陰謀と策略

Plots and Schemes

アサルへの命令Orders for Athal

アサル

とても困難な任務だ。シェイディンハルへ向かえ。今は街には近づくな。洞窟か廃墟を見つけて、強力な陣地を作れ。姿を見られるな。クラウデッテとザンドゥルが任務を終えたら、シェイディンハルを攻撃する。

今はそれだけをやれ。合図を待て。

ヘグリス

アニアステの日記Aniaste’s Journal

ツリーヘンジ内の植物相と動物相における観察と実験の記録を続けるつもりだったけど、研究よりも優先すべきことが発生した。

虫の教団がマンモス狩りをしている。理由にはまだ確信がない。だけど、死霊術師が利他的な意図を持っているとは思わない。

ヴァネンディルに、運べるだけの象牙を集めてくれと頼まれた。彼はマンモスの霊魂を解放するため、ツリーヘンジの向こう側で祭壇を作った。これまでは死霊術師の目に触れずに済んできたけど、私たち2人が見つかるまで、時間の問題ではないかと心配だ。

イルデルの日記Iirdel’s Journal

判明済みのブラックサップの支持者:

—ラシルミス、高い木。(ナルリオンの夫)

—ナルリオン、高い木。(ラシルミスの妻)

—ノルウェラス、ほとんど家を出ない。

—グラルデル、上等な毛皮の収集家。

—イーロンド、よく宿屋に行き、酒を楽しんでいる。

—ガルリエル、街外れで、孤独に過ごしている。

すべての支持者が残滓につながっている。彼らに近づいて、まず今週の合言葉を言え:

—「ファリネスティののぞき屋は夜に泳ぐ」

反応があったら、天気を聞け。以下の様な答えになるはずだ:

—「雲がないと、のぞき屋は怖がっていなくなる」

—「雨には、のぞき屋が全部出てくる」

—「晴れると、のぞき屋は洞窟から出ない」

支持者たちは、古い祠の近くにある宿屋で多くの時間を過ごしている。彼らが炎の色を変えているのを見たことがある。炎の色で、必要な最後の回答が分かる:

—「黄色になったら、近所の嫉妬が高まった。赤い肌を盗んだと聞いた」

—「緑になったら、グリーンパクトを壊した。イフレの怒りのせいで赤に変わった」

—「青になったら、自分の家族を食べることを強要された。その体は家族の血で染められている」

ヴァンソンガーの手紙Vanthongar’s Letter

スヴァリルへ

マークマイアが狩り尽くされている現状では、売る価値のあるものを探すのにどんどん遠くへ行かなきゃならなくなってきている。川を渡ってすぐのところに小さな部族を見つけた。奴らは自分たちをモススキンと呼んでいた。いくつかお宝を拝借してきたよ。しかも、本物の墓標も取って来れた。

残念なことに、盗んだ後にはトカゲが追ってきやがった。追いつかれる前にリルモスへ戻ろうとしているんだが、神々は俺に微笑みかけてくれたらしい。最後に姿を見た時、あいつは足を怪我してブライトスロート村に向かっているところだった。

あとはもう蛇にさえ気を付ければいい。一噛みで大の男も倒れると聞いているからな。俺は噛まれるような馬鹿じゃないが。

‐ヴァンソンガー

ヴォクスへの返答、第一草稿Response to Vox, First Draft

レディ・ヴォクスへ

私も聖職者もあなたと共に悲しんでいるが、こちらとしてはトリビュナルに対していかなる愚行も行なうことはできないし、そのつもりもない。私が1人のしもべとして身を捧げているのは世の傷を癒やすことであり、傷を負わせることではない。

実のところ、あなたの息子の行いは悪いことだったと考えているが、生きている者を殺すことにはそれがどんな罪を犯した者であれ反対なのだ。聖ヴェロスが大脱走の終わりに戦争の道を拒否したことを忘れてはいけない。あれは彼が残した重要な教えだ。誰もが見習うべきことである。

お悔やみと祈りを込めて

タイディン・アーサラン

ヴォクスの最後の返答Vox’s Final Reply

セラ・アーサラン、親愛なるタイディンへ

前回の手紙に対する返信には深い悲しみを感じました。セラ、大きな嵐が迫っていることを知らせておきます。あなたの大事なセルフォラは、その狂乱の渦から逃れられません。どちらの側につくか、選ばなくてはいけない時が必ず訪れるでしょう。敵味方に分かれた時、私の反対側にいない方がいい。

もうじきセルフォラを訪れる予定でいます。この件は直接会って話し合わないといけません。手紙のやりとりでは気持ちが感じられないし、言葉の本当の意味がうまく伝わらないことも多い。互いをしっかり理解できるようにしたいのです。

近日中に訪問します。準備をしておいてください。

マギストリックス・ヴォクス

ウロディル・シーボーンの日記Journal of Urodil Sea-Born

先ほど晴れ渡った空が広がっていた場所が、今や辺り一面に嵐が発生している。穏やかな海は、我々の船が波を横切るとすぐに荒れ狂った様子になった。マラバル・トールの海岸に近づくにつれ、我々の勢いは衰えていった。

私の船は沈む前に長艇へと乗り出せるくらいは何とか持ったが、海岸までたどり着いた船員は3分の1しか把握できなかった。陸地に着くと、我々はフィラスと言うウッドエルフに会った。

大変驚いたことに、彼は嵐のスフィアと、それを使って海を我々に敵対させる「嵐の番人」について教えてくれた。木好きは敵を喰らうらしいので、彼らの発言を信用するには抵抗を感じる。だが、彼は残った船団を海岸までたどり着かせるための鍵になるかもしれない。この嵐の番人とやらを彼らの聖域から引っ張り出し、そのスフィアを入手しなければならない。

エバーフル・フラゴンの日誌、1ページEverfull Flagon Journal, Page 1

商売は全くうまくいっていない。今日はハチミツ酒を2杯注いだ。たったの2杯。そのうち1杯は自分用だ。

なぜこんなちっぽけで寂しい村に酒場を開いたのだろう?大変な仕事の後、誰もが飲んで歌いたいと思っていた。鍛冶屋でさえ、働いて喉が渇いているはずなのに、めったに来ない。

奇跡を祈りたいが、運が尽きた。ただの酒場の経営者の祈りを誰が聞いてくれるのだろう?

エバーフル・フラゴンの日誌、2ページEverfull Flagon Journal, Page 2

今日は面白い男が来てくれた。ある種の魔術師ではないかと思う。端に座り、フードを深くかぶっていて、顔はよく分からない。最初は気味が悪く、交流しようとしなかった。ハチミツ酒を飲むと、村やこの酒場について聞いてきた。気分が良くなり、楽になったのは確かだ。男は同情しながら話を聞いてくれ、状況を良くする方法があるかも知れないということだ。

状況を良くする方法が分かるかもしれないという。お客さんに来てもらい、しばらく留まってもらう方法が。問題について考え、本を参考に読んだ後、戻ってくると言った。

何を思いつくのか待ちきれない。酒場を成功させてくれるなら、何でも出すつもりだ

エバーフル・フラゴンの日誌、3ページEverfull Flagon Journal, Page 3

取引をした。

約束通り、スペシャルブレンドは人気だ。

商売はうまくいっている。しかしその代償は?

何をした?

エルフィリオンの日記Elphirion’s Journal

マルゴス将軍がヴレインを攻撃するつもりだという報告を聞いた。ヴレインが陥落すれば、近隣の村も同様にすぐ陥落するでしょう。我々は素朴な民よ。弓矢と剣の技は狩人のものであり、戦士のものではない

何度も話し合った後、ネレイドに助けを求めることにした。聞いてくれることを祈っている。死は避けられないと知っているけど、無駄死にしない方法があるかもしれない。マルゴス将軍はミート・マンデイトを守るでしょう。ネレイドに頼んで毒を得られれば、戦いに勝てるかもしれない。生きて勝利を目にすることはないとしても

若すぎる者や恐くて仕方ない者は、安全のためにドリラダンに行きなさい。他の者はここに留まり、できることをしましょう。我々の死が、ブラックルートを討ち負かすことを知りながら

カーラッシュへの命令Kurlash’s Orders

カーラッシュ軍曹へ

私の言う通りにしろ。他言は無用だ。武器の入ったこの箱をドラ・ダラ大農園の北東にある波止場に運ぶのだ。箱を置いたらすぐに戻ってこい。回収のことは気にするな。

-ゴドラン将軍

コマンダー・ピリンの命令Orders from Commander Pyline

ノースポイントでの我々の作戦は計画通り行われる。我らは間もなく成功し、ショーンヘルムへの進軍は程なく開始されるとレディ・ルレラヤが断言した。

配置場所に留まり警戒を怠るな。ショーンヘルムの衛兵が姿を見せたら即刻殺せ。そして我々が街を制圧して門を施錠した際に逃走、または所在をくらませた、失踪中のノースポイントの衛兵達に対して継続的に目を光らせろ。

質問がある場合、東岸を監視する指揮所で私かカーラ隊長に会ってほしい。我々のうち一人は指揮所に常駐する。

モンクレア家万歳!

-コマンダー・ピリン

コロヴィア脱走兵の日記Colovian Deserter’s Journal

我々は今や全員コロヴィアの敵だ。この土地に住む獣達も彼ら以上に歓迎してくれそうにない。とは言えそんなことは問題ではない。喋るペットや人食い部族と戯れるくらいなら、故郷で脱走の罪に問われ絞首刑になる方がましだ。

将軍は我々を死なせる気で送り出した。彼女はリーパーズ・マーチで手にしたものを守り切ることはできないだろう。そして戦線に配置された兵士の大半は、この占領が自分達の死をもって終了することを十分に承知している。我々は単に離脱したのだ。

我々は人目につかない場所にある遺跡をいくつか見つけた。どれも大した価値はなさそうだし、彫刻を施された喋る猫どもの霊廟でもない。ここなら状況が落ち着くまでじっと待ち、その後必要に応じてあの獣どもから略奪できる。

サガバルへの命令Sagabar’s Orders

サガバル

目的のものが手に入り次第、製粉業者の家と荷車を動かす準備はできている。誰も英雄気取りにならなければ、危険はないはずだ。ブルゾグに、街の南にある古い製粉場に人質を閉じ込めるよう言え。夜12時までに連絡がなければ、人質の喉を切り裂いてもいい。製粉業者には苦労させられたから、ブルゾグはどちらにしても娘を殺してもいい。だが、全て終わったと街に情報を広げれば、彼は市長の妻と宝石商の息子を解放して、キャンプで合流できるだろう。

—レオンス

ショーンヘルムの貯水池に関するメモNotes on Shornhelm’s Cisterns

ショーンヘルムの下部構造には相互につながった多くの貯水池がある。貯水池がハチの巣状になっていて、街の全ての井戸につながっている

それらの多くは、老朽化と粗末な職人技術のため互いに漏れ出していて、たった1つだけが大規模に街へと水を供給している!この貯水池は主なる源といわれている。これのおかげで地下河川の水が直接、街のより小さな貯水池に流れるからだ

– 水路を開くため、まず両方の水門を開けなくてはならない。次に外部の水が流れるよう、ウィンチを回す

– 残留水の供給に先立って貯水池を一掃するため、両方の水門を閉め、次にウィンチを回す。こうすることで、数日中に全ての水が外へ勢いよく流れ出す!

シルヴェナールの根Roots of Silvenar

発掘はうまくいっている。まもなく深部の根に到達し、サンプルを集められるだろう。

このまま予定より早く進められるよう、ノルドをこき使い続けてくれ。文句を言ったらハチミツ酒を垂れ流して、契約のことを思い出させろ。

——アダヴォス・ドレン

スクルダフンへの命令Skuldafn Orders

ジョルンの兵を押し止めよ。長くはかからない。

とにかく後退しなければいい。ここならお前たちが有利だ。ジョルンと奴の「パクト」とやらには、正面から攻める以外に選択肢はない。もし正面攻撃を仕掛けてきたら、我々はいくらでも奴らを押し止められる。

ジョルンが前線を突破する頃、私はこの地の正当な支配者となっているだろうし、ソブンガルデそのものが兄弟を懲らしめてくれるだろう。私の返り咲きはジョルンが想像だにしなかったほどの伝説となり、この地で私のために戦ったお前たちは英雄として讃えられる。

-「オークセイン」ことフィルジョア

ソリック男爵の命令Baron Sorick’s Orders

今夜の命令

ソミックがドゥルーの巣から卵をいくつか持ってくる。各人に少しずつ渡し、ドゥルーサイド中にばらまけ。ただし、こっそりとだ!

誰かに発見されたら、そいつをドゥルーの目の前に放り投げてやれ。この手紙を読み終えたら燃やして処分しろ。後でこれを使って私を脅そうなどとは考えないことだ。

私はアルボガスケの家の上階にいる。この豚には賃貸料の貸しがあるからな。

—ソリック男爵

タンカノーの日記Tancano’s Journal

この退屈な小さな村から父がもっとおいしい一口を持ってきてくれるよう願っている。群れから極上の状態を過ぎたものが選別されて、最上級の肉は既に私の支配下にあるのでなければいいが。今はそれでいいが、私の支配下にある血に飽きたくはない

アランダーはオークの樽で熟成させた最上級のアルトマー・ワインの味がする。だが前回私が彼を餌にしたときは痩せこけていた

ヴァンデリオンにはカビの生えたチーズや糞のようなピリッとした風味があったが、歩けるようになったときから肥やしに膝までつかってる淀みの村で育った男に期待できるのはそんな味だと思う

メネルケアのほろ苦い風味はとても恋しい。彼女の肉を味わったときの彼女の柔らかく小さな泣き声は彼女が提供した御馳走の愉快なつけあわせだった。彼女のエキスをもう楽しめないとは実に残念だ。彼女の干からびた死体をどうするか決めなければならない

父には味わうためにもっと趣味のいい適切な肉を持ってきてくれるよう頼んだ。エリエリルやネルリンのようなもっと高貴な血がいいかも。ヴェラトッセ自身のおいしい死体ならもっといいかも。だが私がこうした要望を出すときの彼の私を見る目つきには落ち着かない気持ちになる。こうした要望に浸らせてやるほど息子を愛していないのか?父は私に健康で活気のある状態を保っていてほしくないのか?なぜ父はあの悲しげな悪意に満ちた目で私を見るのだ?私は怪物ではない、私は彼の息子なのだ

デルズ・クレイムDel’s Claim

忠臣たちへ

ベールの継承者たちへデルズ・クレイムの鉱山に入るよう命令する。鉱山内で見つけたエルフはすべて殺し、新たな安全の地より女王の部隊を攻撃せよ

我らの時は近い

ベールの女王

テルダーの日記Teldur’s Journal

我がマスターであるキャノンリーブ・ヴァラノとその真の忠誠心を、ますます不審に思い始めている。邸宅から四六時中変な客が出入りしていて、キャノンリーブは誰だかわからない人々に個人的な手紙を送っている。誰かがその手紙の内容についてたずねると、かなり用心深くなる。

– – – – –

私の疑念は正しかった!キャノンリーブは、ひそかにベールの継承者のメンバーらと連絡を取っていたのだ!その上、街が攻撃された件に関しても、最初からずっと彼がやったことではないかと強く疑っている。彼に立ち向かうつもりだ。必要であれば逮捕する。彼が誰とぐるになっているのか把握するすべがないので、どの住民にもこの発見をあえて打ち明ける気はない。

ノロニールの日記、6ページNolonir’s Journal, Page 6

禁じられているのは知っているけど、この原理にはわくわくしてしまう。初めて死体が起き上がり僕のあとをついて歩きまわったときは笑い出しそうだった

ああ、父さん、父さんの「まじめな坊や」のことを今はどう思うかな?父さんが亡くなったとき、母さんが火葬していなかったら、父さんを起こして訊いてみるのに

ノロニールの日記、17ページNolonir’s Journal, Page 17

自分の幸運が信じられない。偶然ワンサレンと呼ばれる遺跡を見つけた

この地を築いた不運な人々はどうやら生き残れなかったようだ

だが今は彼らは皆、ワンサレンの部屋を歩き回っている。彼らの魂はこの地を恋しく思ったのだろうか?頑固な骸骨はぼくが話しかけてもまだ答えない!

ノロニールの日記、29ページNolonir’s Journal, Page 29

愚か者たちめ!ここに来てはいけないと知らないのか?僕の邪魔をしてはいけないと?

今日は馬鹿の一団が僕の聖域に入りこんできた。僕のペットはもちろん素早く彼らを片づけたが、最初の一団に何が起きたかともっと見にきたら?

そんなことが起きたら、僕自身を守らなければ

これから瞑想するつもりだ。たぶん奴らを怖がらせて追い払う方法をが見つかるだろう

そしてありがたくもここワンサレンでひとり研究できるだろう!

バイスリーブ・ペリディルの指令Vicereeve Pelidil’s Orders

エルデシル

ベールの継承者がここウッドハースにいることは、アイレンが死んだという確信を我々が持てるまで、誰にも知られてはならない。新人が任務を完遂するまで、姿をくらましているように。お前はただ、彼女に追っ手がかかった際、逃亡を助けるだけでいい。彼女も存在が明るみに出れば、彼女の姉妹同様、我々にとっては役立たずとなる。

彼女が確実に逃げおおせるようにしたら、我々本隊と合流し、準備を再開してもらう。

-バイスリーブ・ペリディル

バルジョーの日記Barjot’s Journal

南中の月22日

実りのある採掘になりそうだ。そんな予感がする。滑り出しは上々。さすがフェランドはプロだな。オークどもに見つかる前に、俺たちは金持ちになっておさらばするだろう。

奴らが賢ければ、自分たちで遺跡を掘ってるだろうな。だが俺は、取り立てて賢いオークにはお目にかかった試しがない。

南中の月28日

1週間掘ったが収穫なし。アティールの奴は、まだ見つけてない部屋があると言ってきかないが、あの猫野郎の言うことに耳を傾けるのもうんざりだ。こんなヤマに加わったのが間違いだったぜ。こんな調子じゃオークに殺されなくとも崩落で命を落としちまうだろう。

南中の月29日

信じられん。あの猫野郎のお手柄だ!本棚の後ろに古い隠し扉が見つかった。アカトシュにも分からないぐらい長い間開かれなかった扉だ。

ようやく当たりを引いたのかもしれない。まあまあの遺物が1つでも見つかれば、ここまで来た甲斐があったってもんさ。扉を開けるのは明日、デルフィンが戻ってきてからにしよう。

蒔種の月2日

なぜ思いとどまらなかった?なぜ俺たちはあの扉を開けてしまったんだ?アティールはこうなるって知ってたのか?奴の悲鳴が耳にこびりついて離れない。

どんな遺物が手に入ろうが引き合わない。俺は出ていく。デルフィンが何を言おうが知ったことか。呪い?俺は手を触れちゃいない。だいたい、大昔に死んだアイレイドたちが、俺の魂に何の用があるって言うんだよ?

ヒナーモの日記Hinaamo’s Journal

記録271
シルヤレルは長く祝福された人生を送ってきた。アルトマーとしても。だがもうこの世にいない。ラヒバ隊長は彼女がクロスツリーの山賊に殺されたものと思っている。スクゥーマを使った人生の自然な終わり」と言っている。ばかげている!妻はスクゥーマの常習者ではない。そのような中傷で妻の思い出をないがしろにするとは!

カジートの思い込みはさて置き、非難すべきなのはクロスツリーだ。証拠はたくさんある。妻がいた岸で見つかった砕けた薬瓶、顔の切り傷。すべてが密売人どもにつながる。トリニマクよ、助けたまえ。仇を討つ!

記録272
週の大半を、港のそばで待機して過ごした。常習者のひとりが販売しているのを見た。追おうとしたが、見られてしまった。音を出された。短い口笛が2回、長い口笛が1回。覚えておかなければ。屋根の上から奴の仲間が2人、飛びついてきた。徹底的に負かされ、港から投げ落とされた

潮が傷の血を洗い流し、目を覚ました。まだ痛みを感じる。あの害虫を追おうとしているのなら、自分の身を守ることを考えなければ

フサクは逞しい仲間で良い友人だ。数年の間、険悪な酔っ払いやごろつきと戦って多くを学び、戦士の寛大さがある。明日、知っていることを教えてほしいと頼むつもりだ

記録273
フサクの笑いは止まらなかった。甘いケーキを求めて鳴く子猫のようだと言われた!私の状況を説明し、教えてくれるか尋ねたところ、態度が変わった

「双子月の舞踏の聖堂に行け。犬に咬まれる者を訪ねろ。俺に話したことを伝えろ」と言われた

明日出発する。オルワネニャには、ウィンドキャッチャー大農園の近くの潮だまりで魚を釣ると言っておいた。信じてくれたと思う

記録274
犬に咬まれる者の話は私とよく似ていた。クロスツリーに兄弟を殺され、ウィンドキャッチャー大農園に来たという。戦いを習いたかったということだ

しかし、モンクたちは考えるよう訓練されているという。武術の訓練はどれもパズルだ。生徒は理解していることを示すまで、次には進めない。リドル・サールの導きがあり、正義を実現しようという望みとともに、復讐したいという思いを鍛え上げられた

彼女が行動に出た時、それは計算され的確なものだった。クロスツリーは事故としか思わないだろう

記録275
訓練は順調に進んでいるが、リドル・サールの教えを受け入れるのは難しい。自分自身をより大きな概念の中の小さな一部とみなければならないようだ

今までにない考え方だ。古いアルドメリスの考え方とは全く違う。はるかにこちらの方が柔軟だと認めるが。特に定命の者の良心の呵責については。このことについては瞑想するつもりだ

記録276
気持ちに静寂が訪れた。眠りは眠れなくなる前に、簡単に訪れる。シルヤレルの糸が私のものと夢の中で交差する。そこでは娘が翼を広げ、私たち全員をぶら下げている枠組みを超えて飛んでいる

空白を越えて、クロスツリーの糸は夜の短剣のように輝いている。奴らのひもを断ち切るのは何て簡単なのだろう!奴らを闇に転がり込ませてやる!

しかし、不正確であるというのは強大な敵だ。だから待つ。観察する。そして学ぶ

記録277
犬に咬まれる者によれば、クロスツリーは脆弱だという。直接対決するなど問題外だ。他の者とはぐれたひもを断ち切る方が良さそうだ。ひもを切れるまでほどきながら

用意はできた

ヒルデューンの隠れ家Hildune’s Secret Refuge

斥候が可能性を秘めた隠れ場所を新たに発見した。ヒルデューンの隠れ家はもはや大した機密でもないが。

ヒルデューンが自分の井戸へ入っていくのを目撃されたのだが、体を濡らして出てくる代わりに、採掘物を手にしていたのだ。二度と戻って来ないように斥候が彼を追い払った。井戸を調査した結果、ヒルデューンは古い廃鉱山を発見していたことが分かった。今その井戸は我々の手中にある。

中にいるアエルマに従い、この場所を確保しろ。我々が制圧するすべての場所を利用すれば、ノースポイントを板挟みにして粉砕できる。

ファイアブランド監視所Firebrand Watch

獅子の守護団の怠惰ぶりには驚きを隠せない。彼らはハイロックの至る場所で砦を放棄している。戦略や防衛に対する配慮が一切ない。獅子の守護団が最も最近放棄した場所はファイアブランド監視所である。噂によると、レッドルークがその場所を略奪して一儲けしたらしい。ファイアブランド監視所に急行し、残っている物をすべてかき集めろ。獅子の守護団の損失は我々の利益に他ならない。

ファランゲルの調査:追加命令Farangel’s Delve: Further Orders

お前のせいで莫大な資金が掛かっている。

Hはこの積荷の保管料を払うことにウンザリしてきている。お前には慎重さが足りないし、これ以上お前を秘密の洞窟に置いておくわけにはいかない。正直に言うが、お前はその洞窟を十分に隠しきれていないようだ。

積荷をなんとかしろ。売るんだ。今すぐに。どれぐらいの価値があるかは知っている。それで資金を調達すれば、お前のヘマを埋め合わせできるはずだ。資金の流れはしっかり把握しておく。そうすればお互いの利益になるし、お前をそこから早く解放できる。

Hは2つのことに大金を投じている。アリーナとお前だ。馬鹿な真似はするなよ、私達はお前の仲間達を、いつでもアリーナ送りにできるんだ。

お前が大金を手に入れるのを楽しみにしている。

フィラスの日記Firras’ Journal

この後の戦闘に備え、生き残れなかった場合に自分の行動を説明することを願ってこれを置く。私はフィラス、嵐の番人だ。私たちを支配する者よりも民を愛するがため、私は命令を裏切った。

ずっと昔、嵐の番人はアイレイドだったが、その力は今や我々の支配下にある。これを都合よく利用して民に富と力をもたらす代わりに、我々はそれを使ってサルモールに仕えた。実際のところ、これが意味するのは我々がアルトマーの召使だということだ!

ドミニオンに対して、スフィアを使って彼らの船から海岸や森を守ることが可能だ。あるいは、少なくとも、民の生活を改善するために通行料を要求できる。しかし、我らが指導者のサーニアンはそうはできないと言う。我々はずっと昔に死に絶えた民の基準に従って生活し、すべてのエルフのためにスフィアを使わなければならない。それから、特に定められてはいないがカジートのためにも。

だから無力な兄弟たちに変わって、私は侵略者に頼り行動を強いるのだ。シーバイパーが嵐の番人たちを殺して私が支配権を握るか、それとも我々がアルトマーに守ってもらうことは当てにできないと、彼らが嵐の番人に示すかである。

他の者は私を裏切り者として見るかもしれないが、私はボズマーの民の大義のために罪を犯しているのだ!

フィルジョアからの警告Warning from Fildgor

カゾック

コヌンレイカーの最中にお前の兵がウィンドヘルムに忍び込もうとするかもしれない。そうならないように注意しておいてくれ。

方法はお前に任せる。だが街の中では他の計画が実行される予定だ。お前かその兵士達のせいで計画が台無しになれば、お前の首が飛ぶことになる!

—フィルジョア・オークセイン

フィルジョアの命令Orders from Fildgor

レイメア

ストームフィスト旅団は私を誇らしい気持ちにさせ続けている!お前が最終戦まで勝ち抜けられるだろうと分かっていた。お前は私の弱き兄弟に触れる機会を掴むだろう!まさに私が計画した通りだ。私の伝言をジョルンへ届けてくれ。計画を実行する時に、彼の目を覗き込むんだぞ。

私の兄弟は守られているだろうが、お前は奴を守っている臆病者達よりも強い。すべて殺して、私の元へ戻って来い。

—フィルジョア・オークセイン

フリルヒルドの日記Frirhild’s Journal

アイズレフは怪しんでるが気付いていない。
何をするかは話さない。
ラエにキセルを見つかったが気付かれなかった。アイズレフのものだと教えた。

残り少ない。なくなったらムーンシュガーを試すかも知れない。

アイズレフはあのエルフを見る度にラエに怒鳴ってる。
彼女のせいじゃない。どうしようもないのだ。
自分にも彼女を助けることはできない。

またダンマーを見掛けた。アイズレフは気付かなかった。
彼に忠告して去らせるしかなかった。
いい結果にはならない。アイズレフが考えてるようには。

ベールの継承者の手紙Veiled Heritant’s Letter

ベールの継承者に入ったのは間違いだったと思わずにはいられない。今はボズマーのどこかの呪われた村、ドレッドヴレインに潜伏している。任務には十分な死体があるが、彼ら自身の過去が繰り返し聞こえるのは心を乱される

命令してきたのは、ナエモン王子の腹心のひとりだった。一度話したことがあるが、彼もナエモンもまだ生きていた。短い会話で、そんなに重要ではなかった。しかし今では、彼もナエモンも認識できない

死霊術師である私はそのようなことに悩まされない。しかし我々の長には、ベールの継承者に加わりたいと思わせてくれた高貴さと美徳は全く見られない。

サマーセットに帰りたい。ここの森は仕事をするほど近くなるようだ。荒々しくそして厳しく、我々を囲んでいる。ヴァレンウッドは生きていると聞いていた。今では生きていると知っている

ベールの指導者へTo the Veiled Masters

ベールの指導者へ

計画通り、評議会の間抜けが私をこの僻地に派遣した。不在の女王、アイレンに反抗するために、自分の仕事を始める。適性を持ち、かつ伝統とエルフの栄誉の支持者であるナエモン王子から指導者の地位を奪った罪は、懲罰に値する。

エルデンルートを三重に呪われた「ドミニオン」の首都に決めることで、彼女は抜け目なくウッドエルフの助力を得た。その処置によって得られる名声を想像して、カモラン王は有頂天になったに違いない。アイレンは長年彼を意のままに操ったが、それはまた別のつまらない話だ。

カジートに関しては、私が期待通りに建築を遅らせたことを知れば、あなたは喜ぶだろう。グラーウッドの民は、今回非常に役立ってくれた。官僚政治よりも強い力は、どうやら存在しないようだ。

—T

ヘグリスによる命令Orders from Hegris

ザンドゥル

ブルーマは収穫時を迎えた。時が来たら、我々のものとなる。農民たちとドレモラは、二度と我々が近づく姿を見ることはないだろう。隠れた基地を探し、合図を待て。

クラウデッテに連絡はするな。もし私の計画を台なしにしたら、お前たち両方の皮をはいで夕食に食ってやるぞ。

—ヘグリス

ヘグリスの命令Hegris’ Orders

クラウデッテ

ブルーマは収穫時を迎えた。時が来たら、我々のものとなる。農民たちとドレモラは、二度と我々が近づく姿を見ることはないだろう。隠れた基地を探し、合図を待て。

ザンドゥルに連絡はするな。もし私の計画を台なしにしたら、お前たち両方の皮をはいで夕食に食ってやるぞ。

—ヘグリス

ヘル・シラの霊魂についてOn the Spirits of the Hel Shira

最も尊敬されている魔導将軍、セプティマ・サルンへ

帝国軍第七軍団による勇気の間への最初の侵攻は、残念な結果に終わった。だが、あなたが多くの時間をかけて私に秘術を教えてくれたことは、私たちだけでなく帝国全体にとって有益だとお伝えできて嬉しく思っている。マニマルコの古いメモを何週間もかけてじっくり読み、ヘル・シラの霊魂を操作するための鍵を発見した。この魔法はあなたの兵が霊魂を通り抜けられるだけでなく、霊魂を命令に従わせることもできるようになる。

あなたの勇敢さと知識に畏敬の念をこめて。

マグス・パムピント・シヴィオ

ヘンディルの日記Hendil’s Journal

息子の容態は悪化している。鎮静剤も効かなくなってきている。病気の威力はとどまるところを知らない。それにあの問題もある!感染者にどう対処すればいいのかわからない。

もうアロエに頼るしかない。アロエの強力な局所麻酔薬としての真価を最初に見出だしたのはこの私だ。もう少し平穏な状況だったら、この研究は大学に提出していただろう。同僚の尊敬を集められただろうに。

今や起きているあいだずっと周りを怖れながら生きている。タンカノーの真実もいつ暴かれるかわかったもんじゃない。もし暴かれたら——

マークされてないページUnmarked Pages

蒔種の月 2日
本当に可能かどうかは不明だが、主は自分が欲しいと思ったものは必ず手に入れる。クラグローンでの我々の存在感は日を追うごとに増しているが、彼の状況は相変わらずだ。当惑は理解できる… 自由に動き回れるようになれば、ハイランドは完全に我々の支配下になるだろう。

彼の牢獄をついに破ったトロールとネードの儀式の組み合わせさえ、この件についてこれ以上進展はない。支配下にあるセレスティアルのガーディアン達も失敗した。まさに万策尽きたというべきか。

当然ながら、摂政たちは彼の代わりに仕事をするだろう。主が彼らを選んだのには理由がある。

蒔種の月 4日
恐らく回答はずっと目の前にあったのだろう。聖域オフィディアには使い切れないほどのニルンクラッツが保管されていた。これだけあれば数年は戦争を継続できるはずだ。

そしてニルンクラッツは原始の塵として、エネルギーを伝達し… 移す。主はセレスティアルのエネルギーによって構成されている。それが鍵となるかもしれない。

栽培の月 5日
主はへつらう取り巻きからの多少の血(残念ながら、志願した者は失ってしまったが、歩兵などいつでも替えがきく)と、少量のニルンクラッツの粉を必要とする儀式を有していた。我々は主から少なからぬ感謝の意を得ることができた… あと少しのご辛抱を。主が再び自力で歩いてこの洞窟から出られるようになるまで多少時間はかかるが、少なくとも器は完成した。

そしてその前に立ちふさがる事になる者に、その信じる神の加護があらんことを。

マーディンドリルの命令Merdyndril’s Orders

マギストリックス・ヴォクスの名において

すべてのモールボーンはフラール湖の監視を続け、安全を確保しなければならない。ロドス病の検査も続け、この地域のキャンプを維持する

新しい調合法は思ったほど強力ではない。もっと強力な調合薬を作るため、私はゴージに戻る。またデシャーン中に物資を輸送する我々の計画も引き続き推し進める予定だ

新しい命令が下るまで、滝で新しい調合薬を1回分ずつ加えて試験を続け、結果を記録してくれ。勝利は近い!

—マーディンドリル

マルドレッド治安官の日記Constable Maldred’s Journal

「尽くし、守る」という主義をどれほど長い間信条としてきたか分からない。最近のできごとは私の目を開かせ、あまりに多くのものを変えたが、私には新たな戦う理由と支えるべき盟友ができた。

このすべてにおいて1つ悔いが残るとすれば、それは今後私が親愛なる友アドゥサ・ダロと敵対することを余儀なくされるであろうことだ。私達は本当に長い付き合いで、今後彼女が私の敵になるなどほとんど想像もできない。彼女を美しいルレラヤに紹介し、こちらの思想に転向させられないかとかすかな望みを抱いているが、その努力は無駄に終わるのではないかと危惧している。彼女は心底ヴェランディスのとりこになっていて、それは私が何を言おうと変わることはないだろう。誇り高く有能なアドゥサ・ダロが、最終的には死なねばならないのではないかと気がかりだ。

私を悟りに導いたできごとはすべて記録しておくべきだろうか?いや、時間がないし、今はやるべきことが多過ぎる。後できっとこのページを自分が得た知恵で埋め尽くせるだけの時間が持てるだろう。ルレラヤは怪物ではないと言えば十分だ。私はあの女に深く魅了され、彼女の魅惑的な仲間達ともっと多くの時を過ごすことを待ちわびている。今はただ、彼女の言葉と行いに心を動かされ、彼女の未来像が私の未来像となり、彼女の目標が私の目標となったとだけ書かせてほしい。

そしてこの静かな集落、モイラの願いからすべてが始まる。街の住人は我々の大いなる目的に忠実な狂血鬼へと見事に変貌を遂げようとしているか、さもなければ死んでいるか死にかけているかのどちらかだ。まもなく我々はルレラヤの祝福という贈り物をリベンスパイアー全体に広められる。そうなれば、その混乱は凄まじいものになるだろう!

マロファーの日記Malofar’s Journal

発見した!地図が示したとおりの場所だ。伝説によれば、ずっと昔に巨人の集団がこの地に来て、この洞窟に居を構えたらしい。研究と実験を続けるには完璧な場所だ!

スカイリムの愚か者たちが私の業績を恐れていたことを思う。あの若造の従士が私を追放するとは、身の程知らずめ!だが、愚か者が多すぎた。私のクランには、荷物をまとめてこの荒れ果てた地に来るしか選択肢がなかった。ありがたいことに、だからこそ私が望んでいたことが実現した。この聖なる洞窟に近づけただけでなく、エメラルドの聖杯をこの手に掴む日も近づいた。

エメラルドの聖杯は、期待以上に役に立っている。聖杯の魔法の力はまさに期待したとおりだが、私が加えた改良が耐えてくれるかどうかは定かではない。聖杯の魔法で、クラン全体をゴブリンに変えた(私のせいでスカイリムを追われた不満は、これで解消された)。聖杯の魔法の力に少し手を加えただけで、私に対する狂信的な献身も得ることができた。

防御用の氷に関する古代のノルドの儀式で、この内なる聖域を守った。私の忠実なゴブリンたちは、ルーンストーンの鍵が尊敬され守られるべき強力な遺物だと信じている。彼らの手から奪い取ることは、誰にもできない!ゴブリンと魔法の障壁のおかげで、ついに研究のための安全な場所を手に入れられた。スカイリムにいる愚か者たちへの復讐も、すぐに果たせるだろう。

モールボーンの宣言The Maulborn Manifesto

この地は問題を抱えている。人々が直面している特に顕著な問題を並べただけでも、病気、侵略者、内部の逃走などがある。それぞれの問題が起きる度に、我々は槌で殴りつけられたかのように再び押し潰される。しかし、我々はその殴打を生き延びてきた。そして生まれ変わったのだ!我々はモールボーンであり、我々はトリビュナルが現在与えられないか与えたがらないでいる救済と援助を提供するために、利他主義の精神とより良いモロウウィンドの未来図を結合させた。

特に有力なダンマーの名家から強力な後援者を集め、貴族と平民の両方から支持を受けて、モールボーンは住まいを失った者を保護し、病人をいたわり、負傷者を世話して、飢えた者に食事を与えることに励む。これは評判の良い行為であるだけでなく、正しい行為だ。それを達成するためにモールボーンでは、慈善や思いやりの活動を行なえる有能な個人を各階級に集めようと、大規模な求人をしてきた。我々が目標とするのは、モロウウィンドにかつて存在しなかったような団体を、この地を苦しめる殴打を相殺するような寛大な行為をする団体を作り上げることである。

これを達成するため、誇りを持って初の被害者救援施設の開設を発表する。ロドス病の被害者は手当てと援助を必要としており、モールボーンはそれを提供する。さらに、被害者が必要としているのは疫病に対する処置だけではない。完治させる治療法が必要なのだ!そして、我々の錬金術師と秘薬師の働きにより、モールボーンは希望するすべての被害者に治療法を提供する予定だ。セルク隔離所にある我々の施設に来て、あなたもあなたの家族も、心底必要としている手当てと援助を受けてほしい。そして、もし運が味方してくれるなら、ロドス病を治す手当てを受けられるはずだ。

モロウウィンドの人々よ。新しい種類の槌の音を聞いてほしい。その槌が振り落とされるのは、破壊ではなく作成のためである。傷つけるのではなく立ち上がるためである。妨げるのではなく助けるためである。これがモールボーンの約束であり誓いだ。我々に加われば満足するはずだ!我々を求めれば、必要としている援助を受けられる。

それは保証しよう。

モンクレアのアサシンの命令Montclair Assassin’s Orders

モンクレア家は、今回の件でのお前の働きと忍耐強さに感謝している。標的が見つかればお前は見事な仕事をすると分かっている。

標的のリストが完成するまで、街から離れるな。次の指示は、すぐに伝える。

ようこそ、ベールの新兵よWelcome, Veiled Recruit

新兵よ!お前に与えられたチャンスは一度だけだ。失敗したら終わりだ!

— ベールの砦では誰とも会話をするな、島にある訓練場でもだ。

— 合言葉は2日ごとに変わる。その言葉をしっかり覚えろ。命が掛かっているという気持ちで記憶するんだ。実際にそのとおりだからな。

— 常に自分の装備を手入れしておくようにしろ。アランデイルは特にだらしない制服が嫌いだ。常に清潔にしておけ。剣をしっかり研いでおくんだ。

— スカイウォッチでは卑屈なクズの前で偉そうな態度を取らないようにしろ。いずれ奴らも分かる時が来る。だが我々は我慢しなければならない。

ライノの焦げた日記Rayno’s Scorched Journal

…体ばかり大きくて毛皮に覆われたノルド!私達がやってきてから罵声しか浴びせてこない。ここでは決して平等に扱われることはない。決して!ブリーカー達がここに逃げ込んだのは当然だな。なぜなら上品な者達は耐えられるはずがないんだ、奴らの愚…

…された、まただ!家族を思って怒りと手を出さないようにしてきたが、これまでよ!恐怖で胸毛がよだつ魔法をあのノルドにお見舞いしてやる。週末までにブリーカーがこの村に一人でも残っていたら、次の呪文は決して唱えない。知っているんだ、召…

…を終えた。間もなく奴らがここに現れるだろう。そうしたらウルフとそのクランは慈悲を求めるだろう——だが慈悲は何も与えない。すべてのブリーカー達に死を!奴らがまだ生きている限り私に心の平穏はない。この地はダルヴィルウェイとして知られるようになる…

リーザル・ジョルからの返信Reply from Reezal-Jul

モンクレア男爵へ

終わりまで見てもらえなかったのは残念だが、ショーンヘルムはすぐに我々のものになる。手紙にあった命令通りにやっている。街の上部は我々の支配下にあり、ショーンヘルムの衛兵は散り散りになった。すぐにポータルの準備も終わる。すぐにモンクレアの軍隊をさらに送り込む準備ができる。奴らの鼻先にな!

与えられた力を使い続けて、どんどん吸血鬼を作り出し続けている。だが、あなたがすでに見ているように、その過程は時に非常に加速される。兵士にするために生み出した全ての吸血鬼のために、多くの意思を持たない狂血鬼を生み出してしまった。それでも、目的を果たせないわけではない。

頼んだことを考えてもらえたかな?あなたが副業と呼ぶ私の仕事は、あなたにも有益なはずだ。死霊術によって生み出された無敵の生き物で強化された強大な軍隊。それを想像してみてくれ。すでに何度か成功しているし、方向は間違っていないはずだ。

リベンスパイアーを手中に収めたら、南へ向かうこともできる。ランセルは失敗したが、我々ならできる。必要なのは、あと少しの時間と資源だけだ。

—リーザル・ジョル将軍

リーザル・ジョルの日記Reezal-Jul’s Journal

予見したとおり、私の計画が古代の神秘によって実現した!

今も惜しまれる偉大なリベンスパイアーのランセル王こそが私の唯一本当の君主であり、今でも王を求めている。彼を狂気の王と呼ぶ者もいたが、彼はいかに聡明で先見の明があったか私は知っている。生まれた時代が早すぎたのだ。時折の実験を私が楽しんでいたこと、複雑な暗黒の技術に力への道が見えたことを、王は気づいていただろうか?いや。王が私を力づけたのだ!そのことはずっとランセル王に感謝し続けていくだろう。

だが、時々は他の道も辿らなくてはならない。上級王の軍勢が裏切り者の岩山に近づいてくる中、新しい方向性を見つける必要があることは分かっていた。残念ながら、だから私は終末の前に王の側を離れるしかなかった。我々の仕事を続けるには、誰かが生き残らなくてはならなかった。エメリックがもたらした侮辱と損害を、彼自身に思い知らせる誰かが必要だった。それを果たすのが私ではなく、我が王であればと悔やんでいる。しかし、それが運命だったのだ。

まず私は、モンクレア男爵に仕えようと試みた。ある王の任務でお互いに顔見知りになっていて、最終目的のためには最も適した相手であると思えた。タムリス伯爵が私や私の能力に興味がないことは分かっていたし、ドレル男爵はあまりにも頑固で、私の真剣な助言に耳を貸さなかった。だがモンクレアなら操ることができる。ランセル王の復讐を果たすため、必要な武器として利用できた。

ヴェランディス伯爵を説得して助力を得ることは簡単だった。簡単な水薬で私に関する記憶を消させることも容易にできた。彼の血の器に薬を飲ませることも、赤子の手をひねるようなものだった。ヴェランディスが血を飲めば、錬金術の調合薬も血の器から彼に渡った。男爵夫人が重い病であったことも、私にとって幸運だった。みな夫人のことを心配しており、奇跡を待ち望んでいた。だから何の疑問もなく、私が与えたものを受け入れた。

だが、もう過去の話は充分だ!今は、未来にしか興味がない。生者を操る死霊術の実験は成功した!生きた他者を、完全に異なる生き物に変えることができた。クレストシェイドの遺跡では、今でもその勢力が強大になっていて、地方へ進軍して破壊せよという私からの命令を待っている。彼らに生命を与えた者たちの知識やふるまいによって、身動きが取れないことはない。私のどんな命令にも従う用意ができている、新しい、独自の存在だ!彼らの軍隊があれば、どんなことでもできる!

やがてリベンスパイアー中が我が手に落ちる。そして男爵に命じて、彼の不死の軍隊と我が創造物を南へ向かわせる。ランセル王の戦いとは異なった結果に終わるだろう。上級王の敗北だ。すでに予見していた。アイレイドの遺物の力が、そう教えてくれた。

リーザル・ジョルへの手紙Letter to Reezal-Jul

リーザル・ジョル将軍へ

オルロザグがもっとたくさんの人間を手に入れる。材料を供給する約束はちゃんと守る。だが、自分が生み出せる生き物に関する約束を守れ。忠実で強い部下による軍隊だと約束したし、届けてくれると思っていた。そうでないなら、狂血鬼が増えていくだけだ。

ところで、街の上部を抑えておけ。時が来たら、援軍を送り込んでさらに進軍しろ。街全体を制圧するんだ。古い疫病の隔離所を中継地として使え。そこでポータルを開けば、ショーンヘルムの衛兵の目に届かないようにそこから兵を送り込む。そうすれば奇襲をかけられる。ショーンヘルムは全て私のものになる!

忘れるな。与えられた力を使え。お前の作った生物は役立っているが、チャンスがあったらいつでも吸血鬼や狂血鬼をもっと生み出すために、与えられた力を利用するんだ。

ドレルとタムリスは何日も決断を下せず迷うはずだ。そうすれば時間が稼げる。奴らが無価値な命を惜しんで、命乞いするのが楽しみだ。

—モンクレア男爵

ルレラヤの命令Lleraya’s Orders

マルドレッド

私達の活動に加わることを選んだのは賢明だったわね。モイラの願いの人々を、私達が支配する狂血鬼に変える工程を始めたわ。あなたの仕事は簡単よ。工程を滞りなく進ませ、1人も生存者が出ないようにすること。変化しなかった者は狂血鬼の餌にするか、一切の躊躇と慈悲なく始末してしまいなさい。

その工程が完了したら、狂血鬼達を集めて次の指示を待つように。

——レディ・ルレラヤ・モンクレア

レイヴンのレイメアの日記Leimaer the Raven’s Journal

コヌンレイカーは続く。もしその名前が偽りの王の祝賀に与えられるのならば。ストームフィスト・クランがこの茶番劇に参加するのは、主人の伝言を忌々しいジョルンへ届けるためだ… そして認識した時の、短剣が心臓に刺さったような顔を見るためだ。

私は日頃不正を受けられないが、この競技に名誉はない。素早く行動しなければならない。街の至る所に袋を隠した。クランのメンバー達は、他の相手に対してその内容を使える。

4つの袋が、クランの仲間に見つけられる場所に隠されている。場所は以下に記録した。

冷たい月と魔術師の蓄えの間

西で風通しの良い、ひび割れたへンジ石の後。

ウィンドヘルムで唯一の、自制しているノルドの裏。

馬とロバが穏やかに、安らかに休む場所。

レッドファー日記、第1巻Redfur Journal, v. 1

栽培の月23日

サマーセットからの道のりは惨めなものだった。海賊行為に加担するとは想像もしなかったが、船を横につけられて矢を放たれれば、自分ができることを行うまでだ。

船長は私の… どんな表現で言ったかな?「船べりへの疾走?」との相性の良さにえらく感銘を受けた。私の奉仕に対して、いくらか報酬を申し出てくれたが断った。

栽培の月27日

サウスポイントで運搬人達と契約した。出発するのは明日だ。運搬人達のボスは少し乱暴だが、彼の怒号は金で黙らせた。彼自身でさえ、自分のサービスが多額の金に見合うと信じているのかどうかは疑問がある。駆け引きの問題だ。

真央の月8日

最も愚鈍な盗賊の奴らにハンマーフェルのこちら側で不意打ちされた。奴らが一生で望める金よりも確実に多い、極めて穏当な申し出をしたにもかかわらず攻撃してきた。

戦闘で数人のエルフが死に、装具のすべては運べなくなってしまった。彼らのしゃしゃり出る無知は恋しく思わないが、私のカルシネーターは… なくなってひどく寂しく思うだろう。

真央の月11日

ついに聖骨箱が視界に入った。

レッドファー日記、第2巻Redfur Journal, v. 2

真央の月13日

装具を降ろす作業が終わり、運搬人達を送りだした。彼らは南中の月の初日に支援物資を手に戻ってくるが、やっと一人で思いに沈めるようになった。

真央の月14日

自分で見たところ、遺跡の休眠状態についての報告は誇張されていなかった。先人の墓すべての美しい魅力は、広間を掃除して汚物をなくす死霊術のコンストラクトが存在しなければ有り得なかった。

まったく、遺跡の状態はひどすぎる。先人が汚物をかき分ける努力をまったくしなかったかのようだ!直ちに作業に取り掛かろう。

真央の月20日

何冊かの魔法をかけられた書物を偶然見つけた。残念ながら開けない。カルシネーターがあればサンプルを取ってきて破壊し、付呪を詳細に分析できるかも知れない。残念ながら、あの非常に忌々しい盗賊達によってそれは不可能となってしまった。

思いとどまらずに、私は書物のうち一冊の封印をこじ開けようとした。こじ開けたときには指紋が焼き付くほど、書物はかなりの熱を帯びた。さらなる研究は水晶の塔へ戻るまで待たなければならない。

真央の月23日

ある極めて良好に保存された肉体の怪物の死体を調べていると、堆積から流れる微風を感じ取った。それは一定で温かく、巨大な怪物の呼吸のようだった。

それは間違いなく何かの隠し通路への入口だが、進入路は完全に覆い隠されている。

真央の月27日

うまくいった!慎重に変性魔法を応用することで通路を開けた!そのような巧みな解法はきっとサマーセットの同僚達の賞賛を受けるだろうが、今は真の発見が待っている!この聖骨箱にどんな秘密があるか見つけ出す!

レリノーの懸念Lerineaux’s Concerns

隊長

マルティンが詳しいことを話せとしつこく迫っています。何も話すことはないと言い続けているのですが。ブラッドソーンの道に近付かないよう、細心の注意を払っています。連中が何を企んでいるにせよ、もめごとに巻き込まれる余裕はありません

その間、レリノーが供給網で働いています。ウェイレストの酔っ払いの兵舎長とギャンブルで大量の借金を負ったセンチネルの衛兵隊長を確認しました。間もなく、国境を越えて積み荷を送ることができるようになるはずです

今後とも連絡をよろしくお願いします

—「赤い爪」のキャス

レンチャント公爵の命令Orders from Duke Renchant

ヒューラン隊長

街をただちに帝国の支配下に置くようにとの命令だ。灯台で活躍したお前の英雄your nameが提案をよこしてきているが、残念なことに我らの信念とは相容れないいようだ。この権力移譲の最中での流血は避けたいが、早々に、かつ断固としてお前の友を阻止してほしい。これが街のためだということを忘れるな。

神のご加護を。

レンチャント公爵

偉大な係留地The Great Mooring

偉大な係留地への扉、グレート・シャックルの要となる地点は、マジカの導管が収集プリズムに閉じ込めた飛び散る火花からエネルギーを引き出している間、鍵を掛けておかなければならない。

扉を開ける唯一の方法は、飛び散る火花から完全にエネルギーを引き出すか、導管を外して力の流れを遮断することである。

ただし、絶対に導管のエネルギーの流れを逆にしてはならない。そのようなことをすれば、飛び散る火花とエネルギー収集装置の両方を壊滅させ、システムに与えた負荷により、次元融合は数年遅れる。数世紀とはいかないが

飲み比べ大会のためにFor the Drinking Contest

競技会が始まる前にケグに毒を入れろ。この毒は無味で、すぐに効果が現れる。飲んだ者は酒に酔いやすくなるはずだ。

酒を飲む前に解毒剤を服用しておけ。そうすれば全て上手く行くはずだ。

— L

汚濁のしやすさSusceptibility to Corruption

女司祭によれば、先祖の霊魂の中でも、他の霊魂よりも汚濁の石の影響を受けやすいものがあるようだ。一番影響を受けるのがどの霊魂かは確かではないらしい。

幸運にも、私の一番近くで作業している者には石の破滅の影響はないだろう。特にコロンウェと、よく知られた名誉ある我らが先祖の霊魂に関しては。

ノリオン

偽りの神を称賛するなNo Praise for False Gods

偽りの神を崇めるな!彼らは気になどしてくれない!

