太古リーチ スタイル

クラフトモチーフ94
Ancestral Reach Style

帝国軍副隊長アブリアナ・ネストロ 著

リーチの民の戦士は、戦闘時の凶暴性と原始的な武器と防具で広く知られている。鉄を精錬するリーチの民はほとんどおらず、鋼など言うまでもない。リーチの民の金属細工は最上級でも粗末なものだ。リーチの民は武器の製造に金属ではなく、自然がもたらす素材に依存している。木、石、皮、骨といったものだ。少し前に女帝ヘストラが行った、リーチへの帝国支配を確立させるための軍事作戦中、我々はリーチの民の皮の盾や鉄鋲をつけた樺が激しい矢を止め、ドルアダッチの熊の肩甲骨で作った斧が、軽鎧のつなぎ目を断ち切ることを知った。原始的なのは確かだが、実用性は高い。

ブーツ

急勾配の地形と厳しい天候のリーチでは、最も頑丈な足装備以外、全てすぐに壊れてしまう。リーチの民はブーツに対してとても気を使う。大抵は羊毛が裏打ちされたヘラジカの皮で作られ、頑丈な生皮の紐で固定される。中には雪や氷、または急な丘の斜面で滑らないように、鋲のついた靴底のものもある。

ベルト

リーチの民にタムリエルの文明化された人々の職人技に匹敵する工芸技術があるとすれば、それは革細工だ。リーチの戦士の衣類は純粋に機能重視だが、しっかりとした革ベルトは何年ももたせることを意図している。大抵は身に着けた者が高く評価している動物の、図案化された姿が型押しされている。熊、ヘラジカ、狼、ワタリガラスの姿が最も一般的だ。

リーチの民の兜の大部分は、内側に羊毛の緩衝材をつけた重い皮で作られている。さらなる防護が必要な時は、熊やダイアウルフなどの大きく恐ろしい動物の頭蓋骨をくり抜いたものが好まれる。頭蓋骨と雄鹿は一般的な文様だ。頭蓋骨の図案は威嚇を意図したものだが、雄鹿は狩猟の王であり、リーチの民の神の長であるハーシーンを称えるためのものである。

脚当て

脚当てを身に着けるリーチの戦士はめったにいない。長い間険しい地形を歩き回れば、すぐに足元を軽くすることが重要だと分かる。大人数での戦闘が予想されるときは、彫りを入れたアイアンウッドか硬化させた革をすねの周りに括り付ける。脚当ては、大抵作りのよいベルトに見られるのと同じような獣の像で装飾されている。

リーチの民の弓は何よりもまず狩猟の道具だ。大抵は接着させた木、角、骨で軽く造られたものだが、その大きさと重さに比較すると驚くほど強力だ。矢尻は通常欠けさせた石か削った骨だ。軽い矢は遠距離から撃ってもあまり飛ばないが、至近距離では重装鎧を貫くこともできる。

胸当て

リーチの民の鎧は皮と革だ。軽い防護のためなら強化した革が一層あれば十分だが、より重装の鎧は多層のボイルドレザーと硬化させた厚い皮で構成される。

リーチの民は剣という名に値するものを作る金属加工の技術に欠けている。その代わりに彼らは刃を購入し、倒した他の土地の戦士から戦利品を奪う。これら外国製の剣はその後リーチ製の柄、握り、柄頭で仕上げるか改修する。

肩防具

大抵の場合、リーチの民の衣類と防具はこの上なく実用的で、装飾や細かい仕上げなどはほとんどない。だが、肩の部分はリーチの民が身に着けるものを飾り立てる場所だ。あばら骨、希少な毛皮、小動物の頭蓋骨、恐ろしい形相を彫刻した木製の肩当てなどが典型的で、他には類を見ない。

手袋

リーチの民は完全な手袋より、指を出した手を包み込むことを好む。手袋を縫うのはとにかく単調で時間がかかるが、皮や羊毛のミトンは寒い時に着けるのが容易だ。よく硬化させたしなやかな革は手の衣類として好まれるが、拳全体に骨を彫って作った鋲やトゲを付け加える戦士もいる。いつ人の顔に拳を叩きこむ必要があるか分からないからだ。

