さまよう守護者 スタイル

クラフトモチーフ97
Wayward Guardian Style

ゴーストソング・クランのアラナ(ヴェランディス・レイヴンウォッチ伯爵記述)

グレイホストが我らの地をうろつきクランを襲っている中、マルカルスの暴君はリーチの自由な民に対して、ドワーフの石の洞窟にうずくまる権利が欲しければ足元にひれ伏せと要求している。ふざけている!しかしアルドの頭に浮かぶ考えの中で、聞く価値があるものが一つだけある。それは深き民の骨が強靭であり、我らの地に満ち溢れているということだ。我々はこれを利用すべきだ。
ドワーフたちが星に何を見たかは知らないが、彼らは天空にいる我らの守護星座を石に刻み付けた。深き民はその異様な作品を作るため、魔女、狩人、執行人の加護を求めたのだ。我々も同じように自然と反する敵を相手にしている。この力を利用させてもらおう。

ブーツ

入手できるドワーフの金属は重く、分厚いことが多い。平らな石の上に製材機を置く分にはよいが、荒野で軽快に動ける具足を作るには向いていない。慎重に使うべきだ。

ベルト

ドワーフの扉や宝箱の錠前を腰に巻くのはいい考えだ。この錠前は、激戦の最中でも外れない留め金になる。

首を失わないためには、油断しないことだ。それ以外では、死んだドワーフや金属製の下僕の兜が役に立つ。視界が制限されるのは残念だが。吸血鬼やウェアウルフを相手にする時は、喉元を覆うことを忘れてはいけない。

脚当て

我々は狩人であって、マッドクラブでないことを忘れるな。下半身の防具は素早さを保てる程度に抑え、腰をガタガタ揺すのは婚姻の儀までやめておけ。

我々にはドワーフのガラクタをまともな弓に加工できる弓矢職人がほとんどいない。リーチの木の枝だけを信頼して、風の音を聞くことだ。黄ばんだ歯も、噛む力までは衰えていない。

胸当て

守護者の金属で体を覆う時、狩人を称える装飾を忘れないように。さもなくば防具は機能せず、ドワーフと同じ末路を辿るだろう。我々はリーチにおいて狩人の鷹であり、猟犬である。そのことを示せ。

我々には鍛冶師が少ない。深き民の鍛冶場を使える者となればなおさらだ。均整の取れた刃を入手できるかどうかは、何よりも運と探す者の観察眼が問題になる。心を研ぎ澄ませて狩りに集中すれば、同じくらいよく研がれたものに出会えるかもしれない。

肩防具

金属の怪物の大きな外殻を羨んでいることは聞いている。確かに立派な肩を飾るのに相応しいものではあるが、身に着けるにはそれなりの勇気がいる。無理をしすぎて、愚かなノルドのように重みで潰れるべきではない。

手袋

これまでに見つかった装飾は重い指輪程度のものしかなく、篭手など目にしたこともない。しかし前腕に張り付ける板ならいくらでもある。

深き民の扉を腕に縛りつけて守りたい気持ちは分かるが、それでは腕がもたない。奴らの金属は強く叩かれると悲鳴をあげる。揺れた時の振動が伝わり、骨を折ってしまう。可能な限り木の盾に結び合わせ、毛皮や羽毛を詰めて緩衝材にするべきだ。

魔女の技とドワーフの悪戯は、水と油のように混ざらない。深き民が自分たちの目的をどうやって達成したのかは、モラでさえ知らないかもしれない。だがその点は謎のままだとしても、金属塊で頭蓋骨を叩き割るやり方はとてもよく知っている。

戦棍

棍棒にちょうどいい金属片ならいくらでもあるが、巨人一人半ぐらいの力が必要になる。赤鷲でさえ、芯入りのドワーフの棒は一本振り回すのに苦労したほどだ。小さな軸を修理して、重い棍棒にすれば十分だろう。

