シストレスの書物と巻物

Systres Tomes and Scrolls

1.スラシアの疫病1. The Thrassian Plague

第一紀2200年を皮切りに、恐るべき病がタムリエルを襲った。スラシアの疫病と呼ばれるようになるこの死の病は、その勢いを失うまでに人口の半数以上を奪い去った。

この世紀初期のかなりの間、疫病の起源は謎に留まっていたため、さまざまな憶測がなされた。最初は大陸南西の海辺沿いに現れ、ダガーフォールやヘガテ、アンヴィル、ファリネスティなどから広がっていった。ハイエルフの島々でさえ安全ではなく、サマーセットの街コルグラドはこの病によって破滅的な被害を被った。

疫病がもたらした被害は、失われた人命の数だけでは計測できなかった。政治的な余波はタムリエルの進む道を変えてしまった。ヴァレンウッドは弱体化し、イリアック湾の人口は劇的に減少し、エルスウェアの諸部族の数は16からたったの2へと減った。

この予期せぬ攻撃がスロードによるものだったことが明らかになると、この脅威に終止符を打つための行動が取られた。

2.ベンドゥ・オロ男爵提督2. Baron-Admiral Bendu Olo

アンヴィルのコロヴィア王ベンドゥ・オロは、スラスのスロードによる脅威に終止符を打つための大胆な計画を考案した。彼はすべての民族の船から成る大規模艦隊の結成を提案したのである。さらにベンドゥ・オロは王族の務めから退き、この艦隊の招集と指揮を自ら行うことを申し出た。彼は艦隊をスロードとの直接対決のために使うことを計画したのである。

ベンドゥ・オロや他の指導者たちにスロードが疫病の原因だと確信させた証拠が何だったのかは、公にされることはなかった。しかし2230年頃には、大陸の人々の大半がスロードに罪があることを信じており、病気はスラシアの疫病と呼ばれるようになっていた。

2241年、アレッシア皇帝〈名前は削り取られている〉はついに戦争への予算に同意し、ベンドゥ・オロに計画の始動を命じた。オロはまず自らに男爵提督の地位を与え、作戦や戦略を練るための補佐をする船長や、彼の構想した大艦隊を建設するために必要な船大工を集め始めた。

オロが全旗海軍と呼ぶようになった艦隊のための拠点として、シストレス諸島のある島が選ばれるまで長くはかからなかった。2243年、オロとその配下たちはハイ・アイル島に上陸し、艦船の建造や、決行の日に艦隊を出撃させるため必要になる乾ドックや設備の建設を開始した。

3.全旗海軍3. The All Flags Navy

ハイ・アイルで開始された作業は、可能な限り秘密裡に行われた。ベンドゥ・オロ男爵提督がスロードに手の内を明かすことを望むはずもなかった。艦隊に任命された最初の艦船はハイ・アイル周辺で既に存在していた海軍や巡回船団であり、それらが島を警備するために配備された。

当初、スロードはハイ・アイル周辺の活動を無視していたが、造船所が完成に近づくと、スラスとシストレスの間の海域で小競り合いが起こり始めた。スロードは島に対して大規模な先制攻撃を仕掛けることはなく、彼らが脅威を認識していなかったのか、それとも島を襲撃するのに十分な戦力がなかったのかは、未だに不明である。

造船所と港は第一紀2249年に完成した。タムリエルのあらゆる国で構成された大艦隊はすでに島を防衛するために配備されていた。これらの船が新しくオロに与えられた全旗海軍の基礎となった。島での設備やインフラの建設が完了すると、労働者たちはすぐに艦隊へ加えるための戦艦の建造に力を注いだ。広く布告が出され、船乗りや海軍兵士、船長として新造船に乗り込む志願者が求められた。

強大な統一艦隊を結成してスロードを粉砕するというベンドゥ・オロの夢は、実現に近づきつつあった。

4. 復讐の道具4. Instrument of Vengeance

第一紀2249年から第一紀2259年の間、造船所は昼夜を問わず働き、全旗海軍を強化するために凄まじい数の艦船を建造した。2260年に、艦隊はさまざまな規模の船を130隻も擁していた。アルゴニアンやブレトン、コロヴィアやエルフ、カジート、レッドガードの旗を掲げ、また海賊や傭兵も含まれていた。これらの国家はまた数千人もの船乗りや海軍兵士、冒険者、補佐の人員を、タムリエル史上おそらく最大のこの同盟作戦に投入した。艦隊の準備は整った。タムリエルの復讐の道具を、スロードに向けて解き放つ時が来たのである。

強大なエルフの魔術師シラベインを脇に従え、ベンドゥ・オロ男爵提督が命令を発すると、同盟艦隊はハイ・アイルの港からスラスのコーラル王国に向かって出航した。艦隊はアビシアン海から真珠海へ、付呪をした磁鉄鉱を用いて方角を定めつつ、大船団の陣形を崩さぬよう、また航路を外れぬように航海した。激しい嵐を通り抜け、スラシア諸島に到着すると、艦隊は島々が濃い霧に包まれていることを発見した。ベンドゥは魔法の幻影を使ってそれぞれの船に現れ、艦隊に一番大きな塔を攻め、そのサンゴの塔を打ち崩せと命じた。

多くの船が失われたが、スロードは卑劣な疫病をタムリエルに放った代償を支払った。男爵提督ベンドゥ・オロは勝利し、生き残った艦隊をハイ・アイルに連れ帰ったのである!

5. 記念島の建設5. Construction of Monument Island

全旗海軍はハイ・アイルに帰還し、英雄として迎えられたが、勝利の喜びは後悔によって弱められた。艦隊の派遣部隊のほぼ半数が、スロードに復讐を果たすための戦いで失われたのである。

スラスに対する全面戦争の後、ベンドゥ・オロ男爵提督とタムリエル史上最大の同盟海軍を結成するために集まったさまざまなグループの指導者たちは、スラシアの脅威を打ち倒すために戦って死んだ者たちを称え、記憶するための記念碑を作ることを決定した。

建築監督トビン・ムーアクロフトの監督のもと、ハイ・アイルのちょうど真ん中にあるとても小さな記念碑の小島が、追悼の地に選ばれた。全旗海軍を称える重要な記念建築物の建設はほとんど間を置かずに始まった。その中には以下のものが含まれる。

全旗の城、記念碑の灯台、記念庭園、記念碑の宿屋である。

記念碑の建築物群は第一紀2271年に完成した。オロ男爵提督や同盟の指導者たち、そして生き延びた船長たちの多くは、記念碑が失われた船やその乗組員たちと、スロードに対する勝利に捧げられた時、その場に立ち会った。

アドウィグの日記Adwig’s Journal

リバーラーク号(海上で遭難)の操舵手、アドウィグ・レイシコットの所有物

第二紀574年、恵雨の月6日

船はシストレス諸島北のどこかで遭難した。スコールの中で雷に打たれたのだ。俺は海辺に辿りついたが、他の者たちは運がなかった。ドネルやワトキンス、船長の姿は見つからない。周辺を見回って、現在位置を確かめたい。

第二紀574年、栽培の月2日

八大神よ助けたまえ。どうやら俺はアメノスに打ち上げられたらしい。この島には蛇と犯罪者、そしてその他の不愉快なものが一杯だ。とてつもなく腹が減っているが、囚人たちには近寄りたくない。静かな場所を探して、しばらく身を潜めているべきだろう。とにかく海に目を配っておかなくては。会社はいずれ我々を探しに誰かを送ってくるはずだ。

第二紀575年、真央の月?日

船の痕跡は一切なし。忌まわしい緑の大蛇と、地平線に見えるシーエルフの船を除いて、誰の姿も見えない。希望を失いつつある。

第二紀575年、降霜の月?日

ドネルとワトキンスを見つけた!海辺のすぐそばにいた。どうしてこれまで見逃していたんだろう。彼らは少し傷ついている。腕や足がなくなっている。だが俺が直してキャンプに連れていった。マーラにかけて、再び話し相手ができてよかった!

第二紀576年? 、黄昏の月?

もう2年ぐらいになるだろう。ドネルとワトキンスや、残りの仲間たちはうまく野営地に落ち着いた。時々言い合いにはなる。主に何を食うかとか、あいつらが皿洗いをしないこと、難破の前には誰の恋人が一番美人だったか、といった話題だ。それでも、こいつら抜きでこの自然の中を生き延びられたとは思えない。一人で苦しむより、一緒に苦しむ仲間がいるほうがいい!

第二紀577年? 、恵雨の月?

もう難破から3年になる。乗組員が揃ったのだから、もう少し遠くまで探索の手を伸ばす時だ。野営地から遠くないところに入江があるはずだ。いい収穫があるかもしれない!

第二紀577年? 、恵雨の月?

入江はダメだ。忌々しい魚エルフどもの巣窟になっていやがる! ついてないにもほどがある。もっと警戒しなくてはならない。罠をもっと仕掛けるんだ!何者かがこの野営地を視界に入れようものなら、網に入った魚のように捕まるだろう!

第二紀580年? 、黄昏の月?

最後に書いてから長い時間が経った。書く道具を手に入れるのも難しくなった。ここ数ヶ月は漂流物もさっぱり来なくなった。モーナードが巡回の手を厳しくしたのか、人々がここに来るのをやめたのかはわからない。まあ、どうでもいいことだ。俺には仲間たちがいるし、他に行く場所もない。

アミヴィリディル・アルケニウムAmiviridil Arcanium

〈奇妙な秘密の暗号で書かれたこの文書は、適切な道具と特殊な呪文を使わなければ読むことができない〉

イフシティス アディハ シソティプ。ブト ハピティ エグ ロギボグ。タノディ パル モハ。テセフェ ドゥ エリ トゥノ タロラム ラヘレ? ギ アニレト テソル レエウ オレイ ニヒイ リナニエド レフサル ワシル エベ。レア ル ラル ニエジェファン ラゲポク ウナ レニド トゥノ ネリ。ビス メヤ ウノイエド オニレゲプ。エキヌ ペネー ニウ ロビ タナ。レゲ アセプ ジュニト ホヴェウィス ウケポズ ノレル ピエゴ。ラレレ アヘトハ デコモ トポゴ レレ タレネイ ヴォテム ニ ティテク ボヒエス。

ニカ メル ウペト レタト イディ セイ イルダブ ティシル コデセ ドミ。ウテ イクシパロ シム ピワス。アトン ドゥシエダ エヒジェ イネル ミエト リエファメル ル リト。セラタン アシラハ ラニイ アスタシ フメエ ロリル ウイェリト ホト イビソル オロレミト。ガミプ トラエ エガロ ゴソト エポコノ オモプタグ テレイエ セプ オセティ。クシヴ ツィエ セタネイ ルリド シエソベ エシ シ オゲス トパナス ネヴァト。イロペ ゲラナト ムニエル ラニネ。オバ オロベ レジ ウノパヒ ナリテ ディテ クトイ。

アメノスの秘密Secrets of Amenos

ゴンファローネ湾歴史社会協会会長、ミラメル・シャラセル 著

シストレス諸島の本島から北東に海峡を横断した位置にあるアメノスは、ハイ・アイルの陰鬱な双子である。この島は現在すでに陰気な評判を得ているが、アメノスの長く暗い歴史はそれを悪化させるばかりである。我々歴史社会協会は近隣の島がこれほど危険ではなく、魅力のある場所であることを期待しているが、犯罪者や政治犯はどこかに置かねばならず、アメノスは適切な場所のように見えるのも事実である。

アメノスへの植民の最初期の記録は限られているが、おそらくガレンのドルイドたちが第一紀330年頃にハイロックからやって来て、四島すべてに住むようになった。アメノスは四島の中で常に最も危険かつ過酷な島だった。ドルイドたちがハイ・アイルとガレン、イフェロンにおいて、彼らの言い方で「自然の均衡を取る」ためにどのような魔術を使ったにせよ、アメノスには十分に効果を発揮しなかったようだ。第一紀660年頃、いわゆるレフトハンド・エルフがヨクダから到着し、諸島の征服を開始した。彼らはアメノスに足掛かりを築き、そこに要塞を作って拠点とし、他の島々を襲撃しつつイフェロンを攻囲した。レフトハンド・エルフたちが第一紀676年のファイアソング山の噴火に飲み込まれなかったら、今日の諸島の状態がどのようになっていたかは、誰にもわからない。アメノスに残っていた少数の者たちは、第一紀785年に攻め込んできたラ・ガーダによって殲滅された。

その後、諸島はアカヴィリ帝国の統治下に置かれた。第二紀11年、最高顧問ヴェルシデュ・シャイエはアメノスをレマン派の政治犯のための流刑地に変えた。年月を経るうちに諸島の規則は何度か変更を受けたが、変わっていないことが2つある。ドルイドたちが野生の居留地から島の世話を行っていること、そしてアメノスは今でも、最悪の犯罪者たちの監獄であることだ。

金貨男爵の時代に、海賊はアメノス周辺の海域を侵食した。その中で最も偉大だったのは、シストレス姉妹だろう。伝説によれば、彼女たちは財宝を保管するため、島に宝物庫を建てたという。宝物庫は三つの鍵が揃わなければ開かず、姉妹それぞれが鍵を手にしたそうだ。鍵の一つは南のジャングル、もう一つは西に隠されているらしい。三つ目の鍵は姉妹の間で内紛が起き、殺された時に失われた。

今日、アメノスには3つの主要な場所がある。アメノス監獄、営倉、ジャングルだ。港町であるアメノス監獄には、この島に安全に接近できる唯一の入口がある。残りの海岸線は切り立った岩場や、ほとんど途切れることのない嵐、そして危険な激流に取り巻かれている。多くの船がこの島の他の部分に到達しようとして難破したが、まっとうな理由もなく船を危険にさらすのは、最も勇敢な、あるいは最も無謀な船長だけである。

アメノス監獄はこの島の寄港地であり、囚人輸送船が定期的に物資と、営倉に移送させる新たな囚人たちを運んでくる。この街にもある程度の娯楽があるが、ゴンファローネ湾とは比べるべくもない。アメノス監獄は主に営倉とそこに滞在する看守、港、そして監獄島の「スリル」を味わうために訪問した本土の道楽者を支えるために存在している。モーナード家がこの街の監督と維持を担っている。

営倉地区はその名にたがわない。輸送船で運ばれて来た囚人たちを収容するための、隔離された監獄だ。看守砦が営倉を監視しており、小規模の看守部隊(一部はモーナード家の家臣、残りは雇われの傭兵)がこの場所を警備し、囚人たちが出ないようにしている。営倉では、二種類の囚人がいる。素行がよいため特権を与えられている模範囚と、処理を待っているか、すでに処理を済ませてジャングルへの追放を待っている一般的な囚人である。

処理と追放について話そう。囚人たちが受ける「処理」について多くのことは知られていない。モーナード家はこれを注意深く秘密にしているからだ。何らかの魔術か錬金術による処置で、囚人がアメノスのジャングルの外では生きられないようにするものだと言われている。この処理を受けた後で、囚人はジャングルへ追放され、そこに留まるか、さもなければ即死する。これはただの作り話だろうと推測する者もいるが、囚人たちは信じている。いずれにせよ、これによって囚人たちはジャングル内に留められている。

では、アメノスのジャングルについて話そう。致命的な植物、危険な自然地形、肉食獣が溢れているため、単独の囚人は何らかの支援を受けずに追放後長く生き延びることはできない。支援は主に2種類ある。囚人のギャング団と労働契約である。噂によると、追放された囚人たちのギャング団が10種類以上もアメノスのジャングルを徘徊し、緊密な集団行動を取って安全を確保し、周囲の危険を生き延びているという。モーナード家の報告によると、そうした中で最も強大なのが、悪名高い緑の大蛇である。それとは違う道を進むことを望む者には、モーナード家とその家臣が労働契約という選択肢を提供している。部屋と食事、そして安全保障の代わりに、囚人は鉱山や労働キャンプで働く契約を交わすことができる。モーナードの富の大半は、この事業によって生み出されている。

というわけで、我らが監獄島を訪問するつもりなら、アメノス監獄に留まり、ジャングルは避けよう。むしろ、この島には近寄らずに、ゴンファローネ湾ではるかに優れた娯楽を楽しむのがいいだろう。

アルケインクラフトに関する海の伝承Sea Lore for Arcane Crafting

リアナラ・オラマー 著

章:海岸と砂

これまでの章で論じたように、ニルンの海域は常に流動し、かつ相互につながっており、また手つかずの深さと神秘を備えているため、熟練のアルケイン技師に多様な機会を提供している。この神秘は呪文の製作にも、付呪の詠唱にも、まっとうな錬金術の調合薬を作るのにも利用できる。

(ここでいうまっとうな錬金術とは複数の魔術学派の技を学んだ、魔術とのかかわりの深い者によって研究された技法である。地域の賢女が出産の痛みを和らげるために作る薬や、低級な魔術師が作るイボの治療薬とは異なる。まっとうな錬金術は、最高位のアルケイン分野だ。だが脇道に逸れるのはよそう)

さまざまな地域の潮だまりや砂地は、錬金術の試薬の宝庫である。この研究分野はまだ始まったばかりであり、成長を続けているが、一部の文化はこの点で他よりも進歩している。例えばスロードは、海から魔術を引きだすと言われている。彼らのアルケインのどんな残骸がシストレス諸島の砂浜に眠っているのか?そしてゴールドコーストには何が打ち上げられているのだろうか?

ハイ・アイルの海辺に打ち上げられる、海で削られ滑らかになった不思議な青い石は、大海原を数百年もさまよった後アンヴィル沿岸に行きついた、よく似た外見の石片とは異なる性質を持っている。発見されたものは試験と検査を徹底的に行い、アルケインの性質があるか、あるならそれはどのような性質か、そして呪文や錬金術の下地にどう利用できるかを理解しなければならない。

本章では、あなたの魔術が海の素材の利用に向いている場合に、我々の世界の海岸沿いで探すべき物品について論じていく。

例えば、石は大抵の海岸で見つかる。時間をかけて海の中で丸く変形した、手のひらに収まるほどか杖やサークレットに入るほどの小さな石は、大いに重宝される。一般の民がシーエルフと呼ぶマオマーは、こうした海の石を探して、海に関する彼らの儀式に使っている。私と話をしてくれたあるマオマーは――酒場で何杯か飲んだ後のことだが、酒場の名前は明かさないほうがいいだろう――彼の民の間で、青と紫の色彩は高い価値を持っているが、きわめて希少だと言っていた。この言葉が真実かどうかを確かめる術は私にはないが、彼が身に着けていたイヤリングはとても小さく、褪めた青色の石で装飾されており、それは内部から光を発していた。それを調べさせてはくれなかった。しかしまたしても、話が逸れてしまったようだ。

だが彼は正しかった。海の石の色は重要である。黄色がかった滑らかな石は美しいが、アルケイン的な価値は低い。青と紫の海の石には高いアルケインの共鳴性があり、赤と緑の石はその中間である。

ある捨てられた愛人の日記Journal of a Scorned Lover

日記へ、

昨晩、私の人生はすべて変わった。きっとこう考えているんだろう。「クエンティン、それは前にもあっただろう」と。だが今回は違う。誓ってもいい!

たった一晩の情熱。求めていたのはそれだけだ。私は馬鹿じゃない。ジャカーンの評判は聞いていた。彼の好みもだ。タムリエルのどの街にも暖かいベッドはあるというのに、あの真夜中の達人がこの島にやって来た。私は一晩だけでも彼の愛が欲しかった。そして手に入れたのだ!

私がジャカーンに会ったのは、彼の船が港に来た夜の、波止場の近くでだった。ハンサムでお洒落だった。魅惑的でさえあった。ジャカーンはのぼせ上った愚か者どもの群れに囲まれていた。奴らは彼のすべての言葉と服にすがりつき、一瞬でも動きを止めれば、腕にさえすがりつきそうな勢いだった。ジャカーンは注目の的になって嬉しそうだったが、迷惑そうでもあった。だから私は救い出してやることにした。酒場で最も匂いの強烈な酒を1パイント購入して、テーブルの間を通った。そこで私はつまずき、ジャカーンの周りに集っていた崇拝者全員に背後から酒をまき散らした。ビールがジャカーンにかからないように細心の注意を払った。

ジャカーンの崇拝者たちは罵声を上げるか泣き叫びながら逃げ去った。奴らが消えたことで、酒場の雰囲気は変化し、より親密な空間になった。私にとっては完璧な状況だ。ジャカーンはぜひ、私がこぼした分のビールをおごらせてくれと言った。私は笑顔で彼の申し出を受け入れた。その夜の残りに起きた、卑しくも素晴らしい、親密な出来事については詳しく記したくない。私たちの間に何が起きたか、かいつまんで伝えよう。

ああ、なんたる想い出か!ジャカーンのあの身振り、彼の完璧な唇から出てきたあの優しい言葉。まるで星座の注目を得たかのような気分だった!汚い港の酒場にいても、私たちはこの世界で価値のある唯一の存在になったような気がした。彼は私を理解してくれた。本当に、私のすべてを深く理解したのだ。彼は後でそのことを証明してくれた。あんな気分を味わわせてくれる人は他にいなかった。そして私も彼を理解した。これは大事なことだ。ジャカーンが楽しんだすべてのことを私は学んだ。彼を笑顔にしたもの、彼を笑わせたジョーク、何もかも。

またあの腕に抱かれることがあるだろう。間違いない。何ものも私たちを引き離すことはできない。あの強力なつながりを分かち合った後では無理だ。これは運命だ。どんな運命かはわからないが、胸の奥深くに引力を感じる。彼はまた会おうと約束した。きっと今夜、戻ってくる。ジャカーンは私を見つけだし、私たちはまた一緒に消え去るのだ。

* * *
日記へ、

自慢は趣味じゃないが、私は正しかった。

昨晩は最初の夜と同じくらい素晴らしかった。私たちは話し、お互いのことをさらによく知った。ジャカーンは昔の仕事について話し、英雄譚や歌からは省かれた、彼の生活のあらゆる側面を明らかにしてくれた。

明日また会うことになっている。約束してくれたのだ。彼は注意を引こうとする他の者たちには何の魅力も感じないとさえ言っていた。ハイ・アイルすべての中で、彼が求めるのは私だけだと。

* * *
日記へ、

ジャカーンは来なかった。私は一晩中起きて、彼の拳が扉に当たる微かな音を待っていた。まだ私と彼をつなげる胸の中の引力を感じている。きっと探し出してみせる。明日は造船所に行かない。ジャカーンを探しに行く。危険な目に遭っていたらどうする?もし彼に何かあったら、私はどうなってしまうだろう。いや、きっと生きている。感じるんだ。こっちに来ない理由が何であろうと、まっとうな理由に違いない。きっとそうだ。

* * *
日記へ、

ジャカーンのことを話すのはもうやめだ。彼は私の心を胸から抜き取り、引き裂いてしまった。私にかけた言葉はすべて口先だけだったのか?いや、そんなはずはない。彼は誠実だった。それはわかっている。だが、なぜジャカーンがあのお針子と過ごしたのか理解できない!あの女が私にない何を持っているというの?

あるいは、ジャカーンは最初から私に興味などなかったのか。だが私は好かれていると思った。確信していたのに!

きっと彼を見つけてみせる。この件の真実を聞き出す。私が恐れる言葉を彼に直接言ってもらいたい。あの酒場に寄って、一番匂いの強い酒をジョッキ1杯分買っていこう。私の恐れていることが事実だったら、酒をジャカーンにぶちまけてやる。

最後の1滴に至るまで。

イズバッドの手紙Izbadd’s Letter

一つ助言を与えよう。

お前たちは暗く危険な隅をつついている。はっきり言わせてもらおう。お前たちのどちらも、どれほど危険か理解していない。能力と努力を否定するわけではないが、これは見た目より遥かに大きい問題なのだ。

私は主にバンコライの外で活動する商人だ。交易に影響のある、あらゆる種類の情報を集めている。いつもはエバーモアにいる。有益な情報を伝えてくれた他の者たちの観察からすると、お前たちは別の誰かと協力しているのではないかな。もしそうなら、私はその者とも話をしたい。

商人イズバッド

〈メモの最後に走り書きされた短いメモ〉
E

こいつが誰かも、なぜジャカと私の行動を知っているのかもわからない。私たちは馬鹿じゃない。気づかれないように行動してきた。特に私はね。あの大猫はいつも注意を引くから。この商人と会ったほうがいいかもしれない。こいつが罠だった場合に備えて、ジャカと私もそっちに行く。私たちに危害を及ぼそうとする奴なら、遠慮なく始末できるわ。

イフレの大鍋を訪ねる人へのガイドVisitor’s Guide to Y’ffre’s Cauldron

文化遺産副大臣、ベルナルディン・ゲルヴェス 著

ヴァレンウッドを除けば、ハイ・アイルのイフレの大鍋ほどにタムリエルの自然崇拝者の尊敬を勝ち取っている建物は数少ない。この千年以上前の大建造物は闘技場や円形劇場に間違えられやすいが、その起源ははるかに興味深いものである!

