シャリドールの蔵書庫 | The Elder Scrolls Online 外部蔵書庫 - Part 2

ストームヘヴンの伝承

Stormhaven Lore

アダマントの塔Tower of Adamant

ソリチュード、吟遊詩人の大学、住宅建築家フレーム 著

ハイ・フロスガーを除いて、スカイリムのどこを見てもディレニの塔のようなものはない。自然のものである大きな山とは違って、その塔は建造物である。しかし伝説が真実であるなら、建てたのは人やエルフではなく、エドラ達ということになる。

イリアック湾にあるバルフィエラの島の中心高く、切り立つ荒涼とした場所にそれはあり、時の始まりから建っている。建物を構成する物質が未知で不朽なことからアダマンチンの塔と呼ばれており、それと第零の塔はムンダスに存在するどの建物よりも古い建造物である。

ディレニのハイエルフは第一紀の始まりからバルフィエラを支配している。彼らは塔を取り囲むごく最近の砦しか所有権を主張できないにもかかわらず、その塔に自身の名を付けている(塔の地下墓地を調査する権利者は誰かという話は、答えのない議論である)。

私はアリノールのハイエルフと協議をしなかったが(する人なんているのか?)、ディレニのエルデン古物研究家である高貴なコロイデンは質問に答えてくれた。彼によれば、塔は神々がムンダスの運命を決めるために集まった深遠の暁紀に建てられたようだ。その頂点で、アルドマーの偉大な神アーリエルが詐欺師ロルカーンを殺して彼の心臓に矢を突き刺し、それを世界に向けて撃ち放ったという。心臓はただ笑い声に似た音を出して生き続けた。

その後、エドラはムンダスの事情から手を引き、ディレニが自身の物としているその塔を去っていった。彼らがそこで見つけた秘密とは何だったのか?今日まで何を隠しているのか?その秘密が何であろうと、ディレニはこんな程度の低いノルドの建築家には秘密を明かさなかった。

しかし、その周囲の8地点からディレニの塔の測量を行った結果、そこに秘密があるのは間違いないことが分かった。周知の建材を利用している前提で計算を行うと、あの規模の建造物を建てることは不可能なのである。

ウェイレスト、湾の宝Wayrest, Jewel of the Bay

(カンバーランド版)

長老サシル・ロングリート 著

ウェイレストはタムリエル西部にある最も輝かしい街の1つである。現代の美しさ、そしてその歴史の輝かしさ。ハイロックにある他のどの街よりも価値がある。ブレトンの文化にこれほど寄与した街はない。その街の賢き者達の魂は通りを見ればすぐに分かる。切り妻造りの屋根、雄大な並木道、香り漂う市場。ウェイレストの人々には、ダガーフォールの人々のように歴史に囚われるのではなく、その真価を見抜く力がある。ウェイレストを訪れた人は皆、近代的な街だと感じるのだが、そこには何世紀にもわたる文明こそが織り成せる魔法が存在しているのだ。

歴史家にとって、ウェイレストが創立された日を断言するのは困難なことである。ビョルサエ川がイリアック湾に注ぐ場所には、少なくとも第一紀800年からいくつかの集落が存在していた。ウェイレストの商人と漁師を取り囲むのは非友好的な集団ばかりであった。オークの首都オルシニウムはどんどん北の方向に勢力を伸ばし、西の島々には海賊や襲撃者が群がった。ウェイレストという名に何ら不思議はない。イリアック湾の東の端まで耐え抜いてきた多くの旅人にとって、ビョルサエにある小さな漁村は願ってもいない宿泊所だったのである。

スカイリム占領時代の自慢気な調査にウェイレストのことは一切言及されていない。ダガーフォールの年代記において、第一紀948年にジョイル王がガイデン・シンジに送った手紙には次のような言及がなされている。「オークはウェイレストの人々をずっと苦しめ、今にも大陸の中心に迫る勢いである」

ウェイレストが実際に栄えたのは、第一紀980年のオルシニウム崩壊の後である。勤勉な商人達が貿易同盟を結成する際の助けとなり、それにより湾での海賊の活動も衰退していった。商人として成功を収めたガードナー家は、街の中に城壁を巡らせた宮殿を建てると、そこで銀行やその他の商売を始めるに至った。ガードナー家のファランゲルは、第一紀1100年にウェイレストが王国と名乗ることを認められた際、王に任命された者である。

ウェイレストは一族によって支配されることになったが、商人が持つ偉大な力は相変わらずであった。多くの経済学者がこう主張する。苦境の中でもウェイレストが無限の富を得られるのは、商人と王のこの奇妙な関係に因るものだと。ガードナー王家の跡はカンバーランド王家が継いだが、ウェイレストの王が革命や暗殺によって退位させられることは決してなかった。ウェイレストの商人としての心を忘れる王は1人もいない。商人と王は互いに尊敬し合い、その関係は互いを強くしているのだ。

ウェイレストは荒廃、干ばつ、天災、海賊行為、侵略、そして戦争をその素晴らしい気質と実行力で乗り越えてきた。第一紀2702年、海賊や襲撃者、そしてスラシアの疫病からの保護を理由に、街の人口の大部分は強制的にガードナーの城壁の中へ移された。より愚かな人々には耐えられなかったかもしれないが、ウェイレストの人々は何世代にもわたって生き延び、タムリエルを豊かにしている。

オーク:我々の中の害獣Orcs: The Vermin Among Us

アブソロン・ソリック 著

奴らは穴をねぐらにして寝る。奴らは大量に繁殖し、腐った肉の臭いがする。賢い読者の諸君、これはスキーヴァーのことではない。オークのことだ。差し迫る脅威、無慈悲な大軍。「待て、ソリック。今や彼らとは同盟の仲ではないのか?」と諸君が言っているのが聞こえてくる。エメリック王の指揮を信じたいのならそれもいい。私達をオルシニウムの獣人に縛りつけている、このカバナントを信じたいのであれば。

しかし、実際諸君の信念は間違っている。王への信頼は間違いだ。この不完全な人間どもには残忍で邪悪な狡猾さが備わっているからだ。狩りをする狼の群れのように、オークは今でも草原に潜んでいる。私達の警戒が緩むのをじっと待っているのだ。陛下のような偉大な方々も、この単純な戦略によって誤りへ導かれるかも知れない。

奴らは今や私達の身近な存在だ。名誉ある獅子の守護団に仕えている。裕福な商人の護衛をしながら、傭兵として働いている。聖堂で聖職者の護衛としても働いている。賢い読者の諸君、分からないか?私達がこの獣達に贅沢を与えれば付け上がるだけだということを?あの粗削りの刃を、私達の鎧に突き刺す機会を与えているだけだ!

ブレトンがやるべき仕事を、奴らはその異常な力で奪っている。奴らの臭く厚い皮は、どんなレッドガードも太刀打ちできない防御を与えている。カバナント領域内の様々な都市で、オークが女性を強姦して異常な混血児を発生させているという話も増えている!

読者の諸君、これをどれだけ放っておくつもりか?この不潔な獣にどれだけ屈服するつもりか?私はもううんざりだ!今日、自身の村で志を同じくする者同士団結しよう。そして、この獣どもに対して反乱を起こすのだ!このくずどもに。この…オークどもに。

かつてOnce

〈告げ示す者〉ベレダルモ 著

かつて、我々は偉大であった。

かつて、バトルリーブは戦争の達人であり、サピアルチは賢く教養があった。かつて、我々はエルセリック海からロスガーの山々までハイロックのすべてを支配した。そしてネードは我らの奴隷であり、道具であった。

かつて、ティリゲルの白鳥ことディレニ・シグナスはバルフィエラとその塔を発見し、自身のものだと主張し、後から来た彼女のクラン全員に彼女の名を冠するように命じた。

かつて、錬金術は、アルテウムの初期のサイジックに入会依頼を受けたアスリエル・ディレニが「試料簡略年鑑」を編集するまでほぼ不明瞭であった。

かつて、レイヴン・ディレニの「エルドリッチ結合の法則」の確立以前は、付呪すべてが大変珍しいものであり、その試行のほぼすべてが失敗に終わるようなものであった。

かつて、アレッシア改革の間、リャン・ディレニは帝国に耐え忍んだ。彼のブレトン軍はディレニのエルフから武器の供給と指示を受け、東はマルカルスとエリンヒルまでを支配するに至った。オルシニウムのオークの要塞は何度も略奪を受けたが、そこを最初に略奪したのは我々ディレニである。

かつて、グレナンブリア湿原の戦いで、エイデン・ディレニの無数の軍勢はアレッシアの大軍に圧勝し、彼らをシロディールに追い返した。

かつて、下級デイドラの召喚でさえも恐れられ避けられていた頃に、コルヴス・ディレニは召喚の法則を体系化した。

かつて、ペレグリン・ディレニは自身の真なる意志をイリアック湾の波に変え、ラ・ガーダの船隊をセンチネルへ追い返した。

かつて、ペラディル・ディレニは石の精霊の軍団を召喚することで、リルモシート遺跡に散らばった瓦礫からたった1日でブラックローズ監獄を建設した。

そう、我々はかつて偉大だった。しかし、個人の功績が何であろうと、シグナス以来ディレニは皆、成功に恵まれることはなくなってしまったのだ。

なぜなら我々はゼロストーンの謎を解き明かせず、それによって守られたアージャント・アパーチャーを開くことができないからである。

成人すると、高潔な血筋のディレニは皆、塔の地下宝物庫へ案内され、ゼロストーンを見せられる。我々はそれに触ることができる。我々が決して使うことができない力、そこに流動する神秘的で並外れた力を肌で感じるのだ。そして隣接する金属製の壁にあるアージェント・アパーチャーを見せられる。その扉にはゆっくりと逆回転する13の輪の錠が付いている。決して開くことができない扉だ。

我々ディレニがストーンから力を吸収するか、アパーチャーを開くことができなければ、間違いなく他にできる者はいないだろう。我々は世界の高みへ戻り、壮大なことを成し遂げる。自身の失敗を受け止めずに済むように。

しかし、我々は死の間際に一度、それぞれの知識、功績を集結させ、もう一度地下宝物庫へと続く階段を作る。清算するために。ただ一度だけ。

大半は1日か2日以内に、死んだ状態か体がひどく捻じれた状態で発見される。私の最愛の人であるヘロンのように、中には生き延びる者もいるが、怪我がひどく、混乱状態で自分達に起きたことを理解できない。

私?私はトルマリン尖塔にある自分の部屋に留まり、昼間はヘロンの世話をして、夜は蔵書庫でアイレイドの書物の翻訳をしている。この生活にも十分満足している。

しかし、古代のグリモアやリブラスの魔術師のことを調べていると、長らく行方不明だった一族のアルケインの書物は秘密にしておくべきなのかどうか、時に疑問に思うこともある。

そこでこう考える。何の役にも立たない知識は存在するのか?そしてこう考える。この知識は何の役に立つのだろうか?

そして私は階下への長い道のりに足を踏み出す。

ただ一度だけ。

ハイロックの騎士団The Knightly Orders of High Rock

タネスのレディ・シンナバー 著

封建的な階級制度へのブレトンの愛着は、最も身分の低い小自作農民からウェイレストの上級王に至るまでハイロックのすべての側面に浸透している。ブレトンの騎士社会の興味深い現象においてこれほど明確なものは他にはない。

ここハンマーフェルで、私達レッドガードは剣の握り方を知る男女すべてに平等な市民権を与えている。そう、私達にも支配階級がある。もちろん文明には指示と管理がつきものだ。しかし、この貴族政治と比べると差はほとんどない。

ハイロックでは事情が異なり、皆が自身の階級の高さがどれくらいかを自覚している。それは、ディレニのエルフの大君主達から領土を解放したブレトンの一族にまで遡る。ハイロック文化の歴史の基盤には、エルフの支配を振り払った気高き勇敢な「ブレトンの騎士」の物語が存在している。この騎士達がディレニをバルフィエラの島に追い払った後、貴族の伝統を守るため、そして有事の際にハイロックができるだけ守り手を持てるように騎士社会を築き上げたのである。

少なくとも話ではそうなっている。今日、ハイロックにあるすべての王国と公爵領は独自の騎士社会を築いており、ブレトン解放の全盛期まで遡ると言われるほどの伝統も備えている。ダガーフォールの竜騎士団、アルカイアのフレイム騎士団、エバーモアの聖ペリン騎士団など、例を挙げればきりがない。

これらの騎士団は、その輝きを放つ大剣と鎖かたびらを正当化するために近頃どんな任務をこなしているのか?彼らの旗と豪華な式典の先を見越せば、騎士団はハイロックの社会において主に2つの目的を達成していることが分かる。

まず彼らは、多過ぎる貴族の息子や娘が満足できるほど「高貴な」職業を与えている。貿易によりハイロックが栄えたように、長い時間をかけて商人という職業は、貴族の子供達にとって君主に代わる職業として受け入れられてきた。しかし、実際には男爵の子供すべてに数字と交渉の才能があるわけではない。これらの数多いる後継者候補にとって、地元の騎士社会には常に自分のものにできる地位が存在する。

2つ目に、下層階級の人々に騎士爵を与えることは、社会(や、成り上がって行く君主)に対する顕著な貢献に対して報いる手軽な手段である。彼らはブレトンの社会において重要な階級を得ることになる。騎士のほとんどはこのケースだが、平民が戦闘以外の功績で騎士爵を受ける場合、その騎士団への在籍は名ばかりだ。そうした「卿」は有事に剣と盾を掲げることを期待されていない。しかし、彼らの功績が貿易において極めて重要なものであれば、新たな「商人騎士」は、騎士団の財政維持に対して、重要かつ持続的な貢献を期待される。

外交や貿易の仕事でウェイレストやエバーモアに来て、輸送会社の頭としてドリック卿が紹介されたり、宿泊所を束ねる経営者としてリザベッテ卿が呼ばれたりしても驚かないでほしい。目の前にいるのは、ハイロックの伝説的なブレトンの騎士の1人に過ぎない。

ブレトン:雑種か上位種か?The Bretons: Mongrels or Paragons?

エリンヒルのファラスタス 著

人間とエルフが交配できることは、神話紀の中期に最初の人間がタムリエルの海岸に辿り着いた頃から知られている。しかし、エルフと人間の交配が広まったのは大陸のごく限られた北西地域のみであり、そこでブレトンという人種が発生したのである。タムリエルの他の地域における人間とアルドマーの子孫との紛争の歴史を考えれば、このような交配がいかにして、またどうしてハイロックで発生したのであろうか?

その答えは、かつてタムリエルの北西部を支配していたエルフのクラン・ディレニの(エルフにとっては)独特な文化の中にある。出会った人間をすべて容赦なく奴隷にするシロディールのアイレイドとは対照的に、ディレニは征服した地元のネードを、単に貴族社会のカーストに組み込んだだけだった。上流階級のエルフは人間を臣下として支配する封建制度を敷き、その権利や特権には望んだ人間を誰でも相手にできる「性交の特典」が含まれた。魅力的なネードとの性交はちょっとした娯楽として考えられ、ディレニの貴族達は、極めて魅力的な人間の臣下をどれだけ抱えられるかを競ったのである。

このような性的関係から必然的に生まれた半エルフの子供は亜エルフと考えられ、ディレニの親の家族に引き取られることはなかったが、ネードの臣下の中でも特権を与えられることがよくあった。これにより、長い時間を経て、「ブレトン」(エルノフェクスの「ベラトゥ」もしくは「ハーフ」から)という名を与えられた混血の人間のカーストがはっきりと形成されるようになった。ブレトンは人間とだけ結婚することを許され、長い時間をかけて彼らのエルフの血はより薄くなり、ネードの外見が濃く出るようになった。

第一紀の頃は彼らも偉大な力を備えていたが、その頃でもクラン・ディレニのエルフは決して数が多くなかった。支配地域の拡大とともに、管理と支配は少しずつブレトンのカーストへと移っていった。第一紀482年に侵攻してきたアレッシアの大軍を打ち負かした後、クラン・ディレニは散り散りになり力を失ってしまった。エルフがハイロックの中央、最終的にはバルフィエラの島に逃れる一方、ブレトンは易々と彼らの跡を継いだ。ディレニが敷いた封建制度をそのまま受け継ぎ、彼らの地位に自分達の貴族を就かせたのである。

ディレニの伝統と自身を区別することを強要されてきたブレトンの貴族は、エルフやエルフに関するすべてを自分達から遠ざけることで新たな即位を正当化した。皮肉にも、古い貴族の家ほどエルフの血が強く残っていたのは言うまでもないが。ディレニは以前の臣下にますます中傷されるようになり、島のクランはさらに隔離されて孤立していった。しかし、彼らは今でも偉大な魔術師として知られており、第一紀907年に起きたレッドガードの侵攻を追い払うほどの力を持っていたことは間違いない。

ブレトンは自身を再定義し続けた。ディレニの支配に抵抗した気高い歴史の神話を創作し、タムリエルの沿岸地方で貿易を行う商人階級を育て続けた。女帝ヘストラとその軍団が第一紀1029年にバンコライ峠に到着した頃には、人間の帝国に加わり、八大神に帰依する態勢が整っていたほどである。レマンの支配下において、ハイロックは第二帝国の中ではおそらく最も安定して栄えた場所であっただろう。

そして、題目の(わざと挑発的にした)質問に戻ってくる。ブレトンは雑種か上位種か?その答えはもちろん両方である(もしブレトンを雑種と呼べば、少しばかりの鋼鉄が飛んできそうだが)。ブレトンという情熱的な人種を見れば、人間とエルフ両方の強さ、そして欠点も同様に体現していることが分かるだろう。

わが使命、わが誓いOur Calling, Our Pledge

ドゥラク修道院長 著

この一団に入ってきた新人はほとんどが私に「霊魂の守人になることの意味とは?」と尋ねてくる。この戸惑いは当然のことだと思う。アズラは道を示して下さるが、それがいつも我々が考えている方法で示されるとは限らない。彼女は私に話しかけてきたが、それも人生で2度である。それも夜に辛うじて聞き取れる穏やかな囁きのみであった。

ドリームシャードとはアズラの贈り物だ。我々が毎晩飲む夢見ずのの薬も同様である。アズラが予見するのは、悪夢の女王ヴァルミーナがこの地にいつ狂気の災いをもたらすのかということだ。我々がそれを止めない限り、数え切れない罪のない命が失われるだろう。

夢見ずの薬を飲めば我々はヴァルミーナの狂気から守られる。そうすれば他の人々を、夢で気を狂わされた魂や犠牲者を助けられるかも知れない。災いの時、我々は立ち向かう。これはアズラ、そして誓いによって示された…我が使命なのだ。

石喰いの聖なる儀式Sacred Rites of the Stonechewers

ネリック・ステロン 著

私は長期間にわたって石喰いゴブリンの部族を観察している。彼らの日々の活動を記録してきて、その習慣や日課に随分詳しくなってきた。ゆっくり時間をかけて、少しずつ彼らのキャンプの境界近くまで近付いた。時々姿を見せて相手に自分の接近を慣れさせるようにも仕向けた。ある時、木の後ろで用を足そうとしていた1人の戦士が私の監視所を見つけ、不平を言いつつ不格好でありながらも使いやすそうな短剣を取り出した時は、私の仕事もここまでかと思った。幸運なことに、部族の呪術師が私の近くへやって来ると、戦士に声を荒げて、彼の剣を振り払ったのだ。呪術師は私を指差して、自分の頭の側でゆっくりと手を回転させた。私が思うに、それはゴブリンの意思表現の1つで、格上の知性を認識したことを意味するのだろう。いわゆるこのような原始生物にそんな学識の一面があるとは誰が考えただろうか?

