付呪師助手メール 5週間目

29日目
我らの仕事は今も阻害される事無く続くが、不快な夢も同じく続いている。だが今晩はいつもと違う夢を見た。「収穫者」と名乗る男が、彼が捕らえた者の一人を殺せば強大な力を与えてくれると言ってきたのだ。私の剣を、敵の魂を喰らう棍棒と取り換えると。私が答える前に、エズダブの声で目を覚ました。

30日目
私はまた夢を見た。あの収穫者と名乗る存在が、人を殺す代償として力を与えると言ってきた。その犠牲者は鉤爪のような檻の中に閉じ込められ、私の前で跪いていた。私はそれを拒否したが、その瞬間、収穫者が騒めき、私は目覚めた。エズダブによれば、私は夜の間に目覚め、我々がいた洞窟からどこかへと出ていっていたらしい。私は今まで眠りながら歩くなど、したことはないというのに。

31日目
この最近のアブナブの乱文について、このエズダブが彼に代わってあなたのお許しを請い願いたい。アイレイドの遺跡で例の生物と遭遇して以来、彼はどこかおかしいのだ。旅の途中でおかしな訛りのダンマーの魔術師に出会ったのだが、彼が言うにはその生物は災厄の四柱神に属する下僕であり、その死によって災厄の四柱神に目を付けられてしまったらしい。私は理解した振りをして彼に頷いておいた。

32日目
栄えある雇い主殿、今度もいつもと同じように最高級の素材をご用意した。これを手に入れるため、私達二人でリッチを倒した事実を含めると、その勝利がなお甘美に感じられる。奴の居た洞窟から追い立てられ、近くの川を半分ほど遡った時点で、私達は奴を剣で斬れることに気が付いた。そして比較的速やかに、奴を命無き骨の粉へと変えてしまう事ができた。

33日目
栄えある雇い主殿、あなたを私よりも豊富な見識を有する数少ない方とお見受けしてお聞きしたい。あなたはヨクダの剣聖たちの伝説を信じているだろうか?彼らが異教なる東方の魔術と対峙しうる、いにしえの剣術を守る者たちであったと。私にはそれが、ただ単に他の剣士以上の力を持つ者に関する話では無く、むしろ剣術の重要性を説く比喩に思えるのだ。

34日目
栄えある雇い主殿、私達は本日、魔女の魔術結社に遭遇した。奴らほど私が憎んでいるものはいない。魔女たちがどこからその超自然的な力を得ているのかは知らないが、邪悪である事は違いない。運よく奴らは寝ていたので、我々で洞窟内の品々をすべて奪って脱出してきた。ぜひ有効に使って頂きたい。

35日目
栄えある雇い主殿、学者たちは私を無知と嘲るかも知れないが、ヨクダの剣聖達(私よりも知力と文化に秀でた者たちは「アンセイ」と呼ぶ)が、己が霊体から刃を作り出すことができるというなら、一体なぜ鋼鉄の剣などを持っていたのだろうか。全く馬鹿らしい。おかげでこの件についてエズダブとは殴り合いになりそうだった。

シャドウフェンの伝承

Shadowfen Lore

ある母親の童謡A Mother’s Nursery Rhyme

お子さんは5人だそうですね、お母さん。そう聞いてますよ。
5人ですって?いいえ、今夜は4人しかいません!
可愛くて素直な子供が4人。
その4人きりですとも!

お子さんは4人だそうですね、お母さん。そう聞いてますよ。
4人ですって?いいえ、今夜は3人しかいません!
夜更かしして床に就くのが遅れた子供が3人。
その3人きりですとも!

お子さんは3人だそうですね、お母さん。そう聞いてますよ。
3人ですって?いいえ、今夜は2人しかいません!
おとなしくて恥ずかしがり屋の子供が2人。
その2人きりですとも!

お子さんは2人だそうですね、お母さん。そう聞いてますよ。
2人ですって?いいえ、今夜は1人しかいません!
お歌を唄っている子供が1人。
その1人きりですとも!

お子さんは1人だそうですね、お母さん。そう聞いてますよ。
子供ですって?よしてくださいな、子供なんていませんわ!
みんな今頃はお父さんと一緒。
もうここでは暮らしていません。

スリルの日記Suril’s Journal

—薄明の月4日

今度の研究プロジェクトは植物がらみだ。となれば、シャドウフェン以上におあつらえむきの場所があるだろうか?なにしろ雰囲気からして違う。肌にまとわりつくようなこの湿気が、これほどまでに緑豊かな土地を生み出すのだ。きっと研究材料にできる新種が見つかるだろう。

—蒔種の月8日

雨にはうんざりだ。もうひと月降り続いている。地面がぬかるんで、ろくすっぽ現地調査もできやしない。こんな時期にストームホールドにやってきたのは、どう考えても失敗だ。

ただ、救いもある。ギルドホールを自分好みに模様替えする時間が取れたことだ。と言っても、ひと部屋だけだが。これまで——特にダボンズ・ウォッチでの一件以来——時間や空間をなかなか自由に使えなかっただけにありがたい。監視所では、いささか思い込みが過ぎた。まあ、研究者というのは誰しも時々過ちを犯すものだ。それも仕事のうちと見るべきだろう。

—蒔種の月22日
ようやく雨があがったぞ。

—恵雨の月1日
地衣類の驚くべき新種を発見した。「ブラック・マーシュの植生辞典」の背に生えていたのだ。

—恵雨の月3日
アークメイジに手紙を書いた。配置換えを希望する内容だ。できればアリクルにでも落ち着きたい。

ナハテン風邪についてOn the Knahaten Flu

公文書保管人ネレミンデューレ 著

背景:
この病気がどのように発生し拡散したかは謎に包まれている。情報を集め、解明の糸口にしたい。

アルゴニアンはこの風邪に免疫があるように見える。このことが、ある憶測を呼んだ。長年ダークエルフの元で奴隷にされてきた彼らが、復讐のためにこの風邪を持ち込んだのではないかというのである。ただし、こういった主張は立証も反証もされておらず、さらなる調査が待たれる。

対策:
この風邪の急速な蔓延を防ぐ方法としては、感染者の所有物を焼却処理する(残念ながら、この方法は時折、遺された家族まで焼き殺してしまうという事故を起こす)、感染者を一ヶ所に隔離する(または、壁に塗りこめる)、感染者を船に押しこめ、どこへともなく流してしまう、などが挙げられる。通常の治癒呪文や霊薬は効いたり効かなかったりと、この風邪に対する効果には一貫性が認められない。

症状と経過:
患者はひとまず漠然とした体調不良、食欲不振、疲労感を訴え、数時間たつと、その他の症状を発現するようになる。具体的には涙がとまらなくなり、肌には粒状の、痒みを伴わない真っ赤な発疹が生じる。

発症から24時間ないし36時間以内に、患者は鼻血に悩まされるようになり、涙にも血が混じるようになるのに加え、粒状の発疹は全身に広がる。この時点で、患者はぜいぜいと苦しげな咳をするようになる。発症後36時間から48時間が経過すると、咳のたびに血痰を吐くようになる。