ストーンロア・サークルのドルイドによれば、大鍋は強力な「骨の線」の頂点、すなわち自然エネルギーの交流点に位置している。大鍋の内部で唱えられたドルイドの呪文は不思議な特性を示し、この場所で唱えられた祈りはより強い力を持って空に届く。サークルの内部にはもう1つのサークルがあり、4本の線が上下左右に伸びている。ストーンロアのドルイドたちの話では大いなる星見の儀式が存在し、その際に祖先たちは石の配列とサークルを使って未来を占ったという。残念ながら、その儀式の詳細は第一紀665年のヨクダ侵略の際に失われてしまった。

しかし霊能師に憧れる者は、それでも大鍋の謎の探究を続けている。歴史を通じて、魔術師たちは大鍋の力を利用しようと試みてきたが、成功していない。例えば第一紀2345年のマレント・ヴァンヌという死霊術師による試みは、破滅的な結果をもたらした。

ヴァンヌの主張だと、大鍋は魂を二つに切断できる。これは当時の死霊術師たちが「二重憎悪のパラドックス」と呼んだ、冒涜的な行いである。ヴァンヌの呪文は逆流し、刻み込まれた「夢見人の顔」を二つに切り裂いてしまった。その結果起きた崩落によってこの魔術師は死亡した。この悲劇は海外のイフレ崇拝者にとって、未だに深い憤りの種となっているが、ストーンロアのドルイドたちは水に流したようである。彼らは時折割れた顔を示して肩をすくめる。破壊された残骸が無謀な魔術師たちに対する十分な警告になると信じているのだ。

現在、この場所を訪れる人々はドルイドと魔術師だけではない。様々な神々の司祭たちが、この地には自らの宗教にとっての重要な意義があると信じており、巡礼も頻繁に訪れる。休日に本土からやって来る道楽者もまた、この場所に魅力を見出している。

大鍋の訪問者は、この神聖な地の古い秘密を解明することはできなくても、探検するだけでも大いに楽しめる。良識ある観光客は、地域のドルイドにささやかな寄付をすることを考慮するといいだろう。この場所の維持費は小さくないからだ。また、内部ではどうか慎みを忘れないように。石を持ちだしたり、頂点の中心部に持ち物を置いたり、植物をいじることは厳しく禁じられている。

ヴァニサンデ・マウルの水浸しの日記Waterlogged Journal of Vanisande Maul

〈日誌のページの大半はインクのにじんだ紙くずだが、最後の部分だけはある程度読める〉

何週間もつけられていたが、ようやくまくことができたようだ。准将は艦隊に、ウェイレスト海軍が近くを通りすぎるまでシーヘヴン湾に身を隠せと命じている。奴らはもう何ヶ月も我々を追い回しているし、我々が略奪した商船はこれまでで最大の収穫だった。奴らはシストレスを隅々まで掘り返すのではないかと思うほどだ、奴らが出航

ウィルドとドルイドWyrd and Druid

第二紀553年、アークドルイド・バルナベと本土人との対話の口述

ドルイドの物語はブレトンの物語である。そしてある点までは、ウィルドの物語でもある。あなたがたは、我らドルイドの信念を尋ねた。我らの信念は、我々が生まれた場所に由来すると答えよう。ウィルドとドルイドは――つまりすべてのブレトンは――同じゆりかごで生まれたのだ。

古代、エルフの血が入らぬ祖先がハイロックの丘と草原を歩んだ。彼らは空の儀式と、他の全ての星々を称えた。我々の頭はまだイフレを知らなかったが、心はイフレを知っていた。そのうち、アヌイエルという者の子供たちが我々に言葉を授けた。イフレ、緑の王、ニルンの眠る父。我々は土と石、森の獣たちから救いを得た。この最初の時代にはドルイドもウィルドもなかった。ただブレトンだけがいて、自らの道、すなわち真の道を、厳しく美しい世界の中で探し求めていた。

時と共に、真の道に向かう道は分かれていった。エルフの奢侈を嫌うウィルドが形成され、文明に完全に背を向けた。彼女たちは生のまま、手懐けられていない自然に美を見出し、裸の子供のように、イフレの抱擁に包まれることを求めた。彼女たちはアースボーンズに囁きかけ、再び子供に還ったのだ。我らドルイドもまた、自然に美を見出した。だが我々は獣のように生きられなかった。知恵は万物のあるべき場所を知ることにある。マンマーは狼でも、シダでもなく、嵐でもない。我らはマンマーであり、マンマーとして生きねばならない。それは前進すること。孤立と別離ではなく、改善された世界を求めることを意味した。

ドルイドはドルイド王の時代が戻ってくること、ガレンの末裔が本土との結びつきを絶ち、未知の場所へ出発することを望んでいるのか? そう考える者もいる。だが我らストーンロア・サークルの者たちは、いわゆる文明化された我らの仲間と調和して生きる道があると信じている。我々のよき仕事と範例によって、同じブレトンに、シストレス諸島のその他の住民たちに、真の道に従うことの恩恵を示せると。

本土のウィルドは我らの遺産が結びついていると認めない。彼女たちはドルイドを蔦のローブを着た貴族と呼んでいる。だがウィルドと同様、我々もブレトンの国家を完全に信用してはいない。しかし世界の文明化された地域を無視し、自然の中を孤独に生きるのではなく、我々は範例を示すことで教えようとしている。イフレがそうしたように、我らを取り巻く世界を作り変えるため。それがストーンロア・サークルの使命だ。我々は喜んでこの重荷を引き受ける。ブレトンに背を向けることは、さらに大きな苦痛を生むだけだ。さらなる木々が切り倒され、さらなる城が建てられ、さらなる戦争が起こる。我々は街に住み慣れた仲間たちを、真の道へと導かねばならない。そうしてこそ、ブレトンの魂は純化されるのである。

ヴェティティア・マルコットからの手紙Letter from Vetitia Marcott

誓うわ、今度はこれまでとは違う。リンドレスの馬鹿は商家全体の資金の裁量権と引き換えに、自分の借金を返したの。私たちはすでにちょっとした量のゴールドを確保したわ。オースバウンド・クランと契約して用心棒を雇えるくらいのね。

私たちは金の出どころをハイ・アイルまで遡って追跡する計画を立てているの。ゴンファローネ湾に地上部隊を派遣できたらどうなる?ヴェロイーズ夫妻が時ならぬ最期を遂げるかも?これを書いている今、心配なのは一つだけ。つまらないことよ。ハイ・アイルの小さな貴族の女が私たちの事業を嗅ぎまわっているの。心配はいらない、その女は始末するわ。

私たちはこの瞬間をずっと待っていた。目立たないようにしていて。次の手紙は黄金で封蝋して送るわ!

心からの愛をこめて、

ヴェティティア・マルコット

ヴルケシュのメモNotes on Vulk’esh

この日記を見つけたら、サマーセットの「拾い物は俺の物」にいるタッリノアに返してください。

妻は私が調査しないと思っている。やっているわ!ただ彼女ほど徹底してないだけよ。この諸島に向かう前、私たちはヴルケシュについて見つけられたものすべてを読んだ。ヴルケシュが炎と溶岩の獣だということはわかっている。一番硬い石でも溶けるほど熱い、火山の深部で育つ。魚が水の中を泳ぐように、火の海を泳ぐことさえできるらしい。

ヴルケシュは岩を食べるのだと思う。ヴルケシュが植物に火がつくぐらい接近する場面なんて想像できないし、奴らは普段他の動物たちが少ない場所に生息している。もちろん、ヴルケシュが岩を食べるというのもただの推測よ。どのガイドや本、報告書もヴルケシュの生態については詳しく書いていない。

ほらね?調査に時間をかけすぎても役に立たない!時には本を置いて、思いつきに賭けなきゃいけないこともある。ヴィニルサーレにはそれがわからない。彼女は本さえ読めば準備ができると思ってる。本の中には答えが見つからない問題なんて、何百もある!

例えば、どんな条件でこの生物は生まれたの?明らかに、魔術ではない。足元の地面を溶かすようなトカゲを作ろうとする魔術師がいる?別の領域から来たのかもしれない。オブリビオンのどこかとか?空気が焼け焦げ、大地が燃える場所から。そういう領域は存在する。私はデイドラの伝承に詳しくないけど、それでも2つくらいは即座に思い浮かぶ。

あるいは、ヴルケシュがずっとここにいて、足元のずっと下に埋まっていたから気づかなかったのかもしれない。そうだとしたらここサマーセットにさえ、ヴルケシュは何千匹もいたっておかしくない。なのに私ははるばるシストレス諸島まで探しにきた、ってことになる。それじゃ笑い話だ!

エバーグロースの回復儀式Evergrowth Restoration Ritual

エバーグロースと我らが聖なる森との絆を強めるため、イフレの力を乞う。

我らの霊魂をこの呪われた土地に結びつける拘束を取り除くため、我らは歌の神の力を乞う。

おおイフレよ、この犠牲を受け入れたまえ。皆が真の道を歩むために。

エメラルドアイの魔術師の日記Emerald Eye Mage’s Journal

ナバイル卿はどうしてもマーテラーに母親の後を継がせるつもりだ。卿はマーテラーを適度に隔絶された場所、すなわちモタリオン・ネクロポリスに移動させた。すぐ近くで見ない限り、変わった墓の扉が増えても誰も気づくまい。よって邪魔されることはないだろう。覚え書きのため、周辺の地図を描いておいた。ここで扉を探すのは、控えめに言っても難しい。

マーテラーは未だに協力の姿勢を見せない。眼に直接影響されるか、私の説得スキルをかなり駆使しない限り、彼女は相変わらず自分の名前をソングだと主張し、束縛から逃れようと試みる。私は彼女の血を使い、さらにネクロポリス自体にいる死者の力を引き出して、周辺領域に監禁結界を設置した。彼女が幻視と遺物だけに従うなら、苦痛も和らぐのだが。

次の儀式についての計画を話し合うため、ナバイル卿と会うつもりだ。マーテラーに最後の幻視があってから、そろそろ一週間になる。彼女の意向など関係ない、遺物とは交信してもらう。

彼女に選択肢はない。

エリア女公爵の調査メモDuchess Elea’s Investigation Notes

〈先月〉
妙だ。シストレスの衛兵はハイ・アイル中で通常の強盗が減少しているようだと報告している。衛兵の考えでは、どこかの新しい野盗の族長が、島の無法者たちを集めて統括しているらしい。執事へルシアンに調査を命じた。

〈2週間前〉
ハイ・アイル中の強盗は再び増加し、耐えられないレベルになった。この無法者たちは以前よりも強く団結し、かつてないほど強力に武装している!へルシアンの報告によれば、平民たちは超越騎士団と名乗る「民の騎士団」の話を伝えている。私に言わせれば、法を破る反逆者どもだ。この超越騎士団とかいう強盗がデュフォート家の利益を脅かすなら、私も対策を取らねばならない。

執事へルシアンは情報筋からの報告を、超越騎士団の活動分布図にまとめてくれた。彼が連中の活動をそれぞれ調査する予定だ。

〈2日前〉
超越騎士団の連中は思っていたよりも野心的だ。何者かがハイ・アイル北東の海岸沖で巨大な嵐を召喚した。それで上級王エメリック、アイレン女王、スカルド王ジョルンの息子をバカロ卿の和平交渉へ送るために乗せていた船が破壊された。タムリエルで最も力のある統治者たちが、ここの海岸沖で溺れ死んだかもしれないのだ!

だからヘルシアンの密偵にこのグループを見張らせておきたかったのだ。これほど大きな不測の事態はまったく受け入れがたい。この脅威について知っていたら、何かできたはずなのに。せめて、この状況を有利になるよう利用できたかもしれない。

エルセリック・アンモナイトの謎Mysteries of the Eltheric Ammonite

アルケイン博物学者、カラディラン 著

シストレス諸島は多くの原料や交易品を輸出しているが、エルセリック・アンモナイト以上に興味深いものはない。この貝殻の実際の起源は未だ不明だが、博物学者たちはこれが神話紀最古の遺跡にすら先立つという点で意見を一致させているようだ。

一部の収集家はその美しさに価値を見出しているが、多くの魔術師はより実践的な目的のためにこの貝殻を欲しがる。現在でも理由は不明ながら、このアンモナイトには生のままのマジカが貯蔵されている。容量には貝殻ごとに差があり、ごくわずかなマジカしか入っていないものもあれば、低級の魂石に匹敵するほどのマジカを蓄えているものもある。魂石とは違い、アンモナイトは魂を吸収できない。魔術師たちは未だに、このアンモナイトの有効な充填方法を発見していない。またアンモナイトはアルケインの劣化も被る。収穫後1ヶ月以内に力を失ってしまうのである。それでもこのアンモナイトはハイ・アイルの魔術師とドルイドにとって、いつでも使える予備マジカの源として重宝されている。

マーブルクのラグレンシルやドサシ・サルヴィのような魔術哲学者は近年、このアンモナイトに対する関心を強めており、その起源に加えて、アンモナイトを使用することに伴う道徳的懸念をも論じている。起源の問題は、道徳の問題に関わるからである。

ラグレンシルの見解では、アンモナイトにさまざまなスロード魔術が込められているため、追放されるべきである。アンモナイトのスラスとの近接性、そのアルケイン的性質、そしてその海中の起源を考えれば、このウッドエルフの賢者がこのような結論に至ったことは理解できる。しかし、名高いドサシ・サルヴィは鋭い反論を行っている。サルヴィは魂縛という、アルケイン使用者の間で一般的に受け入れられている実践が道徳に反することは認めている。生物はこの行為に同意していないからである。それに対してアンモナイトは、魂縛を必要としない。彼女はアンモナイトを鉄鉱石や黒檀鉱石のような自然資源と同類のものと捉え、魂魔術に疑念を抱く魔術師にとって遥かに受け入れやすい選択肢だとしている。道徳的な問題はどうあれ、アンモナイトはその特殊な性質とコストの低さにより、シストレス各島の研究所や蔵書庫でよく見られる。これもまた、この美しい島々の魅惑的な特徴の一つである。

オーレリア・ジョーベルからの手紙Letter from Aurelia Jourvel

最愛のイジー、

改めてあなたの親切と友情や、背中を押してくれたことに感謝するわ。とっても楽しく過ごしてる!ハイ・アイルを去った後、私はストームヘヴンという小さな街を訪ねて、ある有名な静物画家から絵画の講義を受けたの(そう、また絵を描き始めたのよ)。

ある友人と一緒にストロス・エムカイに行くことにしたわ。友達の画家で、キヴ・リンドレスという素敵な男性よ。私は宿屋〈叫ぶ人魚〉(すごい名前でしょう)に滞在している。そこでキヴと一緒に海の景色を描いているの!

少し不愉快な知らせがあるわ。私たちが確か17歳? の頃に、あなたが私にくれた指輪を覚えてる?

本当にごめんなさい、イジー。でも私の部屋に泥棒が入ったの。私が持っていた他の持ち物と一緒に、指輪もなくなってしまった。それで落ち込んでいるわ。だってあの指輪はずっと前から持っていたものだし、あなたも私に持っていてほしいだろうと思っていたから。

地元の衛兵のところに行ってみるわ。きっと盗賊を見つけだしてくれるはずよ。だって、ストロスはそんなに広くないものね。心配しないで、大したことじゃないわ。でも申し訳ない気分だから、あなたには何があったか知らせておきたかったの。

あなたに会いたいわ、大切な人。

あなたのオーレリア

オーレリアの手紙Aurelia’s Letter

お母さん、

絵のようなフェルズランの街からこの手紙を書いています。犯罪グループの正体をもうすぐ突き止められそうなの!次に話すべき相手を見つけたら、きっとヴェロイーズ商会のゴールドがどこに行ったのか判明するわ。そうしたら、やっとイソベルに連絡できる。

本当に恥じているわ。慰めてくれてありがとう、でも本当なの。これはすべて私のせい。近いうちに、マーソと一緒に城を訪ねるわ。そうしたら皆で抱き合って乾杯しましょう。

愛をこめて、
あなたのオーレリア

PS:お母さんの手紙をマーソに見せたら、彼はずっと笑っていたわ。マーソも私と同じ意見よ。お母さんはそういうところをもっと見せたほうがいいって。人を笑わせる才能があるんだから。

オルナウグの生態Ecology of the Ornaug

フロント・マエシリウスによる実地研究メモ

西アビシアン海のサンゴ礁や海岸で見られる一般的な捕食生物であるオルナウグは、研究者に対していくつかの難しい問いを提示している。オルナウグは犬の体と足を持ち、ワニの顎を持ち、魚のような滑らかな鱗と針のようなヒレを持つ。明らかに水中での生活に適していながら、オルナウグはその生涯の大部分を水の外で狩りと採取をして過ごす。さらに見つけたものは何でも食べるほどの適応力を有するが、容易に家畜化でき、主人との間に強い絆を作る。オルナウグはこのように、複数の点で既存の枠に当てはめられることを拒むのである。

解剖してみると、オルナウグの分類は明らかになる。魚のような外見をしているが、オルナウグは高度に発達した大気を呼吸する生物の肺を持っている。また水棲生物は湿った柔らかい皮膚を持つのに対し、オルナウグの鱗は明確に乾燥していて硬い。蛇の皮膚に似て、見た目が光沢を放つだけである。この生物は魚でも水棲生物でもなく、水中や水辺で過ごすことの多い両生類なのだ。

もちろん、これと似たような適応能力を示す水棲の哺乳類は数多く存在する。例えばアシカやホーカーである。こうした哺乳動物と同様、オルナウグは瞬きする膜で水中にいる時に目を保護し、鼻は水が入らないように閉じ、さらに泳ぎを補助するヒレを持っている。だがアシカやホーカーとは違い、オルナウグには断熱効果の高い脂肪も、強力なヒレ足や尾もないため、水中ではそれほど機敏に動けない。

野生のオルナウグを忍耐強く観察することで、こうした謎は解明される。オルナウグは獲物を水中で狩るのではなく、海辺で拾い集めるのである。オルナウグが水に入るのは単に新たなサンゴ礁や島の海岸地域に移動するためであり、事実、断熱性に欠けるオルナウグの移動範囲は温暖な海域や浅瀬に限られる。オルナウグは完全に地上で生きる動物に比べると優れた泳ぎ手だが、水泳よりも走るほうがはるかに得意である。

(実地研究者は飢えたオルナウグの群れに出会った時、以上の観察を心に留めておくといいだろう)

カリーン船長の記録Captain Kaleen’s Log

新たな航海
契約相手、レディ・アラベル・ダヴォー。通常の倍の料金。保証人はウェイレスト財務省のエドウィナ・ゲーリング

その1
ウェイレスト

空は灰色だが、落ち着いている。

もう何日もここで足を休めている。コッパーとかいうあのダガーの環の女、とてつもないカード名人だ。口数は少ないが、よく勝つ。うちの積荷についても二言以上は口にしない。
***
ついに出航だ。南西へ航路を定めよ、余計なことは聞くな。乗船してきた護衛対象の貴族はえらく派手だった。あの上流階級の者たちが必死に目立たないようにしていることに、誰も気づかないでいてくれるといいが。

その3
ダガーフォールを通過中

天候は安定している。

上級王エメリックはあれでごまかしているつもりなのだろうか。あの声ではどこにいてもわかる。あの男の肺活量はノルドのスカルド並みだし、船全体に聞こえるくらい大声で喋っている。乗組員たちが下を向いて、口を閉じていることを祈るしかない。

***
上級王はようやく秘密を打ち明けた。迫ったので、他に選択肢がなかったようだ。シストレス諸島へ向かうことになった。ドミニオンとパクトの旗を掲げる船2隻と途中で合流する。何かの首脳会談だろう、賭けてもいい。とはいえ、賭け事をしないのが今日の私の仕事だ。

その6
ストロス・エムカイ西。

天候は晴れ、安定している。

パーフェクトパウンスとカマルズベインに合流。ザジ船長とツゾ船長の評判は聞いていたが、直接会うのは初めてだ。沖合で信号を使って合図することを直接会うと言っていいかどうかは微妙だが、まあそれに近い。残りの航海は一緒に向かうのだろう。

その9
アビシアン海

天候は変わりやすい。
天候の動きが妙だ。この海域は10回以上も航海しているが、こんな状態になるのは見たことがない。巨像の姿が見えてくるまでにこのスコールがやむことを祈ろう。その間、読書の遅れを取り戻す。ウェイレストを出る前に、タイリン・ウィロリアンの「欲望と恋人たち」と、捜査官ヴェイルの最新作「呪われた灯台」を手に入れた。これで本土に戻るまでの暇つぶしになるだろう。

その12
シストレス視認可能

荒天

ハイ・アイルを確認するやいなや、激しい嵐に襲われた。乗組員全員に命綱をつけるよう呼びかけ、甲板下にまで行って陛下に荒れた海へ備えるよう伝えた。衛兵たちは喜ばなかったが、王は喜んでいた。笑ってしまう。この嵐では船団を維持できない。嵐はどこからともなくやってきた。ここらの海で、こんな経験はしたことがない。

これが最後の記録になるかもしれない。海はデューンリッパーの尻のように大揺れしている。ゴンファローネ岬から光が差さないので、我々は盲目だ。尻軽女のターヴァめ、私に借りがあるだろう。生き延びさせろ!こんなことで挫けてはいられない。いつものように、船員たちと一緒に生き延びる。

キヴのメモKiv’s Notes

タムリエル中の人々についてのメモ。

〈最近の出来事は以下〉

バンコライ – Sはハルシオンの近く。“かき回している”ふりをするのが好きな女だ。

ウェイレスト:JLが近寄ってきた。指輪?彼には品質がわかる。別れる準備をしておく。

ウェイレスト:かなり金持ちの女。サファイア!芸術を好む。馬鹿ではない。上手く騙してあのネックレスを手に入れる。

ベルカース – ゴールドリーフ。金貨と共に旅をしている。ブツを隠しているかも。後でもっと大物を売りさばく?

セイダ・ニーン:郵便を確認する。ガレドラのせいで面倒になった。新しい隠し場所を探す。

キヴの日記Kiv’s Journal

あの小さな村は外れだと思ったが、そこでレディ・ジョーベルに出会った。ハイ・アイル出身の、かなり若い女だ。

宿屋でデートをして“芸術”の話をした。それなりの宝石を持っていそうだと思ったが、何も高価なものはなかった。だが、印章指輪をはめているのが見えた。

自分の一族ではなく、ヴェロイーズ商会のものだ。どうやって手に入れたのか聞かなければ。使えるかもしれない。

よく喋る女だが「個人レッスン」に誘うことができた… ストロス・エムカイの話をしてやると、彼女はぜひ冒険に出たいと言った。いや、完璧だ。

グウェネンギスの日記Gwenengith’s Journal

1日目

ゴンファローネ湾に来た。 注意深き貴品箱で銀行員として働いて1日経った。宝物庫に保管すると言ったら思いつく普通の品々以外に、修理が必要な複数の武器、かなりの量の毒物、ルーフタッパーというヤギを受け取った。シャルルバートは私にヤギを突き返すよう求めていた。うちは家畜を保管しないと。でもあいつはヤギを運んできたノルドに私の後ろから手を振って、そう言うチャンスを逃したのだから仕方ない。ヤギは私が預かる。

もちろん、あのノルドのために。

それにノルドが臭いとは全然思わなかった。仕事か戦争のせいで汗臭かっただけだ。ノルドの場合はどっちかわからない。

2日目

うちの衛兵がヤギのいる棟を気に入ってくれた。今日、ルーフタッパーがシャルルバートの昼食を食べた時、彼女も私と同じくらい笑っていた。ヤギは彼の外套も食べてしまった。ヤギは本当に何でも食べる。

その後、ルーフタッパーに日を浴びさせてあげようと外に連れていったら、すぐに脱走してしまった。ヤギが建物を登るところを見るまでは、本当の意味で何かが「登る」のを見たとは言えない。ヤギを戦士ギルドから降ろす方法を考えるのに1時間もかかった。シャルルバートは私がデスクを留守にしすぎたことに怒ったが、気にしない。ヤギには日光浴が必要だ。このヤギには屋根も1つか2つ必要らしい。

今日はなかなか大量の魂石を預かった。忙しい人がいるらしい。

3日目

あのノルドが戻ってきて、よかったらヤギをもらってくれと言った。ヤギは彼に失った恋人を思い出させるらしかった。その恋人というのは最近ハドリッドというものに真っ二つにされたという。うちの衛兵が即座にヤギをもらうと言ったので、シャルルバートは安心した。どうも彼女は私がヤギを食うと思っているらしい。まあいい、彼女もそのうち理解してくれるだろう。

もちろん、私は衛兵を脇に連れだし、ヤギをもう少しここに置けないかと頼んだ。あの偉そうな銀行家には、ここにあるすべてのものが彼の自由にはならないことを思い知らせてやらねば。そのほうが彼にとっても幸せだ。それにルーフタッパーは今日、彼の黄色い扇を食べてしまった。私は笑いすぎて昼食を失くすところだった。

衛兵は同意してくれた。彼女もきっとシャルルバートが好きではないのだろう。

後で、我らがヤギの友をまた屋根登りに連れだしてやろう。その前に扉から脱走しないでくれるといいが。衛兵は今日だけですでに2度も、ヤギが出ていくのを止めたのだ。あの子には屋根で過ごす時間が必要ということだろう。

ゲームのルールRules of the Game

ようこそ、ようこそ!私、看守 ティナン・マニックがホエールフォールのゲームに歓迎しよう!

ルールは簡単だ。運命の競争者であり、惨めなクズである君は死んだ。君がアリーナに入るのはアメノスから逃げるためではなく、再び生きるためだ。君は島をうろつく、熟練の狩人たちの追跡から生き残らなければならない。

毒矢の達人、狩人マーカス
北方の恐るべき狂戦士、狩人キャム
勇猛なる聖職者、狩人ギルドナー
不屈の騎士、狩人ルシア
ブラック・マーシュの災厄、狩人クロウ
獣たちの女主人、狩人ディー

君は島の北端にある、勝者のステージまで生き延びられるか? それとも彼らの手で真の最期を遂げるか?

見届けよう!

ゴンファローネ湾の巨像The Colossus of Gonfalon Bay

ゴンファローネ湾歴史社会協会会長、ミラメル・シャラセル 著

ハイ・アイルの誇り、いや諸島全体の誇りが、ゴンファローネ湾の港から立ち上がり、300フィートほどの高さにそびえたっている。ゴンファローネ湾の巨像は、この島の民と歴史の力と威厳を示す偉大なる像である。しかし、ハイ・アイルの民の大半はこの偉大なる巨像を畏敬と驚異の念をもって眺めるが、像が建設された歴史や、像が体現しているもの、あるいはこの巨大記念碑が誰の顔をかたどっているのかを実際に知る者は少ない。そう、筆者はそれを修正すべき時が来ていると思うのである!

ゴンファローネ湾の巨像は、全旗海軍のための主要な記念碑の案として始まった。大艦隊の生き残りがハイ・アイルに帰還した後、建築監督のトビン・ムーアクロフトが男爵提督ベンドゥ・オロに計画を見せた時、オロはそれを却下した。オロが全旗の小島の記念碑のために望んでいたのは、全旗海軍を構成したすべての船と船乗りを称えることであり、特定の人物の記念碑ではなかった。たとえその人物が男爵提督であっても。こうして、小島の記念碑が建設される間、巨像の計画は見合わせとなった。

第一紀2274年に全旗の小島の記念碑群の完成が近づくと、スロードに対抗して全旗艦隊を集め率いたベンドゥ・オロの尽力を正しく評価する時が来たと判断された。ゴンファローネ湾から突きだす荒々しい岩が選ばれ、石細工の達人と加工術師のチームが集められ、そびえたつ岩壁を芸術作品に変える作業が始まった。完成式とお披露目は第一紀2290年に行われた。ベンドゥ・オロは老齢で健康に優れなかったが、それでもアンヴィルからはるばるやって来て名誉を受け入れた。

多くの人々が巨像と呼ぶようになったこの作品は、ハイ・アイル民にとって驚異であると同時に誇りの源でもある。今日、ベンドゥ・オロの名や彼がタムリエルの民のために成し遂げた業績を記憶する者は少ないが、港を見下ろす彼の顔は、その眼差しの下を歩むすべての者に安心を授けている。伝説によれば、巨像が立っている限り、ハイ・アイルやシストレス諸島に危害が加えられることはないとされている。像が末永く立ち続けていることを願いたい!

