アルドメリ・ドミニオン スタイル

クラフトモチーフ25
Aldmeri Dominion Style

アルドメリ・ドミニオンの武器と鎧

教化サピアルチ、シマーリーンのアイカンター

鍛冶職人、鍛冶工、武器職人への連絡:アルドメリ・ドミニオン軍に納める品の仕様を以下に記す。全ての品がアルドメリの名に恥じない、最高の出来栄えでなければならない。この基準に達していない品は決して許されない。アルドメリの鷲が過剰に使われ過ぎて陳腐だという意見を何度か聞いたが、こう言った意見はプラキスに反する。

先人を思い、正確で良い仕事をしてほしい。

ブーツ

タムリエル中で最も優雅なドミニオン兵のつま先は、アルドメリ兵のサバトンに鋭利なパーツを加えた強化版で守られている。このブーツは必要に応じて武器としても使える!

ベルト

ドミニオン戦士の鎧の大部分には繊細な装飾があしらわれている。しかし戦士の武器や腰のプレートを支える使命を持つ帯に、それほど凝った装飾はできない。簡素なアルドメリの鷲の留め金があれば事足りる。

アルドメリの皮膚は敏感で、太陽光にあてすぎることは好ましくない。そこで兜と面頬が顔全体を覆うようにしている。鋼の兜の上部にはドミニオンの象徴、黄金の鷲の翼があしらわれている!

脚当て

ドミニオン兵のグリーヴには、飛翔する鷲の翼の動きを模した金属の模様があしらわれている。我らの神聖なる同名の象徴の上に戦士が跪くことは許されないので、アルドメリの鷲自体を膝当てに使ってはならない。

ドミニオンの長弓は細く、一見すると鎧を貫く力など備えていないように見えるかもしれない。しかし外見に騙されてはいけない。翼をあしらったリム部分はリランドリル鋼と呼ばれ、延性にも耐久性にも優れたしなやかな合金で作られている。この弓から放たれる強力な攻撃は、多くの敵に恐れられている!

胸当て

鷲の羽毛が主翼以外にもいくつもの層を持つように、我らの鎧も金属プレートの下には分厚くしなやかな革製の鎧下が使われている。胸当てには世界を見下ろして飛翔する、アルドメリの鷲があしらわれている。

ドミニオンは長く真っ直ぐで強力な剣を使う。刃は両刃で、先端に向けて徐々に広くなり、最期に切っ先で細くなる。鷲の翼を模した鍔は頑丈で、敵の攻撃を受け止め、ひねれば敵から武器を奪うことにも使える。

肩防具

鷲の翼をあしらったドミニオンのポールドロンは純粋に戦士の肩を守るだけでなく、階級の記章を示す場所にも適している。

手袋

ドミニオンの籠手は器用なアルドメリの指の邪魔にならないように、やわらかい子山羊の革から作られている。戦士たちは前腕部を覆う幅広の腕甲で腕を守っているが、これは部隊の記章をあしらう場所にもなっている。

ドミニオンの光り輝く盾には、2種族のエルフの歴史的な同盟を称えてサマーセットの鷲とヴァレンウッドのグラーツりーを合わせた繊細なデザインがあしらわれている!

ドミニオンの魔法使いが使う武器の先端は翼が広がった形をしていて、魔法の杖というよりは斧に見える。実際多くのアルケインの戦士たちが、追いつめられた時にそのような使い方をしてきた。

戦棍

ドミニオンの戦士の戦棍の先は、ずっしりした鷲の翼が3つあしらわれている。翼はそれぞれアルドメリの同盟内の種族を象徴している!高密度の黒い合金鋼から作られているため見た目より重く、鋭利な翼は殴打だけでなく対象を切ることにも使える。

短剣

ドミニオンの短剣は、通常の剣をそのまま小さくしたものだ。刃は両刃で、先端に向けて徐々に広くなり、最期に切っ先で細くなる。鍔はアルドメリの鷲の翼になっている。

広げられたアルドメリの鷲の翼ほど、我らが戦士たちの斧の鋭い刃にふさわしいものがあるだろうか?彼らの刃が敵を裂き、断ち続けんことを!

リーパーズ・マーチの伝承

Reaper’s March Lore

エルフの瞳、エルフの密偵Elven Eyes, Elven Spies

ズウィンソデュール・ラウン・ダー 著

我々の中に密偵がいる。エルスウェア中の全ての道、全ての村、全てのキャンプファイアにまぎれこみ、私たちを監視している。

「それはそうだろう!」と思っただろう。「アルコシュ、マーラ、アズラーの名にかけて、我らが長老たちや母たちがいつも見守ってくれているだろう!」と。

そしてそれは正しい。彼らは見ている。

だが、それ以外にもいる。

我々を「不忠」と疑い、不誠実だの反逆者だのと報告すべく、一挙一動を見ている者がいる。

報告?誰にだ?たてがみの役人にか?

いや、違う。相手は猫ですらない。

これら諜報員はエルフにのみ報告する。

正直、名前は聞いたことがあるだろう。誰かがささやいても、絶対に復唱してはならないその名を。

奴らは…女王の瞳だ。

大きく恐ろしいアイレン女王にのみ世話になる奴らだ。

彼女の目は全てを見ると言われている。しかしエルフはどこにでも行けるわけではないのに、どうやって?カジートよ、エルフの金はどこにでも行けるし、実際に行っている。

シッ。本当はわかってるんだろ。

見られているのをわかってるから、尻尾の踊りは少し垂れ下がり、耳からは少し誇りが削がれ、頻繁に背後を確認するようになる。

だって、誰が買収されてて誰がされてないかなんて、分からないだろう?誰が君についての報告書を出しているかも分からないし、どんな報告をしてるかも分からないだろう?

この間の央耀、君の隣人はどこに行ったんだろう?瞳から新しい指示をもらいに行ったのか?もしくはアリノールに連れ去られ、水晶の塔の下の地下牢に入れられているかも?

カジートよ、気をつけろ。髭の神経をとがらせて警戒するんだ。

この者は監視されている。もうこれ以上この者からは警告できないかもしれない。

ゾレイム師範の話、パート1Master Zoaraym’s Tale, Part 1

ギ・ナンス 著

トルヴァルにある「双子月の舞踏の聖堂」は何百年ものあいだ、足と拳が資本の戦士にとって、タムリエルの中でも屈指の試練場でありつづけてきた。師範たちはタムリエル各地からやってくる生徒を年齢に関係なく受け入れ、いにしえの技術から近代的な応用技まで幅広く教えている。過去に卒業した多くの門弟たちが成功を収めた。私もそこで学んだひとりだ。子供のころ、最初の師範であるゾレイムに訊いたことを覚えている。聖堂の教えをもっとも深く理解したのはどの卒業生でしょうか、と。

「あの男に会ったとき、私はまだ師範ではなく一介の生徒だった」と、ゾレイムは言った。懐かしむように笑みを浮かべて。師範のしわだらけの大きな顔が、しなびたバスラムの木の実のように見えた。「ずいぶんと昔の話だ。お前の両親が生まれるよりも前のことだ。何年も聖堂で修練を積んでいた私は、双子月の舞踏の聖堂の誇る博覧強記の師範が教鞭をとる、非常に難度が高く、求められるものも大きい授業を受けるほどまでになっていた」