三大神はお前を服従させようとする。妻を、子供を、富を、家を差し出させようとする!その見返りに何をしてくれる?何もしてくれない!ただ聖堂に座って、我々が日々の悩みで苦労するのを嘲るだけだ。

アカヴィリ襲来の際に助けてくれたという、トリビュナルの虚偽の主張に騙されてはいけない。戦場で戦ったのは我々だ。自らの血を捧げて息子や娘を失ったのは我々だ。

もうこれまでだ!ただ待って、何もしない偽りの神を崇めるのはやめよう。この世を取り戻すのだ!誰かが死ぬ羽目になっても、理由は正当だ。我々は自由になるのだ!

弓術の競技会のためにFor the Archery Competition

この競技会では、競技者に向かってかすかに煙が流れてくるように風上で香を焚け。

煙は彼らの目を刺激し、狙いを定めるのが難しくなる。我々の競技者は目を保護するための特殊な薬を持っているため、その影響を受けることはない。最後にはストームフィスト・クランが再び勝利を挙げるだろう。

— L

決闘の予選のためにFor the Preliminary Duels

ショルダーナイフの代わりにこれを使え。奴らが提供する切れ味の悪いショルダーナイフは鎧に効果がない。この剣は鎖と鉄板を貫通する。近接戦闘になったらこれを使え。だが誰にも見つからないようにしろ。

勝利することが重要だ。最後の戦いまで行かなければならない。

— L

血で記された契約Blood-Sealed Contract

モラグ・バルの目前で、このブラッドソーンとハグ沼の魔術結社との契約を新鮮な血で封印する

グレナンブラ征服の際に捕える無傷の女性と交換に、暗闇の母と彼女の魔術結社はベルダーマ・ウィルドと対決し、彼らを忙しくさせておく。私の召使が沼地にある荒廃した塔へ女たちを連れていく。女たちはそこで姿を変えられ、魔術結社に運ばれる

当事者のどちらかがこの取引を破る場合は、命をもって償う

— 墓の歌い手アンゴフ

賢者オーサンからのメモNote from Magister Osanne

フィルジョア閣下——

ご指示のとおり、ロストナイフに腰を落ち着けました。まずは、ぐうたらな鉱山労働者たちの尻を叩いて、もっと鉱石を掘り出させるようにする必要があります。連中をやる気にさせるには、もう何人か見せしめにする必要があるでしょう。人質を定期的に交代させるやり方は、最小限の流血で連中を従わせるには効果的ですが、必ずしも生産性を上げさせるとは言えないようです。

ところで、ここで見つかった風変わりな鉱石を調べるために、誰かを派遣されたほうがよろしいかと思います。この鉱石には奇妙な特性がいくつかあって、それらはひょっとしたら魔法の性質かもしれないのです。何かの役に立たないとも限りませんし、そうでなくとも、何がしかの値打ちがないとは言い切れません。ただ、私の専門外ですので、錬金術か冶金学の心得がある誰かをお送りください。

— 賢者オーサン

公女からの緊急メッセージUrgent Message from the Kinlady

キャノンリーブ・シニョンへ

このように緊急に知らせて申し訳ない。私の訪問に備えてしっかり準備できるよう、先立って使者を送る。予期していなかった突然の訪問であることは承知している。

日付が変わる前にそちらへ到着予定である。街にいることは内密にしたい。個人的に処理しなくてはならない事柄がある。

私の到着に備えて以下の物を至急用意すること:

ろうそく
香料
血の草
銀の器

敬意を込めて
上級公女エストレ

再警告:水を飲むなReminder: Don’t Drink the Water

フラール湖から決して水を飲まないこと。我々が湖に入れた調合薬は非常に強力だ。水は地元民に任せて、我々の仲間は強靭かつ健康を保とうではないか!

それから、ナルシス周辺でいつもとは違うことに気づくか普通ではない行動を目撃したら、忘れずに湖近くの我々のキャンプの中央にいる、コマンダー・サンドンに報告すること

山賊の悪漢の日記Bandit Thug’s Journal

あのオーク達は似たもの同士だ。いいか、それぞれの側から、別の方を殺すように依頼されたんだ!だから金をもらい、両方に毒を盛って、事故に見せかけて両方の小屋に火を放った。

オークの族長の妻を殺したことはなかった。今日は2人も殺した!

今日、モラマットをレッドファー交易所で見た。彼女はバークバイトの族長の3番目の妻だ。彼女が責任者になったのは私のおかげだとヒントを与えたが、何もなかった。彼女には邪心が全くないようだ!彼女にしたことに罪の意識を感じ、彼女の幸福を祈った。丸くなったのかもしれない

支援を求めますA Request for Your Support

高潔なるタイディン・アーサランへ

まず、息子を裁く審議会でのお勤めに感謝します。メラムを継続して支援してくれ、彼が告発されている罪に対して死刑は厳しすぎると強く主張してくれたことを、決して忘れはしません。

セラ・アーサラン。重要な時が迫っています。トリビュナルは権威を悪用してきました。アルマレクシアは自ら我々の独裁者に成り上がりました。曇りのない心と明晰な頭脳を持つ者なら、誰にも分かるはずです。このまま彼女の罪を許していくわけにはいきません。その時が来たら、引き続きあなたの支援を頼りにできることを願っています。聖職者の支援と、セルフォラの街からの支援も共に期待しています。

死を悼んで

マギストリックス・ヴォクス

死者の手にあるメモNote in a Dead Man’s Hand

スリック・ソミックへ

一番身軽なのはお前だ。今日の夜、ドゥルーの産卵場にある卵をできるかぎりたくさん盗み、ドゥルーサイドの兵舎に持って来い。

邪悪なマナカーに告ぐTo the Villainous Manacar

邪悪なマナカーに告ぐ

お前の行動はあまりに多くの者を困惑させた。今こそ代償を払う時だ!我ら悪の集団はタブローを確保した。彼女を大事に思うなら、アリノールの無法者の隠れ家にいるオークのグーラムに10000ゴールドを渡せ。密偵を送れば、タブローの目をくり抜いて送ってやる!

お前を憎む敵

ブラックバード

呪術師モラマットの命令Shaman Moramat’s Orders

モラマット

役に立つことを証明するチャンスが来たぞ。もしジョルンの手勢がラモルゴルの張った北の網をすり抜けるか、南門から忍び出るようなことがあれば、そいつらを止めるのがお前の仕事だ。

それから、例の伐採キャンプで何が起きているのか分からないが、あの方角から奇襲を受けたくない。配下の魔術師を何人か送り、状況を利用できるかどうか確かめさせろ。面倒を起こさないかどうかも見極めさせるんだ。おそらく放っておくに越したことはないと思うが、判断はお前に任せる。

— フィルジョア

成功と成就Culmination and Success

親愛なる継承者の信奉者たちよ

成功と成就を発表できることを大変うれしく思う。2つの大変貴重で思いがけない発見により、大勝利への布石が敷かれた。

ナリル・ナガイア奥の死霊術師のおかげで、ドミニオンに終焉をもたらす強力な指導者が生まれた!

—P

聖なるシンボルOn the Holy Symbol

女王もどきの取り巻きの一人であるラングウェ女司祭が聖なるシンボルを持っているために、我々の計画が壊されてしまう可能性がある。彼女を探し出して殺し、シンボルを奪うのだ。

それは汚濁の石を破壊するのに十分強力な、遺跡で唯一の遺物だ。最終的には遺跡を清めることが可能だが、トリナーンか島自体から、これを取り除くために十分強力な何かを持って来なければいけない。

ノリオン

大密偵ラモルゴルの命令Spymaster Ramorgol’s Orders

ラモルゴル

我々はジョルンが設営したこの野営地を取り巻くように兵を配置する必要がある。ビターブレイドの部隊はスクルダフンへの道を守り、ジョルンの手勢に余裕を与えない手はずになっている。

お前の仕事はジョルンの野営地の反対側に回って陣を固めることだ。敵に気の休まる隙を与えず、また、連中を包囲できるようにしておくのだ。さっそく兵の配置にかかれ。野営地の弓兵の射程距離には入らないよう気をつけろ。

接近路からも目を離すなよ。たとえ奴らに増援が来ても、野営地まで辿り着けないようにしてやれ。

— フィルジョア

端が焦げた手紙Letter with Singed Edges

蟲の王、マニマルコ王殿

サマーセット諸島に関する取り決めに関心を持っています。私達にはアイレンとアルドメリ・ドミニオンという共通の敵がいます。貴殿の目的を邪魔するつもりはございません。ただ我が国のささやかな領土を願っているだけです。スカイウォッチを首都とするオーリドンを。

私達は共に知性と力を持っています。お互いにとって納得のいく取り決めに至ることができると確信しています。

返信を心待ちにしています。

——エリノーンの上級公女エストレ

追跡者の競技会のためにFor the Tracker’s Competition

追跡者の競技会では、獣の匂いをつけた矢を森に放つ。競技者はその匂いに引き付けられる動物達の動きを観察しながらその矢を探す。

この弓を使って最初の矢が飛んでいった方向に糸の付いた音の出る矢を放て。動物達はその音に驚いて追跡もままならなくなるだろう。だがその糸が、我々の競技者を勝利へと導いてくれるはずだ。

操作が難しい競技会であるため、念のために一番優秀な追跡者を参加させる。

— L

通過する小部屋にてOn the Chamber of Passage

帝国軍第七軍団に告ぐ

旅路の部屋の封印を解いて以来、私が中で何をしているのか、多くの者が推測しているようだ。中を覗く気になってはいけないから、中を見たら何が起きるか教えておこう。

ここにある魔法の力のおかげで、変わった形の拷問を行えるようになった。その力を使うと、肌や内臓が急速に液状化し始め、その後は骨がやせ細り、すぐに崩れる。最後にはこの現象を繰り返し、永遠に味わうことになる。私の仕事を邪魔する気なら、そのことを覚悟するように。

— 魔導将軍セプティマ・サルン

帝国からの脱走!Imperial Mutiny!

シギリウス

噂によれば我々は皆、帝都に連れ戻されるらしい。お前はどうか分からないが、私はあそこに戻るのはごめんだ。聞くところによると、オブリビオンの悪魔たちが道を歩き回っているそうじゃないか。死の罠だ。

我々は何人かで夜に抜け出し、部隊を脱走するつもりだ。お前もそうするといい。だが声をかける相手は慎重に選べ。木に吊るされて死ぬのは嫌だからな。

我々はウォーデンとドラゴンクローの間にある荒地へ向かうつもりだ。そこで落ち合って、小さな村を見つけて占領しよう。あまり長くかかるなよ!

— ファミウス

同盟の恩恵The Benefits of Alliance

ベールの陛下

最初の2つの書状に対しての返事をまだ貰っていない。最後にもう1度だけ礼節を守り好意的な手紙を送る。

そなたのデイゴン卿に対する忠義は心得ている。その誓いに重きを置く姿勢は称賛に値する。

しかし断言しよう、そなたの誓いなど何にもならないと。モラグ・バルがこの世界を手に入れるため、デイゴンの怒りを怖れる必要などない。バル様のもとで、運命によって定められた地位を得ることができるだろう。永久に女王として崇められることになる。

以上のことについて考えてくれ。そして礼節を守ったやり取りはこれが最後だということを忘れずに。

蟲の王、

マニマルコ

匿名の日記Anonymous Journal

26日目

疫病はセルク隔離所からゆっくり広がり、黒い雨のようにデシャーンを覆い尽くしている。ヴォクスは喜ぶだろう。多くはナルシスを離れモーンホールドへ向かった。彼らはそこなら安全だと考えているが、迫りくる罰からは逃れられない

32日目

物質は水に投入すると充分な強さを保てない。溶液の効力は弱まり、効果のほとんどは希薄になる。だから井戸に入れてもうまくいかないだろう。強力なタイプを考案するまでは、疫病を広める他の方法を探さねばならない

42日目

疫病を広める方法がわかった。死体の血液に物質を注射し腐敗させると、疫病の効力が10倍に増加する!死んだ血液に違いない。もっと死体が必要だ。幸運なことに、ナルシスから大量の供給を得られる

発動On Activation

汚濁の石の配置は、その発動よりも重要ではない。汚濁の石に聖なる遺跡の先祖のエネルギーがしみ込んでいることは女司祭によって保証されている。

一つの石で遺跡全体を覆っているはずだ。他の5つの石は保険だ。やり過ぎに見えるかもしれないが、慎重になりすぎることはない。あの裏切り者の女王の、政治的陰謀を終わらせなければならない!

ノリオン

秘薬師のメモNostrum’s Notes

最初の病人は隔離所が設置されるとすぐさま到着しはじめた。どうして噂がそんなに速く広まったのかわからないが、人々は確実な治療を求めてあらゆる地域から来ているようだ

現在はロドス病患者のあらゆる段階を診察する機会に恵まれている。病は微熱と箇所を特定しない体の痛みから始まる。奇妙なことにこの段階の患者には、決して満足できない恐ろしい空腹感がある。この段階は3日から7日間続く

病の第2段階は高熱、全身の虚弱感、そして外見的には体に開いた傷口が特徴だ。患者は痛みに捕らわれ、ほとんどの日常活動を行うことが不可能になる。この段階で患者の食欲はなくなり、体重を保つために充分な食事と飲み物を摂らせるのは一苦労だ。この段階は7日から14日間続き、ここで病から回復しない患者の生存確率はほぼゼロである

病の第3段階は患者にとって終わりの始まりといえる。患者のほぼ全体を開いた傷口が覆い、体は高熱で火照って、譫妄状態に陥り幻覚を見るようになる。患者は食べ物も飲み物も拒否し、どんな種類の動きにも激痛が伴う。この段階は比較的短く、極端な場合の1日から、不幸にしてつきあい続ける患者で最長5日間続く

ロドス病の最終段階はたぶん最も興味をそそられるものだ。もちろん患者の多くは病気が自然な経過をたどった結果死ぬ。そして死は激痛をともない見ていて胸が張り裂けそうになる。しかし自然な最期を迎えない患者が日に日に増えている。これらの不幸な人々は姿を変え、大衆が「疫病ハスク」と呼ぶゾンビ的な生物になるのだ。この生物は情け容赦ない暴力発動装置のようで、出会った生き物すべての破壊に没頭する

そんな生物の軍隊が想像できる?計り知れないほど貴重よ!

ああ、促進剤の箱が到着した!これで病の速度を速めることができる。患者の治療の時間だ

– 秘薬師ブレヴァ

標的リストList of Targets

あらゆる手段を用いて以下のターゲットを殺害せよ。モンクレアの復讐は、熱い内に行うべきだ!

・ヴェランディス・レイヴンウォッチ伯爵

・アドゥサ・ダロ(極めて慎重に)

・グウェンディス

・アラード・ドレル男爵

・エセルデ・タムリス女伯爵

your name(特に苦しめてやれ!)

不敬の危険The Danger of Defiance

ベールの陛下

これ以上礼節と忍耐を保つことはできない。服従しろ、さもなければこの手で殲滅する。そなたのデイゴンとデイゴンの「力」へのその子供じみた誓いは、次元融合が完成すれば何の意味も持たなくなる。

最後にもう1度だけ、服従するチャンスを与えよう。モラグ・バル様に仕えろ。そうすれば計り知れない力と富の恩恵が受けられる。反抗すればバル様の足元にひざまずき永久に苦しむことになる。

賢い選択を、

蟲の王、

マニマルコ

補給係のメモQuartermaster’s Note

主に伝えてくれ。武器の製造は完了した。命令どおりにちゃんと作った。それを可能にしたのが、この洞窟にあるニルンクラッツだ。

この武器は敵の体内を流れるマジカに火を点ける。すると主のオーラが敵を圧倒する。マジカを操る我々の敵は、蓄えているマジカを枯渇させるか、さもなくば生きたまま焼かれるだろう。

しかし、我々の中には皆多少のマジカがある。マジカを放出できない者達、すなわち恐れ多くも魔法を帯びている獣ども、または呪文を知らずに戦う者達は、死を待つのみだ。

あとは主を解放するだけでいい。

錬金術に関する報告書Alchemy Report

ここにダーレンの薬が入っていた空の瓶があります。霊薬が流通している今、それらの瓶は街から除去したほうがいいでしょう。デイドラの遺跡で見つかる錬金術のお宝は大変上等なものばかりです!幻惑魔法も毒も、どちらも同様に宝庫です!

我々は、それが古代アルゴニアンのワインを利用する、古代アルゴニアンの習わしであることを皆に知らせて参りました。アルゴニアンが当初疑っていたことは認めますが、彼らでさえ最終的には参加しました。誰だって飲む言い訳が欲しいものではないでしょうか?八大神にかけて嘘ではありませんが、ノルドの1人にそれを8本飲み、川の方へとよろよろ消えていった者がいました。おそらく彼は溺れたと思われます。

その霊薬は効き目があります。だだし、二重に見え始めたら人々は困惑するでしょう。いかなる証拠も消さなくてはなりません。意味はお分かりですよね。

私は兵舎での事態に対処しています。自分が指揮官のように見てもらえる時に行ける場所はすばらしいものですね。それから「マルラ」と会って最終的な詳細について話し合うつもりです。ダーレンは自分の任務を終えました。次は我々の番です。

フィルジョアのために!

錬金術師への書状Missive to Alchemist

今日は特別な届け物、生きた囚人だ。偵察中にパクトの斥候を5名捕獲した。2名は逃走した。取り調べて、連中の基地がどこにあるか突き止めろ。どんな手を使っても構わない。情報を得たら、永久に黙らせろ。

詩の世界

Words of the Poets

4枚のヨールコインFour Coins of Yore

4枚のヨールのコイン
愛する者が持っていたのはただそれだけ
船尾に1つ、船首に3つ、ただそれだけ
聖なるヨールのコイン

アベルナニット必殺の一撃The Death Blow of Abernanit

著者不明

壊れた狭間胸壁と大破した壁
恐怖の崇拝が一時受け入れられた場所。
50回の冬の傷、霜と風
不浄の門を砕き、穴を開け、
そして、酷くみだらな尖塔を降ろさせた。
すべては塵、すべては塵にすぎない。
血は乾き、そして悲鳴はこだまして消えた。
荒れた丘に囲まれた、見捨てられた場所
モロウウィンドの
アベルナニットの不毛な骨がある。

三度祝福されたランギディルが初めてアベルナニットを見たときは、
力と不変性で光沢のある銀色に輝いていた。
恐ろしい場所を恐ろしい男たちが守っている
熱を帯びた硝子の目と恐怖を介しての力
敵数のほうが遥かに多いのをランギディルは見た。
彼が率いる数名のオーディネーターとボイアント・アーミガーよりも、
野原と死の城を上の丘から見る、
建っている間は、人々の魂を呪った
モロウウィンドの
アベルナニット、呪われた邪悪な城。

合図が鳴らされ、神聖な戦士を戦場へ呼んでいる
悪しき者の盾に正義の槍でこたえるために、
前で戦い勇敢になるために彼ら自身の心を鋼に。
盾と薄い黒檀の槍をランギディルもつかんだ
戦いの喧騒が鳴り響く。衝突とともに始まった
空から雲を揺すり落とすために。
防御壁は崩され、血が止まった
野原の地面、唯一無二の戦い
モロウウィンドの
アベルナニットの悪を滅ぼすために。

確かに、乱心の大群は武器に長けていた、
しかし、三つの聖なる拳、母と王と魔術師は押し進んだ
怪物の軍は突撃に次ぐ突撃のあとに戻ってくる。
ランギディルは上から見た、軍に防衛するよう駆り立てた、
ダゴス・スラス、彼自身が邪悪な塔の尖塔にいる、
悪の心を捕まえたときに限り
土地は真に救われるであろう。
そして彼は聖堂と聖なるトリビュナルに忠誠を誓う
モロウウィンドの
アベルナニットの塔をとるために。

強烈な押しで、塔の土台は貫かれた、
しかし、尖塔を落すすべての努力は無意味であった
恐怖のすべての力があの1個の塔を支えているかのように。
登り階段は急で細く
戦士2人が並んで昇れない。
軍を1列に、上へ上へとよじ登った
塔の部屋をとって支配を終わらせるために
史記の中の一番残酷でつまらない暴君の1人
モロウウィンドの
アベルナニットのダゴス・スラス。

彼らは先発からのときの声を待って塔をよじ登った
しかし、沈黙のみ戻った、そして血、
最初はただの小川、そして勢いのよい緋色
上からの叫びとともに、階段を流れ落ちた、
「ダゴス・スラスは我らの軍を一人一人倒している!」
ランギディルは軍を呼び戻し、オーディネーター全員と、
ボイアント・アーミガー、そして彼自身で階段を登り、
最高の戦士たちの血だらけの亡骸を通りすぎた
モロウウィンドの
アベルナニットの塔の部屋へ。

ダゴス・スラスは死のカラスが巣に乗っているようであった
塔の部屋の扉で、血だらけの盾と血だらけの刃を握りしめている。
ランギディルの槍のすべての猛攻は容易く防御され
ランギディルの剣のすべての斬撃は跳ね返され
ランギディルの戦棍のすべての打撃は盾にあたった
すべての速射も的がない
怪物の最高の力はその恐ろしい祝福にあり
どの戦士からのどの武器もどこからでも
モロウウィンドの
アベルナニットの盾を越えられない。

時がすぎ、ランギディルは理解した
ダゴス・スラスで、どのようにして最高の戦士たちが最後を迎えたか。
彼らの攻撃を防ぐことで、彼らを疲れ果てさせることができるのだ
そして、故に弱まって、彼らは簡単に切り倒された。
悪人は辛抱強く、そして盾使いが巧みであった。
ランギディルは自らの強い腕がしびれてくるのを感じた
その間、ダゴス・スラスはすべての斬撃を予測して防御した。
ランギディルは神聖なる三大神の祝福なくしては
モロウウィンドの
アベルナニットの塔で死ぬと懸念した。

しかし、彼は叫びながら打撃を浴びせかけた、
「敵よ!我はランギディル、真実の聖堂の王子、
我は多くの戦闘で多くの戦士と戦い
彼らは我が刃を止めようと試み、失敗した。
我がどの打撃を放つかを予測できるものは数少ない、
予測できても、その攻撃を止められるもの、
または、我が攻撃を受け止められるものはさらに少ない。
より素晴らしい盾防御のマスターはどこにもいない
モロウウィンドの
アベルナニットの城以外には。

我が敵よ、闇の支配者ダゴス・スラス、我を殺す前に、
どうして防御のしかたを知っているのかを教えてくれ」
途方もなくごう慢なダゴス・スラスはランギディルの嘆願を聞き、
聖堂の勇者のはらわたをくり抜く前に、
死後のために知識を授けてあげようと決め、
どう彼の直感と反応が働くか、それを、説明を始めたところ、
どうやっているのか知らないことに気がついた、
ランギディルが繰り出すのを、困惑しながら見ていた、
モロウウィンドの
「アベルナニット必殺の一撃」を。

アポクリファについてOn Apocrypha

軽やかな感覚でこの世を受け入れるものは
外面の輝きを追い求める事もできる
彼らは一番大切なものをすべて奪い取る
知り得た細事を伝えんがために

突き出た骨 引き裂きすり潰せ
湿った灼熱の深淵で
逆らう骨から肉を剥がすうちに
体は食べる支度ができる

のたうつ沢山の手足
すり抜ける水面を捕えようとする手
手を伸ばしてその顔に触れよ
心に火をつけ、生身を剥き出せ

ぽきんと折れ、ぐいっと引き、きゅっと締め、ばりっと割れる
マテガイの殻を砕いてる
被験者が心弱り命尽きるまで
その体を縛り付けるために

アムローナルの呪文The Amronal’s Spell

ヴァレンウッドのアムローナルを見たか?
遠い昔見た時のままに
彼女が向かって来るのを見たと思った。

だがあれは違う場所だった
もっと寒く、これほど木が茂っていない場所だった
眠りから覚める前だった

今ハンターではなく獲物として森を歩き
ハンターを求め
後をつけられ捕まり、殺されるのを望んでいる

極めて優美で、奇妙なウィスプマザー
私の前では幽霊として現れないでくれ
スノーエルフ、伝説にはなるな

この終わらぬ魔法から解放してくれ
あなたの呪文で私を包み
最後の言葉をあなたの名前にさせてくれ

アムローナル

アンガレヨドAngalayond

深い沈黙、冷酷な灰色の時
骨と根に染み込み
雪と氷が大地を覆い
復活の前に世界は死ぬ

アンセイの結界の頌歌Epode of the Ansei Wards

センチネルのウェルタン 著

ラ・ガーダが古きヨクダから来たとき
ハンマーフェルでは
牙の生えた恐ろしい形相の男たちが見つかり
徹底的に狩った

他には密かにエルフもいた
神聖なる死者を蘇らせる
砂漠の塔に潜む死霊術師は
ハンマーフェルへ逃げた

砂漠はもはや、正義の者たちから隠さない
レッドガードは急いで戻り
悪の魔法、凶悪な者と戦い
死者にもう一度死を与えた

ラ・ガーダは神の信仰に心を奪われ
血族を襲うことを禁じられ
邪悪な魔術師により目覚めた死者は
内部から我々を打ちのめす

それからアンセイの3人は答えを与えた
目覚めし死者たちと戦うため
マジャ、ラダン、ハレーラは語った
恐ろしき者を抑える結界のことを

自らのシェハイから鍛え上げられた強力な剣
人々を守り
レッドガードの聖なる身体を守る
不浄の終わりから

トゥワッカに、アンセイは犠牲を捧げた
心の本質を
盟約のため、憎しみを与えた
守り、拘束する盟約を

イスグレオアルIthguleoir

私たちは皆、覚えている、アニーヌ・プロールが
或る日海へ行ったのを
イスグレオアルが彼女の頭を噛み切って
グレーイの海の中、グレーの海の中へ!

それからテレーゼの息子はどうした
勇敢でハンサムな少年は
イスグレオアルがあの子を食べきって
母親の誇りとよろこーび、母親の誇りと喜びだったのに!

ああ、善人ソムをどうやって悼もう
獣を捕えると誓ったのに
イスグレオアルがすっかり食べちまって
それからしーさいを食べちゃった、それから司祭を食べちゃった!

ウィスパラーの歌、第1節The Whisperer’s Song, Verse 1

侵入者よ、私を恐れている?
話をする時に聞いてくれる?
私の話を聞きたい?
私がもたらす恐怖を知りたい?
闇の中でシルクのクモの巣をたどれば
探し物が見つかるでしょう

ウィスパラーの歌、第2節The Whisperer’s Song, Verse 2

月と多くのものの代わりに
私の抱いた言葉を
従順な者に囁いていた
彼らの心と体は
すべて私のものになり
音もなく降伏した!

ウィスパラーの歌、第3節The Whisperer’s Song, Verse 3

「でもなぜ?」心の中で彼らは嘆く

話すことすらできない

私は事態を知った者の悲しみを嘲る

破滅し、混乱した弱き者を!

ヴィベク卿の質問Lord Vivec’s Questions

「世界の心臓、昇天への鍵、恐れに包まれるべきだろうか?」

「古の敵が帰還したのだろうか、狡知に長ける、大胆な敵が?」

「終わりなき聖戦を戦うソーサ・シルは、我らの聖性が衰え、消えることを予見したか?」

ウエラの歌Uela’s Song

略奪者ウエラ 作

山脈の向こうに
雲がそびえ立ち
山腹を嵐が
打ち砕く
谷壁を
風が打ち
雪崩が
峡谷を洗い流す
リーチでは
狩人達がホラアナグマを
槍で突き
肉を裂き
骨を割り
リーチの
ブライア・ハート

ブレトン達は
破壊の嵐から身を隠す
山々を、震えを
冷気を恐れる
街へ逃れ
屋根の下で身をすくめ
教会へ行き
ひざまずき
祈りをささげる
かくまい、難を逃れさせたまえと
うららかな日に
外へ出てきては
無力な子羊達を
殺し、食らう

狩人達は無防備なブレトンを
槍で突き
肉を裂き
骨を割る

エールの戦いThe Battle of the Ale

今日はコップの戦いに勝った、
コップの戦いに勝った!
コップを掲げて、
飲み干した——
コップの戦いに勝った!

今日はジョッキの戦いに勝った、
ジョッキの戦いに勝った!
ジョッキを掲げて、
飲み干した——
ジョッキの戦いに勝った!

今日は樽の戦いに勝った、
樽の戦いに勝った!
樽を掲げて、
飲み干した——
樽の戦いに勝った!

今日はエールの戦いに負けた、
エールの戦いに負けた
エールを飲み干して、
エールに恥をかかされた——

エールの戦いに負けた……

エルデンの木に捧げる歌Ode to the Elden Tree

春の土から苗木が芽を出して
途方もない苦労で苗木が形作られるが
汝の咆哮に触れようとするものは皆無
ドングリはエルデンの木へ行く運命。

賢いフクロウは肢に腰かけ
沈黙の蛇は長細く巻き付き
胴には運命が舞い踊り
不思議と静穏は崇高なる態度を見せる。

あなたは私達を嵐から絶えず守り
あなたは私達を怒れる蜂から守り
騒乱はその強大な根を引き裂けず
果実のすべてに力が宿る。

苗木は未だ根の周りで芽を出して
力強く苗木が形作られ
そのしなる大枝をすべてが崇敬して
エルデンの木で憂慮は眠りにつく。

オーガの美についてOn the Beauty of Ogres

エルフの美しさを語る者は多かろう
人間の姿形の素晴らしさを歌う者はさらに多かろう
だがオーガのすべての美点を歌った歌や
それを示す徴候は、一体どこにあろう?

うう。母さんの言うとおりかも知れない。詩はくだらない。詩は大邸宅に住んでいて、何もやることがなくて、ローストチキンを床に置いて「槍で突き刺せ」と言っても自分達の夕食を狩ることすらできそうにないハイエルフのものだ。

美しいオーガ?何を考えてたんだ?奴らの動きはゆっくりしていて、威厳があって、堂々としているかも知れない。だが臭いはひどいし厄介な連中だぞ。

母さんが言うように「感心させたいなら、オーガの1人も殺してご覧なさい。詩の中でそれに永遠の命を与えるんじゃなくてね」だな。

じゃあ、母さんの好みに従うか。オーガを1人殺しに行くぞ。

そしてそれを果たしたら、それを題材に詩を書いてもいいな:

勇敢なるエルフは力強く立ち上がり
こん棒と革紐に立ち向かへり
悪臭放つ肉体を打ちのめし
巨人が大いなる死を迎えるまで相討てり

いや、まだしっくりこないな

オークの歌The Orc Song

(ハチミツ酒を飲む。歌う)

我々はオークが嫌いだ!オークが大嫌いだ!
におうし、臭いし、本当に悪臭がする
奴らは雪の中で自分の尻を見つけられなかった!

我々はオークが嫌いだ!本当に、本当に嫌いだ!
髭もないし、頭は空っぽだし
奴らは剣でホーカーを殺せなかった!

(ハチミツ酒をもっと飲む。繰り返す)

オーリドンに捧げる歌Ode to Auridon

サマーセット諸島中を探しても、
オーリドンほど輝くものはない。
大理石の広間にそびえ立つ尖塔、
誰よりも美しい。

バルケルガードからファーストホールドまで、
これほど強いものはない。
日陰の湿地でも静かな遺跡でも、
穏やかさに驚かないものはない。

鋼にも船にも跳ねる魚も、
これほど豊かな場所はない。
その美と知性とはにかみ、
女王にかなうものはない。

おやすみムンダスGoodnight Mundus

「タムリエルの子守歌」

壮大な緑色の墓地
そこにはシャウラスがいた
日耀に死んだドラウグルも
そして…
ムンダスを飛び越えるグアル
ベンチには2体のネッチがいた

フロストトロールとスイートロール
オークのクズとホーカーのパンクズ

嵐の精霊とワバジャック
「マジカ」と囁いていた老いた聖蚕の僧侶

おやすみなさい、ムンダス
おやすみなさい、シャウラス
おやすみなさい、ムンダスを飛び越えるグアル

おやすみなさい、日耀に死んだドラウグル
おやすみなさい、フロストトール
おやすみなさい、スイートロール
おやすみなさい、オークのクズとホーカーのパンクズ
おやすみなさい、精霊
おやすみなさい、ワバジャック
おやすみなさい、「マジカ」と囁いていた老いた聖蚕の僧侶

おやすみなさい、オグリム、ドレモラ、クランフィア
おやすみなさい、世界中のデイドラ

オルシニウムの大包囲The Great Siege of Orsinium

ラ・ガーダは戦った、ハンマーフェルから来た
牙持てる民と、追い詰められ
憤怒に満ちた彼らは、北へ退いた
オルシニウムへ、オークの街へ
そこで受けたものは歓迎
スカルプメント頂上の王にして
強く、策に長けたオーク、ゴルカーの
彼は利用しようとしていた
新しい血の流入を
オークの領地を増やすために

彼は南方のブレトンに要求した
ビョルサエ川に沿って
関税を、通行料を、身代金を、諸費用を
さもなくばオークの槌が振り下ろされるだろうと
だがダガーフォールの王ジョイルは
ゴルカーの命令を拒絶し
ダイアグナ騎士団の
ガイデン・シンジに使者を送り
けしかけた、ブレトンに加わって
オークの街を包囲し、略奪せよと

彼らはそうしてロスガー・スカルプへ進軍した
オルシニウムは包囲された
彼らは考えた、このオークの壁も
彼らの優れた武器には持ちこたえまいと
だがスカルプの上にそびえる街は
三重の門に守られていた
頑丈な門、その一つ一つは
その前の門よりもさらに大きい
スメルター、ハンマー、テンパー
オークの石工たちはそう名づけた
モーロッチの民は高所に立ち
死の飛び道具を浴びせた
ブレトンとレッドガードは大打撃を受け
低地まで退いた

オークたちは笑い、牙を剥いた
うろたえた戦士たちに向かって
ゴルカーはスカルプ要塞の高みで笑い
ロスガー・クランの仲間を称えた
だがガイデン・シンジとジョイル王は
うろたえもせず、怯えもしなかった
彼らは大公と騎士、伯爵らを集め
その兵たちを向かわせ
オルシニウムを包囲させ
そして攻囲の準備をした

策略が、そして計画が考案され、練られていた
壁と門を打ち破るために
オークたちは不安なく待っていた
水はジュグラーから
そして食料は肥沃なキノコの野から得ていた
暗い豊穣の洞窟の中で
彼らは考えていた、敵は倦み疲れ、去るだろうと
家族の元へ帰るために
彼らは見ていなかった、燃え盛る炎が
ジョイルとガイデン・シンジの心の内にあることを

10年間、彼らの兵は外門を攻囲し続けた
そしてついにスメルターが破られた
さらに10年後、第2の門
ハンマーまでもが破られた
再び10年が苦役に費やされた
テンパーが轟音を立てて崩れるまで
そして憤怒に満ちた兵たちはついに
オルシニウムに乗り込み、略奪した
ゴルカーは怨恨の間に祈りを捧げた
モーロッチよ守り給えと
だがジョイル王は彼の髪をつかみ
ガイデン・シンジがとどめを刺した

カイネの賛美歌Hymn to Kyne

闇の中、汝の光が輝き渡る
戦士の女神よ、汝に我らは忠誠を尽くす

希望は失われ、戦は激しさを増す
戦士の女神よ、我らの祝福の歌を聞きたまえ!

ノルドが一人、死して戦場に倒れる
戦士の女神よ、我らを導き、闇から救い出したまえ

戦う勇気と剣を磨く勇気を与えたまえ
戦士の女神よ、ノルドの母よ!

カイネの涙Kyne’s Tears

暗い雲が頭上の空に集まる。

カイネは世界の美しさを見て喜びの涙を流す。

涙は地面を温め、花々が育つ。

聖なる石は彼女の涙の花を見せる。

ゲイルムンドの誓いGeirmund’s Oath

ゲイルムンド卿、優れた魔闘士、
ハラルドの時代にリフトを救った。

邪悪なゴールドゥルを3体倒し、
その父の霊魂を解放した。

彼の墳墓はこの湖の上に築かれ、
彼の名の下に私は誓いを立てる。

悪がやって来たなら、闇が降りてきたなら、
私はリフトを守ることを誓う。

コールドハーバーとの契約The Coldharbour Compact

哀れなギル・ヴァ・デールを今でも思い出す
企みの神がすべて飲み込んでしまった

時計の神はコールドハーバーへ行った
公の土地について交渉するために

彼らはやって来て、トリビュナルを嘲った
やって来たのは企み、飢え、狩人、全員だった

占いし者、追放されし者、破壊者が来た
そして熱狂者と黄昏も

恐るべきデイドラから我らを救いたまえ
デイドラの魔の手から我らを守りたまえ
我らを作った者たちと縁を絶ち
間違った運命と戦うのだ

時計の神が要求を述べると、彼らは嘲笑った
黄昏が手を挙げるまで

「それで、見返りは何なのだ
我々がニルンを懲らしめずにおくことの」

すると時計の神は長く、低く囁いた
何を言ったのか、定命の者には知りえぬこと

恐るべきデイドラから我らを救いたまえ
デイドラの魔の手から我らを守りたまえ
我らを作った者たちと縁を絶ち
誤った運命と戦うのだ

サラマスの墓碑銘Salamas’s Epitaph

物語を語れる者はいるのだろうか
ここで再び横たわる亡命者達の物語を
勇敢なる亡骸が要求した棺おけの中で
それが疲れ果てた肉体の最後の休息所なのか?

ここに眠る男女は
故郷を追われて涙に暮れた者達
彼らは忘れ去られた。しかし消えたのではない
彼らの墓となったこの広間で眠っているのだ

最後の石が取り除かれるまで
最後の監獄が解放されるまで
哀悼の歌を歌い続けるのは誰?
王の残酷さを暴露するその歌を

スカルド・スカルスプリッターのバラードThe Ballad of Skald Skullsplitter

スカルド・スカルスプリッター 著(著者×印はここ:X)

俺の歌う歌は酒飲みの間で聞ける
ウィンターホールドからダガーフォールまで
エールをおごってくれ!全部飲んでやるから
俺は無料では歌わないのだ!

ドラゴンがニルンを出たのははるか昔
莫大で壮大な悲しい物語
戻って来てほしいと思うかもしれないが、否
奴らは皆俺を恐れているのだ!

巨大なオークに挑戦した
偉大な剣と貴重なトルクを手に入れるために
それで「お前は豚の味がするのか」と聞いたら
剣を置いて逃げて行った!

色の白い若いエルフの娘に出会った
俺のソネットを棚に保管していたので
自ら色々見せてあげたら
今では彼女の子供は俺にそっくり!

道でボズマーに出会った
泥と大青にまみれた悪質な変人
俺は巨大なヒキガエルのごとく声を立てた
そいつはすぐさま木に登りやがった!

強くてたくましい若者と直面した
俺のことを長い間行方不明だったパパだと言い切った
それは大変困ったと言わざるを得ない
誓って俺はパパじゃない!

大きなドゥエマーのオートマトン
芝生の上で立ちはだかった
ドワーフがどこに行ったか教えてやって
海にそいつを投げ入れた!

レッドガードは危険な剣士
奴らが作ったすべての剣の様に曲がってる
だけど俺の刀剣を切るには切れ味が悪すぎる
俺ほど鋭くはないのだ!

タムリエル全土で皆と戦った
最も暗い場所で、街の城壁で
このすばらしい広間ほど壮大な場所はない
さあ一杯、いや三杯とやってくれ!

そして一緒にジョッキを高く上げるのだ!

ただし、俺はタダ酒だからな。よろしく!

タムリエルの子供の動物寓話集A Child’s Tamriel Bestiary

シェーン・グロー・オラス 著(賢そうだろ?はは!)

Aは二本足のトカゲ、アリットのA
トカゲを飲み込むには十分な顎の持ち主

Bはけちなデイドラの僕、バネキンのB
奴の主人達はオブリビオンにいる

Cは雪原の巨大な虫、シャウラスのC
ペットにしようとするな、手を切られるぞ!

Dは砂漠の奥深くにいるデューンリッパーのD
眠っているお前の足を下からちょん切る

Eはエルフに愛されているイーグルのE
奴らはそのイメージで自分達を塗り固めている

Fは墓に出没する色あせたレイスのF
暗闇に潜み、お前に破滅をもたらす

Gはスカイリムにいると言われている巨人のG
巨人は毛に覆われたマンモスを飼っていて、一緒に行動していることが多い

Hは森の巨大なダニ、ホーヴァーのH
お前を捕まえて血を吸い尽くすつもりだ!

Iは不愉快な害獣、インプのI
ひやかし目的で、お前を魔法で火あぶりにする

Jはバンコライを縄張りにしているジャッカルのJ
お前の目をむしり取るのに、丁度良い位置に口がある

KはモロウウィンドにいるクワマーのK
地下の奥深く、穴の中に住んでいる

Lは野生の蛇、魔女ラミアのL
道に迷った小さな子供を狙っている

MはイラつくぐらいどこにでもいるマッドクラブのM
不潔で、不愉快で、醜くて、邪悪

Nは群れで狩りをする虫、ニックスハウンドのN
錬金術師はその肉を使って薬を作る

Oは頭の鈍いオーガのO
でもこいつに捕まれば、助かる見込みはない

Pはイノシシの親戚の豚のP
ウッドエルフは馬の代わりにこれに乗る

Rは暗い夜の象徴、レイヴンのR
私は彼女達の話を聞き、お前はそれを引用する!

Sは根であり、樹皮であり、大枝でもある、スプリガンのS
あの藪の中に隠れていて、今もお前を見ている!

Tは大きくてゾッとする甲虫、サンダーバグのT
そのハサミか、ギザギザの足でお前を捕まえる

Uは死霊術師の奴隷、アンデッドのU
奴らが墓から目覚めたら、大災害の訪れだ

Vはお前に穴を開けたがる、吸血鬼のV
なぜなら吸血症だからな

Wは光を発する悪魔の球体、ウィスプのW
後を追うな。追えば行方不明になるだろう

Xはデイドラの暗殺者、ズィヴィライのX
奴は通り魔のように、気まぐれにお前の首を切り落とす

Yはフォアベアー、ヨクダの軍馬のY
騎士の馬で、戦いに行く時に騎乗する

ZはゾンビのZ。こいつが最後にくることは予想できたんじゃないか?
走れ、歩くな。中にはかなり早い奴もいるぞ!

チムエル・アダバル:バラッドChim-el Adabal: A Ballad

アカトシュがロルカーンを屠った時
彼はその心臓を抜き取り
タムリエル中にまき散らした
そして心臓の叫び声が聞こえた

赤いダイヤモンド!赤いダイヤモンド!
人間の心臓と魂
赤いダイヤモンド!赤いダイヤモンド!
最後まで我々を守りたまえ

笑う心臓は遠くまで血をまき散らし、
一滴がシロドにかかった
そしてダーツの矢が的に刺さるように
アイレイドの井戸に落ちていった

赤いダイヤモンド!赤いダイヤモンド!
人間の心臓と魂
赤いダイヤモンド!赤いダイヤモンド!
最後まで我々を守りたまえ

マジカがロルカーンの血を
赤く強力なクリスタルに融合させた
そして野生のエルフがそれを切断し、磨き上げて
チムエル・アダバルに仕立て上げた

赤いダイヤモンド!赤いダイヤモンド!
人間の心臓と魂
赤いダイヤモンド!赤いダイヤモンド!
最後まで我々を守りたまえ

エルフが人間にニルンを明け渡した時、
アカトシュは石を渡した
聖アレシュに、彼女が
玉座に座る権利の象徴として

赤いダイヤモンド!赤いダイヤモンド!
人間の心臓と魂
赤いダイヤモンド!赤いダイヤモンド!
最後まで我々を守りたまえ

ナルンヒルデ女王の死The Fall of Queen Nurnhilde

ソブンガルデの栄光を歌おう!ナルンヒルデの物語を歌おう!
 ああ敬愛する女王よ、ノルドと神々から愛されたもう
 アカヴィリに立ち向かい、邪悪な侵略者を追い返した
 あなたの金髪の首が落ちた時、我らは幼子のように泣き悲しんだ
 しかし我らはソブンガルデの真上から、あなたに見守られていることを知っている
 ソブンガルデの栄光を歌おう!ナルンヒルデの物語を歌おう!
 愛する女王のために泣こう!

— ウィンドヘルムの吟遊詩人、リュート・ボイスのヘルグレイル

ネッチよ、いたるところに!Netches! Netches! All Around!

著者不明

ネッチ!ネッチ!いたるところに!
高い場所で生まれ、
決して下りては来ない。

ネッチ!ネッチ!いたるところに!
雄と雌
青いものもいれば、茶色いものも。

ネッチ!ネッチ!いたるところに!
その垂れ下がる触手は
まるでドレッシングガウン。

ネッチ!ネッチ!いたるところに!
音も立てずに
忍び寄って来る。

ネッチ!ネッチ!いたるところに!
隠れても無駄だ、
きっと見つかってしまう。

ネレイドのジレンマThe Nereid’s Dilemma

アンシル・モルヴァー 著

考えてごらん、ネレイドの困った点を
ネレイドは愛を奪われた
ネレイドは例外なく女で、
男はいない
恋のチャンスは滅多にありそうにない
男がいないんじゃ仕方がない
恋をせずにいられない
私としては
恋人のいないネレイドになるくらいなら
森の雌鹿になってしまいたい!

ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!Mead, Mead, Mead!

(酒宴の歌)

ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!
素晴らしく潤い、罪深き甘さ!
ハチミツ酒の入った角を持ち上げ、マグを高く掲げよう
死ぬほど飲み続けたいのさ!

ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!
体が必要としているんだ!
俺たちを強く賢く勇敢にしてくれる、
これ以上のものはない、熱望してるんだ!

ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!
朝に飲み、昼に飲み、夕べに飲む
スパイスを入れるのもお気に入り、甘くて強力
すぐに酔う、きっとそうなる
ハチミツ酒、ハチミツ酒、ハチミツ酒!

ファランゲル王のビールのバラッドKing Farangel’s Beer Ballad

最初はファランゲルだった
ハイロックに足を踏み入れた
この土地をガードナーハウスにした
そしてファランゲル港を作った。

彼の船を至るところに送った
遠くの島々と取引するために
ウェイレストのために木を伐採した
ストームヘヴンの砂の上で。

最初のウェイレスト王、そして
ブレトンの貴族の父親。
ハイロックのブレトンよ、乾杯せよ
「ファランゲル、そして4杯のビールのために!」

(飲む)

フォアベアー戦士の歌A Forebear Warrior’s Song

アカトシュよ、我が強さはあなたの手によるもの
敵は我が剣の前に倒れた
叫びが聞こえるだろうか?
死よ、彼らは叫ぶ
死よ、我は歌う
だが、死は敵のもの、我のものにあらず

刃から敵の血を拭う
盾から敵の血を拭う
勝利は我らのもの!

ステンダールよ、武器の使用を許したまえ
正義のため、正しい道のため
我が願いが聞こえるだろうか?
正義よ、彼らは祈る
正義よ、我は歌う
正義は我のもの、そして彼らのもの

刃から敵の血を拭う
盾から敵の血を拭う
勝利は我らのもの!

正義の道は慈悲と
弱き者への思いやりゆえに
我は剣と盾を持てるか?
慈悲を、彼らは乞う
慈悲を、我は与える
不正な者には速やかな死を!
慈悲なき者には緩慢な死を!

刃から敵の血を拭う
盾から敵の血を拭う
勝利は我らのもの!

ブランブルブリーチの長老Elders of Bramblebreach

紡ぎ手は霊魂の話をする
この地を所有し
この地に属する霊魂を
彼らが何かに属しているならだが

彼らは我らの先人であり
我らの支配者でもある
我らの良心が働かぬ時の良心であり
愚かなエルフにとっての英知である

彼らと遠く離れて生きているふりもできる
だがそれは、子供じみた夢から生まれたおとぎ話だ

ベトニク・リメリクBetnikh Limerikh

ベトニクから来たオークがいた
熱があり病気だと言った
しかしリフトの強風に
尻を吹きだまりに投げ捨てられ
くっついて取れなくなった!

ボエシアの試練の儀式The Rite of Boethiah’s Gauntlet

死の花、ボエシアのサッチの導き手、テンダラマー 著

私が見てきた50を超える試練
強い人間とエルフが適宜争う
血と体を捧げる、忠実な戦い
価値と熱意と、ボエシアの筆頭であることを証明する
どんなことがあっても止めない、最も熱意あるショー
対抗し、信者と信者が、堂々と戦う
公を誇らしく讃えるため、全員がやらなければならない
進んで捧げられた奉献は誰にも疑えない
こうして試された信者は、誰に価値があるか理解する…
誰がボエシアの導き手であるべきか
ボエシアの勇者も選ばれる
試練は与えられる。乱闘と共に
剣を、戦棍を、短剣を恐れる者
敵に情けをかけない心に欠ける者
モラグ・バルは彼らをストーンファイアへ歓迎するだろう
ボエシアの妖術師は魔法をかける
アズラの弱虫よりも強く
試練に合格する呪文をかける
自分よりも忠実でない者に分を弁えさせるため
誰もが自分なりに、公に仕えなければならない

マシルドがこの場所を建てたMatthild Built This Place

彼女が永久にスカイリムを去ってから、60回目の冬が来て
彼女はこの場所を発見し、自らの故郷とした

そして61回目の夏が来て、彼女はこの場所を建てた
それに必要な全てを大地からもらって建てた
ヴァレンウッドの慣習どおりに

62回目の夏が来て、彼女はシルヴェナールに出会った
彼女はシルヴェナールの仲間に、様々な物を作る方法を
教えると承諾した

彼らに教えてから、62回目の冬が来て
彼女は教えたのと同じ位、彼らから学んだ
そして全ての生徒たちから、愛された

ソブンガルデへ来てから、80回目の冬が来て
彼女はこの場所を全ての教える者と
学ぶ者へと譲り渡した

よろめきとふらつきStagger and Sway

愛する人よ、私を待っている、
嵐と日差しを抜けて、陸と海を渡って。
彼女に走り寄ってから一緒に、
キスをしながら揺れる
キスをしながら揺れる

彼女の優美な姿に胸が高鳴り
片手で近くへ抱き寄せる
彼女の待ち受ける唇は乾きを知らず
キスをしながら揺れる
キスをしながら揺れる

朝が来て彼女は去る
彼女の味は残り
心の中では2人が揺れるのが見える
キスをしながら揺れる
キスをしながら揺れる

レディ・マルシエンの愚行Lady Murcien’s Folly

(作者不詳)

レディ・マルシエンは少し変
自分をドワーフだと思い込み
北の尾根から波止場まで
ドワーフの鉱石をばらまいた

車輪の付いた車軸の上に
シューシュー湧き立つティーポットを載せて
クラツガールから伝わる構造物だと言った
本当ですよ、真面目な話

「トーンの設計者」のために
真鍮と錫で道具を作り
炉に火を入れて押し込めば
家が吹き飛びめちゃくちゃに

スパイラルブレードをくっつけた
真鍮製の鎧を着込み
格子に魂石を差し込むと
ポン!といって消えちゃった!

ワイルディングのある夜One Wilding Night

小さな仲間達よ、そこに座るのだ。私が真夏の疾風のように、影に身を潜める獣の話を紡ぎ出そう!

その顔は怒りに満ちていて、真珠のような白い牙を持っていた。この獣あればひと噛みで森の木々を全て倒すことができただろう!

その獣はある晴れた夜に、獲物を仕留めるためワイルディングランに現れた。ああ、なんと素晴らしい!

