ハートと花

Hearts and Flowers

あなたの銀の毛皮Your Silver Fur

麗しき最愛のザリへ

水辺でまた君を見た。太陽のおかげで、君の銀色の毛皮がまるでよく晴れた日のように輝いていたよ。大使館を警護する務めがなかったら、僕はずっとその場に立ち尽くしていただろう。

ぜひ大使館に来て、僕の勇姿を見てほしい。一緒に食事でもしよう。

-名乗らずとも分かるはずだ

アヌラーメの涙Tears of Anurraame

かつて存在した輝く街、イロキルに、輝く王女、アヌラーメがいた。彼女の比類なき美しさ、気品、知性はアイレイドの貴族全てから嫉妬されていた。

やがて彼女は遠方の大きな街の王子と結婚し、タムリエルをまたぐ同盟が期待された。王子は強い身体と不屈の誇りで知られていたが、妻となったアヌラーメを深く愛していた。

しばらくの間2人は幸せだった。少なくとも、そう見えた。だが年月を重ねるうち、アヌラーメと夫の距離はどんどん広がり、情熱に代わって退屈な義理が生まれた。

やがてアヌラーメは、イロキルの若いチャンピオンと恋人になった。強く、若い光と力で輝くアヌラーメの恋人は、年老いて気持ちの離れた王子には与えられないもの…心躍るスリル、そして友情を彼女に与えた。

アヌラーメは、夫を恥ずかしめてはいけないと感じ、最初は浮気を秘密にしようとしていた。しかし、情熱の気まぐれな風に惑わされ、どんどん大胆になっていった。やがて彼女の戯れが明らかになった。

アヌラーメの夫は激怒し、妻を拒絶し、全軍をイロキルに送り込み、街を包囲した。アヌラーメは断固として夫と対決すると決意し、恋人に街を守るために軍勢を集めるよう頼んだ。彼はその願いを聞き入れた。

しかし戦争が始まった時、彼女の恋人の軍は、夫の軍の味方になっていた。彼の不滅の情熱は、金で買収された。

恋人の裏切りに絶望し激怒したアヌラーメは、敵を蹴散らし街を守る手助けを、デイドラに求めた。メファーラはそれに応え、アヌラーメに全ての涙を器にためるよう命じた。そしてメファーラは、その涙を裏切り者の恋人への王女の怒り、王女の強い愛から生まれた怒りの力で満たした。

力を帯びた涙はアーティファクト、「アヌラーメの涙」に姿を変えた。戦いが始まり、アヌラーメは街で一番高い塔にアーティファクトを運んだ。街の壁の外で暴れる軍に向けて、彼女はその力を解放した。瞬く間に、軍勢と街は破壊された。

イロキルの残骸とアヌラーメ自身が荒れ果てた墓地となったが、アヌラーメの涙は破壊されておらず、瓦礫の中に眠ったまま見つかっていないという噂が、ずっと長い間残っている。

アルヴスの日記Aluvus’ Journal

フェアーの北東で、ようやくアイレイドの墓地の入口を見つけた。どうやら放棄されたようだ、その秘密を探索するのが楽しみで仕方ない。明日は徹底的に探索を行う予定だった、だが昨晩、宿屋「ソルテッド・ウィング」で、今まで見たことがないほど魅力的な女性と出会ってしまった。

今夜また彼女に会えるといいのだが。彼女はものすごく色白で、まるで光り輝いているかのようだった。そしてあの唇…彼女の唇はこの世で一番刺激的なルビーのように赤かった。今度こそは勇気を奮い立たせて、何としても彼女に話しかけてみせる。

アンジェンテの候補者リストAngiente’s Book of Prospects

ヴラスタルスの候補者:

アツゴル:嫌われてる。この間彼女に話しかけたら殴られた。

ブリティア:偉そう。あと俺を嫌ってる。

エミッタ:俺のことを無視する。きっと誰かに何か吹き込まれたんだろう。

エニグタール:嫌われてる。

アーニルス:俺のことを好いているが、タイプじゃない。

グラバッシュ:嫌われてる。多分名前をもじって下品なジョークを言ったせいだろう。

ジュラナ:嫌われてはいないが、尻尾が気持ち悪い。

ペインツ:芸術肌すぎる。彼女も俺を嫌ってる気がする。

タランネ:落ち着きがなさすぎる。彼女のそばにいるだけでヒヤヒヤする。

ティーリル:新参者。まだ嫌われていない。

イソベルからの手紙Letter From Isobel

我が友よ

トーナメント会場の外で会った日から…私の人生は変わった。あの時の私はとにかくイライラしていた。浜辺にいるのに、太陽とソルトウォーター・タフィが多すぎるとボヤいてる人みたいに。君が来てから私は黙り、自信が持てるようになった。君のおかげで、集中できるようになった。

人生には全ての焦点が合うことがある。全てが正しく並ぶように思える。他にこんな経験は一度しかない。

小さい頃の話だが、ゴンファローネ湾近くの古い洞窟をうろついていた。父と一緒に何度か来た場所で、探検しては冒険者のまねをしていた…でも、その日は違った。洞窟のより深いところに行き、古い板を踏み抜いて落ちた。ひどい落下ではなかったけど、着地の時に足首をひねってしまった。

私は闇の中で孤独だった。痛くて泣いてた。その時…その、笑わないでくれよ?

その時、私は光を見た。他に何をしていいかわからなかったから、私は祈った。その時、手が光り始めた。戦闘中に何度か呼び起こしているような力じゃないが、見ることができた。持ち物を集め、涙を吹き、木を拾って杖にして、出口を探すことができた。

私の人生はその時変わった。それから祈りを止めたことはない。

君がステンダールのようだと言うつもりはない。その…うう。君も素敵な形で、私の人生を変えてくれた。この話はほとんど誰にもしたことがない。オーレリアにさえ。だから…あまりしゃべらないでくれ。

とにかく、今は未来が楽しみで仕方がない。君に仕えていると、冒険に次ぐ冒険が待っている。

– ハイ・アイルの騎士、イソベル・ヴェロイーズ

PS:次に機会があったら、小説を貸してあげよう。「目覚めの時」と「守られた薔薇」は本当に素晴らしい。ああ!「不服従」も!大丈夫。きっと気に入る。

エイドリアンへの愛のメモLove Note to Adrienne

愛しきエイドリアン

君を本当に恋しく思ってるんだ、最愛の人!最後に会ってからまだ1日も経たないがもう我慢できない。1時間後に二人の特別な場所に会いにきてほしい。私はワインと食べ物を持っていく。そちらは素敵な君自身だけで構わない。

遅れないようにね、愛しい人!

-アーニング

エジーズ・エイクスへTo My Azeez-Eix

私の陽花弁よ、今日はあなたと会うことができない。父が私たちを疑い始めているの。もし見つかったら、絶対に許してくれないでしょう。次の央耀にもう一度、行ってみるわ

そのときまで、私の愛しい人

-あなたのラリシー・ドーレスより

エンナへの愛のメモLove Note to Enna

愛しきエンナ

君を本当に恋しく思ってるんだ、最愛の人!最後に会ってからまだ1日も経たないがもう我慢できない。3時間後に二人の特別な場所に会いにきてほしい。私はワインと食べ物を持っていく。そちらは素敵な君自身だけで構わない。

早まらないで、遅れないようにね、愛しい人!

-アーニング

エンバーからの手紙Letter From Ember

ねえ

きっとこれはじめじめした手紙になる。ごめんなさい。あなたの前ではいつも元気でいたいんだけど、あなたはいつも私を素敵にしてくれる!つまり、これはあなたのせいね

とにかく、ジャカとシルバースリップを取り戻せてよかった。お互いに年を取ってから会うのは不思議な気分。いろいろなことがあった。シルバースリップは吸血鬼になり、ジャカは奴隷にされた…もう、どうやって話していいのかわからないんじゃないかって怖かった。でも、元に戻ったわ。また子供に戻って、何も変わっていないみたいだった。シルバースリップは私たちをからかい、ジャカは心配になるくらいのチーズパイを食べながら瞑想してた。

彼はあなたのために祈っている。私たちをここに集めてくれたのはあなただから。あなたの名が会話に出ない日はない。あなたは気に入らないかもしれないけど、あなたはもうこの小さな家族の一員になった。ソングが戻ったら、それで家族がそろう。

でも、それだけじゃない。あなたは私にかけがえのないものをくれた。みんなが連れ去られた後、私は長いことびくびくして、胸に穴が開いたような気分だった。人生とはそんなものだと思ってた。魔法を学び続ければ、少なくとも自分のみじめな人生を考えずに済むと思ってた。でもあなたと仲良くなってから、どうにか友達のことを打ち明けることができた。あなたが胸に空いた穴を埋めて、傷を癒してくれたみたい。あなたは疲れを知らない。私の友達を助けるために、何度も自分の身を危険にさらしてくれた。知りもしない人のために!あなたは私のために命をかけてくれた。それを忘れることはない。

私は冗談がちょっと…その、かなり多くて、苦労をかけてるとは思うんだけど。今は本気よ!あなたは私の友達を二人救ってくれただけではなくて、幸せとは何かを思い出させてくれた。今ではシルバースリップやジャカと再会して、日々ソングの捜索を進めている。こんなに心強かったことはない。私は…どれだけ感謝しても足りない。手紙を書いても足らない気がする。あなたが必要になったら、いつでも駆けつけて感謝を示すしかないかな?

トラブルメーカーの二人と出かけたくなったら教えてね。シルバースリップはあなたと腕相撲がしたくてたまらないみたい。準備しておいて。

もう一度言うわ。本当にありがとう

– エンバー

おお、祝福された紡ぎ手O Blessed Spinners

おお、祝福された紡ぎ手よ

我が名はウルソーン、私にはあなたの知恵が必要だ。私の恋人が去ってしまった。彼女なしの人生など意味がない。彼女だって行きたくはなかったが、それが運命だと彼らは言った。

私は運命など信じない。物語の道筋をたった一つの言葉で変えることができるのに、なぜ運命が存在し得る?数えきれない日々を祈って過ごしてきた。すべてのために。忘却のために、解放のために、奇跡のために。

私は今、あなたに祈る。私とグワエリングは離ればなれになる運命なのか?もう一度彼女といっしょにいられるなら、何でもするしどんな代償でも払う。最後にもう一度だけ彼女を抱きしめるためなら、何千もの生涯だって諦めるだろう。頼む、力を貸してくれ。

カティーナへの愛のメモLove Note to Catina

愛しきカティーナ

君を本当に恋しく思ってるんだ、最愛の人!最後に会ってからまだ1日も経たないがもう我慢できない。2時間後に二人の特別な場所に会いにきてほしい。私はワインと食べ物を持っていく。そちらは素敵な君自身だけで構わない。

早まらないで、遅れないようにね、愛しい人!

-アーニング

ガリルの日記Garil’s Journal

セラ、僕の愛する人。君がいつかこの手紙を読むことはあるのだろうか?僕たちを離れ離れにした山賊の攻撃から君は生き延びたのだろうか?君の強さが、今どれほど僕に必要か。

ダナスは正気を失ったよ。僕はそう確信している。キャンプから僕を追い出し、黙らせるために閉じ込めた。彼は君に、僕が伝染病に冒されていると言ったか?それとも、彼は…いや、それが現実になるといけないから、言葉に書くのはやめておこう。

他の皆が口に出せないこの事実を知ってさえいれば!今でさえそのことを考えるだけで怒りがこみ上げる。ダナスがキャンプに運んでくるあの肉。人々を生かしているあの肉は…死者の肉なんだ!

皆、ダンマーの肉を食べているんだよ!

カルディアの父への手紙Cardia’s Letter to Father

愛しいお父さん

理解してくれるといいのだけど…ダリウスは本当にハンサムで優しい人なんです!彼は他のスフィンクスモスの山賊たちとは違います。彼はただお金を貯めて、私たち2人のために農場を買いたいだけなんです。彼と一緒に行くしかなかった理由を理解してください。そしてどうかお願いだから、お父さん…私たちを追おうとしないでください。ここにいるのは危険な人々です。私はお父さんにケガをして欲しくないのです。

あなたの娘

カルディア

追伸:母の指輪を持っていってしまってごめんなさい。でも、ダリウスには婚約指輪を買えるだけのお金がなかったんです。

カルディアへのメモNote to Cardia

愛しきカルディア

最後の仕事で稼いだ財産で、とうとうこの山賊団からおさらばできそうだ。ストーンファイア教団から報酬を受けたら、すぐにここを去りたい。一緒に逃げて、ずっと欲しかった小さな農場を買おう。君のお母さんの指輪をなくしてしまってすまない。ここを逃げ出したら、すぐに新しい指輪を買うと約束する。

愛をこめて

ダリウス

クラーンドーの日記Klaandor’s Journal

私の体に流れる血の呪いは問題ではない。やがて死ぬのも仕方のないことだ。後悔は、ヴィクトレールに二度と会えないことだけだ。少なくとも、二度と会わないことを祈っている。

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意思が弱まってくる。思い返してみる。今まで見てきたどんなものよりも、ヴィクトレールが美しい。ショーンヘルムのあの夜からずっと、私は彼女のものだ。

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リベンスパイアーには二度と戻らない。死ぬまで、そして生まれ変わってもだ。哀れみはいらない。私は私の人生を生き、誰にも見つけられないような本当の愛を見つけた。愛は永遠に私を暖める。ヴィクトレールも同じように、幸せな気持ちになってほしいと思う。

血の呪いは、私のほぼ全てを奪った。私が持つ肉体は、懸命に反抗している。おそらく、ショーンヘルムにある私たちの泉の近くにいる愛する人に、最後にもう一度会うくらいの時間は稼げるだろう。

– – – – – – – – – – – – – –
時が来た。ショーンヘルムには、これ以上近づかない。誰か私をすぐに殺してくれないかと願う。私を殺してこの日記を読んだ者よ、ありがとう。愛するヴィクトレール、が死ぬよりも酷い運命に遭わずに済んだのだから。

最後に頼みがある。ここに記した言葉とアミュレットを、ショーンヘルムにいるヴィクトレールに届けてほしい。彼女は悲しむだろうが、知る権利がある。

クラウディの日記Claudie’s Journal

モーリス様が召使としての仕事以上に、私に関心を持っている気がしてしょうがない。ここ数週間、私が食卓に夕食を運んだり、ワインを注いだりするときに数回チラリと見た。ただ微笑んで私の目をのぞきこんだ。まるで私が対等みたいに。単にそこでフラゴンを満たしたり、汚れた皿を片づける若い女ではなく、本当に気にかけている誰かみたいに。どう考えていいのかわからない。たぶん想像しているだけ、毎日給仕したり片づけたりしなくてもよかったらと夢見ているだけなのかも。夢、だけど本当になったらいいと思う。願ってもいいわよね?

想像ではなかった!今晩廊下でモーリス卿は私を脇に引き寄せた。そして結婚してるのか、家族はいるのかと訊ねた。無言が私のよい答だ。あの人はとても――どんなことばを探しているのかしら?親切?違う?あの人のお父様とお母様は単純な失敗で私を繰り返しぶった。でも息子は全然違う。とてもいい人。今でも信じられない。また私に会いたいって。ふたりだけで。何もかもどう考えたらいいのかよくわからない

モーリス卿がまた私のところへ来た。話があると言い、私の手をとり、夜の中へと誘った。手をつないで、私たちはこっそり庭を歩き回り、月の下でベンチに腰を下ろした。彼が私を見るさまに背中がぞくぞくした

私たちの愛は許されない。彼のような裕福な貴族と、ただの召使の私。それでも私たちは深く愛し合っている。あの人はもうすぐ私たちの愛を両親に打ち明ける計画を立てている。うまくいくといいのだけど。

クラリスへ——付き合ってくれ!To Clarice—Be My Darling!

私の愛しいクラリスよ、私はどこを見ているときも
君のことを考えている。空には
ガチョウの群れ、そびえたつ雲。
君の茶色の目を思い出させる。
森の中で子鹿を見ると、
君の黄褐色の髪のことを考える。
イリアックを航行すると
波が起こるたびに必ず
その谷と山に君を見る…
おお、酒場のクラリスよ、私の恋人になっておくれ!

署名

一等航海士(分かるよね?)ジョルジュ・プロウフェ

ここにケヴァル眠るHERE LIES KE’VAL

愛する夫にして叔父よ

来世で安らぎを見いださんことを

コランドールへTo Colundore

最愛のあなたへ

またしても、あの生き物に勝ることをするとは。普段なら内臓摘出に胸が高鳴ることはないが、そのナイフとノコギリの腕前には胸が震えた。冷たい夜の空気に響く彼女の甲高い悲鳴は、夏のそよ風の中でハトが歌っているかのようだった。

黒焦げになった肉体から漂う芳香は、まるで天国の匂いそのものだった。そちらの仕事が終わったら、あなたの部屋まで会いにいこう。もし良ければ、今夜はあのナイフを使うのもいい。

愛を込めて

ファラレル

「ザリ」からの偽手紙Forged Letter From “Zali”

愛しのマオマー王子へ

あなたのことを考えると、私の頬は熱くなります。でも、私たちの愛は不可能なのです!最後にあなたと会った場所で待っています。急いでください、私の気持ちが変わってしまう前に!

——ザリ

ザルクセスとオグマXarxes and Oghma

タンデリース 著

「結婚するの」女は声に出していった。「ザルクセス、これは私が望んでいることなの?それとも使命なの?」

男は女の本から静かに顔を上げ、彼女を値踏みした

「結婚とは2つが1つに交わることだ」男はそう言うと、落ち着いた色のダーク材の杖で土に川を描いた

「これが1つ」ザルクセスは言った。彼は再び描いた。地形が変わり、新たに形成された崖を2つに分かれた川が流れている。男はその端に進み、女を呼び寄せた

「2本が1本になる」滝壺で1つに交わる双子の滝の先端を指さしながら、彼女の耳元で優しく言った

「じゃあ、結婚すべき?」

「人は1人でも遠くまで旅をできる。2人でもね。どちらをお望みだ?」

ジャジッシュへの手紙Letter to Jazish

ジィーヤの親友のジャジッシュへ

憂鬱な気分でこれを書いているわ。ハイエルフは興味深い人達で、よそ者として軽々しく扱うべきではない。彼らの振る舞いは完璧よ。真面目な気質に見えるけれど、言葉の1つ1つに真意が宿ってる。一見無害な批評ですら彼らにとっては大変な侮辱になることもある。ある意味、彼らはカジートのよう。気の利いた繊細さは持ち合わせていないけれど。考えるまでもなく、ジィーヤは常に皮肉を心得てるわ。

バーン・ダルが私の言葉を祝福し続けてくれることを祈ってる。ジィーヤがいまだにあんな人々とつるんでいるのが不思議だけど、ファーストホールドは確かに利益になる。仕事が続けば、ジャジッシュにもすぐに会えるかもしれない。

愛を込めて

ジィーヤ

スイートな暮らしSweet Life

砂糖まみれ 著

1回、2回と、私の毛皮にブラシをかけて、最高の輝きを引き出す。唇は鉤爪と同じく赤で塗られている。血のような朱色に。殺したばかりのように明るい色。私の目は黒で縁どられている。

毎晩出かけるときのどよめき!とても多くとても熱狂的。彼らは私の砂糖がけのお菓子を一口と懇願する。私のクリームの最初の一掬いのチャンスをくれと。けれど私は歩き続ける。頭の上に盆を載せバランスをとり、左右にはろくに目もくれない。

御馳走に触れてもいい、私の手で用意した甘いクリームを舐めてもいいのは一人りだけ。彼だけ、他にはいない。

そしてそう、私は家から広場を抜けて聖堂へ向かい、すべてをアルコシュに捧げる。私の砂糖、私のタルト、私のミルク、それから甘いクリーム。どの贈り物も愛を込めて準備した、それから彼の祭壇に置く。

最初の猫が私の捧げ物を受け取り、愛のこもったファースト・キスの恍惚で私を満たしますように。

ソニヤへの手紙Letter to Sonya

ソニヤへ

なぜ君に書き置きを残し続けるのかわからない。君と子供たちがいなくなってから10年以上になるのに。たぶん、こうすることでましな気分になる。自分がしたことはひどいことじゃなかったと思わせてくれる。私がしたことは、必要なことだったんだと。

君はすっかり変わってしまった。別人になった。でも私は、自分が愛したあの女性をいつまでも覚えているだろう。3人の美しい娘を与えてくれた、あの女性を。それが、私が胸にいつまでも抱くであろう女性だ。

でも君は、あの教団から来た見知らぬあの男に出会って変わってしまった。私の留守中に、娘たちを教団に引き込んだ。君があの子たちを堕落させたんだ!

それに関して、私は君を絶対に許さないだろう。でも君を愛することを止めることもない。私はジョルン王の軍隊に入隊して、ジョルン王陣地に配属されている。今、王には私たちが必要だ。特に、彼の兄弟フィルジョアと、オークたちが大陸にもたらす脅威を考えれば。戦いに倒れるか、この戦争が終わるまでは、王と共に旅をすることになるだろう。王の儀仗兵になりたいと思っている。

ソブンガルデで会ったら、君はもう1度私が恋に落ちた時の女性になっているかもしれないね。闇の魔法を信奉するような女性ではなく。私が殺さねばならなかったような女性ではなく、ね。

愛を込めて

ハッドマル

ダーラネスの日記、1ページDalaneth’s Journal, Page 1

蒔種の月3日
紡ぎ手が説明した地に父が案内してくれた。あるのはモーロッチを祭る祠だけで、ドラブログがここに何十年も住んでいるようです。でも、ここが私たちの先祖の地であると紡ぎ手が宣言した以上、対処しましょう。

オークが言うには、ボズマーは村の下にある洞窟を祠として使ったそうです。他にどんなボズマーがここに住んだのでしょう?彼らの物はあまり残っていません。

私は、紡ぎ手サンダエリオンが歴史を記録する手伝いをしています。彼は執筆しませんが、私たちが港にいたのがいつかを学びました。走り書き、ひたすら走り書き!私が今やっていることと言えば、それだけです!

ダーラネスの日記、2ページDalaneth’s Journal, Page 2

蒔種の月10日
面白いオークに会いました。ここ数日彼と会っている間、彼は気まずそうに目をそらしていました。大抵のオークはかなり粗暴ですが、彼が本を持っているのに気がついて質問しました。それから彼は内気な態度を忘れ、私たちは昔からの友人のように話したのです。

私たちは一緒に食事をして、彼は名前を教えてくれました。名前をどう綴るのかは分かりませんが。

彼は、オークの呪術師が書いた本を持ってくると約束してくれました。紡ぎ手サンダエリオンが喜ぶでしょう!私の新しい友人に、今作っているガラスの剣をあげましょうか。

ダーラネスの日記、3ページDalaneth’s Journal, Page 3

恵雨の月22日

これまでウラガシュはオークについて本当にたくさんのことを教えてくれた。彼のクランが自分のクランと同じくらいたくさん引っ越しをするなんて、知りませんでした。私たちがモーロッチとイフレの違いについて話していた時、ヤマグ(彼らの呪術師)が入ってきました。ヤマグは私たちの神々のどれもモーロッチとは比べものにならないと言い、私を叩いた。ウラガシュは彼に殴り返したのですが、その時私は、ウラガシュの母親がクランの首領であることを知ったのです。

激怒したウルカーズ族長は、私の父親との会合を求めました。彼らはこれに関して、何も理解しないでしょう。

ドゥルキの日記Dulkhi’s Diary

フェデリックは明日ウェイレストへ出発する。アーリエは悲しみで打ちのめされている。顔を見れば彼女がどれだけ彼に行ってほしくないか、はっきりと分かる。私が旅立つとして、彼女は同じ顔を見せるだろうか?

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廊下の床を磨いているときにアーリエの部屋から嗚咽が聞こえた。彼女がこんなに悲しいなんて間違っている。私にできることがあるかも知れない。

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アーリエに花を渡した。まだ悲しんでいるけど、笑顔を見れてよかった。

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エドラルド男爵と狩猟に行った。狐を見つけるまではすべて順調だった。追いかけたけれど森ではぐれてしまった。抜け道を探そうとしていた時、熊に出くわした。馬が驚いて私は近くの岩に投げ出された。それから熊が攻撃しようと立ち上がった。男爵が見つけてくれなかったらやられていた。

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アーリエに自分の気持ちを伝える決心をした。待つには人生は短すぎる。

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状況をさらに悪くしたみたい。アーリエは泣いて走り去った。もちろんそうなるでしょう。フェデリックと張り合えると考えたなんて!

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フェルズランのワイン樽を積み下ろしていたときにアーリエが顔を見にきた。古い風車まで会いにくるように頼まれた。

何時間も語り合った。フェデリックについて。私達について。もっとたくさん一緒に過ごすべきと言って、私といると話ができて、あまり寂しくないと言う!

でもそれで終わりじゃない。話をしていたときに男爵夫人が風車にやってきて、二階に何かを隠した。見られたとは思わないけれど、これからはもっと慎重になろう。

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今日男爵がやってきて、アーリエへの態度は何かと聞かれた。アーリエは母に私のことを伝えて、とても困惑している。

男爵には私の気持ちを伝えて、アーリエを傷つけることは絶対にしないと言った。立ち去っても構わないとも言った!

男爵にその必要はないと言われた。理解してくれているようだ。

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ショーンヘルムから積荷を受け取った。珍しいものだった。大量のパウダーと乾燥植物、そしてかすかに光る貴石の何か。男爵夫人に言われて保管に地下室へ行った。

不思議ね。地下室の匂いでアーリエの祖母を思い出す。

ナヴィールの薔薇、第一部The Rose of Navire, Part the First

近くへ、そして遠くへと、彼女はさまよう

あの人が帰る時、私の心は迷う…
戸惑う
(韻を踏む必要はあるか?)

私たちの愛は、あなたに知られぬ絆

私は考え、飲む。

あの人が戻った!そしてまたいなくなった。

ゴンファローネに消ゆ

私もまた消えるべきか

ナヴィールの薔薇、第二部The Rose of Navire, Part the Second

暗い色の目、私はそれを好む。彼女はワインを飲む。

私とではなく。あの人は海へ行く。

あの人はなぜ私といられないのか?あの人は私を見られないのか?

気づくだろう、波止場に立てば。そして一週間も、時が経てば。(波止場に韻?)

(もっと情感に訴えるものが必要だ。血や心臓を思わせる語を加えるか)

ナヴィールの薔薇、第三部The Rose of Navire, Part the Third

砂が私の靴の中に。そして心の中にも。

オーレリアと私は離れ離れ
私は愛を伝えに行った
希望とワインに満ちて

私は隅で吐き
私ではないと嘘をついた。
彼女は優しかった
そして彼女はいなくなった。

私は1年と1日、海を見つめた。(日の出について何か言う?)

ナジャンの日記Najan’s Journal

蒔種の月、9日

またつまらない夕食。焼いた子羊と瓜。驚くべきじゃなかったらしい。アデーナは、日の出くらい行動が読める。正直言って、私の山羊たちの方が私よりも楽しい人生を送っていると感じる時がある。山羊たちを遺跡に連れてくるたび、まるで初めて来たかのような様子を見せる。うらやましい。だが、ナジャンとアデーナにとっては毎日に変化はない。同じ食事、同じようなぎこちない会話、同じように退屈な夜の営み。彼女に対して怒ることさえできない。テーブルの向こうを見て感じることは… 何もない。

蒔種の月、12日

信じられないものを見つけた。サンダルについた糞を落としている時に、小さい山羊のフスルが走り去った。追いかけていくと、遺跡の下にある地下室に入っていた。中は暗いが、ロウソクが必要なほど暗くはなかった。古い青い石が柔らかく光り、音を出していた。ただの冷たく濡れた石だったが、この場所に招いているような何かがあった。この場所を「フスルの洞窟」と呼ぶことにした。もっと詳しく探索するのが待ちきれない。古い本が何冊か、読まれるのを待っているのはすでに発見した。

一方で、またアデーナと味のない食事を我慢しなくてはならない。彼女はいつも、美味しかったかと聞いてくる。私の服を洗おうと言ってくる。ラプトガよ、お助けください。

蒔種の月、16日

何かを発見した。全てを変えてしまうような何かを。発見した古い本の1冊をパラパラとめくっていた時、ページの間に挟まっていた、かすかに光る何かを見つけた。それは護符だった。最初は単純なものに見えたが、泥と埃を落としたら、ものすごく価値の高いものに見えてきた。

その時、現実とは思えない女性が現れた。彼女は測り知れないほど美しい女性だった。彼女を見た時にほとんど話せなかったが、彼女はとても優しく、ただ微笑んだ。優しい、かすかな笑顔だった。心が休まって、自己紹介するまで長い時間がかかった。

彼女はアネクシールという名だった。遺跡にいる古代の精霊で、聖人のようなものだと思う。それ以上に偉大なものだと、私には感じられた。彼女の目はオアシスの水のようで、彼女の声はまるで… ああ、何てことだ。まるで詩人気取りだ!認めるしかない…この霊魂と恋に落ちた。もし彼女が生きた存在だったなら… 自分のものにするのに。

蒔種の月、18日

苦しい。私が欲しいのはアネクシールだけだ。彼女への愛は日ごとに高まるが、一緒になることはできない。彼女は今も、二重に呪われた遺跡に囚われた、実体のない断片だ!彼女に惑わされている!かすかに光る絹を身にまとい、実体のない指で私の肩をたどる。何て… 親密なんだ。彼女に私の気持ちを伝えなくては。彼女は、考える時間がほしい、と言った。すべてを台なしにしていないことを願う。

蒔種の月、24日

彼女は私を愛している!思ったとおりだ!愛しいアネクシールは、今日ついに私に愛を告げたが、彼女まで不幸になってしまった。神よ、救いたまえ。

蒔種の月、25日

彼女には計画があった!愛しいアネクシールは地下室のホールを歩きまわって考えた。何日も考えていたかのようだった。彼女は私の元に来て、肉体を持つことはできるが、それには「器」が必要だ、と言った。入りこんで中で生きていくための誰かが必要だと。どういう仕組みなのかは分からない。分かっているのは、その容器は血の中にある魔法がある必要がある、ということだ。私は失望しかけたが、妻のアデーナのことを思い出した。彼女の中には、ずっと魔法がある。彼女の母親は「きらめき」と呼んでいた。きっとそれで充分だろう。充分に違いない。

明日、妻をここへ連れてこよう。

ナダファの日記Nadafa’s Journal

夫のギランを愛している。心から愛しているわ。でも、なぜだか私はあのよそ者に惹かれる。

背が高く青白いあの人に会ったのは、眠れないある晩のことだった。ギランが静かに寝息を立てている寝台を抜け出て、分厚いローブを着こんで夜の外気にあたるため外に出たの。そこで暗闇を見つめていると、彼と目が合った。木によりかかり、陰に溶けこんでいたけれど、視線を感じたわ。孤独みたいだった。熱望。空腹。恥ずかしくて一瞬目をそらしたら、次に見た時、彼はもういなかった。

昨晩姉妹のところで夕食をとって家に戻る時、また彼を見たの。私を見ていたわ。最初は怖かった。ギランにこの厚かましいよそ者のことを言おうかと思ったけれど、なぜかできなかった。

この何週間かであの青白いよそ者を何回か見たわ。ギランが私の気持ちを知ったら、すごく怒るでしょうね。でも彼が心配するようなことは何もない。あのよそ者が私の好奇心をくすぐっているのは認めるわ。あきらかに彼もそれに気がついてる。それでもただの妄想なの。それだけよ。

* * *
青白くハンサムなよそ者は、夢の中にまで出てくるようになって眠れない。また会いたいの。でもどうやって?名前さえ知らないのに。ああ、どうしてこんなことになったのかしら。ギランが今夜ノースポイントの番に行ったら、家を抜け出てあのよそ者を探してみようかしら。彼の暗く深い瞳を見つめて、冷たい唇を私の首筋に感じて…

ナファリオンのメモNafarion’s Note

最愛のフェラウェンへ

制御できると思っていた。そんなものはただの幻想だったのかもしれない。だが渇きはどんどん大きくなっていった。そして私は…ある人を襲った。殺してしまった。一番悲しいのは、そのある人が君の母親だったことだ。

私たちの婚約は、私にとっての全てだ。君は私にとっての全てだ。だが、なぜ逃げるのかは理解してほしい。私が吸血鬼になったことを誰かが発見しようものなら…私たち両方の家が苦しむだろう。私は消えてしまったほうがいい。

今でも思い浮かぶ。リランドリル、海から吹いてくる涼しいそよ風。喜びに輝く君の顔。太陽を浴びながら、二人で通りを歩いた。本当に、心の底から思う。もう一度だけあの輝きを見ることができたら…

私はこの手紙を君に届けることを決心した。私の家のペンダントも一緒だ。これがいくらかでも慰めになってくれることを祈っている。私の形見だ。でも今の病状では、君に感染させてしまうかもしれない。私がもう一度渇きを抑えられなくなったら、どんな危険に君をさらすことになるか。誰にも分からない。

こんな生活をいつまで続けられるのかわからないが、君には真実を知ってほしかった。どうか理解してほしい。これは君のためにしていることだから。

愛をこめて
ナファリオン

ヌレスへのメモNote to Nurese

助かる方法がある。2週間前話題にした遺跡で落ち合おう。教えておいたやりかたで扉を開くんだ。ヴィサンヌを連れてくるといい。中に入りさえすれば、私たちは安全だ。

-R

ネドラスの日記Nedras’ Journal

ここには何も残っていない。姉妹と一緒に懸命に生きてきたのに、ジェンディノーラの病状は日に日に悪くなっている。南のジャングルから来た「人食いエルフ」など、誰も雇おうとはしない。愚か者どもめ。形のおかしな耳と、ゴミの臭いがする息の巨人たちめ。

きっと良くなる。病気に効く香油を買えるようになるから、とジェンディノーラに約束し続けた。私は嘘つきだ。良くなんてならない。

彼女をこのノースポイントに残して、香油を買うためのお金を稼ぎに行かなくては。でも、緑に誓って、姉妹をこのまま死なせはしない!

– – – – – – – –
ビターハンドに入って数日しか経っていないけど、三か月働いた分の金が稼げた。そのほとんどはノースポイントにいるジェンディノーラに送って、それなりの剣を買うための分だけを手元に残している。

どうやって稼いでいるかは、彼女には言えない。血で汚れた手を見られたら、今の自分を知られたら、彼女は病気になってしまう。ただ、彼女はすでに病気だ。知らなければ、傷つくことはない。

– – – – – – – –
ビターハンドを追う兵士の数は、日に日に増えている。前回のパトロールから、やっとの思いで逃げた。いずれ私は死ぬ。それは分かっている。他の連中がこっちを見る目で分かる。訓練も受けていないし、度胸もない。

彼女をとても愛している。もう一度彼女に会いたい。他の方法があればよかったのに。でも、死んだ時に家族を守ったと思いながら死んでいける。大切なジェンディノーラを。

パシュ・リハへTo My Pash-Riha

私の夜の星よ。今日はあなたに会うことができない。兄弟が私たちのことを疑いだしている。もし見つかったら、ひどくぶたれると思うと恐ろしい。次の金耀、そちらへまた伺えるか試してみるわ

そのときまで、私の愛しい人

-あなたのラリシー・ドリース

ピクニックのメモPicnic Note

愛しき人へ

いつもの場所に会いに来てくれ。君の好きなワインもあるし、君へのとても特別な質問がある。

敬具

M

ヒストの炎The Hist’s Fire

ペガリーム 著

私たちの馴れ初めについて聞いて来る人が少なくない。まるで、アルゴニアンにはエルフのような人生の喜びが経験できないとでも言いたげに。

信じられないような話だけど、私が夫と巡り合った経緯は一風変わっていた。私はヒストが私たちに語りかけたに違いないと思っている。2人が出会って恋に落ちざるを得ない場所に、必ず集うようにと。それまで私は心の奥底で、きっと一生結婚しないだろうと信じていた。

きっかけは思わぬ時に訪れた。私が雑然とした店内をできるだけきちんとしようと商品を片づけていたとき、突然、私自身の声が心に響くのが聞こえたのだ。「彼を待つのよ」。

「何を待てですって?」片づけに没頭していた私ははっと我に返り、思わず声に出していた。

答えはない。

めったに物に動じない私も困惑し、急に振りかえった拍子にランプを倒してしまった。火のついた油が弧を描いて部屋の向こうに飛んでゆく。

油は部屋じゅうに飛び散った。積み重ねた生地の束、散らかった紙、床のあちこちに落ちている藁…。一瞬にして、慎ましい光源が物で一杯の部屋を燃えさかる炉に変えた。

天井から吊るした干しハーブを真っ赤な炎の舌がチロチロと舐めるのを見て、私は熱と煙が渦巻くなか、自分が呆然と立ち尽くしているのに気づいた。

そのときほど小屋が広く思えたことはない。煙で暗く、炎だけが明るく輝く小屋のなかの空気は、木がきしむ鈍い音に満たされていた。私は目をすがめて炎と煙を透かし見、手で口を覆うと、よろめく足取りで、遠ざかっていく一方の扉を目指した。

「誰かいないの?誰か?」

「いるとも!」

私が戸口にたどりつくと同時に勢いよく扉があき、その瞬間、炎がほとんど喜びを爆発させるかのように上に向かって噴出した。そのとき黒い腕が私の腕をつかみ、私を外に引っ張り出して小屋から遠ざけた。

「怪我はないか?」

咳き込みながら、私はかぶりを振った。「大丈夫よ。でもお店が…」

二人とも後ろを振り返った。小屋のなかに閉じ込められて荒れ狂っている炎は、湿ったわらぶき屋根という好敵手に出会っていた。

「助けてくれてありがとう」私はそう言って、命の恩人にようやく向きなおった。

目を合わせた瞬間、2人はすべてを悟った。ヒストがお互いを相手に選んでくれたこと。そして二人とも、もうそれ以上待つ必要はないことを。

ファランデールの日記Farandare’s Journal

とうとう答が!夢の中で、ファリネスティを連れ戻すという目標を叶える、手助けをしてくれる力を持つ者を見た!もうすぐ。きっとすぐだ。もしかしたらまた日耀かもしれない

日耀だ。年が重要なのだろうか?月が?私たちが初めて会ったのは日耀。そして何年も経った日耀に彼は消えた

信者と一緒に、他のファリネスティの地に巡礼した。だけど日耀に夏の地で会ったのを思い出した。そして彷徨う都市が戻ってきたら、そこは谷になる

そしてもちろん私は正しい。夏の地とオブリビオンの間の溝は、都市がどんなに近いかを示している。夜には時々実体化するポータルに、瞬く光が見えることがある

私たちはまもなく一緒になり、別れていた長い長い年月は何の意味もなくなる。それは私が、初めて彼の手に手を重ねた日耀のようになる

フィリリアへの手紙Letter to Firilia

フィリリア

長い年月が経った。私は失敗した。分かっている。これを書いている今でも、君がこれを読むことはないということは分かっている。

薬は手に入れた。約束したとおりに。初めて家族の力になることができた。だが戻って見たら、ここからファリネスティが消えていた。

これを読んでも信じてもらえないだろう。今でも私は役立たずなのだろうか?君の娘の病気は治ったのだろうか?彼女は私のことを知らないだろう。その時でさえも、私は君たちの側にいてやれなかった。なぜ償うことが許されないのだろうか?私は誤りを正したい。誤りを正そうとしていたのだ。

フェイネ・ヴィルダンの日記Feyne Vildan’s Diary

薄明の月28日

ジャ・リートが出て行くと言った。私の元からではない、正確には。ブラック・マーシュに行くのだ。生まれてから一度も行ったことはない。でもどうやらファル・クソクという名の者がそこで助けてくれるらしい

彼は途切れ途切れに、自分がどんなふうに壊れてしまったと考えているか話してくれた。私は今のままで愛していると言った。問題じゃないと

彼は私を見て、そのことで一度でも傷ついたことがあるか訊ねた。私はうなずくしかなかった

「それなら話は違う」と彼は言った。「問題だ」

私は泣いた。彼も泣いた。私たちはそれ以上何も言わずにベッドへ行った

恵雨の月19日

今日じわじわ湿地に着いた。私たちのための家が用意されていた。本当はジャ・リートのために……私のベッドはなかった。私たちが共有していたものを捨ててきたことをジャ・リートに怒った。父の奴隷制大農園を引き継ぎ、健全な商売にするまで何年もかかった。集落にダンマーとアルゴニアンの結婚を受け入れてもらうにも、何年もかかった

これで振り出しに戻った。トカゲ女は私を彼の「友人」と呼んだ。妻と言う言葉は使わない。私は彼女をある名前で呼んだ。彼女がその言語を話せるとは思わないけれど、要点は理解していた

その後

ドミニオンがシャドウフェンに到着した。ここの人々が心配だ。ダンマーの村人は侵略のための訓練を受けていた。ここは… 彼らは勇敢だけど、武器を持っていない。私たちは危険だ

私はジャ・リートに出ていくように頼んだけれど、自分は良くなっていると彼は言う。あなたは元気だと思うと伝えた。自分が元気かどうか勝手に決めるなと、ぴしゃりと言い返された

ブレトンの子守話(ページが欠けている)Breton Bedtime Stories (Loose Page)

まず、熊は木の幹に爪を立てました。それから、木に吠えかかりました。そして木の皮を食いちぎり、クチャクチャと噛みました。そのあいだ、お姫様は安全な場所から動かず、ずっとけらけら笑っていました。

とうとう熊はお尻をつけて座り、こう言いました。「お嬢ちゃん、何を怖がってるんだね?」

お姫様は下にいる熊に向かって叫びました。「あなたに食べられちゃうからでしょ、この馬鹿熊!」

すると熊は灰色の頭を横に振りました。「子供は食べないよ。降りておいで。ゲームをしよう」

でも、お姫様は熊の悪知恵にだまされるほど馬鹿じゃありません。お姫様にはそれが罠だと分かっていたのです。「そんなにゲームがしたいなら、ここまで上がっていらっしゃいよ!」

熊は低くうなると、木をよじ登り始めました。

〈ページの端に手書きで何やら書きつけてある〉

お母さんを連れて遺跡に来なさい。この前教えたやりかたで扉を開けるといい。急ぐんだ、ヴィサンヌ。私たちにとって安全な場所はそこしかない。愛しているよ。

-R

ベトラへの手紙Letter to Betra

ベトラ

アモル砦への旅が無事に終わり、砦でのお仕事が手早く、実り多い結果に終わることを願っています。あなたに会いたくてたまらない!どうか私の誕生日に間に合うように帰ってきてね。それが何より嬉しい贈り物だから!

コヌンレイカーは今がたけなわよ。これほど街がにぎわっているのは見たことがないわ。ソバー・ノルドも大繁盛で、人手が足りなくてずっと追加シフトで入っていたの。収入が増えても困ることはないもの!でも、これだけは言っておかなきゃ。歌唱コンテストはいつも通りじゃなかったわ。あなたが参加しなかったせいで、あの美しい歌声が聞けなかったんですもの。あなたが参加していたら、きっと優勝していたに違いない。

旅は速さと安全を心がけてね。この季節、スカイリムの嵐が驚くほど何の前触れもなく起きることは、あなたも知っているでしょう。父さんが作ってくれたあの地図、まだ持っている?もし嵐に捕まったら、父さんが印をつけておいてくれたいくつかの洞窟の1つに逃げ込むのよ。ただし、すっかりくつろぐ前に奥を覗いてみるのを忘れずにね。寒さと風から逃れるために、その洞窟を使っている先客がいないとも限らないでしょう?

とにかく、早く帰ってきてね、ダーリン!私たちの小さな家も、あなたがいないと火が消えたようだし。あなたが心底恋しいから。

永遠の愛を込めて

イーパ

マシアス・ライメントの日記Mathias Raiment’s Journal

蒔種の月2日
今日、夢にも思っていなかった瞬間を垣間見ることになった。愛だ。固く禁じられていることもあり、まるで自分が自分じゃないみたいだった。今でも、よくわからない… あれは私の想像の産物だったのだろうか?

蒔種の月10日
まただ、あの理解しにくい感覚。一緒に道を歩いているとき、彼女の手と私の手がぶつかった、それから彼女に触れたいという願望がなかなか消えなかった。これは私の錯覚なのだろうか?現実であるはずがない。

蒔種の月20日
彼女のことが頭から離れない。彼女のことだけじゃない、私達のこともだ。彼女には求婚者がたくさんいる。私のような者が相手にされるだろうか?この考えは頭から消さなければならない。ほら。もう大丈夫だ。

蒔種の月25日
やっぱりだ。私は最初から心の中では分かっていたんだ。でも、想像していたよりも遥かに素晴らしかった。信じられない。私の想像じゃなかったなんて信じられない。私は世界で一番幸せ者だ。

恵雨の月10日
実感がわいてきた。物理的な引力があり、感情も本物だ。だが私達のロマンスは秘密にしなければならない。それ以上のものを求めたこともあったが、私が幼稚だった。今では理解できる。

恵雨の月25日
私は今の状況を受け入れている。秘密であることが私達の関係をさらに刺激的なものにしているのかもしれない。街の人々だけじゃない、家にいる誰もが、何が起こっているのか知らないのだ。私達はこのままの関係を続けるつもりだ。

マラヤへの手紙A Letter to Maraya

愛しいマラヤへ

私たちの私的な配達人としてアヤンを信じてほしい。読み終えたら手紙を燃やし、どうか彼に返事を持たせて

家族から離れてとてもさみしい。マラヤも同じ気持ち?

公爵は私のことを愛しているし、私も同じ。もし彼が私のことを孤独だと思うなら、太陽が彼の幸せに沈むかもしれない。そんなことは決して起こってはいけない!子供が生まれたら、きっと喜びをもたらしてくれるでしょう。何かを言うのは時期尚早だから、あなたにだけそっと言いたかったの

手紙をちょうだい。あなたが近くにいると思って安心するの

心から

アルマンダイン

メリオンの日記Merion’s Diary

あのおかしな魔術師め。どうしてこんな所に置き去りにした?幸運なことに私は才能ある錬金術師なので道具を肌身離さず持っている。洞窟内にキノコが何種類か生育しているのに気付いた。洞窟を散策し、魔法耐性の薬の作成に必要なレシピを考え出した。これでまやかしや幻影から身を守れるだろう。

– – –
材料を集め始めたばかりのときに、まばゆい光を放つ生物が現れた!最初は疲れた脳に刷り込まれた幻影かと思った。しかし彼女と話をし始めると、私は――日記よ、私の親愛なる日記よ――魅了されてしまった!彼女は本当に優しくて理解力がある。私のために存在しているかのようだ!

– – –
彼女のために歌を歌う。詩を朗読する。彼女はそれを愛してくれる。私の妻は音楽を好まない。吟遊詩人は嫌いだと言う。あいつはいつも文句ばかりだ。感謝してくれない。私の人生に新たに現れたこのレディとは大違いだ。

– – –
最初の日記を読み返す。薬を作ろうとしていると書いているが、一体どうしてそんなことをしようとしていたのかまったく思い出せない。この場所が気に入った。耳障りなコウモリの鳴き声さえもまるでセイレーンの歌のようだ。それもすべて彼女のおかげだ。私のレディ、愛しい人。

– – –
流浪の日々は終わった!結婚してこの地下の楽園で永遠に一緒に暮らすんだ!あの魔術師にもう1度会えたら感謝の気持ちを伝えよう。彼が人生を変えてくれた!

ユングレルのやるべきリストYngrel’s To Do List

これが最後のチャンスよ、ユングレル!私には毛皮のコートが必要なの!今度は言い訳無用。その怠け者の腰を上げて洞穴へ行き、殺す動物を見つけて(小さければたくさんね)、皮を持って帰ってきて。何か白い物なら素敵だけど、汚さないでよ!

あなたの愛する妻

メルヴィルダ

ラエラナへの手紙Letter to Raerana

愛しきラエラナ

これが無事に届くことを祈っている。君がそんな場所であんな奴らと一緒にいるなんて耐えられない。日毎に君への愛が強くなっている。君が望みさえすれば、君を連れ去ってあげられるのに。

あと少しで永遠に一緒にいられるようになる。君の父親も君を手放さなければならなくなる。あいつには選択権はない。今にわかる。連れ去ってあげるから、もう何も怖がらなくていい。

今夜会おう。あの場所で。

いつも君だけの

リリン

リリンの日記Rilyn’s Journal

58日目:今日は市場で彼女を見かけたので、塞いだ気分に光が射した。彼女の母親が彼女を急かしたためほとんど話ができなかった。一体何をしたせいでフリルヒルドはあんなに怒っているのか。ノルドのことはわからない。アザがさらに増えていた気がする。

60日目:2人ともワインで酔っ払い、彼女が隣で眠っているなんて、これ以上の幸せはない。僕の人生はまるで嵐で、彼女といる時だけ嵐が止む。彼女が安全なのは僕といるときだ。僕といるときだけ。

65日目:遠くの農場でまた彼女を見かけた。触ることはできなくても姿だけでも見る必要があった。新しい人手を雇ったようだ。フラムディンという名の魅力的な若いノルドだ。彼女のことが気になっているようだが、嫉妬なんてしない。彼女が愛しているのは僕だけだ。

68日目:彼女は昨晩来なかった。2時間待った。フラムディンといるのかもしれない。あいつは嫌いだ。あいつが彼女を見ていると考えると怒りがわいてくる。考えないようにしなければ。

70日目:もうこれ以上耐えられない。彼女は僕のものだ、あいつらのものではない。あいつらに彼女といる資格はない、僕にはある。あいつらは彼女を愛していない、僕は愛している。彼女は僕のものだ!

73日目:もういい!今すぐあそこに行ってやる。彼女を連れ去る。あいつらには止められない。止めさせはしない。今回はナイフも持って行ってやる。必要とあらば使ってやる。

74日目:あいつらには僕の名前を呪わせておけばいい!ネズミよ、あいつらの顔を噛みちぎれ!これで彼女は自由だ!僕も彼女も自由だ!

ルラッサルモへの手紙Letter to Rulassalmo

親愛なるルラッサルモ

バルケルガードを発ってからまだ数日しか経っていないのに、すでにあなたが恋しい。仕事がうまくいって、またあなたに会うための口実が早く見つかることを願ってる。

どうしてこんなに遠くに住んでいるのかしら。若者の恋愛にとって距離って本当に残酷。手紙が無事に届きますように。あなたの愛のこもった返事を待ってるわ。

あなたのフィスタリメ

レンリージャ海賊Renrijra Pirates

愛しき人よ

港には長くはいられないが、友好的なアルゴニアン達と茶を飲み、手紙の下書きを書くくらいの時間は持つことができた。潮の流れが変われば、もう1度海に出てあの卑劣なレンリージャ海賊を追跡することになる。

裏切り者のカジートめ!あの海賊共は必要とあらば世界の果てまで追いつめてやる!

君はいつも不朽の愛を宣言するよう求めてくるから気恥ずかしいが、こちらも同じ気持ちでいるので安心してほしい。

最近、あることで頭がいっぱいだ。レンリージャが我々の土地を自分達の土地にしようと海岸を襲ってきた。猫は縄張り意識が強いというのは知っていたが、あのカジートの襲撃者達はまるで憑りつかれているかのごとく土地を手に入れようとしている。あの海賊共には血も涙もない!

たまに襲撃者の1人を捕まえたかと思えば、いつも同じ腹立たしいセリフの繰り返しだ。領土権やら政治改革やらについてべらべら話し出す。でも実際はそんなもんじゃない。奴らは見せかけの理想の裏で犯罪行為を手助けしている、ただの密輸業者と海の襲撃者にすぎない。嘘ばかりだ!報いを受けさせなければ!

あの海賊共は睨み付けてくる。奴らは捕らわれている時でさえ冷笑を浮かべている。その軽蔑的な気質に誇りを持っている。それが「レンリージャ・クリン」という名前自体に表れている。「傭兵の笑み」や「笑みを浮かべたクズ」と訳されているのを聞いたことがある。クズなんだ!ぴったりの名前だが、悪党は悪党と呼んだほうがいい。汚らわしいあの猫共は、1匹残らず密輸業者で海賊で盗賊だ。

レンリージャは傲慢な愚か者だ。奴らの組織のいわゆる「掟」が何と呼ばれているか知っているか?「愚かな概念」だ。愚か者め!日誌や記録を傍受したから奴らのやり方は知っているんだ。躊躇なき殺人だ。勇敢さを謳っているにも関わらず、正義の手が及べば逃げ出す。貧しい者に安物の宝石を与えることでごまかす。そして特権階級から盗みを働いているにも関わらず、慈善事業家などと宣う。盗人は盗人だろう!

なんと傲慢なことだ!以前雇っていた召使のことを思い出すよ。君に踊りを教えてくださったあの召使だ。覚えてるかい?君と何度も密会しようとしたあの浅黒い男のことだ。図々しいったらありゃしない!それとも私がいない間に寝室の窓から君を誘惑したあの庭師のことは?あるいは君を横目でじっと見ながら働いているふりをして、大広間に長居しようとしたあの石工のことは?悪党め!この世は悪党だらけだ。

私がこんなことをする理由は、君と君の大事なものを守りたいという私的な理由だけではない。王国を守るためなんだ!海に面している上級王の領土を守るためだ!あの悪党の猫共が勝者となることは決してない。

話がそれてしまってすまない。正義を求めるがあまり夢中になってしまうんだ。残念ながらレンリージャを追うために、グレナンブラの憤怒の乗組員と共に、あと何ヶ月か海にいることになりそうだ。君の所に戻れる日を心待ちにしている。

君の質問への答えだが、いいだろう。君の望み通りの作業員を雇って家を増築する余裕はあると思う。仕事を怠けさせないようにしてくれ。しっかり見張っておいてくれ!

茶ももうほとんど飲み干してしまったし、この霊的なトカゲ族をもてなすのも疲れた。そろそろ行かなければ。大丈夫だ。レンリージャ海賊はブレトン海軍の容赦ない追跡から逃れることはできない。

今までと変わらずこれからも、君の優しくて愛情深い夫

——グレナンブラの憤怒指揮官、アウグスタス・レリッペ船長

ロザリンドとレオンの手紙Letters from Leon and Rosalind

私達の成熟した愛の記録を残すために、手紙をこの本にまとめる。
ロザリンド・ミリール

第二紀219年 降霜の月22日

ロザリンドへ

君の犬をうっかり逃がしてしまって、君の庭をめちゃくちゃにされてしまった。その埋め合わせをするために種を余分にいくつか植えた、ただ君が帰ってきた時に驚かないように伝えておきたかったんだ。

ダガーフォールでの訓練が順調なことを祈ってる。ステンダールのご加護を。

—レオン

第二紀219年 黄昏の月7日

親愛なるレオンへ

ベイリーが悪さをしたら鼻を叩いてやって。種を植えるだなんて、そんなに気を使わなくてもいいのに。だってもうすぐ冬なのよ。でも、それでも感謝してるわ。

—ロザリンド

第二紀220年 恵雨の月19日

レオンへ

カムローンに行く前にこの手紙を渡したかったの。あなたが植えてくれた花だけど綺麗だったわ。私の好みを聞いて回ったの?

それと、庭のことで嘘をついたでしょう。あなたは私の庭を6歩分広くした、あの花を植えるためにね!素敵だわ。でもあなたは侍者でしょう?ステンダールはあなたの嘘をどう思うかしら?

—ロザリンド

第二紀220年 恵雨の月26日

最愛なるロザリンドへ

君が花を楽しめたんだ、ステンダールも理解してくれるよ。でも嘘をついたことは謝る。君が遠くに行っている間は、喜んで植物の手入れを手伝うよ。

—レオン

第二紀220年 栽培の月1日

私の親愛なるレオンへ

あなたが私の庭の手入れをしてくるなんて嬉しいわ。二週間後に家に帰る予定よ。戻ったら一緒にバラを植えない?バラがとても好きなの。

—ロザリンド

ロマンスの日記Diary of a Romance

恵雨の月の4日:

昨日の夜、声が聞こえた。その声は、私の心の琴線に優しく触れた。彼はカボチャのパイが好き。親切に私の小屋に訪ねてきてくれた。すごい才能!

恵雨の月の17日:

ある日彼は、私を愛している、私の小屋で永遠に一緒に過ごしたいと言った。その次の日、また旅に出なくてはならない。毎晩違う人たちの前で演奏しなければ耐えられない、と彼は言った。

恵雨の月の19日:

いい考えがある。あの顔を手に入れれば、彼は私のため永遠に演奏してくれる。

恵雨の月の20日:

最も不快な形で皮膚が腐り始めたので、取り外した。香水で、残った臭さがごまかせるといいんだけれど。演奏を止めることはできないもの。

愛しい人へMy Sweet Flower

愛しい人

ここから遠いところへ逃げよう。ひどい夫と、財産を求める奴の執念を捨てていくんだ。私にとって君は遠い地のどんな装身具よりも価値がある。奴は違う。

君の輝く目を見る前、世界は暗かった。どんなに壮大な山や流れゆく小川も君の笑顔には勝らない。

一緒に立ち去ろう。私はいつでも、そして未来も君にささやく愛の蜂になる。

-X

愛するクド・ナカルへFor My Beloved Kud-Nakal

君は水の中で肥料をまき
私は上から見る
リルモスは私の下で息をする
でも私の目は君だけを追う

南西の空が誘っている
ゆらゆら揺れる君の尻尾も誘う
君はその手で水をかき分ける
私の手は君のためにトーテムを彫る

全ては変わっていくけれど
私にとって、一つだけ変わらないもの
それは君の卵を抱く望み

-チャル・マート

家族への祈りA Prayer for My Family

全能なるアルムシヴィ

私の家族を見守ってください。健康な者は引き続き無事でいられますように、そして病んでいる者は隔離所へ入れるようになりますように。ありがたいことに私は券を受け取りました。やがて治療を受けられます。三大神が霊薬を急いで用意させてくれますように。そうすれば家族が再会できるかも知れません。

忠実なるしもべ

ルスリ・オスレニム

決別の言葉A Plea in Parting

許してくれ。

血まみれになった愛のノートBlood-Spattered Love Note

愛しきT

これ以上、あなたが来てくれるまで待てないわ。夜になるとあなたの夢を見るの。あなたの腰のくびれや頬の小さなえくぼ。あなたに見られている時、私がどんな風に赤くなるか。

明日アンダールートに行くわ。あそこにいるラミアは友好的だから、2人の恋人達に月の光の差す、彼らの秘密の場所を与えるのを惜しんだりはしないはずよ。

でも来る時は静かにね。そして日暮れまで待って。Jが疑っているかも知れないから。でも罪悪感なんて少しもないわ。あの飼い猫達の話をするときの入れ込みぶり。彼に奥さんは必要ないわ。でも念のため気をつけてね。愛が分からない人だったとしても、所有権については確実に理解してるから。

待っているわ。

あなたに永遠に忠実な

Mより

古代のラブレターAn Ancient Love Letter

親愛なるアコニアへ

冬の暗い影のように心が冷える
ここで漆黒の夜に立つ私には
君が唯一の者だと分かっている
太陽の元へ帰してくれる

波は浜辺で砕けてしまう
でも私が求めるのは君だ
安らかな抱擁へと呼び戻せば
時と隔たりを越え私は走る

最後の残り火は戦火に揺らめく
すべてを昔のように
二度と航海で離れない
君への思いは永遠に

君の愛する者より

ロガノ
百人隊長、第33歩兵隊、第二軍団

孤独とはAlone

遠い昔エルスウェアで、愛情に溢れた両親のもとにある少女が生まれた。不幸にも、この少女の様子は正常ではなく、尻尾もなければ耳もこぶのような物があるだけ。さらに目の瞳孔は山羊のように割れ、歯は馬のように平らであった。彼女は他のカジートの子供達に拒絶、仲間外れにされ、笑いものにされた。ひどいことだ!

彼女ができの悪い子であったこともあって、両親でさえも彼女のことを恥じるようになった。尻尾がないことで平衡感覚が鈍く、耳が小さいせいで同族のように微かな音を聞き取れなかった。狩りも盗みもできなければ、魔法も扱えない。彼女は本当に、本当に孤独だった。同族の中にいる時でさえも。

だから彼女は飛び出した。タムリエルを渡ってずっと遠くへ。商人のキャラバンに潜り込んで、生き延びるためならむせ返るようなゴミも何でも食べた。見つかった途端、彼女はぬかるみに放り出されて棒で殴られるのであった。怪物と呼ばれながら!なんてひどい!

しかし、彼女に一筋の光が射したのだ。ある日、彼女が出会ったのは大きな旅の曲芸団。その一団にいるのは彼女と同様に奇妙な見た目の人達ばかり。おかげで彼女は拒絶されることがなかった!彼女は芸としてダルシマーの演奏方法と、自分の平らな歯で骨を砕く方法を教えてもらった。

今でも彼女の心には孤独が巣食っている。でも彼女は幸せなのだ。たった1人で孤独にならなくてもいいと分かったから。

幸運を祈ってくれWish Me Good Fortune

愛しきモルヤン

剣闘士の生活は厳しい。鍛錬には終わりがないんだ。まだ大金を手にできるだけの勝利は挙げていないが、このまま勝ち続ければかなりの報酬が手に入るようだ。

近々、フローズンアリーナのグランド・メレーに参加することになっている。正直に言うよ。かなり不安だ。ダンマーにとってノルドは恐ろしい相手だ。それに私達が他の剣闘士達を倒したとしても、ビーストマスターが最近手に入れた生物達がまだ残っている。

幸運を祈ってくれ。上手く行ったら次の手紙にコインを同封できるはずだ。ようやく借金の返済が始められるかもしれない。

君が愛する者より

ギルレス

香水のついた手紙Perfumed Letter

愛しきアトゥーン

まだ離れて数日なのに、もう会えなくて寂しいわ!あなたが一人でどこか見知らぬ森にいて、大変な仕事をした日の終わりに好きな食事を用意してくれたり、一緒にいてくれる誰かがいないことを思うと嫌な気持ちになるの。ここウィンドヘルムで仕事を見つけられたら良かったのに。そうすれば、こんなにしょっちゅう離れずに済んだわ。

こっちは祝賀競技の出場者が到着して、本当に忙しくなりつつあるわ。ジョルン王はとても楽しみにしていらっしゃるようよ。祝賀会が近づくにつれ、ダークエルフやアルゴニアンまで殺到してきている。あなたが森の中で、これを全部見逃すだなんて信じられない!

ねえ。教えて。亡霊の森はグラム修道女が言っていたほど怖いところ?森の霊魂か、スプリガンには出会った?あなたはいつでもあの物語が嫌いだったわよね。時々大きな赤ちゃんになるんだから。さて、急いで出かけなきゃ。ヘンリック・ウォー・ウルフがレスリングの試合を近くで見せてくれるって約束したの!

愛を込めて!
—ボラーリ

今夜、また彼に会うI Saw Him Again Tonight

今夜また彼に会った。彼は小川の向こうにいたけれど、水に写っていたのは空にある月だけだった。私たちは泡立つ水を挟んで歩いた。でも、まるで隣で歩いているみたいだった。

目で見ただけの、触れたこともない人に、どうしてこんなに胸が高鳴るんだろう?どうして青い顔の見知らぬ人とちらりと会うためだけに、一日中夜を待ってしまうんだろう?

夫は平凡な、正直な人。ご飯を食べさせてくれて、暖かさと快適さをくれることは上手。私が夜何をしているのか、まったく疑っていない。でも、私は夫に嘘をついている。

どうしたらいいか分からない。自分にこんなことが起きるなんて、誰が想像しただろう?

今夜、彼は告白するTonight He Confessed

ハンサムで青い顔の、私の恋人!今夜彼は、自分の真実を告白した。疑っていたことは認めるけれども、彼の言葉を聞いて、私の体は震え上がった。吸血鬼だなんて!

彼がそう言った時、彼は小さく、怖がって見えた。とても孤独に見えた。私の心は彼に奪われ、私の愛は急速に高まり、まさにその時跳ね上がった。

私は彼を抱きしめ「驚かなかったわ、ほんの時々はあなたの正体を疑ったこともあったけど」と彼に言った。彼は、とても安心したようだった。その時彼は、私がずっと待っていた言葉を言った。永遠に一緒にいよう。そう彼は言った。

悲しいことに、夫のことはまったく頭に浮かばなかった。ためらいはなかった。私はただ「ええ、いいわ。永遠に!」と言った。

今夜は特別な夜Tonight Was the Night

今夜は特別な夜だった。想像していたよりもずっと素敵な夜になった。あれは必然だったと思う。運命。

ハンサムで青い顔をした、見知らぬ人。私たちは出会い、触れ合った。彼の手は冷たかった。死ぬほど冷たかった。思わず手を引きそうになった。でも、ちょっとだけだった。そして私は近づき、彼のくぼんだ頬、青い顔色、氷のような唇に見とれた。

寒さのせいで体が震えるのだろうか、それとも彼のせいで私に起きた高まりのせい?

分かっていることは、ずっと認めたくないと思っていたことが確実になったこと。私は彼のもの。

最愛の人へMy Dearest Love

ディームジェイへ

再会の希望は、強風に晒されたランターンの炎のよう。テルヴァンニの主人からは逃げたけど、比較にならないほど恐ろしいカモンナ・トングから追われる身になってしまった。この手紙は、あなたのところへ届くかどうか分からないまま書いている。再会できるかどうかも分からない。

私はカータグというオークを捜している。彼が私のような奴隷の力になってくれるという噂が、ヴァーデンフェルに吹き荒れている。その彼が唯一訪れると耳にした場所で、私はこれを書いている。一方で、カモンナ・トングが近くにいるのではないかと恐れている。希望がまた揺らめく。あなたにもう一度会い、その手を感じるために。私を縛る鎖から自由になるために。愛しい人、もっと書きたいことがあるけど、何者かが近づいている気がする。いや… 何かが。

あなたのニーティ・マ

最後の手紙The Last of the Letters

愛するあなたへ。一緒にはなれない。私はアイレイドで、あなたはただの奴隷。私はあなたの千倍も優れてる。それは世界中で知られた事実。私も分かってるし、あなただってそれなりに分かってる。

でも落胆しないで。すべてにおいて同等になれる方法を見つけた。これで障害はなくなる。

—エラデュア

最初の手紙The First of the Letters

愛するあなたへ。もう耐えられない。非難をしたけれど、心はあなたの感触を恋しがってる。そんな言葉を口にするのは冒涜だから、見つけてくれることを願って書き留めておく。

2ページ目を探して。そうすれば片割れが見つかるはずよ。

指無き者からのメモNote from No-Fingers

親愛なるウタ・テイ

ハーブをどうもありがとう。呼ばれ来たりし者はだいぶ良くなった。熱は下がって普段のように元気だ。

ここへ越してきてから生活がどんなに変わったか、それを考えない日はない。私がかつて君の保護者であったことは理解しているが、君がいつか私のことをそれ以上に思ってくれることを望んでいる。ぜひ森で一緒に散歩する機会が欲しい。いつでも訪ねてきてくれ。

——指無き者

捨てられた手紙A Discarded Letter

最愛の君へ

この手紙が無事に君に届くことを願ってる。お金のことは心配しないでくれ。君が無事に手紙を受け取れさえすればいいんだ。ここから抜け出して君にまた会えるまで、あと数週間だ。心配してくれているのはわかっている。自由に使える衛兵がついてくれているし、掘削はもうほとんど終わった。

これまでに信じられないほどたくさんの財宝を見つけたよ。もうすぐ、君は女王に、僕は王になる。何のかって?それはどうだっていいんだ。君がそばにいてくれさえすれば、僕は王国の王だ。

いつだって君を信じてる

——D

親愛なるジョフンへの手紙Dear Johun Letter

親愛なるジョフン

ちゃんと温かくしている?そうであることを願うわ。あなたに会えなくてどれだけ寂しいか書き始めたんだけど、今は他に話すことがある。ある人に出会ったの。こんなふうに打ち明けることになってごめんなさい。でも言わずにはいられなかったの。

彼はダークエルフで、エボンハート・パクトの使者よ。彼が砦に入ってきて、一緒に話をし始めた。1つのことが別のきっかけになって、それで… その、わかるわよね。

刺激的で、風変わりな面白い人よ。それに、私にとってもよくしてくれるの。

さて、もう行かなくちゃ。さようなら!

—イデサ

赤ん坊が生まれる前にやることリスト:Things to do before the baby comes:

— 家に新しいランプを買う。

— センチネルのアビア叔母さんに会いに行く。

— 「好色なアルゴニアンの侍女」を最後まで読む。

— 赤ちゃんを寝かせる場所の壁に掛けられる絨毯を縫う。

— お母さんが倉庫に置いているオレンジの花瓶をもらえないか聞く。

— お父さんが結婚祝いにくれると約束していたチキンをもらう。

— フォアベアーの服を全部燃やして新しいクラウンの服を買う

耐えがたいことIt Is Insufferable

彼女が戻ってきた。愛しい人はシルヴェナールから戻ってきた。我々を破滅させるために

グリーンレディ!イフレは彼女の価値を知っている、だが、なぜそれが我々の終わりを意味することになる?我々は一緒に狩りに行くはずだった!世界は我々の獲物だった。だが、彼女は弓を永遠に手放してしまったのだ!

グワエリングと話をした。だが彼女は納得させられないだろう。それだけじゃない、彼女の婚約者は作り笑いを浮かべる臆病者、あのインデニールだ。認められるはずがない!

どうにかしなければならない。今すぐシルヴェナールに向かうのだ!これには何か理由があるはずだ。もしなければ…

もしなければ、理由を作るまでだ!

第2の手紙The Second of the Letters

もし言葉どおり本当に愛してくれてるなら、会いに来て。いつまでも待っている。

私の一部が待っている。金属の組み合わせを使って解除できるはずよ。銀の箱を探して。

怒りのラブレターAngry Love Letter

レオファへ

「あなたの」仲間から愛されてないことを伝えておくべきだと思った。彼が愛しているのは、冒険、危険、殺害、そして名前を壁になぐり書きされることだ。でもあなたのことは愛していない。俺があなたを愛し、これまでも愛してきて、この先も愛し続けるのとは違う。

やっと気付いてくれたなら、俺の居場所は知ってるはずだ。

愛を込めて

ウッガルド

彼女は私の光だShe Is My Light

自らを惜しみなく捧げよう
愛というものに さもなくば
私の光など犠牲にしよう

私が他より明るく光るのは
彼女が最初にこの光を手にしたから
他より明らかな光となった

彼女こそ私の光
輝けるタラッタ
私の光をその手で受け止めてくれ

漂う甘い香りSweetness in the Air

先週から、空気に甘い香りが漂っている。父は、気にするなと言う。ここには甘いものなんて、もう長いことない。

父は気難しいオークだから、そう言うのもよく分かる。この村が金鉱の街だったことを父は覚えている。どんな約束も毒だ。だからもし空気が甘く香ったなら、それは罠で、卑劣な魔法だ。父はそう思っている。

でも私は甘い香りを感じる。夜、夢の中で感じる。ハニーサックルとラベンダーに包まれた恋人が、夜になると私の元にやってくる。彼は野生の花の王子。この隔絶した、死んだ街から私を連れ出すと約束してくれた。

もしできるなら、今夜彼と一緒に行こうと思っている。ここから遠く離れた場所へ行こう。でも、彼が夢の中にもう現れなかったらどうしよう?彼の名前さえ知らない。

不気味なラブレターAtrocious Love Letter

我が愛しき花へ

お元気にされてますでしょうか。あなたに会って人としての興味以上の感情がわき起こりました。もう体がふらふらしてちゃんと立っていられない状態です。あなたにどうやって心を横領されたのか… そんなことをよく考えています。あなたは私の思考を破産させたのです。あなたの抱擁という甘き金庫の中に、私はずっと収まっていたい。

今の状況を査定して、この収支報告書を直ちに書く必要があると思いました:私達は契約以上の関係です。私はあなたに永遠に貸しがあるのです。あなたの心を借り入れさせてください。お返しとして、あなたの優しさに支払います。私の口座への入金をお忘れなく。私の真剣な気持ちをこの手紙に預金することをお許しください。

この手紙で、私の愛をあなたの心に送金したい。

あなたの貸し手、あなたの小さな蜂より

部分的に判読可能な手紙Partially Legible Letter

もう終わりにしましょう。二度とあなたの影が私の影に重なるのを見たくない。できることなら…

…あなたの称号——知るもんですか!それから、私が戦士ギルドに所属していることをあの小娘に教えてやるといいわ。せいぜい注意しなさいってね!

捧げ物An Offering

兄弟を追悼してこれらの本を捧げます。

ソーサ・シルの知恵が、この先の地で彼を導いてくれますように。

夜を数えていますI Count the Nights

愛しきセルルン

旅の無事を祈っています。そして、あなたが帰ってくる日を指折り数えて待っています。こうして筆を走らせている今も、あなたの愛撫が恋しくてなりません。あなたが大海原で月を見上げる時、私もその同じ月を眺めていることを忘れないで。それが嵐の夜のあなたに安らぎをもたらしますように。セルルン、あなたが帰ってくるまで、この手紙はキスで封をするわ。

愛を込めて

ヘヴラ

優雅な筆跡の手紙An Elegantly Penned Letter

愛しきジブリル

島を出ることにしたわ。どうか後を追わないで。一緒に過ごした時間は胸に大切にしまっておくつもりよ。でも、これからはそれぞれ違う道を歩きましょう。

ファハラジャード王がアリクルの忠実なる息子たちと娘たちに召集をかけたの。砂漠を越えて広がり、世界情勢に本当の意味で影響を及ぼすチャンスを、ダガーフォール・カバナントはくれるというのよ。王に見込まれれば、海軍に加わり出航することになる。それこそ、私がいつも夢見ていた人生だわ。

手紙を書いた理由を分かってもらえたと思う。もし本当に私のことを想ってくれるなら、今の稼業から足を洗って、まっとうな仕事を見つけてちょうだい。私のことを懐かしむのはいいわ。でも、2人の過去に未練を抱いては駄目。

あなたのことは忘れないわ、ジブリル。でも、もしあなたの船がカバナントの船から略奪を働いているところに我が海軍が遭遇したら、そして、もし艦長からあなたの船の乗組員を斬れと命じられたら、私はためらわずそうするでしょう。あなたを剣で刺し貫くでしょう。名誉を守るためには、そうするしかないから。

あなたが無事、旅の目的地にたどりつけますように。

—ラミーナ

冷気の洞穴からの手紙Letter from Chill Hollow

オーサ

噂に従って進んで、洞窟を見つけた。ここは氷と、その他の想像もつかないようなありとあらゆるものでいっぱいの、岩山の中にある凍える渓谷だ。宝物の言い伝えも真実に違いない。感じるんだよ!君がいつも話していた農場を買える金がすぐ手に入る。そうすればやっと結婚して、一緒の生活が始められる。すぐに戻るよ。

愛を込めて

フジャロ

ロスガーの書

Wrothgar Writings

アイスハート戦士長へTo Warlord Ice-Heart

アイスハート戦士長

この約束の金とあなたのクランへの独占販売権目当てに、私は我が民を裏切り、すべてを危険にさらしている。遅延やミスがあってはならない。オルシニウムでの私の努力を確実にするため、すでに金の一部はカジートの商人グループに渡してある。

物資のキャラバンが、僻地のクランの越冬を支援するために十分な食料を持って、じきに商人の門から到着するだろう。キャラバンは毛皮、薬などの物資も運んでいる。あなたのクランの役に立つはずだ。私の出した予定表を参照すれば、不意打ちを食らわせられる。

速やかに攻撃し、ハーピーを使って物資をキャンプに空輸しろ。気をつけろ。バズラグ族長と部下の兵士達が、通商路をパトロールしている。あのオークは残忍だ。奴らを全力で避けるよう、戦士達に話しておいた方がいいだろう。

ヴァルチャー

アヴァリアンの巻物The Scroll of Avalian

「戦士の神の書:3:24—アヴァリアンの戦い」から抜粋

そして火山は雷のような轟音を立てて噴火した。大地は震え、空は灰に覆い尽くされた。それでもアヴァリアンの意志はくじけなかった。彼は敵を見つめた。溶岩と石でできた猛々しい神を。トリニマクに祝福されし子、アヴァリアンは剣を抜き、山に突撃した。山には溶岩が流れ、道を覆っていたが、熱で脚が焦げる間もないくらい俊敏に進んだ。風のように素早く山へと飛び込み、野獣の心臓に剣を突き立てた。

アグラ・クルンAgra Crun

盾夫人バグラールは初陣で、小さな体には大きすぎるほどの両手マトックを装備した。だが残念ながら、戦闘のさなかバグラールは剣と盾を使うことになった。より小さい武器を押しつけられ、顔を赤らめて戸惑い、それを見た他の戦士達に嘲笑された。

軽めの武器を手にしたバグラールは戦場で猛威を振るうようになった。その剣は敵が一太刀返す前に数回突き刺し、盾はどんなものでも防ぐようになった。こうしてトロール殺しの異名を勝ち取った。

バグラールは自らの腕前をマラキャスに感謝し、バラゴグの血の粛清の間、身を捧げて信頼に足る守護者となった。盾は「血の盾」を意味する「アグラ・クルン」の名で有名になった。

アズヌラからのメモNote from Azhnura

ウシェナト

受け取った報告書には、お前の最近の新入者2名が数日間引き延ばしたあげく、うわべだけ従順に振る舞って教官や監視係を安心させて逃げ出そうとしたとあった。好ましくない事態だ。彼らの会話は本音だったに違いない。彼らはトリニマクに心を開き、思いを捧げていたのだろう。

候補者2人を対決させるという最近お前が出した案は、有望そうに思える。結果が待ち遠しいが、以前のより気に入っている。

アズヌラ

あなたの小さな友、エドゥについてYour Little Friend, Edu

この手紙が無事に届くことを願っています。シロディールでの作戦は伝説となっています。帰還された折には、武勇伝を聞かせていただくことをとても楽しみにしております。

新たな都、オルシニウムへのご家族の移住はほぼ順調に進みましたが、しかしながら途中で大切な仲間を失ってしまいました。調教したリークルの召使のエドゥです。旅の最初の晩に姿を消しました。

あの者をとても気に入っておられたことは存じております。タムリエル語を教えたり、正しいテーブルの準備を教えられていらっしゃいましたから。道化師の日にあの者にガウンを着せてやっていたのが思い出されます。可愛らしい奴でした。リークルにしてはですが!「乙女のキス」を売るとおっしゃって、化粧を塗りたくったエドゥを出した時の男の子たちの顔を覚えておられますか?朝食を戻してしまった子もいました!