ゴンファローネ湾の仕事Work in Gonfalon Bay

剣や弓の扱いは得意か?

死をもたらす呪文をたやすく唱えられるか?

ハイ・アイルとアメノスで、最も危険な領域を探検する意志はあるか?

昔ながらのやり方で、ゴールドと栄光を手に入れたいか?

それならば、仕事がある!

詳しくは、ゴンファローネ湾の中央北地区でグルゼグを探せ。

ザジ船長の記録Captain Za’ji’s Log

その458
あの契約が果たされるとは、この者にはどうしても思えない。レディ・アラベルからの手紙は明快だった。スカイウォッチに停泊し、連絡を待て。我々がずっと待ち続けていると、ついにアイレン女王の高名な女王の瞳がやってきた。彼女は次々と約束を突き付けてきたが、ザジは尻尾の上に座って、キャスカをなだめなくてはならない。キャスカには得意なことが沢山あるが、我慢はその中に入っていない。

オーリドン港ではいつものことだが、天候は快晴。

その459
ザジは間違っていた!正しくもあった。これは契約ではない。我々は徴集された!パーフェクトパウンスは今、王族の密偵を乗せてハイ・アイルへ航海している。少なくともチズバリとシデュラやいつもの船員たちは、スカイウォッチの酒場に戻ったら使える金貨を少し手に入れた。

女王の瞳のレディは港で約束した。この家臣たちをシストレス諸島に無事送り届ければ、王家から大きな富を受け取れるだろうと。だがザジはこのカリエルという者を信用しない。信じるのはこの目で見たものだけだ。

天候はザジが昨晩夕食を共にした仲間と同じくらい快適で、美しい。

その460
パーフェクトパウンスはストロス・エムカイの西で、スピアヘッドとカマルズベインに出会った。空には明るい月。この者の見える範囲には海賊もなし。もちろん、我々とスピアヘッド以外には。堂々たる船長たちに合図をして、我々はこの先の航海のため陣形を組んだ。違う同盟の船が3隻、船団を組むのは奇妙だ。しかし、ザジが戦争と平和について何を知っているだろう?

天候は悪くないが、この者の尻尾は説明しにくい仕方でちぢれてしまっている。ザジには嫌な予感がするが、昼に食べたチーズのせいかもしれない。チーズはザジに優しくない。

追記:乗客は他ならぬアイレン女王その人だった!ザジが知ってはいけなかったのだろうが、あの陰のある顔は他の誰でもない!キャスカには沈黙を守るよう誓わせた。キャスカはとってもお喋りだからな!もちろん、キャスカはとっくに知っていたと言っていた。なんというほら吹き!

更新の更新:女王だ!彼女は船室に来て目的地を確認し、我々の分別に感謝してくれた。我々には分別があまりないと伝える勇気はなかったが、とにかく感謝しておいた。

その461
ハイ・アイルが間もなく見えるはずだ。この者には嫌な予感がするが、空は晴れて明るい。キャスカに舵を任せて、必要な昼寝をしよう。近づけば起こしてくれるはずだ。それまで、この者は面白い夢に戻らなければならない。

サンゴの復讐Coral’s Revenge

自然は私たちの周りで育ち続ける
地上でも、そして海の上でも
不自然な街路を押しのけて
育つ根は自由に生きる

海辺の世界はぼやけさせる
大地と、海の境界を
活気あるサンゴ礁は道標をもたらし
川は自由に流れる

この秩序ある領域は自然のもの
大地と、そして海と
すべての岩と石と
穏やかで自由に過ごす者の領域

だが私たちは奴らを倒そう、波と雨により
すべての大地と、そして海を洗い流して
人間とエルフに苦痛の約束をもたらそう
自由なものに鎖を課した罪で

木々は根であり、根は大地である
大地と、そして海の下
私たちの手の下で、すべては沈み去り
自然は自由になるだろう

シーエルフの脅威The Sea Elf Threat

デュフォート家の執事、へルシアン・スタロ 著

エリア女公爵閣下の代理として、私はシーエルフによるシストレス公爵領の民と商業への脅威を査定し編纂した。衛兵に命じて我々の海域に詳しい船員たちに話を聞かせ、学者を雇ってシーエルフによる襲撃の歴史記録を調査させ、戦艦を派遣してシーエルフの上陸地を捜索させた。その結果、私は十分な自信をもってシーエルフの脅威は過大に喧伝されていると言える。

私はこの結果を予想していなかったので、詳しく説明させてほしい。

まず、地域の防備はシーエルフの襲撃に対する大きな防波堤である。ハイ・アイルはゴンファローネ湾とナヴィール城の壁、そしてデュフォート造船所に停留している戦艦によって守られている。シーエルフがハイ・アイルに侵入することは珍しく、侵入する場合も小規模な集団のみであり、長期間留まることはない。シーエルフはアメノスの荒々しい海岸沿いや、より遠く離れたガレンといった、強力な防備を欠く区域でより頻繁に見られる。モーナード家がデュフォート家のように自らの島の防衛に力を注いでいれば、シーエルフがこうした区域に居座ることもないだろう。

第二に、海が見えるところで起きた自然災害や海岸地帯の強盗はすべて、シーエルフが関わっているかどうかとは無関係に、シーエルフ海賊の仕業だとされている。商船が嵐で沈んだら、シーエルフに沈められたことになる。農夫の家畜が行方不明になったら、シーエルフの襲撃である。天気が悪化したら、マオマーのシーメイジのせいにされる。私の情報源に基づいて推測するなら、シーエルフの略奪報告のうち、実際に起きたと考えられるのは10回に1度ほどだと思われる。

第三に、シーエルフが様々な旗を掲げて航海することも重要な点である。それぞれの艦隊はいわば、自らの縄張りを有する海賊団のゆるやかな連合である。シーエルフの艦隊は他のシーエルフ艦隊と協力して行動することはないし、別の艦隊の領域で密漁することもない。シストレス諸島をうろつくシーエルフはドレッドセイル艦隊に属している。公爵領の海域でそれ以外のシーエルフが目撃されても、大した危険はない。

まとめると、シーエルフはハイ・アイルにとって大きな脅威ではない。当然ながら、ハイ・アイルこそがシストレス公爵領の最も裕福かつ価値ある部分である。確かにドレッドセイルはガレンを悩ませているが、それはモーナード家の問題である。それにアメノスやイフェロンで起きていることは、まったく重要ではない。あんな荒れ果てた野生の海岸は、シーエルフどもに好きなように荒らさせておけばいい。

シストレスの騎士団 第1巻Systres Knightly Orders Vol 1

騎士の年代史家、エダナ・オギエ 著

ごきげんよう、読者よ!私はアルバトロス騎士団の騎士志願者たちの中で、駆け出しとして訓練しながら青春の大半を過ごした。しばらく時が経ってから、自分の才能は騎士よりも年代史家や知識の編纂者に適していると気づいた。それでも故郷の島々に住む勇敢な騎士団について、手に入る限りのことを記録し調査する欲求が、私の研究生活にずっと付きまとっていた。そして今、私は定命の者の筆によって生み出された中で最高の騎士団についての本を書いている!

アルバトロス騎士団
まず、騎士団組織の中でも頂点にあり、勇敢さも抜きんでたアルバトロス騎士団に目を向けよう。この騎士団の最初の騎士は第二紀初期に逃亡してきて、ハイ・アイルに騎士団を築いた。それ以来、休まず活動を続けている。

比喩を許していただけるのなら、アルバトロス騎士団はその広げた翼の大きさを誇りとしている。活動中の騎士とニルンを探検した割合の両面で、彼らの数は諸島に拠点を置く他の騎士団を圧倒している。これはこの騎士団が冒険と発見、大胆な偉業に注力して、本土から入団者を惹きつけているからこそ可能になったことである。現在の指導者メルフレン・ル・フルーリー卿は、空に浮かぶ星の数よりも多くの島を、アビシアン海で発見したと主張している。幼少期の大部分を彼の庇護のもとで過ごした私は、これが事実であることを証言できる。確かに私は星も卿の発見も数えたことはないのだが、比較しうるものであることは確かだ。

フォンテノット・レイラは、親の遺産を期待できない貴族の子供たちに自分の力で遺産を築く手だてを与えるために、この騎士団を創設した。自身も第四子であるフォンテノットは自分の行いへのあらゆる表彰を拒み、謙虚に日々を過ごした。伝説によると、彼は仲間の騎士たちに自分の名前から肩書きを外すよう頼みさえしたという。フォンテノット・レイラはまさしく、アルバトロス騎士団への入団を望むすべての者が目指すべき存在である。

アイアンノット騎士団
その数多くの武勇譚にもかかわらず、アイアンノット騎士団の始まりはアルバトロス騎士団以上に伝説的である。創設者の女男爵ベレーネ・シャティヨンは、あの全旗海軍と共に航海した。彼女はスロードと戦い、記録を信じるなら、スロードの腐敗のため片腕を失いさえした。その犠牲と勇敢さを称えるため、この騎士団の団員には片方の手に黒い籠手を身に着ける者もいる。

ハイ・アイルの統治者は他のどの騎士団よりも、アイアンノットに注意を払っている。これは気まぐれな推測などではなく、この騎士団自身の記録と報告によって証明されている。彼らは数世代も前まで遡る、ハイ・アイル貴族からの信書を保管しているのである。

アルバトロス騎士団の騎士のように、アイアンノットの名声には、数多くの大胆かつ勇敢な偉業が結びついている。彼らは武術に優れることで知られており、路上でもトーナメントでもたゆまぬ訓練が行われている。とりわけ、私はアイアンノット以上にうまく剣を扱える騎士団を知らない。

入団を認められたその瞬間から、小姓や従者は最強の戦士以外を全員振り落とすための容赦ない試練に立ち向かうことになる。結び目の勇士は困難のない生活に耐えられず、(戦場にいない時は)大半の時間をトーナメント場で過ごしている。

ハイ・アイルの現在の統治者はアイアンノットを高く評価しているが、彼らを管理するのは困難だと感じている。統治者たちは個々の団員が地域の他の騎士団と戦うのを防ぐため、明確な目的を持たない、長く回りくどい任務を与えて出発させることで、ナヴィール城にいる騎士の数を大きく減らした状態を保っている。アイアンノット現在の団長であるモリック卿はこの過保護に苛立っている。彼は自分の騎士たちを率いてタムリエルの戦場に向かう日を心待ちにしているのだ。モリック卿は密かに私財を蓄えて遠征資金を捻出しようと試みているが、エリア女公爵はアイアンノットにトーナメントでの見栄えを整えるには十分だが、独立を得るには至らない程度のゴールドしか与えないように細心の注意を払っている。

シストレスの騎士団 第2巻Systres Knightly Orders Vol 2

騎士の年代史家、エダナ・オギエ 著

ごきげんよう、読者よ。第一巻ではアルバトロス騎士団とアイアンノット騎士団を扱った。そのため、尊敬を集めるこれら二つの騎士団から離れて、シストレス諸島の残りの騎士団の説明に移ろう。

オーク騎士団
シストレス諸島を拠点とする最も新しい騎士団であるオーク騎士団は、軍事的戦闘よりも魔術や魔法の知識を優先している。このため、彼らはドルイドと親密な関係を築いており、しばしば彼らの高度な魔法の知識の基礎として、ドルイド出身の師の名を挙げている。最近では、オーク騎士の一部が破壊魔術と召喚魔術の領域で、魔術師ギルドの呪文製作者をも上回るほどになっている。

残念ながら、オーク騎士団はその方向性と能力のために、少なくない数の敵を作っている。アイアンノットの騎士たちはオーク騎士に対する軽蔑を隠さないことで知られており、彼らはオークの騎士が真の騎士に相応しい騎士道と戦闘に対する敬意を欠いていると述べている。さらに、魔術師ギルドの召喚師はしばしばオーク騎士団の技能を脅威と感じ、この騎士たちは正当な魔術の実践者ではないと主張している。

それでも、オーク騎士団には強力な味方がいる。ダマード伯爵はオーク騎士団に個人的な演習と教授を施しており、高く評価されている。貴族たちは明らかにオーク騎士団を支持する意義を理解している。この騎士たちはよくその魔術の力を貴族の名家に提供することで、さまざまな事業の手助けをしているからである。

小規模な騎士団、および解体された騎士団
シストレス諸島を拠点とする他の騎士団に触れなければ、有能な年代史家とは言えないだろう。というのも、ここまで詳細に解説した騎士団はこの諸島の騎士の大半を擁しているが、現在および過去に存在した騎士たちの全員ではないからだ。例えば数世紀前、デスバローと呼ばれる騎士たちがいた。この騎士団がなぜ勢力を失ったのかについては記録がないが、この騎士団の拠点が無人の荒地と化しているという報告は数多い。それでも最盛期の頃、デスバローの騎士たちは地方を巡回し、分断と流血の時代に平和を保っていた。

現在も活動中のブレイデッドバイン騎士団は、ドルイドの騎士団である。この騎士団がドルイドの理念への関心を引き起こすために形成されたのか、それとも本当にドルイドの技を騎士団のライフスタイルに組み込めるという考えがあったのかはわからない。いずれにせよ、この騎士団は主に森と、ドルイドたちが神聖と考える島の各地を守ることを任務とした、ストーンロア・サークルのドルイドたちで構成されている。

最後は、単なる伝説と考える者もいる、謎に包まれた炎と影の騎士団である。現存する書物や歴史記述が示すところに基づく限り、この騎士団はたった一人の騎士で構成されており、長期に及ぶ秘密の訓練の後で後継者に責務を受け継がせる。炎と影の騎士は数世紀の間に何度か目撃されており、貴族に協力する場合もあれば、民たちの中にいて積極的に反乱を呼び掛ける場合もあった。残念ながら、彼らの素性や居所、動機についてこれ以上の情報はない。炎と影の騎士の噂はここ数年聞こえてこない。私は肩書を有する最後の者が遺産を受け継がせる前に死去したのではないかと疑っている。気の重くなる考えである。

シストレスの歴史 第1巻Systres History: Volume 1

グウィリム大学エルセリック史学部長補佐、トリラム・ヘラドレン 著

シストレス諸島の島々には、少なくとも第一紀にまで遡る、長く動乱に満ちた歴史がある。

島についての最初の記述は、ドルイドの文書に由来する。ドルイドとは、第一紀330年頃に敵意を増したディレニの支配から逃れるためハイロックに逃亡した、イフレを崇拝するブレトンたちである。この時代はハイロック史の動乱期であり、ディレニのエルフと、厳格さを増すアレッシア帝国との間で権力闘争が起きていた。アレッシア教団は正教からの逸脱を許さなかったため、ドルイドたちの一部を人間に与する異教徒として粛清した可能性が高い。同様に、勢力を増していたディレニ王朝は彼らをハイロックにおけるエルフの利益に対する潜在的な脅威とみなした。ドルイドたちはこの地域のドルイドによる統治を公に要求したことで、タムリエル北西のほぼ全陣営から標的となった。

ディレニ家によって追放されたにせよ、自らの意思で去ったにせよ、伝説によるとドルイドたちはシストレス諸島への危険な旅を、ドルイドの長老が風の中に聞いたという謎の「歌」に従うことで成し遂げた。彼らは星霜の書を携えており、その導きに従って新たな居住地イフェロンの海辺にたどり着いたとする伝説もある。

我々は諸島の初期の時代についてほとんど知らない。大部分の記録は第一紀660年、左利きの侵略の最中に焼けてしまったからである。しかしドルイド正教に従うなら、最初のドラオイフェがアースボーンズの力を伝えて傷ついた者を変身させ、火山島を緑の楽園に変えたという。大半の学者はこの記述を正式に認めていないが、私はドルイドたちの到着のすぐ後に、豊穣の時代が訪れたという証拠を見つけた。

この黄金時代はドルイドたちが諸島を越え、その先へと拡大するのを早めた。司祭の航海士たちは付呪をかけた船を出航させ、不毛な岩場や色褪せたサンゴ礁を見つけるたびに、命の火を灯していった。この時代には争いも起きた。この「三朝の航海」の時に、ドルイドの「サークル」が生まれた――互いに区別される3つの文化的派閥である。オソ・カラトリウスやリランドリルのティルネンダリオンのような宗教学者の考えでは、荒波でそれぞれの司祭が得た経験と、おそらくは彼らが交流した種族たちのおかげで、新たな信念が生まれた。この新たな理論上の対立はストーンロア、エルダータイド、そしてファイアソング・サークルを分離させ、危うく表立った紛争に激化するところだった。しかし幸運にも、彼らの海の外側からの脅威が、シストレスにおけるドルイドの優位を終結させた。

シストレスの歴史 第2巻Systres History: Volume 2

グウィリム大学エルセリック史学部長補佐、トリラム・ヘラドレン 著

イフェロンとシストレス諸島のはるか西で、ヨクダの抗争は破滅的な終焉を迎えようとしていた。第一紀600年、マンセル・センスニットの外交的粛清と、猛反発を招いたランディク・トルンの布告により、移民の爆発的増加が起きた。冷遇された貴族とその家臣は、大陸東にある無数の岩多き島へと散った。こうした島々は長い間、流刑者や海賊、そして落ちぶれた、左利きのエルフという名のほうがよく知られているレフトハンド帝国の残党の隠れ家として機能していた。

多くの者はレフトハンド・エルフがレッドガードの祖先たちに完全に滅ぼされたと信じているが、私は第一紀まで生き延びた人々がいるという証拠を数多く見つけている。海軍の記録はモニの東にある「エルフの」居留地への攻囲が、神話紀の後期まで延期されたことを証拠立てている。ただし、レフトハンダーに関する仮説を確実に証明することはできない。高位ヨクダ語の「エルフ」という語は二重の意味で古い、単に「敵」を意味する言葉から派生したものだからだ。シンガー時代の外交の流動性を考えるなら、ヨクダにおいてはいつ誰が敵であってもおかしくない。

いずれにしても島に無断で居住する者たちは、エルフであろうとなかろうと、新たなヨクダの避難民の集団を避けるため、エルセリックをさらに東へ移動しなければならなかった。ある者はサマーセットへ向かって南東に移動し、海で力尽きるか、マオマーの私掠船団と結託した。また別の者はイリアック湾へ向けて北東へ移動した。こうした旅路に関しては、いくつかのディレニ海軍の公文書に「西の旗を掲げた船」との短い戦闘の概要が記されている以外は、資料が不足している。しかしこうした艦隊のうち一つは東へ向かい、シストレス諸島に錨を下ろした。旅行ではなく、征服するために。

またしても、高位ヨクダ語の流動性と残されたドルイドの記録の乏しさのせいで、侵略艦隊の正確な構成を解明するのは困難である。私の同時代人の多くが、親友のガルノバグ・グロ・マログも含めて、艦隊は数百年も前のアルダナン・ハバ皇帝の治世に大陸を去った、ヨクダの反乱者で構成されていたと主張している。私の見解は、侵略者たちが左利きのエルフだったというものだ。

最大の争点は、第一紀665年の出来事を記した、残存する数少ないあるドルイド文書に由来している。著者はブラレン・トゥサドというドラオイフェのメンバーだが、この人物は侵略者を「顔が長く、耳も長い西方の者」と記している。一見すると、これは明らかにレフトハンド・エルフに言及しているように思える。しかしガルノバグは、トゥサドが記述しているのが侵略者の身体的特徴ではなく、その兜であるという有力な議論を提起している。神話紀中後期のヨクダの兜にはしばしば「華麗なるターヴァ」、すなわち翼を広げた女神を金属で表現したものが配されていた。この紋章が兜に鷲のような形状を与えており、翼の部分はエルフの耳に酷似している。

ガルノバグはこの見解をさらに一歩進め、レフトハンド・エルフは、そもそも存在しなかったと主張している。彼は左利きの物語全体が、本質的には「エルフ」と「敵」が同一視されたという悲劇的事実に基づく、翻訳の誤りであると述べている。彼によればレフトハンド・エルフとは単に左利きの敵のことであり、エルフでもネードやアトモーラでもあった。私としてはこの話を信じるのはきわめて困難だが、ここでその問題を論じるつもりはない。むしろ、一次資料に向き直ることにしたい。

後のほうの記述で、トゥサドはハイ・アイルのある祠への襲撃について書いており、次のように述べている。「剣の民は盾を寄せ合って、野を這う蛇のように長大な列を作って歩いた」。真理が見いだされるのはこの記述である。「盾を寄せ合って」。古遺物研究者たちはナ・トタンブ遺跡にヨクダの盾を発見してきたが、現在に至るまで希少であり、戦闘で装備する道具としてよりも、儀式用の遺物か芸術作品だった可能性が高い。有名なアンセイ、七連斬りのナシファは、ある死せる戦士のための哀歌の中で、次のように述べている。「彼女は決して、エルフやゴブリンのように盾を構えなかった。求めたのは隠れ場所ではなく、鋼鉄とシェハイが授けるもの。命を奪う要塞、切り裂く守り」。ヨクダ戦士の軍団が「盾を寄せ合って」歩くという考えは、ヨクダの軍事活動について我々が知っているすべてに反する。しかしこれは少なくとも、ある種族には完璧に合致する。すなわち、エルフである。

エルフによるシストレスの攻囲は長引き、双方の陣営に何百人もの死者を生んだ。最終的には、エルフたちがドルイドの心臓部に近づいた時、島それ自体が介入した。イフェロンの中心部にあるドルイドたちの神聖な火山ファイアソングが噴火し、第一紀668年のレッドマウンテンの災厄に匹敵するほどの地割れが生じて、ドルイドとエルフを等しく飲み込んだのである。むしろ、私のささやかな意見ではこの出来事が関係している。日付が一致しているからである。

結局、エルフたちはせめてもの成果として諸島を占拠し、ドルイドたちは歴史の後景へと退いた。シストレス自体の秘密の小地域に、あるいはその付近の荒れ果てた岩場に。

レフトハンダーの勝利は相対的に短命だった。最初のラ・ガーダの戦士たちが第一紀785年にやって来て、飢えた侵略軍の残党を殲滅した。ヨクダは来た時と同じ性急さで島を去り、東へ航海してハンマーフェルに運命の地を求めた。残されたのはドルイドのみだった。数は大幅に減ったが、以前よりはるかに知恵をつけていた。

シストレスの歴史 第3巻Systres History: Volume 3

グウィリム大学エルセリック史学部長補佐、トリラム・ヘラドレン 著

ファイアソング山の最初の噴火から1500年ほど後、スラスのナメクジの民は世界に向けて大いなる疫病を解き放った。第一紀2200年以降の数十年は、タムリエル史上最も悲惨な時代に数えられる。病は超自然的と思えるほどの速度で大陸を駆け巡り、数十万の歪んだ死体を後に残していった。癒し手の記録は腫瘍や脆くなった骨、目や耳からしみ出す粘液、そして人々を狂気に陥れた癒されることのない渇きについて記している。

フラヴィア・レンティヌスやラッサフェルドのイロルリエル、マザジム・アル・ヘガテといった世に知られることなき英雄たちは、命を懸けて治療法を探したが、無駄に終わった。誰も病を止めることはできなかったが、彼らの仕事は人々が長い間恐れていたことを確証した。疫病は自然のものではなく、海からやって来たのであると。それはスラスから来ていた。

第一紀2241年、アンヴィルのコロヴィア船乗り王ベンドゥ・オロは、スラスの罪を罰する意図を高らかに宣言した。彼はアレッシア人たちに権限を嘆願し、それはすぐに受理された。皇帝の祝福を受けたオロは帝国艦隊の男爵提督の肩書を得て、逆襲の艦隊を集め始めた。オロもアレッシア議会の議員も、艦隊が疫病の治療法を発見できるという幻想を抱いてはいなかった。オロの旅路に同行した癒し手の数は少なかった。全旗海軍の意図は明らかに、スラスとその住民の完全な掃討であった。

2年の間に、男爵提督と全旗海軍の創設メンバーたちはシストレス諸島に居を据えた。コロヴィアの技師たちはブレトンとオークの労働者に支えられて、ゴンファローネ湾および現在の全旗の小島に、シストレス造船所を建設する作業を始めた。当然ながら、第一紀2240年には無数の造船所が協力して作業に当たっていた。特に有名なのはアリノールとリベンスパイアーである。だがシストレスの生産活動は規模と量のどちらでも他を圧倒していた。第一紀2249年には、海軍基地とその最初の船団が、スロードに対して戦争を仕掛ける準備を整えた。第一紀2250年代初期の小競り合いは、第一紀2258年、全面戦争に移行した。

ダークエルフ旗艦ホープスファイアーの船長フォルヴス・ネルヴィロの覚え書きには、スロードとの交戦の様子が次のように記されている。

「そこで我々は獣の姿を見た。巨大な肉の塊が、病気のクジラのように表面で煮えたぎり、長い列になった漏斗状の穴から墨が噴き出していた。この緑色の胆汁は水夫も船も等しく溶かしてしまい、我々が火をつけて焼くまで止まらなかった。ナメクジどもは戦争の獣の背にまたがり、ここに記すのがためらわれるほど冒涜的な力を持つ呪文を放った。エルフたちは頭を押さえて叫び、我々が海の獣に乗り込み、剣と銛でスラシアの民を殺すまで回復しなかった」

この海の獣を打ち破る秘訣を解明することが、勝敗を左右する戦法だった。スロードはしばしば波の下から一方的に攻撃してきたからである。これに関しては偉大なる妖術師シラベインの功績があったかもしれない。というのも紛争の間中、彼はアルケインの海上戦闘に力を注いでいたようだからだ。しかし詳しいことは、控えめに言っても不確かである。

