トリニマク スタイル

クラフトモチーフ22
Trinimac Style

トリニマクの司祭、尊者ウーガス 著

エルフどもはトリニマクの戦士の理想が何たるかを忘れ去ってしまったが、我らオーシマーの中には今も生き続けている!トリニマクの末裔として、我々には顔色ひとつ変えない勇敢さと、大胆不敵さがある。我らはトリニマクの黄金の肌をしのび、黄金色に輝く武器や鎧を使用する。そして磨き抜かれたアクセントの黒檀は、トリニマクがロルカーンの心臓を引き抜いた際の血を表している。

ブーツ

トリニマクの末裔は戦士であり、つま先部分が金属で覆われ、黄金の英雄の輝きを放つサバトンを履く。

ベルト

トリニマクの崇拝者にとって、ベルトはオーシマーを団結させる黄金の英雄への信仰心を象徴するものである。英雄の黄金の兜を連想させるバックルの中心には、トリニマクの明確な視野を表すクォーツの結晶が飾られている。

トリニマクの戦士は勇者を模した黄金色の兜をかぶり、多くの場合、トリニマクの厳めしい表情を連想させる黄金のフルフェイス型バイザーを装着する。

脚当て

脚全体を覆う黄金色のグリーヴには膝当てが付き、途切れなく足元のサバトンと重なり合ってトリニマクの戦士の脚を守る。

我らの弓は、一本の矢で巨大なデイドロス、ゼットサックスの目を射抜いて倒したオーシマーの英雄、エルサレルの弓を模している。伝説によれば、エルサレルは黄金の英雄に敬意を表し、1日20時間を弓の練習に費やしたという。

胸当て

トリニマク教団の胸当ては、美的感性の極地を追い求める教団の姿勢を何よりも表している。複雑かつ華美な象徴が散りばめられ、精巧な作りで戦闘中の戦士を守る機能を最大限に高めている。身にまとうトリニマクの戦士は、何ともまばゆい輝きを放つ!

トリニマクの戦士の剣は、稲妻のような閃光を放ちながら鍛え上げられる。片手武器は短剣と同じように刃が2本に分かれているが、大剣は長く真っ直ぐな1本の刃が剣先の寸前で細くなっている。

肩防具

トリニマクの戦士のポールドロンは、黄金の勇者を乗せ、生きた悪魔クワルヴィッシュに報いを受けさせた大鷲ジルヴァラの翼のごとく、天に向かって伸びている。

手袋

トリニマクの信奉者は、細かい作業が可能なとても柔らかい革の手袋を着用するだけでなく、黄金色の金属の関節式篭手で手の甲を覆う。

トリニマクの戦士の盾にはヴァイアの黄金の灰、彼女が破壊神ロガルの一撃をはね返した盾を彫り出した木の模様が施されている。また、この模様はオーシマーの力、品位、団結を象徴する。

黒檀はトリニマクがロルカーンの心臓を引き抜いた時に、その血がタムリエル全土にこぼれて固まったものだと言われている。それ故、トリニマク教団では魔法の杖に磨かれた黒檀のノブと装飾を施す。

戦棍

トリニマクを信奉する者は、一発のパンチで巨大なマンモスを倒したオーシマーの英雄にちなみ、その丸い戦棍を「ウスノクの拳」と呼ぶ。円筒状のヘッドには鉛玉が収納されており、武器を振ると外側に転がって打撃の威力を高めてくれる。

短剣

短剣は最上級の鋼鉄から鍛えられる。2本の突き出た刃は、殺戮者であり守護者である黄金の英雄トリニマクの二面性を表している。

トリニマク教団の斧は、炎の山の心臓を割った際に損傷した英雄アヴァリアンの斧のようにギザギザな形状をしている。刃にはオークの力と団結を象徴するヴァイアの黄金の灰の模様が施されている。