リーチには頑丈な引き板を作るために必要な高さまで育つ木がほとんどないため、リーチの民の盾は多層の硬化させた皮でできている。好まれるのはブリストルバックの皮だが、入手しやすいのはヘラジカの皮で、接着して十分な層にすると同程度に丈夫となる。最高の盾は危険な強打のために骨の突起が磨かれる。威嚇の効果もある。

リーチで、杖は魔女の武器と考えられている。ほとんどの杖はアッシュ、サンザシ、アイアンウッドで作られ、様々なお守りや呪物で飾られている。素朴な外観にもかかわらず、リーチの民の杖はとても破壊的な魔法を生み出し、召喚を行うことができる。リーチの魔女の魔法に関して、遅れている面は全くない。

戦棍

彼らの身近にある素材を考慮すると、リーチの民にとって各種の棍棒は最も製造が容易な武器の部類に入る。リーチの一般的な戦棍は、重いアイアンウッドと砥がれた石片が革ひもでまとめられている。

短剣

リーチの民は石の小さな短剣を作ることが多い。石の短剣は適切な石を砕き、欠けさせて作る。石が脆ければ、剃刀のようにするどい刃が現れる。リーチの民はほぼ全員がこの種の皮剥ぎ石を持っている。しかし、戦闘用の刃は他の地との交易で入手されることが多く、それに頑丈なリーチの革細工の柄が付く。

リーチの金属細工は原始的だが、砥いだ鉄で重い斧頭を作ることは難しくない。ギザギザでバランスの悪い刃は厚く皮を巻かれた頑丈な柄に付けられ、原始的だが効果的な武器となる。

アークスザンドの武器庫 スタイル

クラフトモチーフ96
Arkthzand Armory Style

グウィリム大学、マシン・パラルド 著

ドワーフが武器や鎧を作り出す際に用いた、合金や技術に対抗できる民族はまだいない。悲しいかな、ドワーフによる金属加工の秘密の多くは遠い昔にタムリエルから消え去ってしまった。同様に、いくつかのアークスザンドのアーティファクトにも魔法のクリスタル、恐らく様々な神話的な歴史で触れられているエセリウムが使われているが、その目的と力を理解する他の民もいない。だが、恐れを知らぬ冒険者がリーチの地下に眠るドワーフの遺跡の奥底から回収した品を注意深く研究することで、我々は伝説のアークスザンドで好まれた形式に関する貴重な見識を引き出すことができる。

ブーツ

これはアークスザンドのドワーフが機動性よりも保護を重視した証拠であると思われる。この装甲したブーツは脚の下部の周囲を完全に囲み、同様に足の上面も覆っている。簡素な幾何学模様をつけて鍛造した角度のある膝当てが、膝を守っている。

ベルト

アークスザンドのスタイルでは、ベルトは胴体の下部と腰の大部分を防護する。バックルのプレートは極めて大きく、さらなる保護をもたらす連結されたフランジを支えている。

ほとんどのドワーフの兜が顔を覆うが、アークスザンドの武器庫の装備も例外ではない。この兜のバイザーは険しい表情の戦士の顔をかたどっている。幾何学的なシンボルが彫刻された、目を引く頂飾が頭頂部に乗っている。

脚当て

しっかりと連結された、優れたドワーフの合金プレートが着用者の脚の上部を守る。臀部のプレートには、一般的なアークスザンドの文様であるエセリウムクリスタルのオーブの形をした、図式化された目がついている。下には幾何学的な光線が彫り込まれている。

これらの武器を弓と呼ぶべきかどうかは難しい。弓の形をした機械と言ったほうが適切だろう。アークスザンドの職人は弓のリムを硬く柔軟性のない金属で作るが、隠されているとても強いバネが、金属の矢尻がついた矢を猛烈な力で飛ばすために必要な力をもたらす。

胸当て

巧みに繋げられたドワーフの合金製の胸当てであるアークスザンドの胸防具は、ほぼ貫通不可能だ。胸プレートの受け口には発光するアルケインクリスタル、ブラックリーチの領域で採掘された伝説のエセリウムのオーブが入っている。エセリウムクリスタルは何らかの形で防具に力を与えていたと考えられるが、その秘密は時間の流れと共に失われてしまった。

ドワーフの剣は、完全に鋼鉄と同程度の硬さと耐久性を持ち、また鋼鉄以上に腐食にも強い不思議な真鍮色の合金で作られている。刀身は重く、切るよりも突き刺すことに適しているように思われる。同様に、握りは武器全体の長さに比較して極めて長く、必要な時には幅の広い両手で握ることも可能になっている。

