伝承と文化

Lore and Culture

アッシュランダーの賢女Ashlander Wise Women

ジウバ・ロサレン 著

よそ者がアッシュランダーのキャンプの周りをうろうろしており、交流を図り、クランのメンバーの一部と話をしている。このよそ者はアシュカーンが部族を率いていると思い込んでいるようだ。通常はアシュカーンが最も強い戦士だからだ。よそ者が交渉時や援助要請時に部族内の微妙な力関係を無視すれば、この思い込みは彼らを苦悩へと導くだろう。部族の精神的指導者は賢女で、アシュカーンでさえ賢女に助言を求めその預言に従う。

賢女は、一般的な流派のマジカの使用法の訓練を積んだ者達とはまったく違った種類の魔法を使う。彼女の魔法は自然界に根差したもののようだ。預言的な幻視を受けられる賢女がいるという証拠も存在する。アッシュランダーのクランを研究している学者は、この夢分析は単に直感とクラン内の人間関係や支配関係の徹底的な理解を用いたもので、それによって預言的な幻視を得られると考えている。賢女は、真偽は疑わしいが、便利な薬草の錬金術を使うことができる伝承の継承者だと見なされている。この考え方は傲慢なもので、観察者側の学術的研究不足の証拠である。

私はアッシュランダーのクランと共に時間を過ごし、賢女が重傷を負った狩人を治癒するのを個人的に目撃した。重傷から1日足らずで回復した様は奇跡としか言いようがなかった。何らかの生物によって重傷を負わされたこの狩人は、賢女の元に連れて来られたときは死の淵をさまよっていた。出血量だけを見ても生存は絶望的だった。この治癒過程で賢女が行った儀式がどのようなものかは見ることができなかった。しかし、私は狩人と話すことができた。彼女は1日足らずで、起き上がって歩くことができるようにまでなっていた。

アッシュランダーのクランとうまく付き合いたいと望むならば、クランの賢女は決して無視するべきではない。その助言は絶対に聞き入れるべきだ。

アルゴニアンについてOn Argonians

シランティレ 著

タムリエルの様々な種族を研究する中で、いくつかの奇妙な事実を発見した。人型の種族の中でも、アルゴニアンが最も興味深い種族かもしれない。彼らは身体的な意味でも精神的な意味でも冷血な種族にも関わらず、どのような気候の場所でもどういうわけか哺乳類と同じ回復力で活動できる。亜熱帯気候や熱帯気候を好むにも関わらず、寒帯地域や亜寒帯地域でも哺乳類と同じくらい容易に活動できるのだ。本当に驚くべきことだ。

ほとんどのアルトマーの学者はこの奇妙な事実をまともに取り合わないが、私は詳しく研究することにし、その理由を突き止めたと確信している。アルゴニアンは、自分達が「ヒスト」と呼ばれる魔法の力に結びついていると主張している。宗教信仰が理由ならば簡単な話だが、私は身体的な理由もあると確信している。

ヒストはタムリエル全域で生息していると言われているが、「ヒストの木」のヒストは特に強力だ。巨大で、古いことが多く、すべての大規模なアルゴニアンの集落の中心部で生息が確認された。このヒストの木にはすべてのアルゴニアンの集合的記憶と集合的知識が蓄えられていると、アルゴニアンは信じている。

これが真実であろうとなかろうと、ヒストの木から出る樹液には高濃度のマジカが含まれている。アルゴニアンにその論理的な身体的限界を超えた能力を与え、「木の番人」と呼ばれている呪術師に力を与えているのはこのヒストの樹液であろう。我々のような魔法を操り慣れている種族がそのヒストの木に含まれているエネルギーを取り出せれば、そこから獲得できるものは計り知れない。

アンドゥルの蔵書庫The Library of Andule

高貴なヴェロシ文化時代の名家の知識が存在する。入場の許可を得る前に、知識と叡智のかがり火をつけよ。闇の中で、アンドゥルの結界は誰も通さない。

預言者ヴェロスを信じよ。サマーセットから脱出し、モロウウィンドまで続くタイルの道に沿って行け。そうすれば、ヴェロシのように探し物が見つかるだろう。

イーストマーチのクラン:ダイアフロストClans of Eastmarch: The Direfrost

ダイアフロストの祖先は、有史以前に遡る。最も正確な記録によると、北イーストマーチを平定して周囲の村の領主となった知られているうちでは最も古い守護者、ホロルディン・ダイアフロストまで、少なくとも13世代は続いている家だという。

ダイアフロスト家は、親切で温厚な統治者と評価されている。魔法の実践者を除いては。魔法の実践については、不寛容であることで悪名高い。数世紀の間、何百人もの市民が魔法を使用した罪で処刑された。

ダイアフロスト城はイーストマーチにあり、山脈に隣接している。ダイアフロストの酒倉で燃える暖炉の火が、冷たい北風を寄せ付けないと言われている。

知られている限り、彼らの統治に対する反乱は起こっていない。

イーモンド王家The Royal House of King Eamond

エバーモア城のデリック・アンドラス執事長 著

王の忠実な執事長として、高貴な血筋について詳しい話を民衆に伝えなければならない。重荷だが名誉と思い、喜んで引き受けよう。

イーモンド王は、オルシニウムの陥落後に港が建設されて以来エバーモアに住まう、貴族グイマード家の末裔である。エバーモアの子供でも知っているように、我らがすばらしき街は第一紀983年にオークを鎮圧したことでビョルサエ貿易が開始された後、リバーホースブレトンによって建設された。詳細については城の保管庫にあるグイマード家の文書を見ない限り確認できない(この不安定な時期に、誰が確認できようか?)。しかし、その名は女帝ヘストラが制定した領土法に基づきハイロックがシロディール帝国の傘下に入った後に記されている。第一紀1029年に記されたこの文書には、「リバーバンクのガイ・マルデ男爵」についての引用が含まれている。

以来グイマード家の英雄たちがエバーモア年代記には繰り返し登場する。第一紀2260年の、全旗海軍の男爵船長オルシエン・ガイ・マード、第一紀2305年の、アレッシア帝国軍に対抗しバンコライ駐屯地を防衛した女男爵ファリンヌ・ギマール、第二紀431年の、オルシニウム第二次略奪の際に武勲で公領を改善したフルヴェルト・ギマール男爵などである。

542年、エバーモアの先の統治者であるモイル家のヘセフ王が後継者を残さぬまま死んだ時、街はブラック・ドレイクのダーコラクの圧政を受けていたが、ブレイズ・ギマール公爵は聖ペリンの騎士を率いて街を奪還した。ブレイズ公爵はバンコライの貴族によって王位に立てられ、ギマール家は王族に列することになった。

ブレイズ王はランセルの戦争でエメリックの援護に向かい、見返りとしてエメリックの姪アーツェラを息子のイーモンド王子と結婚させることになった。その後すぐ、568年にブレイズ王は死に、イーモンド王が後を継いだ。アーツェラ女王は2人の健康な子供を王との間に設けた。それがエララ王女とエイドリアン王子である。彼らの統治下で、我が国の平和と繁栄が続きますように!

ヴァーデンフェルの先人の墳墓Ancestral Tombs of Vvardenfell

ヴィベク・シティの大司書、ブレイディン 著

先人の墳墓は、ダークエルフの名家における文化と社会で重要な意味を持っている。古く地位が確立された名家は、富と影響力のある一族は特に顕著に、死者を埋葬して敬うために墳墓を建てた。これらの墳墓はヴァーデンフェルの至る所に散在し、故人の遺体に安らぎの場を提供する。埋葬された先人の子孫にとっては、黙想、崇敬、沈思の場でもある。

墓の中では、埋葬壷に死者の火葬された遺骨が入っている。儀式の祭壇と故人にとって重要な意味を持つ品が内部の空間を飾っている。それには愛読していた書物、神聖な巻物、健在な頃の宝飾品や防具、武器、家財、黄金など、思い出の品が含まれる。墓は複数の部屋がある大きくて広々とした納体堂から、玄室が一つしかない小さな納体堂まである。

一部の先人の墳墓は様々な理由から封印されているが、普通は次の二つのいずれかが理由である。その墓が定員に達したか、家族が中身を保護するために封印する決断をしたかだ。後者の場合、次に一族の者が死亡した時に封印が解かれ、墓が開かれる。そして埋葬が完了すると再び封印し直される。

開かれたままの先人の墳墓では、定期的に何らかの活動が見られる。多くの家族が頻繁に訪れて、先人に敬意を示し、黙想し、今もなおダークエルフの文化の一部である先人崇拝に関連した重要な儀式を行なう。これらの墳墓の責任を担う一族には、トリビュナルへの祈願や、吸血鬼やさまようデイドラが住み着いたために傭兵を雇う必要が起こることもある。それも先人の墳墓を維持管理する代償の内だ。

ヴァレンウッドの猟犬Valenwood Hounds

アルトマーの旅行ガイドより抜粋

ハーシーンの猟犬は伝説的な狩人たちだが、さらに伝説的なのはヴァレンウッドを猟場とする者たちだ。

その高い評判にはいくつかの理由がある。まずはヴァレンウッドそのものだ。未開なままの原生林で、地域全体を覆い、開発されぬまま残っている。思いもかけないような生き物の故郷だと言う者もいる。もっとも優れた追跡者のみが、迷わずこの森の中で獲物を狩ることができる。

2つ目は、ほとんどの狩人がウッドエルフだということだ。生まれながらの狩人で、追跡に優れている。

だがヴァレンウッドのハウンドの評判の最大の理由は、ハラスという狩人にある。彼自身が伝説となっており、存在を否定する者もいるが、彼の偉業を知らないハウンドはいない。

ハーシーンへの信仰と追跡の技では並ぶ者がないと言われている。最後に噂されたのは100年以上前に、伝説的なペール・センチタイガーの狩りに出かけた時だ。ヴァレンウッドで狩りをする者の中には、その捕まえにくい獣をいまだに追っている彼を見かけたという者もいる。その話が本当だとしたら、ハラスは普通のエルフよりも長生きすることになる。

それでも、ヴァレンウッドのハウンドの全員がハラスのように訓練しており、知名度と能力で彼を越えたいと希望している。それだけでもヴァレンウッドのハウンドは、タムリエルのもっとも優れた狩人ということになる。

ウーズに沈むSunk into Ouze

…生き返ることはない。しかし彼らの処置はどうする?エキスを消して骨を燃やすのはやり過ぎだ。彼らはそれでも選ばれた種族の一員であるし、我々の兄弟であり姉妹でもあるのだ。いや、彼らは封じ込められなくてはならないが、罰せられるべきではない。

我々は彼らをウーズに埋める。ここの地面は柔らかく暖かいため、彼らの骨にとって安らかに眠れる最適な場所になるはずだ。彼らの魂は永遠の眠りにつくだろう。あるいは、紡ぎ手によって解放の物語が語られるまで。もし抵抗するようであれば、我々は…

ウッドエルフのエチケット:インペリアルの視点Wood Elf Etiquette: An Imperial Perspective

2723年、ケランダス・カルヴァス 著

現在帝国の勢力範囲はヴァレンウッド王国まで広がっている。旅の途中で森のエルフと出会っても驚くなかれ。ウッドエルフ達は驚くほど社交的で、よそ者達にも非常に愛想が良い時があるが、彼らを怒らせないため、その風変りな文化と慣習には気をつけなければならない。

ウッドエルフ達はグリーンパクトと呼ばれる厳格な宗教に従う。自発的にパクトに取り組むウッドエルフは、ヴァレンウッドの木や植物へ危害を加えることを禁じられている。これには木を切り倒したり、果物を収穫したり、地面から野菜を掘り起こすことが含まれる。

この結果、グリーンパクトに従うウッドエルフは肉とチーズの厳格な食事を行う。この食事に関する極めて具体的な制限は、公の場ではあまり見ることがないであろう、とある身体的反応につながる。もしウッドエルフが「炎を養う」と言った場合、20回心臓が波打つ間は口呼吸をすることにただ慣れるように。

花を摘んだり、樹脂を集めるために木を叩いたりして悪く思うウッドエルフはほとんどいないが、一部はその行為を不敬だと捉えるだろう。グリーンパクトの最も厳格な信者達は非常に強硬な、ひょっとすると暴力的な反応を示すかも知れない。

恐がらせる意図はない!ヴァレンウッドの森には敬意を払うことを忘れるな。もし分からないことがあれば、最も近いところにいるウッドエルフの「樹の従士」に指導を仰げ。誰に見られてるか分かったもんじゃないからな。

エセリアルのかけらAetherial Fragments

タネスのレディ・シンナバー 著

多くの若い学生達は次元について、とっつきにくい分野だと考えている。同年輩のエリンヒルのファラスタスは利己的な議題で読者を遠ざけるが、私は最初に先入観のない具体的な実例を用いて説明すべきだと考えている。エセリアルのかけらを学べば、自然と次元について理解できるようになる。

読者も流星を見たことがあるだろう。これは、精神的次元であり魔法の源でもあるエセリアルの破片が排除されてニルンに落ちてくることで起こる現象である。落ちた場所に行けば2種類の物質、隕鉄と碧水晶が見つかるはずである。この両物質は並外れた魔力を秘めている。この本では、珍しい流星碧水晶に焦点を絞り、歴史の中での使用例とその様々な性質を見ていく。

第一紀初期までシロディールを支配していたエルフ、アイレイドは、このスカイストーンを幅広く使用していた。彼らは先進的な魔法の知識を活用して青色ウェルキンド石とヴァルラ石を作ることで、エセリアルの星光を利用し、マジカを貯蔵し、付呪物質に力を与え、消えることのない明かりを作り上げた。破壊魔法を封じ込めることもあり、自動化された防衛装置としてその役割を果たしていた。

この星の器の作成方法は現在失われている。アイレイドは流星碧水晶を複製してそれに付呪することで、相当数の星の器を作り上げた。新たなウェルキンド石やヴァルラ石の合成だけでなく、力を失った流星碧水晶の再生も今のところ成功していない。実験をしているとオリジナルの石が砕けて役に立たなくなってしまうことが頻繁に起こる。研究が上手く行かなかったり、アイレイド遺跡の危険な探索が必要となったりすることも珍しくない。

金色をしている現代のマロンド石とクランダ石は青色アイレイドの破片と似ている。ハイエルフの生産物か発見の一つであり、サマーセット諸島で最も多く見かける。マロンド石は再充填が可能なため、魔術師はこれをマジカの補充や、マジカの保管、付呪アイテムの充填に使用できる。クランダ石は明るい金色の光を発する。魔法効果を引き起こしたりマジカを保管できるが、使用したり空になったりすると砕けてしまう。

読者もエルフ文化を盲目的に称賛しているファラスタスの話はご存じだろう。彼はアルトマーがアイレイドの数々の秘密を解き明かして、それに改良を加えたと主張している。ファラスタスはそれだけでなく、彼らがマロンド石とクランダ石を小麦のように栽培していると考えているようだ。それよりも、現存しているアイレイドストーンと流星碧水晶を応用研究したことで、さらに信頼できる再充填方法を発見したとする説の方が筋が通っているだろう。

別の種類のエセリアルの破片であるスカイプリズムは、月が特定の並びになるとバラバラになってニルンに降り注いでくる。欠片を3つ集めると、未知の力によって銀色のプリズムを再形成し、融合によって解放された力を近くの物質に付与する。他のスカイストーンと同じようにこの石も比較的珍しく、研究のために見本を手に入れるのは容易ではない。空を起源にしているにも関わらずたびたび地下で見つかるが、これは地底に住む生物が光源として利用するために地下へと持ち込むからである。

十分な検証と研究が行われれば、この便利なアイテムの作成方法を解明できると考えている。そして次元を完全に理解できれば、その力を手に入れることも不可能ではないだろう。

オーク:怪物か誤解か?Orcs: Monsters or Misunderstood?

神話の作り手タレオン 著

オークは単なる獣人で、ゴブリン種族の1つだと思うだって?考えを改めよ!

アルトマーの先人でも最強の霊魂であるトリニマクが、誇りを持った強きオークを生み出した。彼がデイドラ公ボエシアによって変えられた時、彼の民も変わり、今日我々が知るオークとなった。

この気高い生き物は戦闘において確固たる度胸を発揮する。他の種族の誰しもを圧倒するような苦難において、不屈の我慢強さを見せるのだ。広く恐れられ嫌われているオークは、それにもかかわらず帝国において徐々に認められてきている。

オーク社会は過酷で残酷であると想像されるが、そこには彼らの文化に深く広まった激しい忠誠がある。防具屋が作る鎧にはタムリエルで最も上等なものもあり、それはオークが、キャンプで語られるような怪物ではないと決定的に証明するものである。

そうは言っても、オークが獰猛で強いことは間違いない。彼らの戦争を仕掛ける能力を甘く見てはいけない。オークは会話を始めるよりも先に襲いかかる傾向があるし、それはいつだって相手を殺すか、重傷を負わせるつもりで襲ってくるのだ。身体的に大きく、卓越した技量があるために、彼らは自然に両手武器へと引きつけられるが、その扱い方は荒々しく奔放である。

その恐ろしい容貌と驚くべき背の高さを、彼らの愚鈍さや教養のなさと勘違いしてはいけない。ひどく嫌われ恐れられてはいるかもしれないが(後者はいい意味で)、彼らを知性のない怪物として否定する者は誰でも、大きな覚悟を持ってそうすべきである。

オーク?まあまあだOrcs? Could Be Worse

私はオークについてこう考えている。今、彼らが私達の味方であることを心から嬉しく思う。

これまでは必ずしもそうではなかった。40年前、私の祖父はオルシニウムの襲撃に参加した。オークは情け容赦がない、と祖父は言っていた。オークが血を流し、骨が折れ、泥の上で倒れた後に立ち上がってくると最悪の事態になる。なぜなら、彼らはそうなるとさらに危険な存在になるからだ。

だからレッドガードと一緒にオルシニウムを襲撃したのだ。だから見つけたオークの砦を片っ端から燃やして、オークが復活しないように、その灰を踏みつけたのだ。私達は彼らを足止めするだけで精一杯だった。

現在オルシニウムはこれまで以上に頑丈な作りになっている。だが皆が知っているように、私達は今オークよりも大きな問題を抱えている。

私は、オークが抑圧者である私達のことを恨んでいると考えていた。だが面白いことにその考えはオークには当てはまらないのだ。オークが他のオークの顔面を殴っているのを実際に見たことがある。鼻を折られたその男は、その場から動かず、ただニヤリとした。彼らは喧嘩したり、死んだりすることもあるが、オークは何が起ころうとも、本当に一瞬のうちに解決する。そしてそれで終わりなのである。

オルシニウムを燃やされたとき、彼らは顔面を殴られる以上の痛みを味わったはずである。だが彼らはすぐに条約を結んだ。

戦いが苦手なオークには会ったことがないが、中には戦いよりも生きることが大切だと考えている者もいるようだ。自分の作った剣や鎧で生かされ、殺されることで、初めて自分がその武具を正しく作れたことを知ることができるのだ。彼らの職人の素晴らしい腕前には驚くばかりである。彼らが作った物は壊れない。

ブレトンもオークも、戦うよりもお互いに取引をすることでより多くの利益を得られることに気が付いたらしい。ブレトンが得意なことを一つ挙げるとすれば、それは金の稼ぎ方だ。得意なことは他にもあるが、私の言いたいことは理解できるはずだ。

私は自分とオークとの立ち位置を理解している。そしてノルドとの立ち位置も理解している。彼らがまたハイロックを襲撃してきたとしても、今の私達にはオークの軍隊がいる。ノルドは彼らに尻を蹴り飛ばされてスカイリムまで退却するだろう。

だからこそ私はこう言い続ける。オークが私達の味方であることを心から嬉しく思う。

オースブレイカーの眠りOathbreakers’ Rest

2つに分かたれ、グリーンパクトを受け入れたボズマーはイフレの祝福を受け森の中に住んでいるが、パクトを拒否した者達は呪いをかけられた。絶え間なく形が変わり続ける彼らは、生命を奪われウーズのタール坑へと投げ込まれ、永遠の眠りへと沈んだ。

しかしウーズの魂は眠ることはなく、オースブレイカーもいつの日か戻って来るかもしれぬ。同胞に復讐を企てるために戻って来るかもしれないが、我々の永遠の希望は彼らがグリーンパクトを受け入れ、イフレの寵愛と仲間の腕の中へと戻ることである。

オールド・ライフからニュー・ライフへFrom Old Life To New

2つのフェスティバルの物語
ボトジョルフ・ミードウォーマー 著

「お父さん、ニュー・ライフの使者はなんであんなに怖いの?」

ニュー・ライフ・フェスティバルについて、末子に問われて私は笑った。私自身、父親に同じ質問をしたことがある。その時は「秋になったら、おばあちゃんに聞くといい」と言われた

その答えは、日が短くなり畑が使われなくなる季節に開かれるオールド・ライフ・フェスティバルにある。この時期になると我々は暗い物語や不気味な歌を交換する。例えば、船の上で乗客がマントを着た謎の人物を目撃したが、他の乗客は誰も見ていなかったという話。森の中で迷子になった小鹿が、母親を殺して成り済ましている狼に追われていたが、急いで逃げるあまり狼のねぐらに避難してしまった話。真夜中に来た宿泊客が部屋を借りたが、夜明け前に宿屋の主人の子供と姿を消す話。

夜が長くなってくると、我々はこういった物語を伝え合う。種族によって異なる点もあるが、タムリエル全体に共通するテーマがある:暗闇の中の危険、若き者や無実な者への脅威、安全な家庭に入り込んでくる悪質な生き物などである。中でも空を欲した狼の話は、明るい場所であっても、今でも思い出して震えてしまう。

昔私の祖母が村の子供たちに語った話だが、燃えるような目つきをした狼が夜に大地を彷徨っていたそうだ。無限の空腹にかき立てられた狼は大地を渡り歩き、モロウウィンドの火山を食い、イリアック湾を飲み干してアリクル砂漠を生み出し、ヴァレンウッドの大木をつまようじ代わりに使っていた。しかしどれだけ飲み食いしても、狼が満たされることはなかった。さらに多くを欲し続けた。

ある夜、狼は2つの月が空で踊っているのを見た。大きい方のマッサーは笑いながら踊り続けた。小さい方のセクンダはマッサーについて行った。

「静かにしろ!」と狼は怒鳴った。「さもないと空から引きずり下ろすぞ。そしてアイレイドの街のように、かち割って中身を食いつくしてやる」

「私たちのところに手が届くはずがない!」とマッサーが嘲笑った。「はずがない」とセクンダが復唱した。

「そうか?」狼が言った。「一番高い山から跳んで空まで行ってやる。そして2つの月にまたがって立ち、跡形もなくなるまで噛みちぎって引き裂いてやる」

「だが私たちのどちらかがいなくなれば誰もが気付く!」とマッサーが叫んだ。「誰もが気付く」とセクンダが復唱した。

「私の毛皮の色を変えてお前たちに化けてやる」と狼が言った。「お前たちの代わりに、私の目が燃えるように輝く。誰も気付かないだろう」

「太陽が私たちの異変に気付くはず!」とマッサーが叫んだ。「気付くはず」とセクンダが復唱した。

「だったら太陽も食ってやろう」と狼は言った。「その後は星も全部食ってやる」

「私たちにそんなことをできるはずがない!」とマッサーが叫んだ。「はずがない」とセクンダが復唱した。

「いいや、できる」と狼は言った。「そして空を食べつくし、全てが暗闇になったら、世界中に遠吠えを響かせてやろう」

そして祖母が前かがみになって手を狼の爪のような形にすると、突然狼の頭をした何かが部屋の中に入ってきた。子供たちは悲鳴を上げた。するとろうそくの明かりが消えた。

私は暗闇の中で震えながら、必死に音を立てないようにした。おそらく十数秒の間だったが、永遠のように感じられた。

祖母が持っていたランターンから優しい光が発せられた。彼女は狼頭に向かってこう言った。「まだだめよ、狼。太陽の光は豊かすぎる。逆にあなたが食われるでしょう」

「ならば太陽が弱まる時まで待とう」とスキンチェンジャーが答えた。「その日丸のみにしてやろう」

「やってみるといい」と祖母がきっぱりと言った。「けど、太陽にも考えがあると思うわよ」

すると、ランターンが燃え上がった。スキンチェンジャーは痛みで悲鳴を上げ、部屋から逃げ出した。数刻の間、沈黙が流れた。そして祖母はこう言った。

「暗闇に潜む危険を忘れてはいけない。あなたたちに忍び寄って暗闇の中に引き込んでしまうかもしれない。けれど、過ぎ去ったオールド・ライフが僅かな光を灯してくれる。すぐにニュー・ライフがやってきて、太陽がその訪れを知らせてくれる」

それから数週間が過ぎた。ニュー・ライフ・フェスティバルが始まった。正午前に広場に集まったのを覚えている。狼男が堂々と近づいて来て、子供たちが悲鳴を上げていたのも覚えている。だが男が狼の頭を脱ぎ捨て、その下にいた人物が見えると、みんな止まった。

私の父親だったのだ!

狼男でも何でもなかった。太陽の光の下で見ると、衣装を着たただの人間だった。爪もうなり声も顔も、太陽の下で見るとバカバカしいと感じるほどだった。父親は微笑み、太陽の光に希望をもらったためニュー・ライフ・フェスティバルの使者を務めることになったのだと話した。

だからなぜニュー・ライフの使者が怖いのかと末子に問われた私は、笑ってこう答えた。

「秋になったら、おばあちゃんに聞くといい」

オグマの責任The Onus of the Oghma

エリンヒルのファラスタス 著

彼や彼女の人生を記録することは定命の者の義務である。古典から引用する形で、若い学生にそのことを分かりやすく説明していく。

あらゆるタムリエル人は人生の出来事を記憶することが我々の義務であることを知っている。この世界が生まれたときに神々が我々に授けた義務である。現在確認されているなかで、この「記録の義務」について言及している最古のものは、エルフの偉大な始まりの物語アルドメリアドで、神ザルクセスの言葉を引用して、アーリエルに対して次のように書いている。

「汝はエトアダの真なる子供である。汝の人生を敬うことで我々を敬うのだ。汝ひとりひとりのなかに神の光が宿っている、ゆえに行動を記録することは神聖なる義務である。オグマよ、汝らひとりひとりが記録するのだ、永遠なる巻物が汝のつかの間の人生を記憶してくれるだろう。少なくともそうすれば汝の光は不滅となる」

神話紀末期、ノルド文化の英雄であるイスグラモルがエルフの文字をもとにルーン文字を開発した。これによりアトモーラの言葉を文字に残すことができるようになった。この新たな文字を利用したイスグラモルの最初の仕事は、彼自身の人生とその出来事を年代記として残すことであり、これによりイスグラモルは人類初の歴史家となった。この偉大な英雄は「帰還の歌、第1巻」のなかで次のようなことを言っている。

「私は不誠実なエルフ達に対して大きな怒りを感じていた、だからジルクルフィクに急いで向かって船を使ってタムリエルに戻り、掃いて捨てるほどいる奴らの首をウースラドで切り落とそうと考えた、だが私は囚われの身になったときに、狡猾なエルフ達の学習能力の高さと知識を目の当たりにしていた。しかし奴らは不道徳なことや恥ずべきことをなすためにその力を利用していた。私はエルフを倒し、この大地から奴らを排除しなければならないと考えた。その英知は人間が利用すべきものだ。そして私はロングランチャーにオウフルボウストリングを取り付け、偉大なハクガン、ファルドロスタの住む東の沼を探索した。そして鷹の羽の矢で彼女を仕留め、その美しい羽を抜き、それを使ってエルフと同じように私の言葉を書き留めた。そして、ショールがスネッガに勝利したことをシヴァリング氷河の両脇に刻みつけたように、今後はあらゆる人間に自分の意見や考えを記録させるようにすることを誓った。それに、エルフを始末した事実を後世に残すにはこれが一番いい方法だろう」

この義務は聖アレッシアの時代とシロディール帝国の建国時に再び批准された。「人類の最初の息吹」は自らの手で年代記を書き続け、「アダバル・ア」として後世に残した。そこに書かれている最初の教えのひとつが「あらゆる出来事を記録することについて」である。

「そしてモリハウスが鼻を鳴らし、非記録者に対して激しく言った。”先人の行いがあらゆる時代の人々に忘れられてもいいのか?サリアチェの数々の罪が消え、暴力に対する7つの弁解の正当性が失われることになるぞ?そんなことをアカトシュが許すはずがない!時の竜が認めるはずがない!時の竜が我々に時間を与えたのは、時の流れのなかで物事が起こり、それが起こったことを我々が思い出せるようにするためだ!苦悶の時代末期、傲慢なサリアチェにより物語を記録することを妨げられた。だが二度とそんなことはさせない!”そして彼らの首を落とすと、血が石に垂れて文字となり、その死がそこに記録された」

だから学生諸君、両親や教師から日記を書くように言われても、面倒だと不満の声を上げたり、あら探しをしたり、難癖をつけたりしないようにしてほしい。なぜなら日記をつけることは、祖先達が血と引き替えに手に入れた権利なのだ。

カジートの敬称Khajiiti Honorifics

サルモールの南西エルスウェア代表
トルヴァルのレディ・ラドゥッラ・ドラ 著

タニオン校長に会ったことがおありだろうか?最も礼儀正しく正確なエルフだが、私にふさわしい「ドラ」の代わりに、最も不適切な接尾辞を私の名前につけたと知らせたとき、驚きの表情を浮かべた。(これ以上彼に恥をかかせないためにここで詳細を述べるのはやめておくが…いつか私がトーニーポートワインを2杯ほど飲んだ後にでも尋ねていただきたい)

という訳で、もっとも一般的な——少なくとも妥当な——カジートの称号のリストをまとめるのはアルドメリ礼節学校の利益にとって、そしてサマーセットとヴァレンウッドから来た私達の新たな盟友にとって得策だと思われる。

女性の敬称

「…ドラ」とは、その知恵と機知において知られた者への敬意か、または高齢に達した女性への労いを表す称号。私の場合は、前者の条件が当てはまっていると思いたい。

「…ダロ」は、小さな装飾品や、ばらけた小銭といったきっちり管理されてない物の素早い取り扱いに優れた者に対するもの。これはよく舌が回る者に対して使われることもある。

「…ド」は戦士として名声を得た者——普通は男性だが、まれに女性であることもある(個人的見解だが、ほとんどない)。

「…コ」は尊敬されている治癒師、魔術師、そして学者の称号で、時々は知識豊富な先祖に対しても付けられる。きっと、この者が死んだら子供達が彼女を「ラドゥッラ・コ」と呼ぶのよね? …なんだか心温まるわね。

「…ラ」は、未婚の優美な乙女、またはそうであるかのように振舞う人々に使われる、それはそれははかない称号。この者も「ラドゥッラ・ラ」であった時のことを懐かしく思い出すわ。ほんの去年のことよ。違った?

「…マ」は男女どちらでも小さい子供に対して使う、愛情を込めた呼称。その子がわめいたりうなったりしてる時を除いてね。

男性の敬称

「…ダー」はおそらくすべてのカジートの称号の中でもっとも古くからあるもので、指先と頭の回転がすばやく、探究心があって貪欲な者が得られる呼称。これは時々政治家にも使われると聞いたことがあるけど、そのような使い方は間違いなく滑稽よ(私はこんな使い方しませんよ!)。

「…ド」は戦場や個人的な決闘で栄誉を獲得した者に対する敬称。その名誉を与える者を待たず、自分で自分にその敬称を当てはめて気取って歩いているライオンには気をつけて。

「…ドロ」は知恵ある年長者、族長、祖父達、それに市場で人の前をものすごくゆっくり歩く人達に適用される称号。

「…ジョ」は詐欺師やいかさま師にもよく使われているが、尊敬される医者、学者、それに魔術師に対する敬称よ。私に1連の「魔法の」真珠を売りたがったコリンセのハンサムな黒ヒョウのことを思い出すけど…この話はまた別の機会に。

「…ラ」は軍人、商業、統治における敬われる指導者に対するもの。「猫・ラ」はしばしば「子猫・ラス」のハーレムを持ち、時にそれを誇示する。特に、もし彼が短い尻尾という欠陥をそれで埋め合わせている場合は。

「…リ」はめったに与えられない。我が同胞の偉大な指導者、伝えし者、王、そしてたてがみが確保しているから。それに多分、枕に囲まれて格闘している最中の男らしい恋人もそう呼ばれる、らしいって聞いたことがあるわ。

アラバスターの流行に敏感な若者の間では、敬称を名前の後でなく前につけるのが流行りだとも聞いた。ラドゥッラ・ドラはファッショナブルでありたいとは思うけど、それはカジートの名前をあまりにも似た感じにしてしまう傾向があるので、彼女としては認められない。それではつまらないだろうし…誰だってつまらない人になりたくはない。そうよね?

カジートの武器と鎧Khajiiti Arms and Armor

エルスウェアの息が詰まるほど熱い気候の中に暮らす種族にとって、重い服や鎧を着ることは大抵の場合、実用的ではない。猫の民の生まれ持ったしなやかな骨格と手先の器用さには、より軽量の防御手段が適している。カジートは束縛と重荷を嫌悪し、生産者たちは動き回るのを助ける鎧を提供することに熱心である。最も軽いものになると、カジートの鎧はよく実用的な(しかしきらびやかな)普段着に間違えられる。キルト地や綿を詰めた服が銅と致命的な部分に添えられる。これが鮮やかな色模様で強調され、さらにゆったりとしたショールにリボン、装身具でアクセントが付く。カジートのように退廃主義的、快楽主義的でない種族が着れば、嘲笑されかねない装備である。

カジートが反撃を予想するような戦いの場合、彼らは布と革製の脚当てに篭手、軽兜を好む。これならば最大限に軽快な動きが可能になり、スピードを(ファッションも)犠牲にせずに済む。

俊敏さを旨とするこの種族にとっては、最も重いカジートの鎧でさえゆったりしているが、それでも漆塗りの金属板を革で縫い合わせたものが付いており、その下には刺繍入りのチュニックが入り、さらに曲げた銀と丈夫な麻の兜を装備する。カジートが全身用戦闘鎧を装備するのは、最も悲惨な条件においてのみである。

武器に関して言えば、曲がった三日月刀、サーベルやナイフ、あるいは彼ら自身の鋭い爪の延長としての飛び出し短剣がある。時として、この爪の形状は儀式用の三又槍や長弓の矢、投げ槍の先端の形状に用いられる。

キス、愛しの母A Kiss, Sweet Mother

おや、闇の一党を召喚したいのか?誰かが死ぬのを見たいって?ならば、祈れ。夜母に願いが聞き届けられるように祈るんだ。

そして、最も背徳的な儀式——黒き聖餐を行わなければならない。

心臓、頭蓋骨、筋肉を含む本物の身体の部位を使って犠牲となる人物を模した人形を作るんだ。そしてその人形をロウソクで囲む。

これで儀式は始まる。次にベラドンナの花弁で擦った短剣を使って人形を繰り返し刺しながら次の言葉を唱える。

「愛しの母、愛しの母、あなたの子供を私の元へ届けてください。卑しい者の罪を血と恐怖をもって清めなければならないのです」

そして待つのだ。常闇の父なるシシスは辛抱強き者に報いる。お前の元に闇の一党を代表する者達がやって来るだろう。そうして血で結ばれた契約が始まる。

グリーンパクト・ボズマー:観察Green Pact Bosmer: Observations

ディニクサス・プレシス 著

著者は自身が観察したヴァレンウッドの奥深くに住むウッドエルフと、ニルンの反対側に住むウッドエルフについての詳しい違いを簡潔に説明したく思う。ここで記録された観察は彼らが「古き習わし」と呼ぶものに拘る野生のボズマーについて詳細を説明するものであり、一般の社会に適合したウッドエルフにはあてはまらない。

ヴァレンウッドの奥のウッドエルフ、もしくは彼ら自身が称する「グリーンパクト・ボズマー」は、グリーンパクトに熱狂的な信仰を捧げる者とされている。彼らは戦闘で倒した敵を含む肉のみ口にし、住処とする森を害する者を攻撃する。

それでも彼らを「野蛮なもの」としてしまうのは間違いである。実際彼らは実に知的で好奇心を持ち、理性的である。豊かな文化を持ち森に帰属し、精神的な指導者、語り部、「紡ぎ手」を持っている。

戦闘では極めて獰猛だが、刺激しなければ攻撃せず、よそ者には実に親切だ。自然界から恐れと尊敬を交えつつもヒントを得て、教養があり、緑がパクトを冒涜する者と対決する怒りの復讐のような物語を伝えてきたのは間違いない。

実際早くよりパクトのボズマーは、パクトを冒涜するボズマーが落ちる地獄のようなものであるウーズを信じるよう育てられ、危害を加えるボズマーのクランにすべての野生の力を浴びせるという、緑のさらに恐ろしい話を聞いている。

グリーンレディたちLadies of Green

シランティレ 著

ウッドエルフは基本的に秘密主義で隠遁生活を好むが、私は彼らが外部の人間から意図的に隠れて暮らしているわけではないと考える。例えば世代毎に新たなリーダーを選ぶという慣行について取り上げてみる。ウッドエルフがどのように「グリーンレディ」を選ぶのかを正しく知っている外部の人間はいないが、この地位、役割、称号についてはすぐに多くの事実を発見できた。

世代毎に——期間が定められていないためこれ自体が不明瞭な概念だが——すべてのウッドエルフの中から1人の若い女性が選ばれ、自らのアイデンティティを捨て去り、グリーンレディとなる。グリーンレディは、私が理解している通りだとすれば、ボズマーの凶暴性、力、そして純粋な身体的特徴の象徴だ。

これは彼女が戦争指導者、あるいは首領ということを意味するのだろうか。正しくはそうではない。確かにグリーンレディの力は戦闘に向けられることが多いが、彼女は民の身体能力や健康の顕現であると言ったほうが正しい。真の神やウッドエルフ自身に対して失礼かもしれないが、私はグリーンレディは神格化された神だと考える。それが適切な表現だろう。

クロウブリンガーCrow Bringer

クロウブリンガーはハグレイヴンの力を持っていると言われていた。彼は複数の恐ろしいカラスに変身し、一度に百方向から敵を攻撃することができた。光の力を持つ者によって彼のチャンピオンの座がすぐに奪われてしまったのは避けられないことだったのかもしれない。クロウブリンガーは変身して有徳のハグロフに襲い掛かったが、カラス達は眩しい光によって焼きつくされ、カラスがいた場所には硫黄の王冠しか残されていなかった。

王座を奪取した相手:隠されしアレリス

敗北した相手:有徳のハグロフ

セイラン、ルレニルズ・フォールの戦士長Ceyran, Warlord of Rulanyil’s Fall

セイランは第一紀中期の、下級のアイレイド戦士長だった。その長い人生の中で3つの同盟を作って失ったことで最もよく知られている。シロディールのアイレイド粛清の影響を受けて難民として逃れてきたのか、それともクランがヴァレンウッドに逃げてきた後に誕生したのかは分かっていない。モラグ・バルに傾倒していたと言われており、最終的には第一紀1102年、身元不明の暗殺者によって殺害された。

センチネル王家の系図The Royal Lineage of Sentinel

親愛なる読者よ。我々の慈悲深い王の血は最も気高い。祖先は上級王アルアザル、次にジャフルール王、そしてマカラ大公に遡る。マカラ大公はアンチフィロスのグランデヤ・ファネッシュと結婚し、そのため家に偉大なるジジーンのフィロシドの血がもたらされている。

ファハラジャード王陛下は、高潔なるマカラとファネッシュの唯一の子だった。ある時まだ若い王子であったファハラジャードはタネスの花、ザリファーを妻に迎え、彼女は3人の健康な子供を産んだ。残念ながらタネスの花は3人目の出産時に命を失い、ハンマーフェルのレッドガード全員が喪に服した。

とはいえ、陛下の輝かしい子孫は、サタカラームの宝石、長女マラヤ、そしてアルマンダインの星、次女ラカナ、さらにアンチフィロスの獅子、若き皇太子アザーが残っている。

ダガーの環The Ring of Daggers

軍団兵通信の真の著者、アエミリアヌス・ファルト 著

「ダガーの環」

あなたもその名がささやかれるのを耳にしたことがあるだろう。そしてその意味も知っているはずだ。堕落した役人達。原因不明の失踪。暗闇での殺人。

ダガーの環。密偵、侵入者、おとり。残虐な商人王、血塗れのエメリックの下で汚れ仕事をする死の商人。

あなたが住むこの街で。あなたの家の近所で。おそらくあなたが信用し、よく知っていると思っている人々の間でも。

だが実際のところ、あなたは隣人をどれほどよく知っているだろうか?彼はおじさんを訪ねてサタカラームに行ってきたという話だが…果たしてそれは本当の旅行先か?彼女の客間のあの新品の手結びの敷物…代金はカバナントの金で支払ったのか?酒場で彼と一緒に酒を飲んでいたブレトン…彼らはあんなにひそひそと何を話していたのだろう?

あなたの住む地域に、ダガーの環は入り込んでいるだろうか?はっきり答えられるのは、自分の隣人を十分把握している人だけだ。目に見えるものだけを信用し、説明できることだけを信じるのもいい。だがダガー達が、肩をすくめてよそ見しているあなた達に依存していることを忘れるな。彼らの破壊活動を見逃してはならない。さもないと、次はあなたが狙われるかも知れない!

何か疑わしいものを見聞きしたとき、行動を起こすかどうかはあなた次第だ。疑わしい行動は最寄りの帝国の占領当局に届け出てほしい。市民諸君、その後は我々が引き継ごう。

タムリエルのカリグラフィ、第七章Tamrielic Calligraphy, Chapter VII

ヴァレンウッドのインク

アリノールのアラーニャ 著

よく見逃される事実だが、インクの使用は書道家以上のことをする。管理された環境で、芸術家は正確に色と形を理解し、ページを越えて読み手に伝えられる。天気や気温のような外部の要素が、書道家が必要とするものを著しく変えてしまうことがあることは忘れられやすい。

例えば、深いヴァレンウッドの熱と湿気の中で、正式なアリノールの書道では一番広く使われている精巧な真夜中のインクは、単純に乾かない。紙を横向きにすると、ただちにインクがページを流れてしまう。穏やかなアリノールの気候では考えられないが、ちょっとした船の旅ではよくある。かわりに、地元では水の中でも乾くインクを使う。快適な書き物机がある書記には馬鹿馬鹿しいことだが、暴風雨の中でも緊急の書状を書く斥侯には非常に重要なことである。

ヴァレンウッドのインクのもうひとつの重要な進化は、多くの場合、暗闇でかすかに光るということである。このような性質はアリノールのような明るい街ではほとんど必要とされない。森の深い闇の中、読むための月の光がなくても微かに光るインクにより、重要な文書を正確に読むことができる。

最後の肝心な点として、インクはさまざまな表面にしっかり書くためによく使われている。高品質の羊皮紙は滅多に手に入らず、紙でさえも地元のボズマーの信条によっては手に入りにくいことがある。落ち葉や平らな石に書状を書くというのは、アリノールでは考えられない。森の深いところではよくあることで、その方が好まれることが多い。先に述べた精巧な真夜中のインクは、紙に書くには使う価値がないにもかかわらず、高く評価されている。多孔質の石に書いた場合、勢いよく振るまで、形は保たれる。

そのため、石とインクはかなり長い間使い回せる。インクがきちんと乾かないため、書かれた文字は数か月以上も長持ちする。このため、普及しているアリノールのインクは、ボズマーの間で非常に希少価値が高い。彼らの異なる環境によって、アルトマーの熟練の書記にすら知られていない、可能性が高いインクの性質を発見することになった。

引き続きタムリエル本土でインクの研究を続け、アリノールの書記にこの一連の章を提供していくつもりである。

タムリエルのチーズCheeses of Tamriel

料理長ギルバード・ラロッケ 著

あなたが私の同類なら、「チーズ」という言葉に心を揺さぶられるはずだ。家族や友人と一緒に食べた料理や、寒い冬にピッタリの料理、もしくは旅行中に木陰でつまむ簡単な食事のことが思い浮かぶのではないだろうか。あなたが考えているよりもチーズが遥かに奥深いものであるということを、私がこれから説明しようと思う。タムリエルを一緒に旅して、想像したこともないような様々な料理を発見しよう!

最初は簡単なものから始めよう。エイダールチーズ。スカイリムで人気があり、ノルドは暖かい串焼きと一緒にこれを食べる。彼らは私達ブレトンとは違い、洗練された料理は作らない。だがエイダールの芳醇な土の香りと滑らかな舌触りは様々なソースと相性がいい。鶏肉料理と一緒に食べたり、若いコレキュイバと合わせたりしてみてほしい。

スカイリム生まれのもっと風変わりな味を楽しみたかったら、マンモスのミルクから作ったチーズを探す必要がある。このチーズは巨人が作ったものであり、彼らからそれを奪うことのできる本当に勇敢なものだけが手にすることができる(そのとおり、巨人だ!それ以外にマンモスの乳搾りができる生物がいるとでも?)。だがその強壮効果と強い香りは、危険を冒すだけの価値はある。だんだん癖になる味だと言われているが、これを使った温かいシチューの完成度の高さにはあなたも舌を巻くはずだ。

ブレトン料理の習慣を守る者としては、これを本当のチーズとは呼ぶことはできないが、冒険好きのためにスカトルについて言及しておこう。この美味なごちそうは、驚かないでもらいたいが、モロウウィンド原産の甲虫の肉でできている。その材料や脂ぎった見た目を理由にしてスカトルを避けないでもらいたい。そのピリッとした複雑な味わいがダークエルフに愛されているのには正当な根拠があるのだ。

精の出るものが食べたければ、エルスウェアフォンデュを試すべきだ。この料理には様々なレシピがあるが、基本はいつも同じである。質の良いチーズと濃い目のブイヨン、そしてもちろんムーンシュガーだ。火は弱火に保ち、エールを入れすぎないように気を付ける。最高の瞬間は、自分好みの味付けを探しながら、チーズに食べ物を絡ませているときである。これは私からの助言だが、毎回加えるハーブを変えるようにしてみよう!

溶けると言えば、レッドガードのチーズだ。彼らは非常に奇抜なチーズを作る。彼らはその作り方を秘密にしており、外国の客人にそれを出して驚かすのが大好きである。シュリーキングチーズと呼ばれている。ある温度に達して溶け始めると、本当に叫び声を上げるのだ!鍋で香辛料の利いた肉を調理しているときに、このチーズを小さく切ったものをその上に乗せるというのが一般的な使い方である。チーズが叫び声を上げたら、準備完了!

その他の珍しいチーズといえば、もしそれを見つけられるぐらい幸運であればの話だが、この上ないほど芳醇なオルロイチーズというものもある。このチーズの素晴らしさを伝えるには、決して誇張しているわけではなく、その香りのためだけでも、数多くの挫折を味わい、数カ月間シロディールの南部を歩き回っただけの価値があったと言えば十分だろう。

ホールのチーズに、くさび形のチーズに、薄切のチーズのチーズ!たくさんあるが、これはまだ始まりだ。この世界にはまだ数多くのチーズがある。美味しいチーズを探すために長旅ができなくても、この説明を読んだことで、あなたが見つけたチーズを片っ端から試したくなるようになれば幸いである。

ドラゴンファイアについて(断章)Of the Dragonfires (Fragment)

…そしてアレ=エシュは言った。「我々はよこしまなエルフたちを倒したが、彼らがオブリビオンで我々を苦しませることを恐れています。彼らは私達を悲しみ嘆かせるため、これまでデイドラの王と取引してきました。我々は武器をとっては力強く戦えますが、偉大な悪魔たちは我々の力を超えています」

だがさらに続いた神の声はこう言う。「ニルンの定命の者のためにこうしよう。そなたはドラゴンボーンだから、そなたが引き継がなければならない。彼らがドラゴンファイアを燃やし続けるかぎり、悪魔の王は今の場に留まらなければならない。

アレ=エシュは感謝したが、まだ困っていた。「ならばもし私の家が途絶えたら?どうやって自分たちを守るんですか?」

すると世界が震えたが神の声は穏やかに言った。「そなたの人々が道を見つける。デイドラと違って定命の者は創造の輝きがあり、これまでにない新しい物を作るかもしれない。一つ防御があるところには、また…」

トリニマクの失墜The Fall of Trinimac

信仰なき者 著

マラキャスを本当に知るには、神の恩寵を失ったトリニマクと、その苦悶の混乱につながった事件の物語を思い出さねばならない。

神話紀の時代、アルドマーの反体制派は一般的に受け入れられていたサマーセット諸島の崇拝を捨て、若き預言者ヴェロスの教えに従い始めた。ボエシアは夢や幻視の中でヴェロスに話しかけ、定命の者は昇華し神になることができるという信条によって、アルドメリの新たな宗派を導くよう指導した。トリニマクの司祭たちはその新宗派を冒涜であるとして非難し、ヴェロスの教えを捨てなければ流刑にすると脅した。司祭らが採決を下そうとした時、トリニマクを飲み込んだボエシアが現れて、トリニマク本人の声で自分の教えが嘘であることを明らかにした。彼の暴露に面目をつぶされ打ちひしがれた司祭に満足したボエシアは、自分の不名誉を完結させるために、集まった者の前で自らトリニマクを解放したのだった。

トリニマクがどのように倒されたのかは不明だが、倒された後にボエシアによって食べられ、その腹の中で彼の霊魂は拷問されたと言われている。トリニマクの拷問に飽きると、ボエシアは牢獄から彼を解放し、息苦しい灰の世界へと追放した。この拷問と侮辱は、トリニマクの心を歪ませて激怒させた。トリニマクは消え、呪いの神マラキャスとして生まれ変わった。復讐に歪んだ彼の心により、彼の最も熱心な信徒は彼と調和するべく変わり、流浪にさまようように呪われた家なき種族、オーシマーとなった。

ニルンの霊魂Spirit of Nirn

ロルカーンは全ての定命者にとっての神、ニルンの霊魂である。しかし、これは全ての者が崇拝しているとか、知っているという意味ではない。エルフにとっては忌み嫌われる存在であり、創造は精神世界から彼らを切り離す行為だと考えられている。人間の多くには存在を告げる者として崇められている。定命者世界、ムンダスとも呼べるニルンの創造は、生きる者全てにとって精神的苦痛を生み出す源である。全ての魂は奥深くにおいて、自分達が別の場所から来た存在であり、ニルンは次に進むための厳しくも重要なステップだと認識している。では次とは何か?中には、元いた精神世界に戻りたいと望み、ロルカーンはその道を阻む邪悪なる者だと考える者もいる。彼らにとって、ニルンは監獄であり、抜け出すべき錯覚なのだ。また、ロルカーンは超越性を試す場としてこの世界を創ったという者もいる。その者達にとって、精神世界は既に監獄であり、真の脱出が可能な状態でもある。

ヌチュナクの火と信仰Nchunak’s Fire and Faith

ヌチュナク 著

この書は、カグレナクの理論を説明しながらドゥエマーの様々な植民地を旅したヌチュナクの報告書を翻訳したものである。

彼が代弁して語った人々の啓もうの状態がどうなっているか、私は調査してみた。カグレナクの理論に対する敬意があれば、近くにいる唯一の学者が人々を導いて、真の誤りへとつながる迷路を切り抜けて進んでくれると彼は答えた。

しかしカグレナクの教訓はケラカーで教わったものだと、彼は私に明かした。世界で最も博学な民であるケラカーのドゥエマーに会えたことが、これまでで一番うれしいことだと彼は言った。彼らはそこでカグレナクの言葉を勉強し、あの世での彼らの居場所について思いをはせていた。またそこでは、平面分割も、健忘症の計算法も、それ以外の実用性を持つあらゆるものも、自己の理解および心臓に対するその関係性以上に価値があるとされることはなかった。

私はこれを賛辞と受け止めるだけの礼儀正しさを持ち合わせていた。そして兜を脱いで、彼に感謝し、無限に続くお辞儀に送られてその場を後にした。

ノルド社会への忍耐Enduring Nord Society

ネヴィル・フレラン

本稿を書いた不幸な作者と同じように、もしあなたの家がノルドの「同盟」や「商売仲間」との定期的な付き合いを要求するなら、そしてそのことを不満に思っているなら…そんなあなたなら、彼らの社会的交流はダンマーの精緻かつ気品のある文化とはかけ離れていることがすぐ分かるだろう。彼らの習慣や行動に頻繁に触れる機会があったおかげで、ノルドからの肉体的な危害を避けることにおいて、私は専門家のような立場になった。私の知識が読者の皆様のお役に立てると幸いだ。

ノルドにとって侮辱とは必ずしも侮辱ではない。ノルドしかいない場での会話においては、普通なら相手を怒らせるような言葉(例えば「この老いぼれホーカーのケツめ」など)も実は愛情表現なのかも知れない。しかし話題になっているノルドのことをよく知らない場合は、そのような汚い言葉を使うのは避けた方がよい。また、ノルドの力、勇気、名誉をどんな言葉であれ侮辱すると、侮辱されたノルドはむきになって自身を証明しようとするので、必ずと言っていいほど暴力沙汰になることも覚えておいてほしい。

一杯勧められたら決して断わってはいけない。ハチミツ酒を6杯も7杯も飲まされる事態に備えて、テーブルの下にこっそり捨てる技術を身につけておくべきだ(テーブルの下にはすでに捨てられた酒の海ができているので、誰も気づかない)。勧められた酒を断わると、それは弱さを認めたことになり、ただでさえ一緒に働くのが嫌な仕事仲間からさらに仲間外れにされる羽目になる。

最後にもう1つ、言葉遣いはできるだけ単純明快にすること。ノルドは馬鹿馬鹿しい話が好きだが、込み入った会話は得意ではないし、難しい言葉を使う者に対して疑念を抱く。そうなるとノルドは危険だ。突然感情を爆発させて叫んだり、「わざとややこしいことを言って俺を騙す気だな」とあなたを責め立てるかも知れない。単純明快に話せば怪我をしないで済む。

それでは幸運を祈る。ここに書いた忠告は柄の悪い人間と付き合う際にも役に立つだろう。

バーンダリのやり方The Way of the Baandari

バーンダリの他の子供を中傷するな。

取引では常に気を配れ。

贈り物は必ず返せ。

公平な取引は金でなくても成立する。

真実と賢さは必ずしも敵ではない。

失ったものを見つけ、見つけたものを取引し、意味のないことは無視しろ。

バーンダリ行商人組合の脅威Threat of the Baandari Pedlars

サタカラームの大司祭ズラドル 著

誠実な人よ、今週の私の説諭は長くも比喩でもなく警告だった。すべての真のレッドガードに、門の外に群がり自らをバーンダリ行商人と呼ぶ盗人と異教徒で邪悪な猫の種族の策略に気づかせるための警告だ。

うろついている野獣のような者たちが盗み、詐欺、ごまかしを働くために商人を装っていることは前からわかっていた。ではなぜ執政官は街の門前に野営を許しているのか?なぜ追放しないのか?

明らかに他の力が働いている。神を冒涜する異端者の力だ。この生き物に庇護を与えるのがどんな愚行であり、悪徳と背徳に寛容な権力者がどれだけ無知であるか、どう説明しよう。

「でもどうしてわかるのだ、ああズラドルよ」あなたは問うかもしれない。「この真実をどのようにして知ったのだ」

では聞こう。誰かがくしゃみをしたらなんと言う?「トゥワッカの祝福を」だ。そうだろう。なぜだ?古の文書にあるように、くしゃみは邪悪な霊がいることを示しているからだ。

私のような多くの信心深い者が、猫のような人間と会うとどうなるか?くしゃみをする、目に涙がたまり、またくしゃみがでる。

気をつけろ、トゥワッカの警告に耳を傾けるのだ。バーンダリは人間の姿をした邪悪な霊魂だ。つきあいをやめ、野営地を避け、家に持ってくる穢れた商品で苦しまないようにするのだ。

バーンダリ行商人組合の掟Code of the Baandari Pedlars

ロードのセムシル・ダール 著

街の者があなたを盗人、ペテン師、不名誉なる者と呼ぶ時は耳を傾けるな。そうした人々は無知で狭量で、自分の街の境界線の先のことは何も知らない。真の不名誉だ!生きていく上での行動規範を持つ者は不名誉ではない。それはバーンダリにも当てはまる。

だから我々の規範、バーンダリに従いなさい、さもなければ私たちから追放される。規範を破り、追放猫になる者は同情されるかもしれないが、私たちの中では再び認められない。私たち自身を信頼できなければ、世界がどうして私たちを信頼してくれよう?

私たちが拠って立つバーンダリの掟は成文と慣習の両方から成る。慣習が成文化されることはないかもしれない。成文化が可能ならどうして慣習なのだろう?だが成文は以下の通りだ。

財貨入手の掟:対象物が緩んで何も入っていないことがある。ポケットや引き出し、手の中から落ちることが。こうした物は破棄されたものと見なし、合法的に入手される。明らかにきちんと保管されたかどうかを誰も気にしていないものだからだ。バーンダリでは、こうして捨てられたものを入手するのは合法であり推奨される。バーンダリは倹約家で無駄を嘆くからである

預言の掟:街の住人はこれから先に起こる出来事に関する助言や預言の見返りに、バーンダリに対して金銭を支払うことがある。この取引では、顧客が聞いて最も嬉しいことを語らなければならない。不親切な言葉や望まない言葉で顧客の感情を害するのは深刻なマナー違反だからだ。こうした違反を防ぐために、バーンダリは地元の宿屋や食堂で鋭い耳を持ち、時を過ごすのがふさわしいと考え推奨する。そうすれば確実に、地元の顧客が最も喜ぶ可能性のある助言を行える

保証の掟:本物のバーンダリは素晴らしい商品しか売らない。街の住人は最高級品しか買いたがらないからだ。素晴らしい新しい買い物に大金を使って貰えるほど自慢できることはない。バーンダリは何よりも顧客に大きな値引きをして、最高品質の品を手に入れたと自慢して貰いたがっている。だから顧客には商品の由来、珍しさ、好ましさについて、最高の保証をつけて提供することがふさわしく推奨される。

これがバーンダリの掟の成文である。これらの掟はすべての場合に厳格に適用され、議論の余地はない。ただし、もちろん慣習等に覆されるときは除く。

ハグ、ハーピー、ハグレイヴンHags, Harpies, and Hagravens

サタカラームの歌姫、ベールをとったアザディエ 著

そして私は大聖堂のたいそう立派なズラドル大司祭による説教を聞いた。彼は誘惑する女シャクハリの物語とジェゼレ女王の罪を引用しながら、女であることと、その生来の悪を痛烈に非難した。「ハグ、ハーピー、ハグレイヴンのことを考えなさい」彼は言った。「どの怪物も女だ。だから邪なのでしょう?」

「司祭が女を好まぬだけのように思える。どうして?」私はそう思った。

どうして?それにもし女が邪悪なら、彼はどのようにして当然の結果として暗示している、男の美徳を見つけるのだろう。卑しく13人の妻を取り換えたクワリズム大公は男ではなかったか?恐ろしい丘のオーガや山の巨人はいつも男ではなかったか?伝説のミノタウロスをごらんなさい。あれも男性ではないの?

神を惑わす者、セプは男ではなかった?

たいそう立派なズラドル大司祭にこの考えをぶちまけたけれど、彼は恥じず、私を慎みがなくでしゃばっていると決めつけた。「ええ、そうでしょうね」私は言った。「あえて言わせてもらいましょう」。そして私はベールを取り、服を脱いで言った。「あなたが邪だと恐れるものはこれでしょうか。神聖なる司祭よ」

司祭は震えて汗を流し、欲深く震える指を伸ばした。でも私は笑ってそれをはねのけ、衣服を元のようにまとった。そして言った。「ああ司祭よ、考えてごらんなさい、真の女はそれを敬わないものには何も与えないのです」

私はこのようにして大司祭に説教したのだ。

ヒストの神話と伝説Myths and Legends of the Hist

シランティレ 著

潰瘍やグリーンスポア、その他のより激しい衰弱を伴う病気を厭わない者たちは、高位の種族によって地図に記されていないブラック・マーシュの区域に分け入っていくかもしれない。沼の腐敗やニクバエの噛み傷、そして叫び声をあげ歯を打ち鳴らし、あるいは単に暗がりに横たわり、あなたの手足に齧りつく機会を待っている見えない生物たちの止むことのないわずらわしさに耐えられる少数の者は、沼の最奥に到達できる。インペリアルの探検家で最も頑強な、これ以上勇気を証明する必要もないほどの発見をなした者であれば、ヒストの樹を目にすることができるかもしれない。

噂によればヒストの樹は、この暗い沼地の鱗を持つ民の間での、主要な崇拝の形態であるという。一部の者の仮説によるとこの木は知覚能力を持ち、深い知識と、人間とエルフのあらゆる種族以前の時代に遡る計り知れない秘密を持っているという。近年発見されたダンマーの文書の大まかな翻訳は、アルゴニアンの間で行われる儀式の存在を示しているようだ。しかしこれとても、事実よりは伝説に近い。

サクスリールは未熟状態を脱した時、近くにヒストの樹を見出し、その幹から樹液を吸ったと言われている。樹液に含まれる成分はホルモン分泌を加速させ、それはアルゴニアンの性別を決定する器官を成長させる。そのすぐ後に適切な相手が見つかり、交配が行われる。雌は間もなく1つかそれ以上の卵を産み、それは熟成と孵化の場である孵化槽へと運ばれる。

最近行われた、ブラック・マーシュ中央部のインペリアルによる探検が不完全に終わったこと(埋葬地はコルニクス・ケパリウスが提供した地図に記されていた)、また甘言を弄したにもかかわらず地元住民がこの寓話的な木の謎について話すことに積極的でなかったため、我々のヒストの樹についての知識は、驚くほどわずかなものに留まっている。

インペリアル城庭園の主任園芸家ティチュリニア・ペティリアは、もし発見された場合、この木から得られる樹液や種の扱いと回収には細心の注意を払うよう要請している。我々の薬剤師たちにとって大きな利益をもたらすかもしれないからである。

フェリアン・ダークストームFerian Darkstorm

消極的なフェリアンとしても知られているフェリアン・ダークストームは、瞬く間にチャンピオンの地位を奪われることになった。王座に就いたことで熱意を失い、満足してしまったためだと言われている。また、痛烈な批判を受けた時にしか戦わなかったことでも知られている。彼が王冠を守ることに無頓着だったことが原因で、剣闘士の反乱が引き起こされると、ついにはフェルホーンという名の優れた剣闘士がクランを率いてアリーナに姿を現れ、フェリアンが引っ張り出された。フェリアンは、怒った剣闘士達から自分と守衛を守るために最後には戦いに応じるが、最終的にはフェルホーンの剣に屈した。

王座を奪取した相手:ホワイトベア

敗北した相手:フェルホーン

フェルホーンFelhorn

フェルホーンは、剣闘士の反乱として知られる、血みどろの反乱で硫黄の王冠を手に入れた。彼は軍隊を率いてアリーナに入ると、現王者のフェリアン・ダークストームに決闘を申し込んだ。フェリアンが仕方なくこれに同意すると、歴史に残るような戦いを繰り広げたのち、前王者はフェルホーンの魔法の剣で真っ二つにされた。フェルホーンはこの薄氷の勝利を期に自分を見つめ直し、軍を解体して聖なるるつぼのチャンピオンとなった。マラキャスのために、アリーナの中に偉大な記念碑を建てたのは彼である。

王座を奪取した相手:フェリアン・ダークストーム

敗北した相手:偉大なサナレル

ブラジックの頭Head of Brazzefk

ブラジックはかつて名を馳せたドゥエマーの錬金術師だった。彼は不死に関する研究を行い、ついには自身を欠点の多い肉の体から解放して、石の生きた巨人に変えられる薬を作り出したと言われている。その薬の効果は抜群で、彼の体は石に変わり不死となったが、動けなくなってしまった。

これはブラジックの頭だろうか?彼には回りが見えているのだろうか?私達には想像することしかできない。

ペリナルの歌 第1巻The Song of Pelinal, Volume 1

その名について

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれ、同じ文書からの断章という可能性もあるものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

彼の名前「ペリナル」はまことに驚くべきであり、奇妙である。多くの異名は後についたものにすぎない。それはエルフの名であるが、ペリナルはエルフに災いをもたらすものであり、その名はエルフにとって皮肉というよりも残酷であった。若い時分から、ペリナルは白髪をたなびかせ暴れまわった。敵であるエルフたちが彼らの言葉で彼をペリナルと呼んだのだろうか、しかし、その名がエルフの言葉で「栄光の騎士」を表していて、もちろん彼がそのような存在ではなかったことを考えると、そうとは考えにくい。彼がタムリエルにいた頃、他のものたちは多くの異名をペリナルの名に加えて呼んだ。彼は、光り輝く左手で敵を討つペリナル・ホワイトストレークであり、血(を飲ん)で勝利を祝うペリナル・ブラッディであり、聖戦士たちを立ち上がらせたペリナル・インサージェントであり、兵士がその旗印を見て八大神に感謝を捧げる、勝利の化身ペリナル・トライアンフであり、彼の剣一本に頼る戦略について来られない味方を叱責するペリナル・ブレイマーであった。また彼はペリナル・サードとも呼ばれたが、これについては彼が三度蘇った神の化身であるからとも、彼が反乱に加わる以前、聖アレッシアとも呼ばれるペリフが自由への祈りの中で見た3番目の幻影が彼の姿だったためともいわれている。

ペリナルの歌 第2巻The Song of Pelinal, Volume 2

その訪れ

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

(そして)ペリフは天を仰ぎ、神々の使いに語りかけた。天はエルフが地上を支配し始めてから、その慈悲を失っているように見えた。ペリフは、命に限りある人間であった。彼女の同胞である人間の、弱さの中の強さや謙虚は神々の深く愛するところであり、人間が、最後にある死を知りながら命を燃やす姿は神々の憐みを誘っていた(向こう見ずに魂を燃やす者たちが竜の一族に好かれるのと同じ理由である)。そして、彼女は神々の使いに語りかけた: 「そして、私はこの思いに名前をつけ、それを自由と呼びました。失われし者シェザールの、別の名前だと思います…(あなたは)彼が失われたとき、最初の雨を降らせました。(そして)私は今、彼に起こったのと同じことが邪な支配者たちに起こるよう願います。彼らを打ち破り、彼らのした残虐な仕打ちの代償を支払わせ、トパルの地へ追いやり(たいのです)。あなたの息子、あの強く、荒ぶる、猛牛の角と翼を持つあのモリハウスをもう一度地上につかわし、私たちの怒りを晴らさせてください」…(そしてその時)カイネはペリフに新しい印を与えた。それはエルフの血で赤く染まったダイヤモンドで、その面は(なくなり、形を変え)一人の男となってペリフの縛めを取り払った。その男は「星の騎士」(を意味する)ペリナルと名乗り、(そして彼は)(未来の)武具を身に付けていた。そして彼はシロドの密林へと分け入り、そこにいるものを殺した。モリハウスはペリナルの出現に喜び、地上に降りてペリナルに寄り添った。(それからペリナルは)ペリフの率いる反乱軍の陣地に戻り、自分の剣と戦棍に刺さったエルフのはらわた、首、羽、アイレイドの印である魔玉などを見せた。血で固まったそれらを掲げたペリナルは言った「エルフの東の長だったものだが、こうなっては名乗ることもできまい」と。

ペリナルの歌 第3巻The Song of Pelinal, Volume 3

その敵

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

ペリナル・ホワイトストレークは当時のシロドに住む全てのエルフの敵であった。しかし、彼はアイレイドの妖術師の王たちを、戦争ではなく、主に彼自身が決闘をして倒していた。反乱はパラヴァニアの軍隊と彼が甥と呼んだ雄牛モーハスに任せていた。ペリナルは銅と茶のハロミアをトールでの決闘に呼び出し、彼の頚動脈を噛み切ってレマンを称える雄たけびを上げた。レマンという名は、当時誰にも知られていなかった。形作るものゴードハーの首は山羊の顔を模したニネンダーヴァの祭壇に落とされ、ウェルキンドの魔力によって悪が蘇らないよう、ペリナルは賢明にも呪文によって彼らを封印した。その同じ季節のうちに、ペリナルはセヤ・タールの御影石の階段でハドフールを倒した。火の王の槍兵が初めて破られた戦いであった。その当時、アイレイドの武器でペリナルの防具を貫けるものは何一つ無かった。ペリナルはその防具が人間の作ったものでないことは認めても、それ以上のことはどんなに請われても語らなかった。ペリナルが初めて憤怒に我を忘れたのは、彼が農奴から重装歩兵にまで育てあげ、非常にかわいがっていたフーナが、シンガーのセレスレルのくちばしから作られた矢じりで殺されたときであった。彼はナルレミーからセレディールまで全てのものを破壊しながら進み、これらの土地をエルフと人間の地図の上から消してしまった。ペリフは神々にいけにえを捧げ、この行いに怒って地上を去らないよう祈らなければならなかった。そして、その後、白金の強襲が起こった。アイレイドたちがメリディアのオーロランたちと協定を結んで彼らを呼び出し、金色の半エルフ、羽なしのウマリルを彼らの味方の闘士にしたのである。そして、地上に現れて初めて、ペリナルは決闘に呼び出される側になった。アダの血をひくウマリルは不死身であり、恐れを知らなかった。

ペリナルの歌 第4巻The Song of Pelinal, Volume 4

その功績

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

(ペリナルは)妖術師の軍隊をニベンより追い払い、東の土地全てをパラヴァニアの反乱軍のものにした。カイネは人間たちがそこで進軍のための陣をはれるよう、雨を降らせて村やアイレイドの旗が降ろされた砦から血を洗い流さなければならなかった。(それから)ペリナルはヴァータシェの扉を壊し囚人たちを解き放った。このとき、モリハウスに乗った奴隷の女王が頭上を飛び、人間たちは彼女を初めてアレ=エシュと呼んだ。彼はまた…の門を抜け、その夜アイレイドに盗まれたセドール(今では誰も知らないが、当時は名高い部族であった)の千の精鋭の手を取り戻した。二千の手を魔族の骨で作られた荷車に載せると、荷車は女の悲痛な叫びのような音をたててきしんだ。…(文章欠落)…クリーズ族の北方における勢力を強化した最初の大虐殺(の後)、彼は白い髪をエルフの血で茶色く染めてヘルドン橋に立ち、ペリフの鷹匠に導かれてきたノルドたちはその姿を見てショールの再来と恐れおののいたが、ペリナルはその名前を冒涜するかわりに彼らの足元に唾を吐きかけた。それでもとにかくペリナルは彼らを率いて西の内陸へ進み、アイレイド達を白金の塔の方角へと追い詰めていった。アイレイド達は突然自由になった人間たちの勢いと、この激しさがどこからもたらされたものなのかを理解できぬまま後退を余儀なくされていた。ペリナルは、ウマリルが反逆者の進軍を止めようと放つサンダーナックを戦棍で砕き、「カイネの息」モリハウスがくちばしの矢の一斉射撃で傷ついたときは、彼を賢しきツアサス(ケプトゥの名を持つガネード)のもとまで運び治療させた。スキフ評議会において、パラヴァニアの兵士やノルドたちが白金の強襲に怯え、アレ=エシュすらもが決闘の延期を勧める中、ペリナルは激高し、考えなしに突き動かされてウマリルを罵り、まわりの臆病者たちを罵り、一人で白金の塔へ赴いた。

