モアウィタの記憶

Moawita Memories

インドリクの心臓Heart of the Indrik

シヌタルモ教授による講義の抜粋
-遺物マスターグレナディルによる複写

美しいだろう?ルビーに似ているが、この石は結晶化したインドリクの心臓である。なに、簡単なことだ。月が照らす中で100晩、心臓を純水に浸すだけでいい。

不可能だと思うか?素早くやればできる。

目も眩むほどだが、ほとんどの者はこの水晶に悪事が働けるとは思わない。そして触れない限り、それは確かに真実だ。しかし、不純な心を持つ者に触れられると、水晶の中央に暗い影が現れる。そうなった後は、それを所有する者全員を呪って悲痛をもたらす。そして、まあ…その後は長生きしないとだけ言っておこう。

影裂きの刀剣The Shadowcutter Blade

女司祭エンドゥノルの説教
-遺物マスターグレナディルによる複写

シラベインは刀剣を作り上げ、異常な闇さえ切り裂けるように、それを影裂きと名付けた。自身の作品の素晴らしさを見せようと、シラベインは友人にそれを披露した。

「さあ」シラベインは友人に言った。「壁に映る自分の影を見ろ。それを2つに割いてやる」

友人が影を見つめる中で、シラベインは光を放つ刀剣を高く掲げた。それを大きく下に振り下ろすと、光の弧が前へ押し出された。そして彼の言ったとおり、影が2つに切り分けられた。

しかし、友人は膝から崩れ落ちた。シラベインはエルフの友人の元へ駆け寄ったが、手遅れだった。彼の中にある闇、全ての人間とエルフが持つ闇も、2つに割かれた。彼の魂が貫かれたのだ。そして彼は殺された。

解けるワンドThe Unraveling Staff

仲裁者アンバーウェンの報告書
-遺物マスターグレナディルによる複写

報告4587:南中の月27日

容疑者を拘束し、杖は魔法の検疫に回した。容疑者の家で見つかった正式な書類から、あの男は街で有名な紡ぎ手から杖を作るように委託されていたことが分かる。あの杖はもともと、絡まった糸をほどくためのものだったと考えられる。

本件においては、数名の目撃者による証言が集められた。

「ああ、アニルヨンの隣人になってからもう数年になる。彼からは全て聞いた。解ける杖と呼んでた。最後に話を聞いた時は、見事に機能してた。どうした?何かあったのか?」

「ひどかった!彼は狂ったように笑いながら通りを走っていた。そしてどこかを示し指すたび、哀れなエルフの服が解けてしまった!あれは恥ずかしい」

「服が解けるというのは知らない。建物がばらばらになる様子に気が取られていた!石や板が、まるで生きてるかのように飛んでいった。知らなかったな…死者が何人だって?」

「ああ、見た。杖で指したら…彼女はただの若い娘だった。どう説明したらいいか。ああ、かわいそうに。彼女の肉体がまるでただの…すまない、もうこれ以上話せない」

容疑者は法廷が承認する日まで留置。保釈は認められない。

乾燥の胸当てChestplate of Desiccation

元奴隷ウージャ・ナカルとの面談
-遺物マスターグレナディルによる複写

そう、テルヴァンニの看守はよくこれを罰に使う。この種族に、乾燥より気分の悪いものはそうはない。もちろん熱気には慣れてはいるが、ブラック・マーシュの沼の湿気を含んだものは初めてだった。

彼らは、さらに平凡な方法でサクスリールを乾かそうとした。檻に閉じ込め、夏の太陽に乾燥を任せた。しかし、雨の日や島に霧が立ち込めた時は、これを着させられた。両手は縛られ、脱げなかった。そして胸当ての効果が出始めた。

初めの感覚は鈍いものだった。しかし、その効果を知っていたがため、徐々に恐怖に襲われた。それはかゆみのような、多少の不快感から始まった。鱗の先が感じ始め、ゆっくり中へと染み込んでいった。口内の舌がしぼむのが分かった。目を閉じても楽にはならない。鱗がそれぞれ、緩慢に硬くなっていった。

どれほど死を望もうと、彼らは決して許さなかった。

甘い夢の枕Pillow of Sweet Dreams

ホノリア・アウルスの詩
-遺物マスターグレナディルによる複写

枕に頭を乗せる
目の奥でいい夢を見る
再び眠りが訪れるのを待ちわびる
嘘で飲み込まれる日を

その時は愛する人が横に寝そべり
彼女の微笑みは明るく、肌は輝く
そこでは死が及ばない
しかし朝が来ると彼女は去る

私は再び眠り
二度と起きない
今夜私の魂は
奪う

偽りのランターンLantern of Lies

童謡、起源不明
-遺物マスターグレナディルによる複写

ランターンと火に気をつけよ
その赤々とした火には力がある
見える所に置けば
ランターンはお前を貪り食う

偽顔の扇Fan of False-Face

代弁者ギルザロンの手紙
-遺物マスターグレナディルによる複写

リジケー、この仕事を任せられると信じているから、この警告のせいで思いとどまったりするな。この品の使用を許したのは数年ぶりで、とても強力だ。だがお前の標的は簡単ではない。マグニフィコ・ナドブシャールは自分の命が狙われてることを知っていて、深く恐れている。

必要な品は持っているし、ナドブシャールの側近を捕らえるのは楽なはずだ。扇の魔法は被害者が生きていないと効かないから、彼女は生かしておけ。扇を広げるのは、必ず二人きりになってからにすること。お前たちの顔の間に持って、折れ目の中をじっくりと見つめるんだ。次にまばたきをする頃には、側近イムラサーの顔になっているはずだ。

この段階では特に時間が大切だ。扇の効果はゆっくりだが、一定している。すぐ不快に感じるだろうが、訓練のおかげで乗り越えられるはずだ。しかしゆっくりと夜が更けるにつれて、真の姿は消えていく。イムラサーのように考えるようになり、自分はイムラサーだと信じるようになる。朝の光が訪れる前に、変身は完了しているだろう。そうさせてはならない。

飲み物に毒を入れてナドブシャールに渡し、祝宴から立ち去れ。イムラサーのもとに戻って、もう一度扇を使え。こうすることでのみ、自身を維持できる。そうしないと、お前は王家の側近の体の中で永遠に失われる。私に言わせれば、死よりもひどい運命だ。

銀舌の羽根ペンThe Silver-Tongued Quill

盗賊ギルドマスター、ライシフの書簡
-遺物マスターグレナディルによる複写

オルズダーグ、

計画は取り消しだ。あのいやな魔術師め、汚い真似をしてくれた。これまでの脅迫で十分だろうと思っていたが、仕方がない。次に会う時は、斧のとがったほうを味わわせてやる。とりあえず今は、羽根ペンが役に立たないと知っておけ…少なくとも今回の目的にはな。

問題が大きくなった。まず魔術師は、羽根ペンを使った奴が書いたことは信じられるなんて言ってなかった。まあそれは、もし書かれる内容を選べたらどうにか対処できただろうが。とにかく、面倒な付呪だ。あれを使って書こうとした最後の2人は、縛りつけるはめになった。羽根ペンめは一人に高い屋根から飛び降りるように吹き込み、もう一人には…まあ、独創的になってきてるとだけ言おう。もう二度と起きてほしくない。

あんな呪われたものは川に投げ捨てようと言いたいところだが、誰かが欲しがるかもしれない。買いたがる愚か者の客を見つけよう。探す場所さえ知っていれば、こういうものには収集家がいるものだ。

魂の番人の壷The Soulkeeper’s Urn

刻まれた碑文
-遺物マスターグレナディルによる翻訳、複写

警告:危険な霊魂が入っている。開く前に厳粛な予防措置を取ること。月の周期7回ごとに結界の呪文をかけること。取扱注意。熱湯で洗わないこと。

些細な呪いの頭蓋骨Skull of Minor Cursing

氏名不明なカジート商人の売り込み
-遺物マスターグレナディルによる複写

さて、誰にも嫌いな奴が一人くらいいるだろう?もちろん憎むほどではないが、何かひどいことをしてきた者。不当なことをされたり。死んでほしいほどではないが、少し不快な思いをさせたいとか?少し問題を起こしたいとか?それなら、いいものがある!

こちらの些細な呪いの頭蓋骨ならぴったりだ。ひどい水虫!そこそこ不安にさせる悪夢!止まらないしゃっくり!目的の被害者をかんかんに怒らせること間違いなし。お値段も手頃だ。

砕け散る剣The Shattering Sword

呪いの決闘の独白、第2幕第4場
-遺物マスターグレナディルによる複写

バトルリーブ・タンウィンセア:さればこの呪われし剣を手にしよう。我が敵は決闘の場でこの剣を使うとは承知の上だ。決闘の最高潮に彼の剣は砕けん。とどめが放たれよう。我が行為に名誉はなし。だが恥もなし。命を賭して演ずべき戯れに他ならない名誉に、価値などあるものか。我は大義を知るべし。決闘を制す名誉を知るべし。如何に手段が汚かろうと、勝利とは常に甘美である。

失われた恋の靴Jaunt of the Jilted

失われた恋の靴、一幕劇
-遺物マスターグレナディルによる複写

語り手:昔、良家のエルフが2人いた。小さい頃から縁談がまとめられ、成長すると結婚式が計画された。

ノルディンウェ:ああ、素晴らしい結婚式の日が待ちきれない!

語り手:しかし若いクアーネルはためらった。結婚は愛する人としたかったのだ。

クアーネル:ノルディンウェ、悪いが君を愛していない。婚約は破棄しよう。

語り手:ノルディンウェは後に別の求婚者を見つけたが、クアーネルの裏切りを忘れることはなかった。憎しみを抱いた彼女は、靴に呪いをかけた。美しくしなやかなその靴には、恐ろしい秘密があった。

ノルディンウェ:クアーネル、以前は仲がよかったでしょう。ぜひ結婚式に来て。それにほら、この見事な靴を持ってきたわ。ダンスにぴったりよ!

語り手:そうしてクアーネルは式に出席し、披露宴が始まると踊り出した。音楽のリズムが速くなると、彼の足も素早く動き出した。靴は次第に温かくなり、やがて熱くなった。そしてついには足を焼き焦がし始めた。

クアーネル:ノルディンウェ、何をしたんだ?この靴は…いったい!

語り手:しかしクアーネルは踊りをやめられず、しまいには息を引き取った。この間ずっと、ノルディンウェはただ笑顔をたたえていた。

手放せぬリュートThe Sticky-Fingered Lute

上級公女ライリルシルウェの手紙
-遺物マスターグレナディルによる複写

拝啓、サピアルチ・テマティラナ様

息子の件をご親切に引き受けてくださりありがとうございます。母親として、ナルリンドリの回復を一刻も早く助けていただくことが唯一の望みです。息子は何日も眠っていないため、あなたの質問には答えられないと思われます。あの額で十分に足りることを願います。

さらに調べましたが、いまだに誰がナルリンドリにリュートを贈ったのかは不明です。12才になったばかりで、祝宴に来た客人も贈り物も多数でした。息子の現状を考慮すると、このまま分からぬままになるのが心配です。明らかに罠だったと、今では分かります。

リュートは美しく、ナルリンドリはすぐに気に入りました。その日の夜から、添えられていた音楽の書にあった曲を演奏しようとしました。最初は熱心なだけだと思っていましたが、夜が更けるにつれて音にうんざりしていきました。やめるように言うと、私の目を見ることも拒んでただ弾き続けました。私が何を言っても、やめさせることはできませんでした。しまいにはリュートを奪い取って、朝まで部屋にいるように命じました。

彼は最初何も言いませんでしたが、震え始めました。体全体が同時に震えていました。そして苦しみながら地面に倒れ、手足はけいれんしていました。「母さん!リュートを返して!」と叫び、その声は拷問を受けているかのように苦しそうでした。

息子の命が心配になり、もちろんリュートを返してやりました。それ以来演奏を止めておらず、もう3日目に入ります。我が家の治癒師は息子のそばから離れていませんが、指が切れて血を流しているのを見ていると心が痛みます。睡眠も食事もほとんど取っておらず、いつもあの呪われたリュートを弾いているのです。

夫がナルリンドリと一緒に向かいますので、他に質問があれば答えられるはずです。どうか、何とかしてやってください。家族そろって恩に着るでしょう。一人息子の命と引き替えならば、費用は惜しみません。

敬具
上級公女ライリルシルウェ

終わりなき巻物The Never-Ending Scroll

サマーセットの古い民話、原作者不明
-遺物マスターグレナディルによる複写

ある夏の日、古風で趣のある小さな店で、エルフが古い巻物を買った。彼女は買ったばかりの巻物を使いたくて、兄弟に手紙を書くため座った。しかし、書き始めると何ともおかしなことが起きた。手がまるで勝手に動いてるかのように、物語を書き始めたのだ。

なんとも不思議で魅惑的だった。書きながら、彼女には目の前で物語が展開していくのが見え、まるで言葉の中でその冒険を体験しているような気がした。巻物には終わりがなく、延々とほどかれながらも減ってはいかないようだった。

そうして彼女は次々と書いていった。

数日後、兄弟が彼女の死体を見つけた。指はインクまみれで、口元は微笑みをたたえた状態で横たわっていた。そして彼女が書いた物語は何の意味も持たず、文字は不可思議で不明なものだった。

常に満ちた聖杯The Ever-Filling Chalice

刻まれた碑文
-遺物マスターグレナディルによる複写

この聖杯から飲む者は、激しい渇望を経験するだろう。渇望にふけり、決して終わることはない。そしてその甘い水に溺れるだろう。

知覚時間の砂時計Hourglass of Perceived Time

クロックワークの使徒ララム・ファレンのメモ
-遺物マスターグレナディルによる抜粋の複写

記録32

被検体15Aはますます興奮してきている。実験の境界を見つけたことが疑われるが、それがどの程度までかは不確かだ。これが現在の実験にどういう影響を与えるかは、まだ分からない。

被検体15Bは言葉をつなげられなくなってきたが、これは外部からのみそう感じられるという可能性もある。彼女の世界観としては完璧に言葉をつなげて話しているのだろう。気性は相変わらず前向きだが、捕われてからまだ2日だけだと理解しているので、おそらくそのためだろう。

被検体15Cは強硬症になり始めた。他の被験者にはほとんど反応せず、長い間むせび泣くようになった。彼はもう実験に適さないかもしれない。私の計算によると、彼は捕われてすでに5年以上と理解していることになる。

致命的な予感の鏡Mirror of Fatal Premonition

タンディファエの遺言
-遺物マスターグレナディルによる複写

起きた。起きた、起きた。傷だ。頬に傷、傷がある。頬にあって、自分にはもうじき最期が訪れるのだと分かる。死ぬんだ。

あんな鏡を見るべきではなかったのだが、好奇心に勝てなかった。年老いた男が見えるだろうと思っていたが、自分を見つめ返した目は同じだった。わずか80才で自分の死を見つめ返していた。唯一の違いは…頬にある傷だった。

気をつけているつもりだった。剣術もせず、何にも乗らず、激しい活動は避けた。それなのに昨日、市場で、敷石につまずいたのだ。こともあろうにあんなものに!そして今ではそこに傷があり…死ぬことになる。鏡は知っていて、見ていて、これが死の証だ。

家族には、とても愛してると知っておいてもらいたいが、運命からは逃げられない。少しでも常識があるなら、あの鏡を破壊してくれ。自分まで破滅させられる前に。

塔の杖Staff of Towers

聖アレッシアの祝福された使徒、ホルネヴンの文書より
遺物マスター、グレナディル訳

エルフ魔術師アヌマリルの手よ呪われたまえ!アヌイ・エルの誇りよ呪われたまえ!見よ、彼らの柔軟で邪悪な指は世界の破滅を仕組んだ。ウマリルと親族がホワイトストレークの死で苦しむ中で、この杖、この8片の罪はまだ残っている。

アダマンチン:根源的で厳粛。

赤:陰気で血まみれ。

水晶:不敬で不可解。

オリハルコン:静かで忘れ去られている。

雪のノド:冷たく不気味。

緑の樹液:活気に満ちて賢い。

真鍮:大股で歩き強力。

白金:無限で永遠。

全て真っすぐだが、ひねくれてもいる!金属、石、そして冒涜の誓いに縛られている!これら8つの偶像がそれを行使する者の手に渡らぬことを。塔の杖が静かに動かず、魔術師の非情な目に入らぬことを。今も、いつまでも。

逃れられぬ兜The Inescapable Helm

グラッシュの日記
-遺物マスターグレナディルによる抜粋の複写

107日目

この兜を永遠に脱げないかもしれないことを受け入れた。気に入らないが、仕方がない。これを売っていたあのクソ野郎が言っていたとおり、破壊不可能だということが分かった。あらゆる鍛冶を試したが、誰にも何もできなかった。

245日目

今日は別の魔術師に会った。他の連中と同じで、興味を持ったようだった。口ごもって何かを言って、書物を読んだりした。あらゆる呪文を試した。もちろん何も起きなかった。友人を紹介されたが、もうとっくに望みは捨てている。

487日目

かゆみが収まらない。あらゆることを試した。今朝だけでも千回は氷水に頭を突っ込んだはずだ。宿のベッドがシラミだらけなんて、最悪だ。

682日目

書くのはこれで最後だ。書くたび、何もかもが役立たずだということが分かる…もう望みはない。こんな姿で、どうやって生きていくんだ?兜から頭が出ない相手と家族を持とうとする者などいるわけがない。軍隊か何かに入ろうと思う。見込みが低いほどいい。こんなふうに生きていくより、戦場で死ぬほうがましだ。

白黒の絵筆The Monochrome Paintbrush

サマーセットの古い民話、作者不明 著
-遺物マスターグレナディルによる複写

昔、素晴らしい才能を持つ芸術家がいた。彼女の瞳は未知の世界で輝き、あまりの壮麗さと明るさに、美しいサマーセットさえ色あせて見えた。彼女は活気に満ちた景色を絵にしようとしたが、普通の色では用足りなかった。どうやったら光景を表現できるだろうか?

やけになっている時、貧しい商人が彼女の家の扉を叩いた。粗末な外見をした年寄りで、連れは足元に犬がいるだけだった。

「この絵筆を買わないか?」とその貧しい商人は聞いた。「この家からして、画家だろう。これを使えば、作品に命を吹き込めるようになるぞ」

好奇心をそそられた芸術家は、その絵筆に微々たる額を払うことに同意した。先端が白くて黒い象牙の柄をした、わりと大きな筆だった。白黒の絵筆という代物だが、名前に騙されてはならないと言われた。そうして年寄りの商人は満足した笑顔で去っていった。

芸術家はすぐさま仕事に取りかかり、彼女の目の前では信じられないようなことが起きた。ほんの少し前はただの絵の具だったものが、輝きを放ちながら深みのあるものになったのだ。それは色や情緒以上のもので、彼女がそれまで見た全てをしのぐものだった。ついに、色が彼女のずっと思い描いていたイメージと一致したのだ。

しかし、彼女が描いているとおかしなことが起きた。まず、彼女の唇、指先、鼻先から色が抜けていった。髪の毛は黄金のような黄色から色あせた白に変わり、服は青と紫が消えて灰に変わった。

彼女は気づかなかった。彼女はどんどん絵を描き続けた。自分が作り出している景色に没頭し、彼女の体は白と、黒と、灰色だけになった。目は重たくなり、心拍は次第にゆっくりと間隔を開けるようになり、ついに彼女は突然崩れるように倒れた。

彼女の死体の前にはサマーセットで最も美しい絵があった。今でも飾られていると言われているが、ニルンでは二度と目撃されていない。

非難の箱Chest of Condemnation

競売者ポーシャの話の引用
-遺物マスターグレナディルによる複写

さて、この美しい箱の入札を始める前に、一言警告を。気が小さい者には向かない品だ!こういう品の起源についてはあらゆる話が聞かれるが、ほとんど何も知られていない。確かなのは、強く呪われたものだということだ!

皆さん、よく聞いてほしい。聞こえるか?くぐもった、かすかなうめき声。安っぽい芸ではない!言っておくが、中に助手を仕込んでなどいない。非難の箱はいつも泣き声を上げているが、誰もその理由を知らない。中に何があるのか?残念ながらそれも謎だ。手が器用でないと封印を破れないだろうが、そんなことはお勧めしない。

しかし、真の呪いはそんなものじゃない。ちょっとしたうめき声など、害はないだろう?だがしばらくすると、頭をどうにかする傾向がある。この箱のこれまでの所有者は全員、しばらくすると完全にいかれてしまった。ここでは鍵をかけて誰にも聞こえない場所にしまっている。購入者も同じようにしたほうがいいだろう。

さて、入札を始めよう。まずは…50000ゴールドからでどうかな?

遺物師の蔵書庫

Library of Incunabula

アーティファクトの記録:オパールのお守りArtifact Record: Opal Charm

ダガーフォールのジェラルディ伯爵がデイドラ公メリディアの崇拝に手を染めたかどで追放された後、銀の薔薇騎士団は彼の領地から異教の道具や信者を根こそぎ排除する任務を与えられた。伯爵の召使の大半は神々を恐れる人々だが、伯爵が後援していた芸術家たちの集団はそれほど純朴でないことを騎士団が突き止めた。教団の所持品の中には、雌鶏の卵ほどの大きさの紋様が刻まれたオパールがあった。この宝石は黄金の型にはめ込まれ、鎖で吊るされていた。騎士団の魔術師たちは、これが強大な魔力を持つことを即座に見抜いた。放出されていた色鮮やかな光は、台座に置かれているだけでも祠全体を照らし出すほど明るかった。

このお守りをさらに調査すると、綺麗な光のショーどころではない力を有するものだと分かった。この石はメリディアの領域と深いつながりを持っており、放出される光は彩られた部屋から直接引き出されているのだ。使い方を理解すれば、光で作り出した物体を離れた場所に映し出せる。単なる幻影ではなく、彩られた部屋の力が生み出す物理的な召喚だ。この召喚を維持するにはかなりの集中力が必要で、集中が途切れるとすぐに消滅する。

一見しただけでは分からないこのお守りのもう一つの特性は、生者に対する支配力である。何といっても、生命と光の淑女は服従を好む。オパールのお守りは生物の生命力を合一させられるのだ。これは信者たちを処刑しようとした際、我々が発見したことである。このアーティファクトの装着者、つまり伯爵を多大な尽力の末に仕留めるまで、お守りに結びつけられた他の者たちは、傷を受けても倒れることがなかった。このような強力な物品がより危険な敵の手に渡る前に、我々の手で押収されたことは幸いである。

公文書保管人バーソロミューによる記録

アーティファクトの記録:大地裂きArtifact Record: Groundsplitters

銀の薔薇がロスガー山脈に巣食うデイゴンの略奪者に勝利したことで、大量の戦利品が手に入った。彼らの武将、雪崩のバーグは自分が築いた瓦礫の下に眠っているが、バーグが大切にしていた「大地裂き」は騎士団の宝物庫に飾られるようになった。オークの山賊があのような強大なアーティファクトをどうやって手に入れたのかは謎だが、この5年間に奴がハイロック中で暴れ回った報酬として、破壊のデイドラ公が授けたのかもしれない。

この威圧的なブーツは戦士にとってそれほど重いものでなく、持っているだけなら特別な力があるようには見えない。しかし足に滑り込ませた途端、装着者は巨人のように、足を踏みしめるたび低い唸り声のような地響きを発生させる。「大地裂き」を履くと、装着者の足踏みの衝撃は数倍に増幅される。つま先で歩いても大きな音が響き、強く踏みつければ地面にひび割れが入る。

誤った者の手に渡れば、このブーツはたとえそのつもりがなくても壊滅的な被害をもたらす可能性がある。ありがたいことに、もはや砦の奥深くの宝物庫から出ることはないだろう。

公文書保管人バーソロミューによる記録

アーティファクトの記録:不実の剣Artifact Record: Duplici Gladio

噂によればこの剣は数百年の間、血なまぐさい陰謀と死の決闘を通じて、帝都でその所有者を変えてきたという。八十年戦争の際に帝国軍によってダークエルフのある戦士から奪われた後、帝国中枢において一種の伝説と化したとされる代物だ。この剣がかつてどのような名を持っていたかは知らないが、インペリアルの間では不実の剣と呼ばれている。その理由はこの剣が強大な力を持つと同時に、終わりなき裏切りの連鎖をもたらしたことが知られているからだ。このように地味な武器が恐るべき評判を得ていることを、不思議に思う者がいても無理はない。しかし詳しい者なら、剣の紋様を見ればその不吉な出自と真の所有者が分かるだろう。これは策略のデイドラ公ボエシアのものだ。

より知名度の高いゴールドブランドほどには人目を引かないが、私見だがこの目立たない剣はダークエルフの油断ならない性質によりふさわしい。不実の剣の最も注目すべき性質は、剣自体と装着者の分身を生み出し、それを本体と独立に行動させられることである。この力の利点は明らかだが、ボエシアの品を無条件で信用するのは愚か者だけだ。分身はデイドラ公に都合のいい時は装着者の命令に従うが、真に忠誠を尽くすべき相手を決して忘れない。

三旗戦争によって直前の所有者がシロディールを追われ、我々の手に転がり込んでこなかったなら、この呪われたアーティファクトは帝都をさらに数百年の間、死と裏切りに染め続けていただろう。今では砦の宝物庫に貯蔵されているので、もう犠牲者を出すことはない。

公文書保管人バーソロミューによる記録

アイスリーチ魔術結社への手紙Letter to the Icereach Coven

アイスリーチの諸君

申し出を受け入れていただき感謝する。その先見の明は古代からの絆を際立たせるだろう。王侯は伴う者によって判断されることが多いが、諸君とは波長が合うと感じる。共に世界をより良くするため、労力を惜しんでいない。

側近たちからは、求められた資料をすべて届けたと聞いている。この儀式が難し過ぎるようならすぐに伝えてほしい。我らの時は近い。今でさえ、動き出した車輪を止める訳にはいかないのだ。多くのことが、諸君たちの速度と精度にかかっている。

我々の協定について、疑いを持つ者もいるやもしれぬ。これは覚えておけ。私は常に約束を守ってきた。約束を守る相手には、血にかけて約束を守ろう。取り決めを尊重できないようなら、諸君の城塞の壁を召使の内臓で染めよう。これも誓う。

儀式の結果を早く確認したい。すぐに我々はノルドを服従させ、諸君たちが失ったものを取り戻すだろう。

敬白
-R

アドシ・フェヴルの日記Journal of Adosi Fevur

彼女が戻ってきた時、私たちは喜んだ。千年の不在の後、我らが祝福されし創設者が大地から現れ、蘇ったのだ。古い宗教は大部分消失しており、彼女の主張を疑う者もいた。私もそうだった。知らなかったのだから。

だが遺産が火花を発して命を得た。奇跡的な光景だった。女族長は遺産に手を伸ばし、囁いた。言葉は聞こえなかったが、彼女の顔が輝いたように見えた。その瞬間、私たちは真実を知ったのだ。

しかし、である。

女族長は物語が伝えるような人物ではなかった。優しく、忍耐に満ちた人ではない。彼女は私たちの幸福など気にもかけなかった。主に憤怒に駆られた人物だ。彼女は狂暴な敵が部下たちを殺し、自分の地位を奪ったと話した。復讐だけが彼女の目標だった。

彼女が災厄のことを言っているのはわかった。長い年月が過ぎた今は、ただの恐怖物語だと思っていた。一瞬のうちに姿を現し、子供を盗んでいく怪物。どんな物語にも一定の真実があるということか。

その後、多くが変わった。ルラディ女族長は私たちに、災厄の次の襲来に備えねばならないと力説した。遺産を守るために私たちは全力を尽くさねばならないと。私たちはそうした。本当にすべてのものを与えてしまったのだ。

ぺライト公が最大の保護を与えてくれた。女族長はそう主張している。災厄をもって災厄に対抗するつもりなのだろうか。私たちは聖堂を築き、遺産をそこに移した。そして、生贄が始まった。私たちはどうやって歩いているのかもわからない、謎の怪物たちに囲まれるようになった。

私は抵抗した、と言いたいところだが、私も他の皆と同様に熱心に崇拝した。おそらく、私はそのことで罰せられるだろう。

数日が過ぎた時、ニルンそのものが裂けたかと思うほどの轟音が響きわたった。空は赤くなり、煙で満たされた。それ以来、私たちは太陽を見ていない。炎と石が降り注ぎ、私たちの家を破壊した。何が原因でこうなったのか、誰にもわからない。これが罰なのだろうか。

ほぼ三時代の間、バル・サナーは世界から孤立していた。3500年以上前、女族長はこの集落を作り上げた。帰還した彼女は、今やその破壊を告げに来たのかもしれない。

アルクンザムズ・フングArkngthamz-Phng

アルクンザムズ・フング:
竜の牙に捕えられた都市

ネラモ 著

最もよく物語の題材にされ、最も理解されていないドゥエマーの遺産は、おそらく失われた都市アルクンザムズ・フングだ。その伝説に最も深く刻み込まれた要素であり、知られているほぼ唯一のことはこの都市の没落だ。それが何だったのか、どのように起きたのかは、ほとんど記憶されていない。その名前さえ、派手な通称の「牙の巣」によって隠されている。これは元の「フング」を切り詰めた不純な表現に、この場所の最も悪名高い居住者の家を指す。適当に不吉な語句を組み合わせたものだ。数千年語られてきた伝説が、何らかの派生を見せたことはこれが初めてでもない。ドラゴンがこの旧ドワーフ都市を根城にした物語は、それより前の魅力的な歴史を残念ながら覆い隠している、と述べるに留めておこう。

幸運にも私の研究を通して、この埋もれた歴史の一部が明るみに出るようになった。私の発見が示唆するところでは、チャイマーとドゥエマーの平和が確立してから数十年後、クラゲン・クランのドワーフがレスデインの先に領地を探し始めた。放浪したローケン・クランが大移動の際に敷いた道に従い、クラゲンのドワーフは現在のスカイリムと考えられる場所に到達し、アルクンザムズを設立して、この地方で最初の拠点を確立した。

クラゲンの探検家が、敵対的なノルドに囲まれてもここに住もうとした魅力が何だったのかは明確でない。しかし好戦的な人間の攻撃を受け続けたにもかかわらず、彼らの街は繁栄した。その成功に触発され、他のクランも領地を西に広げようとしたほどだ。クランの緩やかな同盟は、実質的に都市国家4つの小帝国を築き、難攻不落と考えられていた。だからといってノルドが諦めたわけではないが。

この成功のゆえか、あるいは付近にこれほど多くのクランがいたためか、クラゲン・クランは西へ拡張を続け、危険な竜牙山脈を突破した。私は彼らが、新しい帝国を疎遠になったヴォレンフェルの同胞とつなげようとしたと考えている。いずれにせよ彼らは石を破砕し、現在のハンマーフェルの国境に姉妹都市を築いた。それがアルクンザムズ・フングだ。

地形は居住に適さなかったが、ドワーフたちは拡大を続けるこの居留地を攻撃的なまでに削り、すぐにクラゲン・クランの権力の座を設置したとする証拠が幾つかある。荒廃してはいるが、アルクンザムズ・フングの大広間の貯蔵庫は今も雄大だ。広大で、隔離されていて、資源と生命にあふれた空間が、ドラゴンプリーストに仕えるノルドが作った住居よりも居心地のいい場所を探していたドラゴンにとって、魅力的だったことは想像に難くない。

悲しいことに、私の最初の探検は予期せぬ抵抗に遭遇し、さらなる重大な解明がなされる前にこの地を離れざるを得なかった。しかし、これが出版されることで生じる関心が第二の、より野心的な探検を実現させてくれることを疑っていない。

ある姉の後悔A Sister’s Regret

弟よ

あなたがこれを読むかどうか分からないけど、他に選択肢がない。あなたの怒りは責めないわ。私は自分の言動を後悔している。私はただあなたの安全を守りたかった。でも、あなたはもう二度と私を信じないかもしれない。信じるべきかどうかも私には分からない。

そう、私は後悔している。あなたは私の目を開かせようとしたのに、私はいつも無視した。あの手紙は取ってある。あなたは信仰を忘れるなと言った。ソブンガルデにかけて、どんなに手紙を燃やそうと思ったことか。でもあの時でさえ、私は多分あの言葉の正しさが分かっていた。私は真実に耐えられないのだと思う。

あの日のことははっきりと覚えている。スケイルコーラーの死体が雪山の頂上に横たわっていて、彼女の血が少しずつ雪を赤く染めていた。私は彼女の仮面を取ろうとしていた。私の冷たい指が、彼女の金属をきつく握りしめた。力と支配を求めて必死だった。

でも仮面は私を拒絶した。彼女から離れようとしなかった。その瞬間、お腹の底に重い感覚を受けて、私は悟った。こんなことを始めるべきではなかった。あなたは私に伝えようとしたのに、私は聞かなかった。

お願い、私と一緒に脱出して。この聖堂の魔法の守りは崩れ始めている。私たちは高価なものを身につけているから、見逃してはもらえない。あなたがここに一人、汚らわしい盗賊に殺されるなんて耐えられない。お願い、私たちと一緒に来て。新しい家と、新しい目的を見つけましょう。あなたに誓うわ。私たちは新しい人生を見つけると。

あなたを愛する姉妹
ルエルデ

ある姉の反論A Sister’s Retort

弟よ

あなたを馬鹿だと思ったことはなかったけど、今は思っている。すでに分かっていて当然のことを書くわ。あなたは全ての徴候を無視して、妄想の中に深く潜りこんでいる。私は躊躇せず真実を見ているのに。

目を開いて!もう無視できないわ。スケイルコーラーは私たちの秩序を破壊し、悲惨さだけをもたらした。彼女が無能なせいで、ドヴァー・サーヴォクンは私たちを見捨てたのよ。こんなに明白な真実が分からないの?私たちを破滅させたのは、彼女の弱さ。しかも不機嫌な子供みたいに、彼女は私たちを手放さない。こんな屈辱を我慢するつもりはないわ。

ドラゴンがいなくなって、私たちの教団は崩壊した。私はドヴァー・サーヴォクンに従うことを選んだ。彼だけに。置いていかれた人々に対して、私は何の忠誠心もない。スケイルコーラーはただの抜け殻よ。支配する力もなければ、それを認める力もない。あんな弱者に導かれるのは嫌。

あなたの献身に深く、厳しい一瞥を向けることを勧めるわ。変化は私たち次第。前に進むことを拒否すれば、悲惨な過去に取り残される。賢く選択しなさい、ヤークボーン。選択肢がなくなってしまう前に。

誠意を込めて
ルエルデ

ある弟の嘆願A Brother’s Plea

最愛なる姉さん

認めざるを得ないが、あなたの最後の手紙には困惑しています。ドヴァー・サーヴォクンが去ったことで、私たちは皆不安になっている。あなたの懸念も分かる。だが頼むから、そんなことでゾナーク・ザーンへの信仰を揺るがせないでください。彼女は私たちを守り、導いてきた。崇拝のため、この美しい聖堂を与えてくれた。ザーンを崇めることは私たちの生涯の目的です。

ザーンの行動がおかしいとあなたは言いますが、私からすれば当然のことです。ドヴァー・サーヴォクンとの彼女のつながりは強い。私たちに想像できるどんな絆よりも強いのです。ゾナーク・ザーンには彼の導きがなくなったことで、大きな喪失感があるに違いない。私たちと同じように。長時間隠遁しているのはそれが原因だろうし、それだけのことです。彼女の力が弱っていると疑うなど…

あなたの心配は自分の心にしまっておいてください。手紙で私に伝えてくれたのはよかった。もし盗み聞きでもされたら影響が恐ろしい。それに、遠からず何もかも正常に戻るでしょう。ドヴァー・サーヴォクンは栄光の帰還を果たし、全てはうまくいくはずです。それまでの間、信仰を忘れないように。

敬具
ヤークボーン

ウマリルは失敗したUmaril is Undone

ナリルモル、

私が自分で証言できる。羽なしのウマリルは祖先の聖堂で死んだ。私の兄弟は故郷で名誉を汚した雑種の遺体を持ち去った。彼らは立ち去る前に、この落とし子の頭を牛の女王に贈り物として残していった。

我々は反抗する人間に対し、一致団結して立ち向かわねばならぬ。でなければ我らが君主たちと同じ命運をたどるかもしれない。助力を得られると信じている。

サドリル

オンダゴアの日記Ondagore’s Journal

第一紀1092年、恵雨の月24日

ついにストリキの墓へ入れた!見つかるまでこれだけ長くかかったのも不思議はない。迷信深いレッドガードがグレイホストの遺体をヨクダの遺跡に隠すなど、決して予測できなかっただろう。彼らのアンデッド嫌いを考えれば、とても面白い皮肉だ。

それほど静かに動かなくてもいいだろう。パイアウォッチの衛兵は簡単に気を逸らせる。門を越えて先まで進む者は少ない。この墓は独り占めできそうだな!死んだ吸血鬼を蘇らせるまで、長くはかかるまい。骨の軍団がついに手に入るのだ!

第一紀1092年、栽培の月3日

完全に迷ってしまった。パイアウォッチはここの扉の多くに強力な結界を張っていて、入口へ戻ることが不可能になっている。だから奥へ進むしかない。

第一紀1092年、栽培の月5日

物資は底をつきかけていて、私はまだこの穴と灰の迷路をさまよっている。変身の儀式を実行する前に、下僕の軍団を呼び起こしたかったが。手順を早めるしかなさそうだ。
奇妙だ。聖句箱は手元にあるし、試薬も持っている。なのに今、決定的な瞬間になって躊躇している。きっと飢えのせいだ。私はリッチへ昇り詰めるため、数十年かけて準備してきたのだ。たとえ止めたくても、今さら止めるわけにはいかない。躊躇は餓死を意味する。すぐに儀式を始めよう。

第一紀1092年、栽培の月6日

成功だ。多分。書くのが難しい。心臓の震えを感じる。ずっと。少しでも考えると、手が震える。何かが足りない。そのうちに収まるだろう。収まるはずだ。

第一紀1092年、栽培の月8日

ようやく震えが収まった。だが今は集中できなくなっている。私は何時間も石を見つめて過ごし、絵具を塗ったらどう見えるか想像し、石の構造について思いを巡らせている。私は教えられたとおりに儀式を行った。時が来れば私の心も明晰になるだろう。間違いない。

第一紀1092年、真央の月22日

なぜ誰も手紙をよこさない?なぜ誰も訪ねてこない?私はこの石と灰の大広間に座り、自分と会話している。よりによって、私自身とだ!自分と私は、何を話した?いつもの同じ物語か?同じ使い古しの冗談?仲間を見つけなければ!絶対に!

????

この本を見つけた。私のものだと書かれているが、そうだろうか?この筆跡には見覚えがない。起きた事も覚えていない。いたずらだろうか。そうだ、また私を愚かに見せるためのいたずらだ。あの連中に思い知らせてやる。夜の間ずっと、壁の向こう側で笑う声に。それとも日中だったか?両方かもしれない。どちらでもないかもしれない。

????

