献身的な者と熱狂的な者

The Devoted and the Deranged

あなたは食べた物で作られるYou Are What You Eat

ノルジック・ダーククロウク 著

彼らは私を異常者だと言う!なぜなら彼らは先見の明が無く、真の力が自由に提供される時、それを手にすることを恐れているからだ。地の底、私達の村の簡素な建造物の下に、力と知識の場所を発見した。霊魂が囁き、誰かに聞いてもらうのを待っている場所だ。

彼らの呼び声を聞いた。彼らの神聖な言葉を何度も何度も繰り返し聞いた。「あなたは食べた物で作られる」彼らは私に囁いた。「あなたは食べた物で作られる。あなたは食べた物で作られる。あなたは食べた物で作られる」

彼らは止まることがなかった。私に頭を整理する時間を少しも与えなかった。それは十分私をおかしくさせ、異常…

いや、そうじゃない。決してその言葉じゃない。私はおかしくない!

彼らが私に心構えをさせて心を開かせた後で、霊魂は私に儀式を教えた。言うならばレシピだ。力と敵の強さを奪い、彼らを私のものにする方法だ。だがとてもたくさんのより良い選択肢があるのに、なぜ定命なるノルドの力で我慢するのだろうか?

デイドラの肉がまず思いついた。だがそのような生物を捕らえて殺すことは想像以上に困難を要する。まず、村の回りを多くのデイドラが歩き回り、私のスープ鍋に飛び込もうと待ってはいない。

だから辺りを見回し、そしてそれを見つけた。村の向こうの平原を、孤独な生物が徘徊していた。巨人だ!力と栄光を与えることのできるこれ以上良い肉があろうか?活力にあふれた巨人の肉より良いものがあろうか?

霊魂は私に、肉は骨から取ってすぐ生で食べた時、最も効力が強いと教えた。力を変換する準備をするために、唱える言葉と儀式のための身振りがある。この力が私に注ぎ込まれる時、何も私を止めることはできない!死すらもだ。私の頭が体とつながっている限り、私は蘇るだろう!

これが霊魂が私に教えたことだ。これが、食べたものになる秘訣だ。これが詠唱歌だ:

チョ ウアー エウハ チョ ウエア チョ ウアー エウハ チョ ウエア チョ ウアー エウハ チョ ウエア

アポクリファで聞きつけた秘密Secrets Overheard in Apocrypha

モリアン・ゼナス 著

シーカーたちは話せないかのように装っているが、そうではない。私は聞いたことがある。彼らは言葉を理解できるし、シューっというような異常な発音ではあるが口から発することもできる。どのようにしてそれを知ったか、語ることにしよう。

アポクリファに来てからは大体そうしているように、私はうかつにも注意を引いてしまった塔のように大きな半魚人の悪意に満ちた視線から逃れ、本の山の後ろに隠れて縮こまっていた。私は、自分がまだ早口で訳のわからないことを言っているのかと耳を済ませたが、それは聞こえなかった。つまり、私は言っていないということだ。では、私は何か別の音を聞いたのだ。

私が隠れている書物の山のすぐ向こうは、無数の壺で満たされたあの限りなくある部屋の1つ、それぞれの壺が不快な匂いの培養液の中に、死体から摘出された生きている「概念の臓器」を収納していると知ってからというもの、ひたすら避けている部屋の1つだった。あの壺は苦手だ。

入口から壺の部屋まで、あまりにも聞きなれたシーカーのピチャピチャいう足音がやって来た。だが、その後それは立ち止まり、そこで初めて聞いたのだ。シーカーが話す粘ついた声を。

「1つわかったことがある」シーカーがもつれる舌で言うと、恐怖の戦慄が私の背筋で踊った。

「知る価値があることか?」1番手前の壺の、うつろな、根源のない臓器の声が返した。

「自分で判断すればいい、浮かぶ者よ。莫大な歴史の多くの局面で、どうして定命の者の侵入者を見かけないのか分かったんだ。気の触れた魔術師は別としてな」

「お前は何もわかってない」と臓器が言った。

「古き先駆者が定命の者と契約を結んだんだ。いわゆる協定ってやつだ。これでもわかってないか?」シーカーが聞いた。

「わかってないも同然だ。ゴールデンアイだっていつも定命の者と協定を結んでる。私のこの酷い有様もそれ故だ」

「自分を哀れむのはよせ。でないとお前をからかってやるぞ。お前はからかわれるのが嫌いだよな。ちゃんと聞くんだ」

「わかったよ」

「実際、あの水晶占い師は定命の者と数多くの協定を結んでいる。だけど、定命の者とニルンで協定を結んだことはかつてない」

「フン。まさか」

「はっきり言うぞ!これは周知のことなんだ」

「どういうことだ?」

「公証人ウウ・ソラックスと第11の指導者が話し合っているのを聞いたんだ。彼らはあの薄明かりの中に入って来たんだ。俺が静かに…」

「探っていたら?」

「まあ、そうだ。それで、聞いてくれ。公証人が指導者に、不可避の知る者は世界的な問題への直接介入を全て停止するという協定に同意している、と言っていたんだ」

「あり得ない。笑えるぜ。そうやって俺をからかえばいい」

「俺もそう考えた。指導者が否定的な態度を示したのと同様にな。だけどその後、公証人は「断じる言葉」を述べたんだ。本がそこら中に飛び散り、嫌な臭いの液が俺の耳から吹き出たよ。それで、彼の言ったことは知られていることだってわかったんだ」

「しかしなぜ?定命の者にちょっかいを出すことと、彼らの知識をもぎ取ることは原初のデイドラの気に入りの娯楽だろう」

「どうやら彼は死ぬほど欲していたものに対して、莫大な代償を支払ったらしい。耳の負傷のせいで、それが何なのかはっきりとは聞こえなかったがな」

「それは知識だろ、当然。偉大な秘密だ。すごいものだよ」

「俺もそうだと思う。それにこの協定は双方ともに拘束するらしい。これが定命の者が来ない理由だよ。加えてシーカーもな」

「あの頭のおかしい魔術師を除いてな。どうやってここに来て、どんな邪悪な用があるっていうんだ?」壺の臓器が聞いた。

「わからん。だけどもし奴を捕まえたら、引っこ抜いてやろうぜ、奴の…何の音だ?」

それは私にも聞こえた。だから逃げ出した。私はその音を知っている。それは訳のわからないことを早口で言っていた。

アンドーンテッドへ来たれ!The Undaunted Need You!

真の冒険者となるため、必要な資質はあるか?

そうか。信じる気はないがな!

間違っていると証明したい?最高の略奪品を家に持ち帰りたい?それならエルデンルート、モーンホールド、ウェイレストの面倒な場所にあるアンドーンテッド居留地まで、惨めな体を引きずって顔を出してくれ。

我ら、アンドーンテッド!

イフレの紡ぎ手The Spinners of Y’ffre

シランティレ 著

ウッドエルフのイェフレ、あるいは「イフレ」の司祭は、紡ぎ手として知られている。彼らはイェフレを「語り部」と呼び、物語や比喩を通してイェフレに生き方や振る舞い方を教わったと信じている。

司祭として、紡ぎ手はイフレを手本としている。物語や比喩を通してボズマーの歴史や文化、法までをも守ることによってだ。年配の紡ぎ手はしばしば比喩だけを使って話すため、他のボズマーですら理解することが難しい。中には、紡ぎ手は年を取るにつれ頭がおかしくなり、その奇妙な話し方は単にその症状にすぎないという者もいる。

しかし騙されてはいけない!紡ぎ手は魔力、あるいは少なくとも鋭い洞察力を持っている。過去の話だけではなく未来の話も語り、そのしばしば複雑な物語は、不可解なことが多いが卓越した正確さを持って未来の出来事を言い当てる。

もう1つ付け加えておくと、紡ぎ手は誰かに運んでもらわなければ動くことができないと信じられているが、実際にはイフレの司祭は自分で歩くことができる。故郷から遠く離れて移動することは滅多にないが、必要な時にははるばる遠方まで旅をする者もいる。おそらく、他のウッドエルフが紡ぎ手を失うことを怖れて危険な遠征を防ぐために、そのような噂を広めたのだろう。

ヴィラからの手紙Letter from Vila

仕えるもの達へ

ついに私達の時が来た。紡ぎ手の祠の場所が明らかにされ、一握りの愚かで残忍な奴らだけが私達と彼女の勝利の邪魔をする。

だからあなた達は、イリアス聖堂の北西にある谷の下へ集う、網の仲間に加わるために呼び寄せられた。

慎重に進みなさい。アッシュランダー達は聖堂を襲う。いかなるよそ者も容赦なく攻撃するでしょう。

——ウィドウ、ヴィラ・テラン

ウーズのオースブレイカーOathbreakers of Ouze

ウーズの秘密が今明らかになった。どうやら、ボズマーは全員がグリーンパクトに同意したわけではなかった。何かが起きた…内戦か?神々間の意見の相違か?何であろうと関係ない。ウッドエルフのある派閥が、他の派閥に負けたのだ。

自らの持つ、変化し続ける能力を放棄することを拒否した罪として、他の皆から「オースブレイカー」と呼ばれたボズマーは、鎮圧されてウーズに埋められた。我々は、彼らが生きたまま埋められたと願いたい。その場合、死体は新鮮で手つかずである可能性が高い。タール坑を掘れば近年において最高の掘り出し物になる。シャドウフェンのスティルライズ村の偉大な発見よりも勝るだろう。

エサニヨンの記録Essanyon’s Records

恵雨の月2日
八大神が話しかけてくださった!サマーセット諸島にいる全エルフの中で、この私に!私を選んでくださったんだ。私は偉大になる運命だと母さんはいつも言っていた。夢の中にカラスが現れて、終わりが近づいているという言葉を広めろと言った。終わりが来ている。アーリエルの光に浴したいのであれば、準備をしなければ。

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恵雨の月8日
任務を開始した。すでに信徒の小さなグループが周りに集まっている。自分の兄弟、クアロナルディルもいる!時間がなくなる前に言葉を広めなくてはならない。アリノールで開始するようクアロナルディルを、もう一人をクラウドレストに送った。私はスカイウォッチの人々に集中するためにオーリドンへ旅をするつもりだ。必要な手はずを整え始めなくては。

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恵雨の月20日
ついにスカイウォッチに着いて、言葉の拡散に取りかかった。多くの人が疑問を抱いているようだが、真実であることがわかる人も少数いる。私たちは同胞の魂を救うために一生懸命活動している。合図をもう一つ送ってもらうように、神々に祈ってきた。私が伝導する言葉に熱意を加えて、背後にある真実を示すために使える何かを。

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栽培の月15日
それはとうとう起きた。カラスが再び現れたのだ。神々は私にそれが起こる日付を教えてくれた。南中の月10日だ。タムリエルの人々に光を見せてあげるにはたったの2ヶ月しかない。時間切れになる前に、諸島の他の皆に言葉を広めなくては。

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栽培の月30日
また夢を見た!今回はカラスがメッセージをくれた。神々は、私が貴族の血筋であるアルトマーを生贄として捧げれば、最後の訪れを防げると宣言した。自分の一団にそのようなアルトマーがいる。喜んで生贄になるよう彼を説得できなければ、さらに苦肉の策を取る必要があるかもしれない。どちらにせよ、それはすべての生物の安全を守るために為されなければならない。

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真央の月5日
儀式のために信徒を全員招集した。行われるのはエズドゥインの街だ。信者の多くがそこで火の番をする。貴族は死ぬだろう。そして、多くの者が生きることになるだろう。

真央の月10日
その貴族の男に警告した者がいる。彼は謝罪の意をよこしたが、仕えることはないだろう。もっと直接的な行動を起こさなければ。スカイウォッチに最も忠実な信徒を派遣してある。彼らの剣が我々皆を救うことになるだろう。

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真央の月14日
儀式は成功した!我が一団は目的を果たしたのだ。しかし、誰が私を裏切ったのかを知った今、私は恐れている。自分の兄弟だ。クアロナルディルはもう何日も一団と一緒に行動していない。私は最悪の事態を恐れている。

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真央の月19日
スカイウォッチ衛兵隊がエズドゥインを攻撃した!クアロナルディルがやったにちがいない。私たちはエズドゥインの地下室に閉じ込められてしまった。不信心な衛兵なんかの手に私の信徒を死なせるわけにはいかない。

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真央の月21日
夢の中にまたカラスが現れて、マラーリ・モラを使えと言った。信者に危害が及ばないようにしなければならない。信じぬ者の剣に我が一団を飲ませるわけにはいかないのだ。ここにいる定命の者たちの命は終わってしまうが、我々の魂はアーリエル自身のもとへと届けられるとカラスは約束してくれた。

エセリウス芸術のソネットThe Sonnet of Aetherius Art

ここは我らが拠点にして、お気に入りの地
一日が始まり、そして終わる場所
そこは勝利と栄光を示す
壁では今の物語が語られ
行動と言行が刻まれる

ここは我々の地、すべての場所が飾られ
選んだアイテムは丁寧に扱われる
甘い匂いのロウソクから
家具や持ち手まで
完璧な雰囲気を作り上げる

あまりにも近く、あまりにも遠い
タムリエルのどこにいて
どこへ行くことに決めようと
我々は生きて学び、常にここへ戻る
ただ家と呼ぶ場所へ

エドラ研究への導きIntroduction to Aedric Studies

エリンヒルのファラスタスの講義概要

この一連の講義はムンダスにおけるエドラの顕現や影響力など、その本質と歴史に関して詳細に学ぶためのものであり、論争の的になっているいくつかの話題についても、近年主流になっている説を概略的に取り上げる。各講義の前に必須文献を読みこなしておけば、エドラへの認識が深まり、歴史調査から理論上のプラナー操作まで、様々な学問領域をさらに深く研究するための礎となるだろう。

それぞれが持つ文化的かつ個人的な先入観は捨てた方がいい。エドラはニルンを見下ろしいじくり回す強き「正しき」創造主であるというひどい誤解から、エドラとデイドラはムンダスを越えた永遠の戦いに縛りつけられているという推論まで、これまでの俗説は崩壊するだろう。本講義における過去の探求は、独善的な一部の学生を怒らせることもあったが(特に八大神などの神々に関する講義は)、これらの話題に関しては司祭ではなく研究者として取り組むことを強く推奨する。

エドラを創造神話以上に理解し、神々の因習について修得すれば、研究者として一回り大きく成長できる。本講義が要求する学びの姿勢とは、正しい方法論で学問的探求を続けていくことだ。すなわち、本講では珍重かつ希少な文献を使用し、精緻かつ象徴的なデザインの意味を紐解き、各主題に批判的な見地を加えていく。

講義の主題は以下の5つ:

講義1:創世神話の考察

講義2:アヌとパドメイの交流

講義3:エドラ対デイドラ

講義4:エドラのエネルギーと影響力

講義5:単なる「神々」を超えて

講義を完全に理解するには、講義前後の自主的な読書と、忍耐強くノートをとることが重要になる。自習用の参考文献は、校内に立派な蔵書庫があるのでそこで探せばよろしい。講義の準備を直前になって焦って始めることがないように。古代の希少文献は、こちらでは数冊分しか用意できない。

講義を聞くと、当然の流れとしてさらなる学習題材の探求に意欲をそそられるだろう。エドラの存在や創世への関与について新たな知識を得て、八大神との関係をさらに深く理解し、現在進行中の議論に触れることで、補助的な学習にも興味がわくはずだ。そのような場合は、ヘッチフェルド修道士、ミカエル・カルクソル修道士、シマーリーンのアイカンターの著作を推奨する(その他の文献は講義中に紹介する)。教材は慎重に選択してほしい。タネスのシンナバーの著作のような、偏見と調査不足が目立つ文献は避けるように。常に批判的な姿勢を忘れず、どんな学者の言葉であれ、それが絶対的な真理だと鵜呑みにしてはいけない。

エルデンの木の金庫への侵入Cracking the Elden Tree Vault

問題1:金庫を警護しているトロール。
解決策:トロールは火を嫌うから焼き殺せばいい。
備考:トロールの焼死体から脂肪がとれる。容器で脂肪を採取して、魔術師ギルドで再販するように。

問題2:金庫を警護している衛兵。
解決策:火で衛兵をかく乱しろ。魔術師ギルドはキンドルピッチを製造している。魔術師ギルドで火を起こせ。衛兵は消火に追われるだろう。
備考:魔術師ギルドを燃やしたらトロールの脂肪の買い手がいなくなる。新しい買い手を探すか?

問題3:金庫が想定外の魔法で守られている。
解決策:金庫の守りを考案した魔術師を見つけて、燃やしてやるぞと脅せ。ちょっとなら本当に燃やしてもいい。魔術師はちょっと燃やすと秘密をバラす。
備考:トロールの脂肪を塗った湿布は火傷に効く。ちょっと燃えた魔術師にトロールの脂肪を売りつけるか?

くねくね道The Coiled Path

ゴーストスネークは立派な者を守る。

ゴーストスネークは下劣な者を貪り食う。

ゴーストスネークはくねくね道に住んでいる。かつて、くねくね道の横を流れていた川は長く真っすぐな川だったが、ゴーストスネークがそれを気に入らなかった。獣達に命じて掘らせた。人々に命じて地面を削らせた。岩と水に命じて移動させた。そして今、道と川が待ち構える蛇のようにとぐろを巻いている。

くねくね道は、容易く歩けるような道ではない。ゴーストスネークがそう望んだのだ。ゴーストスネークはくねくね道で餌を捕獲し、餌食となった者は霊魂として蘇る。霊魂は決して逃げることができず、肉体だけでなくエキスまでゴーストスネークに貪り食われるまで、その曲がりくねった道を永遠に歩き続ける。

くねくね道はただの道や川ではない。叡智への道、狡猾への道、洞察への道だ。ゴーストスネークの信者は真っ直ぐ狭い道を進むことはできない。代わりに、ゴーストスネークは信者が裏切りや困難を乗り越えられるよう祝福を与える。彼らが人生の危機を切り抜けられるように叡智を与えるのだ。

くねくね道は弱者が歩けるような道ではない。ゴーストスネークは餌を食べる必要があり、もしも信者達が餌を確保できない場合、当然その信者達が餌となる。

ゴーストスネークは何十万もの大蛇の親だ。ゴーストスネークの餌となった者の霊魂が集まる場所は、ゴーストスネークの蛇の子供達が栄える場所となる。

我々ゴーストスネークに仕える者達は多くの教訓を得た。容易い道を選ぶな。足元に油断するな。裏切ろうと待ち構えている者が潜んでいるから。見知らぬ敵が待ち構えていることを忘れるな。敵が隠し持っている武器のことをいつも心に留めておけ。そして風が運んで来る蛇の囁きを聞け。

ゴーストスネークの高潔な祝福を受けるためにこれを書いている。人生には正義など存在しない。人生は慈悲など与えてくれない。人生とは簡単なものではない。真実は欺きのくねくね道にのみ存在し、ゴーストスネークがその真実を囁くのだ。

これが理解できなければ逃げ出すことだ。逃げても必ず見つけ出すが。

ゴーストスネークに見つかれば、祝福を受けられるだろう。あるいは死ぬことになるだろう。

ケニクサのリストKennixa’s List

バター!

チーズとソーセージ、それにミルクとハチミツとかすみ草。

血でいっぱいの羊の内臓。激しく地を打つ雨、そして出産の悲鳴。

あのカエルは大したことなかったなんて何様?大したこと大有りだったが!次はこんなものじゃ済まない。

——ケニクサ

ゴールドリーフ獲得会社、経営者のメモGoldleaf Acquisitions, Manager’s Notes

ゴールドリーフ獲得会社のマネージャー、フラール・サレティ・ヴェレンの簡略版メモ
(遠征の完了後、情報を提供した者たちから集めた数多くのメモを、閲覧しやすくまとめたもの)

最近の事業の最中に問題が発生し、その結果多くの社員(私も含む)が縮んで、とてつもなく小さくなってしまった。この問題が繰り返された場合に備えて、状況を記録しておかなくてはならない。

* * *
「実験室」について。付呪師があれほどの時間とゴールドを費やして、なぜあのような無意味で効果時間の短い呪文を作ったのか理解しがたい。「海賊化」や吹き出す煙のこともある。いずれ我々にも副作用が起きるのではないだろうか。

* * *
形態模倣の指輪が、ある興味深い物語の中核をなしていた。我々は1塊のチーズを追いかけ、攻撃的な椅子と格闘した後、あの忌々しいバネキンから指輪を奪い取った。奴らは見た目に反してかなり素早い。

* * *
抜け殻と化した天才を見ていると恐ろしくなる。ボリプラムスの構造を変えるなんて、狂っている。結局、あのスライムを完全に滅ぼすためしなければならないことをした。これで全てが片づいて、もうあの場所に二度と行かなくて済むことを祈りたい。

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私はかつて、菌類や変わった植物に詳しい者を探していた冒険者の世話をしたことがある。この洞窟に入って間もないうちに、誰かがかなり毒性の強いキノコを拾おうとした。これ以上無謀なことをしないでくれるといいが。

* * *
注意:ドワーフの機械に貫かれるのは、直接経験したことのない者が想像するほど楽しいことではない。

* * *
不思議に思わずにはいられないのだが、水の精霊がどうやって内陸の宿屋にある樽の中に入った?この仕組みは全く理解に苦しむ。

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今日、多くのギルド員たちがもう一人の自分と戦うことになり、我々は魔術と破壊行為の大混乱に巻き込まれた。おかしな鏡を覗き込むように自分の顔を見つめると、自分が今と違う人生を歩んでいたらこうだっただろうという姿が見えた。幸運にも、ちょっとした呪文とマッドクラブの助けを借りて、全ては正常に戻った。そう、マッドクラブである。

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ある訓練士が今日模擬戦を開いた。結果は素晴らしく、私たちの会社の何人かは新鮮な知識と、新しい視点を得たと聞かされた。ギルドには何人か才能ある戦士がいるし、この授業で能力が強化されることは疑いない。それに絆も深められるかもしれない。どうやら、何人かは授業の後、かなりの時間を会話に費やしたようである。

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ある幹部から送られた、サマーセットへの遠征についての短いメモ。
彼らが私たちにグリフォンの卵を改修せよと言った時、こんなことは予想していなかった。若いグリフォンに出会うことになるとも予想しなかった。だが、彼は私の人生を一番いい意味で変えてくれた。

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夫は結界をいじっている者を見つけたら、「生きたまま皮を剥いでやる」と言う。最高の夫だ。

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親善試合で枕の威力に気づかされた。彼が試合に勝ってもギルドから追放しないと私が約束した時は、模擬戦のリングから吹き飛ばされるほどの衝撃を受けるとは予測していなかった。あのアルゴニアンに羽毛入りの飛び道具を使わせると頼りになる。枕でさえ、使い手によっては危険な武器になるのだ。

サタカルを知るKnowing Satakal

レッドガード7つの格言

「この世の終わりを否定するのは、この世の始まりを否定するに等しい」

「サタカルは創造と破壊、生と死、愛と恐怖である」

「世界はサタカルによって作られ、いずれサタカルによって終わる」

「サタカルを知るには、川について考えるのだ。蛇が脱皮して生き続けるように、水は川によって海へと運ばれ、その源で生まれ変わる」

「ワールドスキンはすべてであり、すべてが無である」

「信者でないものを恐れるな、信者であろうとなかろうと、等しく蛇神に食われるのだから 」

「空の大蛇は水面の大蛇を反映するか?その通り」

シェザールと神々Shezarr and the Divines

帝国蔵書庫
古代神学・古数神秘学芸員補
フォースティラス・ジュニアス 著

シェザールは誤解されがちな存在であるが、シロディールでは信仰を勝ち得ている。彼や、他の多くの神々は、帝都における数々の大規模な宗派の崇拝の対象となっている。シェザールは特に西部コロヴィア地方で崇拝されており、当地ではショールという名で呼ばれている。西部の王たちの多くが民族意識的にも宗教的にもノルドであるためである。

シェザールと他の神々との関係にはわからない部分が多い(彼はよく神々の「失われた兄弟」と呼ばれる)。その経歴はシロディールの「奴隷の女王」と呼ばれた聖アレッシアがシロディール帝国の原型を築いた時代から始まる。ハートランドにおけるシロディールとノルドたちの歴史の初期、シェザールは人間を代表してアイレイド(ハートランドの支配者エルフ)と戦った。その後、なぜかシェザールは歴史の舞台から消え(他の土地の人間を助けに行ったと考えられている)、彼の統率力を失った人間たちはアイレイドによって征服され、彼らの奴隷と化した。

奴隷制度は何世代にもわたって続いた。そのあいだ、互いに接触のなかった人間たちは主人であるエルフたちの神々を崇めるようになり、また彼らは支配者エルフの宗教的な習慣を彼ら自身の信仰に取り入れたため、人間とエルフの宗教は混ざり合い、区別があいまいになっていった。

第一紀242年、アレッシアと彼女の半神の恋人である「カイネの息吹」モリハウス、そして悪名高いペリナル・ホワイトストレークに率いられ、シロディールの人間たちは反乱を起こした。スカイリムがこの南の奴隷の女王に味方の兵を送って協力したため、反乱は成功した。アイレイド王朝は瞬く間に滅ぼされた。それからまもなくして、アレッシアの部隊は白金の塔を占領し、アレッシア自ら最初のシロディール女帝となった。そのことはまた、彼女がアカトシュ信仰の大司祭となったことも意味した。

アカトシュはアルドメリの神であり、アレッシアの治める人々はまだエルフの神々への信仰を捨てようとしていなかった。このことは、彼女に政治的な問題をもたらした。彼女はノルドを味方のままにしておきたかったが、彼らは(当時は)エルフの宗教を拒絶していたのである。だからといって、人々に今度はノルドの宗教を強要することはさらなる革命をまねく恐れがあり、避けたかった。そのため、宗教的寛容が推進され、女皇アレッシアは新たな信仰の対象を設けた。八大神である。八大神は、ノルドとアルドメリそれぞれの宗教の綿密な調査に基づく適切な融合であった。

結果として、シェザールについても変更が加えられなくてはならなかった。彼はもはや、アルドメリと敵対する血に飢えた武将ではいられなかったのである。しかし彼はまた、消え去ることもできなかった。彼を信仰することを否定すれば、ノルドの人々はアレッシアの支配圏から去ってしまっていたであろう。最終的に、彼は「人間の全ての営みを助ける御霊」ということになった。これはショールの特徴を薄め、軽く偽装したようなものであったが、ノルドたちは満足していた。

ジャコラーの日記Jakolar’s Journal

・ソリチュードを退去させられた。スヴァグリム首長は方法が失われ、私の研究が無意味になったと信じている。それは構わない。彼のためにやっているのではない。

・30日が経過した。南と東へ旅をして、できるだけ多くの墓地を訪れた。ドラウグル達はまったく脅威にならないが、より強い奴らを完全に圧倒するには、かなりの体力を使う。休む必要があるが時間がない。

・ホワイトランの門で追い払われた。遺体の世話や、臭いを和らげる付呪にもかかわらず、老いたノルドが妻の亡骸を連れて街の広場に入るのは、ほとんどの者にとって不快だそうだ。

・今回は彼女を見た。おぼろげな姿で、私にやめるように泣き叫んだ。こうでなくてはいけないと彼女に伝えようとした。ひどく拘束されて苦しいのは分かるが、それは一時的でしかない。すぐに彼女は永遠の生を得る。二度と失いはしない。

・イヴァルステッドに到着した。遺体と物資を村のすぐ外に隠した。私の助けになるであろうドラウグルの呪いを知るものは、ここにいない。だが構うものか。夕暮れになったら墓地へ行き、学べることがあるか調べる。最低でも彼女をもう一度縛る場所はあるだろう。

すまない、最愛の妻よ。もう少しだ。

ソブンガルデ:再調査Sovngarde, A Reexamination

ベレディット・ジャスタル 著

死。それは誰もが直面するものだ。違うか?

近くにいるノルド人に命の終わりをどう思うか訊ねると、それは血沸き肉躍る恐ろしい話や、勇敢な行動と胸が張り裂けるような悲しい話のように扱われるだろう。大虐殺があったとしても、普通のノルドの戦士が認識するよりもっと多くの死がある。勇敢なノルド人が永遠に生き続け、ハチミツ酒を飲んで強さと技の競い合いに参加できる、戦場を超越した別の世界があるという新たな証言もある。しかしノルドの死後にある永遠の生の可能性を理解するには、まず最も不思議な戦士の静養所をめぐる伝説を再調査しなければならない―ソブンガルデだ。

古代の文書とノルドの口伝によると、ソブンガルデの存在は神話紀末期までさかのぼる。、そこには壮大で名誉ある場所への入口が景色に隠れている。ソブンガルデと呼ばれ、戦争で勇気を証明したノルド人を称えるために神ショールが建てた。この「勇気の間」の中では、我々が言う時間に意味はない。生と死の概念は扉の外に置いていかれ、中にいる者は、苦痛やノルドが最もかかりやすい病である倦怠感から逃れた、一種の自己完結型の幸福感の中を生きている。

しかしソブンガルデの入口がいかに上手く隠されているかは学術的議論の的となっている。ショールの素敵な広間はただの神話だと信じる者もおり、ソブンガルデの素晴らしさを体験してから戻ってきた者がノルドにいないからだと言う。しかし、それで探すのをやめるわけではない。ノルド人にはソブンガルデの入口を探しに人生を費やす者もいる。ほとんどは悲しみ衰弱して故郷に戻り、失敗に心が沈む。彼らはなくならないハチミツ酒の喜びや終わらないレスリング大会を知ることはない。

ソブンガルデの入口が死と何の関係があるのかと尋ねる人もいるだろう。最近シロディールで亡くなったノルド人の家の屋根裏部屋で発見された数々の古代の羊皮紙によると、すべてだ。最初は恋文のようなものが続いたが、後の方では4本指のフェルガと、興味深いことに、巨人ロルフというノルドの戦士の亡霊との手紙のやり取りだとわかった。

羊皮紙の文書では、ロルフは全人生をソブンガルデの入口探しに費やしたが、叶わなかった。彼がスカイリムの故郷の村に帰ろうとしている時、巨人の一団に待ち伏せされた。ロルフは勇敢に戦ったが、すぐに倒され、巨人は彼の頭を投げて遊び始めた。驚くべきことに、霊となったロルフは、その場を離れ天国へ昇っていく時にこれらをすべて見た。そして辿りついた場所が…ソブンガルデの壮大な広間だった!

ロルフは自分の幸運が信じられず、愚かにも真実に気づくまで何年もかかった。死がソブンガルデの入口なのだ。兄弟として挨拶してきたショールから、巨人ロルフ自身がそう聞いた。彼は焼いた羊の足を渡され魅力的な女性に手を置かれた。ショールが言うには、ソブンガルデとは、名誉ある戦闘で勇ましく戦ったノルド人なら誰でも来れるらしい。

今こそノルド人が真実を知る時だ。永遠の命は彼らのもので、達成不可能な目標のために無駄に努力して定命の者の人生を使いきる必要もない。結局、勇ましいノルド人はすべてソブンガルデへ行ける。切断、断頭、または臓器のはみ出しなどは、ショールの素敵な広間で過ごす永遠を得る機会のためならば、安いものかもしれない。

ダイニラの死体のケバブDaynila’s Corpse-Kebab

私のお気に入りです。エルフと人間ならみんな気に入るはずです。アルゴニアンは固くて幾分臭味がありますが…基本的に尻尾は避けてください。

目玉や内蔵を含んだ死体の一番食べやすくて柔らかい部分を切り分けます。間に魚や蛇の干物を挟んで、それを串刺しにします。そしてお好みの焼き加減まで火にかけましょう。赤ワインにとてもよく合います!

トゥワッカ、アーケイ、ザルクセスTu’whacca, Arkay, Xarxes

タネスのレディ・シンナバー 著

学者がザルクセス、アーケイ、トゥワッカの明確な類似点に注意を払うことは珍しいことではない (特に面白味のない、明白な事実の単調な列挙は、自慢屋の老人エリンヒルのファラスタス著 「タムリエルの冥界神」 を参照のこと)。大陸のほぼすべての文化において、これらの神々は何らかの形で崇められている。そう、ヴァレンウッドのウッドエルフが両方を信仰するように。短い論文になるが、この神々の起源についていくつかの質問を提起し、答えを得るものとしたい。

ザルクセスから始めよう。少なくとも歴史が記録されて以降は、アーケイとトゥワッカより以前から信仰されている。すべてのアルドマーの種族の人生を記録するエルフの神ザルクセスは複数の創世記に登場しているが、そのほとんどが互いに矛盾する。これらの起源のいくつかは 「偽」であるが、その多様性はザルクセスの様々な顔を示しているに過ぎない。

最もよく知られる2つの起源神話で、ザルクセスはアーリエルの世界の始まりからの出来事を彼のそばで記録する書記として、または高位の神により神に昇格した神話のアルトマーの、アーリエル司祭として登場する。後者の物語はエドラの直系の子孫であり、奇跡的状況において神格化し、地位を再度高められるというハイエルフによる解釈と一致している。

アルトマーにとって、ザルクセスの記録はただのエルフ個人の生涯の物語ではなく、彼らをその祖先に結びつける血と継承のつながりなのである。アルトマーにとって祖先が非常に大事であるように、ザルクセスの一番重要な役割はサマーセットの社会で地位と安定性を定義し、維持することであることがわかる。

アーケイは言うまでもなく、第一帝国の建国時に聖アレッシアによってシロディールで新たに解放された市民に示された、八大神の一柱である。八大神教会は、アレッシアは単に臣下にそれまで彼らを守っていた神を示していただけであるという、第一紀始めから今に伝わる書の断片の学術研究を公式見解として採用している。コーセイの「タムリエル論文集」はよく知られているが、私はさらにサンドララスの「ネードの奉納」と著者不明の「ダロディール王の死の歌」の原本を研究する機会に恵まれた。この2つの対比により、以前はあいまいだった部分がはっきりし、結果として生じる説明は本論への刺激となった。

結論として、私はセドゥルスの推論である「アーケイの収束理論」を決定的にする十分な証拠を得たと信じている。八大神のアーケイがその起源ではエルフの神ザルクセスと、アトモーラに災いをもたらしたと言われる神オーキーの側面との融合であるというセドゥルスの提案は、読者のほとんどがよく知っていることだろう。私の死の歌の新解釈とその(以前はよく知られていなかった)「魂の指導の請願」のくだりで、霊魂を冥界に運ぶ者がエルフとアトモーラの神の両方の特質を備えていることがはっきりする。そして適切な母音推移をこの神の名にあてはまるとどうなるか?

答えは「トゥアーカ」だ。

それは必然的にヨクダの神トゥワッカを連想させる。いずれの種族の記録も諸島が沈んだ大変動の中で失われたために、どのくらいの数が彼をその名で崇拝していたかはわからない。老いたファラスタスでさえ指摘したように、アーケイとザルクセスがタムリエルの人間とエルフに果たした役割を、トゥワッカがレッドガードに対して果たしたのは偶然ではない。これらの神々は本当に神とは違うのか、それとも違う文化の中で違う名を持っていたが、違う側面をもって崇拝されていたのか?

ここからは学問ではなく、神学の領域を探求して答えを探さなければならない。

ドシアの日記Doshia’s Journal

メーソン チャンプブ ウォーター ゴン ブレイ ドイ ロンネロ エスター

サレ ジャネ ソン フェーシャ フロ ラチ エラ ミエンチャ ジエ カー ルホ クラム ポス ブラント バーソンド アルヴァ アギュー マイアー アナブ スティール ソンズ ルホッジ

 チェノザ
  デルス
   トッド
    オステロ

ヌグ ノザーナ ハンベン ……………………………………………………………キング クラーソン ウィルソ ラフォーン フルソン ペン フラインシス エリ アドザー モン ブラワー ジェン ネロドリ グレンチ ファークス パグネ ジャムソン ポウェル バーナヴィ スペイル

ドラゴンブレイクの立証Vindication for the Dragon Break

マルクの選ばれし者、フェルヴィディウス・サルン大司教 著

排他令の第一項は、至高の精霊アカトシュが単一の存在であり、そのことは時の単一の直線性によって証明されるとしている。そして明らかに時の弧は我々に聖なる抹消を行うための必滅の舞台を与えている。よって我々のムンダスにおける目的は、聖なる第一の人の間違いを正し、アカトシュを再び純粋な人間の神に戻すことであり、それに対する反論は無益で空虚な軽口である。

よって塔の杖にアルドマーの穢れの多様な培養基を清める儀式の準備をさせよ。すべての選ばれし者は「正しき命」の詠唱を始め、単一の思考状態に達するまでそれを続けよ。その後は各々踊るがよい。最初は時の流れに沿って、それから逆向きに、時の巻物が時計と逆回りに巻かれるまで。

至高類人猿の予言者よ、我らを導きたまえ!誤った場所に置かれたシェザールよ、我らに祝福を!我らの意志が実現しますように!

トリビュナル—生きた嘘Tribunal—Living Lies

「反逆する者」 著

ヴィベクとアルマレクシアが決して同席しないことにお気づきだろうか?聖堂の司祭達が提供する水が少しだけ…腐ったような臭いがするのに気づいた人は?私は気づいた。以来そのことを広めるために奔走している。聖堂は私のことが嫌いだが、それにはちゃんとした理由がある。トリビュナルは私達の魂を食らおうとしているのだ。

彼らは聖堂が主張するような善なるガーディアンではない。私は「三十六の教訓」を読破して、数字の中に規則性があることを発見した。彼らは愛すべき三大神などではないのだ。彼らは虚無の彼方から来た巨大な怪物であり、自分達の本当のご主人様のために魂の収穫を目論んでいる。考えてもみたまえ!よりによってノルドとアルゴニアンとの同盟?シロディールを征服するための戦争?それはタムリエル全土を征服する野望につながることを私達は知っている。「故郷を守るための戦い」などちゃんちゃらおかしい。すべてが来るべき日のために、より多くの魂を集めるための手段だと考えれば合点がいく。目を覚ますのだ!

証拠は私達の周りのいたるところにある。彼らは毎日私達の頭の中に入ってくる。あの衛兵がこっちを見ている?それは気のせいではない。耳元で蜂が飛んでいたことは?それも奴らの仕業だ。魔法の花粉を使ってあなたの思考を盗み聞きしようとしている。私のような真実の探求者をあぶり出そうとしているのだ!街のあちこちから聞こえる夕べの詠唱は?あれは洗脳の呪文だ。あれには人々を黙らせておく効果がある。

これだけは言える。私はもうモーンホールドの井戸水は飲まない。だが私に頼らず、自分の頭で考えるように。証拠はいたるところにある。真実を見る目があれば、鼻先で起こっていることを無視できるわけがない。

ニコラス・ドゥーアレの日記Journal of Nicolas Douare

サンプルは、たいまつの光の近くで見ると普通だった。生前それは丈夫な若者で、黄ばんだ頭蓋骨の頂上には茶色の髪束が今でも見受けられた。死霊術的な肉体化を完了する時、空っぽの眼窩が私を無感情に見つめた。部屋のたいまつが瞬時に光を放ったが、それはわずかに緑色の不気味な光だった。自分の心臓のドクドク打つ音が耳を支配した。

突然起きたその出来事は恐ろしく、完全に予期せぬものだった。スケルトンが激しく震え、唇のない笑みの間にある黒い空間からものすごくぞっとさせる叫びが次々と飛び出し、墓地の石室一帯に響いた。自分も必死に後方によろけながら叫んでいたと思う。

あり得ないことに、それは全体重に耐えるはずのない折れた足の骨で立った。生き返ったスケルトンが振り返って私と向かい合った時、今や私は壁に背をつけていた。待っている時間は耐えがたいもので、自分の最期を待ち受けるべく私は目を閉じた。私が目を開けたのは、予期した攻撃が起こらなかった時だった。気をつけの姿勢をとったその生物は、懇願してわずかに頭を下げた。

すると、ギーギーといった音を出した。一言だけ、ほとんど聞こえない歯ぎしりのような音だった。「ごおおお主人…サマアアア…」

初めての死霊術召喚は文句なしの大成功だった。墓地一帯はすぐにしもべで溢れかえり、私が与えるすべての命令に精を出すだろう!ここは非常に融通のきく場所になると思う。

ニルンの放浪者The Nomads of Nirn

我らはノマド、ニルンの放浪者
探索者にして探検家、全ての石をほじくり返す
暗闇の中を掘り進み、最も危険な冒険へ
放浪仲間と力を合わせ、我らは試練に立ち向かう

我らはノマド、ニルンの放浪者
無法者かつ変わり者、一人残らず除け者だ
放浪しながら日々過ごし、どこに行き着くあてもなし
ニルンの放浪者に安らぐまでは

我らはノマド、ニルンの放浪者
デイドラに襲われ、故郷はとっくに焼き払われた
心は病んで傷ついて、抱いた夢もどこかに消えた
しかしニルンの放浪者に迎えられ、再び心に火がついた

我らはノマド、ニルンの放浪者
戦の中で鍛えられ、栄光を求めて突き進む
野盗、ドラゴン、敵は選ばぬ
我らは屈せず立ち向かう、勝利が轟くその時まで

我らはノマド、ニルンの放浪者
背負った過去が何であれ、お前の居場所はここにある
年季の入った達人も、若さ溢れる素人も
乳飲み子、毛皮を舐める者も!

だかニルンの放浪者に来るといい、我らはきっと約束しよう
気の合う仲間と冒険を

ネロニールの日記Neronnir’s Journal

私の秘密が記されている。読むな!

奴らは知らないと思ってるが、私は知っている。暗闇へずるずる進んで密かに計画や陰謀を企んでも、私には分かるんだ。奴らには血迷った男だと無視されているが、それはすべて計画のうちにすぎない。脅威だと思われない限り奴らは警戒を緩めて秘密を漏らす。数か月前に樹の従士に取って代わったドッペルゲンガーは「数日間瞑想に行く」と言った。しかし彼の言い方はすべてを物語っていた。彼は街の襲撃を計画するために闇の同盟軍と会合を開いている。今まで以上に警戒しなければ。

大惨事に瀕しているとは誰も分かっていないようだ。今では紡ぎ手の妻でさえ病気になり、それは明らかに見逃せない悪い兆しだ。奴らはアリのようにずっと走り回っていて、近づいてくる嵐には気づいていない。目を覚ませ、小さなアリ達!

*****
やはり!昨夜は終わりの始まりだった。民の不遜を理由に自然の激憤が街を襲って粉砕した。風がうなり稲妻が落ちて、森の生物達には背を向けられた。他は神聖を汚す洞窟に隠れている私達が安全だと信じるが、間違っている!地下に存在するものを知っているんだ。そしてそれが覚醒した途端、私達はすべて飲み込まれるだろう。

*****
私達の破滅がどんな形になるのか分からなかったが、今でははっきりと分かる。よそ者がやってきて、問題に対処する手助けを申し出た。私達の信頼を得るための極めて哀れと言ってもいいほど見えすいた計画だが、それを分かっているのは例のごとく私だけだ。もしこの救済者と思われている奴が私に頼み事をしたら、協力するふりをするだろう。私が追っているいくつかの異常な事態を共有して疑念を和らげる。よそ者が私達の信頼を得るときには、私もよそ者の信頼を得るだろう。

*****
仲間のうち最初の一人が処刑される。提示された「証拠」はばかげていたが、臆病者達は一語一句を信じた。茶番劇の裁判による犠牲者は、私がこれを書き記している今、奥地へと連行されている。よそ者が処分した最初の一人にすぎないと思っている。実際、よそ者は今この瞬間に、この私を殺しに戻ってくるだろう。脱出しなくては。

パーティーのテーマParty Theme

愛しいしもべと従者たちへ

私達の終わりない宴の今のテーマは死の舞踊よ。吟遊詩人が休みなく歌って踊るのをご覧なさい。特にイドリアの声は素敵ね。何という甘くて美しい旋律でしょう!広間をイドリアの歌で満たしたい。そして身体の動き…動きの中に詩が!止めさせないでね。さもなくば死が待つ。あなたの死よ!

私の階上の部屋に、彼女の貴重な楽器を確保していることを覚えておくように。これで彼女は確実に私に従う。さらに、この催しの終わりには、個人的な演奏をする栄誉を与えるかもしれない。

さあ、楽しんで魂なき者を苦しめなさい!

— ネラザカン

バックヒグの日記、3ページBakhig’s Journal, Page 3

バックヒグがとうとう帰宅した。何年にもわたる放浪が終わった。ペットが私の周りをちょこまか走り回ってる。彼らの牙からしたたる毒は、私には焼きたてのパンのようなにおいがする

信頼を得るには何週間もかかった。たくさん噛まれ血管にたくさんの毒が流れた。だが今は私をわかっている

今は、私を愛している

バックヒグの日記、11ページBakhig’s Journal, Page 11

今日バックヒグのペットが彼のために踊った!

いや。ダンスではない、あの馬鹿なハイエルフが派手な城でやっているのとは違う。彼らは集まり群れを作り、上へ下へ、上へ下へ。蜘蛛の巣のあちこちを。私のためだけの、素敵なパフォーマンスのようだ

バックヒグのペットは、バックヒグがここにいて幸せだと知らせたいのだ。彼らを見守っているから

バックヒグはペットに何かが起こるような真似は2度とさせない

バックヒグの日記、18ページBakhig’s Journal, Page 18

バックヒグのペットはときどき喧嘩する。彼の愛を求めて戦うのだと思う

なぜバックヒグはみんなを愛しているとわからないのだろう?

まあ、たぶん彼は小さい子たちを一番愛している

バックヒグは小さい子たちがバックヒグの上を小さな足で駆け回らないと眠れない

バックヒグの日記、19ページBakhig’s Journal, Page 19

バックヒグは昨晩またもや悪夢を見た。バックヒグの夢の中でアルゴニアンがバックヒグの家にいて、ペットを殺していた

今日は小さな子たちと一緒に過ごし、あの子たちの安全を見守るつもりだ

ファナカスでの礼拝Worship in Fanacas

未知への冒険は何でもそうだが、恐怖はある。だが皆は私について来てくれると確信している。どんなに不安であろうと、自信に満ちた表情をしていればいい。そうすればついて来る。いつもそうだ。

他のどのアイレイド遺跡よりも、ファナカスには興奮を覚える。遺跡全体の地面や建造物から膨大で邪悪なものが滲み出し、空気中に飽和している。大きな血と魂の生贄がかつてここで捧げられたに違いない。そのオーラを今でも感じる。

もしもその頃、アイレイドの全盛期にここにいられたなら、私は全てを投げ出してもいい!その生贄の姿、音、臭いを存分に楽しむだろう。その黄金の日々を追い求める気持ちがあったからこそ、その偉大さに必死にしがみつき、長い勉強の日々に耐えてここまで来ることができた。

今宵、マッサーとセクンダが並ぶ時、最後の儀式を執り行う。

今宵、栄えある古代アイレイドへの道を切り開き、彼らをより崇拝するため、変身すべく助力を懇願する。

今宵、我らは不死の者と一体となる。

今宵、マブレル・ピエレルの名が、ついにタムリエル中に恐怖と畏怖を巻き起こすだろう!

フィルインからのメモNote from Firuin

あなたの元を離れるわ、ガリトール。私の才能と、能力を認めてくれる人のために!

あなたはあんなくだらないことに、非凡な私の才能を無駄に使った。冷たい飲み物なんかに。虫をだまして喜ばせて、イコルが大事な醸造酒を固まらせないようにした!

あなたのために巨像まで作ったのに!マンモスくらい高く、2倍強く。オブリビオンの空っぽの穴ほど冷たく!一体それを、何に活用したの?肉の保存ですって!

在庫は貰ったわ。かき混ぜれば、炎は明るく星のような影を落とすでしょう。その暗闇から、私は太陽のように登るわ!

私のたった一つの後悔は、私があなたから抜け出して、あなたの世界が崩壊した時のあなたの顔を見られないことよ。ボールディング・ヒルであの夜、私の世界が崩壊したようにね!

– フィルイン

ブラックハート船長の記録Captain Blackheart’s Log

自由な瞬間はあっという間に過ぎ去る

時々やって来る。また彼が私の心に入る前に 。

「お前の心がまたお前のものになることは絶対にない」

意志の力で呪文を解けない。時が経っても弱まることがない

「そう考えているとは面白い」

かつて味わっていた自由の味が苦しめる。毎日、少しの間だけ

「誰もこの文章を読むことはないだろう」

他の乗組員も幸運ではない。ウェーブカッター、鉄の踵を持つ者、マーサ。信用できないずる賢いトムでさえ、完全に魅了されている。ずる賢いトムは魔法の罠に、決してかかることはないのに。トムのブレトンの血は役に立たないようだ。今回ばかりは。

終わりを望むことができれば。すぐに来そうにないが。私の手で、奴は何百人も殺した。叫び声はすべて覚えている。

「お前は言われた通りのことをすることになる」

ボダーニへの手紙Letter to Bodani

ボダーニ、あなたは私にとって姉妹も同然よ。

あなたにこうなることが見えていたのは分かっている。その先見の目は才能よ。どうなるかは分かっていたけれど、なぜそうなるかまでは分かっていなかった。共に過ごした時間で培った絆を誇ってほしい。

我々の多くはくねくね道に生まれ苦難を強いられるが、全員ではない。

あなたの一族のアシュカーンが、あなたを骨抜きにした。あなたから全てを奪い、他の道を歩めないようにしてしまった。あなたは生きるための選択をした。

奴から一族を守った。あなたが導いてくれ、守ってくれると信じていたからこそ、強きハリナットや、勤勉なリサンヌ、小さいサニバランに彼女の兄弟のドライツールもここまでついてきた。賢女として導くことをあなたは選んだ。

でも今やあなたはマブリガシュとなり、我々にとってはもう賢女ではない。

彼らを逃がさないと、いずれみんなゴーストスネークに喰われてしまう。ハリナットが好きなら残してもいい。私だってトレハドゥやウナメースは好きだから。でもそれ以外はキャンプから出してあげて!

誰もがあなたみたいに高貴な、納得できる理由でこのくねくね道に生まれたわけじゃないの。それでもみんな、1つの目的のためにこの聖なる谷に集まる。寿命を延ばし、力を得るためにね。

あなたのリーダーとしての最後の仕事は、人々を安全なところへ送ることであってほしい。

——マリニスウ

ボルダウント・ヴィレランドの日記Bordaunt Virelande’s Journal

1日目
自分の道を行くことに決めた。小さな街で一生を過ごしても、名を成すことはできない。旅の間に起きた記録に値することを記していけば、冒険を終えて引退した時書くつもりの本に掲載できる。

7日目
今日、路上で遭遇した山賊から身を守らなくてはならなかった。奴らは相手が剣の達人だとは思っていなかったようだが、ありがたいことに鍛錬の甲斐があった。1人始末して、負傷させた残りの2人は逃げた。楽しい出来事ではなかったし、どちらが死んでいてもおかしくなかった。もうこんなことが起きないことを祈っている。さあ、この不愉快な出来事は忘れて、伝説を築くことに集中しよう!

15日目
今日は、燃える納屋から家畜の牛を救い出す手助けをした!少し火傷したが、新鮮なミルクを1瓶、チーズの固まりをくれたし、近くに来たらいつでも寄ってくれ、と言ってくれた。名声が高まっている。これから出会う冒険が楽しみだ。

22日目
旅の間に様々な奇妙なことに出くわしたが、今までで最も不愉快だったのは、間違いなくゴールドフォリーの街のすぐそばで男の自殺を目撃したことだろう。彼は泣きわめき、言葉は支離滅裂だった。彼が手首をナイフで切った時、できることは何もなかった。最初は彼の持ち物を調べるのは気が進まなかったが、空腹が不安を乗り越えてしまった。どうやら彼は旅に出たばかりのようで、たくさんある食料は手つかずだった。遺体を街に戻すことも考えたが、きっと住民たちは遺体を運んできた私に対して、感謝よりも非難するだろう。とはいえ、遺体をこのまま腐らせるわけにもいかない。そこで手紙を宿屋の扉の下に残して、翌日彼が埋葬されるのを近くの丘から見ていた。

それに関連した話だが、この不運な男から獲得したものは、初めての魔法のアイテムのようだ。このアミュレットの本当の力は不明だが、光り方からして何らかの力を宿しているようだ。きっと将来役に立つことがある。間もなく、付呪された鎧と鮮やかな剣を手に入れられるだろう!

24日目
眠れなくなった。きっとこの森は呪われていて、だから声がずっと聞こえているんだ。この秘密の森から出た時、間違いなく私の魂は強くなっているはずだ。

26日目
もう何日も眠っていない。森を出たのに、声は日ごとに大きく、しつこくなってきている。私が招いた死、避けられなかった死に呪われている。森にアミュレットを埋めようとしたが、どうしても手放すことができなかった。

30日目
私は怪物だ。生きている資格がない。

マグナスの贈り物The Gifts of Magnus

悔悟者よ、生きとし生ける者の命は自制の神マグナスに触れられています。マグナス様は我々の世界の設計図を描かれた。創造の複雑な設計図を。マグナスは常に我らと共にあります。魔術師の魔法と太陽の温かな息の中に

ここでの礼拝を終えるにはこう唱えなさい。「エセリウスの天の光により、マグナスの目が常に私に注がれていますように。神の贈物を使う知恵と神の知恵を知る忍耐を私にお授けください」

マスターの戦棍にかけてBy the Master’s Mace

ある場所での説教

我々は進む!マスターの戦棍にかけて、我々はデロディールの憎まれた街を進む。偉大なるアヌマリル王の命令に従い、我々の攻撃は必ず成功する。

マスターの力にかけて、我々は哀れな街で光を信仰する信者たちを捕獲する。デロディールの異端者、メリディアの哀れな祭壇よりもずっと優れた聖堂、アバガーラスの中心にある暗い部屋に彼らを戻す。

彼らの無価値な魂を、我々はモルトゥーム・ヴィヴィカスに与えることで解放する。長く保たれてきたこの世界の目的に従って、我々は彼らに恩恵を与えよう。

マスター、偽りの王が命令する。我らは従うのみだ!

ラネヴィアド 第2巻The Raneviad, Volume II

こうして樫のセルミラの従姉妹であり、イルンダヌス王に最も愛された炭目の放浪者ラネヴは、過去の英雄達に敬意を表するためホシヴェンの石を訪れた。そこで彼女はグレイ・メンヒルを見つけたのである。

その石はラネヴの頭上高くそびえ、彼女を矮小化しながら地と水の上に長い影を落としていた。長身とその力で知られるラネヴは、建っている石の大きさに感嘆した。驚いたことに、目の前で見えない謎の手が石に文字を精巧に刻みつけ、石板のようなものを作りあげていったのである。その石板は彼女に次の言葉を説いた。

「巡礼者よ、星々に従い、探求の旅に出よ。石に刻まれた六の美徳を捜し求めよ。それぞれの命を気高き心で担い、急いで戻れ。素早く公平な者のみがセレスティアルの好意を受けられる」

この言葉を読んだ彼女は、大いなる目的で胸がいっぱいとなった。彼女はこの石の試練に挑み、星々の美徳を目指すことを決意した。彼女はグレイ・メンヒルの前で瞑想し、戦士の賛美歌を歌ってから巡礼の旅を終わらせるべく旅立っていった。

ラネヴは素早く旅を進め、六の聖域をそれぞれ巡礼した。それぞれの聖域で、戦士は六の美徳を得るために恐ろしい生物や忌むべき野獣などの試練を乗り越え、祈りの印を探し出した。勝利と星々の美徳の歌をその身に得た彼女は、与えられた時間内にグレイ・メンヒルに戻り、終生それらの美徳を体現することを誓った。その日から炭目の放浪者ラネヴは、星々の寵愛を受けたラネヴとして知られるようになったのである。

そしてそれは、彼女の冒険の始まりでしかなかった。

愛の心The Heart of Love

悔悟者よ、マーラが常にあなたと共にあると知りなさい。あなたの胸の鼓動の中にマーラの愛と慈愛があります。マーラの花の星のシンボルはウェディングチャペルの壁を飾る。彼女の司祭たちは夫と妻の必要に貢献する。そして常に彼女の視線は若者に注がれます

ここでの礼拝を終えるにはこう唱えなさい。「失った者、失恋した者には5倍の祝福を。心臓はアービスを越えて私たちを結びつける血を送り出す。マーラのお恵みが常に私の上にありますように」

闇の責務Dark Ministrations

この古い墓は技を修行するために完璧な場所だ。誰も鉱山を通り過ぎてここまでやって来ることはないだろう。

生贄はそろっている。悪夢の貴婦人が道を開いた。我々はこの聖なる領土の一部を与えられた。建設は今夜始まり、彼女の名誉にふさわしい聖堂が建てられる…

聖堂が完成したら、我々はすぐに領土を拡大するだろう。絶言の印の奉献式は、かねての希望通りに行われた。我が息子は永遠に彼女につき従うことになるだろう。

スキャンプ、つまり彼女の子供達の末子が聖堂や鉱山深くに現れる。これは彼女の愛情と厚意の唯一の表れなのだ!

しかし私はオブリビオンの一部が現在の倍の大きさになると予想していた。貴婦人は我々に気分を害しただろうか。中には信仰の証としてさらなる生贄を考えている者もいる。そうすればきっと、彼女の関心を引き、報酬を受け取れることだろう!

影の守人の誓いOath of the Shadows Watch

お前達は緑を守る者である。

お前達はさまよえる王の敵である。

お前達は兵士である。

お前達が仕えるのはお前達の指揮官のみである。

お前達はウッドエルフを団結させるだろう。

お前達は自らの命を差し出すだろう。

お前達はホロウを破壊するだろう。

お前達の名は永久に記憶されるだろう。

屋根裏に何かがいるSomething’s in the Attic

屋根裏に何かがいて、血と肉の匂いがする。
屋根裏に何かがいて、走って逃げる足音が聞こえる。
屋根裏に何かがいて、それはささやきかける。
屋根裏に何かがいて、それを自由にしてはならない。

屋根裏に何かがいて、私には選択の余地がまったくない。
屋根裏に何かがいて、それは非常に大きな音を発している。
寝室に何かがいて、私の目は大きく開かれている。
鏡に何かがいて、中からじっと見ている。

灰色の道The Gray Passage

星々よ歌え、すべての人の心に宿る栄光を。ホシヴェンの石と永く消火されたサーヘディルの火葬場の下で、努力が目的と栄光へと繋がらんことを。巡礼者よ知れ、星々の美徳を、すべての偉業は祝福を望んでいる。星々が正しき者達を灰色の道、そしてクラグローン北部の洞窟の道中を導き、そして祈りの印とその命令を探し出すだろう。

巡礼者よ、星々に従い、探求の旅に出よ。石に刻まれた六の美徳を捜し求めよ。それぞれの命を気高き心で担い、急いで戻れ。素早く公平な者のみが神聖なる好意を受けられる。

角笛の響きThe Sounding Horn

悔悟者よ、あなたにステンダールの加護がありますように。人間の代弁者は重荷を背負っていますが、彼の慈悲は今でも称えられるべきです。角笛の響きに耳を傾け、高官の刃を見なさい。そして慈善の奉仕に参加するのです。これらは彼の贖罪のための表現です

ここでの礼拝を終えるにはこう唱えなさい。「ステンダールは3倍巧みである。私は彼の名のもとに角笛を響かせる。彼の盾がいつも私を害から守ってくれますように」

完璧への誓いThe Pledge of Perfection

巡礼者よ、星々の命を知れ:

すべてに完璧さを求めよ。自らの道を惑うな。日々を剣と共に過ごし、夜を盾と共に過ごせ。ためらわず、熱心に訓練に励め。完璧となれ。なぜなら偉大なことを成し遂げるには、鷹のごとき集中力が必要となる。完璧な戦士は、ためらうことなく敵を切り倒す武器である。

星々の命に従い、完璧であることを誓え。

顔なしThe Faceless

夜に彼が私の名前を呼ぶ。他のみんなは静かだ。

彼に仕え、彼のために犠牲を払う。その時だけは彼の声が止まる。でも、少しの間だ。

説得は簡単だ。彼らは欲望で動く。「一緒にヴァータセンへ行こう」私は囁く。「そこには宝物があって、勇敢な者を待っている。王の宝、古代のアイレイドの金持ちのものだ」2つ、3つ、さらに多くが湖、カタコンベに向かう私についてくる。ヴァータセンへ、ヴァータセンへ。だが私は戻る。

私は救われる。彼は部下に私を通すよう命じる。彼に与えた命のせいだ。熱い血を彼の祭壇に与える限り、私は生きる。だが、いつも何か足りない。

一緒にヴァータセンへ行こう。

奇妙で取りとめのないメモStrange Rambling Notes

だめだめだめ!これじゃだめだ。やり直さなきゃ。いずれは見つかるはずだ。分かっている。

銀の量が多過ぎるようだ。何かもう少し光らないものが必要だ。輝きが強過ぎて焦点を絞れない。

ああ、そうか、我ながら冴えてる!別に今まで知らなかったわけではないが。

いいぞいいぞ!彼らを感じ取れる。あの生物の賢い考えを。獲物をつけ狙う彼らを、つがいになる相手をめぐって争う彼らを。いずれ彼らを真に理解して、彼らの主になってやる!

困った。本当に困ったことになった。すべて順調だったのに。パックをつくり、そのリーダーとなって尊敬されていたのに、肉を切らしてしまった。彼らは今でも同様に敬ってくれているが、目の中に飢えがちらついている。

偽りの神への抵抗Against False Gods

偽りの神を怖れるな、まやかしの存在にすぎないのだから。
アーティファクトから奪った力など無価値だ。
言われたことを信じ込む家畜が崇めているにすぎない。
畏敬の念から従っているのではない。尊敬の念でもない。
恐怖心から従っているだけだ。語られぬままの真実を求めて。
しかしなぜだ?正しいからか?そうするよう望まれているからか?
この土地の人々は汚らわしい汚濁と欺瞞に浸かりきっている。堕落しきった自分自身に。
我々は彼らを救済する。汚された盲目の者達を。
あの神には彼らが信じる力はないということを明らかにする。
モールボーンがデイドラ公の真の姿を明らかにし、この土地を清めるために立ち上がる。
この虚偽にまみれた土地を浄化するために。
三大神よ、我らの怒りを感じたまえ。三大神が彼らの嘘から清められますように。
モールボーンが必ずや、報いを受けさせてやる。

吸血鬼とそのハンターVampires and their Hunters

吸血鬼狩りは精神的に不安定な人に向いている。普通の人が吸血鬼を追うと、ミイラ取りがミイラになるだけだ。

普通の人が十分に強くなく、ずる賢くないということではない(ほとんどはそうだが)。固執できないのだ。

吸血鬼は家族、愛、希望といったものを知らない。知っているのは食欲だけだ。よって吸血鬼ハンターは獲物の真似をしなければならない。愛、希望、家族や友の記憶を持っていてはいけない。目標の邪魔となるものは、無用として切り捨てるのだ。

吸血鬼ハンターは捕食者の捕食者に、また存在しないものとならなければならない。それができなければたちまち吸血鬼の獲物となるか、もしくは自分が狩ろうと探す怪物になるだろう。

強奪者のスカルについてOn Plunder Skulls

信心深き者たちよ、カラスの呼び声を聞きなさい。我らが最も神聖な祝日、魔女祭りがやって来ました!祝福されし闇が降り、月が空に満ちれば、祝賀の時がやってきます!

強奪者のスカルの準備はできていますか?無知なる者の心に恐怖と欲望を喚起するために、おぞましき宝を中に詰めましたか?この地で最も強力かつ恐るべき悪に配りましたか?よろしい。来たるべき祝賀の準備は完璧です!

祭りの間に強奪者のスカルが手に入れられるたび、結社の力と生命力は高まります。もし悪が倒れ、不吉な頭蓋骨の箱に隠した宝を冒険者が手にしたら?宝を求めて彼らがまき散らす混沌は、我々が手にする力に否みがたき甘美な味わいを加えるでしょう。

おお、信心深き者たちよ。忘れてはなりません。世界で最も凶悪な敵は、倒せば強奪者のスカルを落とすことを。冒険者たちは強奪者のスカルを手に入れるため、そうした敵を屠らねばなりません。そして彼らは敵に勝ち続けることができれば、所定の期間内にいくらでも入手できるのです。

強奪者のスカルはどれも、不気味にして有用な宝を中に含んでいます。もちろん、あなたたちがスカルを用意していれば。スカルには結社に所属していない者に欲望と不安を喚起するものであれば、錬金術の材料や料理のレシピ、釣り餌、家具など、何を入れてもいいことを覚えておきましょう。

中にはより希少で強力な、ドレモラの強奪者のスカルについて尋ねた者がいます。おお、信心深き者たちよ。あなたたちにそのような器を作れる技量はありません。こうした器にはドレモラ・モチーフの特定の章のセットが入っており、ドラゴンスターやメイルストローム・アリーナ、ダークアンカーやアビザルカイザー、洞窟やダンジョン、試練など、危険極まりない場所の上位の守り手に分配されています。器はタムリエルの荒野を放浪する最も危険な勇者や、危険な地下領域の王を倒すことでも入手できます。

おお、信心深き者たちよ。祝いましょう!混沌に浮かれ騒ぎ、強奪者のスカルが狩られ、集められることで、我々に与えられる力を深く味わうのです!

教団の演説Cult Screed

主は語った。その内容をここに伝えよう。

——気を緩めることなかれ。主の支配下の外で力を使うな。

——あの廃鉱山は完璧な隠れ家だ(良くやった、アサンド)。直ちに主に生贄を捧げよ。できれば溶岩だまりを活用してくれないか?

——主にはモラグ・バルに従事した功績に対する偉大な贈り物が約束されている。我々にも同様にその贈り物が与えられるようだ。備えるのだ。その日に向けて!

愚かなる孤立、パート1The Folly of Isolation, Part 1

第1幕、第1場

堂々とした主人公よりも博識だと信じている愚か者が、舞台の左に入る。彼の前には堂々としたハースオールドヘルムの姿がある。中では、エボンハート・パクトの残虐な3種族が待ち構えている。愚か者は大股で前進し、怒った湿地トカゲと凶暴な蛮族によって切り裂かれることは間違いない…

愚かなる孤立、パート3The Folly of Isolation, Part 3

第1幕、第4場

悩んでいる様子をしたハイエルフの女性が、本に囲まれてテーブルの席に座っている。視線は動かず、空中を見つめている。目の鋭い者なら、一方の口角からよだれが細い線となって流れているのに気付くだろう。彼女の前には、とても難解なルーンが刻まれた巨大な書物がある…

愚かなる孤立、パート6The Folly of Isolation, Part 6

第2幕、第2場

高貴なハイエルフが、集合した魔術師達を偉そうで軽蔑した目で見ている。

ラズム・ダー:女王様、この魔術師達は重要な情報を持って国境から出ていくと言っています。何でも…孤立を求めているそうで。

アイレン女王:本当に?忠義の意味を理解してないようね、この魔術師どもが!

愚かなる孤立、パート7The Folly of Isolation, Part 7

この場面では、伯父を殺す父を殺す母を英雄が殺す(隠された意味については下部を参照)。

愚かなる孤立、パート8The Folly of Isolation, Part 8

ここ第3幕では、カバナントについての演説がある。すなわち、デイドラ公がチーズの塊と一緒にいただくカバナントだ…

愚かなる孤立、最終パートThe Folly of Isolation, Part the Last

第4幕、第6場

高貴なハイエルフが、集合した魔術師達を偉そうで軽蔑した目で見ている。

ラズム・ダー:女王様、この魔術師達は重要な情報を持って国境から出ていくと言っています。何でも…孤立を求めているそうで。

アイレン女王:本当に?忠義の意味を理解してないようね、この魔術師どもが!

ラズム・ダー:それは前にどこかで聞いたような?

敬虔への誓いThe Pledge of Piety

巡礼者よ、星々の命を知れ:

星々を敬え。星々を崇拝し、畏敬の念を抱くことは正しいことである。人々の敵の上に落ちる刃はまず空に向かって掲げられなければならない。祈りと共に打撃を与えよ。祈る時は毅然とし、寛大な心を持って犠牲となれ。信心深く、星々の好意を受けた者だけが真の栄光を求められる。敬虔な戦士は責任感のある戦士であり、敬虔な心は最も暗い時も戦士を支えてくれるだろう。

星々の命に従い、敬虔であることを誓え。

警戒への誓いThe Pledge of Vigilance

巡礼者よ、星々の命を知れ:

眩しい日中も星々の祝福がある夜でも、常に警戒は怠るな。強大な壁の内にいても、人々はグレイメンや祖種ゴブリン、野獣などの脅威にさらされている。広間の中でも、人々は謀略や誤った助言により倒されることがある。戦士は常に周囲に目を配り、必要があれば行動に移らなければならない。警戒は戦士の聖堂を守る防壁である。

星々の命に従い、用心深くあることを誓え。

見習いの神The Apprentices’ God

悔悟者よ、聖なる指輪、シラベインの存在を喜びなさい。神々の妖術師の王、魔法の知恵の古代の源。スロードの破壊と前史の疫病に対して戦った神

ここでの礼拝を終えるにはこう唱えなさい。「見習いにより祝福され見習いにより褒め讃えられよ。妖術師の神と神聖な指輪を称えよ」

黒焦げのメモCharred Notes

あの愚かな魔女はすべてを私に捧げた。この哀れなオブリビオンの煩わしい鳥以外に誰かと交流したい、友人がほしいと言って、彼女は私が望む魔法をすべて与えてくれた。

ブラックフェザー宮廷の賢者が束縛魔法、デイドラの魔法のすべてを与えてくれた!彼女の持つすべてを!

彼女の価値には笑いが止まらなかった。あの荒れた塔に彼女を閉じ込めた時ほど喜びを感じたことは今までにない!どんな取引をしようとも彼女を解放するつもりはない。

すべては私の手に。この家を燃やし尽くして、あの魔女は死ぬまで塔に監禁する。

死ぬ時にWhen We Pass

父のことを悲しんではいけない。父は、祖父の元へ行ったのだから。

母のことを悲しんではいけない。母は、祖母の元へ行ったのだから。

自分を大切にしなさい。父や母が自分の親たちの元へ行ったように、自分もいつかは両親の元へ行くのだから。

子供たちを大切にしなさい。いつか彼らも自分の元へ来るのだから。

孫のために祈りなさい。いつか彼らも子供を持ち、その子たちも自分の元へ来るのだから。

いつか家に帰る、その固い決意を心に持って、毎日誇りを持って過ごしなさい。

いつか勇気の間に足を踏み入れ、遥かな浜辺の永遠の砂への道を見つけるだろう。

過去も未来も、これがトゥワッカに守られる全てのラ・ガーダのための道だ。

死霊術:大討論Necromancy: The Great Debate

よくもそんなことができるものだ?偽善者が!詐欺師が!魔術師ギルドに我が特別な魔術の実践を黒魔術と呼ぶ権利がどこにある?この貴重な古代の技を死の痛みに使うのを禁じる?ばかばかしい!理解しているのか?我々は死を操る!命令を下すのは我々であり、冷たき抱擁を恐れはしない!そう、歓迎する

愚かで怖がりな者たちだけが、その源が故に力を掴むのを拒む。我々は悪と呼ばれるが、分別があるだけだ。無責任だと言われるが、リスクと報酬の考えは理解している。恐怖と悲惨さを世界にもたらしていると言われるが…少なくとも、この点は同意できる。世界は我々を恐れるべきだ!死者の力を手に入れ、自らのものとしているがゆえに。魔術師ギルドの愚か者たちは召喚と変性で遊ばせておけ。我々は死霊術師であり、我々のマジカは抑圧も制約もできない。

アルケイン学界の広間で大規模な議論が起こっていると聞いている。いわゆる学者たちは死霊術の長所とリスクについて議論しているが、無知と恐れからそうしている。議論する必要はない。死霊術は力への唯一の真の道だ。これぞ我々の道だ。否定されることはない!

失われた聖体The Lost Communion

ヒストの前には何も存在しなかった。ヒストはすべてを意味し、すべてを与えた。

ジャラリートはこれを知っていた。すべてのアルゴニアンが生まれた時から本能的にこれを知っていた。それならなぜヒストは彼らに話しかけなかったのだろうか?古い物語にはヒストは人々に話しかけるとなかったか?

来る日も来る日も、ジャラリートは犠牲を払い、捧げ物を焼いた。彼は詠唱し、祈った。ほとんど何も食べず、ヒストと人々との古代の繋がりを取り戻すことに尽力した。

ある朝妻が、彼にちゃんと食事をとるように言った。「あなたがそれをどれほど望んでいようとも、ヒスト自体をもてなすことはできない」と彼女は静かに言葉を荒げた。

その言葉が思考に突き刺さり、彼の目は瞬いた。「ヒストの樹液だ!」と叫ぶと、愛を込めて自分の額を彼女の額にそっと合わせた。

ジャラリートは錬金術師ではないが、次から次に調合法を編み出していった。様々なイコルを蒸留すると、量を変えてヒストの樹液と混ぜ合わせ、それらすべてを試して調整を繰り返した。静寂を打ち破れとヒストが駆り立てているように感じられたのだ。

ついにジャラリートは最上の煎じ薬を作り上げた。それを口に含み、濃厚で甘い液体が舌を覆うのをゆっくりと味わった。いっぱいに伸びたヒストの大枝の下に静かに立つ彼の目には、悟りの輝きに満ちていた。

「私はあなたの子、従者である」と囁く彼に、ヒストはすべてを明らかにしたのである。

実験The Experiment

女王の宮廷の元の仲間が私の手中に墜ちた。実験は完全に新たな段階に到達した!私の行動にはわずかな復讐心も含まれているかもしれぬ。つまるところ私の失脚を企んだのは奴らだったのだから。仕方ない。

女王の会計官のラニターレは金に美を見出だしたが実際は地位への強い欲望を持っていた。賎しい身分の出だから当然かもしれぬ。安物の宝石の山をちらつかせるだけで彼女の仕事を操ることができた。

女王の使者であるヌーレテルは人と会話をできない人間だ。重大な公表の前後は何日も眠れなくなるともよく言っていた。居心地のいい故郷から遠く離れた雪に覆われた洞窟で、奴の深層の不安感を分離し結晶化させる。興味深い実験になるはずだ。

ミナンティルの不名誉への転落については何度も考えた。彼女の戦時中の英雄ぶりはよく記録されているが、彼女のキャリアを台無しにした敗北の経緯についてはよくわからない。そろそろ詳しく調べてもいい頃だ。彼女の怒りを爆発させればおもしろいことになるだろう。

旧友のメリオン。奴の弱点は肉欲だ。次は誰と寝たとかいう話をよくしていた。真の欲望に直面したとき、奴はどこまで突き進むのか?死ぬまでか?奴の欲望を完璧に具現化し、どこまで深く墜ちて行くのか見てやろう。

呪いと栄光Our Curse and Our Glory

ケルボラス・プリマス 著

最初に「変貌」に襲われたとき、私は怯え、荒れ狂った。そして何よりも自らの凶暴さに恐れをなした。私は材木置き場の中に変貌した自分を隠した。そこで私は材木越しに自らの運命を嘆いて吠え、自分以外のこの世のすべてを呪った。

それから季節が1つ過ぎゆく間、私は自らの病を食い止める方法を探した。錬金術師からひどい臭いの薬を、神秘師から魔力の込められた護符を買い、神々や半神、さらには悪魔に仕える司祭にさえ祝福を求めたが、まったく効果はなかった。私に恩恵をもたらすはずだったすべての人々の言葉に反して、「変貌」は引き続き起こるべき時に起こった。そしてむしろ、その勢いは回を追うごとに強まっていくように思えた。

最終的にその勢いは限度を超えた。私は殺し、それを繰り返した。まともな人々の間に留まるに値しない者となった私は、文明を棄てて逃げ出した。私は森に飛び込み、川を渡り、山に登り、自分が傷つけかねない罪もなき者から遠く離れた場所を目指した。友と言えば野蛮な獣しかいないその場所で、私は狩り、殺し、食いたいという衝動に屈服した。

だが悲しいことに、私は気づいてしまった。理性や魂を持たない獣達にも、心はあるのだ。彼らは恐れや苦痛や喪失感や悲しみを感じていた。その彼らを無下に殺すことは、人間やエルフを殺すのと変わらぬ罪なのだ。

それ以降、私は木の実や果物や、植物の芽や根、そして死んだばかりの動物を食べて生きるようになった。私にとっては簡単なことだった。「変貌」が起きている時の私の感覚は非常に鋭く、常にあらゆる種類の食料を見つけることができた。

それだけではない。飢えが満たされると、獣の姿のときは「生まれたまま」の体の中にいる時には気付かなかったようなものを見たり、聴いたり、嗅ぎ取ったりできることが分かった。私は自分が居を定めようとしている山の洞穴に住むすべての生物を感じ取ることができた。彼らの立てる一つ一つの音が聴こえ、それが小川の歌や木々の間を通り抜ける風の音楽に混じり合い、そのすべてがいつまでも続く素晴らしい交響曲となった。私は林間の空き地でうっとりと酔いしれて、時には何日もそのまま立ちつくしていたものだ。

普通の定命の者の姿に戻ると、私はムンダスの獣として経験したことを書き留めようとしたが、人間の言葉でそれを表現することはできなかった。それは私と同じものを感じ、私と同じように「変貌」のもたらす欲望を飼いならすようになる可能性を持つ者としか分かち合えないものだった。そしてその時私は自分に聖なる使命があることに気が付いた。自分の発見を分かち合うのだ。この災禍に見舞われた他の者達を見つけだし、彼らを私の洞穴に連れてくるのだ。そうすれば彼らに真実を教えることができる。彼らの災禍は、実は恵みであったのだと。我々が当初とても恐れていたこの変貌は、病ではなく贈り物なのだ。

それ以後この聖なる使命が私の目的となった。この目的がいつかこれからの世代に引き継がれてゆくのを見たいと願っている。ここで、正にこの私の小さなケルボルの洞穴の谷間で。

囚人の日記A Prisoner’s Journal

自分が誰でどこから来たのか思い出せない。私が何をしたというのかまったく分からないが、とにかく忌まわしい。なぜ私が偽りの塔で捕われなければならないんだろう。

今日は岩を壊した。かなりたくさんの岩を。100の岩だ。粉々にしなけりゃならなかった。大変な仕事だった。だがやってのけた。腕が痛くなり、手から血が出た。それでもまだ続けた。

今日はオグリムの拷問を受けた。小屋に連れていかれて閉じこめられ、鞭打たれた。痛みはあとからあとからやってきた。良き日、良き場所を思い出してやり過ごした。何かについて考えたが、思い出せない。太陽の下で消える霧をつかむようなものだ。何を話していたんだっけ?

今日は解体屋イフリツの話を聞いた。彼はおしゃべり好きだ。偽りの塔での生活がいかにすばらしいか話しつづける。彼の声なら一日中でも聞いていられる。心地いい。恐ろしい。泣きたくなる。どうして彼は私に怒鳴りつけるのをやめてくれない?

今日は何日だ?

虫だ。虫が私の体中を這い回ってる。目の中に、口の中に、払いのけても戻ってくる。しつこい。執拗だ。12。

今日は黄色だ。

拷問者のオグリムに礼を言った。彼がどれだけ私を気にしているか知らしめるために、1時間以上鞭打った。

頭蓋骨がかゆい。

なぜ岩が泣くんだ?ハンマーで叩く度に泣く。

私はどこかのギルドにいたのだと思う。だからここにいるんだ。何か黄色いことをしたに違いない。

集められた理論仮説The Collected Theory Hypothesis

(抜粋)

私は今、4番目のファリネスティの遺跡にいる。そして予想通り、夏、春、秋の遺跡の奴らと同じく、ここのファリネスティ信者達は、私をおかしな奴だと思ってる。だが理論を証明すれば考え直すだろう!ああ、そうするね。そして私の「無意味な」質問が「意味!」あるもの以外の何物でもなかったと分かるだろう。そうに違いない!