モラグ・トング スタイル

クラフトモチーフ30
Morag Tong Style

レコンダイト・フォージへのギルドのメモ

高貴な主人より、ここ最近あなた方がトングに提供している品に対して不満があるとの伝言を預かっています。黄昏の月の分に関しては品質も見た目も標準以下で、全くもって受け入れ難いものです。名誉挽回のチャンスを1度だけ与えましょう。失敗しないように。あなたたちの…社会復帰のためにも。我々の要求を以下に記します。

—知る者 ナリュー・ヴィリアン

ブーツ

モラグ・トングの靴の指先や上部はキチンの板で守られているけど、横や靴底は頑丈かつ静かで伸縮性のある革でできている。目標は、命令されたターゲットに気付かれることなく近寄ることよ。できる?あなたたちのためにも、できると願っている。

ベルト

モラグ・トングは人を獲物とする森の狩人のようなものよ。我らのベルトは森林労働者のもののようにシンプルで頑丈な革のもので、たまにドゥルーやマッドクラブのキチンで装飾する。でも、あまり派手にしないで。そういうのは胸当てやポールドロンにとっておいてね。

フランジ付のキチン兜はまずまずの出来だったが、シールドゴーグルは大失敗だったわ。重たいガラスのレンズは波形になっていて、着用者の視界が損なわれ、見るもの全てが中心からずれて見えていた。命令されたターゲットの首を切りに行ったはずが、間違えて肩を切ってしまうなどということがあってはならない。レンズにどんな素材を使っているのか知らないけど、変えなさい。

脚当て

これは重い革(これもできればブル・ネッチのもの)の上をキチン板で覆うべきよ。ドゥルーやマッドクラブからとれるようなね。キチンよ。骨ではない。我々は骨を着ない。それから、重い鎧の鋭い膝当ては前ではなく横から突き出るべきよ。その方が奇妙で危険そうに見えるから。

モラグ・トングの射手が使う弓は硬材と角を混ぜて作ってあり、その基本的な製造原理は何千年も変わっていない。装飾には受け流し用に金属製の三日月を中央の持ち手の上下に付け、網の紡ぎ手を称えるクモの巣の支えを付けなさい(誰のことを言っているか、知らないふりはしないでね)。

胸当て

モラグ・トングの胸当ては守るだけでなく威嚇するようにも作られている。表面の基礎は暗く重たい、理想的にはブル・ネッチの革で、その上はキチンの板が不規則にあしらわれているか、もしくは(重装備の場合)覆っているべき。その効果は凄まじく、着ている者は人というより甲殻類に見えるはずよ。想像力を働かせてね!我々には守らねばならない評判があるの。

モラグ・トングの剣は片面が鋭く、先端付近が反っており、短剣と同じでかかりがついている:同じように死体に引っかけるためよ。見た目が恐ろしくなるように、剣の背に不規則に沿った刃を付けておきなさい。

肩防具

モラグ・トングの鎧の独特なシルエットを保つためには肩を正しくすることがとても大事なので、注意して読むように。肩甲は胸当て同様、連結式のキチン板だけど、上部の板には短い曲線型の角を付けないといけない。これにはドゥルーかショークの殻の突起を使いなさい。

手袋

前回送られてきた篭手は、革の品質や手の甲のキチン板は正しかったが、指先を出すはずが全て覆ってしまうという重大なミスがあった。我々は細かい作業をしているの。いい?ピッキングや獲物の首に鉄環を巻き付ける時には、指先が必要なのよ。指先が開いた篭手を作りなさい。分かった?