それ以降、敵対行動は一切なく、彼らの女子供とそれなりの距離を保っていれば、ゴブリン達は私の存在を許容してくれたのだ。時折、戦士が吠えてくることはあったが、私はただ自分の頭の横で手を回転させて「知性的存在」の意思表示を行った。すると、戦士は肩をすくめて自分の仕事に戻っていくのだ。

ゴブリンの宗教的な習慣について知られていることはほとんどないため、私は部族の呪術師を詳細に調べることにした。彼の仕事場のシンボルは骨の棒、おそらく大腿骨だが、その先端に小さな頭蓋骨を取り付けた物であった。その頭蓋骨もおそらくは幼児の物であろう。この頭蓋骨は様々な羽、とげ、そして動物の爪で飾られている。中は木の実の外皮のような物で満たされているため、振るとガラガラと大きな音を立てる。呪術師は、聖なる儀式の招集をかける際や女の食事の給仕が遅い際に、この神聖なシンボルを振り鳴らすのだ。

特に重要な儀式では、呪術師はそのシンボルを胸に当て、それから頭に当てた後、それを空に向けて「モロク!」と叫ぶ。最初私はこれに戸惑った。彼らがヅラゾグや子供を折檻する際に使う言葉「モールク」や糞便に対応する言葉「ムロコー」に類似していたからだ。しかし、少しずつその差異を学び、呪術師が叫ぶ「モロク!」にはゴブリンの神を呼び起こす意味があると、ある日私は気付いたのである。

その言葉がとても印象的だ。「モロク」は「モーロッチ」とそれほど違いがない。まさかゴブリンの神とオークの神は同一のものなのか?

このほどの発見ならウェイレストの大学で終身在職権を得られる!そのためにはこの発見を第三者が確認することが必要だ。だがどうやって?

夢から夢へTo Dream Beyond Dreams

百の預言の予兆 著

メネヴィア、緑多き愛しきメネヴィア、そこにある若いブレトンが住んでいた。彼は歴史的遺産を受け継いでおり、身の周りの世話は人を雇っていたため自分は何もする必要がなかった。間仕切り窓のところに座り、ひし形窓の外で田舎の風景が日の光とともに変化する様子をじっと眺めた。その日彼は、辺りが暗くなり就寝の時間になるまでずっとうとうとと過ごしていた。その後床に入った彼は夢を見たのである。

彼はどんな夢を見たのか?それは自身の所有地の夢だった。しかし日中のものよりも色が濃く、実物以上、さらに汚れのない清らかなものであった。夢のメネヴィアは現実のメネヴィアよりも現実味があり、起きている時よりも寝ている時の方が生を実感できたのだ。毎日彼は間仕切りのところで、夢を越える夢を見る方法を模索した。夢見のメネヴィア、レヴァリメネヴィアで永遠に暮らす方法を。

彼は「レヴァリメネヴィア」と言う。それは祈りの言葉であった。「レヴァリメネヴィア、レヴァリメネヴィア」。彼は何千回もこの祈りの言葉を口にした。すると、その言葉はみるみる「ヴァーメネヴィア、ヴァーメネヴィア」に変化していき、さらに回数を重ねて短くなっていった。そして最後には「ヴァルミーナ」となり、彼は何度もそれを繰り返す。「ヴァルミーナ、ヴァルミーナ」

そこで夢の形でヴァルミーナが現れ、彼のことを天上の夢見人、最初のナイトコーラーと呼ぶと、百の預言の予兆と名付けたのである。目覚めた後も、まだ夢の中にいるようで夢うつつで言葉を発し、彼は他の夢見人を彼のもとへ、レヴァリメネヴィアへ呼ぶのであった。

あなたもすぐに彼のようになれる。ナイトコーラーはそれを夢見てきた。ある夜夢を見たら、そこでその名前を言うのだ。そうすれば彼女が現れる。

霊魂の守人の創設Founding of the Spirit Wardens

信者のサークルの第三の番人、ジャニス・ムリック 著

第1章:ドゥラクの若年時代

ドゥラク修道院長は我々の崇高な指導者であるが、彼がその肩書に満足することはない。巨匠ウグバクがかつて言ったように、その理由はオルシニウムの廃墟での彼の幼少時代に関係しているようだ。オークにしては小柄なドゥラクが、オークにとっては馴染みの薄い神秘主義の道へ進んだのは、兄弟のいじめのせいだというのは誰もが考え得ることである。

ウグバクが言うように、ドゥラクの物語はオルシニウムから始まる。そこでの彼の運命は辛く寂しいものであった。ドゥラクの生活が一変したのは、デイドラ公アズラが囁きかけてきた夜からである。アズラは、ドゥラクが偉大な任務を完遂すると語ったのだ。彼はストームヘヴンへ行き、そこで彼女の名のもとに崇拝者の一団を築き上げる。この一団「霊魂の守人」が混沌の時、ストームヘヴンの人々が悪夢の狂気に苦しめられる時に向けて備えるであろうと。

ドゥラクはこの囁きを兄弟に教えるつもりはなかった。魔法の知識と身体能力が乏しいせいで、すでに嘲笑されていたからだ。彼は杖以外何も持たずにオルシニウムの家を出発し、ストームヘヴンへの長い旅を始めたのであった。

ドゥラクはストームヘヴンへ辿り着くが、「霊魂の守人」の一団をどのようにして築いて、どこで暮らせばいいのか見当もつかなかった。途端に彼は絶望した。ある夜、彼が嘆きの巨人の下で宿りをしていると、再び囁きが聞こえてきた。穏やかなアズラの声が語った内容はムーンリット・モーの西にある丘に隠された道についてであった。その行き着く先で、ドゥラクは草に覆われて見捨てられた古代の大修道院を見つけた。ここが霊魂の守人の本拠地なのだと彼は悟ったのだ。そして、そこがアズラへ通ずる我らが聖堂となったのである。

ドゥラクの指導の下、我々はヴァルミーナによる夢の災いに備えている。我々はストームヘヴンを悪夢から守るために築かれた。命尽きるまでそれを遂行しよう。

ストンフォールの伝承

Stonefalls Lore

エボンハート・パクトへの案内Guide to the Ebonheart Pact

エボンハート・パクトはモロウウィンド、スカイリム、ブラック・マーシュまでの広範囲に広がる各国に結ばれた予想外の同盟で、ダークエルフ、ノルド、自由アルゴニアンが共同防衛のためにまとまったものである。同盟国の大きさと距離のおかげで、パクトは内部の反目や不協和音とは比較的無縁な状態にある。ノルドとダークエルフには自国内で取り組むべき案件が非常に多く、お互い相手に干渉する時間がほとんどない。

エボンハート・パクトが生まれたのは第二紀572年、タムリエル北部への第二次アカヴィリ侵攻に対応するためだった。ノルド、ダークエルフ、自由アルゴニアンは、タムリエルの残りの地域を虐殺と隷属から救うために力を結集した。戦時中に結ばれたこの同盟は、大陸に急に登場した新興勢力となった。最初はダークエルフが昔からの宿敵および以前の奴隷との同盟を維持できると信じた者は少なかったが、色々なことがあった十年が過ぎたのちも、パクトは強力で無傷のままだった。

パクトは「グレートムート」が支配する。各国の種族代表が平等に扱われるこの評議会は、短期と大声で知られるだけでなく、相互の尊重と、どんなことがあろうとパクトを維持しようという驚くべき意志でも有名だ。平等でなければ、ノルドとダークエルフの誇りを満たし、以前は奴隷にされていたアルゴニアンの傷を癒すことができない。

不可欠、というより同盟の最も重要な一部であろうモロウウィンドのダークエルフは、よそよそしく誇り高く、そして非常に奇妙である。彼らは懸命に「劣等の」同盟国への軽蔑を隠そうとするが、現在の危機で競合する他同盟を寄せつけないためには、ノルドの強い武力とアルゴニアンの策略に富んだ機知が必要なのだ。ダークエルフは天才的な器用さと深い経験を武器にして、パクトに不可欠な反応と即応能力を提供している。アルドメリ¥ドミニオンにもダガーフォール・カバナントにもこれほどの力はない。パクトは優秀な戦士と妖術師を配置している。そして他の種族には匹敵するもののない財産がある。3人の生き神、アルマレクシア、ヴィベク、ソーサ・シルがその中にいることだ。

スカイリム東部のノルドは恐れを知らず攻撃的で、勤勉かつ進取の気性に富む。彼らは戦争に秀で、交易で栄え、探検家、開拓者として他に並ぶ者はいない。力強く、頑固で、たくましい彼らには戦いで問題解決を図る習慣がある。ノルドは陽気に戦闘になだれこみ、その獰猛さは敵を恐れ震撼させる。彼らはそれを認め、エボンハート・パクトのための突撃隊という役割を楽しんでさえいる。ノルドは率直で企むところがない。そのためグレートムートの会議では単純な解決法を支持するが、悪賢いアルゴニアンや抜け目のないダークエルフに投票で負けることもよくある。しかし戦場において彼らに勝る者はいない。パクトの将軍はノルドであることが多く、戦場の戦士のほとんどもまたノルドである。ノルドにはこだわりがない。これは戦利品を最初に獲得するという意味でもある。

アカヴィリに対して決然と武力介入したことにより、ブラック・マーシュのアルゴニアンはダークエルフの奴隷状態から自由を獲得し、その教訓から彼らはパクトの重要な一員となった。控え目かつ異質な彼らの無表情と抑揚のない話し方は他の種族に真の動機を理解させづらくしている。それでも彼らには冷静な知性がある。信頼するのは遅く、理解するのは難しいが、生得の敏捷性のおかげで、彼らは魔法も隠密活動も武器も同じように軽々と操ってみせる。長年国境を防衛してきたため、戦争において、より強力で昔ながらの組織化された軍隊に対しての専門家である。陸でも水中でも同じようにやすやすと動ける彼らは、パクト軍のために偵察隊、前衛隊の役割を果たしている。アルゴニアンの文化の他の側面は部外者にほとんど理解不能で、そこには彼らの社会的階級や集団意思決定も含まれる。彼らの代表が説明なしに奇妙な提案をすることがあるが、同盟国は彼らのやることにすべて必ず理由があることを学んだ。

今日、スカルド王の若きジョルンがムートの実質的上級王になっているが、必ずしも同盟全体の支持を得ているわけではない。パクトの一員として同盟を維持し結束させるために奮闘しながらも、各国は各々内部の脅威にも対応しなければならない。野戦でドミニオンやカバナントと対面する前に、未解決のこうした脅威のために自滅する可能性もある。

スカイリムのノルドNords of Skyrim

我が民、我が誇り

フロスムンド・ウルフハート 著

尊敬すべき読者よ。私はフロスムンド・ウルフハート、ノルド人だ。しかし何より重要なのは、私がスカイリムで育ったノルドである点だ。

本書は、タムリエルの人々に、知られるべき我が民について知ってもらい、この地方の真の姿、すなわち争う余地のないその美しさと文化の地である事を理解してほしいという切なる願いをもって書いている。

よく知られている点のいくつかは、間違いなく真実だ。身体的にも、ノルド人は印象的で人目を引く。身長が高く、骨は強く、筋肉は太い。髪は金髪で、先祖からの伝統に則って編んでいる。スカイリムは毛皮となる生物の宝庫であり、そのような有効な資源を利用しないのはもったいないので、我々はよく毛皮を身にまとっている。

ここまで読んだところで、私の言葉の強さと、北方の「野蛮人」としての教養に驚いただろう。そう、多くのノルド人は読み書きができる。子供の頃、父が書き方を教えてくれたのだ。その父も、またその父もそうだった。

スカイリムの子供達がたしなむのは、言語技術だけではない。私たちは職人でもあり、彫刻家が陶器を作るように、我々は代々、鋼の扱いを学んできた。

実際にハイロックとシロディールから来た旅人が、スカイフォージの火で鍛造され、グレイ・メーン家の神業ともいえる職人の手によって危険なまでに美しく磨き上げられた剣を見て、信じられないという様子で嘆くのを私は見た。

だがそんなことが可能なのか、と諸君らは疑問に思うかもしれない。雪と泥に覆われた地から出たことのない者たちに、そのような偉業を成し遂げることができるのだろうか?もう一度言うが、そうした地域的な偏見は真実を曇らせる。

スカイリムの街は、どれもノルドの創意力と職人芸の証だ。主要都市は以下のとおりである。ソリチュード—上級王の王座があるスカイリムの首都。ウィンドヘルム—古く名誉ある雪中の宝石。マルカルス—遥か昔から存在する、岩盤を削って造られた町。リフテン—秋の森の金色の影に位置し、極上の魚とハチミツ酒を生み出す街。そしてホワイトラン—ジョルバスクルを囲むように造られ、高貴なる同胞団や人々から崇拝されるスカイフォージの故郷。

尊敬すべき読者よ、以上が全体像だ。我々ノルドは諸君らの想像通りであり、また、それ以上でもある。

しかし、本書を真実への唯一の入口と捉えないでほしい。馬車または船を予約して、北方へ旅をしてみるといい。スカイリムを自分の目で確かめてみるのだ。神が最初に世界を形作ってから変わらぬスカイリムの姿を、ノルド人と同じ目線で見てもらいたい。

ダンマーの名家の格言Mottos of the Dunmeri Great Houses

ヴィリン・ジリス 著

息子よ、簡単な事実さえ覚えられないお前の無能さのせいで、ことあるごとに我が一族は恥をかく。これはヴァーデンフェルの名家に語り継がれる言葉と、各家が守護者として祀っている聖人たちをお前に伝えるための記録であり、もしお前がまた、我が家の取引相手であるフラール家とドーレス家の商人貴族たちを混同するようなことがあれば、今度こそお前を勘当する。これは改めて言う、お前への最後通告だ。

レドラン家:「レドランは戦士であり、その務めは第1にトリビュナルに、第2にレドラン家に、第3に家族と一族に対し果たされるものである」

—レドラン家の守護聖人は指揮官、聖ネレヴァルである。

インドリル家:「正義は眠らない。インドリルが命じ、聖堂が裁きを下す」

—インドリル家の守護聖人は公正なる聖オルムスである。

フラール家:「公正かつ自由な取引が三大神を称える」

—フラール家の守護聖人は巡礼者、聖ヴェロスである。

ドーレス家:「無知蒙昧の民に文化と真実を広めよ。これが我らの責任であり義務である」

—ドーレス家の守護聖人は、敬虔なる聖ロシスである。

テルヴァンニ家:「力強い意志を表現することが、真の栄誉を先人に与える」

—テルヴァンニ家の守護聖人は殉教者、聖ヴォリスである。

第6の名家、影の家、ダゴス家に伝わる格言が欠けているのにはきっと気づいていないだろう。これはあの家がレッドマウンテンの戦いで滅ぼされ、断絶したからである。そののち残った名家がトリビュナルに捧げる聖堂を建立した。もしダゴス家のことを気族仲間の前で口にしたら、私はお前を勘当する。

気付いただろうが私はここまでで2度、お前を勘当すると警告している。これは私がメファーラやヴィベク卿ほど冷酷ではないということだ。私の心は弱く、お前を家族から簡単に取り除けずにいる。

この文章を肌身離さず身に付けていなさい。そしてこの家訓を見ては我が身の行いを正し、貴族の立場に恥じることのないように。お前の愚かさで我が一族を汚すことのないように。2度とお前を人前で大ばか者と呼ばずにすむことを願っている。

私たちの中のアルゴニアンArgonians Among Us

シル・ロスリル 著

アルゴニアンは鱗に覆われ、知性に劣り、我々の日常生活の一部となっている。モロウウィンドとその周辺地域では、どの都市、どの街にもその姿が見られる。我々の食事を運び、子供たちに服を着せてくれる…しかし実際のところ彼らは何者なのだろう。

アルゴニアンは元々ブラック・マーシュとして知られる地域の出身だ。じめじめとした陰鬱な土地で、沼気を発し、虫がうじゃうじゃといる。その生まれ故郷でアルゴニアンは悪臭を放つ水溜りに住み、原始的な部族の神を信仰している。彼らの民間魔術と単純な部族の軍隊は、人間や勇敢なエルフに対してきちんと防御できたことはなかった。

沼地はシロディール軍により第一紀2811年に初めて制圧された。この残虐で気まぐれな人間たちは、人間の山賊王の支配を終わらせるためだけにその地域に侵入したのだった。籠手をつけた手の文明がアルゴニアンの元に入ってからは、彼らの故郷は主に流刑囚の土地の役目を果たした。無思慮で野蛮なシロディール人は無情にも最も暴力的で不安定な犯罪者たちを沼地に放った。

ほぼ600年前、この鱗のある召使の種族の生活にダークエルフが介入した。第二紀の黎明期に我々は本格的にアルゴニアンと共に働き始めた。部族全体がヴァーデンフェル、ストンフォール、デシャーンの安全で乾いた気候の土地に移住した。我々は彼らのかなり恥ずかしい外見を隠すために衣類を作り、世界に送りこんだ。彼らが新しい環境で学び仕えるためだ。我々の気前のよい行為に対して、アルゴニアンには見返りをほとんど求めなかった!それでもあの悪臭放つ地の住民全員が本当に感謝しているわけではない。

事実、我々の時代の密接な協力関係は数年前に終わりを告げた。ナハテン風邪の名で知られる恐ろしい病気が沼地の奥深くの瘴気から生まれ、地域一帯に広がった。アルゴニアンの呪術師の手による産物と噂された病は、爬虫類を先祖に持つ者以外を襲い、数えきれないほどの犠牲者を出した。最も悲劇的だったのは、他の種族がアルゴニアンを疫病を広めた者として恐れるようになったことだ。我々がアルゴニアンを発見の旅に送りこもうとするたびに、拒絶されてしまった。

