ソリチュードの独白

Solitude Soliloquies

アテイアの横笛Ateian Fife

インペリアルの伝説の笛職人パーテロン・アテイアが死の直前に作った笛の一つ。パーテロンの笛は希少であり熱烈に求められていたが、これは彼が死ぬ前に完成させた最後の笛である。パーテロンは特別に吟遊詩人の大学へ寄贈し、長く保存され楽しめるようにした。

彼の横笛のいくつかは今もタムリエル中で使われているが、大部分は収集家か、アテイア家の才能ある笛奏者の元で隠されている。

アンジャルドの日記Anjuld’s Journal

最高だ!ついに夢が叶って、レディアント装具店を開店する。長年家のハチミツ酒醸造所で働きながら仕立やファッションのことを全部学んで、店を始められた。そして故郷のソリチュードで店を開くための場所を確保するため、何年も待った。何ヶ月もかけて店の準備を整えて、在庫の用意をした。そして、お店の営業を開始する。

成長を続ける企業にできたらいい。たとえ家族経営の事業でも。母のハチミツ酒醸造所を継ぐより、ファッションの道を選んだことで父ががっかりしていないといいが。そうは言っても、私に彼らの人生は歩めない。私は私の人生を生きるべきだ。

* * *
開店してから最初の数週間は何とも言い難い。人々は私の服のデザインに興味を持ち、品物を買ってくれる人もいた!上級王の娘が服を買ってくれることになったくらいだ。彼女はどうやって戻ってくるかについてと、特定のデザインについて何か話していた。

ハチミツ酒醸造所のことは父から聞いた。2人は私がいなくてもうまくやっているらしい。良かった。姪と甥に私の代わりをやらせている?冴えているな!おばとおじに感謝だ。

* * *
姪のダリエが仕立屋の一周年記念に立ち寄ってくれた。あの子はいつだって変わり者だ。むしろ私に似ているかもしれない。宝飾品も売ろうと考えたことはないかと聞かれた。正直に言うとそれほど興味はないが、アクセサリーは洋服を引き立てる!あの子がもっと大人になって、私に投入する資金がもっとできたなら。あの子に加わってもらって、ここで宝飾品の事業をやるのもいいかもしれない。

拡張する時期が来たら考えよう。

* * *
数年前に書き始めたこの日記を引っ張り出して、自分が日記をつけることに向いていないと気づいた。

この数ヶ月で変化があった。店から離れている時はいつも誰かに見られているような気がする。最終的には、ダリエと彼女の夫にここに来るよう頼むことは考えないだろう、という予感がする。彼女が宝飾品の商売を始める資金はあるが、ソリチュードはもう安全だと思えない。これについては、もう数ヶ月様子を見てみよう。その間に、テオネッタがそろそろハチミツ酒醸造所へ戻るべき時なのかどうか話し合うべきだ。彼女はここですごく役に立ってくれたけど、向こうでも新たな戦力が必要かもしれない。

ウスベト(発掘)Uthbet (Exhumed)

ウスベトここに眠る

族長殺しのライルの息子は

丘のように老いた

生まれながらの戦士

便所で死す

冷笑を浴びせながら

エナからの手紙Letter from Ena

ウラング

お互い無事だった時のために、「だから言っただろ」は取っておいて。いい価格を提示されたからと言って、リーチの民と取引すべきだった?いいえ。最後の瞬間に裏切ることを予測してた?きっとそうすべきだったのよね。でも、やっぱり答えはいいえ。

ここに長く留まり過ぎたら、奴らに見つかってしまう。だからそうしないで、滝の側にあるキャンプを目指して上流に向かうわ。向こうのほうが安全なはずよ。できるだけ早く会いに来て。でも、どうか気を付けて。リーチの民はドラゴン・ブリッジを狙っていると思う。

エナ

オグヴァル従士への手紙Letter to Thane Ogvar

オグヴァル従士

ご依頼のとおり、海の巨人についての情報を可能な限り集めました。予測に違わず、大した情報は得られませんでした。大部分の情報は、吸血鬼がカイネズ・パーチへ来る前に港を去った老人たちから聞いたものです。彼らは熱心に話してくれましたが、精度は疑わしいでしょう。何と言っても彼らは船員です。船に乗るより嘘をつく方がうまい。しかし、手に入ったのはその情報だけです。

ステグリルによれば、海の巨人は本土の巨人の親類ですが、より賢いそうです。彼とおかしないとこのようなもの、だそうですが。これはイングフィルの証言とも一致します。彼は海の巨人が言葉を話すのを聞いたと言います。半巨人だけではありません。彼が言うには、一番大きな巨人がシロディール語で何か叫んだそうです。これが本当なら、巨人に関する我々の知識は完全に覆されるでしょう。私も古代の巨人やアトモーラのタイタンの物語は聞いていますが、おとぎ話だと思っていました。ステグリルは断言していますが、実は自分で見たことはないと認めました。どう考えるかはお任せします。

実際のところ、船員たちは全員がこれまで海の巨人を見たことがないと白状しました。「見たら生きては帰れない」と言うのです。ただ1人だけ、以前に海の巨人を見たと主張する者がいます。セングレットです。一番の年寄りで、少なくとも80歳にはなるでしょう。彼女はドーンスター西の漁村で育ち、海の巨人が沿岸を襲った話を祖母から聞いたそうです。それは「ペイルがドラウグルの心臓のように冷え込み、ホーカーが岩の上で凍え死に、トロールが極寒に泣いた時」だったと。そして、第二紀532年にそんな冬が訪れました。セングレットが冷たい突風の中、沿岸に立っていると、ロングシップが一隻、みぞれ交じりの雪を突き抜けてくるのが見えたそうです。それだけです。それで話は終わりです。

お気づきのとおり、ここ数年間は暖冬が続いています。少なくとも、例年と比べれば暖かい。ですから、セングレットの話は筋が通りません。吸血鬼を考慮に入れなければ。ファルグラヴンが人々の心を歪め、泡立つ血の渦を起こして船を沈めていることは有名です。奴が巨人に何かを提供したのか、それとも隷属させているのか。いずれにせよ、誰も予期しなかった同盟です。本土に到達しなければいいのですが。ソリチュードの民にあれを押し返す力があるかどうかは、確信が持てません。

スンヴィルデ

カリソスの磁鉄鉱Callisos’ Lodestone

これは大吟遊詩人にして全ニルンで名を知られる音楽家、カリソスの楽器として崇められている。このリラは彼と共に、数十年にわたってタムリエル中を旅した。

カリソスはしばしば、どのようにしてマッドゴッドのシェオゴラスを出し抜いてこの楽器を手に入れたかという物語を語った。シェオゴラスに出会った時、カリソスはすでに熟練の吟遊詩人で、シェオゴラスが聞いたことがないような、もっとも官能的なラブソングを演奏した。カリソスはこの狂乱の王子に、彼の質素なリラにはディベラのむき出しの情熱が植え付けられていることを納得させたのだ。

シェオゴラスはそれを欲しがり、代わりに磁鉄鉱と呼ばれる楽器をカリソスに与えた。彼が栄光と名声をもたらすことを断言しながらカリソスの魂に結び付けたリラは、栄光と名声を実現した。

しばらくしてから、カリソスの偉業と才能は吟遊詩人の大学の卒業生の間で伝説となった。しかしある朝、磁鉄鉱が大学の練習室で発見され、それ以来カリソスの消息は一切不明となった。それ以来、カリソスは定期的にシェオゴラスの怒りから逃れてタムリエル中を旅するが、最後には捕まってしまうのだと長く考えられている。

カル・ドルーンのメモKal Druun’s Notes

我々はグレイホストの吸血鬼だ。故に扉を開ける必要はない。それでも我が主エグザーチ・ツィンガリスと同じように、私には知識への飽くなき渇望がある。このドワーフの扉は解明せねばなるまい!

鍵はない。ノブもない。ヒンジもない。
レバーもなく、はっきりと分かるものは何もない。古代のドワーフはどうやって開けていた?

機械に覆われた柱。あれについたパネルには何の意味がある?4つの異なる絵柄。星だ。

ドワーフは天空に興味を持っていたと言われている。パネルは夜空の異なる部分を表したものか?模様を見定める方法があるはずだ。

パネル。模様は正確に繰り返しているわけではないが、パネルに答えがあるに違いない。

どうやら分かったようだ。何が足りないかに気づいたら、答えがはっきりする!

知識が得られたら退屈になった。次の大きな謎に取り掛かろう!

グレイホストの書簡Gray Host Communique

エグザーチ・ツィンガリス

お前の素晴らしき知性には感謝している。再誕してから、我々の夢をこれまでになく実現に近づけてくれた。私が千年もかけて少しずつ崩してきた障害を、わずか数日で切り開いてくれた。

隠れ潜む時は間もなく終わる。お前の技を洗練させ続け、魔術結社の魔女に労働の成果を供給しよう。彼女たちは、ウルフラとその同胞を展開するための儀式の材料を作れるはずだ。最も強力な嵐を解き放つための準備をする間は、無差別に喪心の嵐を解き放ってノルドどもを悩ませよう。

お前の精製ネザールート混合薬を、儀式に必要なもの全てと一緒に中部のキャンプと私の砦に送ってくれ。沿岸のキャンプには、メダルをさらに準備しておくように警告する。ブラックリーチのキャンプの戦士長には、最新の命令を送っておく。

我が兄弟よ、強くあれ。グレイホストはまもなく蘇る!

ラダ・アルサラン

グレイホストへの命令Gray Host Orders

愛すべき同胞たちよ

何と言えば良いだろうか。ツィンガリスが死んだ。

彼を殺した者は影の中に逃げ去った。間違いなく、我らの邪魔をするつもりだろう。すでにその目的が、喪心者の拡散を阻止することだという噂もささやかれている。

これ以上、我らの目標を脅かす者を見逃すわけにはいかない。我が家族は苦痛から救われた。もうモラグ・バルでさえ私を止めることはできない。そのため、我々は仕事を早めなければならない。ソリチュードへの攻撃に関わるすべての準備を、至急完了させるのだ。

アンダーグローブでの作業に必要なものは、全て用意しておけ。場所は隠されており、古代の墓地は安全が確保されている。古代の墓地が地下に落ちたのは、まさにこのためかもしれない。喪心の嵐を次に進めるための、完璧な試験場になるだろう。エグザーチ・ウルフラは努力を導き、最後の喪心の嵐のための道を用意する。

グレイホストに栄光を!

灰の王、ラダ・アルサラン

コスリンギのリヴァイアサンホーンKothringi Leviathan Horn

絶滅したブラック・マーシュのコスリンギ人はごくわずかな遺物しか残していないが、吟遊詩人の大学はこの悲しげな楽器をその文化とナハテン風邪の被害を思い起こさせるものとして大切にしている。

この陽気なラッパはブラック・マーシュを徘徊する怪力の獣、リヴァイアサンの角から作られている。消えたコスリンギの人々の肌に合うよう、銀青の染料で染められていた。

大きく、良く響く音色は往時のコスリンギの人々のように、喜びと希望に満ちている。

サデウスの部品リストThaddeus’s List of Parts

回路化ハーフシェル(2):これらの部品は音調が循環する間、均衡を維持するために共鳴キャパシターが必要とする。

交換用歯車:コンストラクトの修理で既に使用されていなければ、特別な機械加工をしたコグと歯車はあらゆるドゥエマーの自動修理ジャンクションで見つけられる。

ドゥエマー焦点スコープ:特定の音が光を作り、ある光が音を作る。スコープの内部にあるレンズやクリスタルにヒビを入れないこと!

シスター・エルラの布告Sister Elra’s Proclamation

リーチの民よ

強大な軍が目覚め、我らの聖なる働きが力となっていることを知りなさい。私たちの力は高まっています。古き軍がこの世界で地位を取り戻した暁には、大きく報われることでしょう。

賢明にして老いぬ灰の王が、私たちの努力を讃えています。私たちの差し出す収穫が、王の愛する仲間を呼び戻すのです。これこそあるべき姿であり、正しいことなのです。

私たちの働きに疑念を抱く者もいるでしょう。我らが同盟者を恐れる者も。知りなさい!喪心の嵐の儀式の美しさを!儀式は灰の王に求めるものを与え、敵の心を恐怖で満たします。

私たちは儀式を極めました。より強力なものに変えたのです。今や嵐を呼び出すために必要な長槍はたった1つ。大きな嵐ではなくとも、十分な力を刈り取ってくれるでしょう。

心を強く保ち、魔術結社の命ずる通りに動きなさい。光を求めるのではなく、灰を称えるのです!

シスター・エルラ

ジャハル・フソジャJahar Fuso’ja

第二紀の初頭、カジートが入学し教職につく許可と引き換えに、エルスウェアのたてがみがこのカナンを吟遊詩人の大学に寄付した。当時は拡大するレマン王朝のインペリアル支配に対して、カジートの支配層が彼らの文化を保護して拡散するための手段を模索していた。

このカナンはエルスウェアに壊滅的打撃を与えた、スラシアの疫病の終焉を告知する祝祭で演奏された。祝祭の楽器を意味する「ジャハル・フソジャ」と名付けられたこの楽器は、現在も我々に生命の誇りと、古い曲を思い出させる。

スカイトーカーSky-Talker

この太鼓はシャドウフェンで無数に起こったある奴隷の反乱で、無名のアルゴニアン奴隷によって使用されたものだ。持ち主の名は失われてしまったが、このスカイトーカーという太鼓は、暴動の最中に他の奴隷たちへ伝言を送るために使われていたと言われている。「太鼓の声」は、しばしば反逆者に偉大な功績を与えたようだ。

この太鼓は精神を奮い立たせて魂を鼓舞する必要がある時、最悪な状況であっても音楽が力を与えられることを、吟遊詩人に思い出させている。

スカイリムのチーズ:ハイヤルマーチ、ハーフィンガルCheeses of Skyrim: Hjaalmarch, Haafingar

通信員の要請により、私は読者を退屈させないために多大な努力を払って旅行記の内容を制限した。スカイリムを旅するにあたって、私は自分の旅をどのような観点から見せるべきか迷っていた。旅の最初にたっぷりと食事をとった後、食べ物しかないと私は思った。このようにして、スカイリムのチーズ一覧が誕生したのである。

この国は様々な顔を持ち、その気候も多様である。そのためチーズの種類も膨大だ。繰り返すが簡潔にするため、訪ねた地のそれぞれから、最も注目すべきチーズだけを記すよう気を使った。

B.

グリーンエッジ
グリーンエッジはお祭りのチーズである。ハイヤルマーチ、特に首都のモーサルの陰気な評判を考えると少し変わっている。このチーズの名前は、近くの沼地から摘んだイラクサで編んだ可愛らしい「籠」から来ている。見た目も製法も籠としか呼びようがない。チーズはこの籠の中で塩水に漬けられ、それから潰される。潰す際に、通常は乳白色のチーズに緑の輪郭ができる。

ここではチーズの食べ方も変わっている。グリーンエッジは祭りの最後に出されることになっていて、ちょっとした見ものだ。若い狩人はイラクサで包んだこのチーズを持って松明を当て、包みが燃えてチーズが溶けかかった状態になるまで熱するゲームをする。このゲームに熟練した者は、チーズを焦がさず指を火傷しない程度に動かしながら、とても溶けやすいこのチーズを松明の炎の周りで踊らせる。観衆からは熟練者に喝采が上がる。

このように調理した後で熱いチーズは食卓に供され、来客はすぐさまパンや、場合によってはスライスしたリンゴを溶けたチーズに突っ込む。子供にとっては特に楽しい瞬間である。ここでチーズの隠された中身が明らかになるからだ。ドライフルーツやベリー、裕福な家庭ではアンバープラムが丸ごと1つ入っていることもある。最初にプラムを引いた運のいい者は、その祭りの王と呼ばれる。

ソリチュード・エイダール
個人的な意見だが、これはスカイリムで最高のチーズである。味や変わった性質のためではない。とてつもない希少性のためだ。ソリチュード・エイダールはその名の通りエイダールチーズであり、菌類の胞子を吹き込んで熟成させる。そしてエイダールは地下で熟成させるが、このチーズも古代都市の下にある地下室を用いる。しかし、普通のエイダールと似ているのはここまでだ。

まずは材料が違う。ソリチュード・エイダールは西スカイリムの頑固な伝統主義をチーズ製造へ見事に反映したものであり、それは牛乳の時点から始まっている。西スカイリム最初の王スヴァルトル首長が飼っていた牛だけが、このチーズの乳を供給できる。この牛の末裔である王家の牛は、忠実な家臣によって管理されている。牛乳は定期的にソリチュードへ配送され、そこでブルー・パレスの世襲官職である王家のチーズ売りによって検査を受ける。この乳製品の達人は検査対象の牛乳に厳密な基準を設けている。実際に彼の仕事を見たが、ソリチュード・エイダールを作って良いとされる樽は1ダースにつき1樽程度である。牛乳を凝乳にする際も、このプロセスのために特別に作られたいくつかの砂時計を使って正確に行われる。最後に前回のチーズのかけらが次のチーズに使われ、何世代も遡るエイダールの途切れない連鎖が生み出される。

私が受けた説明によると、この結果スヴァルトルの時代と同じ外見と香り、味が正確に再現されるという。私は疑わしいと思ったが、数十年間保存されたチーズと、最近切り取ったばかりのチーズの2片を与えられた。違いがあるかどうか、両方を味見せよと言われたのだ。

違いは分からなかった。私は泣いた。

スカイリムのチーズ:ホワイトラン、ウィンターホールド、イーストマーチCheeses of Skyrim: Whiterun, Winterhold, Eastmarch

私はスカイリムの旅行記を、東のチーズに注目して続ける。ホワイトラン、ウィンターホールド、イーストマーチのチーズである。繰り返すが簡潔にするため、訪ねた地のそれぞれから、最も注目すべきチーズだけを記すよう気を使った。

B.

アルド・アンバー
スカイリムで最も贅沢なチーズの一つは、この王国の穀倉地帯となっている肥沃にして広大なホワイトランで生まれた。しかしアルド・アンバーは食べれば豪勢な気分を味わえるものの、私がこの旅で出会ったチーズの中で、もっとも複雑かつ挑戦的なチーズとは言えない。

多くの人はその名前だけを見て、アルド・アンバーはエイダールのように熟成されたチーズだと思い込む。しかし事実ではない。この名前は、このチーズがいかに長い間ホワイトラン料理の一部を成していたかを示す証だ。正直に言って、これをチーズと呼ぶことさえためらわれる。その製法は私が知るどんな製法とも似ていない。凝乳に圧力を加えて取り出したホエーを捨てず、クリームの中に混ぜる。混ぜたものを口が広く浅い鍋で何時間も煮ると、いずれ液体は固体になる。その過程で薄い茶色になり、キャラメルのような香りが出る。「アンバー」の名はそこから来ている。

ゴーストフレッシュ
ウィンターホールドの民は、ここの有名な大学で魔術を学んでいない限り単純な人々であり、亡霊の海で働いて生計を立てている。家畜に向いた牧草地は少なく、海からはしばしば厳しい風が吹くため、子牛の群れがしばしば熱病にやられてしまう。牛の乳もヤギの乳も供給量は少ない。手に入るわずかな量は、新鮮で柔らかい農家のチーズになる。しかし質素な環境にもかかわらず、ウィンターホールドの人々は私が味わった中でも屈指のチーズを作る。

老人や亡霊の海へ挑むには若すぎる子供は、海草を集めて日々を過ごす。これは数週間かけて乾燥される。簡素な農家のチーズは海草を積んで燃やした煙で燻すため、潮の香りが込められている。その上で、小麦粉とホーカーの脂肪で作ったパンにチーズを包んで焼き上げる。ここが秘訣のようだ。こうして勇敢な漁師は、海で仕事をしながら食べることができる。彼らは片手しか自由に使えないことが多い。
このパンは焼き立てだと中身がとろけ、湯気を出しながらパチパチと音を立てている。外はまだサクサクしていて軽く、透明な生物の肉を噛んでいるような食感だ。ウィンターホールドの凍える海辺を数時間歩き回り、日没に見舞われた後で食べることを勧める。

マンモスのチーズ
旅の途中で私を親切にもてなしてくれたイーストマーチの善良な人々はおそらく、彼らのチーズ製造を省略してしまうことを許してくれないだろう。しかしここにある巨人の野営地の数を考えれば、スカイリムの童話で必ず言及される食べ物、マンモスのチーズについて語る機会を逃すわけにはいかない。これは巨人によって製造される、唯一の流通商品である。

これは原始的なチーズである。若いマンモスの胃を、巨人の飼うマンモスの乳で破裂する寸前まで一杯にする。乳が凝固してできた凝乳を皮の袋に入れて搾り、湿気を取り除く。するとペースト状になったマンモスのチーズが残る。食通も好まぬ代物で、危険を冒して手に入れる価値はない。

しかし言及する価値があるのは、硫黄の泉付近で群れを飼う巨人の奇妙な行動である。彼らは凝乳の袋をミネラル豊富な水で煮るが、これによって複雑な芳香が生まれる。何の香に似ているかというと、ガラス製造に用いられるカリウムの灰くらいしか思いつかない。この工程が終わると、マンモスチーズはあらゆる地の食卓に届ける価値がある品となる。

スカイリムのチーズ:リーチ、ペイルCheeses of Skyrim: The Reach, The Pale

スカイリムの旅行記を、このリーチとペイルのチーズの調査によって続行する。繰り返すが簡潔にするため、訪ねた地のそれぞれから、最も注目すべきチーズだけを記すよう気を使った。

B.