ほとんどの場合、発症からわずか72時間で死に至るが、なかには5日から7日のあいだ生きながらえる患者もいる。

治療:
ナハテン風邪は、最初に流行したときから、すでに封じ込め不可能という印象があった。信頼できる治療法はいまだに確立されていない。

今から10年前、ペリザーダという若いレッドガードが、夢のなかで神々から治療法を教わったと主張。夢で見たとおりの治療法を再現した彼女は、住民もろとも焼き払われることが決まっていた村で臨床試験を行った。すると、この治療法が効果を発揮し、村は救われた。

その治療法は、クランフィアの爪を塩水で煎じたものを飲むというものだった。クランフィアの爪は、本物はもちろん、本物かどうか怪しげなものまで闇市場で盛んに取引されるようになり、結果、価格が暴騰した。インチキ療法によってむしろ死期を早めた患者があまりにも多かったせいで、ペリザーダの治療法が公式に認可を受けることはなかった。のちにペリザーダ自身がこの風邪で死亡したことから、彼女の治療法の効き目はせいぜい「疑わしい」という評価に落ち着いた。

いわゆる「クランフィアの煎じ薬」が知られてからというもの、ナハテン風邪を治すという触れ込みのさまざまな治療法が雨後の竹の子のごとく現れた。いずれも、何かを煎じて飲むという点は変わらない。最貧層では、チキンスープが重宝された。安いだけでなく手に入りやすいからである。それを飲めばたいてい咳がおさまり、呼吸が楽になった。

チキンスープは決して効果のほどが保証された治療法ではないが、入手がきわめて容易であることは確かだ。もしこの恐ろしい風邪が再び流行るようなことがあれば、試してみる価値はあるだろう。

粒状の発疹は炎症を起こさないので、そのまま放置する患者も多い。しかし、発疹を包帯や湿布剤、あるいはただの布で覆っておけば、治療や看病にあたる者への感染が少なくなるようである。比較的寒冷な土地や冬季におけるこの感染症の広がりが格段に遅いのも、このことから説明できる。

その他の治療法について何か情報をお持ちの諸兄は、どうか私宛てに報告書を送ってほしい。さらなる調査の材料にしたい。

まともなツルハシThe Right Mattock for the Job

重労働だと聞いてはいたが、フースマヒームもまさかこれほどきついとは思っていなかった。報酬を受け取るためには1日にかご8つを一杯にしなければならなかったが、いかんせん、フースマヒームの道具はどれもこれも粗悪品だった。小さなツルハシは鉤爪の生えた手で扱うようにはできていないし、それがありあわせの道具でこしらえたものとなれば尚更だ。

錆色の液体がスラグの山から滲み出し、作業員の鱗を黒みがかったオレンジ色に染めてゆく。フースマヒームはもっと奥の土と岩を掘り返そうと、かごを引きずりながら数フィート這い進んだ。じくじくと湿った土塁で見つかる多種多様な試料を掘り出すべく、鉱山労働者たちは岩を砕き、泥をかきわけてゆく。

フースマヒームの隣で作業をしていた男が声をかけてきた。「かご8つ分、集まったぜ。そっちは?」

「もうちょいで7つめが一杯になる」フースマヒームは答えた。「お前はいつも速いな、「しっぽ割れ」。何かコツでもあるのか?」

「がんばることさ」「しっぽ割れ」は笑って言う。「それと、大きなツルハシが買えるだけの金を貯めることかな」

「汚いぞ!」言葉とは裏腹に、フースマヒームは笑いをもらした。

「それじゃお先に」

そのとき、階段状になった壁から乾いた砂が滝のように流れ落ちてきた。坑道の崩落には慣れっこの鉱山労働者たちは、自分の収穫をひっつかむと、すばやくその場を離れる。

「あれを見ろ!」誰かが叫んだ。まだ一緒にいたフースマヒームと「しっぽ割れ」は、そろって頭上のスロープを見あげた。ずるずると滑り降りてくる岩くずからあがる土煙を通して、2人は自分たちに向かってくる複数の人影を認めた。どれもかかとに体重を乗せてスピードを殺し、両手を広げてバランスを取っている。

「オーガだ!知らせ——」

みなまで言わないうちに、「しっぽ割れ」は一撃を浴びて地面に転がった。

10体を超えるオーガが、ごつい拳だけを振りかざしながら、丸腰の鉱山労働者たちに襲いかかってきたのだ。フースマヒームめがけて右のフックが飛んでくる。彼は身をかがめてそれをかわす。かごはまだしっかりと胸に抱えたままだ。村に帰ってみんなに知らせなければ。少なくともここ12ヶ月というもの、鉱山の近くでオーガの姿を見ることはなかったのだから。

フースマヒームは駆け出した。まだ後生大事にかごを抱えていることに気づくと、すぐさまそれを投げ捨てる。これで両手が自由に使えるぞ。と思ったのもつかのま、フースマヒームよりも腕力に勝る粗暴なオーガにしっぽをつかまれ、ぐいっと引き戻された。その途端、そいつが怒りと苦悶の入りまじった叫び声をあげる。「しっぽ割れ」がまともな大きさのツルハシを、フースマヒームのしっぽをつかんでいるオーガの手に叩き込んだのだった。

「逃げろ!」「しっぽ割れ」は叫んだ。

ルビーのネックレスThe Ruby Necklace

干し草の俵をもう1つ納屋の2階に運び上げたマークルは、また肩に痛みが走るのを感じた。筋肉のこわばりをほぐそうと、肩を回してみる。

「助かったよ。ありがとう」と、アルゴニアンの商人が言う。マークルはコスリンギ族に向かってうなずくと、荷車を引いてその場をあとにした。

あの商人が馬の飼い葉にする干し草を山積みにしてズークのもとにやってくるようになってから、もう数ヶ月になる。兄弟のフーグが生きている頃、その取引を仕切るのはフーグの仕事だった。運搬の手配、俵の荷下ろし、代金の授受。こういったことはフーグがやっていたのだ。ところが、そのフーグが病魔に取りつかれた。体が色鮮やかな発疹に覆われ、高熱が出たと思ったら、1週間と経たないうちに死んでしまった。

そして今はマークルがその商人との取引を仲介している。それにしても、筋肉痛がこれほど酷くなければなあ、とマークルは驚いた。どう見ても、自分は死んだ兄弟のような力自慢じゃない。もっとがんばらねば、と自分を奮い立たせはするものの、本来、肉体労働よりも勉強や読書が好きなマークルだった。

「とにかく、帳簿を確認しないとな」マークルはそうつぶやきながら、自分の小屋に入っていった。兄弟が病みついて以来、ついつい帳簿をほったらかしにしていたが、さっき配達があった分はきちんとつけておかないとならない。

マークルが支払い台帳をひらくと、ページのあいだにはさまっていた紙切れが1枚、ひらひらと床の上に舞い落ちた。そこに書かれている文字が兄弟の筆跡だと気づいたマークルは、紙片を拾いあげる。

「ルビーのネックレスに気をつけろ」

マークルは眉根を寄せた。うちにはネックレスを買う余裕なんかない。それがルビーのものとなれば、なおさらだ。兄弟はいったいどういうつもりでこれを書いたんだろう?肩をすくめると、マークルは紙片を丸めて机の横の火鉢に放った。それから外套を膝にかけ、たまった帳簿を片づけにかかる。今日はやけに冷えるなと思いながら…

