グレナンブラの伝承

Glenumbra Lore

アルドメリ・ドミニオンへの警告A Warning to the Aldmeri Dominion

エリステラ・リジェン 著

アルドメリ・ドミニオンの君主達に対しここに警告する。武力侵略の野望を放棄して自分の島や密林へ戻れ。さもなければダガーフォール・カバナントの憤怒が神々の槌のように振り下ろされるだろう。

アルドメリの計画にエルフによる他の種族、特に人類とオークに対する支配を取り戻そうとする狙いがあることは周知の事実だ。彼らは第一、第二帝国の遺産を覆し、歴史から消し去ろうとしている。これを許してはならない。自由となった人類とオークがエルフの圧政に従うことは二度とない!

ドミニオンの原動力が傲慢なサマーセットのハイエルフであることは明らかだ。我々カバナントはディレニを受け入れることでエルフと平和に暮らせることを示してきたが、アイレン女王は戦争を求めている。女王のタムリエル大陸侵攻は武力侵略以外の何ものでもない。ドミニオンにシロディールの領土権はない。アルトマーがサマーセットに戻らないなら、侵略軍は倒される。

ウッドエルフとカジートはイリアック湾の王国と長年交易してきたが、裏切り者のサマーセットのアルトマーの味方になるという過ちを犯した。カバナントとして彼らに敵意はないが、ドミニオンとの同盟を続けるならば、我々の手によりハイエルフと同じ運命に苦しむことになるだろう。考え直すか、憤怒に直面するかだ。

ウィレス:名づけの娘達Wyresses: The Name-Daughters

喋る樫のグラーガーギル 著

エルデンの時代、エルフの時代、イェフレは訪れた
走った場所で生物達を名づけた

すべては混沌としていて、名前は存在しなかった
彼の贈りものは獣、植物、石それぞれに名前を与えることだった

人とエルフ以外のすべてのものが身のほどをを知っていた
どこへいっても略奪と破壊を繰り返した彼らを除いて

「お前達をアースボーンと名づける」とイェフレは告げた、
「森、石、根、種の王よ。
この遺産を育む、その保護者となれ
その価値がある者を守りとして指名せよ」

それ以来ウィルドの女性達は緑を守る、
ツンドラから森まで、頂上から谷底まで、

虎であろうと虫であろうと、すべての生物に思い出させる
その名前、その性質、その機能と姿を。

緑を堕落させようとする者には
ウィレスがあらゆる場所で立ち向かうだろう。

だから森を歩く時は注意しろ、イェフレのやり方に敬意を払え
さもなければ監視するウィルドの女性達に連れ去られる。

ウェアウルフの皮The Werewolf’s Hide

謎のパックリーダー 著

我々の最大の強みはその飢え、数、怒り、爪、牙、だと言う者もいるだろう。愚か者だ。ハーシーンの贈り物は武器だけではなく、守りに関するものもある。

主人の大きな猟場で狩りをするには、痛みを感じず、自分の体を支配する必要がある。

多くのウェアウルフの狩人がこの理由から皮を奪おうとする。身につけるか、或いは燃やそうとする。いずれにせよ、これは最大の宝であり、汚したり壊したりしないよう注意せねばならない。
狼の毛皮は地位の証でもある。それは体の代わりに傷つき、痛みから守ってくれる。貴族が装飾品を扱うように扱うこと。なぜならお前はハーシーンの家来だ。

汚い毛皮をした、野生化した狼をよく見かける。お前は野性の犬ではない!獣として森をさまようしかない愚かな狼ではない!狩人達の王だ!
敵に襲われ、敵が押し寄せて剣や鎌、熊手や槍と対峙するために真の姿に変身した時、私に感謝するだろう。その毛皮は輝いて恐怖を呼び起こし、どんな打撃にも傷つくことはない。

オークの本性(発禁版)The True Nature of Orcs (Banned Ed.)