雌の怒り
カーサルドとリーチでは岩場の多い山道と切り立った崖のため、現実的に飼育可能な動物は山羊だけだ。従ってこの地域の主なチーズは山羊乳で作られ、この地方全体で育つごく普通のジュニパーの実で味付けされている。このチーズでもっとも興味深いのは味でなく(ちなみにうんざりするほど塩辛い)、むしろ地域の政治における奇妙な役割である。リーチではよく反抗的かつ野心的な指導者が誕生する。彼らはソリチュードやエバーモアから来た、武装した監視役の兵士の元で暮らす。彼らはしばしばリーチの人々の心に叩き込まれているらしい、征服への欲望を抑えるためにすべきことをする。

野望を挫く中で、多くのリーチの伝統が抑圧されるようになった。雌の怒りを作ることと、食すことを除いて。この名はチーズを作るために、雌山羊の乳をその仔山羊の胃の中で凝固させることが由来となっている。チーズはリーチの人々が大切にしている祝宴の日に食される。リーチの人々の魂を抑圧する者たちに対する、厳然たる反抗の中で。このチーズの塩辛い特性は、雌山羊の涙によるものだと言う人もいる。その乳が仔の死体の中で酸味を付けられるからだ。リーチの愛国者は、チーズが塩辛いのはそれを食す者にリーチへ降りかかった不幸、達成されない宿命に対する罰を思い出させるためだと言う。

ビエンオスト
ビエンオストはスカイリムで最も興味深く、「チーズの中のチーズ」と呼ばれる。これを食すのはほぼペイルの民のみで、彼らはそれを冬が終わり、春が戻ってくる証とする。

多くのチーズと同様、ビエンオストはほぼ間違いなく貧しい人々の間から生まれたものだが、現在では貴族も平民も同じようにこの珍味を楽しんでいる。ソーセージの多くと同じ形式で、解体された豚の腸に詰めて作られる。雪解けが近づくと、彼らは長く暗い冬が続く間に消費したチーズの外皮やかけらを、エール(酵母と麦芽の茶色いとろみのある液体。それ自体が食事にもなる飲み物のようなもの)の醸造樽に浸し、その後腸の中に詰め込む。それからビエンオストを乾くまで吊るし、仲春祭の時に初めて降ろされる。黄金の円盤のように薄切りにされたビエンオストは春の太陽に似ていると言われ、皆で楽しまれる。

スカイリムのチーズ:リフテン、ファルクリースCheeses of Skyrim: Riften, Falkreath

スカイリムで普及しているチーズに焦点を絞ったこの旅行記はまだ続く。スカイリムの地と料理はあまりに多様であり、私はとても様々な味わいを体験している。繰り返すが簡潔にするため、訪ねた地のそれぞれから、最も注目すべきチーズだけを記すよう気を使った。

B.

リフトウォッシュ
かつてはリフテンの首長だけが食べられたリフトウォッシュは、ガラスのような紫がかった黒い色をしたチーズだが、その中心は見た目を裏切って青白く砕けやすい。山羊乳のチーズであることから、スカイリムのより温暖な地域ではあまり見られない。リフトウォッシュは圧縮されてチーズ内の水分が取り除かれるため、ブレトンが水気の多さを高く評価するストームヘヴンの山羊乳チーズと異なり、比較的乾燥している。

リフトウォッシュはチーズの製造者がホイールをホンリッチ湖の泥水に漬けるので暗い色合いになると噂されているが、当然のことながらこれは根も葉もない嘘だ。実際はリフテンの有名なブラックベリーハチミツ酒で何回か洗い、その後は街で急増しているハチミツ酒工場の副産物である、ブラックベリーの果もろみで染めたロウで覆う。

バローオスト
ファルクリースの人々は戦いや死とファルクリースの長い結び付きを心から尊重しているようだ。店やとても多くの家族が名前や個人的な紋章を、街に隣接した限りなく広く思える墓地から取っている。ファルクリースで屈指の評価を得たチーズが、重要な製造過程を死者に依存しているのは驚くに値しないのかもしれない。

一般的には墓地チーズと呼ばれるバローオストは、スカイリムの各地で見られる普通のエイダールチーズととてもよく似ている。しかしエイダールチーズは地下や洞窟で熟成させるが、このバローオストは墓地だけで熟成させるのだ。崩れかけ、ドラウグルがはびこるスカイリムの暗い過去の墓で。よどんだ空気、とめどなく水分のにじみ出る石、あるいは壁の中の闇魔法。このチーズはそういった環境で、抗い難い鋭く鼻をつく香りがアクセントとなった、凝縮された素朴な甘さを獲得する。

余談だが、私はファルクリースでは今も古代ノルドの習慣「墓の凝乳」を実践していることを知った。習わしによれば、愛する者の棺の上には新鮮なファーマーズチーズが埋葬される。毎年、故人の命日になると墓の凝乳が掘り出され、その5つ目を遺族が消費する。墓場で生産されたものを食べるのは多くの人がためらうだろう。だが、私に出されたチーズはとても美味だった!

スカルド王の密偵からの手紙Letter from the Skald-King’s Agent

信頼する協力者へ

これまでに提供してくれた情報は、スカイリムだけではなく全タムリエルに及ぶ可能性がある恐ろしい脅威の存在をほのめかしている。我が君主、スカルド王ジョルンは範囲と力が増大する前にこの脅威を阻止することを望んでおられるが、そのためにはより詳細な情報が必要だ。脅威が事実で、スカルド王の支援を受け入れなければならないことをソリチュードの支配層に納得させるための証拠がいる。あなたが頼りだ。

西スカイリムにあるハーフィンガルの首都、ソリチュードの門の近くまで会いに来て欲しい。メモを比較して、最善の行動を決定しよう。

カイネのご加護がありますように

B

セデュアSedua

セデュア

パクトの兵士として

戦いに死す

あまりにも若く

ソリチュード:焼け焦げた日記Solitude: A Charred Journal

イソガルによる注釈付きの書き写し

[注釈者の注記: 私は祖母のナンの遺品の箱の底に、この焼け焦げた日記を見つけた。彼女の筆跡ではなかったため、別の親類のもののようだ。祖母の母親だろうか?より良い状態で保存するため、これを新しい日記に書き写し、注釈を付けた]

最近、変な夢を見るようになった。それはソリチュードでの最初の夜に始まった。これまで生きてきて、夢なんて見たことがない。だからどんなものなのか、全然知らなかった。他の人々が説明してはくれたけど、くだらないと思っていた。

でも、ここであったことは夢と呼ぶしかない。目覚めた時周囲にあるものとは、似ても似つかない。書き記せば意味が分かるかもしれないので、書いてみる。

最初の数回はここソリチュードで起きたけど、建物が見えなかった。ただ自然の地形があるだけ。それに風もあった。とても強かった!アーチから出てきて、その後海辺を少し歩いて、キャンプに着いたのを覚えている。毛皮と木で建てられた小屋があったが、人の姿は見えなかった。どこに行ったんだろう?燃える料理の火と、食べかけの食料が残されていた。

[これはソリチュード以前の時代のようだ。当時ノルドはカース川沿いで、アーチを風よけに使って即席のキャンプをしていた。ナンが聞かせてくれた物語のおかげで、私もそういう夢を見たことがある]

その後、私が今ソリチュードのあるところに姿を現すと(目印のアーチでわかった)、建物がいくつか見えた。また誰もいなかったが、近くで上級王アーリンについての会話が聞こえた。王は神々に捧げる聖堂の建設を命じ、また壁の計画を始めていた。スリラヒルデという女性が、壁のためにある特殊な様式を推薦した。それは見た目が特徴的なだけでなく、他の計画よりも優れた防御力を発揮すると言った。彼女に反対する者は非難の声を上げたが、名前は聞こえなかった。歴史に埋もれてしまったのだろうか?

というのも、私の夢は明らかに、なぜか私を過去に連れ戻しているからだ。ただ、完全ではなかった。人の姿が見えない。夢の中はとても…孤独だ。聞こえる声を除けば。

[夢の中で過去を旅する?馬鹿げている。それに私の一族の物語で、ソリチュードを建築した者の名前は、一人も現代まで残っていない。ただし、スリラヒルデが実在するかどうかは何とも言えないが、ソリチュードの外壁が特徴的で、ドール城の聖堂が民の心に強く根づいていることは事実だ]

次の夢で、私は司祭が、石工によって壁に加えられる前の石に祝福を与えているのを見ていた。これは一つの夢でしかないけれど、受けた印象では全ての石が一つずつ、神々の司祭による祝福を受けていた。アーリンの声があちこちを漂っていた。彼は直接、この工程を監督しているようだった。

[ナンは確かに、すべての石が神々の祝福を受けたと言っていた。私の知る限り、これは私の一族だけに知られている伝承だ。ナンはこれを一族の物語で知ったのか、それともこの日記から知ったのだろうか?私はこの著者よりもナンを信じる。だからこの情報も、同じように正しいと思う]

次の日の夜、ブルー・パレスが私の前に姿を現した。作りかけの回廊の中に立っていると、金切り声と道具がガタガタいう音が聞こえた。

「幽霊だ!幽霊が見えたぞ!」

少し時間がかかったが、声の近さを考えると、こう尋ねるしかなかった。私のこと?彼には私が見えるの?なぜ私には見えないの?そこで私は急に目を覚まし、その夜は再び眠りにつくことができなかった。

[妙な話だ。これはただの物語で、本物の日記ではないのだろうか?]

私が見られる人々から私を守ろうとするかのように、私たちは再びもっと前の時間に飛んだ。「私たち」と言ったのは、このことに関係している者がきっと他にいるからだ。今回とそれ以降の数日は、吟遊詩人の大学が目の前に姿を現した。完成した入口を、最初の吟遊詩人がぼやけた影になってまたいだ。言葉までは聞き取れなかった。

でも、私は影を見た。

そして影も私を見た。

私はこの時、叫びながら目を覚ました。

[こんな歴史のふりをした物語には付き合っていられない]

次の夢は戴冠式だった。私の予想では、隻眼のオラフだ。なぜかというと、同じ夢の中で、この男の像が焼かれるのを見たからだ。毎年行われる祭り、オラフ王の焚刑は明日だけど、その時に焼く像だった。

彼の目は…両目は、私の両目に焼きついた。今、私の体にはあちこちに火傷がある。治ってきてはいるが、もう眠りたくない。二度と。

[ナンはなぜこの日記を他の持ち物と一緒に残したのだろう。周知の歴史を夢に移した、くだらない作品だ。やれやれ。だが念のため、書き写しておこう]

[数週間が経過したが、私は言葉が燃え上がり、隻眼の上級王の周囲を飛び回る夢を見ている。今朝は、自分の髭が燃える臭いで目が覚めた。髭は黒焦げになっていた。明日は、オラフ王の像を燃やす日だ。今日は神々を訪ね、私が陥ってしまったらしいこの夢の罠から抜け出したいと思う。なぜあの焦げた日記を開いてしまったのだろう?]

ソリチュードのおとぎ話Solitude Bedtime Stories

ニルカスとユキサーベルキャット

ある日、ニルカスという名の少年が氷上へ釣りに出かけました。ニルカスはとても遠くまで歩きました。歩いていると、周りで嵐が巻き起こりました。すぐに雪がとても激しくなり、ニルカスは何も見えなくなってしまいました。ニルカスは近くの洞窟で吹雪をやり過ごすことにしました。

ニルカスが待っていると低いうなり声が聞こえ、嵐の白い霧の中から、ユキサーベルキャットが現れたのです。ユキサーベルキャットは大きく吠えると、洞窟に入ってきました。ニルカスは怖くなりました。あんなに大きく強そうな獣と戦えるような武器など持っていなかったのです。ユキサーベルキャットが吠えて唸ったので、ニルカスは攻撃されると思って心の準備をしました。その時、ニルカスはユキサーベルキャットが足をひきずっていることに気づきました。

近づいてよく見ると、ユキサーベルキャットの足に大きなとげが刺さっていました。ニルカスはありったけの勇気をかき集め、ユキサーベルキャットから逃げずに近づいてとげを抜きました。ユキサーベルキャットは痛みで吠えましたが、苦痛が消えていくにつれ、ほっとした様子が体中に広がりました。

ユキサーベルキャットはとても感謝し、ニルカスの顔と手を舐めると、横で丸くなりました。その後、ニルカスが出ていくにはまだ嵐が危険だったので、ユキサーベルキャットは彼のために獲物を持ち帰り、安全で温かい洞窟の中で、仲良くそれを食べました。

嵐が去ると、彼らは洞窟から出ました。それ以来、ニルカスとユキサーベルキャットは共に旅をするようになり、一生の友達になりました。

* * *

見知らぬ者とは決して話すな

リーチの民とは決して話すな、奴らは夜にお前を食べる。
東の者とは決して話すな、奴らが望むのは戦いだけ。

オークに挨拶するな、奴らは常に臭そうだ。
レッドガードに挨拶するな、奴らはただ叫ぶだけ。

エルフとは決して話すな、高慢な癇癪持ちで、とても無礼になる。
インペリアルとは決して話すな、奴らが人と分かち合うのは不機嫌だけだ。

アルゴニアンとは友達になるな、湿ってぬるぬるしている。
カジートとは友達になるな、奴らは光るものを全部奪う。

ブレトンとは決して話すな、奴らはエルフと同じほど悪い。
見知らぬ者とは決して話すな、我らノルドは孤高を保つ!

***
首長の新しいローブ

昔、驚くほどうぬぼれ屋の首長がいました。首長は世界中の何よりも自分の上等な服が好きでした。そして、自分の新しい服を見つけて買うために、しばしばやるべき仕事を怠りました。

ある日、仕立屋と称する2人の汚らわしい犯罪者がやって来ました。2人は最高に美しい色とデザインで、この上なく素晴らしい服を作ることができると首長に言いました。2人が作った服はそれは素晴らしく、おまけに愚か者と今いる地位にふさわしくない者の目には見えないものだったのです。

首長は仕立屋たちにできるだけ早く上等な服を作るよう要求しました。それも、首長にふさわしい服を!首長が仕立屋たちに気前よくお金を払うと、2人は仕事を始めました。ですが実際、2人は全く何もしませんでした!2人はシルバーウィードやスパイダーシルクのような立派な材料を求めましたが、それはただ自分たちのためにしまっておき、一生懸命仕事をする振りを続けました。2人は仕事の振りをする間、スイートロール、パイや、首長のロングハウスにある豪華なベッドで眠ることが必要だと言いました。

やがて首長は服の進み具合を知りたくなりました。首長はそれを確かめるために私兵を送り出しました。私兵が到着すると、仕立屋たちは何もないテーブルで仕事をしていました!私兵は一体どういうことなのかと不思議に思いました。仕立屋は私兵に、服は気に入ったか、色はきれいだと思うかと尋ねました。私兵は服が見えないのは愚か者と、今の地位にふさわしくない者だけということを思い出しました。自分はそのうちのどちらでもないと思った彼女は、この服はこれまでに見たどんな服よりも美しいと仕立屋に向かって嘘をつきました。私兵は首長のところに報告に戻り、服は全く素晴らしいものだったと断言しました。首長が同じように宮廷魔術師と執政を確認に向かわせると、2人にも何も見えませんでしたが、見えた振りをしました。彼らは首長に、衣装は目を見張るようなものだったと請け合いました。

間もなく、仕立屋たちが仕事の完了を告げました。首長は自分で見に出かけました。到着すると、首長は自分に何も見えないことにひどく衝撃を受けました!仕立屋たちは何もないテーブルを指さすと、この出来栄えに満足するかと尋ねました。首長はそのデザインを気に入ったでしょうか?息をのむような色合いはどうでしょう?首長は真実を認めることがあまりにも恐ろしかったため、とても気に入ったので今すぐに着たいと仕立屋に告げてしまいました。

首長が服を脱ぐと、仕立て屋たちは身振り手振りで新しい服を着せつける真似をしました。2人はとても几帳面だったので、終わらせる前に首長の首元に想像上のローブを留めることさえしました。それが終わると、首長は新しい服を誉めさせるためにお付きの召使たちを呼び入れました。召使たちはみんな、まるでホーカーのように裸で立っている首長を見て驚きましたが、見えないと認めるのはあまりにも恥ずかしいと感じました。そこで、そう言うかわりに首長の服を誉めそやし、全員が素晴らしい服だという意見に賛成しました。

仕立屋たちは首長に、街中に出て民に新しい服を披露すべきだと強く勧めました。そこで首長は言われたとおりにしました。人々が一目見ようと集まる中、首長は誇らしげに道を進んで行きました。街の人々もみんな裸の首長を見ましたが、愚か者だと言われないかと恐れ、言うことはできませんでした。

人々が服の見える振りをやめたのは、人だかりから飛び出した子供が大声で「首長が裸だ!」と叫んだ時のことでした。人々は指をさして笑いはじめました。恥をかいて腹を立てた首長は、ロングハウスに走って戻りました…しかし、自称仕立屋たちはもう立ち去った後でした!

そこで首長は、私兵、宮廷魔術師、執政を処分しました。首長の愚行を止められなかったためです。彼はとても鋭く硬い斧で、自ら首を切り落としました。

ソリチュードの狼The Wolf of Solitude

吟遊詩人の大学 スカルドのピエトル 著

豊かな髪と獰猛な精神がハーフィンガルの白い狼のような上級王スヴァーグリムは、やむことのない激しさをもってブルー・パレスの広間を闊歩する。警戒を怠らず。隙を見せず。彼の前のスヴァートルの子孫と同様、スヴァーグリムは四方を囲む敵に悩まされる王だ。だが我らがソリチュードの高貴な狼のように、気高い血筋の中には、統治期間中に不利な状況へ直面した者がいない。

彼が統治を始めて2年も経たぬ時、海の巨人クランサースの艦隊が知られざる土地から彼の街の高き壁を包囲するためにやってきた。クランサースがスヴァーグリムと王国に対し、降伏し貢物をよこせと要求したとき、我らが王は城の胸壁の上に立ち、その怪物のごとき戦士と対峙したと言われている。だが我らが上級王は屈服しただろうか?否!彼は壁から跳躍すると、あたかも狼がマンモスを捕食するかの如く、巨人の喉を切り裂いた。大いに感銘を受けたスヴァーグリムの兵たちは、門を押し開けると彼の後を追って突撃し、呆然としている海賊を海に追い返し、二度と我らの岸辺に戻らぬようにした!

第二紀265年(本当だったかさえ分からないが)の大規模なトロールの発情期のことも忘れるべきでない。時ならぬ暖かな気候がこの恐ろしい種族を触発し、彼らが西スカイリム中で暴れ回って、言葉にするのもはばかられる恐ろしい行動から抜け出せずにいた時の話である。狼は自ら20もの不浄な結びつきを断ち切り、さらに40もの獣を剣で引き裂いた!今日に至るまで、トロールはウグイアビがサーベルキャットの巣を避けるように、ソリチュードの壁にもっとも近い地域を避ける傾向にある。

アカヴィリが征服を目的にスカイリムへやって来たとき、絶壁の上にいる我らの恐ろしき王をひと目見ると、より簡単な獲物を求めてそのまままっすぐ東へ帆走していったことは、誰もが確信できる。彼らはダークエルフ、泥トカゲ、そしてスカルド王子と呼ばれる者の陰謀によって衰退させられたが、ウィンドヘルムと東の偽上級女王、炎の髪のマブジャールンを手早く片付けた。余談だが、奴がスカルドを名乗るのは高潔な技能に対する侮辱だ。

中庸なる皇帝モリカルは、ルビーのクッションが効いた玉座の上からスカイリムを支配下に置く無駄な試みのため、軍団を我々の境界に送り込む前に注意するべきだった。彼はその臆病さのおかげで先王と同じ体裁の悪い死を免れることはできたが、一戦で彼の軍の運命を決めた狼の遠吠えは間違いなくはるか白金の塔まで届き、悪夢となって人生の最後まで悩まされたことだろう!

そして最後にロングハウス帝が倒れた後、シロディールから群れをなして殺到した魔法使いから西スカイリムを救ったのは誰だったか?数千のごろつきが追い詰められ、病にかかった犬のように我らの土地に入り込んでかじりついたが、我らの気高い狼は大股で飛び出し、誰の牙が最も鋭いかを見せつけた。我らの土地で小隊以上のリーチの民を見たのは、どれほど前のことだろうか?

強くあれ、西のノルドよ。東と西から、南と北から厄介な問題が我らを攻め立てる。エルフとトカゲと氷の踵が野合した協定や、マルカルスの暴君の汚らしい大群を恐れる必要は全くない。ソリチュードの狼が塔の上で、夜を徹して絶え間なく警戒を続けている。我々の素晴らしき地で、敵は安全な隠れ場所を見出すことなどできないだろう。

ソリチュード王家の醜聞Scandals of Solitude’s Royalty

組織的学者協会、エリサ・シルベニッテ 編

家族の伝承を教えてくださった、多くの西スカイリムの一族の皆様に感謝を込めて。

上級王アーリン、ハラルド、スヴァートル、スヴァーグリムについては、その間のより目立たない首長よりも多くのことが知られている。しかしノルドの口承が情報源となるため、初期の上級王や家族の重要な、もしくは淫らな物語がそれぞれの家に伝わり、論文、書籍、巻物のような媒体に記録されなかった。ここにはソリチュード王家にまつわる、恥ずべきと言って良いかもしれない物語を収録した。

「首転がし」ロレケの血塗られた最後

第一紀後半のある時期、冷静で控え目な態度と落ち着いた佇まいから、無表情なイルシヴィドと呼ばれた若き首長がノルドの間で名を上げた。イルシヴィドがどこの出身だったかはもはや定かでないが、彼らは支配者である上級王「首転がし」ロレケが、5分もかけずに20人以上の反逆者の首を一人で切り落とした後に、ソリチュードが秩序を取り戻すために協力した。(ある情報によれば、その20人の中には彼女の当時の夫も含まれていたとされている。彼女は自らの統治時代に、次々と夫を替えた)。その後間もなく、指導者による振る舞いに対するソリチュードの民の忍耐は尽き、立ち上がってブルー・パレスにいたロレケを攻撃した!

その地域にいたイルシヴィドは戦士と共に反乱の声が湧き上がるのを聞き、ソリチュードへ向かった。門にたどり着くとイルシヴィドの前にカイネが現れ、ロレケが1時間前に子供の手によって死んだことを告げた。悲しいことに、息子や娘たちも残忍で血に飢えたロレケによって負傷し、命を落としていた。そのため、ソリチュードにはもう上級王や直系の後継者がいなくなった。

馬に乗っていたイルシヴィドはカイネの恵みにより、結果として生じる混乱を解決するため、ソリチュードの市民を助ける準備が整っていた。カイネの祝福によってイルシヴィドがソリチュード上級王の冠を戴いたのは、わずか数時間後のことだった!