集合意識論は、タムリエルとその先で信仰の土台を揺るがすだろう。信じているし、分かってもいるし、証明もしてみせる!ただもう少し時間が必要なだけだ。

集合意識論は本当に簡単なことだ。信者達は彷徨う都市がいかに消えたのか、互いに延々と議論するが、皮肉なのは皆が正解で、そして不正解ってことだ!各々の深層意識には真実の種がある。種が降って、別の意識に降り立ち、ほどなくして大量の種の山となる!文字どおり真実のサイロ、すべての種は集められるのを待っている!サイロ理論だ!

今のところ、控えめに言ってもサイロの種の一部には興味を引かれている。もちろんすべて間違っているが、エルデンルートに帰り、もみがらの調査が可能になれば、収集の価値は十分あったことになるだろう。粉ひき場に使う穀物がより多く集まれば、種を精錬して知識の粉をひける。真実のパンはこんがり焼ける。生焼きの理論はごめんだ!

どこまで綴ったかな?

ああそうだ…ファリネスティ信者達の集合的な種の真実と偽りの真実には次のものが含まれる。

デイドラ干渉推測:ファリネスティは、デイドラ公か力の集合によって、忽然と消えた(投票では、クラヴィカス・ヴァイルがほぼ2対1でシェオゴラスをリードしている)。

マジカ転移式:魔法の攻撃または事故で、彷徨う都市は海底に送られた(漂流する都市?)。

月の反動仮定:彷徨う都市は、実は双子月(どちらの月かについては熱い議論がある)の一方の出自で、現在どちらかの月に向かっている(または到着済み)。

チキン不調和爆発:意外にも支持の多い説だが、合意を得られる詳細の発見には至らなかった。エルデンルートの蔵書庫でより詳しく調査する。

強情なメトロポリスト教義:彷徨う都市は最後の旅の途中に消えた。

天の窃盗仮定:未知の理由により盗賊の神、ラジーンが盗んだ。

時間反転仮説:彷徨う都市は時を遡る旅行を始めた。

時間跳躍原理:ファリネスティは未来へと跳躍し、将来我々が発見するために未来で待っている

加速不可視理論:ファリネスティはまだここにあるが、動きが速すぎて我々には知覚できない。

共通都会風定理:すべての街はファリネスティで、過去がそうだったように未来も常にそうである。

…インクはどこにいった?

祝福されざる聖堂The Unholy Temple

王は激怒している。我らの偉大な聖堂の建設は、数ヶ月前に完了した。すぐにデロディールの街に使者を派遣した。我々の力が宿る場所を、誰でも見られるようにした。異教徒でも巡礼ができる。少なくともマスターに頭を垂れることができる。

いわゆるデロディールの王からの返事が、今日届いた。尊大にも、我々の招待を断ってきた。彼は我々の聖堂を「哀れ」だと言い、職人やマスターをあざ笑った!

許せない!父が聖堂の中心部に入った。この侮辱を消し去るためマスターに助けを求める叫びで、ここからでも彼の怒りが伝わってくる!

父は激怒しているが、私は喜びに満たされている。この侮辱は、きっと戦争を呼ぶ。この無礼は死を呼ぶ。

たくさんの死を!

純真への誓いThe Pledge of Simplicity

巡礼者よ、星々の命を知れ:

純真を求め、世俗の快楽を慎め。獣のように汚れや泥に塗れるな。また金の家と祝福された赤石の家に住むなかれ。すべての事象に清潔と簡素さを求めよ。堕落した者の杯を分け合うなかれ。そして博打打ちのテーブルで食事することなかれ。簡素な刃は常に清潔で鋭くなければならない。質素な戦士は重荷を背負わない戦士であり、何が来ても対応できる者である。

星々の命に従い、純真であることを誓え。

焦げて、ほぼ判別不能の小片Burnt, Mostly Illegible Scrap

…なぜ主は我々を見捨てたのだろうか。この野卑な生き物が毎日襲ってくる。悪意の塊。彼らの金切り声が聞こえる。

主よ、慈悲を!我々に救いの手を!

上級公ライリスXII世の告白Manifesto of Kinlord Rilis XII

星霜の月5日

この耳に主の言葉が響いて聞こえない時があった。その時はわからなかったが、それは暗い時代だった。そんな時代に戻るということは、暗闇の人生に戻るようだろう。

今日、私に見て感じられるものがある。それはものすごく美しいもので、我が王国の他の誰もが知らぬものだ。少しの時間と小さな目的で、タムリエルの全民をひざまずかせる偉業を果たすことができる。

それであの愚かな貴族たちは、彼らの上級公である私がこの権力と全世界のすべての者を守る可能性を提示した時に、一体何をした?

あの愚か者めは、我が魔法を封印し、私を追放者の監房に閉じ込めたのだ。

上級公ライリスXII世の第二の告白2nd Manifesto of Kinlord Rilis XII

薄明の月12日

5、6人の衛兵が剣を私に突きつけてここへ降ろした時、彼らの目的を私は言い当てた。その衛兵らは、我が全人生において私を守ってきた護衛のメンバーで、私が余生を土の下で過ごすのを見ることになるはずだった。

我が青年期において最も親切だった世話人であるヴォルレインが、追放者の監房へと続くひと続きの長い階段を下りながら、私の肩に手をかけた。私は取り乱してかすかに震え、彼は私が恐れていると思ったのだ。

それは誤解だった。それは恐怖ではなく、私を襲った怒りだった。最後の階段を降りた時、背後に彼らの剣がまだかかった状態で、私は回転しその怒りを解き放った。

破壊の呪文を叫ぶ私の声でその悲鳴をかき消されたヴォルレインは、炎の雲に包まれてほぼ即座に死んだ。次の衛兵がヴォルレインの燃える死体を飛び越えたので、私は稲光一閃で彼の剣をそらせてその喉へと向け、そして武器は手際よく滑り込んで3人目の衛兵の胸へと突き刺さった。血がどれほど温かいかに私は茫然とした。私の手は突如それに覆われ、その心地よい液体に私は驚いたのだった。それはまるで、世界で最も上級なビロードの手袋をはめているようで、私はそれをとても楽しんだ。捕われの身になって初めて私は笑った。吠えた。

結局、第一隊を探すために彼らは新たな衛兵の分遣隊を派遣した。私はそれまで残る決意をしていた。少なくとも、あともう少しの間は。仲間の死体を見つけた時の彼らの顔を見たかったのだ。

上級公ライリスXII世の第三の告白3rd Manifesto of Kinlord Rilis XII

蒔種の月9日

私を捕えることを企てた貴族たちが、私を殺害させることを拒んでいる。なぜあいつらには任務を遂行する勇気がないのだ?家族と、家によって与えられた聖職から私を奪ったのに、このつまらない暮らしから私を解放することを拒否するだなんて。

私は奴らに頼んだ。ああ、どれだけ私が奴らに頼んだか。死を要求し、脅し、請うたか。

奴らは私のために何もしないだろう。そして苦しみの中で、私は本当に思われる唯一の人間になるのだ。今は主の声が絶え間なく聞こえ、彼が言うことのすべてを理解はできないが、彼が心底私のためを思っていることはわかっている。

それで彼の助言はって?私にもっと良くなって欲しいそうだ。より優れた上級公に。私は彼に教わり、彼を通して学んできた呪文で主への道が開かれるだろう。我が民が彼に会えるように、そして民がより良くなるように。

上級公ライリスXII世の第四の告白4th Manifesto of Kinlord Rilis XII

降霜の月22日

数十年が過ぎ、衛兵が新しい衛兵にとって代わり、そしてまもなく全衛兵が、私をここに拘束し続けるために魔法の訓練を受けた「番人」の新しい命令にとって代わられるだろう。私が何度も懇願した死はようやく訪れたが、貴族たちは知らねばなるまい。私は取引により、死によっていかなる影響も受けない。

しかし、私は何年も前のように、生きることに望みを失ってはいない。我が定命の体が消え去ると同時に、それを新たな姿で置き換えるべく、オブリビオンが浸透する。永遠の姿で。

アルトマーは劣等種族に比べ、長生きすると言われている。私はもうすぐ自分だけの種族になり、アルトマーより長く生きながらえるだろう。

主は私に、彼が作る新たなエルフの筆頭として完全になり、彼のいる場所で恩恵を受けられるよう、今からずっと後にこの牢獄から私を解放してくれると言っている。それは番人にとって、タムリエルの全ての民にとって罪を償う日となるであろう。

常に記録される書The Everscriven Tome

悔悟者よ、世界の秘密の知識にはガーディアンがいると知りなさい。あなたが日常で達成するすべての勝利、すべての静かなる成功の瞬間は、「見ている者」に記録されていると知りなさい。アルトマーの人々の跡を辿る命の偉大なる木は、神々の書記、ザルクセス自身により維持され、側におかれています

ここでの礼拝を終えるにはこう唱えなさい。「五と三により私は秘密の言葉を”見ている者”に話します。私の毎日が、彼の書に書かれる価値のあるものになりますように」

信者への呼びかけCall to the Faithful

月の光を崇める者たちよ!心して月の聖職者の言葉を聞くのだ。遺跡のいくつかが最古のたてがみの時代に戻っていることが、調査によって分かった。

— ジャ・ゼンジ・シーラ、もしくは「ジョーデの光」:近代的な街、スレン・ジャの北

— ゼンリリ砦、トパル湾の結び目の真ん中近く

— シャーサナス・ポイント、ザイロ川の河口

これらの場所が月光と共に再び歌うことを我々は望んでいる。不屈の心と強い体を持つ者は、これらの遺跡を知り、自分に何ができるかを理解せよ。きっといつの日か、月の信仰の広間で信者がお前の名を叫ぶだろう!

我らの上には輝く月がある!

神聖な場所Sacred Places

あちこちに行く者 著

私たちの意に反してダークエルフの中で過ごしていた時期に、母がこの詩を私に囁いた

「景色から隠れて
露にふれないで
神聖な場所が待っている」

私たちアルゴニアンはダンマーが来る前の時代からあまり持っていなかった。石の遺物、崩れるザンミーア、それからヒストへの直感的な信頼。ブラック・マーシュに戻ってから、私はこの神聖な場所を探してきた。私たちの価値ある過去がもっと分かることを願って

私は母をストームホールドへ連れていった。ずっと前に母が孵ったところだ。両親のヒストへ戻るとわかり、母さんは喜んで大きく息を吸い込んだ。母の命が静かに消えていく間、私は側にいた

「あの歌を覚えてる?」夕暮れまでに先祖と合流するとはっきりわかって、母に訊いた。「景色から隠れて…?」

「ええ」弱々しい声だった。「私の母さんも歌ってくれた。娘や、あなたは見つけるわ。あなただって」

「私だって?」

「私たちの過去を見つけて、利益のために売る者だって」母さんはかすれた声で責めるように言った。私は目を逸らしたが母さんは続けた。「ヒストは私たちの宝なの、そして売ったり買ったりできないものなの」

その意味に私は衝撃を受け、すぐさま怒りと恥ずかしさを感じた

人々はどこにいるWHERE ARE THE PEOPLE

人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる人々はどこにいる

生ける肉体The Living Flesh

私の創造物に命が宿っている!動き、もぎ取り、引きちぎっている。まだ若く血に飢えているのだ。だがこれにより、死霊術には非常に興味深い新たな流れが生まれるだろう。これが死霊術であればの話だが。ああ、死霊術だと言っておこう。

人々の悲鳴や叫び声に邪魔されそうになったこともある。だが彼らの犠牲と苦しみ、彼らの濃厚で温かな血…何であれ、自分の創造物に命を与えるのが苦になることなどあろうか?彼らは死んでいない。真の意味では。私の創造物が生きている間は。ある意味彼らも生き続けているのだ。気遣い哀れむ段階はとっくに過ぎた。

理解者はほとんどいないが、私ほどの力を持つ者もいない。彼らはドゥームクラッグの脈打つ心臓を見たことがないのだ。彼らはすべてを危険に晒して、自分たちの中に存在するあの力を手にしようとはしなかった。哀れな連中だ。苦痛や恐怖を味わい、肉体を引き裂かれたからではない。私は彼らの人生の退屈さを、彼らの無力さと狭量さを哀れに思うのだ。

この創造物を私の吸血鬼達の元に残していこう。彼らならその面倒を見、育て、凶暴な連中の肉体を餌として与えられる。生き残った連中の肉体でもいい。もし生存者がいればだが。あの創造物がより強く、より大きく育ったら、リベンスパイアーに放つこともできる。その間に私はあんな創造物をもっと作り、生ける肉体の軍隊を作ろう!

反乱を起こす愚か者たちには、我が創造物の栄光のためにその身を捧げさせておけばいい!誰もが私の名を知るだろう。モンクレアやルレラヤですら、私が何を創造し、何を成し得るかを知るはずだ。連中には私の力をもって、他に何を成し遂げられるか思案させておけばいい。彼らの日々のつまらぬ心配事など、私にはどうでもいい。

——リーザル・ジョル

聖ペリンの苦難The Martyrdom of Saint Pelin

女司祭アディー・ロドー 著

ようこそ、若き皆さん!年に一度の子供向けの訓話の題材として「聖ペリンの苦難」を選びました。おそらく皆さんは既にこの物語をご存知だと思いますが、この苦難の時に先人の物語を改めて辿ることは、力や教訓を得ることになるかも知れません。有意義ではないかと思うのです。

さて、聖ペリンが生きていたのは第一紀の初め頃、世界が今よりもっと奇妙だった時代のことです。当時のタムリエルは大半が手つかずの荒野で、私達の祖先はたくましく勇敢であらねばなりませんでした。なぜなら森や山は、牛人間やケンタウルス、火を吐く大蛇といったものの住処だったからです。

もちろん、聖ぺリンも初めから聖人だったわけではありません。彼はごく普通の男性で、バンコライ駐屯地にあるステンダールの礼拝堂で、典礼係として防壁を護る兵士達の宗教的な必要に応えていたのです。彼には他にも仕事がありました。たとえば日が高く昇ったら哨戒兵達に水を届けるといったことです。ある日バケツとひしゃくを手に歩き回っていた彼は、普段より衛兵の数が増えていることに気が付きました。正門に立ち寄った彼は、友人であるクランシー軍曹にその理由を尋ねました。「グレイホストがやって来るからさ」とクランシーは答えました。「ヴァーカースの恐ろしい吸血鬼の軍隊だ。少なからず心配しているよ」

「何てことだ!」とぺリンは言いました。「あなたや他の兵士達のために、何かできることはありませんか?」

「我々のために祈ってくれ」とクランシーは言いました。「大きな試練が迫っているんだ」

クランシー軍曹の言葉に、ペリンは不安になりました。そこで彼は自分の仕事が済むと、高い塔の上に登って南の方を見ました。そこには砂漠から出てくるグレイホストの姿がありました。コウモリ人間や、狼や、もっと悪いものが勢ぞろいした軍隊です!

そこでペリンは祈るために礼拝堂へ戻りました。そして戦いの音を聞きながら、ステンダールやアカトシュ、ジュリアノスやキナレス、そしてすべての聖人達に祈り、助けを求めました。

ところがそのうち人々が礼拝堂に入ってきて、ベッドやテーブルを配置し、負傷した兵士達を手当てや手術のために中に運び込み始めました。「典礼係、こっちへ来て手伝ってくれ」と医師が叫びました。「今我々に必要なのはあなたの祈りではなく、腕力だ」

やって来て負傷兵達を見たペリンは、彼らの顔色が驚くほど悪いことに気が付きました。「彼らに何があったのです?」と彼は尋ねました。「この兵士達はベッドのシーツのように真っ白だ」

「コウモリ人間さ」と医師は答えました。「彼らは兵士達にかみつくとその血をぐいぐいと飲み干して、すっかり血の気が失せて空っぽになった彼らを残していくんだ」

「ぞっとする!」ペリンは叫びました。「先生がおっしゃるとおりだ。今は祈りだけでは足りない。ステンダールも「最も激しく戦う者の祈りは最も大きい」と言っています。私は戦いの道も医の道も知らないが、ステンダールが成すべきことを示してくれると信じ、戦いに行きます」

そうしてペリンは大門の上で行われていた戦いに駆けつけました。そこで彼は友人のクランシー軍曹がコウモリ人間と戦っているのを見つけました。吸血鬼はその翼で軍曹を出し抜き、彼を捕まえてかみつこうとしていましたが、ペリンがその足を捕まえたので、クランシーは剣でそれを仕留めることができました。

「ここはあなたのいるところではない!」と軍曹は叫びました。「コウモリ人間どもは門のところまで来てる。今に門を突破して、駐屯地に襲いかかってくるぞ!」

下を見下ろしたペリンは軍曹の言葉が真実であることを悟りました。コウモリ人間の大群が門に突進しており、扉は内側に膨れ上がっていました。ペリンは叫びました。「何も打つ手はないのか?」

「ここにある石壁が飛散した石で崩れかけてる」と軍曹が言いました。「これを押してコウモリ人間どもの上に落とせるだけの兵士を集められたらと思っていたんだが。ほら、増援部隊が来るだろう!だが、彼らが到着する前に、グレイホストに門を突破されそうだ」

「では私が彼らを足止めしなくては」とペリンは言いました。そして胸壁から吸血鬼の大群の上に身を躍らせたのです。

コウモリ人間の翼がペリンの墜落を遮り、ペリンは彼らの真ん中に無傷で生きたまま降り立ちました。「吸血鬼達よ!」とペリンは叫びました。「門に向かって急ぐのはやめよ。お前達が欲しいものはここにある。丈夫でたくましく、新鮮で温かな血に満ちた体だ。捕まえて飲むがいい!」

するとグレイホストは一斉に振り向き、ペリンの上に雪崩れかかると、彼の血管に食らいつきました。ペリンは自分が収穫祭のワイン袋のように崩れ落ちるのを感じました。そして軍曹が十分な数の兵士を集める前に、自分がすっかり飲み干されてしまうであろうことを悟りました。そこで彼はこう口に出して強く祈ったのです。「おおステンダールよ、正義を司る神よ、私の体を血の海で満たしてください。私があと数分だけこの悪魔どもを欺き、門から遠ざけることができるように!」

するとペリンは血が新たに体に満ち、そこから文字どおり噴水となって流れ出るのを感じました。その聖なる血の泉は目に見える範囲のすべての吸血鬼を、門の前の給餌場所に引き寄せました。

その間、クランシー軍曹と彼の友人達は上の壁を押していました。大きな石は突然凄まじい音を立てて落ちました。コウモリ人間達はほぼ全員が死に、生き残った者達が落ち着きを取り戻した頃には、後を追ってきた女帝ヘストラの軍勢が彼らに襲いかかろうとしていました。そしてそれがグレイホストの最後となったのです。

こうしてバンコライ駐屯地の典礼係は聖人となりました。さて子供達よ、質問があります。私達の時代は聖ペリンの時代と似ていませんか?私達の門に再び迫りくる軍勢はありませんか?ええ、そのとおり。だからこそ私達の指導者は、私達にそれぞれできる範囲で、私達の土地を守ることを求めているのです。中には命を投げ出さねばならない者もいるかも知れない。

ですから、その時が来たら自分に言い聞かせて下さい。あなたにも成すべきことを成す強さがあるのだと。なぜなら私は思うのです。必要があれば、私達は皆、普通の男性であったペリンのように強くなれると。そう思いませんか?

聖人の生涯Lives of the Saints

トリビュナル聖堂 著

賢く生きたいのであれば、聖人の生涯を模範としなさい。

勇気を学びたいのであれば、戦士と政治家の守護聖人である聖指導者ネレヴァルを模範としなさい。ネレヴァル王は野蛮なダンマーの部族がまとまって大国となるのに力を貸し、レッドマウンテンの戦いでダンマーを率いて、邪悪なドゥエマーや裏切り者のダゴス家を相手に戦い、勝利の殉死を遂げた。

大胆さを学びたいのであれば、追放者と求道者の守護聖人である巡礼者聖ヴェロスを模範としなさい。預言者で神秘主義者の聖ヴェロスは、サマーセット諸島の退廃的な故国からダンマーを連れ出し、約束の地モロウウィンドへと導いた。また聖ヴェロスは善のデイドラと悪のデイドラの違いを説き、彼が率いる人々のために善のデイドラの支援を勝ち取り、それと同時に、悪のデイドラとの交渉を慎重に進める方法を人々に教えた。

寛大さを学びたいのであれば、巡礼者と物乞いの守護聖人である裸足の聖リルムズを模範としなさい。聖リルムズは貧しい者たちとより良く通じ合うため、彼女の靴を譲り、物乞いの姿で現れた。

自尊心と他人を敬う心を学びたいのであれば、皮なめし職人と鉱山労働者の守護聖人である悔悟者聖アラロールを模範としなさい。卑劣な罪人だった彼は罪を悔い改め、ひざまずいたまま長い巡礼の旅をして各地を巡った。

慈悲とその報いについて学びたいのであれば、醸造者、パン職人、酒造家の守護聖人である慈悲深き聖セリンを模範としなさい。純粋な処女で慎み深い彼女は、相手の病を自ら引き受けることによって、あらゆる病気を治すことができた。強い意志を持ち、何も恐れない彼女は、他人の重荷を引き受け、名誉ある老齢に達するまでその重荷を背負い続けた。

熱い正義を学びたいのであれば、肉屋と魚屋の守護聖人である勇敢な聖フェルムスを模範としなさい。この勇ましい武将はノルドの侵略者たちを圧倒し、我々の地から駆逐した。読み書きができなかった彼は啓示をアルムシヴィの口から直に得ていた。

法の支配と正義について学びたいのであれば、雑貨商と売り子の守護聖人である公正なる聖オルムスを模範としなさい。オーディネーターの創設者である聖オルムスは、検証、試練、反省の基本原則を考案し、まとめ上げた。

博愛心を学びたいのであれば、陶器職人とガラス職人の守護聖人である賢者聖デリンを模範としなさい。インドリル家の長であり、腕の立つ法律家だった聖デリンは、トリビュナルの法と習わしに関する学術的な論文をいくつも執筆した。

平和への愛情を学びたいのであれば、農民と労働者の守護聖人である調停者聖メリスを模範としなさい。少女の頃に聖メリスは治癒の才能を示し、治癒師としての訓練を受けた。白いローブ姿で戦場に現れ、敵味方の関係なしに戦士や呪文師を治癒して、長く続いた忌まわしい名家の戦争を彼女は終わらせた。全名家の部隊が彼女に倣って白いローブを身につけ、同胞の流血を拒んだのである。

崇敬の念を学びたいのであれば、仕立屋と染物屋の守護聖人である敬けんな聖ロシスを模範とすべきだ。トリビュナルの仲間として現代に生きる彼はトリビュナル聖堂で最も愛されるアルマ・ルーラであり、新聖堂信仰の中心となる儀式と原理を形作った。聖ロシスは、神々と信心深い典型的な司祭とを結ぶ、象徴的な生ける架け橋である。

戦士の刀剣The Warrior’s Blade

悔悟者よ、トリニマクの刀剣は常に味方です。略奪者、侵略者に対抗し我らの民を導き、戦場のさなかに助け、救ってくださいます。あなたの一歩ごと、行いごとに活力を与えてくださるでしょう

ここでの礼拝を終えるにはこう唱えなさい。「天空と不動の中心により、我が民を守ることを誓います。トリニマクの刀剣により私は誓い、助力を求めます」

前進宣言The Manifesto of Make Way

存続と繁栄のため、扇動の渦をかき立てねばならない!

我らが意志の、最後にして撤回不可能な声明である!

これのみが我らヨクダの後裔を真の意味で是正する。つまり、我々の心の中に蔓延している弱さを改善するのだ!

弱さに苦しみ忠誠を拒む者と、拒ませる者にはそれがふさわしい!

前進せよ!前進せよ!前進せよ!

誰が本当の黒幕なのか?Who Is REALLY In Charge?

真理の探究者ブルガギクフ

タムリエルのすべての大都市の下には秘密のカタコンベが存在する。そこで活動している上級魔術師の陰謀団が、タムリエル全土の支配を目論む一環として、いわゆる「次元融合」を発明したという決定的な証拠を私は入手した。

「モラグ・バル」は神話、すなわち精巧に作られた物語の中にしか存在しない。実は「ダークアンカー」とは、この陰謀団が建造して世界中に設置した洗脳装置にすぎないのだ。装置には絶対近づかないように。近づくとありとあらゆる種類の悪魔と怪物の幻想を見せられる。そして自分が持っている剣の上に倒れて自殺する可能性が高い。

同盟の指導者3名は全員この陰謀団の存在を知っている。そして支援している。というより、彼らは陰謀団の現役メンバーなのだ。騙されてはいけない。

奪われし者に捧げる歌An Ode to the Disenfranchised

我らは常に王冠を追う、
我らが守る契約のために。
我らの馬はここに倒れ、
軍は最後を迎える。

次は頭を使おう、
そして地図を血の赤に染めよう。

奪われし者よ

忠実への誓いThe Pledge of Obedience

巡礼者よ、星々の命を知れ:

王や聖職者には忠実であれ。責務は明るい気質を持つ者に従い、暗い気質を持つ者に背くことではない。善き王が暗愚な王以上に忠義を受ける権利はない。司祭と王は共に星々の声を表す者達である。熟していないイチジクのごとく渋く、切石されていない石のように硬い者であっても、彼らには従わなければならない。忠実さは戦士の鎧であり、鎧は強い。

星々の命に従い、忠実であることを誓え。

徴発令Requisition Order

ネリエンエス。書き言葉というものは私が好む意思の伝達方法だ。君は苦痛を感じるだろう。なぜなら私がそうしろと言うから。君の手助けのためにここを離れたくはない。決して完成しない仕事が魂の責め苦であるように。

君はタムリエルに存在するつまらない魔術師だが、あの囁きの女は彼女の黒い縁に対する君の強化に感心していたぞ。彼女は君を信用していた者達の死に驚いていた。君を愛した者の死に微笑んでいた。君の手の中で刀剣は大いに満足したし、それで囁きの女は喜んだ。それゆえ、私はすぐにでも君に滞在を許可する。

私と共に行く傭兵達は恩恵をもたらす者に忠誠を誓わない。そして君には何一つとして誓わない。彼らの義務のための助力は間違いを犯し、君は私の地下室へと続く道、またはもっとひどい場所へと続く道にいる自身を見出すだろう。率直に言って、君の黒い縁の使い方は君を見込み以上の事柄に巻き込んでいる。君が何を求めていようと、救済は君を越えたところにある。

とはいえ、合意した通り、私は君が学校で作った繰り抜かれた残骸から拷問の器具を作り上げる。私は君の妻のそれぞれの部位に合わせ、3つの聖句箱を作った。到着した時に渡そう。私の設計の下で、君の学校は墓地となるだろう。そこから、君の妻と君の生徒は決して逃げ出すことはできない。死んでいれば良かったと強く願うだろう。君からはるか遠くにある、通常の死を。

これにそれだけの価値があるといいが

-ドゥゼイル

鳥の天敵とは?What Eats Birds?

いまいましい鳥たち。決してつかの間の平和ではない。どこを見ても鳥がいる!くちばしに笑みを見せる大きなカモメ。青い羽根の小さな生物がハエを目がけて飛ぶ。決して沈黙はない。いや、全く静けさがない

何が鳥を食べる?猫か。だが、鳥よりましではない。いつも身づくろいしている。小さな爪の小さな友。いつも魚を盗むのだ!

どこへ行けばいい?この島は猫だらけだ。猫人間!猫である人間。バカにされると思うか?鳥に勝てる!

荒野に行った方がましだ。安全な場所を見つけよう。地下かもしれない。猫も鳥もいない!暗闇だけだ。暗闇と寒さ、魚のように

怒りの憤怒Angry Angry

どれだけの間、ここに捕らわれているのだろう?

日々、心が弱っていくのを感じる

いつもこんなにも怒っている…できない…

篤信者の祈りPrayer of the Resolute

慈愛の神、ステンダールの名に祝福あれ

神は知恵と祝福で篤信者を強め一つにしてくださる

神は昼に我らの力を強めるため剣と盾とで鍛え、夜に魂を強めるためその名の元祈るよう求める

神は卑しい召使である我らに情けをかけ、慈愛を与えてくださる

神の真実の聖なる光は闇の力を取り除き、デイドラの悪鬼に正義の雨を降り注ぐ

栄光が永遠に、彼の元にありますよう

博物館ギルドの手紙Museum Guild Letter

マティアスへ

たった今、最高に素晴らしい語を聞いたわ。前に話したグループに関係するものよ。博物館のことを覚えてる?ついにその何人かと話ができたの。で、何を教えてくれたと思う?もうね、ほとんど信じられないような話よ!

彼らはちょうど冒険を終えたところだったの。その中のヴォルクリンってウッドエルフが罠や獣、それから海賊の財宝でいっぱいの隠された洞窟から戻ったところだって教えてくれたの!彼と同郷のノルド、フラーガルが巨大な戦棍から酸っぱい臭いのスライムを拭き取りながら、「今度はもっと毒のカビに気を付けるんだな」ってぶっきらぼうに注意してたわ。

メンバーのダークエルフの付呪師ナライスが、私が潜んでいることに気づいてこっちに来いって身振りで呼んでくれて。彼女はナイニエルと呼ばれてるブレトンの魔術師と、魔法の小物の比べ合いをしてたの。このブレトンは呪文の柔らかな側面、治癒とかそういうのに興味があるんだってピンときたけど、それを聞く勇気はなかったわね。

ナライスがその謎めいた海賊の洞窟について話し始めたところで、ラアジーラってカジートがにじり寄ってきた。彼女は巨大なマッドクラブと超大型のサラマンダーに関する突拍子もない話をしてくれたわ!ナイニエルが笑いながら頭を振って、この話の公式な見解を聞きたいならリーダーのイニーリンウェと話すようにって勧めてくれたの。

私は最近サマーセットに行ってないんだけど、イニーリンウェはハイエルフのやり方を身に付けてた。間違いなく貴族よ。彼女はキャプテン・サラマンダーっていう古代のハイエルフ私掠船の船長を探して、出掛けたことを教えてくれた。どうも彼はハルキンドだったらしい、姿が違うから追放されたハイエルフのこと、だっけ。とにかく、このサラマンダーという人は忠実な船員を集めて、自分のサンセット号でアビシアン中を航海して戦利品を奪い、サラマンダーを放って敵のガレー船に火をつけたんですって。信じられる?

黄金や宝石は別にすると、彼の最も素晴らしい財宝はカリアンよ。ハイエルフが誰にも見られていないと思う時に枕の下へ隠しておく、あのガラス玉のことは知ってるでしょ?ハルキンドであるサラマンダーは自分のカリアンを持っていなかった。だから、とある尊大な貴族から盗んだのよ!イニーリンウェによれば、そのカリアンだけで行く価値があったらしいわ。

でも全てがうまくいったわけじゃない。船から略奪するには、サラマンダーの幽霊と対峙しなきゃならなかったの。どうやって復讐心に燃えた幽霊を撃退したのか分からないけど、みんな無事に逃げおおせたそうよ。全員が真の英雄なのね!

博物館のメンバーと会ったことは一生忘れられない経験になったわ。加入できるか試してみようかな。黄金があれば助かるし。それに巨大マッドクラブはぜひ見てみたいわ!

あなたの姉妹
ロマーナ

猫人間における月の崇拝Moon Worship among the Cat-Men

シランティレ 著

カジートの住居に足を踏み入れると、それが北方の崩れかかった野営地であれ、南方の簡素な街であれ、そこには双子月の聖堂が見られる。そして、いつでもそれが一番大きい建物である。長持ちするように作られ、その地方で最も良質な素材が用いられているこの崇拝の場は、カジート社会の中心である。猫人間たちは神々を優れたものとみなしてはいるが(彼らの聖域は我々の八大神を低俗化したものに祈りを捧げている)、彼らは月のラティス、あるいはマッサーとセクンダの運動があらゆる幸運と運命、そして偶然を左右すると信じている。ヴェヌスティニウス・パーキティヌスが「混合的異端」と名づけた信仰である。

カジートの教義で、月は神聖なものであり、ムーンシュガーの吸収によって猫人間の身体に命を吹き込んだとして崇められている。ムーンシュガーとは聖なる原料であり、精製すれば幻覚性の密輸品にもなる。これは料理にも儀式的用途にも使われるが、これを蒸留してスクゥーマという、悪質かつ違法な催眠薬を作ることも容易である。このような野放しの錯乱は、こうしたものの接種を取り締まる月の司祭という階級によって監視されているようであるが、この階級はカジートの儀式においても一定の役割を担っている。この聖職は主に公共事業の運営や堕落した信者の取り締まり、そして神学上の問題の決定に関わっている。膠着状態に陥った場合、問題はたてがみその人によって解決を見る。

月のラティスの絶対的支配者であるたてがみは、クランの族長とエルスウェアの王を除けばカジートの中で最も有力な存在である。我々の南部国境にいずれ敵対行動が起こった場合、彼らは賄賂か腐敗、排除の対象となる重要人物になると思われる。それ以上に興味深いのはたてがみの継承の儀式である。現在の者が力尽きると、聖なる儀式がその後継者を決める。月の使者が任命を受けて志望者たちを導き、カジートの文書に記された、双子月の表面への雄大にして危険な冒険へと向かわせる。そして生きて帰ってきた、ただ1人の候補者が新たなたてがみに選ばれる。

寝転がる猫が宇宙を旅して我々の月に到達するなどとは、馬鹿げた思い込みである。ヴェヌスティニウス・パーキティヌスはこれを「吐き気のするたわごと」と名づけており、至当である。

父なる螺旋Coils of the Father

悔悟者よ、私たち皆の父、万物のアヌの魂に感謝を捧げ讃えなさい。鱗と牙と創造主の炎が私たち皆をいつも包んでいます

ここでの礼拝を終えるにはこう唱えなさい。「不動の中心と我らの生における神の手により、私たちは皆、無事でいられます。アーリエルは神の安定を私に許してくださっています。常に私の味方でいてください」

不屈のバナナの物語A Tale of the Dauntless Bananas

フェアユール城は南シロディールの広大な緑野と路地にまたがって立っている。砦自体は無骨で厳めしく、挑戦する者に威圧感を与える存在である。だがその威圧感も、砦を守る者たちの勇敢な尽力があってこそ生まれる。

そうした尽力についての記録の中で、歴史家である私が注目に値すると考えるものがある。広く伝えられてはいないが、この物語の英雄たちは他の誰にも劣らず賞賛に値する。彼らは苦難を乗り越えて戦いを制し、多くの者の協力の末に勝利を獲得した。

名前を聞いたことがあるかもしれない。このギルドは不屈のバナナと名乗っている。このギルドのメンバーは多くの偉業を成し遂げているが、フェアユール城事件が私には最も興味深い。ここでは、彼らの英雄的行為が啓発することを願って、事件について私が知っていることを記録しよう。

敵の数は膨大だった。しかし不屈のバナナはこの襲撃に十分備えていた。フェアユール城のような場所の防衛は、ただ矢を放って敵の波を押し返すだけではない。成功には戦略に劣らずチームワークが必要である。このギルドはその点で抜きんでていたが、これは彼らの厳格な訓練方式によってしか説明がつかないと思われる。メンバーは新入りもベテランもお互いから積極的に学び、ほとんど完璧に息を合わせて協力する。

今回の場合、不屈のバナナの方式は才能あるヴォッサ・サトル奏者が奏でる音のように調和していた。彼らは一体になって動き、互いの行動を巧みに察知して、見事に攻囲を乗り切った。

戦いが長引くと、内部の防衛にあたっていた者たちは投石器の発射と仲間の治療を分担した。人員不足は限界を超えていたにもかかわらず、彼らは敵が地平線に沿ってシミのように集結する間、内側の門を閉じることに成功した。

どの記録を見ても、楽な戦いではなかった。いつ終わるとも分からない中で、敵勢力は何度も城に突入してきたが、不屈のバナナはそれを押し返した。メリディアの先遣隊など他の勢力も援護に駆け付けたが、それでも敵が不屈のバナナを制圧する危険は消えなかった。

彼らは疲れを知らず勇敢に、並ぶもののない献身をもって戦った。ついに恐れを知らぬ英雄たちの同盟は黄金の鷹の旗の下、勝利を手にした。フェアユール城は全ての予想を裏切って守られた。

「我らはファレギルの壁に共に立ち、バナナは恐れを知らぬ呼び声の下に集まる。
東から西へ、レイレスからキングズクレストまで、我らは旗を運ぶ。
バナナよ集まれ、戦いへと赴くのだ!」

変容せし者The Changed Ones

ニルンをさまよえる原初の神々の中では、トリニマクが最強であった。トリニマクは長きに渡りアルドメリを騙し続け、大いなる断裂への最良の対処は涙を流すことだと思い込ませていた。アルドメリは泣き、先祖たちの名誉を汚した。とりわけアルトマーの女性が目に余った。悪あがきの一環として不在の神の名を乱用し、その語りに疑問を投げかけた。それである時、早熟な若者であった策略の公ボエシアがトリニマクを騙し、口の中に入るように仕向けた。ボエシアはその後しばらくトリニマクのごとくしゃべり、耳を貸す者を十分に集めた。ボエシアは原初の神々であるエドラの虚言を暴いて見せ、トリニマクが最大のうそつきなのだと彼らに伝えた。それもすべて、トリニマクの声のままで!ボエシアは集まった群衆に三つの角の真実を伝えた。そしてメファーラと共に、サイジックの企ての戒律を伝えた。家の作り方と、その角に埋めるべき物について教えた。肌の正しい見せ方の模範を見せもした。大いなる旅を実現させるための歩き方も教えた。そしてボエシアはトリニマクの口から出て地面に降り立ち、自分の発した言葉がすべて真実であることを証明した。これにより、彼の新たな民は容易に変容せし者となった。

冒涜的なレブナントBlasphemous Revenants

…この世界に入るのでも、出るのでもなく、しかし世界の狭間で、血と忠義により、暖炉と墓を固守する。招かれずに来たとしても、一族も対する愛か義務に対する信条によるものであれば、不浄ではない。それはクランを守るための先人たちの応答、決して眠らぬ者たちの目覚め、暖炉と家により束縛された者たちが奉仕するための召喚である。

しかし、ソーサラーの手によるのであれば、そのような召喚は冒涜であり、部族や聖堂にとって忌まわしいものであり、長い間燃やしても清められない、大きすぎる罪となる。ソーサラーの接近を認めてはならない。父の骨と墓の亡骸を盗みに来たのだから。あなたのものを当然のように力で拘束し、友好的な霊魂をあの世から引きずり出し、奴隷や獣のように奉仕させようとしている。

死者の不名誉を誰が知ることができようか?死霊術師の奴隷の休みない泣き声を?暖炉と一族への愛情ゆえに先人が奉仕するというのも十分残酷だ。しかし、幽霊であれガーディアンであれ、歩く骨であれ骨の貴族であれ、冒涜的な儀式で召喚され、死体を発掘した者の意志に力で拘束されているこのような霊魂は、休息を得られるのだろうか?どうすれば血とクランに戻る方法を見つけられるのだろうか?

暖炉と一族に血で拘束され、聖堂への誓約と奉仕に拘束された高潔なダンマーだけが、ダンマーの死者の霊魂を呼ぶことができる。土地を侵略してきた異種族のソーサラーが、墓から盗むのを許し、一族の霊魂を魔法で奴隷にし、死者の生活を生者の土地と同じように盗むのを許すべきか?だめだ、だめだ、だめだ。3回言うだけでは足りない。そのような死霊術師は死ぬべきであり、彼らの冒涜的な魔法も共に滅びるべきなのだ

さらに、アンデッドたちの隠れた主であり、死霊術師の傲慢な公子である、西の棲み処から這い出て来た古代の吸血鬼の悪魔どもが冒涜的なデイドラの祠、捨てられたダンマーの砦、あるいは憎いドゥエマーの崩れた地下の迷宮に隠れ家を求めるのを許せるだろうか?名家と聖堂は長い間、吸血鬼の穢れがないようこの地を守ってきたが、今ではアンデッドの貴族と卑しい家畜たちが戻って来た。このような吸血鬼は滅びるべきであり、腐敗した家畜も一緒に滅び、血の穢れも火と杭により永遠に消されるべきだ

紡ぎ手の話Tales of the Spinners

アルトマーの旅行ガイドより抜粋

ボズマー社会の紡ぎ手は重要な役割を果たす。ただの不思議な話の語り手、カタルシスの源だけではなく、紡ぎ手は神秘的な司祭の機能を持つ。

イフレが話をすることによってこの世界を作ったように、ボズマーの紡ぎ手は彼らの話から新しい世界を紡ぎだし、聞き手に現実と思わせるため、時には幻想を作り出す、話の中の登場人物として織り成された。

これらの魔法の話の中で、紡ぎ手は聞き手に深い影響を与える。よそ者を協調させ、敵を憎み、苦しむものに慈悲を与える。

もちろん、完全な幻想を作り出せる紡ぎ手というのは稀で、変人が多い。それでも、典型的なボズマーの紡ぎ手は、比類なき才能をもつ語り部である。

名家のモットー(注釈付き)Great House Mottos (Annotated)

ヴィリン・ジリス(ソーサ・シルの個人書記) 著

息子よ、簡単な事実さえ覚えられないお前の無能さのせいで、ことあるごとに我が一族は恥をかく。これは ヴァーデンフェルの名家に語り継がれる言葉と、各家が守護者として祀っている聖人たちをお前に伝えるための記録であり、それぞれの家訓と責務を示している。もしお前がまた、我が家の取引相手であるフラール家とドーレス家の商人貴族たちを混同するようなことがあれば、今度こそお前を勘当する。これは改めて言う、お前への最後通告だ。

(こんな初歩的な事柄を書き記す必要があるということは、聖堂の教化過程に不備があるということだ。参事会員に調査を依頼し、改善を提案しなくてはならない)

レドラン家:「レドランは戦士であり、その務めは第1にトリビュナルに、第2にレドラン家に、第3に家族と一族に対し果たされるものである」

– レドラン家の守護聖人は指揮官、聖ネレヴァルである。

(ネレヴァルの死については聖堂の文章を再確認すること。これに関しては用心するにこしたことはない)

インドリル家:「正義は眠らない。インドリルが命じ、聖堂が裁きを下す」

– インドリル家の守護聖人は公正なる聖オルムスである。

フラール家:「公正かつ自由な取引が三大神を称える」

– フラール家の守護聖人は巡礼者、聖ヴェロスである。

ドーレス家:「無知蒙昧の民に文化と真実を広めよ。これが我らの責任であり義務である」

– ドーレス家の守護聖人は敬虔なる聖ロシスである。

(これはヴィベクに指摘する必要あり。皮肉屋な彼を刺激することだろう)

テルヴァンニ家:「力強い意志を表現することが、真の栄誉を先人に与える」

– テルヴァンニ家の守護聖人は殉教者、聖ヴォリスである。

第六の名家、影の家、ダゴス家に伝わる格言が欠けているのにはきっと気づいていないだろう。これはあの家がレッドマウンテンの戦いで滅ぼされ、断絶したからである。そののち残った名家がトリビュナルに捧げる聖堂を建立した。もしダゴス家のことを貴族仲間の前で口にしたら、私はお前を勘当する。

気付いただろうが私はここまでで2度、お前を勘当すると警告している。これは私がメファーラやヴィベク卿ほど冷酷ではないということだ。私の心は弱く、お前を家族から簡単に取り除けずにいる。

この文章を肌身離さず身に付けていなさい。そしてこの家訓を見ては我が身の行いを正し、貴族の立場に恥じることのないように。お前の愚かさで我が一族を汚すことのないように。2度とお前を人前で大ばか者と呼ばずにすむことを願っている。

(ヴィリンの願いが叶うよう、幸運を祈る)

名前、名前、名前!Names, Names, Names!

白金のハス
危険なアスプ
黒く燃える炎
ヴィベクの言葉
黒い狐
グリムショー
手桶の底でびっくり
ラジーンの影(すでに使用済み?)
牛追いむちの女王
盗みのリル
危険な人物
悪いアグネス
ゆすり屋ラス
暴力的な雌ギツネ
毒の女
詰め物を抜く人
機嫌の悪いバーディス
マダム・ヴェックス
拍車の貴婦人
とてもするどいトゲ
バドメイ
もう1人の敵

勇気への誓いThe Pledge of Courage

巡礼者よ、星々の命を知れ:

困難を前にしても信念と勇気を持ち続けろ。恐怖を抱かなければならないのなら、敵に恐怖を抱かせろ。恐怖は口の渇きと感覚を麻痺させる重荷である。敵は多数で、己の仲間たちは足元に死に倒れたとしても、勇気と覚悟を持つことだ。勇気は戦士の聖堂が建つための礎石であり、神殿は強く建ち続けるだろう。

星々の命に従い、勇敢であることを誓え。

緑の番人Wardens of the Green

狩人は葉と影だけをまとって大枝で待つ。風がそよげば息をし、耳をすませる。

林冠のかの獲物は恐れをなす。見わたし、旋回して飛び立つ。彼女の目は開く。

フクロウの羽音のごとく小さな足音は、緑の中を優しく進む。獲物を見失いそうな蔦のはう地上だが、狩人は動じない。

森の上を、中を、静寂が続く。一瞬、狩人は枝に舞い降りる。革の水筒から1口飲み、また飛び立つ。

小川は森を抜け、獲物は水を飲みに立ち止まる。むかれた爪がなめらかに光る。期待でニヤリとする。彼女は飛ぶ。

爪が首に埋もれ、熱い血が飛び散る。獲物はぐったりする。瞬間、深紅色が清らかな小川を染める。彼女は唇をなめる。

「これではない」

小川のふちに立つのはエルフ族の1人。彼の陰には木こり、ハンター、案内人。すべてのジャクスパー、樹の従士と紡ぎ手。子供も大人もいっしょに、でも彼は1人で立っている。

彼女のハンターとしての目が彼の目とあう。自分が彼のそばにいるのを見る。2人とも赤くなった。「シルヴェナールよ」、彼女はやっと言った。「グリーンレディよ」彼も返した。彼女は爪を下げ獲物に向かった。

「この森を歩き、守るうちに、私は緑の自分を見失った」。彼女は獲物を助け起こした。

「だが私はいつもあなたを取り戻す」シルヴェナールは言う。「森の子よ、何も恐れなくていい。緑があるかぎり、あなたが歩くところを我々は歩く」

シルヴェナールは蔦の間に消えた。グリーンレディは大枝を飛び越える。彼女は渓流の外でボズマーがのろのろ歩くのを見、森を歩き続ける。

だが彼女は微笑む、ボズマーを恐れることはもうないのだから。

デイドラ教団

Daedric Cults

アティウスへの命令Orders for Attius

コマンダー・アティウスへ

如何なる犠牲を払ってでも駐屯地を守ってほしい。必要ならば捕虜達を人質に使ってもよいし、そうすべきだ。想定外の事態が発生した場合には、橋を渡って墓地まで撤退するよう部下に指示すること。魔闘士パプスには、はるか昔に峠に埋められた「贈り物」を召喚する方法を教えてある。駐屯地が落ちることはない。我らの主の力により。

モラグ・バルに栄光を。

– セプティマ・サルン
魔導将軍、帝国第七軍団

アポクリファ、アポクリファApocrypha, Apocrypha

ハルメアス・モラの無限の保管庫は究極の宝である。無数の棚と数え切れない本の数々は知識のすべてをもたらすのだ。勤勉な読者ならこの場所で、過去、現在、そして未来のすべてを読み解けるであろう。

神々の信徒は、暗い無知なる修道院に満足して、ゴールデンアイへの憎悪について説教する。彼らはそれをデイドラと呼ぶ。不浄で、醜い、邪悪な存在だと。

我々は真実を見出した。知識の素晴らしさとは、それを扱う者のそれと等しいのだと。その悪用を恐れて学ぶことを放棄することは究極の罪である。許されることのない愚行なのだ。結果として、定命の者は何世紀も時間を無駄にしてきた。

アポクリファでは、ゴールデンアイがこの無知の嵐に冷たい涙を流している。彼の広間を歩く者は心から祝福される。たとえ肉体が剥がれ落ちようとも、過去から未来に至るすべての謎に関与する無限の書物と巻物を読むことを許されるのである。最も恵まれた運命と言えよう。

我々はハルメアス・モラ、あなたを称えます。悟り、啓蒙、そして自身の本分を追求いたします。

アラサンのメモNote from Alasan

スルマ執政官

金の提案は歓迎するが、ウィサード・ハンドは死体を通貨として取引している。提案の価格の10ゴールドにつき死体を1体用意すれば、バーガマの街は見逃そう

死体をお好みの方法で手に入れ、地下に保管しておけば、定期的に受け取りに行く

もし協定がお気に召さなければ、バーガマで死体を自分たちで収穫するつもりだ

アラサン

ウーズの発掘The Excavation of Ouze

ウーズの発掘は2段階で行われる。

ウーズのタール坑からシェイプシフターの死体を回収する。我々は紡ぎ手やボズマーが頼る可能性のある味方の動向について把握していないため、同志に監視させてスケルトンの召使に掘らせること。

ガーディアンは避けるように!他の霊魂は我々に対して無力のようだが、ガーディアンは危険な可能性がある。

鉱山内において、憎しみの晶石に変えられる石を採掘するのは安全なはずである。これらの石は他では珍しいものであるが、ウーズの性質上、ここには多数存在する。同志もスケルトンも同様に、こうした石を出来る限り大量に入手すること!

〈別の著者が記載〉

霊魂の破片:22
憎しみの晶石:4
魂のダイアモンド:2

ヴェリクのメモVerrik’s Note

マルティンへ

お前の船なら密偵達を輸送するのに十分だ。あとは積荷を運ぶだけでいい。夜が来たら木箱の中から出て、レヴェクの地図を参考にしながらカシミール王に近づく。

カシミールが死んで混乱が起きればアンゴフも喜ぶだろう!王を失った王国の将校など、ブラッドソーンの敵ではない。南を制覇するのは難しくないだろう、そうなればグレナンブラは私達のものだ。ブラッドソーンの大義に対するお前の忠誠心は必ず報われるはずだ。

木箱には誰も近づけるな。中にいる密偵は夜を迎えるまで中に潜んでいなければならない。彼らが見つかったら、私自らが事を成し遂げ、お前のところに戻る。私達を失望させるなよ。

—ヴェリク

ヴォルゴへの手紙Letter to Volgo

よく聞け、ヴォルゴよ。お前の任務はどの悪魔主義者に与えたものよりも困難だからだ。

暗黒の王から、古代の遺物がシロディール南部の大地の下に隠されていることを聞かされた。帝国の崩壊によって、邪魔されることなく捜索が可能になった。この遺物を手に入れれば、私はシャドウパスを指揮して帝都とシロディール全土を征服できる!

お前にはニシンの洞窟を命じる。もし遺物がそこにあるなら、必ず見つけ出せ。だがドレモラの占い師バラサッティには気をつけろ。彼女や彼女の手下にあからさまに逆らうことは避けろ。だが、決して彼女に遺物を渡すな。あれは私のものだ。

— ドレッドロード・ナウクラティウス

ウルフパックの新人のメモWolfpack Initiate’s Notes

ウルフパックの新人としての初日だ!故郷で私を馬鹿にしていた連中が、恐れをなした山賊が大声を上げながらやって来たらどう思うか見物だ。だが私は自分の興奮を押し殺している。古参の「パックリーダー」達がとても厳しく真面目だからだ。ともかく自分が属する団体の中で、存在を認められるのは良いものだ。

彼らの狼に対する執着ぶりは尋常ではない。だが… 彼らは真剣なのだから、私もそれを尊重する。

エヴィス・マリーズへの手紙Letter to Evis Marys

エヴィス、馬鹿野郎!木枠箱を間違った場所に落としたぞ!奴らが開けたら、すぐさまナルシスの護衛が我々の元に来る

ヴォクスは絶対許さない。何とかしろ。彼女が聞きつけちまう。お前の無能のせいで、責めを受ける気はないからな

エレギアンのメモElegian’s Notes

よしよし。これは完璧に働く。完璧に!儀式と様々なデイドラ設計の部品を組み合わせることにより、デイドラの耐性を破り、全く新しい異なるものに変質させるため、”変異”を使えるはずだ。実にゾクゾクする!

ガクガク、バクバク、ビクビク、ワクワクだ! 稼働中の装置を見るのが待ちきれない!

オブリビオンの水The Waters of Oblivion

虚空の中、百二十の世代の間、その命運暗き民は邪悪に染まっていった。そして眩しき神々たちがその信心欠く者たちを罰しようと決め、荒れ狂う卑劣漢や、冒涜を繰り返す巨漢たち、光を汚す者たちを打ち砕いた。彼らはオブリビオンを覗き込み、そこで初めて暗き一族を目にし、それらを兄弟姉妹として迎え入れたことを心の底より悔いたのであった。

勝利せし尊き者は迷える魂たちの邪悪ぶりを目にし、それらが臆することなく罪を重ね、策略に長けていることを知った。そしてこのことよりデイドラの諸族を処罰し、暗き一族に鉄槌と鉄拳を下すことを決意したのであった。

それでもなお、闇は永劫に光と争い続け、虚空を吸い互いを破滅に追い込まんとする力は強大であり、その嫉妬と背信の深さゆえ、それらを縛る誓約などなかった。一度門が開かれてしまえば、押し寄せる潮に抗ってそれを閉じられる者などいずこにあろうか。

グラッカスの日記 第1巻Graccus’ Journal, Volume I

昨晩、また財宝の夢を見た。今度は間違いない。ハルメアス・モラ自身が話し、そこに連れて行ってくれた。力ある書物を求めてタムリエル中を探すのに一族の財産を費やし、金庫はほとんど空だ。だが、続けなければならない。ほとんど手中にある

アポクリファの知識を得た時、簒奪者サルンに頭を下げる必要はなくなる。彼らの方が頭を下げるだろう

クランウェの日記Journal of Culanwe

ネードとアイレイドの和平を夜明けと黄昏の女王の従者が仲介する試みは、的を射ているようだ。彼女の王国は時の狭間、地の狭間、そして現実の狭間にある。互いを忌み嫌う二つの国の民が和平を求めるにあたって、私が力になれれば少なくとも定命の地にいる間に何かを成し遂げたことになる。アズラの導きを感じ彼女の力が流れ込んでくるが、今必要なのはその知恵だ。

南中の月23日

アズラの知恵が必要だと言っただろうか?いや必要なのは彼女の忍耐力だ。不死の者のみが、この… 者達に耐えられる!ネードとはよく名付けたものだ。そう、彼らはアイレイドによって長年束縛され、苦しめられてきたが、今日生存してその苦しみを直接覚えているものはいない!彼らの訴える賠償は増える一方だ。アイレイドの思い上がり以上に。今すぐにでも彼らは交渉を打ち切り、不安定な平和から完全な戦争に突入するかも知れないと感じている。

ああ、アズラよ——私に彼らと話をさせないでくれ!私の声の力は彼らの現実を変えられるが、それは感染した傷口に当てる包帯だ。真の変化のみが、人々の怒りを鎮められる。

南中の月27日

最悪の事態が起きた。アイレイドの一人が死んだ。使者が使い走りの途中で殺されたのだ。アイレイドはネードを疑い、ネードは否定しない。むしろ彼らは立腹している… 一人の使者の死は彼らが耐えた長い苦しみとは比較にならないかの如く。状況は良くならないだろう。私の声が唯一の解決策になるかも知れない。

南中の月29日

茫然とした。確かに声を使ったが… 紛争を妨げるためにほんの少し現実を調整しただけだった。真の奇跡は一人のネードともう一人のアイレイドからやってきた。ともに交渉の経験はなかったが、手を取り合って殺害された使者の謎を解き… 罪人はネード、アイレイドのいずれでもないことを発見した!モラグ・バルの従者が犯人で、奴の目的は和平交渉を妨害することだった!

二人の英雄は私にできなかったことをした。共通の敵を前にしてネードとアイレイドを団結させた。二つの国の民が抱く敵意は消えたことだろう。

収穫の月2日

二人の英雄の結婚をもって仲たがいは終わった。しかしモラグ・バルが妨害せずに終わらせるとは思えない。私は答えを探すだろう… アズラの名においてこれらの民を守る方法を。私が生きる限り今日皆がここに創り出したものを魂の収穫者には触れさせない。アズラよ、力を与えたまえ。私が世界にいる限りこの声でそれを変えさせたまえ。

ここに留まるHere to Stay

もし望めば、今すぐにでもここから脱出できる。主はその手段を与えてくれた。そして私は生への意志を見つけた。あなた達の仲間として生きていく意志を。

あなたがこれを読むことが果たしてあるのだろうか?あなたの自尊心はあなたの目を閉ざす。だからあなたには読めない。だが同時に、その自尊心が私を生かし続ける。あなたはこの要塞に入ろうとしたことがあるのだろうか?自分の印石の力を確かめたことが?

私は自分の力を証明するためにここに来た。ここを支配するのが誰でも構わない。デイドラの炎も、カミソリのくぼみも、私を止めることはできない。アッシュタイタンはそのことを学んだはずだ。

だが私は協定を重んじる。私と共に生きることを、あなたは楽しんでくれるはずだ。私があなたと共に生きることを楽しむように。

さもなければOr Else

暴露の危険を冒すには近すぎる。あの少女は問題だ。尋問して知っていることを聞き出したら、その後で殺せ。

そしてウースラドの欠片を見つけろ。さもなければ儀式の生け贄としてロストプロスペクトに送るからな。

— グルヴェイグ

サルドクのブラッドソーンの報告書Sardok’s Bloodthorn Report

優秀な指導者へ

私たちの野営地はタングル・ロックの近くに位置しているのだが、素晴らしい成果を挙げている!

既にグレート・ソーンは空に向かって回転し、沼地を腐敗させている

間もなく、この土地は私たちのものになる!

—第二の種、サルドク

ジェッセンからの破れたメモTorn Note from Jessen

主よ

彼の居場所は分かっています。忌々しい篤信者は戦場から取り除きます。仕事が完了したら島の塔に戻る予定です。

忠実なるジェッセンより

ジョセリンの手紙Josseline’s Letter

ノルダールがまるで自分の物かのように威張ってキャンプへ入っていった。自分がモラグのマニマルコへの贈り物かのように、あの金属の塊を見せびらかして。ふん!その口を殴ってやりたかったけど、「墓の臭いがする者」に止められたわ。

日が進むにつれてノルダールがさらに耐えられなくなってるから、今は後悔してる。姉妹よ。あなたがここにいてくれたらいいのに。そうすれば2人で、奴にちょっと教えてやるのにね。

— ジョセリン

スティルライズ村の宝The Treasure of Stillrise Village

フェルラ

魔術結社を集めてできるだけ早くスティルライズ村に向かってくれ。そこでは、我々が何百年かけても目にしたことがないような宝が黒き虫の教団を待っている。

できるだけ多くの憎しみの晶石を手に入れるか作ってくれ。役に立つと約束する!自分でやってもいいんだが、シャドウフェンにはこの任務を十分にこなしてくれるような、しもべの数が足りない。

到着したら、住人に魔女の目を使うのを忘れないでくれ。その静かで小さな村では、見えるものがすべてではない。指令に従えばこの意味がわかってもらえるだろう。

もっと詳しく言いたいところだが、教団内であっても情報の伝達は信頼できない。スティルライズ村の秘密を暴けば、私がこんなに興奮している理由がわかるはずだ。フェルラよ、秘宝を持ち帰れ。そうすれば私達は教団内で「スティルライズ(さらに昇進)」できる!

——デスキン

ストーンファイアの儀式書Stonefire Ritual Tome

企みの神が我らを祝福した。残虐の王が我らに力を与えた。魂の収穫者が我らに永遠の力を授けた。定命の者が我らにかなうことはない。

召喚の儀式は我々の支配のための無限の召使をもたらすだろう。モラグ・バルへの信仰により、それらを使役することができる。我々は彼の選ばれし召使なのだ。彼の心にかなう少数の者なのだ。我々の奴隷達は我々の前に屈服するだろう。彼らは我々の望みを現実に変えることになろう。

デイドラは我々の邪悪の器に過ぎない。我々は彼らをはち切れんばかりに邪悪で満たし、世界に解き放つ

スパイラル・スケインの噂Rumors of the Spiral Skein

嘲りの死霊術信奉者 著

メファーラ!網の紡ぎ手!秘法の師!殺人の8つの影の女王!他の者が我らを支配しようとも、夜の底で我らはあなたの囁きを聞き続ける!

そして我らは忘れない。

あなたはオブリビオンで、あなたの秘密と、あなたのごまかしと見せ掛けの網に絡まった全ての秘密を守り続ける。スパイラル・スケインはあなたの領域であり、そしてニルンのように、その中心は塔である。真実の名は口に出すのも恐ろしいメファーラ、あなたの柱の宮殿だ。

柱の周囲に巻きつけた、まるで輪止めのような、8房の枷糸。それぞれに空間があり、そしてそこには、それぞれの罪がある。

1つ目は柱礎と台座の洞窟。それは偽り。彼らは空を支えているかのように装っている。中でも、空は1番大きな偽りだ。

2つ目は嫉妬の部屋。押し込まれ、閉じ込められた自らと、その上方にある洞窟を比べる。そして、それ故に彼らは洞窟を憎む。

3つ目は魅惑的で情欲的なほら穴。彼らの壁と天井は愛の歌を歌う百万の星のように輝く。けれど、輝く光は蛆であり、彼らの歌は腐敗の歌だ。

4つ目は恐ろしき地下道。永遠の暗闇。そして、闇があるところにはいつも、恐怖が存在する。

5つ目は、正当が不当で、不当が正当である広間。信じることはどれも皆、裏切ること。

6つ目は殺人の闘技場。裏切りはいつでも殺人を呼び起こす。

7つ目は貪欲と食欲のアーケード。ここにあるものはすべて、定命の者が他者を殺めてでも、死を賭してでも欲するもの。

8つ目は激情の燃え立つ枷糸。全ての定命の者に死が訪れるように、全ての宝物はまやかしとなる。

これがスパイラル・スケイン。塔が1つ。房が8つ。その教えは永遠だ。

スピーチのメモSpeech Notes

黄昏の淑女を称えよ!

その名の栄光を称え、我々はこの地に新しい祠を建てる任務を許された。ファルダーズトゥースは不信心者に対し、絶望の灯となるだろう!

我々はこの荒廃した塔を、黄昏の淑女の栄光の記念碑として再建する。皆、働くんだ!

センチュラスへの手紙Letter to Sentulus

センチュラスへ

何年ものあいだ、天上の夢見人に加わる新人を大勢勧誘してきた私だが、お前ほど飛び抜けて誇らしい気持ちにさせてくれた者はいない。コイグリン村における実験は、どうやら意義深い成功を収めたようだ。あの村でのお前の仕事は我々全員を奮い立たせ、それどころか我らが女神の関心さえ引き寄せた。ヴァルミーナは我々がストームヘヴンで勢力を拡大させるのを助けるべく、最も強大な眷属を派遣してくださった。「予兆」と呼ばれる強大なデイドラが王国全土の権力の中枢で暗躍し、お前の成功を再現しようとしている。彼らの協力があれば、ダガーフォール・カバナントは確実に後戻りの利かない悪夢の中へと放り込まれるだろう。

お前が現在課せられている任務に変更こそないが、重要性は少しも変わらない。スキャンプ、クランフィア、ドレモラの群れをこれらの土地にはびこらせ、我らが女神の思い描いた白昼の悪夢を永続させる必要がある。地元民を勧誘し、我らが大義に同調させる努力を惜しんではならない。我らの仲間に加わらない者たちは、デイドラ召喚の際の依り代か生贄として役に立ってもらってもいい。

ヴァルミーナの暗き名前において

ナイトコーラー・チャルトラン

デイドラのポータルの書Tome of Daedric Portals

左利きの見習い 著

自分用のメモ。最初にデッドランドの炎に敬意を表することが最も重要だと忘れないこと。

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境界の橋で話し合ったとおり、境界を越えるには、間接的であろうとなかろうと、デイドラの主の協力が必要だ。

残念ながら平凡な召喚師にしてみれば、説明された方法では金が掛かるし、非常に難解な上に、途方もなく危険だ。だが幸運なことに、召喚術を研究している現実的な専門家には、他の選択肢がある。

デッドランドのクズ達が、境界を越えるために既存の印石の使用を勧めていることは知られている。奴らの目的に関しては疑って掛かる必要があるが、越境の研究をしていれば多少の危険はつきものであり、境界を越えようという思いが強ければなおさらだ。

もちろんデッドランドは、灼熱の空気と息が詰まるような灰に覆われている。だがそれを消滅させる方法が見つかれば、デッドランドだけでなくオブリビオンの秘密が明らかになるだろう。

だが用心に越したことはない。この領域に最初に踏み入ろうとした人々がどんな運命を迎えたのかしっかり確認する必要がある。

まず学者ダロンだが、彼は自然の炎の純粋な力を用いれば、デッドランドのドレモラと接触を図れると考えた。彼の試みは素晴らしいし、実際に彼の小屋の壁につけられた火はヴァレンウッド史上最悪の山火事を引き起こしたが、結局何の成果も挙げられなかった。彼の灰は今でも見つかっていない。

ダロンの考えを支持していたファーストホールドのオルピオンは、圧縮した土を使って炎を隔離しようとした。どうやら成功間近だったようだが、彼の部屋で水晶の塔の壁が吹き飛ぶほどの爆発が起こり、機器が壊れてしまったことで、門が崩れてしまったらしい。

最後はナーガのアヴマーだ。彼女は様々な方法を試し、ついにはその努力が報われた。アヴマーは火がついた後、土器を使ってその強大なエネルギーを蒸気に変換した。ボイラーが十分な温度に達したとき、彼女は向こう側にいる力あるドレモラと会話をすることに成功した。

先駆者達の失敗を目にしてきたアヴマーはこの成功に胸をなで下ろすと、すぐにドレモラとの接触に関する協定を結んだ。この不吉な決定は後にソーンの崩壊をもたらした。

つまり、デッドランドと接触するときは気を付けろということだ。デッドランドを故郷と呼ぶ生物と慌てて協定を結んでも、良い結果にはならない。

デイドラの阻止:デイゴン教団Thwarting the Daedra: Dagon’s Cult

フラミニアス・オクター地区長 著

平和な時代においてさえ、デイドラ公は執拗にタムリエルをつつき、力を伸ばしつつ悪しき目標へと歩みを進めている。各地域で戦いが勃発している今、連中の邪悪な目論見に拍車がかかったことは間違いない。だからこそ市民は皆、デイドラの活動の痕跡に注意深く目を向けねばならない。シロディール戦士ギルドの地区長として、私には市民を啓蒙し彼らを守る重大な責任がある。ここで私が皆に知らせることは、強力な武器になりえる。すなわち、市民によるしっかりした監視体制は、教団の大規模な蛮行を防ぐことができるのだ。

オブリビオンからの様々な脅威の中でも、とりわけ厄介なのがメエルーンズ・デイゴンだ。洪水や地震から大量殺人まで、大勢の犠牲者が出る度にその数にほくそえみ、ニルンへの影響力をどんなものであれ見せびらかして悦に浸っている。これでもかとその力を誇示する傾向ゆえ、他の控えめなデイドラ公よりもメエルーンズ・デイゴンの信者は多いが、それも驚くには当たらない。

しかしそのような邪悪な存在を前に、一般市民に何ができるのか?できることは想像以上にある!全市民が教団の存在をその初期段階から認識するのが肝心だ。教団を若い芽のうちに摘み取ることが、デイドラの魔の手を根絶し、大量召喚や残虐な破壊行為、またはその他の悲劇を防ぐのに最も効果的な方法なのだ。ここで提示する指針は、デイドラ教団、中でも特にメエルーンズ・デイゴン教団の発生を見つけるのに役立つだろう。

まずあなたの隣人に注意してほしい。彼らの普段の行動におかしな変化はないか、または夜遅くに彼らの畑や家で奇妙な光が点滅していないか気をつけよう。薄気味悪い詠唱や家畜(さらに悪い場合は人間)の失踪にも注意したい。これらはすべて教団の芽とでも言うべきものだ。追放者、犯罪者、不良青少年などに特別興味を持っているよそ者がいたら、信者に勧誘すべく獲物を探している可能性が高い。

メエルーンズ・デイゴン教団には顕著な特徴が見られる。我々戦士ギルドは、彼らの活動が黄昏の月の終わりになると活発になることを発見した。デイゴン教団が活動を始めると、その地域に多雨、干ばつ、異常な地面の振動などの自然災害が増えるだろう。またデイゴンの信者達は、建物、動物、人間を燃やすというおぞましい行為に興味を示し、燃えるような日の出をシンボルとして身につけていることが多い。

知り合いの誰かが教団に巻き込まれている疑いがあったら、監視を続けてほしい。親しい仲でも安心してはならない。デイドラの邪悪な根が一旦張られてしまうと、それを除去することは難しい。疑わしい者がいたら迷わず報告するように。早目に手を打てば教団の魔の手をほどくことができるかも知れない。あなた自身の安全のために、単独行動、または信者と思われる人物に立ち向かうことは避けてほしい。信頼していた友人でさえ、信者になったらあなたを傷つける可能性がある。戦士ギルドにすぐ報告して、専門家の支援を受けるように!

以上を念頭に置けば、タムリエル全土におけるデイドラ教団の成長を防ぐことができる。本書を友人や隣人と回し読みして、皆で力を合わせてデイドラの脅威を食い止めよう。

デイドラの調査報告書:タイタンDaedra Dossier: The Titans

ドレッドの公文書保管人、デノゴラス 著

上級タイタンのククロージズから依頼を受けて、私はこの報告書をまとめ上げた。コールドハーバーで最も雄大なる我らが住人の起源について、黄昏の蔵書庫に関連文献がまったく存在しないことに、ククロージズは苛立ちを感じていたらしい。

では物語をここで語ろう。来るべき主の次元融合において、タムリエルの憎き定命の者にタイタンは初めて解き放たれる。ここで語っておくことが望ましいだろう。その後には、恐怖と破滅が訪れる。

昔も今も、そしてこれからも、ニルンにはドラゴンと呼ばれるデイドラのごとき雄大な生物が存在する。ドラゴンは当然のごとくニルンの定命の者達の上に君臨しようとし、一定の範囲で成功した。

しかし今までもそしてこれからも、常に邪悪な存在であるタムリエルの定命の者は、この正当なる君主に反旗を翻し、反逆者達の手を逃れたドラゴンは身を隠した。その中に偉大なるボジーコッドストランがいた。ボジーコッドストランはその神のごとき意志を発揮して、ムンダスを飛び越えることを目論んだ。その試みは成功しなかったが、その勇敢かつ著しい尽力はモラグ・バルの目に留まった。

我らが主はこの意志の力による偉業と、ドラゴン族がニルンのほぼ全域を支配していた事実に注目し、ボジーコッドストランに語りかけ、 コールドハーバーの領地における特権と名誉を申し出た。そして力をほとんど使い果たしていたドラゴンは、その申し出を受け入れたのである。

モラグ・バルは世界を飛び越えるための窓を開けて、ドラゴンが主の王国に降り立つことを許した。王国にやってきたボジーコッドストランは、冷たい黒檀鉄の鎖に縛られる特権と、偽りの塔の最下層に居座る名誉を与えられた。我らが主は、ドラゴンがニルンの定命の者をなぜ支配できたのか、その秘密を知りたかったのだ。ドラゴンへの拷問と尋問は長きに渡り続いた。しかしドラゴンは鼻息が荒く、不遜な仕打ちに怒っていた。どのようなひどい拷問を受けても、ボジーコッドストランは断固として口を割らず、 ドラゴンの秘密に関してその耳障りなドラゴン語でただの一言も漏らすことを拒んだ。

この強情な抵抗に当然のごとく苛立った我らが主は、ついにその怒りに身を任せ、ボジーコッドストランの肉を骨から徐々に削り取って、最後の一切れまで食らうことで気を晴らした。そしてモラグ・バルはドラゴンの骨をじっと見つめて笑い、「ドラゴンの秘密を知ることができないなら、自分でドラゴンを作ればいい。ニルンのドラゴンよりもさらに強い存在を!」と咆哮した。

彼は骨格をヴァイル研究所に運ぶことを命じた。骨はそこで闇の血を注入され、ドラゴンの「面影」として復活した。その過程においてモラグ・バルは、自身が立案した計画に基づいて骨を幾分改良し、元の持ち主のそれよりもさらに強固な骨格を作り上げた。その骨格はアズールの裂け目の奥深くへと落とされ、我らが主の新たなしもべに肉体と知性と力を与えるべく、青い液化物を吸収した。

やがて強大なるその生物は裂け目の原形質からその身を引き抜き、原初の粘液を振り落とした。我らが共通の主の召喚に応じて、その生物は大地の上へ舞い上がり、「終わりなき階段」を跳ねるように軽快に登った。デイドラのタイタンが初めて我々の世界に姿を現した瞬間である。

過酷なる「忠義の試練」における最初の働きぶりを見れば、この新種が主の支配のための貴重な戦力になることは明白だった。その力は他に並ぶものがなく、その残虐性はモラグ・バルの戦いの奴隷達の中でも秀でており、かつ見事な知性を生まれながらに備えていた(ただし、ボジーコッドストランに比べるとやや見劣りするかもしれない)。

最も恐るべきタイタンの特性は、エキスを抜き取る強力な呪文を唱え、たった一言で敵を衰弱させることだ。理論上、呪文を唱え終わる前に中断させれば、その効果は唱えた者に反射するが、そのようなことができる可能性は少ない。

デイドラ崇拝:アイレイドDaedra Worship: The Ayleids

エリンヒルのファラスタス 著

デイドラが非難され、タムリエルにおける文明的な全種族で崇拝が禁じられている理由は広く理解されており、今回の執筆内容で明らかにするように、歴史的出来事を根拠とするものである。「レディ・シンナバー」を語る学者紛いの意見とは裏腹に、私の主張を裏付ける証拠は議論の余地がなく、公的に認められた古代に詳しい全学者から一般に受け入れられている。

エドラを初めて組織的に崇拝するようになったアルドマーは、初めてデイドラの主を崇めた者達でもあった。これはおそらく、サマーセット諸島を離れてタムリエル中央と南西部で分派の文化を作ったエルフ、アイレイドの間で小さな規模で始まったもので、中には、デイドラの崇拝(など数多くのこと)を禁じたアルドマーの規則による拘束から逃れるためにも行なわれた。

アイレイドの文化は栄え、アリノールの遙か遠くからも人を引きつけ、神話紀最後の1000年間で、デイドラ崇拝はハートランドのハイエルフの間でも根付いて広がった。おそらくアイレイドの大多数はエドラに敬意を表し続けており、まだ広く崇められていたが、様々なデイドラ公に傾倒する教団がシロディールの各所で立ち上げられ、容認され、そして祝われた。チャイマーと異なり、アイレイドはデイドラの「善と悪」を区別しなかった。それどころか、極悪なデイドラ公さえもが広く崇められ、それは特にアイレイドの王や上流階級に受け入れられ、支持されるようになることで助長された。

ハートランドのエルフにおいて広く普及したデイドラ崇拝は、当時タムリエルに到着し始めたネード人の部族にとっては特に悪い話だった。アイレイドは、当初は時折ではあったが後に組織的に人間の移民部族を奴隷化するようになった。ネードの民は多くの場合、奴隷、支配、無慈悲を推奨する場合もあるデイドラ公を崇拝した主人の下に置かれた。アイレイドの支配下で、人間の奴隷はそのようなデイドラに影響された「芸術」である、肉体の彫刻や内臓園芸の対象とされた。実際に、タムリエルの人間文化において浸透しているデイドラ崇拝への嫌悪感は、おそらくこの時期に生じたものであろう。

第一紀初めに起きたアレッシアの奴隷反乱は、デイドラに影響されたアイレイドの残酷さに対する、激しい怒りによって火がついたところが大きい。反乱側についたアイレイドの王達は、主にエドラの崇拝者であり、そのためアイレイドが転覆させられた際に、アレッシア女王が第一帝国による八大神崇拝にエルフのエドラを組み込んだのも不思議ではない。女王の新しいシロディールの帝国は、デイドラ公の崇拝を非合法化し、デイドラを崇めるアイレイドは発見されると皆殺しにされた。

そのため、第一紀の中頃までには、大規模なデイドラ崇拝はタムリエル中央で消滅し、大陸の北東にいたチャイマーの間で、そして(常に社会ののけ者である)オークの間でマラキャス(またはモーロッチ)が神の祖先として崇められるのみになった。他の地域において、人間、エルフ、獣人の間で、デイドラ崇拝はほぼ禁じられた教団というレベルでしか残らなかった。これに反するレディ・シンナバーの主張は、まったくのでたらめである。

デイドラ崇拝:チャイマーDaedra Worship: The Chimer

エリンヒルのファラスタス 著

かつてチャイマーとして知られたエルフによるデイドラ崇拝の歴史は、オブリビオンの主と呼ばれる者達と関わることの危険性について教えてくれる貴重な実例である。レディ・シンナバーなど、近代のデイドラ崇拝擁護者が注意を払うべき話だ。

タネスの気性が荒い女でさえ否定できない事実から話し始めよう。エドラ(神々)はオブリビオンの混乱の中からニルンを作り出した。定命者の次元であるムンダスにおける肉体となり、エルフの伝説によると、アルドマーの直接の祖先であった。エドラは深遠の暁紀のエルフにとって聖なる敬意を払う自然な対象であり、初めての組織的な宗教はこれらの神々を崇拝した。

しかしニルンの誕生後、エドラは自分達の生物から手を引き、距離を置き、冷淡になり、定命の者に興味を示さなくなった。ただしムンダスの外にある無限なる様々なオブリビオンでは、別に(「エドラではない」という意味の)デイドラと呼ばれる偉大な力を持った神のような者達が存在し、エドラが作成した領域に悪い意図を持って興味を示し始めていた。これらの存在の中でも特に強力な者達はデイドラ公と呼ばれ、各自のオブリビオンの次元を支配しており、それでもエドラの創造の能力を受け継いだニルンの定命の者に対して嫉妬していた。デイドラは変化と変形の達人ではあるものの、存在しないものを新たに作り出すことはできず、その能力はそんなデイドラを超えるものだったのだ。

しかし、デイドラ公がニルンの定命の者と同じように持っていた性質がある。あらゆる種類の力を求める強い欲望である。この有害な欲望は、定命の者によるすべてのデイドラ崇拝の基盤である。奉公と崇拝と引き換えに、デイドラ公は力を提供する。たいていの場合、この力は知識という形で提供される。最も魅惑的であり最も危険度が低そうなデイドラの誘惑だ。

この誘惑がどれほど魅惑的かを説明するために、サマーセットの昔のアルドマーを見てみよう。横暴な彼らは自分達がエドラの直系の子孫だと考えていたが、実はデイドラ崇拝を支持した初めての大規模な宗派は、他でもないサマーセットの中心で生まれた。そして、水晶の塔の虹色の陰の中で、預言者ヴェロシと呼ばれる者がデイドラ公ボエシアと連絡を取り、贈り物を受け取ることに合意した。彼は、ヴェロシの預言に「善のデイドラ」(ボエシア、アズラ、メファーラ)崇拝の教えについて詳しい説明を記し、さらに「悪のデイドラ」(モラグ・バル、マラキャス、シェオゴラス、メエルーンズ・デイゴン)の機嫌を取って交渉する方法についても記した。

サマーセットの愚かなアルドマーにとって、善のデイドラが教えてくれる芸術と技術は、エドラの司祭が言う格言や決まり文句よりも役立つように思われた。多数のエルフのクランがヴェロスを預言者や助言者として受け入れた。アリノールのサピアルチが当然ながらこの分派を禁じると、ヴェロスは彼に忠実なエルフのクランを連れて諸島を離れ、海を越えたタムリエルの反対側へ渡り、現在モロウウィンドとして知られる土地に住み着いた。チャイマーとして知られるようになる聖ヴェロスの信徒は、デイドラからの実在しない「贈り物」のためなら、黄金色に輝くサマーセットの天国を諦めて、灰色のモロウウィンドの苦境を受け入れた。チャイマーは、ボエシア、アズラ、メファーラを祭る素晴らしい聖堂を建て、モロウウィンドで崇拝の慣習を築き上げ、それは後にトリビュナルが取り入れることになった。

歴史を学び始めたばかりの学生でも知ってるように、こうしたデイドラとの大規模な火遊びは、必然的に戦争と大惨事につながった。チャイマーの文明はレッドマウンテンの戦いで滅び、かつての女主人であったアズラの呪いによって、優れたチャイマーは不機嫌で脅えたダンマーへと変身させられた。それ以降、モロウウィンドはトリビュナルの下でデイドラ崇拝をやめたが、もう被害は出た後だった。

現在、デイドラはタムリエル全土で恐れられ、忌み嫌われている。当然のことだ。しかし、歴史の教訓があるにも関わらず、誤り導かれた者達が、いまだにデイドラの主と関わっても問題ない、受け入れてもいいのだとさえ主張している。レディ・シンナバーのようなそういう者達に言いたい。「デイドラと手を結んで良い結果が出たことなどあっただろうか?」と。

デイドラ崇拝の根強さPersistence of Daedric Veneration

タネスのレディ・シンナバー 著

老いぼれたエリンヒルのファラスタスが自慢げに「歴史」と呼ぶものの中で記述している内容をもし信じたら、近代社会のデイドラ公崇拝に対する偏見は、オブリビオンの主に対する何らかの本能的な嫌悪、数千年前に起きた言葉にできないほど残忍な出来事からくる憎悪に根付いていることになるだろう。

これは明らかに馬鹿げている。畑にいる農民や、店にいる靴の修理工や、事務所にいる弁護士に、デイドラの主を恐れる理由が、野生のエルフによる古代の慣例のせいなのか聞いてみるといい。ぽかんとした顔をされるだけだ。農民や靴の修理工や弁護士が、デイドラとデイドラ崇拝を恐れる理由は、国教と学界からそう言われているからであり、隣人も同じことを信じているからである。

ファラスタスによれば、タムリエルに残っているデイドラ崇拝は、禁じられた教団というレベルだけらしい。しかし、司祭や教授が抱く希望や意見とは裏腹に、デイドラ崇拝がタムリエルの民に広く受け入れられていることは明らかだ。狩人に、弓を引く時になぜハーシーンへの祈りを口にするのか聞くといい。庭師に、なぜメファーラにナメクジやミミズから蔦を守るよう頼むか聞くといい。衛兵に、なぜ剣を抜く時にボエシアの勇気を請うか聞くといい。苦労して探さなくても、カーナバル中にはサングイン崇拝者を見掛けるし、学者の中にはいつでもハルメアス・モラの崇拝者がいる。

善のデイドラと呼ばれる存在をまだ崇めている、モロウウィンドのアッシュランダーはどうだろう?アズラを信仰するメネヴィアの霊魂の守人は?クラヴィカス・ヴァイルを賛美する、リンメンのジョヴィアル・ラムバスターは?