短剣

きっと母親から石や骨、金属から自分のナイフを作るやり方ぐらい教わっているだろう。尖った破片と、丈夫な握りがあれば十分だ。

知恵を使うか戦うかして、深き民の大きな守護者の紋章を手に入れたなら、執行人に相応しい斧を作れる。もっとも、硬い金属を研いで刃とするには何日もかかるだろう。

目覚めの炎 スタイル

クラフトモチーフ99
Waking Flame Style

名高い鎧鍛冶師にして金属細工師、エドムンド・ミド 著

これは目覚めの炎教団の志願者にデイゴン公の目に適った装備を与え、タムリエルを徘徊する忌まわしい「無辜の人々」に暴虐を加えさせるためのガイドである。
以下に示すのは、私の生涯をかけたデザインと作業の記録だ。私に恥をかかせたり、私のデザインを劣った発想で「改良を加えよう」などと考えないように。私は生涯をデイゴンに仕えるため費やしたのだ。それぞれが火と炎のデイドラ公の破壊の力を想起させるために作られている。お前たちがこのデザインに何かを付け加えるなどという愚かな考えを起こす必要はないし、そんなことをしても成功しない。私の仕事はこのままで完璧なのだ。

ブーツ

足先を保護するプレートを重ね合わせ、広範囲を覆わせよ。隠密行動はメエルーンズ・デイゴンの信者に不要である。陰謀や秘密の行動は無意味だ。我々はタムリエルを支配するのだから。

ベルト

ベルトは機能的だが目立たない、ただの革で作ること。ベルトの要点は装着者の鎧がずり落ちるのを防ぐことにある。だから派手さは無用だ。デイゴンは役に立たない衣服を許容しない。

兜の重さとスタイルを志願者の必要に合わせよ。頭巾を加えるか角の位置を変えるなどして、我らが仕えるデイドラ公の雄大さを喚起するために必要な措置を取るがいい。志願者は我らが大義の仲間なのだから。

脚当て

足の前面のみを保護せよ。戦士が背後からの攻撃を許すようなら、その戦士は無能さの代償を払うだけだ。

何においてもそうだが、弓と矢がしっかりと機能するよう取り計らえ。しかしそれだけで満足してはならない。いくつもの機能を持たせるのだ。弓は金属をかぶせた木で作り、牙や突起をつけて突き刺し、敵の剣を絡めとれるようにせよ。

胸当て

我らの心臓は破壊のデイドラ公のために強く脈打っている。この器官を金属の板を重ねて守れ。胸当ては装着者の胴体にしっかりと合わせ、しかし肋骨は露出させておくこと。デイゴンのために死ぬ胆力もないような者が、肝臓を失っても自業自得だ。

剣の刃はデッドランドの尖塔のように柄から立ち昇るべきだ。湾曲した刀身などを作る者は、この私がじきじきにデイゴン公への生贄に捧げてやろう。

肩防具

肩はデイゴンの期待の重みを背負う。守りをしっかりと補強し、臆病心や無謀さが我らが主の計画の邪魔をしないようにせよ。金属製の肩プレートを重ね、志願者の腕にしっかりと結びつけろ。絶対に取り外せないようにするのだ。

手袋

私の手袋のデザインの最も優れた点は、爪のように尖った指先部分である。手袋を作る時に爪を忘れようものなら、この部分の使い道を直々に見せてやろう。私の忍耐を試そうとしないことだ。

我らが戦士が身に着ける盾は、オブリビオンへの扉をイメージして作っている。つまり戦士たちが敵を送る先だ。重ねた金属で作り、盾の側面から突起が出ているようにすること。目覚めの炎の戦士たちはこの盾の側面を使って敵に突進し、デイゴン公のために血を流すことで歓喜に浸る。

両端に球根型の邪悪なスパイクがついた教団用の杖は、デイゴンの領地の構造をイメージして作られる。組み立てる工程で少しでも間違えば、杖は込められた力を正常に放出できず、爆発する恐れがある。お前たちの怠慢や無能が引き起こす死は、お前たち自身にも降りかかる。

戦棍

戦棍の先端は、破壊の公の計画を支援するためにデイドラが作った機械に似せて設計すること。握りの部分は長く直線的で、尖端は短く、針を付けて敵の鎧を貫通できるようにする。