イルシヴィドの安定した統治により、ロレケの残忍な支配の後に平和が訪れた。数十年が経過し、若きイルシヴィドは中年のイルシヴィドとなったが、伴侶はいなかった。ノルドの王家で後継者がいないことは大きな問題ではなかったが、疑問は生じた。イルシヴィドは伴侶を持つことも、子供を持つことも断固として拒否した。最終的に、上級王の称号はイルシヴィドの顧問のうちで最上位だったテミルダに受け継がれた。テミルダはこのために複数の首長と一度に戦い、勝利したのだ。これは当然ながら、私が収集した口承の次の話につながる。

亡霊作りのアルディマー

テミルダの統治が終わってから約40年後、流血と暴力を経て新たな上級王が玉座に着いた。アルディマーというリーチの民との小競り合いを数多く経験してきたノルドが、先王の子供だと証明されていなかった後継者から強引に称号を奪い取った。彼の強みは優れた戦術能力と、多くのノルドが眉をしかめるアルケイン関連の知識だった。血にまみれた即位にもかかわらず、彼が統治を始めると国全体に平和が訪れ、彼がソリチュードを獲得した後は、行政や外交について不満を言う者は誰もいなかった。その結果、多くの者が子供に王位を継がせることに疑問を覚えるようになった。なお、その子供の名と来歴は忘れ去られている。そのように英雄的で戦場の試練を乗り越えた人物を指導者とすることは、ノルドの戦いを好む性質にも適合していた。

だが、アルディマーの全てが完璧ではなかった。時々、召使はそこにいない誰かに話しかける君主を見ることがあった。彼らはまた、王の顧問であるフレイレッタという冷たい目をした女についても噂した。その女はアルディマーの前にいない場合、人前に姿を現すことがなかった。部屋に入ることは誰にも許されなかったのだ。

この噂がソリチュードの人々の間に広まるにつれ、不安感が高まっていった。アルディマーは戦闘中に頭を打ちすぎたのではないか?実際フレイレッタとは何者なのか?ここでまだ何かが起きているのか?

アルディマーが玉座に着いてから1年と1日後、事故が起こり始めた。毎週、ソリチュードの者が新たに奇妙な死に方をした。ある者は不思議にも風で運ばれた矢に狙われて〈寂しいトロール〉に張りつけられた。ある者はただつまずいて尻もちをつき、命を落とした。さらにある者は目に見えない脅威から逃げるホーカーに踏みつぶされた。

召使は上級王の部屋の周辺で、姿の見えない声を聞くようになったと囁き合った。

最初の事故から1年と1日後、アルディマーが亡くなってから彼の秘密が明らかになった。「事故」の被害者たちの頭蓋骨が、上級王の部屋にある秘密の棚にまとめて置いてあったのだ。だが、一体何の目的で?

理由は何であれ、上級王アルディマーはこの発見により「亡霊作り」と呼ばれるようになった。

私の情報源は、司祭が行き場を失った遺体のために適切な儀式を執り行ったと告げている。しかし召使たちは今に至っても、ブルー・パレスの中で声が聞こえ、視界の隅で何かが見えると主張している。

デスハウンドの生態Ecology of the Death Hound

オドグレテ・ビェルセン 著

荒野でデスハウンドに遭遇したことがないなら、自分は幸運だと考えるべきだ。彼らと出会って生き延びた者はほとんどいない。この目が赤く光る大きくたくましい犬はアンデッドであり、吸血鬼の拠点の番犬として共存していることが多い。もしこの獣と正面から出会ってしまったら、おそらくより差し迫った問題に対処しなければならないことに気づくべきだろう。

多くのデスハウンドが室内に留まり、主人たる吸血鬼の番犬の役割を果たしている一方で、荒野をさまようデスハウンドも存在する。彼らは生息地の生態系において重要な役割を担っており、しばしば生息環境そのものにまで被害を及ぼす。彼らは目に入ったものをほとんど全て攻撃する、貪欲なアンデッドの肉食獣だ。彼らが獲物を狩るのは食物を得るためか、単に血への欲望を満足させているのかは未だ明らかになっていない。獲物の内臓を抜き取り摂取するが、それは生存のためというより、気性の問題だということを広範囲に及ぶ獲物の種類が示唆している。

デスハウンドの特徴の中でも珍しいものは、噛みつかれると冷気を感じることである。デスハウンドの一噛みは「墓場のように冷たい」という言葉で言い表されている。デスハウンドの噛みつきはほとんど毒物のように噛まれた肉を凍らせ、動きを封じられる。この魔法が吸血鬼と何か繋がりがあるのか、あるいは単なるこの怪物じみた生物の資質なのかを知る者はいない。

デスハウンドがいる地域の動植物は被害を受けやすい。この獣は見境なく狩りをするため、あまりにも長くとどまった場合は、その地域の生物を全滅させる可能性がある。幸い、荒野で活動する吸血鬼の結社は頻繁に移動する性質がある。デスハウンドも、獲物が枯渇すれば移動するに違いない。

テルヴァンニの使者の日記Journal of a Telvanni Emissary

(スカイリムに派遣されたテルヴァンニ家の代弁者、エルヴァリ・トランデルの日記より) 著

しかし無駄な旅だ。名誉あるテルヴァンニ家が彼らの惨めな小競り合いに引きずり込まれることはないと、スカイリムの王たちは理解するだろうと思っていた。境界やどちらが正当な統治者かなど、誰が気にするのだ?間違いなく、私たちには王冠や東西対立について意見などない。この世には、誰がどの雪と氷だらけの土地を統治するかなどより重要なことがある。他の「名家」がこの理解を分かち合ってくれたら、ダンマーはずっといい状態になるだろうに。

この旅の外交的な目的は無意味かもしれないが、この道程は役に立つことが証明されるかもしれない。スカイリムで古代の勢力が再び力を取り戻し、活発に活動しているらしいと噂を聞いた。アイスリーチ魔術結社の魔女が関わっているらしいが、彼らは私が偶然聞いた噂に比べれば素人みたいなものだ。私はこの古代の勢力の手法について学ぶ機会を堪能している。何と言っても、闇の魔法には力がある。もし噂が真実なら、その力が私のものになるかもしれない。

滞在を少し延ばして、何が学べるか確かめてみよう。もしかしたら、モロウウィンドに戻った時にその知識を、私の地位を高めるために使えるかもしれない。テルヴァンニ家の他の者もこういったことを学んでいるが、こうも力の根源に近いところにいた者はいない。この土地の下には、何かが眠っていると感じられる。何か暗いものが。何か…強力なものが。私はそれを見つけ、自分のものにするのだ。

テンダークローTenderclaw

現存する中では屈指の古さを誇るエスラジであるテンダークローは、タムリエル全土の吟遊詩人が最後に目指す地としての、リンメンの評価を強固なものとした。名高いカジートのスカルド、アーン・エクスカーは長年、叙事詩「ファドマイの死」を一週間演奏する際にこれを弾いた。

それ以降、アーン・エクスカーがこの楽器から引き出した完璧で魅惑的な音に到達した音楽家はいない。伝説によれば、テンダークローはカジートの神々からの贈り物と言われている。アーン・エクスカーは、自らが選ばれし者であるかどうかを決して明らかにせず、謎にすることを好んでいた。

ドゥエマー語の正しい発音How to Pronounce Dwemer Words

学生、アマドリ・ドレヴィン 著

ドゥエマー語の発音については、数多くの異なる考え方がある。私はマスターや数人の学者と議論をした。いつものことだが、「熟練の」学者は意見が合わない。色々なことに。彼らはまた、自分の声に酔っている。ドゥエマー関係のエリートには、特にこの傾向がある。

私は現在でも残っているドゥエマー語、特に地名を検討し、長ったらしい学問的な評議も検討した。分かったことをまとめて、ドワーフ学者を目指す仲間のために、ドゥエマーの発音についてガイドを作ってみた。

ドゥエマー語の正しい発音
– まずは深く息を吸い込むこと
– 次に、ハチミツ酒かシロディールのブランデーをグラス1杯飲む。好きな方でよい
– 再び深く息を吸い込む
– すべすべして丸い小石を4個から7個、口に含む
– 好きな言葉を言おうとする。ただしほとんどの母音を省略し、子音をいくつか余分に加える
– 第三もしくは第四音節を過度なまでに強調して発音する(たとえその言葉が二音節であろうとも)

おめでとう。ドゥエマー語を正しく発音できたはずだ。

ドゼンのタルハルパDozzen Talharpa

この素朴なリラの来歴が語るのは双子のブレトンの兄弟、ドゼンとジビハンの物語だ。競争意識を持ってはいたものの、とても仲の良い兄弟だった。彼らの残した物語は、街の広場でタルハルパを使った音楽コンテストに関するものだ。彼らが観衆を賑やかでテンポの速い掛け合いで魅了すると、人々は踊り始めて歓声をあげた。民は聞いたこともないような素晴らしいコンサートだったと記憶している。その後、ジビハンはドゼンに家まで競争しようと持ち掛けた。丘の中腹の道が狭くなった時、ジビハンがドゼンの前に出た。家が近づき、勝利が目前に迫ったジビハンはゴールの前に振り返ったが、そこにドゼンの姿はなかった。

ドゼンは丘を転がり落ち、巨大な石に激しくぶつかっていた。彼は激しく血を流していた。ドゼンは青ざめて浅い呼吸をしながら、思い出せるのは音楽コンテストで勝利を収めたことだけだと言った。街の住人たちは勝者がいないと宣言していたが、あの絡み合った曲には感銘を受けていた。

最後が近いことを知り、彼はジビハンに自分の腱を使って新しいタルハルパを作り、それを演奏して人々を勇気づけ、踊ってもらうよう誓わせた。ジビハンは言われた通りに兄弟の腱を使ってこのタルハルパを作ったが、喜ばしい気持ちで演奏することはできなかったため、吟遊詩人の大学に寄付したのだった。

ナルシス・ドレンのスカイリム日記Narsis Dren’s Skyrim Journal

あの不愉快な司書め。私をつまみ出すとは!私を!このナルシス・ドレンを!まるであのような場所が、私が時間を割くに価するとでも言わんばかりだった。あの無能なうすのろどもの幹部が、どうやってメイルモスの日記を入手したのか見当もつかない。

「逆転の儀式」について詳述しているページの間に、折り込まれた奇妙な巻物を見つけた。あの鱗に覆われた本の収集家が、この存在を知っていたかどうか疑わしいものだ!つまり私の考え方からすると、これをいただいても全く問題はない。

さて、メイルモスの日記自体についてだが、前述の一節を手早くメモすることしかできなかった。逆転に関するほんのわずかな部分だ。解明できた限り、この儀式には3つの要素がある。文書は呪文を完成させるために読み上げねばならない、三節の場所を提示しているようだ。またゴミあさりか!なんと滑稽な。指示は以下に書き写した。

自分の鼻に注意しろ、熱心な読者よ。満たされた器はしばしばひび割れる!
もし自分がガラスを通して見ていたら、この言葉に耳を傾ける友人を見つけよ:

自慢と詮索が好きな者は、知恵の泉をしばしば干上がらせる、
石よりも長く残る唯一のものは歌、
危険が迫る年、まだ来ない時代、魔術師は石に巣を作る。ツバメのように。

この巻物に、あまりバカげたことが書いていないよう祈るばかりだ!さあ、研究を始めよう!

ネザールートのメモNetherroot Notes

驚異の植物、ネザールート。これはここブラックリーチの深部にある孤立した土地でしか育たないが、その錬金術的な性質は際立って有用だ。私はこれを発見し、私のレシピに使用したアイスリーチ魔術結社の魔女たちに称賛を送ったが、生み出された混合薬は粗いものだった。もしこの完璧とは言えない調合薬で続けていった場合、灰の王の計画はもう千年かかる。喪心の嵐の力を増大させる方法を探し出すため、さらにこの深淵の根の研究をしなければならない。

* * *
地下のエルフの技を模倣して基礎ができた。彼らの配管農場はより多くの収穫を生み出したが、効力はそれほどでもない。私はさらに強力な試料を作り出すつもりだ。とにかくもっと時間が必要だ。もっと多くの被験者が。

* * *
日ごとに新しい種類のネザールート混合薬が誕生し、効果は百倍ほどになった。混合薬はすでに喪心の嵐のためより強力な触媒をもたらし、より完璧な力の交換を確実なものにしている。私の精製ネザールート混合薬はまもなく用意できる。そして、灰の王は私への信頼に対して見返りを得るだろう。

ネルの秘められし愛Nel’s Hidden Loves

言い逃れるそこの者、
言い返し、争う者よ:
遺物の歌が、
暗号として、ここに秘められる。

詩人の伝説はまず、
私がこの手に保つ。
その意味は真なるも
愛と共に朽ち果てる。

ハーフィンガルよ、進め!
刃の柄へ。
翡翠の影は秘める
雄大な洞窟を。
西の鉱山にて
長き貯蔵庫が行進する。
2つの地にかかる
アーチがそびえる場所へ。
偉大なる獣の故郷にして、
西のまた西の果て。
北の凍りついた洞穴
極寒にして、隠遁の地。

ハイヤルマーチ、ある首長が
宮廷を構える。
ノルドの墓をかき乱す。
冷たい壁の迷路!
低く進む塔は
偉大なる物語を担う。
眠りを追いかけて、
この者が航海する海。

カーサルドへ、風向きを変え
首長の敵を見よ。
南へ下れば
刺す風が足を凍えさせる。

そして闇へ向かい
ドウェマーは奪う。
虚空に、光が落ちる
滝の裂け目に。
日は落ちて闇となり、
鉱夫は望む。
ガラクタの山の宝石、
その上にシャウラスの王。
塔は形作られる
大きく育つキノコで。
その上には深き砦
下には溶岩。

ネルフセアのくしゃくしゃのメモNelfthea’s Crumpled Note

マグレタ。私は抜けられない。今はまだ。襲撃は明日よ。2人とも隊長を置いていったら逃げるのが精一杯で、襲撃なんて仕掛けようもない。物資はわずかしか残っていない。飢えてしまう。私もこんなことを続けたくはないけど、ここにはもう何年もいるの。飢えさせるのはあんまりよ。

あんまり焦らないで。とにかく最後の襲撃をやって取り分を回収し、フロストバイトが略奪品で埋まっている間に、それとなく離れましょう。それでいいわね?

ネル

ノルドの戦いの歌Nord War Song

金のハチミツ酒を血に見立て
お前の剣に注げ
戦の角笛は強き者を呼ぶ
戦士は戦いでしか生まれない

輝きが雪を照らすまで
お前の斧を研ぎ澄ませ
敵の胸に食い込む斧の
甘美な音を味わえ

真のノルドは死を恐れない
気高き死を歓迎しよう!
勇気を持ち、大胆に振る舞えば
ソブンガルデに行けるだろう!

戦士は雄叫びを秘めている
心の底からの、力強い勝利の雄叫びを
イスグラモルの勇気が手を支え
彼の力が魂に宿る

真のノルドは死を恐れない
気高き死を歓迎しよう!
勇気を持ち、大胆に振る舞えば
ソブンガルデに行けるだろう!

ノルド料理:お菓子編Nord Cuisine: Sweets Edition

ギルバード・バック 著

ノルドが飲む様々なハチミツ酒については詳細な報告が数多く存在するが、彼らの料理の好みについては驚くほど情報が少ない。ノルドのレシピは他の文化に比べて意外性や複雑さに欠けるが、それでも記しておく価値は十分にあると思う!ノルドには数多くの珍味がある。彼らは食欲旺盛な民であり、これまでに会ったどんな民族よりも、飲み食いに情熱を燃やす人々である!味のない食事は彼らにとって、戦場での臆病にも劣らぬ侮辱である。ここにノルド料理に関する調査を記しておく。

甘いお菓子

リンゴのハチミツがけ
スカイリムのアップルタルトを抜かすわけにはいかないだろう。ノルド家庭料理の定番であるこの果実は、川岸のマッドクラブと同じようにスカイリムではありふれている!自然の状態でも木から直接食べられ、シチュー、肉料理、サラダを引き立てることもできる。最良の用法はデザートだろう。リンゴのハチミツがけの材料は明らかだ。大半のノルドのレシピは簡素だ。基礎は簡単で単純だが、最終的な味は見事なものだ!リンゴは焼くことも生の場合もある。それから甘い牛乳とハチミツでアイシングをされる。ベトベトで手は汚れるが、とても甘い。最高の味である!

スノーベリー・クロスタータ
スノーベリーはそのままだとかなり甘く、食べられたものではない。だがスノーベリー・クロスタータは違う!パイよりも簡単だが同じように美味しいこのお菓子は、ベリーの酸味とパンの甘さを完璧に組み合わせ、真に印象深い味わいを生み出している。この絶妙なバランスは食後のデザートか、一般的なノルドが行動を始める前の朝に食べられることが多い。いつ食べてもよい味なので、どちらも魅力的な選択肢である。

ジャズベイ・クロスタータ
それに対して、ジャズベイ・クロスタータはたっぷり食事をとった後に食べるべき、デザート限定の珍味である。このブドウは魔術師が使うことが多いが、その強い甘みは食通ならば見逃せない。黒くて甘いブドウジュースが生地にしみ込んで水気を生むが、ベチャベチャにならない程度の固さは維持される。甘すぎると言う者もいるが、明らかに間違っている!

ハニーナッツのおやつ
ノルドはハチミツを愛している。ハチミツ酒の甘みは最高だが、それだけではない!スカイリムのハチミツ酒醸造所で人気のハニーナッツのおやつは、どんな酒にも合う甘いおつまみだ。手が汚れそうだが、ナッツをまぶした生地は串に刺してあるため、持ち運びが容易である。長距離の旅にも、お気に入りの宿で暖炉のそばに座って飲むつまみにも適したハニーナッツのおやつは、誰もが一度は味わうべきスナックである!

ノルド料理:香味編Nord Cuisine: Savory Edition

ギルバード・バック 著

ノルドが飲む様々なハチミツ酒については詳細な報告が数多く存在するが、彼らの香味深い料理の好みについては驚くほど情報が少ない。ノルドのレシピは他の文化に比べて意外性や複雑さに欠けるが、それでも記しておく価値は十分にあると思う!ノルドには数多くの珍味がある。彼らは食欲旺盛な民であり、これまでに会ったどんな民族よりも、飲み食いに情熱を燃やす人々である!味のない食事は彼らにとって、戦場での臆病にも劣らぬ侮辱である。ここにノルド料理に関する調査を記しておく。

ホーカーのスープ
スカイリムにはたくさんのホーカーがいる。見た目に食欲をそそるとは全く言えないが、彼らは未だ活用されていない美味しさの可能性を主張している!そしてノルドの習慣に従い、彼らは食料として捕らえ、シチューを作り出した。納得するほかはない。人生のほとんどを寒さの中で過ごし、毛皮に身を包み、雪の中を歩き回る頑丈な人々は、間違いなくこのように温かい食事を作るだろう。ホーカーのスープは素直な味で、素晴らしく塩気があり、出汁はスッキリしている。最後の残りをすくうため、暖かいパンの塊と一緒に出してもらうと最高だ。

温かいアップルキャベツのシチュー
このシチューはノルドの家庭で好まれる一般的なものだ。一般に、このような簡素な料理へ美食の本で言及する価値はないかもしれない。だがこの場合は違う!温かいアップルキャベツのシチューのレシピは単純なものだが、味と料理の心地よさはまったく単純ではない!多くのノルドにとって、この料理は子供時代を思い起こさせるものだ。だがこのシチューの料理法に関しては議論もあり、主にリンゴの使い方に関するものである。すりつぶし派と切り刻み派の間には厳密な分断が存在する。私は自ら両方を試食したが、どちらも同じように美味だった。とは言え、これはノルドに伝えない意見である。どちらかを支持する者のほとんどは、大抵が暴力的な度合いに達しているからだ。

マンモスのステーキ
最初にスカイリムのマンモスを見て「食べたい!」と思った人に対し、私は深く感銘を受ける。ノルドはその勇敢さで知られている。臆病をひどく嫌う人々だけが、恐ろしく巨大なものから料理を作ろうなどと考えるのだろう。マンモスの大部分は固く食用に適さないが、腰肉はこの上なく柔らかい。切り取れば、表面をさっと焼いて炙れる肉となる。

スローターフィッシュ焼き
この料理を作るために必要な生物を捕らえようと、危険を冒して濁った水に入る人々を羨ましいと思うことは決してない。だが、心から感謝する。スローターフィッシュ焼きの美味しさを体験できるのは、彼らの勇気のおかげなのだから!正しいノルドの伝統で、料理人は魚(もちろん、骨をきれいに取り除いた後の)の皮が黒くなるまで焼くことを求められる。中には魚をキャベツの葉で包み、ゆっくり料理して、食べる直前の最後の段階で皮を焼くことを好む者もいる。私の見解では、どちらも等しく素晴らしい。

バルグヴィルの攻城日記Balgvir’s Siege Journal

今晩も首を噛まれずに過ぎた。それは勝利と言ってよいかもしれない。叔父のホフナーは船乗り時代、スコールに備えるため片目を開けて眠っていたという自慢話をしていた。叔父を越えるために両目を開けて眠ろうとしているが、うまくいかない。

バリスタの弾は尽きた。鍋やフライパンでも使わない限り、今じゃ高価な薪にしかならん。そもそも大して役に立ってはいなかった。昨日壁に目をやったら、ある巨人がバリスタのボルトを棍棒のように振り回しているのを見た。棍棒が必要な連中に、棍棒をくれてやったようだ。

どれくらい持つだろうか。吸血鬼どもが壁を引っかく音が夜の間ずっと聞こえる。俺たちに囁きかけているようだ。闇の魔術で誘惑するつもりだ。俺は片耳が聞こえないから、他の連中の半分しか効かない。だがルドヒルドを手すりから引きずり降ろし、連中のところに飛び込んでいくのを止めなきゃならなかった。彼女はオグヴァルが縛って、顔に水をかけた。まだ泣きわめいて、ブツブツ言っている。皆は闇の魔術のせいだと言っているが、どうだろう。俺たち全員が、数日もすれば彼女と一緒に叫び始める気がする。

ひいおばあちゃんの話Things My Great-Gran Said

102歳まで生きたひいおばあちゃんは、いつも助言やちょっとした伝承を話してくれた。折に触れ、季節ごとに、本人や誰かの事件のたびに!誰かが戦いで足を失った?それはその人が黄昏の月の前半に奥さんと結婚したからだよ。ある一家が投資に失敗して、大量のゴールドを失った?それはその一家が牛を11頭飼ってたからだよ。11が縁起の悪い数だってことは、誰もが知ってるからね。

彼女の「叡智」には以下のようなものがあった。

丘の中腹にマンモスがはぐれていると、変化の訪れを意味する。
遠くに2頭のマンモスがいると、誰かから贈り物をもらえる。
3頭のマンモスが1列に並んでいると、誰かに死が差し迫っている(必ずしも見た者の死ではない。その人がマンモスの列の前に立とうと決心した場合は別かもしれないが)。

月耀に新しいハチミツ酒を飲んではいけない。(思うに、これは夫や息子を仕事の時間に酔わせないため、ひいおばあちゃんがでっち上げたものだろう)

熱々のホーカーの脂が顔にはねたら、3日以内にけんかをする。はねたのが左手なら、間もなく訪問者が現れる。

双子月がどちらも満ちているときにブリストルバックを殺すと、その年の残りは運が悪くなる(満月にひいおばあちゃんは決して狩りに出なかったし、夫や息子にもさせなかった)。

暁星の月に鷹の影に入ったら、その冬は長く続く。

夜明けに西の丘を東に走る白狐は、やがて疫病を導く。

蒔種の月の最初の7日間に、身内や愛する人との間にある不満を解決しないと不作になる。

地面で青いビーズを見つけたら、それはたった今ハグレイヴンが作られた証。青いビーズを粉々になるまで石で砕き、その粉を淀んだ水(流れていてはいけない)に投げ入れると、そのハグレイヴンの寿命が短くなる。

ビターブレイドへの報告Report for Bitterblade

ビターブレイドさん

ダスクタウンでの作戦のために、目立たない容姿だからと私をお雇いいただきましたね。特に、高きイングフレドに目をつけられないように。ここ数週間、あの間抜けなオークを手玉に取って彼のために働いてきました。あの馬鹿はあなたをだましていると、自信を持って報告します。今週、彼は新しい場所の調査に私を送り出しました。以下は私が見つけた鉱石の一覧です。私の一覧と、何であれ彼が連絡する結果を慎重に比べることをお勧めします。それが合致したら驚きますよ。そもそも、彼が何かを一覧にしているかどうか

私はもう、あなたが判断を下せる材料を集めたと思います。

ガンボルツ

探鉱の結果:

ガラタイト、推定1トンあたり20%
ドワーフ、推定1トンあたり31%
虚無石を含有したドワーフ、推定1トンあたり4%

ピックルのおやつPickle’s Treats

これだけ一緒にいるんだから、彼もこのレシピを覚えているだろうと思うでしょうね。私の愚かな夫は向こう見ずな冒険や英雄的な行動はできるけど、料理の材料を覚えるのは難しいみたいなのよ!私に愛されていて彼は幸運だわ。あなたのためにこれを書いたのよ、ヴィゴル!これを読んでるなら、私は感心するわ。ピックルが食べ尽くしてしまった場合に(そして底をつきそうな時に)、おやつを作るために必要な材料と手順を書いておきます。間違えたら彼にも分かるから、必ずこのレシピ通りに作ること!全部を鍋に投げ込んで、出来上がりなんて言わないように。あの犬はあなたのことをたくさん我慢してるのよ。あなたがしてやれる最低限のことは、確実にお気に入りのおやつを食べられるようにすることよ、分かったわね?