現在、もちろんアルゴニアンはエボンハート・パクトにおいて共に立ち並んでいる。かつては単なる召使だったが、今はこの単純な爬虫類の評価が高まった。彼らは我々の軍事同盟において強力で誇り高い貢献者であり、家庭においては家族の面倒もよく見てくれる。

私たちの中のアルゴニアンは、生活を豊かにしてくれる存在だ。

先人とダンマー(要約)Ancestors and the Dunmer (Abridged)

彼らと共に歩む亡霊

ダンマーの死者の魂は、他の種族でも皆そうかもしれないが、死後も生き続ける。亡くなった先人達の知識や力はダンマーの家に恩恵をもたらす。生きている家族と先人を繋ぐものは血や儀式、そして意志である。結婚したことで新たにその家族に加わった者は、儀式と家に対する誓いを行うことによって家の先人と交流を図り、恩恵を受けられるようになる。とはいえ、結婚して家に加わった者は純潔の者と比べると先人との繋がりは薄く、自分自身の先人との繋がりも保ち続ける。

家の祠

それぞれの家にはその家の祠がある。貧しい家では、家族の遺品が置かれて崇拝するだけのただの暖炉棚程度の物かもしれない。裕福な家では、先人専用の部屋が用意されている。この祠は待機の扉と呼ばれ、オブリビオンへの扉を表している。

ここで家族の者は捧げものや祈り、責務の誓い、家族にあった出来事の報告を通して先人達に敬意を払うのである。その見返りとして家族は先人達から情報をもらったり、指導を受けたり、祝福を与えてもらう。このため、先人達は家、特に待機の扉との境界線における守護者なのである。

定命者の戦慄

霊魂は定命者の世界を訪れることを好まず、訪れるのは義務感や責任感によるものでしかない。向こうの世界の方が楽しく、少なくとも冷たくて厳しい、痛みと喪失感に溢れた現実世界より居心地が良いと魂は言う。

狂った霊魂

自分達の意思に反して我々の世界に留まることを余儀なくされた霊魂は、狂った霊魂や亡霊となる可能性がある。死ぬ際の状況が悲惨だったという理由や、人物や場所、物にとても強い感情的な結び付きがあるために留まっている魂もいる。これらを呪縛霊と呼ぶ。

ウィザードが魂を魔法のアイテムに縛りつける場合もある。もしそれが本人の望むものでなければ、その霊魂は狂ってしまう。望んでいた者の場合、正気を保てるか保てないかは、霊魂の強さと付呪師の知識次第である。

他にも、自分達の意思に反して家族の祠を守るために縛りつけられている魂もいる。この苦しい宿命は生きている間、家族にきちんと役目を果たさなかった者に待ち受けている。忠実で立派だった先人の魂は、言うことを聞かない魂を縛り付けるのに手を貸してくれることも多い。

こうした霊魂は通常狂ってしまい、恐ろしい守護者となる。儀式によって彼らは一族の者に害を与えないようになっているが、だからといって彼らの悪戯や気難しい態度を軽減させることはできない。彼らは侵入者にとって非常に危険な存在である。しかし侵入者が霊魂の怒りを見抜き、その霊魂の家に対する怒りをうまくかきたてることができたら、その怒った魂を操ることができてしまう。

オブリビオン

オブリビオンの存在はあらゆるタムリエル文化で認識されているものの、その別世界の性質については様々な説がある。皆が同意しているのはエドラとデイドラが住んでいる場所であり、この世界とオブリビオンは魔法と儀式を通じて交流や行き来ができるということくらいである。

ダンマーはこの世界とオブリビオンの違いについてタムリエルの人間文化ほどは重要視していない。彼らは我々の世界ともう一方の世界を違う性質を持った明確な境界で分割された別々の世界と考えるのではなく、双方を行き来することのできるいくつもの道で繋がった1つの世界として捉えている。この哲学的な視点があるからこそ、エルフは魔法やその実践に高い親和性を持っているのかもしれない。

他の種族から見たダンメリの先人崇拝と霊魂の魔法

アルトメリとボスメリ文化にも先祖を敬う風習があるが、こちらの世界から別の世界に通じる秩序だった幸福な道を大事にするだけである。ウッドエルフとハイエルフは我々の世界に霊魂を引き止めようとすることは残酷かつ自然に反することだと信じているのだ。さらに彼らにとってゴーストフェンスやアッシュピットに先祖の死体の一部を使用することは、奇怪かつ不快な行為と言える。例えば、家族の祠に指節骨を飾っておくことはボズマー(死体を食す種族)にとって冒とく的な行為であり、アルトマー(死者の灰を埋める種族)にとっては野蛮なことなのだ。

タムリエルの人間はダークエルフを教養はあるがオークやアルゴニアンと同じ邪悪な存在と見なしているため、彼らとその文化については無知で、恐れる傾向がある。タムリエルの人間は、ダンマーの先人崇拝と霊魂の魔法は死霊術と関連があると考えている。実際、このダークエルフと死霊術との関連性は、タムリエル中に広まっているダンマーにまつわる黒い噂と少なからず関係しているだろう。しかし、認められた種族以外の儀式で死霊術を行うことはダンマーが最も忌み嫌う行為であるため、これは無知による誤解と言える。

ダークエルフはどんなダークエルフにも、またどんなエルフの死体にも死霊術の魔法を施そうなどとは絶対に思わない。しかし彼らは人間やオークといった種族は動物と大差ないと考えている。そのような種族の死体、または動物や鳥や昆虫の死骸に対する死霊術は禁じていない。

闘争家の兄弟The Brothers of Strife

ニリ・オマヴェル 著

アッシュランドのエルフたちは無敵だと、私の仲間の学者たちに信じこませられただろうか。彼らはレッドマウンテンやその他の勝利、例えばドゥエマーに対する激戦を証拠として挙げる。しかし遠い昔、我らが民はスカイリムの山腹のように広がっていた。その遠い昔、我々はぎりぎりのところまで追いこまれた。

レッドマウンテンの前の時代、我々はチャイマーと呼ばれていた。我々は内海のほとりで何とか食いつなぐエルフの一種族に過ぎなかった。

それからネードがやってきた。今日のノルドは同盟だが、ネードは闇の性質を持つ敵だった。彼らは我々の土地だけを狙い、征服し、略奪した。我々は外交の手を差し伸べたが、撥ねつけられた。移動する集団においてはどんなエルフも格好の的だった。男も女も子供も。

当時の最も偉大な将軍は兄弟だった。バルレスとサダルは敵軍に対する意気盛んな戦士を率いた。最初は敵をアッシュから追い払おうという試みだった。戦争が続くにつれて、彼らの行動は純粋に防御と方向転換に変わった。チャイマーの部隊が血をもって村の民を避難させられるのであれば、その血は流す価値があったとみなされた。

ネードは数年後、我々が今ストンフォールと呼ぶ地のほとんどを支配した。チャイマーの軍隊は内海から追放され、援軍はヴァーデンフェルから切り離された。兄弟は撤退を重ね、最後には選りすぐりの妖術師と部隊からなる小さな集団だけが残った。この集団はその後、古代のデイドラの遺跡に避難した。

遺跡で起きたできごとは歴史の中に埋もれてしまったが、現在、その地を特徴づける大量の像が無言の証人として残っている。チャイマーの将軍たちの死により戦争は終わった。だが、その代償は?

この遺跡でいわゆる闘争家の兄弟が生まれた。私の研究によればヴァーデンフェル出身のチャイマーの魔術師がどうやら獣を支配したらしいが、それまでには兄弟が何百人もの人間とエルフの命を奪っていた。我々の民の最も暗い歴史がその後に続いた。止まらなくなった獣がアッシュを駆け回り血で染まらせたのだ。チャイマーもネードも同じように。

兄弟がどうやってニルンに持ち込まれたかは推測するしかない。デイドラ公が彼らを遺跡へ召喚したのかもしれない。笑うシェオゴラスか、ボエシアからの厳しい生き残りの試験かもしれない。

二匹の野獣は最終的にストンフォールの双子の尖塔に突き立てられ、爪で汚した血の歴史と共に休息についた。我々は彼らのような者が二度とアッシュランドに現れないよう希望し、トリビュナルに祈らなければならない。

名家とその特権The Great Houses and Their Uses

テル・ヴェラノ 著

アッシュランドに住めば厳しい暮らしに慣れるだろう。怒れるクワマー、毒キノコ、部族の襲撃者。どれも相手を殺そうと狙っている。みすみす殺されることのないように。

ここにダークエルフの名家に関する覚書をまとめる。使うもよし、使わぬもよし。判断は任せる。ただドーレス家の奴隷キャラバンにいる自分に気づいたとしても、テル・ヴェラノに忍び寄るのは勘弁してほしい。

インドリル家

内海の南岸近くのどこかにいるなら、インドリル家が采配を振るっていることだろう。アルマレクシアの犬たちはストンフォールとデシャーンの有力な家のほとんどの主導権を握っているし、ドーレス家には金があり、レドラン家には武力がある。だが騙されてはならない。青い帽子がアッシュランドの精神的中心を握っているのだ。

彼らの紋章を見たことがあるだろうか?翼があって、我々の頭上を高く飛べる。彼らは我々をそんな風に見ている。自分たちの下に。自分たちよりも遥か下に。ストンフォールの軍隊は地域で最も強力な軍隊のひとつで、インドリル家の戦争の英雄、タンバルがその頂点にいる。

ヒント:誰よりも先にインドリル家の軍隊に賄賂を渡すべし。彼らは最も顔が利く。聖堂に侵入しようとしないこと。砦のようなものだから。インドリル家の服を着た者はストンフォールとデシャーンに重要な影響力がある。もっと簡単な目標を探せ。

レドラン家

義務。名誉。愚行。一般の民はレドラン家をパクトの強力な利き腕と考えている。野外でパクトの士官の集団を見かけると、彼らは最も印象的な帽子がこの誇り高き一族に属しているように見せかける。

現実は少し違っている。赤い帽子の部隊は確かにパクトの軍隊を動かしてはいるが、下から支えているのであって、上から支配しているのではない。アルゴニアンの偵察部隊とノルドの狂戦士たちもまた多くの部隊の指揮を執っている。この話を隠そうとする理由?高潔なレドラン家はそもそもパクトが組織されたことをいまだに快く思っていないのだ。彼らの軍人らしい大胆さはアルゴニアンの隠密ぶりとノルドの勇気に比較するとやや薄っぺらく見える。

彼らの諺からひとつ引用しよう。「人生は厳しい。判断し、我慢し、熟考せよ。軽率な人生は生きる価値がない」それですべてうまくいっていたのは、外見の異なる民が来るまでのことだった。その後は、嘘をつき気取って歩く庶民の時代となった。

ヒント:レドランの部隊はユーモアのセンスはないが、強欲だ。充分なものを提供すれば、自分の母親でさえ売り飛ばすだろう。レドランは絶対に面と向かって侮辱してはならない。いや、どんな状況であれ侮辱してはならない。彼らは訓練場で噂話をする傾向がある。スリを働く気なら、レドランは格好の標的だ。逃げ道だけは確保しておくように。さもないと思っているより早くトリビュナルに合う羽目になるだろう。

フラール家

フラール家は称賛しないわけにはいかない。パクトの連帯に関して有言実行してみせたのだから。だが古くからの敵や奴隷を急に愛するようになったというわけではない。いや、フラール家の大師範はただ他のほとんどよりも賢いというだけのことだ。手を広げてみせれば、背中に隠した短剣には気づかれにくいというものだ。違うだろうか?

最も有力な地位はインドリル家が権利を持つ一方で、フラール家はデシャーンを狡猾に支配している。配下の最大の都市はナルシスで、モーンホールドにさえかなりの影響力を持っている。フラール家の宿屋と大農園はストンフォール南部のここかしこに見られる。その設計図をよく学ぶといい。建築業者の多くは同じ設計図を繰り返し使っている。フラールの宿屋の隠れ場所を一つ知ったら、すべての宿屋について知ったことになる。

ヒント:フラールの部隊はデシャーンのクワマー・クイーンのようだ。彼らに対抗するにはそれを使え。デシャーンの外に出ると、フラール家の者は自分が灰嵐に立っているような気持ちがするらしい。彼らにどこで会おうとも黄色い帽子がよい目印になる。とことん活用するとよい。

ドーレス家

ドーレス家のことは知っていると思っているのではないだろうか。階級の役割に厳格な、血も涙もない奴隷商人。庶民を見るやいなや売り飛ばす傲慢な上流階級。

かなりのところは当たっている。「ドーレスに関わるな」と頭の中にぐるぐる浮かぶことだろう。ただこういう声も聞こえる。「テル、彼らは使い道もわからないほど多くの金を持っている」それもまた正しい。平均的なドーレスの一員は、最も熟練したスリでさえその気にさせるほどの宝石を見せびらかしている。

友よ、その敏捷な指は抑えておくことだ。ドーレスの正義はオーディネーターや地元の衛兵を悩ませることはない。ドーレスに関われば、消えるのみ。死ぬかどこかの上流階級の大農園の奴隷になる。

ヒント:硬貨はすべて奴隷商人の財布に結びつけられている。ドーレスには関わるな。

テルヴァンニ家

この魔術師の家で良い点はひとつだけだ。パクトに関して文句を言わない。彼らが気にかけているのはテルヴァンニの海岸沿いの聖域だけだ。パクトが作られたとき、彼らは予想外の方法でロープを手に入れ、見つけられる限りの室内履きを吐き出した。彼らはトカゲともノルドとも仲良くはない。別の家の大師範を助けるために道を渡ることもしない。簡単に言えば、彼らは古典的な象牙の塔の魔法使いだ。

それ以外の茶色の帽子に関する話は悪いものばかりだ。彼らはドーレス家と同じくらいの奴隷を動かしている。テルヴァンニ家の貴族であるためには、かなりの力が必要だ。きちんとした身なりの茶色の帽子を間違ったやり方で見てしまったら、彼らは相手の顔を溶かしてしまうだろう。彼らは素晴らしい魔法の宝と、干からびた一斤のパンでも取り替えられないような本に同じ価値を見出している。

ヒント:暴れまわるデイドラは私に魔術師の塔を攻撃させることはできなかったが、どうしてもニルンを出たいのならば、炎と霜に対する防御効果を魔法で付与された鎧を勧める。それからできるだけ長く塔を観察すること。そこに魔法の防御の印が見られれば、たぶん修復のために外に出なければならないだろう。路上で幸運に恵まれることがあるかもしれない。新しい略奪品はじっくり観察するといい。宝の中には防御の力が既に備わっているものがある。

様々な宗派:アルゴニアンVarieties of Faith: The Argonians

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

最も同化した少数を除いて、アルゴニアンはエドラもデイドラも崇拝しない。彼らにはタムリエルの他の地域で「宗教」として知られるものが存在しない。彼らがブラック・マーシュのヒストの木を崇めているのは知られているが、祈祷や聖職者や聖堂といったものはないようだ。

アルゴニアンはシシスも崇拝している。神々が生まれるまえに存在した原始的な影と混沌である。タムリエルの民のほとんどとは異なり、彼らはシシスを「悪」とは捉えない。実際、アルゴニアンで影座のもとに生まれた者は誕生時に連れ去られ、闇の一党に捧げられる。闇の一党は社会に不可欠な一部と考えられている。

様々な宗派:ダークエルフVarieties of Faith: The Dark Elves

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

ダンマーは、エドラを崇拝するアルドメリから異端とみなされるチャイマーの子孫である。アレッシア改革はモロウウィンドで起こらなかったため、神殿はタムリエルの他の地とは類似していない。ダークエルフの元々の宗教は「善きデイドラ」と呼ばれるデイドラ公の崇拝だったが、ほとんどの者が「生ける神」トリビュナルを崇拝するようになった。

トリビュナル

アルマレクシア(モロウウィンドの母):

古代チャイマーの伝説からは、彼らが「大脱出」と呼ぶ一件の間にアーリエルの痕跡のほとんどが消えてしまっている。これはアルトマーとの繋がりが強く、彼らに人気があったことが主因だとされている。しかし、定命の各種族が重要視するアーリエルの要素の大半、すなわち不死性、歴史性、そして系統は、モロウウィンドの神聖なるトリビュナルの中でも最も人気のあるアルマレクシアに都合よく反映されている。

ヴィベク(モロウウィンドの主):

ダンマーの詩吟を詠む戦神であるヴィベクは聖なる地の目に見える管理人で、火山の邪神たち相手に警戒を続け、第二紀572年に1日だけ水中で呼吸する方法を教え、モロウウィンドを冠水させてアカヴィリの侵略者たちを排除した件を初め、ダンマーの民を何度も滅亡から救っている。

ソーサ・シル(モロウウィンドの謎):

ダンマーの神、ソーサ・シルは神聖なるトリビュナルの中でも最も知名度が低く、機械仕掛けの秘密都市から世界を作り変えつつあると言われている。

「善き」デイドラ

ボエシア(策略のデイドラ公):

預言者ヴェロスによって代弁されたボエシアは、ダークエルフの神にして開祖である。ボエシアがもたらした光により、やがて「チャイマー」、もしくは変容せし者と呼ばれる一族はアルドマーとの縁をすべて切り、デイドラの理念に基づいた新しい国家を設立したのだった。哲学、魔術、そして「責任ある」建築など、ダークエルフのあらゆる文化的な「進歩」はボエシア由来のものとされている。ヴェロスが古代に説いた説話はいずれもボエシアがあらゆる種類の敵に対し英雄的な成功を収める展開となっており、チャイマーの先駆者ゆえの苦労を反映したものとなっている。ボエシアはアルマレクシアの守護者としても知られている。

メファーラ(両性をもつ者):

メファーラは糸を紡ぐ者、すなわち蜘蛛の神である。モロウウィンドではチャイマーに敵から逃れ、殺す術を教えた先人とされている。チャイマーは小規模の集団だったため、敵は無数にいた。メファーラはボエシアと共に、やがて名家となる部族のシステムを生み出した。また、モラグ・トングも設立している。ヴィベクの守護神とも呼ばれる。

アズラ(黄昏と暁の女神):

アズラはチャイマーらに、自分たちがアルトマーとは別の存在たりえることを教えた先人である。その教えは時にボエシア由来とされることもある。伝説ではアズラは1人の先祖というよりも、一族共通の開祖として登場することが多い。ソーサ・シルの守護者としても知られている。

不在の神

ロルカーン(不在の神):