ペリナルの歌 第5巻The Song of Pelinal, Volume 5

モリハウスへの愛情

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

モリハウスがカイネの息子であることは厳然たる事実である。しかし、ペリナルがシェザリンであるかどうかについては語らないほうがいいだろう(あるとき、短剣使いのプロンチヌがそれを言って、その夜蛾を喉につまらせて死んだ)。しかし、モリハウスとペリナルが互いを家族と呼び合ったことはよく知られている。モリハウスが弟分であり、ペリナルは彼を甥と呼んでかわいがった。しかし、これらは単に神々に近い不死身の彼らの気まぐれな遊びだったのかもしれない。ペリナルは、戦いに関してはモリハウスに助言などしなかった。この半牛人は素晴らしい戦いぶりを見せていたし、兵をうまく導き、憤怒に身を任せることもなかったからだ。しかしホワイトストレークは、モリハウスがペリフに対して募らせていた愛にだけは警告を与えた。「モール、俺たちはアダだ。愛によって何かを変えなくてはならない。さらなる怪物をこの地上に生み落とさないように気をつけろ。お前が思いとどまらなければ、彼女はお前を愛するようになり、お前のせいでシロドはその姿を変えてしまうぞ」これを聞いたモリハウスは彼の雄牛のような姿を恥じ、彼がパラヴァニアにとって醜すぎるのではないかといつも思い悩んでいた。ペリフが彼の服を脱ぐのを手伝ってくれる時などは特にそうだった。ある夜、彼は小月神の月の光に鼻輪を光らせ、鼻を鳴らして言った。「彼女はまるでこの鼻輪の光のようだ。ときどき気まぐれに光り輝くが、夜にこうして頭を動かせばいつでもそこに見ることができる。そして、俺は決して手に入れられないものを知るのだ」

ペリナルの歌 第6巻The Song of Pelinal, Volume 6

その憤怒

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

(そして)彼はパドメイのように、シシスによってこの世界に生まれ、この世を変える力を与えられていたと言われる。ニューテードのフィフドのように、あるものは、ペリナルの星の防具に隠された胸はぽっかりと開いてその中に心臓はなく、ダイヤモンドの形をした赤い憤怒が粗暴なドラゴンのように吼えているだけだという。これは、彼が神話の再現者であることの証であるという。彼が歩を進めたところは思い通りに形作られたともいわれる。ペリナル自身はこれらの言説を気にかけず、神の論理を唱える者は全て殺した。しかし、美しきペリフだけは例外であった。ペリナルは彼女について「話すより前に行動する。実行を伴わない言葉は死んだ目撃者のようなものだ」と言った。兵士たちが彼がそう言い放ったのを聞いて呆然としているうちに、彼は笑って剣を抜き、カイネの雨の中へ飛び出して行った。そして彼は捕虜のアイレイドたちを虐殺し、「おお、神よ、これが俺たちの憤怒だ!お前たちを見る俺を見ているお前たちが見えるぞ!俺たちが作ったウマリルは、俺たちを呼び覚ました!」と叫んだ。(そして、そういった)怒りに任せた気まぐれを行うとき、ペリナルは憤怒に我を忘れるのだった。そうなったとき、彼が通った後の土地は神の力を持つ彼の狂暴によって全て滅ぼされ、憤怒の後の虚無がやってくるまでその状態は続くのだった。アレッシアは神々に祈り助けを求めねばならず、神々は心を一つにして救いの手を差し伸べ、ホワイトストレークに殺しの願望を忘れさせ、地上のもの全てを破壊することをやめさせた。ギー族のガリドはかつて、そうしたペリナルの憤怒を遠くから目の当たりにしたが、その後、ペリナルが落ち着いたころにともに酒を飲む機会を得、憤怒に身を任せているあいだはどんな気分なのかと尋ねた。ペリナルは簡潔に答えて言った、「見るもののいない夢のようなものだ」と。

ペリナルの歌 第7巻The Song of Pelinal, Volume 7

ウマリルとの戦い、そして切断

(編者注:この断片はカヌルス湖にあるアレッシア教団の修道院の廃墟から見つかった写本を元にしている。第一紀2321年の正義戦争の前のどこかに書かれたと思われる。しかし、文章の解析によればこの断片には歌のかなり初期のバージョンが含まれていて、600年代中頃のものと思われる)

(そして)ウマリルの軍勢(との数々の戦いの末)オーロランの死体が玉座を取り巻くろうそくのように横たわり、ペリナルはアイレイド最後の妖術師の王たちと、重厚なヴェーリアンスで武装した彼らの魔族たちに取り囲まれていた。ホワイトストレークが彼の戦棍で床を突くと、その音に敵はひるんだ。彼は「俺を呼び出したウマリルをつれてこい!」と言った…(しかし)一方、力強さをたたえた顔つきの、邪悪で不死身の金色のウマリルは、接近戦よりも遠いところからの狙い撃ちが好きだったので、白金の塔の陰に長くとどまっていた。さらに多くの兵士たちがペリナルのもとへ送り込まれては死んでいった。彼らはウマリルが(最初の戦いの時から)ため込んでいた長いヴァーリアンスで強化した斧や矢でペリナルの防具を貫くのがやっとだった。(やがて)このハーフエルフは(メリディアの光に包まれて)姿を現し…彼のアイレイドの血筋を語り、その父、(前のカルパの)世界河の神について語った。そして、ついに流血し荒い息をつくペリナルを見て喜んだ…(文章欠落)…(そして)今やウマリルは地に倒れ、その兜についた天使の顔はへこんで醜く歪んだ。ペリナルはそれを見て笑った。。ウマリルの羽のない翼は(いらだつ)ペリナルの剣によって切り落とされた…ペリナルはウマリルの祖先を侮辱し、全ての旧エルノフェイから渡ってきた者たちを罵った。(このことを聞いて)エルフの王たちは怒り、憤怒に我を忘れた…(そして彼らは)ペリナルに襲いかかり、彼らの(頼りの)武器をふるい…ペリナルの体を八つ裂きにした。混乱し雄たけびをあげる(ペリナルの声は)スキフ評議会にすら(聞こえた)…(文章欠落)
…は(次の朝)モリハウスが角で塔全体を揺らしている時に逃げた。あるものは大量虐殺のさなか興奮状態にあり、人間たちは全てのアイレイドを殺そうと待ちかまえていたが、逃げ出した王たちや魔族たちを救おうとするものは全てペリナルに殺された後だった…王たちが彼らのやったことを証明するために残しておいたホワイトストレークの頭部はモリハウスが見つけた。彼らは会話を交わし、ペリナルは後悔を口にした…しかし、反乱軍の者たちはすでに引き返しており、これを聞く者は誰もいなかった…そして、不死身の彼らは(その後もさらに)話しこんだが、パラヴァントでさえもそれを聞こうとはしなかっただろう。

ペリナルの歌 第8巻The Song of Pelinal, Volume 8

啓示とアレ=エシュの死

(編者注:これは最も古く最も断片的なペリナルの文章である。しかし、これは元々話されたか歌われた「歌」の原型に最も忠実なものと思われる。従って、短さにも関わらず価値がある。奇妙なことに、アレッシア崩壊の際にペリナルは居合わせたようだ。伝説ではウマリルによって、アレッシア崩壊の数年前に死亡している。一部の学者はこの断片がペリナルの歌の一部ではないと考えているが、ほとんどの学者はこれが本物だと考えている。しかし、重要性については多くの議論がある)

「…そして、私の半身とともに力を集めさせたのだ、その半身はその死すべきものの観念に光を与えた。それは(神々の)喜び、それは自由、天にもその本当の意味は知られていない(だからこそ)父なる…(文章欠落)…協定より以前、最初の(日々?精霊?渦巻き?)…の中でこの世の憤怒を模して。(我々は)今あなたをつれてゆく。我々の本当の顔を(見せて)やろう…(それらは)時がくるたびに失われた記憶の中で互いに食らい合う」

ペリナルの歌 第10巻The Song of Pelinal, Volume 10

水の思考者による記憶の覚え書き

(編集者によるメモ:9巻~12巻は帝国蔵書庫にある、学者たちにシロドの推移補遺と呼ばれる無題の文書から取られている。古文書の断片から成っていて、レマンの原稿をまとめた学者によって収集されたようだ。断章の原典は学会の論争の議論の対象だが、いまだ由来や日付について合意は得られていない)

「見てごらん」とベルハルザが言った。「パラヴァニクが光って(消えて)いるところをよく見るんだ。夜明けの星のように消えていく。それから…ペリン・エル、彼のことを知ってるのが全員虫の餌だって覚えてる?」。それから水の思考者たちは囁き声で話した。ホワイトストレークの承認(のできごと)はヘカトゥーム橋(のちのヘルドンズ)の赤い週だった。なぜなら前後に赤い川が流れる時、それはフルクラムだ。当時の民はそれを年央の騒乱と呼んでいたが、月に従えばそれは南中の月のことで、コンヴァレント除草剤が(第六の?)謎で難問に言及していた。「なぜエルフは年央を夏中に引き伸ばし、ネードの仕事を40+17日間中断も休息もなしにやったのか。ペリナルは肩をすくめて声を上げた。もし暦がエルフのものなら、俺はそれをバラバラにしてやると。その飢えにより月が割れたのだろうか…それとも(日々が?)ただ先の岸に流されたのだろうか?」

ホワイトベアWhitebear

ホワイトベアは、主にノルドで構成されていた最初の剣闘士クラン、ベアー・クランを創設した。これ以降、他の名のある剣闘士達も自らクランを立ち上げるようになり、組織されたクラン同士の戦闘という習慣が生まれるようになった。奇妙なことだが、訓練と寝食を共にしているにも関わらず、アリーナで同クラン対決になると普段よりも激しい戦いになり、情け容赦のない内容に発展することがままある。これが聖なるるつぼの剣闘士達の聖なる伝統なのである。

王座を奪取した相手:屈強なルシウス

敗北した相手:フェリアン・ダークストーム

ホワイトベア・クランClan of the White Bear

ホワイトベアの10の信念。

1.他者を支配するのは力である。自分を支配するのは本当の力である。

2.複数の武器を習得し、相手に使用する武器を悟られないようにする。

3.本番で訓練と同じ力が出せるように、訓練は本番を想定して行わなければならない。

4.痛みは一瞬。敗北は永遠。

5.混乱の最中はチャンスを探せ。

6.敵以上に己の弱点を知れ。

7.本当の勇気は恐れを克服することであり、恐れないことではない。

8.計画は無意味。計画することは不可欠。

9.一撃で木を倒すことはできない。それは戦いでも同じだ。

10.死を恐れるよりも名誉を重んじろ。

マケラ・レキの記憶石、第1部Memory Stone of Makela Leki, Pt. 1

これはバンコライ峠で発見されたマケラ・レキの記憶の石に記録された、第一紀973年のものと推定される思考を忠実に再現したものである。ダガーフォールとセンチネル、そしてダイアグナ騎士団の協力によってオルシニウムが陥落する7年前のことだ。

この再現のほぼすべては一人称で語られている。マケラは自身を記憶の石に記録する時の外交儀礼や学問的形式などには縁がなかったためである。それにもかかわらず、彼女の英雄的態度と勇敢な行いは生き続け、石に新鮮な形で残された彼女の記憶は、誰にでも聞き、感じられる。

「…むうー、あー、これって本当にうまくいくのかな?

もしだめだったら、あの魔術師は25000ゴールドも私から盗んだってことじゃない。信じられる?この石が私の考えを記録するだって?あいつらは何て言ってたっけ?銀紙を剥がして、革の袋を取って、体に触れればすぐに記録が開始される。

あああ、痛い。我慢しなきゃ。このまま痛い痛いって言うのを記録してたら、誰もこの石を持って私の考えを聞いたりしてくれない。戦いの美徳の間で受けた訓練に感謝しなきゃ。こんな痛みなんか我慢できるんだから。うーん、ちょっと、あ、ほら、もう大丈夫。

まあ、それでもまだ意識の向こう側で、痛みが飢えた狼みたいに潜んでいるのが見える。遠からず私を食い尽くしてしまう狼ね。それからこの忌々しい傷が原因の、避けられない死も見える。もう薬はないし、回復のクリスタルと指輪は使っちゃったし、私にはロウソクを灯すほどの魔力もない。ああ、でも神々は私に他の才能をくれた。ソードシンガーとしての才能、戦いの喜び、フランダー・フンディングの円環の書、そして「剣の道」。あ、でもそうだ、それが私の物語だ。先に進みすぎちゃった。

私はマケラ・レキ。戦士であり、ソードシンガーであり、第2級のアンセイ。揺り籠の中にいた時から、私は霊剣シェハイを作れた。謎の刃よ。私のは純粋な思考で形成され、蛇が薔薇の蔓と絡み合って刃を作っていた。その美しさは…

ああ、でも私はそのことも含めて全て話しましょう。私の物語を。勇ましい戦い、恋、戦争、裏切り、そして栄光に満ちた最後の勝利の物語を。私がどうやってこの遠く離れた寂しい峠にやって来て、5人の仲間と一緒に人間や魔物と戦い、夜の臆病者みたいに私の民に襲いかかろうとしていた軍を撃破したか…でも、また先に進みすぎたみたいね。

私はただの戦士よ。霊剣の乙女として育った。思い出せる限り、私は物心ついた頃からシンガーになりたいと思っていた。自分の手にある刀剣の飢えを感じ、それが命を持って私の敵を倒すのを感じたかった。私たちの民は大昔、砂漠の故郷では職人と詩人だったと言い聞かされた。今はハンマーフェルという名で知られているこの新しい故郷では、私たちの多くがそうした昔の道に戻っている。でも私にとって、道は一つしかなかった。それは「剣の道」。

ああ、何て言ったらいいかわからないわ。私は貴族の家庭で育った。3人の兄弟と2人の姉妹のうち、剣の歌の呼び声を感じたのは私一人だった。父は理解してくれた。彼もまた呼び声を感じた人だったから。彼は私たちの土地に落ち着いて家庭を築くずっと前に、師範になり、アンセイになった。11歳の時、私は戦いの美徳の間に入り、霊剣の乙女に加わった。私のチームは6人だった。優しいジュリア、頼れるパティア、大柄なカティ、細くておしゃれなセギラ、頭のいいゼル、そして私…みんなもういない。私一人を除いて。そして私も、もうすぐみんなの仲間入りだ…見知らぬ戦の神の殿堂で会うでしょう。

私たちは共に飲み、共に戦い、共に泣き、共に剣の道を学んだ。私たちは剣の兄弟たちと美徳の間での修練に参加した。お互いから学び、私たちは全員美徳の間の師範の前に跪いて、シェハイの奥義を学ぼうと努力していた。フランダー・フンディングがしたように、霊剣を本物の武器に変えることを。純粋な心と勇気を持つ少数の者だけが、進み出て剣聖アンセイの謎を学ぶことができる。

ああ、話すことがいっぱいある。思い出がいっぱいだわ。あなたにも知っておいて欲しい宝物がこんなにたくさんあるのよ、見知らぬお友達さん。どこから始めればいいんだろう?

うーん。痛みがまだ飢えた目つきをして外をうろついてる。私に残されたものをゆっくりと貪ってる。最後の戦いについて話したほうがいいかもしれない。私をここに取り残していった戦い。その後でまだ気力が残っていたら、私の人生と、私の愛するラリフについて話すわ。ああ、まったくあいつの女好きときたら。私たちが過ごした時間は、それはもう…ごめんなさい、気が散ってしまった…最後の戦いに移るわ。

うーん、真ん中あたりから始めるかな。そう。私たち霊剣の乙女は成長し、学び、そして放浪の儀式を完了して道を極めた。シンガーでないあなたに説明しておくと、これはフランダー・フンディングの時代を真似た荒野の旅よ。その途上で私たちは地方を巡り、不正を正し、怪物を退治し、美徳の名の下に冒険をこなすの。美徳の間では終えるのに何年もかかる人もいる。そこには常に危険がある。私たち6人の乙女はそれぞれ自分の力で短時間の内に帰還できたけど、多くの者は放浪の儀式から生きて帰還することはない。

私たちはそれぞれ自分の生活に戻り、週1回美徳の間で会って、新たな乙女と兄弟に自分の話をしたり、剣の道における教練を行ったりした。すべては順調だった。真央の月の祭りの夜までは」

マケラ・レキの記憶石、第2部Memory Stone of Makela Leki, Pt. 2

「私たちはそれぞれ自分の生活に戻り、週1回美徳の間で会って、新たな乙女と兄弟に自分の話をしたり、剣の道における教練を行ったりした。すべては順調だった。真央の月の祭りの夜までは。

私たちの民はみんな、好き放題飲み食いして…失礼…食事を楽しんでいた。私たち6人の乙女を除いては。祭りの日はたまたま私たちが美徳の間で会う日だった。私たちが祈りを捧げ、断食することで、剣の道に敬意を表する日だったの。

夜遅く、私たちが集まると、扉をノックする音が聞こえた。私が扉を開けると、バンコライ峠の衛兵がいた。傷ついて、死にかけていた…彼は私たちに知らせてくれた。北方からの裏切りを、ダガーフォールのジョイル王に率いられ、ハイロックの支援を受けた侵略…オルシニウムとの戦争における、私たちの同盟者にね!

私たちは素早く治癒のクリスタルを使い、彼の生命力を回復させた。彼を王の元へ送り、私たち6人は武器と力の鎧を取り、薬と刻印、クリスタルと指輪を持てるだけ持った。

私たちは飛ぶように駆けた。手遅れではありませんようにと祈りながら。私たちが向かったことは無駄ではなかった。最後の3人の衛兵が大軍に飲み込まれた、ちょうどその瞬間に到着したから。峠に向かって、私たちは昔ながらの戦線を形作って突撃した。6人で横並びよ。
私たちは本当によく戦った。

剣の歌は楽し気な音を立てて邪悪な者たちの波を切り裂いていった。私たちは何時間も戦い続けた。最初に倒れたのはジュリアだった。卑劣にも毒を塗った短剣が鎧の隙間を縫って刺さって。そして一人、また一人と倒れていった。私を除いて。

…ああ、残酷な運命よ…そして私の愛した剣、蛇の紋章を帯び、達人の刀鍛冶にしてシンガーのタンザルによって鍛えられた我が父の剣が、私の手の中で折れた。すべては失われた。6人の命が無駄に費やされてしまった。そして、とてもたくさんの兵士が峠に押し寄せようとしていた。私は赤子のように餌食になってしまうでしょう。私は辛さに涙を流した。

その時、私は家の暖炉を思い出した。あの本、フランダー・フンディングの円環の書、戦略の道。私は霊剣シェハイに手を伸ばした。私は必要な時に作れた試しがなかったのに、見ると…剣は生きていた。生きて、炎に輝いていた。剣は私の手の中に作られた。力で燃え上がっていた…そう、私は力を込めて切り裂いた。右に、左に、小麦を鎌で刈り取るみたいに。ダガーフォールの王のところまで、私は戦って道を切り開いた。私は一撃で彼の魔法の鎧を粉々に打ち砕いた。二撃目が彼の首を切り落とした。

でもそうしたことで、私は大きな代償を払った。無数の敵から傷を負ったの。私は魔法の鎧を身に着けていたとはいえ、鎧は私の刀剣のように霊魂ではなかった。それは私の刀剣や私の霊魂のように無敵ではなかった。そして私はひどい傷を負ってしまった。

ジョイル王が倒れたことで、彼の軍は崩壊した。敵たちは私の憤怒の前に逃げ出した。峠を逃げ帰り、死者や負傷者を回収するために足を止めさえしなかった。立てる者たちはみな、助かろうとして逃げ、私は手の届く限りすべての敵を殺した。でも、息が続かなくなって、そして痛みが…

そうして私は休んだ。今私がいる、この岩の上で。どうしてこの石を持ってこようと思ったのか分からない。ただの気まぐれで買っただけなのに。あの戦利品と…まあいい。ここらで止めて、順番に話をしたほうがいいかな。もう少し、あなたに話してあげられると思う…永遠の夜が来るのは、思ったよりも先みたい。

まだ辞世の句を作るには早いわ。水を一口飲んでから…そう、話を戻して、私の人生について話してあげる。戦いについての詳細もちょっと入れたほうがいいかな。それから、ああ、そうだ。ラリフと私たちの子供のことも。うーん、どこから始めようか。

…ああ…うう…

私は…ただの戦士で…霊剣の乙女として、育った…思い出せる…限り…」

マルセル卿の伝説The Legend of Dame Marcelle

エバーモア城のデリック・アンドラス執事長 著

ドレル家は何世紀にも渡って多くの名士を生み出してきた。魔術師、戦士、学者、商人王…その全てが高名な家の強さと権力を強めることに貢献してきた。これまでドレル家に生まれた男子と女子の中で、最も輝いていたのはショーンヘルムの騎士、マルセル・ステンリク卿だ。

マルセル卿は強い戦士だった。勇敢で、純粋だった。彼女は完璧な騎士の鑑であり、アーリク・ドレル卿の忠実な姪でもあった。彼女の偉業はその時代でも伝説的で、ドレルの敷地を守り、山賊や怪物と戦い、周辺の領土との条約交渉までした。

恐ろしいトロールが森から現れてショーンヘルムを恐怖に陥れた時、マルセル卿は不潔な生き物に立ち向かった。激しい戦いは1日と1時間続き、木や2階建ての農家がなぎ倒された。戦いが続く中、お互いに血を流し、疲労していった。戦いは、どちらかが完全に疲れ果てて倒れるまで続くかに思えた。だがマルセル卿は秘めた力をふりしぼった。彼女の剣、「ドーントレス」の力強い一振りでトロールの首を落とした。ショーンヘルム全体が沸き立った。

大確執の時の物語もある。タムリスのベレンダとドレルのアイレックス(アーリク卿の弟だった)がお互いに侮辱し合い、お互いが前回よりもひどく侮辱し合った。やがて侮辱は暴力に変わり、両家が戦争直前までなった。確執が最大に高まった時、アーリク卿の息子のランシオトがタムリス家に従う山賊たちに捕まってしまった。山賊たちはタムリスの公爵たちから忠誠を誓うための報復の書状を渡されるまでは、リベンスパイアーの道で旅人たちを襲うことで悪名高かった山賊団、「アンブレージの槌」の一員だった。

ランシオトの危機を知ったマルセル卿は、すぐに行動を起こした。クレストシェイドの外の荒野にある隔離された塔に山賊がいることを突き止め、状況をすぐに把握した。ランシオトは塔の頂上に閉じ込められていて、大勢の山賊が警備していた。ドレルの末裔は安全で傷つけられる心配はないと確信したマルセル卿は、大胆にも山賊のキャンプに立ち入り、自ら名乗った。彼女の名を聞いただけで、山賊の多くが恐怖に震えた。5人の山賊は、名前を聞くとすぐに武器を投げ捨てて逃げていった。それでも7名の山賊が残っていて、その中にはリーダーのリーン・スッコースもいた。

勇敢なマルセル卿の手には愛用の剣、ドーントレスがあった。彼女は神が守ってくれていると信じていた。剣を振る度に山賊たちは倒れていき、最後に彼女とリーンが残った。状況を有利にしようとしたリーンは、ランシオトを捕まえ、彼女の剣と自分の間に差し出した。ドレルの最も輝く騎士は笑った。固く、慈悲のない笑いだった。「その子を離せば殺さない」マルセル卿は冷たく言った。「さもないと、3つ数えてから殺す」

「脅しても無駄…」リーンが話し出した言葉は、彼の命と共に消え去った。

「3」マルセル卿は言った。ドーントレスが光った。リーンの目が見開かれた。山賊のリーダーは、地面に倒れる前にすでに死んでいた。

「ランシオト、今度旅をしたいと思った時は…」マルセル卿は今度は笑顔になって、暖かく言った。「私に教えてください。喜んでお伴しますので」

今ここに記したのは、マルセル卿の偉大な伝説のうち、たったの2つだけだ。

ミイラ化の8つの手順The Eight Steps of Mummification

トゥワッカの司祭、震えぬ手のフェズマーニ 著

— 手順1:死体をトゥワッカの祝福で祭る。

— 手順2:腐るとしみの原因になる内臓をすべて取り出す。

— 手順3:脳組織をすべて取り出す。フックつきスプーンを使って鼻腔から取り出せば、頭や顔の皮膚が傷つかない。

— 手順4:焼塩で覆って死体を乾燥させる。また、体内にも焼塩の小袋を入れる。

— 手順4:減った死体のかさを不活性物質で補充する。顔の特徴を念入りに復元すること。

— 手順6:包帯で巻く。100ペースのリネンで死体を包み、ジュニパーの樹脂で塗装する。これを3回行う。

— 手順7:アミュレットでの装飾。死体を生きている時と同じようにアミュレットや腕輪で飾り立てる。

— 手順8:死体を用意した石棺に安置する。共同墓地に埋葬する。

モーロッチ、オークの父Mauloch, Orc-Father

ラマーバック・グロー・アバマース 著

ボエシアから踏みつけられた呪いの王、モーロッチを知れ。

はるか昔、ボエシアの哀れな手先であるヴェロスに従うために一族を捨てたエルフの教団は、サマーセット諸島を後にした。トリニマクはこの不正に対してボエシアに立ち向かい、戦いの挑戦を受けた。トリニマクが強力な一撃を与えようとした時、メファーラが現れ、彼の背中を刺した。トリニマクはひざまずき、メファーラの裏切りによって傷ついた。ボエシアはほくそ笑み、恐ろしい儀式で彼の外見に傷をつけてねじまげ、息が詰まる空気と灰の場所へと彼を投げ込んだ。

失敗に激怒したトリニマクは自分の胸を切り開き、血によって再生して、魂から恥辱をもぎ取った。呪いの神モーロッチは灰の中から立ち上がり、ボエシアの悪意に対して彼を呪った。

その日信徒に「掟」を語ったモーロッチは、それを破る者に対する報復を誓った。

「盗むべからず。
自分の一族を殺すべからず。
理由なく攻撃をするべからず。
これらの規則を破った者は”血の代償”を払うべし」

そしてオークは、血の元に生まれた。モーロッチの血の元に。

ラー・ネトゥの正しい屠り方:12Correct Ways of Slaying Ra-Netu: 12

トゥワッカからみるとラー・ネトゥーは悪鬼であり、信仰深い人全てへの侮辱だが、だからといって敬意なしに扱っていいものではない。人間にとっては肉体は聖杯である。神の祝福を受けた定命の者の魂で満たされていたとしても、邪な魂で満たされていたとしても。

アシャバーは聖杯を守るあらゆる手段を講じながら、邪を退治する役割を担う。そして許しの求めを述べながら、打撃17でラー・ネトゥーを打ち倒す。

ラー・ネトゥーの正しい屠り方

打撃12:美しく首を落とす

— 向かってくるラー・ネトゥーを上段から切り下げるふりをする

— 刃を旋回させながらラー・ネトゥーの裏に回って踏み出す

— 許しの求めを述べる

— 刃をラー・ネトゥーの第三頸骨と第四頸骨の間に入れ、きれいに首を落とす

— 真摯な謝辞を述べる

— 争いで置き去られないよう落ちた首を拾い、後で埋葬する時のため体の近くに置く

ランセル王の激昂The Fury of King Ranser

ワフィムレス・マスタレット(語り部) 著

563年、ウェイレスト第二王朝の成立の後、若き王エメリックは妃となる女性を探し始めた。彼が最初に選んだのはショーンヘルムのランセル王の娘、レイエルだった。しかし結婚の契約が完成する前に、エメリックはセンチネルのレッドガードの姫マラヤと結婚してしまった。これは各地をまたいで多くの国に衝撃を与え、詩人たちはすぐにマラヤの魔法のごとき美しさを歌った。しかし、戦略家たちはこの行動をハイロックとハンマーフェルとの間の貿易を強めるためのものと捉えた。566年に行われたエメリックの結婚式の後、ハイロックは貿易の黄金期に突入した。3ヶ月過ぎると、ハイロックは血なまぐさい内戦へと突入した。

リベンスパイアーはハイロックの辺境として知られている。ランセルは強情な丘陵部の人間、北方の子供であり、気難しさと粗暴な規則を設けることで知られていた。エメリックの侮辱は彼にとって堪え難いものであった。タムリエル北方でも最も無愛想な傭兵の軍団と、彼自身の民からなる軍勢とで、ランセルは山を駆け下り、イリアック湾へ向かって大々的に突撃した。エメリックは不意を突かれた。彼の獅子の守護団が必死に防戦したため、かろうじてウェイレストの壊滅だけは免れた。ランセルは短時間での決着を望んでいたが、長引く攻城戦を強いられることになった。

長期にわたる攻城戦は春まで続いたが、リーチの民の侵略の終結時にすべてのブレトン王国によって交わされた、相互防衛の盟約であるダガーフォール・カバナントがついに発効し、カムローン、エバーモア、ダガーフォールが戦いに引き込まれた。ウェイレストを諦めるよう進言する者もあったが、この地域で最も裕福な都市との貿易はあまりにも重要であったため、それはできなかった。街と周辺の田園地帯から攻撃を受けても、ランセルの軍は持ちこたえた。彼の傭兵たちは十分な支払いを受けていたし、流血にも備えていたからだ。しかし紅帆の船団とレッドガード上級戦士の軍団が湾岸から到着すると、流れは変わった。ランセルの勢力は壊滅し、ランセルが帰還した時、ショーンヘルムはすでに炎上していた。これはクログ・グロー・バグラクの血の支配のもとにあったオークたちの仕業だった。

ブレトンの槌とオークの金床の間に挟まれ、ランセルの部隊はマルクワステン・ムーアの戦いで完全に消滅してしまった。ランセルはエメリックの抜け目のなさを考慮に入れていなかった。ウェイレスト王はロスガー山に特使を送り、もしオークがショーンヘルムの憎き敵を攻撃してくれれば、彼らにオルシニウムを返還しようと約束していたのだ。リベンスパイアーは略奪され、オークたちの中には135年ほど前にブレトンがオルシニウムを没落させた攻撃を、ショーンヘルムのブレトンたちが導いたことを覚えている者もいた。その借りはショーンヘルムへ完全に返された。ランセルの戦争はダガーフォール・カバナントの今日の状態を打ち立てた。ストームヘヴン、リベンスパイアー、ロスガーには、この出来事が拭い難い印象を与えた。

レキの刀剣の教科書This Text Property of Leki’s Blade

四剣人
辛辣な学者のシマ 著

伝説上の戦士の中にさえ、古きヨクダの剣聖達に匹敵する者はほとんどいない。しかしそのような剣豪は確かに存在する。その中でも、マミレー、アカモン、ロシャドン、炎のロクダンの4人は群を抜いている。

ネードの故郷に第一次の侵攻を行った際、高名だったヨクダの戦士達の中で、彼らは最も有力であった。

伝承によれば、彼らのうち3人は計り知れないほど力強く、より劣った剣聖達が夢見ることしかできないような剣さばきを駆使した。彼らはたった1人でネードの要塞を制圧し、小川を飛び越えるように軽くネードの城壁を突破し、霊剣を一振りして敵全軍をズタズタに切り刻んだ。

伝説はそう伝えている。レッドガードの最強の戦士達も、彼らと比較すると老いた政治家のように大人しく見えてしまう。

伝承はまだ続く。ヨクダに仕えた恐るべきアンセイの中で、この四剣人は「戦士の星座」から特に恩寵を受けていた。彼らはその星座を思い、深く瞑想した。その結果、星の向こう側へと繋がり、さらに優れた技を身につけられたのだ。

もちろん、彼らもやがて滅んだことは想像に難くない。彼らを倒したものがネードの守り手の長槍と斧でないとしたら、自然に死亡したのだろう。しかしこのヨクダの優れた剣人達の墓は、未だ見つかっていない。老学者である私はクラグローン全域を調査し、ヨクダの墓地をすべて隅から隅まで調べたが、4人の痕跡は見られなかった。彼らが沈みゆくヨクダに帰還したのでなければ、おそらく元から存在しない伝説上の人物だったのかも知れない。

レッドマウンテンの戦い パート1The Battle of Red Mountain, Part 1

(以下はヴィベク王自身の言葉を書き起こしたものである)

遠い昔のことをはっきり思い出せる人はいない。しかしお前は、レッドマウンテンの戦いを取り巻く出来事、トリビュナルの誕生、そしてネレヴァル再誕の予言について私の言葉で話すよう求めた。私に言えることはこうだ。

チャイマーが遊牧民族だった先祖から受け継いだ家畜とテントを捨てて最初の名家を築いた時、我々はデイドラを愛し、神として崇めた。だが我らの同朋であるドゥエマーはデイドラをあざけり、我らの儀式を愚行と罵り、理性と論理の神を崇めることを選んだのだった。そのためチャイマーとドゥエマーはいつも激しい戦闘状態にあったが、ノルドがレスデインを侵略するとチャイマーとドゥエマーは自分達の争いを忘れ、ともに侵略者を追い出すために協力した。

1度ノルドを追い出すと、チャイマーのネレヴァル将軍とドゥエマーのドゥマク将軍は互いを敬愛し尊敬するようになり、それぞれの民を和解させることを決めた。その時私はネレヴァルとネレヴァルの女王アルマレクシア、そして彼のお気に入りの助言者ソーサ・シルの助手にすぎず、チャイマーとドゥエマーのこれまでの激しい紛争を考えるとそんな平和が続くかどうか疑問だった。しかし交渉と妥協を重ね、ネレヴァルとドゥマクはどうにか不安定な平和を保った。

だが、ネレヴァルとドゥエマーの双方が友のように信頼するダゴス家の王ダゴス・ウルによって、ドゥエマーの上級技師カグレナクがロルカーンの心臓を発見し、その力の利用法を習得して新たな神とチャイマーの信仰、そして恐ろしい武器を作っているという証拠がもたらされた時、我々はネレヴァルに、ドワーフに戦争をしかけてチャイマーの信仰と安全に対する脅威を滅ぼすよう強く勧めた。ネレヴァルは悩んだ。彼はドゥマクの元へ行きダゴス・ウルの言葉は真実か尋ねた。しかしカグレナクは憤慨した。そして、ドゥエマーの問題を判断しようとするなんて何様のつもりなのかと問いただした。

ネレヴァルはさらに悩み、アズラの神聖な聖堂があるホラマヤンへ巡礼の旅に出た。そしてアズラはダゴス・ウルの言葉は間違いなく真実であると認め、このドゥエマーによる新たな神の創造は何としても阻止しなければならないとした。ネレヴァルが戻って我々に女神の言葉を伝えた時、我々は判断が正しかったと感じて再び戦争をするよう進言した。彼の純真な友への信頼をたしなめ、ネレヴァルにチャイマーの信仰と安全をドゥエマーの不信心で危険な野望から守ることが仕事だと念を押した。

そしてネレヴァルは最後にヴァーデンフェルへ帰り、交渉と妥協によって再び平和が守られることを願った。しかし今回は友人のネレヴァルとドゥマクが激しい言い争いになり、その結果、チャイマーとドゥエマーは戦争へと向かった。

ドゥエマーはレッドマウンテンの要塞で堅固に守られていたが、ネレヴァルはその狡猾さでドゥマク軍のほとんどを外へおびき出して足止めし、その間にネレヴァルとダゴス・ウル、そして少人数の仲間で秘密裏に心臓の間へと進んだ。そこでチャイマー王ネレヴァルはドワーフ王ドゥマクを見つけたが、双方とも深い傷を負い、魔力を使い果たす結果となった。ドゥマクが倒れるとともに、ダゴス・ウルらに脅かされたカグレナクが持っていた道具を心臓に向けた。そしてカグレナクと他のドゥエマーらは同時に世界から消えたと、ネレヴァルは言った。その瞬間、すべてのドゥエマーは痕跡もなく消えた。しかしカグレナクの道具は残り、ダゴス・ウルはそれをネレヴァルの元へ届け、こう言った。「カグレナクが自分の民を滅ぼした道具です。これが悪の手に渡らないように、すぐに破壊すべきです」

だがネレヴァルは、話し合うことを決めた。女王や戦争を見越していた将軍らの助言を2度と無視しないと決めていたからだ。「トリビュナルにどうしたらいいか聞きに行く。彼らは私にはない知恵を持っていた。忠実なるダゴス・ウル、私が戻るまでここにいろ」ネレヴァルは自分が帰るまでダゴス・ウルに道具と心臓の間を守るよう命じた。

そしてネレヴァルはレッドマウンテンの坂で待っていた我々に、レッドマウンテンの下で起きていることを話した。ネレヴァルはドゥエマーが特別な道具で民を不死にしたこと、ロルカーンの心臓には不思議な力があることを語った。後でその場に居合わせた他の者から聞いた話だが、ダゴス・ウルはドゥエマーが不死になったのではなく滅びたと思っていた。本当に何が起こったかは誰にも分からない。

レッドマウンテンの戦い パート2The Battle of Red Mountain, Part 2

(以下はヴィベク王自身の言葉を書き起こしたものである)

ネレヴァルの話を聞いた後、彼の求めに応えて提案した。「道具はチャイマーの民の幸福のために保管するべきだ。ドゥエマーが永遠に去ったかなど誰にも分からないが、ただどこか遠い土地に移動しただけであれば、いつか再び我々に危険をもたらすかも知れない。それゆえに、道具を保管して原理を研究すべきだ。それで未来の世代は守られるだろう」

ネレヴァルは大きな不安を口に出したが、条件を1つ出して助言者の提案を受け入れた。それはドゥエマーのような下劣な意図で道具を決して使わないと、ともにアズラに固く誓うというものだった。我々はすぐに同意し、ネレヴァルの指示に従って固く誓った。

我々はネレヴァルとともにレッドマウンテンへ戻り、ダゴス・ウルに会った。ダゴス・ウルは道具を渡すのを拒んだ。危険なものであり、我々には触れられないと言う。ダゴス・ウルは様子がどこかおかしく、他の者は信用できず道具は渡せないと主張したため、我々は彼が道具に何かしらの影響を受けたと考えた。今になって思えば、彼は道具の力を密かに知り、どういう訳か自分が道具を持たなければならないと思い込んだのだろう。ネレヴァルと衛兵は力ずくで道具を奪った。ダゴス・ウルとその家来は逃げたが、我々は手に入れた道具を研究と保管のため、ソーサ・シルに渡した。

何年間かは我々もネレヴァルとともにアズラへの誓いを守ったが、その間、ソーサ・シルは密かに道具を研究し、謎を解明していたに違いない。そしてとうとう彼は新しい平和の構想を掲げて我々の元へ現れた。それは、貴族には正義と名誉を、平民には健康と繁栄を、そしてトリビュナルを不滅の後援者であり案内人にするというものであった。そして我々はこのより良い世界の構想に専念し、レッドマウンテンまで巡礼してカグレナクの道具の力で我々自身を変えた。

儀式を終えて新しい力を手に入れるや否や、デイドラの主アズラが現れ、誓約を破ったとして我々に呪いをかけた。そしてその力でこう予言した。英雄であり誓約に忠実なネレヴァルが裏切りを罰するため、そしてそのような不敬な知識が2度と神の意志に背かないよう、戻って来ると。しかしソーサ・シルは彼女に言った。「古い神は残酷で気まぐれで、エルフの希望や恐怖から遠い場所にいる。お前の時代は終わった。我々が新しい神になる。人間から生まれた、民に必要な知恵と優しさを持ち合わせた神に。我々に脅しや警告は効かないぞ、気まぐれな霊魂め。我々はお前を恐れなどしない」

その途端、すべてのチャイマーはダンマーに変容し、肌は青白くなり、目が燃えた。もちろん、その時はそれが我々に起きたことだとしか分からなかったが、アズラはこう言った。「これはお前達自身が招いた結果だ。自分や民の運命を選択したのだ。そしてすべてのダンマーはお前達の運命を永久に共有する。お前達は自分達を神だと思っているが、目も見えず、闇しか残っていない」そしてアズラは我々を置き去りにした。闇の中で我々は皆恐れていたが、平静を装い、我々の夢である新しい国を築くためにレッドマウンテンをあとにした。

我々が築いた新しい世界は壮麗さと寛容さを併せ持ち、ダンマーの崇拝は熱心で忠実だった。ダンマーは最初、自分たちの新しい顔を恐れたが、ソーサ・シルが民にこう言った。これは呪いではなく恵みであり、本質の変化の印、新しいエルフとして幸せになる特別な恩恵の証だと。もはや亡霊や霊魂の前に怯える蛮族ではなく、定命の友や後援者、三つの顔を持つトリビュナルとも直接話す教養のあるエルフ族であると。我々はソーサ・シルの演説と構想に刺激を受け、元気を取り戻した。そして時間をかけて公正で立派な社会の慣習と制度を築き、レスデインの土地は他の蛮族が知らない何千年もの平和と公平さ、そして繁栄を知った。

レマナーダ 第1章The Remanada, Chapter One

第1章:サンクレ・トールとレマンの誕生

その時代にはシロディールの帝国は死して、記憶の中に残るのみとなっていた。戦乱とナメクジによるがごとき飢えと不道徳な支配者たちにより西が東から分離し、コロヴィア人の別離が四百年にも及び、大地がこの別れにより病んでいたからである。かつては偉大であった西方のアンヴィルとサーカル、ファルクリースとデロディールの王たちは、傲慢と慣れにより盗賊の王のごとき存在となり、盟約を忘れてしまった。国の中核においても状況は大差無く、神秘師や偽の聖蚕の王子たちが薬で正気を失うか邪なるものの研究に没頭し、玉座に座る者が不在の時代が何世代も続いた。蛇および蛇の警告は無視され、大地は亡霊や冷たい港の深き穴により血を流した。王者の栄光の証であるチムエル・アダバルの護符でさえ失われ、人々はそれを見つけようとする理由すら見出せなかったといわれている。

このような闇の中でフロル王は、いずれも西方の息子たちや娘たちからなる、十八より一人少ない騎士たちを引き連れ、失われしトウィル以遠の地から出立したのであった。フロル王は啓示の中で来たるべき蛇たちを目の当たりにし、先人たちの描いた境界線を全て癒せればと考えたのである。そんな彼の前にようやく、太古の時代の女王であるエル=エスティアその人に似た霊魂が現れた。その左手にはアカトシュの竜火を持ち、その右手には盟約の玉石を持ち、その胸には傷があり、その押し潰された両足に虚無をこぼし続けていた。エル=エスティアおよびチムエル・アダバルを目にしたフロル王とその騎士たちは嘆き悲しみ、跪いて全てが正されるよう祈った。霊魂は彼らに語りかけ、我は万人の癒し手にして竜の母であるが、汝らが幾度も我から逃れたように、我も汝らが我が痛み、すなわち汝らとこの地を殺すそのものを知るまで、汝らから逃れることにする、と口にした。

そして霊魂は彼らから逃れ、彼らは悪党と成り果てた自らを嘆きながら、手分けをして丘の間や森の中を探したのであった。彼女を見つけたのはフロル王とその従士の二人だけで、王は霊魂に語りかけた。美しいアレッスよ、聖なる雄牛とアーリエルとショールの美しき妻よ、私は汝を愛している、そして再びこの地に息吹を吹き込まんと欲す。それも痛みを通じてではなく、盟約の竜の火への回帰をもって、東と西を統一させ、滅びを捨て去ることで。そして王の従士は見た、精霊が王に肌を曝し、近くの岩に「そしてフロルは丘にて愛した」と刻み、契りの場を目の当たりにしながら死んでいくのを。

残りの十五人の騎士たちがフロル王を見つけた時、王は泥の山にもたれかかり、果てていた。彼らはそこで道を別ち、何人かは正気を失い、トウィルの向こうにある故郷へと帰り着いた二人はフロルのことは口にせず、彼のことを恥と感じ続けた。

だが九ヶ月が過ぎると、かの泥の山は小さな山となり、羊飼いや雄牛たちの間でささやき声が聞こえた。丘が成長し始めて間も無い頃に少数の信者たちがその周囲に集まり、それを金の丘、「サンクレ・トール」と名づけた。そして彼の産声を耳にした羊飼いのセド=イェンナが丘を登り、その頂上にて丘から生まれし赤子を見つけ、「人の光」を意味するレマンと名づけたのであった。

そして赤子の額にこそチムエル・アダバルがあり、ありし日の神に約束されし竜の火が燃えさかっていた。そしてセド=イェンナが白金の塔の階段を上るのを邪魔する者はおらず、彼女が赤子レマンを玉座に置くと、彼は成人のごとく言葉を発し、「我こそシロディールなり」と口にした。

レマンII世:野望の限界Reman II: The Limits of Ambition

上級王エメリック 著

無能なカスタヴの廃位の後、帝国を支配する立場に置かれたレマンII世の最初の特筆すべき行いは、2804年のウィンターホールドの反乱を迅速に終息へと向かわせた交渉である。読者には、この点についてよく考えていただきたい。新しく、その手腕を試されたことのない指導者が怒りに燃えたノルドを相手に、無用の流血を見ることなく平和を築くことができたのである。これは並大抵の実績ではない。第二帝国に黄金時代を到来させる男の素質を示したものだろう。

反逆するノルドを鎮めただけでなく、タムリエルのほぼ全土を統一し、歴史に記録されている限り最も平穏で生産的な時代を打ち立てたこれほどの指導者が、いかにして帝国の凋落を招いたのか? 私はこの点について思索する。その前にこの類まれなる男の功績と、そこから得られる教訓を確認しておきたい。

レマンII世は戦術の達人だった。彼が携わった戦闘の記録を調べれば、レマンII世自身の洞察力だけでなく、自分の兵にも敵の兵にも敬意を払っていたことが分かる。帝国の新たな領土を征服した際、彼は注意深く規則を定め、その地域の風習や伝統、とりわけ確立された交易をなるべく妨害しないようにした。もちろんインペリアルの文化は広まったが、それは強制的な同化政策によるものではなかった。むしろ人々は自由な交易や安定性、より優れた基本設備の開発などの利益を享受することで、帝国を受け入れ、支持するようになったのである。レマンII世は各地方から助言者を集め、それまでの多くの皇帝よりも遥かに、自らの民に注力した。

長い年月の間、タムリエル中が平穏だった。死霊術とデイドラ崇拝は禁止された。交易は活発になり、レマンII世とその助言者たちによる配慮の行き届いた援助を通じて、第二帝国は栄えた。だが、この偉大なる帝国はさらに多くを求めた。レマンII世は心に重くのしかかっていた未征服の領域、すなわちブラック・マーシュとモロウウィンドへ目を向けた。2830年、彼は帝国軍を招集し、性急にもブラック・マーシュを征服しようとした。病気と、凶暴な獣によって沼のために命を落とした者たちはアルゴニアンとの戦闘で失われた数に匹敵するほどだったが、帝国は2837年までに、北と東の国境地域に足掛かりを築くことに成功した。レマンはブラック・マーシュが公式に併合されたと宣言した。

おそらく、レマンII世の最も致命的な無分別は、これで満足しなかったことだろう。彼は次にモロウウィンドへ向き直り、八十年戦争の火蓋を切った。双方の側にとって壊滅的な被害を残した、長く血なまぐさい紛争である。その戦いはおぞましいもので、モロウウィンドとの間にあったわずかな外交の可能性も消滅してしまった。レマンは2843年、ダンマーとの戦いに倒れた。後継者たちが戦闘を継続するかたわら、帝国は出費と不和に苛まれ、衰弱し始めていった。

おそらくこのことが、レマンII世があらゆる指導者に与えうる最大の教訓だろう。つまり野心の暴走を抑えよということだ。彼は成功によって、帝国のためにますます大きな将来を望むようになった。タムリエル全土を統一する欲望の中で、レマンは第二帝国黄金時代を偉大にしていた信念と実践を崩してしまった。民が望まず、安全や自由な交易、帝国の繁栄のために必要でもない、希望なき戦争に身を投じたのである。

レマンズ・ブラフの興隆The Fall and Rise of Reman’s Bluff

プラエトルのアエミリアヌス・レクター 著

はしがき

帝国軍のヴァレンウッド征服については多くが書き記されているが、本論文は占領地における帝国兵士達の日曜品に焦点を当てたいと思う。本論文にはレマンズ・ブラフの上に建設された帝国の砦を守る任務を受けた歩兵隊の収集された手紙、日記、目録、また聞きの報告を含む

1.補給係の目録(第一紀2719年)
小麦粉——100袋、塩——10袋、乾燥果物——5袋、塩漬け肉——50袋

2.指揮官の日記(第一紀2720年)
病気と脱走により指揮する部下は20人足らずまで減った。増援と支援物資の要請についての返事はない。今日は残りの物資を配給している。

オークの兵士達がずっと北西で姿を見せているから狩猟隊を派遣することは避けているが、選択肢はもうあまり残っていない。

3.補給係の目録(第一紀2720年と推定される)
小麦粉——0袋、塩——5袋、塩漬け肉——150袋

最近の狩猟で肉の供給は増えたが、ある種類の虫が残りの小麦粉を傷つけてだめにしてしまった。

4.指揮官の日記(第一紀2720年と推定される)
あの愚かなザントニウスが、条約の締結を申し出るために近づいてきた呪術師を打ち殺した。奴が重要な地主の息子でなければ、この手で帝都監獄まで連行しただろう。その代わりに奴を最低の怠け者達と共に南へ派遣して、野営地を建てるように言った。これで奴は他人の問題児になった。

5.補給係の目録(第一紀2721年と推定される)
小麦粉——0袋、塩——5袋、塩漬け肉——0袋

ある種の生物が貯蔵庫に潜り込んで、すべての肉の切れ端を食べてしまった。残ったものはかじられた骨とその生物の崩れ落ちた穴のみ。指揮官はオーク達の仕業だと考えている。私もその線で考えている。

6.指揮官の日記(第一紀2722年と推定される)
襲撃はやまない。増援を申請に送った使者の首は、翌日にはオークの槍に刺さっている。5人まで減った。5人の兵士達で一つの砦を守るとは!奴らが気づいたら終わりだ。

この野蛮人達が得られないささやかな勝利がある。私を殺す楽しみは与えない。

付記:
バークバイト要塞の名で住民達に知られる、レマンズ・ブラフに現在居住しているウッドオークのクランは、第一紀に帝国の砦を侵略したオークのクランとは直接関係がない。

闇の兄弟たち(第一版)The Brothers of Darkness (1st ed.)

ペラニー・アッシー 著

その名が示すとおり、闇の一党は暗黒に包まれた歴史を持つ。彼らの生き方は、兄弟の一団以外には秘密である。(「兄弟」と言う表現は総称である。彼らの中で最も恐ろしい暗殺者のうちの数名は女性であるが、それでもしばしば兄弟と呼ばれる)

どのようにして影の中で生き続けているのか、なぜ彼らに依頼しようとする人々には簡単に探し出せるのかなどは、彼らを取り巻く謎の一部にすぎない。

闇の一党は、宗教的な一団であるモラグ・トングから第二紀に生まれた。モラグ・トングは儀式的殺害を彼らに促したデイドラの霊魂、メファーラの崇拝者たちであった。創成期には誰も先頭に立って牽引しなかったため、彼らも他の行き先不透明な新興宗教団体のように混乱しており、集団として身分の高いものを殺そうとはしなかった。しかし、これは夜母の台頭によって変化した。

後に闇の一党となったモラグ・トングの指導者たちは、夜母と呼ばれていた。同じ女性が(女性かは定かではないが)第二紀から闇の一党を指揮していたかは分かっていない。信じられていることは、初代夜母がモラグ・トングの重要な教理を生み出したことだ。その信条は、メファーラは彼女の名において犯される殺人ごとに強くなるが、特定の殺人が他に比べてさらに良いとされていたことだ。憎悪からの殺人は欲から生まれた殺人よりもメファーラを悦ばせ、偉大な人物の殺害は、あまり知られていない人を殺すよりもメファーラを満足させた。

モラグ・トングによって犯された、知られている初の殺人で、この教理が受けいれられたおおよその時期は予想できる。第二紀の324年、支配者ヴェルシデュ・シャイエは彼の王宮、現在はセンシャルのエルスウェア王国にて殺害された。すぐさま夜母は、壁に支配者の血で「モラグ・トング」と書くことによって、下手人の素性を公表した。

それ以前のモラグ・トングは魔術結社のように、比較的平和な中で暮らしていた。時折、迫害を受けたがたいていの場合は取り合わなかった。闘技場と化したタムリエルがバラバラに分断されていた時期に、驚くべき同時性でモラグ・トングは大陸全土で非合法とされた。国王たちは皆、教団の廃絶を最優先事項とした。その後100年間、彼らに関しては何も伝えられていない。

特に他の暗殺者ギルドがタムリエル史上に散発的に出現していた最中、モラグ・トングが闇の一党として再び現れた時期を特定するほうが難しい。闇の一党に関する初めての言及を見つけたのは、ヘガテの血の女王アーリマヘラの日誌のなかである。彼女はその手で敵を殺すか、必要であれば、「我らの一族が祖父の代から雇ってきた秘密兵器、夜母とその闇の一党の手を借りてでも」と語っている。アーリマヘラはこれを第二紀の412年に書き記しているので、もし彼女の祖父が本当に雇っていたのであれば、闇の一党は最低でも360年から存在していたものと推測できる。

闇の一党は教団であると同等に事業であったことが、闇の一党とモラグ・トングの重要な違いである。支配者や裕福な商人たちは、この一団を暗殺者ギルドとして利用した。闇の一党は、この儲かる事業がもたらす明確な恩恵と、彼らの必要性から、もはや支配者は彼らを迫害できないという副次益まで得た。彼らは必需品の商人のような存在となっていた。とても高潔な指導者であっても、闇の一党を粗末に扱うのは愚かである。

アーリマヘラの日誌への書きこみから間もなくして、おそらくは闇の一党の歴史上、もっとも有名な連続処刑が行なわれた。430年、薄明の月のある晩、アカヴィリの皇帝、サヴィリエン・チョラックと彼の相続人の全員が惨殺された。その後二週間のうちに、敵が大喜びするなか、アカヴィリ王朝は崩壊した。

闇の一党は仕事の機会に困らない。闇の一党は処刑のことを婉曲的に「清算」と呼ぶことを好んでいるそうだ。公式には盗賊ギルドのように、帝国のあらゆる場所で非合法の存在だと考えられているが、ほとんど全世界的に存在を許容されている。

偉大なサナレルSanarel the Great

偉大なサナレルは、およそ2世紀にわたり王座を守り続けた。彼の盾と剣の技術は随一で、その勝利は一瞬で容赦がなかった。トリニマクが付呪した魔法の盾を持っていたと言われていた。このアーティファクトには敵の目をくらます力があったため、敵は彼の初撃を防ぐことができなかった。その伝説と傲慢ぶりが有名になるにつれ、ひいきにしていた神も彼に対する寵愛を失っていき、ついに溶岩の女王によって倒されることになった。

王座を奪取した相手:フェルホーン

敗北した相手:熔岩の女王

隠されしアレリスAleris the Shroud

アレリスは聖なるるつぼの初代チャンピオンであり、40年にわたりその座を保持し続けた。幻惑魔法の技術と巧みな剣さばきで知られていた。その実力や人気はアリーナのなかでも抜きん出ていた。

王座を奪取した相手:なし

敗北した相手:クロウブリンガー

栄光と嘆きGlories and Laments

アレクサンドル・ヘトラルド 著

スキングラードと帝都を結ぶ黄金道の半ば近くにあるゴトルフォント修道院に到着した私は、古代アイレイド語で「父なる森の影」を意味するセイヤタタルの素晴らしい遺跡を見るために寄り道をしようと決めた。絡みつくサンザシや雑草をかき分けつつ進むのに何時間も費やした後、私の視界に突然飛び込んできたのは、五本の純白の柱が深緑の蔦の山から伸び、生い茂った森の緑の頭上でV字型のアーチや柱頭へと繋がっている光景だった。これを目にした私は失われた過去の栄光や、時間という名の生い茂った古墳から骨の欠片のごとく顔をのぞかせている、高度な文明の嘆かわしきなれの果てについて瞑想させられたのであった。

私は繁茂せし森の中で、視覚と光と洞察の神であるマグナスに捧げられた巨大な地下殿堂の本堂へと繋がる入口をみつけた。力が枯渇しかけている魔法の泉から発せられる淡い光に照らされ、その一角の割れた壁は青く、冷たく輝いていた。

中央広場の大理石の長椅子は外周を取り囲む池に面しており、池の外側には頭上の丸天井を支える長い柱や鋭角的なアーチが見えた。中央にある島状の部分からは立派な橋が淀んだ池を渡り、柱の後ろ側の狭い渡り廊下に繋がっていた。その先には天井の高い幅広の街道や、流れの止まった水路が闇の中へと続いていた。倒壊した柱や崩れた壁、魔法の泉の中で無秩序に生い茂った植物の根や蔦などが池に映り込んでいた。

古代アイレイドたちは四元素を現代の自然哲学で定義されるもの、すなわち土、水、気そして火ではなく、ハイエルフの宗教での四元素、すなわち土、水、気、そして光と認識していた。アイレイドたちは火を、弱く劣化した状態の光と考えており、アイレイドの哲学者たちは光を主要な魔法原理と同一視していた。そのため彼らの手による太古の地下神殿や聖域は魔法のランプや光球、そして限りなく純粋な魔力の池や泉によって照らされていたのである。

私は弱まりつつもいまだに力を残しているこれら太古の魔力の光のもとで、遥か昔に亡くなってしまったアイレイドの建築家たちのかつての映画を目の当たりにした。周囲を取り囲む池の、まるで硝子に映り込んだかのような鏡像を通し、水の底深くでゆっくりと明滅を繰り返すウェルキンド石の光が見えたのであった。

探検家にとってこれらの遺跡で最も大きな脅威となるのは、アイレイドたちが地下聖域への侵入者を煩わせ、惑わせるために設けた、精巧にして非常に危険な仕掛けの数々である。長い年月の後、それらの仕掛けがアイレイドの残したものに憧れる者たちの脅威となろうとは、実に皮肉なことである。何故ならば、それらが無駄骨であったのが明白だからである。あれだけの仕掛けを施しても、アイレイドたちの真の敵に対しては奏功しなかったのである。その敵とは反乱を起こして残忍な主人たちを倒した奴隷たちでもなく、アイレイドの主人たちから戦いや魔法の術を学んだ野蛮な獣人たちでもなかった。アイレイドたちを破滅そして忘却へと追い込むことになったのは他でもない、彼ら自身が自らの偉業に対して感じたおごりと誇りであり、帝国が永遠に続くであろうという過ぎた自信だったのである。

円環の書、火耀の格言The Book of Circles, Tirdas Maxims

フランダー・フンディング 著

忠実な者たちよ、火耀には次の師範の格言について考えよう

「剣は己であり、刃は心である」

「恐れの外套を取り除く方法は、敵に着せることだ」

「流れ行く砂を止めようと叫んでも、声が枯れるだけだ」

「勝利には血を流す覚悟をせよ。だが一滴たりとも無駄にするな」

「勝者の速さは敵を掴み、滅ぼす」

「79番目の攻撃:夜明けに研いだ漁師の槍」

「戦の一瞬ごとに一喜一憂せよ」

円環の書、地耀の格言The Book of Circles, Loredas Maxims

フランダー・フンディング 著

忠実な者たちよ、地耀には次の師範の格言について考えよう

「誤った反応をさせるために敵を鍛えよ」

「思い切り行った最悪の行動は、怯えて行った最高の行動に勝る」

「突くのは優雅で、斬るのは強力だが、時に頭突きが正しいこともある」

「高い位置のガードはフェイントやクロスオーバーに適しているが、下肢には気をつけろ」

「敵の剣は敵ではない。剣ではなく敵を見ること」

「8種の基本斬りを完璧にこなすことは重要である。しかし戦場で使うことは絶対にない」

「閉ざされた線は開いていない」

円環の書、日耀の格言The Book of Circles, Sundas Maxims

フランダー・フンディング 著

忠実な者たちよ、日耀には次の師範の格言について考えよう

「味方には夜明けのようであれ、そして敵には黄昏を与えよ」

「405番目の攻撃:目を刺すかのような大蛇の鋭い牙」

「ハエが群がってきた時は、縁を越えた平面を求めよ」

「怒りとは、船を沈める船体のひび割れである」

「最初の血は、死に比べればさほど重要ではない」

「何マイルでも多くの旅をせよ。しかし、戦いの美徳の間を去るな」

「敵の癖を見つけ、己の癖を捨てよ」

「勝利の調べの頂点で旋律を忘れるな」

演劇への招待Introduction to Stagecraft

崇高なるカンデルウィッジ 著

成功を収める舞台役者となるには、決して忘れてはならないことが幾つかある。演劇の最も大切な要素は…脚本だ!すべての興行は聴衆を引き付け、驚かせる要素がなければ、役者の他の技量の有無にかかわらず退屈なものになってしまう。できれば想像力や怒り、愛情、可能なら3つすべてを聴衆から引き出す、彼らに合う場面を探すんだ!そうして忘れられない演劇の土台ができあがる。有名な登場人物、歴史的事件、忌々しい怪物、またはひいき客の注目や興味をかりたてる、既知の何かに目を向けるように。

これで演劇の本質を理解できたから、次はそれを真に感動的なものにする!一部の者達は成功を収めるために爆発と訓練された獣達が必要だと教えるだろうが、本当のことを言うと、すべての利用可能な資源を想像力豊かに用いれば、同じくらい成功できるだろう。声をはっきり出すか、数ヶ国語を話せるか?初歩的でもいいから魔法の才能をもつ者は知り合いにいるか?鮮やかな色の織物や色の変化するキンドルピッチを入手できるか?以上いずれかのこと、また他のことは演劇の重要な要素になり得るし、見落としてはならない。

前提条件と支えるシステムが決まったところで、次はセリフを磨くことにしよう!舞台上で言葉に詰まるなんて絶対にしたくないから、この部分は他と同様に大切だ。大雑把な下書きから始めて作業し、調和が取れるようにすでに確立した口調と文脈に留意する。友人や家族に演技を見てもらって、荒削りなところを直す。

セリフに自信ができたら、練習、練習、練習に尽きる!演技は第二の天性であるべきだが、やじを飛ばす者や熱狂的な聴衆達が声を上げるときには、即興で演じる必要があるかも知れない。あまりセリフにこだわって臨機応変に修正できないのはダメだと覚えておくように。

最後の助言だ。舞台上ではリラックスして楽しむように!自分が本当に楽しめば聴衆も楽しめるだろう。

さあ、これで分かったな。舞台に上がって聴衆に歓喜をもたらす準備は整ったはずだ!