肩防具

先端を切り取った半円錐形の合金鎧であるアークスザンドの肩防具は、プレートの上を跳ねて兜に入り込む可能性がある攻撃を全て遮る、内側部分の高く広がった縁が際立っている。埋め込まれたアルケインクリスタルのオーブが、わずかに蓄積されたドワーフの魔法によって柔らかな光を放っているが、実際の機能は時の流れと共に失われてしまっている。

手袋

他の部分のドワーフの防具と比較すると、手袋は驚くほど軽い作りになっている。指は関節を覆う小さなリベット以外に保護するものがない。これは着用者の精密な機械を扱う技術を損なわないようにするためである可能性が高い。それぞれの腕甲の小さい受け口には、エセリウムクリスタルのオーブが入っている。

先のとがった、切込みのある楕円形に作られた大きな三角盾であるアークスザンドの盾は、ほぼ破壊不可能な1枚の合金でできている。装飾的な工具使いによる仕事が、高度に図案化された幾何学的な光線を発している目を描写している。

仮にドワーフが木材を使って仕事をしていたとしても、その記録は残っていない。彼らの杖は軽く強い金属の合金でできている。頭部は小さい機械のような形に作られているが、これらの機器がどのようにドワーフの杖の効果に貢献していたのかは知られていない。

戦棍

アークスザンドのドワーフは、斧と同様に、その印象的な頭部と同じ強さと耐久性を持つ金属の柄がついた戦棍を作った。実際、アークスザンドの戦棍はひと目見ただけでは斧と見分けるのが困難だろう。この武器の大きく重いフランジは、斧の刃と極めてよく似ている。だが、戦棍は切れ味が鈍く、ドワーフの斧に見られる2つの刃の代わりに4つのフランジがついている。

短剣

一般的にドワーフは刃物よりも斧や戦棍を好むようだが、短剣や剣を作る際には素晴らしい技術を発揮する。刀身自体は、外見上真鍮に似ているが鋼鉄よりも硬く耐久性がある合金でできている。それが何から作られているのかは、現在まで知られていない。

ドワーフの斧は両刃で、丈夫な金属の柄と共に作られている。他の民が作った同様の武器よりも圧倒的に重いが、うまくバランスが取れていて、また極めて頑丈だ。アークスザンドの斧の威力に耐えられるのは最も重いプレートアーマーだけだ。

グレイムーア スタイル

クラフトモチーフ85
Greymoor Style

ソリチュード衛兵、ヴィッドグリル隊長 著

グレイホストについて紹介する必要はないだろう。蘇った古代の軍隊で、躊躇なく命を奪いこの地を蹂躙している。敵を知っておくことは重要なことだ。この恐怖と刃を交えた者は多いが、その武器と防具に関してはひどく誤解されている。そこで私は、グレイホストの武具に関して知る限りのことを詳述することにした。読者がより備えられれば幸いだ。

ブーツ

グレイホストの衣装のデザインは格調高く繊細で、その意図を誤解されかねない。ブーツも同様だ。薄い黄金のプレートが、強化された靴底までを覆っている。短剣のように尖った爪先は、短剣と同等のダメージを与えられるだろう。

ベルト

グレイホストのベルトは黄金のコウモリが際立つ。デザインは様々だが、翼を広げた姿は共通している。機能より装飾を重視しているようだ。グレイホストが固執している華美な様式を強調しているのかもしれない。

グレイホストの兜は、暗いオニキス色のプレートで補われている。頭頂部にはドラゴンのような鋭い角が飾られている。バイザーの上には翼のように広がる黄金がアクセントを加えている。面頬を開けたままにしている者も、覆いの中から野獣のような眼光がのぞいている者もいる。この兜を見ると…鋭さを感じる。

脚当て

グレイホストは黒い革のグリーヴを好む。プレートと同じような扱いだが、夜にはほとんど見えない。隠密性を重視しているのは間違いない。もっとも大抵は、腰回りや膝の周囲に黄金の金属を加えて防御を強化している。

グレイホストは羨ましいほど素晴らしい弓を作る。メッキを施され、アーチを描いた翼が矢筒と弓を飾っている。その二つの組み合わせは単純な戦闘を、戦場で目を奪わずにおかない闇の美しさと恐ろしさを備えた何かへ変貌させる。