「ギ・ナンス、お前にもやがてわかる時がこよう。逞しい体は逞しい心と共に鍛えられることを。この神殿には、リドル・サールの流儀に従って我らが何年もかけて築いてきた、基幹となるべき訓練の手法がある。私は極めて大いなる力と技を手にした。たとえ魔術や超自然的な力を使おうとも、素手による戦いでこの私に勝てるものはほとんどいないだろう」

「その当時、聖堂には召使がいた。私や仲間よりもいくらか年上のダンマーだ。が、彼のことなどまったく眼中になかった。もうかれこれ数年間、こっそりと訓練場に入ってきて、数分で掃除をすませ、黙ったまま出ていくのが彼の日課になっていたからだ。もっとも、彼が何かしゃべっていたとしても、我らは上の空だったろうが。訓練と授業に入り込んでいたからな」

「最後の師範が、私を含めた数名の生徒に向かって、聖堂を後にするか師範となるときが来たようだと告げると、盛大な祝祭が催された。「たてがみ」もわざわざ足を運んで祝祭をご覧になられた。昔も今もここは哲学と戦闘の聖堂であるため、聖堂のアリーナでは、数名の選ばれた者だけでなく全生徒が参加して、討論会や競技会が行われた」

「祝祭の初日、初戦の相手は誰なのだろうかと登録名簿をながめていると、背後の会話が耳に入ってきた。召使が聖堂の大司祭と話していたのだ。ダンマーの声を聞いたのはそのときが初めてだった。そして初めて彼の名を知った」

「モロウウィンドで戦っている故郷の仲間に合流したいという気持ちはよくわかるとも、タレン」と、大司祭は言った。「残念至極ではあるがな。お前はもう、この聖堂になくてはならない存在であったから。みんなさみしがるだろうが。私にできそうなことがあったら、なんなりと申しつけるがいい」

「なんと嬉しいお心遣いでしょう」と、ダンマーは答えた。「ひとつだけ頼みがございますが、おいそれと認められることではないかもしれません。この聖堂にやってきてからずっと、修練にはげむ生徒たちの姿を目にしているうちに、自分でも職務の合間を縫って練習を続けてきたのです。私はしがない召使でしかございませんが、アリーナで戦うことをお許しいただけるのなら、まことに名誉でありましょう」

「あまりにおかどちがいなエルフの放言に、私はあえぎかけた。修練を積んだわれわれと対等に戦わせてほしいなどと、よくもぬけぬけと言えたものだ。驚いたことに、大司祭はふたつ返事で請け合うと、初心者階級の登録名簿にタレン・オマサンの名を書き加えたのだ。私は選ばれた同輩たちにこの話を耳打ちしたくてうずうずしていたが、あと数分で自分の初戦が始まるところだった」

ゾレイム師範の話、パート2Master Zoaraym’s Tale, Part 2

ギ・ナンス 著

「あまりにおかどちがいなエルフの放言に、私はあえぎかけた。修練を積んだわれわれと対等に戦わせてほしいなどと、よくもぬけぬけと言えたものだ。驚いたことに、大司祭はふたつ返事で請け合うと、初心者階級の登録名簿にタレン・オマサンの名を書き加えたのだ。私は選ばれた同輩たちにこの話を耳打ちしたくてうずうずしていたが、あと数分で自分の初戦が始まるところだった」

「私は十八戦連続で戦い、全勝した。アリーナに集った観衆は私の才能のことを知っていて、対戦が終わるたびに控えめな、驚きの少ない拍手を浴びせてきた。どんなに戦いに集中しようとしても、アリーナの他の出場者に注目が集まっていくのが気になってしかたがなかった。観客はひそひそ話に勤しみ、無傷の連勝記録よりもはるかに刺激的で、先の読めない対戦を求めて何人もが席を立ちはじめていた」

「双子月の舞踏の聖堂で教えるもっとも大切な授業のひとつが、虚栄心を捨てることだろう。私はそのとき、心身を合致させて無意味な外部の影響をはねつけることの大切さを理解してはいたが、心では受け入れていなかったのだな。自分が強いことはわかっていながら、自尊心が傷ついたのだ」

「とうとうチャンピオン決定戦となった。私は勝ち残ったふたりのうちのひとりだった。対戦相手の戦士を目にしたとき、傷だらけの威厳に満ちていた私の心は不信感に染まった。私の敵は召使のタレンだったのだ」

「これは冗談にちがいない、哲学的な最終試験にちがいないと、私は自分に言い聞かせた。それから観衆を見やると、世紀の一戦が始まるという期待感で誰もが目を輝かせていた。タレンと敬意を取り交わした。私はぎくしゃくと、彼はいかにも慎み深く。戦いが幕を開けた」

「最初はさっさと終わらせる気でいた。タレンなどアリーナを掃除するほどの価値もないのに、そこで戦うなどもってのほかだと思っていた。まったくとんちんかんな考えだったよ。タレンも私と同じように、何人もの生徒を倒して決勝の舞台まで勝ち上がってきたとわかっていたはずなのに。タレンは私の攻撃に対してよくあるカウンターで応じ、殴られたら殴り返した。幅広いスタイルを持っていて、洗練された難しい足技を使ったかと思えば、次の瞬間には単純なジャブやキックを放ってきた。私は執拗に攻撃を繰り出してタレンを圧倒しようとしたが、私の才能を恐れるような、あるいは見下すような色がその顔に浮かぶことはなかった」

「長い戦いになった。いつ敗北を覚悟したのかは覚えていないが、試合が終わっても結果をすんなりと受け入れた。普段は感じないようなうそ偽りのない謙虚さでもって、私は彼に一礼した。が、万雷の拍手に送られながらアリーナをあとにするとき、私は訊かずにはいられなかった。いったいどうやって師範級の腕前をこっそりと磨いていったのかと」

「私の立場ではそうするしかなかったのです」と、タレンは言った。「毎日毎日、私は優秀な生徒の訓練場を掃除し、それが終わると初級の生徒の訓練場を掃除してきました。そのせいか、初歩的な失敗や教訓、技術を忘れるという不運に見舞われることなく、師範のあるべき道を観察し、学んでいくことができたのです」

「翌朝、タレンはトルヴァルを後にして故郷へ帰っていった。それ以来、彼とは会っていない。人づてに司祭や師範になったという話を耳にはしたが。私も師範になって、双子月の舞踏の聖堂で訓練を始めたばかりの子供達や、才能ある者達の面倒を見ている。そして傑出した生徒がいれば、ゆめゆめ初心を忘れることのないよう、未熟な戦いを見物しに連れていくことにしているのだ」