海上でいくつかの大きな勝利を収めた後、オロとその大艦隊は第一紀2260年、スラスに対する最終攻撃を仕掛けた。決定的な戦いだったにもかかわらず、直接経験した者による報告は異常なまでに少ない。現在でさえ、全旗艦隊がいかにしてスロードの国を滅ぼしたのか、あるいは、スロードがサンゴの塔を使って自ら滅びたのか、我々には何もわかっていない。シラヌス・ルロのような研究者の主張によれば、この記録の空白は意図されたものであり、大地を丸ごと海に沈める方法は、後世の者にとって危険すぎたのがその理由だということになる。判明しているのは、この出来事を目撃した者は誰もが、多大な衝撃を受けたことだ。出来事に続く記録では、船長と船員のどちらも祝わず、憂いを交えた深い安堵の感情を示している。艦隊の半数が渦巻く波に失われたことも、気分を高揚させる助けにはならなかった。

恐怖と喪失にもかかわらず――あるいはまさにそれが理由で――男爵提督と生き残った船長たちはシストレス諸島に帰還し、全旗の小島で友愛協定に署名した。この文書は各船長と各種族に、和平と協調を誓わせるものだった。出席者全員が、シストレス諸島をタムリエルの勝利の記念碑に、そして大陸規模の団結の象徴にするという決意を抱いていた。もちろん、喉元過ぎれば熱さを忘れるものである。人々はその後遠からず、元のように小競り合いを始めた――特に正道戦争が有名である。だが短くきらびやかな瞬間、タムリエルの人々は一致団結し、共通の敵に勝利したのである。

シストレスの歴史 第4巻Systres History: Volume 4

グウィリム大学エルセリック史学部長補佐、トリラム・ヘラドレン 著

友好条約に署名した後、残された全旗海軍の船長と乗組員は、ハイロックとコロヴィア出身の少数の者を除いて、自分たちの国に帰った。後に残った人々の大半は、スロードに対する艦隊の勝利を記念するための記念碑の建造を託された技師や労働者であった。この大型記念碑は完成までに20年を要した。その間に、多くのブレトン労働者がハイ・アイルに家族を連れ、主にゴンファローネ湾の、造船所周辺の村に定住した。ブレトンの影響力は増したものの、この島は帝国の領地に留まった。ベンドゥ・オロ自身がコロヴィアの延長として島を要求したのである。ブレトンとアレッシア帝国の関係は、諸島の未来を不安に陥れた第一紀2305年のハイロック脱退に先立つ数年間に悪化した。

コロヴィア人たちは皇帝の要求にもかかわらずブレトンを追放せず、排除の費用が高くつきすぎるという異議を唱えた。本当は、コロヴィア人たちは時間稼ぎをしていただけだった。自分たちの独立を主張する機会をうかがっていたのである。

信仰と敬虔の軍団がハイロック奪回に失敗したこと、西方の出来事にアレッシア聖職者が介入を続けたことに勇気づけられ、コロヴィアの領地は第一紀2321年、ついに反乱を起こし、正道戦争が始まった。

すべてのシストレス住民にとって大きな安心の種となったのが、戦線はタムリエル本土の海岸線を越えて伸びなかったことである。しかし戦争の費用は、最も裕福なコロヴィア人でさえ手に負えなくなるほど膨れ上がった。ハイロックはドラゴンテール山脈やドルアダッチ、そしてハンマーフェルの不毛の荒野を頼みとして帝国の攻撃を防げたが、コロヴィアの高地は自然の防壁に乏しかった。アレッシア人とコロヴィア人はどちらも、敵に対して物質的な優位を得ようと必死になるあまり、財宝を使い果たしてしまった。第一紀2326年、領地の富は完全に枯渇した。追加資金を確保するため、コロヴィアの王たちは必須ではない領地を売却し始めたが、その中にはシストレス諸島も含まれていた。マルティーヌ・グイマルド女公爵が主導するハイロックの金貨貴族協会が、第一紀2327年に諸島を購入したが、その価格は公開されていない。

グイマルド女公爵は疑いなく、当時最も抜け目のない統治者であった。同時代の人々には冷淡で傲慢と形容されたが(この時代に権力を持った女性に対しては一般的な悪口である)、彼女は結婚と外交ではなく市場によって、すなわち巧妙な貸し出しと密輸、土地の買収、そして過酷なまでの税制によって莫大な富を得た。

シストレス諸島を買収したことで、グイマルド女公爵の宮廷での評判は、彼女自身が期待した以上に高まった。いとこのマルク・グイマルドへの手紙の中で、彼女はこう述べている。「名家たちは大いに喜んでいました――味方も、競争相手も同様に。本当に、まるで一握りの穀粒で、タムリエルのすべてを得たような気分でした!」

グイマルド家はシストレスの所有権を得て、島の自然資源を採掘しようとしたが、諸島の真の価値は文化的なものであることにすぐ気づいた。帝国の統治下にあっても、諸島で栄える労働者の共同体は、言語も文化も慣習も、完全にブレトンのものであった。この人口の動きと、ハイ・アイルやガレン、イフェロンにおけるドルイド遺跡の発見により、ハイロックの人々の想像の中で、シストレスのイメージが確立された。すなわち手つかずのまま残された、ブレトンの歴史の発祥の地というイメージだ。それがブレトンによって占拠され、今やブレトンの所有となったのである。

グイマルドは同時代の他の数人の者と共に、第一紀2328年に公式の就任式のためシストレスを訪れ、ブレトン祖先の故郷にちなんで最大の島に「ハイ・アイル」と名づけた。この名称は現在も使用されている。

シストレスの歴史 第5巻Systres History: Volume 5

グウィリム大学エルセリック史学部長補佐、トリラム・ヘラドレン 著

グイマルド家はシストレス諸島を150年の間統治した後、求婚を拒絶したため冷遇された。その後、野心的なマンテル家が諸島の所有権を獲得したが、短命に終わった。第一紀2484年、長い間休眠状態だったファイアソング山が、記録されている歴史上2回目の噴火を起こした。この破滅的な爆発はハイ・アイルの古代の造船所を粉砕し、アメノスで拡大していた居留地を完全に破壊し、全旗の記念碑を損傷させ、諸島の住民のほぼ3分の1の命を奪った。目撃者の報告では、噴火に続く数ヶ月間、リランドリルほどの離れた地からも煙が見え、硫黄の匂いが漂ってきたという。またどうやら震動により、ヘガテの鈴が揺らされたようである。

生存者たちの大半は漁師や捕鯨家などの海産業者であり、彼らは本土に支援を求めたが、物質的な援助はほとんど受けられなかった。シストレス貴族はほぼ全員、山の怒りによって死亡し、諸島の人々とハイロックの支配階級との実用的な連結がすべて絶たれてしまったのである。その後の数年間で、ブレトン封建政治の不平等がまざまざと明らかになり、大飢饉と水を原因とする病気で、ハイ・アイルのブレトンはさらに数千人死亡した。ドルイドたちの介入により、シストレス社会の全面的崩壊はかろうじて防がれた。

ストーンロア・サークルの者たちは島についての知識を活用して栄養のある根菜やキノコ、治療効果のある軟膏、そして真水を窮乏する生存者たちに提供した。これによって短くも重大な、「緑の時代」として知られるドルイド信仰の再興が起こった。ドルイドたちは島に対する権力の完全な復活は実現させなかったが、彼らは敬意を獲得し、大幅に地位を向上させた。今日諸島で用いられるドルイド用語の多くは、この再生と支援の時代に生まれたものである。

この後数百年にわたってブレトンたちが得たものは質素ながら、大きな歓喜に満ちていた。もはや貴族階級に邪魔されることがなくなったシストレスの民とドルイドの同胞たちは、船乗りや農民、羊飼いによる牧畜共同体を形成した。巨大な木材搬出キャンプと大規模農業は小さな自給自足の農地や牧歌的な草原、そして拡大するドルイド集落にとって代わった。壊れた記念碑や粉砕された村は破壊されたまま残り、ツタや苔、キノコが、ほとんどのシストレス住民が記憶に留めていないほどの歴史を通じて成長し続けた。

シストレスの歴史 第6巻Systres History: Volume 6

グウィリム大学エルセリック史学部長補佐、トリラム・ヘラドレン 著

シストレスの牧畜復興は、第一紀2704年黄昏の月11日に急速な終わりを迎えた。新たに形成されたレマン帝国の使者がゴンファローネ湾の海辺に現れ、諸島は再びシロディールの法定領地になったとの布告を発したのである。使者たちはブレトンの金貨貴族を取り巻きとして引き連れ、彼らは速やかに手綱を取って、シストレス諸島を元の封建社会に戻した――ただし今度は皇帝の名のもとに。諸島中で小さな抵抗勢力が生まれたが、どの反抗も勢いを得ることなく終わった(例外としてエルダータイド・サークルの活動は、今日に至るまで続いている)。帝国総督府とブレトン資本家の監視のもと、諸島は10年足らずのうちにタムリエルのより大きな政治的秩序の中に引き戻された。

レマンの支配の時代、シストレスはこれまでどおりの交易に戻った。材木と採掘、船舶業である。第一紀2800年にはニベン妖術師の手によってアンモナイト採取が爆発的に増加したが、すぐにより標準的な、ラリマーやそこそこ希少な宝石の採掘に道を譲った。いくつかの海産業がこの時代、漁業から蛙鋼の再利用に方向性を変えた。これはアメノス地下にある洞窟でこの浮力のある合金の大鉱脈が発見されたためである。レマン時代を通じて、諸島はあらゆる点で繁栄を遂げたが、復興期の自由は犠牲となった。

アカヴィリ最高顧問の出現によって、諸島の運命は再び変化した。第二紀11年、新たに権力を得た最高顧問ヴェルシデュ・シャイエはアメノス島をレマン派の政治犯罪者用の流刑地に作り変えた。タムリエル統一の象徴であるシストレスを政治犯の掃きだめにするという皮肉は、当時の学者たちも気づいていた。そうした年代史家のリソルダ・パコワはこう記している。「ナメクジに対する我々の勝利の記念碑を汚すのが大蛇であることは、誰も意外に思わないであろう!」パコワは同時代の多くの者たちと共に、アメノスで死んだ。悪名高いローズでの作業を終えた後も、最高顧問はこの流刑島に囚人を送り続けた。その大半は、ラリマーとアンモナイト採掘に従事させられた。

最高顧問の政治はハイ・アイルに一定の影響を及ぼしたものの、本土からの距離のおかげでこの体制の最悪の暴政がこの島に及ぶことはなかった。シストレスのブレトン監督官たちは平和を保つために、積極的な追従と隷従の評判を築き上げ、ゴンファローネ湾で誇らしげに最高顧問の旗を振ったが、そうしながらも彼らはヴェルシデュ・シャイエの支配からの脱出を計画していた。

第二紀110年代から280年代の間、ブレトンのモーナード家はシストレスでの権力をひたすら強めていった。それは主に、最高顧問との密接な関係のおかげだった。不安定な本土の統治に手を焼いたヴェルシデュ・シャイエは、シロディールに資源を集中させ始め、実質的にシストレスを民営化して、モーナード家にその管理を任せた。この時点から、シストレスは再びブレトンのものになった。

シストレスの歴史 第7巻Systres History: Volume 7

グウィリム大学エルセリック史学部長補佐、トリラム・ヘラドレン 著

第二紀324年に最高顧問ヴェルシデュ・シャイエが倒れ、さらにその後継者サヴリエン・チョラックが第二紀430年に倒れると、タムリエル全土が大混乱に陥った。王を僭称する者や残忍な征服者が雨後の筍のように出没し、大陸の支配権の苦痛に満ちた再編成が引き起こされた。

ガードナー王朝の臣下として、モーナード家の公爵は通常ならばウェイレスト王国に忠誠を誓う義務があった。しかしシストレス諸島と本土の間の情報交換は、空位時代の初期にまだ不安定だった。外交使節団はレッドガードの海賊団やシーエルフの強盗によって頻繁に奇襲を受けた。伝令が到着しても、モーナード家はしばしばそれを無視して、海上で失われた、あるいはエルフのスパイに妨害されたと主張した。この不安定な外交のおかげで、モーナード家は諸島に対する全面的な覇権を確立できた。ただし唯一の例外は、デュフォート家の領地であった。

デュフォート家の男爵たちはハイ・アイル中に小さいながらも価値の高い領地を所有しており、彼らは機会が訪れるごとにそれを利用してモーナードの計画を妨害した。デュフォートはモーナードの邪魔をする機会を決して逃さなかった――特にそうすることでガードナー王の宮廷から信用を勝ち取れる場合には。このやむことなき牽制は数百年にもわたる陰謀や暗殺、誘拐の駆け引きを巻き起こし、少なくとも一度は海上の小戦闘でデュフォートの世継ぎ候補の命が奪われた。ついに第二紀478年、ルフェ・モーナード公爵は捏造文書と強制された証言を大量に用意し、王家に対する反乱を扇動した罪でデュフォート家の土地の3分の1を没収し、デュフォートの指導者をアメノスに追放した。ガードナー王家の者たちはこの反乱に疑念を抱いたが、彼ら自身が勢力を増すカムローンとの不和に悩まされていたため、この件は未解決のまま放置された。

モーナード家は諸島の支配を第二紀563年まで維持した。ナハテン風邪が驚異的な速度でこの地域に拡散し、平民と貴族を分け隔てなく葬り去った。輸送港であるシストレス諸島は甚大な被害を受けた。悪化の一途をたどる疫病の波が、次々と押し寄せてきたのである。第二紀565年には、アヴリッペ・モーナード公爵は島全体を封鎖し、何者も諸島に出入りすることは適わぬと宣言した。交易に依存していたシストレスは、完全な欠乏状態に陥った。疫病の勢いが弱まると、今やエメリック王の支配下であったウェイレストはアヴリッペに嫌悪の眼差しを向けた。彼は民を犠牲にして自らの安全と富を守ったからである。復帰しつつあったデュフォートは事態を見守り、待った。

エメリックの非難に怯えたアヴリッペ・モーナードは、自らの地位を守るため他の貴族名家に頼った。第二紀566年にショーンヘルムのランセル王がウェイレストに戦争を宣言した時、アヴリッペは臣下としての義務を放棄し、エメリックの敵側に付いた。エメリックは意外な同盟者たちとの外交的関係を利用して、マルクワステン・ムーアの戦いでランセルに圧勝した。本土での問題が落ち着くと、エメリックはシストレスに目を向けた。

上級王は速やかに裁きを下した。エメリックはアヴリッペ公爵の肩書を剥奪してシロディールに追放し、彼は1年後に死去した。さらに、エメリックはモーナード家の領地の3分の2を没収し、それをモーナードの宿敵デュフォート家に与えた。残されたモーナードの土地と財産はアヴリッペの息子レオナードに譲渡された。さらに恥辱の仕上げとして、ウェイレストはデュフォート家をシストレスの統治者に任じた。

今日、諸島はエリア・デュフォート女公爵の統治のもとで栄えている。昔の日々のように、シストレス諸島はすべての者を迎え入れ、タムリエルがその最大の力を発揮できる港として機能している。シストレスは学びの地であり、奥深い伝統と海の冒険、そしてうち続く友好の絆の地である。エルセリックの光り輝く宝石として、タムリエルの未来がここで生み出されるかもしれないのだ!

ジャカについてAbout Jhaka

ボスはあの大きな猫、ジャカが役に立つと確信していたが、奴は咳やくしゃみをしてばかりで、大して力もないようだ。ブラスラはインチキな品を売りつけられた、もう一度オシソス・モレロのところに行くしかなさそうだと言っている。

それまでの間、あの猫は牢屋に入れてパンと水を放ってやり、皆には近づくなと言っておいた。感染症かもしれないし、仮病か、あるいは死にかけているのかもしれん。わからんが、どうでもいい。

ジュレス・ラウルドンからの手紙Letter from Julles Laurdon

親愛なるキヴ、

また会えるのが待ち遠しいよ。前回会った時に約束したとおり、君に似合うネックレスを探しておいた。なかなか優雅なルビーだ。赤はまさに君の色だと思う。私たちの絆を確たるものにするために。私は君がくれた黄金のペンダントを胸元に毎日着けている。君は簡素な装飾で申し訳ないと言っていたが、私は自分が持っている他の高価な装飾品よりも大切にしている。

君がウェイレストに戻って来たとき、私が家にいなかったら、市場を探してくれ。もちろん、八大神の聖堂でもいい。

あの時言ったことは本当だ。私たちの財産の違いは問題じゃない。君がしっかり働いていること、旅して苦労していることは知っているんだから! それで、シストレス諸島の有名な交易会社の代理人として働くつもりはないか? 君が善良な人なのはわかっている。私は自分が君のような人をどれだけ必要としていたか、知らなかったんだ。ウェイレストの聖堂で私たちの道が交差したあの運命の日以来、私は毎晩八大神に祈っている。あの日、マーラが私に、いや私たちに触れたのだ。

沢山話すことがあるし、立てるべき計画も山積みだ。この手紙はセイダ・ニーンの宿屋に送るよ。それが連絡を取る最善の方法だと君が言っていたから。きっと君は働き続けていないとプライドが許さないんだろう。それは理解しているつもりだ。だが私ならせめて君の仕事をもう少し円滑に、そしてもっと利益が出るようにしてあげられると思う。君の新たな人脈と、私のさまざまな事業上の配慮があれば、私たちは力を合わせて多くのことを達成できるはずだ。

君の生き神たちについてもっと学べることを楽しみにしているよ。アルムシヴィの概念にはいつも興味があったんだ。最近それについて本を読んでいて、君に質問したいことが沢山ある!

会いたくてたまらないよ。
君の ジュレス・ラウルドン

シルバースリップの日記Silverslip’s Journal

その1
今日、仕事があると言ってレッドガードが近づいてきた。ソングに関することだ。怪しいと思ったが少し興味もあったので、話を聞くと言った。ソングの家族は生きていて、彼女の無事を確かめようと必死だという。ソングは仲違いをして家を出たらしく、家族は私に彼女と話してもらいたいそうだ。考えておくと言っておいた。皆に伝えるべきだろうか。様子を見たほうがいいか。

その2
レッドガードがまた来た。今度は、ソングに手紙を届けてくれという。手紙は受けとった。ソングの母親からのようだ。迷っている。ソングに手紙を渡すべきか? いや、それだとソングに隠しごとをしていたのがばれてしまう。悪いことをしている気分だ。私は短気だし、たまに暴力も振るうが、ソングには無理だ。彼女を傷つけるなんてできない。この件でソングは傷つくだろうか?

その3
正直に言おう、誘惑に負けた。手紙を読んでしまった! 好奇心だったのか、それとも嫉妬か――どっちでもいい! 変な手紙だった。感情的で涙を誘うような内容かと思ったけど、もっと厳しそうな内容だった。それに、紙の上に奇妙な絵が描かれていた。眼だ。魔術師ギルドの旗に付いているようなやつとはちょっと違うけど、それを思わせる絵だった。さらに混乱してきた。手紙は燃やしてしまったほうがいいのかもしれない。

その4
なぜ? なぜ? なぜ? なぜ私は自分の直感を無視した!? 間違いだと感じていたのに、あの忌々しい手紙を受けとるなんて。つけられていなかったのは間違いない。なのに連中は私たちの拠点を見つけた。傭兵の一団が押し寄せ、私たちは全員捕まった。ジャカがどこに連れていかれたのかわからない。どうにかソングとは一緒になれたが、彼女はずっと泣いていた。どこに連れていかれるのだろう。わかっているのは、私のせいだということだけ。ソングに言いたかったが、怖かった。恥ずかしかった。とにかく二人でここを抜け出さなくては。エンバーが助けに来てくれるかもしれない。慎重にやらなければ。

その5
あの卑劣な奴らは、私を吸血鬼に売り渡した。でも正直言うと、当然の報いだ。笑えてきそうなくらいだ。ずっと皆のことを考えているけど、あの頃の生活はもう忘れなければ。皆には私が死んだと思ってもらったほうがいい。実際、死ぬべきなのだ。

シンリック宛てのメモNote to Cynric

シンリック、

みんな私がよく、考えに沈んでいることへ気づき始めている。考えているのはいつもあなたのこと、そして月明りの下で過ごした私たちの秘密の時間。今は、それしか考えられない。

前回は遅れてごめんなさい。今夜は埋め合わせをするわ。その時に会いましょう。

永遠にあなたの、
J

ソーティが製作中の舟歌Sorti’s Shanties in Progress

我らの守護者は赤い心臓を隠す
深い洞窟の中に、暗闇の中に
そして激怒の発作に身を任せ
荒れ果てた牢獄の中で
彼らの骨を平らげる!

我らの獣は空から稲妻を呼び出す
醜い、耳をつんざく悲鳴と共に
だから逃げろ、大切な友よ
鉄で覆われた甲板の下に
外に立てば、お前は死ぬ!

さあ行け、我が雄鹿たちよ、険しい顔つきで
暗く陰鬱な牢獄の穴へ
お前たちが流すは、自らの血
お前たち全員が満たされるまで
あるいは泳げなくなるまで!

ツゾ船長の記録Captain Tsuzo’s Log

その78
リルモス。1日半待った後、我々が輸送を任された謎の客がカマルズベイン号に乗船した。彼と側近は平民の傭兵の格好をしていたが、衛兵が誰も聞いていないと思って「王子」と呼んでいたのがはっきりと聞こえた。レディ・アラベルが機密保持にこだわっていた理由がこれでわかった。すぐに出発し、快晴のうちに西へ航路を定めよう。

その79
ヘヴン。3日間かけてトパル湾の河口を横断し、ロングコーストを通って夕暮れ前にヘヴンにたどり着いた。食糧補給のために停泊。乗客の要請で、乗組員には滞在中船からの外出を禁止した。乗組員たちは不満そうだったが、秘密を守るため十分な支払いは受けている。

その80
ドラウン・コースト航行中。朝潮と共にヘヴンを出発。追い風で、海に出るとすぐスコールに見舞われたが、乗客はついに目的地を明かした。シストレス諸島のハイ・アイルだ。乗客は正体もその時明かしたが、既に知っていたとは告げなかった。彼によれば諸島へ向かう前に、まずはストロス・エムカイ西の海域で待ち合わせる必要があるらしい。

その82
アビシアン海航行中。夜明け、ストロス・エムカイが見えるところで、スピアヘッドとパーフェクトパウンスを発見。カリーン船長、ザジ船長に声をかけると、我々は一緒に最終目的地へ向かうことを知らされた。天候は良好なようだ。楽な航路になるだろう。

その83
西アビシアン航行中。正午、見張りが左舷側に煙を噴くイフェロンの頂上を見つけた。シストレスに近づくにつれ、風が我々を北に押し流しているようだ。アメノス海峡に向けて舵を切るよう操舵手に命じた。南のゴンファローネ湾へ向かう前に。

奇妙だ。空は快晴だが、嵐の雲が我々の前方に集まり始めている。こんな天候は見たことがない。乗組員には荒天に備えるよう命令を出し、乗客たちには甲板に出ないよう言っておこう。厳しい状況になるかもしれない。

ディーシュ・ジーからの手紙Letter from Deesh-Jee

スカルド王の斧が欲しいのか。いいだろう。きっと素晴らしい戦利品になる。それに、この貴族たちは超越の魔導師が言っていたよりも重要だってこともわかったな。

だが、なぜ残り二人の貴族はまだ俺たちの手に転がってこない? さっさと残りの奴らを探しに行ってこい! 魔導師は言い訳なんて聞かない。三人の貴族が何者だろうと、魔導師はそいつらを求めてる。俺も同じだ!

俺は魔導師が約束した報酬が欲しいんだ。この岩場からの出口と、自由だ。あの馬鹿どもに働けと言ってこい! でないと、残らず俺の美しいペットの餌にしてやるぞ。

それから、すでに捕まえた奴をコイン砦に確保しておくのを忘れるな。とにかく気をつけろ。奴の力は巨人並みだぞ!

ディーシュ・ジー

テイルズ・オブ・トリビュート:シリーズ1Tales of Tribute: Series One

ごきげんよう、ロイスターたちよ!

ロイスターズ・クラブ創立者は満を持して、トーナメントプレイに向けて以下のデッキを導入する。

赤鷲
リーチの野生の力を使いこなせ! このデッキはリーチ王ファオランの冒涜的な契約と、ヘストラの軍団兵に対する絶望的な戦争の物語を伝えている。勝利を得るため、君は何を犠牲にする?

カラスの公爵
喋るカラスの噂話が、大陸中の酒場やギルドホールを駆け巡っている。カラスの公爵デッキはこの不思議なブラックフェザーと、彼らの止むことなき光り物の探究の起源を紐解く!

ライトマスター・セララス
秘密に包まれたサイジックたちがタムリエルに帰ってきた! 謎多きロアマスター・セララスに率いられたサイジック会は、ここタムリエルで秘密の活動に着手している。それがこの回復と再生のデッキの着想となった。

聖ペリン
第一紀1029年のグレイホストに対するハイロックの英雄的戦いは、伝説となっている。この偉大なる勝利を記念する方法として、テイルズ・オブ・トリビュート以上のものがあるだろうか? 教区役人の英雄、聖ペリンを主役とするこのデッキは、バンコライ駐屯地の鉄門のごとく敵を押し返す!

デルメネ・フラール大師範
モロウウィンドのすべての名家の中で、フラール家の満たされぬ強欲に適う者はいない。八十年戦争とフラールの黄金の栄光の時代に遡ることで、デルメネ・フラール大師範が君を威厳と利益へ導くだろう!

ラジーン
トリックスターにして、盗賊、そして… 神? このデッキは狡猾な猫ラジーンの最も伝説的な盗み――アレッシア女帝から王者のアミュレットを盗んだ時の軌跡を辿っている! この物語は真実なのか? 誰にわかろう? 満悦の虚言者は、皆を困惑させるのだ!

妖術王オルグヌム
ピャンドニアの霧から現れたシーエルフの不死の王が、戦いへ向けて船を進める! このデッキは海水と流血の物語を紡ぎ、ハイエルフ艦隊に対するオルグヌムの最も破壊的な襲撃の足跡を辿っている。この悪党の濡れたブーツに足を入れ、自らの手で攻め込もう!

フランダー・フンディング
このアンセイの伝説の物語で、剣の道を身につけろ! フンディングの物語を伝えるこのデッキは、無限の柔軟性をもたらす。あらゆる角度から敵を攻撃できるのだ!