本だ!本だ!書ける本!オンダゴアの日記?何と情けない著者だろう。不満や泣き言ばかり!全く!しかし、この人物も私よりはマシだろうに!孤独は嫌いじゃない…本当だ!だが訪問者がいるなら歓迎だ。多分。礼儀作法にもよるかな?態度とか?いずれ誰かが呼びに来るだろう。そうだ、そうだ、そうだ、そうだ、そうだ、そうだ。

〈日記の残った部分は判読できない文字で埋まっている〉

ガーラス・マラタールの発掘Unearthing Garlas Malatar

元夫の整頓能力は酷いものだが、今は物を貯め込む癖に感謝している。彼はアイレイドに関するボロボロの本と巻物を複数所持していた。ドゥエマー研究の項目に混ざっていて、中には原本まである。クインタスが杜撰なだけだと思って無視しかけたが、いくらあいつでもこれだけ多くの資料を別の場所に置くはずがない。まだ調べなければならないことが沢山あるが、あのバカは本当に何かを発見したらしい。

* * *
クインタスの最悪な整頓能力に感謝する時が来るとは思わなかった。私がドゥエマーに集中している間に、どれだけ長くここの本は埃をかぶっていたのだろう?あいつはアレッシアの奴隷反乱期におけるアイレイド王国間の書簡を、チュルヘイン・フィーレによる後期アイレイド語専門書の助けを借りて翻訳していた。原典を自分で解読するつもりだが、私に分かる限りでは、アイレイドたちが白金の塔の陥落に対処しようと苦心していたようだ。

* * *
アイレイドの巻物を自分で翻訳して分かったのは、反乱した奴隷と戦争していた複数のアイレイド王国が、情勢を逆転させるための計画を練っていたことだ。憤怒の石と呼ばれるアーティファクトへの言及が数多くあるが、アイレイドはこれが解決策だと考えていた。彼らはドゥエマーが石を所持していると睨んでいた。アイレイドたちは力づくで石を奪おうとして失敗したようだが、これについては確認が必要だ。

* * *
クインタスの乱雑さに感謝したことは全部撤回する。あいつの収集品の中から必要なものを見つける前に、私は老衰で死んでしまうだろう。この乱雑さに何らかの秩序があるとしても、私には見当もつかない。だが彼がこのゴミの山から探しものを見つけるのに苦労している様子はなかった。あいつの顔はもう二度と見たくないが、あの裏切り者の頭が必要になりそうだ。

* * *
いつかヴォレンフェルに戻ったら、あの死霊術師のことを覚えておかないと。普段なら繊細な問題に関してアンドーンテッドは信用しないが、彼女はまともな性質の人のようだ。彼女は私を元夫と喜んで「再会」させてくれたが、あいつを手元に置かせてくれるよう計らうにはそれなりの説得が必要だった。私が改造した与圧チャンバーは思ったよりうまく機能している。クインタスはしっかり閉じ込められ、必要に応じて会話できる。必要に応じて黙らせられないのは残念だが。

* * *
1週間もわめき続けた後、クインタスはようやく逆らっても無意味だと気付いた。彼は自分がしていた憤怒の石の調査を完了するため、力を貸すことに同意した。愚かしい嫌味を我慢するくらいは小さな代償だ。

* * *
私の判断は正しかった。クインタスは確かに何かをつかんでいた。あいつにはいつも陰謀をかぎつける才能があった。歴史の記録によれば、アイレイドのドゥエマー襲撃は阻止され、最終的にはアレッシア人に粉砕された。それで話は終わり。でもそうだとしたら、なぜサルンたちはチュルヘイン・フィーレの死後間もなくアイレイドの遺跡を調査していたのか。それにサルン家が有力者たちを説得して資源を分散させ、人里離れた沿岸に砦を築かせることがどうして可能だったのか?帝国史上最大の内戦の最中だったのに。今起きているものを除けばだが。

* * *
クインタスがこうした記録をどう入手したのかは不明だが、おそらく盗賊ギルドから何らかの力添えを受けていたのだろう。公式には、ミストウォッチ砦は季節外れの津波によって崩壊し、洗い流されたとされている。疑わしいのはその知らせが届く前に、砦の下からある物品が掘り出されたかどうかだ。細かい事情については情報が乏しいが、記述からすると憤怒の石の可能性がある。彼らは発見を隠したのだろうか?自分で確かめなければ。何か手がかりが残されているかもしれない。

カルウリオンのメモCaluurion’s Notes

あれだけ計画し、準備したというのに。数十年の努力が一瞬にして水の泡になった。無益な実験によって消滅し、取り返しがつかない。状況が違っていたなら、私は激怒しても失敗の原因を突き止めようと思っただろう。

私は数えきれないほどの反復によって魂縛を極めた。毎回克服すべき困難があった。だが今回は、麻痺した気分になるだけだ。文字どおりの絶望に座り込み、仲間の壊れた体と過ぎ去った時代の残り香に、一人取り残されている。

ドラゴンは倒れ、その貴重な魂も去った。種族の最後の生き残りか、違うとしても最後に近いのだから何も違わない。戦利品は勝者にと言うが、今回は違う。私が勝ち取ったのは腐敗した肉と鱗の山だけだ。

この機会を逃してはいけない。魂がなくても、この死体には可能性が満ちている。解体と保存が最優先になるだろう。これからあまり眠る時間はなさそうだ。

この生物の無傷の臓器は、より保存に適した容器へ移された。食料と簡単な試薬は交換可能だ。ドラゴンの巣窟を捜索すると、ドゥエマーの財宝の蓄えが見つかった。その多くは密閉された機械の金庫に入っていた。

それを空にすると、かなりの分量の未知の素材が発見された。精錬されていない、発光する明るい青クリスタルの塊だ。まだ残っている腐りやすいドラゴンの部分を空いた容器の中に封印したら、このクリスタルをもっと詳しく調べよう。宝箱の中身の大部分がもうすぐドラゴンになるという皮肉に、多少の喜びを覚える。

クリスタルは何の役にも立たない。不活性どころの話ではない。あれは停滞のエキスだ。不変であり、変えられない。あれの研究は安心して、無際限に延期していいだろう。

残っている私の食料が、予想していたよりも早く傷んでしまった。この遺跡の湿り気のせいか、それとも菌類の流布がこの結果をもたらしたのかは分からない。だが別の食料源を見つけなければ、私はドラゴンの肉を食べることになってしまう。

ドラゴンの焼肉は、肉に靭帯が密集しているが悪くない。味を表現するなら、そう…鶏肉だった。

ドラゴンの遺体は魔法の性質を内在的に保つという主張は誇張でないが、私ならこの遺体を触媒として分類するだろう。応用の可能性は広いが、錬金術の研究は控えなければならない。替えの素材を入手することは不可能だ。

この生物は容易に秘密を明け渡そうとしない。秘密を解き明かすために何世紀も費やせそうだが、私にそんな時間はない。もう食べるものがほとんど残っていないし、すでに長居をしすぎているのではないかと不安だ。

山を降りる力がないため、この状況を受け入れる時が来ている。私はここで死ぬが、望む方法でそうするつもりだ。問題は、あの不変のクリスタルが従ってくれるのかどうかだ。

ギール・マーの日記Geel-Ma’s Diary

こんなことが可能だとは思わなかったが、ツァトバ・ランは再びなぜ我々シャドウスケールが彼に倣わなければならないかを示している。彼は最も捉えにくい敵の痕跡を捉えた。シルケンリングは我々のことを熟知していて、激しさを増す攻撃に対処することはほとんど不可能だ。どうやってか、ツァトバ・ランは彼らのアジトを突き止めた。彼らを根絶したければ、発見したことに気付かれる前に素早く行動しなければならない。

シルケンリングに対する報復に際して、ツァトバ・ランから呼び出された。彼は攻撃して敵を粛正することを計画している。これだけ多くのシャドウスケールが一つの目的に向かうことは珍しい。このシシスのための虐殺に加わることは、自分の特権だと思われる。

これは簡単な仕事ではない。ツァトバ・ランは、シルケンリングの成功が彼らのアサシン技以外のものによる部分が大きいと打ち明けてくれた。彼らは類を見ないほど自らを強化してくれる力の誘惑により、闇の一党やモラグ・トングを見捨てて来たのだ。だから彼はこれだけ多くの仲間を連れて来て、私を側に置いたのだ。この脅威に対して、あらゆる分裂や分散は許されない。

今晩、我々は敵が拠点にする穴へ下りて行く。ツァトバ・ランはこの中に何があるかはほとんど分からないと認めているが、彼の背骨は自信と熱意に満ちている。私も敵の鼓動を感じられる。まるで我々の行進曲のようだ。静かになる前には早くなるだろうと思うとたまらない。シルケンリングを憐れみたくなるほどだ。

クジャルナルの研究メモKjalnar’s Research Notes

全てはこのためだ。荒らした全ての墓地、ひっくり返した全ての石棺、全ての殺しと眠れない夜、血で支払われた空約束…全てはこのためだったのだ。

仲間の誰も、この場所の本性を知らない。彼らは見つかるだろう小物に熱中しながら、謎めいた雇用者について囁きあっている。彼らにとってここは普通の墓でしかない。だが私は知っている。レッドガードは理由があってここにあの灰を埋めた。邪悪な何かが、もうここに住んでいた。ありえないほど強大な何かが。タムリエルにかつてない苦悶の時代を導く、金切り声で運命を告げる使者だ。

この獣は多くの名で呼ばれている…その全ては歴史から消されており、定命の者の舌に発音できる名は少ない。私が見つけた名が1つだけある。ツィルツァリール、すなわち悪夢のベヒーモスだ。この場所の中心に到達したら、彼をその名で呼ぼう。この洞窟の牢獄から地上に出る時、誰もその名を忘れなくなるだろう。私の名も。

グリフォン観察記録Gryphon Watching Log

野生のグリフォンを手懐けるようになってからもう何年か経ったが、クラウドレストから純血種を手に入れようとすれば、騎士団のための仕事に注目を集めてしまうだろう。私はこれを訓練士として技術を磨くための機会と捉えている。


サンゴの高所は予想していたよりも多くの選択肢を与えてくれた。グリフォンがここでよく巣作りや子育てをすることは知っていたが、これほど数が多く、種類も豊富だとは思っていなかった。


高所に住んでいる獣の中に、有力なものを見つけた。特筆すべきは最大の巣を支配している雄のリーダーだ。こいつはこの小島で2番目に大きな雄よりも2倍近く大きく、まったく恐れを知らずに縄張りを守っている。希少な熱帯種で、羽根の色は黒を基調とするが、そこに鮮やかなオレンジ色の線がいくつも入っていてよく目立つ。夜空に消えていく直前の陽光のようだ。


手懐けたグリフォンを1羽、島へ導き入れることに成功した。オファロは十分に躾けられているので、野生のグリフォンたちとの無用な争いは避けている。しかし彼はより小さな、伴侶のいない雌の注意を引いたようだ。


雌にイリアータと名付けた。この子は臆病なので信頼を得るのは簡単そうだが、戦闘訓練の際には重荷になるかもしれない。交配相手として理想的とは言えないが、持続可能な群れを確立するためには必要な妥協だ。


今日、遠くから訪問者が来た。自然の生息地から遠く離れた、山岳地帯の白い種族だ。おそらく故郷から遠いこの小島に退避することで、長い年月の間クラウドレストの飼育者の手を逃れてきたのだろう。島の雄のリーダーは即座に彼女を屈服させようとしたが、どちらもこの激しい遭遇に備えていたようには思えない。彼女の凶暴さは体格の違いを補って余りあるほどだったが、今年の終わりまでにはこの2羽とも、私に従うことになるだろう。

ケシャルゴの日記からの抜粋Excerpts from Keshargo’s Journal

新しい書記、詩的な暗喩が許されるなら、羽ペンに付けた新しいインクの如き書記がケシャルゴの注意を引いた。ヴァリナ。魔術師ギルド出身だ。実戦的な魔法よりも、オブリビオンの多くの次元に関する学問的な知識の集積のほうに惹かれたからだそうだ。だが、魔法の才覚が劣っているわけではない。彼女は力のある妖術師だ。しかし知識に対する渇望が、入ったばかりの新人の中でも突出した存在にしている。

***

以前言及した有望な新人、ヴァリナがスパイラル・スケインにある網の橋の地図作製を任された。地図作製の技術にはやや改善の必要があるものの、誰もが待ち望んでいたメファーラの領域に関する情報を数多く持ち帰った。それより重要なのは、彼女はスケインを移動するという難問に対応できたことだ(この者は苦戦している)。言うまでもなく、彼女は感銘を与え続けている。

***

研究室を訪れたヴァリナに、地図と歴史的記録の価値における違いについて尋ねられた。ハーモーラーに仕えるためにどの専門技能を用いるか決断するつもりなのだろう。長い時間話し合い、彼女は新しいアイデアを得て研究室を去った。まったく、実に鋭敏な頭脳だ。

***

ケシャルゴはヴァリナに代役を頼んだ。彼女の仕事はすべての分野において優れているし、裂け目の日時に関する専門知識はケシャルゴに匹敵する。この者は彼女にリフトマスターの仕事を引き継がせることを検討してみたが、ナクリのほうが適していた。ここだけの話だが、あの職位では彼女の才能が無駄になることはケシャルゴも認めざるをえない。彼女には裂け目を通じてやってくるものから館を守れるだけの素質と優れた魔法の能力はあるが、あの鋭い頭脳にあんなくだらない仕事をあてがってはもったいない。駄目だ。この者は自分の後任として彼女を育てる。

***

アポクリファで何かが起きた。ヴァリナは向こうで何か不穏なことを見聞きしたらしい。というのは、宝物庫の中を空けに行った彼女が戻ってきて、なぜ介入しないのかとケシャルゴに尋ねたからだ。この者は八分儀を引用して観察という我々の務めについて説いたが、彼女はこの答えが不満だったようだ。今日の彼女は憂鬱そうだ。

***

ヴァリナは介入の件を放置しないだろう。彼女はケシャルゴに出来事の内容を話すことを拒み、この話が出るとこの者を「愚かな老人」と呼ぶようになった。

***

ケシャルゴは噂を耳にしている。我々の消極的な任務に対し、ヴァリナが不満を募らせている。

***

館には新人たちがいる。ヴァリナのような魔術師と同様に戦士たちも。思いがけず彩られた部屋への裂け目が閉じた今、より多くの書記が必要だ。そのことが、この者の頭に重くのしかかっている。警告があまりにも遅く、遍歴の杖は私の手から遠く離れていた。ジリピフとケシャルゴはなすすべもなく裂け目が閉じるのを見ていた。この失態にヴァリナが憤慨するかどうかはわからない。ただ、自分に怒りを感じる。

***

この者が視界に入るとひそひそ話が止まる。何が起きているのかわからないが、このようなことがあると、ほとんど残っていない毛が逆立つ。ヴァリナはさらに口をつぐむようになり、書斎で過ごす時間がかつてないほどに減少した。何が起きているにせよ、原因は彼女だ。ケシャルゴはそう確信している。公衆の面前で私を「愚かな老人」と呼び、他の書記たちに不満を伝えている。彼女は順番がくる前にマグナスタイラスのマントを奪おうとしているのではないかとケシャルゴは恐れている。遍歴の杖を隠さねばならない。彼女が入手を試みる前に。

コヴァン・ジリョンの日記Journal of Kovan Giryon

奴らは来て、彼女を奪っていった。

ルラディ女族長は我らの馬を集め、この山の避難所へと導いた。彼女に触発されて、私たちはこの塔を築いたのだ。そして何より、彼女は地下深くにある我らが遺産を見出した。我らの母は千年も生きられたはずだ。あの方は偽の神々に対抗し、民を取り囲む腐敗から我らを守ってくださるはずだった。

だが災厄、すなわち無から姿を現し、目にも止まらぬ速さで動く侵略者が現れた。我らの一族を切り伏せている悪党どもだ。奴らは私たちが丁重に世話していた召使たちを虐殺した。奴らは一瞬のうちに、栄誉ある我らが女族長から約束された故郷を奪ったのだ。

私たちはあの方がお戻りになると信じている。あのように野蛮な怪物たちが、あれほどの力の持ち主を殺したなどとは決して信じない。あの方こそが、我らを再び栄光へと導いてくださるのだ。

私はまた、災厄が再び現れることも知っている。激しい雨の後、地表へ這い出てくる虫のように、奴らは我らの故郷を破壊に来るだろう。

だからこそ私は準備をしている。

我らの遺産から得た教訓は数多い。私は言葉に記しえないことを見た。本でしか読んだことのないような出来事を。私には理解しがたい規模の悲劇を。そして幻視を得るごとに、私の技術は向上している。

だから災厄よ、来るなら来るがいい。私たちから残酷にも奪い取ろうとする者よ、私はバル・サナーを守ってみせる。女族長がお戻りになった暁には、私の献身を称えてくださるだろう。

ザーン・スケイルコーラーの歴史The History of Zaan the Scalecaller

ドラゴンプリーストの研究家、ジョルバルド・ダヴォー 著

ザーン・スケイルコーラーは短命のドラゴンプリーストで、名も知られていない。彼女は大きな戦いの指揮を執ったこともなければ、強大な敵を征服したこともない。一見しただけでは、彼女が平凡でこれ以上の調査には値しないと思えるだろう。彼女に関する学術書の欠如を考えると、これまでの歴史家たちがこのような見方をしていたのは間違いない。しかしながら、ザーンの物語がこれほど無視されて来た事実こそが、彼女を魅力的な研究対象にしている。

ザーンは彼女のドラゴンロード、強大なるドヴァー・サーヴォクンによって選ばれた時、異例に若かった。サーヴォクンとのつながりは特に強かったと言われている。周知のように、ドラゴンと選ばれたプリーストとの間のつながりが精神的か、魔術的か、単に政治的なものかについては様々な憶測がある。いずれにせよ、ザーンは短時間のうちに強固な関係を築き、彼女の信者たちはこれを大いなる幸運の徴候と捉えた。10年ほどの間、全ては順調だった。

騒ぎが持ち上がったのは、サーヴォクンが自らの聖堂を去った時だ。その理由はおそらく、ザーンその人を除いて誰も知らないだろう。どの記録によっても、この別離の結果としてザーンは、魔術的か心理的なものかは不明だが、次第に鬱へと落ち込んでいった。この鬱は頻繁な隠遁をもたらし、恒常的に閉じこもるまでに至った。

彼女の信者たちは次第に不満を抱くようになり、それは時と共に不信へと変わった。彼らはサーヴォクンに見捨てられたと信じ、今日の我々が神の喪失を見る時のような絶望感でこの件を見た。彼らはスケイルコーラーがその弱さのためにサーヴォクンから見捨てられたのだとして、彼女を責め始めた。この非難に対して、スケイルコーラーは一切反論しなかったと言われている。信者たちはこれによりザーンが非を認めたと捉え、怒りに任せて彼女を殺してしまった。

これがザーンの最大の謎である。信者たちに非難された時、なぜ彼女は自己を弁護しなかったのだろうか?

大部分は憶測だが、私の説はザーンが自らを弁護できなかったのだとするものだ。ドラゴンロードの喪失がもたらした苦悩のために、彼女は話す意志か、話す能力自体を失っていたのだ。とはいえ、これが魔術によってもたらされたのか、単なる心理的トラウマなのかについては、まだ私も確信は持てないでいる。

この歴史的事件を研究することで、ドラゴンプリーストとそのドラゴンロードとのつながりについてのさらなる洞察が得られる可能性があると私は信じている。我々はこのような関係性における初歩的な政治的側面を越えて、その先にあるものを見なければならない。これほど崇拝されていた、この精神的な繋がりとは一体何だろう?スケイルコーラーの助けにより、我々はこの問いに答え始められるだろう。

スキーヴァトンの改造と運用Skeevaton Modification and Operation

見習いザノン 著

本論文の成果は370回にわたってスキーヴァトン・ファブリカントの解体と再構成を徹底的に

〈ここから7枚分の長ったらしい導入は省いた。金属板に文字を彫る時は簡潔に書くべきだろうに〉

標準機能

認識装置:取り外されていない限り、全てのスキーヴァトンは初歩的な音響および視覚機器よりも洗練された感覚機器を所持している。望遠ロッドに取り付けられた認識装置は検知魔法の波動を放出し、決められた範囲内の関係する物体を調査し探索する。

〈標準デザインの中では、これが唯一記載に値する装置だった。匂い分析装置に興味があるなら別だが〉

スキーヴァトンの改造

スキーヴァトンはクロックワーク・シティならどこにでもおり、極度に危険な環境にさえ見られる。細工師はファブリカントのサイズの小ささという弱点を、攻撃および防御に活用できる装置を付けることで補ってきた。

ギアの変速:この中で最もありふれた改造は、一時的にスキーヴァトンの速度を向上させる付随的な駆動ギアである。スキーヴァトンが稼働中の装置の内部を移動する必要がある時には、間違いなく役に立つ。

〈簡単でいいが、重さが難点になるだろう〉

エネルギー吸収:スキーヴァトンは場合によって小型のマジカ蓄積装置を装備しており、これにより一時的に、充填された魂石なしでもエネルギーを貯蔵、転送できる。実践的な用途は理論上無限にあるが、強力な魔法の充填は防御に使うこともできる。

エネルギー放出:完全に充填された小型マジカ蓄積装置は緊急の場合、一時的に蓄積されたエネルギーを解放し、全方位に純粋な破壊魔法を放出できる。この衝撃は稼働中のコンストラクトに過負荷をかけやすいので、他に手段がない場合か、安全な条件下でのみ使用すべきである。

展開可能な障壁:シャーシを強化したスキーヴァトンのほうが一般的ではあるが、発見した中でそれを上回る防御効果を持つのが、広範囲に投射可能な展開型障壁である。これはスキーヴァトン自身を守るだけでなく、他の無防備な物体も保護できる。

雷撃シャーシ:いたずら好きの、あるいは破壊工作志願者たちは、ファブリカントの外装を通して強力な破壊的雷撃を生成する危険な改造を施している。この電撃は生物にとって苦痛であり、アニムンクリを黒焦げにしてしまう。

回復放射器:大抵のスキーヴァトンは物理的な修理器具を装備しているが、ある優れたモデルはスキーヴァトンの周囲に回復魔法のフィールドを生成するよう改造されている。これは損傷した金属を修復し、残存熱を取り除き、エネルギー放出を安定させるなど、円滑な動作を維持するための処理を行う。

〈改造は素晴らしいが、スキーヴァトン1体の容量に全てを組み込むのは不可能だ。特定の役割に適したものを選ぶ必要がありそうだ〉

超身体的操作:私がリバースエンジニアリングを行ったスキーヴァトンの大半は単純な、あるいは決まった任務を自動的に実行するものだったたが、個人が直接ファブリカントを操作できるよう手が加えられているものにもいくつか出会った。この手の改造には人形師の糸にも似た邪魔そうなワイヤーから、携帯用の音波放出器や、ファブリカントそのものの中に入れる超身体的な「与圧チャンバー」まであった!この改造されたドゥエマーの装置は驚くべきことに存在を純粋な境界エネルギーに変換し、気密性の内室に収める。ファブリカントに接続されれば、そこを占めている者の知性はファブリカントを自分の延長として操作できる。言うまでもなく、これによりかつてないほど正確な操作が可能になるが、巨大なリスクを抱えてもいる。与圧チャンバーが使用されている間にスキーヴァトンが壊滅的な損傷を受けると、ほぼ確実に使用者を死なせてしまうのだ。そもそも再び実体化できるかどうかも分からない。

〈超自然的なものを入れるために与圧チャンバーを使うとは考えもしなかったが、驚くべきことではない。音波装置はしばしば、物質と非物質の境界を曖昧にする。これにはいくつかの使い道が考えられそうだ〉

スコーリオンを増やせMore Scorions

スコーリオンの復元は今でも最優先事項だ。

あれが力尽きる以上のスピードで替えを作れなければ、主が求める成果を出すことはできない。”変異”の仕事をしていない者は、疲労で倒れるまで召喚の儀式を続けるのだ。デイゴン公のために命を捧げよ。

そうすればあの方は、お前たちの破壊への献身が本物であると知るだろう。

セレーンの観察Observations on the Changeling

セレーンの肉体は死んだが、私の解剖にも彼女の不満を声に出す能力にも問題はない。彼女の精神体はムンダスに残る肉体から解放された他の魂と似ている。さらに調査するため精神体をわずかに刈り取ったが、死後間もないセレーンの忍耐を試すつもりはない。

* * *
セレーンは野生動物と同じように拘束を引っ張る。壊れるまで抵抗して大声を出す。合理的な生物がすべきではない行動だ。これにより、彼女の姿はエルフでも実際は違うことを再確認させられる。彼女が疲れ果てたら、この形態における変異性の試験を続けられる。

* * *
場所を移さなくてはならない。このひどい森は湿気、カビ、菌が多い。残されたセレーンの遺体を保存することは不可能なようだ。南の荒野は湿気がましだろうし、セレーンとエーテルの繋がりを保持できるほどにはヴァレンウッドに近いだろう。

* * *
腐敗により、セレーンの体から採れた試薬の半分が駄目になった。今後の研究課題が山積みになっていなければ狼狽していたかもしれない。彼女の死体が倒されたデイドラと同じように再生するという理論が正しければ、大きな失敗になることはないだろう。

* * *
予想通り、セレーンは体を切断されても長期的には問題ないようだ。精神体の喪失は一時的に魂を損傷するが、全体の構成に影響は残らない。残念ながら、セレーンの肉体についても同様かどうか試す機会はなかった。

* * *
今日のセレーンは弱っている。回復力を過大評価したようだ。死体から採った素材に注力し、力の回復を待つ。ただし、回復させすぎることはない

テランのメモTerran’s Notes

見事な柱だ。強い光によって「アカト」と文字が焼き付けられている。

偽物がそこで躍る?揺らす?

様々な歩き方?歩くことが一体どう関係しているんだ?

歩き方の種類に分かれる。8種しかないのか?

偽物が塔で踊らなくてはならない、音符を鳴らさなくてはならない。時間はそうしてはいけない。

歌にはyour nameが必要だ。

まったく意味が分からない!

テンマール渓谷の観察Observations on Tenmar Valley

この地域は思っていたより人がいない。以前はある程度のカジートが居住していたことを示す遺跡はあるが、この渓谷に長く定住者がいなかったことは明らかだ。ここなら何も邪魔されず実験ができる。

* * *
山頂の辺りに花が咲き誇っているようだ。灰や緑に明るい青が混ざっている。この時期に開花するのは珍しいが、標高の関係だろうか。研究所は洞窟のかなり奥にあるので、気が散ることはない。

* * *
腐敗臭が風に運ばれてくる。研究所が腐敗臭で満たされつつあり、セレーンさえも蝕んでいるようだ。

* * *
この辺りに最近死んだようなものは見つからなかったが、相変わらず腐敗臭が周辺に広がっている。山頂から流れ込んでくるようだが、かつてないほど山頂に鮮やかな青が見える。ニルンで最も悪臭を放つ花でなければ、あれが原因だとは考えられない。

* * *
原因はその花だった。咲き誇る野の花と思われたが、まったく別物らしい。先ほど見た獣を参考にするなら、侵襲性の虫の群れだろうか。青みを帯びた雲が鳥の群れを飲み込むと、鳥たちは地上へ真っ逆さまに落ちた。

* * *
ようやくセレーンが自発的に話すようになった。彼女はこの場所に病が広がっていると感じている。何ということだ。ここに残ればセレーンに危険が及ぶ可能性もあるが、数ヶ月分の研究を虫のために放棄することは考えられない。この先の行動を慎重に検討しなくては。

ドラゴンは放っておけLeave the Dragons Where they Lie

お前の言うとおり、私もあのみじめなサーロトナックスを抹殺したいとは思っている。だが、それは後先を考えない身勝手な衝動だ。そんなことに時間を使えば、我々の責務は妨げられる。もう我々はドラゴンガードではない。あのマントは遠い昔に捨て去った。ドラゴン殺しは、もう我々の目標ではない。もしそうなら、この数百年の間に奴らを隠れ場所から追い出して絶滅させただろう。それは他の者の仕事だ。彼らに任せておけばいい。我々は玉座に注力する。

お前が例のクランマザーを頼ったおかげで、我々は大きな危険に晒されている。吸血鬼の行為に諸手を挙げて賛同する者は信じるな。ましてドラゴンの力を得る?それは幻想だ、グランドウルフ。お前の関与を正当化するための言い訳さ。任務がドラゴン殺しほど華やかでないことは分かっている。しかし虚栄に走るな。我々がここに残っている理由を忘れるべきではない。

私はアネクイナへ2日後に発つ。そちらへ到着する前に、この言葉を胸に刻んでくれ。

R

ドラノスの日記Dranos’s Diary

元の仲間のため、私は憤怒を装った。どうしてシルケンリングが領域へ踏み込むのを傍観して許したのだ。我々の契約を盗み、密偵を殺されるような弱みを見せるとは。私は言葉で火をつけ、ナイフで燃料を提供した。連中が気付くことはなかった。怠けた、傲慢な愚か者め。

レースの女公は私の偽装を喜ばれている。モラグ・トングは影を追っているが、本当の脅威には全く気付くことがない。私は努力によって、シルケンリングに招かれるようになった。これにより、私はメファーラに単なる称賛を述べるだけでなく、自分の手で彼女に奉仕できるのだ。デイドラの祝福を受けることに比べれば、金の約束など何だろうか?

女公は私が紡ぎ手の祝福を受ける前に、最後に一つのことを求めた。献身の捧げ物。メファーラに似合う犠牲だ。他の愚か者は急いで飛び出し、彼女の名の下にナイフを振るう。私は違う。これには慎重さが必要だ。自己紹介は完璧でなくてはならない。

私は絆を求めたことはない。どうして自分の心を縛って、敵が利用できる武器を与えるのだ?しかし、それでも私がこうした拘束を甘受し、錠を閉じられたことはあった。ニリとのことだ。おそらく、今度は私が絆を提供するべきだろう。

ニリは私の前進に備えていなかった。それも不思議ではない。私は自分の意志を明らかにしていた。私は彼女に変心を疑わせる時間を与えなかった。彼女はまだ私を愛していたからだ。ニリの疑いは私の手によって消え失せ、彼女はメファーラの網へと自ら落ちて行った。

私は夜の度にニリへ嘘を吹き込んだ。モラグ・トングについて疑いを植え付けた。彼らの許可なく動くべきだと説得した。私は今晩、彼女をシルケンリングに導く。きっと完璧になるだろう。

短剣が彼女の心臓を貫いた時の、ニリの顔は素晴らしかった。最後に苦しむ瞬間に、隠していた感情が全て現れたかのようだった。レースの女公は私の犠牲に大きな感銘を受け、私は彼女の目に留まった。当然だ。

さあ、影のゆりかごに行こう。メファーラの真の力を味わうために。私の献身への報酬はきっと素晴らしいだろう。

これは正しい行動だった。今までになく確信している。あらゆる疑いは、レースの女公と会った時に消え失せた。彼女が与えてくれた力は、モロウウィンドの愚か者が想像もできないようなものだ。多くの利点は、定命の者の枷を捨て、より高次の目的を受け入れることによってもたらされた。官僚主義と偽神への借りによって堕落する前に、モラグ・トングは本来こうなるべきだったのだ。

ドルイド・アンワスの記録Logbook of Druid Anwas

1日目

私、カソレイン王の忠実なる僕アンワスは、ハイロックを去る我らの旅を記録することを誓った。私たちは故郷にも歴史にも永久に残るような民ではないが、この旅は栄誉に値すると信じている。

私たちは新しい自治領を築くことを目指している。残酷なよそ者の邪魔を受けることなくドルイドが繁栄し、信仰を実践できる場所を。我らが王は海を越える船旅を導き、私たちは心に喜びをたたえて王に従う。恐れてはいない。むしろ希望に満ちている。

出立前、カソレイン王は私たちの前から姿を消した。最初、多くの者が置き去りにされたと思い不安になった。しかし私は違った。王は決して私たちを見捨てない。外出したのは私たちのためを考えてのことだと信じた。

王がついに帰還なされた時、私は自分が動じなかったことに大きな誇りを感じた。王に直接問われることはなかったが、私が信じていたことは伝わっていると思う。

3日目

海に出てたったの数日だが、士気はまだ高い。私たちは毎朝集い、イフレに祈りを捧げる。我らの旅路を導く強い風を、そして腹を満たすための魚を求める祈りだ。今のところ、イフレは私たちの願いを叶えてくれている。

今日の夜の夕食中、王の小間使いベトリスと相席する幸運が巡った。彼女はおそらく私と話している時、少々ホットワインを飲みすぎていたが、それが笑顔をより美しくしていたので気にならなかった。彼女はふと、出航前に不在だった王に同行していたと口を滑らせた。グレナンブラのウィルドを訪ねていたらしい。最初、私は彼女の話を疑った。ありそうにないことだと思ったからだ。彼女は私が不信を示したことに少し傷ついて、語気を強めた。

私はできるだけ穏やかに、その会合の目的を聞きだそうとした。王の行動について知る権利など私にはなかったが、好奇心に負けてしまったことが悔やまれる。ベトリスは会合の理由についてはほとんど知らないと言ったが、それは本当だろう。王はいつも、ただ恩寵があったと答えるだけだ。

出過ぎた質問をしたのに気づいた私は、ワインを注ぎ足し、潮風の匂いに話題を移した。

15日目

アビシアンの航海は続き、風は基本的に私たちを南に運んでいった。私たちの船は他の船から段々離れていったが、物資はまだ豊富だった。海上で過ごす時間が長くなることを予期して、必要になりそうなものすべてを貯蔵しておいたのが役に立った。

あの最初の夕食以来、私はベトリスと多くの時間を過ごすようになった。彼女は素敵な人だ。この記録の目的とは無関係なので友情については細かく記さないが、私たち全員が互いに対して感じている親愛の情の一例として伝えておきたい。

いや、全員と言ったが、ベトリスは私たちのある仲間について懸念を表明した。サエルだ。彼はイフレの命の祝福の終焉を専門とした、闇の技を研究している。これはまっとうな研究領域であり、多くの信者がこの道を進んでいる。しかし、サエルにはどこか不安を感じさせるものがある。彼は情報に飢えているように見える。王のため、彼には目を配っておくべきだろう。

32日目

風に運ばれて私たちはとても小さな孤島へたどり着いた。船団の痕跡は見当たらない。私たちは手短に探索と物資集めを行ってから、再び出航することにした。島では、ドワーフが作った入口があった。私たちの民はドワーフとあまり接触したことがない。生き方についての考え方が根本的に違うので、出会う機会がなかったのだ。私自身もドワーフを見たことはない。だが、彼らの技は見ればわかる。

これを書いている間も、サエルは扉を開けるよう主張しており、かなり強硬なようだ。正直に言うと不安だ。ベトリスがここに来てくれてよかった。彼女がいると心が落ち着く。それにもし何かあっても、彼女は杖の扱いに長けている。

?日目。今が何日目かもわからない。

私たちはサエルの要請に折れて、ドワーフの扉を開けた。扉は金属と石で作られた、曲がりくねった迷路のような洞窟へ通じていた。中には誰もいなかったが、アルケインの力が唸っていた。

サエルは先を走っていった。彼は私に見えない何かを追っているかのようだった。まるで奥へと招かれているみたいだ。私たちは隠された危険を警戒しながらも、彼を追いかけた。だが暗闇の中で見失ってしまった。彼の呼び声が時折聞こえてきた。歓喜の叫びか、あるいは怒りの声か。意味をなさない叫びだった。

ベトリスと私はグループの残りの者たちから離れてしまった。ドワーフの機械の唸る音の奥に、私たちはどちらも甲高いこだまを聞いた。サエルに違いなかった。

私たちはこっちに戻ってこいと呼びかけた。広間をさまよい、海底を眺めていると、かつて仲間だったものの姿が目に入った。彼は変化していた。深淵で何をしたのか、肉体が取り除かれ、霊魂だけが残されたのだ。恐ろしい光景だった。これ以上は考えるのも、書き記すのも気が進まない。

背後からサエルの声が近づいてきたため、私たちは逃げた。私たちはずっとこのおぞましい場所を出るため動く床を探していたのだが、迷子になってしまった。歩き回るほど、声は近くなっていった。もう、このトンネルに隠れるしかない。休まなくてはならない。

なぜイフレは私たちをこんな恐るべき場所へと導いたのか、自問し続けている。これは試練なのだろうか?このような形で私たちを試すのは残酷じゃないか?仲間をあのような怪物に変身させ、私たちの心に、私が愛する女性の心に恐怖を打ち込むとは。

だが、私はまだ信じている。王はこの邪悪から私たちを救ってくださるだろう。他の船が戻ってきて私たちを見つけてくれるはずだ。もう少しで私たちは緑に輝く新たな故郷を目にするのだ。ただ――

ドルイド・ベトリスの記録Logbook of Druid Betrys

1日目

私、ガレンのドルイドにしてカソレイン王に従う者ベトリスは、新たな故郷を探す私たちの旅を記録することをここに誓う。私はアンワスにこの約束をしたが、彼も私たちの移住と、ドルイドの新たな地を発見する物語を保存することに意味があると信じていた。

私は一時、王の召使として仕えていた。この呪われた島に上陸した今、王は別の者を召使にお選びになったのだろう。仕方ない。遠くからドルイド王のためにできることはあまりないのだから。

文章を書くのは苦手だ。私はこういうことをした経験があまりない。私の観察はアンワスが書いたものほど面白くないかもしれないが、できるだけ努力するつもりだ。

それではハイロックから出航した日ではなく、今日から記録を始めよう。アンワスがこの任務を果たせなくなった日。つまり、船団に追いつくため再び出航する準備が整った日だ。

8日目

定期的に記入できなくて残念だ。前にも言ったけれど、物を書くのには慣れていない。私たちはあの恐ろしい島を出た後、船団の航路を追って南西へ向けて出港した。海は青く、雲は白く穏やかだ。少し前に降った雨が暑さを和らげてくれて助かった。他の者たちは集まってこの祝福をイフレに感謝したが、私はしなかった。

食料の備蓄にはかなり余裕がある。士気を維持する助けになるだろう。私たちはもう月が一巡する以上の時間を海上で過ごしていて、多くの者は上陸を待ちわびている。私も同じ気持ちだ。この別れは、新しい故郷に到着した時の喜びを高めるための試練なのかもしれない。

22日目

海はまだ青い。嵐にぶつかり、私たちの船は大きく揺られた。しかし損害はなく、乗船者は全員生き延びた。今はそれ以上のことを望めない。

37日目

星を利用して位置を見定める方法を試してみた。船長とその船員が航路を外れないためにどうしているかをよく見て、それを真似している。彼らからはいくつかのことを学んだし、それには感謝している。いつか迷子になって、助かるために航路を定める必要があるかもしれない。星に目を配っておくのが最善だ。

49日目

随分長い間海にいたが、ついに上陸した。ここの草が肌に触れる感覚は優しく、気に入った。特に内陸を歩いていると、空気が甘く感じられる。私たちは船団の残りを発見したが、すでに錨を下ろして野営していた。カソレイン王は上の崖から見下ろしている。離れたところから、民の活動を観察なさっているのだ。

私も自分から行動しようと思う。島のどこか別の場所で野営したい。仲間たちが気にくわないというのではないが、ある仲間をとても残念に思っているので、孤独に彼のことを考えたい。この新しい故郷で、私の民はこれまで考えられなかったほどの繁栄が可能になったが、犠牲もあった。私が生きている限り、彼らには感謝の念を捧げ続けたい。

ナ・ケッシュの日記Na-Kesh’s Journal

樹液。殻の薄い愚か者どもはそう呼ぶ。そのような物質がニルンに汚された樹脂と比べられるかのように。いいや。それは樹液以上のものだ。

ある学者が、強きチュダンへ食わせる前に「琥珀のプラズム」と呼んでいた。オブリビオンの混沌とした基準が、傷口からの血のように我々のヒストを通じてムンダスに流れ込んだものらしい。あの乾いた舌と態度と来たら。私よりもヒストの秘密を知っている者がいると思うのか!

サクスリールが最初の鋤を持ち上げる前から、プラズムはツォノ・クヒルの根に貯まっている。しかし、その秘密を見つけたのは私だけだ。これを飲むか、浴びるだけでサクスリールはおかしくなる。しかし錬金術の研究とヒストの導きによって、私はその力を制御できるようになった。これは簡単なことではない。この基準は混沌のものだ。その本質はシシスを求めている。しかし、その指令には耳を塞がねばならない。彼を父と呼ぶサクスリールは、泥の小屋で衰弱し、木の器から古い魚を食べている。ジット・ザートは秩序を求める声を聴き、輝ける都市へと永遠に住むだろう!

適切に操作されれば、琥珀のプラズムは価値あるサクスリールに素晴らしい速度と力を与える。私がその効果の証拠だ。すぐに私の醸造薬は、全てのジット・ザートに配られるだろう。その時、マザッタンは帝都にも並ぶ!根の民が初めてブラック・マーシュを支配するのだ。そして、全タムリエルも!

ナシーン・モーティウの研究その1Research of Nathien Mortieu, Vol. 1

この聖堂は素晴らしい場所だと分かった。ここはより寒いため、混合剤の調合には最適と思われる。しかも尋問する卑劣な衛兵もいない。無知から来る嫌悪感を剥き出しにして、我らの祝福を見下す目はないのだ。多くの者は私の決断に疑問を呈したが、連中は近視眼的だった。私のように、その先を見なかったのだ。

洞窟のオーガの研究の成果には…確かに副作用があった。奴らは比較的簡単に感染した。予測しやすい行動パターンと鈍い知性のおかげで、素晴らしい実験材料になる。我々は疫病が物理的に表出する初期の徴候を確認したのだ。いいぞ、これはいい。素晴らしい、実に素晴らしい。この汚らわしい怪物も、私の導きによって美しくなった。ああ、こいつらは何と幸運なのだろう。このような愛すべき疫病に抱かれる、最初の者になったのだから。

だが、そこで全てが失敗してしまった!奴らは失敗だ。失敗だったのだ!奴らはとても疫病とは思えない行動を見せ始めたのだ。あの嫌らしくて愚かな怪物どもは死のうともしない!奴らはただ…怒るばかりだった。より強くなり、ひたすら凶暴になった!奴らは私の研究者たちを攻撃し始めた。昨晩だけで相当な人数を失ったと思う。これから予定どおりに進めればいいが、すでにかなりの遅れが見込まれそうだ。

この研究を放棄するのは心苦しいが、このオーガたちは野獣と化してしまったと結論せざるを得ない。研究を続けることを望むならば、我々にはもっと人間の被験者が必要だ。この山が隔離された場所であることを考えると、どうしても通常の手順を踏む時間がない。多くの者は巨人が利用できるかもしれないと提案した。危険だ。危険きわまる。だが死人の出ない発見などあるだろうか?

