

飲み物に毒を入れてナドブシャールに渡し、祝宴から立ち去れ。イムラサーのもとに戻って、もう一度扇を使え。こうすることでのみ、自身を維持できる。そうしないと、お前は王家の側近の体の中で永遠に失われる。私に言わせれば、死よりもひどい運命だ。

甘い夢の枕

甘い夢の枕 Pillow of Sweet Dreams

この枕で寝た者は誰でも、幸せな夢を見られる。習慣性はあるが危険な品だ。多くの者が、甘い夢からそのまま目覚めない。

ホノリア・アウルスの詩
-遺物マスターグレナディルによる複写

枕に頭を乗せる
目の奥でいい夢を見る
再び眠りが訪れるのを待ちわびる
嘘で飲み込まれる日を

その時は愛する人が横に寝そべり
彼女の微笑みは明るく、肌は輝く
そこでは死が及ばない
しかし朝が来ると彼女は去る

私は再び眠り
二度と起きない
今夜私の魂は
奪う

致命的な予感の鏡

致命的な予感の鏡 Mirror of Fatal Premonition

この鏡を見る勇気がある者は少ない。この鏡が見た者の顔を映し出すのは、避けられない死の直前のみだ。

タンディファエの遺言
-遺物マスターグレナディルによる複写

起きた。起きた、起きた。傷だ。頬に傷、傷がある。頬にあって、自分にはもうじき最期が訪れるのだと分かる。死ぬんだ。

あんな鏡を見るべきではなかったのだが、好奇心に勝てなかった。年老いた男が見えるだろうと思っていたが、自分を見つめ返した目は同じだった。わずか80才で自分の死を見つめ返していた。唯一の違いは…頬にある傷だった。

気をつけているつもりだった。剣術もせず、何にも乗らず、激しい活動は避けた。それなのに昨日、市場で、敷石につまずいたのだ。こともあろうにあんなものに!そして今ではそこに傷があり…死ぬことになる。鏡は知っていて、見ていて、これが死の証だ。

家族には、とても愛してると知っておいてもらいたいが、運命からは逃げられない。少しでも常識があるなら、あの鏡を破壊してくれ。自分まで破滅させられる前に。

白黒の絵筆

白黒の絵筆 The Monochrome Paintbrush

描いた者の生命力を吸い取る魔法の絵筆。その犠牲によって、最も美しい色が作り出される。

サマーセットの古い民話、作者不明 著
-遺物マスターグレナディルによる複写

昔、素晴らしい才能を持つ芸術家がいた。彼女の瞳は未知の世界で輝き、あまりの壮麗さと明るさに、美しいサマーセットさえ色あせて見えた。彼女は活気に満ちた景色を絵にしようとしたが、普通の色では用足りなかった。どうやったら光景を表現できるだろうか?

やけになっている時、貧しい商人が彼女の家の扉を叩いた。粗末な外見をした年寄りで、連れは足元に犬がいるだけだった。

「この絵筆を買わないか?」とその貧しい商人は聞いた。「この家からして、画家だろう。これを使えば、作品に命を吹き込めるようになるぞ。」

好奇心をそそられた芸術家は、その絵筆に微々たる額を払うことに同意した。先端が白くて黒い象牙の柄をした、わりと大きな筆だった。白黒の絵筆という代物だが、名前に騙されてはならないと言われた。そうして年寄りの商人は満足した笑顔で去っていった。

芸術家はすぐさま仕事に取りかかり、彼女の目の前では信じられないようなことが起きた。ほんの少し前はただの絵の具だったものが、輝きを放ちながら深みのあるものになったのだ。それは色や情緒以上のもので、彼女がそれまで見た全てをしのぐものだった。ついに、色が彼女のずっと思い描いていたイメージと一致したのだ。

しかし、彼女が描いているとおかしなことが起きた。まず、彼女の唇、指先、鼻先から色が抜けていった。髪の毛は黄金のような黄色から色あせた白に変わり、服は青と紫が消えて灰に変わった。