闇の子供Litter-Mates of Darkness

月の司祭フナル 著

新月:
ドロ・マスラの闇の遊戯について。

満ちる月:
真の猫が死ぬとその魂はケナーシによって持ち上げられ、星の裏の砂場へと飛ばされ、次の襲撃まで遊びと捕食を行う。

曲がった猫が死ぬとその魂はナミイラによって世界の影の闇へと引きずり込まれ、尻尾がまっすぐになるまでローカジュの心臓に仕える。

満月:
これらは闇の踊り子となり、音楽ではなく心臓の鼓動に合わせて舞う。時にニルニの亀裂をすり抜けて月明かりの世界に現れ、月のない夜そのもののような風貌で我々に混ざって練り歩く。そして我々はそれをドロ・マスラと呼び、恐怖の名となっている。

真の猫がドロ・マスラのベントの踊りを見ると、闇に引っ張られる感覚に陥り、尻尾が一定の間隔でけいれんを起こし始める。けいれんするたびに月明かりから引き離され、影が長くなり曲がっていく。そして闇の潮が光の潮を上回ると、真の猫は消え、曲がった猫となる。

真の危険はその先にあり、ドロ・マスラは曲がった猫の魂を引き抜き、亀裂を通して闇に送り込める。心臓の鼓動を聞くと、その魂もベントの踊りを始める。

その踊りはなかなか止まらない。ある夜、ローンの村人たち全員がベントの踊りをしているところを発見されたことがある。今はもう誰もそこを訪れない。

欠ける月:
ドロ・マスラを追い払うには二つの方法がある:ジョーンの法とジョーデの法である。

戦士はジョーンの技を用い、爪を使って闇が消えるまで打ち続ける。この方法は心と爪の強い者は誰でも用いることができるため、優れている。

司祭はジョーデの法を用い、まばゆい月明かりで月なき闇を照らす。この方法を用いると、追い払われた曲がった霊魂は復活できないため、より優れていると言える。

月の猫とその踊りThe Moon Cats and their Dance

クランマザー・アニッシについて

髪のない学者が自分の砂漠から我らの砂漠を訪ね、「カジートの真実が知りたい」と言った。

するとクランマザーは「一つだけ?あまり好奇心がないわね、髪のない学者よ」と言った。

髪のない学者は、鼻の上に乗った小さな窓の向こうからクランマザーをじっと見てこう言った。「君たちのさまざまな種について知りたい。生まれた時の月の満ち欠けによって身体的な形態が決まるというのは本当か?」

するとクランマザーはこう言った。「髪のない学者よ、その通りだわ。私はジョーデが満ちつつありジョーンが新月だった時に生まれたので、オムヘス・ラート。ここにいる私の娘はジョーデが満ちつつありジョーンが満月の時に生まれたので、センチ・ラート。そのため全く似ていない」

学者は母子をじっと見たあと、「私には全く同じに見える」と言った。

するとクランマザーは「瞳の丸い者は視力が低いと聞いたことがある。悲しきことね」と言った。

髪のない学者は顎を触りながら言った。「君たちのいわゆる月のラティスについて知りたい。月の満ち欠けによって生活のすべてが規定されるというのは本当か?」

するとクランマザーはこう言った。「髪のない学者よ、その通りだわ。今日はジョーデもジョーンも新月のサセイなので、シチューを冬の光に混ぜることはしない」

髪のない学者はまばたきをして言った。「ウィザーシンズ、つまり逆回りのことか?しかしあなたは、今まさにそのようにスープをかき混ぜているが」

するとクランマザーはこう言った。「それは上から見た場合に限る。もしやあなたの目は一つの方向からしか物が見えないの?悲しきことだ」

髪のない学者は鼻の上の窓を調整して言った。「まあいい。わかった。双子月の舞踏について教えてくれ。君たちカジートは、真夜中に月明かりで踊るというのは本当か?」

するとクランマザーは言った。「それは違う。我々はいつでも双子月の舞踏を踊っている。それが我らの喜びよ」

髪のない学者は言った。「今は踊ってないじゃないか。火のそばで座っている。踊る時は私も参加したいから言ってくれ」

するとクランマザーはこう言った。「私と娘は今この瞬間も月に向かって踊っているが、あなたには尻尾がないので参加できない。悲しきことだ」

髪のない学者は拳を噛んで言った。「まあいいだろう。君たちは月に対して興味深い信仰を持っているそうじゃないか。教えてくれ」

するとクランマザーはこう言った。「いいでしょう。ローカジュがニルニの子らに居場所を作ったとき、心の闇によってそこは牢獄となった。彼の心は切りとられた後ニルニの奥深くに埋められ、体は月の方へ飛ばされたが、第1の秘密を知らなかったため通過できなかった。こうして彼の体は月のラティスの死んだ月となった。すぐそこにある。見える?」

髪のない学者は空をじっと見て言った。「月など全く見えない…マッサーもセクンダも新月だ。どういうことだ?」

するとクランマザーは「髪のない学者よ、この者はあなたの目のことを忘れていた」と言った。ため息をつき、尻尾を踊らせ、肩をすくめてこう言った。「悲しきことだ」

分け前を得よ!Yours for the Taking!

ラヴィニア・アキシウス将軍副官 カトニウス・リボ 著

自由なるコロヴィアの民たちよ!これよりあなた方を故郷、ひいては家族や後継者、そして自分自身のため務めるべく招集したい。

臨時ニュース

スキングラード伯爵の宣告及びシロディール帝国元老院の承認により、以前はヴァレンウッドのアレンシア・ヴァレとして知られていたストリッド川南に位置する地域は、このたびコロヴィアの地、サウスウィールドへと名を変えた。ウェストウィールドの帝国軍はラヴィニア・アキシウス将軍の指揮のもと、サウスウィールドの併合と国境警備という光栄な任務を与えられた。

ウェストウィールド帝国軍でチャンスを

さらに言えばサウスウィールドでの停戦により、占領中の帝国軍は引き上げ、兵士には農場、将校には地所といった土地が与えられる。かの地でのこれまでの土地の領有権は、元老院の命により全て無効となった。今なお居座る無断居住者は国外追放されるか、新しい領主のため契約労働をすることとなる。

栄光、冒険、そして賞金

サウスウィールドでの軍役でコロヴィアから称賛を得よ!以前の抗争の後、重要な捕虜の家族からの身代金により、小貴族の仲間入りを果たしたコロヴィアの民がたくさんいたことも考慮してもらいたい。これはこの時代で最も大きな躍進のチャンスかもしれない。心配性や臆病、ささいな問題が原因で逃すことのないように。

歩兵隊のブリーフィング:アレンシアCohort Briefing: Arenthia

イウニウス・オセラ百人隊長 著

我が隊は2週間以内にアレンシアの占拠にかかる。確実に作戦を成功させるため、全兵士が対象の街や市民について知識を身に着けておく必要がある。準備なしに侵入すれば、何が起こったのか分からないまま、金品を好き放題に強奪されるかウッドエルフの矢に体中を貫かれるだろう。何年かの間、アレンシアからスキングラードへ移動中の隊商を護衛していた経験のある私なら、個人への危害や不必要な住民への挑発を防ぐための情報を提供できよう。

見慣れた雰囲気の建物に安心してはいけない。この街は我らの故郷とは全く違う。ストリッド川の北からコロヴィアの商人がいくらか移住しているが、南から来たウッドエルフや東のサバンナからカジートの方が多い。過去にこの街の所属する国は風のごとく変わり続けていたこともあるが、カジートの薄っぺらい小屋やエルフの間に合わせ的な木の家に比べてコロヴィアの石は長持ちするし、現に持ち応えている建物はほとんどがそうだ。