エドゥが消えた夜にテントの側で騒ぐ声が聞こえましたが、兵士たちは何でもないと断言しました。しかし朝になるとエドゥは消えていました。逃げ出したとも思えません、ご家族にもとても気に入られてましたから。おそらく道に迷ったのでしょう。ともかく、遺体を見つけることはできませんでした。

誠に残念なことですが、ご心配なく。あの小さなエドゥはどこかで自分の仲間に出会い、教わった通りにテーブルを準備していることでしょう。

あなたの友
エメロード

ヴァイアの巻物The Scroll of Vaia

「戦士の神の書:4:18—ヴァイアの勇気」から抜粋

槌が振り落とされても、ヴァイアは崩れ落ちなかった。破壊者ロガルは、すでにその魔法の槌の力で全軍を打ち砕いていた。だが、ヴァイアの決意は揺るがなかった。頭に盾をかざした彼女は、トリニマクに見守られていることに気づいていた。大きな破壊音、雷のような轟音、それにそばの木々が倒れる音が、あたり一面にこだましていた。だが砂埃がおさまると、大地に砕け落ちていたのは、ヴァイアの木の盾ではなく、ロガルの強大な槌だった。

ヴォーグロシュ・ロットタスクの汚い戦法指南Vorgrosh Rot-Tusk’s Guide to Dirty Fighting

よし、間抜け面したエルフ好きのバカども。静まれ!今日は貴様ら不細工なクズどもがアリーナには「名誉」がないとか、そういうくだらねえことを愚痴ってやがったから呼びつけた。見てみろ、貴様らは自分のケツの臭いをかいでる牙のない子犬も同然だ。どうせ時間の無駄だろうが、貴様らの鈍いオツムにありがたい知識を叩き込んでやる。

名誉だと。フン!名誉について教えてやろう。名誉とは小さな孤児どもの言い訳だ。どうして大好きなパパが油断して、ウッドエルフに石のナイフで殺されちまったのかを説明する時に使うんだ。名誉とは自尊心を守りはするが、ケツは風に晒したまま矢に貫かれちまう盾だ!名誉とは勇敢なオークの大敵だ。このしがらみを早く捨てるほど、戦いに勝つ確率が高くなる。

戦闘で重要なことは一つだけだ。間抜けに殺される前に殺すことだ。つまり頭を使って弱点を探し、鎧の隙間を見つけるんだ。よく聞け。名誉とは鎧に開いた大きな隙間だ。

まず最初だ。貴様ら青二才どもが相手に向かって頭を下げてるのを見かけたら、しばき倒してやる。相手に頭を下げさせろ。相手が下を向いたら、膝を顎にお見舞いして歯を叩き折ってやれ。

必ず敵の目を潰せ。土、雪、血しぶきはどんな斧にも劣らず使いやすい上に、どこにでもある。敵の顔に何かを投げつけてないのに、二撃目を振りかぶってるんなら大間違いだ。

常に、必ず、絶対に股間を狙え。2、3発食らわせろ。下にいいのが入ったらオーガだって、お気に入りのお人形をなくしたブレトンの女の子みたいにすすり泣く。

話すのをやめるな。俺が言いたいのは紅茶とクランペットを交えた楽しい会話じゃない!相手の不細工な母ちゃんのことや、姉ちゃんのベッドがきしむことや、父ちゃんの臆病さのことだ。そいつらの名前を知っていれば文句なしだ。言われたことに本当のことが含まれていれば効果は絶大だ。ただ口に出せばいいってもんじゃない。本気で罵れ!怒った戦士は失敗する。そして失敗は相手を殺しやすくしてくれる。

手刀を食らわせられないなら、蹴れ。蹴れないなら、殴れ。殴れないなら、噛みつけ。噛みつけないなら… ふむ、噛みつけないならきっと間抜けなことをしでかしたんだろう。

よし、今日はここまでだ。マラキャスのひび割れた牙にかけて、なぜわざわざこんなことをするのか分からない。帯を締め直して訓練を続けろ!

ヴォシュ・ラクVosh Rakh

宗教再生の研究 王の書記官ウグドルガ 著

何世代にも渡り、オークは3つの不変の真理を信仰してきた。それは要塞、恨み、マラキャスの怒りである。しかし、一部の伝承と著名な学者によれば、マラキャスの前にトリニマクがいたという。ヴォシュ・ラクという最近生まれた運動が信者を増やし、人気を集めている。この運動はオークをその民のルーツへと回帰させ、戦士の神トリニマクに栄光を取り戻し、オークにとってふさわしい地位を回復することを約束している。

オルシニウム再興という構想を受け入れた者がこの新興宗教の信者となるのはまったくいぶかしむに当たらない。その信仰と教義は統一ロスガーという夢想にあつらえて作ったようなものだ。ヴォシュ・ラクは荒々しく粗暴なオークの気質を「文明化」したいと説く。オークを向上させ、他の種族と対等の地位に押し上げ、それどころかさらなる高みへと引き上げたいのだ。また彼らは古代都市オルシニウムを再建し、新たに誕生する強力なオーク国家の輝かしいシンボルにしたいのだ。とはいえ、クログ王はこの新たなトリニマク信仰を支援し、オルシニウムに聖堂を建てるほどであるにもかかわらず、自身はヴォシュ・ラクの過激派信者とは関係を持っていないようだ。

ヴォシュ・ラクとは何者か?これは簡単に答えられる問いではない。この運動のメンバーは皆、その素性を隠しているからだ。祝賀や祈りの集いでは、トリニマクの金色の肌を模したオーク風の黄金の仮面を被る。その名を翻訳すればオーク語で「勇気の刃」となり、トリニマクの伝説の武器、ペニテントを指す。彼らは自身をトリニマクの剣の化身になぞらえ、古臭く、息苦しい伝統を切り払い、新たな道を拓くという。彼らは伝統が「何世代ものオーシマーの民を虐げてきた」という。

オークの古参衛兵の多くはヴォシュ・ラクをいずれ消え去る愚かしい流行と見ているが、一方でオークの生き方を破壊するまで止まらない危険な狂信者と見ている者もいる。いずれにせよ、古参衛兵はその主張や甘言に振り回されることを拒んでいる。彼らの言葉によれば、オークを「強く逞しく、どんな軟弱なエルフよりもマシな」者にする伝統を捨て去る気はない。彼らは要塞とクランという概念を墨守し、単一オーク国家の創造を求める声を拒絶している。彼らが恨みを抱き続けるのは、悪意と恨みが腹の中の炎と心の中の怒りを燃え立たせるからだ。呪いと裏切りの神マラキャスへの篤い信仰を抱き続けるのは、マラキャスが争いと血塗られたマラキャスの掟を与えてくれるからだ。

しかしヴォシュ・ラクにとって古参の衛兵は、単にトリニマクの助けで克服できる試練の一つでしかない。マラキャスは貧弱で、執念深い偽者で、トリニマクの栄光をかすめ取ろうとしているのだと言う。オークがトリニマクを受け入れ、種族として団結すれば、トリニマクはどのような戦が待ち受けようと援助と救いをもたらしてくれる。オルシニウム再建の戦いからリーチの民との戦争、そして他の種族との名誉と栄光をかけた戦いでも、トリニマクは勝利と栄光をもたらすという。

追記:これを執筆している時点で、噂が出回り始めた。ヴォシュ・ラクは汚い上に危険な戦術を使ってオークの心を引き付けようとし始めたというのだ。今のところ噂の裏付けは取れておらず、古参衛兵の怒りにまかせた言葉以上のものではないが、書き加えておくことにした。調査を続け、発見したことを後の書物に記録するつもりである。

ヴォシュ・ラクの命令Vosh Rakh Orders

我々の密偵は所定の場所にいる。オルシニウムの暮らしにすっかり溶けこんだから、街の者なのかヴォシュ・ラクの一員なのか誰にも見分けられまい。この点では儀式用の仮面がうまく役に立った。

クランの族長達はムートに集まる時、罠に足を踏み入れているとは全く気づかないだろう。我々は、トリニマクの勇気ある神聖な剣として目的を成就させる。頑固な族長達を抹殺し、真の統合を果たしたオーシマーの国を築くのだ。

ガントレットを終了し、最終試験に合格した信者の第1グループを、ただちにオルシニウムに派遣しろ。彼らの任務は単純だが重要だ。ムートが始まる前に、街の裏切り者達はどんな犠牲を払っても拘束しなくてはならない。彼らに続く第2グループは、万一に備えての後方支援役だ。

愛するリーダーより
愛するリーダーより

ウシェナトのメモUshenat’s Notes

これまでのところ、冷気を利用して、トリニマクの神聖なる光の道へ人々を向けさせる方法には満足している。グラグズと彼の火による「洗礼」が、徴募のやり方としてはおぞましいと強く感じざるを得ない。生存率はお粗末なものだった。その上、火は人を恐慌に陥れる。恐慌に陥った人には理屈が通じない。真の対話に必要なのは、候補者の心に入り込み、恐怖から抜け出す道を示してやり、トリニマクの神聖なる恩寵をしっかり受け入れさせることだ。

私の方法は、手堅すぎるほどだと思う。(はは。文字どおり堅いのだ。氷を使うのだから確かにそうだ)。私が考案した氷の構造物を使って、逃げ出されないようにして窮地に追い込むことで、不必要に恐慌へ陥れることなく苦痛と安心の両方を与える。さらに特典として、軽めの(といっても私から見てだが)苦痛を終わらせる選択肢を徴募兵に与えるのは、自分で言うのも何だが、卓越した案だ。忘れずにヘンガートにメモを送り、スイッチと氷の台のデザインへの感謝を伝えよう。

この手法の最新版は、これまでになく効果的なようだ。少なくとも、一定水準の楽しみをもたらす。2人の候補者を同時に氷の台に置き、両者にスイッチを渡した。そしてここからが非凡なところだ!どちらのスイッチにも相手を解放させられるのだ!だから、どちらかが相手を生かすために自らの命を犠牲にする?そして生き残った方はどうなる?生き残った方の罪はトリニマクの光への道を開くだろう。生き残った方は、トリニマクを十二分に余すところなく受け入れるだろう。相手を死なせてしまったことを受け入れられないからだ。その心と魂は、完全にヴォシュ・ラク、そしてトリニマクのものになるだろう。

この対決させる手法は、正直言って少し時間を食うが、台が崩れ始めたとき、どちらが先に決断するか楽しく見ていられる。実験が進むほど、ますます楽しめる。

ウスノクの巻物The Scroll of Usunok

「戦士の神の書:4:22—ウスノクの怒り」から抜粋

ウスノクが狩りをするのは食料や遊びのためではなかった。殺しのスリルのためでもない。力を証明するためだ。彼の前で立ち上がった野獣は、木々よりも高くそびえていた。自らの拳と、信じる神トリニマクの祝福しか武器はなかったが、前進し、一発お見舞いした。トリニマクの祝福を受けた彼には一撃で十分だった。一瞬で終わった。どんなに多くの鱗や脂肪や筋肉を持つ生き物でも、彼が怒って標的を殴る力は止められなかった。野獣は叫ぶことも泣くこともほとんどできないまま倒れた。ウスノクは浮かれなかった。喜ばなかった。ただ次なる挑戦を求めて狩りに行くだけだった。

ウズビダクの兜Uzdabikh’s Helm

ロスガーの歴史は戦争の歴史だ。ウズビダクはファルン峠の戦闘のさなか、どこからともなく現れ、誰よりも名高い英雄となった。

ウズビダクの性別については諸説あるが、ウムサ主事は女性説を好んでいる。ウズビダクの戦闘部隊はレッドガード兵の侵略からトンネルを防衛する任務を任されたが、敵が全軍を送り込んでくるのは想定外だった。

戦闘部隊は次々に倒れ、ついに立っているのは彼女だけとなった。彼女は弓、斧、ナイフ、さらには素手でも戦い、トンネルは血まみれになった。その日、1001人のレッドガードが亡くなった。ウズビダクの兜は神の加護を受け、どんな攻撃からも彼女を守ったという。しかし駆けつけたレッドガードの増援部隊は、彼女のひしゃげた兜の周囲に、レッドガードの死体が積み重なっている光景を目にした。

ウッドエルフの伝言The Wood Elf’s Message

私達 がとても小さなエチャテレを愛しているって知ってた?

今、 君は群れなどあれやこれやにいる。暮らして幸せ?

いる のを見ると、君は穏やかで落ち着き払っている。

ところ で君が提供するチーズはおいしくて、とても評価されている。

ハ、 宿屋と酒場、砦と城、ハッ、小さなエチャテレ、

隠し ているのは王と国。人生は不公平ね。

部屋 がきっと毛に覆われた背中にある。いつでももう1袋積むのよね?

合 わせた知識で、皆に欠けていることを教えてくれる?

言葉 では伝えきれないくらい愛している、小さなエチャテレ。

オークは マンモスや野兎よりも素敵だと、知っている。

きっと 心配しないで、もうこれ以上戸惑わせない。

匂わない 愛を、育った証にちょうだい。最後の抱擁に。

オーガの氷の長老The Ice Elder of the Ogres

私は、通常の(そして気まぐれな)マッドクラブからアルゴニアの残忍で強いワマスまで、タムリエルの野生生物の調査にかなりの時間を費やした。オルシニウムに招かれたときは、手つかずの野生を探検できるチャンスに小躍りした。

私達のキャラバンはオルシニウムの街に着きもしない内に、卑劣なウィンターボーンの襲撃を受けた。護衛達は殺されるか丘に逃げるしかなかったため、私も彼らの後を追った。まもなく私は迷子になった。動揺した私は谷に落ちた。

その記憶を最後に、再び目覚めたときは、青い毛の巨人達に囲まれていた。私の健康状態を気にしているようだった。あるいは後で私を食べるために生かしているのか、そのどちらかだ。オーガは、厳密に言えばゴブリンの眷属であり、知性のほどは知られていないが、大半の動物よりはるかに賢い。私は通常、知性の高い種族の研究は行っていない。こういう状況に置かれている彼らについて、私は観察結果を記録したくなるほど興味を引かれた。

私の見たところ、ロスガリアンの山麓に住むオーガは、ウェイレストでたまに出会う粗雑な獣もかなり進歩的だ。彼らの中の数人は、おそらく長老で、氷の操作に関連する、ある種原始的でトーテム信仰的な魔法を使っているようだ。彼らの1人が近づいて来て、私が彼らに向けるのに劣らない好奇心を見せてこちらをしげしげと見た。そのとき、驚くべきことが起こった。

私は落下時に足を折り、出血し、歩けない状態だった。そのオーガの長老が片手を上げ、私は攻撃を予期した。ところが、エネルギーの光の束が私の足に向かって放たれ、足の動きを止めた。傷が縫合されながら、骨が治っていくのを感じた。痛みはひどかったが、同時に爽快な気分だった。

治った脚で立ち上がると、周囲のオーガから動揺と興奮のうなり声が聞こえた。驚かせてしまったと思ったが、騒ぎの音は外からだった。オーガの会話とは普通の話術ではなく、うめいたり声を発するものだ。オーガ達は「ウルカズブル。ウルカズブル!」と同じ言葉を繰り返した。現実とは思えなかった。

テントを出て目にしたのは大虐殺の光景だった。ひときわ激しく怒っているひときわ大きいオーガが他のオーガ達を怖がらせていた。大きなオーガは、骨の鉤爪を腕に装着していた。それで地面を叩いた。その衝撃に氷が飛び散り、他のオーガ達を激しく打ち、転倒させた。私の脚を治したオーガは、きらめく雪の球のようなものを大きなオーガに向かって放った。それが命中すると、大きなオーガは後ずさり、叫んだ。彼が身振りをすると、周囲の雪が上昇し、彫像のようなものを形成し、戦いに加わった。

この暴力騒ぎにオーガ達が気を取られているうちに、私は逃げ出した。いつか完全に回復したら、ウルカズブルと彼の氷の彫像がどうなったか見に戻るかも知れない。

オークと死後の世界についてOn Orcs and the Afterlife

比較宗教学者 エリサ・ムーアクロフト 著

宗教と死後の世界に関する信仰をオークに語ってもらうのを難しく感じたことは一度もない。どこのオークのクランと要塞にも豊かな口承が息づいているのだから、驚くには当たらないだろう。むしろ驚かされたのは、一貫性のある全体像を描くことの困難さだった。最も基本的な概念においてすら、どの口承も一致することがなかった。

対立する信仰がオークの魂を巡って角を突き合わせている今、耳にした多くの物語が極めて感動的であると同時に恐ろしいものに思える。さらに、このテーマに関する書物は一冊も見つけることはできず、関連書籍でこの題材に言及しているものを見つけることもできなかった。死後の世界や、あの世での褒美や罰を受ける場所に関してオークの概念を学ぶ唯一の方法は、適切な質問を重ね、様々な口承に耳を傾けることだった。膨大な研究と無数の聞き取り調査の末、ようやくオークにとっての碧落の岸やソブンガルデの物語に相当するものを発見した。実際、様々な口承において一致が見られるのはそれだけのようだった。アシェンフォージはそのようにして発見された。

マラキャスを信奉するオークが死後に約束された褒美とは不死、豊富な食物と酒、そしてアシェンフォージの奥深くで繰り広げられる永遠の戦いである。アシェンフォージはオークのクランの人生における、3つの不変の真理の精髄だ。要塞、恨み、マラキャスの掟である。各概念を説明し、オークの死後にどう関わっているかを解説し、その意味を明らかにしよう(少なくとも各要塞が明らかにしようとしている程度に)。次に、異なっているだけでなく、時に矛盾する物語をなんとか一つの話にまとめられるように最善を尽くそうと思う。

アシェンフォージはアッシュピットにあるマラキャスの要塞の中心に鎮座する。一部の学者は、マラキャスのオブリビオンの平原が塵と煙と灰だけでできているという。しかし信者は永遠の虚空に、彼らが重視するものや、不死となった彼らの存在を強化するために必要なものすべてが含まれていると信じている。オークの要塞の究極形態であるマラキャスのアッシュピットの城壁は、平原に果てしなく広がり、星々の向こうへと伸び、エセリウスにまで至り、生の世界から次の世界へと渡った偉大なオークに開かれている。マラキャスの要塞の中で、すべてのオークは族長で、族長は1000の妻をはべらせ、1000の妻にはそれぞれ1000の奴隷がいて、あらゆる仕事をこなしてくれる。要塞の壁は100フィートの高さがあり、煙に覆われた空へと伸び、研磨された鋼と鍛えられた鉄でできている。壁の内側には石の砦、鉄塔、そして中央広場を囲む巨大なロングハウスがあり、アシェンフォージの住人の住み処となっている。

アシェンフォージとはマラキャスの鍛冶場の中で無限のスペースを占有する巨大な高炉で、その燃え盛る炎は太陽よりも熱いと言われている。タムリエルのオークがマラキャスの掟に従うことによって、この炎が燃え続けるとのことだが、詳細は後述する。この炎の中で、生の世界から渡ってきたオークは、まず焼き戻しの儀式を受けねばならない。オークは石炭の中に投げ込まれ、死後の世界に持ち込んだあらゆる恨みが熱され、溶け、最後には次世代の生身のオークとなる。タムリエルでの恨みが焼き戻されて生の世界に送り返されることで、不死のオークはようやく新たな存在として恨みを結べるようになる。とりわけ根深い恨みはアシェンアンヴィルというアシェンフォージの脇に据えられた巨大な作業台で鍛え、伝説的な品質の武器や鎧にできる。

アシェンフォージを燃え立たせる熱は白熱した炭から生まれる。オークの語り部が私に話してくれたところでは、この炭は血塗られたマラキャスの掟が具現化したものだという。掟によって空虚、裏切り、破られた約束の炎が燃え盛り、新たに生まれたオーク一人一人に、生の世界を突き進ませる悔しさと怒りの土台を叩き込むことができると考えている。それは前の世代が努力し、マラキャスの掟を守り抜くことで、必ずや後に続く世代が前の世代よりも向上させたいという願いなのだ。

それでも、マラキャスの信奉者は不死、食事、そして絶え間ない戦闘という褒美をアシェンフォージの奥深くで与えられると信じている。終わりなき戦いの日々、終わりなき美食、そして自らの力を見せつけ武具の凄さを誇れる機会で満ちた永遠の生が続くと。

トリニマク信者の信仰と比較すると、その面白さがことさら際立っている。語る者によって要塞ごとに異なり、歪み、成長するマラキャスの口承とは違い、トリニマク信者の伝承は驚くほど一定しており、彼らは喜んで語ってくれた。ことに大司祭ソルグラはこの報告の執筆に多大な貢献をしてくれた。トリニマク信者が死ぬと、彼らはエセリウスに昇り、先人に迎えられると彼女は語る。トリニマク信者の死後の世界もまた、終わりなき争闘と祝賀に満たされているが、前の世代の一族と再び共に暮らせる点が強調されている。結論としては、トリニマク版の方がマラキャス信者の野蛮かつ感情的な信仰に比べていくぶん穏健なように思われた。

オークのクランとシンボル学Orc Clans and Symbology

抜粋
記憶のクラルサ 著

オルシニウムの時代、すなわち現在イレの名で知られる聖堂が最初に創建された時に存在した街の時代、この地域にオークの6つのクランが名を高めた。この各クランは現在、もっと強大なクランに吸収されるか、単純に消滅するかして姿を消したが、最盛期にはオークの文化とオルシニウムの繁栄に強い影響を与えた。これらのクランとその目印となるシンボルを見てみよう。

クラン・ブラゴシュ、槌のクラン
鍛冶の技術で有名なこのクランは、特殊な鎧と武器を作り、物資の商人として知られる。残された証拠により、後にモークル・クランに吸収されたことが示唆されている。

クラン・パンドラム、火のクラン
原始的な治癒師と呪術師があふれるほどいたという噂があるクランで、火を操って武器や、様々な用途に用いる道具として使ったと思われる。オルシニウムの2度目の攻城戦後、歴史から消えたと見られている。

クラン・エンクレイヴ、星のクラン
この謎めいたクランについて知られていることと言えば、独自の目的で他のクランを援助したことくらいだ。ロスガーの荒野の奥深くに今でも存続しているという根強い噂がある。

クラン・ルクシン、狼のクラン
このクランは、夜間に効果的で恐ろしい襲撃をすることで有名だった。暗闇での行動に熟練しており、奇襲をかけて敵を殲滅することも少なくない。後にシャトゥル・クランに吸収されたと考えられている。

クラン・ムルタグ、岩のクラン
現存する最古のクランの1つで、ロスガーの山々を拠点とし、岩場の奥深くを切り出して住居にしている。

クラン・ラスカール、フクロウのクラン
弓の名手のクランで、驚異的な追跡、捜索能力で有名だった。あらゆる種類のフクロウを崇拝し、とりわけシロフクロウを崇めている。

オーシマー栄光の館The House of Orsimer Glories

王の命令:オーシマーの民の輝ける英雄と、ロスガーの歴史についてのあらゆる遺物、家宝、古代の書物をできるだけ速やかに収集し、オーシマー栄光の館に引き渡さなくてはならない。

オーシマー栄光の館の多くの展示場所を、歴史的に貴重なアイテムで埋め尽くすことが目標だ。ウムサ館長には、博物館に寄贈される全アイテムに対して報酬を与えるものとする。

詳細を知り、求められる遺物のリストを入手するには、オルシニウムにあるオーシマー栄光の館にいる、ウムサ館長に尋ねるとよい。

オールド・スナガラの育て方Old Snagara Breeding Guide

これが読まれているということは、おそらく私は亡くなっているだろう、ここ最近10人の世話人達と同じく。私が学んだ知識が次の世話人の役に立つよう今これを書いている。

あまりやることはない。オールド・スナガラが檻にいるか確認すればいい。彼女は数日置きに子供を産む。どうやって雄牛が自分の役目を果たせるくらい彼女に接近しているのかは不明だが、いつもこそこそしている。一部の治癒師は、伝統的な妊娠方法でなくてもいい動物もいると言ってたが、彼女は私の牙を引っ張っているだけのはずだ。

安全に関する助言:
1.檻を開けてブラッシングや毛づくろいをしてはならない。オールド・スナガラに噛まれる!
2.子供が到着したら、応援を頼め。運ぶには、少なくとも12本の手で抑えてもらう必要がある。
3.子供はすぐに檻に入れろ。逃げられてしまうから。

一番大事なのは、オールド・スナガラの前で子供を殺さないことだ。最初の世話人がそれをやった。その後、彼は彼女に穏やかでない目に遭わされた。

用心しろ、健康と幸運を祈る。これが読まれる頃には私は引退して金持ちのデブになっていたい。死ぬのではなくな。

オリハルコンに関するメモNotes on Orichalcum

オリハルコンとは、思うにタムリエルで最も不思議な鉱物だ。オークが好むのも実によく分かる。実際のところ、両者には多くの共通点がある。オリハルコンは緑色で、抜群の硬度を誇り、鋼より強く、とても扱いにくい。まるでオークのように!

大抵の鉱山労働者はオリハルコンの鉱脈を目にすると喜ぶ。採掘にそれほど苦労しないですむからだ。というのも、オリハルコンは脆い頁岩で発見される。堆積には脈石がないので、選鉱も不要だ。この鉱石の真の難関は精錬作業にある。

オリハルコンの精錬は困難なことで悪名が高い。低熱を維持し続けないと脆くなり、ひび割れてしまう。往々にして鉄がつなぎとして使われるが、私が話したオークの鍛冶は、この手法を怠惰さと腕の悪さの表れだと言ってはねつけた。ガーズボグ・グラグログという高名な鍛冶によると、純粋なオリハルコンは鉄との合金として精製されたものよりもずっと軽くて強いのだという。双方を検査したが、私も同意していいと思っている。両方とも非常に重いのだが、重量の差に軽視できないものがあった。巨大なプレートアーマーを好むオークに、重量の違いは多少でも重要なのだ。

オリハルコンの武器は従来の金属製の他の武器よりも切れ味が長続きし、錆びや刃こぼれにも驚くほど強い。ユニークな色味も特筆に値する。ハイエルフのガラスのように派手ではなく、鉄や鋼のように地味でもない。

ここオルシニウムの鍛冶屋たちからもっと話を聞きたい。学ぶことはまだまだある!

オルシニウムの隠しトンネルThe Hidden Tunnels of Orsinium

「オークの街の秘密」より
建築家グリルバー 著

次にオークがオルシニウムの街を再建すると決心した時、街路の下に、包囲の結果街が再び陥落しても脱出ルートとして使えるトンネルを作ろうと決めた。そのトンネルは現在も残っており、オルシニウムの最新の石が基礎の上に置かれている。

王の職人は街の建設を続け、トンネルの中には封鎖され崩壊したものもあった。しかし、トンネルの大半は、より古い建造物の古代の基礎の下に隠されたまま、街の下を縦横に延び続けている。架空の物語「オルシニウムの戦闘」に描かれている、こうしたトンネルの中で最も有名なのは聖堂トンネルで、オルシニウムの聖堂からスカープ砦の裏山までつながっているという。

上記の物語によると、秘密の通路がトンネルへの道を守っている。トンネルにたどり着くには、少なくともその物語では大族長の息子が、謎を解いて秘密の通路を開かなくてはならなかった。

秘密の通路を開くことを、聖堂の司祭が許してくれる時が来るのを楽しみにしている。そのときこそ、二枚舌のバンゴールの物語は事実に基づいているのか、まったくの架空なのかはっきり見極められる。

オルシニウムの戦いThe Battle of Orsinium

二枚舌のバンゴール 著

オルシニウムの戦いは激しさを増した。奇襲攻撃にすでに動揺しているクランが聖堂に撤退すると、ブレトンはついに壁を突破し、街になだれ込んだ。クランの族長達はすぐに撤退しなければ、愛する聖堂の中で死ぬことになると覚悟していた。

背後の聖堂の扉に掛け金を掛けたとき、大族長は振り返り、長男に指示した。聖堂の下のトンネルへの道を開けるには、柱を正確に配置する必要がある。これから言う言葉を覚えていれば、道は開ける。

そう言って大族長は次の言葉を伝えた。「私の目は戦場を眺めているが、心は穏やかだ。右側面はクラン・ルクシンが激しく戦い、敵を寄せ付けない。左側面はクラン・ブラゴシュが盾として、見えない場所から守っている。頭上はクラン・ラスカールが丘を守り、弓を構えている。

今度は大族長の息子の出番だ。あの言葉を思い出し、クランとシンボルの知識を呼び起こすのだ。さもなければトンネルは開かず、オークのクランは滅びるだろう。そんなことを許してはならない。

カル・イートの日記Kal-Eeto’s Journal

* * *
とても寒い。それにとてもひもじい。何日も経ち、あの青っぽい生き物に襲われた傷は熱をもって燃え上がるようだ。体全体は震えているというのに。頭をはっきりさせねばならない。何としてもだ。熱のせいでまともに頭が働かないが、このパズルが宝へ導いてくれるはずだ。見つけ出してやるぞ。古いメモの切れ端が残されていた。どうでもいいオークの話だ。たいまつが夜を照らし、槌が剣を生み出し、剣が狼を殺すとかいう話だ。頭痛が収まってくれないものか。

* * *
狼、たいまつ、フクロウ、槌?槌、たいまつ、フクロウ。狼、狼、たいまつ。槌。クギ。狼の耳のパイ。ごちゃごちゃになってしまう。腹ペコだ。

* * *
何を書いたんだっけ?しばらく気を失っていた。いくらか熱が下がった。とても寒い。暖を取れるのは魔術師のロウソクだけだ。ロウソクだ!これを使って覚えておこう!

* * *
よし。疲れ果てた。ここは広すぎる。ちょっとだけ休もう。とても、とても寒い。ブラック・マーシュの家。家。家に帰る—

キレスのノート、1ページKireth’s Notebook, Page 1

このノートは非凡なダンジョン探検家であり、ドゥエマー遺跡の熟練した探検家であるキレス・ヴァノスの所有物である。

と、いうわけで、兄弟のレイノーとの最新の冒険について書きたくてウズウズしているの。オーク国家を助けるためロスガーに専門家を呼び込む案内を受け取ったとき、そのチャンスに飛びついたわ。私は古代遺跡をうろうろするのが大好きだし、レイノーはドワーフの遺物をいじくり回すのが大好きだもの。

オルシニウムに着いた次の日、朝早くから教えられた場所へと向かった。その遺跡が実際にドワーフのものであったと確信するのに時間はかからなかった。レイノーによると、ツェンガナズと呼ばれる古代遺跡でほぼ間違いないみたい。

遺跡の外側を調査して状況を探っていたとき、私が、えっと、遺跡の中へ飛び込んで見てみることにしたの。いや、だめよ。ノートの中では絶対に嘘はつかないと誓ったもの。本当は滑ったの。中へと転げ落ちてお尻を打った!あんなに痛くなければ面白かったんだけど。でも、雪のおかげで少しはましだったわ。

キレスのノート、5ページKireth’s Notebook, Page 5

ここはすごい!私たちが今まで見てきた遺跡と違って、ここには動く装置や古代のガーディアンがある。足元に気をつけないと。スパイダー・コンストラクトや転がる大玉に追いかけられたくないもの。あと、センチュリオン!暗くて怖い遺跡の中で、あんなのと出くわしたくないわね。あれ、ちょっと待って…

今気づいたけど、ノートの最初の2ページがなくなっているわ。こういうのは嫌いなのよ!もっと持ち物を大事にしろっていつもレイノーに言われるんだけど、あのオルシニウムの商人が欠陥品を売りつけてきたに違いないわ。だってこの製本を見てよ!もうひび割れてほつれているじゃない!要塞の壁のように頑丈だなんて、よく言えたわね!

まあ、遺跡の中に転がり込んでしまったんだから、レイノーに怒られないように成果をあげましょう。ドワーフのパワーコアを見つけてあげればいい。彼はそういう古臭いものを集めるのが大好きだから。もしかすると今回は、ああもすぐに爆発させないかもしれない。

キレスのノート、11ページKireth’s Notebook, Page 11

あれは… ええ、多分そうよ!あの部屋の中にドワーフのパワーコアがあるわ!すぐに中に入って手に入れよう。レイノーが喜ぶわ。これを渡したときの表情が早く見たい。

やっぱり、新しい作戦を考えたほうがいいわね。私はいつも正攻法で結果を出してきたけど、今回ばかりはそれが最善とは思えない。あの部屋の中はドワーフのコンストラクトでいっぱいだし、パワーコアの近くにはツェングのガーディアンっていう怖そうなセンチュリオンがいる。もう少し辺りを調べてみて、あのパワーコアをこっそり盗む方法を考えてみるわ。

キレスのノート、17ページKireth’s Notebook, Page 17

ここに来られなかった兄弟は羨ましがるでしょうね!彼は暗くて危険な場所を這いずりまわるのを嫌がるけど、彼がいじくり回して楽しんでいるものは、大抵こういう所で見つかるのよ。「私がドワーフの遺跡に入らないと、レイノーはドゥエマーのもので遊べないのにね」っていつも言ってる。とりあえず言われた通りメモをたくさん取ってるから、彼は後でそれを見返すといいわ。

ああもう、オブリビオンに堕ちろ!このノート、ハチミツ酒を飲んでいるノルドのゲップみたいにページが落ちているわ。つまり頻繁に、最悪のタイミングでよ!大事なものをなくしてないといいけど。

あら、あれ面白そうじゃない!ドワーフの工学と職人技の賜物ね!あの円が素晴らしいわ!車輪の中にまた車輪があって、全てが中心を起点に回っている感じ。というか、稼働していたときは回っていたんだろうなという想像に過ぎないけど。

レイノーならこれの役割が何だったか分かるかしら?そういえば、兄弟は一体どこにいるの?本当に私のことが大事なら、機械の蜘蛛なんて怖がってないで助けに来るはずでしょう!それか、せめてロープを投げてくれたらいいのに!

グスラグの仮面Guthrag’s Mask

オークでおそらく最も有名な外交官は、第一紀の9世紀末から10世紀初めに活躍した石語りのグスラグだ。雄弁な演説で、オルシニウムの攻城戦を10年以上引き延ばしたが、ダガーフォールへ向かう途中で亡くなったのは避けられない事態だった。

その交渉術とは別に、彼の魅惑の仮面の物語はそれ以上に興味深い。言い伝えによると、仮面には、オークの容貌を観察者にとってもっと魅力的に変える力があったという。だが、仮面の力にはそれ以上のものがあった。大使と密偵は、グスラグの仮面を数世紀の間、外国でオーシマーの大義を促進するために利用した。

記録に残っている仮面の最後の持ち主は、謎に包まれたファルン要塞の「族長の目」だ。矢が仮面を貫き、大密偵の額を突き刺したとき、仮面の力は消えた。力が消えた後も、仮面は歴史的意義のあるアイテムとして残されている。

クラーラの日記Kraala’s Journal

騒音、騒音、騒音!騒音で溺れちまうわ!

薄汚いオークどもが一日中鉄を叩いて、木を切って、石を砕いている。休む間もなくね!自分の家ですら、臭いウィンターボーンが通路をうろつき、咳き込んでは汚らしい鼻を拭っている。招かれざる客たちからは古い鹿皮と腐敗臭がしている!奴らにも使い道はあるけど、あまりに少ない。少なすぎる!

安らぎを与えてくれるのは鳥たちだけ。その声は騒音を打ち消してくれる。そして騒音がやんだとき、そのささやきだけが残る。あの汗臭い野蛮な男たちが森の中をバカみたいに駆け回っている間、鳥が本物の情報を持ち帰ってくれる。秘密という名の情報を。もっとたくさん鳥がいたらいいのに。空を鳥で埋め尽くすわ。そうしたら私の手が届かないものはない!

たくさんの鳥?そうよ!なんて名案なの!

もっと鳥を作りましょう!

グラグズ宛てのメモNote to Graguz

グラグズ

有望な候補者の改宗に対するお前の熱意には感謝するが、お前が担当した改宗における生存率がますます低くなっていることが気になる。ひょっとすると、もう少し「お前らしさ」を薄め、もう少し辛抱した方が、いたずらに全体の人数を減らすよりも、我々の数を増やして有益かも知れない。

もっと注意しろ。さもないと。

アズヌラ

クランのスポーツThe Sport of Clans

ヴォシュ・ボールは、オーシマーの最初期にまでさかのぼる長く伝説的な歴史がある。オーク達が集まってクランが生まれた頃、「勇気」のボールの概念が発展させられた。当初はスポーツや余暇の娯楽ではなく、クランの戦士の勇気と回復力を試すテストとして始まった。

ヴォシュ・ボールの最初期の形は、オークの頭部大の木や金属で作った重い球体を使った。白羽の矢を立てられた見習いの戦士が、中庭から1歩外れた最も奥に立つ。その見つめる先には、両手にヴォシュ・ボールを持った古参兵の隊列がある。古参兵達は、交代でヴォシュ・ボールをあらん限りの力で投げつける。一斉攻撃が下火になったとき、もしも見習いがまだ立っていられたら、勇気を証明したことになり、戦士としてより高い地位に昇格する。

年月が流れ、このテストは、組織化されたスポーツになり、クラン間で名誉と表彰のためにチームで競った。ボールは重い金属に代わって重い革になり、ルールや規則が体系化され、参加クランのあいだで承認された。

現在のクランの集まりでは、必ずヴォシュ・ボールの競技会で数日間、白熱した戦いを繰り広げる。ファルン・クランは現在連勝記録を保持しており、7連勝で他を大きく引き離している。ファルンの最優秀選手賞であるバズラグ族長は、「骨壊し」と自称する、迫力満点のえげつない球を投げる。

ヴォシュ・ボールのルールは絶えず変更されているが、根底のルールは不変だ。オーク6名でチームを作って対戦する。吊るした3個のヴォシュ・ボールで武装し、重いボールを力いっぱい投げつけて対戦相手を気絶させ、囲んだコートの制圧を競う。その上、オークの誰ひとりとして矛盾や混乱を見つけられないルールと規則が多数ある。問題ない。栄えあるヴォシュ・ボールの試合を目にしたものは誰でも、興奮状態に陥って息をのみ、勇気という言葉の定義を改める。

クランの地図Map of Clans

オーシマーの人々は、その歴史の大半において、記録を取ることを避け、伝統的な口述に頼った。しかし初期オークの学者サグボ・グロー・ツットは口承の伝統を、かの有名な著書「13クランの歴史」にまとめた。すでに原本は消失し、おそらく破棄されたが(サグボが述べた各クランの起源や領土について、同意しないクランもあった)、初代の要塞の場所が書かれた地図は現存している。

サグボによるクランの地図は、経年と水、エール、血の汚れで古びているが、深遠の暁紀の終わりに13の各クランが拠点を築いたと彼が信じていた場所を示している。現存できたのは、経緯は不明だがブレトンの博物館の手に渡ったからだ。クログ王は地図を購入したが、品物は届かなかった。

グルーロット族長の深い思索Deep Thoughts of Chief Gloorot

私のエチャテレが泥の中で転がったときの毛に、空が似ているのはなぜだ?

トリニマクかマラキャス?選ぶ理由は?どちらも無視しよう、過去は過去でいい。

私が木なら、完璧な存在だと思う。例外は鳥相手のときだ。鳥は嫌いだ。

牙を外すか牙で突き刺すか?なぜ選ぶ?

思考夫人がいればいい。彼女が私の思索について考えているうちに、私は別のことを考える。

風はどこから来る?そしてどこへ行く?それを考えると夜も寝られない。

オークは王に頭を下げるべきか?考えもみてくれ、彼が本当にオーク王なら、私達に頭を下げるよう言う訳がない。オークはその手のことはしない。

カブは回転させてから食べるのがいつだって最高だ。目が回るほど味がよくなる。

ウィンターボーン:脅威か迷惑か?

アルゴニアン:人か、自動で配達される手荷物と上着か?

大根はピリッとしてシャキッとする完璧な食糧だと思う。くそっ。腹ぺこだ。

クログ王年代記、1巻The Chronicles of King Kurog, Book I

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

クログ・グロー・バグラクに初めて出会ったのはエルスウェアの荒野だった。ウェイレストからきた学者を装ってはいたが、私の本当の目的はカジートの故国で見聞したことをウェイレストのエメリック王に報告することだった。私は密偵という立場で、型破りでカリスマにあふれたオークの戦士と最初の邂逅を果たしたのだ。彼はロスガーからきたばかりで、ガスパール・ストーカーズという傭兵団で身を立てようと奮闘していた。聞く限りでは、勇敢で、頭が切れ、しかも抜群の身体能力を誇るとのことだった。私にも確かにそのように見えた。

ブレトンの傭兵団長、ガスパール・エスムリーはどんな種族にも門戸を開いていた。命令に従い、全力を尽くす限り、ガスパールは部隊に居場所を用意してくれた。クログは、彼に忠誠を誓う精悍な戦士数名を引き連れて入隊した。ほどなくして彼らはストーカーズの中で頭角を現し、最も危険な任務を任され、たんまりと分け前にあずかるようになっていた。

クログとは何度も会い、親しくなることができた。彼は女に色目を使われるのが好きで、彼同様にカジート料理の食べ歩きを好む、気立てのよいブレトン女をとりわけ気に入ってくれた。酒食を共にした折、油断した彼は、他の男の前では決して口にしないような話も聞かせてくれた。オークレストの街の薄暗く怪しげな酒場で密会を重ねるうち、あるときクログは自身の過去と将来の夢を語り始めた。

オークの要塞の悲惨な暮らしは誰でも話に聞いている。クログは、遠くロスガーにあるクランでの若かりし日のことを話してくれた。彼は若い世代で最も強く、聡明な男だった。強く、速く、そして多くの点で同世代やほとんどの年長者に抜きん出ていた。しかし、彼はクランでの暮らしに物足りなさを感じていた。戦で実力を示したかったのだ。世界を見聞したかったのだ。そして彼も族長も、クログが要塞に少しでも長く居続ければ、どちらかが死ぬことになると確信していた。それがオークの生き方だった。

不和を悪化させて族長に挑む代わりに、クログは腹心たちを引き連れてガスパール・ストーカーズという傭兵団のスカウトに身を投じた。ハンマーフェルやシロディールの紛争で勝利に貢献した後、傭兵団はエルスウェアへとやってきた。クログは得意の絶頂にあるようだった。珍しいものを見、うまいものを食べ、女たちを抱き(彼の言葉だ、私のではない)、戦という戦で勝ちまくった。スプーンですくったハチミツプリンをクログに食べさせ、もう片方の手は力強い腕に置き、無邪気を装って聞いた。「でもこの先はどうするつもりなの、逞しいお兄さん?」

「この先だって?」クログは笑った。「国に帰るさ。老いぼれ族長を殺し、クランを牛耳るんだ!」

クログは当然とばかりに言い放った。虚勢を張っているのではなかった。私の気を引こうとしているわけでもなかった。単に自分が信じていることを口にしただけだった。そして実際、私もそう信じた。彼は確実にエメリック王が注意しておくべきオークだった。よく覚えておいてほしい。

クログ王年代記、2巻The Chronicles of King Kurog, Book II

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

クログがウェイレストを訪れた際、エメリック王に引き合わせることができた。彼はオークの戦士たちと連れ立っていた。ガスパール・ストーカーズ傭兵団との契約を辞退したばかりで、ロスガーの荒野への帰途にあったのだ。エルスウェアで親しくしていたよしみで、ウェイレストに寄るので会いたいという連絡をもらっていた。私はすぐに承諾し、滞在中は観光案内をすると申し出た。

数日の間、クログに街を案内し、ブレトン社会の様々な食物を紹介した後(クログは本当に食べることに目がない!)で、ウェイレスト城を内密に訪れ、彼を驚かせた。正直なところ、会談がどのような結果に終わるか多少の不安を覚えていた。クログは声が大きく粗野な上、社交上の儀礼についてはほとんど何も知らない。後から考えれば、心配するまでもなかった。エメリック王とクログは意気投合したのだから!政治や戦争に関して二人の考えは通じるところがあり、夢中になって相手を笑わせようとしていた。その晩の終わりに、クログはロスガーに戻って、クランの族長という自らの正当な地位を奪還する予定であることを打ち明けた。

「心配すべきか?」エメリック王は微笑みながら尋ねた。

「もちろん心配すべきですよ」クログは笑った。「ですが、あなたが気に入った。エメリック王。ハイロックに目を向けるのは、ファルクリースにあるヤシュナグの王国をなんとか再建してからにしよう」

二人が握手したとき、背筋に戦慄が走った。重大な出来事を目撃しているのだという直感があった。この瞬間がいずれどれほどの重要さを持つことになるのかは分からなかったけれども。クログが暇乞いをしようとしたところで、エメリック王は驚き続きのこの晩に、さらにもう一つの驚きを付け足した。「友よ」と、エメリックは切り出した。「頼みがある。レディー・ゼフリンをロスガーに同行させてくれ。彼女は遠くの国々での私の目と耳の役を務めてきた。そして私は、そなたの野望の行く末を何としても知りたい」

クログは再び笑った。周りを巻き込まずにはおかない笑い声だった。「自分の密偵をロスガーに連れて行けとおっしゃるのか?」またもクログは自身が多くの人が思っているような愚鈍なオークではないことを示した。彼がいつから私の正体を察していたのか考えてしまった。「ええい。彼女は愉快だし、食通だ。おまけにとびきりの美人ときてる。荷造りをしな。暖かい服を用意しておけよ。ロスガーの天気はちょっと肌寒いぞ」

そういう経緯で、私はクログの供をしてオークの国へと赴くことになった。

クログ王年代記、3巻The Chronicles of King Kurog, Book III

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

ロスガーへの旅は思っていたよりも愉快なものになった。クログは陽気で快活な道連れであり続けた。それどころか、生まれ故郷に近づくにつれ、ますます上機嫌になっていった。道々、多くのことを語り合った。その中には抑圧的で厳格な民族の伝統の一部を変革するというクログの夢も含まれていた。「大きな都市をいくつも作るんだ。多種族が暮らし、教育と文化の施設も用意する」とクログは言った。「そして料理だ。とにかくいっぱい料理を呼び込む。ただの食い物よりずっといい」

ついにロスガーへの国境を越えると、クログの仲間のオークたちは沈鬱で深刻な面持ちになった。彼らはクログに味方し、族長に刃向かうことの意味を承知しており、それがもたらす結果を覚悟していた。だが、それでも、破滅の可能性への行軍が気楽なものであるはずがなかった。一方、クログは快活さを保ったままで、むしろ子供のようにはしゃぎ続けていた。彼はこの時のために一生を捧げてきたのだ。そして運命にまっしぐらに突き進んで行く覚悟ができていた。彼のことが心配ではあったが、彼を友と呼べることが誇らしくもあった。そして、大胆なことではあるけれども、クログが誇らしげに馬に乗っている姿を見るだけで胸が高鳴るのを感じた。私はこのカリスマにあふれたオークの戦士に、多少は心を奪われていたのだろう。

ある時点で、クログは私の視線に気づいたようだ。オークらしい魅力的な笑顔を見せ、ウィンクをすると「族長になったら、妻の一人に加えてやろう。答えはいつでも構わん」と言った。私は顔をそむけた。赤面してしまったのに気づかれていないことを祈った。この馬鹿げた申し出を笑ってよいのか、激怒して叫ぶべきなのか分からなかった。しかし考えがまとまって話をつけようとしたときには、クログは籠手をつけた手を上げていた。「ここからは、」彼は言った「一人で行く」

ボラズガー族長はクログを待ち受けていた。オークの巨漢戦士4人が族長につき従い、怒りに燃えた目でクログを睨み据えていた。その後ろには、クラン全員と思われる人々がこれから起こることを見届けにきていた。「族長にひれ伏して許しを乞う気か、クログ?」ボラズガーが嘲った。「いや、今日はよしとく、」クログは陽気に答えた。「今日はクランの支配権を賭けて挑戦しにきた」

遠くからでもボラズガー族長が憤怒に身を震わせているのが見て取れた。「無礼者めが」族長は叫んだ。「公平な勝負で俺に勝てると思っているのか?ええ?」

クログは肩をすくめた。「正直言って、勝てると思ってる。あんたは太り、弱くなった。一方、俺は遠い国々で戦を続けてきた」
クログが言い放った。「実際、この戦いのどこが公平なのか分からない」

憎悪の塊を叫びに変え、ボラズガーは武器を抜き、突っかけた。まったく対照的に、クログは静かに剣を鞘から抜き、構えた。そして無駄のない動きで族長の力任せの一撃を受けると、強烈な一太刀を見舞った。ボラズガーの頭は三度跳ね、その選り抜きの衛兵のブーツに当たって止まった。

場は長い間静まり返っていた。そして最初の声が上がった、「クログ族長万歳」残りの人々もこの声に続き、順番に強大なクログの前に片膝をついた。彼は微笑んだ。「今日はオーシマーの新たな始まりだ!」クログが宣言した。「お前たちを栄光へと導こう!誓ってもいい!」

彼の言葉を信じたのが、私だけでないことは明らかだった。

クログ王年代記、4巻The Chronicles of King Kurog, Book IV

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

何年かが過ぎ去り、私はエメリック王とクログ族長の仲介役を頻繁に務めるようになっていた。この役目と族長との間の変わらぬ友情もあり、クログの身に起きた多くの重大事件を知る機会に恵まれた。さらに、事件そのものだけでなく、クログの考えや気持ちをも知ることができた。それというのも彼は私を信頼し続け、相談役を務めさせ、離ればなれになっているときでさえ手紙をくれるほどだったからだ。(だが、残念ながら、そういうことではない。彼の妻の一人となる申し出は受けなかった。クログは族長となって間もなく妻を集め始めた。厩舎の主が馬を集めるのと違っていたわけではない。だがそのことはまたの機会に書こう)

クログは数年を費やして権力を固め、クランに力を蓄え、自分の目標と理想を支持する族長たちと同盟を結んでいった。クログが大望の詳細を明かしたのは、およそこの頃のことである。「偉大なるヤシュナグの衣鉢を継ぎ、スカイリムに侵攻する」と彼は書き送ってきた。「ファルクリースでオークの王国を再興し、麗しのウェイレストに匹敵するオークの都を造る」。クログが北で活躍している間、エメリック王はハイロック中央部の問題と格闘していた。ショーンヘルムのランセル王がウェイレストに宣戦布告したのだ。王と密会した後、クログの元に向かわねばならないと意を決した。

ドラゴンスター付近でクログに追いついたとき、彼の軍勢はスカイリム西部の山脈に集結しつつあった。彼らは予想を越える困難に遭遇していた。ノルドは内戦で割れてはいたものの、有能かつ勇敢な戦士であることを見せつけた。ファルクリースへの道程は遠く険しかった。岩と雪はこの戦争が終わる前に両陣営の戦士の血に染まるだろう。ある晩、そばに腰を下ろし、燃え盛る炎を見ていると、クログはかつてエルスウェアで一緒に過ごした時のように腹を割って話してくれた。

「ノルドの奴らめ、」クログは言った。「少しは礼儀をわきまえて、武器を置いて道を空けてくれてもよさそうなもんだ。だが、そんなことは起こらない。敵対してないクランの連中は俺たちに賄賂を送って自分たちの手助けをさせようとする。俺たちが征服者だとは思っていない。傭兵だと思ってやがるんだ!ファルクリースの夢はこの雪と氷に打ち砕かれちまうんじゃないかと思い始めたとこだ。ノルドどもも、あいつらのハチミツ酒もクソくらえ!」

私はクログの膝に手を置き、静かに言った。「もし私が別の、もっといい夢を提案したらどうする?そしてその夢を実現する権限を与えたら?」クログはじっと私を見つめていた。そして立ち上がって、私を見下ろすと説明を迫った。答える代わりに、私は外套に手を入れ、皮の書類ポーチを引き出して、クログに手渡した。彼は炎の灯りで中身を読んだ。そして再び読んだ。さらにもう一度目を通した。それから、これは何かの罠なのかと尋ねた。私は罠などでないことを保証した。これは申し出だった。「あなたがエメリック王に手を貸し、エメリック王があなたに手を貸すの」と言った。そして私たちは夜更けまで話を続けた。

朝がくると、クログはすでにウェイレストへ復命させる要求のリストを用意していた。私は舌を巻いた。厳しい要求を突き付けてはいたが、エメリック王がランセルの戦争を一気に終わらせるために必要な力を貸すとも申し出ていた。エメリック王に書類を早急に届けると告げた。見返りとして、彼は自軍を待機させ、エメリックの号令に備えることを約束した。ただし、署名の入った文書を手にするまでは動かないとのことだった。

このようにして、オークがダガーフォール・カバナントに加盟し、クログはロスガーの王となった。

クログ王年代記、5巻The Chronicles of King Kurog, Book V

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

ロスガーのクログ王の妻の話をしよう。彼が妻を娶り始めたのは、ロスガーに戻り、ボラズガーを倒してクランの族長となってすぐのことだった。最初の選択は純粋に政治的なもので、妻を娶って他のクランとの絆を強固にするためだった。この頃、私はクログの母親であるアルガの存在に気がついた。母親のことは何年ものつきあいの間に何度か話に出てきたことはあったが、彼の人生に大きな影響を与えてきたようには思えなかった。少なくとも、傭兵暮らしの頃は大きな存在ではなかった。

クログがクランの族長となるや、母親は彼が考えつきもしなかった重責を務めるために立ち上がった。彼女は鍛冶の大母の称号を受け、息子の結婚交渉に奔走し始めた。オークの伝統に詳しくない方のために書くと、クランの中で妻を迎えることができるのは族長だけだということを理解しなければならない。族長の役割はライオンの群れのボスのようなもので、若くて強い者にその地位を奪われるまで権勢を誇ることになる。ちょうどクログとボラズガーのように。族長の妻は要塞の中で最高位につき、部族の重要行事を取り仕切る。一方、族長は距離を置いて監督することになる。略奪の指揮であるか、クランを投じての宿敵との戦争かに関わらず、族長自ら指揮する活動は戦争だけなのだ。

族長の妻の中で最も影響力を持ち、権勢を誇るのが狩猟夫人で、アルガが最初にまとめようとしたものだった。何人もの若き候補者がその地位を狙ってしのぎを削っているという噂が流れたが、アルガとクログの心にはすでに目当てがあった。最終的には、シャトゥル族の有力な娘が選ばれた。シャトゥル族はロスガー高地で名を馳せる狩人で、クラン間の同盟を確固たるものにするのが目的だった。ノロガは忠誠を誓い、狩猟夫人の地位に就いた。

クログに鍛冶と採掘を監督する鍛冶夫人を娶る時が来ると、アルガは武器と鎧鍛冶で名高いモークル・クラン以外には目もくれなかった。明白な選択はモークルの族長の長女で、アシャカというオークの乙女だった。だがアルガが強い関心を示したのはその妹のタグハだった。この娘は2年の間、領外に出て、スカイリム西部の鍛冶師について修業してきたのだった。その経験、現代的な気風、そして明らかな知性によって、彼女がクログとそのクランの鍛冶夫人の座を射止めたのだった。

有力なクランをもう一つクログの旗のもとに呼び寄せる以外に必須条件があるとすれば、暖炉夫人の役割は家事を上手にこなすのはもちろんのこと、ありきたりのマウンテンベア炒めの域をはるかに超える料理の腕が求められた。年代記の前の巻で書いた通り、食物はクログの情熱の対象だった。戦いと食事のどちらをクログがより好むかは私にとっても極めつけの難問だった。そういうわけで、オーク的なしとやかさと類まれなる才能を兼ね備え、妻としての重責を担える者を見つけるには何年もかかるかと思われた。しかし最終的にはクログがエメリック王の救援に向かい、ランセルの戦争を終わらせようとしている間に、一大コンテストが催されることになった。

クログが留守の間に、少なくとも私はそう聞いたのだが、鍛冶母のアルガがいまだクログと手を組んでいない有力クランの中からふさわしいオークの乙女を集め、暖炉夫人の称号をかけて腕を競わせた。彼女の命で乙女たちはクログがかつて臨んだどんな争いにもひけをとらないほど荒々しく血なまぐさい料理戦争に駆り立てられた。女たちは自分の食材を追い、仕留め、捌かねばならなかった。異国からのスパイスを確保するために争うこともあった。さらには完成した料理を制限時間内に披露しなければならなかった。アルガとクログの最初の妻のノロガとタグハが、各挑戦者の料理を審査し、クラン・ムルタグのバラザルが勝利した。腕力(彼女はマウンテンベアを素手で屠ったと伝えられている)もさることながら、繊細なスパイスを巧みに使ったことが評価されたのだ。

クログには数多くの様々な身分の低い妻がいたが、そのほとんどについては多くを知らない。彼女たちは裏方で、表に立つことがほとんどなかったからだ。しかしながら、そのうちの二人は常にクログのそばに控えていた。護衛を務める盾夫人である。屈強な戦士二人がクログの家でこの役割についている。オシュガサとラズベラという戦士の姉妹だ。姉妹は互いに忠実で、また王にも同様だった。必要とあらばいつでも王を守るために身を投げ出す覚悟ができていた。ノロガとタグハですら、盾夫人の前では行儀よくしていた。

追記:各婚姻がクログと様々なクランとの結びつきをある程度は強化したものの、クログが王の称号を手にしたことで、娘との婚姻によってクログの傘下に加わった族長の一部が心変わりをしたことを指摘しておくべきだろう。族長たちは姻戚関係の手前、大っぴらにクログに反対することはなかったが、公に彼をオークの王として認めてはいなかった。このことを、きっと予想に難くないだろうが、クログは極めて不愉快に思っていた。

クログ王年代記、6巻The Chronicles of King Kurog, Book VI

ウェイレストの年代記編者、ゼフリン・フレイ 著

さて、数ページを割いてロスガーとオークの国に関するクログ王の壮大な構想を記録しておきたい。その計画がとりとめのない夢物語から、構想の核となり、やがてオルシニウムの再建を目指す戦略へと育っていくまで、何年にも渡って聞き続けた。

知り合ったばかりの頃のことだが、あるときクログは驚くほど大量の濃厚ムーンシュガーラムをあおり続けていた。そのせいで内省的、かつ恐ろしく饒舌になっていた。ところどころ微笑み、タイミングよく笑いをさしはさみ、また時にはお世辞と質問を交え、クログにたくさんのことを打ち明けさせた。そして夜が更けるにつれ、彼はオーシマーにかける夢を語りだした。オーシマーとは我々がオークと呼ぶ種族に彼が付けた名前である。

「要塞」。クログは言った。「あれは何世代にも渡ってオーシマーの役に立ってきた。だが伝統は、我々を助け導く一方で、足を引っ張りもする。時代錯誤な考えや無意味な規則で身動きが取れなくなる」。無論、話はそれだけではなかった。暴力の必要性を理解し、その卓越した使い手でありながら、彼は要塞の中ではあらゆることが暴力と殺人で解決されていることを嫌っていた。「大事なことを穏便に話し合うことがとても難しいんだ」と彼は嘆いた。「なぜなら、遅かれ早かれ誰かが重い物や鋭い物を手に取って、自分の意見を貫き通しちまうからだ。何かを変えねばならない」

次にこの話題が出たのは、糖蜜茶を飲みながらテンマー・フォレストへと沈む夕日を見ていた時だった。クログがこの件について以前に話して以来、色々と考えていたのは明らかだった。オーシマーの暮らしを向上させることに加え、今や政治的にも人々を高みに引き上げようと考えていた。「古い掟に囚われているようでは、他の王国はまともに取り合ってくれやしない、」と言った。その声にははっきりと苦悩がにじんでいた。「現代的な社会を築かないと、他の種族と対等に張り合っていくことはできないんだ。オーシマーの街や都市を作らねばならない。外交と貿易が行われ、古めかしく、抑圧的な要塞に見えないものをだ。同世代の仲間に畏れられるのは悪くない。交渉の時には大いに役立つ。だが恐怖を植え付けるような態度と振る舞いはどうだ?それは敵のために取っておくべきものだ。いつも出しっぱなしにしておいて、敵味方なくビビらせるためのものじゃない」

エルスウェアでの最後の日のことだった。私はウェイレストへ帰る支度にかかり、カジートの地方に長期滞在するのもこれで最後か、と思っていたところに、クログからディナーの誘いがあった。クログは近くの宿に個室を予約し、そこのシェフに二人のための別れの晩餐を用意させていた。干したシュガーミートとキャラメルをかけたスウィートケーキをほおばっていると、クログは故郷に帰って如何にして人々を助けるかという話の続きを語りだした。「過去の栄光を再建するつもりだ。おそらくファルクリースにあったヤシュナグの古代オーシマー王国を再建するか、オルシニウムの遺跡そのものを発掘することになるだろう」

クログの夢は目標となり、その気骨と魂の力を試すべく、自身に課した試練となった。それはクログがロスガーに帰還し、クランの族長としての地位を、彼を追放した「生意気なリーダー」(彼の言葉で私のではない)から簒奪することから始まる。そして他のクランの族長を彼の旗の下に従え、独立した小国で構成された国家を築くのだ。十分な大きさと力を持ったオークの王国を打ち立て、クログはその国の王として仰がれる。「エメリックに伝えておけ。次に会うときは対等であるか、さもなければ敵同士だとな!」クログは言った。「俺の治世で、オーシマーはウェイレストやウィンドヘルムの市民が享受しているあらゆる権利と機会を持つ。古いやり方を捨て去り、新たな時代の夜明けがオーシマーに訪れるのだ。これが俺の誓いだ!」

否定はしない。クログの言葉、情熱に胸を打たれた。彼が成功し、そのよき治世の下でオークが台頭し、繁栄すると信じたかった。彼が語ってくれたことを忘れはしない。後日、エメリック王がどうしても援軍が必要になったとき、私はクログのことを思い出し、エメリックに耳打ちした。こうして同盟が誕生した。

ゴーラーの日記 パート1Gorlar’s Journal, Part One

スコゾッドの聖域として知られる伝説の遺跡にたどり着いた。間もなく、スコゾッドのように強大で不死の死霊術師となる夢は実現する。偉大なる者は私の才能を見抜き、その願いを認めて下さるだろう。私が死者の秘密を学ぶことを熱望している同志だと分かって下さるだろう。

古の伝統に則り、自ら作ったゾンビを遺跡に送り、来訪を告げ、弟子入りの志願をした。それが昨日のことだったが、遺跡からの返事はない。大いなる者を怒らせてしまったのか?私の創造物の出来がよくなかったのか?

もう待てん!暗闇のゴーラーを無視するなど許せん、それが偉大なるスコゾッドであってもだ!しきたりを破り、招かれなくとも遺跡に行く。そうすれば大いなる者も対面せざるをえまい。伝説と対峙したその時に、果たしてどちらが軽んじられるべきかはっきりするだろう。

ゴーラーの日記 パート2Gorlar’s Journal, Part Two

偉大なるスコゾッドだと?ハ!奴はペテン師だ。実体のない幻だ。伝説のスコゾッド、国中で恐れられている不死の死霊術師に拝謁にきたというのに。この深い落胆は想像もできまい。スコゾッドなどいない。いるのはゴーラーだけだ!

噂の不死身の者はただの病み衰えた老いぼれオークだった。老齢と病で衰弱しきっていた。生意気な子供ほどの力もなく、私を畏怖させるどころか、明らかに奴の方が私に怯えていた!ほとんど労せずして奴のアンデッド軍団を奪い取り、聖域の所有権を奪った。惜しむらくは怒りと落胆のあまり、思わず衰弱した老いぼれオークを殺してしまったことだ。私に教えられる秘術があったとしても、奴はアシェンフォージへ持ち去ってしまった。

いや待てよ…

死体を蘇らせるだけでなく、生前の知識を抜き取る方法を編み出せないものだろうか?少なくとも時間潰しにはなる。

面白い。若いオークがやってきた。どうやら、こいつもスコゾッドを探しにきたようだ。ふん、暗闇のゴーラーは戦利品を分かち合ったりしない。スケルトンどもにあしらわせ、仕事を続けるとしよう。

コールドウィンドの頭蓋骨Coldwind’s Skull

トラグ王は存命中、ロスガー最強の雪熊を味方につけた。雪熊は幾多の戦場で王を騎乗させ、その速さと冷酷なまでの勇猛さで「コールドウィンド」の異名を取った。

しかし長い年月が流れ、コールドウィンドは弱っていった。トラグ王は北の彼方に彼女のための巣を見つけてやった。そこで雪熊は眠り、食べ、連れ合いを見つけ、その血統を継ぐたくましい子熊を数多く残し、ついには年齢には勝てず亡くなった。トラグ王は巣の一部を墓に作り変え、忠実なる友人を埋葬して封印した。

ある日、彼女が復活するという噂が流れた。再び目覚める兆しが、彼女の頭蓋骨に現れるという。こんなことができるのはロスガーの英雄だけだ。ただの伝説かもしれないが。

ザンダデュノズの心臓Heart of Zandadunoz

初代オルシニウム崩壊後の暗黒の時代、邪悪なタイタン、破壊者ザンダデュノズがロスガー南部を恐怖させた。追い詰められたオーク達は、ザンダデュノズに仕え信仰を捧げる教団まで設立した。

ザンダデュノズの信徒は、このタイタンの名の下で異端者としての活動を行った。同時に、他の戦士達のグループがタイタンを抹殺しようと集結した。スルズ・グロー・ファルンは五十人団を率い、ロスガー南部を守るべく身を捧げた。

果てしない戦闘が数週間続いた後、スルズの部隊は教団に勝ったが、多大な犠牲を払った。スルズは生き残ったわずか12名とともに、「名誉の休息地」に隠れたザンダデュノズを攻撃した。炎に身を焦がされながらも、タイタンの胸から激しく脈打つ黒い心臓をもぎ取り、オークの英雄となった。この心臓は聖句箱に姿を変えたが、オブリビオンからタイタンを呼び起こし、再びオーシマーを脅かす可能性があると言われている。

シャーファムの手紙Sharfum’s Letter

父さん

がっかりさせてしまうだろうから、夜のうちに旅立ちます。父さんに見つからないうちに。

行先は見当がつくでしょう。新しい都です。トリニマクの神官になることにしました。

スネッグを責めるでしょうけど、それはやめて。これは自分で決めたことなの。理由は、私がずっとオークであることを恥じてきたからよ。他の種族がショーンヘルム、ストームヘヴン、ダガーフォール、モーンホールド、エバーモアといった街を構え、強大になっていくのを横目に、オークは家もなくみじめなまま。オルシニウムでは、もうみじめな思いをしなくてすむの。

この手紙を目にするのがいつであれ、そして父さんがどう思おうと、父さんをいつも愛している。そして父さんのことを恥ずかしいと思ったことなんて一度もないことは覚えておいて。

あなたの娘、シャーファム

スコゾッドからの手紙Letter from Thukhozod

愛する息子へ

この長い年月の間どれだけお前に会いたかったか、言葉では言い表せない。きっと健康で強く育っているだろうと想像している。まだ乳飲み子だったお前を置いて行かねばならなかった理由は、ヤゾガから聞いていると思う。私の聖域は子供には合わないし、私の仕事は父親であることを許さない。私がロスガリアン山脈で最も恐れられる唯一無二の死霊術師スコゾッドであるということも、ヤゾガから聞いている頃だろう。彼女はそう教えるよう言われていた。

だが彼女は話の半分しか知らない。実は私は唯一無二のスコゾッドではない。最も近くその称号を受け継いだオークに過ぎない。私の本名はクログールで、ウェイレストの靴屋に生まれた。スコゾッドの名を私に引き継いだのは大叔父で、今度は同じようにそれをお前へと引き継ぐ。

私は老い、もう長くないことは分かっている。お前がスコゾッドになれば、アイレイドの遺跡はお前に反応し、ここの生き物たちはお前に仕える。それだけでも今まで想像しえなかったほど強大な力となるが、一番の宝はその名前だ。「スコゾッド」の名を聞くと誰もが恐怖で震え上がる。お前に文句をつけてくる奴はいなくなるだろう。

権利を継承するのに必要なことは、お前の血を私の血と混ぜるだけだ。この手紙に私の血を染み込ませているから、そこに自分の血を垂らすだけでいい。私と同じくらい、継承した力を楽しんでもらえることを願っている。

父より

スコゾッドの伝説The Legend of Thukhozod

おお、なんという伝説を作りあげてしまったのか!強大にして不死、そして死霊術を極めしスコゾッドに一体誰が挑もうと言うのか?スコゾッドは現在も、過去も、そして永遠へと続く存在だ。何百年も前に現れ、秘密の聖域を築き上げ、儀式と実験をひっそりと行ってきた。近隣の住民に畏れられ、族長や戦士長と付き合い、死者の霊魂と語らう。

今、永遠のスコゾッドとして30年という節目を迎えた。そこでこの汚らしくちんけな秘密を書き記すことにした。スコゾッドは一人だけでなく、無数にいた。そして私は代々続く強力な死霊術師の末代でしかない。

最初のスコゾッドが元のスコゾッドだ。彼は大望と夢を抱くオークの死霊術師だった。彼は三クラン戦争に参加した時、自身は不死身であると謳った。シャトゥル・クランの勝利に大きく貢献したことで、その功績を称えられた。しかし次に起こったことを彼が意図していたとは思えない。むしろ息子のグラゾズの手柄というべきだろう。

スコゾッドが唐突に死んだ時、息子にして見習いだったグラゾズは、事件を隠し通すことにした。彼は父の遺体を処分し、その父に成りすました。そのようにしてスコゾッドは生き続け、不死への行進が始まった。

我が祖先のオーク一人一人が刻まれたリストは何ページにも及び、この聖域の奥深くにある隠し金庫に保管されている。その中には少なくとも二人の娘が含まれている。自身の真の性別をまったく悟らせずに父の役割を引き継いだのだ。今、この忌々しい病に身を蝕まれながら、我が息子、コルゾスの到着を待っている。母親のヤゾガはあの子に自身の遺産を伝えているはずだ。これを書いている間にも、ここに向かっているはずだ。息子が新たな人生へと踏み出すのを手助けできるくらい、健康な内にたどり着いてくれるとよいのだが。

スコゾッドの腕当てThukhozod’s Bracer

オーシマーの伝説の中でも、偉大なスコゾッドの伝説ほど尊ばれ、恐れられている伝説は数少ない。この偉大かつ強力な死霊術師は、不老不死なのか、何世代にも渡って存命した。もちろんどの伝説も、偉大なスコゾッドについて1人のオークが見たり聞いたりしたものだ。彼の隠れ家を探したと言う者は他に5人いるが、この謎の人物の痕跡は見当たらなかったという。

伝説の死霊術師の真実が何であれ、彼のさまざまな物語で、左腕に装着している貴重な腕当てについて語られている。魔力はないが、美しく人目を引くという。オーシマーの栄光の館にとっては、貴重な追加展示品となるだろう。

スティボンズのやることリストStibbons’s To-Do List

– 装備をアルファベット順に整理する
– 食料を栄養価別に分類する
– 朝食にパン、チーズ、ドライフルーツを用意する
– 火で体を暖める
– レディの下着を洗濯、乾燥する
– アルコール飲料が十分かどうかを確認する
– 十分なアルコール飲料の1本を飲む
– キャンプ内の除雪をする
– キャンプ用に夕食の魚のシチューを用意する
– レディに野菜を食べさせる
– レディの下着の氷を溶かす
– (ここは寒すぎるため!)火が熱く燃えているか確認する
– 歴史的な相違点をカースサンと議論する
– レディの博物館への報告書を校正する
– レディの櫛とブラシを大きさ順に整理する
– レディの旅枕を膨らませ、寝袋を折り畳む
– レディのふわふわな枕の上に砂糖漬けの木の実を置く
– 明日のやることリストを書く

ゼイシャラの1つ目のメモZayshara’s First Note

残ったのは今やゼイシャラだけ。隠れ、祈り、泣く。

アジンは私の幼いエルザールが、この寒さや呪われた丘をうろつく化け物から生き延びられたはずはないと思ってる。あの子がはぐれたのは天の慈悲だと言う。エルザールはこの猛烈な吹雪の中で身をまるめ、安らかに眠り、やがて寒さで息を引き取っただろうと。

だけどアジンは間違っている。母親には分かる。

あなたのために残しておくわ。ちょっとした魔法の贈り物。覚えてる、ミストラルのおうちでこの者が色や渦を呼び出して笑わせてあげたでしょ?あなたが柔らかな手で叩いていたおもちゃが消えて、また現れたでしょ。おかしな詩やお話を眠る前にささやいてあげたでしょ?