星々が輝く空の下、青ざめた月明かりの中、人々はその危険な夜に幻惑されていた!

この恐ろしい物語では紡ぎ手が最初で、次が樹の従士だった。彼の運命?最も不愉快な結果になったことは間違いない!

衛兵は全員泥酔してベッドで横になっていた!その夜は皆がバラバラになり、誰にも何も聞こえなかったのだ!

私はどうだったかって?私はその恐ろしい運命から逃げた。だがその獣は、門まで私を追いかけてきた!

その獣は叫び声を上げ、足を踏みならし、ついにその姿を現した!獣は湾曲した古い木の下で、怒り狂ったように怒号を上げていた。

その後どうなったかって?そんなこと誰にも分からない!他の人々がどうなったのかは誰も知らない、全員その時に殺されてしまった。

だが言っておこう、我が友よ、この先に行く前に。森の方に向かうつもりがあるなら…

道沿いを行け、道からは逸れるな!立ち止まるな!森に入るな!森との境界には近づくな!

あの恐ろしい目に見つかれば、その人生が終わりを迎えるだろう!

愛の永遠の炎Love’s Eternal Flame

アンコナスという炎の魔術師は、
昼は素晴らしい教師で、
夜は欲望に屈し、
アランウェの寝床の中

彼の頭脳は鋭く、炎は明るく燃えた
しかし自身の主人を裏切って、
肉体は燃え上がり、嬉しいことに、
アランウェは苦悩した

隠された涙Hidden Tears

聖なる石は彼女の涙が落ちた地に応える。

涙は心を、土を、水を、そして周りの空気までも清める。

カイネは神聖な場所で囁いて涙を流す。

歌い手ナビドのバラードThe Ballad of Navid the Singer

古きラ・ガーダの時代
フォアベアーが上陸した時
中にはソードシンガーたちがいた
伝承によれば

前に立つのはヤグーブの13人
誰もが高貴なるアンセイ
一人の名はナビド
この歌は彼の者の堕落を歌うもの

ナビドはサイーダを愛すれど
サイーダは彼を愛せず
サイーダの心はイルクブに捧げられていた
13人の中の最高の射手に

イルクブは弓を引く
浜辺での稽古で
ナビドは何一つ手に持たず
矢の届く範囲に歩み寄る

イルクブと対面したとき
ナビドはシェハイを召喚し
愛する者の恋人を聖なる剣で貫き
恋敵が死ぬのを見届けた

ヤグーブの拠点に戻り
テントに入り
己の剣でした不名誉な行いに倒れ
恥辱の時を過ごす

乾いたページDry Page

雪が戻り
川が凍る時、
太陽は母親の膝の間の
子供のように隠れる
賢いノルドは知っている
終わりがすぐ来ることを
彼は死を待つことに
だんだん我慢ができなくなる

輝く詩Verses of the Illuminated

詩5

最初は1つ、次にニルン、そして数多く現れた

アーリエルは空を登って後に続く者に挑んだ

試した者はいたが不可能な者も多く、努力は悲痛であった

求愛する時にはWhen I Will Come A-Courtin’

求愛する時には
すべてをショーンヘルムの娘さんたちへ
荷車にシルクを山ほど載せて
それから三つ編みのためのリボンも

そして彼はあらゆる平地をさまよった
花嫁を探して
しかしアカトシュは彼を追放した
彼の思い上がりを罰するために

栄光のために一つの王冠を持っていく
だが彼らに見せるのは血と死のみ
栄光のために一つの王冠を持っていく
ランセルの愚かさのために、死んだ

空と嵐Sky and Storm

海は血を流し、潮流は酔い痴れ、
大地は黒ずみ、空は灰色に曇る。
暗闇の冷気が触手をのばし、
敵はその冷たいひと触れに身を震わせる。

木でできた鯨たちの背骨を砕き、
そのはらわたをぶちまけて尾に噛みつく。
暗闇の冷気がじきにむさぼり、
敵は我らの粘り強さに身を震わせる。

陸に揚がった者たちを海に投げ込み、
時が来たら彼らを引き揚げよ。
暗闇の冷気は救いのために立ちあがらねばならず、
敵は今や我らの奴隷となった。

好色なアルゴニアンの侍女、歌The Lusty Argonian Maid, A Song

メモ:男女デュエット。男性スタートで節ごとに交代。

私はクランティウス・コルト
私の好色なアルゴニアンの侍女よ
お前にきれいにして欲しいものがある
私の剣を磨くのだ!

私は侍女の尾を上げる者
そう、好色なアルゴニアンの侍女
しかしそれはあまりにも大変です
それほど長い剣は見たことがありません!

おっと違うぞ、そうじゃないはずだ
私の好色なアルゴニアンの侍女よ
それにレディ・コルトはクヴァッチに行っている
何も怖がることはない

そうではありません、他に仕事があるのです
あなたの剣が長く硬くとも
私は大きな道具の世話をしなければなりません
ある魅力的な、アルゴニアンの吟遊詩人の

鉱山労働者の嘆きThe Miner’s Lament

暗い鉱山で朝から晩まで、
何度も何度もツルハシを振るう。
金属が石にぶつかる音を響かせ、
しゃかりきに働く、応援もなしに。

日がな一日、暗闇で働く、
次こそ鉱脈に当たれと念じながら。
黄金色の鉱石を夢見る貧しい男に
「もっと掘るんだ!」と親方が怒鳴る。

ひたすら掘りながら、八大神に祈る。
山の下でくたばる運命じゃありませんようにと。
鉱山労働者のこの身は変わらぬ。
血も汗も涙も財布を膨らませちゃくれない。

婚約の儀の歴史History of the Handfast

歯と鉤爪
燃えたぎる血
混沌が支配し
辱められた種族

失われた物語
汚れた歴史の中にl
失われた世代
ウェアウルフの遠吠えの中に

しかし神の慈悲と
英雄の魂が
撚りあい戦った
古代の土の上で

大義は失われたように見え
希望も乏しくなる中で
ある女性があらわれた
何もかも緑の姿で

英雄と貴婦人
そして神だけが
戦った。筋肉と
血と骨により

種族はそうして救われた
残忍な怒りから
オースブレイカーは送られた
沼で眠りにつくように

英雄と貴婦人
永遠に続くだろう
共に結ばれて
偉大な婚約の儀で

最も暗き神々Darkest Divinities

スカルド・スカルスプリッター 著

人間とエルフは罪を知っていた
時間が始まって以来ずっと

デイドラ公は
すべてのエルフと人間を見守った

アズラは昼を照らす
暁から日没まで

ハルメアス・モラは
記憶を呼び覚ます

ハーシーンのワイルドハントは
血を、においを、ムスクをたどる

ボエシアは
共謀を追求する

卑劣なマラキャスは
すべての呪いを記憶する

メエルーンズ・デイゴンは
破滅の憤怒を知る

怒りのシェオゴラスは
無意味な詩を口ずさむ

厳しいジャガラグは
その道に秩序を築く

闇のモラグ・バルは
血と魂を富として奪う

ヴァルミーナは
夢見人の見る世界で生きる

だが目に見えないノクターナルの密やかさに
匹敵するものは誰もいない

あるいは快楽主義の
サングインの騒がしさにも

苦しむすべての魂が
切望する

デイドラ公は
すべての闇の願いを叶えてくれる

最も深い傷The Deepest Cut

剣聖のルラニール
彼の刀剣の前で、敵は死に絶える
しかしアランウェに対すると
古代の短剣のように切れ味が悪かった

彼の刀剣は鞘から抜かれ、目は輝き
その日彼はつまずき、
アランウェの足元で
深く切られて首を落とされた

死の称賛の対句Couplets in Admiration of the Dead

フェロアドマス

どんなに美しい生ける者も
死体にはかなわない。あのガラスの眼差しには

死体を見つめると体が震える
命を失った抜け殻を見つめると

何を要求しても死体は拒まない
冷たくて無口で… まさに理想的だ

死霊術が起こす新たな出会いに
私の心は踊り跳ねる

湿ったページDamp Page

冬が来る時
老いた男達はため息をつく
彼らは死ぬ日が来たと
知っている
我々は皆飲まなければいけない
間際まで追いやらなければいけない
そして望みは沈む
瞬時に消え去る

召喚者The Summoner

神童のフェインダーは、
不完全な錬金術を使い、
アルトマーの気まぐれのために、
スキャンプとヴェーマイを召喚した

彼は若く、顔は生き生きとして、
その過ちは彼が偉そうに発した言葉、
アランウェを苦しめるため、
召喚された者が今は彼の肉体を苦しめる

人間とエルフOf Men and Mer

ヘンナベア 著

座りたまえ、親愛なる読者よ。
賢明なるヘンナベアの言葉にとくと耳を傾けよ。
これから人間とエルフについて話して聞かせよう。
聞けば分かるとおり、公正な話ばかりだ。

初めにダンマーについて話そう。
古く、きわめてユニークな文化の担い手。
暗色の肌をした華奢なエルフ。
彼らの崇める生ける神々の聖なる神秘。

次はアルトマーについて話して聞かせよう。
至高の階層の高貴なる眷属。
その冷ややかな物言いは反感を買うが、
彼らを悪しざまに言えば行方知れずになる。

レッドガードは高貴なる流浪の民。
しばしば絹の衣を身にまとい、
万一に備えて切っ先鋭い刃物を身に帯びる。
俊敏で腕が立つ彼らを相手に、他の種族は勝ち目がない。

ボズマーは好んで森に身を潜める。
葉から葉へと、鳥のように滑空する。
ボズマーが嘘をつけばすぐに分かる。
応えがあると、唇が動くからだ。

筋骨たくましいオーク。何かとそしられる、緑の肌を持つ人々。
気が短く、いたって穏やかとは言い難い。
ただし荒々しさの下に、
肉料理に目がない一面を探り当てられる。

カジート。大柄で賢く、気高い猫族。
言葉遊びと死闘に秀でる。
盗賊海賊の類といえば確かにそうだが、
毛皮を身にまとう彼らはその比ではない。

だんだん飽きてきたようだな。
だが、ノルドの話なら聞きたいのでは?
無視することのできない人々。
冬に斧と剣で鍛えられし人々。

トカゲの姿をしたアルゴニアン。
彼らの棲みかは沼地にある。
彼らに訊ねるならば、同じことを2度訊ねよ。
彼らの考えは我々の理解を越える

最後はうるわしいブレトンの話で締めくくろう。
何を隠そうこの私もブレトンだ。
苦難に育まれ、なお強健な我々は、
やがて地に満ちるだろう。

さて、親愛なる読者よ。
諸君がこの詩を吟唱するときは、
必ずヘンナベアの作だと明示しなければならない。
さもなくば、彼がやってくるだろう!心するがいい!

塵の不滅On the Immortality of Dust

センチネルのウェルタン 著

火からたちのぼる聖なる炎、
名もなき偉大な男女の亡霊、
炎の中で盛衰する大昔に滅びた街、
ディオスコリの啓示の歌、
破裂する壁と不滅の岩、
癒やして破壊する燃えさかる砂

海の上にセンチネルが輝き、
丸天井は、イリアックの夜明けにきらめく
人々は市場に群がり、そして見つける
人の手による石の壁の間の道を
そびえ立つ街においても
サンダルの足音はアリクルの砂を追う

レッドガードに生まれたすべての者のために
行くところどこでも荒地を開拓せよ
砂漠は我々の心と魂をつかむ
目と耳の内にある炎を
塵は死せず、我らは塵なり
風に吹かれた、はかない、永遠の、すべてのものよ

静かな部屋The Quiet Room

生気のない目が剣の決闘をじっと眺める
かつて息をしていたが、今や生きぬ者
もう片方は遠い地からの古代の遺物

古代人たちによる石の作品の中で
生を知らぬ方の者が
救済と沈黙への道を開く

赤い鳥の歌An Ode to the Red Bird

いとしい赤い鳥よ、一緒に飛ぼう
あなたが地面から飛び立つように
頑固な年寄りの無駄話から飛び立とう!

砂時計の砂は落ちる
でも共に飛べば
夜は長く永遠の旅となる。

この肩に、首に、頬に舞い降りて
お前のかわいらしいくちばしで百の
いや千の口づけをおくれ。

たくさんの口づけをしたら
敵に邪なことをさせないように
彼らを混乱させよう。

絶望の歌Song of Despair

著者不明

答えの記憶は運命から引き剥がされ
忍耐を持ち合わせていない者は皆破壊される

黄昏と暁を薔薇の女王が統べるが
夜の盗賊が未だに闇を牛耳っている

緑の龍の息が雲と水を汚す
蜘蛛が静かにあの印を巣にかける

破られた誓いと裏切り者の陰謀、
猟師の角笛と研がれた槍

約束が無に帰することを願う
狂人が現れる者の命を奪う

生が死を逆手に取る
甘い肉欲が血溜まりに飛び込むように

涙は流さずに呪いから逃げる
悪夢が押し寄せて来るから

病や疫病は生の終わりではない
闘争の収穫者に服すれば

双子月の話Tale of Two Moons

エルスウェアで空が白くなるにつれ
霜が湖の上に形作られる時
炎が明るく燃え上がる時
古い骨がうずき始める時

その時猫たちはブディを脱ぎ捨てる
毛皮は冷気を遠のけ
小さい月が大きな月を追い払い
彼に古い秘密を語る

でもその時エルスウェアに青い空
川に光が流れる時
炎が灰となって消える時
若者が空へと飛び立つ時

その時猫たちはブディを包み直し
豊かな厚いたてがみを撫でつけて
大きな月が小さな月を追い払い
彼女をその鎖から解き放つ

注意しろ!Beware!

丘を登り
扉の留め金を外せ。
そこで見つけるはずだ
珍しい品の数々を!

ヒューヒュー、シューシュー
それにキーキーがいっぱい。
あれはネズミなのか
はたまだ発見した道具か?

このうるさい場所では
品物は慎重に扱うように
ドゥエマーが目を覚まして
あなたを追い掛けないように!

虫のサーガWorm Saga

幼時からの魔術師にして、アーティアムの島々から永遠に伝わる、マジカのために選ばれた血!生まれるずっと前から、あらゆる定命の者より優れていると私は運命づけられた。

アルトマー?違う、アルドマーだ。原初の神々の直系の子孫、セポラに召集されし者。そして私は送る。イアケシスに、教師に、試験し、刺激するために。

マジカを操り儀式を統べる古きやり方の賢人、イアケシスは穏やかな魔法使いなどではない!後世のギルドと異なり、風でないものを歪ませて大惨事を引き起こしたのだ。

死霊術、死の術は厳しく早く私を選んだ。今でないものを変えるため、過去を呼び出す。古きやり方を観察する。グレイ・クローク法によりそれは理由なく禁止され、死の道と深く結びついている。

まずい時にある者がやってきた。名前はトレクタス。野心的で手に負えず、恥知らずで、才能があり、無鉄砲で、自分は私と対等だと考えており、その傲慢と妬みが我々の行く末を決めた。

彼が練習した魔法。公開された剥き出しの力で古きやり方を嘲り、塔を危険に陥れた。それから卑しい生まれの悪知恵で私を悪者に仕立て、追放を画策し、私をタムリエル人にした。

誰もが私の意思と決意、恐ろしいほどの知識、機知と洞察力を過小評価した。こうして私は死の儀式、生け贄の儀式、亡霊人間の召喚を学ぶ新しい仲間を見つけた。

黒き虫の教団は皆黒いローブをまとう。死を越えた知識を求める者に知恵をもたらす。しかしトレクタス、今やヴァヌスは我々を大陸まで追い、悪意で虫の作者を苦しめる。

来たれすべての死霊術者よ、実践と命を守れ。マジカをナイフのように操り、異端に無頓着で古きやり方を知らず、そのくせ死霊術が破滅をもたらすと予言するような輩から。

ニルンの子供は黙考せよ。どちらを選ぶかと。魔術師の専制政治、呪文の使用の制限か、死霊術、死者との親交、先人の帰還、世代を超えた再会か。どちらを選ぶ?

豚に捧げる歌Ode to Oinkers

リトレック 作

ピンクの子豚ちゃん!
ぶうぶうキイキイ鳴いて、穴を掘る。
今日は一日がんばりな。
明日には私のお腹の中だろうからさ。

子豚ちゃん、何でお前はそんなにおいしいの?
母さんの鍋はどうやってお前を変身させるの?
ある時は泥臭かったお前。
その次にはソブンガルデの野原のようなにおい。

ずっと変わらないでくれよ、子豚ちゃん。
姉妹が威張り散らすようになるように。
母達がガミガミあれこれさせるように。
父達がぶつぶつ不平を言うように。
そのままでいてくれよ。
おいしいままで。

日が昇る海The Sea It Rises

(ロングコーストの海の舟歌)

轟音をたて立ち上る海
遠くの海岸から吹く風
道のりを加速させる波
しぶきに乗って躍る船!

皆ハリヤードへ、巻き上げろ!
全速前進、遅れは許されない!
既定の進路を正確に航海
さもなければ塩水の海へ沈む!

浜辺の港へ目を向けろ
俺達の到着する目的地
船長の鉄の意志のため
信頼を裏切ればキールに口づけ!

海岸にて静まり返る海
もう二度と吹かない風
しぶきのない静かな波
いつか違う日に船は旅立つ

破壊者は眠るDestroyer’s Rest

この土の下には
もはや動かない破壊者の骨がある
星がまたたく空の下で
本当の愛から引き裂かれることもなくなった。

遠くと近くの小さなエルフに
骨は長きにわたり恐怖をもたらした
破壊者が休むことにすると
我らはその胸に種を植えた。

そのうち根が深く張り
土に埋められることを祈りつつ
破壊者はここに葬られた
彼の名は忘れられ、また語られるようになるまで
長きにわたり平和であった
時間だけがこの野獣を殺した。

比較的野蛮でない歌A Less Rude Song

作者不詳 著

噂によれば
イリアック湾は
帆も張られずに
船が行きかう場所だそうだ。
その歌によれば
西風のささやく調べが
生まれたままの姿が素敵だとささやく。
女は高い声で、男は低い声で、
とても甘い堕落をほのめかす
固い倫理は全く存在せず
固いものはイリアック湾の洞窟にしか
見ることができないと。

あなたがより罪深い者を探したいなら、
モロウウィンドで見つかるだろう

でも、真実を語ろう
最もおかしなことは
普段の様子だ
少しおかしな情熱が
センチネルとダガーフォールのどこでも
見て取れる。

羽根、鱗、ひれ、どんな変なものが望みでも、
モロウウィンドで見つかるだろう

ブレトンとレッドガードに
着実な楽しみ以上のものがあって
火遊びに苦しむというのは
吟遊詩人の創作だ。
ほとんどの奇妙なことはここで起こる
賢い道楽者は東へ向かうだろう。

厳格な慎みを削ぎ落す場所を探したいなら、
モロウウィンドで見つかるだろう。

モロウウィンドには、
罪がある。

しかし、ダンマーの多様性を
生ぬるい西の人々と一緒にしてはいけない
比べれば、むしろ敬虔と言えるほどだ。
ダークエルフが、裸を嫌悪する様子を見て、
潔癖と呼ぶことは、あまり賢くない
裸に見えるようなものを好むだけで
それは、より危険なのだ
アッシュランダーからずぶ濡れの魚まで
あなたは喜びと痛みを、とても美味しく感じられる
それがモロウウィンドだ。

あなたが優しくない親しみを感じたいなら
モロウウィンドで見つかるだろう。

父の約束The Father’s Promise

彼のキスがお前の卵歯に降りたのは、お前の最初の呼吸の前のこと。お前は彼の祝福された子供の一人。父を抱きしめ、母に従え。彼らがお前に最初の呼吸をもたらしたのだから。それを奪い去ることもできるのだから

すべての事柄には、その結末が考慮されている

すべての結末には、その美しさが内に込められている

すべての美しさには、退廃の約束が横たわっている

冷気を恐れるな、我が子よ。それはこの贈物の前兆。時間がもうない場所の、時間の約束だ

北の真実Truths of the North

雪が消えてゆき
川が豊かな水をたたえる時
太陽は幼い少年の帽子に
花のように乗る
賢いノルドは知っている
決して長続きはしないだろうと
彼はその日を楽しむ
たとえ瞬く間に過ぎ去れども

雪がなくなり
川の水が枯れる時
太陽は怒った目のように
照りつける
賢いノルドは知っている
たとえ日が長くとも
彼が元気で力強く
生き生きとした春の土からの
種のように育つ
そんな日々があることを

氷結が戻り
川がふさがれる時
太陽は夕暮れのもやの下
空に潜る
賢いノルドは知っている
たとえ彼の強さは消えゆくとも
今こそ策を立てる時
そして救う時が来た

〈ページは本から破り取られたように見える〉

迷いし者の嘆きLamentations of the Lost

著者不明

ニルンを探検せよと言われた
多くの土地を旅したが
故郷のように感じたことはない

商人のもとで働いた
金のために埃っぽい店を掃除して
敬意も富もない

軍に入隊した
戦争の恐怖を見た
血の滴る戦場を

弓に倒れた
強欲のため孤独に死んだ
見知らぬ者に埋められた

裏切りBetrayal

頑丈な岩に築いたこの場所が
壊れて崩れる
破壊されて芯まで揺るがされる
アランウェに裏切られたために

愛に目がくらんでいた
愚か者でも分かったことだ
彼女の弱い意志、抑制のない欲望
アランウェ、商売女め

心を裏切られ、魂を奪ってやった
激しい口論で逆上させ
彼女の痛みは永遠となった
アランウェの運命だ

霊魂の歌Song of the Spirits

夜は暗く
地は深く
そのぬくもりであなたはじっと動かない

痛みは忘れ
苦痛は消え去り
終わることのない眠りが訪れる

私はあなたの守り
私はあなたの希望
私は義務を怠ったりしない

夜は暗く
地は深く
今日あなたは生き返らない

狼少年ウェルギタルWergital the Wolf-Boy

エドゥアルド・ロンタンの作とされる

雨の上、雲の上、空よりも上からキナレスは見つめていた
毛皮の変装に身を包んだブレトンの子供を
グレナンブラ峡谷の狼に育てられた
狼少年は森や丘、沼を駆け巡り
狩りの喜びを噛み締めた
彼は強くがっしりと育ち、もう子供ではなかった
夜はセクンダの明かりの下、獲物を探し
群れは大胆にも、襲撃と略奪をするようになった

フェルズランの農民たちの髪が逆立った
飛び回る暗い影、暴力の予感
凶暴な唸り声と共に牛を襲っている
子供の略奪者が狼を従えている
狩人たちが出てきた、毛皮を求めて
狼たちは逃げた、茨の茂みに隠れて
狼の襲撃はさらに激しくなり、街を荒らした
長老たちは群れを退治する計画を練った

縛られた山羊が鳴く、罠にかけるための餌
狼少年と群れは悲しい定めに引き寄せられた
群れは獲物に飛びついた、食事のつもりで
だがフェルズランの射手たち、すぐに群れを打ち倒す
矢は速く飛び、少年の頭巾が落ちた
血にまみれ、矢に貫かれ、彼は吠え声と共に倒れた
狼少年ウェルギタルは湿地に埋められた
キナレスの元へ帰ろう。お前の魂は清められた

ハートと花

Hearts and Flowers

あなたの銀の毛皮Your Silver Fur

麗しき最愛のザリへ

水辺でまた君を見た。太陽のおかげで、君の銀色の毛皮がまるでよく晴れた日のように輝いていたよ。大使館を警護する務めがなかったら、僕はずっとその場に立ち尽くしていただろう。

ぜひ大使館に来て、僕の勇姿を見てほしい。一緒に食事でもしよう。

-名乗らずとも分かるはずだ

アヌラーメの涙Tears of Anurraame

かつて存在した輝く街、イロキルに、輝く王女、アヌラーメがいた。彼女の比類なき美しさ、気品、知性はアイレイドの貴族全てから嫉妬されていた。

やがて彼女は遠方の大きな街の王子と結婚し、タムリエルをまたぐ同盟が期待された。王子は強い身体と不屈の誇りで知られていたが、妻となったアヌラーメを深く愛していた。

しばらくの間2人は幸せだった。少なくとも、そう見えた。だが年月を重ねるうち、アヌラーメと夫の距離はどんどん広がり、情熱に代わって退屈な義理が生まれた。

やがてアヌラーメは、イロキルの若いチャンピオンと恋人になった。強く、若い光と力で輝くアヌラーメの恋人は、年老いて気持ちの離れた王子には与えられないもの…心躍るスリル、そして友情を彼女に与えた。

アヌラーメは、夫を恥ずかしめてはいけないと感じ、最初は浮気を秘密にしようとしていた。しかし、情熱の気まぐれな風に惑わされ、どんどん大胆になっていった。やがて彼女の戯れが明らかになった。

アヌラーメの夫は激怒し、妻を拒絶し、全軍をイロキルに送り込み、街を包囲した。アヌラーメは断固として夫と対決すると決意し、恋人に街を守るために軍勢を集めるよう頼んだ。彼はその願いを聞き入れた。

しかし戦争が始まった時、彼女の恋人の軍は、夫の軍の味方になっていた。彼の不滅の情熱は、金で買収された。

恋人の裏切りに絶望し激怒したアヌラーメは、敵を蹴散らし街を守る手助けを、デイドラに求めた。メファーラはそれに応え、アヌラーメに全ての涙を器にためるよう命じた。そしてメファーラは、その涙を裏切り者の恋人への王女の怒り、王女の強い愛から生まれた怒りの力で満たした。

力を帯びた涙はアーティファクト、「アヌラーメの涙」に姿を変えた。戦いが始まり、アヌラーメは街で一番高い塔にアーティファクトを運んだ。街の壁の外で暴れる軍に向けて、彼女はその力を解放した。瞬く間に、軍勢と街は破壊された。

イロキルの残骸とアヌラーメ自身が荒れ果てた墓地となったが、アヌラーメの涙は破壊されておらず、瓦礫の中に眠ったまま見つかっていないという噂が、ずっと長い間残っている。

アルヴスの日記Aluvus’ Journal

フェアーの北東で、ようやくアイレイドの墓地の入口を見つけた。どうやら放棄されたようだ、その秘密を探索するのが楽しみで仕方ない。明日は徹底的に探索を行う予定だった、だが昨晩、宿屋「ソルテッド・ウィング」で、今まで見たことがないほど魅力的な女性と出会ってしまった。

今夜また彼女に会えるといいのだが。彼女はものすごく色白で、まるで光り輝いているかのようだった。そしてあの唇…彼女の唇はこの世で一番刺激的なルビーのように赤かった。今度こそは勇気を奮い立たせて、何としても彼女に話しかけてみせる。

アンジェンテの候補者リストAngiente’s Book of Prospects

ヴラスタルスの候補者:

アツゴル:嫌われてる。この間彼女に話しかけたら殴られた。

ブリティア:偉そう。あと俺を嫌ってる。

エミッタ:俺のことを無視する。きっと誰かに何か吹き込まれたんだろう。

エニグタール:嫌われてる。

アーニルス:俺のことを好いているが、タイプじゃない。

グラバッシュ:嫌われてる。多分名前をもじって下品なジョークを言ったせいだろう。

ジュラナ:嫌われてはいないが、尻尾が気持ち悪い。

ペインツ:芸術肌すぎる。彼女も俺を嫌ってる気がする。

タランネ:落ち着きがなさすぎる。彼女のそばにいるだけでヒヤヒヤする。

ティーリル:新参者。まだ嫌われていない。

イソベルからの手紙Letter From Isobel

我が友よ

トーナメント会場の外で会った日から…私の人生は変わった。あの時の私はとにかくイライラしていた。浜辺にいるのに、太陽とソルトウォーター・タフィが多すぎるとボヤいてる人みたいに。君が来てから私は黙り、自信が持てるようになった。君のおかげで、集中できるようになった。

人生には全ての焦点が合うことがある。全てが正しく並ぶように思える。他にこんな経験は一度しかない。

小さい頃の話だが、ゴンファローネ湾近くの古い洞窟をうろついていた。父と一緒に何度か来た場所で、探検しては冒険者のまねをしていた…でも、その日は違った。洞窟のより深いところに行き、古い板を踏み抜いて落ちた。ひどい落下ではなかったけど、着地の時に足首をひねってしまった。

私は闇の中で孤独だった。痛くて泣いてた。その時…その、笑わないでくれよ?

その時、私は光を見た。他に何をしていいかわからなかったから、私は祈った。その時、手が光り始めた。戦闘中に何度か呼び起こしているような力じゃないが、見ることができた。持ち物を集め、涙を吹き、木を拾って杖にして、出口を探すことができた。

私の人生はその時変わった。それから祈りを止めたことはない。

君がステンダールのようだと言うつもりはない。その…うう。君も素敵な形で、私の人生を変えてくれた。この話はほとんど誰にもしたことがない。オーレリアにさえ。だから…あまりしゃべらないでくれ。

とにかく、今は未来が楽しみで仕方がない。君に仕えていると、冒険に次ぐ冒険が待っている。

– ハイ・アイルの騎士、イソベル・ヴェロイーズ

PS:次に機会があったら、小説を貸してあげよう。「目覚めの時」と「守られた薔薇」は本当に素晴らしい。ああ!「不服従」も!大丈夫。きっと気に入る。

エイドリアンへの愛のメモLove Note to Adrienne

愛しきエイドリアン

君を本当に恋しく思ってるんだ、最愛の人!最後に会ってからまだ1日も経たないがもう我慢できない。1時間後に二人の特別な場所に会いにきてほしい。私はワインと食べ物を持っていく。そちらは素敵な君自身だけで構わない。

遅れないようにね、愛しい人!

-アーニング

エジーズ・エイクスへTo My Azeez-Eix

私の陽花弁よ、今日はあなたと会うことができない。父が私たちを疑い始めているの。もし見つかったら、絶対に許してくれないでしょう。次の央耀にもう一度、行ってみるわ

そのときまで、私の愛しい人

-あなたのラリシー・ドーレスより

エンナへの愛のメモLove Note to Enna

愛しきエンナ

君を本当に恋しく思ってるんだ、最愛の人!最後に会ってからまだ1日も経たないがもう我慢できない。3時間後に二人の特別な場所に会いにきてほしい。私はワインと食べ物を持っていく。そちらは素敵な君自身だけで構わない。

早まらないで、遅れないようにね、愛しい人!

-アーニング

エンバーからの手紙Letter From Ember

ねえ

きっとこれはじめじめした手紙になる。ごめんなさい。あなたの前ではいつも元気でいたいんだけど、あなたはいつも私を素敵にしてくれる!つまり、これはあなたのせいね

とにかく、ジャカとシルバースリップを取り戻せてよかった。お互いに年を取ってから会うのは不思議な気分。いろいろなことがあった。シルバースリップは吸血鬼になり、ジャカは奴隷にされた…もう、どうやって話していいのかわからないんじゃないかって怖かった。でも、元に戻ったわ。また子供に戻って、何も変わっていないみたいだった。シルバースリップは私たちをからかい、ジャカは心配になるくらいのチーズパイを食べながら瞑想してた。

彼はあなたのために祈っている。私たちをここに集めてくれたのはあなただから。あなたの名が会話に出ない日はない。あなたは気に入らないかもしれないけど、あなたはもうこの小さな家族の一員になった。ソングが戻ったら、それで家族がそろう。

でも、それだけじゃない。あなたは私にかけがえのないものをくれた。みんなが連れ去られた後、私は長いことびくびくして、胸に穴が開いたような気分だった。人生とはそんなものだと思ってた。魔法を学び続ければ、少なくとも自分のみじめな人生を考えずに済むと思ってた。でもあなたと仲良くなってから、どうにか友達のことを打ち明けることができた。あなたが胸に空いた穴を埋めて、傷を癒してくれたみたい。あなたは疲れを知らない。私の友達を助けるために、何度も自分の身を危険にさらしてくれた。知りもしない人のために!あなたは私のために命をかけてくれた。それを忘れることはない。

私は冗談がちょっと…その、かなり多くて、苦労をかけてるとは思うんだけど。今は本気よ!あなたは私の友達を二人救ってくれただけではなくて、幸せとは何かを思い出させてくれた。今ではシルバースリップやジャカと再会して、日々ソングの捜索を進めている。こんなに心強かったことはない。私は…どれだけ感謝しても足りない。手紙を書いても足らない気がする。あなたが必要になったら、いつでも駆けつけて感謝を示すしかないかな?

トラブルメーカーの二人と出かけたくなったら教えてね。シルバースリップはあなたと腕相撲がしたくてたまらないみたい。準備しておいて。

もう一度言うわ。本当にありがとう

– エンバー

おお、祝福された紡ぎ手O Blessed Spinners

おお、祝福された紡ぎ手よ

我が名はウルソーン、私にはあなたの知恵が必要だ。私の恋人が去ってしまった。彼女なしの人生など意味がない。彼女だって行きたくはなかったが、それが運命だと彼らは言った。

私は運命など信じない。物語の道筋をたった一つの言葉で変えることができるのに、なぜ運命が存在し得る?数えきれない日々を祈って過ごしてきた。すべてのために。忘却のために、解放のために、奇跡のために。

私は今、あなたに祈る。私とグワエリングは離ればなれになる運命なのか?もう一度彼女といっしょにいられるなら、何でもするしどんな代償でも払う。最後にもう一度だけ彼女を抱きしめるためなら、何千もの生涯だって諦めるだろう。頼む、力を貸してくれ。

カティーナへの愛のメモLove Note to Catina

愛しきカティーナ

君を本当に恋しく思ってるんだ、最愛の人!最後に会ってからまだ1日も経たないがもう我慢できない。2時間後に二人の特別な場所に会いにきてほしい。私はワインと食べ物を持っていく。そちらは素敵な君自身だけで構わない。

早まらないで、遅れないようにね、愛しい人!

-アーニング

ガリルの日記Garil’s Journal

セラ、僕の愛する人。君がいつかこの手紙を読むことはあるのだろうか?僕たちを離れ離れにした山賊の攻撃から君は生き延びたのだろうか?君の強さが、今どれほど僕に必要か。

ダナスは正気を失ったよ。僕はそう確信している。キャンプから僕を追い出し、黙らせるために閉じ込めた。彼は君に、僕が伝染病に冒されていると言ったか?それとも、彼は…いや、それが現実になるといけないから、言葉に書くのはやめておこう。

他の皆が口に出せないこの事実を知ってさえいれば!今でさえそのことを考えるだけで怒りがこみ上げる。ダナスがキャンプに運んでくるあの肉。人々を生かしているあの肉は…死者の肉なんだ!

皆、ダンマーの肉を食べているんだよ!

カルディアの父への手紙Cardia’s Letter to Father

愛しいお父さん

理解してくれるといいのだけど…ダリウスは本当にハンサムで優しい人なんです!彼は他のスフィンクスモスの山賊たちとは違います。彼はただお金を貯めて、私たち2人のために農場を買いたいだけなんです。彼と一緒に行くしかなかった理由を理解してください。そしてどうかお願いだから、お父さん…私たちを追おうとしないでください。ここにいるのは危険な人々です。私はお父さんにケガをして欲しくないのです。

あなたの娘

カルディア

追伸:母の指輪を持っていってしまってごめんなさい。でも、ダリウスには婚約指輪を買えるだけのお金がなかったんです。

カルディアへのメモNote to Cardia

愛しきカルディア

最後の仕事で稼いだ財産で、とうとうこの山賊団からおさらばできそうだ。ストーンファイア教団から報酬を受けたら、すぐにここを去りたい。一緒に逃げて、ずっと欲しかった小さな農場を買おう。君のお母さんの指輪をなくしてしまってすまない。ここを逃げ出したら、すぐに新しい指輪を買うと約束する。

愛をこめて

ダリウス

クラーンドーの日記Klaandor’s Journal

私の体に流れる血の呪いは問題ではない。やがて死ぬのも仕方のないことだ。後悔は、ヴィクトレールに二度と会えないことだけだ。少なくとも、二度と会わないことを祈っている。

– – – – – – – – – – – – – – –
意思が弱まってくる。思い返してみる。今まで見てきたどんなものよりも、ヴィクトレールが美しい。ショーンヘルムのあの夜からずっと、私は彼女のものだ。

– – – – – – – – – – – – – – –
リベンスパイアーには二度と戻らない。死ぬまで、そして生まれ変わってもだ。哀れみはいらない。私は私の人生を生き、誰にも見つけられないような本当の愛を見つけた。愛は永遠に私を暖める。ヴィクトレールも同じように、幸せな気持ちになってほしいと思う。

血の呪いは、私のほぼ全てを奪った。私が持つ肉体は、懸命に反抗している。おそらく、ショーンヘルムにある私たちの泉の近くにいる愛する人に、最後にもう一度会うくらいの時間は稼げるだろう。

– – – – – – – – – – – – – –
時が来た。ショーンヘルムには、これ以上近づかない。誰か私をすぐに殺してくれないかと願う。私を殺してこの日記を読んだ者よ、ありがとう。愛するヴィクトレール、が死ぬよりも酷い運命に遭わずに済んだのだから。

最後に頼みがある。ここに記した言葉とアミュレットを、ショーンヘルムにいるヴィクトレールに届けてほしい。彼女は悲しむだろうが、知る権利がある。

クラウディの日記Claudie’s Journal

モーリス様が召使としての仕事以上に、私に関心を持っている気がしてしょうがない。ここ数週間、私が食卓に夕食を運んだり、ワインを注いだりするときに数回チラリと見た。ただ微笑んで私の目をのぞきこんだ。まるで私が対等みたいに。単にそこでフラゴンを満たしたり、汚れた皿を片づける若い女ではなく、本当に気にかけている誰かみたいに。どう考えていいのかわからない。たぶん想像しているだけ、毎日給仕したり片づけたりしなくてもよかったらと夢見ているだけなのかも。夢、だけど本当になったらいいと思う。願ってもいいわよね?

想像ではなかった!今晩廊下でモーリス卿は私を脇に引き寄せた。そして結婚してるのか、家族はいるのかと訊ねた。無言が私のよい答だ。あの人はとても――どんなことばを探しているのかしら?親切?違う?あの人のお父様とお母様は単純な失敗で私を繰り返しぶった。でも息子は全然違う。とてもいい人。今でも信じられない。また私に会いたいって。ふたりだけで。何もかもどう考えたらいいのかよくわからない

モーリス卿がまた私のところへ来た。話があると言い、私の手をとり、夜の中へと誘った。手をつないで、私たちはこっそり庭を歩き回り、月の下でベンチに腰を下ろした。彼が私を見るさまに背中がぞくぞくした

私たちの愛は許されない。彼のような裕福な貴族と、ただの召使の私。それでも私たちは深く愛し合っている。あの人はもうすぐ私たちの愛を両親に打ち明ける計画を立てている。うまくいくといいのだけど。

クラリスへ——付き合ってくれ!To Clarice—Be My Darling!

私の愛しいクラリスよ、私はどこを見ているときも
君のことを考えている。空には
ガチョウの群れ、そびえたつ雲。
君の茶色の目を思い出させる。
森の中で子鹿を見ると、
君の黄褐色の髪のことを考える。
イリアックを航行すると
波が起こるたびに必ず
その谷と山に君を見る…
おお、酒場のクラリスよ、私の恋人になっておくれ!

署名

一等航海士(分かるよね?)ジョルジュ・プロウフェ

ここにケヴァル眠るHERE LIES KE’VAL

愛する夫にして叔父よ

来世で安らぎを見いださんことを

コランドールへTo Colundore

最愛のあなたへ

またしても、あの生き物に勝ることをするとは。普段なら内臓摘出に胸が高鳴ることはないが、そのナイフとノコギリの腕前には胸が震えた。冷たい夜の空気に響く彼女の甲高い悲鳴は、夏のそよ風の中でハトが歌っているかのようだった。

黒焦げになった肉体から漂う芳香は、まるで天国の匂いそのものだった。そちらの仕事が終わったら、あなたの部屋まで会いにいこう。もし良ければ、今夜はあのナイフを使うのもいい。

愛を込めて

ファラレル

「ザリ」からの偽手紙Forged Letter From “Zali”

愛しのマオマー王子へ

あなたのことを考えると、私の頬は熱くなります。でも、私たちの愛は不可能なのです!最後にあなたと会った場所で待っています。急いでください、私の気持ちが変わってしまう前に!

——ザリ

ザルクセスとオグマXarxes and Oghma

タンデリース 著

「結婚するの」女は声に出していった。「ザルクセス、これは私が望んでいることなの?それとも使命なの?」

男は女の本から静かに顔を上げ、彼女を値踏みした

「結婚とは2つが1つに交わることだ」男はそう言うと、落ち着いた色のダーク材の杖で土に川を描いた

「これが1つ」ザルクセスは言った。彼は再び描いた。地形が変わり、新たに形成された崖を2つに分かれた川が流れている。男はその端に進み、女を呼び寄せた

「2本が1本になる」滝壺で1つに交わる双子の滝の先端を指さしながら、彼女の耳元で優しく言った

「じゃあ、結婚すべき?」

「人は1人でも遠くまで旅をできる。2人でもね。どちらをお望みだ?」

ジャジッシュへの手紙Letter to Jazish

ジィーヤの親友のジャジッシュへ

憂鬱な気分でこれを書いているわ。ハイエルフは興味深い人達で、よそ者として軽々しく扱うべきではない。彼らの振る舞いは完璧よ。真面目な気質に見えるけれど、言葉の1つ1つに真意が宿ってる。一見無害な批評ですら彼らにとっては大変な侮辱になることもある。ある意味、彼らはカジートのよう。気の利いた繊細さは持ち合わせていないけれど。考えるまでもなく、ジィーヤは常に皮肉を心得てるわ。

バーン・ダルが私の言葉を祝福し続けてくれることを祈ってる。ジィーヤがいまだにあんな人々とつるんでいるのが不思議だけど、ファーストホールドは確かに利益になる。仕事が続けば、ジャジッシュにもすぐに会えるかもしれない。

愛を込めて

ジィーヤ

スイートな暮らしSweet Life

砂糖まみれ 著

1回、2回と、私の毛皮にブラシをかけて、最高の輝きを引き出す。唇は鉤爪と同じく赤で塗られている。血のような朱色に。殺したばかりのように明るい色。私の目は黒で縁どられている。

毎晩出かけるときのどよめき!とても多くとても熱狂的。彼らは私の砂糖がけのお菓子を一口と懇願する。私のクリームの最初の一掬いのチャンスをくれと。けれど私は歩き続ける。頭の上に盆を載せバランスをとり、左右にはろくに目もくれない。

御馳走に触れてもいい、私の手で用意した甘いクリームを舐めてもいいのは一人りだけ。彼だけ、他にはいない。

そしてそう、私は家から広場を抜けて聖堂へ向かい、すべてをアルコシュに捧げる。私の砂糖、私のタルト、私のミルク、それから甘いクリーム。どの贈り物も愛を込めて準備した、それから彼の祭壇に置く。

最初の猫が私の捧げ物を受け取り、愛のこもったファースト・キスの恍惚で私を満たしますように。

ソニヤへの手紙Letter to Sonya

ソニヤへ

なぜ君に書き置きを残し続けるのかわからない。君と子供たちがいなくなってから10年以上になるのに。たぶん、こうすることでましな気分になる。自分がしたことはひどいことじゃなかったと思わせてくれる。私がしたことは、必要なことだったんだと。

君はすっかり変わってしまった。別人になった。でも私は、自分が愛したあの女性をいつまでも覚えているだろう。3人の美しい娘を与えてくれた、あの女性を。それが、私が胸にいつまでも抱くであろう女性だ。

でも君は、あの教団から来た見知らぬあの男に出会って変わってしまった。私の留守中に、娘たちを教団に引き込んだ。君があの子たちを堕落させたんだ!

それに関して、私は君を絶対に許さないだろう。でも君を愛することを止めることもない。私はジョルン王の軍隊に入隊して、ジョルン王陣地に配属されている。今、王には私たちが必要だ。特に、彼の兄弟フィルジョアと、オークたちが大陸にもたらす脅威を考えれば。戦いに倒れるか、この戦争が終わるまでは、王と共に旅をすることになるだろう。王の儀仗兵になりたいと思っている。

ソブンガルデで会ったら、君はもう1度私が恋に落ちた時の女性になっているかもしれないね。闇の魔法を信奉するような女性ではなく。私が殺さねばならなかったような女性ではなく、ね。

愛を込めて

ハッドマル

ダーラネスの日記、1ページDalaneth’s Journal, Page 1

蒔種の月3日
紡ぎ手が説明した地に父が案内してくれた。あるのはモーロッチを祭る祠だけで、ドラブログがここに何十年も住んでいるようです。でも、ここが私たちの先祖の地であると紡ぎ手が宣言した以上、対処しましょう。

オークが言うには、ボズマーは村の下にある洞窟を祠として使ったそうです。他にどんなボズマーがここに住んだのでしょう?彼らの物はあまり残っていません。

私は、紡ぎ手サンダエリオンが歴史を記録する手伝いをしています。彼は執筆しませんが、私たちが港にいたのがいつかを学びました。走り書き、ひたすら走り書き!私が今やっていることと言えば、それだけです!

ダーラネスの日記、2ページDalaneth’s Journal, Page 2

蒔種の月10日
面白いオークに会いました。ここ数日彼と会っている間、彼は気まずそうに目をそらしていました。大抵のオークはかなり粗暴ですが、彼が本を持っているのに気がついて質問しました。それから彼は内気な態度を忘れ、私たちは昔からの友人のように話したのです。

私たちは一緒に食事をして、彼は名前を教えてくれました。名前をどう綴るのかは分かりませんが。

彼は、オークの呪術師が書いた本を持ってくると約束してくれました。紡ぎ手サンダエリオンが喜ぶでしょう!私の新しい友人に、今作っているガラスの剣をあげましょうか。

ダーラネスの日記、3ページDalaneth’s Journal, Page 3

恵雨の月22日

これまでウラガシュはオークについて本当にたくさんのことを教えてくれた。彼のクランが自分のクランと同じくらいたくさん引っ越しをするなんて、知りませんでした。私たちがモーロッチとイフレの違いについて話していた時、ヤマグ(彼らの呪術師)が入ってきました。ヤマグは私たちの神々のどれもモーロッチとは比べものにならないと言い、私を叩いた。ウラガシュは彼に殴り返したのですが、その時私は、ウラガシュの母親がクランの首領であることを知ったのです。

激怒したウルカーズ族長は、私の父親との会合を求めました。彼らはこれに関して、何も理解しないでしょう。

ドゥルキの日記Dulkhi’s Diary

フェデリックは明日ウェイレストへ出発する。アーリエは悲しみで打ちのめされている。顔を見れば彼女がどれだけ彼に行ってほしくないか、はっきりと分かる。私が旅立つとして、彼女は同じ顔を見せるだろうか?

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
廊下の床を磨いているときにアーリエの部屋から嗚咽が聞こえた。彼女がこんなに悲しいなんて間違っている。私にできることがあるかも知れない。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
アーリエに花を渡した。まだ悲しんでいるけど、笑顔を見れてよかった。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
エドラルド男爵と狩猟に行った。狐を見つけるまではすべて順調だった。追いかけたけれど森ではぐれてしまった。抜け道を探そうとしていた時、熊に出くわした。馬が驚いて私は近くの岩に投げ出された。それから熊が攻撃しようと立ち上がった。男爵が見つけてくれなかったらやられていた。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
アーリエに自分の気持ちを伝える決心をした。待つには人生は短すぎる。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
状況をさらに悪くしたみたい。アーリエは泣いて走り去った。もちろんそうなるでしょう。フェデリックと張り合えると考えたなんて!

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
フェルズランのワイン樽を積み下ろしていたときにアーリエが顔を見にきた。古い風車まで会いにくるように頼まれた。

何時間も語り合った。フェデリックについて。私達について。もっとたくさん一緒に過ごすべきと言って、私といると話ができて、あまり寂しくないと言う!

でもそれで終わりじゃない。話をしていたときに男爵夫人が風車にやってきて、二階に何かを隠した。見られたとは思わないけれど、これからはもっと慎重になろう。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
今日男爵がやってきて、アーリエへの態度は何かと聞かれた。アーリエは母に私のことを伝えて、とても困惑している。

男爵には私の気持ちを伝えて、アーリエを傷つけることは絶対にしないと言った。立ち去っても構わないとも言った!

男爵にその必要はないと言われた。理解してくれているようだ。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
ショーンヘルムから積荷を受け取った。珍しいものだった。大量のパウダーと乾燥植物、そしてかすかに光る貴石の何か。男爵夫人に言われて保管に地下室へ行った。

不思議ね。地下室の匂いでアーリエの祖母を思い出す。

ナヴィールの薔薇、第一部The Rose of Navire, Part the First

近くへ、そして遠くへと、彼女はさまよう

あの人が帰る時、私の心は迷う…
戸惑う
(韻を踏む必要はあるか?)

私たちの愛は、あなたに知られぬ絆

私は考え、飲む。

あの人が戻った!そしてまたいなくなった。

ゴンファローネに消ゆ

私もまた消えるべきか

ナヴィールの薔薇、第二部The Rose of Navire, Part the Second

暗い色の目、私はそれを好む。彼女はワインを飲む。

私とではなく。あの人は海へ行く。

あの人はなぜ私といられないのか?あの人は私を見られないのか?

気づくだろう、波止場に立てば。そして一週間も、時が経てば。(波止場に韻?)

(もっと情感に訴えるものが必要だ。血や心臓を思わせる語を加えるか)

ナヴィールの薔薇、第三部The Rose of Navire, Part the Third

砂が私の靴の中に。そして心の中にも。

オーレリアと私は離れ離れ
私は愛を伝えに行った
希望とワインに満ちて

私は隅で吐き
私ではないと嘘をついた。
彼女は優しかった
そして彼女はいなくなった。

私は1年と1日、海を見つめた。(日の出について何か言う?)