その晩、細君が心配そうな表情でマークルの顔をのぞきこんできた。咳き込み、悪寒に震えながら机にかじりついている亭主を見つけた彼女は、なかば引きずるようにして床に就かせたのだった。マークルの喉には、紛れもない発疹がみみず腫れのようにつながって、首輪のようになっている。

「ルビー…」うわごとを口走りながら喉をかきむしるマークル。ナハテン風邪が一番新しい犠牲者に牙を剥いた瞬間だった。

我ヲ忘レルナカレRemember Me

トンネル…それとも洞窟だろうか?薄暗く、じめじめして、それでいて暖かい。鱗の歌はおぼろげな明かりを目指して走った。狭い空間に自分の足音がこだまする。だが、前に進めば進むほど、深い泥に沈んでゆく。

「この程度の泥に沈むなんてことがあるか?」思わず声に出してしまう。「俺はブラック・マーシュ生まれだぞ」

泥に足を取られ、もうそれ以上先に進むことができなくなると、鱗の歌はこうべを垂れ、頭上で絡み合う植物の根に結んだ露が滴り落ちる音に耳を傾けた。すぐに終わるさ。ヒストのもとに召されるだけだ。ただ、アルゴニアンの端くれとして、泥に溺れて死ぬのが情けなかった。

そこで不意に目がさめた。またあの夢か。ここ数週間というもの、鱗の歌は毎晩同じ夢に悩まされている。洞窟の出口近くまでたどりついたような気がするのも毎回同じだ。出口に辿り着けさえすれば、何もかもはっきりするに違いない。そう思いつつ、毎朝、夢の意味が少しも解き明かされないまま目覚めるのだ。

「決まってるさ、ヒストが語りかけてるんだよ」卵の兄弟、裂け目のある尾が言う。「今夜はこっちから訊いてみたらいい。何が望みだ?って」

「やってみるよ」と鱗の歌は答えた。「ただ、目がさめるまでは夢だってことに気づかないんだよな」

裂け目のある尾は傍らの棚に置かれた土器の壺に手を伸ばすと、中から葉っぱを分厚く巻いて蔓で結わいたものを取り出して鱗の歌に渡した。

「そいつを焚くといい。お香が頭をはっきりさせてくれるかもしれない。ヒストのご託宣なら、きちんと聞かなきゃ駄目さ」

鱗の歌はうなずいた。さすがは裂け目のある尾だ。いざというとき頼りになる。その日はひさしぶりに、夜が来るのが待ち遠しかった。

香を焚いた鱗の歌の小屋は、濃い灰色の煙で満たされていた。床すれすれの低いところでは、煙が霧のようにどんよりとぐろを巻いている。まさかこれほどひどい臭いがするとは思わなかった。それでも、鱗の歌は煙がゆっくりと部屋に広がってゆくのを眺めた。そのうちに、だんだんとまぶたが重くなってくる…

…ここは洞窟だろうか?それともトンネルの中か?ぬかるんだ地面近くに、煙の層ができている。鱗の歌は走るのをやめ、煙に手を伸ばした。話しかけろ。訊ねるんだ。言葉を発しろ。さあ。

「何か言いたいことがあるのか?」鱗の歌は思い切って訊ねた。

「ワタシハ死ンデイル」

「死んでいる?お前は誰だ?」

すると、煙が1つにまとまって、フード付きのマントを着た人の形になった。陽炎のようにゆらめき、しっぽが小刻みに震えている。「ワタシハ死ンデイル」人の形をした煙は繰り返した。「ソレガナケレバ、ワタシノスベテハ永遠ニ失ワレル。ソレヲ見ツケルノダ。忘レルナ」

「それ?それとはなんだ?」

鱗の歌は人の形をした煙のあとについて暗い道をたどった。いつもの夢と違って、もうぬかるみに足が沈むことはない。2人とも、無言で歩を進めてゆく。鱗の歌は用心しつつも、意外に平静だった。

数時間も歩いたと思われること、ようやくトンネルの出口にたどりついた。陽炎のような人影は大きくため息をつくと、1本の委縮した樹木を指さした。

「ヒストだ」鱗の歌の声に驚きがにじむ。「これがそうなのか?たしかに死んでる…だが、どうして?」

「忘レルナカレ」そう言い残すと、人の姿をした煙は雲散霧消してしまった。ただその前に、鱗の歌の手にムネミックの卵を1つ、託していった。

自由の代償Freedom’s Price

代金が支払われ、取引が成立した。波風を立てる者は新しい主人の所有物となったのである。

センドラサ・ルラリスは、たった今買い付けたばかりの奴隷がすでに購入済みの奴隷の群れに加わる様子を眺めた。あまり長く見つめたものだから、波風を立てる者がセンドラサの視線に気づく。一瞬2人のまなざしが交錯するが、双方あわてて目をそらした。奴隷が主人と目を合わせれば、鞭打ち10回の刑に処せられる。

市場から屋敷まではたかだか7マイルの道のりだが、センドラサには屋敷に帰り着くまでの時間が永遠にも感じられた。自分の城を構え、波風を立てる者を連れ帰れるようになるまで、何年も辛抱強く待ったのだから無理もない。

「全員、離れに連れていきなさい」召使の手を借りて馬から降りながら、センドラサはそう命じた。「ただし、あれだけ」と言って、波風を立てる者の方を示す。「居間で待たせておいて。身のまわりの世話をさせることにしたから」

「かしこまりました、奥様」

手袋をはずしながら屋敷に入ってゆくセンドラサの足取りは軽かった。彼女は笑いながら独りごちる。「ついにやったわ!これで私の思い通りになる」

最後に恋人と口づけを交わしてから、どれぐらい経つだろうか?人目を忍ぶ逢瀬のたびに、互いの後ろめたさから狂おしく抱き合ったあの頃から、いったいどれほどの月日が流れただろうか?2人の仲が露見してからというもの、自分はどれほどの苦しみを味わっただろう?まるで——と、センドラサは苦い思いをかみしめる——愛する恋人がアーチェインたちの手で売られていくのをなすすべもなく見守るだけでは、償い足りないとでもいうように。

それ以来、センドラサがついに波風を立てる者の居所を突きとめ、自分の手に買い戻すまで、時は恐ろしいほどゆっくりとしか進まなかった。今度こそ誰にも邪魔させない。仲を引き裂かせはしない。2人は一心同体なのだ。

扉が開き、波風を立てる者が部屋に入ってきた。奴隷の作法を守り、目を伏せている。センドラサはつかつかと彼女のかたわらを通り過ぎると、扉を閉めて鍵をかけ、それから恋人に向きなおった。

「会いたかったわ」ささやくようにセンドラサは言う。

次の瞬間、2人はひしと抱き合っていた。センドラサは波風を立てる者の鱗に優しく、探るように指を這わせる。

拷問されたのね?あいつら、ただじゃおかないから!