彼女は気づかなかった。彼女はどんどん絵を描き続けた。自分が作り出している景色に没頭し、彼女の体は白と、黒と、灰色だけになった。目は重たくなり、心拍は次第にゆっくりと間隔を開けるようになり、ついに彼女は突然崩れるように倒れた。

彼女の死体の前にはサマーセットで最も美しい絵があった。今でも飾られていると言われているが、ニルンでは二度と目撃されていない。

知覚時間の砂時計

知覚時間の砂時計 Hourglass of Perceived Time

発動すると、この砂時計は使用者の知覚時間を変更できる。1時間を1日のように感じさせることも、一瞬の内に1日を過ぎ去らせることもできる。拷問器具として乱用されたため、この力を発動する秘密は隠されたままだ。

クロックワークの使徒ララム・ファレンのメモ
-遺物マスターグレナディルによる抜粋の複写

記録32

被検体15Aはますます興奮してきている。実験の境界を見つけたことが疑われるが、それがどの程度までかは不確かだ。これが現在の実験にどういう影響を与えるかは、まだ分からない。

被検体15Bは言葉をつなげられなくなってきたが、これは外部からのみそう感じられるという可能性もある。彼女の世界観としては完璧に言葉をつなげて話しているのだろう。気性は相変わらず前向きだが、捕われてからまだ2日だけだと理解しているので、おそらくそのためだろう。

被検体15Cは強硬症になり始めた。他の被験者にはほとんど反応せず、長い間むせび泣くようになった。彼はもう実験に適さないかもしれない。私の計算によると、彼は捕われてすでに5年以上と理解していることになる。

失われた恋の靴

失われた恋の靴 Jaunt of the Jilted

気取った恋人に呪われたこの靴は、装着者を死ぬまで躍らせる。

失われた恋の靴、一幕劇
-遺物マスターグレナディルによる複写

語り手:昔、良家のエルフが2人いた。小さい頃から縁談がまとめられ、成長すると結婚式が計画された。

ノルディンウェ:ああ、素晴らしい結婚式の日が待ちきれない!

語り手:しかし若いクアーネルはためらった。結婚は愛する人としたかったのだ。

クアーネル:ノルディンウェ、悪いが君を愛していない。婚約は破棄しよう。

語り手:ノルディンウェは後に別の求婚者を見つけたが、クアーネルの裏切りを忘れることはなかった。憎しみを抱いた彼女は、靴に呪いをかけた。美しくしなやかなその靴には、恐ろしい秘密があった。

ノルディンウェ:クアーネル、以前は仲がよかったでしょう。ぜひ結婚式に来て。それにほら、この見事な靴を持ってきたわ。ダンスにぴったりよ!

語り手:そうしてクアーネルは式に出席し、披露宴が始まると踊り出した。音楽のリズムが速くなると、彼の足も素早く動き出した。靴は次第に温かくなり、やがて熱くなった。そしてついには足を焼き焦がし始めた。

クアーネル:ノルディンウェ、何をしたんだ?この靴は…いったい!

語り手:しかしクアーネルは踊りをやめられず、しまいには息を引き取った。この間ずっと、ノルディンウェはただ笑顔をたたえていた。

常に満ちた聖杯

常に満ちた聖杯 The Ever-Filling Chalice

この聖杯から飲んだ者は癒されぬ渇きの呪いに苦しむ。多くの者は、常に満ちた水に溺れる。

刻まれた碑文
-遺物マスターグレナディルによる複写

この聖杯から飲む者は、激しい渇望を経験するだろう。渇望にふけり、決して終わることはない。そしてその甘い水に溺れるだろう。

乾燥の胸当て

乾燥の胸当て Chestplate of Desiccation

テルヴァンニ家が奴隷の拷問に使ったアミュレット。装着者の肉体から、ゆっくりと水分を奪う。

元奴隷ウージャ・ナカルとの面談
-遺物マスターグレナディルによる複写

そう、テルヴァンニの看守はよくこれを罰に使う。この種族に、乾燥より気分の悪いものはそうはない。もちろん熱気には慣れてはいるが、ブラック・マーシュの沼の湿気を含んだものは初めてだった。