ナジャンの日記Najan’s Journal

蒔種の月、9日

またつまらない夕食。焼いた子羊と瓜。驚くべきじゃなかったらしい。アデーナは、日の出くらい行動が読める。正直言って、私の山羊たちの方が私よりも楽しい人生を送っていると感じる時がある。山羊たちを遺跡に連れてくるたび、まるで初めて来たかのような様子を見せる。うらやましい。だが、ナジャンとアデーナにとっては毎日に変化はない。同じ食事、同じようなぎこちない会話、同じように退屈な夜の営み。彼女に対して怒ることさえできない。テーブルの向こうを見て感じることは… 何もない。

蒔種の月、12日

信じられないものを見つけた。サンダルについた糞を落としている時に、小さい山羊のフスルが走り去った。追いかけていくと、遺跡の下にある地下室に入っていた。中は暗いが、ロウソクが必要なほど暗くはなかった。古い青い石が柔らかく光り、音を出していた。ただの冷たく濡れた石だったが、この場所に招いているような何かがあった。この場所を「フスルの洞窟」と呼ぶことにした。もっと詳しく探索するのが待ちきれない。古い本が何冊か、読まれるのを待っているのはすでに発見した。

一方で、またアデーナと味のない食事を我慢しなくてはならない。彼女はいつも、美味しかったかと聞いてくる。私の服を洗おうと言ってくる。ラプトガよ、お助けください。

蒔種の月、16日

何かを発見した。全てを変えてしまうような何かを。発見した古い本の1冊をパラパラとめくっていた時、ページの間に挟まっていた、かすかに光る何かを見つけた。それは護符だった。最初は単純なものに見えたが、泥と埃を落としたら、ものすごく価値の高いものに見えてきた。

その時、現実とは思えない女性が現れた。彼女は測り知れないほど美しい女性だった。彼女を見た時にほとんど話せなかったが、彼女はとても優しく、ただ微笑んだ。優しい、かすかな笑顔だった。心が休まって、自己紹介するまで長い時間がかかった。

彼女はアネクシールという名だった。遺跡にいる古代の精霊で、聖人のようなものだと思う。それ以上に偉大なものだと、私には感じられた。彼女の目はオアシスの水のようで、彼女の声はまるで… ああ、何てことだ。まるで詩人気取りだ!認めるしかない…この霊魂と恋に落ちた。もし彼女が生きた存在だったなら… 自分のものにするのに。

蒔種の月、18日

苦しい。私が欲しいのはアネクシールだけだ。彼女への愛は日ごとに高まるが、一緒になることはできない。彼女は今も、二重に呪われた遺跡に囚われた、実体のない断片だ!彼女に惑わされている!かすかに光る絹を身にまとい、実体のない指で私の肩をたどる。何て… 親密なんだ。彼女に私の気持ちを伝えなくては。彼女は、考える時間がほしい、と言った。すべてを台なしにしていないことを願う。

蒔種の月、24日

彼女は私を愛している!思ったとおりだ!愛しいアネクシールは、今日ついに私に愛を告げたが、彼女まで不幸になってしまった。神よ、救いたまえ。

蒔種の月、25日

彼女には計画があった!愛しいアネクシールは地下室のホールを歩きまわって考えた。何日も考えていたかのようだった。彼女は私の元に来て、肉体を持つことはできるが、それには「器」が必要だ、と言った。入りこんで中で生きていくための誰かが必要だと。どういう仕組みなのかは分からない。分かっているのは、その容器は血の中にある魔法がある必要がある、ということだ。私は失望しかけたが、妻のアデーナのことを思い出した。彼女の中には、ずっと魔法がある。彼女の母親は「きらめき」と呼んでいた。きっとそれで充分だろう。充分に違いない。

明日、妻をここへ連れてこよう。

ナダファの日記Nadafa’s Journal

夫のギランを愛している。心から愛しているわ。でも、なぜだか私はあのよそ者に惹かれる。

背が高く青白いあの人に会ったのは、眠れないある晩のことだった。ギランが静かに寝息を立てている寝台を抜け出て、分厚いローブを着こんで夜の外気にあたるため外に出たの。そこで暗闇を見つめていると、彼と目が合った。木によりかかり、陰に溶けこんでいたけれど、視線を感じたわ。孤独みたいだった。熱望。空腹。恥ずかしくて一瞬目をそらしたら、次に見た時、彼はもういなかった。

昨晩姉妹のところで夕食をとって家に戻る時、また彼を見たの。私を見ていたわ。最初は怖かった。ギランにこの厚かましいよそ者のことを言おうかと思ったけれど、なぜかできなかった。

この何週間かであの青白いよそ者を何回か見たわ。ギランが私の気持ちを知ったら、すごく怒るでしょうね。でも彼が心配するようなことは何もない。あのよそ者が私の好奇心をくすぐっているのは認めるわ。あきらかに彼もそれに気がついてる。それでもただの妄想なの。それだけよ。

* * *
青白くハンサムなよそ者は、夢の中にまで出てくるようになって眠れない。また会いたいの。でもどうやって?名前さえ知らないのに。ああ、どうしてこんなことになったのかしら。ギランが今夜ノースポイントの番に行ったら、家を抜け出てあのよそ者を探してみようかしら。彼の暗く深い瞳を見つめて、冷たい唇を私の首筋に感じて…

ナファリオンのメモNafarion’s Note

最愛のフェラウェンへ

制御できると思っていた。そんなものはただの幻想だったのかもしれない。だが渇きはどんどん大きくなっていった。そして私は…ある人を襲った。殺してしまった。一番悲しいのは、そのある人が君の母親だったことだ。

私たちの婚約は、私にとっての全てだ。君は私にとっての全てだ。だが、なぜ逃げるのかは理解してほしい。私が吸血鬼になったことを誰かが発見しようものなら…私たち両方の家が苦しむだろう。私は消えてしまったほうがいい。

今でも思い浮かぶ。リランドリル、海から吹いてくる涼しいそよ風。喜びに輝く君の顔。太陽を浴びながら、二人で通りを歩いた。本当に、心の底から思う。もう一度だけあの輝きを見ることができたら…

私はこの手紙を君に届けることを決心した。私の家のペンダントも一緒だ。これがいくらかでも慰めになってくれることを祈っている。私の形見だ。でも今の病状では、君に感染させてしまうかもしれない。私がもう一度渇きを抑えられなくなったら、どんな危険に君をさらすことになるか。誰にも分からない。

こんな生活をいつまで続けられるのかわからないが、君には真実を知ってほしかった。どうか理解してほしい。これは君のためにしていることだから。

愛をこめて
ナファリオン

ヌレスへのメモNote to Nurese

助かる方法がある。2週間前話題にした遺跡で落ち合おう。教えておいたやりかたで扉を開くんだ。ヴィサンヌを連れてくるといい。中に入りさえすれば、私たちは安全だ。

-R

ネドラスの日記Nedras’ Journal

ここには何も残っていない。姉妹と一緒に懸命に生きてきたのに、ジェンディノーラの病状は日に日に悪くなっている。南のジャングルから来た「人食いエルフ」など、誰も雇おうとはしない。愚か者どもめ。形のおかしな耳と、ゴミの臭いがする息の巨人たちめ。

きっと良くなる。病気に効く香油を買えるようになるから、とジェンディノーラに約束し続けた。私は嘘つきだ。良くなんてならない。

彼女をこのノースポイントに残して、香油を買うためのお金を稼ぎに行かなくては。でも、緑に誓って、姉妹をこのまま死なせはしない!

– – – – – – – –
ビターハンドに入って数日しか経っていないけど、三か月働いた分の金が稼げた。そのほとんどはノースポイントにいるジェンディノーラに送って、それなりの剣を買うための分だけを手元に残している。

どうやって稼いでいるかは、彼女には言えない。血で汚れた手を見られたら、今の自分を知られたら、彼女は病気になってしまう。ただ、彼女はすでに病気だ。知らなければ、傷つくことはない。

– – – – – – – –
ビターハンドを追う兵士の数は、日に日に増えている。前回のパトロールから、やっとの思いで逃げた。いずれ私は死ぬ。それは分かっている。他の連中がこっちを見る目で分かる。訓練も受けていないし、度胸もない。

彼女をとても愛している。もう一度彼女に会いたい。他の方法があればよかったのに。でも、死んだ時に家族を守ったと思いながら死んでいける。大切なジェンディノーラを。

パシュ・リハへTo My Pash-Riha

私の夜の星よ。今日はあなたに会うことができない。兄弟が私たちのことを疑いだしている。もし見つかったら、ひどくぶたれると思うと恐ろしい。次の金耀、そちらへまた伺えるか試してみるわ

そのときまで、私の愛しい人

-あなたのラリシー・ドリース

ピクニックのメモPicnic Note

愛しき人へ

いつもの場所に会いに来てくれ。君の好きなワインもあるし、君へのとても特別な質問がある。

敬具

M

ヒストの炎The Hist’s Fire

ペガリーム 著

私たちの馴れ初めについて聞いて来る人が少なくない。まるで、アルゴニアンにはエルフのような人生の喜びが経験できないとでも言いたげに。

信じられないような話だけど、私が夫と巡り合った経緯は一風変わっていた。私はヒストが私たちに語りかけたに違いないと思っている。2人が出会って恋に落ちざるを得ない場所に、必ず集うようにと。それまで私は心の奥底で、きっと一生結婚しないだろうと信じていた。

きっかけは思わぬ時に訪れた。私が雑然とした店内をできるだけきちんとしようと商品を片づけていたとき、突然、私自身の声が心に響くのが聞こえたのだ。「彼を待つのよ」。

「何を待てですって?」片づけに没頭していた私ははっと我に返り、思わず声に出していた。

答えはない。

めったに物に動じない私も困惑し、急に振りかえった拍子にランプを倒してしまった。火のついた油が弧を描いて部屋の向こうに飛んでゆく。

油は部屋じゅうに飛び散った。積み重ねた生地の束、散らかった紙、床のあちこちに落ちている藁…。一瞬にして、慎ましい光源が物で一杯の部屋を燃えさかる炉に変えた。

天井から吊るした干しハーブを真っ赤な炎の舌がチロチロと舐めるのを見て、私は熱と煙が渦巻くなか、自分が呆然と立ち尽くしているのに気づいた。

そのときほど小屋が広く思えたことはない。煙で暗く、炎だけが明るく輝く小屋のなかの空気は、木がきしむ鈍い音に満たされていた。私は目をすがめて炎と煙を透かし見、手で口を覆うと、よろめく足取りで、遠ざかっていく一方の扉を目指した。

「誰かいないの?誰か?」

「いるとも!」

私が戸口にたどりつくと同時に勢いよく扉があき、その瞬間、炎がほとんど喜びを爆発させるかのように上に向かって噴出した。そのとき黒い腕が私の腕をつかみ、私を外に引っ張り出して小屋から遠ざけた。

「怪我はないか?」

咳き込みながら、私はかぶりを振った。「大丈夫よ。でもお店が…」

二人とも後ろを振り返った。小屋のなかに閉じ込められて荒れ狂っている炎は、湿ったわらぶき屋根という好敵手に出会っていた。

「助けてくれてありがとう」私はそう言って、命の恩人にようやく向きなおった。

目を合わせた瞬間、2人はすべてを悟った。ヒストがお互いを相手に選んでくれたこと。そして二人とも、もうそれ以上待つ必要はないことを。

ファランデールの日記Farandare’s Journal

とうとう答が!夢の中で、ファリネスティを連れ戻すという目標を叶える、手助けをしてくれる力を持つ者を見た!もうすぐ。きっとすぐだ。もしかしたらまた日耀かもしれない

日耀だ。年が重要なのだろうか?月が?私たちが初めて会ったのは日耀。そして何年も経った日耀に彼は消えた

信者と一緒に、他のファリネスティの地に巡礼した。だけど日耀に夏の地で会ったのを思い出した。そして彷徨う都市が戻ってきたら、そこは谷になる

そしてもちろん私は正しい。夏の地とオブリビオンの間の溝は、都市がどんなに近いかを示している。夜には時々実体化するポータルに、瞬く光が見えることがある

私たちはまもなく一緒になり、別れていた長い長い年月は何の意味もなくなる。それは私が、初めて彼の手に手を重ねた日耀のようになる

フィリリアへの手紙Letter to Firilia

フィリリア

長い年月が経った。私は失敗した。分かっている。これを書いている今でも、君がこれを読むことはないということは分かっている。

薬は手に入れた。約束したとおりに。初めて家族の力になることができた。だが戻って見たら、ここからファリネスティが消えていた。

これを読んでも信じてもらえないだろう。今でも私は役立たずなのだろうか?君の娘の病気は治ったのだろうか?彼女は私のことを知らないだろう。その時でさえも、私は君たちの側にいてやれなかった。なぜ償うことが許されないのだろうか?私は誤りを正したい。誤りを正そうとしていたのだ。

フェイネ・ヴィルダンの日記Feyne Vildan’s Diary

薄明の月28日

ジャ・リートが出て行くと言った。私の元からではない、正確には。ブラック・マーシュに行くのだ。生まれてから一度も行ったことはない。でもどうやらファル・クソクという名の者がそこで助けてくれるらしい

彼は途切れ途切れに、自分がどんなふうに壊れてしまったと考えているか話してくれた。私は今のままで愛していると言った。問題じゃないと

彼は私を見て、そのことで一度でも傷ついたことがあるか訊ねた。私はうなずくしかなかった

「それなら話は違う」と彼は言った。「問題だ」

私は泣いた。彼も泣いた。私たちはそれ以上何も言わずにベッドへ行った

恵雨の月19日

今日じわじわ湿地に着いた。私たちのための家が用意されていた。本当はジャ・リートのために……私のベッドはなかった。私たちが共有していたものを捨ててきたことをジャ・リートに怒った。父の奴隷制大農園を引き継ぎ、健全な商売にするまで何年もかかった。集落にダンマーとアルゴニアンの結婚を受け入れてもらうにも、何年もかかった

これで振り出しに戻った。トカゲ女は私を彼の「友人」と呼んだ。妻と言う言葉は使わない。私は彼女をある名前で呼んだ。彼女がその言語を話せるとは思わないけれど、要点は理解していた

その後

ドミニオンがシャドウフェンに到着した。ここの人々が心配だ。ダンマーの村人は侵略のための訓練を受けていた。ここは… 彼らは勇敢だけど、武器を持っていない。私たちは危険だ

私はジャ・リートに出ていくように頼んだけれど、自分は良くなっていると彼は言う。あなたは元気だと思うと伝えた。自分が元気かどうか勝手に決めるなと、ぴしゃりと言い返された

ブレトンの子守話(ページが欠けている)Breton Bedtime Stories (Loose Page)

まず、熊は木の幹に爪を立てました。それから、木に吠えかかりました。そして木の皮を食いちぎり、クチャクチャと噛みました。そのあいだ、お姫様は安全な場所から動かず、ずっとけらけら笑っていました。

とうとう熊はお尻をつけて座り、こう言いました。「お嬢ちゃん、何を怖がってるんだね?」

お姫様は下にいる熊に向かって叫びました。「あなたに食べられちゃうからでしょ、この馬鹿熊!」

すると熊は灰色の頭を横に振りました。「子供は食べないよ。降りておいで。ゲームをしよう」

でも、お姫様は熊の悪知恵にだまされるほど馬鹿じゃありません。お姫様にはそれが罠だと分かっていたのです。「そんなにゲームがしたいなら、ここまで上がっていらっしゃいよ!」

熊は低くうなると、木をよじ登り始めました。

〈ページの端に手書きで何やら書きつけてある〉

お母さんを連れて遺跡に来なさい。この前教えたやりかたで扉を開けるといい。急ぐんだ、ヴィサンヌ。私たちにとって安全な場所はそこしかない。愛しているよ。

-R

ベトラへの手紙Letter to Betra

ベトラ

アモル砦への旅が無事に終わり、砦でのお仕事が手早く、実り多い結果に終わることを願っています。あなたに会いたくてたまらない!どうか私の誕生日に間に合うように帰ってきてね。それが何より嬉しい贈り物だから!

コヌンレイカーは今がたけなわよ。これほど街がにぎわっているのは見たことがないわ。ソバー・ノルドも大繁盛で、人手が足りなくてずっと追加シフトで入っていたの。収入が増えても困ることはないもの!でも、これだけは言っておかなきゃ。歌唱コンテストはいつも通りじゃなかったわ。あなたが参加しなかったせいで、あの美しい歌声が聞けなかったんですもの。あなたが参加していたら、きっと優勝していたに違いない。

旅は速さと安全を心がけてね。この季節、スカイリムの嵐が驚くほど何の前触れもなく起きることは、あなたも知っているでしょう。父さんが作ってくれたあの地図、まだ持っている?もし嵐に捕まったら、父さんが印をつけておいてくれたいくつかの洞窟の1つに逃げ込むのよ。ただし、すっかりくつろぐ前に奥を覗いてみるのを忘れずにね。寒さと風から逃れるために、その洞窟を使っている先客がいないとも限らないでしょう?

とにかく、早く帰ってきてね、ダーリン!私たちの小さな家も、あなたがいないと火が消えたようだし。あなたが心底恋しいから。

永遠の愛を込めて

イーパ

マシアス・ライメントの日記Mathias Raiment’s Journal

蒔種の月2日
今日、夢にも思っていなかった瞬間を垣間見ることになった。愛だ。固く禁じられていることもあり、まるで自分が自分じゃないみたいだった。今でも、よくわからない… あれは私の想像の産物だったのだろうか?

蒔種の月10日
まただ、あの理解しにくい感覚。一緒に道を歩いているとき、彼女の手と私の手がぶつかった、それから彼女に触れたいという願望がなかなか消えなかった。これは私の錯覚なのだろうか?現実であるはずがない。

蒔種の月20日
彼女のことが頭から離れない。彼女のことだけじゃない、私達のこともだ。彼女には求婚者がたくさんいる。私のような者が相手にされるだろうか?この考えは頭から消さなければならない。ほら。もう大丈夫だ。

蒔種の月25日
やっぱりだ。私は最初から心の中では分かっていたんだ。でも、想像していたよりも遥かに素晴らしかった。信じられない。私の想像じゃなかったなんて信じられない。私は世界で一番幸せ者だ。

恵雨の月10日
実感がわいてきた。物理的な引力があり、感情も本物だ。だが私達のロマンスは秘密にしなければならない。それ以上のものを求めたこともあったが、私が幼稚だった。今では理解できる。

恵雨の月25日
私は今の状況を受け入れている。秘密であることが私達の関係をさらに刺激的なものにしているのかもしれない。街の人々だけじゃない、家にいる誰もが、何が起こっているのか知らないのだ。私達はこのままの関係を続けるつもりだ。

マラヤへの手紙A Letter to Maraya

愛しいマラヤへ

私たちの私的な配達人としてアヤンを信じてほしい。読み終えたら手紙を燃やし、どうか彼に返事を持たせて

家族から離れてとてもさみしい。マラヤも同じ気持ち?

公爵は私のことを愛しているし、私も同じ。もし彼が私のことを孤独だと思うなら、太陽が彼の幸せに沈むかもしれない。そんなことは決して起こってはいけない!子供が生まれたら、きっと喜びをもたらしてくれるでしょう。何かを言うのは時期尚早だから、あなたにだけそっと言いたかったの

手紙をちょうだい。あなたが近くにいると思って安心するの

心から

アルマンダイン

メリオンの日記Merion’s Diary

あのおかしな魔術師め。どうしてこんな所に置き去りにした?幸運なことに私は才能ある錬金術師なので道具を肌身離さず持っている。洞窟内にキノコが何種類か生育しているのに気付いた。洞窟を散策し、魔法耐性の薬の作成に必要なレシピを考え出した。これでまやかしや幻影から身を守れるだろう。

– – –
材料を集め始めたばかりのときに、まばゆい光を放つ生物が現れた!最初は疲れた脳に刷り込まれた幻影かと思った。しかし彼女と話をし始めると、私は――日記よ、私の親愛なる日記よ――魅了されてしまった!彼女は本当に優しくて理解力がある。私のために存在しているかのようだ!

– – –
彼女のために歌を歌う。詩を朗読する。彼女はそれを愛してくれる。私の妻は音楽を好まない。吟遊詩人は嫌いだと言う。あいつはいつも文句ばかりだ。感謝してくれない。私の人生に新たに現れたこのレディとは大違いだ。

– – –
最初の日記を読み返す。薬を作ろうとしていると書いているが、一体どうしてそんなことをしようとしていたのかまったく思い出せない。この場所が気に入った。耳障りなコウモリの鳴き声さえもまるでセイレーンの歌のようだ。それもすべて彼女のおかげだ。私のレディ、愛しい人。

– – –
流浪の日々は終わった!結婚してこの地下の楽園で永遠に一緒に暮らすんだ!あの魔術師にもう1度会えたら感謝の気持ちを伝えよう。彼が人生を変えてくれた!

ユングレルのやるべきリストYngrel’s To Do List

これが最後のチャンスよ、ユングレル!私には毛皮のコートが必要なの!今度は言い訳無用。その怠け者の腰を上げて洞穴へ行き、殺す動物を見つけて(小さければたくさんね)、皮を持って帰ってきて。何か白い物なら素敵だけど、汚さないでよ!

あなたの愛する妻

メルヴィルダ

ラエラナへの手紙Letter to Raerana

愛しきラエラナ

これが無事に届くことを祈っている。君がそんな場所であんな奴らと一緒にいるなんて耐えられない。日毎に君への愛が強くなっている。君が望みさえすれば、君を連れ去ってあげられるのに。

あと少しで永遠に一緒にいられるようになる。君の父親も君を手放さなければならなくなる。あいつには選択権はない。今にわかる。連れ去ってあげるから、もう何も怖がらなくていい。

今夜会おう。あの場所で。

いつも君だけの

リリン

リリンの日記Rilyn’s Journal

58日目:今日は市場で彼女を見かけたので、塞いだ気分に光が射した。彼女の母親が彼女を急かしたためほとんど話ができなかった。一体何をしたせいでフリルヒルドはあんなに怒っているのか。ノルドのことはわからない。アザがさらに増えていた気がする。

60日目:2人ともワインで酔っ払い、彼女が隣で眠っているなんて、これ以上の幸せはない。僕の人生はまるで嵐で、彼女といる時だけ嵐が止む。彼女が安全なのは僕といるときだ。僕といるときだけ。

65日目:遠くの農場でまた彼女を見かけた。触ることはできなくても姿だけでも見る必要があった。新しい人手を雇ったようだ。フラムディンという名の魅力的な若いノルドだ。彼女のことが気になっているようだが、嫉妬なんてしない。彼女が愛しているのは僕だけだ。

68日目:彼女は昨晩来なかった。2時間待った。フラムディンといるのかもしれない。あいつは嫌いだ。あいつが彼女を見ていると考えると怒りがわいてくる。考えないようにしなければ。

70日目:もうこれ以上耐えられない。彼女は僕のものだ、あいつらのものではない。あいつらに彼女といる資格はない、僕にはある。あいつらは彼女を愛していない、僕は愛している。彼女は僕のものだ!

73日目:もういい!今すぐあそこに行ってやる。彼女を連れ去る。あいつらには止められない。止めさせはしない。今回はナイフも持って行ってやる。必要とあらば使ってやる。

74日目:あいつらには僕の名前を呪わせておけばいい!ネズミよ、あいつらの顔を噛みちぎれ!これで彼女は自由だ!僕も彼女も自由だ!

ルラッサルモへの手紙Letter to Rulassalmo

親愛なるルラッサルモ

バルケルガードを発ってからまだ数日しか経っていないのに、すでにあなたが恋しい。仕事がうまくいって、またあなたに会うための口実が早く見つかることを願ってる。

どうしてこんなに遠くに住んでいるのかしら。若者の恋愛にとって距離って本当に残酷。手紙が無事に届きますように。あなたの愛のこもった返事を待ってるわ。

あなたのフィスタリメ

レンリージャ海賊Renrijra Pirates

愛しき人よ

港には長くはいられないが、友好的なアルゴニアン達と茶を飲み、手紙の下書きを書くくらいの時間は持つことができた。潮の流れが変われば、もう1度海に出てあの卑劣なレンリージャ海賊を追跡することになる。

裏切り者のカジートめ!あの海賊共は必要とあらば世界の果てまで追いつめてやる!

君はいつも不朽の愛を宣言するよう求めてくるから気恥ずかしいが、こちらも同じ気持ちでいるので安心してほしい。

最近、あることで頭がいっぱいだ。レンリージャが我々の土地を自分達の土地にしようと海岸を襲ってきた。猫は縄張り意識が強いというのは知っていたが、あのカジートの襲撃者達はまるで憑りつかれているかのごとく土地を手に入れようとしている。あの海賊共には血も涙もない!

たまに襲撃者の1人を捕まえたかと思えば、いつも同じ腹立たしいセリフの繰り返しだ。領土権やら政治改革やらについてべらべら話し出す。でも実際はそんなもんじゃない。奴らは見せかけの理想の裏で犯罪行為を手助けしている、ただの密輸業者と海の襲撃者にすぎない。嘘ばかりだ!報いを受けさせなければ!

あの海賊共は睨み付けてくる。奴らは捕らわれている時でさえ冷笑を浮かべている。その軽蔑的な気質に誇りを持っている。それが「レンリージャ・クリン」という名前自体に表れている。「傭兵の笑み」や「笑みを浮かべたクズ」と訳されているのを聞いたことがある。クズなんだ!ぴったりの名前だが、悪党は悪党と呼んだほうがいい。汚らわしいあの猫共は、1匹残らず密輸業者で海賊で盗賊だ。

レンリージャは傲慢な愚か者だ。奴らの組織のいわゆる「掟」が何と呼ばれているか知っているか?「愚かな概念」だ。愚か者め!日誌や記録を傍受したから奴らのやり方は知っているんだ。躊躇なき殺人だ。勇敢さを謳っているにも関わらず、正義の手が及べば逃げ出す。貧しい者に安物の宝石を与えることでごまかす。そして特権階級から盗みを働いているにも関わらず、慈善事業家などと宣う。盗人は盗人だろう!

なんと傲慢なことだ!以前雇っていた召使のことを思い出すよ。君に踊りを教えてくださったあの召使だ。覚えてるかい?君と何度も密会しようとしたあの浅黒い男のことだ。図々しいったらありゃしない!それとも私がいない間に寝室の窓から君を誘惑したあの庭師のことは?あるいは君を横目でじっと見ながら働いているふりをして、大広間に長居しようとしたあの石工のことは?悪党め!この世は悪党だらけだ。

私がこんなことをする理由は、君と君の大事なものを守りたいという私的な理由だけではない。王国を守るためなんだ!海に面している上級王の領土を守るためだ!あの悪党の猫共が勝者となることは決してない。

話がそれてしまってすまない。正義を求めるがあまり夢中になってしまうんだ。残念ながらレンリージャを追うために、グレナンブラの憤怒の乗組員と共に、あと何ヶ月か海にいることになりそうだ。君の所に戻れる日を心待ちにしている。

君の質問への答えだが、いいだろう。君の望み通りの作業員を雇って家を増築する余裕はあると思う。仕事を怠けさせないようにしてくれ。しっかり見張っておいてくれ!

茶ももうほとんど飲み干してしまったし、この霊的なトカゲ族をもてなすのも疲れた。そろそろ行かなければ。大丈夫だ。レンリージャ海賊はブレトン海軍の容赦ない追跡から逃れることはできない。

今までと変わらずこれからも、君の優しくて愛情深い夫

——グレナンブラの憤怒指揮官、アウグスタス・レリッペ船長

ロザリンドとレオンの手紙Letters from Leon and Rosalind

私達の成熟した愛の記録を残すために、手紙をこの本にまとめる。
ロザリンド・ミリール

第二紀219年 降霜の月22日

ロザリンドへ

君の犬をうっかり逃がしてしまって、君の庭をめちゃくちゃにされてしまった。その埋め合わせをするために種を余分にいくつか植えた、ただ君が帰ってきた時に驚かないように伝えておきたかったんだ。

ダガーフォールでの訓練が順調なことを祈ってる。ステンダールのご加護を。

—レオン

第二紀219年 黄昏の月7日

親愛なるレオンへ

ベイリーが悪さをしたら鼻を叩いてやって。種を植えるだなんて、そんなに気を使わなくてもいいのに。だってもうすぐ冬なのよ。でも、それでも感謝してるわ。

—ロザリンド

第二紀220年 恵雨の月19日

レオンへ

カムローンに行く前にこの手紙を渡したかったの。あなたが植えてくれた花だけど綺麗だったわ。私の好みを聞いて回ったの?

それと、庭のことで嘘をついたでしょう。あなたは私の庭を6歩分広くした、あの花を植えるためにね!素敵だわ。でもあなたは侍者でしょう?ステンダールはあなたの嘘をどう思うかしら?

—ロザリンド

第二紀220年 恵雨の月26日

最愛なるロザリンドへ

君が花を楽しめたんだ、ステンダールも理解してくれるよ。でも嘘をついたことは謝る。君が遠くに行っている間は、喜んで植物の手入れを手伝うよ。

—レオン

第二紀220年 栽培の月1日

私の親愛なるレオンへ

あなたが私の庭の手入れをしてくるなんて嬉しいわ。二週間後に家に帰る予定よ。戻ったら一緒にバラを植えない?バラがとても好きなの。

—ロザリンド

ロマンスの日記Diary of a Romance

恵雨の月の4日:

昨日の夜、声が聞こえた。その声は、私の心の琴線に優しく触れた。彼はカボチャのパイが好き。親切に私の小屋に訪ねてきてくれた。すごい才能!

恵雨の月の17日:

ある日彼は、私を愛している、私の小屋で永遠に一緒に過ごしたいと言った。その次の日、また旅に出なくてはならない。毎晩違う人たちの前で演奏しなければ耐えられない、と彼は言った。

恵雨の月の19日:

いい考えがある。あの顔を手に入れれば、彼は私のため永遠に演奏してくれる。

恵雨の月の20日:

最も不快な形で皮膚が腐り始めたので、取り外した。香水で、残った臭さがごまかせるといいんだけれど。演奏を止めることはできないもの。

愛しい人へMy Sweet Flower

愛しい人

ここから遠いところへ逃げよう。ひどい夫と、財産を求める奴の執念を捨てていくんだ。私にとって君は遠い地のどんな装身具よりも価値がある。奴は違う。

君の輝く目を見る前、世界は暗かった。どんなに壮大な山や流れゆく小川も君の笑顔には勝らない。

一緒に立ち去ろう。私はいつでも、そして未来も君にささやく愛の蜂になる。

-X

愛するクド・ナカルへFor My Beloved Kud-Nakal

君は水の中で肥料をまき
私は上から見る
リルモスは私の下で息をする
でも私の目は君だけを追う

南西の空が誘っている
ゆらゆら揺れる君の尻尾も誘う
君はその手で水をかき分ける
私の手は君のためにトーテムを彫る

全ては変わっていくけれど
私にとって、一つだけ変わらないもの
それは君の卵を抱く望み

-チャル・マート

家族への祈りA Prayer for My Family

全能なるアルムシヴィ

私の家族を見守ってください。健康な者は引き続き無事でいられますように、そして病んでいる者は隔離所へ入れるようになりますように。ありがたいことに私は券を受け取りました。やがて治療を受けられます。三大神が霊薬を急いで用意させてくれますように。そうすれば家族が再会できるかも知れません。

忠実なるしもべ

ルスリ・オスレニム

決別の言葉A Plea in Parting

許してくれ。

血まみれになった愛のノートBlood-Spattered Love Note

愛しきT

これ以上、あなたが来てくれるまで待てないわ。夜になるとあなたの夢を見るの。あなたの腰のくびれや頬の小さなえくぼ。あなたに見られている時、私がどんな風に赤くなるか。

明日アンダールートに行くわ。あそこにいるラミアは友好的だから、2人の恋人達に月の光の差す、彼らの秘密の場所を与えるのを惜しんだりはしないはずよ。

でも来る時は静かにね。そして日暮れまで待って。Jが疑っているかも知れないから。でも罪悪感なんて少しもないわ。あの飼い猫達の話をするときの入れ込みぶり。彼に奥さんは必要ないわ。でも念のため気をつけてね。愛が分からない人だったとしても、所有権については確実に理解してるから。

待っているわ。

あなたに永遠に忠実な

Mより

古代のラブレターAn Ancient Love Letter

親愛なるアコニアへ

冬の暗い影のように心が冷える
ここで漆黒の夜に立つ私には
君が唯一の者だと分かっている
太陽の元へ帰してくれる

波は浜辺で砕けてしまう
でも私が求めるのは君だ
安らかな抱擁へと呼び戻せば
時と隔たりを越え私は走る

最後の残り火は戦火に揺らめく
すべてを昔のように
二度と航海で離れない
君への思いは永遠に

君の愛する者より

ロガノ
百人隊長、第33歩兵隊、第二軍団

孤独とはAlone

遠い昔エルスウェアで、愛情に溢れた両親のもとにある少女が生まれた。不幸にも、この少女の様子は正常ではなく、尻尾もなければ耳もこぶのような物があるだけ。さらに目の瞳孔は山羊のように割れ、歯は馬のように平らであった。彼女は他のカジートの子供達に拒絶、仲間外れにされ、笑いものにされた。ひどいことだ!

彼女ができの悪い子であったこともあって、両親でさえも彼女のことを恥じるようになった。尻尾がないことで平衡感覚が鈍く、耳が小さいせいで同族のように微かな音を聞き取れなかった。狩りも盗みもできなければ、魔法も扱えない。彼女は本当に、本当に孤独だった。同族の中にいる時でさえも。

だから彼女は飛び出した。タムリエルを渡ってずっと遠くへ。商人のキャラバンに潜り込んで、生き延びるためならむせ返るようなゴミも何でも食べた。見つかった途端、彼女はぬかるみに放り出されて棒で殴られるのであった。怪物と呼ばれながら!なんてひどい!

しかし、彼女に一筋の光が射したのだ。ある日、彼女が出会ったのは大きな旅の曲芸団。その一団にいるのは彼女と同様に奇妙な見た目の人達ばかり。おかげで彼女は拒絶されることがなかった!彼女は芸としてダルシマーの演奏方法と、自分の平らな歯で骨を砕く方法を教えてもらった。

今でも彼女の心には孤独が巣食っている。でも彼女は幸せなのだ。たった1人で孤独にならなくてもいいと分かったから。

幸運を祈ってくれWish Me Good Fortune

愛しきモルヤン

剣闘士の生活は厳しい。鍛錬には終わりがないんだ。まだ大金を手にできるだけの勝利は挙げていないが、このまま勝ち続ければかなりの報酬が手に入るようだ。

近々、フローズンアリーナのグランド・メレーに参加することになっている。正直に言うよ。かなり不安だ。ダンマーにとってノルドは恐ろしい相手だ。それに私達が他の剣闘士達を倒したとしても、ビーストマスターが最近手に入れた生物達がまだ残っている。

幸運を祈ってくれ。上手く行ったら次の手紙にコインを同封できるはずだ。ようやく借金の返済が始められるかもしれない。

君が愛する者より

ギルレス

香水のついた手紙Perfumed Letter

愛しきアトゥーン

まだ離れて数日なのに、もう会えなくて寂しいわ!あなたが一人でどこか見知らぬ森にいて、大変な仕事をした日の終わりに好きな食事を用意してくれたり、一緒にいてくれる誰かがいないことを思うと嫌な気持ちになるの。ここウィンドヘルムで仕事を見つけられたら良かったのに。そうすれば、こんなにしょっちゅう離れずに済んだわ。

こっちは祝賀競技の出場者が到着して、本当に忙しくなりつつあるわ。ジョルン王はとても楽しみにしていらっしゃるようよ。祝賀会が近づくにつれ、ダークエルフやアルゴニアンまで殺到してきている。あなたが森の中で、これを全部見逃すだなんて信じられない!

ねえ。教えて。亡霊の森はグラム修道女が言っていたほど怖いところ?森の霊魂か、スプリガンには出会った?あなたはいつでもあの物語が嫌いだったわよね。時々大きな赤ちゃんになるんだから。さて、急いで出かけなきゃ。ヘンリック・ウォー・ウルフがレスリングの試合を近くで見せてくれるって約束したの!

愛を込めて!
—ボラーリ

今夜、また彼に会うI Saw Him Again Tonight

今夜また彼に会った。彼は小川の向こうにいたけれど、水に写っていたのは空にある月だけだった。私たちは泡立つ水を挟んで歩いた。でも、まるで隣で歩いているみたいだった。

目で見ただけの、触れたこともない人に、どうしてこんなに胸が高鳴るんだろう?どうして青い顔の見知らぬ人とちらりと会うためだけに、一日中夜を待ってしまうんだろう?

夫は平凡な、正直な人。ご飯を食べさせてくれて、暖かさと快適さをくれることは上手。私が夜何をしているのか、まったく疑っていない。でも、私は夫に嘘をついている。

どうしたらいいか分からない。自分にこんなことが起きるなんて、誰が想像しただろう?

今夜、彼は告白するTonight He Confessed

ハンサムで青い顔の、私の恋人!今夜彼は、自分の真実を告白した。疑っていたことは認めるけれども、彼の言葉を聞いて、私の体は震え上がった。吸血鬼だなんて!

彼がそう言った時、彼は小さく、怖がって見えた。とても孤独に見えた。私の心は彼に奪われ、私の愛は急速に高まり、まさにその時跳ね上がった。

私は彼を抱きしめ「驚かなかったわ、ほんの時々はあなたの正体を疑ったこともあったけど」と彼に言った。彼は、とても安心したようだった。その時彼は、私がずっと待っていた言葉を言った。永遠に一緒にいよう。そう彼は言った。

悲しいことに、夫のことはまったく頭に浮かばなかった。ためらいはなかった。私はただ「ええ、いいわ。永遠に!」と言った。

今夜は特別な夜Tonight Was the Night

今夜は特別な夜だった。想像していたよりもずっと素敵な夜になった。あれは必然だったと思う。運命。

ハンサムで青い顔をした、見知らぬ人。私たちは出会い、触れ合った。彼の手は冷たかった。死ぬほど冷たかった。思わず手を引きそうになった。でも、ちょっとだけだった。そして私は近づき、彼のくぼんだ頬、青い顔色、氷のような唇に見とれた。

寒さのせいで体が震えるのだろうか、それとも彼のせいで私に起きた高まりのせい?

分かっていることは、ずっと認めたくないと思っていたことが確実になったこと。私は彼のもの。

最愛の人へMy Dearest Love

ディームジェイへ

再会の希望は、強風に晒されたランターンの炎のよう。テルヴァンニの主人からは逃げたけど、比較にならないほど恐ろしいカモンナ・トングから追われる身になってしまった。この手紙は、あなたのところへ届くかどうか分からないまま書いている。再会できるかどうかも分からない。

私はカータグというオークを捜している。彼が私のような奴隷の力になってくれるという噂が、ヴァーデンフェルに吹き荒れている。その彼が唯一訪れると耳にした場所で、私はこれを書いている。一方で、カモンナ・トングが近くにいるのではないかと恐れている。希望がまた揺らめく。あなたにもう一度会い、その手を感じるために。私を縛る鎖から自由になるために。愛しい人、もっと書きたいことがあるけど、何者かが近づいている気がする。いや… 何かが。

あなたのニーティ・マ

最後の手紙The Last of the Letters

愛するあなたへ。一緒にはなれない。私はアイレイドで、あなたはただの奴隷。私はあなたの千倍も優れてる。それは世界中で知られた事実。私も分かってるし、あなただってそれなりに分かってる。

でも落胆しないで。すべてにおいて同等になれる方法を見つけた。これで障害はなくなる。

—エラデュア

最初の手紙The First of the Letters

愛するあなたへ。もう耐えられない。非難をしたけれど、心はあなたの感触を恋しがってる。そんな言葉を口にするのは冒涜だから、見つけてくれることを願って書き留めておく。

2ページ目を探して。そうすれば片割れが見つかるはずよ。

指無き者からのメモNote from No-Fingers

親愛なるウタ・テイ

ハーブをどうもありがとう。呼ばれ来たりし者はだいぶ良くなった。熱は下がって普段のように元気だ。

ここへ越してきてから生活がどんなに変わったか、それを考えない日はない。私がかつて君の保護者であったことは理解しているが、君がいつか私のことをそれ以上に思ってくれることを望んでいる。ぜひ森で一緒に散歩する機会が欲しい。いつでも訪ねてきてくれ。

——指無き者

捨てられた手紙A Discarded Letter

最愛の君へ

この手紙が無事に君に届くことを願ってる。お金のことは心配しないでくれ。君が無事に手紙を受け取れさえすればいいんだ。ここから抜け出して君にまた会えるまで、あと数週間だ。心配してくれているのはわかっている。自由に使える衛兵がついてくれているし、掘削はもうほとんど終わった。

これまでに信じられないほどたくさんの財宝を見つけたよ。もうすぐ、君は女王に、僕は王になる。何のかって?それはどうだっていいんだ。君がそばにいてくれさえすれば、僕は王国の王だ。

いつだって君を信じてる

——D

親愛なるジョフンへの手紙Dear Johun Letter

親愛なるジョフン

ちゃんと温かくしている?そうであることを願うわ。あなたに会えなくてどれだけ寂しいか書き始めたんだけど、今は他に話すことがある。ある人に出会ったの。こんなふうに打ち明けることになってごめんなさい。でも言わずにはいられなかったの。

彼はダークエルフで、エボンハート・パクトの使者よ。彼が砦に入ってきて、一緒に話をし始めた。1つのことが別のきっかけになって、それで… その、わかるわよね。

刺激的で、風変わりな面白い人よ。それに、私にとってもよくしてくれるの。

さて、もう行かなくちゃ。さようなら!

—イデサ

赤ん坊が生まれる前にやることリスト:Things to do before the baby comes:

— 家に新しいランプを買う。

— センチネルのアビア叔母さんに会いに行く。

— 「好色なアルゴニアンの侍女」を最後まで読む。

— 赤ちゃんを寝かせる場所の壁に掛けられる絨毯を縫う。

— お母さんが倉庫に置いているオレンジの花瓶をもらえないか聞く。

— お父さんが結婚祝いにくれると約束していたチキンをもらう。

— フォアベアーの服を全部燃やして新しいクラウンの服を買う

耐えがたいことIt Is Insufferable

彼女が戻ってきた。愛しい人はシルヴェナールから戻ってきた。我々を破滅させるために

グリーンレディ!イフレは彼女の価値を知っている、だが、なぜそれが我々の終わりを意味することになる?我々は一緒に狩りに行くはずだった!世界は我々の獲物だった。だが、彼女は弓を永遠に手放してしまったのだ!

グワエリングと話をした。だが彼女は納得させられないだろう。それだけじゃない、彼女の婚約者は作り笑いを浮かべる臆病者、あのインデニールだ。認められるはずがない!

どうにかしなければならない。今すぐシルヴェナールに向かうのだ!これには何か理由があるはずだ。もしなければ…

もしなければ、理由を作るまでだ!

第2の手紙The Second of the Letters

もし言葉どおり本当に愛してくれてるなら、会いに来て。いつまでも待っている。

私の一部が待っている。金属の組み合わせを使って解除できるはずよ。銀の箱を探して。

怒りのラブレターAngry Love Letter

レオファへ

「あなたの」仲間から愛されてないことを伝えておくべきだと思った。彼が愛しているのは、冒険、危険、殺害、そして名前を壁になぐり書きされることだ。でもあなたのことは愛していない。俺があなたを愛し、これまでも愛してきて、この先も愛し続けるのとは違う。

やっと気付いてくれたなら、俺の居場所は知ってるはずだ。

愛を込めて

ウッガルド

彼女は私の光だShe Is My Light

自らを惜しみなく捧げよう
愛というものに さもなくば
私の光など犠牲にしよう

私が他より明るく光るのは
彼女が最初にこの光を手にしたから
他より明らかな光となった

彼女こそ私の光
輝けるタラッタ
私の光をその手で受け止めてくれ

漂う甘い香りSweetness in the Air

先週から、空気に甘い香りが漂っている。父は、気にするなと言う。ここには甘いものなんて、もう長いことない。

父は気難しいオークだから、そう言うのもよく分かる。この村が金鉱の街だったことを父は覚えている。どんな約束も毒だ。だからもし空気が甘く香ったなら、それは罠で、卑劣な魔法だ。父はそう思っている。

でも私は甘い香りを感じる。夜、夢の中で感じる。ハニーサックルとラベンダーに包まれた恋人が、夜になると私の元にやってくる。彼は野生の花の王子。この隔絶した、死んだ街から私を連れ出すと約束してくれた。

もしできるなら、今夜彼と一緒に行こうと思っている。ここから遠く離れた場所へ行こう。でも、彼が夢の中にもう現れなかったらどうしよう?彼の名前さえ知らない。

不気味なラブレターAtrocious Love Letter

我が愛しき花へ

お元気にされてますでしょうか。あなたに会って人としての興味以上の感情がわき起こりました。もう体がふらふらしてちゃんと立っていられない状態です。あなたにどうやって心を横領されたのか… そんなことをよく考えています。あなたは私の思考を破産させたのです。あなたの抱擁という甘き金庫の中に、私はずっと収まっていたい。

今の状況を査定して、この収支報告書を直ちに書く必要があると思いました:私達は契約以上の関係です。私はあなたに永遠に貸しがあるのです。あなたの心を借り入れさせてください。お返しとして、あなたの優しさに支払います。私の口座への入金をお忘れなく。私の真剣な気持ちをこの手紙に預金することをお許しください。

この手紙で、私の愛をあなたの心に送金したい。

あなたの貸し手、あなたの小さな蜂より

部分的に判読可能な手紙Partially Legible Letter

もう終わりにしましょう。二度とあなたの影が私の影に重なるのを見たくない。できることなら…

…あなたの称号——知るもんですか!それから、私が戦士ギルドに所属していることをあの小娘に教えてやるといいわ。せいぜい注意しなさいってね!

捧げ物An Offering

兄弟を追悼してこれらの本を捧げます。

ソーサ・シルの知恵が、この先の地で彼を導いてくれますように。

夜を数えていますI Count the Nights

愛しきセルルン

旅の無事を祈っています。そして、あなたが帰ってくる日を指折り数えて待っています。こうして筆を走らせている今も、あなたの愛撫が恋しくてなりません。あなたが大海原で月を見上げる時、私もその同じ月を眺めていることを忘れないで。それが嵐の夜のあなたに安らぎをもたらしますように。セルルン、あなたが帰ってくるまで、この手紙はキスで封をするわ。

愛を込めて

ヘヴラ

優雅な筆跡の手紙An Elegantly Penned Letter

愛しきジブリル

島を出ることにしたわ。どうか後を追わないで。一緒に過ごした時間は胸に大切にしまっておくつもりよ。でも、これからはそれぞれ違う道を歩きましょう。

ファハラジャード王がアリクルの忠実なる息子たちと娘たちに召集をかけたの。砂漠を越えて広がり、世界情勢に本当の意味で影響を及ぼすチャンスを、ダガーフォール・カバナントはくれるというのよ。王に見込まれれば、海軍に加わり出航することになる。それこそ、私がいつも夢見ていた人生だわ。

手紙を書いた理由を分かってもらえたと思う。もし本当に私のことを想ってくれるなら、今の稼業から足を洗って、まっとうな仕事を見つけてちょうだい。私のことを懐かしむのはいいわ。でも、2人の過去に未練を抱いては駄目。

あなたのことは忘れないわ、ジブリル。でも、もしあなたの船がカバナントの船から略奪を働いているところに我が海軍が遭遇したら、そして、もし艦長からあなたの船の乗組員を斬れと命じられたら、私はためらわずそうするでしょう。あなたを剣で刺し貫くでしょう。名誉を守るためには、そうするしかないから。

あなたが無事、旅の目的地にたどりつけますように。

—ラミーナ

冷気の洞穴からの手紙Letter from Chill Hollow

オーサ

噂に従って進んで、洞窟を見つけた。ここは氷と、その他の想像もつかないようなありとあらゆるものでいっぱいの、岩山の中にある凍える渓谷だ。宝物の言い伝えも真実に違いない。感じるんだよ!君がいつも話していた農場を買える金がすぐ手に入る。そうすればやっと結婚して、一緒の生活が始められる。すぐに戻るよ。

愛を込めて

フジャロ

ロスガーの書

Wrothgar Writings

アイスハート戦士長へTo Warlord Ice-Heart

アイスハート戦士長

この約束の金とあなたのクランへの独占販売権目当てに、私は我が民を裏切り、すべてを危険にさらしている。遅延やミスがあってはならない。オルシニウムでの私の努力を確実にするため、すでに金の一部はカジートの商人グループに渡してある。

物資のキャラバンが、僻地のクランの越冬を支援するために十分な食料を持って、じきに商人の門から到着するだろう。キャラバンは毛皮、薬などの物資も運んでいる。あなたのクランの役に立つはずだ。私の出した予定表を参照すれば、不意打ちを食らわせられる。

速やかに攻撃し、ハーピーを使って物資をキャンプに空輸しろ。気をつけろ。バズラグ族長と部下の兵士達が、通商路をパトロールしている。あのオークは残忍だ。奴らを全力で避けるよう、戦士達に話しておいた方がいいだろう。

ヴァルチャー

アヴァリアンの巻物The Scroll of Avalian

「戦士の神の書:3:24—アヴァリアンの戦い」から抜粋

そして火山は雷のような轟音を立てて噴火した。大地は震え、空は灰に覆い尽くされた。それでもアヴァリアンの意志はくじけなかった。彼は敵を見つめた。溶岩と石でできた猛々しい神を。トリニマクに祝福されし子、アヴァリアンは剣を抜き、山に突撃した。山には溶岩が流れ、道を覆っていたが、熱で脚が焦げる間もないくらい俊敏に進んだ。風のように素早く山へと飛び込み、野獣の心臓に剣を突き立てた。

アグラ・クルンAgra Crun

盾夫人バグラールは初陣で、小さな体には大きすぎるほどの両手マトックを装備した。だが残念ながら、戦闘のさなかバグラールは剣と盾を使うことになった。より小さい武器を押しつけられ、顔を赤らめて戸惑い、それを見た他の戦士達に嘲笑された。

軽めの武器を手にしたバグラールは戦場で猛威を振るうようになった。その剣は敵が一太刀返す前に数回突き刺し、盾はどんなものでも防ぐようになった。こうしてトロール殺しの異名を勝ち取った。

バグラールは自らの腕前をマラキャスに感謝し、バラゴグの血の粛清の間、身を捧げて信頼に足る守護者となった。盾は「血の盾」を意味する「アグラ・クルン」の名で有名になった。

アズヌラからのメモNote from Azhnura

ウシェナト

受け取った報告書には、お前の最近の新入者2名が数日間引き延ばしたあげく、うわべだけ従順に振る舞って教官や監視係を安心させて逃げ出そうとしたとあった。好ましくない事態だ。彼らの会話は本音だったに違いない。彼らはトリニマクに心を開き、思いを捧げていたのだろう。

候補者2人を対決させるという最近お前が出した案は、有望そうに思える。結果が待ち遠しいが、以前のより気に入っている。

アズヌラ

あなたの小さな友、エドゥについてYour Little Friend, Edu

この手紙が無事に届くことを願っています。シロディールでの作戦は伝説となっています。帰還された折には、武勇伝を聞かせていただくことをとても楽しみにしております。

新たな都、オルシニウムへのご家族の移住はほぼ順調に進みましたが、しかしながら途中で大切な仲間を失ってしまいました。調教したリークルの召使のエドゥです。旅の最初の晩に姿を消しました。

あの者をとても気に入っておられたことは存じております。タムリエル語を教えたり、正しいテーブルの準備を教えられていらっしゃいましたから。道化師の日にあの者にガウンを着せてやっていたのが思い出されます。可愛らしい奴でした。リークルにしてはですが!「乙女のキス」を売るとおっしゃって、化粧を塗りたくったエドゥを出した時の男の子たちの顔を覚えておられますか?朝食を戻してしまった子もいました!

エドゥが消えた夜にテントの側で騒ぐ声が聞こえましたが、兵士たちは何でもないと断言しました。しかし朝になるとエドゥは消えていました。逃げ出したとも思えません、ご家族にもとても気に入られてましたから。おそらく道に迷ったのでしょう。ともかく、遺体を見つけることはできませんでした。

誠に残念なことですが、ご心配なく。あの小さなエドゥはどこかで自分の仲間に出会い、教わった通りにテーブルを準備していることでしょう。

あなたの友
エメロード

ヴァイアの巻物The Scroll of Vaia

「戦士の神の書:4:18—ヴァイアの勇気」から抜粋

槌が振り落とされても、ヴァイアは崩れ落ちなかった。破壊者ロガルは、すでにその魔法の槌の力で全軍を打ち砕いていた。だが、ヴァイアの決意は揺るがなかった。頭に盾をかざした彼女は、トリニマクに見守られていることに気づいていた。大きな破壊音、雷のような轟音、それにそばの木々が倒れる音が、あたり一面にこだましていた。だが砂埃がおさまると、大地に砕け落ちていたのは、ヴァイアの木の盾ではなく、ロガルの強大な槌だった。

ヴォーグロシュ・ロットタスクの汚い戦法指南Vorgrosh Rot-Tusk’s Guide to Dirty Fighting

よし、間抜け面したエルフ好きのバカども。静まれ!今日は貴様ら不細工なクズどもがアリーナには「名誉」がないとか、そういうくだらねえことを愚痴ってやがったから呼びつけた。見てみろ、貴様らは自分のケツの臭いをかいでる牙のない子犬も同然だ。どうせ時間の無駄だろうが、貴様らの鈍いオツムにありがたい知識を叩き込んでやる。

名誉だと。フン!名誉について教えてやろう。名誉とは小さな孤児どもの言い訳だ。どうして大好きなパパが油断して、ウッドエルフに石のナイフで殺されちまったのかを説明する時に使うんだ。名誉とは自尊心を守りはするが、ケツは風に晒したまま矢に貫かれちまう盾だ!名誉とは勇敢なオークの大敵だ。このしがらみを早く捨てるほど、戦いに勝つ確率が高くなる。

戦闘で重要なことは一つだけだ。間抜けに殺される前に殺すことだ。つまり頭を使って弱点を探し、鎧の隙間を見つけるんだ。よく聞け。名誉とは鎧に開いた大きな隙間だ。

まず最初だ。貴様ら青二才どもが相手に向かって頭を下げてるのを見かけたら、しばき倒してやる。相手に頭を下げさせろ。相手が下を向いたら、膝を顎にお見舞いして歯を叩き折ってやれ。

必ず敵の目を潰せ。土、雪、血しぶきはどんな斧にも劣らず使いやすい上に、どこにでもある。敵の顔に何かを投げつけてないのに、二撃目を振りかぶってるんなら大間違いだ。

常に、必ず、絶対に股間を狙え。2、3発食らわせろ。下にいいのが入ったらオーガだって、お気に入りのお人形をなくしたブレトンの女の子みたいにすすり泣く。

話すのをやめるな。俺が言いたいのは紅茶とクランペットを交えた楽しい会話じゃない!相手の不細工な母ちゃんのことや、姉ちゃんのベッドがきしむことや、父ちゃんの臆病さのことだ。そいつらの名前を知っていれば文句なしだ。言われたことに本当のことが含まれていれば効果は絶大だ。ただ口に出せばいいってもんじゃない。本気で罵れ!怒った戦士は失敗する。そして失敗は相手を殺しやすくしてくれる。

手刀を食らわせられないなら、蹴れ。蹴れないなら、殴れ。殴れないなら、噛みつけ。噛みつけないなら… ふむ、噛みつけないならきっと間抜けなことをしでかしたんだろう。

よし、今日はここまでだ。マラキャスのひび割れた牙にかけて、なぜわざわざこんなことをするのか分からない。帯を締め直して訓練を続けろ!