胸当て

グレイホストの胸には黄金の紋章がある。胸全体に広がるデザインも、中央の小さな部位に意匠を凝らしたものもある。鎧の深く暗い黒に対して黄金の輝きが映え、見る者に畏敬を覚えさせる。

グレイホストの短剣と同じく、剣も細く精妙になっている。その外見はほとんど針を思わせるが、だから危険でないわけではない。その金属は頑強で、肉も筋も貫き通せる。そしてあまりに刃が薄いので、その攻撃が見えにくい。

肩防具

グレイホスト軍の肩は、吸血鬼の牙のように鋭い黄金のポールドロンで守られている。兵士の実際の肩幅をはるかに越えて伸び、より厳つく屈強に見せている。肩当てのへりは、剣と同じように鋭く見える。

手袋

黒い革のため、グレイホストの手は夜間にほぼ見えない。とどめの一撃を受ける前には、月明かりで黄金の閃光を目にするかもしれないが。

グレイホストの盾を飾るのは、重くねじくれた金属だ。精緻な装飾が恐怖を誘う。そのためにこの盾は、彼らのシンボルとなったのだろう。金属の中に恐ろしい顔を見たという者もいる。持ち主がかざすたび、盾がおぞましい笑みを浮かべるように見えたという。

グレイホストの杖は戦棍に酷似していて、違いはサイズが小さい点だけだ。杖の先端は恐ろしい鉤爪を思わせる。吸血鬼の王を模したのかもしれない。いずれにせよ、恐ろしい姿をしている。

戦棍

個人的には、グレイホストの戦棍が三叉鉾と似ているように思える。複数の穂先が打撃力を補っている。穂先は均等に先端で揃えられ、鉤刃は肉へ食い込み引き裂く。

短剣

無知な者が一見すれば、グレイホストの短剣は脆そうに思える。だが多くが証言するように、この細身の刃は刺突向きだが、どんな短剣にも劣らず危険だ。設計の精密性が、この短剣を特に危険な武器へと仕上げている。

グレイホストの斧は実に恐ろしい。黄金の大きな二枚刃が恐るべき破壊のアーチを繰り出す。彼らの他の武器と同様、この斧は優雅なために真の危険性を認識できないかもしれない。美しさに騙されてはならない。

パイアウォッチ スタイル

クラフトモチーフ83
Pyre Watch Style

パイアウォッチ名誉歴史書記、タゼク・アトラジド 著

死は終わりでなければならない。パイアウォッチが戦士に求めるのは、この要求を堅持することである。後から来た者たちは我々が灰と骨の山を扱うのを目にして、その任務を見下すかもしれない。「この塵に何の危険があるのか」と問うだろう。だが、血の幽鬼と獣人の群れがバンコライの門を行進する姿を目にした我々は忘れない。この不浄の墓には怪物が眠っていることを。生者を守るための力を与えてくれる、我らの武器と鎧のことをよく知るとよい。なぜなら、グレイホストを目覚めさせてはならないからだ。死は終わりでなければならない。

ブーツ

パイアウォッチは誰も不浄の墓に入らず、誰も出てこないよう見張っている。我々が戦士に要求するのは、敵の遺骸に対するあらゆる干渉に目を配ることである。足の痛みに気を取られていると、重要な瞬間を逃す恐れがある。だから我々はブーツに柔軟な革を使い、快適さを保つ。

ベルト

グレイホストは遠距離で戦わない。グレイホストの軍団は爪を使い、至近距離で戦う。アンデッドの長い爪に捉えられれば、どんな戦士も長くはもたない。一番いいベルトを締めるべきだ。布がなびいていると敵に隙をさらす。パイアウォッチの印章を留め金に付け、出会う相手に汝の犠牲を知らしめよ。

パイアウォッチより高い目的のために過去を捨てている。以前の生活は終わりにして、目的から気を逸らすようなものは一切を取り除かなければならない。顔を覆うことで素性を取り除き、大義への完全な献身を示す。

脚当て

今でさえ、悪党が埋葬された敵を蘇らせようとしているのを感じる。柔軟な馬の革で作られ、最低限の金属板を加えたパンツやスカートにより、我々は脅威の徴候を見ればすぐさま行動に移れる。脅威を始末するために走り、回転し、跳躍する必要があっても、この足装備は邪魔にならない。