波風を立てる者はかぶりを振った。その拍子に背びれがぱたぱたと揺れる。「平気よ。あなたに会えたんですもの。傷なんか癒えるわ。でも、アーチェインたちは…」

「大丈夫、あの裏切り者たちにはもう、指一本触れさせないから」

「ねえ、聞いて」波風を立てる者は言った。「あなたのご両親はアーチェインに大金を支払ったわ。どこだろうと、彼らの目が光ってる。あなたが私を買い戻したことはいずれ伝わるでしょうし、そうなったらきっと連れ戻しに来るわ」

「じゃあ自由民にしてあげる。そうすれば手出しできないわ!」

「どうかしら」とアルゴニアンはささやいた。「アーチェインは自由民でもお構いなしに売りさばくわ。2人で安心して暮らそうと思ったら、モロウウィンドを離れるしかないの」

「わかったわ。さあ、キスしてちょうだい」

暮色が近づくなか、センドラサと波風を立てる者はスカイリムとの境界を目指し、北西に向けて旅立った。

「リフテンは安全かしら?」波風を立てる者はささやいた。追っ手をまくために、あえて道をはずれてからもう数日になる。

答えようとしたセンドラサの喉を、矢が射抜いていた。片手で矢をつかむ彼女。その目は驚愕にみひらかれている。すぐさま二の矢、三の矢が飛来し、ダークエルフが地面にくずおれたときには、とうに息はなかった。

「晴れて自由の身だな」そう言いながら、アルゴニアンの射手が暗がりから姿を現した。

波風を立てる者は言葉もなく、ただ呆然と射手を見つめた。

「手荒な扱いを受けてないか?」射手はそう言いながら近づいてくる。「これでブラック・マーシュに帰れるぞ。もう君は奴隷じゃないんだ」

波風を立てる者はセンドラサの亡骸にすがりつき、すすり泣くのだった。

塵の影Dust’s Shadow

彼女には、月光の閃きしか見えなかった。それが鋭い直線となって傍らに立つ男を射抜いたと思ったら、次の刹那、男はうめき声を漏らしてがっくりと膝をつき、そのまま横ざまに倒れていた。

「八大神の名にかけて、一体全体どうなってるの?」恐怖に駆られたローミンガはつぶやいた。が、それ以上言葉を継ぐことはできなかった。鱗に覆われた手で、口もとを覆われたからだ。

「これでカタはついた」低い、しわがれ声が言う。と同時に、ふわふわした灰の塊が空気を満たし、ローミンガは咳き込んだ。このアサシンはなぜ私を殺さないんだろう?

灰の霧が晴れると、ローミンガはその場に自分しかいないことに気づいた。傍らの地面に残った血の染みだけが、相棒が息絶えた場所を示している。目が暗さに慣れるのを待って、彼女は注意深くあたりを見まわした。やはり誰もいない。ローミンガは自由な両手で顔を覆い、祈りを唱えた。

カイネよ、わが女神にして導き手よ。トカゲ族の魔手から救ってくれたことを感謝します。必ずや奴らを根絶やしにせねばなりません」

「よく言った。ではその報いを受けてもらおう」

刃に肉を貫かれる感触を覚えた次の瞬間、傍らにアルゴニアンが現れた。ローミンガは口を動かすが、声にならない。アルゴニアンの武器が突き刺さった喉に、思わず両手がいく。

「お前が一味だという証拠はなかった」アルゴニアンはローミンガのシャツで刃を拭ってから武器を鞘におさめた。「やむなく引きあげようとしたところで、お前が自ら罪を認めてくれたのは助かったよ。そうでなければ、すぐにまた別のシャドウスケールを送り込むはめになるところだった」

ローミンガがくずおれるのを見ながら、シャドウスケールの暗殺者は付け加えた。「今やわれわれは全員がパクトに加わっているのだ…お前たちのような裏切り者以外はな」

言い終えると暗殺者は姿を消し、ローミンガも息絶えた。

浅いプールA Shallow Pool

浅いプールしか求めない
根を生やすための水
霧と影
空に向かって伸びる枝葉

恵みの雨しか必要はない
夜のとばり
ぬくもりと雨
暗闇を伝わる葉のざわめき

浅いプールしか望まない
思い出が抱かれ
古い物語が語られ
我をヒストと呼ぶ子らに取り巻かれる

美しきアルゴニアンの乙女Fair Argonian Maiden

来たれ、わが恋人よ、話そうではないか
来たれ、美しき乙女よ、語らおうではないか
鱗と鱗を触れ合わせ
頭のてっぺんから尾の先まで娶せようではないか
美しき乙女
ヒストの乙女
そして樹液にまみれた恋人よ

木工師助手メール 5週間目

29日目
パクルーティはこの者の友人に再び積み荷を送り届けた事を嬉しく思い、また長きに渡る仕事に感謝している。この者は前回の報酬で、耳に着ける金のピアスを買った。最近はとても格好良く見える。少なくとも貴婦人方はそう言っている。

30日目
この素材はなかなか入手が難しかった。パクルーティはカップ当て勝負でずる賢いブレトン人に勝ったのだが、この者はその男がトリックで何人も騙しているのを見て、遊んでやろうと思った。パクルーティは最初、他の者たちと同じようにカップを上げたのだが、彼らと違ってこの者はカップをブレトン人の顔にぶん投げた。男が意識を失っている間、パクルーティは男の金を頂戴して、この木材を買ってきたのだ。

31日目
友よ、この素材を受け取ってくれ。悪臭については申し訳ない。パクルーティが最後に水に触れてから大分経つのだ。この者は水を相手にするくらいなら、炎の精霊と対峙する方がマシだ。その残念な副作用が、パクルーティはこの木材を自分の毛皮から「はがす」羽目になったことだ。だがその臭いがどうであれ、木材の品質は最高級だと保証する。

32日目
友よ、パクルーティが悪い事をしていると思ったら、お前ならそうだとはっきり言ってくれるだろう?地元の宿屋の主人はパクルーティに「パクルーティは信用ならぬ」と言うのだが、正当な理由を言わぬのだ。パクルーティはただ彼の部屋で寝て、目のつく場所にある物を持っていっただけだ。嘘を言ったり不義にあたる行為をしたことは一度もない。

33日目
パクルーティは強力な武術「囁きの牙」を修行している。そして今日は対抗流派「流血の牙」の達人たるカジートに出会った。カジートとパクルーティは言い争って、どちらがより優れた流派であるか決めるため対決しようとしたのだが、魔術師が現れて「流血の牙」の達人を炎に包んでしまった。パクルーティは「跳ねるセンチ」の技でその場を脱した。そう、「囁きの牙」が負けることはないのだ!