ヴォシュ・ラクVosh Rakh

宗教再生の研究 王の書記官ウグドルガ 著

何世代にも渡り、オークは3つの不変の真理を信仰してきた。それは要塞、恨み、マラキャスの怒りである。しかし、一部の伝承と著名な学者によれば、マラキャスの前にトリニマクがいたという。ヴォシュ・ラクという最近生まれた運動が信者を増やし、人気を集めている。この運動はオークをその民のルーツへと回帰させ、戦士の神トリニマクに栄光を取り戻し、オークにとってふさわしい地位を回復することを約束している。

オルシニウム再興という構想を受け入れた者がこの新興宗教の信者となるのはまったくいぶかしむに当たらない。その信仰と教義は統一ロスガーという夢想にあつらえて作ったようなものだ。ヴォシュ・ラクは荒々しく粗暴なオークの気質を「文明化」したいと説く。オークを向上させ、他の種族と対等の地位に押し上げ、それどころかさらなる高みへと引き上げたいのだ。また彼らは古代都市オルシニウムを再建し、新たに誕生する強力なオーク国家の輝かしいシンボルにしたいのだ。とはいえ、クログ王はこの新たなトリニマク信仰を支援し、オルシニウムに聖堂を建てるほどであるにもかかわらず、自身はヴォシュ・ラクの過激派信者とは関係を持っていないようだ。

ヴォシュ・ラクとは何者か?これは簡単に答えられる問いではない。この運動のメンバーは皆、その素性を隠しているからだ。祝賀や祈りの集いでは、トリニマクの金色の肌を模したオーク風の黄金の仮面を被る。その名を翻訳すればオーク語で「勇気の刃」となり、トリニマクの伝説の武器、ペニテントを指す。彼らは自身をトリニマクの剣の化身になぞらえ、古臭く、息苦しい伝統を切り払い、新たな道を拓くという。彼らは伝統が「何世代ものオーシマーの民を虐げてきた」という。

オークの古参衛兵の多くはヴォシュ・ラクをいずれ消え去る愚かしい流行と見ているが、一方でオークの生き方を破壊するまで止まらない危険な狂信者と見ている者もいる。いずれにせよ、古参衛兵はその主張や甘言に振り回されることを拒んでいる。彼らの言葉によれば、オークを「強く逞しく、どんな軟弱なエルフよりもマシな」者にする伝統を捨て去る気はない。彼らは要塞とクランという概念を墨守し、単一オーク国家の創造を求める声を拒絶している。彼らが恨みを抱き続けるのは、悪意と恨みが腹の中の炎と心の中の怒りを燃え立たせるからだ。呪いと裏切りの神マラキャスへの篤い信仰を抱き続けるのは、マラキャスが争いと血塗られたマラキャスの掟を与えてくれるからだ。

しかしヴォシュ・ラクにとって古参の衛兵は、単にトリニマクの助けで克服できる試練の一つでしかない。マラキャスは貧弱で、執念深い偽者で、トリニマクの栄光をかすめ取ろうとしているのだと言う。オークがトリニマクを受け入れ、種族として団結すれば、トリニマクはどのような戦が待ち受けようと援助と救いをもたらしてくれる。オルシニウム再建の戦いからリーチの民との戦争、そして他の種族との名誉と栄光をかけた戦いでも、トリニマクは勝利と栄光をもたらすという。

追記:これを執筆している時点で、噂が出回り始めた。ヴォシュ・ラクは汚い上に危険な戦術を使ってオークの心を引き付けようとし始めたというのだ。今のところ噂の裏付けは取れておらず、古参衛兵の怒りにまかせた言葉以上のものではないが、書き加えておくことにした。調査を続け、発見したことを後の書物に記録するつもりである。

ヴォシュ・ラクの命令Vosh Rakh Orders

我々の密偵は所定の場所にいる。オルシニウムの暮らしにすっかり溶けこんだから、街の者なのかヴォシュ・ラクの一員なのか誰にも見分けられまい。この点では儀式用の仮面がうまく役に立った。

クランの族長達はムートに集まる時、罠に足を踏み入れているとは全く気づかないだろう。我々は、トリニマクの勇気ある神聖な剣として目的を成就させる。頑固な族長達を抹殺し、真の統合を果たしたオーシマーの国を築くのだ。

ガントレットを終了し、最終試験に合格した信者の第1グループを、ただちにオルシニウムに派遣しろ。彼らの任務は単純だが重要だ。ムートが始まる前に、街の裏切り者達はどんな犠牲を払っても拘束しなくてはならない。彼らに続く第2グループは、万一に備えての後方支援役だ。

愛するリーダーより
愛するリーダーより

ウシェナトのメモUshenat’s Notes

これまでのところ、冷気を利用して、トリニマクの神聖なる光の道へ人々を向けさせる方法には満足している。グラグズと彼の火による「洗礼」が、徴募のやり方としてはおぞましいと強く感じざるを得ない。生存率はお粗末なものだった。その上、火は人を恐慌に陥れる。恐慌に陥った人には理屈が通じない。真の対話に必要なのは、候補者の心に入り込み、恐怖から抜け出す道を示してやり、トリニマクの神聖なる恩寵をしっかり受け入れさせることだ。

私の方法は、手堅すぎるほどだと思う。(はは。文字どおり堅いのだ。氷を使うのだから確かにそうだ)。私が考案した氷の構造物を使って、逃げ出されないようにして窮地に追い込むことで、不必要に恐慌へ陥れることなく苦痛と安心の両方を与える。さらに特典として、軽めの(といっても私から見てだが)苦痛を終わらせる選択肢を徴募兵に与えるのは、自分で言うのも何だが、卓越した案だ。忘れずにヘンガートにメモを送り、スイッチと氷の台のデザインへの感謝を伝えよう。

この手法の最新版は、これまでになく効果的なようだ。少なくとも、一定水準の楽しみをもたらす。2人の候補者を同時に氷の台に置き、両者にスイッチを渡した。そしてここからが非凡なところだ!どちらのスイッチにも相手を解放させられるのだ!だから、どちらかが相手を生かすために自らの命を犠牲にする?そして生き残った方はどうなる?生き残った方の罪はトリニマクの光への道を開くだろう。生き残った方は、トリニマクを十二分に余すところなく受け入れるだろう。相手を死なせてしまったことを受け入れられないからだ。その心と魂は、完全にヴォシュ・ラク、そしてトリニマクのものになるだろう。

この対決させる手法は、正直言って少し時間を食うが、台が崩れ始めたとき、どちらが先に決断するか楽しく見ていられる。実験が進むほど、ますます楽しめる。

ウスノクの巻物The Scroll of Usunok

「戦士の神の書:4:22—ウスノクの怒り」から抜粋

ウスノクが狩りをするのは食料や遊びのためではなかった。殺しのスリルのためでもない。力を証明するためだ。彼の前で立ち上がった野獣は、木々よりも高くそびえていた。自らの拳と、信じる神トリニマクの祝福しか武器はなかったが、前進し、一発お見舞いした。トリニマクの祝福を受けた彼には一撃で十分だった。一瞬で終わった。どんなに多くの鱗や脂肪や筋肉を持つ生き物でも、彼が怒って標的を殴る力は止められなかった。野獣は叫ぶことも泣くこともほとんどできないまま倒れた。ウスノクは浮かれなかった。喜ばなかった。ただ次なる挑戦を求めて狩りに行くだけだった。

ウズビダクの兜Uzdabikh’s Helm

ロスガーの歴史は戦争の歴史だ。ウズビダクはファルン峠の戦闘のさなか、どこからともなく現れ、誰よりも名高い英雄となった。

ウズビダクの性別については諸説あるが、ウムサ主事は女性説を好んでいる。ウズビダクの戦闘部隊はレッドガード兵の侵略からトンネルを防衛する任務を任されたが、敵が全軍を送り込んでくるのは想定外だった。

戦闘部隊は次々に倒れ、ついに立っているのは彼女だけとなった。彼女は弓、斧、ナイフ、さらには素手でも戦い、トンネルは血まみれになった。その日、1001人のレッドガードが亡くなった。ウズビダクの兜は神の加護を受け、どんな攻撃からも彼女を守ったという。しかし駆けつけたレッドガードの増援部隊は、彼女のひしゃげた兜の周囲に、レッドガードの死体が積み重なっている光景を目にした。

ウッドエルフの伝言The Wood Elf’s Message

私達 がとても小さなエチャテレを愛しているって知ってた?

今、 君は群れなどあれやこれやにいる。暮らして幸せ?

いる のを見ると、君は穏やかで落ち着き払っている。

ところ で君が提供するチーズはおいしくて、とても評価されている。

ハ、 宿屋と酒場、砦と城、ハッ、小さなエチャテレ、

隠し ているのは王と国。人生は不公平ね。

部屋 がきっと毛に覆われた背中にある。いつでももう1袋積むのよね?

合 わせた知識で、皆に欠けていることを教えてくれる?

言葉 では伝えきれないくらい愛している、小さなエチャテレ。

オークは マンモスや野兎よりも素敵だと、知っている。

きっと 心配しないで、もうこれ以上戸惑わせない。

匂わない 愛を、育った証にちょうだい。最後の抱擁に。

オーガの氷の長老The Ice Elder of the Ogres

私は、通常の(そして気まぐれな)マッドクラブからアルゴニアの残忍で強いワマスまで、タムリエルの野生生物の調査にかなりの時間を費やした。オルシニウムに招かれたときは、手つかずの野生を探検できるチャンスに小躍りした。

私達のキャラバンはオルシニウムの街に着きもしない内に、卑劣なウィンターボーンの襲撃を受けた。護衛達は殺されるか丘に逃げるしかなかったため、私も彼らの後を追った。まもなく私は迷子になった。動揺した私は谷に落ちた。

その記憶を最後に、再び目覚めたときは、青い毛の巨人達に囲まれていた。私の健康状態を気にしているようだった。あるいは後で私を食べるために生かしているのか、そのどちらかだ。オーガは、厳密に言えばゴブリンの眷属であり、知性のほどは知られていないが、大半の動物よりはるかに賢い。私は通常、知性の高い種族の研究は行っていない。こういう状況に置かれている彼らについて、私は観察結果を記録したくなるほど興味を引かれた。

私の見たところ、ロスガリアンの山麓に住むオーガは、ウェイレストでたまに出会う粗雑な獣もかなり進歩的だ。彼らの中の数人は、おそらく長老で、氷の操作に関連する、ある種原始的でトーテム信仰的な魔法を使っているようだ。彼らの1人が近づいて来て、私が彼らに向けるのに劣らない好奇心を見せてこちらをしげしげと見た。そのとき、驚くべきことが起こった。

私は落下時に足を折り、出血し、歩けない状態だった。そのオーガの長老が片手を上げ、私は攻撃を予期した。ところが、エネルギーの光の束が私の足に向かって放たれ、足の動きを止めた。傷が縫合されながら、骨が治っていくのを感じた。痛みはひどかったが、同時に爽快な気分だった。

治った脚で立ち上がると、周囲のオーガから動揺と興奮のうなり声が聞こえた。驚かせてしまったと思ったが、騒ぎの音は外からだった。オーガの会話とは普通の話術ではなく、うめいたり声を発するものだ。オーガ達は「ウルカズブル。ウルカズブル!」と同じ言葉を繰り返した。現実とは思えなかった。

テントを出て目にしたのは大虐殺の光景だった。ひときわ激しく怒っているひときわ大きいオーガが他のオーガ達を怖がらせていた。大きなオーガは、骨の鉤爪を腕に装着していた。それで地面を叩いた。その衝撃に氷が飛び散り、他のオーガ達を激しく打ち、転倒させた。私の脚を治したオーガは、きらめく雪の球のようなものを大きなオーガに向かって放った。それが命中すると、大きなオーガは後ずさり、叫んだ。彼が身振りをすると、周囲の雪が上昇し、彫像のようなものを形成し、戦いに加わった。

この暴力騒ぎにオーガ達が気を取られているうちに、私は逃げ出した。いつか完全に回復したら、ウルカズブルと彼の氷の彫像がどうなったか見に戻るかも知れない。

オークと死後の世界についてOn Orcs and the Afterlife

比較宗教学者 エリサ・ムーアクロフト 著

宗教と死後の世界に関する信仰をオークに語ってもらうのを難しく感じたことは一度もない。どこのオークのクランと要塞にも豊かな口承が息づいているのだから、驚くには当たらないだろう。むしろ驚かされたのは、一貫性のある全体像を描くことの困難さだった。最も基本的な概念においてすら、どの口承も一致することがなかった。

対立する信仰がオークの魂を巡って角を突き合わせている今、耳にした多くの物語が極めて感動的であると同時に恐ろしいものに思える。さらに、このテーマに関する書物は一冊も見つけることはできず、関連書籍でこの題材に言及しているものを見つけることもできなかった。死後の世界や、あの世での褒美や罰を受ける場所に関してオークの概念を学ぶ唯一の方法は、適切な質問を重ね、様々な口承に耳を傾けることだった。膨大な研究と無数の聞き取り調査の末、ようやくオークにとっての碧落の岸やソブンガルデの物語に相当するものを発見した。実際、様々な口承において一致が見られるのはそれだけのようだった。アシェンフォージはそのようにして発見された。

マラキャスを信奉するオークが死後に約束された褒美とは不死、豊富な食物と酒、そしてアシェンフォージの奥深くで繰り広げられる永遠の戦いである。アシェンフォージはオークのクランの人生における、3つの不変の真理の精髄だ。要塞、恨み、マラキャスの掟である。各概念を説明し、オークの死後にどう関わっているかを解説し、その意味を明らかにしよう(少なくとも各要塞が明らかにしようとしている程度に)。次に、異なっているだけでなく、時に矛盾する物語をなんとか一つの話にまとめられるように最善を尽くそうと思う。

アシェンフォージはアッシュピットにあるマラキャスの要塞の中心に鎮座する。一部の学者は、マラキャスのオブリビオンの平原が塵と煙と灰だけでできているという。しかし信者は永遠の虚空に、彼らが重視するものや、不死となった彼らの存在を強化するために必要なものすべてが含まれていると信じている。オークの要塞の究極形態であるマラキャスのアッシュピットの城壁は、平原に果てしなく広がり、星々の向こうへと伸び、エセリウスにまで至り、生の世界から次の世界へと渡った偉大なオークに開かれている。マラキャスの要塞の中で、すべてのオークは族長で、族長は1000の妻をはべらせ、1000の妻にはそれぞれ1000の奴隷がいて、あらゆる仕事をこなしてくれる。要塞の壁は100フィートの高さがあり、煙に覆われた空へと伸び、研磨された鋼と鍛えられた鉄でできている。壁の内側には石の砦、鉄塔、そして中央広場を囲む巨大なロングハウスがあり、アシェンフォージの住人の住み処となっている。

アシェンフォージとはマラキャスの鍛冶場の中で無限のスペースを占有する巨大な高炉で、その燃え盛る炎は太陽よりも熱いと言われている。タムリエルのオークがマラキャスの掟に従うことによって、この炎が燃え続けるとのことだが、詳細は後述する。この炎の中で、生の世界から渡ってきたオークは、まず焼き戻しの儀式を受けねばならない。オークは石炭の中に投げ込まれ、死後の世界に持ち込んだあらゆる恨みが熱され、溶け、最後には次世代の生身のオークとなる。タムリエルでの恨みが焼き戻されて生の世界に送り返されることで、不死のオークはようやく新たな存在として恨みを結べるようになる。とりわけ根深い恨みはアシェンアンヴィルというアシェンフォージの脇に据えられた巨大な作業台で鍛え、伝説的な品質の武器や鎧にできる。

アシェンフォージを燃え立たせる熱は白熱した炭から生まれる。オークの語り部が私に話してくれたところでは、この炭は血塗られたマラキャスの掟が具現化したものだという。掟によって空虚、裏切り、破られた約束の炎が燃え盛り、新たに生まれたオーク一人一人に、生の世界を突き進ませる悔しさと怒りの土台を叩き込むことができると考えている。それは前の世代が努力し、マラキャスの掟を守り抜くことで、必ずや後に続く世代が前の世代よりも向上させたいという願いなのだ。

それでも、マラキャスの信奉者は不死、食事、そして絶え間ない戦闘という褒美をアシェンフォージの奥深くで与えられると信じている。終わりなき戦いの日々、終わりなき美食、そして自らの力を見せつけ武具の凄さを誇れる機会で満ちた永遠の生が続くと。

トリニマク信者の信仰と比較すると、その面白さがことさら際立っている。語る者によって要塞ごとに異なり、歪み、成長するマラキャスの口承とは違い、トリニマク信者の伝承は驚くほど一定しており、彼らは喜んで語ってくれた。ことに大司祭ソルグラはこの報告の執筆に多大な貢献をしてくれた。トリニマク信者が死ぬと、彼らはエセリウスに昇り、先人に迎えられると彼女は語る。トリニマク信者の死後の世界もまた、終わりなき争闘と祝賀に満たされているが、前の世代の一族と再び共に暮らせる点が強調されている。結論としては、トリニマク版の方がマラキャス信者の野蛮かつ感情的な信仰に比べていくぶん穏健なように思われた。

オークのクランとシンボル学Orc Clans and Symbology

抜粋
記憶のクラルサ 著

オルシニウムの時代、すなわち現在イレの名で知られる聖堂が最初に創建された時に存在した街の時代、この地域にオークの6つのクランが名を高めた。この各クランは現在、もっと強大なクランに吸収されるか、単純に消滅するかして姿を消したが、最盛期にはオークの文化とオルシニウムの繁栄に強い影響を与えた。これらのクランとその目印となるシンボルを見てみよう。

クラン・ブラゴシュ、槌のクラン
鍛冶の技術で有名なこのクランは、特殊な鎧と武器を作り、物資の商人として知られる。残された証拠により、後にモークル・クランに吸収されたことが示唆されている。

クラン・パンドラム、火のクラン
原始的な治癒師と呪術師があふれるほどいたという噂があるクランで、火を操って武器や、様々な用途に用いる道具として使ったと思われる。オルシニウムの2度目の攻城戦後、歴史から消えたと見られている。

クラン・エンクレイヴ、星のクラン
この謎めいたクランについて知られていることと言えば、独自の目的で他のクランを援助したことくらいだ。ロスガーの荒野の奥深くに今でも存続しているという根強い噂がある。

クラン・ルクシン、狼のクラン
このクランは、夜間に効果的で恐ろしい襲撃をすることで有名だった。暗闇での行動に熟練しており、奇襲をかけて敵を殲滅することも少なくない。後にシャトゥル・クランに吸収されたと考えられている。

クラン・ムルタグ、岩のクラン
現存する最古のクランの1つで、ロスガーの山々を拠点とし、岩場の奥深くを切り出して住居にしている。

クラン・ラスカール、フクロウのクラン
弓の名手のクランで、驚異的な追跡、捜索能力で有名だった。あらゆる種類のフクロウを崇拝し、とりわけシロフクロウを崇めている。

オーシマー栄光の館The House of Orsimer Glories

王の命令:オーシマーの民の輝ける英雄と、ロスガーの歴史についてのあらゆる遺物、家宝、古代の書物をできるだけ速やかに収集し、オーシマー栄光の館に引き渡さなくてはならない。

オーシマー栄光の館の多くの展示場所を、歴史的に貴重なアイテムで埋め尽くすことが目標だ。ウムサ館長には、博物館に寄贈される全アイテムに対して報酬を与えるものとする。

詳細を知り、求められる遺物のリストを入手するには、オルシニウムにあるオーシマー栄光の館にいる、ウムサ館長に尋ねるとよい。

オールド・スナガラの育て方Old Snagara Breeding Guide

これが読まれているということは、おそらく私は亡くなっているだろう、ここ最近10人の世話人達と同じく。私が学んだ知識が次の世話人の役に立つよう今これを書いている。

あまりやることはない。オールド・スナガラが檻にいるか確認すればいい。彼女は数日置きに子供を産む。どうやって雄牛が自分の役目を果たせるくらい彼女に接近しているのかは不明だが、いつもこそこそしている。一部の治癒師は、伝統的な妊娠方法でなくてもいい動物もいると言ってたが、彼女は私の牙を引っ張っているだけのはずだ。

安全に関する助言:
1.檻を開けてブラッシングや毛づくろいをしてはならない。オールド・スナガラに噛まれる!
2.子供が到着したら、応援を頼め。運ぶには、少なくとも12本の手で抑えてもらう必要がある。
3.子供はすぐに檻に入れろ。逃げられてしまうから。

一番大事なのは、オールド・スナガラの前で子供を殺さないことだ。最初の世話人がそれをやった。その後、彼は彼女に穏やかでない目に遭わされた。

用心しろ、健康と幸運を祈る。これが読まれる頃には私は引退して金持ちのデブになっていたい。死ぬのではなくな。

オリハルコンに関するメモNotes on Orichalcum

オリハルコンとは、思うにタムリエルで最も不思議な鉱物だ。オークが好むのも実によく分かる。実際のところ、両者には多くの共通点がある。オリハルコンは緑色で、抜群の硬度を誇り、鋼より強く、とても扱いにくい。まるでオークのように!

大抵の鉱山労働者はオリハルコンの鉱脈を目にすると喜ぶ。採掘にそれほど苦労しないですむからだ。というのも、オリハルコンは脆い頁岩で発見される。堆積には脈石がないので、選鉱も不要だ。この鉱石の真の難関は精錬作業にある。

オリハルコンの精錬は困難なことで悪名が高い。低熱を維持し続けないと脆くなり、ひび割れてしまう。往々にして鉄がつなぎとして使われるが、私が話したオークの鍛冶は、この手法を怠惰さと腕の悪さの表れだと言ってはねつけた。ガーズボグ・グラグログという高名な鍛冶によると、純粋なオリハルコンは鉄との合金として精製されたものよりもずっと軽くて強いのだという。双方を検査したが、私も同意していいと思っている。両方とも非常に重いのだが、重量の差に軽視できないものがあった。巨大なプレートアーマーを好むオークに、重量の違いは多少でも重要なのだ。

オリハルコンの武器は従来の金属製の他の武器よりも切れ味が長続きし、錆びや刃こぼれにも驚くほど強い。ユニークな色味も特筆に値する。ハイエルフのガラスのように派手ではなく、鉄や鋼のように地味でもない。

ここオルシニウムの鍛冶屋たちからもっと話を聞きたい。学ぶことはまだまだある!

オルシニウムの隠しトンネルThe Hidden Tunnels of Orsinium

「オークの街の秘密」より
建築家グリルバー 著

次にオークがオルシニウムの街を再建すると決心した時、街路の下に、包囲の結果街が再び陥落しても脱出ルートとして使えるトンネルを作ろうと決めた。そのトンネルは現在も残っており、オルシニウムの最新の石が基礎の上に置かれている。

王の職人は街の建設を続け、トンネルの中には封鎖され崩壊したものもあった。しかし、トンネルの大半は、より古い建造物の古代の基礎の下に隠されたまま、街の下を縦横に延び続けている。架空の物語「オルシニウムの戦闘」に描かれている、こうしたトンネルの中で最も有名なのは聖堂トンネルで、オルシニウムの聖堂からスカープ砦の裏山までつながっているという。

上記の物語によると、秘密の通路がトンネルへの道を守っている。トンネルにたどり着くには、少なくともその物語では大族長の息子が、謎を解いて秘密の通路を開かなくてはならなかった。

秘密の通路を開くことを、聖堂の司祭が許してくれる時が来るのを楽しみにしている。そのときこそ、二枚舌のバンゴールの物語は事実に基づいているのか、まったくの架空なのかはっきり見極められる。

オルシニウムの戦いThe Battle of Orsinium

二枚舌のバンゴール 著

オルシニウムの戦いは激しさを増した。奇襲攻撃にすでに動揺しているクランが聖堂に撤退すると、ブレトンはついに壁を突破し、街になだれ込んだ。クランの族長達はすぐに撤退しなければ、愛する聖堂の中で死ぬことになると覚悟していた。

背後の聖堂の扉に掛け金を掛けたとき、大族長は振り返り、長男に指示した。聖堂の下のトンネルへの道を開けるには、柱を正確に配置する必要がある。これから言う言葉を覚えていれば、道は開ける。

そう言って大族長は次の言葉を伝えた。「私の目は戦場を眺めているが、心は穏やかだ。右側面はクラン・ルクシンが激しく戦い、敵を寄せ付けない。左側面はクラン・ブラゴシュが盾として、見えない場所から守っている。頭上はクラン・ラスカールが丘を守り、弓を構えている。

今度は大族長の息子の出番だ。あの言葉を思い出し、クランとシンボルの知識を呼び起こすのだ。さもなければトンネルは開かず、オークのクランは滅びるだろう。そんなことを許してはならない。

カル・イートの日記Kal-Eeto’s Journal

* * *
とても寒い。それにとてもひもじい。何日も経ち、あの青っぽい生き物に襲われた傷は熱をもって燃え上がるようだ。体全体は震えているというのに。頭をはっきりさせねばならない。何としてもだ。熱のせいでまともに頭が働かないが、このパズルが宝へ導いてくれるはずだ。見つけ出してやるぞ。古いメモの切れ端が残されていた。どうでもいいオークの話だ。たいまつが夜を照らし、槌が剣を生み出し、剣が狼を殺すとかいう話だ。頭痛が収まってくれないものか。

* * *
狼、たいまつ、フクロウ、槌?槌、たいまつ、フクロウ。狼、狼、たいまつ。槌。クギ。狼の耳のパイ。ごちゃごちゃになってしまう。腹ペコだ。

* * *
何を書いたんだっけ?しばらく気を失っていた。いくらか熱が下がった。とても寒い。暖を取れるのは魔術師のロウソクだけだ。ロウソクだ!これを使って覚えておこう!

* * *
よし。疲れ果てた。ここは広すぎる。ちょっとだけ休もう。とても、とても寒い。ブラック・マーシュの家。家。家に帰る—

キレスのノート、1ページKireth’s Notebook, Page 1

このノートは非凡なダンジョン探検家であり、ドゥエマー遺跡の熟練した探検家であるキレス・ヴァノスの所有物である。

と、いうわけで、兄弟のレイノーとの最新の冒険について書きたくてウズウズしているの。オーク国家を助けるためロスガーに専門家を呼び込む案内を受け取ったとき、そのチャンスに飛びついたわ。私は古代遺跡をうろうろするのが大好きだし、レイノーはドワーフの遺物をいじくり回すのが大好きだもの。

オルシニウムに着いた次の日、朝早くから教えられた場所へと向かった。その遺跡が実際にドワーフのものであったと確信するのに時間はかからなかった。レイノーによると、ツェンガナズと呼ばれる古代遺跡でほぼ間違いないみたい。

遺跡の外側を調査して状況を探っていたとき、私が、えっと、遺跡の中へ飛び込んで見てみることにしたの。いや、だめよ。ノートの中では絶対に嘘はつかないと誓ったもの。本当は滑ったの。中へと転げ落ちてお尻を打った!あんなに痛くなければ面白かったんだけど。でも、雪のおかげで少しはましだったわ。

キレスのノート、5ページKireth’s Notebook, Page 5

ここはすごい!私たちが今まで見てきた遺跡と違って、ここには動く装置や古代のガーディアンがある。足元に気をつけないと。スパイダー・コンストラクトや転がる大玉に追いかけられたくないもの。あと、センチュリオン!暗くて怖い遺跡の中で、あんなのと出くわしたくないわね。あれ、ちょっと待って…

今気づいたけど、ノートの最初の2ページがなくなっているわ。こういうのは嫌いなのよ!もっと持ち物を大事にしろっていつもレイノーに言われるんだけど、あのオルシニウムの商人が欠陥品を売りつけてきたに違いないわ。だってこの製本を見てよ!もうひび割れてほつれているじゃない!要塞の壁のように頑丈だなんて、よく言えたわね!

まあ、遺跡の中に転がり込んでしまったんだから、レイノーに怒られないように成果をあげましょう。ドワーフのパワーコアを見つけてあげればいい。彼はそういう古臭いものを集めるのが大好きだから。もしかすると今回は、ああもすぐに爆発させないかもしれない。

キレスのノート、11ページKireth’s Notebook, Page 11

あれは… ええ、多分そうよ!あの部屋の中にドワーフのパワーコアがあるわ!すぐに中に入って手に入れよう。レイノーが喜ぶわ。これを渡したときの表情が早く見たい。

やっぱり、新しい作戦を考えたほうがいいわね。私はいつも正攻法で結果を出してきたけど、今回ばかりはそれが最善とは思えない。あの部屋の中はドワーフのコンストラクトでいっぱいだし、パワーコアの近くにはツェングのガーディアンっていう怖そうなセンチュリオンがいる。もう少し辺りを調べてみて、あのパワーコアをこっそり盗む方法を考えてみるわ。

キレスのノート、17ページKireth’s Notebook, Page 17

ここに来られなかった兄弟は羨ましがるでしょうね!彼は暗くて危険な場所を這いずりまわるのを嫌がるけど、彼がいじくり回して楽しんでいるものは、大抵こういう所で見つかるのよ。「私がドワーフの遺跡に入らないと、レイノーはドゥエマーのもので遊べないのにね」っていつも言ってる。とりあえず言われた通りメモをたくさん取ってるから、彼は後でそれを見返すといいわ。

ああもう、オブリビオンに堕ちろ!このノート、ハチミツ酒を飲んでいるノルドのゲップみたいにページが落ちているわ。つまり頻繁に、最悪のタイミングでよ!大事なものをなくしてないといいけど。

あら、あれ面白そうじゃない!ドワーフの工学と職人技の賜物ね!あの円が素晴らしいわ!車輪の中にまた車輪があって、全てが中心を起点に回っている感じ。というか、稼働していたときは回っていたんだろうなという想像に過ぎないけど。

レイノーならこれの役割が何だったか分かるかしら?そういえば、兄弟は一体どこにいるの?本当に私のことが大事なら、機械の蜘蛛なんて怖がってないで助けに来るはずでしょう!それか、せめてロープを投げてくれたらいいのに!

グスラグの仮面Guthrag’s Mask

オークでおそらく最も有名な外交官は、第一紀の9世紀末から10世紀初めに活躍した石語りのグスラグだ。雄弁な演説で、オルシニウムの攻城戦を10年以上引き延ばしたが、ダガーフォールへ向かう途中で亡くなったのは避けられない事態だった。

その交渉術とは別に、彼の魅惑の仮面の物語はそれ以上に興味深い。言い伝えによると、仮面には、オークの容貌を観察者にとってもっと魅力的に変える力があったという。だが、仮面の力にはそれ以上のものがあった。大使と密偵は、グスラグの仮面を数世紀の間、外国でオーシマーの大義を促進するために利用した。

記録に残っている仮面の最後の持ち主は、謎に包まれたファルン要塞の「族長の目」だ。矢が仮面を貫き、大密偵の額を突き刺したとき、仮面の力は消えた。力が消えた後も、仮面は歴史的意義のあるアイテムとして残されている。

クラーラの日記Kraala’s Journal

騒音、騒音、騒音!騒音で溺れちまうわ!

薄汚いオークどもが一日中鉄を叩いて、木を切って、石を砕いている。休む間もなくね!自分の家ですら、臭いウィンターボーンが通路をうろつき、咳き込んでは汚らしい鼻を拭っている。招かれざる客たちからは古い鹿皮と腐敗臭がしている!奴らにも使い道はあるけど、あまりに少ない。少なすぎる!

安らぎを与えてくれるのは鳥たちだけ。その声は騒音を打ち消してくれる。そして騒音がやんだとき、そのささやきだけが残る。あの汗臭い野蛮な男たちが森の中をバカみたいに駆け回っている間、鳥が本物の情報を持ち帰ってくれる。秘密という名の情報を。もっとたくさん鳥がいたらいいのに。空を鳥で埋め尽くすわ。そうしたら私の手が届かないものはない!

たくさんの鳥?そうよ!なんて名案なの!

もっと鳥を作りましょう!

グラグズ宛てのメモNote to Graguz

グラグズ

有望な候補者の改宗に対するお前の熱意には感謝するが、お前が担当した改宗における生存率がますます低くなっていることが気になる。ひょっとすると、もう少し「お前らしさ」を薄め、もう少し辛抱した方が、いたずらに全体の人数を減らすよりも、我々の数を増やして有益かも知れない。

もっと注意しろ。さもないと。

アズヌラ

クランのスポーツThe Sport of Clans

ヴォシュ・ボールは、オーシマーの最初期にまでさかのぼる長く伝説的な歴史がある。オーク達が集まってクランが生まれた頃、「勇気」のボールの概念が発展させられた。当初はスポーツや余暇の娯楽ではなく、クランの戦士の勇気と回復力を試すテストとして始まった。

ヴォシュ・ボールの最初期の形は、オークの頭部大の木や金属で作った重い球体を使った。白羽の矢を立てられた見習いの戦士が、中庭から1歩外れた最も奥に立つ。その見つめる先には、両手にヴォシュ・ボールを持った古参兵の隊列がある。古参兵達は、交代でヴォシュ・ボールをあらん限りの力で投げつける。一斉攻撃が下火になったとき、もしも見習いがまだ立っていられたら、勇気を証明したことになり、戦士としてより高い地位に昇格する。

年月が流れ、このテストは、組織化されたスポーツになり、クラン間で名誉と表彰のためにチームで競った。ボールは重い金属に代わって重い革になり、ルールや規則が体系化され、参加クランのあいだで承認された。

現在のクランの集まりでは、必ずヴォシュ・ボールの競技会で数日間、白熱した戦いを繰り広げる。ファルン・クランは現在連勝記録を保持しており、7連勝で他を大きく引き離している。ファルンの最優秀選手賞であるバズラグ族長は、「骨壊し」と自称する、迫力満点のえげつない球を投げる。

ヴォシュ・ボールのルールは絶えず変更されているが、根底のルールは不変だ。オーク6名でチームを作って対戦する。吊るした3個のヴォシュ・ボールで武装し、重いボールを力いっぱい投げつけて対戦相手を気絶させ、囲んだコートの制圧を競う。その上、オークの誰ひとりとして矛盾や混乱を見つけられないルールと規則が多数ある。問題ない。栄えあるヴォシュ・ボールの試合を目にしたものは誰でも、興奮状態に陥って息をのみ、勇気という言葉の定義を改める。

クランの地図Map of Clans

オーシマーの人々は、その歴史の大半において、記録を取ることを避け、伝統的な口述に頼った。しかし初期オークの学者サグボ・グロー・ツットは口承の伝統を、かの有名な著書「13クランの歴史」にまとめた。すでに原本は消失し、おそらく破棄されたが(サグボが述べた各クランの起源や領土について、同意しないクランもあった)、初代の要塞の場所が書かれた地図は現存している。

サグボによるクランの地図は、経年と水、エール、血の汚れで古びているが、深遠の暁紀の終わりに13の各クランが拠点を築いたと彼が信じていた場所を示している。現存できたのは、経緯は不明だがブレトンの博物館の手に渡ったからだ。クログ王は地図を購入したが、品物は届かなかった。

グルーロット族長の深い思索Deep Thoughts of Chief Gloorot

私のエチャテレが泥の中で転がったときの毛に、空が似ているのはなぜだ?

トリニマクかマラキャス?選ぶ理由は?どちらも無視しよう、過去は過去でいい。

私が木なら、完璧な存在だと思う。例外は鳥相手のときだ。鳥は嫌いだ。

牙を外すか牙で突き刺すか?なぜ選ぶ?

思考夫人がいればいい。彼女が私の思索について考えているうちに、私は別のことを考える。

風はどこから来る?そしてどこへ行く?それを考えると夜も寝られない。

オークは王に頭を下げるべきか?考えもみてくれ、彼が本当にオーク王なら、私達に頭を下げるよう言う訳がない。オークはその手のことはしない。

カブは回転させてから食べるのがいつだって最高だ。目が回るほど味がよくなる。

ウィンターボーン:脅威か迷惑か?

アルゴニアン:人か、自動で配達される手荷物と上着か?

大根はピリッとしてシャキッとする完璧な食糧だと思う。くそっ。腹ぺこだ。

クログ王年代記、1巻The Chronicles of King Kurog, Book I

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

クログ・グロー・バグラクに初めて出会ったのはエルスウェアの荒野だった。ウェイレストからきた学者を装ってはいたが、私の本当の目的はカジートの故国で見聞したことをウェイレストのエメリック王に報告することだった。私は密偵という立場で、型破りでカリスマにあふれたオークの戦士と最初の邂逅を果たしたのだ。彼はロスガーからきたばかりで、ガスパール・ストーカーズという傭兵団で身を立てようと奮闘していた。聞く限りでは、勇敢で、頭が切れ、しかも抜群の身体能力を誇るとのことだった。私にも確かにそのように見えた。

ブレトンの傭兵団長、ガスパール・エスムリーはどんな種族にも門戸を開いていた。命令に従い、全力を尽くす限り、ガスパールは部隊に居場所を用意してくれた。クログは、彼に忠誠を誓う精悍な戦士数名を引き連れて入隊した。ほどなくして彼らはストーカーズの中で頭角を現し、最も危険な任務を任され、たんまりと分け前にあずかるようになっていた。

クログとは何度も会い、親しくなることができた。彼は女に色目を使われるのが好きで、彼同様にカジート料理の食べ歩きを好む、気立てのよいブレトン女をとりわけ気に入ってくれた。酒食を共にした折、油断した彼は、他の男の前では決して口にしないような話も聞かせてくれた。オークレストの街の薄暗く怪しげな酒場で密会を重ねるうち、あるときクログは自身の過去と将来の夢を語り始めた。

オークの要塞の悲惨な暮らしは誰でも話に聞いている。クログは、遠くロスガーにあるクランでの若かりし日のことを話してくれた。彼は若い世代で最も強く、聡明な男だった。強く、速く、そして多くの点で同世代やほとんどの年長者に抜きん出ていた。しかし、彼はクランでの暮らしに物足りなさを感じていた。戦で実力を示したかったのだ。世界を見聞したかったのだ。そして彼も族長も、クログが要塞に少しでも長く居続ければ、どちらかが死ぬことになると確信していた。それがオークの生き方だった。

不和を悪化させて族長に挑む代わりに、クログは腹心たちを引き連れてガスパール・ストーカーズという傭兵団のスカウトに身を投じた。ハンマーフェルやシロディールの紛争で勝利に貢献した後、傭兵団はエルスウェアへとやってきた。クログは得意の絶頂にあるようだった。珍しいものを見、うまいものを食べ、女たちを抱き(彼の言葉だ、私のではない)、戦という戦で勝ちまくった。スプーンですくったハチミツプリンをクログに食べさせ、もう片方の手は力強い腕に置き、無邪気を装って聞いた。「でもこの先はどうするつもりなの、逞しいお兄さん?」

「この先だって?」クログは笑った。「国に帰るさ。老いぼれ族長を殺し、クランを牛耳るんだ!」

クログは当然とばかりに言い放った。虚勢を張っているのではなかった。私の気を引こうとしているわけでもなかった。単に自分が信じていることを口にしただけだった。そして実際、私もそう信じた。彼は確実にエメリック王が注意しておくべきオークだった。よく覚えておいてほしい。

クログ王年代記、2巻The Chronicles of King Kurog, Book II

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

クログがウェイレストを訪れた際、エメリック王に引き合わせることができた。彼はオークの戦士たちと連れ立っていた。ガスパール・ストーカーズ傭兵団との契約を辞退したばかりで、ロスガーの荒野への帰途にあったのだ。エルスウェアで親しくしていたよしみで、ウェイレストに寄るので会いたいという連絡をもらっていた。私はすぐに承諾し、滞在中は観光案内をすると申し出た。

数日の間、クログに街を案内し、ブレトン社会の様々な食物を紹介した後(クログは本当に食べることに目がない!)で、ウェイレスト城を内密に訪れ、彼を驚かせた。正直なところ、会談がどのような結果に終わるか多少の不安を覚えていた。クログは声が大きく粗野な上、社交上の儀礼についてはほとんど何も知らない。後から考えれば、心配するまでもなかった。エメリック王とクログは意気投合したのだから!政治や戦争に関して二人の考えは通じるところがあり、夢中になって相手を笑わせようとしていた。その晩の終わりに、クログはロスガーに戻って、クランの族長という自らの正当な地位を奪還する予定であることを打ち明けた。

「心配すべきか?」エメリック王は微笑みながら尋ねた。

「もちろん心配すべきですよ」クログは笑った。「ですが、あなたが気に入った。エメリック王。ハイロックに目を向けるのは、ファルクリースにあるヤシュナグの王国をなんとか再建してからにしよう」

二人が握手したとき、背筋に戦慄が走った。重大な出来事を目撃しているのだという直感があった。この瞬間がいずれどれほどの重要さを持つことになるのかは分からなかったけれども。クログが暇乞いをしようとしたところで、エメリック王は驚き続きのこの晩に、さらにもう一つの驚きを付け足した。「友よ」と、エメリックは切り出した。「頼みがある。レディー・ゼフリンをロスガーに同行させてくれ。彼女は遠くの国々での私の目と耳の役を務めてきた。そして私は、そなたの野望の行く末を何としても知りたい」

クログは再び笑った。周りを巻き込まずにはおかない笑い声だった。「自分の密偵をロスガーに連れて行けとおっしゃるのか?」またもクログは自身が多くの人が思っているような愚鈍なオークではないことを示した。彼がいつから私の正体を察していたのか考えてしまった。「ええい。彼女は愉快だし、食通だ。おまけにとびきりの美人ときてる。荷造りをしな。暖かい服を用意しておけよ。ロスガーの天気はちょっと肌寒いぞ」

そういう経緯で、私はクログの供をしてオークの国へと赴くことになった。

クログ王年代記、3巻The Chronicles of King Kurog, Book III

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

ロスガーへの旅は思っていたよりも愉快なものになった。クログは陽気で快活な道連れであり続けた。それどころか、生まれ故郷に近づくにつれ、ますます上機嫌になっていった。道々、多くのことを語り合った。その中には抑圧的で厳格な民族の伝統の一部を変革するというクログの夢も含まれていた。「大きな都市をいくつも作るんだ。多種族が暮らし、教育と文化の施設も用意する」とクログは言った。「そして料理だ。とにかくいっぱい料理を呼び込む。ただの食い物よりずっといい」

ついにロスガーへの国境を越えると、クログの仲間のオークたちは沈鬱で深刻な面持ちになった。彼らはクログに味方し、族長に刃向かうことの意味を承知しており、それがもたらす結果を覚悟していた。だが、それでも、破滅の可能性への行軍が気楽なものであるはずがなかった。一方、クログは快活さを保ったままで、むしろ子供のようにはしゃぎ続けていた。彼はこの時のために一生を捧げてきたのだ。そして運命にまっしぐらに突き進んで行く覚悟ができていた。彼のことが心配ではあったが、彼を友と呼べることが誇らしくもあった。そして、大胆なことではあるけれども、クログが誇らしげに馬に乗っている姿を見るだけで胸が高鳴るのを感じた。私はこのカリスマにあふれたオークの戦士に、多少は心を奪われていたのだろう。

ある時点で、クログは私の視線に気づいたようだ。オークらしい魅力的な笑顔を見せ、ウィンクをすると「族長になったら、妻の一人に加えてやろう。答えはいつでも構わん」と言った。私は顔をそむけた。赤面してしまったのに気づかれていないことを祈った。この馬鹿げた申し出を笑ってよいのか、激怒して叫ぶべきなのか分からなかった。しかし考えがまとまって話をつけようとしたときには、クログは籠手をつけた手を上げていた。「ここからは、」彼は言った「一人で行く」

ボラズガー族長はクログを待ち受けていた。オークの巨漢戦士4人が族長につき従い、怒りに燃えた目でクログを睨み据えていた。その後ろには、クラン全員と思われる人々がこれから起こることを見届けにきていた。「族長にひれ伏して許しを乞う気か、クログ?」ボラズガーが嘲った。「いや、今日はよしとく、」クログは陽気に答えた。「今日はクランの支配権を賭けて挑戦しにきた」

遠くからでもボラズガー族長が憤怒に身を震わせているのが見て取れた。「無礼者めが」族長は叫んだ。「公平な勝負で俺に勝てると思っているのか?ええ?」

クログは肩をすくめた。「正直言って、勝てると思ってる。あんたは太り、弱くなった。一方、俺は遠い国々で戦を続けてきた」
クログが言い放った。「実際、この戦いのどこが公平なのか分からない」

憎悪の塊を叫びに変え、ボラズガーは武器を抜き、突っかけた。まったく対照的に、クログは静かに剣を鞘から抜き、構えた。そして無駄のない動きで族長の力任せの一撃を受けると、強烈な一太刀を見舞った。ボラズガーの頭は三度跳ね、その選り抜きの衛兵のブーツに当たって止まった。

場は長い間静まり返っていた。そして最初の声が上がった、「クログ族長万歳」残りの人々もこの声に続き、順番に強大なクログの前に片膝をついた。彼は微笑んだ。「今日はオーシマーの新たな始まりだ!」クログが宣言した。「お前たちを栄光へと導こう!誓ってもいい!」

彼の言葉を信じたのが、私だけでないことは明らかだった。

クログ王年代記、4巻The Chronicles of King Kurog, Book IV

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

何年かが過ぎ去り、私はエメリック王とクログ族長の仲介役を頻繁に務めるようになっていた。この役目と族長との間の変わらぬ友情もあり、クログの身に起きた多くの重大事件を知る機会に恵まれた。さらに、事件そのものだけでなく、クログの考えや気持ちをも知ることができた。それというのも彼は私を信頼し続け、相談役を務めさせ、離ればなれになっているときでさえ手紙をくれるほどだったからだ。(だが、残念ながら、そういうことではない。彼の妻の一人となる申し出は受けなかった。クログは族長となって間もなく妻を集め始めた。厩舎の主が馬を集めるのと違っていたわけではない。だがそのことはまたの機会に書こう)

クログは数年を費やして権力を固め、クランに力を蓄え、自分の目標と理想を支持する族長たちと同盟を結んでいった。クログが大望の詳細を明かしたのは、およそこの頃のことである。「偉大なるヤシュナグの衣鉢を継ぎ、スカイリムに侵攻する」と彼は書き送ってきた。「ファルクリースでオークの王国を再興し、麗しのウェイレストに匹敵するオークの都を造る」。クログが北で活躍している間、エメリック王はハイロック中央部の問題と格闘していた。ショーンヘルムのランセル王がウェイレストに宣戦布告したのだ。王と密会した後、クログの元に向かわねばならないと意を決した。

ドラゴンスター付近でクログに追いついたとき、彼の軍勢はスカイリム西部の山脈に集結しつつあった。彼らは予想を越える困難に遭遇していた。ノルドは内戦で割れてはいたものの、有能かつ勇敢な戦士であることを見せつけた。ファルクリースへの道程は遠く険しかった。岩と雪はこの戦争が終わる前に両陣営の戦士の血に染まるだろう。ある晩、そばに腰を下ろし、燃え盛る炎を見ていると、クログはかつてエルスウェアで一緒に過ごした時のように腹を割って話してくれた。

「ノルドの奴らめ、」クログは言った。「少しは礼儀をわきまえて、武器を置いて道を空けてくれてもよさそうなもんだ。だが、そんなことは起こらない。敵対してないクランの連中は俺たちに賄賂を送って自分たちの手助けをさせようとする。俺たちが征服者だとは思っていない。傭兵だと思ってやがるんだ!ファルクリースの夢はこの雪と氷に打ち砕かれちまうんじゃないかと思い始めたとこだ。ノルドどもも、あいつらのハチミツ酒もクソくらえ!」

私はクログの膝に手を置き、静かに言った。「もし私が別の、もっといい夢を提案したらどうする?そしてその夢を実現する権限を与えたら?」クログはじっと私を見つめていた。そして立ち上がって、私を見下ろすと説明を迫った。答える代わりに、私は外套に手を入れ、皮の書類ポーチを引き出して、クログに手渡した。彼は炎の灯りで中身を読んだ。そして再び読んだ。さらにもう一度目を通した。それから、これは何かの罠なのかと尋ねた。私は罠などでないことを保証した。これは申し出だった。「あなたがエメリック王に手を貸し、エメリック王があなたに手を貸すの」と言った。そして私たちは夜更けまで話を続けた。

朝がくると、クログはすでにウェイレストへ復命させる要求のリストを用意していた。私は舌を巻いた。厳しい要求を突き付けてはいたが、エメリック王がランセルの戦争を一気に終わらせるために必要な力を貸すとも申し出ていた。エメリック王に書類を早急に届けると告げた。見返りとして、彼は自軍を待機させ、エメリックの号令に備えることを約束した。ただし、署名の入った文書を手にするまでは動かないとのことだった。

このようにして、オークがダガーフォール・カバナントに加盟し、クログはロスガーの王となった。

クログ王年代記、5巻The Chronicles of King Kurog, Book V

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

ロスガーのクログ王の妻の話をしよう。彼が妻を娶り始めたのは、ロスガーに戻り、ボラズガーを倒してクランの族長となってすぐのことだった。最初の選択は純粋に政治的なもので、妻を娶って他のクランとの絆を強固にするためだった。この頃、私はクログの母親であるアルガの存在に気がついた。母親のことは何年ものつきあいの間に何度か話に出てきたことはあったが、彼の人生に大きな影響を与えてきたようには思えなかった。少なくとも、傭兵暮らしの頃は大きな存在ではなかった。

クログがクランの族長となるや、母親は彼が考えつきもしなかった重責を務めるために立ち上がった。彼女は鍛冶の大母の称号を受け、息子の結婚交渉に奔走し始めた。オークの伝統に詳しくない方のために書くと、クランの中で妻を迎えることができるのは族長だけだということを理解しなければならない。族長の役割はライオンの群れのボスのようなもので、若くて強い者にその地位を奪われるまで権勢を誇ることになる。ちょうどクログとボラズガーのように。族長の妻は要塞の中で最高位につき、部族の重要行事を取り仕切る。一方、族長は距離を置いて監督することになる。略奪の指揮であるか、クランを投じての宿敵との戦争かに関わらず、族長自ら指揮する活動は戦争だけなのだ。