炎と闇 パート1Fire and Darkness, Part 1

炎と闇:死の同志たち パート1

イニル・ゴーミング 著

「同志よ、憎悪の試練にも屈しなかった血のきずなで結ばれたお前を、今でも同志と呼ぶ。今では必然とも思える俺の死だが、たとえ殺されようとも、これだけは覚えておけ、同志よ。我々は無垢ではない。故にお互いに向けられた敵意は悲劇ではなく、恐怖である。毒殺や寝首を掻き、突然矢が放たれ、巧みにダガーを使う、静かな、闇の中の戦いの終わりは、俺には見えてこない。和解の可能性はない。部屋の中では影が動いているが、ロウソクの炎は微動だにしない。これが俺の…」

この覚え書きは第二紀358年にノルドの村、ジャレンハイムにある廃屋の床下から発見された。物静かな靴職人が住んでいたといわれているが、34年前にタムリエル全土で禁止された暗殺者のギルド、あの恐ろしいモラグ・トングの一員であったと一部の人たちからはささやかれている。靴職人が突然消えてしまったかのように、家そのものはきちんと整頓されていた。覚え書きには一滴の血が付いていた。

闇の一党が訪れたのである。

この覚え書きや、これに近いものが発見されることは非常に珍しい。モラグ・トングも、そこから憎まれつつ派生した闇の一党も、証拠品を残すことに関して神経を尖らせている– 各自、団の秘密を漏らす行為は致命的な違反であると理解しているからである。これは当然、彼らの過去を辿ろうとする歴史家の任務を困難にするものである。

多くの学者によると、モラグ・トングは当初からモロウウィンドをそのまま映し出したようなものであった。モロウウィンドの太古の名前であるレスデインの歴史には、団の特質である暗殺、血の生け贄や、宗教への熱狂がはびこっていた。モラグ・トングは今も昔もデイドラ公メファーラの名誉のために殺人を犯したと一般的には言われているが、一般の仮説が全面的に正しいことは稀である。当初のトングはメファーラに加えて、さらに古く邪悪な神を崇拝していたというのが私の主張である。オブリビオンのデイドラ公は恐ろしいが、彼らはさらに巨大な悪を崇拝していたし、今でもそうしている。

第一紀の暗殺命令書は、モラグ・トングの最初の理念を垣間見ることができる貴重な資料だ。今日の命令書と違わず淡々と書かれているが、暗殺命令書の多くには、何百年もの間、学者たちを困惑させてきた詩の断片が含まれている。「舌足らずが歯擦音でささやく」「天空の甘い支配」「非常な罪の臭うくちづけ」など、他にも奇妙な、正気を失ったような命令書への書き込みは、目標の名前や彼らの居場所、そして暗殺の時刻などを伝える暗号であった。

また、これらはシシスと言う神聖な霊魂への直接的引用でもあった。

炎と闇 パート2Fire and Darkness, Part 2

炎と闇:死の同志たち パート2

イニル・ゴーミング 著

モラグ・トングの暗殺における専門技術の証拠はほとんど必要ない。彼らは我慢強く有能で、道具の使い方に精通している為、彼らの殺害の企てを逃れた数名の事例は共通して珍しく、注目に値する。有名な鍛冶師の私物の中から発見された手紙の切れ端は、我々の保管室に以前から封印されている。おそらく、団のための武器を注文する際に、一般には知られていないトングの暗殺者によって書かれたものであり、彼らが武器に何を求めていたかを知る手掛かりを提供していると共に、トングが引退した密偵を送っていた、ヴヌーラ島に関しても触れている。

「あなたの短剣の芸術性、バランス、重量に対して賛辞を述べる。ナイフの刃は剃刀のように薄く、上品に鍛造されているが、実用性がない。動脈は切られたときに自己治癒する性質があり、出血を妨げてしまうため、もっと大胆な刃が必要だ。私は新しい道具の検品をしに、2週間後にヴヌーラを発つ。できあがったものがもっと満足のいく品であることを願う」

モラグ・トングは第二紀の早い時期に、静かにタムリエル全土に広がり、これまでにも行なってきたとおり、メファーラとシシスを血で崇めた。

モラグ・トングが皇帝レマンを第一紀2920年に、彼の後継者である最高顧問ヴェルシデュ・シャイエを第二紀324年に暗殺したとき、非常に長い間影の中にいた暗殺者たちは突然光の下へと押し出された。彼らは殺人に文字通り酔いしれ、壁に「モラグ・トング」と最高顧問の血で書き記した。

モラグ・トングは瞬間的に、そして何の異議を唱えるものもなくタムリエルの隅々で禁止された。本国であるモロウウィンドを除いて。モロウウィンドだけは、西の他地方との関係を完全に断ち切ってしまっている議会の承認を受け、活動を続けた。その土地では、うわべだけの合法的な存在を続け、闇の令状を引き受けて、罰せられることなく殺しを続けていた。

大多数の学者は闇の一党、非宗教的で利益のために殺人を犯す暗殺者の一団の誕生は、宗教的な分裂の結果だと信じている。双方の秘密性を考慮すると、本質を推測するのは困難ではあるが、ある種の理論的な仮説は立てられる。

モラグ・トングはその存続の為にモロウウィンドの最高権力に訴えかけたのは間違いなく、それは当時の第二紀、アルマレクシア、ソーサ・シル、ヴィベクから成るトリビュナル以外は考えられない。トングがシシスと共に崇拝したメファーラはヴィベクの守護者であると言われていた。存続を許されるための見返りに、トングがメファーラの崇拝を止め、ヴィベクを崇拝したと推測するのが論理的ではなかろうか。

モラグ・トングは我々の知る通り、シシスの崇拝を続けている。闇の一党はたいていの人々から宗教的な集団とは見なされておらず、非宗教的で金のために殺しを提供する組織と考えられている。しかし、私は令状の中で、闇の一党が他のどんなデイドラよりもシシスを崇めていた証拠を見つけた。

そうなると読者諸君は、ではどこに分裂の原因があるのか、と問うだろう。お互いに極めて近い存在でありながら、どうしてこんな静かな戦いが始まったのか。ともに暗殺者のギルドであり、結果的にはシシスを崇めているではないか。しかし、そこでこの仮説を唱える人々を止めてしまう人物が歴史から浮かび上がる。

夜母。

夜母が誰なのか、どこから来たのか、彼女の機能が何なのかは誰も知らない。概ね良い歴史考証がされたカルロヴァック・タウンウェイの歴史小説「2920:第一紀の最後の年」の中で、彼は夜母をモラグ・トングの指導者として描くことを試みている。しかし、彼女は歴史的に闇の一党とのみ結び付けられており、トングとは一切関わりがない。

我が愛する友よ。夜母とは、メファーラのことである。トリビュナルの命令によって拘束されない西の闇の一党は、メファーラの崇拝を続けた。彼女を名前では呼ばないかもしれないが、殺人、性行為、秘密のデイドラは彼らの指導者であることに変わりはない。そして今も昔も、彼女をないがしろにした同胞を許してはいない。

第二紀に最期を遂げた靴職人、闇の一党とトングの戦いの終わりが見えないといった彼の感覚は、正しかった。帝国の闇の中で、死の同志たちは戦い続け、おそらく永遠に戦い続けるであろう。

学びし者の到来、第1巻Coming of the Learned One Vol. I

第1巻

今までに見た魔法の中でもっとも輝かしい魔法にすると約束して、学びし者は上階の部屋で作業を始めている。それは保管庫の上階を消耗し尽すだろう。そして私は上階の管理係だ。私には、学びし者の魔術に悶え苦しむよりも良い死に方は考えられない。しかしそれは私のニルンでの時間が短くなることを意味する。

従って、私は最後の日々を学びし者の到来について述べることに費やすことにする。以下は保管庫の決定的瞬間の記録である。我々はエセリウスに到達するためこれを建造したのだが、エセリウスの居住者によって見つけられた。

学びし者の到来、第2巻Coming of the Learned One, Vol. II

第2巻

学びし者は光の輝きに身を包み、雷のような轟音と共にやって来た。その光は久しぶりに異国の輝きで貴賓室を満たした。

当初、我々は当惑し、失望もしたが、先立ったのは苛立ちだった。我々は傲慢にも彼女が保管庫とその秘密に近づくことを拒否できるだろうと考えていた。まるで、我々の惨めな塔の中で、彼女が簡単に上回れないことを見たか、接したか、何かをしたかのように。
我々は彼女の到着に対し、不満を露わにして立ち去るように伝えた。アンガリンとエンヴァリルはまるで何も不都合はないかのように調査を続け、輝きを読み通すために目を細めていた。

彼女の輝きは気を悪くしたことを我々に告げていた。その激しさは増大し、その瞬間、小さな太陽のように燃えあがり、彼女はニルンにやって来たマグナスではないかと我々は考えた。ヴァンドレとヤナリル、それにツインターはその光に飲み込まれ、二度と戻らなかった。彼らが立っていた場所に爆発的な稲妻を残して。

残った者は崩れ落ち、膝をついた。敗北感からではない。酔い痴れるような高揚感からだ。このような驚くべき魔法は、かつて1度たりとも目にしたことがなかった。

そして我々は彼女を歓迎した。他に選択肢があるだろうか?彼女が塔に足を踏み入れた時、我々は涙を流し、彼女の足にキスをした。

学びし者の到来、第3巻Coming of the Learned One, Vol. III

第3巻

当初、学びし者は頻繁に実験室に姿を現した。

その最初の日、彼女の存在そのものが刺激となり、長い間休眠状態にあった魔法サークルがすべて一度に活性化した。私の部下のうち3人が、嵐の間で硬く凍っていた。突然押し寄せた魔法の中に迷い込んでしまったのだ。

さらに1ダースが炎の階段で消え去った。学びし者が入ってきた時に命を吹き込まれた炎はあまりにも激しく、そこには灰も、彼らがいたという痕跡も残ってはいなかった。私が今までに使ったどの呪文よりも効率的に焼却された12の生命。それは美しいものだった。

学びし者の到来、第10巻Coming of the Learned One, Vol. X

第10巻

我々原初の魔術師は、何年もの間我々こそが英知の頂点であると考えていた。学びし者はわずかな日々で、我々は全生涯をただやみくもによろめいていたのだと明らかにした。

だが、その力にもかかわらず、彼女は苦しんでいる。彼女は自分自身を信用していない様子だ。保管庫が必要だと彼女は言う。今までで最高の魔法を使うために。彼女自身を上階に封じるために。定命の者を保護するために。タムリエル全体を保護するために。彼女の言う意味が私にはわかる。彼女は行く所どこにでも魔法を、美をもたらす。危険はほんの副作用だ。

学びし者は言う。原初の魔術師たちが彼女の呪文に習おうとしたら、わずかしか生き延びることはできないだろうと。しかし、イーリルとその臆病な友達とは異なり、我々のほとんどは彼女の手による死を大切に思っている。彼女の魔法の領域を押し広げるものは何でも。

私は彼女の計画について時間をかけて彼女と話をし、その可能性に心が震えた。彼女は何をしようとしているのか?魔法の武装で上階を守ること?私は彼女が召喚した武器を弄り回しているのを見た。以前、彼女ははっきりと戦うために魔法を求めたことがある。彼女は召喚した盾で上階を覆い隠そうとしているのか?信じられないほどの代償を求め、非効率的だが、うまくいくだろう。

それとも、彼女は(私はこれを安易に書いているのではない)、ドラゴンの後ろに隠れようとしているのか?衰弱したドラゴンの?糸の上を渡り、そしてそれを切る。彼女自身を誰一人追うことのできぬ状況に包み込むために?そのような危険な冒険は、彼女の恐怖さえも明らかにするかもしれない。それは彼女が取り組んでいる魔法がどのようなものか明らかにするだろう。

でなければ、私は考えすぎているのだ。彼女は今まで遭遇した中で最も強力なソーサラーであるにもかかわらず、私に真似できぬ彼女の魔法のように率直だった。彼女が何を計画していようと、それは魔法の偉業となるだろう。そしてそれは我々を動かす。間違いなく。

割り当てられた魂The Distributed Soul

クラシウス・ヴィリア修道院長 著

ある新人修道士が昨夜私の瞑想を邪魔した。彼は驚き取り乱していた。「修道院長様!」と彼は泣き叫んだ。「今までで一番恐ろしい夢を見ました。トンネルで長老達の世話をしていたのです。水や食べ物を持って行ったり、安らぎの歌に耳を傾けたり…いつもと同じ静かな一時でした。聖蚕の優しげな羽ばたきが聞こえました。しかし突然、私の視界はおぞましい亡霊どもで一杯になったのです!肉体を持たない死者が回廊をさまよっていました。まるで聖蚕が彼らをエサにしているように私には見えました。彼らの霊的物質の名残…おそらく魂そのものを吸い取り、それで空腹を満たしたのです!修道院長様、これは狂気なのでしょうか…ただの夢にすぎないと言ってください!」。

我が教団の新人修道士が不穏な夢に悩まされるのは珍しいことではない。我々の聖なる任務と星霜の書、そしてその計り知れない謎に近づく知恵を与えてくれた先人について学ぶとき、新人がそのような夢を見ることはよくあるのだ。書から得られる知識の多くはあくまでも体得しなければ自分のものにはならない。私は日々の激務で疲れ果てていたが、何とか彼の中にある恐怖を取り除くことができた。我が教団と魂との関係性、そして定命の者の存在を越えて知識の断片を守っている聖蚕に関して、彼の疑念を取り払ったのだ。

我々の奥義は召喚師や死霊術師が使うような粗野なものではない。彼らは魂を宿主から引き剥がし、それを拘束して、魂の行き先や本質を考慮せずにそのエネルギーを無理矢理方向転換させるだけだ。聖蚕と先人の魂の交流はもっと繊細であり、聖歌の木のように自然なものだ。そして我々は、織糸を見て宇宙のつづれ織りを読み解こうとする根気強い観察者だ。聖蚕と先人に仕えることによって、我々は導きを得る。因果関係を理解せずに、意志を不器用に行使することなど決してない。

私は彼にこう言った。魂は聖蚕と多くを共有している。その2つは象徴的な組み合わせだ。すべての存在の中心にあるエドラの衝動が魂そのものであると考えがちだが、私は別の見地で捉えるよう忠告した。言わばそれは、聖蚕の羽のように鱗片をはがされたもので、定命の存在に起こる事象を終始流れる導管で構成されていると想像すればよい。ニルンでの生命から解放されると、一種の消散が始まり、その後魂が持つ「平和への意思」の歌を聖蚕は学ぶ。そしてそれが我々に導かれ、何世代にも渡って守られ続けるのだ。

「平和への意思」そのものは、創造の偉大なる織物や、行き先のすべてに散在した魂の名残との関係を保たなければならない。このつながりと辛抱強い世話を通じて、現在や過去や既知の世界を超えた時間の関与しない場所から我々は導きを授かる。聖蚕は先人の魂を拘束や消化するのではなく、まるで壮大な歌の序奏部のように、彼らがろ過したものを我々に復唱するだけだ。

完全なる理解の夜明けはまだ彼に訪れていないものの、聖蚕に対する彼のむき出しの懸念はどうやら解消されたようだ。彼の旅の手助けができて私は満足だった。私は彼にこう告げた。来週はシルクの部屋の床を磨いてもらう。その間、魂の本質について考える時間はたっぷりあるだろうと。私の夜の瞑想を邪魔した罰として、それぐらいはしてもらわなければ困る。

完璧な主催者The Perfect Host

非凡なハウスイベントプランナー、マレンフォード・フラール 著

どのような集まり、パーティー、あるいは祭りにも、必要なものがある。完璧な主催者である。完璧な主催者はいかなる催しにおいても頼みの綱で、笑顔で皆を歓迎し、すべての客が飲み食いをして良い時間を過ごせるようにするための、もてなしや世話をするパーティーの主催者である。

しかし、完璧な主催者は、客に熱狂的な良い時間を過ごしてもらう方法や、思い出に残る催しを開く方法を生まれつき知っているわけではない。完璧な主催者になるには、数年の訓練、数日の戦略的な計画、そして数時間の準備と調整が必要だ。

あるいは、私の豊富な経験と数年に渡る催しの企画の成功体験に基づく、この簡単な手順に従ってもよい。

まず最初に、パーティーや催しのテーマを選択する。良いテーマは、集まりがどういうものか決め、客に楽しく注目すべきワクワクするテーマを提供する。例としては、ダンマーの古典劇、春や秋の収穫、ノルドの飲み比べ、そして(個人的にお気に入りの)残酷で憂うつな日などが挙げられる。

2番目に、客を選択する。どれくらいの規模の催しを開きたいのだろうか?快適に会場に入れる人数を決めよう。そして、テーマによって、絞り込めれば絞り込めるほど良い。そして、招待を断る者や、当日来ない者がいることを考え、その2倍の人数を招待する。

人数を選び、決め、招待したい人々を選んだ後は、招待の準備を始める。招待が開催しようとしている催しに合うよう、用紙やメッセージをできる限りテーマに合わせる。それから、招待を早ければ1ヶ月前に、遅くとも1週間前には送る。

3番目に、テーマに従い、座ってくつろぐものか、立って交流するものか決める。テーブルと椅子がテーマに合うのであれば、注意深く席を決め、どこに座るか分かるように座席指定用の札を用意する。どれだけ座席の配置が重要か、いくら強調してもしきれない。楽しい会話をさせることも、興味をそそる議論をさせることも、あるいは有意義な関係を築くこともできる。すべては、誰が誰の隣に座るかによる。

4番目に、メニューを考える。どの催しにも食べ物と飲み物は必要だ。テーマと会場次第で、色々な意味に解釈できる。正式のディナーか?スナックと軽食を提供するか?金で買える最高のワインか?あるいは単純に、客全員に気持ちよく倒れてもらうため、安いアルコールをできるだけ大量に用意するか?テーマと予算に合う限り、自分次第である。

5番目に、客を楽しませよう!最初の4つの段階は、楽しく思い出に残る企画を作り出すための長い道のりだ。しかし、ケーキにアイシングをかけるには、決定的な楽しみがなければならない。吟遊詩人や吟唱詩人たちは歌と踊りに関係するテーマにぴったりだ。詩人や語り部は、客に参加者ではなく聞き手となってほしい演目に基づく催しに最適だ。奇術師、動物使い、武器使い、役者などは、夜の余興としては言うまでもない。テーマに合わせて騒ぐだけで、客は喜ぶだろう!

幸運を祈る!さあ、これで完璧な主催者への道を進もう!

犠牲の熟練Mastery of Sacrifice

私が降霜の月に震えていた時期に、真実を求める自分の運命を捨てることが求められていると分かった。私は生まれ故郷を離れ、それからずっと戻ることはない。

サタカルの永遠に変わり続ける影響の下、ソードシンガーは犠牲の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

近代タムリエルにおける死霊術Necromancy in Modern Tamriel

ワフィムレス・マスタレット(語り部) 著

永遠の眠りはかつて、当然のものだった。しかし今、タムリエルの各地で死霊術が行われている。匿名の密偵が特定したところによると、事態の引き金となった陰湿な勢力は黒き虫の教団だという。この教団は、いったん姿を消し、各地に分散しつつある。そして意志の弱い者に、一見すると絶対確実な権力掌握の道を提供している。この教団の主な対抗勢力は魔術師ギルドだが、ギルドがシロディールで名誉を失い、帝都から消滅してしまったため、黒き虫の教団は勢いを増しているようだ。

この死霊術師たちの地下組織は虫の巣と呼ばれており、虫の隠者たちを束ねる不死の司祭に率いられている。そうした司祭たちはアンデッドに姿を変えていることもあり、その後彼らは虫の隠遁者と呼ばれるようになる。彼らは常に、召喚もしくは復活させたアンデッドの護衛の側を離れない。この教団の指導者はアルトマーの魔術師マニマルコであるが、信者たちはその名を決して口には出さない。彼は虫の王として知られる存在である(口に出す時は囁き声)。これ以上、彼について書くわけにはいかない。彼の力と影響は遠くにまで及ぶのだから。

屈強なルシウスLucius the Stalwart

屈強なルシウスは元チャンピンである有徳のハグロフの弟子だった。ルシウスは学者で、ハグロフの伝記を書くために雇われて聖なるるつぼを訪れた。ハグロフが破れたときに伝記はまだ書き終わっておらず、師を失ったことにルシウスは激怒した。復讐を約束したルシウスは、ハグロフの能力を習得するために数十年に渡り修行を積み、それと同時に千の矢の毒に対する耐性を身につけた。ルシウスと千の矢の戦いは長く激しいものだった。最後には、毒に対する耐性のおかげでルシウスは勝利するが、これが原因で永久に力を失うことになった。1年後、ホワイトベアと呼ばれる挑戦者が現れた。弱体化していたルシウスでは、もはや相手にならなかった。ルシウスはその崩壊した体から生きる目的が失われたときから、死を受け入れていたと言われている。復讐を果たされたハグロフがソブンガルデで忠実な僕を待っていたからである。

王座を奪取した相手:千の矢

敗北した相手:ホワイトベア

献身の熟練Mastery of Devotion

私が南中の月の下を通過した時期に、私は神の力に跪いた。これからずっと使用する私のシェハイを作るため、剣の霊魂に自らをすべて捧げた。

長身のパパの祝福の下、ソードシンガーは献身の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

見習いの手引きThe Apprentice’s Assistant

アラムリル 著

私の冒険物語を聞いたことがあるだろう。地域から地域へと伝わり、タムリエル中が私の優れた魔法の力による功績に畏敬の念を抱いている。「もしアラムリルの能力があったら。そうすれば魔法の決闘で富と名声を手に入れられたのに!」と何度も思ったことだろう。

それも当然だ。大いなる名声と巨万の富は成功者を待っている。だが成功するには、最高の者から学ぶ必要がある。だからこの本を買った、そして教えを受けられる。私は、当然ながら、最高だ。

それでは助言だ。これに従えば、君もタムリエル中で有名になれる。

1.敵を知ることは敵の弱点を知ること。

ただの鋼の剣とは比べ物にならないほど万能に、優れた魔術師は豊富な呪文を好きなように使える。それだけでなく、使う最適なタイミングがわかる。冷気の呪文は獣の突進を止めたり、残酷な野獣の剣から距離を保てる。雷撃の呪文は敵のマジカを失わせる。幻惑呪文は敵の集団を仲間割れさせられ(一対一では勝てないと相手が分かっている時には、正々堂々としていない戦いが一般的だ)、すべてが有効でなかった時にも、自分を助けられる呪文がある。

2.自分を知ることは自分の限界を知ること。

最高の魔術師でもマジカの量には限りがある。まだマグナスの無限の力を与えられたものは生まれていないからだ。そして、優れた魔術師は能力以上のことをしない。安全を保つのに十分なマジカを常に確保している。それがダメでも、相当量の薬の供給を常に準備している。それがダメでも、常に脱出路を確保している。偉大なアラムリルは戦いから逃げたことがない。だがもちろん彼女のように最高の天与の才能がある者ばかりではない。だからこそ訓練しなければならない。

3.結界は命を奪いかねない(自分の)。

結界はどんな魔術師志望者にも重要な道具であることに疑問の余地はない。呪文を防げるし、敵の攻撃を無効にしてマジカを無駄に消費させる。しかし優れた魔術師は、結界に頼りすぎるべきではないと分かっている。結界を長く張りすぎると魔法使いのマジカを消費し、反撃できなくなり、最悪の場合結界も維持できなくなって完全な無防備となる。

4.両手が片手より良いとは限らない。

上級の魔法使いなら誰でもダメージを増やそうと両手で呪文を放つことを学んだ。それが有利になる時は確かにある。例えば相手が既に弱っている時、または見物に集まった大勢の人から大きな反応を引きだす時だ。しかし、いつも最善の戦略にはならない。例えば集中呪文は、特に敵が素早い時よく使われる。この例で言えば、両手を別々に使えば同時により広い範囲に対応できる。火炎球を両手で放つ魔術師は、すぐに結界を張れず、攻撃を続ける間回復できない。

5.常に挑戦を受けて立つ。特に勝てると分かっている時は。

最優先事項は当然生きることだ。しかし同じくらい大事なのは、観客を喜ばせることだ。あなたの冒険は、結局彼らの気前の良さに掛かっている。ここでは魔法以上のものが影響する。決闘が始まる前に相手の能力を感じ取れたら、自信を持って取りかかれる。自分が相手より優っていると分かっているのは非常に重要で、それは観客に良いショーを提供できるという意味だ。同様に、前もって決闘に負けるだろうと分かっていれば、突然どこか別の場所に雇われる機会が与えられ、決闘に参加できなくなる。(私はそんなことをしたことはない。ただ名声が大きすぎてすべての決闘の申し込みに応えられないことがある)

これらを心に留め、冷静な判断力を保ち、優れた魔法を見せれば有名になれる。それでは。だが、十分な成功者になったら、私からの挑戦があるかもしれない!

賢者の格言Sayings of the Wise

過去は狼だ。賢い狩人は狼から目を離さないのに対し、愚かな狩人はよそ見をして餌食になる。

妻の言葉に耳を傾けない族長は、長く族長ではいられないだろう。

戦いはまず胃袋のなかで勝負が決まる。

自分の義務を怠るオークと遮二無二義務を果たそうとするオークは、同じ毒を飲む。

オークの筋力だけではできないことでも、オークの刀剣ならできる。

経験の浅い戦士は、たとえ最高の防具を身に着けても、自分のすね当てに蹴つまずく。

族長を腐すだけで挑戦しないオークは、1年後もやはり族長を腐しているだろう。

骨の祭壇Altars of Bone

ウーズのガーディアンがかつて…

…ていたのはモラグ・バルだった。大きなマンモスの骨に含まれていたのは十分な黒い…

我々の目的のために祭壇を回す。オースブレイカーをウーズで拘束し続けている同じエネルギーによって、彼らを支配できる。しかし慎重にならなければいけない!万が一祭壇が勝手に変えられたり、さらに悪いことに、もしも…

骨の配置を…する際は気をつけろ。彼らは祭壇を暗くするはずだが、しかし…

祭壇が設置されたら、そこからは掘り続けるのだ。…付近での作業で得られるはずであるものは、十分な…

師範の言葉Words of the Masters

昔、学生だった時と同じくらい学ぶことが今でもある者による前書き。

師範たちからレキの刀剣で剣の使い方を教わってから、長い時が経った。しかし、今でも全ての教訓を戦場で学んだ訳ではない。

かつては高名だった学校を率いた、師範たちの言葉を思い出す。剣に加えて心で勝てる戦いのために、言葉の意味をまとめておく。

心に留めよ!

— ファダリア・アトアハタル

最も鋭い刃は、会話の代わりになることがある。

毎日の雑用の前に、困難な仕事を最初に済ますべきだ。

兵士たちは仲間であり、兄弟姉妹である。気を配れば、守ってくれるだろう。

意地悪な性格の者は、他人に憎しみを抱かせる。

謙虚に語れば、行動の時に優れる。

何が正しくて公正なのか?どちらも守る行動を取れ

敵の足元を見れば負ける。目を見て、意図を読み取れ

あらゆる勝利から学べ。敗者としてどのように行動するか考えよ。なぜ敵が負けたのか理解すれば、必ず勝利する

沈黙から強さを得られる

蛇は腹で這う相手が何であれ、真摯に向き合う

敵の戦略を見極めるまで手を出さなければ、生き延びて一撃を加えられないかもしれない。敵の意図を知るためにだけ待て。名誉をもって戦っていないと分かったら、先に一撃を加えろ

今日食べるべきパンは、明日に取っておくな

死者の崇拝Reverence for the Dead

トゥワッカと現代レッドガード文化における埋葬文化

修道士オピリオ・コンゴニウス 著

死去した祖先に対するレッドガードの崇拝の熱心さは、他の多くの種族が神々に対して行う献身に匹敵する。ブレトンは華麗なアーチ付きの聖別された地に棺を置き、ノルドは風で乾燥させた死体を地下墓地に安置するが、レッドガードは死者たちのために広大な葬儀用の建築物を設計、建立しており、その威厳の高さは規模の大きさにも負けていない。レッドガードを生まれる以前から死んだ後まで縛っている名誉の糸は強力である。空高くそびえるこれらの巨大な霊廟は、往年のままのヨクダ建築を純粋な形で体現するものであり、霊魂を飛び立たせ、彼らの信じる神々との会合へと向かわせるために建設されている。

この種類の埋葬地の最も優れた見本はおそらく、ハンマーフェルのアリクル砂漠の広大な台地の頂点に据えられた、トゥワッカの玉座だろう。この巨大な聖堂は策略の神にして魂の導き手、そして遠い海辺の守り手に捧げられている。砂漠の牧草地を登り、台地の側面を削って作られた石の階段を上がっていくと、岩と砂の広がる平らな空間の上から、これほどの眺めが得られることに驚かされる。トゥワッカの玉座を手入れし、常に警戒を怠らない玉座の守り手たちの元を通り過ぎると、この神聖な場所の真の雄大さを目にする。

このネクロポリスは無秩序に広がった埋葬地であると同時に、神聖な遺跡でもある。この聖域の暗い隅から見つめているトゥワッカの存在の他にも、この聖堂は大陸が波の下に沈んだ際に命を落とした、数知れぬヨクダの死者たちのための記念碑としての役割も果たしている。巡礼者たちは刺すような砂地を通って旅し、これらの犠牲者たちに、またこの迷宮的なネクロポリスに埋葬されているレッドガードの歴史上の王に敬意を捧げに来る。

次の機会を待てWait Till Next Time

フルグルシュ・グロー・オスガル 著

クログ王がダガーフォール・カバナントと協定を結んで以来、私は渡航規制が緩くなったのを機に、ハイロックとハンマーフェルで商売する機会を求めてきた。予想していたとおり、鼻であしらわれて罵倒されたことは何度もあった。酒場では近くのテーブルにいる声のでかいオークの冗談を聞き流し、すれ違った時足下に唾を吐く衛兵にも気付かないふりをした。だが予想外だったのが、私の会ったブレトンとレッドガードの多くが、オークの要塞を褒めそやしていたことだった。私達が意見の不一致を(たとえ剣を使ってでも)すぐに解消して、わだかまりなく次に進むということについても感心していた。

愚かな人間達だ。

寛容なのは他のオークに対してだけだということに気付いていないのだ。モーロッチの掟で、どれだけ時間が掛かろうとも、あらゆる怒りに対して仕返しをしなければならないと定められていることを知らないのだ。奴らは今、私達が尊いカバナントの熱烈な一員だと考えている。私達がオルシニウムの襲撃を忘れ、過去のことを水に流すと信じているのだ。

奴らは間の抜けた牙のない顔で私に微笑みかける。そして私は微笑み返し、うなずき、エルフの冗談を言う。だが心の中で、オルシニウムを略奪した者は、その何倍もの報いを受けることになることを知っている。だがブレトンとレッドガードがそれに気付くことはない。なぜなら奴らは、あらゆるオークが次のような信条を心に秘めていることを知らないからだ。

「次の機会を待て」

自制の熟練Mastery of Discipline

私が恵雨の月を通過した時期に、自分が最強であると証明するために90以上の決闘を戦ってきた。38種類の握り、750種類の攻撃の構え、1800種類の防御の構え、9000種類の攻撃をこれから鍛錬する。

オンシの祝福の下、ソードシンガーは自制の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

蛇との戦いAgainst the Snakes

デンスカー 著

私達のアカヴィリとの戦いについてずっと考えている。意見がある。書き留めておこうと思う。

もしもあのウィンドヘルムの馬鹿達が気を利かして蛇達を海へ投げ返していれば、忌々しい戦争すべては回避できたかも知れない。ショールに召されろ!

いまだに、ジョルンがウィンドヘルムへ援軍を送るために動いていたらよかったのにと思う。あの日、何人かのいい男達を失った。

ジョルンはリフテンの防備を固めたが、蛇達は通り過ぎて行った。なぜアッシュランドへまっすぐ行かないのか?

リフテン南部、ヴィラク砦北側の戦闘は十分に敬意を表されていない。あの男達は動けなくされ、負かされ、そしてそれでもなお彼らは耐えた。

男達があの日戦い続けたただひとつの理由は、ウルフハースった。ジョルンはただのこわっぱだった。彼は酒場さえ扇動できなかった。

ヴィラク砦の崩落後、蛇達はストンフォールに押し入った。なぜだ?奴らは何が欲しかったのだ?

ダークエルフの一部が攻撃をまずシェルバックへ向けた、という噂を聞いた。アルゴニアンに救出されるという考えに我慢ならなかったと。忌々しい馬鹿が。

ショールが蛇の島すべてを召しますように。奴らに別の虎の悪魔を送ってやれ!我々再び叩きのめしてやる!

収穫の終わりHarvest’s End

マスターソーサラー、サモナーにしてディレニの家臣シメール

シメール・グレイギンは野心的なディレニ・クランの家臣だった。ディレニ家はデイドラとの有益だがリスクの高い取引から身を起こした。シメールはおそらくディレニで最も賢く野心的なサモナーだった。デイゴン卿に陰謀さえ企て勝った。罠が成功し、デイゴンはオブリビオンに追放された。しかしその瞬間、デイゴンは自分を騙した定命の者を消し去った。シメールは永遠に、友や同胞と共に楽しく故郷で暮らすことを保証されていた。シメールのその言葉を曲解したデイゴンは、小さなケシリー島(グレナンブラの海岸沖にある小さな島)を掬い上げ、虚無に投げ捨てた。シメールの友も同胞も即死し、残った声がシメールを苦しめた。シメールも着実に老い、関節炎に苦しみつつ永遠に生きることを強いられ、自分がデイドラの主を騙して起こした悲劇的結果について考えさせられた。

救世主の皮の鎧:

デイドラの主マラキャスによって作られたこの防具は、誓いを破る者を攻撃するためにすばらしい特性を発揮する。シメールはデイゴンを騙して、守るつもりのない力に背く誓いを立てた。救世主の皮はデイゴンのシメールに対する大いなる怒りをかわし続け、シメールが攻撃できるまで時間を稼いだ。使われたのはデイゴンの「プロトミニック(すなわち真の名の呪文)」だった。残念ながら、他のマラキャスの贈り物と同じようにこの防具には一長一短がある。魔法攻撃には特に弱いため、特別な場合のみ着用すべきものなのである。

デイゴンのプロトミニック

シメールはデイゴンの力を徐々にすべて虚無に流す魔術のために、デイゴンのプロトミニックを使った。だがシメールはデイゴンの抵抗が、力の流出を止めることはできずとも遅らせられることを読み違えた。その結果、デイゴンはシメールを呪い、シメールの契約を文字通りに遂行できた。ただ力を虚無に流すのではなく、デイゴンはそれをすべて呪いにこめた。その結果ケシリー島は虚無に投げ出され、住民もすべて惨殺された。シメールは壮大な野望の廃墟の中で、永遠に生きることを強いられた。

狩りの儀式

無実の犠牲者の礼拝堂:シメールはデイゴンが自分を個人的に嘲笑い苦しめるために、ケシリー島を無実の犠牲者の礼拝堂を置く場所として作ったと信じている。魔法で作られた緑のクリスタルの建造物は、タムリエルから引き裂かれて虚無に放たれてから、島で唯一の建物となった。

グレートハントにより使われた冷酷な慈悲の槍は、おそらくハントに聖別されその制限に束縛される者を除いては、定命の者でも不死の者でも扱えなかったと思われる。だがシメールは、槍の力が偉大であるが無限ではなく、明らかに魔法がかかった(たとえばマラキャスによる救世主の皮の鎧のように)ものなら、定命の者、不死の者に関わらず、守ることができることを究明した。

巡礼の道Path of the Pilgrim

ヒスミールの助修士、ビックス・ゼー 著

文明国家とされる国の多くが我らの故郷をブラック・マーシュと呼んでいるが、ヒスミールの巡礼者や司祭はもっとよく知っている。アルゴニアンの土地はゴミの山にはほど遠い。土壌は豊かで活気に満ちている。植物や動物もよく育つ。耳を傾ける者にはヒストが語りかける

外に出た我らアルゴニアンの兄弟姉妹たちは、ヒストと交流できないと自分の一部を失くしたように感じる。このためあちこちからの巡礼者がヒスミールを訪れ、試練を受けて交流を図るのだ

巡礼者ヴェロスVeloth the Pilgrim

誇り高き者カシウス 著

巡礼者ヴェロスとしても知られる聖ヴェロスは、ダンマーの列聖の中でもおそらく最も有名かつ最も崇められている存在である。サマーセット諸島の後期中神話紀に名を挙げたヴェロスは、自分に付き従う者たちのためにより禁欲的で純粋な生き方を探し求め、彼らを集めてタムリエル南西地域から北西までの大巡礼に出発したとされている。現代の文章によれば、彼は「1隻の船もなく、食料も武装した人間も、この脱出行の仲間に入れることなく、レスデインの地を目指して進んだ」。

新しい地へ向かった彼の大所帯の巡礼は、その途上で厳格な規範を打ち立て、かつ成功裏に終わった。この種族は高度な文化の一時期を経験し、多くの者にとってそれは黄金期として知られている。ヴェロスの導きが何世代もの石工や建築士、さらに司祭と一般の民を形作った時期である。彼は強力な戦槌、ヴェロスの審判を手にしていたが、ヴェロスは基本的に温和で学を好む精神の持ち主と考えられており、ダンマーにおける治癒の付呪が彼の名前を冠していることからもうかがえる。

予言者としてのヴェロスの力は疑う余地がないが、ダンマーの祖先崇拝に関する極端に保守的な教えは一考に値するだろう。というのも彼はトリビュナルが起こるに先立って「善きデイドラ」の神としての崇拝を、ほぼ独力で開始したからである。ヴェロスの民は彼に絶大な敬意を払っており、彼の影響は数世代後になっても感じられる。スカイリム南東のヴェロシ山への登山や、ダンマーの長老が自らの種族を「ヴェロシ」と呼んでいるのを聞くと、エルフの世界を形作った師の存在を今でも感じられるのである。

正当なるリスラヴ、パート2Rislav the Righteous, Part 2

シンジン 著

リスラヴ王にはそれまで戦闘の経験がなかったのだろうが、すぐにそんなことは言っていられない状況になった。一度は領地を差し出したはずのスキングラードが申し出を撤回したという話があっという間に帝国に広まった。ゴリエウスは帝位に就く以前から熟練した戦士であり、皇帝になってからの17年間の平穏な状態はかろうじて保たれたものだった。ドラルドが暗殺されてリスラヴが支配の座に就くわずか8ヶ月前、ゴリエウスと配下のアレッシア軍は、やはり戴冠式の参列者の一人であった白王クジョリックと凍てつく北の平原で相対していた。スカイリムの族長たちの長はサンガードの戦いで命を落とした。残された族長たちが新たな指導者を選んでいる間、シロディールはスカイリム南部での失った領土を取り戻すことに余念がなかった。

要するに、ゴリエウス皇帝は反抗的な臣下に対処するやり方を知っていたのだ。

年代記編者の言葉を借りるなら「死の洪水のように」スキングラード征服に必要な数を大幅に上回るアレッシア軍が西に向かって突進していった。実際の戦闘がどのようなものになるかは、ゴリエウスも知り得なかった。前述したようにリスラヴの戦争経験は皆無かそれに近いもので、家庭教師の下で訓練を数日したに過ぎない。彼の王国とコロヴィア西部全域は疫病で甚大な被害を被ったばかりである。武器をちらつかせるだけで降参するに違いないとアレッシア軍は踏んでいた。

ところが、リスラヴは戦闘の準備を行っていたのだ。自軍の状態を手早く視察して彼は計画を立てた。

それまでリスラヴの人生には目もくれなかった年代記編者たちはここに至って、崇拝にも似た喜びを持ち、この王のあれやこれやについて書き連ね始めるのである。それは文学的価値や趣には欠けた文章だったかもしれないが、少なくともそのおかげでようやく我々は何らかの詳細を知ることができるようになる。驚くにはあたらないが、王は当時としては最高の鎧を身につけていた。タムリエル全体の中でも最高の皮鎧–当時は皮鎧しかなかった–を作る職人たちがコロヴィア私有地に住んでいたからだ。王のクリバニオン鎧は、丈夫にするために茹でてからロウを塗り、1インチの鋲を打ち込んだもので、深みのある赤茶色をしており、彼は黒いチュニックの上にそれを着て、さらにその上に黒い外套を身につけていた。スキングラードに現在建っている正当なるリスラヴの像は美化された姿であるとはいえ、鎧以外はほぼ正確に作られている。コロヴィア西部に住む吟遊詩人が市場に向かう時でも、あそこまで簡単な防備で出かけることはなかっただろう。しかし銅像には、後に詳しく述べるように、リスラヴにとって最も重要な装備もちゃんと含まれている。訓練された鷹と、足の速い馬だ。

冬の雨は南へと続く道を洗い流し、大量の水がウェストウィールドからヴァレンウッドへと流れ込んでいた。皇帝は北のルートを選択していて、少数の偵察隊を引き連れたリスラヴ王は、現在は黄金の道という名で知られている低い道で彼に出くわした。皇帝軍は、その行軍の音が数百マイルも離れたアネクイナの野獣の耳にも届いたと言われるぐらい巨大なものだったが、不本意にも皇帝は恐怖に震えていたと年代記編者たちは記している。

一方のリスラヴは震えていなかったと書かれている。完ぺきな礼儀正しさを保ちながら、彼はスキングラードの小さな王国でもてなすにはあまりにも軍隊が大きすぎることを皇帝に伝えた。

「次にいらっしゃる時は…」と、リスラヴが言った。「前もってご一報ください」

アレッシアの皇帝の多くがそうであるように、ゴリエウスはあまりユーモアを解する男ではなく、リスラヴの頭にシェオゴラスでも取りついたのだろうと考えた。そして、この哀れな頭のおかしい男を捕まえるように警護の者たちに命じたのだが、その瞬間、スキングラードの王は片腕を上げて鷹を空にはなったのである。それは彼の軍隊が待ち受けていた合図だった。アレッシアの兵士たちはすべて、リスラヴ軍が放つ矢が届く範囲内の道の上にいた。

リスラヴ王と警護の者たちは、年代記編者いわく「興奮したキナレスに口づけされたかのように」西に向かって一目散に馬を走らせた。あえて振り返って確かめようとはしなかったが、計画は完ぺきに進んでいた。その道の東の突き当たりは転げ落とされたいくつもの大きな岩でふさがれていたため、アレッシア軍は西に向かう以外になかった。スキングラードの射手たちは報復攻撃を受ける心配のない高台にいて、帝都軍に向けて矢の雨を降らせた。怒り狂ったゴリエウス皇帝はリスラヴを追いかけてスキングラードを遥かに越え、ウィルドからコロヴィア台地にまで進軍したが、その間に配下の軍隊は見る見る小さくなっていった。

コロヴィア台地の古い森の中で、帝国軍はリスラヴの義父であるクヴァッチ王の軍隊に出くわすことになった。アレッシア軍はおそらくまだ数の上で敵より優勢ではあったが、疲労困ぱいしており、矢のあられを浴びせられたことで士気は失われていた。1時間の戦闘の後、彼らは現在では帝国保護区として知られている北の地域に向かって撤退し、そこからさらに北、そして東へと向かい、ニベネイまで退却して傷と誇りの回復に努めた。

それがアレッシアの覇権にとっての終えんの始まりだった。コロヴィア西部の諸王もクヴァッチおよびスキングラードに加勢し、帝国の侵略に抵抗した。リャン率いるディレニの一族もそれに刺激され、ハイロックの全所有地からアレッシア改革派の宗教を追放し、帝国の領土へと攻め込み始めた。新たにスカイリムの族長たちの長となったホアグはホアグ・メルキラーという名で呼ばれるようになり、公然と異国人を嫌っているという点では皇帝と同じだったが、やはり抵抗運動に加わった。ホアグが戦死した後にはその後継者となったアトモーラのイスミール・ウルフハース王が闘争を続け、やはり歴史にその名を残すことになった。

実質的に一人で皇帝軍に立ち向かい、その終えんの端緒を開いた英雄的なスキングラードの王は、まさに、正当なるリスラヴという愛称で呼ばれるのにふさわしい人物だったのである。

聖ヴェロスの遺物Relics of Saint Veloth

トリビュナルの生き神に続いて、聖ヴェロスはダンマーの歴史の中で特に尊敬された者の1人だ。デシャーンにあるいくつかの礼拝所は、ヴェロスの記憶と彼自身と当時の従者によって残された偶像崇拝に捧げられている。一部の遺物の説明と、その重要性は以下の通りだ。

ヴェロスの審判:聖ヴェロスはサマーセットからの大脱出の際に、この戦鎚を巧みに操った。ヴェロスは戦争に注いでいた心を、レスデインにチャイマーの新しい故郷を築き上げるという仕事に向けると誓った時に、この武器を放棄するべきだと判断した。現在、ヴェロスの審判はトリビュナル聖堂にあり、堕落した魂を浄化する力があると言われている。

聖ヴェロスの涙:この光を放つ水晶は、ヴェロスが幻視の中で見た新しい故郷、レスデインの地を最初に見た時に流した涙だと信じられている。伝説によると、その涙はヴェロスの頬を伝いながら凍ったのだという。ムス・グナールの修道院のモンクによって保管されたこのクリスタルは、強力な治癒と回復能力があるが、それはモンクが徹夜の祈りとその様式を守ることが条件である。

ヴェロスの聖なる器:ヴェロスが大脱出の際に、病んだ従者の喉の渇きを癒やすため水を運ぶのに使い、その後新しい故郷で新しい農作物を潤すために使ったこの聖なる器は、現在はセルフォラの聖堂にある。

聖ヴェロスの聖骨箱:デシャーンにある聖ヴェロスの祠にある聖骨箱は、正確には遺物ではないが、その代わりヴェロスに関連した遺物の中でも特に強力で神聖な遺物、彼の頭蓋骨と骨が収められている。その骨には様々な魔法の力があると言われ、彼の祝福を受けようと巡礼者がモロウウィンド中から訪れる。伝説によれば、極めて信心深い者には、聖骨箱の前で瞑想して祈りを捧げている間、彼の幻視が見えることがあるという。

千の矢The Thousand Arrows

千の矢は謎に満ちたチャンピオンだった。彼女は一人でトーナメントに参加すると、その技術と正確さで無傷のまま全てのグラディエーターを倒した。有徳のハグロフに勝利した後も、新たな挑戦者がアリーナに現れるまで姿を現さなかった。彼女の得意武器は弓で、毒の塗られた矢を使っていた。毒は彼女が考案したものだった。巨大な敵も、かすり傷を負っただけで数秒で倒れた。彼女は毒の作成法を最期まで誰にも教えなかった。現在もその素材について、タムリエル中の錬金術師の間で激しい議論が交わされている。

王座を奪取した相手:有徳のハグロフ

敗北した相手:屈強なルシウス

第一公会議戦争War of the First Council

アグリッパ・ファンダリウス 著

(この説明は様々なインペリアルとダンマーの情報に基づいて西方の読者のために帝国の学者アグリッパ・ファンダリウスが書いた物である)

第一公会議戦争は、世俗的なダンマー名家のドゥエマー、ダゴス、正統派ダンマー名家のインドリル、レドラン、ドーレス、フラール、テルヴァンニの間で起きた、第一紀の宗教衝突である。第一公会議は最初の汎ダンマー自治組織であったが、ドゥエマーによる魔術や付呪行為が他の名家から冒涜とみなされたことによって崩壊した。

世俗派の名家は数こそ少なかったが政治的にも魔術的にも進歩しており、土地や戦利品を約束したノルドやオークのクランから援助を受けた。最初はモロウウィンドの北方で大成功を収め、それから現在のレドラン、ヴァーデンフェル、テルヴァンニ地区からなる土地のほとんどを占領した。正統派の名家は広範囲に散らばっていて、まとまりが悪く、ネレヴァルが全名家部隊の将軍になるまで敗北を喫していた。

ネレヴァルは遊牧民部族の援助を得て、ヴァーデンフェルのレッドマウンテンにある世俗派の要塞に大攻勢をかけた。アッシュランダーの斥候の助けもあり、世俗派側の部隊は裏をかかれて敗北し、生存者はレッドマウンテンにあるドゥエマーの要塞まで後退した。

短い包囲攻撃の後、ネレヴァルとその軍隊は要塞の中に入ることができた。そこで世俗派の指導者は殺されたが、ネレヴァルも致命傷を負った。将軍は徹底的に虐殺を行い、ドゥエマーとダゴスの名家は断絶した。そして傷を負ったネレヴァルは、間もなくこの世を去った。

正統派の中の3人―ヴィベク、アルマレクシア、ソーサ・シル–が再結成された第一公会議で実権を握った。これはモロウウィンドの大議会と名づけられ、やがてトリビュナルもしくはアルムシヴィとして知られる神王と不死の君主を生むこととなった。

嘆きの泉の埋葬の儀式Mourning Springs Burial Rites

気をつけて洗い、敬意をもって乾かす。

愛をこめて修繕し、注意して手当てする。

注意して巻き、敬意をもって結ぶ。

中央に向け、魂を休ませる。

刀剣作りの初歩:7つの教訓Beginning Bladecraft: 7 Precepts

マスター・ゲルウェズー 著

— 柄を締めつけすぎない。しっかりと、だが軽く掌に握る。

— 刀剣の反り:エッジは硬く、フラットは柔軟でなければならない。剣の可動域の感触を研究すること。

— 剣は武器ではなく、武器の先端にすぎない。体全体が武器であり、一つにならなければならない。

— 攻撃する時に隙が生まれる。だが攻撃しなければ当たらない。

— 剣の腰で、最も強い一撃を繰り出せる。

— 常に動き、突きを止め、突き、かわし、バックステップ、サイドステップで防御する。静止していれば死ぬ。

— 自分と敵の間合いを知ること。見ずとも感じること。

犯罪者の精神The Criminal Mind

学者ミンガリオン

数年前私は帝都の牢獄を訪ね、囚人の死体をいくつか調べた。誰の話を聞いてもその囚人達はひどく暴力的で精神的におかしな連中だった。ヴィリアスという悪名高きコロヴィア人に通常の検死をしている最中、彼の頭蓋骨の底部に奇妙な刻み目を見つけた。それに基づき、2つの要点から成るある仮説を私は発展させた。

まず、犯罪行動は主に脳の変形に起因するということ。そして2つ目は、暴力的な犯罪者にはエルフと人間の初期段階の種族(その暴力性で知られている)と同じ頭蓋骨の構造が見られるということだ。それゆえこのような犯罪者は、大きな顎や傾斜のついた額などの共通的な身体構造で特定できる。私はそう考えている。

私自身による膨大な研究成果とそのような特徴の計測結果を基にして、犯罪者の種族別の序列表を作成した。それによると、頂点に分類されるのはノルド、レッドガード、ダンマーで、ボズマー、ブレトン、カジートが序列の最後に来る。種族間で共通して使用できる測径器があれば非常に便利だ!

残念ながら私の仮説を発表しようとする試みは、敵意と嘲笑の対象になるだけだった。種族差別主義者だと公然と批判されたこともある!だから私は心を決めた。私の研究を書き残し、次の世代の人々に託すのだ。彼らが広い心でこの画期的な科学分野を受け入れ、検証してくれることを願う。

物語を紡ぐSpinning a Story

シランティレ 著

アルドメリ・ドミニオンの同盟国でありながら、ボズマーについて調査する時間は今まで少ししかなかった。彼らの文化は奇妙で孤立しているようだ。それにあまり書き記さない。ボズマーは他人への警戒心が強く、質問は危険なことがある。

その唯一の例外が、司祭、呪術師、あるいは彼らが呼ぶところの「紡ぎ手」で、かなり饒舌だ。実際、紡ぎ手に話をさせるのは全く難しくない…難しいのは、彼らが何について話しているのか理解することだ。

ボズマーの紡ぎ手は本質的にイフレの司祭だが、礼拝において人々を導くのを主な仕事とする他の司祭と異なり、紡ぎ手はボズマーにとってもっと吟遊詩人や歴史家のような存在だ。物語を語るために生きているかのように生き、大部分が同じように語る。

しかし彼らは古き良き時代を語る地方の老人ではない。紡ぎ手は未来の出来事についても物語を紡ぐ。他の人々が過去について覚えているように彼らは予知し預言する。そして年を重ねるほど、その予言の力は強まるようだ。

私がシルヴェナールに到着したとき、街の3人の紡ぎ手で最も若いエインレルが橋のところで私を出迎えた。そこでガーディアンの近くで、若い紡ぎ手は門までの私の旅の物語を経験したかのように語り、それから次の数日間の出来事を、まるでもう起こったかのように続けた!

シルヴェナールの他二人の年上の紡ぎ手に会った時、私は何が起きたのか話す気すらない。少なくとももっとよく理解するまでは。紡ぎ手は3人全員が何かに怒っているかのようだ。私はもっと学び…そしてもちろん、もっと書き記したい。

分別の熟練Mastery of Wisdom

私が薪木の月に晒された時期に、私は真実の本質を考えるための深い考察に入った。私は自分の意識を剣のように研ぎ澄まし、これからずっと敬意を示すであろう信念を固めた。

ターヴァの祝福の下、ソードシンガーは分別の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

魔女の尋問On the Interrogation of Witches

数世紀に及ぶ経験により、ダイアフロストのウィッチハンターは、魔術の利用が疑われる者を尋問するには拷問だけが唯一効果的な方法であることを知っている。

命を助けると魔女に信じ込ませることに疑問を抱く者もいる。たとえ罪を告白したとしても、魔女はほぼ間違いなく命を失うことになるからだ。

どんな形であってもその意見には耳を傾けなければならない。他の魔女に対する証言をしてくれた場合は、非常に評判の悪い魔女でも死刑にはせずに、終身刑を言い渡すべきだと考える者もいる。しばらくの間は終身刑の約束を守り、後で火あぶりにすべきだと言う者もいる。ウィッチハンターが命を守ることを約束しても差し支えない。その後にそのウィッチハンターが刑を執行しなければ、他の者に任せればいいという意見もある。

このような脅迫と約束を用いても魔女の自白を得られなかった場合、ウィッチハンターは刑を執行し、認められた方法を用いて囚人の拷問を行わなければならない。拷問中に魔女は、被疑内容に従い尋問を受けることになる。最初は軽い罪の尋問から始まるが、これは重い罪よりも軽い罪の方が進んで告白する可能性があるためだ。

拷問をして魔女が告白したら、ウィッチハンターは他の場所に移動して告白を確認し、拷問による強制だけで自白を引き出したわけではないことを証明しなければならない。さらにウィッチハンターは、デイドラの影響を受けた者が、魔女を助けるか自殺に追い込む可能性があるため、拷問をしていない間は、常に魔女の近くに衛兵を配置しておかなければならない。

民話A Folk Tale

ラナルダは、ヴァレンウッド中を舞い踊った。どうにかして木の葉の色を変えようと思ったのだ。しかし何も起こらなかった。木々の前では彼女はあまりに無力だった

彼女は腹を立てた子供のように地団駄を踏んだ。すると、足元で大地がえくぼを作ったのが見えた。大いに喜んだラナルダは、何度も何度も地団駄を踏んだ。足を踏みならす度に谷は深くなっていく。雨が降ると、彼女は自分の掘った穴の中で、熱心に舞を踊った

雨はゆっくりと、その穴を満たしていった。ラナルダは、雨が自分を覆い尽くすのも構わず、嬉々として踊り続けた。彼女の水の中での踊りが、湖のさざ波を作りだしていると言われている

目を覚ますよう願うPlea for Open Eyes

ベールをとったアザディエ 著

長身のパパはその指で散在する星に軽く触れ、その影は視界内外の地平線を超えてどこまでも伸び、その権威は前の世界と次の世界の霊魂を支配する。そんな彼でも子供達には慈悲深い。我が兄弟と姉妹が蛇のとぐろで締めつけられているのを見ると、私の心は痛みます。彼らは聖なる教えから目を背け、当然感じるべき羞恥心に唾を吐きかけ、錆びた剣を我々の伝統の心臓に突き刺すのです。彼らは皇帝達のぜいたくな暮らしに目がくらみ、誘惑されてきた。だから私は古き習わしを破った罪をここに暴露する。ラプトガよ…彼らがしっかり目を開き、この罪のおぞましき様相を認識し、そして悔い改めることを祈ります。

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「先人を敬え。先人の言動をおろそかにする者は、自分の剣を折りそれを燃える風の中に投げ込むようなものだ」。しかしセンチネルで、ヨクダ語の歌が宮殿の広間に響くことはありません。異国の英雄達の物語が、耳障りな言葉で語られるだけです。我らが先人の父の言葉は甘い水を切に求めるが、彼らの伝説は崩れて埃と化すでしょう。我々が世話を怠れば、新たな終わりの時が、前回よりもっとひどい形で再び訪れるでしょう。

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「”戦士の波”を邪魔する恥知らずに慈悲など必要ない」。しかし我が兄弟と姉妹は従順にも追放者達を同胞として受け入れ、我々の名誉を泥まみれの足で踏みにじり、我々の歴史を常に汚しています。そのようなことが許されているのを見て、私のような忠実な鳴き鳥の心は傷つく。ターヴァの目には血の涙がにじみ、ダイアグナの剣を持つ腕が裏切りの深紅で燃え上がるのは言うまでもありません!

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「従うべきはヨクダの神々のみだ。血の通わない肩によりそい、自分の力の弱さに唾棄する者から、碧落の岸は遠ざかっていく」。しかし緑の地の優しき王は我々の子供達に命じるのです。彼は白金を見つけるために、子供達を死へと送り込む。彼は子供達のたくましき背中に乗って上へと登る。彼の神の指が私達の心臓を突き刺し、モルワは頭を振る。

兄弟姉妹よ、これを読みなさい。あなた達は体の左側に仕事を与え、灼熱の太陽に目を閉じた。今や沈んでしまったヨクダの記憶が薄れるにつれて、あなた達の名誉には暗い影がさすでしょう。だがすべてが失われたわけではない。剣を持ちなさい。先人達のやり方で鍛えられ、正義の炎で精製され、真の名誉で鋭く研がれた剣を。道を誤った「新たな動き」を捨て去り、家族のもとへ帰るのです。彼らはあなたの過ちを許してくれるでしょう。だが、早く帰らなければ手遅れになります。

夜母の真実The Night Mother’s Truth

ガストン・ベレフォート 著

モロウウィンドのモラグ・トングやさらに有名なタムリエルの闇の一党の両方を題材に様々なことが書かれてきたが、いつどのようにしてこの2つの恐ろしい暗殺者ギルドが形成されたのかは曖昧なままだ。もっと具体的に言うと、前者が後者から生じたということは広く知られているが、いつどのようにして闇の一党がモラグ・トングから離脱したのだろうか。

最大の論点は、どちらの組織でも重要な位置を占めている夜母の存在のようである。多くの研究や聞き込み調査を行ったことで、多少なりとも自分の命を危険にさらすことにはなってしまったが(闇の一党はこの情報を神聖なものとしているため)、その甲斐あって、ついにこの大昔から続く謎を解き明かした。

もうその女の名前はわからなくなってしまったが、夜母はかつて帝国のシロディール地域にある現在のブラヴィルの街にあたる場所にあった小さな村に住む定命の者であるダークエルフの女にすぎなかった。彼女はモラグ・トングの一員として評判が高く、仲間同様、暗殺者としてデイドラ公メファーラへの奉仕を誓った。その上、組織の中で女性として1番高い地位である夜母の肩書を有していた。特定の派閥の夜母になるには、その派閥の監督者–尊敬され、恐れられるメファーラのお気に入り–にならねばならなかった。

しかし、女を恐ろしいものへ変えたのはメファーラではなく、さらに恐ろしい悪魔とも呼ばれる、終わりのない虚無の化身、ドレッド・ロードのシシスだった。

第二紀324年の支配者暗殺に続いて、モラグ・トング内で衝突が起こり、シロディールと帝国の大部分でギルドはほとんど絶滅した。これらの出来事はダンマーの女がシシスの声が聞こえると主張したすぐ直後に起こった。彼女はドレッド・ロードは立腹していると言った。彼はモラグ・トングの失敗に不服だった。彼は彼女に、虚無は魂を求めていると言った。そして、物事を正すのは彼女の宿命だった。

闇の一党の伝説によると、シシスは夜母の寝室を訪れて5人の子供をもうけた。信じがたいことが起こるまでに2年が過ぎた。ダークエルフの女はドレッド・ロードの最終的な計画をやり遂げた。ある晩、女は自分の子供たちの息の根を止め、その魂を虚無に奉げた。子供たちの父親のもとに。

村人たちはこの侮辱的な話を聞いて、女に反発した。このような行為はモラグ・トングの夜母だとしても理解しがたいことだった。ある夜、村人たちは女を襲って始末し、残虐事件が起こったその家を焼き払った。それで、この話は終わった。とにかく、誰もがそう思った。

それから30数年後、名前は明らかではないがある男は気持ちが安らぐような不思議な声を聞いた。ダンマーの女が彼女の内側でシシスの声を聞いたと主張したのと同じである。声は自分を夜母と名乗り、男を最初の「聞こえし者」と名付けた。

不浄なる母は使いを彼のほうへ歩みださせた。彼は闇の一党として知られる新しい組織を結成した。それはメファーラではなくドレッド・ロードのシシスへ仕える組織だ。今やモロウウィンドでのみ生存しているモラグ・トングは忘れられた時代の遺物だった。闇の一党は取引と死を結びつけるだろう。この組織は富と権力をもって力を伸ばし、虚無は新鮮な魂でいっぱいになるだろう。夜母は聞こえし者に、それは完璧な取り決めだと言った。

闇の一党の初期の頃に夜母とその子供たちの体はもとの埋葬地から回収され、夜母の家の下に位置する墓地に葬られた。今日でも残っている。

旅の途中にブラヴィルの街に立ち寄ることがあり、(その地方の習慣に倣って)幸運の老女の像に願いごとをすることがあれば、自分が神聖な地にいることを覚えておくように。特にあなたが邪悪なものならば。夜母こと不浄なる母の上に立っているあなたの運は、今まさに尽きようとしているからだ。

有徳のハグロフHagrof the Righteous

ハグロフは、誇り高く、謙虚で、他の剣闘士達を尊重するチャンピオンであった。彼は倒した敵の名誉のために、倒した敵をその敵の習慣に従って死体を埋葬した。彼が無数の傷口から血を流しながらアリーナの中心に倒れ込んで敗北を喫したとき、あらゆる種族の剣闘士が無言のまま立ち尽くしていたと言われている。彼の死体が古い薪の山に運ばれた後、ノルドの王に匹敵するような規模で葬儀が執り行われた。

王座を奪取した相手:クロウブリンガー

敗北した相手:千の矢

溶岩の女王The Lava Queen

溶岩の女王は聖なるるつぼ史上最も偉大な王者である。アリーナでの彼女の武勇に肩を並べる者はおらず、およそ4世紀にわたり聖なるるつぼを統治している。無謀にもアリーナで彼女に挑んできた者は全員、彼女の火の魔法に圧倒され、炭になるまで焼きつくされた。彼女は聖なるるつぼのためだけに存在し、聖なるるつぼは彼女のために存在していると言われている。アリーナに対する彼女の支配力は圧倒的で、その舞台も彼女の思うままに作り変えられる。彼女と戦うことは、活火山の力や破壊力と戦うことを意味する。

王座を奪取した相手:偉大なサナレル

敗北した相手:

嵐の女神、ノルドの母Goddess of Storm, Mother of Nords

ノルドの八大神の一人であるカイネは、一部の人々からは神々を率いていると考えられている。彼女は炉の神々の一人で、現在の世界の循環を見守っている。彼女の称号は非常に多く、カイネの性格について数多く明らかにしている。

ほとんどのノルドはカイネが死者をソブンガルデへ率いたと認めているため、カイネは最後のキスと呼ばれる。彼女は嵐の女神として崇められており、乾燥の時期に雨と雪をもたらすよう求められる。彼女は広々としたスカイリムを定期的に通過する、荒れ狂う強風とブリザードから信者達を守る。カイネは他にも、ショールの寡婦やノルドの母との称号で呼ばれる。

戦士達は戦闘での強さと争いでの勝利をカイネに求めるため、カイネを支持する。

日記と記録

Diaries and Logs

アジサーの嘆きUggissar’s Lament

いまいましい墓め!欲をかいたばっかりに、俺は妻と子供を二人とも失った。俺がお宝を探しにいっているあいだに、例の歩く死体どもに殺されてしまったんだ。

俺は生きる資格がない。全部俺のせいだ。だが、俺に何ができる?

…ここから脱出を試みることはできる。いとこのイディーファがいるアモル砦に戻ろう。

この誰もいない通路の奥に出口があるようだ。嵐はいい加減に弱まっただろうか?

アジサーの日記Uggissar’s Diary

アモル砦にいとこのイディーファを訪ねたあと、俺は家族をアイスハンマーの貯蔵庫に連れていくことに決めた。妻子を墓の外で待たせ、運べるだけの黄金と遺物を取りにいくつもりだ。自分で言うのもなんだが、これでも腕利きのトレジャーハンターだ。それが、例の金貸しどものせいで、家族ともども首が回らない状態ときてる。これ以上取り立てが酷くなる前に、充分なお宝を手に入れて借金を返済しなければ。

***
俺は貯蔵庫を荒らす最初の試みから生還を果たした。忍び足でかわせなかったドラウグル1匹を倒さなければならなかったものの、少なくとも、金塊がいくつか入った小さな櫃を見つけることはできた。借金の返済には足りないが、それでも幸先のいいスタートには違いない。

キャンプに戻ってみると、天候が悪化していた。かわいそうな妻は凍え、赤ん坊もむずがっている。2人を雨風の中に置いていくことはできないが、かといって嵐の中を移動するのも危険すぎる。結局、2人を連れてアイスハンマーの貯蔵庫に引き返すより他に手はなかった。

***
墓の中は少なくとも外よりは暖かいし乾いている。それに、お宝探しのほうもうまくいっている。あと2、3日励めば、借金を完済するのに充分な品が集まるだろう。少しはお釣りが出るかもしれない!

ただ、ドラウグルがだんだん厄介な存在になってきている。奴らは俺たち家族を捜し回っているように見える。いや、馬鹿げた考えなのは分かってる。なんだかんだ言っても、奴らは思考力のない歩く死体にすぎない。それでも、協力して俺たちを捜しているようにしか見えないんだ。

いまいましい空模様め!外を吹き荒れる嵐は依然として激しく、とてもじゃないが無理はできない。それに、墓のなかの玄室からもう少しだけお宝を失敬してくる必要がある。あと一晩だけ。あと一晩すごしたら、家族を連れてここから出ていこう。

***
俺は馬鹿だった!救いようのない愚か者だった!俺が玄室の1つを物色しているあいだ、ドラウグルの群れが俺の築いておいたバリケードを突破し、かわいそうな妻に襲いかかったのだ。怪物どもから俺たち2人の子供を守ろうとしながら、勇敢に死んでいった妻の姿が目に浮かぶ。だが、そんな妻の頑張りも無駄だった!結局、妻も赤ん坊も助からず、俺はこうしてこの呪われた貯蔵所に取り残されている!

…誰もいない通路の先に、別の出口を見つけた。ドラウグルを避けてそこから脱出できないかどうか、試してみるつもりだ。

アナーチャーの日記Anirtur’s Diary

ヘヴン港に到着してからもう2ヶ月が経とうとしているが、この地に馴染めているのかどうか未だに分からない。ウッドエルフ達は当初、私達を…いや、少なくとも交易品を歓迎してくれたものの、街にやってくる者は週ごとに少なくなっている。輸入商売の落ち込みがひどいから、事業拡大を狙って内陸、おそらくブラッケンリーフやエルデンルートへも進出しようとリンドゥーアは話をしている。単独で荒野へ行くのは好ましくないが、街路は安全で他の商人や交易人も同じことをしていると彼女は断言した。

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昨日、船が寄港して、ケナーシズルーストへの航海に向けて物資を再補充している。大規模なドミニオンの艦隊が今月下旬にカジートの島へ向かう噂がある。本当だといいが。あの小さな偵察船は、在庫品のほとんどを一気に買い占めていった!リンドゥーアは店の商品を再補充して、今後の状況を探りたがっている。内陸への旅について、彼女は口をつぐむようになるかも知れない。

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今朝、艦隊の先発隊が数隻やってきて、ヘヴンは活気に溢れた!エンダーレ将軍の部隊が動員され、治安維持のために街の衛兵を支援している。砦の周りで密売人達が税関を潜り抜けようとしている噂を聞いたが、勇敢にも沼地を通るか、どうにかして壁の下または周囲の入口を見つけない限り、成功はありえない!私達の補給物資はぎりぎりで入荷した!

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艦隊の日の興奮は醒めて、ヘヴンは非常に人通りの少ない街に戻った。当初「偉大な石の街」を見にきたウッドエルフのほとんどが帰り、残った少数の者達は、私達の商品に興味がない。リンドゥーアとは、彼女が提案した内陸の旅を巡って口論が続いている。買い貯めをして次の艦隊の日(船隊はいずれ帰還する必要がある)を待つべきだと私が言っても、それを当てにはできないと彼女は言う。彼女によれば、条約が締結された途端、往来する艦隊はなくなり…わずかな商人達だけになるそうだ。私には確証がない。

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棚ぼたの日がまたやってきた!エンダーレ将軍はヒスイの竜騎兵達を引き連れ内陸へ向かっている。宿屋の主人によると、将軍はグラーウッドにある数ヶ所の古代アイレイド遺跡について聞きまわっている。将軍が自分で行く理由は分からないが、部隊が午前中ずっと食料を備蓄している。以前と同様に商品はほぼ完売だ!

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兵士達が出発した今となっては、港により一層人通りが少なくなり、少し空っぽになった。沖に船舶が見えても通り過ぎるのみ。リンドゥーアが何かしたくてうずうずしてるのが分かるが、先月非常に大きな利益を得た。旅がリスクに見合うと考える彼女のことは信じられない。

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思っていたよりも妻が強情だと分かった。最近築いた財産を投資するように言ってきかない。荷車と数匹のグアルを購入し、ウッドエルフのジャクスパーや数人の傭兵までも護衛に雇った。ブラッケンリーフとエルデンルートへの旅だ。私が心配すべきではないだろう。一週間も経たない前に、エンダーレ将軍は竜騎兵達を同じ街路で行進させた。そこに盗賊達がいればひどく怯えているに違いない。

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リンドゥーアが出発してから二日が経過し、ヘヴンの商売は上向いていない。間もなく数隻の船舶が寄港すると望んでいる。交易のためだけではなく、遊びのためにも。街の夏は暑く、ほとんどの衛兵や交易人達は皆同じように訪問者がいなくて怠ける。私といえば、今日は井戸の近くで1時間以上昼寝していた。

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ついに!砦に興奮が訪れた。船が今朝やってきたんだと思う。手押し車に商品サンプルを数個積み込んで、埠頭へ向かう。来訪者達には、使う金があるかも知れない!

アラニアスの日記Aranias’ Diary

やっと大学に到着した。学長はこちらのアイデアを積極的に歓迎している。カジートとボズマーを行儀良くさせておかなくては。サルモールが彼らを使うなら、柔軟になってもらう必要がある。

ついにこの時が来た。継承者が探してきた場所だ。今すぐ陛下に手紙を書いて伝えよう。
– – – –

公女エストレから、ここの大学を監督するために、エルフのタニオンという者を送ってくると聞かされた。

次の任務は、物資を保管するために適した場所を探すことだ。使えそうな秘密の洞穴があるという噂を聞いた。かつてクェンデルーンと呼ばれた、アイレイドの遺跡だ。
– – – –

荷物をまとめ終わり、夕暮れにクェンデルーンへ向けて出発する。そこでうまくいけば、そのままグリーンシェイドまで拡大調査の偵察に送られるかも知れない、と母は考えている。今までサマーセット諸島を離れたことがない。そうなればとても…面白いはずだ。

アルヴスのメモAluvus’ Notes

私にそれが起こった夜を今もまだ覚えている。あの夜から何ヶ月も経つが、私の喉にかかった牙は忘れられない

なぜ私を生かしたまま去ったのか今でもわからない。何かに驚いて逃げたのか?憐みに救われたのか?

いや、憐みではない。私は渇きを知っている。圧倒されるほどの空腹も

私は自分の食べ物にこれっぽっちも憐れみを感じない、そしてあの夜、あいつも私を憐れまなかったのは確かだ。何か他の理由に違いない。だが何だ?

アルヴスの追加のメモAluvus’ Further Notes

今は理解していると思う。なぜ私が生きたまま残されたのかわかると思う

彼女は私にこうなって欲しかったのだ。自分のようになって欲しかった。たぶん孤独から、もしかしたらもっと深い何かかも

私は強くなり、ねぐらを通る弱い愚か者を食っている。食べるとき、一瞬、こいつは生かしておこうかと逡巡することがある。本当に生きて、自分のようになればいいと

もしかしたら近くの街に潜り込み、頃合いの目標を選び、自分で試してみるかもしれない。もしかしたら

アルヴスの最後のメモAluvus’ Final Notes

やった!遂にやった

私に確信させたのは彼の純真さだった。錬金術師の息子。いつも役に立ち、いつもとても優しい。どうして抗える?簡単ではなかったが、彼は今は私のようだ

彼の涙。私は彼をそこに残した。父親の家の戸口に

そしてそこにはもっとある。彼らは闇の中、私と共にあるだろう。これから先何年も

アルゴニアン避難民の日記Argonian Refugee’s Diary

ブラック・マーシュを出発したのは真夜中だったから、どの方角へ向かったかパクトの兵士達は分からないはず。滞在を強制する者はいなかったけど、出発すると伝えた場合に彼らがどう反応するか分からなかった。どんな交戦中の勢力にも忠誠を誓いたくない。自分達の人生を平和に生きたくて、ダンマーの奴隷商人から可能な限り離れたところで暮らしたいだけだ。

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書く機会がなかったけど、もう結構長いこと定期的に移動してる。何ヶ月も経ったように感じるのに、まだ数週間だというのは分かってる。シロディールの外れに街を建てようとしたら、帝国軍の斥候隊に追いかけられた。どうやら大規模な戦闘が起きるみたいだ。足が痛いけど新しい家を見つけたいと望むなら、歩き続けないと。

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ヴァレンウッドのグラーウッドと呼ばれる一帯に到着した。ここのウッドエルフ達は親切なようだ。北で騒ぎがあったと聞いたけど、何も見ていない。

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これが現実だなんて信じられない!ウッドエルフ達から土地をもらった。お礼に釣った魚をあげることにする。ついに平和に暮らせる故郷だ。

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最近森の子供に興味を持たれていて、大歓迎だ。恋やロマンス、将来について考える時間は旅の時にはなかったけど、もう新しい家がある。敷布団や頭上の屋根以外にも欲しいものがあって、共有してくれる誰かが欲しい。

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北の大戦の噂を聞いた。ウッドエルフは互いに争っていたけれど、もう終わった。ハイエルフが大船でやってきて争いをやめさせた。彼らは今エルデンルートで会議をしている。グレイマイアでの生活はまったく影響を受けていない。

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新しい「ドミニオン」の兵士達が最近やってきた。通り過ぎるだけだと思ったら、街の外で野営地を築いているようだ。彼らは何も教えてくれない。何をしてるのか聞くと、決まってお前たちには関係ないって言ってくる。でも何もしてこないから、釣りを続ける。

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兵士達は今朝、街の周りに門と高い壁を建てた。またブラック・マーシュみたいになってきた気がする。エボンハート・パクトへの参加を拒否したのは、人生のたくさんの年月を奪ったダンマーの奴隷商人達と一緒に生活しなくてはならなかったから。そして今やっとウッドエルフの中に新しい家を見つけたと思ったら、高潔で強大なエルフ族に見捨てられる。スリム・ジャーの反応は過剰だと思った。ドミニオンの到来は破滅を意味すると言っていた。彼女は正しいんじゃないかと考え始めてる。

アルトマーの救世主、パート1Savior of the Altmer, Part 1

私がこのエルデン洞穴でしたことを知らせよう。アルトマーのためにやったのに、彼らは自分たちを助けようとしない。

以下に続くのは回顧録のようなものだが、サルモールは裏切られたと感じるだろうことは間違いない。だが私はよい方向に進む唯一のキャノンリーブだ。アルトマーのより良い目標に向かって。

暁星の月12日
被害を計算した。アルドメリ・ドミニオンはこの忌まわしい戦いで、数百の兵を刻々と失い続けている。そしてまだ先は長い。

すべてが終わった時、アルトマーは一世代分が丸ごと失われていることだろう。教師、学者、魔術師は死へと旅立ち、サルモールは喜んで彼らを犠牲にする。最悪だ。

カジートの指導者(サルモールには5人もいない!)とボズマーの樹の従士は、この戦を終わらせるためにアルトマーの血を喜んで提供するだろう。仲間のキャノンリーブも同じだろうが、私は賛成できない。

真央の月8日
数ヶ月が過ぎた。サルモールはアルトマーの若者を、まるで尽きない資源のようにドミニオンの戦いに送り続けている。我々はタムリエルで最も偉大な軍の精神を持っている。異国の野蛮人のように戦わせるために、最も優れて有望な者の命を落とさせている。

収穫の月9日
若いころは勇敢な魔術師だった私は、それ以来いくつか学んだ。良い結果を出すためにサルモールから支持を得られないのなら、私が終わらせよう。

アルトマーの救世主、パート2Savior of the Altmer, Part 2

降霜の月11日
私の魔術師としての人生は突然終わった。魔術のために動物の糞を集めるより、人々や政策を操るほうがずっと満足できると気づいたのだ。

だが、大魔術師オラネスが、キャノンリーブ・オラネスよりもずっと早くこの戦を終わらせられるだろうことは認めなければならない。

黄昏の月23日
この戦いを終わらせる方法はいくらでも思いつくが、私程度の魔術師では達成できないだろう。ギルドは支えとならない。にやにやした愚か者のバッカーラに会った。たぶんにやにやしていた。まったくカジートは理解できない。

他に方法はない。

アルトマーの救世主、パート3Savior of the Altmer, Part 3

暁星の月1日
協定が結ばれた。先人は激怒するだろう。サルモールは間違いなく不愉快になるだろう。

だがこれは必要だ。この戦いを終わらせるのに尽力したとして、キャノンリーブとしての職務からしばらく休暇をもらった。だが戦場の報告は目を通している。私の旅で失われる2倍のアルトメリの命が、この戦いで失われるだろう。

私は正しい選択をしたのだ。

我が新しい主は約束した軍隊をもって、今年中に戦いを終わらせるだろう。

アロウェンデの日記のページ23Arowende’s Diary Page 23

アークマギスター・オセリがついにムザンチェンドへ同行させてくれた。鉱山の下に眠る、偉大なドゥエマーの遺跡だ。本当に素晴らしいものをぜひ発見したい。もしくは、ドワーフに何が起きたのかを突き止めたい!もちろん、それをアークマギスターに打ち明けることは決してない。もし言えば、バカな真似はやめろと言われるだろう。

ここの建築物のスケッチをしなければならない。照明設備が…驚きだ。まだかなり多くのものが機能している。一体彼らはどうやった?これは学術研究のすばらしい主題になるかもしれない。

彼の機械が重要なことはわかってる。彼はそれについて話し、油まみれの部分に気をつけろと言いながら、機械と一緒に彼の後をヨチヨチついて歩くのが光栄なことだと言わんばかりに振る舞っている。確かに、結局は彼の助手としての地位を何とか手にしたのだが。前の助手はどうなったのだろうか。

この油は、ローブから落ちないものか

アロウェンデの日記のページ26Arowende’s Diary Page 26

アークマギスターは実験に没頭することと、テルヴァンニ家のお偉方の相手で忙しい。それを理解すべきだとは思うが、彼は仕事を押しつけてフラッとどこかへ消えてしまう。

このドゥエマー・コンストラクトの動きを止めることが不可能なわけではない。だが、待ってくれてもいい。彼はなぜ自分の才能を、機械の電源を切る方法を思いつくことに向けないのだろう?攻撃的でないようにするには?どうやって取り組むのかはよく分からないが、それも研究の有意義な手段なのかもしれない。

私はただ、アークマギスターからできるだけ多く知識を吸収するのみだ。故郷であるサマーセットへ帰りたいのはやまやまだが、自分自身に約束した。もっと博識になるまでは帰らない。いや、またその道へ下りるべきじゃない。ただここで座って、魔法を自動的に回復させよう。

でも錬金術師を探さないと。このローブが、機械の部品のせいで間違いなく汚れている。

ヴィムの日記Vim’s Diary

日記さんへ

最後に書いてからしばらく経つけど、いろんなことがここで起きているわけではないの。確かに村人たちは友人や家族の誰かがいなくなったと話しているけど、父さんはたぶん病を避けるために去っただけだろうと言っている。ああ、そう、ロドス病の話があるんだけど、私はそれもあまり心配してない。父さんは一族の有力者だもん!フラール家に属する人間を病気にかからせたりしない。とくに可愛い娘にはね(それは私!)