短剣

短剣とは単なる小さな剣である。刃は簡素に留め、しかしスタイルは維持せよ。短剣は剣のデザインを反映すべきである。短剣がデイゴンの領域の恐怖と威圧的な構造を思い起こさせないのなら、お前の地位はないものと思え。

我らが神聖なる教団と戦おうなどという愚か者が最期に見るのは、処刑人の斧である。軍事においても使えるよう、ギザギザの部分を大量に付加せよ。我らが公の敵を武装解除するために使えない武器を作るような者は、ポータルに放り込んで公の領域へと送り、スキャンプに始末してもらう。

トゥルースウォーン スタイル

クラフトモチーフ100
True-Sworn Style

装具商兼職人、カッシア・ハイリエル 著

我々の任務は単純だ。火炎魔術師エンクラティスは我々の密偵が侵入し、標的を抹殺することを可能にする装備を要求している。ご推察どおり、火炎魔術師はトゥルースウォーンがその場にいた証拠を消し去る際、屋敷全体を焼き払う方法を好ましく思うだろう。そのため、私は結果として生じる猛火から身を守る鎧をデザインした。デザインの中には新しい武器の計画があることもわかるだろう。我々が求める品には大きな価値がある。また、獲得するのは我々だけでなくてはならない。正しく武装すれば確実に結果を出し、計画を前進させられる。

ブーツ

密偵には任務を達成するための速度と同時に、邸宅内にいる輩を避けるための隠密性が要求される。提供したブーツは熱の影響を受けない、厚みのあるグアル革で作られている。靴底の内張りにはどんなに熱い状態でも溶けない、私独自の調合薬を使っている。

ベルト

猛火の中でゆったりとした服を身に着けるのは明らかに理想的でない。ひらひらとしたチュニックのせいで引火するなど愚の骨頂だ。この硬い革のベルトを締めて自分の身を守るのだ。腰周りには持ち運びに使える輪を付け加えたので、発火用の薬剤を容易に取り付けられる。

このデザインについては自分の才気を認めよう。匿名性の向上と防護のためにグアル革の仮面が顔全体を覆っている。ただし、彼らが遭遇する炎のまぶしさを回避するために琥珀のレンズも付け加えた。レンズは多少周囲の視野を制限するが、払う価値のある犠牲だろう。

脚当て

警告しているにも関わらず、魔法を使用する密偵は足回りに余裕がある服装に固執する。それが彼らの流儀なのだ。だからできる限り受け入れることにした。重い布を使い、風を受けて膨らまないよう裾の周囲に重量がかかるようにした。より実用性のある脚当ては柔軟な革を使い、場合によっては濃い色の鋼で覆われている。

握りの部分が鋼で補強されている湾曲したアッシュ材は、射手に柔軟性と強度をもたらす。木材を舐める火炎には注意が必要だ。矢筒はより多くの発火剤を持ち運ぶことが可能になっている。これで火矢の作成が容易になるはずだ。

胸当て

任務中に姿を隠し続ける能力を向上させるため、この装備には暗い色調を選択した。胸のダークブラウンの革はとても柔軟性が高い。重鎧でさえ。接合部のディープブルーの布は機動性を高める。厚い布が胸と首を覆い、空中をただよう燃え殻から身を守る。

現代の剣をデザインする者の多くが仰々しい模様の柄や刃を好む。これは馬鹿げていると思う。簡素で強い武器はどんな奇抜な外見にも負けないほどの恐怖心を生じさせる。それ故、刃に文様を刻み込む際には慎重になる。このシンボルは後援者からもたらされたものであるため、手を加えてはならないと言われている。

肩防具

大抵の場合は可能な限りの柔軟性を維持するため、革のポールドロンを選ぶ。必要以上に重量をかけるべきではない。装飾はあくまでも地味にしてある。トゥルースウォーンに忠義の誇示など無用だ。

手袋

この鎧には完全に腕を覆う手袋が不可欠だ。まだ火炎魔術師の技を体験していないなら、彼が驚くほど強烈な熱の創出に優れていることを知っておくべきだろう。密偵が標的を追い求めている間、手をその危険な熱に晒すわけにはいかない。