彼らは、さらに平凡な方法でサクスリールを乾かそうとした。檻に閉じ込め、夏の太陽に乾燥を任せた。しかし、雨の日や島に霧が立ち込めた時は、これを着させられた。両手は縛られ、脱げなかった。そして胸当ての効果が出始めた。

初めの感覚は鈍いものだった。しかし、その効果を知っていたがため、徐々に恐怖に襲われた。それはかゆみのような、多少の不快感から始まった。鱗の先が感じ始め、ゆっくり中へと染み込んでいった。口内の舌がしぼむのが分かった。目を閉じても楽にはならない。鱗がそれぞれ、緩慢に硬くなっていった。

どれほど死を望もうと、彼らは決して許さなかった。

砕け散る剣

砕け散る剣 The Shattering Sword

この柄に収められた剣は、戦いの最も大事な瞬間に砕け散る。

呪いの決闘の独白、第2幕第4場
-遺物マスターグレナディルによる複写

バトルリーブ・タンウィンセア:さればこの呪われし剣を手にしよう。我が敵は決闘の場でこの剣を使うとは承知の上だ。決闘の最高潮に彼の剣は砕けん。とどめが放たれよう。我が行為に名誉はなし。だが恥もなし。命を賭して演ずべき戯れに他ならない名誉に、価値などあるものか。我は大義を知るべし。決闘を制す名誉を知るべし。如何に手段が汚かろうと、勝利とは常に甘美である。

塔の杖 Staff of Towers

聖アレッシアの祝福された使徒、ホルネヴンの文書より

遺物マスター、グレナディル訳

エルフ魔術師アヌマリルの手よ呪われたまえ!アヌイ・エルの誇りよ呪われたまえ!見よ、彼らの柔軟で邪悪な指は世界の破滅を仕組んだ。ウマリルと親族がホワイトストレークの死で苦しむ中で、この杖、この8片の罪はまだ残っている。

アダマンチン:根源的で厳粛。

赤:陰気で血まみれ。

水晶:不敬で不可解。

オリハルコン:静かで忘れ去られている。

雪のノド:冷たく不気味。

緑の樹液:活気に満ちて賢い。

真鍮:大股で歩き強力。

白金:無限で永遠。

全て真っすぐだが、ひねくれてもいる!金属、石、そして冒涜の誓いに縛られている!これら8つの偶像がそれを行使する者の手に渡らぬことを。塔の杖が静かに動かず、魔術師の非情な目に入らぬことを。今も、いつまでも。

曖昧なる予言者 Augur of the Obscure

このわがままな水晶の頭蓋骨は、あなたの手放す決断を無視して留まることを選んだ。創世の壮大な謎についてあらゆることを告げられるが、無駄話、冗談、不平の方を好む。

オリハルコンの杖の欠片

レキの刀剣の遺跡だ。実に考えさせられるよな?死すべき運命について。長く、ゆったりとした時の行進… 厳然たる避けがたき死、腐敗、無。うむ… ま、私には関係ないけどな!

オリハルコンの杖の欠片 Orichalc Staff Fragment 発掘地:アリクル砂漠 レキの刀剣

この魔法金属は、片側に荒削りなオリハルコンの破片がある。塔の杖の一部に違いない。

オリハルコンの欠片だ!オリハルコンの塔については久しく耳にしてないが、お気に入りの場所だった。あの退廃的な感じが堪らない。

アダマンチンの杖の欠片

また墓地か?ここの土の下は財宝の宝庫だ。杖の欠片が見つかるかもしれないぞ。古い骨盤を掘るのはどうだ?嫌か?残念だ。

アダマンチンの杖の欠片 Adamantine Staff Fragment 発掘地:バンコライ ペリン墓地

この不自然に重い金属は、塔の杖の一部に違いない。

これはこれは。アダマンチンの破片だ。どこに入れるか気を使ってくれ。削れたら堪らんからな。

歩く真鍮の杖の欠片

デシャーンだな?ここには越閥の恐ろしい残留物がたくさんある。魚に違いない。魚は37種類の様々な恐怖を感じるんだ。だからいつも驚いてるように見える!