さらには、南部領域のカジートはどうだろう?オブリビオンの主を捨てるどころか、エルスウェアの猫人はエドラとデイドラをほとんど区別せず、オブリビオンの主を公然と崇拝している。カジートはデイドラ公の慈悲深い面を認識し、少なくとも敬意を表し、称賛することも多い。アズラーはカジートの魔道士が崇拝の対象とすることが多く、シェッゴロスは野生的ないたずらを好むネコ科にとって魅力的に映り、死者の魂はナミイラに委ねられている。

しかしファラスタスは、タムリエルにいるすべての定命の者が、デイドラという言葉が出るだけでも怯えるかのように皆を思い込ませようとしており、彼のペテン師ぶりを示す私自身の研究を軽視しようとしている。それ以外に、彼の情けない敵意を説明できるだろうか?古物学者のドラゴンスター会議で話しかけてきたのも、その日が薄明の月16日だということを持ち出したのも、「せっかくだからサングインの召喚日を祝おう」とその夜会うことを提案してきたのも、すべてあのファラスタス自身ではなかっただろうか?鼻につく彼の誘いを断わったことをかなり根に持っているらしく、その後しばらくして、私の研究に対する正当性を欠く批判が発表されるようになった。ふむ。なるほど、これで説明ができそうだ。

ドルシラのメモDrusilla’s Notes

家長:悪態をつき、脅しを口にする。有益な情報なし。尋問中に死亡。

年長の男性:タズゴル族長はサソリ恐怖症とのこと。少しでも苦痛をやわらげたい一心で、口から出まかせを並べた可能性高し。尋問中に死亡。

年長の娘:早々と折れ、これは有望かと思われたが、悲しいかな何も知らず。尋問中に死亡。

年長の息子:尋問される前に自殺。ずさんな管理のあらわれ。忘れずに手かせ足かせを新しいものに変えること。

末の息子:大広間の地下に秘密の入口があるとのこと。蔵書庫に通じている可能性あり。裏付けが取れるまで生かしておくこと。

朝の追記:息子の話の裏付けが取れる。

ドルルシャサの意思The Will of Drulshasa

下位のドレモラよ!ドルルシャサの意志を聞き入れて従え!

我々は強い。敗者を蔑み弱者を憎んでいる。そして何より定命の者を嫌悪している。なぜなら彼らは敗者であり弱者であるからだ。弱者は強者によって罰せられなければならない!それが我々の使命であり、我々の支配者であるモラグ・バルの命令だ。

定命の者を探し出せ。捕らえても殺してはならない。その惨めな魂をモラグ・バルに捧げるために生け捕りにしなければならぬ。

期待を裏切るな。さもなければ定命の者の代わりに罰を受けてもらう。命令通りに動くのだ!

どれだけ長く?How Long?

もう数週間経った。それとも数ヶ月?オブリビオンの世界では、時間は狂気の律動と共に流れると言われている。そんなことが可能ならだが、ここを出たら元の世界は様変わりしているだろう。どれだけ時間が経ったとしても、夫と囁きの森の住人達が無事であることを祈る。

今まで捧げてきたもの全てに見合った最後になりそうね。心身ともに疲れ果てた。そして、この試練はまだまだ終わりそうにない。

少なくとも、書くことは気休めになる。

ハーシーンへの祈りPrayer to Hircine

私の武器をあなたに掲げる!
祝福してくれ、そして導いてくれ、本物の——

弓!
剣!
短剣!
鉤爪!

お楽しみを始めよう!
血を流させよう!
狩る者と狩られる者
死につながる追跡の中で!

ハーシーンへの嘆願Invocation of Hircine

強大なるハーシーン王、気高きハーシーン王、我らは敬意と謙虚をもって伺う。森と全ての獲物の犠牲の上に、あなたの神の権威を認める。追跡のマスター、狩人アルラベグの姿にて、好意的に崇拝者の努力を見守りたまえ。我らはハントの神聖な伝統への従事により、あなたを称えん。

公正な狩猟の法を遵守し、逃げる機会のない獲物は倒さない。

獲物に敬意を払い、あなたを崇拝するための生け贄になることを感謝する。

常にハンツマンを敬い、狩りをする時はあなたの許しを得る。

ハーシーンよ、狩りをする我らを祝福したまえ。我らが誇りある狩りをして、合法で実り豊かな収穫を授けられますよう。

ハヴォクレル:オブリビオンからの来訪者Havocrel: Strangers from Oblivion

創造物の謎の記録者、トリカトレル 著

膨大な知識を持つが故に、私が真の驚きを得る機会はほとんどない。私は創造物の最大の謎に関する正確な情報を集め、後世のために記録している。例えば、私は他のいかなる定命の者よりもオブリビオンについて詳しく知っている。サピアルチ大学における所謂「私の同僚」たちは、そのような主張が思い上がりに他ならないと受け止めている。私が自身をもはや彼らの一員ではないと考えているのはそのためだ。私は長年に及ぶ研究の日々で、あらゆる文書を探し求め、あらゆる賢者や予言者と話し、いくつか領域を訪れさえした。包括的な知識を有しているとしか言いようがないではないか。

それでも先日姿を現したハヴォクレルには度肝を抜かれた。いかなる古写本や概説書でも、このような姿のデイドラについて言及を見たことがない。また、いかなる儀式や伝説でも彼らの気配を感じたことはない。この存在は一体どこに隠れていたのだろうか? またその理由は? 幸運にも好機が巡ってきたため、私は最大限に活用した。

あるデイドラ信者が自らの目的のため、この単独行動を好む存在を召喚することに同意した。だが、私がこの生物に質問をすることも許してくれた。彼らの「教団」に対する風変りな貢献と引き換えに。その存在は「ジアカス」と名乗り、ハヴォクレルの一員だと言った。身の丈は氷の巨人ほどで、身幅は彼らの倍もある。深紅の肌を持ち、レヤウィンの物乞いと同様に目が見えない。完璧に整った体形で、奇妙なタトゥーがほぼ全裸の体を装飾している。彼らのような者がドレモラやスカーフィンのように大勢でいるところを見たことがないのはなぜなのか尋ねてみた。彼は笑った。「我々は孤立を好み、同種の者との親交を嫌っている。2人同じ部屋に入れるとどれだけ緊張するか見るといい。3人集めれば血が流れるだろう。4人のハヴォクレルが一ヶ所に集まれば、もう戦争と同じようなものだ」

孤立を好む生き物であるにも関わらず、ジアカスが進んで私と話をすることには驚いた。彼は自分を呼び出し、円の中に縛り付けている信者の方に絶えず視線を送っていたが、それはどうでもいいことだった。この機会のために大金を支払ったのだ。それを無駄にするつもりは毛頭ない。例えば、ジアカスはデイドラ公やその他の強大な存在との契約を履行していない時には、凍ったマジカの宮殿に暮らしていることを教えてくれた。私は彼の言わんとすることを説明してくれるよう頼んだ。彼は首を振り、「だめだ」と言った。

私は話題を変え、より強い主人に服従することについて詳しく聞きたいと言った。彼は笑った。「契約は服従ではないぞ、定命の者よ。例えば、私がメエルーンズ・デイゴンの軍を率いるのはデイゴン卿と取引をしたからだ。私の技能と力を価値ある何らかのものと引き換えにしたのだ」それは黄金か? とそれとなく言った。再びジアカスは笑った。「ハヴォクレルが黄色い鉱石に何の用がある?」

私は再度話題を変え、盲目なのは不自由かと尋ねた。どうやらハヴォクレルは全員盲目のようだ。見えぬ目を布や凝った頭用の防具で覆っている者もいるが、中にはジアカスのようにそのような装身具へ気を使わない者もいる。彼らの仲間が盲目であることについて重ねて尋ねると、彼は「我々には呪いがかけられている。これ以上は聞くな」と言った。この話題についてはこれが彼の最後の言葉だったが、盲目であろうとなかろうと、彼は円の外側にいる我々の位置を感知し、自分の周囲の世界を把握することに困難を感じてはいないようだった。一体どうやってそのようなことをやってのけているのか、私には分からなかった。

私たちは長々と話をした。他に彼がどのような話をしたかについては、いずれ説明することになるだろう。質問を終えると、彼は授けた知識の返礼をどうやって行うのかと尋ねてきた。黄金に興味がないことは明らかだったため、私は彼に何が欲しいのかと聞いた。彼は身振りで洞窟の床に描かれた円を示し、その後信者を指し示した。その信者の顔色は瞬く間に真っ青になった。私はうなずき、ブーツを履いた足の片方を円の方に踏み出すと、その一部を消した。

メモを持って洞窟を出る時に聞こえた叫び声は無視することにした。知識の代償は時として法外なものにもなりうるが、真の学者は常にそれを支払うのだ。

ハルドの尋問の写しHald’s Interrogation Transcript

密偵:よう、ハルド。

ハルド:近づくな。

密偵:気をつけるんだな、ハルド。私の機嫌を損ねたくないだろう。特にこれだけ、8週間か?いればわかるだろう。

ハルド:何も言うことはない。知っていることはすべて吐いた。もう解放してくれ。

密偵:お前がどれだけ役に立ったっていうんだ?おいおい、 ハルド。ここでは私がルールだ。

バンティールの日記Vantir’s Journal

この言語で書いていると手がつる。構文は不完全だし、動詞の活用にはいらいらさせられる。だが黒き虫の教団が使っている言語だ。適応しなければならない。

この広間を最後に歩いてから何世紀も経過している。父が私に破壊の儀式について教えてくれた場所もある。私が初めて生贄を捧げた石もある。そしてもちろん、私達全員を飲み込んだ裂け目もある。

何年の間、オブリビオンに捕らえられていたのだろう。私達が互いに向き直り、仲間を疲弊させる前はどれだけの時間があったのだろう。モラグ・バルが私の無慈悲ゆえに私を祝福したため、私だけが生き残った。今、我が主はこの黒き虫の教団員を案内してシラーセリに行き、ふたたび目的を果たすために、私を選んでくださった。

虫の教団が広間に追放者、我々の奴隷の末裔があふれていると言ってきたとき、私は激怒した。まず頭に浮かんだのは、すべてを消し去ることだった。だがその時、もう一つの考えが浮かんだ。「もし誰かを説得して裂け目をもう一度開かせることができたなら、一時的であっても、黒き虫の教団は地表の目を避けてシラーセリに入る手段として使うだろう」と。

虫の教団の密偵の一人がこの任務に適任だ。単純な不死の約束をするだけで、その者の運命は決まった。虫の教団が入れば、奴隷達を一網打尽にするのは簡単なことだ。その生物は我が王の次元融合に理想的な燃料を供給してくれるだろう

ビスネンセル:古代のルーツBisnensel: Our Ancient Roots

匿名学生 著

ハイルマ・モラ・パド・アダ・オイア・ナガイア・アバ・アゲア・カヴァ・アポクラ・デナ・ゴリア・ガンドラ・アルカン

我々の社会に属する誰もが知っているように、我々の教団の根源は歴史が古く、奥が深い。なぜなら我々は「太古の探究者」ではなかったか?しばらくの間バルフィエラ島に関する古文書や、ダガーフォールの魔術師ギルドにある古い文書を研究した結果、ついに我々の神聖なる集会所についての詳しい説明が可能になった。いわば骨に肉付けをできたのである。

今ならハルシオン湖の下にある、我々の秘密のアイレイドの聖所の元々の名が「ビスネンセル」であったことを明かせる。それは野生のエルフの言葉で「新たな水の集会所」を意味する。第一紀初頭、世に言う「聖」アレッシア率いる奴隷の蜂起の後にシロディールで起こった反エルフの大虐殺を逃れたアイレイドのクランによって建設された。ビスネンセルを造ったクランの故郷、ハートランドはネナラータの街であるが、そこはほとんどのアイレイドの居住地同様、一部は地上、一部は地下に建設されていた。避難民のエルフ達は、ビスネンセルを建てる時にこのやり方を規模を縮小して真似たのである。ただし、現在無傷で残っているのは地下の部分だけだ。

このエルフのクランの統治者はラロリアラン・ダイナーと名付けられたが、「アイレイド最後の王」という仇名の方がはるかに広く知られている。彼は傑出した戦術家兼将軍であり、読者諸兄もグレナンブリア湿原の戦いにおけるハイロックの大勝利とのつながりで、ほぼ確実に彼の名を耳にしているはずだ。その戦いで、侵略してきたアレッシアの大軍勢は打ち破られ、シロディールに引き返した。

研究を通して発掘された事実の中で、少なくとも我々太古の探究者にとって最も興味深いと思われるのは、この場所がハルメアス・モラを崇拝する目的で使用され始めたのが、実は何千年も前、まだアイレイドの占領下にあった時代だったということだ!この活動を率いていたのは大司祭ウルスキャントの名で知られる野生のエルフの学者で、彼が立ち上げたビスネンセルでの集会は、彼らの社会に存在した多くの学者や、最も影響力のある人々を引き寄せた。参加者の人数がさらに膨れ上がると、ウルスキャントは彼らの代表としてごく当然のことながら、政治の場でより大きな発言権を求めたが、その求めは「王」ダイナーにより不当に退けられた。統治者は軍隊を持たない学者の集団と権力を分かち合うことにはまるで興味がなかったのだ。彼は愚かにもこの学者達を、侮辱しても罪にならない相手だと考えていた。

さて、このダイナーはまもなくハルメアス・モラのしもべを遠ざけるのはそう容易ではないことを思い知らされた!傲慢な拒絶から数ヶ月の内に、この「アイレイド最後の王」は退陣させられた。彼とその家族はバルフィエラに逃れ、そこで彼はディレニに保護を求め、訓練された軍用犬のような存在として終生仕えた。

歴史が教えてくれるように、太古の探究者達は必ずいつか勝つ。古の言葉にあるように、知識が力であるならば、禁じられた知識は究極の力なのだ!「なぜなら知りたいという欲求は計り知れぬものであり、報酬として求められる代価はどのようなものであっても支払われるであろう」

アエ・ヘルマ・モラ・アルタドゥーン・パドメ・ルカン・アエ・アイ

ヒルカの尋問の写しHilka’s Interrogation Transcript

密偵:パクトに捨てられるってのはどういう気分だ?

ヒルカ:私を見捨てたのはパクトじゃない。スラゴフよ。

密偵:心底嫌っているようだな。

ヒルカ:当然のことよ。

密偵:どういう意味だ?

ヒルカ:奴はムーンシュガーにカジートを導けなかった無能な愚か者だったってことよ。

密偵:それで他の指揮官は?

ヒルカ:まあ、彼らがもし賢ければ私たちはここにいない。そうでしょう?

ブラッドソーンの命令Bloodthorn Orders

遠い昔、フラス鉱山で奇妙な石が発見された。その石は非の打ちどころがない立派なものであった。しかし、その美しさに囚われ、内に秘められた力を知る者は誰もいなかった。その鉱山にはそのような石で溢れているとも知らずに。

その石を使えば、我々の堕落のトーテムに力を与えられるということが分かった。ウィルドの樹に対する我々の取り組みにはもっと石が必要だ。鉱山を手中に収め、石集めに従事させる者を数人集めろ。

ブラッドソーンの命令:漆黒なる墓地Bloodthorn Orders: Ebon Crypt

キャス・ベドロードでの尽力のおかげで、我々の軍は急速に成長している。古代の共同墓地からかなりの量のアンデッドの群れを得られた。だがもっと必要だ。

その名前だけ知られている付近の墓、漆黒なる墓地に関する噂を耳にした。伝説によれば、その墓地には計り知れない力を持った暗黒の生物がいるらしい。この生物とその謎を我々の手に!この墓地を探し出して、発見物をできるだけ早く報告しろ。

ベシーサへの手紙Letter to Vethisa

この命令をちゃんと聞くのだ、シャドウパスの奉仕者、悪魔主義者ベシーサよ!

お前は高い階級を得た。私が与える任務を成功させれば、さらに高みへ行ける。失敗すれば、苦痛の中で死ぬことになる。

暗黒の王から、古代の遺物がシロディール南部の大地の下に隠されていることを聞かされた。帝国の崩壊によって、邪魔されることなく捜索が可能になった。この遺物を手に入れれば、私はシャドウパスを指揮して帝都とシロディール全土を征服できる!

ポットホールと呼ばれる洞窟を調べろ。この任務を甘く見るな。ヴォルカティアとヴォルゴは、他の場所で遺物を探している。持ち帰った者は、永遠に私の助力を得られるぞ。

奇跡のセラスによって正式に規定された、シャドウパスのサークルとして命令する。部下たちを厳しく使い、努力と資金を惜しむな。

私を失望させるな。

— ドレッドロード・ナウクラティウス

ボエシアとその化身Boethiah and Her Avatars

策謀と陰謀のデイドラ公ボエシアは、世界に自分の意志を押し付けるために化身を利用する。これらの化身は常に気まぐれで予測できないことが多く、ダークエルフやその他いくつかの種族の男女として現れる。彼らは大抵、重要な行事や重大な出来事に加わり、そういった出来事が秘密主義の彼らの主人の意志にかなう結果となるように暗躍する。

ボエシアの化身はよく、立派な英雄たちや一般人も同様に、その気性を試すために意図された挑戦や試練を出す。彼らの動機がはっきりと示されることは決してなく、大抵うやむやにされるが、いつでも主人の策略の(小なり大なり)一部であると推測される。

これらの挑戦や試練が終わる時(大抵の場合、仮面を覆った化身が課した任務が完了された時)は、化身が形跡もなく消えることがよくある。これにより、しばしば不可解な物語や奇妙な言い伝えが生まれ、少なくとも挑戦に参加した者の間で混乱を呼ぶことになる。

ボエシアの栄光Boethiah’s Glory

ボエシアの顔を見上げ感嘆せよ。ボエシアが見えるように腕を掲げ、祝福を奉げよ。戦いは神への祈りと知れ。死は不可避のものと知れ。己をボエシアの目の中の取るに足らないものと知れ。

ボエシアの腕は長く、刃のように素早い。

傷は深く、毒のように潜む。

信じ、崇めよ。死が簡素であるよう祈れ。

信じ、崇めよ。死が静寂であるよう祈れ。

信じ、崇めよ。ボエシアの栄光を賛美せよ。

デイドラ公のための戦いに飛び込め。信じぬ者を切る構えを

ホロウジャック公の夢の国Lord Hollowjack’s Dread Realm

サイジックの深淵の欠片の代弁者、クイレアン・ダルニザーン 著

雑用から超自然的なものまで、数々の重要な問題がタムリエルとその政府、民に降りかかっている。一部の者は、オブリビオンの小次元やその支配者、デイドラ公、デイドラ小公に対する学術的な研究に資金を支出することを非難する。それはささいなものとみなされ、より偉大な計画からすれば取るに足らないものと考えられがちだ。こうしたテーマはサイジックの研究に向いていない。我々の周囲を取り巻くアウルビクの環境にさえ、理解していないことはたくさんある。しかし、「より偉大な計画」が取るに足らないことの積み重ねで作られ、現実の歪みと確実に関連すると知らなければ大した学者ではないだろう。何が重要で何が取るに足らないのか、誰に分かるだろう?私はサイジックの研究に向いていないものなど信じる。全てを考え合わせれば、知識の力は無限だ。無知の力は黒檀をも硝子のごとく砕く。

不要でもったいぶった前文を読ませて申し訳なかったが、その判断は後に回してほしい。この講義が終わるころには、先程の発言が正確だったと同意してくれるはずだ。平均的なサイジックのこの件に関する無知を示すため、まずはほとんど知られていない次元、デトリトゥスとその奇妙なデイドラ公、ハー・ルグ・ゼクに関する講義から始めよう。おそらく、一般的にはホロウジャックと呼ばれている存在だ。多くの者はホロウジャック公を、迷信深い農民を騙すための、魔女祭りに関係した虚構の怪物だと考えている。彼は実在していて、収穫の月に墓地へと現れ、不用心な者を驚かすという物語には客観的な裏付けがある。

伝説の背景にある真実を紹介しよう。ホロウジャックは特別な上級デイドラだ。定命の者の恐怖の公という称号を得ている。彼が司っているのは、恐怖にかられて人間やエルフが神の介入を求める一時的な崇拝だ。ホロウジャックによれば、こうした崇拝者は彼に属する。魂ではないにせよ、心を捧げる。彼はそうした恐怖から、超自然的な力を引き出すのだ。この「恐怖の餌」に対する超自然的な仕組みは謎だ。サイジックが理解する古き習わしのどのカテゴリーにも入らない。しかし、破壊魔法を知らないからと言って炎の実在を否定することはない。説明できないからと言って、デイドラが恐怖から力を得る仕組みを否定はできないのだ。このことを裏打ちする証拠があまりにも多くありすぎる。

さて、「ホロウジャックによれば」と続けよう。まるでデイドラ公の証言や尋問があるかのようだが、そうではない。ホロウジャックは捉え難い。定命の者の前に現れるのは、最高の恐怖を与えるためだけだ。しかし、中にはホロウジャック公に何度も訪れられて恐怖のあまりおかしくなった人々がたくさんいる。「ホロウジャックの犠牲者」と分類しよう。長く断片的だが、口伝によって恐怖のデイドラについて証言してくれる。こうした証言を通じて、彼らを追い詰めた相手について知るのだ。これは蔵書庫に保管された「恐怖#427」にまとめられた日誌からの抜粋である:

「ペトラには夜勤があった。彼女は鉱山で夜を明かすことがあったが、その時彼が現れた。静かに天井が崩落すると私に告げ、ペトラはそのまま帰らなかった。彼は話しながらとても長い中指をとがらせ、鉤爪を互いに打ち鳴らし、強調するためにこちらの目へ向けた」

別の引用をしよう。恐怖#112からだ:

「…彼の歯。マーラよ、彼の歯。どうしてあんなに長く鋭い歯で笑えるの。彼が笑うならだれも笑うべきじゃない。彼が笑った時… ああ、マーラよ、お守りください…」

最後に、これは恐怖#4からだ:

「彼は自身の領域、デトリトゥスについて語った。彼がどうやって閉ざされた記憶のコレクションを浪費し、分類しているかを。別のアングルから再生して、定命の者の心の脆弱な部分を新たに発見しようとしているらしい。新たな力の鎧の隙間、恐怖に屈することを防ぐ正気の抜け穴を。デトリトゥスに外側はないそうだ。内側しかない。部屋から部屋、終わりなき悪夢と内面の苦しみ。「定命の者が最も恐れるのは、自身の中にあるものだ。ほとんどの場合、内側に何が眠っているのかを思い出させるだけでいい。それで十分だ。十分すぎる」

これがサンプルになるだろう。しかし、蔵書庫で少し過ごし、自分の目で見てみると、ホロウジャック公の描写が驚くほど一定していることに気付くはずだ。穏やかに話す。長く鋭い歯から静かにささやく。長く、細く、素早く動く指で「鉤爪」と呼ばれる爪を打ち鳴らす。鉤爪は切ることも刺すこともできるが、大抵の場合は話していることを強調しているだけだ。彼のオブリビオンの領域についても一定している。閉所への恐怖を誘う小さなスペースがちりばめられ、その定命の者がなくした個人的な品が壊れて道を塞いでいる。

魔女祭りが来ると商人が訪れ、詐欺師がホロウジャック公の周囲で動き回る。顔に中指を振って子供を脅かす。このジョークの裏にある真実を考えてみよう。怯えた犠牲者に同情を寄せ、彼らの話を信じて見よう。最も重要なことだが、夜が来て怯えて見たら、適当な祈りを唱えぬことだ。答えが気に入らないかもしれないからな。

ミルダノールの破れたメモMildanor’s Ripped Note

〈メモの上部はミルダノールがつかんだときに破れたらしい〉

新しい顧客が弁償を要求している。グリフィックは影響を及ぼし、アポクリファへの襲撃を必要としている。手に入れるのがお前の仕事だ。失敗したら、暗い展望や痛みに満ちた死などは、取るに足らない心配事になる。

使命を果たせ。グリフィックを受け取りに行く。

記憶する者

ライランスの手紙Lyranth’s Letter

小さき定命の者

私はドレモラのライランス。もしかしたら私を知っているかもしれないし、知らないかもしれない。あなたたちを個人として覚えるのは難しい。私と会ったことがあるか、別の方法で私の注意を引いたことがあるかもしれないけれど、あまり関係はない。私があなたに手紙を書いているのは、今よ。

同盟の首都に来て、私の代理人を務めるロガティナ・シンナに会いなさい。彼女がより詳しい情報と、直接会うための移動手段を提供する。メエルーンズ・デイゴンの手先が私の動きを逐一監視しているから、重要な情報をもろい封蝋の保護には委ねたくない。

面白い事態になっていることが分かったの。あなたとあなたの世界にとって、破滅的と言えるかもしれないわ。この先はロガティナが伝える。早く来て

L

リーザのブラッドソーンの報告書Leeza’s Bloodthorn Report

優秀な指導者へ

私たちの野営地は、マイヤの滝を水源とした水流が分岐している所にできた空き地に設置してある。そこでは既に喜ばしい成果が上がっている

アルドクロフトからの報告書を押さえただけでなく、獅子の守護団の斥候も取り押さえることに成功したのだ!

さらに待てば、カシミール王はきっと路頭に迷いながら降伏するであろう!

—第一の種、リーザ

レオヴィック皇帝の日記The Journal of Emperor Leovic

この件を始めたのは父と祖父だが、終結させて利益を得るのは私だ。ヴァレンの奴が現れて、殺されなければだが。

父は帝都の地下にこの別館を築き、最後の秘密を保管させた。他の者が仕事を続けるための避難所だ。最悪の事態が起きた時は、分かっているな。

以下に記すのは、少なくともパズルに関わっている者だ。ただし、全ての真実を知っているのは私の執事と目覚めの炎教団のリーダーだけだ。彼らでさえ、裏切り者ヴァレンの勢力が接近したことで、私が加えねばならなかった変更については知らない。

四つの野望の準備はまだできていない。できていたらそれでヴァレンを滅ぼし、私の帝国を守っていただろう。だが野望が現実となるのはまだ数年先だ。

私には最後の策が一つ残されている。父が個人的にメエルーンズ・デイゴンに捧げたこの別館の祠を使って破壊のデイドラ公に呼びかけ、祖父が帝国を征服した時のように、再び助けを求めるつもりだ。もし失敗し、私が裏切り者ヴァレンに倒された場合は、目覚めの炎教団の大神官であるお前が他の者の相手をし、野望をどこに動かしたか解明せよ。あれをヴァレンの手に渡すわけにはいかない。

ファルル・ルパス執事
ロヴィディカス評議長
アボール評議員
ファレリア評議員
イティニア評議員
ジリッチ評議員
ソフス評議員
ヴァンダシア評議員

ロドス病The Llodos Plague

秘薬師ブレヴァ

引き続き伝染病の新たな菌株の実験を行う。セルカモラでの仕事は素晴らしいものだった。マギストリックスもお喜びになっている。セルクはいい実験台だ。病気で弱った者がやって来て治療を請うている。中にはすでに以前の菌株に感染している者もいる。我々は彼らを喜んで受け入れ、病気を治癒するという嘘の約束をとりつけている。レドラン家やフラール家ですらその嘘を信じ込んでいる。信じたくて仕方がないようだ。

伝染病に関してだが、かなり強力なものになった。しかし残念ながら生存率は期待値には届いていない。1つの街全体を破壊できるような真の大流行を引き起こしたいならば、引き続き魔法を強めて試験を行っていかなければならない。次の段階は実験レベルを上げることだ。すでに、幹部の1人が純度の高い菌株の開発に成功したかもしれないという報告を受けている。その菌株の到着を待ち望んでいるところだ。

次の実験はさらに大きな街で行おう。ナルシスがいいだろう。フラールの馬鹿共はまったく疑うまい。ナルシスにいる連絡先に伝えて、準備をさせなければ。

——錬金術師マーディンドリル

悪魔主義者ヴォルカティアへの手紙Letter to Diabolist Volcatia

この命令をちゃんと聞くのだ、シャドウパスの奉仕者よ!

お前は高い階級を得た。私が与える任務を成功させれば、さらに高みへ行ける。失敗すれば、苦痛の中で死ぬことになる。

暗黒の王から、古代の遺物がシロディール南部の大地の下に隠されていることを聞かされた。帝国の崩壊によって、邪魔されることなく捜索が可能になった。この遺物を手に入れれば、私はシャドウパスを指揮して帝都とシロディール全土を征服できる!

ヘイノートと呼ばれる洞窟を調べろ。全ての岩を砕き、全ての裂け目を開け。遺物を見つけるために全力を注げ。見つかるまで戻るな。

セウルジスト・セラスによって正式に規定された、シャドウパスのサークルとして命令する。もう彼女を支持するつもりはない。悔い改めることが彼女の運命だ。そうでないと、気分を害した私が彼女を生かす保証はない。

私を失望させるな。

— ドレッドロード・ナウクラティウス

闇の任務Dark Contract

母よ、待つのは終わりだ。あなたの家族はまた一つになるだろう。あなたが取ったすべての行為も、奪ったすべての命も、これにつながっている。虫の名においてニマルテンを奪うのだ。そうすればあなたの最愛の家族は、もう一度生者の土地を歩くだろう。

— 虫の父サリク

隠者ガイアスへTo Anchorite Gaius

隠者ガイアス

我々が放った密偵たちの調査によりますと、エズレバとヒズルドという2人のカジートはグリーンヒルで最も親密なカップルのようです。ヒズルドのほうはすでに捕えました。恋人の命が懸かっていると脅せば、エズレバが我々の言いなりになることはほぼ間違いありません。彼女はグリーンヒルにおける我々の密偵となり、増幅クリスタルの設置と支配の開始を可能としてくれるでしょう。

あなたのしもべ
アティア

我々は預かっているWe Have Control

ヒズルドの毛皮を一房、同封しておいた。憶えておくがいい。カジートの生皮を剥ぐ方法は1つじゃない。

関心を持つ者へTo Whom It May Concern

ウッドエルフのフィンガエニオンはオブリビオンの次元に入る方法を知っているそうだ。彼は私のようなノルドには理解不能な闇の書物を読み、研究を続けている。彼の妻はずっと前にそこで行方不明になったが、彼女がまだ生きているなら、アンドーンテッドが彼女を救出する!

偉大なるアンドーンテッドがオブリビオンを探検した… 今から数十年後、人々は私達のことをそう歌うだろう!それはアンドーンテッドの中でも最も勇敢な者達の歌だ。メエルーンズ・デイゴンのカミソリの中に飛び込んでいくのだ!確かにそれは立派な行為ではなく、賢明とも言えないかも知れないが、楽しいことは確実だ!

決行は明日。我々がアンドーンテッド内で、さらに地位を登り始める日だ!

PS

後世の人々へ… もし我々が帰還できなかったら(この野営地が荒廃したままだったら、そう思ってくれ!)、このメモをグレナンブラの「強きモルドラ」に届けてほしい。彼女は知るだろう。我々が死んだのは、アンドーンテッドとして生きることを選んだためだと!

PPS

我が部隊の編成は以下のとおり:

墓堀人ウンバルメ
望み無き者カエレネス
ソバベ
壮大なザンタン
グラド・グラサ
ブラッディ・メイラ
ブリットゲード・ベアマスター
アクセル・マルヴォー
モニネン
熟成肉を食べる者
ウッドエルフのフィンガエニオン

さらにもう1人

(我々の中で最も偉大なる!)ホゴンダー・ハンマーハール

記憶の書、第1部A Memory Book, Part 1

ファーヌイヘンからチューターのリパリウスへの指示

ああ、クリスタルを貫く輝きのごとく動く男爵よ。彼についての記憶が抜け落ちているのに、呼び戻せるわけがない。

彼は長身だったけど、ボズマーの像から姿を取った身から見れば、彼らはみな長身よ。私にはそうする理由が十分にあったし、ほとんどを思い出せる… 素早いし、標的になりにくかった。

だけど、「クリスタルを貫く光」を思い出すとなると… あなたは分かるでしょうけど、すぐ気が散ってしまう。冷たい言葉が必要よ。言葉が私の中を波打ちながら流れ、集中を取り戻させるの。

集中!ぴったりな言葉ね!「クリスタルを貫く光」は集中そのもので、彼が彼たるゆえんだった。戦闘中、彼はほぼ一瞬で居場所を移動し、前線から側面、また別の側面へときらめいた。彼の攻撃は、マロンドの光さながらにきらめいていた。忘れもしない、「5人の抵抗者」と戦ったとき、彼は激しく光り輝いていた!盾がガラスのように粉々に砕け、地面には牙と角が散乱していた。

そして我々は勝った!あの日は絶対に負けたくなかったわ。それは記憶の貯蔵所へ大事に保管して。いざという時、記憶が蘇るかも知れない。

記憶の書、第2部A Memory Book, Part 2

ファーヌイヘンからチューターのリパリウスへの指示

稲光のごとく動く男爵!彼の姿を心に思い浮かべられる?彼は雲から別の雲へと弧を描くように移動する。予想もつかないコースを取り、目にも留まらぬスピードで行きたいところに移動する!どこでも!突然に!

いや、違う。自分で自分をだましている。これは言葉でしかなく、幻視を説明する思い出に過ぎない。幻視自体は… 私から失われた。頭では、どこでどうやって戦ったか、いつ誰を倒したのか分かっている。でも現実の出来事の記憶には霧がかかっていて、忘れられた過去の夕暮れの中に静かに消えていく。

例えば、「中から穿つもの」との戦闘で、稲光のごとく動く男爵はセトと私の側で戦った。セトと私が「蝶番のもの」と対決していた時、稲光のごとく動く男爵は「無効なピストン」に過負荷をかけて砕き、燃やした。何かが起きたことは覚えている。ただどんな出来事か思い出せないだけよ。ああ、我が男爵。あの日、皆のために勝ってくれた。

お願いよ。稲光のごとく動く男爵を思い出せるように教えて。自分のその部分の記憶が恋しいし、もう一度見たい。少なくとも、そういう気分よ。

記憶の書、第3部A Memory Book, Part 3

ファーヌイヘンからチューターのリパリウスへの指示

私に考えがあるわ!葦をそよがす風のごとく動く男爵を思い出すため、何か別のことを試しましょう。純然たる論理で、彼を再構築しなくては!

風:大気の動き、はっきりしないが絶えることなく、方向は様々で、方位磁石のあらゆる方向から吹きつける。強く、それから弱く、そしてまた強く。

葦:背の高い生乾きの草の茎で、文学の基礎でもある。かさかさ揺れ、力を加えると曲がり、抑えていると音を立てて振動する。

男爵:卓越した人、戦いのために作られた人、私から見れば、多くの能力を詰め込んだ高度な体、芸術の人間化。

結果:葦をそよがす風のごとく動く男爵!彼の部分部分を知っているから、全体として統一された彼を思い出さなくてはならない。そして目の前に彼がはっきり見える!必要なのは…

違う。違う。これじゃ無理。

どうすればいいの?中にあるものを思い出すことについて、あなたは何と言った?それは何、リパリウス?もう一度言って。

輝かしき変動Glorious Upheaval

死の開花のセンダラムル 著

八大神と彼らの嘘を拒む者よ。彼らの愚かな教義を拒絶する者よ。この言葉を聞き、そして知るのだ。

ボエシアは価値あるものを欲している。信者からの女々しい賞賛も祈りも、慈悲と支援を求めて泣き叫ぶ声も、そんなものは彼の耳に届かない。打ち倒され、裏切られ、征服され、そして殺された者達… つまり弱さゆえに命を落とし、ボエシアの恩恵を受けることができなかた者達… そんな者達の血を見ることに、彼は喜びを感じるのだ。抵抗と暴力、謀略と侵略、そして掌握した権力のみが、一粒の埃として彼から注目を受けるに値する。

もし報酬を求める勇気があるなら、唾液をしたたらせる彼の牙の間に挟まっている。試される者、すなわち哀れな亡骸の腸に濡れて立つ者は、策略のデイドラ公のみが知る秘密を垣間見ることができる。トリニマクを飲み込み、神々の弱さを証明したあのデイドラ公のみが知る秘密だ。打倒できない力など存在しない。「惑わす者」への意志を示すのだ。あらゆる手を尽くし、すべての支配者による掌握を断ち切れ。王冠は自分の頭にかぶるためのものだ。そうすれば輝きへの道が開かれる。自分が本来持っている力を認識できるだろう。

自己満足に浸った惨めな人生に背を向けよう。身分不相応な者達からすべてを奪え。それは本来自分が持つべきものなのだ。手の中にあるものを汚し、自分の目的のために使え。そしてその手をさらに伸ばせ。目の見えぬエドラを拒絶しろ。あんなものはエセリウスで腐らせておけばいい。軟弱な魂、しなびた役立たずの魂がただ朽ち果てていくだけのあの牢獄で… 奴らの命令を拒み、戦いを享受しろ。虚無と同じくらい真っ黒な異端の言葉を語り、ドラゴンの亡霊であるアカトシュと滅びゆく奴の同族を鼻で笑ってやるのだ。

ボエシアはそれを見ている。彼女はすべての勝利を味わい、すべての決意の瞬間において陶酔に震え、強き者達に恵みを与える。彼女の勇者の1人になりたいなら、真実の道を進むためにすべてを壊したいなら、あなたは終わりなき奮闘に加わることになる。そしてその行き先に争いと不調和をもたらすのだ。そうすることによって初めて、その先に待っているさらに大きな戦いに備えられる。永遠の戦いを続ける者よ。服従を拒む者よ。このことを知れ。ボエシアは価値あるものを欲している。

欺きの予兆The Omen of Deception

何重ものクアグマイアの領域に覆われた奥には、とある霊魂が住んでいて、ニルンの定命の者を破滅させ、彼らの低俗な領域中に嘘と欺きを広めることを長い間切望してきた。

ヴァルミーナのペット達の中でも、この霊魂は特に影を潜め、秘密主義を貫いている。彼は数多くの名前で知られているが、そのどれも真の名前ではなく、そのため何世紀にもわたって彼の召喚は不可能であった。

しかしヴァルミーナが昨夜、闇の夢を見て寝ている私の耳に彼の秘密の名前を囁いた。タムリエルに彼の悪い影響をもたらし、タムリエル中の人々を疑わせて裏切らせるようにと命じた。

欺きの予兆を召喚するには、まず始めに4つのかがり火を灯し、捧げ物とする者を殺し、そして最後にそのデイドラの真の名前を言わなくてはならない。

捧げ物の血は流れたばかりの新鮮な血でなくてはならないが、捧げ物が完全に死んでいるよう十分に注意する。もし捧げ物に少しでも命が残っていると、デイドラは弱々しく、無防備な状態で召喚されるだろう。そしてその身に何か起ころうものなら、ヴァルミーナはいい顔をしないはずだ。

そのデイドラの真の名前はイカルだ。それを言えば彼は現れる。ただし、彼の器をしっかり準備しておくことだ。

暁を見よLook to the Dawn

ここは何かがおかしい。

墓地から音が聞こえてきた。そして私達は… あれを見た。亡霊。幽霊。奴らは夜明け前に姿を現した。

私は調査のためにここに来た。答えを探さなければならない、絶対にやり遂げるんだ。

失敗した場合に備えてこれを書いた。お前がこれを読んでいるということは、私は恐らく墓地に出る何かに殺されたということだ。お前も殺されたくなければ、ここから立ち去るんだ。

これを伝えたのは、同じことが起こる前に、お前にアズラと和解できる機会を与えるためだ。今すぐ引き返せ。暁を見ろ。彼女の輝かしい威厳を目にするんだ。今ならまだお前の命を、そして何よりもその魂を救うことができる。

お前は暗闇に包囲されている。暁に戻るんだ。

恐怖の淑女の手紙Dread Lady’s Letter

定命の子へ

私はライランス。時々つまらないことに興味を抱く、ドレモラの追放者よ。私たちは前にも会ったかもしれない。会っていないかもしれない。あなたたち定命の者に関しては、区別が難しい。

とにかく、破壊と野心のデイドラ公、メエルーンズ・デイゴンの計画を進めようとしている教団が存在する。私は彼らの活動と、どうやってロングハウス帝の秘密に到達したのかを調べることにしたけど、ある障害に突き当たってしまった。定命の者の力を借りる必要がある。

このメッセージを最後まで読むと、私がこの結界に込めた魔術が地図に印をつける。まずはそこで会いましょう。これはライランスの命令よ。私にはどうでもいいことだけど、あなたたちの世界の運命が、次の行動にかかっているかもしれない。

L

暁を見よLook to the Dawn

ここは何かがおかしい。

墓地から音が聞こえてきた。そして私達は… あれを見た。亡霊。幽霊。奴らは夜明け前に姿を現した。

私は調査のためにここに来た。答えを探さなければならない、絶対にやり遂げるんだ。

失敗した場合に備えてこれを書いた。お前がこれを読んでいるということは、私は恐らく墓地に出る何かに殺されたということだ。お前も殺されたくなければ、ここから立ち去るんだ。

これを伝えたのは、同じことが起こる前に、お前にアズラと和解できる機会を与えるためだ。今すぐ引き返せ。暁を見ろ。彼女の輝かしい威厳を目にするんだ。今ならまだお前の命を、そして何よりもその魂を救うことができる。

お前は暗闇に包囲されている。暁に戻るんだ。

訓練の報告書Report on Training

ノルダールの上達は容認できないほど遅い。これまで、あれほど才能のない魔術師を訓練したことはない。奴はまるで使い魔を召喚したことがないかのようだ!どうやって死者を蘇らせたのか私にはわからない。

奴は続けると言い張り、この授業のことを口にしたら私を殺すと誓っている。訓練中に事故があれば、本当に残念だろう。

軽蔑の儀式Rituals of Contempt

あのゴミ漁り共をまとめて刺し殺し、焼き殺すことができればこれほど喜ばしいことはないだろうが、手を見つけなければ!この臭い場所を取り囲んでいる、ゴミと残骸の中から我々を呼んでいる声が聞こえる。

何とかして味方を招集しなければ。手の存在を伝えれば彼らもここに残って捜索しやすいかもしれない。あるいは彼らも手に惹かれるかもしれない。

しかし私はここに残ることができない。あの忌々しい鱗肌がそこら中にいる。奴らの汚い爪に流し込まれたものの正体がばれる危険は冒したくない。

決して怯まないI Must Not Falter

彼を見つけた。ハーシーンが話しかけている。私にだ!

怯んではならない。私を苦しめるこの不公平に屈してはならないのだ!あらゆる者が私の敵になるだろう。だが屈服するつもりはない。

ワイルディングランに戻るつもりだ。私が生まれたその悪夢の地で、ハーシーンが約束してくれた力を見つけるのだ!その力があれば新たな道を、新たな歴史を作り出せるだろう!

私が力を得て、シルヴェナールを崩壊させれば、グワエリングは私の元に来るだろう。グリーンレディであろうと関係ない!彼女に選択肢はないのだ!ハーシーンこそが私の猟師であり、私は彼の忠実な猟犬なのだ!

血で書かれたメモNote Written in Blood

今日、またウィサード・ハンドの馬鹿どもが近づいてきた。何人血祭りにあげても、懲りずに使いを出しては手を貸してくれと言ってくる。簡単に仕留めることができる獲物もいいが、そろそろ狩りの興奮が恋しくなってきた。

力が充分に回復しているのを感じる。この分だと洞窟から出て、警戒心の薄い獲物を探せるようになるのもすぐだろう。

賢きレラミルからの手紙Letter from Leramil the Wise

your name

危険な状況にある私の協力者として、運命があなたを選びました。少なくとも二つの世界の未来が窮地に陥っています。

秘密のデイドラ公ハルメアス・モラは、私がニルンを救うため、あなたの助力を得なければならないと予見しました。ストームヘヴンで会いましょう。この恐るべき危機について詳しい話を聞いてください。

賢きレラミルからの手紙

後戻りはできないThere Is No Going Back

フィルインへ

魔術を熟知している者との出会いは喜ばしいことだ。その能力を有効活用しなかった、お前の元の雇い主は愚か者だ。だが彼の死は私達にとって利益となる。

アバマスで会おう。だが心に留めておけ!後戻りはできない。これまでの人生とは手を切れ。黒き虫に尽くす上で、邪魔になるようなものは容認できない。

—カッシア・ヴァロ

最後の要請A Final Appeal

首領スーラック

スティルライズ村はこの件に関する君の決定を待つ余裕はない。デイドラ公と取引しなければならないという気後れは理解できるが、手遅れになる前に代替案を検討してくれ。

長年の間、首領の決断力を伴った統率のおかげでスティルライズ村は災害や戦争や伝染病には遭わずにすんだ。シャドウフェンの他の場所は苦しんだにも関わらずだ。彼らの知恵が我々をかくまい、守り、健やかに保ってくれた。

しかし今では、あまりにも多くの友や隣人や家族を埋葬し、火葬してきた。これ以上墓を掘り、死体を焼く薪を組まなければならないのか?病気の子供達に、もうすぐ良くなると嘘をつき続けなければならないのか?

君は長年、スティルライズ村を助ける私の助言を信頼してくれた。これは最後の助言だ。祠に入って何があるのか見せてくれ。そうでなければ、これ以上君を援助できない。

私だってこんなことはしたくないんだ。古い友よ。昨晩関節痛が始まった。呪術師チラーが正しければ、私達は2人共1週間と持ちこたえられないだろう。

行動を起こしてくれ、首領スーラックよ。そうでなければ、君は何も率いていないのと同じだ。

ヘルシュク族長
第二紀561年、薄明の月15日

最初の日The First Day

私はレイザーマスターになるはずだった。私が転覆させたあの地位を継ぐはずだった。私にとってあの門を越えることは、燃えたぎるるつぼに落ちることに等しかった。

深遠の炎が私の血を沸騰させ、私は溶岩の雨が降り蒸気が揺らめく荒野に投げ出された。なぜ今でも生きているのか不思議でならない。

気がつくと私は短剣を握っていた。

「身を守る手段は与えてやったぞ」という声が聞こえたが、そこには誰もいなかった。

「これだけ?」と私は誰もいない空中に問いかけた。

「それだけあれば十分だ。自身を証明しろ。そして生きるのだ。それができないなら、新しい日を楽しむがいい」

慈悲についてAbout Mercy

全員に告ぐ

慈悲は弱さだ。覚えておけ。我々はここに頭蓋骨のためにいる。弱者を奴隷やペットのように連れ歩いても、マラキャスの名誉とはならない。

マラキャスにふさわしくないやり方は、オースバウンドにもふさわしくない。

——グルズナック

次に来るものWhat Comes Next

支援を申し出て後悔することはないだろう。ボズマーのためヴァレンウッドをともに取り戻そう!

もし君がこれを読んでいるとすれば、すでに必要な試料のリストを持っていて、やるべきことを分かっているはずだ。準備が整ったら、邪魔の入らない静かなグラーウッドの角を探せ。用意ができたら儀式を行え。儀式は簡素かつ優雅だ。ドミニオンに汚染される前のヴァレンウッドのように。

ハーシーンが私達の呼び声を聞いてくれる!呼びかける者が多いほど、声も大きくなる。私達は共に狩りをする。ヴァレンウッドに残っている者が、皆ボズマーになるまで

-カラハウン

取引成立A Deal is Struck

素晴らしい日になった!我が公の命令通り、私はブラック・ドレイクと呼ばれるリーチ人、ダーコラクと同盟した。この強大な蛮族の戦士が皇帝として王冠を戴き、ルビーの玉座に就くための取引を結んだのだ。

これから本当の仕事が始まる。終わることのない準備。儀式。メエルーンズ・デイゴンの四つの野望を用意するため、行わねばならない全てのことが。我々は任務をこなしながら、最後の取引が実現する日を待ち望む。メエルーンズ・デイゴンは、正当な地位を手にするのだ。

破壊のデイドラ公を称えよ!変化のデイドラ公を称えよ!

襲撃の時間!Time to Strike!

ついに祭壇が整い全ての準備ができた。今夜、パクト軍の無防備な愚か者どもにオブリビオンの大群が襲い掛かる。

ああ、別世界の獣たちがこの世に降り立つ瞬間、近くで見ていたい。奴らの痛み、恐怖の悲鳴、死の叫びを、じっくり味わいたい。最初にこの提案をしたとき、ソルカリン大将軍は「デイドラと付き合うまで身を落とす」ことを拒み、ためらった。だから私が自ら着手することにしたのだ!

かの不快な地の住人達とその言い伝えについては、長年勉強してきた。デイドラを指揮し、統制する方法は心得ている。これほど強力な獣たちのこととなると、失敗は許されない。するつもりはさらさらない。

今夜、ドミニオンのシロディール征服を阻む障害物が一つ排除される。次はカバナントだ!

新しい主The New Lord

今日風が吹いた。レッド・ジール砦の頭上に燃えるような風が吹いた。最初はデッドランドの悪天候のせいだと思った。しかし風の中から巨大な何かが姿を現した。それは人間やエルフよりもずっと背が高く、灰色の痕跡を残しながら空中を浮遊していた。

ありとあらゆる種類のデイドラの生物がその後ろに続き、要塞に向かって進軍した。彼らは溶岩の海を突き進んだ。中にはその熱さに耐え切れず倒れる者もいたが、残りはパチパチという音を立てて燃えながら歩き続けた。そしてその神々しい存在の前でひれ伏すと、百の小さな太陽のようにくすぶり、やがて消えた。数日前なら、このような出来事に私は心を躍らせたでしょう。だがあの生物達は完全に滅んだわけではない。一度倒したはずの連中が、何度も何度もまたやって来るのを今まで見てきた。

そして巨大な地響きとともにタイタンが現れ、炎の雨が降り始めた。そのあまりの激しさに、私が立っていた洞窟の入口の一部が溶けて、入口が広くなった。私は一時の安らぎを求めて、必死になって闇の中に逃げ込んだ。ついに終わりがやってきたと思った。しかしまだ終わりではなかった。外に出ると、タイタンが下を向いて体を丸めていた。皮膚に付着した深紅のざくろ石は、怒りの赤に染まっていた。タイタンは幾分抵抗の意志を込めて、灰と火と鉱滓の存在をにらみつけた。頭蓋骨に開いた穴からもうもうと煙が舞い上がっていた。

私は炎の呪文を予想したが、タイタンは持ち上げた頭を再び下ろすだけだった。それは抵抗だったのか?それとも渋々敬意を表したのか?そして溶岩の神が、その正体が何であれ、ようやく両足を泥の地面に踏み下ろした。

新しい同盟Our Budding Alliance

ベールの陛下

ようやく礼節をわきまえてくれたか。新たな合意に達することができ、嬉しく思う。デイゴン卿へのその安っぽい誓いを捨ててモラグ・バルに仕えれば、戦争での勝利は確実なものになるだろう。タムリエルにおいて、この戦争での勝者は1人だけだ。

時期が来れば手下に指示を与えさせる。期待を裏切らないように。忠実に動けば褒美を与えるが、裏切れば——わかっているな。その処罰は想像を絶したものになる。

モラグ・バルの名において、命令通りに動くように。

(そして好きなデイドラ公に小声で祈るように)

蟲の王、

マニマルコ

新人の第2のメモInitiate’s Second Note

ここに来て2週間になるが、すべては順調に進んでいる。私は前よりずっと強くなった。主に私達がこなしている重労働とスパーリングのおかげだ。たくさん怪我をしたが、それは故郷で散々殴られるのと同じことだ。

パックリーダー達の説教はやむ気配がない。彼らの話は常に「狼のようである」ことと、集中すればどんな風に「自らの弱さを乗り越え」られるかをテーマとしている。予想以上に教団めいているが、それでも私はここに故郷を見つけたと思っている。

1人かわいらしい若い娘がいる… ナラーだ。彼女は私の見た目が気に入っているようだ。来週スパーリングが終わったら、彼女の気持ちを確かめてみなくては!

新人の第3のメモInitiate’s Third Note

1ヶ月もの間、洞窟から出ていない。あの獣は私の夢で私につきまとい、目覚めてもしばらくの間は彼の声が聴こえる。リーダーは正しかった。儀式はその役割を果たしたのだ。誰もが夢を見ている。それが彼らの顔から読みとれる。

今夜私に変化が起こるはずだ。恐ろしい… だが同時に興奮してもいる。ナラー… 君がそんなに可愛くなければ良かったのに…

星の5つの先端The Five Points of the Star

シギラウ・パレート 著

予言は彼女の領域であり、夜空の女王が見たことが最後には現実となる。定命の者にはぼんやりとしか見えないかもしれないが、それは全ての定命の者に水晶占いの才能が与えられるわけではないし、真実を知ることに耐えられない者もいるからである。

夜明けは切迫した時間であり、アズラが知恵と目的をもって私達に触れる時でもある。そして私達は口に出して助言を請い、恐れおののきながらその答えを待つ。

バラは彼女の色であり彼女の花である。彼女の復活の地であるムーンシャドウは太陽である。私達は正午までに定命の者の仕事を終わらせるが、太陽が低くなった時のために、常に体力を少し残しておく。

夕暮れ時は私達がアズラの指示に従う時である。そして私達は暗い夜の行いで彼女を称賛し、従順でない者を罰して彼女を讃える。

運命は彼女が私達の価値と功罪を書き記した本である。私達は自らの行いにより、彼女から好感や侮蔑を得る。そして自分達の運命を彼女の予言で知ることになる。

千の夢見人の夢Dream of a Thousand Dreamers

ヴァルミーナ!

千の夢見人の夢よ!

終わりのない喜びの啓示よ!

失われた魂の導き手よ。

屈強な魂の喜びよ。

弱き魂の狂気よ。

ヴァルミーナ!

鼠の言葉The Words of the Rodent

この言葉をよく聞いてかみしめること!時が迫っている!

腹ぺこ鼠に言われた。マッドゴッドが紛れ込んでいると。

生け贄を持って捧げに来ること。でなければ館の食い物になるのみ!

増幅クリスタルThe Amplification Crystals

増幅クリスタルの設置が終われば、いよいよ計画を実行に移せる。増幅クリスタルが必要なのは、グリーンヒルを乗っ取るためだけだ。ここに足がかりを築いてしまえば、ドロ・マスラはあのアーティファクトを使ってリーパーズ・マーチ全域に影響力を及ぼすことができるようになるだろう。

もっとも、増幅クリスタルはできるだけ長く作動させておくよう努めるべきだ。支配できる住民の数が多ければ多いほど、ドロ・マスラは速やかに勢力を拡大できるだろう。

村人の数の記録A Tally of Villagers

ナルシスの人口を数えて管理しなくては。もうすでに多数がモーンホールドへ逃亡しているから、対象数は極度に減っているはずだ。

村人をあまり拉致しすぎると、ロドス病が広まるために必要な被害者が足りなくなって、この実験自体の意味を失ってしまう。幸い、問題はいずれ消えると信じ込んでいる貴族は家を離れようとしていないから、疫病にかかるにはぴったりだ。

このままなら、すべてが整った時にはまだ疫病を広めるのに十分な人数が残っているはずだ。とはいえ、リストの管理は続けなくてはいけない。数え間違えれば有効性に影響を及ぼすし、疫病を広められる規模を減らしてしまう可能性がある。

長き夢見人チャルトランの指令Overdreamer Chartrand’s Orders

夢見人達へ

皆には警戒の重要性を今一度思い出してもらい、ガヴァウドンのキャンプの警備を怠らないようにしてもらいたい。メネヴィアとアルカイアにいる仲間の不注意により、アズラの信者が積極的に私達に対して敵対的な行動を取るようになっている。彼らはエメリック王の代理人の支援を受けている。エメリック王にこれほど早く我々の存在を知られてしまったのは残念だ。

以上のようなことから、計画を前倒しにしなければならなくなった。迅速かつ効果的に行動する必要がある。だが冷静さを失ってはならない。与えられた任務を遂行しつつ、新たな敵に邪魔されないよう細心の注意を払え。

次は良い報告だ。我々は嘆きの巨人にあるアズラの祠を破壊することに成功し、私もここアフレンの要塞に辿り着くことができた。ここには我々の大義の助けになる遺物が他にもあると思われる。我々はキャンプの安全を確保して目的の物を手に入れるために、ここに来る前に慎重な調査と偵察を行った。皆もそうしてくれ。

これまで以上に主は我々に忍耐を求めている。警戒を怠ることなく、彼女の意志を実践するのだ。皆であればこの厳しい課題を乗り越えられるはずだ。近いうちに、皆とウェイレストで会えると信じている。

敬具

長き夢見人チャルトラン

敵なるアーケイArkay the Enemy

聞け、子供たちよ。私もかつては諸君のように身分の低い男だった。私は自分の意志で神の配下に入った。絶対的な信仰心によって、諸君も私の栄光を分かち合うことが可能だ。

死霊術師は愚かで意気地のない者ばかりである。ウィッチハンターの餌だ。だが、我が召使である諸君は選ばれし者だ。諸君の力に立ち向かおうとする者は今後いなくなるだろう。しかし、1つだけ障害が残っている。その名はアーケイだ。

かつては彼もただの男であった。彼と私の定命の一生における類似点には、私ですら驚かされる。我々が敵対すべきなのは当然の話なのだ。

アーケイの祝福は、人々と獣人、そしてエルフの魂が、同意なしに利用されることを阻止する。アーケイの法は、適切な儀式をもって埋葬された者を生き返らせ、我が子の願望を叶えてやることを阻止するのだ。我が子たちよ。知ってのとおり、アーケイの祝福は勇敢な者に対しては融通が利くが、アーケイの法は断固としている。

学者へ:アーケイの司祭らに屈辱を与えよ。彼らの原始的な埋葬の習わしが単なる偶像崇拝であることを明らかにするのだ。お世辞だらけの言葉を用いて王たちと友人になり、諸君の意向に彼らを縛りつけよ。指針として、シロディールの我が子供たちを模倣すること。

司祭へ:召使の使用は控えめにし、生存する者に見られないようにすること。アンデッドの思い出を人々の記憶から徐々になくすこと。未拘束の死者、吸血鬼、リッチの元に、伝道師を送ること。あらゆる死者に私だけを支持させるべし。

隠れし者へ:いつもどおり、闇にて待機せよ。

まもなく我々は動き出す。アーケイの聖堂は石から石までバラバラになるだろう。彼の司祭の血は、我々の喉の乾きを潤し、彼らの骨は我らが召使として生き返るであろう。アーケイの名は記録から削除され、私だけが生死を支配するのだ。恐怖に囁かれるは我が名のみでなければならぬ。諸君の王であり、主の名を。

— KW

奴らは懇願すべきだThey Should Grovel

何度頼もうが無駄だと言うのに、ウィサード・ハンドは諦めようとしない。こちらの辛抱にも限度がある。堂々たる死者を支配できると思い上がっている生者どもに、私は少しも親愛の情を感じない。

連中の傲慢さにはイライラさせられる。本来ならば、彼らは先立った者たちの前にひれ伏し、輝かしい死後の生を分け与えてくれるよう懇願すべきなのだ。

日記、12日目Journal, Day 12

この試みは愚行だったと思い始めている。物体を研究して12日になるが、教団の約束はひとつも達成されていない。闇の司祭たちは私たちが闇の者への祈りを怠りなく続ければ彼らの儀式に成果が出ると請け合った。私は忠実であろうと努めているが、疑いは増すばかりだ

日記、26日目Journal, Day 26

3日間固形の食物を摂っていない。闇の神への信仰心の欠如に対する贖罪だ。レガーに私の疑いを打ち明けるのではなかった。彼はすぐにヴィラのもとへ行った。私の無礼と冒涜にも関わらずヴィラが即座に私を殺さなかったのは驚きだ。我々のグループの他の者たちはそこまで幸運ではなかった。彼らは死体を隠そうとしたが、私は見てしまった。誰もが叫びながら死んでいったように見える

日記、32日目Journal, Day 32

今日、闖入者が到着した。ステンダール崇拝者の司祭だ。彼が戻らなければもっと仲間が来るだろう。我々は彼を縛りクモにくれてやった。クモたちが生身の肉をむさぼるときの、彼ののたうちまわるさま、叫ぶ声ときたら!そこには一種の恐ろしい美しさがあり、私は目を逸らせなかった。あのような獣を制圧する力にはそそられる。私は信仰を倍加すると誓った。いつの日か獣が私の命令に従うように

日記、40日目Journal, Day 40

ああ、祝福された栄光の日だ。私の信仰は完全だ。私は選ばれし者、そしてまもなく影と共にある者になる。タムリエルの全てが私の力の前に震えるだろう。誰もがメファーラを讃える!

破棄された書簡A Discarded Missive

マイ・レディ

仰せのとおり、信者が集う新しい集会場を探しましたところ、海岸沿い、ファーストホールドの西に良い場所を見つけました。

すでに主の御名において聖別を済ませてあります。あとは貴女様の祝祷により、この殺風景な場所を我々のものとしていただくのみです。

主の御名において

墓の臭いがする者の報告書Scent-of-Graves’ Report

ノルダールは一歩進む度、足に泥が粘着しています。あのような男が一体なぜ指導者の地位まで上り詰められるのでしょう?確かに奴は欠片を持っています。しかし我々にあったのは、卓越した能力によってそれを手に入れたという彼の言葉だけです。言行と行動の両面において、軽率です。

これらの懸念を報告するのは、軽々しい判断ではございません。我々がリフテンに戻った際には、この件に関してさらにお話ししたく存じます。彼の欠片を取り上げたほうが賢明かもしれません。あるいは、彼の命を。

それまで、潤いを保たれんことを。

— 墓の臭いがする者

放火の贈り物The Gift of Arson

ファーストホールドが鍵だ。アイレンの兵が北を抑えていなければ、マオマーの同盟は自由に動ける。

この小さな街を焼くのは確かに単なるお遊びだ。しかしこれはすべてデイゴン卿、あなたのため。

方法はあるThere Are Ways

アエラ・アースターナー

お前は大切な者を失った。しかし彼らと再会する方法はある。時と血を超えて立証済みの、古いやり方だ。

我々に加わるといい。パクトの動きに関する情報さえ提供して、忠実でいれば、お前と愛する者達を再会させてやろう。

マニマルコの名の下に

— 虫の父サリク

夢から夢へTo Dream Beyond Dreams

百の預言の予兆 著

メネヴィア、緑多き愛しきメネヴィア、そこにある若いブレトンが住んでいた。彼は歴史的遺産を受け継いでおり、身の周りの世話は人を雇っていたため自分は何もする必要がなかった。間仕切り窓のところに座り、ひし形窓の外で田舎の風景が日の光とともに変化する様子をじっと眺めた。その日彼は、辺りが暗くなり就寝の時間になるまでずっとうとうとと過ごしていた。その後床に入った彼は夢を見たのである。

彼はどんな夢を見たのか?それは自身の所有地の夢だった。しかし日中のものよりも色が濃く、実物以上、さらに汚れのない清らかなものであった。夢のメネヴィアは現実のメネヴィアよりも現実味があり、起きている時よりも寝ている時の方が生を実感できたのだ。毎日彼は間仕切りのところで、夢を越える夢を見る方法を模索した。夢見のメネヴィア、レヴァリメネヴィアで永遠に暮らす方法を。

彼は「レヴァリメネヴィア」と言う。それは祈りの言葉であった。「レヴァリメネヴィア、レヴァリメネヴィア」。彼は何千回もこの祈りの言葉を口にした。すると、その言葉はみるみる「ヴァーメネヴィア、ヴァーメネヴィア」に変化していき、さらに回数を重ねて短くなっていった。そして最後には「ヴァルミーナ」となり、彼は何度もそれを繰り返す。「ヴァルミーナ、ヴァルミーナ」

そこで夢の形でヴァルミーナが現れ、彼のことを天上の夢見人、最初のナイトコーラーと呼ぶと、百の預言の予兆と名付けたのである。目覚めた後も、まだ夢の中にいるようで夢うつつで言葉を発し、彼は他の夢見人を彼のもとへ、レヴァリメネヴィアへ呼ぶのであった。

あなたもすぐに彼のようになれる。ナイトコーラーはそれを夢見てきた。ある夜夢を見たら、そこでその名前を言うのだ。そうすれば彼女が現れる。

夢の中の覚醒In Dreams We Awaken

眠りの中、私達は目を覚ました。

彼女の幻想が私達を呼んでいる。タムリエルのいたるところから、彼女の夢が私達に本当の世界を見せてくれたのだ。私の知っている世界よりも遥かに素晴らしかった。

ヴァルミーナがこの世界の空を輝かせている!ヴァルミーナはこの世界の星々だ!夜空に見える千の光は彼女の千の真実なのだ!

この油断のない世界は、苦痛と飢えに満ちている。偽りの世界だ。私達はより明るい新たな時代を夢見る者として、この壊れた世界の隅々から集まった。

彼女が私達をこのストームヘヴンに導いたのだ!彼女はよりよい世界のために私達を目覚めさせた!偽りのこの世界から離れるのだ!

この単純な真実を理解できない者もいる。彼らは私達のように彼女の夢を理解できない。本物の夢見人ではないからだ。彼女は力のある者と謙虚な者に声をかける、だが不適合者は狂気の中に置き去りにされる。

目を覚せ、眠る者よ!夢見人になるのだ!夢の中で彼女を探し、私達の仲間になれ!

私達はお前を待っている。

夢見人の時代が訪れるDreamers Our Time Has Come

夢見人よ!我々の時代が訪れた!

お前は我々と共に歩むために遠くまで旅をしきたのだ。お前は偽りと苦しみに塗れた、壊れた世界の中をさまよい続けてきた。

お前は我々と一緒に歌うために長い旅をしてきたのだ。ヴァルミーナの幸福に満ちた奇跡を称賛しようではないか!彼女の夢が永遠に続かんことを!

ストームヘヴンは我々の目の前にある、彼女の夢を分かち合うのだ。見える者、そして目覚める者が私達の仲間となる。私達は謙虚な者と力のあるものを求めている。弱い者、盲目な者は、彼女が狂気の中に置き去りにするだろう。

教えを与えよ!

ウィンド・キープの無秩序な争いに教えを与えよ!

嘆きの巨人の苦痛の涙に教えを与えよ!

世界に広めよ!夢を受け入れるのだ!

我々は夢見人の軍隊を組織する。そして偽りの都市、ウェイレストへと戻る。八大神の異端者は滅びることになるだろう。そして夢見人が支配者となるのだ!ウェイレストは夢見人の都市となるだろう!

我々の新たな時代が始まったのだ。我々は永遠の名の下にヴァルミーナの僕となる。

全ての者よ、ヴァルミーナの名を讃えよ!

命令:ノルヴルク遺跡Norvulk Ruins

ウィンド・キープ近くの丘に略奪されていないアイレイドの遺跡があるという噂を耳にした。騎士ガルガクに従え。彼がそこへ導いてくれる。この遺跡を押さえ、中に眠る古代の神秘を探し出さなければならない。夢見人のために!

命令:ファランゲルの洞窟Orders: Farangel’s Delve

指令は単純だ。ディミトリの後を追ってファランゲルの洞窟へ入り、そこにある見捨てられた砦の場所を特定しろ。そこには膨大な量の物資があるはずだ。それをウェイレストで売り払えば、かなりの儲けを得られる。やり遂げるのだ。天上の夢見人のために。さらには我らが大義のために!

命令:ベアクロー鉱山Orders: Bearclaw Mine

ガヴァウドンで我々の勢力を拡大させるためには、基地設置のために戦略的に有利な場所をもっと探さなければならない。バンコライから来た我らが仲間、アリスティドが嘆きの巨人近くで鉱山を発見した。そこなら自分達の採掘作業を行いながら、防衛基地としても利用できる。アリスティドに従って、この鉱山を夢見人の手中に収めろ!

目覚めし者の説話Wakener’s Sermon

遺跡に据えられた「完全な家」を見て忍び笑いを漏らす者もいるかもしれないが、彼らは死とまどろみを取り違えている。コゴルーンは常に、変わらずそこにある。埃に覆われた下で震えながら、主人の帰還を待っている。私たちと同じように。

掘削者は、灰の像からもっと近くへ来いと呼ばれていると囁いている。しかし像が歌いかけているのは彼らの粗雑な血ではない。生まれながらの権利を持つ、血を受け継ぐ者の瞳に啓示を見た。本物の理解。彼らを通じて、私たちは世界を秩序ある形に作り上げていくのだろう。

この場所でその血が語る者を探せ。覚醒は近い。

目覚めの炎の手紙Waking Flame Letter

破壊者ルーレンへ

お前の任務は重要だ。失敗は許されない。教団の計画とメエルーンズ・デイゴンに約束された報酬の全ては、お前のチームが最大限の成功を収められるかどうかにかかっている。

ライランスというドレモラが、赤い花弁の砦からある品を入手した。お前の仕事は彼女を見つけ、タムリエルで彼女が使っている隠れ家がどんなものであろうと追跡し、その品を教団のために奪うことだ。あの魔法の剣は確実に彼女の妨害を阻止する。ただ、使う者には攻撃のタイミングをしっかりと計らせてくれ。一度失敗したら、それまでだ。

遺物を手に入れたら、グリーンシェイドの影の這う地に戻れ。お前の到着を、首を長くして待っていることにする。

破滅の運び手リザリーン

目覚めの炎の書簡Waking Flame Correspondence

破滅の運び手リザリーンへ

ドレモラのライランスがポータルの鍵を手に入れた。それが欲しい。

破壊者ルーレンと数名の侍者を入手に向かわせなさい。鍵は彼らの命よりも価値があることを明確にしておくように。鍵がなければ、我々の計画は大きな打撃を受けるかもしれない。”変異”を起動し、稼働させる時間は少なくなりつつある。

この任務のために剣を手放すのは気が進まないけど、あのドレモラは排除しなければならない。これ以上彼女の妨害は容認できない。

鍵を手に入れたら、この図が示した通りにシンボルを並べなさい。それで、オブリビオンの我々の拠点へと通じるポータルが開く。その後で、ポータルの鍵を私のところに持って来て。ここから新たな領域へ移動するために必要になる。

それから、設計図を持ってくること。決して置いてこないで。私たちの構想に反対する者の手に、設計図が渡ることだけは絶対に避けなければならない。

急いで破壊者ルーレンと共に戻ってきなさい。次回の”変異”の試験に立ち会えるかもしれない。それが終わったら、定命の者の領域に災厄を放つ。

デイゴンの名において
シスター・セルディナ

目覚めの炎教団の儀式の命令Order of the Waking Flame Ritual

[この文書には、この別館内部の奥にある専用の祠で行われるべき、ある儀式が記してある。儀式に成功すれば、実行者は直接メエルーンズ・デイゴンと交信できる。少なくとも、それが主な狙いのようだ。余白に書かれたメモは、儀式が目覚めの炎教団の、破滅の運び手エシルによって記されたことを示唆している]

約束しようA Promise Made

モラカー

君の条件と約束に同意する。金はペルズ・ゲートにいる私の両親にいくべきだ。知っての通り、私は金のために動いているわけではない。私の死によりヴァルミーナが向かえに来てくれるなら、喜んで逝こう。だが両親に金があれば、この危険な時世にも少しは楽をできるだろう。

彼女に近づきたい。

— ガスパリエン

世界とそこに住む生物

The World and Its Creatures

アルドメリの選ばれた人々The Chosen People of Aldmeris

ピャンドニアのシーロード・マレロース 著

ピャンドニアのマオマー族が、犯罪者としてサマーセット諸島から追放されたアルドマーが分かれた種族であると、いまだ信じる者は多い。これは、アルドマーによる不実で大きな嘘なのだ!

水晶の塔にあるつづれ織りの訳書によると、偉大なるマオマー族は、我々アルドマーの先祖において一番の純系から直接伝わったことが明らかにされている。我々はサマーセットから来たのでなく、アルドマーの先人の故国に起源を持つのである。

アルドマーは混血種である。彼らは我々の偉大なる指導者オルグヌムに、深い霧の中をピャンドニアのヘヴンまで我々の民を率いさせた悪しき者なのだ。

何世紀もの間我々は、勝利の帰還に備えて軍隊を結集してきた。真のアルドマー族としての生まれながらの権利によって、サマーセットは我々のものなのだ。劣等のアルドマー族のすべての名残りと、彼らの混ざった血は、タムリエル全土から抹消されなければならない!

我々の時は来た!立ち上がれ、マオマーよ!アルドマーの、遺産の正当な継承者としての地位を確立するのだ!