今日はモールボーンの募集パンフレットを見た。街の門の外で配ってたの。助けるためにここにいると言うけれど、あの人たちにはどこか気味の悪いところがあると思う。それに彼らがメンバー全員に着せている服装が嫌い。まるで軍隊か何かみたい。それでも湖のそばでぶらぶらしているカッコイイ顔のメンバーが二人いた。世界を救っていない時は、何が楽しみなのかな?いつか夜にこっそり行って覗いてみるかも

街には見知らぬ人がいる。とうとう話しかけてみたい誰かが!見知らぬ人に話しかけるのが待ちきれない。遠く離れた土地のできごとを聞き、わくわくする冒険と禁じられたロマンスの物語に耳を傾ける。父さんが見知らぬ人を夕食に招いてもいいって言うかもしれない。それってすごいよね!でもどこか静かなところへ一緒に行けたらもっとすごい。二人だけで。考えてみなくちゃね。実現させる方法がきっとあるはずよ

次のときに話すね、日記さん!

— ヴィム・フラール

エンティラ・フォリーEntila’s Folly

必要な材料は魔術師ギルドで全て手に入れることができた。

次は古い鉱山エンティラ・フォリーを見つけなければならない。この鉱山には可愛らしくて踊り好きな紡ぎ手達がたくさんいるらしい。バックヒグは彼らを見つけて一緒に楽しむのだ。地図によれば、エンティラ・フォリーはスカイウォッチの南西にあるようだ。見つけるのはそれほど難しくないだろう。

オーチェローの日記Orchelor’s Diary

婚約の儀まであと13日

ヴェリン港で何か問題が発生していたらしい、だがついに式典の最初の荷物が届いた。私はボルアワエネスやヘロンダンボルと一緒に仕分けと整理を行っている。皆がとても興奮している。

婚約の儀まであと11日

ドラブログと何かあったようだ。樹の従士の指示で、ウッドオークの来訪者は全員、街に滞在する前に彼女と面会しなければならなくなった。

婚約の儀まであと8日

吟遊詩人が来た!マラバル最高の音楽家達をシルヴェナールに迎え入れるため、今夜、宿屋で小さな歓迎会を開くことになった!

歓迎会から帰ってきた。楽団の演奏はあまりよくなかった。彼らは一度も一緒に演奏したことがないのではないだろうか。

アルトマーの歌手はことあるごとに楽団の演奏を止め、レイエンと言い争っていた。そしてカジートの一人が他のカジートの頭をフルートで殴りつけたことで、ついには収拾がつかなくなってしまった。

婚約の儀まであと6日

側近が大勢到着した。シルヴェナールとグリーンレディが来たのかと思ったが、ウルソーン・ザ・ハウンドとかいう人物だった。彼の「ハウンズマン」はなかなか強そうだ。

…イフレの名にかけて、彼らは強い…だがそれだけじゃなかった!ハウンドと彼の部下達を「歓迎」するために、楽団が集まって演奏を始めたところ、彼らは正気を失い、ウェアウルフになってしまったのだ!あのエルフ達は街のいたるところにいる!

婚約の儀まであと3日

ハウンズマンに街を占領されてから外に出ていない。紡ぎ手が捕まり、家に監禁されているという噂を聞いた。紡ぎ手はこのことを予言していたのだろうか?これからどうなるのだろうか?

ハウンドは玉座の間に居座り続けている。グリーンレディはどこにいる?シルヴェナールは?

婚約の儀まであと2日

グリーンレディが到着した!彼女が抗議すると、ハウンドが姿を現した…だが彼は一人ではなかった。最初、彼女は怒っていたようだった、だがそのとき、ハウンズマンの魔女が何かをやり始めた。彼女は眠そうにしていたが、最後まで意識は失わなかった。そして彼女はハウンドに捕まり、玉座の間に連れ去られてしまった!

シルヴェナールはどこにいる?

オスタランドの日記Ostarand’s Diary

私のやったことは全てアバガーラスのためにしかたなくやったことだった。あの光景は決して忘れないだろう。私の体を支配したあの感覚。あの光景につきまとわれている。
– – – – – – – –

狩人達に追われている。奴らは私の匂いに気付いているのだ。私がそこにいたことを知っている。奴らはこの鎧についている、闇の一族の血の匂いが分かるのだ。夜に奴らの声が聞こえる。すぐに避難場所が見つかるよう、太陽に祈ろう。
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この遺跡は悪くなさそうだ。クリスタルを隠せる場所が見つけられれば、コンストラクトが死者から逃がしてくれるかもしれない。
– – – – – – – –

ヴァラシャは、馬鹿げた計画のために、彼女自身を生贄にするつもりのようだ。クラーノが彼女に空想めいた話を吹き込んだのだ。クリスタルは失われた。力はもうないのだ。クラーノと数時間口論した。今ではヴァラシャすら私と口をきこうとしない。
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ヴァラシャがついに沈黙を破った。彼女の意志は堅い。メリディアの女司祭としての役目を果たそうとしていることは理解できる、だが彼らが、彼女に自己犠牲を促すようなことをするとは思っていなかった。優先すべきは彼女の信念だ。そのことで彼女を責めることはできない。

だが、このような終わりを迎えたくはなかった。

ガシエルの日記Gathiel’s Diary

病が私を日々蝕んでいる。絶望と憐憫に屈しないよう全力を出さねばならない。なぜ私が?なぜ今?私は若く、近所の人に親切にし、クランを支持し、夫を愛し、森の世話を一生懸命してきたのに。

このことでかわいそうなエラナスが悩むのはもっと苦しい。彼は寝食を忘れている。日々作業台で屈み、森で拾った植物から新しい混合物を作ろうとしている。

私のために自分を犠牲にしてはならないと言ったのに、彼が私を見て苦しんでいるのがわかる。そして私は弱くなりつつある。これを書く手さえも震えている。

今朝起きると夫がそばに座っていた。彼は泣いていた。薬をくれたけど、もちろん私の病気は治らない。無駄なのよ。彼がグリーンパクトにこだわるかぎり、薬が正しく調合されたとしても十分な効果を持たない。

夫も同じことを考えたようだ。今日彼がいない間に作業台を調べてみたら、園芸術の本があった。涙の痕が残っていたのは、神聖な花で、病の回復に関係あるというサングイン・アレンディルのページだった。

夫のことはよく知っている。彼は決して神聖な花を切りはしないでしょう。でも、私は方法があるのなら死にたくない。グリーンパクトは自ら死ぬための取引ではないでしょう?森は人々の治療のためにある。自分でサングイン・アレンディルを取るには弱くなりすぎたけれど、何とかする。

*****

終わった。夫が毎朝枯れた花を探しまわる場所に、切り取った植物を落としておき、彼が見つけられるようにした。後悔はしていない。

ガルニクの狩猟記録Garnikh’s Hunting Log

収穫の月20日
ふんだんな狼の毛皮。燻製に適した肉。

収穫の月22日
ティシュナクとブゾグがそれぞれ11枚の毛皮を集め、トップタイとなる。首位を決める決闘で、ブゾグが勝つ。

収穫の月23日
ウラタグが、森で黒いローブを着たよそ者たちを見たとのこと。

収穫の月26日
森によそ者の群れがいることは確かだ。タズゴル族長に報告する。

収穫の月31日
黒いローブを着たよそ者たちは名誉を知らない。彼らは決闘を拒んだ。暗がりから俺の狩人たちを襲った。タズゴル族長に戦士たちを寄越すよう要請済み。

薪木の月2日
よそ者たちは死んだブレトンを生き返らせている。狼は死体を食べている。毛皮が台無しだ。肉も食べられない。

薪木の月6日
またよそ者が来た。はたして今度の奴らは名誉を知っているだろうか?

クサル・イシクスの遺跡の探検Exploring the Xal Ithix Ruins

ここは本当に収穫率が悪い。クサル・イシクスはスカベンジャーの土地だ。思うに、我々の民はフンコロガシやウシツツキのように、他の国のゴミを漁って生き残っている。

そして周りは荘厳な古代遺跡だらけだ!クサル・イシクスのザンミーアはシャドウフェンでも最も古いものの1つに違いない。ここで我々の祖先のアーティファクトの何らかの手がかりだけでも見つけられればいいのだが。残念ながら、存在していたとしてもとっくに盗まれているだろう。

明日バルヴィンと一緒に北へ向かう。他の手付かずの宝が待っているかもしれない。

——岩の下を見る者

グリーンシェイド探検家の記録Greenshade Explorer’s Log

蒔種の月10日
例の奇妙な木のある谷の近くの洞窟に降りた。場所を覚えなければ。素晴らしい苗木が育ち、甘い実が成っている。実においしい。市場でそれなりの金額で売れるだろう。

蒔種の月11日
洞窟はウッドエルフでいっぱいだ!もっと種が欲しくて行ってみたら、まるで村のようなありさまだ。今は何年か聞かれたが、怖かったのでどもってしまい、ただ逃げた。

蒔種の月13日
サルモールに手紙を書いて、時空を旅するウッドエルフのことを伝えた。返事はまだない。地元の連中は私を笑うだけだ。時空を超えた旅など不可能だと。そうかもしれないが、でも私は見たんだ。明日は地元の樹の従士に、洞窟まで来てもらうつもりだ。

蒔種の月14日
村が消えた!樹の従士は笑って言った。「よそ者よ、ウッドエルフがあなたをからかっていたんだろう」。そうだとしたら、まったく念の入ったいたずらだ!絶対に見たんだ。

蒔種の月15日
村が戻るまで洞窟で待つことにした。自分がおかしくなっていないことを証明する。

クリメント・ノエラウムの日記Diary of Climent Noellaume

アルバトロス号に加入したばかりに思えるけど、巨大なエルデンの木やブラッケンリーフの森の小道を歩いてから2年以上がたった。財宝の分け前と王の恩赦を携えて戻るかもって考えたら…婆ちゃんはものを飲み込めなくなって、舌が膨れ上がるに違いない!

それと父。父は諸々の「船乗りのナンセンス」が無駄じゃなかったって分かるだろう!初めてヘヴンに連れて行かれた日を思い出す。父は船の大きさや砕ける波で驚かせるつもりだったと思うけど、聞こえるのはカモメの鳴き声と水夫のおしゃべりだけだった。ヴァレンウッドのカラスとレイヴンとは大違いさ!それからは、いつも浜辺に行こうとしてたな。

あと母さんはいつも信じてくれた。サウスポイントを離れると言ったときですら。もちろん泣いてたけど、母というものは息子の旅立ちには泣くんだ。それでも厳しい言葉は言われなかった。

財宝の分け前には、持ち帰って母さんに渡せる貴石や真珠がいくつかあるといいな。真珠を見たことはないだろうから。

ゴーダグの日記Gordag’s Journal

恵雨の月30日
モズゴスが彼女に毒を盛ったエルフを始末した。だが彼女の状態は非常に悪い。俺の炉床の妻によれば、この毒はブラック・マーシュのもので、解毒剤もそこにあるようだ。

栽培の月1日
ありえない!クランは俺がブラック・マーシュの解毒剤を手に入れに行くことに協力するつもりはないようだ!あの成り上がりのグルーリグに、娘のモズゴスのことを哀れで弱い奴だと言われた!

奴を殴った。奴の血は一時間近く止まらなかった。モズゴスはマンモスのように強い!モーロッチの掟がなければ、彼女は今頃俺を越える族長になっていただろう。

ここを離れればグルーリグに俺の砦を奪われるかもしれない。構わない。戻ってきたら奴と戦うことになるだろう。

栽培の月4日
炉床の妻は2つの解毒剤を知っている。彼女は古い聖なる小瓶をくれた。ハーブを見つけさえすれば、あとはこの瓶が何とかしてくれるはずだ。

セリウィードは毛で覆われた背の低い広葉樹だ。その葉を小瓶に入れれば、それが生命の暖かさを宿し、モズゴスを完全に回復してくれるようになる。炉床の妻によれば非常に珍しい植物のようだ、だがこれは良いことだ。この治療薬が一般的に使用されるようになれば、これに頼る者の心に隙ができてしまう。できることならこのエルフの薬で俺の娘の血を汚したくない。

エクサリィの葉は有毒だ。だがその花弁は強力な治癒力を持っている。この薬はモーロッチの血のように泡立つ。体に完全に取り込まれたとき、恐らく副作用が発現するだろう。この花弁を小瓶に入れると調合薬がピンク色になる。その泡はいわば血に酔った戦士だ。モズゴスの治療には痛みが伴うが、それを乗り越えるだけの価値はあるはずだ!

栽培の月12日
ヒスミールに着いた時、モズゴスが熱で倒れた。長くはもたないだろう。

雇った案内人から、どちらの治療薬もアタナズ遺跡で見つけられるという話を聞いた。あそこにいるトカゲ達は沼の悪魔と交流がある。その獣達は稲妻の息を吐き、人間とエルフの肉が好物だそうだ。奴らをわざわざ探そうとするのは愚か者だけだ。はは!奴らに、モーロッチに選ばれるということがどういうことか教えてやる!

霧が晴れたらここから離れるつもりだ。

栽培の月14日
監禁されている。アタナズ遺跡の外にある沼地で気付いたら捕まっていた。奴らは水の影のように急に姿を現わすと、地底に姿を消した。臆病者め!奴らは夜になるまで俺を泥の下に拘束した。そして俺はこの酷い臭いのする墓地で目を覚ました。

奴らが姿を現したら、グルーリグのときのようにぶちのめしてやる!モーロッチの右手にかけて、誰も俺の前に立ちはだかることはできない!俺はゴーダグ!族長だ!

コロールニュースThe Chorrol Crier

コロールニュース
第21号
579年 暁星の月

読者の皆様、こんにちは。第20号以降、街ではこんなことが起こっています:

ニュー・ライフ・フェスティバルから皆が普通の生活に戻ったようですが、ヴェレネはお祝いを続けています。

ダーヴェルがまたやっています。今月は酒場〈樫と笏杖〉の近くで数回意識を失っていました。本人は飲んでおらず、地面から発生した噴煙にやられたと主張しております。彼だけに感じ取れる何かが地下に存在すると言い張り続けています。噴煙ねえ。かわいそうなヴァニー!

クイックステップ山賊がまたもや襲撃を行い、ゼゴルの倉庫から干し草と縄を盗んでいきました。これでゼゴルの陽気すぎる性格も改善されるのでは?

ドラン長官が、リトルオーク周辺の騒がしい商人たちを何とかすると言っています。展示スペースをめぐっていつまでも口論するのはやめてもらいたいですね。何とかして商人の数を減らさねば。ポルシアはドミティウスに頼んで半分放り出してもらえばいいのに。

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コロールニュース
第23号
579年 南中の月

ここ数ヶ月の出来事に阻まれ、ニュースが書けていなかったことをお詫びします。これより業務を再開します

コロールでは地面の隆起が続き、大混乱に陥っています。地震がとめどなく続き、裂け目が広がり、犠牲者が増えています。失われた命を列記するのも耐えがたいほどです。全ての家族が悲しみに暮れました。街を歩けば、健在な者よりも行方不明者の方が目立ちます。

隆起の原因はまだ突き止められていません。人々はそれを「大いなる断裂」と呼んでいます。ダーヴェル曰く、切り離しが始まる前から裂け目に気付いていたそうです。以前にも増して変人になっているような気がします。

裂け目から現れた怪物にドラン長官が攫われ、皆がドミティウスをリーダーに推しましたが断られました。代わりが出てくるまで、私がその役目を引き受けることにしました。これらの出来事について詳細を調査すると同時に、救援を要請すべくエシアンとラリアンを帝都へ派遣しました。

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コロールニュース
第24号
579年 薪木の月

みなさんも知る通り、先週エシアンとラリアンが旅から帰還しました。良い知らせはありませんでした。というより、街へはたどり着けませんでした。橋はなくなり、ルマーレ湖の土手を怪物が徘徊していました。斥候が街から出てくる避難民から聞いた噂では、街は廃墟と化しているそうです。救援は来ません。

コロールを引き裂いた地割れが帝都をも壊滅させたそうです。元々そこから発生したと言う人もいます。ラリアンの報告によると、なぜかは分かりませんが現地では「ソウルバースト」と呼ばれているそうです。

皇帝ヴァレンが行方不明になっています。隆起に巻き込まれて死んだという者もいれば、重傷を負っただけだという者もいます。もしや彼のソウルがバーストしたのでは?選ばれし5人も同様に行方が分かっていません。サイ・サハーンが皇帝を殺し、王者のアミュレットを奪ったと言う者もいますし、犯人はリリスだと言い張る者もいます。帝都は今や混沌に支配されています。

コロールでも同様です。裂け目には炎の怪物が巣喰い、近づく者全てを引きずり込みます。奥底の炎から上ってくる噴煙に意識を奪われ、橋を渡る途中に落ちて死んだコロール人も何人かいます。皮肉にも、リトルオークにはびこっていた商人たちは噴煙と怪物たちが追い払ってくれました。そのうち彼らのことが恋しくなりそうな気がします。

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コロールニュース
第25号
580年 蒔種の月

前号から何ヶ月も経ってしまいました。もう執筆する気力がなくなってきているみたいです。頑張ります。

コロールは崖っぷちです。毎日のように地震が街を揺らします。裂け目はもはや街の一部にさえ思えます。あれがなかった頃のコロールが思い出せません。

多くの人々が街を出ました。残っているのは行き場のない者か、諦めの悪い頑固者だけです。みんな来るべき時をただ待ちながら、かろうじて生きています。

他所も大差ない状況です。噂ではサルンが帝国の実権を握ったそうです。支配しているのは帝都とルマーレ湖の界隈ぐらいですが。クリビア・サルンが摂政女帝となりました。役職に押しつぶされることを願います。

地方では帝国軍の脱走兵が武装集団となって悪事を働いています。真の兵士は砦にいるので見かけることはほぼありません。シロディール外の野蛮人国家と戦争するとの噂が絶えません。帝国が弱っているのを嗅ぎつけ、タムリエルを征服するつもりなのでしょう。神々よ、我らに救いを。

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コロールニュース
最終号
580年 黄昏の月

申し訳ありませんが、これ以上は無理です。誰かが続けない限り、これがニュースの最終号となります。

状況が良くなるようにと願えど、悪くなる一方です。地震が起きるたびに少しずつ我が家が崩れていき、少しづつ裂け目へと引き寄せられていきます。いつ倒壊してもおかしくないですし、そのときは心中するつもりです。エシアンが善処してくれていますが、もはや家はつぎはぎだらけです。

軍隊が頻繁に街を通り過ぎたり通り抜けたりしますが、帝国軍ではなく、カバナントやドミニオンの軍ばかりです。作物は侵入者に盗まれ踏み荒らされ、食料が尽きてきました。ゆっくり飢餓へと向かっています。

他に行くところはありません。どこも戦争の只中です。山賊が好き放題略奪を働いていて、旅人によれば地方では怪物がうろついているとか。かろうじてここまでたどり着いた数少ない商人たちも恐ろしくてここを出られずにいます。もはや売り物も大してありませんが。

誰がこの状況を救ってくれるのでしょう?いいえ、救えません。私たちが死ぬまで、この状況は続きます。神々はシロディールを見放したようです。皆さんに幸運を祈ります。絶対にめぐり合えないと思いますが。

シージョイの航海、5日目Voyage of the Seajoy, Day Five

我々が西に向かっていた時、水平線の彼方に船を見つけた。突然触手が海面から現れ、船はばらばらに破壊された。船長は進路を変え、海賊だらけの海域に向かった。

シージョイの航海、7日目Voyage of the Seajoy, Day Seven

予想どおり、南の災厄と自称する海賊にかなり早い段階で発見され、船へ乗りこまれた。

シージョイの航海、8日目Voyage of the Seajoy, Day Eight

海賊は船長を殺し、最高の航海士を捕虜にして去っていった。彼らは東へ向かった。残った船員たちは、追うべきかどうかを議論した。

シージョイの航海、14日目Voyage of the Seajoy, Day Fourteen

議論の結果は関係なかった。海賊は帆を破壊し、我々は修理できなかった。海を漂い、食料と水が尽きそうになった時、船が北から近づいてきた。我々は救出され、この話を伝えることができた。

シナーのメモCinnar’s Notes

1) アルトマーだけを狙う
— 種族差別か?怨恨か?詐欺か?

2) 個人的な所有物だけを盗む
— 身代金?復讐?

3) 被害者にメッセージを残す
— 被害者がそれについて話すことを拒否している!なぜだ?

尋問する残りの市民:
メンドレヴァル
リルディング
クラリット
タルクア
ズジク

ソゾールの日記Thozor’s Diary

記録55
ドラブログは私をドラブールに入れてくれない。私がボズマーの所で長い時間を過ごし過ぎて、オークとして不適格だという。ただ門の外でキャンプをすることだけは許してくれた。

記録56
ドラブログなんてくそくらえだ!キャンプをするように言った丘から15歩も離れてない所に、ストラングラーがいる。昨晩はそれに足をひっかけそうだった。

今朝まで気づかなかったんだ。眠っている間も、それが私を放っておくのが不思議だ。息をしているのがわかるから(振動してる?何であれ彼らがしていることだ)目を光らせねば。動いたら、矢をたっぷり打ちこんでやる。

記録57
今朝は猿の騒々しい吼え声で目が覚めた。この小さな大声の生き物は、ドングリが尽きるまでストラングラーに投げていた

ストラングラーは何もしない、巻きツルを伸ばすことすらも。なぜあの猿に毒を吐いてやらないんだ?

記録58
さらにドングリを投げるため猿が戻ってきた。ストラングラーはまだ動かない。温和なのだろうか

記録59
あの猿には飽き飽きする

記録60
ドラブログにストラングラーのことを聞いた。彼がいうには、ジェントル・ブロッサムという名前だそうだ。彼らがここでキャンプをしろと言った理由は、それが無害だが、センチタイガーを怖がらせ遠ざけるかららしい。彼を信じていいのだろうか

記録61
猿がドングリを私に投げたので、目を矢で射てやった

そして猿をストラングラーの横に投げてみた。新鮮な肉がそれ、彼?を目覚めさせるのではと思って。だが何も起こらない。彼は病気なのか?

記録62
ジェントル・ブロッサムまで5歩の所まで近づいてみた。何も起きなかった

記録63
3歩まで近づいた。何も起こらない。彼が正しかったんだ、この植物は完璧に無害だ

記録64
今日はゲームをやってみることにした。何か食べ物をジェントル・ブロッサムとシェアしてみようと思う。彼が餌を食べる時、どんな様子なのか本当に知りたいんだ

ちょうどよい場所A Fitting Tribute

夢と悪夢のデイドラ公、ヴァルミーナに捧げられたデイドラの遺跡に我々がキャンプを設置したのはちょうど良い。この場所はかつてダークエルフの奴隷キャンプで、アルゴニアンが売買されていた。

私の仲間の一部は奴隷制の倫理に反対しているが、あの獣はこの地域の野生生物と大差ない。我々がパクトを混乱へと陥れる際に、彼らの皮膚は大いに役立つだろう

ティーリルの日記のページPages from Thiirril’s Diary

…はペルズ・ゲートが危険な状態にあって皆逃げるべきだと言う。一部が彼女の助言に従った。エネリエルと私は残ることに決めた。帝国の兵士達は未だに見回りで街を通り過ぎる。彼らが盗賊達を近づけさせない。

*****

…は彼女自身の助言に従い立ち去った。ブリティアがいなくなってはもう何をしたらいいか分からない。兵士達は数日に一度通り過ぎる。盗賊達は大胆になってきている。一部は北のホームステッド遺跡で野営をしているようだ。デハナルは誓って見たと…

*****

…の姿が何日も見えない。盗賊達が昨夜街を襲撃した。すべての家畜が奪われてしまった。一週間兵士達を見ていない。エネリエルは今夜立ち去るべきだと言う。ブリティアを追ってヴラスタ…

ティンバースカーの苛立ちTimberscar Frustration

もう8日間もこの汚水貯めに閉じ込められている。そろそろ誰かの頭をかち割りたい気分だ。

空を読む者はあと1日であの扉を通って出られると約束した。毎日そう言っている。次に言われたら、あの嘘つきの舌を引っこ抜いてやる。

なんでこんなことをするのかね。あの洞窟にそんな価値のあるものはない。せいぜいクモの巣とか、蛾に喰われた布くらいだろう。

クロップスフォードなんて、どんな名前の村だよ。次にあの偉そうなオークに静かにするよう言われたら、あいつの舌も引っこ抜いてやろう。哀れなゴブリンどもが音に引き寄せられてやってこようが、それがどうした?それぐらいの刺激はむしろ大歓迎だ。

こんなつまらない思いをしたのは生まれて初めてだ。これ以上事態が悪化することはあるまい。

どれだけ続く?How Much Longer?

窓の外を見て、時が過ぎ去るのを眺め、このばかげた騒ぎが終わるのを待っている。かなり時間がかかりそうだ。仕事では色々苦労してきたが、これは馬鹿馬鹿しくなってくる。どれだけこんなことが続くのだろうか?

幸運なことに、彼らが実際に使えるものは持っていない。かつては金に縁がないことで、ゼニタールを呪ったものだった。今では聖堂に巡礼にして感謝しようと思っている。これは最初から彼の計画だったかもしれない

なぜ幻影なのか?Why the Projections?

ラヴィニア将軍のことは知らない。カリスマ性があるのは間違いない。感動的な演説に、大胆な言葉!

将軍のやり方には、やる気をそがれることもある。制服を着た女性にいろいろなことを指示されるのはかまわないが、この魔法の幻影の仕事には全く納得できない

ああ、戦争がここで起こらないようにしてくれる限り、かまわない

ナディーンの日記Nadine’s Diary

火耀

私たちは今日、逃れてここアルドクロフトに到着した。父さんはこの街が、私たちにとって一時的な首都であり要塞となり、ここから故郷を取り戻すのだと言う。今はカムローンでの生活が夢のように思える。別の時代のように

央耀

ポーターのチャールズは私が見てないと思うと私をちらちら見る。かわいい男の子だけど、もっとよく知らなくちゃ。父さんでさえもう気づいていると思う。父さんはこのところひどいストレスにさらされてきた。これ以上悩みを増やしたくはない

木耀

今日はチャールズと話そうと思ったけれど見つからなかった。父さんが彼に馬の世話を頼むから一緒に来てくれと頼んでから、誰も彼を見ていない。チャールズはどうしたのかと父さんに訊ねたら、怒って追い払われた。チャールズのことが心配になってきた。それから父さんのことも

ナハテン風邪の確認Knahaten Flu Confirmed

最も恐れていたことが現実となってしまった。隔離されているにも関わらず、スティルライズ村でも初めてナハテン風邪が大発生した。最初は商人の双子の見習いであるアバーレブとサナから始まった。2人がマッドツリー村から戻ってきた次の日のことだった。

アバーレブが最初に病気にやられた。アバーレブの前腕に真っ赤な発疹があることに、彼の主人が気付いた。サナが病気だとは数日間分からなかった。彼女の母親が血を吐いているところを見つけて判明した。

見習いは2人とも初期症状が出てから2日以内に死んだ。今では大勢にこういった症状が出ている。私も関節に痛みがあるのに気付いた。この短い文章を書くのも、まるで本1冊をまるごと書くほどの労力を要した。

通常の治療はどれも何の効果もない。もはや古代の祠に頼る他ないのではないかと思い始めているが、首領スーラックが反対している。ヘルシュク族長なら説得できるかもしれない。

呪術師チラー
第二紀561年、薄明の月13日

ニコリーンの日記(プライベート!)Nicolene’s Diary (Private!)

ねえ、誰だか知らないけど、これは他人が見ていいものじゃないわ。自分用の日記なの!もし読んだら、ただじゃおかない。本当よ。寝ている間に、脇腹を刺してやる

南中の月22日

今日は船でダボンズ・ウォッチに行った。ダークエルフとアルゴニアンだらけだった。知り合いがいるかどうかツマ・シャアに聞いたけど、顔を横に振っていた。

ダボンズ・ウォッチは異様だわ。建物は巨大で奇妙な感じがする。どれも尖塔やアーチがあって、教会みたい。カントラルが好きそう。

〈ニコリーンが描いたダークエルフの塔のスケッチ。うまく描けている。彼女には建築の才能がある〉

私がカリーン船長と一緒に航海してるのを知ったら、カントラルはどう思うかしら?ハッ!きっと反対するわね。でも彼に会えないのは少しさみしいわ。

南中の月28日

今日はスカイウォッチに行った。カリーン船長が私を岸に連れて行ってくれたわ!ダークエルフはおかしいと思っていたけど、ハイエルフは何かを示すために建築をしていたように思える。2歩も歩けば、嫌でも異様な尖塔が目につく。おかしな連中。

〈ニコリーンはここに、いくつも並んだ塔をスケッチしている。クリスタルで作られているかもしれない〉

ハイエルフの連中は傲慢で嫌になるわ!連中が船長と関わりたくないのは明らかだった。でも5分もしないうちになついてた。大した人だわ。

もっと街を見たかったけど、エルフの連中が部外者に厳しいせいで波止場から出られなかった。でも一日中一緒にいられた!私はメモを取ったり、彼女の荷物を運んだりしてた。

収穫の月4日

襲撃された!マスター・カサンはダンマーの奴隷船だって言っていた。デッキには魔術師がいて、巨大なファイアボールでの攻撃を受けた。恐ろしい体験だったわ!

マストに火がついたけど、ツマ・シャアが登って消してくれた。船長はまるで遊んでいるみたいに笑いながら、風上に向かって船を動かした。連中はついてこられなかった。どうすればあんなことができるのか不思議。

その後はしばらく身体の震えが止まらなかった。ダークエルフの奴隷商人の恐ろしい噂をカサンから聞いた。彼の家族の一部は、まだモロウウィンドにいるみたい。彼もさみしいと思ってるのかしら。

それはともかく、ここからが一番嬉しかったこと。安全になった後、私が震えてるのに気付いて船長が私を隣に置いてくれた。私が勇敢だったって、よくやったってねぎらってくれた。そして抱きしめてくれた。抱きしめてくれたのよ!

ああ、まだ何だか落ち着かない。すごく良い気分だった!

収穫の月8日

ダガーフォールに戻ったら、すぐに貯金を全部持って行って、新しい服を買う。船長が気に入るような、きちっとした良い服を探さないと。

ツマ・シャアに、カリーンがこれまでに結婚したことがあるか聞いてみた。彼女は舌を出してきたけど、多分ないわね。カリーンは自立してて強いから、バカな男なんかとは結婚できないはず。私と一緒。

ニルワウェンの日記Nirwaen’s Diary

その日がついに来たなんて信じられない。父さんは地響きが二晩前から聞こえはじめて、もういつ移動が始まってもおかしくないと言う。わくわくする!私たちはファリネスティが落ち着いてから2日後に夏の地に到着したので、ここの定着の儀式は見逃した。でもあと数時間で、秋の地に向かう!

母さんは向こうで会おうねと私たちに言った。ヴェリン港の調査を終えなければならないらしい。あの小さなキャンプに見るべきものがあるなんて信じられない。汚くて魚の臭いがすると思ってたけど、あの泥のなかに宝石があるの、あの人たちを見下してはだめだって母さんは言う

でもそんなの無理!ファリネスティはとても広くて、足元で街が動くのを感じるのが待ちきれない!

秋の地まではどれくらいかかるんだろう?父さんはいろいろだと言う。数日しかかからないこともあるけれど、抜根から定着まで1週間以上かかることもあるんだって。長くかかるといいな。少なくとも1週間。世界が動いていくのを見たい!

ネヴェナの日記Nevena’s Diary

トリビュナルの聖堂に歴史家見習いとして先日受け入れられた。この旅の間に、自分の経験を列記して活かそうと決めた。無駄かもしれないけれど、ずっと未来の文化人類学者が、私が自分の考えや気持ちを書き留めたために、私たちの生活をほんの少しでも余分に学べるという考えが気に入っている。この日記は、おそらくその時点で頭を駆け巡っている事柄で一杯になるだろう。だから「最高の気分」などと書かないようにしよう。

ここにはたくさんの歴史がある。数千年の価値がある遺物や聖ヴェロス以前の聖なるレスデインにつながる歴史の概略を述べた文書。もちろんすべてが整理されている訳ではなく、数千のパズルのピースがばらまかれて散らばり、まとめてくれる導き手を必要としている。その数は圧倒的だ。自分が繋ぐ力になれることをとても名誉に思う。

ティシスには大馬鹿者だと思われているだろう。いつも取り留めなく、クワマーの殻の小さなかけらの示唆が、初期の集落における農業開発に持っていた意味合いなどを書き止めている。それでも彼は微笑んでいる。私は彼が仮面の下で、今も微笑んでいると考えるのが好きだ。

聖堂の関心はほとんどが聖なる都市の建設に向けられている。重要な仕事なのは分かっているけれど、最近は史跡の探索が事実上行われていない。歴史家の長はトレジャーハンターが持ち込んだ遺物を受け入れ始めた。私は素人による墳墓の略奪を奨励することに躊躇している。この宝が本当に、荒らされていない遺跡からのものだと確信できるだろうか。進取の気性に満ちた冒険者が財宝を探す無謀な狩りにおいて、どんな手がかりを破壊するだろう?でも歴史家の長に質問するのは私の役目じゃない。彼はこうしたことについて、私よりもずっと多くのことを知っている。

発見!ああ、何という発見!遺物ハンターの一団がアッシュランド最悪の地に挑戦し、今まで見たことのない像を持ち帰った。それを見た歴史家の長の目は倍に見開かれた。彼が何かに対して、これほど強い反応を見せた姿は初めて見た。そして彼は、その調査を私に命じた!どう見ても重要なものを私に託してくれて名誉に思う。私の書いた、神話紀後半におけるチャイマーの服装に与えたドゥエマーの影響に関する報告書に強く感銘を受けてくれたに違いない。ティシスに伝えるのが待ちきれない。

時々、自分の兄がオーディネーターであることを忘れてしまう。新発見について話した瞬間、完全に質問攻めにされた。今、私は何か革新的なことに関係しているらしく、兄は突然細かいところまで聞きたがった。兄は時々過保護になるけれど、兄の地位はそれを悪化させているだけだと思う。私は歴史家の長が何か危険なことに晒すなど絶対にないと請け合った。とにかく、彼は私の研究をきっと密接に監督してくれるだろう。

誰が個室の研究室を手に入れたか気になる?なぜ私は自分に質問してるの?未来の文化人類学者さん、どうか無視して。ところで、答は私。歴史家の長は、私が遺物の調査を始めたら気の散るような事柄から必ず距離を取るように望んだ。彼は私を仕事に残す前に励ましの言葉をかけてくれたけれど、緊張しているようだった。この発見を新人に託す、大きなリスクを取っているのだ。信頼が間違いではなかったと証明しなければならない。

歴史家の中に嫉妬があると思う。最近、研究室に向かう時に視線を感じる。それからちょうど声の届かないところで囁いているのも聞こえる。彼らが何を話しているか分からないけど、想像はできる。誰かがこれを読む頃までには、そうしたつまらないことを乗り越えられているといい。像の詳細を不明瞭にしていた灰の塊は、ほとんど払い落とせた。アッシュランダーの部族に見られる芸術作品よりもずっと進んでいる。道具だけでも金属加工設備を利用できたことが伺われる。けれど身体を飾るシンボルは、見慣れないものだ。

像が発見された場所にほど近い、コゴルーンという集落に関する古い記述を見つけた。しかし多くのページが線を引いて消されている。歴史家の長に閲覧制限のかかった書類を見る許可を頼んだが、像に集中するよう言われた。機会があれば関連書籍を私に持ってくると約束してくれた。今のところは像を磨き始めようと思う。今夜は扉を閉めなければならないだろう。他の者たちの活動がどんどん図々しくなっているし、小声の話し声に気が散るようになっている。

これが何だか分かっている。自分が何者かもわかっている。私の手の中にある、剥き出しの石は熱烈だ。私を揺さぶり目を覚まさせ、そこで生きて行くように呪われた、虚無の虚脱から抜け出させた。聖堂は真実を隠せると思っているけれど、目が見えなくなっているのは彼らだけ。私たちの遺産は生き続ける。私たちの名家は再び作られる。それはずっと私を呼んでいたのに、私には聞こえなかった。

老人の足音が近づいている。さらに嘘を伝え、この偽りの聖堂の中心にある、大きな裏切りを隠蔽するために。彼は罪の報いを受ける。私はこの裏切者たちに束縛され、長い時間を無駄にしてしまった。名家が呼んでいる。

パロンド船長の記録Captain Parondo’s Log Entry

ハーキュロア、今度酒場に行く時は、ぜひドミニオンの臆病さについて話そう。グリーンウォーターを奪うのは、計画していたよりもさらに簡単だった。密偵が素晴らしい働きをした。ビームを起動させる時間さえ与えなかった。

これで二度と使えないな。

— パロンド船長

ファサランの日記Fasaran’s Diary

ファラへ

またあなたのことを考えながら夕日を見た。シロディールでの戦争の噂を聞いた。一部では「大戦」と呼んでる。複数の同盟が組まれて立ち上がってる。ミルカリンデから、闇のいとこは自身の奴隷であるアルゴニアン、そしてノルドと手を組んだと聞かされた。そんな不安定な同盟を組むなんて、かなりの対立があるはず。美しいオーリドンを眺めていると、タムリエルでそんな惨状が起きてるなんて信じがたい。うちの種族が紛争を避けられることを願う。
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ファラへ

あなたがいないと、時がたつのが遅い。いろいろなことが急速に変化してるようだ。アイレン女王がオーリドンに戻ってきた。彼女が今までどこにいたのかは誰も知らないけれど、アルドメリ・ドミニオンとかいう同盟のことを話してる。森のいとことカジートと同盟を組んだなんて信じられる?

ここでは全員が満足してるわけではないらしい。シニョンはベールの継承者と呼ばれるグループのことを話してる。外部の種族と同盟を組むことに、大多数があれほど反対してるなんて残念に思う。
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ファラへ

あなたがいなくて寂しい。テンメニエは街のことで忙しそう。アイレン女王がファーストホールドへ向かう途中でドーンブレイクに立ち寄ることになってる。テンがどれほどあなたと助言を恋しがってるか話してた。彼女は準備のことで参ってるけど、こんな小さな街で会えるのをみんなが楽しみにしてる。

ブラックソード船長の日誌Captain Black Sword’s Journal

俺を金で誘った海賊女王め!俺の船がオブリビオンに呪われた岸に突っ込んだのは、全て彼女のせいだ!しかし、先走りする気はない。ここで起こったことを、最初から書き留めよう。

これは全て、ワマスの市場があるとアンヴィルの地方総督フォーチュナタから連絡を貰った時に始まった。気難しいワマスほどいいと言われたんだ!彼女はゴールドコースト中の様々な顧客にワマスを提供していた。身内のレッドセイル海賊やゴールドコースト貿易会社も含めてな。運がいいことに、俺はワマス・マトロンを捕まえて、はした金で手放そうとしていた狩人の話を最近聞いたばかりだった。こうして、あの悪しき獣を手に入れ、悲惨な旅が始まった。

船員が、ワマスやその他の諸々が入った箱を船倉に引いて来た。その時すでに、あの獣が残酷で計算高いことは分かっていた。俺を冷たく怒った目で見ていた。すぐにアンヴィルへの旅は問題だらけだと察した画が、俺は金一杯の箱を約束されて直観に従わなかった。俺の目は全くの節穴だ!

俺達はグレナンブラ沿岸を航海していた時に、鯨とぶつかった。船と船員がカップのサイコロみたいに転がった時、ワマスはもう俺達のもてなしを受ける意味はないと判断した。あの呪われた獣は、自分の箱を流木みたいに引き裂いた。そして船倉を叩き潰し、たまたま進路にいた船員を引き裂いた。しかし、それだけじゃ終わらなかった!あの獣は俺の船を食ったんだ!梁は裂け、厚板は怒りに我を忘れた彼女が進むと跳ね上げられた。俺は呪われた船と一緒に沈む覚悟を決めたが、運命には別の考えがあった。

俺は岸で目覚めた。周囲には瓦礫の山があった。船の残骸が周囲に転がっていたが、生きている奴は誰もいなかった。あの呪われたワマスを除いてな。岸に着くと、あいつはすぐに巣を作って卵を産んだんだ。ああ、俺がフォーチュナタの金を目にすることはないし、ワマスがゴールドコーストを見ることもない。しかし、このわびしい浜辺であいつに子供を育てさせたりするものか!俺は報復として、あの獣を殺す。もしくは、その途中で死ぬだけだ!

フラナーラの日記Franara’s Journal

そのオークはすぐに立ち去ると言っているけど、食事にありつこうとウロウロとしている

寝ている間に殺される前に、彼を追い払ってくれるよう神のご加護を

プロウラーの航海日誌The Prowler’s Log

1年目、第31日
補給係オブランのコネがようやくものを言った。これまでの「遠征」で得た稼ぎの半分を差し出したあと、プロウラー号は女王の旗を掲げることになった。我々の活動がパクトやカバナントの海上輸送を妨害する限り、プロウラー号やその乗組員によってなされたすべての侵害行為は不問に付される。

アイレン女王万歳!

1年目、第41日
私掠船として暴れまわれるかと思いきや、沿岸警備を押しつけられた。敵の船舶を襲う自由は与えられているが、それは襲撃船に限り、貨物船や商船は含まれない。戦闘がきついのにあがりはほとんどなく、割に合わないこと甚だしい。

我々の役割には密輸船と疑われる船舶を捜し出して拿捕することも含まれるが、乗組員がその気になっているかは疑わしい。それに、補給係オブランはほとんどの密輸船に関わっている!

1年目、第63日
いかなる神々が我が祈りを聞き届けてくれたのか知らないが、再び運勢が上向き始めた。もっと「積極的な」任務を与えてほしいという私の要求が、ガレシュ・リ卿の耳に届いたのだ。そう、「たてがみの代弁者」その人だ!今朝彼の使者が、長い航海に備えよとの命令を携えてやってきた。ただ、それ以外の詳しい内容はまだ明かされていない。

1年目、第65日
どうやら、望みが叶ったようだ。高速襲撃船であるプロウラー号に、ケナーシズルーストを目指すドミニオンの遠征に必要な物資と手荷物が積まれることになったのだ!あの島を取り巻く航路には、敵の船舶がうようよしている可能性が高い。我々は輸送船団の一翼を担うことになるだろう。

乗組員の士気はひどく低い。だが少なくとも、天候は良さそうだ。

マーブルクの航海日誌Marbruk Builder’s Log

マーブルクの建造にあたって一番大変だったのは、石をヴァレンウッドに運ぶことだった。ウッドエルフは採石場をいくつか持っているから上質の鉱床を見つけるのは難しい上に、森のその部分はたいそう生い茂り、地は肥えている。そのうえ、アイレン女王からは、街を建設する際に、可能な限りヴァレンウッドをかき乱すなという明確な指示があった。

面白いことに、マーブルクの建設に関しては、ヴァレンウッドの外のウッドエルフやより大きいウッドハースなどの居住地のウッドエルフの反対のほうが大きかった。地元のウッドエルフはその地に立ちつつある石の建造物に魅了されていた。この地に住まない者のほうが、ヴァレンウッドの象徴としての重要さを重視したのであろう。より「文明化した」ウッドエルフは、その文化をすでに危険にさらしていると感じているから、建造に抗議しなければならないと感じるのだ。

アイレン女王はマーブルクがウッドエルフ式の生活を守るため、また特にエボンハート・パクトに対抗するために必要であると双方を説得した。おかげで今のところ仕事への影響はないが、ただ時々道具がなくなったり石が一晩でおかしな形になっていることはある。

まもなくNot Long Now

潜入してパクトの重要な指導者の地位の一部をすげ替えるのは、驚くほど簡単だった。まもなくアルゴニアンは問題に直面する。我々の増援部隊が、この沼地に火を放ち燃え立たせるのだ

ラ・ガーダの悲しき日A Sad Day for the Ra Gada

案内人にこの場所に連れてきてもらい、地図をもらった。ヴェリン港のすべての財が中にあると彼女は言った。

彼女と仲間は私たちに嘘をついたが、意外なことではない。彼らは所詮海賊なのだ。

宝があると想定された地図に示された内容にも関わらず、この洞窟に財宝がないことを今や私は確信しているが、他の皆は捜索を続けると主張している。

この気晴らしのおかげで、私たちの全力をヴェリン港に注がずに済んでいる。彼らの間で、貪欲が栄光に取って代わっているのだ。

ラ・ガーダにとっては悲しい日だ。

ラナの日誌Rana’s Log

追放されてしまった。私はひどいノルドの駐屯地を指揮している。この場所は地図にも載っているまい。

もしセインが一緒に来ていなかったら、私はこの島で唯一のダークエルフだろう。彼女はここにいるために、多くのことを放棄した。彼女の忠義には、何をしても報い切れない。私は決して、このブリークロックに負かされはしない。
——第二紀581年、恵雨の月、記

ティルラニはまだ、まるで私がここに着いたばかりのように振る舞う。私が駐屯地を指揮していた時の村人達との時間は、彼女にとっては取るに足らないものなのだろう。彼女に理解させよう。ブリークロックは今や私の故郷だ。間違いなく。
——第二紀581年、南中の月、記

空の光は、街にパニックを引き起こした。私達は皆、ニルンに作用する力があることを知っている。魔術師について、ここの人達のほとんどは多くを知らない。空にある謎の光を、どうやって彼らが理解できようか?
——第二紀581年、降霜の月、記

光の後に、奇妙な死体が海岸を漂った。ティルラニは何人かの男達に、死体をその海岸で焼くよう命じた。私は彼女に、まずウィンドヘルムに相談するまで待つよう頼んだ。

彼女は拒否した。あの忌々しい女め!私は駐屯地に、警戒するよう命じた。何かが起こりそうだ。
——第二紀582年、暁星の月、記

ホルスガーが海岸沿いで生きた人を見つけた。彼は、漂着者が濡れていなかったと主張した。濡れずにどうして海岸へ漂着できようか?これだからスノウボーンは。私は本部へ手紙を書いている。彼らはこれを重要視する必要がある。

昨夜、漂着者の夢を見た。もし私が奇妙な夢を見ていたことをティルラニが聞いたら、デンスカーに私を納屋へ閉じ込めさせたかも知れない。夢の中で私の前に新参者が立ち、前へ進むよう手招きした。どういうわけか、まるでそれが重要であるかのように、私は前進を強いられる感じがした。その意味することは分からないが、この新参者と話さねばならない。哀れなよそ者はずっと目覚めないかも知れないが。

塔の上の味方の一人が、水平線に船を発見した。旗は判別できなかった。ティルラニはひどく怒り、私達は撤退しなければならないと言っている。それはまさに、そもそも私をここへ来させた類の考え方だ!私はフランティンを部下達の責任者にして、船で送り出した。セインと私は島の事態に対処しよう。何が起きたとしても、注意を続けなければならない。慎重に考慮して対応するのだ。

ランセル王の真の運命The True Fate of King Ranser

ショーンヘルムの王室書記官、セリナル・ガーン著

歴史は勝者によって記される。したがって、ランセル王が後世どう記憶されるかは簡単に想像できる。だが、私の仕事は一貫してランセル王に関する記録を残すことだった。状況が変わった今も、少なくとも私の意識の上では、それは変わっていない。先走りすぎているようだ。申し訳ない。まず最初から説明させてほしい。

およそ1年に及ぶ戦闘の後、エメリックと彼の仲間たちによって、ランセル王の軍勢は敗退に追い込まれようとしていた。ブレトンの部隊とオークの部隊に挟まれた我々は、マルクワステン・ムーアでの決戦に向けて準備を固めていた。後世の歴史では、その日ランセル王がどのように敗北したのかが語られるだろうが、それは誤った歴史だ。まったく異なった運命が、ウェイレストの君主に降りかかったのだ。

ランセル王の軍勢のほとんどが荒野の戦闘で失われたのは事実だ。しかし、ランセル王は少数の兵と側近を伴って逃亡に成功し、崩壊したショーンヘルムの街を見下ろす名もない岩山の頂上にたどり着いた。

その岩山で、ランセル王はエメリック王と卑怯な仲間たちを倒すための最後の計画を実行に移した。聡明なるランセル王は、宮廷魔道士のリーザル・ジョルから授けられたアルケインの儀式を使い、最も忠実で献身的な自分の部下たちを何世代にも渡って戦える戦力に変えた。だが、儀式の最終段階には血の犠牲が必要だった。ランセル王を裏切った将軍が、自らの君主を殺した。その将軍の名は二度と口にされることはなく、将軍は永遠に忘れ去られる。その時、王族の血が儀式を稼働させ、我々の変化を導いた。

正直に言うと、王族とは程遠い私には、ランセル王の計画の複雑さを完全に理解することはできない。王の儀式によって、我々は全員不死の兵となった。王の側に永遠に仕える、不死のスケルトンだ。だがランセル王は、すぐにエメリックの部隊を攻撃させるのではなく、この地を強化し、岩山を守る用意を固めるよう命令した。

「この岩山が私の玉座だ!」ランセル王は宣言した。「この場所から、永遠に私が統治する!」

ランセル王と、彼に仕える兵たちの真の運命が、これでお分かりだろう。書記官としての努めは終わった。我が君主は、それよりも守りを固めることを望んでいる。岩山を出てショーンヘルムへ向かう命令がランセル王から下されるまで、この記録は塔の中へと安全に保管しておこう。

ランセル王の長い演説King Ranser’s Tirade

確かにショーンヘルムは失ったが、戦いはまだまだ終わらない!あの忌々しいエメリックは自信過剰だ。きっと間違いを犯す。どんな間違いも失敗も、私の鋭い目が見逃さず利用する!

退却は…絶対にしない!ランセル王は退かぬ!

戦略的にこの岩山を征服したことは、リベンスパイアーの歴史上で最も重要な軍事的勝利だと記憶されるだろう。手持ちのオークを、全部我々に差し向けるがいい。この岩山は永遠だ!この戦争に勝つのは私だ!

レイヴン・ヘアの回想Raven-Hair’s Recollections

リーチからは決して逃れられない。本当に。南の海域ですら氷の指が静脈に入り込む。

ヘヴンの襲撃がまったく金目的でないと知っていたら、ジェエル・テイはそれほど早く参加しただろうか?エルフの街に対する計画がもたらす、より重大な結果の全貌をフラナはいつ知るのだろうか?どちらのマスターに私が真に仕えているかをユンゴルドが知ったら、彼はどれほど素早く動いて、私の喉をかき切るだろうか?

自分が育った入江を思い出せない。襲撃団の名称はそこから取ったが、夢を見ても入江は出てこない。見るのはその北にあるものだけ。破壊された街と失意の王。氷と血。百万の金切り声がある言葉を何度も繰り返し叫んでいる。

意味は何だ?また見ることになるのか?そもそもそれを望んでいるのか?

レイノーの旅行記Raynor’s Travel Diary

キレスから日記をつけるべきだと言われてる。文章を書くのは得意じゃない。キレスはいつも僕より上手に記録をとる。

ドゥエマーは魂石を使って装置に力を与えているようだ。魂石に封印する魂は、どこから調達したのだろう?さらなる調査が必要だ。魂石はもっと日常的な用途に使えるかもしれない。たとえば、誰もが魔法で家を掃除できるようになるとか…

(レイノー、これは個人的な考えを綴るのに使うためのものよ。研究ノートではなくね——K)

キレス、これこそ僕の「個人的な考え」なんだよ。こういうのは苦手だって言ったろ?シャド・アツーラには作文のクラスがあるって聞いてる。地味だけど、役には立ちそうだ。入学を真剣に考えないとならないな。

——星霜の月7日

今後は日付を入れようと思う。そのほうが系統的に書けるみたいだ。前の日付は思い出せないから、空欄のままにしておこう。

今、透明化の装置に取り組んでいる。原理は巻物や付呪と同じく呪文の貯蔵で、なんら突飛な発想じゃない。難しいのは詠唱と逆詠唱だ。「逆詠唱」で合ってるかな?それとも「解呪」だったっけ?用語の混乱は避けたい。

——星霜の月22日

旅は退屈だ。調査研究を続けるにはあれこれ浮き沈みがあるし、かといって旅に専念するにはやることが少なすぎる。試しにまた記録をつけることにした。まあ、変わらないだろうけど。キレスは問題なく記録を続けているみたいだ。きっと読み応えのあるものとなるに違いない。

レッドファー兵長の記録Redfur Corporal’s Log

市場でまた盗賊を捕まえた。ヴァリルルはどこでこの無能な間抜けどもを捕まえるんだ?「富の再配分」をしたいのは理解できるが、自称強盗が鼻先で盗品を落とせば、ジョーデのチャリオットは見て見ぬふりをすることができない!

少なくとも彼女はリボン生産者ではなかった。正直言ってあの「逃走首輪」では盗賊達が逃走するかも知れないが、さらに一層の注目を引くことになる。誓って言えるが、シャン・ラは実際の窃盗よりも、盗みを目撃した時にもっと怒る。

一方で、盗賊逮捕はいい金になる。晒し台に連行する盗賊一人につき10ゴールドもらえる。常習者は20ゴールドをもたらして、盗まれた物品を取り戻せば10%ももらえる。私達の気持ちに関係なく、チャリオットはそのような容易く手に入る金に背を向けることもできない。

それでも、シャン・ラが向こう見ずなことをしないか心配だ。彼は誇り高き男で、あまりにも公然とした窃盗は彼の権威に対する挑戦のようなものだ。彼の誇りをなだめるのは非常に大変だろう…窃盗の撲滅もだが。

どちらもすぐに実現しそうにない。

レディ・ローレントのクハーロアのメモLady Laurent’s Qharroa Notes

スティボンズは待ち望まれていた物資、そしてこの地の砂漠とその先の案内役と一緒に帰還した。雇われた者の手に自分の調査の未来を託すのは気が進まないけど、こんな時代だから仕方ない!

砂漠の案内役はヨクダの文化をよく知っていると主張したけど、「奇抜な時間浪費家」が分断後に復活したことを知らなかった!正直言って、最近は質のいい者を探すのは大変よ。

ある遺跡で、興味深い碑文を見つけた。特定の錬金術の試料の、独特の組み合わせが示されている。私はそれをどこかに書き留めた。スティボンズなら、私がどこに書いたかきっと分かるでしょう。そう、これは古代の種族の忘れられたレシピ!考古学も、時には楽しいものね。

悪くないNot That Bad

近隣の人々は同意しないが、この街が占領されたら、何が変わるというのだろう?他の誰かがどのような保護を与えるのだろう?ちょうど北東にある丘で、高級な椅子に誰が座るかを巡ってひどい戦いが起こり、他の者たちは苦しんでいる。

なぜ耐える?無力だからだろう。基本的な市民に必要なもの以上のものを決して学んではいないため、所有している剣を取っても、使い方を知らない。

ドミニオン、カバナント、パクト。どれも役に立たない。ただ、平和に暮らしたいだけなのに

下流を漂うものWhat Flows Downstream

鴉が雛鳥に食物を運ぶように、暗い水は宝を運んでくる。しかし母鴉が常に子供に与える餌を選べないように、暗い水が運んでくる宝にも素晴らしいものもあればつまらないものもある。

もっとも、近頃のスカベンジャーが収穫した宝は母鴉のケースとは全く違っている。母鴉ならば大量の死体や下流に打ち上げられたゴミを喜ぶかもしれないが、死んだエルフや人間などほとんど役に立たない…少なくともそんなに腐りきった死体は。

壊れた武器、錆びた鎧、歪んだ弓なども同じくらい役に立たない。しかし中には、我々木の番人が取り出せる可能性のある魔法が付呪されているものもある。輝く泥に埋まった素晴らしい魔法の歌を風が伝えてくれる。スカベンジャーも結局は、収穫の中から貴重な宝を持ち帰ってくれるかもしれない。

完璧な隠れ場所The Perfect Hiding Spot

うまくいった!3人だけがアルタドゥーンの門を通り抜けた。全力で走ったんだ。夜のとばりのおかげで追手から逃れた。ロビヤーは完璧な隠れ場所を見つけてくれた。

そして今は待っている。戦いの角笛が門の上で吹かれるまで隠れていろと、アムシャダル将軍に言われた。その後は攻撃だ!

監視記録245Watch Log, Volume 245

3時間目:
侵略者たちは海岸に近づくにあたってすべての明かりを消さなかったため、その気配に気がついたのは夕暮れ時が最初だった。

あいにく、我々が警鐘を鳴らした頃にはすでに数隻の船が上陸していた。これは我々の失態だが、何週間も前にサルモールに要請していた支援を受けていれば、もっと早く彼らに気がついただろう。

反応は遅れたが、我々はスフィアを使って海岸を守れた。奴らの船を破壊できる前に、多くの者が大海原に逃れた。

5時間目:
安全策として海岸の上下に嵐の壁を持続させる予定だが、これは単に奴らをドミニオンの他の領域に上陸させることになるかもしれない。

9時間目:
シーバイパーが聖域を破った。嵐がどこから来るのか、なぜ奴らが知っているのだ?我々の仲間に裏切り者がいることを恐れている。

巨大な害虫Big Damn Bugs

今日、大工がやって来て悪い状態の梁を見た。コロヴィア人はひどい連中だということは知っている。どの吟遊詩人の話でもそのように言われている。明らかに、彼らはひどい建築家でもある。問題なのは、古い木材だけではない。巨大なシロアリだ!

こんなにヴァレンウッドに近い場所に住むのはいやだ。色々な気持ち悪いものがちょこまかと、夜の闇にまぎれて家に入って来る。何ということだろう。まさにこの壁が、あの生物どもの住み家になっている!虫め!いまいましいコロヴィア人どもめ!

言わないでくれたらよかったのに。今は間違いなく、奴らが噛んでいる音が聞こえる。

故郷オルシニウムに帰るBack Home in Orsinium

第二紀 582年

インゴットをオルシニウムまで運んだ。話は本当だ。何度襲撃されようが占領されようが燃やされようが、同胞はこの街を再建して、以前よりも住みやすくて強固な場所にする。

エメリック王からロスガーとオルシニウムを返還してもらってから39年経った。オークの職人軍団であれば、39年で山のような仕事をこなせるということが分かった。それにブレトンのような装飾的なゴミも作らない。ブレトンとレッドガードがまた我々の故郷を破壊するために襲撃してきたとしても、この石造りの建物であれば持ちこたえられるだろう。

故郷に戻るたびに、自分のやっていることは何も間違っていないのだと感じることができる。私の言っていることが理解できないのであれば、ダガーフォールとは違うのだとだけ言っておこう。

オルシニウムでは皆がお互いのことを知っている。ダガーフォールにいるブレトンにはいつも、私が戦場に向かおうとしているように見えるようだ。「お前は戦士か?」という質問をもう一度されたら、この槌の頭を見せてやる。我々が獣のような行動を取ることがあるとすれば、それは街の人間の半分が我々のことを巨大で間抜けな獣のように扱っているせいだ。

残りの半分は私が近くにいると静かになる。だが彼らが私を恐れているとは思えない。いくらなんでも私に殺されて、子供を食われるなんて思ってはいないだろう。私がそこにいるのは仕事をするためだと理解するべきだ。私は鍛冶屋であり石工だ。金を稼ぐためにそこにいるのだ。だが誰もが、オークに対して抱いている感情をひた隠しにする。

あの頑丈な石造りの壁の間を通って、ロスガーの中心に戻れば一瞬にして全てが変わる。あそこは正直だ。ダガーフォールトとは違う。こびを売る者や、屈服する者や、口論をする者や、ブレトンの詩もない。誰かと話せば、言いたいことをはっきりと言う。誰かと目が合った時、そいつがお前と問題を抱えていればすぐに分かる。誰かと問題が起きれば、街の衛兵を呼ばれる心配をすることなく、そいつの顔面を殴ることができる。それで解決だ。私の言っている意味が分かるだろう。

小さなオークの要塞にいたときのことを覚えているか?玉座に座っている太った族長と話した時のことはどうだ?彼の妻達がその回りを忙しそうに歩き回っていた時のことは?族長の第一夫人は、最初に出会った時相手の評価を下す。いつどこに行こうともそれは同じだ。彼女はどの旅人や商人や職人が自分の夫を破滅させ、自分の知っている世界を破壊することになるのか見抜く必要がある。彼女はお前の回りを旋回する、小さな沼地の巨大なスローターフィッシュだ。

オルシニウムでそんなことは起こらない。絶対にだ。そこにいるスローターフィッシュはお互いに牙を剥き出しにしている、だからずる賢い族長の妻のことを気にする必要はない。お前を嫌っている者ははっきりとそう伝える。だからすぐに分かる。

それと食事だ。クソ!食事だ!ダガーフォールでは誰も動物の正しい殺し方を知らない。奴らの料理人はそうするのが嫌いなんだろう。オルシニウムから遠ざかれば遠ざかるほど、どんどん酷くなっていく。人間は食べ物を焼きすぎるのだ。そのせいで肉汁や血の旨味が失われてしまう。ちゃんとした歯ごたえもない。お前もよく知っているはずだ。

勘違いしないでくれ。私はダガーフォールで多くの金を稼ぐことができる。だがオルシニウムこそが本当の街だ。石の壁のように正直で、あられのように凶暴だ。そして焼かれても叩かれても潰されても、決して死ぬことはない。

オルシニウムは故郷だ。戻るには最高の場所だ。

困難の時代A Time of Troubles

グウィルゴス・ブランチブレイカー 著

第3部:樹の従士のジレンマ

忠誠は友によって重んじられ、部下に求めるものだが、柔軟性によってほどよく中和されなければならない。そうでなければ忠誠は罠であり、罠の中でも危険な部類に入る。

たとえば、前のシルヴェナールの樹の従士、タルリネルの末路を思い出してほしい。私は彼女の短い在任期間を通じ、街の管理者としての彼女へ忠実に仕えた。タルリネルもまた、我々の君主にはもちろん、アルドメリ・ドミニオンにさえ忠実に奉仕した。

ところが、「ハウンド」ことウルソーン卿がやってきて新秩序の始まりを宣言すると、卿の配下の者たちによって、我々は何をおいてもまずボズマーに忠誠を捧げることが強いられた。当然ながら、私はハウンドの地位に、自分と近しい叡智を見て取った。

不幸にして、タルリネルは違った。彼女はハウンドがグリーンレディの配偶者として即位することに抵抗し、忠誠心の対象を誤った報いとして苦痛だけを与えられた。タルリネルはシルヴェナールの代表だとうぬぼれていた。しかし、それは時代遅れの誓約の古い象徴としてのシルヴェナールであって、彼女の忠誠を必要とするエルフがひしめく、都市としてのシルヴェナールではなかったのだ。

幸い、私はウルソーン卿が説く道理に叡智を見出した。そしてハウンドも、私の柔軟性に利点を見出した。彼は私に樹の従士の地位を約束してくれた。もし私が彼を後押しし、グリーンレディとの避けがたい婚姻を成就させるために協力するならという条件で。

私に何ができただろう?街の運命がかかっていたのだ。彼女がやってくると私は快く迎え入れ、ウルソーン卿が取りのけておいた飲みものと食事を出した。何が最善か、卿なら分かっていたと確信している。

シルヴェナールが到着するまでは万事が順調だった。ハウンズマンたちは準備を整えていたし、私はこの「英雄たち」と「悪漢たち」のせめぎ合いが、いずれ我々の有利になるよう解決するものと信じている。私の忠誠心には疑問の余地がない。ウルソーン卿はきっと、最後の最後に私を思い出すだろう。

願わくはただ一つ——

思考の書Book of Thoughts

— 番人が私に思考の書を持たせる。棒で言葉を書くのは難しい!終わったらこれを妻に送るつもりだ。きっと喜ぶだろう!

— 今日、私はここでの仕事について書く。バイター・バグを捕まえ踏み潰す。一日中仕事をして背中が痛い!私が近づいたら卵が一つ動いた。小さな奴らには我々が聞こえるのだろうか?

— 今日、私は卵友達を選んだ。軽く叩くと小さな奴が挨拶するのが感じられた。そんなことを思う私は馬鹿だと番人に言われた。ハ!小さな奴が出てきたら彼は驚くだろう!

— 今日は見知らぬ者を見かけた。青白いエルフだがアッシュの者ではなかった。私に向かってワマスのようにシューッと声を出した。私は走って藪に隠れた。後になって私は気まずい思いをした。あの青白いエルフが何かを盗んでいたらどうしよう?

— 卵友達が巣から消えた。青白いエルフが戻ってきて盗んだのだ。分かっている!卵友達を取り戻すぞ。青白いエルフはボコボコにしてやる!

消えた係官Vanishing Crew

この神々に見捨てられた地で、到底買い手がつきそうにない不快なゴブリンの奴隷どもと一緒に立ち往生させられているだけで充分不運だというのに、今度は監督官の連中が姿を消すようになった!どこに行ったのかも、何があったのかも見当がつかない。あの酔いどれの馬鹿どもからほんの数秒目を離した隙に、2人も減ってる始末だ!

この調子で人数が減っていったら、ゴブリンの奴隷どもをいくらか処分しないと、抑えが利かなくなってしまうぞ。

水に耳を傾ける者の観察Listens-to-Water’s Observations

[このページにはしおり代わりの鍵が挟まれていた。]

項目1:
今日はチョーナクスと話した。こっちを覚えてないか、話したくないようだった。卵の兄弟なのに。別々の道に進んだけれど、その絆は今でも残っている。

項目2:
チョーナクスが古いシルヤノーン遺跡に出入りしているのに気付いた。他にもいたが、あの遺跡は長い間放置されている。中に入る方法を探そう。

項目3:
どうにか鍵を発見したが、昨日遺跡の近くで見たアルゴニアンの1人に怪しまれている。用心第一。明日試そう。

項目4:
チョーナクスと他の2人が、頭に袋をかぶせられた男を運び込むのを見た。バイスカノン・フロンダールの鎧には見覚えがある。バイスカノンに知らせた。自分の手には負えない。

倉庫長の嘆きDockmaster’s Lament

気持ちのいい日だったよ、ご立腹のマオマー船長がくるまではな。ちょろまかそうとした停泊料は昔の半分ほどだが、どうやら深くお怒りらしい。

一瞬、彼女が手をあげると思ったよ!ことを荒立てないために、最後の年代物のコロヴィアンプラムブランデーを渡した。

マオマーは最近じゃどんどん要求が多くなる。その契約のどこがいいんだ?公正な取り分を取るのはこんなに難しくなかったよ!

村の記録の最近の項目Village Record, Recent Entry

またあの変わり者の老魔術師絡みの出来事があって、今日村人がもう1人去っていった。その元住民は、数時間にわたって派手な紫色になっていた。

さらに2人の住民がメローモについて苦情を言っていた。今回は、彼の塔の周辺にある複数の木から吠えるような声が聞こえるという理由だった。

日記、13日目Diary, Day 13

苦しみは終わらない。毎日、魂のないハスクをオブリビオンの深部に置く仕事を続けている。このままでは、自分を見失ってしまいそうだ。抜け殻の仲間になってしまわないよう祈っている。

飢えている。それは満たされることがない。

日記、36日目Diary, Day 36

奴らは来続けている。魂のない者たちが、どんどん力を抜き取られている。自分の中の、激しい飢えを感じる。おそらくあのハスクが私の答えだ。

日記、61日目Diary, Day 61

あの目に見られている。死んでいる、魂がない目だ。だが、それでも欲しい。

助けてくれ。

日記、日付不明Diary, Day Unknown

もう今が何日目なのか分からない。魂のない者たちばかりだ。まるで宴会だ。私にとっては。

発見された洞窟Spotted a Cave

南東に向かう船の墓場の向こうの洞窟で、不審な動きを確認した。もう少し詳しく知りたかったが、報告するのが先決だろう。

徘徊するスケルトンを回避し主力部隊に戻れたら、戦士ギルドの担当者の誰だかに報告しよう。

彼女に焚きつけられたShe Dared Me

そこに行くよう彼女に焚きつけられたが、私は行かなかった。わざわざ荒野で面倒事を探す必要があるか?