オークたちは深遠の暁紀の最後の頃に誕生したとされている。歴史的にはゴブリンに近い獣人の類と誤認されてきたが、オークは実際はハイエルフの祖霊の中でも最も強大と言われたトリニマクの子供たちだ。トリニマクがデイドラ公ボエシアにより食われ、汚らわしきこの神の臓物と化した時、オークたちも変容してしまったという。オークの古名は「追放されし者たち」を意味する「オーシマー」である。現在のオークたちはトリニマクの遺骸であるモーロッチを信仰している。

モーロッチとは?

一般的には、追放されし者やのけ者にされし者、誓約、そして血の呪いを司るデイドラ公マラキャスとして知られている。厳密にはデイドラ公ではなく、他のデイドラも仲間と見なしてはいないが、その領分を考えればふさわしい扱いといえよう。マラウクはかつてハイエルフの神々の英雄トリニマクとしてハイエルフたちを内外の敵から守り、場所によってはアーリエルすらも凌ぐ人気を博していた。ところがトリニマクは従徒たちと共にヴェロシの反乱を阻止しようと試みた際に、ボエシアに食われてしまう。そしてその肉体と魂を汚され、マラキャスとして世に現れたのである。従徒たちも悲惨な変貌をとげ、神聖なるアーリエルを筆頭に万人から蔑まれ、サールザル近くの北方の荒地へと逃れた。彼らは居場所を手に入れようとノルドとチャイマー相手に戦ったが、得られた領土は僅かであった。スカイリムでマラキャスはオーキー、もしくは叩く者として知られ、イスミールとの戦いの数々は伝説の域となっている。

(指令:この悪しき、伝統的だが反オーク的なプロパガンダは、ダガーフォール・カバナントの全域で禁書となった。各管理者が責任を持つように)

ダガーフォール・カバナントへの案内Guide to the Daggerfall Covenant

ダガーフォール・カバナントは北西タムリエルの人々、ブレトン、レッドガード、オークの間で結ばれた協定であり、タムリエル全域の平和と秩序の実現のために相互防衛同盟を形成している。実際にカバナントの王達はレマンを参考にし、自らを第二帝国の精神的後継者と主張している。

ダガーフォール・カバナントは、「ブラック・ドレイク」のダーコラク率いるリーチの民の大群の侵略を撃退するためにハイロックの王達が同盟を結んだ第二紀542年に結成された。東の山々から来た野蛮なリーチの民はエバーモアを破滅させ、ウェイレストを包囲し、カムローンを略奪し、ようやくブレトンが止めた頃にはダガーフォールの門まで進軍していた。ダーコラクが倒されると、ダガーフォール、ウェイレスト、カムローン、エバーモア、そしてショーンヘルムの王達の間でいわゆる「最初」のダガーフォール・カバナントが結ばれた。互いの王国を守り外敵に対しては一丸となって戦うことを厳粛に誓った。

ブレトンの再建とともにハイロックは繁栄した。第二紀561年にウェイレスト付近の鉱山労働者が歴史に残る最大のオリハルコンを掘り当てた後は特に栄えた。鉱山があったカンバーランド伯爵のエメリックは、鉱山で得た富をウェイレスト艦隊の補強とハイロック全体の貿易の改善に使うことを提案した。ウェイレストのガードナー王は承認したが、艦隊が完成する前に恐るべきナハテン風邪がウェイレストを襲い、ガードナー王家の全員が亡くなった。その後エメリック伯爵が王になり、カンバーランド家がウェイレストの第二王朝となった。

ウェイレストの新しいエメリック王はショーンヘルムのランセル王の娘に求愛していたが、第二紀566年にセンチネルのマラヤ王女と結婚した。裏切られたと感じたランセルがウェイレストに奇襲を仕掛け、最初のカバナントは崩壊しかけた。カムローン、エバーモア、ダガーフォールの王達は皆ウェイレストの味方につき、エメリックの優れた外交術によりセンチネルの軍もエメリックの女王を守るために戦いに参加した。さらに、エメリックはロスガーの大きなオーク・クランに呼び掛け、協力の礼としてオルシニウムを与えると提案した。ショーンヘルムは倒され、カバナントは再生した。単なるブレトンの防衛協定としてではなく、新たな多国間の同盟として。