こういう思い出の中で、あなたは私に会えるでしょう。私には分かる。

ゼイシャラの2つ目のメモZayshara’s Second Note

私たちはバーンダリ。旅する者。けれど必ず暖かな砂地に戻ってくる。灰色ではなく、緑の地へと。柔らかな声と笑いが聞こえる。アジンはいつだって必ず私たちのもとに帰ってくる。そしてエルザールが育ったのを見て笑う。旅ができるほど大きくなったぞ。そう言ってあなたを放り上げる。あなたが喜んで笑うから。

そうして旅をして商売をしてきた。私たちは交易の腕と、遠く様々なところへ旅をする力で一目置かれている。遠くまで旅をするから、この不思議な世界を他の人々よりずっと多く目にしてきたと思ってる。月は私たちの旅路を見守って下さる。

すべてはうまくいっていた。ロスガーにくるまでは。寒さ。危険。死。危険な生き物に襲われた。ウスリが古い遺跡を見つけ、そこに駆け込んだ。避難するつもりだった。ウスリとシュラが火をおこし、この者はあなたを探した。来る日も来る日も探したのよ、私のかわいい坊や。

風と雪はあなたの痕跡を消し去ってしまっていた。

でも母親には分かる。私のエルザール。あの子は生きている。他の人たちはこの者を憐れみの目で見る。悲嘆にくれるアジンですらそう。でもこの者には分かる。あなたにまたおかしな話ができるって。ゲームをして、あなたが笑う声をまた聞くことができるって。

母には分かる。

ゼイシャラの3つ目のメモZayshara’s Third Note

長い静寂の中、この者の心は悲しみで満ちている。希望だけが、いえ、希望の記憶がこの者をこれほど長い間支えてきた。熱にうなされて夢を見た。私のかわいい坊やが大人になっているのを。バーンダリの商人となり、がらくたや安物で誰かのポケットの金をせしめようとしている。

いつの日か、エルザールはこのゲームを見つけてくれる。覚えておいて。あなたの母のゼイシャラは悲しみの中でも、微笑みながらこれを作ったの。遺跡の中の闇と寒さの中、このささやかな魔法が幸せな記憶を照らしてくれた。

あなたはバーンダリ・クランの商人の息子。旅と駆け引き。それがあなたの血なの。あなたの遺産よ。

双子月があなたを照らし、祝福してくれるように。

センチネルからの積み荷はお断りNo More Shipments From Sentinel

お前がその特技に秀でていることは分かっている。それが名前の由来で、それを周囲に知らしめたいんだろう。

しかし、サソリはロスガーの気候に慣れていない。奴らは必然的に、最も暖かい場所——ここで唯一まともな屋外便所に向かう。バーズンガクは松ぼっくりみたいなのに手を伸ばして手を失いかけた。

雪の中での仕事を強いられたら、お前に砂は使わせない。屋外便所からサソリがいなくなるまでセンチネルからの積み荷は拒否する。

管理者

ツェンガナズの目Eye of Zthenganaz

ツェンガナズの目は、ギアのような車輪の上に備え付けられた大きな宝石で、言い伝えによると、第一紀の初めにオークの要塞を調べに来たドワーフによって作られた。オーシマーとドゥエマーの衝突や敵対行為については、記録でも口承でもほとんど残っていないが、この目の伝説には、どんなことが起こりえたか、いくらかヒントが含まれている。

ある物語によれば、オークの呪術師である呪い作りのシュラグが、奇襲時にこの目をつかみ、呪いをかけた。それからというもの、これを卑しい目的で遠くのオークの要塞を覗くために使うと、頭をおかしくさせる異様な光景が見えるという。

ルキンダレフトの遺跡周辺でシュラグが死ぬと、この目は歴史から消えた。

トラグ・アグ・クラザックTorug ag Krazak

ゴルトラッガ・トラグ・ネ・ムリムシュ・ロチャン・シム

ゴルトラッガ・トラグ・ネ・ロヒ・オルニム・ロチャン・ノルギム・クラザック

* * *

ゴルトラッガ・トラグ・デク・ヴォルキム・ロラク・エブ・ノルギミン・シム

トラグ・ダラグ・クラザック・エブ・ジュル・ウゴ・シム・レン・タム・ベシュカー

* * *

トラグ・ゲシュ・グラシュン・ズグカ・ウゴ・マジカ・ロリシュ

ウバ・エブ・ウバ・ウルガリック・ヴォシュ・オルニム・タラスク・トラグ・ゴルザルガ・ウベシュカ

トリニマクの家庭用偶像Trinimac House Idol

この第一紀後期の古代トリニマクの家庭用偶像は、初代オルシニウムの時代にもトリニマクを熱心に信仰していたオークが、家庭内の私的な信仰としても実際に存在したことを示している。

こうした小さな像は純金製で、トリニマクに捧げる野獣を様式化した形をしている。家内安全と安らぎをもたらすもの、そして個人信仰の中心的存在として家の中に安置された。この時代のものとしてトリニマクの印を持つ金色の熊、豚、ヤギ、さらにはホーカーまでもが見つかっている。

古代トリニマクの崇拝施設であるパラゴンの記憶の周囲は、長年に渡ってこれらの小像の産地となっていた。現存する偶像を回収できる可能性が最も高い場所だ。

トロールの脂肪の使い方基礎講座101 Uses for Troll Fat

うう。今日もまたオルシニウムだ。クラヴェル。正直に言うが、早いところオーリドンへ帰らないと狂ってしまうかも知れない。

この街で商売してる商人どもは恥知らずばかりだ!オークの露天商が何を売りつけようとしたか信じられまい。何気なく根菜とスノーベリーの詰め合わせを見ていたんだ。ちなみにどれもしなびて悪くなっていた。すると、歯のない商人が器に盛った脂肪を私の顔に突き付けた。器に山盛りの脂肪だ。信じられるか?それが伝説のトロールの脂肪だとかそういうでたらめを並べるんだ。誰がそんなものを買いたがるんだと尋ねると、彼はしょぼついた目を怒らせた。トロールの脂肪についてもっと知りたいか?今や私もエキスパートだ。

トロールの脂肪はタムリエルで最も高濃度な脂肪だと知っていたか?ホーカーの脂肪よりもだぞ。知らなかったろう。どうやら、この脂肪は優秀な潤滑油になり、特に寒い気候では理想的なものだそうだ。そしてロスガーが寒いことはよく知っているよな?

鎧がくたびれて見えるって?じゃあこの気色悪い脂肪を使ってみろ。タムリエル中を探したってトロールの脂肪よりいい研磨剤はない!湿布や他の様々な薬としても使える。窓枠に塗れば害獣避けにもなる。乾燥させれば気持ちの悪いジャーキーにもなる。煮ればとても強力な接着剤にだってなる。吸血症すら治癒できる!知らなかったな。

奴が寝室でのトロールの脂肪の様々な使い方を話し始めた時、失礼させてもらわざるをえなくなった。
それからマラキャスと話すときにも使えるとも言っていたな。それだけはちょっと面白いと思った。どうやら、トロールの脂肪をマラキャスの偶像に塗りたくれば、デイドラ公と話ができるそうだ。これは試してみないとな。なんで彼の緑の子供たちが、こんな粗悪品を売って回ってるのか聞いてみたい!

もう1週間ここを試してみるつもりだ。エチャテレチーズやマンモスの胃袋シチューをあと一度でも勧められたら、バルケルガード行きの船に飛び乗って帰る。お前がいようがいまいがな!

ドワーフライトDwarf Light

ドワーフの遺跡は、ロスガーのどこよりも意外な場所にある。オーシマーは鍛冶屋と職人の種族として昔から、ドゥエマーの発明品に魅了されてきた。

オーシマーの歴史と複雑に絡み合ってきたそうした遺物の1つが、不思議なドワーフライトだ。民話によると、ウルボク・ルーインウォーカーが、秘密のドゥエマーの遺跡で炎の必要ないランターンを見つけた。だが、そのランターンを所持した者には不幸が続いたらしく、ランターンを持って夕暮れの散歩をしていたウルボクは穴に落ち、首を折った。

ボックとシャビフク兄弟の逸話もある。兄弟は悪名高いこのドワーフライトを使って、ニジャレフト・フォールズ周辺の探索を試みたが、それ以来、兄弟とランターンは行方知れずとなった。

ナルシス・ドレンと失われたノートNarsis Dren and the Lost Notebook

あなたがこのノートを見つけたのなら、私が置き忘れたということだ。またしても。このノートが高名なトレジャーハンターにしてダンジョン探検家のナルシス・ドレンの物であることを覚えておいてくれ。恐縮だが、モーンホールドに足を運ぶことがあったら、フラミング・ネッチというコーナークラブのオーナーに届けてほしい。必ずや私の手に届けてくれるだろう。たとえ次の冒険がどこであろうとだ。

さて、仮に「ナルシス・ドレンと追放者の墓地」と呼んでいる冒険の記録を自ら執筆する羽目になっている。それというのも、書記兼見習いが外で待つことにしたからだ。彼女のために言っておくと、キャンプで待つように言いつけたのだ。だが、これまでその程度のことで私の側を離れたりすることは滅多になかった。今度に限って言いつけを守るとは!まあ、いい。考えを書き残したことがないわけじゃない。今日のような有名で人気の探検家となる前のことだが。こういう趣向も面白いかもな!

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このクソッタレの墓地を何時間もうろついている!面白い古代ノルドの遺物を色々目にしたが、ここは地下室と石棺だらけだ。しかしこの墓地で見つかるはずのお宝は影も形もない。そのお宝とはドラゴンプリーストの仮面だ!手掛かりを調べ上げた結果、ドラゴンプリーストがこの場違いな埋葬場所に絡んでいるのは間違いない。結局のところ、そうでなければどうしてノルドがお気に入りのスカイリムから遠く離れたところにこんなものを建設したんだ?諦める前に、もう少し捜索を続けねば。

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ふむ、予想もしなかったことだ。何を触ったのかはっきりしないが、何かをしてしまったに違いない。ノルドの死体が目覚め始めた!しかもドラウグルだ!私がどれほどドラウグルを苦手としてるか分かるだろうか。それはな、本当に心底嫌っているんだ。ほとんど召使のボーフリーのクモ嫌いと同じくらいだ!脱出して新たな作戦を考えねばならない。それに近隣の村にも警告をしておかないと。人には親切にしないとな。

ニコルヴァラの小屋の規則Rules of Nikolvara’s Kennel

1.ビーストマスターのいないところでヅラゾグに餌をやろうとしないこと。

2.常に腕と脚に防護用の革を着けること。

3.ヅラゾグの目を直視しないこと。

4.許可されている歌:酔っぱらいの犬、隠れ家の冬、魔術師の顔面にパンチ

5.禁止されている歌:好色なアルゴニアンの侍女、ヅラゾグを囲んで

6.ヅラゾグが檻から逃げ出した場合は捕らえようとせず、その場で殺すこと。

7.ヅラゾグは犬ではない。「スポット」や「ローバー」のようなニックネームをつけないこと。

8.油断は死を招く。

9.口笛を吹かないこと

ヌザヴァの金床Nuzava’s Anvil

金属細工師の初期クランの中で、最も尊敬された金属細工師の一人がモークル・クランホールドのヌザヴァだ。篤く尊敬されたこの鍛冶夫人は、モークルの武器や鎧の特徴的なスタイルを決定づけた。

腕前を買われて引っ張りだこだった彼女は、要塞間の移動のお供として持ち運べる、旅用の特製金床を持っていた。その金床に刻まれた精緻な彫り物は、秘密のルーンではないかと疑う者も少なくなかった。彼女はそうした噂を一笑に付し、自分の技は魔力で高めるまでもないと言ったが、噂は消えなかった。

真偽はともかく、伝説ではヌザヴァの金床を使おうとした鍛冶屋の誰もが仕事中、事故に見舞われたという。槌が壊れ、金属が粉々になり、誤って指を強打することさえあった。ヌザヴァは異国への長旅から戻る途中、金床もろとも姿を消した。氷の岸から彼女はすぐに帰ると伝言をよこしてきたが、彼女が現れることはなかった。

ネラモの日記、1ページNeramo’s Journal, Page 1

格言は正しいのかも知れない。成功とは成功した者にとっての不幸であり、成功できなかった者にとっての死であるというやつだ。プライドと虚栄心のために道を誤った気がしている。またしても。

オークは頑固で疑り深いが、皆よくしてくれた。その彼らにどう報いたか?コンストラクトの大群をけしかけ、ドゥエマーの機器で採石場を埋め尽くしてしまった。

彼らは採石場で懸命に石を切り出し、大いなる都を築こうとしていた。貴重なグレイストーンがもたらされるたびに、私はゴールと身の破滅へと招き寄せられていった。狙いは最初から彼らを遺跡へ誘導することにあった。採石場の下に遺跡が眠っていると確信していた。伝説上のドゥエマーの遺跡、ムジンダインが。派手な名前がついた(後に思い知らされたが)極めて危険な遺跡だ。

入口を見つけると同時に、ドゥエマーのオートマトンの大群に襲われた。奴らは息ができなくなるガスを撒き散らしながら現れた。どうやら防衛機構のようだった。採石場の作業員はシャベルやつるはしで身を守ろうとしたが、あっという間に制圧された。叫びがあちこちで上がり、混乱を極めた。私が辛くも生き残れたのはコンストラクトの性能を熟知していたからだった。幸運なことに、その知識を駆使して狩猟夫人シャボンの娘も守れた。

とはいえ、私は教訓から学ぶことができないようだ。経験がもたらすはずの知恵をつかみ損ねてしまうのだ。この遺跡の秘密を探り出さねばならない。オークたちの犠牲を無駄にしてはならない。

ネラモの日記、2ページNeramo’s Journal, Page 2

遺書としてこの数ページを書き残すことにした。確かに縁起でもないが、発見を世界に伝えねばならない!

自分の愚かさで採石場の善良なオークを死なせてしまった罪悪感に打ちのめされている。だが、それよりも後ろめたいのは、この遺跡で新たな発見があるたびにささやかな興奮を覚えていることだ。代償を知りつつも、探険にこのような喜びを覚えてしまうのは不謹慎だろうか?

ここまでくれば学術的な価値があると言ってもいいだろう。残されたのは仕事だけだ。採石場の作業員を生き返らせることはできないが、機器の拓本やサンプルを持ち帰ることはできる。遺跡は宝の山だ。これほど危険でなければ言うことはないのだが。

ネラモの日記、3ページNeramo’s Journal, Page 3

さらに深くへと歩み入る。遺跡の奥深くから凄絶な叫びが聞こえた。最も恐れていたことが確実になった。何かが住み着いているのだ。時を超えた何か。不死身の危険なものが。いや、ひょっとして、とてつもなく古く、メンテナンスの必要な機械がきしむ音を立てているのかも知れない。前者の方がよりドラマチックで詩に向いている。時がくれば分かるだろう。

これを見つけてくれた人よ。私は自らの愚行の果てに死を迎えることになったが、それでも平凡な最期よりはよかった。心からのお詫びとお悔やみをオークたちに伝えてくれ。とりわけ愛らしいシャボンに。彼女と仲間たちを巻き込んだことを、すまなく思っていると伝えてくれ。

それから、兄弟に伝えてくれ。いつも気にしていたと。財産はすべて彼に譲る。もちろん、私が生き延びられたら話は別だ。

ネラモ

バロス・ブラッドタスクの装身具Torc of Baloth Bloodtusk

オルシニウムのワイルドボアーと呼ばれたバロス・ブラッドタスクは、ロスガーの敵と戦った。特に、ブレトンとレッドガードの侵略軍と。

彼の伝説の装身具、槌をつけた重い鎖は突き刺してくる剣をそらし、レッドガードの攻撃から自らを救った。しかし鎖は切れ、装身具は現在「名誉の休息地」と呼ばれる場所の近くで歴史の中に埋もれている。

フォールズの警告Warning at the Falls

これを見たら、彼らに警告しろ。オルシニウムに警告しろ。

フォールズには工房がある。ニジャレフト・フォールズだ。そこのコンストラクトは動く。彼らは疲れ知らずだ。彼らは止まらない。そして彼らを破壊したら、それ以上のものになる。そのまま放っておいたら、じきにそのコンストラクトがオルシニウムを行軍し、私達全員を破壊する恐れがある。

フォールズを避けろ。あるいは軍を派遣し、滝の下に埋もれた遺跡を破壊しろ。

オルシニウムの命運がかかっている。

フロストブレイクの聖杯Frostbreak Chalice

フロストブレイク要塞は、元々ロスガーの奥深くにあるブレトンの要塞で、兵士達が放棄して以来荒れ果てていた。オークのクランがたびたび移り住んできたが、じきにこの遺跡にはブレトンの亡霊が取り憑いていると言って出て行った。

マラグ・クランを率いるガスツォグ族長は退散を拒否し、自分用に指揮官の兵舎を設けた。彼は要塞の印が紋章として描かれたゴブレット、フロストブレイクの聖杯を愛用した。というのも、この杯で飲んだものはすべて復活の力を持つと信じていたからだ。

他の族長達もこの伝統を続け、この古代の杯にまつわる偉大な伝説は高まっていった。噂では、リーチの戦士長ウルフォン・アイスハートがこの地を引き継いだとき、気に入りのワインをこの杯で飲み、味がまずくなると言った。すると要塞から外に吹っ飛ばされ、近くの雪の中に沈んだという。

ヘンリサ船長へのメモNote to Captain Henrisa

船長

いつも通り、任務の詳細は息子に教えずともよい。エシアンは真面目だが、冷徹な思考が求められる状況を乗り切る強さに欠けている。お前が艦隊の入港を遅らせるつもりなのはあれも知っている。息子と結婚したがめつい女が、緑の野蛮人どもの手に飛び込むのが遅れれば遅れるほどよい。エメリックの顔を潰してやりたいのだ。目下の者に平和と繁栄をもたらそうという奴の夢を打ち砕いてやりたいのだ。だが、それがうまくいかなかったかチャンスが訪れたのなら、私のトラブルをすべて解決する方法で、レディ・ソヴェレを片付けてくれて構わない。

ただ、うちのバカ息子にはすべて伏せておいてもらいたい。あれの軟弱な心が砕けてしまうだろうからな。

失敗は許さんぞ、ヘンリサ。

マテーレ男爵

マイルナへの手紙Letter to Mairrna

マイルナへ

なんてこった!みんなどこに行ったんだ?グラリシャン、エンゴテイン、マネシュタ… 先週まで一緒に飯を食っていたのに、今では一人も見つからない。ここ何日かで脱走者が異常に増えているか、何かとてつもなく悪いことが起こっているか。どちらかだ。

ここでは人がどんどん減り、鳥がどんどん増えている。しかも変な鳥だ。もしや、鳥が人を喰っているなんてことはないよな?後で話そう。今からウチュイラン戦士長と会わねばならない。彼が説明してくれるかもしれない。

ファスクーン

マクセヴィアン王の命令King Maxevian’s Orders

監視人の砦の騎士へ

この任務は決して喜ばしいものではないが、極めて栄誉ある任務だ。我が軍はオークに打ち勝ち、その首都を壊滅させ、土地を支配した。生き残った者は地域のあちこちへ散り、僻地の要塞や、さらなる遠方へと逃亡している。

だが戦いは終わっていない。獣たちが故郷に戻り、王国の再建を試みる日はやがて来る。何があっても、それを許すな!ロスガーの監視を途切れさせてはならない。オークが再び現れた時は、奴らを打ち倒すのだ。

監視人の砦で、5年間の任務に就いてほしい。任期終了後、騎士を派遣してお前たちをダガーフォールへ帰郷させる。この約束は必ず果たす。

王家と国への奉仕に感謝する
マクセヴィアン王
第二紀434年、薪木の月10日

マクセヴィアン王への手紙Letter to King Maxevian

ダガーフォールのマクセヴィアン王陛下

最大の敬意を込め、ここに再び手紙を書かせていただきます。

剣を持てるようになった年からずっと、この監視人の砦で任務に就いてきました。24年もの間、私と同胞は監視を続けております。王と国への愛は変わらずとも、食料や物資が減るにつれ士気も下がる一方です。このままでは、監視態勢が長く持ちません。

どうか、我々をこの任から解いていただけないでしょうか。

あなたの忠実なる従者
オレント・レテン隊長
第二紀458年、降霜の月27日

マグナーの正体The True Nature of Magnar

敵を知ることは敵を打ち破る第一歩だ。

マグナー・ベアストームは、またの名を子供喰いのマグナーという。奴はロスガー全土の群れを少なくとも50年に渡って率いてきた。その若い頃のことはほとんど知られていない。奴が人間の姿をしているのを見た者はいない。奴が子供であったことはないという者もいる。ハンティング・グラウンドから爪で道を切り裂いて現れた時、成長しきって憤怒に満ちていたという。

マグナーが初めてロスガーの山地に現れた時は、大勢の子供を真夜中にさらった。食べるためだったと思われる。騎士団は奴が子供たちを最初の群れの構成員に仕立て上げた可能性も排除してはいない。どちらの可能性がよりショッキングであるかは何とも言えない。

マグナーとは二度戦った。二度とも危うく死にかけた。奴は取り立てて敏捷でも、気配を消すのに長けているわけでもない。そんな必要はないのだ。最後に立ち向かった時、私の剣を少なくとも三度はまともに喰らったが、ひるみもしなかった。このために騎士団の一部には奴が不死身だと思っている者もいる。奴がハーシーンの化身で、月の野獣に姿を変えているのではないかという者すらいる。みんな与太話であるのは言うまでもない。よく聞け、新入り。マグナーは生身だ。奴を殺してそれを証明してやる。

ヴォラス・ナイトアイズ

マッド・ウルカズブルの氷の彫像Mad Urkazbur’s Ice-Effigy

歴史が過去に追いやられることはない。重要な出来事が起こるに伴い毎日作られる。例えば、オーガの呪術師マッド・ウルカズブルの脅威について見てみよう。このオーガの長老は残忍な獣の中で強いリーダーとして頭角を現し、ロスガー北部の荒野に小さな軍を編成した。

このいかれたオーガは屈強な仲間達を統率するだけでなく、雪と氷を操る魔法の持ち主であるという話が伝わっている。そんな彼の目覚ましい能力の1つに、氷で自分の付呪複製を作りあげる力がある。こうした彫像は最初子供の人形並みに小さいが、成長し、味方として戦ってくれるほど大きくなる。

現在の危機的状況を脱すれば、博物館は行事を祝うために喜んで氷の彫像を展示するだろう。きちんと付呪する前に回収すると、彫像は小さく凍ったままになる。ここ最近の危機的状況に対して絶好の遺物だ。

マテーレ男爵からの手紙Letter from Baron Materre

息子よ

ウィンドヘルムの密偵からの報告によると、ジョルン王が交易隊をオルシニウムに遣わしたそうだ。オークの街には奴らが先に着くだろう。パクトの下種どもに上級王エメリックが喉から手が出るほど欲している交易権を奪われるのを見過ごすのは悔しいが、ロスガーの緑の獣の相手をするくらいならノルドの方がマシだ。我々のような真のブレトン貴族はエメリックの真意がどこにあるのか、カバナントや他の計画にはどういう意図があるのか考えざるを得ない。

お前の妻は愛らしい女性だ。間違いなくな。だが彼女の政治観は野蛮人どもの利益を真のブレトンに優先している。彼女に正しい道を選ばせてやりなさい。真のブレトンなら、ロスガーはブレトンが治めるものだと心得ている。オークに褒美としてくれてやるものではない。

お前が心配しているのは分かっている。しかし、自分の意見は胸にしまい、父の言葉に従え。すべてうまくいく。

父、マテーレ男爵

リークル族長王の笏Scepter of the Riekr King-Chief

「族長王」を自認する屈強なリークルが近頃、オルシニウム北東部を震え上がらせている。彼が使う古代の笏は、かつてロスガー北部で繁栄したオーガク・オーククランの初代族長、クロスが作ったと博物館は考えている。オークのクランにとって力と権威のシンボルであり、「族長王」も同様の使い方をしたらしい。

この歴史的な遺物が下等なリークルの手に渡っている間、オーシマーは安らげない。下等なリークルがどんなに屈強でもあろうとも。

レディ・ローレントのやることリストLady Laurent’s To-Do List

– スティボンズに装備をアルファベット順に整理させる
– スティボンズに食料を栄養価別に分類させる
– 朝食を食べる
– スティボンズに汚れた下着を洗濯させる
– 探検隊の生き残りに演説する
– 明日行う、次のトラグの祠行きの計画を建てる
– 夕食を食べる(スティボンズが魚のシチューを作ることを期待して)
– 歴史の詳細についてカースサンと(再び)議論する
– 博物館への毎日の報告書を書く
– 魔術師ギルドとテレンジャーからの書簡を見直す
– ナルシス・ドレンとヴァノスたちからの手紙に返信する
– 次の分の回顧録を口述してスティボンズにすべてを書き出させる
– 気に入りの櫛とブラシで髪を100回ブラッシングする
– 手が疲れたら、スティボンズに髪をブラッシングさせる
– 就寝前に捜査官ヴェイルの新章を読む
– スティボンズがいつも枕に置いている砂糖漬けの木の実を探す
– 明日のやることリストを書き出す
– 私が就寝できるための仕事をスティボンズがすべて終えたか確認する

ロスガーの鳥Birds of Wrothgar

アリノール・バードウォッチング協会の副会長、ハイネリスによる観察日誌。

第二紀582年 降霜の月3日
まだロスガーに来て数週間だが、独特の珍しい鳥をたくさん見つけるという希望は叶わないかもしれない。今のところ、見つけたのは一握りのカラスや鶏だけだ。タムリエルの他の地域で見られるものに比べると少し大きめではあるが、それ以外に特徴的といえる点はなさそうだ。

第二紀583年 恵雨の月15日
もう6ヶ月以上、ロスガーの凍った荒地を散策し続けてきたが、記録するにふさわしいものは何も見つけていない。もう帰る準備を始めることにした。

第二紀583年 恵雨の月19日
暗い夜を乗り越えた後には、必ず朝日が昇るものだ!諦めかけていたそのとき、我が協会の歴史上最大ともなりうる発見をした。

昨日ロスガリアン山脈のとりわけ辺ぴな場所を歩いていたら、遠くでアオホオジロの鳴き声が聞こえた。気のせいに違いないと思いつつも、調査してみることに決めた。

ホオジロの声を追っていくと、次第に他の鳥の鳴き声も聞こえてきて、人里離れた洞窟へとたどり着いた。入口をのぞき込んだだけで、アオホオジロ、カナリア、カーディナル、それにミドリサンジャクまで確認できた。これほど多種の鳥が同じ場所に生息しているのを私はかつて見たことがない。

明日は洞窟の奥へと入っていく。一体何が見つかるだろうか?今までの人生でこれほどワクワクしたのは初めてだ

悪鬼の儀式Rites of the Abomination

棘と血。
ブライア・ハートの手足が揺れる。

羽と恐怖。
ブライア・ハートの手足が目覚める。

骨と爪。
ブライア・ハートの手足が殺す。

死ね、ブライア・ハート、そして再び生き返れ。

王の使者の最期Royal Messenger’s Fate

マルク卿へ

エメリック上級王の王の使者は死んだ。移送中に起こったことだ。壁が崩れ、使者はトロールに掴まれた。何が起こったか把握できる前に死んでいた。

上級王がオークにオルシニウムを再建させるなど大きな嘘に思えるが、どれだけ問い詰めても使者は同じことしか言わなかった。使者が死んだ今、我々が立派に仕事を終えられる希望はないのだろうか?

我々に希望はあるのだろうか?

永遠の警戒を
エマス卿

王のなぞなぞThe King’s Riddle

背が高く勇敢な、鎧を着た兵士はどこだ?
剣を手に、覆われた墓に眠る。

斧と弓を持った狩猟夫人はどこだ?
熊の爪にやられた。

黄金の剣を持った騎士はどこだ?
深い川で怪物と戦っている。

壊れた玉座に座る王はどこだ?
騎士も兵士も彼の家を守らない。

テーブルには何もなく、骨すらなく、
王は悲しみ、常に孤独だ。

王の命令The King’s Orders

愛しい盾夫人へ

ムートへの道はすべて封鎖しろ。まもなくことを起こすが、何にも邪魔されたくない。

玉座の間の扉を封鎖した後は、立ち向かい私に楯突く相手と戦うため、愛しい盾夫人の力がいる。特に、裏切ったあのよそ者には気をつけろ。

よそ者に注意しろ。そしてソルグラ大司祭に対処するために派遣した兵士と合流し、ムートへの唯一の道を封鎖しろ。彼女をヴォシュ・ラクのリーダーとした後は、一刻を争う状況になる。

まもなくオーシマーが、1つの旗の下に集う。クログ王とオーシマー国の旗だ。そのとき、我々は他国と対等な国家になるだけではない。他国を上回る国になるのだ。

愛しい妻よ、この日を忘れるな、今これから歴史を作るのだから!

お前の王

恩赦の提案Offer of Amnesty

監視人の砦を占拠している者たちへ

ダガーフォール王室の記録を見返している学者たちによると、今君たちのいる場所には、大昔に騎士の集団が派遣されたそうだ。彼らはオークたちのオルシニウム再建を永久に防ぐよう命じられた。

私は新しい王として、状況が変わったことを知らせなくてはならない。オークは信頼すべき味方になり、私はオルシニウムの再建を許可した。

君たちの長く辛い見張りは終わり、帰還すべき時だ。オークの旅人への強盗や殺人を止めるように。

この申し入れと共に王の使者を送ろう。完全なる恩赦と、これまでの仕事に見合うだけの金の入った箱を届けさせている。活動を止め、オルシニウムのオウファ軍曹の元へ向かうこと。この命令に従えなければ、獅子の守護団を派遣して君たちを殲滅する。

エメリック上級王

火の使用Application of Flame

火の元素のマスターであるグラグズが続けているメモがある。

火が新参者の誤った考えを浄化する。

不服な者に特定の石を使って立たせるのは、この過程の重要な部分である。瞬く間に熱くなる石もある。そのため最初に、痛みを非常に激しく急に引き起こすことで、動転して聞く耳をもたなかった新参者も論理的に考え、ヴォシュ・ラクの流儀を受け入れる。もっと丸くて大きい石はもっとゆっくり熱くなることで、新参者に状況を理解しやすくさせ、明快な考え方と正しい選択に心を開かせる。

最新の徴募で選ばれた候補者124、125は有望だ。2人とも期待どおり粘り強い。まず最初は、個人的に火を使わせないで、単純な障壁の技術を試すつもりだ。もっと高い火の壁を使うべきだとアズヌラに言い張られたが、潜在的な恐慌レベルを操作することで、改宗がより成功しやすくなると強く感じている。125は解放を懇願する可能性が高く、最初に改宗するだろう。彼女は戦士の有力候補だ。

候補者121、122、123:2人は改宗プロセスを乗り越えられなかった。123は軽いやけどを治癒師に手当てしてもらっている。手当てが終わったら、ガントレットにふさわしい候補になるだろう。

候補者119、120:パニックを起こした。119は生き延びたが、気が弱い。忠実な召使としては有能だが、組織でそれ以上の地位には就けないだろう。訓練と手引きはよそに任せた。

候補者118:前の候補者4人に何が起こったか見た後、火への恐怖がすぐに現れた。このやり方の有効性を調査すべきだ。私には決して理解できない理由で、火を恐れる者は少なくない。生まれつきの臆病さみたいなものかも知れない。

候補者114、115、116、117:個人に適用する段階まで全員が抵抗した。各人とも改宗に成功し、現在は治癒の最中だ。

候補者113:気絶して火の中に着地し、誰にも気づかれないまま死亡。どう見てもトリニマクとは無縁だ。

我がヒスイの姫へ捧げる頌歌Ode to My Jade Princess

ボラサッドによるあるオークの愛の詩

我が愛しき者、我が愛しき剣、我が愛しき貴婦人よ。
あなたの柄頭は、装甲手袋のように我が手にしっくりなじむ!

我らが楽しみを決して退屈なものにしないことを約束する
彼の頭蓋骨を砕いたときでも!

我が貴婦人の姿は、大理石を刻んだ像のよう、
一目見ただけで、情欲に満たされる。

我が愛の剣は、鋭くしてはならない、
カーテンの暗がりで我らが抱き締め合うときは!

あなたの切なる愛がそばにある限り、
我が心が恐怖の感触を知ることはない!

改宗の状況Conversion Status

最新の徴募兵達は大きな可能性を秘めている。基本的な仕事しか与えられない者も多いが、数名は戦士にとって大きな力になるかも知れない。改宗が済んだら、忠誠心を確認する。

各徴募兵の名と地位は以下のとおり。

バーベシュ・グラムホランク。徴募後、合併症で死亡。

アシュバー。信者で、我々の仲間に加わるため自発的に来る途中だったと言っている。忠誠の部屋に送って試す。

ソルク。料理人。改宗プロセス待ち。単細胞?その振りをしている?痛い目に遭えば真実が分かるだろう。

ウンスラグ。治癒師らしい。治癒師は必要だが、彼女には改宗が必要だ。ウシェナトに引き渡し、しばらく冷凍庫で、我々の大義を言い聞かせてもらう。

ガハール。魔術師。呪文で徴募官を1名殺した。ウシェナトの冷凍庫のもう1人の候補。

シャルダガン。ちょっとした職人だが、気が強い。こちらのやることなすことに反抗してくる。グラグズに引き渡して鍛冶場で修正させる。

ラザーシャ。彼も職人だ。逃げられた。ハーピーに殺されたはずだ。

モルシャナ。武器の腕前はすごいが頑固者だ。改宗が必要。グラグズの候補の1人?

バタシャ。強情な老女。杖を使う。動きが用心深く遅い。有能な召使になるかも?改宗待ち。

ドゥルダン。ちょっとした工芸作家。臆病なようだ。丘で徴募の荷馬車から落ちて行方不明になった。おおかたエチャテレの群れの餌食にでもなっただろう。

監視人の誓いThe Watcher’s Pledge

祖先の剣にかけて、監視人とマクセヴィアン王の正当な後継者に忠誠を誓う。これより監視人の法と規則に則り、監視隊長とその代理が下す如何なる命令も疑うことなく、躊躇せず、忠実に実行する。オークが石を積むことを許さず、人、エルフ、獣であろうと、あらゆる敵から砦を守る。

この誓いに躊躇なく身を捧げ、死を迎えるまでこれに従う。

監視人の報告書Watcher’s Report

監視隊長殿

旧都市の動向が活発になっているのに斥候が気づきました。遺跡の奥へと踏み込み、状況を調査する許可を求めています。知っての通り、オークどもがここ最近、大量に流れ込んできています。新たな集落を作るつもりかも知れません。手をこまねいて、奴らを居座らせる隙を与えるわけには参りません。

マリーン軍曹は先週の襲撃で捕えたオークを尋問しています。どうやらあの野蛮な部族の間に何らかの不和が生じているようです。主導権争いのように思われます。あの獣どもが街へ舞い戻るつもりならば、戦争を覚悟しなければなりません。オークに石を積むことを許すわけにはいきません。誓いに従って行動せねばなりません!

警戒を怠らない部下
ジェラール隊長

看守からの手紙Letter from a Prison Guard

親愛なるヤトレラへ

我が愛しき姉妹よ。調子はどうだ?王を自称する大口叩きに良い印象を与えようと相変わらず頑張っているのか?お前が自分は幸せだ、ホーカーを愛していると言うのは分かっているが、彼をどう見ているのかが分からない。クログが我が族長の盾を磨くことはできなかったし、彼もそう思っているのは確かだ。少なくとも、お前も以前はそう思っていた。

どのみち、私は今もファルンの牢獄を守っている。この単純な案がクランの利益の中心になるとはずいぶんな驚きだ。族長が雇ったブレトンの職人が巨大な施設を作ったのが明らかになったならば、周辺の全クランに対して、牢獄サービスの提供を申し出るのは当然の成り行きだ。どんなクランでも、好ましくない者を追放したり、公然と殺したりせずに投獄を望めば、ファルンの牢獄の一角を借りられる。お前の自称王様が、その半分でも優れた案を思いつくことはありえん!

ここではあらゆる種類の者がいる。私は殺人者、盗賊、殺し屋、暗殺者を監視している、彼らは、精神錯乱者と悪党が興味深い具合に融合している。とてもおとなしく礼儀正しいオークの女さえいて、1度も面倒を起こしたことがない。だが彼女が一番怖い。彼女には絶対に背中を向けないことにしている!

上の要塞で、ちょっとした騒ぎが起きているようだ。状況を確かめに行った方がいいだろう。ああ、それとヤトレラ、お前が戯れるのが好きだったシロクマのぬいぐるみはまだ持っている。送ってほしいか?はは!危険でしぶといというお前の評判がきっとガタ落ちするな。ホーカーの盾夫人の一員になる可能性が台無しになりかねない。ふむ。考えてみれば、いい案だ。次のオルシニウム行きのキャラバンに託して送ろう。

お前の兄弟、
ロアゴス

館長による優先捜索遺物のリストCurator’s List of Sought-After Relics

最初の憲章:西部の山中で行方不明になったもの。

ドワーフライト:伝説でランターンが一番最後に使われたのは、ニジャレフト・フォールズ周辺の探索においてである。

ウズビダクの兜:古代にファルン峠で起きた戦闘のさなかに行方不明になった。

トリニマクの家庭用偶像:私的な信仰に用いられる古代の小像。最後に目撃されたのはパラゴンの記憶近郊。

グスラグの仮面:最後の持ち主は、ファルン要塞の族長の目。

フロストブレイクの聖杯:噂では、ウルフォンの手下の一人によって回収され、要塞の塔の下に隠されているという。

アグラ・クルン:マラキャスの信徒が用いた血染めの盾で、ロスガーの荒野で行方不明になった。

ヌザヴァの金床:持ち主は、モークルのスタイルを決定づけた伝説の鍛冶屋ヌザヴァ。帰国途中に氷の岸で行方不明になった。

サグボによるクランの地図:破壊された歴史的文章を復元したが、オルシニウムへの道中で行方不明に。

ザンダデュノズの心臓:タイタンの聖句箱になり、「名誉の休息地」近くで行方不明になった。

バロス・ブラッドタスクの装身具:「ワイルドボアー」が首にかけていた重い首飾り。現在「名誉の休息地」と呼ばれる場所の近くで行方不明になった。

獣の角笛:破壊され、おそらく旧オルシニウムの遺跡かその近くに眠っている。

百人隊長の印章:パラゴンの記憶周辺で行方不明になった。

スコゾッドの腕当て:死霊術師によって授けられ、彼の聖域に隠されていると考えられている。

水銀:かつてアージェント鉱山の奥深くから採掘された稀少金属。

黒い羽ペン:伝説の吟遊詩人の筆記道具で、コールドパーチ洞窟にまつわる言い伝えがある。

ツェンガナズの目:付呪したドワーフのアイテムで、ルキンダレフトの遺跡周辺で行方不明になった。

碧水晶の槌:クリスタルの塊から彫り出され、旧オルシニウムの遺跡で行方不明になった。

族長王の笏:オークの遺物で、現在の持ち主は下等で屈強なリークル。

マッド・ウルカズブルの氷の彫像:オーガの長老の1人によって作られた。

メモ:長く失われたトラグ王の仲間の最高の遺物は、ロスガーの真の英雄にしか取り戻すことはできない。最も価値のある者のみには、準備が整った時に館長から接触があるだろう。

救援願いA Plea for Help

お前に連絡しようとしている。そう、お前にだ。存在しない紙に言葉を書くことは想像以上に難しい。

白い光。俺の周りには白い光がある。

俺は生きているのか?夢を見ているのか?これは色のある部屋か?

助けてくれ。俺は家に帰りたい。頼む。

ダリアン

狂信者の命令Fanatic’s Orders

聖堂前を監視せよ。彼女の命をすべて果たすには時間がかかる。だから不審なものに目を光らせろ。

何か怪しげな動きがあったら合図しろ。こちらへ自力で来るはずだ。

愚かな兵士のほとんどは魔術師ギルドの上にある入口を知りもしない。仲間の誰かが出入りすることを考えて、開けたままにしておく。

王の兵士が事態を飲み込む頃には任務を果たし、消えているだろう。ともかく、一瞬たりとも気を抜くな!

兄弟の贈りものA Brother’s Gifts

兄弟

あなたにこの手紙が無事届くことを願っている。そもそも私達は親密なわけではないのだし。あなたがオルシニウムへの招待状を受け取ったとき、私はあなたを愚か者の使い呼ばわりし、残って一緒に父の仕事を手伝えと言い張った。あなたから最初の贈りものが届いたとき、私が間違っていたとあなたに手紙を書きかけた。あの金が潤沢に入った袋が店を救い、義理の兄弟と姪を数週間食いつながせたの。

2個目の贈りものが届いたとき、興味を引かれた。まぎれもない好奇心よ!あのマッドクラブのような脚。あのかわいい鼻と毛に覆われた背中。あの愛くるしい生き物は、ウェイレストから旅してきた裕福なブレトンに、どうしても欲しいと言われて売った。大金が手に入った。またしても、私がずっと間違っていたと手紙を書きかけたけど、思いとどまった。

数週間たって、思いとどまってよかったと思う。

彼らの姿が見えるより先に、そのにおいに気づいた。巨大なとさかを持つ獣を引っ張ったあのウェイレストのブレトンが、うちの屋台のカウンター越しに叫んだ。この獣に彼の上等なシルクシャツを食べられたから、チップを上乗せして金を返せと。あの怪物は今や大きさが、牙のある巨大な雄牛並みで、ブレトンの家の柱に頭突きするのを好み、危うく倒壊させそうになったそうよ。

幸いにも、執政官はこの論争で「買い手が用心すべき」と言って私に有利に判断した。

この野獣が何であれ、送りつけてくるなんて大馬鹿よ。もう送らないでいいから。

愛とキスを込めて、
姉妹より

追伸。でもお金は気にせずもっと送ってね。

継続中の仕事Our Continued Labor

このところ聖なるリーダーから命令を受けていない。だが、私達の仕事は重要だ。続けなくてはならない。闇の王の望みは、大立石を維持して何も変えないことだ。ご存じのとおり、その点で我々は闇の王の望みを裏切った。

黒き虫に尽くしてきた私達のクランは、その問題の修正を迫られている。罪滅ぼしが必要だ。私達には古代のパワーストーンを盗んだ報復として、オルシニウムを略奪するほどの兵力はない。彼らは私達の石を街の建設に使い、錨すら下ろさないうちに建物を建て始めた。私達は一からやり直し、ドルメンを改めて作らないといけない。

* * *

ようやく相手と連絡が取れた。再建できる場所を見つけたら、タイタンのザンダデュノズが個人的に守ると約束してくれた。そして再建するだろう。これを私の遺産としよう。もしも私が亡くなったら、黒き虫のクランにこの仕事をさせてくれ。

だから私は言った、放っておいてくれと。

月の歌The Moons Rhyme

小さな月、微笑みのように、
黄金の様式で沈む。

小さな月、金ぴかの双子、
大きく、にんまりと笑う。

高い月、気高き月、
天高く、早く沈む。

3つの月が夜に見える、
なんと奇妙な光景か。

月を規則通りに置け、
小さな、静かな泉のそばに。

高い月、微笑む月、そして金ぴかの双子、
正しく置けば、ゲームはあなたの勝ち。

古代ノルドの石板Ancient Nord Tablet

アーソシースへの敬意を表して
全ての日々を捧げ、
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その後さえ奉仕しようとする誇り高き意志に敬意を表す。
  死と共に

交易許可証Permit of Trade

この交易許可証の正当な所持者である商人、ナマディン、トラボフィア、ジャロレーは、提携先として認められ、オルシニウムの街で書籍や関連アイテムの売買専用の場所の設立を許可されている。

オルシニウム公認の売買人として許可されるのと引き替えに、上記の商人達は、街内の取引を規定するあらゆる法律を遵守し、納付金と税金を期限どおりに支払い、この合意の一環として供給される施設を適切な方法で修理、維持することに合意する。

王の取引評議会が提携先に授ける、包括的で譲渡できない免許は、上記の権利と特権を、有効な一年の間最大限に利用できる。この提携では、免許や地所をこの合意に定められた以外の目的で利用することはできない。

この合意による権利や特権の行使、あるいは納付金と税金の支払いを不履行、遅滞した場合、この合意を期限前に取り消すことができる。

この許可証が不備なく利用された場合、双方の合意によって再び期間を更新できる。

黒い羽ペンThe Black Quill

口承の伝統と物語に大きく依存してきた文化のため、オークの大半はものが書けない。伝説の語り部のラゾサは、その例外として有名だ。

吟遊詩人のラゾサは、その時代最高の語り部であることに満足しなかった。自分の物語が後世に残ることを確実にしたかった。そのためハイエルフの魔術師に、ハグレイヴンからむしった黒い羽に付呪するよう頼み、黒い羽ペンを作らせた。

この黒い羽ペンで書くと、どんな物語でも忘れられることはなかった。少なくとも伝説ではそう伝わっている。ラゾサは、この付呪した羽ペンを見習いに譲った。こうして受け継がれていった最後の持ち主は、コールドパーチ洞窟近くで失踪した。洞窟は、黒い羽をむしられたハグレイヴンの住みかだったのだ。

最初の憲章The First Charter

トラグ王は、単なる新たなオークの集落にとどまらないものとして、最初のオルシニウムを建設した。文明と繁栄を誇る壮大な街を構想したが、オークの文化を反映、発展させた形を望んだ。そのため、街の運営を規定する権利、特権をまとめ上げ、現在「最初の憲章」の名で知られる文書を作成した。

「最初の憲章」には、トラグ王がオークの暮らしにおいて最重要だと考えたことが書き残されている。初代オルシニウムの崩壊後、「最初の憲章」は破壊されたと信じられていた。しかし言い伝えでは、その文書は襲撃者の戦利品として現存しているそうだ。襲撃者は沿岸への帰還途中に殺され、文書は西の山々のどこかで行方知れずになっているという。

採石場への採掘命令Quarry Work Order

オルシニウムの王にして大族長、全ロスガーの戦士長クログが以下を命ずる

——クラン・タムノッシュのグレイストーン採石場から最上級の石材を50、最初の狩りの終わりまでに届けよ。

——加えて同等の石材100を年末までに届けよ。

約束手形での先払いとし、この発注書に添えて送る。石材の納品が完了した時点で、約束手形は石材の市場価格の125%に等しい金と交換できるものとする。

命に従わない、または完遂できなかった場合、クラン・タムノッシュは深刻な影響を被るであろう。

採石場監督官の苦情Quarry Overseer’s Complaint

ラマシュ族長。この醜い山羊の息子め。どうやって150の石材を来年中に採掘しろってんだ?普段の生産量のほぼ倍じゃないか。

なんでトリニマクを信じる奴らの街から仕事を請ける?先祖の顔すら覚えていない上、他人に自分の仕事を押し付けるような輩だぞ。

そんなに石がほしけりゃ、人手を寄こせと言え。部下の一日の仕事量はすでに限度を超えている。いくらオークでも不死身ってわけじゃない。この分だとみんな年の瀬までに死んじまうぞ。過労死したら、お前のせいだからな!

採石場監督官ヤダール

獣の角笛Horn of Beasts

ロスガーの呪術師である野歩きのズブルガトは、自らの少なからぬ力のすべてを野獣の角笛に込めていた。オルシニウムを「トラグの愚行」と呼び、生涯の大半に渡って避けたが、攻城戦開始後まもなくして街に現れた。

野歩きとゴルカール王は互いをあまり好きではなかったが、王は獣の角笛を快く受け入れた。ズブルガトは「月の周期ごとに1回までしか使ってはならない」と警告し、去って行った。王は角笛で、熊やエチャテレなど多くのロスガーの野生動物を召喚して集め、街の壁を守らせた。

攻城戦の初めの頃、角笛は戦争の行方に大きな影響を与えた。だが残念なことに、王が月の周期に3回使うことに決め、3回目を吹いた時、角笛にひびが入った。角笛は今も旧オルシニウムのどこかに眠っていると言われる。

書物と写本の目録Catalog of Tomes and Manuscripts

目録の項目は、東側の壁から始まり、南、西へと続く。

1.オークの喜び:オーシマーの人々の料理表現。
2.フィクション:ロスガーの人々による、あるいは人々についてのほら話。
3.宗教:崇拝と神に関するオークの考え方についての論考。
4.エルフ:タムリエルの弱々しいエルフについてのエッセイ。
5.オルシニウム建設:再建設プロジェクトに関する文書。
6.ブレトン:ブレトンの民の歴史。
7.タムリエル:世界の地図と概要。
8.ロスガーのクラン:オークのクランの歴史とシンボル。
9.クリーチャー:ロスガーの動物と怪物。
10.クラフティング:鍛冶、縫製などの一般的なクラフトについての論文。
11.禁止事項:下品な話題や性的な話題の取り扱い方。
12.ゲーム:オークの余暇の過ごし方で人気のものを数多く詳述、ヴォシュ・ボール、「叫ぶまで尻尾を切れ」などを含む。
13.不明?既存の分野への分類が難しい本。

傷んだ監視隊長の日記Ruined Watchmaster’s Journal

(文章の多くがシミのために判読不能)

第ニ紀442年 薄明の月24日

最後の声明から何ヵ月も経ち、騎士たちに動揺が広がっている。砦を捨てることを声高に叫ぶ者もいる。すでに兵士2名を扇動のかどで鞭打ちに処した。体罰だけでは間に合わなくなる日が近い気がしている。

第ニ紀459年 恵雨の月2日

下級将校3名を反乱未遂で絞首刑にせざるを得なくなってしまった。反応は割れていた。一部の部署の者は改めて服従を誓ったが、レテネ隊長には人望があった。次の計画を阻止するのはより困難になるだろう。ジスボーンを補給係に昇進させ、武器をすべて施錠して保管するよう命じた。反乱分子を探り出すまでの措置だ。この不快な思いもダガーフォールからひとたび救援がきさえすれば瞬く間に終わるだろう。八大神よ、お助け下さい。どんな犠牲を払おうとも、任務は死守する。

第ニ紀460年 蒔種の月12日

ジスボーンと私は砦と青白き監視者を救う策を考え付いた。どうして今、紙に書き残しているのかは分からない。罪の意識のせいだろうか?計画が実を結んだら、このうしろめたさも報われる。

ジスボーンとその副官は精巧な文書を偽造した。文書はマクセヴィアン王の後継者からきたことになっていて、我々の勢力を無期限に維持するように命じている。うまくいくかも知れない。兵士の多くは内密に結婚し、変化のない日常を営んでいる。この種の行いは通常の軍隊の規律に背いてはいるが、好きにさせている。結婚、子供、安らぎ、日常… こういったことが冒険心を殺し、根を固めさせてしまう。兵士が軍人としての覚悟を維持し、指揮系統を守るのならば、大目に見ておこう。

第ニ紀471年 暁星の月5日

震える手でこれを書いている。死は思ったほど遠くないようだ。

ジスボーン、警備隊(この日誌も)は間もなくお前のものになる。何年もの間、この衰弱した部隊が健全になるように世話を焼いてきた。お前の指揮下で部隊はきっと栄えるに違いない。

努力を続けよ。伝統をつなげ。ダガーフォールの栄光を守り、オークに再建を許すな。これが過去も、今も、そして今後も我々の誓いだ。誓いを守らせるのだ。八大神がお前と、青白き監視者をお守り下さるように。

小屋の世話係の手紙Kennel Tender’s Letter

テルフォーへ

ようやくここロスガーで仕事にありつけたよ。華やかじゃないが、給料は十分だ。上司は「ヅラゾグ訓練師ニコルヴァラ」と呼ばれているビーストマスターだ。言いにくいだろ?君には言うけど、変な人だよ。少し頭がおかしいのかもしれない。だが動物の扱い方は一級品だよ。正直、人より動物の方が好きなんじゃないかと思ってる。

言ったように給料は十分だが、楽じゃない。ここの獣たちは今までに見たことないくらい獰猛なんだ。ヅラゾグはガメット爺さんの犬を倍の大きさにして、3倍危険にした感じだ。この間は手を噛みちぎられた男を見たよ。木からリンゴを取るように、いとも簡単にね。でも大丈夫、細心の注意を払うよ。

近々、金を送る。ギルダから目を離さないようにして、鶏の餌やりも忘れないようにな。

愛しき兄弟
フィリップ

乗客の日誌:海難事故Passenger’s Log: Disaster at Sea

7日目

エルセリック海の温暖な海域はハイロック北岸の冷たい抱擁へと変わった。この地域に適応できるのはオークやホーカーぐらいのものだ!砂浜は雪と氷に覆われた岩礁へと変わった。なぜこんな海域を航海しているんだ?船乗りでなくたって、オルシニウムがこんな凍りついた沿岸にないことは分かる!

8日目

身を切るような突風のため、ほとんどの乗員と乗客は甲板の下で身を寄せ合うことになった。吹雪が近づいてるのは確実だ。それも猛烈なものになるだろう。だが大使は気を揉んでいるようには見えなかった。あの女性は悪臭ただよう湿ったダンジョンですら、日の光を見つけられる。

9日目

ああ、気のせいだったらどんなによいことか!吹雪が船団を飲み込んだ。しかも猛り狂うブリザードだ!帆は凍りつき、マッドクラブ大の雹が恐ろしい勢いで甲板を叩く。船団が雪と霧で散り散りになったのではないかと気が気ではない。雪と霧はあまりにひどく、数歩先すら見通せない。吹雪がすぐに止んでくれるか、避難できる場所を探せねば、船団は座礁するか互いに追突してしまうだろう。

にもかかわらず、ヘンリサ船長は自信があるようだった。船乗りたちは彼女を高く買っていて、恐怖に度を失うようなことはなかった。少なくとも今のところは。

浄化師サイラスへの手紙Letter to Purifier Cyrus

浄化師サイラスへ

銀なる暁教団が危険にさらされている!子供喰いのマグナーとその野蛮なウェアウルフの群れの隠れ家を探す旅で、恐ろしい情報を入手してしまった。マグナーの群れが教団を狩りにきている!

最後に捕らえたウェアウルフを殺す前に、詳細を吐かせることができた。マグナーの群れは教団の一員をアージェント鉱山まで追跡したそうだ。今もマグナーの群れが鉱山の近くで集結し、教団の心臓部を襲撃しようと企んでいる!

鉱山を整え、防御を強化し、通路を補強しろ。マグナーの群れが来るぞ!この知らせが間に合うと良いのだが。

斥候アバライン

浄化師の日記Purifier’s Journal

銀なる暁教団の歴史は第二紀428年、クリムゾンムーンの呪いとして知られるウェアウルフ危機がハイロックを襲った時代までさかのぼる。最愛の息子ジャロンが獣の呪いにかかったことをきっかけに、銀斧のアデリザが設立した。彼女は村を救うため我が子を殺すはめになったのだ。彼を追悼すると同時に教団の結集点を作るため、我らの永遠のシンボルとなる旗をアデリザは糸と毛糸と涙で編んだ。教団への献身を示すため、自分の血も何滴か入れた。それ以来指揮官となった者は全て、自分の血を旗に垂らすことで伝統を受け継いできた。

やがてアデリザの下で教団は強力な勢力へと成長した。彼女は教団をロスガーへと連れていき、作戦基地を建てた。この場所を我々は今でも本部として使っている。かつてアデリザの家族を大金持ちにした銀鉱山、アージェント鉱山は、銀なる暁教団の秘密基地となったのだ。我々は今でもそこから武器や防具を作るための銀を掘り出し、神聖なる旗は浄化師の間に置いている。

私の任期はわずか6年前に始まったのだが、とあるウェアウルフとその野蛮な従者たちに悩まされている。子供喰いのマグナーが群れを結集したのだ。奴らはロスガーとハイロックを荒らしまわり、襲撃と略奪を行い騒乱を巻き起こしながら、その非道で野蛮な一族に加入する者を探している。

中でも子供喰いのマグナーはオブリビオンの最も腐った場所に幽閉されるべきだ。その名前は、一般人を脅かすためだけのものではない。実際に子供の柔らかい肉を好み、そのようなものを持ってきた群れの狩人には褒美を与えている。銀なる暁とマグナーの群れは戦争状態にあるといっても過言ではない。両側で犠牲者が増えているが、斥候が群れの隠れ家を発見できると期待している。そうすれば最後の襲撃をかけ、マグナーと子分たちを永久に駆逐できる。

職人のメモArtisan’s Notes

あのノルド達が現れたとき、面倒を起こしに来たのだと思った。だが、彼らは洞窟施設での作業のために、私を始めクランの者達を雇うと決めた。なるほど。金が出続ける限り、このオークは文句なく司祭や信徒のために働くだろう。たとえこちらが彼らのことを、少し薄気味悪く感じたとしても。

* * *

これほど精緻な浅浮き彫りを彫るのは初めてだ。彫った一連のパネルを通して1つの物語を語る極めて困難な作業だ。しかし、ぜひ私にと司祭に言い張られたので、全力を尽くした。司祭は物語を向上させるための提案さえ受けれ入れてくれた。

* * *

仕事はもう少しで終わる。この場所で作業を終えられれば嬉しくなるだろう。仕事は興味深く、報酬もいいが、埋葬室を作っていることに気づくと、疑念が頭をもげ始めた。私のクランは死者がそばにいると落ち着かない。それに司祭にも不安を感じた。不思議な表情をしている。だが、私はこの石を完成できることが誇らしくてたまらない。万事順調にいけば、明日には担当した部分が終わる。家に帰れるのだ。

* * *
土壇場になって司祭から、私が完成させたばかりの大きな浅浮き彫りの、小型版を4つ作るよう要求された。交渉の末、浅浮き彫りの各パネルに興味深い要素を1つ加えることを納得させた。司祭の信徒は高難度の施錠装置を作り上げていた。私に言わせれば、ドワーフは重量やボタンなどについては無茶苦茶なところがある。新たに設置するこの新装置のために、この小さめのパネルを頼まれた。

* * *

他のオークの職人たちの中には、スカイリムに作られているこれと似た墓の話を聞いた者もいた。そこの職人たちは仕事が完成すると、墓の秘密を守るために抹殺されたという。悪い暖炉夫人の話みたいに思える。

信仰の道Path of the Faithful

怒れる者、忌まわしき呪いの番人、裏切られし者の守護者。これらは崇拝者や立てられた誓いの子供達が知っている、偉大なるマラキャスの異名の内のごく一部に過ぎない。

聴け、入信者よ!聞け、忠実なる者よ!あなたの歩まねばならない道は決して生やさしくはないが、正しく敬虔な態度で進めば、掟の作者の懐へと導かれるだろう。

ファルン砦の祠には、聖域への道が隠されている。聖なる管理者たちから自由に与えられた、人生で最も貴重な液体の贈り物だけが、道を明らかにする。

祈りの間でマラキャスの光を拒んだ者達は、永遠に暗闇を歩き、信仰の間を目にすることはない。

信仰の間では、どんなに下まで落ちようともマラキャスが捕まえてくれると信じろ。

最後に、聖言の聖域では、生贄だけが怒れる者の教えを呼び起こすだろう。

信号塔に関する命令Signal Tower Orders

忠実なるブレトンよ

どれほど風が強かろうが、雪が激しかろうが、なさねばならない仕事がある。ヘンリサ船長とその艦隊が間もなくやってくる。艦隊の帆が見えるまで狼煙を絶やすな。火を消すのはそれからだ。

この忌々しい嵐で船長の計画が多少狂ったかも知れないが、天候を逆手に取ることができると思っている。

水銀Liquid Silver

ロスガーの山々は、あらゆる種類の鉱物と鉱石に満ちている。金、銀、鉄が大量に見つかる。だが、この地とタムリエル以外では見つからない稀少金属がある。その1つが入手困難な水銀だ。

水銀は錬金術師が称え、鍛冶屋が欲するが、つるつる滑るため、両者にとって実用的な価値はない。今のところは。

水銀は重く粘着性のある金属で、治癒や寿命を延ばす効用があると考えられている。また、ウェアウルフに悪影響を与える効果があるとも信じられている。そのため水銀を注入したボルトは、どの戦士ギルドの武器庫でも貴重で大事な部品となっている。ロスガーのアージェント鉱山は、かつて稀少金属の豊かな産地だったが、もう長年使われていない。

他の嫌いなものOther Things I Hate

ファンシー・ナズバビール 作

-うずくまって物を盗むスリ
-発煙弾が残すひどい残留物
-ナイフを拭かないお粗末な殺し屋
-馬鹿げた帽子をかぶった人々
-馬鹿げた人々
-馬鹿げた帽子
-人々
-帽子
-ナイフをダメにする分厚いのど笛
-海賊
-馬鹿げた帽子の海賊
-パンタロンをはいた海賊
-ウグイアビの帽子
-ウグイアビ
-馬鹿げた帽子をかぶったウグイアビ
-ズボンをはいたウグイアビ(大胆な説明!)
-小さな月
-レリサ——自分で思っているほど狡猾じゃない!
-賄賂の受け取り方を知らない衛兵
-亡霊
-派手な亡霊
-嫌味な亡霊
-自分より着こなしが上手な亡霊
-生きていた時よりも長いあいだ亡霊でいる亡霊
-子猫
-子犬
-ウェイレスト
-吟遊詩人
-海賊兼吟遊詩人
-ウェイレストから来た海賊兼吟遊詩人
-ウェイレストから来たウグイアビの帽子をかぶった海賊兼吟遊詩人
-ウェイレストから来たウグイアビの帽子をかぶった海賊兼吟遊詩人の亡霊

暖炉の母への手紙Letter to Hearth-Mother

暖炉の母よ、私を見つけに来て。暖かい火とお腹を満たすスープを持って来て。みんな寒くて空腹で、もうこれ以上歩けないから。

この探検に選ばれたとき、我々は誇らしく自信に満ちていた。ソロウ登頂!伝説の山頂に2世代以上ぶりに登頂したオークになれるのだ!だが、ソロウがその恐るべき高さへの登山を拒んでいることに気づくと、瞬く間に自信は絶望に変わった。

先陣の2チームは、そう遠くまでたどり着けなかった。分かっている限り、第1陣はハーピーやオーガに襲われ、第2陣はひどい強風と寒さに見舞われた。ホーカー数人は哀れなことに、凍えるような霧に隠れていた断崖から転落した!

しかし、我々は怯むことも、コースを変更することもなかった。今になってみれば、そうすべきだったと分かるが。レディ・ローレントは我々を再編成し、カースサンは我々の功名心に訴えた。我々は血にたぎる炎と夢の輝きとともに、再び山頂をめざして前進した。

雪崩でクーロンを失った。雪と氷の下敷きになって彼女の両脚は折れた。やむを得ず置き去りにし、山道を進んだ。普通のコースなら探検隊は破滅していただろう。もちろん、破滅は思っていた以上に近くに迫っていた。

我々はたいしたことを成し遂げたと言えるかも知れない。実際、トラグの祠の扉にたどり着いた。その碑文を見つけ、カースサンに教わったとおりにこすった。曲がり角から3人組のオーガが現れたとき、中に入ろうとした。勝利の確信もなく野獣3人を相手にする気にはなれなかったから、隠れてやり過ごすことにした。だが、要領の悪いスキーヴァーのアーゴンが斧を落とした。そのとき、登るより降りるほうが賢明だと思った。

ブロクークは最善の選択肢が、通り過ぎた洞窟に引き返すことだと思った。洞窟にオーガが住んでいたとしても、隅に隠れ場所を見つけられるはずだと彼は言った。それでうまくいっただろう。もしも祠から逃げる時、物資の大半を失わなければ、もしも火を燃やすのに燃料を使い切らなかったら。

少なくとも我々は碑文をこすった。カースサンがはるばるここまでたどり着けば、祠がそう遠くないことに気づくだろう。

頂上のトラグ、完訳Torug at the Summit, Complete Translation

トラグ族長は、略奪者がその遺体を見つけることを許さない。

トラグ族長は、より弱きオークが自身より高い位置に埋葬されることを許さない。

* * *

トラグ族長は篭手を抱え、瀕死の体に鞭打った。

山頂に登ると、自ら築いた石塚に入った。

* * *

そしてソロウのキスを魔法の腕輪の上に置いた。

こよなく愛した宝物をふさわしいオークが手にするまで、永遠に待ち続ける。

The Whistle

その笛と、自分の特有の才能を見出したのは13歳の夏だった。それよりずっと前から自分には何か未発見の潜在能力があり、その能力で仲間たちと一線を画すことができるという気がしていた。

子供の頃は人との交流が苦手だった。そのため自分より大きく強い子供たちの間で、いたずらやからかいの対象になっていた。その頃には彼らはすでに戦士や木こりといった力強い職業を自負していて、ほっそりとしていた私は大きく後れを取っていた。だが動物たちの中には良き友をたくさん見つけ、どんなに孤独な時も一人ではなかった。

ある時、自分たちの力を誇示したがる年上の残酷な子供たちが、私にとあるいたずらをしようと思いついた。そのいたずらで使われたのは彼らが見つけた笛で、多くの生き物を荒れさせる音を発するものだった。故郷に生息していたヅラゾグは特にこの音に影響を受けやすかった。当時ヅラゾグがねぐらとしていた洞窟へ連れていかれ、殴られたくなければ笛を吹けと命令された。前述したように、この子供たちは私よりはるかに強く残酷だった。彼らに暴行を受けて片足を引きずって帰ったことも多かった。

だが今思えば、暴行の脅迫だけでは笛を吹くことはしなかっただろう。私の度胸に対する侮辱や嘲笑の言葉が、笛を吹かせた。物理的な力で負けていたのは明らかだったが、勇気と精神力では絶対に負けないと思っていたから。

臆病者と謗られるよりはましだと思い、私は危険が大きい方の選択をして、笛を手に取り大きくはっきりとした音を吹いた。自分の勇敢さを示すため、必要以上に長くその音を出し続けた。その音を聞いたいじめっ子たちは本性を現し、吹くのをやめるよう懇願し始めた。頭がおかしいのか、死にたいのかなどと言われた。

私は笛を吹くのをやめず、歯をむき出しにして口をゆがめたヅラゾグがねぐらから出てくるまで音を出し続けた。私が止まると、彼らも止まった。一瞬、お互いを見つめ合った。わずか数歩先で、まるで合図を待つかのように止まっていた。私は再び笛を口につけ音を出した。すると彼らも再び近寄り始めたが、私に殺意が向けられているようには感じられなかった。むしろ指示を欲しがっているようだった。この仮説を試すべく、私は家で飼っている犬でやるのと同じように、手を上に向けて合図した。すると犬と同じように、ヅラゾグたちは一斉に後ろ脚で立った。続けて「お座り」や「ねんね」といった合図を笛の音と共に出してみると、ヅラゾグたちは何度もそれに応えた。

これを見たいじめっ子たちからは恐怖が拭われ、今度は自分たちに笛を使わせるよう懇願していた。ヅラゾグに命令してみたかったのだろう。それを拒否するのは、正直に言うと気持ちよかった。とうとう奴らは私に嫉妬していて、敬意を勝ち取ったのだと実感したからだ。

だが奴らの中で最も体の大きかったレジッドというバカが、私の頭を殴り笛を奪った。ようやく意識がはっきりしてくると(それだけの力で殴られたのだ)、奴が笛を吹く音とヅラゾグのうなる声が聞こえてきた。徐々に回復する視界の中で、怒りと殺気に満ちたヅラゾグたちがレジッドの方へと走っていくのが見えた。レジッドに飛びかかり、肉を噛みちぎっていた。奴は泣き叫び、笛を使ってヅラゾグたちを追い払うよう懇願したが、私は何もしなかった。

他の者たちは喰われるレジッドを恐怖に満ちた表情で見ていたが、私がそのとき感じていたのは誇りだけだ。私たちよりも動物のほうが勝者と敗者を見分ける感覚を持っていると、ずっと信じてきた私の考えが立証された気がしたのだ。

食事の終わった獣たちはねぐらへと戻っていった。他に笛を欲しがる者はおらず、その時からずっと私が持っている。タムリエル各地でヅラゾグをしつけ、訓練するために使っている。反抗されたことは一度もない。たった一度もだ。

はたして魔法なのか?この笛に魔法があるとすれば、私の注ぎ込む勇気と技術だけだろう。

百人隊長の印章Centurion’s Signet

「オーシマーが世界中の目の敵にされた時代がある。我々は戦い、死ぬだろうが、名誉を捨てたりはしない。世界に対し、彼らが言うよりも優秀なことを示すだろう。そしてもしも滅びるならば、敵の喉をつかんだまま滅びるだろう」

この言葉の主は、帝国の百人隊長に叙せられ、皇帝に仕える栄光を勝ち取った初のオーシマーだ。

そのオークの百人隊長の名前は歳月に埋もれてしまったが、彼の印章はそう遠くない10年前、パラゴンの記憶周辺で見つかった。

碧水晶の槌Hammer of Glass

初代オルシニウムは、当初街というより武装キャンプだった。やがてキャンプは村となり、村は街へと発展した。わずか数年で、人と建物の集合体として無秩序に広がり、隙だらけで攻撃の絶好の的になった。

鍛冶夫人のモーツガは、トラグ王の多くの妻の中で最初の妻であり、最も偉大な妻だった。街の周囲に石壁を建てて街の境とするために、熟練した石工を探した。石工は熟練の職人であると同時に、記録的な早さで任務を遂行できる戦士や交渉人としての技量も備えていなくてはならなかった。彼女はクスバーグを選出し、任務を任せた。

クスバーグは任務を言われたとおりに成し遂げ、旧オルシニウムの周囲に、今も残る堅牢な壁を建てた。報酬として、クリスタルの塊から彫り出した、碧水晶の槌を賜った。その印象的な彫刻は旧オルシニウムの遺跡の中にまだ残っていると信じられている。

オルシニウムの記録

Orsinium Archive

アーグドシュの送られなかった手紙Urgdosh’s Unsent Letter

ウラカ

スカルグは我々を真実に導いた。彼に対する評価が辛口だったかもしれないが、網の紡ぎ手に対する彼の愛は行き過ぎたものだと今でも言える。氷を砕くと小道に邪魔がなくなったが、彼は導くメファーラの歌の網が見えると言い張った。

ラコラ達一行を見つけた。負傷しているが生きている。彼らが麓で何を見たか信じないだろう、ウラカ。ドワーフの所業は見たことがあるが、今回は…

それは、ある種の鍛冶場で、見えない力を抑え込むように作られている。だが、この場所では周囲に力を感じる。ここはとても暖かいのに、何度となく体が震えている。

ドワーフの痕跡はなかった。ガーディアン達の誰ひとりとして、この場所を守るものはいない。瓦解しつつある。これほど風格があるのになぜ放棄しようとしたのか?

この地を自分達のものだと主張すべきだとグザルは言う。再建し、改造する。私達のものにする。忌々しいスカルグが言うには、それがメファーラの願いだと…私達が追うべき糸だと。意味不明だ。

すぐに帰宅できることを願っている。

—アーグドシュ

アイスハートの日記Ice-Heart’s Journal

包囲が続いている。クログと、薄汚いオークどもめ!

我がウィンターボーンが進撃を行った後、いわゆる豚の子供どもの王が外遊から帰国し、オークのクランを束ねた。突然、我が戦士長達は追われる身となって次々と殺され、我が隊の戦士は四方に散り散りになった。だがいいか。我々はこの包囲を耐えてみせる!

このブレトンのかつての砦は、神に遣わされたものだ。あの愚かな豚の子供どもに突破されなどしない。ましてやハーピーをやり過ごすなどとうてい無理だ。ハーピーが無警戒のオークを急襲して捕まえるのを見るのは最高だ。オーク達を凍らせ、粉々に砕く音を聞くのに負けず劣らず楽しい。だが、これほどの建造物を誇ったブレトンがこの地を制圧できなかったのは不思議でならない。彼らは豚の子供どもより愚かだったに違いない!

我々の店を支援する物資は毎日続々届いている。愚かな豚の子供どもめ!彼らがロスガーに送り込んだキャラバンは1つ残らず、我がウィンターボーンにとっての雑貨屋になるのだ。支払いを気にせず、望みどおりのものを手に入れられる雑貨屋だ!確かにクログが召喚したよそ者達には、いささか手を焼いている。だが結局は大差ない。到着したそばから殺すのだ!

ハグレイヴン達は完璧な手順を続け、ブライア・ハートを育て、彼らを使ってブライア・ハートの戦士を作り出している。あの木は魔法による見事な逸品だ。とりわけあれを考えたのがハグレイヴン達だと思うとな。しかし、たとえ出所がどこであろうと、私は優れた案を却下したりはしない。ブライア・ハートのおかげで我が戦士達は不死身だ。だからこそウルフォン・アイスハートはこの戦いに勝つのだ。だからこそウィンターボーンが勝利を得るのだ!

アゴラスの日記Agolas’s Journal

項目297
新しいカモを見つけた。ザバニはオルシニウムがどういうところか何も分かっていない。こいつを利用して王のコーナークラブに侵入するか?

項目298
奴を金庫の近くに行かせ、中身を頂いてから、何も知らないカモのザバニを衛兵に差し出してやった。奴が罪を負い、俺がブツを得るってわけだ!

項目299
こんな手間をかけて、醜いマグが手に入っただけか?

項目300
どんな盗品商もこれには手を出さない!グリーディー・ガットでアスティルムと会えるよう手配しないといけない。彼女は何でも買う。これはケリがつくまで、水道橋の岩の北に隠しておく

X = 水道橋の橋脚、細い木、灰色の大蛇

アゴラスへのメモNote to Agolas

アゴラス

この不細工なマグを守るのに、なぜこれほど難しい鍵を使っているのか理解できない。感傷的な価値でもあるの?

急いでキャンプに戻るわ。盗賊ギルドであなたの友人達に会うのが待ち切れない!

—Z

ウィンターボーンのメモWinterborn’s Note

マイルナ

ウチュイラン戦士長は何も説明してくれないが、失踪の原因を突き止めたと思う。戦士長の愛人、ハグレイヴンのクラーラが鳥の剥製のトーテムを使って、囚人を鳥に変身させていた。

ハグレイヴンは、変身の技を囚人だけに使っている訳じゃなさそうだ。仲間たちにもトーテムを使っているんだ!できるだけ早く逃げろ。私も―

〈乾いた血で汚れ、手紙の残りは読めない〉

エチャテレのすべてAll About Echatere

スタグブラルツ・グロー・シャトゥル 著

食事の時に、何が腹を満たしてくれる?エチャテレだ。寒さが厳しい時に何が身を包んでくれる?エチャテレだ。忘れるな。エチャテレは食い物だ。エチャテレは服だ。これが放牧地の最初の掟だ。

エルフが村にきてエチャテレが「かわいい」とか「気高い」とか抜かしたら。ぶん殴ってやれ。エチャテレはかわいくも気高くもない。醜く、嫌らしく、尖ってる。エチャテレを愛すれば、エチャテレに殺される。これが放牧地の第二の掟だ。

口笛を吹かずにエチャテレを集めることはできない。だが口笛を吹くとエチャテレは怒る。それでもやらねば食べることができない。死なないためには殺される危険を冒さねばならない。これが放牧地の第三の掟だ。

エチャテレを屠る時は、喉を切ってその血をたらいにためろ。さもないと、中から腐ってしまう。これは掟ではない。常識だ。腐った肉など食いたくない。

エチャテレの子供に名前を付けると、子供が夢中になってしまい、屠る時に泣かれる。だからエチャテレが区別できなくて、どれがどれだか分かるように名前を付けたい時でも、「バカなハムスター蟹」とか「毒々しいの」とか「尖りすぎ」といった名前にしろ。オーク風に名づけてはならん。そうしないと子供がなついてしまって、一生恨まれることになる。

これが放牧地の掟のすべてだ。これを守れば群れは増え、腹も満たせ、子供にも嫌われなくてすむ。

追記:エチャテレが一匹の時はエチャテレだ。二匹ならばエチャテレズだ。誰でも知ってることだ。だが一生放牧しているなら、「エチャテレが5匹あっちにいる」と言っても構わない。なぜならあいつらはみんな同じだからだ。

オークと牙Orcs and Their Tusks

非公式の研究
フォルムズ・セレス 著

典型的なオークの牙の魅力とは何か?断言する。彼らがあの牙をこまめに磨き研いでいなかったとしても、あらゆる反射する表面を間近に見て、隣の牙を物欲しそうに眺めている。そしてこれらを行わない時は、自らの牙をほとんど家宝や古代の遺物のように語る。言っておくが、これだけでもこのダークエルフを怒らせるには十分だ!