多くのウッドエルフやカジートと遭遇することになるので、彼らの文化や習慣について大まかに把握しておくと役立つだろう。ウッドエルフは植物や木が危険にさらされていると感じると理不尽なほど攻撃的になる。伐採すべき木があるのであれば、上司の許可を得て武装した分隊を編成すること。加えてウッドエルフは酒好きで、普段も悪い口が酔うとさらに悪くなる。一言助言がある。どれだけ冷やかされても、エルフと飲み比べ勝負をすることのないように。

カジートは人口の大きな割合を占めるが、永住権を持っている者は少ない(基本的にどこでも持っていないが)。この月の信者たちは集団で動き回り、甘ったるい飲料やけばけばしい織物を市場に持ってくる。よくこの手の隊商と一緒にいる娼婦に話しかけられた際は注意すること。必ずといっていいほど泥棒で、やられたと気づいたころにはデューンまで半分逃げられている。

関連事項として、使われなくなった街の神々の聖堂を拠点に、スクゥーマ泥棒のグループが活動しているかもしれないという情報が入った。これは神々への侮辱であり、我々の支配が確立され次第調査にあたる。噂が本当と分かればクズどもを掃討するが、その際聖堂で盗みを働くようなことは絶対にないように。そのうち聖堂の本来の栄光を復活させる。

諸君の仕事は、我々のアレンシアの支配体制が厳格であるよう努めることだ。戒厳令を敷き、可能な限り平和を保ちつつ、騒乱になりうる事態はどんなものであれただちに鎮圧すること。この街に「昔からの」領有権など存在しないことを忘れないように。1人でも多くの兵が立っている側の旗の下で統治される。それは我らの旗となるだろう。

毛皮のつや出し用のムーンシュガー?欲しい!Moon-Sugar for Glossy Fur? Yes!

アズラーの娘 ラスニ・ラ・ドーンウィスカー 著

猫たち、子猫たち、雄虎たち、雌虎たちよ ―中でも特にムーンシュガー好きのあなたに、この者から朗報よ!それはつまり全員よね、獅子の心の皆。だってムーンシュガーをまぶしたスイートロールほど、私たちの尻尾を唸らせるものはないもの!

あなたがラスニと同じなら、この間の薄明の月に出たアベス・ミッツィのソングペーパーで、下劣な麻薬スクゥーマと同様にムーンシュガーも体に害を及ぼすと報じられた時、確実にあなたも浮足立っていたことをこの者は知っている。彼女によると、スイーツの女王を摂取しすぎると、不安神経症、耳下垂、急激な体重増加、呼吸不安症といった症状を引き起こすという。なんとまあ!

彼女のソングペーパーによりすべての猫の台所でパニックが起こり、皆がムーンシュガー蜜やグラニュールローフの代用品を探し求めた。ムーンシュガー・ケインの価格は暴落し、ソルガムやテンサイは急に市場から姿を消した。個人的に、リバーホールド初夏祭のスイーツ担当をお願いされたとき、この者は取り乱していた。どうにもこうにも、今までの腕を発揮できなかった。本当に悔しかった!

でも私、最初に朗報があるって言ったよね?それはズバリこれよ。ケインフィールド農業協会の寛大な出資により行われた数か月にも及ぶ錬金術調査の結果、私はどうしてもアベス・ミッツィと同じ結果を得ることができなかった(アベスがどこかで計算ミスをしたとしか考えられない。年をとってきたからね、かわいそうに)。私の調査では、薄明の月のソングペーパーで主張されていた恐ろしい影響は、適度なムーンシュガーの摂取によっては一つとして認められない。

それどころか——これが一番いいところなんだけど、もうこのソングペーパーのタイトルでばれちゃったかな?——蒸留されていないムーンシュガー派生物の定期的な摂取こそが、毛皮につやを出す!そうよ、獅子の心のみなさん。大好きなスイーツが食べられて、同時に枝毛とは無縁のつややかな毛皮も手に入る!(道理で最近毛皮に光沢がなかったわけね!)

そういうことよ、子猫たち!猫じゃらしを持ってくるのはいつもラスニ・ラでしょ?もう分かってると思うけど。最後にこの者から、私のクランマザーの作っていたムーンシュガー・ビスケットの簡単なレシピでお別れするわ。召し上がれ!

—ムーンシュガー3杯
—水1杯
—パット・スエト1つ
—ふるいにかけた小麦粉
—赤小麦粉

まず乾いた材料を混ぜ合わせる。次に混ぜたものをムーンシュガーに、よく混ぜながら加える。スプーンで生地をすくい出し、熱した石の上に置くか、冷却オーブンに入れて金色がかった茶色になるまで待つ。分量は三人前(…もしかするとあなただけかも!)。

略奪者の楽園A Looter’s Paradise

銀髪の影 著

私の本当の名を知る必要はない——私自身ももうあまりよく覚えていない。叔母さんが国境の南の丘に小屋を残してくれていた。選ばれし者の聖堂からフロルの金のガードルを盗むまで、あまり深く考えたことはなかった。一気に人生が複雑になって、きちんと相続するべきだと思った。

叔母さん——あまり多くを伝える必要はない、仮にエイリアス叔母さんとしよう——彼女は帝国の国境斥候部隊で、エルスウェアとヴァレンウッド北部の間に位置するスフィンクスモス砦に駐在していた歩兵隊だった。第二帝国末期の国境斥候の仕事は、喧嘩っ早い地元民が貿易の邪魔をしないよう抑制することだった。「アレスの自由貿易は帝国の原動力だよ」と、叔母さんはよくスリリーファームズのボトルを開けながらウィンクして言っていた。

斥候隊はすべての国境抗争を止められたわけではないが、猫と小型エルフの大量殺戮を止めたり、デューンからアレンシアへと続く道への山賊の侵入を防ぐなどしていた。叔母さんはそこの気候が好きだったので、退職後は小さい土地を買って小屋を建てた。実は見た目よりも大きい。丘の奥の方まで入っているし、叔母さんのことだから念のために裏口も掘ってたはずだ。

黄昏の月のとある暗い夜、私は盗んだ馬に荒っぽく乗せられたせいで膝から血を流しながらここにたどり着いたのだが、その頃には国境斥候はとっくにおらず、ドーンミードの国境は自然な状態に戻っていた。無秩序の一歩手前である。それを後一歩でつなぎとめていたのは復讐法だった。

ヴァインダスクのウッドエルフ対ダカーンのカジートの抗争で、国境間で奇襲や深夜の暗殺が繰り返されていた。移動中の商人を集団で待ち伏せ、村に急襲を仕掛け、過去の復讐をしながらスフィンクスモス砦を交互に占拠していた。昼間は古びた小屋に隠れ、夜は影から影へと国境周辺を飛び回る私に、どちら側も気づくことはなかった。辺りは戦地だった。五百歩も歩けば必ず戦士の死体や中身の半分奪われた荷馬車、惨殺された商人に遭遇した。