ヴァレンウッドのウッドエルフThe Wood Elves of Valenwood

アルトマーやダンマーなどの親戚とは異なり、ボズマーは他と比べると気さくと言えるほどの態度を持っている。インペリアルの外交官の中にはこの陽気な愛想のよさを、グリーンモート中毒者が初期に経験することのある、あのまろやかな酩酊に喩えている者もいる。しかしこれをカジートのスクゥーマ中毒者と同類のものとみなすような、早まった真似はしないほうがいい。この木の民は盗みにかけては意地が悪く、抜け目がない。尊敬とは言わないまでも、注意には値する存在である。

ボズマー族の統治は、このゆるやかな覇権を統治と呼べるなら、カモラン王朝によって行われている。だが、組織されていないボズマーの部族間で、司法の厳格かつ強制的な執行が見られることは稀である。それよりも多少厳格なのは、母系を基本とするクランの血縁である。樹の従士、あるいは部族の長の支配は、戦時下における防衛以外の目的をほとんど持っていない。真の権力は「紡ぎ手」として知られている森の女神イフレの司祭たちが握っており、彼らはグリーンパクトと呼ばれる、ボズマーに肉食と、種類を問わず生きている植物はいかなる手段にも使用しないことを強制する、奇妙な行動原理を守らせている。

彼らは森のニンフなどではない。ウッドエルフが戦争に赴くのは、土地を支配するためでも貴重な資源が欲しいからでもなく、スポーツとしてである。ヴァレンウッドが脅かされでもしない限り、ボズマーは他者を殺すことを単純に不必要と考えている。貴重品の窃盗に関しては盗難以前に誓いが交わされ、一滴の血も流すことなく解決する。しかしやむを得ない場合、彼らは弓に卓越した能力を示す。若者は射程とスピードを活かした、驚くほど高度な狙撃訓練を受けている。アレンシア近くの森を歩く時は、財布やかばんを手元から離さないようにし、ボズマーの悪党は地元の街の警備員に報告することだ。

ヴァレンウッドの心臓Heart of Valenwood

〈告げ示す者〉ベレダルモ 著

ヴァレンウッドの心臓、生きた森の心臓はよく1つの物体であると誤解されやすい。大木が森の中心にあるというのは本当であり、ヴァレンウッドの活力源のようなものを巡らせている。だがその木が心臓であるとするのは、ヴァレンウッドの心臓の理解としては非常に限定的なものになる。

ヴァレンウッドの心臓は森の魂であると言ったほうが適している。巨大な木はその魂のただの物理的な象徴であるが、身体の魂のように、ヴァレンウッドの心臓は1ヶ所ではなく全体を満たす。

ヘクタヘイムの古代のアイレイドを見たいと願う者が知っていたように、それは途方もない力を持ち、ヴァレンウッドの他の地域をはるかに凌いでいる。結果として、その特別な場所はしばしば古い書物で「ヴァレンウッドの心臓」と記されており、良くも悪くも利用しようとする数知れぬ陰謀の対象となった。

もっとも初期の陰謀は、アイレイドが初めてヴァレンウッドに来た時に起こった。ある死霊術師(忌まわしい名前は長い歴史の中で失われた)がヴァレンウッドにアンデッド軍と侵攻し、命を与える心臓の力を悪用してアイレイドの魂で恐るべきアンデッド軍を作り上げた。アイレイドはその軍を倒すべく長期戦を戦い抜いたが、結局倒すことはできず阻止しただけだった。

アイレイドはウェルキンド石を使ったヘクタヘイムを包み込む強力な結界を作り、以前素晴らしかった街は征服に来た軍の監獄となった。アンデッドは地に帰されて囚われた。結界を破ろうとして成功したものはおらず、魔法そのものを無効にできた者だけが、アイレイドの驚くべき仕事を元に戻せたと推測される。

ヴァレンウッドの心臓に関する理解が限られており、滅多に話されないのは、強力なハーシーンの結界があったからだ。ウッドエルフはヘクタヘイムに迷信と畏敬、つまり古代への畏れと、内部から発散するような生気を与える力の崇拝が入り混じった感情を向ける。

最後にヘクタヘイムに入って心臓を見たウッドエルフは、200年以上前のシルヴェナールだといわれている。だが当時の複数の記述でさえ、彼が同時代の人にはおかしくなったとして扱われたことを暗示している。

ウェアウルフへの対処Dealing with Werewolves

ヴェヌスティニウス・パーキティヌス 著

あなたがカムローンの駐屯地に留まっているにせよ、スカイリムでノルドの愛想のなさに耐えているにせよ、帝国の者ならばライカンスロープという恐るべき病気の兆候について知っていなければならない。セイニーズ・ルピナスに感染した怪物の攻撃が増加している今、以下のことを学び適切に対処することはあなたの義務である。

大樽の中や市場の露店に大量のカニスの根があふれかえっていないだろうか?地元住民がこの根を近所の木や垣根になすりつけているところを目撃したか?奇妙な動物の足跡を追ったが、跡が途中で消えてしまったという経験はあるか?村の聖堂が抱えている物乞いが生々しい悪夢を見ていたり、顔や体に深い爪の傷を受けていたりするか?狼の遠吠えが聞こえるのに、1匹も見つからないということがあるか?もしそうであれば、ウェアウルフ(あるいはもっとたちの悪いウェアベア)が君の管轄区域で活動しているかもしれない。

ウェアウルフは頑健な混血種で、強力な顎と両手足に爪を持つ。身長はオークよりも手幅3つ分高く、激しい血の渇きを見せる。遭遇した場合、あなたが自分の武器と鎧に絶対の自信を持っているのでない限り、何をおいてもまず逃走を試みることである。可能な場合は、狼の行く手に現地住民を突き出せば、それで飢えを満たしている間にあなたは物陰に隠れ、馬に乗れるだろう。

ウェアウルフと戦わなければならない場合は、何でもよいので銀の武器を装備しよう。これは非常に有効であることが証明されている。しかし、深い切り傷と感染してしまう可能性を覚悟しなければならない。感染が起こった場合は、アーケイの最期の儀式と即刻の処刑を準備するため、上司に報告しよう。

エルフの建築術についてのメモNotes on Elven Architecture

石工ギルドの歴史家ガスティヌス・フロラス 著

優雅にそびえ立つ、あるいは動きがなく変わり映えしない。ハイエルフ建築はリーチの民の饗宴における彩色された牛のように、インペリアルの批評家たちを二分している。カーブのかかった切妻や尖塔は高さを強調し、巨人も頭を付けるのに苦労するであろう天井と、天空に向かった誇らしげに伸びる屋上がそれに続く。こうした建築物は「ハイエルフ」の姿の視覚的反映であり、彼らは自分たちの建築物を他種族の住まいと対照づけようとしているのである。

歴史家の中でも感覚の鋭い者たち(たとえばスキングラードのカンタベル・コンゴニウスなど)は、アルトマーとアイレイドの住居の比較における明確な類似に気づいた。彼らは祖先を共有しているのだから、その類似は見逃しようがなかった。アイレイドがサマーセット諸島を去った時、アルトマーは留まった。それでも彼らの建築物は多くの共通する要素を持っている。証拠が欲しければ、ブラヴィル付近の遺跡を歩いて、スカイウォッチの絵画と比べてみればいい。細かな違いはそれほど明確ではない。アルトマーはお高くとまってはいるものの、その傲慢さはアイレイドのように有害なレベルにまで落ち込んではおらず、オーリドンのより洗練された建物の数々がそれを反映している。

このような建築デザインの起源は古く、長年培われてきた方法を用いているが、時代遅れの域には達していない。アルトマーは革新よりも改良を追い求め、大規模の変化にはうぬぼれにも似た反抗を示しつつ、細かい調整で満足している。その結果は高度に洗練された正確さと調和、そして古風な構成の選別と反復が示されるのである。

オーガ:概要Ogres: A Summary

シランティレ 著

シロディール辺境の森林地帯、そしてまたタムリエル中にある、滅多に足を踏み入れられることのない共有地の隅ならばどこでも、タムリエルで最も基本的な奇形生物、すなわちオーガの故郷となり得る。僻地の洞穴や岩石地帯の小山の浅い洞窟を覗いて見れば、出会うのはトロルや狼ではなく、この原始的な生物の小さな集落かもしれない。多くの場合、彼らの狩場には手を出さないようにしておくのが最善である。オーガは我々の境界線には近寄らない傾向にあるし、他の略奪者たちを抑える効果もあるからだ。オーガが何らかの障害となる場合は、最寄りの街の衛兵に連絡することが義務とされている。ごくわずかな費用を払って襲撃部隊を要請すれば、このような敵は簡単に駆除できる。

オーガは議論をするような知性を持ち合わせておらず、巣への侵入者を叩き潰してひしゃげた死体に変えることに、原始的な快楽を感じている。彼らは狩りをして食料を獲得し、必要なものを集めてくる。そのようにしてニルンでの生活を楽しむのみである。しかし彼らがその驚くべき腕力で敵をねじ切り、大きな岩を相手に投げつける際は例外である。幸運なことに、オーガの性質は鈍重なので、素早い相手であればそのような攻撃は回避できる。オーガの身体の色については、エリンヒルのファラスタスの推測では灰色がかった青色が彼らの空に対する輪郭をカモフラージュしているとされるが、これはタネスのレディ・シンナバーによって説得力のある批判が加えられており、この謎の解決には程遠い状態である。オーガのところまで歩いていって、尋ねる訳にもいかない。

オークによるタムリエル案内An Orc’s Guide to Tamriel

ルラク・グロボズゴル 著

人とエルフの要塞と野営地を通り過ぎる時に大切なことは、彼らの正義はモーロッチの掟が促すほど即座に実行されないと覚えておくことだ。例えばダガーフォールの盗賊は、数日間投獄されるかも知れない。対照的に殺人犯は、じめじめした独房に何年もいて、取るに足らない領主が有罪を下すのを待つかも知れない。

それゆえ、不当な者に対して怒りをぶつけるときは慎重に。即座に正義を断行することは文明的な人々に支持されるが、現地の風習がそれほど効率的でなかった場合に、喧嘩やもっと悪い時には重大な脅迫としばしば誤解される。

同様に、そのような地の掟は権力を持たぬ者からの挑戦を理解せず、場合によっては許可さえしない。私達の間では貧弱な指導者に対して決闘が広く認められた救済策である一方、文明化の程度がより小さい社会ではその実用性の発見に至らず、しばしば他者による力の誇示を許すことになる。

よって、そのような者達に己の意見を述べるときには気をつけるように。その意見は迅速かつ暴力的に無効とされる可能性がある。その代わりに思いを共有できる者達を探し、数の力をもって勝利を手にすること。

終わりに、遠隔地において優れた職人技能はしばしば未発達だ。サマーセットとヴァーデンフェルのエルフは精錬された鍛冶について一定の理解があるが、シロディールとはるか北の者達は違う。より未開な土地の一部では、合金以外の鉄でも武器や鎧の製作に使えると考えられている。

彼らの時代錯誤な慣行を打ち破ることを恐れるな。君の努力は尊敬と称賛を集め、その名はあまねく広がるだろう。

オーリドン探訪録 第1章Auridon Explored, Chapter I

寛大な読者よ、ようこそ。ようこそ、澄み切った青い海と優しいそよ風の島、オーリドンへ。サマーセット諸島の宝石、タムリエルへの玄関口であるこの素晴らしい島は、古くから最も友好的で最も開かれた、我が高貴な種族の故郷だった。

ここに、未編集の探訪記を収録する。最近この島を旅した際に考えたことをざっと書き留めたものだ。この島の隠された宝、この保護された楽園の最も印象的な場所などはこれらのページで参照できる。

謙虚な案内役である私より、お楽しみあれ!

— 旅人フェンリル

〈後のページは破り取られている〉

オーリドン探訪録 第2章Auridon Explored, Chapter II

…こっちをじっと見て、私の心の中をのぞいている。あの小さな目、毛むくじゃらの体。これ以上、恐ろしい景色はあるのだろうか。おとぎ話を信じてはいけない…この猿たちは自分たちの家に我々が侵入することをひどく嫌がっている…

オーリドン探訪録 第3章Auridon Explored, Chapter III

ああ、魅力的なエリノーン島。古代にはブラニイムの入り組んだ海の一部だったが、やがて近隣のスカイウォッチにより荷積みと倉庫の施設として使われた。その後、スロードがやって来て、病気、そして死が訪れた。

さらにスカイウォッチの抵抗の結果、スロードの部隊が数十年もの間、占拠し続けた。ついに全旗海軍の残存部隊からなる合同部隊によって追い出され、島は放置され腐敗、衰退をたどった。

残念なことだ。その自然の美しさは計り知れず、その遺跡は…大変素晴らしいのに。

オーリドン探訪録 第4章Auridon Explored, Chapter IV

この島は私の心を捕らえてやまない。古代アルドマーの拠点——恐らく海の中にまで広がっていた大きな構造の一部——だったのは明らかだ。今では主として、近隣のスカイウォッチの街の生活から逃れるために使われている。

ここで、復活したデイドラ教団、虫の教団の信者が、巨石墓跡のようなものを建立する準備をしている証拠を見つけた。スカイウォッチの街に警告しなくてはいけない。

オーリドン探訪録 第5章Auridon Explored, Chapter V

寛大なる読者よ、美しく、比類なき瞑想の島について、ざっくばらんに書き記したものを編集する必要があると感じている。紛れもなく、タムリエルで最も美しい場所の一つだ。いわゆる素晴らしい探検家は、幸せに満ちた多くの思い出を持っている。静寂の中での食事、有意義な眺め…月明かりとの出会い…

既に述べたように、瞑想の島で過ごした時間は魔法のようだった。きっとあなたも同じように思うだろう。

オーリドン探訪録 第7章Auridon Explored, Chapter VII

地元でハイタイド砦として知られる遺跡は、かつて防御要塞で不規則に広がった施設だった。古代の遺物は、手間を掛けて管理され、要員を配置された。

その結果、スカイウォッチはスロードが攻撃をする間、素晴らしい防御を見せた。強力な魔法の建物が見事に造られ、使い尽くされた。十数のスロードの軍艦が破壊された。

町がついに陥落したのは、スロードのウォーキャスターがその大きな口を錬金術の揮発性試料で満たし、崖の下に自ら飛び込んだときだ。その結果として起きた爆発で、ほとんどの岩肌が崩れ、遺跡が海の中に沈んでしまったのだ。

オーリドン探訪録 第12章Auridon Explored, Chapter XII

古代人が最初に諸島に足を踏み入れたのはいつかとよく聞かれる。自分の研究によれば、神話時代の初期になる。

現在は、「九船の上陸地」と呼ばれるオーリドンの最北端は、伝統的にサマーセット諸島の中で古代人の足取りを真っ先に感じる場所だ。サマーセットから古代人はタムリエルの海岸へと広がっていき、その偉大で争い多き大陸のほとんどすべての地域に入植した。そこで彼らは新たな社会を築き、繁栄と破滅を経験した。

ガーゴイルの謎——解決!The Mystery of Gargoyles—Solved!

ポルベルト・リタムリー 著

ガーゴイル!灰色がかった緑色の肌に、ごつごつとした牙の生えた顔、角ととがった耳を持つ、巨大で不格好なヒューマノイド。その一部は翼まで生やしていると言われているが、この図体の大きな獣が飛ぶとは信じがたい。さて彼らは一体どこから、何のためにやってくるのだろう?続きを読んでほしい。この大いなる謎がついに解明されたのだ!

ガーゴイルの物語はタムリエル中に広く分布しているが、実物をその目で見たと言える者はほとんどいない(1匹でも見たことがおありだろうか?知り合いに目撃者は?私はいないと考える。私がその手のことで正しくないことは滅多にない。私の他の小論文をお読みであればご存知のはずだ。まだお読みでないとしたら、残念ながらあなたは情報に疎く、人生を変え、富を築くチャンスをいくつか見逃している。あなたはきっとこのような欠点を正す賢明さをお持ちであろう)。

さて、目の前の用件に戻ろう。ガーゴイルだ!彼らはきわめて数が少ない。だが、ハンマーフェルの荒野の奥深くで彼らを目撃する可能性があることはよく知られている。崩れかけた岩山の上にしゃがみ込み、悪意に満ちた眼差しで獲物になりそうな相手を見下ろしながら、それを鉤爪が生えた石のように固い手で引き裂く準備を整えている彼らをだ!生き延びてこのような出会いについて語る者が少ないとして、何の不思議があろうか?

いずれにせよ、ハンマーフェルの荒野の奥深く、そこがとらえどころのないガーゴイルが見つかる場所だ!だが荒野の奥深くの伝説の住人は果たしてガーゴイルだけだろうか?それは違う!実はレッドガードに長年伝わる伝説によると、あの勇猛な戦士達が最初にタムリエルの岸辺にたどり着いた時、ハンマーフェルの荒野には既に占有者がいたという。巨大なゴブリン達だ!

巨大なゴブリン!ゴブリンだが、サイズは巨人!言い換えれば、灰色がかった緑色の肌に、ごつごつとした牙の生えた顔、角ととがった耳を持つ、巨大で不格好なヒューマノイド。これを以前耳にしたのはどこだった…?

啓示だ!悟りの瞬間だ!もうお分かりでは?ゴブリンを見て、次にガーゴイルを見ていただきたい。ガーゴイルの絵で結構だ。なぜなら我々の中に実物をその目で見た者がいないことは確認済みのはずだ。しかしいずれにしても、とにかく見てほしい!これほどの類似が偶然であり得るだろうか?あなたはどうだか知らないが、うちの母はそこまでぼんやりした子を育てたことはない!偶然?まさか!それはハンマーフェルの(伝説上の)巨大ゴブリンと、ハンマーフェルの(公文書に記録されている)ガーゴイルの牙の生えた顔が事実上まったく同一であるのと同じくらい明々白々である。目隠しされた愚か者でも区別がつくだろう。

グアルを訓練する方法How to Train Your Guar

…5つの簡単なステップで!

グアルは一般的に思われているよりずっと複雑な精神を持っている。訓練すれば荷物を運ばせることができるし、従順で大人しい性質も好都合だ。しかしこの忠実な生物と私達の関係について、私達はどれほど理解しているのだろうか?グアルと一緒に何年も仕事をするうちに、彼らが私達の想像を遥かに超えた学習能力を有していることを私は発見した。私の研究成果により、グアルの最高の訓練方法が生まれたと私は確信している。グアルを深く研究するときも、老いぼれロリーがサンダルを咬むのをやめさせるときも、その方法がきっと役に立つだろう。

1.明示
グアルに何をさせたいか明確に示すこと。その際は身をかがめて、できるだけグアルに近い姿勢をとるように。仕事の様子を観察するだけで、グアルはその仕事の基礎を覚えることが研究により分かっている。グアルが好きな食べ物を持って、注意を引きながら仕事を見せることが肝心だ。

2.命令
明示した行動を命令するときは、はっきりかつゆっくりとした口調を使うように。正しい仕事の仕方を示しながら、命令の言葉を何度も繰り返す必要がある。時には叫ぶように命令して、グアルの注意を引くのも有効だ(ただし驚かせてしまうこともある)。

3.観察
命令を繰り返しながら仕事の様子を明示したら、グアルの動きをよく観察しよう。命令の言葉を言い続けて、グアルが正しい動きをしたら次のステップに移るように。ちゃんとできるようになるまで数時間、時には数日を要するので、辛抱強く観察しなければならない。

4.報酬
運ばせたいバケツを軽く押すことができたなど、進歩がたとえ少しずつでも、グアルには報酬を与えるように。訓練が上手くいかないときは、進歩する度に報酬を与えてグアルのやる気を継続させることが重要だ。

5.反復
新しい仕事をグアルに完全に覚えさせるには数週間かかることもあるので、忍耐力がこちらにも求められる。訓練は毎日続けること。ここで紹介したステップに従うことで、あなたのグアルは最高に訓練された、地元で一番のグアルになるだろう!

グレナンブラ・バンクに気を付けろBeware the Glenumbra Banks

水先案内人ガリック 著

何だって?グレナンブラ・バンクについて知りたいのかい?あのハイロックの北西の沖にある移動砂州のことは皆が知ってると思ってたぜ。あの岸に近いところでの船旅をすごく危険にする狭い小島のことは。俺自身は30年近くダガーフォールの水先案内人として生計を立ててる。商人の船を案内して、バンクの間を通り抜けて街の北の港を出入りするんだ。その仕事で俺はなかなかいい報酬をいただくんだが、商人達は文句を言わないぜ。その航路を通り抜けて進む時に、難破船の腐ったマストの円材やねじれた甲板を見るからな。

その航路はすごく危険で、絶え間なく変化するんだ。薄明の月の初めに、冬の嵐の後に港に入ってくる最初の船を出迎えるために出かける時、いつもおびただしい数の目に見える変化と、同様に目に見えない深さの変化が水路にある。俺達は気をつけて、頻繁に測鉛線を使って精密に地図に記さないといけないんだ。

だけど実際は、例え真央の月や南中の月でも俺達は常にバンク内の変化に注意を払わなくちゃならない。さあ、一体、砂はどうやって変化するんだ?時々、嵐でもないのに一晩中変わり続けることもあるんだぜ?ヘルネ海流ははるか沖に流れていて、夏には船乗りたちがヨクダのそよ風と呼ぶ微風が絶え間なく、だけど穏やかに西から吹いている。

それでもなお、砂は動き、バンクは変化する。

そうだな、流れ者よ、秘密を教えてやるよ。今晩、酔いどれライオンでおごってくれるならな。イスグレオイアだよ。ああ、聞き間違いじゃないぞ。エルセリック海の不死身のリヴァイアサンは単なるおとぎ話じゃない。イスグレオイアは生きてる。そして、深い海の底に現れるんだ…そして時々は岸辺の浅瀬にやってくる。彼はバンクの古い航路に盛り土をして、新しく掘り下げる。そして船が砂に乗り上げたら、彼は水中から上がってきて、船乗り達を1人ずつ食べていくんだ。

まあ、当然あんたには疑う資格があるだろう。もう1杯おごってくれるならな。だが、聞いてくれ。俺はただ年取った船乗りのほら話を長々喋ってるんじゃねえぜ。俺は見たことがあるんだ。月が満ち、海が凪いでいる晩には、奴の油ぎった背中がかいま見えることがあるんだ。老いた巨大な怪物が曲がりくねった彼の罠を掘っていると、表面を越えて盛り上がるんだ。時折、間欠泉のように吹き上がることもあるぜ、鯨がやるみたいにな。だけど、それから、その微風がまるでオブリビオンから吹いてきたかのような、悪魔のような悪臭を浜辺に漂わせるんだ。

さあ、どうだ、わかっただろう。だけど、このことはあんたと俺、それに酒場の主人の猫との間だけのことにしておこうぜ。いいよな?南の港は大型商船には浅すぎるし、ダガーフォールは海洋貿易に頼っている。北の港へ入る道を探し続けながらな。俺もそうだ。それに船乗りってのは迷信深いんだ。彼らを怖がらせて追い払っても仕方ないだろ、なあ?

グレナンブラの街と都市Glenumbra’s Towns and Cities

アンスール・ベロテ 著

ハイロックの地域、グレナンブラには旅人が親しんでおくべき都市や街が多くある

ダガーフォール:グレナンブラの至宝でありハイロック最古の街の一つであるダガーフォールは、ウェイレストが権力を得る前はハイロック最大の王国の首都だった。どんな旅人もダガーフォールで糧食をうまく購入できるはずだ。活気にあふれた街のサービスは他に並ぶものがない

アルドクロフト:デーニアの森とカンブレイ・ヒルズの海岸沿いの湿地に挟まれた小さな街アルドクロフトは、イリアック湾沿いの交易路にあり、カムローンの有益な主要港として近年目立ってきた。アルドクロフトはスパイシーなシチューで有名だが、虚弱体質の旅人は避けたほうが無難な御馳走である

カムローン:近年は規模と文化的影響力でダガーフォールに匹敵するほど成長したカムローンは、グレナンブラ西部の中心だ。カムローンの市民は自分たちを南部の隣人よりも都会的で垢抜けているとみなしている。旅人にはカムローンの素晴らしいペストリーと焼菓子を試してもらいたい。旅する価値のあるものだから。地元民の傲慢さは無視すること。彼らがいつもそうなだけで、たいてい悪気はないのだ

ウェストリー:この街は過去に大災害に見舞われ、生きている市民を奪われ死者に取りつかれたままである。賢い旅人は避けるのが無難だ

イーグルズ・ブルック:アルドクロフトがカムローンとイリアック湾の主要な接続拠点として機能するように、イーグルズ・ブルックはエルセリック海に対応する港だ。カムローンの上流家庭に仕える職人や工芸家の多くは実際イーグルズ・ブルックの近くに住んでいる。旅人はイーグルズ・ブルックの漁船から毎日運ばれる素晴らしい魚介類を試すことをお薦めする

クロス・ウィッチ:グレナンブラの終わりとストームヘヴンの始まりを示す山岳地帯の国境の峠にあるクロス・ウィッチは、その富の多くをハイロックで最も人口の多い二地域を行き来する旅人から得ている。ダガーフォールからウェイレストに向かう旅人は、クロス・ウィッチを通らなければならない。休むにも再補給するにもよい場所だ

グレナンブラの人々Glenumbra’s People

アルドス・ブロウソー 著

外部の観察者にはハイロックの地域、グレナンブラの多彩な人々がしばしば異なるというより似通って見えるようだ。地域のほとんどの人々が文化や建築、食事や服装を共通のブレトンの雛型から得ているのは事実だが、多数の人々と地域全体に見られる多様な文化の差異を見過ごすのは愚かだ

デーニア:ダガーフォールの文化的影響に支配されたデーニアは、ブレトンの冒険に対する強迫観念の故郷であり中心地である。この用語に馴染みのない者のために言っておくと、これは貧しい奴隷階級の若者が貴族階級へ上昇するため英雄的な試練に参加できるという風習を指す。デーニアの文化を語る物語には、大冒険に出た貧しい若者が上位の者の敬意と報償を獲得する話が山ほどある。デーニアの人々の有名な独立精神はこの上昇志向の物語の延長ではないかと私は考えている。この地域はまたウィルドの文化の故郷でもあり、自然を崇拝する複数の魔術結社がデーニアの広大な森に住んでいることも記しておきたい

カンブレイ・ヒルズ:カムローンとその周辺の村は異なるブレトン文化の寄せ集めだ。カムローンの貴族階級は自分たちを詩人と芸術家の貴族だと思っている。ダガーフォールとウェイレストの取引をしばしば平和的に仲介するカムローンは、イリアック湾とエルセリック海両方からの商品を扱う自由市場から商売上の大きな利益を得ている。カンブレイ・ヒルズは幽霊がよく出ることでも有名で、住民の誰でも人に話せる幽霊話をひとつかふたつは持っている。特筆すべき最大の文化はハグ沼からアルドクロフトに広がる東の沼地にいる、沼に住むブレトンである

キングズガード:この地域の名の由来は尾根がグレナンブラ、リベンスパイアー、ストームヘヴンの自然な境界を形成していることにある。クロス・ウィッチは、ハイロックのこれら主要地域を移動する商売の十字路で、ブレトンの都市国家の服装、食事、文化の坩堝になっている。文化というほどではないが、キングズ・ガードで特筆すべきはレッドルーク山賊だ。レッドルークはグレナンブラ全体にいるが、そもそもはキングズガードの山岳地帯や丘陵地帯で、通りがかるキャラバンを襲った狩人と追剥ぎの緩い集団が発端である

グレナンブラの亡霊Ghosts of Glenumbra

ジャン・ドゥゼイル 著

グレナンブラは呪われているということで悪名高い。呪われているという意味を説明しなければならない。すべてのアンデッドが呪いの存在というわけではない。亡霊だけが呪いを引き起こすことができる。亡霊とは、私やあなたと同じようにかつては生きていた人々の霊魂のことだ。死んだときに去るのを拒んだ者達だ。

(少しでも死霊術の悪影響を感じたら、それは呪いではないので適切な権威に報告してもらいたい)

グレナンブラの者はみんな幽霊や亡霊、呪いに関する話を知っている。聞いてみればいい。

グレナンブラで最も呪いが強い場所はアルドクロフト北西の湿地であることは間違いない。ご存知のように、そこは第一紀にグレナンブリア湿原の戦いがあった場所だ。この戦いでアレッシア教団とディレニエルフの両者がほぼ同時に壊滅状態となった。そのような悲劇があったため、その場所には奇怪な力が充満することになった。その湿地を歩く旅人の多くが、遠くから戦いの音が聞こえたと訴えている。

グレナンブラで2番目に呪われている場所は、先程の場所と直接関係がある場所だ。その場所を取り囲んでいるキャス・ベドロードと埋葬塚が、グレナンブリア湿原の戦いで死んだ兵士の集団墓地として使われるようになった。濃霧が発生している時、その墓地には入り込まないほうが賢明だ。幽霊のような光とうめき声が報告されている。

デーニアの森林地帯は呪われていると考える人もいるが、実際は誤解に過ぎない。名高いガーディアンを含む多くの自然の霊魂が谷と森に住んでいる。彼らは人として生きていたことがないので、幽霊ではない。霊魂として生まれた存在なので、当然の敬意を持って扱われるべきである。

グレナンブラには封建時代の名残で田園地方に遺跡と城が点在しており、この場所に関する怪談話を知っている人はすぐに見つけることができるだろう。特に、バエルボーン・ロックとドレサン砦の遺跡には多くの伝説が残っている。

すべてのグレナンブラの呪われた場所の中でも、ウェストリーの村には最も注意してもらいたい。ウェストリーでは何らかの恐ろしい魔術的な出来事が起こり、そのせいでアンデッドがはびこる場所となった。危険なので、幽霊探しに行こうなどとは考えないでほしい。

クワマーの世話Care of Kwama

シランティレ 著

「クワマー」として知られる昆虫型の生物はモロウウィンドに起源を持つが、タムリエルのどこで見つかっても驚かないでほしい。この生物は、目的をもって、あるいは目的もなく、世界の色々な場所に移動する

野蛮なダンマーは、この生物を「卵の鉱山」で飼っている。彼らにとってはごちそうだからだ。「美味い!」と歯のない、年老いた飲んだくれに言われた。虫の卵を食べるとは、ダークエルフにとってどのようなものが良い食べ物なのか、想像できない

しかし、逆のことを言うようだが、ダンマーは正しいのかもしれない。実はクワマーは素晴らしい鉱山労働者だ。地下に住むのを好み、住処を築く時、手の込んだトンネルシステムを作る。実際、土から有機物を摂取し、消化できない宝石、金、鉄などの無機物を排出しているようだ

実験として、アルドメリ・ドミニオンはクワマーの卵をさまざまな外の領域に移動させてみた。そこには小さなクワマーの鉱山が作られる。クワマーは心行くまで掘ることができる—もし心があればだが—そして、クワマーの飼い主は廃棄物から無機質を得ることができる。アルゴニアンの捕虜を使うよりずっと効率が良い。この虫は少なくとも、自力で食べ物を見つける

さまざまな種類のクワマーが存在し、それぞれ別々の方法で扱わなければならない

クワマー・スクリブはクワマーの幼生で、管理しやすい。大食いではあるが、食べ物に大きく影響される。スクリブは長い卵から孵化し大柄な人間の足の大きさから、大型の犬の体長と同じ長さまで成長する。スクリブは成長して別の種類のクワマーになるか、さもなくば死ぬ

クワマー・フォリージャーは、鉱山の外の地域を探検し、新しい領域を求めて世界の表面を探索することで知られている。飼い主はフォリージャーを採掘場となる可能性のある場所に「向かわせ」たり、シンクホールができる可能性があるという理由で、ドミニオンの居留地から追い出す事を学んでいる。クワマーの飼い主にとって重要なのは、フォリージャーを管理できないと分かった時、鉱山に戻る前に殺さなければならないということである

ワーカーは最も役に立つクワマーで、根気よく掘り、生息地を拡張し、食べ物を探す。飼い主が突き棒を使って特定の場所に向かわせたり、追い出したりすることは可能だが、危険が伴う。ワーカーは応戦してくる上、クワマー鉱山での動乱は暴力的で危険な出来事だ

数匹のスクリブが成長してウォリアーになる。教養のない者の中には、ウォリアーを殺せば、残りのクワマーを行儀よくさせられると考えるものもいるが、専門家としては賛成できない。ウォリアーを殺してしまうと、より多くのスクリブが成長して鉱山の守り手となり、対処できないほど暴力的な生物になってしまう!さらに、ウォリアーは下位のクワマーに命令を出すため、確実に反逆が起こる。ウォリアーを殺さなければならない時は、巣の他のクワマーたちから離れた場所で、素早く殺すこと!

最後に、クワマー・クイーンについて説明しよう。巨大な膨れ上がった身体の生物で、ほとんど動かず、ごくまれな存在である。すべての巣に女王がいるわけではない。多くは大きな巣から派生してできたものだ。卵はすべてクワマー・クイーンから生まれる。クイーンに遭遇したら、すぐ立ち去るように!感じの良い生物ではなく、干渉することはできない。巣にいるすべてのクワマーが、堂々とした風貌の肥大したクイーンを守るため、気付いた「侵入者」に襲い掛かってくる

コルマウントの虐殺The Massacre at Cormount

カモラン・ゴリニル 著

夜にジェイド・ブッチャーが盗人の如く軍隊を引き入れた。真の王、カモラン・ゲルシオルを信じていても、コルマウントの良民はハイエルフの裏切りに耐えられなかった。

兵士達は火を木々に放った。ヴァレンウッドそのものを燃やしたのだ!家族らが家を見捨て逃げると、騎兵隊に踏みつけられた。子供達は囲まれ、通りで窒息死した。ジェイド・ブッチャーの悪党達はそれを両親達に見せつけた!

私は自らブラックサップの反撃を率いて、奴らの悪行を見た。怒りが沸き立つのは当然のことだった。私達はブッチャーの兵士達をコルマウント外の遺跡へ追い出した。侵入者達を打ち破る支援を仰ぐために緑を召喚した。

しかし、ジェイド・ブッチャーの真の裏切りは始まったばかりだった。奴の魔術師達は緑に毒を盛ったのだ!支援してくれる真の協力者、ヴァレンウッドそのものがいなくなり、奴の兵士達は再結集して虐殺を再開した。4対1で劣勢だったがブラックサップは戦い続けた。ヴァレンウッド、エルデンルート、そしてコルマウントのために。

仲間よ、この大虐殺を忘れてはならない。ジェイド・ブッチャーと奴を英雄と考えるドミニオンを忘れてはならない。父である真の王が消えたことを忘れてはならない。父は死んだと思われているが、私はまだ希望を抱いている。

ヴァレンウッドそのものがまた復興することを願う。真の王に忠実な者達は、共に返り咲くだろう。

コルマウントの台頭The Rise of Cormount

コルマウントはかつて活気のない交易所で、ヘヴンからリーパーズ・マーチへ旅する者に知られた滞在地だった。誰が街を作ったのかは学者の意見が一致しないが、コルマウントの人口と文化的重要性は、長期休戦の直前に10倍になっていたことが分かっている。

コルマウントの静かな環境とウッドエルフの権力の座から離れている場所は、カモラン派にとって理想的な隠れ場所だった。年月を重ね、ボズマーの最上流貴族はコルマウントに愛人を作った。しかし秘密というのは種のようなもので、埋めようとすればいつか出てくる。

第二紀406年、コルマウントに貴族の後継者になり得る者が何十人もいて、そのほとんどが結婚適齢期である可能性があることが露見し、スキャンダルがカモラン派を襲った。機に乗じる者、詮索好きな者、そして狡猾な者達が街にやってくるにつれて、コルマウントの人口は一週間でほぼ倍増した。それ以後の月は、結婚式が毎日のように開かれた。

この噂はヴァレンウッドの外に住んでいた若いウッドエルフ達も引き付けた。彼らは帝国の富を自分達の精神的な故郷に結びつける希望を抱いてグラーウッド王国まで旅をした。グラーウッドが心地よいと思った者達は、コルマウント近くにニュージョイと呼ばれるがたがたの村を築いた。

コルマウントへ最初に移ってきたグラーウッドの先住民達は、入植者達のことを「移民」として知っていた。このグリーンパクト支持者達はシロディールの強情な仲間の習慣にショックを受けた。一方で、移民達は先住民達の「未開な」性質を侮って、コルマウント中で交易を介して簡単に利益を上げようとした。

コルマウントとニュージョイの緊張が沸点に達したのは2年後だった。誰が最初に火を放ったのかは不明だが、第二紀420年のある暗い夜、ニュージョイの入植地は焼け野原になった。逃げ出した者は殺された。滞在中のカモラン貴族を含めて。

誰も大虐殺を自分の功績だとは言わなかったが、コルマウントのグリーンパクト支持者達の仕業だと多くの者が推測した。長期休戦の終わりに至る短い数年の間に、不平を訴えようとするカモラン達はニュージョイの破滅を政治的道具としてしばしば用いた。

しかしコルマウントはこの汚点のために名声を貶められるべきではない。第二紀489年に設立されたブラックサップ運動は、グラーウッド中に支持を広げた。このコルマウントを拠点とする文化団体は、ウッドエルフのグリーンパクトに対する姿勢を正式なものにして、ニュージョイの悲劇的な結果につながった誤解そのものを起こさないよう望んでいる。現在の紀が始まってから500年に入るが、コルマウントの復興はほぼ確実のようだ。ブラックサップが並行して繁栄することを筆者は願ってやまない!

サウスポイントの設立The Founding of Southpoint

ザントニウス総督の地方局 著
2729年恵雨の月1日
(サウスポイントの全帝国民へ配布)

サウスポイントは偉大で高潔なザントニウス総督により築かれた。もちろん周知のことだが!一方で偉業の重大さを理解するため、諸君らはまず功績を上げた男のことを知らなくてはならない。

ザントニウスはクヴァッチ出身のコロヴィア農民の長男として生を受けた。母の悲劇的な死後、ザントニウスは家庭内の指導的な役割を果たした。このような質素な育ちにもかかわらず、諸君らが今日知るように、彼は常に聡明で快活な男だった!

ザントニウスの年下の兄弟が成人すると、彼は農民としての生活に飽きてしまった。間もなく彼は名を上げるため、帝都まで旅をして帝国軍へ入隊した。

ザントニウスは帝国軍の階級を駆け上った。指揮官によると彼は熊のように力強く、狐のように素早かった。やがてザントニウスはヴァレンウッド北部に配置され、当地にて第二帝国の最も偉大な将軍達に匹敵する戦術的思考を有していることを証明した!

栽培の月のある暗い夜、ザントニウスがレマンズ・ブラフで絶えず警戒を行っていた間に、ウッドオークの野営地への襲撃を単独で阻止した!武功としてザントニウスには歩兵隊の指揮権が与えられ、帝国の栄誉のため砦の建設に派遣された。部隊の先陣を切って、ザントニウスはグラーウッド王国へ南下したのだった。

グラーウッド南西端の美しい土地でザントニウスは槍の先を大地に突き刺した。「今日この日から、この地をサウスポイントと知らしめることを宣言する。帝国軍の要塞建設のため派遣されたが、代えて要塞都市を形成する!グラーウッド王国中に、サウスポイントの名が知れ渡るだろう」

ザントニウスの言葉に疑問をはさめる者がいるだろうか?彼はサウスポイントの民に強固な防壁、ボズマーの暴徒達に対する素早い対応、そしてヘヴンの停滞した交易所と比べてずっと多くの船が往来する港をもたらした。来月ザントニウス総督は、ヴァレンウッドで最高の大聖堂になる建築物の着工に移る!

ああ、すべてのサウスポイントの民は、安全、安定、そして繁栄に対してザントニウス総督に恩義がある!サウスポイントの正当な管理、ヴァレンウッドにおける帝国文化の中心をサウスポイントにしようとする立派な取り組み、月末から実施される税金の引き上げ、これらにて我々は総督を支持するだろう。ザントニウス総督には街の件で大変な恩義があるが、彼がそれらに換えて望むのは、我々の忠誠、礼節、そして12ゴールドの所得につき1ゴールドだけだ。

帝国のために!

シュガーベリーSugarbelly

センチタイガーを幸せにするための手引き

アズム・ラ 著

センチタイガーの心は尻尾のようで、獲物に飛びかかる前に、ありえないような形に曲がりくねる。もしあなたが獲物だったら、大変なことになる!しかし、尻尾をしっかり握れば、センチタイガーは思い通りになる。しっかり握っている限りは

理論上、尻尾をつかむことで永遠にセンチタイガーを制御できるが、お勧めしない。センチは素早く、非常に強く、間違いなく恨みを抱く!センチタイガーの心を捉えた方がずっと良いが、どのように心を捉えるのだろうか?

まず理解しておくべきことは、カジートのように、センチタイガーは筋金入りの甘いもの好きだということだ。また、敏感な鼻で、ムーンシュガーがどこに隠されていてもかぎつける。ポケットの中でも、壁の向こうでも、近くの親友の腹の中でも。どこでも

幸運なことに、センチタイガーの砂糖への欲は非常に大きいだけだ。センチタイガーをきちんとした食事で飼えば、攻撃的な願望を、鼠を捕まえるなど役に立つ仕事に使わせることができる。必要なのは、どれくらいの量のムーンシュガーがあれば足りるのか知ることだけだ

この点は複雑なので注意しなければならない。センチの甘いもの好きは、新月から逆三日月までの月の満ち欠けに従って、強まったり弱まったりする。また、大きさも要因となり、大きいセンチほど多くのムーンシュガーを欲しがる!

調教師によっては、地元の双子月に相談してセンチタイガーのムーンシュガーへの食欲を判断しているが、お勧めしない。女司祭がいつもいるとは限らないし、聖堂とセンチの両方にムーンシュガーを提供するのは金がかかる

また、センチタイガーの成長は早い。完全に成長しきるまで、食欲は変化する。自称調教師には、ムーンシュガーの在庫が足りないと後悔する時間はほとんどない。結果として起こる殺戮は、決して楽しいものではない

ムーンシュガーの備蓄を手元に置いておくと良い。センチが満足するまで食べたら、残りを使ってスイートロールを凍らせたり、プディングを味付けしたり、美味しいムーンキャンデーを作ることができる

ムーンシュガーを満足いくまで食べたら、センチタイガーがしたいことは2つしかない。肉を食べて腹を満たすことと、日の当たる場所での日光浴だ。このため、場所を守ることや、狩猟に適してはいるが、数年の調教なしでできるのは、これだけだ。調教をしても、その程度しかできない

例えば、センチたちに農機具を引かせようとするのは勧めない。恐れ多くもセンチタイガーが引き具をつけるのを我慢したとしても、野鼠より大きなものを見つければ、それを追って田畑じゅうを動き回るだろう。粉々になった鋤を集めるような面倒なことは避けたほうがいい!

調教師の中には、監視役や戦闘員としてセンチタイガーの調教に成功した者もいるが、強く、戦いが得意でない限り、人を食べるよう調教するのは絶対に避けてほしい。強く、戦いが得意でも、お勧めしない。センチタイガーが忠実なのは腹が満たされている時だけだ。分かるだろう?

この手引きが役に立って、センチタイガーに食べられないことを願っている。もし役に立たなかったら…約束はできない!

シロディールのハートランドThe Heartland of Cyrodiil

エリンヒルのファラスタス 著

中央シロディールの肥沃な農地、ルマーレ湖の周囲、そしてニベネイ渓谷は、温和な気候に恵まれ、中央タムリエル全体に供給される作物と家畜を支える「ハートランド」として知られる。雨と雷雨は頻繁ながら、この地域は西部を襲うハンマーフェルの砂嵐や、東南部のブラック・マーシュのモンスーンとは無縁だ。

古典著者ヘイムスクルがシロディールを密林や熱帯雨林と描写している件については、いろいろと言われている。私の研究によると、シロディールを描写する「終わりなき密林」という表現は、どうやら転写時のミスだと思われる。ひどくかすれた原本を詳しく調べてみると、表現が誤写されており、正確には「広がる高地」とするべきものである。ニベンの森を形容する「赤道下の雨」は原本にはまったく見当たらず、筆写者がそれ以前に誤って使用した「密林」を裏付けるためにつけ加えたと私は仮定している。タネスのレディ・シンナバーはもちろんこの解釈に反論しているが、彼女の研究方法の欠点については、これまでにも他の場所でしっかりと指摘してある。

ズークの設立The Founding of Zuuk

ブラック・マーシュのアシャラク 著

ズーク卿はレマン・シロディール三世崩御の後シャドウフェンに戻り、シャドウフェンに小さな村落を創った。5世代にわたり繁栄を謳歌した後で、我々の祖先は創設者に敬意を表してズークと名前を変更した。村落の元々の名前は、時の流れと共にわからなくなった。

我々は帝国の宮殿におけるズークの時代をほとんど知らないが、彼の富、名誉、寛大さはコスリンギに広く知れ渡っている。今後5世代にわたり、彼の名が子孫の口にのぼりますように

ストームホールド、シャドウフェンの街Stormhold, City of Shadowfen

シランティレ 著

帝国の学者たちは、第一紀2811年におけるアルゴニアの戦いとブラック・マーシュの征服、すなわち人間種族が最初にこの地域で権力の座についた瞬間について記しているが、この場所の地理の乗り越え難い密集性について言及していない。帝国の斥候である導く者アシリウスはこの沼地を、「地面の水を一滴飲めば腸内に激流を引き起こす、苦痛と病気のスープ」と記している。しかし、侵入困難な奥地にあるヘルストロームの街は、過去に包囲戦を想定した攻撃を受けたことがない。帝国は北方及び西方の国境地帯を接収するだけで事足れりとしたのである。実際、居住困難な監獄と化したのは、かつてタムリエルの不良たちが自由にうろついていたこの沿岸地域だった。だとすれば、直接の関連はないが似たような年季奉公契約の歴史が、この大湿地帯の別の場所で存在していることも不思議ではない。すなわち、ストームホールドである。

羊皮紙での記録が残される以前にバルサエビク・アイレイドによって設立されたストームホールドは、ダークエルフの悪名高き歴史を内に秘めている。アイレイドの遺跡の緻密な石細工は原始的な富を明らかに示しており、またより新しいダンマーの石の建築物は、有害で無慈悲な支配がどういう建物を作るかということを示している。こうした欲と残忍さに捧げられた記念碑に隣接しているのは、より質素なアルゴニアン部隊の泥の小屋であり、これらはかつてダンマーと協力して未開地の村を破壊し、モロウウィンド各地で植民の作業に従事させるのに適した捕虜を集めるための、同盟者たちの家となっていた。そして今では抑圧の泥沼からようやく抜け出した、この爬虫類種の故郷になったのである。

第二紀の激動期、暴力と殺人がストームホールドを侵食し、邪悪なダンマーによる束縛の鎖が(そして、規律の乱れたインペリアルの領主は賞金と利用しやすい労働という考えに気を取られていた)、アルゴニアンをこの地区から、その最後の部族に至るまで消滅させようとしていた時、搾取されたこの爬虫類たちに残された手段はわずかだった。つまり、アルゴニアンのバイスカノンたちが出現し、他の領域で評議員や部族のリーダーたちが行っている行政機能を担うようになったのだ。

ストリッド盆地の恐怖Horrors of the Strid Basin

ホーヴァー。

この不愉快な生物たちの起源はだいたい想像がつく。その異様な性質は、オブリビオンの恐怖に匹敵するほどだ。ただボズマーは、彼らが有史以前からヴァレンウッドに住んでいたと主張している。

昆虫のような姿をしているホーヴァーは日和見の生物であり、出会った生物全てを襲うわけではない。

動きが遅く丸い形をしているこの怠惰な節足動物を、恐ろしい性格をしているが従順だと考える者もいるようだ。確かに普通のホーバーは敵が単独でいてもすぐには攻撃しない。だが集団になるか、豊富な食糧が目の前にあると、その太った体格からは想像もできないほどの凶暴さで獲物を攻撃する。

それだけではない、ジャガや他の発酵した食糧がホーヴァーをおかしくすることも知られている。

つまりウッドエルフがいたら、飲み物に気を付けなければならないということだ。この異様な悪鬼の養殖は、ウッドエルフの数少ない楽しみの一つである。

スフィンクスモス砦の遺跡The Fort Sphinxmoth Ruins

スキングラードのキャランティウス 著

スフィンクスモス砦の遺跡は、ヴァレンウッドとの国境に近い、北エルスウェアの渓谷に隠されている。レマン帝国はこの砦を難攻不落の基地として山の側に建造し、ここから大勢の軍隊を、国境を警備させるために送り込んだ。この地を選んだことで砦を高い場所に作ることができ、外部の砦の壁を作る良い石材が得られた。その結果、防護壁、塔、そして隠された広間や部屋、地下牢がある、山の奥深くに建てられた大規模な砦となった。壁が突破された場合に備えて、軍は自らを守るため、砦に抜け目なく巧妙に設計された多くの罠を配置したという。

第二帝国の衰退の後、スフィンクスモス砦は帝国軍に捨てられ、1世代に渡り、戦争中のボズマー部族とカジート部族が交互に所有し、持ち主が変わるたびにさらなる損傷に耐え抜いてきた。最終的には、地滑りで上部構造の多くが崩壊し、両勢力ともに砦を手放した。聞いた話では、スフィンクスモス砦に何も盗めるのは残っておらず、今では歴史に見捨てられた巨大な遺跡以外の何物でもないという。

スプリガンのフィールドガイドField Guide to Spriggans

エリンヒルのファラスタス 著

次は深い森に住むとらえどころのない女性形の自然の精霊、スプリガンについて検討したい。もちろんその名は誰もが知っている。子供達が相手をからかう時に使うこんな冗談のおかげだ。

「なーんだ?」

「何?」

「スプリガンのお尻!」

…しかし学問はこの半分植物で半分動物な生物について、この子供の悪ふざけ以上の何を語れるだろうか?標準的な情報源はすべて調べたが、残念ながらタムリエルの学者達はスプリガンの謎についてほとんど語るべき言葉を持っていない。

伝説からも、本物であると証明済みの目撃談からも、スプリガンと彼女たちが猛烈な勢いで侵入者を遠ざけようとする、ある種の雑木林や茂みや緑の森とは何らかの形で超自然的な結び付きを持っていることが分かる。スプリガンの樹液は毒があると言われており、また彼女たちが傷を負った時にはそれを魔法のように治してしまう力があることでも知られていて、敵に回すと恐ろしい存在にしている。

さらにスプリガンは自分達の聖なる森に存在する動植物との間に生まれつきある種のつながりを持っており、彼女たちの味方となって侵入者と戦う動物達のエピソードは事実に裏付けられたものが多数存在する。この同盟関係には熊やスズメバチの群れといった生まれつき攻撃的な動物のみならず、鹿やヘラジカといった普段は気弱な生物も含まれている。

これら動物の盟友がスプリガンを守るのは、果たして愛情や友情からなのか、それともスプリガンに生来備わっている魔力によって召喚されたからなのかという疑問には答えが出ておらず、神秘動物学の研究者の間でも議論の的となっている。だがスプリガンが神秘的な性質を持った生物だということに疑問の余地はない。それは彼女たちが殺された時に死体から採れる、いわゆる「直根」の強力な特性を見ても明らかである。この直根は、それなしでは混ざり合わない強力な試料から複雑な薬を調合することを可能にするという、その紛れもなく神秘的な特性により、錬金術師に珍重されている。

彼女たちの出自に関する謎を解いた者は今のところ1人もいない。時代をはるかに遡り、第一紀初頭に「スプリゲイン・グロアヴェス」に関する記述が見つかっており、古代のイフレとアース・ボーンズの神話にも「木の娘達」が登場する。彼女らの俗称は、ネード語でいきいきとした緑の小枝や横枝を意味する「スプリグ」に由来するようだが、それ以外、彼女たちの出自に関してはすべてが闇に包まれている。

純粋に身体的な面から見ると、スプリガンは間違いなくいくつかの形で出現しており、樹皮から葉の集まりまでさまざまな種類が報告されている。これは異なる種族や亜種のサンプルを示しているのかも知れないし、単純にそのスプリガンが住む土地の植物相との神秘的なつながりを示しているのかも知れない。スプリガンは彼女らが住む森の植物に似た姿をしているように思える。タムリエル北部の落葉樹林では、そこの住人の季節毎の性質まで反映しているようだ。この学者の意見では、いわゆる春・夏・秋・冬のスプリガンはすべて同じ生物で、ただ季節毎に姿を変えているだけである。

一部にはスプリガンに序列が存在すると主張する者もいる。種族の中のより小さなものが、より大きな、時に「スプリガン・マトロン」さらには「スプリガン・アースマザー」と呼ばれるものに忠誠を誓う義務があるというのだ。ここで我々は学問と物語を語ることとの間に一線を引かねばならない。スプリガンは外見上人間の女性に似てはいるが、彼女達が知性の存在を示す行動を取ったり、または階層性の集団を作ることを示す証拠は一切ない。自然界の生物は、半ば神秘的な生物であっても完全に本能に従って行動しており、彼らに人間の感情や思考があると考えるのはセンチメンタリズムでしかない。その種の非現実的な戯言がお好きなら、それを量産しているタネスのレディ・シンナバーの著作をお勧めする。

セプの飢えThe Hunger of Sep

サタカラームの歌姫、ベールをとったアザディエ 著

私の手中にある甲虫をごらんなさい。せわしなくカサカサ這いまわって食べ物を探している。触ってみたい?ターヴァの赤い羽根にかけて、あなたを襲ったりしないわよ。この甲虫はまったく無害。

この大きさなら。

あなたが成長するように、この甲虫も成長する。女性くらいの背の高さまであなたが成長すれば、この甲虫も成長する。

十分成長すれば、あなたの成長は止まるけど、甲虫はまだ成長する。

ずっとそうだったわけではない。ヨクダの昔、はるか昔に神と共に歩んだ頃、甲虫は人間の友で子供の楽しい仲間だった。サマラコガネムシと呼んでいた。成長してもたっぷりした雑穀パンの大きさにしかならなかった。それ以上大きくなる必要はなかったのだから。走ったり、競争したり、カチカチいう歌を歌わなかったから?よく餌を与えられなかったから?

ええ、そのとおり。

生活はよかった。厳しい土地だったけど、人々は神の意志に従って暮らすために十分なものを与えられていたから。そして、神々は尊敬されなければならないと書物にあったように、神を尊敬した。そしてすべてのものは彼らの手の届くところにあった。

しかし、そのうち何人かは、与えられたものじゃ十分ではないと考えた。そして強欲な人間は敬意を捨て、セプの飢えに魂も心も奪われた。これは間違いだった。セプの飢えは決して満足させられないのだから。

それから、ヨクダに悪が、赤い戦争が来た。そして禁じられた儀式が行われ、決して召喚されてはならなかった残忍なものが召喚された。それは時の終わりだった。サカタルは星の深みから立ち上がり、そしてヨクダは波の下に沈んだ。

終わりの後にはいつも始まりが来る。この時もそうだった。一部はタムリエルに住むことを許され、我々はハンマーフェルを選んだ。我々はもう一度きちんと神を崇拝する機会を与えられた。そして、子供たちを喜ばせるために、幸福な日々を覚えているために、サマラコガネムシを連れてきた。

そしてセプの飢えは少しの間だけ忘れ去られた。しかし、それは定命の者の心に根深く残っているからまた起きるかもしれない。そこで神は我々に、小さな子供にさえも警告を与えた。この新時代で、新大陸で、小さな仲間は雑穀パンの大きさにまで成長した。しかしまだ成長を続け、鋭い爪を生やし、鋭いくちばしを持った。我々は泣く泣く彼らを荒れ地に送り出し、彼らはそこで繁殖し狂暴になった。

ええ。何もない場所に巣くうアサシンビートルは、セプの飢えで神に見捨てられたサマラコガネムシなの。彼らは我らの教訓、貪欲になりすぎる者への警告なのよ。

今の生活に満足し、貪欲にはならないで。あるもので十分なのだから。

タムリエル北西部の治癒効果を持つハーブHealing Herbs of Northwest Tamriel

ウルニル・ティルダリン 著

タムリエルの北西部には、数多くの素晴らしいハーブが生えている。ここで紹介するのは治癒効果のある湿布や煎じ薬に用いるのに最も適したハーブの一部である。

熱や喉の痛み、胃の不調や頭痛、体の痛みやその他の病の緩和に役立つハーブ入りトニック、生薬、浸出液、煎じ薬を作ることができるハーブ:

——ガイラクサ
——カチカチグサ
——赤コールドベリーの葉
——テマリツメクサ
——ブランデライオン

ハーブ入りの湿布その他治癒師の治癒キットに欠かせない品(虫刺されや日焼けの治療薬、治療用の軟膏、傷の洗浄に用いるものを含む)を作ることができるハーブ:

——ステンダールズワート
——コンフリー
——ヴァレンデュラ
——青ノコギリソウ
——宝石草
——チリョウシノサイフ

タングルヘヴンの矢職人Tanglehaven’s Fletchers

小屋が立ち並んでいるだけのようなタングルヘヴンは、優れた矢羽根の生産地としてボズマーの人々によく知られている。生きるために必要に迫られてそうなったという者もいるだろう。この地域のウッドオーク・クランが、ほとんど何の前触れもなく、突然現れて無防備な村々を壊滅させるのは有名な話だ。

矢を使った戦い方に熟達していても、この村を故郷と呼ぶジャクスパーは多くない。森の向こう側にいる野心のある樹の従士であれば、兵士を募って、その優れた武器を持って戦場に向かうだろう。だが今のところヴァレンウッドは、穏やかなボズマー達の恩恵を享受している。

だが最近のサルモール同盟の動向をみると、この静かな村も陣太鼓の呼びかけに応じるかもしれない。ヴァレンウッドから放たれた矢が、遥か遠くシロディールの心臓を射貫くことになるのだろうか?時だけがその答えを知っている。

ツリーヘンジの秘密Secrets of Treehenge

ヴァネンディル 著

「ツリーヘンジの根」「ツリーヘンジのマンモス」「ツリーヘンジ:レディの故郷」の著者

聖なるツリーヘンジを見たい、ボズマーのグリーンレディが埋葬された遺体のある場所へ行きたいと思う者は覚悟しなければならない。明快ではないかもしれないが、その場所は呪文とより捉え難いガーディアンの組み合わせに、しっかり守られているからである。

現場には慎重かつ畏敬の念を持って近づくこと。捧げ物を持っていき、木々の中で瞑想して過ごせ。感覚が研ぎ澄まされるので、以前のグリーンレディたちが森を歩き回る姿を幻視するかもしれない。ツリーヘンジの名の由来となった、木々の類似点に気づくかもしれない。

目を閉じて深呼吸し、朽ちていく木、咲き誇る花、そして土の匂いを吸いこもう。滝や虫の羽音、葉や枝の囁きに耳を傾けよう。

これらを心の内に感じるとき、私には説明できない方法でツリーヘンジの秘密が分かるだろう。

デイドラの調査報告書:冷たい炎の精霊Daedra Dossier: Cold-Flame Atronach

ドレッドの公文書保管人、デノゴラス 著

普通の炎の精霊は、あのまぬけなマルキナズ・ゼクシルが宮殿の中で1体を召喚し、その熱が主のお気に入りの彫刻であったディロジーンの「氷の牙 その4」にダメージを与えて以来、我々の領域への出入りを禁じられている。だが彼らの追放は、我々の領域の注意深く均衡を保たれた美しい痛みに関する価値観に、測り知れない欠落を残した。言うなれば、我々の恐怖と絶望のコーラスには、ある声が欠けているのである。

認めよう。私は視野の片隅で跳ね回り、のたうっていた彼らのしなやかな姿が、一切の感情を示さず、ただ放火犯の渇望だけを表現していた彼らが恋しかった。そこで私は職場での任務に支障が出ない範囲で、追放された炎の精霊の代用品を、彼らの存在によって生じる魅力的な危険の代わりとなる、何か別の召喚可能な存在を探そうと決めた。

私は偽りの塔に保管されていた境界横断型スキャナーの予備を利用し、そのルクス下の疑似皮質の範囲内にあるオブリビオンのすべての次元を見渡す形で再検討を行う任務を自らに課した。37000以上の異なる次元や混沌領域、小現実をスキャンした後、私は探し求めていたものをDOP 9497.15、そこの好奇心の強い住人達には「タクバーの第四のくぼみ」として知られている場所に見出した。私は即座にその次元がDOP 6こと、全種族の召喚師に一般的な炎の精霊の住む次元として知られている「インファーナンス」が逆転し、熱を吸収するようになったものだと気が付いた。インファーナンスのすさまじい高温の世界では溶岩が水のように流れているが、タクバー(簡潔にこう呼ぶこともある)では岩盤が途方もない寒さにさらされることにより、物質同士の結束がするりと解け、石が冷たい溶岩のように流れるのである。

そのタクバーで、私はついに境界横断型スキャナーのレンズ越しに、昆虫のような目をした、冷たく青い炎を燃やしながら渦を巻いている精霊達の姿を目にした。探し求めていたものが見つかったのだ。

その後でインファーナンスの代わりにタクバーに向けてコロンの強制召喚を行うのは、単純作業でしかなかった。私は7回の勤務の間に「冷たい炎の精霊」と呼べるものをコールドハーバーに召喚することに成功した。期待通り、これは不快な熱波を放つというよりは冷たい炎の精霊であり、その周囲では気温が急激に下がった。

これはもちろん大変結構なことだった。

行動に関して言えば、私の冷たい炎の精霊はすべての面で普通の炎の精霊と同じように行動した。そして彼らとまったく同じように怒りっぽく、自分を威嚇した者に青い火の玉を投げかけ、必要とあらば冷たい火柱を召喚した。これは以前コールドハーバーで彼らの火のようないとこたちがつとめていた空飛ぶ哨戒兵の役割を果たすのに最適であり、それが今、彼らが我々の主の領域で果たしている主な職務である。

ティボーの石塚とその歴史Thibaut’s Cairn and its History

サッチのチャロウニウス 著

リーパーズ・マーチには長い血塗られた歴史がある。住民たちには、遺体を埋めるための広大な場所が必要だ。最も尊敬され、裕福で、強い者たちは、ティボーの石塚と呼ばれる墓地が最後の休息の地になることが多い。

現在グリーンヒルと呼ばれている村の南西にあり、かつてはコロヴィア人の墓地だった。近くにある村も、かつては同じ名前だった。だが…話を進めよう。

石塚は、最も有名な「客」にちなんで名づけられた。著名なクヴァッチのティボーだ。ティボーはコロヴィアの将軍だった。数百年前、生前の彼はハストレル歩兵隊の頼みの綱の一つだった。

その勇敢な魂たちは、南の先陣に向かって進み、リンチェルやオンタスの歩兵たちの同僚たちも同行した。移動の目的は不明だが、何年にも渡ってコロヴィアの王国が挑みづつけてきたマーチに向けての多くの進撃の一つに過ぎなかった。

ティボーと歩兵隊の特別な関係がなければ、彼らの進撃は時の霧の中で忘れ去られるようなものだった。クヴァッチの王国から南へ向かう彼の横にいたのは、彼の妻テートシアだった。歩兵隊の彼の指揮下には彼の子供たちもいたが、何人いたのかは時代とともに忘れ去られてしまった。歩兵隊の構成員たちは個人的に彼に忠誠を誓っており、その強さは近代のコロヴィアの歩兵隊ではめったに見られないほどだった。ティボーが乗馬すれば、肥料の糞を集める男たちさえついていったと言われている。

ティボーの死の詳細もまた、今では不明で…だが、彼の死が与えた影響の大きさは、今でも北の森のアレンシア南部を旅すれば分かる。リンチェルやオンタスの歩兵隊が北にある故郷まで戻ってきたのに対し、ハストレルの男も女もそこにとどまり、そこで根を生やした。

テートシアがとどまったのは、夫が築いた遺産を観たいからだった。彼女の指揮の物語は、間違いなく多くの他の本でも読むことができる。腕のいい踊りでカジートに対してはウッドエルフ、ウッドエルフに対してはカジートを演じた。そう言うにとどめておこう。結果はというと、墓地と村全体が混ぜ合わさり、かつては単に「ティボーの寝床」と呼ばれていた。

さあ、この小さな街の歴史が興味深いものになっただろう…

ドミニオンの責務:マーブルクThe Dominion’s Duty: Marbruk

アルトマーの旅行ガイドより抜粋

ドミニオンがヴァレンウッドに建設した新しい街に関しては多くの記事が書かれ、様々な情報が流れた。

最も悪意のある噂は、マーブルクはこの地域のウッドエルフの住民の協力の元で造られたのではなく、ドミニオンのアルトマーの、アルトマーによる街であり、ドミニオンの侵略行為だというものだ。

これは真実とはほど遠い。マーブルクがアルトマー風に造られたのは調和のためであり、アルトマーのために作った訳ではない。

一方、ドミニオンがカジート、ウッドエルフ、ハイエルフとの協力と友好を推進しているのだとは断言できない、なぜならエルスウェアにカジート、サマーセットにハイエルフ、ヴァレンウッドの奥深くにウッドエルフというように、生活基盤は別れたままだからだ。

シロディールはヴァレンウッドの北から大いに脅威を与えている。離れた場所にいて、グリーンシェイドの仲間をどうして守れる?

ドミニオンがアルトマーの住人に対し、マーブルクに金銭を払って移住させたという噂と同じくらい害のあるものは、ドミニオンの名簿にあるマーブルクのアルトマーが、他のドミニオンの街と同じように政府関係者と軍関係の人々だという噂だ。この噂にはウッドエルフとカジートも入り、同じ対価を受け取っていることになっている。

マーブルクに移住する人々にドミニオンが保証する支払いは、土地と空き家が当たるくじだけだ。数は限定されているが、開拓地の安定は保証されている。この地域の貿易と防衛に必要だからだ。

これにより、女王と仲間の種族を支持することは忠誠なるドミニオン市民の義務であり、共通の領域の防衛に参加し結束を強めるという相互作用を生み出している。マーブルクはドミニオンの価値を象徴する、唯一かつ最新の街である。繁栄あれ!

トロール退治Troll Slaying

こんにちは、旅人諸君、本ガイドへようこそ!

ここでは、どうしたらトロールの驚くべき治癒力を無力化できるか、どうしたら寒さを好む彼らの特性をうまく利用できるかなど、トロールと戦う際に知っておくべきことを解説する。トロールを確実に倒すための秘密も伝授しよう。

興味は湧いたかな?そうだと期待しよう!トロールの脂肪は貴重な品であり、野心にみなぎったトロールハンターにぴったりの富と栄光をもたらすものだ。

さあ、さっそく始めよう!

第1章:

トロールに出くわしたら!

トロールの姿が見えたと思ったら、気を静めてゆっくり離れろ。賢いハンターは、準備こそが成功の鍵だと知っている。準備なしでトロールを狩りに行くのは絶対に避けるべきだ!

しかし、君が見たのは本当にトロールか?

狩りの第1歩は、まず獲物を正確に識別することだ。トロールはかなり人間に近い姿をしていて、長く太い腕の先には鋭い爪がついている。巨大な口にはギザギザの歯が並んでおり、私の本を買わなかった愚かなハンターの骨を髄まで噛み砕くのにうってつけだ。

そして疑いようもなく、トロールの最も目立つ特徴は、額にある第3の目だ。

トロールの皮膚は毛むくじゃらな体毛に覆われている。毛の色は地方によって様々だ。洞窟のトロールの毛は茶色っぽいが、霜や雪に囲まれて生活するトロールの毛は白い。

第2章:

治癒をしている暇はない

さて、トロールであることをしっかり確認したら、奴の後ろをつけて攻撃準備にかかろう。大変だが金になる戦いだ。生き残れればの話だが。

まず気づくことは、トロールは体が大きいわりに動きが驚くほど速く、力も強い。しかもトロールは、獲物を強力な腕と爪で執拗に攻撃する。そんなわけで、盾の使用を強くお勧めする。

君が盾を使わないで戦うほど勇敢もしくは愚かなら、どんな武器を使っているにせよ、攻撃をかわす達人であると願いたい。

さらに、トロールには傷を即座に治癒する力がある。そのため、戦いは長引かせないほうがいい。タムリエルで最もしぶとい生物であるトロールを倒すにはスピードと攻撃方法こそが鍵だ。

もちろん、怒り狂うトロールに対しては、今のところスピードと攻撃だけが頼りだろう。そこで私の秘密兵器が役に立つ。

第3章:

秘密兵器

友よ、火だ。口に出して言い、頭に焼きつけるのだ。火こそトロールハンターの究極の武器だと。

トロールとの戦いにおいて、火の重要性をどれだけ繰り返しても言いすぎではない。寒冷地ではない土地に住んでいるトロールでさえ、火に弱いのだ。火の魔法が使えなければ、炎の付呪を行った武器を持って行くといい。

なぜトロールは火に弱いかって?噂によると、トロールの再生能力は火傷にほとんど効果がないようだ。原理は分からないが、これだけは保証できる。火はトロールに効く。これは幾度となく証明されてきたことだ。

第4章:

脂肪を取る

トロールが死んだとしても、仕事はまだ終わりじゃない。

炎が消えるのを待ってから、トロールの死体を調べよう。運が良ければ、いくらかの脂肪が手に入り、薬剤師にいい値で売れるだろう。実際、君が錬金術を使えるなら、薬やトニックを作る要領で脂肪を煮るといい。

そして、もしトロールの隠れ家を見つけることができたら、調べてみるといい。この本を買わなかったケチで愚かな冒険家の所持品が見つかるだろう。

もちろん、君ならそいつの金をもっと賢く使えるはずだ。

さあ、これで金持ちかつ名誉あるトロールハンターになるために必要な要素がすべて分かったはずだ。進め!野を歩き、自分でトロールを見つけよう!

ニベンの父、断章2Father of the Niben, Fragment Two

第二の断章の融合

翻訳・解説:フローリン・ジェリル

ひとつ前の詩(断章 1)の中で、南方にある緩やかな起伏の丘があるところと言えば、ハイロックとしか思えない。その場にいたものは誰でもそう思ったであろう。当然、問題はオークがその地にいたとするこの明確な言及は何なのかということだ。オークはアルドメリが入植するまで出現しておらず、広がったのはレスデインの時代、トリニマクとボエシアの有名な戦いの後のことだからである。

言い伝えが間違っている可能性もある。オークはアルドメリの植民地化より前にいた原住民だったのではないだろうか。おそらく呪われた人― アルドメリでいう「オーシマー」で「オーク」と同じ言葉―とは別の生き物、つまり別時代のオークに同じ名前が与えられたのであろう。この詩がここで終わってしまったのは実に残念で、そこには残された疑問を晴らす手がかりがあったであろう。

一つ目の断章と二つ目の断章の間は、かなりの部分が失われた。その間にさらに80ヶ月が過ぎたに違いない。なぜならトパルはその時タムリエルの逆側におり、旧エルノフェイを見つけられなかった後で、南西のファーストホールドへ戻るよう航海の準備をしているからだ。

断章 2

網でできた絶壁が巨大なあごのように突き出ており、
西の方には航路がないことがわかり、
ニベンは南へと船を出した。
聖域と平和を約束する
砂と森林に覆われた島を通りすぎた時、
乗組員は喜び騒いだ
だが垂れ下がった岬に似た革でできた羽のような木の上に
巨大な影が現れた時、歓喜は恐怖へと変わっていた
船ほどの大きさのコウモリトカゲであったが
よい水先案内人であるトパルはただ弓を構え、その頭に一撃を加えた
トカゲは倒れ、トパルは甲板長に聞いた「死んだかな?」
トカゲが白波にぶつかる前に、今度は心臓にとどめを刺した
それから四十日と六日、ニベンは南へ船を走らせた

トパルの案内人、製図家、生存能力、談話家としての武勇伝に加えて、弓矢の名手であることがわかる。もちろん詩的許容であるが、神話紀のアルドメリは洗練された射手であったことは考古学的にも証明されている。彼らの弓は木を重ねたもので、銀の絹糸で警笛が下げられており美しいものだった。何千年も前の専門家も絶賛している。

この断章の初めでトパルが立ち向かう生き物は、その怪物は竜を思い起こさせるが、現代のモロウウィンドにいるクリフ・レーサーの祖先のようだ。海岸線の足場の悪い不安定な崖はネクロムのように思える。ゴルン島は「コウモリトカゲ」の巣であるのかもしれない。ただし、私が今知る限りの情報では、モロウウィンド東部にそのような生き物はいない。

ピャンドニアのマオマーThe Maormer of Pyandonea

第543項 地誌 帝国地理学会

かつてピャンドニアのマオマーは本来サマーセット諸島からの亡命者であると信じられていたが、おそらく類似したアルドマーの先祖に由来していることから、彼らがサマーセットから来たのでないことは確かである。水晶の塔にあるつづれ織りの訳書には、それよりもはるか昔に分離したという話が語られている。マオマーはサマーセットではなく、アルドマーの元々の祖国から分化したと推測される。

伝説によれば、彼らの指導者オルグヌムは自称「王」で、その富を利用して反乱に出資するような、並外れて裕福なアルドマーの貴族であった。このため彼とその従者はアルドマーから隔離され、深い霧の近く、「霧に覆われた島」ピャンドニアへと追放された。この追放は、オルグヌムの従者が、彼らの元同胞を二度と妨害しないことを効果的に示すこととなった。しかし、アルドマーの新故郷であるサマーセットは、それほど幸運ではなかった。

マオマーはサマーセットの歴史の大半において、旧エルノフェイにいる彼らの従兄弟に対して攻撃を開始してきた。これらの戦いはすべてオルグヌムが率いてきたもので、彼は不死身なだけでなく、世紀ごとに若返るようだ。地理学会の関係者が知るかぎりでは、これまでサマーセットに対する戦争や戦略の回数を数えた歴史家はいないが、どれほど巧妙なものであっても、すべて最終的に失敗であったことがどういうわけか証明されている。

ピャンドニアの実際の景観の片鱗を唯一示す、特筆すべき攻撃が具体的に一つある。第二紀486年の年、マオマーの小艦隊がアリノール沿岸沖で確認されたので、ヒデリス王は海軍に追跡するよう命令した。海軍は、海図にない海を抜け、奇襲のためにピャンドニア近くまで船団の後を追った。アルトマー海軍のほとんどが破滅したが、一隻の軍艦がサマーセットに戻り、その地を「海のジャングル」と表現した。海の流域周辺の迷宮から、大高原にあふれる草木。マオマーの船以外すべてに巻き付くケルプの罠の巻きひげ。それはオルグヌムの護衛であり、時に乗り物であるシーサーペントのためのよくカモフラージュされた家の役割を果たしている。大地は霧の嵐であふれ、先の視界を混乱させる。そのたった一隻の船による到着でさえ、アルトマーが海において天才であることを証明している。

ファルトニアの約束Faltonia’s Promise

ファルトニアの約束、通常の呼び方でいえばゴールドフォリーの物語は、予見、欲、愚かさの物語だ。グラーウッドに行けば、今でも村の遺跡を見ることができる。ある女性、ファルトニア・サルヴィウスの傲慢さの証拠だ。

他の多くのインペリアルのように、ファルトニア・サルヴィウスはグラーウッドから巨万の富を抜き取る機会に出会った。特に彼女が求めたのは、近くの丘にある豊かな金脈だった。彼女は最下級の占い師と錬金術師、金をたんまりもらえる限りは彼女が聞きたいと思うことを話して満足する偽物の助言者を信用した。

金を払えば払うほど、彼女は彼らの嘘を自ら信じるようになっていった。錬金術師のフラヴィウス・アントニウスだけが、その地の土を調べても、大量の金が埋蔵されているだけの証拠はないと主張した。すると彼女は彼を逮捕させ、罰を与えた。彼はその惨めな人生の終わりまで歩くことができなくなり、物乞いしなければ食事が与えられることはなかった。

ファルトニアは、総勢420名にも及ぶ帝国の衛兵とともに、春のグラーウッドへ向かった。彼女は壮大な夢を実現するため、地元のウッドオークたちを労働者として雇い続けた。夏の半ばになると、彼女の選んだ場所に村が建設され、「ファルトニアの約束」と名付けられた。オークたちは金鉱での仕事を命じられた。

金があふれ出した!熱意を持った発掘者たちが金持ちになる夢を持って、あっという間にファルトニアの約束にあふれ返った!強引に夢を追い求めたおかげで、たった1年で金鉱は空っぽになった。「ファルトニアの約束」は、仕事にあぶれた炭鉱労働者たちが、食堂で話す冗談のオチに使われるようになった。

失敗したがくじけないファルトニアは、村を守ろうと戦った。金鉱を採石場にしようと試み、近くのヘヴンと交渉して、ボロボロになった彼らの建物を再建するための石を供給しようと話し合った。しかし契約が成立しようというその時、口のうまいアルトマーのキャノンリーブが「サマーセットの石の方がデザインと耐久性に優れている」と強調して知事を説得し、サマーセットがヘヴンに石を供給することになった。

ファルトニアは破産した。最後の蓄えを使って、ヘヴンの役人を買収して石の供給の契約を守ろうとしたが、それも失敗に終わった。彼女は、自分の名がついた村を去った。富を求めて村で暮らしていた人々もすぐに彼女に続き、グラーウッドの他の土地へ移るか、あるいは完全に別の地へ移っていった。そして誰もがファルトニアの約束を「ゴールドフォリー」、「金の愚かさ」と呼ぶようになった。

そこに残ったオークたちは、狩人として何とか生計を立て、不屈の民族として育った。彼らは多くの者が去っていった土地でずっと暮らしていることを名誉だと思っている。彼らが村の名前、「ファルトニアの約束」を口にする時、粘り強さ、力、そして不屈の精神といった、良い響きが感じられる。そして、村はファルトニアの愚かな夢の高みには二度と届かないのだろうという思いも。

ブラヴィル パート1Bravil, Part 1

ニベンの娘

サシィーア・ロングリート 著

ブラヴィルはシロディールの中でももっとも魅力溢れる町で、質素ではあるが、美しさと過去の栄華で彩られている。帝国地方の南部を訪れる人は必ず、ブラヴィルの賑やかな河港沿いを散策し、地元の子供たちとのおしゃべりを楽しむ。もちろん村の伝統である、有名な「幸運の老女」の像に祈りの言葉もささやく。

アトモーラの民がやってくるよりもはるか何千年も前のこと、地元のアイレイドの人々が今日のブラヴィルの近くで長く暮らしていた。今のニベンにあたるこの場所では、食料が供給され、輸送機関もあり、今よりずっと人口が多かった。彼らは孤立していたところで住んでいたため、自分たちの住む土地をなんと呼んでいたのかは定かではないが、彼らの使う言葉で「家」と意味する言葉で呼んでいた。アイレイドは塹壕を掘って侵入に備えていたので、ブラヴィルはアレッシア軍が第一紀の二世紀に解放した土地の最後の1つだった。その時代のものは文化的なことも考古学的にも何も資料が残っていないが、放蕩と堕落の物語が伝説化されたことはマーラに感謝すべきだ。

いかにしてアイレイドがそのように長く苦しい期間を生き長らえたのかは今日の学者たちの間でも討論されている。しかしながら、アレッシア女帝の百人隊長の1人であるテオ・ブラヴィリアス・タサスはこの地で勝利の栄誉をつかんだのである。地名はこの男の名にちなんでいる。

テオ・ブラヴィリアス・タサスは激しい抵抗にあいながらも、少なくとも4度に渡ってその村を侵攻したと言われている。しかしいずれも夜明けの時間帯になると、彼の率いる軍隊ほぼ全員が息絶え、殺されてしまうのであった。次に百人隊が到着するまでに、この要塞化された街は再びアイレイドの人々で溢れていた。2度目の侵攻が成功したあと、地下の秘密のトンネルが発見され、埋めはしたものの、夜明けとともに軍隊は再び死滅し、街の人々が戻ってきた。3度目の侵攻が成功したあと、軍隊が街の外側に配置され、攻撃の兆しがないか道や河川を見張っていたが、そのような兆しは見られなかった。しかし翌朝、侵攻していた兵士たちの死体が街を覆う胸壁から投げ出された。

テオ・ブラヴィリアス・タサスは、アイレイドの人々がこの街のどこかに隠れて夜が更けるのを待ち、兵士が寝ている間に殺しているに違いないとにらんだ。問題は、どこに隠れているかであった。4度目の侵攻のあと、彼は兵を引き連れて、あらゆる角、あらゆる物陰をしらみつぶしに調査して回った。もう探す当てがなくなった頃、この百人隊長は2つのことに気づいた。誰も登ることができそうにない、街にそびえ立つ垂直の壁の高いところにくぼみがあって、狭い踏み台になっていた。街の中の川の岸に、明らかに帝国のブーツのものではない、誰かの足跡がくっきりと残っていた。

アイレイドの人々は身を隠す手段を2つ持っているようだ。まず、空中浮揚で壁を高くのぼり、高い所に身を潜めるものと、川の中に潜り込んでその中で呼吸ができるものがいるようだ。奇妙なエルフの輪をかけて奇妙な隠れ場所を見つけてしまえば、もう夜中に軍隊を襲われないように注意することは比較的簡単であった。

しかし、魔術師ギルドが仲間たちにマジカの方法を教えられるよう体系づける何百年も前に、このような呪文の技が街全体に浸透していたのは信じがたいかもしれない。しかしながら、このことはアルテウム島のサイジックが神秘をそういう名前で呼ばれる以前から発展させたのと同じように、シロディール南部のこの不思議なアイレイドが、変性の系統となるものを発展させたという証拠であるとも思える。ブラヴィル征服の当時もそれ以降も、他のアイレイドたちが己の姿を変えることができたという考えは、決して拡大解釈ではない。ブラヴィルに征服される以前の人々は、獣や怪物に変身することはできなかったが、自分たちの姿を隠せる術は持っており、それがとても役立っていたことは確かだ。しかし、結局は彼らの身をいつまでも生き長らえさせるほどの力は発揮されなかった。

ブラヴィル パート2Bravil, Part 2

幸運の老女

サシィーア・ロングリート 著

今日のブラヴィルにアイレイドの存在は微塵も感じさせないが、様式の異なる驚くべき建築物が彼らの存在の証拠である。慈悲深きマーラ大聖堂や領主邸宅などと同じくらい美しくて魅力的で、ブラヴィルの手によらないもので有名なのは、「幸運の老女」という彫刻である。

「幸運の老女」と彼女自身にまつわる物語は、多すぎて列挙できないほどだ。

彼女の母親はブラヴィルの売春婦で、父を知らない子として生まれたと言われている。その不幸が幸運の始まりであった。彼女はほかの子供たちからいじめられ、彼女の父親が誰なのかをしつこく尋ねられた。毎日、彼女はいじめから逃げるように泣きながら小さなボロ家へと帰るのであった。

ある日、ステンダール司教がブラヴィルへと慈善活動を行いにやってきた日のこと。彼は小さな女の子が泣いているの見つけて、その泣いてるわけを尋ねると、自分の不幸がつらくて、自分の父親が誰なのかがわからないから泣いているといった。

司祭はしばらく考え笑顔でこう答えた。「君は優しい目を持ち、嘘をつかない口を持っている。そんな君は明らかにステンダールの子供だよ。神のご自愛を受け、思いやりを持ち、当然幸運もたずさえている」

司祭の思いやり深い言葉はその後の彼女を変えた。彼女は誰の子かと尋ねられるたびに、元気いっぱいに「私は神の子よ」と答えるのであった。

やがてその少女は大人になり、バーで働くようになった。お客に対して優しく、穏やかで、飲み代をツケにしてやることもしばしばあった。ある雨の強い夜、彼女はボロをまとった若い男に店の中へと入れ、雨宿りをさせた。その男はお金を一銭も持っておらず、ややケンカ腰で無礼な態度であったが、彼女は男にご飯も食べさせ、寝床も貸してやった。翌朝、男はお礼の一言も言わずに出て行ってしまった。彼女の友人や家族は、もしかしたら危ない男だったかもしれない、もっと用心するようにと彼女に忠告した。

1週間後、皇族の馬車がブラヴィルを訪れた。帝国の王子がその馬車に乗っていた。彼はまったく見違えていたが、まさにあの時彼女が助けた若い男であった。王子はあの時の自分の言動と行動を何度も謝罪し、あれは魔女の一群にさらわれ、呪いをかけられていたのだと説明した。あとになってようやく意識を取り戻したのだと話した。彼女は大変なお礼を受け取り、もちろん優しい彼女は街の人々とそれを分け合い、その後も心ゆくまで長生きしたそうだ。

いつ街の広場に彼女の像が建てられたのか、それを作ったのは誰なのかを知るものはいないが、彼女の像は第一紀の時代から何千年とそこに立っているのである。今日に至るまで、観光客もブラヴィルの人々も、苦労の中で神の幸福が得られるように「幸運の老女」像を訪れる。

魅力と幸せのつまったブラヴィルの村の、より魅力的な一面である。

ブラック・マーシュの湿った荒野Wet Wilds of Black Marsh

シランティレ 著

第二帝国の時代、ブラック・マーシュを取り巻く広大な沼地は帝国の領地だと主張されていた。当然ながら、頭の固いエルフたち(そしてこのタムリエルの尻にできた膿の染みだす吹き出物の崇拝者たち)はアルゴニアという名前を好んだ。それは彼らの先祖たちが死を与えられた古代の戦場なのである。おそらくこれを理由として、爬虫類の民の原始的部族に対して、我々の標準語で「アルゴニアン」という名を与えるのが適当だと判断されたのだろう。議論の余地がないのは、この地方の哀れむべき惨状である。破壊の跡と悪臭がはっきりとにじみ出ている。過去の戦闘の爪痕と、現在の略奪者たちとが、このそうでなくても荒れ果てた辺境を損ない続けている。だが内奥部へ進んでいくと、ブラック・マーシュの暗黒の心臓部はさらに惑わして来る。その多様な自然は探検者たちを梅毒に感染させるために作られている。現実においても、妄想の中でも。

この地方の居住者は他では見られない匿名性を満喫している。初期のアルトマー探検家であり詩人でもある操舵手トパルは「足の速い、人間のような爬虫類が、この大沼を駆け巡っている」と記述し、移民には居住不可能な、見捨てられた場所という所感を残している。しかし、コスリンギのような未開人たちや、バルサエビク・アイレイドのような原始のエルフ、またカジートの親戚である狐のようなリルモティートなどは皆、この不快な辺境の一部を自分のものにするため戦ったのである。

ブラッドトイルの設立The Founding of Bloodtoil

私たちはファリネスティで冬を過ごしたが、聖地へ戻るとドラブログが無断で占拠し、自分たちの所有地だと主張していた。ズェンの信者はレンジャーの圧倒的な武力をもって戻り、下劣な獣を始末した。

私たちの祖先の村、改称されたブラッドトイルは取り戻された。だが祠はモーロッチの遺物だらけで不浄だ。ズェンのための新しい祠が直ちに祀られるだろう。

オークが戻ってくる恐れがあったが、ズェンの信者は取るに足らない彼らの脅威など恐れてはいない。ズェンは借りが返されることを保証している。

ベトニーの概要An Almanac of Betony

ベトニーと呼ばれるこの島の豊かな自然のなかで、そびえ立つ断崖絶壁ほどよく知られているものはない。目の前の海ににらみを利かせるこの岩壁は、訪れる者の多くを畏怖させ、守りの堅い海岸に攻め寄せようとする敵の多くを思いとどまらせてきた。

この島を取り巻く数々の伝説のうち初期のものが、この島を力強い岩の怪物の棲みかとしているのも、なんら不思議はない。その怪物は背中に生えた硬い棘を海に投げ込んでは、この島の岸に近づきすぎた船乗りに大きな災いを与えてきたという。

実像はそれほど神話的ではないが、だからといってベトニーの断崖の威容がいささかでも損なわれるわけではない。

この断崖絶壁に抱かれ、堅牢無比を誇るのが、代々のベトニー王の至宝であり守りの要とも言うべきスカイスパイアー砦である。偉大なレマン2世の御代に建設されたこの砦は、いにしえの時代より難攻不落を誇るこの断崖絶壁から切り出された同じ岩で造られており、これまでに数え切れないほどの攻撃を跳ね返してきた。

ボルガの島の獣ガイドBolga’s Guide to Island Beasts

ミストラルの狩人、ボルガ・グラブール 著

タムリエルじゅうの獣が貿易船に乗ってやって来る。楽して儲けようとしている人々は、この島を故郷と呼ぶ。弱い獣から強い獣まで、どこにいるか、どうやって勝つか、食べられるのかどうかを説明する

スキーヴァー

北部から来た巨大な鼠。群れで行動する。肉はシチューに向いている。非常に筋が多い

砂の下の穴に住んでいる。浜辺でキャンプをする?良い考えではない。水が来ると、スキーヴァーも一緒にやって来る。岩の上でキャンプする方が良い。固い地面の上で

小型の虎のように飛び跳ねる。回転することもある。走っていると思う?だまされてはいけない。ボルガに片手がないのを疑問に思ったことはないか?これが理由だ。しっかり立つこと。盾を持っていたら、両手を残すために、盾の準備をしておくこと

アリット

脚のついた口。歯でくるんだものは何でも食べる。脚が運ぶ場所へはどこでも行く

肉は固く、くさい。時々中毒を起こす

単独で行動する。羊のように簡単な獲物を狙う傾向がある。一箇所に集まったら?サンダーバグの巣を襲う

アリットは噛み付いて攻撃するが、脚はもっと危険である。しゃがんだ時は身を守ること!高く飛ぶ

サンダーバグ

他の生物から離れて暮らしている。山の尾根の下の木の近くの柔らかい土に巣を作る。卵を生み、近付くものから守っている。卵は食べると甘く、ゾクゾクする

名前は噛まれた時のショックからつけられている。遠くからでもショックを与えることができる。もしショックを与えようとしてきたら、止めるまで頭を殴ること!