グレイホストがバンコライに来た時、私は凍りついて邪悪な幽鬼の群れが押し寄せるのを眺めていた。射手が素早く反応していなかったら、私は確実に死んでいただろう。矢の波状攻撃が敵を打ち倒したことで、私も勇気を取り戻した。我らが弓の優れた速度と威力は、仲間の生死を分ける。

胸当て

金属の重鎧は刃や矢から身を守ってくれるが、装着者の動きを鈍らせる。敵が超自然的なまでに素早いアンデッドである以上、速度はより重要である。我々は体にぴったり合う柔軟な革で胸防具を作り、反応速度を高く維持している。吸血鬼や狼に接近された時、金属鎧は爪を防いでくれない。

我らが民の偉大な剣士の物語は、蔵書庫を埋め尽くせるほどにある。我らが作る剣は全て、その伝承に恥じぬものでなければならない。刃に刻まれた細密な意匠と完璧なバランスは、幾世代にもわたる優れた金属加工師の技の結晶である。

肩防具

肩はしっかりと守るべきだ。爪による浅い切り傷でさえ、腕が使えなくなる危険がある。分厚いがよく曲がる革は、自由な動きを可能にする。さらに金属プレートの層は、牙に立ち向かう者を保護する。

手袋

パイアウォッチは闇に対抗する武器である。剣が使用者の意思に応えねばならないように、我々の体もトゥワッカの命令へ機敏に応答しなければならない。我らの手袋はこの上なく柔軟で物をつかみやすいため、戦闘時に武器を失って、欺きの神の名誉を汚すようなことはない。

グレイホストは闇に仕えている。そして奴らの灰もまた闇に留まるべきである。パイアウォッチは暗闇の中で見張るが、我らは光に仕えている。よく磨いた銀と金で作られた盾は、墓地で出会う者に汝が仕える相手を知らせる。

グレイホストは戦場をとても素早く移動する。離れて位置する魔術師も、しばしば接近戦を強いられる。パイアウォッチの杖は上質のモウルノス材で作られているが、威力を高めるため金属プレートで強化されている。幽鬼の顔に叩きつけても、先が割れることはない。

戦棍

敵を倒すために何度も武器を振るう必要があるとすれば、それは死を招くようなものだ。この武器の重量を正しく生かせば、標的は二度と動くまい。頭蓋骨を砕けば、吸血鬼であっても脅威とはならない。

短剣

強力で素早く、あらゆる点で完璧にバランスが取れている。これがパイアウォッチの短剣の特徴である。緩やかに湾曲した刃は、全てのバンコライの意匠が持つ洗練された優雅さを反映している。我々は短剣を隠しつつ、常に使えるよう備えている。我々自身と同様に。

我らは一般的に剣を用いるが、破壊力のある斧は装着者に特別な利点を授ける。重い刃は広範囲を薙ぎ払う際に斧を支える。敵に囲まれた場合に一撃で複数の敵を倒せる力は、死と次の戦いに赴く生を分ける。

海の巨人 スタイル

クラフトモチーフ86
Sea Giant Style

ヴァーセント・アードレイ 著

海の巨人のことはほとんど何もわかっていない。これまでに集められた謎多き種族に関する断片的な情報だけでは、姿を鮮明に描くことがとてもできない。海の巨人が勇猛な狩人である点は間違いないだろう。巨大な鯨を捕らえるのは並大抵の仕事ではないからだ。長きに渡って彼らがノルドの海の男にとっての神秘と恐怖の対象であり続けてきたことを鑑みれば、彼らの技を取り入れて得られる利益はとても大きいはずだ。

ブーツ

海の巨人は武器に大量の骨を使っていることがわかっている。論理的に言って、衣服に関しても同様のアプローチを用いているに違いない。小さなものでもだ。鯨の骨は靴の優れた補強材となるし、脛の外に強力な武装を取り付けることもできる。

ベルト

海の巨人を実際に目撃したと言い張る者たちは、頭蓋骨と長い鋸歯で飾られた衣服について証言している。あれほど巨大な生物からすれば、サーベルキャットの頭蓋骨も鳥の頭同然の大きさにしか見えないだろう。我々はより小柄だが、似たような装飾を使える。鳥の頭蓋骨やスローターフィッシュの歯は、我々のベルトにとって同じように恐ろしい飾りとなる。