略奪者にとっては楽園だった。

あの頃はよかった。良すぎて長く続かなかったのかもしれない。ダカーンの猫がデューンやシズリーニ・アリーナでの組織犯罪鎮圧にあたっていたころ、ヴァインダスクの山賊が目標地点を超えてアレンシアを急襲した。双方の市民が民兵や傭兵部隊を組織し、丘を一掃したので国境での盗賊生活は終わった。ヴァインダスクの一族は「ヴァインダスクレンジャー(はっ!)」というボズマーの非正規兵団として再編成され、ダカーンの生き残りはデューンガード・アウトウォーカーズの核となった。国境は再び落ち着き、帝国の原動力はその流れを再開した。

幸いにも、デューンへと続く道から、絶好のチャンスが貿易品を積んでやってきたのを私は見逃さなかった。次の金耀には、ブラヴィルで何人かの旧友の連絡先を調べていた。その半年後にスフィンクスモス砦を占領していたのは私率いる新生ムークウォーター・ギャングで、そこで兵舎を掘り出し、刃を研ぎ、古い罠を修復していた。

いい時代の再来だ。

鷲と猫The Eagle and the Cat

たてがみの代弁者 ガレシュ・リ卿 著

妻、夫、息子や娘。母や父、叔父や叔母。私たちは皆、これらの存在を一つ以上亡くしている。ナハテン風邪。その恐ろしい疫病はエルスウェアのすべての家族にまで達してしまった。

センシャルはブラック・キエルゴのスラム街にあるスウィート通り、スクゥーマ服用者の間で感染は始まった。長老たちは当初商品の中に毒物が入っていたものとして片付けたが、その後ダギズ・プライドやスクウィント・アイに広がり、アラバスターの港でも感染が確認された。

そして、瞬く間に各地に広がった。トルヴァル、オークレスト、デューン、コリンス、そしてそれらの間にある全ての地域。咳や嘔吐の音がケナーシの風に乗って皆の耳に入るようになった。ニルンの猫が絶滅していく過程を見ているようだった。

そんな絶望的な運命に、エルスウェアも徐々に抗い始めた。風邪がカジートからカジートへと感染する仕組みを、コリンスのクランマザー・ミザバ・コが初めて解明した。リバーホールドのアズラーの娘ラスニ・ラ・ドーンウィスカーが、最も深刻な症状を緩和するソルガム茶を精製した。私自身も、それらの新しい知識を役立てるべく、たてがみ軍の残存者を組織することで貢献した。

しかしそれでも足りなかった。群れ単位、一族単位で、カジートがそこら中で死に続けていた。月の司祭の予言も、それはそれは不吉なものだった。

すると、予想だにしない方角から助け舟が来た:サマーセットのエルフたちが、医者や治療師、必要だった物資と共に西の海から現れたのだ。

そして何より、希望を持ってきてくれた。エルスウェアが生き残るという希望を。

当初は多くの猫が怪しんだ。これまでに高慢なハイエルフがカジートを助けたことなどなかったのに、なぜ今助けるのだ、と。だが彼らのキャノンリーブはまるで風邪など恐れないかのように我々の間を通り抜け、こう説明した:アルトマーは友情ではなく政策として動いていると。今は我々が彼らの援助を必要としていて、彼らは後に我らの援助が必要となる。タムリエル南西に侵略者が向かっていて、カジートの助力なしでは撃退できないとのことだった。

共通の敵と戦うため。なるほど、我々猫にも分かりやすい理屈だ。そういうわけで、我々はハイエルフとそのずる賢い親族ウッドエルフたちの援助を受け入れ、ナハテン風邪は徐々に収まり始めた。そしてアリノールのアイレン女王がアルドメリ・ドミニオン同盟条約を提案した時、我々は爪に羽をとって署名した。

カジートの同胞たちよ、我らはここに苦難の試練を乗り越え、新たな同志を得て、今までよりもさらに強くなった。侵略者の血を流し、宝物を奪い、我らの力を試せるこの機会を歓迎しよう。

今こそ、ドミニオンの時代なのだから。

オーリドンの伝承

Auridon Lore

アイレン女王の台頭The Rise of Queen Ayrenn

スカイウォッチのヌーレテル 著

忠実なるオーリドンの市民よ!私はアルドメリ・ドミニオンの初代イーグル・プライマーチ、サマーセット諸島の上級女王、ウッドエルフのカモラン王家と友誼を結び、カジートのたてがみの親友である、我が女王アイレンの側近であることの喜びを感じている。

王室の側近として、私はアイレン女王の人生と経歴を略叙することにした。我が女王を己の心に迎え入れるつもりで読んでいただきたい。

女王陛下の幼きころは、島の多くの子供たちと同じように過ごされた。父君の側で剣の訓練を受け、我らの黄金の浜辺にて波間を馬で駆けた。そして、女王陛下は柔らかな桃色の花弁の下で、歴史と詩文を暗誦された。

20年以上前、我らの前向きな王——アリノールのヒデリス王、エセリウスで永遠に栄誉に浴されよ——は、殿下の迷宮への道を祝うため、水晶の塔にて王族と集まりになられた。この集中的な勉学の期間は、歴代のサマーセットの統治者に課せられるものであり、殿下はその期間を両腕を広げて迎える予定だった。その時が近づくと、女王だった殿下は失踪していたのだ!

長い捜索活動が開始される間、実際のところ、殿下はご自身の運命を切り拓いていた。殿下はアダマンチンの塔のディレニと共に生きるために、密かにバルフィエラ島に行かれた。殿下はそのクランの者たちに戦闘技術の訓練を受けた。彼らは殿下の単なる貴族の剣さばきを熟達した刃の舞踊へと変えたのだ。殿下の浜辺での乗馬は、馬上の強行軍となり、祖国の木の下での殿下の詩文の吟唱は、神秘的な芸術分野の研究の道を切り拓いた。

殿下のタムリエルでの冒険については、吟遊詩人と一般の書記たちに数多く書かれた。さよう、かつて熊に騎乗されたというのは事実だ。スカイリムのフロスト・トロールを狩り、ドワーフの遺跡の奥深くを探検し、シロディールの海賊船の乗組員になった。殿下はかつてアリクル砂漠の空を巨大な凧で飛び、イレッサン・ヒルズのネレイドと踊った。これらの冒険は理由のない戯れではなく、思慮のある歩みだった。それは、まさに剣の焼き入れのようなものだった!