牙にまつわる執着についてオークにずばり聞くのは失礼だと思うが、日常のオークの会話に牙という言葉と概念がどう使われているか学ぶことは、理解がある水準まで達する役に立つかも知れない。この目的のために近づいた最初のオークは女で、ここではオーカと呼ぶ。怒った顔をしていた。少なくとも怒っているように見えた。平均的なオークの顔つきとなると、その違いは区別しにくい。オーカは怒った声で「牙を外せ!」と言ってきた。

何て奇妙な言い回しだろうか。「牙を外せ」とは。シンプルで断定的だ。ほとんど意味をなしてないが、オーカの口から発せられたのだ。私に何を求めたのかははっきり分かった。彼女が傍らに吊してあった斧に手を伸ばすのと同時に、私は大慌てで詫びながら側から離れた。

これを機にオークの他の表現も、さまざまな場面で耳にする言葉を含め、考えるようになった。例えば「マラキャスの牙にかけて!」という言葉は、感嘆の言葉として万能で、そのオークの有名無名具合にかかわらずぴったりの名詞代わりだ。私はオーク達が何々にかけてという時の何々に、マラキャス、トリニマク、クログ、バズラグ、鍛冶の母アルガ、ほら吹きのウルゾ、さらには暖炉の母や、誓った当人以外誰も覚えていない古代の先人を当てはめて誓うのを聞いたことがある。そして誓いに使った牙は、目先を変え、削り、割り、壊し、欠けさせ、刺し、様々な影や色にした。

他にもオルシニウムの酒場で何度も聞いた表現に「牙を蹴るよりいい」がある。何か不愉快な経験をしても、他の不愉快な経験ほどではないという意味のようだ。オークの1人がもう1人に「ヒルがうじゃうじゃいる池にお前が落ちたと聞いた」と言うと、もう1人がこう感嘆する。「牙を蹴るよりいいわ」と。オークがどんなにひどい苦労を味わっても、もっと悪いことがあるかも知れないと私は結論づけた。オークの牙は非常に傷つきやすく、蹴ると耐えがたい痛みをもたらすのだろう。あるいは、それは単なる話し言葉で、会話からより深い何かを暗示することはできないのかもしれない。オーク達には本当に混乱させられる。

しかし、これは言わば牙の豆知識に過ぎない。オークの酒場で数時間過ごすと、牙に関するありとあらゆる表現を耳にできる。「牙にしてやる!」「誰が牙を渡す?」「馬鹿者に牙を刺す!」「牙とは?」「周囲に牙するのはやめて!」「私に牙を!」。そして私のお気に入り候補は「自分に牙を刺せ」で、一見無理な注文に思えるが、オークの牙が肉親に対して何ができるか見ている。オークはこういう横暴な提案をする者は嫌いなようだ。

牙の話題をオークと議論するためにもう1つ試してみようと決めた。今回選んだのは、人目を引く若い女で、暗い隅に腰を下ろし、オルシニウムのピンクの黒葡萄ワインのボトルを飲み尽くそうとしていたところに、オークの言葉における「牙」のいろいろな使い方について話してくれないかと頼んだ。

「牙はだめ!」と彼女ははっきり言った。それでも私は粘った。

「牙でからかう気なの?」と彼女は尋ねた。私が「牙でからかう気はない」と言うと、彼女はこぶしを丸めて、私の尻をなぐった。

「牙!」と私は叫んだ。こうして私は牙の本当の意味を理解できた。

オークの古いことわざ:盾Old Orc Sayings: Shields

これはオークの知恵の言葉を集めたものであり、第二紀の初めに36年間オークと暮らしたロアルド・ケンウェイによって記録されたものである。

1. 敵の盾を破壊するときは、破片に気をつけろ。

2. 肋骨が砕けるよりは盾が砕けるほうがましだ。

3. 魔導士を殴るには盾がいい。だが、こん棒ならもっといい

4. 盾に矢がたくさん刺さっても、顔に刺さるよりはましだ。

5. 盾の壁は、石の要塞のごとく動かない。

6. 斧は切るために。盾は防ぐために。

7. 戦士の剣は多くの命を奪うが、その盾は1つの命を守る。

8. 壊れた盾は守りが薄い。

9. 盾を敵の血で染めろ。

10. 強い盾は攻撃する者の心を折る。

11. 盾は皿として使いにくいし、皿も盾として使いにくい。

12. 1つ盾を持っていれば大きな価値があるが、2つ盾を持っていてもバカみたいだ。

13. 奴らは我らの盾を見て恐れるだろう。

14. 春には無傷の盾も、夏の終わりには壊れているだろう。

15. オーク戦士の愛するものは2つある。1つは剣、もう1つは盾だ。

16. 君のクランが持っている盾は、君だけだ。

17. 石塚の石の多くは、盾を持たずに戦闘に出た者だ。

18. 木製の盾でも、盾がないよりはましだ。

19. 敵が盾の後ろに隠れたら、足を切り落とせ。盾を下げたら、首を切り落とせ。

20. 盾を前に構えていれば、マラキャスがいつも味方してくれるだろう

オーシマーの奇妙な儀式Strange Rituals of the Orsimer

タムリエルの民の死の儀式についての調査
アーケイの司祭チャプレイン・ジョーダン 著

私は埋葬と葬儀の神の敬虔な信徒として、リーダーや家族や愛する者が亡くなったとき、タムリエルの様々な種族が行う儀式の研究に生涯を捧げてきた。この巻では、ロスガーのオークとしても知られるオーシマーの死の儀式を探っている。

よく知られている言い伝えによって、オークの遺体は死んだ場所に安置されると信じられている。その話には一片の真実があるかも知れないが、オークは他の知的な種族に劣らず、病気には詳しい。腐敗の進む遺体をその場に散らかして悪臭が放たれることを誰も望まないし、そうした遺体はありとあらゆる昆虫や捕食者を引き寄せる。だから、オークが死んだ場所は同胞によって印を刻まれ、神聖に近い場所とみなされるが、遺体がその場に置かれる時間は数時間もない。それまでのあいだ家族や友人が立ち寄り、最後のお別れをする。そして遺体は移動される。行き場所は分からないが。

オークは口承の伝統を持つが、よそ者に説明し詳細を語ることは拒んでいる。私としては観察結果や交わすことのできた会話を元に学識を交えて推測するしかなかった。だが、これまでのところ、オークが遺体をどう扱うか教えてくれる者はいそうもなかった。

* * *

オークの古代の埋葬地を、ソロウと呼ばれる山で見つけた。この雪に覆われた山頂は危険な生物だらけで、気候も死と隣合わせだ。数世代に渡り、オークの亡骸の保管場所の役目を果たしたが、過去のある時点において突然、この習慣は終わりを迎えた。どう見ても、この山はオークの中でも最も勇敢で屈強な者のためのものだ。そうした者は、最後に死に襲われるまで、できる限り高いところまで登ることを求められた。こうしたオークは力尽きた場所に残されるが、遺体に石が積みあげられ、遺体を保護する石塚か、くさび型墓と呼ばれる独特な建造物になった。

これもまた、オークが死んだり力尽きたりする場所に、神聖なる岩で印をつける習慣と関係があるようだ。オークはその岩を「タムナー」と呼ぶが、これはオークの言葉で「死の石」を意味すると思われる。

* * *

ようやく、死の儀式についの話を提供してくれる老女のオークを見つけた。厳密に言えば、彼女は「ベシュカー・ノア」と呼ばれる「死の鍛冶」の習慣について議論したがっていた。

どうやら、リーダーや英雄や敬愛された年配者など、偉大なオークの遺体は、「死の鍛冶」として知られる行程を経ることになるらしい。この行程を老女のオークは難解な言葉で説明してくれた。遺体から血を抜いて後で使うときまで取っておくのか、遺体をまるごと灰になるまで燃やして灰をとっておくのかはよく分からない。いずれにせよ、取っておかれた遺体は最後には、溶解した金属と混ぜ合わされ、敬愛されたオークは、たいていは剣、槌、盾などの強力な武器や道具に姿を変える。

* * *

こうして、ロスガーのオークによる複雑な埋葬儀式の習慣を完璧に理解しようという探求は、今も続いている。かなりのことを学んだつもりだが、それでも何も学んでない自覚はある。一般にオークは死者を埋葬しないが、ソロウの山のような場所では埋葬する。オークが強力なオークが亡くなった時は印をつけるのは知っているが、死体をそのままにして腐敗させることはおそらくしないだろう。そして、亡くなったオークは部分的に保存され、「死の鍛冶」として知られる行程を経て、新たに鍛造された武器や道具になることも学んだ。

これからも調査、研究は続けるが、それも、こうした矛盾をはらんだ習慣に魅せられたからだ。願わくば、悪いオークに腹を立てて自らオークの死の儀式を学ぶのだけはごめんだ。そんなことはないだろうが。

オーゾーガへの手紙Letter to Orzorga

コマンダー・オーゾーガ

頼むから、復職願いを再考してくれ。お前には非正規軍を指揮する以上の力がある。お前以上の将校は思いつかない。私は多くの戦いを経験してきたのだぞ。

ルマーレ湖岸で起こったことは悲劇だが、将校の誰もが学ばなくてはいけない教訓だ。兵士達は消耗品だ。時には攻城兵器の弾や馬の飼葉のように消費される。これは兵站の問題だ。それ以上の問題ではない。

私の話を考えてくれ。白金の塔は手の届く所にある。

プロキシマス将軍

オルシニウムへの招待状Invitation to Orsinium

your name

私が最も信頼する使者の1人に友情と尊敬を込めて託した、この招待状をお受け取りください。強大なクログ王の名によって、私はあなたが荘重なロスガーの荒野で腕を試されることを歓迎し、招待いたします。

オーシマーはあなたがどこに忠誠を誓っていても気にしません。オルシニウムの街の再建と、ウィンターボーンの脅威の鎮圧にご協力をお願いします。偉業を成し遂げようとしている王をお助けいただければ、富と名誉はあなたのものです。

あなたをロスガーに迎えるよう招待するため、私はラズガラ大使をあなたのもとに遣わしました。彼女には、ダガーフォール、ダボンズ・ウォッチ、バルケルガードのどこかで会えるでしょう。街に着いたら、彼女を探してください。

あなたと直接会えるのが楽しみです。あなたの冒険についてはすばらしい報告を聞いています。オルシニウムに着いたら、私の前に姿を現してください。

鍛冶の母アルガ
オルシニウム、ロスガー

ガラクルの日記Gharakul’s Journal

長いあいだずっと孤独だった。だが、もう一人ではない。彼女が絹の夢に誘ってくれると分かっている。

私達はほぼ全滅した、エルフによって。あるいはスカルグの愚かさによって。彼はここ数年うぬぼれが強くなっていた。自分が大蜘蛛の勇者だと思い込んだ。「我々には古い血が必要だ。エルノフェイの血が!」とよく言い、意気込んで探した。

スカルグが破滅のきっかけを見つけた。魔術師を生きたまま壊さずにここへ連れて来た。黄金のエルフで、長身で誇り高く人目を引いた。その琥珀色の目に欲望が見えた。私に対してでも、おそらく定命者の肉体でもなく、もっと何か偉大なものに対する欲望。

スカルグはエルフに以前私達がよく使っていた飲み物を与えた。エルフを鎖でつなぎ、最も貴重な血の容器としてできるだけ長く生かしておくつもりだった。

私達は口論になった。これは私が聞いたあの歌ではない、メファーラの糸に沿って歩いた道でもない。だがスカルグに、彼女の複雑な網は私に見えないと言いくるめられた。だから信じた。

エルフは屈服せず、激昂した。スカルグは燃え尽きて灰になり、私は泣き叫んだ。エルフは、血で鍛錬したガーディアン達さえものともせずなぎ倒し、鍛冶場へ向かった。そしてボルズを倒し、槌を両手で持った。

ローブから小さなフォークを出現させ、それで槌を軽く叩いた。モークルディンはぎこちなく動き身震いした。壁が抗議の叫びを上げた。周囲にいたクランは耳や目から血をあふれさせて死んだ。その叫びをエルフの笑い声がかき消した。だが、その声の中にあの歌が聞こえた。

私は背後からエルフに近寄った。恐怖はなかった。あるのは信念だけで、絹のような髪を握り、彼の金色の顔を鍛冶場の火炎の中に押し込んだ。

静寂。静まり返っている。

いまだに絹の夢の中で彼女の声が聞こえる。その囁きは、鍛冶場を鎮め、眠らせ、隠しておく方法を教えてくれる。ここでの私の時間は終わりだ、まもなく、スパイラル・スケインの頂きで彼女に会うだろう。

いつか、別の者が彼女の歌を聞くだろう。たとえ彼らが自分達を何が駆り立てているのか分からなくても。その日、鍛冶場は息を吹き返し、銀の大蜘蛛の栄光を輝かせるだろう。

時が来た。我が身を彼女の子供達に与えよう、そうすれば彼らは大いに楽しみ、巣を作るかも知れない。私の抜け殻を彼らの子孫のための器、子育ての繭にしよう。無数の目に見つめられながら生きていこう。そうすれば、彼女の栄光を知るだろう。

クミー・アトタミナの送られなかった手紙Unsent Letter From Qumih at-Tamina

エズミ

採掘は順調に進んでいる。信じられないものがいろいろ見つかった。岩の話だけでインクを切らしたら嫌がられているのは分かっているけれど、どれも面白い岩なんだ。

ロズルスとシャレラを覚えている?彼らは槌とノミ、切り離せない相棒同士だろ?最初は反目し合っていたようだ。私達が発見したこの墓のすべてにおいて。

もちろん私は距離を置いていた。どちらの言い分が正しいか分からないから。何より不思議なのは、オークの墓の扉に描かれているのが――

またその話かって?

2週間以内に戻れると思う。調査は間違いなくもっと長く続くけれど、私の担当は終わった。

私の代わりにティリーにキスしてあげて。馬上から空を見上げ、早く戻れるのを祈るよう言っておいてくれ。君たちに、そして家の温かな砂に会えるのが待ち遠しい。

戻るまでに2人が持ちこたえられるだけのお金を送った。それに、君にちょっとしたおまけをね。

愛を込めて
クミー

グラズダーのメモ:槌の迂回路Grazdar’s Notes: Hammer’s Bypass

メモを持ってこられないなんて誰も言わなかった!きっとマラキャスも私に劣らずパズルは嫌いだ。

ザグの話では、最初の門のために覚えておくべき、単純な子供の童謡がある:

4つのシンボルの元になっている鍵は、
街を作ったクランのもの
今日、称えているのは誰の名か
イリアック湾のオーク達の中で

最初に来たのは、壁を建てた者達
次は、広間を武装したクラン
3番目は、燃料を与え続けた者
最後は、すべてを統治した者

この手紙を見つけた者にFor Letter Finder

この手紙を見つけた者に

コレグの息子、マルゴスの息子、アガラバグの息子、金属の地の偉大なる部族の書記が記す。この地にとても長く暮らし、太陽は空に青白く、暖かさが消えた時のことを書く。食べ物は育たないがときどき肉が食べられ、洞窟にキノコがある。

司祭は「大いなる暖かさ」に生け贄を捧げ、パイプを叩き、機械仕掛けの魔物の攻撃を止める。読み書きを教えるのは難しくなった。欲しいのは食べ物だ。本はいらない。欲しいのは暖かさだ。本を燃やすと暖かい。

金属の地の部族の最期の言葉を書く。再び暖かくなる前に、お互いを食べることになるだろう。司祭は生贄を捧げる。族長は暖かくする場所を探す。古い地図に道は記されている。族長は読まない。

私はクランの肉を食べない。死ぬ。私は読み書きができる最後の者だ。他の者に食われる。他の者は生きる。

ジェアムンの作業記録Jeirmun’s Work Log

この先で生き物を見つけるとは期待していなかった。しかし、オークかオークのようなものが、こちらをひと目見るなり襲ってきた。私たちは退却して体制を立て直した。道を切り開くべく傭兵達が先に進んだ。

* * *

シノサリオンはあの青白いオークに執着している。私はただ眠りたかったが、彼がオークの死体の1つにぶつぶつ語る声が聞こえる。気持ち悪い。

それでも彼らは間違いなくオークのようだが、壊れ変貌していた。エルフの見解では、傷から見て体を何度も切り開かれては何度も閉じられているらしい。手足を失っている者も、別の部分を失っている者もいる。もうこれ以上知りたくない。

* * *

寝つけない。

* * *

グラーバシャとドランドがまた議論している。彼は続行を望んでいる。彼女は撤退を望んでいる。彼女を非難できない。この少し先には何かがいる。

どこのドワーフの遺跡も不気味だが、ここは特別だ。空に向かって開け放たれている部分が、どことなく重苦しさを感じさせる。威圧感がある。

* * *

頭の中から声が聞こえてくる。罠にかかったと。ここから出られないと言っている。

酒が欲しい。

* * *

日記を見つけた。筆者は、あの青白いオーク達を切り刻んだ者だ。何が書いてあるのかほとんど理解できない。シノサリオンに見せようとしたが、結局、シノサリオンに言葉で説明するはめになった。

* * *

日記を失った。日記を拾って以降、コンストラクトに素知らぬ顔をされながらも、監視され、跡をつけられているのを感じた。日記を放り捨て洞窟に隠した。すると追って来なくなった。

仲間を見つけなくては。ここを立ち去らないとまずい。

* * *

私達はルキンダレフトに来るべきではなかった。

ジョイル王からメルセディーン将軍への命令King Joile’s Orders to General Mercedene

M

お前がこれを読む頃には、精鋭の部隊が包囲ラインを越えて到着するだろう。彼らのことは労働者として身分を伏せろ。戦闘が始まったら、彼らを使って攻撃しろ。お前は私の死刑執行人になる。攻撃は迅速にな。

より暖かい地方ではあのドラゴンが必要になる。彼は死んではならない。彼の騎士については知り過ぎている。ダガーフォールの敵として扱え。

—J

スカルグの日記Skalg’s Journal

彼女の子供達がこの場所を自分達のものだと主張したのは、私達よりずっと前だ。彼らはドワーフ達を追い出したのかもしれない。働いていると、彼らの多数の目が見守り、待っているのが見える。彼らは私達を恐れていないと思う。彼らは分かっている。私がクランの中を歩いているのを、そして私が彼らと同じくらい彼女のものだと。彼らは私達を許す。私を許す。

* * *

残りの中では、ガラクルだけ見込みがある。鍛冶場の増強が完了したら他はお払い箱だ。

ガラクル。彼女の髪は銀色で細長い。大蜘蛛の勇者である動かぬ証だ。メファーラが振る舞い方を教えてくれる。私達の糸は私達を結び付け、私達の運命を縛り付ける。今度私達が孤立したら、彼女に話しかけよう。彼女はあの歌も聞いている。聞かなくてはならない。

* * *

メファーラは心から祝福してくれた。寝ている間にガラクルは私を見つけ出した。彼女は私を起こすときこうささやいた。情欲は愛、嘘は真実、死は生。私の喉に手を回して締め付けた。私の視界は暗転し、輝きは塵となった。まだらの腹が私の顔の上で踊っているかのように。その瞬間、私はメファーラの子供の1人をつかんだが、彼女の毒が私の内側を液状化させた。

私達は神聖な結合の後、秘密を分かち合った。今では鍛冶の真実を理解している。贈り物を炎に与えながら銀の大蜘蛛を崇め、彼女の作品を世界へ運び出している。

彼女のためにもっと贈り物を見つけてやらないと。よりよい贈り物。彼女を養わないといけない。

トラグの腕輪Armlet of Torug

オルシニウムに最初の街を建てたトラグ王は、「トラグの腕輪」と呼ばれる強力な遺物を持っていた。言い伝えによれば、腕輪は魔力を持つブレスレットで、表面に宝石が散りばめられていた。その力を用いてトラグはロスガーの未開の荒野を支配し、オルシニウムの最初の街を築いた。

古代の文書の断片に、その腕輪とトラグの祠と、ソロウのキスと呼ばれるものについて記されている。著名な探検家レディ・クラリス・ローレントは、このわずかな情報を手がかりに、オーシマー栄光の館のために探検隊を率いて登頂し、遺物を探して回収することに同意した。

他の歴史的意義のあるものと同様に、博物館の中では決して何にも触らないこと。

ドランドの最期のメモDorand’s Final Notes

この奇妙な生き物を何かが操っている。ドゥエマーコンストラクトを操るようにだ。だがどうやって、何のために?

圧力弁と関係があるに違いない。バゾーグベグは3つ見つけた。遺跡内に点在している。「起動、変換、収斂」と彼は呼んでいた。あの熱のすべてが、エネルギーのすべてが施錠された中央の部屋に流れ込んでいる。何のために?よからぬことに違いない。

圧力弁が鍵だ。すぐに閉めなければ!圧力が解放され、エネルギーが逃されれば、中央の部屋の扉が開くはずだ。願わくは我々がまだ——

バゾーグベグの探検日誌Bazorgbeg’s Expeditionary Journal

1日目
ルキンダレフトでの最初の数時間は、成果がほとんどなかった。青白いオーク達に襲われたのだ。彼らは気がふれているように見えた。雇った傭兵を何人か失った。ジェアムンとグラーバシャは、この場所は呪われていると信じて疑わなかった。

愚か者どもめ。危険でなかったら、価値あるものが中にあるわけない!ドランドが責任者でよかった。彼が続行を望んでいるのだから続行だ。

2日目
奇妙な日だったが、成果はあった。だが相変わらず、青白いオーク達が気がふれている原因は不明だ。彼らを昨日よりも数多く見かけたが、慌てて氷河の中に隠れてしまった。いい厄介払いだ。

ドワーフのコンストラクトは永久不滅に思え、驚かされる。いくつかは凍って固まっているが、まだ微音を立てているものもわずかにある。彼らからの攻撃が予想されたが、無視された、まるで私達が存在しないかのように。たまに視線を感じて振り向いても、立ち去られてしまう。

ドランドはコンストラクトの調査を許可しなかった。「奴らに理由を与えるな」と言うのだ。彼の言うとおりだと気づかされる。

3日目
遺跡が溶けている理由が判明した。ドゥエマーの後に誰かがここにいたのだ、おそらくかなり長い間。彼らの意図を突き止めるのは困難だが、研究素材が周囲に散乱していたからには、そのために魔術師の大規模チームが、熱を調和する力を膨大に必要としたことがうかがえる。私達は後で研究に使えそうなものを残らず回収した。

ドランドが自制心を失った。続行するかグラーバシャと議論していたと思ったら、次の瞬間、ほとんど音を立てずに跳び上がった。彼は遺跡は生きていると繰り返し言う。あの壁は私達を監視しているのだと。彼には少し睡眠が必要だ。

4日目
青白いオーク達に襲われた後、ドランド達が別行動を取った。傭兵2人を任された。名前すら知らないが、2人は返事をしてくれる。とりあえずこれでいい。

2人にここに来る途中で見かけた、熱を調和するバルブについて話し、バルブを閉じるよう命じた。ドランドが言うように、圧力で扉は閉じている。バルブを解放すれば、扉が開く。扉の脇で2人がバルブを解放するのを待つことにした。中に入れば、全圧力が一室に集中している理由を突き止められるかどうか分かる。

5日目
まだ十分ではなかった。扉は圧力を失ったが、びくともしない。1時間後、圧力がひとりでに復旧した。傭兵は戻って来なかった。逃げ出したのか?殺されたのか?

このコンストラクトはこちらを監視している。近づいてくる。このままじっとしていたら――

バロス・ブラッドタスクBaloth Bloodtusk

ふてぶてしく立ち
死はその友を訪れない
ただその強大な盾に弾かれるのみ
常にその背後に。

バロス・ブラッドタスクへの手紙Letter to Baloth Bloodtusk

強きバロス・ブラッドタスクよ

オルシニウムであなたの兄弟が私の軍を相手にして倒れたと聞いた。残念なことだ。私が心から嘆いていることを知ってほしい。彼が立派な王にひざまずきさえすれば、あなたの隣でごちそうを飲み食いしていただろうに。彼の死の責任を問われるべき者がいるとしたら、ゴルカール王だとあなたも同意するだろう

あなたとその傭兵は、その力をこの偽りの王にずっと利用させてこなかった、その点は賢い。この新たな知らせが、あなたの剣の矛先を正しい方向に、真の悪者へと向けさせることを願っている。

私の申し出に変わりはない。

—ダガーフォールのジョイル王 著

ブライア・ハートの世話と餌やりThe Care and Feeding of Briar Hearts

ガル・クーはブライア・ハートを愛している!彼女は興味深い古い鳥、あのハグレイヴンだ。古いブレトンの砦に来て以来、私の役目はウィンターボーンの中でガル・クーを支援し、彼女がブライア・ハートを成長、繁殖させるためにどんなことでもしてやることだ。ブライア・ハートは不思議だ。大きな果実のようにも、大型動物の心臓のようにも見える。あるいは人間の心臓のようにも。

今日は世話の行程を間近で見ることになった。まずは死体だ。ウィンターボーンは敵の死体を好むが、彼らに罪の意識はない。オークでもウィンターボーンでも、はたまたハーピーですら、どんな死体でも構わない。死体で生まれたら、それをハグレイヴン自ら考案した奇妙な儀式で清め、特別に仕立てた区画の土の上に置く。そして、ファンファーレが響く中敬虔な態度で、置かれた死体にブライア・ハートの種を加える。

この死の庭園に、呪文と血が餌と水として与えられ、まもなく死体から最初の芽が出る。芽はまたたくまに苗木となり、やがて小さな木となる。この小さな木々は根の組織を通じて、砦の中庭でハグレイヴン達が世話をする大樹とつながっている。苗木は大樹の健康と総合的な力に貢献していると思うが、この件についての私の疑問は、ガル・クーを初めとするハグレイヴン達に無視された。

一方、ブライア・ハートの果実は苗木にも大樹にも実り、耳について離れない滝のような音を要塞じゅうにこだまさせる。果実が熟すと、もう移植できる。そしてここで我らが戦士の出番となる。たいてい、ウィンターボーンの戦士が戦闘で死ぬと、ハグレイヴンは熟したブライア・ハートを戦士に授けられる。その魔法の手順では、死んだ戦士にブライア・ハートを押し込み、蘇らせ、ブライア・ハートの戦士にふさわしい力と不屈の心を新たに授ける。

そして詳しいことは分からないが、生きた戦士にブライア・ハートを埋め込む方法もあると考えられる。檻の中で最も強力で忠実な戦士達が瞑想し、ブライア・ハートの戦士になる心の準備をしているのを見たことがある。その名誉を私が授かることをガル・クーが同意したら、彼らも許してくれるだろう。そうなったら、どんな結果になるかお知らせする。

フロストブレイク要塞にて、あなたの姉妹

ホーカーに捧げる歌Ode to a Horker

吟遊詩人の卵ドラスク作の詩

静かな港で腰かけ、凍った海を眺め
ホーカー達が無邪気にはしゃぐのを見つめる。

水中で、氷上で、彼らは走り回り
彼らの大声や呼び声はまるでからかってるよう。

大きな雄牛アルバクロスに私は大喜びして笑う
動物達が戯れる姿は、跳ね上がる馬を思い出させる。

マラキャスとトリニマクMalacath and Trinimac

王の書記官ウグドルガによる信仰論

何世代にも渡り、オークは3つの不変の真理を信仰してきた。それは要塞、恨み、マラキャスの怒りである。しかし、一部の伝承と著名な学者によれば、マラキャスの前にトリニマクがいたという。今日、オルシニウムの街では、知的な討論と敬虔な信仰の両面にまたがる議論が鳴り響いている。オーク達の真の神は誰かと?

伝統主義者にとって、疑問はない。マラキャスが主であり神だ。彼は、立てられた誓いと忌まわしき呪いを擬人化したものだ。彼の人物像には、衝突、戦闘、破られた約束、苦悶もある。オークが世界における自らの立場に感じる不安は何もかも、怒れる者から来ている。オークは自分達を裏切られし者と思い、マラキャスがその信仰を強めている。マラキャスにとって、クランとは強力であるべきだが、先人伝来の要塞で孤立しなければならないものだ。最強の者が支配し、弱き者は度が過ぎた不寛容さで捨て去られる。

バズラグ族長などクランの族長達は、オーシマーの王という考えに異議を唱え、マラキャスの教えに固執している。

新しいオーシマーにとって、トリニマクは夢と希望の到達点だ。この戦士の神は、文化と文明を擬人化している。彼は呼びかけている。不和でなく、団結を。悪意に満ちた混迷でなく、力を。彼が表しているのはオーシマーの統合だ。オークを卑しい自然を超える存在へと高め、他の種族と対等にすることだ。

クログ王とオルシニウムのオーシマーは、トリニマクの教えに従う。

マラキャスとリーチMalacath and the Reach

オークは自分達はマラキャスの子供だとよく言う。私の部族は異を唱えるだろう。マラキャスがオークやオーガ、トロールを使って、本当に選んだ種族、つまりリーチの民を試すことが稀にあるとリーチの民は教わる。

私に言わせれば、どちらも間違っている。灰と骨の王は私達の誰にも関心を持たない。彼を崇拝することは愚かであり、皆で破滅することになるだろう。

例えば、このトークン「復讐の目」は、我が部族が湿っぽい墓で血眼になって探したものだ。このつまらない小装飾品のために、計り知れないほどの血を無駄に流してきた。オークと我が部族の確執は何世紀も続いてきた。私達の呪術師の話では、マラキャスが彼の名において、私達の誰かがこれを運ぶことを求めているという。オークの話では、これは彼らのものだそうだ。

両者とも、2つの種族を踊らせる弦は見えていない。

私達がデイドラにしてきたのはそういうことだ。遊びの慰みものだ。彼らの贈り物は毒入りだ。そう考えなければ愚かだ。だが、我々は愚者の世界に生きている。皆が自分たちはどこか違うと思っているのだ。どこか特別だと。私達が殺し、信仰のために殺される間、デイドラは微笑んでいる。

モークルディンの最後の届けものMorkuldin’s Final Delivery

スカルグ

これが私の最後の積み荷だ。今、邪悪な目が私を見ている。しがない盗賊や街の小者が行方不明になっても気づかれないと思っていたが、間違っていた。お前の鍛冶場を満足させる別の方法を見つけないといけない。

この最後の積み荷の内容は以下のとおり:

オーク4名:健康
カジート2名:病気の可能性あり
ブレトン3名:凍傷
エルフ2名:1名は健康、1名は死体

死人についてはすまない。仕方がなかった。だが、前回エルフの血について言っていたから、死体も残しておいた。

いつもどおり、いつもの場所にモークルの鍛冶武具と鎧の一式が届いていることを願っている。

友よ、糸が導きますように

—ズシュラク

モークルディンの訪問者の観察Morkuldin Visitor’s Observations

人目を避けて暮らしているモークル・クランから招待を受けた。ロスガリアン山地の奥深くにある、彼らの最高傑作を作っている鍛冶場を見るのを許されたのは、そこの親方の話では私が初めてだという。初日だけでも、オークにできるとは思ってもなかった驚くべき光景をいくつも目撃した。大学へ戻る前に、この体験を記録しようと決意した。

ここのオーク達の秘密主義には驚いた。大きな鍛冶場の入口でさえ用心深く隠され、そこにあることを知らなければ目に入らない。それでもまだ足りないとばかりに、一族や、ある種の方法で自分を証明できる者にしか開かない道もあるようだ。もっと探ってみないと。

鍛冶場は驚異的だった。正直言うと、しょせんオークだと半信半疑だったが、とんでもない光景だった。あえて触れないが、鍛冶場を作ったのがオークでないことは明らかだ。実際、その起源を隠すためにオークはいろいろ外観を凝らしていた。しかし、内部の仕組み、精密なデザインはどうだ?オークの石の下に隠されているのはドゥエマーの才気だ。それは疑問の余地がない。

オーク達は鍛冶場を自慢気に語り、様々な道具を使って作業しているが、鍛冶槌については何も語らない。自分達が何を持っているかさえ分からないのか?鍛冶場はたぐいまれなものだが、ここでこれを作ったのがドゥエマーだと考えるのが自然だと思いつかないほど、こちらも鈍くはない。鍛冶槌はかなり古いものだが、今でも丈夫だ。槌の持ち主が彼らではなくて私だったら何ができるだろう!

いつかチャンスがあるかも知れない。今は鍛冶場の親方に、休息と水分を取れるように脇の控室を案内された。この場所は熱でうだるように暑く、頭を曇らせる。頭がすっきりしていたから、なおさらだ。

ヤザラへの手紙Letter to Yazara

ヤザラ

オグゾー族長が死にかけていると聞いた。オルシニウムから戻って族長の座に挑むつもりよ。マラキャスは勝利者を好む。

―U

やる気のない徴募兵の告白Confessions of a Reluctant Recruit

ヴォシュ・ラクが仮面を被るのは私にとって好都合だ。差し支えなければ、ここでは本名を伏せさせてもらいたい。私のことは、そうだな、ローグと呼んでくれ。私は真っ当なオークだった。クランの族長の話を聞いた。恨みと破られた約束を糧に生きようとした。そして、そんな時私は啓示を受けた。トリニマクの言葉を聞いてから私の人生は一変した。

何が起こったって?クランの名高い切り株のエールの樽を持ってオルシニウムの街へ行く途中、ヴォシュ・ラクの徴募官の一団に襲撃された。トリニマクの名を称えろ!地面にねじ伏せられた私は頭に袋をかぶせられ、どこか秘密の場所に連れて行かれた。正直言って、震え上がるほど怖かった!

何時間も経ったような気がした後、年配のヴォシュ・ラクが私の頭の覆いを外した。彼女は、私の古くさい考え方が誤っていることを教えてあげると言った。私の心を開かせ、トリニマクの神聖なる言葉を受け入れやすくするのだと。詳細は省くが、彼女の手法の中には、何度も殴り、殺し文句を延々と繰り返し、家族のことで脅迫し、彼女曰くトリニマクの言葉が理解しやすくなるというまずい飲み物を適度に飲ますものもあった。

ついに私が根負けし、トリニマクとヴォシュ・ラクに対する信仰を口にすると、それからもう1時間、年配のヴォシュ・ラクが私が本心から言っているのだと確信するまで続いた。そして仮面とローブを渡され、ヴォシュ・ラクの仲間として迎えられた。トリニマクを称えよ!

今?今の私はヴォシュ・ラクの忠実な一員であり、トリニマクの鋭利な刃の1つだ。ヴォシュ・ラクのために戦う。頼まれればヴォシュ・ラクのために死ぬだろう。だが内心では、少し別の思いもある。ヴォシュ・ラクにはなりたくない!はっきり言って、最近の改宗者の大半はグループの一員にはなりたがらない。自分達自身に我慢ならないんだ。徴募活動はそんなにいいものではない。

ルキンダレフトの族長会議Rkindaleft’s Council of Chiefs

15日目
我々族長は何日も会合を重ねた。外では敵が待ち構えているが、中には何が待ち受けているのか分からない。食料だけが減っていく。

遺跡の中の機器が冷え始めた。やがてまた氷が張り、陥落前のオルシニウムよりも厚い壁の中に閉じ込められるだろう。

問題は、ここを出るか、突き進むかだ。

17日目
ようやく、斥候を送ることを決断した。遺跡の奥に何があるのか、やがて明らかになるだろう。

18日目
斥候が戻った。ドワーフの装置によって暖められた谷があり、しかも獲物が豊富にいるとのことだった。

他の族長はその報告に縋り付きたがっていたが、私は訝しく思った。斥候はハーシーンの狩場を見つけたような口ぶりだった。

19日目
我々は決を取った。私は華々しく戦場で散り、オルシニウムの犠牲者の仇を討ち、バロス・ブラッドタスクへの裏切りを正すことに票を投じた。

しかし通ったのは斥候の大げさな話だった。我々は内部へと歩を進めた。

ロスガーのオーガ:継続中の論文The Ogres of Wrothgar: A Continuing Treatise

シランティレ 著

タムリエルのオーガについての以前の研究では、オーガについて、その行動、基本的な知性を詳しく議論した。あの研究「オーガ:概略」には、あの能なしの獣についてもっと学びたい人向けに十分な情報を盛り込むべきだが、ロスガーを旅して以降、耳にした誤解を晴らすのを目的にこの補遺を書いている。

1、オーガはある種の社会的組織を形成している、などとは誰にも言わせてはならない。他の動物と同じく、強いオーガは自らの優越性を誇示して弱いオーガを率いる。単純かつ明快だ。

2、オーガは魔法を使えない。「オーガの呪術師」について報告があるが、それらは誤解に基づく悪質な誇張だ。説明しがたい力を持つオーガもごくわずかはいるが、私達が目にできるのは、複雑さで言えば、蜘蛛が巣を作るのと大差ないものだ。

最後に、優雅なセンチや便利なグアルと違い、オーガには何の取り柄もない。訓練することも飼い慣らすこともできない。自然災害と同様に扱い、オーガを大きく避けるか、近くから排除することが賢明だ。これが最高の回答だ。

ロスガーのリークル:観察記録Riekrs of Wrothgar: Observations

1日目

マスター・ステロンのゴブリン臭の調合を使用すると、リークルたちは私を一員として認めたようだ。彼らはとても社交的な生き物で、それぞれが役割を担っている。

私は槌で石を砕く役割を与えられた。この役割の目的がまだよく分かっていないが、他の者たちは嬉しそうに鳴きながら石を砕いているので、特に気になっていないようだ。

2日目

さらに石を砕く。腕の筋肉を痛めてしまったかもしれない。

3日目

リークルの社会構造を観察するうち、魔法とその使用者に対する不思議な態度が見受けられた。知能の低い生き物のため、タムリエル各地で見られるような正式な訓練は受けられない。その代わり、彼らはこの世の魔法とのつながりを持って生まれてくる。

その魔法とのつながりを示した者は、たちまち兄弟たちにのけ者にされる。私がクランに入った当初砕いていたような石を投げつけられ、追い払われる。魔術師は野生へと逃げるか、死ぬしかない。しばらく追放された後、新鮮な鹿、熊、エチャテレなどの肉を手土産にクランへと戻る。

その後魔術師はクランの中で崇拝される存在となり、族長とともに力と影響力を持つ。

5日目

魔術師たちが会議を行い、移住の合図が出された。新たな食料源が見つかったようだ。

6日目

食べ物の入った箱でいっぱいの洞窟に到着した。何らかの野営地であったことは間違いないが、所有者は見当たらない。

7日目

リークルの一人が箱の中で本を見つけ、これは何かと私に聞いてきた。見たところレシピ本のようだった。そう伝えると、彼はそれにかぶりついた。

「レシピ、おいしくない」と言って吐き出した。

8日目

私の石砕きは他のリークルたちに追いついておらず、怪しむような目で見られはじめている。リークルはしっかり働かない者には優しくない。完全にばれる前に、そろそろ出て行ったほうがいいかもしれない。

ロズルスへの手紙Letter to Lozruth

ロズルス

書状を受け取った。出発が承認された。今のところ1人だ。すぐに行く。

君が仕事をできるように、全力を尽くしてみんなを引き離している。楽ではないけれど。

よろしく
ゴルズ

怨みの岩の滝の伝説The Legend of Grudge-Rock Falls

どんなオークも恨みの概念を理解している。オークの心に、血や戦闘やヴォシュ・ボールに劣らず根づいている。だが、おそらくロスガー全土の中でも恨みが格別な意味を持っているのは、怨みの岩の滝として知られる場所だ。

ジョーマグとトーカグが、2人のとっておきのエチャテレをつがわせて生まれた子供の所有権を巡っていさかいを起こし、名もない高原の頂きで会って解決した時、岩肌の絶壁に滝は流れていなかった。だが、2人が戦闘中に出会ったとき、遺恨を巡る争いが一昼夜続いた。

2日目の朝、ジョーマグの斧と剣がトーカグの槌とぶつかり合った結果、金属同士の衝撃音が岩を震わせ、大きく切り裂き、そこからものすごい勢いで水がどっとあふれ出た。今も流れている。

それが真実か伝説かは定かではないが。

音声メモ、屈折81u5Auditorial Notes, Declension 81u5

…魂の部分がずっと絡み合い続けなくてはならない。危険性は極めて高い。転移の途中で何かがなくなったら、確実に失敗する。試みが不成功なら、例えこの過程を乗り切っても、基礎となる獣は著しく弱体化する。つまりどうしても不健康になる。

ヴァーデンフェルの方法論の私なりの分析を通じて考えるに、有機物の部品とコンストラクトの融合を複製するのはより簡単だ。注意すべきは、この技術が標準的な方法以上の利益は生まず、多くの点で劣っていることだ。希少なことと、顧みられないことが理由だろう。

ルキンダレフトにはまだ十分な手段が残っている。要するに、それがドゥエマーの意志だ。そして、適した宿主の創造についての私の研究は完成している。今後の年月は、意識の本質、意識と魂との関係、(ひいては)記憶との関係に費やさなくてはならない。これが鍵なのは確かだ。そこに近づいている。

忘れてはならない。ルールは存在しない。どんな壁であろうと、まだ突き破ったことのない壁だ。

時間はかかる。一生涯かかるだろう。だが、その分の蓄えはある。

監視塔に捧げる歌Ode to a Watchtower

吟遊詩人の卵ドラスク作の詩

生きて目にすることがあるとは思ってもみなかった
私より情けない形の建物を。

倒れた石と壊れた王冠が
私の眉間の深い皺を和らげることはない。

それは木々の中に寂しく立ち
果たされない約束が果たされることは永遠にない。

血の丘の試練The Challenge at Bloody Knoll

歌の前の時代、クランはそれぞれうごめき、酷寒の北の地でしのぎを削った。やがて山のように積み上げられた死者たちと、その石塚へとつながる深紅の道が雪の上に拓かれた。

秋となり、クランは講和し、牧場や放牧地や農場から遺体を回収した。その数はあまりに多く、遺体を集め終わるまでに秋は二度巡ってきた。

死者の数を目にし、働く者のいない田畑が放置されているのを見て、シャーとトゥルの族長たちは密会した。「互いの戦士を虐殺しあうことに栄光も名誉もない。今年頭角を現した英雄は次の年に死ぬ。我々が年老いた時に跡目を継いでくれる精悍なオークが残っているか?」と語らった。

そこで彼らはマラキャスを訪ね、エチャテレと自らの血を捧げた。するとデイドラ公は二人に答えた

「死者の記念碑を建てて我に捧げよ。シャーとトゥルの犠牲者の石塚だ。そこで互いの軍から最も強き者を選び出せ。選ばれし者たちが石塚の頂上で決闘し、石塚が敗者の血で清められるまで続けるのだ。勝者を新たなシャー・トゥル・クランの族長とせよ」

族長たちはマラキャスの命に従った。部族間の戦は終結し、新たなクランが生まれた。最初の決闘が行われた地は血の丘と呼ばれた。戦死者の死体で築かれ、決闘の敗者の血で清められたからだ。

残酷な息子達の戦いの歌Savage Sons War Chant

バロス!バロスのために!
我らは昼も夜も進む。
敵はいない!
我らは戦いにおける恐怖そのもの。

自由のために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!
兄弟のために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!

バロス!我らがバロス!
我らが勇者。
ワイルドボアー!ブラッドタスク!
彼の名前に栄光がある。

バロスのために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!
他人のために血を流すのは誰だ?
残酷な息子達だ!

バロス!友なるバロス!
我らを雪から引っぱり出してくれた。
国を追われた者!クランのない者!
皆が知る以上に残酷に。

残酷な息子達よ、突撃だ!

狩猟のラコラLakora of the Hunt

瞳は鋭く
破滅が近づいた時でさえ
仲間を引き寄せ
栄光への道へと導いた。

小さなエチャテレLittle Echatere

鋭い矢のエヴェリ作の詩

私達がとても小さなエチャテレを愛しているって知ってた?
今、君は群れなどあれやこれやにいる。暮らして幸せ?

いるのを見ると、君は穏やかで落ち着き払っている。
ところで君が提供するチーズはおいしくて、とても評価されている。

ハ、宿屋と酒場、砦と城、ハッ、小さなエチャテレ、
隠しているのは王と国。人生は不公平ね。

部屋がきっと毛に覆われた背中にある。いつでももう1袋積むのよね?
合わせた知識で、皆に欠けていることを教えてくれる?

言葉では伝えきれないくらい愛している、小さなエチャテレ。
オークはマンモスや野兎よりも素敵だと、知っている。

きっと心配しないで、もうこれ以上戸惑わせない。
匂わない愛を、育った証にちょうだい。最後の抱擁に。

捜査官ヴェイル:マンドレイク邸の呪いInvestigator Vale: The Curse of Mandrake Manor

「かけがえのない友よ、亡霊などいないわ。犯人は、鍛冶屋のパルウィンよ!」

捜査官ヴェイルの言葉が壁にこだまし、蔵書庫に集まった大勢は、レディ・マンドレイクの周囲で息を呑んだ。犯人と呼ばれた者を探そうと四方を見回した。部屋の奥に、鍛冶屋が不安げな様子で立っていた。かぶりを振っているが、その顔には、やましい表情が広がっていた。

「何をおっしゃる?これほどの厄介事を、ただの定命の者が起こせるわけがない」と鍛冶屋は弁解するように言った。「どうして密室に忍び込んで執事を殺せる?どうして死体を隠せる?ずっと鍛冶仕事をしていたのに。証拠もないくせに!」

部屋は静まり返り、全員の目は再び捜査官ヴェイルへ向けられた。だが、激しい言葉にも、彼女がひるむ様子はなかった。燭台の炎がちらつく中で、目を輝かせると、肩を引いて顎を心持ち上げ、漆黒の髪を背中になびかせた。右手の握り拳の中に何かを掴んでいるようだ。おもむろに拳を開いて指を広げると、そこに現れたのは、頭蓋骨の形をした光り輝くブロンズの鍵だった。

「親愛なるパルウィン、またしても私を甘く見たようね」とヴェイルは言った。「証拠は、あなたの顔に鼻があるのと同じくらい明らかよ。この頭蓋骨の鍵を入手できたのはあなただけだった。マンドレイク邸からなくなった鍵を!」

パルウィンの目が見開かれた。彼は言葉に詰まり、気を取り直そうとした。そして言った。「そ…それが私のものだとどうして分かる。どうやって手に入れた?答えを…聞こう。私を利用したんだろう!」

ヴェイルは頭を戻し、長く優雅な喉から、嬉しそうな笑い声を発した。「あら、お馬鹿さんね!もちろん利用したわ!ゆうべ2人で飲んだあのお酒は?あなたの分にチンキを入れたの、あなたがぐっすり寝て部屋を調べられるように。そうなれば、部屋のどこが不自然か見抜くのはたやすかった」

ヴェイルは、部屋を動き回って聴衆に訴えかけながら、続けた。「床にあるひっかき傷は本棚を動かしてできたもので、明らかに、隠し扉があるという証拠よ。血に染まった手袋が、隅に無造作に投げ捨てられていた。死体の発見現場には、森の草がべったりついたブーツがあった。そしてこの鍵は、誰からも見えるあなたのナイトスタンドにあった」

「それが何の証拠になる?お前が私をはめたこと以外に」とパルウィンは怒鳴った。

「何もかも証明している」とヴェイルはにこやかに言った。「亡霊ではなく、不満げな鍛冶屋がいて、邸宅の地下のトンネルをさまよっていた。この鍵の元に行ける唯一のトンネルを。最初は脅かしやゆすりとして始まった企みは、ついに殺人へと至った」

「違う!」とパルウィンは叫んだ。「私のものを使ってだまそうたって、そうはいかない!二度と!」。彼はベルトから短剣を抜くと、ヴェイルへ突進した。ヴェイルが間一髪でよけると、パルウィンはバランスを崩し、頭から壁にぶつかった。崩れ落ちた彼の胸に短剣が刺さった。

「殺人は償えない」とヴェイルは言った。「さて、もう下がっていいかな。強い酒のボトルが私を待っているの。そして、また謎が現れる。いつだって謎が現れる」

捜査官ヴェイル:鳥の仕掛けInvestigator Vale: Fowl Play

「鴨だわ、タムシン伯爵」。捜査官ヴェイルは、たくましい貴族から転がるように離れながら声を上げた。

タムシンは困惑し、柔らかい曲線を持つ秘密捜査官が体の上から消えたことを惜しんだ。肘をついてもがきながら叫んだ。「セクシーな探偵よ、鴨とは?そんな話をする時間じゃない」

ヴェイルは裸の伯爵を置き去りにしてベッドから跳び出し、シルクのシーツを体に巻いた。「あら、絶好の時間よ!あなたの屋敷で何が起こったか、ようやく突き止めた」

タムシンは枕で体を隠そうと無駄な抵抗をしながら、「謎の死のこと?」としどろもどろに言った。起き上がって彼女のそばに行くか、そのままベッドにいるか迷っていた。「確かに君を雇ったのは難題を解くためだが、その前にやることをやってから解決して欲しいな」

「そんなムードにはもうなれないのよ、タムシン伯爵。羽をむしり取るべき鳥が他にできたから」

「何の話をしているんだ、ヴェイル?」。伯爵は狼狽しながらも、同じくらいに怒ってどうしても声を抑えられなかった。「分かりやすく話せ!」

「分かりやすく?分かりやすく話してるのに!創意工夫に富んだ計画だったけど、捜査官ヴェイルがいつもどおり解決したの」

「ヴェイル!私の理性も君のムードと同じくらい、切れてなくなりそうだ…」

ヴェイルは笑みを浮かべて窓際に腰を下ろすと、漆黒の長い髪をそよ風にたなびかせた。「猟区管理人のジェリター・ナッレだわ。死んだ時の状況を調べてみると、どれも鴨のローストを食べた直後だった。ナッレが気前よく提供した鴨を。彼があなたの部下を毒殺したのよ」

「あの悪党め!」とタムシン伯爵は怒鳴った。「切り刻んで、奴の鴨の餌にしてやる、ふざけおって!」

突然、ヴェイルは体を伯爵に密着させた。二人を隔てるのはシルクのシーツ1枚のみ。「伯爵、大好きよ、あなたの考え方」と甘えた声で言った。「ムードが戻って来たみたい」

「猟区管理人はどうなる?」

「正義は遅かれ早かれ下されるわ、タムシン」とヴェイルは囁いた。「でも私達は途中だったのに、急に事件が解決して水を差されてしまった。私は欲しくてたまらない。鴨よりもう少し中身のあるものが欲しいムードなの」

「ああ、捜査官ヴェイル」と伯爵は言い、捜査官とベッドに戻った。

捜査官ヴェイル:密室殺人Investigator Vale: The Locked Room Murder

「ええ、殺人が起きたとき、あの部屋は確かに密室でした」と捜査官ヴェイルは、瀟洒な服から埃を払いながら言った。彼女に劣らず埃にまみれた皿洗いの召使は、顔を紅潮させ、慌ててエプロンを直しながら、錬金術師用の在庫豊富な棚の裏から走り去った。

「この裏で何があったのです、捜査官?」と錬金術師クレラナがいぶかしげに尋ねた。

「ああ、元気のいい召使が手伝ってくれたんです、私の…捜査を」とヴェイルは素知らぬ顔で言った。「あなたが注意を払うべきは、この半分空になったワマスの胆汁の瓶よ」

錬金術師クレラナは不安そうに身をよじりながら、2人の会話に改めて興味を向けているたくましい街の衛兵をちらりと見た。クレラナは唾を飲んでから言った。「私の古い備品室とグラス頭取の死とどう関係がある?彼は鍵がかかった自室で死んだのに」

ヴェイルは、手袋をはめた指を棚から引き戻した。「ええ、この場所はかなり汚い。この倉庫施設は何ヶ月も使われていないとあなたは言っていた。でも、ワマスの胆汁の瓶に気づいた?埃はほとんど拭き取られていた。理由が分かる?」

「なぜです?」とたくましい衛兵が尋ねた。

ヴェイルはとっておきのまぶしい笑みを彼に与えた。「頭取が中から鍵をかけたとき、すでに死んでいたからよ。彼はそれに気づいていなかった!」

ヴェイルは錬金術師に勝利の笑みを見せた。「認めなさい。この数週間、致死性の胆汁をかなりの量、頭取の羽ペンに塗ったのね。哀れな頭取に徐々に毒を盛った!」

「忌々しいヴェイルめ!」と錬金術師は吐き捨てるように言った。「しかし、私が地下牢に連行される姿を見物はさせないぞ!」。衛兵が止める間もなく、クレラナは瓶の中身を喉に流し込んだ。床に倒れこんだが、その時には肌がもう灰色に変色していた。

「クレラナ、あなたが死んでも私は満足しない」とヴェイルは残念そうに言った。そして気を取り直して言った。「ところで、流し場の召使は…あの意地悪女はどこに逃げたの?」

多くの舌のマズガーMazghar Many-Tongues

洞窟を光で満たし
微動だにせずその間に立つ
暖かさと勇気の言葉は
常に耳から離れない

大いなる暖かさThe Great Warmth

大いなる暖かさに頭を垂れよ
大いなる暖かさに祈れ
大いなる暖かさに捧げよ

大いなる暖かさは汝の父だ
大いなる暖かさは汝の主人だ
大いなる暖かさが見ている

暖かさなくして命はない

怒れる者の怒りPrayer to the Furious One

呪いの神よ、我が祈りを聞け!

裏切られし者の神よ、我に力を授けろ!

恨みの番人よ、私の心を強くしろ!

破られた約束の持ち主よ、私の苦悶を焚きつけろ!

立てられた誓いの主よ、敵に勝たせる凶暴さを授けよ!

マラキャス、私の祈りを聞け!

逃げた理由Why We Fled

我々がオルシニウムから逃げたのは臆病だったからだと言われるだろう。子供たちよ、それは嘘だ。時が流れ、人々が己の出自を忘れたとしても、恥じ入って項垂れてはならない。トラグの愚行、バロスの裏切り、そしてゴルカーの墓の物語を忘れるな。

オークは強い種族だ。精悍で戦を恐れない。血は我々の生来の権利だ。マラキャスの筋肉が我々の骨を包んでいる。だが我らは座して動かないでいられるようには作られてはいない。腰を据えて土地を耕すように生まれついてはいないのだ。その代り、旅をして略奪するように生まれついている。我々の力は破壊のためだ。滅ぼした者から戦の栄光を刈り取るのだ。それだけが我々に必要な糧なのだ!

だが何年も前に、力と怒りにおいてオークの中でも抜きんでたトラグというオークが、我が民に構想をもたらした。大いなる都を作るのだと彼は言った。さすれば世界中が恐怖し、敬意を抱くだろうと。

確かに恐怖はもたらしたが、決して尊敬はされなかった。たとえ彼の築いた都がどれほど巨大でも。

彼らは岩の中に街を築いた。まばゆい宝石のような都を。それがオルシニウムだ。確かに偉大な都ではあったが、オークは街で暮らすように生まれついていない。防衛のために作られた壁は我々を閉じ込めただけだった。三重の門は我々を封じ込めた。街はトラグの野望の墓標となり、オークの夢の墓標ともなった。やがてレッドガードとブレトンが街を滅ぼしにやってきた。

我々が逃げたのは戦を恐れたからではない。我々が脱出したのは敵と戦うためだった。そして敵軍を滅ぼし、その国土を滅ぼした。奴らのロスガーの所領は我々の行軍に震え、我々の足音に大地は揺れた。

ああ、栄光よ!ああ、喜びよ!再びオークとなれるとは!自由に旅をするのだ!

しかし勢いは長続きしなかった。敵が集結させた軍勢は我が軍をはるかに上回っていた。そして我々は山の麓へと追い詰められた。永久に氷で閉ざされた平原へと。機械仕掛けの悪魔に守られ、我らはぬくもりと住居、防衛策を見出した。いつの日か我らは、輝かしく牙を剥き出したマラキャスの笑みの下、雄々しく身を現し、勝利へと向かうのだ。

謎のウグイアビMystery of the Chub Loon

オークの土地に、何とも説明しがたい生き物がいる。ウグイアビは目的意識がなく、その歴史もほとんど知られていない。しかし、ムーンシュガー・シロップとシトラスで料理すると絶品だ。

私ザビアーコの一行は、ファルン要塞のオークと安全な取引を模索していた時、交渉が相手の不興を買ったことに気づいた。族長に船を燃やされ、追っ手の戦士を差し向けられると、我々は死に物狂いで逃げるしかなかった。極寒の亡霊の海を望む、寒々とした岩だらけの海岸がその晩のねぐらとなった。うなる海風が、毛皮の少し中まで猛威を振るった。それでも闇夜になると、ついに眠りは訪れた。

ドリュアダク山地に日が昇ると、波が岩に当たるリズミカルな平和を騒々しい音が打ち砕いた。他の者達は未知の野獣が自分達を食べに来ることを恐れたが、こちらは好奇心が恐怖心に打ち勝ち、毛布を抜け出し、杖をつかみ、海岸へ向かい、ここに留まるか逃げるか、この目で決めようとした。目の前を通り過ぎた生き物の中で何より不思議だったのは、切り株のような脚でよちよち歩く鳥で、氷盤や岩の上に群がっていた。体の側面にある役立たずの羽をぱたぱたしながら、何羽ずつかで寄り集まって暖め合っていた。その鳴き声も、彼らを見下ろしたとき最初は驚かされたが、コミカルな響きがあった。

故郷の蔵書庫で借りた古いよれよれの野生動物のガイドブックには、この鳥に似た鳥は何も載ってなかった。友情の門からの脱出は後回しにできる。これは新種だ。新種は価値がある。最初の2、3羽はとても慎重に捕らえたが、じきにこの鳥が愚かすぎてカジートから逃げ切れないことを学んだ。けれど、オークからは難なく逃げ切れている!どんな手頃な獲物でも、カジートが現れれば逃げ出そうとするが、この恐れ知らずの鳥は別だ。我々はこの鳥達をすくい上げるように捕らえ、ファルンのクランにこちらの匂いをかぎつけられて追いかけられないように、門へ急いだ。

ウェイレストで最初に寄ったのは、魔術師ギルドだ。少しお金を払って、彼らの自然史の蔵書庫に入れてもらった。そこには野生動物のガイドブックの新版が堂々と陳列されていた。ウグイアビは神出鬼没の生物とされ、初期の書き手は触れていない。なぜあんな気に障る生物が見落とされていたのだろう?

数日間、そして数夜ロウソクの灯りとともに過ごし、タムリエルの生き物と野生動物に関する全書物に目を通した。第二紀初めより前にウグイアビの存在についての記述はなかった。そんなことがありえるのか?最初の記述は、ホーカーが書いた文で、ホーカーの居住地に現れ、食料源を混乱させたとだけ記されている。ノルド達のように、他の土地から来たということがありえるのか?あの愚かな鳥は、アトモーラから旅人に連れて来られたのか?氷の塊に乗るだけで自力で亡霊の海を渡って来られるのか?どうやって来たにせよ、ロスガーの岩場の海岸に新たな居住地を確保し、繁栄しているのだ。

不屈のアラカウルArakaul the Unbroken

族長を殺したが、クランは放っておいた、
エルフにも人にも屈服せず、
オークを永遠に自由にした。

樫の盾で守り、
最後までバロスを守りし、
忠実なる友は永遠に。

戦ったのは国でも金貨でも王のためでもない、
何より大事なのは同胞、
残酷な息子よ、永遠に。

風歩きのタマールWindwalker Tamahl

いつも忠実なのはタマール、
機転が利き、しぶとい、
だから友にとっても忘れられない。

剣を比類なきほど優雅に振り、
落ち着き払った仮面を顔に被る、
敵の記憶に残るように。

ガイデン・シンジの忠実なる助けのおかげで、
名誉の借りは必ず返される、
誰もが忘れないだろう。

「名誉の休息地」の記念碑Honor’s Rest Monument Stone

この広間で戦士が安らぎを見つけ、
壁に永遠に名が刻まれる、
忘れられてはならない。

灰と骨、ここで彼らは眠る、
鉄と石によって名誉は証明される、
それを忘れられてはならない。

宝石より偉大な宝物の中に、
記念の池の贈り物の中に、
彼らを忘れてはならない。

遠い昔に失われた記憶を深く学べ、
薄れかけた歴史に光を当てろ、
それは忘れられてはならない。

傭兵が残した焦げた日記Mercenary’s Scorched Journal

…この仕事を得た。バゾーグベグは私達を死へ送りだした。私が最後の1人だと思う。

ここはドワーフの機械が追ってきたりはしないが、寒すぎる。

* * *

大きな管にもたれかかった。全てがシフトした。灯りと蒸気があった。少なくとも今は暖かい。

* * *

他のと同じような管が見える。最初のは部屋を暖めた。とすると、次はドワーフの食料?食料はないのだから、失うものなどあるか?

ヒューズベインの書棚

Hew’s Bane Bookshelf

71ページ:エレンデットの貸借報告書Page 71: Erendette’s Account

栽培の月
また満足なお客さんだ!
未払総額:金15

真央の月
返済:金5。エレンデットは指示通り商品を積み直して運んだ。
借金:金22。(エ)はよく喉の乾く女だ!
借金:金9。(エ)が勝手に私の在庫に手を出した!

未払総額:金41

南中の月
返済:金7。(エ)がまた盗みを働いているか究明する。
借金:金31。(エ)はここの秘密の品が好きで仕方ないようだ!

未払総額:金65

メモ:借金を払うまで、返済は中止。(エ)にはもう商品を与えない。

メモ:支払いは金のみ受け付ける。働いて借金を返済させると、(エ)は在庫の損失で余計に金がかかる。

アバーズ・ランディングの商人王 第1巻Abah’s Landing Merchant Lords, V. 1

タネスの女王の秘密の主、タモニール 著

偉そう。傲慢。自己中心的。アバーズ・ランディングの自称商人王たちを表す言葉のほんの一部だ。4つの貿易会社のはじまりは約160年前。当初はハイロックとヴァレンウッドを結ぶ商業と貿易の中心として、アバーズ・ランディングを高めるべく努めるまともな会社だった。だがヒューズベインは文明を発展させようとする者に厳しく、不法な利益を追求する会社がまっとうなものを次々に追い抜き、会社はその努力に反して日増しに腐敗していった。

目立つようになった4つの貿易会社はアトアディン・シンジケート、ヴィエン家、サザール・カルテル、そしてガージェス・アンド・アソシエイツだった。やがてこの4社の王たちが港町の商業と金を全て動かすようになった——合法なものも、違法なものも。利益のほとんどは密輸、奴隷などの違法取引からきていた。商人王たちはアバーズ・ランディングに商品やサービスをもたらしつつ、遠方の地と(控えめに言うと)有益な貿易協定を結んでいた。アバーズ・ランディングが豊かになってくると、他のグループも興味を示し始めた。ここから商人王たちと地元の犯罪者たちとの長く騒がしい関係性が始まったのである。「隠れた」貿易会社の噂まで出回り始め、実際に大手貿易会社と「隠れた」貿易会社の間で、水面下での戦争が行われていた形跡も残っている。この抗争についての詳細を暴くには至っていないが、その結末は明らかである。ガージェス・アンド・アソシエイツは潰され、他の3社も以前の栄光は見る影もないほど廃れ、隠れていた勢力が港町の支配者となった。

ここ15年ほどは、貿易会社たちは一歩引いている。もちろん事業は続けているし、衛兵やインフラといった街のサービスに資金提供もしているが、それまで何十年と見せてきた自信と威勢の良さは見られない。どの市長、どの貿易会社、どの秘密ギルドが中心に立ったわけでもないが、闇の奥深くから誰か、もしくは何かがアバーズ・ランディングを動かしているのは私には明らかだ。そのため、ヒューズベインと取引をする際は注意するよう勧める。

次の報告書では、エリア内で営業している大手貿易会社それぞれの背景について説明していこうと思う。

(メモ:この報告書はタネスの船舶から「回収」され、アバーズ・ランディングの関係者に届けられたものである。湾の向こうの親戚たちが我々のことをどう思っているのか皆に知ってもらうために公開した——匿名)

アバーズ・ランディングの商人王 第2巻Abah’s Landing Merchant Lords, V. 2

タネスの女王の秘密の主、タモニール 著

アバーズ・ランディングの貿易会社の中でも先駆けであり、その末裔たちによれば最も偉大な貿易会社がアトアディン・シンジケートである。武勇と愛想のよい人柄で知られるレッドガードの男アフシュール・アトアディンによって創立され、育てられ、120年近くにわたり繁栄した。野心家アフシュールは初めレッドガードの剣、オークの斧、ウッドエルフの弓などを売買する素朴な武器商人だった。当時の客は主に目的地へ向かう途中でアバーズ・ランディングに立ち寄っていた海賊や私掠船だったが、それらの船舶や船員と輸送契約を交わすようになるまで長くはかからなかった。

時が経つとシンジケートは商品に鎧や盾を加え、身を守ろうとする者や船で戦いに突入しようとする者が、一気に買い物を済ませることのできる場を提供しようと試みた。海賊団、傭兵団、国に仕える私掠船までもが、品質と保証を証明するシンジケート印の入った武器や防具を求めてごった返すようになった。こういった繋がりから、また新たに有力な収益源が生まれた——シンジケートは傭兵契約の仲介業を始めたのだ。

現在のリーダー、オラハン・アトアディンは、シンジケートを厳しく支配している。冷酷で才気あふれるレッドガードである彼は、全ての交渉を戦いのように、全ての競争を戦争のように扱う。その実、戦争こそがアトアディンの主要な取引分野となっており、そのおかげで近年貿易会社を襲う謎の災難を受けても利益をあげ続けることができている。わが女王も承知の通り、私が「隠れた貿易会社」と呼んでいる謎の組織は、実態を捕まれることを避けつつも確実に策謀を張り巡らせている。私は必ずその真相にたどり着く。ただ、それがいつになるか分からない。

オラハン・アトアディンは武具や兵器、傭兵契約、さらには紛争があれば敵味方問わず物資を密輸するといった商売を行っている。彼は金さえ入ってくれば、カバナントに武器を、パクトに鎧を、ドミニオンに物資を売ることもいとわない。貿易会社たちを抑制し、巧みにもひそかな攻撃で衰えさせていた勢力が急に消え、シンジケートは再びアバーズ・ランディングで力を強めようと動き出している。

他に懸念すべきこともあるが、オラハンやその家族と関わる際は注意するよう勧める。しかし誤解して欲しくないのだが、ヒューズベインとアバーズ・ランディングで何かを成し遂げようとするならば、彼らは避けて通れない存在だ。

(メモ:この報告書はタネスの船舶から「回収」され、アバーズ・ランディングの関係者に届けられたものである。湾の向こうの親戚たちが我々のことをどう思っているのか皆に知ってもらうために公開した——匿名)

アバーズ・ランディングの商人王 第3巻Abah’s Landing Merchant Lords, V. 3

タネスの女王の秘密の主、タモニール 著

必然的なことだった。悪徳と腐敗に満ちたアバーズ・ランディングには欲を満たす主人、いや女主人が必要だった。腐敗と道楽の渦巻く港町に自分の居場所を築こうと、威厳と大樽一杯の金を手にウェイレストからアバーズ・ランディングへとやってきたのがレディ・フェリス・ヴィエンだった。彼女がやって来たいきさつについてはほとんど情報が残っていないが、ウェイレストの著名な貴族であった夫と、その死との関わりが原因であったことは突き止めることができた。

アバーズ・ランディングに来た理由が何であれ、レディ・フェリスはすぐさま土地を購入し、酒場兼宿屋ウィンサム・ウェルワを設立して港の話題を呼んだ。はじめは小さな宴会場だったが、やがて他の娯楽、より合法性の低い娯楽も提供するようになった。レディ・フェリスはアバーズ・ランディングを通り抜ける人々が持つ悪習に目をつけ、その欲を満たすことができれば金が稼げると考えたのだった。

ヴィエン家は現在、違法薬物や売春といったアバーズ・ランディングの私的で隠された欲を満たしている。ハイロックの悪名高きチェイストハーピーを真似たウィンサム・ウェルワは売春宿となっており、現在の当主レディ・イレニー・モンテインの本拠でもある。他の貿易会社と同じように災難に見舞われながら、彼女は海賊や商人団、多少の冒険を求める貴族の訪問者の違法な需要を満たすことで、ささやかながら利益をあげ続けている。ヴィエン家の商売は全てレディの鋭い監視の下で、アバーズ・ランディングに集中している。街を歩く彼女は、上品で優雅な態度で顧客や訪問中の貴人と接する。しかし暴力的、殺人的ともいえるほど気が短い——不幸にも彼女のそういった一面を見てしまった者で、それを生きて語り継げる者は少ない。

性行為や薬物と同じように、秘められた情報もレディ・イレニーの商売道具である。絶対に裏切らず、彼女が提供する快楽に関わらないのであれば、目的達成の心強い味方となるかもしれない。

(メモ:この報告書はタネスの船舶から「回収」され、アバーズ・ランディングの関係者に届けられたものである。湾の向こうの親戚たちが我々のことをどう思っているのか皆に知ってもらうために公開した——匿名)

アバーズ・ランディングの商人王 第4巻Abah’s Landing Merchant Lords, V. 4

タネスの女王の秘密の主、タモニール 著

はじめてアバーズ・ランディングの貿易会社ができた頃、他から突出した会社があった。リーダーが変わっているだけでなく、そのリーダーが選んだ業種もまた異質だった。サザール・ラと名乗るカジートが設立したサザール・カルテルは、卑劣でありながら欠くことのできない、港町での奴隷貿易を商売にした。男性の敬称「ラ」を授かった、カジートの歴史の中でも数少ない女性であるサザール・ラは、帝国人、ブレトン、レッドガード、そして少数のカジートから成るカルテルを作り上げた。

カジートに奴隷商売のカルテルが運営できるのか?と疑問に思うかもしれないが、結果から言うとかなり上手にできている。利益次第では我が子をも売りさばく女、サザール・ラの伝説は、カルテルの富の増加とともに広まっていった。遠い国へ向かう途中のアルゴニアンやカジートの奴隷を仲介するかたわらで、カルテルは密輸や情報の売買にも事業を拡大した。同族を売り飛ばすことにも躊躇のないカルテルは非常に危険な存在だ。時が経つにつれ、競合者たちもそれを思い知ることとなった。

今は6代目となるカジート女性サザール・ゴールドファングがサザール・カルテルの商人王となっている。彼女はアバーズ・ランディングの貿易会社の現状にも、自身の事業の現状にも満足しておらず、落ち着きをなくしているように見える。貿易会社を害した何かは、このカルテルには特に大きな打撃を与えたようだ。彼女は「隠れた貿易会社」の活動以前に誇った権力と名声を取り戻し、先祖と同じ栄誉ある敬称を受け継ぐことを切望している。

サザール・ゴールドファングは怒りと野心で煮えたぎっている。本人は自分がアバーズ・ランディングで一定程度の富と敬意を手にするのは当然のことだと考えているが、率直に言ってそれは難しい。そのため彼女は苛立ち、不安をかかえ、かなり危険である。私の忠告を聞くか?あのカジート奴隷商人には近づくな。10フィート圏内にもな。

(メモ:この報告書はタネスの船舶から「回収」され、アバーズ・ランディングの関係者に届けられたものである。湾の向こうの親戚たちが我々のことをどう思っているのか皆に知ってもらうために公開した——匿名)

アバーズ・ランディングの商人王 第5巻Abah’s Landing Merchant Lords, V. 5

タネスの女王の秘密の主、タモニール 著

次は私が「落ちた貿易会社」と呼んでいる、アバーズ・ランディングの4つ目の大手貿易会社の哀れで不幸な運命について説明しよう。ガージェス・アンド・アソシエイツの歴史は、今ではシロディールの記録から消え去ってしまった有力かつ強大な帝国の一家へとさかのぼる。ヒューズベインの商人王たちが力をつけてきたころ、アビシアンの海賊王として知られていたイソベル・ガージェスが襲撃と略奪をやめ、それなりに法に則った事業でその勢力を拡大していった。

当然ながら、アバーズ・ランディングのような場所で言うところの法に則った事業は、一般的な解釈とはだいぶ異なる。イソベルは最初、法外な利子をつけて金を貸し付けていたが、やがて彼女率いるガージェス・アンド・アソシエイツはギャンブル、盗品商、不正資金の洗浄、強奪などに手を染めるようになった(強奪については、部下に商船から貨物を盗ませ、その同じ商人たちに売りつけることで手っ取り早く利益を得ていた)。

15年前の貿易会社危機がアバーズ・ランディングを襲うと、ガージェス・アンド・アソシエイツは破産寸前に追い込まれた。それ以降の暴動と、三旗戦役に至るまでの出来事で、その悲運は決定的なものになった。今のガージェス家には一族と忠臣が一握り残るのみで、現当主のマルチヌス・ガージェスは嫉妬にまみれた悲惨な男だ。だが奴には計画がある。会社を立て直し、富を取り戻し、ガージェスの名が再びアバーズ・ランディングで称えられ、尊敬され、恐れられるようにする計画だ。しかし、その夢を叶える道のりは長い。

(メモ:この報告書はタネスの船舶から「回収」され、アバーズ・ランディングの関係者に届けられたものである。湾の向こうの親戚たちが我々のことをどう思っているのか皆に知ってもらうために公開した——匿名)

アバーズ・ランディングの商人王 第6巻Abah’s Landing Merchant Lords, V. 6

タネスの女王の秘密の主、タモニール 著

これを君に送ろうかずっと悩んでいた。内容は全て仮説や憶測に過ぎない。証拠がないんだ。君に見せられるようなれっきとした事実が。とはいえ、君には私の考えを知ってもらう権利があると判断した。ダークエルフたちが言うように、用心するに越したことはないからな。

前の報告書では、アバーズ・ランディングの貿易会社を妨害し、攻撃までしている別の組織が存在すると示唆した。これを「隠れた貿易会社」と呼んできたが、もっと良い名がある。影のコングロマリットだ。夜中に目の前に広がる大きく深い裂け目のごとく、暗闇の中に確かに存在しているのに、影のコングロマリットは目で見ることができない。

影のコングロマリットとは何なのか?私には分からない。組織の真実を暴けるところまで来たかと思えば、また次の手掛かりを求めてあちらこちらと飛び回らされ、結局いつもあと一歩で届かないところにいる。これまでに分かったことを記す。影のコングロマリットはおそらく40年ほど前に組織された。そしてそれまで1世紀もの間、独占状態にあった商人王たちの前に現れて挑戦状を叩きつけた。そこから25年以内に、影のコングロマリットは貿易会社たちが一歩引き、権力と影響力の一部を譲らなければならないほどの力をつけた。

闇の奥深くで、何らかの戦いが起こったのだろう。この戦いで隠れた貿易会社が勝ち、表に出ている貿易会社たちは痛手を負い、築き上げた玉座から突き落とされたのだ。最も悲惨だったのはガージェス・アンド・アソシエイツで、ほぼ一夜にして総崩れとなり「落ちた貿易会社」と呼ばれるようになった。

影のコングロマリットがアバーズ・ランディングの真の権力者なのだろうか?それがはっきりと断言できないのが、私の一番の悩みだ。

(メモ:この報告書はタネスの船舶から「回収」され、アバーズ・ランディングの関係者に届けられたものである。湾の向こうの親戚たちが我々のことをどう思っているのか皆に知ってもらうために公開した——匿名)

アバーの地域史を完成させるための助力求む!Help Complete Abah’s Local History!