族長の妻の中で最も影響力を持ち、権勢を誇るのが狩猟夫人で、アルガが最初にまとめようとしたものだった。何人もの若き候補者がその地位を狙ってしのぎを削っているという噂が流れたが、アルガとクログの心にはすでに目当てがあった。最終的には、シャトゥル族の有力な娘が選ばれた。シャトゥル族はロスガー高地で名を馳せる狩人で、クラン間の同盟を確固たるものにするのが目的だった。ノロガは忠誠を誓い、狩猟夫人の地位に就いた。

クログに鍛冶と採掘を監督する鍛冶夫人を娶る時が来ると、アルガは武器と鎧鍛冶で名高いモークル・クラン以外には目もくれなかった。明白な選択はモークルの族長の長女で、アシャカというオークの乙女だった。だがアルガが強い関心を示したのはその妹のタグハだった。この娘は2年の間、領外に出て、スカイリム西部の鍛冶師について修業してきたのだった。その経験、現代的な気風、そして明らかな知性によって、彼女がクログとそのクランの鍛冶夫人の座を射止めたのだった。

有力なクランをもう一つクログの旗のもとに呼び寄せる以外に必須条件があるとすれば、暖炉夫人の役割は家事を上手にこなすのはもちろんのこと、ありきたりのマウンテンベア炒めの域をはるかに超える料理の腕が求められた。年代記の前の巻で書いた通り、食物はクログの情熱の対象だった。戦いと食事のどちらをクログがより好むかは私にとっても極めつけの難問だった。そういうわけで、オーク的なしとやかさと類まれなる才能を兼ね備え、妻としての重責を担える者を見つけるには何年もかかるかと思われた。しかし最終的にはクログがエメリック王の救援に向かい、ランセルの戦争を終わらせようとしている間に、一大コンテストが催されることになった。

クログが留守の間に、少なくとも私はそう聞いたのだが、鍛冶母のアルガがいまだクログと手を組んでいない有力クランの中からふさわしいオークの乙女を集め、暖炉夫人の称号をかけて腕を競わせた。彼女の命で乙女たちはクログがかつて臨んだどんな争いにもひけをとらないほど荒々しく血なまぐさい料理戦争に駆り立てられた。女たちは自分の食材を追い、仕留め、捌かねばならなかった。異国からのスパイスを確保するために争うこともあった。さらには完成した料理を制限時間内に披露しなければならなかった。アルガとクログの最初の妻のノロガとタグハが、各挑戦者の料理を審査し、クラン・ムルタグのバラザルが勝利した。腕力(彼女はマウンテンベアを素手で屠ったと伝えられている)もさることながら、繊細なスパイスを巧みに使ったことが評価されたのだ。

クログには数多くの様々な身分の低い妻がいたが、そのほとんどについては多くを知らない。彼女たちは裏方で、表に立つことがほとんどなかったからだ。しかしながら、そのうちの二人は常にクログのそばに控えていた。護衛を務める盾夫人である。屈強な戦士二人がクログの家でこの役割についている。オシュガサとラズベラという戦士の姉妹だ。姉妹は互いに忠実で、また王にも同様だった。必要とあらばいつでも王を守るために身を投げ出す覚悟ができていた。ノロガとタグハですら、盾夫人の前では行儀よくしていた。

追記:各婚姻がクログと様々なクランとの結びつきをある程度は強化したものの、クログが王の称号を手にしたことで、娘との婚姻によってクログの傘下に加わった族長の一部が心変わりをしたことを指摘しておくべきだろう。族長たちは姻戚関係の手前、大っぴらにクログに反対することはなかったが、公に彼をオークの王として認めてはいなかった。このことを、きっと予想に難くないだろうが、クログは極めて不愉快に思っていた。

クログ王年代記、6巻The Chronicles of King Kurog, Book VI

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

さて、数ページを割いてロスガーとオークの国に関するクログ王の壮大な構想を記録しておきたい。その計画がとりとめのない夢物語から、構想の核となり、やがてオルシニウムの再建を目指す戦略へと育っていくまで、何年にも渡って聞き続けた。

知り合ったばかりの頃のことだが、あるときクログは驚くほど大量の濃厚ムーンシュガーラムをあおり続けていた。そのせいで内省的、かつ恐ろしく饒舌になっていた。ところどころ微笑み、タイミングよく笑いをさしはさみ、また時にはお世辞と質問を交え、クログにたくさんのことを打ち明けさせた。そして夜が更けるにつれ、彼はオーシマーにかける夢を語りだした。オーシマーとは我々がオークと呼ぶ種族に彼が付けた名前である。

「要塞」。クログは言った。「あれは何世代にも渡ってオーシマーの役に立ってきた。だが伝統は、我々を助け導く一方で、足を引っ張りもする。時代錯誤な考えや無意味な規則で身動きが取れなくなる」。無論、話はそれだけではなかった。暴力の必要性を理解し、その卓越した使い手でありながら、彼は要塞の中ではあらゆることが暴力と殺人で解決されていることを嫌っていた。「大事なことを穏便に話し合うことがとても難しいんだ」と彼は嘆いた。「なぜなら、遅かれ早かれ誰かが重い物や鋭い物を手に取って、自分の意見を貫き通しちまうからだ。何かを変えねばならない」

次にこの話題が出たのは、糖蜜茶を飲みながらテンマー・フォレストへと沈む夕日を見ていた時だった。クログがこの件について以前に話して以来、色々と考えていたのは明らかだった。オーシマーの暮らしを向上させることに加え、今や政治的にも人々を高みに引き上げようと考えていた。「古い掟に囚われているようでは、他の王国はまともに取り合ってくれやしない、」と言った。その声にははっきりと苦悩がにじんでいた。「現代的な社会を築かないと、他の種族と対等に張り合っていくことはできないんだ。オーシマーの街や都市を作らねばならない。外交と貿易が行われ、古めかしく、抑圧的な要塞に見えないものをだ。同世代の仲間に畏れられるのは悪くない。交渉の時には大いに役立つ。だが恐怖を植え付けるような態度と振る舞いはどうだ?それは敵のために取っておくべきものだ。いつも出しっぱなしにしておいて、敵味方なくビビらせるためのものじゃない」

エルスウェアでの最後の日のことだった。私はウェイレストへ帰る支度にかかり、カジートの地方に長期滞在するのもこれで最後か、と思っていたところに、クログからディナーの誘いがあった。クログは近くの宿に個室を予約し、そこのシェフに二人のための別れの晩餐を用意させていた。干したシュガーミートとキャラメルをかけたスウィートケーキをほおばっていると、クログは故郷に帰って如何にして人々を助けるかという話の続きを語りだした。「過去の栄光を再建するつもりだ。おそらくファルクリースにあったヤシュナグの古代オーシマー王国を再建するか、オルシニウムの遺跡そのものを発掘することになるだろう」

クログの夢は目標となり、その気骨と魂の力を試すべく、自身に課した試練となった。それはクログがロスガーに帰還し、クランの族長としての地位を、彼を追放した「生意気なリーダー」(彼の言葉で私のではない)から簒奪することから始まる。そして他のクランの族長を彼の旗の下に従え、独立した小国で構成された国家を築くのだ。十分な大きさと力を持ったオークの王国を打ち立て、クログはその国の王として仰がれる。「エメリックに伝えておけ。次に会うときは対等であるか、さもなければ敵同士だとな!」クログは言った。「俺の治世で、オーシマーはウェイレストやウィンドヘルムの市民が享受しているあらゆる権利と機会を持つ。古いやり方を捨て去り、新たな時代の夜明けがオーシマーに訪れるのだ。これが俺の誓いだ!」

否定はしない。クログの言葉、情熱に胸を打たれた。彼が成功し、そのよき治世の下でオークが台頭し、繁栄すると信じたかった。彼が語ってくれたことを忘れはしない。後日、エメリック王がどうしても援軍が必要になったとき、私はクログのことを思い出し、エメリックに耳打ちした。こうして同盟が誕生した。

ゴーラーの日記 パート1Gorlar’s Journal, Part One

スコゾッドの聖域として知られる伝説の遺跡にたどり着いた。間もなく、スコゾッドのように強大で不死の死霊術師となる夢は実現する。偉大なる者は私の才能を見抜き、その願いを認めて下さるだろう。私が死者の秘密を学ぶことを熱望している同志だと分かって下さるだろう。

古の伝統に則り、自ら作ったゾンビを遺跡に送り、来訪を告げ、弟子入りの志願をした。それが昨日のことだったが、遺跡からの返事はない。大いなる者を怒らせてしまったのか?私の創造物の出来がよくなかったのか?

もう待てん!暗闇のゴーラーを無視するなど許せん、それが偉大なるスコゾッドであってもだ!しきたりを破り、招かれなくとも遺跡に行く。そうすれば大いなる者も対面せざるをえまい。伝説と対峙したその時に、果たしてどちらが軽んじられるべきかはっきりするだろう。

ゴーラーの日記 パート2Gorlar’s Journal, Part Two

偉大なるスコゾッドだと?ハ!奴はペテン師だ。実体のない幻だ。伝説のスコゾッド、国中で恐れられている不死の死霊術師に拝謁にきたというのに。この深い落胆は想像もできまい。スコゾッドなどいない。いるのはゴーラーだけだ!

噂の不死身の者はただの病み衰えた老いぼれオークだった。老齢と病で衰弱しきっていた。生意気な子供ほどの力もなく、私を畏怖させるどころか、明らかに奴の方が私に怯えていた!ほとんど労せずして奴のアンデッド軍団を奪い取り、聖域の所有権を奪った。惜しむらくは怒りと落胆のあまり、思わず衰弱した老いぼれオークを殺してしまったことだ。私に教えられる秘術があったとしても、奴はアシェンフォージへ持ち去ってしまった。

いや待てよ…

死体を蘇らせるだけでなく、生前の知識を抜き取る方法を編み出せないものだろうか?少なくとも時間潰しにはなる。

面白い。若いオークがやってきた。どうやら、こいつもスコゾッドを探しにきたようだ。ふん、暗闇のゴーラーは戦利品を分かち合ったりしない。スケルトンどもにあしらわせ、仕事を続けるとしよう。

コールドウィンドの頭蓋骨Coldwind’s Skull

トラグ王は存命中、ロスガー最強の雪熊を味方につけた。雪熊は幾多の戦場で王を騎乗させ、その速さと冷酷なまでの勇猛さで「コールドウィンド」の異名を取った。

しかし長い年月が流れ、コールドウィンドは弱っていった。トラグ王は北の彼方に彼女のための巣を見つけてやった。そこで雪熊は眠り、食べ、連れ合いを見つけ、その血統を継ぐたくましい子熊を数多く残し、ついには年齢には勝てず亡くなった。トラグ王は巣の一部を墓に作り変え、忠実なる友人を埋葬して封印した。

ある日、彼女が復活するという噂が流れた。再び目覚める兆しが、彼女の頭蓋骨に現れるという。こんなことができるのはロスガーの英雄だけだ。ただの伝説かもしれないが。

ザンダデュノズの心臓Heart of Zandadunoz

初代オルシニウム崩壊後の暗黒の時代、邪悪なタイタン、破壊者ザンダデュノズがロスガー南部を恐怖させた。追い詰められたオーク達は、ザンダデュノズに仕え信仰を捧げる教団まで設立した。

ザンダデュノズの信徒は、このタイタンの名の下で異端者としての活動を行った。同時に、他の戦士達のグループがタイタンを抹殺しようと集結した。スルズ・グロー・ファルンは五十人団を率い、ロスガー南部を守るべく身を捧げた。

果てしない戦闘が数週間続いた後、スルズの部隊は教団に勝ったが、多大な犠牲を払った。スルズは生き残ったわずか12名とともに、「名誉の休息地」に隠れたザンダデュノズを攻撃した。炎に身を焦がされながらも、タイタンの胸から激しく脈打つ黒い心臓をもぎ取り、オークの英雄となった。この心臓は聖句箱に姿を変えたが、オブリビオンからタイタンを呼び起こし、再びオーシマーを脅かす可能性があると言われている。

シャーファムの手紙Sharfum’s Letter

父さん

がっかりさせてしまうだろうから、夜のうちに旅立ちます。父さんに見つからないうちに。

行先は見当がつくでしょう。新しい都です。トリニマクの神官になることにしました。

スネッグを責めるでしょうけど、それはやめて。これは自分で決めたことなの。理由は、私がずっとオークであることを恥じてきたからよ。他の種族がショーンヘルム、ストームヘヴン、ダガーフォール、モーンホールド、エバーモアといった街を構え、強大になっていくのを横目に、オークは家もなくみじめなまま。オルシニウムでは、もうみじめな思いをしなくてすむの。

この手紙を目にするのがいつであれ、そして父さんがどう思おうと、父さんをいつも愛している。そして父さんのことを恥ずかしいと思ったことなんて一度もないことは覚えておいて。

あなたの娘、シャーファム

スコゾッドからの手紙Letter from Thukhozod

愛する息子へ

この長い年月の間どれだけお前に会いたかったか、言葉では言い表せない。きっと健康で強く育っているだろうと想像している。まだ乳飲み子だったお前を置いて行かねばならなかった理由は、ヤゾガから聞いていると思う。私の聖域は子供には合わないし、私の仕事は父親であることを許さない。私がロスガリアン山脈で最も恐れられる唯一無二の死霊術師スコゾッドであるということも、ヤゾガから聞いている頃だろう。彼女はそう教えるよう言われていた。

だが彼女は話の半分しか知らない。実は私は唯一無二のスコゾッドではない。最も近くその称号を受け継いだオークに過ぎない。私の本名はクログールで、ウェイレストの靴屋に生まれた。スコゾッドの名を私に引き継いだのは大叔父で、今度は同じようにそれをお前へと引き継ぐ。

私は老い、もう長くないことは分かっている。お前がスコゾッドになれば、アイレイドの遺跡はお前に反応し、ここの生き物たちはお前に仕える。それだけでも今まで想像しえなかったほど強大な力となるが、一番の宝はその名前だ。「スコゾッド」の名を聞くと誰もが恐怖で震え上がる。お前に文句をつけてくる奴はいなくなるだろう。

権利を継承するのに必要なことは、お前の血を私の血と混ぜるだけだ。この手紙に私の血を染み込ませているから、そこに自分の血を垂らすだけでいい。私と同じくらい、継承した力を楽しんでもらえることを願っている。

父より

スコゾッドの伝説The Legend of Thukhozod

おお、なんという伝説を作りあげてしまったのか!強大にして不死、そして死霊術を極めしスコゾッドに一体誰が挑もうと言うのか?スコゾッドは現在も、過去も、そして永遠へと続く存在だ。何百年も前に現れ、秘密の聖域を築き上げ、儀式と実験をひっそりと行ってきた。近隣の住民に畏れられ、族長や戦士長と付き合い、死者の霊魂と語らう。

今、永遠のスコゾッドとして30年という節目を迎えた。そこでこの汚らしくちんけな秘密を書き記すことにした。スコゾッドは一人だけでなく、無数にいた。そして私は代々続く強力な死霊術師の末代でしかない。

最初のスコゾッドが元のスコゾッドだ。彼は大望と夢を抱くオークの死霊術師だった。彼は三クラン戦争に参加した時、自身は不死身であると謳った。シャトゥル・クランの勝利に大きく貢献したことで、その功績を称えられた。しかし次に起こったことを彼が意図していたとは思えない。むしろ息子のグラゾズの手柄というべきだろう。

スコゾッドが唐突に死んだ時、息子にして見習いだったグラゾズは、事件を隠し通すことにした。彼は父の遺体を処分し、その父に成りすました。そのようにしてスコゾッドは生き続け、不死への行進が始まった。

我が祖先のオーク一人一人が刻まれたリストは何ページにも及び、この聖域の奥深くにある隠し金庫に保管されている。その中には少なくとも二人の娘が含まれている。自身の真の性別をまったく悟らせずに父の役割を引き継いだのだ。今、この忌々しい病に身を蝕まれながら、我が息子、コルゾスの到着を待っている。母親のヤゾガはあの子に自身の遺産を伝えているはずだ。これを書いている間にも、ここに向かっているはずだ。息子が新たな人生へと踏み出すのを手助けできるくらい、健康な内にたどり着いてくれるとよいのだが。

スコゾッドの腕当てThukhozod’s Bracer

オーシマーの伝説の中でも、偉大なスコゾッドの伝説ほど尊ばれ、恐れられている伝説は数少ない。この偉大かつ強力な死霊術師は、不老不死なのか、何世代にも渡って存命した。もちろんどの伝説も、偉大なスコゾッドについて1人のオークが見たり聞いたりしたものだ。彼の隠れ家を探したと言う者は他に5人いるが、この謎の人物の痕跡は見当たらなかったという。

伝説の死霊術師の真実が何であれ、彼のさまざまな物語で、左腕に装着している貴重な腕当てについて語られている。魔力はないが、美しく人目を引くという。オーシマーの栄光の館にとっては、貴重な追加展示品となるだろう。

スティボンズのやることリストStibbons’s To-Do List

– 装備をアルファベット順に整理する
– 食料を栄養価別に分類する
– 朝食にパン、チーズ、ドライフルーツを用意する
– 火で体を暖める
– レディの下着を洗濯、乾燥する
– アルコール飲料が十分かどうかを確認する
– 十分なアルコール飲料の1本を飲む
– キャンプ内の除雪をする
– キャンプ用に夕食の魚のシチューを用意する
– レディに野菜を食べさせる
– レディの下着の氷を溶かす
– (ここは寒すぎるため!)火が熱く燃えているか確認する
– 歴史的な相違点をカースサンと議論する
– レディの博物館への報告書を校正する
– レディの櫛とブラシを大きさ順に整理する
– レディの旅枕を膨らませ、寝袋を折り畳む
– レディのふわふわな枕の上に砂糖漬けの木の実を置く
– 明日のやることリストを書く

ゼイシャラの1つ目のメモZayshara’s First Note

残ったのは今やゼイシャラだけ。隠れ、祈り、泣く。

アジンは私の幼いエルザールが、この寒さや呪われた丘をうろつく化け物から生き延びられたはずはないと思ってる。あの子がはぐれたのは天の慈悲だと言う。エルザールはこの猛烈な吹雪の中で身をまるめ、安らかに眠り、やがて寒さで息を引き取っただろうと。

だけどアジンは間違っている。母親には分かる。

あなたのために残しておくわ。ちょっとした魔法の贈り物。覚えてる、ミストラルのおうちでこの者が色や渦を呼び出して笑わせてあげたでしょ?あなたが柔らかな手で叩いていたおもちゃが消えて、また現れたでしょ。おかしな詩やお話を眠る前にささやいてあげたでしょ?

こういう思い出の中で、あなたは私に会えるでしょう。私には分かる。

ゼイシャラの2つ目のメモZayshara’s Second Note

私たちはバーンダリ。旅する者。けれど必ず暖かな砂地に戻ってくる。灰色ではなく、緑の地へと。柔らかな声と笑いが聞こえる。アジンはいつだって必ず私たちのもとに帰ってくる。そしてエルザールが育ったのを見て笑う。旅ができるほど大きくなったぞ。そう言ってあなたを放り上げる。あなたが喜んで笑うから。

そうして旅をして商売をしてきた。私たちは交易の腕と、遠く様々なところへ旅をする力で一目置かれている。遠くまで旅をするから、この不思議な世界を他の人々よりずっと多く目にしてきたと思ってる。月は私たちの旅路を見守って下さる。

すべてはうまくいっていた。ロスガーにくるまでは。寒さ。危険。死。危険な生き物に襲われた。ウスリが古い遺跡を見つけ、そこに駆け込んだ。避難するつもりだった。ウスリとシュラが火をおこし、この者はあなたを探した。来る日も来る日も探したのよ、私のかわいい坊や。

風と雪はあなたの痕跡を消し去ってしまっていた。

でも母親には分かる。私のエルザール。あの子は生きている。他の人たちはこの者を憐れみの目で見る。悲嘆にくれるアジンですらそう。でもこの者には分かる。あなたにまたおかしな話ができるって。ゲームをして、あなたが笑う声をまた聞くことができるって。

母には分かる。

ゼイシャラの3つ目のメモZayshara’s Third Note

長い静寂の中、この者の心は悲しみで満ちている。希望だけが、いえ、希望の記憶がこの者をこれほど長い間支えてきた。熱にうなされて夢を見た。私のかわいい坊やが大人になっているのを。バーンダリの商人となり、がらくたや安物で誰かのポケットの金をせしめようとしている。

いつの日か、エルザールはこのゲームを見つけてくれる。覚えておいて。あなたの母のゼイシャラは悲しみの中でも、微笑みながらこれを作ったの。遺跡の中の闇と寒さの中、このささやかな魔法が幸せな記憶を照らしてくれた。

あなたはバーンダリ・クランの商人の息子。旅と駆け引き。それがあなたの血なの。あなたの遺産よ。

双子月があなたを照らし、祝福してくれるように。

センチネルからの積み荷はお断りNo More Shipments From Sentinel

お前がその特技に秀でていることは分かっている。それが名前の由来で、それを周囲に知らしめたいんだろう。

しかし、サソリはロスガーの気候に慣れていない。奴らは必然的に、最も暖かい場所——ここで唯一まともな屋外便所に向かう。バーズンガクは松ぼっくりみたいなのに手を伸ばして手を失いかけた。

雪の中での仕事を強いられたら、お前に砂は使わせない。屋外便所からサソリがいなくなるまでセンチネルからの積み荷は拒否する。

管理者

ツェンガナズの目Eye of Zthenganaz

ツェンガナズの目は、ギアのような車輪の上に備え付けられた大きな宝石で、言い伝えによると、第一紀の初めにオークの要塞を調べに来たドワーフによって作られた。オーシマーとドゥエマーの衝突や敵対行為については、記録でも口承でもほとんど残っていないが、この目の伝説には、どんなことが起こりえたか、いくらかヒントが含まれている。

ある物語によれば、オークの呪術師である呪い作りのシュラグが、奇襲時にこの目をつかみ、呪いをかけた。それからというもの、これを卑しい目的で遠くのオークの要塞を覗くために使うと、頭をおかしくさせる異様な光景が見えるという。

ルキンダレフトの遺跡周辺でシュラグが死ぬと、この目は歴史から消えた。

トラグ・アグ・クラザックTorug ag Krazak

ゴルトラッガ・トラグ・ネ・ムリムシュ・ロチャン・シム

ゴルトラッガ・トラグ・ネ・ロヒ・オルニム・ロチャン・ノルギム・クラザック

* * *

ゴルトラッガ・トラグ・デク・ヴォルキム・ロラク・エブ・ノルギミン・シム

トラグ・ダラグ・クラザック・エブ・ジュル・ウゴ・シム・レン・タム・ベシュカー

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トラグ・ゲシュ・グラシュン・ズグカ・ウゴ・マジカ・ロリシュ

ウバ・エブ・ウバ・ウルガリック・ヴォシュ・オルニム・タラスク・トラグ・ゴルザルガ・ウベシュカ

トリニマクの家庭用偶像Trinimac House Idol

この第一紀後期の古代トリニマクの家庭用偶像は、初代オルシニウムの時代にもトリニマクを熱心に信仰していたオークが、家庭内の私的な信仰としても実際に存在したことを示している。

こうした小さな像は純金製で、トリニマクに捧げる野獣を様式化した形をしている。家内安全と安らぎをもたらすもの、そして個人信仰の中心的存在として家の中に安置された。この時代のものとしてトリニマクの印を持つ金色の熊、豚、ヤギ、さらにはホーカーまでもが見つかっている。

古代トリニマクの崇拝施設であるパラゴンの記憶の周囲は、長年に渡ってこれらの小像の産地となっていた。現存する偶像を回収できる可能性が最も高い場所だ。

トロールの脂肪の使い方基礎講座101 Uses for Troll Fat

うう。今日もまたオルシニウムだ。クラヴェル。正直に言うが、早いところオーリドンへ帰らないと狂ってしまうかも知れない。

この街で商売してる商人どもは恥知らずばかりだ!オークの露天商が何を売りつけようとしたか信じられまい。何気なく根菜とスノーベリーの詰め合わせを見ていたんだ。ちなみにどれもしなびて悪くなっていた。すると、歯のない商人が器に盛った脂肪を私の顔に突き付けた。器に山盛りの脂肪だ。信じられるか?それが伝説のトロールの脂肪だとかそういうでたらめを並べるんだ。誰がそんなものを買いたがるんだと尋ねると、彼はしょぼついた目を怒らせた。トロールの脂肪についてもっと知りたいか?今や私もエキスパートだ。

トロールの脂肪はタムリエルで最も高濃度な脂肪だと知っていたか?ホーカーの脂肪よりもだぞ。知らなかったろう。どうやら、この脂肪は優秀な潤滑油になり、特に寒い気候では理想的なものだそうだ。そしてロスガーが寒いことはよく知っているよな?

鎧がくたびれて見えるって?じゃあこの気色悪い脂肪を使ってみろ。タムリエル中を探したってトロールの脂肪よりいい研磨剤はない!湿布や他の様々な薬としても使える。窓枠に塗れば害獣避けにもなる。乾燥させれば気持ちの悪いジャーキーにもなる。煮ればとても強力な接着剤にだってなる。吸血症すら治癒できる!知らなかったな。

奴が寝室でのトロールの脂肪の様々な使い方を話し始めた時、失礼させてもらわざるをえなくなった。
それからマラキャスと話すときにも使えるとも言っていたな。それだけはちょっと面白いと思った。どうやら、トロールの脂肪をマラキャスの偶像に塗りたくれば、デイドラ公と話ができるそうだ。これは試してみないとな。なんで彼の緑の子供たちが、こんな粗悪品を売って回ってるのか聞いてみたい!

もう1週間ここを試してみるつもりだ。エチャテレチーズやマンモスの胃袋シチューをあと一度でも勧められたら、バルケルガード行きの船に飛び乗って帰る。お前がいようがいまいがな!

ドワーフライトDwarf Light

ドワーフの遺跡は、ロスガーのどこよりも意外な場所にある。オーシマーは鍛冶屋と職人の種族として昔から、ドゥエマーの発明品に魅了されてきた。

オーシマーの歴史と複雑に絡み合ってきたそうした遺物の1つが、不思議なドワーフライトだ。民話によると、ウルボク・ルーインウォーカーが、秘密のドゥエマーの遺跡で炎の必要ないランターンを見つけた。だが、そのランターンを所持した者には不幸が続いたらしく、ランターンを持って夕暮れの散歩をしていたウルボクは穴に落ち、首を折った。

ボックとシャビフク兄弟の逸話もある。兄弟は悪名高いこのドワーフライトを使って、ニジャレフト・フォールズ周辺の探索を試みたが、それ以来、兄弟とランターンは行方知れずとなった。

ナルシス・ドレンと失われたノートNarsis Dren and the Lost Notebook

あなたがこのノートを見つけたのなら、私が置き忘れたということだ。またしても。このノートが高名なトレジャーハンターにしてダンジョン探検家のナルシス・ドレンの物であることを覚えておいてくれ。恐縮だが、モーンホールドに足を運ぶことがあったら、フラミング・ネッチというコーナークラブのオーナーに届けてほしい。必ずや私の手に届けてくれるだろう。たとえ次の冒険がどこであろうとだ。

さて、仮に「ナルシス・ドレンと追放者の墓地」と呼んでいる冒険の記録を自ら執筆する羽目になっている。それというのも、書記兼見習いが外で待つことにしたからだ。彼女のために言っておくと、キャンプで待つように言いつけたのだ。だが、これまでその程度のことで私の側を離れたりすることは滅多になかった。今度に限って言いつけを守るとは!まあ、いい。考えを書き残したことがないわけじゃない。今日のような有名で人気の探検家となる前のことだが。こういう趣向も面白いかもな!

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このクソッタレの墓地を何時間もうろついている!面白い古代ノルドの遺物を色々目にしたが、ここは地下室と石棺だらけだ。しかしこの墓地で見つかるはずのお宝は影も形もない。そのお宝とはドラゴンプリーストの仮面だ!手掛かりを調べ上げた結果、ドラゴンプリーストがこの場違いな埋葬場所に絡んでいるのは間違いない。結局のところ、そうでなければどうしてノルドがお気に入りのスカイリムから遠く離れたところにこんなものを建設したんだ?諦める前に、もう少し捜索を続けねば。

* * *
ふむ、予想もしなかったことだ。何を触ったのかはっきりしないが、何かをしてしまったに違いない。ノルドの死体が目覚め始めた!しかもドラウグルだ!私がどれほどドラウグルを苦手としてるか分かるだろうか。それはな、本当に心底嫌っているんだ。ほとんど召使のボーフリーのクモ嫌いと同じくらいだ!脱出して新たな作戦を考えねばならない。それに近隣の村にも警告をしておかないと。人には親切にしないとな。

ニコルヴァラの小屋の規則Rules of Nikolvara’s Kennel

1.ビーストマスターのいないところでヅラゾグに餌をやろうとしないこと。

2.常に腕と脚に防護用の革を着けること。

3.ヅラゾグの目を直視しないこと。

4.許可されている歌:酔っぱらいの犬、隠れ家の冬、魔術師の顔面にパンチ

5.禁止されている歌:好色なアルゴニアンの侍女、ヅラゾグを囲んで

6.ヅラゾグが檻から逃げ出した場合は捕らえようとせず、その場で殺すこと。

7.ヅラゾグは犬ではない。「スポット」や「ローバー」のようなニックネームをつけないこと。

8.油断は死を招く。

9.口笛を吹かないこと

ヌザヴァの金床Nuzava’s Anvil

金属細工師の初期クランの中で、最も尊敬された金属細工師の一人がモークル・クランホールドのヌザヴァだ。篤く尊敬されたこの鍛冶夫人は、モークルの武器や鎧の特徴的なスタイルを決定づけた。

腕前を買われて引っ張りだこだった彼女は、要塞間の移動のお供として持ち運べる、旅用の特製金床を持っていた。その金床に刻まれた精緻な彫り物は、秘密のルーンではないかと疑う者も少なくなかった。彼女はそうした噂を一笑に付し、自分の技は魔力で高めるまでもないと言ったが、噂は消えなかった。

真偽はともかく、伝説ではヌザヴァの金床を使おうとした鍛冶屋の誰もが仕事中、事故に見舞われたという。槌が壊れ、金属が粉々になり、誤って指を強打することさえあった。ヌザヴァは異国への長旅から戻る途中、金床もろとも姿を消した。氷の岸から彼女はすぐに帰ると伝言をよこしてきたが、彼女が現れることはなかった。

ネラモの日記、1ページNeramo’s Journal, Page 1

格言は正しいのかも知れない。成功とは成功した者にとっての不幸であり、成功できなかった者にとっての死であるというやつだ。プライドと虚栄心のために道を誤った気がしている。またしても。

オークは頑固で疑り深いが、皆よくしてくれた。その彼らにどう報いたか?コンストラクトの大群をけしかけ、ドゥエマーの機器で採石場を埋め尽くしてしまった。

彼らは採石場で懸命に石を切り出し、大いなる都を築こうとしていた。貴重なグレイストーンがもたらされるたびに、私はゴールと身の破滅へと招き寄せられていった。狙いは最初から彼らを遺跡へ誘導することにあった。採石場の下に遺跡が眠っていると確信していた。伝説上のドゥエマーの遺跡、ムジンダインが。派手な名前がついた(後に思い知らされたが)極めて危険な遺跡だ。

入口を見つけると同時に、ドゥエマーのオートマトンの大群に襲われた。奴らは息ができなくなるガスを撒き散らしながら現れた。どうやら防衛機構のようだった。採石場の作業員はシャベルやつるはしで身を守ろうとしたが、あっという間に制圧された。叫びがあちこちで上がり、混乱を極めた。私が辛くも生き残れたのはコンストラクトの性能を熟知していたからだった。幸運なことに、その知識を駆使して狩猟夫人シャボンの娘も守れた。

とはいえ、私は教訓から学ぶことができないようだ。経験がもたらすはずの知恵をつかみ損ねてしまうのだ。この遺跡の秘密を探り出さねばならない。オークたちの犠牲を無駄にしてはならない。

ネラモの日記、2ページNeramo’s Journal, Page 2

遺書としてこの数ページを書き残すことにした。確かに縁起でもないが、発見を世界に伝えねばならない!

自分の愚かさで採石場の善良なオークを死なせてしまった罪悪感に打ちのめされている。だが、それよりも後ろめたいのは、この遺跡で新たな発見があるたびにささやかな興奮を覚えていることだ。代償を知りつつも、探険にこのような喜びを覚えてしまうのは不謹慎だろうか?

ここまでくれば学術的な価値があると言ってもいいだろう。残されたのは仕事だけだ。採石場の作業員を生き返らせることはできないが、機器の拓本やサンプルを持ち帰ることはできる。遺跡は宝の山だ。これほど危険でなければ言うことはないのだが。

ネラモの日記、3ページNeramo’s Journal, Page 3

さらに深くへと歩み入る。遺跡の奥深くから凄絶な叫びが聞こえた。最も恐れていたことが確実になった。何かが住み着いているのだ。時を超えた何か。不死身の危険なものが。いや、ひょっとして、とてつもなく古く、メンテナンスの必要な機械がきしむ音を立てているのかも知れない。前者の方がよりドラマチックで詩に向いている。時がくれば分かるだろう。

これを見つけてくれた人よ。私は自らの愚行の果てに死を迎えることになったが、それでも平凡な最期よりはよかった。心からのお詫びとお悔やみをオークたちに伝えてくれ。とりわけ愛らしいシャボンに。彼女と仲間たちを巻き込んだことを、すまなく思っていると伝えてくれ。

それから、兄弟に伝えてくれ。いつも気にしていたと。財産はすべて彼に譲る。もちろん、私が生き延びられたら話は別だ。

ネラモ

バロス・ブラッドタスクの装身具Torc of Baloth Bloodtusk

オルシニウムのワイルドボアーと呼ばれたバロス・ブラッドタスクは、ロスガーの敵と戦った。特に、ブレトンとレッドガードの侵略軍と。

彼の伝説の装身具、槌をつけた重い鎖は突き刺してくる剣をそらし、レッドガードの攻撃から自らを救った。しかし鎖は切れ、装身具は現在「名誉の休息地」と呼ばれる場所の近くで歴史の中に埋もれている。

フォールズの警告Warning at the Falls

これを見たら、彼らに警告しろ。オルシニウムに警告しろ。

フォールズには工房がある。ニジャレフト・フォールズだ。そこのコンストラクトは動く。彼らは疲れ知らずだ。彼らは止まらない。そして彼らを破壊したら、それ以上のものになる。そのまま放っておいたら、じきにそのコンストラクトがオルシニウムを行軍し、私達全員を破壊する恐れがある。

フォールズを避けろ。あるいは軍を派遣し、滝の下に埋もれた遺跡を破壊しろ。

オルシニウムの命運がかかっている。

フロストブレイクの聖杯Frostbreak Chalice

フロストブレイク要塞は、元々ロスガーの奥深くにあるブレトンの要塞で、兵士達が放棄して以来荒れ果てていた。オークのクランがたびたび移り住んできたが、じきにこの遺跡にはブレトンの亡霊が取り憑いていると言って出て行った。

マラグ・クランを率いるガスツォグ族長は退散を拒否し、自分用に指揮官の兵舎を設けた。彼は要塞の印が紋章として描かれたゴブレット、フロストブレイクの聖杯を愛用した。というのも、この杯で飲んだものはすべて復活の力を持つと信じていたからだ。

他の族長達もこの伝統を続け、この古代の杯にまつわる偉大な伝説は高まっていった。噂では、リーチの戦士長ウルフォン・アイスハートがこの地を引き継いだとき、気に入りのワインをこの杯で飲み、味がまずくなると言った。すると要塞から外に吹っ飛ばされ、近くの雪の中に沈んだという。

ヘンリサ船長へのメモNote to Captain Henrisa

船長

いつも通り、任務の詳細は息子に教えずともよい。エシアンは真面目だが、冷徹な思考が求められる状況を乗り切る強さに欠けている。お前が艦隊の入港を遅らせるつもりなのはあれも知っている。息子と結婚したがめつい女が、緑の野蛮人どもの手に飛び込むのが遅れれば遅れるほどよい。エメリックの顔を潰してやりたいのだ。目下の者に平和と繁栄をもたらそうという奴の夢を打ち砕いてやりたいのだ。だが、それがうまくいかなかったかチャンスが訪れたのなら、私のトラブルをすべて解決する方法で、レディ・ソヴェレを片付けてくれて構わない。

ただ、うちのバカ息子にはすべて伏せておいてもらいたい。あれの軟弱な心が砕けてしまうだろうからな。

失敗は許さんぞ、ヘンリサ。

マテーレ男爵

マイルナへの手紙Letter to Mairrna

マイルナへ

なんてこった!みんなどこに行ったんだ?グラリシャン、エンゴテイン、マネシュタ… 先週まで一緒に飯を食っていたのに、今では一人も見つからない。ここ何日かで脱走者が異常に増えているか、何かとてつもなく悪いことが起こっているか。どちらかだ。

ここでは人がどんどん減り、鳥がどんどん増えている。しかも変な鳥だ。もしや、鳥が人を喰っているなんてことはないよな?後で話そう。今からウチュイラン戦士長と会わねばならない。彼が説明してくれるかもしれない。

ファスクーン

マクセヴィアン王の命令King Maxevian’s Orders

監視人の砦の騎士へ

この任務は決して喜ばしいものではないが、極めて栄誉ある任務だ。我が軍はオークに打ち勝ち、その首都を壊滅させ、土地を支配した。生き残った者は地域のあちこちへ散り、僻地の要塞や、さらなる遠方へと逃亡している。

だが戦いは終わっていない。獣たちが故郷に戻り、王国の再建を試みる日はやがて来る。何があっても、それを許すな!ロスガーの監視を途切れさせてはならない。オークが再び現れた時は、奴らを打ち倒すのだ。

監視人の砦で、5年間の任務に就いてほしい。任期終了後、騎士を派遣してお前たちをダガーフォールへ帰郷させる。この約束は必ず果たす。

王家と国への奉仕に感謝する
マクセヴィアン王
第二紀434年、薪木の月10日

マクセヴィアン王への手紙Letter to King Maxevian

ダガーフォールのマクセヴィアン王陛下

最大の敬意を込め、ここに再び手紙を書かせていただきます。

剣を持てるようになった年からずっと、この監視人の砦で任務に就いてきました。24年もの間、私と同胞は監視を続けております。王と国への愛は変わらずとも、食料や物資が減るにつれ士気も下がる一方です。このままでは、監視態勢が長く持ちません。

どうか、我々をこの任から解いていただけないでしょうか。

あなたの忠実なる従者
オレント・レテン隊長
第二紀458年、降霜の月27日

マグナーの正体The True Nature of Magnar

敵を知ることは敵を打ち破る第一歩だ。

マグナー・ベアストームは、またの名を子供喰いのマグナーという。奴はロスガー全土の群れを少なくとも50年に渡って率いてきた。その若い頃のことはほとんど知られていない。奴が人間の姿をしているのを見た者はいない。奴が子供であったことはないという者もいる。ハンティング・グラウンドから爪で道を切り裂いて現れた時、成長しきって憤怒に満ちていたという。

マグナーが初めてロスガーの山地に現れた時は、大勢の子供を真夜中にさらった。食べるためだったと思われる。騎士団は奴が子供たちを最初の群れの構成員に仕立て上げた可能性も排除してはいない。どちらの可能性がよりショッキングであるかは何とも言えない。

マグナーとは二度戦った。二度とも危うく死にかけた。奴は取り立てて敏捷でも、気配を消すのに長けているわけでもない。そんな必要はないのだ。最後に立ち向かった時、私の剣を少なくとも三度はまともに喰らったが、ひるみもしなかった。このために騎士団の一部には奴が不死身だと思っている者もいる。奴がハーシーンの化身で、月の野獣に姿を変えているのではないかという者すらいる。みんな与太話であるのは言うまでもない。よく聞け、新入り。マグナーは生身だ。奴を殺してそれを証明してやる。

ヴォラス・ナイトアイズ

マッド・ウルカズブルの氷の彫像Mad Urkazbur’s Ice-Effigy

歴史が過去に追いやられることはない。重要な出来事が起こるに伴い毎日作られる。例えば、オーガの呪術師マッド・ウルカズブルの脅威について見てみよう。このオーガの長老は残忍な獣の中で強いリーダーとして頭角を現し、ロスガー北部の荒野に小さな軍を編成した。

このいかれたオーガは屈強な仲間達を統率するだけでなく、雪と氷を操る魔法の持ち主であるという話が伝わっている。そんな彼の目覚ましい能力の1つに、氷で自分の付呪複製を作りあげる力がある。こうした彫像は最初子供の人形並みに小さいが、成長し、味方として戦ってくれるほど大きくなる。

現在の危機的状況を脱すれば、博物館は行事を祝うために喜んで氷の彫像を展示するだろう。きちんと付呪する前に回収すると、彫像は小さく凍ったままになる。ここ最近の危機的状況に対して絶好の遺物だ。

マテーレ男爵からの手紙Letter from Baron Materre

息子よ

ウィンドヘルムの密偵からの報告によると、ジョルン王が交易隊をオルシニウムに遣わしたそうだ。オークの街には奴らが先に着くだろう。パクトの下種どもに上級王エメリックが喉から手が出るほど欲している交易権を奪われるのを見過ごすのは悔しいが、ロスガーの緑の獣の相手をするくらいならノルドの方がマシだ。我々のような真のブレトン貴族はエメリックの真意がどこにあるのか、カバナントや他の計画にはどういう意図があるのか考えざるを得ない。

お前の妻は愛らしい女性だ。間違いなくな。だが彼女の政治観は野蛮人どもの利益を真のブレトンに優先している。彼女に正しい道を選ばせてやりなさい。真のブレトンなら、ロスガーはブレトンが治めるものだと心得ている。オークに褒美としてくれてやるものではない。

お前が心配しているのは分かっている。しかし、自分の意見は胸にしまい、父の言葉に従え。すべてうまくいく。

父、マテーレ男爵

リークル族長王の笏Scepter of the Riekr King-Chief

「族長王」を自認する屈強なリークルが近頃、オルシニウム北東部を震え上がらせている。彼が使う古代の笏は、かつてロスガー北部で繁栄したオーガク・オーククランの初代族長、クロスが作ったと博物館は考えている。オークのクランにとって力と権威のシンボルであり、「族長王」も同様の使い方をしたらしい。

この歴史的な遺物が下等なリークルの手に渡っている間、オーシマーは安らげない。下等なリークルがどんなに屈強でもあろうとも。

レディ・ローレントのやることリストLady Laurent’s To-Do List

– スティボンズに装備をアルファベット順に整理させる
– スティボンズに食料を栄養価別に分類させる
– 朝食を食べる
– スティボンズに汚れた下着を洗濯させる
– 探検隊の生き残りに演説する
– 明日行う、次のトラグの祠行きの計画を建てる
– 夕食を食べる(スティボンズが魚のシチューを作ることを期待して)
– 歴史の詳細についてカースサンと(再び)議論する
– 博物館への毎日の報告書を書く
– 魔術師ギルドとテレンジャーからの書簡を見直す
– ナルシス・ドレンとヴァノスたちからの手紙に返信する
– 次の分の回顧録を口述してスティボンズにすべてを書き出させる
– 気に入りの櫛とブラシで髪を100回ブラッシングする
– 手が疲れたら、スティボンズに髪をブラッシングさせる
– 就寝前に捜査官ヴェイルの新章を読む
– スティボンズがいつも枕に置いている砂糖漬けの木の実を探す
– 明日のやることリストを書き出す
– 私が就寝できるための仕事をスティボンズがすべて終えたか確認する

ロスガーの鳥Birds of Wrothgar

アリノール・バードウォッチング協会の副会長、ハイネリスによる観察日誌。

第二紀582年 降霜の月3日
まだロスガーに来て数週間だが、独特の珍しい鳥をたくさん見つけるという希望は叶わないかもしれない。今のところ、見つけたのは一握りのカラスや鶏だけだ。タムリエルの他の地域で見られるものに比べると少し大きめではあるが、それ以外に特徴的といえる点はなさそうだ。

第二紀583年 恵雨の月15日
もう6ヶ月以上、ロスガーの凍った荒地を散策し続けてきたが、記録するにふさわしいものは何も見つけていない。もう帰る準備を始めることにした。

第二紀583年 恵雨の月19日
暗い夜を乗り越えた後には、必ず朝日が昇るものだ!諦めかけていたそのとき、我が協会の歴史上最大ともなりうる発見をした。

昨日ロスガリアン山脈のとりわけ辺ぴな場所を歩いていたら、遠くでアオホオジロの鳴き声が聞こえた。気のせいに違いないと思いつつも、調査してみることに決めた。

ホオジロの声を追っていくと、次第に他の鳥の鳴き声も聞こえてきて、人里離れた洞窟へとたどり着いた。入口をのぞき込んだだけで、アオホオジロ、カナリア、カーディナル、それにミドリサンジャクまで確認できた。これほど多種の鳥が同じ場所に生息しているのを私はかつて見たことがない。

明日は洞窟の奥へと入っていく。一体何が見つかるだろうか?今までの人生でこれほどワクワクしたのは初めてだ

悪鬼の儀式Rites of the Abomination

棘と血。
ブライア・ハートの手足が揺れる。

羽と恐怖。
ブライア・ハートの手足が目覚める。

骨と爪。
ブライア・ハートの手足が殺す。

死ね、ブライア・ハート、そして再び生き返れ。

王の使者の最期Royal Messenger’s Fate

マルク卿へ

エメリック上級王の王の使者は死んだ。移送中に起こったことだ。壁が崩れ、使者はトロールに掴まれた。何が起こったか把握できる前に死んでいた。

上級王がオークにオルシニウムを再建させるなど大きな嘘に思えるが、どれだけ問い詰めても使者は同じことしか言わなかった。使者が死んだ今、我々が立派に仕事を終えられる希望はないのだろうか?

我々に希望はあるのだろうか?

永遠の警戒を
エマス卿

王のなぞなぞThe King’s Riddle

背が高く勇敢な、鎧を着た兵士はどこだ?
剣を手に、覆われた墓に眠る。

斧と弓を持った狩猟夫人はどこだ?
熊の爪にやられた。

黄金の剣を持った騎士はどこだ?
深い川で怪物と戦っている。

壊れた玉座に座る王はどこだ?
騎士も兵士も彼の家を守らない。

テーブルには何もなく、骨すらなく、
王は悲しみ、常に孤独だ。

王の命令The King’s Orders

愛しい盾夫人へ

ムートへの道はすべて封鎖しろ。まもなくことを起こすが、何にも邪魔されたくない。

玉座の間の扉を封鎖した後は、立ち向かい私に楯突く相手と戦うため、愛しい盾夫人の力がいる。特に、裏切ったあのよそ者には気をつけろ。

よそ者に注意しろ。そしてソルグラ大司祭に対処するために派遣した兵士と合流し、ムートへの唯一の道を封鎖しろ。彼女をヴォシュ・ラクのリーダーとした後は、一刻を争う状況になる。

まもなくオーシマーが、1つの旗の下に集う。クログ王とオーシマー国の旗だ。そのとき、我々は他国と対等な国家になるだけではない。他国を上回る国になるのだ。

愛しい妻よ、この日を忘れるな、今これから歴史を作るのだから!

お前の王

恩赦の提案Offer of Amnesty

監視人の砦を占拠している者たちへ

ダガーフォール王室の記録を見返している学者たちによると、今君たちのいる場所には、大昔に騎士の集団が派遣されたそうだ。彼らはオークたちのオルシニウム再建を永久に防ぐよう命じられた。

私は新しい王として、状況が変わったことを知らせなくてはならない。オークは信頼すべき味方になり、私はオルシニウムの再建を許可した。

君たちの長く辛い見張りは終わり、帰還すべき時だ。オークの旅人への強盗や殺人を止めるように。

この申し入れと共に王の使者を送ろう。完全なる恩赦と、これまでの仕事に見合うだけの金の入った箱を届けさせている。活動を止め、オルシニウムのオウファ軍曹の元へ向かうこと。この命令に従えなければ、獅子の守護団を派遣して君たちを殲滅する。

エメリック上級王

火の使用Application of Flame

火の元素のマスターであるグラグズが続けているメモがある。

火が新参者の誤った考えを浄化する。

不服な者に特定の石を使って立たせるのは、この過程の重要な部分である。瞬く間に熱くなる石もある。そのため最初に、痛みを非常に激しく急に引き起こすことで、動転して聞く耳をもたなかった新参者も論理的に考え、ヴォシュ・ラクの流儀を受け入れる。もっと丸くて大きい石はもっとゆっくり熱くなることで、新参者に状況を理解しやすくさせ、明快な考え方と正しい選択に心を開かせる。

最新の徴募で選ばれた候補者124、125は有望だ。2人とも期待どおり粘り強い。まず最初は、個人的に火を使わせないで、単純な障壁の技術を試すつもりだ。もっと高い火の壁を使うべきだとアズヌラに言い張られたが、潜在的な恐慌レベルを操作することで、改宗がより成功しやすくなると強く感じている。125は解放を懇願する可能性が高く、最初に改宗するだろう。彼女は戦士の有力候補だ。

候補者121、122、123:2人は改宗プロセスを乗り越えられなかった。123は軽いやけどを治癒師に手当てしてもらっている。手当てが終わったら、ガントレットにふさわしい候補になるだろう。

候補者119、120:パニックを起こした。119は生き延びたが、気が弱い。忠実な召使としては有能だが、組織でそれ以上の地位には就けないだろう。訓練と手引きはよそに任せた。

候補者118:前の候補者4人に何が起こったか見た後、火への恐怖がすぐに現れた。このやり方の有効性を調査すべきだ。私には決して理解できない理由で、火を恐れる者は少なくない。生まれつきの臆病さみたいなものかも知れない。

候補者114、115、116、117:個人に適用する段階まで全員が抵抗した。各人とも改宗に成功し、現在は治癒の最中だ。

候補者113:気絶して火の中に着地し、誰にも気づかれないまま死亡。どう見てもトリニマクとは無縁だ。

我がヒスイの姫へ捧げる頌歌Ode to My Jade Princess

ボラサッドによるあるオークの愛の詩

我が愛しき者、我が愛しき剣、我が愛しき貴婦人よ。
あなたの柄頭は、装甲手袋のように我が手にしっくりなじむ!

我らが楽しみを決して退屈なものにしないことを約束する
彼の頭蓋骨を砕いたときでも!

我が貴婦人の姿は、大理石を刻んだ像のよう、
一目見ただけで、情欲に満たされる。

我が愛の剣は、鋭くしてはならない、
カーテンの暗がりで我らが抱き締め合うときは!

あなたの切なる愛がそばにある限り、
我が心が恐怖の感触を知ることはない!

改宗の状況Conversion Status

最新の徴募兵達は大きな可能性を秘めている。基本的な仕事しか与えられない者も多いが、数名は戦士にとって大きな力になるかも知れない。改宗が済んだら、忠誠心を確認する。

各徴募兵の名と地位は以下のとおり。

バーベシュ・グラムホランク。徴募後、合併症で死亡。

アシュバー。信者で、我々の仲間に加わるため自発的に来る途中だったと言っている。忠誠の部屋に送って試す。

ソルク。料理人。改宗プロセス待ち。単細胞?その振りをしている?痛い目に遭えば真実が分かるだろう。

ウンスラグ。治癒師らしい。治癒師は必要だが、彼女には改宗が必要だ。ウシェナトに引き渡し、しばらく冷凍庫で、我々の大義を言い聞かせてもらう。

ガハール。魔術師。呪文で徴募官を1名殺した。ウシェナトの冷凍庫のもう1人の候補。

シャルダガン。ちょっとした職人だが、気が強い。こちらのやることなすことに反抗してくる。グラグズに引き渡して鍛冶場で修正させる。

ラザーシャ。彼も職人だ。逃げられた。ハーピーに殺されたはずだ。

モルシャナ。武器の腕前はすごいが頑固者だ。改宗が必要。グラグズの候補の1人?