ヒデリス王が薨去され、遠く離れた島々が歴史に飲み込まれそうになった時、アイレン王女はご帰還された!陛下は塵に落ちた冠を拾い上げ、父君の剣を取り、我々を世界へと導いてくれた。

殿下は我々を世界へと導いてくれ、我が岸辺の近くで待つ、新たな盟友を見出してくれた!殿下の高貴なるウッドエルフたちと猛々しきカジートとの繋がりは、タムリエルをまたぐこの強力なドミニオンの形成を可能にした。我々はシロディールの暗黒の心臓を襲撃できる態勢にあり、戦争を好む北の同盟からの略奪を退けられる。

殿下の勇気のベールの陰から誹謗中傷する者はいるが、アイレン女王はドミニオンの脈打つ心臓なのだ。我らの富と繁栄は、殿下失くしてはありえない。

エボンハート・パクトに関してRegarding the Ebonheart Pact

教化サピアルチ、シマーリーンのアイカンター 著

我々の従姉妹ダークエルフは、自分たちの先祖の裏切りに対する罰を正当に受けている。デイドラを信奉して見習おうと試みたために、呪いによって身体は醜くなり、国土は吹き飛ばされてしまった。今やその呪われた領土の境界線を離れ、本土の他の地を自分たちの異端信仰で染まらせようとしているところを見れば、その教訓はどうやら不十分だったようだ。彼らを意のままにする、ずる賢い悪魔の三人は、お人よしのノルドと、奴隷トカゲのアルゴニアンをだまし、このばかげた突拍子もない行為に参加させている。

エボンハート・パクトにシロディール統治を許してしまうのは、帝国を人間の部族に任せるくらい愚かなことだろう。トリビュナルはニルンにとって、最終的には無頓着で衝動的な人間よりも危険な存在である。彼らの力を破壊した上で、取り憑かれた大陸の隅へと再び追いやらなければならない…永遠に。

サルモールのチラシThe Stormfist Clan

教化サピアルチ、シマーリーンのアイカンター 著

諸島の忠実な市民よ、サルモールの声明を聞け。我らの新たな同志である、カジートとウッドエルフについて言葉の証人になれ。

我らの新たな同志、ウッドエルフとカジートとの結合は迅速に進んでいる。同盟の調和を促進するために、サルモールに忠実なる密偵たちが役に立つ通知を以下の短いリストにまとめた。この義務的な指針を歓迎できれば、我らの新たな同志は好意的に見てくれるだろう。

—カジートを「猫」、「子猫」、「毛玉」や他の猫が関連する差別用語で呼んではいけない。

—カジートの珍味の多くはとても甘く、もしくはムーンシュガーと呼ばれるエキゾチックな材料で味付けされている。食事をする時は気をつけるように。

—許可なくカジートの尾を触ってはいけない。

—我らが味方、カジートの民は珍しい方言を使う。彼らの会話をあざ笑うこと、マネすることはとても無礼なことである、アルドマーらしくない。

—ウッドエルフを食事に招待する時、彼らにとって森は聖なる場所であることを知っておこう。鹿の肉は出してもいいが、サラダはダメだ。

—ウッドエルフのことを、「チビたち」、「小人たち」や背に関する差別的用語で呼んではいけない。

—ウッドエルフの酒は、我らのものとはかなり違うので、飲む時は注意が必要。

—ウッドエルフに彼が食人種であることをほのめかしてはいけない。また、死者の処分はどのように行うのか伺ってはいけない。

鷲よ、団結せよ!

シーバイパーの牙Fang of the Sea Vipers

発明家テレンジャー 著

私は女王陛下の側近であるヌーレテルの要請で、シーエルフとして広く知られるピャンドニアのマオマーについて、簡潔な報告書を作成した。さあ、読みたまえ、そして知識の光明によって恐怖を取り除くのだ。

彼らの古代史はドミニオンの全域でよく知られているので、ここで詳しく述べる価値はない。オルグヌム「王」として知られるアークメイジが、隠れ島の追放者たちを長い間先導したと言えば十分だろう。その者は自分の若さと活力を、邪悪な呪文と儀式、そして生贄を使い、絶えず再生させていた。

すでに耳にしたことのあるその他の噂話も事実である。マオマーはオルグヌムの儀式によってシーサーペントを支配できる。中には、波間をぬって獣に乗る術を習得した者もいるし、より大きくてさらに扱いづらい獣が、彼らの最大の艦隊を支援するため泳いでいるのだ。

今現在オーリドンを脅かす船団は、シーバイパーと名乗っていることが明らかになった。三旗の戦いにおける最近の状況が、バイパーをオーリドンや本土辺りの海へと呼び込む原因となっている。この機に便乗したマオマーは、今や同盟間の争いにおいて自らの勝利を収めようとしている。

オーリドン第一海兵隊およびドミニオン海軍、そしてその他の者たちも、マオマーの前進を止める用意はいつでもできている。バイパーの形跡を見た者は、すぐにキャノンリーブか、近くのドミニオン将校まで報告するように。

鷲たちよ、我々の巣をバイパーに取らせはしない。慎重に、だが勇気を持って挑むのだ。

ダガーフォール・カバナントの罪Crimes of the Daggerfall Covenant

概要

教化サピアルチ、シマーリーンのアイカンター 著

ダガーフォール・カバナントの諸王国には、ディレニの従姉妹たち、北西タムリエルを統治する正当な権利のあるハイエルフに、ひどい抑圧を与えた成り上がりの混血たちが住んでいる。彼らはアレッシア教団として知られる、危険な、大量虐殺の狂信者の台頭に大きく加担した。自分たちの海賊がアルドマーの船舶を襲うことを許容しているのだ。ブレトンも見境がないために、残忍なオーシマーを仲間として受け入れた。(オーシマーだって!一体想像できるか?)相当な数の野蛮な部隊を集める能力はあるが、この堕落した混血に現在ムンダスを脅かす、神による天災に対処する知恵や知識があるという証拠はない。できるだけ早急に彼らを懲罰し、制圧しなければならない。ドミニオンが世界を救い…そして、将来世界を守る仕事を進められるように。

ファーストホールドへの到着The Lay of Firsthold

エルフは試練によって追いやられ
スロードだらけの海を越えてサマーセットへ。
ああ、アルドメリス!旧エルノフェイ!その優しい顔立ちが今でも思い浮かぶ。
今でも我らはそよ風の口づけに心を奪われるが
それは心の記憶の中だけで、
心髄の深遠への悲しみが
すべてのアルドマーを満たす。
マグナスが沈んで夜の時刻が訪れた時、
フクロウと亡霊が忍び足でうろつきまわり
目がもはや星を見られなくなった時、
幻想が深遠を横切り
アルドマーは強烈で多彩な領域に
色を染められたオーリドンに
無関心な宿命を逃れ
東の島々へとなぜ来たのか。

船の前の泡の中から浮かび上がる
その9つの船首はキラキラ光るなぎさを切って進む。
先頭の船からトリナーンが降りてきて
銀色の浜辺から緑に覆われた丘まで、
この地すべてのキンホールドだと主張した
その姿は金色の暁にずいぶんと染められていた。
オーリドンの名前はそのようにして、
ほどなくその王国に与えられた。
そこは未開の地であったが、
一度は後悔したトリナーンの心を瞬時にして掴んだ。
彼は剣を抜いて血を抜き、
決してこの地を出ないと誓いを立てた。
彼らは陸に降り立ち、
家を建てて街を作り、製錬所を建てて群衆を築いた。
そして牧草地を耕し、浜辺を整備して田畑を作り、
エルフが繁栄することのできる郷里を作った。

