調理師助手メール 13週間目

85日目
私は急いでこの小包を送り、街から脱出します。ここは犯罪者と盗賊の巣窟です。裏路地なんかはあまりに危険で、刺されてる最中に刺されるような場所なんです。追われている最中なので、逃げます。では。

86日目
届くのが遅れましたら謝ります。昨夜は森の中で迷子になってしまって、星を使って方位を確認する羽目になりました。おかげでさらに道に迷い、いつのまにか北に向かっていました。

87日目
品物を同梱しておきます。昨日は私が育った村の近くで狩りをしていたので、母を訪ねてきました。母の方は色々と積もる話があったようです。

88日目
今日は再び街に戻ってきました。街の人々は嫌いです。一目見るだけで、彼らがどれだけ偏見に満ちた存在か分かりますからね。あなたへの品物を同梱しておきます。

89日目
荷物をお送りします。必要な物が揃っていると良いのですが。実は貯金を崩して、狩りと自衛のためにより良い武器を買ったんです。両手剣とがっしりした弓を手に入れました。新しいナイフも買っておきましたが、こっちはケーキ専用です。

90日目
また毛布の中にトカゲがいました。トカゲは嫌いです。気味悪いじゃないですか。特にカメレオンなんかは大嫌いです。そういえばいついかなる時でも、視界の中に一体何匹のカメレオンが潜んでいるのか、分かったものではありませんね。品物は同梱しておきます。

91日目
私の足の指には巻き爪、鼻の頭には巨大なニキビ。しかも今度は雨が降ってきました。そのうえバックパックが縫い目から裂けました。たしかに「これ以上運の悪い一日があるはずはない」とは言いましたけど、あれはいわゆる修辞的な文言というやつで、神々への挑戦のつもりじゃなかったんです。