バタシャ。強情な老女。杖を使う。動きが用心深く遅い。有能な召使になるかも?改宗待ち。

ドゥルダン。ちょっとした工芸作家。臆病なようだ。丘で徴募の荷馬車から落ちて行方不明になった。おおかたエチャテレの群れの餌食にでもなっただろう。

監視人の誓いThe Watcher’s Pledge

祖先の剣にかけて、監視人とマクセヴィアン王の正当な後継者に忠誠を誓う。これより監視人の法と規則に則り、監視隊長とその代理が下す如何なる命令も疑うことなく、躊躇せず、忠実に実行する。オークが石を積むことを許さず、人、エルフ、獣であろうと、あらゆる敵から砦を守る。

この誓いに躊躇なく身を捧げ、死を迎えるまでこれに従う。

監視人の報告書Watcher’s Report

監視隊長殿

旧都市の動向が活発になっているのに斥候が気づきました。遺跡の奥へと踏み込み、状況を調査する許可を求めています。知っての通り、オークどもがここ最近、大量に流れ込んできています。新たな集落を作るつもりかも知れません。手をこまねいて、奴らを居座らせる隙を与えるわけには参りません。

マリーン軍曹は先週の襲撃で捕えたオークを尋問しています。どうやらあの野蛮な部族の間に何らかの不和が生じているようです。主導権争いのように思われます。あの獣どもが街へ舞い戻るつもりならば、戦争を覚悟しなければなりません。オークに石を積むことを許すわけにはいきません。誓いに従って行動せねばなりません!

警戒を怠らない部下
ジェラール隊長

看守からの手紙Letter from a Prison Guard

親愛なるヤトレラへ

我が愛しき姉妹よ。調子はどうだ?王を自称する大口叩きに良い印象を与えようと相変わらず頑張っているのか?お前が自分は幸せだ、ホーカーを愛していると言うのは分かっているが、彼をどう見ているのかが分からない。クログが我が族長の盾を磨くことはできなかったし、彼もそう思っているのは確かだ。少なくとも、お前も以前はそう思っていた。

どのみち、私は今もファルンの牢獄を守っている。この単純な案がクランの利益の中心になるとはずいぶんな驚きだ。族長が雇ったブレトンの職人が巨大な施設を作ったのが明らかになったならば、周辺の全クランに対して、牢獄サービスの提供を申し出るのは当然の成り行きだ。どんなクランでも、好ましくない者を追放したり、公然と殺したりせずに投獄を望めば、ファルンの牢獄の一角を借りられる。お前の自称王様が、その半分でも優れた案を思いつくことはありえん!

ここではあらゆる種類の者がいる。私は殺人者、盗賊、殺し屋、暗殺者を監視している、彼らは、精神錯乱者と悪党が興味深い具合に融合している。とてもおとなしく礼儀正しいオークの女さえいて、1度も面倒を起こしたことがない。だが彼女が一番怖い。彼女には絶対に背中を向けないことにしている!

上の要塞で、ちょっとした騒ぎが起きているようだ。状況を確かめに行った方がいいだろう。ああ、それとヤトレラ、お前が戯れるのが好きだったシロクマのぬいぐるみはまだ持っている。送ってほしいか?はは!危険でしぶといというお前の評判がきっとガタ落ちするな。ホーカーの盾夫人の一員になる可能性が台無しになりかねない。ふむ。考えてみれば、いい案だ。次のオルシニウム行きのキャラバンに託して送ろう。

お前の兄弟、
ロアゴス

館長による優先捜索遺物のリストCurator’s List of Sought-After Relics

最初の憲章:西部の山中で行方不明になったもの。

ドワーフライト:伝説でランターンが一番最後に使われたのは、ニジャレフト・フォールズ周辺の探索においてである。

ウズビダクの兜:古代にファルン峠で起きた戦闘のさなかに行方不明になった。

トリニマクの家庭用偶像:私的な信仰に用いられる古代の小像。最後に目撃されたのはパラゴンの記憶近郊。

グスラグの仮面:最後の持ち主は、ファルン要塞の族長の目。

フロストブレイクの聖杯:噂では、ウルフォンの手下の一人によって回収され、要塞の塔の下に隠されているという。

アグラ・クルン:マラキャスの信徒が用いた血染めの盾で、ロスガーの荒野で行方不明になった。

ヌザヴァの金床:持ち主は、モークルのスタイルを決定づけた伝説の鍛冶屋ヌザヴァ。帰国途中に氷の岸で行方不明になった。

サグボによるクランの地図:破壊された歴史的文章を復元したが、オルシニウムへの道中で行方不明に。

ザンダデュノズの心臓:タイタンの聖句箱になり、「名誉の休息地」近くで行方不明になった。

バロス・ブラッドタスクの装身具:「ワイルドボアー」が首にかけていた重い首飾り。現在「名誉の休息地」と呼ばれる場所の近くで行方不明になった。

獣の角笛:破壊され、おそらく旧オルシニウムの遺跡かその近くに眠っている。

百人隊長の印章:パラゴンの記憶周辺で行方不明になった。

スコゾッドの腕当て:死霊術師によって授けられ、彼の聖域に隠されていると考えられている。

水銀:かつてアージェント鉱山の奥深くから採掘された稀少金属。

黒い羽ペン:伝説の吟遊詩人の筆記道具で、コールドパーチ洞窟にまつわる言い伝えがある。

ツェンガナズの目:付呪したドワーフのアイテムで、ルキンダレフトの遺跡周辺で行方不明になった。

碧水晶の槌:クリスタルの塊から彫り出され、旧オルシニウムの遺跡で行方不明になった。

族長王の笏:オークの遺物で、現在の持ち主は下等で屈強なリークル。

マッド・ウルカズブルの氷の彫像:オーガの長老の1人によって作られた。

メモ:長く失われたトラグ王の仲間の最高の遺物は、ロスガーの真の英雄にしか取り戻すことはできない。最も価値のある者のみには、準備が整った時に館長から接触があるだろう。

救援願いA Plea for Help

お前に連絡しようとしている。そう、お前にだ。存在しない紙に言葉を書くことは想像以上に難しい。

白い光。俺の周りには白い光がある。

俺は生きているのか?夢を見ているのか?これは色のある部屋か?

助けてくれ。俺は家に帰りたい。頼む。

ダリアン

狂信者の命令Fanatic’s Orders

聖堂前を監視せよ。彼女の命をすべて果たすには時間がかかる。だから不審なものに目を光らせろ。

何か怪しげな動きがあったら合図しろ。こちらへ自力で来るはずだ。

愚かな兵士のほとんどは魔術師ギルドの上にある入口を知りもしない。仲間の誰かが出入りすることを考えて、開けたままにしておく。

王の兵士が事態を飲み込む頃には任務を果たし、消えているだろう。ともかく、一瞬たりとも気を抜くな!

兄弟の贈りものA Brother’s Gifts

兄弟

あなたにこの手紙が無事届くことを願っている。そもそも私達は親密なわけではないのだし。あなたがオルシニウムへの招待状を受け取ったとき、私はあなたを愚か者の使い呼ばわりし、残って一緒に父の仕事を手伝えと言い張った。あなたから最初の贈りものが届いたとき、私が間違っていたとあなたに手紙を書きかけた。あの金が潤沢に入った袋が店を救い、義理の兄弟と姪を数週間食いつながせたの。

2個目の贈りものが届いたとき、興味を引かれた。まぎれもない好奇心よ!あのマッドクラブのような脚。あのかわいい鼻と毛に覆われた背中。あの愛くるしい生き物は、ウェイレストから旅してきた裕福なブレトンに、どうしても欲しいと言われて売った。大金が手に入った。またしても、私がずっと間違っていたと手紙を書きかけたけど、思いとどまった。

数週間たって、思いとどまってよかったと思う。

彼らの姿が見えるより先に、そのにおいに気づいた。巨大なとさかを持つ獣を引っ張ったあのウェイレストのブレトンが、うちの屋台のカウンター越しに叫んだ。この獣に彼の上等なシルクシャツを食べられたから、チップを上乗せして金を返せと。あの怪物は今や大きさが、牙のある巨大な雄牛並みで、ブレトンの家の柱に頭突きするのを好み、危うく倒壊させそうになったそうよ。

幸いにも、執政官はこの論争で「買い手が用心すべき」と言って私に有利に判断した。

この野獣が何であれ、送りつけてくるなんて大馬鹿よ。もう送らないでいいから。

愛とキスを込めて、
姉妹より

追伸。でもお金は気にせずもっと送ってね。

継続中の仕事Our Continued Labor

このところ聖なるリーダーから命令を受けていない。だが、私達の仕事は重要だ。続けなくてはならない。闇の王の望みは、大立石を維持して何も変えないことだ。ご存じのとおり、その点で我々は闇の王の望みを裏切った。

黒き虫に尽くしてきた私達のクランは、その問題の修正を迫られている。罪滅ぼしが必要だ。私達には古代のパワーストーンを盗んだ報復として、オルシニウムを略奪するほどの兵力はない。彼らは私達の石を街の建設に使い、錨すら下ろさないうちに建物を建て始めた。私達は一からやり直し、ドルメンを改めて作らないといけない。

* * *

ようやく相手と連絡が取れた。再建できる場所を見つけたら、タイタンのザンダデュノズが個人的に守ると約束してくれた。そして再建するだろう。これを私の遺産としよう。もしも私が亡くなったら、黒き虫のクランにこの仕事をさせてくれ。

だから私は言った、放っておいてくれと。

月の歌The Moons Rhyme

小さな月、微笑みのように、
黄金の様式で沈む。

小さな月、金ぴかの双子、
大きく、にんまりと笑う。

高い月、気高き月、
天高く、早く沈む。

3つの月が夜に見える、
なんと奇妙な光景か。

月を規則通りに置け、
小さな、静かな泉のそばに。

高い月、微笑む月、そして金ぴかの双子、
正しく置けば、ゲームはあなたの勝ち。

古代ノルドの石板Ancient Nord Tablet

アーソシースへの敬意を表して
全ての日々を捧げ、
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その後さえ奉仕しようとする誇り高き意志に敬意を表す。
  死と共に

交易許可証Permit of Trade

この交易許可証の正当な所持者である商人、ナマディン、トラボフィア、ジャロレーは、提携先として認められ、オルシニウムの街で書籍や関連アイテムの売買専用の場所の設立を許可されている。

オルシニウム公認の売買人として許可されるのと引き替えに、上記の商人達は、街内の取引を規定するあらゆる法律を遵守し、納付金と税金を期限どおりに支払い、この合意の一環として供給される施設を適切な方法で修理、維持することに合意する。

王の取引評議会が提携先に授ける、包括的で譲渡できない免許は、上記の権利と特権を、有効な一年の間最大限に利用できる。この提携では、免許や地所をこの合意に定められた以外の目的で利用することはできない。

この合意による権利や特権の行使、あるいは納付金と税金の支払いを不履行、遅滞した場合、この合意を期限前に取り消すことができる。

この許可証が不備なく利用された場合、双方の合意によって再び期間を更新できる。

黒い羽ペンThe Black Quill

口承の伝統と物語に大きく依存してきた文化のため、オークの大半はものが書けない。伝説の語り部のラゾサは、その例外として有名だ。

吟遊詩人のラゾサは、その時代最高の語り部であることに満足しなかった。自分の物語が後世に残ることを確実にしたかった。そのためハイエルフの魔術師に、ハグレイヴンからむしった黒い羽に付呪するよう頼み、黒い羽ペンを作らせた。

この黒い羽ペンで書くと、どんな物語でも忘れられることはなかった。少なくとも伝説ではそう伝わっている。ラゾサは、この付呪した羽ペンを見習いに譲った。こうして受け継がれていった最後の持ち主は、コールドパーチ洞窟近くで失踪した。洞窟は、黒い羽をむしられたハグレイヴンの住みかだったのだ。

最初の憲章The First Charter

トラグ王は、単なる新たなオークの集落にとどまらないものとして、最初のオルシニウムを建設した。文明と繁栄を誇る壮大な街を構想したが、オークの文化を反映、発展させた形を望んだ。そのため、街の運営を規定する権利、特権をまとめ上げ、現在「最初の憲章」の名で知られる文書を作成した。

「最初の憲章」には、トラグ王がオークの暮らしにおいて最重要だと考えたことが書き残されている。初代オルシニウムの崩壊後、「最初の憲章」は破壊されたと信じられていた。しかし言い伝えでは、その文書は襲撃者の戦利品として現存しているそうだ。襲撃者は沿岸への帰還途中に殺され、文書は西の山々のどこかで行方知れずになっているという。

採石場への採掘命令Quarry Work Order

オルシニウムの王にして大族長、全ロスガーの戦士長クログが以下を命ずる

——クラン・タムノッシュのグレイストーン採石場から最上級の石材を50、最初の狩りの終わりまでに届けよ。

——加えて同等の石材100を年末までに届けよ。

約束手形での先払いとし、この発注書に添えて送る。石材の納品が完了した時点で、約束手形は石材の市場価格の125%に等しい金と交換できるものとする。

命に従わない、または完遂できなかった場合、クラン・タムノッシュは深刻な影響を被るであろう。

採石場監督官の苦情Quarry Overseer’s Complaint

ラマシュ族長。この醜い山羊の息子め。どうやって150の石材を来年中に採掘しろってんだ?普段の生産量のほぼ倍じゃないか。

なんでトリニマクを信じる奴らの街から仕事を請ける?先祖の顔すら覚えていない上、他人に自分の仕事を押し付けるような輩だぞ。

そんなに石がほしけりゃ、人手を寄こせと言え。部下の一日の仕事量はすでに限度を超えている。いくらオークでも不死身ってわけじゃない。この分だとみんな年の瀬までに死んじまうぞ。過労死したら、お前のせいだからな!

採石場監督官ヤダール

獣の角笛Horn of Beasts

ロスガーの呪術師である野歩きのズブルガトは、自らの少なからぬ力のすべてを野獣の角笛に込めていた。オルシニウムを「トラグの愚行」と呼び、生涯の大半に渡って避けたが、攻城戦開始後まもなくして街に現れた。

野歩きとゴルカール王は互いをあまり好きではなかったが、王は獣の角笛を快く受け入れた。ズブルガトは「月の周期ごとに1回までしか使ってはならない」と警告し、去って行った。王は角笛で、熊やエチャテレなど多くのロスガーの野生動物を召喚して集め、街の壁を守らせた。

攻城戦の初めの頃、角笛は戦争の行方に大きな影響を与えた。だが残念なことに、王が月の周期に3回使うことに決め、3回目を吹いた時、角笛にひびが入った。角笛は今も旧オルシニウムのどこかに眠っていると言われる。

書物と写本の目録Catalog of Tomes and Manuscripts

目録の項目は、東側の壁から始まり、南、西へと続く。

1.オークの喜び:オーシマーの人々の料理表現。
2.フィクション:ロスガーの人々による、あるいは人々についてのほら話。
3.宗教:崇拝と神に関するオークの考え方についての論考。
4.エルフ:タムリエルの弱々しいエルフについてのエッセイ。
5.オルシニウム建設:再建設プロジェクトに関する文書。
6.ブレトン:ブレトンの民の歴史。
7.タムリエル:世界の地図と概要。
8.ロスガーのクラン:オークのクランの歴史とシンボル。
9.クリーチャー:ロスガーの動物と怪物。
10.クラフティング:鍛冶、縫製などの一般的なクラフトについての論文。
11.禁止事項:下品な話題や性的な話題の取り扱い方。
12.ゲーム:オークの余暇の過ごし方で人気のものを数多く詳述、ヴォシュ・ボール、「叫ぶまで尻尾を切れ」などを含む。
13.不明?既存の分野への分類が難しい本。

傷んだ監視隊長の日記Ruined Watchmaster’s Journal

(文章の多くがシミのために判読不能)

第ニ紀442年 薄明の月24日

最後の声明から何ヵ月も経ち、騎士たちに動揺が広がっている。砦を捨てることを声高に叫ぶ者もいる。すでに兵士2名を扇動のかどで鞭打ちに処した。体罰だけでは間に合わなくなる日が近い気がしている。

第ニ紀459年 恵雨の月2日

下級将校3名を反乱未遂で絞首刑にせざるを得なくなってしまった。反応は割れていた。一部の部署の者は改めて服従を誓ったが、レテネ隊長には人望があった。次の計画を阻止するのはより困難になるだろう。ジスボーンを補給係に昇進させ、武器をすべて施錠して保管するよう命じた。反乱分子を探り出すまでの措置だ。この不快な思いもダガーフォールからひとたび救援がきさえすれば瞬く間に終わるだろう。八大神よ、お助け下さい。どんな犠牲を払おうとも、任務は死守する。

第ニ紀460年 蒔種の月12日

ジスボーンと私は砦と青白き監視者を救う策を考え付いた。どうして今、紙に書き残しているのかは分からない。罪の意識のせいだろうか?計画が実を結んだら、このうしろめたさも報われる。

ジスボーンとその副官は精巧な文書を偽造した。文書はマクセヴィアン王の後継者からきたことになっていて、我々の勢力を無期限に維持するように命じている。うまくいくかも知れない。兵士の多くは内密に結婚し、変化のない日常を営んでいる。この種の行いは通常の軍隊の規律に背いてはいるが、好きにさせている。結婚、子供、安らぎ、日常… こういったことが冒険心を殺し、根を固めさせてしまう。兵士が軍人としての覚悟を維持し、指揮系統を守るのならば、大目に見ておこう。

第ニ紀471年 暁星の月5日

震える手でこれを書いている。死は思ったほど遠くないようだ。

ジスボーン、警備隊(この日誌も)は間もなくお前のものになる。何年もの間、この衰弱した部隊が健全になるように世話を焼いてきた。お前の指揮下で部隊はきっと栄えるに違いない。

努力を続けよ。伝統をつなげ。ダガーフォールの栄光を守り、オークに再建を許すな。これが過去も、今も、そして今後も我々の誓いだ。誓いを守らせるのだ。八大神がお前と、青白き監視者をお守り下さるように。

小屋の世話係の手紙Kennel Tender’s Letter

テルフォーへ

ようやくここロスガーで仕事にありつけたよ。華やかじゃないが、給料は十分だ。上司は「ヅラゾグ訓練師ニコルヴァラ」と呼ばれているビーストマスターだ。言いにくいだろ?君には言うけど、変な人だよ。少し頭がおかしいのかもしれない。だが動物の扱い方は一級品だよ。正直、人より動物の方が好きなんじゃないかと思ってる。

言ったように給料は十分だが、楽じゃない。ここの獣たちは今までに見たことないくらい獰猛なんだ。ヅラゾグはガメット爺さんの犬を倍の大きさにして、3倍危険にした感じだ。この間は手を噛みちぎられた男を見たよ。木からリンゴを取るように、いとも簡単にね。でも大丈夫、細心の注意を払うよ。

近々、金を送る。ギルダから目を離さないようにして、鶏の餌やりも忘れないようにな。

愛しき兄弟
フィリップ

乗客の日誌:海難事故Passenger’s Log: Disaster at Sea

7日目

エルセリック海の温暖な海域はハイロック北岸の冷たい抱擁へと変わった。この地域に適応できるのはオークやホーカーぐらいのものだ!砂浜は雪と氷に覆われた岩礁へと変わった。なぜこんな海域を航海しているんだ?船乗りでなくたって、オルシニウムがこんな凍りついた沿岸にないことは分かる!

8日目

身を切るような突風のため、ほとんどの乗員と乗客は甲板の下で身を寄せ合うことになった。吹雪が近づいてるのは確実だ。それも猛烈なものになるだろう。だが大使は気を揉んでいるようには見えなかった。あの女性は悪臭ただよう湿ったダンジョンですら、日の光を見つけられる。

9日目

ああ、気のせいだったらどんなによいことか!吹雪が船団を飲み込んだ。しかも猛り狂うブリザードだ!帆は凍りつき、マッドクラブ大の雹が恐ろしい勢いで甲板を叩く。船団が雪と霧で散り散りになったのではないかと気が気ではない。雪と霧はあまりにひどく、数歩先すら見通せない。吹雪がすぐに止んでくれるか、避難できる場所を探せねば、船団は座礁するか互いに追突してしまうだろう。

にもかかわらず、ヘンリサ船長は自信があるようだった。船乗りたちは彼女を高く買っていて、恐怖に度を失うようなことはなかった。少なくとも今のところは。

浄化師サイラスへの手紙Letter to Purifier Cyrus

浄化師サイラスへ

銀なる暁教団が危険にさらされている!子供喰いのマグナーとその野蛮なウェアウルフの群れの隠れ家を探す旅で、恐ろしい情報を入手してしまった。マグナーの群れが教団を狩りにきている!

最後に捕らえたウェアウルフを殺す前に、詳細を吐かせることができた。マグナーの群れは教団の一員をアージェント鉱山まで追跡したそうだ。今もマグナーの群れが鉱山の近くで集結し、教団の心臓部を襲撃しようと企んでいる!

鉱山を整え、防御を強化し、通路を補強しろ。マグナーの群れが来るぞ!この知らせが間に合うと良いのだが。

斥候アバライン

浄化師の日記Purifier’s Journal

銀なる暁教団の歴史は第二紀428年、クリムゾンムーンの呪いとして知られるウェアウルフ危機がハイロックを襲った時代までさかのぼる。最愛の息子ジャロンが獣の呪いにかかったことをきっかけに、銀斧のアデリザが設立した。彼女は村を救うため我が子を殺すはめになったのだ。彼を追悼すると同時に教団の結集点を作るため、我らの永遠のシンボルとなる旗をアデリザは糸と毛糸と涙で編んだ。教団への献身を示すため、自分の血も何滴か入れた。それ以来指揮官となった者は全て、自分の血を旗に垂らすことで伝統を受け継いできた。

やがてアデリザの下で教団は強力な勢力へと成長した。彼女は教団をロスガーへと連れていき、作戦基地を建てた。この場所を我々は今でも本部として使っている。かつてアデリザの家族を大金持ちにした銀鉱山、アージェント鉱山は、銀なる暁教団の秘密基地となったのだ。我々は今でもそこから武器や防具を作るための銀を掘り出し、神聖なる旗は浄化師の間に置いている。

私の任期はわずか6年前に始まったのだが、とあるウェアウルフとその野蛮な従者たちに悩まされている。子供喰いのマグナーが群れを結集したのだ。奴らはロスガーとハイロックを荒らしまわり、襲撃と略奪を行い騒乱を巻き起こしながら、その非道で野蛮な一族に加入する者を探している。

中でも子供喰いのマグナーはオブリビオンの最も腐った場所に幽閉されるべきだ。その名前は、一般人を脅かすためだけのものではない。実際に子供の柔らかい肉を好み、そのようなものを持ってきた群れの狩人には褒美を与えている。銀なる暁とマグナーの群れは戦争状態にあるといっても過言ではない。両側で犠牲者が増えているが、斥候が群れの隠れ家を発見できると期待している。そうすれば最後の襲撃をかけ、マグナーと子分たちを永久に駆逐できる。

職人のメモArtisan’s Notes

あのノルド達が現れたとき、面倒を起こしに来たのだと思った。だが、彼らは洞窟施設での作業のために、私を始めクランの者達を雇うと決めた。なるほど。金が出続ける限り、このオークは文句なく司祭や信徒のために働くだろう。たとえこちらが彼らのことを、少し薄気味悪く感じたとしても。

* * *

これほど精緻な浅浮き彫りを彫るのは初めてだ。彫った一連のパネルを通して1つの物語を語る極めて困難な作業だ。しかし、ぜひ私にと司祭に言い張られたので、全力を尽くした。司祭は物語を向上させるための提案さえ受けれ入れてくれた。

* * *

仕事はもう少しで終わる。この場所で作業を終えられれば嬉しくなるだろう。仕事は興味深く、報酬もいいが、埋葬室を作っていることに気づくと、疑念が頭をもげ始めた。私のクランは死者がそばにいると落ち着かない。それに司祭にも不安を感じた。不思議な表情をしている。だが、私はこの石を完成できることが誇らしくてたまらない。万事順調にいけば、明日には担当した部分が終わる。家に帰れるのだ。

* * *
土壇場になって司祭から、私が完成させたばかりの大きな浅浮き彫りの、小型版を4つ作るよう要求された。交渉の末、浅浮き彫りの各パネルに興味深い要素を1つ加えることを納得させた。司祭の信徒は高難度の施錠装置を作り上げていた。私に言わせれば、ドワーフは重量やボタンなどについては無茶苦茶なところがある。新たに設置するこの新装置のために、この小さめのパネルを頼まれた。

* * *

他のオークの職人たちの中には、スカイリムに作られているこれと似た墓の話を聞いた者もいた。そこの職人たちは仕事が完成すると、墓の秘密を守るために抹殺されたという。悪い暖炉夫人の話みたいに思える。

信仰の道Path of the Faithful

怒れる者、忌まわしき呪いの番人、裏切られし者の守護者。これらは崇拝者や立てられた誓いの子供達が知っている、偉大なるマラキャスの異名の内のごく一部に過ぎない。

聴け、入信者よ!聞け、忠実なる者よ!あなたの歩まねばならない道は決して生やさしくはないが、正しく敬虔な態度で進めば、掟の作者の懐へと導かれるだろう。

ファルン砦の祠には、聖域への道が隠されている。聖なる管理者たちから自由に与えられた、人生で最も貴重な液体の贈り物だけが、道を明らかにする。

祈りの間でマラキャスの光を拒んだ者達は、永遠に暗闇を歩き、信仰の間を目にすることはない。

信仰の間では、どんなに下まで落ちようともマラキャスが捕まえてくれると信じろ。

最後に、聖言の聖域では、生贄だけが怒れる者の教えを呼び起こすだろう。

信号塔に関する命令Signal Tower Orders

忠実なるブレトンよ

どれほど風が強かろうが、雪が激しかろうが、なさねばならない仕事がある。ヘンリサ船長とその艦隊が間もなくやってくる。艦隊の帆が見えるまで狼煙を絶やすな。火を消すのはそれからだ。

この忌々しい嵐で船長の計画が多少狂ったかも知れないが、天候を逆手に取ることができると思っている。

水銀Liquid Silver

ロスガーの山々は、あらゆる種類の鉱物と鉱石に満ちている。金、銀、鉄が大量に見つかる。だが、この地とタムリエル以外では見つからない稀少金属がある。その1つが入手困難な水銀だ。

水銀は錬金術師が称え、鍛冶屋が欲するが、つるつる滑るため、両者にとって実用的な価値はない。今のところは。

水銀は重く粘着性のある金属で、治癒や寿命を延ばす効用があると考えられている。また、ウェアウルフに悪影響を与える効果があるとも信じられている。そのため水銀を注入したボルトは、どの戦士ギルドの武器庫でも貴重で大事な部品となっている。ロスガーのアージェント鉱山は、かつて稀少金属の豊かな産地だったが、もう長年使われていない。

他の嫌いなものOther Things I Hate

ファンシー・ナズバビール 作

-うずくまって物を盗むスリ
-発煙弾が残すひどい残留物
-ナイフを拭かないお粗末な殺し屋
-馬鹿げた帽子をかぶった人々
-馬鹿げた人々
-馬鹿げた帽子
-人々
-帽子
-ナイフをダメにする分厚いのど笛
-海賊
-馬鹿げた帽子の海賊
-パンタロンをはいた海賊
-ウグイアビの帽子
-ウグイアビ
-馬鹿げた帽子をかぶったウグイアビ
-ズボンをはいたウグイアビ(大胆な説明!)
-小さな月
-レリサ——自分で思っているほど狡猾じゃない!
-賄賂の受け取り方を知らない衛兵
-亡霊
-派手な亡霊
-嫌味な亡霊
-自分より着こなしが上手な亡霊
-生きていた時よりも長いあいだ亡霊でいる亡霊
-子猫
-子犬
-ウェイレスト
-吟遊詩人
-海賊兼吟遊詩人
-ウェイレストから来た海賊兼吟遊詩人
-ウェイレストから来たウグイアビの帽子をかぶった海賊兼吟遊詩人
-ウェイレストから来たウグイアビの帽子をかぶった海賊兼吟遊詩人の亡霊

暖炉の母への手紙Letter to Hearth-Mother

暖炉の母よ、私を見つけに来て。暖かい火とお腹を満たすスープを持って来て。みんな寒くて空腹で、もうこれ以上歩けないから。

この探検に選ばれたとき、我々は誇らしく自信に満ちていた。ソロウ登頂!伝説の山頂に2世代以上ぶりに登頂したオークになれるのだ!だが、ソロウがその恐るべき高さへの登山を拒んでいることに気づくと、瞬く間に自信は絶望に変わった。

先陣の2チームは、そう遠くまでたどり着けなかった。分かっている限り、第1陣はハーピーやオーガに襲われ、第2陣はひどい強風と寒さに見舞われた。ホーカー数人は哀れなことに、凍えるような霧に隠れていた断崖から転落した!

しかし、我々は怯むことも、コースを変更することもなかった。今になってみれば、そうすべきだったと分かるが。レディ・ローレントは我々を再編成し、カースサンは我々の功名心に訴えた。我々は血にたぎる炎と夢の輝きとともに、再び山頂をめざして前進した。

雪崩でクーロンを失った。雪と氷の下敷きになって彼女の両脚は折れた。やむを得ず置き去りにし、山道を進んだ。普通のコースなら探検隊は破滅していただろう。もちろん、破滅は思っていた以上に近くに迫っていた。

我々はたいしたことを成し遂げたと言えるかも知れない。実際、トラグの祠の扉にたどり着いた。その碑文を見つけ、カースサンに教わったとおりにこすった。曲がり角から3人組のオーガが現れたとき、中に入ろうとした。勝利の確信もなく野獣3人を相手にする気にはなれなかったから、隠れてやり過ごすことにした。だが、要領の悪いスキーヴァーのアーゴンが斧を落とした。そのとき、登るより降りるほうが賢明だと思った。

ブロクークは最善の選択肢が、通り過ぎた洞窟に引き返すことだと思った。洞窟にオーガが住んでいたとしても、隅に隠れ場所を見つけられるはずだと彼は言った。それでうまくいっただろう。もしも祠から逃げる時、物資の大半を失わなければ、もしも火を燃やすのに燃料を使い切らなかったら。

少なくとも我々は碑文をこすった。カースサンがはるばるここまでたどり着けば、祠がそう遠くないことに気づくだろう。

頂上のトラグ、完訳Torug at the Summit, Complete Translation

トラグ族長は、略奪者がその遺体を見つけることを許さない。

トラグ族長は、より弱きオークが自身より高い位置に埋葬されることを許さない。

* * *

トラグ族長は篭手を抱え、瀕死の体に鞭打った。

山頂に登ると、自ら築いた石塚に入った。

* * *

そしてソロウのキスを魔法の腕輪の上に置いた。

こよなく愛した宝物をふさわしいオークが手にするまで、永遠に待ち続ける。

The Whistle

その笛と、自分の特有の才能を見出したのは13歳の夏だった。それよりずっと前から自分には何か未発見の潜在能力があり、その能力で仲間たちと一線を画すことができるという気がしていた。

子供の頃は人との交流が苦手だった。そのため自分より大きく強い子供たちの間で、いたずらやからかいの対象になっていた。その頃には彼らはすでに戦士や木こりといった力強い職業を自負していて、ほっそりとしていた私は大きく後れを取っていた。だが動物たちの中には良き友をたくさん見つけ、どんなに孤独な時も一人ではなかった。

ある時、自分たちの力を誇示したがる年上の残酷な子供たちが、私にとあるいたずらをしようと思いついた。そのいたずらで使われたのは彼らが見つけた笛で、多くの生き物を荒れさせる音を発するものだった。故郷に生息していたヅラゾグは特にこの音に影響を受けやすかった。当時ヅラゾグがねぐらとしていた洞窟へ連れていかれ、殴られたくなければ笛を吹けと命令された。前述したように、この子供たちは私よりはるかに強く残酷だった。彼らに暴行を受けて片足を引きずって帰ったことも多かった。

だが今思えば、暴行の脅迫だけでは笛を吹くことはしなかっただろう。私の度胸に対する侮辱や嘲笑の言葉が、笛を吹かせた。物理的な力で負けていたのは明らかだったが、勇気と精神力では絶対に負けないと思っていたから。

臆病者と謗られるよりはましだと思い、私は危険が大きい方の選択をして、笛を手に取り大きくはっきりとした音を吹いた。自分の勇敢さを示すため、必要以上に長くその音を出し続けた。その音を聞いたいじめっ子たちは本性を現し、吹くのをやめるよう懇願し始めた。頭がおかしいのか、死にたいのかなどと言われた。

私は笛を吹くのをやめず、歯をむき出しにして口をゆがめたヅラゾグがねぐらから出てくるまで音を出し続けた。私が止まると、彼らも止まった。一瞬、お互いを見つめ合った。わずか数歩先で、まるで合図を待つかのように止まっていた。私は再び笛を口につけ音を出した。すると彼らも再び近寄り始めたが、私に殺意が向けられているようには感じられなかった。むしろ指示を欲しがっているようだった。この仮説を試すべく、私は家で飼っている犬でやるのと同じように、手を上に向けて合図した。すると犬と同じように、ヅラゾグたちは一斉に後ろ脚で立った。続けて「お座り」や「ねんね」といった合図を笛の音と共に出してみると、ヅラゾグたちは何度もそれに応えた。

これを見たいじめっ子たちからは恐怖が拭われ、今度は自分たちに笛を使わせるよう懇願していた。ヅラゾグに命令してみたかったのだろう。それを拒否するのは、正直に言うと気持ちよかった。とうとう奴らは私に嫉妬していて、敬意を勝ち取ったのだと実感したからだ。

だが奴らの中で最も体の大きかったレジッドというバカが、私の頭を殴り笛を奪った。ようやく意識がはっきりしてくると(それだけの力で殴られたのだ)、奴が笛を吹く音とヅラゾグのうなる声が聞こえてきた。徐々に回復する視界の中で、怒りと殺気に満ちたヅラゾグたちがレジッドの方へと走っていくのが見えた。レジッドに飛びかかり、肉を噛みちぎっていた。奴は泣き叫び、笛を使ってヅラゾグたちを追い払うよう懇願したが、私は何もしなかった。

他の者たちは喰われるレジッドを恐怖に満ちた表情で見ていたが、私がそのとき感じていたのは誇りだけだ。私たちよりも動物のほうが勝者と敗者を見分ける感覚を持っていると、ずっと信じてきた私の考えが立証された気がしたのだ。

食事の終わった獣たちはねぐらへと戻っていった。他に笛を欲しがる者はおらず、その時からずっと私が持っている。タムリエル各地でヅラゾグをしつけ、訓練するために使っている。反抗されたことは一度もない。たった一度もだ。

はたして魔法なのか?この笛に魔法があるとすれば、私の注ぎ込む勇気と技術だけだろう。

百人隊長の印章Centurion’s Signet

「オーシマーが世界中の目の敵にされた時代がある。我々は戦い、死ぬだろうが、名誉を捨てたりはしない。世界に対し、彼らが言うよりも優秀なことを示すだろう。そしてもしも滅びるならば、敵の喉をつかんだまま滅びるだろう」

この言葉の主は、帝国の百人隊長に叙せられ、皇帝に仕える栄光を勝ち取った初のオーシマーだ。

そのオークの百人隊長の名前は歳月に埋もれてしまったが、彼の印章はそう遠くない10年前、パラゴンの記憶周辺で見つかった。

碧水晶の槌Hammer of Glass

初代オルシニウムは、当初街というより武装キャンプだった。やがてキャンプは村となり、村は街へと発展した。わずか数年で、人と建物の集合体として無秩序に広がり、隙だらけで攻撃の絶好の的になった。

鍛冶夫人のモーツガは、トラグ王の多くの妻の中で最初の妻であり、最も偉大な妻だった。街の周囲に石壁を建てて街の境とするために、熟練した石工を探した。石工は熟練の職人であると同時に、記録的な早さで任務を遂行できる戦士や交渉人としての技量も備えていなくてはならなかった。彼女はクスバーグを選出し、任務を任せた。

クスバーグは任務を言われたとおりに成し遂げ、旧オルシニウムの周囲に、今も残る堅牢な壁を建てた。報酬として、クリスタルの塊から彫り出した、碧水晶の槌を賜った。その印象的な彫刻は旧オルシニウムの遺跡の中にまだ残っていると信じられている。

オルシニウムの記録

Orsinium Archive

アーグドシュの送られなかった手紙Urgdosh’s Unsent Letter

ウラカ

スカルグは我々を真実に導いた。彼に対する評価が辛口だったかもしれないが、網の紡ぎ手に対する彼の愛は行き過ぎたものだと今でも言える。氷を砕くと小道に邪魔がなくなったが、彼は導くメファーラの歌の網が見えると言い張った。

ラコラ達一行を見つけた。負傷しているが生きている。彼らが麓で何を見たか信じないだろう、ウラカ。ドワーフの所業は見たことがあるが、今回は…

それは、ある種の鍛冶場で、見えない力を抑え込むように作られている。だが、この場所では周囲に力を感じる。ここはとても暖かいのに、何度となく体が震えている。

ドワーフの痕跡はなかった。ガーディアン達の誰ひとりとして、この場所を守るものはいない。瓦解しつつある。これほど風格があるのになぜ放棄しようとしたのか?

この地を自分達のものだと主張すべきだとグザルは言う。再建し、改造する。私達のものにする。忌々しいスカルグが言うには、それがメファーラの願いだと…私達が追うべき糸だと。意味不明だ。

すぐに帰宅できることを願っている。

—アーグドシュ

アイスハートの日記Ice-Heart’s Journal

包囲が続いている。クログと、薄汚いオークどもめ!

我がウィンターボーンが進撃を行った後、いわゆる豚の子供どもの王が外遊から帰国し、オークのクランを束ねた。突然、我が戦士長達は追われる身となって次々と殺され、我が隊の戦士は四方に散り散りになった。だがいいか。我々はこの包囲を耐えてみせる!

このブレトンのかつての砦は、神に遣わされたものだ。あの愚かな豚の子供どもに突破されなどしない。ましてやハーピーをやり過ごすなどとうてい無理だ。ハーピーが無警戒のオークを急襲して捕まえるのを見るのは最高だ。オーク達を凍らせ、粉々に砕く音を聞くのに負けず劣らず楽しい。だが、これほどの建造物を誇ったブレトンがこの地を制圧できなかったのは不思議でならない。彼らは豚の子供どもより愚かだったに違いない!

我々の店を支援する物資は毎日続々届いている。愚かな豚の子供どもめ!彼らがロスガーに送り込んだキャラバンは1つ残らず、我がウィンターボーンにとっての雑貨屋になるのだ。支払いを気にせず、望みどおりのものを手に入れられる雑貨屋だ!確かにクログが召喚したよそ者達には、いささか手を焼いている。だが結局は大差ない。到着したそばから殺すのだ!

ハグレイヴン達は完璧な手順を続け、ブライア・ハートを育て、彼らを使ってブライア・ハートの戦士を作り出している。あの木は魔法による見事な逸品だ。とりわけあれを考えたのがハグレイヴン達だと思うとな。しかし、たとえ出所がどこであろうと、私は優れた案を却下したりはしない。ブライア・ハートのおかげで我が戦士達は不死身だ。だからこそウルフォン・アイスハートはこの戦いに勝つのだ。だからこそウィンターボーンが勝利を得るのだ!

アゴラスの日記Agolas’s Journal

項目297
新しいカモを見つけた。ザバニはオルシニウムがどういうところか何も分かっていない。こいつを利用して王のコーナークラブに侵入するか?

項目298
奴を金庫の近くに行かせ、中身を頂いてから、何も知らないカモのザバニを衛兵に差し出してやった。奴が罪を負い、俺がブツを得るってわけだ!

項目299
こんな手間をかけて、醜いマグが手に入っただけか?

項目300
どんな盗品商もこれには手を出さない!グリーディー・ガットでアスティルムと会えるよう手配しないといけない。彼女は何でも買う。これはケリがつくまで、水道橋の岩の北に隠しておく

X = 水道橋の橋脚、細い木、灰色の大蛇

アゴラスへのメモNote to Agolas

アゴラス

この不細工なマグを守るのに、なぜこれほど難しい鍵を使っているのか理解できない。感傷的な価値でもあるの?

急いでキャンプに戻るわ。盗賊ギルドであなたの友人達に会うのが待ち切れない!

—Z

ウィンターボーンのメモWinterborn’s Note

マイルナ

ウチュイラン戦士長は何も説明してくれないが、失踪の原因を突き止めたと思う。戦士長の愛人、ハグレイヴンのクラーラが鳥の剥製のトーテムを使って、囚人を鳥に変身させていた。

ハグレイヴンは、変身の技を囚人だけに使っている訳じゃなさそうだ。仲間たちにもトーテムを使っているんだ!できるだけ早く逃げろ。私も―

〈乾いた血で汚れ、手紙の残りは読めない〉

エチャテレのすべてAll About Echatere

スタグブラルツ・グロー・シャトゥル 著

食事の時に、何が腹を満たしてくれる?エチャテレだ。寒さが厳しい時に何が身を包んでくれる?エチャテレだ。忘れるな。エチャテレは食い物だ。エチャテレは服だ。これが放牧地の最初の掟だ。

エルフが村にきてエチャテレが「かわいい」とか「気高い」とか抜かしたら。ぶん殴ってやれ。エチャテレはかわいくも気高くもない。醜く、嫌らしく、尖ってる。エチャテレを愛すれば、エチャテレに殺される。これが放牧地の第二の掟だ。

口笛を吹かずにエチャテレを集めることはできない。だが口笛を吹くとエチャテレは怒る。それでもやらねば食べることができない。死なないためには殺される危険を冒さねばならない。これが放牧地の第三の掟だ。

エチャテレを屠る時は、喉を切ってその血をたらいにためろ。さもないと、中から腐ってしまう。これは掟ではない。常識だ。腐った肉など食いたくない。

エチャテレの子供に名前を付けると、子供が夢中になってしまい、屠る時に泣かれる。だからエチャテレが区別できなくて、どれがどれだか分かるように名前を付けたい時でも、「バカなハムスター蟹」とか「毒々しいの」とか「尖りすぎ」といった名前にしろ。オーク風に名づけてはならん。そうしないと子供がなついてしまって、一生恨まれることになる。

これが放牧地の掟のすべてだ。これを守れば群れは増え、腹も満たせ、子供にも嫌われなくてすむ。

追記:エチャテレが一匹の時はエチャテレだ。二匹ならばエチャテレズだ。誰でも知ってることだ。だが一生放牧しているなら、「エチャテレが5匹あっちにいる」と言っても構わない。なぜならあいつらはみんな同じだからだ。

オークと牙Orcs and Their Tusks

非公式の研究
フォルムズ・セレス 著

典型的なオークの牙の魅力とは何か?断言する。彼らがあの牙をこまめに磨き研いでいなかったとしても、あらゆる反射する表面を間近に見て、隣の牙を物欲しそうに眺めている。そしてこれらを行わない時は、自らの牙をほとんど家宝や古代の遺物のように語る。言っておくが、これだけでもこのダークエルフを怒らせるには十分だ!

牙にまつわる執着についてオークにずばり聞くのは失礼だと思うが、日常のオークの会話に牙という言葉と概念がどう使われているか学ぶことは、理解がある水準まで達する役に立つかも知れない。この目的のために近づいた最初のオークは女で、ここではオーカと呼ぶ。怒った顔をしていた。少なくとも怒っているように見えた。平均的なオークの顔つきとなると、その違いは区別しにくい。オーカは怒った声で「牙を外せ!」と言ってきた。

何て奇妙な言い回しだろうか。「牙を外せ」とは。シンプルで断定的だ。ほとんど意味をなしてないが、オーカの口から発せられたのだ。私に何を求めたのかははっきり分かった。彼女が傍らに吊してあった斧に手を伸ばすのと同時に、私は大慌てで詫びながら側から離れた。

これを機にオークの他の表現も、さまざまな場面で耳にする言葉を含め、考えるようになった。例えば「マラキャスの牙にかけて!」という言葉は、感嘆の言葉として万能で、そのオークの有名無名具合にかかわらずぴったりの名詞代わりだ。私はオーク達が何々にかけてという時の何々に、マラキャス、トリニマク、クログ、バズラグ、鍛冶の母アルガ、ほら吹きのウルゾ、さらには暖炉の母や、誓った当人以外誰も覚えていない古代の先人を当てはめて誓うのを聞いたことがある。そして誓いに使った牙は、目先を変え、削り、割り、壊し、欠けさせ、刺し、様々な影や色にした。

他にもオルシニウムの酒場で何度も聞いた表現に「牙を蹴るよりいい」がある。何か不愉快な経験をしても、他の不愉快な経験ほどではないという意味のようだ。オークの1人がもう1人に「ヒルがうじゃうじゃいる池にお前が落ちたと聞いた」と言うと、もう1人がこう感嘆する。「牙を蹴るよりいいわ」と。オークがどんなにひどい苦労を味わっても、もっと悪いことがあるかも知れないと私は結論づけた。オークの牙は非常に傷つきやすく、蹴ると耐えがたい痛みをもたらすのだろう。あるいは、それは単なる話し言葉で、会話からより深い何かを暗示することはできないのかもしれない。オーク達には本当に混乱させられる。

しかし、これは言わば牙の豆知識に過ぎない。オークの酒場で数時間過ごすと、牙に関するありとあらゆる表現を耳にできる。「牙にしてやる!」「誰が牙を渡す?」「馬鹿者に牙を刺す!」「牙とは?」「周囲に牙するのはやめて!」「私に牙を!」。そして私のお気に入り候補は「自分に牙を刺せ」で、一見無理な注文に思えるが、オークの牙が肉親に対して何ができるか見ている。オークはこういう横暴な提案をする者は嫌いなようだ。

牙の話題をオークと議論するためにもう1つ試してみようと決めた。今回選んだのは、人目を引く若い女で、暗い隅に腰を下ろし、オルシニウムのピンクの黒葡萄ワインのボトルを飲み尽くそうとしていたところに、オークの言葉における「牙」のいろいろな使い方について話してくれないかと頼んだ。

「牙はだめ!」と彼女ははっきり言った。それでも私は粘った。

「牙でからかう気なの?」と彼女は尋ねた。私が「牙でからかう気はない」と言うと、彼女はこぶしを丸めて、私の尻をなぐった。

「牙!」と私は叫んだ。こうして私は牙の本当の意味を理解できた。

オークの古いことわざ:盾Old Orc Sayings: Shields

これはオークの知恵の言葉を集めたものであり、第二紀の初めに36年間オークと暮らしたロアルド・ケンウェイによって記録されたものである。

1. 敵の盾を破壊するときは、破片に気をつけろ。

2. 肋骨が砕けるよりは盾が砕けるほうがましだ。

3. 魔導士を殴るには盾がいい。だが、こん棒ならもっといい

4. 盾に矢がたくさん刺さっても、顔に刺さるよりはましだ。

5. 盾の壁は、石の要塞のごとく動かない。

6. 斧は切るために。盾は防ぐために。

7. 戦士の剣は多くの命を奪うが、その盾は1つの命を守る。

8. 壊れた盾は守りが薄い。

9. 盾を敵の血で染めろ。

10. 強い盾は攻撃する者の心を折る。

11. 盾は皿として使いにくいし、皿も盾として使いにくい。

12. 1つ盾を持っていれば大きな価値があるが、2つ盾を持っていてもバカみたいだ。

13. 奴らは我らの盾を見て恐れるだろう。

14. 春には無傷の盾も、夏の終わりには壊れているだろう。

15. オーク戦士の愛するものは2つある。1つは剣、もう1つは盾だ。

16. 君のクランが持っている盾は、君だけだ。

17. 石塚の石の多くは、盾を持たずに戦闘に出た者だ。

18. 木製の盾でも、盾がないよりはましだ。

19. 敵が盾の後ろに隠れたら、足を切り落とせ。盾を下げたら、首を切り落とせ。

20. 盾を前に構えていれば、マラキャスがいつも味方してくれるだろう

オーシマーの奇妙な儀式Strange Rituals of the Orsimer

タムリエルの民の死の儀式についての調査
アーケイの司祭チャプレイン・ジョーダン 著

私は埋葬と葬儀の神の敬虔な信徒として、リーダーや家族や愛する者が亡くなったとき、タムリエルの様々な種族が行う儀式の研究に生涯を捧げてきた。この巻では、ロスガーのオークとしても知られるオーシマーの死の儀式を探っている。

よく知られている言い伝えによって、オークの遺体は死んだ場所に安置されると信じられている。その話には一片の真実があるかも知れないが、オークは他の知的な種族に劣らず、病気には詳しい。腐敗の進む遺体をその場に散らかして悪臭が放たれることを誰も望まないし、そうした遺体はありとあらゆる昆虫や捕食者を引き寄せる。だから、オークが死んだ場所は同胞によって印を刻まれ、神聖に近い場所とみなされるが、遺体がその場に置かれる時間は数時間もない。それまでのあいだ家族や友人が立ち寄り、最後のお別れをする。そして遺体は移動される。行き場所は分からないが。

オークは口承の伝統を持つが、よそ者に説明し詳細を語ることは拒んでいる。私としては観察結果や交わすことのできた会話を元に学識を交えて推測するしかなかった。だが、これまでのところ、オークが遺体をどう扱うか教えてくれる者はいそうもなかった。

* * *

オークの古代の埋葬地を、ソロウと呼ばれる山で見つけた。この雪に覆われた山頂は危険な生物だらけで、気候も死と隣合わせだ。数世代に渡り、オークの亡骸の保管場所の役目を果たしたが、過去のある時点において突然、この習慣は終わりを迎えた。どう見ても、この山はオークの中でも最も勇敢で屈強な者のためのものだ。そうした者は、最後に死に襲われるまで、できる限り高いところまで登ることを求められた。こうしたオークは力尽きた場所に残されるが、遺体に石が積みあげられ、遺体を保護する石塚か、くさび型墓と呼ばれる独特な建造物になった。

これもまた、オークが死んだり力尽きたりする場所に、神聖なる岩で印をつける習慣と関係があるようだ。オークはその岩を「タムナー」と呼ぶが、これはオークの言葉で「死の石」を意味すると思われる。

* * *

ようやく、死の儀式についの話を提供してくれる老女のオークを見つけた。厳密に言えば、彼女は「ベシュカー・ノア」と呼ばれる「死の鍛冶」の習慣について議論したがっていた。

どうやら、リーダーや英雄や敬愛された年配者など、偉大なオークの遺体は、「死の鍛冶」として知られる行程を経ることになるらしい。この行程を老女のオークは難解な言葉で説明してくれた。遺体から血を抜いて後で使うときまで取っておくのか、遺体をまるごと灰になるまで燃やして灰をとっておくのかはよく分からない。いずれにせよ、取っておかれた遺体は最後には、溶解した金属と混ぜ合わされ、敬愛されたオークは、たいていは剣、槌、盾などの強力な武器や道具に姿を変える。

* * *

こうして、ロスガーのオークによる複雑な埋葬儀式の習慣を完璧に理解しようという探求は、今も続いている。かなりのことを学んだつもりだが、それでも何も学んでない自覚はある。一般にオークは死者を埋葬しないが、ソロウの山のような場所では埋葬する。オークが強力なオークが亡くなった時は印をつけるのは知っているが、死体をそのままにして腐敗させることはおそらくしないだろう。そして、亡くなったオークは部分的に保存され、「死の鍛冶」として知られる行程を経て、新たに鍛造された武器や道具になることも学んだ。

これからも調査、研究は続けるが、それも、こうした矛盾をはらんだ習慣に魅せられたからだ。願わくば、悪いオークに腹を立てて自らオークの死の儀式を学ぶのだけはごめんだ。そんなことはないだろうが。

オーゾーガへの手紙Letter to Orzorga

コマンダー・オーゾーガ

頼むから、復職願いを再考してくれ。お前には非正規軍を指揮する以上の力がある。お前以上の将校は思いつかない。私は多くの戦いを経験してきたのだぞ。

ルマーレ湖岸で起こったことは悲劇だが、将校の誰もが学ばなくてはいけない教訓だ。兵士達は消耗品だ。時には攻城兵器の弾や馬の飼葉のように消費される。これは兵站の問題だ。それ以上の問題ではない。

私の話を考えてくれ。白金の塔は手の届く所にある。

プロキシマス将軍

オルシニウムへの招待状Invitation to Orsinium

your name

私が最も信頼する使者の1人に友情と尊敬を込めて託した、この招待状をお受け取りください。強大なクログ王の名によって、私はあなたが荘重なロスガーの荒野で腕を試されることを歓迎し、招待いたします。

オーシマーはあなたがどこに忠誠を誓っていても気にしません。オルシニウムの街の再建と、ウィンターボーンの脅威の鎮圧にご協力をお願いします。偉業を成し遂げようとしている王をお助けいただければ、富と名誉はあなたのものです。

あなたをロスガーに迎えるよう招待するため、私はラズガラ大使をあなたのもとに遣わしました。彼女には、ダガーフォール、ダボンズ・ウォッチ、バルケルガードのどこかで会えるでしょう。街に着いたら、彼女を探してください。

あなたと直接会えるのが楽しみです。あなたの冒険についてはすばらしい報告を聞いています。オルシニウムに着いたら、私の前に姿を現してください。

鍛冶の母アルガ
オルシニウム、ロスガー

ガラクルの日記Gharakul’s Journal

長いあいだずっと孤独だった。だが、もう一人ではない。彼女が絹の夢に誘ってくれると分かっている。

私達はほぼ全滅した、エルフによって。あるいはスカルグの愚かさによって。彼はここ数年うぬぼれが強くなっていた。自分が大蜘蛛の勇者だと思い込んだ。「我々には古い血が必要だ。エルノフェイの血が!」とよく言い、意気込んで探した。

スカルグが破滅のきっかけを見つけた。魔術師を生きたまま壊さずにここへ連れて来た。黄金のエルフで、長身で誇り高く人目を引いた。その琥珀色の目に欲望が見えた。私に対してでも、おそらく定命者の肉体でもなく、もっと何か偉大なものに対する欲望。

スカルグはエルフに以前私達がよく使っていた飲み物を与えた。エルフを鎖でつなぎ、最も貴重な血の容器としてできるだけ長く生かしておくつもりだった。

私達は口論になった。これは私が聞いたあの歌ではない、メファーラの糸に沿って歩いた道でもない。だがスカルグに、彼女の複雑な網は私に見えないと言いくるめられた。だから信じた。

エルフは屈服せず、激昂した。スカルグは燃え尽きて灰になり、私は泣き叫んだ。エルフは、血で鍛錬したガーディアン達さえものともせずなぎ倒し、鍛冶場へ向かった。そしてボルズを倒し、槌を両手で持った。

ローブから小さなフォークを出現させ、それで槌を軽く叩いた。モークルディンはぎこちなく動き身震いした。壁が抗議の叫びを上げた。周囲にいたクランは耳や目から血をあふれさせて死んだ。その叫びをエルフの笑い声がかき消した。だが、その声の中にあの歌が聞こえた。

私は背後からエルフに近寄った。恐怖はなかった。あるのは信念だけで、絹のような髪を握り、彼の金色の顔を鍛冶場の火炎の中に押し込んだ。

静寂。静まり返っている。

いまだに絹の夢の中で彼女の声が聞こえる。その囁きは、鍛冶場を鎮め、眠らせ、隠しておく方法を教えてくれる。ここでの私の時間は終わりだ、まもなく、スパイラル・スケインの頂きで彼女に会うだろう。

いつか、別の者が彼女の歌を聞くだろう。たとえ彼らが自分達を何が駆り立てているのか分からなくても。その日、鍛冶場は息を吹き返し、銀の大蜘蛛の栄光を輝かせるだろう。

時が来た。我が身を彼女の子供達に与えよう、そうすれば彼らは大いに楽しみ、巣を作るかも知れない。私の抜け殻を彼らの子孫のための器、子育ての繭にしよう。無数の目に見つめられながら生きていこう。そうすれば、彼女の栄光を知るだろう。

クミー・アトタミナの送られなかった手紙Unsent Letter From Qumih at-Tamina

エズミ

採掘は順調に進んでいる。信じられないものがいろいろ見つかった。岩の話だけでインクを切らしたら嫌がられているのは分かっているけれど、どれも面白い岩なんだ。

ロズルスとシャレラを覚えている?彼らは槌とノミ、切り離せない相棒同士だろ?最初は反目し合っていたようだ。私達が発見したこの墓のすべてにおいて。

もちろん私は距離を置いていた。どちらの言い分が正しいか分からないから。何より不思議なのは、オークの墓の扉に描かれているのが――

またその話かって?