私は忙しいんだ。子供たちを食べさせたり、彼女を危険から遠ざけたり。なぜ行かなかったかって?

あの穴で例の生き物を見て、死なずにその体験を語った者は一人もいないからだ。なぜ彼女は出て行った?何かから逃げ出したのか?まさか、この私から?

イフレよ、彼女を守りたまえ。

不誠実の疑いI Suspect Duplicity

ヘレンダス校長

マギア砦の遺跡にはがっかりだ。あなたが見つかると言い張っていた大量の知識とは程遠く、私が遺跡で見つけたのは肉に飢えたアンデッドだけだった。私の召使たちは体を引き裂かれ、パックの動物も喰われた。私はなんとか命からがら逃げきれた。

私は現在高い場所に座っており、今のところは安全だ。この景色は素晴らしいが、今回の私の扱いについては抗議せざるを得ない。あなたの方に不誠実、もしくは邪悪な意図があったのではないかと疑っている。心配せずとも私は無事に戻るつもりだが、その時には教官職を辞任し、インドラも同様にするよう説得する。

この塔の外壁を伝って降りられそうだ。ここ3日間は我が家となっていたが、寂しくはない。近いうちダボンズ・ウォッチに入り、この手紙を届け、問題にけりをつけるつもりだ。

— 学者シロバー

不平、不満、悩みの種Gripe, Gripe, Gripe

あのガーゴイルの悪臭が大嫌いだ。ドワーフの計画に任命されないかと、祈り始めている。ラザクの装置?ホーリンズ・スタンドの南東だと思うが?間違いなく埃だらけだが、匂いはましだろうな。

大カリーナが何を見つけるつもりなのかは知らない。だが、もし我々がドワーフコンストラクトを操作できるなら、努力する価値はある。ここに座って尻を焼いているよりは、ましな時間の過ごし方だ。

腐ったパンと腐った肉Rotten Bread and Spoiled Meat

ああ、やってしまった。最後の20枚のコインを市場で無駄遣いしたので、ここ数日はまずい地元の食べ物を食べて過ごすことになる。甘いものが恋しい。カジートの行商人が持ってくる食べ物の甘い味が。カジートたちがこしらえた食べ物が!

ああ、磨かれた鎧のような新鮮なシロップがかかった、美味しいケーキのにおいを思い出す。肉のシチューでさえ舌を愛撫し、喜びで震えさせてくれる、ジューシーでハチミツの入った甘い味なのだ。思い出すだけで腹が減ってくる。

ガチョウの足の漬け物か、肉屋が売る恐ろしいものを煮込んだ方が良さそうだが。悲しいことに。

風で破れたページWind-Ripped Page

——こんなにも長い間海にいる。ハリケーンの魔法の源を見ることができないのは、愚か者だけだ

だが、どうでもいい!地元の伝承によれば、この嘆きの泉の聖堂は、アルケインの神秘の源である可能性がある。もしかすると、水晶の塔の愚か者が姿を現わすチャンスか?

ルレリオンは媚びへつらう見習いみたいに、慎重に取り組めと主張している。私を愚か者だとでも思っているのか?発見するという栄誉を奪わせはしない!

—イールシル

捕まえた!Caught Him!

今日、辺りをコソコソ嗅ぎまわっていたフォアベアーを捕まえた。監督官が姿を消している原因は、おそらくそいつだ。捕まえる際に死者1名、怪我人2名の犠牲を出したが、今は煮るなり焼くなり好きにできる。

尋問を終えるまでには、死にたいと思うようになるだろう。ここにいた理由をまだ吐いていないが、いずれ洗いざらい吐くはずだ。

補給係の記録Quartermaster’s Log

本日、新しいマスターがアタルスをインナー・ヘヴンの乗組員の「シェフ」に任命した。呪われた動物は、腐敗と汚物を茹でるのに時間を費やしている。

もう食べる必要がないことを思い出させるためだという。食べられないと。

この捕獲者を刺し、切り、殺すためなら、何でもやってやろう。

報われない骨折り仕事Scutwork and Drudgery

魅惑のファーダの仕事一覧

サーディファが忠実に転写

1.港の作業員のギルドから見かじめ料を徴収。

2.ハナ垂れ野郎のドリニエルをエルフだからという理由で痛めつける。

3.物乞い6人から金を巻き上げる。

4.市場で短剣を買って、使者の体に刺さっているものとすり替える。

5.サーディファにメッセージを届けさせる。

木こりの装いThe Guise of Woodcutter

木こりの装いは役に立った。ガルトクの門番たちは二度見もせず通してくれた。この野営地は、モロウウィンドの南門部隊の動きを偵察するには絶好の場所だ。帰ったらカマガッシュ将軍にたっぷりと報酬をもらわないとな。

北と北西の遺跡からなら部隊移動の主な順路がさらによく見えるが、リスクが伴う。今なお危険な遺跡に、しがない木こりがいたらおかしいだろ?頭の鈍いパクトの衛兵でも、さすがにそれは疑問に思うだろう。運よく、正体がばれることも叫びをあげるようなこともなく、ここまでこれた。オンシの加護があり続けんことを

卵の誕生の印Mark of Egg-Births

ワキームとダイ・シェンへ
最初の孵化組から3匹、活力と共に生まれる

ヴァル・ジーンとシェッズ・ヒス・ソロウズへ
最初の孵化組で1匹、割れた卵歯。良い印だ

ネポシュとラナへ
2番目の孵化組から2匹。1匹目は殻と格闘したが、2番目はそうでもない

シャドウスケールへ
3番目の孵化組から5匹。シシスが要求を述べた。私たちは答えなければならない

力の源The Source of Power

信じられない!あの男が来たのに!究極の定命の魔術師、ヴァヌス・ガレリオンが我々のよく知られた戸口にさまよってやって来たが、ブラックフォージの愚か者どもは魔術師を捕まえられなかったという!男の内側で荒れ狂う力で何ができると思う?グレート・シャックルの鍛造に力を注ぎ、次元融合を数ヶ月ではなく、ほんの数時間で実現できたのに。

代わりにモラグ・バルの狩人が連れて来た、力の劣る精霊を引き続き使わざるをえない。少なくとも、精霊たちは逃げたり、複数に分裂して我々の努力を邪魔するほど賢くはない。

***
素晴らしい知らせだ!次元融合が進行し、我々の努力の重大な節目にたどり着いた。プラナーの渦が形成された。この次元融合のエネルギーの結合部は、ニルンとコールドハーバーが交わる特異点だ。

偶然、運がよい侵略者どもがグレート・シャックルの鍛造を中断させられたとしても、プラナーの渦はニルンが完全に従属するまで、2つの世界を引きずり込み続けるだろう。もちろん、時間はかかるが、モラグ・バルの勝利は間違いない…いずれにせよ。

考えられないことだが、侵略者どもがプラナーの渦を打ち破る唯一の方法は、別のデイドラ公の力を注ぐことだ。コールドハーバー唯一のデイドラ公がモラグ・バルであることは誰もが知っている。つまり、我々の成功は間違いない!

フォージにいる愚か者どもが魔術師を無傷で捕らえるのに失敗したため、必要な力の代わりになるものを探さなければならない。我らがデイドラ公が否定されることはない。精霊たちを連れて来てプリズムに入れよ。差し当たり、十分な力を供給するはずだ。

気をつけなければ。制御用の錠前を壊したら、プリズムへの負荷が過剰になる。最近では、氷結の精霊が炎になってしまった!

裂けた羊皮紙のメモNote on Torn Parchment

暗い場所に閉じ込められて飢えていく過程ではいかに時間がゆっくりと流れるか、それを想像することは生きる者にとっては難しい。脅え悶える体から流れ出た温かい血、あの味の素晴らしさも忘れてしまった。

ウィサード・ハンドはわざと私を掘り起こさなかったのではない。ただ偶然私の墓に辿り着いただけなのだ。あそこは今、私とは関係ない。この洞窟が再び私の家となっている。私がかつての栄光を取り戻すのもそう遠くないであろう。

軍の命令と報告

Military Orders and Reports

アーセルモの補足命令Urcelmo’s Supplemental Orders

フェアーの南東にある共同墓地は、以前から問題になっている。近くの道から人々が拉致されたという報告を受けている。調査すること。危険要因を取り除き、ドミニオンの力を示すのだ。

この件について完了報告を待っている。

指揮官、バトルリーブ・アーセルモ

アイレイド遺跡の探索命令Ayleid Ruin Exploration Orders

クリネ隊長

即座に分隊を連れてグレイドミスト砦へ行くように命ずる。到着次第、一日で行ける範囲内のすべてのアイレイドの遺跡を探索するように。リンダイ、ピウカンダ、ニネンダーヴァの遺跡は徹底的に調査して、全敵兵を片づけるように。また砦周辺で見つかる他の隠れ場所をすべて捜索するのだ。

毎日報告せよ。

—カマガッシュ将軍

アルドメリ斥候の強化Aldmeri Scouting Efforts

ソロン将軍

斥候活動をより強化せよ。君の斥候部隊はドミニオンの目であり耳だ。敵の力量が詳しく分かっていないと、攻撃が失敗してしまう。

全ての報告書は、まとまり次第ヴィリャに渡すように。

—ソルカリン大将軍

イザード隊長の命令Captain Izard’s Orders

レンジャー

アッシュ砦を過ぎるまで、この命令を開かないように。お前たちの任務はシロディールの南東端、敵陣の奥深くまで移動することだ。ドレイクロウ砦の南のどこかに天然の洞窟があり、地元の者はイモリの洞窟と呼んでいる。

前回の斥候部隊が洞窟に入る前に送ってきた報告書には、中にすごい宝物があるという噂が書かれていた。その部隊は消息不明だ。彼らに何が起きたのかを調査し、洞窟の中にある宝物を手に入れることが任務だ。

忘れるな。お前たちは志願したんだ。

—イザード隊長

イロキルの遺物Erokii Relics

イロキルとは、タムリエル北西部にあった主要なアイレイドの街の1つである。そこには謎の力を秘めた神話紀の遺物が存在する可能性がある。その場所を探し出して、発見物を本部へ報告すること。

インディリムの報告、パート1 Indirim’s Report, Part 1

シースロードがサマーセットに侵入している明らかな証拠。我々は卑劣な生き物を追跡して海岸沿いにアリノールの西、ウェレンキンの入江近くまで来ている。

* * *
我々は元来全く自然に見えない現象に出くわした。ガイザーが現れ、そこから水が噴出された。さらにシマーリーンや島の他の地域で報告されている恐ろしい海の獣、ヤグーラが飛び出してきたのだ。よりひどいことに、獣の群れの中にはアンデッドもいた。

* * *
この発見を確認する必要はある。私見だが、ヤグーラとアンデッドはシースロードのある種の魔法による攻撃だという結論に達した。

インディリムの報告、パート2 Indirim’s Report, Part 2

奇妙なガイザーの中心に、サピアルチが「アビサルの真珠」と名付けた宝石を見つけた。真珠はガイザーを固定させるだけでなく、ヤグーラを引き寄せる生餌の役割を果たすような、悪しき魔法を発していた。真珠を破壊すると、恐ろしい出来事は唐突に終わった。

* * *
我々はシースロードを追跡してウェレンキンの入江にある隠れ場所まで来た。この獣はしわがれた口語と直接心に訴える言語を組み合わせてヤグーラの召使に呼びかけ、その際に自らをブコルゲンと名乗った。近づいていくと、我々の頭に精神魔法が入り込んできた。奇妙で冒涜的な体験だった。

* * *
ブコルゲンはアビサルの真珠の、養殖場の世話係のようだった。真珠の周囲の水や、真珠の輝く表面にまで奇妙な印を描いた。それから水に錬金術的な混合物を加えると、海がアルケインの光で輝いた。きっとこれが真珠の魔法の源だ。

インディリムの報告、パート3 Indirim’s Report, Part 3

我々が観察している最中に、外套に身を包んで頭巾を被ったハイエルフが、ウェレンキンの入江にいるシースロードを内密に訪れた。人影はこそこそと話していたが、海風に乗って一部が耳に届いた。ブコルゲンは現在サマーセットの影で活動するシースロードのグループの1人のようだ。彼らは「アビサルの徒党」と名乗り、「ベドラムの宮廷」と名乗るハイエルフの集団と協力関係を結んでいるようだった。バトルリーブは彼らについてもっと知りたいだろう。

* * *
聞き取れた会話から、ガイザーはサマーセット中で大暴れし、最終的には島を沈めてシースロードが取り戻すという、大きな計画の一部に過ぎないとわかった。

インディリムの報告、パート4 Indirim’s Report, Part 4

機会を伺い、こっそりと近づいて印や真珠、外套と頭巾をまとう人影をよく見ようとした。ブコルゲンは明らかに魔法と錬金術を組み合わせてアビサルの真珠の性質を変えている。その技術を調べる時間がもっとあればよかった。シースロードが頭巾の人影に心配するなと言っているのを聞いた。「ク・トラは役割を果たした。彼の死は残念だったが、それで全体の計画が変わるものではない」

* * *
頭巾の人影は静かに立ち去り、ミリヤと隊長は追跡しないと決めた。ここで知った情報を持ってアリノールに戻り、バトルリーブに次の手を決めてもらうほうが良い。

インディリムの報告、パート5 Indirim’s Report, Part 5

これまでにわかったのは、サマーセットは圧倒的なスロードの軍隊に侵略されているのではないということだ。代わりに少人数のシースロードの徒党、4人で始まりク・トラという者の死で今は3人に減っている彼らが、破壊的なアビサルガイザー、ヤグーラとアンデッドの群れを解き放つため、島に侵入していた。彼らはどうやら「ベドラムの宮廷」と名乗るハイエルフの集団と協力関係にあるようだ。

* * *
海兵隊員サルウィが濡れた石の上で滑り、我々の存在がシースロードにばれてしまった。シースロードは手下のヤグーラに殺せと命じた。急いで逃げなくては。この報告書と、知ったことをすべてバトルリーブに届けなければならない。

イントラクタブルの航海日誌Log of the Intractable

2週間経ったが、いわゆる「レンリージャ海賊」やサクル・アルバーの闇の一党の手がかりはまったく見つからない。ラ・ガーダが海岸沿いの襲撃に成功した今、地図にも載っておらず曲がりくねったシャドウフェンの河川をわざわざ上ってくることはないだろう。

レッドガードは基本的に海賊の種族であり、できるだけ危険を冒さなくてすむ簡単な獲物を狙う。エボンハート・パクトがイントラクタブルのような海軍船舶を動員した今、レッドガードが我々の集落の攻撃範囲内を航行する可能性は低い。

甲板が何やら騒がしいので、日誌の続きは明日書くことにする。あの猿共がまた酒を飲みすぎたのなら――

エイデン王子の報告書Prince Aiden’s Report

バトルリーブ・ラエルウェ

たった今、我々の徴発巡視隊の一つに属する斥候から悲しい知らせを受けた。グレナンブラの国境近くで定期巡回をしていたところ、巡視隊はその辺りに隠れ家を設置していたデイドラ崇拝者のはぐれ者集団を発見した。驚くこともないが、この教団は劣った種族で多くが構成されていた。しかし、彼らは強力なデイドラの獣と関係があり、我々の支配にとって深刻な脅威であることがわかった。信者は汚れたデイドラを召喚でき、疑いもしなかった巡視隊を待ち伏せした。こちらを一人残して、全員無造作に殺戮したのだ。

我々の土地にあるこのように危険な要素に対して、素早く断固とした行動をとらねばならない。ただちに戦闘部隊を全員キングスガードに連れていき、その地方との境界をなす山を抜けて北西へ移動せよ。そこからこの見下げ果てた裏切者の巣の場所を割り出し、一掃し、最後の一辺まで破壊するのだ。

このメッセージを残忍なデイドラの攻撃から逃げた斥候の手に委ねる。彼がお前と部隊を、この恐ろしい悪鬼と最初に出くわした正確な場所へ案内するだろう。

アーリエルの導きがあるように

エイデン・ディレニ王子

エメリックからの情報請求Information Request from Emeric

ドルテーヌ大将軍

繰り返す。君が仕えているのは王の議会だ。君の指揮している軍は君のものではなく、カバナントのものだ。勘違いせぬよう。君に現在の役職を続けてもらうためには、我々にもっと密に連絡して貰わねばならない。

こちらに入ってくる情報は頼もしいものだが、問題なのはその頻度だ。

シロディール全土の情報を集め、ウェイレストまで届けることが困難なことなのは理解している。兵士たちは伝令として使うよりも戦場で使った方が有用なのも分かる。だがしかし、それでも毎日伝達する努力をするよう、強く求める。

余談だが、君の補佐官グラルズールはいささか無愛想腕短気なので、伝令は別の者に変えてもらいたいと私の衛兵隊長が要望している。

大将軍。白金の塔を獲得するというカバナントの悲願は君にかかっている。失望させないでくれ。

—上級王エメリック

エンダーレ将軍の命令Orders from General Endare

対象:全ヒスイの竜騎兵
内容:ファリネスティの冬の地の発掘

精鋭部隊は、隠されている可能性が最も高いグラーウッド一帯にて、強力な魔法のアイテムと神秘の遺物を探し出す任務を受けた。女王のためこれらの目的物を先んじて確保すれば、ヒスイの竜騎兵達はアルドメリ・ドミニオンの戦争で己の役割を果たせる。

竜騎兵の精鋭部隊、コルマウントの英雄である自分達にはそのような努力を払えないとは考えるな。剣を用いるのと同じくらい確かに、シャベルで形勢を変えられる。

如何なる障害にも阻害されてはならない!当然、これらの高名なアイテムは保護されているだろう。生者またはアンデッドのガーディアン達、あるいは回避すべき罠や錠によって。ドミニオンのためこの戦争に勝利するには、知力が必要になる。

ためらうな、竜騎兵達!ファリネスティ信者達は、我々の努力が「聖地を冒涜する」と言っている。奴らを動員する頃になれば、我々の努力の重要性を理解するだろう。私のヒスイの戦士達よ、やり抜けば褒美が与えられる。

—エンダーレ将軍

オーリドンへの軍の配備Military Deployment Across Auridon

バトルリーブ・ロランカノへ

以下はアイレン女王のオーリドン滞在期間中の、秩序維持のために招集した人数です。兵站専門家のバトルリーブ・アーセルモから適切な範囲をカバーするには次の人数が必要だとあなたに知らせるよう頼まれました。まだ喪に服されているのは知っていますが、アーセルモも私もこの件ではあなたの判断を重んじています

近衛兵:オーリドン第一海兵隊
リーダー:バトルリーブ・アーセルモ
オーリドン全体の合計人数:
— 将校20名
— 兵士278名

アイレン女王の護衛
リーダー:バトルリーブ・アーセルモ
— 将校4名
— 兵士20名
文民:
— 上級公女エストレ
— 上級公ライリス
— ナエモン王子
— 側近ノリオン
— 執事エミンウェ
— 従者と随員(5名)
— 召使15名
メモ:
バルケルガード、スカイウォッチ、ファーストホールドで再補充する

ファーストホールド:地元衛兵
リーダー:衛兵隊長ヴィランセア
— 将校10名
— 兵士50名
文民:
— 100名

スカイウォッチ:地元衛兵
リーダー:衛兵隊長トーリン
— 将校8名
— 兵士45名
文民:
— 80名

バルケルウォッチ:地元衛兵
リーダー:警備隊長アスターニャ
— 将校4名
— 兵士29名
文民:
— 50名

すべての場合において警備が十分でなければ、戦士ギルドからの援軍を利用できます。同盟戦争では彼らは中立ですが、それでも護衛の契約は受け入れます。どの都市にも適切なギルドホールがあります。それでも人数が少なければ、魔術師ギルドも利用できる可能性があります。背後に呪文を唱える者がいるのは、いつだっていいものです

—魔闘士シニエン

ギャブリン将軍の宣告General Gavryn’s Declaration

この桟橋と港の家は恥さらしだ!レドラン家の敷地がこのようなお粗末な状況に陥ってはならない

冬の雨が降り始める前に、兵士の部隊にはこの場所を徹底的に清掃し、修理を行ってもらう

—G.レドラン

ギャリックについてConcerning Garick

ガロック卿夫妻へ

大変残念ながら、息子さんが死去されたことをお知らせします。単独で敵に立ち向かった戦闘中における、勇敢で立派な死でした。苦しむことはありませんでした。

カバナントのために

獅子の守護団 サミス軍曹

グレナンブリア:アレッシアの指令書Glenumbria: Alessian Orders

アレッシアの全兵士へ

ディレニは自分達の方が有利だと信じている。奴らは勝利を確信しながらキャンプでくつろいでいる。奴らは油断しているのだ。

ディレニが数時間以内に大規模な攻撃を仕掛けてくるという報告があった。そうなったら、アレッシアの斥候を送って気付かれないよう奴らの裏を取り、キャンプを破壊する。

これが成功すれば、奴らの攻撃の不意を突き、奴らを壊滅させられる。

誰もアレッシアを止められない!選ばれし者の名の下に、殺しまくれ!

コープスガーデンの任務Corpse Garden Mission

この地面に開いた不快な穴の名前の由来がわかった。このコープスガーデンは死者の埋葬場所というだけでなく、他の宮殿や郊外の邸宅と同様、蔓延するアンデッドの温床となっている。この場所にはあらゆる種類の動くスケルトンがうようよしている。刀剣を持って切り裂こうと襲ってくるものもいる。レドラン家の最も腕の立つ射手と同じくらい正確に弓を使いこなすものもいる。魔法を使いこなすものも少数おり、これが一番の脅威となりうる。

そしてこのネクロポリスにはリーダーがいる。伝説のセルジエン将軍が死から蘇り、このスケルトンの軍を率いているようだ。蘇った理由は誰にもわからないが、その軍の力は圧倒的だ。すでに部隊の半分以上が犠牲になった。この調査の代償はあまりにも高くついたのではないかと思い始めている。戦略的退却を行うべき時かもしれない。今やるべきことは、あの剣を持ったスケルトンの恐ろしい攻撃を受けずに通り過ぎることだけだ。

ああ、それしかない。

コネル将軍の命令General Conele’s Orders

パクトの犬どもには契約の重要性が分からない。平和に利益を見出さない。彼らが理解できるのは力だけだ。圧倒的な力。

エボンハートを制圧するには、突破口と足掛かりが必要だ。斥候から言伝が来ている。クラゲンモア近くにいい塩梅の廃鉱山があるようだ。

そこを制圧、占拠しろ。私を失望させるな。

—――アレクサンドラ・コネル将軍

シピウスへの命令Cipius’ Orders

シピウス隊長

エバーモア奪取は細心の注意をもって行わなければならない。公爵とその衛兵が武器と武具を密封した木箱から取り出し、街の戦略上のポイントに置くのを手伝う。お前の部下は普段着で街に出て、できるだけ多くの市民を勧誘するのだ。決められた通りの時間になったら、部下と新兵は武器の隠し場所で落ち合って武装し、街を征服に置く。降伏したものは許す。奴隷なら使い道がある。

失敗は許さない。

—魔導将軍セプティマ・サルン

ジマーロンからの警告A Warning from Zimmeron

ジェゴード将軍

戦場での君の活躍は称えるが、私に与えられた役割にのみ注力してもらいたい。引き続き部隊の団結力を高め、斥候が見つけた敵の弱点を攻撃せよ。

斥候任務や、敵の偵察隊の排除はダー・リウルズの役割だ。これらにおけるダーの働きには満足している。君の意見は聞いていない。意見が欲しいときにはそう言う。

—ジマーロン

ジマーロンからの叱責Chastisement from Zimmeron

ダー・リウルズ将軍

敵をより多く見つけ出して殺すよう戦士たちを促すため、君に賞金計画を任せた。ところがジェゴードがたびたび指摘している通り、うまくいっているとは言えない。もっと成果を上げてもらわねば困る。

賞金額を引き上げる権限も君にはある。早く兵士たちにドミニオンとカバナントの敵を見つけ出させよ。我らの要塞や資源を常に見られているこの状況から脱却せねばならない。君にできないというなら、ジェゴードにやってもらう。

—ジマーロン

ジャーディルへの警告Warning to Jardirr

ジャーディル隊長

本当です。斥候は正しかった。勢ぞろいして来ています、至る所に。丘の南斜面にキャンプを張っています。岩の盆地とリフテン渓谷との間の道はふさがれました。

どうにかクランの首領の名前を確認しました。

レイジクロー:リディ・スノーペルト

ボーンシェイパー:ケヴィンネ・ブライトハート

ストーンタロン:ヴィヴィアン・ウィッチクロウ

隊長、共に仕事ができて光栄でした。

—メルリル

ジャーディルへの称讃Jardirr’s Commendation

ジャーディル隊長へ

エボンハート・パクトへの献身的な働きを評価し、誇りと喜びを持って表彰状を授与する。ダークエルフとアルゴニアンのメンバーから受けた貴官の部隊に関する報告によれば、貴官がパクトの任務に全身全霊を捧げているのは明らかである。

この調子でいけば、終戦の前に百人隊長になるだろう。パクトと栄光のために!

ストンフォール司令部、隻眼のホルガン

シャドウスケールに注意せよBeware the Shadowscales

警戒を怠るな、兵士よ!後ろ足で立って、酒場や畑、あるいは故郷の湿地で働いているトカゲを見たか?にやにや笑いを作ってみせて、陽気な調子でなだめてくる、卑屈な身分の低いアルゴニアンを?友よ、そいつは見た目通りの者ではないかもしれない!ブラック・マーシュ近くで起こった最近の襲撃、そしてターピリウス・バイビウス隊長の不可解な死の後、我々にはシャドウスケールがこの地区で活動していると信じる根拠がある。しかしこの地下組織は何者で、その邪悪な目的は何なのか?

シャドウスケールとは影座の下に生まれた爬虫類の親類だ。生まれ落ちると同時に、あの憎き闇の一党に引き抜かれ、地位を与えられた。この生まれたての者たちは奴らの大義を利するものとして、隠密と暗殺の技に高度な訓練を受けている。成体にまで育った暁には、彼らはシシスの信者によって受容され、彼らの上級種の親類がそれによって悪名を得ている、暗殺の依頼を受けるようになる。シャドウスケールがアルゴニアン社会に組み込まれている今、彼らの標的はこのトカゲの民の利益のみを図っている。そのような標的がどうやって決定されるのかは、いまだ明らかになっていない。

シャドウスケールは憎き闇の一党の五教義とまったく同じものに従っていると信じられている(この問題についての知識を深めたければ、語り部が必要な文書を持っている)。メンバーと疑われた者たちの捕獲と拷問を通じてわかったのは、命令が上司から与えられたものである場合、決して背かれ拒絶されることはないことだった。仲間のシャドウスケールはこの殺し屋どもの標的になることはなく、また闇の一党を見捨てたシャドウスケールは追っ手を放たれ、殺される。モラグ・トングを相手にした際我々が学んだように、公式の政府の補佐として機能するアサシンギルドは大きな脅威である。そして今、アルゴニアンたちはそうした勢力を組織した。我々はこれを監視し、潜入を行い、完全に混乱させて崩壊へと導かなければならない。

シロディールからの書簡Missive from Cyrodiil

グラッカスへ

歩兵を送ってほしいという要請は却下する

物資を送ってほしいという要請は却下する

大密偵を送ってほしいという要請は却下する

与えた命令は、リーパーズ・マーチに行き、ドミニオンを動揺させることだった。かわりに、価値のない村を破壊して資源の半分を無駄にし、残りは意味のない本探しに費やした

今後、この戦いに意味のある貢献を始めるまで、帝国の支援は得られない

—ジャヴァド・サルン

シロ隊長へのメモMemo to Captain Siro

出来ることはすべてやったわ。あなたの命を助けてあげたことに感謝しなさい。指揮権もね。

これで貸し借りはなしよ。もう二度と連絡はしないで。

それから、気をつけるのよ。ご老人。

第七軍団 魔導将軍セプティマ・サルン

ステンリク副隊長へのメモNote to Lt. Stenric

ステンリク副隊長、元気を出してほしい。ここ数ヶ月は長く厳しかったが、その警戒が報われる日が来る。侵略が始まれば、山脈の中を突進し、敵を奇襲攻撃できる。歴史的瞬間だ。とにかくあともう少し辛抱するだけでい。栄光はすぐそこまで来ている。

ストームフィストの斥候に対する命令Stormfist Scout Orders

ストームフィストの斥候たちへ

著名で高貴なフィルジョア・オークセインは、ストームフィストのノルドと、イーストマーチのオークによる同盟を結んできた。この任務に関して彼がお前たちに頼むのはたった一つ、巨人の監視だ!野獣を密かに見張るには、木を使え。チャンスが来たら、単独行動している巨人を待ち伏せして攻撃するのだ。隠れ場所から素早く攻撃し、退却すること。いかなる状態においても、あのでかい奴らとの継続的な戦闘には携わらないほうがいいだろう。勝てる戦いではないからだ。

斥候ラグラルクが奴らに壁の後ろの向こうに投げつけられた後の、彼の遺体を見ただろう。もうめちゃくちゃだ!斥候ラグラルクのようにはなるなよ。これは命令だ!

—切り裂き魔ロブ

ストームリーブ・ネイディルの命令Stormreeve Neidir’s Orders

指揮官へ

テンペスト島における我々の儀式は計画どおり進んでいる。この企てが実を結ぶためには、タムリエルの住人たちの注意をそらしておく必要がある。そこで、誰よりもその手のことが得意な君に白羽の矢が立った。攻撃、襲撃、略奪を適宜行え。とにかく敵を分断し、足並みを揃わせないことだ。

我々の呪文が完成し、タムリエルの諸王国を滅ぼした暁には、君はその献身によって記憶され、君の亡骸は永遠のまどろみの海に帰るだろう。

—ストームリーブ・ネイディル

セプティマ・サルンの指導に関する格言Septima Tharn’s Leadership Maxims

魔導将軍セプティマ・サルン 著

人々を従わせたければ、自ら具体的な例を示してやればいい。見せしめのために、忠実でない兵士や反抗的な囚人、征服した都市の抵抗する住人達を罰することを恐れるな。視覚的に考えさせるのだ!

明確な意思疎通は、自分の考えを効果的に伝えるための鍵である。敵に降伏を要求するときは、その敵の身内の首を切り落としてその死体を馬に縛り付けるとより効果的である。

自分が下したあらゆる決定が、自分の評判に繋がるということを忘れるな。「殺し屋」と呼ばれたければ、意識して多くの肉を刻まなければならない。

行動する前に話を聞け。部下は重要な情報を持っている、つまり彼らに話をする機会を与えることが重要となる。それ以外に誰が反抗的で、誰を処刑すべきなのかを知る術はない。

目標を明確にし、皆に責任を与えたら、そこから離れろ。そして権限を適切に委譲すること。自分が殺されては意味がない。そのために部下はいるのだ。忘れるな、要塞を奪うのは彼らの仕事であり、自分ではない。

セリエンの次の指令Serien’s Further Orders

部下の何人かに、潜入チームを援護するよう命じろ。アクナラは最高だが、それでも支援が必要だ。

—セリエン将軍

セリエンの追加指令Serien’s Additional Orders

アクナラは準備が整ったらすぐ、信号弾を上げる。その時、砦に突撃しろ。きっと最小限の抵抗を受けるだけで済むだろう。

—セリエン将軍

セリエン将軍の指令General Serien’s Orders

お前の役目は支援だ。アクナラとチームは東から近づくだろう。

—セリエン将軍

ソルカリンからの賞金命令Bounty Order from Sorcalin

ソロン将軍

報告によると、我々の領地に敵兵があまりにも侵入しすぎている。敵兵を殺した者に賞金を与え、我が方の戦士たちが積極的に密偵を抹殺するよう誘導せよ。

抹殺報告書は、ヴィリャに持たせて戻すこと。

—ソルカリン

ダークエルフへの対処Dark Elf Dispatch

皆の間でずっと話題になっている、あのダークエルフの女に目を光らせておけ。あの女が何者で、なぜ巨人に手助けをしているのか突き止めなければならない。また、女が利用しているのを見たと数人の斥候が言っていた、力についての真偽を確かめる必要もある。

ダグルートは、女の心臓を矢で打ったが効果がなかったと主張している。

ダグルートの脳みそがホーカーのそれであることはわかっている。だが、それでも、だ。目を光らせて、女についてできるかぎり調べろ。チャンスがあれば攻撃するんだ。あの女がいると危機感を感じるし、そういう時に俺が軍隊に何をするかは皆知っているだろう。今すぐこの件を片付けろ!

—切り裂き魔ロブ

タンバルの指示Tanval’s Directive

二番目の兄弟は解き放たれなければならない。ホルガンと他の人々が私を止めようとすることは分かっている。

彼らをクラゲンモアで引き止めろ。尖塔には到達させるな。

ダンベリル隊長からのメモNote from Captain Dunveril

大師範の息子は「セン」という名だ。彼を見つけ、必要とあらば力づくで連れて来い。彼を街のすぐ外にある古いデイドラの墓に入れろ。地元の人々は入らないだろう。彼らは先人を怒らせることを恐れる

――ダンベリル隊長

ドミニオン軍の新兵徴募Dominion Military Recruitment

マレニル将軍

戦争のため部隊を招集してくれた君の努力は、ドミニオンを代表して称讃しよう。私は君への信頼を再確認した。アイレン女王とサルモールにもその働きを絶賛しておいた。

だがしかし、君にはさらに多くを求めねばならない。パクトとカバナントを相手に、我らの資源も限界まで追い込まれている。さらに多くの戦士が必要だ。

エルスウェア西門を通ってくる者は全て、装備を持ってすぐにシロディールの戦場へと赴くよう促せ。

引き続き、ザハライから報告書を提出するように。

—ソルカリン大将軍

ドミニオンの機密情報の一覧Dominion Intelligence Topsheet

クリン

直近の報告書と手紙の束をざっと見たよ。それぞれのタイトルと備考だけ、一覧にしておいた。来週、より具体的に見ていこう。

爪を磨いでおけよ。

ジュダージ

* * *

――マティースン鋼:性質と使用法(資源の報告書だ。我々も手に入れないとな)
――追放者の監房に潜む危険
――ファリネスティの地:危険とチャンス
――ファリネスティの街:秘密を守る(これは暗号化されている。ちんぷんかんぷんだ)
――エルデンルート:偉大なる木の世話と管理
――ギル・ヴァ・デール:コールドハーバーとの取引が暗示するもの
――ヴェリン港:警備に問題有り
――バーンダリ:刃を鍛える(我々の仲間のことを少し知っているようだが、全員ではない。読んでいて面白い)
――エルスウェア:未開発の資源

ドミニオンの弔辞Dominion Condolences

市民ニルベデルへ

バトルリーブの執務室を代表して、悲しいお知らせをしなくてはならない。あなたの夫、フェーリオンが亡くなった。乾いた洞窟の近く、エルデンルートの東で行方不明になった者たちを調査中に、勇敢に命を落とした。

フェーリオンはその日、行方不明者全員の命を救ったことを知っておいてほしい。だが、その間に負傷した。彼は負傷したが、全員が安全になるまで耐えた。ドミニオンの兵士の規範となる姿だった。彼が勇敢に死んだという事実が、あなたの悲しみを少しでも和らげてくれることを祈っている。

お悔やみを申し上げる。

エルディニラン隊長

ドミニオンの兵士の日記:ズークDominion Soldier’s Journal: Zuuk

到着時、抵抗は一切受けなかった。村はもぬけの殻で、コスリンギが1人残っているだけだった。

我々はあの手この手を使ってセドルミスのキーストーンについて聞き出そうとしたが、そのコスリンギは妙なことに、ほぼどんな形式の拷問に対しても耐性があるようだ。まるで、苦痛を感じる能力を欠いているように見える。怪我も、あっというまに治ってしまう。

魔術師たちに意見を聞こうにも、連中は沼の底をさらうのに大忙しだ。急いでくれるといいが。すぐにも何か見つからないと、この私がサルモールに首を刎ねられてしまう。

ドミニオンの密偵の報告書Dominion Agent’s Report

バイスカノンの副官に変装し、パクトの一員をだまして、ボグマザーの聖骨箱から聖なる遺物を持ち出させることに成功した。ドゥルーが近隣の街を攻撃するのを止めるために、彼らは軍隊を送らざるを得なくなり、他の場所の防御が手薄になるだろう。

だまして遺物を持ち出させた愚か者以外は全員排除したが、計画がある。セアヴィルドであることに飽きた今、別の体があるととても便利なのだ。

この場所は腐ったカゴーティのような臭いがする。いつになったら別の場所に派遣してもらえるんだろうか?

ドミニオンの命令Dominion Orders

ダガーフォール・カバナントの地域に拡大する我々の努力には終わりがない。海岸沿いに新たにアイレイドの遺跡が発見されたため、重要な地域を急いで押さえなければならない。戦士の一団を結成し、その場所を制圧した後、分かったことを報告すること。遺跡内部には有用な物が隠されている可能性がある。最低でも、新たな作戦基地として使用できるだろう。

サンダーモールの達人である優秀な戦闘員が同行して援護を行う。

ドミニオンの命令:エンデュウムDominion Orders: Enduum

至急アイレイドの遺跡、エンデュウムを確保しろ。

この場所を制圧できれば、ダガーフォール・カバナントに対して戦略的に有利に立てるだけでなく、遺跡にある宝は我々の資源として利用できる。おそらく強大な遺物、もしくは魔法のアーティファクトが見つかるだろう。

ドミニオン部隊への将軍指令719aDominion Troops General Order 719a

アルゴニアンの村や集落の襲撃時は、集落の境界内中央にあることが多い巨大な木に注意するように。アルゴニアンがヒストの木と呼んでいるその木を襲撃すると、あの冷血な種族が猛烈に怒り狂う可能性がある。その木は彼らの交配の儀式とライフサイクルに関わっており、それゆえ理解はできる。

しかし彼らの怒りに関して考慮する必要はない。指揮官の命令なしに、ヒストの木を損傷あるいは破壊することは厳しく禁止する。泥と虫と鱗肌だらけの集落では、ヒストの木以外に価値のある資源がないことがほとんどだ… そしてそのヒストの木は、非常に貴重な物だ。

すべての襲撃部隊は土木工兵の構成部隊を含むこと。掘削部隊ではなく、木の工兵部隊だ。武器はチューブ、パイプ、ドリル、携帯用の蒸留器などだ。任務はその木から「ヒストの樹液」をできる限り収集することだ。さらに、樹液はすぐに腐ってしまうため、蒸留が終わるまで必ず工兵部隊を護衛すること。

アルゴニアンのすべての村からヒストの樹液を収集できなければ遠征自体の失敗を意味するため、油断しないように。ドミニオンに失敗は許されない。

ドラゴへの命令Drago’s Orders

今日はこれまで以上の頼みごとをしなければならない。なんとかオークを食いとめてほしい。例の呪文を完成させる時間が必要なのだ。

持ちこたえてくれ、ドラゴ。万一お前が討ち死にしても、我々はなんとかして勝利をつかむ。

—レンウィック王

ドルテーヌからの追加指示Updated Instructions from Dortene

アムシャダル将軍

シロディールの戦場までの道程で孤立した兵が敵部隊に殺される事案が複数上がってきている。決して単独行動せず、常に班で動くよう兵士たちに強く呼びかけよ。兵站宿泊地域は安全だが、それ以外のシロディール各地は危険だ。任務を請け負う者たちには、油断せぬように忠告せよ。

個人的な話になるが、先日のカマガッシュ将軍との小競り合いにおいて、冷静でいてくれたことには礼を言う。駆り立てられて攻撃を仕掛けることを拒む姿勢は、尊敬に値するものだった。上位の将軍同士で喧嘩になってしまった場合の士気への影響を考えると、身震いがする。その自制心は訓練とお前の先人の賜物だ。

将軍に名誉と信頼を。

—ドルテーヌ大将軍

ネ・サラス:援軍求むNe Salas: Need Reinforcements

緊急。早急に返信を求む。

ダガーフォール・カバナントはグレイマイアの北、ネ・サラスの遺跡にまで侵攻してきた。敵の数はどんどん増え続けていて、グラーウッドに通じる秘密の道があると思われる。敵の進軍を食い止める人員がいない。

早急に援軍の派遣を要請する。

—サエンディル

パクトのためシロディールを征服せよ!Conquer Cyrodiil for the Pact!

大将軍

同盟戦争での君の活躍には目を見張るものがある。さらなる勝利を信じ、要望通り追加の部隊をそちらへ送る。ドミニオンとカバナントの軍が、シロディールから追い払われたという報告を心待ちにしている。

その調子で報告を続けよ。そうすれば、戦争に勝つための資源は私が保証しよう。

—ジョルン上級王

パクト兵士の徴募Pact Recruitment

ブラニング将軍

必要としている兵士たちはどこだ?ここ1ヶ月で兵士の徴募が大きく減少した。カバナントとドミニオンの兵士が戦場に溢れかえっていて、対抗できる兵力が必要だ。

徴募に尽力せよ。できなければ、できる者を見つける。君の前任者は私を失望させてしまい、今は前線にいる。君もそうなるぞ。

—ジマーロン大将軍

ハルスカーへの命令Orders to Halskar

ハルスカー

王家の墓地でトンネルを使い、モルブンスカー砦を占領せよ。しかし、ここでの我々の目的は、砦を占領するためでないことを忘れるな。これは単に兵士たちを、真の目標を達成するためにそこから離れさせるための作戦だ。すべてはお前にかかっている。よく理解するように。

王位詐称者であるジョルンの兵士が大勢で来るであろうが、その時我々は消え去らなければならない。我々の狙いは砦の下にある。モルブンスカーの奪取はいつでも目的を達成するための手段だった。可能なかぎりそこを占領し、その後は下にある地下墓地に籠れ。裏切り者の我が兄弟がここでの我々の真の目的を疑うことは決してないだろうし、彼の兵士たちが、我々を阻止するために間に合うよう、トンネルを見つけることは決してないだろう。

見つけた重要な遺物は、すべてしっかりと鍵を掛けるように。宝物が関連する場所では誰も絶対に信用するな。しかし、遺体を確保しできるだけ早くそこから運び出すことが、第一目標でなければならない。

—フィルジョア・オークセイン

ファオルチュの命令By Order of Faolchu

サラザールへ

私が仕事をやり遂げられるよう、その牙と爪でカムローンへの道の警護にあたってくれ

ファオルチュ

ブルーロード斥候のメモBlue Road Scout Notes

ブルーロード砦を偵察するにはぴったりの場所を見つけた。後にここに送り込まれた者が追記できるよう、この日記を残しておく。私の軌跡が、より多くのカバナントの斥候をここに導くことを願う。

*****
あの製材所を燃やしたい。奴らの作っている攻城兵器で何人の兵士が命を落とすことになるだろう。

遺跡の方からずっと音がしている。あそこに誰、もしくは何がいるのか知らないが、調べに行くつもりもない。

*****
今日は少なくとも数百人の大部隊が砦を離れた。南のドミニオン領の方向へ向かった。いなくなって清々したよ。共倒れになるといいな。

何日もこの石の上に座っていて尻が痛い。

*****
今日は我らの小部隊が製材所を襲撃した。木材の備蓄を全て燃やし、砦から援軍が来る前に逃げた。心が温まる景色だったよ。

*****
ここに来て1週間になる。戻る時間だ。報告書を提出してカマガッシュ将軍と話さなければ。そうしたら1週間眠らないとな。

*****
こちらハルベッシュ。誰がこの日記を残したか知らないが、喋りすぎだ。座標も不正確で、ここまでたどり着けたのは幸運だったよ。

特に報告すべき部隊の動きなし。もう3日間ここにいるが、何も見ていない。もう行く時間だ。

*******
これは安らぎの日記だ、斥候の孤独を癒してくれる。先に来た者や後に来た者と会話をしているような気分になる。

私は恵まれている!ここに来た初日に大規模な戦いが勃発した。ドミニオンの大軍がブルーロード砦を攻撃したんだ。数時間で撃退されたが、パクトの守備隊は大打撃を受け、砦の壁もかなりのダメージを受けた。

大将軍の下へ急がなければ。彼女が即座に出撃命令を出せば、パクトが立ち直る前に砦を制圧できるかもしれない。もたもたしている時間はないぞ

ボデニウス百人隊長への指令Directive to Centurion Bodenius

ボデニウス百人隊長

聖堂の前方にある墓地の秘密を解読することは難しい、との報告を読んだ。その過程でどれだけの兵士が命を落としたのかも分かっている。しかし、どんな状況でも努力を怠ってはならない。その墓地のどこかに、旅路の部屋に通じる扉の封印を解くための仕組みがあるはずだ。その扉を開くことができるまで、その仕組みを見つけて稼働させるまで、昼夜を問わず努力することだ。

自分の命が惜しければ、成功の報告以外の知らせを送ってくるな。

—魔導将軍セプティマ・サルン

ホルガンからの公式書簡Official Missive from Holgunn

ジャーディル隊長

周辺でコソコソしている変な連中に気をつけろ。軍服を着たパクトのメンバーなど、複数の人物について、怪しい振る舞いをしているという報告を受けている。見逃しそうな小さなことが多いようだ。瓶が動かされたり、たいまつが点灯されたり、扉が解錠されていたりなど。些細な異変にも絶えず警戒しておくように。

注意してほしいのは、この書簡をすべての部隊に送っていないことだ。この警告は内密にしてくれ。こうした疑いについて、少しでも信頼できない将校に漏らしてはいけない。

十分な監督もなしに活動しているアルゴニアンの暗殺者達には、特に目を光らせてくれ。シャドウスケールの一部のメンバーが引き入れられたと考えるに足る、十分な根拠がある。

知られている名前は「ブラック・ブライア」だ。警戒してくれ。

—隻眼のホルガン

マオマーのメモMaormer Memo

密偵アーストゥルへ

海岸を南下しバルケルガード近くに監視所を設置せよ。最近女王が到着したと聞いている。我々が南ビーコンに拘留している海兵隊は価値のある捕虜になるだろう。ただ適切な時に彼らを利用しなければならない

王室への連絡は引き続き速やかに行うこと。サマーセット諸島が我々の手に落ちれば、我々が条件を決定できるだろう。ベールの継承者が従うなら、オーリドンを贈物としてやってもいいかもしれない。もしかしたら

—潜入作戦提督、ヘクロア

マンモスの見張りMammoth Duty

お前たちは偵察とマンモスの見張りの任務を交互に行うことになる。偉大な獣は常に保護されなければならない。彼らは我々に閉じ込められている間ずっと興奮していて、そのせいで危険な存在になっている。

昨夜その内の一匹が逃げ出し、護衛たちを踏みつけて殺してしまった。その後そいつは要塞にかなりの損害を与えた。3、4匹が同時に脱走すれば何をするかと考えると恐ろしい。

お前たちへの指令は、自分の見張り番の間にそのような事態が起きないようにすることだ。もし起こった場合はマンモスにちゃんと踏みつけられるように。俺が命じる必要がないようにな。

—切り裂き魔ロブ

ユーラクシア女王からの手紙Letter from Queen Euraxia

カルシヴィアス隊長

今頃はホール・オブ・コロッサスの遺跡までたどり着いているものと思う。憤怒の石板が忌まわしい異母兄の手にある今、遺跡の場所を探すには他の手段に頼るしかない。幸運にも、我々はリンメン王宮の資源を自由に使うことができる。アブナーに先駆けて隠された場所を発見できたのもそのおかげだ。ここから、私がお前とチームのために用意した計画を厳密に、一点のずれもなく実行せねばならない。

正確な命令を繰り返しておこう。お前が戦場では即興を好むことを知っている。その誘惑に逆らって、言われた通りにやってもらいたい。

* 遺跡へ入れるようにしておき、アブナーの到着を待て。憤怒の石でホール・オブ・コロッサスに入る我が異母兄を誘い込め。

* アブナーが憤怒の石を遺跡の境目まで持ってくれば、悪魔の武器が入った宝物庫を開錠する仕掛けが作動するはずだ。

* その後は、アブナーや奴の同行者たちがどうなろうと構わぬ。とにかく宝物庫へ行き、邪魔な異母兄よりも先に武器を確保せよ。

私は石板の仕組みや古代の宝物庫が開くまでにかかる時間については、ごく表面的なことしか知らないことを覚えておけ。宝物庫が開いたら、最後のガーディアンのようなものがいて、戦う必要があるかもしれない。それまでに兵士や死霊術師を使い果たさないように。

お前が頼りだ、カルシヴィアス。私を失望させるな。

リンメン女王ユーラクシア

ラナへの手紙Letter to Rana

ラナ隊長へ

お前の行動を考慮すると、指揮権と階級を没収する他に選択肢はない。ぺラギアド駐屯地からは出ていって貰う。

明日、軍事裁判に出頭するように。彼らが最終的な運命を決めるだろう。

三大神がお前の苦悶する魂に慈悲をかけますように。裁判は慈悲をかけないだろう。

ヴィベク駐屯地、ヴァイネ・レドラン将軍

ラミアの脅威The Lamia Threat

ラミアが遺跡の外れをこそこそ歩き回っている姿を目撃した。これは一斉攻撃の前触れかもしれない

彼らが武力で防御を破ったら、囚人たちは見捨て、指定された結集地点まで退却せよ。おそらく気の毒な連中は、我々が逃亡する時間を稼いでくれるだろう

――アンデリル

レドラン将軍の通知General Redoran’s Dispatch

全兵士に告ぐ

砦内部及び周辺における異常な光景や音に関する、確証のない噂話はすぐさまやめるように。そのような無駄話は仲間の兵士の士気を低下させるだけでなく、無駄な憶測と噂の拡散に過ぎない。不審な動きについては再調査を行うので、ただちに私に報告するように。報告書は私の机の横にある入れ物に入れておくこと。

――ギャブリン・レドラン将軍

監視所の設置Establish Watchposts

軍曹、君の指令は5人の兵士を連れて高所に監視所を設置することだ。君の担当区域はドレイクロウ砦とクロップスフォード村の間だ。ノルナル遺跡より北へは行かないように。

この範囲内の侵入者は、所属同盟に関係なく全て追跡せよ。各グループの人数や進行方向の予測は必須だ。

毎日報告書を提出するように。我々はしばらく橋にいるはずだ。

—プリスカス隊長

輝く剣を持つ騎士たちKnights of the Gleaming Blade

クラーノ、エグザーチ、ブライトブレード、上級王の筆頭にして、淑女に愛されしものたち。彼女の名において、アバガーラスの街へ至急出立するようここに命ずる。王は要請のあった部隊を許可し、お前達は次の信仰深き者達と共に、デロディールへの出発を許された。

— ラナス、ダーク・アバガーラスの前エグザーチ、新たなる者
— エンダール、プライマーチ、ブライトブレード
— ヴァラシャ、上級女司祭、サンウォーカー
— オスタランド、パラドリック・ブレード、ビホールデン

ブレード・オスタランドに同行し、彼の所持する遺物を守ってもらう。旅の成功を確実にするためには多大な努力が払われており、店にあるすべての武器、鎧は自由に使える。如何なる犠牲を払っても、ヴィヴィカスを破壊しなければならない!

信仰をもって、太陽を望む

—ラティーシュ

騎士団の命令Orders from a Knightly Order

ドアン卿へ

上級王エメリックがイーモンド王を通じて、ファハラジャード王に手を貸すように要求してきた。何世紀も前にレッドガードの亡命者集団がエバーモアに避難してきたが、王は彼らを信用することもなく地下の牢獄へ閉じ込めた。残念なことに、彼らの疑いが晴れることはなく、その牢獄が彼らの墓、亡命者の墓地となった。

その亡命者の1人、戦士ウルバザールが盗んだというレッドガードのアーティファクトに、マケラ・レキの記憶の石というものがある。ファハラジャード王の要求はその石を取り戻すことである。ウルバザールの墓からその石を回収し、殉教者の十字路にいるレッドガードの学者マダイマに渡すこと。彼女はそれをセンチネルにある、ファハラジャード王の風の通らない地下室に戻すつもりだ。

汝に聖ペリンの導きあれ。
騎士団長ヴァレイン

偽の第二歩兵隊への命令Forged Second Cohort Orders

第七軍団の第二歩兵隊の兵士全員へ配布、食堂と指揮官テントの目立つ場所に掲示するように。

ここに本命令はあらゆる古い命令に優先し、古い命令は破棄される。古い命令の写しはすべて回収され、焼却される。我々をアリクル砂漠の待ち伏せ地点に誘導するため、内部の密偵が偽造計画書を掲示している。ヴォレンフェルについての記述はすべて偽造であり、無視するように。不審な行動の報告は、すべて将校または見張りまで連絡するように。

本物の命令は次のものになる。「古き塔」の遺跡における要塞化は、即刻中断する。第七軍団兵士の第二歩兵隊は本命令により、シロディールまでクラグローン経由で早急に帰還するように。

—ヘレヌス隊長

橋の衛兵による苦情Bridge Guard’s Complaint

コマンダー・デッレはどうかしてしまったに違いない。山に囲まれた秘密の要塞の外れにいるんだが、防衛線の内側にある橋を見張らせられるなんて。どういうことだ?自陣の中から誰かに攻撃されると思ってるのか?

最大の敵は退屈だ。攻撃されればいいのにと思うことさえある。少なくとも、そうすればやることができる。

軍団兵の日記Legionary’s Journal

シロ隊長はまたあの教団の女と言い争っている。「特使」によって隊長が拘束されるなんて残念なことだ。何年も非の打ち所がない戦歴を持っていても、ちょっとした失敗一つで、サルン家は即座に鉄槌を振り下ろす。我々は帝国軍の兵士だ。子守りなんて必要ない。

警備の仕事Guard Duty

月耀

ついに警備の仕事を任せてもらえた!これで鍛冶場で長時間ふいごを踏まなくてよくなる!他の兵士と同じように、襲撃の兆候がないかどうか持ち場周辺を偵察した。ここは誰も通しはしない!私が見張っている限りは!この仕事を嫌がる衛兵もいるようだが、熱心に働けばここでの生活もよくなるはずだ。少なくとも鍛冶場で働くよりはマシなはずだ!

火耀

敵対行為の兆候はないが、大勢の人に案内を求められた。他の偵察隊との共同作業に備えてすべての場所を覚えてきたのだ。みんな感謝している。我々がここに来たことで彼らも安心しているはずだ。

央耀

今日は奇妙なリスを見かけた。石で殴れるくらい近くまで近づいてきた。石は当たらなかったが。いつか役立つかもしれないので石の投げ方を練習しようと思う。活動拠点が移転になった時に備えて弓術はすでに毎日学んでいる。指揮官はそういう自発性に敏感だ。実は、職務以上の偵察をし始めようかと考えている。

木耀

今日、パートナーを割り当てられ、過度の自発性は慎み、職務以外のことはしないように言われた。信じられないほどやる気のない男だ。やる気が失せる。特に自分の膝の痛みについて何度も愚痴を聞かされるときには。でもこれを乗り切れば、きっともっといい場所に昇進できるはずだ。パートナーも口添えしてくれるかもしれない。念のために早めに任務に就き、遅くまで働いている。彼が来る前にここに来て、彼が帰った後もここにいる。

金耀

近くで戦いがあったという噂だ。斥候がストームフィストの部隊の形跡を見かけた。しかしわざわざここまで攻め込んでくる可能性は低そうだ。次に他の衛兵と飲む機会があれば、また戦いの自慢話を聞かされるだろう。負傷者は増え続けているようだが、羨ましい話だ。

地耀

配備されることになった!前線の部隊が増援部隊を必要としているため、一部の衛兵が派遣されることになったのだ。ついに名を上げるチャンスだ!危険な仕事だということはわかっているし、一部の兵士が嫌がっているということも知っているが、頑張って働けば人生が良くなるはずだ!それが警備の仕事よりも大事なことだ!

行動規則、7条命令Protocols of Propriety, Order Seven

アルドメリ・ドミニオン遠征軍、7条の一般命令

鷲の旗に参集する兵(貴重な同盟軍の兵を含む)はアルドマーの名誉ある伝統を代表し、統治下の全軍は出自に関わらず、軍の行動規則を遵守すること。

この命令の最も基本的な部分は5条までであり、誰でもわかるよう平易にわかりやすく記されている。

その1:徴収は必須だが、略奪は禁止する。

アルドメリ・ドミニオンの保護下に置かれた地域はドミニオン軍を支持するために費用を負担する義務があるが、この費用は5分の1の規則(ドミニオン保護下の地域の有形財と通貨の5分の1はドミニオンに帰属する)を順守した上で徴収される。個人的略奪行為は禁止する。

その2:対価の支払

占領地域で軍が確保した私有物に対しては、市場価格で正しく対価が支払わなければならない。このため全軍に十分なドミニオン仮紙幣が提供されている。これにより占領地域で戦闘が終結した後、地元民が補償を受けられるものとする。

注:軍はドミニオン仮紙幣を物やサービスの支払いに使用しないこと。

その3:地元民との親しい交流を禁ずる

占領地域の地元民は不確かな情報に耳を傾け、よからぬことを扇動するなど粗野なふるまいをするものである。時にドミニオンに対する誤った苦情に苦慮することもあるが、それが危険な不正行為の原因ともなりうる。娯楽施設への立ち入りを許可されている認定された芸人とのみ交流し、「安全な兵」であること。

その4:服装規則を遵守する

どんなに快適、もしくは祝い事のためでも、地元民と同じ服装は避けること。アルドマーの礼節を維持すること。

その5:無礼を許容しない

ドミニオン軍はアルドマーの栄光の具現であり、他の種族より尊敬を集めなければならない。ドミニオンの人間や鷲の旗を正しく尊重できなかった者は、その軽重に従いただちに罰せられる。(要項317、防御と礼儀作法)。

上記に関し質問がある場合は、上官に相談するか、上級アルドメリ儀礼コース単位取得の受講を申し込むこと。

女王の名において

カルヴァーネル軍団長

最後のチャンスYour Final Opportunity

コルヴス隊長

君が命令に従わないことで、どうなるか分かっているのだろうな。君の率いる全ての兵士に不名誉な死を強制しているのだぞ。これを避ける唯一の方法は、命令通り兵士を率いて帝都に出頭することだ。

こうすることで、兵士たちの命は救われる。君の命はどちらにせよ無いものと思え。指揮下にある者たちにとって最善の行動をとれ。帝都の私のところまで来るように。これが最後のチャンスだ。

—フィデナス大隊長

仕事を終えろ、コネルGet it Done, Conele

どうやろうが構わない。隣の泥壁の豚小屋に侵入し、そこにいるすべてのアルゴニアンを奴隷にする必要があるかどうかなど、知ったことではない。とにかくやり遂げるんだ!

あのハートが鍵だ。そうすれば私は任務に失敗しないだろう。お前もな

—セリエン

時間が最重要だTime is of the Essence

魔闘士

お前のところの兵士が階下に必要だ。ウッドオークはよく働くが、背中に鞭を入れればもっと早く終わらせられるだろう。時間が重要だということは分かっていると思う。あのうるさい魔術師のバッカーラが上の入口をまた見ていた。

残りの兵を滝の防衛においてくれ。誰かが来れば追い返せ。協力しなければ目にものを見せてやれ。ここのことが他に知られれば、全ドミニオンの未来が危うくなる。

女王とサルモールへの戦況報告War Reports for Queen and Thalmor

アターバ将軍

アイレン女王とサルモールが、シロディールの戦況を頻繁に知りたがっている。彼女たちを満足させるため、私から毎日報告書を提出している。農場を取った取られたなどのささやかなことでも、何か変化があればすぐにヴィリャを通して報告するように。

—ソルカリン

将軍命令12008General’s Order 12008

ヴァレック・ドロニール隊長は、愚かな手続きへ不必要に執着したため、タルデイク要塞における不服従と士気を損ねる行為に対し、懲戒処分が必要である。

隊長に対する懲罰:死刑。

昇進の通知Public Notice of Promotion

モーンホールドから来る私個人の側近が、家臣として食堂テントに配属される。彼には敬意を表し、質問を一切しないこと。この命令に従わなかった者は、重罪に処する。

—ギャブリン・レドラン将軍

進捗調査:シロディールProgress Inquiry: Cyrodiil

ソルカリン第将軍

シロディールでの戦況はいかがですか?サルモールが我が軍の状況を知りたがっています。あなたには厚い信頼が寄せられていて、莫大な資源も渡しています。

早く成果を出していただけるよう、期待しています。

—アイレン女王、アルドメリ・ドミニオン

聖域:最後の評価Sanctuary: Final Assessment

帝国聖域キメラ
後方支援報告書

備品を受領、目録の作成完了。魔術師には、保存の魔法によって食料の鮮度が数十年間保たれると保証された。

付近の水源は豊富にあるが、万が一にも備えた。この規模の隊が通常量を使用した場合で数日間持つ携帯用の水も十分ある。

風紀将校が、聖域キメラの警備に充てる脱走兵達を連れてきた。誓いに縛られることはないと思ったらしいが、すぐにそれが誤りだと思い知ることになる。デシウスの儀式が終わったら、計画どおりに海側の入口を封印する。

聖域:武器の報告Sanctuary: Weapons Report

帝国聖域キメラ
武器報告書

カタパルト6台の修理が終わった。攻城兵器はすべて帝国の指示どおりに保管されている。

追加弾薬の積み荷待ち。炎の塩鉱石は一部が輸送中にだめになった。炎の塩鉱石の缶を港に並べて乾かし、何とか使える状態にしようとしたら、一部の隊長達から過剰な反応があった。貴重な帝国の物資の回収よりも、部隊の安全の方が重要だと考えているらしい。

安全性といえば、聖域キメラの警備を行なう「志願者」名簿をすべての将校が受け取った。全志願者は今夜通知を受け、保存室へと連れていかれる。儀式が終わると志願者は施設の警備以外できなくなるため、重いものを運ぶ作業はその前に完了させておく。あの脱走兵達は、やがて懲罰が延期された理由を知ることになる。

斥候の報告書:アークス・コリニウムScout Report: Arx Corinium

アークス・コリニウムにおける不審な動き

アークス・コリニウム内部及び周辺で数多くの野生生物が目撃されている。非常にどう猛で、普段は大人しいとされている生物までもが凶暴化している。見捨てられた牢獄、アークス・コリニウム付近を通る時は注意するように。

また、当エリア付近ではラミアも目撃されている。人前にはあまり姿を見せないが近付くと非常にどう猛になる。細心の注意を払うこと。

斥候メーラの報告Scout Meera’s Report

エボンハート・パクトの斥候として、仕事上私はありとあらゆる面白い場所に行ったが、ハイタイド洞穴はそのような場所に決して含まれない。

前回訪ねたときは、シャドウシルクというゴブリンの部族が洞窟に移住した頃だった。実のところそれはそれほど珍しいことではなかったが、再訪した理由はその部族の長であるゴブリンだった。オークの魔法使いか何かが、何らかの方法を使って部族の長の地位に収まっていたのだ。それがダガーフォール・カバナントが地域を混乱させるために仕組んだことなのかどうか、調査する必要があった。

幸い前回の訪問以来、あの溶岩の洞窟には何か別のものが移り住んだようだ。それはつまり… 巨大なクモだ!状況を素早く判断する限り、クモがゴブリンの部族を全滅させてしまったらしい。

これで、オークの魔法使いと彼に従うゴブリン達のことはもう心配しなくていい。

ちょっと待った。今何か聞こえたような…

戦闘命令(断片)Order of Battle (partial)

――のフリゲート船、4隻のブリガンティン船、そして12隻のスループ船。

これらに加え、艦隊は女王専属の海軍の船16隻から構成される。海戦支援の役目を果たす、私掠戦と商船隊である。これらの船は兵站責任者である士官エルピオン准将の指揮下に入る。ただし以下は例外とする:

――「フィナスタールの約束」は特使船として艦隊提督の直接の指揮下に入る。この船の第一の任務は、最初の上陸までの間、他の船同士で行われる報告を伝達することである。必要な場合、この船は外交使節代表団のための高速輸送手段としても利用可能である。ただし必要もなくこの船を艦隊から離れさせることは禁ずる。「約束」は大陸との他の通信手段が機能しない際の、緊急連絡船だからである。

――スループ級私掠船である「プロウラー」は、独立行動を取るものとする。この船はケナーシズルーストのために貨物を運んでいるが、その第一の用途は独立の偵察船としての働きにある。プロウラーの乗組員はこの取り決めについて知らず、他の船と同様に女王専属の海軍への協力として参加したと思っている。しかしジミラ船長は独立の命令を受けており、彼女がそれを明かすとすれば、それは――

隊長へTo the Captain

あなたの命令によって、我らが精鋭軍は尖塔への斜面を登っています。経験の浅い先遣隊の隊員達は、クラゲンモアと街の外のキャンプに残していかれるでしょう。

もし彼らを大師範の計画に貢献させたいのであれば、さらなる訓練が必要です。彼らを厳しく鍛えてください。

ヴィラクからの軍隊は、大師範の後をじきに追ってくるだろうと思います。我々は街を守る準備をし、彼が必要とする時間を稼がなければいけません。

我々はここで起きていることを心配しています。我々は仲間に、同盟の兄弟に、剣を抜かなければならないかも知れません。

我々はカバナントに何ができるかをすべて知りました。大師範は理解していますが、他の人々は理解していません。どんな代償を払っても、彼らは止められなければならないのです。

隊長への命令Captain’s Orders

愛しきジャニーヴ

タムリス家の当主から最も有能で勇敢な野戦隊長への命令書、公式な書状を送るつもりでした。でも私はまだ当主としての立場に慣れていなくて、あなたは今でも私の妹だから、あまり形式張らずに書きましょう。

あなたの最優先の目的は、ならず者のアルゴニアン、リーザル・ジョルを見つけ出すこと。それは変わりません。もしこの危険人物を始末する機会が訪れたら、実行の許可を与えます。でも、あなたと部隊を危険に晒すような、不必要な危険は侵さないように。勇敢なあなたの部下たちを、無駄に死なせてはならないわ。

いつもの通り、助けを必要としているリベンスパイアーの民に会ったら助けてあげて。モンクレアによって引き起こされた不穏な空気はリベンスパイアー全体に広がって、みんなが不安を感じている。農場は破壊され、墓地や教会は冒涜され、家族は引き裂かれ、人々は傷つき、あるいは命を失った。助けを必要とする人には、手を差し伸べ、導き、必要なら仮の野営地を設営しなさい。副官の誰かに命じて名前、街、被害の状況を記録させれば、状況に応じて許可証を出せるわ。

それから、必ず数日おきに報告書を送ってね。あなたが自分の考えを書くのが嫌いなのは分かっているけど、あなたはそこで私の目となり、耳となるのよ。それに、定期的な報告がなければとても心配になるわ。新たな女伯爵を、そんな気分にさせないで。

あなたの姉

エセルデ

(エセルデ女伯爵、タムリス家当主)

第二歩兵隊への命令Second Cohort Orders

第七軍団の第二歩兵隊の兵士全員へ配布、食堂と指揮官テントの目立つ場所に掲示するように。

本命令により、帝国兵士達は「古き塔」で知られる遺跡、ならびにクラグローンの門から確認可能なすべての財産や資産を押収する。重要アイテムを探し出し帝国軍にもたらすことを目的として、交代があり次第、アリクル砂漠に侵入せよ。ローケン・ドゥエマー・クランのヴォレンフェルの遺跡に入れ。

—ヘレヌス隊長

遅れは死を意味するTo Delay Means Death

ペラ副隊長へ

正式な命令書を読んだな。君の兵士達にも読み聞かせること。極秘だという警告を付け加えておく。

帝都への呼び戻しは兵士達には歓迎されないだろう。当地で我々が対峙しているものの噂は風よりも速く広がっている。良識ある者は皆恐怖に襲われている。勇敢な者はこの恐怖に打ち克ち進む。

反乱に遭うかも知れない。編成する時間を与えるな。即座に野営地を叩け。妨害に気づいたら首謀者を殺すのだ。躊躇は死につながり、兵士達の死は帝国の死につながる。

私は北西の橋へと行進する。そこで合流する。遅れは死を意味する。

—ヴィルギラス隊長

追放の巻物Scroll of Banishment

セヴェリン・シャルニスへ

獅子の守護団の内部では、死霊術の邪悪な実践は禁じられている。これによりお前は、カバナントの領土から追放される。

お前はセリエン将軍の元へ戻された。彼は軍事作戦で南を移動している。彼は適切と判断する方法でお前を利用するかも知れない。

アカトシュがお前の魂に慈悲をかけますように。

――アヴェロス将軍

帝国への帰還命令Imperial Recall Orders

全帝国兵士へ

すべての兵士を指揮して帝都へ呼び戻すよう命令を受けた。すべての兵士は即刻本命令に従わなくてはならない。すべての持ち場は放棄される。運搬不可能な物資は破壊しろ。

本命令に従わない者には即時に脱走罪が適用される。例外は認めない。

街へ向かう途中に北西の橋で報告せよ

—ヴィルギラス隊長

帝都へ向かうHeading to Imperial City

スラシウス

待てるだけ待った。ポルシアと子供たちがあそこで孤独に過ごしているかと思うと、いてもたってもいられない。もう何週間も前に行くべきだった、彼女たちを守らないと。

橋は渡れない。湖を泳いで街へ渡る。スローターフィッシュを引きつけないといいんだが。くそ、昔はこんなに水が冷たくなかったのに。

もしお前か仲間がこのメモを見つけたら、私の家か市場地区で私を探してくれ。

我々にステンダールの加護があらんことを。

—マルティヌス

特別顧問Special Advisors

偽装工作にある程度本物らしさを出すために、特別顧問のふりをさせようと外国の傭兵を複数雇った。それぞれ私掠船か海賊船で長年の経験を積んでいる。彼らの話を聞け。どうすれば本物の襲撃者に見せかけられるか教えてくれるはずだ。うまく偽装できれば、それだけ長くドミニオンの注意を引かずに仕事をできる。

この傭兵達には最大限の敬意を払うように。それを怠る者に対しては、即座に懲戒処分を与えるものとする。メエルーンズ・デイゴン自身に襲われたと思う羽目になるだろう。

帝国に栄光あれ

シロ隊長

任務の巻物Contract Scroll

契約に関する覚書:

フロストエッジ強盗団は本契約により、ホジンズ・フォリーの力の遺物を発見し、セリエン将軍の元に持参し、発見物の性質に応じた支払いを受けるものとする。手付金はゴールドにて既に支払われ、受領された。

斥候に警告の必要あり:信者が礼拝場所としてノルドの墓所を利用していた。あのような危険な連中は、埋葬塚に罠を仕掛けることを好む。

予想されるのは炎の罠、刃の罠、炎の刃の罠のいずれか。

好きなだけ騒ぎを起こせ。多ければ多いほどよい。出会った者は誰であれ殺せ。

――セリエン将軍

猫どもThese Damned Cats

百人隊長へ

命令に従い、街の外でのカジートの奇妙な行動についてお伝えします。マラサドラという者が、小川の岸辺で風変わりな獅子の偶像を崇拝しています。何らかの潜在的な魔術が使われているのか、我々に対して何らかの脅威を与えようとしているのか、専門知識がないため、判断がつきません。

兵士たちはこの猫たちの革ひもを締める以上のことは望んでいません。兵士たちが不安にさせるようなものを見た場合、何か愚かなことをして墓の静寂を乱してしまう可能性が高いと思います。百人隊長、権威を示すのが適切であるというのが私の意見です。

報告は以上です。

表彰の手紙Commendation Letter

ドゥレン隊長へ

エボンハート・パクトの常備軍に対する献身的な勤務を認め、大きな誇りを持ってこの褒賞の手紙を基地へ送る。貴君の勤勉かつ尊敬を受けるに値する指揮の数々は模範的である。部隊のノルドおよびアルゴニアン隊員からの報告書は、貴君がパクトの使命を重く受け止めると同時に鋭い心でその教えを守っていることをはっきりさせた

この調子で、そうすればこの戦争が終わるまえにドゥレン百人隊長になるだろう

パクトと栄光のために!