個人的なことだが、私のもう片方の耳がついに腐り落ちた。まだもう少しかかりそうだが、現在の状態には期待が持てる。私は日々美しく、より完璧になっていく。より祝福されていくのだ。

ナシーン・モーティウの研究その2Research of Nathien Mortieu, Vol. 2

最新の進展のおかげで興奮して、どうにも震えが止まらない。我らが愛すべき疫病は見事、とても見事に結実した。そう、今やこの病気はほぼ不治と言ってもいいくらいだ!初期は症状の遅延を作り出すのが難しかった。被験者の消耗が早すぎ、要するに拡散するための時間がなかったのだ。我々は彼らを歩き回らせ、我らが祝福をできる限り多くの人々に広めたい。何と…崇高なことか。

そして実際に症状が出た時には、いやはや…とても書き記せるものではない。あの汁気たっぷりの膿や、広がる発疹について詩のように語ることはできる。腫れ物は膨れ上がって、ほとんど半透明になる。あの愛らしい、病的な緑色の影を見るだけでも、私の体全体が喜びでゾクゾクする。これほど美しいものを見たことがあるか?私はいつも自分の仕事に誇りを持ってきたが、これはもう愛情に近い。

巨人はオーガと同じく有用だと分かったが、奴らの反応はやはり…間違っている!奴らは私の可哀想な作品を何か別の、予測不能なものに変えてしまった。蛮族どもめ!オーガと同じように、疫病は奴らを強靭にし、攻撃性を高めてしまう。人間性が足りないのだ。おかしい!奴らの大部分は今頃もう死んでいて当然なのだが、かつてないほど頑健になっている。病気になった気分だ。良くない意味で!

我々はすでに多くの研究者を失っている。これ以上失うことはできん。巨人の女族長はとりわけ攻撃的になっている。実に愛らしくなってきたところだというのに、残念だ。暇な時間にスケッチを描きたいと思っていたのだが。まあ、発見への道のりはいつも足場が悪いものだ。目標に辿りつくためには、犠牲が不可避というものだ。

目標といえば…おお、そうだ、そうだとも!彼女が目覚めつつある。骨で感じるのだ。まったく、ひどいお寝坊さんだ。だが彼女の音が聞こえる。おお、聞こえるとも!彼女は我らが栄光の計画と、我らが新しい時代を導くことを私の耳に囁いている。きっと実現するだろう。今は彼女の安全を確保しなければ。そして、彼女は導き手となる。

ついに彼女と会う時のために、私の外見を最高にしておきたい。私の鼻は腐り始めているが、進行が遅い。自分で切り落としたくなるくらいだ!だが、いかん。それはだめだ。それではおかしくなるだけだ。全てに辛抱強くしなければ。我が祝福の美はいずれやって来るだろう。

ナシーン・モーティウの研究その3Research of Nathien Mortieu, Vol. 3

奴らは我々を笑った。馬鹿にしたのだ。母でさえ私を理解してはくれなかった。母は家族の伝統を継ぐことを求めていた。「尊敬すべき教団に入りなさい」と言ったものだ。だがヴァルミーナは混沌の嘘にすぎない。我が主は完璧な真理の秩序だ。なぜ奴らは我々の話を聞かない?奴らは決して耳を傾けない!だが今では、奴らも我々に耳を貸さざるを得ないだろう。奴らは全員、ペライトの名を心に刻むのだ。

我らが祝福の準備はもう整った。祝福は拡散する。全てを飲み込む疫病が、この世界を死体で埋め尽くすだろう。この嫌らしく不完全な、秩序も敬意もない世界を。全ては我が主、あの方の秩序に属するようになる。奴らの笑い声は咳に埋もれ、溜まった胆汁が無礼な言葉を窒息させるだろう。奴らは美しく、完璧になる。そして奴らは自分の汚物に倒れて死ぬ。その光景を想像しただけで、心が躍るようだ。

仲間の研究者たちに、我々が作り出したこの祝福を受けることを許可し始めた。おお、私と同様、彼らも激しく求めていたのだ。だが気をつけねばならない。気分に流されてしまえば、この作戦全体が崩壊してしまうかもしれん。そんなことを許すわけにはいかない。我々は真の自然の秩序に、これほど近づいているのだから。

まずは小さく始めよう。この近くに村がある。非常に小さく、我々の需要に合致している。まず彼らを消し、噂を広めよう。奴らの心に恐怖を植えつけるのだ。我が作品の名はタムリエルの全ての民の口にのぼるだろう。その上で、奴らの舌が腐り落ちるようにする。

だがあの女は…おお、なんと気難しい、嫌らしい女だ。彼女は我々の実験や計画のことなどまるで気にも留めていない。ただ私を見つめるのだ。あの女は何を考えている?彼女の顔は見えない。あの見苦しい仮面を取ろうとしないからだ。まだ以前の主への愛着があるのではなかろうな。嫌らしい、嫌らしい!

もちろん、私はペライト公の意志を疑わない!そんなことはしない!あの方は私の忠誠心をご存じだ。忠実だった。私はあの方の秩序づけられた世界の幻視を見て、魅了されたのだ。腐って輝く死体で埋め尽くされた地。新しい時代が来る、新しい秩序が来るのだ!全ては我が主の旗の元。母は私を追い出した日を後悔するだろう。

記録を続けたいが、中指が取れて記述が難しくなってきた。残念ながらこれが最後の記述になりそうだが、それが何だろう?計画が失敗するはずはない。疫病のデイドラ公の意志に打ち勝てる者などいない!そして皆が、あのお方の祝福を知るだろう。

ニコラード・リアの日記Nicolard Lia’s Journal

運命とは奇妙なものだ。ある者の運命が、定命の者からみれば何の前触れや理由もないような状況で、突如として変わってしまうことが多々ある。だがこの場所に私を導いた一連の出来事は、何らかの知性がある存在が作り上げたものとしか思えない。多くの偉大な発見と同じように、これも偶然によって引き起こされた。ジュリアノスは悪戯が好きなのだろう。

私のクラグローンへの旅は遅れに遅れ、降霜の月になってようやく出発できた。賢い者であれば翌年に延期していただろうが、立ち往生があまりに長く、悪意に悩まされた経験は以前にもあった。最初の数日間の夜は、燃えさかる決意のおかげで凍えることもなくジェラール山脈を登り続けられた。だが逃げ帰れなくなるほど遠くまでやって来た時、その寒さは腕の良い追いはぎのように、私から決意を奪い取っていった。

選択肢は残っていなかった。勇気を出して近くにある乾いた洞窟に入り、そこが熊やトロールの住処ではないことを祈るしかなかった。そして岩の中へと続く、天然の洞窟を発見したのである。そのゴツゴツとした岩の中から響いてきた恐ろしい遠吠えに思わず飛び上がりそうになったが、それはただの風の音だった。その風に服を引っ張られた私は、その暗闇へと引きずり込まれた。好奇心を刺激された私は、寝床に向いた一番居心地の良い花崗岩の調査をいったん打ち切り、その先に何があるのか調べてみることにした。

そこで私が見たものは、山々に囲まれ、世間から隔離された渓谷だった。その一番奥と思われる場所には熊がいて、私はその熊を眠りから目覚めさせるという大失敗を犯してしまった。私は疲れ切っていたが、のろまな獣の怒りによって、寒さにもう少し長く立ち向かう勇気を奮い起こさせられた。山道沿いの奥地とは違い、身を切るような寒さにもかかわらず、そこでは自然界の生物がまだ生に執着していた。

その地が寒さに耐えていたとしても、身を隠せる場所がなければ寒さにやられる程度には寒かった。だから私は寝床に適した狭い場所を探した。何度ももうダメだと思った。この極寒の地で死の魔法をかけられているようだったが、忍耐はどうにか報われた。渓谷の突き当たりにある山には、削り出されたような古い遺跡が建っていたのだ。その中に潜む危険を考える余裕もなかった私は、最後の力を振り絞って巨大な石の扉を押し開け、その場に倒れ込んだ。暖かい風に迎え入れられた記憶を最後に、私は気を失った。

私はうつ伏せになったまま目を覚ました。だが顔の下には冷たい石でなく、温かい大地と生い茂る草花があった。最初は服が湿っていたのは解けた氷のせいかと思ったが、服が肌にくっついていたのは私の汗のせいだった。その遺跡はどうやら、熔岩の流れている洞窟の中に作られていたようだ。活力に溢れる植物が存在しているのは、そこが熱帯気候の土地だからだと自分に言い聞かせようとしたが、その言い訳も調べていくうちに破綻してしまった。この遺跡が理由なのか、もしくはこの洞窟にそういった特性があるためにこの遺跡が建てられたのかは分からないが、どうやらここには植物を異常成長させる不思議な力があるようだ。

寒さによって死ぬ可能性がなくなった私は、この洞窟の入口に拠点を構え、遺跡の外面を隅々まで調べることにした。これはネードの民が作ったものだ。その程度は見当がつく、だがシロディールで見られる他の建築物よりも洗練されていない。アレッシア時代以前のものだ。数ヶ月クラグローンで調査しても、これほどのものは見つけられないだろう。だが私は、探検を始めてからわずか数日で、文字どおりの偶然によりここを見つけた。運命とは本当に奇妙なものだ。

ニコラードの自分用メモNicolard’s Note to Self

この遺跡では寝る場所に気を付けなければならない。今日の夜、仕事中に居眠りをしたあと、恐怖のあまり命を落としそうになった。大蛇に締めつけられているような感覚がして、目を覚ました後にのたうち回りながら、崖から飛び降りそうになった。実は、寝ている最中に蔓が絡まっただけだった。

夢の中で何か楽しいことに熱中していたようだ。あの酷い目覚めのあとで、何だったのかを忘れてしまったのは残念だ。

ニサーズダの日記Nisaazda’s Journal

これ以上望むべくもない恩恵に対し、サンジーンに感謝を!この者はドラゴンの血を最後の一滴まであなたの名で飲み干すだろう。一滴たりとも無駄にはしない。この機会を逃さず賢く血を利用しなくてはならないが、残された時間は少ない。グランドウルフはいずれ報酬の催促に来るだろう。

* * *
ニサーズダの願いには十分な根拠があり、ここまでは慎重に対処できている。ドラゴンの血を採った小瓶は今も温かい。マジカは溢れんばかりだ。そのためエキスの力が十分に測れない。もしもこの口からよだれが垂れるなら、この獣の血を飲むと想像するだけで喉が潤うだろう。しかしアネクイナの灼熱の砂漠の香辛料に含まれるような、血の激しさによって踏みとどまっている。忍耐が必要だ。

* * *
レノルドめ、ネズミのようにコソコソと。奴の手紙がグランドウルフに届いた経緯は不明だが、どうやらかなり真相に近づいているようだ。ニサーズダは、あの老いぼれがこの計画の可能性に気づいていないのだと〈貪る者〉に請け合った。奴がこれで諦めることはないだろう。ニサーズダは今すぐ行動に移るべきだ。

* * *
ニサーズダの調合薬は、この素材の範囲ではほぼ完璧に近いものだ。希少な血の小瓶をすべて使った。あらゆる儀式も執り行った。知る限りの供物を血の猫に捧げた。ドラゴンの血を味わう準備は万端だ。自分が慎重過ぎると思いたいが、たとえ〈貪る者〉が貪られようとも、この努力は無駄にならないはずだ。

ネボルへの手紙Letter to Nabor

親愛なるネボルへ

あなたは多分、私を憎んでいるでしょう。私があなたに与えた運命を憎んでいるはずよ。それをとやかく言うつもりはない。でも私がなぜこんなことをしているのか、説明すべきでしょう。私が理由もなく苦しめているわけではないことを知ってほしい。これであなたの心が落ち着くと願いたい。

実を言うと、私にはあなたの持っているものが必要なの。正確に言うと、命と活力が。パイアウォッチから入手すれば、我々の存在に気づかれてしまう。ホストの骨にも活力が残っていないから無理。だから残るはあなたよ、ネボル。強くて丈夫な、頼れるネボル。

さて、あなたは飢えのようなものを経験するかもしれない。腹とは違う場所から来る、説明不能の渇望。正直に言いましょう。飢えは増大し続け、あなたは耐えがたくなるでしょう。つまり、私があなたから奪ったものを取り戻さねばならない。あなたは近くに寄ってくる、あらゆる生き物から力を奪うでしょう。私は気にしない。でも、私は仕事が完了するまで、あなたから必要なものを奪い続けると知ってほしい。我が創造が完成し、この広間を歩き回るまでは。

この獣、我らの子供は闇の技に新たな意味をもたらすでしょう。どんなアンデッドも、この栄光には比べられない。あなたはこの偉業において、不可欠な役割を果たすの。飢えの苦しみと苦痛が耐えがたくなった時は、そのことを考えて。

敬具
ヴォリア

ネリル・ベルヴァインの日記Journal of Nerile Belvayn

私たちの新しい家で一番気に入っているのは、太陽を防ぐ涼しい壁だ。せりだした岩は奥まった谷間中に影を作っており、その光景は荘厳だが、温かみもある。これだけ十分な防壁があれば、日中の暑熱もほとんど私の皮膚まで届かない。

女族長は石の囁きが聞こえると言っていた。彼女の信念には、私を信じさせる何かがある。それに、彼女は私たちをここまで導いてくれたのだ。危険な賭けだとは思うが、あの人のことは密かに信用している。彼女の演説には時として、より大きな精神と交信しているかのような響きがある。

私たちの多く、いやもしかすると全員が、故郷で起きた政治的駆け引きには反対だった。自らを神と称する者たちを崇拝するなど、納得がいかない。だが私は遊牧民と化して我らが家の伝統を捨てることも望まない。だからこの動乱の時代に安全と孤立を約束してくれるのは、私たちの多くにとって渡りに船だった。ルラディ女族長はその約束を果たしたのだ。

井戸のために掘削している時、何かを見つけた。物体だが、固形物ではない。周囲には空気と光が非現実的な形で渦を巻いていた。女族長は喜びに我を忘れているようだ。これが我らの遺産だと言う。

あれが地下にあったことを彼女は知っていたのだと思う。彼女は街の拡張を監督していたが、常にどこか上の空だった。しかしある日、彼女はある特定の場所を掘るよう強く言い張った。彼女が選んだ地点からずれることは許されなかった。そして掘ってみると、あの物体があったのだ。

一体あれには、どんな力が込められているのだろう。

ノルゴルゴルの日記Norgorgol’s Journal

ついに運が巡ってきた!要塞にこれ以上適した場所はない。確かに前回も同じことを言ったが、ここは隙間風の入る兵舎やボロボロのシーツがある壊れかけの古い砦じゃない。この遺跡は、まさに追いはぎの楽園だ。

ここは人里離れた場所だ。洞窟をいくつか通り抜けた先にあり、山道からは渓谷が見えない。ノルドの兵士が偵察に来ることはないし、気付かれることを恐れてキャンプの火に気を使うこともない。そもそも、料理以外では火を使う必要がない。料理にさえ必要ないかもしれない。この地域には熔岩が流れていて、洞窟と遺跡の中を快適な温度に保ってくれている。草が生い茂っているのもそのせいだろう。肩幅と同じぐらい太い蔓があることも、この標高にこれだけ植物があることも、誰にも想像できないだろう。

状況がまずくなって人目を避ける必要が出来た時も、ここなら十分に暮らしていけそうだ。警戒が解かれるまで蔓を切り、雪を溶かし、温かい草のベッドでゆっくり過ごせばいい。隠れ家の暮らしとして、こんなに贅沢なことはない。

確かに、品物をここまで運んでくるのは思っていたよりも大変そうだ。だが、帰り道で他の人間やエルフの姿も見ていない。リーチの民が痕跡を辿ってこちらに向かっているという噂があるが、腰布を巻いた原始人を恐れる必要なんてあるのか?それでも遺跡の防備を固めるまで、罠や警報を設置しておいたほうがよさそうだ。

ここを初めて訪れた時、この壁が血を流したような色をしていることには気付いていなかったと思う。ここには、このくすんだ赤い石がそこら中にある。いや、実際には血を流しているわけではない…とにかくこれを見てから、その姿が頭から離れなくなった。

昨夜寝ている時、仲間を殺しそうになった。奴がずっとこそこそ動いていたので、全く休めなかった。眠れたと思ったら必ず、服のこすれる音が軋む車輪のように耳をくすぐってくる。奴を殴りつけたが、振り返ると奴は死んだように眠っていた。実際に死んでいた可能性もあったが、とにかく、こすれるような音がまだ鳴り響いていた。

音の正体は蔓だった。蔓が酔っ払った大蛇のように身をよじっていたのだ。

少し離れなければならない。あの蔓の音は、どんな騒音の中でも耳に届くようになった。頭がおかしくなりそうだ。山道を探索して、まともな場所を探すしかなさそうだ。

1時間の間に、3回カラスの群れを見た。それとも道に迷った同じ群れだったのだろうか?鳥がこの辺りをうろうろするには少し季節外れだ。これは悪い予兆だ。そういう噂を聞いたことがある。

どこから来たのかは分からない。リーチの民による山狩りだ。大勢いる!何かを探しているようだ。だがここに彼らが求めるようなものは何もないはずだ…我々以外には。彼らはまだ隠れ家を見つけてはいないようだが、いずれ見つかってしまうだろう。

できることなら荷物をまとめて早くここから逃げ出すよう仲間に言いたいが、蛮族に気付かれず抜け出せるとは思えない。事態が思ったより早く好転することを祈るしかなさそうだ。

あの鳥どもめ!カラスが遺跡をねぐらにして、それからずっと鳴き続けている。洞窟の外まで鳴り響く声は、実際よりも十倍ぐらい大きい獣が鳴いているかのようだ。

神よ、あれを止めてくれ!

バーソロミューの仮説Bartholomew’s Theory

ウェルキンド石の台座周辺に刻まれたこの文字は、隠し通路のようなものを指し示しているのだと思う。こういう仕掛けはハイロック中の王宮や要塞で用いられているし、「セリ」は広間を意味すると聞いた覚えがかすかにある。王宮や要塞の地下居住地を指す一般的な言葉だ。とにかく宝物庫にも要塞自体にも、そんな隠し通路があるという記録は残っていない。それが問題だ。

* * *
ティエリック団長は我らの砦と特に遺物の宝物庫が、思っていたほど安全ではないかもしれないという懸念に同意している。騎士団長は我々の防備が抱えているかもしれない弱点を探すよう命じた。期待に応えてみせる。

* * *
ウェルキンド石を元の台座に戻してみたが、何も起きない。これだけで隠し通路が明らかになるなら、そもそも前任者たちが見つけなかったはずはないだろう。もっと色々試してみなくては。

バーソロミューの任務Bartholomew’s Task

騎士団長は前任者たちの記録を調べ、神聖なる砦の地下の宝物庫を調査せよと私に命じた。騎士団はもう数百年も前、神々のためにこの異教の間を聖別したのだが、騎士団長が古代の野生のエルフ魔術を疑いの目で見るのも仕方のないことだろう。

* * *
記録によれば、砦の地下の宝物庫には連結したウェルキンド石があるらしい。初期の前任者は正当にも、デイドラの影響を恐れてこの物体を台座から取り除いた。私は野生のエルフの専門家ではないが、デイドラ公に対する彼らの献身は、世俗の者にとってさえよく知られている。

* * *
ティエリック団長はこれまでの発見を喜んでいるが、不安も感じているようだ。ウェルキンド石を入手し、石と遺跡とのつながりについて調査を続けるよう命じられた。気が重い任務だが、全力で取り組むつもりだ。オブリビオンの冒涜的な物品が保管されている宝物庫を、無条件で信用できると思い込んではいけない。あの宝物庫の起源を考えればなおさらだ。

* * *
ある前任者はアイレイド研究者を任じていたため、赤い花弁の砦の地下にあった元々の建物から多くの拓本を残している。アイレイド語はさっぱりだが、ウェルキンド石を載せる台座から取られたある言葉が繰り返し出てくる。ゴリセリ・モラブロ。ついに手掛かりが見つかった。

バーソロミューの発見Bartholomew’s Discovery

ついに進展があった!ウェルキンド石は宝物庫の遺物の一部に共鳴した。以前にはなかった輝きが灯ったのを見て、私はウェルキンド石が消耗していたに違いないと気づいた。魂石と同じなのだ。よく考えれば当然かもしれないが、私は野生のエルフの手法が我々のものとは全く異なると思い込んでいた。とはいえ、デイドラの魔術が何らかの形で関わっていてもおかしくはない。慎重に進めなければ。

* * *
もう1週間経ったのか?この宝物庫の中で時間の感覚を失ってしまった。アーティファクトを漁り、石の反応を確かめ、力を送ろうと試みていた。だがうまくいっている。石は遺物から吸収した輝きを維持している。私が接続を引き出すたびに光は確実に強まっている。もう少し続けよう。きっと成果が出るはずだ。

* * *
家に戻って、少し休息を取ったほうがいい。宝物庫の衛兵にもそう言われた。私が仕事をしに行く時、背後から彼らの囁き声が聞こえるのだ。私はかっとなって静かにしろと怒鳴ったが、彼らは自分がしたことを認めようともしない。全く、子供のような連中め。とはいえ、騎士団長に報告する成果が必要だ。また台座を試そう。そろそろ秘密を明かしてくれるだろう。きっとそうだ。

パイアウォッチの掟Pyre Watch Precepts

生者も死者もこの境界を越えてはならない。

やむをえぬ場合を除き、封印の先に行ってはならない。

できる限り、ここに埋葬された者の名を口にしてはならない。

名誉を守り、モルワの徳を尊重せよ。

息をするごとにトゥワッカを称えよ。彼に仕えることで強くなれる。

哨戒兵は誓いを守り、灰の監視を怠ってはならぬ。たとえそよ風でも、この墓から灰を巻き上げるならば遮断すべきだ。

バローグの計画Balorgh’s Plan

ヴィコサ様

すでに疑問の余地はありません、バローグはあなたを蹴落とすつもりです!彼は私たちをグレートハントへ入らせ、ハーシーンの恩恵を勝ち取り、あなたを倒す力を得ようとしています。まだあからさまには言っていませんが、その代わりに恩恵がどのように群れのために使われるかについて、つまらない言い訳を述べています。私は彼の言葉が嘘以外の何ものでもないことを知っています。

私一人では彼を止められず、あなたの密偵であることを明らかにして危険に晒される意味もありません。よって私は、バローグの監視を続けて攻撃の時を待ちます。戦闘になれば、私に彼を倒すことはできません。理解していますが、私は全力で彼を止めると誓っておきます。

敬具
ロネラ

バローグへの懸念Concerning Balorgh

ヴィコサ様

私たちの一団がハンティング・グラウンドへの侵入に成功したことを喜んで報告します。詳細は帰還時にお話しします。いつ戻れるか分かりませんが。バローグがどうしてもと言うため、もう一週間以上ハーシーンの領域に留まっています。

あのオークは、ハーシーンの弱点を見つけるため偵察を続けるべきだと主張していますが、私は動機を疑っています。私があなたの命令を彼に思い出させようとするたび、ただ癇癪を起すのです。彼の言い訳は段々説得力に乏しくなってきており、他の何かを探しているのではないかと危惧しています。ひょっとすると、あなたに危害を加える何かかもしれません。

私は観察と報告を続けます。

敬具
ロネラ

バローグへの手紙Letter to Balorgh

バローグへ

お前はヴィコサを失望させないだろうね?この任務は重要なのだから。

まだ死んでいないのに、ハンティング・グラウンドへ侵入する方法を見つけるのは簡単じゃない。しかし、この者たちは今後に備えなければならない。タムリエルを手中に収めたら、腹を空かせた猫の領域へ攻め込むのだ。しかし、まずは侵入方法を探さないといけない。

侵入方法を見つけたら、すぐに月狩人の砦へ戻ること。ハーシーンを絶対に警戒させてはならない。お前が戻ったら、攻撃の準備を行う。

失敗は許さないよ、バローグ。

-超越者ヴィコサ

ハンツマンのデイドラ公The Huntsman Prince

ザイナブ部族のハヌ 著

ハンツマンのデイドラ公。獣人の父。腹を空かせた猫。ハーシーンには多くの名があるが、そのすべては彼が司る狩りに関連している。このデイドラ公は追跡、捕獲、殺害にとりつかれている。獲物がエルフか人間か、獣かは関係がない。

ハーシーンはタムリエルで人気がある信仰の対象だが、その評判を疑うことは不適切でない。彼を慈悲の神と呼ぶ者はいないだろう。実際、ハーシーンは積極的な崇拝や崇敬を望んでいないように思える。彼は単に価値があると考える狩人を探して報いる。

それが崇拝対象としての魅力なのかもしれない。彼の残酷さには奇妙な純粋性がある。他の多くのデイドラ公と異なり、彼の恩恵は概ね公平に思える。彼の信者は力を示すだけでよい。そうすれば死後、彼のハンティング・グラウンドで永遠の狩りが約束される。

ハンティング・グラウンド

ハーシーンの信者にはあることが約束される。それは死後、ハンティング・グラウンドと呼ばれる、このデイドラ公のオブリビオンにおける領域で暮らすことだ。永遠の狩りが行われる無限の森。残酷で暴力的な森。死と転生の無限の循環が行われる森。

その土地には狩猟小屋が点在する。この領域に出没する者たちの住処である。森には強力な獣が潜み、ハーシーンの信者たちは素晴らしい狩りに没頭できる。人生をハンツマンに捧げた者たちの、真の楽園である。

グレートハント

稀にしか起こらないが、ハーシーンは生者を自らの領域に入れることもある。この事象はグレートハントとして知られている。ハンツマンの娯楽、血なまぐさい競技だ。この技能と悪知恵の競技には唯一の目的がある。野兎を捕まえてハーシーンに届けることだ。そうして初めて彼の恩寵を受けられる。

このようにハーシーンの恩恵を受けようとして、大勢が死ぬ。参加者同士で敵対するか、この領域にある自然の脅威に倒れるのは珍しくない。もちろん、野兎も無抵抗ではない。

ライカンスロープ

ハーシーンの称号である獣人の父は、実態に相応しい称号である。エルフや人間が獣に変身できる能力は彼がその創造主であると信じられている。変身能力の中でも、狼への変身は非常によく知られている。

生来あるいは感染により狼への変身能力に冒された者は、血の渇望へと駆り立てる強烈な感情に苦しむ。死後は余生をハンティング・グラウンドで過ごすよう送られる。たとえハーシーンへの忠誠がなくとも。

ハンティング・グラウンドから逃れた者を指す既知の書物は存在しないが、1つの可能性がある。グレートハントの参加者が恩恵として魂の解放を望んだ場合、ハーシーンは魂を解放する義務がある。私が無慈悲な領域から父の解放を望むなら、まさにそれを実行しなければならない。

フォージに関するニコラードのメモNicolard’s Notes on the Forge

この古代部族は高度な技術を持っていなかったかもしれないが、原始的だったわけではない。この遺跡の中心部に用いられている建築技術は、ドワーフほどではないにしても、アイレイドのように精巧だ。部屋は広く実用性があり、儀式に使うこともできそうだ。だがその目的については、まだはっきりと分かっていない。現時点では、フォージのようなものだったのではないかと考えている。彼らは熔岩の流れを利用して鉱石を溶かし、金属に熱を加えていた。そのようにして作ったものを冷やすための、巨大な水盤らしきものもある。だが近くに水源らしきものは見つかっていない。

それに鍛冶が使っていたと思われる巨大な石の槌と鉄床もある。だが彼らがどう動かしていたのかは分からないし、魔力が使われていたような形跡もない。これだけ昔のものだ。かなり前に魔力が切れてしまったとしても不思議はない。

フォブス・リブルの遺言Final Will and Testament of Fovus Rivul

これを見つけたあなたが、私を捕えた者たちの一味でないことを願って

私の名前はフォブス・リブルだ。覚えておいてほしい。私はここから遠くない小さな村に住んでいた。おそらくあなたもそこで、この私の遺言を見つけたのだろう。何年もの間、私の仕事は単純なものだった。友人や隣人の服を繕うだけだ。いたずら気分で新しい意匠を施しもした。だが心地よい日常だった。私のように快適で穏やかな生活を望む者にとっては完璧だった。家庭は持たなかったが、気にならなかった。私たちの村は… 閉鎖的だった。だが、今何人が村に残っているのか、見当もつかない。

警戒しておくべきだったのかもしれない。私たちはあまりに長い間、この世界の秩序を乱す者たちと無縁でいた。完全に平穏な生活だったとは言わないが、危険を感じたことはない。それも目覚めの炎が来るまでのことだった。まず、私たちは彼らの松明を見た。あの者たちは長い列を作って、私が今閉じ込められているこの放棄された鉱山の入口に向かって歩んでいた。炎がゆっくりと行進するのを隣人たちと一緒に見ていると、何かを詠唱する低い声が聞こえた。間違いなく地面の下から小さな揺れを感じたが、あの時は緊張のせいだと思っていた。もっと注意を払うべきだった。

間もなく、人々が姿を消していった。ベッドから、田畑から、路上から。誰も帰って来ることはなかった。当然、私たちは鉱山の居住者たちを疑ったが、武器を取って戦うほど腕に自信のある者はいなかった。

そして私の番が来た。荷物が届かなかったので、モーンホールドまで物資を取りに行かなくてはならなかった。その時は不思議に思った。送り主はいつも時間を守っていたからだ。たちまち、私は外套を着た人影たちに襲われた。奴らは馬を殺し、私を殴って気絶させた。目が覚めたら牢屋に閉じ込められ、体は濡れて冷え切っていた。おそらくここで死ぬだろう。

遠くで詠唱する声が聞こえる。そして自然のものではない獣の甲高い鳴き声も聞こえる。だから、急がなくては。私の店は、まだ生きているなら若いリラシに譲る。リラシが死んでいたら、若いメーデンに譲る。私の家とその中にあるもの全ては、困窮している村の人々に分配してもらいたい。私たちの慣習に反するのは分かっているが、残された者たちには避難所が要るかもしれない。それから私の酒場の勘定は、バーテンダーのドリナーに任せる。愉快な間抜けじじいに。

書き間違いや汚れた文字はご容赦願いたい。血塗れの指で書くのは容易ではなかった。

以上のことを認め、ここに署名する。
フォブス・リブル

ブジャーフルド・スクジョラルモルの碑文Epitaph of Bjarfrud Skjoralmor

この街を作った石がここに眠る
人の形を取り、偉業により冠を授けられた
異教徒の森から獣を三度追い出し
森を切り倒してこの街に植えた
彼が立っていたその場所に

ブルルの筆記練習Burr’s Writing Practice

ネズミ

食べる

熱い

料理

冷たい

刺す

ヘラルフへの手紙Letter to Haeralf

ヘラルフ

スヴァーディスから、潮に乗って出発すると聞きました。港で見送れなくてごめんなさい。渦潮に向かって航海するあなたを見ることに、耐えられそうもありません。スカルド王が興味を持っているというなら、自分で見に行けばいい!ごめんなさい。彼は私たちの安全を願っていることはわかっています。あなたや他の人たちを傷つけないことが可能だといいのですが。

古い樺の木の下で言ってくれたことを考えています。私たちの結婚について。ためらってごめんなさい。父の気性が問題なだけなの。ハチミツ酒を飲むとどうなるかは知っているでしょう。とにかく、一晩中考えた結果を伝えるわ。愛しいヘラルフ。結婚しましょう。ソヴンガルデまで一緒よ!

盾をしっかり掲げて、できるだけ早く戻ってきて。計画しなければいけないことが、たくさんあるから!

あなたの雪花
グウェノラ

マーセロクの偵察記録1Maarselok Reconnaissance Log One

テンマールの国境は滞りなく越えられた。ここまで西になると、カジートの居住は長く確認されていない。ドラゴンの気配はないが、激しい嵐を予期するように野生動物が苛立っている。隊長からは主力部隊よりも大きく先行しろと言われている

* * *
ここに来たのは初めてだ。穏やかすぎるようにも感じられるが、この渓谷は自然が豊かだ。なぜカジートは定住に戻らなかったのだろう。そもそもなぜ立ち去ったのか。

多数のカジートがここに住んでいたことを示す、たくさんの遺跡がある。ただし安全な訳ではなく、危うくセンチライオンの餌になるところだった。普通ならセンチライオンは、猫のようにもっと隠れて行動しようとする。

まだドラゴンの気配はない。隊長はそのことしか心配していない

マーセロクの偵察記録2Maarselok Reconnaissance Log Two

遺跡は完全に放棄されたわけではないようだ。足跡が見られる。最近の足跡も古い足跡もあるが、ここ数ヶ月の間に居座ったか、少なくとも通り過ぎた者がいることは分かる

* * *
ここでは魔術師が野営しているらしい。魔法の痕跡が多数ある。しかし、隠遁した魔術師など物語の中にしか存在しない。ドラゴンが現れて立ち去ったのだろう。この洞窟は、主力部隊のよい拠点になるはずだ

マーセロクの偵察記録3Maarselok Reconnaissance Log Three

見つけた!ついにドラゴンが巣から出てきた。何かを探しているように見えた。恐ろしくて5分ほどは息もできなかった。奴は攻撃部隊の存在を察知したが、結局、山頂近くに降りた。これで青いドラゴンの住処が分かった

* * *
ドラゴンが巣を作るとは聞いたこともなかったが、こいつは収集癖があるのかもしれない。スキーヴァーのような癖が。しかし、悪臭はスキーヴァーどころではない。山頂付近は奴と同様に青みがかってきた。夜は眩しいほどい光る。真夜中の山頂への行軍を導く星となるだろう

マーセロクの偵察記録4Maarselok Reconnaissance Log Four

イフレよ、我々を守りたまえ!それまで辺りは静まり返っていた!主力部隊が野営した瞬間、青い腐敗から獣があふれてきた。まるで待ち伏せしていたように!我々は囲まれた。この悪臭の汚水に捕らわれた。奴らは脱出を試みない限り攻撃してこない

* * *
もう他の者は見えない。姿が見えない。逃げられたのは私のみ。私だけだ。

今でも叫び声が聞える。彼らの中に〈青〉が入り込み、おかしくさせた。攻撃を仕掛けてきたのだ!みんな逃げた。みんな逃げて逃げて逃げたが、今は私しかいない。故郷に帰らなくては。〈緑〉が守ってくれる。〈青〉から守ってくれる。

頼む、私を守ってくれ!

マグナスタイラスへの手紙Letter to the Magnastylus

後任者へ

ふざけるつもりはないが、マグナスタイラスでいるのがどんなものかは個人的な経験から知っている。苦役だ。書記の館の監督という悪夢のような業務をたった一人に任せるとはな。オブリビオンの常に変化する地勢の正確な情報を、館中に行きわたらせる。それを要求される新しい裂け目が開くたび、次元の地図は更新されなければならない。そして古い地図は蔵書庫の棚から保管庫へ移されなければならない。書物は検証済みでありながらも偏見に影響されていてはならない。これらすべてがモラの書記を導く仕事の最上位か? 新たな書記が足りなかったらどうする?ああ、そして何人がオブリビオンで消えた?何人が旅で命を落とす?これは罰だ。間違いない。私は何やら恐ろしい間違いを犯し、ハルマエス・モラは自分の過ちを教えるためにこの肩書を私に与えたのだ。

この肩書にも一ついいことがある。マグナスタイラスの書斎だ。この忌むべき館で唯一のんびりと読書ができる場所だ。おそらくは、私が書記に加わるに至った原因となる書物の数々を。自分だけの部屋だ。そして、誰も遍歴の杖に触れない唯一の部屋でもある。

私は次元への小旅行以外の杖の持ち出しは好まないが、過去のマグナスタイラスには地位の象徴としてどこでも携帯する者もいた。杖は書記の仕事に大げさすぎると思う。私がこの杖を使うと、杖自身が力を持っているように感じる時がある。虚無を通じて呼びかけ、答えを得る力だ。できれば、それについて考えたくない。

おお、そうだ、最後に記そう。宝物庫へ入ろうとするな。レインファーが許さないだろう。君があのカートクレプトの始末を手伝えば別だが、それは何かなどと聞かないでくれ。私はただレインファーに手伝うとだけ言って立ち去った者なのだ。レインファーが宝物庫の番人ではなくなっていたとしても、後継者のことを検討するには及ばない。おそらくレインファーが自分と似たような者を選び、宝物庫を監視させるだろう。

心配するな。君ならうまくやれるはずだ。

マグナスタイラス・ロウレナ・ブランク

マザー・シアネイトへの手紙Letter to Mother Ciannait

マザー・シアネイト

ヒティ、メイフィンや他の者は進行状況に満足しているようですが、正直に言うと祝えることはあまりありません。ほとんど!彼女たちは雷や炎を扱うだけで日々を過ごせますが、私は研究所で、嵐の可能性を最大限に引き出そうと苦闘しているのです!

マザー、死体が足りません。しもべたちが引き上げてきた船員たちは膨れ上がっていて、使い物になりません。私の実験台に残されている哀れな連中に至っては、語るまでもないでしょう!少しでも前進するためには、新鮮な死体が必要なのです。

ゴーラに運試しをしないかと提案しました。私たちは庭で一番強い子たちを組み合わせ、無作為の選択を数日ごとに行うことができます。彼らは喜んで命を捧げるでしょう、マザー。間違いありません!