後援者から譲り受けた本を参考にした古典的なデザインだ。元々は第一紀のものだろう。重いリベットで縁を囲んだラウンドシールドは、携帯性を保ちながらも最高の強度と防御性能を提供する。任務中の密偵の速度を落とすような真似はしたくない。

多くの杖の使用者が木の杖を好むが、この場合は明白な理由により木材が使い物にならない。青銅で覆われた鋼が杖の芯を形成し、握りやすいよう中心に沿ってエッチングが施されている。先端はほぼ三叉槍のような形状で尖っている。これは実用的だ。使用者が通路から燃える物質を除去する必要がある時、フォークのような形状が役に立つだろう。

戦棍

私はそのバランスの良さにより、双頭の戦棍のデザインがことのほか気に入っている。加えて、激しい戦闘中にダメージを二重に与えられる可能性があれば生存性が向上する。先端と柄には我々が所持する鋼の中でもっとも厚みのあるものを使用している。圧力を受けて折れることなど、決して許されない。

短剣

武器のデザインでは簡素かつ上品であることを目標としている。頼りない短剣でさえもその感覚を維持している。刃には私のデザインによる優雅な図案のエッチングを施した。柄と鍔は強度を持たせるため、青銅で覆われている。

炎が猛威を振るい邸宅を焼き尽くす時は、落下して退路を塞ぐがれきに遭遇するだろう。斧を形作っているこの厚い鉄と強度のある青銅は、どんな木材も切り裂いて通れるようにしてくれる。刃自体は下部の端に沿って先端が鋭くなり、鎧をも叩き割る能力をもたらす。

象牙旅団 スタイル

クラフトモチーフ101
Ivory Brigade Style

ライアン・リオレ隊長 著

象牙旅団スタイルの武器と防具の作り方
これまでレヤウィンの街は帝国軍の保護に頼ってきた。残念ながら、そうした日々は終わりを告げたようだ。帝国の権威が失墜した今、属州は自衛しなければならない。レヤウィンを海賊の略奪やルビーの玉座を狙う同盟の侵略から守るためには、我々も自前の軍隊を育てなければならない。ブラックウッドの軍隊を作り、襲撃を防いで平和を守る他はない。
レヤウィン部隊の指揮官として、この新たな軍を組織する任務が私に与えられた。兵士たちを作るための第一歩は、新たな志願者により大きなもののために働くのだと教え、誇りをもってもらうことだといつも考えている。正式な装備を身に着けることは帰属意識の表明であり、同じ装備を身に着ける者との間に忠誠心の絆を生み出せる。同時に、賢明な指揮官は兵士が任務を遂行するために必要な道具と、使える資源を考慮しなければならない。以上を鑑み、私はこれからレヤウィン軍の正式な装備に期待する要素を列記する。
紋章として、緑の草原に立つ象牙色の馬を選んだ。レヤウィンの古い象徴である。そして我々の軍は、この勇敢なる紋章からその名を取った。ブラックウッドの善良な民の守護者、象牙旅団である。

ブーツ

形を合わせた青銅プレート(軽装の場合煮沸した革)は旅団の脛と膝をしっかりと保護する。滑りやすい表面はより装飾の多いデザインに比べて、ブラックウッドの分厚い藪に引っかかることが少ない。

ベルト

象牙旅団の装備の由来となったインペリアル装備のデザインと同じく、旅団のベルトには煮沸した革で作られた短く重いスカートが付いており、機動性を損なうことなく腹部を保護する。丸い鋼鉄製のバックルは、この規格に加えられたブラックウッド独自の装飾である。

旅団の兜は青銅製のオープンヘルムで、装着者に高度な視認性を与える。誇り高き馬毛の紋章は通常深紅で、装着者の位を表す。重装兜には鋼鉄製の面頬がついており、下げることで顔を保護できる。

脚当て

象牙旅団の兵はしばしば、ブラックウッドとブラック・マーシュの緊密に絡まった藪を相手にしなければならない。その結果、旅団の脚当ては棘を防ぐため肌に密着する丸形になっている。また丸形のプレートは、敵の攻撃を受け止めるより跳ね返すことが多い。