ヴィベク・シティ駐屯地、ヴァイン・レドラン将軍より

武器と防具の手入れメモWeapon and Armor Care Notes

皮革は湿った状態が続くと長持ちしない。たとえ毎晩磨いても表面にカビが生え、艶がなくなって強度も損なわれる。

金属の劣化は革とは異なるが、似ていなくもない。錆が内と外から金属を蝕むからだ。泡のように錆が浮いて無防備な部分は剥がれ落ちる。関節部分の継ぎ目には、常に油を差してやらないと動かなくなってしまう。

兵士たちよ、武器と防具の手入れを怠るな!できれば吊るして、湿った地面からは遠ざけておけ。お前たちに呼吸が必要なように、武器防具にも呼吸が必要なのだ。既知の敵と未知の敵とを問わず、我々が対峙する相手からお前たちの身を守ってくれるのは、武器と防具以外にない。

署名:補給係執務室

封印された命令(開封済)Sealed Orders (opened)

番兵ブレンダルへ

巡視隊を連れて隠匿の炉床へ進め。墓地の扉を破り、中で見つけたものをすべて殺せ。我々の地区でドラウグルに足場を築かせることは許されない!

使命を果たしたら戻って報告せよ。

—上位指揮官ゲクレク

補足命令Supplementary Orders

ここワンサレンの遺跡内部を調査せよ。状況により、一帯を退却時の要塞にできる可能性があるかどうか評価するように

遺跡内部の価値あるものは全て入手し、私の個人的調査を受けること

三大神がすべての歩みを導いてくれますように

—レーラ隊長

基地の塹壕の斥候の報告書Barrow Trench Scout’s Report

Rから海を監視するよう指示を受けた。3組の斥候を海岸に送り出した。日々の警備の命令を下し、昼夜偵察させる。

以下に報告を記録する。

1日目:

何事もない。3組の斥候チームがそれぞれ野営した。怪しく思われないよう、夜はキャンプファイアを洞窟に限ることが望ましいとした。

2日目:

斥候チーム1が南方ウッドハース付近での不審な動きを報告した。詳しい調査により沈没した商船と判明したが、他には何もない。

他の斥候チームからは何の報告もない。

3日目:

なし。

4日目:

北方の海岸に動きがある。マオマーの侵略か?未確認。

5日目:

マラバル・トール付近の斥候チーム3が海岸の墓地の塹壕付近でのレッドガードの動きを報告。物資の不審な移動、また野生の動物の死体も確認された。斥候チームに洞窟の観察を続けるよう助言した。ダガーフォール・カバナントの密偵なのか、個人なのかは不明。

6日目:

斥候チーム3からの報告はなし。先日確認されたレッドガードの活動とかかわりがあるかどうかは不明。大きなグループを派遣して調査し、必要であれば対決する。

名誉除隊の通知Notice of Honorable Discharge

アビシアンの海賊の襲撃に立ち向かったウスナギク隊長の戦いぶりは、最高の名誉に値する。前線に立ち、部下に戦術的で断固とした態度を取るよう勇気付けた。この尽力により、多くの市民が安全に逃げることができ、敵は撃退された。逃げる敵に損失を与えることもでき、ウスナギク隊長は2人の兄弟など、多くの兵を失った

伝統的に、この功績には戦地昇進をもって報いることになっているが、ウスナギク隊長は除隊を希望している。数年の勤務と最近の勇敢な戦いぶりを鑑み、指揮官はウスナギク隊長の要請を認めた

ここにウスナギク隊長を、最高の栄誉をもって除隊とする

命令:スティールハートの係留地Orders: Steelheart Moorings

ダガーフォール・カバナントの領地を奪い取る新たな機会がやって来た。アルカイアの海岸からそう遠くない場所に、人通りも目立つ物もなく、邪魔が入らない洞窟がある。この洞窟を手に入れられれば、コイグリン村にすぐ手が届く距離に基地を持てる。直ちにこの場所を押さえろ!

門の制御Gate Procedures

巨人との戦いが迫り、攻城戦が今にも起ころうとしている中、要塞の門がどのように機能するか、皆が把握することが重要だ。

それぞれの門には2つの錠がある。門を開けるには、両方の錠を外す必要がある。錠は各門の近くにある塔の頂上に設置されたレバーによって制御されている。

それぞれの門の塔では、護衛班が常時任務についていなければならない。

巨人をクレイドルクラッシュに近づけないようにはできるが、油断せずに任務を遂行していればの話だ!

これは俺からの、もう一つの役立つヒントだ。

—切り裂き魔ロブ

勇気の間に関してRegarding the Hall

伝説の「勇気の間」を発見した。何週間もかかったが、斥候から報告が届いた。ホーリンズ・スタンドの南東にある山々の中に、ほとんど埋もれていた古代の聖堂を発見した。古代の秘術師が存在を信じていたものが本当にここにあるとしたら、ダガーフォール・カバナントに対する我々の努力を汚してきた害を取り除くために最適の場所だ。

軍の分遣隊と学者とともに、そしてこの神に守られた街で発見できる考古学の道具を何でもいいから持って、朝になったら出発する。

モラグ・バルに栄光を。

魔導将軍セプティマ・サルン

要求を拒否するRequest Denied

兵卒カズディ

貴君の配転希望を却下する。今後は敬意を示し、錬金術師ルーヴィタルの指示をよく聞くこと。さもなくば、所定の裁きを受けることになるだろう。

懲罰的な遠征に加わるために入隊したのではないという気持ちは分かる。しかし、兵士たる者、命令の選り好みはできない。型破りとも評される錬金術師ルーヴィタルの手法は、パクトの速やかで人道にかなった降伏につながり、結果、我々も他に注意を向けることができるようになるだろう。我々の真の標的がシロディールであることを忘れるな。

それからカズディよ、ここだけの話だが、お前の口はエルデンの木よりも大きいな。「ブルート・ヴィタール」などというあだ名をつけたのがお前だと知れてみろ。実験台として、彼の施術をフルコースで味わうことになりかねないぞ。

鷲の狩人:ドミニオンへの対抗Eagle Hunter: Against the Dominion

ドミニオンはアルトマーとその配下の奴隷が支配している。彼らの弱さと臆病さには気をつけろ。彼らは言い逃れと魔法、そして卑劣な手段の組み合わせを使い、君のような勇敢な心を持つ高潔な兵士の足を救おうとする

臆病なウッドエルフは直接攻撃を厭うとまずは覚えておくことだ。ボズマーは正面以外のあらゆる側面から攻撃してくる。ボズマーと剣を交えることはないだろうが、喉に矢をくらうかもしれない。森や密林では警戒を怠らず、背後にも気をつけろ

カジートは抱きしめたくなるかわいさだが、戦闘においては笑いごとではない。武装を解除すれば決闘が終わると思うな。やつらには剃刀のように鋭い爪があり、軽装鎧や革の鎧なら穴が開く。それから尻尾は荒削りな第3の手として使われ、短剣を使いこなし、恐ろしいほどの正確さでナイフを投げると言われている

それからハイエルフ自身がいる。高慢なアルトマーは傲慢さゆえにしばしば自滅するが、戦闘においては彼らのリーチの長さが問題になる。相手との距離を縮めろ。背の高さが負担になるようにするのだ。低いところを攻撃し、地面に引き倒せ

少しの学習で、君のような勇敢なカバナントの兵士は、何十人ものお粗末なドミニオンの徴募兵の中を突き進めるだろう!

手紙と書状

Letters and Missives

アークカノン・ターヴスへの取材Archcanon Tarvus Interview

今月のトリビュナル聖堂紹介は、ヴィベク卿に仕える我らが大司祭、アークカノン・ターヴスに光を当てます!私、第七十六アジュバントのドルマラは、ヴィベク・シティのヴィベク宮殿の真向かいの区画、知恵の館に置かれた彼の整理された執務室で、この多忙な聖職者に取材を行いました。

アジュバント・ドルマラ:取材に応じていただきありがとうございます、アークカノン。この週間報告を読んでいる敬虔な人々は、聖堂と街の円滑な運営に従事しているダンマーについて、もっと詳しく知りたがっています。

アークカノン・ターヴス:ヴィベク卿とトリビュナルこそがその車輪を回転させている。私は彼らの僕でしかない。

アジュバント・ドルマラ:相変わらず謙虚ですね!どういう経緯で宗教に身を捧げるようになったのですか?

アークカノン・ターヴス:私はインドリル家で育った。そのため、聖堂での仕事を約束されていたわけではなかったが、聖堂に入ることを強く勧められていた。やがて自分が戦詩人の言葉に心を動かされていたと気付き、すぐヴィベク卿に仕えたいと思うようになった。一部の者しか知らないが、私はボイアント・アーミガーに心酔していた。若い頃の私は、冒険がしたくて仕方なかった。詩人の真似事のようなことをしたこともあった。しかし、ヴィベク卿は、私のために他の道を用意してくれていた。

アジュバント・ドルマラ:つまりヴィベク卿その人が、あなたを司祭として採用したという噂は事実ですか?

アークカノン・ターヴス:その件について、あまり大げさな話は期待するな。私は当時若い侍者で、聖堂で奉仕するための訓練を受けていた。そして道を選ぶ機会が訪れた時、私はヴィベク卿に話しかけられ、冒険に満ちたアーミガーや軍隊のようなオーディネーターになるよりも、司祭になったほうがいいと助言を頂いた。私は自分の選択肢について深く考えた。すると心の奥底で、賛成している自分がいることに気付いたのだ。

アジュバント・ドルマラ:そして精神的な仕事と実務能力の両方を存分に発揮し、史上最年少のアークカノンになったわけですね?

アークカノン・ターヴス:最年少?そうかもしれない。ただそれはずっと前のことだ。私は懸命に仕事へと従事し、ヴィベクと三大神、モロウウィンドの人々に忠誠心を示し続けた。私にこの名誉とこの責任を与えるのがふさわしいと考えたのはヴィベク卿だ。だから、全カノンの中から私が後任に選ばれた理由については、彼に聞いたほうがいい。私は主の力になり、聖堂に仕える機会を与えてくれたことに感謝するだけだ。

アジュバント・ドルマラ:ヴァーデンフェルにいる異国人の危険性に関するあなたの説教は世間を大きく騒がせるかもしれません。違う文化と信条を持つ人々が、本当に私たちの脅威になるとお考えですか?

アークカノン・ターヴス:お前は下級司祭でありながら、質問への答えを誘導しようとしているようだ。ただし、よそ者に対する私の考えはよく知られていて、一貫したものだ。ダークエルフ以外に、生き神とこのように特殊な関係を築ける者はいないだろう。我々の視点と生に対する見解が、タムリエルのどの文化よりも優れていると考えているのはそのためだ。私たちは純粋である時、つまり文化が劣った者の考えや意見に汚染されていなければ、より強くなれる。ただ、それを除けば、よそ者がヴァーデンフェルの美しい島を訪れることについては反対しない。「謎に立ち向かうことで自分たちの強さを知ることができる」と、戦詩人は書いている。

アジュバント・ドルマラ:あなたの側近であるカノン・ルレヴル・アンドラノはあなたについて、「ヴィベク卿と宮殿全体の重荷を両肩に背負っている」と言っていました。この意見に賛成ですか?

アークカノン・ターヴス:戦詩人に仕えるのが重荷か?宮殿と聖堂での仕事を円滑に行なえるようにして、街が滞りなく発展できるようにするのは義務ではないか?愛するトリビュナルとその民のために、やるべきことをやっているだけだ。それは重荷ではないぞ、アジュバント・ドルマラ。貴重で素晴らしい特権なのだ!私の管理下にある全司祭に、この考えが浸透するように尽力している。是非ともこのことを覚えておけ。お前はこの考えを理解できるはずだ。

アジュバント・ドルマラ:もちろんです、アークカノン・ターヴス。私が質問したのはあなたの言葉を正確に引用するためです。取材を終了させる前に、もう一つ質問してもよろしいでしょうか?

アークカノン・ターヴス:必要であれば。

アジュバント・ドルマラ:ヴィベク・シティの建設状況はいかがですか?

アークカノン・ターヴス:ヴィベク卿の都市の建設は、戦詩人が指示した通りに進んでいる。それぞれの区画は湾にある島々のような形をしている。ジッグラトはバール・ダウに触れそうなほど高くそびえ立っている。現時点ですでに最高傑作だが、実際にはまだ半分も完成していない!ヴィベク・シティはすでに、タムリエルの他の地域から羨望の的になっている。完成が近付くにつれ、送られるだろう称賛の声を想像するように!これ以上質問がないなら、ヴィベク卿の仕事がある。そちらに戻らせてもらおう。

アエラからデンスカーへの手紙Aera’s Letter to Denskar

デンスカー

私は消える。もう戻らない。私について噂を聞くことになると思う。情けないけど、その話は真実よ。

トリンが死んでから、私は途方に暮れた。もう虫の教団とは関わりを持たないけど、それで私のしたことを償えるわけではない。

リトレックの世話を頼むわ。彼には理解できないと分かってるけど、いつかあなたは理解してくれると願ってる。いつまでも愛してる。でも振り返らないで。私は一生戻れないことをしてしまった。

愛を込めて

アエラ

アエラからトリンへの手紙Aera’s Letter to Tryn

トリン

すぐに、私についてひどい話を聞くでしょう。それが本当でないと言えたらよかった。でも本当のこと。間違ったことをしたのは分かってる。それだけは言える。

失望しているだろうし、償ってあげることはできない。でも、お願いだからあなたを愛してるということは忘れないで。ごめんなさい。

母より

アカッシュへの手紙Letter to Akash

親愛なるアカッシュ

あなたとその部族は私の目標のためによく働いてくれた。ウッドオークでなければこれほど早く残りを掘り出せなかっただろう。もちろんアルトマーは別にしてだが、無知な彼らは私を助けるのではなく止めるだろう。

そしてあなたの祭壇は私の設計に完璧に合致している!これほどのパートナーは他にいない。ウッドオークがここまで素晴らしいパートナーになるとは、誰も思いつかないだろう。

渡した報酬が十分だといいのだが。いやそれより、我々の関係に満足してくれていると思いたい。私の人生で一番大事なこの件を通してあなたと組んだが、驚いたことに安堵を得られた。

これが終わり、タムリエルの戦が終わったら、共に新しい生活をはじめよう。私は新しいアルトメリ帝国の支配者となり、あなたはウッドオーク歩兵のリーダー、我らの使徒となれるだろう。

アゲノールからの手紙Letter from Agenor

フィルジョア閣下

我が部隊に閣下が配属なさったストームフィストの分遣隊は、見事に任務を遂行しております。ご命令のとおり、地域の隅々にて通商と進行を妨害しています。合図をいただければ、ウィンドヘルムへ向けて進軍を開始する予定です。攻撃の時が来たら、街を包囲できる適切な位置につきます。

スクルダフンにて閣下にお供できないことが残念ですが、この任務がどれほど重要であるか、そしてなぜ任務の完了を閣下に委ねていただいているか、私は理解しております。

閣下の前にひざまずき、王座にお着きになるその瞬間を目の当たりにするのが待ち遠しいのです。その任務を与えていただけたら、私は喜んで、いまいましいあなたの兄弟ジョルンがあなたに対して犯した罪を、彼に償わせたいと思います。

あの吟遊詩人め!強健王子様、彼がどのようにあなた様を打ち負かしたかは、私の理解を超えています。ぬいぐるみのようにあの男を引き裂くべきだったのです。彼は不正をしたに違いありません。私にはそれがわかるのです!

我々はバスタードの墳墓からゴブリンを追い出し、そこをかなり快適な旅団の司令部に変えました。ただあいにく、穏やかな生活のせいで隊員たちがだらけつつあります。しかしご心配はいりません。そんな怠惰はすぐに彼らから叩き出しますので。

隊員たちは、地方をうろつきまわること以上のことがしたくてうずうずしています。我々は、好敵手を相手にした本当の戦いを待ちわびているのです。ウィンドヘルムを守っているスキーヴァーどもが、我々の望む挑戦を与えてくれるといいのですが。

再び閣下のお側に行くその時まで、私は留まります。

— アゲノール・ストームブレード

アルセンからの手紙Letter from Althen

トゥレンへ

何年も身を潜めていた後で、奴らは私のことを忘れたと思ったが、そうではなかったようだ。ダガーの環は依然として私を追跡し、迫ってきている。奴らの密偵の一人がモイラの願いで聞き込みをしていて、逃げる必要がある。

短期的には準備ができている。サングイン墓地の中央墓地に隠れ家がある。中に閉じこもって少しの間はやっていけるが、できるだけ早く来てほしい。君の力を借りて移住し、もう一度別人になることを望んでいる。

追伸:トロール達には気をつけろ!

-ジェラール・アルセン

アルソルミルからの手紙Letter from Altholmir

私の愛する人へ

また1カ月が過ぎた、それなのにファリネスティの痕跡はまだ見つからない。夏の地からまた同じ知らせが届いた。生きている内はこの都市に辿り着けないのではないだろうか。なぜこんなことになったんだ?なぜ街そのものが消えてしまったんだ?何百回と質問を繰り返してきた。だがまだ答えは見つかっていない。

思い切って監視をやめるべきかもしれない。私達にはかつて生活があった。帰ることのできる家があった。すぐに手紙を書いて君の考えを聞かせてくれ。君と子供達に会いたい。エルデンルートで再会できれば、少なくとも当分の間は一緒にいられる。

すぐに返事をよこしてくれ
アルソルミル

アルマへの手紙Letter to Alma

アルマ

シャドウパスを強く歩き続けるのだ、愛しい者よ。我らが主のため仕事をこなし、私の命令に従え。今のところは、これがお前の分け前だ。我々の中であまり早々と階級を上げてしまうと、他の者が贔屓だと主張する。ヴォルカティアは特に用心深く、疑いと嫉妬の眼で細かく見ている。

気持ちと口を抑えよ。でなければ我ら2人とも死へと導かれる。お前の軽率な行動を避けるべく、ナガスタニにある古代遺跡へ行くよう命じる。これは罰ではなく、機会と捉えよ。そこに住む者は全て敗走させるか、堕落させよ。かの地に充満する悪を利用し、力を蓄え、私の合図を待て。ブルーロード砦はじきに君の支配の下、我らのものとなろう。

お前の求める悪魔主義者の階級は、いずれ私の下で手に入る力への踏み台に過ぎない。共にシロディールを全て潰そう!

— ドレッドロード・ナウクラティウス

イディーファへの手紙Letter to Idirfa

いとこのイディーファへ

手紙を送るのが遅くなってすまない。すぐに届かないかもしれないことは承知しているが、それでも、ある程度うまくいったことを知らせたかったんだ。長旅だったが、どうやら苦労は報われそうだ。

天候が悪化し、俺たちはアイスハンマーの貯蔵所で雨風をしのぐことを余儀なくされた。暖かく居心地のいい宿ほど理想的な場所とは言えないが、少なくとも、ここにいる間はお宝を探すことができる。手際よく静かに行動すれば、黄金をいくらか、もしかしたら遺物の1つや2つは見つかるかもしれない。

もちろん妻はいい顔をしていないが、彼女は辛抱強いし、理解があるほうだ。妻は持ってきた数冊の本を赤ん坊に読んでやっている。宗教書を好む妻だが、この状況を切り抜けるのにそれが必要だというなら、俺は気にしない。

俺も好きで家族をこんなところに連れてきたわけじゃない。だが、ああいう金貸しどもがどんな連中かは君も知っているだろう。奴らに嫌がらせをされるかもしれないウィンドヘルムに妻子を残してくるよりも、自分の側に置いておくほうがずっと安心できるんだ。

借金を返すのに充分なお宝が集まりしだい、アモル砦に戻るつもりだ。君に神々の加護がありますように。神々が皆を導き、お守りくださいますように。

— アジサー

インダルの手紙Indal’s Letter

愛しきエータヤハ

君が恋しくて仕方がない。ここは大勢の人でごった返している。噂では、近々戦いがあるそうだ。僕に神々のご加護があるよう祈ってほしい。もう一度君に会い、故郷を見ることだけが今の望みだ。

輝く月のご加護を

インダル

ヴァーデンフェルに来い!Come to Vvardenfell!

いとこへ

ストームウィンドの店の上に住んでいることは知っている。でも、お前も私と同じようにヴァーデンフェルに来るべきだ。まだここに来て1年も経っていないが、もうバルモラのすぐ近くにある家を手に入れた。ほぼ毎月、ヴィベク・シティに行ける金を稼いでいる。

ここを見たらきっと驚くはずだ。彼らは水上に「戦詩人の都市」を建てたんだ。どのカントンも複数の層に別れている。迷わないようにするのは本当に大変だ!

それから、バルモラの中心には運河が流れている。「水の街」と呼ばれているようだが、むしろ「美しい女性バーテンダーの街」といった感じだ。ある宿で働いているダークエルフの女性に、本気で好意を寄せられているんだ。嘘じゃないぞ。

とにかく、こちらに来たらバルモラにいる私を探してくれ。セイダ・ニーンの北だ。ヴィベク・シティに着いたら、余分に金を払ってでも船に乗ることだ。街道にいる獣は少し凶暴だからな。

アートゥリアン

ヴィグロッドへの手紙Letter to Vigrod

愛しきヴィグロッド

今回の昇進の話を聞いて、みんな喜んでるよ!父さんはもちろん今でもお前が農場に残ってくれればよかったと言ってるけど、あの人も密かに息子が同胞団にいることを誇りに思ってる。でも私がそう言ったことは内緒にして。

昨日、かわいいグリルダが家に立ち寄った。彼女の父親のところから、鹿肉と4つ目のグロッグを持ってきてくれた。父さんがグロッグに目がないのを知ってるのね。それに父さんは腰を痛めて以来狩りができないから、鹿肉は大歓迎。

あの子は近いうちにきっと誰かのいい夫人になる。少し積極的になってあの子と話せば、それはお前かも知れない。顔はかわいらしいし、腰もいいし、相続する農場もいいし、全て考慮するとなかなかの相手だと思う。でもその話はここまでにしよう。

とにかく、私達の心配はしないで。大丈夫だから。父さんは以前のように農場で働けないけど、手伝いを1人か2人雇おうかと話しているところ。連日連夜、避難民が流れてきてるから、助っ人は簡単に見つかるはず。

これ以上刺されたり、切りつけられたりしないようにね。元からそんなにハンサムじゃなかったんだから。多少の傷なら味が出るけど、ありすぎると見た目が悪くなる。

愛を込めて

ウィレス・グウェンへの手紙Letter to Wyress Gwen

ウィレス・グウェンへ

あなたが旅立ってからウィルドの樹の周辺ではおかしなことが起こってる。何週間か前に生え始めたあの変な蔓を覚えてる?あれがどんどん大きくなって、何やら…邪悪なもののように見える。信じられないかも知れないけど、そうとしか言いようがない。あれは正真正銘の邪悪な存在よ。

森の動物達は蔓に近づくと興奮して攻撃的になる。それに、蔓の成長につれて動物達が攻撃的になる時間も長くなるみたい。誰かが襲われるのは時間の問題だと思う。蔓が動物達を変えてしまった。

状況はさらに悪くなった。蔓の一部が突然変異を起こして、邪悪なトゲからラーチャーを吐き出すようになった。

ウィレスには申し訳ないけど、もうここにはいられない。ブラッドソーンの信者の襲撃を受けて、小屋の下にあるポータルストーンの洞窟を占領されてしまった。証明はできないけど、最近起こった問題の原因はきっとあの信者達よ。失望させてごめんなさい。でも許して。多分聞く耳を持たないだろうけど、この件がすべて片づくまでウィルドの樹には絶対近づかないように。

ウィレス・ドミ

エグラノールへの手紙Letter to Egranor

エグラノールへ

分かってる。二度と連絡するなと言われたのは。でもクェンデルーンで起きたことは…裏切り者になるなんて聞いてなかった。継承者がエボンハート・パクトと手を結ぶなんて?それは自分自身の信念に反する。必ず報告をして。

エイランが態度を激変させたのだとしか考えられない。母に手紙を書いて、女王に情報を伝えてもらうつもり。

グリーンシェイドはオーリドンからずいぶん遠く感じる。故郷が恋しい。サマーセット諸島が恋しい。

あなたが恋しい。ごめんなさい。

— アラニアス

エストレへの手紙Letter to Estre

親愛なるエストレ

そなたがアイレンに反対していると聞き、辛く思っている。サマーセット諸島の純粋さを守りたいというそなたの考えは理解できるが、女王の意図の重要さは軽視できぬ。

私は両者とも親しい間柄なため、どちらの味方をすることもできない。ファーストホールドは中立の立場を取り、優先事項は敵からオーリドンを守ることだけだ。

数えきれないほどの敵から。

遺憾の気持ちを込めて、

上級公ライリスXIII世

エデルフィンへの手紙Letter to Edhelfin

エデルフィン

まだあなたの生意気な顔を見なければいけないようね。「臨時」の積み荷については全部サルが教えてくれた。私たちの取引に手を伸ばしていることに、私が気がついてないとは思わないでね。

親切に警告してあげてるのよ。サルはあなたを気に入っているから、皮を剥がれたあなたの姿を見たら数週間はふさぎ込むでしょう。次に入る港で、あなたには逃げ出すチャンスが1回ある。私に捕まったらあなたは終わりよ。その前か、その間か、あるいはその後で見かけても、あなたは終わり。私をその気にさせないでね。

あなたの憧れの姉妹、

エランドーラ

エドマンド卿の手紙Sir Edmund’s Letter

騎士諸君、ナサニエル公爵が何を企てようが、私たちは自らの誓いを裏切ってはならない。公爵が公に行動へ出た場合のみ、攻撃を加える。私に賛同するのであれば、角笛の音を聞け

-エドマンド卿

エブリエンへの手紙Letter to Evrien

エブリエンへ

この退屈で金の亡者のホーカーの息子め!今度会う時は、護衛をつけておくことだな。さもないと、お前を絞め殺して、死体をブラッディハンドの餌にしてやる。

輸送料金を3倍にするなんて法外だ。お前もよく知っているように、今は仕方ないから支払う。だがシロディールが再び支配したら、不都合な儲けを隠れ家から奪ってやる。

無事に戻ってほしいのか、ゴブリンに殺されてほしいのか、よく分からない。どっちにしても、満足できる結果だ。

— ウグラ・グラグム

エメリック上級王、私は嘆願します!High King Emeric, I Implore You!

上級王エメリック様へ

貴族からの書状の山を読むのに忙殺されていることとは存じますが、このお手紙がしかるべき処遇を受けることを願っております。

私はこの手紙を虐げられた宮廷の一員として、また理由もなく冷遇され追放されたすべての人々(少なくとも注目されるべき身分の方々です)を代表して書いております。あなたの家、あなたが猫を何匹飼っているか、あなたがどのような食事制限をしているか…そんなものとは関係なく、すべての貴族は生まれながらに宮廷とそれに関連する集まりに参加する権利を有していると、私は固く信じております。

私は同じ宮廷の人間から何度も無視され拒絶されてきましたが、その理由は偏見以外の何物でもありません。このことは許しがたい不正であり、今すぐ終わらせねばなりません!私の血は他のあらゆる貴族と同様高貴なものであり、しかるべき尊厳を受けることを私は要求します。

宮廷に命令を出せるのはあなただけです。私を救えるのはあなた様しかいません。お願いします。公共の場で現状の改善を訴えてください。私にしかるべき地位をもう一度ください。

あなた様の忠実なるしもべ
アデリル

オブランへの手紙Oblan’s Letter

我が親愛なる、幸運なる友のオブラン

お前の船長の愚かな愛国主義のおかげで、お前に最高の仕事が回ってきたぞ!海軍のためにケナーシズルーストで「偵察」をするようなものだと考えてみろ!あの差し出がましい海の悪党どもが周りに目をやる頃には、お前はとっくに砂地にたどり着いてるさ。

お前は知っているだろうが、俺の物資の大部分はKRから来ている。お前は「運賃」を払わなくてもいいんだから——まったく狡猾な猫め——今度お前がHに来る時は、俺との取引を請け負ってくれると期待している。新しい束を1つ用意しておくから、俺に原料を持ってくるのを忘れるなよ。

短い手紙で済ませておいたほうがいいだろう。お前の航海は上げ潮だって聞くからな。幸運と、安全な旅を!

——K

オフログへの手紙Letter to Ofglog

オフログ・グロー・バークバイト

あなたがあのファンシーな大学で学んだことを見たいと、要塞の全員が集まってきた。あなたの言うように我々は目を閉じて、そしてあなたが珍妙な言葉を言うと…何も起こらなかった。そして我々が目を開けた時、あなたはもういなくなっていた

モラマットがその愚かな口を開いて、あなたが透明人間になったんじゃないかと言い…全員が私を見たわ!何年もあなたが私の鍛冶場の周りを嗅ぎまわってたことや、門前払いを食らっていたことを知っていたからね。そしてシャルナグがうっかり「彼はついに覚醒したんだな」と言ったら、全員が笑いだした

これが、あなたが私をからかった最後だったわね。どこに行ったとしても、もう二度と戻ってこないで欲しい。あなたが大嫌いよ

—シャクル

オリーンラからの手紙Letter from Oleenla

卵の姉妹へ

雨が石を叩く中、これを書いています。雷が聞こえるのに、空に稲妻は閃かない。じつに奇妙な嵐です。

本当はマッドツリーを通りたかったのだけれど、悪天候と旅の困難から、仕方なくオルテン・コリモントを抜けることになりました。ヒスミールに着くまで手紙を書けるとは思っていなかったので、遠回りすることになって却って良かったと思っています。

嵐が強まってきました。暗闇にうごめく怪物たちの話をしている者もいますが、私に言わせれば的外れです。ここらの怪物たちは浅瀬で息をひそめて獲物を待ち受けます。草むらをかき分けて襲いかかってくることはないし、夜空に向かって吠えることもありません。シシスが私たちをお召しになるなら、その近づく音は聞こえないでしょう。

まぶたが湿った木の枝のように垂れさがってきました。もう休まなければ。ティーマタによろしく。あなたの行く道が実り多く、太陽の接吻を受けるものでありますように。

潤いを保たれますよう。

オリーンラ

オルシニウムの児童養護施設からの手紙Letter from the Orsinium Orphanage

拝啓

あなたが匿名を望んでいるのは存じていますが、お礼を述べるために手紙を書かなくてはなりません。オルシニウム孤児院を支援してくれる過去数年のあなたの不断の働きは寛大の域を超えています。贈ってくださった金と寄贈品を有効に用いて、ベッドと数えきれないオークの子供達の心が温かくなりました。また孤児院自体も発展して、ダガーフォール・カバナント全土で随一の孤児院となりました。

代わりに見つけてくださったオークの歴史書を見た、街の学者達はショックを受けていました。あなたは永遠に失われたと思われていた知識を私達に取り戻してくれたのです。その功績にモーロッチが祝福を授けてくれますように。

オールガ・シャズグル

オルシニウム孤児院院長

カマリーノからの手紙Letter from Camarino

愛しき姉妹へ

思った通り、戸棚からパンを盗んでいたのは父だった。母はわめきまくり、みんなで笑いに笑った。君がいればもっとおもしろかったのに。

早くよくなってくれ、姉妹よ。アーリエルのご加護を。

— カマリーノ

カラハウンへの手紙Letter to Calahawn

カラハウンへ

お前の魔法の災難への招待はきっぱりとお断りする。

ハーシーンに懇願して「全ドミニオン」に反抗する貴殿を支援させるなど愚行で、甚だしい過剰反応が起きることは言うまでもない。デイドラ公の肩を叩くのは相変わらず危険だ。どうして魔法を使う能無し達を寄せ集めた集団に頼り、己を破滅へ導くのか?

連中に最寄りの魔術師ギルドの支部へ辿り着く能力があるのかさえ分からない。ましてデイドラ公に懇願するなんて!だが、奴らが必要なのだろう。まともなエルフは貴殿の助けにはならない。私はもちろん助けない。お前と同様にグリーンパクトの忠実な支持者だが、目指すところが違う。

よく考えるべきだ。この戦争を生き残る唯一の可能性はドミニオンだ!真の敵がヴァレンウッドを焼け野原にする準備をしている時に、お前は味方を狩ろうとしている。

私はこの手紙に署名できない。司法高官がお前の死体で手紙を見つけては困るし、お前の暴挙に関係していると思われたくない。

カルプ・サからの手紙Letter from Karpu-sa

栄誉あるクランマザーへ

最近、道は危険な状態です。山賊は報復を恐れず攻撃し、ハーピーどもは嵐でねぐらに戻らなければならず、警告なしに襲ってきます

このため、2人の傭兵を雇うことにしました。2人とも勇敢な者だから、今月は3倍の命令を出してください

どうか、積み荷の護衛については心配しないでください。次の新月の前に、護衛が到着することになっています

昼はあなたの地にマグルスが微笑み、夜はジョーンとジョーデの踊りがあらんことを

カルプ・サ

キャスネルへの手紙Letter to Kathner

キャスネルへ

この手紙を受け取っている頃、るつぼからの船は、マラバル・トールの岸から数日離れたところにいるはずね

オーガ1人につき1000ゴールドで合意したことは知っているけど、もし来てくれれば、1500ゴールドを提案するつもりよ

この陰気な剣闘士たちは本当の情熱を全く知らないし、あなたに優しく触られて鱗が震えた時から、あまりにも長い時間が経ってしまった

年老いたアルゴニアンのお願いなんか誰も聞きたくないだろうけれど、あなたもそんなに若くはない。本当に残りの人生をジメジメした洞窟で、あのならず者たちと一緒に過ごしたい?

獣使いウェールナ

ギャビーからの手紙Letter from Gabbi

アグネディル

ツンドラでの、いとこのウッドヒューワーたちとの生活はどう?木の質はどんな感じ?忙しくしてられるくらいたくさん生えている?それから、社交の様子はどう?誰か特別な人との出会いはあった?ボーンストルーン山脈付近には他に人がいるの?それとも、辺鄙な場所にあなたといとこたちだけ?

ウィンドヘルムはあなたが出て行ってからおかしなことになってる。フィルジョアのこと聞いた?スカルド王の卑しい兄弟が、イーストマーチに戻っただなんて信じられる?しかも、裏切り者のノルドとどう猛なオークを味方につけて。恐ろしいことだわ。

アルヴォアがよろしく伝えてと言ってる。セルガードとジャキルドに、私たちが気にしていることを伝えてね。でもケーソーには言わなくていい。昨シーズンの収穫祭で起きた事件についてはまだ怒っているの。彼にも、あの気持ち悪い、酸っぱいデザートにもね!

すぐに返事を書いてね!
—ギャビー

クアロナルディルの手紙Quaronaldil’s Letter

母さんへ

エサニヨンは正気じゃない。始めは人生の道を探し求めているんだと思っていた。今じゃ時の終わりのことしか話さない。夢の中で見るカラスのことを話すんだ。現実と非現実の区別がついていない。

手紙に書いてあったと思うけど、彼は世界の終わりがすぐ近くに迫っていると思い込んでいる。スカイウォッチの貴族を生贄にすれば、どういうわけか終わりを阻止することができると言っているんだ。彼の妄想的な信念のために誰かを殺させるわけにはいかない。

スカイウォッチ衛兵隊に通告しなくちゃいけない。それで何が起ころうと、彼を止めなければいけないんだ。すまない。母さんのことはいつもどおり愛しているけど、彼は止めなくちゃいけないんだ。

クアロナルディルより

クインタスからの手紙Letter from Quintus

愛しき妻へ

何か進展はあったか?「ガーディアン・アイ」は見つかりそうか?何人か応援を送ろう。私に借りがある連中ばかりだ。顎で使ってくれて構わない。

君を愛してやまない夫

クインタス

追伸

急かして君の邪魔をするつもりはない。ただ、ペースを上げてくれると本当に助かる。

グジャーマの指示書:ユンゴルドGjarma’s Orders: Yngold

儀式用物資の不足を懸念しているのは分かる。ただ、地元の魔術師ギルドを襲撃して物資を手にする予定があるのを忘れているようね。

入手を確認したら、連絡してくれれば実行する。

— グジャーマル・レイヴン・ヘア

グジャーマの指示書:ワマスGjarma’s Orders: Wamasu

方法は問わないから、あの薬漬けのワマスを要塞からヘヴンの下へ出してほしい。防壁の外にある、帝国の昔の帯水層を通れるはずだ。儀式が完了する前に逃げ道を確保できなければ、終わりよ。

それと押さないこと!もし怒って目を覚まされたら、支柱を溶かし始めてしまう。私達が外に出る前に、街が崩れ落ちると困る。

— グジャーマル・レイヴン・ヘア

グジャーマの指示書:物資Gjarma’s Orders: Supplies

全部ポーチに詰めて。ただしこの計画を成功させるには、死霊術師が死体を必要とする。荷車10台分で十分でしょう。

ただし、死体を作りにいく前に、道端などにないか探してみること。家の扉を壊して死体を引きずり出すところをヘヴンの住民に見られたりしたら、怖がっていても立ち向かってくるでしょう。

— グジャーマル・レイヴン・ヘア

グリゲルダへの手紙Grigerda’s Letter

グリゲルダ

手下を送り込んで私と話をさせようとするな。不愉快だし、そいつらが死ぬことになる(殺しているのは私ではなく街中にはびこるドレモラだ)。私と話がしたいなら、ここまで出てきて見つけてみろ。

ただし答えはノーのままだ。ここには怪物がいて、そいつらがいなくなるまで私はここに残る。一緒に何かがしたいなら、ここまで出て来い。

——メサスより

ゲルドリオンへの手紙Letter to Geldrion

ゲルドリオンへ

次からは、大事な金を樽の中に隠すような馬鹿な真似はしないように。ボケ老人でも見つけることができるぞ。金は銀行で保管してもらうことにした。銀行はそのためにある。母親からそう習わなかったか?

あの重い盾を持ち出すのは嫌だったが、あんなオンボロをお前以外の誰かが使うわけでもないし…タマネギは銀行に預けたら頭がおかしいと思われる。それに臭いがきついしな。

兄弟のランドルフより

ここを去れLeave This Place

これを見つけた誰かへ。

ここを去れ。呪われている。奴らが大勢いる。

最初は一人だけだった。鉱山に隠れて、私の子供たちを誘惑した。子供たちはもう奴らの仲間だ。

残されたのはわずかしかいない。だが、奴らはそこら中にいる。

ここから動けない。きっと死ぬ。だが、降参する気はない。

奴らの仲間になるくらいなら、肋骨を引きずり出されたほうがましだ。

ゴサーグからの手紙Letter from Gothurg

グルラルズへ

姉妹よ。いつだって想像力豊かで、俺はそんなところが好きだった。お前の計画には無謀なものもあったが、いつも応援してきたつもりだ。

でも今は違う。トロールは危険な化け物だ!この夢を忘れて家に帰って来ないというのなら、もう最後のような気がしてならない。何度も俺の言うことを無視してきたな。この手紙も意味がないのだろう。だからもう諦めようと思う。いつも愛してる。

——ゴサーグ

ゴルヴィンからの手紙Letter from Gorvyn

最愛のいとこへ

デシャーンからストンフォールへの旅は困難で若干危険でもあったが、どうにか無事たどり着いたよ。デシザムが教えてくれた道順は完璧だった。どうにかして、ここの人達にロドス病について警告する。そして治癒師達が病気に対処する準備を整えられるようにするよ。少なくとも、彼らに可能な範囲でね。期待してくれて構わない!

セルクでも状況が良い方向に向かっていることを願うよ。なんとか健康でいてくれ。また近いうちに会おう。

敬具

ゴルヴィン

ザバンの手紙Zaban’s Letter

ラズム・ダーへ

いつもの方法はうまくいかなかった。以下を知らせる。大学に侵入された。学長のタニオンは今やベールをしている。ザバンは最初はよくわからなかった。今は確信がある

ベールの女王自身がこの場所を支配する。今すぐ密偵を送れ

ザバンより

サマーセットへの未完の手紙Unfinished Letter to Summerset

母さんへ

ヴァレンウッドという森の北部にあるリーパーズ・マーチから書いています。使っているインクはこの地域が原産地で、サマーセットのインクには見られない、重要な成分が含まれています。もしかすると、余白に書き込んだ数学的方程式が解けるのではないでしょうか?これらの要素を考えると、家からの距離が精神的な能力あるいは鋭さを減らさないことが証明できます。

私たちの信条はご存知の通り、めったに一致しませんから、人生の道が大きく枝別れしても驚きません。出発前に母さんに言われた言葉を悪く思ってはいないことを知っておいてください。

愛のあかしとして無言の返事を受け取ってください。乱暴な話はしたくないのです。この世界に関する知識はピアカルモがそばにいてくれることで何千倍にも増え、ここはサマーセットの外に住むアルトマーのための場所かもしれないと信じるようになりました。私たち自身のために見つけた贈り物を、他の人たちに広めながら。

ピアカルモと私はサマーセットに戻る計画を立てています。ご都合が合えば良いのですが…

サリクの命令Thallik’s Orders

斥候の報告によると、最も弱い巨人の野営地がリフテンの北西、オータムシェイドとして知られている地域にある。そこへ行き、巨人を殺し、我々のために戦うよう蘇らせよ。体が巨大なため蘇らせるのが大変なことは承知だが、成功するまでやるのだ。シンムールには先頭を行く軍隊が必要だ

虫の父サリク

〈サルモールの鉄拳〉に関してRegarding the “Fists of Thalmor”

外交機密文書:サルモール以外閲覧禁止

送付の限定先:アイカンター、教化サピアルチ、水晶の塔、アリノール

賢明な諸氏

振り返ってみると、私は補助的な軍事部隊に「サルモールの鉄拳」と名付けることは用語体系の間違いだという立場だった。その部隊の機能に忠実な名前ではあるが、土地の言葉では名前が単純に「サルモール」と縮められて、外交の部隊が間違ってドミニオンの軍隊と混ざってしまう。さらに言えば鉄拳であるがゆえに、実行する任務で必要と判断する以上の戦力を使う事態も考えられる。そのせいでサルモールの認識が重装備の悪党だと汚されてしまう。言うまでもなく、先住民の助けを求める交渉には悪影響を及ぼす。

いずれは、我々の部隊を「司法高官」と名付けるのが賢明かもしれないと考えている。古臭い名前のせいで、カジートの市民が参加する気にならなかったとしてもだ。

敬具

キャノンリーブ・ファルデュイル

サルモールへの苦情A Complaint to the Thalmor

逃げたセンチタイガーがラミアの巣食う洞窟で殺されたのは、今週これで3回目だ!

何とかならないなら、マーブルクへいって女王に直訴する!それからサルモールが、どれだけウッドハースで顔を効かせられるか見てやろうじゃないか!

ドミニオンはエルフだけではなく、カジートのものでもある。アンダールート洞窟を直ちに捜索してほしい。それからいなくなった猫の賠償もだ!

ジマーロン大将軍への手紙Letter to Grand Warlord Zimmeron

大将軍

聖蚕の僧侶の訴えに苛立っております。今は戦いの最中だということが彼らには分からないのでしょうか?我々があれだけ苦労して手にした星霜の書を差し出すことを求めるなど、あり得ない行いです。我々を悩ますあの聖蚕の僧侶を大将軍が拒絶されたのは、当然のことです。

パヴォニウスを聖堂から追い出し、衛兵には今後彼を入れないよう命じました。彼が現れる度により強く打ってよいとのご指示を待つばかりです。遅かれ早かれ、それで彼の嘆願もやむでしょう。

——護衛ガリエル

ジャキルドへの手紙Letter to Jakild

愛しきいとこ、ジャキルドへ

旦那さんは元気?まだ大事にしてくれている?それと、あの憎たらしい兄弟のケーソーは?今でも憎たらしいんでしょうね!ツンドラのその地域には、生活ができるくらいの木が本当にあるの?それに天気は、ウィンドヘルムのように曇りの日が続くのかしら?

妹の面倒を見てくれていることを願っているわ。アグネディルがどれほどあなたを尊敬しているか知っているでしょう。いとこの中でも、あなたはいつでも彼女のお気に入りだった。それと、あの子が森の訓練について行けるようにお願いね!

彼女に結婚を申し込むにふさわしい人は見つかった?そこから東へ行くと採伐キャンプがあるんだけど、そこの木こりを何人か知ってるの。皆いい人よ。でも、あなたが手紙で言ってたご近所についてはどうなの?ほら、そこから直接西へ行ったところにいるっていう?地位があって裕福な誰かが、妹に気付いてくれるチャンスはないかしら?とにかく、あなたのハチミツ酒が冷えたままで滑らかに流れますように!

ギャビー・フォレストボーン

シャクラの手紙Shakra’s Letter

ドグルルへ

元気?父さんはブレトンと組むなんて陸のオークは臆病者だと言うけど、私はそうは言い切れないと思う。数には力があるもの。あなたの族長はどう考えているの?

カバナントでの生活がどんなふうか興味があるわ。軍隊暮らしはどんな感じ?もう戦いには参加したの?

あるボズマーから、エルフは新しい女王を迎えたと聞いたわ。本当なの?新女王がタムリエル全土を取り戻すつもりだと言ったというのは事実?

そうそう、公爵夫人ラカナとナサニエル公爵が結婚したらしいじゃない。レッドガードとブレトンが結婚?公爵夫人が決めたことなのかしら?ああ、自分で自分の夫を選ぶなんて!あなた、ストームヘヴンには行ったことある?

商船の船長から聞いたのだけど、カバナントはダークエルフの都市「ダボンズ・ウォッチ」を襲ったそうね。ダークエルフは炎と骨の怪物、デイドラを呼び出して対抗したんですって。

嘘でしょ?だってデイドラよ?私は船長に担がれたんだと思う。その場で殺しておけばよかったわ。

返事を楽しみにしているから。もっと便りをちょうだい。それと、早くもう一度訪ねてきて。

-シャクラ

ジャッジからの通知A Reminder from the Judge

皆に告ぐ

法廷は面白く刺激的なものにしたい。また、判決は早急に下したい。このため、デイドラの執行官たちは全員、定命の者がデイドラよりもずっと弱く脆いことを覚えておいてほしい。新しい捕虜たちは、大概の負傷から簡単に回復しない。彼らには判決を受けられるよう元気でいてもらいたい。

捕虜には危害を加えないように。危害には四肢切断、鞭打ち、内臓の取り出し、即座の処刑が含まれるが、これに限定されない。少なくとも判決が言い渡されるまで禁止する。

どうか、定命の魔術師の前では自制し、破滅させようとしないでほしい。できるだけ長くこの玩具で遊びたい。

さあ、正義とやらを実現しよう!モラグ・バルの栄光のために!

— ジャッジ・シベン

ジョフニールからメリックへFrom Jofnir to Merric

お前の判断を信じている

この「アースフォージ」の発見は朗報であり、我々が保管すべきものである。お前の抜け目のなさの恩恵を受けたいと思う犬どもは、この場所を見つけるためにギルドの血を流すことになるだろう

山に恒久的に駐在したいという要望を受け入れる。職人たちは山の中心の、あの悪魔のような建物で腕を試したがっている

他の道具もそこへ移しておくように。もしかすると、うちの彫刻家と仕立屋たちも、新鮮な空気の恩恵を得られるだろう?

-ギルドマスター ジョフニール・アイスブレイド

シンハモスへの手紙Letter to Cynhamoth

ああ、最愛のシンハモスよ、食欲をそそる贈り物で私を喜ばせるとはどういうことだ!

私が胴回りを気にしていることは知っているはずだ。それなのに、またバターを塗ったスキャンプの膝肉を贈ってきた。

(ところで、味はおいしかったよ!)

—キャドウェル卿

ステルビン・ローテルへの手紙Letter to Stelvene Lothaire

ステルビン!戻ってくるんだ…彼はまだ生きてる!

彼に会わせてやる。馬車があるんだ!父さんが全部隊を召集してお前を探してるぞ。こんなに長く隠れてたら、もう有り金も底をつきただろう…

家に戻ってこい。そうしたら知ってることは全部教える…

狂気から目を覚ませ。偽りの神を捨てるんだ!

リンカスより

ストームヘヴン・ブラスターの拒否通知Stormhaven Bluster Rejection Notice

ご応募ありがとうございます。

多くの購読者を誇る本紙に広告を出されたいという件ですが、誠に残念ながらストームヘヴン・ブラスターは今回のお申し出をお受けできません。ご自身の団体を宣伝したいというお気持ちは尊重しますが、そちらの言葉遣いのいくつかに関して、購読者の皆様にお見せできないと判断させていただきました。

見出しの「血の報酬」と「殺しのキャリアをスタート」は、本紙ではあまりに過激すぎます。また「どんな仕事でも請け負い、質問をしない人」という募集要件ですが、こちらは公正なる出版物としての本紙の評判を傷つける可能性があります。

いただいた料金はお返しするか、またはもっと適切な宣伝広告を新たに提出していただくことも可能です。「鉄のかかと」というそちらと似たような傭兵組織の広告が本紙の最新版に載っておりますので、本紙にふさわしい宣伝広告の見本としてご参照ください。

よろしくお願いいたします。
ストームヘヴン・ブラスター編集部より

ストラストノクへの手紙Letter to Strastnoc

ストラストノクへ

今頃はその毛深い尻をエバーモアの王座で休ませていることでしょう。私達に運があればね。虫の教団との取引が重要なことは分かっている。だが、彼らを本当に信じていいか心が揺らぎだしている。あなたが戻ってきたら、詳しく説明しましょう

リネレ

セインへの手紙Letter to Seyne

私の頑固な姉妹へ

元気であることを願っているよ。伝えたいことがたくさんある。私達は街の南側で、全面的な灌漑計画に着手した。アルゴニアンの一人から、水路システムを適切に改善する方法を教わったんだ。

私達はここでお前を恋しく思っているよ、セイン。私達のような小さな街は、一人に去られるだけでも大きな穴が開くんだ!

セイン、私達はしばしばお前のことを考える。お前の兄弟であることをとても誇りに思う。お前がパクトの安全のために戦っていること、そしてそれがヴィベクの元にいる父を誇らしい気持ちにしていることを、私は知っている。覚えておいてくれ。ここはいつでもお前の故郷だ。

戦争が終わっても、まだお前の寝床はある。安心していてくれ。

敬具

サメル

ゼマレク・スールへの手紙Letter to Zemarek-Thul

わだかまりは解消されていないぞ、みすぼらしいおんぼろ機械め!

ゼマレク、人のことを侮辱しやがって。絶対に許さないからな!

央耀にまたランチでもどうだ?

—キャドウェル卿

ソルカリン大将軍への手紙Letter to Grand Warlord Sorcalin

大将軍

不安ではありますが、星霜の書の管理を続けるというご判断に同意いたします。我が部隊には星霜の書の恩恵が必要です。それに、あれを聖蚕の僧侶に渡せばパクトやカバナントに渡すのと同じことになりましょう。

星霜の書を尊び、聖蚕の僧侶たちの献身と努力には敬意を持っておりますが、ご要望どおり聖堂の護衛に命じてセオドシアを敷地から離れた場所へ護送させました。とは言え、彼女は必ず戻ってくるでしょう。

—護衛アルファイア

ソルズールの手紙Thorzhul’s Letter

歴史家マーガ!あなたから依頼を受けるとは名誉なことだ。我らの大義を信じるオルシニウムの者がいると聞きうれしく思う。仲間のオークは、我々が襲撃した地から略奪しているのが、我が民の復讐と栄光を回復するための行為だと知るべきだ。ショヴリー家の屋敷の急襲は実に勇敢なもので、よいオークを何人も戦闘の中で失った。だが最終的には勝利し、ショヴリーどもはもういない。

この奇襲の立案者であった私が、アグルク・クランの代表として栄誉を主張したい。知っているかもしれないが、私のクランのほとんどはオルシニウムの略奪で殺された。何年も経ってからアグルク・クランの復讐ができたことになる。

— ソルズール・グロー・アグルク

ダニックからの手紙Letter from Dannic

アンカルモ

信じられないだろうが、へまばかりやらかしているあのジャハダルが頭蓋骨を見つけた。ロングヘヴンの南にある洞窟に置いてある。最初に我々が取ったのに、マランウェンがなくしただなんて呆れる。ジャハダルに先導させて、彼女も一緒に取りに来させるつもりだ。すぐに取り戻せたら、計画通りにしよう。できるだけ早く会ってくれ。だが気をつけろ。ルクレティアが今にも追いついてくるだろう。放っておけ。頭蓋骨を取り戻したら、すぐそちらを何とかしよう。

我らが地位を得るための好機だ。

ダニック

タミアン・セルランからの手紙Letter From Tamien Sellan

父さんへ

出ていく理由を理解してはくれないだろうけれど、少なくとも聞く権利はある。何度か読み直したら、いつかは分かってもらえるかも知れない。

私は魔術師ではない。魔法の才能は、父さんが自ら軽蔑的に認めたとおり低い。他の能力ならあるのでそれを活用するつもりだ。望まれていたような天才的な魔術師になることはないが、こっそり家を出入りしてたことや、父さんが食事の場で魔術師仲間に話している内容を漏れ聞いたりしたことを知らないはずだ。評価されてないのは知ってるし、違うふうに生まれてくればよかったけれど、これが現実だ。これからは私の存在という重荷を取り除くよ。

家には稼ぎの一部を送金するつもりでいる。それをうまくやってる証しだと取るか、単に食費の足しにするかはどうでもいい。出来の悪い息子という重荷を何年も抱えてきたことに対する返済だと思ってほしい。

父さん、愛しているけれど、もう一緒にはいられない。身体には気をつけて。

息子のタミアンより

タルリネルへの手紙Letter to Thalrinel

親愛なるタルリネルへ

あなたが心身ともに健やかであることを願いつつ、この手紙をしたためる。というのもこの数週間、あなたは心身両面の健康を必要とするだろうからだ。

シルヴェナールの樹の従士の地位に就いて間もないあなたが、これほど大きな刺激を待っていなかったことは承知している。しかし、神々が我々に試練をお与えになるのは、我々をぬるま湯に浸らせておかず、鍛えるためなのだ。

フィノリエルと彼女のシルヴェナールの死は、我々にとって驚きだったことは間違いない。これは我々がアルドメリ・ドミニオンに加盟し、ケナーシズルーストの反乱に関わったことの代償だと言う者もいる。

女王やカジート全般に対する不平不満さえ、私はいくつか耳にしている。

こうした不和の種を、婚約の儀で露呈させてはならない!招待客のリストは見せてもらったが、あなたはまさになすべき仕事をしたと言える。ドミニオンに加わっている全種族のメンバーが招待されている。もし彼らが出席するなら、我々は彼らを親しい友人のように扱わなければならない。

もし我々が次第に大きくなる闇に立ち向かう定めにあるなら、誰が真の味方かを知るため、手を握り合わなければならないのだ。

それでは。

-E

ティルラニからの手紙Letter from Tillrani

ラナへ

言い訳にはうんざりよ。昨日の訓練は恥ずべきものだった。私が責任者だった時、こんな問題は一度もなかったわよ。

ミルク飲みの中には、ロランダの方がまともな兵士を作れそうな奴までいたわ!

連中をまとめなさい。パクトは私達をアテにしているのよ。

ティルラニ・スノウボーン

デニヤーへの手紙Letter to Danier

デニヤーへ

店はウェイレストの郊外だ(市税から逃れるためだ)。見つからないといいのだが

センチネルへ向かうんだ。そこならば安全だ

—マチルデ

デルズ・クレイムの報告書Del’s Claim Report

隊長

他に反対意見がなければ、我々であの鉱山を落とすつもりです。それが女王の命令ですし、こっちにはどんな問題にも対処できるだけの兵もあります。もっとも、バルケルガードに通じる道からは充分離れているので、何か問題が起きるとは思えません。

いつでも顔を出してもらって構いませんが、この件に関してこれ以上の手助けは不要です。

悪しからず。

——レンヌーン

テレンジャーへの手紙Letter to Telenger

最も立派な同僚である発明家テレンジャー

誇りを持ってヴィナンダリン・アオヌダーの推薦状を送る。ヴィナンダリンは6つの魔法系統で自身の優れた能力を証明した。クラスメイトの誰よりも喜んでいて、現地に出る準備もできている。大勢の候補者がいるようだが、ヴィナンダリンを研究に選んでもらえれば、彼の能力にはあなたでさえも驚くと思う。

ここファーストホールドで、彼は学生から見習いへと昇格した。教師一同、彼のことは本当に誇りに思っている!ヴィナンダリンを選んでもらえれば失望させることはないと保証する。

敬具、

ファーストホールドギルド幹事、ナモレルケア

追伸:メルディルがうまくやっていることと、南ですべてがうまくいっていることを願う。エズドゥインに関する文書の写しを待っている!

ドルテーヌ大将軍への手紙Letter to Grand Warlord Dortene

大将軍

星霜の書の管理を続けるというご判断に賛成です。仰せのとおり、戦争の遂行には星霜の書が必要です。あれを聖蚕の僧侶に渡したところでドミニオンやパクトの手に渡るだけでしょう。

聖堂の護衛に命じ、ベレニウスを敷地から離れた場所へ護送させました。また来るでしょうが、追い返し続けます。

——護衛イセリネ

ナーリナからターヴォへの手紙Letter to Tavo from Nahrina

愛しきターヴォ

できるだけ早く、センチネルに帰ってきて。借金取りがやって来てお金が払えなかったら、何をされるかわからないの。遺物が1ダースもあれば、借金を返しても余るでしょう。

敬具

ナーリナ

ナサニエル公爵からの手紙Letter from Duke Nathaniel

ダガーフォール・カバナントの上級王、エメリック陛下へ

親愛なる我が兄弟

いつものとおり、報告しておきたいことがいくつかある。いくつかは王国の警備に関することで、残りはもっと個人的なことについてだ。誰もいないところでこれを読んでくれ。それと、その内容について側近と相談して思慮のある行動を取るようにしてくれ。

何よりも重要なのはアルカイアの警備についてだ。残念ながら私の大きな懸念とは裏腹に、これから述べるアルカイアの問題点について、全くどころか、辻褄の合った対策すらも取られていないと感じている。

最後に連絡したとき、ヴァルミーナの信者達、つまり天上の夢見人に関する情報はあまりなかった。お互いにこの問題はすぐに解決すると思っていたが、そうはならなかった。信者達はさらに勢力を増しているようだ。近郊の農場が襲撃を受け、住人達があの狂った連中の仲間に引き込まれている。フレイム騎士団は信者を見つけたら捕獲するように命じられている、だがストームヘヴンの他の地域に拡大している脅威の対処については、あなたの指示を待っている状態だ。

フレイム騎士団は貴重な戦力を提供し続けてくれている。彼らはこの地域の忠実な守護者だ。彼らは私に協力して信者の問題に取り組み、アリクルの暗殺者による公爵夫人の暗殺未遂事件にも力を貸してくれている。フレイム騎士団の指導者、ヒューズ卿は、これは城の警備に問題があるために起きたことだと考えている。そして私も心からその意見に同意する。おかげで肩の荷が下りた。

最後に、最も個人的なことだが、私とラカナ王女との結婚をお膳立てしてくれたことに本当に感謝している。政略結婚は表面的で不自然だと思っていたが、私の間違いだった。彼女の暖かさと優しさがあったからこそ、私が夢にも思っていなかった愛情を2人の間に築き上げることができた。

2人ともあなたには感謝している。我々の不滅の忠誠を。

敬具

ナサニエル

追伸:レッドガード女性の寝技のことを…なぜ警告してくれなかったんだ?

ナルシスへの手紙Letter to Narsis

愛しきセロン

あの疫病が発症したのではないかと恐れています。あなたに会いたいわ。愛しい人よ

—イダ
—イダ

ネガエリオンへの手紙Letter to Negaelion

いとこへ

大義のためにここに来たと言いましたね。先人達を敬うために。侵入者達が積み上げた糞の山を止めるために。

でもここ数ヶ月で糞の山を積み上げたのは、私が見た限りあなただけです。あなたは私の食べ物を食べるし、私のロトメスを全部飲みますよね。一日中。少なくともあなたの奥さんは掃除を手伝ってくれますが、そもそもあなたが汚さなければ掃除はしなくていいのです。自分の仕事をするか、それができないなら家賃を払ってください。

—グラルデル

PS:マラバル・トールではどんな服を着ているのか見ました。「自分の服も洗わないほどの怠け者」はマラバル・トールの流儀ではありません。シャツを着てください。あんな格好で歩かれたら、それだけでアルトマーのプロパガンダになってしまう。

バシュシ・ラからの手紙Letter from Bashshi-ra

親愛なる友よ

センチタイガーのことで問題を抱えているそうだな。本当に気の毒に思う。ヴァレンウッドならありうることだ、我々が制御できない盗人と悪党と、恐ろしく神秘的な勢力で溢れているからな。

実は、お前だけに発見した有利な情報を知らせたかったのは、問題に深く同情するからだ。ヴァレンウッドのボズマーが近づかない古い洞窟があるんだ。ウッドエルフの寓話でハリダンの巣と呼ばれているが、ただの作り話だということは確かだ。そこには足しげく通ったが、「ハリダン」などには出くわしたことがない。

話を戻そう。大事なのは、その巣にセンチタイガーがいるということだ。かなりの数のな。お前ほどのやり手なら捕獲、繁殖、販売して、俺(もちろんその他の賢い実業家もだが)に売れば、大きな利益を容易に挙げられるだろう。

お前にだけ教えるが、いつまでも秘密にしてはおけないぞ!

バシュシ・ラ

ファディールへの手紙Letter to Fadeel

ファディールへ

フザルは飢えている!多くの蛇を飼いならす私だが、彼を飼い馴らせる者は誰もいない!フザルのお腹の鳴る音が砂漠に響いている。彼は新鮮な肉を渇望しているのだ。騙されやすい者たちをサンドブロウン鉱山へと送れ。フザルには大量の食糧が必要だ

ミルッダ

フィニア・マルコットへの手紙Letter to Finia Marcott

愛しきフィニア

この手紙を出すまで私がどれほど悩んだか、あなたには想像もつかないでしょう。でも自分自身と、自分の高貴たる親族のために最善のことをすべきだと決断した次第です。あなたは宮中における長年の大切な友達であり、仲間でした。だからこそ私の耳に入った噂(信頼できるいくつかの筋から聞きました)に、私は一層驚きました。あなたが最近政治的な「活動」をしているという噂に。

これを言うには多大なる勇気と後悔を伴いますが…もうあなたとの関係は絶たせてもらいます。あなたはある理想を抱いているようですが、戦時にそんなものを声高に訴えるのは反逆以外の何物でもありません。あんな連中とも付き合うべきではない。だから私は、もうあなたと一切関わりたくありません。

破滅する前に、あなたが自身の愚かさに気づくことを願います。返事は不要です。

—オリヴィエ・デルラスク公爵夫人

ペヴェレルからの手紙Letter from Peverel

レディ・デラット

あのシーマウント・オークどもは手におえません!我々を「よそ者たち」と呼んで、まったく敬意を示そうとしないのです。通商協定を結んでほしいという私の懇願も、一顧だにされない有様です。

結べる可能性のある協定をあきらめたくないお気持ちは分かりますが、ここには得るものなど何もありません!ダガーフォールの誰一人として、こういう蛮族と採算が取れる通商協定を結んでいないという情報は正しかった。ただ、貴女の情報提供者が省略したのは、蛮族どもに通商をしたいという欲求がそもそもないことです。

どうか、ダガーフォールに戻る許可をお与えください。ここの環境は最悪で(熱いお茶さえ出ないのです!)、もう1週間以上船で寝ることを余儀なくされています。一刻も早く帰りたいのです。

貴女のしもべ

-ペヴェレル・ステムセフ

ベールの女王へTo The Veiled Queen

未来のオーリドンの支配者、ベールの女王へ

オーリドンを占拠するための集結地として南ビーコンを利用する計画は進行中だ。灯台は現在我々の支配下にあり、強力な魔法の結界によって、我々が最も信頼する密偵以外の侵入を制限している。

前回話したように、オーリドン海峡の航海と、エリア内にいるアルトマー海軍艦艇の予定された船団の動きに関する最新の詳しい情報を、南ビーコンにいる我が密偵に提供してもらいたい。彼らは灯台の灯を使い、暗号によって我々の船に情報を中継で送ることになっている。

サマーセットの支配が確実になれば、今回の援助に対する報酬としてあなたにはオーリドン副王の名を授ける。

うまくいくことを祈る。

マオマー最高司令部
ピャンドニアのシーロード・マレロース

ベリアへの手紙Letter to Belya

ベリア

シェイディンハルではお前の助けを必要としている。反乱が成功しつつあるのだ。お前には我らの目となり耳となってもらいたい。急いでくれ。だが危険は冒すな。

—イオカンダス

ベルフォナスからの手紙Letter from Berfonas

ラエン

ここシルヴェナールでは奇妙なことが起こっている。いつになく緑の狩人たちが通りを歩いていて、しかも好戦的だ。グリーンレディが街に到着したと聞いたが、まだ彼女の姿は見ていない。そして3人の紡ぎ手は同様に引きこもり、メッセージは不可解で気味が悪い

シルヴェナールに急いで来るよう急かしてほしい!兵士ではなく、速度が重要だ!グリーンレディは婚約の儀の準備をしているという噂だが、シルヴェナール以外に彼女と結婚できる者がいるのか?

すぐに会えるといいな。杞憂かもしれないが、マラバル・トールでは何かがおかしい気がする

— ベルフォナス

ヘルミニアス・ソフスへの手紙Letter to Herminius Sophus

ヘルミニアス・ソフスへ

ハンマーフェルの遺跡へは行かないよう何度も手紙を書いてきたが、船の出港まで1ヶ月もないらしいな。この旅行について考え直すことを強く勧める。出かけずに、姉妹のレピダと一緒にリーパーズ・マーチにいるべきだ。

ここまで言っても私の説得に応じないつもりなら、沈んだ道にあるマケラ・レキの眠る地で行方不明になった学者たちのことを考えてみろ。

例えばアミニヤスだ。ハイエルフの才能ある学者だった。どうやら彼はダガーフォール・カバナントに過去の不安を蘇らせるかもしれない情報を探しに行っていたようだ。カバナントができてすぐに遠征に出かけたからな。

彼の前に、エバーモアのモルゴール・デシェリーもいた。何世代も前、事件が起きた直後にジョイル王の行動について書き記していた間に、姿を消した。彼女が書いていた原稿は間違いなく政治的な駆け引きの類、あるいはその時代にありえた弁護者のたわごとだった。だが、彼女の死は今でも残念に思う。

姉妹のためにも、お前の名を行方不明者のリストに加えるようなことだけはしたくない。

—J・イサカ

ヘレイン船長への手紙Letter to Captain Helane

親愛なる船長へ

自宅へ行ったけれど留守だったようで。でもあなたの船員6人ほどに会うことができたわ。見た目はタフそうに見えたけれど、残念ながらとても酒に弱かった。

また近いうちにお目に掛かりたい。私の船と船員にしてくれたことに対して、ぜひお礼を言いたいからね。

いい夢を。

レリサ船長より

ボーセク首長への手紙Letter to Headman Bhosek

反逆者「ヘレイン船長」と彼女が率いるシードレイクの集団に対して、ただちに何らかの手を打ってちょうだい!あの連中は島に1つしかない灯台をすでに1年以上占領しているのよ。その間、18隻の船が座礁したわ。

ヘレインが灯台を役に立たないようにしていることに、私は疑いを抱いていないわ。船を座礁させ、大破した船倉を手下たちに略奪させるためよ。そうやって荒稼ぎをしておきながら、あの女はあなたに税金を納めていないじゃない。これは犯罪でしょう?

交易が通貨なら、海運は血液よ。ヘレインの海賊行為がどんな結果をもたらすと思う?船舶はどこか他の港を探すようになるわ。つまり、食糧が入ってこなくなるってこと。

そうなったらトカゲでも食べる?マッドクラブやネズミで飢えをしのぐ?衣類を編む羊毛や靴に仕立てる皮革が底を突いたらどうするつもり?あなたの領地との交易で利益が見込めなくなったら、あなたの新体制もごく短命に終わるでしょうね。

お願いだから、配下のブラッディフィストを召集し、お金で雇えるどんな愚か者でもいいからかき集めてちょうだいな。セインツポートに兵を出してシードレイクを敗走させ、ヘレインの首級を挙げるのよ——あの女が手に負えなくなる前にね。

私はあなたにとってグレナンブラで最も頼りになる味方だし、私たちの提携が利益をもたらす限り、この先もそれは変わらないでしょう。ヘレインを排除して。私たちの友情を駄目にしないでちょうだい。

もしヘレインの強欲をこのまま野放しにするなら、次に槍の穂先にさらされるのはあなたの首になるかもしれないわよ。

あなたの友人

レディ・ブルンウィン

ボサムルの指示Bothamul’s Orders

アターガへ

キャンプをヴァッサムシ洞窟の真西にある島に移した。代金を回収したらそこで合流しろ。噂によれば、ここは世界最悪の鉱山だそうだ。だからここでグズグズしたくない。いいな?