海の巨人の目撃談はとんでもなく誇張されたものばかりだが、一貫した主題がある。それは恐るべき光景だったということだ。山のような野蛮人が海を渡る術を会得しただけでも恐ろしい。我々が彼らを模倣するなら、兜で同様の恐怖を植え付けねばならない。太いホーカーの牙、輝く魚鱗、長い骨のプレートで、戦慄すべき海の巨人を演出するのだ。

脚当て

もし海の巨人が陸の巨人と同じような存在なら、グリーヴの必要性など感じないだろう。しかし、海の巨人は獲物を狙って凍える海に乗り出さねばならない。ホーカーのボイルドレザーは温度を保つだけでなく、他の素材に劣らない防御力を誇る。我々のグリーヴを強大な魚の骨と鱗で強化すれば、海の巨人の偉大さに近づけるかもしれない。

彫られた骨は弓に重みを加え、安定させる。海の巨人が弓を使っているかどうかわからないし、そもそも飛び道具を使っているのかも謎だが、もし使っていたらきっとこのようなものだろう。ホーカーの皮で作った矢筒と、海鳥の羽根をつけた矢だ。

胸当て

船乗りはしばしば、海の巨人がまとう魚鱗の鎧を噂する。巨大な鱗の出どころは寒気がする謎として残ったままだが、強力な守りになることは間違いない。ボイルドレザーアーマーの胸にこの装甲を縫い付ければ、信じられないほど頑強な防具となる。

海の巨人にとって我々の剣など短剣でしかないが、彼らもきっと柄のホーカー皮や柄頭に施した骨細工を喜ぶはずだ。我々は大きな鯨にとどめを刺すため海に飛び込むことはないが、この神秘の獣を戦場で用いることはできる。

肩防具

海の巨人の船が確認されたことはないが、巨大であると推測せねばなるまい。あれほど巨大な漁師を乗せる船体は、とてつもなく巨大でなければならない。鎧も同様の驚きを演出できる。骨を削り出したミニチュアの船首像をポールドロンにつけ、装着者を船そのものに見立てる姿を考えてみてほしい。

手袋

敢えて言わせてもらえば、魚鱗と魚の歯は鎧の製造において過小評価されてきた。軽量なのに信じがたいほど丈夫という際立った利点があるにもかかわらずだ。海の巨人が獲物の食べられない部分を転用できる知恵があるのなら、そういった素材で手を守る利点にも気づくだろう。我々もそうすべきだ。

海の巨人のように野蛮な種族は、盾のような防具を忌避する傾向にある。だからといって、彼らが作りそうな盾を作れないということではない。骨は彼らにとって潤沢な資源だ。海の民であることを考えれば、木材や鋼よりも入手しやすいはずだ。既存の盾の端に骨を加えれば、防御力、危険性、スタイルを追及できる!

海の巨人が魔法を使わないことには、私の名誉をかけてもいい。しかし彼らの骨に対する愛着を考えれば、我々の杖を海の巨人が使うような杖の、恐るべき模造品へと変えることはできる。小動物の頭蓋骨を先端に据え、大きな骨を帆のように薄く切り出して広げ、杖を振るう者の怒りを買った不幸な者に恐怖を植え付けるのだ。

戦棍

海上で海の巨人を目撃した者は、その船首に恐ろしい船首像が据え付けられていたと語る。その証言は恐ろしいガーゴイルからホーカーと思しき醜い像までばらつきがある。本当かどうかは誰にもわからないが、戦棍のデザインとしては面白いコンセプトになるだろう。と獰猛な顔をした4つの船首像が、いつでも敵を撃ち据えられる棍棒となる!

短剣

海の巨人は粗野な短剣や、我々がショートソードと呼ぶようなものを使っているだろう。鯨の死骸に見られる痕跡に長い切り口や切断面があるのは、刃物が使用されていることを示している。ここからインスピレーションを得るなら、切り裂く強き刃を用意し、柄にはしなやかなホーカーの皮を使うべきだろう。

海の巨人の漁の痕を研究したところ、判明したのは海の巨人が銛に似た構造の武器を作れることだ。証拠から間違いはない。これを付属品として斧に取り入れれば、元から危険な武器に壊滅的な打撃力を加えられる。
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