34日目
パクルーティの親愛なる友にさらに素材を送る。今日、酔っ払ったインペリアルが言っていたのだが、この者は「小柄な直立したセンチタイガー」に見えるそうだ。そして最後に「非常に奇妙な事のはずだが、何故か、どうでも良くなった」と言って、眠ってしまった。誰も見ていなかったので、パクルーティは男の財布を貰って、この素材を買うのに充てた。

35日目
パクルーティはムーンシュガーを食べ過ぎると、手が物凄く大きくなる。不安になることではあるが、味がやはり格別なのだ。ムーンシュガーはあらゆる食べ物を旨くしてくれる。

ストームヘヴンの伝承

Stormhaven Lore

アダマントの塔Tower of Adamant

ソリチュード、吟遊詩人の大学、住宅建築家フレーム 著

ハイ・フロスガーを除いて、スカイリムのどこを見てもディレニの塔のようなものはない。自然のものである大きな山とは違って、その塔は建造物である。しかし伝説が真実であるなら、建てたのは人やエルフではなく、エドラ達ということになる。

イリアック湾にあるバルフィエラの島の中心高く、切り立つ荒涼とした場所にそれはあり、時の始まりから建っている。建物を構成する物質が未知で不朽なことからアダマンチンの塔と呼ばれており、それと第零の塔はムンダスに存在するどの建物よりも古い建造物である。

ディレニのハイエルフは第一紀の始まりからバルフィエラを支配している。彼らは塔を取り囲むごく最近の砦しか所有権を主張できないにもかかわらず、その塔に自身の名を付けている(塔の地下墓地を調査する権利者は誰かという話は、答えのない議論である)。

私はアリノールのハイエルフと協議をしなかったが(する人なんているのか?)、ディレニのエルデン古物研究家である高貴なコロイデンは質問に答えてくれた。彼によれば、塔は神々がムンダスの運命を決めるために集まった深遠の暁紀に建てられたようだ。その頂点で、アルドマーの偉大な神アーリエルが詐欺師ロルカーンを殺して彼の心臓に矢を突き刺し、それを世界に向けて撃ち放ったという。心臓はただ笑い声に似た音を出して生き続けた。

その後、エドラはムンダスの事情から手を引き、ディレニが自身の物としているその塔を去っていった。彼らがそこで見つけた秘密とは何だったのか?今日まで何を隠しているのか?その秘密が何であろうと、ディレニはこんな程度の低いノルドの建築家には秘密を明かさなかった。

しかし、その周囲の8地点からディレニの塔の測量を行った結果、そこに秘密があるのは間違いないことが分かった。周知の建材を利用している前提で計算を行うと、あの規模の建造物を建てることは不可能なのである。

ウェイレスト、湾の宝Wayrest, Jewel of the Bay

(カンバーランド版)

長老サシル・ロングリート 著

ウェイレストはタムリエル西部にある最も輝かしい街の1つである。現代の美しさ、そしてその歴史の輝かしさ。ハイロックにある他のどの街よりも価値がある。ブレトンの文化にこれほど寄与した街はない。その街の賢き者達の魂は通りを見ればすぐに分かる。切り妻造りの屋根、雄大な並木道、香り漂う市場。ウェイレストの人々には、ダガーフォールの人々のように歴史に囚われるのではなく、その真価を見抜く力がある。ウェイレストを訪れた人は皆、近代的な街だと感じるのだが、そこには何世紀にもわたる文明こそが織り成せる魔法が存在しているのだ。

歴史家にとって、ウェイレストが創立された日を断言するのは困難なことである。ビョルサエ川がイリアック湾に注ぐ場所には、少なくとも第一紀800年からいくつかの集落が存在していた。ウェイレストの商人と漁師を取り囲むのは非友好的な集団ばかりであった。オークの首都オルシニウムはどんどん北の方向に勢力を伸ばし、西の島々には海賊や襲撃者が群がった。ウェイレストという名に何ら不思議はない。イリアック湾の東の端まで耐え抜いてきた多くの旅人にとって、ビョルサエにある小さな漁村は願ってもいない宿泊所だったのである。

スカイリム占領時代の自慢気な調査にウェイレストのことは一切言及されていない。ダガーフォールの年代記において、第一紀948年にジョイル王がガイデン・シンジに送った手紙には次のような言及がなされている。「オークはウェイレストの人々をずっと苦しめ、今にも大陸の中心に迫る勢いである」

ウェイレストが実際に栄えたのは、第一紀980年のオルシニウム崩壊の後である。勤勉な商人達が貿易同盟を結成する際の助けとなり、それにより湾での海賊の活動も衰退していった。商人として成功を収めたガードナー家は、街の中に城壁を巡らせた宮殿を建てると、そこで銀行やその他の商売を始めるに至った。ガードナー家のファランゲルは、第一紀1100年にウェイレストが王国と名乗ることを認められた際、王に任命された者である。

ウェイレストは一族によって支配されることになったが、商人が持つ偉大な力は相変わらずであった。多くの経済学者がこう主張する。苦境の中でもウェイレストが無限の富を得られるのは、商人と王のこの奇妙な関係に因るものだと。ガードナー王家の跡はカンバーランド王家が継いだが、ウェイレストの王が革命や暗殺によって退位させられることは決してなかった。ウェイレストの商人としての心を忘れる王は1人もいない。商人と王は互いに尊敬し合い、その関係は互いを強くしているのだ。

ウェイレストは荒廃、干ばつ、天災、海賊行為、侵略、そして戦争をその素晴らしい気質と実行力で乗り越えてきた。第一紀2702年、海賊や襲撃者、そしてスラシアの疫病からの保護を理由に、街の人口の大部分は強制的にガードナーの城壁の中へ移された。より愚かな人々には耐えられなかったかもしれないが、ウェイレストの人々は何世代にもわたって生き延び、タムリエルを豊かにしている。

オーク:我々の中の害獣Orcs: The Vermin Among Us

アブソロン・ソリック 著

奴らは穴をねぐらにして寝る。奴らは大量に繁殖し、腐った肉の臭いがする。賢い読者の諸君、これはスキーヴァーのことではない。オークのことだ。差し迫る脅威、無慈悲な大軍。「待て、ソリック。今や彼らとは同盟の仲ではないのか?」と諸君が言っているのが聞こえてくる。エメリック王の指揮を信じたいのならそれもいい。私達をオルシニウムの獣人に縛りつけている、このカバナントを信じたいのであれば。

しかし、実際諸君の信念は間違っている。王への信頼は間違いだ。この不完全な人間どもには残忍で邪悪な狡猾さが備わっているからだ。狩りをする狼の群れのように、オークは今でも草原に潜んでいる。私達の警戒が緩むのをじっと待っているのだ。陛下のような偉大な方々も、この単純な戦略によって誤りへ導かれるかも知れない。

奴らは今や私達の身近な存在だ。名誉ある獅子の守護団に仕えている。裕福な商人の護衛をしながら、傭兵として働いている。聖堂で聖職者の護衛としても働いている。賢い読者の諸君、分からないか?私達がこの獣達に贅沢を与えれば付け上がるだけだということを?あの粗削りの刃を、私達の鎧に突き刺す機会を与えているだけだ!

ブレトンがやるべき仕事を、奴らはその異常な力で奪っている。奴らの臭く厚い皮は、どんなレッドガードも太刀打ちできない防御を与えている。カバナント領域内の様々な都市で、オークが女性を強姦して異常な混血児を発生させているという話も増えている!