他の虫より大きい虫もいる。小さな衝撃を与える球を吐き出し、空から雷を呼ぶ。こうなったら逃げることを勧める。天気とは戦えない

ジャイアントスネーク

滅多に見つからない。小さなボートを食べていることもある。泳いでいるのを見つけた?陸に向かうこと。捕まったら、引きずり込まれてしまう

私は陸でしか戦ったことがない。死が近づくと、とぐろを巻く。傷が塞がりはじめる。これを見た時は、逃げて振り返らないようにしているし、そうすることを勧める

マーチのムーンシュガーMoon-Sugar in the March

…そして乾燥した気候にもかかわらず、ムーンシュガーはリーパーズ・マーチで育つ。古代のムーンシュガー栽培の技術は、すべてにおいて灌漑に集約される。水路や井戸はもちろん、川の流れを変えることでさえ影響を受ける村の作物がある。そして当然、集めた雨水はマーチの農業にとって生命線である。

以下の部分で、著者はレッドガードが「ジョハド」と呼ぶ雨水用貯水槽の建設を開始するために必要な手順を解説する。この一見して単純な…

マーチ探訪録 第1章The March Explored, Chapter I

寛大な読者よ、ようこそ。ようこそ、広々とした空と赤い大地へ。草原と野生の景色が続くエルスウェアへ。ようこそ、読者よ、世界の果てへ。リーパーズ・マーチへ。

ここに、未編集の探訪記を収録する。この荒涼とした土地を初めて旅したときに書き留めたメモだ。この地の隠された宝、最も印象的だった場所などはこれらのページで参照できる。

謙虚な案内役である私より、お楽しみあれ!

— 旅人フェンリル

〈後のページは破り取られている〉

マーチ探訪録 第3章The March Explored, Chapter III

マーチはヴァレンウッドの境界となっており、ひいては古代の離散の境界である。エルスウェアでは貴重な石が発掘される一方、マーチの遺跡では興味深いアイレイドの哲学を知ることができる。

マーチ探訪録 第6章The March Explored, Chapter VI

…マーチの闇の教団の噂は嘘だらけだ。寛大な読者よ、これだけは言える。山賊は盗みを働き、命を脅かすかも知れないが、堕ちたオブリビオンのデイドラ公が荒涼とした地で実権を握ってなどいなかった。

マーチ探訪録 第7章The March Explored, Chapter VII

カジートのために言っておくが、タムリエル大陸にある彼らの建築物は実に独特だ。聖堂の美しさは、見ると畏怖の念を感じさせられる。ラウル・ハの舞踏の館は驚嘆してしまう。

残念なのは、彼らの素晴らしい遺跡の実に多くが崩壊し、台無しになっていることだ。素晴らしい場所の多くが荒廃してしまっているのだ。

ニルン全域にわたる課題だと思われる。時間とともに廃墟と化した美しさと輝き…

マーチ探訪録 第9章The March Explored, Chapter IX

…それと、白状しないといけないのだが、そのことをまったく理解していないのだ。マーチでは合わせて6の季節を過ごしたのだが、今でもカジートの月の宗教は、私が最初に着いた時と同じように理解ができない。

…心の水面での月の吸引力についての何か。分からない。アーリエルのおかげで、我々ハイエルフは自分たちの宗教の研究に対し繊細で、より清潔感のある価値観を持っている。

マオマーの書簡 第1巻Maormer Correspondence, Vol. 1

これをストームリーブ・ネイディルに見せてほしい。以下はテンペスト島に関するアルトマーの文書で、名高い地理学者アンガルモが記したものだ。この島はマラバル・トールにほど近く、我々の必要を満たすだけでなく、これまでにたびたび奇妙な荒天に見舞われてきたことを考えれば、攻撃の起点とするにはちょうど良い場所と言える。ここからならドミニオンの不意を突けるだろう。

アンガルモの旅行記:嵐の島(第1巻)

マラバル・トールの沖に浮かぶベールに包まれた島々は、美しくも危険な場所である。とりわけ、一部の人々からテンペスト島と呼ばれるようになった「嵐の島」ほど、その形容にふさわしい場所はない。この島はたしかに美しいが、いまだに誰一人として解き明かすことができない秘密を抱えている。もう何年もの間、この島から大嵐と強風が発生している。この海域では極めて珍しい天候だ。あえて島に上陸しようとした学者は嵐に見舞われた海岸に打ち上げられるか、または命を落としてきた。

私自身、そうした嵐をじかに見たことがある。そのとき私は前述のような遠征の1つに加わっており、結局はテンペスト島でひと月過ごす羽目になった。というのも私の船、サマーセット・ブレイド号は、どこからともなくやってきたとしか思えない突然の嵐に翻弄されて木っ端みじんになったからである。私も噂に不安を覚えないでもなかったが、まさかあれほどとは思わなかった。いたって穏やかだった海があれほど唐突にしけるなど、魔法で嵐が呼び起こされたという以外に説明のしようがあるだろうか?やがて遠征隊の第2班が捜しにきてくれたおかげで助かったが、私は二度とあの島に近づかないことを胸に誓った。

この誓いを破るつもりは全くない。

マオマーの書簡 第2巻Maormer Correspondence, Vol. 2

これもストームリーブ・ネイディルに見せてほしい。以下はテンペスト島に関するアルトマーの文書で、名高い地理学者アンガルモが記したものだ。この島はマラバル・トールにほど近く、我々の必要を満たすだけでなく、これまでにたびたび奇妙な荒天に見舞われてきたことを考えれば、攻撃の起点とするにはちょうど良い場所と言える。ここからならドミニオンの不意を突けるだろう。

アンガルモの旅行記:嵐の島(第2巻)

私はテンペスト島での体験を生涯忘れないだろう。悪名高いあの島の嵐に見舞われ、危うく命を落としかけたのだ。船が大破し、私は丸々一月、島に閉じ込められた。島に広がる入り組んだ洞窟は比較的安全で、救助隊がやってくるまで私はそこに籠り、船の糧食で食いつないだ。

その間、この島に宿ると噂される魔法的性質の印は何も見つからなかった。しかし、そうした噂の原因になっている不思議な嵐は明らかに存在したのだ。誓って言うが、この島の嵐は私が過去に見たどんな嵐にも似ていない。速さと激しさが桁違いなのに加え、本来いたって穏やかな気候で知られる海域に発生するという点も特異だ。

この荒天の原因を解き明かすことができた学者や魔術師はいないと言われているが、この島はさまざまな現象の源と考えられてきた。たとえば「大洪水」や、435年のラミア侵攻に先立って起きた嵐がそうだ。この2つの出来事は、長年にわたって研究者や学者のこの島に対する興味をかきたててきたが、誰一人としてこれらの嵐の原因を解明できていない。

学者としては、テンペスト島は単に天候が極端に傾きやすい海域にあるだけのことで、それ以上でもそれ以下でもないとしか言えない。

マッドクラブの変わりやすい性質The Fickle Nature of Mudcrabs

最初に記録されて以来、タムリエルでよく見られるマッドクラブは常に、凶暴で危険ではあるが、丈夫な熊手があれば平凡な農民でも撃退できると記述されてきた。マッドクラブのキチン質は錬金術師のいくつかの学派によって珍重され(私自身は決して使わないが)、またその肉はタムリエルの一部地域、特にモロウウィンドでは珍味とされている。

その性質から言って、マッドクラブは自分の川や小川、浜辺を、自分たちの縄張りにとっての脅威と見られるものから守ろうとする。マッドクラブは密集する傾向にあり、恐れることなく近寄る者を攻撃し、自らの戦闘能力について過剰な自信を持つ。怒ったマッドクラブを追い払うことができるのは、弓矢か斧の狙いすました一撃だけである。

ビョルサエの海辺にいる個体を研究していた時、私はここ数ヶ月における奇妙な傾向に気づいた。通常であればマッドクラブに気づかれないよう気をつけて進む必要があり、そうしないと検体を殺さなくてはならなくなるのだが、最近では接近して観察できるようになり、それどころか甲殻を撫でても反応しないのである。

先週、私はマッドクラブの集団の真ん中に座り、妨害を受けることもなく、離れた場所からの研究では見逃しやすい細部を熱心に記録した。しかし、マッドクラブは完全に無害ではない。直接に刺激されれば反応するのだ。私は熊が1匹をこじ開けようとした時、群れ全体が仲間を守ろうとやって来て、熊を退散させたのを観察した。

マッドクラブたちは私に気づいていると確信している。知らないからではないのだ。うち1匹はこっちにやって来て、触角を私の手に走らせさえしたのだ。まるで私のほうが研究されているみたいではないか!いったい何が変わったのだろう?繁殖期なのだろうか?水の中に何か、彼らの行動に影響を与える成分でもあるのだろうか?忙しい時期が影響しているのだろうか?さらなる発見のために、観察を続けるつもりである。

メモ:インドリクの出現と正常進化Memorandum: Indrik Emergence & Formal Development

これを見つけた方は、サピアルチ大学のサピアルチ・アンデッス、またはリランドリルの認可特使にご返却下さい。

インドリクの観察についての私の解釈は、さらなる謎を導くだけだ。例えばハラダンの「自然の魔法」に記述されている「4つの羽根の統一」は、実のところインドリクの卵や子供を生成するわけではなく、他のアウルビクの場所からインドリクを招き寄せる。起源の異なる4つの羽根を見つけたら、これは私自身の手で実験しなければならない!

それから、ブルクス・クリトーの「彼岸の動物図鑑」に記された「年齢形態」は全く不正確だ。むしろインドリクはまず純粋な、あるいは生まれたての状態でタムリエルに入り、何らかの刺激を吹き込まれることでその形態を変える。クリトーによれば魔法のベリーだ。そこで第二の性質と、より特化された枝角を発達させるようだ。なんと興味深い、驚異的な生物だろう。

モロウウィンド動物誌 パート1Morrowind Fauna, Part One

ホリア・アセリオ 著

この手紙に続いてほどなく全文の写しが送られる。以下は執筆者が仕事を終えるまで読者の好奇心を満たすものにすぎない。

一般的なヴァーデンフェルグアル

グアルはまさしく最も広く知られた二足動物の広範な科に属する種であり、何百年も荷物を運搬する動物としてシロディールに持ち込まれるトカゲに似た生物だ。グアルはアッシュランドの地表すぐ下にある塊茎状の農作物や根を下あごを動かして喜んで食べる。野生のグアルはたいてい従順だが、一部の土地の荒野では狂暴になり攻撃することが知られている。怒ったグアルは獰猛で殺しをすることが分かっている。最も近い系統の動物にはアリットやカゴーティがいて、モロウウィンドの地で共に生息している。それはコグアルも同じだ。

モロウウィンドの観光客が名付けた「コグアル」は、より大きな同類の体力に劣るという理由でほとんど広まらない、グアルの小型版の種である。南モロウウィンド以外ではあまり知られてなく、たまにペットとして育てられる珍種だが、肉と皮を取るために飼育する者もいる。

アリットとカゴーティ

アリットはグアルに近い系統でずっと鋭い歯をもっている。雑食動物であり組織的な群れで狩りを行わない一方で、機会をみて食事のために他の動物や民をも襲うことが知られている。アリットはグアルとほとんど同じように地面を掘って栄養を補う。ヴァレンウッド出身の珍動物のファンが自身の娯楽のため持ち込み、それが長年流行した。多くは拘束状態から逃げ出し、その子孫が南部の大森林で闊歩しているのを確認できる。

カゴーティは大柄で防護器官を有するグアルとアリットの同類だ。カゴーティの最も際立った特徴はその牙と頭にある。縄張りを守り、獰猛で敵対的だ。群れで狩りを行い、一人前のノルドを容易に空中へ投げられることが知られている。

スカトラーとコヒョウグアル

スカトラーは小柄で従順な二足動物の種に属し、一般的な飼い猫と同じサイズだ。はっきりした前足がなく、己より小さい昆虫や地虫を食べて生きている。完全に異なる繁殖・成長周期があるからグアルやアリットとは系統が異なる。スカトラーはその外見とは裏腹に、レザリーフライアーが属するクリフ・レーサーの部類に近い。密売人はペット用にダガーフォールからヘヴンにかけての港で売っている。

コヒョウグアルはその名前に反してスカトラー科の一部に分類され、グアルではまったくない。特有の体形とありふれた鶏を大衆に想起させる行動により、多くの者がコヒョウグアルを「醜い鶏」と表現する。退化した羽があり、同類のクリフ・レーサーやクリフ・ダーターとは異なり飛べない。南モロウウィンドの農民が、卵と肉を取るために飼育している。

ヨクダのナ・トタンブThe Na-Totambu of Yokuda

ラ・ガーダが海を渡りハンマーフェルの浜辺へ来る何世紀も前に、現代のレッドガードの人々の先人達はヨクダの大陸に住んでいた。ナ・トタンブとして知られているヨクダの人々の支配層は王の議会で、それぞれの国は現代ですら未知である冶金学術、農業、そして造船業において優秀な進歩を成した。

ヨクダの大陸が巨大な洪水の波の下に沈んだ時、ナ・トタンブは恐ろしいラ・ガーダとなり、政府組織と生き残った人々に海を渡らせて移住させた。大洪水によって彼らは消耗していたが、レッドガード人はもう一度彼らの国家を設立するために砂漠と丘を切り開き、難なくブレトン、アルトマー、そしてオークを征服した。

数十年が経った頃、ナ・トタンブの影響力は次第に衰え、レッドガード社会は2つの主な文化派閥に分裂した。一般的に2派閥の内で比較的順応性が高いと考えられているフォアベアー派は、以前の敵と交易を開き、海港を維持した。内陸のクラウン派はなおも大きな力を持ち、古代ヨクダの信条に強く固執していた。

この狂信的な崇拝にもかかわらず、多くのヨクダの知識は時と派閥間の確執と共に失われた。最も古いクラウンの学者達は、現代のレッドガード人を単なる先人達の文化の影に過ぎないと辛辣に批判する。

ヨクダ産馬の伝説Legend of the Yokudan Chargers

オノラー・アフ=ラーレク 著

ハンマーフェルの勇士はタムリエルの最上の剣士としてよく知られていますが、馬術の達人としても知られています。レッドガードの勇士は必ずといっていいほど片手に剣を、片手に馬の手綱を持つ者として描写されています。

そして馬の繁殖を行わないのはヨクダ産馬よりも砂漠の騎士に関連しています。ヨクダ産馬は最強の交配種で、ハンマーフェルの馬貿易に従事するすべての者の誇りとなっています。厳しい気候にさらされるアリクルで、弱い馬は耐えられず死ぬのに対し、ヨクダ産馬は生命力が強いのです。ヨクダ産馬は乗り手である勇士と同じく困難に立ち向かいます。掲げた頭、開いた鼻孔、オスもメスも勇敢です。

このアスワラの馬屋では、船乗りヤグーブがその艦隊でアコス・カサズより連れ帰った馬を祖先とする、血統書つきのヨクダ産馬のみを取り扱っています。辺鄙な場所にありますが、壮大なアリクル砂漠の中心に店を構えていることを幸運と思います。馬を見れば納得なさるでしょう。

ヨクダ産馬:すばらしい伝統と信頼を。アスワラの馬屋にて、ご自身の目でお確かめください。

ラグンサールの奇妙な事案The Strange Case of Ragnthar

グイレーン・マリリー 著

序文

ラグンサールは謎の中の謎だ。ラグンサールがあれほど奇妙な形で存在している理由は不明だという点で、近代の学者たちの見解は一致している。ラグンサールの遺跡での奇妙な事件に関して言えば、ほとんど全部の学者が同じ立場になる。

ドゥエマー、より知られた呼び方で言えばドワーフがタムリエルの地表から姿を消したことは素人でも知っている。彼らが消えた理由、あるいは原因は多くの推測を呼び…数多くの書物の題材となっている。

彼らが何を残したかに関して、議論の余地はない。数多くの遺跡だ。独特の金属のコンストラクトが歩き回っている場所もある。ドワーフの遺跡の探索は多くの研究者や冒険者の通過儀礼になっているが、最も多くの者が足を踏み入れた遺跡であってもまだ危険が残っている。結果として、ドゥエマーの遺跡とその奇妙さについては大変多くの研究がある。

古代ドワーフの遺跡に、たくさんの珍しい発見があることは間違いない。積み上がった装置、地中深くまで太陽の光を届かせるための縦穴、今でも稼働可能で壊れていない装置に動力を与えるための、轟音を上げる滝…目や感覚を驚かせる遺跡は、たくさんある。

しかし、そうした遺跡は全てラグンサールの衝撃に及ばない。ご存知のように、ラグンサールの入口はタムリエルのあちこちにたくさん存在する。文字どおり空間外の空間で、現実から逸脱している。実際どこにあるのかは分かっていない!中で行なわれた観測結果から、かつてはハンマーフェルの山の中にあったと推測されるが、正確な始まりの場所は、いまだに特定できていない。

分かっているのは、境界線を越えてラグンサールに入ると、ニルンを離れることだ。誰にも理由は分からない。

ラグンサールから生まれる疑問の中で、最大のものは間違いなくこれだ。「なぜ?」なぜドゥエマーは、この施設を知られた次元から除外するために必要な、莫大な魔法の力を使ったのか?私はこの努力を「時空間的跛行」と呼んでいる。文字どおり、時間と空間を捻じ曲げることだ。

ここに来れば、この謙虚な学者による、この地の膨大な観察記録を見ることができる。私はここに残されたコンストラクトと機械を広く調査した。作った者たちの意図についての仮説も数多く立てた。君も同意するはずだ。この地を調べれば調べるほど、発掘すべきものが出てくる!

リラソによるタムリエル案内、21章Rilaso’s Guide to Tamriel, Ch. 21

第21章:リフトで生き残る

リフトで生き残るコツは、決してそこへ行かないことだ。リフトはノルド以外に向いていない。ノルドでないのにリフトにいると、ひどい死に方をすることになる。

凍え死にするか、道に迷って崖から落ちなければ、野生の動物に殺されるだろう。熊やサーベルキャットが喜んで食べてくれる。マンモスからはわざと踏みつぶされるか座られるかするだろう。巨人には近くの木のてっぺんまで蹴り上げられるだろう。

だが自分の考えでは、リフトで最も危険なのはノルドだ。小さなことで激怒する性質で、ハチミツ酒をいくらでも飲むことができ、鋭い武器を常に振り回している。

酒の飲み過ぎで死ぬ羽目になったり、あの有害な体臭で窒息しなければ、連中に首を切り落とされる。酒場にいて何か間違ったことをノルドに言えば、すぐに頭が空中に飛んで、すでに血がこびりついている壁に新たな血の層を吹き付けることになるのだ。

だから、リフトには行くな。

巨人:講話Giants: A Discourse

知りたがりのコード 著

スカイリム!それは天地創造以来、興味をかき立ててきた。そしてスカイリムには常に巨人がいる。それは真実だ。私はこれらの重々しそうに歩く生物を研究し、彼らがマンモスの世話をするのを見てきた。彼らは穏やかで、単純な存在だ。すべてが、戦闘の欲に屈するわけではない。すべてが、私の知っているノルドを全て追い立てているような、探求の必要に屈するわけではない。

ただし、共通の祖先を持つが故に、私達はこの巨人達とつながっている。アトモーラ人は巨大で賢かった。この祖先に由来するノルドは(比較して言えば)小さく、知性が高い現在の姿になった。一方で、巨人は巨大で馬鹿な、私達が遠くから観察する生物になった。かつて私達はこの親戚に牛の捧げ物を授けていたが、この慣習は支持を失った。おそらくそれは、ノルドのあらゆる村を犠牲にするだろう。

現在、ほとんどのノルドは私達と巨人の間にある明らかなつながりを認めることを拒む。私達は巨人を厄介者として扱い、彼らの牧草地を盗み、そして戯れに彼らのマンモスを狩りさえする。これは私達の破滅の原因になるだろう。巨人に失礼な態度をとることは、私達自身に失礼な態度をとるのと同じである。もしも私達が巨大な親戚と共に生きることを学べないのであれば、衝突は全面戦争に成り得るだろうと危惧する。そしてそれは恥となるだろう。

巨人についてさらに話させてほしい。概して、彼らは孤独を好みがちな生物だ。巨人は定期的に儀式場へ集まる。そこに集まって彼らは商売し、結婚し、そして彼らの開発した単純な方法で交流する。

彼らはマンモスと興味深い関係を持っている。彼らはこの生物を追い立てはしないが、意思を伝えることができるようである。それらを守り、そのお返しにミルク、チーズ、そして親交を得る。時々、巨人がマンモスを食べるのを見たことがある。その食事は、もしそのような概念が単純な巨人に当てはまればであるが、敬意を持って執り行われていた。

巨人はまた、死に対して複雑な信念を明らかに示す。彼らは神聖な墓地としての場所を用意している。巨人が病気になったり死にかけたりすると、死ぬためにこうした場所の一つへ行く。もし巨人が他の場所で死ぬと、他の巨人が絶対にその亡骸を墓地へ持っていく。彼らはこれらの神聖な場所の近くには住まず、見張りはしない。ただ単に使うだけだ。

巨人とノルドは、同一の領土を争い続けるだろう。平和的な解決を探し出す手段を講じない限り、将来の衝突は回避不可能である。巨人が倒れ、ノルドが死ぬ。だが巨人がノルドを食べる姿を、私は一度も見たことがない。

空中庭園The Hanging Gardens

ウェイステン・コリデイルの空中庭園

(この書物はもともとドゥエマー語で書かれ、アルドマー語に翻訳されたもののようだ。アルドマー語は断片的にしか判読できないが、アルドマー語を研究する者が他のドゥエマー語書物を訳出するには事足りるかもしれない)

…導き手アルトマー・エストリアルは炎足をもって、四角形の庭が死して横たわる街の中心へと先導した…

…は礎や鎖や船にその名の由来を尋ねた…

…アース・ボーンズからの脱出を何故固化した音を利用して教えようとしなかったのか、あるいは凍結した炎を糧としなかったのか…

…私がかつて書いたことになった語、我らが下賎なる近縁がその無知ゆえに「芸術」と呼ぶあれを…

…だが言葉も経験も、我らが祖先たちの移ろいやすい戒律に反する奇妙にして恐ろしき法の粋を浄化することはない。

(翻訳部分の最後には、別の書き手によると思われるドゥエマー語の注釈があり、それは以下のように訳すことができる)

「燃えさかる裁断球を置くがいい、ヌブスルド。お前のエルフ語は語句は正しけれど、正しく誤読することはできない」

古きヨクダの失われた島The Lost Islands of Old Yokuda

海の女王ハザディーヤに捧げる

失われたヨクダのことは覚えている。そのすべての島について覚えている。

サマラを覚えている。そうだ、そこには夫がいた。

サマラ:低く、豊かで、心地よく、多くの港があり、温かく甘い実がなる。テイマッシュと、とても似ていた。真珠海の流れに引き離されるまでの長い間、すばらしい休日を楽しんだ。

カネシュのことは覚えている。そうだ、そこには夫がいた。

カネシュ:高く、激しく、過酷で、そして内部の熱さで強く赤々と輝く。ヤズーギルはとても似ていた。熱の液体が爆発したが、冷めて石になった。アズリアンはついに私を呼び寄せた。

ヤスを覚えている。そうだ、そこには夫がいた。

ヤス:不毛で、凹凸があり、壮大で、強い尾根から良い眺めを得られた。スフディンはとても似ていた。彼は軍馬の上に私を引き上げ、共にあらゆる場所を探検した。ある日彼は峰の上に走り去り、そして私はもう一度海に戻った。

アコス・カサズを覚えている。そうだ、そこには夫がいた。

アコス・カサズ:一番大きく、統治者と反抗者がおり、気まぐれでいくつの面をもち、穏やかで残忍だ。オシュナルはとても似ていた。私はここに最も長く住み、共に戦い、子供たちを育て、トテムブゥの街を造った。しかしそこでさえ、ある日私はアビシアンからの東風に気がついた。その時までには腰までの髪が鉄灰色になっていたが、私はついに海に戻った。

ヨクダを覚えている…

獅子の巣へInto the Lion’s Den

「獅子の巣」と呼ばれる谷は、昔からマウンテンライオンの繁殖地であったためにそう名付けられた。神話紀後期のネードの民は、毛皮のためにここで狩りをしたが、リフトの現在の住民はこの一帯に近づかず、家畜から皮や毛皮を収穫する方が楽で安全だと考えている。

地元の大衆が間違いなく獅子の巣を避け始めたのは第二紀の初めで、巨人の小さな部族が近くの山脈に住み始めた頃だ。その巨人は地元民から怒った世捨て人と見なされ、通りかかった者を見つけ次第襲うことで知られてきた。そのため、誰かが誤ってその一帯に迷い込むことがないようにと、谷への入口には壁が建てられた。

樹木の建築Arboreal Architecture

シランティレ 著

全体が森林の地方でありながら、1本の木も傷つけることができない。葉の盟約はウッドエルフの建築家の仕事を奪い、消滅させたと人は考えることだろう。しかしこの無意味な規則の内側で努力することで、ボズマーの職工技術と住居の質は強化されたのである。引き延ばされ、骨の枠組みに合わせて縛られた皮は間に合わせで作ったもののように見えるが、通常これは聖なる木の洞の中に保護されており、そのサイズは実に幅広い。川や沿岸を歩き回ってみれば、そこではグリーンパクトを破ることなく貿易商から高品質の輸入木材を入手できるため、より伝統的な木製の住まいを目にすることになる。

森の中をさらに奥深くまで進んでいく勇気があれば、エルデンルートの街あるいはシルヴェナールに行き当たるかもしれない。どちらも林床(通常は他の種族、特にアルトマーによって建造される)の上に作られた居住地を有しているが、多くの家はグラー・オークの木の影に隠れ、また保護されている。都会風の木の民は枝に囲まれた生活を好み、この地の法を破ることなく、枝をまとめ上げて分岐路を形成している。厚みのある、生きた蔓が数ダースもの足場を固定し、グラー・オークの人と物を支えている。こうした足場は多くの場合、外からやって来た頑強な労働者たちによって吊り上げられる。

骨と樹脂、それに腱がボズマーの橋の設計に用いられる。このような廃棄物の再利用市場があるため、木に住む民は動物の残骸を高い場所から下の地面に捨ててもよく、残骸は下で集められ、多様な道具に作り変えられる。スカイリムのゴミにまみれた往来に比べれば遥かにマシと言えるだろう。月が昇ると、常時日陰になっている樫の根元で生息する、淡く光る地衣類と苔類、菌類による明かりが加えられる。さらに上まで行けば、グラー・オークから栄養を得ている夜の花に誘われて来るホタルの巣が枝上の足場を照らすため、火を使う必要がない。自ら課した莫大な不便を克服するための適応が、ウッドエルフを生き残らせ、それどころか厳しい制限の中にあっても繁栄を可能にしてきたのである。

祝福された、サタカラームBlessed, Blessed Satakalaam

サタカラームの歌姫、ベールをとったアザディエ 著

オンシに祝福されしサタカラーム。戦士たちはアリクルで最も勇敢である

ターヴァに祝福されしサタカラーム。大聖堂の塔の頂上に、オオタカが巣を作る

モルワに祝福されしサタカラーム。ハチが花粉をザクロとイチジクに運んでくる

ゼェトに祝福されしサタカラーム。深き岩から来る水が、泉と水差しを満たす

トゥワッカに祝福されしサタカラーム。モタリオンが過去の時代より先人を守る

ラプトガに祝福されしサタカラーム。星は私たちの旅路の上に輝く

サタカルに祝福されしサタカラーム。世界の終わりといわれる時まで、私たちは真の信仰を守り続ける

循環するドゥルーのライフサイクルRevolting Life Cycle of the Dreugh

循環する地上ドゥルーのライフサイクル(要約版)

フロント・メシリウスによる実地研究メモ

この原始的種の起源に関する現地の伝承とは異なり、ドゥルーはアビシアン海から、イリアック湾に流れる湖や入り江に移住した。彼らの爪のような腕やはさみ、そして鋭い脚は人間の胴体サイズの骨格から突き出しているが、それに加えてドゥルーは鎧のような表皮と甲殻から分泌されるロウをまとっており、それらは一定の地域で珍重されている。ドゥルーは水棲のゴミ漁りであり、大部分の時間を深海の水中で過ごしている。地元の漁師はこの種族とのいさかい(たとえばドゥルーが漁師の網を切って魚を盗むなど)について話してくれるが、ドゥルーは大抵の場合おとなしい。ただしカルヴィナシムと呼ばれる変身期の間は別である。

カルヴィナシムの間、ドゥルーは地上を歩き、開放水域に近い海岸線の沼や川に好んで落ち着く。幼生はそばで見守られ、卵の母は縄張り意識が非常に強く、侵入者には素早く、敵対的に反応する。これはカルヴィナシムがドゥルーの母性本能を高めるという考えに根拠を与えている。実際、我々の地理学者主任であるパルチェリウス・ポンプティヌスがはらわたを引き抜かれてしまって以後、我々の襲撃チームはこれ以上の個体を捕獲して処理することを考え直した。

1年間の地上歩行の後、ドゥルーは水中に帰っていく。彼らは水に沈むと「メフ」として知られる最後の変身を始める。そこで彼らは自らの地上用の皮膚と大気用の臓器、つまり不要になった体の部分を食べてしまい、凝固したその残部を、1フィートほどの直径のある繊維質の球にして吐き出す。この悪臭のする不快な球は「グロム」という名で知られ、湖周辺の群れの中で見つかる。現在までのところ、我々の薬剤師はグロムに何の薬効も発見できていない。部隊の中でも胃の弱い者に吐き気を引き起こす程度である。

森の番人Keepers of the Grove

放浪者ウリグ 著

旅は私を多くの神聖な場所へ連れて行ったが、カイネスグローブの祠ほど美しく穏やかなところはほとんどない。緩やかに起伏する丘、威厳のある木々。冷たく透き通った水で満たされた湖。太陽がそのエリアを、きらめく金の反射光で彩ったかのようだ。

祠は息をのむほどで、高台の上にあり、聖なるルーンの彫られた多くの大立石に見下ろされている。その場所はまさに、カイネの氷のように冷たい息に軽く触れられたかのようだった。

森の番人は、嵐の女神を祭った聖なる教団の一部である。彼らは大地を世話し、日々の聖餐を捧げ、そして番人の住居と訪れる巡礼者の宿泊施設として使われている二つの小屋を管理している。

あれほど献身的なグループには会ったことがない。彼らは本当に彼らの神と大義に献身的であり、聖堂を管理し、礼拝で巡礼者の手助けをすることに熱中しているようだ。

巡礼者はカイネの祝福を求めてスカイリム中からやって来る。兵士達は特に戦闘へ赴く前に、戦士の女神を探し求める。カイネの祝福は彼らの武器に力を加え、彼らの鎧を強化する。苛酷な戦争を通して、彼らの安全と勝利を保つことを約束する。この祝福を受けるために、戦闘での守護と強さを頼みながら、巡礼者は森で日夜祈り、賞賛と贈り物を女神に捧げる。

番人は、案内と助言を必要とする人々へ提供し、それを必要としない人々へは親切な言葉をかけ、そしてカイネの知恵と支援を求めるすべての人々へ食べ物と宿泊所を提供する。ここはまさに祝福された場所である。

最も豚のような敵A Foe Most Porcine

謹んでお聞きください!

この壮麗な招待状を持つ者は誰であれ、ストームヘヴンにあるハンマーデス・アリーナで、力と威厳と豚の試練へと招かれます。

この招待状を悪戯なロゼットに渡し、豚の王との公式試合を行ってください! あるいは怯えて逃げ出し、祝祭に水を差してもよろしい。それもまた一興でしょう!

道化王エメリックと麗しき女王の布告により、試合を始めましょう!

天空の子供たちChildren of the Sky

ノルド族の者は自らを天空の子供たちだと信じている。スカイリムを天が大地に息吹を吹きかけて彼らを作り出した場所とし、世界のノドと呼んでいる。ノルド族は自分たちを永遠の外来者かつ侵略者と見なしており、たとえ他の一族を打ち破り支配下に入れたとしても、それらに対して親近感を感じることはない。

ノルド族にとって息と声は生命の粋というべき要素であり、強大な敵を倒したノルドは相手の舌を戦利品として持ち帰る。これらの舌から作られたロープは、魔術のように言葉を蓄えておくことができる。ノルドはアカヴィリのソードマンの気合同様、自らの力を叫び声に込めることができる。ノルド族最強の戦士たちは「舌」と称される。ノルド族は街を攻める場合、攻城兵器や騎兵などは用いない。門の前にくさび状に陣形を組むと隊長が気合として力を発声して門を打ち破り、斧で武装した歩兵たちが街の内部へと雪崩れ込むといった按配である。この叫び声は武器の刃を研いだり、敵に直接打撃を与えたりもできる。しばしば見られる結果は敵を押し戻したり、操ったりすることである。強靭なノルドは雄叫びで仲間の士気を高めたり、突撃してくる敵の戦士を怒号で止めたりできる。最も偉大なるノルドともなると、何百マイルもの遠方から特定の相手に呼びかけたり、叫び声を投げかけてその到達点に転移することで素早く移動することもできる。

最も強大な部類のノルドは口を開くだけで破壊を巻き起こしてしまうため、通常は猿ぐつわをはめ、手話とルーン文字を使って意思疎通を行う。

スカイリムの奥地へと進むにつれ、人々の秘める力とその精霊的な側面が強まっていき、それに伴って住居などの必要性が減っていく。風はスカイリムおよびノルド族にとって根本的な要素であり、遥か遠方の荒地に住む者たちの体には常に風がまとわりついている。

不浄の軍団Unhallowed Legions

エリンヒルのファラスタス 著

すべての魔術の中でもっとも不浄とされる死霊術が隆盛を極めつつあることは疑いもない事実である。不穏な亡霊やよろめく死体、そしてそれ以上に恐るべき存在の話がタムリエル全土に広がり、一般の人々を恐怖に陥れている。これは憂慮するべきことである。そして私は学徒としての責務として、無知蒙昧な者達にこのことを伝えることにより、より知的な教育を受けた人々がアンデッドの脅威に気付き、立ち向かう準備を整えてくれることを願うものである。

死霊術とはご存じであるように、霊魂や霊的エネルギー、あるいは死者の死体を操作することである。不本意な亡霊も少なからずかかわっており、理性的な者の目から見ればこのような魔術の「研究」など不快以外の何物でもない。そして死霊術の知識の多くはデイドラの勢力、特にあの唾棄すべきモラグ・バルと関連していることは驚くことではなく、これを敬遠すべき学派である根拠をより強固とするものである。
以下にアンデッドの主な分類の説明を記述する。

蘇生体

この恐るべき存在は、死霊術師が使役された霊魂を死体、もしくは死体から作り上げたコンストラクトに召喚し、植え付けることで作られる。ここでは通常、下級デイドラのエキスが使用される。蘇生体は下等なスケルトン(死霊術師入門者に大好評な)から、巨大な肉の精霊まで様々な形態を持つ。未聖別な死体が必要なことから、一部の気まぐれな魔術師が力を得るために殺人を行うことも知られており、地域社会への危険が懸念される。蘇生体との遭遇を最小限にとどめるには、手入れのされていない墓地や隠れた洞窟、遺跡を避け、死霊術と疑わしきことがあった場合、すぐに地域の当局に報告し、捜査を依頼するべきである。

蘇りし者

亡霊やレイスは様々な理由により具現化する。ある者は強力な呪いによりニルンに封じられているため、あるいは儀式を通じて召喚された者、またはやり残したことがある未練により現世から離れることを拒んでいる場合などがある。ある者はその一族によってとどめ置かれている場合などもある。この風習をダークエルフたちは死霊術ではないと言い張ってはいるが… 馬鹿げたことだ!

私の最近のソウルバーストと呼ばれる現象に関する研究では、前述の現象と蘇りし者の目撃数、活動件数の増加との関連性が示唆されている。実在を止めた後の自然な魂の以降が、継続して阻害されていることが強く示唆される。この仮説を中傷する者、特に見当違いなタネスのレディ・シンナバーなどは、わずかながらにも精査された反証を一切提供していない。

呪われし者

不死は必ずしも無法者の魔術師が魂や腐った肉体で実験した結果物だけではない。ノクソフィリック・サンギヴォリアのような呪われた病気は生きている者をも蝕む。その結果として生まれるのが、栄養を得るために生き血を必要とするアンデッド・クリーチャーである。吸血鬼はクランとして引きこもって地下に潜み、生き血を吸うための虜囚を得るためだけに地上へと出る。場合によっては、その精神が正気を失う域まで達してしまった者もあり、その者は一般的に「狂血鬼」と呼ばれる、思考力のない怒れる抜け殻のような獣となる。そのような獣を見かけた場合、直ちに現地の戦士ギルドに通報すること。

悪趣味な混合

アンデッドの中には、単純な分類をも超越する者達もいる。たとえばリッチなどは生前に持っていた魂によって自主的に蘇生した死体である。通常は不老不死を目指した強力な呪文使いだけがこの状態を作り出せる。ただ一般の人たちには幸運なことに、リッチは自分の研究に没頭している場合が多く、古代遺跡に首を突っ込まない限り、旅人が彼らと遭遇することはまずないはずだ。

これでこの忌むべき風習とその不快な結果物についてよりよく知ったことで、アンデッドの脅威に対処するための準備がある程度できたと思う。言うまでもないことである(だが、あえて言わせてもらう)が、このような時代であるからこそ我々は死霊術を報告し、対決する責任がある。このような唾棄すべき魔術の研究に何らかの利点があるというような考えに賛同してはならない。理性のある人なら誰でも、そのような主張は狂気の沙汰であることを理解するだろう。

北ハイロックの魔女教団Witch Cults of Northern High Rock

ワフィムレス・マスタレット(語り部) 著

タムリエル中に散らばっているとされる、これまでに知られている1ダースかそこらのウィルド魔術結社のうち、ベルダーマ・ウィルドは特に帝国の研究者にとって興味深い存在である。ベルダーマは中央グレナンブラの深い森の中で設立された。でこぼこの地形と鬱蒼と茂った植物は、探検家にとって困難の多いものであった。ベルダーマ・ウィレス(結界の修道女たち、あるいは魔女たちの別名)に出会えた者はごく少数だが、それができた者たちは古代の樫の木の日陰で行われる暗黒の野営について、またボズマーの女神たちの中で最も崇拝されているイフレの姿イェフレを称える、扇情的な儀式について語っている。

女性のみで構成されるベルダーマ・ウィルドは自らの起源を、イフレが最初のエルノフェイ(あるいは「アース・ボーンズ」)へと変身し、自然の法則を成立させた時代までたどっている。これは単なる神話に過ぎないとしても、ベルダーマ・ウィルドの者は全員、自分たちがエルノフェイの末裔だと熱烈に信じている。ウィレスが有益な存在と考えられるべきか、それとも有害と考えられるべきかは定かではないが、不気味かつ強力な存在である点について人々の意見は一致している。彼女らは自らを自然に対する不動の敬愛心を持つ、森の番人と任じている。それゆえ、ベルダーマ・ウィルドがハイロックで最も人口の少ない地区に住んでいることにも納得がいく。

ベルダーマはとてつもなく大きいと言われる、謎めいたウィルドの樹の周りに集結することが多い。この樹は自然界にはない輝きを放ち、タムリエル北部の他のどの樹とも異なる見た目をしている。帝国が侵略を企てるようなことがあるとすれば、森林伐採の威嚇が地元住民を震え上がらせる方法の一つかもしれない。とはいえ、機先を制して襲撃するための未知の魔法を、ベルダーマ・ウィルドが有している可能性もある。

目を食べるA Diet of Eyes

ハグレイヴンは長い間、特定のリーチの民の部族と関係がある一方で、リーチの民とこの怪物たちの関係はまだはっきりしていない。

老婆の顔と、人間とレイヴンを組み合わせた不格好な体をしたハグレイヴンは、見るに不快極まりない(彼らの臭いははるかにもっとひどいが)。

しかし、最大の恐怖を引き起こすのは、彼らの食事の残骸である。ハグレイヴンは人々を、なるべく生きたまま食する。彼らは特に目玉が大好物であると言われている。満腹のハグレイヴンは時に、被害者の眼をただ吸い出し、放り出されたその不幸な人は風の中を盲目でさまようのだ。

夜の遠吠えHowls in the Night

荒野の呼び声を聞く。今夜はやかましい。雪に覆われた丘を歩き回る威厳ある狼達が、頭上の冷たい月に向かって遠吠えをする。彼らは歌っているのだろうか?狩りでお互いに呼び合っているのだろうか?群れを守るために他の生物へ威嚇しているのだろうか?おそらくそのどれでもないだろう。だがその声は、確かに私の背筋を震えさせる。温かく居心地のいいベッドで眠るべき時に、私の心をかき乱す。

狼達は、どんなノルドも誇らしく思う、名誉とどう猛さを見せる強力な狩人だ。彼らは我々の村の火の向こう側に世界を持っていて、そして我々は我々の世界を持っている。それでも時々このように、眠りが私からすり抜け、そして狩りの遠吠えが夜を満たす時、二つの世界は融合する。その融合が比喩的である限り、私はここに座って聞き、夢見ることができる。

そしてマーラの心臓のおかげで、彼らは我々の家と生活に近づこうとはしない…少なくとも今夜は。

竜教団の聖堂Temples of the Dragon Cult

シランティレ 著

人里離れた農業集落や狩人の小屋よりもさらに先、スカイリム辺境の区域では、壊れた石が半分地面に埋められ、苔とツタに覆われているのを目にするかもしれない。近寄って見てみよう。イスグラモルの未開人によって崇拝されている、動物神の偶像かもしれないからだ。熊、ドラゴン、狐、蛾、フクロウ、蛇、鯨、そして狼の神格化が我々の現地調査員によって記録されており、こうしたトーテムは失われた遺跡の看守として立っているのだと多くの人が信じている。これらの荒れ果てた聖堂は半分目を覚ましたドラウグルに守られており、さらに悪いことに、竜教団がこの地区を支配していたとされる時代のものである。

近代タムリエルの人間がこのような、どうしようもなく空想的な寓話を信じる必要はないとはいえ、こういった場所に対するノルドの単純な畏敬の念は、ドラゴンプリーストの再来を彼らが恐れていることを示している。(ドラゴンの)アカトシュが人間に対する神王として崇拝されていた時代、ドラゴンたちはこれらのプリーストを仲介者として言葉を伝え、法を制定し、雄大にして細密な聖堂によって敬われたのである。アカトシュの最初の子であるアルドゥインが、神話上のドラゴン戦争のさなかに世界の喉の頂上で倒されると、このドラゴン・ガーディアンたちを中心に発生した教団はほどなく地中に退き、ドラゴンの塚の中に、この獣たちの遺骸と共に埋められた。彼らは最終的に、第一紀140年にリフト山で上級王ハラルドによって滅ぼされた。動物神への畏敬はほどなくして、八大神に置き換わった。

旅の終わりEnd of the Journey

聖ヴェロスとその民がレスデインの地にたどり着いたのは、大絶望の時代の最中だった。何週間にも渡って、ヴェロスの指揮の下で彼らは巨大な山脈を登っていた。多くのチャイマーの間でこれは愚行だと思われていたが、彼らはヴェロスの揺るがない確信と献身によって突き動かされていた。

彼らは、山に刻まれた深い傷のような、氷と雪に覆われた大きな山道に差し掛かった。夢に現れた幻視を追い求めて、ヴェロスは彼らを先へと駆り立てた。空に偉大なる鷹が見えると主張した。その鷹がチャイマーを新たな故郷へと導いてくれると誓った。彼らは骨を折ってその山道を通ったが、しばらくすると、チャイマーはこれ以上進めない所まで来た。巨大な氷の壁が道を塞いでいたのだ。

その時、山から力強い声がとどろいた。「お前達は何者で、なぜここに来たのだ?」

「私達は故郷を持たぬ者だ」とヴェロスは山に向かって答えた。

若い女が氷の壁から出てきた。

「そちらは?」とヴェロスが聞いた。

「私はチャイマーの友。あなた達を故郷へ導くために来た。ただし私の挑戦を受ける意思があるならだ。ヴェロス、お前を捧げ物とするのだ。より良いエルフになることを誓え」

ヴェロスは彼の大きな槌を高く掲げて宣言した。「私は二度と、これらの武器を使って敵を倒すことはしない。自分の民にはすでに心を差し出したが、今度はそれ以上のものを差し出そう。彼らに自分の命と魂を捧げよう」

女は振り返って氷の壁に向かって手を振った。氷は瞬時に溶け去った。その先には、菌類と灰だらけの見慣れない土地が広がっていた。女は前へ進み、チャイマーはその後をついていった。

ヴェロスは自身の民に話した。「我々は故郷を得た」と彼は宣言した。「これこそ、我々が新しい人々を作り上げる鉄床だ。1つの旅がここで終わるが、別の旅が始まる」

緑の歌声The Green Singing

ボズマーの紡ぎ手は登る2つの月の前に立った。きらめく貝殻のベルトをもてあそぶ姿が、影に映し出される。

「髭面のイフレよ、我を通して語りたまえ。我らに時が存在するよりも前のことを語りたまえ。我が身の内で物語を育ませたまえ。筋書き、すなわち世界の骨組みに沿ってあなたが足を踏み鳴らす音に、我が心臓の鼓動を返させたまえ。私はあなたの足跡をたどり、もってあなたの物語を知るだろう」

紡ぎ手の双眸が明滅したかと思うと、両のまぶたが閉じられた。彼の指先がベルトに沿って滑り、貝殻の形と向きを探っている。紡ぎ手は片足を持ち上げ、慎重に地面を踏み鳴らした。

「イフレよ、我を通して語りたまえ。我らにマーラが鼓を叩くさまを語りたまえ。マーラ、古きエルノフェイを蝕む闇に対して鼓動を打ち鳴らす者。熱い石炭のように照り輝く双眸を持ち、エルフに知られエルフを知る、数十万の子供たちの母。アーケイの姿を見ても顔を赤らめはしないが、その匂いを深々と吸いこむ者」

紡ぎ手は足を踏み鳴らす几帳面なステップで丘の頂を横切る。両目を閉じ、両手は胸に巻いた貝殻のパターンをなぞっている。その声を聞き、近くですだく虫が恥じ入って沈黙する。

他の者たちは恭しく押し黙り、目を閉じて、紡ぎ手が踏むステップに合わせて体をゆすっている。紡ぎ手は歩調を緩め、ドスンと足をおろすたび大地に深々と足跡を残す。彼はもはや喋っていない。それはため息であり、ささやきだった。

「”我々は我々だ”と背の高い部族は言う。葉叢の震えから成る声で言う。”我々は大地を味わい、頭上に響くお前たちの足音を感じる。我々は骨という骨が配置される前に歌っていた緑の大地であり、それは時の前後も存在しないはるか昔のことだ”と」

ノートとメモ

Notes and Memos

アカッシュからのメモNote from Akash

雇い主が9種類の野獣から9種類の骨をそれぞれの祭壇のために探している。

間違えるな。手を抜くな。

やったとしてもわかってしまう。そうなれば彼女は不機嫌になるだろう。オラネスが不機嫌になれば、私も不機嫌になる。

アカッシュ・グラマル

アムシャダルより敬意を込めてRespectful Greetings from Am-Shadal

カマガッシュ将軍

ドルテーヌ大将軍の命で、先日の君の感情論に対して感情論で返すことはしなかった。熟考の末の私の返事はこうだ。

君のカバナントへの忠誠心と、我らの進捗を気にして貰えることに敬意を表する。だが君は熱中するあまり、斥候任務では敵の要塞を攻略できないということを忘れている。敵の弱点を探るために斥候をするのだ。斥候任務で命を落とした者たちは称賛されるべきと思うが、我らは敵の急所にのみ攻撃を仕掛ける部隊だ。

性急な攻撃は何百人という無駄な血を流し、戦争の勝敗を左右してしまうことにもなりかねない。シロディールでの紛争において、君の斥候部隊が集める情報は大変貴重だ。我が軍の遠征には欠かせない存在である。

オンシの加護があらんことを!

— アムシャダル将軍

アリーナ!The Arena!

ドリレグルへ

来週、シズリーニ・アリーナで大規模な公開試合が予定されていることが分かった。フロスト・トロールの一戦隊を丸ごと投入し、希望を持ったアリーナの戦士たちと戦わせ、トロール全員、あるいは戦士たち全員が死ぬまで戦わせるつもりだ

大惨事になることだろう!行かなくては!

エミンギル

アリダへのメモNote to Arida

アリダ

避難することになりそうだ。空がどうなっているにしても、剣と矢で戦える相手ではない。避難するのが一番だ。できる限り多くの市民を連れていく。

ギルドマスターのカーロッシュに、ギルドホールに結界を張るよう言われた。規則と手続きにうるさい男で、まあ、そういうことだ。結界を張ったら、秘密の通路を通ってここを去る。カーロッシュが鍵のことを覚えていてくれるか、自分たちが二度と戻ってこないことを望むばかりだ。いつもホールの裏側の家に隠れている。

道の向こう側で会おう。

— ヴァンドリス

アンベリクのメモAmberic’s Note

意識が遠のいていくが、忘れられたくない。これを見つけたのなら、私の物語を覚えておいてくれ!

友達のセオムンドと私は、有名なトレジャーハンターのレディ・クラリス・ローレントに雇われた。エメラルドの聖杯と呼ばれるものを探す仕事のためだ。フレガ・フィンにいるのはノルドだ、と彼女は言ったが、我々が見たのはゴブリンだけだった。彼女にそう伝え、もっと人手が欲しいと頼んだが、我々を嘘つき呼ばわりして、洞窟に戻るよう命令された。

セオムンドが気を逸らしてくれたので、私は杯を手に入れることができた。彼が逃げ切れたことを願うが、たくさんのゴブリンがいた。

障壁の向こう側までたどり着いたが、ノルドの長に捕まってしまった。エメラルドの聖杯で飲むことを強要され、私はゴブリンになってしまった!意識が働かなくなってきた。

私の名はアンベリク。ゴブリンじゃない!

いつか君だけになるSomeday It’ll Be Just You

ジェネウラ

君のよだれを垂らした子分たちが尻尾を足に巻いて持ち帰れるよう、この手紙を残しておく。奴らは私を追ってこの家までたどり着いたが、無意味だ。侵入した頃には、私はとっくにいなくなっている。

私とエニグタールは二度と君の元に戻らない。他の者も去っていくだろう。君の掌握が非情になるほど、その爪から多くがすり抜けていくだろう。

ジェネウラよ、いつか君だけになる。君のために戦ってくれる手下はいなくなる。そうしたら、また私に会うことになるだろう。

その日は近いぞ、ジェネウラよ。すぐそこだ。

— セレノア

ヴァーデンフェルシルクのバッグに入ったメモNote in Bag of Vvardenfell Silk

アルゴニアン、あなたの到着を待たずに出発することを許してほしい。エンシスとトゥリルによろしく伝えて。二人のシルクは失敬させてもらったわ。ここにある残り物はどちらかに遠慮なく渡して、よろしく言っておいてね。

敬具

チャンダ

ヴァスイラのメモVath’ira’s Note

答えはノーだ。アーブフ・ラは、今回は謝罪と多少の金では済まないだろう。彼はスクゥーマの問題を厳しく抑制し、払うべきものを全額払う必要がある。さもないと、私は彼の取り分から取り上げるだろう

——ヴァスイラ

ウォーターサイドの呪いは存在しないThere is No Waterside Curse

こんな馬鹿げた噂にはもううんざりだ!この鉱山の呪いなどという話を広めているのは、君たちの中に混ざった憎たらしい怠慢な奴らだ。そいつらは人の努力を目の当たりにすること、良い仕事をした同僚が称賛されることに耐えられないのだ。

呪いなどない。この鉱山にアンデッドの怪物などいない。神々を証人として、これは約束しよう。

君たちの生活と良い未来への希望を、このような下劣な噂好きに壊されないように。ぶっ飛んだ話には耳を貸さず働き続ければ、この鉱山と全ての従業員が栄えるだろう。

— ガルス作業長

「ウッドエルフのエチケット」に関するメモNote about “Wood Elf Etiquette”

グラルデルへ

ヘヴンの連絡員が確認した。ずっと叩かれている「ウッドエルフのエチケット:インペリアルの視点」が今日50部届いたわ。送り先?アルトマー大使館よ。彼らは私達のことをこういう風に考えてる。花を踏みつける者を見れば激怒する、虚勢を張る愚かな田舎者。

-リロンド

ウルグナへのメモNote to Ulguna

ウルグナ・ソウルリーバーへ

ガストーから力を抜き取れ。ただし殺すな。オブリビオン同様、永遠に苦しめたいからだ。自分の努力の本当の結果を思い知らせたい。

— 建築家

ウルバザール、捕まえるからなI’ll Get You Ulbazar

一体どうなってる?ウルバザールは、私を動物のようにこの檻に閉じ込めておけるとでも思ってるのか?どういうことだ?私が自分と家族の空腹を満たそうとしたからか?

彼らは私達のことを忘れている!食料をもう送ってこない!ありあわせで間に合わせるしかない!

奴があの「記憶の石」を盗んだからこんなことになった!だからここから出してもらえない!全部あいつのせいだ!

家族が飢えているのに、美味そうな肉を腐らせてしまっていいのか?そんな馬鹿な。

エドウィグの辞職メモEdweg’s Resignation Note

一体、アンデッドの群れをどうするつもりだ?勝ち目はない。希望にすがるのは、愚か者のすることだ。

一番近い港に行って、一番早く出港する船に乗る。追いかけてくるな。アーケイのために死ぬつもりはない。

—エドウィグ

オールガッシュからのメモNote from Orlugash

行方不明になっている「トリニマクの失墜」と題した書物を見つけたら、それを燃やすように。その本は嘘っぱちの冒涜で、そのような偽りの言葉を広めさせてはいけない。

オールガッシュ

お願いしたいIf I May Beseech You

私を捕らえたデイドラの一人が言い寄ってきた。一方的だとしか言いようがない!紳士的であろうとしたが、非常にしつこい。今すぐにでも助けて欲しい。

気の毒なレディ・ローレントはどうしているのだろう?無事だといいが!今ごろ、服はしわくちゃになっているだろう。

— スティボンズ

お時間をいただけないだろうか?A Moment of Your Time?

コールドハーバーへの旅に問題が発生してしまった。レディ・ローレントに不便がないか心配だ。彼女はいつも事態が円滑に(そして非常にうまく)進むことを望む。

困ったことに、私は他の者とはぐれてしまい、絶世の美女と思われるデイドラに攫われた。

このデイドラは扇情的ではあるが、今の所は礼儀正しい。ただ、完全に信用できる筈もない。

奴らは私を塔に拘束した。私は救出されるまでこうやってメモを書き、窓から落とすことにした。これを読んでいたら、助けていただけないだろうか?

—従者スティボンズ

ガストンの指示Gaston’s Instructions

エドガルド卿:

部下が回収しなければならないのはウェルキンド石の破片だ。青い小石を探すように。拳より小さく、内側から光っている。ゴブリンは儀式用のトーテムの要として用いているようだ。このトーテムは見ればそれと分かる。ウェルキンド石がトーテムを赤く光らせているように見える。

とは言え、破片の回収は容易なはずだ。相手はゴブリンで、ドゥエマーではない。トーテムはより糸やつばでまとめられているに違いない。とにかく引き裂いて、破片を取り出せ。下働きでも務まる仕事だろう。

——ガストン

カムからのメモNote from Kamu

誰であれ、これを見つけた戦士ギルドのメンバーへ、

我々は何らかの影の生物に追われている。彼らはエルフのように見える。ひょっとしたらボズマーかもしれないが、この者にもはっきりとは分からない。我々は森の中にいる何かに呼びかけられ、助けを求められた。それはある声で、一見したところ壁の向こうにある塔から聞こえてくるようだった。

あの中に入る方法を見つけねばならない。中に何か重要なものがある。

これを見つけたら、暗い森の中で落ち合おう。こちらがどこへ向かっているかを示す手掛かりをできるだけ残しておく。我々はあの塔に入る必要がある。どうか見つけてくれ!

— カム軍曹

ガルモンのメモGalmon’s Note

親愛なるサングイン信者

私をうまく出し抜いたと思っていることだろう。破棄不可能な契約に署名させられるとはな。終わることのない仕事に。だがざまあみろ!抜け道を見つけたぞ!出口を見つけてやった!

オブリビオンで会おう、ろくでなしどもよ!

敬具、

ガルモン

きっと見逃されるWe Will Be Spared

この地で生まれてずっと暮らしてきた我々は、災害が来てもきっと見逃される!

夜に家の裏に行くメドヤを見張るのはやめなさい。でないと、彼女の気が変わってしまうかもしれない。

ギャリックのメッセージGarick’s Message

私たちに適した場所を探して、まだ東側の丘を偵察している。だが、警告しておく。全員、よく聞いてほしい。地元の住民がヴァインデス洞窟と呼ぶ場所には近づくな。言っておくが、名前が表すとおりの場所だ。

何とか生きた蔓の怪物から逃げ切って(不運だった探検家から、幾つか品をいただいた)、洞窟の裏側まで近づいた。

恐ろしい叫び声に迎えられた時、骨が縮み上がって、意識を失った。あの場所は祟られているか、呪われているか、あるいはそれより悪い。時間をかける価値はない。間もなく場所は用意できるはずだ。

—ギャリック

クアトリウス卿へのメモNote to Sir Quatrius

クアトリウス卿へ

要望は受け取った。できるだけ早く実行に移す。費用は惜しまないことを約束する。反乱に関する懸念に関しては、そちらの部下を優秀な人材に替えた。これで心配がなくなることを祈る。

—D・アトニムル

グランデヤは拘留中The Grandeya is in Custody

グランデヤは拘留中で、尋問の準備はできている。ホーリンズ・スタンドの民は短気なので、焦った行動はしない方がいいだろう。流血の騒ぎになっても、誰の得にもならない。

いつもどおり、必要な物があったら遠慮なく言ってくれ。

—D・アトニムル

グルヴェイグのメモNote from Gullveig

ソルラフへ

このメモが届く頃、お前のフルヘルムでの仕事は完成に近づいていると信じている。私のリフテンでの仕事はほぼ終わった。隠者ガーマーは私たちの技に対する才能はないが、自己流で十分に有能だ。

問題を解決したら、昇華を完了するためにロストプロスペクトへ移動する。その後でお前を訪ねるかもしれない…もてなしてもらうために。

よろしく頼む。

グルヴェイグ

ケナーシズルースト:暫定的な命令Khenarthi’s Roost: Interim Orders

嘆きの石を手に入れたが、この嘆きの泉の聖堂はもっと成果を出せる。コマンダー・カリニスがアンデッドを中庭から駆除するのに必要な戦力を配置しないのではないかと心配だが

しばらくキャンプに残れ。イーグルズ浜にいるから、何かあったら直接知らせろ。運がよければ、興奮は醒めて、ゆっくり遺跡を探索できる

—イールシル

コマンダー・デッレからのメモNote from Commander Derre

私は寝ている。起こしたら、キャンプを焼き払ってやる!

— コマンダー・デッレ

ご迷惑をお詫びしますThank You for Your Patience

カルプ・サへ

道中の山賊の活動が活発になっていることは認識していますが、今の時点では解決するためにできることがありません

キャッツアイ埠頭沿いの多くの建築物、桟橋や港の重要な建造物などは、嵐で破損し、大規模な修復が必要になります

建築家によると、再建を開始できるようになるまでに少なくとも1ヶ月かかり、作業を完了するにはさらに2ヶ月かかるそうです

さらに、難破した「金色の艦隊」から、多くのドミニオンの難民が到着したため、ミストラルの衛兵の負担が限界に達しています

キャッツアイ埠頭が復旧したら、通常の巡回を再開します

この危機に対応している間、ご不便をおかけします

—ミストラル公文書保管所事務所

ザーカへの命令Zurka’s Orders

いとこのザーカへ

マティースンの馬鹿どもを監視し続けなければならない。今のところ、オーリドンを越える予定はないが、もし島を奪うのに成功した場合、問題を起こすかもしれない

頼りにしている。爪を磨いて、注意して見張っているように

この件で何か新しい展開があったら、すぐに知らせてほしい

レンドロ

サルモールの鉄拳Fists of Thalmor

隊長:
RE:ヴェリン港の防衛

婚約の儀に向けてのシルヴェナールへの任務変更の要請については再検討中だが、現在の任務であるヴェリン港の防衛の重要性を今一度理解してもらいたい。

ヴェリン港は依然としてマラバル・トールの主要港であり、グリーンレディとシルヴェナールの結婚が目前に迫った今、港の安全は何としてでも守らなければならない。

サルモールの鉄拳はヴェリン港に3部隊を配備した。ドミニオンの封鎖をくぐり抜けるような小さな部隊も決して見逃さないはずだ。

与えられた任務をしっかり遂行するように。さもなければ、これ以降任務を選ばせる保証はできない。

サンダーバグの駆除Thunderbug Repellent

指無き者へ

私はエルデンルートの西にあるバールート・クワマー鉱山の経営者だ。聞いたことはあるんじゃないか?鉱山に潜り込んで私のクワマーたちを苛つかせているサンダーバグの問題が耳に入ってきた。動物の扱いに慣れていると聞いた。クワマーに影響を出さず、奴らを退治できるものを持っていないだろうか。特殊な頼みごとであるのは分かっているが、手を貸してくれたら充分な報酬を払う。

—ニムリエル

ジーグレンからのメモNote from Jeegren

クラゲンモアの北に洞窟がある。何度も言うように、そこの菌類は驚くべき大きさに成長する。

どうせ信じてくれないのは分かってる。私のことを「嘘つき老水夫」と呼んでいるのも知ってる。だが、これは本当だ。もし嘘だったらヒストに干されてもいい!

——ジーグレン

ジェネウラからの伝言Message from Geneura

間違うな。群れを離れられる者は誰もいない。決して。エニグタールを見つけたい。斥候が彼女をヴラスタルスの近くで見かけたと言っている。私のところに連れてこい。生死は問わない。

—ジェネウラ

ジダルからのメモNote from Zidal

我々の契約は拘束力を持つ。したがって当然、私は君が探検を貫徹することを期待している。

明日までに隊を率いてブラックヴァイン遺跡に向かうのだ。さもなくばこれを樹の従士のもとに持ち込む。君が披露宴の準備で彼女に大枚をはたかせたあげく、その息子を振ってしまったことを考えると、そんな危険を冒したいか?

そうではないだろう。

さあ、仕事にかかってくれ。

——ジダル

ジャーラからのメモNote from Jahla

監督官バスリ

勇敢な閣下に心からのご挨拶を申し上げます。勝利の栄光への準備は整いました。ヴェリン港の南岸はほとんど無人で、急襲部隊の配置に適しています。船を岩の間、もしくは内陸の木の間につけ、略奪の際に海へ出るのは難しくないでしょう。

墓地の塹壕と呼ばれる洞窟を偵察したところ、我々の目的にぴったりのようです。

あなたの忠実なしもべより敬意をこめて。

ジャーラ・アトバスリ

シャド・アツーラより愛をこめてFrom Shad Astula with Love

親愛なるエイラキおばさんへ

私がどんなにあなたとヨルグリム下層の皆を恋しく思っていることか!村の状況はどう?父さんは?父は手紙をくれないから、心配なの。

もちろん、あなたはシャド・アツーラについて聞きたいでしょう。この場所は素晴らしいわ!世界中の様々な所から来た、多くの人々に会える。毎日がワクワクして新しい。

そして私が学んでいることもね!覚えた呪文を見せるのが待ち遠しい。信じられる?ヨルグリム下層からパクトの重役よ!時々夢じゃないかと思う。

ああ、すぐに返事をちょうだい。あなたがとても恋しい!

愛を込めて

ガルバルダ

ジャラルへTo Jalal

ジャラルへ

いいや、どんないまいましいドゥエマーの遺跡がここにあったのかなんて知らないね。嫌だよ。探るために遺跡を掘りにいくつもりはない。何度も頼まないでくれ!

-ゼンウクシス

シャランのメモShalan’s Note

母さん

村が燃えている!誰がこんなことをしたんだ?帝国のやつらはだいぶ前にいなくなったのに。悲鳴が聞こえる…

俺は逃げる。何とかしてダリアンに伝えてみるよ。彼はいつも何をすべきか知ってる。アネスと犬も連れていく。あまり足手まといにならないといいが。

愛してるよ。このメモを見つけてくれるといいんだが。アカトシュの加護があらんことを。

あなたの息子

シャラン

ジョルン王へのメモNote to King Jorunn

親愛なる友人ジョルン王へ

君の要請のとおり、部屋の準備はできている。何か問題が起きた場合、中にいれば君も大使たちも安全だ。ただし、扉の作動については説明しなくてはならない。それを開けるには特別な鍵が必要になる。私が避難室にしているには、それなりの理由がある。

部屋へは、邸宅内に隠された鍵で入ることができる。以下の文章は、幼少期に我々がお気に入りだった物語、「王は立つ」からの抜粋で、鍵を見つけるために必要な手がかりはそこから全部得られる。

君なら文章の意味がわかるはずだ。言っておくが、私の用心を笑わないでくれよ!軍事会議のために防犯と機密を要求したのは、君なのだから。

— イヴァンナール首長

「そして、偉大な王は肩に黒いカラスを乗せたまま堂々と立ち、戦いの角笛を口元まで上げて吹いた。その音は谷じゅうに響き渡った。彼の軍隊は喝采し、集結の合図で雄叫びを上げた。彼らが前方に押し寄せるのを見ていたが、それは彼が見た最後の光景であった。膝をついた彼の背中から、短剣が突き出ていた」

スノーミードの書簡Snowmead’s Missive

大至急ロストナイフ洞窟に応援をよこして!オークセインの手勢に鉱山を乗っ取られたの。今は奴らに強要され、鉱石を差し出してる。フィルジョア・オークセインが配下の兵に武器や防具を与えられるようにね。

ケリグなら、鉱山まで案内できるわ。ただ、来るときは注意して。ストームフィストの傭兵たちはすでに鉱山労働者を何人か殺してるし、常に人質をとってるから。

-エイタキ・スノーミード

スリム・ジャーからの手紙Note from Slim-Jah

引き波の者

今夜は街の東部でドミニオンの動向を監視して。タル・エイがあなたに続き、その一方でニーツァラが西を見張る。動向や予定、伺えるその他の機会を知っておきたい。実行にあたっては精度が必要よ。ミスをして失うのは私達の命だけじゃない。そんなことにはしないで。

-スリム・ジャー

セオムンドからのメモNote from Theomund

レディ・ローレント

マロファーがエメラルドの聖杯を保存している聖域最深部を見つけました。聖杯は魔法で作られた氷の障壁で守られています。ところで洞窟のあちこちにある祭壇で、鯨と鷲と蛇のルーンストーンが1つずつ見つかりました。これらは障壁の手前の祭壇と対になっていたので、その障壁を開く鍵ではないかと見当をつけました。

3つのルーンストーンを全部配置すると障壁が下がりました。私はアンベリクが中に入れるよう陽動作戦に出ました。それは成功しましたが、あまりにも大きな傷を負ってしまいました。最期を迎える前にアンベリクが見つけてくれればよいのですが、急速に体力が衰えていきます。

——セオムンド

チド・モスカChid Moska

バルヴィンとこの間の戦利品を売りさばいたところ、かなり儲かった。一帯で、各々が別々に手がかりを辿った甲斐があった。

良さそうな話だが、そちらへ行くまで最低でもあと一月はかかる。

探索するのが待ちきれない。とても興味深い遺跡だ。

できるだけ待ったのよWaited as Long as We Could

愛しいジェレンシ

あなたのお父さんと私はできるだけ長く待ったんだけれど、兵士たちが出ていけとしつこかったの。失礼な連中だったわ。仕切っていた軍曹曰く、死ぬまでいてもいいけど、その日のうちに死ぬことになる、ってね。

言うまでもないけど、持てるものは全て持った。残りはどうせ兵士たちに盗まれるんでしょう。カバナントも、そいつらを乗せてきた馬もみんな呪われればいいのよ。戦争も、それを動かす人たちも。この強奪者たちに侵入を許した帝国も、みんな呪われろ!

私たちは北のブルーマの方へ向かっている。兵士たちが南へは行かせてくれない。帝都に部隊の規模を告げ口するんじゃないかと恐れているみたい。誰もそんなの興味ないのにね。

あなたとヴィビウスが帰って来れると願ってこの手紙を残すわ。道中の危険を生き延びられたら、ブルーマで私たちを探してね。

— 母

デスブリンガーの命令Deathbringer Orders

苦悶の宝石を守れ。それが第一の任務だ。いや、唯一の任務だ。最後の魂が使われた時、リーバーの要塞に連絡するように。誰かを送って回収させる。

ドミニオンの活動活発化Increased Dominion Activity

ラシルミスへ

ドミニオンの活動が街の外で活発化しているのに気が付いたか?昨日は3つの野営地があった。今日は4つだ。

一刻も早く民に知らせなくては。大虐殺から学んだことがあるとすれば、偽の王アエラダンは玉座を守るために手段を選ばないということだ。コルマウントはもう万人にとって安全でなくなった。

警戒しろよ、友人。短剣を側に置いておけ。

——ガルリエル

ドロニール隊長へのメモMemo to Captain Doronil

ドロニール隊長

将軍の新たな指令の意図がどうしても理解できません。言われた通りに見張りをすると夜間の防御に大きな穴を開けることになってしまいます。人手が足りていないのならまだ理解できますが、兵の数は十分足りています。考えを聞かせてください。この指令の目的を理解したいのです。

——コマンダー・タルディン

ネルダティール伯父さんへの謝罪Apologies to Uncle Neldatir

ネルダティール伯父さん

伯父さんにこんな手紙を書くのも変な気持ちだけど、いてもたってもいられなかったんだ。何ヶ月もの捜索の後、ようやく伯父さんの墓を見つけたんだ。母に急かされながら掘り返した。ようやく棺を開けた瞬間、母が飛び込んで伯父さんの首からネックレスを引きちぎったんだ。1時間も、母は伯父さんに怒鳴ったり悪口を言ったりしていた。唾がかかってごめんね。その後できるだけきれいに拭き取ったんだけど。

最初に伯父さんを埋めたのは誰か知らないけど、上手だったよ。母はもう一度埋めなおさせてくれなかった。そんな価値はないと言って。2回ほど土をかけた時点で、止めろって怒鳴られた。このメモを置いて行ったのは気づいてない。

お願いだから死後の世界から呪わないでくれ。呪うなら母を呪ってくれ。

安らかに眠ってね、ネルダティール伯父さん。

愛する甥

ソーリング

ノースウインド鉱山の印象Impressions of Northwind Mine

尊敬される修道士諸君

教団の布告を達成するため、タルスニール修道士と私はノースウィンドの村へ旅した。この村落へ過剰に伝道を行う必要はなさそうだ。住民は明らかに救う必要があるが、彼らはいかなる啓蒙の試みにも敵意を見せる。

採掘と俗っぽい商品がここの労働者の唯一の関心事だ。監督官でさえ金を貯め、この場所をより不運な者に譲り渡すことしか考えていない。ここでの我々の存在は、呪いの言葉と喧嘩しか呼ばない。

朝になり、不測の事態が起きなければ、我々の使命のためにもっと豊かな土地を探してここを出るつもりだ。この手紙は、もう少し文明的な場所に辿りついたら送るよ

祝福を

イストラー修道士

バウマンのメモBowman’s Note

アルバート、頼むから南のトンネルを掘っている理由を聞くのはやめてくれ。我らが賢明なる主が理由を明かすことを望むなら、とっくの昔にそうしてるはずだ。

やるべきことは以下のとおり:

1.スケルトンを起こす
2.スケルトンにシャベルを渡す
3.スケルトンにクリスタルを掘るように命じる
4.質問はしない

簡単なことじゃないか!また質問してきたら掘る側に回すから覚悟しておけよ!

いい加減よろしくな

バウマン

パルシファルへのメモNote to Parsifal

愛しきパルシファル

イリャンが行方不明になったこの状況を考慮し、我が家を守る責任をお前に委ねることにした。お前も知ってのとおり、私は私の屋敷の周りを見知らぬ者たちがうろついて、床を泥だらけにしたり、私の器具を汚したりするのは我慢できない。ろくでもない連中を屋敷に近づけないよう、適切に対処するように。お前を信頼して任せる。期待を裏切るなよ。

マスター・ダヴィヌ

ヒストの略奪者Pillagers of the Hist

愛しいデヤパ

シャドウフェンの至る所で起きた同胞の死を報告しなければならず非常に残念だ。侵略者共が根や枝を焼き焦がすという冒涜を行い、同胞達が燃え盛る森で枯葉のように落ちていく。

聖なる木から集めたヒストの樹液を使ってドミニオンが何をしようとしているのかはわからないが、君に警告しておかなければならない。次は人里離れた君の集落かもしれない。樹液を抜き取られたヒストの木の血の跡がシャドウフェン中に塗りつけられており、止まる気配がない。血の跡の上を這う赤い蟻。それが奴らだ。奴らに捕まらないようにしてくれ。

フュリグからの混乱した書簡Confused Correspondence from Fjurig

この実験に関して、アルカシスから追加の指示はなかったのか?グルームスポア・キノコとある程度の蜘蛛の卵はあるが、臓器をもらっていない。どこで手に入れればいい?あいつにここをうろつかせてるのはそのためだと言わないように。「あれ」から入手させようとは思っていないはずだ。見ればわかる!

詳細を知っているなら、助けてほしい。ボスが実験を確認するのは明日だというのに、始めてすらいない!