サドリス・モラであの間抜けな2人組を見かけたら、きっちり落とし前をつけてやれ。我々が運営しているのは密売組織だ。怠惰な酔っぱらいじゃない。

ボサムル

ホスニへの手紙Letter to Hosni

息子よ、あなたが目覚める前にこれを書き残しておくわ。最悪の事態になれば、これ以外あなたに伝える方法はないだろうから。

アディマという女は毒蛇よ。彼女はあなたの精神に毒を送り込み、その心から光を奪った。彼女の目は間違いなく血を求めているわ、彼女は本当の女性ではないのかもしれない。

私の息子よ。あなたはこの世界で強く賢く生きてきた。あなたには全て教えた。何もかもよ。あなたがあのような女の策略に屈したということは、魔術師が関わっているのかもしれない。普通の人間であれば、あなたの考えや行動を操ることはできないはずよ。

これを読んだら、精神の窓が解き放たれ、きれいな風が心に吹き込むよう体の力を抜きなさい。ホスニ、あなたなら邪悪な夢から目覚められるわ。アディマのことは忘れるのよ、そしてサフィア修道女があなたに課す試練の中で懺悔しなさい。彼女が何が正しくて何を聞くべきか教えてくれるはずよ。それがどんなに辛い内容であってもね。

いつもあなたを愛しているわ。母より。

—シラーリ

ボルザーの手紙Borzugh’s Letter

歴史家マーガ!あなたの手紙はトログ・スパイトの盗賊が我らの努力を継続することを勇気づけることだろう。歴史を研究すれば分かるように、ブレトンとレッドガードは我らを裏切った。タムリエルの他の種族より無常に何度も。ゆえにモークル・クランは、常にダガーフォール・カバナントへの参加決定に反対してきた。

ショヴリー家の屋敷を狙うよう特に約束したのは、ブレトンの他の貴族たちがいまだ高い評価をしているからだ。彼らを殺すのは快感だった、モークル・クランを代表して栄誉を主張できるのが誇らしい。このことが馬鹿げた同盟から、オークが撤退する一因となればいいのだが。

— ボルザー・グロー・モークル

マギストリックス・ヴォクスからの手紙Letter from Magistrix Vox

親愛なるマニヴォルへ

モールボーンに対する私の取り組みをドーレス家が支援してくれることに大変感謝しています。あなたからの金銭や資源の寛大な寄付によって、我々の成功は確実なものとなるでしょう

三大神は偽りの神であると暴かれ、モロウウィンドは自由になるでしょう!

—ヴォクス

マリナへの手紙Letter to Marina

親愛なるマリナへ

噂を耳にした。君がその誤りを証明してくれるといいが。オクタヴィムスが自らの責務から逃れて立ち去る計画をしていると聞く。それがどんな過ちになるかお互いに分かっているだろう。君には彼を説得する必要がある。

君と彼の健康を願って言っているんだ。オクタヴィムスが立ち去れば何が起きるか、二人とも知っているだろう。それに友人達と街の暮らしを置いていくなんてどうして考えられるんだ?君がそうするとは思えない。

この件で私に手を出させないでくれ、マリナ。誰にとっても愉快なものではないだろう。だから良き妻になって、オクタヴィムスが留まるようにしてくれ。

– ニロ

マルク船長へTo Captain Marck

アルバート・マルク船長へ、最高の敬意をこめて

船長、来月センチネルにお越しいただけることを楽しみにしています。到着にあたり、ありとあらゆる用意をしてくれたことにお礼を伝えたくて、これを書いています

あなたが私の大きくなった組織の者と接触したということを知らせたい。腹心の友ス・ラシに。会われたでしょう?護衛、食べ物の準備などが確実に手配できるように動いています

また、雇った護衛の多くはダガーの環の元精鋭で、甘いムーンシュガーで作った独自の毒はモロウウィンドから輸入したものであること、そしてファハラジャード王の側近の代表者が、夜、あなたの住居に出入りしているということも伝えてくれました

お元気であることを願います。先遣隊はあなたが眠っているところを見つけるでしょう

敬具

クリン・レンドロ

ミニークからの手紙Letter from Minique

君を元気づけようとスプリングウォーターのワインを密輸しようとした。でも衛兵に没収されてしまった。

大丈夫、そこから出られ次第みんなで盛大なパーティーを開くから。飲み物は私のおごりだ。

— ミニーク

ミルッダからの手紙Letter from Mirudda

我々の同意について思い出させる必要もないとは思うが、この者はそうも言っていられない状況にある。

この辺りでは何週間も旅人を見たことがない。不意打ちする旅人が現れなければ、ゴールドも貴重品も手に入らない。それはつまり、あなたも何も得られないということになる。

4日間待つ。フザルが空腹になる前にこっちに物資を送ってほしい。

——ミルッダ

ミルッダへの手紙Letter to Mirudda

最近のごたごたのせいで、街道を使う旅行者は減るばかりだ。そっちに送り込めるようなのは誰もいない。

頼むから少し時間をくれ。方々の街からなんとか人を送るつもりで、そのための計画もある。ただ、実際に誰かをそっちに向かわせるには、2、3日必要なんだ。

とにかく、飼っているあのぬるぬるしたペットを近づけないでくれよ。じきに餌にありつけるようにするから。

モロウウィンドへの招待Invitation to Morrowind

your name殿

最も尊敬を集めるトリビュナルの戦詩人、ヴィベクの光栄なる友としてお手紙を差し上げます。あなたの活躍がヴィベクの耳に入り、話を伺いたいと願っています。できるだけ早くモロウウィンドの偉大なる島、ヴァーデンフェルへお越しいただけないでしょうか。セイダ・ニーンの郊外で私をお探しいただけますと幸いです。ヴィベク・シティまでお連れし、不死の神王にご紹介します。

ダガーフォール、ダボンズ・ウォッチ、バルケルガードかその他の都市から、ジャネッサ船長の船がセイダ・ニーンに向かっています。もしくはモーンホールド、ウェイレスト、ウッドハースからヴィベク・シティへお越しいただいても構いません。

カノン・ルレヴル
トリビュナル神官
アークカノン・ターヴス補佐

よろめく死者The Lurching Dead

タルデュへ

母さんは信じてくれなかった。トゲで覆われたゾンビなんていないってさ

まあいいや、ゾンビが農場のみんなを食べれば、信じてくれるさ!

—ソリー・ゴーデット

ラエリンへの手紙Letter to Raelynne

ラエリンへ

マスターの命令で今は離ればなれだが、必ず永遠に一緒にいられるようになる。アンダーパールで軍勢を集めろ。私もリップサンドで兵を集める。黄昏の森で落ち合って、シロディール北部の全てを滅ぼす。

マスターが後どのくらい指揮をするのかなんて、誰にも分からない。戦争では多くの死傷者が生まれる。強くて、不死と思われる者であってもだ。ウェイレストと同じように、きっとすぐに我々は自分自身のマスターになるだろう。

また会えることを楽しみにしている、かわいい姉妹よ。

— ガストン

ラカムドの手紙Rakamud’s Letter

シャルリへ

海岸まで群れを率いていたところ、戸口の階段に海の富がこぼれているのを見つけた時の驚きを想像してほしい。なんという賜物!

姉妹よ、急いで荷馬車を打ち砕かれた浅瀬に持って来てほしい。急げば、自分たちの農場を始められるだけの十分な金が得られる!

ラカムド

ラグナからの手紙Letter from Ragna

イルナ

タルデイク要塞での生活には飽きることがない!かわいそうなレドラン将軍に取って代わったドレモラについては、前の手紙ですべて書いたわね。今ではこの場所を、ほとんど私が運営しているようなものよ!

スカルド王は推し進めるべき議題と届けるべき伝言を送り続けてくるけど、ドロニール隊長には砦を元の状態に戻すよう要請された。新隊長が配属されれば少し余裕ができるかもしれないから、そうすれば家を訪ねられると思う。最後にイーストマーチに行ったのはいつだった?覚えてる?私は思い出せない!

コヌンレイカーには本当に戻りたかったけど、どう考えても無理。ゲームには参加するの?記憶が正しければ、あなたの弓術の腕前はかなりのものだった。街の訪問者を誘惑する腕前も。そっちの方もまだやってるの?(冗談よ、妹!)

そろそろ仕事に戻る時間だわ。部隊を視察したり色々やることがあるから。お母さんとお父さんによろしく。

— ラグナ

ラヤリルへの手紙Letter to Laryaril

ラヤリル

女王はマーブルクで元気にしているという知らせを受け取った。結局これは、我々の存在をあぶり出すために女王の瞳どもが仕組んだ、計略以外の何物でもなかったのだ。お前が襲った2人こそラズム・ダーとyour nameにほかならない。どちらもベールの継承者の敵としてよく知られた人物だ。しかし、連中がどんなに骨を折ろうと、我々の計画はまもなく実行準備が整う。

できるだけお前の姉妹が健在な風を装えと言ったが、もはやその必要はない。下水道を抜けてくるがいい。旧帝都監獄で落ち合おう。他にも対処しなければならないことがある。

-ペリディル

レアの手紙Rhea’s Letter

your name

あなたがこれを読んでいるなら、私は連れ去られているでしょう。幸運にも、私は災厄を予知しました。自らがニルンから連れ去られる姿を見るのは辛い体験でしたが、洞察を与えてくれます。黄昏の女神が良くおっしゃられるように、洞察には犠牲が必要なのです。

念のため、幻視の詳細を全て書き留めておきます。このメモが、あなたを他の預言者の元へ導くよう祈ります。そして、私の元に。

最初の幻視では、広い石の広間が見えました。エルフの手によって整備され、青い石によって輝きます。嵐の獣が広間をうろつき、3人の魔女もいます。魔女は目を見開いて笑っています。調査によれば、おそらくバンコライのラブルビュート遺跡でしょう。

2番目の幻視では、冷たい空気と鎖が鳴る音を感じました。死霊術師と忌まわしき存在がうろつく監獄です。不敬な静寂に満ち、何かを発掘しています。おそらく、リフトのファルダーズトゥースでしょう。

最後に、溶岩と灰の海に浮かぶデイドラ神殿が見えました。私はこの監獄に送られるのではないかと恐れています。大修道院の書籍によれば、メファーラの巣という場所だそうです。ストンフォールズを探してください。

暗い場所を探り、隠された虚無の鍵を手に入れて、集めたデイドラのエキスを使って、私達をオブリビオンから解放してください。私達はあなたを頼りにしています。実際のところ、タムリエルの全てがあなたを頼りにしています。

黄昏のご加護があらんことを、

レア

レイニラへの手紙Letter to Laenira

親愛なるレイニラへ

すべては指示を頂いたとおりだ。ウィスプに気をつけるんだ!花のように見えるが、何度も危ない目に遭ってきた

では、すぐに会おう

レオンス・ガヴァンディアンへの手紙Letter to Leonce Gavendien

レオンスへ

あなたが立てたフェルズランでの強盗計画は、お見事と言うしかない!廃虚になった古い砦を使うアイデアは計画の水準を物語っている。さすがは、その地域で悪名高いだけのことはあるわね

喜んで宝石を買うわ。品が手に入ったら、ノースポイントで会いましょう

—ラグラ船長

レディ・ルレラヤからの手紙Letter from Lady Lleraya

コルデラ隊長へ

ショーンヘルムの王冠を奪還しようと父が動いていることに気付いているでしょう。間もなく、リベンスパイアー中がモンクレア家にひれ伏すことになる

さて次は、私からの提案よ。あなたの部隊を貸すよう約束してほしい。そして、ドレル家とタムリス家を倒すために手を貸して。さもなければ、母の墓に誓って、私はビターハンドを破滅させるでしょう

他の問題に関してだけど、あの魅力的な少女とはどうなった?確か、かわいい官能的な唇のちょうど真上にほくろがあった。多分、彼女を借りられるかもしれない。誠実さに敬意を表して

すぐ返事いただけるよう、楽しみにしているわ

— LLM

レリサ船長への手紙Letter to Captain Lerisa

レリサ船長、この意味がよく分からない。乗組員たちに遺失物を並べさせて、いったいどんな得がある?幸運のさいころを失くしたデレゴアが、はたして気に病むか?「好色なアルゴニアンの侍女」の絵がないと、ヘアダンがこの先やっていけないと思うか?

俺は船を1隻買えるだけの金をかき集めるのにまだ四苦八苦してる。メイデンズブレス号で乗組員たちがなくしたつまらないガラクタなんぞ、構ってる暇はない。連中がなくしたものを見つける手伝いをしろなんて馬鹿げてる。

とりあえず、このリストはクレナードの途方もなく分厚いレシピ集と一緒にファイルしとくが。船長が正気に戻ることを祈るよ。

もちろん、化粧品やら衣装やらカツラやら、船長がいろいろ変身するために使うあれこれについちゃ、とっくに代わりを注文してある。

どれも微々たる値段だ。、きっと喜んでもらえると思う。だから、ちゃんと仕事をしてないとは言わないでくれよ。

-補給係テロニル

レンウェからの手紙Letter from Lenwe

息子よ、心配するな。そこに行ったときは怖かったと思うが、すべてうまくいくから大丈夫だ。

お前の長年の友達が昨日軟膏を手に入れた。彼ももうすぐそこに行くということか?彼には病気になってほしくないだろうが、お前を見てくれる人がいてくれれば安心だ。

体に気をつけて、そして星々の夢を見なさい。

またな。

— レンウェ

ワンサレンのトンネルWansalen Tunnels

他に何と申しあげればいいか分かりません。あの古い遺跡から兵を撤収しなければ、厄介なことになるでしょう。

クェンデルーンの巡回は興味深いでしょうが、それでもこれ以上深くトンネルを進ませるわけにはいきません。兵が全滅すれば、あなたの商品を守ることはできなくなります。我々が古いトンネルの底で見たもののおかげで、私の髪はもう白くなっています。

クェンデルーン深部の「ワンサレン」と呼ばれるトンネルは、兵士たちが給料の支払いを望むなら立ち入り禁止にすべきです。今度兵をお雇いになる際は、ぜひこのことを周知されますよう。

衛兵隊長へTo the Captain of the Guard

3人の召使と少なくとも6人の家族が、卑劣な魔術と思われる方法で殺害された。

数カ月前、偵察兵の一人が北から来た氷の魔女の一味を捕まえて処刑した。現在、奴らの一人が逃走したことが分かっている。彼女が祝福のために城を訪れる平民を装って、復讐を果たそうとしている可能性がある。信用できる衛兵と召使に命じて、今すぐ城の全ての出入口を封鎖しろ。周囲の村から来ている訪問者は、全員すぐに保護せよ。必要であれば拘束も認める。

ドロッダと呼ばれるこの氷の魔女は、オブリビオンの闇の力と同調しており非常に危険だ。見つけたら直ちに始末しろ。

ダイアフロスト王アゴマー

黄昏の魔術師への手紙Letter to the Twilight Mage

マスター・アヴァヤン

この者は間もなくセルフォラを訪問する予定なので、ぜひあなたの素晴らしいクラフト台を使ってみたい。あなたが問題なければの話だが。食料棚を補充するゴールデンワインを何本か持っていこう!

—賢者マラシ

家への手紙Letter Home

母さんへ

明日、ムークウォーターに上陸する。緊張してる…確かに、訓練は受けた。でも異国の地で戦うのはこれが初めてだ。まあ、異国の泥か。

周りの兵士達にはいろんなのがいる。自分達アルトマーは規律正しく、指揮系統を尊重する。でもレンリージャとオースブレイカーは違う。

レンリージャはカジートの私掠船だ。悠々としてる。演習もなければ点検もない…でも怒らせたら、その戦いぶりはすさまじい。ボズマーを待ってる間に沿岸で一緒になったけど、共に休憩時間を過ごすのにはいい相手だ。ムーンシュガーは試さなかったから、安心してほしい。

オースブレイカーはボズマーの蛮族だと、みんながいつも言ってる(パモルウェン隊長は違うけど、階級のせいだと思う)。彼らは野菜を食べて、木で彫り物をしたりする。原始的な慣習がなければ幸せだろうにと思うけど、不気味な連中だ。カジートとは互いを避けてる。

自分達はワインの持ち込みを禁止されたから、彼らの肉の酒を試してみた。あの「ロトメス」は、最初はまずいけど慣れてしまう。

上陸したらどうやって団結するんだろう?アルゴニアン側は民間人だけど、大勢いるはずだ。シャドウフェンは自分達と全く異なるし危険そうだ。動物達はモロウウィンドから来てるんだろう。あんな生き物と暮らす者達なら、かなり強いに違いない。始めるのが楽な相手からで良かった。

いとこ達によろしく。

息子より愛を込めて
フィルピニル

解雇の手紙Dismissal Letter

メローモ、もうこの大学には来ないでほしい。思慮の足りない実験ばかり続けていたから(繰り返し警告したにも関わらずだ)、もうこうするしかなくなった。

今すぐに私物をまとめて、敷地から立ち退くように。

— テレンジャー

穀物の中の鼠Rats in the Crops

ハラーニ首長へ

家のいくつかは嵐で損傷し、多くの鼠が作物を狙って来ています。鼠の対策をしていますが、いつ手助けをお願いできるのか、お伺いしたいのです

ウィンドキャッチャー大農園にいる私どもの中には、建築家はいません。簡単な補修はできますが、ミストラルの助けなしにすべて修理することはできません

お返事を待っている間、できることをするつもりです

忠実なしもべ

—シラト

最も切れる刀剣The Sharpest Blade

隊長へ

戦争に関するマスターの最近の考えを以下にまとめる。知ってのとおり、彼の考え方はダークエルフの指揮官達を何世代にも渡って感化してきた。同じように役に立つかも知れない。

彼はシロディールの作戦が成功することを祈っている。

– – – – –

偉大なリーダーは、最も強力な魔法を温存しておくものである。

相手を理解するには、相手の鎧を着る。弱点がどこにあるかを知ること。

最も鋭い刀剣は最も柔らかいマントの陰に隠すこと。

地面の固い場所と柔らかい場所を知っておくこと。いつも勝者となる。

戦闘はすべて幻だ。その幻の強さは自分次第である。

作業長の手紙Foreman’s Letter

鉱山労働者へ

魔術師ギルドはこの事業の中止を決定した。

ギアラは我々の時間を無駄にしたようだ。ここにいる間、全部で3つの晶石を見つけた。そのうち2つは、彼女が魂石として使おうとした時粉々に砕けてしまった。彼女に作るだけの能力がなかったためだと思われる。どうやら、多くの魂石がクリスタル状であることには理由があるようだ。

魔術師の思いつきで命を犠牲にすることはできない。この鉱山からは十分な利益が得られないため、事業を中止することにした。所持品を整理してこの洞窟から退去してくれ。次の仕事を探すために、コイグリンに戻る予定だ。

死亡者が出る前に、全員ここから避難するように。

全てを捨てて、先に進もう。

—作業長

三悪人の王に対する嘆願書The Three’s Petition to the King

王への嘆願

今やストームヘヴンで三悪人は恐れられる存在となったが、我々の始まりは酷いものだった。我々はそれぞれが貧困のなかで育った。盗みを学んだが、それでも生きていくだけで精一杯だった。我々の狡賢さと連携は、我々に大きな富と多くの従者をもたらした、だがこれは我々が求めていたものではない。
しかし我々は愚かでもない。無法者としての日々が終わりに近づいていることを理解している。何年にもわたり捕獲から逃れ、事業を拡大することもできるかもしれない。だが罪を償わなければならない日がいずれ来るだろう。我々はその日が来ないことを望んでいるのだ。

我々は根っからの犯罪者ではない。だから今、王の恩赦を求めている。残りの人生を無実の人々から金品を奪い、フレイム騎士団から逃げ回ることに費やしたくない。今の仕事を法に則った事業に発展させたいのだ。

恩赦と引き替えに、手に入れた財産の半分を譲ろう。財産は今勘定しているところだ。だが安心してくれ、かなりの額になるはずだ。我々が本気であることを証明するためにこの贈り物を送ろう。我々の嘆願を熟考してみたくなるはずだ。

敬白

三悪人

私信(秘密!)Private Dispatch (Secret!)

気付かれずに抜け出すことができたら、他の者と川近くの遺跡で合流すること。兵士達にはその周辺を避けるよう命じておいたから、問題は起きないはずだ。デュレール・ギルヴェー二。このメモは読んだら処分するように。でなければ灰になるまで焼いてやる。

職人の工房への手紙Letter to Artisans Craftworks

ジェンディン・ベレス

兄さん。忙しいところごめんなさい。送って貰える約束の荷物がまだ届いていないの!家の店に並べる商品がなくなってしまう。注文の商品をできるだけ早く配送して

ともかく、モーンホールドに届くまで待ちきれない。手紙にあった、物凄い鍛造用具を早く見たいわ。それを作った鍛冶屋と生産者に会えるのが待ち遠しい!

兄さんへ、愛をこめて

—ブリヴィシ

大学からの拒絶の手紙Academy’s Rejection Letter

オッピウス殿

またあなたは「ゴブリンがクモやクワマーなど数種の生物を家畜化している」との主張を繰り返した。今回もお伝えしなくてはならない。大学の会報は、そのような確かな証拠のない奇妙な主張を掲載できない。

あなたが証拠を示さない最大の理由は、存在しないからだ。ゴブリンには自分たちを家畜化する知能すらない。他の種族を家畜化するなんて無理だ。前提は馬鹿げており、論拠は薄っぺらで、結論はまったく根拠がない。

突拍子もない論文は、不信を打ち消すためになおさら強い証拠が必要だ。これほど異論を呼ぶ主張に証拠がないとなれば、嘲笑されるだろう。私も喜んでそこに参加する。

時間の無駄だ。自らの主張を裏付ける確かな証拠が見つからない限り、奇抜な出来事についても報告書を送りつけないように。証拠があっても、大学が認めた連署人が論文の内容を真実だと確認し、共著に応じる必要がある。

もう二度と報告しないでもらいたい。ペテン師としての君の未来に幸運を祈る。

フェリシタス・マリシウス
主席編集者
種族と考察ジャーナル紙

大学への応募Faculty Application

担当者様へ:

アルドメリ作法大学で人材を募集していると友人から伺いました。私には文化と礼儀作法に関する膨大な知識と経験があるため、その仕事に極めて適任だと確信しています。ここ5年間貴族の家庭教師として働きました。

経歴:
— ライリス家を5年間指導。
— 社交術に熟達。
— 礼儀作法に関する広範囲に及ぶ授業を修了。
— アルドマーの歴史とアルトマーの概説に精通。

採用を検討していただけますと有難く思います。返事を楽しみにしています。

敬具、

ファーストホールドのコラッセウェン

彫刻による諸問題Statuary Complications

珍品の提供者である帝国の輸入業者へ

貴社が納入した彫像を回収するのに荷車が必要です。ガーゴイル像は実に見事にガーゴイルらしさを表現しています。でき過ぎと言えるでしょう。彫像が、本物の生きたガーゴイルを発情させ、彼らを呼び寄せるのです。この像は返品しなくてはなりません。

衛兵が彼らを追い払っていますが、ガーゴイルの怒りはどんどん増してきています。後どれくらい持ちこたえられるか
〈手紙は終わっている:ページの残りは血痕で覆われている〉

濡れたメモSoggy Note

もうこれまでか。毒の剣にやられ、沈没船で死を待っている。何ということだ。カニがもう品定めを始めている。笑えるな。カニはいつも大好物だった。おあいこか。

懐かしく思いそうな全員に別れの言葉を書こうと思ったが、そんなのはやめた!クソ野郎どもめ、この仕打ちの報いを受けるがいい!

これを読んでいるのなら伝えておく。俺の元友人が難破船から凄い財宝を盗んで、ハザクの洞窟へ持っていった。それには王の財産と同じ価値がある。奴らを殺したら、お前にやる!

もう眠くなってきた。何という人生だ。ここは便所だ。消えてせいせいする。

評論家へTo My Reviewer

拝啓

親切な紳士があなたの「上級公ライリスXII世の宮廷訪問」というパンフレットを届けてくれた。この素晴らしい書物は、風格のある語彙を披露しながら、君主の宮廷の様々な短所を説明してくれた。

私の道化師のような出し物について、特に「ひどく不快」そして「好色で愚か」と表現して親切に褒めてくれた箇所が、とりわけ気に入った。その正直さと率直さは称賛しよう。偉大なる芸術家らしく、前向きな批評は歓迎する。

ぜひ私の宿に招待させてくれ。到着時には、階段から何度も落としてやろう。目標はあなたの首を折り、大きく空虚なその目から命の最後の光が消えるのを見ることだ。

敬具

ファラレル

憤った雇用者An Irate Employer

作業長アルバヌス

お前の仕事は、木を伐採して材木を街に輸送する作業を監督することだ。子守りじゃない。これ以上、呪われた大地だの、血を流す木だのといった物語や、おびえた作業員の泣き言を聞かされたくない。

自分の仕事をしろ。さもなければ他にできる奴を探す。

マクシミヌス

憤怒の手紙Furious Letter

この豚野郎!!!!

あなたなんか、うちの豚よりも豚野郎よ!おまけに私の姉妹となんて!!!!豚に内臓を掘り返されながら、情けを求めて叫んでひどい死に方をすればいい。この豚野郎め!

子供達を連れて姉妹のところに行くわ。その姉妹じゃない、あいつなんかくれてやる。別の姉妹のところに行く。

死んでしまえ!!!!

兵士の手紙A Soldier’s Letter

ギレスへ

ある日、センチネルの酒場で飲んでいたとき、隣に座っていたブレトンが政治について話し始めた。お前も前線での酒を懐かしく思っているだろう。約束だ。お前が戻ってきたら最初の数杯は私がおごろう、ただ酔っ払いの政治論を聞かされる羽目になるがな。

このブレトンは、次第に声を荒げていき、私達がアルドメリ・ドミニオンと戦っている理由について不満をぶちまけた。彼は経済的要因について話し、資源のことを語り、製造業について意見を述べた。そして解決できないような問題について話し始めると、ついに飲むのをやめた。これだけ長々と聞かされればこう言うのは簡単だった、「お前は間違っている」。

この男はドミニオンと戦うことがどんなに大変なことか知らないのだ。戦場では、経済や資源や宗教のことなど気にしてはいられない。戦場に行くのは殺される前に殺すためだ。

ここにいる者は全員真実を知っている。アルドメリ・ドミニオンの高慢なエルフ達が考えていることはただひとつ、占領のみだ。奴らにも基本的な考えというものがあるが、奴らはエルフ以外の生物を支配下に置くことだけを望んでいる。私達と同じだ。

私はお前から聞いたことをその酔っ払いに話した。奴らから帝国を守っている私達のような兵士がいなければ、エルフに際限なく押し込まれ、ついにはハイロックの海岸からシロディールの心臓部まで支配されてしまうだろう。

どんなアルトマーもブレトンを見れば人間だと考えるはずだ。どんなアルトマーも私のようなレッドガードを見れば…つまり逃げることはできないのだ。彼は私がレッドガードであることをよく知っている。オークとは似ても似つかない。それにエルフでもない。

この街の人々からは徐々に緊張感が失われていっている。誰もが戦争という現実を受け止めるようになったからだ。それに今でも時々、街で堂々と商売をしているエルフを見かける。この街は彼らが公共の場を歩ける程度には正気を保っているのだ。街の城壁の中では、一握りのハイエルフ達が魔術師ギルドに出入りしている。街の衛兵が平和を維持している限り、彼らは商品を売るだけでなく、大好きな果実の香りがするワインを注文することもできる。私達は平和を愛している。

だが戦場に行けば容赦はしない。叱りつけてやった騒々しいブレトンを除けば、私達がアルトマーとの戦線を維持しているということは誰もが知っている。無事に街に戻れば、私達は英雄として迎え入れられる。そしてあの酒場で騒ぎながら酒を飲むのだ。

だから無事に帰ってきてくれ。

無事を祈っている。

ドゥカク・アフワジフ

変更された書Altered Missive

友よ

新しい雇い主を見つけた。ウェアウルフを退治しろ。1つ耳を持ち帰るごとに、彼が大金を払ってくれる。

急いで静かに行動するんだ。誰とも問題を起こしたくない。

豊富な生の素材A Wealth of Raw Material

この小さな島には、おびただしい数の死体が埋葬されている

直ちに彼らを蘇らせるべきであろう

アンゴフは大いに満足するに違いない!

—グリヴィア・ブラッドコーラー

魔術師からの追加書簡Further Missive from the Mages

皆さんへ

いつもご協力ありがとうございます。危険な仕事に対する皆さんの意欲や勤勉さに心から感謝します。ですが、クリスタルを回収するときはもっとしっかり識別するようにしてください。

申し訳ありませんが、皆さんがこれまでに採掘したクリスタルは、私達が合意した品質に達していません。私達が持っている標本と比較してみたところ、どのクリスタルにも不足しているものがあります。魂石にするにはこの大きさでは小さすぎるのです。不十分です。産出量が増えないようであれば、この事業計画を見直さなければなりません。

ギアラは皆さんが採掘した2つの「虚ろな石」を使って実験を行っています。しかし、確定的な結果を得るためにはさらなる調査が必要です。要するに、遥かに多くの石を必要としているのです。皆さんが見つけた不要なクリスタルを売れば多少の利益は得られますが、これだけでは経費を賄えません。

つまり、もっと晶石が必要です。十分な量が見つけられれば、皆さんの雇用費という巨大な泥沼からこの事業を救い出せるはずです。

敬具

ウェイレスト魔術師ギルド

魔術師ギルドの書簡Missive from the Mages Guild

皆さんへ

日頃からの協力に感謝します。この発掘作業が少しばかり危険をはらんでいることは分かっていますが、その努力は必ずや報われることになるでしょう。

もう一度言いますが、私達はこの洞窟を掘って特殊なクリスタルを見つけてもらうために皆さんに報酬を払っています。作業長が標本を持っています。皆さんへの報酬はその標本との適合率に従って増減します。クリスタル以外のものでも、必要な時間までに届けられるのであれば、保管しておくようにしてください。

また作業長には、危険な生物が現れた場合に備えて、衛兵を雇用して皆さんを守る義務があります。皆さんが死亡したり怪我をしたりしても私達は責任を負いません。皆さんであれば、現地の野生生物を怒らせることなく、深く掘り進めることができると信じています。だからこそ皆さんを雇用したのです。

私達はクリスタルだけでなく珍しい石も探しています。「晶石」と呼ばれる石です。作業長が標本を持っているので確認してください。傷や汚れのない状態の、この「虚ろな石」を探しています。

学者のギアラは、その球のような形状と、魂石としての適合性との間には何らかの関係性があると考えています。一般的なクリスタルの形状のものよりも、球のような形をしているものの方が、遥かに多く貯蔵できる可能性があるのです。ただし無傷のものでなければなりません。

皆さんが勤勉に働けば、間違いなく双方の利益になるでしょう。

心を込めて

ウェイレスト魔術師ギルド

未完の手紙Incomplete Letter

母さん

ここで私が成し遂げたことを見てもらえたらと思うわ。この街はあなたが思っているようには自然を拒んでいない。強いて言えば、ここでは人との関係が私たちには想像できないほど複雑かな。母さんが私に裏切られたと思っているのは知ってる。母さんが教えてくれたことすべてに背いたと思っているんでしょう?でもそうじゃない。私は教わったことを吸収し、そこに自分の居場所を見つけたの。いつも母さんがそうすべきだと言ってた通りにね。それを母さんに分かってもらえるなら、私は何だってするのに。

お願いだから、一度訪ねてきて。「協約」を続ける準備は出来ているの。何なら——

未完の手紙Unfinished Letter

愛しきダリイ

鉱山での労働はとても厳しく給与はあまり見合っていないけど、いい知らせがある!作業長が担当者を買収して、現場にクワマーが来たんだ。卵もたくさんある。だから、やっとまともな食事ができるよ。

すぐ会えることを願っている。

目の騎士団の派遣Order of the Eye Dispatch

アイベアのアークメイジ様

この手紙がすぐに届くことを祈ります。占い師の仲間と一緒に衝撃的な発見をしました。恩恵なのか、災いなのかはまだ分かりません。残念ながらこれを発見するために十分な力がないのです。本件はこの世代の最も偉大な魔法使いの知識でさえ足りないかもしれません!

恐れながらお願いがあります。一刻も早くモーンホールドの魔術師ギルドホールでお会いしたいのです。到着されたら全てをお話しします。

シラベインの目
案内人スカルディア、目の騎士団の占い師見習い

夜母は見ているThe Night Mother Watches

あなたは影座の下に生まれてはいないけど、だからといってシシスや夜母があなたの願いを拒絶することはない。彼らに祈れば、力を得られるでしょう。彼らの名の下に生命を奪えば、彼らから尊敬を得られる。我が民の伝統のために立ち上がりなさい。

ウタ・テイと仲間たちに惑わされないように。ウッドエルフの信仰を実践することは異端よ!行動を起こさなければ、我々はまた奴隷にされてしまう。彼女はそのことを理解していない。あなたが狩人の一員に選ばれたのには理由がある。共に戦い、共に死にましょう!

—スリム・ジャー

研究メモ

Research Notes

アダイナズの日記Adainaz’s Journal

岩が落ち、逃げ道がない。ヘンリエンは具合が悪そうだ。顔が赤く、敏感になっている。このカジートを脅した。この者は最後の食料を渡したりしない。

これが伝説のドゥエマーのグレートエンジンなのだろうか。ヘンリエンの症状の説明がつく。彼を縛りつけなければならなかった。ここでは長く持たない。意識を失いそうになるのがわかる。ヘンリエンのように。

このいまいましい機械を破壊しなければ。

動力源が4つ。それ自体のマジカでエンジンを始動するのに十分かどうか。だが、なくなったコントロールロッドが必要になる。

この剣じゃ、傷もつかなかった。奴のどの呪文をもってしても、傷一つ付けられなかった。

アルゴニアンの交配儀式The Argonian Mating Ritual

サルモールの特命研究者、水晶の塔のヴァルレンディル 著

私はこの最も謎めいた生物、アルゴニアンの、特に交配儀式に注目して明らかにすべく努めている

アルゴニアンが絆を主張する顔のない存在、ヒストについてのささやきは数多い。言い伝えによればヒストはブラック・マーシュの中心部、土地を定期的に歩き境界線を巡視する木に住んでいるという

彷徨うヒストはアルゴニアンの状態の隠喩だという者もいる。悪臭のする沼で苦労することを運命づけられた彼らが悲惨な状況から抜け出すことを望んでいるのだと。どういうわけかアルゴニアンは生き残り続け、彼らの総数は逆境にも関わらず、増えも減りもしていない

トカゲの民は、交配を彼らのリーダーであるヒストによる繁殖の単純な呼びかけとして見ている。この年に1度の儀式に参加するため、アルゴニアンはヒスミールにやってきて、複数の試練に参加する。試練の勝利者は番うことを許され、敗者は次の年に戻ってこなければならない

私は今年の試練を見ることはできなかったが、この奇妙なエルフ配下の爬虫類についてもっと学ぶため、来年は参加したいと願っている

イールシルのメモ、1ページEalcil’s Notes, Page 1

何かが建てられている。大きなものが。キャッツアイ埠頭の空気が確実に音をたてている。嘆きの泉の聖堂の古代のエネルギーとはまるで違う。新しい、今にも破裂しそうな !

この身体の彫刻は明らかに何らかの関わりがある。儀式魔法だろうか?もっと調べなければならない

イールシルのメモ、2ページEalcil’s Notes, Page 2

無駄だ。ルーンの彫刻は対象に非常に深く彫られている。この過程では誰も生き残ることはできない。マオマーだけがなぜこの彫刻が重要なのか知っていて、疑問に多少は抵抗できることが証明されている

キャッツアイ埠頭の終わりで、エネルギーは洞窟の入口に向かって流れているように見える。蛇の形のトーテムにつながりがあるのだろうか?秘密を解き明かさなければならない!

イールシルのメモ、3ページEalcil’s Notes, Page 3

爽快だ!遠吠え、稲妻——あらゆるエネルギーが洞窟の「嵐のトーテム」に引き込まれた。しかし、入ろうとすると、愚かなマオマーたちが入口で倒れていた!

命令によって腐敗したスクゥーマの密売人を見つけているドミニオンの職員のために、洞窟に入る別の方法を探す。埠頭周辺で見つけたら、来てほしい。調査に手を貸してもらいたい

— イールシル

イールシルの日記Ealcil’s Journal

ルレリオンは嘆きの石を自分ひとりで発見したがっているが、また栄誉を盗まれるのなら、3回毛を刈られたトロールになってしまう。彼が遺跡に入ってみるというのなら、アーティファクトを持ち去って、イーグルズ浜に持ち帰るのは簡単なことだ

アーティファクトの潜在的な力にはただ度肝を抜かれるばかりだ。新鮮な水が限りなく軍に供給されることを考えてみよう。天気それ自体も操れることを!

イールシル

インプの不安定な属性の発見Findings on the Elemental Volatility of Imps

インプの能力を増幅する実験は、最新の試験が恐らく最も壮大な例であるものの、破滅的な副作用があるという結論に至った。氷と親和性のあるインプのエキスから作られた血清を炎と親和性のあるものに加えても、氷と炎の両属性をもつ獣が生まれることはなく、粘土の塊ができるだけだった。不運な物体は我々の目の前で溶けながら、喉(あるいは肺)が崩壊するまで、耳をつんざくような叫び声を上げていた。いずれにせよ、この実験をまた繰り返すつもりはない。

ヴァーダンの日記Vardan’s Diary

北方にあるアイレイドの遺跡の調査は、何らの新情報をもたらさなかった。古い言い伝えの数々は、単に墓荒らしを躊躇させるためのこけおどしだったのではないだろうか。ヌレッセ女王は王に先立たれ悲嘆に暮れていた。おそらく、彼女がすべてをでっちあげたのだろう。

明日ドルシラが戻ってくる。彼女なら、私が見落としたものを見つけてくれるかもしれない。

* * *

ドルシラもお手上げだった。遺跡の謎は依然として謎のままだ。もしここに偉大な力が宿っているとしても、その在りかは誰にも分からない。

ドルシラから、近在のオークを尋問したらどうかと言われた。なるほど、奴らを締めあげれば、我々がまだ発見していない詳細を明かすかもしれない。いなくなっても心配されないようなオークを探すとしよう。

* * *

やったぞ!オークを尋問した結果、オークの要塞の地下に隠し扉があることが分かった。この情報が、我々をレンウィック王の伝説の蔵書庫に導いてくれるかもしれない。

もし言い伝えが真実なら、蔵書庫には我々の探している情報が詰まっているに違いない。墓の歌い手にはすでに報告した。応援を寄越すのを拒むようなら、奴の本心が分かるだろう。

* * *

応援が到着した。忌々しい墓の歌い手め!

私が欲しかったのは最高クラスの力量を持つベテランだ。それなのに、送られてきたのは初めて死体を蘇らせてからいくらも経験を積んでいないようなひよっこばかり。墓の歌い手の奴め、面白がっているに違いない。

だがまあ、ひよっこどもは捨て駒にはなるだろう。連中がオークどもの気を逸らしているあいだ、密偵が隠し扉から蔵書庫に入ればいい。我々が探している巻物はそこで見つかるに違いない。

* * *

ついにやったぞ!巻物は私の予想を超えた力がここに宿っていることを裏付けてくれた。

このちっぽけな島をオークどもから奪い取るのは聖戦の手始めに過ぎない。私がこの遺跡に宿る力を手中に収めた暁には、ダガーフォール・カバナントの軍勢など、我々の前に木の葉のように舞い散るだろう。

私にグレナンブラを奪われたら、墓の歌い手は自らの失態をどう説明するつもりだろうか?

ウリアモの日記Uryaamo’s Journal

数十回探検に失敗した後で、ついに発見した。これこそウッドエルフがルートサンダーと呼ぶ失われた街に違いない。当時の地図によれば、交易の中継地として最適だったはずだ。唯一の障害は密林を手なずけることだろう。小さな障害ではないが、ルートサンダーを築いた者達は乗り越えられると信じた。

彼らの解決策は、それが何であったにせよ、明らかにうまくいかなかった。しかし彼らはこの場所、中央のウェルキンド石を抜けた下の空間へ、風変わりなマジカの流れを吹き込んだ。その扉を解錠できたら、さらに詳しく分かるかも知れない。

ウリカンターの日記Uricantar’s Journal

エズドゥインに着いた。まだテレンジャーと、あの不実なアンデウェンにやられた傷の手当をしている。彼女とは何世紀も一緒に過ごすと確信していたのに。彼女がすべきだったことは、僕の力を認めるということ、そしてテレンジャーの時代は終わったということに気づくことだけだったんだ。

– – –
地表の遺跡を調査したら、遺跡の入口を守っている古代魔法をすり抜ける方法を見つけた。自分だけの地下室だ。ここにいる霊魂は僕を気にしないようだ。今のところは。

– – –
見つけたぞ。マラーリ・モラが、何百年も前に倒れたまさにその場所で横たわっている。今は時間だけはある。エサニヨンの秘密を発見して、エセリウスの頂上を膨らませるための時間が。

– – –
妨げに遭った。遺物を取り囲んでいる魔術使いの敵をあやつったら、長い間眠っていたつながりを再び活発にさせてしまったようだ。今や遺跡にはエセリウスの霊魂たちがあふれ返り、エサニヨンの儀式によって拘束された死者が、またぞろエズドゥインの墓石を歩き回っている。

– – –
マラーリ・モラを解析した。同封の見取り図にはその多角的側面がどのようにマジカを集中させて浄化するかが示されている。この遺物と重なり合うエセリウスの破片の完全な制御はまだ呼び起こしていないが、自分が召喚した霊魂を基本的には制御している。今ではガーディアンもいるし、協力的な奴隷もいる。

– – –
テレンジャーが到着した。自分の目となるように霊魂を送り込んだ。アンデウェンは奴と一緒にいる。さあいよいよだ。目の前の、誤解されたエサニヨンのように、僕の時代が来たんだ。哀れなあいつの生徒を何人か奪ってエセリウスの扉を大きく開き、アークメイジとしての正当な権利を手にするんだ!

お薦めのムーンシュガー栽培法Recommended Methods of Moon Sugar Cultivation

マッドクラブ栽培法を推奨する。マッドクラブはムーンシュガーと天然の親和性があるようだ。最初マッドクラブはムーンシュガーの新芽を茎の根元で摘んで害を与えるように見えるかもしれないが、実際は成長と復元を促進している。茶色に変色し、普通なら枯れてしまったように見える植物が実は成長中のムーンシュガーの芽で、ある時点で非常に豊かな成長を遂げる。

マッドクラブの処置のあと、成長を続け明るい色になったムーンシュガーは溶岩に浸す。植物が即座に死んでしまうと思えるが、実際には処置を受けたムーンシュガーがさらに長い期間、生き生きと保たれる環境を作り出す。この手順は、多数のムーンシュガーが冷えて固くなった溶岩の山から芽を出すまで繰り返される。

この方法とお薦めの肥料技術を併用するとよく育ち、生産性の高いムーンシュガーができる。ただ、この手順には時間がかかる。本当に望ましい成果を得るまでに、何度も繰り返さなければならないことを心に留めてほしい。

カスラのメモKasura’s Notes

ドラゴンガードの伝説はタムリエル中に見られます。彼らはドラゴンを狩るための武器や技術を発達させ、各国でドラゴンがほぼ絶滅したのは彼らの仕事だと言われています。残念ながら、古代の偉大なドラゴンガード騎士団は遥か昔に解散させられています。ドラゴンガードの知恵は、残した物語や文書、アーティファクトから得るしかないでしょう。

私はドラゴンガードの墳墓を2つ、互いにかなり近い場所で発見したと思います。兵士は私物と共に埋葬されるのが一般的だったため、そこから我々の求める情報が得られるかもしれません。日記や遺物を見つけるたび、エルスウェアを侵略しているドラゴンに対抗する道具が手に入ります。

どちらの墳墓も強力な魔術で保護されているようで、入口は視界から隠されています。幸運にも、私の元弟子はドラゴンガードの埋葬について書かれた日記を見つけました。日記には墳墓の入口付近に3つのグリフを配置する習慣が記されていて、ドラゴンガードの封印を示すと起動するそうです。3つのグリフが、墳墓に入るための鍵になるはずです。

しかし、どちらの墳墓も危険な場所に位置しています。両方を見にいくのは時間がかかりすぎるでしょう。それに、大修道院と弟子たちがハンマーフェルで私を待っています。この任務には、もう1人協力者が必要です。協力者は北、南、東のグリフを探し、見つけたものを使って墳墓を開かなくてはなしません。

それから、興味深い一文を見つけました。墳墓に入るために必要なのは間違いありませんが、関連は分かりません。入口が明らかになれば、この文の意味も判明するでしょう。

「我らが刀剣により、名誉が封じられた。勇気により、道は明かされる」

カラック・ディーナの陥落The Fall of Carac Dena

私がまだ若いエルフだった遠い昔、古代アイレイド語で書かれたヴァレンウッドの奥深くにある巨大な要塞についての古い本を見つけた。その本を見つけて以来、私はこの場所に取りつかれたようになった。

残念なことに、本は翻訳を始める前に不思議な状況の中で失われてしまった。だが私は魅惑的な詳細を思い出せるだけ記憶から書き出した。

「カラック・ディーナの偉大な要塞は何百年もそこにある。建設時に100のアイレイドの血が浸みこんだ石によって維持されている。要塞はヴァレンウッドの海岸の高台にあり、巨大な石の記念碑と防塁が敵の侵入を阻む」

「その偉大さにより、旅人にとっての休息所となった。宝物庫に巨大な蔵書庫、そして要塞に近づけば歌声が聞こえるという者さえいた」

「… 大軍団が城門を包囲した後、カラック・ディーナの要塞は眼下の敵が城門を制圧すると脅すまで100年持ちこたえた。その時指揮官は、元からいる兵士を100人呼び集めて会議を招集した。運命の決断が下された。兵士は1人ずつ石の上に血を流し、巨大な要塞を地に落として下にいた敵の軍隊を圧殺した」

* この軍団に関しては原文があいまいで、知らない言葉が使われている。だが「軍隊」という言葉に似ている。

私はこの偉大な要塞の場所を探し当てるために生涯を捧げた。それは陥落して地中に飲み込まれたのだと今は確信している。そしてついにその場所を特定した。あとはウッドエルフのガイドを見つけて、その場へ行くのみだ…

カリーナの日記Carina’s Journal

偉大な発明家のメモと謎には、頭がおかしくなりそうだ。それでも、上官がこのコンストラクトを支配したがる理由が、私にも分かりはじめてきた。彼らは人によくある欠点がない。恐怖も飢えも渇きもないのだ。彼らはほぼ完璧な兵士であるといえよう。

もちろん彼らにも欠点はある。考え決断し、直感で行動はできない。命令に従うのはよくできるが、判断力のない兵士は使える場面が限られる。

こう考えてしまう。ドワーフだったらここにあるものにどう対処するだろう?私たちが出会ったコンストラクトたちは思ったよりはるかに強い。帝国の蔵書庫の書物では、彼らを適切に評価できなかった。

ラザクは発明の分野では天才だったに違いない。封印された地下室の奥深くで、彼はもっとすごい何かに取り組んでいたのだろうか?知る必要がある!

帝国はこの力を手にするべきだ。どれだけの代償を払っても

キャス・ベドロードのカタコンベCatacombs of Cath Bedraud

ビクター・クロクエル 著

キャス・ベドロードの墓所には、ハイロックの安全を守るために数多くの戦いで活躍し、流した血を祖国の大地に染み込ませ川に注いだ我らが最も偉大な英雄たちが眠っている。彼らはこの地を守るため、持てるすべてをなげうったのだ。

「英雄」という言葉の意味は、それを使う者の立場によって変わる。誰かの英雄は、ほかの誰かにとっての悪漢かもしれず、誰かの王は、ほかの誰かにとっては暴君かもしれない。しかし、キャス・ベドロードに眠る者は一人残らず、祖国のために戦い命を捧げた。我々が今のように暮らせるのは、彼らが銘々のやりかたでそれを可能にしてくれたからだ。

そして、こうした英雄たちの墓の下にあるのがカタコンベだ。私はそこに、歴代の王や王妃、王族たちが葬られているとにらんでいる。鄙びた周辺地域を調査した結果、どうやらカタコンベが存在するらしいと分かった。しかしながら、この秘密の墓所への入口はまだ見つかっていない。そこで、現存する記録がないか、あってもせいぜいが不完全ないくつかの主題について、つらつら考えてみたい。

はるか昔、アレッシアとディレニが干戈を交えた幾多の戦いのなかでも最大級の合戦が、まさにこの地でおこなわれた。大いなる戦いで、大勢の人々が命を落とした。その後アイレイド最後の王がみまかると、ディレニ一族の血筋は次第に細り、絶えていった。

ただ、ディレニの人々は、最も強力な魔法を自在に操ることができた。それはディレニ以前もディレニ以降も、見られないタイプの魔法だったという説もある。その魔法があればこそ、ディレニはアレッシアの圧制を打倒し、その軍の進撃を止められたのである。

私に言えるのは、キャス・ベドロードの地下に眠るのが、遠い昔に戦いで命を落とした英雄たちだということだけだ。ディレニの人々は斃れた同胞をここに葬り、安息の場所が荒らされることのないよう封印したのだ。

この仮説を裏付ける新たな証拠を発掘すべく、私は調査を続けるつもりだ。また、こうしたカタコンベへの入口を見つけるために、キャス・ベドロードの探索も継続するとしよう。

できればこうした墓を守っているディレニの魔法をかき乱さずに済ませたいが、こればかりは祈るしかない。

キレスのプリズムのメモKireth’s Prism Notes

クリスタルのプリズムがすべて並んだ様子は、どうやらかつて何かきらめく小さな物が、部屋の周囲のエネルギーを動かしていたことを示しているような気がする。これはただの一時的な仮説だけど、修理して何かをさせることはできると思う。遺跡周辺でうろついている金属のクモから、きらめく物と回る部品をもっと手に入れないと。

でもそれには気味悪いクモと戦うことになる。クモは大嫌いよ。

キレスの日記、3ページKireth’s Journal, Page 3

レイノーと私は、この探検で稼げてる!私としては進歩よ。

ブサヌアルの後では、大学なんて必要ない。成功する準備ならできてる!魔術師ギルドを連れてきなさい!

でもギルドに好印象を与えるには、何か良いものを見つけないといけない。たまに、彼らには単にからかわれている気がする。

レイノーは、スカイリムの王の後ろ盾があれば入れる可能性は高いと思ってる。正しいといいんだけど。

キレスの日記、7ページKireth’s Journal, Page 7

ここは罠だらけ!1つの場所にこれだけ多くの、面白く危険な仕掛けがあるのは見たことがない。ドワーフたちがここに隠していた、これほど守らなければならないものって一体何?何であれ、きっとギルドのローブを着た剥製たちを感動させると思う。

鍵のかかった扉と通路が本当にたくさんある。全部探検できたらいいのに!でも1度に1つ。レイノーには、私が物事を必要以上にややこしくする傾向があると言われる。偉そうに!

キレスの日記、10ページKireth’s Journal, Page 10

ここでもっと過ごせたらいいのに。何かの巨大な機械の証拠を見かけたけど、全部の扉をこじ開けてそれを探す時間がない。

役立たずの日記の装丁め!どうして中身が抜け落ち続けるの?

ほら、古代遺跡を見つけるのって面倒じゃない。いつだってとても不便な場所にあるから。

でも一度それを見つければ、探検は苦労する価値が大いにある。遺跡の全てがどこにあるのか知っていたら、魔術師ギルドは完全に諦めていたわ。そうすれば、自分の時間を全部探検に費やすことができる。

キレスの日記、12ページKireth’s Journal, Page 12

レイノーの魔法装置はなかなかうまくいってる。ドワーフコンストラクトには、私の姿がほとんど見えない。3分半に1度切れるけど。210まで数え終わった時、周りに何もいないことを確かめないと。

失敗の間の時間を測るまでは間一髪で助かったことが2、3あったけど、把握してからは問題ない。

レイノーがこの装置のアイデアを得たのは、ブサヌアルで光のクリスタルについて研究していた時だった。すばらしいことだわ。彼の作った装置が、本当に役立つなんて!

キレスの日記、14ページKireth’s Journal, Page 14

ムズルトでは多くのものが昔のままだ。これまで私たちが探検してきたドゥエマーの遺跡と同じように、放置されている。それに、コンストラクト以外は空っぽだ。でもすべては未だに機能している。壁の照明が輝き、配水管が蒸気を出すのは何とも不気味だ。この場所はまるで誰かを待っていて、住人が外出したばかりで今にも戻ってくるようだ。

この遺跡を探検できたらいいのに。遺跡にはそれぞれ物語があって、隅々まで潜り込めないのなら、その物語は語られない。私がそう言うのをレイノーが聞いたら笑うでしょうね。これを読むんじゃないわよ!

キレスの日記、16ページKireth’s Journal, Page 16

ここには他に誰かがいるみたいだ。でも、古代のドワーフのことを言っているんじゃない!明らかにドゥエマー原産ではない橋を見つけたし、最近この遺跡を訪れた探検者が他にいる形跡を数多く見かける。

彼らは何を見つけたんだろう?最高のものが全部取られてなければいいけど!

ちょっと待って。彼らが私ほど素早くて賢くなかったら?罠やコンストラクトにやられていたら?

酷いバラバラ死体に出くわすのは本当に嫌よ。気持ち悪いでしょうね。

キレスの日記、19ページKireth’s Journal, Page 19

ついてない!安物の日記の装丁め!1番お気に入りのページがいくつか抜け落ちてしまった!まあ、仕方ない。

ここは時々、ゴロゴロ音がする。遺跡の奥深くへ行けば行くほど、ムズルトは不安定になっていく気がする。まるで、建物全体が崩壊か何かしそうになっているみたい。そうなると困る。

壁や天井が落ちて、雪や日光が入ってきている場所にたどり着いた。それと、もっと奥から冷たい風が吹いてくるのを感じる。探している道が埋まっていなければいいけど。

ああ!風でもう1ページ飛んでいった!

キレスの日記、22ページKireth’s Journal, Page 22

見つけたわ!ドゥエマーが最高の歴史と品々を保管している宝物庫はここに間違いない。奇妙なクリスタルの仕掛けもあったけど、起動するには鍵が必要になる。

そして今、レイノーがくれたこのくだらない装置の調子が、本当に悪くなってきている。このコンストラクトをやり過ごすまでもたないと思う。次にどうするか見当がつくまで、隠れる場所を見つけたほうがいい。

キレスの日記、24ページKireth’s Journal, Page 24

レイノーは私を誇りに思うでしょう!このどうしようもない日記はバラバラになりっぱなしだけど、遺跡の調査のすべてを記録して、ドゥエマーの宝物庫を見つけた。

でもレイノーの装置なしで、鍵を見つけるためにどうやってコンストラクトを回避できるの?危険が楽しいのは、後で自慢できる時だけよ。

キレスの日記、25ページKireth’s Journal, Page 25

ああ、これはまずい。全くもってまずい。私がここにいることをコンストラクトは知っているらしく、私を探し続けている。あの役立たずの兄弟は、本当に必要な時に一体どこにいるの?

誰かがすぐに私を探しにきてくれますように。さらに多くのコンストラクトの注意を引かずには、ここを出られない。それに、お腹も空いている。

困ったわ!レイノーが、街中の服を1日半の間透明にした時よりも困った。ヴィベクにかけて、アロ長老が怒っていたっけ!

キレスの日記、29ページKireth’s Journal, Page 29

ドゥエマーの装置の錠は、これまで扱ってきたものよりもはるかに複雑よ。

持っていたロックピックは全部折れてしまった。

自分用メモ:新しいロックピックを作るために使えるドゥエマーの金属を探す。

レイノーへのメモ:もう私をこんな目に遭わせないで!

キレスの日記、30ページKireth’s Journal, Page 30

新しいロックピックを作るための金属をいくらか持ち出そうとして、危ない目に何度もあった。串刺しにされることにはあまり興味がない。それに鍵を探すためにあちこち探る度、コンストラクトが群がってくる。

どうにかここを出られたら、何か守りに効くものを発明しないといけない。特殊なブーツか何か。あるいは、帽子とか。

キレスの日記、33ページKireth’s Journal, Page 33

吟遊詩人のフョッキ著、「愛と剣さばきの技法」を読んでいる。このくだらない本がなぜこれほど有名なんだろう?

ここに書かれていることの半分は、可能ですらない。もしくは合法じゃない。あれ、ちょっと待って。これは何か面白そうだ。

クラツガールの設計図のメモNotes on Klathzgar’s Schematics

この古代のドゥエマーの設計図を全部翻訳しようとしたら一生かかるが、それぞれのページを詳しく調べたら遠回しなヒントがいくつか見つかった。クラツガールは特別なセンチュリオン、あるいは似たようなものを贈り物として建設していたようだ。最大の収穫は「ウレセフンチェンタヤフト」という名前で、大まかに翻訳すると「ウレネンヤ」となる。つまり、方向は間違っていないということだ!

しかし残念なことに、最初は稼働していなかった厚かましいオートマトンの工場が、顔を引きつらせて声を震わせ始めた。彼らのクリスタルラインのスタッドはうまくいっているものもあって、アルマチュアも時折蒸気を発している。私が誇り高く欠点のないアルトマーでなければ、不安があることを認めるだろう。

— ペローラ

クワマーの記録My Kwama Journal

1日目:研究は順調で、この生物を観察するのは楽しい。私の存在を受け入れてくれたようだ。彼らの暮らしを真似してみよう。

18日目:クワマーのように動き、クワマーのように考える。

20日目:私は群れの一部だ!

24日目:クワマーが私を必要としている。私が彼らの女王になる!

42日目:ダークエルフが私を探している。我が戦士達が守ってくれる。

88日目:愛しきスクリブ達!なんて成長が速いのだろう!

113日目:卵を守らなければディティクトクトク洞窟深くに隠れなければキキティキトキトク群れを守らなければディディドティキティキド

日目日目日日日クワマー・クィーンクワマー・クィーンクワマー・クィーン群れに必要なのはクワマー・クィーンクワマー・クィーン私私わたしいいいいいディティキドディティキキ

クワマーの繁殖研究メモ(植物)Kwama Breeding Research Notes(Flora)

アッシュヤム:影響なし。クワマーは小腹がすいたら食べる。

ビターグリーン:影響なし。空のビターグリーンの莢はワーカーやスクリブが座りやすい。明らかにサイズが合っていないのに、ウォリアーが莢の中に入ろうとしているのを見たことがある。馬鹿な虫だ。鉱山に寄せつけるべきではない。

ブラックアンサー:クワマーには影響なし。見つけるにはヴィベク・シティ近くに工作員を送らねばならない。危険だ。試験を中止することを提案する。

黒ゴケ:クワマーはこれを嫌う。我々の食糧庫など、彼らを寄せつけたくない空間にのみ使用する。

バングラーズベイン:影響はない。一定量の確保が難しい。

チョークウィード:影響なし。

コムベリー:影響はなく、荒野で見つけるのは非常に難しい。量が足りない時はヴィベク・シティの商人から盗むことを勧める。

コルクバルブルート:我々の求めている影響ではないが、何らかの理由で麻痺しているクワマーの治療に役立つようだ。試験の続行を推奨する。

ドラッグルテイル:在庫がなく、かつビターコーストに斥候を送るほどの価値はない。

ファイアフェーン:クワマーはこれを非常に好み、同時に興奮するようだ。さらなる調査を推奨する。

ゴールドカネト:影響なし。

緑ゴケ:どこにも見つからない。ここまでに推奨された場所の情報は、すべて行き詰っている。

ハックル・ロ:影響なし。

ヘザー:影響なし。

クレッシュ繊維:クワマーはこれを嫌うが、私たちの興味を引く方法ではない。見つけるとすかさず上に糞をする。マタス・エイキンには置かないこと。

光ベニタケ:この地域に自然生息しており、鉱山でも見つかる。クワマーはこれをしばしば食べる。行動にたいした影響はない。

マーシュメロウ:食料としての可能性以外に影響なし。

マック:クワマーには毒。絶対に使わないこと!

ニルンルート:クワマーの近くでそのまま使ってはいけない。目にするととても欲しがるが、無気力になるようだ。最初に体験させた後は、ウォリアーが数匹倒れた。そもそも獣はあまり残っていない。これ以上失いたくない。

紅ゴケ:影響なし。

ルーブラシ:影響なし。

サルトリス:一般的なクワマーの餌。我々は貯蔵エリアで在庫を管理し、適度な量の黒ゴケで周囲を囲っている。

スケイスクロー:影響なし。

スロウフェーン:影響なし。

ストーンフラワー:ウェストガッシュでのみ見つかる。危険すぎて入手できない。しかし影響はないと推測される。

トラマの根:影響なし。

ムラサキヒトヨタケ:マタス・エイキン内で自然に輝くものを見つけた。クワマーの自然の餌となる可能性あり。影響はない。

ウィックウィート:すでに愚かなクワマーをより馬鹿にするようだ。さらなる調査が必要。

ウィロウフラワー:影響なし。

ハイファファシア:マタス・エイキンで時々見つかる。明確な影響なし。

これが読めるなら開けることIf You Can Read This, Open It

このメモは保護の魔法をかけて、デイドラに見えないようにしておいた。もしこれを読んでいるなら、デイドラではないということだ。信用していいだろう。クラリス、あなたであることを祈る。それか前途有望なレイノーか。まだ2人ともこのひどい場所に閉じ込められたままなのかどうか、心配だ。

ここの魔法は強力だ。自分の魔法よりも強い。単純な幻覚に掛かってしまうなんて、思いもしなかった。何か思い切った手段を使わなくてはいけない。下で貯蔵庫を発見した。思考に支障が出ないよう、逃走計画を立てる間だけ、中に閉じこもって見るつもりだ。

貯蔵庫で会おう。そうしたら一緒に脱出できる。

— テレンジャー

ジャ・リートの奇妙な状況The Strange Case of Ja-Reet

我々の民がヒストから離れて生まれることは非常に稀だ。我らはとても現実的な意味でヒストの一部なのだ。そこから離れて生まれることは、大事な何かをなくして生まれることだ。人生のほとんどの間、治癒師として仕事をする中で、この問題は理論的な可能性として常にあった。ジャ・リートが来て、現実になるまでは。

奴隷として生まれたが、彼はパクトと奴隷解放以来よくやってきた。ダンマーと結婚までした。両親を所有していたナルシスの家の娘と。そうした結びつきは個人的に不快感を持って見ているが、明らかに不利な立場にありながら社会で交流していく彼の能力を雄弁に語っている。

確かにアルゴニアンの社会で彼は不利だ。彼は社会的な手がかりであり、我らのほとんどが当然のこととしている筋肉や尻尾の微妙な動きを読めない。他の種族の感情を読みにくいことはしばしばあるが、ジャ・リートは仲間のアルゴニアンにさえその問題を抱えている。話される言葉に耳を傾けるが、その声音には無頓着だ。確かにヒストから離れて生まれたために、ヒストに感情的な直感を奪われたのだ。

彼はじわじわ湿地にエルフの妻を連れ帰った。彼女は誰にも歓迎されないが、彼の社交性を引き出したのは彼女だ。彼がどう考えているのか学ぼうとする中で、貴重なことだった

生き生きしたヒストの木に近づけば、他の者たちが当然持つ直感をジャ・リートが獲得するため、役立つかもしれない

ジョムンドの研究メモJomund’s Research Notes

これまでに分かったこと:

鉱石はかすかな青い光を発する。この光は変化し、時折ひときわ明るく輝くように見える。これは、ほかの金属に近づけたことが原因かもしれない。この光の変動の原因を確定するには、さらなる試験が必要だろう。

セルムは、アイレイドの石細工に、この鉱石が発する光と同じような色を見たことがあるという。

鉱山の西側に棲むフロスト・トロールは、どうやらこの鉱石に誘い寄せられるようだ。もしこの鉱石に何らかの利用価値や値打ちがあることが証明されたら、トロールをあそこから掃討する必要が出てくるだろう。

試験:
この謎めいた金属が持つ本来の特性は見定めがたい。外観は独特の青い地に、銀色の細い縞目が走っているように見える。

銀の道具で叩くと、ほとんど音楽的とも言うべき音色で反響する。鉄の道具で叩いて返ってくる音は、銀の道具で叩いたときよりも耳障りだ。

追加試験:

この鉱石は欠けに対する高い耐性を持つ。何度も試してようやくいくつかの欠片を採取し、それらをすりつぶして粉末状にできた。ところがあいにく、この青く輝く粉末をセルムが派手なくしゃみで吹き飛ばしてしまい、数時間の手間暇が水の泡になった。

さらなる分析が必要だが、この鉱石をすりつぶせば武器製造で合金として使える素材ができることは間違いない。これは、この鉱石がなにがしかの魔法的特性を持つことが確定した場合、きわめて重要になるだろう。錬金術師のアレートが関心を示すことは請け合いだ。すぐにもこの鉱石のサンプルを見たがるに違いない。

シルドールの日記Sirdor’s Journal

密林だ。ルートサンダーの壁に閉じ込められてる。デイドラでも幽霊でもなく、密林そのものだ。ここのエルフは、密林の霊魂を街のウェルキンド石と一体化させる方法を見つけたのだ。

当時は自分達が優れていると考えたに違いない。密林を街の防壁と一体化させてから、防壁を魔法で制御する。無作為的な要素は排除され、すべて整理される。

しかし密林は、人工的な壁の中に閉じ込められて荒れ狂った。街の支配権を奪った。住民を殺した。街を地面の下へと引きずり込んだ。それから眠った。そして私達が目覚めさせた。

元に戻す方法があるかも知れない。同調石が必要だ。一体化させる呪文を作った建設者達が使用したものだ。中央のウェルキンド石から西にある、下の部屋にあるはずだ。

同調石があれば、この状況を正してやれる可能性がある。

でもまずは、3つの補助石を調和させてからでないと、中央の石を使って壁にかかっている支配の魔法を解けない。場所を覚えておけるよう、その3つはここに印を付けておいた。

それが済んだら、あとはただ中央のウェルキンド石を調和させ、ルートサンダーの霊魂を解放するだけのはずだ。そうすればこの悪夢は終わる。

危険ではあるが、単純な仕事だ。仲間とワインを飲む時間までにはキャンプに戻れると思う。

スキーヴァーラ目に関するメモNotes on the Order Skeevera

学生の日記

蒔種の月14日
大学での研究が終わりに近づき、周辺地域に自生する野生生物の研究を始めるつもりでいる。主に、あまり研究が行なわれていない生物分類である、スキーヴァーラ目に焦点を絞ることにした。もっと人気のある巨大虫やトロールを対象として選ぶよりも、ずっと安全な研究だ。そうしたリスクを避けることで、傭兵を雇う必要がなくなり、より少ない経費でより遠くまで移動できるようになる。

蒔種の月16日
今日、正式に旅が始まった。街の防壁を通ったついでに、下水道やゴミ溜めに群がっていたネズミをたくさん観察した。日常生活ではよく見過ごされがちだが、街の中でかなりの存在感を誇っている。私達の出す廃棄物の中でそれを餌にして生き、一般的なネズミは人が住みづらい厳しい気候の中でも悠々としている。ネズミがいるとやがて疫病が広まることも多いため、大規模な地域社会における災いの元の一つである。

蒔種の月21日
街の境界のすぐ外へ出ると、さらに幅広い野生生物が見受けられるようになった。街の外側で最もよく見られるスキーヴァーラの例は、兎だ。兎は通常、草地や森林に生息している。地下にある巣穴の中で、数多い天敵から身を隠している。兎をペットとして考える者もいるが、パイかシチューの中で見る方が圧倒的に多い。

今日がホギトゥムだということを思い出したのは、年1度の儀式を森の中で行なっているダンマーの司祭2人に危うく出くわしそうになった時だ。避ける方が良いと思って、気付かれる前に静かに立ち去った。

恵雨の月7日
もう2週間雨が降り続いている。濡れないでいることは不可能だ。火を消さずにいられるのは、大学で受けた初歩的な魔法の授業のおかげだ。大雨がひどすぎて、野生生物の観察はできていない。狼でさえ隠れている。

小さな生き物も興味深いのだが、何かもっと… 刺激が欲しい。雨がやんだら、別の場所で研究を続けるかも知れない。

恵雨の月12日
やっと雲に切れ目が!

恵雨の月14日
野生のスキーヴァーの巣を発見し、観察を始めた。親戚であるネズミと同様、スキーヴァーも疫病を広めることが多い。ただし、スキーヴァーは大きな肉食獣にとって主要な食料だ。ジャイアントスパイダーの巣の中には、常にいくつか絡まっている。キャンプファイアの上で料理されているのを見掛けることも珍しくない。

明日は、より間近での観察と解剖のためにスキーヴァーの捕獲に挑戦する。スキーヴァー1匹くらい、簡単なはずだ。

恵雨の月15日
今日、スキーヴァーを1匹捕獲しようとした。でも、捕獲できるほどの距離まで接近する前に、匂いに気付かれてしまった。逃げはしたが、かまれた傷跡から菌が入り込んだらしい。単独で旅をするのは賢い選択ではなかったかも知れない。

ストーンガーデンの解剖メモStone Garden Dissection Notes

エッセニアの血の騎士は、原始的ではあるが興味深い創造物だ。
吸血症の変身効果をどれだけ進められるだろうか?
解剖学的な変化は記録が必要。
ストーンハスクの新モデルはあっさりと血の騎士の首をはねた。脳の研究を開始。
変身前の起源:不明。
頭は質問に無反応。
頭は検査に無反応。
ショックには限定的な筋肉反応。
頭蓋骨周辺に軟骨状の塊と骨の沈着。
脳のサイズ:小。未発達?退化?
器官を包む厚く黒い粘膜。ドワーフの機械のこぎりが必要。
血の器の成長が飛躍的に加速。脳組織が組み込まれる。
粘膜がグルームスポアの溶液に反応して萎縮。ドワーフの刃を潰す。
大きな可能性。活性化液?開発を加速。
他の材料?光ベニタケを調べる。

ストーンハスクの分解記録Stone Husk Dissection Log

被験体:アイスリーチ魔術結社のコンストラクト(非活性)
岩を切り出したのではなく、成型して作られたと思われる。
構造部分は晶石?

装飾を解除。アーマープレートは機能している。力を加えられても砕けない。

枝編みオーブを解除。リーチの枝を束ねたものの周囲にスフィアが形成されている。空虚で原始的な調合薬が塗られている。錬金術の産物で、見慣れず臭いが強い。コンストラクトの空洞は注意を惹かない。

胴体を分析:被験体の身体は予想より硬度がある。機械による干渉が必要。ハスクという名称は誤りだ。全体が硬い。仮説: 儀式による変化が懐胎中に起こった。

解剖の概要:身体と付属物全体が硬い。奉納された小さな呪物が構造内に刻まれていた。目的は判別できない。

標本は注意を惹かない。物質と未知の連勤的物体は中断する。岩の塊以上のものが発見できるだろうか?