確かに盾のデザインはキチンっぽいけど、実際には金属が上塗りされたアッシュウッドよ。本当にキチンでできているモラグ・トングの鎧とテーマを合わせるために重構造のキチンに似せているだけ。あなたたちには難しすぎる?理解できるまで、何回か読み返して。理解できたら、正しくやりなさい。

トングに真の魔法使いは数人しかおらず、私はその1人ではない。魔法杖のデザインがどこからきたもので、なぜそれを遵守する必要があるかについては何とも言えない。先に付いているのは重い銅でできたドワーフの魚のようなものに見えるけど、それはあくまで私の見解よ。あなたたちにとって大事なのは、できる限りデザインに忠実に作ることね。

戦棍

トングの戦棍は、2つの重たい円筒状の頭を付けた、伝統的なチャイマーの戦鎚のデザインを用いている。受け流しのため、頭の下の柄を金属で覆いなさい。それと、キラキラしすぎないように。武器のせいで居場所がばれてしまってはまずいから。

短剣

モラグ・トングの短剣の刃は沿った半三日月型で、死体の肉に引っかけられるよう先端にフックかかかりがあるべきよ。このフックは曲がったり抜けたりせずに死体を引っ張れなければならない。現に前回送られてきたものではそのようなことが起こった。完成だと言い切る前に、試すことぐらいしないの?

中央に特徴的な「ダブルバイト」加工のされた、大きく重たい三日月形の刃に注意して。この幅広い鋸歯状の縁は、森の猛獣に噛みつかれたかのようなきわめて残忍な傷を生み出す。(古代語で「モラグ・トング」は「森のギルド」を意味するでしょう?)斧の刃はダブルバイトにして。分かった?

アカヴィリ スタイル

クラフトモチーフ18
Akaviri Style

隻眼のホルガン 著

ジョルン王がアカヴィリ製の武器や鎧の様式についてまとめた書を専門家に書かせたがっている。カマルからのアカヴィリ侵攻の際、俺ほどアカヴィリを仕留めた者はいないだろう。つまり連中の武器に関する専門家だと言える。だいたい他に任せられる奴がいない。リガートに書かせるわけにもいくまい。

ブーツ

北方のアカヴィリのブーツは、カマルの厳しい雪道を進めるように簡素で実用的なものが多い。南方のツァエシは厚手の革や小さい金属を使い、帝国のサンダルのような靴やサバトンなど、より複雑で装飾的なものを使う。

ベルト

アカヴィリのベルトの締め金には、派手な装飾があしらわれている場合が多い。おそらくクランに関連する印だろう。印はいずれも左右対称で、通常は曲線が織り交ざったような図になっている。以前仕留めた将校のベルトを何年か使っていたが、頑丈でよくできていた。

博物館にあるものや戦士ギルドが再現したツァエシの兜を見たが、首や側面を重構造の防具で守っていた。また頭頂部には角か枝角のような、一対の派手な装飾があった。カマルの兜は対照的にシンプルだが、側面と後頭部を守っている点は同じだ。どちらのアカヴィリの兜にも、面頬などで顔を覆うものが多い。味方にはこれを不気味がる連中も少なくなかった。

脚当て

アカヴィリの脚当ては、奴らの使うサンダルのようなブーツとつながっているように見える。いつもどこが境目なのか分からない。

アカヴィリは両端が角製で反った形の合成弓を使う。金属に似た塗料で覆われているが、そうじゃない。そもそも連中の弓が金属製だとしたら、引くほどの力をアカヴィリは持ち合わせていない。

胸当て

アカヴィリの胸当ての素材は当て物、革、鋼などだ。特に珍しいものじゃない。装飾は三角形やピラミッド型のものが多く、その頂点は首元に向いている。

アカヴィリの剣に対する執着心はレッドガードに近いものがある。奴らの長剣は俺がこれまで見た中でも最高レベルの出来だ。ツァエシの曲刀などは手に持っただけで敵の四肢をたやすく切り落とせるのが分かるし、カマルの直刀もこれに劣らず危険だ。

肩防具

胸当てのデザインが三角形なのに対して、アカヴィリのポールドロンやショルダーカップはどれも長方形や正方形のプレートをつなげて作られている。なぜか? そんなことは知らない。