フュリグ

ブルーマの救援要請Bruma Pleads for Aid

ジマーロン大将軍殿

村を通っていった商人にこの嘆願書を託し、あなたに届くことを祈っています。

ご存じの通りブルーマはドラゴンクロー砦より南方に位置します。砦は紛争地域でありながら、同盟の侵攻軍はブルーマを無視してきました。普段ならこれには感謝するのですが、今は違います。

ここの民はほとんどドレモラに捕まったか、殺されました。ダークアンカーにより、ブルーマには毎日恐怖が送り込まれます。助けがなければ、おそらくもうすぐ完全に侵略されるでしょう。

同時にダガーフォール・カバナントのドルテーヌ大将軍にも要請を出しています。先に援軍を送っていただいた方の同盟には、我らの永遠の感謝を示し、貴重な補給基地を提供します。

ブルーマ臨時長官
グリゲルダ

ホタルTorchbugs

ホタルがまた現れた。

前回残らず殺したと思ったが、奴らは戻ってきた。

今回は失敗しない。必要なら村を焼きつくしてやる。ホタルめ、死ぬがいい。

ボロディンへの半分燃えたメモHalf-Burned Note to Borodin

ボロディン

命令どおりゴルンは死んだ。私も死んだ気がする。彼の目に見えた動揺と苦しみが、今でも見える。

自分で思っていたほどの殺し屋ではないのかもね。どちらにせよ、あの従士を片付けたら、私は教団ともあなたとも縁を切る。

追ってきたら、私がまだ殺せることを思い知らせてやる。

A

ぼろぼろの碑文A Ragged Inscription

ハウンドから何も聞いてないのは分かってるが、ここへは彼の指示に従うためにきた。ハウンドに従わなければ怒りに遭うだろう。ハウンドから返事があるまで、保護のために洞窟へ女を連れてこい。

彼女を監視しておく。

— シリソール

ムノアからのメモMemo from Menoit

グリスルを連れて北の洞窟に熊狩りに行く。何かが起きたら躊躇せずに俺を探せ。お前の首をかみ切ったりはしない。ジュスタルならやりそうだが

— レンジャー・ムノア

メサンサーノの塔Mesanthano’s Tower

夜の沈黙の塔、狂気の魔術師、メサンサーノの偉大な功績を警戒せよ。その力は今でも塔の遺跡に残っている

メンスリーへのメモNote to Menthery

メンスリー

あまり時間があるとは思えない。人々は街から逃げているし、あなたにも逃げてほしい。魔術師の一人と話をしたところ、空がこんな状況なのはデイドラのせいだと言われた。それが起こしている地面の揺れはほんの始まりにすぎない。詳しく調べるつもりはないし、助けが間に合うか疑わしい。ここで何が起こっているか、他に知っている人がいるかも知れない。

アンドリスが、戦士ギルドは街に出入りする秘密の道を知っていると教えてくれた。通常の料金を取らずに人々を逃がしているという。すぐに結界の魔法を使って広間を障壁でふさぐと言っている。街を出るか、行動を共にするか加わるか促すだけで、それ以上は話したがらなかった。

中で無事だといいが。正直に言うと、遠く離れた方が安全だと感じる。スキングラードにいとこがいる。そこで探してほしい。長居をするつもりはない。空は刻一刻と暗くなっている。

— ランドリン

モランターからのメモNote from Morantor

ポロナロへ

お前の移送の手配をした。お前を手伝ってくれる部隊も確保した、ビスザークの場所を知っていると言っていたカジートもその中にいる。契約によりお前の安全は保証されている、彼らはお前の命令に従うはずだ。雑用は彼らに任せろ。必要な情報以外は与えるな。

役立ちそうな情報を見つけて翻訳するんだ。だがお前の主な任務は設計図を回収することだ。そのときまでにまだ生きている者がいたら、始末しろ。

仕事が終わったら私が教えた魔法を使ってスカイリムに戻るんだ。研究所で待っている。

もう少しだ。失敗するなよ。

—モランター

ラサバのメモRasaba’s Note

お前たちが役立たずの泥の固まりのように立っている間に、私は部隊の潜入者を見つけたんだけど?酒を飲むのに、あるいは過去の馬鹿げた自慢話に忙しかったの?この不幸な密偵に、スイートロールで買収されたの?

もっとちゃんと仕事をしないと、驚かせてやるわよ。鋭い短剣を遠くから投げて心臓に突き刺すタイプの驚きね。最後の考えを持つ前に死ぬことになる。

まったく!我ながら何をしているんでしょうね?あいつら、字も読めないかもしれないのに。

—ラサバ

ラズム・ダーからのメモNote from Razum-dar

やあ、せっかちな友よ!

仕事をやり遂げる前にいなくなってしまったが、心配することはない。お前はうまく溶け込んでいる。その点で我々は一緒だ。

しかし、私は忙しいカジートだ。なぜ嘆きの泉の聖堂でアンデッドが蘇ったのか明らかにする時間がない。なぜ打ち砕かれた浅瀬で、破壊されたドミニオンの船をシーバイパーが調べているのかも。

近い内に、お前が解明するかも知れない。その場合は、ミストラルに向かう橋にいる、ハンサムなカジートを探してほしい。その情報と金を交換しよう。

新たな友
— ラズム・ダー

リーチの民がやって来る!The Reachmen are Coming!

心配ない、古い家族がいるから、とメドヤは言った。彼ら…リーチの民は…近づいてきている!

彼女に会ったのは、東にある海岸線だった。彼女は血まみれだった!逃げられるうちに逃げろ。エバーモアで会おう。

リュシアンへのメモNote to Lucien

リュシアンへ

かつてダガーフォールの外に見捨てられた塔が建っていたという話を1度聞いたことがある。しかし、それがまだ存在しているなんて考えもしなかった。レッドルークがその場所を探しているらしい。そこに何かがあるような気がしてならない。それが砦なら、中にまだ宝が隠されているかも知れない!

調べる気になったのなら用心した方がいい。レッドルークはその類の探索任務の時は、いつも1番物騒なメンバーを投入している。

——デミトリー

ルランタリルのメモRulantaril’s Notes

リュシアンへ

かつてダガーフォールの外に見捨てられた塔が建っていたという話を1度聞いたことがある。しかし、それがまだ存在しているなんて考えもしなかった。レッドルークがその場所を探しているらしい。そこに何かがあるような気がしてならない。それが砦なら、中にまだ宝が隠されているかも知れない!

調べる気になったのなら用心した方がいい。レッドルークはその類の探索任務の時は、いつも1番物騒なメンバーを投入している。

——デミトリー

レンダリオンの謝罪Rendarion’s Apology

愛しきオラハナー

君の手紙を受け取って衝撃を受けた。私が君に怒ってるって?決して!君は公正にエリンウェから結婚の承諾を得たし、私に妬みはない。二人の幸せを祈っている。

親友でいたいと強く望んでいる証拠として、君にはシロディール全土で最高の釣り場を利用してほしい。そこは何年も秘密にしていたが、今回婚約のお祝いとして共有するよ。

ブラックブート城北西に一続きの小さな湖、ミストミラーがある。そこへ行き今までで最高の釣りを楽しんでほしい。実際に魚は小舟に飛び込んでくる!君と同じくらい釣りが大好きな者なら絶対に逃す手はない。

君のために小舟を岸辺に残した。湖を巡回していると思う生物達には気にするな。気に入った釣り場に他の者達を近づけさせないために放った幻惑にすぎない。危害は加えないよ。私が決してそうしないように。

満喫して!

– レンダリオン

ロザリンドの指令Rosalind’s Orders

エドガルドへ

全員そちらに送るわ。彼らを匿って保護してあげて。あなたの宿屋は街で一番大きくて、最も防衛に向いている。2階の窓際に射手を配置して、入口にバリケードを設置できる。

ムリエルは材料が尽きるまで、衛兵のために治療用の湿布を作ってくれるはずよ。私は狼煙に火をつけに行く。そうすればイーグルズ・ブルックにここで何が起こっているのか伝えられる。きっと助けをよこしてくれるでしょう。

レオンは私達のために祈ってくれている。彼は奇跡を信じているし、私も彼の邪魔をするつもりはない。でも努力をしなければ神々も助けてはくれないわ。私達の準備はできている。

衛兵が戻ってきたら、マレーネがここの守りを固めるために手助けしてくれるはずよ。幸運を祈ってるわ。

— ロザリンド

一度きりの申し出A One-Time Offer

お前がやっている現在の事業に、我々を参画させる機会を一度だけ与える。お前が挙げている利益は知っている。我々を拒めば、不実な従者は殺害されるだろう。発見した奴隷はすべて捕らえられ、我々に仕えさせる。

3日以内に忠誠を示せ。

カモンナ・トングのエイヴァス

一般的ではない技法Non-Standard Techniques

セリエン将軍へ

ストンフォールの真の難題に取り組み始めるのですね。ダークエルフ達は誇りある民です。戦わずに諦めはしないでしょう。

魔法の軍事的な使用に関する一般的ではない技法について、私が執筆した論文の写しを送るのはそのためです!

— ガブリエル・ベネレ

カバナントの魔術師達は申し分なく戦場で適用できる数多くの魔法やそれ以外の技術の訓練を受けています。しかしすべての戦場において、敵が一列に並んでくれる訳でも、砦の壁がある訳でも、騎兵隊が突っ込んできてくれる訳ではありません。一部の戦場では、多少の創造力が必要な場合もあります。

全てのカバナント歩兵隊には精鋭の魔術師が1、2人同行しています。戦況から必要となった時は、彼らに一般的ではない技法を使わせてはいかがですか?

下記は、防衛部隊をきっと動揺させる方策です

・その土地の獣の種族か、その一帯で歓迎されない鈍感な獣を探し出す。

・魔術師達をこの下等生物のねぐらに潜入させる

・あらゆる手段を駆使してねぐらを蹂躙し、歓迎されない獣を追い出す。

・侵入している間はずっとねぐらの支配権を維持して、獣の種族が戻ってこないようにする

過去の事例が参考になるとすれば、獣の種族がねぐらからその土地の村や街へ移動することにより、敵の陣地への局所的な侵略が実現します。

次の手紙では、非常に珍しい爆発性の調合物作成に際して、その土地にある錬金術の品物の用途を考察します。

隠しメモCovert Note

行方不明の村人達の居所は分かっているが、手助けが必要だ。封鎖されてるから、誰もナルシスから出られない。ただし君は違う。評議員から与えられてる特別な権限のことはよく知ってる。

話をしたいところだが、こちらの存在を感知されてはならないことを理解してほしい。その辺に指示を残して守衛に見つかるようでは困る。代わりにこれを伝えておく:

「空を頼るな。星を追え。彼女が鍵を渡す。彼女が道を案内するだろう」

この指示に従ったら、後で話そう。

炎の柄Fire’s Grip

パー・モラグとして知られるアイレイドの遺跡(古代の言葉で炎の拳(もしくは柄)の意味)は、クラフトの秘密の作業場にはもってこいの場所だ

—ドラテラ

我が言葉を刻めHeed My Words

兄弟

我が子に首領のやり方を学ばせたいと願っていたが、お前の振る舞いはそう見えない。ハウンドは我々に必要なことを教えてくれた。クランが何を望むかを。

栄光を取り戻すためなら、ウッドエルフ千人とでも戦うだろう。彼が頼んだ相手は一人だけだ。

— アグラカー

机上のくしゃくしゃのメモCrumpled Note in the Desk

バルロック・グロー・マック隊長へ

ブラッドソーンから人材を引き抜こうとし続けているのにはうんざりしている。あなた方軍人は名誉、忠義、そして「約束」を重んじるというのは知っている。だからこそ言わせてもらう。もしまた部下に近付いたら、あなたが死ぬ前に自分の心臓を食べさせてやるつもりだと

幸運を祈る

— ヴェリク

記憶して焼却すること!Memorize and Burn!

これを書くのは最後だ。読んで覚えたら焼き捨てるように!

* ブラッドオレンジ:殺し
* 三日月:王
* 黒い薔薇:デイドラの影響
* グアルシッター:護衛
* ニワトリのエサ:敵をかく乱するための偽情報
* ホタル:有益な情報を持っている者
* ネッチ:裏切り者
* ベティー・ネッチ:女の裏切り者
* ブル・ネッチ:男の裏切り者
* ウィスプマザー:敵の密偵組織のリーダー
* ウィスプ:敵の密偵組織のメンバー
* 影:ターゲット追跡の専門家

恐ろしき道化師Grim Jest

しっかり苦しませろ。奴もいずれ面白さが分かるだろう。

恐ろしき道化師追記Another Grim Jest

ウッドエルフの盗賊を捕まえると何が手に入る?

焼け付くように熱い火かき棒を、耳から脳みそに入れてやる楽しみだ!

玉座の番人ファーヴァドへの手紙Note to Throne Keeper Farvad

ファーヴァドへ

昨日、ラボシェク王の霊廟の側を通りかかり、立ち寄りました。いつも入口を守る警戒と警告の像を鑑賞しているのです。霊廟が手入れされていないひどい状態であることに愕然としました。砂が出入口に詰まり、祈りの車輪は色あせるかなくなっており、まぐさには「好色なヤジュミーナ!」と殴り書きされていました。

このようなことは決して受け入れられません。ラボシェクの霊廟は共同墓地のあなたの管理する区画にあり、あなたはこのような悪しき行為に責任があります。酔った学者の事件以来(サタカルの罰があたりますよう)、ラボシェクの遺体が霊廟にないということはよく知っています。言い訳はできません。陛下の遺体(アシャバーが残した一部、ではありますが)の再聖別はほとんど完了し、再埋葬の儀式は真央の月に行われます。霊廟が遅くても地耀までに本来の状態に戻ることを望んでいます。さもなければあなたは当分の間、バーガマで金耀の夜を過ごせなくなります

玉座の番人、女司祭ヤジュミーナ

緊急事態だSituation Becoming Urgent

ドラジーラはひたすら言い寄ってくる。断固として拒否しようとしたが、さらに相手をかたくなにさせただけだった。本当に困ってしまう。

さらに、親愛なるレディ・ローレントは今ごろ飢えているにちがいない。私が思い出させて差し上げなければ、自分自身の身の回りのことをするのを忘れてしまうのだ。

— スティボンズ

嫌いな人々People I Hate

このリストに載っている連中は全員、一人でいるところを見つけ次第当然の報いをたっぷり受けさせてやる。

ジャラール
私が下水道に薬を垂れ流していると言い回ってる。だからどうした?

レリカス・シバシウス
私が通りがかると、鼻をつまみながら馬鹿っぽいお仲間達と一緒に笑いやがった。友達の名前は現在調査中。

アン・メドゥル
身勝手で悪口が好きな奴だ!最後に残っていたスキーヴァーのシチューを横取りされた!

ビオーディング・ベアフレンド
ファシー・グアルハードでカウンター越しにあの変な目で見てきやがった。自分がやったことを思い知らせてやる。自分に自信があるようだが、それが間違いだとそのうち分かるだろう!

今後の行き先Where I’ll Be

昨夜若いカジートがキャンプにやってきてハザクを探していると言っていた。今、その馬鹿をハザクの洞窟に引っ立ててゆくところだ。ボスに会わせてやるが、その後は胴から首が離れることになるだろう。

浜辺でアルドメリの連中を発見した。用があるなら、ハザクの洞窟を見おろす丘の向こうに使者を寄越してくれ。折り返したところ、入口近くの波止場にいる。

根には近づかないことStay Far from the Roots

レリヴィエルへ

シルヴェナールの街の地下で何かが起きているわ。これ以上は言えない。この手紙が迷子にならないとも限らないから。

とにかく谷をうろついちゃ駄目。特に、「根」には近づかないで。父さんや母さんの二の舞はご免よ!くれぐれも気をつけて!

あなたを愛する姉妹

フーレナルス

三つ爪のメモThree-of-Claws’ Note

先に寝ていてほしい。今夜は会合で、たぶん遅くなる。

我々アルゴニアンもそろそろ自分たちの来し方を話し合い、行く末を見定める時だ。我々はもう囚われの身じゃない!

-三つ爪

山賊の動きの活発化Increased Bandit Activity

ハラーニ首長へ

衛兵が嵐で損害を受けたミストラルの復旧を手伝わなければならず、通常の巡回を中止したことにより、路上での山賊の活動が活発になってしまいました

店を離れれば、必ずといって良いほどごろつきどもが近寄ってきます。山賊でないとしても、強い風により内陸にやって来たハーピーがいます。ハーピーがいなくても、商品を岸に打ち上げられたガラクタと「間違える」スカベンジャーどもがいるのです!

こうした危険に対処するため、カルプ・サは2名の傭兵を雇いましたが、一族全員が雇えるわけではありません。いつ巡回を再開していただけるのでしょうか?

お返事をお待ちしております

—商人カルプ・サ

使者を待てAwait My Emissary

ガーヴォへ

じきに私の代理がそちらに着く。我々の真の計画を部外者に勘付かれないよう、人目に触れない場所で会うように。くれぐれも、彼と会う時間を確保するのを忘れないこと。

彼を待たせるな。機嫌を損ねれば、身の安全は保障できない。

サルン

漆黒なる墓地Ebon Crypt

親愛なるヴァニア

こちらは深刻な状況になった。今は詳しいことは書けないが、僕は身の安全を守るためにできることはなんでもしている。何度か戦いに加わったが、今のところ無傷だ。

湿原とキングズガードは古い遺跡や墓その他、名所旧跡に事欠かない。次の休暇には、近くの遺跡で何か値打ちものが見つからないか探してみるつもりだ。友人のマロイから、キャス・ベドロードとこの近くのどこかにある古い地下墓地の話を聞いた。「漆黒なる墓地」とかなんとか、いかにもおどろおどろしい名前で呼ばれている墓場だ。

売りさばいて貯金の足しにできる、何かいいものをお土産に持って帰ることを計画している。死人には一緒に埋められた金の使いみちなんかないけど、僕たちならきっと有意義に使えるからね。

また余裕があるときに手紙を書くよ。

— アンブレル

質問をやめろQuit Asking

値引きはしないぞ!理由は聞きたくない。以下の条件が当てはまるならなおさらだ:

—私と同じ村で育った。何という偶然!
—「すごく立派な」仕入先を紹介できる
—手持ちがほんの少し足りないが「まったく問題なし」
—まったく同じ品が他で安売りされてるのを見たが、あえて私から買いたい
—モラグ・トングのメンバーである

モラグ・トングのメンバーなら、お前がそのことを言いふらしてると報告する。やるならやってみな。

酒場の主人へのメモNote to Barkeep

酒場の主人へ

役目は果たしたぞ。昨日の夜、ここは満員だったな。皆酔っぱらって、あんたは小銭を稼いだ。というわけで、報酬は全額支払ってもらいたい。こっちは出会った女の子のところに泊る予定だ。彼女は「グレイマイア」という場所のすぐ北に小屋を持っている。最初は彼女がそちらのエールの話をしているのかと思ったよ。

金をスイートブリーズの小屋まで届けてくれ。さもないと、あんたの店では二度と演奏しないぞ。

——才能あるソリオン

囚人に関する問題On the Matter of the Prisoners

ジャッジ・シベンへ

新入りの囚人のことですが、ニルンから来た定命の者たちは、実のところ、魔術師ギルドの構成員でした。この侵略者たちを捕らえることができたのは、非常に幸運でした。

コールドハーバーに不法に、かつモラグ・バルの意志に直接背く目的で侵入したのは明らかです。長い間、裁判は行われていませんでした。しもべたちの士気を上げる良い見世物になるでしょう。もちろん、判決は当然の結論となるでしょうが。

判決はいつも通り、迅速で残酷なのでしょう、わが主人!

臭いが重要The Scent’s the Thing

前回は幸運だっただけ。何度同じことを言わせるの。疫病ハスクを研究するつもりなら、ハスクの臭いを身に付けなくてはならない。分かってる。確かにひどい臭いよ。けれど、それが重要なの!疫病ハスクと同じ臭いになる。それがあの卑しい生き物の間を安全に動き回る唯一の方法よ。

ケニーの身に起きたことを忘れたの?彼女もハスクの臭いを身につけることをいやがった。髪の毛に付いたら何度洗っても臭いが取れないからと文句を言って。そのくだらない見栄で彼女はどうなった?疫病ハスクに顔を食べられたのよ!

同じ目に会いたいの?私は絶対に嫌よ。さあ、悪態をつくのはもうやめて、ハスクの臭いを忘れずつけなさい。2度と同じことを言わせないで。

〈女王の瞳〉限定Eyes of the Queen Only

ストームホールドに滞在する女王の瞳が、滞在先の殺人を報告した

地方政府が殺人事件の解決に失敗したことで、バイスカノン・フロンダールと部下のゲレント達の信用を落とすことができた。この弱みに付け込めば我々にとって都合がよくなる。

傷付いた獅子Wounded Lion

獅子の守護団に所属されていた高貴なるヴァルセント・タイリーズ卿へ

私は隊長のバルロック・グロー・マック。私たちには共通点があるものと信じております。共に名誉を重んじ、唯一の未来像を描いています。仲間はあなたに向けられる非難は根拠がなく、批判の的にされていると確信しています。何かできることがあれば、お知らせください

歓迎の印に、小さな装飾品と本を贈ります。呪文に興味をお持ちだと聞いております。私はこうした古いものには用はないのです

イーストマーチの死者は非常に長い間眠っています。有効に活用なさってください

敬具

バルロック隊長

消耗させろWe Will Be Spared

バークバイト要塞を苦しめろ。殺しはするな!消耗させろ。

負傷した場合は野営地へ戻れ。裏の地図を見て迷わないようにしろ。

職人のオアシスAn Artisan’s Oasis

オアシスを探して、砂漠を旅しませんか?

レキの刀剣は目の前にありますが、廃虚の中であなたの短い滞在を締めくくり、渦巻く砂の安らぎから学ぶのです

必要な時にだけ動き、広がり、露わになる。風と友に漂いなさい。心を休めて。行く先々で美しさを生み出しましょう

職人の手紙The Artisan’s Letters

お前の最も貴重な品はいただいた。2週間後の日没後に、代償を持って銀行に来い。このことを誰かに言えば、いただいたものの保証はしない。

職人

信心深きあなたへFaithful One

あなたは、木々と砂と岩でほとんど隠れてしまった墓場の世話をしている。ロウソクにはいつも火が灯っており、あなたがここに来た痕跡がいつも残っている。この道はよく通るのだが、まだあなたに会ったことはない

見るものといえば犬だけだ。私は食べ物と水を与えた。しかし犬に虐待された形跡はない。きっとあなたは、犬が守り続けている死者を称え、その犬の世話をしているのだ

あなたの死者に対する思いやりのある世話に、神の祝福がありますように

新しい機会New Opportunities

ヴェリルへ

名前を聞きたいそうね。1人教える。サイレント・マイアという村から来たアルゴニアン、〈夜を探す者〉という者がいる。あなたが考えていることを実行するには、絶好の機会よ

ヴィリアン

深く読み解く者のメモDelves-Deeply’s Note

レーラ隊長:

もう一度警告よ。

クリスタルをアルケインの荷に近づけないで。荷には錬金術の物資がある。近づけると良くないことが起こるわよ。

取扱を間違えて死んだエルフの責任までは負わないからね。

潤いがありますように!

深く読み解く者

迅速な救援をお願いするPrompt Rescue is Imperative

ドラジーラにきっぱりと、心は別の人とともにあることを知らせた。しかし、彼女は話を受け入れず、私をものにすると断言した。まもなく、破滅させられてしまうのだろうか。

親愛なるレディ・ローレントの髪は今ごろ、ぐちゃぐちゃにもつれているにちがいない。気候は過酷な上、何日も私がお世話をしていないのだから!

— スティボンズ

Blue

海は美しきかな。木々の深奥から抜けだし、ここへやって来た。潮の香りを味わうため、そして自由になるために

恐らく我が父がマオマーというのは真実だ。きっと

星霜の書の請願(カバナント)A Plea for the Elder Scrolls (Covenant)

名誉ある護衛イセリネ:

我が使者がもし生きていれば、あなたとドルテーヌ大将軍に我らの嘆願書が届いたことだろう。あなたが自身の行いを悔やみ、盗まれたものが返却されんことを切に希望する。

知っての通り、カバナントの軍隊は我が聖堂を侵略し、我らが守り研究すべき2巻の星霜の書を奪った。この非道な行為に対抗して殺された者もある。

あなたはアルマ・ルマとニ・モークの聖堂を立て、これらの巻物を収容した。聖なる遺物にふさわしき場所をもたらした業績は称えるが、それだけでは足りない。星霜の書は武器ではなく、神からの言葉である。聖蚕の僧侶だけが研究できるのだ!

星霜の書を我らの手に返却いただきたい。聖蚕の僧侶ベレニウスの元に返したまえ。また、彼をよく庇護してもらいたい。我々の聖堂への旅は、長く危険になるであろうから。

古の賢者の加護があらんことを

聖蚕の僧侶クラシウス・ヴィリア

星霜の書の請願(ドミニオン)A Plea for the Elder Scrolls (Dominion)

名誉ある護衛アルファイア:

我が使者がもし生きていれば、あなたとソルカリン大将軍に我らの嘆願書が届いたことだろう。あなたが自身の行いを悔やみ、盗まれたものが返却されんことを切に希望する。

知っての通り、ドミニオンの軍隊は我が聖堂を侵略し、我らが守り研究すべき2巻の星霜の書を奪った。この非道な行為に対抗して殺された者もある。

あなたはアルタドーンとムネムの聖堂を立て、これらの巻物を収容した。聖なる遺物にふさわしき場所をもたらした業績は称えるが、それだけでは足りない。星霜の書は武器ではなく、神からの言葉である。聖蚕の僧侶だけが研究できるのだ!

星霜の書を我らの手に返却いただきたい。聖蚕の僧侶セオドシアの元に返したまえ。また、彼女をよく庇護してもらいたい。我々の聖堂への旅は、長く危険になるであろうから。

古の賢者の加護があらんことを

聖蚕の僧侶クラシウス・ヴィリア

星霜の書の請願(パクト)A Plea for the Elder Scrolls (Pact)

名誉ある護衛ガリエル:

我が使者がもし生きていれば、あなたとジマーロン大将軍に我らの嘆願書が届いたことだろう。あなたが自身の行いを悔やみ、盗まれたものが返却されんことを切に希望する。

知っての通り、パクトの軍隊は我が聖堂を侵略し、我らが守り研究すべき2巻の星霜の書を奪った。この非道な行為に対抗して殺された者もある。

あなたはチムとガルトクの聖堂を立て、これらの巻物を収容した。聖なる遺物にふさわしき場所をもたらした業績は称えるが、それだけでは足りない。星霜の書は武器ではなく、神からの言葉である。聖蚕の僧侶だけが研究できるのだ!

星霜の書を我らの手に返却いただきたい。聖蚕の僧侶パヴォニウスの元に返したまえ。また、彼をよく庇護してもらいたい。我々の聖堂への旅は、長く危険になるであろうから。

古の賢者の加護があらんことを

聖蚕の僧侶クラシウス・ヴィリア

斥候ジュスタルからのメモNote from Scout Justal

協力できない狩りグループがいるようなので、私は自分の隼を出して、キャンプの東で本物の食料を狩りにいく。私を見つけたいものがいる時は…探すな

— ジュスタル

絶望的な時代Desperate Time

隊長

助けてほしい。妻がアルゴニアンの…腐った手に落ちてしまった。戦い、争い、そしてエボンハート・パクトから逃れるため、私は妻と一緒にダークウォーターに来た

それにしても、ジョルンの臆病さはいたるところに広がっている。アルゴニアンが私の新居にいるとは!このままにしてはおけない。フシスと仲良くするとは…ヌヴァールは私が結婚した女性ではない

人手が必要だ。人を送って、街を手に入れさせてほしい。出身は問わない。フィルジョアの周辺にいた、嫌な取り巻きどもでも受け入れてやる

人を送ってほしい。後は自分で何とかする

— ローン

全研究助手への通知Notice to All Research Assistants

マスター・ネランダスの新しい調合薬と分ける必要があるため、加工前の毒が入っているフラスコはすべて、洞窟の後方にある貯蔵室に移動させてください。必ず記録をつけ、不足の事態が発生した場合には直属の上司に連絡してください。

フラール家の誇りと繁栄のために。

多くの岩よ、知っているぞWe Know, Many-Rocks

多くの岩よ、あなたの行為を目撃した。あなたは泳ぎながら川を下り、血の跡を追いかけている。アッシュランド中で家から家をいつも転々としている。あなたの鱗は迫害者の血で真っ赤に染まっている

私たちは感銘を受けた

あともう一つ行動してくれれば、準備が整う。あなたに…連絡がいくだろう。シシス、万歳!

第一幕のメモOpening Performance Notes

「見渡す限りクソが並んだある日、コアル・カントンのメフラが汚れたボロ雑巾をネッチの触手に押し付けた」

第二幕のメモFollow-Up Performance Notes

「お返しに、コアル・カントンのモラグが奴らのクワマーを解放して、彼らのシェインを大地に注いだんだ」

第三幕のメモClosing Performance Notes

「メフラがスジャンマ・モラグを燃やして、デイゴンに置いた後のみ、モーラは安全に旅ができるようになった!」

難しい客A Tough Audience

フォロリル

商人としての能力の試されるこの最高の試練を受ける君を羨ましく思う。私の出会った中で最も魅力的で説得力のあるセールスマンである君こそ、このチャンスに相応しい。

可能性を考えてみろ!トロールは何を欲しがるか、何を買うか、どんな稚拙な交渉をするか、誰も知らない。それを君が暴くんだ!奴らは知能が低く、たいてい盗んだ金をたくさん持っているから、膨大な利益が生まれるだろう!君が我が商品の新しい市場を切り開き、我々はシロディール中の商人の嫉妬の対象となり、君は名声を得ることとなるだろう。

奴らのリーダー以外は相手にするな。つまり一番大きいやつだ。奴らは喋らないが、ジェスチャーやうなり声を使い、商品を提示することでセールスポイントは伝わるだろう。

幸運を祈るぞ、フォロリル。我々みんな期待している!笑顔を忘れないように!

シロディール輸出入会社
代表取締役
センプロニア

入会拒否Admission Denied

親愛なる市民アガピトゥスへ

魔術師ギルドへの入会の請願は再度却下させていただきます。ここはあなたが考えられているものとは違い、進む道を金で買える団体ではありません。あなたには最も基本的な魔法の才能が欠けており、最低限の要件であり絶対に必要なものが足りません。

連絡をこれ以上しないよう、そして代表が街に伺った時、困らせることはしないようお願いします。魔術師ギルドは才能がある学問を求める者のための団体であり、豊かで才能がない方のものではありません

敬具

上級幻術師カルシアン

避けられない遅延Unavoidable Delays

シラトへ

辺境の農場が嵐で損害を受けたことは知っていますが、残念ながら自分たちの修繕作業が完了するまで、修繕のお手伝いができません

キャッツアイ埠頭沿いの多くの建築物、桟橋や港の重要な建造物などは、嵐で破損し、大規模な修復が必要になります

建築家によると、再建を開始できるようになるまでに少なくとも1ヶ月かかり、作業を完了するにはさらに2ヶ月かかるそうです

さらに、難破した「金色の艦隊」から、多くのドミニオンの難民が到着したため、ミストラルの衛兵の負担が限界に達しています

キャッツアイ埠頭の修復が終わりましたら、必要なお手伝いができるよう努めます

この危機に対応している間、ご不便をおかけいたします

—ミストラル公文書保管所事務所

瓶からのメモNote from a Bottle

私の瓶に乗って鷲に流れてきたんだろう?

おそらくお前は鷲が好きで、飛ぶのを助けるだろう。おそらくお前はいずれ私に会って、女王の瞳に真実が映る助けをするだろう。鷲の目はこの不正の館につながる主要な道を見張っている。

おそらくゴッサマーのトーニーポートワインが過ぎたようだ。分かりにくい比喩を使うのは、もうやめよう。

とにかく、このメッセージを解読できたら、会いに来てくれ。だが忘れるな…このメモの話はするな。やる気のある、ありふれた密偵は嫌いなんだ。不機嫌になる。

父からドネルへFor Donel from Father

息子よ、最後にもう一度父に調子を合わせてくれてありがとう。

いつも本より剣を好んでいたのは分かっているし、そのせいで私を失望させたと考えているかも知れないが、本当はその逆だ。お前の自立には感心しているし、立派な男に成長してくれたことを誇りに思っている。

私の父は兵士だった。父からはよく「本ばかり読んで」と文句を言われた。お前が生まれた時、決してあんなふうには扱わないと誓った。

生きている間、お前が戦場に出ていくのを見るのは耐えられなかったが、今は応援している。本を売ったから、たっぷり遺産を残すことができたと願っている。それを持って、強い剣と頑丈な鎧を一式買うといい。

自分の心に従って、幸せな運命を見つけてくれ。

愛を込めて

父、フロディバート・フォントボン

分派Rogue Elements

私の調査によれば、こうした森にはグリーンパクトを信じないウッドエルフの分派が存在する。彼らはグリーンパクトの教義を守らず、他のウッドエルフと関わりを持とうとしない。

私の目的は彼らを見つけ、グリーンパクトを信奉しないと決めた理由を探り、アルドメリ・ドミニオンの戦列に加えることだ。

我々はすでに多くの面倒を抱えている。このうえ森で策動する不穏分子を放置するわけにはいかない。

現地で落ち合おう。

別れのメモGoodbye Note

お母さん

これを読むころには私はもうそこにいないから、止めようとしても無駄よ。もう決めたことだから。先日の夜、酷い夢を見たの。生涯ずっと、ここアスワラの馬屋で馬の調教師を続け、死の間際になって間違っていたと気づいた。タムリエルは広いところで、面白い人や場所がいっぱいあるのに、夢の中では一つも見られなかった。

知っての通り、友人のナジャンが数ヶ月前にいなくなったんだけど、心配をかけないように本当のことは言わなかった。ナジャンはウィサード・ハンドという教団に入ったの。当時は頭がおかしいのかと思ったけど、最近夜中に帰って来て、向こうでの体験談を聞かせてくれた。気味の悪い仕事も多いし、あなたやおじいちゃんは私を非難するかもしれないけど、死者を蘇らせる仕事ってとても面白そうだと思った。

ナジャンは訓練でサタカラームへ連れていかれたみたい。そこで戦争の術に死霊術、他にも貴重な技をたくさん教わったそうよ。シルクのローブをたくさんもらって、いつかはウェイレストの街に連れて行ってもらえるんだって。ナジャンが私をハンドに誘ってくれて、この機会を逃すわけにはいかないと思った。

いつまでも愛してるわ。お母さん。どうか、私を許して。死霊術を身につけたら、もしかしたらお父さんを生き返らせに戻ってくるかも!

サマラ

報告書:行方不明者Report: Missing Persons

閣下

地元の住民から行方不明者が出ていると未だに報告を受けています。行方不明者の家族数人と面談しましたが、共通の特徴はまだわかっていません。この件全体がなんとなくおかしいと感じます。

私たちは、こういった事例の追求を後援なしでは行うべきでないと認識しています。ですので、この件についてはあなたの手に委ねさせていただきます。この地域で貴族が1人でも姿を消した場合は、調査を最優先させるつもりです。

八大神のご加護を。

衛兵レジネ・ナイテ

報復の嘆願A Plea for Vengeance

私がこの手記をしたためるのは、我が街カムローンの滅亡を記録に残し、報復を呼びかけるためだ。

急いで書き上げなければならない。おぞましい怪物どもの吠え猛る声が扉の外から聞こえてくる。バリケードが後どれだけ持つか分からないが、この手記だけはなんとしても完成させ、連中に見つかる前に隠してしまいたい。

そもそものきっかけは何だったのか。ほとんどの滅亡がそうであるように、我々もまた裏切られたのだ。裏切り者の名はジョナサン・テルウィン。かつて、私の友人だった男だ。奴はアンゴフへの忠誠を誓い、ファオルチュと呼ばれるアンデッドの怪物に仕える道を選んだ。ジョナサンはそれを私に打ち明け、仲間に加わってほしいと言ってきた。私は取り合わなかった。どうせいつもの悪ふざけだろうと思ったからだ。だが、それは間違いだった。

ファオルチュはジョナサンをシェイプシフターに変えた。そして、城門を破った最初の狼は、まるで自分の棲みかのように、ブラブラと入ってきた。我々は彼を中に入れた。なぜなら、街が彼の棲みかであることは本当だからだ。いったん市内に入ると、ジョナサンはファオルチュの呪い(彼自身は「恵み」と呼んでいたが)を街中に広めた。呪いにかかった者たちは草木も眠る夜更けに集まった。暗闇に響く彼らの吠え声を、我々はおおかた野犬の遠吠えだろうと片づけてしまった。

しだいに数を増やした呪われし者たちは、城門という城門をあけ放ち、ファオルチュとその狂った群れの残りを市街に引き入れた。それが今から数時間前、日が暮れて間もなくのことだ。彼らに刃向かう者は誰であれ、八つ裂きにされた。血が——あまりにもおびただしい血が流された!殺されなかった者は…変身させられた。私は友人や隣人が目の前で狼に変わるところを見た。彼らの叫びには苦悶と恍惚が入りまじり、私は心のどこか暗い奥底で、彼らの仲間に加わりたいと願った。しかし、私はその考えを振り払い、家族を安全な場所に連れてきた。

もっとも、「カムローンの衛兵」がいなかったら、それもかなわなかっただろう。ダリアン隊長率いる少数の衛兵たちはウェアウルフの群れに攻撃を仕掛け、逃げる我々を守ってくれたのだ。これだけは書いておかなければならない。ダリアン隊長は神々しかった。彼にはどんな攻撃も通じないように見えた。彼は敵の攻撃をかわし、受けとめ、まるで楽しくて仕方がないとでもいうように笑っていた。隊長は一軒家までの道を切りひらいては、市民の一団に中に入るよう呼びかけ、扉と窓にバリケードを築いた。我々も隊長に助けられたグループの1つだ。

隊長と衛兵たちがその後どうなったかは知らない。だが、彼らには感謝している。…今、ものが焼ける臭いがしてきた。狼どもは我々をいぶし出すつもりなのだ。

最後にこれだけは言っておきたい。ジョナサン・テルウィンは臆病者だ。奴は易きに流れ、少なからぬ人々を丸め込んで道連れにした。奴の加担した殺戮を許すことはできない。誰かがもしこれを読んでいるなら、どうかカムローンの仇を討ってほしい。ファオルチュとその配下の怪物たちの息の根をとめてほしい。この悪行をうやむやにしてはならない。

未完の巻物Unfinished Scroll

おじさんへ

手紙を出すのが遅れてしまってすまない。この手紙が届くのは少し先のことになるだろう。でも今すぐベアクロー鉱山のことを書きたかったんだ。長い旅だった。でもその苦労は必ず報われるはずだ。

洞窟から出ることはあまりない。この場所がベアクロー鉱山と呼ばれていることには理由がある。ご存じのとおり熊は恐ろしい生物だ。でもそのおかげで私達は助かっている。つまり競争相手がいないんだ。静かに素早く行動していれば、すぐに大金を稼げるはずだ。

家を売ってくれて本当にありがとう。そのおかげで返済の時間を稼ぐことができた。すぐに借金は清算できる。

家族をここに連れてくるのはいい気分じゃないが、金貸しのことはおじさんもよく知っているはずだ。皆とここに一緒にいた方が、そちらに戻るよりも安全だと思う。

マリッセもそう感じているようだ。マリッセは本をいくつか持ってきた。アラインに読んでやっているんだ。授業内容は相変わらず宗教的だが、今の状況を乗り越えるため、マリッセにはそれが必要なのかもしれない。それなら口を挟むつもりはない。

全てが上手くいって、利益を得るべき人が利益を得られるようになることを祈っている。借金の残りを返せるだけの金を手に入れたら、すぐに戻るつもりだ。

神々のご加護を。そして私達を導き守り給え。

—ヒュ…

魅惑的な遺物Fascinating Relics

助手

心配無用。私は死んではいない。この怒りっぽい連中は、私にとって危険でもなんでもない。このメモを残して君に知らせておくのが賢明だと思う。君達のトンネルのさらに奥まで移動して見た。ここにある遺物の一部は…魅惑的だぞ!

おそらく君は、私の転移によって生じた魔法配列が残っていることに気づいているだろう。もちろん意図的にそうしたのだ。私が通過した跡を辿るには、ただ共鳴和音の第三の法則を用いて跛行すればよい。これについては先週長々と講義したばかりだし、君も私が話したことを思い出せるはずだ。そうだろう?

——発明家テレンジャー

追伸:グアルのことは気にするな。信者の一部がやたらと絡んできてな。私がどう反応するかは分かっているだろう。

明確な危機はないNo Significant Danger

ファブリシウス作業長

野営地の防衛が不十分であるという指摘を耳にした。承知したが、発掘には可能な限りの人手が必要だ。途方もない発見が続いており、作業を遅らせるのは避けたいのだ。補給部隊を守るにあたり、小さいが有能な戦士の一団を残した。保障しよう。明確な危機が迫っているわけではない。

ヴォレンフェルの遺跡に急ぎ発つ。緊急に連絡を取る必要があれば、地図に示された場所に伝令を送るように。

— クインタス・ヴェレス

面白いわね、シルFunny Stuff, Sil

シルへ

ムーンシュガーを隠し場所からいくらか拝借したからと言って——あ、元通りに補充したからね——死にそうになるまで脅かす権利はないでしょう

ドアの下から手紙を入れて、アサシンを送って殺そうと宣言するとはね。「分かっている」なんて、まあ!すごくおかしかった

ヘンロル

冷気の家の伝説Legend of Chill House

冷たい空気が冷気の家の暗闇を満たしている。避けられない死の風が、わびしい家に吹き込んでいるかのように。聞き覚えがあるのに思い出せない音は、地の底から発しているようだ。この音が、聴く者を子供の頃の物語の記憶で苦しめる。ゴブリンの親族のグローム、そしてハンマーを2本持ったインプだ。冷気の家の音を聴いてはならない。決して!もし、じっと耳を傾けてしまったら、恐らくきっと…

狂ってしまう

伝承と文化

Lore and Culture

アッシュランダーの賢女Ashlander Wise Women

ジウバ・ロサレン 著

よそ者がアッシュランダーのキャンプの周りをうろうろしており、交流を図り、クランのメンバーの一部と話をしている。このよそ者はアシュカーンが部族を率いていると思い込んでいるようだ。通常はアシュカーンが最も強い戦士だからだ。よそ者が交渉時や援助要請時に部族内の微妙な力関係を無視すれば、この思い込みは彼らを苦悩へと導くだろう。部族の精神的指導者は賢女で、アシュカーンでさえ賢女に助言を求めその預言に従う。

賢女は、一般的な流派のマジカの使用法の訓練を積んだ者達とはまったく違った種類の魔法を使う。彼女の魔法は自然界に根差したもののようだ。預言的な幻視を受けられる賢女がいるという証拠も存在する。アッシュランダーのクランを研究している学者は、この夢分析は単に直感とクラン内の人間関係や支配関係の徹底的な理解を用いたもので、それによって預言的な幻視を得られると考えている。賢女は、真偽は疑わしいが、便利な薬草の錬金術を使うことができる伝承の継承者だと見なされている。この考え方は傲慢なもので、観察者側の学術的研究不足の証拠である。

私はアッシュランダーのクランと共に時間を過ごし、賢女が重傷を負った狩人を治癒するのを個人的に目撃した。重傷から1日足らずで回復した様は奇跡としか言いようがなかった。何らかの生物によって重傷を負わされたこの狩人は、賢女の元に連れて来られたときは死の淵をさまよっていた。出血量だけを見ても生存は絶望的だった。この治癒過程で賢女が行った儀式がどのようなものかは見ることができなかった。しかし、私は狩人と話すことができた。彼女は1日足らずで、起き上がって歩くことができるようにまでなっていた。

アッシュランダーのクランとうまく付き合いたいと望むならば、クランの賢女は決して無視するべきではない。その助言は絶対に聞き入れるべきだ。

アルゴニアンについてOn Argonians

シランティレ 著

タムリエルの様々な種族を研究する中で、いくつかの奇妙な事実を発見した。人型の種族の中でも、アルゴニアンが最も興味深い種族かもしれない。彼らは身体的な意味でも精神的な意味でも冷血な種族にも関わらず、どのような気候の場所でもどういうわけか哺乳類と同じ回復力で活動できる。亜熱帯気候や熱帯気候を好むにも関わらず、寒帯地域や亜寒帯地域でも哺乳類と同じくらい容易に活動できるのだ。本当に驚くべきことだ。

ほとんどのアルトマーの学者はこの奇妙な事実をまともに取り合わないが、私は詳しく研究することにし、その理由を突き止めたと確信している。アルゴニアンは、自分達が「ヒスト」と呼ばれる魔法の力に結びついていると主張している。宗教信仰が理由ならば簡単な話だが、私は身体的な理由もあると確信している。

ヒストはタムリエル全域で生息していると言われているが、「ヒストの木」のヒストは特に強力だ。巨大で、古いことが多く、すべての大規模なアルゴニアンの集落の中心部で生息が確認された。このヒストの木にはすべてのアルゴニアンの集合的記憶と集合的知識が蓄えられていると、アルゴニアンは信じている。

これが真実であろうとなかろうと、ヒストの木から出る樹液には高濃度のマジカが含まれている。アルゴニアンにその論理的な身体的限界を超えた能力を与え、「木の番人」と呼ばれている呪術師に力を与えているのはこのヒストの樹液であろう。我々のような魔法を操り慣れている種族がそのヒストの木に含まれているエネルギーを取り出せれば、そこから獲得できるものは計り知れない。

アンドゥルの蔵書庫The Library of Andule

高貴なヴェロシ文化時代の名家の知識が存在する。入場の許可を得る前に、知識と叡智のかがり火をつけよ。闇の中で、アンドゥルの結界は誰も通さない。

預言者ヴェロスを信じよ。サマーセットから脱出し、モロウウィンドまで続くタイルの道に沿って行け。そうすれば、ヴェロシのように探し物が見つかるだろう。

イーストマーチのクラン:ダイアフロストClans of Eastmarch: The Direfrost

ダイアフロストの祖先は、有史以前に遡る。最も正確な記録によると、北イーストマーチを平定して周囲の村の領主となった知られているうちでは最も古い守護者、ホロルディン・ダイアフロストまで、少なくとも13世代は続いている家だという。

ダイアフロスト家は、親切で温厚な統治者と評価されている。魔法の実践者を除いては。魔法の実践については、不寛容であることで悪名高い。数世紀の間、何百人もの市民が魔法を使用した罪で処刑された。

ダイアフロスト城はイーストマーチにあり、山脈に隣接している。ダイアフロストの酒倉で燃える暖炉の火が、冷たい北風を寄せ付けないと言われている。

知られている限り、彼らの統治に対する反乱は起こっていない。

イーモンド王家The Royal House of King Eamond

エバーモア城のデリック・アンドラス執事長 著

王の忠実な執事長として、高貴な血筋について詳しい話を民衆に伝えなければならない。重荷だが名誉と思い、喜んで引き受けよう。

イーモンド王は、オルシニウムの陥落後に港が建設されて以来エバーモアに住まう、貴族グイマード家の末裔である。エバーモアの子供でも知っているように、我らがすばらしき街は第一紀983年にオークを鎮圧したことでビョルサエ貿易が開始された後、リバーホースブレトンによって建設された。詳細については城の保管庫にあるグイマード家の文書を見ない限り確認できない(この不安定な時期に、誰が確認できようか?)。しかし、その名は女帝ヘストラが制定した領土法に基づきハイロックがシロディール帝国の傘下に入った後に記されている。第一紀1029年に記されたこの文書には、「リバーバンクのガイ・マルデ男爵」についての引用が含まれている。

以来グイマード家の英雄たちがエバーモア年代記には繰り返し登場する。第一紀2260年の、全旗海軍の男爵船長オルシエン・ガイ・マード、第一紀2305年の、アレッシア帝国軍に対抗しバンコライ駐屯地を防衛した女男爵ファリンヌ・ギマール、第二紀431年の、オルシニウム第二次略奪の際に武勲で公領を改善したフルヴェルト・ギマール男爵などである。

542年、エバーモアの先の統治者であるモイル家のヘセフ王が後継者を残さぬまま死んだ時、街はブラック・ドレイクのダーコラクの圧政を受けていたが、ブレイズ・ギマール公爵は聖ペリンの騎士を率いて街を奪還した。ブレイズ公爵はバンコライの貴族によって王位に立てられ、ギマール家は王族に列することになった。

ブレイズ王はランセルの戦争でエメリックの援護に向かい、見返りとしてエメリックの姪アーツェラを息子のイーモンド王子と結婚させることになった。その後すぐ、568年にブレイズ王は死に、イーモンド王が後を継いだ。アーツェラ女王は2人の健康な子供を王との間に設けた。それがエララ王女とエイドリアン王子である。彼らの統治下で、我が国の平和と繁栄が続きますように!

ヴァーデンフェルの先人の墳墓Ancestral Tombs of Vvardenfell

ヴィベク・シティの大司書、ブレイディン 著

先人の墳墓は、ダークエルフの名家における文化と社会で重要な意味を持っている。古く地位が確立された名家は、富と影響力のある一族は特に顕著に、死者を埋葬して敬うために墳墓を建てた。これらの墳墓はヴァーデンフェルの至る所に散在し、故人の遺体に安らぎの場を提供する。埋葬された先人の子孫にとっては、黙想、崇敬、沈思の場でもある。

墓の中では、埋葬壷に死者の火葬された遺骨が入っている。儀式の祭壇と故人にとって重要な意味を持つ品が内部の空間を飾っている。それには愛読していた書物、神聖な巻物、健在な頃の宝飾品や防具、武器、家財、黄金など、思い出の品が含まれる。墓は複数の部屋がある大きくて広々とした納体堂から、玄室が一つしかない小さな納体堂まである。

一部の先人の墳墓は様々な理由から封印されているが、普通は次の二つのいずれかが理由である。その墓が定員に達したか、家族が中身を保護するために封印する決断をしたかだ。後者の場合、次に一族の者が死亡した時に封印が解かれ、墓が開かれる。そして埋葬が完了すると再び封印し直される。

開かれたままの先人の墳墓では、定期的に何らかの活動が見られる。多くの家族が頻繁に訪れて、先人に敬意を示し、黙想し、今もなおダークエルフの文化の一部である先人崇拝に関連した重要な儀式を行なう。これらの墳墓の責任を担う一族には、トリビュナルへの祈願や、吸血鬼やさまようデイドラが住み着いたために傭兵を雇う必要が起こることもある。それも先人の墳墓を維持管理する代償の内だ。

ヴァレンウッドの猟犬Valenwood Hounds

アルトマーの旅行ガイドより抜粋

ハーシーンの猟犬は伝説的な狩人たちだが、さらに伝説的なのはヴァレンウッドを猟場とする者たちだ。

その高い評判にはいくつかの理由がある。まずはヴァレンウッドそのものだ。未開なままの原生林で、地域全体を覆い、開発されぬまま残っている。思いもかけないような生き物の故郷だと言う者もいる。もっとも優れた追跡者のみが、迷わずこの森の中で獲物を狩ることができる。

2つ目は、ほとんどの狩人がウッドエルフだということだ。生まれながらの狩人で、追跡に優れている。

だがヴァレンウッドのハウンドの評判の最大の理由は、ハラスという狩人にある。彼自身が伝説となっており、存在を否定する者もいるが、彼の偉業を知らないハウンドはいない。

ハーシーンへの信仰と追跡の技では並ぶ者がないと言われている。最後に噂されたのは100年以上前に、伝説的なペール・センチタイガーの狩りに出かけた時だ。ヴァレンウッドで狩りをする者の中には、その捕まえにくい獣をいまだに追っている彼を見かけたという者もいる。その話が本当だとしたら、ハラスは普通のエルフよりも長生きすることになる。

それでも、ヴァレンウッドのハウンドの全員がハラスのように訓練しており、知名度と能力で彼を越えたいと希望している。それだけでもヴァレンウッドのハウンドは、タムリエルのもっとも優れた狩人ということになる。

ウーズに沈むSunk into Ouze

…生き返ることはない。しかし彼らの処置はどうする?エキスを消して骨を燃やすのはやり過ぎだ。彼らはそれでも選ばれた種族の一員であるし、我々の兄弟であり姉妹でもあるのだ。いや、彼らは封じ込められなくてはならないが、罰せられるべきではない。

我々は彼らをウーズに埋める。ここの地面は柔らかく暖かいため、彼らの骨にとって安らかに眠れる最適な場所になるはずだ。彼らの魂は永遠の眠りにつくだろう。あるいは、紡ぎ手によって解放の物語が語られるまで。もし抵抗するようであれば、我々は…

ウッドエルフのエチケット:インペリアルの視点Wood Elf Etiquette: An Imperial Perspective

2723年、ケランダス・カルヴァス 著

現在帝国の勢力範囲はヴァレンウッド王国まで広がっている。旅の途中で森のエルフと出会っても驚くなかれ。ウッドエルフ達は驚くほど社交的で、よそ者達にも非常に愛想が良い時があるが、彼らを怒らせないため、その風変りな文化と慣習には気をつけなければならない。

ウッドエルフ達はグリーンパクトと呼ばれる厳格な宗教に従う。自発的にパクトに取り組むウッドエルフは、ヴァレンウッドの木や植物へ危害を加えることを禁じられている。これには木を切り倒したり、果物を収穫したり、地面から野菜を掘り起こすことが含まれる。

この結果、グリーンパクトに従うウッドエルフは肉とチーズの厳格な食事を行う。この食事に関する極めて具体的な制限は、公の場ではあまり見ることがないであろう、とある身体的反応につながる。もしウッドエルフが「炎を養う」と言った場合、20回心臓が波打つ間は口呼吸をすることにただ慣れるように。

花を摘んだり、樹脂を集めるために木を叩いたりして悪く思うウッドエルフはほとんどいないが、一部はその行為を不敬だと捉えるだろう。グリーンパクトの最も厳格な信者達は非常に強硬な、ひょっとすると暴力的な反応を示すかも知れない。

恐がらせる意図はない!ヴァレンウッドの森には敬意を払うことを忘れるな。もし分からないことがあれば、最も近いところにいるウッドエルフの「樹の従士」に指導を仰げ。誰に見られてるか分かったもんじゃないからな。

エセリアルのかけらAetherial Fragments

タネスのレディ・シンナバー 著

多くの若い学生達は次元について、とっつきにくい分野だと考えている。同年輩のエリンヒルのファラスタスは利己的な議題で読者を遠ざけるが、私は最初に先入観のない具体的な実例を用いて説明すべきだと考えている。エセリアルのかけらを学べば、自然と次元について理解できるようになる。

読者も流星を見たことがあるだろう。これは、精神的次元であり魔法の源でもあるエセリアルの破片が排除されてニルンに落ちてくることで起こる現象である。落ちた場所に行けば2種類の物質、隕鉄と碧水晶が見つかるはずである。この両物質は並外れた魔力を秘めている。この本では、珍しい流星碧水晶に焦点を絞り、歴史の中での使用例とその様々な性質を見ていく。

第一紀初期までシロディールを支配していたエルフ、アイレイドは、このスカイストーンを幅広く使用していた。彼らは先進的な魔法の知識を活用して青色ウェルキンド石とヴァルラ石を作ることで、エセリアルの星光を利用し、マジカを貯蔵し、付呪物質に力を与え、消えることのない明かりを作り上げた。破壊魔法を封じ込めることもあり、自動化された防衛装置としてその役割を果たしていた。

この星の器の作成方法は現在失われている。アイレイドは流星碧水晶を複製してそれに付呪することで、相当数の星の器を作り上げた。新たなウェルキンド石やヴァルラ石の合成だけでなく、力を失った流星碧水晶の再生も今のところ成功していない。実験をしているとオリジナルの石が砕けて役に立たなくなってしまうことが頻繁に起こる。研究が上手く行かなかったり、アイレイド遺跡の危険な探索が必要となったりすることも珍しくない。

金色をしている現代のマロンド石とクランダ石は青色アイレイドの破片と似ている。ハイエルフの生産物か発見の一つであり、サマーセット諸島で最も多く見かける。マロンド石は再充填が可能なため、魔術師はこれをマジカの補充や、マジカの保管、付呪アイテムの充填に使用できる。クランダ石は明るい金色の光を発する。魔法効果を引き起こしたりマジカを保管できるが、使用したり空になったりすると砕けてしまう。

読者もエルフ文化を盲目的に称賛しているファラスタスの話はご存じだろう。彼はアルトマーがアイレイドの数々の秘密を解き明かして、それに改良を加えたと主張している。ファラスタスはそれだけでなく、彼らがマロンド石とクランダ石を小麦のように栽培していると考えているようだ。それよりも、現存しているアイレイドストーンと流星碧水晶を応用研究したことで、さらに信頼できる再充填方法を発見したとする説の方が筋が通っているだろう。

別の種類のエセリアルの破片であるスカイプリズムは、月が特定の並びになるとバラバラになってニルンに降り注いでくる。欠片を3つ集めると、未知の力によって銀色のプリズムを再形成し、融合によって解放された力を近くの物質に付与する。他のスカイストーンと同じようにこの石も比較的珍しく、研究のために見本を手に入れるのは容易ではない。空を起源にしているにも関わらずたびたび地下で見つかるが、これは地底に住む生物が光源として利用するために地下へと持ち込むからである。

十分な検証と研究が行われれば、この便利なアイテムの作成方法を解明できると考えている。そして次元を完全に理解できれば、その力を手に入れることも不可能ではないだろう。

オーク:怪物か誤解か?Orcs: Monsters or Misunderstood?

神話の作り手タレオン 著

オークは単なる獣人で、ゴブリン種族の1つだと思うだって?考えを改めよ!

アルトマーの先人でも最強の霊魂であるトリニマクが、誇りを持った強きオークを生み出した。彼がデイドラ公ボエシアによって変えられた時、彼の民も変わり、今日我々が知るオークとなった。

この気高い生き物は戦闘において確固たる度胸を発揮する。他の種族の誰しもを圧倒するような苦難において、不屈の我慢強さを見せるのだ。広く恐れられ嫌われているオークは、それにもかかわらず帝国において徐々に認められてきている。

オーク社会は過酷で残酷であると想像されるが、そこには彼らの文化に深く広まった激しい忠誠がある。防具屋が作る鎧にはタムリエルで最も上等なものもあり、それはオークが、キャンプで語られるような怪物ではないと決定的に証明するものである。

そうは言っても、オークが獰猛で強いことは間違いない。彼らの戦争を仕掛ける能力を甘く見てはいけない。オークは会話を始めるよりも先に襲いかかる傾向があるし、それはいつだって相手を殺すか、重傷を負わせるつもりで襲ってくるのだ。身体的に大きく、卓越した技量があるために、彼らは自然に両手武器へと引きつけられるが、その扱い方は荒々しく奔放である。

その恐ろしい容貌と驚くべき背の高さを、彼らの愚鈍さや教養のなさと勘違いしてはいけない。ひどく嫌われ恐れられてはいるかもしれないが(後者はいい意味で)、彼らを知性のない怪物として否定する者は誰でも、大きな覚悟を持ってそうすべきである。

オーク?まあまあだOrcs? Could Be Worse

私はオークについてこう考えている。今、彼らが私達の味方であることを心から嬉しく思う。

これまでは必ずしもそうではなかった。40年前、私の祖父はオルシニウムの襲撃に参加した。オークは情け容赦がない、と祖父は言っていた。オークが血を流し、骨が折れ、泥の上で倒れた後に立ち上がってくると最悪の事態になる。なぜなら、彼らはそうなるとさらに危険な存在になるからだ。

だからレッドガードと一緒にオルシニウムを襲撃したのだ。だから見つけたオークの砦を片っ端から燃やして、オークが復活しないように、その灰を踏みつけたのだ。私達は彼らを足止めするだけで精一杯だった。

現在オルシニウムはこれまで以上に頑丈な作りになっている。だが皆が知っているように、私達は今オークよりも大きな問題を抱えている。

私は、オークが抑圧者である私達のことを恨んでいると考えていた。だが面白いことにその考えはオークには当てはまらないのだ。オークが他のオークの顔面を殴っているのを実際に見たことがある。鼻を折られたその男は、その場から動かず、ただニヤリとした。彼らは喧嘩したり、死んだりすることもあるが、オークは何が起ころうとも、本当に一瞬のうちに解決する。そしてそれで終わりなのである。

オルシニウムを燃やされたとき、彼らは顔面を殴られる以上の痛みを味わったはずである。だが彼らはすぐに条約を結んだ。

戦いが苦手なオークには会ったことがないが、中には戦いよりも生きることが大切だと考えている者もいるようだ。自分の作った剣や鎧で生かされ、殺されることで、初めて自分がその武具を正しく作れたことを知ることができるのだ。彼らの職人の素晴らしい腕前には驚くばかりである。彼らが作った物は壊れない。

ブレトンもオークも、戦うよりもお互いに取引をすることでより多くの利益を得られることに気が付いたらしい。ブレトンが得意なことを一つ挙げるとすれば、それは金の稼ぎ方だ。得意なことは他にもあるが、私の言いたいことは理解できるはずだ。

私は自分とオークとの立ち位置を理解している。そしてノルドとの立ち位置も理解している。彼らがまたハイロックを襲撃してきたとしても、今の私達にはオークの軍隊がいる。ノルドは彼らに尻を蹴り飛ばされてスカイリムまで退却するだろう。

だからこそ私はこう言い続ける。オークが私達の味方であることを心から嬉しく思う。

オースブレイカーの眠りOathbreakers’ Rest

2つに分かたれ、グリーンパクトを受け入れたボズマーはイフレの祝福を受け森の中に住んでいるが、パクトを拒否した者達は呪いをかけられた。絶え間なく形が変わり続ける彼らは、生命を奪われウーズのタール坑へと投げ込まれ、永遠の眠りへと沈んだ。

しかしウーズの魂は眠ることはなく、オースブレイカーもいつの日か戻って来るかもしれぬ。同胞に復讐を企てるために戻って来るかもしれないが、我々の永遠の希望は彼らがグリーンパクトを受け入れ、イフレの寵愛と仲間の腕の中へと戻ることである。

オールド・ライフからニュー・ライフへFrom Old Life To New

2つのフェスティバルの物語
ボトジョルフ・ミードウォーマー 著

「お父さん、ニュー・ライフの使者はなんであんなに怖いの?」

ニュー・ライフ・フェスティバルについて、末子に問われて私は笑った。私自身、父親に同じ質問をしたことがある。その時は「秋になったら、おばあちゃんに聞くといい」と言われた

その答えは、日が短くなり畑が使われなくなる季節に開かれるオールド・ライフ・フェスティバルにある。この時期になると我々は暗い物語や不気味な歌を交換する。例えば、船の上で乗客がマントを着た謎の人物を目撃したが、他の乗客は誰も見ていなかったという話。森の中で迷子になった小鹿が、母親を殺して成り済ましている狼に追われていたが、急いで逃げるあまり狼のねぐらに避難してしまった話。真夜中に来た宿泊客が部屋を借りたが、夜明け前に宿屋の主人の子供と姿を消す話。

夜が長くなってくると、我々はこういった物語を伝え合う。種族によって異なる点もあるが、タムリエル全体に共通するテーマがある:暗闇の中の危険、若き者や無実な者への脅威、安全な家庭に入り込んでくる悪質な生き物などである。中でも空を欲した狼の話は、明るい場所であっても、今でも思い出して震えてしまう。

昔私の祖母が村の子供たちに語った話だが、燃えるような目つきをした狼が夜に大地を彷徨っていたそうだ。無限の空腹にかき立てられた狼は大地を渡り歩き、モロウウィンドの火山を食い、イリアック湾を飲み干してアリクル砂漠を生み出し、ヴァレンウッドの大木をつまようじ代わりに使っていた。しかしどれだけ飲み食いしても、狼が満たされることはなかった。さらに多くを欲し続けた。

ある夜、狼は2つの月が空で踊っているのを見た。大きい方のマッサーは笑いながら踊り続けた。小さい方のセクンダはマッサーについて行った。

「静かにしろ!」と狼は怒鳴った。「さもないと空から引きずり下ろすぞ。そしてアイレイドの街のように、かち割って中身を食いつくしてやる」

「私たちのところに手が届くはずがない!」とマッサーが嘲笑った。「はずがない」とセクンダが復唱した。

「そうか?」狼が言った。「一番高い山から跳んで空まで行ってやる。そして2つの月にまたがって立ち、跡形もなくなるまで噛みちぎって引き裂いてやる」

「だが私たちのどちらかがいなくなれば誰もが気付く!」とマッサーが叫んだ。「誰もが気付く」とセクンダが復唱した。

「私の毛皮の色を変えてお前たちに化けてやる」と狼が言った。「お前たちの代わりに、私の目が燃えるように輝く。誰も気付かないだろう」

「太陽が私たちの異変に気付くはず!」とマッサーが叫んだ。「気付くはず」とセクンダが復唱した。

「だったら太陽も食ってやろう」と狼は言った。「その後は星も全部食ってやる」

「私たちにそんなことをできるはずがない!」とマッサーが叫んだ。「はずがない」とセクンダが復唱した。

「いいや、できる」と狼は言った。「そして空を食べつくし、全てが暗闇になったら、世界中に遠吠えを響かせてやろう」

そして祖母が前かがみになって手を狼の爪のような形にすると、突然狼の頭をした何かが部屋の中に入ってきた。子供たちは悲鳴を上げた。するとろうそくの明かりが消えた。

私は暗闇の中で震えながら、必死に音を立てないようにした。おそらく十数秒の間だったが、永遠のように感じられた。

祖母が持っていたランターンから優しい光が発せられた。彼女は狼頭に向かってこう言った。「まだだめよ、狼。太陽の光は豊かすぎる。逆にあなたが食われるでしょう」

「ならば太陽が弱まる時まで待とう」とスキンチェンジャーが答えた。「その日丸のみにしてやろう」

「やってみるといい」と祖母がきっぱりと言った。「けど、太陽にも考えがあると思うわよ」

すると、ランターンが燃え上がった。スキンチェンジャーは痛みで悲鳴を上げ、部屋から逃げ出した。数刻の間、沈黙が流れた。そして祖母はこう言った。

「暗闇に潜む危険を忘れてはいけない。あなたたちに忍び寄って暗闇の中に引き込んでしまうかもしれない。けれど、過ぎ去ったオールド・ライフが僅かな光を灯してくれる。すぐにニュー・ライフがやってきて、太陽がその訪れを知らせてくれる」

それから数週間が過ぎた。ニュー・ライフ・フェスティバルが始まった。正午前に広場に集まったのを覚えている。狼男が堂々と近づいて来て、子供たちが悲鳴を上げていたのも覚えている。だが男が狼の頭を脱ぎ捨て、その下にいた人物が見えると、みんな止まった。

私の父親だったのだ!

狼男でも何でもなかった。太陽の光の下で見ると、衣装を着たただの人間だった。爪もうなり声も顔も、太陽の下で見るとバカバカしいと感じるほどだった。父親は微笑み、太陽の光に希望をもらったためニュー・ライフ・フェスティバルの使者を務めることになったのだと話した。

だからなぜニュー・ライフの使者が怖いのかと末子に問われた私は、笑ってこう答えた。

「秋になったら、おばあちゃんに聞くといい」

オグマの責任The Onus of the Oghma

エリンヒルのファラスタス 著

彼や彼女の人生を記録することは定命の者の義務である。古典から引用する形で、若い学生にそのことを分かりやすく説明していく。

あらゆるタムリエル人は人生の出来事を記憶することが我々の義務であることを知っている。この世界が生まれたときに神々が我々に授けた義務である。現在確認されているなかで、この「記録の義務」について言及している最古のものは、エルフの偉大な始まりの物語アルドメリアドで、神ザルクセスの言葉を引用して、アーリエルに対して次のように書いている。

「汝はエトアダの真なる子供である。汝の人生を敬うことで我々を敬うのだ。汝ひとりひとりのなかに神の光が宿っている、ゆえに行動を記録することは神聖なる義務である。オグマよ、汝らひとりひとりが記録するのだ、永遠なる巻物が汝のつかの間の人生を記憶してくれるだろう。少なくともそうすれば汝の光は不滅となる」

神話紀末期、ノルド文化の英雄であるイスグラモルがエルフの文字をもとにルーン文字を開発した。これによりアトモーラの言葉を文字に残すことができるようになった。この新たな文字を利用したイスグラモルの最初の仕事は、彼自身の人生とその出来事を年代記として残すことであり、これによりイスグラモルは人類初の歴史家となった。この偉大な英雄は「帰還の歌、第1巻」のなかで次のようなことを言っている。

「私は不誠実なエルフ達に対して大きな怒りを感じていた、だからジルクルフィクに急いで向かって船を使ってタムリエルに戻り、掃いて捨てるほどいる奴らの首をウースラドで切り落とそうと考えた、だが私は囚われの身になったときに、狡猾なエルフ達の学習能力の高さと知識を目の当たりにしていた。しかし奴らは不道徳なことや恥ずべきことをなすためにその力を利用していた。私はエルフを倒し、この大地から奴らを排除しなければならないと考えた。その英知は人間が利用すべきものだ。そして私はロングランチャーにオウフルボウストリングを取り付け、偉大なハクガン、ファルドロスタの住む東の沼を探索した。そして鷹の羽の矢で彼女を仕留め、その美しい羽を抜き、それを使ってエルフと同じように私の言葉を書き留めた。そして、ショールがスネッガに勝利したことをシヴァリング氷河の両脇に刻みつけたように、今後はあらゆる人間に自分の意見や考えを記録させるようにすることを誓った。それに、エルフを始末した事実を後世に残すにはこれが一番いい方法だろう」

この義務は聖アレッシアの時代とシロディール帝国の建国時に再び批准された。「人類の最初の息吹」は自らの手で年代記を書き続け、「アダバル・ア」として後世に残した。そこに書かれている最初の教えのひとつが「あらゆる出来事を記録することについて」である。

「そしてモリハウスが鼻を鳴らし、非記録者に対して激しく言った。”先人の行いがあらゆる時代の人々に忘れられてもいいのか?サリアチェの数々の罪が消え、暴力に対する7つの弁解の正当性が失われることになるぞ?そんなことをアカトシュが許すはずがない!時の竜が認めるはずがない!時の竜が我々に時間を与えたのは、時の流れのなかで物事が起こり、それが起こったことを我々が思い出せるようにするためだ!苦悶の時代末期、傲慢なサリアチェにより物語を記録することを妨げられた。だが二度とそんなことはさせない!”そして彼らの首を落とすと、血が石に垂れて文字となり、その死がそこに記録された」

だから学生諸君、両親や教師から日記を書くように言われても、面倒だと不満の声を上げたり、あら探しをしたり、難癖をつけたりしないようにしてほしい。なぜなら日記をつけることは、祖先達が血と引き替えに手に入れた権利なのだ。

カジートの敬称Khajiiti Honorifics

サルモールの南西エルスウェア代表
トルヴァルのレディ・ラドゥッラ・ドラ 著

タニオン校長に会ったことがおありだろうか?最も礼儀正しく正確なエルフだが、私にふさわしい「ドラ」の代わりに、最も不適切な接尾辞を私の名前につけたと知らせたとき、驚きの表情を浮かべた。(これ以上彼に恥をかかせないためにここで詳細を述べるのはやめておくが…いつか私がトーニーポートワインを2杯ほど飲んだ後にでも尋ねていただきたい)

という訳で、もっとも一般的な——少なくとも妥当な——カジートの称号のリストをまとめるのはアルドメリ礼節学校の利益にとって、そしてサマーセットとヴァレンウッドから来た私達の新たな盟友にとって得策だと思われる。

女性の敬称

「…ドラ」とは、その知恵と機知において知られた者への敬意か、または高齢に達した女性への労いを表す称号。私の場合は、前者の条件が当てはまっていると思いたい。

「…ダロ」は、小さな装飾品や、ばらけた小銭といったきっちり管理されてない物の素早い取り扱いに優れた者に対するもの。これはよく舌が回る者に対して使われることもある。

「…ド」は戦士として名声を得た者——普通は男性だが、まれに女性であることもある(個人的見解だが、ほとんどない)。

「…コ」は尊敬されている治癒師、魔術師、そして学者の称号で、時々は知識豊富な先祖に対しても付けられる。きっと、この者が死んだら子供達が彼女を「ラドゥッラ・コ」と呼ぶのよね? …なんだか心温まるわね。

「…ラ」は、未婚の優美な乙女、またはそうであるかのように振舞う人々に使われる、それはそれははかない称号。この者も「ラドゥッラ・ラ」であった時のことを懐かしく思い出すわ。ほんの去年のことよ。違った?

「…マ」は男女どちらでも小さい子供に対して使う、愛情を込めた呼称。その子がわめいたりうなったりしてる時を除いてね。

男性の敬称

「…ダー」はおそらくすべてのカジートの称号の中でもっとも古くからあるもので、指先と頭の回転がすばやく、探究心があって貪欲な者が得られる呼称。これは時々政治家にも使われると聞いたことがあるけど、そのような使い方は間違いなく滑稽よ(私はこんな使い方しませんよ!)。

「…ド」は戦場や個人的な決闘で栄誉を獲得した者に対する敬称。その名誉を与える者を待たず、自分で自分にその敬称を当てはめて気取って歩いているライオンには気をつけて。

「…ドロ」は知恵ある年長者、族長、祖父達、それに市場で人の前をものすごくゆっくり歩く人達に適用される称号。

「…ジョ」は詐欺師やいかさま師にもよく使われているが、尊敬される医者、学者、それに魔術師に対する敬称よ。私に1連の「魔法の」真珠を売りたがったコリンセのハンサムな黒ヒョウのことを思い出すけど…この話はまた別の機会に。

「…ラ」は軍人、商業、統治における敬われる指導者に対するもの。「猫・ラ」はしばしば「子猫・ラス」のハーレムを持ち、時にそれを誇示する。特に、もし彼が短い尻尾という欠陥をそれで埋め合わせている場合は。

「…リ」はめったに与えられない。我が同胞の偉大な指導者、伝えし者、王、そしてたてがみが確保しているから。それに多分、枕に囲まれて格闘している最中の男らしい恋人もそう呼ばれる、らしいって聞いたことがあるわ。

アラバスターの流行に敏感な若者の間では、敬称を名前の後でなく前につけるのが流行りだとも聞いた。ラドゥッラ・ドラはファッショナブルでありたいとは思うけど、それはカジートの名前をあまりにも似た感じにしてしまう傾向があるので、彼女としては認められない。それではつまらないだろうし…誰だってつまらない人になりたくはない。そうよね?

カジートの武器と鎧Khajiiti Arms and Armor

エルスウェアの息が詰まるほど熱い気候の中に暮らす種族にとって、重い服や鎧を着ることは大抵の場合、実用的ではない。猫の民の生まれ持ったしなやかな骨格と手先の器用さには、より軽量の防御手段が適している。カジートは束縛と重荷を嫌悪し、生産者たちは動き回るのを助ける鎧を提供することに熱心である。最も軽いものになると、カジートの鎧はよく実用的な(しかしきらびやかな)普段着に間違えられる。キルト地や綿を詰めた服が銅と致命的な部分に添えられる。これが鮮やかな色模様で強調され、さらにゆったりとしたショールにリボン、装身具でアクセントが付く。カジートのように退廃主義的、快楽主義的でない種族が着れば、嘲笑されかねない装備である。

カジートが反撃を予想するような戦いの場合、彼らは布と革製の脚当てに篭手、軽兜を好む。これならば最大限に軽快な動きが可能になり、スピードを(ファッションも)犠牲にせずに済む。

俊敏さを旨とするこの種族にとっては、最も重いカジートの鎧でさえゆったりしているが、それでも漆塗りの金属板を革で縫い合わせたものが付いており、その下には刺繍入りのチュニックが入り、さらに曲げた銀と丈夫な麻の兜を装備する。カジートが全身用戦闘鎧を装備するのは、最も悲惨な条件においてのみである。

武器に関して言えば、曲がった三日月刀、サーベルやナイフ、あるいは彼ら自身の鋭い爪の延長としての飛び出し短剣がある。時として、この爪の形状は儀式用の三又槍や長弓の矢、投げ槍の先端の形状に用いられる。

キス、愛しの母A Kiss, Sweet Mother

おや、闇の一党を召喚したいのか?誰かが死ぬのを見たいって?ならば、祈れ。夜母に願いが聞き届けられるように祈るんだ。

そして、最も背徳的な儀式——黒き聖餐を行わなければならない。

心臓、頭蓋骨、筋肉を含む本物の身体の部位を使って犠牲となる人物を模した人形を作るんだ。そしてその人形をロウソクで囲む。

これで儀式は始まる。次にベラドンナの花弁で擦った短剣を使って人形を繰り返し刺しながら次の言葉を唱える。

「愛しの母、愛しの母、あなたの子供を私の元へ届けてください。卑しい者の罪を血と恐怖をもって清めなければならないのです」

そして待つのだ。常闇の父なるシシスは辛抱強き者に報いる。お前の元に闇の一党を代表する者達がやって来るだろう。そうして血で結ばれた契約が始まる。

グリーンパクト・ボズマー:観察Green Pact Bosmer: Observations

ディニクサス・プレシス 著

著者は自身が観察したヴァレンウッドの奥深くに住むウッドエルフと、ニルンの反対側に住むウッドエルフについての詳しい違いを簡潔に説明したく思う。ここで記録された観察は彼らが「古き習わし」と呼ぶものに拘る野生のボズマーについて詳細を説明するものであり、一般の社会に適合したウッドエルフにはあてはまらない。

ヴァレンウッドの奥のウッドエルフ、もしくは彼ら自身が称する「グリーンパクト・ボズマー」は、グリーンパクトに熱狂的な信仰を捧げる者とされている。彼らは戦闘で倒した敵を含む肉のみ口にし、住処とする森を害する者を攻撃する。

それでも彼らを「野蛮なもの」としてしまうのは間違いである。実際彼らは実に知的で好奇心を持ち、理性的である。豊かな文化を持ち森に帰属し、精神的な指導者、語り部、「紡ぎ手」を持っている。

戦闘では極めて獰猛だが、刺激しなければ攻撃せず、よそ者には実に親切だ。自然界から恐れと尊敬を交えつつもヒントを得て、教養があり、緑がパクトを冒涜する者と対決する怒りの復讐のような物語を伝えてきたのは間違いない。

実際早くよりパクトのボズマーは、パクトを冒涜するボズマーが落ちる地獄のようなものであるウーズを信じるよう育てられ、危害を加えるボズマーのクランにすべての野生の力を浴びせるという、緑のさらに恐ろしい話を聞いている。

グリーンレディたちLadies of Green

シランティレ 著

ウッドエルフは基本的に秘密主義で隠遁生活を好むが、私は彼らが外部の人間から意図的に隠れて暮らしているわけではないと考える。例えば世代毎に新たなリーダーを選ぶという慣行について取り上げてみる。ウッドエルフがどのように「グリーンレディ」を選ぶのかを正しく知っている外部の人間はいないが、この地位、役割、称号についてはすぐに多くの事実を発見できた。

世代毎に——期間が定められていないためこれ自体が不明瞭な概念だが——すべてのウッドエルフの中から1人の若い女性が選ばれ、自らのアイデンティティを捨て去り、グリーンレディとなる。グリーンレディは、私が理解している通りだとすれば、ボズマーの凶暴性、力、そして純粋な身体的特徴の象徴だ。

これは彼女が戦争指導者、あるいは首領ということを意味するのだろうか。正しくはそうではない。確かにグリーンレディの力は戦闘に向けられることが多いが、彼女は民の身体能力や健康の顕現であると言ったほうが正しい。真の神やウッドエルフ自身に対して失礼かもしれないが、私はグリーンレディは神格化された神だと考える。それが適切な表現だろう。

クロウブリンガーCrow Bringer

クロウブリンガーはハグレイヴンの力を持っていると言われていた。彼は複数の恐ろしいカラスに変身し、一度に百方向から敵を攻撃することができた。光の力を持つ者によって彼のチャンピオンの座がすぐに奪われてしまったのは避けられないことだったのかもしれない。クロウブリンガーは変身して有徳のハグロフに襲い掛かったが、カラス達は眩しい光によって焼きつくされ、カラスがいた場所には硫黄の王冠しか残されていなかった。

王座を奪取した相手:隠されしアレリス

敗北した相手:有徳のハグロフ

セイラン、ルレニルズ・フォールの戦士長Ceyran, Warlord of Rulanyil’s Fall

セイランは第一紀中期の、下級のアイレイド戦士長だった。その長い人生の中で3つの同盟を作って失ったことで最もよく知られている。シロディールのアイレイド粛清の影響を受けて難民として逃れてきたのか、それともクランがヴァレンウッドに逃げてきた後に誕生したのかは分かっていない。モラグ・バルに傾倒していたと言われており、最終的には第一紀1102年、身元不明の暗殺者によって殺害された。

センチネル王家の系図The Royal Lineage of Sentinel

親愛なる読者よ。我々の慈悲深い王の血は最も気高い。祖先は上級王アルアザル、次にジャフルール王、そしてマカラ大公に遡る。マカラ大公はアンチフィロスのグランデヤ・ファネッシュと結婚し、そのため家に偉大なるジジーンのフィロシドの血がもたらされている。

ファハラジャード王陛下は、高潔なるマカラとファネッシュの唯一の子だった。ある時まだ若い王子であったファハラジャードはタネスの花、ザリファーを妻に迎え、彼女は3人の健康な子供を産んだ。残念ながらタネスの花は3人目の出産時に命を失い、ハンマーフェルのレッドガード全員が喪に服した。

とはいえ、陛下の輝かしい子孫は、サタカラームの宝石、長女マラヤ、そしてアルマンダインの星、次女ラカナ、さらにアンチフィロスの獅子、若き皇太子アザーが残っている。

ダガーの環The Ring of Daggers

軍団兵通信の真の著者、アエミリアヌス・ファルト 著

「ダガーの環」

あなたもその名がささやかれるのを耳にしたことがあるだろう。そしてその意味も知っているはずだ。堕落した役人達。原因不明の失踪。暗闇での殺人。

ダガーの環。密偵、侵入者、おとり。残虐な商人王、血塗れのエメリックの下で汚れ仕事をする死の商人。

あなたが住むこの街で。あなたの家の近所で。おそらくあなたが信用し、よく知っていると思っている人々の間でも。

だが実際のところ、あなたは隣人をどれほどよく知っているだろうか?彼はおじさんを訪ねてサタカラームに行ってきたという話だが…果たしてそれは本当の旅行先か?彼女の客間のあの新品の手結びの敷物…代金はカバナントの金で支払ったのか?酒場で彼と一緒に酒を飲んでいたブレトン…彼らはあんなにひそひそと何を話していたのだろう?