手順
-たっぷり二握りのすりつぶしたカボチャ
-鶏卵3個
-袋入りの小麦粉半分
-シナモンで味付け
-混ぜる!

フェノリアンからの伝言Message from Fennorian

友よ

ムジョレンとの作業を進め、我々を困惑させている謎を完全に解明できそうな発見に行き着いた。そのため、私はダスクタウンと呼ばれる採掘集落に戻った。

私の手をさらに借りる必要ができた場合は、街の南側にある小屋を確保している。

この手掛かりから成果を得られるようなら、また連絡する。

フェノリアン

ブラックリーチ:創作と事実Blackreach: Fictions and Facts

その名はスカイリムで噂される。街道沿いの酒場や罠猟師のキャンプで名が出てくる。その名は畏敬の念とともに語られることも、最悪の呪いのように口にされることもある。ブラックリーチとはそういう場所だ。

タムリエルの荒れ果てた北部では、ブラックリーチにまつわる民話や迷信が数多くある。多くのペテン師が、この伝説的な地の貴重な鉱石や宝石で財を成したと言われる。しかし親たちは、子供が良い子にしていないと、怪物が出て来てブラックリーチに引きずり込むと脅す。

さて、ブラックリーチとはどんな存在だろう。伝説か、亡霊か、寓話か。ブラックリーチはそれ以上の存在だ。ノルドによれば、氷と雪の地下に広がる広大な大地だと言う。そこはかつてドワーフの地で、今は空っぽか、より悪い状態になっている。あらゆる神話や怪物に取り巻かれているのだ。

こうした物語はすべての民話と同じように、疑いの目で見なくてはならない。頭脳の足りぬ者はしばしば人生における謎や悲劇を正当化し、合理的な説明を付けるために素晴らしい物語や恐ろしい物語に頼る。愛する者が突然病に倒れ、命を落とした?間違いなく、ブラックリーチから上がって来たミアズマに毒されたのだ。敵が思いがけず大金を手にした?彼はブラックリーチの精霊と闇の契約をしたのだ。

もちろん、ブラックリーチの物語は全て根拠がないと単純に書くのは狭量で意味がない。スカイリムには地下の洞窟が点在している。必要なのはそのような深き地へ潜って暮らしている、多くの冒険者の誰かと話をすることだけだ。無学な者にこうした洞窟がより深部まで広がっていて、どの冒険者も知らない地が、泥の道や光と忘れ去られたトンネルの中へ続いていると信じさせるのは造作もない。それがブラックリーチの真の姿だ。いくつかの奇妙な洞窟と、半分酔っ払った農民の想像力によるものだ。

読者諸君、私のことを尊大だと思わないで欲しい。私はこの仮想上の愚か者を尊敬している。彼の頭脳からとても説得力ある考えが飛び出し、それが現在に至るまで酒場、キャンプ、裏通りのあばら家で話の種となっているのだ。私はその想像力を称賛したい。

フレイウェンの日記Freiwen’s Diary

母さんに今日、ウィルギンと話してきなさいと言われた。彼の製材機は外が凍えるほど寒い時期にも、街を色々な意味で活かしてくれている。母さんは私がウィルギンの仕事の仕組みをもっと学んだほうがいいと考えている。私がもっと大きくなったら、母さんの仕事を継ぐだろうとも。でも、母さんはそんなことを望んでいないと思う。心の底では。きっと父さんの受け売りよ。

まあ、ウィルギンは親切な人だし、あの大きなノコギリで丸太を切らせてくれるかもしれない。

* * *
ハヴィルと会いに農場まで行った。私はいつも何か口実を作って街を離れ、森を探検している。父さんは狼やトロールについて警告するけど、怖いと思ったことはない。ハヴィルは動物と遊ばせてくれるし、農場の人たちは卑猥な話で笑わせてくれる。楽しいところだわ。モーサルから離れているから、一人前になった気分でいられるし。ムジョレンを訪ねるのも同じ理由。私を首長の娘ではなく、友人として扱ってくれる。

* * *
凄い人が街にやってきた!酒場に入っていくのを窓から見ていた。荷袋と変な杖しか持っていなかったけど、一体何の用で来たんだろう。仕事じゃなきゃ、誰もモーサルなんかには来ないのに。出てこなかったから、多分部屋を見つけたのね。もっと詳しいことを突き止めなきゃ。

* * *
その人の名前はマクステン。彼女に会いたい一心で、一日中酒場で待った。詩か何かを書いていて忙しいふりをして、エイガに怪しまれないようにしたわ。うまくいったようには思えなかったけど。

ついに彼女が下の階に降りてきたので、すぐ近くに座ってと頼んだ。多分、妙に興奮していると思われたんじゃないかな。私はこういうことにあまり経験がないから。マクステンは少しの間、私を見つめていた。なぜ私が馴れ馴れしくするのか、考えていたんだと思う。それから座って、何か夕食を注文した。朝食と言ったほうがいいかも。日中はずっと寝てると言ってたから。

とっても面白い人よ!世界中を旅して、自分の研究について学んでいるの。細かい話はしてくれなかったから、私も詮索しなかった。仲良くなれたわ。それに、なかなかの美人ね。

* * *
母さんは私が家をこっそり抜け出したことに気づいた。というより、帰ってくる時にバレたみたい。私はマクステンと一緒に、彼女が辿っているエネルギーの源泉を探しに行った。死霊術を研究していると言われた時、最初は心配したわ。そういう魔術に危険があることは誰でも聞いてるから。でも彼女はとても慎重で、緻密に仕事をしている。今は私も、死霊術がちゃんとした知識の分野だと理解しているわ。他のものと同じよ。泥とかを調べる時、彼女が真剣になっている様子は素敵だと思う。

闇の中を歩いていた時、私は彼女の手を握った。どうしようもない気持ちが込みあげてきて、私は立ち止まって彼女にキスをした。暖かくて、気持ちが落ち着いたわ。もっと何度もあんな気持ちになりたい。

もう言ったけど、戻った時母さんに見つかった。母さんは私が秘密を明かそうとしないことを厳しく叱ったけど、心配しているだけなのが分かった。結局マクステンのことは話しちゃったけど、死霊術のことは言わなかった。母さんが賛成してくれたのでびっくりした。モーサルの暮らしは単調で、母さんもここに来る前の方が充実していた。私にも同じように生きてほしいんだと思う。

* * *
長い探索の末、マクステンはついに探していたものを見つけた。今夜、彼女は古い遺跡まで来てくれと言っている。母さんの意思は無視するけれど、またこっそり抜け出すつもり。マクステンが目標を達成するのを見るためなら、これくらいのことはしても構わない。

街の人々は彼女のことを怪しみ始めている。もう何ヶ月にもなるのに、マクステンは私以外のほとんど誰とも口をきいていない。彼らはいい人たちだけど、よそ者に慣れていないのよ。特にマクステンみたいな魔術師には。

この儀式が終わった後も、ここに留まってくれるといいけど。もう彼女なしで生きることなんて考えられない。

フレリッタとプラル:愛の歌Frelytte and Pular: A Love Song

優しく美しきフレリッタ
干し草色の髪は
編んだ黄金とハチミツ
真昼の輝く太陽

プラルという青年を愛した
そして彼も彼女を愛した
氷が湖を埋めるように激しく
春が溶かすように確かに

彼女の口はスノーベリーのように赤く
彼の手は固く誠実だった
彼はこう言って、氷のレイスを狩りに出た
「君にふさわしい男になる」

それから四夜待ち続け
フレリッタは雪の中へ馬を駆った
闇を伴い、山が吠えた
月はひどく低かった

しかし馬は間もなく疲れ
寒さが彼女を眠らせた
彼女は木の下で丸くなった
嵐が彼女を深く埋めるまで

意気揚々とプラルが戻る
予告の通りレイスを殺して
彼は木の根元で立ち止まった
そこで見たのは黄金の房

彼は雪を払い除け、彼女を見つけた
クリームのように白く、死のように冷たい
けれど神々が彼らの愛に微笑んだ
そして彼がキスすると、彼女は息を吹き返した

「僕は獣を殺したよ」プラルが誇らしげに叫ぶと
フレリッタは喜びの涙を流した
2人は手を取り合って家に戻り、結婚した
彼らの愛こそ、冬には壊せぬものだった

ブロケル(発掘)Brokel (Exhumed)

ブロケルここに眠る

愛されし息子にして

羊飼い

眠りながら死す

スカイリムのように老いて

ブロンドルドの日記Brondold’s Journal

〈カバーの間にリリス宛の手紙が折り込まれている〉

リリス

あなたがこれを読んでいるなら、私はあなたと会いにブルー・パレスへ行けなかったということだ。おそらく死んでいるか地下牢にいるものと思われるが、あなたに連絡することはできた。あなたが追っているアイスリーチ魔術結社がハーフィンガルにいるという確かな証拠はないが、ソリチュードの首都では何かが腐敗している。自分が正しい道筋を辿っていることは分かっている。残念ながら、相手にもそれは知られているようだ。もっと多くの情報を掴めていたら良かった。申し訳ない。

私が見つけたものをガーヒルド女王に渡してくれ。彼女は上級王よりも分別がある。彼女の口添えがなければ、上級王スヴァーグリムと面会できるかどうかも怪しい。

ブロンドルド

* * *
〈日記の内容は以下の通り〉

この任務は予想よりずっと困難になりそうだ。ここの民はよそ者に対して警戒心を抱いている。衛兵は常に監視しているようだ。ソリチュードのような規模の街で、ノルドの中にいても浮いてしまう。

王家の馬屋である人物と会った。コーヴィンという若い女性だ。輝く瞳で純真だ。見慣れない旅人に目を光らせるよう彼女に告げた。他には誰とも話していない。日常生活に馴染んでいくつもりだ。私を見かけることに人々が慣れるように。

あらゆる人はいつか〈寂しいトロール〉を通過する。ここの民と話して最新情報を手に入れるには、街で最も適している場所だ。モーグという常連のオークがいる。彼は会話に意欲的な様子だ。常にジョッキを満たしてやっていればだが。アイスリーチ魔術結社について何か知っている者がいるとすれば、間違いなく〈寂しいトロール〉で見つけられるはずだ。

民との間に築いた信頼は、魔女について軽く触れただけで消え去ってしまう。神々への祈りを除いては、一言も口にされない。これだけリーチに近ければ、闇の魔法のことをより深刻に捉えているのは仕方がない。だが、不運を招かないように耳をふさぐことを選択しているようだ。

コーヴィンがやってくれた。いかつい連中が山岳馬に乗ってやって来て、かなり無理をして気づかれないようにしていたらしい。そいつらは街中にチラシを貼っていった。何らかの求人だそうだ。賢い娘だ。

* * *
〈ページの間に求人のチラシが押し込まれている〉

作業員と職人募集!

ドルアダッチ山脈の先の未知の領域にて、遠隔地で危険な作業に従事する勇敢な仲間を募集しています。移住が必要です。食事と宿泊場所はこちらで提供します。一年間の勤務を必須とします。報酬は危険に見合ったものです!

お問い合わせはソリチュードの宿屋〈寂しいトロール〉まで

〈チラシの最後に走り書きされたメモ〉

どこへ行ってもこの掲示が見られる。何のために、どこで働くのか誰も知らないようだ。

* * *
〈日記の続き〉

ここの港に、レッドガードの船が定期的に泊まることに気づいた。私に対する冷ややかな反応を考えると、これは興味深い。

結構な額は必要だったが、裏道で賭博をしていた情報屋のグレイガが有望な証拠を提供してくれた。レッドガードの船員たちは、貨物をセンチネルから持ってくるらしい。積荷の目録によれば家庭用品だ。船員は商人と言うより傭兵に見える。グレイガは、いくつかの木枠箱に目立たない印がついているのを見たらしい。聞き込みをしよう。

中にあるものを取ろうとしたが見つかってしまい、品物は木枠箱から奪う前に手から滑り落ちてしまった。追って来た奴らは何とか振り切った。奴らが私の顔をよく見ていないことを祈るばかりだ。

リリス・ティタンボーンがブルー・パレスでガーヒルド女王と謁見する前に、私はリリスと会う予定だった。見つけたことを彼女に伝えてくれ。そうすれば危険が迫っていると上級王スヴァーグリムに納得させられる。私が手に入れたのは疑惑だけだ。確かなものは何もない。上級女王は、より寛大に統治していると聞いた。彼女はきっと親身に話を聞き、機会をもたらしてくれる。

ブロンドルドの文書Brondold’s Papers

〈震える手で急いで走り書きされた紙片が書類の山の一番上にある〉

ブロンドルド

衛兵があなたについて聞きに来た。彼らは片っ端から剣の鞘を鳴らして、あらゆる人を脅していた。私は怖い。あなたの馬は森に隠した。街の外の馬屋の横にある納屋で待ってる。あと1日だけ。

〈注釈付きの公文書らしき書類〉

関税申告書
出国港:センチネル
入国港:ソリチュード
陸揚げ貨物:
-オアシスの水 3樽
-スカヴィンの家庭用品 4箱
-ソースタッドの陶器 5箱
-センチネルの水筒 1箱

――ある船員が波止場にある木枠箱のいくつかに、こっそり印をつけているのを見た。何か隠されているのか?中を見ることはできなかった。

〈書類の間に挟み込まれた、固く小さく折りたたまれたメモ〉

驚くものを残した。指示に従ってほしい。

寂しい港の南にある、石が立つ場所
避難所の影の中
生きている木が見張る場所

ペトラループPetraloop

温かい音色で音が良く伸びる、マスター・ペトラによって作られたこのリュートは他に類を見ない楽器だ。この興味深い名前は長いセッションの終わりに、「ペトラのリュート」を求める酩酊した数多くの吟遊詩人にちなんだものと言われている。

裏には、大学で最も有名な吟遊詩人の名が数多く彫られている。

ペンターチの命令Pentarch’s Orders

ペンターチ・コルブ

キルクリースの喪心の嵐は予期しなかった抵抗にあった。敵はこちらの動きに気づいており、我々の計画を暴露しようとしている。奴らは厄介だが、人数はごくわずかだ。

宮廷で親身に話を聞く耳を奪えば、悩みの種を一気に叩き潰せる。

魔術結社は愛すべき仲間を失い、復讐を求めている。

彼らの願いを叶えよ

R

ペンターチへの手紙Letter to the Pentarch

ペンターチ・ザロス

準備は完了した、ブレトンの仲間よ。儀式はいつでも開始できる。

最新の積荷をキルクリース聖堂に送ってくれ。シスター・アンブリットが全て活用してくれるだろう。

ここまでよくやってくれている。

次の指示を待て。

R

マクステンの研究日記Maxten’s Research Journal

〈大半のページは黒焦げになっているか、触れると手が凍えるような分厚い氷に覆われている。判読できる記述はわずかだ〉

知識を求めてモーサルまでたどり着いてしまったことには、不満の一つも言うべきだろう。古き良き田舎町と好意的に言われているが、他の旅人に勧められるものはない。川から漂う湿った臭いがあらゆる場所に染み込んでいる。それに私が到着した時から、ここの民がよそ者を好まないことがはっきりと分かった。敵意を示す者は誰もいないが、誰もが距離を保つ。私は構わないが。

しかし、私がこの小さな街にわずかな好意を持っている理由が三つある。一つは太陽が昇ると、製材機が休みなく動き続けること。製材機は途切れなく大きな唸りをあげるので、日中は眠りやすくしてくれる。闇の技に関する研究には暗くなる時間が一番都合良いので、日中休みを取れるのは歓迎だ。

さらに、モーサルは私が望んでいたとおり、死霊術の力が集中する。ここは死のエネルギーを発している。源泉を求める夜の狩りはもうすぐ成果をあげるだろう。そうすれば多少の調整を経て、吸収の儀式を始められる。この地域の力を一部でも抽出できれば、数年間は研究できる力が得られるだろう。

最後に、ここで素敵な友人と出会ったことた。彼女は街の首長の娘だ。モーサルを離れたことはないそうだが、世界についての奇妙な知恵と好奇心を私が認めるほど持っている。母親が元々ソリチュード出身らしく、意外なほど世間慣れしているのはそのせいかもしれない。だが何よりも、彼女は親切だ。私たちはかなりの時間を一緒に過ごし、自分の調査の性質も教えた。彼女は多くの者のように不快感を示さなかった。それどころか秘密を守ると誓い、可能なら手助けをするとまで言ったのだ。告白するが、私は彼女ともっと一緒に過ごせることを心待ちにしている。

* * *
…この街の周辺の死霊術の源泉へさらに近づけた気がする。昨晩、私は死のエネルギーの痕跡を求めて土を調べながら、東をさまよった。来週になれば、新月が環境の共鳴をうまく増幅するはずだ。その期間なら、中心を突き止めるのは簡単だろう。

森の中にいる間、私たちは遠くに立つ人影を目にした。我々を見張っていたが、動かなかった。フレイウェンはその女を「賢女」と呼んだ。呪術師を意味するここの言い方だ。到着してから初めて、私は不安になった。今になって詮索好きの老魔女に妨害されるなどまっぴらだ。

そう、それからフレイウェンはこの旅に同行してくれた。家からこっそり出て来たところが可愛らしいと思う。彼女がいると気分がいい。一緒に星の下を歩いていると、特別な気分になるのも無理はない。

* * *
…ここはクジェンスタッグ遺跡と呼ばれている。私が聞いた相手は、全員がその歴史について何も知らなかった。だが遺跡に強大な力が込められているのは間違いない。エネルギーの量を増やすため、ラノヴォの吸収儀式を調節しなくてはならないが、計算は簡単なはずだ。

フレイウェンが誘引体になることを同意してくれるかもしれない。狼など付近の野生生物を使うつもりでいたが、この地で生まれ育った民のほうが効果があるだろう。ラノヴォは誘引体に負の影響はなかったと言っていた…

メイルモスの開花The Blossoms of Maelmoth

見事指示に従ったな!しかし、詩人の心はあるだろうか?

冬風の淑女と 勇気を称えよ
凍てつく冷気をまとった 彼女の愛は道を照らす
エルフと人が呼吸する 山の花が2本
頬を涙と海水に濡らし 嘆く寡婦のためにデスベル4本
炎を吐く古代の喉のため 竜の舌を3本
そして最後のキスのため 最後の花を1本

メイルモスの驚くべき傑作Maelmoth’s Marvelous Masterpiece

謎の幻の達人、メイルモス 著

私は我が美の全てを集めた!財宝を!遺物や奇妙なものを見れば、古遺物収集家も泣き出すだろう!ウェイレストの浪費家のブーツ!リーチのハグレイヴンの鍋!小さな石のマンモス。こいつはいずれ自由にしてやろう。素晴らしい!神秘的だ!我が秘儀のように壮大なものはない!

だがこのように金では買えない価値ある宝でさえ、この瓶の前では色あせてしまう。見てくれ!生涯をかけた研究の最高の成果だ。磨き上げられ、完成した幻惑魔法!この瓶は幻惑か、それとも現実か?これに触れると、お前は幻惑になるなのか?それは問題か?ハッ!見極めるには触って見るのだ!

見よ!入れ子の幻惑だ!わずかに軽く触れただけでも作動し、形を変え、好奇心を歓迎して抱きしめる。さらに多くの幻惑を産み出す幻惑!

利用法を考えよう!例えば、私の卓越した詩や言葉遊びを絶え間なく馬鹿にするあの憎むべき吟遊詩人ども!リュートを手にしたとたん、リュートになってしまったらどうするかな?誰に分かる?私だ。私には分かる!私、謎のメイルモスには。幻惑の達人には!ハッ!

ハ!ハハ!ハハハハハハ!

メイルモスの最後の日記Maelmoth’s Final Journal

〈日記には数百ページにもわたる意味不明な戯言が並べられている。判別できるのは最後の記述くらいだ〉

誰も私の傑作には値しない。誰も!それとも、誰かいるかな?ハッ!試験だ!そう、忍耐と精神力の試練!偉大な狩りは全て謎かけから始まる。始まるべきなんだ!

謎は横たわる、見えやすい場所に
タイルとレバー、古代の座席!
ドラゴンが祈る聖堂の座席
人の命が尽「きる」場所、そこで悲劇は「くり」返「す」
しばし瞑想するがいい
お前の知恵が足りるといいが!