手袋

アカヴィリの武器にはほとんど防具部分がないから、手の守りは篭手にかかってくる。手の甲は厚い防具で守られているが、武器や盾をしっかり握れるように指は自由に動かせる形状をしている。

カマルの盾は北方の森の木で作られ、端を金属で囲ったものが多い。南方のツァエシの盾は湾曲した鋼鉄の薄板から作られたものが多い。盾には戦士たちの兜の装飾と同じような印がよく使われる。

アカヴィリの魔術師は杖を大切にする。杖は鮮やかで金箔や赤い宝石など豪華な装飾をあしらったものが多い。杖の柄はタムリエルでは知られていない頑丈でしなやかな木で作られ、大斧の一撃でさえそらすことができる。

戦棍

カマルは戦棍の柄頭が四角形のものを使い、ツァエシは丸い形のものを使うことが多い。どちらも危険なスパイクで覆われている。重装備で挑んでも、あれを食らったらただじゃ済まない。

短剣

アカヴィリの短剣は美しいが、外見に騙されてはならない。あれは命を奪うための道具だ。もし戦場で倒れたら、脇か股間にあの刃を感じることになるだろう。剣と同じで湾曲した方がツァエシ、真っ直ぐな方がカマルのものだ。

アカヴィルの住むカマルから侵略者は来たが、ひどく寒く雪に覆われた土地らしい。だからカマルの斧が俺たちスカイリムのノルドの斧と似ているのは、何も不思議なことじゃない。特に片手持ちの斧は、明らかに俺たちが氷河を渡る時や氷に覆われた山を登る際に使うピッケルが元になっている。

マラキャス スタイル

クラフトモチーフ23
Malacath Style

鍛冶夫人ガーズボグ・グロー・グログ 著

鍛冶師たちよ!我らが熱い金属を叩くのは、ただ楽しいからではない。鍛冶を営むのは、マラキャスの栄光のためである!ずさんな仕事は許されない。アッシュピットで、オークの父に許しを請うはめになる品は作るべきではない。マラキャス教団のスタイルで装備を作りたい?それならば、正しい方法はただ1つ。不安定さを象徴する傾いた四角のシンボルを用いること。心してかかれ!

ブーツ

たとえ行く手に雪や氷、あるいは岩や灰が立ち塞がろうと、マラキャスは進み続けることを求めている。我々のブーツは最上級の革で作られ、靴底に小さなスパイクを付けて滑りにくくしている。また、どんな場所でも安定して進み続けられることがブーツには求められるので傾いた四角の模様ではなく、山形模様があしらわれる。上向きの模様は安定性、逆向きの模様はグリップを象徴している。

ベルト

我々はただでさえ腰を曲げるのが苦手なため、シンプルで幅が広すぎないベルトを好む。ただし素材には高級なマンモスの革など、できるだけ上質なものを使い、高品質なものへと仕上げる。なぜなら、マラキャスがそう求めているのだから!

我々の兜とフードは胸当てと同様に層状になっており、同じくマラキャスの傾いた四角の模様があしらわれている。頑丈ながら、重すぎることもない。裏切りは必然のため、オークは常に警戒心を怠らない。

脚当て

マラキャスはこう教えている。敵は卑劣な行動の前に口先だけの言葉を放つのと同様、上と見せかけて下を攻撃してくるものだと。それゆえ、グリーヴには特別なこだわりがある。

近距離で、正々堂々と、真っ向から戦うことがマラキャスの教えである。遠くから矢を突き刺すのは美徳に反する。マラキャスにとって弓は狩人の道具であり、戦士の武器ではない。そのため、マラキャス教団の弓は他の武器に比べて軽く、シンプルな作りになっている。

胸当て

戦闘中、層になって防御を固めるようにオークの父が指示すると、オークたちは前後左右にいる味方の戦士たちを援護する。マラキャスに名誉をもたらすチャンスは、皆に等しく与えられる。同じく、マラキャスの戦士は毛皮と硬い装甲が層になった胸当てを着用し、多くの場合は胸と背面上部を覆う大きな頭巾をかぶる。

マラキャスはこう教えている。オークが敵に囲まれた時は、敵を切りつけて突破口を開くのが最善の策だと。我が教団の剣は長く、湾曲し、両側に危険な刃が付いているため、そんな時にちょうど良い。自らが狩られる者となった瞬間、我々を追い込んだと考えていた敵は驚くだろう!