アバーズ・ランディングの市民たちよ!ヒューズベイン記念日の委員会議長の役に立候補し、この職についたことは私の名誉であります。私はこの任を活力と情熱を持ってやり遂げることを誓います!本年の展示は我らの基礎を築いた人物(そして私の母方の祖父という意味で、我が先祖)である、フバラジャード王子の生涯と実績に賛辞を捧げる予定であります!

ヒュー王子の統治時代に遡る種々の歴史的価値を持つ物品の展示に加えて、私が希望しておりますのは、我々の展示コレクションに初めて、「ヒュー王子の大失敗」として知られる、名高く非常に収集価値の高い一連の書籍が加わることであります。そのために、私はこれらの愛すべき書の個人的なコレクションを祭典に貸し出すつもりです。その中には以下のものが含まれております:

——ヒュー王子と使者の爆裂パイプ
——ヒュー王子とハジ・モタの戦車
——ヒュー王子とアイアンレガッタ
——ヒュー王子と二人三脚
——ヒュー王子とペットのトク・ガーヴァ
——ヒュー王子と精霊のパレード
——ヒュー王子とキンドルピッチの泉
——ヒュー王子とオーガのバレエ

目の利く方であればすぐさまお気づきになることでしょうが、このコレクションに欠けているのは1冊だけです。それは悲劇的なまでに希少な「ヒュー王子とスプリガンのバーベキュー」であります。もしこの珍しい本がアバーズ・ランディングで見つかるようなことがあれば、所有者の方にとって我々のコレクションに貸し出すことは市民的寛容の行いとなるでしょう(そしてもし所有者の方に上記の本を売るつもりがおありならば、私は多大な額の報償を提示するつもりです!)

また、我が愛すべき配偶者のレディ・ワラヴィルが他の業務に追われているため、委員会は祭典での発表者として「ヒュー王子の大失敗」の著者と目されている次席高官ハフジファー・アルヤスの役を演じていただくため、それなりに演技のできる美しいレッドガードの女性を探しております。興味のある方はぜひ館にて直接手続きをしていただきたい。

——フザハー・ワラヴィル卿、大公

アルダノビアの強奪日記からの抜粋Excerpt from al-Danobia Heist Journal

フーンディングの道を開くには、トゥワッカの柱を通過しなければならない。その後、マルークの道をたどれば長身のパパの水差しの聖なる灰を手に入れることができるだろう。それによってシンジの真実が明らかになり、そこから宝物庫にたどり着くことができる。

トゥワッカの柱を通過するのが最初の問題だ。ヨクダの将軍たちの装飾がついた錠が壁に設置されている理由が他にあるだろうか?もしこれまで同様、我が知識が正しければ、この錠はナリマヤとトゥナスカの兄弟を基にした物語への言及になっているはず。文書を探して、何か手掛かりになるものがないかどうか探してみる必要がある。

宝物庫に関係があるかもしれない古い文書からの抜粋を見つけた。後で必要になるかもしれないから、書き記しておく:

「こうして、兄弟はそれぞれ戦場に立ち、夜の静けさの中、対峙した。各軍の死体が足元に横たわっていた。彼らの周囲で燃える炎により、戦場は淡い黄金色に照らされた。トゥナスカは北に立ち、彼の将軍であるアキシュとブーリズを従えていた。南に立つナリマヤはこれに対峙し、彼女の信頼する2人の参謀、ニシュカとプントルを従えていた。2人には、これが最後の戦いになるであろうことがわかっていた。2人のうちどちらにとっても、これが生もしくは死への扉を開く戦いになるだろうと」

これは明らかに、将軍たちがそれぞれ、参謀たちの真ん中に位置していたことを意味している。宝物庫への手がかりだろうか?あとはあの部屋に入って、将軍たちの順序を解明できるかどうか試してみなければならない。それと炎についての言及は?方角?どれも決定的な情報になりうる。

文書のこの部分と一致するもので、何か順序を示しているものがないかどうか注意していたほうがいい。部屋の中の何かがこれに言及しているに違いない。順番か、それとも数?とにかく何か。良い予感がする。きっと財宝がじきに手に入る!

ヴァズシャラの日記Vazshara’s Journal

ヴァズシャラが疑うモンクでいたのはたった1週間だというのに、もう自分の決断を後悔している。2つの王国が築かれる以前にここで何が起こったのか誰も話さないけれど、それはいつでもみんなの心の中にある。まるで大きなセンチタイガーが私たちの晩餐を食べているのに、その鼻先をひっぱたいてやることを禁じられているみたい。どこかの月の司祭がここで闇をかき混ぜて、ドロ・マスラをニルニに送ってやったってことはみんな知ってる。でも、なぜ?どうやって?誰もそのことは言わない。ヴァズシャラはもちろん、あらゆる噂を聞いている。ジャ・カジートが誰も聞いていないのを確認してから笑うような、しょうもない物語。たいていのカジートは笑うけれど、馬鹿みたいな話はよく、暗い真実を隠していることを私は知っている。ここで本当に何が起きたのかを見つけださなきゃ。

* * *

書いていて、ヴァズシャラの爪がつりそう!ものすごくたくさんのモンクたちと話して、その話を紙に書きとめた。認めなければならないけれど、これらの話はジャ・カジートとして学んだ物語よりもずっと暗い。役者たちはいつも同じ。頭のおかしいモンクたちと、「石を打つ者」と呼ばれる月の司祭。どうやら、この司祭は魔法の杖を持っていて、それで地面を打つと秘密を話し出すらしい。この魔法の杖がどこからやって来たものなのか、あるいはこの月の司祭が死んだ後どこにいったのか。それは誰も知らないから、ただの作り話かもしれない。でも、謎はひとつずつ解決しなきゃ、そうでしょ?

明けても暮れても、この月の司祭は地面を打って、ニルニのあらゆる秘密を学んでいた。でも結局、魔法の杖はニルニの秘密を出し尽くしてしまい、もっと暗い秘密を語り始めた。ナミイラの秘密を。打つ者はひたすら耳を傾け、年老いて正気を失ってしまった。聖堂のモンクたちも正気を失った。なぜなら、石を打つのが決して止まなかったから。それは大きく、規則的な音だった——コンコン、コンコン、コンコン。心臓の鼓動みたい、そうでしょ?ついに、モンクたちは石を打つ者を殺す計画を練った。モンクたちはハイ・ルナリウムに彼を誘い込み、湾曲したナイフで死ぬまで刺し続けた。打つ者の死体からすべての血と秘密が流れ出して聖堂の扉を打ち開き、モー・オブ・ローカジュと、その先にある闇を明らかにした。

ここからは物語が食い違ってくる。いくつかの説明で、打つ者は血が流れ出してしまった後に起き上がり、稲妻でモンクたちを全員殺してしまう。他の説明では、ローカジュの喉元から大きな翼を持つ獣が飛び出してきて、その爪と牙でモンクたちを切り刻んでしまう。でも、これじゃ意味が通らない。聖堂のそこら中に散らばっている封印は明らかに、月の司祭がモンクたちに挟み撃ちにされて、ベント・スピリットを召喚したことを示している。それに私はハイ・ルナリウムにある扉がどんな見た目をしているか知っている。だから打つ者は生き残って、少なくともモンクたちのうち何人かをベントの踊りに押し込んだはずじゃない?まあいいか。もしかしたら罪の意識だったのかもしれない。疑うモンクは評判が悪いから。多くのカジートがドロ・マスラの解放に教団が一役買っていると考えている。もしかしたら本当かもしれないって思い始めてきたわ。ヴァズシャラもパパの言うことを聞いて、漁師にでもなっておくべきだった。などなど。

* * *

こんな場所は滅びてしまえ!今日、クラン・ドロ修道院長がハイ・ルナリウムにヴァズシャラを呼び寄せて、人生で最悪の罵声を浴びせてきた。「おしゃべりはもうなし!質問もなしだ!」まったく!いったいこの場所のどこに喋れるものがあるっていうの。この聖堂は墓よ。誰も笑わないし、歌ったり、踊ったりもしない。ただ詠唱して、囁いて、尻尾をしまって祈るだけ。それだけでもヴァズシャラは逃げだしたくなるけど、まだあるのよ。修道院長の目に何かがあった。怒りじゃなかった…いいえ、違う。あれは何というか…無だった。鈍くて暗い無。死んだ猫の目みたい。尻尾が立っちゃったくらいよ。ヴァズシャラはもう我慢できない。夜が明けたらすぐに海へ向けて出発するわ。この場所に月の呪いあれ、それから修道院長にも!

ウェイクウォーカーの指令Wake Walker’s Orders

獣使いロドロスへ

上陸部隊を連れて、鮫の歯の洞窟を探せ。新しい准将が喜ぶような、好意を抱かせるような贈り物を見つけろ。噂通りなら、鮫のシャルグは数多くの貴重品を洞窟の内部に隠しているはず。歩き手たちには好きなように略奪させてやっていいが、准将が興味を持ちそうなものは全てとっておけ。

だが獣使いよ、本当の目的を忘れないように。もしクローナ・キーバと呼ばれる伝説の生き物が実際に洞窟の奥深くをうろついていたら、そいつを手なずけて俺のところに連れてきて欲しい。新しい准将のための贈り物として、ペットのハジ・モタ以上のものは考えられないからな!そんな生き物を手にすることができれば、他の海賊船の連中の羨望の的になるだろう。准将だって感激しないはずがない!

さあもう行って、あの生き物を見つけてきてくれ!

ウェイクウォーカーのドロリオン船長

ウェイレストへ捧ぐファランゲル王の頌歌King Farangel’s Ode to Wayrest

これは余の初めての詩作の試みである。これらの言葉は歴史に名を残すであろう。

「猛烈な波がうなり、暗闇のかかった海辺に寄って砕ける。
汝の塔の光は天空に輝く星々にも匹敵し、
その光は影の入り江において倍増される」

だめだ。これはいかん。これでは高尚すぎる。余はこれを皆が共感できるものにしたいのだ。歌ではどうだろう?

「もしも余に娘がいたら、きっと彼女はこう言うだろう。
ウェイレストの男に、毎日一緒にいて欲しい!
そしてもし息子がいたら、きっと彼は望むだろう。
ウェイレストの女と、毎晩一緒にいたいって!」

おっとっと。変な方向に行ってしまった。それもすぐにだ。書記よ、どう思う?何か考えはあるか?

「「ウ」は麗しいこの街の「ウ」
「エ」は偉い王様ファランゲルの「エ」
「イ」は行きたくない場所ダガーフォールの「イ」、あの汚くて臭い貧民街」

よくわかった。これではどうにもならん。こういうことは吟遊詩人に任せるべきだと思う。

なぜまだ書いているのだ?書記よ、確かに余はすべて書き留めろと言ったが…よいか、命令に従わねば死刑にするぞ、止め——

ヴェルサへの手紙Letter to Velsa

あなたを見つけるまで長い時間がかかった

誰かがあなたのことを思っていると知っておいて

あなたの幸せを願っている

ヴェンティリアス・プロキシマスの日記Journal of Ventilias Proximus

またザルガクに裏切られた!奴のところの口の軽い馬鹿が我々の取り決めを漏らしたに違いない

もっと死体が必要だ!ボロボロになっている方がいい。ザルガクの提案にあれほどそそられた理由はそこにある

だがこの「コッシュ」がザルガクを脅迫してノー・シラ要塞に呼び出した——鉄の車輪の本部だ!ザルガクがこの新しい商人王の遊びに参加しなければ、鉄の車輪が俺を訪ねてくるまでどれくらい時間がかかるだろう?

この薄汚れた穴で死にはしない。黒き虫の教団が俺を受け入れるだろう、それは確かだ——ただ自分の価値を証明するために、あと少し魂が要る…

エバニ船長の記録Captain Evani’s Log

記録184
アバーズ・ランディングの盗賊ギルドはタネスの傭兵に潰された。商人王たちがとうとう押し戻したの?アンヴィルの連中と協働するチャンスかもしれない。

記録188
少量の積荷がアバーズ・ランディングの連絡係に配送された。次回は大量に送る。

記録191
新しい准将ということは、至急金が要る。敬意を示すにはそれしかない。次回アンヴィルに行ったらできるだけ荷を積まないと。

記録193
裏切られた!この「コッシュ」は何者?私たちがスクゥーマを密輸するとどうやって知ったの?ノー・シラ要塞で奴に会わなければ、奴は鉄の車輪に私の船を襲わせる!

私が船を遠海にやったら、きっと准将は私たちに敬意を示すつもりがないんだと考える。でも連絡係が怯えて、私たちの荷の受け取りを拒否する。

コッシュのせいで困ったことになった。あの忌々しい古い砦で奴に会うしかない。他に選択肢はない。

エルフと卵とドラゴンみたいなものThe Elf, the Egg, and the Almost-Dragon

幼いイオリは、夜は祖父からエンシェント・ドラゴンの話を聞き、昼は近くの沼でその痕跡を探しまわるという日々を送っていた。一度ドラゴンのものだと信じて、きらきら光るうろこを持ち帰ったことがあった。祖母はただのワマスの皮だと言って、家から遠く離れたことでイオリをきつく叱った。

それでもイオリは諦めなかった。ドラゴンを見つけたい一心で探し続けた。毎日どんどん祖父母の小屋から遠く離れるようになり、ある日暴風雨に遭ってしまった。近くの洞窟に避難したが、そこは汚い水で水浸しになっていた。水たまりを避けながら何とか洞窟の奥までたどり着くと、イオリは思いがけないものを見つけた——それは大きな緑色の卵だった!

暖かい泥に半分埋まったその卵は、命の鼓動で脈打っていた。これはドラゴンの卵に違いない、とイオリは確信した。祖父の話に出てくるドラゴンの卵はいつも大きく、堅く、温かいものだった。この卵も、とてもとても温かかった。

孤独な卵だった。母親のドラゴンも、それ以外の生き物の形跡もなかった。今卵がかえれば、赤ちゃんドラゴンの世話をする者がおらず死んでしまうだろう、とイオリは思った。

「家には持って帰れない。おばあちゃんに潰されるか、料理されちゃう!」彼女の祖母はドラゴンや卵など信じておらず、きっと食べ物として認識されてしまう。

「ここに残るのも無理ね」暗くなってから帰ればどんなお仕置きが待っているか、考えたくもなかった。「どうすればいいの?」

降りしきる雨を眺めながらイオリは考えた。「嵐はひどくなる一方。今帰ろうとすれば道に迷うか風邪をひいちゃう。おばあちゃんも分かってくれるわ」そう自分に言い聞かせて、一晩泊まることを決意した。

次の日の朝、入り口から差し込む日差しを浴びてイオリは目覚めた。それまで経験したことのないほどの空腹感に襲われたが、それでも第一に考えたのは卵のことだった。暖かい泥の中から卵を掘り出し、観察した。卵はとても熱かった!

「きっともう生まれる寸前なんだわ!」興奮してイオリが言うと、それに答えるかのように洞窟の外からうなり声が聞こえてきた。「お母さんドラゴンかな?」と彼女は思った。しかしドラゴンの洞窟に閉じこめられるとなると、良い予感はしなかった。

さらにうなり声と、鼻をクンクン鳴らす音が聞こえた。外にいたのはドラゴンではなく、グアルだった!イオリは片手に卵、もう片手に石を持ち、ゆっくりと洞窟を出た。そこにいたのは地面に鼻をつけるグアルだった。グアルは彼女を見ると、またクンクンと鼻を鳴らした。

「あげない!」そう叫んでグアルに石を投げつけた。石は鼻に強く当たり、グアルは鳴き声をあげた。しかしこのグアルは家の近くで見る、飼いならされたものとは違った。飼いならされたグアルはうなったりしないし、怒って前足で地面を引っかいたりもしない。

イオリは走った。グアルが追いかけてきて、彼女はだんだん恐ろしくなってきた。卵をぐっと胸に寄せて、木の枝や転んだときの衝撃から守った。恐ろしすぎて、グアルが諦めてからもしばらく走り続けた。しばらくしてイオリは力尽き、膝から崩れ落ちて座り込んだ。

「もう安全だと思うよ、ドラゴンちゃん」そう言ったイオリの表情は、一瞬にして再び恐怖にとらわれた。卵を見るとそこにはヒビが入っていたのだ!「キャー!」イオリは泣き叫んだ。きっと強く抱えすぎたか、木の枝に当たったか、もしくは——

すると1つ、また1つとヒビが入っていった。中から押し出されて、殻が落ち始めた。

「生まれるのね!」イオリはどうしてよいか分からず、きょろきょろと辺りを見た。地面に置こうとかがみつつ、ためらった——逃げちゃったらどうしよう?だが傷つけたくもなかったので、あぐらをかいて汚れたエプロンをハンモックがわりにして、卵を膝の上に置いた。

そのまま卵はガタガタと揺れながら崩れ続け、やがて穴からドラゴンの鼻が出てきた!明るい緑色で、少しネバネバしていた。目が開き、イオリを見上げた。くさび形の頭からフォークのような形の舌が現れ、彼女の気持ちは高ぶった。いよいよドラゴンが生まれるのだ!

残りの殻が全て崩れたが、驚くことにその「ドラゴン」には爪はおろか、脚すらなかった。小さな翼の生えたヘビだったのだ。膝にヘビの赤ん坊を乗せるなど、イオリの友達であればゾッとするようなことだが、彼女はただただあっけに取られていた。ドラゴンの話はたくさん聞いたが、翼の生えたヘビの話など聞いたことがなかった!

生き物が殻を完全に振り払うと、イオリはその破片を慎重に片付け、両手でヘビを包んだ。少し冷たかったが、手の中で温もりを帯びていくのが分かった。眠そうな蛇の目でイオリを見上げると、2回まばたきをして、眠りに落ちた。

「まあでも、ドラゴンみたいなものよね?」

カリの品目一覧Kari’s Hit Rist

新人たち、注意して!過去において、盗賊ギルドのメンバーたちは仲間の中で一番の者を決めるために、最も貴重で価値の高いお宝を、タムリエルで最も有力な人々から盗んでいたの。現在のところ、我々にはそういった種類の注目を集める必要は一切ない。本当よ。

とはいえ、あなたたちが技を磨き、実力を見せつけることは重要であるとギルドマスターは考えているの。だから私は特別なものではあるけど、誰もそれを取り返すために軍隊を送らないような品物の目録を作成しておいたわ。見つけて盗んでみて。証拠として、隠れ家まで持って来なさい。

これは自慢のためのものであり、金のためではないわ。だから私のところに来る時、こうした品物に多額の報酬を期待しないでね。

アバーズ・ランディング:ヒュー王子がまだ生きていた時代銀行家のひいひいひい(中略)じいさんの代の甥っ子が、この哀れな間抜けの葬儀壺をまだ持ってる。今は花瓶として置かれているそうよ。

グリーンシェイド:魔術師ギルドはある樹の従士のために、奇妙な生きた本の修復作業をやっている。多分、水をやるとかそういうことでしょう。

オーリドン:ナエモン王子は記念のデキャンタを持っていた。自分の戴冠式のために注文したんだけど、式が行われることはなかった。噂では、まだスカイウォッチの邸宅に展示されているらしいわ。

マラバル・トール:古いウッドエルフの物語に、あまりにも優秀なので、呪われたハープで大会に優勝した詩人の話がある。誤った者の手に渡って誰かの鼓膜を吹っ飛ばしたりしないように、ハープは魔術師ギルドが保管しているそうよ。

リーパーズ・マーチ:魔術師ギルドはラウル・ハの屋敷にいる、ある年老いたカジート戦士の古い持ち物を気遣っているわ。不幸なのは、それが彼の痰壺ということね。

グラーウッド:カモラン王朝の一人が戦闘で死んだ時、その代わりを務めることになっていたマネキン人形があるわ。どうやらそれは見破られたみたい。というのも、大使館で埃をかぶっていたからね。

アリクル砂漠:砂漠にいる裕福な宿屋の主人がある古い鉢を持っている。本人の主張では、彼の血筋があるラ・ガーダの英雄にまで遡ることを示す家宝だそうよ。見た目は人を欺くと言うけど、それにしても疑わしいわね。

ストームヘヴン:ウェイレストの最初の王はいい王様だったかもしれないけど、詩人としてはひどいものだった。彼の作品を収めた未刊行の本が1冊、魔術師ギルドに保管されているわ。朗読しなくていいわよ。

バンコライ:ヨクダの征服者たちの中でも比較的几帳面だった者が、自分の所持品を片付けるのに巨大な文鎮を必要としていたそうよ。これは私の手元に置くことになるかもしれないので、そのつもりでいるように。

グレナンブラ:ダガーフォール城を飾っているじゅうたんのひとつが魔法の力を持っているそうよ。どうしてそんなものを何かの役に立たせずに、ただ置きっぱなしにしているのかは知らないけど。

リベンスパイアー:戦士ギルドはショーンヘルムのお姫様がエメリック王にあてて書いた手紙をいくつか持っているらしい。王が彼女を捨てて、センチネルのお姫様のところに行く前のものよ。興味をそそられるわね。

イーストマーチ:イーストマーチの住民たちは、ジョルン王が叩き壊した古代ドワーフの品が次の宴のメインになると言っているわ。今は現地の魔術師ギルドで修理されているそうよ。

ストンフォール:ある宿屋の地下に、エボンハート・パクト結成時の古い紋章が転がっているそうよ。特に懐かしんではいないようね。

シャドウフェン:ブラック・マーシュでアルゴニアンと一緒に住んでいる奇妙な部族がいるそうよ。驚くことでもないけど、彼らはみんな死んでいる。でも、アルゴニアンはアーティファクトの一部をそのままにしているみたい。何か宗教的な祈りの対象があるんでしょうね。

デシャーン:ほとんどの場合ドワーフのアーティファクトは高値がつくけど、モーンホールドの周囲では一部の旗が奪われ倉庫に放り込まれているそうよ。もう少し深い話がありそうね。

リフト:イスグラモルは一般に戦士ギルドに崇拝されている。彼らはイスグラモルのように利き腕で同じ杯から飲むのよ。でも、彼の古いワインの内、まだ残っているものがあるらしいわ。

キルナの消息Word of Khiruna

キルナの人相書きは市場で巾着切りを衛兵に見つかったときのものだと猫会議で聞いた。鉄の車輪の攻撃の後だが、アジトで嵌められる前の話だ。

噂では、彼らは彼女を罰金刑にして釈放する気だったが、もっと金を稼ぐため鉄の車輪に彼女を引き渡すことに決めたらしい(これは商人王が主任調査官ランビクは仕事に有害だと判断する前だった)。最後の噂によれば、彼女は ノー・シラ要塞へ向かう船に乗せられたらしい。その後は何も聞こえてこない。

—スラグ

クラン・ドロ修道院長への手紙Letter to Abbot Kulan-dro

親愛なるクラン・ドロ修道院長

ヴァルナーゴ・ドロはトルヴァル・クリアタが、あなたの異動嘆願書を受け取ったことの確認として手紙を書いている。少々驚いたと言わざるを得ない。七つの謎の聖堂はあなたの技術と感性にぴったりだとクリアタは考えていた。聖堂の特異な歴史からある程度の難しさが伴うことは分かっているが、これを降格だと考えて欲しくない。断じて!その正反対だ!クリアタとしては、昔から我らの中の最強の指導者たちが封印を見張るべきだと考えてきた。七つの謎の聖堂で働くことは不名誉だろうか?残念ながらそうかもしれない。しかしジョーンとジョーデは最も困難な要求を、最も強い者に課す。そうだろう?厳しい自己管理と、徹底した研究で知られるあなたこそが適任だと思ったのだ。

あなたの嘆願書は検討するが、最も古い友人の一人として、ヴァルナーゴは修道院長としての新しい役割の美点を探すことを勧めたい。月はいつも我らの足をより輝かしい栄光へと導いてくださる。起きる事には全て理由がある。祈ろうではないか。

月のご加護がありますように。

司祭ヴァルナーゴ・ドロ

コッシュの書類からの引用Excerpt from Cosh’s Papers

金と書類は予定通り、レディ・イレニー・モンテインに届けた。これでフバラジャード宮殿は完全に貸切りだ。今後の作戦基地になってくれるだろう。

—コッシュ

この衛兵向け通知を見て!Look at this Guard Dispatch!

(この公文書をどの街の衛兵が書いたか当てた人には、貴重なアカヴィリ金貨を5枚渡しましょう——アンダーリ)

街の衛兵全員に告ぐ。スリに警戒せよ。我々の情報源によると、ある組織された無法者たちの集団が脅迫の目的で、我々の市民の「商売道具」を懐と財布から直接盗むつもりでいるという。これらの盗賊たちはクラフト用品や楽器、そして釣り道具さえも狙っているのだ!

宿屋と港を最も厳しく警戒せよ。これらの区域は人が密集することが多いのに対し、衛兵たちの数が少なくなりがちである。盗賊は吟遊詩人からリュートを盗み、その上発覚することなく宿屋を抜け出してしまうかもしれない。また漁師たちは商売の際、人目につかない場所を好む。幸運なことに、我々のクラフト区域の大半は厳重に見回りが行われる傾向にあるが、頻繁に「休憩」を取ると言って路地をうろついているような者には目を配っておくこと。

(サウスポイント。簡単すぎる——スラグ)

(外れ。それに書かなくたって、直接言えばいい——アンダーリ)

(お前は「眠って」たからな。それから、ノースポイントと言うつもりだったんだ——スラグ)

(どっちにしろ外れ。スラグはもう失格ね——アンダーリ)

(全員失格だよ。あの女、貴重なアカヴィリ金貨を5枚なんて持ってないんだからな——スラグ)

(スラグは三重に失格よ。「貴重なアカヴィリ金貨」っていうのは、私が作った飲み物の名前だからね——アンダーリ)

サロルド最大の宝Saroldo’s Greatest Treasure

愛する娘へ

これを読んでいるなら、間違いなく私の死の知らせを受け取っているだろう。その場合、私は友人のニコラスに、台帳を手に入れ大学にいるお前の元へ届けるよう託しておいた。お前のうめき声がきこえるようだ。私がお前よりもずっと魅了された謎の一つが、私からの最後の贈り物だ。

しかし、正直に言うとお前に解いてほしいのかどうかは良くわからない。私はお前に説明したように生きて来た訳ではない。私はアバーズ・ランディングのある女性と深い恋に落ちた。恥ずかしながら、お前がレディ・スリマを受け入れるのかどうか不安だった。彼女はお前の母親ではないし、代わりを務める気もない。それでも我々はそれぞれ、失う痛みを知っている。

お前に渡せる最大の宝は、お前たち二人が家族となる未来だ。

手紙を丸めて何かに投げつけたんじゃないかと推測するが。さて、立ち直ったところで続けてくれ。

今までにやったことを考えてくれ。お前は台帳の謎を解き、アバーズ・ランディングに旅し、ヒューズベインの砂の土地の位置を突き止め、古い宝箱を掘り当てた。鍵もないのに金庫を開けることに成功した。

全てがお前に私の遺言を読ませることにつながっている。アバーズ・ランディングのレディ・スリマを探すのは問題ないはずだ。彼女はお前の名前を知らないが、肖像画を持っていて、とても会いたがっている。私が彼女と過ごした素晴らしい、おかしな人生を語ってくれるだろう。それから、お前が大学を卒業したら一人立ちするために役立つちょっとした財産を持っている。お前はなりたいものにはなんでもなれる。私が旅立ったとしても、いつも誰かがそばにいてくれるだろう。

ただ、彼女の支えにもなってくれるよう祈るばかりだ。

愛をこめて

—S

ジオベセンの頭蓋骨の信憑性Authenticity of the Giovessen Skull

高潔なる従士フルストロム

「2920年」の記載はほとんどが作り話だが、真実の種がジオベセンの頭蓋骨の形で実になった。皇帝レマンIII世の命令でジオベセン宮殿に閉じ込められた、有名なタヴィアの金に浸され宝石を散りばめた頭骨なのだ。ジオベセンの頭骨は偽の遺物だという噂がハンマーフェルの以前の持ち主から広まり囁かれているが、そのような歴史の上で価値あるものを盗もうという気を起こさせないためであることは間違いない

私はここにジオベセンの頭蓋骨は本物であると証明する。元の頭骨はブレトンの死刑囚から得たと主張する噂はすべて…ただの噂にすぎない

メルカトール・マニックス(帝国歴史学者)

セプ・アダーの繁栄Triumph of the Sep Adder

ウェイレストはあまり選択の余地を与えてくれなかった。ウグイアビの売り上げは資産のいくらかを取り戻させてくれたが、面倒に見合うほどのものじゃなかった。私たちは水の漏れる船を1隻買い、故郷に帰る途中の沿岸で売るための貨物を探し求めた。私、ザビアーコは港の斡旋業者をあまり信用していなかったので、持ちかけられた計画の大部分は拒絶した。

「だがな、ザビアーコ、珍味の取引をするべきだよ!」とあの悪党は言った。「砂糖と米じゃ大した儲けにはならないが、泥で覆われたドゥルーの卵は、アバーズ・ランディングのよく肥えた金持ち商人たちに珍重されてるんだぜ!」その時は危険を冒す価値があると思った。

そんな価値はなかった。ドゥルーは交尾の後、足を取り去って海の中で過ごすのだが、船体の中にあった卵の存在を感じ取ったに違いない。私たちがセンチネルをあとにしてすぐ、奴らは襲ってきた。船に穴が開くと同時に、奴らは水と共に突進してきて、卵を奪っていった。船が完全にバラバラになる前に、私は気を失ってしまった。

でも心配はいらない!これがザビアーコの最期ではない。まだまだ語るべき物語や見るべき生き物がたくさんある。たとえば美しいセプ・アダー。それについてはすぐに話そう。

私たちはヒューズベインの地の南西部にある浜辺で目を覚ました。アバーズ・ランディングから地続きの短い旅だった。街へ向かう旅では多くの冒険に出くわした。その中には自分を鮫だと思っているオークとの出会いもあった。しかし一番よかったのは地元住民にセプ・アダーと呼ばれていた、翼の生えた蛇だ。

ウグイアビと同じように、見た目は間抜けな生き物だ。足はないけれど、蛇のように地上を動き回る。翼を持っているのに、空を飛ぶことはできない。しかしあの馬鹿な鳥とは違って、セプ・アダーはうまく繁栄しているし、優美だ。この生き物はその尽きることのない飢えを満たす術を常に持っている。

セプ・アダーは常に次の食事を狙ってうろついている。この土地の川の緑が生い茂る岸に沿って滑空しながら、空中では虫を取り、水中からは魚を取っている。後に土地が渇いてきて、水が少なくなって来た時、こいつらの数が増えているのを見た。地面の中の乾燥したちっぽけな巣から、小さなネズミを引っ張り出していた。

セプ・アダーはあらゆることに対して不器用に見えるが、実は多くのことをうまくやれる。湿った土地と、乾いた土地の両方に生きている。それはザビアーコも同じ。私は生まれつき金があったわけでも、格別運がよかったわけでもないけど、機転を利かせることによって多くの不運を乗り切ることができた。

この土地の人々はセプ・アダーに敬意を払っている。というのは私たちがアバーズ・ランディングに近寄った時、翼を持つ巨大な蛇に巻き付かれている男の大きな彫像を見たからだ。あんなに大きいのは見たことがないけど、だからといって自然の中にいないとは限らない。もしあんな生き物が困難を乗り越えて、勝者として栄誉を与えてもらえるとしたら、もしかするとザビアーコも、困難を乗り越えて、どこか名誉を授けてもらえるような場所を見つけられるかもしれない。もしその栄誉が、単に次の食事がどこにあるのか知っているというだけのことでも!

ノー・シラにはノーを!No Shira, No Good!

第四紀398年、収穫の月2日
ボスがすごい隠れ家を新しく見つけた!アバーズ・ランディングからはちょっと遠いが、何もかも地下にあるんだ。それに、雨季にも乾燥している。誰が建設したのか知らないが、壁を遮断する方法をよく知っていたんだな。

それに大きく建設する方法も知ってたみたいだぜ。仲間の数を3倍に増やしてもまだ貯蔵庫やお宝、それどころか奴隷のための空間もたっぷり残るぞ!

第二紀398年、収穫の月5日
この場所の名前を発見した。「ノー・シラ」だ。どういう意味なのかはわからんが、「気をつけて歩け」とかそういうことかもしれん。エフィーが寝台に行こうと下に降りたら、凶悪な鎌が壁から飛び出してきて、彼女を真っ二つにしちまったんだ!ボスは俺たちに他の罠を探しに行かせたが、何も見つからない。あれ一つだけだったのかもしれない。

第二紀398年、収穫の月9日
「ノー・シラ」というのはどうも「そんなに甘くない」ってことのようだな。ナックラーが少し酔っぱらって、ふらつきながら階段を下りていった。彼は底のほうで黒焦げになって見つかった。炎がどこから出てきたのかもわからないんだ。

第二紀398年、収穫の月13日
もう限界だ、俺たちはここを去る。何だか知らないが凶悪な罠のせいで、ボスの膝から下が無くなっちまった。ボスには新しいあだ名が要るだろう。「足軽」じゃまずいかな。

パーシー・ヴェルモントへの手紙Letter to Percy Velmont

パーシーへ

さあ来なさい、かわいい弟よ!小説「海賊女帝スサ・アプラグド」最新刊から顔を上げて、しっかり私の言葉に耳を傾けなさい。私は旅に出ます。そう、突然で予期していなかったことね。でも、直接告げる時間はなかったの。たくさんの仕事に関わらなければならず、どうしても参加しなければならない会合もいくつかあるのです。気になるのなら、旅程表の写しを残しておきました。

私のいない間、変なことを思いつかないように。父上は仕事と家族のことを私に託していかれました。私が戻るまで、恐ろしく間違ったことはやらないようにすればいいの。

数週間したら会いましょう。かわいい弟。私のいない間もいい子にしていたら、アンヴィルで次の「海賊女帝」の冒険を手に入れるかもね。

あなたの姉
アナイス

パーシへの手紙Letter to Paathi

パーシへ

心配だ。ショラマイは噂を広めたくはないが、クラン・ドロ修道院長のふるまいは日毎に奇妙になっている。またもや昼の瞑想に遅れ、トジャイの詠唱のあいだぶつぶつ言っていた。マントラのあいだ目を開けるのを禁じられているのはわかっているが、のぞき見ずにはいられなかった。クラン・ドロの口先はねじれて冷笑に変わり、尻尾は祈りのベルのように前後に揺れていた。これだけではショラマイのうなじの毛は逆立ったりしないが——爪がリズムを刻んでいたのだ。石をカチカチと打っていた、何度も何度も。それで私の頭はクラクラしてしまった!

たてがみに手紙を送らねば。あのリズムには何か暗いものを感じる。修道院長が堕落していたら我々全員が危険だ

これから数日間は見えないところにいて、あのリズムを聞いたら聖堂を逃げ出せ

月のご加護がありますように
ショラマイ

バリスの日記Balith’s Journal

記録42
また光だ。昨晩はあまり考えていなかった。ただ静かな海に星がきらめいているのと、遅い時間だから俺の目がぼやけているだけだと思った。あれは今夜戻ってきて、さらに近づいてきている気がする。俺の力ではどうしても見ることができない。ただの変なちらつきか、瞬きにしか見えないんだ。

記録43
嵐がやってきた。海の向こうの空が鋼鉄のような色になってきている。ここ数日の夜中に見たあれに違いない。雷鳴と稲妻だ。もっと気をつけておくべきだった。

記録44
嵐がにじり寄るみたいに動くのなんて初めて見た。海の上に漂っているみたいで、ほとんど動いていない。待っているんだ。こいつは良くない。関税の勘定は明日にして、窓に板を打ちつけておこう。

記録45
船があった!もやのなかに輪郭が見える。ランプのような輝きがあるが、明かりは冷たい。いったいあいつはどれだけの間、嵐の中に閉じ込められているんだろう?無事だといいんだが。ここから俺にできることはあまりない。目を光らせておこう。俺にできるせめてものことは、船が嵐の中で沈んだら港まで走って助けを求めに行くことだ。

記録46
ターヴァの赤い羽根にかけて!船が嵐なんだ!今夜、俺が網の方に針路を向けていたら、ガレー商船が1隻沿岸付近を通り過ぎていった。避雷針みたいだった。あのじりじりした嵐が台風みたいに躍り上がって、まるで生き物みたいにあのでかい貿易船に突撃していったんだ。嵐に飲み込まれたと思っていたあの船はその先頭に立っていて、網みたいに雲を後ろに引きずって、遅い商船を取り囲んでしまった。そいつは稲妻をガレー船の帆に向かって吐き出し、風と波でもみくちゃにしてしまった。

俺には動く度胸がなかった。嵐の船がガレー船を襲うのを見てるしかなかった。雷鳴にかき消されたせいで、叫び声や悲鳴はほとんど聞こえなかった。逃げたいという気持ちが俺をようやく恐怖から立ち直らせた。あいつらに発見されなかったのは運が良かったと言うしかない。

記録47
あいつらが来る。アリーナを探してくれ。愛していると彼女に伝えてくれ。俺のために祈って欲しい。

ヒュー王子とハジ・モタの戦車Prince Hew and the Haj Mota Chariot

次席高官ハフジファー・アルヤス 著

「ハフジファー!いや、次席閣下!」給仕のジェンゲシュだ。階段を駆け上がって来たので、汗をかいている。「王子様があなたにすぐ来て欲しいそうです。厩舎にです。急いで!」

「今度は何?」と言いながら、私はラリバラーの「11の儀式形態」をデスクマットの下に突っ込んだ。水中呼吸の呪文を学ぼうとして一時的に水中でしか呼吸ができなくなって以来、王子は王宮での魔法を禁じていた(私は5つ目と6つ目の音節があべこべだと教えたのだが、王子は無視したのだ)。「またスキーヴァーがオーツ麦の中に入ったの?」

「いーえ!」ジェンゲシュはいたずらっぽく微笑んだ。「ご自分でお確かめになった方がよろしいかと」

ヒュー王子はいらいらした様子で厩舎の扉の前を行ったり来たりしており、先がくるっとカールした黄金のスリッパで糞を踏まないように気を配っていた。「おお来たな、ハフジ!お前に見せたいものがある。お前も今度こそ感動するぞ!」彼が絹の袖に覆われた片腕を振って見せると、いつも側を離れない護衛のビッグ・ドーランは厩舎の扉を車輪に沿ってずらし、開いた。

中にあったのは、私がこれまで見た中で最も醜いものだった。それはラ・ガーダの戦車のように見えたが、サイズが大きすぎたし、車輪は2つではなく4つあった。乗員席に掛けられた金縁の枠には、黄金で縁取られた大きな傘が刺さっていた。乗員席自体はけばけばしくも輝く虹色に塗られていた。これは王子が選んだシンボルである(彼は”色(ヒュー)”男だから。分かるでしょう?)。そして御者が泥で汚れるのを防ぐために、車輪の上に銀板が覆いかぶさっていた。これの全体は採石場で働く牛車ぐらい重そうに見えた。

「見事だろう?」と王子は聞いてきた。「見事だ。そうじゃないか?」彼はきっぱりと繰り返した。「見事だ」

「み…見事ですね。はい、確かに。その通りです」と私は言った。「それに…こいつはなかなか大きいですね。でも見たところこいつを引くには馬を8頭ほど使うことになりそうですが、私たちのところには6頭しかありませんよ」

「馬だって?はっ!馬なんてのは庶民のものさ!新しい我が王子専用戦車はだな…ハジ・モタに引かせるのだ!」

「悪魔の亀?しかしあれを手なずけた者はいませんし…いるはずがない。第一、殿下はそんなものをどこから手に入れるつもりなのですか?」

「もうすでに1匹持っているんだ!」とヒュー王子は言い、その天神ひげを誇らしそうにいじった。「ボズマーの商人から買ったのさ。催眠性の虫の煙で手なずけたそうだ。見に来いよ!」そして王子は厩舎のさらに奥へと進んでいった。

叫び声があがったのはその時だった。通常ならば私は「血が凍るような金切り声」のような陳腐な決まり文句は使わないのだが、冗談抜きで、私の心臓はその音で凍りついてしまった。人間と馬の両方からあがる、おぞましい悲鳴だった。器用な腕のモラドが目をかっと見開いて、檻から駆け出してきた。その後ろからは私の知らないウッドエルフが続いた。私は彼の通り道を塞ぐ形になり、彼が私を押しのけて通り過ぎようとしたところで、私は彼の装飾用の角をつかんだ。「おい!やめてくれよ!逃げなきゃ!」

「何があったのか教えてくれれば行かせてあげるわよ」と私は低い声で言い、念を入れるために角をねじってみせた。

「ハジ・モタだよ!眠りの煙に耐性ができちまったに違いない。何せあいつは目を覚まして…怒ってる!」彼は肩越しに振り返り、身震いした。「あいつは馬を食ってるんだ!次は俺たちだぞ…行かせてくれ!」

私は彼を行かせてやった。そうすると、納屋の奥底から轟音と共に悪魔の亀が現れた。その顎からはまだ馬の一部分を滴らせていた。亀はヒュー王子に向かって真っすぐ突進していた。王子は動かずに立ちつくしていた。私は彼が恐怖で凍りついていることに気がついた。

間一髪だったが、私は王子に体当たりをかまし、ハジ・モタに蹂躙される寸前に突き飛ばした。ハジ・モタは我々を通り過ぎ、そして一瞬立ち止まり、振り返った。なんて素早い奴だ。さらにその重い尻尾でドーランをひっぱたき、彼を一方に、両手剣を別の方向に吹き飛ばした。そしてハジ・モタは我々に注意を集中した。その赤い豚のような目には殺意が宿っていた。

私は手足を広げて王子の上に倒れこんでいたが、彼はそのずんぐりした手で私をぺしぺしと叩き、「助けてくれハフジ!助けて!」と泣き叫んでいた。化け物が近づいてきてその巨大なくちばしを開けたので、私は何か呪文を思い浮かべようとした。どんな呪文でもいい…しかし王子が私に向かって息を切らして喚いていたので、頭の中は空っぽだった。

王子…息を切らして…突然、私の心の中である呪文が形になった。私はそれをとっさに口に出し、ハジ・モタの鼻先に叩きつけた。マジカが私から流れ出して獣に注ぎ込まれ、獣はまばたきをして、鼻を鳴らし、そして頭を左右に振り始めた。ハジ・モタは顎を大きく開き、苦しそうに大きく息を吐き出し、足を投げ出して倒れてしまった。肺が波打っていた。1分とたたずに、獣は窒息して死んだ。

なぜなら、獣には息をするための水がなかったからだった。

私は王子を助け起こし、彼の絹服の汚れを払ったが、馬糞が付いたところはそのままにして、気づかないふりをしておいた。「いったい…いったいあいつに何が起こったんだ、ハフジ?」と彼は言った。彼は目を険しくして「まさか魔法を使ったのではないだろうな?」

「いやあれは…虫の煙への反応が遅れて出てきたものに違いありません。呼吸の問題です!」私は力強くうなずいた。「そうですとも、煙に間違いありません。私があのリハドのジャコウをつけていて、殿下のくしゃみが止まらなくなった時のことを覚えていますか?あれと同じようなものです!」

「ああ、そうか。まあとにかく、運がよかったじゃないか、なあ?ドーラン、あの商人を追いかけて金を取り返して来てくれ!馬をまた6頭、買い直さなきゃ」。王子は醜悪な戦車をいとおしそうに眺めた。「それとも8頭にしようかな!」

ヒュー王子と二人三脚Prince Hew and the Three-Legged Race

次席高官ハフジファー・アルヤス 著

「ハフジ!」と、私の事務室に飛び込んでくるなりヒュー王子は呼んだ。「刃の祭典の準備は全部できてるか?」

私は立ち上がった。コルヴス・ディレニの「召喚の原理」を羊皮紙で隠すためである。

王子の目はぎらりと光った。「またディレニを読んでるのか、ええ?私が宮廷での魔法をどう思ってるか知ってるだろう!」

「こ…これは私のものではないのですよ、殿下!これは給仕のジェンゲシュから没収したのです」私はそう言ってあいまいに笑った。

「ふむ。それでお前はどうして次席高官の正式なターバンを着けてないんだ?」

私は机の隅に置かれたダサいマゼンタと緑色の頭飾りに目をやり、顔をしかめないように努力した。「帽子をかぶるには暖かすぎますので、殿下」

「何を馬鹿な、今は蒔種の月の真っただ中じゃないか!とにかく、私は祭典の準備が計画通りに進んでいるかを知りたいのだ。我が民がパーティー好きなのは知っているだろう!」

私は首を振った。「彼らはレッドガードです、殿下。パーティーにはあまり行かないでしょう。というか、まったく行きません」

「それがこれから変わるのだ!さあ、ラクダの尻尾刺しの準備はできているのか?」

「できています、殿下。というか、できるはずです。モラドの足の添木が取れればすぐにでも」

「血まみれリンゴ食いゲームは?」

「水槽、果物かご、タオルとすべて西の中庭に並べてあります」

「街の衛兵対抗二人三脚レースは?」

私は唾を飲みこんだ。「実は、そこが問題なのでして、殿下。というのも、衛兵たちの誰一人としてその催しに参加を申し込んでこないのです。どうも…気が乗らないようなのです。なにせ、彼らは去年のレースの後で、殿下がザクド伍長に与えた罰を覚えているからなのです」

「あいつがずるをしたんだ!懲らしめるしかなかったんだ!それに、なんだかんだ言ってあいつの足の指の大半はまだ残ってるじゃないか」

「だとしても、彼らがやるとは思えませんよ」

「ふーむ」と、王子はいらいらした様子でひげをいじった。「あいつらが足をほどくようなずるをしないと確実にわかるようにしたらどうだ?やろうとしてもできないようにするんだ」

これはよくない。要するに王子にはいい考えがあるということなのだ。そして王子にいい考えがあるというのは、いつだって悪いことなのだ。「どういう意味ですか、その”やろうとしてもできない”というのは?」

「はっはっは!ドーラン、こっちに来るんだ」と王子は呼びかけた。王子のボディガードは頭を低くして鴨居をくぐり、広間から入ってきた。「ハフジ、あのヨクダの壺の前に立つんだ」とヒュー王子は言った。「ドーラン、次席高官の隣に立て」

私は肩をすくめ、位置についた。ビッグ・ドーランが私の隣に立つと、彼の背丈は私より頭一つ半高かった。ヒュー王子が時代がかったしぐさで両手を掲げたので、私は気がついた。恐るべきことに、彼は呪文を唱えようとしていたのだ。だが私が抗議する前に、それは行われてしまった。呪文は発動し、マジカが私に押し寄せて、自分の左足がドーランの右足に結合するのを感じた。「ひどい!」私は叫んだ。「殿下、何をするんです!」

王子は満足そうにひげをなでた。「コルビュス・ディレニを読めるのは自分だけだとでも思ったのかい、ハフジ?コロンの強制召喚から束縛の一節を切り取っておいたのさ。そしてそれがデイドラの意思以外のものを束縛するためにも使えることを発見したんだ!すごいだろう?」

私はぽかんとして彼を見つめるだけだった。そのうちに、ビッグ・ドーランは魔法で結合させられた我々の足を見下ろし、唸り声をあげてから、前に足を踏み出そうとした。私は倒れないように彼の腕をつかまなければならず、それでも私たちは両方とも引き倒されそうになった。ドーランは頭を振った。「これはひどい。マスター。気に入りません。元に戻してくださいよ、マスター」

「そうか、いいだろう。ほどけろ!」と王子は言って呪文を逆転させたが、愚かしくも格好をつけるためだけのしぐさを加え、それにマジカを注ぎ込みすぎていた。ドーランと私は離れて空中に浮かび、それぞれ部屋の反対側に叩きつけられた。そして我々の背後にあったヨクダの壺は爆弾のように砕け散った。

すると突然、砕け散った壺の上に渦巻く雲が現れ、うつろな鳴き声が響いた。「自由!自由だ!あの臭い壺の中に無限とも思える長い時間、閉じ込められてきたが、もう自由だ!」雲は素早く、空中に浮かぶ装甲に覆われた胴体を、兜をかぶった頭と、それぞれが巨大な三日月刀を握った4本の腕を結合させた。「今こそ、定命の者の世界に復讐する時だ!」

三日月刀は威嚇するようにくるくると回り始めた。私はドーランに目をやったが、彼は私のものだった大理石製のモルワの胸像に頭から突っ込んだらしく、まだ気絶していた。「殿下!」私は叫んだ。「呪文を使うんです!あいつが私たちをオードブルにしてしまう前に、束縛してしまえばいい!」

ヒュー王子は恐怖に目をむいた。「で…できないんだ!さっきの解除呪文でマジカを使い切ってしまった!お前が頼りだ、ハフジ!」

私はしゃがみ、三日月刀が2本頭上をかすめていった後、走って自分の机の後ろに隠れた。奴は私と扉の間にいた。確かにこいつを束縛できるのは私しかいない。だが私はもう何ヶ月も呪文を唱えていなかったのだ。三日月刀がヒュー王子の黄金のフェルト帽の飾りを切り落とし、王子は悲鳴をあげた。「コロンの牢獄だ、ハフジ!それしかない!」

「しかしそれには器が必要です。壺は砕けてしまったじゃないですか!」

「これを使うんだ!」と言って王子はマゼンタと緑色の下級高官用ターバンを私に向けて放った。

三日月刀が3本私の机に飛んできて、机を粉砕したところで、私はターバンを逆さにしてコロンの永続牢獄を唱えた。「嫌だあああ!」忌まわしい帽子の中に吸い込まれながら、悪魔は叫んだ。「髪油の匂いは大嫌いだ…!」

そして奴はいなくなった。私はまだ震えていたが、ヒュー王子はまばたきをし、深呼吸をし、にっこりと笑った。「まあ、そんなにひどいことにはならなかったな。少なくともアイアンレガッタの時とか、あのペットのトク・ガーヴァの時に比べれば悪くなかった!さて、何をしていたんだっけ?」

私はビッグ・ドーランを砕けた大理石像のくずの中から助け起こした。「衛兵対抗二人三脚レースを取りやめにすると言っていたところです、覚えていますか?」

「お前が言うならそうだったんだろう、ハフジ。お前の言うことはだいたい正しいからな」。彼の顔が輝いた。「そうだ!血まみれリンゴ食い競争の後、負けた者の頭のリンゴをクロスボウで撃たせるんだ!ああ、それと…そのターバンは捨てておけよ」

ファラダンの手紙Faradan’s Letter

愛しきナラーニ

お前の息子の捜索にやっと成果があった。ただ、その成果は甘い物ではなく、苦く感じられるのではないかと恐れている。

残念ながら、お前の息子に対する推測が確認された。彼は物乞いをしているスクゥーマ中毒者のグループと関係がある。私の連絡先はこの包みにある地図を渡してくれた。お前の息子へ伝言を渡そうとして近づく前に、彼は息子を連れ去った直後の二人組に攻撃されたそうだ。お前の息子と一緒にいた、だらしないブレトンの若い女性は騒ぎの間に市場へと消えたそうだ。

現地の衛兵に連絡した結果、私の連絡先は2人の男がヴァーデンフェルから来た賞金稼ぎで、タシュミンが犯罪に関係しているという書類を持っていたことを突き止めた。しかし、ヴァーデンフェルに問い合わせてみると、お前の息子が犯罪に関係しているとの書類も、賞金が掛かっているとの証拠もないらしい。連中がドーレス家のために働いていて、お前の息子を奴隷に戻そうとしているのではないかと懸念している。

良い知らせを届けられずに申し訳ない。

—ファラダン

フバラジャード王子の擁護In Defense of Prince Hubalajad

タネスのレディ・シンナバー

ヨクダの歴史に詳しければ、ラ・ガーダが行った最初の植民地化に続く時期において、フバラジャード王子がどんな役割を果たしたか、あるいは果たさなかったかをご存知だろう。私たちは「ヒュー王子」を滑稽な人物とみなしている。不可能な問題に対する彼の頑固な取り組み方を伝え、派手な贅沢を笑いの種にしている。神が不満を示すため、ゼェトの祠が洪水を起こす?より巨大な祠をさらに下流に作れば良い!タネスでは、「フバラジャードのコインで基礎を築く」が無駄遣いを表わす言葉としてよく使われる。

だが、この不運な王子について、本当のことは知られているだろうか?資料として使えるものは、最上のものでも伝聞でしかない。多くの真偽が疑われる物語は問題を混乱させる。私たちを実際の姿から遠くへ引き離すのだ。故に、自身で結論を引き出すためには、ヒューズベインそのものに頼らざるを得ない。ほんの少しの間で良いので、彼の多くの失敗として一般的に受け入れられているものが何か、詳細に検討してみよう

フバラジャードが相当数の兵や職人と、当時「ケフレムのブーツ」と呼ばれた不毛の地に到着したことは分かっている。現地に採石場が無く、信頼できる北からの陸路もなかったため、彼らは大量の切り出した石材を海から運び込む必要があった。のちにアバーズ・ランディングとなる、自然の要害となる港が間違いなく彼らの最初の滞在地だ。荷を積んだ船の定期的な往来は海賊を引き付けるため、フバラジャードは最初にアビシアン海を見下ろす堂々とした要塞、ノー・シラを建設しなければならなかった。

ノー・シラがすぐに洪水の季節によって損なわれたのは事実だ。だが、対策として、フバラジャードは祠を作ってゼェトに懇願した。続く洪水が最初の祠を押し流したとき、彼は次の建設を命じた。さらに入念な祠を。だが石材を調べたところ、新しいものは前の祠よりも上流に建てられたようだった。この点から考えると、「ヒュー王子の頑固」は、一貫した決意を示している。ヨクダの農耕の神に懇願することは、傲慢で無謀な男の行動ではない。

その間に、アバーズ・ランディングは兵の野営地と掘っ建て小屋から広大な都市へと成長した。この辺境の地での暮らしにおける数多くの困難にもかかわらず、フバラジャードは立派な宮殿を建てた。この土地が彼の家であり、地元民も同じように栄えるよう力を注いだ象徴だ。石材はアバーズ・ランディングの大きな壁となり、その中身がヨクダの船と同様、保護に値することを示していた。

数多くの墓、ラ・ガーダの領域へ続く北の道を開いた素晴らしい王子の門、フバラジャード自身の美化された姿だと多くの人が誤って信じている、アバーズ・ランディング港のすぐ南にあるヨクダ像については、今しばらく脇に置こう。彼は同時期に、要塞と壁に囲まれた街を同時に建設している。これには兵站に対する鋭い頭脳が要求されるだろう。もしフバラジャード本人でないとしても、それができる人物を周りに置くべきことを分かっていたのだ。これは知性に欠ける間抜けのやることではない。

筆者はフバラジャードに失敗があったとしても、終わりなき愚行の物語が語られるようなものではないと考える。彼が荒涼した地に資源を注ぎ込んだことを非難した、嫉妬に駆られたライバルによる中傷だろうか?親の腹違いの兄弟が死霊術師であったため、評判に汚点が残ったのだろうか?ヨクダの神の憤怒を呼び起こした?それともデイドラ公の?私たちが真相を知ることはないだろうが、フバラジャードについて心に留めておくべきことが1つある。彼が到着する前、人もエルフもこの地に足跡を残していない。現在、2000年存続している唯一の建造物は、「ヒュー王子」によって建てられたものだ。

ブリーク・ベールは耐え忍ぶThe Bleak Veil Endures

我が不肖の甥の行為にもかからわず、ブリーク・ベールはただ生きているだけではない、耐え忍んでいるのだ!豊富な資源と安全な港を持ち、監視される心配もないこの孤島は、ハンマーフェルでの騒動が起こった後、私の死霊術教団を移転する先として完璧な場所だった。あの優柔不断なフバラジャードを説得して、私の注文通りの仕様で家族の墓を建設させるのは簡単なことだった。そしてそれは死霊術のエネルギーを伝達するための完璧な中継点になった。我々は究極の力に到達するために、あとひとつ儀式を残すだけだったのだ!

我が甥はどんな手段を使ってか、私が王家の墓で本当は何をしているのかを調べ、普段は無為を好むその性質にもかかわらず、行動を起こすことを決めたのだ。奴は私とその支持者たちを、私自身が設計し、建設を手伝った墓の中に閉じ込めてしまった!一歩後退には違いない。だが起こりえた災厄を考えれば、そこまでひどい事態とは言えない。確かに、王子は見たところ強力な司祭たちを数人集め、我らの死霊術のエネルギーでは抜け出せないような仕方で墓を封印することに成功したようではある。そして確かに、我々が持ってきた少量の食料と水はもうとっくに尽きている。だが、問題にはならない。ブリーク・ベールは我が甥やその味方をする者たちが想像することもできないほど力強くなろうとしているのだ!

とはいえ、何か間違いがあった時のために、ブリーク・ベールに関する真実が時の流れに埋もれてしまわないようにしておきたい。私はマグニフィコ・バーラハ、センチネルの子孫にして、ブリーク・ベールという名でのみ知られている不死の教団の最高位の死霊術師である。私は自らの技術を磨き、また弟子と支持者たちを集めるために長い年月を費やしてきた。我々は身を隠し、力を蓄えながらも時が来るのを待っていた。アバーズ・ランディングの先にある荒廃した地は、我々の勢力を結集し、死と暗黒の儀式を行うためには完璧な場所だった。この墓は特別に設計された地下室と通路を持っており、エネルギーを集中することによって我が信者たちを無敵にすることができるのだ!そしてブリーク・ベールのあらゆる成員たちの中で、私は最強の存在である!

当然ながら、我々全員が飢えや渇きで死んでしまう前に、儀式を執り行わなければならない。それに犠牲も捧げる必要がある。この墓の内部に閉じ込められている限り、我々は犠牲用の人間を確保するために誰かを行かせるというわけにはいかない。そのため、くじを引いて我々の成員たちの中から死すべき者を選び出し、残りの者たちが不死者へと転生できるようにしなければならないだろう。さぞ素晴らしいことになるだろう!そしてこれが、体のうちで命がまだ脈打っている間に私が書く最後の言葉である。次に会う時は、私は死体になっているか、あるいは闇が望むならば、より優れた何かになっているだろう。

フレグのメモFleg’s Note

船長

差し出がましいことを言うようですが、この地図は本当に合っているんでしょうか?私が今見ているやつが最新のものだったのは、たぶんヒューがこの場所を故郷と呼んでいた時代ですよ。この地図の示している位置はわかるんですが、見覚えのある目印なんてひとつもありません。

ゴリガンが耳にしたところでは、部隊の一部は戻ってきてさえいないそうです。このしょうもない地図のせいで迷っているのかもしれないし、あるいは逃亡する価値があるとあいつらが思うくらいのお宝を見つけたのかもしれないし、あるいは死んだのかもしれない。申し訳ないですが、無駄な骨折りのために死にたくはありません。ですから隊長、お願いします。古き良き海賊業に戻りましょうよ。

海のほうに行った連中が何人か、こう言ったのを聞いてます。「俺たちは今のところ掘り続けるが、じきに連絡が来なければ、新しい服に着替えるつもりだ」ってね。

—フレグ

マーシェズは死んだMurshez Is Dead

マーシェズは我々がアバーズ・ランディングに戻ったところで鉄の車輪に捕まった。すぐに死んだが、私は彼に借りがある。彼に親族がいたのか誰か知らないか?あそこから出してくれた彼に礼をしたい

過ごしたのは数…週間?数ヶ月?どれくらいの長さだったかわからない…食用のサソリ以外何もない古い遺跡の穴に閉じこめられていた

時々見にくるが、私は母から愚かには育てられていない。この鉄の車輪の騒ぎがおさまるまで、姿を消す

—SのG

マッドクラブの注文要請Mudcrab Order Request

マッドクラブは一般大衆の食べ物であり、平民の主食と考えている者もいる。これは実に陳腐だ。この用途の広い食材は大量の円盤チーズと同じくタムリエルにとって必須である。

私はアバーズ・ランディングの最高のマッドクラブ調理法をまとめて出版する計画を立てている。そのためにはマッドクラブの肉が毎日一樽必要だ。

あなたの貢献は地元の文化促進になるだけでなく、そのサービスにはふさわしい対価も支払われる。

—マスターシェフ「肉を切りし者」

ランビクのメモRhanbiq’s Notes

記録28
ニコラスは確かにこの地域を通ったが、詳細を覚えている者はほとんどいないほど時間が過ぎた。「ベルラーなら知っている」と、誰もが私に言ってくる。ベルラー・チャタービークのことだろう。飲み物をねだりにここに来る、噂好きのスリらしい

だが私が訊ねまわってからは見かけない。私が地元の衛兵と協力していると考え地下に潜ったに違いない。どこであれ奴と仲間が仕事のできる場所だ。だが、スリは衛兵の目につかないためどこへ行くだろう?街中の無法者が使う隠れ家などないだろうし。

ランビクの命令:アルダノビアの墓Rhanbiq’s Orders: al-Danobia Tomb

どんな状況であれ、鉄の車輪の一員と目されるものはアルダノビアの墓には入れない。道を確保するだけだ。マグニフィカ・ファロラーははっきりと入場を禁じており、我々は彼女に雇われる身だ。どんな訓練を受けていようと、彼女の指示に忠実であるべきだ。

—ランビク、鉄の車輪 主任調査官

ランビクの命令:ノー・シラ牢獄Rhanbiq’s Orders: No Shira Prison

鉄の車輪総員へ

規律正しく出発すること。囚人の移送と没収財産の輸送を優先とする。それらをタネスへ配送することにより、最終的な支払いがギルドに行われる。ギルドはヒューズベインの損害から物資と人員を回復するための資金を必要としている。

時宜を過たず配送することの重要性については、どれだけ言っても誇張にならない。

—ランビク、鉄の車輪 主任調査官

ランビクの命令:フルストロム農園Rhanbiq’s Orders: Fulstrom Homestead

従士フルストロムは農園の使用を寛大にも許したが、私は彼の農園の下にある汚染されているカタコンベが心配だ。

どうか偵察をしてこの地域を確保してもらいたい。どんな不意打ちがあろうとも、どんな結果にも準備しておくのが一番だ。盗賊ギルドの残党を逃がすわけにはいかない。

—ランビク、鉄の車輪 主任調査官

ランビクの命令:鉄の車輪本部Rhanbiq’s Orders: Iron Wheel Headquarters

この臨時本部内で働くことは光栄であり特権であるということを、改めて鉄の車輪の全将校、兵士に分かってもらいたい。要塞の外側を巡回したい者は、いつでも異動を申し出てくれて構わない。必要に応じて灼熱用の装備やレインコートが支給される。

この涼しく居心地の良い建物内に残りたいという者は、雑兵ではなく鉄の車輪として正しく振る舞うことを忘れないようにしてもらいたい。

—秘密の通路にコソコソと入り込む行為は異動の申し出とみなす。
—倉庫の上の通路から足をぶら下げる行為も異動の申し出とみなす。だらだらしていてよかったか、アトリウニア副隊長補佐に聞いておいてくれ。

内部で「召使の仕事」を拒否することは異動の申し出とはみなさない。ただし、2千年近く清掃されていない便所の掃除がしたいのだと私は解釈する。

—ランビク、鉄の車輪 主任調査官

ランビク主任調査官の命令By Order of Chief Inspector Rhanbiq

鉄の車輪はこのたび、ヴェルサ(姓不明)と名乗るダークエルフの女性を連行し、レディ・マグニフィカ・ファロラーの盗まれた持参金について尋問する権利を受ける。容疑者は「盗賊ギルド」と名乗る詐欺師と犯罪者の組織と強い繋がりがあるとみられている。

注:容疑者は敵の動きを止め、痛みを引き起こす妨害工作と化学薬品のエキスパートであり、注意が必要だ。抵抗を受けるつもりで当たるように。

レディ・アナイスの命令Orders from Lady Anais

ヴェルモント家執事、ブレクシンへ

もう聞き及んでいるに違いないけれど、仕事の処理と微妙な性質の会合のために、私は急いで予期せぬ旅に出なければなりませんでした。いくつかはまとめる時間があったけれど、下記の品を至急港まで届けてください。これらの品が次に利用可能な船で確実に私の後を追えるように、代理人の助けは確保しておきました。

1.短期の仕事の出張用衣類のトランク3個
2.上流階級の社交用ドレスのトランク7個
3.突発的支出や買い物での散財のため、金が入った貴品箱3個
4.私の大好きなペットにして僕のピムジー

この件の手配に感謝します。

レディ・アナイス・ヴェルモント

レディ・スリマへの手紙Letter to Lady Sulima

愛しい人へ

一緒に過ごした時間で壊れた魂と傷ついた心は再生された。あなたの優しさが私にもう一度愛することを思い出させてくれる。私の旅が私たちに緊張をもたらすのはわかっているが、すべては私たちのためだ。

いつか、もうすぐ、私は旅と仕事を終える。その時点で未来が確保されていれば、私はやっと娘にあなたを紹介できる。その日が楽しみだ、愛する人よ。多くのことを共有できる。

—S

レディ・バリナの結婚式招待状Lady Balina’s Wedding Invitation

レディ・バリナ様

貴殿と(お連れの方)をアバーズ・ランディングのコッシュ卿とタネスの宝石、アルダノビアのマグニフィカ・ファロラー嬢との間でフバラジャード宮殿にて執り行われます婚姻の儀にご招待申し上げます。適切な服装にてご参列ください。

宮殿内で誓いが交わされる夕刻まで娯楽と食事でおもてなしいたします。

ご参列される方は贈り物をご持参ください。

—マーゼル(コッシュ卿個人秘書)

ワラヴィル卿の結婚式招待状Lord Wallavir’s Wedding Invitation

ワラヴィル卿様

貴殿と(お連れの方)をアバーズ・ランディングのコッシュ卿とタネスの宝石、アルダノビアのマグニフィカ・ファロラー嬢との間でフバラジャード宮殿にて執り行われます婚姻の儀にご招待申し上げます。適切な服装にてご参列ください。

宮殿内で誓いが交わされる夕刻まで娯楽と食事でおもてなしいたします。

ご参列される方は贈り物をご持参ください。

—マーゼル(コッシュ卿個人秘書)

黄昏の儀式と讃美歌Twilight Rites and Hymns

スヴィラシュ・サハーラについて

「追い払い」の歌は暁の時代にアズラーの舌からこぼれ落ちた、3つの黄昏の賛歌の一つである。黄昏の淑女その人と同様、「追い払い」の歌はつかみどころがなく、予測がつかない。どうしても必要な時以外に歌うべきではない。

古代において、この歌は病気を治療し、サトウキビにつく虫を撃退するために使われていた。しかし暁中期がやって来て月の司祭たちにいたずらをして、彼らを忘れっぽくさせてしまった。今日、歌はドロ・マスラを追い払うのに用いられるのみである。

ドロ・マスラの踊りは音楽ではなく、ローカジュの心臓の鼓動そのものだ。それは歌のない歌であり、暗く、誘惑的である。鼓動はひたすら繰り返される一つの嘘で、それを聞く猫にとってしまいには真実になってしまう。カジートがローカジュの意志を真実として受け入れるとき、その者はリドル・サールを忘れ、迷い猫になる。本当に歪んでしまったカジートは歌によって救うことができず、ナイフと月の光で追放する他ない。しかし心臓に抗い続ける猫は闇からの帰還を果たすこともある。

スヴィラシュ・サハーラの力はその捉えどころのなさにある。クランマザーはドロ・マスラの前で歌ってはいけないと教えているが、これは賢明な判断だ。うかつに歌を歌えば、心臓の近くに引き込まれることになる。歌は鼓動に共鳴し、そのうちに尻尾が引きつり、モー・オブ・ローカジュの中へと髭から滑り落ちていくことになるだろう。「追い払い」の歌は心臓の律動を破ることのできる唯一の歌である。その音符は影のように音階を上下に激しく揺さぶり、闇を混乱させ、心臓を弱め、鈍らせる。最終的に律動は破れ、腐敗は過ぎ去る。

しかしながら、スヴィラシュ・サハーラを歌う者には大きな危険がつきまとう。ドロ・マスラはアズラの讃美歌を嫌い、それを歌う猫を殺すためならば何でもする。ゆえに、先唱者はよく聞くがいい。ナミイラの暗い砂場と対峙するのであれば、素早く動き、警戒を怠らないことだ。一瞬の油断が破滅を招きかねない。

銀の爪の偽造結婚式招待状Silver-Claw’s Forged Wedding Invitation

your name

貴殿と(お連れの方)をアバーズ・ランディングのコッシュ卿とタネスの宝石、アルダノビアのマグニフィカ・ファロラー嬢との間でフバラジャード宮殿にて執り行われます婚姻の儀にご招待申し上げます。適切な服装にてご参列ください。

宮殿内で誓いが交わされる夕刻まで娯楽と食事でおもてなしいたします。

ご参列される方は贈り物をご持参ください。

—マーゼル(コッシュ卿個人秘書)

銀の爪の台帳Silver-Claw’s Ledger

ムーンシュガー商人たちは約束通り3回の出荷のうち1回目を果たした。罪に関わる手紙を1通返却した。約束通り、残りの荷物が届き次第他の2通も返却する。

ヘヴンから出たゴールデン・サンに乗っている「余分な」積荷に関するとても有益な情報への報酬として、フランリン・シルバーアックスに金75支払うべし。

ゴールデン・サンの船長に、積荷の一部に良心的な値段をつけてもらいたい旨の手紙。宗教的な彫像や珍しいハーブを競合他社より安く販売できれば有利になる。1日以内の返事を強く求める。

ここ2週間で2回、レディ・バリナがセンチ・アンド・サーペントで目撃されている。頭巾をかぶっていれば誰にも気づかれないと思っているらしい。ミムにより注意深く尾行してもらう。ひそかに誰かと会っているのか?実は飲んだくれなのか?どちらにせよ、この先の取引を考えると、夫に勧めてもらうためには使える情報だ。

慌てず騒がずNo Fuss, No Rush

あるいは「年寄りスカラーからのためになる助言」

貴族の連中の中には…あれだけの金を持っていながら、まだ欲しがる者がいる。金をちゃんと払うのも確かだけど。でも、賢く立ち回らなければならないよ。

品物を手に入れて「きれいにする」ためタムリエル中に派遣される時は、素早く済ませて、捕まらないようにすること。それが年寄りスカラーの助言だよ!賞金の支払いは利益から引かれるからね。

年寄りスカラーは次のようなやり方を取る:

1.正しい標的を見つけること。誰かが「儀式用の品」を欲しがっているとする。そういうのは大抵、大聖堂の近くにあったり、司祭たちが持っていたりする。当然だろう?つまり大都市ということで…普通は衛兵がたくさんいる。気をつけて標的を選ぶこと。聖堂が自前の衛兵を抱えているほどには大きくないことを、あるいは衛兵がいるなら、そいつらが全ての方向を一度には見ていないことを確かめること。

2.もし自分に賞金がかかってしまったら、あまり慌てないこと。契約を完了する前に、街の外で何かやることを探そう。年寄りスカラーはかつて、山賊の問題で街を手伝って余分な金を稼いだことがある。そこでは誰も賞金のことなんか気にしちゃいなかった。その仕事が終わる頃になると衛兵たちはもう関心を失っていて、年寄りスカラーは「きれいな」品物を思う存分納品したんだ。

賢くならなければ、死体になるよ。

行方不明:キルナMissing: Khiruna

名前
キルナ。「フレア」としても知られる。過去にはクルとリナの名も使っていた

人相書
平均的身長、鼻と尻尾の先に金色の毛の筋(白と黒の斑点つき)が混じっている

専門
情報収集、スリ、短期詐欺

最後の目撃
鉄の車輪の攻撃の夜に「サーペント・アンド・センチ」にて

彼女を見つけた者、噂を聞いた者はここにメモを残すか静かに歩む者に直接連絡を

行方不明:鮫のゴードンカと怠惰なマーシェズMissing: Gordonkha the Shark and Lazy Murshez

鮫のゴードンカと怠惰なマーシェズを探している。何かの強奪事件に関わっていたと聞いた。誰かが下水道と言っていた。

ゴードンカは濃灰色の肌で、額から背中にかけて細い幅の黒くつんつんした髪が垂れている。マーシェズは漆黒の肌で、左腕と脇に沿って一連の赤い傷がある。右目は垂れ下がり、ほぼ閉じて見える。

情報があれば掲示するか、静かに歩む者に直接知らせて欲しい。

四季の書からの抜粋An Excerpt from the Book of Seasons

季節は四つあるけれど、
私は一番春が好き。
日なたに輝く青い水、
登りたくなる緑の木々。何という喜び!

空気はとても心地よく、私は心を空にする。
石を枕に眠っても、熱すぎるということはない。
そして目が覚め見渡せば、どこまでも続く緑の野、
まだ色あせた牧草も、積まれた落ち葉も見られない。

だから四つの季節の中で、私は一番春が好き。
夏秋冬もあるけれど、どれも春にはかなわない。

静かに歩む者からのメッセージUrgent Message from Walks-Softly

your name

私たちが別の件に対処している間に、私の過去からの特別な積み荷が発見され海賊と共に姿をくらましてしまった。彼女を助けなければ!