よきドローと幸運を!
創立者

デボネアの船長日誌Debonaire’s Captain Log

反乱の匂いがする。准将が我々をこの騒動に巻き込んで以来、乗組員たちの中に彼への不信の念が湧き上がってきている。追手を避けるために別々の方向に分かれず、慌ててここに戻ってきて略奪品を分配するとは。欲深い男がやるヘマだ。彼は考えがあると言っている。あのウェイレストの大艦隊を相手にしても負けなくなるような秘策が、カビが生えた本の中に載っていたという。

この目で見たら信じてやるさ。

デュフォート家の歴史History of House Dufort

公爵家の歴史家兼年代記編者、カエラ・メトリック 著

最初は質素だった一族がのし上がり、ブレトンの強大な貴族家になることを可能にするものは何か? この珍しい事例においては、忠誠心と如才なき実践、そして何よりも、忍耐であった。

一族の記録と口承が伝えるところによれば、デュフォート家の歴史は第二紀70年頃のカムローンに始まった。デュフォートは貴族とのつながりを持たぬ小さな家だった。ジャスティン・デュフォートは農民として生まれたが、武術に天性の才能を示す稀有な若者だった。一族は彼を従者として騎士団に預けてもらえるゴールドを何とかかき集めた。ジャスティンは無数の大胆にして勇敢な偉業を成し遂げて実力を証明し、騎士の地位を手にした。そうした偉業の中に、カムローンの公爵の娘を、身代金で儲けようと企んだ野盗から救出したことがある。野盗たちはジャスティンの剣に倒れ、彼に公爵の好意と、愛する娘を救った感謝として小さな財産ほどのゴールドをもたらした。

この時点から、一族の影響力は増大していった。第二紀125年、ジャスティンの孫であるイルボレはシストレス諸島に旅行した。この時、デュフォートは裕福な商家として知られており、その財産を活用するための新たな道を探していた。イルボレの直感はタムリエルとシストレス諸島の間の交易が成長するにつれ成果を生み出した。彼の富は増大し、残りの親類たちに知らせを送れるほどになった。短い間に、デュフォート家は一流の船舶建造者として知られるようになり、全旗艦隊の結成の後に廃用された施設の再利用に着手した。

時は過ぎ、諸島の二大名家であるデュフォートとモーナードは、協力してハイ・アイルを急成長する居留地に作り変えた。デュフォートの船のおかげで、モーナードの交易網は広大な範囲へと拡大し、ノースポイントからファリネスティへ、そしてサマーセットへ至るまですべてのタムリエルの大規模港を含めるようになった。モーナードの影響力が大きくなるにつれ、ハイロックの公権力はシストレスが真に繁栄するために合法的な貴族の所有権が必要だと判断した。モーナード家には公爵位が授けられ、デュフォート家は男爵位を与えられて、モーナード公爵の傘下に入るよう布告が出された。

貴族となったことで、どちらの一族も繁栄した。モーナード家の富はアメノスに新たな鉱山が開かれ、諸島と本土の間の新たな交易路が開発されることで増大した。それに対してデュフォート家は、モーナードが品物を市場から市場へと届けるために必要な高速船を提供し、ハイロックに戦艦を供給する契約さえ確保した。

しかし年月が経つと、事業の関心の一致によって名家のつながりは残ったものの、両家の貴族社会における地位が確立されるにつれて、友好的な提携はライバル関係に発展していった。多くの場合、モーナード家はデュフォート家に対して影響力と支配力を行使し、公爵位を利用して男爵位のデュフォートへ優位に立とうとした。両家の態度におけるこうした変化は、狂気の男爵としても知られるデンシル男爵の行いによるものだと言う者もいるが、この主張を確証する歴史的証拠は存在しない。

もちろん、こうしたことすべてはモーナード家がランセルの戦争と呼ばれることになる事件の際、ランセルを支持した時に変わった。裏切り者ランセルの権力要求を支持したことで、アヴリッペ・モーナード公爵はウェイレストの憎悪を買った。上級王エメリックはモーナードの領地の多くを没収し、シストレス諸島の支配をデュフォート家に移した。彼らの忠誠心と抜け目ない実践により、諸島が滞りなく管理されるものと信頼されたのである。モーナードは伯爵に格下げされ、その活動拠点はハイロックから、ガレンとヴァスティルの街に移された。

こうしてエリア女公爵によって見守られ、シストレス諸島は全旗海軍の頃以来なかったほどの富と安全、繁栄の時代を謳歌している。それはすべてデュフォート家と、女公爵の知恵のおかげである。

ドールレディの船長日誌Dour Lady’s Captain Log

船乗りは誰でも、無慈悲な海で生き延びるためのお守りを持っている。ある船乗りは頭が水の下に沈まないように、恋人の髪の毛を首に巻きつけていた。私はいつも自分のロープを右舷側に結ぶようにしている。だがあの歪んだ偶像やフジツボだらけの本は、健全な人間の船に置いていいものではない。まあ、殺し屋の艦隊を従えている者が健全な人間だとは言えない。彼はこれまで我々を見捨てたことはない。だから准将の運がまだ尽きていないことを信じるしかなさそうだ。

トビン・ムーアクロフトTobin Moorcroft

トビン・ムーアクロフトここに眠る
全旗の記念碑の
建築監督

彼はよく知っていた
ハンマーとノミの使い方を

トリビュート ビギナーズガイドTribute Beginner’s Guide

ゴンファローネ湾のゲーム男爵、マスター・ラズハマド 著

刺激的なゲーム、テイルズ・オブ・トリビュートへようこそ! この手軽なポケットガイドではゲームの基本を教え、トリビュートマスターへの道を歩み始めたプレイヤーにヒントを与えよう!

まずは基本だ。テイルズ・オブ・トリビュートは二人用のカードゲームで、各プレイヤーは対立する「物語」を話す。カードを集めることでプレイヤーはゲームの動きを導き、勝利に近づくためのポイントを得る能力を増やせる。

プレイヤーは自分のターンに40もしくはそれ以上のプレステージを集め、その状態を対戦相手のターン終了時まで維持するとゲーム(「マッチ」という)に勝利する。また、デッキの4体のパトロンへ集中して勝利することもできる。一度に4体のパトロン全員に支持されると、即座に勝利できるのだ!

各プレイヤーは所有する2体のパトロンのデッキを選択してマッチを開始する。どのデッキを選ぶかによって、各プレイヤーが最初に持っているカードと、酒場(マッチの中央にある共通エリア)に出現するカード、そのマッチに登場するパトロンの種類が決定される。

プレイヤーは自分のターンに5枚までカードを引き、好きな順番でプレイできる。これらのカードはゴールドかパワーを与えてくれる。ゴールドは通常、酒場でカードを購入するために使い、パワーはパトロンを発動させ、敵に損害を与えるために使う。余ったゴールドは自分のターン終了時に消滅するが、使われなかったパワーはプレステージに変換される。

プレイヤーは酒場でカードを購入し、それをクールダウンパイルに加えて自分のデッキを強化する。ドローパイルが完全になくなったら、プレイヤーはクールダウンパイルをシャッフルして新しいドローパイルを作らなくてはならない。このように、マッチ中に入手したカードは徐々に手札に加えられ、プレイ中のデッキの能力を拡張してくれる。

カードの大半は、その勝負に存在する4体のパトロンのうち1体に対応するスーツを持っている。スーツはコンボを発動するために重要な役割を果たす。コンボとは、一部のカードの効果を増幅させる強力な効果だ。コンボの発動に必要なカードは最低2枚、最大で4枚だが、プレイヤーが必要な数のスーツカードを使った時点で常に発動する。

最後に、パトロンについて説明しよう。パトロンは個々のデッキの中心となる存在であり、プレイ方法と勝利方法に第二の選択肢をもたらしている。プレイヤーは1ターンに1体のパトロンと交流できる。パトロンは当初中立だが、交流したプレイヤーに対して好意を得る。相手に好意を与えているパトロンと交流すれば、そのパトロンは中立属性に戻る。パトロンの中には一定の条件を満たさないと利用できないものもいるので、よく見てから選択しよう!

マッチの序盤、プレイヤーは1ターンに獲得できるゴールドの額を増やすため、デッキにカードを加えるといい。そうすれば購買力が高まり、酒場ではより高価で強力なカードを購入できる。また、購入するスーツの数は制限したほうがいい。スーツの種類が少なければ、それだけコンボが発動する可能性が高くなるからだ。最後に、初期カードをデッキから取り除くのはいい戦法だ。弱い初期カードをデッキから減らせば、酒場で購入したより強力なカードを引ける確率が高まる。

トリビュートはテーブルを離れても終わるわけではない! 試練を完了し特別な場所への手がかりを追うことで、新しいデッキやすでに持っているデッキのアップグレードが見つかることがある。プレイしている時には、まだ見つけていないカードやデッキを見られる。新しいカードを知り、新しいデッキを入手するための手がかりを探すのに役立つぞ!

さあ、これで君もテイルズ・オブ・トリビュートをプレイする準備ができた! これからの試合で、君に幸運が微笑まんことを!

トリビュートの隠された起源The Secret Origins of Tribute

ゲーム研究者、ブルニル・デュフォント 著

我々が危機の時代に生きていることを否定する者は少ないだろう。モラグ・バルの鎖が空から降る中、単純な快楽に安息を見出すのは難しいかもしれない。だが単純な快楽こそ、まさに我々に必要なものだ。そこで、テイルズ・オブ・トリビュートの出番である!

このゲームが最初にゴンファローネ湾に導入された時、私は大して気に留めなかった。だが、本土にも広まっている今は、注目しないわけにいかない。残念ながら、このゲームの起源についてはほとんど知られていない。私は真実の探求に出かけたが、発見したものはさらなる疑問を呼ぶばかりであった。ささやかながら、私が知っていることを話しておこう。

今では、テイルズ・オブ・トリビュートをプレイする者がほぼ全員ロイスターを名乗っているが、当初ロイスターズ・クラブを構成していたのは、ゲームの製作者たちだけだった。この最初の同好会はかなり規模が小さかった。おそらく数十人程度だろう。ゲームデザイナーであるこの初期メンバーたちは、今では創立者と名乗っている。創立者たちは自らの匿名性を保つため多大なる労力を払っているが、その目的はわからない。

私にはっきりと言えるのは、創立者たちが主に学者や職人、探検家といった人々で、タムリエルの物語や歌、伝統を集めて、このとてつもない人気ゲームを作ったということだ。ゲームのシステム自体も、様々なカードゲームの伝統から多くの要素を借り受けている。六角形のカードの形状はペレタインの占いデッキから来ているし、シンボルの配列は現在でもハンマーフェルでプレイされている古代ヨクダのカードゲームに由来している。だが、全体としてのテイルズ・オブ・トリビュートは単なる寄せ集めから程遠い。デッキのカードの枠と裏の美的スタイルは統一されている。この要素はわずかながらブレトンのモチーフを採用しており、翼の生えた王冠を導入することで、それぞれのカードに共通のアイデンティティを与えている。

カードの美的スタイルは大陸中から集められている。製造自体はここゴンファローネ湾で行われている。印刷業者と絵師は、基本的に厚紙を用いてカードを描く。耐久性に優れ、ここシストレス諸島では容易に入手できる素材だからだ。芸術家たちはタムリエル中から手に入れた様々な色素や絵具を使っている。数字の情報はイカ墨で表されている。これは本物のカードを偽物から見分けるのに役立つ部分である。ロイスターの印刷機は昼夜を問わずさらなるカードを製造しており、新しいデッキが定期的に出現している。

当然ながら、トリビュートのデッキはカードだけではない。私が言っているのはもちろん、パトロントークンのことである。ロイスターズ・クラブの石切職人や細工師、宝石職人は、元々このトークンをラリマーから作っていた。ラリマーとは、シストレスでしか取れない乳青色の宝石である。ここ最近の数ヶ月は、特に北タムリエルでホーカー象牙のトークンが主流になりつつある。しかしこうした素材の価格の高さのため、クラブは石灰石や砂岩を削り出したもの、あるいは鉄をハンマーで打ち出したものでパトロンを作った、安価なゲーミングセットも販売し始めている。

その秘密主義にもかかわらず、創立者たちはゲームの後援をするゲーミング・チャプターや、トーナメントの組織、優れたプレイに対する報酬の提供などに精を出している。おそらく時が来れば、この先駆者たちの何人かは皆の前で正体を明かし、その正当な名声を受け入れるのではないだろうか。だが今のところ、私たちにできることは彼らが与えてくれるカードを取り、ゲームを楽しむことだけだ!

ドレッドセイルに捕えられてCaptured by the Dreadsails

船乗りレリサ・ブルールによる報告

私たちが港を出発した時、風は北に吹いていた。これを吉兆と信じるほど私は愚かではない。なんと呪われた運命に遭ってしまったことか。この手記が生き残るなら、私よりも長生きするだろう。これが――私とは違って――海にさらわれずに済んだとしたら、あなたが手にしているのはレリサ・ブルールの最期の記録だ。あなたが私の記憶を受け入れ、私よりもいい風に恵まれんことを。

私たちの船ハーベスツデライトは、蛙鋼を積んでダガーフォールに向かっていた。港を出るか出ないかのうちに、不自然な霧が海上に落ちかかってきた。前方の海にどんな危険があるか見えなくなったため、タイン船長は帆を閉じろと叫んだ。私たちは急いで彼の命令を実行し、ロープを結んで緩んでいたものを引き締めた。すぐに私たちは分厚い霧に囲まれて、完全に何も見えなくなってしまった。私は甲板から転落するのを恐れて、ほとんど身動きができなかった。

霧の中に人影が動いた。甲板は私の足元で悲痛な音をあげて軋んだ。灰色の空間はより色が濃くなり、これまでに経験したどんな霧よりも遥かに長く、甲板の上に留まった。一番驚いたのが、ネスタルの喉から物悲し気な低い泣き声が出てきたことだ。この年老いた先任伍長は、酔った時の余興に昔の航海の物語を話す時以外、一切音を発することがなかった。普段なら決して動じないネスタルによる突然のパニックは、波そのもののように甲板中を飲み込んだ。

私はその音に気を取られて、自分の背後に何かがいたことに気づかなかった。その後、私は酷い頭痛と共に目を覚ました。自分の怪我を確認すると、頭の傷が最も重症で、その次が膝の深い切り傷だった。膝の傷をできるだけしっかりと覆ってから、私は周囲を見渡して状況を確認した。

ネスタルと他数人は私と同じ監房に横たわっていた。彼らの頭は血まみれで、殴られて紫色になっていた。船室の中には私の仲間が20人いるのを数えたが、全員檻に入れられるか、鎖で縛られて動けなくなっていた。上で足音が響き、悪寒で指が震えた。この航路に霧を召喚し、それを利用して音もなく大人数を仕留める力を持っている者といえば他にいない。ドレッドセイルだ。あの海賊が私たちの船に乗り込んだのだ!

恐るべきシーエルフの海賊たちは、血まみれの船員たちを次々と船室に引きずってきた。上の甲板で恐れて動けない他の者たちは、霧の中で自分が殴られて引きずられる番が来るのを待っていた。私は身を隠したり、気絶を装ったりはしなかった。だが告白すると、声をあげて警戒を呼び掛けることもしなかった。そんなことをしてどうなる? 甲板にいる者たちはシーエルフの海賊よりも味方を攻撃する可能性のほうが高いだろう。ドレッドセイルから逃れた者はいない。逃れようとすれば、乗組員全員を破滅させる。

どうして自分が最初の夜を生き延びたのかはよくわからない。タイン船長が降伏し、シーエルフのリーダーに剣を渡してから、事態は血なまぐさい方向へ進んだ。奴らは船長を刺し、死体を甲板の外に投げ捨てた。致命的な怪我か、動けなくなるほどの傷を負った者たちも同じ運命を辿った。素早い一突きと、無慈悲な海への長い落下だ。シーエルフたちが殺しに快感を覚えている様子はなかった。私たちを快楽や同情の対象とはみなしていないようだった。

海賊の一部はその夜、自分たちの船に戻った。残りの者は私たちを見張り、船を操縦するために留まった。私たちはどこからともなく吹いてきた南風を捉えた。航路が明確になると、ネスタルが再び泣き声をあげた。奴隷だ、と彼は言った。もうおしまいだ。

海賊たちは彼の足首を縛りあげて、泣き声を止めさせた。青あざがついてむくんだ彼の顔は、まだメインセイルの下にぶら下がっている。今ではカモメがついばんでいる。

自分の番がもうすぐ来るかもしれない。膝の切り傷は恐ろしい緑色の光沢を放っており、腐った魚より酷い臭いがする。痛みはあまりないが、感染の兆候はわかる。普段の状況なら、船医が私を縛りつけて感染源を切除するだろうが、ドレッドセイルが占拠している今、そんな処置が受けられるとは思えない。奴らは私を殺すだろう。感染が先に命を奪ってくれるといいが。冷たい水の下よりも、上で力尽きたい。

ドレッドセイルの書簡Dreadsails Communique

シレンゴス船長、

海の王新たな命令を出した。お前たちはイフェロン北での作戦を中断し、指揮下にあるスリザーミストを直ちにアメノスへ向かわせよ。急ぎ拠点を築き、次の命令を待て。

アメノス付近の航海は極めて危険なことに留意せよ。ブレトンの巡回やとても見えづらい浅瀬に警戒するため、操舵手と船乗りの全員に、完璧な行動が求められる。海の王は島の北西岸にあるスカルトゥース湾に係留することを提案している。大胆な私掠船や密売人が多い領域だ。そこで見つけた船は獲物としてよい。追加命令が来るまで、そこで隠れていろ。

失敗は許されない。

タエロン准将

ハイ・アイルの珍味The Delicacies of High Isle

料理研究家ベロナ・カラトリウスによって収集された、ハイ・アイルで最も高価かつ人気のある食事

焼きスパークリング・アングラーマウスの海藻ベッド乗せ
完璧な味と焼き色のついた、この身が薄く香り高い魚は、豪勢にも脱色した海藻を格子状に並べて添えることで、食感と微かな明るさを加えている。シェフは海藻に加える柑橘風味が強くなりすぎないようバランスを取る技術を身に着けるまで何ヶ月も費やすが、正しく作られた場合、これは特別な一皿となる。

アビシアン・ハリバットのスープ
ハリバットの風味はスープの香味と濃厚さによく合う。スープの野菜が魚と完璧に調和している。この組み合わせにより、簡素なスープが饗宴の主役に変わるのである。

燻したアルバトロスの卵のキャビア添え
一般的には海が荒れた時に供されるこの一皿は、ハイ・アイルで通常手に入る珍味の多くよりも野性味が強い。巨大な卵は2日間かけて燻し、島のアップルウッドの強い香りを黄身に染み込ませる。これを好物とする者によれば、散らされたキャビアが卵の個性を強め、ハイ・アイルの食事にふさわしい海の要素を加えているのだという。

シーソルトティー
通常は料理の間の口直しとして用いられるこのお茶は、島の茶葉とシーソルトを組み合わせたものである。澄んだ美しい色が見えるように、繊細なガラス容器に淹れて暖かい状態で提供される。

ハニーケーキのクロッテド・クリームとパールホワイトチョコレート添え
口だけでなく目にとってもごちそうであるこの甘いデザートは、第二紀455年に宮廷料理人によって導入された時、饗宴会場全体を拍手に包んだ。ケーキには滴り落ちんばかりのクローバーハニーとクロッテド・クリームが添えられており、上に散りばめられたホワイトチョコレートの球がケーキの甘さを緩和している。新鮮なベリーやきりっとした味のコンポートを加えるシェフもいるが、多くの者はこのデザートの白く泡だった外見に合わせて、メレンゲか軽く風味をつけたカスタードを加える。

ハイ・アイル観光案内Visitor’s Guide to High Isle

エミッセ・フェアウィンド卿 著

エルセリック海の宝石、ハイ・アイル! 陽光溢れる海辺、緑の丘、そして親切な人々で知られる地! 何かと不穏な今の時代にあっても、タムリエルの裕福な者の多くが、シストレス諸島の温暖な気候と、快適なそよ風に休息と安楽を求めにやって来ている。

ハイ・アイルの訪問者の大部分は、シストレス最大の街であり島の主要な港であるゴンファローネ湾に到着する。あなたの旅は世界の不思議、ゴンファローネの巨像から始まる。この雄大な像は伝説の全旗海軍の指揮官、男爵提督ベンドゥ・オロを描いたものである。彼は街の港の入口を、太陽を迎えるように高く掲げた六分儀で守っている。城の塔にも匹敵するほど高い、王の姿である。

ゴンファローネ湾自体が、快適な広場と古風な街路を持つ魅惑的な港町である。多くの訪問者は欲しいものがすべてここにあるので、この先へ行かない。扉の上にかかった歴史的遺物にちなんで名づけられた宿屋〈古代の碇〉は、街で最高の酒場であり、夜を過ごすには絶好の場所だ。さらに賑やかな場所がよければ、ハーバー・アイランドのゴンファローネ・ゲーミングホールを訪ねよう。だが注意してほしい! ここのカードプレイヤーはゴールドが余っている観光客を相手に、生活費を稼いでいるのだ。

ゴンファローネ湾にいるだけでも何週間も楽しめるが、ハイ・アイルにはまだまだ探検すべき驚異が沢山ある。島全体を一周しなければ、シストレスを旅行したとは言えない! まずはハイ・アイルの南海岸沿いを西に向かおう。ゴンファローネ湾から出てすぐのところにあるゴンファローネ岬灯台は、船乗りに愛される目印である。灯台は女神キナレスの祝福を受けており、キナレスの司祭によって管理されている。

南の海を眺めながら、灯台から西へさらに進もう。すぐにハイ・アイルの心臓部へ通じる二つの主要な湾の一つ、ナヴィール湾に着くだろう。200年前にルイス・モーナード公爵によって建てられた、上質な石の橋がかけられている。北の道を進み、内部に向かおう。ハイ・アイルの中心部は断崖に囲まれた大きな流域、すなわち全旗港である。

南の海域で最も強大で、守りの厚い停泊所である全旗港は、全旗海軍がスロードに対する有名な遠征のために集結した地である。港の中心地には全旗の城がそびえたち、またかつての勇敢な船乗りたちに捧げられた大きな記念建築物群は現在、訪問者たちが再び観光できるように改築中である。

ナヴィール湾の西側にあるハイ・アイルの南沿岸に戻れば、雄大なナヴィール城に行き着く。これはデュフォート家の拠点であり、シストレス公爵の居城である。ここでは女公爵とその一族が壮麗に行事を取り仕切っており、著名な客人たちを迎えて大宴会を開いている。

道を西に進み続ければ、ハイ・アイルで最も荒々しく壮大な部分である、人気のない西海岸に行き着く。ここではオークの木やドルイド・サークルの古く趣のある遺跡、そして忘れ去られた祠が日当たりのよい丘陵地に点在している。ハイ・アイルの地方の民の中には、未だに古いドルイドの伝統に固執している者もおり、そうした人々はより文明化された生き方よりも、森の生活を好む。シストレスの一部で、こうした田舎者たちはよそ者に懐疑的である(それどころか危険でさえある)が、ハイ・アイルのドルイドたちは全体として友好的である。

岩だらけの入江と砂浜の景色を楽しみながら海岸沿いをさらに北へ向かい、ミストマウス岬を一周して東へ方向転換しよう。海岸のこの部分は、ハイ・アイルの近隣諸島アメノスとイフェロンを見渡すのに絶好の地である。活火山であるファイアソング山がイフェロンの上にそびえたち、雄大な頂上からしばしば、煙と蒸気の雲を発している。実は諸島全体が火山であり、島の辺境には蒸気の噴出口や温泉、その他のさまざまな地形的特徴が頻繁に見られる。

ここから、道はハイ・アイルの北海岸沿いに続いている。アメノス海峡はここの左側に横たわっているが、この監獄島は嵐によって視界から隠れていることが多い。北海岸の中央部付近には、広大なデュフォート造船所がある。ここではタムリエル全土でも最高品質の船舶が建造されている。付近の港からはアメノス行きの渡し船が定期的に出航しているが、観光客はこの島の港町、アメノス監獄の外に行ってはならないことを覚えておこう。

さらに道を進み、トール・ドライオクの絵画のような遺跡や、クリムゾンコインの尖塔を通り過ぎよう。見慣れたゴンファローネ湾からアブへイン湾を反対側に渡ってすぐのところにある、アブヘイン礼拝堂の絵に出てきそうな遺跡に到達したら、ハイ・アイル巡りの旅は完了だ。少し立ち止まって、ここにかかっている力強い男爵提督の橋を眺めていこう。巧妙に重さの釣り合いを取ることで、伸びた橋の中央部を上昇させ、最大の船舶でも下を通れるようになっている。

最後に、ご褒美としてゴンファローネ湾の素晴らしい食事とショッピングで楽しむことを忘れないように。また、名所の一部を見逃しても心配はいらない。シストレスを一度訪問したら、再び呼び戻されるのは時間の問題だからだ!

ハドリッド研究者の日記Hadolid Researcher’s Journal

第二紀581年黄昏の月16日
もう何日もハドリッドの姿を目にしてきた。なんと奇妙な獣だろう! 最初は、ドゥルーの派生種かと思っていた。だが長期間研究した今では、あれはまったく違う種族だと考えている。

私の調査によれば、ハドリッドは移住性だ。10年かそれ以上の間波の下に姿を消し、それから再浮上して同じくらいの期間を地上で過ごす。ハドリッドのライフサイクルの詳細は、グウィリムの研究者にさえよく知られていない。これは主に水中にいるハドリッドを観察することができないせいだ。ハドリッドはとても深い位置まで苦もなく降りていくことができる。胸の厚いアルゴニアンでさえ、波の下に降りていくハドリッドについていくのには苦労する。もっと調べなくては!

第二紀581年蒔種の月23日
ナヴィールの蔵書庫で何日も過ごしたことで、大発見ができたと思う! シルバースミスという船はスラシア戦役の最中、スロードに対する多くの襲撃に参加した。この船の船長グリゲッテ・マストンは、外洋でのハドリッドとの遭遇を次のように詳述している。

「スロードの獣との交戦中、蟹の民の群れと遭遇した。短時間戦闘に参加した後、退却した。感謝の色を掲げたが、返答はなかった。外交を求めるべきか?」

ハドリッドはスロードに好意を持ってはいないようだ。私たちは実のところ、それほど異なってはいないのではないだろうか?