ブラックウッドは雄大な森林の地だが、この地方原産の木で弓を作るのに適したものは少ない。象牙旅団の弓は2本の燻したホワイトオーク材を合わせ、それを真鍮製の留め金で補強して、中央の握りに革を巻きつけたものである。

胸当て

意外なことではないだろうが、象牙旅団が装備する鎧は帝国軍が数百年使い続けてきた伝統的なデザインに起源を持つ。青銅はそれなりに重いが鉄よりも柔軟で、強い衝撃を受けても砕けずに曲がる。より軽装の胸当ては同じデザインを、煮沸した丈夫な革で再現している。こちらは斬撃や軽い衝撃に対して高い防御力を誇る。

上質のブラックウッド鋼で作られた、鋭く頑丈な刀身を持つ象牙旅団の剣は、切っ先付近が微かに広がって木の葉形になっている点が特徴である。これによって武器の重心が柄から上に移動しているため、叩き切る動作に重みが加えられる。真鍮の立派な鍔と緑の革の握りは、この剣に威力へ見劣りしない美しさを与えている。

肩防具

平たい青銅か煮沸した革を重ねてつなぎ合わせることで、旅団兵の肩と上腕を保護する。このデザインは帝国軍に所属した戦士にとって見慣れたものだ。シロディールの軍団兵が使えるなら、レヤウィン旅団も使えるということだ。

手袋

煮沸した革や青銅製の手袋は、象牙旅団の手と前腕を保護する。重装鎧の場合、手袋は完全な篭手となって指まで覆い、肘を保護する突起が付く。

象牙旅団は徒歩でも騎乗状態でも戦うため、旅団の盾は広範囲を防げるようにしつつも、馬上の戦士に適した形状でなければならない。頑丈な鋼鉄製ヒーターが最善の妥協点であり、これはレヤウィンの象牙色の馬を誇示するためにもちょうど良い部分でもある。

司祭や魔術師は象牙旅団における重要な支援役であり、呪文を使う者たちが歩兵に劣らぬ装備を身に着けることが大事である。象牙旅団の杖は軽いが丈夫な真鍮製の棒に、フォレストグリーンの革で作った握りを付けたものである。杖の先端は鋼鉄製の三角形をあしらっており、簡素にして実用的である。

戦棍

象牙旅団の主な鈍器は真鍮製の柄を持つスレッジハンマーで、湾曲鎧に弾かれるのを防ぐため、打撃面にスパイクがついている。レヤウィンではハンマーの人気が常に高いが、それは明らかにこの街でゼニタール崇拝が盛んなためだろう。

短剣

上質の鋼で作られた、木の葉形の刀身を持つ象牙旅団の短剣は、全体のバランスを崩さない程度に刃先を重くして、斬撃の威力を高めている。このデザインは鍔を取り除くことで軽量化している。

斧には様々な形状があるが、象牙旅団の斧は戦場での損傷に耐える真鍮製の柄を持つ、片刃の武器である。刃の反対側には強化された突起がついており、どんなに重い鎧でも貫通できる。

スル・ザン スタイル

クラフトモチーフ102
Sul-Xan Style

グウィリム大学人類学部、アスティニア・ビンカル教授 著

アルゴニアン文化慣習の研究者が無数にいることは、読者に注意を促すまでもないと思われる。この沼地に住む獣の「闇の秘密」を明らかにしようという、学者コミュニティによる最近の熱狂は「歯ごたえのある虫としっとりした棘について――南アルゴニアンの食習慣調査」のような取るに足りない成果を生むのみだった。しかし最近ブラックウッドを旅して回った際、私は記録せざるを得ないと感じるほど奇異な文化を持つ部族に出会った。従者たちがこのスル・ザンを何人も見事に切り伏せた後、私は彼らの持ち物を拾い集めた。以下はこの集団に特有と思われる、素材と製作技法についての記述である。

ブーツ

沼地を歩き回って全身泥だらけになってしまったのは嫌な思い出だ。だからスル・ザンの靴が足先を開放しているのを見た時、私は困惑した。この部族の爪は特別に鋭いのか? 確かに、柔軟な革の構造はふくらはぎをしっかりと支えている。高速で逃げる獲物を追いかける際には役に立ちそうだ。