アバーズ・ランディングの連絡員は、積み荷が鮫の歯洞窟に連れ去られたと私に告げた。急いでそこに向かう。その気があるなら、助けを断りはしない

—静かに歩む者

赤の呪い 第1巻The Red Curse, Volume 1

デットソー・パンテンヌ 著

子供の頃、私は病気がちで気難しく、ベッドに縛りつけられた虚弱体質の未熟者だった。より偉大な世界が私に訪れたのは、主に私の家族の高価な屋敷の、比較的安全性の高い部屋の窓を通じてだった。大型の窓を通って私の部屋に入り込んでくる生き生きとした光の瞬きと色は、私がベッドの台の中で注意深く学んでいた外の世界への不安と恐怖を高めるだけだった。私の衰弱した骨格にとって、物理的な世界は恐怖と緊張の場所となったため、私は書かれた言葉の慰めの中に逃げ込み、ニルンの深い謎を探ったのである。

私はこのように多くの人生を生き、多くのことを学んだが、ある伝説、すなわちリーチの民たちの王レッドイーグルの伝説が、もっとも強く心に留まった。私は誇り高きブレトンの家に生まれた子なのだが、自分とリーチの王ファオランとのつながりを思い描いた。この嘘が私の心の中に埋め込まれていたため、私は自らの研究を暗黒の技に変更し、レッドイーグルの誓いを果たして彼を蘇らせる方法を探そうと望んだのである。私の策謀によって、彼はリーチを征服するだろう。炎の剣を片手に、そして王が信頼し、愛する高官、すなわち私をもう一方の手に抱えて。

成長するに従って私の病気は過ぎ去り、虚弱なままではあったがもはやベッドの虜になってはいなかった。そして私の家族は気前よく、私が慎重に自分の研究を拡充していくための資金を提供してくれた。私の奇矯な振る舞いは地位の高さと、青春時代をほぼまったく孤独に過ごしたという事実から受け入れられた。

避けがたいこととして、私の研究はデイドラに行きついた。夜遅く暗闇の中、家族の屋敷の奥深くで、私は馴染みのない言葉で古代の儀式を執り行い、忌まわしき悪魔を召喚して閉じ込め、質問責めにしたものである。多くの場合、悪魔たちは私の懇願を無視し、魔法の束縛から解放すれば強大な力や富を与えると約束したものだった。私は肉体が弱々しくとも、精神は屈強だった。私は連中の甘い言葉に抗し、最終的には悪魔も、自由になる唯一の手段は黙って従うことだと認めたのである。

これは何度も繰り返され、私は断続的に自分が望む情報を手に入れたが、それでは十分ではなかった。少しずつ、悪魔たちの毒を含んだ約束が効果をあげ、私はこのオブリビオンに呪われた魂たちを出し抜くことができるのではないかと自分に言い聞かせたのだった。連中の贈り物を受け入れ、なおかつその条件を支配できると私に信じさせたのは、私自身の傲慢であった。

私はあの時いかに未熟だったことか。そして今では知っている真実に、いかに強く取りつかれていたことだろうか。外の世界への恐怖は10倍にもなって戻ってきた。私は再び、祖先の邸宅の孤独の中に慰めを見出している。私は熱に浮かされたように逃げ道を探しているのだが、心の底ではどうにもならないことを知っている。ニルンの根元には闇が住んでいて、一度見たら最後、もう逃れることはできないのだ。

赤の呪い 第2巻The Red Curse, Volume 2

デットソー・パンテンヌ 著

私は身震いして外套を自分の周りに巻き付け、年老いた歯のないリーチの民の先の尖ったふしだらけの指を追った。彼は私が居心地悪そうにしているのを見てくつくつと笑いながら、しわがれた声で言葉を発していた。私の目は丘へ向かう道を追い、それからようやく遠く離れた洞窟の入口に落ち着いたが、それは針のような雪を通してかすかに見えるだけだった。私はこれからの道のりへの決心を固めた。私が蓄えてきたものは物理的にも精神的にも尽きかけていたが、自分の野望がかつてないほど達成に近づいていることを私は知っていた。そして時間の遅さも刺すような寒さも忘れて、私はこの日の夜、レッドイーグルの墓にたどり着こうと決意した。

デイドラの契約者によって私に与えられた力は素晴らしいものだったが、内臓の強度までは高めてくれなかった。そして洞窟の口のところまでたどり着くと私は疲れ果てて倒れ込んでしまった。内部まで這っていく気力もなくそこに横たわっていると、空中を漂う囁き声と、遠くからの角笛の音が聞こえ始めた。運命へと向かって進むよう私に呼びかけていたのだ。この亡霊のような音楽を耳に、私は洞窟の口の中へ這っていき、体の周りにあったすべてのもので身を包んでから、黒く、夢も見ない眠りに落ちていった。

私が目を覚ましたのは鳥の声と光によってだった――若い頃と同様、私の感覚にとっては不快なものである。私は急いで洞窟の暗闇の中へ逃げ込んだ。目的のものはこの深淵の下にあることが私にはわかっていた。暖かい息吹が洞窟の内部から伝わり、私を内部へと引き寄せた。何かを叩くような角笛の音は、下の深いところから響いてきているようだった。こうした導きに従いつつ、私は胸のあたりがぎゅっと引き締まるのを感じ、悪意に満ちた我が祖先にもうすぐ会えることを願った。

侵入者や墓荒らしを思いとどまらせるために設置された罠は、私の知性にとっては子供だましにすぎなかった。私は警戒を怠ることなく、地下墓地のさらに奥深くまで進んでいった。洞窟の壁を押すと、波型の模様がついた粗い岩はゆっくりと退き、切り取られた石と彫刻された壁画が姿を現した。囁き声と不思議な角笛の音は大きくなり、頭の中をより強く圧迫していった。私の感覚は静まったが、精神は警戒していた。何年もの研究の後、高みへ到達する時が近づいてきていることを私は知っていた。

私は最後の角を曲がり、そこがレッドイーグルの墓の中だった。簡素で飾りのない棺が、部屋の中央にある高座の上に乗っていた。側の台座に横たわっていたのは彼の壮麗な剣、レッドイーグルの破滅だった。私は一息にそこへ駆け寄り、剣を見つめた。私の呼吸は重く、早くなっていた。声と音楽は止み、すべてを包み込む、重く不規則で期待に満ちた呼吸に代わっていた。

私の手が柄の上に伸び、指でそれをつかんで握りしめた。恐怖と混ざった興奮。私は注意深く手を伸ばし、刃の部分をつかみ、目の前にまで持ち上げ、視線で突き刺すようにじっと見つめた。

私の心はその次に何が起きたのか、思い出すことを拒否しかけている。あのような恐怖の記憶は鍵をかけてしまっておかなければならない。それを閉じ込めている脳が狂気に追いやられることのないように。

赤の呪い 第3巻The Red Curse, Volume 3

デットソー・パンテンヌ 著

ビロードのようなレッドイーグルの声が、私を棺へと引っ張っていった。彼は剣を棺の中に、彼の死体の隣に置くように私を駆り立てた。我がデイドラの契約者と同じように、彼もまた想像を超えた力について囁き、私がいつも思い描いていたような、2人で支配を行うイメージで私の頭を満たした。私が慎重に剣を床に置き、レッドイーグルの墓の蓋を取り除こうとしてうめいている間、部屋は内側に向かってひしゃげ続け、私は衝撃から保護されて浮かび上がるのを感じた。

私は骸骨となった遺体を見下ろした。墓のじめじめした臭いが鼻の中にまで立ち上ってきて、私の頭をぼんやりとさせた。これこそ私が長年夢見ていた瞬間だった。私に優しく催促するレッドイーグルの声は、私が彼の墓の中に剣を置いた瞬間、いきなり完全に消滅した。

私の頭はすぐ、目がくらむほどの痛みに襲われ、私は地面に倒れ込んだ。視界が脈打つ赤い光で満たされていた。どこか遠いところで、レッドイーグルの骸骨が体をギシギシ言わせながら墓から這い出してこようとしているのが聞こえた。燃え上がる街の姿が映し出され、私自身の肉体が炎に飲み込まれ、骨から溶けていくのを見た。レッドイーグルの高笑いが今では部屋の中で響き、彼は背後に回りこんでいた。「愚かな子供よ」と、彼は人間のものではないその声を刻んだ。「貴様ごときが、余の血族になれると思うか…」

焦りから私はレッドイーグルに突進し、その手から剣を叩き落とすことに成功した。剣を拾い上げると私は部屋から飛び出し、彼の恐ろしい笑い声は怒りの咆哮に変わった。人間というよりは動物のようになって、逃げるのに必死だったため、私はどこかで剣を失くしてしまったが、背後で石の扉がすり合わさって閉じる音を聞いたので、何かの仕組みが発動するくらいには遠くまで持っていったのだろう。こうしてレッドイーグルの追跡は途絶えた。

そしてこれ故に私は恐怖の中で生き、書斎に閉じこもって、自分が世界に解き放ったあの化け物を滅ぼす方法を見つけだそうとしているのである。閉じ込められているとはいえ、誰か他に私のような愚か者がいつ奴を解放してしまうかもしれない。そしてもしそうなったとすれば、哀れむべきはこの世界である。私たちすべてのために、私は恐怖している。

倉庫の所有者変更Warehouse Under New Ownership

銀の爪の不在のために倉庫関連の仕事に困難が生じているのは理解している

驚かないでほしい。今、倉庫は新しい所有者、安定した所有者の管理下に入った。いつもしてきたように仕事に専念してくれ。君が稼ぐ金は以前と同じように使われるだろう

—監督官イズリーナ
—監督官トークミン

捜査官ヴェイル:死の通行料Investigator Vale: A Deadly Toll

「見たところ、殺人で間違いなさそうね」古い木の橋に近づきながら捜査官ヴェイルは言った。「経験上、自分の首はそうそう切り落とせるものじゃないから」

街を少し出たところにある、目立たない川にかかる橋だった。橋にも川にも特に変わったことや特筆すべき点はなかったが、市長とその側近たちは捜査官をそこへ連れてきたのだった。変わったことといえば、橋の右側にかかる手すりの上に丁寧に乗せられた生首ぐらいのものだった。

「ほとんど見ていないじゃないか」。市長に信頼される側近であり、街一番の商人でもあるジャカード・ヘリックが口を開いた。「何を言っている。なぜそんなことが断言できるんだ?」

「それだけ腕がいいの。だから市長は私を雇ったんじゃない」現場の観察を続けながらヴェイルは言った。血が少なすぎる、体が見当たらないなどといった所見を市長と側近たちに指摘し、橋の上で起こった殺人ではないと説明した。

「このかわいそうなハイエルフに見覚えは?」頭部を近くで見ようとかがみながらヴェイルが聞いた。明らかに年をとった男性のエルフであり、髪の毛は完璧に整えられ穏やかな表情をしていた。首にあいた穴から皮や骨が垂れ下がっていなければどう見ても平穏な状態なのに、とヴェイルは思った。

「あれは金貸しのグラノニール。あのうぬぼれた表情はどこで見てもすぐに分かる」橋まで同行していた、若く可愛らしい衛兵が口走った。

余計な口を挟んだ彼女に市長が厳しい表情を向けたが、それ以上は咎めなかった。そしてヴェイルの方を向き直って「それで捜査官さん、ここで何が起こったのか教えてくれないか?」と言った。

最後に辺りをさっと見渡し、ヴェイルはにこやかに答えた。「ええ、間違いないわ。ムーアクロフト市長、あなたの顔にそびえ立つ鼻ぐらい明確よ。というより、彼の鼻かしらね」と言って商人のヘリックに顔を向けた。

ヘリックは咳払いをして、口ごもった。「な、なにが言いたいんだ、捜査官ヴェイル?」

ヴェイルはヘリックににっこりと笑いかけた。「何も言ってないわよ。まだ、ね」そう言うと被害者の髪から何かを抜き出し、さらに首の下の手すりにできていた血だまりから何かを取り出した。その2つを見て、交互に臭いをかぎ、自信たっぷりに市長の方を向いた。

1つ目の物体を見せ、こう言った。「これはどう見てもスッポンタケね。この金貸しの頭髪に何本か茎が刺さっていたから、トロールはこれに引き寄せられたんでしょうね」

続けて2つ目の物体を見せてこう言った。「これは紅茶の葉ね。金貸しから滴っていた血液に混ざっていたわ。紅茶。あなたの主要な売り物の1つよね、ヘリック?」

商人は額に汗をにじませ、大きな音で唾を飲み、橋から後ずさり始めた。可愛らしい衛兵が手際よくその道を阻み、剣の柄に手をかけた。

「捜査官ヴェイル、はっきりと説明したまえ」明らかにうろたえながら、市長が言った。

「ああ、そうね」とヴェイルはため息をついた。「誰もが私のようにはっきりと世界を見る目を持っていないんだったわ。ジャカード・ヘリックはこの金貸しに多額の借金があった。今季の紅茶の不作もあって、返せる見込みがなかった。この橋の下に隠れていたトロールに気付き、それを使って問題を処理しようと考えたのよ。橋で会おうとグラノニールを説得して、そこで突然袋一杯のスッポンタケを頭の上からかぶせ、川に突き落とした。トロールが現れ、金貸しの頭を引きちぎり、残りの胴体を橋の下へと持ち帰ったわけ。かわいそうなグラノニールの残骸と、満腹で眠っているトロールが私たちの真下で見つかるはずよ」

「そんな…そんなのデタラメだ!」商人が叫んだ。

「いいえ、反論の余地はないわ」とヴェイルは自信満々に返した。「ヘリック、あなたの袖にまだ紅茶の葉がついているわ。倉庫で作業しているときに付いたんでしょうね」

「ムーアクロフト市長、この悪人をダンジョンに放り込みましょうか?」捜査官の方へ笑みを向けながら、若く可愛らしい衛兵が聞いた。

「当たり前じゃないの」と言ってヴェイルは市長の腕に手を回した。「そうしたらもっと衛兵を呼んでこないと、いつまでも橋の下のトロールを追い払えないわよ。さ、行きましょ、ムーアクロフト市長。私の報酬の話をしないと…」

逮捕状Arrest Writ

この令状を持つ者はドーレス家の生きた所有物を取り戻すために、ドーレス家のホーテーターにより権限を与えられた代理人である。また代理人は、かかる回収に邪魔が入らぬよう任務遂行に協力していただける衛兵指揮官に対して、適切な謝礼を分配する権利も有する。

場所と名称の特定された所有物を以下に記入:

1.タシュミン

2._________________________

3.________________________

貯水池の淑女:アンダーリの見解Lady in the Cistern: Andarri’s Theory

私たちの盗賊の隠れ家に、どこかの淑女の像がある。私たちがここに来たときから彼女はそこにいて、彼女が誰でなぜそこに像があるのか知っている人は誰もいないみたい。これが誰なのか私に教えてくれる人はいないの?

私は彼女が幸運の老女じゃないかと思ってる。彼女の像は一度ブラヴィルで見た。はっきりとは言えないけど、同じ人だと感じる。それに幸福な女性がここにいる理由も納得。ヒューズベインで唯一の、澄んだ水の安定した供給源であることを祝福しているんだわ。

皆はどう思う?貯水池の淑女は誰なの?

—アンダーリ

貯水池の淑女:スラグの見解Lady in the Cistern: Thrag’s Theory

貯水池の淑女は明らかにノクターナルだ。像をよく見てくれ。顔はどことなくぼんやりして、すべてを隠す長衣に包まれ、かつて別の貯水池の背後にレンガで仕切られていた貯水池に隠れていた。誰が水を隠す?ノクターナルの信者。そいつらだよ。

俺は一度だってノクターナル教団にいたことはないがね。

—スラグ

貯水池の淑女:クエンの見解Lady in the Cistern: Quen’s Theory

私たちは大学で古きヨクダの書籍の翻訳を読んだ。私は貯水池の淑女は、海の女王ハザディーヤだと思う。彼女は有名で、彼女の民の子孫に尊敬されている。ヒュー王子だって彼女の「古きヨクダの失われた島」を読んだかもしれない。それに彼女をくるんだ生き物もシーサーペントよ。これはヒューズベインが古きヨクダ自身の植民地であるかのように、ヒューズベイン唯一の自由港の水供給を海の女王が監視しているって意味ね。尊大な象徴的表現。まるでヒュー王子みたい。

—クエン

貯水池の淑女:静かに歩む者の見解Lady in the Cistern: Walks-Softly’s Theory

アバーズ・ランディングの小路に住む者はしばしば食料がないが、水不足に苦しむ者の話は滅多に耳にしない。なぜ最も貧しい者が、そのような潤沢な水に恵まれているのか自身に訊ねたことがあるだろうか?

像は涙の聖母ゼッキに違いない。彼女の父のゼェトはこの土地を見捨て、ほとんどの食物がここで育たないようにしたが、水の女神はアバーズ・ランディングを故郷と呼ぶ失われた魂に同情している。像は不満げな父の目から隠れ、我々が耐え忍べるように彼女が払ってくれた犠牲に感謝しているのだ。

—静かに歩む者

貯水池の淑女:ヴェルサの見解Lady in the Cistern: Velsa’s Theory

像は夜母よ。彼女の右手が開いているのは彼女が知っているから。彼女に蛇が巻きついている。蛇はシシスを意味している

あなたたちが皆バカなのは、夜の空のようにはっきりとしているわ

ヴェルサ

貯水池の淑女:銀の爪の見解Lady in the Cistern: Silver-Claw’s Theory

貯水池の淑女が誰だったのかは知らない。だが実を言えばその像が誰だろうともはや重要ではない

知ってのとおり、その像は今はゼイラを意味していると信じている。彼女の導きがなかったら、今や自分がその一部と誇りを持って言う、この奇妙な小さな家族はもう存在していなかっただろう。だから私にとって、貯水池の淑女はギルドマスターだ

—銀の爪

貯水池の淑女:ゼイラの見解Lady in the Cistern: Zeira’s Theory

銀の爪、お世辞が上手ね。だけど盗賊ギルドはひとりじゃない。your nameがそのよい証拠よ。

そして、他の皆も間違っている。それは束の間の見せかけの姿のレキ。フバラジャードの時代に、彫刻家が好んで表現したように佇んでいるの。像の左手はまるで剣を持つかのように丸まっている。たぶんずっと前にはそうだったんでしょう。もし盗まれていなかったのなら、ずっと昔に錆びて朽ちたに違いない。

アバーズ・ランディング港のすぐ南にある、大量のフバラジャードの像との類似にも気づいてほしい。彼は自分自身を理想化して、クサリヘビに巻きつかれた彫刻を実物の2倍の大きさで注文した。巨大で酷い代物で(どういうわけか)シャツを身につけず、まるで何も彼を傷つけられないかのようだった。

それでもレキをこの貯水池に隠した彫刻家は彼に反論した。長衣は意図を隠し、彼女はほとんど気づかれずに攻撃できた。霊剣の聖人はヒュー王子よりもよっぽど多くを成し遂げたけど、それでもそれを証明するのに船のマストより高くある必要はない。もっと言えば、彼女は街全体に自分を誇示する必要はない。彼女は影からやらなければならないことをすることに満足している。

それにクサリヘビの飾り帯は素敵よ。ヒュー王子を悩ませたでしょうね。

—ゼイラ

追放のマントラMantra of Expulsion

祝福された月よ、その舞いで私たちの心に名をつけてください。

誇り高きジョーデ、我らの足を祈りへと急がせてください。

誇り高きジョーン、その栄光のために、我らの爪を強くしてください。

幽霊の月よ、去れ!明るい月光のもと消えされ!

月のラティスがすべての命を甘くする。月を崇めるのは正しい。心をこめて月を崇めよ。

偵察報告書:隠れ家Scouting Report: The Hideaway

ファレン・ダー

プロとしての仕事は毎日目にできるものではない。隠れ家を巡回している「悪漢」はそうした例外だ。

ここの宝物を追っているのなら、何より重要なのは気づかれないことだ。絶対に。侵入者の気配がしただけでも、占有者は品をさっと運び出すだろう。

すなわち、秘密の通路を活用することだ。そこの警護は緩めで、状況がヤバくなったら「時期をうかがう」には良い場所だから。

—O

偵察報告書:虚空の広間Scouting Report: Deadhollow Halls

ファレン・ダー

古いデイドラの祠をうろつきまわるほどの金はもらっていないから、これは手短に書く。

使っている連中もその場所は好きではないとわかった。だからそこにある宝はすぐに移動される。入って、品を手に入れたら出て行け。無駄にする時間はない。

巡回部隊は互いによく連絡している。一人に見つかったら全員が警戒態勢になる。猶予時間が短くなる。

それでも中には多くの品がある。そこまでたどりつけなくても、二流の略奪品をポケットに詰めこむことはできるし、費用を賄う助けにはなるだろう。

—B

偵察報告書:地下墓地Scouting Report: Underground Sepulcher

ファレン・ダー

人のよさそうな途方に暮れた奴がこの場所を探している。おかしな顔のやつがここについて尋ねる

そもそも地下墓地ってのは何なんだ?持ってる奴はその宗教が好きだ。遺物とかそんなのがたくさんある。価値のある物も。だがあんたは品を追っている。

彼らはあちこちに隠している。たいていは大きな部屋に。隠し場所を使ってるんだ。幸いたくさんある。そこに貯めこんだのが誰であれ、余分な樽をそこらに置いていくのが好きだったんだ!

見つかったら、場所全体が警戒態勢に入る。俺は少しもらって出て行くが、大きな宝は……こっそりやらないとダメだぞ!

—W

鉄の車輪の囚人移送:ゼイラIron Wheel Prisoner Transfer: Zeira

移送する囚人
アバーズ・ランディングのゼイラ
別名:ダニゼイラ
別名:盗賊ギルドのギルドマスター

移送手段
アネモネ号はノー・シラ要塞よりタネスへ直行し、裁判までそこに留め置く

拘置義務
囚人はタネス衛兵隊長またはタネス港の鉄の車輪執行官の監督下に置かれる

罪状要約
—窃盗罪
—重窃盗罪
—不法侵入罪
—共謀罪
—司法からの逃亡罪

注記
直近ではマグニフィカ・ファロラーの結婚式で招待客になりすました。詳細は私がタネスに戻り次第周知する

—ランビク、鉄の車輪 主任調査官

鉄の車輪の掟15Iron Wheel Precept 15

無法者に慈悲をかけるな
彼らの運命は定まっている
これは崇高な義務——
鉄の輪は彼らの周りにある

鉄の車輪の掟21Iron Wheel Precept 21

悔い改めぬ無法者をどうするか?
拘束が効かぬ者には焼き印を使え
焼痕を見た者は拒めまい——
真実をキャンバスで燃やす

鉄の車輪の掟38Iron Wheel Precept 38

無法者が真実を拒むことはできても
運命は拒めない
大いなる真実を明らかにしよう——
車輪は絶えず進み続ける

謎の後援者へTo My Unknown Benefactor

サーまたはマダムへ

なぜこのような小さな貴重品が私の家の戸口に現れるようになったのかはわかりませんが、あなたは私の生活水準をかなり改善してくださったと言わずにはおれません。しかしながらお返しにあなたが求めるものは、私の力で差し上げられるものを超えています。

例えば、今日から1週間後の夜明けに北へ向かう道を通ってキャラバンが出発することについて話せば、自分の地位が危うくなりそうです。そして私の街の商人が金庫の中味を銀行に持っていくのは毎週3番目の日だと知らせるのは、私が明かしてはならない極秘事項なのです。

私たちは互いに理解していると信じています。

—E

普通の髪型への呼びかけA Call for Common Hair

「匿名」 

麗しき我らの街の貴族たちは装飾品と過度に様式化された髪型に夢中になっている。精巧な髪型の虜になったあの無分別なフバラジャード王子の真似をする以外に、やることはないのだろうか?

高貴な髪の殿下はこれまで、無数の精巧な(そして一般の人間にとっては明らかに馬鹿げた)髪型で公衆の面前に姿を現してきた。かつらでも、拷問にかけられたかのような滑稽な地毛でも。路地には飢えた人々や、街の一部区域の沈没によって家を失くした人々がいるというのに、奇妙な髪型王子は自分の美容師がひとつ「芸術」作品を完成させるたびに、100ゴールドもの金貨を支払っている。

最近における彼の毛に関する愚行の例を以下に挙げる:

白金の塔を表わしたもの。明かりをつけた窓を再現するために、ダイアモンドで飾られている。最近開かれた舞踏会で、王子はレディ・ミシェファバの舞踏会場の入り口を通るためにしゃがまなければならなかったと言われている。

センチネルからの何かの専門家を迎えるために港へ外出した時、我らが王子はその髪で帆を全開にしたヨクダの戦艦を再現した。開いた口がふさがらないほどの馬鹿らしさは、彼の頭上を飛び回っていたアジサシの糞が主要な帆をかすめて落ちたことでさらに増した。

最近外出した際、ヒュー王子の髪は今まさに突進せんとするハジ・モタの形を芸術的に模していたことが目撃されている。噂によればこの「髪の獣」の鱗は、そのひとつひとつが均一なサイズのルビーだったという。さらに獣の瞳はエメラルドだった。ある若い乙女はこの毛髪殿下の頭に乗った怪物に恐怖し、失神してしまった。彼女の両親はとっさに毛のモタではなく暑さが原因だと主張し、ヒュー王子の機嫌を損ねることのないようにした。しかしこの若い女は後に、エメラルドの目に見つめられて、ひどく狼狽したのだと言っているところを聞きとがめられている。

アバーズ・ランディングの人々よ、私は懇願する!王子の髪型に抗して立ち上がるのだ!

(メモ:これはアバーズ・ランディングにもともと住んでいた者によって作成された実際のチラシを再印刷したものである。どうやら「ヒュー王子」というのは単に我々がこの不幸な王子に対して用いているあだ名ではないらしい——彼は同時代の人々に実際にこう呼ばれていたのだ)

旅行日程Travel Itinerary

近々実施されるレディ・アナイス・ヴェルモントのヴェルモント保有地視察についての詳細:

1日目:ヴェルモントの富を積み、ゴールドコーストへ向けて出航。

3日目:風と波が許せば、アンヴィルに到着。地方総督フォルナータが、寛大にもアンヴィル城の部屋を私と従者のために提供してくれている。

4日目:アンヴィル城にて上流の舞踏会に出席。私ならきっと、名誉ある客人になれるわ!

5日目:アンヴィルの街の保有地を調査し、家族の事業を処理する。

6日目:タネスへ向けて出航。旅のために海賊のエールを積んでおくのを忘れないこと。

10日目:風と波が許せば、タネスの港町に到着。タネス女王が寛大にも小さなお屋敷を、この訪問中私が使えるように提供してくれている。

11~12日:商人王たちと会い、事業の調整について話し合う。拡大する需要のために、新しい倉庫を買う交渉をする。

13日目:タネス女王の主催する大舞踏会に出席。ザクロのワインを飲みすぎないよう気をつけること。

14日目:アバーズ・ランディングへ向けて出航。戻るその時まで、さようなら!

ゴールドコーストの書

Gold Coast Tomes

アリーナのメモArena Note

物乞いと自称している者に関して。

彼女は物乞いではない。本当のところ、彼女が何者かは定かではない。なぜ貧しい物乞いのふりをしなければならないのか。それも、あんなに下手な仕方で。私にはさっぱりわからない。しかし、彼女はなかなかハンサムなカジートと同行していたところを見られている。

暗号の場所:大通りではない。

アリーナの対戦表Arena Fight Card

何か聞きたいことがある場合、赤いサッシュを身に付けた客席管理者に直接問い合わせてください。アリーナマスターのアプドゥガルには決して近づかないでください!アリーナマスターは非常に多忙です。アリーナの業務に支障をきたすような行いをした方は排除します。

賭け金は対戦が始まる前に、必ず係員に預けてください。対戦が始まったら、それ以降賭け金の受付は行いません。また、賭けに勝った方には独占するのでなく、手に入れた金の10分の1をアカトシュ大聖堂に納めるよう推奨しています。

以下のリストにあるように、興奮するイベントが目白押しです。対戦が終わったら次の対戦が始まるまで少し時間がありますので、そのときに賭け金を預け、回収できます。また、配当金を入手せずにアリーナを出ると、強制的に排除された場合も含め、そのお金はアリーナの所有物になります。ルールを守りましょう!

クヴァッチ・アリーナの予定:

大説教師フィシアによるアカトシュへの祈祷。

殺し屋セノが無制限デスマッチでブラッディー・ボアと対戦!あらゆる戦術と武器が使用可能!卑劣さと残忍さに制限なし!最もずる賢くて強い戦士に勝利を!

野蛮なケイブ・トロールが歴戦のマンモスと対戦!最強の獣に勝利を!

巨人の水路の亡霊、ベネディクタ・ファルトが短剣の二刀流試合で傷だらけのジャノナと対戦!ピッタリとした衣装に身を包んだ、危険な悪女達による剣限定の対戦。血みどろの戦いになること間違いなし!

危険で美しいベラディスとジェンダエルのバイン姉妹が、灰に閉ざされたヴァーデンフェルから来た新たな2人の挑戦者、サイレント・アッシュウォーカーと対戦!この異教徒達は一体どんな汚れた魔術を使うのだろうか?ヴァレンウッドのずる賢いウッドエルフ姉妹は、アッシュランドの獰猛なデイドラ信仰者達を倒せるのだろうか?

神々に対する罪で死刑を宣告された10人の異教徒達。悔悛者のサークルで、パンシウス指揮官から刑の執行を延期する最後の機会が与えられる。悪魔崇拝を放棄して、アカトシュの光を受け入れる者が現れるのだろうか?パンシウスの剣が彼らの運命を決める!

アンヴィルの税Anvil Taxes

アンヴィルの全収税官へ——今すぐ読むように!

頭の回転が遅いお前達の一部が、販売や購入に費やした全額の10分の1という、エフレム伯爵が定めた入港手数料を未だに課していると最近分かった。お前達のろまが最近のアンヴィルの出来事を忘れているのなら言っておくが、エフレム伯爵はもはや港の責任者ではない。今は、フォーチュナタ総督が港を運営している。そしてお前達は、俺の港に入り貨物の交易を行う全船舶に対して、彼女の新しい手数料、5分の1を課すのだ。

5分の1が何なのか分からない間抜けは、5本指を数えろ。親指が5分の1、つまり徴収する量だ。そして他の4本指が残りとなる。よって金の山を見たら、親指と同じ量またはそれ以上を徴収しろ。それ未満はだめだ。文句を言う者がいれば、頭をかち割れ。

割る頭が一人では手に負えないほど多ければ、俺に伝えろ。船に行って、一緒に頭を割る。如何なる理由であれ、船長が支払いをするまで船は出港できない。税金を払わずに船が港を出たら、船を港に留まらせる役目の哨戒兵が、入港手数料を5本の指で支払うことになる。

また明日以降だが、従来の課税率で徴収する者を俺が見つけた場合、そいつは海の檻で一晩過ごすことになる。

倉庫長カマール

アンヴィルの謎の人魚The Mysterious Mermaid of Anvil

アンヴィルはゴールドコーストに建設された時から、冒険と魅力にあふれた都市である。伝説と謎に富み、通りや酒場は世界中からの話題に満ちている。中にははるか彼方の地に起源を発しないものもある。それは建造物の土台に見られるどれよりも古い石から切り出されたアンヴィルの美と魅力の権化、アンヴィルの人魚である。

基本的なことに関する何の記述もなく、街の記録にも起源の記載が見つからないこの人魚は、真っさらな状態でおかれてきた。地元民と訪問者は一様に自分なりの解釈をしてきた。のどかに横たわり慎みのない姿態の彼女は、いくつもの名前と称号を持っている。いくつかはここに記すのにふさわしくない。悲しげな海水の乙女、足長の少女、しょっぱいセレナーデ、石の誘惑者など、他にもたくさんのあだ名があるアンヴィルの人魚は、彼女を眺める者に必ずと言っていいほど長く残る印象を与える。

その人魚のどこに我々はひきつけられるのか。なるほど城っぽい色の岩のなだらかなカーブは美しい姿を生み出しているが、芸術のために裸で横たわっているのか?その完全なる気高さは神々のため、タムリエルの王族、デイドラ公のために建てられた多くの石像と競うほどで、人魚はかつて正体不明の作者にとってそれに似たようなものだったと推測される。美しい人魚は実際のところ長きにわたって忘れ去られた神なのか、それとも隠された神の姿であるのか。さらに不名誉な噂になるが、古代の海の民の文明に現れたアズラではないかという噂もある。だがスロードがあのような美を生み出したとは考え難い。では何だろうか?ドゥルーか?いや、考えられるのは鱗とエラを持っていたシーエルフだ。

人魚が本当は誰を、何を体現しているのか、ほんの少ししかわかっていない。誰が作ったのか、または作らせたのかはさらに謎だ。誰がその巨石を慎重に掘り磨いてこの世にその美を生み出したのか、信用に値する記録はない。多くの者が人魚の起源を説明しようとし、また古い祖先がその設計に関わったと主張した。情報源がいかに信頼できようとも、さらなる調査により常にどの説明よりも古代にさかのぼる。実際、もっとも最近の考古学的研究では、人魚はアンヴィルのどの建造物よりもはるかに昔のもので、少なくとも何人かの称賛者が彼女の側に拠点を置き、その美しい姿の周りに街を築いたのだという。人魚は街中が彼女を見上げることになり喜んだか、それとも恥ずかしく思っただろうか。彼女の遠慮がちな表情を見た者は、答えることができたとしても謎は永遠に解けないだろうという。

それがアンヴィルで彼女が愛される理由だ。

アンヴィル灯台の報告Anvil Lighthouse Report

M—

新しい灯台の守り手について懸念がある。十分な金をばらまいたら、彼女の夫は見て見ぬふりをした。

だが彼が死んだ今、その妻のほうはそうはいかないようだ。申し出はすべてはねのけ、知人以外には扉を固く閉ざしている。うまくいかないのならば、代わりを連れてこなければ。

説教師は闇の一党についてあれこれ言い続けている。本当に近くにいるなら、彼らが契約を受けるかどうか確かめよう。商人の船団に乗り込む必要などない。座礁するのを待てばいい。

—X

イアヌス・ファレリアの墓碑銘Epitaph for Ianus Faleria

我々の間には永遠の絆がある

イアヌス・ファレリア

421年 薄明の月19日死亡

享年 25歳

ヴァレンの壁Varen’s Wall

グウィリム大学歴史学者、ミダラ・サルヴィティカス 著

最後のロングハウス帝に対するヴァレン・アクィラリオスの反乱の初期に急造されたヴァレンの壁と呼ばれる建造物は、ゴールドコーストをコロヴィア台地から隔てている。その壁について、そして地域と反乱、三旗戦役に象徴される継続中の紛争におけるその重要性について説明しよう。

ヴァレンの反乱が始まって間もなく、アクィラリオスは従者に対し、クヴァッチやゴールドコースト全域をロングハウス帝とその軍隊による反撃から守るため、壁の建設を始めるよう命じた。戦いを帝国の中心部へ持ち込む決意を固めていたアクィラリオスは、故郷であり本来の権力の座である場所が、自分の留守中に敵から狙われることは避けたかった。著名な技師であったジャロス・トルプターに設計と建設管理で協力を求め、記録的な速さで高く頑丈な防壁を築くように命じた。

雇われた労働者たちと、増え続ける熱心な志願者たちを従え、ジャロスは目前の作業に取り掛かった。見た目の美しさよりも速さと頑丈な構造のほうが重要だと判断したジャロスは、作業者たちが周囲の田園地帯から集められるどんな建築素材でも使えるように、比較的単純な設計計画を立てた。自然の岩や石、廃虚の一部、購入した建築素材、さらには田園地帯に点在していた屋敷の一部を漁ってきたものまで、すべてが寄せ集められてヴァレンの壁を築き上げるために使われた。

ジャロスによる壁の設計自体は単純で、実用性を重んじたものであり、その見た目は彼の名を知らしめていた他の美しい建築物とは比べものにならなかった。壁は荒く切られた石や不揃いな岩、協力的または非協力的な寄贈者の屋敷から徴発されたブロック、さらには土地そのものの自然の輪郭が混じり合ってできた。壁には塔がほぼ等間隔に配置され、長々と続く岩を遮り、衛兵や見張り用の場所、もしくは守備隊が防衛線沿いに集合する場所を提供した。

クヴァッチとアンヴィルの市民の間ではヴァレンの人気が高かったため、ジャロスは志願者による作業チームを作ることができ、昼夜通して建設を進めるために十分すぎるほどの人員を確保できた。しかし、人々が時間と労力を提供する気になったのは、人気だけによるものではなかった。ヴァレンの言葉と行動がそれを実現させたのだ。彼は人々を、その反乱が正しいことであるだけでなく、デイドラを崇拝する皇帝レオヴィックを止めるために必要なことだと説得した。さらに、人々とその土地を守るために皆を呼び集め、1年のうちにヴァレンの壁は、アビシアン海の岸辺から始まってコロヴィア台地の南西にある田園地帯を曲がりくねりながら通った末、ストリッド川に到達するところにまで建てられた。

ヴァレンの壁は、ヴァレンの反乱の最中にその地域を守るために重要だったが、帝国が没落して三旗戦役が始まると、壁はさらに大きな役割を果たすようになった。シロディールを懸けた激しい争いが繰り広げられる中で、クヴァッチとアンヴィルはヴァレンの壁に守られ、滅びた帝国のかつての中心部において続いた戦闘によるひどい損害を受けずにすんだ。ある種の避難所としてゴールドコーストは栄えた。この場所はクヴァッチとアカトシュ大聖堂に代表される法と秩序、もしくはもっと混迷したアンヴィルと海賊や密売人のどちらが、地域における最強の勢力として勝ち抜くのかを示す政治的な実験場とも言える。

ウィサードローズへの手紙Letter to the Withered Rose

親愛なるラディア

ご機嫌はいかがだろうか、我が親愛なる、麗しき婦人よ。ウィサードローズでの事業が改善したことを願っている。私はあなたの素敵な宿での戯れをいつも楽しんできたが、この地域で近頃、旅行が下火になりつつあることは理解している。かつてあなたのつつましやかな家に詰め掛けていた訪問者たちも少なくなり、さぞかし辛いことだろう。

だが、心配しないでもらいたい!もうあなたはよくご存じのことと思うが、私は約束を守る男だ。あなたのところの建物の下にあり、私の地所の地下へと通じているトンネルを引き続き使わせてもらうことと引き換えに、私はあなたにたっぷりと補助金を支払いたい。我が祖父とあなたの祖父が、かつてあのトンネルを使ってアンヴィルに品物を密輸入していたなどと、誰が知っていただろう?我々が古い家業を続けることを決めたのは、実に幸運なことだったと思う

それと、気にしているようだといけないので言っておくと、私は総督と海賊との協定を延長したので、安心してくれたまえ。あなたがトンネルのことを秘密に保っておき、同業者たちにいつでも使えるようにしておいてくれる限り、金は入り続けるだろう。それから、クモの侵入をどうにかできないか検討を願いたい。前回通過した際、海賊たちが文句をつけてきたのだ。

それからあなたの美しい娘に、私が彼女のことを気にしていたと伝えていただきたい。ルシニアは素晴らしく魅力的な女性に成長しつつある。どうだろう。近い未来の彼女の予定について、また一つ約束を取り付けるというのは。それがいい。

クインタス・ジャロル

ウェアシャーク船長のサーガ、パート4The Saga of Captain Wereshark, Part 4

ピャンドニア探検

負債を清算した後、ナールノーズとステッゴフィンズに別れを告げてスカイリムの凍った岸から離れ、失った勇敢な船員達の2倍の重さの財宝を乗せて海に出た。ペールスピリット号にはたくさんノルドの戦利品が積まれていたため、海を航行する姿はまるでアザラシのようだった。だが船員をひとりも海に放り出すことなく港に辿り着くことができた。その時はまだ、次の探検がこれまでで最も危険なものになるとは誰も思っていなかった。

我々はウェイレストの港に辿り着いた。そしてそれから数日もせずにウェアシャーク船長は、老いたブレトンの探検家、ギグナック公爵と親しくなった。彼は我々からノルドの遺物の多くを買い取った。そして、我が船長の伝説的なカリスマ性に感動したこの老人が (そして、何より重要なことに、彼の長女であるルセッテの強い要望により)、ピャンドニアのマオマーを調べるため、ペールスピリット号に資金を提供してくれることになった。ルセッテからもらった新しい赤い羽根を頭に付け、ウェアシャークは海へと戻った。

我々の名目上の目標は、シーエルフと恒久的な交易関係を築くことだったが、ウェアシャークはいつもどおり、略奪できるだけ略奪することだけを考えていた。戦争用のガレオン船、クリフ・レーサー号とシルバーアロー号(高額な手数料と戦利品の一部と引き替えに、ベルドロス・フラールから借り入れた)を引き連れて、我々は背中から風を受けながら航海を続けた。船には数カ月間、飢えたノルドの腹を満たすために十分な食糧が積まれていた。いつものように順調な航海だった。あの出来事が起るまでは。マオマーのシーサーペントは、ただの伝説ではない。

最初に出会ったのは、深い霧の遥か向こう側に、シーエルフが住んでいそうな木々の茂った島を初めて目にした直後のことだった。木が折れる音がして、叫び声を上げる男達が海の向こう側から流れてきたのだ。ウェアシャークや私、そして武装した船員達全員が、ペールスピリット号の甲板へと急いだ。そして我々は、巨大な蛇の体が巻き付いた、壊れたクリフ・レーサー号の船体が波に飲込まれていく姿を目にした。

ウェアシャークは常に全力だった。彼は叫び声を上げると、船の射手全員に矢を放つよう命じた。海の墓場にクリフ・レーサー号を引きずり込もうとしていた不快な怪物に矢が降り注いだ。だが、怪物の分厚い鱗を貫くことができた矢は1本もなかった。そしてその時、年老いたトカゲの硬き鱗の者が毒の短剣を手に取り、大声でシシスの名を叫びながら海に飛び込んだ。このおかしなアルゴニアンは、この船に乗ることを決めた日から死に場所を探していたのだ。

そしてまさかの出来事が起った。強きフリッカがメインマストの頂上からシルバーアロー号に警告を発し、ウェアシャークが剣を扱える船員達を招集したとき、泡立つ海面に何かが現れたのだ。硬き鱗の者だった。蛇の黒い血を浴びてギラギラと光り、その背後には、巨大なマオマーの蛇の体が浮き沈みしていた。まるで野良猫に引きずられてきた何かの死体のようだった。

硬き鱗の者はどうやって短剣で鱗を貫いたのか、それにどうやってそれだけ長い間海に潜っていられたのか、またはその毒がガレオン船の2倍の大きさの蛇に効果があることをなぜ知っていたのか、といった質問はなしだ。我々が知っていることは、シシスにもう一度会うことができなくて残念だと言ったこと以外、硬き鱗の者はこの件について一切語らなかったということだけだ。クリフ・レーサー号の生存者を回収しながら、ウェアシャークは硬き鱗の者に箱一杯の戦利品を渡すことを約束した。反対する者はいなかった。

またサーペントが現れることを警戒したウェアシャークは、霧に包まれたジャングルの島の海岸に停泊するよう命じた。その浅瀬であれば、我々と島の間だけでなく海底全体も見渡すことができた。ペールスピリット号とシルバーアロー号は、ウェアシャークを乗せた船を先頭にして小舟を4隻派遣した。だが島に辿り着いても、水色のシーエルフの姿はどこにもなかった。

我々はこの島には誰も住んでいないと考えた。だがそれは大間違いだった。

ウェアシャーク船長のサーガ、パート5The Saga of Captain Wereshark, Part 5

ピャンドニア探検の続き

それが始まったのは、船員が小舟を岸に上げた直後のことだった。耳をつんざくような木の折れる音や、うなり声と鼻息の音が不規則に聞こえてきたのだ。まるで野生のイノシシが腐った材木の上にのしかかっているかのようだった。それは白い砂浜を取り囲むやせこけた木々の森のどこかから響いてきていた。

他の船長なら落ち着く間もなく、小舟に戻ってペールスピリット号に向かうよう指示を出しただろう、だがウェアシャークは違った。彼は全員に白い砂浜へ留まるよう指示したのだ。とどろき渡るような彼の怒鳴り声を聞き、船員たちは軍隊のように背筋を伸ばした。そしてウェアシャークは、歯を鳴らしているこの獣を最初に倒した船員に、この探索で得た略奪品と、船長の個室でウェルワのステーキを食べられる権利を与えると約束した。

その結果、船員たちの不安は打ち消され、彼らは戦いへと駆り立てられた。ウェルワのステーキを食べたことがない読者のために言っておくが、あれ以上すばらしい食べ物はない。バグロガが塩をかけて火を加えれば、それはまるで牛肉に塩漬けチーズを加えたような味になり、油を塗ったオオバコのように食道を滑り落ちていく。ウェアシャークと一緒に船で旅をすれば、誰もがその香りをかいだだけで思わずよだれを出してしまうのだ。正直に言うが、それが真実であることを示すかのように、私の腹も音を立てていた。

ウェアシャークは我々をいくつかのグループに分けた。硬き鱗の者は、森の獣たちが海に出てきた時と、略奪できる集落を見つけた時のために、バグノーズ、隻眼のバンジ、そして浜辺に止まっているクリフ・レーサー号の船員5名で構成されている一団を率いることになった。強きフリッカは、スタービングドッグ号で契約を交わしたノルドの斧使いの一族を引き連れて、そのリズミカルなうなり声の主を始末、もしくは排除するため東の森に入った。そこには斥候である二つの傷のガレナもいた。あれほど森好きのウッドエルフに会ったのは初めてだった。

ウェアシャークは最後のグループを自分で率いることにした。そこには忠実な一等航海士(つまり私)と、双子のスノークロー、ヴィミー・ラクロイック、そして追放されたハイエルフ、ネラモが含まれていた。我々は上陸地点の南にある岩の多い浅瀬に向かい、硬き鱗の者のグループを回り込むようにしながら探索することになった。我々は他のチームより小規模だった。それにしても、狂乱の魔術師ネラモほど、人々を吹き飛ばすことに長けたエルフはそれまで見たことがなかった。

浅瀬は足場が不安定だったが生物は見当たらなかった。そしてあの恐ろしいうなり声を耳にしながら1時間ほど歩いたとき、木と泥と葉できた無人の小屋がたくさんある集落を発見した。そこには誰もおらず、巨大な卵の殻の欠片以外には何もなかった。だがこれにより、この島には生物がいるか、もしくは森の中にいた生物が腹を空かせて砂浜へと現れるまで存在していたことが分かった。

うなり声と歯ぎしり音は相変わらずあちこちで鳴り響いていた。だが他の部隊の叫び声や怒鳴り声は聞こえてこなかった。つまりその生物の正体が何であれ、まだ強きフリッカには発見されていないということだ。この騒ぎを起こした主に思わず同情しかけたそのとき、それは突然浜辺に姿を現して我々を睨み付けた。4本脚のリザードブルで、大きさはバグノーズの2倍ほどもあった。それは緑色の鱗に覆われており、マーラのスカートにかけて誓うが、オーリドンの路上にいる退屈なアルトマーの女王の衛兵が持っているような、美しいトライデントを携えていたのだ。

言うまでもないが、ネラモが顔面にファイアボールを放ったことに異議を唱える者はいなかった。

ウェアシャーク船長のサーガ、パート6The Saga of Captain Wereshark, Part 6

ピャンドニア探検の続き

ネラモに燃やされたリザードブルは、トライデントを手に猛然と突進してきた。ウェアシャークは我々に浅瀬へと戻るよう命じた。不確かな足下であればリザードの動きを封じられると考えたのだ。双子のスノークローは矢を浴びせたが、獣が倒れることはなかった。私は硬き鱗の者の強力な毒が手もとにあればと心から願った。その時だった。ヴィミーが素早く体を翻し、追いつかないほどの早さで走り出したのだ。

獣は彼女に向かってトライデントを振ったが、ヴィミーはその下をくぐり抜けると、馬に乗るかのようにいとも簡単にその生物の背中に飛び乗った。その直後、リザードブルの両目にナイフが突き立てられた。そしてネラモが再び火を放ったが、目の見えなくなったその獣は、もはや叫び声を上げてトライデントを振り回すことしかできなかった。

ウェアシャークは凄まじい雄叫びを上げ、我々に攻撃を命じた。ウェアシャークとスノークロー達は斧と剣でその獣に斬りかかり、私は遠くから回復呪文の詠唱に徹した。獣は視覚を失い、燃やされ、疲弊し、ついに倒れた。だが闇雲に放った一撃を受け、バルドール・スノークローが浜の反対側まで吹き飛ばされてしまった。幸運なことに、その一撃はノルドの一番堅い部分である頭に当たっただけだった。私には、その出血をすぐに止めることができた。

獣を倒したウェアシャークは、最後にもう一度、小屋を調べるように命じた。結局あの卵の欠片以外には、価値のあるようなものは見つけられなかった。ウェアシャークは賢明にもそれに固執せず、我々に小舟に戻るよう命じた。うなり声はまだ響いていた。これは巨大なリザードブルが森の中にまだいることを意味していた。

何もない小屋とリザードブルしか存在しない島で、我々の命を危険に晒す必要はない。真珠は他でも手に入れられる。我々は他の者を待つために浜辺に戻ることにした。そしてそこにたどり着いたときだった、ギラギラと光るシーエルフの軍団を発見したのだ。彼らは我々の小舟を取り囲み、硬き鱗の者、バグノーズ、そしてクリフ・レーサー号の生存者達を捕虜にしていた。この猫嫌い達が、お遊びで隻眼のバンジを殺したことが分かったのは、それからしばらく経ってからのことだった。

ウェアシャークは身を隠しながら我々の意見を求めた。硬き鱗の者とバグノーズを鎖に繋がれたままにはしておけなかった、それにシーエルフは我々の船を占拠していたのだ。ペールスピリット号とシルバーアロー号と外洋の間に、マオマーの軍艦が係留しているのが見えた。これでは、どうにかして船に戻ることができたとしても逃げ切れないだろう。しばらく考えた後、ウェアシャークは決定を下した。「交渉」することにしたのだ。

彼は我々に隠れているように命じ、「ステンダールの血を!」と叫んだ時にだけ攻撃するよう指示した。読者諸君、分かっていると思うが、我々は海賊だ。海賊であればシーエルフに捕まった者がどうなるか理解している。嵐の生贄として切り刻まれることになっても、あの尖った耳を殺すことができるなら我々は喜んで命を捧げる。シーエルフが交渉を拒否したら、ウェアシャークが言っていたとおり、奴らの多くが海に浮かぶことになるだろう。

ウェアシャークが名を名乗ると、40以上のシーエルフ達が彼の方に白い目を大きく見開いて、剣を抜き、弓を構えた。だが船長はまるでアバーズ・ランディングの人混みの中を歩くかのように、堂々と彼らの方に向かって歩いていった。両手を示して、剣に手を近づけないようにしていたため、シーエルフが彼を攻撃してくることはなかった。指示されていたように、硬き鱗の者が船長の功績を彼らに話していたことは明らかだった。

彼らはウェアシャークに近づいてくると、ブーツやベルトの短剣だけでなく、袖に仕込んでいた武器や持っていた剣も取り上げた。その間ウェアシャークは一切抵抗しなかった。そして一番線の細い、白い顔をしたシーエルフがその金色の鎧を太陽に輝かせながら船長に近づくと、いきなり顔を逆手で打ちつけた。ウェアシャークは足下に唾を吐くと、ニヤリと笑った。

ヴィミーに目をやると、やれやれという顔をしていた。これから交渉しようというのに先が思いやられる。するとそのとき突然、強きフリッカとノルド達が、怒ったウェルワの集団のように吠えながら森から飛び出してきた。

するとそれに続いて、二つの傷のガレナに追われていた、トライデントを持つ8体のリザードブル達が浜辺に押し寄せてきた。

ウェアシャーク船長のサーガ、パート7The Saga of Captain Wereshark, Part 7

ピャンドニア探検の続き

血に飢えたノルドの斧使い達と、トライデントを持つリザードブル達が突然突進してきたことで、シーエルフの船長は混乱したのだろう。彼はパニック状態で叫びながら射手達に攻撃を命じた。そして彼らは、愚かにも突然現れた獣達に向かって矢を放ったのだ。その無益な攻撃はリザードブル達をますます怒らせた。そしてそれと同時に、ウェアシャークは「ステンダールの血を!」と叫んだ。我々はそれを合図に、一斉にその戦場に突撃した。

怒ったリザードブル達は怯えたシーエルフ達に襲い掛かり、彼らを分断して森の中に次々と放り投げた。シーエルフ達が態勢を整える頃には、強きフリッカ達もそこを通り抜けて岸に辿り着いており、我々は全員で盾を使ってファランクス陣形を作り、雷と嵐の魔法の詠唱を開始していた。ウェアシャークはすでに自分の武器を回収しており、我々も仲間達の救出に当たっていたが、その頃シーエルフ達はまだ空中にいた。

航海の歴史上最も冷酷な海賊と、怒ったリザードブルに囲まれれば、いくらシーエルフ達といえどもセンチネルの真ん中にあるムーンブロッサムのように萎れるしかなかった。結局はリザードブル達に追い立てられ、マオマーの生存者達は蜘蛛の子を散らすように森の中へと逃げ込んだ。我々はネラモやヴィミーと協力して、他の者達に狩り方を教え、向かってきたわずかなリザードブル達を始末した。

エルフの死体から金になるようなものを全て回収した後、我々は小舟に急いで乗り込み、外海へと向かった。全員がペールスピリット号の先に停泊しているシーエルフのガレオン船を警戒して身構えていた。背後には霧が再び立ちこめてきていた。リザードブルに追われて八つ裂きにされて苦しむ、あのシーエルフ達の叫び声は決して忘れないだろう。彼らのやり方は残酷だったが、島の恐ろしい生物たちに惨殺される姿には思わず同情してしまった。

ウェアシャーク船長を見ると、シーエルフの船長の金色の兜を被っていた。これからこの兜を使っていくというわけではなく、バカにするための冗談だったようだが、まるでウェアシャークがついに色とりどりの美しい羽を脱ぎ捨ててしまったかのようだった!そうなったら、一体誰が彼を見分けられる?

船を漕ぎ、シーエルフが叫び声を上げている間、我々は雷や嵐の訪れと、新たなシーサーペントの攻撃を警戒していた、だがシルバーアロー号の時と同じように、生きてペールスピリット号に辿り着けた。我々は船を出したが、シーエルフの軍艦は停泊したまま一切動かなかった。その時になって分かったことだが、シーエルフの愚かな船長が、帰港するために十分な船員を船に残していなかったのだ。船を奪取することもできたが、その船を操舵できるだけの船員がおらず、それを買い取ってくれるような人物にも心当たりがなかった。

霧がシーエルフの軍艦と怒ったリザードブルの島を飲み込んでいった。その2つが視界から消えても、叫び声はしばらく響き渡っていたが、すぐに波がぶつかる優しい音と、ペールスピリット号の力強い帆の音だけしか聞こえなくなった。シーエルフの軍艦を探すために新たな船が現れることを警戒して、シルバーアロー号と共に夜通し航海を続けたが、我々の行く手を阻む者はついに現れなかった。次の日を迎えると霧はすっかり晴れ、新たな島が姿を現した。前の島よりも遥かに期待できそうだった。

静かに進み、船員達が武器を準備していると、シーエルフ様式のギラギラとした尖塔が視界に入ってきた。さらに重要なことに、浜辺を守るシーエルフの戦士がどこにも見当たらなかったのだ。漁村のようだが、余りにもへんぴな場所にあるため、襲われることを予期していなかったのだ。この襲撃は大規模なものになるだろう。

目を輝かせて羽を風にはためかせながら、ウェアシャーク船長は攻撃を命じた。

お前の契約に関してRegarding Your Contract

何度も言っているとおり、クラヴィカス・ヴァイルを召喚するのは難しいことではない。ただもう一度忠告するが、この案は全くもってお勧めできない。アザチがああなったのは偶然だ。それに10年後どうなっているかなんて誰にも分からない。デイドラ公ほど気が長いゲームをやる者はいないのだ。

ヴァイルが定命の者と取引するのは、彼らがその取引を後悔することが分かっているからだ。アザチがどうやって彼を出し抜いたのかは知らない。ただ同じことがまた起きるだなんて思わないことだ。よほどのことがない限り、アザチのことは秘密にしておけ。それにこの件に関わっている間は、私の名前も出さないでくれ。

ただ、お前が持っている金は他の金と同じだ、それにお前はこの件に、異常なほど執着しているように見える。だから説明だけはしておく。暁星の月の1日に、地図に記してある草に覆われた祠に行け。そして古い涸れ井戸に500ゴールドを投げ込むんだ。クラヴィカス・ヴァイルが取引をする気になれば、すぐに現れるはずだ。

今、お前が何を考えているのかよく分かるぞ。500ゴールドを井戸に投げるだって?それだけでデイドラ公を召喚できるのか?愚かな友よ。様々な印と汚れなき生贄を期待していたかもしれないが、それは他のデイドラ公を呼び出すためのものだ!ヴァイルはゴールドと魂に価値があると考えている。

考え直せ。欲望に捕らわれずに、今持っているもので満足するんだ。これを実行するなら、というかお前はそうするだろうが、失敗しても私に文句を言うな。

警告はしておいたぞ。

ガーラス・アジーア工作記録Garlas Agea Construction Log

第1日:今日、我々はゴールドコースト貿易会社の依頼でガーラス・アジーアに到着した。会社は我々に、彼らの呼ぶところでは古代の機械仕掛けの不要物を解除して欲しいとのことだ。自身の目で「不要物」を見て、以前に到着した時よりも少し不安になっている。この仕掛けは巨大なアカヴィリの刃で、大広間一つ分の振り幅を揺れている。こいつをどうすればいいのか、ちょっとわからない。この死の罠の残りの部分を確認し、飛び出して我々をいきなり殺してしまうかもしれないものを排除すべきだろう。

第2日:巨大な揺れる刃は、対処しなければならない唯一の障害ではないということか。おそらく私の最高の斥候であるルシウスが、主要な部屋の一つに入って窒息死した。それでわかったのは、その部屋の床が有毒のガスを噴き出していることだ。この分だと、この場所を掃討するまでにもう何人か、最良の作業員たちを失うことになるかもしれない。この遺跡から無事に出られたら、費用について交渉をやり直さなければならないだろう。

第4日:あの忌々しいガスの罠をようやく遮断できた。それもさらなる作業員を失うことなくだ。とはいえ作業員たちには、あの部屋であまり長時間過ごさないように言っておいた。さらなるガスが何らかの仕方で漏れ出してくるに違いない。いずれにせよ、我々は遺跡の内部へ向かってある程度進むことができた。

第7日:我々はあの揺れる刃の罠がある広間と思われる場所の反対側を見つけた。サブリナはうまいタイミングで入っていけばすり抜けられると考えているようだ。私はどちらかというと木の板を数枚使って、刃を塞いでいる間に彼女を通り抜けさせようと思う。これで少なくとも動きを止めて、大広間の再建のための準備ができるだろう。

第9日:成功だ!揺れる刃をとりあえず止めることができた。さらに足場をいくつか築くことにも成功した。もしかしたら最初に恐れたほどには、この場所に苦労させられずに済むかもしれない。

第10日:意外にも刃の罠が我々の封鎖を破り、作業員一人の命を奪った。どうやら今、我々はここに閉じ込められてしまったようだ。封鎖のうち一つだけがまだ持ちこたえているが、いつまで続くのだろうか?サブリナは駆け抜けてみようと思っていると言っていた。

第11日:サブリナは駆け抜けることを試みたが、予定したようにうまくはいかなかった。しかし私も同じことをやってみようと考えている。ただサブリナがひどい傷で出血死しようとしている点が、私を押し留めている。雇った傭兵たちの何人かが、我々のところに食料とワインを投げ入れることに成功したが、近いうちに何とかしなければ、ここで死ぬことになるだろう。勇気を出せば、死の刃を駆け抜けられるかもしれない。明日になれば。

キレスからの手紙Letter from Kireth

いとこのデミナーへ

この手紙が無事届くことを祈っているわ。ヴァーデンフェルの様子はどう?ハンマーフェルでの仕事が終わったら、レイノーと一緒に遊びに行くのもいいわね。まあ、まずはハンマーフェルに辿り着いてからの話だけど。最近の冒険について話すわ。ええ、全部レイノーが悪いのよ。いつものようにね。

私達は、ターヴァの祝福の近くで新しいドワーフ遺跡が見つかったと連絡を受けたの。レイノーは出来るだけ早く向かおうとしたわ。私が旅行の物資を確保している間、レイノーはセンチネルへ航海するよう交渉に行ったの。でも、彼のことは知っているでしょう。興奮して、新しい発見に夢中になってしまった。そこで失敗したのよ。彼はハンマーフェルへの船を予約しようとしたけど、私達はアンヴィルへ向かう船に乗せられてしまった。今はそこにいるわ。余分な金はないし、しばらくハンマーフェルへ辿り着ける見込みはない。

心配しないで。私達は何か考えつくわ。いつものように。アンヴィルに来たのはこれが初めてよ。びっくりするくらい海賊が多いの!ここは気に入るかもしれないわね。最後に私達が伺った時の記憶だと、あなたはいつも海賊っぽかったもの。旦那さんは元気?まだあの、自分ではワインと呼んでいる悪しき混合物を売って生計を立てようとしているの?正直に言うけど、あなたがやった方がいいわよ!

さて、この辺りで。私達はこの悲惨な街で仕事を探さないといけない。センチネル行きの船代を払えるようにね。幸運を祈って!もし私達が行く時は、きっとシェインをお土産に持って行くわ。あなたも、私と同じように旦那さんの商品を気に入っていないでしょう!

キレス・V

クヴァッチ・アリーナ、再開!Kvatch Arena Reopens!

クヴァッチの住民よ!カロラス伯爵の承認により、我々はクヴァッチ・アリーナを即刻再開させる!

クヴァッチの全住民その他は、躍動感あふれる数多の新イベントの観覧に招待される。イベントに含まれるのは、戦闘技術コンテスト、獰猛な獣達による戦闘、グランド・メレーなどだ!時の騎士団との協力で、新イベント「悔悛者のサークル」も追加される!

今後、名高いアリーナが定期的に開催することになる、スリル満載のイベント一覧を以下に記す。

力の衝突
ぜひご覧あれ。大陸で最も危険な剣闘士達が1対1、2対2、4対4で戦う。血塗られた戦いで扱われる武器よりも大きいのは、勝者に贈られる財布だけだ!勇敢なコロヴィア人に加えて、異国の戦士達を目の当たりにするだろう。残忍なノルド、獰猛なレッドガード、残酷なオーク、策略のウッドエルフ、さらに沈黙のシーエルフアサシンまでもが加わる。

このスリリングな戦いを見逃す手はない。コロヴィア人の英雄達に歓声を上げるか、異国の戦士達に賭けることで、彼らに最高のコロヴィア戦士と戦う理由を与えてやろう。よいショーになることを約束する!

獣達の衝突
勇敢な調教師によって集められたタムリエル中の野蛮な獣達が、その牙とかぎ爪こそが最強であると証明する戦いを目撃せよ!バンコライライオンの容赦ないどう猛さにスリルを味わおう!アリクルデューンリッパーの奇襲攻撃に息を飲もう!さらに、我々がチケットの販売で十分な金を獲得できたら、伝説的なマンティコラを未開地クラグローンから連れてくると、商魂たくましい商人に約束させた!

グランド・メレー
10名の戦士がアリーナに入るが、立ち去れるのは1名の戦士のみ!闘士であれば、誰でも地上の近接戦に参加できる。使用武器、戦闘方法は問わない!すべての戦闘が残酷で、結果が予期できないということ以外、何が起きるかは予測不能だ。我々の新しい階層戦闘システムにより、賭けた闘士が敗退しても最後の敗者グループに属していれば、なお金を獲得できる。一生に一度のイベントを見逃すな!

悔悛者のサークル
クヴァッチの時の騎士団の勇敢な騎士達が主催。神々に対して罪を犯した異端者、異教徒が悔悛する最後の機会を与えられる!数多の異教徒が勇敢で容赦ない時の騎士団の剣闘士達と対峙する。彼らの信仰が本物であると証明されれば、神々は彼らに微笑み、生き残ることさえ可能になるかも知れない。助からなかった者達も、死ぬ前には救済を目にするだろう。

デイドラ公との闇の儀式に手を出し、死霊術を行い、アカトシュへ罪を犯すすべての異教徒と戦って打ち負かす、勇敢な時の騎士団の剣闘士達に声援を送ろう。

クワマー鉱山労働者のメモKwama Miner’s Note

ボス

クワマー鉱山労働者同盟に頼まれた調査は現場にてほぼ完了しました。極めて明るい展望です。降霜の月が来る前に別の女王が誕生したので、新しいクワマーの巣にちょうどいい状態になっています。

存続能力のある巣がそれまでに出来なければ、雪解けまでコストを下げるために洞窟を諦めなければなりません。我々の出発から帰着までの間に、何かが住み着かないとも限らない。この鉱山を失うのは大変な損害になるでしょう。

中止の命令が出るまで計画通りに仕事を続けます。我々に関係のある変更があれば都度教えてください。

クワマー鉱山労働者ダブルーン

ゴールドコーストガイド パート1Gold Coast Guide, Part One

ゴールドコースト:ロングハウス帝の保養地
アスティニア・イサウリクス 著
公開日:第二紀566年 恵雨の月8日

シロディールの絶景を目にして、アンヴィルの素敵な天気と黄色い砂の浜辺を楽しみたいのなら、ゴールドコーストは最高の行き先と言える。外国へ旅行に行く時、身の安全に配慮するのは当然のことだが、先見の明のある警察とレオヴィック帝の指導力により、海岸の治安は劇的に向上した。皇帝自身は我々と頻繁に保養地へと行かれるが、温和なゴールドコーストへ念願の旅を果たすには、今が絶好の機会である。

輝く太陽と澄んだ波のゴールドコーストは、アビシアン海からの暖流により、良好な気候に恵まれている。我々は、真の冒険を求める好奇心旺盛な者に、手頃な価格で新緑の楽園を提供している。アビシアン海の警備と地域の安全確保の任務を偉大な皇帝より課される帝国海軍はアンヴィルを母港としており、皇帝の力に挑戦しようとする海賊は誰一人としていない。皇帝の完全武装した海軍と、熟練の兵士達があなたの安全を守る。

この案内書はゴールドコーストの歴史と、数多の素晴らしい観光地を案内するものである。
* * *
二つの大河に囲まれた肥沃な土地

二つの巨大河川によって、ゴールドコーストの境界が定められている。北のブレナ川がシロディールをハンマーフェルから隔てており、南のストリッド川がヴァレンウッドとの境界線になっている。二つの河川は大陸内部の中心的な交易路である。過去には数多くの海賊が両河川の所有権を主張したが、帝国海軍の存在により、そのような行為に終止符が打たれた。

大河の規模を真に理解するには、交易がピークに達する時期に、積荷に溢れるガレオン船がブレナ河とストリッド河を往来する喧騒を目にしなくてはならない。夏に河川を航行するのは歓迎だが、冬にはお勧めしない。冬の月の河は、湿気と霧で不快になる。
* * *
西の高地の美と神秘

ゴールドコーストの内陸は、そのほとんどが、ごつごつした高地と、木々が点在する低い山で構成される。密集したオークの木々や、ブナ、灰の森がその例だ。この地域は、ハイキングツアーや、学者や歴史家が特別な興味を示す数多くの古代遺跡を、ガイド随行で探検する時に最適である。コロヴィアの富の多くは伐採搬出業から生まれているが、林業の有力者はゴールドコースト全土で事業を行っている。コロヴィアの木は依然として、建設や武器の製造用に大きな需要がある。

高地では季節的な濃霧が発生しやすい。これにより、我々の遺跡を闊歩する「ブルメン」の物語などの迷信が多数生まれた!高地にねぐらを構える盗賊達によって広まった噂に過ぎないが、旅行者には、武器の携行や武装した同行者とともに旅をするよう推奨する。ゴールドコーストでは、旅行者の安全が我々の最重要課題であり、滞在を可能な限り快適に楽しめるようにするため、我々は尽力している。

ゴールドコーストガイド パート2Gold Coast Guide, Part Two

ゴールドコースト:ロングハウス帝の保養地
アスティニア・イサウリクス 著
公開日:第二紀566年 恵雨の月8日

歴史的都市クヴァッチ

丘から見下ろすクヴァッチの街は、シロディールでも最古のコロヴィア都市の一つで、豊かな歴史と脈打つ伝統を兼ね備えている。クヴァッチの住民は博識で快活、保守的で信心深いという評判を気に入っている。神々との交信、または神々の学びを求める敬虔な旅人にとって、クヴァッチの司祭は献身と信仰を行う巡礼者を、諸手を上げて歓迎してくれる存在となっている。

荘厳なたたずまいと豪奢な内装を誇る名高いアカトシュ大聖堂は、クヴァッチの空にそびえ立っている。各神の祠を擁する大聖堂は、その雄大さと美しさを眺める訪問者を各地から引き寄せる。大聖堂内やその周りでは、アカトシュ大司教と大聖堂の守護者である由緒正しき時の騎士団が任務を行う姿をしばしば見られる。彼らは、「クヴァッチの番人」という何世代にも渡って街の警戒に当たってきた者達の仕事を補っている。二つの団体に守られ、クヴァッチは帝国随一の安全な街となっているのだ。

一方で、クヴァッチが崇拝と熟考以外にすることがない場所であると考えてはならない。タムリエル最古のアリーナの一つ、伝説のクヴァッチ・アリーナも存在する。帝都のアリーナに匹敵するものは存在しないが、アリーナ最高の戦士の多くは、ここゴールドコーストにてキ戦いを開始した。クヴァッチ・アリーナで観戦を満喫すれば、帝都で地位を築く前の新たな戦士を見られる、素晴らしい機会が訪れるだろう。
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国際的な楽園アンヴィル

ゴールドコーストへの旅路の寄港地、アンヴィルはアビシアン海の至宝!

ゴールドコースト最高の港街であるアンヴィルは、シロディール各地や、さらに遠方から訪れる王族や高官の保養地を有している。聡明で気高いエフレム・ベニルス伯爵が帝国総督の称号を冠し、夏の月に頻繁に訪れる皇帝の意向により、この素晴らしき街を統治している。幸運な訪問者なら、アンヴィル城のバルコニーから臣民に手を振る偉大なレオヴィック皇帝を見られるかも知れない。

タムリエル中の珍しいものや美味しいものが並ぶ素敵な青空市場を活用するために、旅人が至るところからやってくる。他の者は、数多の素晴らしいレストランで食事をするためにやってくる。また、砂の浜辺で戯れ、アビシアン海の澄んだ水で泳ぐ者もいる。街には貴族と資産家のためのたくさんの豪華な宿泊施設があるが、一部にはより手頃な料金で、居心地の良い浜辺に面したコテージの客室も提供されており、訪問者に料理を振る舞っている。

つまるところ、温和で美しいゴールドコースト以上に理想的な旅行先はない。アカトシュ大聖堂の聖地巡礼で行くにせよ、クヴァッチ・アリーナの心躍る戦いを楽しむために滞在するにせよ、古代の遺跡を研究するにせよ、アンヴィルの都会の輝きを見るにせよ、アビシアン海の端で快適さと冒険を経験するだろう。今すぐ来るといい。お会いできるのを楽しみにしている!

ゴールドコーストのゴブリン部族Gold Coast Goblin Tribes

戦士ギルド小冊子
アンヴィルの戦士ギルド 編集

戦士ギルドは公共の利益のために、タムリエルの住人の脅威となる事項について、一般に指導を行っている。この小冊子は、ゴールドコーストのゴブリン部族に関する情報をアンヴィルの戦士ギルドが編集したものである。

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ギルド幹事シャベー・アフナイファへ

懲罰合意に従い、私がこのゴールドコーストのゴブリン部族に関する評論を届けることになった。そちらの話では、何日も掛かるようなことはないだろうとのことだった。一週間遅れでこの件を報告することになり、非常に申し訳なく思っている。

シャープスティック族はゴールドコーストの南部を自分達の領土だと主張しており、ロングトゥース族は北部の領有権を主張している。ゴールドコーストのゴブリンについて他に知るべきことはあるだろうか?

実はたくさんある。調べたのだ。ただ、ほとんどが混乱させられる。

私は当初、ロングトゥース族がこの地域で一番古いゴブリン部族だと思っていた。だが、彼らが台頭したのはつい最近だった。彼らはかつて3つの部族、ロングクロウ族、トゥースロック族、ロックスティック族に別れていた。ロングクロウ族とトゥースロック族はかつて、コロールの南西部にある猟場を巡って頻繁に争っていた。コロールの戦士ギルドが彼らを排除するために雇われたことで、すぐに両部族はそこを後にした。

両部族はその後もゴールドコーストに移住して、規模の大きな隔絶されたロックスティック族に出会うまで争い続けていた。そして共通の敵が現れたロングクロウ族とトゥースロック族は、彼らと敵対するロックスティック族を滅ぼすために団結するようになった。

それから1カ月もしないうちに、残っていたゴブリン達は自分達をロングトゥース族と呼ぶようになった。彼らは粗野な旗を立て、実質的にアンヴィル北部の支配者となった。経緯は不明だ。ロングトゥース族はその点を明らかにしようとしない。

シャープスティック族についてだが、彼らは先に述べたようなゴブリン部族の寄せ集めだ。アイスティック族はシャープロック族と戦い、シャープロック族はシャッターボーン族を使ってブラッドスカル族に攻撃を仕掛けた。だが、ブラッドスカル族の宿敵はガットブレード族で、ガットブレード族はシャッターボーン族とブラッドスカル族に奇襲を掛けていた。

シャープロック族とアイスティック族は、宿敵達が三つどもえの戦争になっていることに気付くと、他の部族を支配するためすぐに同盟を結んだ。勝利の前夜、アイスティック族とシャープロック族はお互いを攻撃し始めた。この大戦争はゴールドコーストの南部で勃発し、現場にたまたま居合わせた可哀想なカジートの猟師(彼は有名なクヴァッチの酒場の歌、「なかった戦争」で知られている)以外に知られることなく終結した。

反目し合う5つの部族だったが、生き残った者もいた。一部は逃げ出してロックスティック族となり、(数年後に)ロングクロウ族とトゥースロック族に吸収された。そこに残った者はシャープスティック族になり、ロックスティック族の反撃に備えて戦力を強化したが、結局攻撃を受けることはなかった。彼らは最終的に農業を営むようになり、それを生活の糧にするようになった。

ロングトゥース族とシャープスティック族は非常に接近しており、戦争が始まるのはもはや時間の問題だろう。最終的にロングスティック族が大きな部族を形成するようになったら、一つだけ頼みたいことがある。彼らをゴールドコーストから追い出す任務に私も加えてほしい。

—[懲罰合意に従い名前は非公開]

ゴールドコーストの海賊女王Pirate Queen of the Gold Coast

グウィリム大学歴史学者、ミダラ・サルヴィティカス 著

ゴールドコーストは、第二紀576年にヴァレン・アクィラリオスがロングハウス帝レオヴィックに対する反乱を率いて以来、劇的な変化を遂げた。まず、地域の住民はヴァレンの壁を築くために結束した。その件については同名の論文において詳細に考察している。その防衛的境界線によって、ゴールドコーストはコロヴィア台地から遮られ、帝国の報復やその他外部の脅威から守られた。次に、地域は反乱を利用し、シロディールからの独立を宣言した。これら2つの出来事により、ゴールドコーストは他の地域を悩ませる問題から隔離された安全地帯として確立されたが、それによって別の種類の試練が生じることにもなった。

第二紀577年、最後の石が置かれてヴァレンの壁が完成し、帝国海軍が北部と東部で反乱に対処するため留守にしていたちょうどその頃、商人の戦闘艦と海賊船からなる船隊がアンヴィルの港にたどり着いた。各船の上には、血の赤のサーベルで飾られた白い旗がはためいていた。ゴールドコースト貿易会社の海運王、フォーチュナタ・アプドゥガルによって率いられたその船隊は、港を乗っ取り、船乗りと海賊の戦士たちをあっという間に上陸させ、残っていた帝国長官に忠実な軍隊を圧倒した。1日も経過しないうちにフォーチュナタはアンヴィルを支配し、自ら地方総督と名乗り、ゴールドコーストが、アビシアン海からヴァレンの壁にかけて、自由な独立した街になったことを宣言した。

地方総督を自ら宣言したが、仲間と敵の両方からは海賊女王としてよく知られた彼女は、ゴールドコースト貿易会社の高位商人王としての人脈を利用して権力の土台を築いた。海賊に対しては、安全な隠れ家と地域に入ってくる富の一部を分け与えることを引き換えに、援助と支持を求めた。海賊たちは、雇い主の会社よりも常にフォーチュナタに忠実だった商船員とともに、海賊女王がアンヴィルとその周囲の田園地帯を支配し維持するために必要な武器を与えた。

様々な意味で、真実の方が現在アンヴィルの街中で新聞に登場するきわどく風変わりな冒険物語よりも、ずっと信じ難い。こうしたきわどい物語では、一応架空の海賊女帝スサ・アプラグドの手柄が語られており、かなり人気を博している。本物の海賊女王はその物語を許容しており、日頃から積極的に発行を後押ししているほどである。

今では白地に赤いサーベルの旗がアンヴィル城とアンヴィル灯台の上ではためき、海賊女王はアンヴィルを「自由の街」に変えた。いかなる同盟の軍艦もアンヴィル港に近づくことは許可されていない。その代わりに、タムリエル中から来る商船が波止場を埋め尽くし、喜んで積み荷を安値で売買している。かつて高慢で影響力の強かったゴールドコースト貿易会社も、世間体と誰が主導権を握っているかについて争うよりも利益のほうが重要だと判断して、海賊女王の要求を不本意ながら受け入れている。事実上、海賊女王の言うとおりにしているのだ。

海賊女王がアンヴィルの北東に隣接するクヴァッチを狙っていることは、預言者に聞くまでもなく分かることだ。よく知られた彼女による独立宣言の中でも言及されたことである。様々な海賊が次から次へと彼女の旗の下に集まり、恐れをなした貴族からは税金と称した保護料が流れ込んでおり、フォーチュナタの元にはやがてカロラス伯爵、さらにはアルトリウス大司教にさえ対処できる資源が集まるだろう。単に時間の問題である。そして海賊女王はこれまで幾度となく、計画を温めることにかけてはとても辛抱強いところを見せてきた。

あらゆる意味、フォーチュナタはアンヴィルを高圧的に支配している。レッドセイルの海賊たちは私的軍隊のような役割を果たし、襲撃や暴力行為、また命令によっては警察の任務を遂行している。彼女は冷酷無残な独裁者かもしれないが、地域を安定させ、無秩序な混迷を引き起こすことを阻止している。統治者に対し、それ以上のことを求められようか?