私たちが成功するかどうかは、死を極められるかどうかにかかっています。死には犠牲がつきものです。お考えください。

忠実な召使
バニ

マザンディの裂け目の記録Mazandi’s Rift Tracking

ハンティング・グラウンド
開いた日:第二紀570年 収穫の月1日
閉じた日:第二紀570年 収穫の月1日

アポクリファ
開いた日:第二紀570年 収穫の月2日
閉じた日:第二紀570年 収穫の月31日

走り回る虚無
開いた日:第二紀570年 薄明の月28日
閉じた日:第二紀576年 黄昏の月30日

彩られた部屋
開いた日:第二紀570年 薪木の月1日
閉じた日:第二紀571年 薪木の月1日

ムーンシャドウ
開いた日:第二紀571年 薪木の月2日
閉じた日:第二紀573年 星霜の月25日

デッドランド
開いた日:第二紀576年 薪木の月7日
閉じた日:

スパイラル・スケイン
開いた日:第二紀580年 真央の月13日
閉じた日:

マリカに宛てた未完の手紙Unfinished Letter to Marika

マリカ、愛しています。そのことを今のうちにどうしても伝えたかった。気持ちを言葉にするというのは気持ちの良いものです。例えそれが、永遠に届かないとしても。

私たちは今、閉じ込められています。リーチの民が山から洪水のように押し寄せてきたのです。彼らは村をいくつも略奪して街道を占拠し、唯一の避難所だったファルクリースに私たちを押し込みました。もっと遠くへ逃げるべきでした。必要ならソリチュードにだって。でもすでに手遅れです。街はもう数週間、彼らに包囲され続けています。

この街はある程度の包囲に耐えられるよう作られています。でも人が多すぎて食糧が足りません。それにリーチの民は残忍です。食糧のことで長く悩んでいられるような暇は与えてくれないでしょう。

もし生き残ることができたら、私は

ミレンヌへの手紙Letter to Mylenne

ミレンヌ

私たちが懸命に成し遂げてきたことを疑ってはならない。群れは、この者が望むべくもないほど大きく成長した。強くもなった。ヴィコサが過ごした長い年月で、これほど自らの成功を誇りに思い、確信したことはない。

あまりにも長い間、私たちは狩られ、倒されてきた。自らを英雄と名乗る戦士たちに虐殺されてきた。あまりにも長い間、私たちはただ逃げた。

今こそ反撃しなくてはならない。

私たちの群れは月が変わるにつれて強くなる。味方も集めた。私たちは組織の者を強化した。その結果が、タムリエル全域を震撼させる軍隊だ。

私たちが影に隠れることはない。狩ろうとする者を恐れることもない。私たちは立ち上がる!私たちが支配する!私たちに協力を拒む者がいれば、この爪にやられるだろう。

ミレンヌ、あともう少しで完了する。信じ続ければ大きな報酬がある。この者がそう誓う。

-超越者ヴィコサ

メファーラの書記Scribes of Mephala

書記の館の蔵書庫が管理されてきた長い間、マグナスタイラスのための試験が一つあった。その人物の技能と才能がそのための責任と合致することを証明するための試験だ。アポクリファへの裂け目が現れたら、マグナスタイラスは中に入ってハルメアス・モラの声を聞かなければならない。

ケシャルゴとの訓練中、私は自分の能力に疑いを抱くことはなかった。もっとも強く、力にあふれ、知性があり、モラの書記となるための順応力と意欲を持つ者だと自覚していたからだ。仮に疑念を持つことがあっても、ケシャルゴが私のことを重要だと言い聞かせてくれた。私を他の書記と比較し、あからさまに彼らの欠点を指摘して私を持ち上げてくれた。私の就任はほぼ確定していて、あとはただ裂け目が開くのを待つばかりだった。

だが、その時がきても何も聞こえなかった。一言も、囁きさえも。アポクリファのすべてが静まり返っているようだった。その領域の中の私は、聴力を失っていた。静寂が私の血液の流れを止めた。まるで上から突っ込んで来る鷹に気づけない兎のような気分だった。

ああ、私は喜ぶふりをした。愚かな老人が私の就任を疑わないようにした。だが、それが何を意味するかはわかっていた。ハルメアス・モラが私たちから目を背けたのだ。彼は私たちと私たちの働きを遠ざけた。彼を失望させたか、彼が書記の館が提供するものに興味を失ったか。私はケシャルゴやマザンディのような愚か者が書記の八分儀に対して表す情熱を見てきた。知る者を怒らせるようなことは何もしていない。そこから導かれる答えはただ一つ。彼は私たちに価値を見出さなくなった。そして、私は気に掛けてくれない主人のため働くつもりはない。

話はこれで終わりではない。まったく近くにいないのに、声を聞いたからだ。呼びかけを感じる。死んだ書物と愚かな関心であふれたアポクリファの沈黙の館からではない。そう。スパイラル・スケインの光を帯びたキノコが発する声だ。隠された知識の生命の領域。死んだ本ではなく、生きた精神に情報が格納されるところ。書記が長く忘れ去られた時代の空論で停滞するのではなく、成長できる場所。

私たちの仕事は囁きの女にとって価値あるものだ。ゆっくりと書記たちを八分儀から切り離していこう。あのやり方にある誤りを示しながら。そして然るべき時がきたら、私たちの忠誠をハルメアス・モラからメファーラに移行させる。スパイラル・スケインへの裂け目は決して閉じない。新たな師から見捨てられることは決してない。私たちは彼女を通じて隠された知識を聞くことを学ぶ。真の力の秘密を。

ムヴナクの追跡In Pursuit of Mhuvnak

アイレイドのムズルトに対する遠征についての部分的な報告を見つけたが、そこでは憤怒の石が少なくとも9回言及されている。争いはこのアーティファクトを巡って行われたが、妙だ。ドゥエマー自身の報告によれば石は街の中になく、タイミングもまるでずれている。帝国が奴隷反乱の真っ最中だというのに、なぜアイレイドはドゥエマーを襲撃したのだろう?

* * *
報告に前後する数年間、ムズルトは紛争に蝕まれていた。街はノルドとアイレイド、さらに近隣のドゥエマー部族の襲撃に抵抗していた。彼らは全員、憤怒の石を探していたのだろうか?

* * *
偉大なるドゥエマーの建築家ムヴナクはこの頃、ムズルトから姿を消している。戦争の犠牲になったという説が有力だが、私が見つけた内容からすると、上級王ゲリルの治世にノルドが破壊する以前には、ムズルトに大量の死者が出たと考える証拠がどこにもない。

* * *
分かった!カグレンゼルだ。ムヴナクはアイレイドの襲撃の後、カグレンゼルへ出発した。安全な街を去って山中の小さな隠れ家へ向かったのは、何か重要なものがあったからとしか考えられない。明日イーストマーチへ行こう。

* * *
またしても後退を強いられた。護衛として雇ったノルドの2人組が落ちた。文字どおり、ほとんどあっという間に死の罠へ落ちていった。この場所はドゥエマーの名残というよりも、ヨクダの墓を思い出させる。調査しようとする者を殺すのが唯一の目的と思えるほどだ。

* * *
カグレンゼルを慎重に調査した今では、憤怒の石がここにないと確信している。今の私の仮説は、ムヴナクが来て回収したというものだ。設計は巧妙だが、この場所は盗賊を捕まえるのに適したもので、軍隊を押し返すようなものではない。ムヴナクは防衛装置がライバルからアーティファクトを守ってくれるとは信じなかったのだろう。

* * *
ムヴナクは彼の時代における最も優れた建築家だった。彼ほど細部にこだわる者が、計画もなしに憤怒の石を取って逃げ去ったとは思えない。ムズルトにさらなる答えがあるかもしれない。

* * *
今回は護衛を控えることにした。これまで連れて行ってもいいことがなかったし、ムズルトで答えを探すには時間をかけて調査する必要がある。意外ではないが、アニムンクリが未だに広間を徘徊して、壊れていない回路に刻まれた任務をずっと継続している。だが、遺跡の奥深くから何か響いてくるのが聞こえる。鈍くガタガタいう音と、動物の鳴き声だ。何かがコンストラクトの相手をしている。私にとっては好都合だ。今のところは。

* * *
ムズルトについてこれまでのメモを記すための紙がなくなりつつある。なのに私はまだこの街のごく表面に触れたに過ぎない。大抵の学者はこの場所の秘密を解明しながら幸福に一生を過ごせるだろうが、私の目的は大半の者よりも高い。これ以上寄り道は無用だ。ムヴナクについて分かることを探し、彼が逃げ込んだ場所を見つけるのだ。

* * *
ムズルトには監視所のようなものがあって、部屋全体をある装置が占めている。このようなものは見たことがない。ドゥエマーが頭上にある世界を評価していたとは思わなかった。ましてや空を。

* * *
ここにはいくつか文書が残っている。ムヴナクの時代ではなく、ずっと後のものだ。ドゥエマーはムズルトをノルドから取り返し、最終的に姿を消すまでは栄えていた。「オキュロリー」というこの装置は、動いていた時には恐るべき正確さで世界を観察できた。ドゥエマーはこれを使ってムヴナクの失われた宝物庫の場所を突き止めたが、「フロストヴォルト」は氷山の下に埋まっている。彼らの王国のために宝物庫の発掘が試みられたという記録は見つからなかった。

* * *
私の解釈が正しければ、フロストヴォルトが見つかりそうな場所は分かると思う。だが、資金が尽きかけている。クインタスの土地は資産というより借金だし、最後までやり通すには間違えられない。

* * *
私は正しい道を進んでいる。きっとそうだ。西にある山脈の中に、ドゥエマー建築物の証拠を見つけた。あの記録が書かれてから今日までの間に、氷が退いたようだ。溶けた氷河が他に何を明らかにしたのかも知りたいところだが、結果として生じたクレバスはゴブリンにとって魅力的な隠れ家になっている。あれだけのことを通り抜けて来たのに、あんなネズミ喰いに邪魔されるわけにはいかない。これがフロストヴォルトだという可能性に全てを賭けてみよう。

より厳しく調べろApply More Pressure

サリディル、

メダルについての事前報告を手紙の写しと共に超越の魔導師に送ったが、これだけでは十分じゃない。著者は自分の素性も受け手の素性も注意深く隠していた。魔導師の予定通りに計画を進めるためには、このメダルについて何もかも知っておく必要がある。メダルの届け先も例外ではない。囚人の尋問を続けてもらいたい。質問の仕方をもっと工夫することを許可しよう。ただし殺さない範囲でだ。
ヴァラリオン

ライカンスロープの治療A Cure for Lycanthropy

銀なる暁教団の公文書保管人アーナルデ 著

ようやく治療薬が手に入りそうだ。狼への変身はこれによって根絶できる。10年以上もこの研究に打ち込んできた。だと言うのに、ようやく答えが見つかったら否定されるのか?

イデット指揮官の懸念が事実無根でないのは理解できる。あのような試みの危険性は否定できない。ハーシーンに変化させられたウェアウルフを探すことさえ、あまりに危険だ。ましてその獣の捕獲など、銀なる暁教団ができる保証はない。

そうであっても、試すことさえいけないのか?私の実験が実を結んだ場合、実現されるすべての利点を考慮してほしい!私たちの教団が存在するのは、まさにその目的のためではないのか?ウェアウルフへの変身の脅威を完全に消し去ることじゃ?

私は、イデット指揮官がこの実験に賛成するよう説得しなくてはならない。絶対に。

***

神々が微笑んだようだ。私が照会してからほんの数か月しか経っていないが、マラバル・トールのどこかに隠れているヴィコサというウェアウルフから連絡を受けた。

噂によると、彼女は最初の変身者であり、ハーシーンの手により獣に変えられたらしい。私の記録とも合致するようだ。数世紀前に彼女の名を挙げる記録を見つけた。これはまさに私が求めていた機会かもしれない。

残念ながら、今もイデット指揮官の賛同を得られない。彼女の言葉はこの砦の法であり、私の研究に触れるたび、私を否定しようとする決意が強まるようだ。

しかし、私は希望を捨てることができない。今は捨てられない。あまりにも多くのものが懸かっているこの時に、捨てることはできない。如何なる犠牲を払っても、絶対に指揮官を説得しなくてはならない。そして、私には彼女を味方につけるものがあると信じている。

***

ついにイデット指揮官がヴィコサの捕獲に同意した。驚きはしない。今では彼女の夫が狼への変身に苦しんでいるのだから。私の手元にあった、多くの血液サンプルによる変身だ。

治療薬の考えを推進すると、指揮官はその危険性に尻込みする。しかし、愛する人が治療薬を必要とするとどうか?私の目の前で崩れ落ちた。無様だ。

あとはヴィコサに罠を仕掛けるだけでいい。もちろん簡単なことではないが、私ほどの知性があれば成し遂げられるはずだ。勝利は近い。いずれにせよ治療薬は作る。八大神に誓って作らなくてはならない。これは自己満足のために行うのではない。人類の利益のために行うのだ。

ロレアの日記Rolea’s Journal

月狩人の砦は最後の望みだ。すでに銀なる暁教団は群れの残りを倒している。ソブンガルデにかけて、ホルスまで失いはしない。私たちはシャドウフェンへ向かう。

数は多いほど安全で、ヴィコサの群れほど大きい群れはないと噂されている。すでに連中は銀なる暁教団を戦闘で破っている。なんと、教団の砦さえ占拠した!私たちを守れる者がいるとすれば、それは彼らだ。

***

月狩人の群れからは、望んでいたような歓迎を受けていない。ここを安全な楽園だと考えた私が愚かだったとしても、何かがおかしい。

私たちが到着するやいなや、連中に不信の目を向けられた。ホルスにはそれが普通の群れだと言われた。真に受け入れられるには、まずは忠誠と力を示さなくてはならない。それは真実かもしれないが、この群れの目にはある種の敵意がある。それがとても怖い。

***

本当にすまない、ホルス。これが私たちの最後の望みだと思っていた。ようやく安全になる。ようやく逃げるのをやめられると。しかし、私が間違っていた。この恐ろしい場所へ入った瞬間、私が間違っていたと分かった。

だが、私たちは生き残った。一緒にあの呪われた生垣の迷宮から逃れた。一緒に群れの虐待と侮辱を押しのけた。私たちが力を示すために行ったことは今でも悩む。

だが、私たちは生き残った。

その後、お前は公文書保管人に呼ばれ、私たちは離れた。私は初めて真の恐怖を感じた。お前がもう戻ってこないのではないかと。そして、その通りになった。

すまない。お前は死んだ。私は敵討ちすらできない。絶望のあまり立ち向かうことができない。絶望のあまり逃げることすらできない。

お前がハンティング・グラウンドで安らぎを得られることを望む。私もすぐに加われるといいが。

愛しのヴァネッサMy Dear Vanessa

ヴァネッサ、

お前がいなくて寂しい。農場や家族はそうでもないが、お前のいない日々は長く感じられる。だがそれだけの価値はあった。ここでの仕事はあまり変わらない。丸太や甲板を運ぶのは穀物袋や泥を動かすのと大して違わないが、農場労働者だった頃の10倍も稼げる。俺もようやくお前に本物の指輪を買って、ここで自分の家を持てるぐらいのゴールドを手に入れられる。買えるのはせいぜい集合住宅だろうが、出だしとしては悪くないさ!

この小包にはウェイレストからのチケットが入っている。ここでお前と一緒になれるのが待ち遠しいよ。
ダヴィン

遺跡の起源に関するニコラードのメモNicolard’s Notes on Ruin Origins

調査には1週間ぐらいかかったが、作った部族を特定できたようだ。古代ケプトゥの碑文があった。碑文というより「グリフ」と言ったほうがいいかもしれない。この時代の彼らの文化はほとんど口承によって伝えられていたはずだが、それはまた別の話だ。これは「ブラッドルート」という意味のようだ。ここにある太い蔓と血色の良い岩を、色彩豊かに暗示したのだろう。

これだけ豊富にあるニルンクラッツは、彼らにとって大きな発見だったはずだ。つまりここに建造物を作ったとしても不思議ではない。だが実際に採掘したような痕跡は見つかっていない。もしかしたらここは、ネードが石を精錬する技術を開発する前から存在していたのかもしれない。聖堂のようなものだろうか?

隠された子鹿の意味The Meaning of the Hidden Fawn

稲妻が地面を打つとその形が明らかになるのと同様、自然の力もそれに最もよく適した形を取る。古代のストーンロア・ドルイドの導き手がなぜ子鹿の形態を取ったのかと聞くことは、鳥の形態や風の色を疑問に付すようなものだ。心静かに読み、ドルイド・アヌークの知恵を心に染み込ませるがいい。

物語によると、ドルイド・ジェオナルドが潮風の道を歩いていると、小さな透明の子鹿が岩の間の割れ目から飛び出してきた。そこに立った子鹿は、日の出が八度来るまでは彼の目に見えていたが、九度目の日の出が来ると消えてしまった。子鹿がいた場所には風と塩のしぶきで滑らかになった丸石が置かれていた。ドルイド・ジェオナルドはこの石を持ち帰り、これの上で石の霊魂と交信して、その歴史と秘密を学んだ。彼は子鹿の贈り物の内部で成長するクリスタルのこと、その生命は大地の下から来たこと、それを緩慢に地表へと運んできた力のことを学んだ。ドルイド・ジェオナルドの生が終わりを迎えた時、彼はこの石を心臓の上に置いて眠りについた。石の霊魂は若い見習いの精神を、今ではあのクリスタルの洞窟の中にある、ドルイド・ジェオナルドの眠る地へと導くことができる。その美しさは、心でそれを知覚する者の目に必ず涙を浮かべさせるという。

さらなるドルイドたちが子鹿を見たと主張している。子鹿の存在は冒険や財宝、潮風の意思と結びついている。自然の力には善意も悪意もない。それは波や空と調和している。予期せぬものへの覚悟がなければ、子鹿を追ってはならないが、恐れてもいけない。むしろ、自然の力の顕現を前にした畏怖の気持ちを祝福と思うことだ。稲妻や雷鳴の轟きを前にした時と同じである。

隠された日記Hidden Diary

ネストラナ・フロティスの所有物

この日記をつけることに関しては警告された。その日に思ったことを書き記しているのを長老に見つかった時、彼女は私の手からページをもぎ取って、即座に燃やしてしまった。「”秘密の教団”という言葉の意味が分からないの?」と言われた。

でも、私は若い頃から日記をつけてきたのよ!孤独な時もこれのおかげで正気でいられる。それに正直に言うけれど、今ほど孤独に感じたことはもうずっとなかった。だから私は書き続ける、でも内緒にするわ。あなたと私だけの秘密よ。ね、日記さん?
——
私たちは宿舎を去ってデシャーンの新しい崇拝の地に向かうことになった。幹部が何年も探し続けていた祠がそこにあるらしい。噂では、洞窟に住むことになるらしい。洞窟なんて!コウモリと虫だらけじゃない。

前の季節に入団した時は、詠唱して物を燃やすなんて面白そうだと思ってた。でも今じゃ周りは本物の狂信者ばかりで、ゴミにまみれて寝るのも気にならないらしい。とんでもない間違いをやらかしちゃったわ。

——

出て行かなきゃ。私はなんてことをしてしまったの?奴隷たちに働かせているのよ!彼らが疲れて死ぬまで。それに怪物が…あれが何なのか分からないけど、ここの作業を管轄しているんだわ。私たちがかかわるデイドラについては色々と読んだ。何体かは自分で召喚を手伝いもした。でもあのザウドラス男爵とかいうのは見たこともない。ものすごい巨体で、私の腕なんて指一本で引きちぎってしまいそう。

もうすぐ儀式を行うことになっている。あの人たちを殺すんだわ。それも全員。そんなことできない。出て行かなきゃ。

噂に対する返答In Reply to Concerning Rumors

トリクへ

夜に人をさらう恐怖の獣とかいう下らない作り話で、私の仕事の邪魔をしないでくれ。騙されやすい子供や迷信好きな農民が主張しているだけだ。リーチから来る強盗を追い払うため、警備を強化するよう主任に伝えてくれ。我々の一族は何世代も、あのみすぼらしい犬どもの嫌がらせに耐え続けてきた。それはこれからも変わらない。奴らを恐れる必要などない。

—フジュルゴル・スクジョラルモル首長

援軍を送れ、ナリルモルSend Your Forces, Narilmor

ナリルモル、

お前は人間が門の前に来るまで剣を抜かないつもりか?言い訳はもういい。沿岸は快晴だし、嵐は内地に収まっている。警戒を解き、戦争のために進軍せよ。補給線が維持されなければ、ムズルト攻囲は失敗してしまう。奴らが海から来ることはない!

憤怒の石はもうすぐに手に入る。堅苦しいメリディアの義務なぞに振り回され、捨ててはならんぞ!

サドリル

殴り書きされた数Scrawled Tally

IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII IIIII

王冠を戴いたドラゴンThe Crowned Dragon

オーギュサン・コロヴェル 著

ブラック・ドレイク、ダーコラク陛下の聖人伝作家として、陛下の輝かしき統治の最初の年に依頼を受託した

世界を変えた男について、何を言うべきだろうか?彼は数え切れぬほどの民を、自らの頽廃に溺れていた社会の暗闇と、罪深き怠惰から救い出した。錯覚と幻滅に落ち込むあまり正義を忘れた人々の富で私腹を肥やす、腐敗した支配層に戦いを挑んだのである。シロディールの救世主、ブラック・ドレイクのダーコラクについて何を言うべきだろうか?久しく望まれ、彼によってもたらされた過ちの清算と矯正がなければ、私たちはどうなっていただろう?おお、シロディールよ、首を垂れて自由に感謝するがいい。新たな時代の誕生は近い!

ダーコラクの物語は、北方の開けた荒野と雪深い山脈で始まる。我らが皇帝が生を受けた夜には巨大な流星が空を横切り、彼がこの世界に現れた時間には、母親の慎ましき家屋の上を、銀色に輝く無数の白鳥が飛び交った。赤子を抱きかかえた者は全て、彼の若き顔の強烈なまでの美しさに衝撃を受けた。その目はあまりに黒く勇猛で、偉大なる戦士たちもその眼差しには目を背けてしまうほどであった。

我らが未来の皇帝がその偉大さに相応しい王宮ではなく、むしろ最も質素で過酷な環境の中で育てられたことは言っておかねばならない。リーチの偉大なる荒野は数多くの試練と危険が住まう場所だが、そうした苦難も少年皇帝を最も早い時期から鍛え上げ、勇気や名誉、忍耐や知恵の価値を学ばせるのに役立つばかりであった。3歳の時、若きダーコラクは母の命を救うため父が狩りに使う槍を手に取り、すでに20人の男を食い殺していた黒い大熊を無慈悲な一撃で葬り去った。そしてたったの5歳で、ダーコラクは寒く厳しい冬にカースワステンからドルアダッチ山脈の頂上まで連なるヘラジカ100頭の群れを狩り、村を飢えから救った。

2本の足で歩き始めた時から狩りに万能の腕を示したダーコラクは、遠からず知恵をも身に着けた。ダーコラクは鷹から、風に乗って運ばれてくる遠い国の知らせを聞く術を、そしてたったの一瞥で人間の心を見透かす術を教わった。彼は山の頂上から流れ落ちる冷たく速い小川の流れを見て素晴らしい音楽を身に着け、その歌声を聞いた者は二度と、他の音楽に喜びを見いだすことができなくなるほどだった。そして彼は大きな灰色の狼たちから勇気と忠誠心、上に立つ者の心得を学んだ。

過酷な故郷の地にあって、若きダーコラクはそのうち、戦の技を極める必要があることを知った。7歳の誕生日の折、樹齢100年の木ほども背丈のある巨人の部族によって、ダーコラクの民が羊毛を保管していた平和な牧草地が襲撃されたのである…

〔手記の残りの部分は焼け焦げていて読めない〕

我らの計画の唯一の記録The Only Record of Our Plan

ファイアソングよ

これは我々が得ようとしているものすべての始まりだ。我々が夢見る未来は今日始まる。目標に達することを妨げるような愚かな過ちは、私が許さない。

私の邪魔をするような気の迷いを起こす者を出さないために、以下の義務を与える。

ストーンロアの誰もが、我々に対して反抗する自信をつけないよう取り計らうこと。
私のため、この居留地が擁する霊魂たちへの道を開くこと。
霊魂たちを腐敗させ、種の場所を言わせるために手伝うこと。
種を見つけること。
居留地にいるストーンロアを残さず始末すること。
種を手に入れるまでストーンロア全員を殺さないこと。回収のために一人は必要かもしれない。
ストーンロアの聖なる種を持ってイフェロンに戻ること。

我々の計画の、最初で最後の記録をわざわざ作ってやったのだ。よく記憶しておけ。襲撃の日にわずかでも失敗すれば、厳罰が下るだろう。

アークドルイド・デヴィリック

外に出られないWe Can’t Leave

不安なの、ログラン。

荷車を押して物資を仕入れようとしたけど、門の衛兵に追い返されたわ。理由は言ってくれなかった。騎士たちは胸壁の上で前よりも忙しくしているし、門はもう何週間も通行止めよ。攻城戦になるの?私がここで働いている間、攻撃されたことなんてなかったのに。そんなことが起きるなんて、お父さんは何も言っていなかった。どう思う?

ガブリル

活動報告:西ナルシスの採掘に関する懸念Operations Report: West Narsis Mining Concern

報告者:アルヴェン・ナドゥス監督官

進捗には期待が持てます。鉱石の採掘は約53パーセントの効率を維持しており、当初の予想を上回っています。最先端の繊細な技術を用いることで、我らが地層術師たちは当地に横たわる大鉱脈を感知したと述べています。これが本当なら、この鉱山は長期にわたって高い生産レベルを維持できると期待してよいでしょう。

近い将来に対処する必要があるかもしれない、小さいながらも予期せぬ問題に遭遇しました。鉱員たちから、彼らの言葉によると「呟き」が聞こえてくるという報告が出てきているのです。鉱員の主張では、声は鉱山内部のどこかから来ているそうです。当初、誰かが鉱山の奥で迷って出られなくなったのかもしれないと思いました。しかし徹底的な捜索の結果、労働キャンプの範囲外まで降りていった者がいるはずはないという結論に至りました。

私自身は、この呟きとやらを耳にしていません。私が普段から色々と任せているある鉱員に尋ねたところ、彼は次のように説明しました。

「俺たちが仕事してる時は、鉱山を叩く音が周り中に響き渡ってるだろう?大抵の場合、それ以外の音は聞こえない。でもそのうち、そういう音の端々から、微かな囁き声を聞く者が出てくる。最初、俺はエンダノルがふざけてるんだと思った。あいつはそういう奴だからな。だがあいつも誓って声を聞いたと俺に言うんだ」

「深く掘り進むほど、囁き声も大きくなっていった。岩の中から沢山の声が聞こえたが、何を言ってるのかは聞き取れなかった。でも怒っているのは分かったよ。俺まで腹が立ってきちまうこともあった」

大変残念ですが、鉱員のうち数人は感覚を制御できなくなったため、現場から外されました。ある者は悲鳴を上げ続けて止まらなくなり、煎じた薬草を飲ませてようやく落ち着きました。また別の者は気絶するまで石の壁に頭を打ちつけたのです。2人とも作業の邪魔にならないように、労働キャンプから離れさせました。

すでにお察しのことと存じますが、私は行き詰まりのようなものを感じております。生産効率は高いままなのですが、作業を続けるにつれ危険が増しているように思えるのです。当面、ご指示をいただくまで、作業はそのまま継続することにいたします。

歓迎のメッセージMessage of Welcome

すべてのサークルのドルイドへ告ぐ。私はアークドルイド・ウィン。あなたがたが到着した際、正式に歓迎をする居留地のドルイドが不在の場合に備えて、ここにメッセージを残せることは光栄である。アーセンルート居留地への訪問に感謝する。あなたがたが必要なだけ時間を取り、自然と交流できることを願っている。

私たちは雄大なる霊魂を三体住まわせることができた。石、根、大気の霊魂だ。霊魂たちと交信し、その近くで瞑想することによって、霊魂たちと同じように自然の領域を体験する能力を授かる。それぞれの霊魂の台座は快適さを考えて作られており、静かで落ち着いた雰囲気を生み出すことによって、あなたの心を彼らと共鳴させてくれる。もちろん好きに霊魂を訪問してくれて構わないが、私たちは以下に記す順番を推奨している。

ストーンサイトの台座には、石の霊魂が辛抱強い観想の中に沈んでいる。その目を通せば、あなたが座る大地の下に眠るアースボーンズまで見ることができるだろう。石の霊魂と共に過ごす時間は消え去ることなく徐々に刻み込まれ、大切に保管される。

ルートスピークの台座は植物の根の歌で満たされている。ハーモニーは根の霊魂の動きと共に揺れ動く。根の霊魂と交信すれば、最も孤独な場所にあっても私たちは孤独でないことを思い出させてくれる。すべての生物の声が私たちの周りにあるからだ。

最後に、スカイトレマーの台座は最も遠く離れた、威圧的な台座だ。この台座は私たちの島の奥の端にある、崖の遥か上に置かれている。この霊魂を見るために旅するドルイドは、スカイトレマーの台座で長い時間を過ごす準備を整えておくといい。というのも、霊魂はしばしば周囲を吹き荒れる風のため、物質界に集中できなくなるからだ。風はニルン中からこの霊魂の耳に知らせを運んでくる。大気の霊魂は、言われたすべてのことを教えてくれる。これを宝とする者もいれば、重荷と捉える者もいる。大気の霊魂は嘘をつくことができない。残酷なまでに正直な存在なのである。自分が生涯に言ったことすべてと向き合う覚悟のない者は、この体験を省略することが推奨される。しかし、この霊魂は私たちに自らについての真実を教えてくれるが、真の教訓は私たちが人生のそれぞれの瞬間に込める価値である。

あなたがどの台座を訪問し、どの霊魂と交信するにしても、私たちはアーセンルート居留地への訪問で求めていた知を得られることを願っている。質問があるなら、迷わずこの居留地に住むドルイドに尋ねてほしい。そして、改めて歓迎する。快適な滞在になることを願っている。

記録#321 予想外の結果Log #321: Unexpected Results

月狩人の群れの公文書保管人アーナルデ 著

最新の実験は著しく期待外れに終わった。以前の実験は容認できないほど乏しい結果だったが、現在の手法はやや不幸な揺り戻しにつながった。

すなわち、群れの8人が死んだ。

うち5人の被検体は実験の重圧による神経衰弱を起こしたようで、暴力的な錯乱を起こした。私自身と仲間の研究者の保身のため、彼らを倒さざるを得なかった。彼らの力が大きく上昇していたことを考えれば、非常に不運だった。

被検体42を失ったのは同じような状況下だった。彼は群れの数少ないノルドの1人だったので残念だ。彼の妻を次の実験ラウンド用に確保したいとも思ったが、要請はミレンヌに却下された。私たちの親愛なるナンバー2が感傷的にならないことを強く願う。

うち3人の被検体は単に死んだ。原因はおそらく過労だ。私たちの審査が、実験を受けるには弱すぎる被検体を排除したことを望んでいたが、すべては排除できないようだ。これら被験者に判明した共通点は、すべてまとめる必要がある。

そして被検体46の事例だ。特定の任務の実行をためらうという理由で実験に組み込まれた若いカジートの女性。これは非常に興味深い事例だ。なぜ私の実験が被検体にヴィコサの強制力への免疫を備えさせたのか、今も分からない。

しかし、私たちの栄光あるボスがどれほど認めたがらなくても、結果に誤りはない。幸運なことに、私は被検体46の処刑を回避させられた。結局のところ、彼女がヴィコサの支配を打破する鍵となる可能性は、十分にあり得る。

しかし、その実験はまたの機会だ。ヴィコサが無敵のウェアウルフ戦士を求めているため、私は従わなくてはならない。少なくとも今は。

議長の記録:タグ・ドロイロックHigh Chancellor’s Papers: The Tagh Droiloch

元老院議長、アブナー・サルンの私的な記録より

第二紀536年、栽培の月10日

タグ・ドロイロックとは何者か?彼らはいかにして、リーチの民をルビーの玉座に据える力を得たのか?そして何のために?ブラック・ドレイクのダーコラクが故郷から雄たけびを上げる軍勢を帝国の心臓部まで引き連れてから丸三年が経ったが、未だにこれらの問いへの答えを探している。私の感知もスパイも、ダーコラクの不可解な勃興と、彼の手にリーチと帝国を明け渡した残忍な魔法使いたちについて、暗示以上のものを与えてはくれなかった。

知る限りでは20年ほど前、リーチの荒野である秘密の魔術結社が生まれた。結社はタグ・ドロイロックと名乗ったが、これはリーチの方言で「闇の大魔術師たち」という意味だ。リーチの魔術結社の大半と異なり、タグ・ドロイロックは魔女ではなく魔法を使う男性のみを構成員とし、すぐに最強のデイドラさえも召喚して使役する力を示した。タグ・ドロイロックは邪魔な敵対結社のいくつかをあっさりと壊滅させ、リーチの影の支配者となった。

何年もの間、タグ・ドロイロックは機を伺いつつ、彼らの名がもたらす恐怖と、不満を告げる囁きで無法のリーチを支配するだけで満足しているようだった。しかし9年前、ある飛び抜けて強靭で頭の切れるダーコラクという名の族長が現れ、リーチで支持を集め始めた。ダーコラクは学習の経験もなく、我流の魔術師として小さからぬ実力を身に着けていた。もっとも、彼は杖よりも剣を好んだ。タグ・ドロイロックはこの男が現れるのを待っていたとでも言わんばかりにブラック・ドレイクの味方に付き、結社の力と恐るべき名声を彼の支配に任せた。

タグ・ドロイロックの力添えにより、ダーコラクはリーチの敵対クランを屈服させ、忠誠を要求した。話したリーチの民は時としてデイドラの力と結んだ契約や、ここで繰り返すのも恐ろしい約束について語ったが、こうした物語の真実が何であれ、その結果は明らかだ。タグ・ドロイロックに受け入れられてから1年も経たぬうちに、ダーコラクは2千人の兵を指揮するようになった。2年経つうちには、その数が1万に増大した。そして、ついに自らの野心に相応しい力を手にしたと判断すると、ダーコラクはそのさらに数倍の勢力を無防備のタムリエルに向けて解き放った。その後の出来事は、歴史に伝えられているとおりである。

そしてダーコラクの権力掌握への道を敷いた後、タグ・ドロイロックは消滅した。ブラック・ドレイクがルビーの玉座に据えられると、この謎めいた魔術師たちは闇の中へと帰っていったのである。ダーコラクの信任厚き魔術師たちの一部、バールセルグ、ファオショル、そしておそらく老ウナグはこの秘密の結社のメンバーであった可能性が高い。しかしダーコラクがシロディールを征服して以降、誰もタグ・ドロイロックについて噂一つ聞いていない。ダーコラクを皇帝に据えることで、彼らに何の益があったのだろうか?まだ生きている者は何人いるのか?彼らは解散したのか、それとも何らかの新しい計画に従事しているのか?

この件に関して最も不気味なのは、ダーコラク皇帝は私がタグ・ドロイロックの秘密を探っているのをとっくに承知しているらしいということだ。彼は面白がっているらしい。ブラック・ドレイクは自らの支配に対する潜在的脅威を躊躇なく排除してきた。それなのに、あの男は私を元老院の議長の地位に就けたままでいる。私はダーコラクの暴政を改善するために自分の地位を利用しているが、その間にも奴を取り除く手段を探していることを、あの男は知っているはずだ。私としてはこう結論するしかない。ダーコラクは私を脅威だとは思っていないのだ。

奴の自信がプライドを傷つけたことは認めねばなるまい。

緊急の手紙Urgent Letter

ウンスパ

今夜はやめておけ。クサル・ヌルはお前が夕暮れに脱走することを知っている

チーセイが言ったと思うが、クサル・ヌルは見かけほど原始的ではない。奴には知恵がある。奴は老いたクロコダイルみたいなもんだ。幼生たちが運を試そうとするから、寝ている時の方が危険なのさ

奴に捕まれば、バラバラにされてワマスの餌にされるだろう。邪魔をするつもりはないんだ。奴が以前にやったところを見た。血だらけでとても見るに堪えなかった。あの叫び声で、今も目が覚める。

あと数日は待つんだ。お前の命はそれにかかっている。

ジュナル

緊急連絡Urgent Missive

敵の大群よりも先に、この伝言が届くことを祈っています。ファルクリースは陥落寸前です。備蓄は空になり、壁は崩れ落ちそうです。リーチの大群と我々の間には、辛うじて歩ける負傷兵しか残っていません。

この連絡で我々が救われるとは思っていませんが、報復がもたらされることを望んでいます。あなたの栄誉ある戦士たちをここに派遣して、リーチの民とミノタウロスをこの土地から排除してもらえるよう、膝を突いてお願いします。我々の仇を取り、ここを再建してください。我々の存在が、石の遺跡だけしか残らないことがないように。

—ファルクリースの従士エーリカ・スクジョラルモル

銀なる暁教団の命令By Order of the Silver Dawn

同志諸君

あまりにも長い間、私たちは月狩人の砦をヴィコサとその群れに明け渡してきた。あまりにも長い間、私たちは奴らがタムリエル全域に悪意を振りまくことを許してきた。あまりにも長い間、私たちは奴らが力をつけて成長するさまを座視してきた。奴らの目的は殺戮と騒乱の企てにある。

しかし、銀なる暁教団はもう引き下がりはしない。今がみすぼらしい犬どもを討ち、決着をつける時である。

今や月狩人の群れと称する奴らが組織を強化し始めたと信じる理由がある。奴らはウェアウルフの呼び込みだけでなく、周辺の無関係な者たちを誘拐し、獣と化す呪いもかけている。群れの数を必死に増やそうとするこの行為は、タムリエルにとって害にしかならない。

私たちはこの行為の継続を許せない。いかなる犠牲が生じようと、月狩人の群れを根絶しなくてはならない。

諸君はヴァリアン指揮官の指揮を受ける。砦の設計に関するこれまでの知識が侵入の助けとなるはずだ。彼の命令は、私の命令であると心に留めるように。

諸君に八大神のご加護があらんことを。

-アビティウス隊長

嫌だ!No! No! No!

見える!見える!〈緑〉が見える!もうほんの数歩だ。なのに足が。

足が動かない!

言うことを聞かず、〈青〉が入り込んできた!見える、見えるんだ。聞こえもする。もう叫んでいない。だが、叫んでいるのは私だ。

私、私。

この私だ。

元老院に関する帝国法令Imperial Decree Regarding the Elder Council

第二紀534年、薄明の月1日

征服法に基づきシロディールの皇帝にしてタムリエルの守護者となりしブラック・ドレイク、すなわちその名と家を担いしダーコラク陛下のご意向により、以下を帝国の全市民に告げる。これにより、元老院は次のごとく制定される:

豊富な経験と、すでに証明されたルビーの玉座への忠誠心に鑑み、総書記官アブナー・サルンは元老院の一員にして皇帝の首席顧問の任に留まるものとする。

レヤウィンのタルニアン・ロヴィディカス軍団長はニベン地方の代表使節の席と、元老院議長の職務を与えられることをここに定める。これはシロディール各地において卿が集めている、全般的な尊敬と栄誉を考慮した上での決定である。

ギデオンのエルトゥス・ヴァンダシアはロングハウス帝の統治を打ち立てるための貢献と支援により、元老院の職務を与えられる。

ブラックウッドのソフス評議員は、皇帝陛下の全面的な信任を受けブラックウッド代表使節の地位に留まるものとする。

イティニア評議員は、皇帝陛下の全面的な信任を受けコロヴィア代表使節の地位に留まるものとする。

オルランドゥス・プラヴィ評議員は国土からの追放処分を受けることをここに定める。不服従には死をもって応じる

ヘストライア・シラン評議員は四つ裂きの刑に処されることをここに定める。なお処刑は即刻実施される。

マルティアクス・グランシオラ評議員は火あぶりの刑に処されることをここに定める。なお処刑は即刻実施される。

セルガン・ユーラフス評議員は今回の議決に欠席した事実を鑑み、犯罪者、裏切り者にしてルビーの玉座の敵として名指されることをここに定める。彼を捕獲して白金の塔へ連れ戻せば、ドレイク金貨1000枚の賞金が与えられる。生死は問わない。

帝都のフェオマス・ルカスタ卿は、無任所代表使節の席を与えられることをここに定める。これはシロディール各地において卿が集めている、全般的な尊敬と栄誉を考慮した上での決定である。

レヤウィンのタルニアン・ロヴィディクス軍団長はニベン地方の代表使節の席を与えられることをここに定める。これはシロディール各地において卿が集めている、全般的な尊敬と栄誉を考慮した上での決定である。

トロール砕きとも呼ばれる、歯を奪う者ケルガンは、無任所代表使節の席を与えられることをここに定める。これは陛下の意志を実行に移すことにかける大いなる情熱と、最近における陛下の遠征での様々な戦闘で彼が行った、数多くの荒々しき行為を考慮した上での決定である。

以上の決定を記し、周知させよ。

現実的になろうTime to Face Reality

パイター、もう1ヶ月だ。彼らは戻ってこない。騎士には監視されるようになった。砦の雰囲気は感じているだろう。ここでは何かがとてもおかしい。

台所で捌かれる豚のように、ここでずっと待っているのか?この要塞から生きて出る唯一の方法は協力することだ。計画を泉の側に残しておいた。

読んで理解したら、焼いてくれ

古代の碑文Ancient Inscription

異形を元の場所へ帰す手段が我々に欠けている。そのため我々は異形が起源の地へ帰る時が来るまで、投獄することにした。十一の力がこの者の道を照らし出さんことを。

後に続く者への警告A Warning to Those Who Follow

こういうメモは普通、何から始まるものだろうか?冒険物語では死に瀕した著者が深刻そうに自分の名を言い、危険極まる状況にどうして巻き込まれたかを説明するところから始まる。「私の名はギベリル。残酷な風により、この破滅の運命へと導かれた」といった具合だ。

正直に言おう。私の名を記したとしてお前が知るはずはないし、興味もあるまい。これを読んでいるということは、お前もこの忌々しい島に閉じ込められたのだ。だからお前がこのメモを私の家族に持っていくことも期待できない。つまり素性など話しても無意味だ。

だから、最後の紙束でここに警告を記しておく。不快なハドリッドどもはもう見ただろう。我々もだ。隠し戸を通ってここを見つけた時は、安全な場所で体勢を整え、作戦を立てられると思った。アトゥネインはそこら中の穴やドワーフのコグに指を突っ込んだ。それであのコンストラクトが作動して、彼女の両足を切り落とした。あっという間のことで、うめき声をあげる暇もなかったほどだ。モリニレはそいつを叩き壊すために片手を失った。私は腕が折れたらしい。

要するにだ。お前が穴に入ってこのメモを見つけたのなら、とにかくドワーフの機械に触るんじゃない。特に星が描かれたキューブは避けるんだ。好奇心の代償はあまりにも大きい。

我々は脱出する手段を見つけるため、島の探索を続ける。お前がこれを読む頃には、とっくに逃げ出していることを願おう。

港の衝突に関する報告Report on the Dock Crash

作業長、

西の港からあの煙を発する残骸を取り除きました。おがくず10袋と木製の荷運び台1つに燃え移りましたが、港自体は守りました。

オブリビオンが直々にあの船を吐き出したに違いありません。うちの乗組員は港に落ちてきた雷の数をまだ数えています。帆が全部松明になってしまったほどで、切り落とすしかありませんでした。船には誰一人見つかりませんでしたが、船体からはまだボートがぶら下がっています。黒焦げになって。

この船を襲った何かに突き落とされたか、あるいは炎から逃れるために自分から海に飛び込んだか、どちらかでしょう。

船の名前さえ判別がつきません。この呪われた船を沖の外に出して、沈めてしまった方がいいと思います。

黒のオリンの日誌Journal of Orryn the Black

残念ながら、デイドラの獣を保存する試みは行き詰まってしまったようだ。最後にはいつも、オブリビオンの引力が勝利する。この媒体における私の仕事は氷の彫刻に似ている。束の間の美しさしか持たない。
~~
疎遠になった仲間が別れた後に残されたものを眺めるように、見慣れた退屈がやってきている。こういう時には、ドラウグルの長い休眠が羨ましくなる。
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私が退屈しているのを見て、野心的な従者が主のために気晴らしを探してくると請け合った。彼女は私に、無味乾燥なドゥエマー史の本を持ってきて時間を潰すよう言ってきた。私は彼女の死体を乾燥させ、抜け殻になっていくのを見る方が楽しいのではないかと少しだけ考えたが、彼女の表情が自信に満ちてニヤニヤ笑っていたので、許してやることにした。
~~
リザベットは役に立った。彼女が持ってきた本は、空想的な伝説についての一片の真実を私に示している。著者は牙の巣と呼ばれる、長く失われていた遺跡を最近訪問したと主張している。この埋葬地を見てみよう。
~~
私に従う者たちの多くは今、牙の巣を探して竜牙山脈を巡っている。あの歴史家が与えてくれた手掛かりがあっても、かなり大変な作業だ。それでも新たな目的ができたことで、忍耐力も増している。
~~
この数ヶ月の探索の間、私はドゥエマーとドラゴンについて多くの記録を収集した。彼らと私の野心はそれほど異なっていない。我々は皆違う道を選んで探求を進めたが、生存より熟達を重視する点ではそう違わないだろう。彼らが辿った運命を考えると、同じ轍を踏みたいとは思わない。
~~
ついに牙の巣が手の届くところまで来た。払った犠牲は極めて軽いものだった。信者数十名の命が危険な山脈によって失われたが、彼らには予想した通り、新しい役割がある。
~~
この場所は見事に荒廃している。幾千の骨がボロボロになった広間に散りばめられている。一部は砕け、黒ずみ、一部は化石になっている。絶滅と恐怖の記録だ。この展示の重要作は、この中に見つかるのだろうか?
~~
さて、ここで予測しなかった展開があった。牙の巣は完全に無人な訳ではなかった。我々の真っただ中に、とても特別な不法居住者がいた。あのドラゴンがまだ生きて呼吸をしていた時代に遡る古代のリッチで、ドラゴンを倒した張本人の1人だ。もっと言うことを聞くようになったら、彼に教えてもらうことがたくさんある。
~~
あのリッチはここに滞在している間、憑かれたようにドラゴンの遺体を研究していた。結果を共有してもらえるのはありがたい。研究を私の方法に適用するのは難しくないだろう。私はすでに驚異的な展示を思い描きつつあるが、あのリッチと仲間たちとの会話で、一つ欠けている要素があることが明らかになった。このドラゴンは生きている時、ある聖職者を支配していて、その女大司祭が行方不明らしい。彼女を手に入れなければならない。

子猫の遊びをやめろ!Enough Kitten Play!