モロケイの危険The Danger of Morokei

ドラゴンプリーストはノルド史の暗黒時代、誇り高き民が強大なドラゴンの前に委縮し、ひざまずいた時代を体現している。彼らはドラゴンの栄光のおこぼれにあずかるため、同胞を破滅させて苦境に追いやった。

スカイリム中がそれを知り、ドラゴンプリーストの多くが古代の戦争の末に埋葬されたが、彼らが安らかに眠ることはなかった。多くが死んだままではいなかったのだ。その中にモロケイがいた。

モロケイは生前、ラビリンシアンと呼ばれる遺跡に住んでいた。さらにその昔はブロムジュナールと呼ばれた場所で、ドラゴンプリーストの力の中心だった。モロケイが倒されると、彼がドラゴンから与えられた力の全てが明らかになった。彼はドラゴンの声に救われ、殺すことができなかったのだ。

私とカイネの司祭は4つの聖なる炎を使って、この眠らないプリーストを墓に閉じ込めた。炎を絶やさぬことにより、我々は防護の魔法で墓を封じた。これは我々の秘密で、神聖な目的だった。もしモロカイの力を求める愚か者がこの場所に侵入して封印を破った場合、スカイリムに対するドラゴンプリーストの復讐は、素早く恐ろしいものになるだろう。

だが私も年老いて、心臓や骨から活力が失われていった。いつか近いうち、孫娘のイルシルドにこの使命を引き継いで欲しいと頼まなければならない。彼女はカイネに忠実で、この秘密の責務の切迫した重要性を理解するだろう。

モロケイの力Morokei’s Power

求めていた力に近づいた!ノルドと彼らの味気ない埋葬場所は、死者をあらゆる剣を持った愚か者の略奪と窃盗のために放置している。この凍った地に散在している墓に、数百年経って何か価値のあるものが残っていたら奇跡だ。

しかしこれは?これは希望と期待を大きく上回る。伝説のノルドのドラゴンプリーストは、信じがたい力を装着者に授ける仮面を持っていた。問題はもちろん、仮面を持ち主から切り離すことだ。この特別な遺跡にいる司祭はモロケイと言うようだが、彼は守護の結界によって安らがぬ眠りの中に封じられている。ドラゴンプリースト本人を掘り出す前に、まず結界を突破しなくてはならなかった。

この遺跡にいる動きの鈍いアンデッドは、結界の炎の存在が分からない様子だ。すなわち、炎が影響を与えないことを示唆している。とはいえ、私はよくいるスケルトンでもなければよろよろ歩く死体でもない。結界の炎の魔法を取り消すのは、そこまで難しい仕事ではないだろう。適切な逆転の呪文を、正確に唱えることができれば。

ドラウグルが松明の灯し方を学び始めてかがり火の中に入らない限り、私が仕事を終えるまでの間、炎は消えたままだ。

ライカンスロープの耐性Lycanthropic Immunity

エグザーチ・ウルフラが興味深い課題を提示した。私の錬金術と魔術は、彼女たちの精神を奪えるだろうか?喪心の嵐はライカンスロープの仲間に影響を与えるように作られたものではないが、グレイホストが最後に征服を目指して出発してから長い年月が経過した。その間に吸血鬼とウェアウルフは四散し、世界中に広がった。彼らの全てが、灰の王に服従するわけではない。今日、ウルフラが捕らえた捕虜も含めて。

反抗的な態度を理由に劣等種を引き裂くことは容易だが、そうする代わりに彼女はより論理的な解剖のため、彼らを私のもとに送って来た。あの野獣のような頭蓋骨の中には、狩人の狡猾さが隠れている。

* * *
捕虜たちは群れの階級を尊重している。間違いなく、自分たちの呪いの源流を反映したものだ。彼らの指導者エジャーを捕らえて人質にすれば、他の者は従順でいる。他のウェアウルフたちに対してわずかな慈悲を示せば、エジャーは自発的に被験者を引き受ける。結局、彼らは恐ろしく単純な獣なのだ。

* * *
研究を完成させるためには乗り越えなければならない障害が数多くあるが、ウェアウルフの驚くべき耐久力は人間の姿でさえ障害を生み出す。見たところ、この被験者に対してネザールートの効果はない。凝縮した状態であってもだ。魂に対する肉体の束縛の力を弱めることが、実験を望ましい結果に着地させるための第一歩となるだろう。

* * *
もっと早く思い至るべきだった。あの獣とオブリビオンのつながりは利用できるものだ。たとえそれが、広大な別の領域に結びついているとしても。そのつながりはムンダスとその上にあるものの溝を橋渡しするために役立つ。そして、あのウェアウルフの血はネザールートに、不死の者が決して複製できない活力を植え付けられる。

* * *
上手くいっている。新たな血の蒸留液を精製するごとにネザールートの混合薬は強力になり、毒性を増している。ウェアウルフは注射の度、苦痛が大きくなる兆候を示している。ただ、唯一の疑問は残っている。儀式で不可避の死を迎える時、魂はうまく交換されるのだろうか。

ラジーンの影Shadow of Rahjin

伝説によれば、若く愚かな吟遊詩人がラジーンと取引し、誰でも望む者を曲で誘惑できる力を手に入れた。トリックスターの神はこの取引を面白いと考えたようで、7つの影の1つをこの若者のリラの弦に磨きをかけるために送り込んだ。

しかし、このような取引には常に代償が伴うものだ。若者のリラが欲望に満ちた情熱を刺激する一方で、その曲は寝取られた恋敵の嫉妬の怒りも同じように掻き立てた。しばらくの間、若者には運がついていた。挑戦、決闘、深夜の逃走など、物語の題材をもたらすほどだった。

だが運とは回転する車輪であり、やがて彼に背を向けた。彼は殺され、リラは別人の手に渡った。間もなく他の音楽家が楽器の秘密の力を発揮させる方法を発見し、最終的に同じ運命を迎えた。そして、この循環は数百年繰り返された。

大学が入手した後は徹底的に試験し、ラジーンの影を退けてはいる。しかし、演奏したいという者の安全は保障されない。

リーチの進捗The Reach’s Progress

駐屯地は弱っています。補給キャラバンを襲撃し続けたおかげで、奴らは分散して秩序を失っています。さらに嬉しい報告を続けますと、私はついに試薬を完成させました。新しい物質は、橋の支点を崩壊させる威力を持っています。洞窟全体を破壊するには、柱に直接面している数ヶ所を狙うだけでいいでしょう。

我々は地下も使えます。駐屯地は疑っていません。全ては計画通りに進んでいます。

ドラゴン・ブリッジはもうすぐ崩れるでしょう。ご命令通りに。

ブンド

リーチ忠誠派の手紙Reach Loyalist’s Letter

今、私はリーチの忠実な仲間に語り掛ける。

メシラと魔術結社が我々に接近してきた時、我々はそれを神々からの啓示だと考えた。我々は捧げ物として自らの血を流してきたのだから、当然の救済と考えた。報復の機会が目前にあると考えた。

今、これは誤りだったと皆に告げよう。アイスリーチクランは道を見失った。もう古き神々に仕えることはなく、自らを永遠に吸血鬼の王と彼のグレイホストの奴隷にしてしまったのだ。

メシラは甘い言葉で、グレイホストに加われば土地を取り戻せると我々に約束した。だが、圧制者を圧制者に変えたところで何になる?カースの地が我々の土地になることはない。ノルドは自分たちがしたことを知っている。彼らが耕す土地に、我々の血が流れていることを知っているのだ。

だが、吸血鬼が故郷の空を支配する時、再び取り返せることは決してない。

この伝言をクランの他の者たちに回してくれ。まだ手遅れではない。我々は抵抗できる。カースの血のために。真の神々に対する誓いのために。先人と故郷のために。

リリータングLilytongue

アルドマーのハープであるリリータングは、時が記録されてからずっと、アリノール宮廷で最高の演者によって演奏されてきた。リリータングは、偉大な作曲家ロルメルヴァルによって作られた最も魅惑的なアリアの一部を演奏するために使われた楽器だ。このハープはユヴィチル戦争の間に姿を消し、破壊されたものと思われていた。新たな王家のハープが替わりに演奏へ用いられた。

リリータングは500年以上も行方不明になっていた後、100年ほど前に再び姿を現した。現在は歴史と優れた美を併せ持つエルフ職人の比類なき工芸品として、吟遊詩人の大学が光栄にも所有している。

ルーンの神ジュナールJhunal the Rune God

ジュナールの知恵と力を軽視するのは不可能だ。我々スカイリムの者は、大抵の場合他のタムリエルから酒飲みののろまか、戦いに対する熱望以外はほとんど何も頭にない蛮族だと見なされている。ほとんどの者は彼らの好むジュリアノスがそもそもノルドの神であり、知恵と知性を重視し、他の何よりも知識を追求したことを忘れている。

我々真のノルドはジュナールを忘れていない。我々の中には今も学術的な探求と、精神の広がりを楽しむ者がいる。おそらく近年、我々のような者はごく少数しかいないが、希望は失われていない。ノルドは剣を振り回す以上の目的を求められている。我々は人生を危険に晒すものではなく、豊かにするものを追求すべきなのだ!学問、歴史、読書、発明といったものを!

これを読んでいて鼻で笑ったなら、それがあなただけではないことを知って安心するがいい。同じように感じるノルドは大勢いる。知識の追求はどうしたわけか我々にふさわしくないという馬鹿げた見解により、ジュナールへの信仰は揺らぐ。つまり我々を強くせず、勇敢さを誰もが見えるように提示しないものには価値がないという考えだ。だが、私はそのような考えを捨てるよう懇願する。学んだことは忘れられる。頭脳を高めるために、戦士としての力を捨てる必要などない。文武に秀でることは、我々の存在を両面で改善する。

優れた戦士になるためには、戦い抜くことを可能にしてくれる強い精神と知識も持たなくてはならない。そう思わないか?もし学ぶことの重要性が魅力をそそらないなら、替わりにこれで動機を付けよう。ジュナールはまだ我々の神だ。そしてスカイリムは、今も戦いだけではなく、知識によっても強化された戦士の土地だ。

このような探求を鼻で笑ってはならぬ!ジュナールと彼の教えを無視するなら、我々の民は破滅するだろう。

ルカル戦士長への手紙Letter to Warlord Rukar

ルカル

我々の指導者が魔術結社の魔女と行った取引の内容などどうでもいい。私はリーチへ戻る。秘密の会合に吸血鬼。私は臆病者じゃないが、理解できないことが多すぎる。故郷を奪い返してノルドを倒そうとする情熱では誰にも負ける気がない。しかし、このような魔法は老いたシャーマンにさえ許容できない。

お前も自分が大事なら、ここで死ぬ前に私と同じ行動を取るべきだ。

アヴァ

レマンのウォードラムReman War Drum

レマンがスカイリムをアカヴィリから防衛した際、彼の軍には多くの鼓手が同行した。この太鼓はそのような兵士の所有物で、ペイル峠の戦いでアカヴィリがレマンに屈服した場にあったものと思われる。さらに何人かのレマン王朝の指導者へ引き継がれたが、最後のレマン皇帝が暗殺される前には使用されなくなっていた。それ以来、太鼓は相続、贈答、征服の際に、首長から首長へ受け渡された。

現在、この太鼓はスカイリムの偉大なる英雄の宴に鳴らされる。

ろくでなしハーロック(発掘)Harlock the Bastard (Exhumed)

ろくでなしハーロック、この石の下に眠る

ジョールの兄弟にして

疲れて老いた怠け者

吹雪にて凍る

老いて疲れ切った無精者

暗殺者の手紙Assassin’s Letter

ペンターチ・コルブ

採掘社は準備が整っていつでも利用できる状態です。間抜けな鉱山労働者どもはうかつにも何に署名してしまったかさっぱり理解していませんし、どれだけ壮大な地が目の前に広がっているか、全く分かっていません。

彼らは自分たちの仕事と秘密の保護をしっかりと行い、暗闇の下にある私たちの秘密が発覚しないように守ってくれます。我々は定期的に労働者の補充を行っていく予定ですので、適切だと思う人物がいれば自由に食すか、錬金術師の元に送ってください。

そして儀式を行う時が来たら、彼らは私たちが必要とする力を提供するために配備されます。

シスター・サルダ

我が愛しきエグザーチMy Beloved Siblings, the Exarchs

戦場を共にした愛する仲間のことを考えなかった日は一日もない。コールドハーバーで苛まれた彼らは、果てなき愚者ストリキによる契約の文言に苦しめられている。手配には永劫と思える時間がかかったが、もうすぐ彼らをあの忌まわしい穴から解放するつもりだ。全員を一度に救出したいのは山々だが、まずは足掛かりを作る必要がある。そうすることで、グレイホストの帰還が確実になる。彼らは我が体、我が力である。この戦略は我が仲間を自由にするだけでなく、正当な報酬を与える。

ああ、エグザーチよ!

這い寄る黄昏のエッゼ、我が王冠にして栄光。最初にして最大の者。
ツィンガリス、我が頭脳。常に思考を続け、我らが再生の謎を解き明かす。
赤い眼差し、我が右目。過去の過ちを物欲しげに眺める。
セレヴル・ルイラック、我が左目。誇り高く未来を見つめる。
ブラザード、我が舌。我が真理を外の世界へ囁く。
赤爪のウルフラ、我が背骨。あらゆる不運に立ち向かう。
クラグレン、我が右腕。敵を追い払うため構えている。
ウルス・グリムランターン、我が左腕。恐ろしくも素早い正義をもたらすため掲げられる。
ディルジのヴェム、我が吐息。私のあらゆる部分に命をもたらす。
大ネズビ、我が筋肉。私の愛する全ての者を一つにまとめる。
カイア・アヴェルニコ・サンクトゥス、我が骨。我が力の底石。
リティア・ロングステップ、我が闊歩。私を目的へ近づける。

これら12の者たちが最初に蘇り、新しく再生されたグレイホストのリーダーとなる。だがもう一人、名を書き記すことを思うだけでも手が震えるほど、深い裏切りを犯した者がいる。私はかつて、仲間の中で最も偉大な者として彼を愛した。今では、憎悪しか感じない。私は奴を、13人目の仲間を探そう。自由のためではなく、報いさせるために。

彼は我が心臓。悲しみによって壊れ、もはや修復は適わぬ。

改修の指令Dictate of Renewal

石工、技師、墓地の番人は注意すること:

我々の成功は急速に近づいています。灰の王の支援と洞察により、新たな闇に満ちた時代が嵐の先で我々を待っているのです。だが悲しいことに、大きな成功はより厳重な監視をもたらします。我々は長年にわたって影に隠れ住んでいたため、防備はずさんになってしまいました。多くの壁が修繕を必要としています。かつては素晴らしかった門が放置の重みに耐えかねてきしみ、不平を漏らしています。これでは用をなしません。

グレイムーア砦の壁が再び難攻不落となるまで、終わることのない改修をここに宣言します。

東門は大規模な修繕を必要としています。正門の改築は灰の王の到着後ほどなくして開始されました。壁の西の部分には最も注意が必要なのではないかと危惧しています。石の窪みのほとんどが通れる状態のままになっているからです。こうした通路は「盲目の破滅」攻城戦の間、とても価値があるものだと証明されましたが、そのような脅威は過去のものです。故に、この通路も同じく過去のものです。

全タムリエルのいかなる建築物も、グレイムーア砦の荘厳な気高さや、永遠の恐怖にはかないません。この場所の壁は、我々の意思のように決して揺らいではならないものです。

王と同胞のために
レディ・エッセニア

楽士の集会 第1巻Convergence of Maestros, Volume 1

吟遊詩人の大学、楽士の集会
ソリチュード、第二紀580年
薪木の月、第一地耀

出席者:
~ 筆頭楽士カトレル・ゲオリック
~ 楽士フロフゲン・ウェルチューンド(打楽器教授)
~ 楽士テザラ・ハーフテイル(南方弦楽器教授)
~ 楽士テニヴァル・レンドゥ(小型管楽器教授)
~ 楽士エフノート(ベルとホルン修士)
~ 楽士ヴィアトリクス・アンブラノクス(声楽教授)
~ 楽士レイボーン(北方弦楽器教授)
~ イングマエア・レイヴンクィル(吟遊詩人大学の王家歴史家)
~ リュート・ボイスのヘルグレイル(ウィンドヘルム王家の吟遊詩人、スカルド王ジョルンの代理人)
~ 二つの夜(アルゴニアン音楽理論非常勤教授)
~ 熟練楽士アルムナス・ネル・ファーソング
~ 筆頭楽士助手兼書記 ハートリン・トレグ(著者)

〈開会宣言〉

カトレル:栄えある最上の吟遊詩人の皆様、ご清聴を!皆さまのご列席に心から感謝します。今回の会合は適切な手入れと、そして――

〈唐突に楽士テニヴァルが立ち上がる〉

テニヴァル:手入れと監禁ですか?まっぴらです!あなたは箱に閉じ込めることで、楽器の生命力を台無しにする気だ!
カトレル:いいですか、楽士テニヴァル!この会議でかんしゃくを認めるつもりはありません!しばらく管楽器の音量を下げておきなさい!
テニヴァル:この件について私の意見は変わらない。
カトレル:分かりました。どうか落ち着いて。

〈テニヴァル、怒った様子で座る〉

カトレル:先ほど述べたように、私たちは目の前にある伝説的な、歴史的に名高い、この上なく優れた楽器に対する処置について話し合うために集まりました。大学が数百年に渡って収集し、維持してきた楽器です。この部屋にいるか、外にいる吟遊詩人の何人かは教え、作曲をするためにこうした楽器を大々的に使用してきました。他の者からの苦情により、また内外の…

〈多くが不満を漏らし、横目でチラチラ見る〉

カトレル:…このことは楽器に過度の悪影響を与えかねないという懸念があります。ごく最近、シルスクのトムの大規模な修理を行いました。誰かが――

フロフゲン:あれは私の責任じゃない。それに酔ってはいなかったぞ。ほのめかされたようにはな!

ヴィアトリクス:トムが壊れる直前に、あなたがブランデーを継ぎ足してるのを見たわ!

フロフゲン:それは否定しない。だが酔ってはいなかった。生徒が私につまずいて転んだ時に滑り落ちたんだ。私が昼寝をしていた時に。太鼓の上で。

ヴィアトリクス:だらしない――

カトレル:もう結構!私たちはあなた方の情熱について論争するために集まっているのではありません。解決策が必要なのです。楽士エフノートが意見を用意してきたそうです。エフノート?

〈エフノート、起立する〉

エフノート:はっきり言いますが、私はフロフゲンがうろつきながら独り言を太鼓に言って部屋の皆をあぜんとさせる前に、ブランデーを継ぎ足しているのを見ました。トムに損害を与えたことに関して、弁解の余地はないとみなします。故に、我々の芸術品の保護を主張します。

〈エフノートは咳払いをし、険しい目でフロフゲンを見る〉

エフノート:これらの楽器は音楽の歴史の遺産の象徴です。吟遊詩人の大学は生徒や観光客、弦楽器職人、その他工芸作家に職人芸と文化的歴史の一部となるものを示すため、可能な限り長く楽器を保護するべきです。

〈テザラが起立する〉

テザラ:エフノート、楽器は恋人のようなものだって認めなければならないわ。楽器がもっとも美しいのは、かき鳴らされ、つま弾かれ、楽しそうに歌いながら演奏されてる時じゃないの?檻に入れたら、楽器は鳴らされることもなく孤独だわ。違う?

〈エフノート、居心地が悪そうに位置を変える。ひょっとしたら彼とテザラに関する噂は真実なのか?〉

エフノート:テザラ、尊敬すべき人よ。あなたが熱のこもった嘆願をしようとも、私はあのような楽器に対しては繊細でありたいと思う側なんだ。あれは尊いものだ。もうニルンにとても多くのものをもたらした。敬意に値しないか?永遠に演奏し続けることはできないってことだ。

テザラ:自分の曲を奏でたいと懇願する楽器を、そのまま持ってるなんてあり得ないわ!

〈テザラはほとんど怒鳴っている。エフノート、おどおどしながら座る〉

ヴィアトリクス:どんなに楽器の状態が良かったとしてもね、テザラ。大学の生徒が撫でまわし、思い描くひどいソネットを演奏したら、そんなのはどうでもよくなるのよ。

テザラ:よくもそんな――

〈テザラはヴィアトリクスに飛び掛かり、顔に爪を立てようとした!〉

カトレル:やめなさい!座りなさい、2人とも!

〈カトレルはヴィアトリクスとテザラの小競り合いを遮った。エフノートは遠くを見ている〉

カトレル:芝居がかったことをするのはやめなさい!タムリエルの吟遊詩人は、私たちが吟遊詩人全体の文化のために成熟した判断を下すことを期待しているのです。名誉にふさわしい行動をしなさい!

二つの夜:本当に吟遊詩人全てのことを考えるなら、私はアルゴニアンの代表として意見を述べたい。あらゆるものが最終的にはニルンに戻る世界で、すべてを保存しようとして何になる。私たちの土地では、時や沼地より長く存在し続けるものは何もない。私たちはあらゆるものを使う。もし使い道がないなら、それは再び沼地に委ねるんだ。

フロフゲン:その通り!この鱗野郎が言ってるのを普通の言葉で言えば、素晴らしい楽器は手にしている間に使うべきだってことだよな。どうせ最終的には盗まれ、燃やされ、その、何かをこぼされることになるんだろう?

二つの夜:鱗野郎?

カトレル:静粛に!

〈第2巻に続く〉

楽士の集会 第2巻Convergence of Maestros, Volume 2

吟遊詩人の大学の楽士の集会
ソリチュード、第二紀580年
薪木の月、第一地耀

出席者:
~ 筆頭楽士カトレル・ゲオリック
~ 楽士フロフゲン・ウェルチューンド(打楽器教授)
~ 楽士テザラ・ハーフテイル(南方弦楽器教授)
~ 楽士テニヴァル・レンドゥ(小型管楽器教授)
~ 楽士エフノート(ベルとホルン修士)
~ 楽士ヴィアトリクス・アンブラノクス(声楽教授)
~ 楽士レイボーン(北方弦楽器教授)
~ イングマエア・レイヴンクィル(吟遊詩人大学の王家歴史家)
~ リュート・ボイスのヘルグレイル(ウィンドヘルム王家の吟遊詩人、スカルド王ジョルンの代理人)
~ 二つの夜(アルゴニアン音楽理論非常勤教授)
~ 熟練楽士アルムナス・ネル・ファーソング
~ 筆頭楽士助手兼書記 ハートリン・トレグ(著者)

〈第1巻より続く〉

カトレル:静粛に!