ゴールドコーストの子供のための動物寓話集A Gold Coast Children’s Bestiary

ゴブリン
ゴブリンは荒れ地の先に住んでいて
子供達の歯を首飾りにしている!
ゴブリンの矢には毒が塗られている。
ニクサドの内蔵をすり潰して作られた毒。

ミノタウロス
ミノタウロスは生まれながらの戦士。
彼らは角に死んだ子供達をぶら下げる!
彼らは牛じゃない、絶対に「モー」とは言わない。
彼らが一番好きなものはお前の肉だ!

ニクサド
ニクサドは蝿のように飛び回る。
彼らの好きな食べ物は子供達の目!
この砂糖中毒者達は残酷で見栄っ張り。
彼らは子供達の苦しみを喜ぶ。

リバー・トロール
やる気のある子供は
リバー・トロールが一番不親切だと知っている。
そうでない子供はすぐにトロールの糞の中で
自分の間抜けさを後悔することになる!

ゴールドコーストの有力者Gold Coast Notables

ミラベル・モティエールによる兄弟姉妹への報告書

統括せし者アスタラから、ゴールドコーストの有力者についての考えと顕著な点をまとめるように指示を受けたわ。具体的には、いつか相手をしなければならない最も重要な連中について。こいつらを殺さなければならないって訳じゃないからね。協調して頼みごとをすることもあるかもしれない。または… いえ、おそらく彼らを殺すんでしょうね。いつものように。

地方総督フォーチュナタ・アプドゥガル:以前の海賊女王は、その技と野望で商人王となって組織の頂点に立つ前、ゴールドコースト貿易会社で大した役職についていなかった。フォーチュナタには十分じゃなかったのね。彼女は貿易事業を拡大するため航海に出て、戻った時にはレッドセイル海賊の中で、実に人気のある海賊船団の頭領となっていた。アンヴィルを容易に掌握し、街の地方総督になったの。今やフォーチュナタは、鉄の拳をベルベットの手袋で包んでアンヴィルを支配している。その確固とした人格と証明された戦闘技術に加え、彼女の後ろには常に重装備の海賊が1ダースも控えているから、挑戦しようとする者はいないわ。恋人が贈り物をするように秘密を提供する、個人的なラットマスターについては言うまでもないわね。しかし彼女の野望は港町の境界を越え、ゴールドコースト全体がその支配下にあることを既に宣言した。事実とは言えないけど、すぐに現実となりそうね。

カロラス・アクィラリオス伯爵:クヴァッチの狼はヴァレン・アクィラリオスの甥よ。戦争に赴いたヴァレンの後を受けて街に仕え、防御したの。ゴールドコーストの有力者の中で唯一、真の善人ね。信仰と強い信念を持ち、その地位に名誉と誇りを抱いている。ついでに言うと、物凄く退屈ね。彼はフォーチュナタを良く思っておらず、今のところは海賊からクヴァッチを守り抜いている。街を見下ろすだけでなく、宗教的良心ともなっているアカトシュ大聖堂とは微妙な同盟関係よ。実際、彼は大聖堂の護衛である時の騎士団に拡張した権利と義務を与えて、クヴァッチ衛兵を補ったの。彼は闇の一党の強大な敵になるかもしれない。祭のガチョウのように街を切り分けたいと考えている者どもから街を救うため、今のようにどっぷりと政治にはまっていなければね。

アルトリウス・ポンティカス大司教:アカトシュ信者の長であり大聖堂の指導者でもある彼は、興味深く複雑な男よ。信仰に熱心で、アカトシュが彼の努力を導き支えてくれることを心から信じている。彼はまた独自の方向ながらフォーチュナタのように野心的で、聖職者の階級を一気に上り詰めたことからも分かる。信仰に生きる者として、ゴールドコーストに驚くべき巨大な密偵と情報提供者のネットワークを隠し持っているわ。大司教が知らないことはほとんどない。スルス大詠唱師とフィシア大説教師の支持を取りつけており、時の騎士団の修道戦士も同様よ。アルトリウスがその忠実な信者を我々にけしかけたら、闇の一党を脅かすかもしれない。そういったことが起こるとも思わないけど。

その他の有力者としてはクインタス・ジャロル卿、時の騎士団のコマンダー・マルクス・スキピオ、ゴールドコースト貿易会社のハーソー・ブレント卿、気づかれないと思っている我らの島への訪問者、〈女王の瞳〉のラズム・ダーがいるわ。潜在的な脅威、目標、味方についての報告は、追って近々届けるわね。

ゴールドコースト貿易会社のメモGold Coast Trading Company Note

ガルヴェラス

常に機会を利用することを受け入れるべきだということはわかっている。だが利点がわからなくなってきた。彼らが他と同じように買い物をしたいことは分かっているが、ゴールドコースト貿易会社の商品に彼らはどれだけの金を払えるんだ?この連中は下水道に住んでいる。文字どおり下水道にだぞ。

たまたま誰かが何かの箱を釣り上げて、何か手に入れたんじゃないかと期待してるのか?かつてない創造的な選択肢が必要な肥料が不足しているとでもいうのか?私は何か見落としているか?

この事業を続ける理由をよほどうまく説明できないなら、残念だが会社の関与は終了する。

カークランド

P.S.返信を送る前に、礼儀として外気にさらしてくれよ。下水道の悪臭は相当なもんだ。

サングインの陽気な人のメモSanguine’s Revelers Note

おい!そこのお前!そうだお前だよ!お前がこれを受け取ったのは、俺達が干上がりそうだからだ!ヴァートルはまだ辛うじて街まで荷車を押していける。だから、何か欲しいものがあったら、ここに書いて、他の者にまわせ。

ワインを8瓶。

30瓶にしろ!

数瓶はスパイス入りにしてくれるか?

ハチミツ酒を5樽。

スーーマ。

スクゥーマのことか?

ああ、俺にもスクゥーマをくれ!

もっと仲間を連れてこい。お前らは大体酔いすぎてて、全然面白くない。

ディベラの聖堂はそんなに遠くない。

ああ、それならスタミナ回復薬も20個頼む。

バカか!内緒にしておくって言っただろ!

口が開かない!

何が面白いんだ?

エールを1杯頼めるか?

だめだ。

喉がカラカラだ。いいからさっさと街に行ってこい!

ブランデーを2瓶。

新しいズボン。

それとエチャテレを1頭。エチャテレがいないとパーティーと言えないからな!

シビリン・エルヴェへの手紙Letter to Sybilline Elve

大切なお友達、シビリンへ!前に出した手紙をなくしたの?まあいいわ。もう一度繰り返すから。

スクリボニア家は以前、ゴールドコーストで一番の名家だった。私達の墳墓は帝都全ての街区で話題にされた。皇帝が我らの邸宅を訪れては、青々とした手つかずの土地を走り抜けたものよ。皇帝の支配への忠誠は疑われたことがない。母は完全にヴァレン・アクィラリオスの側についていた。我らの邸宅にあった石は、ヴァレンの壁に貢献した。

でもヴァレンの運が尽きると、スクリボニア家も同じ運命をたどった。名家であるのに、わずかな金しか残らなかった。あなたもよく知っているように、金を得るためには金を費やさなければならない。私達の正当な所有地を取り戻すには、たった5万クラウンのローンで十分よ。そしてあなたは信頼できる金貸しでしょう。返事を楽しみにしているわ!

あなたの親友

—メラッセ・スクリボニア

PS:クヴァッチのアリーナでかなりの時間を過ごしたというのは本当よ。スポーツの興奮を楽しむだけで、ギャンブルと関係ないことは保証するわ。

シャドウバニッシュ醸造所のメモShadowbanish Vintners Note

ようこそお客様!

私どもシャドウバニッシュ醸造所は、お客様を特別なワインのテイスティングに招待できてうれしく思っております。今晩、10種類以上のビンテージワインをお楽しみいただけます。もちろん、お気に召された場合は、大量にご購入いただけます。無税でワインを購入できるこの機会を是非ご利用くださるようお願いいたします。他の場所でここより安く購入できることはありません。保証いたします。

飲み過ぎと足元に注意してください。冷涼な入り江は、ワインの保存に最適ですが、湿った岩礁は時として不安定です!商品を購入していただけるかもしれないお客様が、海に流されたとあっては困ります。

慇懃な主催者

ジャロル卿の深い考えLord Jarol’s Deep Thoughts

今夜また彼女がくるが、私的な訪問ではない。共通の問題について話す会談だ。彼女のような女性は「共通の問題」など気にする必要もないが、少なくとも私の助力を喜んで受けてくれる。

今夜は海賊のサッシュをしてくるだろうか。彼女にはとても似合う。フォーチュナタに航海の雰囲気を纏わせ、思わず手を貸して甲板を掃除したくなる(ああ、これはいいな!次の会話で使ってみよう)。

こんな考えに囚われる時は、いつもテラスから海を眺めてやり過ごす。ワインも役目を果たしてくれる。

仕事が終わったら、フォーチュナタを少し長くとどまるよう説得して見よう。最高のヴィンテージを開け、ここに彼女を連れてきて、景色を眺めながら一緒に飲むんだ。

スイートロールの受取人Sweetroll Recipients

いわゆる「スイートロールの殺し屋」から脅迫スイートロールを受け取った同僚一人と、最近噂のあった何人かのリストだ。他にも受取った者がいるかもしれないが、私に何もかもやらせて報酬を貰おうというのは考えが甘い。

ドビアス:ゴールドコースト貿易会社の同僚。人が好すぎて損をするタイプ。商売にはまったく向いていない。標的にされたのはおそらく、人が好すぎてうんざりするからだろう。

ロウナ:気の強い女で、最近結婚をしたがスイートロールの殺し屋のせいで夫を失った。そして今、殺し屋は彼女を標的にしている。せっかくいい女が独り身になったのに、死んでしまったら残念だ。

トゥインダル:美しい目にふっくらとした唇、スプーンですくって食べたくなるような男だ。このハイエルフは多分誰かの心を奪ったに違いない。私の心も奪われた!皮肉なことに、彼はパン職人だ。これ以上のスイートロールを作れる者がいるか?

ヤーミア:ウッドエルフの物乞い。日光にさらして腐らせたキノコ4種のシチューみたいな臭いがする。言わせれば、スイートロールの殺し屋がこいつを連れ去っても別に構わない。臭いも一緒に頼む!

ステンダールの篤信者のメモResolutes of Stendarr Note

この下水道に住んでいる者の噂を聞いて、我が隊が調査のために派遣された。個人的にはこういう場所に住むあらゆる不潔な者も、汚れた場所に住む者も見てきたが、今日の話は無駄な労苦以外のなにものでもない。不幸なことに、武力で何とかできる類の問題ではないのだ。武力で解決していたほうが慈悲深かったということにさえなるだろう。

トンネル内では、世の中で起こった災難から逃れるために全てを失った家族を見つけた。ほとんどはその悲しい運命を受けるにふさわしくないのだが、不幸な人の中には疑いようもなく悪の芽がまじっている。我らは職務を勤勉に実行してこの集落を調査し、住民の護衛を申し出ると見せかけてそこに潜む悪を調査する。何もないと分かれば、そのまま立ち去ろう。

ステンダールの慈悲があらんことを。

セインツポートの裏切り者へTo the Traitor of Saintsport

昨夜、エンリックの群衆の中にお前がいたことは分かっている。メデリック。髪型を変えて、きれいな服に身を包んでいたとしても、あご先の傷や指のない右手を隠すことはできない。

お前がどこに逃げて、今どこにいるのかも知っている、それに、フンディング港でリーノックをやったのがお前の船員だということもだ。彼は20年間、私の最高の仲間だった。それを忘れていたとしても、彼を拷問していた時に思い出したはずだ。

礼儀としてこのメモは残しておくつもりだ、お前が身辺整理できるようにな。最後の日まで3日ある。言い訳はなんでもいい。この港のむさ苦しい場所で集めた友人達に別れを告げろ。それが終わったら、お前のところに行く。間違いなく、お前はこの世界を後にすることになる。

騒がなければすぐに終わる。お前がリーノックにやったことに比べればあっという間だ。逃げたら次の出会いは全く違うものになるだろう。捕まえたら、長い時間をかけていたぶってやる。

豚面の臆病者よ。もし待つことに耐えられなくなったら、期限を迎える前に自分でやってもらっても構わない。自分のやり方で、自分の意志でだ。ただ… 確認だけはしっかりとさせてもらう。

忘れるなよ、メデリック。お前を見ているからな。私が誰よりも人捜しが得意だということは、リーノックと同じようにお前も知っているはずだ。アンヴィルから逃げることができたとしても、私からは逃げられない。お前はもう終わりだ。

3日後に会おう。

ソラス・ヴァーティラスの日記Solus Vertilus’s Journal

たった今ベルダブーロが見えた。地上に建造物が余り残っていないようだが、アイレイドの土台はその耐久力があらゆる場所で知られている。崩壊せずに何かが残っていることを祈ろう。

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ミノタウロスの部族がアイレイドの遺跡をねぐらにしたようだ。理想には遠いが、いい兆候だろう。ミノタウロスが野営したということは、ベルダブーロはそれほどひどくないということだ。

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この小型望遠鏡は素晴らしい発明品だな。もう数日も安全な距離からミノタウロスを監視している。どこかへの移住の旅として一時の宿にしていると思いたかったが、彼らはあそこを家と決めたらしい。

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今晩遺跡に明かりが見えた。たいまつの灯じゃない。もっとまばゆく安定した光だ。アイレイドの魔術の残像か。ミノタウロスが何かしているのか。

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ミノタウロスはベルダブーロの外側はたいして探検していないようだ。遺跡を拡張する様子はない。ではこの場所に何を求めているのか。ミノタウロスは住居の確保のためでなくアイレイドの遺跡の周辺に集っているのかと思ったが、そうでもないらしい。

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ミノタウロスが本能的にこの地に集ったと考えるのはどうだろう。モリハウスの血の記憶がこの地への記憶を呼び覚ましているのだろうか。

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ミノタウロスは今朝、遺跡から消えた。狩りをしているのだろう。ひっくり返った石があるだけでなく、この遺跡がそれ以上のものであることを証明してみよう。

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光だ!形をなしている!人間なのかエルフなのか、確認できる前に扉をすり抜けた。これまでは戸口が開くことの意味を考えていなかった。ミノタウロスが狩りから戻る前に、はっきりさせたい。

ダイアウルフ調教の手引きGuide to Taming Dire Wolves

クヴァッチの獣使いシェルガ・グラブル 著

ダイアウルフを見たら、君は笑うか?奴らは普通の狼の体を大きくして、頭を悪くしたものだと考えるか?だとしたら、君は馬鹿だ。ダイアウルフは狡猾で危険だ。彼らにとって君の笑いは「次に君たちのお腹に入るのは私だぞ」と言うのと同じだ。シェルガは一度だけ、ダイアウルフに向かって笑ったことがある。今、シェルガの耳は一つだ。

シェルガはもう馬鹿ではない。今シェルガはダイアウルフの旗を持つ街、クヴァッチの獣使いだ。だからシェルガはダイアウルフを調教するために多くの時間を割いている。

ダイアウルフを調教するのは不可能だと思うかもしれない。それは真実だ。肉食獣を調教することはできない。完全には無理だ。だがもしシェルガがこの本を「ダイアウルフに自分ではなく敵を食わせるための手引き」と名づけたら、誰も買わないだろう。あるいは間違った理由で買う人が出るかもしれない。

1つ目。ダイアウルフは狼のように見える。狼のような動きをする。狼のような匂いがする。でも狼ではない。ダイアウルフはダイアウルフだ。

簡単な事のように聞こえるが、忘れるのも簡単なことなのだ。

狼は群れを必要とする。群れに入っていない狼は悪い。狼は孤立することを恐れる。努力すれば狼を調教できる。腹が減っていたら食い物をやる。君の群れに属していると狼に思わせればいい。

ダイアウルフには群れが必要ない。それはダイアウルフが1匹でまるごと一つの群れだからだ。ダイアウルフが悪くなるのは、そうなりたい時だけだ。孤立することは恐れない。ダイアウルフだからだ。

ダイアウルフを狼のように調教することはできない。腹が減っていたら、君が餌になる。自分さえいれば、群れは必要ない。君も自分が一つの群れであることを示さなければならない。君の群れとダイアウルフの群れが一緒に旅をして、より多くの食べ物を探した方がいいということを見せるのだ。ダイアウルフはこのことを理解する。なぜなら、ダイアウルフは狼の群れ一つと同じくらい食べるからだ。

2つ目。ダイアウルフの記憶は長持ちする。40年前のことをまだ恨んでいるクランマザーみたいなものだ。ダイアウルフに君を憎む理由を与えてはいけない。シェルガの姉妹グラルガは一度、食事を横取りしたダイアウルフに平手打ちをしたことがある。こうしてグラルガは親指を1本失くし、同時に礼儀を学んだ。グラルガはもうクヴァッチを訪ねてこない。

もしダイアウルフが君を憎むことがあったら、退いてはいけない。恐れてはいけない。憎いのはわかっていると示せ。憎しみを恐れないということを示せ。これは敬意を示すことになる。そしてたくさんの食料を与え、憎しみを抑えるのだ。

シェルガが思うに、これだからクヴァッチはダイアウルフを旗印にしたのだ。クヴァッチは忘れない。クヴァッチは敬意を払う者を尊敬する。そして民にたくさんの宴を与えれば、クヴァッチは憎しみを和らげる。

時として、ダイアウルフはそれでも君を憎む。その場合はダイアウルフを殺さなくてはならない。ダイアウルフのつがいのもう片方が見ている時に殺さないこと。そのダイアウルフも君を憎むようになる。人と同じだ。

3つ目。お腹をなでろ。耳の後ろをなでろ。でも耳の中はだめだ。尻尾と背中の境目をなでろ。尻尾は先端だけ!顎の下もなでろ。

足をなでないこと。ダイアウルフの足はハイエルフと同じく敏感だ。それにダイアウルフは鋭い爪も持っている。君が足を奪い去ろうとしているとダイアウルフが考える時、そいつは君を憎むようになる。

最後に。ダイアウルフは賢いが、魔法を理解しない。だから魔法を使え。巻物は義手よりも安い。物語に出てくるようなやり方でダイアウルフを調教しようとするな。馬鹿になってはいけない。

シェルガの姉妹ボルガは、これはズルだと言った。魔法で従順になったダイアウルフはダイアウルフではないと。シェルガはボルガを罵倒した。ボルガは引かず、シェルガの尊敬を勝ち取った。するとボルガは、シェルガに茹でたサンダーバグの卵を持って来た。

シェルガは言う。ボルガさえ学べるのだ。君にもできる。

ディベラの謎と啓示Dibella’s Mysteries and Revelations

ディベラ修道院聖女、オーガスティン・ヴィリアーネ 著

ウェイレストの空は嵐が多く、荒れやすいし、青よりも灰色のことが多い。でも栽培の月の朝には、太陽が天まで昇って空を青く晴らし、優しく温かい風がイリアック湾から吹いてくる。まさにそんな朝のことだった。花の香りを振りまく木々の下で、私はディベラ修道院の聖職へ、新人たちを何人か迎えた。

彼らには質問することが山ほどあった。若い人たちはいつもそうだ。「聖女様」と、アルドクロフトからやって来たひとりの若いカキ採りが聞いた。「愛とは本当にすべての問いへの答えなのでしょうか?」

「そうよ。もしその問いが心に関するものであればね」と私は言った。「精神に関するものである場合は、まず違うけれど」

「聖女様?」と、アルカイアから来た恥ずかしがりの版画家が聞いた。「私たちが崇拝者たちのために踊らなければならないというのは本当ですか… 裸で?」

私は微笑んだ。「それはあなたの魂がそう望むのならよ。それから、お天気が許すのならね!」

「一つ質問です、聖女様」とウェイレスト銀行家の賢い子が言った。「エドラたちが自分たちを犠牲に捧げ、一人一人が世界の創造に何かを付け加えたのだとすれば、私たちの淑女は世界にどんな貢献をしたのでしょうか?」

返事をする代わりに、私は芝生に落ちた花を両手ですくい取り、驚いた様子の彼の眉毛の上に注ぎ落した。

「私は困惑しています、聖女様」とノースポイントから来た宿屋の馬丁が言った。「自分の父親が誰か知らないのです」

「美の女神にとってそんなことは何でもないわ」と私は優しく答えた。「だって、彼女はこう言っているもの。”種が何であれ、芽が愛をもって育てられたのなら、その花は美しくなるのではないでしょうか?”」

「集会の方が私を情熱の相手として求めた際に」とエバーモアの騎士の子が言った。「私がその人に好意を感じないとしたら、どうすればいいのでしょう?」

「誰を愛しても構いません」と私は歌った。「でも、強いられた愛は愛ではない」

「聖女様、ほ、本当でしょうか」と、フクロウ使いの息子がどもって言った。「あなたが大病でし、視力を失ったというのは?」

「ええ、そうよ」と私は微笑んだ。「でも、それがどうしたの?私が踊れないとでも言うの?」

「聖女様!」「聖女様!」

「静かに、新たなる者よ!」私は叫んだ。「今日は金耀なのよ。夕暮れの鐘が鳴り、集会の方々が私たちを教会で待っているわ。さあ、おいでなさい!ワインと太鼓、それに軽い足と暖かい心を持ちなさい!私たちの淑女が崇拝を呼びかけているわ」

ドラゴンスターキャラバン社のメモDragonstar Caravan Company Note

キャラバンの御者め。いつもボスに良く見せたいために、通行料と税関を避けて主街道を迂回していく。で、どうなるかって?泥にはまると手押車と荷馬車を空にしなきゃならん。奴らを護衛するのが仕事であって、税関を迂回する度に溝から助ける契約は受けてない!キャラバンの衛兵の典型的な仕事だなんて言ってみろ。息の根を止めてやる!

次の夜のシフトの時にでも台帳を覗いて、会社にとってどれくらい価値があるものか見てみるとしよう。違法なようなら、絶対に契約の再交渉をしてやる。

お前は何かあれば俺の方につくだろうが、他の護衛の連中の考えも把握しておきたい。 ドラゴンスターの商人王と議論になったら、優位に立っておきたいからな。

ドラゴン協会The Society of the Dragon

時の竜神のアカトシュに愛と信仰を捧げたいが、アカトシュの聖職者になる覚悟はまだない?クヴァッチ大聖堂はそうした考えを理解できる。そこで、我々はドラゴン協会を設立した。

スルス大詠唱師と選ばれたアカトシュ司祭が指導する協会は、仲間や学習を求め、日毎に神学に関する最も重要な疑問を議論したいと望む入会者を組織に歓迎する。協会に参加しようではないか。アカトシュへの祈り、信仰、献身で、クヴァッチをより良い場所にするよう協力してほしい。

切実な問いにはすべて回答する。協会の一員として活動できる場所が待っている。

ナイツグレイブ:伝説か遺産かKnightsgrave: Legend or Legacy

大聖堂の歴史家、ウォボラン詠唱師 著

ナイツグレイブの遺跡が意味するものは何であろうか?そして、遺跡はどうしてアカトシュ大聖堂と、時の騎士団にとって重要なのだろうか?これらは人々が決して問いかけない疑問だが、神に献身する者はすべからく答えを知る必要のあるものである。

多くの者は、ナイツグレイブがある種の荒廃した墓、帝国が強大で永遠の存在であった時の名残りのようなものであると考えている。墓地が建設されたのは、それ以降であると知る者はほとんどいない。墓地の本当の意味は、奥深くに用意されている。当初、巨大な地下の構築物は、初期の時の騎士団本部としての役割を果たしていた。

本部を建設したのは、騎士団の創設者であるエノン・デカンだった。この地は竜神を崇拝する者達にとって常に重要だったと伝説にあるが、事実であると示す証拠は何も見つからなかった。騎士団が本部を築いたのは、訓練や瞑想のために祈りを捧げ観想を行う場所が必要だったからであり、さらに騎士団のメンバーが休み、落ち着く場所が必要だったことを知るべきだ。

エノンと初期の仲間の一団が死に、創設者達の名残りとして巨大な像が建てられた。騎士団は存続し、この地を拠点として100年近く活動していた。この間、より多くの部屋が切り出され、より多くの改良が本部に施された。騎士団の第一段階に終止符が打たれ組織が解散すると、この地は封鎖され、保全がアカトシュ大聖堂に委ねられた。しかし、大聖堂は施設をどのように使えばよいか思いつかなかった。そのため、詠唱師と説教師達は地下の建物を墓地の類に変える決断をした。名誉ある時の騎士団の死者は、深き地で葬られた。

カボー・メルラが騎士団を再建した時、彼の最初の任務の一つはナイツグレイブとして知られる場所を、騎士団の創設メンバーの遺産として捧げることだった。祝祷と儀式が執り行われ、墓地の薄暗い内部を彷徨する高尚な死者に捧げ物を与えた。 その場に眠る者の邪魔とならないように、カボーは砂時計の居留地を、ゴールドコーストにおける騎士団の新たな本部として建立することに決めた。

そう、伝説は忘れたまえ。ニクサドの蔓延やミノタウロスのガーディアン、騎士団の高尚な騎士が未だに封印された奥深くの間の警戒にあたっているという物語は無視したまえ。ナイツグレイブは、時の騎士団の誇りと力強さの遺産である。そして、アカトシュの信者である我々の遺産でもあるのだ。

ナリューのフォーチュンロールNaryu’s Fortune

暗闇がどれだけ美しくても、太陽が昇る時、暁はそれを破壊する。

ニクサドとの苦い経験Bitter Travels Among the Nixad

アバーズ・ランディングも他の都市と変わらない。金のない愚かな者は長く生きられない。幸いにも、私は愚か者ではない。私は長い間この街を見て回り、財産を再び手にする方法を探してきた。無鉄砲で自信過剰な商人には謙虚さが必要だ。私の名前はザビアーコ。スポットレスグッズ輸送会社で働いている。

熱心に働いたことで、すぐに荷車とグアル(その頑固さから、リトル・バズラグと名付けた)だけでなく、ゴールドコーストへの販路と外国の商品も手に入れることができた。これでザビアーコは父親との約束を果たせる!彼女はそのポケットを金で膨らませながら、コーヒーの袋と果実のような後味で有名なミストラル・ムーンシュガーを持ち、子供の時に住んでいた村に戻ることにした。

だがアンヴィルからクヴァッチに向かっていた時、ザビアーコに悲劇が訪れた。採掘場の労働者にホーカーのサマーソーセージを売った後、彼女は彼らから招待され、その夜はキャンプの端で休んでいくことになった。

しかし、その眠りは長く続かなかった。大地が揺れて、それに続くように叫び声が聞こえてきたのだ。労働者達は散り散りになり、鬼ごっこで標的になっているネズミのように、あちこちに逃げていった。リトル・バズラグは起きようとしなかった。だからザビアーコは隠れることにした。

彼らを見たのはその時だった。小さな生物で、私のブーツより小さく、耳障りな羽音をさせていた。彼らに寝袋から追い出された労働者のひとりが、「ニクサドだ!」と悲鳴を上げると、崖から落ちて足を骨折してしまった。するとこの小さな生物は、痛みにうめき声を上げる彼を、クスクスと笑い、嘲ったのである。

近くにいたザビアーコの耳にかん高い鳴き声が聞こえてきた。1匹のニクサドが、その鋭い爪からゴールドの袋をぶら下げていた。そんなに重い物を持って飛べるはずがないと思っていた、しかし羽が激しく音を立てると、ついにはそのゴールドを持ち去ってしまった。他のニクサドは腕を頭の上にあげ、ミストラル・ムーンシュガーに攻撃する準備をしていた。そして頭から袋に突っ込むと、足と羽を袋の外に出して、慣れたようにムーンシュガーを食べ出したのである。

私はこの泥棒の足を掴んで袋から引き抜いた。それは私の頭を叩くと、意地悪そうにクスクスと笑った。ニクサドが音を立てて飛び去ると、その航跡を示すようにムーンシュガーが落ちていた。私はその後を追ったが、暗闇の中で見失ってしまった。そうこうしている間に、別のニクサドがムーンシュガーの袋に頭を突っ込んでいたが、ザビアーコは気付いていなかった。

ザビアーコが戻ってくると袋は空になっていた。中には、ムーンシュガーを食べ過ぎた、3匹のニクサドの死体だけしか残っていなかった。そしてリトル・バズラグも姿を消していた。

また私は商品を失ってしまったのだ!貴重なミストラル・ムーンシュガー。あの不潔で意地悪な生物のせいで大損だ。コーヒーはどうかって?触れられた痕跡すらなかった。

ザビアーコはその夜たくさんことを学んだ。まず、ニクサドにミストラル・ムーンシュガーを食べられてしまったら、そのニクサドを火であぶること。その甘い肉を食べれば、舌をくすぐられるような甘酸っぱい余韻を楽しむことができる。

次に、ニクサドがいる土地を通るときは、ムーンシュガーをコーヒーの袋で囲むこと。その香りが彼らを遠ざけるため、苦い思いをせずに旅をできる。

ニクサドのせいなのA Nixad Made Me Do It

お母さん

確かに私はセリアを海に突き落としたわ。でも彼女のドレスをだめにしたかったわけじゃないの!

海岸に行く途中でニクサドを見つけたわ。セリアがこっそり立ち去るのはよくないってずっと言ってた。大声で言うから、注意をひいてしまったの。

ニクサドがどういうものか知っているでしょう。思い上がった子供から目をくりぬいて、ムーンシュガーの中で転がしちゃうの!ニクサドがセリアの目を食べてしまわないように、どうにかしなきゃならなかったの。

最初に彼女の髪をひっぱろうとしたけど、ニクサドが笑ったわ。でもセリアは走りながら叫んだの。

それでニクサドが不機嫌になったから、私はセリアを追いかけた。海のそばの小丘でつかまえて腕を掴んだわ。そうしたら彼女が言ったのよ、「あんたのしたことをお母さんに言ってやるから!」

ニクサドの翼の音が聞こえたわ。ということは、彼らは怒っていたのよ。他にどうしろっていうの?

だから押したの。海に落ちた彼女はびしょ濡れになったわ。ニクサドは空から落ちるほど笑い転げていた。

セリアは家に帰る途中、泣きわめいていたわ。私は彼女をおぶってあげず、歩かせた。それでニクサドは満足したの。

お母さん、セリアには悪いことをしたけど、あの子を守るために他にどうすればよかったの?お母さんが言ったのはそういうことじゃなかった?妹をかばうってことでしょう?

—あなたの愛する娘より

ネランシ・ファレリアの墓碑銘Epitaph for Neransi Faleria

私の行動があなたに平安をもたらさんことを

ネランシ・ファレリア

421年 薄明の月19日死亡

享年 8歳

バーンダリ行商人のメモBaandari Peddler Note

どうやらこの者は、通過する旅人を乗せるなという指示を明確に出せていなかったようだ。例え金を積まれようともダメだ!旅人が多くなればより注意を引く。我々は注意を求めていない。我らが輸送するいくつかの商品は、故郷と違って高く評価されていない。いくつかの商品は所有自体が違法だとされている。だから私はお前の新しい友人が「よさそうな人」だろうが何だろうが気に留めない。役人の質問に答えなければならなくなったら、同じ監房にいる間にお互いをますます嫌いになるだろう。

カジートは新しい友人に申し訳なく思うが、我らの次の出発には連れて行かない。さもなければ、この者は爪をお前の財布にかけ、適度に分け前を減らしてしまう。

この者は理解して貰えたと願う。そうだろう?

ファントス・エピリオンの日記Fantos Epilion’s Journal

項目 42
アンヴィル魔術師ギルドに加わるのは簡単だと思っていた。この街は海賊が支配しているんだ!それでも賢者は「厳格な精神」とかいうものを見せろという。

項目 43
賢者は融通が利かないと思っていたので、ギルドホールにミノタウロスの脳みそを届けた。私は馬鹿じゃない。ワックスペーパーに三重に包むことにした。その何が悪かったのかわからない。

項目 44
ついに突破口を見つけた!賢者はドゥルーについての実際的知識を持っていない。ということはその話題を軽く披露すればいい。爪のバリエーションの簡単な報告で十分だろう。

項目 45
賢者は私にもドゥルーについての実際的知識がないことに気づいた。今私はドゥルーの交配と指揮系統についての本「グロムの錬金術的用法の発見」を持っている。いったいグロムとはなんだ?

項目 46
本を読んだ。グロムとはドゥルーの殻で、交配の後に食べられ吐き出されるものだ。本によれば「繊維質のボール状物体」で「悪臭がする」という。グロムの用途は錬金術的にもその他にも知られていない。

どうも賢者は私のようではないらしいと思えてきた。

項目 47
アンヴィルの北海岸、ドゥルーが交配している場所で野営を張った。この生物は怒らせなければおとなしいので、必要なだけ観察してグロムを採取できる。

楽しい日だ。

項目 48
退屈とは何かについて分かっていたつもりだったが、今の私の毎日はドゥルーの交配を待つだけになっている。

項目 49
初めてグロムの玉を見つけた!

今はこれが興奮する出来事だ。

項目 50
古い本は正しかった。グロムに錬金術的用途はない。「様々な高価な錬金術の材料を無駄にする」とか「乳鉢と乳棒に消えないシミを残す」以外は。

だが、賢者に恥をかかされるつもりはない。

項目 51
グロムは食用にできない。ゆでたら臭いがひどくなるだけだ。

項目 52
ゆでるのが鍵だったんだ!冷えると繊維質のパルプが殻のように固くなる。この状態でパルプを作れることに気づいた。きっちり閉まる薬用フラスコを作れた。

落としても割れない薬用フラスコ。賢者、錬金術的用途だ。

もちろん、グロムは使い果たしてしまった。実験の再現のために、もっとドゥルーが必要だ。

項目 53
また退屈だ。ドゥルーの交配がもっと早ければいいのに。

項目 54
ドゥルーの勾配を早められる!錬金術の調合薬を海に廃棄している間に、近くにいたドゥルーが元気になって爪をこすり合わせていた。そのドゥルーはすぐに他のドゥルーを探し出してその周りを歩き回った。過去にない。

別に1回分を作って今夜海岸にまいた。

項目 55
ドゥルーは興奮したようだ。今すべてが歩き回っているが、交配は早まらない。

今晩の分の効能を8倍にしてみよう。それで彼らの無気力が変わらないなら、もう他に手はない!

ブラヴィルの殺し屋The Butcher of Bravil

イエナ・アピニア隊長の日記

これまでの戦歴で、私の呼び名は一つや二つではなかった。友人や戦友からは称賛を受け、敵からは呪われて忌み名をつけられたが、おそらくは死ぬまで呼ばれ続けるだろう現在の呼び名よりも憎悪の混じった、言われる覚えのないものはない。「ブラヴィルの殺し屋」だそうだ。

突然帝都を脅かす脅威が現れた際、シロディールの戦争は最高潮に達していた。部下の兵士は当然の休息を満喫していたが、空から鎖が降ってきたのはまさにその時だった。帝都への妨害を目的に同盟の一部が奇妙で恐ろしい魔法を唱えたとある者は言い、裏で糸を引いているのはデイドラ公の誰かだと信じる者もいた。私に言わせれば、首謀者がアイレン女王だろうがモラグ・バルだろうが関係なかった。ただ、指揮下の兵士たちを可及的速やかに脱出させる必要があるのは分かっていた。

目標は明確だった。生き残ることだ。帝都の防衛のために得体の知れない敵と戦おうとして死なないこと。生きて、勝つ見込みのある日に戦うことだった。一部の者は、亡した私のことを臆病者だと言うが、私の行動で部隊の全兵士の命が助かった。もちろん取り急ぎ脱出したため、壁の外の荒野で生き残るには準備が不足していた。再集結、再補給の必要があったから、行動計画は慎重に策定した。計画を考慮しつつ、南方を目指して脱出するよう部下に命じた。

ブラヴィルは帝都の南に位置する汚らしいさびれた街だった。ブラヴィルがみすぼらしい街であると言うのは褒めすぎだと言える。経済の水準をそこまで向上すれば、街の人々は喜ぶだろう。彼らはスキーヴァーの巣のように、互いの上に積み上げられた木の小屋に暮らしていた。持たざる者達だが、私と兵士達が切実に必要としていたものを持っていた。我々を支援するのは、彼らの義務でもあり、帝国の繁栄と栄光のためでもあった。私はその義務をブラヴィルの市長に対し、非常に簡潔に説明した。

しかし、ブラヴィルの市長は丁重に私の要請を断った。「備蓄食料はわずかかも知れませんが、ブラヴィルとその民にとって、欠かせないものです」と彼は説明した。「隊長、私の辞退する理由はご理解いただけるはずです。どうか兵士たちと共に立ち去ってください」

「スカルド王はほろ酔いの馬鹿に過ぎない」と言われるのと同じくらい、市長は私を激高させたが、彼の窮地も理解できた。私が備蓄食料を徴収すれば、周囲を覆う寒冬の到来とともに、市民の半数程度が緩慢な餓死を迎えるのを彼は目撃することになる。解決は容易だったが、命令を下したことに心が痛んだ。部下の兵士が街の人口の半分を排除する。そうすれば残りの人々は食料にありつけて、冬を越せる希望をもてる。

私にしてみれば、可愛そうな生物を助けてやったと思っていたが、彼らは感謝したのだろうか?いや。街の残り半分は蜂起した。結局のところ、市長を含む半数以上を虐殺しなければならず、惨事の責任は市長にすべて押し付けた。我々は物資をかき集め、戦費を調達するために貴重品を徴収し、ブラヴィルを出発した。

別の小規模な居留地に到達して、ブラヴィルの事件の噂が拡散し始め、実態より膨れ上がっていると分かったのは、数日後のことだった。彼らは我々のことを「ブラヴィルの殺し屋」と呼び、道を踏み外して無実の民を殺した悪人だと言われた。奴らは戦争について何も分かっていないし、戦場で指揮官が下さなければならない心苦しい決断について分かっていない。私の兵士に餓死しろと言うのか?それなら、どうやってシロディールを守ったらいいのか?また、私を捕らえ、徴収品を回収し、いわゆる戦争犯罪を償わせるために、アイレン女王が卑しい「女王の瞳」を派遣したことを知った。

私は帝都の外にいた残存兵とともに、多数の兵士を集合地点に送った。また同時に、小隊を率いてゴールドコーストを目指した。「女王の瞳」と対峙するのなら、自分の選んだ場所で会うことにする。そして、どちらが正義なのか見定めようではないか。

ブラックドラゴンThe Black Dragon

ラットマスターへ

波止場と裏通りを仕切るお前のネズミを使いたい。聞き耳を立ててごみを漁らせ、必要とあれば地元民を締め上げよ。手段は問わないが、私が必要な情報を提供するのだ。一刻も早く!お前はこれまでに数えきれない数の噂やゴシップをもたらしたが、そのほとんどは有用なものだった。にもかかわらず、私がネズミの目と耳を切望している時、本件に関しては「アンヴィルとクヴァッチの通りが不気味なほど静かになった」と報告するのか?ああ、古き友よ、それは受け入れられない。

私が知りたいのは、「ブラックドラゴン」という謎に包まれ、非常に危険と噂されている者のことだ。出自は?目的は?本当に男なのか?さらに重要なのは、私との利害関係だ。古き友人よ。私はお前を高く評価しているが、それが誤りだと言わせないでくれ。悪名高きラットマスターが老いぼれて、スパイ網と情報提供者が素っ気なくなったとは考えたくもない。長年にわたる忠誠と献身を考えれば、お前を交代させたくない。しかもその理由が単に、お前とネズミがブラックドラゴンの足取りをまったくつかめないからだとあってはな。

手を貸そう。今までのようにうまく軌道に乗せてやる。聞いたところによればブラックドラゴンは、黒いプレート鎧に身を包んだ強面の戦士で、ものすごい長剣を操るという。この男は、闇社会の大勢の者達を殺害していると考えられている。殺害された者のうち少なくとも一人は、秘密に包まれた闇の一党の構成員であると長く信じられていた。殺人鬼を誰かが送り込んだところで私が懸念するわけではないが、ブラックドラゴンの偏狭な愛が私の縄張りに迷い込まないようにしたい。

さあ、どうして手紙をまだ読んでいる?ネズミを送り、私が必要な情報を入手しろ。今すぐにだ!

アンヴィル地方総督 フォーチュナタ

ブラックドラゴンの日記The Black Dragon’s Journal

長い間この日記を書く気になれなかった、だが最近起きた出来事のせいで、私が本当に幸せだったあの頃のことが妙に懐かしくなった。私を愛して信じてくれた家族がいたあの頃だ。騎士団の男や女とは違う。彼らは私を信じ、恐れている。だが彼らが愛しているのは竜神だけだ。アルトリウス大司教のことも愛しているかもしれないが。

ブラックドラゴンの鎧を身につける前、私は闇の一党の奪いし者でしかなかった。今はブラックドラゴンであり、闇の一党から奪いし者であり、時の騎士団の第一の剣でもある。これは私が選択したことではない。それは違う。闇の一党がそうなるように私を追い込んだのだ。そして偶然にも、必要な能力が十分に備わっていた。

ライラ・ヴィリアという女を殺した。それは闇の一党時代に私がこなした最後の任務であり、遙か昔に忘れ去られた聖域の最後の任務だった。その後に私はしばらく目的を失った。そして時の騎士団を見つけ、ブラックドラゴンになった。

アカトシュに仕えながら許しを求めている、だが本当に何か変わったのだろうか?私は今でも殺人者だ。今も苦しんでいる。だが今はアカトシュが死を宣告した人々を殺している。もしくは、少なくとも、彼に選ばれたタムリエルの人々が標的だ。それを考えると、いくらかましになっているのかもしれない。

私はかつて自分の功績や行動に自信をもっていて、全く疑っていなかった。これは闇の一党時代(辞めるまで)のことであり、ブラックドラゴンになってもそれは変わらなかった。しかし今は不満を感じている。そしてそれは私が生涯苦手としていること、つまり疑問に対する答えを私自身に求めるようになった。これについて考えねばならない。また大司教に話を聞いてもらうべきかもしれない。

ブラックドラゴンの日記、パート2The Black Dragon’s Journal, Part 2

砂時計の居留地は人が多すぎて狭すぎると思い始めた後に、ナイツグレイブの遺跡を探し当てた。多くの活気のある人々と交流する資格は私にない。死は使命以上のものになった。今や私の一部だ。この地に長居して何が悪い?

* * *
遺跡に下る階段にある像には感心した。時の騎士団の創設者は誠実な戦士だったのだ。その一員だったことに誇りを持っていた時もあった。だが今は?分からない。今となっては分からない。

* * *
創設者か、もしくはその後にきた者は侵入者からこの場所を守ろうとしたようだ。かがり火は騎士団の道を開ける鍵か何からしい。どうにかして、この鍵を開ける方法を考えればいい。

* * *
かがり火に火を入れる順番は実に簡単だった。この聖なる地下に入る方法を見つけた者がほとんどいなかったとは驚きだ。

* * *
遺跡に入る方法が他にもあるに違いない。さもなければミノタウロスはどうやってここに入ったのか?驚きのあまり1匹倒さなければならなかった。その後、彼らをかわすには相当苦労した。殺さなければならない訳ではない。思うに、彼らはガーディアンのようなものなのだろう。そのままにしておこう。

* * *
武器庫の少し先で、時の騎士団の最初の第一の剣のために作られた部屋を発見した。ジュスティアとの確かな関わりを感じる。彼女の武器を手にしたら、彼女は微笑みかけてくれるだろうか。

* * *
パラゴンの王冠として知られる柱の輪の中で長いこと祈った。アカトシュは私の懇願をお聞きになったのだろう。すぐに私は遺跡のより古い部分へと繋がる地下道を見つけた。騎士団はより古い時代を思い起こさせる洞窟の上に元の本拠を建てたのだろう。印象的で、敢えて言うなら洞窟を支配するアカトシュへの畏れを感じる。この場所はアレッシア教団と、彼らのアカトシュを他のすべての神の上に押し上げようとする努力の恩恵を受けているのだろうとしか思えない。散らばった檻でさえ、アルトリウス大司教とクヴァッチ大聖堂の手下が行ったのよりも暗い儀式の存在を仄めかしている。

* * *
大司教、時の騎士団、闇の一党。皆が私をこんな風にした!ここ、アカトシュのもっとも恐ろしい存在の影の中で、私の本当の姿がついに分かるかもしれない。

プロウラーの歌Song of the Prowler

ハンマーフェルから出港、
明るく輝いた朝に、
美しい船が風を浴び、
そして岸から進む。
そして岸から進む。

船長が血の誓約を誓い、
その目は真っ黒で残忍。
「海賊か私掠船員か?」
俺達は決して口にしない。
俺達は決して口にしない。

ダガーフォールの船を襲撃、
そしてブリークロックは略奪の限り、
しかし友の多くはヘヴンに、
そしてグラーウッド中に。
そしてグラーウッド中に。

船長は正直な魂。
彼女は船を見事に操る。
俺達は正直かと問われれば、
彼女は決して口にしない。
彼女は決して口にしない。

海岸沿いで盗品を収集、
それでも大丈夫だと誓う。
アイレン女王は決して文句を言わない。
まるで一度も言ったことがないように。
まるで一度も言ったことがないように。

だが俺達の財宝の場所はどこだと聞くか?
深く埋めたか、うまく隠したか?
財宝の宝箱に封じたのか?
俺は決して口にしない。
俺は決して口にしない。

マキシヴィアン・ファレリアの墓碑銘Epitaph for Maxivian Faleria

あなたは私の闇の中の光だった

マキシヴィアン・ファレリア

421年 薄明の月19日死亡

享年 1歳

ミノタウロスに関してOn Minotaurs

一時的に無所属の帝国古美術品学者、ノヌス・カプレニウス 著

どれだけ多くの高等教育機関に追放されようとも、どれだけ多くの出版社に学説の印刷や配布を断わられようとも、私は立場を撤回するつもりも研究の対象を変更するつもりもない。ミノタウロスがふさわしい評価と敬意を受けるようになるまでは!

帝国の起源に関する研究、特にアレッシア教団の盛衰に関する研究を通じて、私は驚くべきことに遭遇した。背景に隠れ、多くの場合意図的に人目につかないでいるが、見る目がある私のような者には見えるものがある。それは歴史的記録からほぼ消されていた、あるヒューマノイドの種族だった。この歴史への罪をそのままにしておくべきではない。私はこの生き物を、帝国の年代記の適切な場所に復活させることを誓う。

私が話しているのはもちろん、悪評が高く人々に誤解されている、ミノタウロスのことである。この人間のような体を持ち、牛のような頭をしたヒューマノイドの血は、女帝アレッシアにまでつながっている。この真実について言及する当時の記録は残っていないが、後の時代のもので、奴隷女王とキナレスの息子、神がアレッシアに手を貸して助言するために送ったモリハウスとの関係に触れた古い書物は数多くある。よくミノタウロスとして描写される半神半人のモリハウスが、奴隷女王との戯れと彼女の息子である牛人間、ベルハルザの誕生を通してその種族を生じさせたと私は考える。

ミノタウロスの起源に関する真実がどうであろうと、彼らは女帝アレッシアが統治していた期間とそれ以降に大多数が現れ始めた。初期のミノタウロスは知能が高く、エルフやオークやカジートと同様に独自の文化を持っていたと私は考えている。帝国に対する忠誠心が強く、ミノタウロスは女帝アレッシアにとって特に忠実な擁護者だった。当時の美術品や書物の一部もそれを暗示しているが、私を中傷する者たちの多くは私の主張を裏付ける確かな証拠はどこにあるのかと聞きたがる。残念ながら証拠の多くは、その名が過って名付けられたアレッシア教団が、帝国を支配していた間に破壊されてしまった。

結局のところ、アレッシア教団とは厳格なアレッシアの教義に従った集団だった。七十七の不動の教義によって定められた掟と規則の中でも、特に悪名高いのはエルフに対する断固とした反対姿勢だった。私の考えでは、教団のそうした姿勢は反エルフ的感情だけに限られたわけではない。怒った信徒たちは教義をあらゆる非人間種族にあてはめて迫害するために使い、それにはミノタウロスも含まれた。ベルハルザの石として知られる、現代に残された古代の石版の断片からは、アレッシア帝国の第2代皇帝、牛人間ベルハルザが敵を見下ろす様子を描いたものだと多くの学者が主張している、大きな彫刻の一部がうかがえる。しかし私自身によるその断片の研究からは、まったく異なるものが浮かび上がってくる。

彼らの鎧の外見と槍の形からして、その彫刻に描かれた敵と呼ばれている者たちは、実際には熱狂的なアレッシア軍の先遣隊であると考えられる。ミノタウロスの心臓めがけて突かれた槍は、これら初期のアレッシア軍がミノタウロスを殺したかまたは追い払ったことを表しており、現代に残る証拠の中に今でも見られるその種族の衰退につながったことを表している。かつて威厳を持った牛人間の種族にとって、なんと残念な末路だろうか!しかし、すでに私の中傷者の声が聞こえてくる。彼らは証拠を要求している。アレッシア教団によって行なわれた他の多数の残虐行為と共に消え去った恐れがある証拠だ。しかしもう一つだけ考慮すべきことがある。それは、特定の場所に出向き、安全な距離を取ってミノタウロスの様子を観察しさえすれば、誰にでも明らかなことである。

もし荒野でミノタウロスを研究することがあれば、ミノタウロスが帝国にとって重要だった古代の遺跡かその近くに集まってるのを見掛ける。なぜか?それは彼らが、かつて自分たちが初期の帝国における強力な守り手だったことを本能的に覚えているからだと考えられる。アレッシア教団の行為が原因で、その注目すべき生き物はほぼ完全に滅んでしまったが、彼らはそこに引き寄せられ、守り続けずにはいられないのだろう。

笑いたければ笑うがいい。ひどい仕打ちは受けてきた。しかし少し時間を取り、せめて考えてほしい。自分に問いかけてみるのだ、ミノタウロスはどうして古代帝国の遺跡を守っているのか?そうすれば、ミノタウロスの価値をほんの少しは認めるようになるかもしれない。

ミノタウロスの歌The Minotaur Song

おおミノタウロス、おおミノタウロス
怒りに燃える荒々しい獣よ。
おおミノタウロス、おおミノタウロス
お前の高潔な姿は誰も否定できない。

帝国の遺跡に集まる、
蹄と角を持つ永遠なる守護者よ。
何の記憶がお前をそこに導く。
お前が惜しんでいるのはベルハルザか、それとも帝国か?

おおミノタウロス、おおミノタウロス
お前は怪物?エルフ?それとも人間?
おおミノタウロス、おおミノタウロス
どうやって神の計画に含まれたか教えてくれ!

リバー・トロールのフィールドガイドField Guide to River Trolls

エリンヒルのファラスタス 著

トロール種の起源はいささか不明瞭である。これは、彼らがどこからどうやって、どういう理由でやって来たのか、どうして存在しているのか、何もわからないということを言い換えただけである。

トロールが記録にも残っていない時代から、タムリエルの民間伝承に出没し続けてきたことは確かである。ほぼすべての文化において知られており、児童向けの寓話から古代人の歴史まで、あらゆる種類の物語に現れる。実際、トロールはコーセイの名高き「タムリエル論文集」でも触れられており、そこでは「貪欲なるトロールは、いかにも丸々とした巨体で[それは]民と王の肉を[等しく]喰らう」と言及している。

タムリエルにおける我々とトロールとの長い歴史を考えれば、人もエルフもトロールについて多くのことを知っているのが当然ではないだろうか。おそらくそうだろう。だが、知らないのだ。我々に知られている数少ない事実は以下である。

-トロールは獰猛で強大な肉食哺乳類であり、捕まえたものは何であれ、爪の先や骨髄に至るまで貪り尽くしてしまう。
-火以外の手段で傷つけられたトロールは超自然的な速度で回復する。この再生は魔法的な性質のものであることがほぼ確実である。
-トロールの脂肪は錬金術師に珍重される試料である。しかしその効能はレシピや精製技術によって変化する。
-その身体的な強靭さにもかかわらず、トロールは隠遁を好む生物であり、彼らの巣は通常、人が通る道から大きく外れたところにある。

これ以外に確実性を持って言えることはほとんどなく、様々な生息地に暮らしているとか、出身地域に応じた変種が存在するようだとか、その程度である。最も一般的で、それゆえ最もよく知られているトロールの種類は、タムリエル中部のフォレスト・トロールと極北のフロスト・トロールである。

しかし歴史や伝説は、他の種類のトロールがいることを伝えており、それらはあまり知られていないながらも、興味深いことにおいては引けを取らない。ヴァーデンフェルのラーバ・トロールなどのように、絶滅しているのがほぼ確実な種もある(もちろん、コーナークラブの話好きなダークエルフの妄想以外で、実際に存在していたとすればの話だが)。だが今日は、「貪欲なるトロール」のある希少種について述べておこう。このトロールには今でも確実に遭遇することができる。しかもアルゴニア中部やトパル島のような遠く離れた地域ではない。他でもないシロディールに住んでいる… もし、探すべき場所を知っていればの話だが。

私が言っているのは見つけにくいリバー・トロールのことである。帝国の獣と下級生物図鑑には載ってはいないだろうが、このトロールが実在することは私が容易に証明できる。私自らが個人的に、サッチの市場でリバー・トロールの死骸を目撃した。ブレナの支流に罠を仕掛ける、恐れを知らぬ狩人によって運ばれて来たものだった。彼女が私に語ったところによると、リバー・トロールたちは川沿いの洞窟や塚の中の目に付かないところを巣にしており、マッドクラブや大きな魚、クロコダイル、そして不用心な人間を同様に手の届く範囲で捕まえ、生き延びているらしい。リバー・トロールの目撃情報がこれほど希少なのはそのためだろう。出会っても生き残れるものがほとんどいないのだ。

死骸の外見は、火で傷ついていたとはいえ、この勇敢な狩人の報告を裏付けていた。よく見られるフォレスト・トロール種とは異なり、このリバー・トロールの皮は水をはじくキラキラした鱗で覆われており、銀がかった青色をしていて、丈夫であるだけでなく、加工も容易である。鱗のついた長い手は、爪のある指の間に水かきがついていた。そして牙は魚を食う生物に特徴的な、鋭く先の尖ったものであった。狩人が言うには、リバー・トロールは長い時間息を止めて、見られぬよう浅瀬に潜み、飛び出して奇襲をかけ、獲物を圧倒できるという。

この出会いがあって以来、私はシロディールの野生地で活動している他の人々に質問をしてきた。それでわかったのは、サッチのあの狩人の経験は特別なものではないということだった。リバー・トロールは滅多に見られないとはいえ、ブレナやストリッド、そして中央ニベン川系の流域に潜んでいる可能性があり、これらの地域で行方不明となっている家畜、および人間の少なからぬ割合は、疑いなくこれが原因であろう。自分が何をしているか知った今、私は自然の中での散歩を、より乾燥した高地に制限すると心に決めてしまった。何せ学者としての自分の経歴を、どこかの泥にまみれた川沿いの塚の中で、トロール種の餌食として終えたくはない!

リバー・トロールを駆除するようにRiver Trolls Exterminator?

レッドセイルの全船長へ

私が脱出するための秘密地下道に、2匹のリバー・トロールをおびき寄せるのが名案だと考えた馬鹿者はどいつだ?奴らのおかげで、入口の洞窟から地下道に入る野次馬はいないが、その一方で私が出入りしにくくなっている!

私が最後に城を抜け出した時は、ローストダックで一杯の手桶を遠くへ丸ごと投げる必要があった。さもなくば、あの恐ろしい獣の横を通れなかっただろう。

私が安全にトロールを回避できる方法を編み出すか、あの生物を私のトンネルから追い出せ!次に私が秘密の通路を使う必要のある時に奴らがまだいたら、お前達をまとめて一緒に閉じ込めてやる!

フォーチュナタ・アプドゥガル

ルシナ・ファレリアの墓碑銘Epitaph for Lucina Faleria

涙を止めよう

ルシナ・ファレリア

421年 薄明の月19日死亡

享年 47歳

レッドセイルの台頭Rise of the Red Sails

海を使って取引を行う大半の商人にとって、海賊は避けて通れない問題である。しかし、船乗り以外の者に海の厄災の原因となる人物の名を一人挙げてみろと言っても、間違いなく非常に困惑されるだろう。内陸に住む人々の耳に届くほどの悪行を成し遂げる海の無法者はほとんどいない。しかし、レッドセイルとそのリーダー、海賊女王フォーチュナタ・アプドゥガルにだけは、例外的にこのルールが適用されない。彼らの悪名はアビシアン海の沿岸全体に広まっており、海辺に住む人々にとっては、誰もが知っている万能の幽霊のごとき恐ろしい存在なのである。この評判は比較的最近になって広まった。

つい最近までレッドセイルは、他の海賊達と同じように自由気ままで目立たない存在だった。元々はストリッド川沿いの小さな集落を襲っていた襲撃者の集団だったが、フォーチュナタ・アプドゥガルが現れたことで新たな時代が始まった。この襲撃者達はすぐにレッドセイルとして知られるようになった。彼女はゴールドコースト貿易会社での自分の地位を利用して彼らを仲間に引き込むと、すぐに艦隊の編成に取り掛かった。

フォーチュナタの野心的、あるいは恐れを知らぬ指導力によって、襲撃者達はアビシアン海に初めて船を出した。そしてこの襲撃者達の小さな部隊は、無謀と言わざるを得ない状況の中で、自分達の船よりも大きな海賊船に乗り込んだ。海賊船の船長は小さな川舟があることに気付いていたが、判断を誤り、その船の接近を許してしまったのである。狡猾で残忍なフォーチュナタ達は、海賊船の船長を捕獲すると降伏を迫った。敵船の船員達には誓いを立てて彼女の元で働くよう提案し、前船長と将校達については、仲間達にマストから吊して殺すよう命じた。そしてフォーチュナタは、それ以降彼らの象徴となる、敵の血が染み込んだ帆を掲げたのである。

そしてフォーチュナタは、商人王としての人脈とレッドセイル海賊の台頭する力を利用して、船長と船員という立場を保ちながら、この無法な悪党の一団を君主と臣下という封建的な階級制度を持つ集団に作り変えた。数々の急襲作戦を成功させていくつもの海賊船と商船を拿捕したことで、彼女の旗の元にはますます多くの船長達が押し寄せるようになった。海賊女王とレッドセイルの恐ろしい評判は野火のように港から港へと広まっていき、その襲撃は恐怖の物語として、焦げ臭い酒場や混雑する宿屋で当たり前のように語られるようになった。

適切な時期を見計らっていたフォーチュナタとその艦隊は、ついにアンヴィル港に入ると、都市全体を支配下に置いた。現在、フォーチュナタ地方総督とレッドセイルは、白地に血染めのサーベルの旗のもと、20隻以上の船を所有していると言われている。正統な海軍を手に入れたことで、彼女はあらゆる港を自由に使えるようになった。帝国海軍の妨害がない今、彼女がゴールドコーストの先に目を向けるようになるのは時間の問題だろう。レッドセイルはあらゆる野望を果たしたと考える者がいるかもしれないが、それは単に現実から目をそらしているだけである。

アビシアン人よ、気を付けろ。嵐がやってくる。

レマンのフォーチュンロールReman’s Fortune

運命の聖なる教えに背く者は、労働の成果を味わえない。

淫らなネレイド劇団Naughty Nereid Players

皆集まってよく聞け!淫らなネレイド劇団が街にやってくる!

ほんのわずかな金を払えば、お気に入りの物語のセクシーで大胆、そして猥雑な描写の公演を見られる。演じられるのは、淫らなネレイド劇団のみ。

見れば見るほど艶やかになる千の顔の淫らな女、魅惑のティルウェンに驚愕せよ!

巨山の男、トリド・トロロンに心躍れ。彼はその眼差しだけで、男女両方の心をとろけさせる。

ハンマーフェルの燃える砂で鍛えられた魅惑と快活さをもつ、謎に包まれたリタベスの虜となれ。

劇団は、あなたのお気に入りはすべて演じると約束しよう。公演内容は、「ネッチよ、いたるところに!」、「勇敢なる小さなスクリブ」、「ペソリスとアルゴニアンの乙女」を含む。

荷物の準備完了Your Package Is Ready

荷物を確保し、前金も受け取った。手はずは整った。港でラウディ・グアル号を見かけたら、真夜中過ぎに埠頭へ来てくれ。荷物を渡す。

封のされた樽を探せ。青い炎を上げる杖が目印だ。金の入った袋を私から見えるように樽の上に置くんだ。そこで、お互いに持ってきた物の受け渡しをする。

金を数え終わったら、樽の横腹を叩く。そうしたらリンゴや魚を運ぶように、樽を家まで持ち帰ってくれ。倉庫長には話を通してある。だからレッドセイルに呼び止められることはないはずだ。もし何か言われたら、「ネズミの肉」を運んでいると答えろ。それで通じるはずだ。

樽の中から音や叫び声が聞こえてくるんじゃないかと心配しているかもしれないが、その点は大丈夫だ。上陸する前に、私の作った特別な薬でそうならないようにしておく。そちらの荷物は、家に持ち帰るまで間違いなくおとなしくしているはずだ。たとえ転がしているときに倒したとしてもだ。その効果を和らげるための薬も渡す。

この荷物であれば絶対に満足させられるはずだ。だが、飽きてしまったら、お望みとあらば、また他をすぐに用意することもできる。金さえあれば、いつでもブツは手に入れられる。

海賊女王の栄光Glories of the Pirate Queen

お前達ゴロツキの多くは、誉れ高きフォーチュナタ船長と航海する喜びを味わったことがない。そこでだ。崇高で輝かしい地方総督のことを正しく理解させるため、以下に事実を列挙する!

フォーチュナタ船長が声を上げれば、風が耳を傾ける。

フォーチュナタ船長は過去一度も壊血病を患ったことがない。壊血病が彼女をイラつかせたくないからだ。

フォーチュナタ船長はかつて、ものすごいくしゃみをして船を沈めたことがあるが、乗船していた船乗り達は溺れなかった。彼女が生きろと命じたからだ。

フォーチュナタ船長が風に向けてオナラをすると、ハリケーンが生じる。

フォーチュナタ船長はかつて、エバーモアの街につばを吐いたことがある。ビョルサエ湖はそこから生まれた。

頭の悪いダークエルフはかつて、フォーチュナタ船長は歌えないと言った。彼女は奴を思い切り殴ったので、空へ飛んでいった。我々は奴が落ちてくるのをまだ待っている。

フォーチュナタ船長が剣しか扱わないのは、その小さな指で殺すのに飽きたからだ。

フォーチュナタ船長は釣りをしない。魚がほしい時は魚がデッキに上がり、自らを料理する。

鮫はフォーチュナタ船長を噛まない。なぜなら歯を折りたくないからだ。

デイドラ公はフォーチュナタ船長と取引したいと頭を下げる。

そして、これは愛する海賊女王の栄光の始まりに過ぎない!

噛まれたメモChewed Note

ワーロシュをここに連れてきて卵に受精させるときは、子供達が走り回っていないか確認しろ!

何回説明すればいいんだ?ワーロシュが子供達を攻撃すれば、ワーロシュが子供達に傷つけられる!この辺りに成熟した雄はワーロシュしかいない、彼がいなければ卵は全て無駄になってしまう。

もう一度面倒を起こしたら、お前をワーロシュの餌にしてやる。間抜けな騎士達との約束なんてどうでもいい。

パーネイ隊長

騎士団に加われ!Join the Order!

アルトリウス大司教とアカトシュの聖なる意志により、犯罪行為から足を洗い、時の竜神に魂を捧げたレッドセイルには、過去に犯した不法行為についてその真偽を問わず、無条件に恩赦を与える。

時の騎士団はそのような人々が聖なる軍団に加わることを歓迎している。用意している赦免状の配布が終わるまで、砂時計の居留地で定期的に申し込みの受付を行う。

急げ!騎士団はあなたを必要としている。あなたに永遠の救済を。

疑わしいメッセージSuspicious Message

美しき暗闇は、調査の次の段階のために配達場所を変えることを要求した。クヴァッチ周辺の新たな場所に、お前の発見物と巻物を置いてくるのだ。正確な地図のためには、以下に記された部分のすべてが必要だ。

次の伝令が届けられるように、お前の暗号を下部に置いておくこと。

-狼の絶え間なき流れ
-闘士の上の止まり木
-永遠の騎士
-道を見下ろす場所

吸血鬼信奉者の告白Confessions of a Vampire Devotee

吸血鬼の女王、ザラル・ドーのことを初めて耳にしたのは、エルデンの市場を回っていたときのことだった。噂は興味深くもあり、恐ろしくもあった。権力と悪評を得たカジートのことを、人々は恐れとかなりの尊敬をもって、その名を囁いていた。正直に言うと、私は幼少期以来、吸血鬼として生きることのリスクと恩恵をずっと考えていた。そして吸血鬼の物語を聞くにつけ、噂を理解するにつけ、自分の目的を理解するようになった。

ザラル・ドーを探し出して説得し、私を吸血鬼に変えてもらうことだ。

どうして私が吸血鬼になりたいか?それはいい質問だ。確かに、この執着心にとりつかれてからというものの、自問したのは1度きりではない。思うに、力への欲求と、一部の学者が繰り返し主張する吸血症とセックスの相関に関係しているのではないだろうか(そう、私は本件に関する本と手紙を探し出し、すべてを読破した)。だが、全てさらけ出してよいのなら——そしてこれは私の個人的な日記であるから、そうするべきか——私が本当に魅力を感じたのは、吸血鬼の一族の長寿だ。古代種は数百年、時として数千年も生きられると読んだことがある。幼少期に早すぎる両親の死を経験した身としては、この「不死」という選択肢には非常にそそられた。

血を飲むことについては、あまり積極的になれないが、何事にも一長一短はあるものだ。世界の仕組みと同じといえる。飲み始めは気分が悪くなるかも知れないが、忍耐をもって事に当たれば、やがて深紅の流体が毎夜の楽しみにさえなることだろう。知的生物の血が必須だろうか?むき出しの牙はそのためにあるのだろう。

私がザラル・ドーのねぐらを見つける前、吸血鬼の女王に自己紹介をする前に、メル・アンドリスという狩人が街にやってきた。街の衛兵との会話を盗み聞きしていた私は、彼が失踪と不審な死について問いかけ、ザラル・ドーの名を口にするのを目撃した。私が吸血鬼の女王に会い、見習いを申し出る機会を彼が台無しにしてしまう。私は狩人を追って、彼がザラル・ドーの痕跡を探し出し、ねぐらまで辿り着くのを見た。もちろん、吸血鬼はいなかった。彼女の知性を考えれば、メル・アンドリスのような者が捕捉できるはずもない。

以後、見つからないように数ヶ月を費やして、できる範囲で吸血鬼ハンターを尾行した。分かったことといえば、ザラル・ドーを探し出せる能力は、彼の方が高いということだ。吸血鬼の女王にさえ近づければ、メル・アンドリスを遠ざけて吸血鬼の力の報酬をくれるように、彼女を説得できると確信していた。この夢こそが、グラーウッドからグリーンシェイド、マラバル・トール、そして最終的にゴールドコーストまで狩人を追跡した私の原動力となっていた。

はたして天は私に味方した。船がアンヴィルに到着すると、吸血鬼ハンターは具合が悪くなった。ひどい嵐を通過したせいで、不憫な男は病気になったようだ。これで、私はザラル・ドーの手がかりを探し、メル・アンドリスよりも数歩有利な状況に立った。吸血鬼の女王はロータ洞窟に巣を構えていると思われる。血の渇きがやってきた際に、アンヴィルの獲物を追うには最適な場所と言える。私は洞窟まで足を運び、吸血鬼の女王に姿を見せるつもりだ。彼女の見習いになるのが待ちきれない!

恐ろしき悪の暴露Exposing a Terrible Evil

かつて素晴らしい街であったクヴァッチを犯罪と堕落だらけの掃きだめに変えてしまった、犯罪者とならず者にはもう我慢できない。そんな悪党どもの中で最もひどいのは誰だと思う?密売人でも山賊でも海賊でもない。あの毒蛇の集団、まともな商売を装っているあの秘密の教団だ。噂話を聞いたことがある者もいれば、伝説を知っている者もいるだろうが、その全貌、血にまみれた真実を知っているのは私だけだ!そして今、残酷な狂信者たちを白日の下にさらしてやるつもりだ!闇の一党よ、いかに卑劣な殺人者か、明かされる覚悟をすることだ!