この創造者、詐欺師にして試練を与える神は、タムリエルに存在するどの神話にも登場する。彼の最も一般的に知られる名前はアルドメリの「ロルカーン」か破滅の太鼓である。彼は父親であるパドメイが始まりの場所に不安定さをもたらして現状を乱したのと同じように、原初の魂を説得、もしくはけしかけて定命の者の次元を生み出させた。その世界が実現すると、ロルカーンは神の中心地から離れ、伝承によっては不本意ながらという説もあるが、原初の神々の創造地をさまよう。彼と彼の「計画」については文化によって大きく違う。例えばモロウウィンドではサイジックの企て、すなわち定命の者たちが創造主である神々を超越する試みに関与しているとされている。

災厄の四柱神「試練の神」

崇拝ではなく、宥め、和らげる対象の敵対する神

モラグ・バル(企みの神、残虐の王):

モロウウィンドで重要な地位を占めるデイドラ。同地ではどこへ行っても策略のデイドラ公ボエシアの宿敵とされている。ダンマー(およびその先達であるチャイマー)の直面する苦境の主な出どころである。伝説では、モラグ・バルは常に名家の血統を壊そうと試み、ダンマーの純血を台無しにしようと試みている。モラグ・アムールに住んでいたと言われる怪物の種族は、前紀に行われたヴィベクの誘惑の結果であるという。

マラキャス(呪いの神):

ダンマーの神話では、ボエシアがアルドマーの英雄神トリニマクを飲み込み、排出したものがマラキャスとされる。弱いが復讐心に燃えた神である。ダークエルフは彼がオークの神王マラクだと言う。彼はダンマーの身体的な弱さを試す。

シェオゴラス(狂神):

シェオゴラスに対する恐怖は広く普及しており、タムリエルのほとんどの地域に見られる。最近の知見では由来がアルドマーの創世話にあるようで、ロルカーンの神性が失われたときに「誕生」したものとされている。重要な神話の一つではシェオゴラスを「シシスの形をしたこの世の穴」と称している。彼はダンマーの心の弱さを試し、名家を互いに裏切らせようとする。

メエルーンズ・デイゴン(破壊の神):

人気のあるデイドラ。火炎、地震、洪水などの自然の脅威に関連づけられている。一部の文化集団で、デイゴンは単に流血と裏切りの神となっている。モロウウィンドではとりわけ重要な神であり、その地の限りなく不毛に近い地形の象徴とされている。

様々な宗派:ノルドVarieties of Faith: The Nords

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

八大神

カイネ(終末の口づけ):

ノルドの嵐の女神。ショールと死に別れている。戦士たちが好んで信仰する。しばしば人類の母と呼ばれる。嵐の声を意味するスゥームを初期のノルドたちに教えたのはカイネの娘たちだとされている。

マーラ(愛の女神):

ノルドの神話で、マーラはカイネの侍女にしてショールの愛人とされている。多産と農業の女神として、マーラは時にアヌアドのニール、すなわち宇宙の女性的基盤であり、創造を生み出した存在と関連づけられている。

ディベラ(美の女神):

八大神の一員で人気のある女神。シロディールでは様々な分派が存在し、女性を尊ぶもの、芸術家や美学を尊ぶもの、性愛の指導を身上とするものなどがある。

ストゥーン(身代金の神):

ツンとは兄弟であるノルドの神で、ステンダールの原型と言える。ショールの盾の従士であったストゥーンはアルドマーの神々と戦った戦神であり、人間たちに敵を捕虜にとる方法と、そうすることの利点を伝授している。

ジュナール(ルーンの神):

知識と秘密を司るノルドの神にして、ジュリアノスの先駆者。気まぐれで戦いを好むノルドの間では人気がなく、崇拝は消えようとしている。

ショール(死の国の神):

ロルカーンのノルド版であり、世界の創世後に人間たちに味方するものの異国の神(すなわちエルフのものなど)の共謀により倒され、ソブンガルデへと送られてしまう。アトモーラの神話では抑圧側のアルドマーに対しノルドらを何度も何度も勝利へと導く血に飢えた武将として描かれている。転落する以前のショールは主神であった。子供たちに神の異名で呼ばれることがある(オーキー参照)。「死んだ神」と考えられるショールには司祭がおらず、積極的に崇拝されている訳ではないが、誓いに使われることは多い。

オーキー(叩く者):

定命の神。オーキーはモーロッチとアーケイの側面を組み合わせている。ノルドの「借り物の神」で、アルドマーがアトモーラを支配していた時期に信仰が始まったようだ。ノルドは自分たちがかつて、オーキーが現れるまではエルフに匹敵する長寿であったと信じている。野蛮な策略により騙されて取引をし、冬を数える運命に縛られたのだとされている。伝説では一時オーキーの邪悪な魔術により、ノルドの寿命がわずか6年間まで落ち込んでいたことがあったそうだが、ショールが現れ、何らかの方法で呪いを解き、その大部分を近くにいたオークに肩代わりさせたものとされている。

アルドゥイン(世界を喰らう者):

アルドゥインはアカトシュのノルド版というべき存在だが、帝国の八大神との類似点は表層的なものにとどまっている。例えばアルドゥインの二つ名である「世界を喰らう者」は、この世を生み出すために前の世界を破壊した恐ろしく強大な炎の嵐としてアルドゥインを描く神話に由来している。ノルドらはすなわち、時の神を創造主でもあり、終末を伝える者でもあると認識している。アルドゥインはノルドの主神ではなく(主神はいない。ショールの項参照)、その恐ろしく、暗い水源的存在と見なされている。

アルドゥインは以前の世界を破壊し、この世界の作成を可能にしている。この世界も破壊し、次の世界の作成を可能にするだろう。アルドゥインは、以前竜教団に崇拝されていた。しかし、竜教団が非合法化されてから長いため、アルドゥインを公然と崇拝する者はいない。

ハルマ・モラ(ウッドランドの男):

古代アトモーラの魔族、「知識の悪魔」で、ノルドたちを誘惑してアルドマーに変える寸前までいったことがある。イスグラモルの神話の大半はハルマ・モラの企みをかわす話がほとんどとなっている。ボズマーとは異なり、ノルドはデイドラであることを否定していない。

モーロッチ(オークの神、山の屁):

ノルドにはデイドラ公マラキャスと同一視されているモーロッチは、戦いを通して試練を与える。モーロッチはハラルド王の世継ぎたちを長きに渡り苦しめた。第一紀660年に竜の壁の戦いでの敗北後、東方に敗走したという。その憤怒は空を憎しみで満たし、後に「夏中の冬の年」と呼ばれるようになったという。

死せる神

ツン:

今では消滅してしまっている、逆境に対する挑戦を司るノルドの神。ショールを異国の神々から守ろうとして命を落とした。

バンコライの伝承

Bangkorai Lore

グレンモリル・ウィルドThe Glenmoril Wyrd

タネスのレディ・シンナバー 著

タムリエルで、グレンモリル・ウィルドの魔女たちほど誤解されている者はいない。第一に、これまで彼女たちについての文献を執筆してきた学者が皆、男性だったのが原因であると私は思う。これはリルモスのキギョー師と、シャド・アツーラのバースト教授による革新的な著作物を完全に軽視しているわけではなく、単に彼らの客観性がその男性優位の文化的先入観によって影響を受け、次第に損なわれてきたということだ。

誤解のないように言うと、私が感情的にグレンモリル・ウィルドの姉妹を理解するに適しているのは私が女である事実のせいではない。それどころか、従来の性的役割における背景において客観的でいられるという能力は、著名な私の小論文「聖人で奴隷の女王:アレッシアとジェンダーの観点」で証明済みである。ゆえに、私はウィルド姉妹のような一方の性のための社会における問題に取り組む比類なき資質を持ち合わせていることになる。

グレンモリル・ウィルドは、自然と自然界を深く尊敬し、デイドラ崇拝に傾く魔女が集まった統制の緩い団体である。種族的には完全に人間だが、魔術結社によってはハグレイヴンやラミアなどの人間の混血もいて、彼女らは大抵自分たちの魔術結社を牛耳っている。彼女たちにとって野生の中で生きていくことは、大抵の場合、農業や牧畜を営む「文明人」の少数民族集団から遠く離れて位置することを意味する。それが彼女たちの本性が理解されない一因になっている。これが原因で、グレンモリルの魔女の魔術結社は、不気味、世捨て人、危険、有害、悪などの言葉で表されることが常なのだ。

実際に、グレンモリル・ウィルドには、これらすべての表現が当てはまった。ただし反論するが、悪だけは違う。彼女らが文明世界と文明の習わしを強固に拒み続けているのは事実であり、魔術結社に男性が入ることを一切認めないのも確かだ。また、自分たちのことを、「自然の法則」を施行する者と見なしているのも事実であるが、それを認めているのは彼女たちだけである。しかし、だからといって彼女たちが悪なのではなく、我々のものとは異なる道徳規範を厳格に守っているだけだ。

さらに、グレンモリルの魔術結社が男性を受け入れない状態で人口の維持を可能にしているように見える事実もまた、近接して住む人々が不信感を抱く対象となっている。ウィルドの姉妹は近所の農家から女児を盗むことで数を補充しているという古い中傷があるが、そのような慣習が立証されたことはない(ハイヤルマーチの沼地に住む悪名高き魔女については除くが、彼女らが崇拝するのはモラグ・バルで、子供の誘拐は彼女らの不快な習慣の中でも最もましなことだった)。大規模になりつつある私の研究によって、ほとんどの魔術結社に関しては、困窮した両親によって連れてこられた、望まれない女児を新規のメンバーとして獲得しているという結論が導き出された。(北部地域における望まれない男児はどうなるかという質問は、おそらく投げかけずにしておくのが最善だろう)

グレンモリル・ウィルドは数的に少数だが、地理的に最東は中央スカイリムのグリーンスプリング魔術結社から、最西はハイロックのイレッサン・ヒルズ魔術結社まで広範囲にわたる。8ほどある最も有名な魔術結社はハーシーンの信奉者だが、西ファルクリースにあるハグフェザー魔術結社はナミラをあがめ、マルカルスの姉妹(都会に住む唯一の魔術結社)はメエルーンズ・デイゴンを崇拝し、前述したハイヤルマーチの沼地に住む魔女たちは、モラグ・バルの信奉者である。

北部の未開地に住むもう一方の主要なデイドラ崇拝者であるリーチの民との関係は、魔術結社によって、そしてリーチの一族によって異なる。ハグフェザー魔術結社、ライムロック・ウィルド、そしてマルカルスの姉妹は皆リーチの民と友好的な関係を持っているが、イレッサン・ヒルズの西の魔術結社とビリジアン・ウッドは、何千年にも遡ってリーチ族たちと争っている歴史がある。これは、イレッサンとビリジアン・ウィルドが、ハーシーンのあまり野蛮でない側面を崇め、ライカンスロープを治癒することで知られている一方、リーチの民がハーシーンのより残忍な側面を好み、ライカンスロープを呪いよりもむしろ贈り物として称賛しているという事実によって説明されるかもしれない。

ということで、これこそが、広範囲に生息するが捕えどころのないグレンモリル・ウィルドの姉妹について分かっていることである。確かに、多くの疑問は未解決のままであるし、なされるべきさらなる研究も残っている。これらの問題に適切に取り組むには、タネスを出て北部の未開地へと個人的な探検に乗り出す必要さえあるかもしれない。ただし、このような価値ある学究的活動への資金援助を申し出る、気前のいい後援者がいればの話だが。

ハーシーンの姿Aspects of Lord Hircine

リーチの民の言い伝え、その5

コロール大学、ジュノ・プロシラス 著

以下は、自らを魔法使いウラキャナックと呼ぶ、ドルアダッチの呪術師による話を書き留めたものである。

「手の指のように、ハグレイヴンの爪のように、熊を殺す矢のように、ハーシーン王の姿は5つある。5つのどれにも出会う可能性はある。どれも真の姿であり、森の中の死である。どれも敬意を払うに値するものである」

「アルラベグと呼ばれる「狩人」に出会うかも知れない。彼は悲痛な慈愛の槍を身に付けている。ハンティング・グラウンドから、新しい獲物を狩るためにここへやって来るか、もともとハンティング・グラウンドにいるユニコーンなどの獲物を、新しい森で狩るために連れてくる。獲物を連れてきてない時に彼と出くわせば、ただでは済まない。野兎役に指名されてしまう可能性がある。そうなったら力の限り逃げるしかないが、逃げ切れはしない」

「ストリーベグと呼ばれる「獣男」に出会うかも知れない。狼の頭蓋骨のトーテムを身に付け、そのうなり声はまるでカース渓谷の地滑りのようだ。子供達のスキンシフターと一緒に狩りのためにやって来るか、新しく子供を養子にして生皮を剥ぐために来る。彼の遠吠えは、星霜の月の真夜中に池が凍るのと同じように体内を凍らせる。死が近づいてくるのが分かるが、逃げることはできない」

「ウリカンベグと呼ばれる「大雄鹿」に出会うかも知れない。そのひづめの音はブラッド・サモンズに鳴り響く。雌鹿と交尾をするためにやって来て、その目的のために魅力的な女性を変身させてしまうこともあれば、群れの中で弱った者を殺すこともある。彼のひづめの音が聞こえたら、群れと走る運命にあり、彼の後についてハンティング・グラウンドに行き、追い回された末に滅ぼされることになるだろう」

「グリベグと呼ばれる「素早い狐」に出会うかも知れない。彼は骨の杖を巧みに操る。定命の狩人達を当惑させるためにやって来て、円を描くように走らせた末で、極端に途方に暮れた状態にして、彼について崖や道のない泥沼を渡らせる。体を激情で満たし、彼を追い求めることしかできなくされてしまうか、彼に利口だと認められて技を教えてもらえるかも知れない」

「フロッキベグと呼ばれる「強大な熊」に出会うかも知れない。爪と牙のトーテムの化身であり、孤独、労働を離れた平穏、そして内なる燃える霊魂の更新を求めてやって来る。彼を刺激して平穏を乱すようなことをすれば、粉々にされてしまうので注意しなくてはいけない。しかし敬意を払って近づき、甘いハチミツ酒を捧げれば、次の戦闘時に熊の心臓の力を授けてくれるかも知れない」

「これらが5つの姿だ。これ以上はなく、あると言う者は無知で愚かな者だ。ウラキャナックがそう言うのだ。これまで私が間違っていたことがあるか?そう言ってるのだから、そうなのだ。ジュニパーの水薬をよこしてくれ」

バンコライ、ハイロックの盾Bangkorai, Shield of High Rock

(イーモンド王による兵士達に向けた最後の演説)

「聖ペリンの騎士、エバーモア衛兵、モウルノスとエフェサスの自由民による市民軍、バンコライの兵士達よ!我々は以前にも、東からの侵略者に対するブレトン王国の防衛の最前線である、ハイロックの盾となったことがあった。これまで幾度も、エバーモアとその周辺地域のブレトンは武器を手に取り、バンコライ峠に軍を配置し、我らが母国を略奪し荒らそうとした者達を追い返した。第一紀の874年、スルジュ戦士長のオークとゴブリンの軍が、レッドガードによってハンマーフェルから送り込まれた際には、通過を阻止して北東への撤退を余儀なくさせ、オルシニウムへたどり着くまで、重い足取りでドラゴンテール山地を通らせた。前哨戦を抜けて我らが母国に入れたゴブリンなど、一体もいなかった」

「そして1029年、女帝ヘストラの帝国軍が、ヴァーカースの吸血鬼であるストリキ王を退位させた際、王は恐ろしいグレイホストを率いて、周囲を火の海にして惨殺を繰り返しながら西へ撤退した。しかしそのコウモリ人間と狼の軍がバンコライ駐屯地に到着した時には、岩に砕け散る波のように倒れた。生存者はヘストラの帝国軍が捕獲して殺した。女帝は大いに感心したため、ハイロックに最初の帝国への加盟の名誉を与えた」

「ルビーの玉座の下でおよそ千年近くが経過した後、アレッシア教団の逸脱行為によって、ハイロックは最初の帝国からの脱退を余儀なくされたが、シロディールの僧兵はおとなしく手を引こうとはしなかった。2305年、修道院将軍プリスクス・マクテータの指揮の下、ブレトンを傘下に戻すべく慈悲と恩寵の帝国軍が送り込まれた。マクテータの狂信者達がフォールンウェイストを端から端まで埋め尽くしたが、バンコライ駐屯地を通ることはできず、信心深い者が気高い者と戦う5ヶ月間の包囲の末、修道院将軍は敗北を認め、面目を失ってシロディールに戻る他はなかった」

「駐屯地がハイロックを防御できなかったことは1度しかない。ダーコラクのリーチの民の大群が、ビョルサエの南岸になだれ込み、それまでいつも我々を守ってくれた北東の尖塔から流れ入った。そしてエバーモアが略奪され、要塞は裏側から襲われた。それでもなお、我々はハイロックのために十分な時間を稼ぎ、ブレトン王国は兵を集めることができ、結果的にはダガーフォールでダーコラクを撃退した」

「今日、東からの侵略者が、シロディールからの帝国軍という形で再び我々を脅かしている。しかし連中は女帝ヘストラの伝説に名高い帝国軍でもなければ、皇帝レマンのよく訓練された兵士達でもない。サルンの強奪者の、堕落した傭兵達だ。おまけにこの帝国軍は、まさしくあの堕落して信念を失った家族の親族が率いている!」

「魔導将軍セプティマ・サルンとは何者だ?追徴課税で自由民を苦しめる以外に、これまでに戦に勝利したことはあるのか?ただの寄せ集めで名前だけの「帝国軍」を、デイドラを崇拝する異端の方法で我々の母国に連れてくるとは、何のつもりなのだ?」

「私は連中をクズと呼ぶ。かつて高貴だった「帝国軍」という名前を汚す行為である。私は連中を暴徒と呼ぶ。そして、我々が壁を守っている限り、バンコライ駐屯地を通させはしないと確信している!」

「どうだろう、聖ペリンの騎士、エバーモア衛兵、モウルノスとエフェサスの自由民による市民軍、バンコライの兵士達よ!先祖の血を裏切って、敵を通してやるのか?あり得ない!今日も、明日も、この先も決してそんなことをさせてなるものか!」

ビリジアンのセンチネルThe Viridian Sentinel

しーっ。もう少し寝なさい。ビリジアンのセンチネルがいるかぎり、ここにはトロールは来ないから。

何だって?ビリジアンのセンチネルの話をまた聞きたいって?もちろんいいよ。さあ、枕に頭を休めてお聞き。

バンコライ北部の者なら、誰もがビリジアンのセンチネルについて知っている。センチネルは、野生のものすべてを森にとどめておくガーディアンだ。センチネルが監視をしている限り、トロール、熊、魔女と仲間の狼。どれも征服された土地には入らせない。そしてセンチネルはいつも監視を続けてくれる。