スピンドルクラッチ探検The Spindleclutch Expedition

探検隊長、ガーディアン・スドハリーム
探検副隊長、プラクシン・ドゥーアレ

プラクシン・ドゥーアレに補佐され、ガーディアン・スドハリームは戦士ギルドの傭兵達の小さな探検隊を、スピンドルクラッチと呼ばれる洞窟の調査へ率いる。異常に大きいクモが洞窟にはびこっているという噂が流れている。もしその生物が威嚇を示した場合、探検隊は力ずくで根絶するよう命じられている。

ゾンビ:さらなる実験Zombies: Further Experiments

何週間も失敗を繰り返していたが、死霊術師が常時作業を行わずともゾンビを動かす方法をついに発見した。

残念ながらそのほとんどはただ従順なだけだ。脅威があると自己防衛するが、そうでなければただ目的もなく、もぐもぐ言うだけだ。幸運にも、各グループに何体かは好戦的なゾンビがいる。この攻撃的な種が従順なグループに置かれると、番犬のような役目を果たし、他に獲物のことを知らせる。何がこの有用な個体を作っているかまだ分からないが、この一団はグループ全体にいくらかの統制をもたらす。

それでペリンゲールには十分だろう。

ターレングラヴに関するキレスのメモKireth’s Taarengrav Note

レイノー

基礎調査は無視しろって主張にはまだ驚かされる。だって、ドラゴンプリーストが何か知ってる?いい?何世紀も前、ノルドはドラゴンを生きる神として崇拝していた。特に信心深い者達は、ドヴァーの魔法によって高みに上げられた。

こうした祠は至る所にあった。今では数えるほどしか残ってなくて、ほとんどは地下に埋もれている。そのまま発見されないものもあるでしょう。これらの遺跡はドラウグルが出没して死者も出る危険な場所だと噂されていて、実際にほとんどがそうよ。でもターレングラヴは、彼らの過去を研究する絶好の機会を提供してくれる。

ここでは、彼らが神に捧げる偶像を作りながら、どのように生活していたのかを示すものがすでに見つかっている。彼らの子供達の物語や玩具も発見した。小さなドラゴンの彫刻の横にドラゴンの言葉が刻まれたもの。まだ親の名前も知らないような子供にドラゴンの名前を教えるために使われた、切り込みが入った小さなブロックよ。

だからドゥエマーの遺跡にある霧のトンネルがどんなに心地よくて暖かいかなんて、文句を言うのはやめなさい!もううんざりよ。

— キレス

ドゥエマーのメンテナンス記録Dwemer Maintenance Records

ドゥエマーは自分たちの機械装置すべてについて、詳細な記録を取っていたようだ。彼らはどんな些細な変化にも、高い関心を抱いていた節がある。

これは単に彼らが保守点検の記録を保存していたというだけのことだろうか。それとも、機械装置を改良する方法を探っていた可能性もあるのだろうか?

より詳細なメモの多くは翻訳困難だが、我々の限られた知識でも、たった1度ピッという音が鳴っただけで、その件が1日に23回も言及されていることは分かる。

ドゥルーに関するメモNotes on the Dreugh

これらのメモが少々乱雑でしたら申し訳ありません、教授。教授が何か有益なものを見つけるかも知れないので何も削除したくなかったのです。

―2つの明らかに異なる種:陸ドゥルーと水ドゥルー。

―2つともかつてはエボンハートのヴァーデンフェル全域と周囲の水域にありふれていた。ここ数世紀に渡り追い出され、現在では孤立地帯にのみ生息している。

―一部の報告書は、陸ドゥルーに2種類あると主張しており、一方で他の報告書はそれが一種の生き物の雄と雌の型だと主張している。

―伝説は「文明化した」陸ドゥルーのコロニーについて述べており、それらはおそらく食料の在庫としてマッドクラブの群れを育てていた。

―これらのコロニーはまた、石塚家屋および建造物を建てていたとされている。

―今日においては、こういった進歩したドゥルーの習性に関する証拠は何も存在しない。

―ドゥルーは雑食動物で、エルフの肉を食べているのが目撃された。

―ドゥルーは自身の体を通してある形の雷撃エネルギーを注ぐ能力を有する。ほとんどの学者が、これは自然適応であり、まったく魔法ではないという意見で一致している。

―陸ドゥルーの甲殻は生まれつき頑丈で、一般的な武器によるほとんどの攻撃を屈折させられる。

―言語やコミュニケーション能力は知られていない。

―巣作りの習性は文書により十分に立証されていないが、陸ドゥルーは卵を泥ですっぽり覆うことが分かっている。水ドゥルーの巣作りや産卵行動については何も分かっていない。

―一部の漁民は、陸ドゥルーの卵をその生物の泥の巣から収集することで知られているが、それは明らかにかなり危険な仕事である。

これが十分な情報であれば、明日はネッチの研究を始めます。

トカゲLizards

ハティハ 著

砂漠トカゲには注意すべきだ。毒を持っているのが2種。生きた肉しか食べないものが1種。しかし、他のトカゲは安全だ。

この者は、見た目で個体を判別するのはほぼ不可能だということに気が付いた。それぞれの性格を知ることでのみ掌握できる。

トカゲは辛抱強く接することで手なずけられる。慎重に近づき、小さな虫を与える(肉食のものに警戒すること)。匂いに慣れてくれば、そのうち従うようになるだろう。

ドワーフ遺跡探検家の日記Dwarven Ruin Explorer’s Journal

……ある程度成功した。ビーム・テイはドゥエマーの地下作業場への隠された入口を見つけたのだ。彼女の魂が、ブラック・マーシュの水に平安を見出しますよう。オートマトンが主人の秘密をよく守っている。

クモとスフィアのガーディアンが我々に群がり、追い払う間もなくビーム・テイとレーカトゥルは殺された。外側の部屋は今のところ我々のものだ。中央の熱を持つ植物やその他の機械装置にはわくわくするが、ウッカ・マルズは、持ち帰れる遺物を探して、もっと奥に進もうと主張した。

内側の部屋は我々の墓穴だった。スフィアとクモは心配の中でも一番軽かった。我々の侵入はドゥエマー・センチュリオンを起こしてしまったのだ。我々が壊滅状態になる直前に壁の銘刻からその名を知ることができた。スザレック・エフト。容赦ない襲撃でウッカ・マルズも他の者も死んだ。私だけが生きて出口にたどりついた。スザレック・エフト。その名が私の眠りを悩ますだろう。

だが私は出られない。見えない仕組みで扉が施錠されている。食料と水は外側の部屋に置いたままだ。絶望的になったら思い切って行こう。そうなる前に、他の研究者が扉を開けてくれるかもしれない

ニムリエルの調査Nimriell’s Research

薄明の月2日

クワマーの様子がここ数週間でどんどんおかしくなっている。鉱山労働者や私の匂いに慣れてもう数ヶ月経つというのに、どうも腑に落ちない。

薄明の月10日

鉱山労働者と私は今朝サンダーバグの死体を見つけた。そのかたわらにはクワマー・ウォリアーのものと見られる十数体の死体もあった。サンダーバグがどのような経路でここに入ってきたのか不明だが、それを突き止めなければならない。大規模な侵攻があったらこの鉱山は終わりだ。

ニラエンドリルのメモNilaendril’s Notes

ボズマーの女性で45歳から47歳。非常に背が高い。第3、第7椎骨損傷。肋骨4本骨折。頭蓋骨内に指二本分の長さの溝あり。

その傷跡からセンチタイガーかトロールだと思われるが、彼女の大きな骨が無傷なのはなぜだろうか?動物は髄を取り出すために骨を割る、だが牙の跡以外はきれいなものだ。傷一つない。

死亡した後、彼女は入念に洗浄されている。人工的な痕跡がなければ、葬儀のためにそうされたのだと結論づけていただろう。

—ニラエンドリル

ニラタの調査計画Nilata Search Plan

計画が成功するためには以下のものが必要になる:

1.超境界性物質と横断平面上の結合の問題を扱った詳細なアイレイドのグリモア——タイトルに、アラシラゲア(預言の-伝承)、セイェメラトゥ(影の-音楽)、ゴリアルカン(秘密の-魔法)、ヘクルモラ(追放された-デイドラ)、シラタルン(輝く-ポータル)といった言葉を含むものを探すこと。このリブラリウムにも目的にかなう本が1冊か2冊はあるはずだ。

2.蒸留器、大釜、瓶等、実験室で使う装置。あまりたくさんは持っていけない。

3.魔法による拘束具を固定できるだけの大きさと能力を備えた焦点型かがり火。

あとはどこにでもいるドレモラ・チャールを召喚して雑用をさせればいい。「退屈な部分の付録」を使えば無期限に彼らをこの次元に留めておける。あの巻物をどこに置いたか思い出せればの話だが。

ニルンからエセルへFrom Nirn to the Aether

前回の装置の事故から立ち直る途上にいる。明らかに幾つかの調整をしなくてはならない。マジカがもっと必要だ。はるかに多くのマジカが。併せて強制的にそれを上昇させるもっと良い方法も。

そして、次は水に落ちるといいが。

挫折と痛みを伴わずに達成された偉業はない。それに、これ以上に偉大な目標は何がある?「ニルンからエセル… そして逆も!」と屋根から叫んだとき彼らは笑ったが、最後に笑うのは私だ。自分にとっては金言以上のもので、生涯の冒険なんだ。

実現可能であるし、実現してみせる。試行する度に一歩一歩近づくのだ。明日の試みは突破口になる。確信している。冒険を支持して星々が一列になるのを感じる。歴史の巻物に、私の名が記録されるだろう!

ヌシュレフトの記録Chronicles of Nchuleft

匿名のアルトマー 著

これはドゥエマー自由保有植民地ヌシュレフトの、歴史的意義のある出来事の年代記である。本文はアルドメリスで書かれているため、おそらくアルトマーによって記録されている。

23:イフレンダム卿の死

第二収穫期(P.D.1220年)に、西の高台に向かうイフレンダム卿はヌシュレフトに辿り着いた。護衛アンチャードとルクングトハンチ将軍はそこでイフレンダム卿に会い、ダレン・ザンクもまたその会合に集った。彼らは長い間話した。しかしこの会合に関しては、彼らが互いに友達だったという事柄のみ知られている。その後、彼らは別れそれぞれの地へ戻った。

ブルットハンチと彼の息子はこの会合のことを耳にし、この極秘の会合で議会に対する反逆計画が話し合われたと知った–議会はしばしば自分たちだけで話を進めた。春になり、議会はいつものようにバムズ・アムシェンドの広間で理事会が開かれることが告知された。人々はそれに合わせて集まり、酒と歌を楽しみ、景気よく酒を飲んで酒の席ではありとあらゆることが話された。特に、異なるドゥエマーや、ついには議員たちの比較にまで話は膨らんだ。

誰かがイフレンダム卿は仲間の議会の者よりもあらゆる点ではるかに優れていると言った。ブルットハンチ議員は激怒し、自分がイフレンダム卿より劣るわけがないと言ってそれを証明しようとした。すぐに2人はカッとなって、お互い戦いを申し入れ武器へと駆け寄った。しかし酔っ払っていなかったこともあり、よく心得ている市民たちが2人の間に入り、静めた。そしてそれぞれの地へ戻ったが、2人が仲直りするとは誰も思っていなかった。

しかしその後、秋になるとイフレンダム卿はブルットハンチ議員から便りを受けた。ヘンドル・スタードゥムズでの賭けに招待するものだった。イフレンダムの一族や市民は不信を恐れて猛烈に反対したが、イフレンダム卿は議会にも常に同行する衛兵の言うことさえも耳を貸さなかった。残念なことにヘンドル・スタードゥムズへ向かう途中、チンジンヒ峠でおびただしい数の恐ろしい生物がイフレンダム卿を襲い、一行は全滅した。それ以来多くの市民がブルットハンチとその息子がこの野獣を呼び出してイフレンダム卿を襲わせたのだと言ったが、証拠は何もなかった。イフレンダム卿はレフトゥンチと呼ばれる場所に埋葬された。

ハグ沼の魔女The Witches of Hag Fen

第二紀567年、グレナンブラのハグ沼のハグの観察記録。放浪者ボノリオンの日記より。

グレナンブラを旅していたとき、水の多い地域に辿り着いた。奇妙な木がそこら中に生えていて、水は濁っていた。住人にこの土地について聞いたところ、「ここはハグ沼だ。見てのとおり湿原だ」と答えた。ここを探索すると、どんな生物と出会えるのかということも尋ねた。彼はややそっけなく、「ハグだ。そうでなければハグ沼なんて呼ぶはずがないだろう?」と答えた。地元の住人達とは積極的に会話をするようにしている。いつでも私の旅に信頼性を与えてくれるからだ。

しつこくハグについて聞き出すと、彼はその生物のことを魔女の仲間だと説明した。素晴らしい!私はこの土地のマジカの様々な利用方法を調べるのが好きなのだ。無口な彼に、沼の婦人がどこにいるか聞いたところ、彼は面倒くさそうな声を出した。「お前が愚かにもその「婦人」とやらに会いたいというのであれば、沼の北部に行くことだ。茶でもてなしてくれるかもしれないぞ」。地元民は魔術を使う彼女達を常に警戒しているが、私は沼の魔女達が知的な対話に応じてくれると確信している。

***

ハグの住んでいる地域を見つけた。残念なことに、かなり攻撃的なクロコダイルのせいで、片方のブーツと杖、それにバッグをひとつなくしてしまった。彼らもまた、この沼を自分達の縄張りだと主張している。だが、近くにいるハグのものだと思われる、樹上に作られた住処をいくつか見つけた。今も小ぶりな低木の影から観察を続けている。直ちにメモをとることにした。

ハグは少し不自由な体をしていて、杖を使って歩く。

ハグの身なりはややだらしなく、明らかに年老いている。

ハグは沼で見つけた素材を使って、かなり粗野な衣装を作っている。

若くて可愛らしい魔女の一団もいるが、年配のハグとは一緒には暮らしていない。

男は仕事に出掛けているようだ。なぜなら現在まで男のハグを発見できていないからだ。男は別のキャンプで暮らしているのだろうか?メモ: ハグに一族の男性のことを聞く。

観測地の一番近くにいるハグのひとりが、大きな釜を使って何か料理しているようだ。この沼地で災難に見舞われた私にしてみれば、暖かいシチューとお茶は大歓迎だ。年配の婦人を驚かせないように、慎重に近づいてみることにしよう。

—ウィレス・ガリアネの記録

沼地から這いずり出てきた怪我だらけのボズマーを見つけた。彼はハグとクロコダイルに出くわしたが、何とか生き延びることができたようだ。彼は精神が錯乱していて、お茶とシチューを要求し続けてきた。私達は治療してから彼を送り出すことにした。だがその頃には、キャンプにいるウィレスのほぼ全員が彼に声をかけられていた。彼がメモの一部を忘れていったため、私達はそれを保管することにした。土着の生物と習慣に対してまったく理解力がなく、その観察力も馬鹿げていることを考えれば、これは彼の今後の旅の安全を占う上で、良い前兆とは言えないだろう。

ひどく痛んだ日記Badly Damaged Journal

…何百年も前に遡る。初期の記録に言及が見つかることさえあり…そのあまりの大きさから、彼らはただちにドラゴンを想起したのである。…を彼らが席巻したことを考えると、想像に難くない… にわかには信じられない話だ。

地元民は季節ごとの捧げものを準備するために膨大な労力を費やす。彼らは木の実、肉、農産物を筏に… で、海に流す。村という村は…に対する恐れから飢えに苦しみ…季節ごとの洪水を止める唯一の手立てだと言う!

馬鹿げている。そのような生きものであれば、地域の野生生物の数を…できるかもしれないが、それほどの規模では無理だ。グアルの繁殖パターンは木質化した茎の…に非常に敏感に左右されることが知られており、餌となる動物は…が、そのうちに彼らは戻ってくる。

もしそれでも不充分というなら、説明の相違が…どれか1匹に帰するということを示唆している。これを証明するため、私は遠征を…した。もしこの「ハイネックトゥナメット」が実在するなら、我々が見つけ、…の種にきっぱりと終止符を打つだろう。

フェルルンナーの失敗?Fellrunner Failure?

最近、フェルルンナーにウィスプのエキスを浸透させて反応を観察した。試薬を使って数秒もしないうちに、実験対象はばたりと死んだ。何も変わったことはないと思うかも知れないが、さらに詳しく観察すると、鳥の死骸から静かに蒸気が立ちのぼり、空気に突然、食欲をそそる匂いが立ち込めた。解剖してみると、鳥は内側から調理されていたことがわかった。それも完璧に。管理者ヴァインロアはこの結果にさほど感動した様子はなかったが、私はもっと簡単に手に入る動物で再現したいと思っている。

ブラヴァム・リサンダの日記Journal of Bravam Lythandas

蒔種の月12日
実験は進展を見せ続けている。被験者の心に複数の持続的な幻惑を定着させることに成功した。もっとも被験者はまだアミュレットを装着していなければならない。被験者に対し、彼の魂はアミュレットに結びつけられており、取り外せば即死すると信じさせることは容易だった。

幻惑の完全なコントロールはまだ得られていない。小屋が木ではなく石で作られていると被験者に信じさせようとした時、彼はそれがスイートミートで作られていると考えるようになり、私は彼が食べようとするのを止めなければならなかった。各人の体質はいまだ一定の望ましくない影響を及ぼしている。

栽培の月17日
ついにやった!作業を阻んでいた2つの問題を、1つの優雅な方法で解決することができた。私が編み出した支配呪文の正確な組み合わせによって、今や幻覚の完全なコントロールを(持続性も同時に)費用のかかる付呪なしで実現できた。

これは時宜を得た発見だった。というのも被験者は最近、現在の段階の実験を続けるよりもアミュレットを外すほうがいいかもしれないと示唆したからだ。これからは追加の被験者を探してもいいだろう。

真央の月5日
私の地下室に居住している3人は、自分たちがお城に住んでいると信じている。彼らは貴族の姿をするようになったが、これは彼ら自身の空想である。私は彼らの自己知覚に変化を加えようと試みてはいない。この共有された幻惑はすでに2週間持ちこたえ、長期にわたる尋問の中においても、他の幻惑の場合のように消滅の兆候を見せていない。

私は未だに自分でこれらの幻惑を試してみることを躊躇しているが、その気になれば抜け出せるだろうという自信はある。これまでのテストでは、私が観察できると期待していた具体的現実の性質における障害は明らかになっていない。さらなる被験者が必要かもしれない。

南中の月10日
本日、またひとつ興味深い展開があった。私はウェアウルフが城に暴れこみ、被験者たちのうち1人だけを、他の者たちには手の届かない位置で襲うという概念を導入した。私がその被験者を元に戻し、目覚めさせた時、最初にウェアウルフを発見したのは彼ではなく、別の被験者だったのだ!

どうやらどの被験者も獣を知覚していたと思われる。このことについてはさらにテストを続けなければならない——この幻惑は独立の実在になったのか、それとも私が何らかの仕方で彼らを結びつけてしまったのか?もうひとつの世界が侵入してきているということなのだろうか?大興奮だ!

南中の月23日
私はコントロールを失いつつある。まるで何か外部の力が介入してきているようだ。自分が紡ぎ出した呪文の底で奇妙な底流が発生し、被験者たちの心に抵抗を生んでいるのを感じる。彼らは理解不能になってきており、共同で作業するのが難しくなってきている。

1人は隅に座り込み、体を前後に揺らしながら、あろうことかディベラに祈りを捧げている。もう1人はひどく自傷してしまったため、取り除かなければならない。これまで、彼らの精神の健全性について疑問を抱いたことはなかったのに。いったい何がこのようなことを引き起こしているのだろう?

収穫の月2日
大いに驚いたことに、今朝地下室からすべてが消えていた——簡易な設備や物資、そして最も困ったことに被験者たちまでも。地下室の壁や天井や床は今、城の大広間を描いた壁画で完全に覆い尽くされている。

被験者たちはどこにも見当たらないが、最も奇妙なのは1揃いの絵の具と1本の絵筆が隅に転がっていることだ。何らかの不正な企みが行われたのだ。もっとよく調査してみなければならない。

ムズルト研究員の日記Mzulft Researcher’s Journal

第二紀129年 薄明の月3日

これらの巻物に対する私の解釈が正しいと仮定すれば、このオーブは魔法によって充填された時、その曇った深い場所に映像を記憶する。巻物の記述によれば、それには2つの具体的な項目に関する情報が含まれる。ドゥエマーの魂石の用途と、ドゥエマーの施設の地図だ。

魔術師学者なら当然のことながら魂石についての情報を欲しがるだろうが、私には地図のほうがもっと興味深い。魔術師は今すぐ使える実用的な情報を得る機会を逃したがらないだろうが、今だ発掘されていないドゥエマーの遺跡にはさらに貴重な知識があるかもしれない。近い将来に得られる確実な利益の相対的価値については、講義を行っている。

オーブを刻み込むのは簡単なようだ。ドゥエマーの記憶装置(クリスタルが付属しているもの)に近づけるだけで、エネルギーが関連する情報と共になだれ込む。しかし、その情報を書き写すオーブを探す必要がある。それがもっと問題である。これまで私が見つけたものはガラスの破片だけで、見つけた無傷のオーブ数個は、コンストラクトとの戦いで砕いてしまった。彼らは私にオーブを手に入れさせる手伝いをするよりは、それを破壊したいように見えた。

ちょっと待て。何かが起きている。なぜ地下室の扉が閉まっている?

第二紀129年 薄明の月4日

時間を推定している。おそらく今頃はもう次の日だ。後ろにある地下室の扉は閉まっていて、完全に鍵がかかっている。脱出する別の方法を思いつかなければ。袋に入った無傷のオーブを見つけたが、ここを出られると確信するまでは、使うのを待つつもりだ。

メレスリンの研究メモMerethrin’s Research Notes

長らくかかったが、ついに命を長らえる魔法を発明した。

長寿の儀式には生命を与える各属性の色つき水晶が必要となる。青い水晶は水、緑の水晶は生命力、明るいオレンジの水晶は光だ。

水晶は三角形に置いて呪文を唱えなければならない。ショーンヘルムの東の山中に人里離れた洞窟を見つけたので、そこで試すつもりだ。

———

明日の朝、かの洞窟に行き、儀式を始めようと思う。

何かあった時のために、逆の手段の魔術を得た。単に少量の属性の塵をそれぞれの水晶にふりかけ、壊すだけだ。

安全のため、塵は家に置いていく。必要ならいつでも戻れる。そうならないことを祈る。

モラバガリスの謎The Mysteries of Moravagarlis

タムリエルにあるアイレイドの遺跡については、学者達が何世代にもわたって研究してきたが、いまだ謎に包まれている。アイレイドが残したとされる宝は、恐れ知らずな者と愚かな者の両方を引きつけてきた。

遺跡によっては、探検しない方がいい場合もある。

魔術師ギルドは長い間、アイレイドの特定の土地、古いアイレイドの記録でモラバガリスとして知られた土地について研究しようと努めてきた。最初の探検隊がそこで彫刻の施されたアーチに接近した際には、その場所にあった石からさえ良くない雰囲気を感じられたと記していた。

モラバガリスに長期間留まった者は、おかしな夢や常軌を逸した囁きなどで正気を失いそうになったと話した。そうした妨害があったせいで、遺跡で発見された物事はごくわずかで、結局発掘は中止された。

第二紀545年に遺跡へゴブリンがはびこると、さらなる探検隊が軽率な行動を起こした。「ボーンスナップ」族がモラバガリスとその周辺地域をすっかり占領したため、それを追い払おうとすれば難しい大仕事が必要とされた。

当然ながら、探検隊によって報告された現象がゴブリンにも起きたかどうかを確認するのは不可能だ。もしアイレイドの貴重品や秘密が残っているなら、ボーンスナップ族によって損傷を受けているに違いないということも、言及しておくべきである。

ラウロンの日記Lauron’s Journal

7日目
スレン・ジャに到着した。この活気のないカジートの村で調査を続けるために。地元では、小型のクロコダイルが大発生しており、私の実験を実施するには理想的な拠点となるはずだ。

31日目
進捗は緩やかではあるが、獣の完全な支配をほぼ達成した。今朝、母親のクロコダイルに自分自身の子供を強制的に食べさせることに成功した!食べ終わった後、獣は私の支配から離れたため、倒さざるを得なかった。完成は近い!

48日目
支配はうまくいった!スレン・ジャのクロコダイルは操り人形で、私は彼らの支配者となった。試しに街に忍び込み、1人か2人の無名な者を殺してみた。彼らを惜しむ者はいないと確信している。獣を支配した今、もっと大きなものを支配できないだろうか…

50日目
決めた。デイドラを召喚して支配する。デイドロスから始めるべきだろう。他に適したものがない。無知な者であれば、美しいデイドロスをクロコダイルと間違えはしないだろうか?他の獣を操れたように、デイドロスの支配にも成功すると確信している。

ラザクに関するメモNotes on Razak

ラザクはありえないほど優秀だった。シロディールの歴史家たちが信頼に足るとすれば、ラザクは亡くなる前に人生で最高の作品を作り出す直前だった。完全に自立したコンストラクトで、コントロールロッドなしに、ドゥエマーの街の外で操作できた。もしこの装置を制御し、発見し、複製できたら、帝国の兵器は敵なしになる。

彼の忌々しい地下室に入ることができれば、の話だ。鍵がかかっていて、通常の方法でも魔法でも、どんな努力をしても開けられない。扉には3つの鍵穴があり、それぞれの上に錬金術のシンボル、あるいは似たようなものがある。部下たちに鍵を探すよう命令したが、彼らは兵士であり、考古学者ではない。何も見つかっていない。

だが、もう少しだ!我々と、決して眠らず止まらない軍隊、その間にあるのはひとつの扉だけだ。

ルーヴィタルの日記Ruuvitar’s Journal

ムネミック習得に関する覚え書き

最初の実験ではムネミックの現象を再現する方法は明らかにならなかった。「木の番人」が利用する過程を再現するには至っていないが、我々の解決策は簡潔、かつ完璧である。

ヒストの樹液は大変貴重な副産物であることが判明している。水晶の塔に多くの試料を持ち帰って、可能な使用法を探れればいいが。

アルゴニアンの被験者のほとんどは非協力的だが、ヒストからの抽出物を何とか未加工のまま利用することに何度か成功している。

これには詳細な調査が必要である。私が直々に監督しよう。

——錬金術師ルーヴィタル

ルートサンダーの根The Root Sunder Roots

遺跡の中で不思議と増えていくその成長ぶりには驚かされる。壁だけでなく密林の地面の中にでも、蛇行して入っていく。タンカノーは、街の中をまるで循環器のように徐々に進んでいったと冗談を言っていた。適切な表現だろう。奇妙なことに、脈を共有しているのだから。

ルートサンダーの市場The Root Sunder Market

これらがルートサンダーの遺跡なら、これは街の市場があった場所である可能性が高い。最盛期、この地域はタムリエル中から来た商人であふれ、珍しい品物や新しい知恵が取引されていたことだろう。見事な光景だったに違いない。時々、低い人混みの雑音が実際に聞こえるような気がする。

ルーリフィンの日記、項目1Ruurifin’s Journal, Entry 1

アイレイドは愚かだった。石とガラスと魔法で、根と叫び声と野生の本能に立ち向かうなんて。どうして勝てるなんて思った?怒れる密林の中に街を築けば、怒れる街ができて当然だ。

密林の中心は街の中心であり、中央のウェルキンド石の下だ。それは脈打ち、呼吸し、言葉を発する。

ルレリオンの観察記録#1Rurelion’s Observation #1

嘆きの泉の聖堂

観察記録1

地下墓地には死体だらけで、その中にカジートはいない。どの遺体も戦死者のようだが、非常に丁寧に処理されている。この場所を造った者は、死に敬意を払っていたようだ。たとえ敵であっても

ルレリオン

ルレリオンの観察記録#2Rurelion’s Observation #2

嘆きの泉の聖堂

観察記録2

水源を見つけた。地元では嘆きの石と呼ばれている。不思議なオーブで、元素の力で波紋を広げる。足下を走り、中央の遺跡に押し寄せる、水につながっているのを感じる。イールシルが注意して進まなければならないことを理解してくれればいいが

ルレリオン

ルレリオンの観察記録#3Rurelion’s Observation #3

嘆きの泉の聖堂

観察記録3

どうして死者たちにこの水が必要なのだろう?部屋の床板の下には、とげが並んでいる。訪問者を近寄せないようにするものだろうか、それとも別の目的があるのだろか?

何かが暗闇の中に存在している。そっと歩かなければ

ルレリオン

レイヴンウォッチの報告書:ヴィエンド・イードRavenwatch Research: Veawend Ede

これはドゥームクラッグで頂点を迎えたアイレイドの遺跡の、最初のものかもしれない

しかも、その場所の名前、「海の旅の果て」は私が集めてきた歴史と一致している。そしてマジカの贈り物はこの古代の建造物に宿り続けている

—ヴェランディス

レイヴンウォッチの報告書:エイサー・ヘイトスピナーRavenwatch Research: Aesar Hatespinner

ヴェランディスと彼の知識欲、研究に対する情熱のせいで死んでしまいそうよ。物を言わない大蜘蛛をじっと見ているのは、退屈以外の何ものでもない!

大蜘蛛は卵の世話をした

大蜘蛛が巣を張った

大蜘蛛にはうんざりよ。もう勝手にして

—グウェンディス

レイノーのブサヌアルのメモRaynor’s Bthanual Notes

導管室にあるプリズム放出の基盤に関するキレスのメモを読み直してみると、ドゥエマーコンストラクトの理解における注目すべき進展が分かる。彼女が殴り書いたものは子供っぽく、言葉遣いは良く書かれた部分でさえ曖昧だが、彼女の出した結論は並外れたものだ。全く努力をしていないにも関わらず。

姉妹は見事に一時的な仮説を立てて成し遂げてみせた。これにより、彼女はドゥエマーの装置がどう動作するのか結論を出せるようになっただけでなく、その装置を修理して使用し、本当に長い間封印されていた扉を開けることにもつながったのだ。

彼女は壊れたドゥエマーコンストラクトから回収した部品と自分の唾液を使って、損傷を受けていた放出石に似せた代替品を作ることに成功していた。新しい部分には触れたくないし、こういう問題に対して僕なら異なる対処法を取っていたことは確かだけど、姉妹のことを誇りに思う。

レイノーの日記:ブサヌアルRaynor’s Journal: Bthanual

キレスと僕の能力をシャド・アツーラ魔法大学のアークメイジに証明するために必要なものが、ようやく見つかったかもしれない。タムリエル北西部にあるドゥエマーの遺跡には、ドワーフの失われた宝が眠っているが、危険すぎて探索できないことが多い。ドゥエマーのコンストラクトの操縦法に関する資料を、古い文献の中から見つけ出した。コンストラクトの共鳴装置に作用する調和装置を使用するものだ。時間は掛かるかもしれないし簡単ではないが、試しに試作品を作ることはできると思う。

僕は本当に天才だ。前から分かっていたけど。

レディ・エドウィグのメモLady Edwyge’s Notes

1つ目の項目
これには本当に腹が立つ。ドラゴンブレイクを再現しようなんて考えてない。ただ数年前に戻りたいだけなのに。高望みしすぎだって?この本からは何も学べやしない!アカトシュの本質についてマルーカティの戯言が支離滅裂に並ぶだけだ。

2つ目の項目
進展があった!なんとか数時間前に戻れた…!戻る時間を延ばす方法さえ分かれば、すぐにでも過去に戻って歴史を変えてやる。私はしくしくとむせび泣く少女アーツェラに変わって、バンコライの女王になる!

3つ目の項目
何か大きな間違いを犯したに違いない。時間の穴に捕われてしまった。何度も何度も同じ数時間をループしている。そのうち誰かがやって来て私達全員を殺して本を奪っていく。その後はまた同じことの繰り返し…

ワスプの論争Wasp Wrangling

アミールスの言うことは聞くべきじゃなかった。沼地のワスプは手なずけられると言われた。紐でできた軽い拘束具なら装着させられるとさえ言われた。

この間あいつの言うことを信じて起こった、あの「鱗をスクリブのゼリーで覆えば燃えない」事件から何も学んでいなかったのかと言われるかもしれない。

後学のために書いておくと、手をハチミツで覆ってもワスプをなだめられるというのも嘘だ。しかもあいつらに刺されると痛い。ハチミツを無駄にしてしまった。

我々の客人に関してRegarding Our Guests

この研究所を見張っている、新たな客の存在に気が付いていると思う。気が付いていない場合は、管理業務に戻ってもらう。

ここにいるウェアウルフたちは、私のパトロンの指示によって送られてきたものだ。彼らは客人として扱われるが、監視が不要な訳ではない。中へ同時に入れる数は絞るように。そこらに毛が落ちると困るからな。

客人が長居しすぎた場合に備えて、一部の者に有利に戦うための薬を提供した。大きな副作用は認められていないので、躊躇せず使ってくれ。なお、ずぶ濡れの犬のような味は大きな副作用に含まれない。

学者ギャリックの日記Scholar Garrique’s Journal

こうした古い墓所は、執筆のためのインスピレーションを与えてくれるはずだ。ここにはグレナンブラで活躍した古代の英雄たちが葬られている。彼らなら、肉付けして膨らますことができる興味深い事績の1つや2つはあるに違いない。それらが私にしかるべき名声をもたらし、最終的にはどこかの貴族のお抱えとして安穏と過ごせる地位を用意してくれるだろう。

公爵や女公爵の後援こそが、文筆家としての私のキャリアを前に進めるために必要なものなのだ。三度の食事。雨露をしのぐ屋根。文章を読むことができる人々との会話…

* * *

ここに葬られている故人たちについては、ほとんど情報がない。グレナンブラの王ドネル・デレイン?初耳だ。しかし、読ませる話にすることはできる。英雄に仕立てあげればいい。忠実な戦士の一団を付き従わせるのがいいかもしれない。降りかかる火の粉は断固として振り払う猛者集団だ(メモ:参考として、第一紀にグレナンブラで起きた重要な合戦を調べること)。

* * *

これを核にすれば、シリーズものが書けるかもしれないぞ!英雄には、それぞれ物語がある。私が目を通した古い歴史書には、このデレインなる人物に関する言及はなかった。「黄金の王子」や「象牙の王」などと呼ばれる人物についても同じだ。彼らの物語は時の彼方に失われてしまっている。

* * *

勇壮な戦いのシーンはふんだんに。ロマンスも多少はあっていいかもしれない。私は「エメラルドの姫」の墓を特定した。もちろん、美人でなければならない。このうえなく純度の高いエメラルドと同じ色の瞳。おまけに勇敢な戦士でもある。彼女と王を悲恋の物語の主人公にしようか。なに、ほんの少し脚色するだけでいい。結局のところ、私はくだらない恋愛ものなど書きたくないのだ。これはリアルな歴史絵巻でなければならない。ただ、ほんの少しだけ話を盛る。この作品で、きっと私の名は知れ渡ることになるだろう!

なにより、この作品はあの売文家フェラリ・コを青ざめさせるだろう。「面白ミステリーの巨匠」だと?ふん。私に言わせれば、もったいぶった猫の殴り書きにすぎない。奴のしていることは、荒唐無稽な冒険譚をでっちあげ、「ミステリー」とやらの次回作を売り込んでいるだけだ。私なら、はるかにうまくやれる!

活性化液は流し続けることThe Vitalizer Fluid Must Flow

この実験を手伝う際には、足りない頭でもこれだけを覚えておくように。血の騎士の懐胎期間には、活性化液を常に循環させなければならない。

どんな理由があろうと、管理しているレギュレーターが流れを止めた場合、成長中の血の騎士はダメになる。お前は即刻、研究所助手から次の実験体へ格下げされる。

禁止された研究メモForbidden Research Notes

今回の実験は非常にうまくいっている。生存している被験者2人はほぼ動き回ることができる状態で、まだ狼の特徴が残っている… ほとんどだが。

骨の園調査記録1Bone Orchard Research Log 1

力の創造的な活用により、地元の住民は我々を安全にアーバーフェルへ送ろうとしている。だが今度は、我々の目的は骨の園のようだ。趣深い。

巨大な骨が集中していることで、記録がほのめかしていたことが確かめられる。つまりこれは、ボズマーがかつて恐れ非難した、さまよう骨の墳墓なのである。

まだ発見されていないエルノフェイの骨でもあるのか、我々が使う金庫と同じようにしっかり封印されている。

幸運なことに、ボズマーの武具一式は骨の園に散らばったままで封印されてもいない。これを書く間にも、骨のコンストラクトの製造に利用するため収集されている。

斥候は北の丘の洞窟の入口に煙が立ち上ったと気づいた。調査を命じておいた。

—エスルイン

骨の園調査記録2Bone Orchard Research Log 2

見習いがスケルトンの小隊を編成し、野営地への侵入者を見張らせるようにした。エルデンルートに我々の存在が知れたら、いらぬ注意をひくだろう。長い間隠れていられるとも思わないが、新しい仲間は我々の存在をしばらく隠してくれるだろう。

少なくとも丘にある洞窟では収穫があった。地元の「紡ぎ手」の1人は、この場所の歴史については包み隠さず教えてくれる。

地元のイフレ教団が、さまよう者の1人が休む間に種を頭蓋骨に植えたのは間違いない。彼とその仲間はそれ以来身動きもしていない。

私は迷信を信じないたちだが、どうもこの出来事は関係あるらしい。ただちに結界と木の関係の調査を開始する。

最後になるが、見習いの1人が野営地の外れで奇妙な光る頭蓋骨を見つけた。調査したが黒魔術の痕跡は見当たらなかった。実に興味深い。見られているようだ。

—エスルイン

骨の園調査記録3Bone Orchard Research Log 3

最初の試験は、この地の中央にある木が実は骨を保護している結界に結びついていることを示す。

枝を折るか幹を傷つけると、結界の効能はほんの少し弱まる。

残念なことに、傷ついた組織はほとんど瞬時に再生してしまう。結界を解放する場合は、もっと効果的に木を傷つける方法が必要だ。

見習いを発掘チームに分けた。すぐに根を掘り出し始めるだろう。我々のやり方に大いに貢献してくれるはずだ。

その間に、光る頭蓋骨は話すことを覚えた。最初はよかった。我々がスケルトンの手下を作るのに使ったと思いこんでいる骨と、また一つになりたいと要求するだけだった。

それを無視すると、今度は大声で攻撃的な歌を歌いだした。肺がないにしてはたいしたものだった。

頭蓋骨は簡単に破壊できないため、野営地の近くに放置した。放っておけば、元の寝ている状態に戻るだろう。

—エスルイン

骨の園調査記録4Bone Orchard Research Log 4

根の塊を見つけた。焼き払う、切断するといった方法では破壊できなかった。他の方法を探さなければ。

紡ぎ手と相談した。彼女は乗り気でなかったが、私にたてつくとどうなるか知っている。だが、彼女が我々の目的を知っているとは思えない。

彼女の話によれば、「偉大なる木」はうろついている骸骨のどれか1つに静かに根を下ろしているという。成長すると頭蓋骨を貫通し、ガーディアンが根を守るために置かれるのだという。

ガーディアンは長いこと眠りについており、頭蓋骨の穴への道は朽ちた葉と草の下に深く埋もれている。

—エスルイン

骨の園調査記録5Bone Orchard Research Log 5

発掘チームの1つが巨大な頭蓋骨を掘りあてた。地上にあるものと違い、実際にマジカで光る。掘りあてた深さと場所から、これこそが紡ぎ手の言うガーディアンであると確信した。

目覚めさせようとしているが、結界が邪魔していて難しい。見習いの何人かは急ぎ、木に大きな損傷を与えようとしている。

私の考えが正しければ、これで幾つか呪文が貫通できる程度に結界を弱められるだろう。この頭蓋骨が、この前ほど苛つかせないといいが。

コルマウントからの巡礼者が今日我々を発見した。我々は魔術師ギルドの遠征隊を装って、彼らの儀式を滞りなく行わせた。スケルトンの利用についていくつか質問された。巡礼者の一人はギルドの死霊術禁止について聞いたことがあったが、疑問は簡単に晴れた。

死霊術とボズマーについて論文を書かねばならない。彼らは歩き回って単調な仕事をする死んだ親戚を見ても、他の種族ほど動揺しない。実際、彼らはやる気のない祖先が建設的なことをしているのを見て、かなり喜んでいた。

肉の欠如が主因かもしれないが、むしろボズマーのユーモアセンスの問題ではないかと思う。

—エスルイン

死との関係An Affair with Death

ミリス・ドーレス 著

私達に聞く意思と能力さえあれば、死者は言いたいことがたくさんあるだろう。研究を通してすでに死霊術と死の魔法の知識を深めた。死者に引きつけられる理由は何か?それは幼少の頃までさかのぼる。よく檻の中にいる病気や死にかけの奴隷を見て、その痛んで苦しむ様に驚いていたものだ。

中でも、アビラーという名前で知られたカジートの奴隷がいた。私が小さかったその頃、アビラーは年寄りだった。ドーレス家の子供達に対して優しく、中でも幼い子供達の教師やガーディアンの役目を果たしていた。私は彼の生徒の1人だった。彼はいつも様々な話をしてくれ、菓子を与えてくれた。彼を… 興味深いと感じた。奴隷としては。

ある日、アビラーは私達を教えたり世話をしに来なかった。その代わりに、名前は思い出せないがアルゴニアンが彼の代役としてやって来た。アビラーについて聞くと、そのアルゴニアンはアビラーが病気だからもう戻ってこないと言った。病気というものがいつもそうだったように、この話に好奇心をそそられた私は、機会ができ次第年寄りのカジートを探しに行った。

アビラーは奴隷の檻の中にいて、家の奴隷用ベッドである硬い台の上に横になっていた。彼は目を閉じていたが、ひどい夢に苦しんでるかのように何度も寝返りを打っていた。私はアビラーが死んでいく過程を事細かに観察して記録すべく、腰掛けを見つけての彼の傍らに座った。そこに通りかかった母は、私がお気に入りの使用人の最期をみとるために付き添ってあげているのだと考えたが、私はあえて否定して説明などしなかった。

アビラーが息を引き取るまで3日かかった。それまでは意識を取り戻したり失ったりしていた。筋の通った話をして、私が側にいることに感動した様子を見せた時もあった。錯乱状態で、私の全く知らない場所や人の話をした時もあった。そうした意味を成さない期間は、まさに生と死の境目の兆候なのだと私は悟った。アビラーの精神は、魂がその境目を頻繁に行き来することで困惑していたのだ。

ついに最期が近づくと、私はさらに近寄ってアビラーの目の中を直視した。その中には恐れが見え、受諾が見えた。彼の精神がようやくどっちつかずの状態にいる謎と奇妙さを理解し始め、悟りの始まりが見えた。私は彼に、何が見えるのか、何が分かるのか、何を経験してるのか、教えてくれるよう頼んだ。彼は何か言葉を発し始めて、その謎を明らかにしようとした。しかしその時、私は彼の瞳の光が暗くなり、息が音を立てて途絶えるのを目撃した。ちゃんとした最期の言葉など発することもなく死んだのだ。

その日からだ。その日から、死とその謎との関係が始まった。私は死と死にかけることの秘密を突き止めるために人生を注ぎ込んできた。死霊術の力を利用することを学んだ。しかしそれでも、極めて重要ないくつかの謎が解明できずにいる。百万人の奴隷が死ぬ羽目になるとしても、私は探究をやめない。知識以上に大切なことなど存在しないのだから。それはアビラーに教わったことであり、彼の教えはこれからも尊重していくつもりだ。

治療薬6Curative Batch Six

だめだ!これではまったく役に立たない!この治療薬は我が女主人が求めている基準には至らないだろう。口にした人間をただ殺すだけではだめだ!私たちが作り出そうとしているものが新たな毒薬なら、これは大成功だと言える。けれどそれは当面の任務ではない。

死体の乾かした血の量を減らしてもう一度試せ。大釜の温度から目を離すな。大鍋の1つは危うく吹きこぼれそうになっていた。私は飛び散った治療薬のしぶきで、びしょ濡れになるなんてまっぴらだ。

—秘薬師ブレヴァ

治療薬15Curative Batch Fifteen

今回の治療薬は、完成にかなり近かった。残念ながら少し効果がありすぎた。感染者が狂暴なハスクに変化する速度が、現時点で私たちが求めるものよりも早すぎた。この調合は今後、大量のアンデッドの兵士が早急に必要になった場合にはおそらく役立つだろう。だが、今はこの調合では十分じゃない。

今回の調合における興味深い副作用は、新たに生み出されたハスクに観察された高い攻撃性だ。彼らは直ちに狂暴化して、動くものすべてを敵、または獲物と認識する。

また、今回のハスクたちには、私たちが彼らに近づいて検査する時に身に付けるハスクの臭いがまったく効かなかった。ハスクたちは作業員を見るなり襲いかかった。つまり今回の調合でできた治療薬から生み出されたハスクには、もうハスクの臭いを目くらましとして使うことはできない。

煮込む時間を1時間増やし、狼の胆汁の量を25%減らしてみよう。

—秘薬師ブレヴァ

治療薬19Curative Batch Nineteen

ああ、ついに完成した!最新の治療薬から感染すると、疫病は適度な速さで進行し、感染者は75%の確率で疫病ハスクに変化する。今や私たちは、より優れた疫病とそれを広める効果的な手段を手にしている。

もちろん、治療薬を配るというのは、特に大きな街や都市では効率的とは言えない。モーンホールドで実行に移す前に、疫病を広めるためのより効率的な手段を考える必要がある。だがそれは私の現在の任務ではない。私がこのメモを書いている間にも錬金術師マーディンドリルがこの問題を解決しようとしているはずだ。

さらに私はハスクの臭いも完成させたことをここに記す。これで私たちはまた、ハスクからの攻撃を恐れることなく彼らの間を歩くことができるようになる。仕事が終わってからハスクの臭いを取り去るための石鹸についてもある考えがある。

私たちはさらに大量の治療薬の調合にとりかかる。すぐに私たちはセルクとその近隣のすべての人々に治療薬を配れるはずだ。我が女主人よ、心配はいらない。すべてはあなたが予見したとおりに進むだろう。

—秘薬師ブレヴァ

実験日誌Experiment Journal

まず初めに、ボズマーの奴隷の死は問題だ。より多くの人員を得るのは難しく、シロディールからは派遣してくれそうにない。死霊術の技能がないのはつらく、アンデッドの要員を用意するなどありえない。

それも、凍てついた軍団の書を見つけるまでの話だ。中には素晴らしい案が書かれていた。人間の死体の周囲に魔術による霜の層を作る方法だ。忠実な霊魂を氷に束縛すれば、霊魂への命令により、氷を通して死体に命令できる。

限界はある。この技によってできた存在は、死霊術師の骸骨と同じくらいの知性しかない。つまり、ないも同然だ。基本的な仕事しかできない。常に気を配り、命令を下さなければ、日の光の下にさまよい出てしまうこともあり、どのようなやるべき仕事が残っていても、氷が溶けてしまう。

実証済みムーンシュガーの肥料技術Proven Moon Sugar Fertilization Techniques

ムーンシュガーに効果的な肥料を作る鍵はジャリンの根、ニルンルート、ベラドンナ、溶岩灰を正しい配合で混ぜることだ。ジャリンの根は入手が一番難しいかもしれない。ストロス・エムカイの島でしか見つからないと思われているから。ジャリンの根の中でも濃い紫色のものはより効果が高く、時間と資金をかけて見つけるに値する。

すべての材料が入手できたら、ジャリンの根、ニルンルート、溶岩灰と水を同量ずつ混ぜる。しっかり混ざったところで小石サイズの塊に砕き、ムーンシュガーの上に広げる。最後に葉が生き生きとして、強力なムーンシュガーを作り出すまで待つ。この手順が効かないように見えた場合は、忍耐強く必要なだけ繰り返す。

色あせて埃まみれの巻物Faded and Dusty Scroll

私のもとにアイレイドの宝箱が届けられた後、その古代の結界を慎重に調べた。宝箱を封印している結界呪文の力がどうやら徐々に弱まっていっているようだ。時間が経てば完全に消滅するだろう。

アイレイドは手の込んだ罠を得意としている。それを考えると、これ以上宝箱をいじくり回すのは得策ではない。いずれ私よりもアイレイドの文化と歴史に造詣の深い学者が現れるだろう。その学者であれば、結界が壊れた後にこの中に何から何が出てこようとも、私より上手く対処できるはずだ。

星霜の書の効果についてEffects of the Elder Scrolls

ジャスティニアス・ポルウニウス 著

学者たちの間では、星霜の書を読む際に特定の危険が伴うことは広く知られている。効果の仕組みは現時点ではほとんど知られていない。秘密の知識や神の報いに関する仮説は、調査がほとんど伴わない愚かな憶測によるものである。

私ジャスティニアス・ポルウニウスは、星霜の書を読んでかかった症状を徹底的に記録し始めた。ただし顕現する方法についての統一理論は未だにできておらず、今後の研究の題材となっている。

その効果を4つにグループ分けし、症状はほとんどの場合読み手の精神に左右されることが分かった。これが明確でなければ、正しい分類によって明白になることを願う。

第1グループ:無知な人々

星霜の書の性質の力や歴史の訓練を受けてこなかった人が読むと、書が事実上活性化しない。予言も印されないし、知識も得られない。書は無知な人々に知識を授けない一方、逆に悪影響を及ぼすこともない。視覚的に書は奇妙な文字や印で溢れている。天文学を知る人は星座のパターンや関係が見分けられるとよく主張するが、そのような憶測で未知の研究を推し進めることはできない。

第2グループ:無防備な知識人

巻物を読むことで重大な危険にさらされることに気がつくのが第2グループだ。星霜の書の自然の力を理解し、そこに何が書かれているか実際に読む知識を十分に有する人々である。しかしながら、彼らは無限を垣間見た精神が経験する動揺を食い止められるだけの自制心を身につけていない。このような不運な魂は即座に、かつ決定的に打ち砕かれ、完全に目が見えなくなってしまう。これは人の能力を越えたことへの代償であろう。しかし特筆に値するのは、目が見えずとも隠された知識の欠片を手にすることだ。未来、過去、もしくは物事の深い性質を、その個人やより広い範囲における位置に応じて手に入れる。知識は手に入るのだ。

第3グループ:間接的な理解者

タムリエルで唯一、聖蚕の信者だけが、書を読んだ際に精神を守る方法を見つけ出したようである。見習い期間にいる者は厳格な精神養成を受けなくてはならない。そして、10年またはそれ以上を修道院で過ごし、その後初めて星霜の書を読むことを許される。モンクたちはこれを新入りを守るためだと言う。より熱心な者たちの間にも数多くの無防備な知識人がいたからだろう。正しく不屈の精神を備えた読み手たちであっても、目が見えなくなってしまうのだ。もちろん、無防備な知識人よりもはるかに軽微ではあるが。彼らの視界はわずかに霞むが、形や色、俗世の文章を読むのに十分な鋭敏さは残っている。書から得る知識もまた多少は加減される。見たものを表現し十分に理解するには、調整と反射の段階が必要なのだ。

第4グループ:教化された理解者

第3のグループとこのグループの間には連続性があるが、現在のところ聖蚕のモンクにのみ否定されている。読み続けたことでモンクは徐々にさらに目が悪くなるが、さらに重大で詳しい知識を手に入れる。彼らは起きている時間にこの知識のことを考えるので、さらなる不屈の精神が培われる。あらゆるモンクには最後から二番目の読書がある。次に星霜の書から授かる知識が、モンクにとって最後の読書になるという知識以外が与えられなくなる瞬間だ。

どのモンクにとっても、最後から二番目の読書は異なる予測できないタイミングで来る。準備作業はそれぞれのモンクの重症度を表にして発生を予測するために行われるが、かなり重症の者はみんな、失明が進行して読書を多く行うにつれて症状が軽くなっていくようだと報告する。実際は目に見えない感覚は失明がかなり進行した状態で衰え続けていると言う者もいる。しかし、このような仮定は哲学者に任せるとしよう。

究極の読書を準備するため、一般的なモンクは人里離れた場所に閉じこもる。生涯の啓示を熟考し、自分の最期を受け入れる精神を定めるために。この最期の読書で、モンクは知識に飛びついた無防備な知識人と同様に、確実かつ永遠に目が見えなくなる。しかしながら、教化された人々は生涯にわたり理解を維持し、多くの場合、啓示されたものに対する統一的な概念を保持する。

星霜の書の命にかかわる理解をさらに深めたい人々にとって、この目録が役立つものだと証明されることを期待する。聖蚕の僧侶はこの問題に関しては冷たい態度を取り続けていて、読み進めるに伴う段階的な衰弱は誇りの問題だと考えている。このような研究に着手したいと願う人々にとって、有益な出発点としてこの問題が扱われることを祈る。

第二紀126年、収穫の月4日、筆記者:アンスティウス・メッチム

生きた獣の変化Transmutation of Living Creatures

この希少な宝石固有のエッセンスからつくられるパールエーテルを使えば、変化の薬を安定させられる。生物の体を一瞬でも変形させる薬を調合するのに欠かせない材料だ。

パールエーテルを作る方法はいくつもあるが、最も純度の高いエキスを抽出するには時間と根気が必要で、その点は砂粒から真珠をつくる作業に似ていなくもない。

メモ:拳大の岩で真珠を砕くのは効験あらたかでない。この「効験」という言葉は気に入っている。ガドリスがよく使うのを見て、頭から離れなくなった。いやはや、「効験」とは!

真珠を酸性の液体に浸すと、ネバネバした軟泥になる。これを乾かしたものはすり潰して液体に溶かせる。

よし!これでいい!もういつエーテルができてもおかしくないぞ!

製法の由来The Source of the Formula

あることで私は悩み続けている、ただこの情報を、わざわざ主人達と共有するつもりはない。他の誰にも言うつもりもない。この調合薬の本当の起源のことだ。あまりにも難解で鮮やかであるため、偉大な錬金術師でも作成は難しかったようだ。とはいえ、十分な時間と資源さえあれば、私でも似たようなものは作れるだろう、だが私のやり方、私の言葉が絶対に正しい… とは言い切れない。その点については自分でも認める。

私は答えを見つけた。それは祠の中心からずっと私を見ていたのだ。クラヴィカス・ヴァイル。取引の創造者、願望の授与者、そして絶対に貸しを作りたくない相手だ。

この遺跡は、私達が見つけたように、以前何者かによって発見されたことがあるようだ。彼らがヴァシール・ディダナット鉱山の前の持ち主なのだろう。これは巧みに隠されている事実だが、この鉱山にはそれほど鉱石がない。この鉱山を動かしても、ようやく採算が取れる程度にしか黒檀が出てこない。私達の前にいたエルフは次第に困窮していった。そして彼らはヴァイルに呼び出された。

あまりにも知識と先見の明が欠けていたために、彼らは無尽蔵な黒檀の鉱脈を求めた。デイドラと取引する時には、慎重に言葉を選ぶ必要がある。といってもこの場合は、取引自体をするべきではなかったのかもしれない。とにかく、何らかの契約が結ばれ、調合薬は彼らのものになった。数世紀前に遡れる立像がここにあるということは、彼らは作成に成功したのだろう。だがその作業の進捗状況や使用方法については、奇妙なくらいほとんど記録に残されていない。

実のところ、この事実を知ったことで私は少し不安を感じている。時々、クラヴィカス・ヴァイル像の囁きや、静かに笑う声が聞こえてくるような気がするのだ。だが彼と取引はしていない。私はこの結果を調査しているにすぎない。私は彼に支配されてはいない。

走り書きされたメモ(ストーンガーデン)Scribbled Notes, Stone Garden

グルームスポア・キノコ 過敏に反応 – 完璧な触媒
備考:胞子を放出し、どこでも培養できる

血の騎士に与える – 地面
結論に至らず 実験体は中毒に
代謝の可能性?

強制的に食べさせると死亡(助手)
実験体の耐性高し
血の騎士のイコル – 微かに発光 – 仮説を確認

スッポンタケを入手 大量 まずシャウラスで試す?
生理学的問題?ウェアウルフ?
メモ:使い捨てられる吸血鬼を入手する
理想:吸血鬼の助手 – 使い捨て可能な吸血鬼を作る

憎しみの晶石不足Need More Animus Geodes

デスキンへ

憎しみの晶石は、最終的な解決案としては脆すぎる。魂が内側に閉じ込められた状態で押すか落とせば、割れるか剥がれ落ちて粉々になってしまう。強烈な一撃で塵になってしまう!

価格に納得がいかないということなので、いくらなら払うのか聞きたい。もし誰かが入手が難しく、恐ろしく高く、そして非常に脆いものを売ろうとするなら、その者の骨を漂白して、骨の足載せ台にしてしまいたい

あなたの知恵は決して批判しないけれど、私たちの金を最大限に活用することを考えなければならない。「この主題の研究方法が全くない」というのは、「第一紀からの失われたアイレイドの秘密」という意味ではない。こんなに脆いのは、憎しみの晶石の使い方のせいなのか、構造上固有のものなのか、あるいは単なる不良品であるせいなのか分からない

スティルライズ村の「偉大な財宝」が賢明な投資であることを望むばかりよ

フェルラ

大タンカノーの日記Tancano the Elder’s Journal

昨夜、南の壁の角度が2度回転した。36回計測した。ウェルキンド石によるものだろう。拡張は街の全域で見られ、すべての壁や基盤で起きている。アイレイドはこうやって密林を支配しようとしたに違いない。植物に負けずに成長する街。見事な戦略、ではあるが、明らかに失敗に終わった。

東の部屋にある扉だけ動かない。おかしい。リズムにはかすかに反応する。秘密のノックだろうか?

探検家のメモDelver Notes

袋小路に入ってしまった。扉の部屋だ。どの扉を試しても入口へと戻ってしまうようだ。この古代遺跡の中に何か手がかりがあるにちがいない。

– – –
2週間経ったが、まだ扉に行く手を阻まれている。キレスはもうすぐだと言うけど、1週間言い続けている。

– – –
昨夜遅くに同胞団の偵察隊が現れて、虫の教団について話していた。まだローブは見ていないけど… 僕たちは守備を配置するつもりだ。見張りのために。少なくとも、大きいやつのおかげでキレスのやる気は保たれている。

– – –
やったぞ。僕の姉妹はすごい天才だ。ルーンを翻訳してくれた。

「深い海で泳ぐ者。晴れた日の水面。はるか頭上で、目が見ている。翼を見張る。はるか下で、鱗がきしむ。憎悪が脈打つ。我らが王アルドゥインの目から見ると、すべては一つになっている」

地下室の扉のメモNotes on the Vault Door

ラザクの地下室につながる扉は、今まで見たドゥエマーの技術の中でも最も優れた功績のひとつだ。私が知っているどんな解錠の呪文もはね返し、最も強い攻撃の呪文でさえも効かなかった。

この扉の最も魅力的な点はおそらく、扉自体に彫り込まれている一連の絵文字だろう。何かの物語を語っているように見える。私の乏しい言語学の知識が正しければ、これはエルフの古典的な宇宙の起源論だ。

まずアービスが存在した。宇宙を産み出した、形のない混沌だ。そして世界、すなわちムンダスを創造するために自らを犠牲にするよう、ロルカーンがエドラを説得した。そして最後に、世界が誕生した時、太陽を想像して魔法の流れをニルンへ送り、マグナスがエセリウスへ通じる穴を開けた。

この3つが、ラザクのメモの中に何度も出てくる。混沌、地球、そして魔法だ。おそらく、彼の創造への理解の中心がこれだったのだ。世界だけでなく、コンストラクトもだろうか?

このことは、後で考えてみよう。今は鍵を開ける努力をしなくてはならない。魔法が失敗したら、ありふれた手段を使えば成功するかもしれない。

八角形の檻を閉じるClosing the Octal Cage

もしくは、次元融合に対する防衛

不自然なアンカーがタムリエルの空を荒廃させた。これらは次元融合、デイドラの陰謀の深遠な暗黒の先触れとして知られる。

だが全ての希望がなくなったように見える時、八大神が希望をもたらした。我々は過去を見つめることで、未来を救うことができる。神々の懇願の内陣はモラグ・バルの不正な陰謀に対する、最初の防壁なのだ!

このアイレイドの遺跡の奇妙な構造は、すぐに八大神の学者によって解明されるべきだ。建造物のシンメトリーな性質、八角形のアーチの下の祭壇のプレートと、3連の祭壇画の色調の調和的な融合が、それらの創造に神の手が加わったことを明らかにしている。祭壇の壁の内部から巨大な角笛を鳴らせば、その明快な響きはエルデンルートほど遠くまで伝わるだろう!

大規模な調査の後で、私はこれが長い間噂されていた八角形の檻の一部だと信じるにいたった。タムリエル中に散らばる、こことよく似た特徴を持つ7つの遺跡があるはずだ。どこか私の知らない場所に。だが私はそれらを突き止めてやる。そしてアイレイドがサンクレ・トールをアレッシアに失陥した時に外典で言及されている、8つの聖なるクラリオンを発見するはずだ。

気の遠くなるような作業だ。だが八角形の檻はデイドラ公をニルンから永久に封印できると言われていた。8つの遺跡全てで、同時に聖なるクラリオンを鳴らせば、八角形の檻を再び作動させられるかもしれない。

私は朝、出発する。もしこの仕事が実りがない物だとわかれば、それはそれでいい。我々は可能な限り、魂の収穫者に反対せねばならない。その時まで、企みの神を敵と呼ぶ者は誰でも、私の研究室を利用できるだろう。

標本強化記録4Specimen Enhancement Log Four

新しいグルームスポアの抽出物はとても効力が強い。ドワーフの装置は高速回転することにより、最高の純度の品を作り出している。欠陥品よりも10倍強力だ。粉末と比べると100倍にもなる。我が才知は留まるところを知らない!
* * *
予期せぬ結果が出た。最新の製法で作った標本が、前のもののように大きく育たなかった。

理論:分離時に削られた要素が成長と関連していた。

追加調査の結果、成長だけではなかった。筋力、スタミナ、再生力の全てが増大していた。2倍以上に。

ストレステストは奇妙な副作用を明らかにした。標本は物理的な限界に陥ると安定的に発火した。驚くべき長期間燃えた後、消耗か焼身で潰れるまで、彼らは燃えていることを気にする様子さえなかった。
* * *
自分用メモ:耐火性を追求すべき。不燃性のガスを噴出?火耐性の制服?自己封印扉と空気の吸い上げは高価すぎる!

変化ポーションのレシピTransmutation Potion Recipe

エーテルを11滴?違う違う、7だ。7滴だけだ。それ以上でも、それ以下でもだめだ。

このペーストをエーテル漬けにしてはいけない。

もっと真珠の粉が必要だ。ガドリスは少し持っていたはずだ。借りに行かなければ。正当な目的のためだ。でも、彼があんなに怒り出すとは参った。時間や材料を無駄にするなって、そればっかりだ。奴のあだ名は「しみったれ」に違いない。

スケイスクローの灰があんな効果を発揮するとは意外だったが、この発見はとても役に立つ。いや、本当に役に立つ。あの枯れ葉がこれほど良質な粉になるとは予想もしなかった。葉を枯れさせるつもりはなかったんだが。これもまた、私を優秀な錬金術師にしてくれる有益な偶然の一つだ!

スケイスクローはここでなかなか入手できない。代用品の可能性を探して見なければ。

乾燥させた死体の肉はいい代用品ではない。残念だ。あれならここにはいくらでもあるのに。哀れな異形の怪物どもよ。奴らが我々を殺そうとしてこなかったら、もっと同情を感じると思うんだが。

だから、パールエーテルを7滴。乾燥スケイスクローを正確に3つまみ。神聖水を1ドラム。乾燥血液。

小さくなる薬がいつ必要になるかわからないからな!

変形したウェルキンド石Aberrant Welkynd Stones

これらの異常なウェルキンド石には、魔法も切断道具も鈍器も効かない。これらを入手する現実的方法はないように見える。どうにか負わせたダメージも、即座に治っているようだ。この都市を築いた者達は、一体何を作り出したのだろうか?

墓の研究メモGraveyard Research Notes

ついに遺跡の近くに来た。私の長いキャリアの中でこれほど落ち着かないのはまれだ。昨晩は戦場の北から数時間足らずのアレッシア城に滞在した。心が踊っていたせいで、一度に数分以上寝られなかった。

夜明けに出発してヴァリエラの塔までは思ったほど時間がかからなかった。馬が荒廃した塔に取りつくアンデッドの臭いを嗅いで、鞍から振り落とされた。意識を取り戻すと、馬のライトステップはどこにも見当たらなかった。おそらく私の物資も一緒で、馬にとってはとてつもなく有益だろう。

幸運にも日誌はマントに入れていた。日誌の上に落ちたときはつらい打撲を負ったが、論文用にメモをとるくらいはまだできる。

足を引きずるように歩くアンデッドに内臓を抜かれたくないから、ヴァリエラ遺跡は避けて通った。古代戦争の現場の墓は真南にある。戦争についてはほとんど何も知られていないから、私の研究が熱心に待ち望まれるだろう。今日はたくさんの疑問に答えたい。

アイレイド達はヴァリエラを拠点とするエルフ達の強力な派遣部隊に属していたのか?また彼らの斥候隊は遠方から来ていたのか?そしてオーク達はジュリアノスの名においてそこで何をしていたのか?彼らも事前に知られていなかった要塞を近くに置いていたのか、または遠い故郷からやってきた略奪団だったのか?墓を暴いて中にあるアーティファクトを調べれば、たくさん分かるはずだ。

十分休憩した。すでに影が伸びている。墓でちっぽけなキャンプを張って朝になったら発掘を開始する。発見が待ちうけている!

魔術師ガドリスのノートThe Notebook of Mage Gadris

クジャク石にはこの工程で必要とされる伝導性がないことは分かっていた。またしても無駄骨に終わったわけだが、ズールがどうしてもと言って聞かなかった。とにかく根気よく続けよう。ただ、ズールがきちんと時間をかけて研究ノートをまとめてくれるとよいのだが。

***

消去法と試行錯誤——「試行」はもっぱら私の担当で、「錯誤」はズールの専売特許なのだが——を通じて、我々はついに壁を破った!以下に挙げる品々で、正反杖を作成できるはずだ。負の渦巻きの力に耐え、魂の融合の過程を逆行させるために必要なマジカの流れを伝導できる杖だ。

— 黒檀の鉱石

— クリスタルエキスの配列(この宝石のケイ酸塩構造を組み込むことで、負のエネルギーを分散させられる)

— 精錬した虚無の塩(いかなる条件下でも、未製錬の塩は使わないこと)

これらの基本的構成要素を炉内で高熱処理する際に各々の特性を正しく融合するためには、錬金術の触媒を必要とする。ふさわしい触媒については、さらなる研究をおこなうつもりだ。それがここヴァイル研究所で見つかる何かであるよう、せいぜい先祖とトリビュナルに祈ろう。

厄介な疑問A Nagging Question

この遺跡については誰もが熱狂している。「ルートサンダーの消えた街に違いない。あの石造りを見ろ!あの配置を!」しかし、ルートサンダーが消えた時、その街を築いていたアイレイドもそこにいたのだ。問うべきはずの疑問を誰も問いかけていない。すなわち…

エルフは全員どこへいったのか?

翼腐れ病の治療試験に関する報告Report on Wing Rot Curative Trials

最新の治療法は奇跡的な成功に他ならない。若く健康なグリフォンに病気の初期段階で投与すれば、症状は抑えられて完全に回復する。さらに進行した成長期のグリフォンのほとんどは、巣を追われてウェルワに食われるが、生き延びた者も治療できる。翼を切断する必要があるかも知れないが、慢性的な感染症に苦しむことはなくなる。グリフォンは捕らわれて快適に生きられるかも知れない。

管理者殿の賛成があれば、翼腐れ病の治療薬を量産してレンジャーに分配し、野生のグリフォンに投与する活動が始められる。

錬金術師ニリーンのメモAlchemist Nilyne’s Notes

ロドス病はいまいましいほど複雑な組成だ。私の技術と経験で、その特性を完全に打ち消すことができるか分からないが、病を抑制し進行を遅らせる方法については、ある考えがある。けれどそれを実現するには、外来の希少な材料が必要だ。

私が考えている錬金術の調合薬は、高熱に当ててはならない。揮発性がとても高いのだ。材料を浸して成分を抽出する必要がある。そのため炎を4分の1に調整すれば適切な温度で蒸留できるはずだ。

まず最初に、相当量のカイネの心臓が必要だ。この治癒のハーブはその高い薬効のために珍重されている。つまり入手が困難でとてつもなく高価だ。悩めるエルフの宿屋主人が、景気が悪い時に手っ取り早く儲けるための非常用として、手元に置いているはずだ。

第2に、調合薬の味を1つにまとめてハーブの苦味を隠すための材料が必要だ。すっぱいミルクティーのようなものだ。グレル・フランが時々飲んでいることで有名だ。実は私はこの飲み物が好きなのだ。ここだけの話、いつもは少量のグリーフを入れて、味に刺激を付けて飲んでいる。

最後に、わずかな魔法を加えるものが必要だ。竜鱗キノコならまさにぴったりだ。私の記憶が確かなら、老ソレル・ティーダが外来のキノコを好んでいた。まだ彼の家のどこかに隠されているかもしれない。彼が隔離所へ行った後、アルゴニアンのごろつきどもが彼の家を漁り回っていなければの話だが。

灌漑の調査日誌Irrigation Research Journal

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実験21回目:
調整箇所:湿気無し
結果:全ての作物が枯れた
備考:植物には湿気が必要なようだ。取り除くとたちまちしおれて枯れていった。

実験22回目:
調整箇所:水を他のもので代用
結果:作物は初めよく育ったが、いずれ枯れた
備考:水の代わりに動物の尿を使用。動物は排尿するまで一ヶ所に固定されるのを嫌っていたようだ。猫は特に厄介だった。バディリアも動物を拘束し尿を引っかけられるのを嫌がっていた。ボーナスを支給する羽目になった。

実験23回目:
調整箇所:石を使用
結果:作物の成長なし
備考:植物の周りに石があると保湿効果をもたらすとバディリアが言っていた。種を植えその上に石を置いてみた。作物の成長は全く見られなかった。バディリアに悪意があったのではないかと疑っている。

実験24回目:
調整箇所:再び石を使用
結果:作物がよく育った
備考:バディリアの説明では作物が芽が出してから石を投入するとのこと。呆れた表情で大げさなため息をつかれた。作物が地面から出てくるのを待ち、その後茎の周りに石を置いた。成功だった。バディリア曰く「足を濡らしておいてやる」と良いのだとか。植物に足などないのに、不思議な話だ。

実験25回目:
調整箇所:常に保湿
結果:実験中
備考:湿気が植物にとって良いのなら、さらに湿気を増やせばより良いはずだ。畑を冠水させ、常に植物を濡らしている。バディリアの呆れ顔を検知したが、それでも実験は続く

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