仕立師助手メール 40週間目

278日目
思ったとおりよ、グアルの群れの後を追う大勢のアッシュランダーに出くわした。彼らは私たちがいることに対してキャラバンの人よりもさらに不満そうだったけど、すぐに身の程を思い知らせてやった。グラニーは文句を聞くために仕事をしてるわけじゃないからね。アッシュランダーに、自分たちの部族の野営地へと案内させてやったわ。

279日目
部族の長老は、灰の民の中でもとりわけ賢明な人物だったわ。グラニーは物を無駄にしない人は好きよ。便利な品物のため、かなりのドレイクを払ってくれるお客さんのこともね。たまに売れ残り品を交換すれば良い商売になりそうだわ。この不景気を生き延びるには、商品の多様化が必要だからね。

280日目
この埃にはもううんざりだし、灰の民との仕事はほとんど終わった。グラニーは家に帰るわ。デイゴン・フェルから船に飛び乗って、亡霊の海に数日踏み込んで、それから、また土を踏むわね。

281日目
元気?グラニーはちょっと回り道することにしたから、知らせておこうと思って。信頼できる筋から聞いたんだけど、この前の大寒波で船が何隻も完全に閉じ込められたみたい。グラニーの膝がきしんでるから、氷はもうすぐ溶けるはずよ。

282日目
グラニーの膝がきしんでる時は、言うことを聞いた方がいいわよ。思ったとおり氷は溶けてきてる。船を漕ぐ腕は昔ほどじゃないけど、完璧な船を見つけたし、寒さは関節炎にも良いからね。この前言ってた船を、明日探しに行くわ。

283日目
やれやれ!グラニーは船を漕いだせいで、存在すらすっかり忘れてた筋肉を使わないといけなかったけど、運動の甲斐あって功を奏したわ。仕事に対してもね!噂に聞いてたボートを見つけたわ。船団が丸ごと、氷の中で航海を終えるのを待ってるわ。

284日目
氷はまだグラニーが上を歩けるぐらいしっかりしてたけど、もうちょっとで転んで尻餅をつくところだった。そんなお粗末な姿を誰にも見られなかったのがせめてもの救いよ。グラニーは船を詳しく調べてみたけど、氷から出せば間違いなく苦労が報われそうだわ。