そんなビリジアンのセンチネルがいなかった時代があると知っていた?ずっとずっと遠い昔のこと。私達ブレトンはディレニのエルフから自由を勝ち取ったばかりで、エルフはまだ苦々しく思っていた。「さあ、お前達がハイロックと呼ぶこの地を所有するがいい」と彼らは言った。「すぐに手放すことになる。私達は塔のある島へ撤退する。アース・ボーンズとの協定を断ち、これらの土地は荒野に返すことになる」

エルフの話し方についていつもそうであるように、私達は彼らの意味したことを理解しておらず、ただ肩をすくませて、この土地を自分達のものにすべく働き始めた。畑を耕し、作物の種をまいた。草原には柵を立て、家畜用に牧草地を作った。道を作り、市場街を建設し、人々が互いに生産物や商品を売れるようにした。何事もうまくいっているように見えた。

しかし、森に最も近い農家で悪いことが起き始めた。軒の下に魔女達が潜み、森に近寄りすぎたブレトン達が森の影の中に消え去ったまま戻ってこないようになった。次第に農民達は森に近い畑を放置せざるをえなくなった。

事態はさらに悪化した。森の中から、恐ろしい生物や獣といった様々なものが、主に夜間だが時には昼間にも現れ始めた。それらの生物は農場をうろつき、農家の家族を脅かし、可能ならば殺しさえした。農民の多くは「荒野から来たあんな生物には太刀打ちできない。さあ、農場を去って街に行こう」と言った。

しかし彼らが街に到着すると、農民にできる仕事は見つからなかった。さらに悪いことに、農民達が街に食料を送り出さなくなったので、食べるものはほとんどないに等しかった。街の住民達は農場を放棄した農民達を責め、農民達は武装した番人を送ってくれなかった街の住民達を責めた。どうすればいいのか、意見をまとめられる者はいなかった。

農家の子供でグリーンワードという名の青年は、とても心配していた。礼拝堂に行って真剣にステンダールに祈りを捧げた。「慈悲と保護の力を持つ高潔な神よ、私達はひどい窮地に立たされており、あなたの助けを必要としています。荒野の獣たちが解き放たれ、私達の土地は荒れた地に戻りかけています。じきに、規律と調和を重んじる定命の者が住める場所はなくなってしまいます。私達自身も獣になってしまい、名前を忘れ、神々に背を向けることになってしまわないかと心配なのです。神よ、どうしたらいいか、どうぞ助言をお与えください」

するとカワセミが礼拝堂に飛び込み、グリーンワードの前にある祭壇に止まった。とても大きなカワセミで、青年がそれまで見たことがないほどだった。カワセミは頭を上に向けると、口笛を吹くようにさえずって、くちばしを鳴らした。グリーンワードには、そのさえずりとくちばしの音に混ざって、話し声が聞こえるようだった。「獣が荒野から出てきたのは、あなた達の名前を忘れ、殺すことが認められている同じ獣だと思い込んでいるからだ。誰かが荒野に入り、獣達に対して、自分には名前があり、征服された土地は没収されたのだと伝えなくてはならない」。その後カワセミは鳥らしくそこを汚してから飛び去った。

青年はお辞儀をして言った。「家族と、征服された土地にいる他の家族のために、私がやります」。彼は父を抱きしめ、母にキスをすると、街を出て荒野の端へ戻った。そこで凶暴な虎と出くわし、虎は彼に襲いかかりそうになったが、青年はこう言った。「名前があって獣ではない自分を襲うことは認められていない。名前はグリーンワード。この土地は征服された土地であると宣言する。荒野に戻って二度とここへは来るな」

するとどうなったと思う?凶暴な虎は言われたとおりにした。植えた狼も、よろよろ歩く熊も、恐ろしいトロールも、危険なスプリガンも、すべて荒野に戻り、それ以上征服された土地には来なくなった。

これをやり終えた時、青年は務めを果たし、家族の元に戻れると思ったが、そうではなかった。荒野から新しい獣が現れる度に、境界線で教えてやらなければいけなかったのだ。そのため、それから青年は森の近くに住み、荒野の端へ歩いて行って、獣に名前を伝えて送り返すようになった。そして人々は彼をビリジアンのセンチネルと呼んだ。

時は流れ、そのうちビリジアンのセンチネルはかなりの高齢になり、やがて境界線へ歩いて行けなくなるかも知れないと思い始めた。彼は心配になった。しかし、鳥から話を聞いたという1人の少女が現れ、それからは2人で一緒に境界線へ行くようになった。そしてついにセンチネルが亡くなり、彼の名前が魂と共にエセリウスへ行くと、少女が新しいビリジアンのセンチネルになり、征服された土地の安全は保たれた。

それ以来これはずっと続いている。この先も続くはずだ。

フォールン・グロットの伝説The Legend of Fallen Grotto

遠い昔、7人の息子と7人の娘を持つ男がバンコライに住んでいた。家族の住まいは、森の外れにある、奥深くまで続く曲がりくねった洞窟の中にあった。

周囲を取り囲む森は、熊、狼、アナグマ、鹿など、ありとあらゆる種類の生物であふれていた。大家族ではあったが、獲物は豊富にいて狩りも楽だったため、空腹とは無縁だった。

「ハーシーンの祝福に感謝しなくては」と男は言った。

そして狩りの神を祭った祠を家の中に建て、ハーシーンに祈りを捧げることにした。洞窟の壁には動物の脂肪と土を混ぜたものを塗った。子供達が狩った鹿から枝角を取って祭壇を作り、妻は皮を編んで敷物を作り、土の地面を覆った。

祠が完成すると、男のその家族は獣脂のキャンドルを灯し、雄牛をあぶり焼きにし、祈りの言葉を唱えながら雄牛の血を祭壇に注いだ。

すると突然、笑い声が聞こえ、雄牛の死に際の鳴き声とその焼かれた肉の匂いに誘われたハーシーンが、彼らの目の前に現れたのだった。

「上出来だ!」とハーシーンは大股で歩み寄りながら大声を上げた。何重もの動物の革に身を包んでいたが、足元は裸足だった。

「私はあなたの忠実なるしもべです」と男は神の前にひれ伏しながら言った。

「信仰心の証明として」ハーシーンは言った。「7人の息子と7人の娘を送り出すがいい。夜明けから夕暮れ、そして夜明けまで、私が満足するまで狩りの獲物にしよう」

男は恐怖で後ずさりした。「そんなことできません!」男は言った。「他のものなら構いませんが、子供達だけはご勘弁を!」

ハーシーンは目をしかめ、洞窟の天井に向けて片手を上げた。そしてもう一方の手で地面を指した。ハーシーンが叫び声を上げると、壁が内側へ崩れ、祠と男の家は破壊された。

捧げ物から上がる煙のように塵が舞い上がり、がれきの中から16体の森のトロールがドシンドシンと頼りなさげに現れ、よろめきながら洞穴から森の中へと入っていった。

ハーシーンが冷たく言った。「獣にするにも値しなかったが、どうせだから狩りをするとしよう」

ライカンスロープ症と生きるLiving with Lycanthropy

時代を超えて、「ウェアウルフ」という言葉を聞く時、それは恐怖と嫌悪からくる叫びだった。しかしこれからは、必ずしもそうではない。セイニーズ・ルピナスに苦しんでいても、生産性のある平穏な暮らしを送ることは可能だとタムリエルに証明するのだ。

掟:暴力的な行動をしたくなる衝動を抑える

社会から遠ざかることで、このシンプルな掟を毎日の生活に適用する方法を学べる。私達の苦境を理解できない者に対して報復するという、野生の願望に負けてはいけない。他者を単なる娯楽目的で殺すべきではない。ハーシーンは私達に、優れた戦闘能力と、普通の人間を超える強さを与えて下さった。この祝福を、他者を傷つけるために利用してはならない。代わりに、他者にも恩恵があるように使わなくてはならない。狩りはやりがいのある趣味にもなり、恩人に感謝する方法にもなる。しかし人間であれ獣であれ、他者を苦しめる方法であってはいけない。

この祝福は、祝福であって呪いではない。おかげで重い荷物を運ぶことができ、疲労することなく長距離を移動できる。このため、旅の商人に向いており、あらゆる種類の肉体労働にも向いている。継続して自制を見せ、他者に暴力を振るわず、空腹感によって殺す衝動に駆られないと証明することで、自分達と家族に敬意を払うことができる。

ハーシーンの祝福に忠実であり続け、ウェアウルフも穏やかでいられると示すことは、私達の務めである。

狩りへの出立The Posting of the Hunt

いかなる者にも人前で言わせてはならない。狩りが中止されてないことも、儀式の宣言がされたことも、古代の務めの存在についても。

純潔な獲物の儀式は、グレートハントとも呼ばれる。この世界を包み込む強力なマジカの流れから魔法のエネルギーを引き込む、古代の儀式である。儀式の作成者と時期については遠い昔に忘れ去られた。しかし正しく行えば、儀式はハンツマンに強大な力と威厳をもたらす。

儀式では、上級犬と下級犬を連れた全能のハンツマンを、定命の生物である人類の狩りにちなんで伝統的に「野兎」と呼ばれる、哀れで不幸な純潔の獲物と戦わせる。ハンツマンは即座にその能力がもたらす強烈なスリルと栄光、そして無力な獲物に対する支配力で満たされ、それと同時に、純潔な獲物の悲劇的で崇高な、究極的に無益な苦境に心を動かされる。儀式のこれ以上になく美的な実現の中で、殺しによって我を忘れる歓喜は、純潔な獲物が抱く悲しみと絶望をハンツマンが認識することによって釣り合いが保たれる。純潔な「野兎」の死体が小さく切り裂かれる中で、ハンツマンは力の悲劇的な不均衡について、そして世界における残酷な不公平について思いを巡らせる。

狩りが始まると、下級犬は緑のクリスタルが映し出す純潔な獲物の礼拝堂の前に集合する。礼拝堂の中では、ハンツマン、上級犬、そして狩りの王が儀式を執り行い、ハンツマン、ハント、そして純潔な獲物を参加者として清める。次に、ハンツマンは礼拝堂から出て、悲痛な慈愛の槍を掲げ、「狩りの務め」を読み上げる。そこには狩りの4段階、すなわち、さらい、追跡、合図、検分における掟と条件が説明されている。

第1段階:さらい。下級犬が地面をさらい、隠れている「野兎」を外に出す。

第2段階:追跡。上級犬が「野兎」を見える所へ狩り出す。

第3段階:合図。上級犬が「野兎」を罠にかけ、仕留めるために漁師を呼ぶ。

第4段階:検分。ハンツマンは儀式で使う悲痛な慈愛の槍を使って仕留め、街の鐘を鳴らして狩りの王を呼び、見てもらう。次に狩りの王は、狩りで悲痛な慈愛の槍を巧みに使った、勇敢なる猟師に報酬を授ける。狩りの王はさらに勇敢なるハンツマンに、次の狩りにおける「野兎」を指名するように要求する(勇敢なるハンツマン自身は次の狩りに参加するとは限らない)。

勇敢なるハンツマン、狩りの王、猟犬が厳粛に守らなくてはいけない「狩りの務め」には、狩りの手法と条件が詳細に記述されている。これらの手法と条件は掟とも呼ばれ、狩りにまつわる詳細がすべて具体的に定められている。例えば、参加できる各種猟犬の数、悲痛な慈愛の槍を使う際の方法などである。さらに掟では、たとえわずかであれ、「野兎」には現実的に狩りから逃げられるチャンスがなくてはならないと定めている。実際には、デイドラの儀式の聖堂に集めると、野兎が狩りから離れた場所へ転移できる、すなわち猟師と槍から逃れられる鍵が6つ用意されているという条件で満たされる。当然ながら、「野兎」が実際に鍵を発見して逃避することは起こりえないが、その形式は守られなくてはならず、鍵に細工をしたり、「野兎」が鍵を発見または使用できる本来のチャンスを削いだりする行為は、恥ずべきものであり、狩りの掟に対する許されざる裏切り行為である。

真のホーリン伝説 パート1The True-Told Tale of Hallin, Pt. 1

「若きファハラジャード王子へ伝えられた物語の歴史」より

おお王子よ、ではお話しよう。ラ・ガーダがたちまちハンマーフェル中に広がって牙の民を追いやり、かつてヨクダ人であった人々が剣を捨て、代わりにシャベルとこてを拾い上げるやいなや平和が生まれた。三世代の間レッドガードは地を掘り、偉大な建造物を数多く砂漠の上に建立した。また、我らが民は皆、その偉大さを称える記念碑を建設していたために、剣の道の研究を行う者はほとんどいなかった。

今のアリクル東部、そしてバンコライの峠の南部に、立派であり続けるオジュワ女王によって見事な街が建設され、すべて白い石と縦溝掘りの柱に彩られたその街の名は、非常に高名な女王のその名にちなんで、オジュワンブと名付けられた。その道々と広大な大通りには、商業的かつ創造的なすべての芸術を扱った家や集会所がたくさん見られた。人々は洗練された服に身を包み、輝く宝石で自らを飾り立てて通りをうろつき、美味しいものを食べ、活気ある曲や心静まる曲を聴いた。そして、それについてはすべて、心地よいものであった。

壁によって光が遮られた、取るに足らない街角に立つ「戦いの美徳の間」では、アンセイ最後の戦士、ホーリン師が、剣の道に関心を持ったオジュワンブの若者たちにそれを教えていた。そんな若者は少ししかいなく、同輩から冷やかしや冷酷なからかいを受けたりしたが、それでも彼らは年老いたホーリンから刺激を受け、レッドガードの真の戦士となるまで剣の道を学んだ。後にお分かりいただくように、申し分のない戦士になった。

「竜の尾」という山岳地帯にて未だ潜伏する牙の民が、レッドガードに対する怒りの不満を大げさに示すがごとく、そのぼろぼろになった衣服を引き裂いていた。その中に、謀略によってディヴァドの呪いを逃れたために減退していなかった、ゴブリンの偉大なる領主がいた。悪賢さと活力の両方を備えていたこの巨大なゴブリンは、部族の中で長い間働き、ある日竜の尾にいるすべての牙の民の領主となっていることに気がついた。彼の名は石拳のマーグズールといった。そういうわけでマーグズールは、偉大な剣「骨切り」を掲げて地震のような力強い声で吠え、復讐の日はついにそこまで来ていると宣言した。

それからマーグズールは、竜の尾から「直立軍」を率いて大きな砂嵐のようにハンマーフェルへと殺到したが、その前に立ちはだかる者は誰もいなかった。フォールン・ウェイストの人々は、牙の民の怒りを前に逃げまどい、街が溢れ返るまで、実に多くの者がオジュワンブの壁の向こうに避難した。苦悩と不安の中、市民は泣き叫び、「ああ、オジュワ女王よ。我々のために一体誰が戦うのか?我々は皆、職人に、そして喜びを作る者になってしまった。今や剣の道を忘れてしまったのだ」と嘆いた。

すると、オジュワ女王は民に話しかけ、「剣の道を覚えている者は誰もいないのか?」と言った。そこで、ホーリン師が名乗り出て、女王の前でお辞儀をするとこう言った。「女王様、私はアンセイ最後の戦士です。少なくとも自分が心得ているだけの剣の道を覚えております。できる限りのことをいたしましょう」

それから、ホーリンの弟子たちも前に進み、女王の足元に剣を置いた。しかし、非常に高名なオジュワは、剣の数があまりに少ないことに失望し、取り乱してこう言った。「そのように少ない剣でどうやって直立軍を撃退することができるのか?牙の民は砂漠の砂のように無数にいるのだぞ」

ホーリンはそれでも決して思いとどまることなく、大胆に、「偉大なる陛下よ、ご安心ください。あなたの民はレッドガードです。剣の道を容易に思い出すでしょう。剣の柄をいま一度手に取れば、円環の書からもう一度格言を学び、敵が無数であろうと、全世界のどの民にも匹敵するでしょう」と言った。

「アンセイの師よ、そのようになさい」と、オジュワ女王は答えた。「しかし、レッドガードといえども、剣の道を習得するには時間を要する。しかし我々には時間がない」

「それなら、もっと時間を作りましょう。十分な時間を与えるのが我が任務です。それは我が人生において、最高の仕事となりましょう。オンシのまばゆい刀剣にかけて、与えることを誓います」そして、彼は女王の目の前で剣を引き抜き、剣の仲間への誓いをかけた。驚くべきことに、ホーリンの背丈は巨人の背丈になった。剣の鋭い刃は輝く光になり、皆は注視できなかった。

そのうちに視力が戻った彼らが目にしたのは、いつものホーリン師が、微笑みながら剣を鞘に収める姿であった。すると、アンセイ最後の戦士は、まるでオジュワンブの全市民を抱擁するかのように両手を掲げて言った。「レッドガードの仲間たちよ。私は君たちに、長きに渡って守ってきた円環の書の知識を伝授しよう。どんな脅威であれ対処できるであろう。我が弟子たちが君たちに知識を教えれば、皆が剣の道をもう一度理解するだろう」

それから彼はオジュワ女王に振り向いて言った。「さあ、民を導いてください。偉大なる女王よ。それはあなたにしかできない仕事です。彼らを西へ連れて行き、ハンマーフェルは自ら直立軍との戦いの準備を整えられると、剣の道の評判を広めるのです。私はこの街にとどまり、人々が自らのために戦う準備が整うまで、他のアンセイと共にできるかぎり防衛しましょう」

真のホーリン伝説 パート2The True-Told Tale of Hallin, Pt 2

ホーリン師の言葉をそのまま信じたオジュワ女王は、直ちに兵士に命令し、円環の書からの教練を毎日行わせながらも、アリクルへと向けて西へと進軍させた。ただし、オジュワ女王が行ったのはこれだけではなかった。フクロウの仲間である賢明な女王は、すべてのフクロウに敬意を払い、殺してはいけないと法令で定めていた。そのお返しに、フクロウも女王の願いを叶えていた。だから女王はフクロウの父を呼び出し、オジュワンブで待機してホーリンの防御を見守るように頼んだ。女王は、「街全体を1人の男がどうやって守るのかを知りたい」と言った。

アリクルへ続く秘密の道を進むため、最後尾にいたオジュワンブの人々が門から出たと同時に、東に牙の民の斥候が現れたが、ホーリンはそれに気がついた。なぜなら、彼は年老いてはいたが、その目は鋭かったのだ。