第二紀581年恵雨の月2日
ハドリッドの意思疎通の初期の試みを記した日記をまた見つけた。どうやら、敵の敵はやはり敵であるらしい。

「男爵提督の密使が、アメノスの蟹の民の居留地に派遣された。外交官7名が殺され、2名が誘拐された。彼らは1週間後、溺死体となって見つかった」

ハドリッドにはスロードを憎む彼らなりの理由があるようだが、一体どんな理由なのだろう? 縄張り争いだろうか? スロードが何らかの形で彼らを虐待したのだろうか? 蟹の民と直接意思疎通する手段がない以上、答えは永遠に見つからないかもしれない。

ハドリッドが近くのブリークウォーター洞窟に避難したかもしれないという知らせを受け取った。これは彼らと会い、再び交渉を試みるチャンスだ。成功したらいずれ報告するつもりである。

バルキへの指示Balki’s Instructions

いいか、バルキ、お前にチャンスをやる。揺るぎなき邸宅の周辺で地図の断片を探してもらいたい。あのあたりで最後に目撃された、友人の友人が持っていたものだ。ゴンファローネ湾から遠くないが、岩場の陰によく危険な連中が潜んでいるという話だから、強盗に遭わないよう気をつけろ。欠片を見つけたら、デュフォート港にいる私のところに持ってこい。

エシュマディン船長

フィニミの居住地Finimi’s Domicile

この家に入っていいのは姉妹だけ

聖なるタンナの葉を、島の中心に最も近い台座に置け

私の姉妹のショールを、騎士の剣が決して錆びない台座の上に置け

裏切り者の褐炭を、動物たちが死ぬ台座の上に置け

裏切り者の名に呪いあれ

フィニミの呪文書Finimi’s Spellbook

シストレス姉妹の仲間の海賊たちにも才能はあるが、私の特殊技能がなければ成功することはなかっただろう。私はアルケインの達人で、大きな実績のある魔術師だ。私の力がなかったら、追跡を逃れることも、大型艦船を繰り返し撃破することもできなかったはずだ。

この呪文集は私のライフワークだ。この中には、私の住居や新たに建設された私たちの宝物庫を守る保護の呪文を集めてある。その他に戦闘用の呪文や、防御の呪文、隠蔽の呪文も入っている。

私の分の宝物庫の鍵をしまった金庫にも保護の呪文をかけなければいけないのだが、もう時間がない。すでに私の関知呪文は、ファマザとアルティンウェが私やフェラを裏切ろうとしていることを告げている。ファマザが私たち姉妹の絆を盗賊の男のために破るつもりなら、これからどうなろうと責任は彼女にある!

〈一連のアルケインの記述が続いている。フィニミの私的な暗号で書かれているらしく、魔術師ギルドの熟練の魔術師にも解読は難しいだろう〉

フェラの日記Fera’s Journal

103日目。姉妹たちはこれまでで最大の戦利品を手に入れた。上級王のゴールドを運ぶ軍艦が、嵐に隠れればアビシアン海を安全に航海できると考えたらしい。愚かな間違いだ。でもこれで、奴らはシストレス姉妹の操舵術を相手にする必要もなくなった!私たちは金持ちだ!

110日目。私たちはついに夢を実現することにした。ファマザとフィニミも賛成してくれたので、アメノス島に絶対安全な宝物庫の建設を始めることにした。いずれ海賊と略奪の生活から引退するまでの間、私たちの富を隠しておくのにあれ以上の場所はない。

134日目。建設は計画どおりに進んでいる。その途中で、また収穫があった。今度は商船を襲い、その他色々の財宝と共に、名高い夜明けの宝石を手に入れたのだ。宝物庫が完成したらそこに保管しよう。ロスガーの夜明けのモンクたちの財宝を見つけるため、宝石を使う日が来るまでは。伝説によれば非常に美しく、とてつもなく価値のある財宝だという!

164日目。ファマザは完全にあのアルティンウェの盗賊の虜になってしまった。あいつを信用すべきかわからないが、あの子は彼がいれば幸せなのだ。文句は言えない。

173日目。宝物庫は完成し、今日私たちは鍵を受け取った。私たちはそれぞれ鍵を1本持つ。それぞれの鍵は隠された入口を封印している3つの錠に対応している。ただ、ファマザがあの役立たずのアルティンウェを捨ててくれるといいのだが。奴のことは全く信用できない。

179日目。フィニミはファマザがアルティンウェと話しているのを立ち聞きした。2人は私たちを捨てて、宝物庫の中身を自分たちのものにしようと計画しているらしい。そう簡単に行くとでも思うの?私は自分の鍵を金庫に隠して、私の住居の後ろにしまっておく。そうしておけば、あの裏切り者たちを始末するまでは安全だろう。

フェロネへの指示Ferone’s Instructions

興味を示してくれてよかった、フェロネ。ストーンロア森から地図の断片を回収すれば、労力に対してちゃんとゴールドを払おう。ドルイドは問題にならないが、あそこの自然は荒々しい。足元には気をつけてくれ。欠片はデュフォート港にいる私のところに持ってきてくれ。

エシュマディン船長

マニアの純潔The Purities of Mania

私はこの論文に署名するつもりはない。絶対に断る。だが私がシヴァリング・アイルズにいた時に見て、感じた驚異については書き記しておかなければ気がすまない。

私を乗っ取った狂気は開かれた口であり、私はそれに恐怖し、また惹きつけられた。それは創造や不眠症、激怒や歓喜が飛び出してくる狂気の渦巻だった。

どれくらいの期間だったかは思い出せないが――1年か1ヶ月か、はっきりしない――グリーンモートを使って理解力が拡張されている間に、ある呪文の秘密に飛び込み、探究した。私はこの体験から出てきた時、アイレイド遺跡に時折発見される希少なクリスタルの謎を解く鍵を手にしていた。

私は(おそらく)古代のアイレイドによって作られたアメジスト・クリスタルの中心部を調べ、その面と形状がマニアの風によって生み出されていることを発見した。そう言ったら、あなたは笑って信じないかもしれない。私の説明を聞けば、あなたにも真実が見えるだろう。

明白にして輝かしい、すべてを飲み込む真実が!

モーナード家の歴史History of House Mornard

デュフォート家およびエラルド蔵書庫の代理としてドロセア・エラルドによって調査された、モーナード家の歴史に関する、事実に即した網羅的報告。

モーナード家の家系とシストレス諸島の歴史について一族の誰かに聞けば、一族が海を旅し、商業で大きくのし上がり、島々の中で最も危険なアメノスを監督して力を得たことを喜んで話してくれるだろう。彼らは自分の一族がかつて諸島の指揮権を有していたことや、恩寵を失ったことについては語らない。これはモーナード家についての完全な歴史である。

シストレスにやって来る以前、モーナードはウェイレストとエバーモアの中間地を支配しており、そこは高品質の金属や宝石の鉱脈で知られる価値の高い領地だった。モーナードの探鉱者はしばしばビョルサエ河を越えてドラゴンテール山脈の鉱脈を採掘していたが、この裏稼業のせいで彼らはハンマーフェルで忌避されていた。それでも、ウェイレストの統治者たちはこの事業から利益を得ていたため、ほとんど介入することがなかった。

アカヴィリの最高顧問が第一紀2920年に権力の座に就いた時、モーナードの者たちは間を置かずシロディールとより親密な関係を築いた。モーナードの金貨貴族はレマンの顧客をハイロックに移住させる手助けをし、それは帝国に金塊数千個分の税収をもたらした。多くの貴族の名家はこれを苦々しく思ったが、帝国とより近しい関係を持つことの利点も理解した。特にウェイレストはモーナードの計画に乗り、この一族とヴェルシデュ・シャイエ政権とのつながりを利用して、西タムリエル中で価値ある交易契約を確保した。アカヴィリ最高顧問がハイロックの孤立した国家や領地の制圧を開始した時、モーナード一族はそれを支援して利益を得た。

第二紀110年、モーナード商家の大部分は本土を去り、シストレス諸島で事業を確立した。その少し後、一族の家長が帝国総督として実際に任命された。ウェイレストとシロディールで買っておいた評判と好意が地位につながったのである。15年後、デュフォート家がやって来て船の建造を始めると、二つの商業帝国は諸島の繁栄と共に、並び立って成長していった。時と共に、両家は貴族の肩書きを与えられ、モーナード家は公爵位を、デュフォート家は男爵位を手にした。

モーナード家が諸島の監督権を手に入れると、その富と権力は千倍にもなった。すでにアメノスで鉱山を経営していた公爵は、自分の一族にこの島の採掘占有権を与え、またアメノスにあった監獄施設の支配権も与えた。モーナードの権力と影響力が強まるにつれ、モーナードとデュフォートの間の提携はライバル関係へと変わっていった。

諸島の二つの名家は数百年も覇権を争ったが、モーナードは常に本土との関係の近さと、ハイロックにおける物資の流通に果たしていた決定的な役割を利用して、デュフォートの尽力を阻止していた。アヴリッペ・モーナード公爵が第二紀562年のナハテン風邪で、諸島としての対応に失敗した時にようやく、一族の鎧にひびが入った。公爵は第二紀566年にショーンヘルムとウェイレストで争いが起きていた時、ランセル王の味方をすることでこの失敗を埋め合わせようとした。その結果、上級王エメリックはアヴリッペと彼の一族から公爵位を剥奪して伯爵に格下げし、採掘業と交易路、アメノス監獄島の運営だけを任せるようになった。

こうして今は、レオナード・モーナード伯爵が一族の事業をガレン島のヴァスティルにある領地から監督している。一族の富は昔どおり膨大で、影響力も保たれているが、デュフォート家の支配下にあることは今でも冗談の種になっている。エリア女公爵がゴンファローネ湾から公正かつ適格な統治を行っている現在、モーナードが以前の地位を取り戻すことは考えにくい。デュフォート家の注意深い目のもとで、シストレスの住民は皆、より明るい未来を期待してよいだろう!

モーに餌を与えすぎるなQuit Overfeeding the Maw

いいかい、乾き足をサンゴ礁に放り込んで、何回噛んでから飲み込むのか賭けるのは確かに楽しい。でもモーは太ってきている。もうすぐあいつは自分じゃホーカーも捕まえられなくなって、私たちに完全に依存してしまう。アリーナの下僕どもはご褒美の時だけに与えるべきよ。それがあいつのためになる。

誰かがモーにおやつを与えているのを見たら、私がこの手でそいつを口に放り込んでやるからね。

女王

ラシュムの報告書Lashum’s Report

ボス、

貴族たちが漂着し、ジャングルをさまよっていることはほぼ確実だ。しかし見つけるのは難しい。部下を海に何度も送っているんだが、次々とやられてる。何かがジャングルの中で奴らを始末しているんだ。

古参の船乗りが北東の海岸まで辿りついたが、そいつは何か大きな猫の怪物が部下たちを海辺で殺しまわっていると言っている。その船乗りは急いで退却した。

俺はもっと志願者を集めて武装させるために内陸へ向かう。そうしたら再び北東の海岸沿いを探す。とにかく知らせておきたかった。

ラシュム

ラハドへの指示Rhadh’s Instructions

ラハド、

地図の欠片は私が示したホエールフォールの壊れた船体にある、小さな宝箱の中に隠されているという話だ。だから欠片を手に入れたら、なるべく早くそこから出てこい。手に入れたら、デュフォート造船所にいる私のところに持ってきてくれ。

エシュマディン船長

哀しみの風Sorrows of the Wind

歴史家、バスティビアン・マロレ 著

トール・ドライオクの力の源泉については、いくつかの物語がある。その中で頻出するのは邪悪な魔女や、復讐心に駆られ敵を倒すために闇の魔術に手を染めた族長などである。歴史記述はさまざまだが、確かなことはある。それは遠い昔、この塔に起きた何らかの出来事が痕跡を残したということだ。最も広く知られている伝説は「哀しみの風」と呼ばれている。空想的な物語ではあるが、その核心部分には一抹の真理が眠っているかもしれない。地域住民の言葉によれば、時々目の端で点滅する塵は、哀しみの風と呼ばれる、悲嘆に沈んだ恐るべき霊魂の残滓だという。

この物語によれば、小島はかつてエルフか人間の外見をした獣の住みかだった。この獣の存在は確認されたことがなく、話を面白くするための詩人の脚色かもしれない。確かなのは、小島の最初期の住民は強力な魔法使いであり、大地や海を形作ったことだ。時と共に、諸島は人間やエルフに発見され、移住が行われた。この古い住民たちが残っていたとしても、彼らは基本的に隠れて生活していた。高潔で美しい、ある女性の古代生物は、小島を吹き去るそよ風に調和しており、彼女の服や髪の毛は常に、まるで風に吹かれているかのように揺れ動いたと言われている。彼女は近くに移住してきた古代の族長と恋に落ち、諸島の秘密の場所を去って彼と共に暮らした。

物語の伝えるところでは、この古代生物は族長に子供を二人授けた。どちらも賢く美しい子だった。何年も過ぎ、彼女は自分の母親が亡くなったことを知った。それゆえ彼女は家と子供を残して自分の民のところへ帰った。旅から戻ってくると、彼女は夫が自分を捨て、別の女のもとへ行ったことを知った。その別の女は嫉妬深く、暗い心を持っていた。この女は偉大な族長の心を魔術によって曇らせたのだ。さらに悲劇的なことに、女は二人の子供を毒殺し、自分の子孫がすべてを受け継ぐように取り計らったのである。

追い出された妻は夫の裏切りに耐えたが、子供たちを失った彼女の悲しみは風を解き放った(と伝説にはある)。苦しみと悲しみのために激昂した彼女は何日もの間、自分の行くところすべてを破壊し去った。ドルイドや族長、戦士や魔女らで構成された、勇者たちの一団が彼女を抑え、凶暴な風を止めて小島を元に戻すため戦った。

トール・ドライオクが現在立っている可憐な谷は、彼らが哀しみの風と名づけた獣に対するその激烈な戦いの場だった。彼女の墓は塔に近いどこかに眠る、と伝説には言われている。物語のこのバージョンによれば、塔の周囲を舞う塵は彼女と、共に埋葬された子供たちの霊魂の顕現だという。他の物語では、彼女は敗北したが征服されることはなく、いつか帰ってきて、あらゆる岩に至るまでハイ・アイルを破壊しつくすだろうと言われている。

愛書家ニルスモンへのメモNote to Nilsmon Booklover

おい、愛書家。

小屋の周り中に瓶を捨てていくのをやめろ。今度必要な桶の中に吐いたら、お前の頭上から中身をぶちまけるぞ。

お前からはラムと不幸の臭いがする。泥酔するならよそでやれ。それとパンツを履いて、風呂に入れ。

志願者にはならないとしても、せめて少しはまともに生きるよう努力したらどうだ。

ラングレー

乙女の鼻に捧げる歌Ode to the Nose of a Woman

私たちはあまり鼻について考えない
考えなさすぎるくらいだ
鼻は命を吸い込む場所で
しかも顔の真ん中にある

顔が美を形にしたものなら
鼻はその頂点だ
歓喜の庭園の中にある
鼻こそ我が愛する人の顔

ああ、あなたの鼻が知る、澄んだ空気を吸う喜び
優しい傾斜、桃色がさした先端のつぼみ
生命と美の花よ
我が愛する人よ、それはあなたの顔に

仮説:ソウルレイザー騎士Theories: Soulrazer Knights

アルケイン博物学者、カラディラン 著

私はいつもソウルレイザー騎士に関心を抱いてきた。あの自然に憑依された空の鎧はどこからやって来るのだろう? 一体何者があれを作ったのか? どうやって姿を現しているのか? あれを動かすために儀式は必要なのか? 必要だとしたら、誰が儀式を行っているのか? 儀式を生み出したのは誰か? あの鎧はコンストラクトか、霊魂か、それとも両者が不浄に合成されたものか? そして、あの鎧はそもそもなぜ存在するのか? あの悪夢のような驚異を眺めるたびに、こうした質問が頭に浮かぶのである。

ソウルレイザー騎士に大した説明は必要ないだろう。動く巨大な鎧であり、中身は空で、いかなる物理的な存在にも、あるいは分かりやすく霊的な存在にも身に着けられていない。要するに、この鎧には特定可能な霊魂がない。もちろん、鎧には何らかの霊的な力が宿っている。でなければ動くはずがない。また、鎧が本物の金属製であることも言っておくべきだろう。手で作られたものであり、霊的やアルケイン的な素材ではない。

この鎧の性質は一体何だろう? 過去の騎士たちの本能や信条の表明なのか? 鎧の金属自体に何らかの方法で騎士の意志力が込められていて、形と運動能力が与えられているのか? 証拠がないため、どちらの仮説も完全に正しいとは言えない。

証拠がない以上、別の仮説を検討しなければならない。ソウルレイザー騎士は過去の強大なドルイドによって作られた。この鎧は神聖な洞窟や浜辺のガーディアンとなっているのが目撃されているが、これはドルイドと関係のないただの偶然なのだろうか? おそらく偶然だと思われる。ドルイドは通常、そういう場合には自然の霊魂や生物を召喚するからだ。ドルイドはより世俗的なブレトンの親類のように、騎士の鎧を作ることはない。

この鎧が生み出されたことには、魔術師の手が絡んでいるのではないだろうか。だが、私の同僚が考えるように悪意を持って生み出されたのだろうか? 私はそうは思わない! 鎧が優雅なまでの正確さで動く様子を見てもらいたい。きわめて丹精を込めて作られているのだ。邪悪な力で、あんな美しいものが作れるはずがない! この魔術の偉業、あるいは霊的エネルギーの顕現は、悪の産物であるにはあまりに純粋すぎる。この鎧の真の目的を突き止め、なぜ近づく者を攻撃するのかを解明しなければ。納得のいく説明があるはずだ!

海の石The Sea Stone

伝説によれば、この古代の船はストーンロア・サークルのドルイドが整備して乗り込み、全旗海軍がスラスを襲撃した時、戦いに向かった。ハイ・アイルに帰還した後、アークドルイド・オルリナンはこれを記念碑の一部として展示するために寄贈した。

看守長の台帳Head Jailer’s Ledger

監獄営倉の受刑者、滞在中
-エタノック*
-エウザ*
-ガーウィリス
-ハダミッド
-ヘムグラフ*
-マノロス・ドロヴァス
-ニナ・ジョルヴァンヌ
-サネージケーシュ
-テニシ・ヴェロスレン*
-イヴァラ・ジョシエル*

新規入所者、処理のため営倉に拘留中
-アンブレル・ダガーストライク^
-コソル^
-ファロン・フルール^
-ガーウィリス**
-ケレイルン**
-ラジシウェン^
-ナジミナ**
-ノス・ベラニス^
-ハンマーのオグモル**
-オズバヒム^
-ペリキュラー・セレス^
-ラファエル・メロワルド^
-レミド・ドレン^
-シリン・ドーレス^
-タモル・ルセフ**
-ティーダル^
-ヴァレンティン・ダンテーン**
-ヴィレナ・ラエニウス^
-ウォルウィリン^
-ザスール^

*模範囚
**処理待ち
^処理完了、追放待ち

看守長の日記Head Jailer’s Journal

732日目

また緑の大蛇が問題を起こした。頭にくる連中だ。モーナード家に騎士団の支援部隊をよこしてくれと再び要請を送ろう。本当に来るとは思っていないが。

738日目

看守の一部が、囚人を痛めつけて遊んでいるという噂が私の耳に届いた。具体的な話が聞こえてくるまで、これまでどおり見て見ぬふりをするつもりだ。営倉の周辺で話題になっているという競技とやらには興味をそそられるが、細かいことは知らないほうがいいだろう。知らなければ、報告に書く必要もない。

743日目

モーナード家は近頃、大量の囚人をこちらに送ってくる。看守たちはこれだけの新参者を相手にするのに慣れていない。だから手早く処理してジャングルに送るようにしている。

746日目

なんて嵐だ! この島の海岸沿いの天候はいつも激しい。アメノスの愛すべき特徴だ。しかし昨日、地層を隆起させた嵐は凄まじい強さだった! 突然のことで、あんなのは見たことがない。私はこの海域を何十年も航海しているというのに。それに嵐で地面があんな風に揺れたのも初めてだ。きわめて異常な事態だ。

748日目
囚人たちを処理する前に素性を突き止めろだって? まったく、モーナード家の要求は大きくなるばかりだ。人手はどんどん減っているのに!

看守長への報告Report for the Head Jailer

看守長シャルレミック

先月は、営倉からの脱走の試みが10回ありました。成功したものはありません。

看守たちはしっかり働いていますが、あなたやモーナード家はそのことを滅多に認めてくださらない。ワイン樽を開けて祝ってはどうでしょう。もちろん、士気を高めるためです。

看守書記ロラ

艦隊女王の命令Fleet Queen’s Orders

船長たち

戦隊の準備はいいわね。一部の指揮官は磁鉄鉱も運ぶことになっている。私が磁鉄鉱を渡した者たちの命令には、私自身の命令と思って従うように。実際にそうだからね。船大工の後悔の戦利品を旗艦に艤装させたのは、お前たちをシストレス諸島の向こう側に留めておくためよ。

サーベルを研いでおきなさい。私たちはこのシストレス諸島を縄張りに加えるのよ。そしてお前たち四人の中で最も大きな貢献をした者には、島の統治権を一つ与える!

女王

旗騎士ジャニーンへの命令Banneret Jenine’s Orders

旗騎士ジャニーン、

三つの標的がアメノスへ漂着した。それゆえ、ハイ・アイルの浜辺の捜索は打ち切ってよい。

三つの標的は救出された。そして今私がこの文を書いている間にも、おそらくハイ・アイルへ向かっていることに注意せよ。

だがそのことはよい。超越の王は騎士団を会議へと招集した。できる限り急いで、眠る騎士の下の広間に来るがいい。この手紙を持ってこい。入るには私の印が必要になる。

超越の魔導師

機知の試練The Trial of Wits

機知さえあれば、世界はどんな試練にも手がかりを与えてくれる。

お前はこの試練を乗り越えた。

正しき言葉を記憶に留めよ。

「理解」

記念碑の宿屋Monument Inn

全旗海軍の長い準備と建造期間中、この宿屋には船長やその他の士官が滞在した。その中には有名な男爵提督ベンドゥ・オロも含まれる。その後、宿屋は記念碑の小島の記念建築物の一部として捧げられた。

記念碑の灯台Monument Lighthouse

この灯台はスラスの襲撃に先立つ艦隊建造の時期に、船舶を全旗の小島に導いた。その後、灯台は修復され、全旗海軍の想い出に捧げる記念碑の一部として博物館に変えられた。

貴族の階級と称号Noble Ranks and Titles

シストレスの階級と称号の案内
ナヴィール城執事、へルシアン 著

1ヶ月後、エリア女公爵閣下は著名な慈善事業家バカロ・ヴォロラス卿の協力により、外交交渉と会談のため国外の名士を多数ハイ・アイルに迎えることになる。この名士たちが、ブレトン貴族の慣習について完全な理解を持っていないことは確実である。このような状況で儀礼に欠けることは一般的であり、理解できることでもある。閣下の召使として、我らが島の客人たちを導いて貴族社会の複雑な上下関係を教え、正しい言葉で話しかけてもらうことがお前たちの任務だ。この簡潔な参考文書を、導きを必要とするすべての訪問者に配布してもらいたい。

ハイロックでは上級王が最高権力者だ。上級王か女王に話しかける際、話者は「陛下」と呼びかける決まりになっている。王の子供たち――王子と王女――は、「殿下」と呼ぶように。現在の統治者、カンバーランド王朝の上級王エメリックは、ウェイレストの街から賢く優れた統治を行っている。ブレトンの政治は不愉快なこともあるだろうが、愛すべき我らの上級王は平民からも貴族からも慕われている。陛下の統治が末永く続かんことを!

上級王エメリックの領地は、公爵領として知られる一連の地域から成っている。公爵か女公爵はこれらの土地に対する直接の支配権を有している。名士の方々は公爵および女公爵に対して「閣下」と呼ぶように。王の臣下として、公爵および女公爵は王の法律を適用し、求めに応じて王家に軍隊と租税を提供する。しかし、公爵および女公爵は強力な自治権を有している。これにより、それぞれの公爵領に独特の慣習と法律を維持することが許されている。愛すべき我らのエリア女公爵は、シストレス諸島と周辺海域の支配権を有している。彼女を統治者として持つ我々は皆、幸運だ!

公爵領はさらに、伯爵領として知られるより小さな領域に区分されている。伯爵および女伯爵はこうした土地の管理者だ。名士の方々は伯爵および女伯爵に対して「卿」あるいは「レディ」と呼びかけるように。伯爵の領域は公爵領の一部として従属するため、伯爵は公爵や女公爵ほどの自治権を有してはいない。しかし伯爵はギルドや教会、学校組織といった、公爵領の統治者の注意が及びにくい部分を繋ぐ、重要な仲介者だ。

伯爵と女伯爵の下になると、貴族社会の上下関係は大幅に平均化される。男爵および女男爵はその中で最も上位だが、こうした肩書が具体的な土地に対する権利を伴うことはほぼない。むしろこれは名誉称号で、貴族に裁判所で一定の特権を与えるものだ。名士の方々は男爵および女男爵に対して、それぞれ「卿」あるいは「レディ」の呼称を用いてほしい。

最後に、騎士団に名を連ね、侵略者や反乱に対して領地を守る騎士貴族がいる。騎士に話しかける際は、名士の方々には敬称である「卿」を彼らに対してもつけていただきたい。騎士たちは騎士団によって決められた固有の上下関係と慣習に従っている。大抵の場合、そうした騎士団は司令官あるいは騎士団長によって統率されている。司令官は上の立場にある人々だが、彼らに対する敬称は同じだ。

この案内書が活用され、最悪の無礼が避けられることを願っている。しかし状況に関わらず、あなたがたそれぞれが、閣下の信頼にふさわしい振る舞いをしてくださるものと信じている。

輝くサファイアトーナメントThe Glittering Sapphire Tourney

集まれ、若者たちよ
聞くがいい!
しばしの間
諸島のあまねくところに
我らは誇りの源を手にしたのだから!

誇り高きは騎士団
3つの名がそこにある
長大な詩歌の中で称えられ
家へと伝えられる
だがこの短い詩のほうが簡潔だ!

ああ、シストレスの騎士団よ
これほど身近にいようとは
その数を数え、杯を掲げよう
我らの素敵な同胞たちに!

アルバトロスは波の上を行き
アイアンは前進突撃し
オーク騎士は古代の技を知る
どれも気品に欠けるところなし!

どうか、耳を貸してほしい
サファイアトーナメントがやって来る!
あらゆる街角から
海を越えて、あるいは徒歩で
憂いを抱く者はなし!

志願者は近くや遠くから
古きナヴィールを訪れて
槍試合と乗馬をこなし
誇りも高く歌いだす
注目の星となるために!