歩く真鍮の杖の欠片 Walk-Brass Staff Fragment 発掘地:デシャーン 牙の尖塔

この見事な作りの金属には、磨かれた真鍮の塊が付随している。塔の杖の一部に違いない。

歩く真鍮?おお、これはややこしい!もし第一紀にアヌマリルが塔の杖を作ったのなら、どうやって彼はドワーフがまだ作っていない塔のことを知った?ポン!脳が破裂する!

水晶の杖の欠片

シャドウフェン?ヒストには我慢ならない。正直に言うが彼らがそんなに利口なら、なぜ樹液を漏らすのをやめられないんだ?私を落とすのは勘弁してくれよ。あれは洗い落とせない。

水晶の杖の欠片 Crystal Staff Fragment 発掘地:シャドウフェン ハッチング・プール

この杖の欠片に付いた水晶は、アルケインの力で脈動している。塔の杖の一部に違いない。

水晶の欠片?うう、これは奇妙なものだぞ。それはここにあり、また別のどこかにもある。複数の別の場所にな。あんまり難しく考えるなよ。肉脳によくない。

雪のノドの欠片

げっ!この場所はひどいな!頭の中で製材所が動いてるみたいだ!それにこの音!聞こえるか?欠片を見つけて、さっさと出よう!

雪のノドの欠片 Snow Throat Fragment 発掘地:クラグローン スペルスカー

磨かれた大理石が、この冷たい金属の頂点に鎮座している。塔の杖の一部に違いない。

雪のノドの欠片!おめでとう。よかったな。さあ、ここから出ようじゃないか。顔から歯が抜け落ちてしまいそうだ!いたたたたたた!

緑の樹液の欠片

木のエルフとその木だな?あいつらが歌で木を面白いものに変えたためしがない。家、橋、椅子… 歌う地上の船みたいな、役に立つものに変える奴はいないのか?

緑の樹液の欠片 Green Sap Fragment 発掘地:グリーンシェイド グリーンハート

金属に付随したディープグリーンの石が、風に吹かれる木のような、穏やかな音を発している。塔の杖の一部に違いない。

緑の樹液の欠片だな?土の中に埋めておけば、そのうち新しい塔が生えてくるぞ。本当だ!

赤の杖の欠片

ちょっと待て… 以前もここにいなかったか?巨大な石の奴らが互いを絞め殺しているところに。アホらしいよな?瓦礫になった方が負けか。

赤の杖の欠片 Red Staff Fragment 発掘地:ストンフォール 闘争家の兄弟

この重く灰に覆われた金属は、赤い石が付着して触ると温かい。塔の杖の一部に違いない。

これは何だ?赤い塔の欠片?ああ、そいつの扱いには気をつけろ。気まぐれだからな… それに霊的な溶岩が詰まってる。一番危険なやつがな。

白金の杖の欠片

ふむ、これは堂々とした石像だ。私の故郷では、石像を作らなくなってしまった。動き出して、死のアルゴリズムをばら撒くからな… いやはや、滅茶苦茶だったよ。

白金の杖の欠片 White-Gold Staff Fragment 発掘地:ストームヘヴン 嘆きの巨人

壮麗な塔の杖の先端。シロディールの白金の塔に似ている。

これはいいものだぞ。白金の欠片だ。アークメイジ・アヌマリルがいつも持ち歩いていた。牛の鈴みたいに、首にぶら下げてたんだ!アイレイドらしいよな?