その後、丘から怒って吠えながら、
目を飾りたてた角のある醜い者がやってきた。
ギータス、ウェルワ、イリアディの
求めたのはアルドマーの残酷な死。
何人かの者はこう言った。改めて船に乗り込み、
遠くのもっと安全な陸地を探し求めるべきであると。
しかし果敢なトリナーンの勇気によって、
先祖の物語を利用して、
オーリドンの織り機で織った
ヴァルラの石の神聖文字に刃を付け、
頭上の星から力を引き寄せ、
怪物を倒し破滅へと追いやった。
皆に恐ろしい魔法で苦しめられながら、
怪物は丘と高台の向こう側へと急かされ、
雷撃、氷、炎で吹き飛ばされて
最後には一人ずつ倒れた。

そのように紡いだ呪文によって
護られたオーリドンはその後、
工芸と農業、イマゴフォームに彫刻と、
アルトマーの器用さの下で繁栄したが、
他のアルトマーがそれよりも感心したのは
トリナーンの勇気ある偉業で、
他のキンホールドがすぐに後からサマーセットへと、
大変恵まれた穏やかな航行でやってきた。
ただ、そのキンホールドによる繁栄は
諸島のいたるところで見られたが、
ファーストホールドの岸を奮起させる
アルドマーの上陸が明らかになり、
彼らは果敢なトリナーンのその勇気、知恵、
洞察力を深く尊敬した。
天を利用し、
窮地のアルドマーを護った英雄を。

オーリドンは素晴らしき家。
マオマーを倒し、スロードを追い出す。

ベールを着けるのはなぜだ?Why Don the Veil?

善良なエルフよ、ベールを着ける理由をご存じだろう。この諸島が脅威に直面していることを、心の中では分かっていよう。我々は裏切られているのだ。

我々の指導者は今、怠け者の子供に従っている。猫と小人たちの女王だ。血統の偶然によって玉座を与えられた策士だ。玉座の間よりも茶碗の家がお似合いの娘だ。

この諸島は我々のものだ!アルドマーの末裔であるハイエルフが、花々の下で何もせず座り込んでいなければならないなんて。平原からやってきたみすぼらしい混血が、エルフのようにはしゃいでいるのをただ見なければいけないなんて。森から来た獣の言葉が我々の道で話されるのを、聞かなければならないなんて。

我々の生活にこのような暴力を引き込んだのも、引き起こしたのも我々ではない。こんな対立は、予想もしなかったし招いてもいない。民の持つ真の強さは、このような瞬間が訪れた時、いかに立ち上がるかで定められる。

オーリドンのエルフよ、今こそ立ち上がれ。ベールを着けるのだ!女王に、そのドミニオンに対抗し、敢然と立ち上がれ。そして、サマーセット諸島を取り戻すのだ!

上級公ライリスと魔術師ギルドKinlord Rilis and the Mages Guild

魔術師ギルド上級遺物師ヴァラステ 著

幹部の者として、上級公ライリスXII世が魔術師ギルドの創設者であるという意見についての説明と根絶が必要だと思われる。一般の者には、上級公の残酷さとサディズムが広く知れ渡る前に、彼は庶民を守るため「危険な魔術師」を支配する協定がまとまるように取り計らったとされている。これは事実ではない。

イアケシスの生徒、ヴァヌス・ガレリオンは確かに大都市での魔法の実験を通じて、市民の間の一般的な考えを侮辱した。彼はファーストホールドの都市に、数多くの学生や発明家たちを呼び集めた。魔法使いが近接する利点を証明しようと初めて試みたのだ。強力な儀式などのためではなく、勉学、研究と友愛のために。

この単純な前提がファーストホールドの住民をあまりにも怖がらせ、彼らは統治者である上級公ライリスXII世に助けを求めた。今では下品な肩書きで呼ばれているが、ライリスは何よりもまず政治家だった。彼は、当時「ガレリオンの愚行」と呼ばれたものに、魔術師と一般人を対立させる機会を見出した。

よくいろいろと推測される「憲章秘密会議」には、ライリス、イアケシス、ガレリオンや、その他諸島とサイジック会の著名人たちを呼び集められた。同意があったため、その会議の記録は確かに残されなかった。だが、このことはご記憶いただきたい。ライリスは会議の開催を許可し、ガレリオンの行動も許可した。すべては己の目的のために。

もちろん、今思い返せば、アルテウムの遺産は新たなる魔術師ギルドの立派な財産だ。我らはギルドの旗印のもとに正々堂々と集い、これから何世紀先も間違いなくそうするだろう。ただ、このことは覚えておいて欲しい。ライリスXII世は危険なエルフだった。秘密会議が行われていた時も、彼は邪悪な力と取引し、デイドラと協定を結んでいた。

我らが仕える誇り高き団体は、彼の思惑と異なり、それに反したことで今現在存在している。

様々な宗派:ハイエルフVarieties of Faith: The High Elves

タムリエルにおける様々な宗派:ハイエルフ

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

八大神

(ただし、帝国外のほとんどのアルトマーは神を八柱に制限することを認めない)

アーリエル(アルドマーの王):

エルフのアカトシュはアーリエルである。アーリエルはアヌイ・エルの魂であり、同様にアヌイ・エルは「すべてのもの」のアヌの魂。ほとんどのアルドマーの神々の長である。大抵のアルトマーとボズマーがアーリエルの直接の子孫であると主張している。唯一知られる欠点として、アーリエルは定命の者の次元の創造で役目を果たすことに同意したが、それは永久なる霊魂の世界からエルフが永遠に分断される行いであった。その埋め合わせをするべく、アーリエルは神話の時代に最初のアルドマーを率いてロルカーンの軍と戦い、強大な力に打ち勝って、アルトマー、アルトモラ、旧エルノフェイの、最初の諸王国を建立した。その後彼は、信奉者たちが定命の者の次元から逃避するのに必要な道のりを学べるよう、皆が注目する中で天に昇った。

マグナス(メイガス):

魔術の神であるマグナスは最後の最後で世界の創造から身を引いたが、その代償は大きかった。この世に残っている彼の名残は定命の者たちに魔法として認識され、操られている。伝説の一つでは、定命の次元を生み出すこと自体はロルカーンの発案だったものの、実際の構築に必要な図式や図表を作り出したのはマグナスだったとされている。

トリニマク:

初期アルドマーの強靭な神で、場所によってはアーリエルよりも人気がある。彼は人間と戦うために軍を率いた、最初のエルフ種族の戦士の魂であった。ボエシアは、アルトマーの群衆に耳を傾けさせるためにその形になったと言われている(いくつかの物語の中で、彼はトリニマクでさえ食べている)が、それによって結果的にチャイマーに変えられてしまった。トリニマクはこの後、神話の舞台からは姿を消すが、恐ろしいマラキャスとして戻ってくる(アルトマーのプロパガンダは、これをダンマーの影響がもたらす脅威として表現している)。

イフレ(森の神):

時の竜アカトシュが神の王であっても、イフレは「現在」の霊魂として崇拝されている。エルフによると定命の者の次元の誕生後、何もかもが混沌に陥っており、最初の定命の者たちは植物に姿を変えては動物に変化し、再び戻ることを繰り返していた。そこでイフレがアース・ボーンズを意味する最初のエルノフェイ、もしくは「アース・ボーンズ」に姿を変えた。これら自然の掟が確立した後、定命の者たちは新たな世界を理解することで、ある程度の安全を確保できるようになったという。