読者の諸君、これをどれだけ放っておくつもりか?この不潔な獣にどれだけ屈服するつもりか?私はもううんざりだ!今日、自身の村で志を同じくする者同士団結しよう。そして、この獣どもに対して反乱を起こすのだ!このくずどもに。この…オークどもに。

かつてOnce

〈告げ示す者〉ベレダルモ 著

かつて、我々は偉大であった。

かつて、バトルリーブは戦争の達人であり、サピアルチは賢く教養があった。かつて、我々はエルセリック海からロスガーの山々までハイロックのすべてを支配した。そしてネードは我らの奴隷であり、道具であった。

かつて、ティリゲルの白鳥ことディレニ・シグナスはバルフィエラとその塔を発見し、自身のものだと主張し、後から来た彼女のクラン全員に彼女の名を冠するように命じた。

かつて、錬金術は、アルテウムの初期のサイジックに入会依頼を受けたアスリエル・ディレニが「試料簡略年鑑」を編集するまでほぼ不明瞭であった。

かつて、レイヴン・ディレニの「エルドリッチ結合の法則」の確立以前は、付呪すべてが大変珍しいものであり、その試行のほぼすべてが失敗に終わるようなものであった。

かつて、アレッシア改革の間、リャン・ディレニは帝国に耐え忍んだ。彼のブレトン軍はディレニのエルフから武器の供給と指示を受け、東はマルカルスとエリンヒルまでを支配するに至った。オルシニウムのオークの要塞は何度も略奪を受けたが、そこを最初に略奪したのは我々ディレニである。

かつて、グレナンブリア湿原の戦いで、エイデン・ディレニの無数の軍勢はアレッシアの大軍に圧勝し、彼らをシロディールに追い返した。

かつて、下級デイドラの召喚でさえも恐れられ避けられていた頃に、コルヴス・ディレニは召喚の法則を体系化した。

かつて、ペレグリン・ディレニは自身の真なる意志をイリアック湾の波に変え、ラ・ガーダの船隊をセンチネルへ追い返した。

かつて、ペラディル・ディレニは石の精霊の軍団を召喚することで、リルモシート遺跡に散らばった瓦礫からたった1日でブラックローズ監獄を建設した。

そう、我々はかつて偉大だった。しかし、個人の功績が何であろうと、シグナス以来ディレニは皆、成功に恵まれることはなくなってしまったのだ。

なぜなら我々はゼロストーンの謎を解き明かせず、それによって守られたアージャント・アパーチャーを開くことができないからである。

成人すると、高潔な血筋のディレニは皆、塔の地下宝物庫へ案内され、ゼロストーンを見せられる。我々はそれに触ることができる。我々が決して使うことができない力、そこに流動する神秘的で並外れた力を肌で感じるのだ。そして隣接する金属製の壁にあるアージェント・アパーチャーを見せられる。その扉にはゆっくりと逆回転する13の輪の錠が付いている。決して開くことができない扉だ。

我々ディレニがストーンから力を吸収するか、アパーチャーを開くことができなければ、間違いなく他にできる者はいないだろう。我々は世界の高みへ戻り、壮大なことを成し遂げる。自身の失敗を受け止めずに済むように。

しかし、我々は死の間際に一度、それぞれの知識、功績を集結させ、もう一度地下宝物庫へと続く階段を作る。清算するために。ただ一度だけ。

大半は1日か2日以内に、死んだ状態か体がひどく捻じれた状態で発見される。私の最愛の人であるヘロンのように、中には生き延びる者もいるが、怪我がひどく、混乱状態で自分達に起きたことを理解できない。

私?私はトルマリン尖塔にある自分の部屋に留まり、昼間はヘロンの世話をして、夜は蔵書庫でアイレイドの書物の翻訳をしている。この生活にも十分満足している。

しかし、古代のグリモアやリブラスの魔術師のことを調べていると、長らく行方不明だった一族のアルケインの書物は秘密にしておくべきなのかどうか、時に疑問に思うこともある。

そこでこう考える。何の役にも立たない知識は存在するのか?そしてこう考える。この知識は何の役に立つのだろうか?

そして私は階下への長い道のりに足を踏み出す。

ただ一度だけ。

ハイロックの騎士団The Knightly Orders of High Rock

タネスのレディ・シンナバー 著

封建的な階級制度へのブレトンの愛着は、最も身分の低い小自作農民からウェイレストの上級王に至るまでハイロックのすべての側面に浸透している。ブレトンの騎士社会の興味深い現象においてこれほど明確なものは他にはない。

ここハンマーフェルで、私達レッドガードは剣の握り方を知る男女すべてに平等な市民権を与えている。そう、私達にも支配階級がある。もちろん文明には指示と管理がつきものだ。しかし、この貴族政治と比べると差はほとんどない。

ハイロックでは事情が異なり、皆が自身の階級の高さがどれくらいかを自覚している。それは、ディレニのエルフの大君主達から領土を解放したブレトンの一族にまで遡る。ハイロック文化の歴史の基盤には、エルフの支配を振り払った気高き勇敢な「ブレトンの騎士」の物語が存在している。この騎士達がディレニをバルフィエラの島に追い払った後、貴族の伝統を守るため、そして有事の際にハイロックができるだけ守り手を持てるように騎士社会を築き上げたのである。

少なくとも話ではそうなっている。今日、ハイロックにあるすべての王国と公爵領は独自の騎士社会を築いており、ブレトン解放の全盛期まで遡ると言われるほどの伝統も備えている。ダガーフォールの竜騎士団、アルカイアのフレイム騎士団、エバーモアの聖ペリン騎士団など、例を挙げればきりがない。

これらの騎士団は、その輝きを放つ大剣と鎖かたびらを正当化するために近頃どんな任務をこなしているのか?彼らの旗と豪華な式典の先を見越せば、騎士団はハイロックの社会において主に2つの目的を達成していることが分かる。

まず彼らは、多過ぎる貴族の息子や娘が満足できるほど「高貴な」職業を与えている。貿易によりハイロックが栄えたように、長い時間をかけて商人という職業は、貴族の子供達にとって君主に代わる職業として受け入れられてきた。しかし、実際には男爵の子供すべてに数字と交渉の才能があるわけではない。これらの数多いる後継者候補にとって、地元の騎士社会には常に自分のものにできる地位が存在する。

2つ目に、下層階級の人々に騎士爵を与えることは、社会(や、成り上がって行く君主)に対する顕著な貢献に対して報いる手軽な手段である。彼らはブレトンの社会において重要な階級を得ることになる。騎士のほとんどはこのケースだが、平民が戦闘以外の功績で騎士爵を受ける場合、その騎士団への在籍は名ばかりだ。そうした「卿」は有事に剣と盾を掲げることを期待されていない。しかし、彼らの功績が貿易において極めて重要なものであれば、新たな「商人騎士」は、騎士団の財政維持に対して、重要かつ持続的な貢献を期待される。

外交や貿易の仕事でウェイレストやエバーモアに来て、輸送会社の頭としてドリック卿が紹介されたり、宿泊所を束ねる経営者としてリザベッテ卿が呼ばれたりしても驚かないでほしい。目の前にいるのは、ハイロックの伝説的なブレトンの騎士の1人に過ぎない。

ブレトン:雑種か上位種か?The Bretons: Mongrels or Paragons?