同盟の交渉の秘密会議はあらゆる場面で論争や議論を伴いながら、数ヶ月に及んだ。最終結果はエメリック王の構想を元にしており、多数の妥協と注意深く交渉された条件により実現された。地域全体の貿易の自由が保障され、リベンスパイアーの貴族やアリクルのクラウン・レッドガードの反対にも関わらず、オークは対等な同盟の一員として受け入れられた。やがて、北西タムリエルのすべての街と州が、上級王エメリックが議長を務めるカバナント王立議会に忠誠を誓った。同盟の設立者として、王は最高の統率力を誇った。

これが現代のダガーフォール・カバナントである。ファハラジャード王率いる北ハンマーフェルのレッドガード、オルシニウムのクログ王率いる北東山間部のオーク、ウェイレストの宮殿から統治するハイロックのブレトンの王エメリックによる同盟だ。理想的には、第一・第二帝国のすべての良い面を象徴する、騎士の精神を持つ高潔な人々による高貴な同盟である。そしてこの強固な基盤から、もしかすると第三の、より強力な帝国が台頭し、タムリエルの全住民に相互尊重、活気溢れる貿易、神々の崇拝の恩恵を与えてくれるかも知れない。

モーロッチの掟The Code of Mauloch

「モーロッチの掟において!」私は何度この誓いを薄汚い酒場で聞いたか、興奮した傭兵が腹の底から叫んでいるのを聞いたか知れない。だがオーク要塞がその言葉を規範としていないと言ったら嘘になるだろう。この私、アマンダ・アレイアが、良い戦士を作り上げるために「伝統」や「昔のやり方」が必要だと言う事はほとんどないが、オークに関しては先祖に忠実でいる事が勝利への近道のようだ。

少し遡ったところから説明させてもらおう。オークによると、オーク要塞は自分達の種族の歴史と同じくらい長く存在しているのだそうだ。それは控えめに言うと武装したキャンプ、大げさにいうと要塞である。壁の内側にいるすべての者が生まれた時からそれを守るよう訓練されている。武器や鎧はすべて要塞内で製造され、食料はオーク戦士によって狩りで捕獲され、獲物を持ち帰ると要塞に住む皆で食べる。

彼らに従うべき法律はなく、自分たちの中に刻み込んだ、文字には記されない「モーロッチの掟」と呼ばれる規範に従っている。これはマラキャスとも呼ばれる、彼らの神々の1人から名付けられている。ほとんどは、盗むな、殺すな、理由もなく人を襲うな(多くの例外があるようだが)というシンプルな内容だ。しかし、オークは要塞内に犯罪者を拘束する監獄を持たない。その代わりにあるのが、血の代償だ。犯した罪に見合った物を差し出すか、被害者が満足するまで血を流し続けるのだ。言うまでもないが、オークは血の気が多い。

掟には誰が要塞を管理すべきかという内容も含まれている。通常は最も強い男が族長で、何かを決断し、モーロッチの掟が守られているかどうかを判断する。ここにいる女はすべて族長の妻か娘だが、例外として儀式や治癒を行うための賢女がいる。深刻な議論は短くも激しい戦いで処理するが、族長とうまくやっていけない者の多くは要塞を追い出され、私達と共に生活する。オークはすべての事柄と戦うよう教えられて成長するが、戦うほどの価値がない物に関して、この掟は適用されない。

オーク要塞はよそ者が好きではなく、今も昔も自分たちだけで自活している。なぜこんなに熟知しているかというと、要塞を去ったオークの大多数は傭兵や兵士になり、ハチミツ酒を数杯飲めば彼らも故郷の事を話し始めるからである。時折、オークがオークでない者を「親族」にすることがあり、そうするとその者が一族として要塞内で暮らすのを許されるという話を耳にする。もちろん、実際に起こったという話は聞いた事がない。