ああ、シストレスの騎士団よ
これほど身近にいようとは
その数を数え、杯を掲げよう
我らの素敵な同胞たちに!

アルバトロスは波の上を行き
アイアンは前進突撃し
オーク騎士は古代の技を知る
恐怖するべき力の持ち主!

誰がトーナメントに勝とうとも
最後の日になれば
卿であろうとレディだろうと
その者は名誉と共に生き
ここへの旅路に満足する

誇り高きはトーナメントの勝者!
戦いと流血で得た勝利!
君こそその人かもしれない
どうか正直に言ってくれ
だがこの短い詩はもう終わる!

ああ、シストレスの騎士団よ
これほど身近にいようとは
その数を数え、杯を掲げよう
我らの素敵な同胞たちに!

アルバトロスは波の上を行き
アイアンは前進突撃し
オーク騎士は古代の技を知る
さあところで、私の馬はどこにいった?

騎士オンドリッセへの命令Knight Ondrisse’s Orders

騎士オンドリッセへ

これからの数日間、いくつかの船がハイ・アイルへ近づこうとして破損する。難破した船はアブへイン湾かハイ・アイル北東の海岸沿い、あるいはアメノス南東の海岸に打ち上げられると予想される。船に生存者がいたら捕獲し、私のところへ連れてこい。

信用できる者たちを全て集め、生存者たちが浜辺へ漂着した時に備えて待機させろ。我々への協力を拒むサルベージャーは追い払え。

新しく雇用した者たちは難破の生存者に手をかけるのをためらうかもしれない。報酬は超越騎士団での地位だと思い出させてやれ。民の騎士として、二度と飢えることはなくなるとな。

超越の魔導師

騎士リチェルの命令Knight Richel’s Orders

騎士リチェルヘ

明日の朝、揺るぎなき者の会の家臣二人に護衛された荷車が、ナヴィール城の港から揺るぎなき邸宅へ向かう。お前の騎士たちを連れ、道の途上で奇襲を仕掛けよ。2人の家臣を殺せ。グルニエという男と、ダニスという女だ。この二人は見てはならないものを見た。始末せねばならない。

荷車の積荷は騎士団で使うため押収せよ。それ以外の戦利品はそちらで懐に収めてよい。だが、お前の任務は家臣たちであり、物資ではないことを忘れるな。

ナヴィール城と揺るぎなき邸宅の間には、騎士たちを隠しやすい場所がいくつかある。お前ならきっと適切な場所を選ぶだろう。

超越の魔導師

狂乱のデンシル男爵、パート1Mad Baron Densil, Part the First

どれだけ優秀な一族にも、何人かは出来の悪い者がいる。名高いデュフォート公爵領の場合は何世代も前、デンシルという男がこの貴族の家系を継いだ。デュフォート家の長としての彼の残虐な支配は、一族の御用学者による必死の改ざんにもかかわらず、今日まで記憶されている。現在でさえナヴィール城周辺の別荘客は、子供が言うことを聞かないと「狂乱の男爵が小指を取りに来るよ」と言って脅かすのである。

これは、デンシル男爵が気に入らない者の指を誰彼構わず切り落としたという伝説に由来する。彼は最も小さい指から始め、より大きな指に移るのが伝統だった。理由を聞かれると、彼は処罰の相手が手を使い続けられるようにだと言ったという。つまり彼らは一族に仕えてもよいが、失われた指一本(常習犯は指数本)を見ることで、自分の立場を思い出せというわけだ。

ほんの数年前、とても小さな骨(おそらく指の骨だろう)が、ナヴィール城の地面に大量に埋められていたのが発見された。これで伝説が事実だと証明されたわけではないが、真実味は増した。

この滑稽なほどの大悪人の堕落や残虐性、暴力行為の数々を考えれば、現在の一族の指導者たちがこのような野蛮な懲罰から卒業しているのは、我々にとって喜ばしいことである。

狂乱のデンシル男爵、パート2Mad Baron Densil, Part the Second

青年時代、「狂乱の男爵」デンシルは第三代デュフォート男爵ゲスマーと、妻のヨアンナ女男爵がもうけた四子の一人だった。他の三子が成人となることはなく、その死は現在も謎に包まれたままだ。卑劣な陰謀があったという噂はあるが、完全な推測に過ぎない。

明らかになっているのは、三人目の子供の死がヨアンナ女男爵には耐えがたいものだったことだ。彼女の精神は砕けた。ゲスマー男爵は妻を塔に閉じ込め、彼女は終生をそこで過ごした。

デンシルは成年に達し、次期当主となることを公式に宣言した。ゲスマー男爵の死はその一年後に起こった。狩りの間に外れた矢が男爵の肩に刺さったが、その傷で死ぬはずがなかった! 現代の歴史家は矢尻に毒が塗られていたと考えているが、当時は怪しむ証拠が見つからなかった。

デンシルが男爵領を引き継ぐとすぐに、彼は忠実な家臣やスタッフを解雇した。その中には何世代も仕えていた家も含まれていた。ゲスマーが始めた城の騎士棟の活動は全て停止した。ナヴィール城で温かく迎えられていたほとんどの騎士は、不快ではない環境を求めてこの地を去った。

デンシルはその後数年を、男爵領のかつては豊富だった金庫から金をかすめ、民が他の男爵領へ逃げ出すほど重い税金をかけて過ごした。地域全体で、良き農地は休耕に入った。狂乱の男爵とその手下は地方全体で暴れ回った。

誇り高かった造船所は、ほとんど船が作られなくなった。怒りに包まれ、自分に甘く残虐な精神状態が反映されたかのようだった。かつては巧みに運営され、富んでいた男爵領と造船の転落が深い影を落としていた。

狂乱のデンシル男爵、パート3Mad Baron Densil, Part the Third

デンシルがそこまで残虐に振る舞った理由を知る者は残っていない。デュフォート家第四代男爵の肖像画も残っていない(八大神を称えよ)。現代に残る報告によれば、彼の眼はウッドエルフのように黒かったが、平たく冷たかったという。

当主となって二年もしない内に富を使い果たしたデンシル男爵は、花嫁の持参金に目を付けた。デュフォートの名は野心的で裕福な商人を引きつける力があり、彼はその長女と結婚を承諾した。デュフォートの称号は多額の持参金で買われた。二人は代理人を通して結婚し、ヘレンナ女男爵はまだ会ったことがなかった夫との結婚のため城へ赴いた。彼女は平凡な容姿と、尋常ならざる知性を有した女性だったという。

城に到着すると、彼女はヨアンナとの会合を強く求めたという。ひどい環境にも関わらず、デンシルの老いた母はまだ塔に住んでいた。デンシルは花嫁を義母になる女性の元へ伴った。そこで何が起こったか、正確に知る者は誰もいない。新しい女男爵は後に、デンシルを見ると彼の母が汚いベッドから飛び上がり、恐ろしい叫び声を挙げたと語っていた。

彼女は常軌を逸した力でデンシルを掴み、自身と残虐な子を塔の窓から共に突き落として死んだ。

ヘレンナ女男爵はナヴィール城へ残った。第五代男爵となったのは、デュフォート家に連なるいとこのシンヴェルだった。1ヶ月もしない内に第五代男爵と女男爵が結婚したことに疑問を持った者は誰もいなかった。

それ以来男爵領は栄え、ランセル戦争の結果公爵領へと昇格した。狂乱の男爵とデュフォート家がどんな呪いを受けたにせよ、その呪いは彼と共に死に絶えたように思える。

鏡の道The Mirrored Way

この中には、古代呪文の多様かつ複雑な技が記されている。

この書を読み、その不可思議なまでに心を惑わせる呪文を目にする者は覚悟せよ。

鏡の道の呪文は歪んだ道を紡ぎ、熱狂した多くの見習いを危険や絶望、死へと導いてきた。

油断することなかれ!

この先を読むためには、鏡の道の秘密の呪文を知っていなければならない。

屈強の試練The Trial of Constitution

この混沌と邪悪の領域においては、不屈の騎士のみが生き残る。

お前はこの試練を乗り越えた。

正しき言葉を記憶に留めよ。

「勇気」

賢者イリンのメモMagister Irin’s Notes

ミリスには造船のための木への付呪について、研究者の論文をもっと探してみると言っておいた。諸島には航海の文化があることを考えると、この研究領域は有益だと思われる。

しかし、彼女が自分の学生たちにこの分野を執拗に勧め、私に木のアルケイン的処理について何度も質問してくるのは、別の目的があってのことだ。我々は長い造船の歴史を持つ島社会だからとか、より優れた船を造ることが常に優先的課題だからというようなことが、彼女の関心の出どころだとは思えない。

むしろ、デュフォート家のどこかの勢力が後押ししている可能性が高い。ミリスは才能ある魔術師だが、政治に深入りしすぎているし、野心もある。より優れた船を作るための秘密を発見することは、測り知れないほどの利益と権力をもたらす事業になるだろう。私がまるで塔にこもってブツブツ言うだけの、老いて耄碌した隠者のように、そんな事業のための情報を手渡すと思っている時点で、彼女は驚くほどの無知をさらけだしている。

娯楽を用意してPrepare Some Entertainment

ソーティ

サンゴ礁に客を招くことになっているの。私たちがシストレスを手に入れる前に、本物の海賊生活がどんなものか見る機会を与えて、私に跪かせてやりたいのよ。

彼らが涎を垂らしてドレッドセイルの力を欲しがるようにするために、あなたが必要と思うものは何でも手に入れていい。それから、あの双子にアリーナで何か披露できないか聞いてみて。食物連鎖の中で自分たちがどこにいるのか、客に思い知らせるようなショーを開きたいの。

タレリア

治癒師ジェニレのメモHealer Jenille’s Note

患者…ハイエルフ女性、年齢不詳、タニリン、アルドメリ・ドミニオンの外交官。
状態…酩酊。二次的な中毒?

どうやらこの愚かな女はこれまでロトメスを飲んだことがないにもかかわらず、周囲に促されて昨晩大量に飲んでしまったらしい。おそらく数日間は酷い気分が続くだろう。

彼女の状態が悪化した場合は、マンモスの耳のリーフを砕き、その汁を数滴唇の上に垂らすこと。私は自生しているのを見たが、バカロ卿の許可なしに刈り取ってはならないと言われた。この汁には下剤の効果があり、ロトメスの排出を助けるだろう。それ以外のすべてのものと一緒に。

治癒師ジェニレ

狩人の旅6:ファウンA Hunter’s Journey VI: Fauns

職業的狩人、ヴィオラ・フルシニウス 著

私はソリチュードからリルモスまでのすべての森で矢を放ってきた。母ワマスの皮を剥ぎ、灰色ブルマンモスの牙を抜いてきた。タムリエル中ではらわたを抜き、皮を剥ぎ、剥製を作ってきた。だが最近まで、私がしていなかったことがある――ファウンを狩ったことがなかったのだ。噂話は聞いていた。エルセリックのある島の周辺で、原始的な鹿の民がうろついているという物語だ。大抵の場合、私はそういう話を聞いてもエールを飲んで笑うだけだった。だが少し調査をして、この開拓地の物語が本当であることを知った。当然、私は自分のナイフとロングボウを引っ掴み、船への乗車券を入手して、西に向かって出航した。

これを読んで、ファウン狩りを殺人と呼ぶ者もいるかもしれない。ファウンは民族じゃないのか、と。実は、そんなに単純な話ではない。ゴブリンは人か? オーガは人だろうか? ズボンを履ける程度の知性があることは認めよう。だがあの獣たちが人であるなら、この世界は人殺しだらけになるだろう。事実として、ゴブリンは小さく邪悪な獣であり、オーガは鈍重な野獣である。ファウンもそれと大して変わらない。信じられないのなら、一つ話を聞いてもらいたい。

数年前、タルヴール・ゴンバーヴィルという名の船渡しが、イフレの大鍋から遠くないアブへイン湾に手桶を浸した。彼が手桶を満たす間もなく、ファウンが2頭、野獣のような鳴き声をあげて茂みから飛び出した。ファウンたちはタルヴールに蔦のロープを投げつけ、彼を縛って足首を木に巻きつけた。これはまだ手始めにすぎなかった! すぐに、ファウンたちは彼の口一杯にニンニクを詰め込み、動物的な笑い声をあげた。次いで彼にハチミツをたっぷり塗りつけて、近くの木にあったハチの巣を叩いた。哀れなタルヴールは50回以上も刺されてしまった。家族は次の日に彼を見つけた――生きていたが、危ないところだった。

さて、これはこの「民族」とされる連中の行いに関する話の1つにすぎない。私はもっと酷い結果に終わった話を沢山知っている。だから、ファウンのために涙を流そうというのなら、この哀れな男と彼の手桶を思い出してもらいたい。ハイ・アイルの人々が似たような目に遭うことから救いたいのであれば、狩りの場で再会しようではないか!

囚人の名簿Prisoner Manifest

超越の魔導師の指示により、現在収容中の囚人たちをここに記しておく。

カリーン、スピアヘッド号船長
ツゾ、カマルズベイン号船長
ザジ、パーフェクトパウンス号船長
ギルド将軍クエンティン、戦士ギルド代表団

命令
– 難破時に乗客がどうなったかを問い詰めること。彼らはアイレン、エメリック、イルンスカーがいつ船を降りたのか知っている可能性が高い。
– 大型の埋葬の間から南にある地下墓地が、臨時の牢獄として適当である。使い道がなくなったと確信できるまでの間、船長たちを生かしておくこと。
– 他の捕虜は全て処刑すること。代表団の居場所を教えないのであれば、彼らは警備体制への潜在的な危険要因でしかない。

出航命令Sailing Orders

超越騎士団艦隊の船長へ告ぐ、

我らが計画の最終段階が動き出した。お前たちの船をナヴィール港に向かわせ、騎士を補充せよ。我々は港を制圧しているから、安全に人員を収容できる。

船の戦闘準備ができたら、ハイ・アイル南の海域に出航せよ。沿岸からギリギリ見えない位置に留まり、合図を待て。

出航の準備が間に合えば、私はシルバースワンを旗艦とするつもりだ。無理ならストームペトレルに旗を掲げる。

超越の魔導師

准将の日記Commodore’s Diary

我々はアビシアン海をもう十年以上も荒らしまわってきたのに、あのうろたえた馬鹿どもは少し数で圧倒された程度で恐れをなしていやがる。「奇跡が必要だ」と奴らは言う。それなら、奇跡をくれてやろうじゃないか。このドルイドの装飾品には力がある。ドルイドの古い、忘れられた言葉は話せないが、この書に答えがあることがわかる程度には魔術の言葉を知っている。

ディープドルイドは比類なき力を呼び出したと言われているし、それは本当のことだと思う。この書の中には、艦隊を無敵にする儀式がある。呪文が維持され、偶像が傷つけられなければ、乗組員たちは本当の意味で死ぬことはなくなる。正当な取り分を取ったことで罰を与えようとした、ウェイレストの連中に後悔させてやる。

焼かれた調査メモBurned Research Notes

召喚した嵐の失敗以来、私は多くを学んだ。この火山の島にある大地の力を引き出せば、私の魔術に測り知れない力が加わるのは明らかだ。だが少しでも計算を誤れば、呪文は制御不能に陥り、破滅的な結果を導きかねない。イフェロンの友人たちがもう少し明確に説明してくれていれば!

いずれにせよ、もう仕組みはわかったと思う。最後に試した時は、予想よりもいい結果が出た。この力を手にした以上、我々の攻撃計画は――

〈文書の残りは燃えてしまっていて読めない〉

新人への命令Orders for the Recruits

かつて、お前はこの戦争を焚きつける暴君たちに膝を屈した。今、超越騎士団の外套を身に着けることで、お前の真の目的が明らかになった。小型ロッカーには任務を遂行するために必要な材料が入っている。係留の磁鉄鉱と、秘術の印だ。

磁鉄鉱をマストの根元に設置し、その上に記された秘術の言葉を読み上げよ。そうすれば我々に船の位置が伝えられ、嵐を海上に固定できるようになる。

雲が接近しているのが見えたら、印を半分に折れ。印にはマジカを薄める強力な波動が込められており、暴君たちの逃走を防いでくれる。暴君どもが死ねば、未来は我々の自由になる!

船が破壊されお前たちが漂着したら、トール・ドライオク近くの汚された洞窟で、正当な報酬を受け取るがよい。

全旗海軍ここに始まるThe All Flags Navy Started Here

最初の船団が島で建設中の設備を守るために到着した時、全旗海軍は始まった。造船所が新たな艦船を生み出せるようになる以前、タムリエルの諸民族は彼らの最良の船を派遣し、ハイ・アイル周辺の海域を巡回警備した。それらはすでに確立された海軍や商船、海賊や傭兵から集められた船であり、全員が作業を守り、後にはスロードに対する戦争に直接加わったのである。

以下に記すのは、全旗艦隊の基礎を作るために到着した最初の14隻の船である。忘れることなかれ!

リレントレス、コロヴィア、ベンドゥ・オロ男爵提督
アンヴィルズ・ソング、コロヴィア、ノルス・ファルヴィウス男爵船長
ルビー・トライデント、コロヴィア、ハデルス・ヴィリア船長
キングズ・ジェスト、ブレトン、リソルダ・ダヴォー船長
プリスティン・ハルバード、ブレトン、〈削り取られている〉船長
オンシズ・オース、レッドガード、アフサラー船長
カホサダ、エルフ、チムボーン船長
オイアダエン、エルフ、リニウェン船長
怒りの風、アルゴニアン、フニリーン船長
ムーンチェイサー、カジート、カルグナル船長
ワンダリング・アルバトロス、騎士団、ネパス・ラン船長卿
シルバー・ランターン、商船、ネミク・サンテール金貨男爵
ブラックガル、海賊船、ショシャラ船長
ジョリー・ゴブリン、海賊船、ゴルグザル船長

全旗海軍のバラードBallad of the All Flags Navy

アビシアン海の向こうから
病がやって来た時
善き者は震え、悪しき者はため息をついて
この物語を私に話した

死んだ、死んだ、あまりにも多くの人々が
ダガーフォール、アンヴィルからデューンまで
ナメクジの疫病だと彼らは言い
我らの破滅を招いたスロードを責めた

統治者たちは叫んだ、もはや打つ手なしと
だがアンヴィル王は違った
彼は船に乗って帆を掲げ
船乗りたちに呼びかけた

広く遠くからやって来た
王に応えた英雄たち
ブレトン、レッドガード、エルフ、他にも多くの種族が
大艦隊となって雨の中を航海した

卑劣な敵を打ち破るため
一体となって嵐吹く海を行き
死の嵐が吹きつける中
赤い空の下、轟く大波を越えた
全旗海軍! 全旗海軍!
アンヴィル王に率いられて
全旗海軍! 全旗海軍!
彼らの船と船乗りを称えよ!

艦隊が敵の島に近づくと
濃い霧が流れ込んだ
どんな魔術や武器が相手でも
勝つ以外の道はなし

同盟艦隊はスロードを攻めた
自らの武器と魔術を使って
島の守りはついに崩れ
ナメクジの民は報いを受けた

全旗海軍! 全旗海軍!
アンヴィル王に率いられて
全旗海軍! 全旗海軍!
彼らの船と船乗りを称えよ!

素敵でさわやかな草原Fair and Fresh Upon the Lea

吟遊詩人アディステアによる、レイラ・ミロリのためのソネット

草原に麗しく爽やかな朝が来て、
穏やかな風の甘い口づけと、新たな喜びが、
東の海に靄となって浮かび、
誇り高き太陽を、その輝きにも負けぬ栄光で迎える。

だが平原の黄金の花々に、
他のどれより見事な輝きを放つものが一輪、
花々は喜んで彼女の黄色い髪になびき、
しなやかに踊る足が、露に濡れた葉を祝福する。

こうして美しきバラ色の朝は、
丘の祝福者が自らに匹敵することを知り
賛美する花々と、朗らかに歌う小川の笑い声に怯え、
雲の中へと身を隠す。

なぜなら、草原を歩むレイラこそが、
海に浮かぶ太陽を最初に迎えるのだから。

倉庫長アルノーへの手紙Letter to Dockmaster Arnauld

倉庫長アルノー、

合意に従い、継続的な協力と配慮への謝礼をここに送付する。我々が浅瀬での作業を終えるまで、公権力の注意をハイ・アイルでのサルベージ作業から逸らすことは不可欠だ。

我々の事業を詳しく知りたいとか、沈黙の対価をさらに釣りあげようと考えているかもしれない。予め伝えておくが、決められた合意について事後的に再交渉することには賛同しかねる。入江には近寄らず、これまでに支払われた金額で満足するといい。それが双方にとっての最善だろう。

超越の魔導師

捜査官ヴェイルと呪われた灯台Investigator Vale and the Haunted Lighthouse

捜査官ヴェイルの冒険

「それで、幽霊が出るというのはこの部屋?」捜査官ヴェイルは目の前にある重い扉を身振りで指した。外では嵐が吹き荒れていた。島の岩場に当たった海からの大波が、灯台の壁に向かって水を巻き上げた。

「俺のことを信じていないみたいな言い方だな」。ガウェインは筋骨たくましい両腕を組んで、暗い階段の壁に背を預けた。

「疑ってはいるわ」。ヴェイルは松明を掲げて、もう一度扉に目をやった。「あなたは長い間この島で唯一の管理人だった。本当に幽霊を見たのかもしれないけど、この灯台に別のものがいるってことも十分ありうる」

「自分が聞いたものはわかってる」

「叫んだんでしょう、さっき聞いたわ」。ヴェイルは扉のハンドルに手を滑り込ませた。「叫びの源を見てみましょうか」。ヴェイルはガウェインの抗議の叫びを無視して、扉を押し開いた。

捜査官ヴェイルは部屋の中に踏み込んだ。自分の吐いた息が目の前に見えそうだった。外では嵐が唸り、ヴェイルの手にあった松明が揺らめいて消え、完全な闇の中で、彼女には何も見えなくなった。

「幽霊は本物だ、捜査官! これで奴が灯台の他の部分に入れるようになっちまった。もう二度と眠れない」。階段の吹き抜けから来るガウェインの声は震えていた。

捜査官ヴェイルは微笑んだ。「馬鹿ね。別の松明を持ってきなさい。あなたの幽霊とやらを見せてあげるわ」

新たな松明の明かりが階段を上がってくると、ヴェイルはスカーフを脱いだ。少し見渡すと、彼女は探していたものを見つけた。「恐ろしい幽霊というのは、ただの灯台の壁のひびよ」。ヴェイルはスカーフをひびの前に掲げ、スカーフが風で膨らむところをガウェインに見せた。

ガウェインは布切れを見つめた。「石工のヘマのために、俺は偉大なる捜査官ヴェイルを灯台まで引きずってきたってことか?」

「まあ、あまり自分を責めないで。亡霊と霊魂はたくさんいるから、あなたが気にしたのも無理はない。本当に呪われているより、漆喰を塗った方がいいでしょう。本物の亡霊は、ずっと根絶が難しいから」

その時、外で耳をつんざくような音が鳴った。灯台近くの海に稲妻が落ちたのだ。ガウェインは音を聞いて飛び上がり、それからため息をついた。「この嵐じゃ、海辺に戻ろうとしても無駄だ。捜査官、悪いがここで嵐が収まるのを待ってもらうしかないようだ」

捜査官ヴェイルはにやりと笑った。「この灯台に幽霊はいなかったけど、辺りが落ち着くまでの間、きっと盛り上がれるわよ。ところで、ワインはない?」

造船の歴史、第1巻(全27巻)A History of Shipbuilding, Vol. 1 of 27

シストレス史研究家、エダナ・オーギエ 著

シストレス諸島の民は何世代にもわたり、大小の船を建造してきた。近代において、デュフォート造船所から生まれた船はどの海軍にも見られる。海上に浮かんでいる船の中で、デュフォート造船所の船は最高品質のものに数えられる。

この海洋産業の起源はどこまで遡るのだろうか? 造船業と我々の遺産について理解を深めるためにはどうすればいいだろうか? 読者にはこの魅惑的な物語へと向けた船出に、私と同行していただきたい。

まずは発端から始めよう。つまり、木材からだ。

西の海岸へ目を向けていただきたい。ナヴィール城周辺の土地は、記録に残っている以前の時代から船造りのための木を供給してきた。デュフォート家が存在する遥か前から、丈夫な大小の枝は船団が築かれる際の基礎となっていた。素材の木目を見れば、それが美しく魅惑的な模様を作っていることがわかる。我々の富はこれを基礎として築かれたのである。

ハイ・アイルの木は船造りへ特に適している。ハイ・アイルのコルクオークやその他の木材は強靭で防水性が高い。学者は我々のドルイド系の祖先たちがこうした木々に影響を及ぼし、特に船舶へ適した形に育てたのではないかと仮説を立てている。しかしこれについてはさらなる研究が待たれる。

大治癒師ヴィラレインのメモMaster Healer Viralaine’s Notes

不幸な事態が発生した。ロスレンが研究室を発見したのだ。被験者の血液を大量に与えて、彼女を鎮静化するしかなかった。成功は目前にまで迫っている。どうあっても、今実験を中断するわけにはいかない。

残念なことになったが、ロスレンの症例は新しい洞察を与えてくれるかもしれない。今のところ、私は被験者の血液を薄めて患者の食事と飲み物に入れている。症状は予想どおり数日間かけてゆっくりと現れている。しかしロスレンの場合は投与量が多かったため、すぐに意識を失ってしまった。

ロスレンの状態は一時的に抑えられるが、完全な吸血症に発展するのは確実だろう。幸運にも、知識があれば解毒剤を作るのは簡単だ。ハーピーの羽根の抽出物を、被験者の血液とその他の錬金術の試薬へ混ぜればいい。

近いうちにロスレンに解毒剤を処方せねばならないが、その後はどうする? 彼女がこの件をバカロ卿に報告すれば、パニックと非難が巻き起こるだけだろう。だが、愚かしい過剰反応に私の研究を邪魔されることなど到底許容できない。成功が近づいているのだ!

超越の魔導師の任務The Ascendant Magus’s Commission

超越騎士団のすべての騎士へ

超越の王はレディ・アラベルとその仲間たちが、アメノスから同盟の指導者たちを救出したことを知った。レディ・アラベルは指導者たちを全旗の小島へ送った。このため、緊急対応計画を即座に実行しなければならない。

シルバースワンはまだ完全に出航可能な状態ではないため、へルシアンにネレイズソングの指揮権を与える。隠された入江で彼に会え。へルシアンの指揮でネレイズソングを全旗の小島へ向けて出港させ、戦いに参加せよ。私には別の船がある。

シルバースワンは全旗の小島で我々の仕事が終わるまでの間、エリア女公爵を安全に拘留しておける場所だ。彼女の監視を怠るな。

超越の魔導師

超越騎士団の声明The Ascendant Proclamation

タムリエルの民よ、聞け! 救済の時が近づいている。ただ手を伸ばす勇気さえあればいい!