エリンヒルのファラスタス 著

人間とエルフが交配できることは、神話紀の中期に最初の人間がタムリエルの海岸に辿り着いた頃から知られている。しかし、エルフと人間の交配が広まったのは大陸のごく限られた北西地域のみであり、そこでブレトンという人種が発生したのである。タムリエルの他の地域における人間とアルドマーの子孫との紛争の歴史を考えれば、このような交配がいかにして、またどうしてハイロックで発生したのであろうか?

その答えは、かつてタムリエルの北西部を支配していたエルフのクラン・ディレニの(エルフにとっては)独特な文化の中にある。出会った人間をすべて容赦なく奴隷にするシロディールのアイレイドとは対照的に、ディレニは征服した地元のネードを、単に貴族社会のカーストに組み込んだだけだった。上流階級のエルフは人間を臣下として支配する封建制度を敷き、その権利や特権には望んだ人間を誰でも相手にできる「性交の特典」が含まれた。魅力的なネードとの性交はちょっとした娯楽として考えられ、ディレニの貴族達は、極めて魅力的な人間の臣下をどれだけ抱えられるかを競ったのである。

このような性的関係から必然的に生まれた半エルフの子供は亜エルフと考えられ、ディレニの親の家族に引き取られることはなかったが、ネードの臣下の中でも特権を与えられることがよくあった。これにより、長い時間を経て、「ブレトン」(エルノフェクスの「ベラトゥ」もしくは「ハーフ」から)という名を与えられた混血の人間のカーストがはっきりと形成されるようになった。ブレトンは人間とだけ結婚することを許され、長い時間をかけて彼らのエルフの血はより薄くなり、ネードの外見が濃く出るようになった。

第一紀の頃は彼らも偉大な力を備えていたが、その頃でもクラン・ディレニのエルフは決して数が多くなかった。支配地域の拡大とともに、管理と支配は少しずつブレトンのカーストへと移っていった。第一紀482年に侵攻してきたアレッシアの大軍を打ち負かした後、クラン・ディレニは散り散りになり力を失ってしまった。エルフがハイロックの中央、最終的にはバルフィエラの島に逃れる一方、ブレトンは易々と彼らの跡を継いだ。ディレニが敷いた封建制度をそのまま受け継ぎ、彼らの地位に自分達の貴族を就かせたのである。

ディレニの伝統と自身を区別することを強要されてきたブレトンの貴族は、エルフやエルフに関するすべてを自分達から遠ざけることで新たな即位を正当化した。皮肉にも、古い貴族の家ほどエルフの血が強く残っていたのは言うまでもないが。ディレニは以前の臣下にますます中傷されるようになり、島のクランはさらに隔離されて孤立していった。しかし、彼らは今でも偉大な魔術師として知られており、第一紀907年に起きたレッドガードの侵攻を追い払うほどの力を持っていたことは間違いない。

ブレトンは自身を再定義し続けた。ディレニの支配に抵抗した気高い歴史の神話を創作し、タムリエルの沿岸地方で貿易を行う商人階級を育て続けた。女帝ヘストラとその軍団が第一紀1029年にバンコライ峠に到着した頃には、人間の帝国に加わり、八大神に帰依する態勢が整っていたほどである。レマンの支配下において、ハイロックは第二帝国の中ではおそらく最も安定して栄えた場所であっただろう。

そして、題目の(わざと挑発的にした)質問に戻ってくる。ブレトンは雑種か上位種か?その答えはもちろん両方である(もしブレトンを雑種と呼べば、少しばかりの鋼鉄が飛んできそうだが)。ブレトンという情熱的な人種を見れば、人間とエルフ両方の強さ、そして欠点も同様に体現していることが分かるだろう。

わが使命、わが誓いOur Calling, Our Pledge

ドゥラク修道院長 著

この一団に入ってきた新人はほとんどが私に「霊魂の守人になることの意味とは?」と尋ねてくる。この戸惑いは当然のことだと思う。アズラは道を示して下さるが、それがいつも我々が考えている方法で示されるとは限らない。彼女は私に話しかけてきたが、それも人生で2度である。それも夜に辛うじて聞き取れる穏やかな囁きのみであった。

ドリームシャードとはアズラの贈り物だ。我々が毎晩飲む夢見ずのの薬も同様である。アズラが予見するのは、悪夢の女王ヴァルミーナがこの地にいつ狂気の災いをもたらすのかということだ。我々がそれを止めない限り、数え切れない罪のない命が失われるだろう。

夢見ずの薬を飲めば我々はヴァルミーナの狂気から守られる。そうすれば他の人々を、夢で気を狂わされた魂や犠牲者を助けられるかも知れない。災いの時、我々は立ち向かう。これはアズラ、そして誓いによって示された…我が使命なのだ。

石喰いの聖なる儀式Sacred Rites of the Stonechewers

ネリック・ステロン 著

私は長期間にわたって石喰いゴブリンの部族を観察している。彼らの日々の活動を記録してきて、その習慣や日課に随分詳しくなってきた。ゆっくり時間をかけて、少しずつ彼らのキャンプの境界近くまで近付いた。時々姿を見せて相手に自分の接近を慣れさせるようにも仕向けた。ある時、木の後ろで用を足そうとしていた1人の戦士が私の監視所を見つけ、不平を言いつつ不格好でありながらも使いやすそうな短剣を取り出した時は、私の仕事もここまでかと思った。幸運なことに、部族の呪術師が私の近くへやって来ると、戦士に声を荒げて、彼の剣を振り払ったのだ。呪術師は私を指差して、自分の頭の側でゆっくりと手を回転させた。私が思うに、それはゴブリンの意思表現の1つで、格上の知性を認識したことを意味するのだろう。いわゆるこのような原始生物にそんな学識の一面があるとは誰が考えただろうか?

それ以降、敵対行動は一切なく、彼らの女子供とそれなりの距離を保っていれば、ゴブリン達は私の存在を許容してくれたのだ。時折、戦士が吠えてくることはあったが、私はただ自分の頭の横で手を回転させて「知性的存在」の意思表示を行った。すると、戦士は肩をすくめて自分の仕事に戻っていくのだ。

ゴブリンの宗教的な習慣について知られていることはほとんどないため、私は部族の呪術師を詳細に調べることにした。彼の仕事場のシンボルは骨の棒、おそらく大腿骨だが、その先端に小さな頭蓋骨を取り付けた物であった。その頭蓋骨もおそらくは幼児の物であろう。この頭蓋骨は様々な羽、とげ、そして動物の爪で飾られている。中は木の実の外皮のような物で満たされているため、振るとガラガラと大きな音を立てる。呪術師は、聖なる儀式の招集をかける際や女の食事の給仕が遅い際に、この神聖なシンボルを振り鳴らすのだ。

特に重要な儀式では、呪術師はそのシンボルを胸に当て、それから頭に当てた後、それを空に向けて「モロク!」と叫ぶ。最初私はこれに戸惑った。彼らがヅラゾグや子供を折檻する際に使う言葉「モールク」や糞便に対応する言葉「ムロコー」に類似していたからだ。しかし、少しずつその差異を学び、呪術師が叫ぶ「モロク!」にはゴブリンの神を呼び起こす意味があると、ある日私は気付いたのである。

その言葉がとても印象的だ。「モロク」は「モーロッチ」とそれほど違いがない。まさかゴブリンの神とオークの神は同一のものなのか?