肩防具

戦闘中、層になって防御を固めるようにマラキャスが命じるように、我々の鎧もポールドロン、フォールド、コウター、膝当てで基本となる鎧の守りをさらに固め、それぞれに聖なる模様が施されている。広い肩周りを覆うポールドロンには、突起や浮き出し模様が施されることが多く、防御時に腕を保護する。

手袋

マラキャス教団の篭手は肘まで覆う作りで、はね返しを象徴する山形模様があしらわれている。必要に応じて、小手で攻撃を受け流す術も教え込まれる。また、味方のはずだった者に背後から襲われた時は、身を反転させて強烈な裏拳を浴びせることが、最大の防御であると心得ている。

マラキャス教団の凧型の盾には、聖なる山形模様と傾いた四角の模様があしらわれる。見た目には分からないが、硬材の板を折り曲げた鋼鉄で包む多重構造になっている。軽いながらも、この盾を破るのは不可能に等しい。

マラキャス教団の魔法使いたちは、そのエネルギーを欺まんに満ちた敵へとぶつける。そして、杖の先端には聖なる傾いた四角の模様が象られており、そこから放たれる破壊の呪文は敵に破滅と混乱をもたらす。言葉で惑わす者、マラキャスに栄光あれ!

戦棍

マラキャス!鍛冶場を司る者!鍛冶を生みし父!我々は槌を手に、鋼鉄を打つように敵を叩き潰し、戦いの中で御身を称えん!重き槌よ、傾いた四角の力を叩きつけたまえ!

短剣

マラキャスの短剣は用途が広く、頑丈な作りで、わずかに曲がっている。さらに、逆さにして背後から襲ってきた敵を刺せるように、両側に刃が付いている。裏切り者はどこにいるかわからない。

マラキャスの斧は、当然のごとく巨大な刃を持つ。刃は大きければ大きいほどいい。そして、表面に山形模様と傾いた四角の模様をあしらうのがマラキャス流となる。斧は何かを切り落として倒すためのものであるため、不安定さの象徴をあしらうのは自然なことだろう。質問は受け付けない。

マザッタン スタイル

クラフトモチーフ45
Mazzatun Style

ストームホールド戦士ギルドホール、アームズマン・オミータ 著

戦士達が敵を理解しやすくなるように、沼の奥地にある部族が使う、武器と道具を一覧化しようとしている。マザッタンの装備は羽根、鳥類と爬虫類の頭蓋骨で飾られ、とても派手なものだ。おかげで特定しやすいため、私にとっては都合がいい。記録に残すため、そして戦場に出るギルドの戦士のために、下記にマザッタン特有の武器と防具を簡単に説明する。

ブーツ

足装備は、もし着用する場合も軽装備だ。戦士には、靴底に厚手の動物の皮か木の皮を用いたサンダルが好まれている。足首とすねを保護するため、その周りに骨、貝殻、その他柔軟性のない素材が巻き付けられることもあるが、足を引きずらせるには格好の的だ。

ベルト

ベルトは布や毛皮のサッシュから、皮や繊維を複雑に織り、編んだものまで様々だ。スタイルや素材は異なるが、共通しているのはマザッタンの印である螺旋状の道の印が、へその部分を派手に飾っていることだ。何か特別な意味があるなら、参考になる書物が魔術師ギルドに8冊ほどあるはずだ。