プルーティへ

頼むから滑り石を動かさないでくれ。当直に飽きたことは知っているが、この門を開くのは大きなキューブだけだ。君の血族の多くは君のように門を通ることはできず、我々の物資も通過できない。

滑り石はより大きな謎の一部かもしれないが、太古の猫の謎に関わる意味はない。サンジーンが望むように、杯を満たして命を味わえばいい。この聖堂のほとんどは廃墟だ。壊れた玩具で遊ぶべきではない。さらに言うと、我々を巻き込まないでくれ。

クンダビ

最後の警告Your Final Warning

まだ生きているだろうな。私は死んだ。というより、もうすぐ死ぬところだ。

最初の警告は決まり文句への軽蔑から始まった。腹から血を流しながら最後のメモを書くのは、これ以上ないほど陳腐だ。残念なことだ。

とにかく逃げろ。浜辺に戻れ。太陽と砂のあるところで残りの日々を過ごせ。こんな暗闇で死ぬのは恐ろしい。最期が近づいて、涙を抑えられない。

声は無視しろ。あれの挑発に乗るな。とにかく逃げるんだ。

もう疲れた。

死の準備の成果Cadaver Preparation Findings

目下の計画には適用できないが、主は蘇生の前に一部の組織を注意深く取り除いておくと、より強力で順応性のある検体ができることを発見した。

内臓の多くはほとんど何の機能も果たさず、死体を重くするだけだ。また皮膚はそれなりの防護になるが、腐敗の温床になることが多く、より有用な組織に拡散してしまう。

それに対して靭帯と筋肉は、傷がついていなければ耐久性、安定性、運動能力を大きく向上させる。

ドラゴンプリーストを守るドラウグルの衛兵たちがなぜ蘇生の前にミイラ化されていたのか、これで説明できるかもしれない。

死は笑いごとではないDeath is No Laughing Matter

スキーヴァーの魂をセンチタイガーの死体に縛りつけ、そいつをマンモスの死体の中に埋めた者へ。見つけたら、こいつに食い殺させてやる。

磁鉄鉱を探せ!Find the Lodestones!

まだ浮かんでいる船はどんなものでも叩き壊せ。建設途中でも、壊れかけでも、海に浮かべたことがなくても何でもいい。磁鉄鉱が見つかるまで、すべての甲板を引きはがさせろ。

従徒が死んだら、港をうろついている残りの膨らんだ死人と一緒に働かせろ。見つけられる限りすべての磁鉄鉱を手に入れろという命令だ。だから大量に持ち帰らないと、俺たち全員がドレッドセイル女王に罰せられるぞ。

実現された野望Ambitions Realized

この地を放棄したスパイア評議会は愚かだった。奴らにはドレッドセラーに政治的な都合以上の価値があると見抜く力はないと思っていた。私だけが、この場所の資源としての価値に気づいたのだ。手つかずの力の源泉だ。目覚めの炎の協力を得た今、ここはその潜在力にふさわしい目的を得た。

あの信者どもは見事な装置を思い描いたが、夢を現実に変えられるのは私だけだ。私ほど死霊術とデイドラ魔術を理解しているものはこの世界に誰もいない。この抽出と精製のプロセスを考案できる者など他に存在しなかった。この狂気の装置を実際に動かせる者は、誰もいなかったのだ。

だがこれならうまくいく。そして私は、これから起こることを最前列で目にするのだ。

失われた自然の霊魂Spirits of Lost Nature

病んだ自然の霊魂の治療、隔離、再生に関するアークドルイド・メリエの記述

我々は自らの身を守るため、三つの不安定な霊魂に結界を用意した。結界へのアクセスは失われた自然の霊魂を再生するための訓練を受けた、ストーンロアのドルイドに限られる。

霊魂の苦痛で私の心も悲鳴を上げている。我々は霊魂と深く結びついており、彼らの領域の力に敬意を払っている。このように自らの聖域を奪われ、自然を守護するために生み出されたにもかかわらず、自然との結びつきを奪われた霊魂たち…その苦痛は、我々も味わう。

スカルデッドルーツ

元々はワイルドフラワー森の霊魂だったが、スプリガンの姿となって荒れ狂う野火の道に立ちはだかった。力は尽くしたものの森は焼けてしまい、この霊魂はスプリガンの姿に閉じ込められてしまった。

今、この霊魂は炎と嵐の白昼夢の中を生きている。いずれは霊魂の嘆きの熱を鎮め、焼け焦げた根を冷たい水に浸したいが、今のところこの霊魂は近寄る者を相手構わず攻撃する。調理のための火を起こす時は注意せよ。この霊魂の秘密の領域は、スカルデッドルーツの悪夢の記憶にある炎に接近しているからだ。

ルテア

かつては地下深くの川のネレイドだったルテアは、頭上の世界にいる定命の者とはほぼかかわりを持たなかった。ルテアは失われた自然の霊魂の中で最も古く、定命の者の血管を流れる血の歌を聞いて、解放しようとしている。血を抜けば定命の者が永久に動かなくなることを、彼女が知っているのかどうかは定かではない。

当初、彼女をなだめるため洞窟内に水たまりを作ろうとしたが、川のネレイドにとって水たまりでは不足すぎるようだ。現在は彼女が故郷と呼べる川を作れるようになるまで、支援の試みはすべて停止することになっている。その時が来るまで、ディープルートに水を輸送する際は注意せよ。

ジョドロ

失われた自然の霊魂の中で最も新しいのは、ジョドロという愛称で呼ばれる大地のインドリクである。モーナードの伐採によって破壊された森に住んでいた。潮風の道にいる時が最も落ち着くようだが、ジョドロは毛皮がウッドワームに汚染されたかのように振る舞う。ジョドロは容易に気を許さず、出会うドルイドを無差別に突き刺そうとする。それでも、ジョドロには他の霊魂よりも見込みがあると思う。十分な時間が経てばジョドロの森は再生するかもしれないし、自然に備わった厳しい状況でも栄える力のおかげで、我々による再生の試みも不要になるかもしれない。とはいえ、潮風の道を歩く時は道を外れないようにしたほうが賢明だろう。

手掛かりの回収Picking up the Pieces

クインタスがかつて帝国図書館を歩くことが許されていたとは驚きだ。あいつの地所に残っていた記録の数を信じるなら、クインタスはシロディールの銀行並みに借りたら返さない奴だったらしい。相続の件を片づけた後も、誰も回収に来なかった。だから今では私のものだ。

* * *
この埃だらけの箱の山の中には、世界中のどこよりもドゥエマーについての情報があるかもしれない。本をかき回して何年でも過ごせそうだが、クインタスがヴォレンフェルへの探検以前の数ヶ月、何をしていたのか興味がある。

* * *
クインタスは本当に私がいないと何もできない奴だった。「ガーディアン・アイ」についてのメモに、私が知らないことは何も書いていない。これが最後の手掛かりだったのに。

* * *
数ヶ月クインタスの難解な考察を調べたのは、完全に無駄ではなかった。私があいつに強制して「ガーディアン・アイ」を入手させる前に、それよりもさらに歴史コミュニティを震撼させる可能性を秘めたアーティファクト、狂気の岩についての情報を集めていたのだ。

* * *
憤怒の石だ。クインタスの翻訳が雑だった。

狩りの栄光The Glory of the Hunt

ウィレス・ストリギデイ 著

狩りの栄光。私は最初からそれを知っていたし、感じていた。私の矢が獣の心臓を貫いた時、その血が胸からゆっくりと流れた。私の短剣が敵の頭蓋骨を刺した時、敵の目をのぞきこんだ時、命がゆっくりと色あせていった。獲物の断末魔の叫び、金切り声、嘆願という美しい交響曲。

私は最初からハーシーンの子供の1人だった。苦労して仕留めた勝利の感覚、狩りのスリルに勝る喜びはない。そしてハンツマンはこれを見ると、血まみれの歯で微笑む。

私の内蔵に剣が突き刺さり、死にかけていても恐怖はなかった。魂の行く先は知っていた。

ハンティング・グラウンド。永遠の狩り、永遠の栄光の森。毎日、私は姉妹に加わり獲物を追う。毎夜、私たちはハーシーンの壮麗な星の下に横たわり、過去の勝利の物語を思い出す。ワインは芳醇で、肉は新鮮で、私たちが病気にかかることはない。主人は楽園を与えてくれた。

間もなく、ハンツマンがグレートハントのためによそ者を集める。私たち狩人の全員にとって、彼の領域内での心躍る時間だ。私たちは新人たちを試し、ハーシーンの恩恵に相応しいかどうかを確かめる。倒れようが構わない。彼らは私たちがハンティング・グラウンドと呼ぶ故郷、この楽園に留まるだけだ。

囚人からの没収品Confiscated from the Prisoner

配達人が運んでいた小包を隠していたわけではないが、私は彼の身体検査を行った。この男は伝令として明らかに不自然で、万が一ということもある。以下が没収した品物だ。

– 覆いをかけた小包の中に、封蝋付きの手紙が1通とメダルが1枚
– 銀のフラスコ瓶1本(安酒が少し入っていたので、海に捨てた)
– 革のコート、シャツ、ズボン(汗と酒、そして十種類以上のコロンや香水の臭い付き)
– 鋼鉄のサーベル1本(特別なものではなく、状態から判断するにほぼ威嚇用だろう)
– 未完成の詩が1つ(頭の悪い相手を誘惑する時に言うようなくだらない詩)
– 少量のナッツや生野菜 (捕獲される前に船の食堂でポケットに詰め込んだのだろう)

この男には打撲傷がいくつかあったが、誘拐の際に抵抗はしなかったので、その時受けたものではないだろう。あえて推測するなら痴情のもつれか何かが原因だろうが、私の知ったことではない。

書記の八分儀Octants of the Scrivener

1.知識は力だ。可能な限り獲得せよ。
2.成果を記録せよ。得られた知識も伝達できなければ無に等しい。
3.影響を及ぼすな。ある物事を知りながらその結果を知らないことは無知を意味する。
4.道の導くところへ行け。遥か彼方の地に隠された知識がある。探し出し、書き写せ。
5.余すことなく文書化せよ。愚かな定命の者の頭脳には、秘密の王にとって何が重要か判別する能力はない。類まれなるものを逃すより、すべてを記録したほうがよい。
6.解釈は不要だ。知る者は、目と耳と文書を評価する。定命の者の頭脳ではない。
7.知識を安売りするな。知識の通貨を扱わぬ者はその価値を知らない。
8.何よりも、勤勉に観察を続けよ。眠った瞳には何も見えない。

処刑状Letter of Execution

ハメリン・ヴィドー、

汝はここに殺人、死体切断、およびアーケイの掟に対する冒涜の罪によって裁かれる。

ブシャール・ドレル男爵の命により、汝は死に至るまで首を吊られるものとする。

八大神よ、慈悲を与えたまえ。我らに与えることはできぬのだから。

焼け焦げた聖典Burnt Scripture

ジョーンとジョーデは目を閉じる
夢を見ぬ死の眠りに落ちる

下に広がる世界が
永久に闇へと失われ

そして真の月が支配する時まで

生垣の迷宮The Hedge Maze

初めはウェアウルフたちに食べられると思ったが、この庭園に放り投げられただけだった。もし私が生き残れば彼らと同じ姿に変えると言われた。どちらがよりひどい運命かは分からない。恐ろしい死か、彼らのような怪物になることか。

私はもう数時間ほど隠れているが、ずっと後ろから大きな足音が聞える。数分ほど前、私はあの獣の頭頂部までちらりと見ることができた。ここにはラーチャーがいて、私を狩ろうとしている。

もし私が見つかれば、もし私が今殺されれば、少なくとも私の人間性は保たれる。そう自分に言い続けているが、やり通せそうにない。同じ考えばかりが何回も浮かんでしまう。

私は死にたくない。

逃げ場はない。生き残ることはできない。私の魂にステンダールの慈悲がありますように。

-ラントイン・ビューフォート

深紅の誓いを刺激するなLeave the Crimson Oath Alone

ドレモラの戦士たちは諸君を守るためにここにいる。しかし深紅の誓いはこんな濡れそぼった穴で見張りをしているより、タムリエル中を略奪して回りたがっている。

彼らを作業員扱いして刺激しないように。

挑発すれば、流血に飢えているのを知ることになるだろう。それが諸君の血であっても関係ない。

蘇生検体の収集Reanimation Specimen Collection

主の要請により、我々は適当な生きた動物と死んだ動物の検体を回収することになった。これは研究にとって決定的に重要なものだ。この任務に当たる態度には気をつけるように。

大型四足獣の検体が望ましいが、どんな生物からも一定の意義ある結果が得られる可能性はある。マンモスかワマスは価値が大きいため、相応の報酬が出る。だが危険なので、おそらく諸君の大部分の手には負えないだろう。

蘇生実験の成果Reanimation Experiment Findings

我々の蘇生術師は、一般的な動物を使って興味深い実験を行っている。この獣たちの解剖学について理解を欠く者は、その創造を不格好で歪んだものと感じざるを得まい。死体には順応性があるが、より進化した存在が持つ体と魂の強い連結が欠けている。大部分は認知機能を欠いた心なき人形であり、指示には完全な集中が必要になる。高度な技術によって行われた儀式でも、せいぜい生前に似た本能を持つアンデッドを生産できるにすぎない。残念ながら、この生物たちは大抵の場合、自分の状況を制御不能なほど不快に感じてしまう。

霜が降りた日記Frostbitten Journal

輝ける淑女よ!あなたの最大の祝福を受けた勇者ウマリルが、単なる人間に滅ぼされました。なぜ?あの異端者どもが、なぜ泥の中から這い上がったのか?なぜあの者たちは生まれた時から着けていた軛を投げ捨てたのか?なぜ奪われた者たちが我らの聖堂にて、あなたが選ばれた人々を手中に収めるのか?これはボエシアの策略?あるいはモラグ・バルの?狂気の陰謀家よ、嘘つきどもよ!なぜこのようなことが?

光の淑女よ、悲嘆にくれて取り乱した罰として、私は自分の手を痛めつけてやりました。至らぬしもべの無礼をお許しください。私は常に忠実だということをご理解ください。あなたの意志は私の意志、そしてあなたの御業は私の知るべきものではないのですから。

新たな知らせが届いた。人間たちが鎖を解かれた獣たちのごとく、祖先の聖堂から漏れ出て、まだ我々の血を渇望している。奴らは我々を貪るために放たれた忌まわしきナミラの軍勢だ。近隣の王国のいくつかはすでに奴らの侵攻により陥落し、他の王国も反逆者どもに屈服している。臆病な日和見主義者どもめ。私はもうすぐ、ヴァイルとの契約を果たすだろう。

他の王国は溺れつつある。絶望してもがき回っている。ナリルモルは憤怒の石を探す最後の計画があると言うが、たった1つの道具にこの戦争の流れを逆転させる力があるのだろうか。我らが勢力は力を合わせ人間に対抗すべきだというのに、伝承を追いかけてどうする!

他の者たちは耳を貸さない。一致して人間に対抗すべきなのに、その意志がない。すでに部隊がドゥエマーの街を攻囲するため北東へ進んでいる。彼らが憤怒の石を持っているという証拠さえないのに。敵は今いるだけで足りないとでも言うのか?

淑女のお言葉があった。あの方が我々に注意を向けてくださったのは、これまで一度だけ。戴冠式の時だ。あの方は深刻な知らせを授けられた。我らの帝国は崩壊すると。あの方の意志のために保ってきたこの美しい王国が、我々の墓になるのだ。だが全てが失われたわけではない。我々は忠実で純粋であるため、あの方は大いなる秘密を打ち明けてくださった。あの方は我らに憤怒の石の片割れを授けられ、保管せよと命じられた。石は我々と共にここへ埋められるだろう。あの方が再び手にされる時まで。

輝ける淑女よ、我々はあなたに頂いた贈り物と、この聖なる責務に値するよう努めます。我々は常に石を見守り続けます。

淑女の目的は一瞬たりとも疑ってはいないが、それでも近隣の諸王国が無駄と分かっている希望に必死にしがみつくのを眺めていて、辛いことに変わりはない。憤怒の石は決して見つからないと伝えることはできない。彼らが救済を求めてあらゆる隙間を探し回るのを見ているしかない。哀れな愚か者たちよ。あれはお前たちのものではない。ただ逃げればよいものを。

反逆者どもがついに我々の壁に達した。上の要塞も遠からず崩れるだろう。頭上で進行している攻囲の振動により、街の地下室はすでにひび割れ、崩れてきている。我らが民の目には恐怖が映っている。彼らに慰めを与えられないのは心が痛む。お前たちの犠牲が忘れられることはないだろう。我らが淑女が、お前たちの記憶を長く継がれるようにしてくれるのだから。

人間がガーラス・マラタールに足を踏み入れることはない。ここが我らの墓になる。封印の時は近い。

即席の弔辞Improvised Memorial

スロム・ウルフガルドはここで死んだ。敵は岩だった。2週間戦ったすえに敗れた。戦いが歌い継がれることはないだろうが、ソブンガルデは迎え入れてくれるはずだ。

退職願Letter of Resignation

ドゥモクめ!私は廊下を掃除し、ダニを退治し、棚のカビをこすり落とす役目だった。そのために雇われた。領域を飛び回る話なんか聞いてない。書記の館はファーグレイブと同じだと思っていた。どのデイドラ公ともつながらず、領域の間を移動するための道だと。

私の持ち物はバケツとモップと、ほうきと、ブラシと、石鹸水だけだ。そんなもので蜘蛛の巣や壁に生えたキノコをきれいにできるか?無理だ。しかも書記どもは忙しすぎて埃の一つも掃除できないという。私たちがいるのは地下の洞窟だ。そこら中が土と埃まみれだ。書記どもはテーブルの上に本を開きっぱなしにしたあげく、図々しくも、なぜ本が汚れまみれなのか聞いてくる。

あの天球儀のことなど知るか。銑鉄のスパイクを掃除しようとしたことがあるか?もう手を15回切った!

昨日はクランフィアが椅子の上で排便した。排便だ。あいつらにそんなことができるとは。できないとしたら、あのクソッタレは一体どこから…

いや、そんなことは考えたくもない。仕事に対する報酬は貰えないかもしれないし、書記どもは部屋代ぐらいの掃除はしていくだろうと考えているかもしれないが、私は次の裂け目からここを去る。行き着く先がシヴァリング・アイルズでもかまわない。辞めてやる。

石鹸水の王、トリラム・ファラシは退職して家に帰る。次のモップマスターは自分で探せ。

大いなる傷痕The Great Stain

戦争が大地を血に染め、世界に爪痕を残すのと同様、霊魂の世界もまた漏れ出した定命の者の命で満たされる。戦争は血に染まった泥の罠が兵士のブーツを引きずり込むほど確実に、魂の沼を作り出す。そのため、多くの戦場は自分が命を落とした場所から抜け出せない、迷える魂の住処になっている。もっとも、広範囲に死をもたらす要因は何であれ似たような結果を残す。洪水、疫病、飢饉など。特定の場所に十分な定命の苦痛を生み出せば、それは数十年もの間ムンダスに傷痕を残す。

大量虐殺が沼を生み出すとすれば、我々はドレッドセラーの内部に井戸を掘ったと言えるだろう。虐待と拷問、死がこの牢獄をあまりに深く染め上げたため、傷痕はもはや消えることがない。とはいえ、それは利用できる。純粋な死霊術の力の貯蔵地が、ほぼ無尽蔵に使われるのを待っている。私はこの貯蔵地に何年もの間、多大な労力をつぎ込んできた。無駄にするつもりはない。

第二の警告A Second Warning

くそっ、モリニレが死んだ。実に凄惨な最期だった。真っ二つにされた後、壁から出てくるエネルギービームに切り刻まれた。あの馬鹿は自分の身のこなしを過信して、避けられると思ったんだ。石につまずいて最初のに当たりやがった。

ドワーフのセキュリティ感覚は実用を越えて残忍なジョークの域に達している。あんな装置を発明した者の頭の中を想像してみろ。あのビームのような高密度の魔法エネルギーが使えればどれほど役に立つだろう。なのに発明者は、装置をこんな辺境の島に隠してしまった。何を守っているのか知らないが、苦労に見合うはずがない。

これを読んでいる者は、もうあの声を聞いたか?この拠点の奥深くから響き、奥へ進むたびに我々を嘲弄してくる声だ。一言聞こえるたびに、心につららを打ち込まれる気分がする。ここは一体何なんだ?マーラよ守りたまえ。

タルディルウェンは先へ進むべきだと言っている。ここでじっとしていても死を待つだけだと。いいだろう。私はもうこれ以上知りたいとは思わないが、アンデッドに臓物を食われたくもない。彼女に従おう。

今となっては、メモを書くのは気分を落ち着けるためだ。もう未来の生存者に警告するつもりなどない。自分の正気を保ちたいだけだ。

脱走計画Plan to Escape

この洞窟にはベラドンナがある。多くはないが、十分だ。いつもの場所で会おう。

蜘蛛の糸に覆われた日記Web-Covered Diary

ここのベールはもっとも厚い。我々と世界の間の境界はあらゆるものについて回り、闇に実態を与えている。光を寄せ付けず、冷気をもたらしている。心地が良い。

この洞窟は我々にとって理想的な環境だ。シルケンリングは駆け出しの連中を助けるために血を与えてくれた。偉大なる母の影で育ち、彼らは大きく強く育つだろう。我々が世界に解き放つ時まで。

私は真に紡ぎ手から祝福されている。私がベールに呼びかけると、私の意のままに動くようになった。私は自分の網を編んだ。それを通して私は我々の種族の動き、卵の鼓動、怯えた獲物の震えを知ることができる。レースの女公が私にこの領域を与えてくれたのは素晴らしい判断だった。

これは面白い。何かが今までに感じたことがないような形で、影の平穏を乱している。侵入者だ。彼らは罠を引き裂いているが、持ち応えられるだろうか。それとも、私の餌食になるだろうか?答えが楽しみだ。

珍しい野兎An Unusual Hare

マヴェルド・ベアファング 著

私はハーシーンが選んだ野兎についてあまり知らないが、確かに分かっていることもある。それは賢く、素早く、追跡がまず不可能だということだ。このグレートハントは、誰も達成できないほど難しいのかもしれない。

さて、私は認めなくてはならない。私にはインドリク狩りの経験があまりない。事実、そのような経験はまったくない。サマーセットはインドリクが見つかる唯一の場所であり、ハイエルフは国境を解放したかもしれないが、私の毛深い皮が向かうのは当分先だ。どういうわけか、アルトマーが狼への変身能力に恵まれた者たちを歓迎するとは思えない。

だが、この獣は本当におかしい。足跡を辿ってもその先は行き止まりであり、絶壁だ。獣の臭いを掴んでも、数分後には途切れる。その上、時々、見られているような気がする。敏感になっているだけだと思いたいが、直感を無視するにはあまりにも長く狩りをしている。

インドリクの痕跡には足跡以上のものがある。焦げた植物、氷に変えられた水。この獣には何らかの属性の力があるに違いない。この獣を仕留めたら、牙と爪の他にも対処する必要がある。もちろん、これはハンツマンの挑戦として相応しいものだろう。

もう近い。獣が疲れてきたのかもしれない。ただ、今は考えざるを得ない。狩られているのはどちらか?

任務報告:成功Mission Report: Successful

記録しよう。私、ティリッシュはヴァリナに命じられ、裂け目を通ってデッドランドまで旅をした。この旅は遠くまでかかり、歩くたびに靴が燃えた。目的地は明確だった。レイジングコーストだ。バーンにある二度と訪れたくない場所だ。それでも、標的は見つけた。計画と手段を備え、目的の達成のためならいつでも求めに応じる獣物だ。狡猾で悪辣ではあるが、創造性のあるものは生み出さない。私の獲物は下級デイドロスで、いずれ知識の悪魔にも匹敵するコレクションを集める者だ。

ヴァリナに告げられた場所でそれを見つけた。高貴な夢を持つスキャンプで、それを見通すだけの先見の明がある。送り出された目的を達成したのは非常に誇らしい。道を誤ったミクゲトを殺害した。これでは止まらないかもしれない。ミクゲトの目標はまだ達成されていないかもしれないが、流れに影響を与えるため私ができる精一杯のことだった。ヴァリナがやらねばならぬと言う通りに。

反抗的な落書きDefiant Graffiti

絶対に屈するな。それが奴らの狙いだ。気を強く持て。好機を待つんだ。ツルハシを振り続けろ。奴らの頭蓋骨に穴を開ける日までな。

部族の恩恵A Boon for the Tribe

ウッドエルフ狩人のローヒエル 著

父が私を加えたことが信じられない!父がグレートハントに同行させる戦士を選んでいる時は、ほとんど期待していなかった。イフレにかけて、私に弓や槍の能力はあまりなかった。

でも父に言われた。「ローヒエル、何を狩るのであれ、倒す前に追わなくてはならない。お前は部族で最高の追跡者だ。もちろんお前に同行してもらう」

私が?最高の追跡者?その、優れているのは分かっていたけれど、最高だなんて!たとえそうでも、グレートハントで父に協力するためには、私のあらゆる能力が必要だとわかっている。

私たちが成功することをただ望む。日に日に部族が飢えている。狩りに失敗して戻る時、立ち止まって目を合わせるのは厳しい。時々、ひょっとしてハーシーン様の寵愛を失ってしまったのではないかと心配になる。

まあ、主人の寵愛を取り戻すとしたら、グレートハントで勝つことしかない。私は父が勝てるよう協力するだけ。部族の未来のため、そうしなくてはならない。

腹を空かせた猫の呪いThe Hungry Cat’s Curse

超越者ヴィコサ 著

ヴィコサは狩りを愛していた。獲物を追う時、身体に走る興奮。獲物を睨みつける時の、強烈な心拍。矢が獣の心臓に刺さる時の、乱れた呼吸。

これほど大きな喜びはなかった。

当時、彼女は純粋な心と澄んだ意識を持つ定命の者だった。若かった。腹を空かせた猫が申し出を行った時、あまりにも若かった。彼が栄光を約束して手を差し伸べた時、あまりにも若かった。猫は力を約束した。

そして、ヴィコサは愚かにも彼に従った。彼を崇めた。彼を讃えた。

そのために彼女は呪われた。

彼女は狩られる者になった。恐れる者になった。いつも逃げ、いつも隠れていた。ハーシーンは彼女を狼に変えたのではない。それは違う。彼は彼女を野兎に変えた。永遠に狩られる永遠の野兎に変えた。

しかし、もう彼女は超越した。この者が恐怖に縮こまることはもうない。彼女は群れを作った。これまでになく大きく、強い群れを作った。彼女の前には軍隊がいる。この者たちを嫌う者に反撃の用意がある軍隊がいる。呪われた獣であるこの者たちのため、土地を手に入れる用意がある軍隊がいる。

腹を空かせた猫よ、お前はヴィコサを見ているか?お前は彼女の苦しみを、痛みを笑っているか?笑えるのも今のうちだ。タムリエルを手に入れたら、次はお前の番だ。

別れのメモFarewell Note

背中が折れた。やっと木をなめる時が来た

いつも農民として死ぬものと思っていた。葉に包まれ、黒い泥を塗られて。今や誰も私の歌を歌うことがなく、ヒストに埋められることもない。私はルキウルに死を迎える。仕方がない。

もし誰かがこのメモを見たら、故郷に帰れるよう私の名を風にささやいて欲しい。このような場所でさえ、風は葉を見つける。時間がかかるだけだ。

-シーサウス

捕虜による慎重さを求める警告Captive’s Discreet Warning

あの間抜けなフィランドが逃げ出した。目を合わせるな。奴らは見せしめとして、誰かに罰を与えるつもりだ!

捕虜のしわくちゃのメモCaptive’s Crumpled Note

誰か私の夫を見ませんでしたか?名前はエブランドです。背が低くて体は細く、優しい目をしています。彼らのせいで離ればなれになりました。それ以来、夫がどこにいるかまったく分かりません。私の無事を伝えてください。

捕虜の日記Captive’s Journal

マーシュにおいて、我々が日付を気にすることはない。そんなことはジェッカ・ワッツに任せている。しかし、ここマザッタンでは昼と夜を必死に数えている。そうせざるを得ない。最後に数えた時は、ここに3ヶ月閉じ込められていた。ここに部族が連れて来られた時、ジット・ザートは鉄のピックを私の手に押し付け、石の山を指した。言葉はなかった。狩人が舌を鳴らし、ジェスチャーで命令しただけだ。

ジット・ザートはほとんど話すことがないが、常に移動し、指さし、鞭打つことをやめない。樹液に酔っているか、悪いものに混乱させられているかのようだ。3ヶ月も閉じ込められていると、同じことを感じるようになっている。狂気だ。ここの樹液は毒だ。土は毒だ。ここにいると、シシスはただの記憶でしかない。命令、積み上げられた石、きれいな角が全てだ…連中は、働かせることによって川に背を向けさせようとしている。しかし、この街はジット・ザートにとっても牢獄だ。ナ・ケッシュがいなければ、彼らは野生化して遺跡からさまよい出し、死ぬことになるだろう。彼女はどこにでもいるがどこにもいない。彼女はヒストの口だという。ヒストの代弁をしているのだそうだ。これが本当なら、ここのヒストは私が見たこともないようなものだ。ヒストは病んでいる。我々は皆、その代償を血で払っている。

選ばれし5人

The Five Companions

アルディミオンの日記Aldimion’s Journal

実に奇妙な要請だ!

私は夕暮れ時の散歩で、裏通りにて軽食を取っていた。そしてその時楽しんでいたインペリアルの首が、金のメダルを着けているのに気付いたのだ。見てすぐに、黒き虫の教団の印だとわかった。これに気を取られていると、角のない何かが肉と骨に打ち付けられる鈍い音がして、世界が真っ暗になった。

目覚めると洞窟で椅子に縛られ、頭はほろ苦い痛みでズキズキとしていた。大勢のフード姿の信者が私を囲み、その目には明らかに殺意が浮かんでいた。私はそれを気に入った。

信者の1人は他の者とは違うように見え、リーダーなのだとすぐにわかった。彼は冷たいが落ち着いた振る舞いで、私をまったく恐れていなかった。

彼はアブナー・サルンと名乗った。私が彼の忠実な護衛の1人を夕食にしたことにいささか不満を抱いていた。彼の説明では、通常このようなことをすれば命がなかっただろうが、私のやり方とその…暴力的傾向を気に入ったそうだ。私を大いに有望だと考え、互いに有益な協定を提案したいと彼は言った。

黒き虫の教団に加わることに同意すれば、私は死んだ部下の代わりだ。市内の便利な場所にある地下の隠れ家に住み、そこでは十分な食事と黒魂石の事実上無限の供給が保証される。

この取り決めはよさそうに思えた。だがデイドラの支持者をからかうため、断ったらどうなるか訊ねてみた。その答えとして、サルンは私の足元にコールドハーバーへのポータルを開いた。椅子が揺れ出し、向こうに堕ちた連中の悲鳴が耳を満たした。これを聴くのは楽しいものだが、この身で体験したくはない。

言うまでもなく私は従うことを選んだ。それで今では、昼の内はこのつまらん洞窟を守ってのんびり過ごし、日が暮れると街をうろついている。悪い暮らしではない。実は死霊術の勉強まで始めたくらいだ。いつかサルンも直々に、細かな点を教えてくれるだろう。時が経てば分かる。時間なら私にはいくらでもあるのだ。そうだろう?

チムエル・アダバルThe Chim-el Adabal

レッド・ダイヤモンド、チムエル・アダバルのペンダントである栄光の王者のアミュレットは、神に贈られしアイレイドの遺物である。その創造についていかなる神話があろうとも、これがアカトシュの意志の器として現実的に彼と結びついているのは事実である。

ドラゴンファイアの儀式の改変は苦労多き試みだった。何週間もかけてグリフを刻み、アクィラリオスが先祖と生まれながらの権利を変えられると愚かにも信じていた呪文を準備した。信じやすい馬鹿者め。ムンダスに漂うニルンは、民の魂を楽しむ寄生虫のようなデイドラに対して無防備だ。

サルンが1度、アミュレットはソウルバーストの被害の修復に使うことができるのかと率直に聞いた。アブナーには繊細さというものがない。私に忠誠を誓っているにもかかわらず、彼の目を見れば陰謀を企んでいるのがわかった。彼はその時にも、自分が捨て駒だとわかっていたのだろう。人が神になろうとしている時に、悪事を企む政治家など不要だ。

彼の質問への答えはもちろん「できる」だ。だからアミュレットを手に入れて守らなければならない。これによって私の主人気取りの地位を奪い、私が2つの世界の支配者となるのだ。神が1つの世界で満足することはない。

隠者の記録Anchorite’s Log

議長が到着した。アブナー・サルンという気むずかしいニベン人の政治家だ。これにより虫の王の城の空気は面白い方向に一変した。彼は大声でばかげた命令をし、自分の気まぐれに我々が合わせると思っていた。彼を無視すると「私を誰だと思っている!」だの「マニマルコに言いつけるぞ!」だの子供のようにわめいた。虫の王は彼を無力な愚か者と考えていた。そう言うのを私も聞いた。

しかしサルンは愚かではなかった。彼は自分が用済みとなったのではと薄々感じていたと思う。己の娘がルビーの玉座につき、マニマルコ王が彼女の頭を高貴な妄想でいっぱいにすると、サルンの権力は言葉にする価値もないものとなった。摂政女帝は小装飾品や絹、珍しい食品で簡単に操れる。彼女は父親に対し愛情を見せることはほとんどなく、私の知る限り彼の不在にも関心を持つことはなかった。帝国宮廷での長年の政治経験にも関わらず、この老人はマニマルコが見せた操り手としての才能の半分の力量もなかった。

サルンの最大の誤算は、それでも自分に価値があると思っていたことだ。大きな計画の中で我々は、とりわけ彼は捨て駒なのだ。シロディールでの権力など、残虐と支配の王にとっては何の意味もない。

しかしサルンの無力なかんしゃくは楽しみの種である。いつかこれに飽きた時を想像する。その日にはいいワインを片手に、彼がのたうち回るのを楽しもう。今まで何千人もされてきたように、肉体から魂が引き裂かれる様子を見るのだ。

響きが消えるまでにどれだけかかる?How Long Before the Echoes Fade?

どれだけの間ここにいるのか見当もつかないが、もう何年もいる気がする。

黒装束の兵士たちが農園を焼き、家族全員を捕らえた。真っ暗で月のない夜、黒い獣脂で覆われ無数の犠牲者たちの血を塗りたくられた石の祭壇に我々を寝かせ、1人ずつナイフを刺した。破滅とはまさにこのことだ。我々はデイドラのための奴隷だった。

今ではもう自分の中に、失ったものを嘆く気持ちも見当たらない。日に日にこの魂のない状態が意志を失わせていく。覚えておくことが難しくなる。考えることが難しくなる。多くの記憶を失った。父の顔は、母の声はどんなだったろう。まさかと思うだろうが、なくなってしまった。ただ消えた。

基本的な感情すら薄れつつある。私を捕らえた連中への怒りを感じることもなくなった。自分を哀れむこともなくなった。残っているのは大きな空虚さと、他人のもののように聞こえる遠い命の響きだけだ。

響きが消えるまでにどれだけかかる?