聞いていたのはフクロウの父以外にはいなかったが、ホーリンは言った。「蛇が脱皮をするように、アンセイは過去の殻から新たに現れよう」彼は剣を掲げ、「同胞よ!人々の救援を求める。時が終わるとしたら、その時は今なのだ」と叫んだ。

彼が剣を左に指し示すと、胸壁に沿って北のほうで、蛇皮のようなカサカサという音がした。すると驚いたことに、胸壁沿いに兵士の集団の影ができた。そこには、かつては皆アンセイの女であったらしき者たちが立っていて、ホーリンの方を向いて敬礼をした。ホーリンが右に同じような身振りをすると、胸壁に沿って南のほうで、カサカサという音がした。すると驚いたことに、かつては皆アンセイの男であったらしき者たちがそこに現れ、同様にホーリンに向かって敬礼をした。それから、北と南のすべての者は、輝く剣を抜き、胸壁の上で立って待ち構えた。

牙の民の斥候は、オジュワンブの防衛を観察しようと、直ちに立ち止まった。街の人々が剣の道を忘れてしまったと聞いていた彼らは、胸壁に相当な数の戦士がずらりと並んでいるのを見て驚いた。そして、誰がマーグズール戦士長へこの知らせを届けるかについての相談がなされたが、そのような知らせを伝える者は首を切り落とされるだろうと恐れたために、彼らは口論になり、言い逃れをすることとなった。しかし、最終的には一番小さな者が、心の打撃を受けながらも戦士長への報告を持ち帰った。

そのようにして斥候は、マーグズールに、オジュワンブの壁には奇妙なことに、相当数の防衛にあたる戦士がいると報告した。石拳は瞬く間に斥候の首を打ち落としたが、悪質さも活力も備わっている彼は、よく考えた。そして彼は、「だからどうだというのだ?我々は砂漠の砂ほど無数にいる。このオジュワンブを取り囲んで、入口も出口も離れない。彼らの畑を荒らし、物資の流れを止めて、誰も飲まず食わずにさせるのだ。さすれば、街は陥落しよう」と考えた。

そしてマーグズールは命令を下し、それは実行された。牙の民は外塁の戦利品で暇をつぶし、壁を防衛する戦士たちに罵声を浴びせ、彼らを愚弄した。しかし、戦士たちは何も応じなかった。捕虜を虐待して最低な楽しみ方で時間を過ごしていたマーグズールとその部隊は、オジュワンブの防衛者たちが衰弱し、その数が減少するのも時間の問題であると確信していた。

だが、そうではなかった。戦士長の骨計数機による計算が、市内の食料や飲料の底がついたと示しても、戦士たちはじっと立ち、屈強な様子で、黙っていた。そこでマーグズールは呪術師を招集し、「呪術師よ!我々はレッドガードにばかにされているのか?我々が見ている戦士は、実際に胸壁に並んでいるのか?それとも、ただの影なのか?」と言った。

それで、呪術師たちは前兆を占い、双子の乳児をいけにえに捧げ、東門へ偵察を送ったが、ホーリンはそれを上から槍で突いた。彼らは戻り、こう言った。「いいえ、偉大なるマーグズール様。我々はばかにされてなどおりません。我々が目にしているのは、確かに胸壁に並んだ相当数の戦士です。しかし、いかにして飲まず食わずで立っていられるのかは、私どもにはわかりません」

マーグズールはほんの一瞬で呪術師たちの首を打ち落とし、それから血まみれの「骨切り」を掲げて叫んだ。「戦闘準備だ!隊列を作れ!今夜我らはオジュワンブの血を飲むのだ!」

その戦いを生き延び、話を語るレッドガードは誰もいなかった。しかしそれでも、フクロウの父によって伝えられたために、賢明なオジュワ女王はその事実をすべて知ることとなった。まさに17日もの間、ホーリンとそのアンセイの戦士たちがいかにして攻撃に耐えたかが伝えられた。戦士の数はかなり多かったが、それでも時間と共にアンセイの戦士は減少した。ただし、彼らは蛇皮へと変わるように、殻のみを残して逝った。最後には、東門に立つ者はホーリンだけとなり、「骨切り」を振り上げたマーグズール戦士長が門を押し開けた。すると、ホーリンの体は戦士長に匹敵するほど拡大したように見え、どちらも剣の戦いへと突入した。

長きにわたって剣はぶつかり合ったが、月が昇ると石拳はついに、ホーリンを地面に叩きつける強打を放った。しかし、ホーリンを倒したと同時に、円環の書のありとあらゆる切り込みと突きを心得たホーリンは、剣を振ってマーグズール武将の首を切り落とした。それから両者とも死に果てたが、その死に顔に微笑みと平穏な表情を浮かべていたのは、1人であった。

オジュワ女王はこの知らせを聞きながらうなずき、「それはよろしい」と言った。そして、円環の書のありとあらゆる切り込みと突きを心得たレッドガードの戦士による大軍隊の方を向き、言った。「レッドガードよ!今こそ牙の民から我らの地を取り戻すため、進撃するのだ。もう一度我らの壮麗な街を取り戻したら、それをホーリンズ・スタンドと新しく名付けよう。その日はきっと訪れるであろう」

そのようにして、街の名は、その後ずっとホーリンズ・スタンドと呼ばれている。

野蛮人と獣の生活A Life Barbaric and Brutal

アーセナイス・ベロック 著

第一章:リーチの民による拉致

私は、エバーモアからビョルサエを北へ行った、マルシエン村で生まれた。母は織工で、父は、川貿易用の小さな漁船やコラクル舟を作る船大工だった。少年時代は、父が働く港で遊んだり、森の近くでイッポンシメジのかさやクルミを隅々まで探したりと、幸せだったことを覚えている。

それはある日、後者の遊びをしていた時だったが、私はいつもより村から少し離れて道に迷い、ブライアの茂みに入り込んでしまった。すると突然、いつの間にか気がつくと、1対の人間の頭蓋骨をじっと見つめていた。自分が見ていたものが、杖に乗った頭蓋骨と、その隣にあった頭蓋骨のような模様を描いた女の顔だということに気がついた時には、打ちのめされて縛られ、女の肩に担がれていた。

家から離れ、北へと連れていかれた先は山の中だった。蹴ったり叫んだりし始めると女は私を投げおろし、さらにきつく縛って、おまけに猿ぐつわをかませた。それから女はまた、辺境へと私を運んでいった。結局私は、極度の疲労で気絶した。

目が覚めると辺りは暗かったが、火明かりのゆらめきのおかげで、ぼんやりと物影を見ることはできた。それは、角や骨、そしてくぎや羽毛を身につけた人影だった。リーチの民だ。私は目を閉じて、目覚めようとしたが、それは悪夢ではなかったのだ。目を開けると、彼らはまだそこにいた。

猿ぐつわは外されていたので、水が欲しいと叫ぶと、頭蓋骨顔の女(後にヴォアンシェという名だと知る)が、コップに入れた水を持ってきてくれた。女は縄を確認したが、私が痛みにたじろいだ部分を、実際に少し緩めてくれたのだ。これに私は驚いた。リーチ族は未開人で、残虐行為にふける意地悪なデイドラ崇拝者であるといつも聞かされていたからだ。もしかすると、私がどれほど苦しんでいたかを知れば、解放され家に帰されていたかもしれない。

だがそれは、空頼みだった。私はそのまま、8年間もクロウワイフ・クランの捕虜にされたのだ。リーチの民は、故郷のブレトンで信じ込まされたよりもはるかに複雑で、理解し難かったが、1つだけ間違っていないことがあった。それは、リーチにおいて野蛮な行為と残酷さは、ごく当たり前の日常だったことだ。ヴォアンシェは馬飼いで、前の奴隷が頭を蹴られて死んで以来、馬の世話をする奴隷が必要だったため、私を拉致したのだった。彼女が私に水を与え、縄を緩めたのは、新しい所有物の状態を心配しただけに過ぎなかった。

ヴォアンシェのクランは、クロアブドラというハグレイヴンが牛耳っていたが、かぎつめのような爪をしたこのしなびた婆は、かなりの権力を持った女呪術師だった。彼女は、デイドラの霊魂ナミラという、クモや虫、ナメクジや大蛇といった不快な害獣を制する古代の闇の淑女に仕える女司祭だった。ナミラは有害な小動物の支配者だったので、リーチの民は彼女を「子供の神」と呼んだ(ユーモアがないわけではなかったが、彼らの冗談はいつでも悪意あるものであった)。双子月の闇の度に、クロアブドラはリーチも奴隷も含む一族の子供を抽選で無作為に選び、闇の女神へのいけにえにした。選ばれた子供は、「いつもにじみ出る祭壇」に連れて行かれ、ナミラへの供物としてその心臓を切り離された。いつも自分が選ばれると思っていたが、羽が引かれると、そこに書かれた名前は、いつでも他の子供の名前だった。

クロアブドラの醜い夫は、コインスサックという無作法で暴力的な男だった。彼は墓の歌い手で、死体を意のままにする呪術師だったが、それを私の国では死霊術師と呼んだ。彼はいつも、焼いた鳥肉を見るかのようにヴォアンシェを横目で見ながら唇をなめていた。彼は一族で権力があったし皆に恐れられていたが、ヴォアンシェは高慢な態度で接したため、それは時にコインスサックを怒らせることとなり、夜にテントへ嘲笑する幽霊を送り込まれたり、馬の肥料にライスワームで呪いをかけられたりした。ヴォアンシェはまったく動じず、彼の醜い妻クロアブドラに苦情を出すぞとコインスサックを脅して、いつでも追い払っていた。

リーチでの生活は大変だった。クロウワイフは狩猟クランだったため、荒野の至る所で群れを追いまわすのが私たちの生活だった。それは厳しく危険な暮らしで、大牡鹿の枝角や、サーベルキャットの牙で一瞬にして生命が奪われてもおかしくないような日々だった。しかし、私が最も恐れていたのは、半年ごとにある、ツンドラの群れの後を追ってカース川を横断することだった。私の仕事は、ヴォアンシェとその役立たずの娘が、氷のように冷たい過流を馬に泳いで渡らせるのを手伝うことだったが、毎回これが最後だと、そう思っていた。カース川に捕らえられる度に、2人の兄弟たちのようにビョルサエで水泳を習っていたらと、どれほど願ったことだろうか。

時折、横断の途中で馬がパニックに陥り私たちの手を離れたが、それは大抵、溺れて死ぬことを意味していた。ヴォアンシェと私は馬の死体が打ち上げられている場所が見つかるまで、はるか下流を捜索した。それは馬の皮をはいで、貴重な脂肪や肉、そして骨を手に入れるために死体を解体するためだった。リーチの民の間で、無駄になるものは何もなかったのだ。

カラス妻の奴隷になって6回目の夏(なんと、大嫌いなカースを11回も渡っていた!)、クロアブドラとコインスサックの無礼な息子、アイオックノールに注目され始め、私は迷惑していた。彼はその注目を、私を泥の水たまりに落としたり、シチューにネズミを入れるという形で表現した。アイオックノールは私よりも1歳年下だったが、彼が私を悪ふざけの対象以上の存在にしたがっていることはすぐにわかった。彼はハグレイヴンの息子として、罰を受けることなくやりたいことは大体何でもできたし、ヴォアンシェはクロアブドラに苦情を言って私を守ることはできなかった。横暴な老女はゲラゲラ笑い、手を振って追い払うだけだった。

だから、毛皮の山で寝ているべきはずの夜、私は槍を作り始めた。

マラバル・トールの伝承

Malabal Tor Lore

アビシアンの海賊Pirates of the Abecean

嵐がサラジャ船長の計画に予期せぬ変更をもたらした。彼女は海賊船の裂けた帆と折れたマストを見つめた。つい最近の略奪品が流されただけでなく、風がなくなり修理を終えるまで進めなくなってしまった。

「座礁したも同じですよ」。一等航海士のフルツが険しい顔で言った。

「船がいたら、乗ってる奴らに降りるよう話をつけるさ」と船長はしわがれ声で笑って答えた。「船は動けないがまだ浮いてる。お前は悪いことばかり考えてるな」

「だとしてもずっと…あれは船では?」

サラジャは振り返りニヤリと笑った。「未来の我々の船ってことだ」

フルツは距離を見て思慮深く言った。「そう遠くはない。ボートを降ろしましょう」

すぐに乗組員のカジートたちは船に乗り移る準備を整えた。砂州に錨を降ろしたその船は無傷なようだ。近づきながらサラジャは動きがないか船と空の境を見る。静かなものだ。略奪の機は熟した。

フルツが暗い船体をゆっくりと探りながら登っていく。仲間たちが網を張り乗船できるよう、こちら側に警備がいたら彼が抑えなければならない。そっと甲板に上がると、フルツは船首と船尾にちらりと目をやった。警備はいない。手すりから身を乗り出して仲間に合図を送る。

次々と海賊たちが乗船し、武器を抜いて音を立てずに歩き回る。静かな船に全員が乗り込んだ。

「遊覧航海には大きすぎますね」とフルツが船長に囁いた。「それに武装の割に静かすぎる」

サラジャは船室の扉を示して頷いた。「あそこに隠れてるんだろう」と囁く。「我が船から降りてもらおうじゃないか」

ときの声を上げてフルツが船室のドアを蹴り破った。爪を出し武器を構えた海賊たちが彼に続くが、10歩も行かずに足を止めた。中は静かで暗い。

「どうなってるんだ?」

「早く!明かりをくれ!」

海賊の1人がほくちと火打ち石を打つ。ゆっくりとたいまつを掲げると、室内いたるところにある鏡にほのかな明かりが映り込んだ。

「なんてこった!コスリンギだ!」

「コスリンギの死体だ!」

サラジャは壊れた船に戻るよう全員に命じるが、もう手遅れだった。紅き船を見て、生きて戻った者はいない。乗組員たちは見る以上のことをしたのだ。

ヴァレンウッド:研究Valenwood: A Study

公文書保管人 エンダラナンデ 著

アルドメリ・ドミニオンの多くの命がヴァレンウッドで生まれている。緑の森に覆われ、多様な動植物で溢れかえるこの地は、古きエルノフェイから来た最初のエルフたちの一部にとっては故郷である。

時と世代を経て、この初期の移住者たちは森に適応していった。新たな獲物たちを研究してステルスや巧妙さを身につけた。やがて彼らはボズマーことウッドエルフとなった。アルトマーより小柄で、勤勉かつ機敏な彼らは射手や斥候として名高い。

果敢な戦闘員としてのボズマーにはグリーンパクトという独自の強みがある。ボズマーの伝説によると、森の神イフレが敵を破る方法を授けたのだという。ただしヴァレンウッドの植物を食べたり傷つけたり、収穫することはしないのが条件だ。

グリーンパクトの一つの結果であるワイルドハントも有名だが、これについては語らないでおこう。

ボズマーはよその土地から救いを求めてヴァレンウッドに来た者を歓迎する。この点について彼らは、近縁の生粋のアルトマーとは大きく異なる。我々は尊厳を維持しようとするが、ボズマーは若木のようにたやすく他者の意志に従うのだ。

乱暴で愚直だが、このウッドエルフたちはドミニオンにとって不可欠な存在である。我々の同盟の繁栄のため、失うわけにはいかないのだ。

ヴァレンウッドのアイレイド都市Ayleid Cities of Valenwood

抄録

グウィリム大学の高名な歴史家 ホムフリー 著 第二紀445年

南部地域におけるハートランド・ハイエルフの輝かしい集落についての調査

…ここで、注目に値するセイヤタタルの街々や現代のブラヴィルの元になったアイレイドの集落に触れるべきだろう。これらはヘヴン、ウッドハース、シルヴェナールといったヴァレンウッドの街に並び、いずれも栄えていた。現在シロディールの中心である場所に白金の塔が建った後、貿易が活性化したことによるものだった。

特に注目すべきは、エルデンルート近くの大学や蔵書庫だ。その地のアイレイドはエルデンの木、別名始まりの木とその周辺に街を築いた。この木がヴァレンウッド全域に種をまいたのだと多くの者に信じられている。

ヘヴンとウッドハースはマオマーの攻撃で徹底的に破壊された。マオマーはヴァレンウッドのアルドマーの進んだ文明に配慮することはなかった。内陸へと進軍した彼らはエルデンルートを居留地にしただけでなく、あの大樹までも奪ったのだ。あのように荘厳なものを傷つけ奪うとは、なんと不埒な部族か。

マオマーはアルドマーの民族的純粋性を保つ伝統を破り、ピャンドニア先住の野蛮な部族と交わった可能性がある。それならば彼らの凶暴性や、本土の偉大なエルフ文化に対する敬意のなさも説明がつくだろう。

ウッズマーThe Woodsmer

ウィローレッグは足首をさすった。折れてはいない。捻っただけだ。彼は慎重に足に体重をかけ、立ち上がった。よし。耐えられそうだ。ヴァレンウッドを旅しながら、よく転んでいた。彼の片足はもう一方より細く、時々それを忘れてしまうのだ。

「さて、ここはどこか突き止めるか」。ウィローレッグは言った。頭上高く出揺れる木々の葉を見上げると、その間に青空が時折見え隠れする。ウッドエルフでなければ、そんなわずかな眺めからは何もわからない。ウィローレッグはすぐにまた歩き始めた。

すぐに、自分だけではないと気付く。彼の左手に別のウッドエルフがいた。ぼさぼさの濃緑色の髪を顔の周りに垂らしている。一人旅に慣れている彼は、その静かな同行者が彼を追い越さないよう、歩く速度を合わせていることにも気が付いた。

「あんたもファリネスティに?」。ウィローレッグは訊ねた。

「ああ」

ウィローレッグは気さくに続けた。「移動前に夏の地に着けるといいんだが」

緑髪のウッドエルフは言った。「大丈夫だろう」。これ以上話したくなさそうな声音にウィローレッグは黙って頷き、歩き続けた。

彼らはその日ずっと、黙ったまま一緒に旅をした。ウィローレッグが休憩しようと止まると見知らぬ男も足を止めた。ウィローレッグは水と干し肉を分けてやった。そしてまた、残りの旅路につく。木々がまばらになっていき、ファリネスティがぴったり収まった空き地に出た。

空き地の端で、見知らぬ男は立ち止まりウィローレッグの腕に手を置いた。驚いたウィローレッグは、その緑髪のエルフの肌がザラザラで硬く、樹皮のようだと気付いた。

「ここにいろ」と男は言い、小声で呪文を唱えた。

ウィローレッグは動くことも話すこともできず、男がファリネスティの根元へ行き、表面に額で触れるのを見ていた。木の街は震えると、大地から根を上げてゆっくりと移動を始めた。

緑髪のエルフがファリネスティを連れて歩き去ると、ウィローレッグはかけられた奇妙な呪文が解けるのを感じた。そして手足のうずきとともに動けるようになった。下を見た彼は細い片足が治っているのに気付いたが、靴はなくなっていた。

「ウッズマー」だ。ウィローレッグは畏敬の念を抱きつぶやいた。ウッズマーは森で不用心に迷った者を導く神話の存在だが、道を知る者に恵みを授けるとも言われている。

ファリネスティは南へ移動し、ウィローレッグはどこへ行ったのかと考えた。

ウッドエルフのユーモアThe Humor of Wood Elves

発明家テレンジャーによる収集

発酵飲料で広く知られるバルクワステンには、知る中でも特に気さくなボズマーが暮らしている。種族の特徴でもあるが、彼らは勤勉でたいていの人とうまく付き合える。彼らの醸造方法の調査を終え、地元の家に泊めてもらった。

歴史家として私は、ユーモアを研究すればその文化の多くを学べると考えている。そこで将来の研究のために彼らのジョークを書き留めておく。彼らの娯楽をよく知ればきっと、ボズマーの考え方をより深く理解できるだろう。

スケルトンが酒場に入ってきてこう言ったんだ。「ロトメスをくれ。あとモップも」

Q:なぜ猿が木から落ちたか?
A:死んでたから。

Q.茶色くてボーッとしたものは何?
A.棒だろ。

人物1:俺が木か聞いてみな。
人物2:お前は木か?
人物1:いいや。

Q.レイヴンのどっち側に一番羽毛が生えてる?
A.外側。

Q.頭が3つあって、醜くて臭いものは何?
A.おっと違った!君の頭は3つないな!