モーロッチの掟に定められている変わった規範や伝統は、覚悟を持った戦士を育て上げる。また、彼らは普通の戦士とは集中の仕方が違う。武器を抜くまでに躊躇せず、隠し立てする事なく問題を解決しようとする。これこそが要塞内にいるオークと街中にいるオークの真の違いだと思う。法は争いを治安官によって解決するよう定めているが、モーロッチの掟は自分の問題を自分で解決するように求めている。これは傭兵として生きるには、うってつけの考え方だと言えるだろう。

リーチの魔術師の陰謀Schemes of the Reachmage

ウィザードのガブリエル・ベネレ 著

墓の歌い手アンゴフとしか知られていないリーチの魔術師を止めようとする獅子の守護団の試みに対し、私は魔術師ギルドの正式な代表として、調査中に予期せぬ事態が起きた場合に備えて発見や推測を記録することにしました。魔術師ギルドの仕事がこれほど危険で興奮するようなものになると、誰が予測したでしょう?とにかく、これは私が書き記した時点では正確かつ最新の記録です。間違いや後日発覚した事実については、後の巻で補足することにします。もし書いたものを自動的に更新する魔法を発明できたら…ダメです。1度に1つのことに集中しなければ!

アンゴフには計画の遂行を助ける多くの仲間がいます。奴は「手下」と呼んでいるようです。この邪悪な死霊術師に協力していると疑われる者について、復習しましょう。

ライカンスロープと関係があり、カムローンに攻撃を仕掛けたファオルチュは、より強力な者の命令で動いているように見えます。おそらくアンゴフだと推測しますが、この繋がりを示す証拠はまだつかんでいません。

ブラッドソーン教団は明らかにアンゴフと繋がりがあります。奴が教団のリーダーか、単なるメンバーかはまだ判断しかねますが、両者に関係があることは確信しています。信者達は遺物や力を持つ物品を求めて土地を探し回り、組織には多くの死霊術師が属しています。デイドラ公のような者と関係があっても驚きません。当て推量をするなら、モラグ・バルでしょうか。

デイドラもまた、アンゴフの矢筒の矢のように思えます。農民が風に種を投げるように、アンゴフはデイドラを世界に放っています。アンゴフのしもべがさらに潜んでいるはずですが、現時点で他の提案は単なる憶測の域を越えません。代わりに、リーチの魔術師本人について発見したことを述べましょう。

まず、アンゴフは何かしらの方法で大地を毒しているように思えます。通った場所に生える汚れた蔓が、魔法が地方を汚染していることを示す証になっています。その名前、墓の歌い手そのものが死の魔法に関する執着と能力を表しています。死と腐敗がアンゴフの領域であり、生と死を支配することを求めています。

信者達はアンゴフを強く説得力のあるリーダーであると考えています。喜ばせるためなら文字どおり死ぬ者もいるでしょう。そのような献身は不健全であり、誰かが他人にそれほどの影響力を持つことを個人的には恐ろしく思います。

アンゴフはできるだけ多くの混乱と破壊を起こそうとしています。最終目的は分かりません。グレナンブラに来たのは征服するためか、破滅させるためか?最終的にその違いに意味はあるのか?分かるのは、止める方法を見つけねばならないことです。絶対に!