* * *
兄弟の所有していた書類に混ざって、この書きかけの手紙を見つけた。そして証拠や秘話、さらに宗教的な禁欲主義者を自負しながら落札者に闇の能力を売る者たちに関する、とりとめのない推測で埋め尽くされた日記も見つけた。完全に証明することはできないものの、私から見れば兄弟の最期について不確かなことなど何一つない。腐った赤キノコのシチューを食べたから死んだのではない。違う。あの堕落した信者によって残酷にも暗殺されたのだ。その指示はあの夜——

* * *
なんてことだろう。最初は義理の兄弟。そして今度は夫。自分の家の男たちがこれほど弱く、若くして死ぬ傾向があるなんて、誰も考えはしないはずだ。2人の兄弟に起きたことには、一見明白な結論では片付けられない何かが隠されているのかもしれない。たくましく、健康的で男盛りの2人が、机で書き物をしている最中に突然倒れて死んだという話を信じろって?私は2人が書き始めていた手紙をよく調べ、殺し屋や、真夜中に行なわれる闇の儀式について書かれた、悪事を暴く日記をじっくり読んでみた。

すべて読み終え、出すことができた結論はただ1つだけだった。夫と夫の兄弟が死んだ理由は… 自然死だ。ゴールドコーストでは、雇われた殺し屋の教団なんて活動していないのだ!もし違うことを言うような者がいたら、おそらく私の最愛の夫や役立たずの兄弟のような最期を迎えることになるだろう。だからこれを読む人がいたら、私は日記を焼き払い、くだらない殺人の話を忘れることにすると言っておく。

とはいえ、しばらくの間、赤キノコのシチューを食べることはないだろう。

興味深いアイレイド遺跡Intriguing Ayleid Ruin

とても興味深いアイレイドの遺跡をゴールドコーストの荒野に発見した!将来、キレスと僕が戻ってきて、遺跡の適正な調査と目録を作成できるよう、地図に印をつけておいた。僕に分かるのは、遺跡の扉が強固に封印されていることだ。ずっと長い間、誰も足を踏み入れていないのだろう。

何ということだ!資金を援助されているハンマーフェルの探検が僕たちを待っているというのに、この心惹かれる遺跡は目の前に鎮座して、僕たちが奥深くに進むまで辛抱強く待っている。キレスと僕にお金さえあれば、必要な道具を購入して、すぐにでも中に入るのに。

まあ、少しメモをしておこう。ページが頻繁に抜け落ちてイライラする、癖のあるキレスの日記を使うのは嫌だが、手元にはこれしかない。このページは絶対に落とさないはずだ。結局、僕は優秀なレイノー・ヴァノスなんだから。

銀なる暁の任務Silver Dawn Contract

浄化師ガンサファーへ

尊敬すべき教団を代表してこの聖なる義務を引き受けてくれたことに感謝する。この世界から汚れたライカンスロープ症の呪いを排除するために、銀なる暁と神々の司祭達はたびたび協力し合ってきた。是非とも、もう一度力を貸してもらいたい。

今回の標的は、ヒルデガルドという名の若いノルドの女性だ。彼女は髪に花を付けていて、頻繁にアンヴィルのディベラ大礼拝堂を訪れている。だが、その見た目に騙されるな。目立つような体格ではないが、怪物の心の持ち主だ。

彼女が今度礼拝堂を訪れたとき、呪いを与えたスカイリムの森に戻るよう彼女を説得するつもりだ。彼女を追跡して始末しろ。とにかく全力を尽くすんだ、そうすればお前達は多額の寄付金を手にできる。

詠唱師ネムス

銀のウェアウルフThe Silver Werewolf

ヒルデガルドの話

ある日、トロルヘッタ山の坂道でウサギ狩りをしていた銀のウェアウルフは、風に乗って聞こえてきた泣き声の方に耳を向けた。誰かが苦しんでいるのを無視できるものなどいない。銀のウェアウルフはウサギを繋いだ紐を肩に掛けると、声のする方にゆっくりと向かった。するとやがて、火の消えたキャンプの前で、空を見上げながら一人悲しみの声を上げている、髭の生えた大きな巨人の元に辿り着いた。

「なぜ泣いているんだ?」と銀のウェアウルフはうなり声を上げた。彼女が首に掛けていた疾き狐グリベグのメダルのおかげで、巨人はその言葉を理解できた。

「妻がいなくなった。子供もいなくなった。消えたんだ。寝ている間に。小さな足跡がたくさんある。ゴブリンに連れ去られたのかもしれない」

彼の言ったとおりだった。銀のウェアウルフの鋭い嗅覚は、少なくとも10匹のゴブリンの臭いと、麻痺性の毒の独特な香りをかぎ取っていた。巨人の家族は死んでいない。だが間もなくそうなるだろう。殺されて腹を空かせたゴブリン一族の食糧になるのだ。そんなむごい運命を迎えるに相応しいものなどいない。

銀のウェアウルフは背筋を伸ばして低くうなり声を上げると約束した。「彼らはゴブリンから解放される」

「皆を家に連れてきてくれたら、何でも言うことを聞く」

「お前に笑顔になってもらいたい」とだけ彼女は言った。

銀のウェアウルフは地面に鼻をつけると、トロルヘッタ山に残されたゴブリンの臭いを追い、スモークフロスト・ピークスを越えて、ロストプロスペクトの端にあるゴブリンの巨大なキャンプに辿り着いた。ひとつの場所にこれだけのゴブリンがいるのを見るのは初めてだった。ゴブリンでもこれだけいれば、巨人を食糧にするために勇気を奮い立たせて誘拐できた。小さな部族であれば執念深い巨人を怒らせるようなことは絶対にしない。

10匹程度のゴブリンであれば無傷で倒すことができる銀のウェアウルフでも、相手が数百となると話は別だった。彼女は冷静にならなければならなかった。そして近くにある死体の臭いが、彼女にひとつの策をもたらした。彼女はノルドに変化すると、この死んだ女の衣服に身を包んだ。その服を着た彼女からはもはや全く殺気は感じられなかった。そして彼女は、雪の中、道に迷った可哀想なノルドを演じながら、ゴブリンのキャンプに転がり込んだ。

ゴブリンはすぐに彼女の元に来たが、彼らが目にしたのはぼろ切れに身を包んだ無防備なノルドの女だけだった。素晴らしい褒美だ。彼らは銀のウェアウルフを傷つけることなく、しっかりと縛り上げると、捕らえた獲物を調理するまで保管しておく食糧貯蔵庫に連れていった。

彼女が考えていたとおり、自信過剰なゴブリン達は彼女の計略にかかったのだ。ノルドの体に包まれていたものの、銀のウェアウルフの鼻は近くに巨人がいることをかぎ取っていた。後は夜になるまで待ち、巨人の家族や自由を求める者達と一緒に逃げるだけだった。

夜が訪れ、ゴブリン達が眠りにつくと、食糧小屋の周りをうろつくのは訓練されたヅラゾグだけになった。分厚い雲のせいで月がおぼろで、狩りには向かない夜だった、だが隠密行動にはもってこいの夜だ。この檻であればノルドを閉じ込めることはできる。だが、彼女の獣の力の前では無力だった。

銀のウェアウルフはその鋭い嗅覚を使って、影のように静かに辺りを散策し、ついに巨人の閉じ込められている食料小屋を見つけた。静かに扉を開け、中に入り、巨人とその子供を縛りつけていた縄を引き裂いた。

「お前の愛する者が、お前が消えた場所で待っている」彼女は小さくうなり声を上げた。

「ありがとう、月に口づけされし者よ。これで彼にまた会える、絶対に帰ってみせる」

そしてキャンプから出ようとしていた銀のウェアウルフは、ノルドが閉じ込められている食糧小屋を見つけた。彼女は、生きるためでなく遊びで殺しをする狼殺しや動物達のことを嫌っていた。だが彼らにも利用価値があるということは分かっていた。

「すぐに逃げろ!」彼女は巨人に向かってうなり声を上げると、ノルドの食糧小屋を引き裂き、歯をむいてヨダレを垂らしながら彼らを爪で威嚇した。

ノルドは悲鳴を上げながら檻から飛び出すと、四方八方に逃げ、ヅラゾグとゴブリンの注意を引き付けた。その混乱の中、銀のウェアウルフは巨人を見つけると、彼女をキャンプの外れに連れていった。ゴブリンが彼らの前に立ちふさがったが、銀のウェアウルフの爪と牙に引き裂かれ、復讐に燃えた巨人に何度も殴りつけられて粉々になった。

すぐに追ってくるのはヅラゾグだけになった、だが銀のウェアウルフが耳をつんざくような遠吠えを上げると、臆病な犬達は飼い主の元へとすぐに退散した。銀のウェアウルフは、一部のノルドも逃げることに成功したことに気付いていた。彼らはすぐにゴブリンを倒すために、大群を引き連れて戻ってくるだろう。そしてノルドは実際にそうした。その時ばかりは銀のウェアウルフも彼らの幸運を祈った。

銀のウェアウルフは闇に紛れながら、巨人と一緒にトロルヘッタ山を登り、キャンプへと戻った。そして家族達は再会を果たした。孤独な巨人は子供と妻を抱きしめると、しわがれた声で感謝の言葉を言った。

「どうすればいい?どうやって恩返しをすればいいんだ?」

自分の子供達を思いながら彼女は答えた。

「笑顔になってもらいたい。お前が彼らを一番大切に思っていることが分かるように」

そして彼はそうした。

血の連祷Litany of Blood

アヌの元に生まれた人々に、夜母の災いあれ。

死の牢獄の向こう側から、あなたの冷たい刃の抱擁をもって、我が罪深き瞳を見た者を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

スカイウォッチから、踊り続けながらその瞳と服に神々を映し出す彼女を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

エルデンルートから、木々と同じように老いて捻れ、腰が湾曲ではなく曲がっている彼を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

マーブルクから、鳶色のベールを被りながら市場を調べ、心臓の近くに常に銀を携えている彼女を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

バルクワステンから、麦わらとその尻尾を振って、季節を追い払う彼女を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

ラウル・ハから、茶色と金色の縞を着た彼を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

ダボンズ・ウォッチから、銅線細工に覆われた、銀であり、灰であり、炎である彼を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

モーンホールドから、赤い紋章を付けて行進し、湾曲した鋼を振るう彼女を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

ストームホールドから、泥がこびりついているがぬかるみに触れていない、光り輝く骨の光輪を持つ彼女を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

ウィンドヘルムから、時の流れにより腰が衰えているが、その年月から黄金の王冠を守り続けている彼女を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

リフテンから、海藻が腕に巻き付き、インク汚れが付いている彼を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

ダガーフォールから、その心と同じように退屈な外見と知力を持ち、同じようにひんやりとした服を身につける彼を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

ウェイレストから、深紅のカーテンと傷ついた顔の向こう側からのぞき込み、その正体を隠す彼女を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

ショーンヘルムから、喜びのない頑なな笑顔を浮かべ、死を姉妹として歓迎する彼女を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

センチネルから、金色の檻にぶら下がった美しい黒いロープをたなびかせる彼を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

* * *
アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

エバーモアから、心にたくさん傷を負っているが、それを恐れず誇らしげに受け入れる彼女を捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

血の連祷、完遂Litany of Blood Fulfilled

アヌの元に生まれた人々よ、汝、恐怖の父の生贄となれ。

夜母よ、あなたから生まれた人々を生贄として受け入れたまえ。

呪いが隠そうとした彼らを捧げよう。

目を見れば彼らを見つけられる。

称えよ、彼らが血の中で涙を流している。

五つの戒律The Five Tenets

伝えし者テレヌスによる注釈付き

兄弟たちよ、我々は捕食者ではあっても、動物ではない。我々は国家や同盟のいかなる法にも従わないが、規則と倫理は持っている。これらの教義を破る、あるいは従うことを拒絶するならば、その危険を覚悟するがいい。闇の一党からの追放は、そのような忌むべき裏切り者を待ち受ける処罰の内で最小のものである。

五教義に従い、お前の献身に決して疑いを持たぬようにせよ。

教義その1。夜母の名誉を決して汚さぬこと。これを破ることは、シシスの憤怒を呼び起こす。

夜母を崇拝せよ。我らが不浄なる母は我々の任務の供給源であり、闇の一党の生命線である。

教義その2。闇の一党を裏切らず、その秘密を決して明かさぬこと。これを破ることは、シシスの憤怒を呼び起こす。

我々は影の中で繁栄する。その影に光を当てることはシシスと夜母への冒涜である。

教義その3。闇の一党の上官からの命令に対する不服従、あるいは拒絶は許されない。これを破ることは、シシスの憤怒を呼び起こす。

聞き、そして従うこと。闇の一党のすべてのメンバーに与えられる最初の教えである。

教義その4。闇の兄弟や姉妹の所持品を決して盗まぬこと。これを破ることは、シシスの憤怒を呼び起こす。

兄弟から盗みを働くことは、夜母から盗みを働くことである。シシスはそのような盗賊を憎む。

教義その5。闇の兄弟や姉妹を決して殺さぬこと。これを破ることは、シシスの憤怒を呼び起こす。

我々は家族であり、家族は家族を殺さない。メンバーが追放されない限り、その命は自分自身の命と同様に神聖である。

この契約を守れなかった時、裁きのためにやって来るのはお前の親類ではないということを知るがよい。すべての新たな入門者に伝えられるレイスの物語を覚えておけ。物語はただの寓話ではない。シシスの憤怒は本当に存在しレイスを送って教義を破った兄弟や姉妹を処罰させる。

黒き手The Black Hand

市井の歴史家、ジョーン・アリニー 著

闇の一党としてのみ知られる地下組織の詳しい調査は、長く困難なものだった。だが何年もの研究、数えきれない面談、そして幸運に恵まれて、ついに殺人教団の指導組織を突き止めた。悪名高い黒き手だ。以下の記述は理論と憶測で補強されているものの、私が作り上げた概要に基づく分析結果は、事実に基づき間違っていない。

闇の一党のアサシンに命令する力を持っているのは、黒き手と呼ばれる一団だ。一般的な手と同じく、そのグループは5人の構成員からなる。4本の指と親指だ。指に相当する構成員は伝えし者と呼ばれ、親指に相当する構成員は聞こえし者と呼ばれる。称号と位階はこの教団に入っていない人間には馬鹿げて聞こえるが、アサシンは彼らの言葉を非常に真剣に受け止めている。

ここで、より不思議な概念を説明しなければならない。信じ難く、下位のアサシンを制御するために用いられる伝説のようにも聞こえるが、私が明らかにした限り、教団はこの概念を固守している。ほぼ神格化された影の女族長、闇の女、またの名を夜母と言われる存在が、闇の一党を率いているという。どうやら、闇の女を見た者はいないようだ。かわりに彼女は聞こえし者にささやいて命令し、聞こえし者は伝えし者を1人選んで命令を伝える。そして、ほとんどの命令は殺人に関係している。

聞こえし者は何を聞くのか?詳細は分からないが、知識に基づいて推測すれば、顧客から闇の女に依頼された殺す対象の名前か目標だと推測できるだろう。聞こえし者はこの情報を伝えし者の1人に渡し、この伝えし者が個人の一存で実行犯となるアサシンを選ぶか、または下位の部下に情報を伝えて任務を授ける。

私が知る限り、アサシンは1ヶ所に集まらない。この教団はその構成員をヘヴン、聖域、避難所、アサシンポートなどとして知られる、小さく自給自足した集団に分けている。ここでも情報はしばしば変動し、相反することさえあるが、様々な情報の中から真実を理解するため私は最善を尽くした。特定の地域からアサシンを広く放つために作られたと見られるこうした安息所の指導者たちは、卿、統括せし者などと呼ばれる(ある文献では未亡人と呼ばれているが、私の研究の中ではこの他の呼称のほうがより一般的である)。伝えし者は部下に命令を伝え、行動を起こすアサシンを選ばせることができる。

最終的に、私はそれぞれの伝えし者が個々のアサシンに命令を下すことがあると突き止めた。おそらくは本当に特別な任務のためだと推測する。個々のアサシンが手首や指の関節といった体の一部と考えられているのかどうかははっきり言えないが、黙りし者、静かなりし者、または奪いし者という称号が与えられている可能性があることがわかった。威圧的で、馬鹿げた名前でもある。彼らは他に類を見ない最上の殺し屋と考えられている。黒き手の構成員となっているかどうかについては確証は得られず、また彼らがどのように命令を受けとるのかという情報も見つからなかった。

闇の一党。黒き手。おかしな殺し屋の教団としては芝居がかった名前だ。だが、殺し屋に変わりはない。

時の騎士団Order of the Hour

アカトシュの司祭、説教師エクソードー・ヴァシディアス 著

時の騎士団は帝国最古の騎士団の一つである。第一紀、帝国の初期に誕生し、第二紀の間にひっそりと消えた。エノン・デカンはアカトシュに身を捧げる騎士団として創立したが、当初からメンバーには聖職者と軍人が混じっていた。

現在の時の騎士団は、第二紀432年にアカトシュの戦闘司祭カボー・メルラによって、第二帝国の崩壊とロングハウス帝の到来に応じて作られた。竜神の司祭の安全が脅かされていると感じ、アカトシュ大聖堂と数多くの歴史的、宗教的に重要な宝を保護する目的で、カボーは献身的で信頼の置ける仲間の司祭を集め、大聖堂を守るために自身と仲間の身を捧げた。その日、時の騎士団は再誕した。

やがて、信心深い兵士とアカトシュに仕える戦闘司祭が、騎士団の旗の下に集まり始めた。しかし、懸念されたようなロングハウス帝の神々に対する報復は実際に起きず、時の騎士団は大聖堂やアカトシュの信仰の指導者である大司教に仕える、小規模ながら精鋭たる護衛隊に姿を変えた。訓練を続け、戦闘への準備を保ちながら、時の騎士団は様々な意味で主に儀式的な組織へと発展した。何らかの脅威に襲われることは時々あったが、騎士団には対処する準備ができていた。

例えば、第二紀467年クヴァッチのパン暴動。赤麦病で2年続けて不作になったことで恐怖と怒りを抱いていた民衆は、アカトシュとその司祭たちが状況を正すために十分な手を打っていないと考えた。グラフ・ボジョールは斧とたいまつを掲げた暴徒を大聖堂の階段まで率いて、暴力を行使して自分たちの不満を知らしめようとした。しかし時の騎士団はその攻撃に備えており、セヴェラ修道女と戦闘司祭たちは群衆の半数を、たいまつが投げられる前に虐殺した。大司教は苦難が終わるように祈ることを約束し、次の季節が訪れる頃には病気が自然と収まっていた。

時の騎士団の勇敢さと献身を示す例は他にもある。第二紀540年にファラスタス大司教を暗殺者の剣から救ったこと、そして第二紀561年に司祭と巡礼者が乗ったキャラバンを山賊から救い出したことなどだ。騎士団は大聖堂、そしてその延長として司祭や、その聖なる場所を使う崇拝者に仕えて守るという誓いに迷うことなく従っている。

第二紀480年、アカトシュ大司教による布告により、宗教的緊急事態においては騎士団に軍隊を結成する許可が出された。宗教的指導者のみに応える形で、軍隊化した騎士団はオークのカリスマ的略奪者、剣折りのバズが率いた悪党集団から街を守るため、クヴァッチの城壁に出向いた。騎士団による奮闘のおかげで、悪党どもは敗北して街は救われた。その直後に軍隊は解散し、騎士団は大聖堂における通常の任務に戻った。

騎士団への入団者は信心深いアカトシュの信徒で、完全に騎士団とその厳しい規則に身を捧げられるように、未婚でなくてはならない。騎士団は小規模な戦闘司祭の集まりとして始まったものの、その組織は近年その受け入れ条件を広げ、聖職者でない者も誓いを立てられるようになった。騎士団に誓いを行うと、メンバーは戦闘術と大聖堂の安全を守るために必要なスキルを磨く厳しい訓練を受ける。

帝国が崩壊して三旗戦役が始まり、ゴールドコーストがシロディールから孤立した際、クヴァッチ大司教アルトリウス・ポンティカスは、直ちに時の騎士団の力と権限を強化することに取り掛かった。コマンダー・マルクス・スキピオに騎士団の規模を拡大するよう指示し、騎士団の務めが大聖堂の境界に縛られず、クヴァッチの街全体に及ぶよう拡張を始めた。それは大司教がこれまで何度も言っていたように、「危険で困難な時期にクヴァッチ衛兵の軍事力を強化するため」に行なわれた。誰が見ても分かる通り、大司教はクヴァッチと人々のことだけを最優先に考えているのだ。

街と大聖堂に対する昨今の脅威を受けて、クヴァッチ伯爵はアカトシュ大司教に緊急事態の権限を与え、再び騎士団を軍隊に変えられるようにした。今日、時の騎士団は組織の歴史上最多の人員を抱えている。拡大を続ける軍隊は、献身的な戦闘司祭たちと、信仰心のある熱心な兵士たちの両方によって構成され、現在の騎士団はアカトシュ大聖堂の土地における安全を維持して平和を保つだけでなく、クヴァッチ全体の平和を維持している。ヴァレンの壁の向こう側でどんなに事態が混迷しようとも、クヴァッチでは騎士団がすべてをうまく治めているのだ。

自分自身につく嘘The Lie We Tell Ourselves

愛しき母へ

あなたの名前を覚えている。私の周りは嘘つきだらけで、自分も嘘つきになってしまった。でも私の嘘には、密かな殺人の影に飛び散る血液のように、あなたの支配する世界がはっきりと見える。だから彼らの前で真実を叫んだり、死者の耳にあなたの名前を囁いたりしたくなっても、それを秘密にすることが私の信条であり、私の楽しみであり、正しいことなのだと自分に言い聞かせる。

ただあなたともう一度だけ話したい。なぜ私じゃ駄目なんだ?私はいつもあなたの声を求め続けてきた。彼らが私を闇の姉妹と呼ぶようになる遥か前、私はあなたの闇に包まれていた。私はキマイラだった、あなたのために幾度となく姿や形を変えて、無数の嘘をつき続けた。あなたに見てもらうために。聞いてもらうために。彼らは自分達のことを聞こえし者と呼んでいる、だが私より希望と願望をもって、あなたの囁きに耳を傾ける者はいない。

私は八つの影に隠れながら、あなたの教えに従って歩き続けている。私は偽りの生活をし、人々を殺めている。恐怖の父ではなく、あなたのために。彼らは自分達のことを伝えし者と呼んでいる、だが私以上に強い信念を持ちながら、あなたの言葉を伝える者はいない。

私が建てた祠が見えるだろうか?私の体は祠だ。どの顔も真実ではない。嫉妬によって生まれ、嫉妬によりそれを感じる。誘惑の力。恐れの抱擁と支配、家族と真実の裏切り。他者を殺し、自分を殺す。飽くなき願望。そしてあらゆる宝物が偽物だったとき、私が感じて解放する怒りを。あなたの、そう、あなたの中で再び感じるのだ。

愛する母よ、あなたの名前を覚えている。だがあなたが望むのであれば私は嘘をつき、その嘘を愛そう。それがあなたの教えなのかもしれない。宝物は偽りだ。

失われたファレリア砦The Lost Fort Faleria

アレッシアの教義が出来た直後、シロディール初期の伝説によれば、クヴァッチ王国の摂政評議会を構成する3人の領主がいた。王と2人の領主の名は歴史の中で失われた。しかしファレリア卿の名は、人は愛する者を守るためどこまでできるかという訓話の中で夜ごとささやかれている。

ファレリア卿は若かりしころ、秘密裏にそして家族に恥ずべきことに、闇の魔法と死霊術に長けたエルフの研究者と恋に落ちた。ネナラータのアイレイドは帝国に忠誠を誓っていたが、彼らは上流社会でいまだ認められていなかった。彼らは共に失われた秘密について研究し、共にいられる方法を見つけようと模索した。彼らは秘密裏に結婚し、帝国の布告が終わりを告げるまでは短い幸せを楽しんだ。

粛清から妻を隠すため、ファレリア卿はその要塞を地下にトンネルを張り巡らせて拡張した。空間魔術と雇った労働者の汗、ミノタウロス種族の助けによって空間を拡張した。その地下施設は妻のアイレイドの祖先のもののように、壮大で同様に凶暴だった。

各棟が完成すると、彼らはひそかに労働者を抹殺した。埋められた者がいた。ファレリア卿とその妻の寿命を延ばすために命を抜き取られた者もいた。中には不死のガーディアンとして生き返った者もいた。ファレリア卿は噂と秘密を漏らすことはできず、死人には口がなかったのだ。

棟が拡大すると、ファレリア卿の家族も増えた。彼はエルフの子供たちを、死と帝国による追放から守るためなら何でもすると誓った。ファレリア夫人は3番目の子供を産む際に亡くなった。喪に服した彼は地下道に巨大な真鍮の墓碑を立てて愛を誓い、子供たちを帝国の狂信的な信者から守るためにあらゆることをすると約束した。

このとき、ファレリア卿は闇魔術の研究にのめりこみ、どこか遠い領域で罪なき者を犠牲にして得た闇の力で、物騒な魔術を企てた。力を導く方法を学び身に着けたが、限度を知らなかった。

ファレリア卿はエルフの妻の死の後、狂気に落ちていったが、外の世界にいる人々に彼の問題を説明できなかった。 エルフの家族の秘密を守るために彼はその領土を拡張し、新しく快適な場所を与えるために、使い捨ての労働力を使い続けた。

子供たちは成人したが、日の光を見ることは滅多になかった。大人になった末の息子はもはや幽閉に耐えられなかった。彼はごく簡単に、しかも頻繁に脱出した。息子が商人の娘と恋に落ちたのは自然なことだ。すぐに子供ができた。彼女の家族はその子のエルフとしての特徴を不審に思い、彼女に恋人がファレリア卿の息子であることを告白させた。ファレリア卿は露見したことでおびえ、孫を他の家族と一緒に隠した。

帝国は反逆と敵への協力という罪状を掲げ、数日で門まで押し寄せた。帝国に対する罪を前に、彼にできることはなかった。だが彼はこの日のために返答を用意していた。狂気の中、ファレリア卿は闇の儀式を実行した。家族と一緒にいられないのなら、作り出したものをすべて破壊するつもりだった。帝国軍と一緒に。

夜が来た。儀式は終わった。完全な闇の中で、城全体を潰すためには最後の行動が一つ残されているだけだった。最後の瞬間、彼の肩を叩いた者があった。息子が他の家族と一緒に、背後に立っていた。

遅すぎた。闇が地面から煙のように這い、物体を、壁を、人間を、エルフを溶かした。人間のような姿を型作り、内側から包囲する軍を攻撃した。または亀裂のように開き、辺りを飲みこんだ。

終わったとき、廃墟となった中にファレリア卿だけが残った。伝説では、彼は子供たちと孫をかつて行くことを許さなかった外界に埋葬した。それから彼は地下の穴に戻り、自身を埋めてしまった。

ほとんどの偉大な人間の名よりも、壁と記念碑の方が長く残った。ファレリア卿の名前は残ったが、彼の要塞は時間の流れの中で失われた。

取引The Deal

隅々までしっかりと読み、絶対にやり方を間違えるな。ここに書かれている手順に従わなければ、お前の安全と帰還は保証できない。お前がここに来て、要求したということを忘れるな。

予定の夜に出発する前に、子羊の皮で作られた巻物にお前の嘆願を書き込め。子羊の皮でできたものでなければ駄目だ。自分がまともだという自信があるなら、嘆願書は短くまとめて、再審問される隙を与えないようにしろ。彼はお前が書いた言葉を利用して、お前を非難する機会を虎視眈々と狙っている。

メモ:嘆願書を書くときは、私が貸した木炭を使用すること。その木炭は、アルビノの鹿を調理しようとしていた片足のリザードマンが使っていた火の中から手に入れたものだ。よほど運が良くなければもう手に入らない。

王や儀式や塔の印の下、任意の月の3番目の夜に、書いた嘆願書と生贄を持って石の輪に近づけ。言葉を発すればお前の嘆願は聞き入れられない。だから1人でそこにいき、絶対に口を開くな。

雲が月を覆い隠したら、そこにあるクレストストーンを探せ。印によって形は違う。月明かりのないところで光を発しているから見分けが付くはずだ。そうしたら嘆願書を石の前に置いて、巻物の上に生贄を乗せろ。

次が重要で面倒だ、だから実行する前に練習しておけ。石の前の巻物に生贄を置いたら、石に印を描け(忘れるな、媒介として使用できるのは豚の血だけだ)。印は月が再び現れる前に描き終わらなければならない。印を描いたら、立ち上がり、待機しろ。

嘆願が聞き入れられれば、すぐに彼が現れるはずだ。月が再び現れる前に彼が石の中から駆けつけてこなかったら、お前の試みは失敗したということだ。再び嘆願するには、次の月の3番目の夜が訪れるまで待ち、新たな生贄を捧げなければならない。

それから、すでに頭に浮かんでいるだろうから言っておくが、生贄を再利用するな!見られているぞ。彼でも怒ることはある。機嫌を損ねるような真似はするな。

最後に、嘆願する夜のことだが、紫色のものは身につけるな。日によって、彼の目にはその色が攻撃的に映ることも魅力的に映ることもある。それに彼がどう反応するのかは事前に分からない。なぜこんな話をするのかというと、どちらの反応を目の当たりにするにしても、楽しめるようなものではないからだ。

以上だ。最悪の事態になれば、今後500年間巨大なチーズの輪の中で転げ回ることになるか、長いすのクッションとして過ごすことになるだろう。しっかりと警告しておいたからな。二度と会わずに済むことを祈っている。

上方のメモUp High Note

パン職人に関して。

奇妙な男。ハイエルフの基準からしても奇妙だ。あまり多くの人を好きになるタイプではなく、人々もそれは同感であるらしい。しかしながら、彼のパン焼きの技術には疑問の余地がない。事実、人々は彼がゴールドコースト全体で最高のスイートロールを焼くと主張している。ぜひそのスイートロールを調べてみるべきだと思う。私が注文しよう。

暗号の場所:大聖堂の東。

人々の自由市場Free Market of the People

聞け、船乗りよ!我らの栄えあるフォーチュナタ総督が、本日をもってアンヴィルを種族や信条にかかわらず、すべての船舶と船乗りにとって、自由で開かれた港にすると宣言した!彼女の法以外、アンヴィルに法はない!

ストロス・エムカイ、ブラックハート・ヘヴン、アラバスター、聖域、アバーズ・ランディング、ブラヴィルの出身であろうが、船乗りならば実入りのよい港で、第二の故郷とビジネスパートナーを見つけることだろう。奴隷であれ、スクゥーマであれ、戦利品であれ、貨物が何であろうと、ここでは自由に交易できる。お前の積荷はお前のものだ。そして、それを誰に売却するかは、お前自身の問題だ。入港手数料を払う限り、如何なる事業でも望むままに行って構わない。

アンヴィルの港で我々が執行する法は3つのみ。

1)不必要な流血沙汰を避けて事業を行うこと
2)出港前に入港手数料を払うこと
3)そしてフォーチュナタ総督に最大限の敬意を払うこと

また、港に滞在する間、我々の合法的な賭博施設で金を増やすのはどうだ?タムリエル中から集まった最も美しく、手の届く女とお楽しみの時間を過ごすのはどうか?クヴァッチ近郊で、剣闘士の戦いと流血を見るのは?お前の悪癖が何であれ、求めるものはここで見つかるだろう!

友よ、誤解するな。アンヴィルの港より船乗りと私掠船員に優しいところはない。どこにも!

請負業者のメモContractor’s Note

警備主任ペレタスへ

ジャロル卿に頼まれていた機械の取り付けが終わった。屋敷の階下に繋がる通路は封印し、私のやり方で鍵を掛けておいた。以下に通路の使い方を明記しておいた。信用できる者にだけこの情報を伝えてくれ。

本物にそっくりな偽物のワイン樽を3つ作った。1つが通路を隠しており、他の2つはそれを開くために使用する。

この仕掛けを解除するには、まずこの大樽を見つけなければならない。ランターンの一番近くにあるのが偽物の大樽だ。大樽を開くには、大樽を2回ずつ叩く必要がある。2つの大樽を2回ずつだ。一番頭の悪い衛兵でもこれなら覚えられるはずだ。

ここまでの手順をしっかり守れば、3つめの大樽からカチっという音が聞こえてくるはずだ。3つ目の大樽は西の壁にあり、それが古い通路を塞いでいる。しばらく開いたままになった後、自動的に閉じるようになっている。カチっという音が聞こえてこなければ、それは私の仕掛けが壊れているのではなく、お前がやり方を間違えているだけだ。

以上
発明と錠前の奇才ベルランデ

追伸。手順を覚えたらこの手紙は燃やしてくれ。前の客のように食堂には掲示するな。そんなことをすれば全部台無しだ。

捜査官ヴェイル:影の組織Investigator Vale: Shadow Fellows

「男爵夫人、これはただの殺人ではありません」死体から身を起こし、後ろに下がりながら捜査官ヴェイルが言った。「影の組織による暗殺です。そう見抜けなければ、私の目はモロウウィンド・マッシュルームと同じく節穴です。名誉に誓ってそう断言できます」

「影の組織?」 ふっくらした赤い唇に華奢な手を当て、エスモンダ男爵夫人が驚きの声を上げる。「暗殺者の組織?それはただの作り話よ!」 男爵夫人は異議を唱えるが、その顔が突然青白くなり、落ち着かない様子で辺りを見回す。

「いいえ、影の組織は実在します」とヴェイルは言って、革の手袋を脱ぎロングコートのポケットに収めた。「彼らは数百年もの間、秘密裏に活動してきました。真相に近づく者がいると、賄賂、脅迫、殺人を行い、活動を隠匿する。私はこの不法組織について、もちろん内密に調査を行ってきましたが、これ以上に彼らの関与が明白な事件は見たことがありません」

「恐ろしくありませんの?」と男爵夫人が問う。「あなたが捜査から身を退いたとしても、十分理解できます…」

「親愛なる男爵夫人、私がこれまでに捜査を諦めたことは一度もありません。そして今もそうするつもりはない。ただ、最善の捜査方法を考えねばなりません」

* * *
その夜、何十人もの街の者に聞き込みをし、片手の指の数ほどの手がかりを調査した捜査官ヴェイルは、豪華に飾り付けられた宿屋の階上の部屋で、断続的に睡眠を取っていた。

突如、ヴェイルは跳ね上がり、身体からシーツを引き離して、枕の下に常時置いてある短剣を引き抜いた。短剣を真っすぐ向けたその先には、部屋唯一の椅子に腰かける暗がりの人影があった。その人影が指を鳴らすと、ベッド脇のロウソクが火花とともに明るくなった。多少視界が開けたが、部屋の影が伸びた程度だ。

「影の組織から来たのね?」とヴェイルが問う。

「レッテルを張らないで欲しいわね」と影の女は言う。影と長い黒髪の覆いに隠れたその顔は未だにはっきりと見えないが、女は身体に密着した革の服を身に着けていて、捜査官をすぐさま攻撃できる刃を、少なくとも3本所持していることは見てとれた。

「私の寝込みを襲いに来たの?」 自らの持つ刃を決して揺らすことなく、ヴェイルが問いかけた。

「私も私の暗殺者達も、優秀な捜査官ヴェイルに危害を加えたいとは望んでいない」と革の服に身を包んだ女が言う。「何の得もないからね。履行義務のある契約をもう一つ終えたら、朝日の霧のように消えるわ」

「男爵夫人!」 とヴェイルは叫んだ。

「評判通りの洞察力ね」 女が言う。「しかし、時として洞察力があっても、必然を変えるには遅すぎることもある」 女は立ち上がり、部屋に備わる唯一の窓に足をかけた。「捜査官、よい夜を」 軽く会釈しながらそう言うと、闇夜に消えた。

その後、長い暗がりの夜、捜査官ヴェイルは眠りにつけなかった。

* * *
朝になり、ヴェイルが男爵夫人の屋敷に戻ると、すでに街の衛兵が現場に到着していた。彼女は昔同僚だった年上の隊長に近づき、厳しい表情を浮かべながら会釈した。

「男爵夫人が死んだのね」とヴェイルが言う。それは問いかけではなかった。

衛兵の隊長は頷き、「夜に階段から落ちて首の骨が折れた」と言う。「夫の殺害を悲しんでいて、不注意だったに違いない。非常に残念だが、このような事故を防ぐ手立てはない」

「そうですね」とヴェイルが同意する。「しかし、報いはあるでしょう」

そう述べると、捜査官ヴェイルは踵を返し、屋敷から退出した。頭の中はすでに影の組織への対処方法で一杯だった。いつかあの悪人どもを捕まえられるかも知れない。だが、それは今日ではない。

そう、今日ではないのだ。

総督からの手紙Letter from the Governor

親愛なるジャロル卿へ

次に会うのを楽しみにしています。一緒に仕事をすることは常に私の喜びであり、極秘会談のために屋敷の地下にある秘密部屋の使用許可を与えてくれたことに非常に感謝しています。

我々の客は変わった方法ですぐに現地に到着します。彼らをしっかりと歓迎し、私が行くまで彼らの求めには必ず応じるようにしてください。私はもちろん、適度に遅れて到着する予定です!

それから私が到着する前に、カロラス伯爵と大司教がお互いに首を絞め合わないよう、しっかりと見張っていてください。我々には重要な取引があり、両者には目の前にある問題に集中してもらわなければなりません。彼らがお互いを絶えず中傷している様子を見ると、私には彼らがクヴァッチを一体どうしたいのか分かりません。

ああ、それと地下に来る時に、そちらの屋敷にある一番良いワインを持ってきてくれませんか?いずれにしてもその前を通るわけですし。

地方総督フォーチュナタ

大詠唱師への手紙Letter to the Grand Chanter

大詠唱師殿

もう一度お尋ねします。いつになったらクヴァッチ大聖堂に再度転任していただけるのでしょうか。ここディベラ礼拝堂のアカトシュに捧げた祠は悪くありませんが、ディベラの信者の存在に戸惑いがあるのは認めなければなりません。八大神の一柱はもちろん偉大ですが、私の心と魂はクヴァッチにある竜神の荘厳な宮殿を求めています。加えて、アンヴィルには異教徒の海賊が多くいます。他の神々の司祭には耐えられても、私には耐えられません。

分かっています!もし私が忌むべき影に対抗する試みで役に立つことができれば、それによって大聖堂での地位が与えられるでしょうか?過去2回私がお送りした手紙でお知らせした、あの小さなノルドの女性がいます。血も凍るような話を私に打ち明けたのです。大詠唱師殿。忌むべき影を混乱させるために、彼女が私を信用して打ち明けた内容を使えるかもしれません。次にお話しするときは、彼女を集団から引き離す行動を取ることを強く提案します。銀なる暁の狂信者も使えるかもしれません。

大聖堂に私の役職を見つけていただけるという良い知らせを、常にお待ちしています。

アカトシュ大聖堂におけるあなたのしもべ
ネムス詠唱師

大司教:栄光へThe Primate: Rise to Glory

グウィリム大学歴史学者、ミダラ・サルヴィティカス 著

大司教アルトリウスが長年にわたり説明してきたように、アカトシュが「暗がりにいた彼を呼び出した」後、この青年は神々に仕える司祭となった。彼はその後も聖堂に仕え続け、その聖地を作り上げている八大神の祠で時間を過ごしながら、さらに多くのことを学んでいった。その慈善が次第に人々へと知られるようになっていたこともあり、その行いと献身により、彼は再びクヴァッチの大司教ジョナスの目に止まる。

アルトリウスはクヴァッチのアカトシュ大聖堂に配属されることを切望していた。彼は「竜神の大宮殿」の物語を知っており、そこ以上にアカトシュに仕えるのに相応しい場所はタムリエルには存在しないと信じていた。彼はその役目を任されたいがために、大聖堂の大司祭と大司教の目に止まるようにあらゆる手段を講じた。最終的には「最初の祠の奇跡」と呼ばれる出来事が起こり、その目的は達成された。

その出来事とは次のようなものであった。狩人のカシラスが、胸から矢柄が突き出た若い息子を聖堂に連れてきたため、司祭のアルトリウスは助けるためにすぐに駆けつけた。子供がその酷い傷により死ぬのはもはや明らかだったが、アルトリウスは悲しむ父親をアカトシュの祠に連れていき、祈りを捧げ始めた。アルトリウスは飲食や睡眠などを一度もとらず、三日三晩、祈り続けたと言われている。そして3日目が終わりを迎えたとき、この司祭は誰も聞き取れないような早さで話し始めた。そしてそのとき、言い伝えによれば、祠からまばゆい光が発せられた。その光はアルトリウスを直撃すると体の中を流れ、腕から手のひらへと伝わり、死んだ少年の体に流れ込んだ。その光が消えると、矢は消えていて、傷が治り、子供は目を覚した。アルトリウスの祈りにアカトシュが応えたのだと誰もが口を揃えて言った。

この奇跡の評判は帝国中に野火のように広がっていき、すぐに大司教ジョナスの耳にも入ることになった。そして彼は、アカトシュが司祭を通して奇跡を起こしたのであれば、その司祭はクヴァッチの大聖堂に必要な人物であると結論づけた。その直後にアルトリウスは、ノルドがハチミツ酒を飲むがごとくその言葉を受け入れ、常に大司教の側にいられる大聖堂へとその身を移した。そしてアルトリウスは大聖堂で昇進していき、ついにクヴァッチ大司教に次ぐ役職、アカトシュの大説教師となった。

この時期から次第に大司教と大説教師との関係は緊張したものになっていた。アルトリウスは、高まり続けているナハテン風邪の脅威だけでなく、帝国全土に広がる政治不安にも聖職者がもっと関わるべきだと考えていた。その一方でジョナスは、これからも非宗教的なことに大聖堂は関わるべきではないと考えていた。両者はこの件に関して絶えず議論をし続け、最終的には大説教師を遠方に送ることを計画するなど、大司教があらゆる手段を用いてこの論争を終わらせようとするまでになった。

しかし大司教はその考えを実行する前に、不審な状況の中で急逝してしまう。クヴァッチのいたるところで大司教は殺されたのだという噂が囁かれた。闇の一党やその手の組織のアサシンが関わっていると考える者もいた。だが大司教はデイドラ崇拝やそれに準じる組織について説教を行ってきており、特に闇の一党についてはゴールドコーストの癌と呼んでいた。真実がどうであれジョナスの死は、より高みに登るための機会をアルトリウスに与えることになった。

そしてアルトリウス・アンクラスはクヴァッチ大司教に選ばれた。彼は名前をアルトリウス・ポンティカスに変え、この10年の大半、教会の中で確固たる権力を手に入れている。

大司教:教えの探究The Primate: Finding Faith

グウィリム大学歴史学者、ミダラ・サルヴィティカス 著

神々の聖堂は、アルトリウス・アンクラスにとってもっとも似つかわしくない場所であった。しかし、第二紀542年が終わる頃、この若いインペリアルはまさにそこにいたのである。彼は帝都の犯罪王ヴォドゥニウスの元で働いていた頃に犯した罪を償わなければならなかった。父親の富と影響力のおかげで、アルトリウスは懲役刑を免れることができた。聖堂に仕えることが、父親の案であることに彼は気付いていた。

4番目の子供であるアルトリウスは、神々に仕えることを約束させられていた。この青年はその約束から必死に逃れようとしたが、信仰の生活は彼の運命だったようである。「1年と1日仕える。でもそれが終わったらここから去る」とアルトリウスは、彼の看守であり後に助言者となる司祭、イラヴィウス・アルフェノに言った。この老齢の司祭はただうなずくと、信仰に対する自分の役割を説明し始めた。

アルトリウスは聖堂で、厳しい重労働をこなしたと思えば、無気力に近い静かな1日を過ごすなど、両極端な生活を送るようになった。毎日のように数々の雑用を与えられ、掃除や食糧の準備や神々の祠の手入れを手伝い、その合間に勉学や瞑想や祈祷を行った。アルトリウスはあまりにも忙しすぎて、すぐに父親に対する怒りを維持できなくなっていった。怒りが収まると、彼はしっかりと司祭達の言葉に耳を傾けるようになり、神々の教義を学び始めた。

宗教に無関心であったにも関わらず、アルトリウスはすぐに神々の物語や教義に魅了されるようになった。アーケイからディベラ、そしてステンダールからジュリアノスまで、彼は順番に全ての祠を訪れると、その聖なる領域と儀式について、司祭達に延々と質問をした。しかしアルトリウスは神々の中でも時の竜神アカトシュに対して特別な感情を抱いていたようである。ひょっとしたら、アカトシュが神殿の最も高い位置に置かれていたために、最初にアルトリウスの目に入ったのかもしれない。さもなければ、彼の持つその能力か、帝国の守護神として語られるその物語に魅了されたのかもしれない。動機が何であれ、この若い貴族は自分の教えを見つけたようである。

アカトシュ大司教ジョナス・カバンタインが例年の訪問でクヴァッチを訪れたとき、彼はすぐに若いアルトリウスに好感を抱いた。祈りを捧げるために聖堂を訪れた後、大司教はアルトリウスを個人的な話し合いの場に招待した。ジョナスもアルトリウスもそのときの詳細については明らかにしていない、だがその直後にアルトリウスは神々に誓いを立てている。保護観察期間が終了すると、彼は司祭になるという誓いを守り、アカトシュにその身を捧げた。

大司教:光の訪れ以前The Primate: Before the Light

グウィリム大学歴史学者、ミダラ・サルヴィティカス 著

クヴァッチやゴールドコースト、荒廃した帝国の跡地の中で、アカトシュ大司教アルトリウス・ポンティカス以上に献身と信仰を実践している者はいない。判断力がなく、自分のために聖なる真実を見られない者がいれば、彼が最初にそのことを指摘するだろう。それにしても、非常に控え目な人物が教会の規律の中で、一体どのようにしてそのような威厳のある地位を手に入れたのだろうか?それを明らかにするためには、初めてアルトリウスが導きと力を求めてアカトシュに助言を求めた、第二紀542年の帝都の街路まで話を遡らなければならない。

裕福なアンクラス家の4番目の子供として生まれたアルトリウスは、故郷と呼べるようなものを持たずに成長した。長男は帝国の中心地にある一家の財産全てを管理するために育てられ、次男は遠方のハンマーフェルにある一家の資産を守るために教育を受けた。三男のアンゲルスはすでに帝国軍の若い将校になっており、軍人としての未来が約束されていた。伝統に従うと、アルトリウスには、神々に身を捧げる道しか残されていなかった。残念ながら若いアルトリウスには、歌と伝説で語られる例の好色なアルゴニアンの侍女と同じぐらい、崇高な精神と信心が欠けていた。彼は祈りや犠牲には無関心だったのである。

その代わりに若いアルトリウスは、2つの危険なことに没頭するようになった。まず彼は、ウェイレストのエメリックとリーチのダーコラクの間で起きていた戦いをはじめ、ブレトンの王国で起きている出来事に深い関心を持つようになった。そしてそこで起きている出来事をより詳しく教えてくれる住人を探し回り、帝都の中でも最も不穏な地域でよくそういった人物と話をするようになった。そして次には、父親と兄達にとって非常に残念なことに、悪名高い犯罪王、ヴォドゥニウス・モンリウスの手下達と行動を共にするようになった。そしてそれほど時間が経たないうちに、ヴォドゥニウスとその手下達のため、伝言やそれ以外の雑務をこなすようになった。

誰もが眉をひそめるような出来事である。大司教アルトリウスは過去のこの暗黒時代のことを正直に話してくれる。この本のために調査をしていたときに彼は、「私はその当時、怒りに満ちていて誰の言うことも聞かなかった」と笑いながら語っていた。「私は怒っていて、あてもなく何かを探していた。だがそれが何なのか分からなかった。それこそが、情熱を見つけるか道を見失うかの分かれ道なのだ。幸運なことに、アカトシュには計画があった」

大司教はその計画が、青年期が終わりを迎えたこの頃から始まったと考えている。彼は犯罪王のために市場地区を巡回し、そこで働いている様々な商人や職人から金を取り立てるようになった。毎日の10分の1税は、金を無理矢理払わされる人々だけでなく、ヴォドゥニウスの金庫を満たすために金を回収していた人々にとっても、いわば恐怖の儀式のようなものだった。アルトリウスは、犯罪王と部下達のために雑用をこなす、たくさんいる若い男女のひとりでしかなかった。だが彼はその役目を楽しんでおり、情熱をもってその仕事をこなしていた。少なくとも、避けられない運命の日を迎えるまでは。

アルトリウスがカジートのパン屋、粘る爪の店に入ったとき、毎日徴収していた10分の1税以外のものが彼を待ち受けていた。4人の衛兵将校が、この若い貴族を捕まえて最近始めた犯罪者生活をやめさせるために待機していたのである。「お前は帝国の法を犯している、その袋に入っている金が証拠だ。お前にはあまり選択肢が残されていない」と衛兵隊長は言った。

このときアルトリウスは恐怖心と不安を感じていたはずだが、彼にはあるひとつの感情しか湧き上がってこなかった。それは粘る爪のオーブンのような、父に対する急激な憎しみだった。衛兵の将校はアルトリウスに対して、最も重い刑罰を与えて、1年と1日牢獄に収監することもできるが、犯した犯罪を償う方法もあると説明した。だがアルトリウスは、自分の鼓動のせいで、その言葉がほとんど頭に入ってこなかった。

「お前の父親のこともある」と将校は言うと、「だから後者を選ぶことにする。1年間、司祭として神々に仕えれば、正しい道に戻ることができるはずだ」と彼の処遇を決めた。そしてその通りアルトリウスは、必死になって逃げてきた運命の手の中に引き戻されることになった。そして彼は懺悔するために、神々の聖堂の司祭の元へと送られた。

大聖堂の組織Cathedral Hierarchy

アミア詠唱師 著:修練者のための入門書

修練者の諸君、時の竜神アカトシュに仕える君達の新しい役割をもう一度歓迎させてほしい。君達は極めて重要な、魂が応じられる旅を始めることになるが、この道を歩むのは君達が初めてではないし最後でもない。多くの修練者達が共にこの旅を進め、目の前の同じ課題に挑戦するのだ。その道が仲間の修練者達と同じ目的地に続くとは限らないが、俯瞰すれば、旅路は間違いなく同一である。

アカトシュ大聖堂の任務を遂行するにあたって、君達はいかにして時の竜神を崇めたいのか自問しなければならない。祈りと導きを通して、または崇拝者の献身と彼らの請願を聞き入れ、引率することで神の御言葉を広めるのか?はたまた聖なる書を手に取り、説教壇や街路へ赴き、信仰の炎を再びかきたてることを望む者達に神々の真実を唱えるのか?入信の儀を完了すれば、選択を迫られるだろう。詠唱師のマントを手に取るのか、説教師のマントを手に取るのか。決断は慎重に、自ら考えるのだ。進む道でそれぞれが求めるものは、まったく異なる。

大詠唱師と大説教師が共に支える大司教は、大聖堂におけるアカトシュ信仰のあらゆる面を監督していることを覚えておくように。そのため、詠唱師と説教師は肩を並べて立ち、アカトシュの御光を等しく、しかし異なる方法で人々にもたらす。

詠唱師になると、君は大詠唱師の導きに従い、助けを求めて大聖堂を訪れる者達に慈悲と指導を授ける。祈りと知恵を駆使して、彼らの身体、精神、魂を改める方法を学び、自身もまた師となることで、捧げ物や儀式を通して崇拝者を導き、アカトシュに近づけるようにする。

説教師になると、君は大説教師の後ろに集まり、己の信念を武装して異端、不信心という強大な敵と戦い、迷える信仰心を失った者達を導いて、竜神の守りの翼の庇護に戻す。闇の誘惑と自己愛の不道徳を清める言葉、心に響く言葉の操り方を学ぶだろう。悪人は贖いを許される前に、懲罰を受けて糾弾されなければならない。彼らの闇を駆逐するのが君だ。

任務が区別されているのは、目的が一致していないからだと誤解しないように。我々は大司教によって導かれる。アカトシュを崇拝するためには、双方の道が等しく重要だと理解する知恵が彼にはある。大司教は大聖堂を導く光だ。その煌めく輝きを敬う者のすべての生を高めてくれる。アカトシュと同様に、大司教は君達を決して誤った道に進ませない。

そしてもし別の任務、兵役の一種で忠実な信者達を守る必要のある任務がよいのなら、時の騎士団への入団を考えるのだ。大聖堂の生活は精神的なもので、時の竜神への献身を示す方法としてはやや退屈すぎるかもしれない。大聖堂とアカトシュの敬虔な信者達を世界の危険から守る使命は、高潔なものと言える。

修練者よ、道は前にある。君達を究極の目的地へといざなう、アカトシュの導きがあらんことを。

大聖堂は閉鎖される!Great Cathedral Closed!

偉大なるアカトシュ大司教であるアルトリウス・ポンティカスの命により、アカトシュ大聖堂への一般入場は、労働者たちがこの雄大な崇拝の家の老朽化した石細工や、軋む床板の維持や改装を行っている間は禁止となる。

このことはしかし、聖なる街クヴァッチにおける崇拝が禁じられることを意味しない。我らが勤勉なる詠唱師と説教師たちはあなたがたと共に歩み、アカトシュとその他の神々の言葉と意思とを広めるだろう。

時の騎士団の忠実なる剣が我々の家と故郷を守るように、詠唱師と説教師たちの言葉があなた方の魂を支え、時の竜神の真理で満たしますように。

大説教師の言葉Words of the Grand Sermonizer

信者たちよ。クヴァッチは暗闇とその中に潜む者たちに対する防壁として、何世代もの間、立ち続けてきた。あなたがたの番人たちは、この地の純粋さを毒するであろう隠された悪に対する、その疲れを知らぬ監視のために、帝国中の街で羨望の的となっている。

だが、満足するわけにはいかない!なぜなら、我々は今こそ、最大の脅威に対峙すべき時だからだ。その脅威とは、闇の一党である!

大司教はその無限の知恵の中で、この脅威の接近を見てきた。今この瞬間も、彼らは我々の地に忍び込み、アンヴィルの長い影と未開の荒野にその足場を築いている。この腐敗に助けられ、彼らは我らの愛するゴールドコーストを汚染する。放っておけば、その傷は膿むばかりであろう。

クヴァッチは範を示すことで先陣を率いなければならない。我々はこの殺し屋たちをどこであろうと、たとえ我々の領域内でなくとも、見つけ次第根こそぎにしなければならない。あなたがたもまた、番人にならなければならない。あなたがたもまた、時の騎士になることを望まなければならない。あなたがたもまた声をあげ、あるいは正義の剣を抜き、あの外道たちの疫病をもたらすナイフに立ち向かわなければならない。彼らを光で照らす時、あなたがたが見出すのは恐るべき怪物などではない。ただ影を剥ぎ取られた、臆病な抜け殻があるのみである。

報いの時は近づいている。信仰篤く、その時を待ち受けるがよい。

大説教師の日記The Grand Sermonizer’s Journal

計画通りに事は運んでいる。当初は若干の失敗があったが、今日我らの密偵は闇の一党と疑われるメンバーを葬ることに成功した。殺人者を問い詰めたかったが、密偵は短剣と剣を使う方に熱心だった。

* * *
クヴァッチの通りを闇の一党への恐れと憎しみで満たすよう、一連の説教を用意した。あの教団は神から見れば嫌悪の対象だ。皆が気づかねばならない!我が説教師たちが言葉を広め、殺人者を隠す闇に光を投げかける。

* * *
密偵に対して、特に次の殺人者を見つけたら殺さぬよう頼んだ。尋問室を用意し、殺人者から真実を聞き出す用意はできている。必要とあればあらゆる手段で。アカトシュよ、我を導きたまえ!

* * *
ブラックドラゴンは今日、手負いだが息のある殺人者を連れてきた。殺人者に吐かせるいくつかの技術を試すのが楽しみだ。1日が終わる前に、闇の一党が隠れている場所を見つけてやる。そして我々は、ゴールドコーストから障害を消し去る努力をさらに強化できる。

* * *
アカトシュに不手際をお詫びしなければ。失敗した。殺人者は頑固で、予想以上の抵抗を見せた。その肉体にどんな拷問を加えようとも、彼は役立つことを少しも漏らさなかった。彼は死ぬまでとても苦しんだ。まあいい。ブラックドラゴンはすぐに他の奴を見つけるだろう。

おかしい。何かが尋問室にあった殺人者の死体に触った。アカトシュが私の祈りにお答えになり、問い質せるよう他の殺人者を送ってくださったのか。まあ、待っている者を待たせないようにしよう。

帝国大学のメモImperial University Note

ダーヴィアン

この暗い洞穴であとどれだけ謎の連れと座っていられるかわからない。あなたが話をしている時の彼らの見返し方、ガラスのような目と精霊のような空虚さを見たら、我々が共通の言語を話さないと思うだろう。言うまでもなく、あなたの論文をロウソクの灯りの元で読んでいた私の目は、ほぼ見えなくなっている(ところであれはとても興味深いな。だが私の環境が刺激を求めさせているのかもしれない。気を悪くしないでくれ)

大学がここで何が見つかるのを期待しているのか分からないが、私が学んでいると思われるのは健常な精神をもって地中に住むことの効果だ。 ああ、始まりはきっとこうだったのだろう!気高きエルフがファルメルになるという、哀れなどん底におちる緩慢な悲劇。友よ、もし私の精神状態が悪化して、よだれをたらし、凶暴になったら、事例研究で言及してくれ。

ジリヴェルン

特別な指示Special Instructions

2日後、真夜中に鐘の音が鳴ったらお前は持ち場を離れる。そして10分経つまで戻らない。やり方を間違えるな、間違えたら大変なことになるぞ。金はいつもの場所においてある。

忘れるなよ。こうすることが皆の利益になるんだ。私との誓いを破ろうだなんて考えるなよ。お前の子供には無事でいてもらいたいんだ。

分かったな。2日後、真夜中、10分経つまでだ。計画を台無しにするなよ。

毒ある緑舌の者の聖域の傍注Venom’s Sanctuary Marginalia

日耀

聖域を訪問する際の最近の騒動は、俺が前にいたブラックウッド国境地帯の聖域を思い出させる。あそこで起きたことが再び俺の居場所に起きるのは、絶対に避けたい。自分がこれほど詳細な記録をつけているのも、おそらくそのせいなのだろう。俺の聖域の誰かが教義を破っているのであれば、その絶対確実な証拠を手に入れておきたい。そしてもし我々が教義を破ったという糾弾が誤りなら、ちゃんとした日記を突き付けて、今度ばかりは黒き手が間違いを犯したのだということを示せるようにしておきたい。

だから、何もかも書き記しておく。

央耀

統括せし者が気分はどうだと聞いてきた。なぜだ?彼女は俺が知らない何かを知っているのだろうか?

木耀

今日、俺の生活空間がヒルデガルドの毛だらけになってしまった。狼形態でいる間はこっちに来るなと言ったのに。念のために、この違反を記録につけておく。

金耀

山羊のミルクと酸味ビールを混ぜたら何が起きるのだろう?次にコーが物資を持ってきた時に試す。覚えておくこと。

月耀

タネクが俺の鱗と尻尾について心無いことを言った。いつか伝えし者に、あいつが家族をどう扱っているか知らせてやるつもりだ。

火耀

家族の中でまた一人、殺害された者が今日、見つかった。哀れなシンドゥル。彼の殺され方にはどこか見覚えがある。これについては少し考えて、昔のメモ帳を探らないといけない。

木耀

伝えし者は俺に不満があるようだ。誰かが言ったことを俺が書き留める度に、彼は俺に暗い一瞥を投げかける。

金耀

今日、説教師の話を聞いた。俺はいつも通りメモを取り始めたのだが、すぐに頭がカッとなって、自分の書いた字が読めないほどになってしまった。奴らはなぜ闇の一党についてあのような嘘を言うのだろう?統括せし者に伝えなければ。

地耀

シンバーが拷問を受け、殺された。水が湖に満ちるように、悲しみが聖域に満ちている。哀れなミラベルのことを考えると、俺の心は痛む。彼女はシンバーとの密会を可能な限り行い、とても楽しんでいた。俺が記録しておいた2人の交尾の詳細なメモを全て読み返すと、彼女は喜ぶだろうか?

日耀

新たなる剣は非常に興味深い質問をする。書き記しておかなければ。

「ブラックウッドに着いたら何をする?」いい質問だ!
「どうすればいい?」少し飲み込みの悪い時がある。
「何をしてほしい?」ここで何か意地の悪いことを言ってやってもよかった。
「この聖域は放棄されたんじゃなかったのか?」ちゃんと聞いていなかったようだ。もう説明したのに。

月耀

ライラ・ヴィリア。その名前は長いこと考えていなかった。俺たちはかつて友達であり、兄弟と姉妹の関係だった。彼女は死んだ。少なくとも俺はそう聞いた。そして今、彼女が生きているだけではなく、我々の聖域を浄化したのが彼女であることもわかっている。さらに彼女が現在の俺の兄弟たちを殺している張本人、ブラックドラゴンであることもわかっている。俺にはなぜ彼女が闇の一党に敵対するようになったのか想像もつかないが、そんなことはどうでもいい。彼女は死ななければならない。

央耀

前の聖域で過ごした一夜を思い出す。俺は新しい入門者で、ライラも同様だった。先輩の兄弟たちは色々な恐ろしい話をして、俺たちを怖がらせようとして楽しんでいた。特によく覚えている話がひとつある。ライラと俺は緊張と興奮が入り混じった気持ちで聞いていた。それはブロンバーという、兄弟を裏切ったアサシンの話だった。その男は処罰のために送られた姉妹によって致命傷を負った。彼女がそいつを瀕死の状態に留めたのは、シシスのレイスが彼の魂を取りに来た時、自分に何が起きているのかがわかるようにさせるためだったのだ。我々は2人ともその話に震え上がってしまって、1週間以上もよく眠れなくなってしまった。なぜ、この話を思い出したのだろう?

木耀

統括せし者が俺にブラックドラゴンを探し出して殺すよう命じた。彼女が俺を信頼してくれていることを誇りに思うと同時に、悲しい気持ちにもなる。

濡れたメモSoggy Note

商人と自称している者に関して。

ドビアスは文書や契約書、その他の財務記録をゴールドコースト貿易会社から盗んでいる。彼が盗んだ情報で何をするつもりなのかはいまだ明らかではないが、彼の計画には利益もおそらく絡んでいるだろう。それだけで、彼の死を望む理由になるか?おそらく。

暗号の場所:銀行の南。

伯爵の書簡Count’s Correspondence

親愛なる叔父上

なぜか、あなたに手紙を書くことを止められません。あなたはとうに亡くなったのに。あなたはもう手紙を読むことも、返事を書くこともできないのに。手紙は送っていません。実際のところ、手紙を貯めている箱はほとんどいっぱいです。理由がどうあれ、あなたに話しているかのように手紙を書くことで私は落ち着き、その日の問題を考えられるのです。ああ叔父上。問題があるのでした!

以前に長々と恥ずべき、忌まわしいフォーチュナタ・アプドゥガルについて話しましたが、あの女はまったくゴールドコーストの病原菌です!クヴァッチの略奪と破壊を、彼女の欲深い手先から守るので精一杯です。 アンヴィルはもう彼女にやられました。ここも同じ運命にすることは許しません。最新の書簡を書いた理由はそのためです。あなたの賢さと経験から、もう一度だけ得られることがあったらよかったのに。

愛する街を救うため、悪いには変わりありませんが、比較的ましな方法をとることにしました。闇の一党がよりマシな悪になるとは思いもしませんでしたが、今はそういう時なのです。忌まわしき儀式を行うために必要なすべてのものは集まりました。楽しい儀式にはなりませんが、暗殺者たちを雇う他の方法を知らないのです。叔父上、私に失望されることでしょう。フォーチュナタを倒すには、こうするしかないのです。

次にまた手紙を書くことができたなら、クヴァッチがまた安全になったことをお教えします。叔父上、お会いしたい。

カロラス

悲痛の短剣The Blade of Woe

毒ある緑舌の者による監視

悲痛の短剣。この世に生を受けて以来一番幸せだったのは、伝えし者によりこのすばらしい武器を授けられた日だ。

悲痛の短剣は私の手から離れたらどこへ行くのだろう。我が兄弟姉妹たちは1つの武器を共有するのだと思い込んだが、できるものであろうか?どうしたらそのようなことが起こるのだろうか?私が呼んだ時には一度も現れたことがない。我らの恐怖の父の謎なのだろう。おそらくは。

完全な刃で完全な殺しをした時ほど満足できるものはない。

タネクは私が契約を果たす時に同行したことがある。彼は私と同時に悲痛の短剣を呼ぼうとした。彼は失敗したが、我らがなした2つの殺しは実に印象的だった。

かつて伝えし者に、悲痛の短剣を私の鞘に納めていいかどうか尋ねたことがある。鞘は神聖なものだと彼女は言ったので、できなかった。彼女は私を実によく知っている。

悲痛の短剣はその鋭さで魂を切り離して虚無へと送る。だが毒や我が剣、ダイアウルフの牙、絶妙のタイミングで落とされた岩でも同じことができる。それでも、私は使える時に悲痛の短剣を使うほうが好きだ。シシス万歳!

コーはめったに悲痛の短剣を呼ばないのに気づいた。彼はターゲットを長期戦に巻き込んで殺しを難しくするほうが好きなようだ。コーはダメな殺人者ということになるのか?そんなことはない。だが、人それぞれということなのだろう。

秘密のメモSecret Note

庭師に関して。

夫がスイートロール・キラーに殺されたと主張しているが、彼女に結婚歴があるという証拠はどこにもない。彼女は運命について話すようである。それもたっぷりと。彼女は間違いなく戦い方を知っている。彼女にスリを働こうとした盗賊の首を絞めているのを目撃した。

暗号の場所:3つの道が出会う場所にある建物の中。

必要なものNeedful Things

今日の買い物リスト

ブラックタール
ケルンボリートキャップ
ハラーダ
腐った鱗
骨髄
フェンネルの種
ウィスプストークキャップ
吸血鬼の灰

メモ:塵のことは、杖をついているあの不機嫌なダークエルフに聞くこと。彼が山のように持っている。

壁の目撃者Eyewitness to the Wall

昨晩兵士が農場に到着した。みな公爵の制服を身に着けている。今季税金をちゃんと払ったかどうか思い出そうと心臓がドキドキしたが、それが目的じゃなかった。柵を取り外すように言われたから、土地を区画整理し直すのかと聞いたら違うという。 集められるものは、すべて軍に。異教徒のロングハウス帝と戦争になるのだ!

* * *
家族で荷車を積み上げた。日暮れまでにヴァレン公爵の野営地に着くだろう。

* * *
思ったよりテントが多い。荷車もだ。見知った人もいるが、他は国の一番遠くから来たに違いない。ヴァレン公爵による軍の招集が届いたのだろう。皇帝にも知らせは伝わったのだろうか。

* * *
軍は帝国軍をコロヴィアに近づけないと決めた。ここを防衛線にするため、休むことなく要塞を築いている。石を積んだ私の荷車を1時間近く調べ、浮石を見つけて集めるよう言った。我が家の柵を取り壊すしかないようだ。

* * *
妻と隣人の何人かが取り壊しを手伝ってくれた上に、荷車を提供してくれた。残念だが、この石は家畜を歩き回らせないようにするより、薄汚いリーチの民を祖国に近づけない方がより役立つ。

* * *
見て楽しいような物ではないが、壁は日々圧倒的になりつつある。今では身長より高く、果てが見えない。私には分からないが公爵には考えがあるのだろう。帰るには暗すぎるので、一晩荷車で過ごすことにする。

* * *
兵士から野営地に招待された。マーラのお恵みを。寝台や、最低でも干し草の山なしに一夜を過ごすには年を取りすぎた。日夜レンガを運搬している彼らは疲れているようだ。公爵は交代制で働かせている。戦が近づきつつあると思っているのだ。その時はここにいたくない。

* * *
浮石を探すためにまた外へ出た。 家を解体して敷石を剥がしても石が不足しているので、できるかぎりのことをした。仲間の中には、古い遺跡から取ってこようという者もいる。

* * *
古いエルフの家など知ったことか。全く構わない。手当たり次第に石を荷車に投げ入れ、何かが怒り出す前に帰ろう。

* * *
最後の荷を運んだ。荷車が今にも崩れ落ちそうだ。私のここでの仕事はすぐに終わる。ヴァレン公爵の仕事は始まったばかりだが。八大神の恩恵を受けた彼らが、忌々しいリーチの民を北方の腐乱死体の小屋に送り返してくれますように!

* * *
帝国軍だ!帝国軍の行進が確認できた。壁はしっかりしているようだが、荷車を見つけてここを出なければ。

夜の輝きThe Glint in the Night

希少アンティーク商人マクサ・コランド 著

アサシンが使用する道具はたくさんあるが、ある武器だけは闇の一党の兄弟と姉妹にとって特別な存在となっている。それは悲痛の短剣と呼ばれる特に特徴のない短剣で、彼らの仕事のシンボルであり、彼らの影の支持者の象徴となっている。この短剣は、夜母が自分の子供達を生贄として捧げた時に使ったためそう呼ばれるようになったと言われており、闇の一党の者達がその恐ろしい任務を実行する時に使用される。闇の一党全体で1本の短剣を共有しているという噂があるが、それとは反対に、各人の武器はオリジナルのものを模して作られたものだという報告もある。前者より後者の方が真実に近いと考えているが、真相は未だに謎のままである。

悲痛の短剣は闇の一党を守護する神、恐怖の父シシスに捧げられたもので、これで命を奪うとその魂を直接虚無に送れると言われている。私は同じような遺物を研究してきたが、そのようなマジカの存在を証明するようなものは見つかっていない。シシスの従者だけがそのような力を引き起こすことができるのかもしれない。しかし実のところ、この短剣はそれを持つ者にとって特別な宗教的意味合いがあるだけで、魔法のような力はないのではないだろうか。それに闇の一党の被害者達は、少なくとも魂がシシスの元に送られると彼らが信じているとされる方法、つまり毒や破壊工作といった、誰もが想像できるような方法で殺されているのである。

闇の一党は秘密主義であるため、情報を手に入れることはほとんど不可能であり、いくらこの件を調査してもせいぜい疑惑止まりにしかならず、調査することもままならない状況である。この件を公にすることで、他の勤勉な学者達があの謎に包まれた暗殺集団を調査し、彼らの信仰心と行動を取り巻く謎を解明する手助けをしてくれると信じている。

[意図的にここで切られている]

優しき考察者のメモKindly Contrivers Notes

アバナス・スミード作成:クラヴィカス・ヴァイルの「優しき考察者」の隔週秘密会議議事録

8時:会議開始。

8時1分:会議中断。

8時5分:怒鳴り合いが収まる。

8時6分:秘密会議の議題その1。蒔種の月の前に新しい農具を求めるサンダークリフの村の請願に対する適切な回答の発案。

8時30分:極度の不安により、議論中断。身の程を分かっている。

8時40分:厄介な吹き出物に対処するため、フーリガンが退出。サンダークリフの板挟みの状況を打開する策に合意。

9時:サンダークリフの提案採決。

9時5分:多数決によりサンダークリフの提案受理

9時15分:反対投票者のヤジが収まる。

9時17分:秘密会議の議題その2。呪われた魂の石の研究の進捗報告。

9時30分:開幕の大演説が終了。

9時31分:報告開始。

9時32分:報告終了。主だった進展なし。

9時55分:暴言が収まる。

10時:抗議の沈黙が終わる。

10時1分:秘密会議の議題その3。ランチ。

10時30分:食べ物のようなものについての合意が得られず。

10時31分:休憩の提案。献酒のコルク栓、抜かれる。

11時:樽が空になるまで飲んだのは、やや行き過ぎだったのではないかという合意が得られる。収まりのつかない笑いに対処するため、ベドリムが退出。

11時5分:集団で吐き気に襲われるという、恐ろしい事件が発生。

11時30分:生まれてこなければよかったと、マレインが大声で叫ぶ。

11時31分:満場一致で同声明を可決。

11時50分:参加者がカンパを行い、500ゴールドの献金を用意する。

11時59分:ランチについての合意が得られる。

正午:献金の準備にあたり、秘密会議休止。

竜神の崇拝Worship of the Dragon God

「アカトシュの神よ、力をお貸しください!アカトシュの神よ、光をお与えください!」
——竜神アカトシュに対する一般的な祈り

もしもゴールドコーストで信じられる神を一柱選ぶとするなら、それは時の竜神、アカトシュだろう。クヴァッチにある壮大なアカトシュ大聖堂を中心地として、アカトシュの言葉とその召使は竜神の光と真実をあらゆる者へ広めている。

八大神の中でも最初かつ最高の神であると言われ、始まりの場所を築いた最初の神とも言われているアカトシュは、並外れた強さを持って地上と人々を見守り、帝国の守り神の役目を引き受けている。それは帝国が崩壊している状態であっても変わりはない。クヴァッチの大司教が事あるごとに言うように、「竜神は日々の懸念の先を見ており、長期的な視点から熟考している。現在の状況は取るに足らない流れの乱れでしかなく、すべてはアカトシュの制御下にある」のだ。

アカトシュは自身が司る3つの重要な性質として、耐久、無敵、永劫に続く正当性を奨励している。帝国が竜神とその教義をあれほど早く受け入れたのはそのためかもしれない。クヴァッチ大司教の言葉によれば、アカトシュはその3つの重要な性質を次の方法で具現化している。

耐久:「この性質は、アカトシュの継続し耐える能力と強さを表していて、時の神としての役割と直結している。アカトシュは耐え忍ぶ。彼の言葉を受け入れて彼の教えに身を捧げて真の信者も同じである。疲労に負けず、ストレスや逆境にも影響されず、アカトシュと信徒たちは継続する。それが、竜神が持つ耐久性である」

無敵:「アカトシュは征服されることも、倒されることも支配されることもない。それは竜神を信じて敬意を示す者たちも同様である。それが、竜神の無敵の性質である」

永劫に続く正当性:「この性質はあらゆる面で調べられなくてはならない。アカトシュの恒久性だけでなく、掟、道理、そして相続の方針に対する敬意も表すものである。アカトシュから祝福を受けて認められたものは、偽りもしくは不当とされることはない。それが、竜神の継続的な正当性である」

こうした基本的な教義以外に、クヴァッチ大司教と司祭たちは、忠実な信者と信仰心のない者の両者にアカトシュの訓示を5項目説いている。

「皇帝に仕えて従うこと」。帝国とアカトシュ崇拝は当初から密接な関係にあり、この訓示がそのよい例である。

「合意について学ぶこと」。アカトシュと、アレッシアやその子孫のような定命の者である信徒との間で交わされた合意は、結ばれた血と誓約の象徴という役割を果たしている。すべての信徒には、こうした永遠なる契約を理解することが強く求められている。

「八大神を崇拝すること」。しかしアカトシュは嫉妬深い神ではない。信徒たちには彼自身だけでなく、他の神々も称えることを求めている。

「自らの本分を尽くすこと」。義務と責任は、規則を好む竜神の教えにおいて特に重要な位置を占める。責務を果たさないことは、アカトシュの目から見れば罪なのだ。

「聖者と司祭の指令に注意を払うこと」。アカトシュは階級と組織を好む。自分の信徒たちが聖者と司祭による命令に従うことを求めるのは当然だろう。

クヴァッチ大司教はよく、「アカトシュの意志を実現すべし」と宣言している。過去、現在、未来を具体化する時の竜神として、彼は秩序ある厳格な世界を保つ規則を受け入れる。献身と崇拝によってアカトシュに敬意を示すことで、信徒たちも同じことを受け入れるのである。

狼とドラゴンThe Wolf and the Dragon

グウィリム大学歴史学者、ミダラ・サルヴィティカス 著

ヴァレン・アクィラリオスが、第二軍団を連れてシロディールの中心で反乱を起こすためにゴールドコーストを去った時、彼は愛する故郷を無防備に残しはしなかった。アビシアン海の岸からストリッド川の土手へと延びる薄い壁、そして甥であるカロラスが代わりに守ったクヴァッチと周囲の田園地帯は、ロングハウス帝の報復と、その後に続いた戦争による堕落の両方から逃れた。しかし、クヴァッチの狼が帝国のドラゴンに戦いを挑む機会はまだ十分にあった。

カロラス・アクィラリオスは伯父を敬愛しており、ヴァレンが皇帝に対する反乱を宣言すると、手を貸すことに積極的であった。実際、カロラスはヴァレンに加わり、帝都に向かって行進しながら一緒に戦いたがっていたのだ。しかしヴァレンはカロラスに別の計画を用意していた。ヴァレンは信頼の置ける立派な甥に故郷を守らせたかったのだ。ヴァレンに同行して反乱に参加できないことに失望したカロラスだったが、それでも伯父が期待したとおりにクヴァッチの地と人々の安全を守ることを誓った。彼は即座にクヴァッチの臨時指揮官の地位に就いた。

ヴァレンと第二軍団の大多数がゴールドコーストから出発すると、アンヴィルの帝国長官とアンヴィル伯爵エフレム・ベニルスは、沿岸の街の奥地に配置していた帝国軍を送り込み、ヴァレン・アクィラリオスの所有地と財産を略奪しようとした。カロラスは、ヴァレンに託された第二軍団の歩兵隊一部隊と、街の守り手として有名なクヴァッチの番人を集めた。クヴァッチの守り手は街の下にある平原で帝国軍と交戦した。戦いは短く激しいものであり、数を大幅に減らされたアンヴィル軍が来た方向へ退却する形で終わった。クヴァッチの狼が帝国のドラゴンによる攻撃を撃退したのだった。

その年が終わる前に、アンヴィルは数を減らした帝国軍をクヴァッチに対して三度送ったが、その度に敗れて人数を減らした。その後、ヴァレン・アクィラリオスがルビーの玉座に就いたという話が伝わってきた。その勇敢さと指導力からクヴァッチの狼と呼ばれていたカロラスは、正式にクヴァッチ伯爵という称号を継ぎ、狼の頭のシンボルを使うようになった。

しかし残念ながら、クヴァッチの幸運は長続きしなかった。カロラスが正式にクヴァッチ伯爵になると間もなく、クヴァッチ大司教であるアルトリウス・ポンティカスは伯爵の権威を衰えさせ、自分の権力と影響力を高めようと動き始めたのだ。常に野心的で自分自身もシロディールにおける宗教的な権力を握っていた大司教は、渋々ながらヴァレンと礼儀にかなった関係を持ち、カロラスがクヴァッチの安全を守ろうとする間は自身の野心を忘れなくてはいけなかった。しかし首都における体制が変わったことで、どうやら大司教は街の支配体制においてより有力な地位を求めたようだ。ただし、この問題が表に出る前に、アンヴィルではある重要な事件が起きた。

しかし、それはまた別の本にて記す。

狼と海賊女王The Wolf and the Pirate Queen

グウィリム大学歴史学者、ミダラ・サルヴィティカス 著

クヴァッチの狼、カロラス・アクィラリオスの活躍のおかげで、海賊女王フォーチュナタ船長が港に航行してきた時には、アンヴィルの守りはほとんど存在しない状態だった。港街に配属された帝国兵士たちが幾度となくクヴァッチの侵略を試みた結果、アンヴィルの兵舎は狼を相手にした敗北続きでほぼ空になっていた。フォーチュナタ船長に忠実な海賊たちはすぐさま街を乗っ取り、彼女は自ら地方総督の地位に就いた。

それで収まっただろう、とカロラス伯爵は見ていたが、海賊女王は次の行動に出ることにした。彼女はゴールドコーストが独立し、シロディールと帝国から解放されて独立した国になったと宣言した。クヴァッチが新しい体制の一部としてアンヴィルに加わるよう彼女が要請すると、伯爵はそれを拒否し、皇帝ヴァレンに忠誠を誓い続けることを望んだ。当時は勝利に確信が持てなかったフォーチュナタは強要しなかった。しかし伯爵による支持の欠如を忘れはしなかった。ソウルバーストが起きてヴァレンが消えた時、彼女は突然孤立したクヴァッチの状況を利用し、より強い態度で要求を迫った。

アンヴィルはクヴァッチに対し、外交と不正な手段の両方でゴールドコーストへ加わるよう強要を始めた。略奪者と山賊団がクヴァッチ周囲の黄金街道沿いに現れ始め、交易を妨害し、旅人を襲った。クヴァッチの精鋭である番人たちが山賊に対処するために派遣されたが、その度に山賊たちはストリッド川へ逃げ延びることができた。そして人数を増やして戻ってくると、攻撃を拡大して遠くの農場まで襲撃し、怖がった避難民は街の保護を求めた。

こうした侵略にもかかわらず、カロラスの忠誠は揺るがず、海賊女王と交渉することを拒否した。激怒したフォーチュナタは、クヴァッチが正式にゴールドコーストに併合されることを発表した。彼女は街を乗っ取るためにアンヴィルの衛兵を派遣した。クヴァッチの伯爵は壁に番人を配置し、侵略者に対抗するために歩兵隊を派遣して対処した。両勢力は宿屋〈ゴットショウ〉近くの黄金街道で対面した。統制が行き届き高度に訓練された歩兵隊は、アンヴィルの寄せ集めの衛兵を粉砕したが、状況は見た目どおりではなかった。それは罠だったのだ。隠れていた海賊の集団がなだれ込み、歩兵隊を取り囲んだ。海賊たちはボロボロの服装で統制も取れていなかったが、その数では兵士たちの6倍と圧倒していた。歩兵隊は壊滅し、それはゴットショウの大虐殺として知られるようになった。

カロラス・アクィラリオスに選択肢は残っていなかった。歩兵隊の助けがなくては、ゴールドコーストへの忠誠を誓うしかなかった。海賊女王とアカトシュ大司教の2人に挟まれる形になった伯爵は、誓いを守ってクヴァッチの街と人々を守ろうと全力を尽くしながらも、自分の力の無さに憤っていた。

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