あなたの住む地域に、ダガーの環は入り込んでいるだろうか?はっきり答えられるのは、自分の隣人を十分把握している人だけだ。目に見えるものだけを信用し、説明できることだけを信じるのもいい。だがダガー達が、肩をすくめてよそ見しているあなた達に依存していることを忘れるな。彼らの破壊活動を見逃してはならない。さもないと、次はあなたが狙われるかも知れない!

何か疑わしいものを見聞きしたとき、行動を起こすかどうかはあなた次第だ。疑わしい行動は最寄りの帝国の占領当局に届け出てほしい。市民諸君、その後は我々が引き継ごう。

タムリエルのカリグラフィ、第七章Tamrielic Calligraphy, Chapter VII

ヴァレンウッドのインク

アリノールのアラーニャ 著

よく見逃される事実だが、インクの使用は書道家以上のことをする。管理された環境で、芸術家は正確に色と形を理解し、ページを越えて読み手に伝えられる。天気や気温のような外部の要素が、書道家が必要とするものを著しく変えてしまうことがあることは忘れられやすい。

例えば、深いヴァレンウッドの熱と湿気の中で、正式なアリノールの書道では一番広く使われている精巧な真夜中のインクは、単純に乾かない。紙を横向きにすると、ただちにインクがページを流れてしまう。穏やかなアリノールの気候では考えられないが、ちょっとした船の旅ではよくある。かわりに、地元では水の中でも乾くインクを使う。快適な書き物机がある書記には馬鹿馬鹿しいことだが、暴風雨の中でも緊急の書状を書く斥侯には非常に重要なことである。

ヴァレンウッドのインクのもうひとつの重要な進化は、多くの場合、暗闇でかすかに光るということである。このような性質はアリノールのような明るい街ではほとんど必要とされない。森の深い闇の中、読むための月の光がなくても微かに光るインクにより、重要な文書を正確に読むことができる。

最後の肝心な点として、インクはさまざまな表面にしっかり書くためによく使われている。高品質の羊皮紙は滅多に手に入らず、紙でさえも地元のボズマーの信条によっては手に入りにくいことがある。落ち葉や平らな石に書状を書くというのは、アリノールでは考えられない。森の深いところではよくあることで、その方が好まれることが多い。先に述べた精巧な真夜中のインクは、紙に書くには使う価値がないにもかかわらず、高く評価されている。多孔質の石に書いた場合、勢いよく振るまで、形は保たれる。

そのため、石とインクはかなり長い間使い回せる。インクがきちんと乾かないため、書かれた文字は数か月以上も長持ちする。このため、普及しているアリノールのインクは、ボズマーの間で非常に希少価値が高い。彼らの異なる環境によって、アルトマーの熟練の書記にすら知られていない、可能性が高いインクの性質を発見することになった。

引き続きタムリエル本土でインクの研究を続け、アリノールの書記にこの一連の章を提供していくつもりである。

タムリエルのチーズCheeses of Tamriel

料理長ギルバード・ラロッケ 著

あなたが私の同類なら、「チーズ」という言葉に心を揺さぶられるはずだ。家族や友人と一緒に食べた料理や、寒い冬にピッタリの料理、もしくは旅行中に木陰でつまむ簡単な食事のことが思い浮かぶのではないだろうか。あなたが考えているよりもチーズが遥かに奥深いものであるということを、私がこれから説明しようと思う。タムリエルを一緒に旅して、想像したこともないような様々な料理を発見しよう!

最初は簡単なものから始めよう。エイダールチーズ。スカイリムで人気があり、ノルドは暖かい串焼きと一緒にこれを食べる。彼らは私達ブレトンとは違い、洗練された料理は作らない。だがエイダールの芳醇な土の香りと滑らかな舌触りは様々なソースと相性がいい。鶏肉料理と一緒に食べたり、若いコレキュイバと合わせたりしてみてほしい。

スカイリム生まれのもっと風変わりな味を楽しみたかったら、マンモスのミルクから作ったチーズを探す必要がある。このチーズは巨人が作ったものであり、彼らからそれを奪うことのできる本当に勇敢なものだけが手にすることができる(そのとおり、巨人だ!それ以外にマンモスの乳搾りができる生物がいるとでも?)。だがその強壮効果と強い香りは、危険を冒すだけの価値はある。だんだん癖になる味だと言われているが、これを使った温かいシチューの完成度の高さにはあなたも舌を巻くはずだ。

ブレトン料理の習慣を守る者としては、これを本当のチーズとは呼ぶことはできないが、冒険好きのためにスカトルについて言及しておこう。この美味なごちそうは、驚かないでもらいたいが、モロウウィンド原産の甲虫の肉でできている。その材料や脂ぎった見た目を理由にしてスカトルを避けないでもらいたい。そのピリッとした複雑な味わいがダークエルフに愛されているのには正当な根拠があるのだ。

精の出るものが食べたければ、エルスウェアフォンデュを試すべきだ。この料理には様々なレシピがあるが、基本はいつも同じである。質の良いチーズと濃い目のブイヨン、そしてもちろんムーンシュガーだ。火は弱火に保ち、エールを入れすぎないように気を付ける。最高の瞬間は、自分好みの味付けを探しながら、チーズに食べ物を絡ませているときである。これは私からの助言だが、毎回加えるハーブを変えるようにしてみよう!

溶けると言えば、レッドガードのチーズだ。彼らは非常に奇抜なチーズを作る。彼らはその作り方を秘密にしており、外国の客人にそれを出して驚かすのが大好きである。シュリーキングチーズと呼ばれている。ある温度に達して溶け始めると、本当に叫び声を上げるのだ!鍋で香辛料の利いた肉を調理しているときに、このチーズを小さく切ったものをその上に乗せるというのが一般的な使い方である。チーズが叫び声を上げたら、準備完了!

その他の珍しいチーズといえば、もしそれを見つけられるぐらい幸運であればの話だが、この上ないほど芳醇なオルロイチーズというものもある。このチーズの素晴らしさを伝えるには、決して誇張しているわけではなく、その香りのためだけでも、数多くの挫折を味わい、数カ月間シロディールの南部を歩き回っただけの価値があったと言えば十分だろう。

ホールのチーズに、くさび形のチーズに、薄切のチーズのチーズ!たくさんあるが、これはまだ始まりだ。この世界にはまだ数多くのチーズがある。美味しいチーズを探すために長旅ができなくても、この説明を読んだことで、あなたが見つけたチーズを片っ端から試したくなるようになれば幸いである。

ドラゴンファイアについて(断章)Of the Dragonfires (Fragment)

…そしてアレ=エシュは言った。「我々はよこしまなエルフたちを倒したが、彼らがオブリビオンで我々を苦しませることを恐れています。彼らは私達を悲しみ嘆かせるため、これまでデイドラの王と取引してきました。我々は武器をとっては力強く戦えますが、偉大な悪魔たちは我々の力を超えています」

だがさらに続いた神の声はこう言う。「ニルンの定命の者のためにこうしよう。そなたはドラゴンボーンだから、そなたが引き継がなければならない。彼らがドラゴンファイアを燃やし続けるかぎり、悪魔の王は今の場に留まらなければならない。

アレ=エシュは感謝したが、まだ困っていた。「ならばもし私の家が途絶えたら?どうやって自分たちを守るんですか?」

すると世界が震えたが神の声は穏やかに言った。「そなたの人々が道を見つける。デイドラと違って定命の者は創造の輝きがあり、これまでにない新しい物を作るかもしれない。一つ防御があるところには、また…」

トリニマクの失墜The Fall of Trinimac

信仰なき者 著

マラキャスを本当に知るには、神の恩寵を失ったトリニマクと、その苦悶の混乱につながった事件の物語を思い出さねばならない。

神話紀の時代、アルドマーの反体制派は一般的に受け入れられていたサマーセット諸島の崇拝を捨て、若き預言者ヴェロスの教えに従い始めた。ボエシアは夢や幻視の中でヴェロスに話しかけ、定命の者は昇華し神になることができるという信条によって、アルドメリの新たな宗派を導くよう指導した。トリニマクの司祭たちはその新宗派を冒涜であるとして非難し、ヴェロスの教えを捨てなければ流刑にすると脅した。司祭らが採決を下そうとした時、トリニマクを飲み込んだボエシアが現れて、トリニマク本人の声で自分の教えが嘘であることを明らかにした。彼の暴露に面目をつぶされ打ちひしがれた司祭に満足したボエシアは、自分の不名誉を完結させるために、集まった者の前で自らトリニマクを解放したのだった。

トリニマクがどのように倒されたのかは不明だが、倒された後にボエシアによって食べられ、その腹の中で彼の霊魂は拷問されたと言われている。トリニマクの拷問に飽きると、ボエシアは牢獄から彼を解放し、息苦しい灰の世界へと追放した。この拷問と侮辱は、トリニマクの心を歪ませて激怒させた。トリニマクは消え、呪いの神マラキャスとして生まれ変わった。復讐に歪んだ彼の心により、彼の最も熱心な信徒は彼と調和するべく変わり、流浪にさまようように呪われた家なき種族、オーシマーとなった。

ニルンの霊魂Spirit of Nirn

ロルカーンは全ての定命者にとっての神、ニルンの霊魂である。しかし、これは全ての者が崇拝しているとか、知っているという意味ではない。エルフにとっては忌み嫌われる存在であり、創造は精神世界から彼らを切り離す行為だと考えられている。人間の多くには存在を告げる者として崇められている。定命者世界、ムンダスとも呼べるニルンの創造は、生きる者全てにとって精神的苦痛を生み出す源である。全ての魂は奥深くにおいて、自分達が別の場所から来た存在であり、ニルンは次に進むための厳しくも重要なステップだと認識している。では次とは何か?中には、元いた精神世界に戻りたいと望み、ロルカーンはその道を阻む邪悪なる者だと考える者もいる。彼らにとって、ニルンは監獄であり、抜け出すべき錯覚なのだ。また、ロルカーンは超越性を試す場としてこの世界を創ったという者もいる。その者達にとって、精神世界は既に監獄であり、真の脱出が可能な状態でもある。

ヌチュナクの火と信仰Nchunak’s Fire and Faith

ヌチュナク 著

この書は、カグレナクの理論を説明しながらドゥエマーの様々な植民地を旅したヌチュナクの報告書を翻訳したものである。

彼が代弁して語った人々の啓もうの状態がどうなっているか、私は調査してみた。カグレナクの理論に対する敬意があれば、近くにいる唯一の学者が人々を導いて、真の誤りへとつながる迷路を切り抜けて進んでくれると彼は答えた。

しかしカグレナクの教訓はケラカーで教わったものだと、彼は私に明かした。世界で最も博学な民であるケラカーのドゥエマーに会えたことが、これまでで一番うれしいことだと彼は言った。彼らはそこでカグレナクの言葉を勉強し、あの世での彼らの居場所について思いをはせていた。またそこでは、平面分割も、健忘症の計算法も、それ以外の実用性を持つあらゆるものも、自己の理解および心臓に対するその関係性以上に価値があるとされることはなかった。

私はこれを賛辞と受け止めるだけの礼儀正しさを持ち合わせていた。そして兜を脱いで、彼に感謝し、無限に続くお辞儀に送られてその場を後にした。

ノルド社会への忍耐Enduring Nord Society

ネヴィル・フレラン

本稿を書いた不幸な作者と同じように、もしあなたの家がノルドの「同盟」や「商売仲間」との定期的な付き合いを要求するなら、そしてそのことを不満に思っているなら…そんなあなたなら、彼らの社会的交流はダンマーの精緻かつ気品のある文化とはかけ離れていることがすぐ分かるだろう。彼らの習慣や行動に頻繁に触れる機会があったおかげで、ノルドからの肉体的な危害を避けることにおいて、私は専門家のような立場になった。私の知識が読者の皆様のお役に立てると幸いだ。

ノルドにとって侮辱とは必ずしも侮辱ではない。ノルドしかいない場での会話においては、普通なら相手を怒らせるような言葉(例えば「この老いぼれホーカーのケツめ」など)も実は愛情表現なのかも知れない。しかし話題になっているノルドのことをよく知らない場合は、そのような汚い言葉を使うのは避けた方がよい。また、ノルドの力、勇気、名誉をどんな言葉であれ侮辱すると、侮辱されたノルドはむきになって自身を証明しようとするので、必ずと言っていいほど暴力沙汰になることも覚えておいてほしい。

一杯勧められたら決して断わってはいけない。ハチミツ酒を6杯も7杯も飲まされる事態に備えて、テーブルの下にこっそり捨てる技術を身につけておくべきだ(テーブルの下にはすでに捨てられた酒の海ができているので、誰も気づかない)。勧められた酒を断わると、それは弱さを認めたことになり、ただでさえ一緒に働くのが嫌な仕事仲間からさらに仲間外れにされる羽目になる。

最後にもう1つ、言葉遣いはできるだけ単純明快にすること。ノルドは馬鹿馬鹿しい話が好きだが、込み入った会話は得意ではないし、難しい言葉を使う者に対して疑念を抱く。そうなるとノルドは危険だ。突然感情を爆発させて叫んだり、「わざとややこしいことを言って俺を騙す気だな」とあなたを責め立てるかも知れない。単純明快に話せば怪我をしないで済む。

それでは幸運を祈る。ここに書いた忠告は柄の悪い人間と付き合う際にも役に立つだろう。

バーンダリのやり方The Way of the Baandari

バーンダリの他の子供を中傷するな。

取引では常に気を配れ。

贈り物は必ず返せ。

公平な取引は金でなくても成立する。

真実と賢さは必ずしも敵ではない。

失ったものを見つけ、見つけたものを取引し、意味のないことは無視しろ。

バーンダリ行商人組合の脅威Threat of the Baandari Pedlars

サタカラームの大司祭ズラドル 著

誠実な人よ、今週の私の説諭は長くも比喩でもなく警告だった。すべての真のレッドガードに、門の外に群がり自らをバーンダリ行商人と呼ぶ盗人と異教徒で邪悪な猫の種族の策略に気づかせるための警告だ。

うろついている野獣のような者たちが盗み、詐欺、ごまかしを働くために商人を装っていることは前からわかっていた。ではなぜ執政官は街の門前に野営を許しているのか?なぜ追放しないのか?

明らかに他の力が働いている。神を冒涜する異端者の力だ。この生き物に庇護を与えるのがどんな愚行であり、悪徳と背徳に寛容な権力者がどれだけ無知であるか、どう説明しよう。

「でもどうしてわかるのだ、ああズラドルよ」あなたは問うかもしれない。「この真実をどのようにして知ったのだ」

では聞こう。誰かがくしゃみをしたらなんと言う?「トゥワッカの祝福を」だ。そうだろう。なぜだ?古の文書にあるように、くしゃみは邪悪な霊がいることを示しているからだ。

私のような多くの信心深い者が、猫のような人間と会うとどうなるか?くしゃみをする、目に涙がたまり、またくしゃみがでる。

気をつけろ、トゥワッカの警告に耳を傾けるのだ。バーンダリは人間の姿をした邪悪な霊魂だ。つきあいをやめ、野営地を避け、家に持ってくる穢れた商品で苦しまないようにするのだ。

バーンダリ行商人組合の掟Code of the Baandari Pedlars

ロードのセムシル・ダール 著

街の者があなたを盗人、ペテン師、不名誉なる者と呼ぶ時は耳を傾けるな。そうした人々は無知で狭量で、自分の街の境界線の先のことは何も知らない。真の不名誉だ!生きていく上での行動規範を持つ者は不名誉ではない。それはバーンダリにも当てはまる。

だから我々の規範、バーンダリに従いなさい、さもなければ私たちから追放される。規範を破り、追放猫になる者は同情されるかもしれないが、私たちの中では再び認められない。私たち自身を信頼できなければ、世界がどうして私たちを信頼してくれよう?

私たちが拠って立つバーンダリの掟は成文と慣習の両方から成る。慣習が成文化されることはないかもしれない。成文化が可能ならどうして慣習なのだろう?だが成文は以下の通りだ。

財貨入手の掟:対象物が緩んで何も入っていないことがある。ポケットや引き出し、手の中から落ちることが。こうした物は破棄されたものと見なし、合法的に入手される。明らかにきちんと保管されたかどうかを誰も気にしていないものだからだ。バーンダリでは、こうして捨てられたものを入手するのは合法であり推奨される。バーンダリは倹約家で無駄を嘆くからである

預言の掟:街の住人はこれから先に起こる出来事に関する助言や預言の見返りに、バーンダリに対して金銭を支払うことがある。この取引では、顧客が聞いて最も嬉しいことを語らなければならない。不親切な言葉や望まない言葉で顧客の感情を害するのは深刻なマナー違反だからだ。こうした違反を防ぐために、バーンダリは地元の宿屋や食堂で鋭い耳を持ち、時を過ごすのがふさわしいと考え推奨する。そうすれば確実に、地元の顧客が最も喜ぶ可能性のある助言を行える

保証の掟:本物のバーンダリは素晴らしい商品しか売らない。街の住人は最高級品しか買いたがらないからだ。素晴らしい新しい買い物に大金を使って貰えるほど自慢できることはない。バーンダリは何よりも顧客に大きな値引きをして、最高品質の品を手に入れたと自慢して貰いたがっている。だから顧客には商品の由来、珍しさ、好ましさについて、最高の保証をつけて提供することがふさわしく推奨される。

これがバーンダリの掟の成文である。これらの掟はすべての場合に厳格に適用され、議論の余地はない。ただし、もちろん慣習等に覆されるときは除く。

ハグ、ハーピー、ハグレイヴンHags, Harpies, and Hagravens

サタカラームの歌姫、ベールをとったアザディエ 著

そして私は大聖堂のたいそう立派なズラドル大司祭による説教を聞いた。彼は誘惑する女シャクハリの物語とジェゼレ女王の罪を引用しながら、女であることと、その生来の悪を痛烈に非難した。「ハグ、ハーピー、ハグレイヴンのことを考えなさい」彼は言った。「どの怪物も女だ。だから邪なのでしょう?」

「司祭が女を好まぬだけのように思える。どうして?」私はそう思った。

どうして?それにもし女が邪悪なら、彼はどのようにして当然の結果として暗示している、男の美徳を見つけるのだろう。卑しく13人の妻を取り換えたクワリズム大公は男ではなかったか?恐ろしい丘のオーガや山の巨人はいつも男ではなかったか?伝説のミノタウロスをごらんなさい。あれも男性ではないの?

神を惑わす者、セプは男ではなかった?

たいそう立派なズラドル大司祭にこの考えをぶちまけたけれど、彼は恥じず、私を慎みがなくでしゃばっていると決めつけた。「ええ、そうでしょうね」私は言った。「あえて言わせてもらいましょう」。そして私はベールを取り、服を脱いで言った。「あなたが邪だと恐れるものはこれでしょうか。神聖なる司祭よ」

司祭は震えて汗を流し、欲深く震える指を伸ばした。でも私は笑ってそれをはねのけ、衣服を元のようにまとった。そして言った。「ああ司祭よ、考えてごらんなさい、真の女はそれを敬わないものには何も与えないのです」

私はこのようにして大司祭に説教したのだ。

ヒストの神話と伝説Myths and Legends of the Hist

シランティレ 著

潰瘍やグリーンスポア、その他のより激しい衰弱を伴う病気を厭わない者たちは、高位の種族によって地図に記されていないブラック・マーシュの区域に分け入っていくかもしれない。沼の腐敗やニクバエの噛み傷、そして叫び声をあげ歯を打ち鳴らし、あるいは単に暗がりに横たわり、あなたの手足に齧りつく機会を待っている見えない生物たちの止むことのないわずらわしさに耐えられる少数の者は、沼の最奥に到達できる。インペリアルの探検家で最も頑強な、これ以上勇気を証明する必要もないほどの発見をなした者であれば、ヒストの樹を目にすることができるかもしれない。

噂によればヒストの樹は、この暗い沼地の鱗を持つ民の間での、主要な崇拝の形態であるという。一部の者の仮説によるとこの木は知覚能力を持ち、深い知識と、人間とエルフのあらゆる種族以前の時代に遡る計り知れない秘密を持っているという。近年発見されたダンマーの文書の大まかな翻訳は、アルゴニアンの間で行われる儀式の存在を示しているようだ。しかしこれとても、事実よりは伝説に近い。

サクスリールは未熟状態を脱した時、近くにヒストの樹を見出し、その幹から樹液を吸ったと言われている。樹液に含まれる成分はホルモン分泌を加速させ、それはアルゴニアンの性別を決定する器官を成長させる。そのすぐ後に適切な相手が見つかり、交配が行われる。雌は間もなく1つかそれ以上の卵を産み、それは熟成と孵化の場である孵化槽へと運ばれる。

最近行われた、ブラック・マーシュ中央部のインペリアルによる探検が不完全に終わったこと(埋葬地はコルニクス・ケパリウスが提供した地図に記されていた)、また甘言を弄したにもかかわらず地元住民がこの寓話的な木の謎について話すことに積極的でなかったため、我々のヒストの樹についての知識は、驚くほどわずかなものに留まっている。

インペリアル城庭園の主任園芸家ティチュリニア・ペティリアは、もし発見された場合、この木から得られる樹液や種の扱いと回収には細心の注意を払うよう要請している。我々の薬剤師たちにとって大きな利益をもたらすかもしれないからである。

フェリアン・ダークストームFerian Darkstorm

消極的なフェリアンとしても知られているフェリアン・ダークストームは、瞬く間にチャンピオンの地位を奪われることになった。王座に就いたことで熱意を失い、満足してしまったためだと言われている。また、痛烈な批判を受けた時にしか戦わなかったことでも知られている。彼が王冠を守ることに無頓着だったことが原因で、剣闘士の反乱が引き起こされると、ついにはフェルホーンという名の優れた剣闘士がクランを率いてアリーナに姿を現れ、フェリアンが引っ張り出された。フェリアンは、怒った剣闘士達から自分と守衛を守るために最後には戦いに応じるが、最終的にはフェルホーンの剣に屈した。

王座を奪取した相手:ホワイトベア

敗北した相手:フェルホーン

フェルホーンFelhorn

フェルホーンは、剣闘士の反乱として知られる、血みどろの反乱で硫黄の王冠を手に入れた。彼は軍隊を率いてアリーナに入ると、現王者のフェリアン・ダークストームに決闘を申し込んだ。フェリアンが仕方なくこれに同意すると、歴史に残るような戦いを繰り広げたのち、前王者はフェルホーンの魔法の剣で真っ二つにされた。フェルホーンはこの薄氷の勝利を期に自分を見つめ直し、軍を解体して聖なるるつぼのチャンピオンとなった。マラキャスのために、アリーナの中に偉大な記念碑を建てたのは彼である。

王座を奪取した相手:フェリアン・ダークストーム

敗北した相手:偉大なサナレル

ブラジックの頭Head of Brazzefk

ブラジックはかつて名を馳せたドゥエマーの錬金術師だった。彼は不死に関する研究を行い、ついには自身を欠点の多い肉の体から解放して、石の生きた巨人に変えられる薬を作り出したと言われている。その薬の効果は抜群で、彼の体は石に変わり不死となったが、動けなくなってしまった。

これはブラジックの頭だろうか?彼には回りが見えているのだろうか?私達には想像することしかできない。

ペリナルの歌 第1巻The Song of Pelinal, Volume 1

その名について

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれ、同じ文書からの断章という可能性もあるものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

彼の名前「ペリナル」はまことに驚くべきであり、奇妙である。多くの異名は後についたものにすぎない。それはエルフの名であるが、ペリナルはエルフに災いをもたらすものであり、その名はエルフにとって皮肉というよりも残酷であった。若い時分から、ペリナルは白髪をたなびかせ暴れまわった。敵であるエルフたちが彼らの言葉で彼をペリナルと呼んだのだろうか、しかし、その名がエルフの言葉で「栄光の騎士」を表していて、もちろん彼がそのような存在ではなかったことを考えると、そうとは考えにくい。彼がタムリエルにいた頃、他のものたちは多くの異名をペリナルの名に加えて呼んだ。彼は、光り輝く左手で敵を討つペリナル・ホワイトストレークであり、血(を飲ん)で勝利を祝うペリナル・ブラッディであり、聖戦士たちを立ち上がらせたペリナル・インサージェントであり、兵士がその旗印を見て八大神に感謝を捧げる、勝利の化身ペリナル・トライアンフであり、彼の剣一本に頼る戦略について来られない味方を叱責するペリナル・ブレイマーであった。また彼はペリナル・サードとも呼ばれたが、これについては彼が三度蘇った神の化身であるからとも、彼が反乱に加わる以前、聖アレッシアとも呼ばれるペリフが自由への祈りの中で見た3番目の幻影が彼の姿だったためともいわれている。

ペリナルの歌 第2巻The Song of Pelinal, Volume 2

その訪れ

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

(そして)ペリフは天を仰ぎ、神々の使いに語りかけた。天はエルフが地上を支配し始めてから、その慈悲を失っているように見えた。ペリフは、命に限りある人間であった。彼女の同胞である人間の、弱さの中の強さや謙虚は神々の深く愛するところであり、人間が、最後にある死を知りながら命を燃やす姿は神々の憐みを誘っていた(向こう見ずに魂を燃やす者たちが竜の一族に好かれるのと同じ理由である)。そして、彼女は神々の使いに語りかけた: 「そして、私はこの思いに名前をつけ、それを自由と呼びました。失われし者シェザールの、別の名前だと思います…(あなたは)彼が失われたとき、最初の雨を降らせました。(そして)私は今、彼に起こったのと同じことが邪な支配者たちに起こるよう願います。彼らを打ち破り、彼らのした残虐な仕打ちの代償を支払わせ、トパルの地へ追いやり(たいのです)。あなたの息子、あの強く、荒ぶる、猛牛の角と翼を持つあのモリハウスをもう一度地上につかわし、私たちの怒りを晴らさせてください」…(そしてその時)カイネはペリフに新しい印を与えた。それはエルフの血で赤く染まったダイヤモンドで、その面は(なくなり、形を変え)一人の男となってペリフの縛めを取り払った。その男は「星の騎士」(を意味する)ペリナルと名乗り、(そして彼は)(未来の)武具を身に付けていた。そして彼はシロドの密林へと分け入り、そこにいるものを殺した。モリハウスはペリナルの出現に喜び、地上に降りてペリナルに寄り添った。(それからペリナルは)ペリフの率いる反乱軍の陣地に戻り、自分の剣と戦棍に刺さったエルフのはらわた、首、羽、アイレイドの印である魔玉などを見せた。血で固まったそれらを掲げたペリナルは言った「エルフの東の長だったものだが、こうなっては名乗ることもできまい」と。

ペリナルの歌 第3巻The Song of Pelinal, Volume 3

その敵

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

ペリナル・ホワイトストレークは当時のシロドに住む全てのエルフの敵であった。しかし、彼はアイレイドの妖術師の王たちを、戦争ではなく、主に彼自身が決闘をして倒していた。反乱はパラヴァニアの軍隊と彼が甥と呼んだ雄牛モーハスに任せていた。ペリナルは銅と茶のハロミアをトールでの決闘に呼び出し、彼の頚動脈を噛み切ってレマンを称える雄たけびを上げた。レマンという名は、当時誰にも知られていなかった。形作るものゴードハーの首は山羊の顔を模したニネンダーヴァの祭壇に落とされ、ウェルキンドの魔力によって悪が蘇らないよう、ペリナルは賢明にも呪文によって彼らを封印した。その同じ季節のうちに、ペリナルはセヤ・タールの御影石の階段でハドフールを倒した。火の王の槍兵が初めて破られた戦いであった。その当時、アイレイドの武器でペリナルの防具を貫けるものは何一つ無かった。ペリナルはその防具が人間の作ったものでないことは認めても、それ以上のことはどんなに請われても語らなかった。ペリナルが初めて憤怒に我を忘れたのは、彼が農奴から重装歩兵にまで育てあげ、非常にかわいがっていたフーナが、シンガーのセレスレルのくちばしから作られた矢じりで殺されたときであった。彼はナルレミーからセレディールまで全てのものを破壊しながら進み、これらの土地をエルフと人間の地図の上から消してしまった。ペリフは神々にいけにえを捧げ、この行いに怒って地上を去らないよう祈らなければならなかった。そして、その後、白金の強襲が起こった。アイレイドたちがメリディアのオーロランたちと協定を結んで彼らを呼び出し、金色の半エルフ、羽なしのウマリルを彼らの味方の闘士にしたのである。そして、地上に現れて初めて、ペリナルは決闘に呼び出される側になった。アダの血をひくウマリルは不死身であり、恐れを知らなかった。

ペリナルの歌 第4巻The Song of Pelinal, Volume 4

その功績

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

(ペリナルは)妖術師の軍隊をニベンより追い払い、東の土地全てをパラヴァニアの反乱軍のものにした。カイネは人間たちがそこで進軍のための陣をはれるよう、雨を降らせて村やアイレイドの旗が降ろされた砦から血を洗い流さなければならなかった。(それから)ペリナルはヴァータシェの扉を壊し囚人たちを解き放った。このとき、モリハウスに乗った奴隷の女王が頭上を飛び、人間たちは彼女を初めてアレ=エシュと呼んだ。彼はまた…の門を抜け、その夜アイレイドに盗まれたセドール(今では誰も知らないが、当時は名高い部族であった)の千の精鋭の手を取り戻した。二千の手を魔族の骨で作られた荷車に載せると、荷車は女の悲痛な叫びのような音をたててきしんだ。…(文章欠落)…クリーズ族の北方における勢力を強化した最初の大虐殺(の後)、彼は白い髪をエルフの血で茶色く染めてヘルドン橋に立ち、ペリフの鷹匠に導かれてきたノルドたちはその姿を見てショールの再来と恐れおののいたが、ペリナルはその名前を冒涜するかわりに彼らの足元に唾を吐きかけた。それでもとにかくペリナルは彼らを率いて西の内陸へ進み、アイレイド達を白金の塔の方角へと追い詰めていった。アイレイド達は突然自由になった人間たちの勢いと、この激しさがどこからもたらされたものなのかを理解できぬまま後退を余儀なくされていた。ペリナルは、ウマリルが反逆者の進軍を止めようと放つサンダーナックを戦棍で砕き、「カイネの息」モリハウスがくちばしの矢の一斉射撃で傷ついたときは、彼を賢しきツアサス(ケプトゥの名を持つガネード)のもとまで運び治療させた。スキフ評議会において、パラヴァニアの兵士やノルドたちが白金の強襲に怯え、アレ=エシュすらもが決闘の延期を勧める中、ペリナルは激高し、考えなしに突き動かされてウマリルを罵り、まわりの臆病者たちを罵り、一人で白金の塔へ赴いた。

ペリナルの歌 第5巻The Song of Pelinal, Volume 5

モリハウスへの愛情

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

モリハウスがカイネの息子であることは厳然たる事実である。しかし、ペリナルがシェザリンであるかどうかについては語らないほうがいいだろう(あるとき、短剣使いのプロンチヌがそれを言って、その夜蛾を喉につまらせて死んだ)。しかし、モリハウスとペリナルが互いを家族と呼び合ったことはよく知られている。モリハウスが弟分であり、ペリナルは彼を甥と呼んでかわいがった。しかし、これらは単に神々に近い不死身の彼らの気まぐれな遊びだったのかもしれない。ペリナルは、戦いに関してはモリハウスに助言などしなかった。この半牛人は素晴らしい戦いぶりを見せていたし、兵をうまく導き、憤怒に身を任せることもなかったからだ。しかしホワイトストレークは、モリハウスがペリフに対して募らせていた愛にだけは警告を与えた。「モール、俺たちはアダだ。愛によって何かを変えなくてはならない。さらなる怪物をこの地上に生み落とさないように気をつけろ。お前が思いとどまらなければ、彼女はお前を愛するようになり、お前のせいでシロドはその姿を変えてしまうぞ」これを聞いたモリハウスは彼の雄牛のような姿を恥じ、彼がパラヴァニアにとって醜すぎるのではないかといつも思い悩んでいた。ペリフが彼の服を脱ぐのを手伝ってくれる時などは特にそうだった。ある夜、彼は小月神の月の光に鼻輪を光らせ、鼻を鳴らして言った。「彼女はまるでこの鼻輪の光のようだ。ときどき気まぐれに光り輝くが、夜にこうして頭を動かせばいつでもそこに見ることができる。そして、俺は決して手に入れられないものを知るのだ」

ペリナルの歌 第6巻The Song of Pelinal, Volume 6

その憤怒

(編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝国蔵書庫所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける)

(そして)彼はパドメイのように、シシスによってこの世界に生まれ、この世を変える力を与えられていたと言われる。ニューテードのフィフドのように、あるものは、ペリナルの星の防具に隠された胸はぽっかりと開いてその中に心臓はなく、ダイヤモンドの形をした赤い憤怒が粗暴なドラゴンのように吼えているだけだという。これは、彼が神話の再現者であることの証であるという。彼が歩を進めたところは思い通りに形作られたともいわれる。ペリナル自身はこれらの言説を気にかけず、神の論理を唱える者は全て殺した。しかし、美しきペリフだけは例外であった。ペリナルは彼女について「話すより前に行動する。実行を伴わない言葉は死んだ目撃者のようなものだ」と言った。兵士たちが彼がそう言い放ったのを聞いて呆然としているうちに、彼は笑って剣を抜き、カイネの雨の中へ飛び出して行った。そして彼は捕虜のアイレイドたちを虐殺し、「おお、神よ、これが俺たちの憤怒だ!お前たちを見る俺を見ているお前たちが見えるぞ!俺たちが作ったウマリルは、俺たちを呼び覚ました!」と叫んだ。(そして、そういった)怒りに任せた気まぐれを行うとき、ペリナルは憤怒に我を忘れるのだった。そうなったとき、彼が通った後の土地は神の力を持つ彼の狂暴によって全て滅ぼされ、憤怒の後の虚無がやってくるまでその状態は続くのだった。アレッシアは神々に祈り助けを求めねばならず、神々は心を一つにして救いの手を差し伸べ、ホワイトストレークに殺しの願望を忘れさせ、地上のもの全てを破壊することをやめさせた。ギー族のガリドはかつて、そうしたペリナルの憤怒を遠くから目の当たりにしたが、その後、ペリナルが落ち着いたころにともに酒を飲む機会を得、憤怒に身を任せているあいだはどんな気分なのかと尋ねた。ペリナルは簡潔に答えて言った、「見るもののいない夢のようなものだ」と。

ペリナルの歌 第7巻The Song of Pelinal, Volume 7

ウマリルとの戦い、そして切断

(編者注:この断片はカヌルス湖にあるアレッシア教団の修道院の廃墟から見つかった写本を元にしている。第一紀2321年の正義戦争の前のどこかに書かれたと思われる。しかし、文章の解析によればこの断片には歌のかなり初期のバージョンが含まれていて、600年代中頃のものと思われる)

(そして)ウマリルの軍勢(との数々の戦いの末)オーロランの死体が玉座を取り巻くろうそくのように横たわり、ペリナルはアイレイド最後の妖術師の王たちと、重厚なヴェーリアンスで武装した彼らの魔族たちに取り囲まれていた。ホワイトストレークが彼の戦棍で床を突くと、その音に敵はひるんだ。彼は「俺を呼び出したウマリルをつれてこい!」と言った…(しかし)一方、力強さをたたえた顔つきの、邪悪で不死身の金色のウマリルは、接近戦よりも遠いところからの狙い撃ちが好きだったので、白金の塔の陰に長くとどまっていた。さらに多くの兵士たちがペリナルのもとへ送り込まれては死んでいった。彼らはウマリルが(最初の戦いの時から)ため込んでいた長いヴァーリアンスで強化した斧や矢でペリナルの防具を貫くのがやっとだった。(やがて)このハーフエルフは(メリディアの光に包まれて)姿を現し…彼のアイレイドの血筋を語り、その父、(前のカルパの)世界河の神について語った。そして、ついに流血し荒い息をつくペリナルを見て喜んだ…(文章欠落)…(そして)今やウマリルは地に倒れ、その兜についた天使の顔はへこんで醜く歪んだ。ペリナルはそれを見て笑った。。ウマリルの羽のない翼は(いらだつ)ペリナルの剣によって切り落とされた…ペリナルはウマリルの祖先を侮辱し、全ての旧エルノフェイから渡ってきた者たちを罵った。(このことを聞いて)エルフの王たちは怒り、憤怒に我を忘れた…(そして彼らは)ペリナルに襲いかかり、彼らの(頼りの)武器をふるい…ペリナルの体を八つ裂きにした。混乱し雄たけびをあげる(ペリナルの声は)スキフ評議会にすら(聞こえた)…(文章欠落)
…は(次の朝)モリハウスが角で塔全体を揺らしている時に逃げた。あるものは大量虐殺のさなか興奮状態にあり、人間たちは全てのアイレイドを殺そうと待ちかまえていたが、逃げ出した王たちや魔族たちを救おうとするものは全てペリナルに殺された後だった…王たちが彼らのやったことを証明するために残しておいたホワイトストレークの頭部はモリハウスが見つけた。彼らは会話を交わし、ペリナルは後悔を口にした…しかし、反乱軍の者たちはすでに引き返しており、これを聞く者は誰もいなかった…そして、不死身の彼らは(その後もさらに)話しこんだが、パラヴァントでさえもそれを聞こうとはしなかっただろう。

ペリナルの歌 第8巻The Song of Pelinal, Volume 8

啓示とアレ=エシュの死

(編者注:これは最も古く最も断片的なペリナルの文章である。しかし、これは元々話されたか歌われた「歌」の原型に最も忠実なものと思われる。従って、短さにも関わらず価値がある。奇妙なことに、アレッシア崩壊の際にペリナルは居合わせたようだ。伝説ではウマリルによって、アレッシア崩壊の数年前に死亡している。一部の学者はこの断片がペリナルの歌の一部ではないと考えているが、ほとんどの学者はこれが本物だと考えている。しかし、重要性については多くの議論がある)

「…そして、私の半身とともに力を集めさせたのだ、その半身はその死すべきものの観念に光を与えた。それは(神々の)喜び、それは自由、天にもその本当の意味は知られていない(だからこそ)父なる…(文章欠落)…協定より以前、最初の(日々?精霊?渦巻き?)…の中でこの世の憤怒を模して。(我々は)今あなたをつれてゆく。我々の本当の顔を(見せて)やろう…(それらは)時がくるたびに失われた記憶の中で互いに食らい合う」

ペリナルの歌 第10巻The Song of Pelinal, Volume 10

水の思考者による記憶の覚え書き

(編集者によるメモ:9巻~12巻は帝国蔵書庫にある、学者たちにシロドの推移補遺と呼ばれる無題の文書から取られている。古文書の断片から成っていて、レマンの原稿をまとめた学者によって収集されたようだ。断章の原典は学会の論争の議論の対象だが、いまだ由来や日付について合意は得られていない)

「見てごらん」とベルハルザが言った。「パラヴァニクが光って(消えて)いるところをよく見るんだ。夜明けの星のように消えていく。それから…ペリン・エル、彼のことを知ってるのが全員虫の餌だって覚えてる?」。それから水の思考者たちは囁き声で話した。ホワイトストレークの承認(のできごと)はヘカトゥーム橋(のちのヘルドンズ)の赤い週だった。なぜなら前後に赤い川が流れる時、それはフルクラムだ。当時の民はそれを年央の騒乱と呼んでいたが、月に従えばそれは南中の月のことで、コンヴァレント除草剤が(第六の?)謎で難問に言及していた。「なぜエルフは年央を夏中に引き伸ばし、ネードの仕事を40+17日間中断も休息もなしにやったのか。ペリナルは肩をすくめて声を上げた。もし暦がエルフのものなら、俺はそれをバラバラにしてやると。その飢えにより月が割れたのだろうか…それとも(日々が?)ただ先の岸に流されたのだろうか?」

ホワイトベアWhitebear

ホワイトベアは、主にノルドで構成されていた最初の剣闘士クラン、ベアー・クランを創設した。これ以降、他の名のある剣闘士達も自らクランを立ち上げるようになり、組織されたクラン同士の戦闘という習慣が生まれるようになった。奇妙なことだが、訓練と寝食を共にしているにも関わらず、アリーナで同クラン対決になると普段よりも激しい戦いになり、情け容赦のない内容に発展することがままある。これが聖なるるつぼの剣闘士達の聖なる伝統なのである。

王座を奪取した相手:屈強なルシウス

敗北した相手:フェリアン・ダークストーム

ホワイトベア・クランClan of the White Bear

ホワイトベアの10の信念。

1.他者を支配するのは力である。自分を支配するのは本当の力である。

2.複数の武器を習得し、相手に使用する武器を悟られないようにする。

3.本番で訓練と同じ力が出せるように、訓練は本番を想定して行わなければならない。

4.痛みは一瞬。敗北は永遠。

5.混乱の最中はチャンスを探せ。

6.敵以上に己の弱点を知れ。

7.本当の勇気は恐れを克服することであり、恐れないことではない。

8.計画は無意味。計画することは不可欠。

9.一撃で木を倒すことはできない。それは戦いでも同じだ。

10.死を恐れるよりも名誉を重んじろ。

マケラ・レキの記憶石、第1部Memory Stone of Makela Leki, Pt. 1

これはバンコライ峠で発見されたマケラ・レキの記憶の石に記録された、第一紀973年のものと推定される思考を忠実に再現したものである。ダガーフォールとセンチネル、そしてダイアグナ騎士団の協力によってオルシニウムが陥落する7年前のことだ。

この再現のほぼすべては一人称で語られている。マケラは自身を記憶の石に記録する時の外交儀礼や学問的形式などには縁がなかったためである。それにもかかわらず、彼女の英雄的態度と勇敢な行いは生き続け、石に新鮮な形で残された彼女の記憶は、誰にでも聞き、感じられる。

「…むうー、あー、これって本当にうまくいくのかな?

もしだめだったら、あの魔術師は25000ゴールドも私から盗んだってことじゃない。信じられる?この石が私の考えを記録するだって?あいつらは何て言ってたっけ?銀紙を剥がして、革の袋を取って、体に触れればすぐに記録が開始される。

あああ、痛い。我慢しなきゃ。このまま痛い痛いって言うのを記録してたら、誰もこの石を持って私の考えを聞いたりしてくれない。戦いの美徳の間で受けた訓練に感謝しなきゃ。こんな痛みなんか我慢できるんだから。うーん、ちょっと、あ、ほら、もう大丈夫。

まあ、それでもまだ意識の向こう側で、痛みが飢えた狼みたいに潜んでいるのが見える。遠からず私を食い尽くしてしまう狼ね。それからこの忌々しい傷が原因の、避けられない死も見える。もう薬はないし、回復のクリスタルと指輪は使っちゃったし、私にはロウソクを灯すほどの魔力もない。ああ、でも神々は私に他の才能をくれた。ソードシンガーとしての才能、戦いの喜び、フランダー・フンディングの円環の書、そして「剣の道」。あ、でもそうだ、それが私の物語だ。先に進みすぎちゃった。

私はマケラ・レキ。戦士であり、ソードシンガーであり、第2級のアンセイ。揺り籠の中にいた時から、私は霊剣シェハイを作れた。謎の刃よ。私のは純粋な思考で形成され、蛇が薔薇の蔓と絡み合って刃を作っていた。その美しさは…

ああ、でも私はそのことも含めて全て話しましょう。私の物語を。勇ましい戦い、恋、戦争、裏切り、そして栄光に満ちた最後の勝利の物語を。私がどうやってこの遠く離れた寂しい峠にやって来て、5人の仲間と一緒に人間や魔物と戦い、夜の臆病者みたいに私の民に襲いかかろうとしていた軍を撃破したか…でも、また先に進みすぎたみたいね。

私はただの戦士よ。霊剣の乙女として育った。思い出せる限り、私は物心ついた頃からシンガーになりたいと思っていた。自分の手にある刀剣の飢えを感じ、それが命を持って私の敵を倒すのを感じたかった。私たちの民は大昔、砂漠の故郷では職人と詩人だったと言い聞かされた。今はハンマーフェルという名で知られているこの新しい故郷では、私たちの多くがそうした昔の道に戻っている。でも私にとって、道は一つしかなかった。それは「剣の道」。

ああ、何て言ったらいいかわからないわ。私は貴族の家庭で育った。3人の兄弟と2人の姉妹のうち、剣の歌の呼び声を感じたのは私一人だった。父は理解してくれた。彼もまた呼び声を感じた人だったから。彼は私たちの土地に落ち着いて家庭を築くずっと前に、師範になり、アンセイになった。11歳の時、私は戦いの美徳の間に入り、霊剣の乙女に加わった。私のチームは6人だった。優しいジュリア、頼れるパティア、大柄なカティ、細くておしゃれなセギラ、頭のいいゼル、そして私…みんなもういない。私一人を除いて。そして私も、もうすぐみんなの仲間入りだ…見知らぬ戦の神の殿堂で会うでしょう。

私たちは共に飲み、共に戦い、共に泣き、共に剣の道を学んだ。私たちは剣の兄弟たちと美徳の間での修練に参加した。お互いから学び、私たちは全員美徳の間の師範の前に跪いて、シェハイの奥義を学ぼうと努力していた。フランダー・フンディングがしたように、霊剣を本物の武器に変えることを。純粋な心と勇気を持つ少数の者だけが、進み出て剣聖アンセイの謎を学ぶことができる。

ああ、話すことがいっぱいある。思い出がいっぱいだわ。あなたにも知っておいて欲しい宝物がこんなにたくさんあるのよ、見知らぬお友達さん。どこから始めればいいんだろう?

うーん。痛みがまだ飢えた目つきをして外をうろついてる。私に残されたものをゆっくりと貪ってる。最後の戦いについて話したほうがいいかもしれない。私をここに取り残していった戦い。その後でまだ気力が残っていたら、私の人生と、私の愛するラリフについて話すわ。ああ、まったくあいつの女好きときたら。私たちが過ごした時間は、それはもう…ごめんなさい、気が散ってしまった…最後の戦いに移るわ。

うーん、真ん中あたりから始めるかな。そう。私たち霊剣の乙女は成長し、学び、そして放浪の儀式を完了して道を極めた。シンガーでないあなたに説明しておくと、これはフランダー・フンディングの時代を真似た荒野の旅よ。その途上で私たちは地方を巡り、不正を正し、怪物を退治し、美徳の名の下に冒険をこなすの。美徳の間では終えるのに何年もかかる人もいる。そこには常に危険がある。私たち6人の乙女はそれぞれ自分の力で短時間の内に帰還できたけど、多くの者は放浪の儀式から生きて帰還することはない。

私たちはそれぞれ自分の生活に戻り、週1回美徳の間で会って、新たな乙女と兄弟に自分の話をしたり、剣の道における教練を行ったりした。すべては順調だった。真央の月の祭りの夜までは」

マケラ・レキの記憶石、第2部Memory Stone of Makela Leki, Pt. 2

「私たちはそれぞれ自分の生活に戻り、週1回美徳の間で会って、新たな乙女と兄弟に自分の話をしたり、剣の道における教練を行ったりした。すべては順調だった。真央の月の祭りの夜までは。

私たちの民はみんな、好き放題飲み食いして…失礼…食事を楽しんでいた。私たち6人の乙女を除いては。祭りの日はたまたま私たちが美徳の間で会う日だった。私たちが祈りを捧げ、断食することで、剣の道に敬意を表する日だったの。

夜遅く、私たちが集まると、扉をノックする音が聞こえた。私が扉を開けると、バンコライ峠の衛兵がいた。傷ついて、死にかけていた…彼は私たちに知らせてくれた。北方からの裏切りを、ダガーフォールのジョイル王に率いられ、ハイロックの支援を受けた侵略…オルシニウムとの戦争における、私たちの同盟者にね!

私たちは素早く治癒のクリスタルを使い、彼の生命力を回復させた。彼を王の元へ送り、私たち6人は武器と力の鎧を取り、薬と刻印、クリスタルと指輪を持てるだけ持った。

私たちは飛ぶように駆けた。手遅れではありませんようにと祈りながら。私たちが向かったことは無駄ではなかった。最後の3人の衛兵が大軍に飲み込まれた、ちょうどその瞬間に到着したから。峠に向かって、私たちは昔ながらの戦線を形作って突撃した。6人で横並びよ。
私たちは本当によく戦った。

剣の歌は楽し気な音を立てて邪悪な者たちの波を切り裂いていった。私たちは何時間も戦い続けた。最初に倒れたのはジュリアだった。卑劣にも毒を塗った短剣が鎧の隙間を縫って刺さって。そして一人、また一人と倒れていった。私を除いて。

…ああ、残酷な運命よ…そして私の愛した剣、蛇の紋章を帯び、達人の刀鍛冶にしてシンガーのタンザルによって鍛えられた我が父の剣が、私の手の中で折れた。すべては失われた。6人の命が無駄に費やされてしまった。そして、とてもたくさんの兵士が峠に押し寄せようとしていた。私は赤子のように餌食になってしまうでしょう。私は辛さに涙を流した。

その時、私は家の暖炉を思い出した。あの本、フランダー・フンディングの円環の書、戦略の道。私は霊剣シェハイに手を伸ばした。私は必要な時に作れた試しがなかったのに、見ると…剣は生きていた。生きて、炎に輝いていた。剣は私の手の中に作られた。力で燃え上がっていた…そう、私は力を込めて切り裂いた。右に、左に、小麦を鎌で刈り取るみたいに。ダガーフォールの王のところまで、私は戦って道を切り開いた。私は一撃で彼の魔法の鎧を粉々に打ち砕いた。二撃目が彼の首を切り落とした。

でもそうしたことで、私は大きな代償を払った。無数の敵から傷を負ったの。私は魔法の鎧を身に着けていたとはいえ、鎧は私の刀剣のように霊魂ではなかった。それは私の刀剣や私の霊魂のように無敵ではなかった。そして私はひどい傷を負ってしまった。

ジョイル王が倒れたことで、彼の軍は崩壊した。敵たちは私の憤怒の前に逃げ出した。峠を逃げ帰り、死者や負傷者を回収するために足を止めさえしなかった。立てる者たちはみな、助かろうとして逃げ、私は手の届く限りすべての敵を殺した。でも、息が続かなくなって、そして痛みが…

そうして私は休んだ。今私がいる、この岩の上で。どうしてこの石を持ってこようと思ったのか分からない。ただの気まぐれで買っただけなのに。あの戦利品と…まあいい。ここらで止めて、順番に話をしたほうがいいかな。もう少し、あなたに話してあげられると思う…永遠の夜が来るのは、思ったよりも先みたい。

まだ辞世の句を作るには早いわ。水を一口飲んでから…そう、話を戻して、私の人生について話してあげる。戦いについての詳細もちょっと入れたほうがいいかな。それから、ああ、そうだ。ラリフと私たちの子供のことも。うーん、どこから始めようか。

…ああ…うう…

私は…ただの戦士で…霊剣の乙女として、育った…思い出せる…限り…」

マルセル卿の伝説The Legend of Dame Marcelle

エバーモア城のデリック・アンドラス執事長 著

ドレル家は何世紀にも渡って多くの名士を生み出してきた。魔術師、戦士、学者、商人王…その全てが高名な家の強さと権力を強めることに貢献してきた。これまでドレル家に生まれた男子と女子の中で、最も輝いていたのはショーンヘルムの騎士、マルセル・ステンリク卿だ。

マルセル卿は強い戦士だった。勇敢で、純粋だった。彼女は完璧な騎士の鑑であり、アーリク・ドレル卿の忠実な姪でもあった。彼女の偉業はその時代でも伝説的で、ドレルの敷地を守り、山賊や怪物と戦い、周辺の領土との条約交渉までした。

恐ろしいトロールが森から現れてショーンヘルムを恐怖に陥れた時、マルセル卿は不潔な生き物に立ち向かった。激しい戦いは1日と1時間続き、木や2階建ての農家がなぎ倒された。戦いが続く中、お互いに血を流し、疲労していった。戦いは、どちらかが完全に疲れ果てて倒れるまで続くかに思えた。だがマルセル卿は秘めた力をふりしぼった。彼女の剣、「ドーントレス」の力強い一振りでトロールの首を落とした。ショーンヘルム全体が沸き立った。

大確執の時の物語もある。タムリスのベレンダとドレルのアイレックス(アーリク卿の弟だった)がお互いに侮辱し合い、お互いが前回よりもひどく侮辱し合った。やがて侮辱は暴力に変わり、両家が戦争直前までなった。確執が最大に高まった時、アーリク卿の息子のランシオトがタムリス家に従う山賊たちに捕まってしまった。山賊たちはタムリスの公爵たちから忠誠を誓うための報復の書状を渡されるまでは、リベンスパイアーの道で旅人たちを襲うことで悪名高かった山賊団、「アンブレージの槌」の一員だった。

ランシオトの危機を知ったマルセル卿は、すぐに行動を起こした。クレストシェイドの外の荒野にある隔離された塔に山賊がいることを突き止め、状況をすぐに把握した。ランシオトは塔の頂上に閉じ込められていて、大勢の山賊が警備していた。ドレルの末裔は安全で傷つけられる心配はないと確信したマルセル卿は、大胆にも山賊のキャンプに立ち入り、自ら名乗った。彼女の名を聞いただけで、山賊の多くが恐怖に震えた。5人の山賊は、名前を聞くとすぐに武器を投げ捨てて逃げていった。それでも7名の山賊が残っていて、その中にはリーダーのリーン・スッコースもいた。

勇敢なマルセル卿の手には愛用の剣、ドーントレスがあった。彼女は神が守ってくれていると信じていた。剣を振る度に山賊たちは倒れていき、最後に彼女とリーンが残った。状況を有利にしようとしたリーンは、ランシオトを捕まえ、彼女の剣と自分の間に差し出した。ドレルの最も輝く騎士は笑った。固く、慈悲のない笑いだった。「その子を離せば殺さない」マルセル卿は冷たく言った。「さもないと、3つ数えてから殺す」

「脅しても無駄…」リーンが話し出した言葉は、彼の命と共に消え去った。

「3」マルセル卿は言った。ドーントレスが光った。リーンの目が見開かれた。山賊のリーダーは、地面に倒れる前にすでに死んでいた。

「ランシオト、今度旅をしたいと思った時は…」マルセル卿は今度は笑顔になって、暖かく言った。「私に教えてください。喜んでお伴しますので」

今ここに記したのは、マルセル卿の偉大な伝説のうち、たったの2つだけだ。

ミイラ化の8つの手順The Eight Steps of Mummification

トゥワッカの司祭、震えぬ手のフェズマーニ 著

— 手順1:死体をトゥワッカの祝福で祭る。

— 手順2:腐るとしみの原因になる内臓をすべて取り出す。

— 手順3:脳組織をすべて取り出す。フックつきスプーンを使って鼻腔から取り出せば、頭や顔の皮膚が傷つかない。

— 手順4:焼塩で覆って死体を乾燥させる。また、体内にも焼塩の小袋を入れる。

— 手順4:減った死体のかさを不活性物質で補充する。顔の特徴を念入りに復元すること。

— 手順6:包帯で巻く。100ペースのリネンで死体を包み、ジュニパーの樹脂で塗装する。これを3回行う。

— 手順7:アミュレットでの装飾。死体を生きている時と同じようにアミュレットや腕輪で飾り立てる。

— 手順8:死体を用意した石棺に安置する。共同墓地に埋葬する。

モーロッチ、オークの父Mauloch, Orc-Father

ラマーバック・グロー・アバマース 著

ボエシアから踏みつけられた呪いの王、モーロッチを知れ。

はるか昔、ボエシアの哀れな手先であるヴェロスに従うために一族を捨てたエルフの教団は、サマーセット諸島を後にした。トリニマクはこの不正に対してボエシアに立ち向かい、戦いの挑戦を受けた。トリニマクが強力な一撃を与えようとした時、メファーラが現れ、彼の背中を刺した。トリニマクはひざまずき、メファーラの裏切りによって傷ついた。ボエシアはほくそ笑み、恐ろしい儀式で彼の外見に傷をつけてねじまげ、息が詰まる空気と灰の場所へと彼を投げ込んだ。

失敗に激怒したトリニマクは自分の胸を切り開き、血によって再生して、魂から恥辱をもぎ取った。呪いの神モーロッチは灰の中から立ち上がり、ボエシアの悪意に対して彼を呪った。

その日信徒に「掟」を語ったモーロッチは、それを破る者に対する報復を誓った。

「盗むべからず。
自分の一族を殺すべからず。
理由なく攻撃をするべからず。
これらの規則を破った者は”血の代償”を払うべし」

そしてオークは、血の元に生まれた。モーロッチの血の元に。

ラー・ネトゥの正しい屠り方:12Correct Ways of Slaying Ra-Netu: 12

トゥワッカからみるとラー・ネトゥーは悪鬼であり、信仰深い人全てへの侮辱だが、だからといって敬意なしに扱っていいものではない。人間にとっては肉体は聖杯である。神の祝福を受けた定命の者の魂で満たされていたとしても、邪な魂で満たされていたとしても。

アシャバーは聖杯を守るあらゆる手段を講じながら、邪を退治する役割を担う。そして許しの求めを述べながら、打撃17でラー・ネトゥーを打ち倒す。

ラー・ネトゥーの正しい屠り方

打撃12:美しく首を落とす

— 向かってくるラー・ネトゥーを上段から切り下げるふりをする

— 刃を旋回させながらラー・ネトゥーの裏に回って踏み出す

— 許しの求めを述べる

— 刃をラー・ネトゥーの第三頸骨と第四頸骨の間に入れ、きれいに首を落とす

— 真摯な謝辞を述べる

— 争いで置き去られないよう落ちた首を拾い、後で埋葬する時のため体の近くに置く

ランセル王の激昂The Fury of King Ranser

ワフィムレス・マスタレット(語り部) 著

563年、ウェイレスト第二王朝の成立の後、若き王エメリックは妃となる女性を探し始めた。彼が最初に選んだのはショーンヘルムのランセル王の娘、レイエルだった。しかし結婚の契約が完成する前に、エメリックはセンチネルのレッドガードの姫マラヤと結婚してしまった。これは各地をまたいで多くの国に衝撃を与え、詩人たちはすぐにマラヤの魔法のごとき美しさを歌った。しかし、戦略家たちはこの行動をハイロックとハンマーフェルとの間の貿易を強めるためのものと捉えた。566年に行われたエメリックの結婚式の後、ハイロックは貿易の黄金期に突入した。3ヶ月過ぎると、ハイロックは血なまぐさい内戦へと突入した。

リベンスパイアーはハイロックの辺境として知られている。ランセルは強情な丘陵部の人間、北方の子供であり、気難しさと粗暴な規則を設けることで知られていた。エメリックの侮辱は彼にとって堪え難いものであった。タムリエル北方でも最も無愛想な傭兵の軍団と、彼自身の民からなる軍勢とで、ランセルは山を駆け下り、イリアック湾へ向かって大々的に突撃した。エメリックは不意を突かれた。彼の獅子の守護団が必死に防戦したため、かろうじてウェイレストの壊滅だけは免れた。ランセルは短時間での決着を望んでいたが、長引く攻城戦を強いられることになった。

長期にわたる攻城戦は春まで続いたが、リーチの民の侵略の終結時にすべてのブレトン王国によって交わされた、相互防衛の盟約であるダガーフォール・カバナントがついに発効し、カムローン、エバーモア、ダガーフォールが戦いに引き込まれた。ウェイレストを諦めるよう進言する者もあったが、この地域で最も裕福な都市との貿易はあまりにも重要であったため、それはできなかった。街と周辺の田園地帯から攻撃を受けても、ランセルの軍は持ちこたえた。彼の傭兵たちは十分な支払いを受けていたし、流血にも備えていたからだ。しかし紅帆の船団とレッドガード上級戦士の軍団が湾岸から到着すると、流れは変わった。ランセルの勢力は壊滅し、ランセルが帰還した時、ショーンヘルムはすでに炎上していた。これはクログ・グロー・バグラクの血の支配のもとにあったオークたちの仕業だった。

ブレトンの槌とオークの金床の間に挟まれ、ランセルの部隊はマルクワステン・ムーアの戦いで完全に消滅してしまった。ランセルはエメリックの抜け目のなさを考慮に入れていなかった。ウェイレスト王はロスガー山に特使を送り、もしオークがショーンヘルムの憎き敵を攻撃してくれれば、彼らにオルシニウムを返還しようと約束していたのだ。リベンスパイアーは略奪され、オークたちの中には135年ほど前にブレトンがオルシニウムを没落させた攻撃を、ショーンヘルムのブレトンたちが導いたことを覚えている者もいた。その借りはショーンヘルムへ完全に返された。ランセルの戦争はダガーフォール・カバナントの今日の状態を打ち立てた。ストームヘヴン、リベンスパイアー、ロスガーには、この出来事が拭い難い印象を与えた。

レキの刀剣の教科書This Text Property of Leki’s Blade

四剣人
辛辣な学者のシマ 著

伝説上の戦士の中にさえ、古きヨクダの剣聖達に匹敵する者はほとんどいない。しかしそのような剣豪は確かに存在する。その中でも、マミレー、アカモン、ロシャドン、炎のロクダンの4人は群を抜いている。

ネードの故郷に第一次の侵攻を行った際、高名だったヨクダの戦士達の中で、彼らは最も有力であった。

伝承によれば、彼らのうち3人は計り知れないほど力強く、より劣った剣聖達が夢見ることしかできないような剣さばきを駆使した。彼らはたった1人でネードの要塞を制圧し、小川を飛び越えるように軽くネードの城壁を突破し、霊剣を一振りして敵全軍をズタズタに切り刻んだ。

伝説はそう伝えている。レッドガードの最強の戦士達も、彼らと比較すると老いた政治家のように大人しく見えてしまう。

伝承はまだ続く。ヨクダに仕えた恐るべきアンセイの中で、この四剣人は「戦士の星座」から特に恩寵を受けていた。彼らはその星座を思い、深く瞑想した。その結果、星の向こう側へと繋がり、さらに優れた技を身につけられたのだ。

もちろん、彼らもやがて滅んだことは想像に難くない。彼らを倒したものがネードの守り手の長槍と斧でないとしたら、自然に死亡したのだろう。しかしこのヨクダの優れた剣人達の墓は、未だ見つかっていない。老学者である私はクラグローン全域を調査し、ヨクダの墓地をすべて隅から隅まで調べたが、4人の痕跡は見られなかった。彼らが沈みゆくヨクダに帰還したのでなければ、おそらく元から存在しない伝説上の人物だったのかも知れない。

レッドマウンテンの戦い パート1The Battle of Red Mountain, Part 1

(以下はヴィベク王自身の言葉を書き起こしたものである)

遠い昔のことをはっきり思い出せる人はいない。しかしお前は、レッドマウンテンの戦いを取り巻く出来事、トリビュナルの誕生、そしてネレヴァル再誕の予言について私の言葉で話すよう求めた。私に言えることはこうだ。

チャイマーが遊牧民族だった先祖から受け継いだ家畜とテントを捨てて最初の名家を築いた時、我々はデイドラを愛し、神として崇めた。だが我らの同朋であるドゥエマーはデイドラをあざけり、我らの儀式を愚行と罵り、理性と論理の神を崇めることを選んだのだった。そのためチャイマーとドゥエマーはいつも激しい戦闘状態にあったが、ノルドがレスデインを侵略するとチャイマーとドゥエマーは自分達の争いを忘れ、ともに侵略者を追い出すために協力した。

1度ノルドを追い出すと、チャイマーのネレヴァル将軍とドゥエマーのドゥマク将軍は互いを敬愛し尊敬するようになり、それぞれの民を和解させることを決めた。その時私はネレヴァルとネレヴァルの女王アルマレクシア、そして彼のお気に入りの助言者ソーサ・シルの助手にすぎず、チャイマーとドゥエマーのこれまでの激しい紛争を考えるとそんな平和が続くかどうか疑問だった。しかし交渉と妥協を重ね、ネレヴァルとドゥマクはどうにか不安定な平和を保った。

だが、ネレヴァルとドゥエマーの双方が友のように信頼するダゴス家の王ダゴス・ウルによって、ドゥエマーの上級技師カグレナクがロルカーンの心臓を発見し、その力の利用法を習得して新たな神とチャイマーの信仰、そして恐ろしい武器を作っているという証拠がもたらされた時、我々はネレヴァルに、ドワーフに戦争をしかけてチャイマーの信仰と安全に対する脅威を滅ぼすよう強く勧めた。ネレヴァルは悩んだ。彼はドゥマクの元へ行きダゴス・ウルの言葉は真実か尋ねた。しかしカグレナクは憤慨した。そして、ドゥエマーの問題を判断しようとするなんて何様のつもりなのかと問いただした。

ネレヴァルはさらに悩み、アズラの神聖な聖堂があるホラマヤンへ巡礼の旅に出た。そしてアズラはダゴス・ウルの言葉は間違いなく真実であると認め、このドゥエマーによる新たな神の創造は何としても阻止しなければならないとした。ネレヴァルが戻って我々に女神の言葉を伝えた時、我々は判断が正しかったと感じて再び戦争をするよう進言した。彼の純真な友への信頼をたしなめ、ネレヴァルにチャイマーの信仰と安全をドゥエマーの不信心で危険な野望から守ることが仕事だと念を押した。

そしてネレヴァルは最後にヴァーデンフェルへ帰り、交渉と妥協によって再び平和が守られることを願った。しかし今回は友人のネレヴァルとドゥマクが激しい言い争いになり、その結果、チャイマーとドゥエマーは戦争へと向かった。

ドゥエマーはレッドマウンテンの要塞で堅固に守られていたが、ネレヴァルはその狡猾さでドゥマク軍のほとんどを外へおびき出して足止めし、その間にネレヴァルとダゴス・ウル、そして少人数の仲間で秘密裏に心臓の間へと進んだ。そこでチャイマー王ネレヴァルはドワーフ王ドゥマクを見つけたが、双方とも深い傷を負い、魔力を使い果たす結果となった。ドゥマクが倒れるとともに、ダゴス・ウルらに脅かされたカグレナクが持っていた道具を心臓に向けた。そしてカグレナクと他のドゥエマーらは同時に世界から消えたと、ネレヴァルは言った。その瞬間、すべてのドゥエマーは痕跡もなく消えた。しかしカグレナクの道具は残り、ダゴス・ウルはそれをネレヴァルの元へ届け、こう言った。「カグレナクが自分の民を滅ぼした道具です。これが悪の手に渡らないように、すぐに破壊すべきです」

だがネレヴァルは、話し合うことを決めた。女王や戦争を見越していた将軍らの助言を2度と無視しないと決めていたからだ。「トリビュナルにどうしたらいいか聞きに行く。彼らは私にはない知恵を持っていた。忠実なるダゴス・ウル、私が戻るまでここにいろ」ネレヴァルは自分が帰るまでダゴス・ウルに道具と心臓の間を守るよう命じた。

そしてネレヴァルはレッドマウンテンの坂で待っていた我々に、レッドマウンテンの下で起きていることを話した。ネレヴァルはドゥエマーが特別な道具で民を不死にしたこと、ロルカーンの心臓には不思議な力があることを語った。後でその場に居合わせた他の者から聞いた話だが、ダゴス・ウルはドゥエマーが不死になったのではなく滅びたと思っていた。本当に何が起こったかは誰にも分からない。

レッドマウンテンの戦い パート2The Battle of Red Mountain, Part 2

(以下はヴィベク王自身の言葉を書き起こしたものである)

ネレヴァルの話を聞いた後、彼の求めに応えて提案した。「道具はチャイマーの民の幸福のために保管するべきだ。ドゥエマーが永遠に去ったかなど誰にも分からないが、ただどこか遠い土地に移動しただけであれば、いつか再び我々に危険をもたらすかも知れない。それゆえに、道具を保管して原理を研究すべきだ。それで未来の世代は守られるだろう」

ネレヴァルは大きな不安を口に出したが、条件を1つ出して助言者の提案を受け入れた。それはドゥエマーのような下劣な意図で道具を決して使わないと、ともにアズラに固く誓うというものだった。我々はすぐに同意し、ネレヴァルの指示に従って固く誓った。

我々はネレヴァルとともにレッドマウンテンへ戻り、ダゴス・ウルに会った。ダゴス・ウルは道具を渡すのを拒んだ。危険なものであり、我々には触れられないと言う。ダゴス・ウルは様子がどこかおかしく、他の者は信用できず道具は渡せないと主張したため、我々は彼が道具に何かしらの影響を受けたと考えた。今になって思えば、彼は道具の力を密かに知り、どういう訳か自分が道具を持たなければならないと思い込んだのだろう。ネレヴァルと衛兵は力ずくで道具を奪った。ダゴス・ウルとその家来は逃げたが、我々は手に入れた道具を研究と保管のため、ソーサ・シルに渡した。

何年間かは我々もネレヴァルとともにアズラへの誓いを守ったが、その間、ソーサ・シルは密かに道具を研究し、謎を解明していたに違いない。そしてとうとう彼は新しい平和の構想を掲げて我々の元へ現れた。それは、貴族には正義と名誉を、平民には健康と繁栄を、そしてトリビュナルを不滅の後援者であり案内人にするというものであった。そして我々はこのより良い世界の構想に専念し、レッドマウンテンまで巡礼してカグレナクの道具の力で我々自身を変えた。

儀式を終えて新しい力を手に入れるや否や、デイドラの主アズラが現れ、誓約を破ったとして我々に呪いをかけた。そしてその力でこう予言した。英雄であり誓約に忠実なネレヴァルが裏切りを罰するため、そしてそのような不敬な知識が2度と神の意志に背かないよう、戻って来ると。しかしソーサ・シルは彼女に言った。「古い神は残酷で気まぐれで、エルフの希望や恐怖から遠い場所にいる。お前の時代は終わった。我々が新しい神になる。人間から生まれた、民に必要な知恵と優しさを持ち合わせた神に。我々に脅しや警告は効かないぞ、気まぐれな霊魂め。我々はお前を恐れなどしない」

その途端、すべてのチャイマーはダンマーに変容し、肌は青白くなり、目が燃えた。もちろん、その時はそれが我々に起きたことだとしか分からなかったが、アズラはこう言った。「これはお前達自身が招いた結果だ。自分や民の運命を選択したのだ。そしてすべてのダンマーはお前達の運命を永久に共有する。お前達は自分達を神だと思っているが、目も見えず、闇しか残っていない」そしてアズラは我々を置き去りにした。闇の中で我々は皆恐れていたが、平静を装い、我々の夢である新しい国を築くためにレッドマウンテンをあとにした。

我々が築いた新しい世界は壮麗さと寛容さを併せ持ち、ダンマーの崇拝は熱心で忠実だった。ダンマーは最初、自分たちの新しい顔を恐れたが、ソーサ・シルが民にこう言った。これは呪いではなく恵みであり、本質の変化の印、新しいエルフとして幸せになる特別な恩恵の証だと。もはや亡霊や霊魂の前に怯える蛮族ではなく、定命の友や後援者、三つの顔を持つトリビュナルとも直接話す教養のあるエルフ族であると。我々はソーサ・シルの演説と構想に刺激を受け、元気を取り戻した。そして時間をかけて公正で立派な社会の慣習と制度を築き、レスデインの土地は他の蛮族が知らない何千年もの平和と公平さ、そして繁栄を知った。

レマナーダ 第1章The Remanada, Chapter One

第1章:サンクレ・トールとレマンの誕生

その時代にはシロディールの帝国は死して、記憶の中に残るのみとなっていた。戦乱とナメクジによるがごとき飢えと不道徳な支配者たちにより西が東から分離し、コロヴィア人の別離が四百年にも及び、大地がこの別れにより病んでいたからである。かつては偉大であった西方のアンヴィルとサーカル、ファルクリースとデロディールの王たちは、傲慢と慣れにより盗賊の王のごとき存在となり、盟約を忘れてしまった。国の中核においても状況は大差無く、神秘師や偽の聖蚕の王子たちが薬で正気を失うか邪なるものの研究に没頭し、玉座に座る者が不在の時代が何世代も続いた。蛇および蛇の警告は無視され、大地は亡霊や冷たい港の深き穴により血を流した。王者の栄光の証であるチムエル・アダバルの護符でさえ失われ、人々はそれを見つけようとする理由すら見出せなかったといわれている。

このような闇の中でフロル王は、いずれも西方の息子たちや娘たちからなる、十八より一人少ない騎士たちを引き連れ、失われしトウィル以遠の地から出立したのであった。フロル王は啓示の中で来たるべき蛇たちを目の当たりにし、先人たちの描いた境界線を全て癒せればと考えたのである。そんな彼の前にようやく、太古の時代の女王であるエル=エスティアその人に似た霊魂が現れた。その左手にはアカトシュの竜火を持ち、その右手には盟約の玉石を持ち、その胸には傷があり、その押し潰された両足に虚無をこぼし続けていた。エル=エスティアおよびチムエル・アダバルを目にしたフロル王とその騎士たちは嘆き悲しみ、跪いて全てが正されるよう祈った。霊魂は彼らに語りかけ、我は万人の癒し手にして竜の母であるが、汝らが幾度も我から逃れたように、我も汝らが我が痛み、すなわち汝らとこの地を殺すそのものを知るまで、汝らから逃れることにする、と口にした。

そして霊魂は彼らから逃れ、彼らは悪党と成り果てた自らを嘆きながら、手分けをして丘の間や森の中を探したのであった。彼女を見つけたのはフロル王とその従士の二人だけで、王は霊魂に語りかけた。美しいアレッスよ、聖なる雄牛とアーリエルとショールの美しき妻よ、私は汝を愛している、そして再びこの地に息吹を吹き込まんと欲す。それも痛みを通じてではなく、盟約の竜の火への回帰をもって、東と西を統一させ、滅びを捨て去ることで。そして王の従士は見た、精霊が王に肌を曝し、近くの岩に「そしてフロルは丘にて愛した」と刻み、契りの場を目の当たりにしながら死んでいくのを。

残りの十五人の騎士たちがフロル王を見つけた時、王は泥の山にもたれかかり、果てていた。彼らはそこで道を別ち、何人かは正気を失い、トウィルの向こうにある故郷へと帰り着いた二人はフロルのことは口にせず、彼のことを恥と感じ続けた。

だが九ヶ月が過ぎると、かの泥の山は小さな山となり、羊飼いや雄牛たちの間でささやき声が聞こえた。丘が成長し始めて間も無い頃に少数の信者たちがその周囲に集まり、それを金の丘、「サンクレ・トール」と名づけた。そして彼の産声を耳にした羊飼いのセド=イェンナが丘を登り、その頂上にて丘から生まれし赤子を見つけ、「人の光」を意味するレマンと名づけたのであった。

そして赤子の額にこそチムエル・アダバルがあり、ありし日の神に約束されし竜の火が燃えさかっていた。そしてセド=イェンナが白金の塔の階段を上るのを邪魔する者はおらず、彼女が赤子レマンを玉座に置くと、彼は成人のごとく言葉を発し、「我こそシロディールなり」と口にした。

レマンII世:野望の限界Reman II: The Limits of Ambition

上級王エメリック 著

無能なカスタヴの廃位の後、帝国を支配する立場に置かれたレマンII世の最初の特筆すべき行いは、2804年のウィンターホールドの反乱を迅速に終息へと向かわせた交渉である。読者には、この点についてよく考えていただきたい。新しく、その手腕を試されたことのない指導者が怒りに燃えたノルドを相手に、無用の流血を見ることなく平和を築くことができたのである。これは並大抵の実績ではない。第二帝国に黄金時代を到来させる男の素質を示したものだろう。

反逆するノルドを鎮めただけでなく、タムリエルのほぼ全土を統一し、歴史に記録されている限り最も平穏で生産的な時代を打ち立てたこれほどの指導者が、いかにして帝国の凋落を招いたのか? 私はこの点について思索する。その前にこの類まれなる男の功績と、そこから得られる教訓を確認しておきたい。

レマンII世は戦術の達人だった。彼が携わった戦闘の記録を調べれば、レマンII世自身の洞察力だけでなく、自分の兵にも敵の兵にも敬意を払っていたことが分かる。帝国の新たな領土を征服した際、彼は注意深く規則を定め、その地域の風習や伝統、とりわけ確立された交易をなるべく妨害しないようにした。もちろんインペリアルの文化は広まったが、それは強制的な同化政策によるものではなかった。むしろ人々は自由な交易や安定性、より優れた基本設備の開発などの利益を享受することで、帝国を受け入れ、支持するようになったのである。レマンII世は各地方から助言者を集め、それまでの多くの皇帝よりも遥かに、自らの民に注力した。

長い年月の間、タムリエル中が平穏だった。死霊術とデイドラ崇拝は禁止された。交易は活発になり、レマンII世とその助言者たちによる配慮の行き届いた援助を通じて、第二帝国は栄えた。だが、この偉大なる帝国はさらに多くを求めた。レマンII世は心に重くのしかかっていた未征服の領域、すなわちブラック・マーシュとモロウウィンドへ目を向けた。2830年、彼は帝国軍を招集し、性急にもブラック・マーシュを征服しようとした。病気と、凶暴な獣によって沼のために命を落とした者たちはアルゴニアンとの戦闘で失われた数に匹敵するほどだったが、帝国は2837年までに、北と東の国境地域に足掛かりを築くことに成功した。レマンはブラック・マーシュが公式に併合されたと宣言した。

おそらく、レマンII世の最も致命的な無分別は、これで満足しなかったことだろう。彼は次にモロウウィンドへ向き直り、八十年戦争の火蓋を切った。双方の側にとって壊滅的な被害を残した、長く血なまぐさい紛争である。その戦いはおぞましいもので、モロウウィンドとの間にあったわずかな外交の可能性も消滅してしまった。レマンは2843年、ダンマーとの戦いに倒れた。後継者たちが戦闘を継続するかたわら、帝国は出費と不和に苛まれ、衰弱し始めていった。

おそらくこのことが、レマンII世があらゆる指導者に与えうる最大の教訓だろう。つまり野心の暴走を抑えよということだ。彼は成功によって、帝国のためにますます大きな将来を望むようになった。タムリエル全土を統一する欲望の中で、レマンは第二帝国黄金時代を偉大にしていた信念と実践を崩してしまった。民が望まず、安全や自由な交易、帝国の繁栄のために必要でもない、希望なき戦争に身を投じたのである。

レマンズ・ブラフの興隆The Fall and Rise of Reman’s Bluff

プラエトルのアエミリアヌス・レクター 著

はしがき

帝国軍のヴァレンウッド征服については多くが書き記されているが、本論文は占領地における帝国兵士達の日曜品に焦点を当てたいと思う。本論文にはレマンズ・ブラフの上に建設された帝国の砦を守る任務を受けた歩兵隊の収集された手紙、日記、目録、また聞きの報告を含む

1.補給係の目録(第一紀2719年)
小麦粉——100袋、塩——10袋、乾燥果物——5袋、塩漬け肉——50袋

2.指揮官の日記(第一紀2720年)
病気と脱走により指揮する部下は20人足らずまで減った。増援と支援物資の要請についての返事はない。今日は残りの物資を配給している。

オークの兵士達がずっと北西で姿を見せているから狩猟隊を派遣することは避けているが、選択肢はもうあまり残っていない。

3.補給係の目録(第一紀2720年と推定される)
小麦粉——0袋、塩——5袋、塩漬け肉——150袋

最近の狩猟で肉の供給は増えたが、ある種類の虫が残りの小麦粉を傷つけてだめにしてしまった。

4.指揮官の日記(第一紀2720年と推定される)
あの愚かなザントニウスが、条約の締結を申し出るために近づいてきた呪術師を打ち殺した。奴が重要な地主の息子でなければ、この手で帝都監獄まで連行しただろう。その代わりに奴を最低の怠け者達と共に南へ派遣して、野営地を建てるように言った。これで奴は他人の問題児になった。

5.補給係の目録(第一紀2721年と推定される)
小麦粉——0袋、塩——5袋、塩漬け肉——0袋

ある種の生物が貯蔵庫に潜り込んで、すべての肉の切れ端を食べてしまった。残ったものはかじられた骨とその生物の崩れ落ちた穴のみ。指揮官はオーク達の仕業だと考えている。私もその線で考えている。

6.指揮官の日記(第一紀2722年と推定される)
襲撃はやまない。増援を申請に送った使者の首は、翌日にはオークの槍に刺さっている。5人まで減った。5人の兵士達で一つの砦を守るとは!奴らが気づいたら終わりだ。

この野蛮人達が得られないささやかな勝利がある。私を殺す楽しみは与えない。

付記:
バークバイト要塞の名で住民達に知られる、レマンズ・ブラフに現在居住しているウッドオークのクランは、第一紀に帝国の砦を侵略したオークのクランとは直接関係がない。

闇の兄弟たち(第一版)The Brothers of Darkness (1st ed.)