2週間以内に戻れると思う。調査は間違いなくもっと長く続くけれど、私の担当は終わった。

私の代わりにティリーにキスしてあげて。馬上から空を見上げ、早く戻れるのを祈るよう言っておいてくれ。君たちに、そして家の温かな砂に会えるのが待ち遠しい。

戻るまでに2人が持ちこたえられるだけのお金を送った。それに、君にちょっとしたおまけをね。

愛を込めて
クミー

グラズダーのメモ:槌の迂回路Grazdar’s Notes: Hammer’s Bypass

メモを持ってこられないなんて誰も言わなかった!きっとマラキャスも私に劣らずパズルは嫌いだ。

ザグの話では、最初の門のために覚えておくべき、単純な子供の童謡がある:

4つのシンボルの元になっている鍵は、
街を作ったクランのもの
今日、称えているのは誰の名か
イリアック湾のオーク達の中で

最初に来たのは、壁を建てた者達
次は、広間を武装したクラン
3番目は、燃料を与え続けた者
最後は、すべてを統治した者

この手紙を見つけた者にFor Letter Finder

この手紙を見つけた者に

コレグの息子、マルゴスの息子、アガラバグの息子、金属の地の偉大なる部族の書記が記す。この地にとても長く暮らし、太陽は空に青白く、暖かさが消えた時のことを書く。食べ物は育たないがときどき肉が食べられ、洞窟にキノコがある。

司祭は「大いなる暖かさ」に生け贄を捧げ、パイプを叩き、機械仕掛けの魔物の攻撃を止める。読み書きを教えるのは難しくなった。欲しいのは食べ物だ。本はいらない。欲しいのは暖かさだ。本を燃やすと暖かい。

金属の地の部族の最期の言葉を書く。再び暖かくなる前に、お互いを食べることになるだろう。司祭は生贄を捧げる。族長は暖かくする場所を探す。古い地図に道は記されている。族長は読まない。

私はクランの肉を食べない。死ぬ。私は読み書きができる最後の者だ。他の者に食われる。他の者は生きる。

ジェアムンの作業記録Jeirmun’s Work Log

この先で生き物を見つけるとは期待していなかった。しかし、オークかオークのようなものが、こちらをひと目見るなり襲ってきた。私たちは退却して体制を立て直した。道を切り開くべく傭兵達が先に進んだ。

* * *

シノサリオンはあの青白いオークに執着している。私はただ眠りたかったが、彼がオークの死体の1つにぶつぶつ語る声が聞こえる。気持ち悪い。

それでも彼らは間違いなくオークのようだが、壊れ変貌していた。エルフの見解では、傷から見て体を何度も切り開かれては何度も閉じられているらしい。手足を失っている者も、別の部分を失っている者もいる。もうこれ以上知りたくない。

* * *

寝つけない。

* * *

グラーバシャとドランドがまた議論している。彼は続行を望んでいる。彼女は撤退を望んでいる。彼女を非難できない。この少し先には何かがいる。

どこのドワーフの遺跡も不気味だが、ここは特別だ。空に向かって開け放たれている部分が、どことなく重苦しさを感じさせる。威圧感がある。

* * *

頭の中から声が聞こえてくる。罠にかかったと。ここから出られないと言っている。

酒が欲しい。

* * *

日記を見つけた。筆者は、あの青白いオーク達を切り刻んだ者だ。何が書いてあるのかほとんど理解できない。シノサリオンに見せようとしたが、結局、シノサリオンに言葉で説明するはめになった。

* * *

日記を失った。日記を拾って以降、コンストラクトに素知らぬ顔をされながらも、監視され、跡をつけられているのを感じた。日記を放り捨て洞窟に隠した。すると追って来なくなった。

仲間を見つけなくては。ここを立ち去らないとまずい。

* * *

私達はルキンダレフトに来るべきではなかった。

ジョイル王からメルセディーン将軍への命令King Joile’s Orders to General Mercedene

M

お前がこれを読む頃には、精鋭の部隊が包囲ラインを越えて到着するだろう。彼らのことは労働者として身分を伏せろ。戦闘が始まったら、彼らを使って攻撃しろ。お前は私の死刑執行人になる。攻撃は迅速にな。

より暖かい地方ではあのドラゴンが必要になる。彼は死んではならない。彼の騎士については知り過ぎている。ダガーフォールの敵として扱え。

—J

スカルグの日記Skalg’s Journal

彼女の子供達がこの場所を自分達のものだと主張したのは、私達よりずっと前だ。彼らはドワーフ達を追い出したのかもしれない。働いていると、彼らの多数の目が見守り、待っているのが見える。彼らは私達を恐れていないと思う。彼らは分かっている。私がクランの中を歩いているのを、そして私が彼らと同じくらい彼女のものだと。彼らは私達を許す。私を許す。

* * *

残りの中では、ガラクルだけ見込みがある。鍛冶場の増強が完了したら他はお払い箱だ。

ガラクル。彼女の髪は銀色で細長い。大蜘蛛の勇者である動かぬ証だ。メファーラが振る舞い方を教えてくれる。私達の糸は私達を結び付け、私達の運命を縛り付ける。今度私達が孤立したら、彼女に話しかけよう。彼女はあの歌も聞いている。聞かなくてはならない。

* * *

メファーラは心から祝福してくれた。寝ている間にガラクルは私を見つけ出した。彼女は私を起こすときこうささやいた。情欲は愛、嘘は真実、死は生。私の喉に手を回して締め付けた。私の視界は暗転し、輝きは塵となった。まだらの腹が私の顔の上で踊っているかのように。その瞬間、私はメファーラの子供の1人をつかんだが、彼女の毒が私の内側を液状化させた。

私達は神聖な結合の後、秘密を分かち合った。今では鍛冶の真実を理解している。贈り物を炎に与えながら銀の大蜘蛛を崇め、彼女の作品を世界へ運び出している。

彼女のためにもっと贈り物を見つけてやらないと。よりよい贈り物。彼女を養わないといけない。

トラグの腕輪Armlet of Torug

オルシニウムに最初の街を建てたトラグ王は、「トラグの腕輪」と呼ばれる強力な遺物を持っていた。言い伝えによれば、腕輪は魔力を持つブレスレットで、表面に宝石が散りばめられていた。その力を用いてトラグはロスガーの未開の荒野を支配し、オルシニウムの最初の街を築いた。

古代の文書の断片に、その腕輪とトラグの祠と、ソロウのキスと呼ばれるものについて記されている。著名な探検家レディ・クラリス・ローレントは、このわずかな情報を手がかりに、オーシマー栄光の館のために探検隊を率いて登頂し、遺物を探して回収することに同意した。

他の歴史的意義のあるものと同様に、博物館の中では決して何にも触らないこと。

ドランドの最期のメモDorand’s Final Notes

この奇妙な生き物を何かが操っている。ドゥエマーコンストラクトを操るようにだ。だがどうやって、何のために?

圧力弁と関係があるに違いない。バゾーグベグは3つ見つけた。遺跡内に点在している。「起動、変換、収斂」と彼は呼んでいた。あの熱のすべてが、エネルギーのすべてが施錠された中央の部屋に流れ込んでいる。何のために?よからぬことに違いない。

圧力弁が鍵だ。すぐに閉めなければ!圧力が解放され、エネルギーが逃されれば、中央の部屋の扉が開くはずだ。願わくは我々がまだ——

バゾーグベグの探検日誌Bazorgbeg’s Expeditionary Journal

1日目
ルキンダレフトでの最初の数時間は、成果がほとんどなかった。青白いオーク達に襲われたのだ。彼らは気がふれているように見えた。雇った傭兵を何人か失った。ジェアムンとグラーバシャは、この場所は呪われていると信じて疑わなかった。

愚か者どもめ。危険でなかったら、価値あるものが中にあるわけない!ドランドが責任者でよかった。彼が続行を望んでいるのだから続行だ。

2日目
奇妙な日だったが、成果はあった。だが相変わらず、青白いオーク達が気がふれている原因は不明だ。彼らを昨日よりも数多く見かけたが、慌てて氷河の中に隠れてしまった。いい厄介払いだ。

ドワーフのコンストラクトは永久不滅に思え、驚かされる。いくつかは凍って固まっているが、まだ微音を立てているものもわずかにある。彼らからの攻撃が予想されたが、無視された、まるで私達が存在しないかのように。たまに視線を感じて振り向いても、立ち去られてしまう。

ドランドはコンストラクトの調査を許可しなかった。「奴らに理由を与えるな」と言うのだ。彼の言うとおりだと気づかされる。

3日目
遺跡が溶けている理由が判明した。ドゥエマーの後に誰かがここにいたのだ、おそらくかなり長い間。彼らの意図を突き止めるのは困難だが、研究素材が周囲に散乱していたからには、そのために魔術師の大規模チームが、熱を調和する力を膨大に必要としたことがうかがえる。私達は後で研究に使えそうなものを残らず回収した。

ドランドが自制心を失った。続行するかグラーバシャと議論していたと思ったら、次の瞬間、ほとんど音を立てずに跳び上がった。彼は遺跡は生きていると繰り返し言う。あの壁は私達を監視しているのだと。彼には少し睡眠が必要だ。

4日目
青白いオーク達に襲われた後、ドランド達が別行動を取った。傭兵2人を任された。名前すら知らないが、2人は返事をしてくれる。とりあえずこれでいい。

2人にここに来る途中で見かけた、熱を調和するバルブについて話し、バルブを閉じるよう命じた。ドランドが言うように、圧力で扉は閉じている。バルブを解放すれば、扉が開く。扉の脇で2人がバルブを解放するのを待つことにした。中に入れば、全圧力が一室に集中している理由を突き止められるかどうか分かる。

5日目
まだ十分ではなかった。扉は圧力を失ったが、びくともしない。1時間後、圧力がひとりでに復旧した。傭兵は戻って来なかった。逃げ出したのか?殺されたのか?

このコンストラクトはこちらを監視している。近づいてくる。このままじっとしていたら――

バロス・ブラッドタスクBaloth Bloodtusk

ふてぶてしく立ち
死はその友を訪れない
ただその強大な盾に弾かれるのみ
常にその背後に。

バロス・ブラッドタスクへの手紙Letter to Baloth Bloodtusk

強きバロス・ブラッドタスクよ

オルシニウムであなたの兄弟が私の軍を相手にして倒れたと聞いた。残念なことだ。私が心から嘆いていることを知ってほしい。彼が立派な王にひざまずきさえすれば、あなたの隣でごちそうを飲み食いしていただろうに。彼の死の責任を問われるべき者がいるとしたら、ゴルカール王だとあなたも同意するだろう

あなたとその傭兵は、その力をこの偽りの王にずっと利用させてこなかった、その点は賢い。この新たな知らせが、あなたの剣の矛先を正しい方向に、真の悪者へと向けさせることを願っている。

私の申し出に変わりはない。

—ダガーフォールのジョイル王 著

ブライア・ハートの世話と餌やりThe Care and Feeding of Briar Hearts

ガル・クーはブライア・ハートを愛している!彼女は興味深い古い鳥、あのハグレイヴンだ。古いブレトンの砦に来て以来、私の役目はウィンターボーンの中でガル・クーを支援し、彼女がブライア・ハートを成長、繁殖させるためにどんなことでもしてやることだ。ブライア・ハートは不思議だ。大きな果実のようにも、大型動物の心臓のようにも見える。あるいは人間の心臓のようにも。

今日は世話の行程を間近で見ることになった。まずは死体だ。ウィンターボーンは敵の死体を好むが、彼らに罪の意識はない。オークでもウィンターボーンでも、はたまたハーピーですら、どんな死体でも構わない。死体で生まれたら、それをハグレイヴン自ら考案した奇妙な儀式で清め、特別に仕立てた区画の土の上に置く。そして、ファンファーレが響く中敬虔な態度で、置かれた死体にブライア・ハートの種を加える。

この死の庭園に、呪文と血が餌と水として与えられ、まもなく死体から最初の芽が出る。芽はまたたくまに苗木となり、やがて小さな木となる。この小さな木々は根の組織を通じて、砦の中庭でハグレイヴン達が世話をする大樹とつながっている。苗木は大樹の健康と総合的な力に貢献していると思うが、この件についての私の疑問は、ガル・クーを初めとするハグレイヴン達に無視された。

一方、ブライア・ハートの果実は苗木にも大樹にも実り、耳について離れない滝のような音を要塞じゅうにこだまさせる。果実が熟すと、もう移植できる。そしてここで我らが戦士の出番となる。たいてい、ウィンターボーンの戦士が戦闘で死ぬと、ハグレイヴンは熟したブライア・ハートを戦士に授けられる。その魔法の手順では、死んだ戦士にブライア・ハートを押し込み、蘇らせ、ブライア・ハートの戦士にふさわしい力と不屈の心を新たに授ける。

そして詳しいことは分からないが、生きた戦士にブライア・ハートを埋め込む方法もあると考えられる。檻の中で最も強力で忠実な戦士達が瞑想し、ブライア・ハートの戦士になる心の準備をしているのを見たことがある。その名誉を私が授かることをガル・クーが同意したら、彼らも許してくれるだろう。そうなったら、どんな結果になるかお知らせする。

フロストブレイク要塞にて、あなたの姉妹

ホーカーに捧げる歌Ode to a Horker

吟遊詩人の卵ドラスク作の詩

静かな港で腰かけ、凍った海を眺め
ホーカー達が無邪気にはしゃぐのを見つめる。

水中で、氷上で、彼らは走り回り
彼らの大声や呼び声はまるでからかってるよう。

大きな雄牛アルバクロスに私は大喜びして笑う
動物達が戯れる姿は、跳ね上がる馬を思い出させる。

マラキャスとトリニマクMalacath and Trinimac

王の書記官ウグドルガによる信仰論

何世代にも渡り、オークは3つの不変の真理を信仰してきた。それは要塞、恨み、マラキャスの怒りである。しかし、一部の伝承と著名な学者によれば、マラキャスの前にトリニマクがいたという。今日、オルシニウムの街では、知的な討論と敬虔な信仰の両面にまたがる議論が鳴り響いている。オーク達の真の神は誰かと?

伝統主義者にとって、疑問はない。マラキャスが主であり神だ。彼は、立てられた誓いと忌まわしき呪いを擬人化したものだ。彼の人物像には、衝突、戦闘、破られた約束、苦悶もある。オークが世界における自らの立場に感じる不安は何もかも、怒れる者から来ている。オークは自分達を裏切られし者と思い、マラキャスがその信仰を強めている。マラキャスにとって、クランとは強力であるべきだが、先人伝来の要塞で孤立しなければならないものだ。最強の者が支配し、弱き者は度が過ぎた不寛容さで捨て去られる。

バズラグ族長などクランの族長達は、オーシマーの王という考えに異議を唱え、マラキャスの教えに固執している。

新しいオーシマーにとって、トリニマクは夢と希望の到達点だ。この戦士の神は、文化と文明を擬人化している。彼は呼びかけている。不和でなく、団結を。悪意に満ちた混迷でなく、力を。彼が表しているのはオーシマーの統合だ。オークを卑しい自然を超える存在へと高め、他の種族と対等にすることだ。

クログ王とオルシニウムのオーシマーは、トリニマクの教えに従う。

マラキャスとリーチMalacath and the Reach

オークは自分達はマラキャスの子供だとよく言う。私の部族は異を唱えるだろう。マラキャスがオークやオーガ、トロールを使って、本当に選んだ種族、つまりリーチの民を試すことが稀にあるとリーチの民は教わる。

私に言わせれば、どちらも間違っている。灰と骨の王は私達の誰にも関心を持たない。彼を崇拝することは愚かであり、皆で破滅することになるだろう。

例えば、このトークン「復讐の目」は、我が部族が湿っぽい墓で血眼になって探したものだ。このつまらない小装飾品のために、計り知れないほどの血を無駄に流してきた。オークと我が部族の確執は何世紀も続いてきた。私達の呪術師の話では、マラキャスが彼の名において、私達の誰かがこれを運ぶことを求めているという。オークの話では、これは彼らのものだそうだ。

両者とも、2つの種族を踊らせる弦は見えていない。

私達がデイドラにしてきたのはそういうことだ。遊びの慰みものだ。彼らの贈り物は毒入りだ。そう考えなければ愚かだ。だが、我々は愚者の世界に生きている。皆が自分たちはどこか違うと思っているのだ。どこか特別だと。私達が殺し、信仰のために殺される間、デイドラは微笑んでいる。

モークルディンの最後の届けものMorkuldin’s Final Delivery

スカルグ

これが私の最後の積み荷だ。今、邪悪な目が私を見ている。しがない盗賊や街の小者が行方不明になっても気づかれないと思っていたが、間違っていた。お前の鍛冶場を満足させる別の方法を見つけないといけない。

この最後の積み荷の内容は以下のとおり:

オーク4名:健康
カジート2名:病気の可能性あり
ブレトン3名:凍傷
エルフ2名:1名は健康、1名は死体

死人についてはすまない。仕方がなかった。だが、前回エルフの血について言っていたから、死体も残しておいた。

いつもどおり、いつもの場所にモークルの鍛冶武具と鎧の一式が届いていることを願っている。

友よ、糸が導きますように

—ズシュラク

モークルディンの訪問者の観察Morkuldin Visitor’s Observations

人目を避けて暮らしているモークル・クランから招待を受けた。ロスガリアン山地の奥深くにある、彼らの最高傑作を作っている鍛冶場を見るのを許されたのは、そこの親方の話では私が初めてだという。初日だけでも、オークにできるとは思ってもなかった驚くべき光景をいくつも目撃した。大学へ戻る前に、この体験を記録しようと決意した。

ここのオーク達の秘密主義には驚いた。大きな鍛冶場の入口でさえ用心深く隠され、そこにあることを知らなければ目に入らない。それでもまだ足りないとばかりに、一族や、ある種の方法で自分を証明できる者にしか開かない道もあるようだ。もっと探ってみないと。

鍛冶場は驚異的だった。正直言うと、しょせんオークだと半信半疑だったが、とんでもない光景だった。あえて触れないが、鍛冶場を作ったのがオークでないことは明らかだ。実際、その起源を隠すためにオークはいろいろ外観を凝らしていた。しかし、内部の仕組み、精密なデザインはどうだ?オークの石の下に隠されているのはドゥエマーの才気だ。それは疑問の余地がない。

オーク達は鍛冶場を自慢気に語り、様々な道具を使って作業しているが、鍛冶槌については何も語らない。自分達が何を持っているかさえ分からないのか?鍛冶場はたぐいまれなものだが、ここでこれを作ったのがドゥエマーだと考えるのが自然だと思いつかないほど、こちらも鈍くはない。鍛冶槌はかなり古いものだが、今でも丈夫だ。槌の持ち主が彼らではなくて私だったら何ができるだろう!

いつかチャンスがあるかも知れない。今は鍛冶場の親方に、休息と水分を取れるように脇の控室を案内された。この場所は熱でうだるように暑く、頭を曇らせる。頭がすっきりしていたから、なおさらだ。

ヤザラへの手紙Letter to Yazara

ヤザラ

オグゾー族長が死にかけていると聞いた。オルシニウムから戻って族長の座に挑むつもりよ。マラキャスは勝利者を好む。

―U

やる気のない徴募兵の告白Confessions of a Reluctant Recruit

ヴォシュ・ラクが仮面を被るのは私にとって好都合だ。差し支えなければ、ここでは本名を伏せさせてもらいたい。私のことは、そうだな、ローグと呼んでくれ。私は真っ当なオークだった。クランの族長の話を聞いた。恨みと破られた約束を糧に生きようとした。そして、そんな時私は啓示を受けた。トリニマクの言葉を聞いてから私の人生は一変した。

何が起こったって?クランの名高い切り株のエールの樽を持ってオルシニウムの街へ行く途中、ヴォシュ・ラクの徴募官の一団に襲撃された。トリニマクの名を称えろ!地面にねじ伏せられた私は頭に袋をかぶせられ、どこか秘密の場所に連れて行かれた。正直言って、震え上がるほど怖かった!

何時間も経ったような気がした後、年配のヴォシュ・ラクが私の頭の覆いを外した。彼女は、私の古くさい考え方が誤っていることを教えてあげると言った。私の心を開かせ、トリニマクの神聖なる言葉を受け入れやすくするのだと。詳細は省くが、彼女の手法の中には、何度も殴り、殺し文句を延々と繰り返し、家族のことで脅迫し、彼女曰くトリニマクの言葉が理解しやすくなるというまずい飲み物を適度に飲ますものもあった。

ついに私が根負けし、トリニマクとヴォシュ・ラクに対する信仰を口にすると、それからもう1時間、年配のヴォシュ・ラクが私が本心から言っているのだと確信するまで続いた。そして仮面とローブを渡され、ヴォシュ・ラクの仲間として迎えられた。トリニマクを称えよ!

今?今の私はヴォシュ・ラクの忠実な一員であり、トリニマクの鋭利な刃の1つだ。ヴォシュ・ラクのために戦う。頼まれればヴォシュ・ラクのために死ぬだろう。だが内心では、少し別の思いもある。ヴォシュ・ラクにはなりたくない!はっきり言って、最近の改宗者の大半はグループの一員にはなりたがらない。自分達自身に我慢ならないんだ。徴募活動はそんなにいいものではない。

ルキンダレフトの族長会議Rkindaleft’s Council of Chiefs

15日目
我々族長は何日も会合を重ねた。外では敵が待ち構えているが、中には何が待ち受けているのか分からない。食料だけが減っていく。

遺跡の中の機器が冷え始めた。やがてまた氷が張り、陥落前のオルシニウムよりも厚い壁の中に閉じ込められるだろう。

問題は、ここを出るか、突き進むかだ。

17日目
ようやく、斥候を送ることを決断した。遺跡の奥に何があるのか、やがて明らかになるだろう。

18日目
斥候が戻った。ドワーフの装置によって暖められた谷があり、しかも獲物が豊富にいるとのことだった。

他の族長はその報告に縋り付きたがっていたが、私は訝しく思った。斥候はハーシーンの狩場を見つけたような口ぶりだった。

19日目
我々は決を取った。私は華々しく戦場で散り、オルシニウムの犠牲者の仇を討ち、バロス・ブラッドタスクへの裏切りを正すことに票を投じた。

しかし通ったのは斥候の大げさな話だった。我々は内部へと歩を進めた。

ロスガーのオーガ:継続中の論文The Ogres of Wrothgar: A Continuing Treatise

シランティレ 著

タムリエルのオーガについての以前の研究では、オーガについて、その行動、基本的な知性を詳しく議論した。あの研究「オーガ:概略」には、あの能なしの獣についてもっと学びたい人向けに十分な情報を盛り込むべきだが、ロスガーを旅して以降、耳にした誤解を晴らすのを目的にこの補遺を書いている。

1、オーガはある種の社会的組織を形成している、などとは誰にも言わせてはならない。他の動物と同じく、強いオーガは自らの優越性を誇示して弱いオーガを率いる。単純かつ明快だ。

2、オーガは魔法を使えない。「オーガの呪術師」について報告があるが、それらは誤解に基づく悪質な誇張だ。説明しがたい力を持つオーガもごくわずかはいるが、私達が目にできるのは、複雑さで言えば、蜘蛛が巣を作るのと大差ないものだ。

最後に、優雅なセンチや便利なグアルと違い、オーガには何の取り柄もない。訓練することも飼い慣らすこともできない。自然災害と同様に扱い、オーガを大きく避けるか、近くから排除することが賢明だ。これが最高の回答だ。

ロスガーのリークル:観察記録Riekrs of Wrothgar: Observations

1日目

マスター・ステロンのゴブリン臭の調合を使用すると、リークルたちは私を一員として認めたようだ。彼らはとても社交的な生き物で、それぞれが役割を担っている。

私は槌で石を砕く役割を与えられた。この役割の目的がまだよく分かっていないが、他の者たちは嬉しそうに鳴きながら石を砕いているので、特に気になっていないようだ。

2日目

さらに石を砕く。腕の筋肉を痛めてしまったかもしれない。

3日目

リークルの社会構造を観察するうち、魔法とその使用者に対する不思議な態度が見受けられた。知能の低い生き物のため、タムリエル各地で見られるような正式な訓練は受けられない。その代わり、彼らはこの世の魔法とのつながりを持って生まれてくる。

その魔法とのつながりを示した者は、たちまち兄弟たちにのけ者にされる。私がクランに入った当初砕いていたような石を投げつけられ、追い払われる。魔術師は野生へと逃げるか、死ぬしかない。しばらく追放された後、新鮮な鹿、熊、エチャテレなどの肉を手土産にクランへと戻る。

その後魔術師はクランの中で崇拝される存在となり、族長とともに力と影響力を持つ。

5日目

魔術師たちが会議を行い、移住の合図が出された。新たな食料源が見つかったようだ。

6日目

食べ物の入った箱でいっぱいの洞窟に到着した。何らかの野営地であったことは間違いないが、所有者は見当たらない。

7日目

リークルの一人が箱の中で本を見つけ、これは何かと私に聞いてきた。見たところレシピ本のようだった。そう伝えると、彼はそれにかぶりついた。

「レシピ、おいしくない」と言って吐き出した。

8日目

私の石砕きは他のリークルたちに追いついておらず、怪しむような目で見られはじめている。リークルはしっかり働かない者には優しくない。完全にばれる前に、そろそろ出て行ったほうがいいかもしれない。

ロズルスへの手紙Letter to Lozruth

ロズルス

書状を受け取った。出発が承認された。今のところ1人だ。すぐに行く。

君が仕事をできるように、全力を尽くしてみんなを引き離している。楽ではないけれど。

よろしく
ゴルズ

怨みの岩の滝の伝説The Legend of Grudge-Rock Falls

どんなオークも恨みの概念を理解している。オークの心に、血や戦闘やヴォシュ・ボールに劣らず根づいている。だが、おそらくロスガー全土の中でも恨みが格別な意味を持っているのは、怨みの岩の滝として知られる場所だ。

ジョーマグとトーカグが、2人のとっておきのエチャテレをつがわせて生まれた子供の所有権を巡っていさかいを起こし、名もない高原の頂きで会って解決した時、岩肌の絶壁に滝は流れていなかった。だが、2人が戦闘中に出会ったとき、遺恨を巡る争いが一昼夜続いた。

2日目の朝、ジョーマグの斧と剣がトーカグの槌とぶつかり合った結果、金属同士の衝撃音が岩を震わせ、大きく切り裂き、そこからものすごい勢いで水がどっとあふれ出た。今も流れている。

それが真実か伝説かは定かではないが。

音声メモ、屈折81u5Auditorial Notes, Declension 81u5

…魂の部分がずっと絡み合い続けなくてはならない。危険性は極めて高い。転移の途中で何かがなくなったら、確実に失敗する。試みが不成功なら、例えこの過程を乗り切っても、基礎となる獣は著しく弱体化する。つまりどうしても不健康になる。

ヴァーデンフェルの方法論の私なりの分析を通じて考えるに、有機物の部品とコンストラクトの融合を複製するのはより簡単だ。注意すべきは、この技術が標準的な方法以上の利益は生まず、多くの点で劣っていることだ。希少なことと、顧みられないことが理由だろう。

ルキンダレフトにはまだ十分な手段が残っている。要するに、それがドゥエマーの意志だ。そして、適した宿主の創造についての私の研究は完成している。今後の年月は、意識の本質、意識と魂との関係、(ひいては)記憶との関係に費やさなくてはならない。これが鍵なのは確かだ。そこに近づいている。

忘れてはならない。ルールは存在しない。どんな壁であろうと、まだ突き破ったことのない壁だ。

時間はかかる。一生涯かかるだろう。だが、その分の蓄えはある。

監視塔に捧げる歌Ode to a Watchtower

吟遊詩人の卵ドラスク作の詩

生きて目にすることがあるとは思ってもみなかった
私より情けない形の建物を。

倒れた石と壊れた王冠が
私の眉間の深い皺を和らげることはない。

それは木々の中に寂しく立ち
果たされない約束が果たされることは永遠にない。

血の丘の試練The Challenge at Bloody Knoll

歌の前の時代、クランはそれぞれうごめき、酷寒の北の地でしのぎを削った。やがて山のように積み上げられた死者たちと、その石塚へとつながる深紅の道が雪の上に拓かれた。

秋となり、クランは講和し、牧場や放牧地や農場から遺体を回収した。その数はあまりに多く、遺体を集め終わるまでに秋は二度巡ってきた。

死者の数を目にし、働く者のいない田畑が放置されているのを見て、シャーとトゥルの族長たちは密会した。「互いの戦士を虐殺しあうことに栄光も名誉もない。今年頭角を現した英雄は次の年に死ぬ。我々が年老いた時に跡目を継いでくれる精悍なオークが残っているか?」と語らった。

そこで彼らはマラキャスを訪ね、エチャテレと自らの血を捧げた。するとデイドラ公は二人に答えた

「死者の記念碑を建てて我に捧げよ。シャーとトゥルの犠牲者の石塚だ。そこで互いの軍から最も強き者を選び出せ。選ばれし者たちが石塚の頂上で決闘し、石塚が敗者の血で清められるまで続けるのだ。勝者を新たなシャー・トゥル・クランの族長とせよ」

族長たちはマラキャスの命に従った。部族間の戦は終結し、新たなクランが生まれた。最初の決闘が行われた地は血の丘と呼ばれた。戦死者の死体で築かれ、決闘の敗者の血で清められたからだ。

残酷な息子達の戦いの歌Savage Sons War Chant

バロス!バロスのために!
我らは昼も夜も進む。
敵はいない!
我らは戦いにおける恐怖そのもの。

自由のために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!
兄弟のために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!

バロス!我らがバロス!
我らが勇者。
ワイルドボアー!ブラッドタスク!
彼の名前に栄光がある。

バロスのために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!
他人のために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!

バロス!友なるバロス!
我らを雪から引っぱり出してくれた。
国を追われた者!クランのない者!
皆が知る以上に残酷に。

残酷な息子達よ、突撃だ!

狩猟のラコラLakora of the Hunt

瞳は鋭く
破滅が近づいた時でさえ
仲間を引き寄せ
栄光への道へと導いた。

小さなエチャテレLittle Echatere

鋭い矢のエヴェリ作の詩

私達がとても小さなエチャテレを愛しているって知ってた?
今、君は群れなどあれやこれやにいる。暮らして幸せ?

いるのを見ると、君は穏やかで落ち着き払っている。
ところで君が提供するチーズはおいしくて、とても評価されている。

ハ、宿屋と酒場、砦と城、ハッ、小さなエチャテレ、
隠しているのは王と国。人生は不公平ね。

部屋がきっと毛に覆われた背中にある。いつでももう1袋積むのよね?
合わせた知識で、皆に欠けていることを教えてくれる?

言葉では伝えきれないくらい愛している、小さなエチャテレ。
オークはマンモスや野兎よりも素敵だと、知っている。

きっと心配しないで、もうこれ以上戸惑わせない。
匂わない愛を、育った証にちょうだい。最後の抱擁に。

捜査官ヴェイル:マンドレイク邸の呪いInvestigator Vale: The Curse of Mandrake Manor

「かけがえのない友よ、亡霊などいないわ。犯人は、鍛冶屋のパルウィンよ!」

捜査官ヴェイルの言葉が壁にこだまし、蔵書庫に集まった大勢は、レディ・マンドレイクの周囲で息を呑んだ。犯人と呼ばれた者を探そうと四方を見回した。部屋の奥に、鍛冶屋が不安げな様子で立っていた。かぶりを振っているが、その顔には、やましい表情が広がっていた。

「何をおっしゃる?これほどの厄介事を、ただの定命の者が起こせるわけがない」と鍛冶屋は弁解するように言った。「どうして密室に忍び込んで執事を殺せる?どうして死体を隠せる?ずっと鍛冶仕事をしていたのに。証拠もないくせに!」

部屋は静まり返り、全員の目は再び捜査官ヴェイルへ向けられた。だが、激しい言葉にも、彼女がひるむ様子はなかった。燭台の炎がちらつく中で、目を輝かせると、肩を引いて顎を心持ち上げ、漆黒の髪を背中になびかせた。右手の握り拳の中に何かを掴んでいるようだ。おもむろに拳を開いて指を広げると、そこに現れたのは、頭蓋骨の形をした光り輝くブロンズの鍵だった。

「親愛なるパルウィン、またしても私を甘く見たようね」とヴェイルは言った。「証拠は、あなたの顔に鼻があるのと同じくらい明らかよ。この頭蓋骨の鍵を入手できたのはあなただけだった。マンドレイク邸からなくなった鍵を!」

パルウィンの目が見開かれた。彼は言葉に詰まり、気を取り直そうとした。そして言った。「そ…それが私のものだとどうして分かる。どうやって手に入れた?答えを…聞こう。私を利用したんだろう!」

ヴェイルは頭を戻し、長く優雅な喉から、嬉しそうな笑い声を発した。「あら、お馬鹿さんね!もちろん利用したわ!ゆうべ2人で飲んだあのお酒は?あなたの分にチンキを入れたの、あなたがぐっすり寝て部屋を調べられるように。そうなれば、部屋のどこが不自然か見抜くのはたやすかった」

ヴェイルは、部屋を動き回って聴衆に訴えかけながら、続けた。「床にあるひっかき傷は本棚を動かしてできたもので、明らかに、隠し扉があるという証拠よ。血に染まった手袋が、隅に無造作に投げ捨てられていた。死体の発見現場には、森の草がべったりついたブーツがあった。そしてこの鍵は、誰からも見えるあなたのナイトスタンドにあった」

「それが何の証拠になる?お前が私をはめたこと以外に」とパルウィンは怒鳴った。

「何もかも証明している」とヴェイルはにこやかに言った。「亡霊ではなく、不満げな鍛冶屋がいて、邸宅の地下のトンネルをさまよっていた。この鍵の元に行ける唯一のトンネルを。最初は脅かしやゆすりとして始まった企みは、ついに殺人へと至った」

「違う!」とパルウィンは叫んだ。「私のものを使ってだまそうたって、そうはいかない!二度と!」。彼はベルトから短剣を抜くと、ヴェイルへ突進した。ヴェイルが間一髪でよけると、パルウィンはバランスを崩し、頭から壁にぶつかった。崩れ落ちた彼の胸に短剣が刺さった。

「殺人は償えない」とヴェイルは言った。「さて、もう下がっていいかな。強い酒のボトルが私を待っているの。そして、また謎が現れる。いつだって謎が現れる」

捜査官ヴェイル:鳥の仕掛けInvestigator Vale: Fowl Play

「鴨だわ、タムシン伯爵」。捜査官ヴェイルは、たくましい貴族から転がるように離れながら声を上げた。

タムシンは困惑し、柔らかい曲線を持つ秘密捜査官が体の上から消えたことを惜しんだ。肘をついてもがきながら叫んだ。「セクシーな探偵よ、鴨とは?そんな話をする時間じゃない」

ヴェイルは裸の伯爵を置き去りにしてベッドから跳び出し、シルクのシーツを体に巻いた。「あら、絶好の時間よ!あなたの屋敷で何が起こったか、ようやく突き止めた」

タムシンは枕で体を隠そうと無駄な抵抗をしながら、「謎の死のこと?」としどろもどろに言った。起き上がって彼女のそばに行くか、そのままベッドにいるか迷っていた。「確かに君を雇ったのは難題を解くためだが、その前にやることをやってから解決して欲しいな」

「そんなムードにはもうなれないのよ、タムシン伯爵。羽をむしり取るべき鳥が他にできたから」

「何の話をしているんだ、ヴェイル?」。伯爵は狼狽しながらも、同じくらいに怒ってどうしても声を抑えられなかった。「分かりやすく話せ!」

「分かりやすく?分かりやすく話してるのに!創意工夫に富んだ計画だったけど、捜査官ヴェイルがいつもどおり解決したの」

「ヴェイル!私の理性も君のムードと同じくらい、切れてなくなりそうだ…」

ヴェイルは笑みを浮かべて窓際に腰を下ろすと、漆黒の長い髪をそよ風にたなびかせた。「猟区管理人のジェリター・ナッレだわ。死んだ時の状況を調べてみると、どれも鴨のローストを食べた直後だった。ナッレが気前よく提供した鴨を。彼があなたの部下を毒殺したのよ」

「あの悪党め!」とタムシン伯爵は怒鳴った。「切り刻んで、奴の鴨の餌にしてやる、ふざけおって!」

突然、ヴェイルは体を伯爵に密着させた。二人を隔てるのはシルクのシーツ1枚のみ。「伯爵、大好きよ、あなたの考え方」と甘えた声で言った。「ムードが戻って来たみたい」

「猟区管理人はどうなる?」

「正義は遅かれ早かれ下されるわ、タムシン」とヴェイルは囁いた。「でも私達は途中だったのに、急に事件が解決して水を差されてしまった。私は欲しくてたまらない。鴨よりもう少し中身のあるものが欲しいムードなの」

「ああ、捜査官ヴェイル」と伯爵は言い、捜査官とベッドに戻った。

捜査官ヴェイル:密室殺人Investigator Vale: The Locked Room Murder

「ええ、殺人が起きたとき、あの部屋は確かに密室でした」と捜査官ヴェイルは、瀟洒な服から埃を払いながら言った。彼女に劣らず埃にまみれた皿洗いの召使は、顔を紅潮させ、慌ててエプロンを直しながら、錬金術師用の在庫豊富な棚の裏から走り去った。

「この裏で何があったのです、捜査官?」と錬金術師クレラナがいぶかしげに尋ねた。

「ああ、元気のいい召使が手伝ってくれたんです、私の…捜査を」とヴェイルは素知らぬ顔で言った。「あなたが注意を払うべきは、この半分空になったワマスの胆汁の瓶よ」

錬金術師クレラナは不安そうに身をよじりながら、2人の会話に改めて興味を向けているたくましい街の衛兵をちらりと見た。クレラナは唾を飲んでから言った。「私の古い備品室とグラス頭取の死とどう関係がある?彼は鍵がかかった自室で死んだのに」

ヴェイルは、手袋をはめた指を棚から引き戻した。「ええ、この場所はかなり汚い。この倉庫施設は何ヶ月も使われていないとあなたは言っていた。でも、ワマスの胆汁の瓶に気づいた?埃はほとんど拭き取られていた。理由が分かる?」

「なぜです?」とたくましい衛兵が尋ねた。

ヴェイルはとっておきのまぶしい笑みを彼に与えた。「頭取が中から鍵をかけたとき、すでに死んでいたからよ。彼はそれに気づいていなかった!」

ヴェイルは錬金術師に勝利の笑みを見せた。「認めなさい。この数週間、致死性の胆汁をかなりの量、頭取の羽ペンに塗ったのね。哀れな頭取に徐々に毒を盛った!」

「忌々しいヴェイルめ!」と錬金術師は吐き捨てるように言った。「しかし、私が地下牢に連行される姿を見物はさせないぞ!」。衛兵が止める間もなく、クレラナは瓶の中身を喉に流し込んだ。床に倒れこんだが、その時には肌がもう灰色に変色していた。

「クレラナ、あなたが死んでも私は満足しない」とヴェイルは残念そうに言った。そして気を取り直して言った。「ところで、流し場の召使は…あの意地悪女はどこに逃げたの?」

多くの舌のマズガーMazghar Many-Tongues

洞窟を光で満たし
微動だにせずその間に立つ
暖かさと勇気の言葉は
常に耳から離れない

大いなる暖かさThe Great Warmth

大いなる暖かさに頭を垂れよ
大いなる暖かさに祈れ
大いなる暖かさに捧げよ

大いなる暖かさは汝の父だ
大いなる暖かさは汝の主人だ
大いなる暖かさが見ている

暖かさなくして命はない

怒れる者の怒りPrayer to the Furious One

呪いの神よ、我が祈りを聞け!

裏切られし者の神よ、我に力を授けろ!

恨みの番人よ、私の心を強くしろ!

破られた約束の持ち主よ、私の苦悶を焚きつけろ!

立てられた誓いの主よ、敵に勝たせる凶暴さを授けよ!

マラキャス、私の祈りを聞け!

逃げた理由Why We Fled

我々がオルシニウムから逃げたのは臆病だったからだと言われるだろう。子供たちよ、それは嘘だ。時が流れ、人々が己の出自を忘れたとしても、恥じ入って項垂れてはならない。トラグの愚行、バロスの裏切り、そしてゴルカーの墓の物語を忘れるな。

オークは強い種族だ。精悍で戦を恐れない。血は我々の生来の権利だ。マラキャスの筋肉が我々の骨を包んでいる。だが我らは座して動かないでいられるようには作られてはいない。腰を据えて土地を耕すように生まれついてはいないのだ。その代り、旅をして略奪するように生まれついている。我々の力は破壊のためだ。滅ぼした者から戦の栄光を刈り取るのだ。それだけが我々に必要な糧なのだ!

だが何年も前に、力と怒りにおいてオークの中でも抜きんでたトラグというオークが、我が民に構想をもたらした。大いなる都を作るのだと彼は言った。さすれば世界中が恐怖し、敬意を抱くだろうと。

確かに恐怖はもたらしたが、決して尊敬はされなかった。たとえ彼の築いた都がどれほど巨大でも。

彼らは岩の中に街を築いた。まばゆい宝石のような都を。それがオルシニウムだ。確かに偉大な都ではあったが、オークは街で暮らすように生まれついていない。防衛のために作られた壁は我々を閉じ込めただけだった。三重の門は我々を封じ込めた。街はトラグの野望の墓標となり、オークの夢の墓標ともなった。やがてレッドガードとブレトンが街を滅ぼしにやってきた。

我々が逃げたのは戦を恐れたからではない。我々が脱出したのは敵と戦うためだった。そして敵軍を滅ぼし、その国土を滅ぼした。奴らのロスガーの所領は我々の行軍に震え、我々の足音に大地は揺れた。

ああ、栄光よ!ああ、喜びよ!再びオークとなれるとは!自由に旅をするのだ!

しかし勢いは長続きしなかった。敵が集結させた軍勢は我が軍をはるかに上回っていた。そして我々は山の麓へと追い詰められた。永久に氷で閉ざされた平原へと。機械仕掛けの悪魔に守られ、我らはぬくもりと住居、防衛策を見出した。いつの日か我らは、輝かしく牙を剥き出したマラキャスの笑みの下、雄々しく身を現し、勝利へと向かうのだ。

謎のウグイアビMystery of the Chub Loon

オークの土地に、何とも説明しがたい生き物がいる。ウグイアビは目的意識がなく、その歴史もほとんど知られていない。しかし、ムーンシュガー・シロップとシトラスで料理すると絶品だ。

私ザビアーコの一行は、ファルン要塞のオークと安全な取引を模索していた時、交渉が相手の不興を買ったことに気づいた。族長に船を燃やされ、追っ手の戦士を差し向けられると、我々は死に物狂いで逃げるしかなかった。極寒の亡霊の海を望む、寒々とした岩だらけの海岸がその晩のねぐらとなった。うなる海風が、毛皮の少し中まで猛威を振るった。それでも闇夜になると、ついに眠りは訪れた。

ドリュアダク山地に日が昇ると、波が岩に当たるリズミカルな平和を騒々しい音が打ち砕いた。他の者達は未知の野獣が自分達を食べに来ることを恐れたが、こちらは好奇心が恐怖心に打ち勝ち、毛布を抜け出し、杖をつかみ、海岸へ向かい、ここに留まるか逃げるか、この目で決めようとした。目の前を通り過ぎた生き物の中で何より不思議だったのは、切り株のような脚でよちよち歩く鳥で、氷盤や岩の上に群がっていた。体の側面にある役立たずの羽をぱたぱたしながら、何羽ずつかで寄り集まって暖め合っていた。その鳴き声も、彼らを見下ろしたとき最初は驚かされたが、コミカルな響きがあった。

故郷の蔵書庫で借りた古いよれよれの野生動物のガイドブックには、この鳥に似た鳥は何も載ってなかった。友情の門からの脱出は後回しにできる。これは新種だ。新種は価値がある。最初の2、3羽はとても慎重に捕らえたが、じきにこの鳥が愚かすぎてカジートから逃げ切れないことを学んだ。けれど、オークからは難なく逃げ切れている!どんな手頃な獲物でも、カジートが現れれば逃げ出そうとするが、この恐れ知らずの鳥は別だ。我々はこの鳥達をすくい上げるように捕らえ、ファルンのクランにこちらの匂いをかぎつけられて追いかけられないように、門へ急いだ。

ウェイレストで最初に寄ったのは、魔術師ギルドだ。少しお金を払って、彼らの自然史の蔵書庫に入れてもらった。そこには野生動物のガイドブックの新版が堂々と陳列されていた。ウグイアビは神出鬼没の生物とされ、初期の書き手は触れていない。なぜあんな気に障る生物が見落とされていたのだろう?

数日間、そして数夜ロウソクの灯りとともに過ごし、タムリエルの生き物と野生動物に関する全書物に目を通した。第二紀初めより前にウグイアビの存在についての記述はなかった。そんなことがありえるのか?最初の記述は、ホーカーが書いた文で、ホーカーの居住地に現れ、食料源を混乱させたとだけ記されている。ノルド達のように、他の土地から来たということがありえるのか?あの愚かな鳥は、アトモーラから旅人に連れて来られたのか?氷の塊に乗るだけで自力で亡霊の海を渡って来られるのか?どうやって来たにせよ、ロスガーの岩場の海岸に新たな居住地を確保し、繁栄しているのだ。

不屈のアラカウルArakaul the Unbroken

族長を殺したが、クランは放っておいた、
エルフにも人にも屈服せず、
オークを永遠に自由にした。

樫の盾で守り、
最後までバロスを守りし、
忠実なる友は永遠に。

戦ったのは国でも金貨でも王のためでもない、
何より大事なのは同胞、
残酷な息子よ、永遠に。

風歩きのタマールWindwalker Tamahl

いつも忠実なのはタマール、
機転が利き、しぶとい、
だから友にとっても忘れられない。

剣を比類なきほど優雅に振り、
落ち着き払った仮面を顔に被る、
敵の記憶に残るように。

ガイデン・シンジの忠実なる助けのおかげで、
名誉の借りは必ず返される、
誰もが忘れないだろう。

「名誉の休息地」の記念碑Honor’s Rest Monument Stone

この広間で戦士が安らぎを見つけ、
壁に永遠に名が刻まれる、
忘れられてはならない。

灰と骨、ここで彼らは眠る、
鉄と石によって名誉は証明される、
それを忘れられてはならない。

宝石より偉大な宝物の中に、
記念の池の贈り物の中に、
彼らを忘れてはならない。

遠い昔に失われた記憶を深く学べ、
薄れかけた歴史に光を当てろ、
それは忘れられてはならない。

傭兵が残した焦げた日記Mercenary’s Scorched Journal

…この仕事を得た。バゾーグベグは私達を死へ送りだした。私が最後の1人だと思う。

ここはドワーフの機械が追ってきたりはしないが、寒すぎる。

* * *

大きな管にもたれかかった。全てがシフトした。灯りと蒸気があった。少なくとも今は暖かい。

* * *

他のと同じような管が見える。最初のは部屋を暖めた。とすると、次はドワーフの食料?食料はないのだから、失うものなどあるか?