苦悶の女公爵The Duchess of Anguish

通常の尋問技術が通用しないと判明したため、サイ・サハーンの移動が必要となった。彼の意志はあまりに強い。古代ヨクダの剣の歌の技を蘇らせようとした何年もの孤独な訓練で鍛えられたのだろう。古代の達人が呼吸するように自然にできた「霊剣」の発現には完全に失敗したが、サイ・サハーンは尋常ではないほどの強き自我を保っている。

彼が肉体的苦痛に耐えられる、あるいは完全に無視することができるとわかり、私は彼を帝都の地下牢から、その意志をくじき必要な情報を引き出すためにより適した場所へと移した。モラグ・バルのデイドラの召使の中にいる依頼先は提案を受け入れた。結局のところ、彼らは何年も、あまりに強固な意志の持ち主を破れずにいたのだ。

愛すべき「苦悶の女公爵」はまるで肉を切り裂くカミソリのようなものだ。その声は理性と魂を焦がし、唇は毒に覆われている。その知力は彼女の舌のように鋭い。数えきれぬほどの時間、彼女はその技を使ってきた。彼女ならあのレッドガードを殺さずに情報を引き出せると確信している。

すべてが終わったら、あのレッドガードを始末する必要があるだろう。情報が私のものになったら、彼を女公爵への贈り物としよう。間違いなく殺すだろうが、その前に長い年月をかけ彼を慰み者としていたぶるだろう。

正しい拷問技術 第8巻Proper Torture Techniques, Vol. 8

苦悶の女公爵 著

定命の者の弱点、愛

定命の者の特性の中でも特に理解しづらいものの1つが、「愛」として知られる感情です。これは定命の者が他の定命の者に対して作り上げる、不合理で無条件の好意です。主の領域の住人にはなじみのないこの状態は、拷問官にとってもっとも理解しがたく異質の概念ですが、この感情の中には、この状態を作り出すことで拷問対象を我々の意志に従うよう操れる多くの方法が潜んでいます。

愛とはとても強大な力です。愛を通じて多くの定命の者たちが偉大で勇敢な行為を見せます。愛はさまざまな抽象概念にも向けられます。帝国への愛、信じる神への愛、故郷への愛。これらは取るに足らない感情であり、拷問方法としては効果が大きくありません。抽象概念への愛を操ることは平常時の定命の者を堕落させるには最適ですが、拷問部屋で情報を引き出すためには向いていません。

愛を効果的な拷問方法として使うのなら、定命の者から別の定命の者への愛の方がはるかに強いため、対象の操作には最も効率のよい強い力となります。抽象概念への愛が定命の者の心の中に存在する一方、他者への愛は物理的な領域に存在します。実際に触れることで定命の者の魂への影響は拡大されます。定命の者がたとえばパン職人という自分の仕事を愛していたとしても、その愛を明確にするものは存在しません。この愛情とは彼の心的能力の中のさまざまなものがより合わさった複雑な糸なのです。しかし子供が母を愛する場合、彼にとって母は1人だけ。それが奪われたとしたらその愛で満たすべき場所は空っぽのままです。そのため、正しい拷問官は定命の者の魂を効果的に拷問するため、他者への愛に注目すべきなのです。

ここにまだ疑問はあります。他者への愛をどうやって拷問の手段とするのか。その答えは偏に拷問される魂とその愛の対象との関係によります。家族の愛は同じ家族間での愛であり、それを失う概念を強めるのが最も効果的です。母親が子を愛しているなら、その子を失うことに耐えられないでしょう。故に母親に子の姿を見せ、それをたとえば死や誘拐などで奪えば、効果的な拷問手段となります。友人との愛ならば、その友人に代わって絶えず繰り返す裏切りや明らかな背信を演じるのが最適です。

もし他者に秘密の欲望を抱く定命の者を拷問官が見つけた場合、特にそれが肉欲的愛情であるが遂げられない思い、定命の者が「報われぬ恋」と呼ぶものであった場合、その拷問官は最も魅力的で強力な手段となる愛を手に入れたことになるのです。

定命の者のちっぽけな自己認識と欲望をかなえるという無駄な欲求は、定命の者という存在の特徴です。己の目標に到達するという時には一生ものの野心が、多くの定命の者にとっては短く結局は無意味な人生の原動力となるのです。たとえむなしい偽りであっても、その報われない欲望をわずかでもかなえると定命の者に持ちかければ、彼らの野心の核心を突き根本的な感情の欲求をかき立てることになります。拷問官が犠牲者の衝動をかき立てられれば、拷問の成功は約束されたも同じです。

正しい拷問技術 第13巻Proper Torture Techniques, Vol. 13

苦悶の女公爵 著

失敗に注目すべし

痛みは定命の者の拷問に有効な手段となりえますが、固有の欠点があります。一時的でしかない点です。一方「失敗」は永遠に続くものです。

その短い存在の間、定命の者たちは常に大きな成果を挙げようと願い、自分の身体的能力を超えた活動を試みます。彼らはその性質を「野心」と呼びます。過度の無理や努力、見込み違いや単に不運のせいで複雑な事態となり、必然的に単数、複数の試みで悲惨な結果に終わるのです。それに伴う不名誉や自戒の念はしばしば心に刻まれ永遠に消えず、残りの日々の間彼らを苦しめます。

従って定命の者の野心の副産物である「失敗」は、拷問官の武器庫において特に有効な武器の1つであるのです。

定命の者は自由意志の行使をする中で、自分の失敗や報われなかった野心について思い出すことを望みません。その失敗について詳しく語ることは、彼らの「自尊心」に壊滅的な影響を与えるのです。自尊心とは広く無意味な世界で、それぞれを価値のある人物と考えさせる哀れな性質です。定命の者の自尊心が影響を受けると、彼らが持ちえる長所に対する自己認識の評価は下がってしまうのです。すなわち、自分を精神的に苦しめ始めるのです。

定命の者の精神を壊す上で特に洗練され効率のよい方法は、彼らが一番の失敗や欠点だと考えている出来事を絶えず繰り返させることです。強調し誇張し、ある程度その出来事をゆがめさえもして、彼らの不信感や落胆が内に向かい、己の心も体も魂も苦しめるという状況を作り出せるのです。

これは肉体的な拷問よりも多くの時間と手間がかかりますが、強制的な失敗のシナリオを毎日繰り返すことで、いずれは対象の意志も砕かれます。暴力や流血行為も必要なく、それで増える清掃の手間や死体処理のためとされている損失もなくなるのです。

選ばれし5人の記録1Chronicles of the Five Companions 1

私はスカイリムのリリス、ティタンボーンと呼ぶ者もいる。私の友人であり協力者、歴史が「預言者」として記憶するであろう、ある男性の代わりにこれを書いている。彼の深い洞察力と星霜の書の研究を通して、我々はタムリエル全域に迫る、恐ろしい脅威の本質の理解に達した。

これを読む人々に知らせたい。第二期579年に起きたソウルバーストは、あるエルフの裏切りによるものだ。それはアルトマーの死霊術師マニマルコ。虫の王でありデイドラ公の中で最も下劣な策謀の神、残虐の王たるモラグ・バルのしもべだ。

過去にマニマルコはヴァレン・アクィラリオス皇帝の宮廷の主席顧問であった。元々コロールの公爵だったヴァレンは征服によりタムリエルの皇帝となる。マニマルコの助言で、ヴァレンは前の王朝に対し反乱を起こした。ロングハウス帝として知られるリーチの民の野蛮な政権だ。だが征服と勝利を収めたにもかかわらず、ヴァレンは真の皇帝とならなかった。前皇帝レオヴィックと同じく、ヴァレンにはドラゴンの血が流れていなかった。伝統により真の皇帝がなすべき、選ばれし者の聖堂でドラゴンファイアを灯す資格がなかったのだ。

ドラゴンファイアは何代にも渡り灯されないままだった。アカトシュが聖アレッシアに贈った神々の遺物である王者のアミュレットが、レマン王朝の崩壊に続く数世紀で失われていたためだ。第一紀の帝国皇帝たちが伝統的に身につけていたこの遺物だけが、真の血統たる支配者に新たなドラゴンファイアを灯させるのだ。

マニマルコにせき立てられ、ヴァレンはこの遺物を探す仲間を集めた。このグループには私とレッドガードの剣聖サイ・サハーン、最高議長のアブナー・サルン、マニマルコ自身もいた。何年もの間、我々は無数の手がかりを追ってタムリエル中を探し回り、ついにその在処を突き止めた。

帝都に戻るとマニマルコはヴァレンの不安をあおり、即位の儀式を行わせた。儀式には手が加えられており、ドラゴンファイアを灯せないばかりか、アカトシュにドラゴンの血による神の代行権と祝福を彼に与えさせることもなかった。これがマニマルコの陰謀だと我々が知ったのは、即位の儀式の後だった。

虫の王はアミュレットの力を汚そうと魔法を使い、ソウルバーストとして知られる大惨事を引き起こした。あの出来事についてはほとんど覚えていない。その後の混乱が即座に起き、破壊的だったことしか。

ヴァレンはソウルバーストの恐ろしい猛威により消滅した。サイ・サハーンと私は不当にも、彼の死に関わっているとされた。意識の戻ったサイ・サハーンが王者のアミュレットと共に消え失せたために、より疑いが強まってしまった。最高議長サルンは日和見主義で、すぐにマニマルコ側についた。

「預言者」の素性も謎の1つだ。彼はある日シロディールにある聖蚕会の修道院を訪れた。彼らはただの放浪者だと考え、彼を迎え入れて食事を与えた。だがその夜、蔵書庫で彼が星霜の書の銅版画を読みふけるのを見つけて驚く。この書を読めるのは聖蚕の僧侶たちだけであったため、彼らは彼の来訪を神々からの預言的なしるしだと考えた。

それを読んだ者全員と同様に星霜の書は預言者の視力を奪い、永遠に盲目とした。だがそれでも彼は心の目でその研究を続け、やがては今我々が直面している大きく過酷な脅威を予知するまでになったのだ。

彼の言葉は遠く広く伝わり、帝都とマニマルコの耳にも届いた。虫の王は噂で儲けようとした罪と反逆の罪で直ちに預言者を逮捕した。そして修道院の何もかもを焼き払ったのだ。

「預言者」が告げた破滅はすぐに形を成し始めた。帝国の広大な土地はデイドラの炎に焼き尽くされ、最初のダーク・アンカーがその地に降ろされた。

モラグ・バルによる我々の世界の侵略が始まった。マニマルコの裏切りがこれを可能にしたのだ。

選ばれし5人の記録2Chronicles of the Five Companions 2

もう一度この私、スカイリムのリリスが預言者に代わって記録を行う。実を言うと彼がこれを書くように頼んだわけではない。だが結末がどうなるにせよ、出来事を記しておくべきだと感じるのだ。

預言者の幻視と悪夢は悪化している。彼はモラグ・バルが我々の世界を支配する恐ろしい幻視を見続けているのだ。目覚めている間、彼に深刻な影響はない。だが彼がなんとか眠りにつく夜、その貴重な数時間に見る未来はますます不穏なものとなっている。それを詳しく語ることは拒んでいるが、彼は冷や汗をかいて飛び起きている。彼の正気がすり減らされているのは明らかだ。

我らの仲間your nameは、すでに極めて有能だとわかっている。嘆きの監獄からの脱走は始まりに過ぎない。「面影」は危険を冒して私を悲痛の鋳造所から救い出してくれた。新たな友は私の命と魂、おそらく正気までも救ってくれた恩人だ。

我々は今、サイ・サハーンと王者のアミュレットを見つけるためにあらゆる手がかりを追いかけている。アミュレットを取り戻せれば、我々がモラグ・バルに挑み世界を救えると預言者は信じている。いつも彼は、私には理解できない飾り立てた言葉や曖昧な言い回しを使っていたが、その趣旨ははっきりしていた。

時にはスカイリムを離れシロディールに行かなければよかったと思うこともある。己の信じる偉大な人物のために戦い、心から愛しいと思う人にも出会った。戦いも栄光も経験した。でもこのすべてに価値はあっただろうか。シロディールが、あの裏切り者のスキーヴァーみたいなマニマルコと情けないご機嫌取りのアブナー・サルンに最初に会った地であることはこれからも変わらない。どちらが酷いかはわからない。我々を裏切ろうと準備していたマニマルコの魅力や巧みさか、サルンのひっきりなしの侮辱や苛つく見下しか。少なくともサルンに対して、我々は何をすべきかわかる。

預言者はこの事態におけるサルンの役割はまだ終わっていないと言った。いいことがあるとは私には思えない。ソウルバースト後、あの情けないクズ野郎はマニマルコの機嫌を取りに戻ったのだから。彼は自分の身の安全と帝都での家族の地位を保つためなら何でもするだろう!

これを書くのはここまでにしなければ。預言者が起きたらしい。

選ばれし5人の記録3Chronicles of the Five Companions 3

やっぱりだ。サルンがまたこちらにつく。まったく気に入らない。

your nameと私は、魂なき者である友人キャドウェル卿の助けでマニマルコの城に入り込んだ。キャドウェルはまるで鬼火。わかるだろうが「沼地の明かり」のようだ。だが彼は時にとても役立つこともある。それに驚くべき場所にも現れる!

我々が命がけで虫の教団信者や肉の精霊たちの中を切り抜けていた間、サルンは我々を煽ろうと城のあちこちに自分の薄笑いを映し出していた。ようやく彼が捕らえられている塔についたが、マニマルコは準備周到であらゆるアンデッドをぶつけてきた。最終的に我々は奴らを倒し、サルンと逃げた。だがここが傑作だ。サルンは嘘をついていた!サイがどこに捕らえられているのかも、王者のアミュレットがどこに隠されているかもサルンは知らなかったのだ!

もちろん彼は両方を見つけるのを手伝えると言ったが、嘘を認めた時私はカッとなって、1発で床に殴り倒してやった。ああ、あれは最高だった!ついにやってやった。

その時サルンが秘密を漏らしたのだ。your nameに我々が嘘をつかれていたことと「預言者」の正体を話した。ヴァレン卿は当然、すぐにすべてを認めた。これが早すぎなかったことを願う。your nameの信頼を維持することが我々には重要なのに、今〈面影〉の目には疑いの色が浮かんでいる。

サルンは嘘つきのスキーヴァーだ!気にしているのは自分の帝国と家族の地位だけ。ヴァレン卿はサルンがここにいるのは理由があると信じているが、私は奴を信用しないし、これからもしない。奴を監視することにしよう。

選ばれし5人の記録4Chronicles of the Five Companions 4

私はアブナー・サルン議長、ニベネイの大君主かつ元老院の長であり、生きてきた164年中117年に渡って皇帝や王たちに助言をしてきた。この権力者の地位は運や人脈で手に入れたのではない。むしろ徹底的な自制心と野心、狡猾さで手に入れたのだ。だがその私が、大地のかび臭い穴の中で愚か者どもと手を組むとは。偉大なる私が堕ちたものよ。

時は第二期582年、正確な日付はわからない。私は道を失い、我々の前にある大きな任務の重要さに屈していた。この記録のこれまでの記事を読み、私の側からの物語を残さねばと感じた。未来の歴史家たちに私が誤解されないようにだ。

我々サルン家は最高顧問であった時代から、シロディールで権力のある地位にあった。我々は帝国への忠誠や巧みな政界工作、帝国領土内の反対勢力に対する無慈悲な支配や排除を高く評価されている。我々の仕事は容赦がないが、帝国の存続には必要なものなのだ。

自慢好きで利己主義的に思えるだろうか?そうかもしれない。だがこれらの言葉を紙にしたためておけば、読んだ者は私の視点や行動と、長い目で歴史を見たときにそれがどのような役割を果たしたかを理解してくれるだろう。

ダーコラクからレオヴィックまで、リーチの野蛮人たちの長く野卑な王朝が帝国を荒らしてきた30年近くに渡り、私は彼らに助言を与えてきた。彼らはそれ以前の自称征服者どもの多くよりも長く存続したが、その異質な気性と低い品性はコロヴィアやニベネイの正統な血を引く存在の代わりとなるにはそぐわなかった。彼らからの一番の侮辱は、家で最も若いレオヴィックが我が娘16歳のクリビアを妻にし、女帝として共に支配することを求めた時だ。ヴェラクシア・サルンと結婚した彼の祖父のように、レオヴィックは我々の人脈とニベン人の血が、ルビーの玉座への即位を正当化してくれるよう願ったのだ。それはまったくの無駄であり、私をとても苛立たせた。

だからコロヴィアの公爵の息子にして、有力な軍事指導者であるヴァレン・アクィラリオスが秘密裏に接触し、北からの野卑なよそ者を退位させるための助力を求めてきた時、私は喜んで同意した。戦いは長く血なまぐさいものだった。だが私の持つ帝都の知識を利用し、ヴァレンはついには宮殿の門まで反乱軍を導いた。ヴァレンはレオヴィックの黒き血の心臓に剣を突き立て、彼がルビーの玉座の下で、己の血でむせながら死ぬのを眺めていた。そしてすぐに、自らを皇帝と宣言したのだ。私の忠誠と協力に対し、彼は我が娘クリビアを花嫁とすることに同意した。

マニマルコによるヴァレンの裏切りの後、帝国の支配権をまたもよそ者に渡さねばならなかったのは苦しかった。だが虫の王は危険な敵だ。他のいかなる魔法も制して死霊術での支配を維持するため、マニマルコは直ちに魔術師ギルドを帝都から追放した。そして残っていた反対勢力を国賊として逮捕させたのだ。処刑によってのみ短くなる、長い名簿に名が載るのはご免だった。だから私は彼に忠誠を誓ったのだ。その代わりに帝都の執政の地位を許された。娘のクリビアは摂政女帝を続け、帝国の名目上の支配者となった。だが、玉座の影ではマニマルコが権力を握り続けていたのだ。

もちろんマニマルコは、私が用済みになると攻撃をしてきた。過小評価された私は骨の塔に閉じ込められ、娘は私と敵対した。生と死を操れる力を与える、闇の魔法を教えるとマニマルコが約束したせいだ。

だがこれを知っていてくれ、読者よ。私は帝国を取り戻す。混乱から秩序を取り戻すのだ。これが私の唯一の野心であり、究極の望みである。我が道を阻む者は誰であろうとデイドラの魔術の炎で倒すのみだ。私に挑もうとする者は必ず、永遠の破滅を迎えることになる。

選ばれし5人の記録5Chronicles of the Five Companions 5

アブナー・サルンだ。

拷問の館にレッドガードを迎えに行くのは、結局は簡単な仕事だった。サイ・サハーンが「選ばれし5人」たちとの体験から大きな影響を受けていたのは興味深いことだ。彼の忍耐強さとあのでかい女トロールへの好意は不快だが、監禁されていた間の意志の強さは、伝説的としか言いようがない。

今我々は王者のアミュレットの在処を掴んでいる。彼がそこに戻したのは適切だろう。私が思っていたよりサハーンは博識だが、いささか詩的すぎる。高貴な生まれで賢く愛国的なこの男は、おそらくすぐにサンクレ・トールの古代の要塞とアレッシアの関係や、神々との契約について思いついたのだろう。エルフのマニマルコがシロディールの歴史に興味がないのは大いなる幸いだった。

サイ・サハーンは興味深い人物だ。多くのニベン人君主が思うほど、レッドガードが卑劣だとは思わない。彼は生き残った「選ばれし5人」の中でもっとも感じがいい。彼は義務と献身というものをよく理解し、目上と考える相手に仕え、非凡な情熱で己の技を磨く。失われた伝統の復興には失敗したが、それがレッドガードの故郷の滅亡に関わっていたとしたら、かえって失敗してよかった。サイ・サハーンの長剣の腕前は畏怖の念を引き起こすほどだ。

ロングハウス帝との戦いで、彼が傭兵たちの一団を率いた時のことを思い出す。レヤウィンの解放の支援をヴァレンに命じられたのだ。だがその傭兵たちは、タグ・ドロイロックの子孫で時の帝国皇帝レオヴィックの雇った二重の密偵だったのだ。サイがレヤウィンの門の前に「忠実な」兵たちとやって来ると、その兵たちがサイに牙を剥いた。ヴァレンの伝説的なドラゴンガードの指揮官の首を、レオヴィック皇帝に差し出そうとしたのだ。

民の又聞きの噂は当てにならないものも多いが、誇張があるにしても、サイは首と体を切り離そうとする2つの勢力を相手に戦い抜いたのは間違いない。数週間後、ブルーマの反乱軍基地に、彼は86人分の頭皮とレヤウィンが解放されたという知らせを持ち帰った。

尋ねても彼が詳しく語ることはなかった。もちろんヴァレンは詮索しなかった。彼自身の人を惹きつける個性と、華々しい戦いの物語を触れ回る兵士たちの過度な創造力を利用したのだ。1人の男が対するは2つの軍。単独でレヤウィンをレオヴィックの支配から解放した男、サイ・サハーンと。

事実ははるかに残忍で惨いものだったろうと思う。よほどの抑圧された怒りと血に対する飢えを背負わなければ、86もの頭蓋骨から皮を剥ぎはしまい。1人で1度に600人の相手はしまい。あのレッドガードは何日にも渡って、街中で巻き起こる残忍な戦いに立ち向かったのだろう。リーチの民たちが集落をついには離れるまで、指揮官も傭兵たちも殺して。

だからサイ・サハーンはこんなにも危険なのだ。敵はあまりに獰猛で、占領された街の闇に出没する残忍で姿なき亡霊となることでしか脅かせないような連中だが、彼は暗い路地や裏通りに隠れたまま残飯で生き延び、相手を1人ずつ殺していくような人物には見えない。しかしこれがまさに彼なのであり、彼の行いなのだ。

選ばれし5人の記録6Chronicles of the Five Companions 6

私はバンコライのナジル・イタフ・サハーンの息子、サイ・サハーン。この記録に私の言葉も加えるよう頼まれた。私は書記ではないが、全力を尽くそう。

ディヴァド、アバ、カラム、サタメの教えは我々に教えてくれた。戦士は己の技能を完ぺきなまでに磨き、剣を石や鋼を空気のように切り裂けるところまで研ぎ澄ます一方で、剣士の真の価値は彼がどんな敵を引き寄せるかで決められるのだと。私は偉大なるフォアベアーが今の我々を見て、敵であるモラグ・バルというデイドラ公を目の当たりにしたら、この哲学を考え直すだろうかとぼんやり考える。

当初、我が訓練はこの事態に備えられなかったと書くつもりだった。だが数時間の瞑想とかつての皇帝の助言で、私とカスラが長年訓練し学んできたのはこのためなのだと悟った。古きヨクダのソードシンガーたちは定命の者以上の存在だと言われていた。彼らは人が何度も人生を重ねて辿り着くであろう域をはるかに超えた集中力と技能を持っていた。私は自分がそんな偉大さに至ったとは言えない。おそらく私の最後の試練は皇帝たちと共に戦争を行うことではなく、生きとし生けるものの敵に対して正義の剣を振るうことだったのだろう。

来たる闘争への準備が自分にできているかどうかは疑わしい。私は裏切り者の拷問に屈することはなかった。だが拷問の館から無傷で出られたわけではない。裂けた肉は我が主の治癒の魔法で治った。真夜中に野蛮な夢で飛び起きれば、雪のリリーの温かな声が耳元で癒してくれる。だが私はまだ完全な状態ではない。

回復を待つ間、サルンと技能と戦略の方針について長々と話している。私は率直に自分の不安を語った。私の認めた弱さへの彼の軽蔑は雪のリリーの優しい言葉とは対照的で、私が求めていたものだった。私はそれに耐え、受け入れた。謙虚さのない戦士は堅く打ち過ぎた剣のように欠陥品なのだ。彼の言葉は私の決意を固め、私の機知を研ぎ澄ましてくれる。

刀剣の大修道院での多くの死について放置するのは難しい。攻撃の勃発時に我々はできる限りのことをしたが、カスラが刀剣の技と心を多くの生徒に教えられるようになるには何年もかかるだろう。これがすべて終わる時、もちろん我々は生き延びているはずだ。私はあそこに戻り、再建を手伝いたいと思う。

きっと私は、雪のリリーへ共に来てくれと頼むだろう。

選ばれし5人の記録7Chronicles of the Five Companions 7

私はバンコライのナジル・イタフ・サハーンの息子、サイ・サハーン。もう一度我が考えを紙に記そう。

歴史ある街がマニマルコと奴の黒き虫の教団による卑劣な死霊術で腐敗したのを見るのはつらい。シロディールの民は我が民族ではないが、あまりにもひどい文化的な破滅には心が痛む。クラウンもフォアベアーも認めないだろうが、我々と帝国の民は、相違点よりも似ている点の方がはるかにある。

ヴァレンは私にドラゴンガードを統率する栄誉を授けてくれた。私自身が隊長たちの多くに剣術や統率力、戦術について教え込み、鍛えたのだ。彼らの民族や主義はさまざまだった。その中に信心深いモロウウィンドのネサイナルがいた。彼はいつも夜明けに異教の半神の説法を静かに暗唱していた。若いルーカス・エヴァネのことも思い出す。彼はつまらない政治上の問題で、ハイロックの家族の土地から追い出されたのだ。我々は全員が帝国民というわけではなかったが、すぐに帝国の伝統や学問、食べ物まで受け入れた。かつては帝国の理想を信じていたのだ。

今では、帝国は夢に過ぎなかったように思える。サンクレ・トールはその夢の滅びた影でしかない。私はヴァレン・アクィラリオスに誓いを立てた。彼を守り、帝国の再統合という彼の夢が現実となることを望むと。だが今、見てしまったからには認めなければならない。その誓いの完遂は不可能だろう。今も帝都は、ルビーの玉座に座ると夢見る小物に包囲されているが、ここが故郷である者はほとんどいない。

サンクレ・トールの喪失と、尽きないありふれた争いにより荒廃し、破壊された帝国を悲しく思う。帝国に特別な愛があるからではない。まるで、わずかな人々のみが途切れた歴史を無私の清廉潔白な理由から取り戻そうとしている、ソードシンガーの歴史と似ているからだ。

選ばれし5人の記録8Chronicles of the Five Companions 8

今一度アブナー・サルンだ。

王者のアミュレットを手にしたがる小物の王や皇帝志望の者が出る度にドレイクを貰えるなら、私は憎むべき蛇人どもの恐ろしい足の下にあるアカヴィルを買い取れるだろう。

私が生まれる何世紀も前、レマン王朝の崩壊と第二紀の始まりの後のアミュレットの喪失は当時最大の大惨事と考えられた。正式に定められた皇帝がルビーの玉座におらず、多くの者が世界の終わりを予言した。だが彼らの予言も、地方の預言者たちの予言と同じく実現はしなかった。今のところはまだ。

王者のアミュレットがなくても、タムリエルはアミュレットが「神に選ばれし者」の首にあった時と同様に続いた。日が昇ると人々は貪欲でちっぽけな野心のために殺し合った。力のある者たちはそれぞれの部下たちの運命を決定し、翌日目覚めても同じことを繰り返した。

デイドラ公に対して勝ち目があるとは思っていない。もし呪文が効いたとしても、あのような強大な存在に挑んで勝利できると信じるとは愚の骨頂である。「面影」は優れた戦士だが欠点はある。実のところ私はこの愚行にはティタンボーンを送り、我々がしっかり準備できた時のために「面影」を取っておきたい。少なくとも彼女は替えがきく。

私は感情なんてものがいかに愚かかわかっている。ティタンボーン、もしこれを読んでいるなら、おかしな結び髪をねじらないようにしろ。私はサルンだ。我々に謙虚さなどふさわしくない。疑う余地はない。我々の唯一のチャンスは今ここにある。やらねば永遠に破滅するだけだ。

タムリエルの大部分はこの戦いの恐怖から免れており、アンカーの落ちた土地はすでにその影響から回復している。平民たちはこれを神意と考え、デイドラの次元融合を終わらせた者たちの尽力を賞賛している。知らないほうが幸せというものだ。デイドラについての我が知識は、モラグ・バルによるこの世界の支配を完全に取り去らなければ、悪夢のような世界が待っているという不穏な気配を感じさせる。

読者よ、こう考えろ。タムリエルは熟したリンゴだ。大きな木に繁る枝に危なっかしくぶら下がっている。長きに渡ってそれは高いところにあり、それを狙うデイドラの飢えた牙から幸運にも逃れていた。しかしマニマルコの堕落した即位の儀式、ソウルバーストによってベールが引き裂かれたことで、前述のリンゴが育っている枝には亀裂が入ったのだ。

そして、風変わりな農業的例えで想像したまえ。モラグ・バルは折れた枝の手近な葉っぱを掴もうとする豚だ。リンゴにありつこうと枝全体を引き裂こうと動く度、奴の汚れた足が力を与える。

次元融合を止め、モラグ・バルのアンカーを粉砕した者たちの努力は豚の足をすくい、その歩みをふらつかせた。だがそれでも、奴の臭い牙は枝に食い込んでいる。奴の回復を許してしまえば、また奮闘を始めるだろう。

我々は途方もない力を使って、モラグ・バルの牙を取り除かねばならない。もちろんソウルバーストの時にしたように、またアミュレットを使うわけにはいかない。だが私が正しければ、いや私は常に正しいが、呪文を修正すれば定命の者を神々の器にできるだろう。彼をアミュレットの力で満たすのだ。

魔法の詳細については、それだけで本が1冊できるほどなので読者に説明はしないでおこう。これは明らかに、博識な学者でも理解が難しい。理解にはサルンの恐るべき頭脳が必要だ。この複雑さを私以上に理解できる者はこの世にいない。

我々が成功すれば、歴史はこう記録するだろう。「面影」を導いてこの世界に救済をもたらしたのはアブナー・サルンの知識と大志だったと。失敗すれば 誰が賢いかなど問題ではない。我々は時が終わるまでずっと、デイドラ公の生気も心も持たない召使となる。

選ばれし5人の記録9Chronicles of the Five Companions 9

さよう、モラグ・バルにふさわしい確かな罰を与えるために5人は惨禍の闇へと足を踏み入れた!この私、恐れぬ者、コールドハーバー宮廷の騎士、騎士道のチャンピオン、無防備な者の守り手、そして魂なき者の導き手たるコッズワロップのキャドウェル卿は誇りを持って言える。私はこの瞬間が実現するのを、うんと遠くから見ていたのだ。

私はコールドハーバーの美しい眺めを恋しがるだろう。澄み切った青き炎の海、申し分なく曇った暗い空、灰色の雲の中へ高くそびえる岩だらけの峰。タムリエルはこの完璧な世界のただの紛い物にすぎない。だが厄介なことに、多くの者が逆にコールドハーバーをタムリエルの影に過ぎないと考えている!信じられるか?

我が友your nameは素晴らしい働きをした。彼らの名前は耳障りで声に出すには不快だったが。それでも批判するつもりなどない!彼らは企みの神を倒し、私が仕える新たな女主人を見つけてくれた。

ああ、輝くメリディア!彼女の金色に輝く瞳は私に発想をくれる!私が今仕えるべきは彼女だ。守るべき愛しい女性なくして何が騎士だ?「面影」たちがタムリエルをくまなく行き来できるよう、私が「面影」に彼女の光を持っていくことを彼女は強く主張した。今後について話す彼女の声には、恐れの気配があったように思う。どういうわけか、モラグ・バルの鉤爪によるタムリエルの破壊は、最悪の事態ではないと言いたげだった!

もちろん私は、彼女が教えようと思わない詳細を詮索する立場ではない。デイドラの憤怒の魔法の閃光とともに、特徴的な響く声で強めに一言拒絶され、これ以上聞きたがるのはまずいと感じた。素晴らしく眩い方だが、穏やかで優しい訳ではない。デイドラの中で最も無害であっても、沖の大暴風みたいなものだ。闇の美しさなのだ。だが誰だって、それが上陸して舞踏会の邪魔をしないように祈るだろう?

避難所は当座の家になるだろう。危険を冒して外に出るのは、私には難しい。タムリエルは私が切り離されてからの年月で醜悪になっているだろう。温かなメリディアの光が今まで以上にこの心を慰めてくれる。

奴隷の日記Slave’s Diary

彼らは毎日、肉が残っていようといまいとお構いなしに我々を奪ってゆく。自らを「魂なき者」と呼ぶ者たちはすでに大部分を奪われている。肉体はやせ衰えて久しいが、その霊魂はオブリビオンで生き続けているのだ。

自分の魂が宝石の中にあると言う者たちもいる。それぞれの宝石があちこち移動させられる時に、自分たちも揺さぶられているのを感じるそうだ。彼らはあまりに悲しみに満ちていて、ほとんど忘れてしまった人生について語る姿には胸が痛む。

他の者が何をされているかはわからないが、悲鳴が地下牢にまで聞こえてくる。逃れることのできない、終わりなき苦痛だ。

神々に我々の声は届かない。救いはあるのだろうか?果たして希望はあるのだろうか?

年末の収税記録Record of Taxation for Year’s End

最高顧問の命令で、村の課税額は他のコロヴィアやニベンの集落に匹敵する額に上がっている。当然この命令は平民には歓迎されない。暴動鎮圧のために傭兵を雇わねばならず、村長の懐はなお痛んだ。

とはいえ新たに設立された戦士ギルド――事務官の記録では支配者の命令で作られたとのこと、彼の意志が帝国を繁栄に導きますように――彼らの助けによって、徴集された税が帝国の行政官たちにより課された要求を満たした。民の貢献は厳密に記録される。

破り難きレッドガードThe Unbreakable Redguard

サイ・サハーンはその自己不信のため、非常に打ち砕くのが難しい。体を整えるため長年耐え抜いた肉体的訓練に比べれば、体への拷問など軽いものだろう。友人や知人に身体的危害を与えると脅しても効果がない。彼はただ目を閉じ、彼らの仇をとると誓うのみだ。

ソウルバーストの混乱のさなか、彼は巧みにヴァレンの萎れた指から王者のアミュレットを奪った。そして夜のはかない影のように姿を消した。我が計画の最終段階を行うには、それを取り戻さねばならない。あの日から私は、モラグ・バルの次元融合が衰えず続く中で根比べをしている。

当分これは私に有利に働くだろう。だが次元融合が終わる前にアミュレットを見つけなければ、計画の失敗が決定的になってしまう。必要ならばこの大陸を石1つ1つまでバラバラにしてやる。だが今は耐えねばならない。サイ・サハーンは永遠に拷問へと耐えることはできまい。いずれは落ちる、そうなれば王者のアミュレットを再び手に入れられるのだ。

チラシ、ポスター、宣告

Handbills, Posters, and Decrees

3クランの協定Treaty of the Three Clans

リーチの最も献身的な戦士が互いの違いを乗り越え、降霜の月の第3日にここに集い、共通の敵であるエボンハート・パクトに対し一致団結したことを明らかにする

以下のクランで構成される:
レイジクロー、ボーンシェイパー、ストーンタロン

アグラカーを恐れよAll Fear Agrakh

この言葉を心に刻め!モーロッチの息子であり刀剣の子、アグラカーを皆恐れるがいい!彼の支配はクランの心に刻み込まれ、彼の力は敵の囁きでしか語られることはないだろう。

木の住人は臆病にも枝の上から攻撃するが、彼が力強く歩けば葉のように落ちる!征服の角笛を響き渡らせながら、彼に従う者達は皆、モーロッチの栄光に浸るのだ!

アルトマー:青い血筋の後継者Altmer: Heirs of a Noble Lineage

古代アルドマーの血を最も濃く受け継ぐ種族だと主張するアルトマーの人々は、優美と洗練と強さの帝国を築きあげた。この部屋にあるいくつかのアーティファクトには、彼らが到達した芸術的高みと、彼らが背負った統治者としての重責が映し出されている。

あるボズマーのドミニオンへの返答One Bosmer’s Response to the Dominion

ハイエルフのブーツにボズマーの首が踏みつけられる以外に、ドミニオン体制の終末はない!あの高慢ちきな野郎どもは、可能ならばタムリエル全土を征服するだろう。私は耐えられないし、君達のいずれも我慢すべきではない。

ボズマーがヴァレンウッドを取り戻す時だ。ブラックサップであってもカモランの支持者であっても、グリーンパクトの信者でも誓わぬ菜食主義者でも関係ない。ただ時間、兵力、そして強力な魔法が必要だ。

ハーシーンに訴えれば必要な物を提供してくれるかも知れない。危険は伴う。だが多大な危険にはそれ以上の報酬がある。ヴァレンウッドのために!

-カラハウン

アレスウェルの立ち退き通知Aleswell Eviction Notice

ドルテーヌ大将軍の命により、全ての住人は家から立ち退くことを命じる。

夜にこれらの建物で発見された者は殺される。

— カマガッシュ将軍

アンセイの祠Ansei Shrine

アンセイの名誉を称え、アンセイ・マジャの生誕地を記念して、第二紀102年に天才芸術家ジャムシャルド・ラインリンに建てられたこの壮大な記念碑が、アリクル砂漠を見張り、永遠に我らを邪なものから守らんことを祈る。

アンドーンテッドの書Tome of the Undaunted

我々署名者は、アンドーンテッドの誓いを継ぐことをここに宣言する。ギルドのベテランメンバーとして、または新たに血に染まった剣を持つ者として、我々は他の者達がやらないことをする。我々はニルンの地下に潜り込み、未知の知識と宝を見つけ出す。我々は闇に対抗する。

そして我々はアンドーンテッドとして帰還する。

署名者:
ガドレイ・ヴィンタレン
栄光を探す者
レディ・ブレイド
キリン・ブライトグレイド
岩のロディス
マエグリン・テレメイト
ヴェラナ・テレメイト
骨砕きサーバ
ラッシ・シンブルボック
狂乱のゼッバ
虚ろな空のタリク
隻眼のゴブル
凶暴なるジャキディ
恐怖の息子アイダン
熟成肉を食べる者
ザリヤ
燃えるマクシマス
ソバベ
野蛮なブラッドフォード
壮大なザンタン
イーノ
ブリットゲード・ベアマスター
レディ・バロネッサ
ダンテリエル
クィニウス・キーティング
モニネン
ジーバ
強きモルドラ
詩を朗読する者
エイサン・テネッカー
サライゾック
ザキル
タリエン・ヴェル

アンドーンテッドの書(署名入り)Tome of the Undaunted (signed)

我々署名者は、アンドーンテッドの誓いを継ぐことをここに宣言する。ギルドのベテランメンバーとして、または新たに血に染まった剣を持つ者として、我々は他の者達がやらないことをする。我々はニルンの地下に潜り込み、未知の知識と宝を見つけ出す。我々は闇に対抗する。

そして我々はアンドーンテッドとして帰還する。

署名者:
ガドレイ・ヴィンタレン
栄光を探す者
レディ・ブレイド
キリン・ブライトグレイド
岩のロディス
マエグリン・テレメイト
ヴェラナ・テレメイト
骨砕きサーバ
ラッシ・シンブルボック
狂乱のゼッバ
虚ろな空のタリク
隻眼のゴブル
凶暴なるジャキディ
恐怖の息子アイダン
熟成肉を食べる者
ザリヤ
燃えるマクシマス
ソバベ
野蛮なブラッドフォード
壮大なザンタン
イーノ
ブリットゲード・ベアマスター
レディ・バロネッサ
ダンテリエル
クィニウス・キーティング
モニネン
ジーバ
強きモルドラ
詩を朗読する者
エイサン・テネッカー
サライゾック
ザキル
タリエン・ヴェル
your name

イーストマーチで大儲けのチャンスLucrative Opportunity In Eastmarch

強靭な足腰と頑丈な身体に恵まれた働き者の労働者に、大儲けのチャンスが待っている。

イーストマーチの北西にある宿屋、〈笑うホーカー〉に来てほしい。山への道を道なりに進めば良い。ヴォルジャー醸造所の西にある。

能力があり、興味を持った者は誰でも歓迎する!

イェッギ従士の酒場Thane Jeggi’s Drinking Hole

酒場の規則:

1.酒場に敬意を払いなさい。常にきれいに保ち、大声を出さないように

2.1日のうち最低数時間は魚のことを考えて過ごしなさい

3.マンモスをからかわないように!

4.飲んで、飲んで、またまた飲むように

5.ハチミツ酒を元の場所に戻すように!

ヴァーダント・ハンドのオリエンテーションVerdant Hand Orientation

ヴァーダント・ハンドにようこそ!掘り出し物には何でも金を払いますが、もしあなたが捕まった時、私達は無関係です!

タムリエルの奥地はただでさえ危険な場所ですが、そこには(時にはデイドラの)遺物や書など、真のお宝が安らかに眠っています。そのうちのいくつかは、競合するトレジャーハンターや最近できたアルドメリ・ドミニオンに見つかってしまいました。残念なことに、彼らは内輪揉めしつつもリッチまたはデイドラの巣があると噂される墳墓すべてに衛兵を配置して、私の稼ぎを台無しにしてしまいました。公衆の安全…そんなものはクソ食らえです!古代の秘密を独り占めするなんて、まるで私達の新しい女王と一緒ですね。幸い私達は少数精鋭です。奴らの揺れる眼差しは、王族の墳墓を逐一かつ随時見張っておくことはできません。

とはいえ、気をつけていただきたいことがいくつかあります:

忍耐強さは最強の武器であり、私達の仲間から抜きん出るには最も重要な特質です。忘れ去られた遺物は永遠に待ってくれます。そして私達を探している連中は交代制で働いています。

墳墓の中でも外でも、底が柔らかい靴を履くようにしましょう。回廊に響く足音は、眠りを知らないアンデッドや、外で待っているドミニオンの衛兵の注意をいとも簡単に引いてしまいます。

お金はいざというときの頼みの綱です。高飛車なハイエルフの衛兵ですら、コインをちらつかせれば心が折れるでしょう。

それでは素敵な宝探しを…でも1つ注意してください。公衆の面前で私に向かって手を振ったら、そのときはあなたの首の柔らかい部分に肘打ちをお見舞いします。

LLより

ウェイレスト衛兵への命令Wayrest Guard Orders

ウェイレスト衛兵隊長の命令2247

カバナントの全住人を平等に扱うこと

一部の衛兵がオークの住人に対して適切な敬意を払っていないことが分かった。最近、城壁の中ではそういった場面を見かけることが多くなっている。馬鹿にしたり、唾を吐いたり、不適切な誘惑があったとの報告を受けている。ウェイレストより適切な場所があるから、オークの住人はさっさとそこに行くべきだと言っていたという報告もあった。

このようなことは容認できない。オークの住人は今や我々の仲間だ、普通の人々と同じように、法の下に保護されるべきだ。私は牙のことは気にしない。慣れるんだ。オークに不適切な暴力を働いた衛兵は、その行為の重さに応じて一定期間、無給の停職処分にする。

これは冗談ではない。本気だ。

マシアス・エチエン

衛兵隊長

エバーフル・フラゴンのチラシEverfull Flagon Handbill

エバーフル・フラゴン

上級ハチミツ酒。よい飲み仲間。ぜひ来店を。

スペシャルブレンドを注文で、無料ハチミツ酒!