我々は超越騎士団、全ての国の平民のために戦う、民の騎士団だ。我らの敵はお前たちを隷属させ、全ての国で力と権威を独り占めしようとする者たちだ。我々はお前たちを支配する者に対抗して立ち上がる術を与えよう。そしてお前たちは自分自身の支配者となる!

お前たちはこの三旗戦争を求めてはいなかった。これはすでに統治していた土地では満足できない、王や女王たちが始めた戦争だ。タムリエルの平和的な人々が彼らの強欲ゆえに苦しみ、死んでいる。お前たちは自らの血で貴族の野心の尻ぬぐいをさせられている。お前たちが自ら立ち上がり、「やめろ!」と言うまで、この運命は変わらない。

全ての者にとっての平和と繁栄の道は一つしか存在しない。全てのタムリエルの国家で、腐敗した政府を転覆させることだ。ハイロックの民はアルゴニアンに危害を加えただろうか? レッドガードはダークエルフに対して恨みを抱いているか? 否、そして否だ! 強欲な君主が新たな土地や民を屈服させるだけのために、なぜお前たちが戦わなくてはならないのだ?

我ら超越騎士団と共に立てば、お前たちの生死など歯牙にもかけない王や女王たちを止められる。我らの仲間となれば、力を合わせて世界を変えられるのだ!

帝国に死を!

灯台の命令Lighthouse Orders

騎士ステゴル、

新人の一団をゴンファローネ岬の灯台に連れていき、キナレスの偶像を取り除け。王は灯を消して、近いうちに到着する船にキナレスの導きを与えないようにすることをお望みだ。

偶像を傷つけ、番人に危害を加えることは、止むを得ない場合を除き避けよ。灯台を永遠に暗くしておきたいわけではない。偶像を取り、適当な隠し場所を見つけ、次の指示を待つだけでいい。

超越の魔導師

任務と日課Duties and Routine

エリア女公爵閣下の新しいメイド全員に向けた、閣下の一日を組み立て、秩序立てるための指示書。

早朝
– エリア女公爵を起こし、新鮮な果物と焼き菓子、澄んだ泉の水を寝室に持っていく。
– 夜の間に溜まった最新の書簡と伝言をエリア女公爵に渡す。造船所からのものを優先すること。
– 台所からお湯を持ってきて、エリア女公爵が入浴できるようにする。
– 寝室を片づけ、女公爵の部屋にいる間は何か仕事を続ける。
– エリア女公爵をその日の活動に合わせた服に着替えさせる。高官を訪問する際には長いローブ、港の視察には長ズボン、重要な客人を歓待する場合にはガウン、騎士団の視察にはチュニック。

* * *
午前中
– エリア女公爵の朝の活動に同行する。路上の民に特別の注意を払い、必要に応じ身を挺して閣下をお守りすること。
– エリア女公爵が上記の民や予定にない伝令、貴族あるいは訪問中の名士などに煩わされないようにすること。

* * *
正午
– 料理人に与えられた食事を整えて提供する。すべての食事は提供前に味見し、純度と風味、安全性を確認する。
– 書き物机に新しい羊皮紙と満たしたインク壺、羽ペン一式を用意する。
– 机の右側の、閣下のすぐ手の届くところに軽くつまめるものを用意する。
– すべての往復書簡を集め、エリア女公爵の指示どおりに投函する。

* * *
午後
– エリア女公爵は顧問や諸島の管理を担う人々と会うことを好む。閣下が対話を望む相手を招集し、それぞれの会合の予定を適切に設定する。
– 閣下の執務の邪魔をせぬようにし、閣下の部屋を掃除する。
– 暖炉に手を加えた形跡がないかどうか確認し、必要なら襲撃者に備えて窓を補強する。

* * *
夕方
– 夕方の行事と客人のリストを考慮しつつ、女公爵の承認を受けるため複数のガウンを用意する。
– 女公爵の着替えを手伝う。
– 夕方中、閣下のそばに立って仕え、内密の話を口外しない。たとえ誘われても踊ってはならない。お前は楽しむために来ているのではない。閣下のそばがお前の居場所だ。

* * *

– 夜会がお開きになったら、女公爵に同行して部屋まで行く。
– 寝室を整え、閣下に生命の危険がないかどうか、最後の確認を行う。
– 夜中に必要とされた場合にいつでも駆けつけられるよう、閣下の部屋の扉の外で眠る。

デュフォート家の鍵管理者、マルセル・スティージン

忍耐の試練The Trial of Perseverance

多くの者が人生の試練を通過できないのは、耐え忍ぶ意志を持たないからである。

お前はこの試練を乗り越えた。

正しき言葉を記憶に留めよ。

「技」

破られた誓いThe Broken Oath

デスバロー騎士団、ナサイン卿による記述

騎士道とは、偉大なる重荷である。

私が盾を取った時は、先人たちを導いてきた規律と信条に従い、正しく生きることが人生における自分の役割だという素朴な理解を抱いていた。私が人生を捧げた偉大なる騎士団は、最も偉大な人――ヴィクトレルの継承者、六代目レオバートの指揮によって栄えるだろうと思っていた。

しばらくの間、私の考えは正しかった。我らが騎士団には腕と名誉に優れる騎士が数多くいた。私の青春の輝かしい日々に、我々は中庭で火を囲み、その日に成し遂げた偉業を称えたものだ。

次第にレオバートは我らの火を離れ、責務の重さにより顔の皴は深くなった。笑いは我々を見捨て、火は消えた。それでも我々は義務と名誉を絆として、悲劇を押し留め、誰にも弱さを見られることのない暗がりで、過ぎ去ったよき日々について語った。私も長生きをして、火が再び灯されるのを見たいものだ。

* * *

騎士道とは、力に劣る人々への責務である。

私が若い頃は、笑い声と喜ばしい歌声が中庭に響き渡っていた。今は開けた空間を重い沈黙が満たし、疑念が不協和音を奏でている。時が経ち、この恐るべき瞬間まで気づけなかったほど緩慢に、我々は変わった。罪なき人々を巨大な危険から守るのではなく、資金の供出を催促するようになっていった。我々は自ら、成敗せよと教えられたはずの恐るべき野盗と化したのだ。

これは我らが陥った最も暗い深淵ではなく、最大の失敗でもない。だが、私は馬に乗って通りすぎるたびに、一般市民の顔が憎悪に満ちた怒りで歪む姿を、脳裏から追い払うことができない。この広間には腐りきった膿がある。何かがおかしいのだ。

レオバート卿、あなたは一体何をしでかしたのだ?

* * *
騎士道とは、責任の重圧である。

葬儀以来、レオバートは自室を出ていない。騎士20名と、小姓と従者を含む見習い30名は、彼らが栄光に満ちた成果に笑い、生きた中庭に葬られた。

レオバートは鍵のかかった扉の奥に隠れている。彼の呟き声は小さすぎて私に聞こえないが、足音の重みは砦の土台を揺るがすほどだ。今でさえ、彼が床のどこを行き来しているか辿ることができる。砦の中に暗闇が育っている。ネズミたちは地下室から逃げだし、鳥たちも我らの胸壁に止まることはない。中庭には沈黙が漂っている。この不自然な出来事の原因はまだわからない。だが夜になると、私は恐ろしい悲鳴に満ちた夢を見る。

* * *
騎士道とは、物事を明晰に見て、正しく行為する約束である。

我々全員がこんな目に遭ったのは、あの男のせいだ。行方不明の子供たち、我らが騎士たちの死、忌まわしい死によって失われたすべての命は、レオバートの仕業だったのだ!最後に話した時、レオバートは「容易く征服できる死に、この私が頭を下げるとでも思うのか?」と言っていた。私は彼が言葉どおりのことを言っているとは思わなかった。だが言っていたのだ。魔法の波が廊下を突き抜け、触れた者全員の命を奪い去った時、それは確実になった。

認めるのは恥ずかしいが、自分の番になった時、私は怯えて泣き叫んだ。私が求めていたのは、こんな死に方ではない。私が懇願した死は、自分の故郷でこのように変化させられることではなかった。死につつ残るとは悪夢だ。私は地下墓地へ急ぎ、我らの呪われた最期の原因を探った。

* * *
騎士道とは、恐怖でなく、名誉に基づいて行為する責任である。

レオバートは変わっていた。霊魂からすべての肉を取り除き、鎧の中に自らを移し入れたのだ。彼が一体どうやってこのような方法を学んだのか、決して知ることはあるまい。

これはまさしく狂気だ。だが私は留まるわけにはいかない。彼がこの儀式を続け、我らの呪われた肉体が砦の壁を越えて押し寄せるようなことを許してはならない。

レオバートを殺せるのかどうかはわからないが、彼の呪われた儀式にこれ以上騎士たちを歪めさせられない。私は彼が儀式に使っていた道具を盗んだ。祭壇には、襲撃に備えて我々の神聖な遺物を隠すための、秘密の隙間がある。この隙間を我々の見習いの祈りに結びつけておこう。レオバートはあの言葉を覚えていなかった。

私の最期が恥ずべきものになることはわかっている。私の人生自体が恥だった。願わくば、死後の生が私に慈悲を示し給わんことを。

配達人グルニエのメモCourier Grenier’s Note

これを見つけた者へ

奇襲だ。印のない装備を身に着けた騎士たち。一族の紋章がなかった。我々を待っていたんだ。戦おうとしたが、数が多すぎた。

ダニスは逃げ延びた。彼女は南へ走ったが、殺し屋どもが2人追いかけていった。残りの奴らは我々の荷車を漁った。理解できない。バカロ卿はナヴィール城への道が安全だと保証したのに。

もう長くはもたない。どうか伝えてほしい、私の

〈解読不能の走り書き〉

悲痛なる船旅A Harrowing Sea Voyage

ブリーン・デュフォートによる報告

私たちがハイ・アイルに向けて出港した夕方、ある年寄りの船乗りが警告を聞けと私に言った。最大の島でさえ小さく見えるほど巨大で、船を丸ごと飲み込めるほど大きな口と、船乗りの魂を揺さぶり沈黙させるほど強烈な存在感を持つ生物が、本土と諸島の間の深海を徘徊していると。ハイロックへの旅の途中、あの暗黒の怪物からすんでのところで逃れたが、帰り道では助からないだろうと彼は言った。

最初、私は彼の話を聞いて震えた。しかしエールを数杯飲んだ後で、私は笑い飛ばした。この不愛想な船員の大げさな話はただの物語で、未熟な旅人を怖がらせる作り話だと思ったのだ。

シストレスの宝石に向かって船を進め、もはや海辺が見えなくなると、前方の水が空と交わった。そして、警告もなくすべては静かになった。風は私たちの帆を避け、船は動きを止めた平坦な海の上で停止した。

異様な沈黙が私たちの耳に忍び込んできた。それはあまりに耐えがたく、船に乗っていた誰もが麻痺して立ち尽くしていた。雲一つないのに、空が暗くなった。というより、想像もつかないほど巨大な暗闇が、永遠とも思えるほど長い間深海から立ち昇り、その後再び水面下に消えていったのだ。

今や影は私たちの下を徘徊し、水を黒く染めたため、ノクターナルの領域から水が流れてきているかのようだった。水面下のリヴァイアサンがだんだん近づいてきた。暗闇が広がり、私たちの周りの海を染めていく間も、船は空っぽの沈黙の中で揺れていた。

下で、あの深淵の中に、明るい緑色の光が急に現れた。それが何か気づくのに少し時間がかかった――人間やエルフが作ったどんな建物よりも大きい、巨大な目だ。目は上を向き、私の魂を貫いた。それは一度だけ瞬きした。その瞳孔は巨大な割れ目だった。

目は出現した時と同じくらい素早く消滅した。海は墨のような黒から、再びより自然なサファイアの青に変化した。暗闇は退き、リヴァイアサンは跡形もなく深海に消え去った。風が戻ってきて帆を満たし、私たちは旅をつづけた。

死が訪れるその日まで、私は自分が見たものを誓う。想像しうるどんなものよりも大きな生物が、波の下を徘徊している。

時を待ちながら。

牧草地砦の戦いThe Battle of Meadow Fort

公爵家の歴史家兼年代記編者、カエラ・メトリック著「デュフォート家の歴史」より抜粋

最後の戦いは、当時牧草地砦と呼ばれていた場所で行われた。そこはオールドストーン森にハラバント(後のデュフォート男爵一世)が築いた小さな要塞だった。戦いは夜明けに始まり、日没まで休むことなく続いた。

ハラバントの名剣レッドハートは、戦いが終わりに近づく頃には折れていた。それにもかかわらず、この偉大な戦士は刃を投げつけて恐るべき魔術師フェルボアの黒い心臓を貫き、この邪悪な敵を倒した。ハラバントは戦いで受けた傷により片手を失い、男爵位に上がるまでの間、無手のハラバントと呼ばれた。

ハラバントは自分の大剣を溶かして手を作り、それを失った手の代わりにしたと言われた。ハラバントの家臣たちの多くは彼の気が短いことと、その手によって殴られたことを証言している。何年も経った後、公爵は昔の要塞の代わりとして、西の巨大なナヴィール城を用いるようになった。城は今日も立っており、この名声高き一族にふさわしい名所となっている。

レッドハートの柄が発見されることはなかった。この小さな要塞はもう長いこと、植物が生い茂ったままの状態で立っている。ハイ・アイルを形作った出来事の、物言わぬ証人として。

癒し手の日記のページPage from Mender’s Journal

〈癒し手ロスレンの日記からちぎられた数枚のページ〉

ハーピーたちは興奮しているようだ。邸宅の病気がハーピーにも感染している? それとも攻撃性には別の原因がある? いいハーピーの羽根を手に入れたけど、この辺りのどこかで手袋を失くしてしまった。

〈急いで書き加えられた文〉

邸宅への帰り道、森の中に奇妙な黒い犬を見かけた。見られはしなかったと思うけど、逃げるしかなかった。この環境に生息しているものじゃない。超自然的な存在? 巨大なコウモリもいた。

小川の向こうに洞窟の入口がある。あの犬とコウモリはあそこから来ているんだろうか? あれはもしかして、吸血鬼の巣?

癒し手ロスレンの日記Mender Roslenn’s Journal

〈11日前〉
今日、数人の患者が異様に疲労し、休ませても具合が悪いようだった。妙なことに、彼らは全員悪い夢を見たと言っていた。

〈7日前〉
明らかに何かがおかしい。今ではほぼ半分の患者が疲労と不安に苦しんでいるし、恐ろしい悪夢についての報告が頻発している。感染性の熱病の一種? それとも何か別のもの? これと似たものを以前に見たことがある。どこで見たのだろう?

この謎の病に酷く苦しんでいたノルドの兵士が今、行方不明になっている。自分を傷つけたのではないかと心配だ。

〈5日前〉
さらに2人の患者が行方不明になっているが、状況がわかった気がする。この兵士たちは吸血症の初期症状を発しているのだ! 症状は軽いが、不眠症や倦怠感、恐怖の感情や怯えやすさなど、すべてが一致する。でもこの邸宅に吸血鬼はいない。それは間違いない。

アレクシス・ヴィラレインは納得していない。彼は身体的な症状が単なる睡眠不足であり、その原因は患者たちの恐ろしい戦争体験にあると信じている。彼はベッドで休ませろと指示している。

〈4日前〉
アレクシスには早くここで起きていることを認めてもらいたい。吸血症の初期段階の症状を緩和する霊薬を少量用意してみる。これが効くかどうか確かめよう。

行方不明の患者は今や7人になっている。

〈2日前〉
思ったとおり! 抗吸血症薬は私が処方した患者たちを即座に落ち着かせた。しかし、病気は治っていないと思う。新鮮な材料を使ってもっと強力な薬を作らなければ。必要なものの大部分はここで手に入るが、解毒剤を作るにはハーピーの羽根が必要だ。幸運なことに、ハーピーの群れが邸宅の西にある丘に住んでいる。夜が明けたらすぐに出発しよう。

輸送計画Transport Plans

お前が探す積荷は三隻の船に分けて輸送されている。いずれも行き先はハイ・アイルのゴンファローネ湾だ

– 「鷲」はスカイウォッチから出航するパーフェクトパウンスに乗る。
– 「獅子」はウェイレストからスピアヘッドに乗る。
– 「雛鳥」はリルモスからカマルズベインに乗る。

それぞれの船には磁鉄鉱が設置されているので、我々は船を追跡し、密かに航路を変更させ、嵐の標的にできる。

北東の地平線に現れる雲に注意し、嵐が見えたら移動せよ。嵐が標的を殺せなかった場合、後始末の用意をしておけ。

超越の魔導師

勇敢な魂の記憶In Memory of the Brave Souls

全旗艦隊の一部として働き、タムリエルの民を守って命を落とした勇敢な魂を称えて。

[船とその船長および乗組員のリストが続いている。プリスティン・ハルバードとレンウィック・ムーアクロフト船長が今ではこのリストに載っている]

揺るぎなき者の会The Society of the Steadfast

エリンヒルのファラスタス 著

インペリアル貴族の名士数人の求めにより、通常は私の専門外にある主題に踏み込むことになった。時事問題という領域だ。より正確には揺るぎなき者の会の台頭と、その政治的役割である。

慈善事業家のバカロ・ヴォロラス卿は、三旗戦役によって引き起こされた苦痛に巻き込まれた人々に救いの手を差し伸べるため、揺るぎなき者の会を発足させた。三同盟が衝突する中、戦場の背後で家族は離れ離れになり、子供は孤児となり、兵士は負傷し、飢餓が広まった。会はうち続く紛争に見舞われた人々に、援助と安全を与えるため全力を尽くしている。

ロングハウス皇帝の終焉につながったコロヴィア反乱の初期、地域お共同体の指導者たちが進みでて、ヴァレン・アクィラリオスの軍が帝都に進行した際、流出した難民たちの庇護者として活動した。藁のベッドが作られ、避難所が急遽建設され、シチューの鍋が配備された。血が染みついたチュニックやボロボロのベッドシーツから旗が紡がれ、窮乏する人々のための安全な隠れ家、そして救助の場であることが示された。このような善意と救援の非公式の集合体は、バカロ・ヴォロラス卿の存在がなければ、単なる歴史の一挿話でしかなかったかもしれない。栄華を極めたヴォロラス家は、レオヴィック帝に対する戦争によって深刻な打撃を受けた。バカロ自身も戦闘のために伴侶と子供たちを失った。悲しみに暮れる中、この貴族は巨額の私財をさまざまな種類の慈善活動に注ぎ込んだ。そして三旗戦役が始まると、彼は揺るぎなき者の会を創設して、最も必要とする人々に援助が差し伸べられるよう取り計らった。

会は負傷者のために治癒のテントを設置し、飢えた人々のために食料と水を配り、その他にもできる限りの援助を提供している。バカロ卿の言葉として「私の一族は常に、富は正しい仕事を育てるために用いられるべきだと信じている。我々は同盟戦争の暴力に巻き込まれた民たちを助けることを目的としている」との言が伝わっている。

この会は宗教組織ではないが、ステンダールの教えに着想を得ていることは確かである。治療院と食糧配給テントに加えて、会は戦争に巻き込まれた人々に対し、兵士と一般人を問わず同情と慈悲を示す活動に従事している。比較的小さな組織であるため、この会は基本的にシロディールの戦場付近で活動している。バカロ卿は最近、ハイ・アイルにある地所を治療院へと変え、自ら費用を受け持って特別に深刻な負傷者たちをこの地区に輸送し、治療と保養を受けさせている。

ゴンファローネ湾から日々、揺るぎなき者の旗を掲げた船がやって来る。それぞれの船は各地からの食料や物資など、戦争被害者のための救援物資を運んでいる。パクトであろうと、カバナント、ドミニオンであろうと、戦士のチュニックの色はこの会の船にとって無関係である。彼らは窮乏するすべての者に助けを与える。

嵐吹く海の葬送歌Dirge of the Stormy Seas

海岸から遠く離れて、稲妻が落ち
運命が船員を黙らせ、叫び声が止むその時
私は船のへさきに堂々と立ち
命の終わりを告げる声に唾を吐きかけよう

我らは戦い、海辺の人々を愛した
逝く時は、多くの杯を注いでもらおう
深い水と、嵐吹く冷たい海の中で
船室の底の暗闇に沈む命のために

だから手にジョッキを持ち、乾杯の声をあげよう
失われた者と、陸地で待つ者のために
我らの体は、泡吹く深淵に委ねられようとも
愛する者の悲しいため息を聞くよりはいい

我らは待ち受けるものも知らず、船を走らせる
そして歌い飲み、危険を冒して探検する
力尽きて仕事を終える時
この船乗りたちを友と呼べることが喜びだから

緑の大蛇の証言Green Serpent Testimonials

准編年史家、ミネルヴァ・カロ 著

タムリエルのすべての者が、ローズの話を知っていると言ってもいいだろう。ブラック・マーシュの奥地にある悪名高い牢獄である。アカヴィリの最高顧問はその権力の絶頂期、タムリエル中で無数の牢獄や流刑地を稼働させていた。その大部分はヴェルシデュ・シャイエとその眷属の死後、廃墟と化したが、一部は民間施設として稼働し続けている。その中でも、アメノス監獄島ほどの過酷な環境は滅多に見られない。

この暑苦しい開放式の牢獄に送られた囚人の多くは、追放を受けてから数年、数ヶ月、あるいは数週間のうちに病気になって死ぬか、島にあるその他の自然の脅威に襲われて倒れる。しかしこのジャングルの牢獄の中で生き延び、それどころか栄える者も存在する。それは主に島の大部分を実質的に支配している囚人のギャング団、緑の大蛇である。私は上級王の承認によりジャングルに入る許可を受け、緑の大蛇の証言を後学のために記録した。愛する者の喪失や、潰えた夢の話を語った者も中にはいたが、大部分は紙に記すのがためらわれるほどおぞましい暴力の話を、私に嬉々として話した。しかし、仕事のためである。親愛なる読者に警告しておきたい。心臓の弱い者は、ここに記す話を読まないほうがいい。

まずは「ラットキャッチャー」という、囁き声でのみ話す痩せた汚いウッドエルフから始めよう。「俺は紡ぎ手を殺した」と彼は言った。「そう、紡ぎ手さ。グザードは話をしていた。嘘の話をな。俺の大叔父のニルサリングはツリーホッパーだったが、誰にも悪さなんかしてない! 確かに、枝は何本か切った。誰だってやるだろう? 生活のためだ。だがあの紡ぎ手は、大叔父がグラーを丸ごと切り倒したと歌った――緑に唾を吐きながら! だから俺は思ったんだ。この嘘つきの歌を止めてやるってな。それで奴にヴァレンウッド式の笑顔を刻みつけてやった。片方の耳から反対側の耳にかけてな。もう一度機会を与えられたら、またやるぜ。一瞬も迷わずにな!」

その後、私は「のっぽのアマネル」という、意外なほど礼儀正しいハイエルフと話した(後でわかったことだが、彼女は少し前に「ちびのアマネル」を錆びた銛で殺したのだ)。のっぽのアマネルの話の出だしは単純だったが、最後のほうの展開は不安を抱かせるものだった。「私は彼らの言葉でアプラックスと呼ばれる者なの」彼女は落ち着いた口調で説明した。「サマーセットで法を破ったハイエルフのことよ。通常は追放されて、カリアンという、私たちが皆持っている貴重な家宝を割られて、森とか下水道とか、アプラックスやハルキンドなど追放者が行く場所に住む。私は追放されてしばらく経つ。考えてきたのよ。犠牲者もいない犯罪と、若い頃の愚かな行動のために奪われた特権の数々について。だから、私は清算することにした。私は薪木の月のある涼しい夜、高位司祭の修道院に忍び込み、静かに扉を施錠した。楔までかけてやったわ。それから火をつけた。建物全体を浄化する綺麗な炎だった。誰も出てこなかった。出させなかったわ。私はそのすぐ後、司法官のもとに出頭した。それでわかったの。宗教組織のメンバーを十数人灰にしたら、カリアンを割られる程度じゃすまないって。まあいいわ。あの場所は嫌いだったから」

最後に、私は「スプリットウィロー」と呼ばれる、砂の髪をしたブレトンと話した。ギャング団の中でも一目置かれる魔術師である。彼の話し方は気味が悪いほど率直で、他の囚人たちの空威張りよりも遥かに恐ろしかった。結果として、私の不安は正しかった。彼は自分の犯罪のおぞましい詳細を即座に語り始めた。「人を喰うんだ」と彼は言った。「ウッドエルフがやる冗談みたいな喰い方じゃない(言っておくが、これはまったく荒唐無稽である。私は数えきれないほどのウッドエルフに会ってきたが、私と食事を共にした者はいなかった)。とにかく、俺はナミイラの信者だ。ナミイラの命令と情熱は明白だ。まったく恥とは思わない。大いに楽しんでいるし、ナミイラの贈り物は私の知恵の証明だ。どの種族が一番旨いか知りたいか?」言い返そうとしたが、彼は話を続けた。「ハイエルフだ。プライドと自己満足のおかげで甘い。意外かもしれないが、カジートよりずっと甘いんだ。まだ少しあったはずだから、味見してみるといい」。この時、私は自分の足が許す限り全速力で逃げ去った。そのすぐ後、私は船で出立した。

この話に付け加えることはあまりない。もしあなたがジャングルを前にして判決を待つことがあれば、慈悲が下ってアメノス以外の場所に送られることを願う。あそこは邪悪な地だ。忘れ去ってしまったほうがよい。

緑の大蛇の賞金Green Serpent Bounty

ジャングルで行方を消した三人の貴族を連れてきた者には報酬を出す。生け捕りにしろ。

超越騎士団は恩赦と、この悲惨な島から出る方法を約束した。追放者に対してもだ。

騎士団に直接近づこうなどとは考えるなよ。彼らは俺しか相手にしない。

貴族たちを逃したら、このジャングルのどこにいても俺の獣たちの歯から逃れることはできないと思え。迷子の貴族を見つけだし、自由を勝ち取れ!

ディーシュ・ジー