さて、続きはまた後日書きましょう。今は出掛けて、キャス・ベドロード近くの要塞で獅子の守護団と合流しなければなりません。集めた知識は、目の前の任務に応用できるでしょうか。

帝国の真の後継者True Heirs of the Empire

エリステラ・リジェン 著

喜べ、北西タムリエルの人々よ!ニルンの他の地は戦争、狂気、デイドラの恐怖に苦しめられているものの、ダガーフォール・カバナントにはレマン帝国の栄光と名誉が存続している。我々は貿易の優位、自由の原理、神々への崇拝に忠実だ。

敵の世界に対して、イリアック湾の貿易の有力者達は強力な同盟を形成した。ハイロック、ハンマーフェル、オルシニウムは、ウェイレストの上級王による支配のもとで1つとなった。オークとブレトンの職人技により同盟は経済的に恵まれ、オークとレッドガードの軍事力により侮れない勢力となった。我々の王達は住民とともにタムリエル帝国の復活、それに伴う経済的繁栄を望んでいる。正しい皇帝が帝都を支配するために、方法は1つしかない。自ら手にすることだ。

現在の「シロディール帝国」はレマンの栄光の第二帝国を真似た見せ掛けだけのごまかしにすぎない。ルビーの玉座に座る詐欺師達は公の場で神々を嘲り、人類の敵であるオブリビオンの王の機嫌を取る。有望と思われたヴァレン皇帝でさえもデイドラの堕落の被害者となり、その改革はデイドラの徒党の黒幕により一掃されてしまった。

ダガーフォール・カバナントが第二帝国の原理を受け継ぐ唯一の真の後継者である。神々の名のもと、シロディールを征服してレマンの遺産の栄光を復興せねばならない。シロディールを堕落させ、ニルンに脅威をもたらしている病的なデイドラ崇拝を、タムリエルから一掃しなければならない。タムリエル・カバナントを設立し、新たな王朝のもとですべての王国に大議会の席を与えるのだ。

進め、カバナントの兵士達!神々の名のもとにすべての人々を自由にしろ!新たな帝国、新たな法と正義の時代のために!

様々な宗派:オークVarieties of Faith: The Orcs

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

オークは他の神の存在も認識しているが、崇拝する神は1つだ:

マラキャス、またはモーロッチ(オークの父、偉大な族長):

オークはモーロッチを最初のオークとして崇めており、名誉や報復などの問題について指示するモーロッチの掟に従って生きる。

モーロッチの掟

掟は明白に述べるよりも暗示することが多いが、以下が記されている:

——鋳造と鍛冶への敬意。
——族長とその妻達の伝統的な役割。
——挑戦と戦いにより新しい族長を選ぶ伝統。
——罪を犯した者は被害者(または被害者の親族)に「血の犠牲」を払うという習慣。
——名誉を傷つけられた者は復讐するという条件。
——戦いで死ぬことはモーロッチを満足させるという認識。

トリニマク教団

多くのオークがエルフの神トリニマクがボエシアに食べられ、排泄された時にトリニマクはマラキャスに、全信者はオークに変異したという起源の神話を信じている。オークの種がエルフに由来するというこの説を信じる者は自らを「オーシマー」と呼ぶ。

ゆえに、オークの中にはマラキャスよりトリニマクを神の祖先として崇拝する者がいる。トリニマク教団のオークたちの主張によると、トリニマクはその体内を通ることで腐敗するとボエシアには信じ込ませ、実際はボエシアの力の一部を吸収して信者に分け与えたという。この考えではオーシマーを「進歩したエルフ」ととらえることができる。

様々な宗派:ブレトンVarieties of Faith: The Bretons

帝国大学 ミカエル・カルクソル修道士 著

八大神

アカトシュ(時の竜神):アカトシュは八大神(シロディールおよびその各地方に普及している一大宗派)の主神であり、タムリエルのすべての宗教で登場する二つの神の一方である(もう一方はロルカーン)。一般に、始まりの場所に出現した神々のうち最初の神だったと見なされている。アカトシュの存在が確立すると他の神格も存在という過程を経るのが容易になり、世界中に様々な神々が登場したという。アカトシュはシロディール帝国の究極神であり、そこでは耐久、無敵、そして永劫に続く正当性などの資質の象徴とされている。