〈チラシの下に下手な字がなぐり書きされている〉

引き返せ。ハチミツ酒ハチミツ酒ハチミツ酒 —注意しろ—

エボンハート・パクトの時代The Time of the Ebonheart Pact

アーラ・ラレス 著

時の車輪が回る。夜明けはアルドマーの時代だった、それから人間の時代が来た。だが今は、帝国の衰退と混沌が、人間の時代は過ぎたと明らかにしている。タムリエルの人間の中では東のノルドだけが力強い性質を持ち、アカヴィルからの蛇人間たちの最近の侵入を追い払う際に、ダンマーやアルゴニアンと共闘していた。それゆえに、すべての人間の中で唯一信頼に足るところを見せている。

時代は再び、人間は適切な導きなくして外部の力に関わると災難につながると証明した。人間が無謀にもニルンの向こうの存在にちょっかいを出すことは永遠にやめなければならない。今はエボンハート・エボンハート・パクトの時代で、いずれはタムリエル・エボンハート・パクトになるべきであり、そうでなければならない。エボンハート・パクトの内部ではエドラ、デイドラ、ヒストがすべて敬われている…適度な距離から。エボンハート・パクトの内部はトリビュナル、3人の生き神がここニルンに我々と共に暮らしていて、その関心はニルンの住民全員のそれと一致している。彼らだけが、ニルンの向こうの力を上手に取扱う方法を見せた。

ルビーの玉座に座る者や彼らの意図を引く者の性急な行動が、タムリエルを回復不可能な破滅の縁へ追いやった。彼らはシロディールの前面から一掃しなければならない。そして衰退して残った人間の帝国も払拭しなければならない。取って代わるべきはエボンハート・パクトで、大陸中に平和をもたらし、危険な魔法の追求に関わる、全てをしっかりと規制するだろう。

エボンハート・パクトの戦士よ、前進せよ!白金の塔を占拠するまで、我々が平和と自由を知ることはない!

ガーザグ鉱山に近づくなStay Away from Gurzag’s Mine

オークはガーザグ鉱山に行ってはならない。これはお前の族長からの命令だ。

いつ鉱山のアンデッドを叩きつぶし、兄弟たちを解放するか話し合っているそうだな。

命令への質問はもう聞き飽きた。鉱山のオークは卑劣な魔法とウッドエルフの策略でもてあそばれている。だから彼らは苦しんでいるのだ。

報復したいなら、闇の魔法と邪悪な計画を持つ、ウッドエルフとハイエルフの盟友を探すのだ。その家の前を血まみれにして、彼らの耳を子供たちの叫び声で満たせ。

キャノンリーブのなぞなぞThe Cannonreeve’s Conundrum

三幕の喜劇

提供:
サマーセット専属劇団

主演

キャノンリーブ:サイラス・シルベル

共演

軽薄なファーバル・ダー:ハザズナズ

第二紀578年、恵雨の月の最初の金耀に開演!

ギルドマスター・ヴァヌス・ガレリオンの命令By Order of Guildmaster Vanus Galerion

ギルドマスターの命令により、アイベア島へ歓迎する!優良なギルドのメンバーは全て、この島を隠れ家、魔法の研究の聖域であり、タムリエルの中立地として利用できる。

全てのメンバーへ、以下を注意するように:

— 同盟の戦いは容認できない!三旗戦役はシロディールで行われているものだ。ここで、すべての魔術師が穏やかで調和の取れた行動を取ること。

— 外見のいかんに関わらず、自分の仲間を受け入れよ。道理の分かるタムリエルのすべての種族は魔術を操る術を実行している。仲間のギルドメンバーへの不寛容はギルドマスターに報告され、厳しく処分されるだろう!

— 十分の一税を納めよ。納税済みのメンバーは島のポータルを商売や移動の手段として自由に使用できる。しかしながら、営業状態にあるすべてのメンバーは、十分の一税において、ギルドに定率報酬を払わねばならない。

アイベアの復活は、ギルドに新しい時代を告げる!

グリーンレディの家The Green Ladies’ Abode

入場の寄付:1ゴールド

ディープウッズ、以前と現在の、マラバル・トールのグリーンレディの住居へようこそ!

当地最初のグリーンレディ、フィノリエルは慣習よりも遅くグリーンレディだと分かりました。当時はヴェリン港に暮らしていました。立派に仕事をこなし、彼女の逝去に伴って次のグリーンレディの捜索が始まったのです。

祝福されたディープウッズは再び強き者、フィノリエルの姪、グワエリングを育てました。グワエリングはグリーンレディに期待される肉体的技量、巧緻、力を示したのです。

ディープウッズの中にはグワエリングとフィノリエルの家、二人がかつて狩りをした多くの場所が見られます。特にグワエリングは幼い頃から弓に対する才能を発揮し、年若い頃から高い殺傷率を示しました。

グリーンレディは単に美徳のシンボルではなく、任命終了後に必要とされる、自分の力をボズマーの力とつなぐ能力を内に秘めています。

選ばれてから2週間以内に、グワエリングとシルヴェナールの婚約の儀の準備が始まりました。

お祝いは公式の婚礼の儀の後、何ヶ月も続きます。婚約の儀は、シルヴェナールの街で行われます。

滞在が長くても短くても、どうかディープウッズの訪問を楽しんでください!

クログの裏切りKurog’s Betrayal

大いなる宣言を聞いただろう。オルシニウムは生まれ変わった。これからはエルフ好きのブレトンが我々の友人で、裏切り者のレッドガードが我々の味方だ。

我々を歓迎する——そう奴らは言う。我々が必要なのだと。全部嘘っぱちだ。

「偽りの族長」クログなら、ダガーフォール・カバナントは我々の未来だと言うだろう。さすがは自分の部族を見捨てた傭兵だ。クログは困窮し飢えに苦しむ仲間を尻目に、エルフと金のためにその手を血で染めた。この歯なしのチビなら、我々を鎖につないででも、我々を殺戮したブレトンやレッドガードのために戦わせるだろう。

オルシニウムの兄弟姉妹を忘れてしまったのか?「豚の子ら」を征伐すべく聖戦を始めたのが誰か、忘れてしまったのか?

今友人を装っているその同じブレトンとレッドガードが、我々をタムリエルから一掃しようとしたのだ。我々の田畑が駄目になり、我々の家が焼け落ちた今、臆病で嘘つきな連中が、我々から盗み取った土地を差し出すという。

我々は敵と和解するというのか?汚らわしい魔術と裏切りで我々から盗み取ったものを返すからといって、奴らに感謝すると?

クログの甘い言葉にだまされてはならない。奴の卑怯な所業の数々に目を向けよ。そして、命をなげうって我々を自由にしてくれた祖先に目を向けるのだ。このダガーフォール・カバナントとやらは、我々の首に巻かれた鎖にほかならない。

奴らは我々を飼い犬にしたがっている。奴らに思い出させてやれ——我々がオークだということを!奴らの言う「上級王」になど、我々は頭を下げはしない!

「偽りの族長」クログを倒せ!

「奴隷主」エメリックを倒せ!

クログ王の約束King Kurog’s Promise

ここにオルシニウムの唯一無二の支配者、クログ王閣下とオースバウンドの族長、グルズナック・グロー・ヴォルカーとの協定を記す。条項は以下の通り

ダークエルフの死はモーロッチにとって喜ばしいものであり、政策に役立つものとみなされる

オースバウンドによるダークエルフの首の獲得に対し、グルズナック・グロー・ヴォルカーにマラク・モーの称号を1年間与える

さらに族長グルズナックとオースバウンドの民はここにダガーフォール・カバナントに対する罪を赦免される。対象には以下を含む(がこの限りではない)。殺人、追剥行為、および重罪にあたる旅回り一座のなりすまし

— クログ・グロー・オルシニウム

ケナーシズルーストの条約Treaty of Khenarthi’s Roost

独立した島ケナーシズルーストの市民及び指導者は、マオマーの執行部隊が迅速に破壊行為を行える手腕を認め、平和的かつ財政上有利な協定の成就を望む。

両者は相互に有益な条約の作成が望ましく必要なことを認識し、外部の軍事的、政治的主体の干渉はマオマーの利益とミストラルの取引の収益に著しく有害なものであることを認めるものとする。

高名かつ賢明なオルグヌム王、マオマー自由人の声、12ダースと1の強き艦隊の指揮官、誠実で勇敢な代表者、マオマー(およびケナーシズルーストの小民族)の主権者たるオルグヌムの庇護のもと、両者はこれ以降この条約の条項を順守するものとする。

第1条
マオマー大使とその随行員が滞在できるように、大使館はミストラル港湾都市のわかりやすい場所に設置されるものとする 。建設費はケナーシズルーストが負担するものとし、15人以上の使用人、寛大で賢いマオマーの人々を織りだした上質のタペストリー、個人向けにあつらえられたコットンの寝具、地元および輸入ものの酒類を供出するものとする。

第2条
ミストラル港湾都市での交易を希望するすべての個人および組織は、今後は登録したうえで公の通行証を得なければならない。登録料は大使が船ごとの基準により決定する。登録料を拒否する場合は闇業者とし、マオマーの法により私有財産の没収および投獄の対象となる。マオマーは港および近海の船舶を調査する権利と、すべての禁制品を没収する権利を持つ。

第3条
マオマー執行部隊はミストラル港湾都市および周辺の商人に理由なく武力行為を働いてはならない。同じく、承認ずみの交易に干渉をしてはならない。現在投獄されている両国の囚人は、この条約の締結後ただちに解放されるものとする。前述の執行部隊は自己防衛および敵の不審な行動など相当の理由がある場合に限り機能するものとする。マオマーの不干渉への感謝として、登録料と消費税の15パーセントを毎月15日に大使館に納めるものとする。

第4条
調印を記念して本日を共通の祝日とする。この祝日はミストラルの人民が経費を負担することで、両国の平和および条約の支持を示すものとする。祝日は 「サーペントの栄光」と名づけ、この日はマオマーの要人と一部のエルフと人、その他選ばれた者をケナーシズルースト島に招待し、祝宴、音楽、饗宴をもって各種族の共通の成功と調和を祝うものとする。

第4条、付則1
サーペントの栄光の間、ミストラル港湾都市の住民は一般的な祭への参加が許されるが、饗宴の参加はマオマーの招待客であるケナーシズルースト市長と、市長が選択の上大使が承認した3人のゲストに限定するものとする。食事はマオマーのシェフが準備し、音楽はマオマーの吟遊詩人が演奏するものとするが、いかなる場合においても「甘く煮たイカ」のような食事を提供しないこと。

第5条
大使とケナーシズルーストの人民は、持続的かつ有益な平和のために10年を基準に、条件を見直し、相互の義務を再確認するものとする。

ここにアラー眠るHere Lies Arah

献身的な霊魂の守人

父でも夫でもない
しかしその代わりに、アズラの忠実な僕

永遠に報われる。

ここにグレセルありHere Lies Grethel

あらゆる従士の用心深いガーディアンは持ちこたえている
塔2つ分の高さから
彼女は東スカイリムを見守る。
無法者を道から一掃し
あらゆる山賊は彼女の名を恐れる…

ゴブリンの同胞を解放せよ!Free Our Goblin Brothers!

響かせることができなければ話してはいけないのか?

手足が短ければ空には届かないのか?

私の風は縛られている、助け出してくれないか?

我々がゴブリンの同胞を解放しなければ、誰がやるというのだ?アルゴニアンは奴隷の束縛がどのようなものか知っている。奴隷の記憶がまだ心に残っているのに、他の者に任せるのか?ヒストに戻った時、祖先達は何と言うだろうか。

そして、アルゴニアンではない者も、私たちは皆この柔らかい肌や鱗の肌を脱げば同じ仲間ではないか?奴隷を使えば、自分自身から誠実な仕事を奪うことにはならないか?他人に労働を強いれば、我々の君主も我々に同じことをするのではないか?

ゴブリンを救い出す気があるならば、ミハリルに話をしてくれ。

サルモール外交使節の通知Thalmor Diplomatic Corps Notice

我々の友人、カジートについて:
彼らを「猫」と呼んではいけない
彼らにペットの猫向けの食事を提供しない
ペットの猫を飼っている場合、カジートを猫の名前で呼んではいけない
彼らの尻尾を掴んではいけない。ただし許可を得た場合を除く

我々の友人ウッドエルフについて:
ウッドエルフのレシピに野菜を加えるよう頼んではいけない
ウッドエルフの目の前で木を切り倒してはいけない
ウッドエルフの肉がどんな味がするのか訊ねてはいけない
カジートの調理方法を訊ねてはいけない

ドミニオンにおける我々の新しい友人は戦友として並ぶものであり一定の敬意を払われるべき存在である。さらに明確にしたい要件がある場合は近隣のサルモール代表に問い合わせを

サングインの教団The Sanguine Cult

賞金稼ぎへの注意!

以前告知したサングイン信者に関する賞金がすべて誤って掲示されていた。賞金は掛かっていない。まったく掛かっていない。

さらに、民衆の敵に関する批判や布告、公開の非難や体罰や懲罰に関する呼び掛けはすべて無視するように。

…そしてサングインの領域での宴が最高潮だということも忘れないように。サングインの領域で会おう!

——ストームホールド議会(本物)

シャド・アツーラのカリキュラムShad Astula Curriculum

当大学の新入生達へ:

さあ、目を覚ましてください!これから学習漬けの日々が待っています。あなたの秘術とマジカの才能、統率力と戦術の才能を伸ばす良い機会です。

最初の数日間はあっという間に過ぎてしまいましたが、この一流大学の新入生という栄光にふさわしいと証明してくれました。必須の洞察力を示しただけでなく、シャド・アツーラの門戸を開くために少額に設定されている授業料を払う能力があることも裏付けしてくれました。これらの理由から、これから10日間に及ぶ学習課程の選択権を喜んで提供します。

学習を希望する入門課程を選択し、その技術を学ぶために講師に適切に願い出てください。これから10日間、以下の鍛錬を1つ会得するため熱心に取り組んでもらうことになります。

これらの分類は単に指導指針として存在するものだということをご理解ください。魔術師ギルドやその他の組織内の正式な概要を表すものではありません。

変性I:この入門課程では物質操作に関する初歩的な魔法技術を指導します。基本的な物質の強化や弱体化などを学びます。

召喚I:この入門課程では短剣やバックラーといった初歩的な武器や盾の召喚方法を学びます。ナイフでの攻撃や防御の指導は含まれていないので注意してください。

破壊I:さらなる学習に向けての入門課程として、炎と氷の属性操作の基本を学びます。万が一人や物に損害が出た場合に供えて、追加の手付金が必要です。

幻惑I:この入門課程では光と影、音と静寂の基本的な操作を学びます。最初の課題は魔法のロウソクを作り出すことです。

回復I:この入門課程では基本的な治癒技術及び生命力操作の基本原理を学びます。指導課程で必要となった場合は、様々な小動物やその他の物質を購入しなければならないことがあります。

さらなる学習に進むためには、これらの入門課程のどれか1つが必修となります。生徒はこの中から好きな課程を1つだけ選んでください。入門クラスを修了すると、指導時間と生徒数に余裕があれば、次の入門クラスに進む資格が与えられます。

あなた達は必ずや指導と後援を受け続けるにふさわしい能力があると証明できるでしょう。

学習過程を修了できなかった場合は、補習授業にかかる費用として追加の授業料を支払ってもらうことがあります。

頑張ってください!

シルトストライダーステーションSilt-Strider Station

一般の道で危険を冒し、高額を払って波乱の海の旅に出ず、優しいシルトストライダーに乗って、地上を安全に心地よく旅してみませんか?はるかに安価なレッドマウンテン社のシルトストライダー急行サービスが利用できるのに、道義心が怪しいキャラバンと同行する必要がありますか?

ヴァーデンフェルのどの街にもある、便利なシルトストライダーステーションを訪れて、様々な目的地へ移動しましょう。ヴィベク・シティの雑踏から離れたい?それならバルモラで運河を見て、スランの大農園を訪れましょう!グニシスの郊外でうんざりしている?すぐ外にあるキャラバン乗りの塔へ少し移動するだけで、夕食前にはテル・モラに到着できます!

レッドマウンテン社のシルトストライダー急行サービスはヴァーデンフェル中にあるストライダー乗りの塔で利用でき、希望の場所へお連れします。シルトストライダーに乗り込んだら、目的地はもうすぐそこです!

スカリアスへTo Scarius

君のことは決して忘れない、スカリアス。殺されたことも忘れない。ノルナルホルストに面する祖先の墓標近くに君を埋葬する。グレイバイパーの切断された首を君の墓に飾るよ。誓ってだ、兄弟。

– メルクロ

スティールシュライクの宣言The Steel Shrikes Proclamation

全てにおいて寛大な我らがファハラジャード王(永遠に生きられますように)は、我々の胸中にある野心の炎に火をつけられた。ハンマーフェルの海岸へと我々を届けた海から、我々は伝説と歌の旅を始める。すべての者は我らが偉業を歌うべし。我らの凱旋は熱く迎えられ、皆が我らの行いを歌うだろう!

ためらうな、ヨクダの戦士たちよ!我らスティールシュライク(永遠に勝利を得ますように)は未開の密林の中心まで切り開き、新しい地を明らかにするだろう。アリクルの岸に打ち寄せられたからこそ、我々はエルフの浜辺の上に跡をつけたのだ。レッドガードの次なる偉大な領土は、打ち負かした敵の灰の上に建てられよう!我々の持つ強さ、名誉、勇気は、永遠に勝利を収める!

スパイクボールのチラシSpikeball Handbill

スパイクボール!タムリエルを席巻する新流行!

このアクション満載でエキサイティングな新スポーツは間違いなく次の大きな賭けスポーツになる!

トラックを疾走するランナーたちの精密かつ無謀な走りを見よ!

苦痛で膝をつく競技者たちの痛みを感じろ!

スパイクボールがランナーの頭に直撃する愉快な音を聞け!

ランナーたちは人間だ。だから八百長は絶対にない!手なずけられる野生の怪物はなし!サラブレッドのトカゲも猿もいない!スパイクボールは未来の賭けスポーツだ!

今日、その目で見届けろ!ハドランのキャラバンで!

スローターフィッシュ警告Slaughterfish Warning

警告!

スローターフィッシュ出没中:

遊泳は自己責任でお願いいたします。

ディヴァド・フンディングの祠Shrine to Divad Hunding

フランダーの息子、ディヴァド・フンディングの記念。父親が皇帝ヒーラを倒し、ハンマーフェルに入植するのを手助けした

ディヴァドは5本の強力な剣を作り、ハンマーフェルを支配していた祖種ゴブリンを打ち負かした

デリク・ホーリンの祠Shrine to Derik Hallin

英雄デリク・ホーリンの記念。フランダーとディヴァドの時代よりずっと後、デリクは探索に出かけ、5本の強力な剣を取り戻した

デリクと剣聖たちは戦いでこの剣を持ち、ハンマーフェルへの脅威を永遠に終わらせた

ドーンブレイクの布告Dawnbreak Decree

ドーンブレイクの住民へ

来たるアイレン女王の訪問に伴い、家や庭をいい状態に保ってください。

今回の行事に向けて正しいエチケットと服装を確認するために、町集会を行なう予定です。全員参加してください。欠席者がいれば記録に残します。

— テンエマンウェ

ドラブールのチャンピオンChampions of Dra’bul

ブリジーラ・グラトール、百頭のマンモスの殺し屋。彼女は両の親指だけで頭蓋骨を破壊できる

鱗のグリシュ、彼の膝丈ズボンは殺したアルゴニアンの革でできている

荒野のドゥザール、森を旅するチャンピオン。前チャンピオンがまだ鎧に包まれている時に、その首を噛み切って勝ったことで一番よく知られている

リトラグ・グロー・フォーメント、クモと毒蛇の捕食者。挑戦者の目に毒を吐きかけると言われている

マクグルック・グロー・バスグルム、治癒師としても知られる。頭をもぎとり、敵の苦しみを減じた

メイデン・ラシュキ。犠牲者の頭皮でできたドレスを着用し、敵を威圧した

トリビュナルの布告By Order of the Tribunal

ベレザンの鉱山は当面の間、一般の者の立ち入りを禁ずる

不法侵入者は三大神による最大限の怒りに苦しむことになる

なぜ耕したかWhy We Farm

この洞窟に追放された今、ここに入れられることになった理由の整理以外にできることは限られている。しかしそうすることで空腹をまぎらわすことができる。決して外にいる汚らわしい同胞のように、同族を食べたりはしない。

我々ボズマーは——奴らには背教者と呼ばれるが——現代的で文明化された考えを持った世界に戻りたい。木を崇拝する原始人などもうこりごりだ。

その目標を持って我々がしたこと、仲間にここに閉じ込められることになった理由は、誰にも想像できないだろう。農業だ。

木を植えて種を蒔き、もうすぐ収穫できるところだった。発見されて、グリーンパクトを破った罪で死ぬためこの地下に追放されるまでは。

我々がグリーンパクトに同意したのではない。我々の祖先が遠い昔に同意したのだ。しかしそれでも結果は受け入れなければならぬ。この馬鹿げた協定のせいで我々は弓を作ることすらできないが、他の者から買うことはできる。自分達で木を切り倒すと冒涜と見なされるのに、誰かに頼めば問題にならないのだ。

偽善など馬鹿げたもので、そんなものに縛られるわけにはいかない。それを拒絶したために、我々は死ぬのだ。

ネードの決闘用の剣Nedic Dueling Swords

未開で野蛮な人々ながら、古代ネード人(現代のノルドの祖先と思われる人々)は冶金の技術で名を馳せていた。この2振りの少しも古びていない決闘用の剣は当時の作で、かつてドラウグルの王ハルタフが地下のねぐらで振るっていたものだ。

バーン・ダルの〈大言〉Baan Dar and His Boast

笑うのが大好き?騙すのが得意?悪戯に熱心?

それならバーン・ダルの〈大言〉へ!ソルマーの遺跡へ戻るのは今回で25年連続!三旗戦役で気が沈んでる?流れるウッドエルフの酒やカジートの機知に富んだ言葉を楽しんで、このエルスウェアの端っこで生き残る意気込みを祝おう!

今年は前年の優勝者、カジートのグループ「追放されし者の手」に加われる。バーン・ダルにかけて、彼らはとにかく楽しみ方を知っている!もしくは反対にもじゃもじゃウッドエルフ、〈鋭利なる刃先〉の仲間入りをしてもよし!なお、連中は暇なアサシンって訳じゃないぞ!

悪戯に来るにしても、ただ酒で日々のことを忘れに来るにしても、バーン・ダルの〈大言〉!リーパーズ・マーチのサバンナで生き残る、最も賢いものだ。

ハジ・ウクシスの市民への警告Warning to Citizens of Haj Uxith

ハジ・ウクシスの全市民よ!モラグ・バルとの我々の協定はこの残虐の王の僕たちが我らの大切なヒストの樹から樹液を抽出し、精製することを許可している。それに加えて、我々は樹液桶の部屋に入ることも、樹液の収集や精製工程にいかなる形で関わることも禁じられる。

この協定を侵犯すること、もしくはこの警告を無視することは、自分自身だけでなく、ハジ・ウクシスのアルゴニアン共同体の全体に対する処罰を引き起こすものと考えよ。

警告は以上だ。

協力を感謝する。

ハジ・ウクシスの尊重する美徳The Values of Haj Uxith

ハジ・ウクシスの学者である我々は、他の何にもまして以下の精神的属性を尊重する。すなわち勇気、忍耐力、保護である。これらの美徳は我が民族全員の心に特別な場所を占めているが、これらの属性が我々の社会の生存のみならず、この奇妙な地での繁栄をも助けるということを真に理解しているのは、我々学者たちである。

勇気は我々の意見に常に同意しない者たちと戦い、また未知のものに向き合うことを可能にする。この暗黒の地は常に奇妙な困難と新たな障害を突きつけてくるが、怯えていてはいけない。我々はそこにぶつかっていき、できる限り勇敢かつ大胆に対処しなければならない。

忍耐力はこの厳しく何もない地での苦労と困難に耐えることを可能にする。この容赦のない領域での終わりなき困難を克服するには我慢強さと技術、そして自然な頑強さが必要である。我々はそうした困難を受けて立ち、予期せぬ嵐に耐えなければ生き残れない。

保護は我々の過去を記憶し、ヒストの樹が多くを犠牲にして守ってきた我々の文明を維持することを可能にする。我々は祖先たちの言葉と行為を我々の導きとして求め、過去の物語と教訓を維持して、我々が何者かということを我々自身に教え、また思い出させる。

ハリケーンに対する救援と略奪Hurricane Assistance and Salvage

ケナーシズルーストの全市民へ

ドミニオンの金色の艦隊は先のハリケーンにより大きな損害を受けた。今こそ生存者を助けるためできることをしてほしい。

1) ドミニオン兵士の受け入れ
客を迎えられる家庭は、救助が必要なドミニオン兵士の受け入れを考慮すること。

2) 救助と復興
自力で動ける難破船の生存者を見つけたら、嘆きの泉の聖堂に行くよう伝えること。残骸の下に埋もれていたり、重傷で苦しむ者がいたら、近くのドミニオン将校に救助を要請するべし。

3) 略奪の禁止
戦死したドミニオン兵の武器や防具を剥ぎ取るのは犯罪とみなす。ドミニオンの将校に連絡すること。

この苦難の中での協力を感謝する。

ビリック卿の像Statue of Sir Byric

第二紀542年にアルカイア城を囲む野原に火を放ち、リーチの侵略者達を食い止めたフレイム・ビリック卿へ捧げる

アルカイア騎士団は彼の勇敢な行動と決意を称えるためにフレイム騎士団と改名された。

フラール家の商人キャンプHouse Hlaalu Merchant Camp

来場の商人の方々へ。当キャラバンキャンプの規則を厳守すること。

— すべての商人とそのキャラバンの一団が当キャンプとその設備を使用できる。

— 当キャンプの敷地内においては、購入、販売、争い、ゴミ捨て、派手な騒ぎを一切禁止する。

— 近くの遺跡は危険であり、許可のない訪問者は立入を禁止する。自身の安全のためにも遺跡に近づかないこと。

— キャンプを出る際は、到着時と同じ状態に戻すこと。仲間の後始末をし、何も残さないこと。

フラール家の通知House Hlaalu Notice

フラール家はこのキャンプを、旅の商人と商人キャラバンによる短期利用目的で維持管理しています。

どうかキャンプはきれいにしておいてください!次の旅人はあなたの思いやりに感謝するでしょう

ブラック・マーシュのアルゴニアンArgonians of Black Marsh

エルフに負けず劣らず古い種族でありながら、ブラック・マーシュのアルゴニアンは今なお未開の状態を脱していない。呪術に彩られた思考と樹木の崇拝は、彼らの批判的思考能力がエルフに劣ることを示している。これらのアーティファクトに見られる粗削りな技法は、彼らの審美眼が限定的であることのさらなる証明であり、彼らが魂を有している可能性に疑問を投げかけるものである。

フランダー・フンディングの祠Shrine to Frandar Hunding

フランダー・フンディングの記念。剣の道の構想を打ち立て、アンセイにシェハイの霊剣の召喚を教えた

アンセイとともに皇帝ヒーラを倒し、遠き地ハンマーフェルで民を自由へ導いた

ベールの継承者—注意せよVeiled Heritance – Be Warned

「ベールの継承者」と呼ばれる政治活動団体が、この地域で窃盗及び盗品の売買を行っていることを発見した。

「影の職人」は普段なら同族を歓迎するが、この団体の最近の反ドミニオン的活動はアイレン女王の密偵の目に留まってしまった。我々の活動が「女王の瞳」の注意を引いてしまうとしたら、それは愚かで無駄に危険な行為だ。

よって、すべてのメンバーはこの団体とは一切関わらないように。彼らの商売は好ましいものではない。「ベールの継承者」の団員、及びそれに関わるすべての者を我々は許容しない。

ご理解を請う。

管理担当者より

ペテン師、シーエルフOur Dupes, the Sea Elves

忠臣たちへ

シーエルフとの交渉は終了した。彼らは愚かにも自分たちが我々と同等だと信じている。タムリエルの正当な支配者が単なる魚の民と権力を分かち合うと。愚か者め

彼らの前ではごまかし続けることが肝要だ。彼らにオーリドンへの馬鹿げた攻撃を仕掛けさせた。彼らはビーコンの確保すらできないだろうが、彼らの攻撃は死と破壊、分裂を引き起こすだろう。混沌は偽りの女王への反撃に使える

我々の計画は進行中だ

ベールの女王

ボエシアの勇者の称号Boethiah’s Call of Champions

これらの者達は私の大会で優秀な成績を収め、ボエシアの勇者の称号を得たことをここに知らせる!

誠実なアドラサ
美貌のビーリ
体つきの良いフォローリル
不愉快なホルグスタッド
モリダヌス・ドーレス
バトルマスター・ヒアス
your name

ボーセクの懲罰Bhosek’s Punishments

ボーセクから盗みを働く:斬首

ボーセクの女たちに手を触れる:去勢

ボーセクを侮辱する:鞭打ち20回

脱税:水牢

ブラッディフィストを殺す:墓場

ブラッディフィストから盗みをはたらく:両手首から先を切断

海軍に密告する:舌を切断

ヘレインに密告する:船底くぐり

マーラの祠Shrine of Mara

この愛の女神の祭壇で、マーラの指輪を使い愛する人と結婚できる。

マケラ・レキの祠Shrine to Makela Leki

剣聖マケラ・レキの記念。ジョイル王の裏切りに対して、ほぼ単独でバンコライ峠を守った

レキの無私の犠牲により、裏切ったブレトンはセンチネルに辿り着けなかった

ミッデンでより多くを望むか?Want More than Middens?

エルデンの木から落下するガラクタの中に君達が見える。自分が無視されている、無力である、または誰にとっても本当に価値が無いと君達は思っている。

それは「誤り」だ!

友人達よ、名声を得て大いに楽しめる時に、汚物や世に知られていないところで転げまわるのはよせ!小さな野心、少しの苦労、そして多少の情熱さえあれば、汚物から立ち上がり、抜け出して有名になれる。影響力のある者になれるんだ!

アルドメリ・ドミニオンの現首都、エルデンルートの美しい街はタムリエル中から人々を引き寄せている。彼らはエルデンの木に驚嘆し、ヴァレンウッドの木陰を歩き、広大な川で心ゆくまで水浴びをする。そして退屈になるのだ。

友人よ、ここが「君達」の出番だ!

いいか。ドミニオンは戦争中で、紛争と勇敢な行為の話はヴァレンウッドの奥地、ここにも届いている。しかし街に来る者達は、その目で勇敢さを見たいと思うだろう。よってエルデンルートは独自の「剣闘士のアリーナ」を開始する!ヴァレンウッドの心臓は戦士達の心だと訪問者達に披露するのだ!

君達に戦士の心はあるか?観衆の声援を聞いてみたいか?最高の飯を食べて、最高のベッドで寝て、ミッデンで二度と顔を隠す必要がないようにしたいか?では、日の当たるところまで来て、エルデンルートの剣闘士団に参加するのだ!

詳しい情報を知りたければ、エルデンの木で辛辣なミルガーに会え。だが待っていてはだめだ。勇敢な者達の集団は、急速に埋まってきている。

モロウウィンドにお越しください!Morrowind Needs You!

モロウウィンドの偉大なる島、ヴァーデンフェルへいらっしゃいませんか。生ける神トリビュナルと、レッドマウンテンの影に潜む様々な不思議があなたを待っています。ヴィベク・シティからサドリス・モラ、アッシュランド、アズラ海岸まで、ダークエルフの地には興奮させられる冒険と機会が溢れています。

まだ足らない?トリビュナルの神官はデイドラが住み着いた先人の墳墓、アッシュランダーの襲撃者、悪しき信者に乗っ取られた古代の遺跡など、様々な問題に対し、有能な冒険者に助力を求めています。

航海士を見つけて、冒険の旅を始めましょう。モロウウィンドにお越しください!

レドラン家の布告House Redoran Proclamation

名家衛兵隊およびレドラン上級評議会の布告:

シュルク鉱山は閉鎖され、鉱山再開に向けたあらゆる活動は停止された。作業員たちは追って通達があるまで鉱山から離れること。また訪問者はこの一帯を避けることを強く命じる。違反者は罰金か投獄、あるいはその両方を受ける。この対象には、鉱員長ホンドゥルフも含まれる!

行方不明の鉱山労働者たちを探す努力は、可能な限り早急に行われるだろう。

圧政の循環の破壊Breaking the Cycle of Tyranny

アッラ・ラレス 著

カバナントの生意気で未熟な王国が人間の帝国を再建しようとしている。未熟すぎて、帝国とは失敗した実験にすぎず、その時代は終わったということもわからないのだろう。これはニルンの者全員にとっての危機であり、タムリエルはあのような学ばぬ蛮族の存在を許すわけにはいかない。シロディールを揺るがし、世界の破壊を防ごうという我々の努力を脅かしているあの蛮族共の存在を。

エボンハート・パクトは、ダガーフォール・カバナントに暴君の血の手に染まった王朝を建設させはしない。歴史上何度も、人間の軍はタムリエルの辺境から中心部を征服しようと攻め入り、束の間の権力を楽しんだのち必ず不和を生じ衰退した。この有害な循環は今回限りで、永遠に葬り去るべきだ。カバナント軍を倒し、奴らの王を退位させ、反省した後継者を新たなタムリエル・パクトに取り込み、賢者が勝利するべき時だ。

一緒に狩ろうHunt With Me

ウッドエルフ、ハイエルフ、カジート間の同盟は馬鹿げている。分からないか?うまく頭巾を被ったホーヴァーが心の傷から栄養を吸うように、アイレン女王は奪って奪い尽くすだろう。

再びボズマーが狩りをする時間だ。ヴァレンウッドを取り戻す。民のため、ハーシーンのために。そしてその途上で、ハーシーンの祝福を授かるだろう。

-カラハウン

韻文コンテスト!Poetic Verse Contest!

—スカルドの静養所の居住者へ—
詩のコンテストに参加しよう

特賞:200ゴールド
一等賞:100ゴールド
二等賞:50ゴールド

参加料:10ゴールド
観覧料:1ゴールド

栄光のために!For Glory!

冒険者、傭兵、呪文使い、英雄、そして役立たずの諸君!

もっと大きな挑戦に憧れないか?栄光と血のゲームが待ち受けるバトルグラウンドで、ぜひ力を試そう!当ゲームでは戦略と技を競う競技で、最強のチャンピオンを求めている。

詳細は、バトルマスター・リヴィンまで。

英雄よ、来たれ!A Summons of Heroes!

スカイリムの歴史上、最も誉れ高い戦闘集団に加入できる力を持っているか?

— 同胞団では、ノルドの良い戦士を数名募集している。求めているのは抜きん出た勇気と力を持つ者だけだ!

— ふさわしい能力を持っていると自負する者は、ファロウストーンの間でヴィグロッド・レイスベインに会うこと。

— 加入者選出過程は危険である!手足を失い死亡した者もいる。覚悟しておくこと!

王の布告Royal Decree

アイレン女王の布告により、これを以て宮廷魔術師サネッサルモからその地位に付随する全称号、義務、権利を剥奪する。

さらに、ドミニオン市民に対して行った犯罪行為により追放者サネッサルモをサマーセット諸島から追放する。

女王の意志に従い、ドミニオン中心部から1週間以内に離れること。さもなければ極刑を言い渡し、無慈悲な結末を与える。

女王の手によって!

王家の恥A Royal Embarrassment

「憂える一市民」アエミリアヌス・ファルト 著

市民同士、率直に語ることをお許しいただけるだろうか?このバンコライの王家に残っているものが必要を満たさないだろうことは、がく然とするほど明らかだ。王として強い影響力を持っておられた故イーモンド王に文句があるわけではない。ただ、守銭奴のエメリックがフォールンウェイストの名目上の支配権をまんまと(私が知る限り現地に行ったこともない)ファハラジャードに与えるのをお許しになるつもりだったことは残念だ。

しかしイーモンドがいなくなった今、我々はさらに深刻な問題に陥っている。エララ王女の行動は誠実なブレトンの娘というより軽率なウッドエルフのようだし、エイドリアン王子は…彼が賭けごとでこしらえた借金や、古いスパイス入りワインに対する度を越した偏愛について、あなたも耳にしたことがないか?私が聞いた範囲ではすべて事実だ。実のところ、私が知る限りではオークとの間に生まれた私生児がいるという噂すら真実の可能性がある。

アーツェラ女王に関しては、思いやりの気持ちを持ってこう述べるに留めておこう。彼女はピンがそろわない状態でボーリングをしている。間違った指に指抜きをして裁縫をしている。網なしでマッドクラブ捕りをしている。カキの殻の上で、カモの卵と鼻笛と9ポンドの槌を持ってワルツを踊っている。お分かりいただけただろうか?

その結果、我々はどうなっているか。強い指導力を危険なまでに奪われた状態だ。そしてこれはウェイレストからもう1人、頭の悪い輸入品を受け入れようという話ではない。それは確かだ。

では我々はどこへ向かえばよいのだろう?私個人は東のシロディールに目を向けている。遠く女帝ヘストラの時代から、帝国は我々ブレトンが苦境にある時、強い指導者を供給できることを証明してきた。彼らは正しい八大神を崇拝してもいる。いや、気味の悪い長身のパパやマラキャスは謹んでお断りするが。

帝国。考えて見てほしい。きっとあなたも私と同じ意見のはずだ。

我々の伝統への裏切りA Betrayal of Our Heritage

ヌウォーク・アトトラエ 著

リハドの赤の修行僧、「厳格な」ユーセブは何と言っている?「アコス・カサズ家の娘は他の家の不信心者と結婚してはならない」長い間、我々はユーセブの言葉に従ってきた。それにもかかわらず、ここバーガマで何を見ている?尊敬されるクラウンの娘、つまり失われ、惜しまれるアコス・カサズ、ヤス、カネシュから受け継がれる伝統を守る者が、フォアベアー家のろくでなしの息子と結婚する。汚れた血を継ぐ子供を持つなど許されるのか?子供たちはラプトガ、トゥワッカ、そしてサタカルに背を向け、「アーケイ」と「アカトシュ」に偽りの祈りを捧げろと教えられるのか?

そう、「だめだ!」と声を上げて叫ばなければ。先人たちはタムリエルの汚染から伝統を守るため、砂漠の奥深くに行き、バーガマを創設した。ヨクダの文化の神聖さは、我々の聖なる預かりものだ!2千年の間、我々はそれを、アリクルのあらゆるものを浄化する乾燥した地で守ってきた。何世代もの間、伝統を守ってきたというのに、目の前で色あせ、軽視されるのを傍観するのか?

執政官はこの軽率な結婚を認めることを望んでいると言われている。聞かなければ。なぜ彼女はそのような決心をしたのだろうか?そのような未熟な判断をする執政官は、執政官の座に留まってよいものか?

集まれ、隣人たちよ。重大な決定をしなければならない。

奇妙な同盟An Unusual Alliance

教化サピアルチ、シマーリーンのアイカンター 著

滅多に何にも合意できない3国の同盟。世界で最も異なる3つの種族。生存を掛けた戦争中の三国が、ほんの一瞬も互いの差異に折り合いをつけられない。同盟以上だが友人未満だ。

そして、それは変えなければならない。

ドミニオンは多くの側面から攻撃にさらされている。エボンハート・パクトとダガーフォール・カバナントは外から攻撃するが、そうした外部の敵よりも、我々同盟にとってより致命的でより危険な他の敵がいる。

戦時中の絆が強く保たれるのなら、平時にも同盟を結ばなければならない。ボズマーの狩人は兵士だけでなく、一般人にも食料を供給しなければならない。カジートの商人は武器と同じく商品も供給しなければならない。そしてアルトマーの魔術師は戦争の勝利と同様、平和の獲得のために賢くマジカを使わなければならない。

我々の最初の一歩は共同で祝うことだ。同盟の一員ボズマーが、二人の精神的指導者、シルヴェナールとグリーンレディの結婚により神々との協定を新たにする。アルドメリ・ドミニオンの全員にこの結婚を知らせ、続く騒ぎに参加させよう。

シルヴェナール、グリーンレディ、ボズマーの人々のご多幸を祈る。この新しい世代が、戦時と同じく平時の力も理解しますように。

巨人の警告Giant Warning

立入禁止!