Q.羽のように軽いけど、あまり長くは持たないものは何?
A.息。

Q.スローターフィッシュがいるのにボートが沈みかけるのを想像して。どう助かる?
A.想像するのをやめる!

Q.なぜサンダーバグは生肉を食べるのか?
A.料理を習ったことがないから。

Q.なぜハチはブンブン言うのか?
A.口笛が吹けないから。

グリーンレディ、わが淑女Green Lady, My Lady

我が淑女よ目覚めよ、朝が来た
あなたを絹で着飾ろう
髪には羽を編み込んで
足には革の履き物を履かせよう

我が淑女よこちらへ、愛が待っている
今日この日、テーブルを囲もう
宴のテーブルの上は
美味なるごちそうばかり

グリーンレディ、我が淑女よこちらへ
客人たちは集まった
そして陽気で楽しい音楽が響く
イフレの子らはなんと恵まれているか!

結婚披露宴:回顧録The Wedding Feast: A Memoir

別名「裸しっぽ」のナラル 著 日付のない回顧録

子供たちよ、旅で出会うウッドエルフたちの奇妙な性質について理解できるよう、ナラルがこれを書き残します。彼らの恨み深さには気をつけて!

最上位のエルフ2人の結婚の宴のため、何ヶ月も前から準備が始まりました。彼らの結婚は森とその人々が一つであるという証。そのためとても大きな宴なのです。

商人として、王族へのちょっとした食べ物の用意をよく依頼されていました。名は挙げないまでも率直に言えば、ムーンシュガーをまぶしたビスケットをエルデンルートの宴のために何度も用意していました。でもこの結婚の宴では、私にできる以上のことをたくさん要求されて、土壇場での変更を余儀なくされたのです。

牛のスープ50樽については、根菜スープを足すことで30樽分を用意して埋めあわせました。ウッドエルフは死んだ素材にはこだわらないので、手に入る骨なら何でもよしとして出どころは聞かずに骨髄10カゴ分を用意しました。

でも小麦粉を使わないケーキ?そんなの聞いたこともない!それが作れるというウッドエルフのパン職人たちに相談しました。ウッドエルフはよそ者に用意されたのでなければ植物は食べません。それなのに小麦粉なしのケーキを出せというのには戸惑いました。そしてレシピをいくつか入手し卸売業者に確認すると、期限内に必要な量を揃えられる者はいませんでした。

かくして私はケーキ作りを始めました。卵のかさ増しをするため水で薄めます。その緩さを消すためにアロールートと粉末のフラックスシードを加えました。砂糖はケーキで最も高価な材料だったので、使う量を減らすために石灰の粉を足しました。味はケーキに似ていました。とても似ていた。これはかかった時間も金もわずかで、ケーキだけで儲けは2倍となったのです。

でもバターの代用品にしたラードと泡立てたフラックスシードオイルが、多くの客人の腹とこの私に破滅をもたらしました。

ウッドエルフは以降の契約をすべて打ち切っただけでなく私の尾の毛をそり、あわてて逃げた私の所持品や品物も奪ったのです。

子供たちよ、ウッドエルフの宴に商品を提供してはいけません。必ず辛い結果に終わります。

赤い塗料The Red Paint

「このように混ぜなさい」とラカールが言った。湿った粘土とハーブを規則的な動きで乳棒ですりつぶす。「塗料を作るという行為そのものが祈りなの」

ヤシールは自分の石の乳棒を掴むと、器を引き寄せて女司祭をまねた。

叩く!上げる!一つかみのハーブを器にばらまき、また叩く!オークたちは膝をつき合わせて側に座り、曲げた膝で器を支えている。

ラカールは動きに合わせて、そっと詠唱した。徐々に一団の動きが強さを帯びてくると、彼女の声はそれに釣り合う大きさになった。

「モーロッチは!」叩く!

「我々の行いを…」上げる!

「…見ている!」ばらまく!

部族の化粧の準備をするという名誉は、少数の族長の娘たちのものだった。ヤシールはこの輪に加わり座ったことはない。これまではハーブや粘土を集めていて、それ以上はなかった。それが今はラカールの右側という栄誉ある位置に座っている。若いウッドオークは誇りを感じた。彼女は明らかに、見習いに選ばれたのだ!

「モーロッチは!」叩く!

「我々に…」上げる!

「…血をくださる!」ばらまく!

最後の言葉で女たちは頭を後ろにそらせ、モーロッチの叫びを解放した。喉の奥から出た遠吠えが木々の間や近くの崖に響き渡る。ラカールは仕事の完了を合図した。

部族の者たちが列を成す。できたての戦赤の粘土で化粧を施してもらうのだ。ラカールは戦にふさわしくない、あるいは向かないと見なした者を脇へとよけさせる。彼らは化粧の儀式に参加することは許されない。

ラカールに列から出るよう合図され、ヤシールは抗議の声を上げようとしたが口を堅くつぐんだ。ラカールの判断に異議を申し立てるのは不名誉とされる。混乱した怒りで頭を下げたまま、ヤシールは選ばれなかった少数のオークに加わった。

ラカールは選ばれなかった者たちに目をやり、ヤシールを自分の横に連れ出した。「モーロッチは次の儀式を行う者にお前を選んだの。剣を持ちなさい。忘れないで、モーロッチはお前を見ています」

ヤシールの手を引いてラカールは空のボトルの上にかがみ、伸ばした首に若いオークの剣を滑らせた。真の戦士の聖なる血で次の化粧を施すため、彼女が意識を失おうとしていてもラカールの手は緩まなかった。

夫はネレイドに盗まれたA Nereid Stole My Husband

ネレイドが私の夫を奪った
私の夫をネレイドが奪った
海辺の乙女には用心して
次にあなたが慰められないように。

私たちは無邪気に海岸をぶらついて
貝を集めたり石をひっくり返したり
そして声が聞こえ今の私は嘆く
その声、歌は、あんなに高い声で!

すぐに夫は足を速めた
「待って」私は叫んだ「ネレイドよ」
しかし夫はさらに足を速めた
彼女の甘い呼び声には逆らえない。

手遅れだ、ああ悲しいかな、もう遅い
彼の心は傾き、もう深い虜
彼の恐れは運命のように現実に
彼はネレイドの呼び声に従った。

そして彼女は美しく残酷で無分別
姉妹の元へ泳ぎながら叫んだ
「あなたの夫はつまらない
返してあげるわ、背中曲がりの奥さん!」

ネレイドが夫を奪って
すぐに返してきた
かわいそうな私、あの日から
望まれないのに彼の側にいる!

民の声The Voice of the People

変化は風の中に。木々の葉や、水の流れの中に。動物たちですらその違いを感じ取れる。「民の声」は沈黙していた。

シルヴェナールは死んだ。予想されてはいたが、多かれ少なかれ騒動を伴う事態だ。

優先すべきは街か、それともシルヴェナールか?答えを知る者も気にする者もいないようだ。かつて混沌があり、何世代も続く社会構造が現れた。いや、社会構造のようなものだ。むしろ組織だった狂乱と呼ぶほうが近い。

次のシルヴェナールである若い男が、マントを手にしようとする。

「彼らが待っています」と従者が言った。彼女は発酵したスープの入ったアラバスターのゴブレットを差し出す。

「わかっている。少し待ってくれ」。インデニールは儀式のカップを受け取る前に目を閉じ、深く息をした。

シルヴェナール。公式には結婚までこの称号は彼のものではなかった。だが彼はすでに変化を感じることができた。耳元での蛾の羽ばたきのように、新たな身分が彼の脈拍を速めてインデニールに囁いてくる。くすぐったい気分だ。

シルヴェナールはウッドエルフの代表だ。彼もしくは彼女は、民の意思を感じそれに従って行動する。この関係は双方に作用する。彼もしくは彼女は、ウッドエルフに影響を与えうるのだ。

彼の民は緊張していた。

リフトの伝承

The Rift Lore

さまようスカルドThe Wandering Skald

あらゆる蔵書庫がカビ臭い古い物語を抱えている
それは雨と雪の中、運ばれた
だがノルドのスカルドは喜んで人々をもてなす
それは遥か昔に詩人達に広く歌われていた物語

あらゆる本には題名と名前がある
だがそのページはすぐに塵となる
私達の歌う詩は名誉と共に生き続ける
私達全てが信じる時代から

古い物語は遥か昔から伝えられてきた
抑揚と拍子と詩歌と共に
すぐにスカルドの顧客は期せずして知ることになる
「そうだ、私の人生は悪くない」

そして王達は真実を知る
剣や盾よりもましなことを
過ぎ去った若き日々から教えられる
スカルド王には行使する英知がある

よくぞ来てくれた友よ
今夜歌う詩のために
終わることなく夜通し続くだろう
乾杯のハチミツ酒から日の出まで!

セネファンのハチミツ酒の謎Thenephan’s Mysteries of Mead

ダガーフォールから締め出され、エルデンルートから追い出され、モーンホールドから追放されたのには訳がある。私はこの世界にいる限り避けては通れない、人を酔わせるあらゆる物、ワイン、エール、そしてアルゴニアン酒を試してきた。カジートのスクゥーマを試飲し、アルゴニアンのヒストの木を舐め、ボズマーの「魔法」カエルを仕留めたこともあった。

どれもノルドのハチミツ酒とは比較にならない。ハチミツ酒に並ぶようなものは存在しないのだ。

この世界一純粋な酒はノルドの村で作られる。だが今はノルドと戦争中だ。それにブレトンが生きてそこに辿り着ける保証もない。その手のことは専門家に任せるべきだ。だがまだ希望は残されている。もし酒場に行ったとき、そこにノルドのハチミツ酒が置いてあったら、それを飲まない手はない。

ハチミツ酒は発酵したハチミツと水から作られる(糖蜜を使うレシピもいくつかある)。時には、すり潰した穀物を入れて味を調えることもあるが、必ずしも必要というわけではない。ハイエルフの一部はこれを「ハチミツワイン」と呼んでいる、とにかくハチミツ酒には非常に良質のハチミツが必要となる。それぞれのハチミツ酒醸造所には独自のレシピがある。たくさんのハチミツ酒を飲めば、醸造家の名前を自然と覚えるようになる。酔っ払ったノルドは、素晴らしい醸造家の名誉のためであれば、他のノルドの顔を殴りつけさえする。だが酔っ払ったノルドであれば、何かと理由を付けて誰にでも殴りかかるかもしれない。

あらゆる醸造家が、独自に調合したスパイスやフルーツ、そして時にはホップ(これがハチミツ酒に苦味を与え、一部のノルドの舌をしびれさせる)を持っている。詩人や吟遊詩人の伝えるところによれば、英雄の血を混ぜたハチミツ酒もあるそうだ。

あるアルトマーから、醸造はあらゆる文化の根幹を成しているという話を聞いた。だからこそ我々の祖先は農業を始め、街を作ったのだ。そして、小麦と大麦とホップが余り、農業に疲れると、醸造を行う。どうやら酒を飲む文化がノルドを一つに束ねているようだ。

ノルドは本当に農業にうんざりしているようだ。なぜなら彼らは驚くほどのハチミツ酒を造って飲んでいるからだ。素晴らしいハチミツ酒の樽が開くと、ノルドはその樽がすぐに空になると知っているためその周りに集まる。だが、もしノルドの酒飲み文化のしきたりを知らなければ、最後には酔いつぶれて、意識を失い、二日酔いになって、動けなくなってしまうだろう。私はそのしきたりを苦労して身につけたのだ。

ノルドは飲むのが好きだ。だがそれだけではない。ノルドは苦難を乗り越えられる人々を尊敬している。なぜ2人のノルドが「私の顔面を思い切り殴れ」競争をするのかを説明するには大げさすぎるかもしれないが、しかしだからこそ彼らの文化では酔うことを称賛するのである。

吹雪の中を生き抜いたり、鋭い棒きれで熊を倒したりしたときと同じように、ノルドはハチミツ酒を誰よりも多く飲むことで尊敬を得ることができる。彼らは酔うと「ノルドの名誉」について延々と語り出すが、素面の時に比べればまだましである。つまりノルドについて最初に知るべきことは、彼らから尊敬されたければ、飲むのを絶対にやめてはならないということだ。これは試験なのだ。次の酒が飲めなければ、その場から離れなければならない。そうしなければ、とても愉快な場所で目を覚ますことになる、だがその当事者はきっと笑ってはいられないだろう。

ノルドは吟遊詩人も愛している。乱闘や空自慢が頂点に達し、斧を投げ始めるようになると、歌と物語を背景にして観客は大いに盛り上がる。彼らの歌は、彼らがいかに他者より優れているかを語っているものばかりである。彼らはそれを何度も何度も聞いている。だからその場を訪れたら自分しか知らない話をすることをお勧めする。彼らは新しい物語を聞きたがっているのである。

どこにいても、酒は誤りを正したり誤ったりするときの手っ取り早い手段となる。そしてそれはノルドでも同じだ。競争で敗れたら、酒を買わなければならない。失敗したり誰かを怒らせたりしたら、酒を買わなければならない。屈辱を受けたにも関わらず、呆然と立ち尽くすしかなかったら、酒を買わなければならない。

酔っ払ったノルドだらけの部屋を抜け出すには、必ずしも腕っ節の強い人間になる必要はない。彼らの心を動かしたければ、上手く言いくるめるか頭を働かせればいい。だがそのためにはかなりの才能が必要だ。顔を殴られる時を迎えたら、顔面を殴られる準備をした方がいいだろう。殴られるのが嫌ならば、政治や最高の醸造家、さらには誰が一番殴る力があるかなどについては、絶対に話題にしてはならない。そして殴られた理由を決して聞いてはならない。

もっと詳しく知りたければ、ダガーフォールで今度、私に酒をおごってくれ。きっと教えられることがあるはずだ。

ソブンガルデへの道The Road to Sovngarde

語り部達は、ソブンガルデに行って戻ってきたと主張する英雄達の物語を知っている。だが真実のほどは定かではない。偉大なる戦士達は命を落とすことでソブンガルデに向かって歩みを進めることになる、だがもし命のある者がそこに行き、戻ることができたとすれば、前代未聞のことである。

だが語り部はソブンガルデが存在していることは知っている。我らの神がそれを裏づけている、と我々は信じている。ソブンガルデはエセリウスの中心にあり、死亡した戦士達の魂が辿り着くのを待っている。名誉ある戦死を遂げたノルドは、死んだ後にこの地で目覚める。勇気の間では痛みも病も消え去る。酒宴は終わることなく続き、ハチミツ酒が大量に振る舞われ、史上最も偉大なノルド達が、力と勇気の腕比べをする。

この世界の閉じ込められた霊魂は、負け戦や王国の没落、そして目的を失った人々につきまとう、苦しみや空虚や終わりのない苦痛を知っている。だがソブンガルデではそれがないのだ!不死の退屈さというものすら感じることなく、幽霊達はそこかしこにある影に潜み、腕試しをできる相手を待っている。

ショールは大昔にその見事な魔術でソブンガルデの領域を作った。だがこの詐欺師の神は我々の世界から姿を消してしまった。他の神々は彼の欺瞞のベールをはがすべく、見捨てられた力を利用し、この来世の世界へと続く隠された道を探そうとした。だがその試みは全て悲劇に終わった。誰もこの詐欺師を出し抜くことができなかったのだ。言い伝えによれば、ショールはこの領域に引きこもり、彼を出し抜こうとした者を嘲笑っていたとされている。彼はこの世界の支配者でもあるらしく、彼の気の向くままに英雄を選び出して栄誉を与えている。

これはすべて憶測でしかない。尊敬に値する者だけが真実を知ることができる。そして彼らは生者に対して口をつぐむ。この世界のあらゆる苦痛と不幸を耐え抜いた本物のノルドの戦士だけが、ソブンガルデに行けるのである。

リーチのクラン:ガイドClans of the Reach: A Guide

エーセルモ 著

リーチの野蛮なクランの人々と関わり合いを持つ機会、または不運が巡ってきたら、関わりを持つ相手のことを知っておくべきだ。北の都市と穏当かつ平和的に交易を行っているクランも多々あるが、旅行者を脅威や標的とみなしているクランも存在する。

私は研究の過程で、どんな犠牲を払っても特に関わりを避けるべき3つのクランを特定した。

ボーンシェイパー・クラン:

ボーンシェイパー・クランは、トゲのある蔓や植物を用いた数多くの風変わりな儀式を創り上げてきた。クランの名前も、儀式のいけにえの骸骨にそういった蔓を通し、骸骨の中で蔓を育てる彼らの伝統に由来している。この植物は元々リーチにあったものではなさそうだが、彼らは上手に栽培を行っている。

襲撃や戦闘を開始する直前に、彼らはこの蔓で人形を作る。その植物で、生物の大雑把で不格好な似姿を作る。クラン内では死霊術が禁忌となっているようだが、儀式の中には死者を利用するものもある。死体がどんな形で使用されるのかは不明だが、旅行者は彼らの武骨なクランのシンボルを見かけたら、十分な距離を保つべきである。