このほどの発見ならウェイレストの大学で終身在職権を得られる!そのためにはこの発見を第三者が確認することが必要だ。だがどうやって?

夢から夢へTo Dream Beyond Dreams

百の預言の予兆 著

メネヴィア、緑多き愛しきメネヴィア、そこにある若いブレトンが住んでいた。彼は歴史的遺産を受け継いでおり、身の周りの世話は人を雇っていたため自分は何もする必要がなかった。間仕切り窓のところに座り、ひし形窓の外で田舎の風景が日の光とともに変化する様子をじっと眺めた。その日彼は、辺りが暗くなり就寝の時間になるまでずっとうとうとと過ごしていた。その後床に入った彼は夢を見たのである。

彼はどんな夢を見たのか?それは自身の所有地の夢だった。しかし日中のものよりも色が濃く、実物以上、さらに汚れのない清らかなものであった。夢のメネヴィアは現実のメネヴィアよりも現実味があり、起きている時よりも寝ている時の方が生を実感できたのだ。毎日彼は間仕切りのところで、夢を越える夢を見る方法を模索した。夢見のメネヴィア、レヴァリメネヴィアで永遠に暮らす方法を。

彼は「レヴァリメネヴィア」と言う。それは祈りの言葉であった。「レヴァリメネヴィア、レヴァリメネヴィア」。彼は何千回もこの祈りの言葉を口にした。すると、その言葉はみるみる「ヴァーメネヴィア、ヴァーメネヴィア」に変化していき、さらに回数を重ねて短くなっていった。そして最後には「ヴァルミーナ」となり、彼は何度もそれを繰り返す。「ヴァルミーナ、ヴァルミーナ」

そこで夢の形でヴァルミーナが現れ、彼のことを天上の夢見人、最初のナイトコーラーと呼ぶと、百の預言の予兆と名付けたのである。目覚めた後も、まだ夢の中にいるようで夢うつつで言葉を発し、彼は他の夢見人を彼のもとへ、レヴァリメネヴィアへ呼ぶのであった。

あなたもすぐに彼のようになれる。ナイトコーラーはそれを夢見てきた。ある夜夢を見たら、そこでその名前を言うのだ。そうすれば彼女が現れる。

霊魂の守人の創設Founding of the Spirit Wardens

信者のサークルの第三の番人、ジャニス・ムリック 著

第1章:ドゥラクの若年時代

ドゥラク修道院長は我々の崇高な指導者であるが、彼がその肩書に満足することはない。巨匠ウグバクがかつて言ったように、その理由はオルシニウムの廃墟での彼の幼少時代に関係しているようだ。オークにしては小柄なドゥラクが、オークにとっては馴染みの薄い神秘主義の道へ進んだのは、兄弟のいじめのせいだというのは誰もが考え得ることである。

ウグバクが言うように、ドゥラクの物語はオルシニウムから始まる。そこでの彼の運命は辛く寂しいものであった。ドゥラクの生活が一変したのは、デイドラ公アズラが囁きかけてきた夜からである。アズラは、ドゥラクが偉大な任務を完遂すると語ったのだ。彼はストームヘヴンへ行き、そこで彼女の名のもとに崇拝者の一団を築き上げる。この一団「霊魂の守人」が混沌の時、ストームヘヴンの人々が悪夢の狂気に苦しめられる時に向けて備えるであろうと。

ドゥラクはこの囁きを兄弟に教えるつもりはなかった。魔法の知識と身体能力が乏しいせいで、すでに嘲笑されていたからだ。彼は杖以外何も持たずにオルシニウムの家を出発し、ストームヘヴンへの長い旅を始めたのであった。

ドゥラクはストームヘヴンへ辿り着くが、「霊魂の守人」の一団をどのようにして築いて、どこで暮らせばいいのか見当もつかなかった。途端に彼は絶望した。ある夜、彼が嘆きの巨人の下で宿りをしていると、再び囁きが聞こえてきた。穏やかなアズラの声が語った内容はムーンリット・モーの西にある丘に隠された道についてであった。その行き着く先で、ドゥラクは草に覆われて見捨てられた古代の大修道院を見つけた。ここが霊魂の守人の本拠地なのだと彼は悟ったのだ。そして、そこがアズラへ通ずる我らが聖堂となったのである。

ドゥラクの指導の下、我々はヴァルミーナによる夢の災いに備えている。我々はストームヘヴンを悪夢から守るために築かれた。命尽きるまでそれを遂行しよう。

仕立師助手メール 5週間目

29日目
交易品のさらに安い価格を求め、これからキャラバンで旅をしていく予定です。疲労感を乗り越える方法は次第に分かってくるものです。長い旅路でも、大雨でずぶ濡れになった牛の臭いを嗅げば、あまりの悪臭に自然と頭が冴えるんです。

30日目
前回の配送分については申し訳ありませんでした。どうやら予定していた積み荷を、他へのそれと取り違えてしまったようです。こちらが予定通りの荷物となります。ですが今回は私のミスでしたので、すでにお送りした素材についてはそのままお使いください。実はこの辺りでは盗みが多発しており、荷物からは表示をすべて消していました。今回からは三重に確認してお送りいたします。

31日目
ようやくアンヴィルに着きました。港は安全で、キャラバンの航海ルートは往来が多く、タムリエルのどこでも船を派遣できます。もちろんリーチは別です。サンフォージも。そう言えば、ソルスセイムもです。それでも、この事実は変わりません!あなたの行く先に、私の積み荷が届くでしょう。どんな悲惨な場所だろうと。

32日目
ばら積み品用にアンヴィルで小さな倉庫を借りました。これで、荷を積んだ船から直接購入し、倉庫に保管し、必要に応じて転売できます。もちろん看板には、よい名前をつけなくてはなりません。少々時間がかかりましたが、「ボトル・ホール(抜け穴)」と決めました。

33日目
この新たな店名はもはや「ボトル・ホール(抜け穴)」ではありません。昨夜酔っ払った船乗りが大挙して押し寄せてきました。店の名前を見ただけで、いかがわしい店だと思いこんだようです。これ以上の混乱を避けるために、店名を「ボトル・イン・バルク」と改名しました。

34日目
またも店名選びに失敗したようです。「ボトル・イン・バルク(沢山の締め釘)」は、これまでとは別の層の、酔っ払った船乗りを引き寄せました。この界隈で「ボルト」は売春宿の遠回しな言い方のようです。これで、「ボルト・ストア」「ベター・ボルト」「バレルフル・オブ・ボルト」などの名前候補も却下となりました。こうして安全な名前「ノー・ビルク・シルクズ」でいくことになりました。

35日目
馬鹿げています!なんと「ノー・ビルク・シルクズ」とは、アルゴニアンの間で有名な夜の遊び人の名前と同じでした。それを教えてくれたのは昨夜寄港した裕福な船乗りで、ノー・ビルク・シルクズと「会話」できないことにがっかりしていました。もうお手上げです!今は店を「ロウ・ディール(不当な扱い)」と呼んでいます。とにかくこの名なら、たとえ売春宿と間違えられたとしても、タムリエルで一番残念な店名だと思ってくれることを願うしかありません。

1 91 92 93 94 95 106