マザッタンの頭防具は、ほとんどが簡素な皮フードである。それ以外は兜の実用性よりも、頭蓋骨や羽根のように派手な飾りをどれだけ付けられるか、個々の地位を誇示することが重視される。時にはこうした飾りが、下の頭蓋骨を保護することもある。

脚当て

マザッタンは基本的な服装として腰布を好むため、脚の保護は最低限である。戦士が骨のプレートをベルトからぶら下げ、膝に巻き付けることもあるが、ほとんどの場合足はむき出しのままだ。可能ならばうまく利用するとよい。ただし、彼らはぬかるみの中を素早く動き回る。

マザッタンの飛び道具は主に投擲だが、最も鋭い目の戦士には簡素なリカーブボウが好まれている。多くは沼地の柔軟なアシで作られているが、羽毛で飾られた木製の弓も見受けられるので注意が必要だ。部族の射手の中でも腕が優れている印であり、身を隠すべきかどうか判別しやすい。

胸当て

マザッタンの防具において主要な素材は骨だが、意外と効果的である。重ねられた骨は鋼のスケイルメイル、太い角や牙などとほぼ同等の防御と柔軟性があり、強力な攻撃も止められる。マザッタンの防具屋は腹部を適切に保護できる手法を持たないらしく、戦士達の最大の弱点は腹部である。

マザッタンの戦士が使う武器や鎧で、加工された金属が使われているものは少ししかないが、剣は例外だ。当然ながら戦闘で多く使われるが、同時に道具としての役割も果たす。これらの大きな山刀はほとんどの植物を切り開くために使用でき、裏の歯はノコギリとしても使える。さらには刃の平面に鱗のような彫刻もある。この地に住むワマスに似せて作られたものだと考えられる。

肩防具

マザッタンの防具がなぜあそこまで襟元の防護に力を注いでいるのか分からないが、首や肩の回りにはとりわけ大きな骨が巻かれていることが多い。時には、大きな獣の顎が丸ごとぶら下がっているのを見掛けることもある。近代的な防具技術がない場合、一番着用しやすいからかもしれない。

手袋

皮の篭手と腕輪を組み合わせて腕を主に守っている。分厚い骨板と鋼のバンドで強化されることも多い。また、どんなに軽装でも石のビーズを巻いて強度を高めている。錬金術の調合薬や油を燃やすために使う火打ち石が含まれていることもある。

盾は手が込んでいて、木、アシ、石、骨、布、羽根、鋼が組み合わせられている。表面は縫い合わされた骨のプレートの組み合わせで、中央に石のスタッドがある。アシを使った構造は軽く、耐久性が疑われる。何度も打ちつければ、いずれ全体が崩れるだろう。縁にある角には注意が必要だ。喉に突き刺さる危険がある。

私にはまだ、マザッタンの住民にとっての儀式用の杖と戦闘用の杖の違いが特定できていない。通常は、部族のヒストの木から落ちた枝を彫って作られる。ほとんどの場合は動物の、またはそれ以外の頭蓋骨が、杖の上部の装飾として使われる。使用される頭蓋骨は大抵、使用者にとって重要な意味を持つものである。

戦棍

その簡素さにおいて、マザッタンの戦棍のデザインは非の打ち所がない。簡素な硬材の球体が木製の柄の上に乗せられ、鋼がちりばめられている。全体的に、後頭部に鮮やかな羽根があり、顔に鉄の「くちばし」が突き出た鳥を連想させる。

短剣

しっかりとした短剣は希少で、主に儀式的な役割を果たすと思われる。戦士が持っているような短剣のほとんどは、蔓や雑木を取り除くために使う山刀である。ただし、利き腕の鉄手袋を切り裂いた者も見たことがある。防具に頼りすぎるのは危険だ。

廃墟と化した街の石のように、マザッタンの戦斧もまた回収された残骸から作られている。剣の破片を革ひもで枝の切れ端に強く結び付けただけのことが多い。粗雑だが、防具を着用していない戦士や反抗的な捕虜を斬るには十分だ。
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