キナレス(大気の女神):キナレスは八大神の一員であり、天空を司る中では最も力のある神格であり、船乗りと旅人を守る。伝説によってはロルカーンの案に最初に同意し、虚無の中に次元を作るための空間を確保したとされている。彼女は雨とも繋がりがあるが、これはロルカーンの神性が失われる以前にはなかったという。

ジュリアノス(叡智と論理の神):ノルドの言語と数学の神であるジュナールとの繋がりがしばしばあるジュリアノスはシロディールの文学、法学、歴史と矛盾の神である。ブレトンの魔術師に最も好まれる。

ディベラ(美の女神):八大神の一員で人気のある女神。様々な分派が存在し、女性を尊ぶもの、芸術家や美学を尊ぶもの、性愛の指導を身上とするものなどがある。

アーケイ(生と死の円環の神):八大神の一員であり、他の地方でも人気があるアーケイは、父であるアカトシュが時の神としてあまり扱われていないか、あるいは人々に分かりにくい場合、その文化集団で重要視されていることが多い。アーケイは埋葬と葬儀の神であり、四季との繋がりがある場合もある。アーケイの司祭は死霊術およびあらゆるアンデッドに対し強い敵意を抱いている。アーケイは世界がロルカーンの指導/推奨/欺まんのもとで作られるまでは存在しなかったと言われている。そのため、定命の者たちの神と呼ばれることもある。

ゼニタール(労働と商業の神、商いの神):
八大神の一員であるゼニタールは当然ながらボズマーのズェンとの関連がある。しかしハイロックでは格段に洗練された商人や職人、中流貴族の神となっている。信者たちはその謎めいた出自にもかかわらず、ゼニタールは常に勝利する神だと主張する。

マーラ(愛の女神):ほぼ全ての宗派に存在する女神。元々は神話の時代の多産の女神として登場した。ハイロックでは母神とされている。マーラは時にアヌアドのニール、すなわち宇宙の女性的基盤であり、創造を生み出した存在と関連づけられている。ブレトンの神話では、マーラはアカトシュと夫婦になっている。

ステンダール(慈悲の神):八大神に属するステンダールはノルド由来の神から思いやり、時には正しき統治の神へと発展している。ステンダールは執政官、支配者、遍歴の騎士の守護者とされている。

ブレトンの宗派で著しく重要とされる神

マグナス(メイガス):魔術の神であるマグナスは最後の最後で世界の創造から身を引いたが、その代償は大きかった。この世に残っている彼の名残りは定命の者たちに魔法として認識され、操られている。伝説の一つでは、定命の次元を生み出すこと自体はロルカーンの発案だったものの、実際の構築に必要な図式や図表を作り出したのはマグナスだったとされている。マグナスは黄金の目、天体観測儀、望遠鏡、もしくは、もっとも一般的である杖の姿で描かれることがある。シロディールの伝説でマグナスは強大な魔術師の体に宿り、力を貸すことができると言われている。

イフレ(森の神):時の竜アカトシュが神の王であっても、イフレは「現在」の霊魂として崇拝されている。エルフによると定命の者の次元の誕生後、何もかもが混沌に陥っており、最初の定命の者たちは植物に姿を変えては動物に変化し、再び戻ることを繰り返していた。そこでイフレがアース・ボーンズを意味する最初のエルノフェイ、もしくは「アース・ボーンズ」に姿を変えた。これら自然の掟が確立した後、定命の者たちは新たな世界を理解することで、ある程度の安全を確保できるようになったという。

シェオール(バッドマン):ハイロックでは、バッドマンがあらゆる争いの元凶とされている。当初は凶作の神であったが、今日の神学者の大半はノルドのショールやアルドメリのロルカーンを悪魔化したもので、サールザル陥落後の暗黒時代に誕生したものと見なしている。

フィナスタール:サマーセット諸島の英雄神であり、アルトマーに歩幅を狭めることで自然の寿命をもう100年延ばす方法を伝授したとされている。ディレニの守護神にして「教師」であり、エルフの血を強調するブレトンの魔術師に崇拝されることが多い。