〈ヘルグレイルが他の人と共に起立する〉

ヘルグレイル:スカルド王ジョルンの使者として、私にはこれらの楽器をスカイリムの財宝とすることを宣言する権限があると思います。これを保護するために――

テニヴァル:東の者は黙れ!お前は大学の楽士でさえないじゃないか!

カトレル:静粛に!静粛に!

イングマエア:王家の使者に対してよくそんな口がきけるわね、テニヴァル!私とヘルグレイルは招待されて来ている。あらゆることに口を挟む権利を持っているのよ。小型管楽器の教授風情が、王家の吟遊詩人にでもなったつもりなの!

テニヴァル:口を挟むのは、その臭いをなんとかしてからにしてもらおうか。

フロフゲン:まったくだ!大学はいつも重要な判断を下せる。お前が部屋を臭くしなくてもな!

ヘルグレイル:偉そうに飲んだくれてる臆病者が、よくも言う!

〈今や全員が立ち上がった。熟練楽士のネルとレイボーン、そして私を除いて〉

カトレル:静粛に!静粛に!無意味な侮辱の他に提案がある者は?

〈やっとカトレルとヴィアトリクス以外が座った〉

ヴィアトリクス:はい、あります。博物…いえ、名誉館を作るのよ。そこに私たちの誉れ高き楽器を置いておくの。酷使から受ける損傷から守られた状態でね。

〈ヴィアトリクスがエフノートを見る〉

ヴィアトリクス:そこでなら次のカリソスになろうとして弦楽器を折り、太鼓の皮を切り裂く元気いっぱいの吟遊詩人の汚い手とは無縁の状態で、美しさや歴史を堪能できるわ。

カトレル:他に何か提案は?

〈二つの夜はガラガラした咳で喉を整えた〉

二つの夜:楽器の使用を承認しよう。彼らを中心の焦点にする。学生や教授が自らの手で、それぞれの楽器を使って音階や歴史を学ぶことを認めるんだ。壊れてニルンに帰ることになるなら、それはそれでいい。

カトレル:ありがとう、二つの夜教授。どうやらあなたの意見は楽士テザラとテニヴァル、それにフロフゲンが支持しているようですね。楽士ヴィアトリクスが提示した名誉館を支持する者はいますか?挙手だけで。

〈ヴィアトリクス、イングマエア、エフノート、ヘルグレイルが手を挙げる〉

カトレル:どちらも同数。4対4。意見を述べていない人も少々いるようですが。レイボーンはどうなのですか?

レイボーン:名誉ある筆頭楽士。私はもっとも最近任命された楽士です。我が師である楽士アルムナス・ファーソングに投票を任せたいと思います。

カトレル:誉れ高きアルムナス。あなたの知恵なら、間違いなくこの熱を帯びた討論を決着させてくれるでしょう?

〈熟練楽士アルムナス・ネル・ファーソングが昼寝から目覚める〉

ネル:カトレル?君には意見はないのか?

カトレル:私は投票を差し控えます。偏らないように。私の筆頭楽士の地位による影響を、いかなる投票にも与えたくないのです。

ネル:そうだと思ったよ。

〈アルムナス・ネルが立ち上がる〉

ネル:私の地位は重要ではない。含めていただくことには感謝するが、我々が収集した素晴らしい楽器の数々に関して、合意に達するかどうかは楽士、教授諸君と誉れ高き招待客の皆にかかっている。付け加えさせてもらうなら、満場一致でな。楽器の中には私の楽士時代に遡るものもある。だが君たちは意図を持って行動すべきだ。そのため、君たちにちょっとした手助けをした。

イングマエア:誉れ高い者よ、どういう意味ですか?

ネル:私は今晩、楽器を全て集めて、密かに土地のあちこちにしまい込んだ。君たちが合意に達するまで楽器の姿を見て、手を触れることはできないよ。

イングマエア:あなたにそんな権利はない!

テニヴァル:あなたは大学自体に背いたのだ、老人よ!

〈皆が立ち上がってお互いに怒鳴り、小競り合いを始めると、ネルは座った。先ほどひっかかれた仕返しとして、ヴィアトリクスがテザラの顔を打った〉

〈カトレルは秩序を保てないため、会合を終わらせて散会とし、皆を離れた扉から強制的に退出させた〉

〈老いたネル楽士は私にこうささやいた。「恋人たちによりを戻させるには、もっと大きな敵が必要かもしれないぞ」。何のことだか私には分からない〉

監督官への手紙Letter to the Overseer

ブラックリーチにやってくる吸血鬼が日に日に増えている。襲撃が頻度を増しているんだ。鉱山労働者たちが危険に晒されていることに気づき、街を放棄するまでに撃退できる数などたかが知れている。どうやらアゲラン隊長は、もう何かに気づいているようだ。すぐに話して、彼の懸念を和らげて欲しい。

約束通り、お前の事業を守るためにできることは全てやっている。だが攻撃の増加により、予想よりも困難な状況となっている。危険性が上昇したため、さらなる血の提供が必要だ。できれば消えても気づかれずに済む弱い標的が望ましい。

これについてためらいがあるなら、こちらには我々の協定の証拠があることを思い出してくれ。我々の関係を維持したいなら、頼まれた通りにしてくれるはずだ。

ブルイク

魚捌きのイセンドラIsendore Fish-Gutter

魚捌きのイセンドラ

忠実な魚屋にして

ヨレンの妻

魚の骨が喉に詰まり

若さが褪せぬうちに死す

恐妻家のモラチェリスのパンフルートPan Flute of Morachellis Hag-Husband

このパンフルートは伝説のスカルドであり元教官でもある、恐妻家のモラチェリスの所有物だった。彼はこの世に知られぬ楽器に熟練した数少ない者である。その奇行で名高いモラチェリスは、このフルートを不運な出来事で亡くなった双子の片割れの足の骨で作ったと言われている。常に遊び心にあふれたこのスカルドは、時にこの噂を肯定し、時には否定した。

不安を感じる笛の素材と演奏時の衛生に対する疑問から、モラチェリスが指導する生徒を持つことはほとんどなく、後継者もいなかった。

吟遊詩人の大学で、サルスカップを今夜開催!Bards College Salskap Tonight!

タムリエルの吟遊詩人の皆さん!ソリチュードの皆さん!

吟遊詩人の大学で最も尊重されている楽器が、あるべき場所に戻ってきました!今晩、私たちは伝説の楽器を台座から降ろし、帰還を祝して大サルスカップを開催します。

この伝統的な吟遊詩人の催しでは「冒険者の勝利」のお披露目も行います。

全ソリチュードが記憶するであろう、歌と供宴の夕べにぜひご参加ください!

建国の頌歌Ode to the Founding

[以下の複写は、現存しているウェルのエルデの最後の演技に由来するものである。エルデはソリチュードが継承戦争に加わる前夜、首長の前でこの詩を歌った]

ハーフィンガルを導くハーケン、我らが家を称える声を聞け
空を横切りそびえる、街の孤独な三日月が
誇りと意志に満ち、固い岩から空へ昇り
響く波と、終わりなき時の試練を見下ろす
ああ、栄誉ある観衆よ、我らが家はかつて慎ましかった
亡霊の海の凍てつく嵐、巻き上がる風は
怯えた信仰厚き、見捨てられし祖先を
海辺から突き出た崖の下に避難させ
厳しい冬を生き延びるようショールに祈らせた

見よ、アカトシュの回る砂時計に見守られ
我らが民は栄え、石のねぐらに安らいだ
壁と井戸は、不吉に唸る厳しい風を跳ね返した
鍛えられた手で石を切り、民は高い塔を築いた
ドールの城、神々に仕える者のための聖堂
基礎に砦と、信仰の家が支えとなり
我らが街ソリチュードは、詩にしばしば歌われる

こうして建てられた礎に建つこの砦
ソリチュードは空へ昇り、周囲を見渡し、支配した
縛られぬ手と、たじろがぬ目で
瞬く間に槌を振るい、内陸をハーフィンガルへ変えた
多くの者が嘆き、さらに多くの者が抗弁した、だがその声は呟きに消えた
首長がその銀の王冠を身に帯びた時
知恵と力の狼
街の象徴にして、ソリチュードの荘厳な魂が宿った時

だから剣を取れ、誓える息子よ、臆せぬ娘よ
狼の冠を被った王の支配に服すのだ!
戦いで血が流れようと、我らは知っている
スカイリムに絡みつく大蛇を屠ったなら
聖なる故郷ソブンガルデで兜を脱げることを
今は休め、我が同族よ。休み、夢を見よ
近い夜明けに、勝つべき戦いの夢を
そして勝ち続ける、さらなる戦いの夢を

我らはソリチュードの子
我らはスカイリムの子

研究メモ:ヴェランディスの後継者Research Notes: The Heir of Verandis

上級錬金術師にしてグレイムーア砦上級侍従、レディ・エッセニア 著

私の仕事に運命が微笑んだ!全く予期しなかった標本が私の玄関口に現れた…新しく刺激的な研究の道を開いてくれるかもしれない標本だ。

このカジートはアドゥサ・ダロと名乗っている。吸血症の感染源を尋ねると、彼女は言葉を濁し、従順さを失った。自白薬を使った後でさえ、話すことを拒んだ。これは大して問題ではない。私は即座に彼女の血統を推測した。私たちの仕事に対する思い上がった侮辱と秘密への献身から、裏切者のヴェランディスの匂いがする。彼が常に太陽で苦しみますように。

ヴェランディスの下劣な性格にもかかわらず、彼の血には興味深い性質がある。彼の鼻持ちならない節制は、後継者を見つけ出すことをとても困難にしている。あの者が軽率にも私の門を通り抜けたのは、運命の女神が私の仕事に喜んでいる証としか思えない。

ヴェランディスの血は独特なものだ。適切な試薬と調合液があれば、神をも圧倒するようなものが絶対に作れるはずだと私は信じている。最古の純粋な血を力と可能性で超えるかもしれない、新たな段階の吸血症。私の血の騎士は単なる前座で…真に目覚ましいものの先触れなのかもしれない。楽しみだ。

研究メモ:混沌の吸血症Research Notes: Chaotica Vampiris

上級錬金術師にしてグレイムーア砦上級侍従、レディ・エッセニア 著

一体どうして王冠を脱ぐことに耐えられたのか、と最年長の親族が頻繁に尋ねる。まるで力が統治している者の手にしかないかのように。灰の王自身の物語が、その誤りの十分な証拠ではないの?

新たな王が我が戸口に初めて現れた時、同じように考えていたことは認めざるを得ない。数百年統治していたことが私の精神を歪めてしまい、統治者と被統治者という単純な原理だけが尊重に価するものと考えてしまっていた。政治。玉座。廷臣に請願。自分自身に手綱や轡をつけるとは、なんと愚かだったことか!ある種の者にとって、真実と実現は玉座に依存している。私のような吸血鬼にとって、真の実現は研究にある。かすかに光るフラスコ、きらめく解剖用メスに注射器…これらが私の心を引き付ける唯一の宝石だ。私はあまりにも長い間、自分の使命から目を反らしていた。灰の王の出現によって、このことを再び見出すことができた。

私はずっと吸血症感染の複雑さと可変性に驚いていた。それぞれの血統は長く語られる歴史を持っており、それぞれが独自の贈り物を病に求められた者に対して与える。統治者の無意味な位から解放された今、私は自分に問いかける。贈り物を向上させられるだろうか?こうした染みを一体化させることができるだろうか?

私の研究の成果を見るがよい!混沌の吸血症!我らが吸血鬼の本質における革命だ。出血吸血症やポルフィリン・ヘモフィリアとは異なり、この新しい病はすでに吸血症にかかった者を標的とする。錬金術の手法で血統を混ぜ合わせても小さな成功がもたらされるとは言え、真の触媒は混沌のクリエイシアだ。これはあらゆる吸血症の根源、コールドハーバーで獲得されたものである。モラグ・バルはタムリエルの獲得を急ぐあまり、双方に向けて開いた扉のことを忘れている。

私はこの混沌の吸血症の感染者を「血の騎士」と呼んでいる。この新しい生物は、今までに知られているどの吸血鬼よりも素早く強い。

全ての偉大な科学的冒険で見られるように、結果は必ずしも安定していない。彼らの下劣な本能の抑制に対する取り組みはまだ苦戦している。さらに研究を行えば、状態をより改善できると私は確信している。幸い、夜ごとに新たな吸血鬼が我々の門に現れる。奴隷用の囲いは被験者で溢れんばかりだ。必要なのは時間だけだ。

絹の叫びShriek-of-Silk

数少ない高名なアルゴニアンの旅吟遊詩人、柔き嘴が300年にこのヴォッサ・サトルを大学にもたらした。現在、習得の難易度が屈指の楽器と見なされている。

その後数百年に、楽器は演奏のためではなくいじめのために使われるようになった。習得が容易で、特定の音があらゆるアルゴニアンに受け入れられて興奮させるため、ある時点で上級生が新入りの吟遊詩人にヴォッサ・サトルを始めるよう告げるのだ。もし正しい音を出せないなら、それは十分な肺活量で吹いていなかったからだと言われる。

吟遊詩人の大学職員は最終的にこれをやめさせ、このヴォッサ・サトルは現在アルゴニアン音楽理論の非常勤教授、二つの夜の愛用楽器として、誇り高い扱いを受けている。

古いノルドの酒飲み歌Old Nord Drinking Song

ハチミツ酒を飲みながら
シアーポイントを登った
視界がだんだんぼやけ
文字が読めなくなった

居心地よさげな洞窟があった
警告も何も書いてない
フロストトロールと一緒に寝た
朝になったら、お互い驚いた

ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!
これさえあれば、何もいらない
とても甘くて、とても強い
この美味さなら、心配いらない
ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!

トロール女に1瓶やった
そいつはすぐさま飲み干して
ニコニコ笑って踊った後に
ボコボコに俺を叩きのめした

トロール女のいびきの音で
目が覚めたらもうこんな時間
ハチミツ酒はもうすっからかん
でも気分はあっけらかん

ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!
これさえあれば、何もいらない
とても甘くて、とても強い
この美味さなら、心配いらない
ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!
これさえあれば、何もいらない
とても甘くて、とても強い
この美味さなら、心配いらない
ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!

孤児ネルNel the Orphan

孤児ネル

若くして死んだ

カースの娘

生涯の放浪者

水たまりで溺れた

鉱山労働者の失踪Missing Miners

アゲラン隊長

お願いしたい。行方不明事件の捜査をあまりにも…派手に行うのはやめてほしい。鉱山労働者が失踪したなどという噂が立ったら、街はパニックに陥る。労働者たちがどれだけ迷信深いか、よく知っているだろう。

この件は、間もなく論理的に説明できるようになると確信している。どうしても調査を続行しなければならないのなら、個人的に会って目立たないように調査する方法について、話すことは可能だろうか?街の裏にある洞窟で、妥当な行動計画について2人で話し合いたい。事務所に招きたいが、やはりこの件は慎重に行うことが最も重要だ。今以上に注意を引くことはやめておこう。

ウールヴァル

鉱山労働者の日記Miner’s Journal

2日目

鉱山のできるだけ奥に拠点となるキャンプを設置した。誰かがひどく苦労してこの通路を掘ったようだが、遠い昔の話に違いない。

幸運にも、鉱山のこの区域はまだ銀やその他の微量金属が豊富にある。トンネルの壁を貫く巨大な手つかずの鉱脈が見える。だが、このことは元々発掘した者の運命に関してかなりの不安を感じさせる。これだけの苦労と投資をして鉱山を開いたのなら、なぜ鉱脈に蓄積された膨大な鉱石を掘り尽くす前に放棄したのだろう?

3日目

今日は崩落したあるトンネルの片付けを終え、その先にある大きな部屋まで入った。私は歴史家ではないが、ここにあるのはドワーフの遺跡の名残に間違いないと思う。岩や鉱石とはかけ離れた、絶対に自然ではないものがあった。

アエサが昨夜、寝ている時に走り回る音を聞いたと言った。スケグは心配がいらないとなだめ、こんなトンネルには素早く動くものがたくさんいるからと言っていた。だが私も物音を聞いたし、それは普通の蜘蛛が立てる音ではなかった。何かにつけ回されている気がして仕方がない。まるで見張られているようだ。

4日目

こんなところには絶対に来るべきじゃなかった。何時間も前にアエサとスケグがドワーフの遺跡へ偵察に行ったが、どちらも戻っていない。影の中で青白い姿が動いていて、癇に障る虫のようなカチカチ鳴る音が通路中で反響している。幻覚を見ているのだろうか?脱出する道を探しても、おそらく見つけられないだろう。

どうやら今、キャンプにいるのは私だけらしい。誰かが出ていくところを見てはいないが。カチカチ鳴る音はどんどん大きくなっている。呼吸音が聞こえる。さっき、暗闇の中で叫び声を確かに聞いた。アエサの声のようだった。

何かが近くにいる。私を嗅ぎつけたようだ。

今日の指示Today’s Instructions

ザニクー。新鮮な死体を探す間は、嵐から身を守るためにフレイウェンのアミュレットを使いなさい。しかし、なくさないように。

調査場所:
~ 最近凍結した商船
~ 要塞南の氷棚沿い

入手すべき品:
~ 人間の死体
~ 狼の死体 1
~ アルゴニアンの死体 1

上記の品を持ってベルグラの空洞の下にある私の工房に戻りなさい。見つかるまで戻ることは許しません。

マクステン・ファヴレット

失われた愛への挽歌A Threnody to Lost Love

心の中の奥深く
私の中に集まる嵐
心の中の奥深く
満ちる潮はあまりに高い
心の中に隠れる
悲しみが奔放にささやく
恐れは冷たく
私の涙を通じて叫ぶ

どうか私を見つけないで
自由になれない
どうか私を見つけに来て
あなたの死が頭から離れない
あなたの死が頭から離れない

心の中の奥深く
私の中で炎が燃える
魂の中の奥深く
痛みが全てを切り裂く
心の中に潜む
孤独が懇願する
私はもう完全じゃない
涙を通じて悲鳴をあげる

どうか私を見つけないで
自由になれない
どうか私を見つけに来て
あなたの死が頭から離れない
あなたの死が頭から離れない
あなたの死が頭から離れない

取り消しの呪文(第一節)Incantation of Reversal, First Fragment

自由の指輪が渇きを癒すなら、まずこの言葉を言うように推奨する:
大海の岸で、ホーカーの群れが自由に遊ぶ

取り消しの呪文(第二節)Incantation of Reversal, Second Fragment

春になれば、土壌が豊かになる。呪いを破るには、2番目にこの言葉を言え:
豚、そして豚、そして豚、そして豚。叔母の指は小枝のように細い!

取り消しの呪文(第三節)Incantation of Reversal, Third Fragment

この言葉に気をつけろ。しばしば不明瞭だが、この詩を大声で歌うべきだ:
震える羽が風に漂う。髪は長く伸びたが、決して細くない!

首長殺しJarlsbane

この卓上弦楽器はヴァーデンフェルのヴィベク卿の代表団から上級王スヴァートルに贈られたものだ。ダンマーの音調の構造に慣れていなかった宮廷音楽家たちは、これを「はなはだしく調子外れであまりにも理解しにくい」と断言した。これはレドラン家の大吟遊詩人のエンドロニ・セルヴィロによって発見されるまで、長くブルー・パレスに珍品として置かれていた。

スヴァーグリム王はダンマー芸術への理解を深めるため、寛大にもこの楽器を大学に寄付した。

(「それでも金切り声を上げるウナギみたいな音がする!」と金属の飾り板の碑文の下に彫られている)

終わりなき鐘Chime of the Endless

この小さな鐘はジズ・クラアのアデプトであるユジッラを、僧房の仲間全員を殺したドロ・マスラの無慈悲な攻撃から守った。ユジッラは鐘をリズミカルに叩いて、恐ろしい夜を通して彼女を守ったジョーンとジョーデに対する賛歌を作った。残念ながら賛歌は失われてしまったが、鐘は残っている。

大学はカジートの仲間に敬意を表し、この鐘の使用を制限している。

終わりの一つ前の笑いThe Penultimate Laugh

ホーカーと怒ったガチョウがウィンドヘルムの酒場に入った。
何も特別なことは起きなかった。

これは謎かけではない!ハッ!私のお気に入りの物語だ。

だが物語の時間はない!全くない!謎のメイルモスの脅威の財宝はもう手の届くところにある!驚くべき秘儀がお前を待っている!鍵は不要だぞ。巻物が鍵だ!分かるかな?どうかな?

覚悟があるなら、入れ!

盾の衛士カーシShield-Guard Karthi

盾の衛士カーシ

衛兵として

彼は警戒し続けた

若き盾は破られた

腹に矢を撃たれ

焼けた紙Burnt Papers

〈明らかに燃やされた日記のページ。文章の断片しか残っていない〉

…を入手するのは難しい。ブラックリーチでさえも…

エジャーは嘘をついていた。落盤であんな怪我はしない…信頼はなかなか得られないが、彼は自分の身に起きたことについて真実を教えてくれた…

エジャーの血にはネザー…が染み込み…おそらく彼の抵抗によるものだが…自分の目で確かめる必要がある…中へ入る道はエジャーが知っている…

エジャーは協力しないだろう…群れの仲間の救出に固執している…光ささぬ…の古いドワーフの塔の近くに…

解放すると約束した…ダスクタウンの外でエジャーに会う…橋の東にあるキャンプで…

蒸留の目盛りと指示Distillation Calibrations and Instructions

正当な許可なく、ネザールート成長噴霧器の目盛りを調節しないように!