ベルト

おそらくハジ・モタの革を主な素材としたスル・ザンのベルトは、複数の重装武器を持ち運ぶ際に役立つ。バックルは平凡な金属製のようだが、そこに刻まれた図の作成には鋭い目と熟練の腕を必要としたと思われる。

どの頭装備にも、明るい色のヒスイから削り出したいかついデスマスクが付いている。威嚇が目的なら成功している。巨大な蟹の爪のような、大きく曲がった角をあしらったものもある。学問的関心のために言っておくが、目を閉じてもこの顔が頭から離れない。

脚当て

美的には簡素だが、機能的には完璧だ。足を覆う柔軟な革は機動性を大きく高めている。しかし脛周りの金属が斬撃から守ってくれる。想像でしかないが、膝に付いたスパイクも激しい接近戦では効果を発揮するのだろう。

驚いたことに、我々のグループは小さなスル・ザンの野営地に行き着いた。敵対者たちの抵抗が止んだ後、私は彼らがアリットの筋をよく伸ばし、骨の台の上で乾燥させたものを弓の弦に使っていると知った。両端の繊細な逆反りと、中央に配された派手な金属装飾が、奇妙な対照を生み出している。

胸当て

これほど凶暴な民なら、重要な体の部位を保護することに注力するのは当然だ。軽装鎧にさえ、胸と内臓を守る金属プレートが付いている。どの鎧も肌への密着度が高く、戦闘中邪魔になることがない。暗革の下に鱗を継ぎ合わせたプレートが入っていて、さらに防御力を高めている。

スル・ザン武具の大半と同じく、この件は基本的に簡素ながら殺傷力が高い。刃は分厚い鋼鉄製で、肉を切り裂きやすいようわずかに湾曲している。柄は暗い色の木にアリットの革を巻きつけ、さらに定番のヒスイの輪を底にあしらっている。

肩防具

沼地にいる獣の顎から着想を得たスル・ザンの肩防具は、殺傷力の高いスパイクに力を入れている。鎧から突き出す大きな鋼鉄の棘は防具を大きく見せるだけでなく、至近距離で取っ組み合いになった場合も有利に働く。ある護衛がこのスパイクで頭蓋骨を突き刺されたので、その有効性は実地で証明された。

手袋

ブーツと同様、スル・ザンの手袋は爪を出すために先端を開放している。アルゴニアンの戦士は武器を失った場合でも、常に最後の攻撃手段を持っているだ。この手袋には戦士が鋭い爪を失わないように、手首から前腕にかけて分厚い金属の覆いが付いている。

スル・ザンの装備全ての中で、私が最も高く評価するのはこの盾だ。他の文化でよく見られる卵型と比べて、この盾はより角張っている。左右に付いた切込みに武器を置けるようになっており、盾を下げることなく突きを繰り出せる。表面にあしらわれた見事なヒスイの意匠は、この蛮族が予想よりも高度な技術を持っていることを証明している。

主に魔法使いによって用いられるが、杖に付いた大型のスパイクは接近戦になった場合に役立つ。先端には仮面と同じおぞましい顔が装飾されている。敬愛する祖先でもかたどっているのだろうか?生きた個体を見つけて聞きたい。

戦棍

戦棍に関するスル・ザンの想像力は「重くて硬い」よりも先までは進んでいないようだ。先端は太い円筒形をした高密度の金属塊であり、おそらく鋼鉄に装飾の意匠を刻み込んだものだろう。取っ手は簡素だが、他の武器にも見られるヒスイの輪が底に付いている。

短剣

短剣と聞けば、私は初めて家を出た時ポケットに入れて持っていった刃物を思い浮かべる。スル・ザンにとって、短剣とはドラゴンの歯ほどの長さがあるものである。簡素な鋼鉄の刃に革の取っ手の作りは単純だが、サイズは巨大だ。

この武器は長く細い鍔の上に、他では見たことがない半月型の刃が付いている。刃の両側には威圧的な銀色のスパイクが2本付いている。しかしこのスパイクは単なる装飾に留まらない。護衛が数人、この湾曲した刃によってほとんど真っ二つにされた。切断する能力は私自身の経験に基づいて保証できる。
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