レイジクロー・クラン:

レイジクロー・クランは、頑丈で好戦的な種類の熊科の動物を家畜化している。この熊は幼いうちから訓練され、クランの特定のメンバーや家族と結び付いている。女性が支配するこのクランは、多くの面で彼らの相棒である動物を模倣している。最も重視されているのはクランの若いメンバーを保護することで、私もレイジクローの家族全体が、子供に対するごくささいな脅威をきっかけに戦いに加わるのを目にしたことがある。

このクランがリーチの他のクランといさかいを起こすきっかけとなっている独特の習慣がある。レイジクローは自分達より規模の小さなクランを制圧し、吸収した上で、レイジクローの流儀に従わせるのだ。新たにクランに加わった女性は、自分達にとてつもない支配権と自由が与えられていることに気づき、変化を楽しむことが多い。男の戦士たちは大人の熊と1対1で闘わされ、熊を1匹服従させることでクランの中での居場所を得るが、こういった巨大な獣の扱いに慣れていないクランの男性は大抵苦戦する。

ストーンタロン・クラン:

最後がストーンタロン・クランである。表向きは上記の2つのクランほど攻撃的ではないが、独特で闘争的なふるまいは多々見られる。レイジクロー同様、ストーンタロンも女系社会だが、女性の数は非常に少ないようだ。目撃される時、女性は皆鳥の羽で作られた重たいマントにくるまれ、まるで病気にでもかかっているような出で立ちをしている。彼らは何か計り知れない目的のために、数々の試練に耐えているに違いない。

いずれにせよ、私が出会ったマントの女性達は1人残らず強力な魔法使いであった。結果として、ストーンタロン・クランは故郷を遠く離れた場所で出会うには最も危険な人々だと言えるかも知れない。

リフテンの利益の河Rivers of Profit in Riften

リフテンの街には冒険を好むならず者の興味をそそるチャンスが満ちているが、隠れた流砂にのみ込まれる危険も潜んでいる。リフトには我々の試みに適した肥沃な土地はほとんどなく、少しの間だけでも立ち寄ることをお勧めできる場所はリフテンのみである。

一旦街に入ったら、「ウィサードツリー」か「シェイドホーム」に仕事の拠点を置くことができる。どちらも違いの分かる旅行者の要求を満たす宿屋である。街をざっと流すと有望な顧客が何人か見つかるだろう。だがここで警告しておく。偵察は常に用意周到に、街のたくさんの商人達から品物を1つ買った上で行うべきだ。街の衛兵隊は活動的で、よそ者に対して異様なほど疑り深く、ノルド以外の人種に対してはことさらその傾向が強い。地元で買った品を持たずにそぞろ歩きしていると、あっという間に監房に入れられてしまうだろう。

街の心臓部を形作る島は、近くにある湖のさわやかな水に囲まれており、商人の屋台がいくつかある。こちらで手早く買いものを済ませれば、衛兵の疑念を和らげるだけではなく、商人が扱っている品物をチェックすることもできる。商品の質や品ぞろえにはかなりの違いがあるため、どの屋台が最も興味深いかについては各自に判断を委ねたい。

北には注目すべき建物が2つある。一般に島内の屋台では手に入らない品物を扱う2軒の老舗である。ロサレン家は手工芸用の素材を扱っており、その中には非常に専門的で貴重な品もいくつか含まれている。このダンマーの一家は、その商品が平凡な街に怪しい魅力を添えているという理由でリフテンの街に受け入れられている。ロサレン家は他のすべてのダンマー同様貪欲で疑り深く、嘆かわしいほど数多くの衛兵を雇った上に、もっと深遠な安全対策も講じている。ここでは貪欲な鉤爪に警告し、大人しくさせるべきである。

ロサレン家の隣にあるのはグラム・アイアンアームの工房である。この引退した鍛冶屋とその家族は、武器や防具の職人として技術を提供している。こういった商売に必要な素材はほぼここでそろうため、リフト中から職人達が訪ねてくる。警備はアイアンアーム一族が行っており、一族の情熱の証として、玄関の上にたくさんの切り落とされた手が釘で打ちつけられている。

衛兵隊長の宿舎や戦士ギルドについて長く語る必要はない。何の見返りも見当たらないのにあれほど深くて流れの速い水に飛び込むのは愚か者のみだからだ。

ああ、しかしリフテンで最も印象的な大建造物、魔術師ギルドのホールは別である!あの中に納められた財宝を想い起こすだけで、私の爪は震える。呪文の一部分に、貴重な巻物、そして強力な魔力を秘めた品々——リフトにしかない貴重なコレクションだ。残念ながらそれを守る護衛はよく切れる頭と破壊力とを兼ね備えている。この建物に入るときはすべての感覚を研ぎ澄ませよ。

水際には街の港がある。単純な者はそこで釣りをしたり、暗い水面をのぞき込んだりするが、我々の中でも貪欲な者はもっと大きな喜びを抱く。港の下層では、海岸すれすれに位置するうっとりするほど湿っぽい倉庫で、人目につかない場所を好む商人が商売を営んでいることがある。ここでは通常どんな種類の売りものにも買い手が見つかる。街の衛兵は港の下層を避けるか、規模の大きい、回避しやすい集団でのみパトロールを行っている。

港の一方の端にある格子戸は、小さな下水道に通じている。現在はネズミの通路でしかないが、リフテンの発展に応じて最終的にはこれが街全体の地下に広がり、秘密の作戦の際にもっと役立つものになるだろう。

ギルドの知識を広げることに貢献できるよう願いつつ、リフテンでの私の体験の記録を提供する。
同志たちよ、潤いを保て。

ここに謹んで提出する
「意志を持った目」

帰還の歌 第5巻Songs of the Return, Volume 5

我らの偉大なる王であり、我ら全ての導き手であるイスグラモルは、キャンプの炎の前に座っていた。ジョルバスクル、ファロウファイア、ケール・カーズの船員達は、彼に食べ物を勧め、自慢話をせがみ、酒をついだ。この土地のいたるところには500の同胞団の愉快な団員達がいた。数々の物語が語られ、哀歓があり、常に焼けた肉の匂いが漂っていた。我ら全ての偉大なる者は、戦士達を全員近くに招き寄せると、ウースラドの鍛造の物語を語り始めた。

導き手が始末したあらゆるエルフは、ウースラドによって殺された。長い戦いの中で、導き手が違和感なく使えた武器は強大なるウースラドだけだった。彼が語ったように、伝説上の斧のほとんどが、夜の最も暗い時に鍛造されたものだった。

それは涙の夜だった。イスグラモルは海を渡ることにした。彼は最後の船に乗り、タムリエルから逃れてアトモーラの岸に向った。そこから彼は、最初の街、サールザルが炎を上げているのをじっと見ていた。膨れ上がった空が炎と海の上に雨を降らせた。そして我ら全ての偉大なる者は、悲痛な涙を流した。

導き手の悲しみは非常に深く、イスグラモルは悲しみを隠すことなく、混じりけのない黒檀の涙を流した。彼の一番上の息子であるユンゴルはその涙を器に集め、暖かく父親を抱きしめた。彼は導き手の偉大なる喉にハチミツ酒を流し込むと、導き手の偉大なる肩を毛皮で包み、導き手を下甲板の偉大なるハンモックに寝かせた。

そして彼は仕事に取り掛かった。我ら全ての導き手の一番上の息子であるユンゴルは、我々が知る限り一番の鍛冶師だった。海の上でユンゴルは自分の道具を使って仕事に取り掛かった。彼は雷を使って夜の涙を温め、海の波でそれを冷やし、勢いを増す風音の中ハンマーを叩き続けた。

イスグラモルが次の朝に目を覚ました時にユンゴルは、昨日の夜彼を打ちのめした悲しみから削り出した強力な斧を彼に渡した。そして我ら全ての導き手は息子を抱きしめた。彼は喜びと、悲しみと、怒りの涙を流した。そして、サールザルからの最後の船の甲板で、イスグラモルはその斧を、アトモーラの言葉で「嵐の涙」を意味する、ウースラドと名付けた。

そして、ここでイスグラモルは言葉を詰まらせた。我ら全ての導き手はユンゴルの名前を叫んだ。ハラックの船員達と一緒にいたユンゴルが、離別の嵐により行方不明になってしまったのだ。イスグラモルの長男であり、彼の一番の喜びでもあったユンゴルは、いつも彼と一緒にいた。嵐の涙に捕らえられたユンゴルは、名誉ある気高い500の同胞団との日々の中で、常にイスグラモルと共にあった。

帰還の歌 第27巻Songs of the Return, Volume 27

ついにシンムールは追い詰められた。我ら全ての導き手イスグラモルは、臆することなく残っていた同胞団を最後の戦いへと導いた。すでに多くの勇敢な同胞達が巨人に倒されていた。そして頑健なヴァルダーとずる賢いハクラが、狡猾な半巨人に攻撃を開始した。彼らの霊魂が長きに渡り讃えられんことを。他の多くの者は、その頃ソブンガルデに向かって神聖な道を歩いていた。彼の血族は全て死に絶え、シンムールだけが我らの偉大なる者に抵抗していた。

百に及ぶ巨人を殺したウースラドは、血を滴らせながら、シンムールの墓地の暗闇の中で鈍く光っていた。イスグラモルは前に進むと、従者達に止まるように指示した。つまり彼は勇敢にも命を賭けてシンムールと戦うことにしたのだ。そしてこの巨人族もそれを受け入れて、大声を上げて挑戦の意志を示すと、戦いにその身を投じた。鉄で強化された彼の巨大な棍棒が敵を潰さんと前に振り下ろされた。我らの王イスグラモルが横に避けると、彼の横にあった岩が棍棒によって打ち砕かれた。ウースラドは血の歌を歌いながら棍棒を切り刻むと、それを麦わらのようにバラバラにしてしまった。

シンムールは怒りに大声を上げると、もはや見る影もなくなったその武器の破片を我らの王イスグラモルの頭めがけて投げつけた。そして彼はイスグラモルを掴むと、握りつぶして殺そうとした。だがその怪物の耳に届いたのは大きな笑い声だった。イスグラモルは額と膝を使ってそれぞれ強力な一撃を放った。シンムールは悲鳴を上げると、我らの王の前に跪いた。

イスグラモルが巨人の頭蓋骨を真っ二つにしたとき、ウースラドは死と歓喜の歌を鋭く響かせた。シンムールから血が噴き出し、死の音が喉元からもれると、イスグラモルは勝利の声を上げた。ウースラドが頭上で振られ、同胞団は大きな歓声を上げた。この巨人とその下劣な一族による略奪行為がついに終わりを迎えたのだ。我ら全ての導き手のイスグラモルの伝説は、このとき強固なものとなった。

帰還の歌 第49巻Songs of the Return, Volume 49

船長達のサークルの命令により、それぞれの船の船員達は各々の判断で船を出すことになり、サークルの伝説的存在、ファロウファイアの船員達を大いに喜ばせることになった。彼らの望みは始末していないエルフ達が住んでいる新しい土地に、人間の恐怖を持ち込むことだった。彼らは自分達の王、イスグラモルの「慈悲の心を捨てよ。思いやりを見せるな」という言葉を深く心に刻み込んだ。

ファロウファイアのために岸に薪が積み上げられた。彼らの愛した船の灰が海に降り注ぐと、アトモーラに向かって流れていった。これにより彼らと故郷との繋がりが完全に絶たれることになった。グリルダ・シャークトゥース船長に率いられたファロウファイアの船員達は、海に背を向けて内陸へと歩みを進めた。

彼らは南に向かい、他のイスグラモルの船員達が手を付けていない土地を探した。彼らはイスグラモルが求めている血の復讐の種を蒔きながら、南へと進んでいった。彼らの斧を目にしたエルフで生き残った者はおらず、彼らが通った後には焼け落ちた住居だけが残された。ファロウファイアは王の怒りを不誠実なエルフ達へ忠実に伝えた。彼らが旅を続ける内に、エルフ達は彼らに対して恐怖心を抱くようになっていった。

グリルダは船員達を険しい山脈の裾野に連れて行った。彼らはそこをイスグラモルの歯と名付け、そこを通り抜ける道を長い間探し続けた。ようやくその道を見つけ出すと、船員達は山を越えて新たな土地へと足を踏み入れた。深い渓谷と流れの速い川で分断されていたことから、彼らはこの土地を「リフト」と呼ぶようになった。彼らはファロウファイアと死んだ同胞達、そしてユンゴルの名の下に、この土地を物色してエルフの村々を焼き払い、出会った者全てをその斧の餌食にした。

ついにエルフ達が戦いを挑んできた。勇敢なグリルダの同胞団と戦うために、臆病なエルフ達は岩の丘の頂上に大軍を集めた。そして実際に攻撃を開始した。苦闘が繰り広げられ、勇気ある決断があり、英雄が生まれた。戦いは時間が経つごとに激化し、その日の太陽が西の山脈の頂上に触れたとき、エルフの軍は崩壊して敗走した。グリルダは多数の武器で刺されて瀕死状態になっており、太陽が沈んでから息を引き取った。彼女の霊魂は、船員達の勝利を知る、ソブンガルデへと登っていった。

その日、エルフによるリフトの支配は終わりを告げた。同胞団は、我ら全ての導き手、イスグラモルの名の下にその地の支配者となり、全てのノルドにその土地を解放した。同胞団は彼らの死を讃えるために、長い間苦心しながらその丘を調査して墓を作った。グリルダは彼女の武器や鎧と一緒にそこに埋葬された。そこにはグリルダと一緒に、船長を守るために戦いで命を落とした、歯なしのベルギッテと鷲の目のカヨルドも埋められた。名誉の戦死を遂げた他の者も同じように埋葬された。墓の入口の周辺には、墓の位置を見失わないように、巨大な石塚が立てられた。

長い間グリルダの一等航海士であった、ひとつ目のヴィコルドは、彼女の後を次いで船長となると、周りにある山々と足下にある渓谷を長い間じっと見つめた。そして彼はここが愛せる場所であり、人々が繁栄できる土地だと考えた。彼は最後には船員達の自由を認め、戦場に大会堂を建設した。ファロウストーンの間はこのようにして、彼らをこの岸まで運んでくれた船に敬意を表して作られた。このとき以来リフトの同胞団はここで暮らしている。彼らの栄光が決して色あせぬことを!

虫の舌の感触Touch of the Worm’s Tongue

13日目:外見上好ましくはないが、厳密に保存用の塩のみを使用した場合に最も転換の成功率が高いことが判明した。

17日目:黒ずんだ体液が器の中に戻ってくる前に、残った血液を(特に基本的な臓器から)すべて抜き取る必要がある。

19日目:時に宿主に死に至るほどの苦痛を与えるが、肺に水を押し込むと、将来的に咳と膿を吐く発作を防げるかも知れない。

23日目:ごくまれな状況下においてのみ、器が前世で抱えていた症状を示すことがある。初期段階でこれが問題となった場合は、作業を放棄する以上の対処法がないことが多い。

29日目:今日、指示された特定のやり方で慎重に準備を整えておかないと、宿主が器を受け付けない場合があることが明らかになった。これは宿主に対する重大な侮辱であり、このような事態を招くほど器の扱いがずさんであったとすれば、軽い扱いでは済まないであろう。

31日目:最近採用された2つの早道は、器の寿命をあてにできない状態を招くことが分かった。準備段階では一切の早道を回避することが重要だ。誤った知識が広まる原因となった者達は処分された。

37日目:我々の未来の輝かしい最初の一例が誕生した。宿主と器は完璧に結びつけられ、結果として驚くべき力が生じている。

予期せぬ味方Unexpected Allies

私がまだ若かった頃、私はスカイリムの東端に立ち、モロウウィンドを眺めていた。ステンダールの灯台からはヴァーデンフェルのレッドマウンテンが見えた。だがそこに行ったことは一度もなかった。他の多くのノルドと同じように、私も国外の土地はその国の人々のものだと考えていたのだ。

およそ10年前の第二紀572年、私の父は異なる道を選択した。第二次アカヴィリの侵攻に抵抗するために、父は同盟を結んでいたダンマーと共に戦った。ノルドが侵略者を追ってストンフォールに入った時、父もスカイリムの兵士としてそこにいた。父から聞いた話だが、外国のさらに奥深くへと進軍していた軍隊は、飢餓状態でもはや壊滅状態だったらしい、だがダンマーがノルドのためにアルゴニアンの兵士達を連れてきてくれたおかげで、軍隊はすんでのところで気力を取り戻せたそうだ。

これは誰も予想していなかった。今考えても本当に驚くべき出来事だ。ダンマーはかつてアルゴニアンを奴隷にしていた、だがその時にアルゴニアンが来てくれたおかげで歴史が変わったのだ。密林から現れた彼らは、血と泥にまみれていた。アカヴィリは彼らの爪の前に敗れ、その仲間のノルドとダンマーの剣と魔術によって打ち倒された。その時に同盟が結ばれ、それ以来その関係は一度も揺らいでいない。

協定はエボンハートで結ばれた。だが戦場で築かれた絆と比べると、これは表面的なものでしかなかった。逆境の炎で鍛造されたこの同盟は、我々をあらゆる侵入者から守るための盾となった。それぞれ文化は異なっているが、その目的が我々を一つにしているのだ。

数年前、ダンマーのトリビュナルから同盟に兵の支援要請があった。シロディールで頭角を現しつつある我々の新たな敵、帝国と戦うためだ。カバナントとドミニオンにいる我々の敵も、この土地を解放するために軍隊を送った。

そして今はどうなったか?タムリエル全土へと戦火は広がったのだ。カジートとボズマーは、ダンマーとアルゴニアンと戦っている。アルトマーはスカイリムを攻撃している。そしてハイロックからダガーフォール・カバナントが我々に攻撃を仕掛けてきている。

この混沌の中、我々にはどんな選択肢が残されているのだろうか?ダンマーとアルゴニアンとの同盟は10年続いている。私は仲間達と一緒に戦っている。そして家に帰ると子供達に、ダンマーやアルゴニアンと一緒に勝ち取った誇らしい勝利の話をする。

パクトが永遠に続いたとしても驚くべきことではない。私はかなり前からアルゴニアンの秘術師達と言葉を交わし、その世界観に驚かされている。ダンマーの司祭の洞窟に行けば、暗闇を見つめている間、彼らは神々の物語を聞かせてくれる。

いつかダンマーとアルゴニアンとノルドが共にシロディールの盟主となる日が来るだろう。我々は無敵の確固たる同盟、パクトの旗の下で勝利を挙げるのだ。