現在の目盛り:(有効性97%)
– 第1の目盛りは4ユニット
– 第2の目盛りは2ユニット

誤ってノズルが調整されてしまった場合、リセットを使用して全てのバルブを現在の目盛りに戻し、報告して適切な処分を受ける。調合薬の安定性を損なうことがないように!植物が不純物のない霧状のミストを吸収した場合、ネザールートは使用不能となり、数週間の作業が水の泡となる。

現在の目盛りに関する注意:
どちらの蒸留液も2ユニットを下回るか、4ユニットを超えてはいけない。パラメーターから外れた数を設定しようとするとバルブは停止する。パラメーターを強引に超えようとすると目盛りはリセットされる。

2つ目の蒸留液は、決して第1の目盛りを2ユニット以上超えてはいけないことに留意するべきだ。2ユニット以上超えると現在の調合薬が不安定になり、その結果純粋なミストが噴出される。そうなった場合は死につながる可能性がある。特に操作者の。

-目盛りのリセットは指示があった場合のみ、中央の端末を用いて行うこと。

深き洞窟のハイドリクの、機知と知恵Hydrik Deep-Delve’s Wit and Wisdom

さて、諸君。私は足首を折ってギルドホールにある自室にいる。治癒師によれば、6週間以内に再び歩けるようになったら奇跡だそうだ。ギルド幹事が時間を取って羊皮紙に色々と書いてみるのも良いではないかと言うので、若きメンバーは私の「知恵」の利益に預かれるという訳だ。時間をつぶす方法としては一杯やるほうが良さそうだが、何しろ私の回復のためにと勧めてくるのがギルド幹事だ。

だから、心して読むように。キルクリースの丘なら、どんなに弱い男でも短剣を持てばサーベルキャット数匹の腸を抜くことができる。だが本当の仕事は、西スカイリムの穴の中や薄暗い片隅にある。私はそのような場所を詳しく見て回った。こうした場所を探検した後に再び太陽を拝みたいと望むなら、この文を読み続けることだ。

シャドウグリーン
新人なら誰でも、ソリチュードに近接した場所ならそれほど危険ではないと考えるだろう。間違いだ。ここには極めて奇妙な獣が数多くいて、人の目を爪でくり抜き、肝を食べてやろうと待ち構えている。それはほんの始まりに過ぎない。そこをとめどない炎が覆い尽くすのだ。ただ近くに立っていただけで、肺に空気を詰まらせてしまった治癒師を見た。熱だけではない。また、亡霊の海から吹き付ける凍り付く風もある。手をきつく覆っていなければ指を真っ黒に変えてしまうような風だ。指が凍傷にかかっている手で、飢えた熊を回避できるか試してみるといい。やってみろ!

最近ではもっと悪い噂も流れている。厄介な魔女のハグレイヴンがそこに拠点を作っているというのだ。そしてあらゆる種類の不快なものを傍らに呼び集めているらしい。奴らが何を求めているのかは、誰にも分からない。

ドラゴンの家
まずははっきりさせておこう。ここにドラゴンは1匹もいない。スヴァイン、ボル、オーダたちがドラゴンを倒し、英雄になろうと考えるのにはうんざりする。
そうしたいなら、エルスウェアに行け!

この場所にいるのはドラウグルで、どんなギルドの支部でもこいつには躊躇するはずだ。竜教団はかび臭い広間に軍団を収める方法を実によく知っていた。それは認めよう。そしてドラウグルがいない場所には、ドラゴンを崇拝することが賢明だと考える程度にはおかしい信者がいるだろう。まるで昔に戻ったかのように!ここでは墓地におけるその他の魅力的な特徴も見られる。罠、突然勢いよく開く墓室、それに…一番厳しいのは、足元に注意を払わなければ落ちて死ぬことだ。高さには気をつけろ!

フローズンコースト
溺死はひどい死に方だ。我々の職業で間抜けが死ぬ原因は沢山あるが、溺死はその中でも最悪の部類だ。よく滑る氷棚の上に立って海の巨人を追い払っている時に足を踏み外し、ナミラの胸よりも冷たい水の中に落ちたとする。そこから飛び出すことはできない。その冷たさはすぐさま肺から空気を奪う。どれだけ力があろうと、武装した体を極度の混乱から引き出すのは無理だ。そして沈む。

これが悪い場合。もっと悪いのは、海の巨人のクランがその岩を見て、呪文をかけて混乱の種を植えるのにちょうどいいと考えた場合だ。私が話しているのは、荒野で見かける毛皮に身を包んでよろよろ歩いている巨人のことだと思っているかもしれない。そうではない。海の巨人は賢い。そして意地が悪く、できるだけ苦しめて殺すためなら喜んで時間をかけるだろう。楽しみのためだけに。それから、奴らはマンモスのミルクからチーズを作らない。少なくとも、私に分かる限り。

冷風ヶ淵
これは洞窟だ。薄暗く、天井も低い。最近まで、心配すべきようなものは大していなかった。リーチの民が何人か隠れているぐらいのものだった。あるいははぐれ死霊術師が。ギルドは容易に対処できた。だが、これまでに見たことのない怪物がこのトンネルの中に住み着いた。見たことのない獣だ。まるでゴブリンのようだが、違っている。

ひどく汚らしい鎧を身に着けた青白い連中で、叫び声をあげる大人のオークを、黒いトンネルへ引きずり込むくらいの力がある。私はそれを調査する仕事を受けて、攻撃される前にかろうじて部屋に入れた。

奴らはある種の虫を使役している。巨大で、鋼の罠のような下あごを持ったものだ。チェインメイルを貫いて噛みつける。顎に毒があっても驚くことはないだろう。

ラビリンシアン
どんな小生意気な間抜けも、隠れ場所や攻撃の心配をすることなくこの洞窟に出入りできるだろう。だが、ちょっとした軍団を作らずラビリンシアンへ行くのは愚か者だけだ。その学者が護衛を1人雇う金しか持っていなくてもである。金には代えられないからだ。ここの上層には大きな敵がいて、下の洞窟にはさらに悪意のある連中が大量にいる。忠告しておくが、あまり奥には行くな。多くの者が降りて行ったが、上がって来た者はいない。

神々とノルドDivines and the Nords

大司祭インガルト 著

ノルドの宗教は長年の間に、数々の興味深い転換点を経た。最も初期の信仰はアトモーラに起源を持ち、動物のトーテム崇拝を中心に展開した。ドラゴン、鷹、雌狼、蛇、梟、鯨、熊、狐などは八大神にロルカーンを足したものに相当するように見える。後にドラゴンが注目を集めるようになり、竜教団が誕生した。竜教団がより邪悪になってその意思を全土へ強制するようになったのは、タムリエルへの移住中かその後まもない時期のことだった。ドラゴンや司祭を打倒するには竜戦争が必要だったが、その話は別の機会にすべきだろう。

最終的に、動物トーテムの神々は現在我々が信仰している八大神に変化した。我々は彼らを真の名前で呼ぶ。アルドゥイン、カイネ、マーラ、ディベラ、ストゥーン、ジュナール、オーキー、ショール。我々は神々が世界と同じように循環するものと理解しているので、現在の世界をもたらすために戦って死んだ、死した神々(ショールとストゥーン)、現在の循環を見守る炉の神々(カイネ、マーラ、ディベラ、ジュナール)、次の循環を先導する黄昏の神(アルドゥイン)をも記憶している。また、これに試練の神々と呼ばれる者たちも加わるが、彼らは崇拝の対象でなく、反対に彼らから炉を守るべきだと認識している。これにはオーキー、モーロッチ、ハルマ・モラが含まれる。

インペリアルが到着した時、彼らは南の宗教をもたらし、八大神の信仰と一体化させるための活動を行った。それ故に我々は、ソリチュードの美しい街を優雅に飾る、この素晴らしき神々への聖堂を手に入れることができた。我々は8人の神がいるという一般的な概念に多かれ少なかれ同意するが、極めて異なった観点で捉え、異なる名前で呼んでいる。我々の聖堂は現在の統治者の要求や要望に幾度となく適応し、もはや我々自身がルビーの玉座の恩恵を受けることはないにも関わらず、明らかにインペリアルの観念と習慣に馴染んできた。

恐らく、我々の最大の相違は神々の最上位に関連するものだろう。我々ノルドはカイネを神々の指導者と認識しており、インペリアルがアルドゥイン(彼らはアカトシュと呼ぶ)に魅了されていることを知って困惑し、やや不安を感じている。我々がアルドゥインを眠らせておくために弛まぬ努力を行っているのに、その一方で南の隣人たちは幾度となく彼の注意を引こうとしているのだ!私が聖堂での礼拝を毎回アルドゥイン(おお、偉大なる時の神よ!)を称える祈りで始め、その後に彼を寄せ付けないようにする祈り(その眠りが幾千もの世にわたり続かんことを!)を続けるのはそのためだ。

神々の歌The Song of Gods

カイネ、最後のキス
人類の母と呼ばれる
自らの聖なる嵐で踊り
鷹として飛べ、我らがカイネ

マーラ、愛の女神
その恩寵は我らを高め
聖なる花を祝福する
愛すべき狼の女神マーラ

ディベラ、芸術家の詩神
美の女神に世辞はいらない
この銀蛾に欠陥はない
麗しのディベラしか見えない

ストゥーン、身代金の鯨神
戦争の捕虜は彼の慰めを求める
盾と角笛が彼の宝
共に立て、公正なストゥーン

ジュナル、ルーンの賢神
輝く月の下で自由に飛ぶ
奇妙な夜の梟
共に飛べ、賢きジュナル

オーキーは全ての定命の者を試す
あらゆる争いを始めたがる
誰も逃れられぬ蛇
強きオーキーは誰にも騙せない

アルドゥイン、恐怖の世界を喰らう者
我らが恐れる事を行う
最初のドラゴンとして知られる
アルドゥインを崇めてはならぬ

聖なるスイートロールへの祈祷Holy Sweetroll Liturgy

聖なるスイートロールを称えよ!
フワフワ、ベタベタ、温かく甘い
聖なるスイートロールを称えよ!
おいしいごちそうを称えよ!

聖なるスイートロールを称えよ!
祝福されしシロップをかけられる
聖なるスイートロールを称えよ!
口の中がいっぱいで、称賛も叶わぬ!

聖なるスイートロールを称えよ!
黒檀の木箱に鎮座する
聖なるスイートロールを称えよ!
神聖な皿で供される

聖なるスイートロールを称えよ!
フワフワ、ベタベタ、温かく甘い
聖なるスイートロールを称えよ!
おいしいごちそうを称えよ!

西スカイリムへの案内:カーサルドGuide to Western Skyrim: Karthald

帝国調査官、ブンタラ・グラヴィウス 著

僻地にある西スカイリム王国の案内を続けよう。今回は最も南の地が舞台となる。

このガイドが最初に書かれた時には存在しなかったカーサルドは、ハーフィンガルの南、ハイヤルマーチの西にある。この地域は5年前まで、リーチの支配下にあるとされていた。しかしはるか昔からノルドとリーチの人々はこの地域の所有権について激しく争ってきて、決定的に獲得できたものはいない。設立されたのは最近だが、ノルドは何世紀もこの地域で暮らしてきた。カーサルドは容赦のない尾根と広範囲な絶壁の土地、松の森を有している。こじんまりした風景には多くの驚くべき場所と、同時に秘められた危険が隠されている。

カースウォッチは権力の座だ。首長と民は西スカイリムの南の境界を管理しているようなもので、その任務は迫るリーチの民に対して守りを固めることだ。旅人に対しては親切だが、カースウォッチの人々は快適さを提供できることがほとんどなく、訪問者が集落に滞在する間耐えることになる、あらゆる不快な状況について言い訳をすることはない。厳密にいえばカースウォッチは街だが、住民は砦だと考えている。

オークの採掘集落であるモル・カズグールは、西の境界にある山の中にある。クランの土地を訪れる人々は、キャンプ内や周囲の土地がカーサルドに属していることについて言及しないよう助言する。たとえ法的にも論理的にも真実であったとしても。オークたちは彼らの領域がロスガーの主権を有する辺境の居留地で、オーク種の規則や習慣の支配下にあると考えることを好む。そのためこの地域への訪問者は、宿主を怒らせて仲間が怪我をする危険があるため、オークの礼儀作法や振る舞いについて十分把握しておくことをお勧めする。とは言え、モル・カズグールのオークはオルシニウムにいる彼らの同胞と変わりはない。強健で、熱心で、しきりに友情を求める人々だ。

著者注:全スカイリムと同様に、カーサルドには他にも旅人の安全が決して保障されない洞窟などの場所がある。著者は読者の安全を守りたいと願い、この版からこうした危険な場所への言及を削除することに決めた。

西スカイリムへの案内:ハーフィンガルGuide to Western Skyrim: Haafingar

帝国調査官、ブンタラ・グラヴィウス 著

僻地にある西スカイリム王国は孤立主義や閉鎖的と評されているが、恐れを知らぬ旅人はこの地や住人との間で楽しみを数多く見出せる。このガイドに記された詳細は、このような感想を反映している。しかし、西スカイリムは無謀な旅人のための場所ではないことに注意しておくべきだろう。その地形は住民と同じように険しく、どちらも愚か者に容赦しない。

東スカイリムと同様に西スカイリムはいくつかの地域に分かれ、それぞれに首都があって支配する首長がいる。全員がその中で最も強い地であるソリチュードの首長に忠誠を誓い、その首長は上級王の冠を被る。

ハーフィンガルは北東にあり、山と凍った海岸線に覆われている。亡霊の海から不吉な風が吹きつけ、全てを骨まで凍えさせる。

ソリチュードは巨大な石のアーチにまたがり、首都と首長、上級王の居城の役割を果たしている。街は由緒正しく守りやすいドール城に見守られていて、その砦はこの街の初期の建造物である。ソリチュードには主要な地区が2つある。活気ある市場があるウェル地区と、アベニュー地区だ。建築学の学者ならアベニューで魅力ある家を数多く発見できるが、世俗的な娯楽を求める者はウェル地区を好むだろう。アベニューにはブルー・パレスも隣接している。ここは高位ノルド建築の優れた見本であり、上級王とも呼ばれる首長の居城でもある。また、街の中にはソリチュードを亡霊の海の上に持ち上げる壮観な石、アーチがあることも記載しておく。

ハーフィンガルの山中に建つキルクリース聖堂は、デイドラ公メリディアを祀った建造物だ。デイドラ公の崇拝は、タムリエルにおいてひいき目に見ても物議を醸す議題だが、その建築面での素晴らしさや落ち着いた環境はそれだけでこの聖堂を訪ねる価値があるものにしている。自ら進んで異端の会話に参加しようとする者は、キルクリース聖堂の司祭が温かくもてなし好きで、喜んで旅人に食料や暖かなベッドを提供することを知るだろう。秘密の儀式を行うために管理人が扉を閉じる、高き太陽と低き太陽の宴の間は、訪問を避けるよう注意してほしい。

ドラゴン・ブリッジは小規模なキャンプで、カース川沿いにある街はこの壮大な橋によって名付けられている。川をまたぐと切り出した石で作られた古代の道、ドラゴン・ブリッジがある。興味深いことに、その先端にはドラゴンの頭蓋骨が2つ設置してある。橋の石と頭蓋骨の石細工の細かな違いは、一部の学者をこれが石化した古代動物の実際の骨であるという結論に導いた。その他の学者はこの主張を空想的で馬鹿げていると嘲笑している。遺体であろうがなかろうが、頭蓋骨は何世紀も旅人の想像力を刺激してきた。これからの数世紀も間違いなくそうするだろう。

巨人の野営地はハーフィンガルの荒野全域に広がっている。定住している訳ではなく、放浪の巨人がその都度設営する。同じ場所を何度も使用する傾向にあるため、放棄された巨人の野営地の痕跡を見つけたら、再び使用される可能性は高い。これらの野営地に近づくことは無謀な試みだが、安全な距離からこの生物を観察できる機会を与えてくれる、興味深い冒険を提供する経験豊かなガイドを、数多く雇うことができる。

著者注:全スカイリムと同様に、ハーフィンガルには墓地と洞窟があり、放棄されているように見えるが、とても危険なことが多い。著者は読者の安全を守りたいと願い、この版からこうした危険な場所への言及を削除することに決めた。

西スカイリムへの案内:ハイヤルマーチGuide to Western Skyrim: Hjaalmarch

帝国調査官、ブンタラ・グラヴィウス 著

僻地にある西スカイリム王国の案内を続けよう。今回は最も東の地が舞台となる。

西スカイリムのハイヤル川にちなんで名づけられたハイヤルマーチは、西の王国の中で最大の規模を誇っている。カース川とハイヤル川の河口で形成される広大な塩水の沼地、ドラークミールがこの地の中心だ。しばしば不気味な霧に覆われる大部分が無人の湿地帯には、一般に不吉とされているデスベルの花が群生している。湿地の探索は困難を伴うが、熱心な旅人なら発見や楽しみを数多く見出せるだろう。

ドラークミールの南東にある林業の街モーサルは、首長の権力の中心地として役割を果たしている。家は必然的に鉄柱の上に建てられ、沼地の上に安全な通路をもたらすための港でつながっている。ここの建物はノルドの粗削りな建築の見本だ。街への往復が大変な悪路であるため、モーサルの人々は旅人に不慣れかもしれないが、親切にもてなすこともできる。彼らの多くは塩沼で釣りや罠を使った漁で、魚を獲って生計を立てている。暖かい季節になると、棒で漕ぐはしけでソリチュードの港に木材が運ばれる。モーサルは隣接する墓地のために不可欠な目的地と考えられており、数少ない墓地の1つは今も、武装しない旅人が安全に探索できる場所となっている。

亡霊の海に隣接する氷棚は探検者や冒険者に人気の場所だが、安全に渡るためには適切な装備が必要とされる。時代が経つにつれて多くの船や大型船が氷に捉われ、残骸の多くが収集家や愛好家に、過去の時代の小装飾品やお土産を見つける機会を提供している。ほとんどのスカイリムの自然と同様、知識が豊富なガイドを雇うことは、氷盤を訪れたいと願う人々にとって不可欠だ。

ラビリンシアンはハイヤルマーチの南東にある、山の麓の丘で見られる巨大な墓地だ。とても危険で珍しい場所となっている。学者たちはこの施設が古代スカイリムの卑しむべき過去において竜教団の中心地だった、ブロムジュナールの街の遺跡であることを知っている。噂では遺跡の中に複雑で苛立つほどの迷路があると言われているが、その存在は信用に足る情報源による確認がなされていない。ラビリンシアンがハイヤルマーチにおける有名な史跡である以上、このリストに含める必要があったわけだが、ここはしばしば厄介な獣や悪しき人々に占拠されている場所である。避けるのが無難だ。

著者注:全スカイリムと同様に、ハイヤルマーチには他にも旅人の安全が決して保障されない洞窟などの場所がある。著者は読者の安全を守りたいと願い、この版からこうした危険な場所への言及を削除することに決めた。

西スカイリム周遊記Travels Around the Western Holds

漆黒の爪 著

殻の兄弟たちも、広大な北の旅へ一緒に来れば良かったのに!まあ、あの生温いギデオンの泥風呂に留まることを選択した彼らを非難しようとは思わない日もそれなりにあるが。どうやら西スカイリムと肌の乾いた住人どもはブラック・マーシュからの旅人に慣れていないようだ。とはいえ、東の隣人に対する態度に比べれば、我々のような者に対する接し方はずっと友好的なようだ。彼らは東の隣人のことを「ミルク飲み」と呼び、地面に唾を吐く。素晴らしい粘膜からの分泌物を無駄にするとは!

西スカイリムには氷と岩しかないと考えていた。だが、彼らが住む地に合わせて様々なものが見つけられる。たとえそれが、丸い舌を持たない者にとって厄介な名前だとしても。

西スカイリムを頭飾りとするなら、ハーフィンガルは頭蓋骨だ。頭飾りがあるかどうかは知らないが。亡霊の海から冷たい風が荒野に吹きつけ、多くが荒涼とした海岸線である。だが川と海が出会う場所に安全な港があり、そこにソリチュードの街がある。ハーフィンガルが頭飾りの頭蓋骨なら、ソリチュードは頭蓋骨の中のウシュル豆だ!ここは間違いなくノルドの考える大都会だ。花や香りのある虫がほとんどいない。くつろげる温かい泥もない。それでも、この者はタムリエル中で楽しんだ慰めを楽しんだ。港への密輸だ。どうやらここの人たちは、外部との開かれた貿易を推奨されていないようだ。

***
キャラバンと一緒にソリチュードからオルシニウムに向けて旅をするつもりだったが、ノルドの訛りに混乱してしまい、結局西スカイリムの別の場所へ向かう荷車に乗ってしまった。ここはハイヤルマーチと呼ばれている。

初めて見た時は、旅に出てから初めて故郷を出たことが悲しくなった!ここの湿原や沼地は雪に覆われているものの、ブラック・マーシュの悪臭を放つクアグマイアを思い出させる。まあ、ここにある湖上の住居や泥小屋は、故郷にあるものの薄っぺらな模造品でしかないが。それに、ここの連中は豊かな腐敗物からほんのわずかな生活の糧しか取り出さない!彼らは主に釣りや罠の猟で生活し、足元の海水に浸かっている発酵の元など考えもしない。私は「首都」であるモーサルの住民を教え導こうとしたが、有意義な時間ではなかった。残念だ。ずぶぬれの丸太小屋は、シロアリの幼虫の繁殖地にちょうど良いことに気づいた。いくつか乾燥させよう。これを書いているのは、村の子供たちにお菓子を作るためだ。

***
オルシニウムに行く計画は阻止されてしまったので、西スカイリムで3つ目の地を見るのも悪くないと考えた。カーサルドと呼ばれる場所だ。だが、ノルドはカースワステンと呼ばれる村について話している。ただでさえその2つについて混乱しているのに、間違える度にここの肌の乾いた者たちは、まるで骨の祝宴で歓喜の背骨を立てたかのようにこっちを見る。シシスよ、我を連れ去りたまえ!