ザルクセス:

ザルクセスは先祖と秘密の知識の神である。始めはアーリエルの書記だった彼は、時間が始まって以来、小さいものも大きいものも含め、これまでのすべてのアルドマーの偉業を記録している。妻のオグマは、歴史上自分が気に入った節目から作り出した。

マーラ(愛の女神):

万物の女神といっても過言ではない。起源は豊穣の女神として神話の時代に始まった。創造を生んだ宇宙の女性の本源である、「アヌアド」のニールを時に連想させる。アルトマーにとっては、アーリエルの妻。

ステンダール(慈愛の神)

慈悲と公正な規範の神。アルトマーの初期の言い伝えの中では、ステンダールは人類の弁証者である。

シラベイン(ウォーロックの神):

アルドマーの魔法の神の先祖であるシラベインは、スロードの衰退でベンドゥ・オロを支援した。魔法の指輪を慎重に使い、スラシアの疫病の災厄から多くを救った。また、魔術師ギルドの若いメンバーから好かれているため、見習いの神とも呼ばれる。

—アルトマーにおいて崇拝されるその他の重要な神々—

フィナスタール:

サマーセット諸島の英雄の神。アルトマーに歩く歩幅を短くすることで自然に100年寿命を延ばす方法を教えた。

ロルカーン(不在の神)

この創造者、詐欺師にして試練を与える神は、タムリエルに存在するどの神話にも登場する。彼の最も一般的に知られる名前はアルドメリの「ロルカーン」か破滅の太鼓である。彼は父親であるパドメイが始まりの場所に不安定さをもたらして現状を乱したのと同じように、原初の魂を説得、もしくはけしかけて定命の者の次元を生み出させた。その世界が実現すると、ロルカーンは神の中心地から離れ、伝承によっては不本意ながらという説もあるが、原初の神々の創造地をさまよう。彼と彼の「計画」については文化によって解釈が大きく違う。ハイエルフにとっては崇高なる力において最も不浄な存在であるが、それは彼らの精神世界へのつながりすべてを永久に壊したためである。言い伝えにおいて彼はいつでもアルドマーの敵であり、ゆえに初期の人類にとっては英雄である。

鷲の影の生活Life in the Eagle’s Shadow

暁星の月、1日:
新たな年、新たな始まり。昨夜、シルネは私の婚約者になることを承諾してくれた!私はマティースン一の運の良いエルフだ。すでに鍛冶場を使えるよう、ヨンディンに手配した。私は父の古い剣を溶かし、マーラの指輪の土台にするつもりだ。マティースン鋼は兵士たちにとって十分満足できるものなんだろう?私の最愛の人にとってもそうだろう。

薄明の月、3日:
伝令が島中で声を上げている。新たな女王が誕生した!それで、私たちは同盟か何かの一員になった。よりによって、ウッドエルフとカジートとの同盟だ。「アルドメリ・ドミニオン」と呼ぶらしい。誇らしく思ったが、父は文句を言うだけだ。父は「あのような連中」を島に入れては、仕事に悪い影響がでる、と言っている。

薄明の月、10日:
夜中に、シルネと一緒にお忍びでスカイウォッチに行った。道端で寝たのがとてもワクワクした。まるでギルドの戦士だった!祝賀を告知するちらしは島中に溢れ、こんなことは見過ごせないと私たちは思った。老いたエルフにこっぴどく怒られることはわかっている。だけど、いいんだ。女王、たてがみとボズマーの樹の従士をこの目で見る機会を見過ごす?ありえない。

薄明の月、11日:
今日が何かの兆候だったのであれば、父は正しかった。パレードは素晴らしかった。女王が門まで続く道を、海兵隊のファランクスを率いながら歩んだ。その後、樹の従士の狡猾な密林のレンジャーがやってきた。ヴァインダスク、と誰かが言っていたかな?それから、髪を編んだたてがみたちが来た!カジートの戦士は素晴らしかった。

私の小銭入れを盗もうとしていた、あの毛むくじゃらのスリよりも素晴らしかった。逃げる前に捕まえようとしたが、カエルレースに熱中していた港の職員たちの中へ紛れ込んでしまった。そのまま消えてしまった。シルネは大丈夫だと言ってくれた。計算したよりも早めに出ればいいと。ちくしょう。彼女をがっかりさせたくない。

薄明の月、17日:
ちくしょう!シルネとスカイウォッチから戻ってきてから、すべてがごちゃごちゃだ。父は私たちがこっそり行ったことをカンカンに怒っていた。あのスリにどれだけ小銭を盗まれたかを教えたら…鍛冶場の仕事を学んでいたとき以来、あれほどあの老人に殴られたことはなかった。

それで、数日前、私たちみんなは鍛冶頭の事務所に連れていかれた。コンダリンから、同盟のおかげでエルフの商人たちが「あの連中」を雇えるようになったという報告を受けた。「彼ら」に仕事を与えれば、サルモールからお金がもらえるらしい。

それで、彼は父の契約を破棄したんだ!鍛冶場で何十年も働いたのに、いまでは猫人間と食人族が代わりに仕事をしている。すべてはこの忌々しい同盟のせいだ。父は自分のことよりも、鋼のことを心配している。彼らはやり方を知らないと言っている。天の星よ、何が起きているんだ?

蒔種の月、5日:
私は夕飯を盗まなければいけないほど落ちぶれたが、もちろん捕まった。夕暮れ後にシルセイレンに忍び込み、おいしそうな白魚の香りが漂っていた。採用担当者が街に来たあの午前中、シルネの母親が作ったスパイス入りのパンを食べて以来、私は何も口にしてなかった。

街に忍び込み、地元の宿屋のにおいをたどった。どうやって調理場に入ろうか考えていたときに、大きな手が私の肩を叩いた。キャノンリーブの部下だった。彼は私が何を企んでいたかはっきりわかっていた。まるで、街に忍び込んでからずっと私のことを監視していたように。今は、リーブの邸宅の近くにある牢屋に座りながら、裁きを待っている。少なくとも、ここでは手記を書かせてくれる。

クソくらえ、アイレン!クソくらえ、ドミニオン!

蒔種の月、10日:
今までの私の人生は終わった。ベールの下で新たな人生が始まった。ヴァラノという誇り高き男であるキャノンリーブ自身も、ドミニオンの下での人生に疑いを持っていたらしい。彼は女王と親友だったらしいが、歳月が彼女を変貌させてしまったと心配している。

ヴァラノはベールの継承者という団体の一員だ。彼らは自由を得るために戦う人たちだ。彼は難しい選択肢を選ぶことを辞さず、外国の影響が我らの土地を汚すのを止めようとしている。

私はあのシルセイレンの地下にある牢屋から連れ出されたとき、重労働を覚悟した。それどころか、私は新たな家族を見つけた。ヴァラノは私が抱える問題のすべてを知っていると言ってくれ、私がドミニオンの採用担当者に連れて行かれたことも知っていた。彼は私を助けてくれると言った。そして、私が自分を助けられるように手伝うと。

私はそのようにする。