ペラニー・アッシー 著

その名が示すとおり、闇の一党は暗黒に包まれた歴史を持つ。彼らの生き方は、兄弟の一団以外には秘密である。(「兄弟」と言う表現は総称である。彼らの中で最も恐ろしい暗殺者のうちの数名は女性であるが、それでもしばしば兄弟と呼ばれる)

どのようにして影の中で生き続けているのか、なぜ彼らに依頼しようとする人々には簡単に探し出せるのかなどは、彼らを取り巻く謎の一部にすぎない。

闇の一党は、宗教的な一団であるモラグ・トングから第二紀に生まれた。モラグ・トングは儀式的殺害を彼らに促したデイドラの霊魂、メファーラの崇拝者たちであった。創成期には誰も先頭に立って牽引しなかったため、彼らも他の行き先不透明な新興宗教団体のように混乱しており、集団として身分の高いものを殺そうとはしなかった。しかし、これは夜母の台頭によって変化した。

後に闇の一党となったモラグ・トングの指導者たちは、夜母と呼ばれていた。同じ女性が(女性かは定かではないが)第二紀から闇の一党を指揮していたかは分かっていない。信じられていることは、初代夜母がモラグ・トングの重要な教理を生み出したことだ。その信条は、メファーラは彼女の名において犯される殺人ごとに強くなるが、特定の殺人が他に比べてさらに良いとされていたことだ。憎悪からの殺人は欲から生まれた殺人よりもメファーラを悦ばせ、偉大な人物の殺害は、あまり知られていない人を殺すよりもメファーラを満足させた。

モラグ・トングによって犯された、知られている初の殺人で、この教理が受けいれられたおおよその時期は予想できる。第二紀の324年、支配者ヴェルシデュ・シャイエは彼の王宮、現在はセンシャルのエルスウェア王国にて殺害された。すぐさま夜母は、壁に支配者の血で「モラグ・トング」と書くことによって、下手人の素性を公表した。

それ以前のモラグ・トングは魔術結社のように、比較的平和な中で暮らしていた。時折、迫害を受けたがたいていの場合は取り合わなかった。闘技場と化したタムリエルがバラバラに分断されていた時期に、驚くべき同時性でモラグ・トングは大陸全土で非合法とされた。国王たちは皆、教団の廃絶を最優先事項とした。その後100年間、彼らに関しては何も伝えられていない。

特に他の暗殺者ギルドがタムリエル史上に散発的に出現していた最中、モラグ・トングが闇の一党として再び現れた時期を特定するほうが難しい。闇の一党に関する初めての言及を見つけたのは、ヘガテの血の女王アーリマヘラの日誌のなかである。彼女はその手で敵を殺すか、必要であれば、「我らの一族が祖父の代から雇ってきた秘密兵器、夜母とその闇の一党の手を借りてでも」と語っている。アーリマヘラはこれを第二紀の412年に書き記しているので、もし彼女の祖父が本当に雇っていたのであれば、闇の一党は最低でも360年から存在していたものと推測できる。

闇の一党は教団であると同等に事業であったことが、闇の一党とモラグ・トングの重要な違いである。支配者や裕福な商人たちは、この一団を暗殺者ギルドとして利用した。闇の一党は、この儲かる事業がもたらす明確な恩恵と、彼らの必要性から、もはや支配者は彼らを迫害できないという副次益まで得た。彼らは必需品の商人のような存在となっていた。とても高潔な指導者であっても、闇の一党を粗末に扱うのは愚かである。

アーリマヘラの日誌への書きこみから間もなくして、おそらくは闇の一党の歴史上、もっとも有名な連続処刑が行なわれた。430年、薄明の月のある晩、アカヴィリの皇帝、サヴィリエン・チョラックと彼の相続人の全員が惨殺された。その後二週間のうちに、敵が大喜びするなか、アカヴィリ王朝は崩壊した。

闇の一党は仕事の機会に困らない。闇の一党は処刑のことを婉曲的に「清算」と呼ぶことを好んでいるそうだ。公式には盗賊ギルドのように、帝国のあらゆる場所で非合法の存在だと考えられているが、ほとんど全世界的に存在を許容されている。

偉大なサナレルSanarel the Great

偉大なサナレルは、およそ2世紀にわたり王座を守り続けた。彼の盾と剣の技術は随一で、その勝利は一瞬で容赦がなかった。トリニマクが付呪した魔法の盾を持っていたと言われていた。このアーティファクトには敵の目をくらます力があったため、敵は彼の初撃を防ぐことができなかった。その伝説と傲慢ぶりが有名になるにつれ、ひいきにしていた神も彼に対する寵愛を失っていき、ついに溶岩の女王によって倒されることになった。

王座を奪取した相手:フェルホーン

敗北した相手:熔岩の女王

隠されしアレリスAleris the Shroud

アレリスは聖なるるつぼの初代チャンピオンであり、40年にわたりその座を保持し続けた。幻惑魔法の技術と巧みな剣さばきで知られていた。その実力や人気はアリーナのなかでも抜きん出ていた。

王座を奪取した相手:なし

敗北した相手:クロウブリンガー

栄光と嘆きGlories and Laments

アレクサンドル・ヘトラルド 著

スキングラードと帝都を結ぶ黄金道の半ば近くにあるゴトルフォント修道院に到着した私は、古代アイレイド語で「父なる森の影」を意味するセイヤタタルの素晴らしい遺跡を見るために寄り道をしようと決めた。絡みつくサンザシや雑草をかき分けつつ進むのに何時間も費やした後、私の視界に突然飛び込んできたのは、五本の純白の柱が深緑の蔦の山から伸び、生い茂った森の緑の頭上でV字型のアーチや柱頭へと繋がっている光景だった。これを目にした私は失われた過去の栄光や、時間という名の生い茂った古墳から骨の欠片のごとく顔をのぞかせている、高度な文明の嘆かわしきなれの果てについて瞑想させられたのであった。

私は繁茂せし森の中で、視覚と光と洞察の神であるマグナスに捧げられた巨大な地下殿堂の本堂へと繋がる入口をみつけた。力が枯渇しかけている魔法の泉から発せられる淡い光に照らされ、その一角の割れた壁は青く、冷たく輝いていた。

中央広場の大理石の長椅子は外周を取り囲む池に面しており、池の外側には頭上の丸天井を支える長い柱や鋭角的なアーチが見えた。中央にある島状の部分からは立派な橋が淀んだ池を渡り、柱の後ろ側の狭い渡り廊下に繋がっていた。その先には天井の高い幅広の街道や、流れの止まった水路が闇の中へと続いていた。倒壊した柱や崩れた壁、魔法の泉の中で無秩序に生い茂った植物の根や蔦などが池に映り込んでいた。

古代アイレイドたちは四元素を現代の自然哲学で定義されるもの、すなわち土、水、気そして火ではなく、ハイエルフの宗教での四元素、すなわち土、水、気、そして光と認識していた。アイレイドたちは火を、弱く劣化した状態の光と考えており、アイレイドの哲学者たちは光を主要な魔法原理と同一視していた。そのため彼らの手による太古の地下神殿や聖域は魔法のランプや光球、そして限りなく純粋な魔力の池や泉によって照らされていたのである。

私は弱まりつつもいまだに力を残しているこれら太古の魔力の光のもとで、遥か昔に亡くなってしまったアイレイドの建築家たちのかつての映画を目の当たりにした。周囲を取り囲む池の、まるで硝子に映り込んだかのような鏡像を通し、水の底深くでゆっくりと明滅を繰り返すウェルキンド石の光が見えたのであった。

探検家にとってこれらの遺跡で最も大きな脅威となるのは、アイレイドたちが地下聖域への侵入者を煩わせ、惑わせるために設けた、精巧にして非常に危険な仕掛けの数々である。長い年月の後、それらの仕掛けがアイレイドの残したものに憧れる者たちの脅威となろうとは、実に皮肉なことである。何故ならば、それらが無駄骨であったのが明白だからである。あれだけの仕掛けを施しても、アイレイドたちの真の敵に対しては奏功しなかったのである。その敵とは反乱を起こして残忍な主人たちを倒した奴隷たちでもなく、アイレイドの主人たちから戦いや魔法の術を学んだ野蛮な獣人たちでもなかった。アイレイドたちを破滅そして忘却へと追い込むことになったのは他でもない、彼ら自身が自らの偉業に対して感じたおごりと誇りであり、帝国が永遠に続くであろうという過ぎた自信だったのである。

円環の書、火耀の格言The Book of Circles, Tirdas Maxims

フランダー・フンディング 著

忠実な者たちよ、火耀には次の師範の格言について考えよう

「剣は己であり、刃は心である」

「恐れの外套を取り除く方法は、敵に着せることだ」

「流れ行く砂を止めようと叫んでも、声が枯れるだけだ」

「勝利には血を流す覚悟をせよ。だが一滴たりとも無駄にするな」

「勝者の速さは敵を掴み、滅ぼす」

「79番目の攻撃:夜明けに研いだ漁師の槍」

「戦の一瞬ごとに一喜一憂せよ」

円環の書、地耀の格言The Book of Circles, Loredas Maxims

フランダー・フンディング 著

忠実な者たちよ、地耀には次の師範の格言について考えよう

「誤った反応をさせるために敵を鍛えよ」

「思い切り行った最悪の行動は、怯えて行った最高の行動に勝る」

「突くのは優雅で、斬るのは強力だが、時に頭突きが正しいこともある」

「高い位置のガードはフェイントやクロスオーバーに適しているが、下肢には気をつけろ」

「敵の剣は敵ではない。剣ではなく敵を見ること」

「8種の基本斬りを完璧にこなすことは重要である。しかし戦場で使うことは絶対にない」

「閉ざされた線は開いていない」

円環の書、日耀の格言The Book of Circles, Sundas Maxims

フランダー・フンディング 著

忠実な者たちよ、日耀には次の師範の格言について考えよう

「味方には夜明けのようであれ、そして敵には黄昏を与えよ」

「405番目の攻撃:目を刺すかのような大蛇の鋭い牙」

「ハエが群がってきた時は、縁を越えた平面を求めよ」

「怒りとは、船を沈める船体のひび割れである」

「最初の血は、死に比べればさほど重要ではない」

「何マイルでも多くの旅をせよ。しかし、戦いの美徳の間を去るな」

「敵の癖を見つけ、己の癖を捨てよ」

「勝利の調べの頂点で旋律を忘れるな」

演劇への招待Introduction to Stagecraft

崇高なるカンデルウィッジ 著

成功を収める舞台役者となるには、決して忘れてはならないことが幾つかある。演劇の最も大切な要素は…脚本だ!すべての興行は聴衆を引き付け、驚かせる要素がなければ、役者の他の技量の有無にかかわらず退屈なものになってしまう。できれば想像力や怒り、愛情、可能なら3つすべてを聴衆から引き出す、彼らに合う場面を探すんだ!そうして忘れられない演劇の土台ができあがる。有名な登場人物、歴史的事件、忌々しい怪物、またはひいき客の注目や興味をかりたてる、既知の何かに目を向けるように。

これで演劇の本質を理解できたから、次はそれを真に感動的なものにする!一部の者達は成功を収めるために爆発と訓練された獣達が必要だと教えるだろうが、本当のことを言うと、すべての利用可能な資源を想像力豊かに用いれば、同じくらい成功できるだろう。声をはっきり出すか、数ヶ国語を話せるか?初歩的でもいいから魔法の才能をもつ者は知り合いにいるか?鮮やかな色の織物や色の変化するキンドルピッチを入手できるか?以上いずれかのこと、また他のことは演劇の重要な要素になり得るし、見落としてはならない。

前提条件と支えるシステムが決まったところで、次はセリフを磨くことにしよう!舞台上で言葉に詰まるなんて絶対にしたくないから、この部分は他と同様に大切だ。大雑把な下書きから始めて作業し、調和が取れるようにすでに確立した口調と文脈に留意する。友人や家族に演技を見てもらって、荒削りなところを直す。

セリフに自信ができたら、練習、練習、練習に尽きる!演技は第二の天性であるべきだが、やじを飛ばす者や熱狂的な聴衆達が声を上げるときには、即興で演じる必要があるかも知れない。あまりセリフにこだわって臨機応変に修正できないのはダメだと覚えておくように。

最後の助言だ。舞台上ではリラックスして楽しむように!自分が本当に楽しめば聴衆も楽しめるだろう。

さあ、これで分かったな。舞台に上がって聴衆に歓喜をもたらす準備は整ったはずだ!

炎と闇 パート1Fire and Darkness, Part 1

炎と闇:死の同志たち パート1

イニル・ゴーミング 著

「同志よ、憎悪の試練にも屈しなかった血のきずなで結ばれたお前を、今でも同志と呼ぶ。今では必然とも思える俺の死だが、たとえ殺されようとも、これだけは覚えておけ、同志よ。我々は無垢ではない。故にお互いに向けられた敵意は悲劇ではなく、恐怖である。毒殺や寝首を掻き、突然矢が放たれ、巧みにダガーを使う、静かな、闇の中の戦いの終わりは、俺には見えてこない。和解の可能性はない。部屋の中では影が動いているが、ロウソクの炎は微動だにしない。これが俺の…」

この覚え書きは第二紀358年にノルドの村、ジャレンハイムにある廃屋の床下から発見された。物静かな靴職人が住んでいたといわれているが、34年前にタムリエル全土で禁止された暗殺者のギルド、あの恐ろしいモラグ・トングの一員であったと一部の人たちからはささやかれている。靴職人が突然消えてしまったかのように、家そのものはきちんと整頓されていた。覚え書きには一滴の血が付いていた。

闇の一党が訪れたのである。

この覚え書きや、これに近いものが発見されることは非常に珍しい。モラグ・トングも、そこから憎まれつつ派生した闇の一党も、証拠品を残すことに関して神経を尖らせている– 各自、団の秘密を漏らす行為は致命的な違反であると理解しているからである。これは当然、彼らの過去を辿ろうとする歴史家の任務を困難にするものである。

多くの学者によると、モラグ・トングは当初からモロウウィンドをそのまま映し出したようなものであった。モロウウィンドの太古の名前であるレスデインの歴史には、団の特質である暗殺、血の生け贄や、宗教への熱狂がはびこっていた。モラグ・トングは今も昔もデイドラ公メファーラの名誉のために殺人を犯したと一般的には言われているが、一般の仮説が全面的に正しいことは稀である。当初のトングはメファーラに加えて、さらに古く邪悪な神を崇拝していたというのが私の主張である。オブリビオンのデイドラ公は恐ろしいが、彼らはさらに巨大な悪を崇拝していたし、今でもそうしている。

第一紀の暗殺命令書は、モラグ・トングの最初の理念を垣間見ることができる貴重な資料だ。今日の命令書と違わず淡々と書かれているが、暗殺命令書の多くには、何百年もの間、学者たちを困惑させてきた詩の断片が含まれている。「舌足らずが歯擦音でささやく」「天空の甘い支配」「非常な罪の臭うくちづけ」など、他にも奇妙な、正気を失ったような命令書への書き込みは、目標の名前や彼らの居場所、そして暗殺の時刻などを伝える暗号であった。

また、これらはシシスと言う神聖な霊魂への直接的引用でもあった。

炎と闇 パート2Fire and Darkness, Part 2

炎と闇:死の同志たち パート2

イニル・ゴーミング 著

モラグ・トングの暗殺における専門技術の証拠はほとんど必要ない。彼らは我慢強く有能で、道具の使い方に精通している為、彼らの殺害の企てを逃れた数名の事例は共通して珍しく、注目に値する。有名な鍛冶師の私物の中から発見された手紙の切れ端は、我々の保管室に以前から封印されている。おそらく、団のための武器を注文する際に、一般には知られていないトングの暗殺者によって書かれたものであり、彼らが武器に何を求めていたかを知る手掛かりを提供していると共に、トングが引退した密偵を送っていた、ヴヌーラ島に関しても触れている。

「あなたの短剣の芸術性、バランス、重量に対して賛辞を述べる。ナイフの刃は剃刀のように薄く、上品に鍛造されているが、実用性がない。動脈は切られたときに自己治癒する性質があり、出血を妨げてしまうため、もっと大胆な刃が必要だ。私は新しい道具の検品をしに、2週間後にヴヌーラを発つ。できあがったものがもっと満足のいく品であることを願う」

モラグ・トングは第二紀の早い時期に、静かにタムリエル全土に広がり、これまでにも行なってきたとおり、メファーラとシシスを血で崇めた。

モラグ・トングが皇帝レマンを第一紀2920年に、彼の後継者である最高顧問ヴェルシデュ・シャイエを第二紀324年に暗殺したとき、非常に長い間影の中にいた暗殺者たちは突然光の下へと押し出された。彼らは殺人に文字通り酔いしれ、壁に「モラグ・トング」と最高顧問の血で書き記した。

モラグ・トングは瞬間的に、そして何の異議を唱えるものもなくタムリエルの隅々で禁止された。本国であるモロウウィンドを除いて。モロウウィンドだけは、西の他地方との関係を完全に断ち切ってしまっている議会の承認を受け、活動を続けた。その土地では、うわべだけの合法的な存在を続け、闇の令状を引き受けて、罰せられることなく殺しを続けていた。

大多数の学者は闇の一党、非宗教的で利益のために殺人を犯す暗殺者の一団の誕生は、宗教的な分裂の結果だと信じている。双方の秘密性を考慮すると、本質を推測するのは困難ではあるが、ある種の理論的な仮説は立てられる。

モラグ・トングはその存続の為にモロウウィンドの最高権力に訴えかけたのは間違いなく、それは当時の第二紀、アルマレクシア、ソーサ・シル、ヴィベクから成るトリビュナル以外は考えられない。トングがシシスと共に崇拝したメファーラはヴィベクの守護者であると言われていた。存続を許されるための見返りに、トングがメファーラの崇拝を止め、ヴィベクを崇拝したと推測するのが論理的ではなかろうか。

モラグ・トングは我々の知る通り、シシスの崇拝を続けている。闇の一党はたいていの人々から宗教的な集団とは見なされておらず、非宗教的で金のために殺しを提供する組織と考えられている。しかし、私は令状の中で、闇の一党が他のどんなデイドラよりもシシスを崇めていた証拠を見つけた。

そうなると読者諸君は、ではどこに分裂の原因があるのか、と問うだろう。お互いに極めて近い存在でありながら、どうしてこんな静かな戦いが始まったのか。ともに暗殺者のギルドであり、結果的にはシシスを崇めているではないか。しかし、そこでこの仮説を唱える人々を止めてしまう人物が歴史から浮かび上がる。

夜母。

夜母が誰なのか、どこから来たのか、彼女の機能が何なのかは誰も知らない。概ね良い歴史考証がされたカルロヴァック・タウンウェイの歴史小説「2920:第一紀の最後の年」の中で、彼は夜母をモラグ・トングの指導者として描くことを試みている。しかし、彼女は歴史的に闇の一党とのみ結び付けられており、トングとは一切関わりがない。

我が愛する友よ。夜母とは、メファーラのことである。トリビュナルの命令によって拘束されない西の闇の一党は、メファーラの崇拝を続けた。彼女を名前では呼ばないかもしれないが、殺人、性行為、秘密のデイドラは彼らの指導者であることに変わりはない。そして今も昔も、彼女をないがしろにした同胞を許してはいない。

第二紀に最期を遂げた靴職人、闇の一党とトングの戦いの終わりが見えないといった彼の感覚は、正しかった。帝国の闇の中で、死の同志たちは戦い続け、おそらく永遠に戦い続けるであろう。

学びし者の到来、第1巻Coming of the Learned One Vol. I

第1巻

今までに見た魔法の中でもっとも輝かしい魔法にすると約束して、学びし者は上階の部屋で作業を始めている。それは保管庫の上階を消耗し尽すだろう。そして私は上階の管理係だ。私には、学びし者の魔術に悶え苦しむよりも良い死に方は考えられない。しかしそれは私のニルンでの時間が短くなることを意味する。

従って、私は最後の日々を学びし者の到来について述べることに費やすことにする。以下は保管庫の決定的瞬間の記録である。我々はエセリウスに到達するためこれを建造したのだが、エセリウスの居住者によって見つけられた。

学びし者の到来、第2巻Coming of the Learned One, Vol. II

第2巻

学びし者は光の輝きに身を包み、雷のような轟音と共にやって来た。その光は久しぶりに異国の輝きで貴賓室を満たした。

当初、我々は当惑し、失望もしたが、先立ったのは苛立ちだった。我々は傲慢にも彼女が保管庫とその秘密に近づくことを拒否できるだろうと考えていた。まるで、我々の惨めな塔の中で、彼女が簡単に上回れないことを見たか、接したか、何かをしたかのように。
我々は彼女の到着に対し、不満を露わにして立ち去るように伝えた。アンガリンとエンヴァリルはまるで何も不都合はないかのように調査を続け、輝きを読み通すために目を細めていた。

彼女の輝きは気を悪くしたことを我々に告げていた。その激しさは増大し、その瞬間、小さな太陽のように燃えあがり、彼女はニルンにやって来たマグナスではないかと我々は考えた。ヴァンドレとヤナリル、それにツインターはその光に飲み込まれ、二度と戻らなかった。彼らが立っていた場所に爆発的な稲妻を残して。

残った者は崩れ落ち、膝をついた。敗北感からではない。酔い痴れるような高揚感からだ。このような驚くべき魔法は、かつて1度たりとも目にしたことがなかった。

そして我々は彼女を歓迎した。他に選択肢があるだろうか?彼女が塔に足を踏み入れた時、我々は涙を流し、彼女の足にキスをした。

学びし者の到来、第3巻Coming of the Learned One, Vol. III

第3巻

当初、学びし者は頻繁に実験室に姿を現した。

その最初の日、彼女の存在そのものが刺激となり、長い間休眠状態にあった魔法サークルがすべて一度に活性化した。私の部下のうち3人が、嵐の間で硬く凍っていた。突然押し寄せた魔法の中に迷い込んでしまったのだ。

さらに1ダースが炎の階段で消え去った。学びし者が入ってきた時に命を吹き込まれた炎はあまりにも激しく、そこには灰も、彼らがいたという痕跡も残ってはいなかった。私が今までに使ったどの呪文よりも効率的に焼却された12の生命。それは美しいものだった。

学びし者の到来、第10巻Coming of the Learned One, Vol. X

第10巻

我々原初の魔術師は、何年もの間我々こそが英知の頂点であると考えていた。学びし者はわずかな日々で、我々は全生涯をただやみくもによろめいていたのだと明らかにした。

だが、その力にもかかわらず、彼女は苦しんでいる。彼女は自分自身を信用していない様子だ。保管庫が必要だと彼女は言う。今までで最高の魔法を使うために。彼女自身を上階に封じるために。定命の者を保護するために。タムリエル全体を保護するために。彼女の言う意味が私にはわかる。彼女は行く所どこにでも魔法を、美をもたらす。危険はほんの副作用だ。

学びし者は言う。原初の魔術師たちが彼女の呪文に習おうとしたら、わずかしか生き延びることはできないだろうと。しかし、イーリルとその臆病な友達とは異なり、我々のほとんどは彼女の手による死を大切に思っている。彼女の魔法の領域を押し広げるものは何でも。

私は彼女の計画について時間をかけて彼女と話をし、その可能性に心が震えた。彼女は何をしようとしているのか?魔法の武装で上階を守ること?私は彼女が召喚した武器を弄り回しているのを見た。以前、彼女ははっきりと戦うために魔法を求めたことがある。彼女は召喚した盾で上階を覆い隠そうとしているのか?信じられないほどの代償を求め、非効率的だが、うまくいくだろう。

それとも、彼女は(私はこれを安易に書いているのではない)、ドラゴンの後ろに隠れようとしているのか?衰弱したドラゴンの?糸の上を渡り、そしてそれを切る。彼女自身を誰一人追うことのできぬ状況に包み込むために?そのような危険な冒険は、彼女の恐怖さえも明らかにするかもしれない。それは彼女が取り組んでいる魔法がどのようなものか明らかにするだろう。

でなければ、私は考えすぎているのだ。彼女は今まで遭遇した中で最も強力なソーサラーであるにもかかわらず、私に真似できぬ彼女の魔法のように率直だった。彼女が何を計画していようと、それは魔法の偉業となるだろう。そしてそれは我々を動かす。間違いなく。

割り当てられた魂The Distributed Soul

クラシウス・ヴィリア修道院長 著

ある新人修道士が昨夜私の瞑想を邪魔した。彼は驚き取り乱していた。「修道院長様!」と彼は泣き叫んだ。「今までで一番恐ろしい夢を見ました。トンネルで長老達の世話をしていたのです。水や食べ物を持って行ったり、安らぎの歌に耳を傾けたり…いつもと同じ静かな一時でした。聖蚕の優しげな羽ばたきが聞こえました。しかし突然、私の視界はおぞましい亡霊どもで一杯になったのです!肉体を持たない死者が回廊をさまよっていました。まるで聖蚕が彼らをエサにしているように私には見えました。彼らの霊的物質の名残…おそらく魂そのものを吸い取り、それで空腹を満たしたのです!修道院長様、これは狂気なのでしょうか…ただの夢にすぎないと言ってください!」。

我が教団の新人修道士が不穏な夢に悩まされるのは珍しいことではない。我々の聖なる任務と星霜の書、そしてその計り知れない謎に近づく知恵を与えてくれた先人について学ぶとき、新人がそのような夢を見ることはよくあるのだ。書から得られる知識の多くはあくまでも体得しなければ自分のものにはならない。私は日々の激務で疲れ果てていたが、何とか彼の中にある恐怖を取り除くことができた。我が教団と魂との関係性、そして定命の者の存在を越えて知識の断片を守っている聖蚕に関して、彼の疑念を取り払ったのだ。

我々の奥義は召喚師や死霊術師が使うような粗野なものではない。彼らは魂を宿主から引き剥がし、それを拘束して、魂の行き先や本質を考慮せずにそのエネルギーを無理矢理方向転換させるだけだ。聖蚕と先人の魂の交流はもっと繊細であり、聖歌の木のように自然なものだ。そして我々は、織糸を見て宇宙のつづれ織りを読み解こうとする根気強い観察者だ。聖蚕と先人に仕えることによって、我々は導きを得る。因果関係を理解せずに、意志を不器用に行使することなど決してない。

私は彼にこう言った。魂は聖蚕と多くを共有している。その2つは象徴的な組み合わせだ。すべての存在の中心にあるエドラの衝動が魂そのものであると考えがちだが、私は別の見地で捉えるよう忠告した。言わばそれは、聖蚕の羽のように鱗片をはがされたもので、定命の存在に起こる事象を終始流れる導管で構成されていると想像すればよい。ニルンでの生命から解放されると、一種の消散が始まり、その後魂が持つ「平和への意思」の歌を聖蚕は学ぶ。そしてそれが我々に導かれ、何世代にも渡って守られ続けるのだ。

「平和への意思」そのものは、創造の偉大なる織物や、行き先のすべてに散在した魂の名残との関係を保たなければならない。このつながりと辛抱強い世話を通じて、現在や過去や既知の世界を超えた時間の関与しない場所から我々は導きを授かる。聖蚕は先人の魂を拘束や消化するのではなく、まるで壮大な歌の序奏部のように、彼らがろ過したものを我々に復唱するだけだ。

完全なる理解の夜明けはまだ彼に訪れていないものの、聖蚕に対する彼のむき出しの懸念はどうやら解消されたようだ。彼の旅の手助けができて私は満足だった。私は彼にこう告げた。来週はシルクの部屋の床を磨いてもらう。その間、魂の本質について考える時間はたっぷりあるだろうと。私の夜の瞑想を邪魔した罰として、それぐらいはしてもらわなければ困る。

完璧な主催者The Perfect Host

非凡なハウスイベントプランナー、マレンフォード・フラール 著

どのような集まり、パーティー、あるいは祭りにも、必要なものがある。完璧な主催者である。完璧な主催者はいかなる催しにおいても頼みの綱で、笑顔で皆を歓迎し、すべての客が飲み食いをして良い時間を過ごせるようにするための、もてなしや世話をするパーティーの主催者である。

しかし、完璧な主催者は、客に熱狂的な良い時間を過ごしてもらう方法や、思い出に残る催しを開く方法を生まれつき知っているわけではない。完璧な主催者になるには、数年の訓練、数日の戦略的な計画、そして数時間の準備と調整が必要だ。

あるいは、私の豊富な経験と数年に渡る催しの企画の成功体験に基づく、この簡単な手順に従ってもよい。

まず最初に、パーティーや催しのテーマを選択する。良いテーマは、集まりがどういうものか決め、客に楽しく注目すべきワクワクするテーマを提供する。例としては、ダンマーの古典劇、春や秋の収穫、ノルドの飲み比べ、そして(個人的にお気に入りの)残酷で憂うつな日などが挙げられる。

2番目に、客を選択する。どれくらいの規模の催しを開きたいのだろうか?快適に会場に入れる人数を決めよう。そして、テーマによって、絞り込めれば絞り込めるほど良い。そして、招待を断る者や、当日来ない者がいることを考え、その2倍の人数を招待する。

人数を選び、決め、招待したい人々を選んだ後は、招待の準備を始める。招待が開催しようとしている催しに合うよう、用紙やメッセージをできる限りテーマに合わせる。それから、招待を早ければ1ヶ月前に、遅くとも1週間前には送る。

3番目に、テーマに従い、座ってくつろぐものか、立って交流するものか決める。テーブルと椅子がテーマに合うのであれば、注意深く席を決め、どこに座るか分かるように座席指定用の札を用意する。どれだけ座席の配置が重要か、いくら強調してもしきれない。楽しい会話をさせることも、興味をそそる議論をさせることも、あるいは有意義な関係を築くこともできる。すべては、誰が誰の隣に座るかによる。

4番目に、メニューを考える。どの催しにも食べ物と飲み物は必要だ。テーマと会場次第で、色々な意味に解釈できる。正式のディナーか?スナックと軽食を提供するか?金で買える最高のワインか?あるいは単純に、客全員に気持ちよく倒れてもらうため、安いアルコールをできるだけ大量に用意するか?テーマと予算に合う限り、自分次第である。

5番目に、客を楽しませよう!最初の4つの段階は、楽しく思い出に残る企画を作り出すための長い道のりだ。しかし、ケーキにアイシングをかけるには、決定的な楽しみがなければならない。吟遊詩人や吟唱詩人たちは歌と踊りに関係するテーマにぴったりだ。詩人や語り部は、客に参加者ではなく聞き手となってほしい演目に基づく催しに最適だ。奇術師、動物使い、武器使い、役者などは、夜の余興としては言うまでもない。テーマに合わせて騒ぐだけで、客は喜ぶだろう!

幸運を祈る!さあ、これで完璧な主催者への道を進もう!

犠牲の熟練Mastery of Sacrifice

私が降霜の月に震えていた時期に、真実を求める自分の運命を捨てることが求められていると分かった。私は生まれ故郷を離れ、それからずっと戻ることはない。

サタカルの永遠に変わり続ける影響の下、ソードシンガーは犠牲の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

近代タムリエルにおける死霊術Necromancy in Modern Tamriel

ワフィムレス・マスタレット(語り部) 著

永遠の眠りはかつて、当然のものだった。しかし今、タムリエルの各地で死霊術が行われている。匿名の密偵が特定したところによると、事態の引き金となった陰湿な勢力は黒き虫の教団だという。この教団は、いったん姿を消し、各地に分散しつつある。そして意志の弱い者に、一見すると絶対確実な権力掌握の道を提供している。この教団の主な対抗勢力は魔術師ギルドだが、ギルドがシロディールで名誉を失い、帝都から消滅してしまったため、黒き虫の教団は勢いを増しているようだ。

この死霊術師たちの地下組織は虫の巣と呼ばれており、虫の隠者たちを束ねる不死の司祭に率いられている。そうした司祭たちはアンデッドに姿を変えていることもあり、その後彼らは虫の隠遁者と呼ばれるようになる。彼らは常に、召喚もしくは復活させたアンデッドの護衛の側を離れない。この教団の指導者はアルトマーの魔術師マニマルコであるが、信者たちはその名を決して口には出さない。彼は虫の王として知られる存在である(口に出す時は囁き声)。これ以上、彼について書くわけにはいかない。彼の力と影響は遠くにまで及ぶのだから。

屈強なルシウスLucius the Stalwart

屈強なルシウスは元チャンピンである有徳のハグロフの弟子だった。ルシウスは学者で、ハグロフの伝記を書くために雇われて聖なるるつぼを訪れた。ハグロフが破れたときに伝記はまだ書き終わっておらず、師を失ったことにルシウスは激怒した。復讐を約束したルシウスは、ハグロフの能力を習得するために数十年に渡り修行を積み、それと同時に千の矢の毒に対する耐性を身につけた。ルシウスと千の矢の戦いは長く激しいものだった。最後には、毒に対する耐性のおかげでルシウスは勝利するが、これが原因で永久に力を失うことになった。1年後、ホワイトベアと呼ばれる挑戦者が現れた。弱体化していたルシウスでは、もはや相手にならなかった。ルシウスはその崩壊した体から生きる目的が失われたときから、死を受け入れていたと言われている。復讐を果たされたハグロフがソブンガルデで忠実な僕を待っていたからである。

王座を奪取した相手:千の矢

敗北した相手:ホワイトベア

献身の熟練Mastery of Devotion

私が南中の月の下を通過した時期に、私は神の力に跪いた。これからずっと使用する私のシェハイを作るため、剣の霊魂に自らをすべて捧げた。

長身のパパの祝福の下、ソードシンガーは献身の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

見習いの手引きThe Apprentice’s Assistant

アラムリル 著

私の冒険物語を聞いたことがあるだろう。地域から地域へと伝わり、タムリエル中が私の優れた魔法の力による功績に畏敬の念を抱いている。「もしアラムリルの能力があったら。そうすれば魔法の決闘で富と名声を手に入れられたのに!」と何度も思ったことだろう。

それも当然だ。大いなる名声と巨万の富は成功者を待っている。だが成功するには、最高の者から学ぶ必要がある。だからこの本を買った、そして教えを受けられる。私は、当然ながら、最高だ。

それでは助言だ。これに従えば、君もタムリエル中で有名になれる。

1.敵を知ることは敵の弱点を知ること。

ただの鋼の剣とは比べ物にならないほど万能に、優れた魔術師は豊富な呪文を好きなように使える。それだけでなく、使う最適なタイミングがわかる。冷気の呪文は獣の突進を止めたり、残酷な野獣の剣から距離を保てる。雷撃の呪文は敵のマジカを失わせる。幻惑呪文は敵の集団を仲間割れさせられ(一対一では勝てないと相手が分かっている時には、正々堂々としていない戦いが一般的だ)、すべてが有効でなかった時にも、自分を助けられる呪文がある。

2.自分を知ることは自分の限界を知ること。

最高の魔術師でもマジカの量には限りがある。まだマグナスの無限の力を与えられたものは生まれていないからだ。そして、優れた魔術師は能力以上のことをしない。安全を保つのに十分なマジカを常に確保している。それがダメでも、相当量の薬の供給を常に準備している。それがダメでも、常に脱出路を確保している。偉大なアラムリルは戦いから逃げたことがない。だがもちろん彼女のように最高の天与の才能がある者ばかりではない。だからこそ訓練しなければならない。

3.結界は命を奪いかねない(自分の)。

結界はどんな魔術師志望者にも重要な道具であることに疑問の余地はない。呪文を防げるし、敵の攻撃を無効にしてマジカを無駄に消費させる。しかし優れた魔術師は、結界に頼りすぎるべきではないと分かっている。結界を長く張りすぎると魔法使いのマジカを消費し、反撃できなくなり、最悪の場合結界も維持できなくなって完全な無防備となる。

4.両手が片手より良いとは限らない。

上級の魔法使いなら誰でもダメージを増やそうと両手で呪文を放つことを学んだ。それが有利になる時は確かにある。例えば相手が既に弱っている時、または見物に集まった大勢の人から大きな反応を引きだす時だ。しかし、いつも最善の戦略にはならない。例えば集中呪文は、特に敵が素早い時よく使われる。この例で言えば、両手を別々に使えば同時により広い範囲に対応できる。火炎球を両手で放つ魔術師は、すぐに結界を張れず、攻撃を続ける間回復できない。

5.常に挑戦を受けて立つ。特に勝てると分かっている時は。

最優先事項は当然生きることだ。しかし同じくらい大事なのは、観客を喜ばせることだ。あなたの冒険は、結局彼らの気前の良さに掛かっている。ここでは魔法以上のものが影響する。決闘が始まる前に相手の能力を感じ取れたら、自信を持って取りかかれる。自分が相手より優っていると分かっているのは非常に重要で、それは観客に良いショーを提供できるという意味だ。同様に、前もって決闘に負けるだろうと分かっていれば、突然どこか別の場所に雇われる機会が与えられ、決闘に参加できなくなる。(私はそんなことをしたことはない。ただ名声が大きすぎてすべての決闘の申し込みに応えられないことがある)

これらを心に留め、冷静な判断力を保ち、優れた魔法を見せれば有名になれる。それでは。だが、十分な成功者になったら、私からの挑戦があるかもしれない!

賢者の格言Sayings of the Wise

過去は狼だ。賢い狩人は狼から目を離さないのに対し、愚かな狩人はよそ見をして餌食になる。

妻の言葉に耳を傾けない族長は、長く族長ではいられないだろう。

戦いはまず胃袋のなかで勝負が決まる。

自分の義務を怠るオークと遮二無二義務を果たそうとするオークは、同じ毒を飲む。

オークの筋力だけではできないことでも、オークの刀剣ならできる。

経験の浅い戦士は、たとえ最高の防具を身に着けても、自分のすね当てに蹴つまずく。

族長を腐すだけで挑戦しないオークは、1年後もやはり族長を腐しているだろう。

骨の祭壇Altars of Bone

ウーズのガーディアンがかつて…

…ていたのはモラグ・バルだった。大きなマンモスの骨に含まれていたのは十分な黒い…

我々の目的のために祭壇を回す。オースブレイカーをウーズで拘束し続けている同じエネルギーによって、彼らを支配できる。しかし慎重にならなければいけない!万が一祭壇が勝手に変えられたり、さらに悪いことに、もしも…

骨の配置を…する際は気をつけろ。彼らは祭壇を暗くするはずだが、しかし…

祭壇が設置されたら、そこからは掘り続けるのだ。…付近での作業で得られるはずであるものは、十分な…

師範の言葉Words of the Masters

昔、学生だった時と同じくらい学ぶことが今でもある者による前書き。

師範たちからレキの刀剣で剣の使い方を教わってから、長い時が経った。しかし、今でも全ての教訓を戦場で学んだ訳ではない。

かつては高名だった学校を率いた、師範たちの言葉を思い出す。剣に加えて心で勝てる戦いのために、言葉の意味をまとめておく。

心に留めよ!

— ファダリア・アトアハタル

最も鋭い刃は、会話の代わりになることがある。

毎日の雑用の前に、困難な仕事を最初に済ますべきだ。

兵士たちは仲間であり、兄弟姉妹である。気を配れば、守ってくれるだろう。

意地悪な性格の者は、他人に憎しみを抱かせる。

謙虚に語れば、行動の時に優れる。

何が正しくて公正なのか?どちらも守る行動を取れ

敵の足元を見れば負ける。目を見て、意図を読み取れ

あらゆる勝利から学べ。敗者としてどのように行動するか考えよ。なぜ敵が負けたのか理解すれば、必ず勝利する

沈黙から強さを得られる

蛇は腹で這う相手が何であれ、真摯に向き合う

敵の戦略を見極めるまで手を出さなければ、生き延びて一撃を加えられないかもしれない。敵の意図を知るためにだけ待て。名誉をもって戦っていないと分かったら、先に一撃を加えろ

今日食べるべきパンは、明日に取っておくな

死者の崇拝Reverence for the Dead

トゥワッカと現代レッドガード文化における埋葬文化

修道士オピリオ・コンゴニウス 著

死去した祖先に対するレッドガードの崇拝の熱心さは、他の多くの種族が神々に対して行う献身に匹敵する。ブレトンは華麗なアーチ付きの聖別された地に棺を置き、ノルドは風で乾燥させた死体を地下墓地に安置するが、レッドガードは死者たちのために広大な葬儀用の建築物を設計、建立しており、その威厳の高さは規模の大きさにも負けていない。レッドガードを生まれる以前から死んだ後まで縛っている名誉の糸は強力である。空高くそびえるこれらの巨大な霊廟は、往年のままのヨクダ建築を純粋な形で体現するものであり、霊魂を飛び立たせ、彼らの信じる神々との会合へと向かわせるために建設されている。

この種類の埋葬地の最も優れた見本はおそらく、ハンマーフェルのアリクル砂漠の広大な台地の頂点に据えられた、トゥワッカの玉座だろう。この巨大な聖堂は策略の神にして魂の導き手、そして遠い海辺の守り手に捧げられている。砂漠の牧草地を登り、台地の側面を削って作られた石の階段を上がっていくと、岩と砂の広がる平らな空間の上から、これほどの眺めが得られることに驚かされる。トゥワッカの玉座を手入れし、常に警戒を怠らない玉座の守り手たちの元を通り過ぎると、この神聖な場所の真の雄大さを目にする。

このネクロポリスは無秩序に広がった埋葬地であると同時に、神聖な遺跡でもある。この聖域の暗い隅から見つめているトゥワッカの存在の他にも、この聖堂は大陸が波の下に沈んだ際に命を落とした、数知れぬヨクダの死者たちのための記念碑としての役割も果たしている。巡礼者たちは刺すような砂地を通って旅し、これらの犠牲者たちに、またこの迷宮的なネクロポリスに埋葬されているレッドガードの歴史上の王に敬意を捧げに来る。

次の機会を待てWait Till Next Time

フルグルシュ・グロー・オスガル 著

クログ王がダガーフォール・カバナントと協定を結んで以来、私は渡航規制が緩くなったのを機に、ハイロックとハンマーフェルで商売する機会を求めてきた。予想していたとおり、鼻であしらわれて罵倒されたことは何度もあった。酒場では近くのテーブルにいる声のでかいオークの冗談を聞き流し、すれ違った時足下に唾を吐く衛兵にも気付かないふりをした。だが予想外だったのが、私の会ったブレトンとレッドガードの多くが、オークの要塞を褒めそやしていたことだった。私達が意見の不一致を(たとえ剣を使ってでも)すぐに解消して、わだかまりなく次に進むということについても感心していた。

愚かな人間達だ。

寛容なのは他のオークに対してだけだということに気付いていないのだ。モーロッチの掟で、どれだけ時間が掛かろうとも、あらゆる怒りに対して仕返しをしなければならないと定められていることを知らないのだ。奴らは今、私達が尊いカバナントの熱烈な一員だと考えている。私達がオルシニウムの襲撃を忘れ、過去のことを水に流すと信じているのだ。

奴らは間の抜けた牙のない顔で私に微笑みかける。そして私は微笑み返し、うなずき、エルフの冗談を言う。だが心の中で、オルシニウムを略奪した者は、その何倍もの報いを受けることになることを知っている。だがブレトンとレッドガードがそれに気付くことはない。なぜなら奴らは、あらゆるオークが次のような信条を心に秘めていることを知らないからだ。

「次の機会を待て」

自制の熟練Mastery of Discipline

私が恵雨の月を通過した時期に、自分が最強であると証明するために90以上の決闘を戦ってきた。38種類の握り、750種類の攻撃の構え、1800種類の防御の構え、9000種類の攻撃をこれから鍛錬する。

オンシの祝福の下、ソードシンガーは自制の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

蛇との戦いAgainst the Snakes

デンスカー 著

私達のアカヴィリとの戦いについてずっと考えている。意見がある。書き留めておこうと思う。

もしもあのウィンドヘルムの馬鹿達が気を利かして蛇達を海へ投げ返していれば、忌々しい戦争すべては回避できたかも知れない。ショールに召されろ!

いまだに、ジョルンがウィンドヘルムへ援軍を送るために動いていたらよかったのにと思う。あの日、何人かのいい男達を失った。

ジョルンはリフテンの防備を固めたが、蛇達は通り過ぎて行った。なぜアッシュランドへまっすぐ行かないのか?

リフテン南部、ヴィラク砦北側の戦闘は十分に敬意を表されていない。あの男達は動けなくされ、負かされ、そしてそれでもなお彼らは耐えた。

男達があの日戦い続けたただひとつの理由は、ウルフハースった。ジョルンはただのこわっぱだった。彼は酒場さえ扇動できなかった。

ヴィラク砦の崩落後、蛇達はストンフォールに押し入った。なぜだ?奴らは何が欲しかったのだ?

ダークエルフの一部が攻撃をまずシェルバックへ向けた、という噂を聞いた。アルゴニアンに救出されるという考えに我慢ならなかったと。忌々しい馬鹿が。

ショールが蛇の島すべてを召しますように。奴らに別の虎の悪魔を送ってやれ!我々再び叩きのめしてやる!

収穫の終わりHarvest’s End

マスターソーサラー、サモナーにしてディレニの家臣シメール

シメール・グレイギンは野心的なディレニ・クランの家臣だった。ディレニ家はデイドラとの有益だがリスクの高い取引から身を起こした。シメールはおそらくディレニで最も賢く野心的なサモナーだった。デイゴン卿に陰謀さえ企て勝った。罠が成功し、デイゴンはオブリビオンに追放された。しかしその瞬間、デイゴンは自分を騙した定命の者を消し去った。シメールは永遠に、友や同胞と共に楽しく故郷で暮らすことを保証されていた。シメールのその言葉を曲解したデイゴンは、小さなケシリー島(グレナンブラの海岸沖にある小さな島)を掬い上げ、虚無に投げ捨てた。シメールの友も同胞も即死し、残った声がシメールを苦しめた。シメールも着実に老い、関節炎に苦しみつつ永遠に生きることを強いられ、自分がデイドラの主を騙して起こした悲劇的結果について考えさせられた。

救世主の皮の鎧:

デイドラの主マラキャスによって作られたこの防具は、誓いを破る者を攻撃するためにすばらしい特性を発揮する。シメールはデイゴンを騙して、守るつもりのない力に背く誓いを立てた。救世主の皮はデイゴンのシメールに対する大いなる怒りをかわし続け、シメールが攻撃できるまで時間を稼いだ。使われたのはデイゴンの「プロトミニック(すなわち真の名の呪文)」だった。残念ながら、他のマラキャスの贈り物と同じようにこの防具には一長一短がある。魔法攻撃には特に弱いため、特別な場合のみ着用すべきものなのである。

デイゴンのプロトミニック

シメールはデイゴンの力を徐々にすべて虚無に流す魔術のために、デイゴンのプロトミニックを使った。だがシメールはデイゴンの抵抗が、力の流出を止めることはできずとも遅らせられることを読み違えた。その結果、デイゴンはシメールを呪い、シメールの契約を文字通りに遂行できた。ただ力を虚無に流すのではなく、デイゴンはそれをすべて呪いにこめた。その結果ケシリー島は虚無に投げ出され、住民もすべて惨殺された。シメールは壮大な野望の廃墟の中で、永遠に生きることを強いられた。

狩りの儀式

無実の犠牲者の礼拝堂:シメールはデイゴンが自分を個人的に嘲笑い苦しめるために、ケシリー島を無実の犠牲者の礼拝堂を置く場所として作ったと信じている。魔法で作られた緑のクリスタルの建造物は、タムリエルから引き裂かれて虚無に放たれてから、島で唯一の建物となった。

グレートハントにより使われた冷酷な慈悲の槍は、おそらくハントに聖別されその制限に束縛される者を除いては、定命の者でも不死の者でも扱えなかったと思われる。だがシメールは、槍の力が偉大であるが無限ではなく、明らかに魔法がかかった(たとえばマラキャスによる救世主の皮の鎧のように)ものなら、定命の者、不死の者に関わらず、守ることができることを究明した。

巡礼の道Path of the Pilgrim

ヒスミールの助修士、ビックス・ゼー 著

文明国家とされる国の多くが我らの故郷をブラック・マーシュと呼んでいるが、ヒスミールの巡礼者や司祭はもっとよく知っている。アルゴニアンの土地はゴミの山にはほど遠い。土壌は豊かで活気に満ちている。植物や動物もよく育つ。耳を傾ける者にはヒストが語りかける

外に出た我らアルゴニアンの兄弟姉妹たちは、ヒストと交流できないと自分の一部を失くしたように感じる。このためあちこちからの巡礼者がヒスミールを訪れ、試練を受けて交流を図るのだ

巡礼者ヴェロスVeloth the Pilgrim

誇り高き者カシウス 著

巡礼者ヴェロスとしても知られる聖ヴェロスは、ダンマーの列聖の中でもおそらく最も有名かつ最も崇められている存在である。サマーセット諸島の後期中神話紀に名を挙げたヴェロスは、自分に付き従う者たちのためにより禁欲的で純粋な生き方を探し求め、彼らを集めてタムリエル南西地域から北西までの大巡礼に出発したとされている。現代の文章によれば、彼は「1隻の船もなく、食料も武装した人間も、この脱出行の仲間に入れることなく、レスデインの地を目指して進んだ」。

新しい地へ向かった彼の大所帯の巡礼は、その途上で厳格な規範を打ち立て、かつ成功裏に終わった。この種族は高度な文化の一時期を経験し、多くの者にとってそれは黄金期として知られている。ヴェロスの導きが何世代もの石工や建築士、さらに司祭と一般の民を形作った時期である。彼は強力な戦槌、ヴェロスの審判を手にしていたが、ヴェロスは基本的に温和で学を好む精神の持ち主と考えられており、ダンマーにおける治癒の付呪が彼の名前を冠していることからもうかがえる。

予言者としてのヴェロスの力は疑う余地がないが、ダンマーの祖先崇拝に関する極端に保守的な教えは一考に値するだろう。というのも彼はトリビュナルが起こるに先立って「善きデイドラ」の神としての崇拝を、ほぼ独力で開始したからである。ヴェロスの民は彼に絶大な敬意を払っており、彼の影響は数世代後になっても感じられる。スカイリム南東のヴェロシ山への登山や、ダンマーの長老が自らの種族を「ヴェロシ」と呼んでいるのを聞くと、エルフの世界を形作った師の存在を今でも感じられるのである。

正当なるリスラヴ、パート2Rislav the Righteous, Part 2

シンジン 著

リスラヴ王にはそれまで戦闘の経験がなかったのだろうが、すぐにそんなことは言っていられない状況になった。一度は領地を差し出したはずのスキングラードが申し出を撤回したという話があっという間に帝国に広まった。ゴリエウスは帝位に就く以前から熟練した戦士であり、皇帝になってからの17年間の平穏な状態はかろうじて保たれたものだった。ドラルドが暗殺されてリスラヴが支配の座に就くわずか8ヶ月前、ゴリエウスと配下のアレッシア軍は、やはり戴冠式の参列者の一人であった白王クジョリックと凍てつく北の平原で相対していた。スカイリムの族長たちの長はサンガードの戦いで命を落とした。残された族長たちが新たな指導者を選んでいる間、シロディールはスカイリム南部での失った領土を取り戻すことに余念がなかった。

要するに、ゴリエウス皇帝は反抗的な臣下に対処するやり方を知っていたのだ。

年代記編者の言葉を借りるなら「死の洪水のように」スキングラード征服に必要な数を大幅に上回るアレッシア軍が西に向かって突進していった。実際の戦闘がどのようなものになるかは、ゴリエウスも知り得なかった。前述したようにリスラヴの戦争経験は皆無かそれに近いもので、家庭教師の下で訓練を数日したに過ぎない。彼の王国とコロヴィア西部全域は疫病で甚大な被害を被ったばかりである。武器をちらつかせるだけで降参するに違いないとアレッシア軍は踏んでいた。

ところが、リスラヴは戦闘の準備を行っていたのだ。自軍の状態を手早く視察して彼は計画を立てた。

それまでリスラヴの人生には目もくれなかった年代記編者たちはここに至って、崇拝にも似た喜びを持ち、この王のあれやこれやについて書き連ね始めるのである。それは文学的価値や趣には欠けた文章だったかもしれないが、少なくともそのおかげでようやく我々は何らかの詳細を知ることができるようになる。驚くにはあたらないが、王は当時としては最高の鎧を身につけていた。タムリエル全体の中でも最高の皮鎧–当時は皮鎧しかなかった–を作る職人たちがコロヴィア私有地に住んでいたからだ。王のクリバニオン鎧は、丈夫にするために茹でてからロウを塗り、1インチの鋲を打ち込んだもので、深みのある赤茶色をしており、彼は黒いチュニックの上にそれを着て、さらにその上に黒い外套を身につけていた。スキングラードに現在建っている正当なるリスラヴの像は美化された姿であるとはいえ、鎧以外はほぼ正確に作られている。コロヴィア西部に住む吟遊詩人が市場に向かう時でも、あそこまで簡単な防備で出かけることはなかっただろう。しかし銅像には、後に詳しく述べるように、リスラヴにとって最も重要な装備もちゃんと含まれている。訓練された鷹と、足の速い馬だ。

冬の雨は南へと続く道を洗い流し、大量の水がウェストウィールドからヴァレンウッドへと流れ込んでいた。皇帝は北のルートを選択していて、少数の偵察隊を引き連れたリスラヴ王は、現在は黄金の道という名で知られている低い道で彼に出くわした。皇帝軍は、その行軍の音が数百マイルも離れたアネクイナの野獣の耳にも届いたと言われるぐらい巨大なものだったが、不本意にも皇帝は恐怖に震えていたと年代記編者たちは記している。

一方のリスラヴは震えていなかったと書かれている。完ぺきな礼儀正しさを保ちながら、彼はスキングラードの小さな王国でもてなすにはあまりにも軍隊が大きすぎることを皇帝に伝えた。

「次にいらっしゃる時は…」と、リスラヴが言った。「前もってご一報ください」

アレッシアの皇帝の多くがそうであるように、ゴリエウスはあまりユーモアを解する男ではなく、リスラヴの頭にシェオゴラスでも取りついたのだろうと考えた。そして、この哀れな頭のおかしい男を捕まえるように警護の者たちに命じたのだが、その瞬間、スキングラードの王は片腕を上げて鷹を空にはなったのである。それは彼の軍隊が待ち受けていた合図だった。アレッシアの兵士たちはすべて、リスラヴ軍が放つ矢が届く範囲内の道の上にいた。

リスラヴ王と警護の者たちは、年代記編者いわく「興奮したキナレスに口づけされたかのように」西に向かって一目散に馬を走らせた。あえて振り返って確かめようとはしなかったが、計画は完ぺきに進んでいた。その道の東の突き当たりは転げ落とされたいくつもの大きな岩でふさがれていたため、アレッシア軍は西に向かう以外になかった。スキングラードの射手たちは報復攻撃を受ける心配のない高台にいて、帝都軍に向けて矢の雨を降らせた。怒り狂ったゴリエウス皇帝はリスラヴを追いかけてスキングラードを遥かに越え、ウィルドからコロヴィア台地にまで進軍したが、その間に配下の軍隊は見る見る小さくなっていった。

コロヴィア台地の古い森の中で、帝国軍はリスラヴの義父であるクヴァッチ王の軍隊に出くわすことになった。アレッシア軍はおそらくまだ数の上で敵より優勢ではあったが、疲労困ぱいしており、矢のあられを浴びせられたことで士気は失われていた。1時間の戦闘の後、彼らは現在では帝国保護区として知られている北の地域に向かって撤退し、そこからさらに北、そして東へと向かい、ニベネイまで退却して傷と誇りの回復に努めた。

それがアレッシアの覇権にとっての終えんの始まりだった。コロヴィア西部の諸王もクヴァッチおよびスキングラードに加勢し、帝国の侵略に抵抗した。リャン率いるディレニの一族もそれに刺激され、ハイロックの全所有地からアレッシア改革派の宗教を追放し、帝国の領土へと攻め込み始めた。新たにスカイリムの族長たちの長となったホアグはホアグ・メルキラーという名で呼ばれるようになり、公然と異国人を嫌っているという点では皇帝と同じだったが、やはり抵抗運動に加わった。ホアグが戦死した後にはその後継者となったアトモーラのイスミール・ウルフハース王が闘争を続け、やはり歴史にその名を残すことになった。

実質的に一人で皇帝軍に立ち向かい、その終えんの端緒を開いた英雄的なスキングラードの王は、まさに、正当なるリスラヴという愛称で呼ばれるのにふさわしい人物だったのである。

聖ヴェロスの遺物Relics of Saint Veloth

トリビュナルの生き神に続いて、聖ヴェロスはダンマーの歴史の中で特に尊敬された者の1人だ。デシャーンにあるいくつかの礼拝所は、ヴェロスの記憶と彼自身と当時の従者によって残された偶像崇拝に捧げられている。一部の遺物の説明と、その重要性は以下の通りだ。

ヴェロスの審判:聖ヴェロスはサマーセットからの大脱出の際に、この戦鎚を巧みに操った。ヴェロスは戦争に注いでいた心を、レスデインにチャイマーの新しい故郷を築き上げるという仕事に向けると誓った時に、この武器を放棄するべきだと判断した。現在、ヴェロスの審判はトリビュナル聖堂にあり、堕落した魂を浄化する力があると言われている。

聖ヴェロスの涙:この光を放つ水晶は、ヴェロスが幻視の中で見た新しい故郷、レスデインの地を最初に見た時に流した涙だと信じられている。伝説によると、その涙はヴェロスの頬を伝いながら凍ったのだという。ムス・グナールの修道院のモンクによって保管されたこのクリスタルは、強力な治癒と回復能力があるが、それはモンクが徹夜の祈りとその様式を守ることが条件である。

ヴェロスの聖なる器:ヴェロスが大脱出の際に、病んだ従者の喉の渇きを癒やすため水を運ぶのに使い、その後新しい故郷で新しい農作物を潤すために使ったこの聖なる器は、現在はセルフォラの聖堂にある。

聖ヴェロスの聖骨箱:デシャーンにある聖ヴェロスの祠にある聖骨箱は、正確には遺物ではないが、その代わりヴェロスに関連した遺物の中でも特に強力で神聖な遺物、彼の頭蓋骨と骨が収められている。その骨には様々な魔法の力があると言われ、彼の祝福を受けようと巡礼者がモロウウィンド中から訪れる。伝説によれば、極めて信心深い者には、聖骨箱の前で瞑想して祈りを捧げている間、彼の幻視が見えることがあるという。

千の矢The Thousand Arrows

千の矢は謎に満ちたチャンピオンだった。彼女は一人でトーナメントに参加すると、その技術と正確さで無傷のまま全てのグラディエーターを倒した。有徳のハグロフに勝利した後も、新たな挑戦者がアリーナに現れるまで姿を現さなかった。彼女の得意武器は弓で、毒の塗られた矢を使っていた。毒は彼女が考案したものだった。巨大な敵も、かすり傷を負っただけで数秒で倒れた。彼女は毒の作成法を最期まで誰にも教えなかった。現在もその素材について、タムリエル中の錬金術師の間で激しい議論が交わされている。

王座を奪取した相手:有徳のハグロフ

敗北した相手:屈強なルシウス

第一公会議戦争War of the First Council

アグリッパ・ファンダリウス 著

(この説明は様々なインペリアルとダンマーの情報に基づいて西方の読者のために帝国の学者アグリッパ・ファンダリウスが書いた物である)

第一公会議戦争は、世俗的なダンマー名家のドゥエマー、ダゴス、正統派ダンマー名家のインドリル、レドラン、ドーレス、フラール、テルヴァンニの間で起きた、第一紀の宗教衝突である。第一公会議は最初の汎ダンマー自治組織であったが、ドゥエマーによる魔術や付呪行為が他の名家から冒涜とみなされたことによって崩壊した。

世俗派の名家は数こそ少なかったが政治的にも魔術的にも進歩しており、土地や戦利品を約束したノルドやオークのクランから援助を受けた。最初はモロウウィンドの北方で大成功を収め、それから現在のレドラン、ヴァーデンフェル、テルヴァンニ地区からなる土地のほとんどを占領した。正統派の名家は広範囲に散らばっていて、まとまりが悪く、ネレヴァルが全名家部隊の将軍になるまで敗北を喫していた。

ネレヴァルは遊牧民部族の援助を得て、ヴァーデンフェルのレッドマウンテンにある世俗派の要塞に大攻勢をかけた。アッシュランダーの斥候の助けもあり、世俗派側の部隊は裏をかかれて敗北し、生存者はレッドマウンテンにあるドゥエマーの要塞まで後退した。

短い包囲攻撃の後、ネレヴァルとその軍隊は要塞の中に入ることができた。そこで世俗派の指導者は殺されたが、ネレヴァルも致命傷を負った。将軍は徹底的に虐殺を行い、ドゥエマーとダゴスの名家は断絶した。そして傷を負ったネレヴァルは、間もなくこの世を去った。

正統派の中の3人―ヴィベク、アルマレクシア、ソーサ・シル–が再結成された第一公会議で実権を握った。これはモロウウィンドの大議会と名づけられ、やがてトリビュナルもしくはアルムシヴィとして知られる神王と不死の君主を生むこととなった。

嘆きの泉の埋葬の儀式Mourning Springs Burial Rites

気をつけて洗い、敬意をもって乾かす。

愛をこめて修繕し、注意して手当てする。

注意して巻き、敬意をもって結ぶ。

中央に向け、魂を休ませる。

刀剣作りの初歩:7つの教訓Beginning Bladecraft: 7 Precepts

マスター・ゲルウェズー 著

— 柄を締めつけすぎない。しっかりと、だが軽く掌に握る。

— 刀剣の反り:エッジは硬く、フラットは柔軟でなければならない。剣の可動域の感触を研究すること。

— 剣は武器ではなく、武器の先端にすぎない。体全体が武器であり、一つにならなければならない。

— 攻撃する時に隙が生まれる。だが攻撃しなければ当たらない。

— 剣の腰で、最も強い一撃を繰り出せる。

— 常に動き、突きを止め、突き、かわし、バックステップ、サイドステップで防御する。静止していれば死ぬ。

— 自分と敵の間合いを知ること。見ずとも感じること。

犯罪者の精神The Criminal Mind

学者ミンガリオン

数年前私は帝都の牢獄を訪ね、囚人の死体をいくつか調べた。誰の話を聞いてもその囚人達はひどく暴力的で精神的におかしな連中だった。ヴィリアスという悪名高きコロヴィア人に通常の検死をしている最中、彼の頭蓋骨の底部に奇妙な刻み目を見つけた。それに基づき、2つの要点から成るある仮説を私は発展させた。

まず、犯罪行動は主に脳の変形に起因するということ。そして2つ目は、暴力的な犯罪者にはエルフと人間の初期段階の種族(その暴力性で知られている)と同じ頭蓋骨の構造が見られるということだ。それゆえこのような犯罪者は、大きな顎や傾斜のついた額などの共通的な身体構造で特定できる。私はそう考えている。

私自身による膨大な研究成果とそのような特徴の計測結果を基にして、犯罪者の種族別の序列表を作成した。それによると、頂点に分類されるのはノルド、レッドガード、ダンマーで、ボズマー、ブレトン、カジートが序列の最後に来る。種族間で共通して使用できる測径器があれば非常に便利だ!

残念ながら私の仮説を発表しようとする試みは、敵意と嘲笑の対象になるだけだった。種族差別主義者だと公然と批判されたこともある!だから私は心を決めた。私の研究を書き残し、次の世代の人々に託すのだ。彼らが広い心でこの画期的な科学分野を受け入れ、検証してくれることを願う。

物語を紡ぐSpinning a Story

シランティレ 著

アルドメリ・ドミニオンの同盟国でありながら、ボズマーについて調査する時間は今まで少ししかなかった。彼らの文化は奇妙で孤立しているようだ。それにあまり書き記さない。ボズマーは他人への警戒心が強く、質問は危険なことがある。

その唯一の例外が、司祭、呪術師、あるいは彼らが呼ぶところの「紡ぎ手」で、かなり饒舌だ。実際、紡ぎ手に話をさせるのは全く難しくない…難しいのは、彼らが何について話しているのか理解することだ。

ボズマーの紡ぎ手は本質的にイフレの司祭だが、礼拝において人々を導くのを主な仕事とする他の司祭と異なり、紡ぎ手はボズマーにとってもっと吟遊詩人や歴史家のような存在だ。物語を語るために生きているかのように生き、大部分が同じように語る。

しかし彼らは古き良き時代を語る地方の老人ではない。紡ぎ手は未来の出来事についても物語を紡ぐ。他の人々が過去について覚えているように彼らは予知し預言する。そして年を重ねるほど、その予言の力は強まるようだ。

私がシルヴェナールに到着したとき、街の3人の紡ぎ手で最も若いエインレルが橋のところで私を出迎えた。そこでガーディアンの近くで、若い紡ぎ手は門までの私の旅の物語を経験したかのように語り、それから次の数日間の出来事を、まるでもう起こったかのように続けた!

シルヴェナールの他二人の年上の紡ぎ手に会った時、私は何が起きたのか話す気すらない。少なくとももっとよく理解するまでは。紡ぎ手は3人全員が何かに怒っているかのようだ。私はもっと学び…そしてもちろん、もっと書き記したい。

分別の熟練Mastery of Wisdom

私が薪木の月に晒された時期に、私は真実の本質を考えるための深い考察に入った。私は自分の意識を剣のように研ぎ澄まし、これからずっと敬意を示すであろう信念を固めた。

ターヴァの祝福の下、ソードシンガーは分別の熟練を得るために同じことをしなくてはならない。

魔女の尋問On the Interrogation of Witches

数世紀に及ぶ経験により、ダイアフロストのウィッチハンターは、魔術の利用が疑われる者を尋問するには拷問だけが唯一効果的な方法であることを知っている。

命を助けると魔女に信じ込ませることに疑問を抱く者もいる。たとえ罪を告白したとしても、魔女はほぼ間違いなく命を失うことになるからだ。

どんな形であってもその意見には耳を傾けなければならない。他の魔女に対する証言をしてくれた場合は、非常に評判の悪い魔女でも死刑にはせずに、終身刑を言い渡すべきだと考える者もいる。しばらくの間は終身刑の約束を守り、後で火あぶりにすべきだと言う者もいる。ウィッチハンターが命を守ることを約束しても差し支えない。その後にそのウィッチハンターが刑を執行しなければ、他の者に任せればいいという意見もある。

このような脅迫と約束を用いても魔女の自白を得られなかった場合、ウィッチハンターは刑を執行し、認められた方法を用いて囚人の拷問を行わなければならない。拷問中に魔女は、被疑内容に従い尋問を受けることになる。最初は軽い罪の尋問から始まるが、これは重い罪よりも軽い罪の方が進んで告白する可能性があるためだ。

拷問をして魔女が告白したら、ウィッチハンターは他の場所に移動して告白を確認し、拷問による強制だけで自白を引き出したわけではないことを証明しなければならない。さらにウィッチハンターは、デイドラの影響を受けた者が、魔女を助けるか自殺に追い込む可能性があるため、拷問をしていない間は、常に魔女の近くに衛兵を配置しておかなければならない。

民話A Folk Tale

ラナルダは、ヴァレンウッド中を舞い踊った。どうにかして木の葉の色を変えようと思ったのだ。しかし何も起こらなかった。木々の前では彼女はあまりに無力だった

彼女は腹を立てた子供のように地団駄を踏んだ。すると、足元で大地がえくぼを作ったのが見えた。大いに喜んだラナルダは、何度も何度も地団駄を踏んだ。足を踏みならす度に谷は深くなっていく。雨が降ると、彼女は自分の掘った穴の中で、熱心に舞を踊った

雨はゆっくりと、その穴を満たしていった。ラナルダは、雨が自分を覆い尽くすのも構わず、嬉々として踊り続けた。彼女の水の中での踊りが、湖のさざ波を作りだしていると言われている

目を覚ますよう願うPlea for Open Eyes

ベールをとったアザディエ 著

長身のパパはその指で散在する星に軽く触れ、その影は視界内外の地平線を超えてどこまでも伸び、その権威は前の世界と次の世界の霊魂を支配する。そんな彼でも子供達には慈悲深い。我が兄弟と姉妹が蛇のとぐろで締めつけられているのを見ると、私の心は痛みます。彼らは聖なる教えから目を背け、当然感じるべき羞恥心に唾を吐きかけ、錆びた剣を我々の伝統の心臓に突き刺すのです。彼らは皇帝達のぜいたくな暮らしに目がくらみ、誘惑されてきた。だから私は古き習わしを破った罪をここに暴露する。ラプトガよ…彼らがしっかり目を開き、この罪のおぞましき様相を認識し、そして悔い改めることを祈ります。

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「先人を敬え。先人の言動をおろそかにする者は、自分の剣を折りそれを燃える風の中に投げ込むようなものだ」。しかしセンチネルで、ヨクダ語の歌が宮殿の広間に響くことはありません。異国の英雄達の物語が、耳障りな言葉で語られるだけです。我らが先人の父の言葉は甘い水を切に求めるが、彼らの伝説は崩れて埃と化すでしょう。我々が世話を怠れば、新たな終わりの時が、前回よりもっとひどい形で再び訪れるでしょう。

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「”戦士の波”を邪魔する恥知らずに慈悲など必要ない」。しかし我が兄弟と姉妹は従順にも追放者達を同胞として受け入れ、我々の名誉を泥まみれの足で踏みにじり、我々の歴史を常に汚しています。そのようなことが許されているのを見て、私のような忠実な鳴き鳥の心は傷つく。ターヴァの目には血の涙がにじみ、ダイアグナの剣を持つ腕が裏切りの深紅で燃え上がるのは言うまでもありません!

我々は真理を知っています。なぜなら真理は語られたから。「従うべきはヨクダの神々のみだ。血の通わない肩によりそい、自分の力の弱さに唾棄する者から、碧落の岸は遠ざかっていく」。しかし緑の地の優しき王は我々の子供達に命じるのです。彼は白金を見つけるために、子供達を死へと送り込む。彼は子供達のたくましき背中に乗って上へと登る。彼の神の指が私達の心臓を突き刺し、モルワは頭を振る。

兄弟姉妹よ、これを読みなさい。あなた達は体の左側に仕事を与え、灼熱の太陽に目を閉じた。今や沈んでしまったヨクダの記憶が薄れるにつれて、あなた達の名誉には暗い影がさすでしょう。だがすべてが失われたわけではない。剣を持ちなさい。先人達のやり方で鍛えられ、正義の炎で精製され、真の名誉で鋭く研がれた剣を。道を誤った「新たな動き」を捨て去り、家族のもとへ帰るのです。彼らはあなたの過ちを許してくれるでしょう。だが、早く帰らなければ手遅れになります。

夜母の真実The Night Mother’s Truth

ガストン・ベレフォート 著

モロウウィンドのモラグ・トングやさらに有名なタムリエルの闇の一党の両方を題材に様々なことが書かれてきたが、いつどのようにしてこの2つの恐ろしい暗殺者ギルドが形成されたのかは曖昧なままだ。もっと具体的に言うと、前者が後者から生じたということは広く知られているが、いつどのようにして闇の一党がモラグ・トングから離脱したのだろうか。

最大の論点は、どちらの組織でも重要な位置を占めている夜母の存在のようである。多くの研究や聞き込み調査を行ったことで、多少なりとも自分の命を危険にさらすことにはなってしまったが(闇の一党はこの情報を神聖なものとしているため)、その甲斐あって、ついにこの大昔から続く謎を解き明かした。

もうその女の名前はわからなくなってしまったが、夜母はかつて帝国のシロディール地域にある現在のブラヴィルの街にあたる場所にあった小さな村に住む定命の者であるダークエルフの女にすぎなかった。彼女はモラグ・トングの一員として評判が高く、仲間同様、暗殺者としてデイドラ公メファーラへの奉仕を誓った。その上、組織の中で女性として1番高い地位である夜母の肩書を有していた。特定の派閥の夜母になるには、その派閥の監督者–尊敬され、恐れられるメファーラのお気に入り–にならねばならなかった。

しかし、女を恐ろしいものへ変えたのはメファーラではなく、さらに恐ろしい悪魔とも呼ばれる、終わりのない虚無の化身、ドレッド・ロードのシシスだった。

第二紀324年の支配者暗殺に続いて、モラグ・トング内で衝突が起こり、シロディールと帝国の大部分でギルドはほとんど絶滅した。これらの出来事はダンマーの女がシシスの声が聞こえると主張したすぐ直後に起こった。彼女はドレッド・ロードは立腹していると言った。彼はモラグ・トングの失敗に不服だった。彼は彼女に、虚無は魂を求めていると言った。そして、物事を正すのは彼女の宿命だった。

闇の一党の伝説によると、シシスは夜母の寝室を訪れて5人の子供をもうけた。信じがたいことが起こるまでに2年が過ぎた。ダークエルフの女はドレッド・ロードの最終的な計画をやり遂げた。ある晩、女は自分の子供たちの息の根を止め、その魂を虚無に奉げた。子供たちの父親のもとに。

村人たちはこの侮辱的な話を聞いて、女に反発した。このような行為はモラグ・トングの夜母だとしても理解しがたいことだった。ある夜、村人たちは女を襲って始末し、残虐事件が起こったその家を焼き払った。それで、この話は終わった。とにかく、誰もがそう思った。

それから30数年後、名前は明らかではないがある男は気持ちが安らぐような不思議な声を聞いた。ダンマーの女が彼女の内側でシシスの声を聞いたと主張したのと同じである。声は自分を夜母と名乗り、男を最初の「聞こえし者」と名付けた。

不浄なる母は使いを彼のほうへ歩みださせた。彼は闇の一党として知られる新しい組織を結成した。それはメファーラではなくドレッド・ロードのシシスへ仕える組織だ。今やモロウウィンドでのみ生存しているモラグ・トングは忘れられた時代の遺物だった。闇の一党は取引と死を結びつけるだろう。この組織は富と権力をもって力を伸ばし、虚無は新鮮な魂でいっぱいになるだろう。夜母は聞こえし者に、それは完璧な取り決めだと言った。

闇の一党の初期の頃に夜母とその子供たちの体はもとの埋葬地から回収され、夜母の家の下に位置する墓地に葬られた。今日でも残っている。

旅の途中にブラヴィルの街に立ち寄ることがあり、(その地方の習慣に倣って)幸運の老女の像に願いごとをすることがあれば、自分が神聖な地にいることを覚えておくように。特にあなたが邪悪なものならば。夜母こと不浄なる母の上に立っているあなたの運は、今まさに尽きようとしているからだ。

有徳のハグロフHagrof the Righteous

ハグロフは、誇り高く、謙虚で、他の剣闘士達を尊重するチャンピオンであった。彼は倒した敵の名誉のために、倒した敵をその敵の習慣に従って死体を埋葬した。彼が無数の傷口から血を流しながらアリーナの中心に倒れ込んで敗北を喫したとき、あらゆる種族の剣闘士が無言のまま立ち尽くしていたと言われている。彼の死体が古い薪の山に運ばれた後、ノルドの王に匹敵するような規模で葬儀が執り行われた。

王座を奪取した相手:クロウブリンガー

敗北した相手:千の矢

溶岩の女王The Lava Queen

溶岩の女王は聖なるるつぼ史上最も偉大な王者である。アリーナでの彼女の武勇に肩を並べる者はおらず、およそ4世紀にわたり聖なるるつぼを統治している。無謀にもアリーナで彼女に挑んできた者は全員、彼女の火の魔法に圧倒され、炭になるまで焼きつくされた。彼女は聖なるるつぼのためだけに存在し、聖なるるつぼは彼女のために存在していると言われている。アリーナに対する彼女の支配力は圧倒的で、その舞台も彼女の思うままに作り変えられる。彼女と戦うことは、活火山の力や破壊力と戦うことを意味する。

王座を奪取した相手:偉大なサナレル

敗北した相手:

嵐の女神、ノルドの母Goddess of Storm, Mother of Nords

ノルドの八大神の一人であるカイネは、一部の人々からは神々を率いていると考えられている。彼女は炉の神々の一人で、現在の世界の循環を見守っている。彼女の称号は非常に多く、カイネの性格について数多く明らかにしている。

ほとんどのノルドはカイネが死者をソブンガルデへ率いたと認めているため、カイネは最後のキスと呼ばれる。彼女は嵐の女神として崇められており、乾燥の時期に雨と雪をもたらすよう求められる。彼女は広々としたスカイリムを定期的に通過する、荒れ狂う強風とブリザードから信者達を守る。カイネは他にも、ショールの寡婦やノルドの母との称号で呼ばれる。

戦士達は戦闘での強さと争いでの勝利をカイネに求めるため、カイネを支持する。

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