凍える亡霊の海から遠く離れているため、ここは西スカイリムの中で最も穏やかな場所だ。だが険しい岩山が多く、計画的に植物を育てることは難しい。不毛であるにもかかわらず、この地は西スカイリムのノルドと南の棒を愛するリーチの民との戦場となっている。

私は時間を取って、ここの主要な街であるカースウォッチを見ることにした。彼らはカース川関連以外の名前を考えられないのだろうか?中心となる集落は印象的だった。石の断崖の上に建つ要塞のように配置されていて、その使命が南にいる西スカイリムの隣人を見張ることだと知った。カーサルドは最近卵から孵ったばかりで、聞いたところではできてから数年しか経っていないそうだ。その境界は地図で見るだけだが、ここにいる肌の乾いた者たちはこの土地を心から深く愛していて、いくつかのクランは何世代もここに住んでいる。確かに、故郷の地を守る役割にふさわしいと思える。

***
明日、ようやくオルシニウムに向かうことを3度も確認した荷車に乗る。私が西スカイリムで過ごした時間は有益だったと言い切れないが、いい勉強になった。いつかギデオンの殻の兄弟に伝えるつもりだ!

青い憧れのリュートThe Lute of Blue Longing

この楽器は呪われた吟遊詩人グジャルドレッドのものだった。彼が東の王国の宮廷で演奏している時、女王がこの麗しい吟遊詩人に心を奪われた。冷酷にも、彼は女王を誘惑するために甘いバラッドを作曲した。彼に愛されていると信じ込んだ女王が衛兵を下がらせると、グジャルドレッドが部屋にやってきた。

夜明け前に彼の楽しみは終わり、この不実な吟遊詩人はこっそりと部屋を出て城から逃げ出した。無情にも欺かれたことに気づいた女王はグジャルドレッドに恐ろしい呪いをかけ、自ら命を絶った。彼は自らの裏切りの歌を歌わずにはいられぬようになり、リュートを手に取るといつでも女王の霊魂が姿を現すようになった。

このリュートで愛の歌を演奏すると、女王の霊魂が見られることがあると今も言われている。

喪心の嵐についてOn Harrowstorms

レイヴンウォッチ家のフェノリアン 著

このメモはいつか喪心の嵐とその背後にある魔法に関しての論文となるだろう。最終的に、発表できるような質に高める時間があればだが。

喪心の嵐はアイスリーチ魔術結社の魔法と、古代の吸血鬼の錬金術が融合して創り出された神秘的な天候現象だ。何の前触れもなく襲い掛かり、去った跡には死を残していく。私はこの超自然的な嵐が残した惨状を見た。引き起こされた力はその内部に捕らわれた生者を殺すか、我々が喪心者と呼ぶようになった、ほぼ心を持たない抜け殻にできる。だが、中には現在我々が喪心鬼と呼ぶ、新種の野生化した吸血鬼になる者もいる。もちろん、嵐に捕らわれた者全てがこうした苦痛を受けるわけではないが、誰が死に、誰が変化し、誰が無傷でいられるのか、その理由をまだ特定できていない。

この現象を研究する中でほぼ確信を持って言えることは、喪心の嵐がある種のリーチの魔法の儀式によって創り出されることだ。儀式では集中し魔法を解き放つための儀式的な詠唱に加えて、ある種の呪物やトーテム、錬金術の調合薬など、様々なアルケインの材料を使用する。

結果として生じる災いは喪心の嵐の最終的な目的なのか、あるいはより陰湿な目的の副産物に過ぎないのかはまだ分かっていない。また、この超自然的な事象の背後にいるのが何者なのかも、確かには分かっていない。嵐が犠牲者を殺害し変化させる方法と、犠牲者が奪われたものを回復させる方法があるのかどうかについては、さらなる研究を要する。時が来れば分かるだろう。

捜査官ヴェイルとしらふのノルドInvestigator Vale and the Sober Nord

「私の評判を賭けてもいいけど、これは毒よ」と捜査官ヴェイルは言った。

「彼は絶対に、夜を通して一切飲まなかった!何かを食べるのも見てない」と、〈寂しいトロール〉のバーテンダーがそわそわした様子でタオルを絞りながら言った。「だが、恐れているように見えた。ビクついていたな」。

捜査官ヴェイルは、かつて活気があった酒場の床に横たわるノルドの男のそばに立って見下ろした。夜の間に男が倒れて死んだ時、その場にいた多くの者が立ち去った。しかし死体の見えない、店の隅にいた常連たちは飲み続けていた。

平均的なノルドのハチミツ酒への関心は、尊敬すべきものがあるとヴェイルは考えた。

「おかしいわね。食べも飲みもしなかったなら、彼はここで何をしていたの?それに、どうやって毒を盛られたの?」

魅力的な衛兵隊長が胸の前で腕を組み、眉をひそめて言った。「酒場でしらふのノルドか。いつも問題を起こすわね」

ヴェイルは微笑んだ。「同感よ、アエジャ隊長」

捜査官ヴェイルは警告すらせずに仕切りから出ると、残っている客の中を進んで行った。アエジャ隊長は急いで彼女の後を追った。彼女はとても背が高かったが、酒場に残った集団を進む、素早く美しい体つきの私立探偵についていくのは至難の業だった。

「捜査官、どこへ行くの?」

ヴェイルは酒場の奥に押し込まれているテーブルに、肩に乗っているペットのサソリ以外には連れもなく、一人で座るハンサムな男の前で止まった。2人の女性が近づくと男はにっこり笑い、手にしたジョッキを掲げて見せた。

「やあ、お嬢さん!どうして麗しい女性が2人も、このテーブルにお越しくださったのかな?」

捜査官ヴェイルは狡猾な笑顔を浮かべ、男の隣の席に滑り込んだ。「あなたのジョッキが満杯だって気づいたの」

男の表情が揺らぐことはなかった。ヴェイルの予想通りに。彼が上手い役者か、あるいは彼女の勘が間違っていたか。だが、彼女の勘は滅多に外れることがなかった。

「こいつを飲み干すのを手伝いたいって?」と男は眉毛を動かしながら言った。

ヴェイルが横で体を強張らせているアエジャを見ると、彼女の手は鞘に収めた剣の柄頭を握りしめていた。この若い隊長は、誰かを守ろうとしている時の方が魅力的だ。だが、そのための時間は後で取れるはずだ。

「いいえ。ただどうして遠慮しているのか興味があっただけ」と彼女は微笑みながら言った。

男は微妙な動作でローブの袖を整えた。「男には酒をじっくり楽しみたい時もあるのさ。それが罪なのか?」

「いいえ、全然」ヴェイルは落ち着き払って言った。「もちろん、自分の仕事の成果が首尾良く行くかどうか、混雑した酒場で見届けるためにしらふでいたんじゃなければね」

「これは途方もない言いがかりだ」男はせせら笑った。「うろうろ歩き回って、飲んでない奴を片っ端から殺人犯呼ばわりするのはやめてくれ」

「そうね。でも、危険なアズールスコーピオンを連れている人を、殺人犯として告発することはできるわ」

「ザレヤは誰も傷つけなんかしない」と男は抗議した。

「確かに、自分の意思ではね」とヴェイルは言った。「でも、その特殊なサソリは家畜化されてる。指示されれば主人の命令を聞くわ」

男は目を細めて言った。「証拠がないだろう!」

捜査官はほっそりとした手を差し出した。彼女の目が危険に光った。「なら、彼女に私を刺させて」

アエジャ隊長が妨げた。「なんですって?捜査官、だめよ!」

「あの大きさの男を殺すなら、かわいいザレヤちゃんは全部と言わないまでも、かなり消費してるはずよ。毒をね。それを回復するには時間が必要。だから私が正しいなら、完璧に安全なはずよ」

隊長はじっと勇敢な捜査官を見つめたが、最後にはその視線を男の方に向けた。「そうね。じゃ、結果を見ましょう」

男の表情は変わらなかったが、捜査官ヴェイルは目の中に怒りがはじけているのを見た。サソリを摘まみ上げ、待ち構えている捜査官の手に置くと、男の顎の筋肉がビクッと動いた。彼が静かな舌打ちを鳴らすと、サソリの尾がヴェイルの掌に突き刺さった。

ほぼ同時に、男が立ち上がり、逃げ出そうとした。捜査官ヴェイルは落ち着いて立ち、静かにサソリをあやしていたが、巧みに脇へ寄ってアエジャ隊長に場所を開けた。この背の高い衛兵が男を激しく突き飛ばして椅子に戻すと、椅子は後ろに倒れ、男は床に倒れた。慌てて立ち上がる前にアエジャ隊長は剣を抜き、喉元に突き付けた。

捜査官ヴェイルは微笑み、繊細な指でサソリを撫でた。「まあ、あなたって本当に勇気があるのね、ザレヤ?」

「捜査官、大丈夫?」と隊長が尋ねた。

「絶好調よ」とヴェイルは答えた。

「一体どういう女なんだ、お前は?」男が息を詰まらせながら言った。「痛みに膝をつくはずだったのに!」

「私は本当に特別な状況でしか膝をつかないの」ヴェイルは澄ました顔で言うと、サソリを手からテーブルの上に這わせた。「特別な状況と言えばね、アエジャ隊長。ここの仕事が終わったら、ぜひあなたに一杯おごらせて欲しい」

魅力的な衛兵は頬を赤らめ、笑顔を隠そうとしたがうまくいかなかった。「仰せのままに、捜査官」

「でも」捜査官ヴェイルはウィンクしながら言った。「違う酒場を選んだほうがいいかもしれないわね」

蒼白の紳士The Pale Man

よそ者が訪ねてきた
亡霊のようにやつれていた
無言で、火の側で震えていた
その者は深刻な顔で絞り出した
ほとんど聞こえない、ひどく虚ろな声
言葉の少ない、警告の呟き

蒼白の紳士が来る
冷たい風と暗い雲の日に
蒼白の紳士が来る
愛する人を奪うために
蒼白の紳士が来る

警告が発せられて間もなく
初雪が大地に降り注いだ
風の唸り声に心は怯え
陰る陽光に祈りを唱えた
扉を閉じて夜を締め出し
体を寄せ合って相談した

蒼白の紳士が来る
雪の外套に身を包んで
蒼白の紳士が来る
その手は骨まで凍えさせる
蒼白の紳士が来る

恐るべき嵐が止むと
体を伸ばして夜明けを待った
休むわけにはいかぬと
招かれざる客を待ちながら
剣を固く握り
盾の揺れる音にも耳を澄ませた

蒼白の紳士が来る
幽霊のように通り過ぎて
蒼白の紳士が来る
後も残さず消えていく

ついに夜は終わった
予告された訪問もなく
警戒が解け始めた時
私はよそ者がいた場所を見やった
だがどこにもいなかった
残っていたのは、冷たい輝きだけ

太ったレッカ(発掘)Lekka the Corpulent (Exhumed)

太ったレッカ

ヒストのように老いた

マークマイアの母

我らが習わしの学者

心臓発作により死す

嘆きの笛Highmourn Dizi

アカヴィリ様式のフルート。前アカヴィリ最高顧問サヴィリエン・チョラックの葬送で演奏された楽器だ。

この笛が演奏され、悲し気ないつまでも忘れられない音色を耳にすると、アカヴィリの忠実な参列者は遠く離れた故郷の声を聴いて泣き伏したと言われている。アカヴィリではない者さえ、その死を悼む切ない音調には心を動かされた。中にはアカヴィリ以上に感動していた者もいたようだ。

長き炎Long Fire

このタンブラーはヨクダの芸術を代表しているものだ。この楽器は、フランダー・フンディングのハンマーフェル遠征軍にいたソードシンガーの持ち物だったと考えられている。

伝承によればヨクダの吟遊詩人は、自分の楽器を神聖で神の霊魂が宿っていると見なしていた。長き炎との名は砂漠の中央で吟遊詩人が仲間と集まり、星とわずかに燃える火に照らされながら失われた故郷の曲を演奏する、静かな夜に由来する。

鳥の歌を求める者Seeks-Birdsong

ストームヘヴンの鳥の歌を求める者

焼けて死す

とても若く、痛ましい

我らの元を訪ねし

信仰の伝道師

灰となって別れた

入場の言葉Words of Entry

墓地の番人と従僕へ

私の研究所の利用は引き続き制限される。そのため、私は誤って広間に迷い込んだ配下を妨げるため、入場方法を再設定した。

扉を探している時は、この簡単な語句を心に思い浮かべなさい:「我らは再び立ち上がる」

後は自分で察することができると私は信じている。もしそうでないなら、最初から私の研究所に用はないはずよ。

レディ・エッセニア

秘儀の入口The Mysterium’s Threshold

カイネは優しかったようだな!ハッ!火は温かい。お前はどんどん温かくなっている!

全ての扉はどこかに通じる、だがどこにも通じぬ扉がある
右の力は正義だとも言うが、正義が誤ることもある
左に残された者の、右の権利を試せ。しかし長くは続かない
一番左のセレクションが、コレクションに通じるかもしれない
だが三番目は惨番目となる

さあ、飛び込んで行け!猫のように跳躍せよ。猫のように信じれば、安全に着地できるだろう!

標的リストList of Targets

下記の鉱山労働者は最近の仕事ぶりが芳しくなく、もし消えても惜しまれることもない者たちだ。彼らが好ましい提供者であることを祈る。素早く彼らに死をもたらしてくれ。必要以上に苦しんで欲しくない。

アドリッド:過剰な飲酒、秩序を乱す振る舞い
ドレヴァ:食堂からの窃盗
ホロルド:怠惰で、人の半分しか働かない

注意:鉱山労働者たちは失踪に対して不安を募らせ始めている。間隔は開けば開くほどありがたい。我々の協定の噂がエレの耳に入っては困るんだ。妻が俺の関与を知ったら、互いにとってまずい結果になるだろう。

監督官ウールヴァル

不明(発掘)Unknown (Exhumed)

不明

行商人

盗賊により刺される

スカイリムに生まれし

賢き老女

怖がりの小さなスノーモスScared Little Snow Moth

怖がりの小さなスノーモスは怯えるのが嫌だった。友達のように勇敢になりたかったのに、彼女はあまりにも簡単に怯えてしまうのだった。怖がりの小さなスノーモスにとって、世界はとても大きく恐ろしい場所だった。彼女はできる限り外に出ることを避けていた。

だがある日、彼女は食べ物を求めて居心地の良い木を離れた。それは寒く、風の激しい日だった。怖がりの小さなスノーモスは、雪や羽に吹き付ける冷たい風は気にしなかったが、吹雪の中に潜んでいるものが怖かった。彼女は怪物と鉢合わせしたくなかった。

彼女が飛んでいると、雪の中に輝く光が見えた。恐ろしい怪物の目かもしれないと考えたが、近づいてみるとただの小さなホタルだと分かった。

意地悪なホタル爺さんはクワマー鉱山での冒険にうんざりしていた。彼ははるばる旅をして雪と氷に覆われた土地までやってきたが、とてもつまらない場所だったのだ。そんな時、彼は怖がりの小さなスノーモスを見つけた。きらめく雪の結晶と共に浮かぶ彼女を見た時、彼の心に邪な考えが湧き出た。

「やあ、小さなスノーモス」とホタルが叫ぶと、その声はまるで寒さの中の炎のように飛び出した。「こんな嵐の中で何をしているんだ?」

「お腹が空いてるの」と怖がりの小さなスノーモスは小さな声で言いました。「面倒は嫌よ」

「お腹が空いてるなら、向こうにある洞窟を探検してごらん」とホタルは声をあげました。「おいしい食べ物がいっぱいだよ!」

そこは安全そうに見えなかった。というより、ひどく危険そうに見えた!彼女は食べ物を集められる、もっとずっと怖くない場所を知っていた。

「さあ、ほら」ホタルは言った。「そばにいて何も起こらないようにしてあげるから。おいしいごちそうが欲しくないのか?」

怖がりの小さなスノーモスは長い間そのことについて考えた。彼女はとても怖がっていたけれど、愚かではなかった。

「そんなの信じない」と彼女は言った。「あなたはただ私を洞窟に行かせて、怪我をさせたいだけでしょ」

「怪我じゃない、ただ食べられるだけさ!誰かがあんたをごちそうにするところを見物できたらいいなと思ったんだよ、小さなスノーモス」

「また今度ね、ホタルさん」と怖がりの小さなスノーモスはそれまでより少しだけ大きな声で言った。「怖すぎて食べられるなんて無理」

「それなら仕方ないな、小さなスノーモス。さようなら」とホタルは声を上げた。

そして、怖がりの小さなスノーモスは雪の中を羽が体を運べる限り早く飛んで、ホタルを残して去って行った。彼女は他の誰とも口をきかなかった。食べ物を集めるとすぐ、彼女は急いで居心地の良い木に戻り、安全だと分かっている木の皮の上でうずくまった。

北の伝承の怪物Monsters of Northern Folklore

インペリアルの歴史家、ミネルヴァ・カロ 著

迷信を調べれば、民について多くのことを学べる。古代の恐怖は根が深い。大切な伝統や、歴史的な敵意よりも深いのである。怖いものがあると認めるノルドは少ないが、私は北方人がかなりの高確率で取り乱す話題を発見した。それは「雪の亡霊」である。最初はアイスレイスかウィスプマザーを指す言葉だと思っていたが、この「雪の亡霊」はそうした怪物と一切似ていなかった。「ボーグル」、「リークル・キン」、「地響きマント」などとも呼ばれるこの怪物には、羊飼いも交易商も悩まされている。家畜を盗み、旅商人の寝込みを襲い、地下室を有毒のスライムで台無しにする。私はモーサルとソリチュードで以下の証言を集めた。虚構から事実を見分ける作業は、親愛なる読者に任せよう。

モーサルの魚売りボンベッタは以下のように述べている:「そうよ!あのスキャンプどもは何度も見てる!港をうろついてたのさ。うちの網を奪って、魚を掻きだしやがった。奴らは月のない夜にしか出てこないんだよ。だからちゃんと見えないんだ。あたしの目も昔に比べれば衰えたけど、エルフみたいな鋭い耳をしてるように見えたね。ゴブリンみたいに背中を曲げてさ、肌の色は死んだ鱒の腹みたいだったよ。つまり真っ白さ。うちの主人は追い払おうとしたけど、あいつらはすばしっこくてね。それに最近じゃ、ラルミグの膝は、枯れた松の木みたいに軋るんだ。でもそれでよかったよ。聞くところじゃ、あいつらは男を見たら殺すっていうからね」

私はドラゴン・ブリッジの近くで、この生物に対する嫌悪を隠せない羊飼いに出会った。乾燥したキルニルの根を噛みながら、しばしば拳を震わせていた。素性は明かさないでくれと彼は言った。「この世から消えてもらいたいね、あんな連中は!昔は人生で何度か耳にする程度の存在だった。今じゃあいつらはここ半年だけでも、一番いい牛を3頭も奪っていった。もう一瞬たりとも気が休まらないよ。マンモスと牧草地の奪い合いをするだけでも大変だっていうのに。今じゃ朝から晩まで、あの地響きマントが俺の家畜を切り刻むんじゃないかと気をもんでいるんだ。兄弟は黒革の服を着た牛泥棒だろうと言うが、俺は見たんだ。あんなに背中の曲がったノルドはいない。それにあいつらの着てる服ときたら…あんなの見たことないぞ。まるで、モーサルの近くでたまに見る洞窟虫から削り出したみたいな服だ。今度ソリチュードに行ったらいい弓を手に入れて、牛泥棒どもの眉間を射抜いてやる」

吟遊詩人の大学出身で、意外なほど好感の持てるダークエルフのギルゼ・ティスターは、こうした証言が地域の迷信でしかないと一蹴している。「ノルドってのはそういう人たちなの。本当にあいつらは、不幸が起きれば何だって変な獣や外国人のせいにするんだから。この間なんか商人が目まで青白くなって、自分の犬に“エルフの呪い”をかけただろうって私を非難したのよ。何なのそれ?それに、私とそいつの犬に何の関係があるの?全く馬鹿げてるわ。まあでも、馬鹿げた話は愉快な詩になる!ちょうど昨日の夜、私は5つ目のトロールについてのお芝居を書いたの。最後のオチなんて爆笑間違いなしよ」

私はカースウォッチでおかしな目をした浮浪者に出会ったが、彼は両手をぶんぶん振り回しながら、全く途方もない証言をした。「あいつらはエルフだ!スノーエルフだよ!あいつらは…ゴブリンとか、リークルとか言われてるけどな!リークルだと!冗談じゃねえぜ。へっ、俺は見たんだ。この目でしっかりとな。あいつらは一番色の白いノルドよりも青白く、尖った耳とコウモリみたいな鼻をしてる!“エルフにコウモリみたいな鼻はないだろう”と言うんだろう!違うんだなそれが。全然違う!イスグラモルは他のエルフと区別するために奴らの鼻を切り落として、虫みたいに地下へ追いやったんだ。奴らは洞窟暮らしで太陽を浴びないから、今じゃ全員背中が曲がってる!そして奴らは戻ってくる!本当だぜ!あいつらはスカイリムを取り戻そうとしてるんだ。叫びの夜みたいにな。油断するなよ!油断しちゃいかん!」

現実にせよ想像の産物にせよ、この生物はノルドの伝承の興味深い側面を見せてくれる。またこれは古代の亡霊物語が、今日においても北方人を悩ませている完璧な実例である!

勇敢な魂と健全な肉体を求むSeeking Brave Souls and Able Bodies

多くの問題が西スカイリムを悩ませています。ハーフィンガル、ハイヤルマーチ、カーサルドの民の利益のため、ゴールドと栄光を求めて命と肉体を自ら危険に晒す、勇気ある人々を求めています。

詳しくはソリチュードの貸し手シルグレットまで

雷の王King Thunder

オーシマーの典型的な太鼓、雷の王はその低音と大音量の双方で知られている。この祝賀と戦争の際に贈られるオークの太鼓は、彼らの戦争じみた儀式の基盤をなすものとして、複雑なリズムを生み出す。

この太鼓はオルシニウムが包囲している間は隠されていて、後にファルクリースのヤシュナグ・グロー・ヤズグ要塞のものとなった。太鼓はハックヴィルド首長により、ヤシュナグ族長と勇者たちの勝利を記念して大学に贈られた。

狼の塔The Tower of the Wolf

ソリチュードの石工による概説より

愛する祖国の建築とスタイルについて、最初の資料から更新する機会はあまりなかった。。そして今、私の羽ペンは好奇心に震えている。私の人生において5つ目の補遺を加えられるからだ。それもドール城のような、建築の模範例に関するものを!
私の概説の忠実な読者は主砦、スヴァートルの塔、神々の聖堂、ソリチュードの地平線まで塞ぐ城壁についてよく知っていることだろう。我らの上級王スヴァーグリムは、この石の拳に指を付け加えることが適切だと考えた。今までで最も野心的な案で、建設が始まってから1年も経っていないが、もう完成に近い状態となっている。

この新たな巨大建築は「狼の塔」と呼ばれ、ソリチュードの紋章を飾る高貴な獣にちなんで名づけられている。何と壮観なことか。天を高く押し上げ、スヴァートルの塔さえも小さく見せている!この城の建築に元々使用された石を供給した採石場が、狼の塔の建設にも石を供給できたのはとても嬉しい。資源が枯渇しているという報告は、どうやら事実無根のようだ。

狼の塔の素晴らしい建築について考察するつもりで胸を高鳴らせていたが、残念ながらそれはできない。現在作業を行っている者以外、塔への入場は全て拒否されている。私は研究範囲を示してブルー・パレスに特例を願い出たが、役人どもは拒絶したのだ。私はひるまずに請願を続けたが、どこぞの名もなき小役人からではなく、上級王その人からの返事を受け取った衝撃はご想像いただけるだろう!

「偽王ジョルンが詮索している現状では、狼の塔の内部について秘密を保たねばならない」。上級王スヴァーグリムはこのように書いていた。塔は軍事的に重要なものであり、上級王の実際的な理論を否定することはできなかった。だが、まだ希望はある。「私がこの書状を書いている今も、塔は完成に近づいている」。上級王スヴァーグリムはこう続けた。「完成した暁には、我々の民にとってこの巨大建築物がどのような成果となるか、ソリチュードの人々も理解するだろう」

我々に必要なのは待つことだけだ、忠実なる読者諸君!