巨人が危険になるのは、刺激をした場合のみである。炎祭りの大失敗を繰り返したくはない。

警告—港は危険Warning—Docks Unsafe

リフテン市議会は、街の港が危険であると宣言した。漁師が港から失踪するという報告が珍しくなくなってきている。目撃者によると、被害者は不明な何者かによって波の下へと引きずり込まれたという。

港の使用は自己責任で!

—リフテン市議会

警告:赤のデュガンWarning: Dugan the Red

赤のデュガンとして知られる重犯罪者が、最近イラヤス遺跡の近くで目撃された

近辺を旅行する場合、残虐な殺人者によって無残な死体とならないためにも、イラヤス遺跡の旅の祠より北へは行かないように

—クララルダ隊長
サルモールの鉄拳、ヴェリン港支隊

警告:地下墓地に侵入者あり!Warning: Catacombs Infested!

この地下墓地に足を踏み入れる哀れな冒険者に注意を喚起する!

ゴブリンがここにいる理由は分からなかったが、とにかく奴らがこの神聖な地を制圧している。近付かない方がいい。この蛮人どもは無情だ。私は命からがら地下墓地を脱出した!

警告と提案A Warning and an Offer

こんにちは、旅人よ。

耳を傾けてくれることを願ってこの警告を貼っておく。この遺跡は大勢の危険なデイドラとその信者によって占領されている。十分な装備と準備がない場合は入らないように。

ただし、洞窟に入るのであれば、何か価値のあるものがないか見てきてほしい。私が手に入れられなかった秘宝を回収してきてくれたら報酬を出そう。ナルシスの近くのデイドラの遺跡で待っている。

—学者アラリヨン

研究所の警告:気をつけて!Laboratory Warning: Be Careful!

自分の行動に注意を払え、愚か者ども!スクゥーマに混ぜるこの液体は燃えやすいんだ。

絶対に瓶を割るな。火の手が上がれば、研究所そのものを失いかねない。

—ラクハッド

研究助手求むResearch Assistant Wanted

アイレイドの遺跡、アイレイドの井戸の不思議な特性の調査を手伝ってくれる、腕のいい人材募集中。

レッドファー交易所からの主要道路の北側にある、ワームルートの深部の外にあるキャンプにて面接。

戦闘能力必須。

—学者、アルシムバートのダンテーンII世

古いチラシOld Handbill

圧倒的な戦いの舞台!

様々な挑戦者と戦う、ハンマーデスの無敵のチャンピオン達を見逃すな!戦争でアリーナが閉鎖される前に、その力を目に焼き付けろ!

スパイデラはその毒と糸で30勝以上を達成。賢い男であれば、新たな犠牲者が巣に引き込まれる前に彼女に賭けろ。

つい最近までオークの兵士だったワイルド・カランは、容赦なく人間とエルフを切り刻む。この熟練の猛獣が負ける方に賭けるのは愚か者だけだ。

美しきファティマを紹介しよう。珍しいレッドガードの魔女で、砂漠の蛇のように危険だ。彼女を倒さんとする挑戦者は現れるのだろうか?

雇われ問題解決屋Problem Solver For Hire!

何かお困りですか?私はライアン・ディエル。問題解決屋です。死体、血痕、または消し去りたい不都合な証拠などございましたら、私がお役に立ちます。

素早く夜逃げしたい?こちらの身元を知られずに、誰かを呪いにかけたい?即効性の毒がほしい?私にご相談を。どんなことでもディエルにお任せください。

「素早く、徹底的に、きれいに」が私のモットーです。あなたはただ座ってリラックスしてください。面倒なことはプロに任せましょう。

荒野を安全にして、金を稼げMake the Wilds Safer, Earn Gold

リーパーズ・マーチの大物狙いの狩人たちへ。皆に大金と名誉を手にする機会を与えましょう!昔のように、賞金を提示したい。対象はセンチタイガーの牙よ!センチタイガーの牙を25本以上持って来て。そうすれば大金を払うわ!マーチ中の酒場で、吟遊詩人達があなたの名前を口にするようになるでしょう。ラウル・ハにある戦士ギルドの酒場で私を探して!すぐにお金が手に入るわよ!

-狩人兼慈善家、豪胆なパンレス

行動を求む!A Call to Action!

北の洞窟群がゴブリンの巣窟になっている。奴らは夜な夜な街に忍び込んでは、食べものをくすね、家畜をさらい、あまつさえ市民までかどかわしていく。

不浄なゴブリンどもを退治してくれれば、報酬をはずもう!

近々ボーセク首長から、賞金が提示されるだろう。ゴブリンを倒して金持ちになるチャンスだぞ!

追記:ボーセク首長に賞金のことは訊ねないでほしい。準備が整い次第、こちらから発表する。

-書記ニコラード

〈告知の下に落書きがされている〉

何年もゴブリンを退治してるが、金が支払われた試しはない。請求なんかしてみろ、指を切り落とされちまうぞ!

鉱山の安全装置の規制Mine Safety Regulations

— 支柱の木材の幅は、少なくとも手を開いた幅以上であること。

— 鉱山のシャフトは3ペースごとに支柱を使うこと。

— 鉱山のシャフトは幅3ペース以下、高さ2ペース以下にすること。

— 鉱山の地下空間は、天井を支える岩柱の間が5ペース以上になるようには掘らないこと。

— 叫び声など大きな音を立てないこと。

— 走ったり馬鹿騒ぎをしないこと。

— トロッコで競争しないこと。

鉱山作業長の命令Mine Foreman’s Orders

鉱山での失踪事件について何を聞いていようが、知ったことじゃない。ひどい嵐になると枝のように折れちまう、きゃしゃなウッドエルフみたいにおびえるな。ウッドエルフの策略だ。

仕事を続けろ。さもないとぶちのめされるぞ。ぶちのめされても働かなければ、クラン全員の前で屈辱を味わう羽目になる。

婚約の儀の間の外交Diplomacy during the Handfasting

インデニールとグワエリング、つまり新たなシルヴェナールとグリーンレディの結婚は、ボズマーにとって重要な出来事であり、それはアルドメリ・ドミニオンにとっても同様である。

マラバル・トール全土が不穏な空気に包まれている現在、女王の大使達がボズマーとの関係の築き方を理解しておくことは重要である。

以下の情報は、名高いアルトマーの作者、シランティレの書いた「ボズマーの伝統と風習」を元に構成したものである。

彼らの伝説によればボズマーは、かつては(今とは全く違い)野性的な上に獰猛で、思いのままに姿を変えることができたと言われている。さらなる文明化を望んだ彼らは、イフレと取引を行い、(彼らの考える)より洗練された理性を手に入れる代わりに変身する力を失ったとされている。

このグリーンパクトは彼らの生活のあらゆる面に影響を及ぼした。彼らは非常に儀式主義的になり、その儀式は…他の文明を築いてきた…人々にとっては風変わりに見えると思うが、これはウッドエルフが獰猛な性質を取り戻さないようにするために行っているのである。

彼らの最も重要な儀式の一つが婚約の儀である。1世代に一度だけ執り行われ、重要な3人の指導者達のうちの2人が選定されて結婚する(3人目はウッドエルフのカモラン王か女王になる)。

この2人を選ぶ方法はボズマー以外に知られていないが、婚約の儀はグリーンレディとシルヴェナールを一つにするための儀式なのである。

シルヴェナールはボズマーの精神的指導者であり、全ボズマーに多大な啓蒙的影響を与えている。彼のことをグリーンパクトが具現化された者だと言う者もいれば、単純に力強い神秘的存在であると考える者もいる。

シルヴェナールになったボズマーは、自分達の住んでいる土地とその人々に関する深い知識を得る。

その一方でグリーンレディは純粋な自然の力である。彼女はボズマーの肉体的特徴の象徴で、いわばボズマーの狩人であり、戦士であり、今にも暴走しそうな拳でもある。

ただし彼女が野蛮さを求めていると勘違いしてはならない!グリーンレディは祖先達の戦術的な身のこなしを受け継いでいる。彼女を本当の獣に変えることができるのは、彼女のシルヴェナールの死だけである…一部の不運な者はそれをケナーシ島で目撃した。生存者がいたとしたら、それは奇跡である。

婚約の義については、ボズマーのように真剣に取り組めば問題ないと思われる。出された食事を(文句を言わずに)食べればいいが、酒は控えめにすべきである。彼らの儀式の飲み物である「ロトメス」を大量に飲めば、どんなに酒に強くてもボズマー以外は胃をやられてしまうだろう。

できることなら衝突は避けるべきだが、式典の最中ちょっとした小競り合いは避けられないだろう。というよりも、そうなると考えておくべきである。

獅子の守護団団員募集The Lion Guard Wants You!

市民よ、ごきげんよう。我々は獅子の守護団、ダガーフォール・カバナントに仕える最精鋭の戦闘部隊だ。新入団員を募集する!

冒険や刺激を求めていないか?ダガーフォール・カバナントのリーダーである上級王エメリックを護衛したくはないか?ならば輝かしい獅子の守護団に入団せよ!

我々は陛下の命令により、この地を守るためハイロック全土に配備されている。我々はカバナントの力に挑戦し、市民を脅かす者全員に立ち向かう。

獅子の守護団の一員となるにふさわしい資質を持っているか?勇敢さと強さを持ち合わせているか?絶え間なく変わる状況に対処しながら、指令に従うことを厭わないか?大義を果たすために、掛け替えのない人物となれる技術と能力を備えているか?高い評判を持った良家の出であるか?まあ、それは我々が判断しよう!

本日、獅子の守護団の募集係の所に来たれ!

歯と金の交換!Gold for Teeth!

ハグ沼のクロコダイルを排除しろ

旅行者のために沼の安全を確保する手伝いをしてほしい。ハグ沼に潜むこの牙の獣を始末して金を手に入れろ。金はクロコダイルの牙と引き替えだ!

クロコダイルを殺した証拠を次の金耀までに、ディウンナース遺跡の近くのキャンプにいるハントマスター、ホスター・マルソーに届けてくれ。

他の動物の牙は受け付けていない。そんなことをすれば痛い目を見ることになるぞ。

ただし、この依頼のせいで手足を失うことになったとしても、ハントマスターは一切責任を負わないものとする。

市民からのご意見及びご要望についてResponse to Citizen Inquiries


情報募集中

治療を受けにいらっしゃい!Come for the Cure!

皆さん、いらっしゃい!セルカモラの村にある隔離所セルクへお越しください。ロドス病からあなたを守る治療薬をお渡しします。

貴族から庶民、裕福な方から貧しい方まで、治療薬は誰にでも無料でお渡しします。あなたやあなたの愛する人を病の危険から守りましょう。モールボーンは皆さまの手助けをいたします。すでに疫病に感染している方、健康な方、病気の兆しはまったく無い方でも、モールボーンの治療薬はこの恐ろしい病から皆さんを確実にお守りします。

名家はこの疫病を止めることはできません。トリビュナルは答えてくれません。けれどもモールボーンには解決策があるのです。

必ず効果があるとお約束いたします。

—秘薬師ブレヴァ

自由なアルゴニアンの宣言A Free Argonian’s Manifesto

おのれの運命の主人でいること、すなわち自分自身の望みに従って生きて死んでゆくことは、生きとし生けるものの権利であり義務である。奴隷制度は非道な重荷に縛られた人々からこの選択肢を奪い去り、彼らの意思決定能力を所有者に渡してしまう邪悪な所業である。

これは公正でも正当でもなく、場所や時を問わず、可能な限り激しく抵抗されるべきものである。何もせずに他者が奴隷にされていることを容認している者はみな、鞭を鳴らして服従を強いる者と同類である。

何世代にもわたって、ダークエルフは我々の種族を奴隷とし、中には孵化から墓場までエルフの支配を受けた者もいた。この期間、ノルドは我々を助けなかった。いわゆるパクトも過去の罪を償っていない。それどころか、もはや奴隷ではないのだから喜べと、我々は言われ続けてきた。

賠償など論外だと、我々は言われ続けてきた。だが一匹のグアルでさえ、長い間蹴られ続ければ噛みつくものだ。

我々の数世代に渡る苦しみに相応する補償を受けることについて、パクトが手助けせずとも、別の者達が手を差し伸べるであろう。ヴァラクンは主人のために力を探すだけでなく、彼らに仕える者に力を与える。彼らの予言を通じて、私は奴隷として死んでいった者達の仇を討つだろう。彼らを苦しめた者達をアンデッドの奴隷として呼び起こし、死したまま永遠に我がもとで働かせてやろう

蒔種の月の26日がやって来る!The 26th of First Seed is Upon Us!

意味はご存知ですね。刀剣の祭りを!

マルークの群れを堂々と打ち負かしたことを祝いましょう。ここ砂の姉妹で、コックの包丁はいつでもお祭り気分です!私たちの5ドレイクの夕食コースでは、次のようなお祝い用の料理が出ます!

・スカトルのフォンデュ、砂地の雑草のクルトン添え

・山羊飼いとマトン羊肉のパイ、レッドマッシュルームとマムシの燻製の付け合わせ

・スケイスクローの土台に乗せたホーカーのローフ

・ぐいっと流し込めるゴールドコースト・マスカットの瓶

・子供用のキャラメルヤギのおつまみ!

以上です。また、これだけあっても彫像の分割のため通りに出るには、十分な時間が残ることをお約束します!

お客様の席の数は限られているため、時間も迫っていますので、遅くなる前に予約をお願いします!

家に閉じこもり、家族にマウンテン・ジャーキーや固くなったヒキガエルのマフィンのような、刀剣の祭りらしくないものしか用意できないのは望んでいませんよね

それでは、お待ちしております!

借り手募集中!Seeking Tenant!

あなたは評判の良い冒険家か?低~中程度の暴力的な傾向がある?自宅と呼べる居心地の良い家を探しているが、資金が足りない?

無料の宿屋の部屋を探していないか?そう、完全に無料だ!何の裏もない!地元の宿屋でフェランデ・デマリエを探して、この素晴らしい所有の機会についてもっと聞こう!

手を触れないようにHands Off

上階にいる原初の魔術師全員に告知する…エセリアル・オーブにみだりに触れてはならない。

学びし者はそれを、宇宙のエキスがこの領域を引き裂いてしまわないように作った。オーブを除去すると死の危険や、あるいはもっと恐ろしいことが起こるかも知れない。プラナーを越えて作用する力は、定命の者の生理機能を破壊することで知られている。

手順リストList of Instructions

-警告-

水晶の塔の錬金術棟で、ヒストの樹液を抽出するための装置が莫大な費用をかけて開発された。これらの抽出装置を紛失したり損なったりした代償は、当該チームの俸給から天引きされることになる。

あらかじめ警告しておくが、ヒストの樹液はなんら手を加えていない状態で、好ましくない特性をいくつもそなえている。肌につけたり、香りを嗅いだりすることは避けるように。ましてや飲むなどというのは、いかなる条件下だろうとすべきではない。

未処理のヒストの樹液が持つ奇妙な効果については、何人かが体験済みだ。この液体を無断で使用すれば、チームの全員が鞭打ちを受けることになる。チームとして、最も心の弱いメンバーを抑えるだけの能力がないことを露呈したからだ。

そのうえで、直接の違反者は沼地に数ある淀んだ池の1つに少なくとも6時間は浸かりながら、おのれの浅慮を後悔することになるだろう。

-正しい使用法-

装置がヒストの樹液を適量抽出したら、以下の指示に従うこと:

1.てのひら3杯分のジャイアントワスプの幼虫をどろどろに溶かす。
2.それをリネンの布きれにたっぷり塗りつける。
3.出来上がった湿布剤で要るだけのヒストを包む。
4.ヒストの樹液1瓶を加える。

効果はただちに現れる。

-錬金術師ルーヴィタル

手配:スゴラグWanted: Sgolag

評判の悪いオーク、スゴラグには正義の審判が下されるべきだ。この悪党は有名な犯罪者で、殺人、強盗、そして市民を拉致して奴隷として売り飛ばすなどの数えきれない犯罪行為において有罪である。

噂では、スゴラグはモバール鉱山の近くにいるらしい。サルモールは、奴の首を持ち帰った者に充分な報酬を与える。

—クリナイレ

手配:テルビュー・サドリWANTED: Tervur Sadri

テルビュー・サドリは、セロス家のマスター・セロスの殺人容疑で指名手配されている。

彼は武装した危険人物であると考えられる。

テルビュー・サドリが最後に目撃されたのは東デシャーンだ。

テルビュー・サドリの居所に関するいかなる情報も、ネルヴィナ・セロスへ与えられるべし。

手配:ニムリアン、あるいは長き牙Wanted: Nimriian the Longfang

これを読んでいる全員に伝える。月の聖職者は、「ニムリアン」あるいは「長き牙」と呼ばれる女の首に賞金をかけた。昨年、黒い心を持った教団の女性支配者は、感化されやすい僻地の若者たちを集めていた。そして今はリーパーズ・マーチで教団と山賊の一団を操っている。

教団はハーシーンの教えに従っており、ライカンスロープかウェアウルフとして知られている。彼らはハーシーンの呪いを祝福だと見ており、マーチの人々にその考えを広めようとしている。

賞金目当てに彼女を探す気なら、柳の森の東にある嘆きの風の洞窟を探すといい。その村の住民たちには、夜間外出しないように警告している。これを読んでいる者も、注意するように。

手配:族長Wanted: The Chief

死体求む!

「族長」を自称する山賊

エボンハート・パクトの人々に対する以下の罪で指名手配する:
—殺人
—強盗
—家畜に対する侵害
—貴婦人に対する無礼

「族長」の首(体は任意)に対して報酬を支払う

最寄りのパクト係官のところへ所持されたし

情報が古くなったドミニオンの新聞Outdated Dominion Broadsheet

ケナーシズルーストの善良な市民たちよ!

諸君もこのすばらしい島のサルモールの代表者たちにはもう気がついているだろう。アルドメリ・ドミニオンの代理人は、明るい未来の前触れである!

ドミニオン海軍の誇りである壮麗な金色の艦隊もすぐにミストラルの自由港に入り、長期にわたって食料を補給してくれるだろう!

宿の主人よ、ベッドの用意を!商人よ、3倍の在庫の確保を!多数のドミニオン兵が長期休暇中に金をばらまく!

繁栄を!安泰を!調和を!

情報への報酬:シルヴェナールReward for Information: Silvenar

シルヴェナールの人々へ

皆の生活が崩壊し、皆の式典が中止され、皆が命の危機にある。私、ウルソーンは、この混乱の中で果たすべき役割を理解している。だが我々は戦争の最中にあるのだ!

我々は自分達のために戦わなければならない。アルドメリ・ドミニオンはエルデンルートから我々を支配し、我々の指導者を排除し、我々の神聖なる儀式を汚そうとしている。ドミニオンは前グリーンレディとシルヴェナールの協力を得るために、彼らをケナーシズルーストに「招待」した。彼らの死は一人のアルトマーが原因だった。なぜそんなことが起きたのだろうか?彼らがドミニオンの息が掛かった人形達と入れ替えられてしまったからだ!

新しいグリーンレディであるグワエリングはドミニオンに騙された。だがシルヴェナールの現在の「候補者」であるインデニールはドミニオンと協力関係にある、彼が街に現れれば、我々は破滅するだろう!

証拠はいたるところにある。ヴェリン港でそうしたように、本当のシルヴェナールが道半ばでグリーンレディを見捨てるだろうか?自分の名を持つ街には駆けつけずに、ジャスソグルに寄り、ウッドオーク達と協定を結ぶだろうか?グリーンレディがすでに到着して待っているのに、婚約の儀に来るのをためらうだろうか?ありえない!

ドミニオンの偽りのシルヴェナールはマラバル・トールに身を潜めている。彼はこの街に入る方法を探しているのだ。だが見つからないだろう。インデニールに協力している裏切者や、偽りのシルヴェナールを見つけた者は、私の寵愛を勝ち取り、全ボズマーから報酬を得られるだろう。

— ウルソーン

新しいアルドマー非正規軍にようこそWelcome to New Aldmeri Irregulars

教化サピアルチ、シマーリーンのアイカンター 著

アルトマー、ボズマー、カジートの戦士たち、ようこそ。ようこそアルドマー非正規軍の精鋭集団へ!

オーク、ダークエルフ、そして人間、中でも人間は戦争が得意だ。彼らはタムリエル本土を血の川で濡らした。彼らの愚行が殺し合いに限られるかぎり、いわゆる「帝都」とその周辺で彼らが行ったことはサマーセットのアルトマーの関知するところではなかった。

その時ドラゴンブレイクがあった。あの大災害はすべて人間の過ちだったが、アルトマーが修復しなければならなかった。今、帝国の人間は再び悲惨な失敗をして、ニルンのすべてが危機的状況にある。我らが良き女王はシロディールを征服し、ニルンの住民全員の利を考え、人間が二度と自分の理解と能力を超えた力へ手を出さないようにするため、アルドメリ・ドミニオンを結成するしかなかった。

アルドマー、ハイエルフと彼らの貴い仲間、ウッドエルフと猫人間にだけは、知恵とタムリエルの異なる人々を平和に支配する節度がある。我らはこの重責を担いたいわけではないが、起きた出来事の数々を見ればやらなければならない。最近の出来事は、ドラゴンブレイクが独立した事象ではなかったと示している。人間はいつも彼らの守護者であり擁護者であり、我々がその名を呼ぶべきでない不在の神による破壊の道を進んでいる。もう終わりだ。再びエルフがタムリエルを、白金の塔から支配するべきだ…今度は永遠に。

世界は誤った方向に進んでしまった、そして我らが正さなければならない。アルドメリ・ドミニオンの誇り高き鷲の旗の下で、誇りを持って行進しよう!

人口調査の要請Call for Census

市長の指令:

すべてのサウスポイント市民は緊急の一斉調査に参加するように。参加しない者は市民権が取り消され、すべての財産権が無効になる!

すべての世帯主は点呼のため大聖堂まで報告するように。子供がいる世帯は第一子を連れてくること。

聖ステンタルSaint Stental

「聖者が跳ねる者を倒す」

第二紀388年 南中の月10日、オーバールック・ヒルの悪魔を殺し、キナレスの姉妹3人を残酷な運命から救った聖ステンタルを称える

聖なる器The Holy Vessel

聖なる器を扱うときは細心の注意を払わなければならない。聖堂の中でも最も重要な遺物で、そもそも聖堂はそのために存在している。聖ヴェロスはヴェロスの審判という槌を操ることで有名だが、それだけではなくこの聖なる器も所有していた。彼が祝福を与えた他の多くの物と同様、この器にも治癒能力が宿っている。しかし他にも、様々な興味深い魔法特性を持っている。残念ながら壊れないという能力は備わっていない。

タイディン・アーサラン

造船所の労働者に警告する!Shipyard Workers, Take Warning!

密偵はどこにでもいる!

建造している船は、三重に祝福されたダガーフォール・カバナントの同盟のためのものであるが、エボンハート・パクトとアルドメリ・ドミニオンの工作員が偵察している可能性がある。いかなる時であっても。

破壊活動家に注意せよ!

建造中の船は、破壊工作、特に火によるものに弱い。特に、夜に実行される可能性がある。怪しげな行動を警戒せよ。

警告:細心の注意を払って密偵を阻止せよ!

注意:街の地下の悪漢についてBEWARE: Undercity Ruffians

ウェイレスト衛兵より全市民に以下の警告を発する:

街の地下の下水道を通り抜けるために不審な行動をしている、複数の重武装の人物の存在を街の巡回部隊が確認した。ウェイレスト衛兵はこの人物に容疑を掛けている。下水道の中または周辺で不審な行動を目撃した市民は、必ずウェイレスト衛兵に通報するように。

注意:誓いの仕事Notice: Pledge Duties

注意せよ、酔っ払いども

お気に入りの戦場の誓いを誰が提供するか思い出させることは、一部の者にとって暴れ回るより難しいようだ。二日酔いや頭の傷で苦しんでいる場合に備えて伝えるが、誓いの提供者は現在このようになっている。

マジ・アルラガス:
追放者の監房
ダークシェイド洞窟
エルデン洞穴
フンガル洞窟
スピンドルクラッチ
ウェイレスト下水道

赤髭グリリオン:
アークス・コリニウム
ブラックハート・ヘヴン
聖なるるつぼ
灰の街
ハーツ墓地
ダイアフロスト砦
セレーンの巣
テンペスト島
狂気の地下室
ヴォレンフェル

族長殺しのウルガルラグ:
影の揺りかご
帝都監獄
マザッタン遺跡
白金の塔
ブラッドルート・フォージ
ファルクリース要塞
牙の巣
スケイルコーラー・ピーク

長き牙へ賞金をかけた!Reward for Longfang!

大胆な狩人求む!

飛び抜けて勇敢な者だけの志願を求む!

恐るべき長き牙を殺した者に報酬が与えられる。この生き物は、不潔な仲間たちとともに首折り洞窟に生息している。

長き牙の甲羅をセラタス市長に届ければ、たっぷりと報酬が与えられる!

通り抜け禁止No Passing Through Here

「巨人による粉砕」を近道として使わないこと。不注意だったばかりに頭を巨人につぶされたと、遺族に説明の手紙を書くのにはもううんざりだ。とにかく山の周りを歩け。いい運動になる。

通知:死者の間Notice: Hall of the Dead

オーキーの司祭は神々への聖なる勤めの一部としてここにいる。あなたの日を慰め、癒し、あるいは明るくするためではない。アンデッドが安眠の地から起き上がったら、死者の間にいる間、自分の安全に対するすべてのリスクと責任は自身で引き受けること。司祭にはあなた自身の愚行から、あなたを救う義務はない

– ヒュリング

通知:新たな労働条件Notice: New Working Conditions

すべての労働者に伝えます!ただちに休憩時間を短縮します。以前の15分ではなく10分とします。これは、生産性が先月の指示で示した水準に戻るまで有効なものとします

この変更を非難できるのはあなたたち自身だけです。ここリーパーズ・マーチで困難に直面している今、協力して懸命に働いて生き残れるかは、私たち全員に掛かっています。この指示に、全面的に喜んで協力してくれると信じています!

感謝をこめて

クーナ

敵についてOn Our Enemies

ダガーフォール・カバナントの仲間たちは力強く、多様性に富んだ集団だ。互いの違いこそが我々の強みであり、足りない部分を補い合っている。これは、我々以外のタムリエルの諸種族には当てはまらない特性と言える。

エルフ

アルドメリ・ドミニオンで「劣等」種族を支配しているハイエルフは、疑いなくエルフ族のなかで最も傲慢な種族である。その一事をもってしても、多くが知れようというもの。なにしろ彼らはあろうことか、自分たちがエドラの直系の子孫だと信じているのである!実質的にウッドエルフとカジートを支配しつつ、彼らに名ばかりの地位を与えることで、不満が爆発しないようにしている。自分たちに従わない者には過酷な刑罰を科しているというもっぱらの噂だが、反体制派はたちまち行方不明になってしまうので、裏付けはとれない。

ウッドエルフは人肉食の風習さえ続けさせてもらえるなら、喜んでハイエルフに服従しようという野蛮な種族である。彼らは敵の肉を喰らうだけでは飽き足らず、同じウッドエルフ同士で共食いにおよぶ。彼らはまたヴァレンウッドの木々を崇めており、そうした木々を伐り倒すことも、そこに棲む動物に危害を加えることも拒んでいる。まったく呆れた連中ではないか?

モロウウィンドに住むダークエルフはハイエルフに負けず劣らずたちが悪い。彼らを統べるトリビュナルは、自分たちが偉大な力と永遠の生命を持つ「生ける神々」だと下々に思い込ませている。こうした高齢の魔術師たちは、ダークエルフの祖先が実践していた信仰の一部として「善のデイドラ」と呼ばれたものを公然と模倣している。

獣族

カジートはエルスウェアの「猫族」だ。彼らについてはとかくの噂が絶えないが、それらはどれも間違いなく事実である。カジートには盗人と中毒者しかいない。大半はムーンシュガーから抽出した中毒性物質を大量に消費することに現を抜かしている。盗みが彼らの第二の天性なのは、それによって中毒生活を維持している場合が少なくないからだ。

アルゴニアンはブラック・マーシュの「トカゲ族」だ。彼らの文化については、いくつかの噂と数多くの風説を除けばほとんど知られていない。ただ、彼らが自分たちをブラック・マーシュに生息する木々から生まれたと信じていることは有名だ。沼地で生まれ育つ彼らは、そこで見つかるさまざまな毒物に対する耐性を有する。ブラック・マーシュの文化は、他の種族の基準に照らせば原始的と言える。

人間

ノルドは北方に住む頑健な人々だ。スカイリムを本拠とするこの蛮族は、戦争と征服を生きがいとし、外部と戦っていないときには内輪もめに精を出す。非常に賢い人々とは言えず、スカイリムの薄い空気が彼らの知的能力の成長を阻害しているように思われる。

シロディール人は狡猾で無慈悲な人々だ。シロディールが大陸の中央に位置することから、彼らはタムリエルのあらゆる種族と接触があり、そのおかげで交易と外交に熟達した。また、彼らが雄弁で裏技に通じた非常に抜け目のない人々であるのも、地政学的要因の賜物と言える。彼らは自分たちに支配者たるべき資格があると感じている。ダガーフォール・カバナントに仇なすすべての敵のなかで、最も危険なのがシロディール人である。

鉄の誓いOur Ironclad Oath

オースバウンドの兄弟姉妹たちよ、我らの誓いを忘れるな!我らの輝かしき首領が結んだ協定を満足させるため、邪悪なエルフたちの首を獲れ!

当局への通知Notice to Authorities

すべての行政機関へ告ぐ:

ハドランのキャラバンの居住者および訪問者は「自由な市民」として、あなた方の息苦しい社会規範を拒絶する。

このキャラバンの市民を退去させようと試みる者は誰であれ、その違法にして非道徳的な行為の「重大な帰結」に向き合うことになる。

リーパーズ・マーチはすべての民族と生物種にとっての自由な地である。我々はたてがみの追従者や、神と呼ばれるものへの精神的奴隷に唾を吐きかける。我々は「いかなる」王、女王、皇帝、女帝、同盟あるいは権威主義者からの抑圧的な恩恵も拒絶する!

この地は選ばれた少数者ではなく、大多数の人々のものである!

破壊者レイニルReynir the Destroyer

ウィンドヘルム地下の墓地に挑もうとする者に警告する

ここに住むのは偉大な戦士、サールザルのレイニルがドラウグルとなった残滓だ。彼は涙の夜を生き残り、500人の同胞団と共にイスグラモルの息子、ユルガーの指揮する船に乗り、メレスへ航海したという 。

ドラウグルはレイニアの知性的な外見を維持しているが、人間らしさは不死の狂気に呑みこまれた。残った生き物は誇り高きノルドではない。他人の苦しみを喜びとする唾棄すべきアンデッドだ。

分かるのは憎しみと復讐だけ。彼の眠りを邪魔するな。

避難所Sheltered

この場所は完璧な技を探求する者の避難所である

必要なものを取り、その見返りとして生け贄を捧げなさい

コオム・アレゼリ!

避難命令Evacuation Order

ホワイトローズ牢獄からの引き揚げのため、衛兵は全員荷物をまとめて夜明けに中庭へ集合すること。我々は首都のさらなる安全対策のため、故郷に戻る

囚人については心配要らない。彼らをここに縛りつけるキーストーンのおかげで、どこへも行かない。装備と持ち物をまとめ、夜明けに旅する準備をするように。明日我々は、シロディールへ向けて出発する

管理責任者 ポルシウス・シセンナ

必要なことを成すべきだTo Do What is Needed

自分の村や街が燃やされたら傍観するのか?ならばモロウウィンドが苦しんでいるのになぜ何もしない?トリビュナルは忙しすぎて正義を行なえないのかもしれないが、我々は違う。モールボーンは貧者を助け弱者を守りたいダークエルフの同志が集う団体で、あまりにも日常的、あまりにも瑣末、あるいはあまりにも困難なため、トリビュナルやその代弁者の注意を引けない問題を扱うために結成された

我々には市民に蔓延するロドス病に対抗する計画がある。我々には街を恐怖に陥れている疫病ハスクに対する計画がある。我々には計画があり、それは名家やトリビュナルの話よりも現実的だ。しかし君たちの助けなくして計画の成就は叶わない。モールボーンに参加し、解決策の一部となってほしい。我々の有志は既にセルク、オブシディアン・ゴージ、ナルシスの荒野といった、さまざまな場所で効果を上げている。我々の重要な仕事を君たちが助けてくれるならうれしい

モールボーンとは何者か?我々は君たちの友人であり隣人だ。君たちの親類だ。君たちの息子であり娘だ。我々は大きくなる嵐、正義の強力な実践だ。我々はまもなくモロウウィンド全体に吹く浄化の風だ。我々は治癒師であり魔術師で、戦士であり介護士だ。我々はモールボーン、そして我々は君たちだ

さあ、違いを見せよう。来たれモールボーンへ

採用担当が君たちとの出会いを待っている

不動産販売中Homes for Sale!

この戦争と争いの時代は、自分の家を買う絶好のチャンスです!平民から商人王まで、タムリエルの隅々で、賃貸か購入で手に入れられる家がたくさんあります。

我々の信頼するエージェントが、いつでも未来のお客様であるあなたをお待ちしています。家を手に入れる、素晴らしい機会についてお話ししましょう。あなたの地元の金融機関に立ち寄って、フェランデ・デマリエをお探しください。無料で相談を受け付けています!

富への招待An Invitation to Wealth

多くの人はエボンハート・パクトを我々に平和をもたらす力だと話してきた。アルドメリ・ドミニオンやダガーフォール・カバナント、そしてその他の新興勢力に対抗する戦力だと。

今日は、エボンハート・パクトを富のための力だと考えてもらいたい!

今までブラック・マーシュは、アルゴニアンの奴隷取引を除いて、おおむね商業に対して閉ざされたままだった。住民は敵と決して取引しようとしなかった。しかしシャドウフェンはマーシュの他の場所よりもわずかに発展している。シャドウフェンこそが裕福になるための入口なのだ!

ほんの僅かな手数料で、私はあなたの商品をシャドウフェンへ運びアルゴニアンに売る。彼らはそれほど素晴らしい商品を持たない人々だが、あなたのダンマーの顧客に比べて鈍い訳でも物欲に欠ける訳でもない。我々のシルクや鋼にアルゴニアンは列をなすだろう。潜在需要は計測不可能といっていい

今日、あなたの商品を私に渡せば、明日はゴールドをあなたに渡そう!

冒険へのいざない!Call to Adventure!

想像を超えた富を!

勇敢な英雄を求む。富があなたを待っている!

探検隊は近いうち出発するため、早急にドレイクロウ砦まで来るように。我らはかの地を汚す邪悪な生き物たちと戦うため、ノルナルの遺跡へ向かう。古代の扉の向こうでは、膨大な宝が勇敢なる者を待ち受けていると言われている!

誘拐!KIDNAPPING!

センチネルのあらゆる知識を知る歴史と伝承の学者、尊敬されしパルディーンが路上で連れ去られた!彼の居場所を知っている者は、できる限り早急に法を守らせる者へと通報するように。

利用可能な住居総覧Anthology of Available Abodes

タムリエルで売買される土地や不動産価格についてここに詳述しました。このようなガイドなしで不動産を探すことは大変な誤りです。私の仕事は、皆様から重荷を取り除きます!

倹約する場合は、しっかりした宿の部屋を購入することもできます。この3件は最近市場に出たものです。上質な最初の家となるでしょう:

パブ〈マーラの口づけ〉(バルケルガード、オーリドン)
酔いどれライオン(ダガーフォール、グレナンブラ)
宿屋〈黒檀のフラスコ〉の部屋(エボンハート、ストンフォール)
聖デリン・ペントハウス (ヴィベク、ヴァーデンフェル)

もしお金に余裕ができたら、下記のアパートがお勧めです。放浪者から尊敬される市民へと変わりたい方向けに、より大きなアパートがあります。下記をご覧ください:

〈バーブド・フック〉の個室(スカイウォッチ、オーリドン)
アパート〈砂の姉妹〉(センチネル、アリクル砂漠)
〈フラミング・ニックス〉の豪華な屋根裏部屋(モーンホールド、デシャーン)

下記の不動産は真剣な購入者限定です。どんな親戚がいようと、信用状は利用できません。

ヴィラ〈ブラックヴァイン〉(マラバル・トール)
ハンブルマッド(バル・フォイエン)
スナグポッド(グラーウッド)
マルゴー船長の住まい(グレナンブラ)
クラゲンホーム(ストンフォール)
シロディール風ジャングルハウス(マラバル・トール)
ムーンマースの家(ケナーシズルースト)
オータムゲイト(リフト)
ハンマーデスのバンガロー(ストームヘヴン)
ツインアーチ(バンコライ)

より志が高く、所持品が多い方は、下記の不動産をお試しください:

クリフシェイド(グリーンシェイド)
広大な居住地(シャドウフェン)
隠れ家〈巨石と木〉(グリーンシェイド)
レイヴンハースト(リベンスパイアー)
ヴェロシの夢城(デシャーン)
フラスティクスの家屋(クラグローン)
滑らかな小川の家(リーパーズ・マーチ)
グリムハースの悲痛(イーストマーチ)
モウルノス砦(バンコライ)
〈静謐なる栄光〉(アリクル砂漠)
アルド・ヴェロシのハーバーハウス(ヴァーデンフェル)

貴族やそれに準じる方は、下記の不動産が合っていると感じられるかもしれません。通常、こうした方々は召使や家畜のために住居を提供されます:

マティースン邸(オーリドン)
〈潤い保つ〉邸(シャドウフェン)
ゴリニル屋敷(グラーウッド)
ガードナーハウス(ストームヘヴン)
旧インドリル邸(デシャーン)
軋みバネの私有地(リーパーズ・マーチ)
ドーンシャドウ(リーパーズ・マーチ)
旧ミストヴェイル邸(リフト)
捨てられし要塞(バンコライ)
フンディング宮殿(ストロス・エムカイ)
アマヤ湖の小屋(ヴァーデンフェル)
コールドハーバーの超現実邸宅(コールドハーバー)

下記の不動産は外門からしか拝見していません。こうした土地の所有者は煩わされることを好まないためです。購入者は、すぐに新たな社交の場へ引き入れられるでしょう。

セレニティフォールズの邸宅(リーパーズ・マーチ)
ダガーフォール監視台(グレナンブラ)
シャトーエボンハート(ストンフォール)
ハックヴィルドのいと高き館(ジェラール山脈、クラグローン東部)

理由に関する本The Book of Reason

人間やエルフと獣を隔てるものは思考だ。考えることがなければ、我々は他者に共感することもなく、周囲を気遣うこともできない。

遠い昔から世代を超えて口伝で伝えられてきた治療法は、我々に生き延びるのに必要な心の平安を与えてくれる。

我々の病の取り扱いの難しさや、我々の保護された村落の治療効果を考慮すると、病の拡散を防ぐためにも、住人は天寿を全うするまで村の中に留まる必要がある。

「光によって
闇によって
内にあっても、外にあっても
互いに絆で結ばれている
希望によって
思考によって
大地によって
我らの魂が飛び立つその時まで」

言葉を口に出し、それを信じること。我々は秘密を守ることで自分達を縛っている。我々の思考が堕落を食い止め、こうして平和に存在することを可能にしているのだ。

村の避難所は長く忘れ去られていた時代に、必要にかられてこの場所にたどり着いた人々から引き継がれたものだ。

彼らの苦しみが我々の住む土地を神聖なものにしてくれた。我々の約束は、それを神聖なまま保つことだ。

立ち入り禁止—そこのあなたNo Admittance—This Means You

「巨人による粉砕」は立入禁止だ!刺激された巨人は極めて危険である。巨人のマンモスをからかったら面白いだろうと思ったゴラック軍曹が、その後どうなったか覚えているか?腕のない兵士は役に立たない。

竜騎士団Knights of the Dragon

竜騎士団に入団する意思があるならば、我々の目的とやり方を理解してもらわねばならない。我々をドラゴンガードと勘違いしている者がいる。我々はシロディール帝国の支持者でもなければ、太古のドラゴンを虐殺するために結成されたわけでもない。ダガーフォールの王であるドラゴン、陛下に仕えるために結成された。我々はダガーフォールの王の剣であり盾だ。王の精鋭兵であり、王の名誉ある息子と娘であり、王の最も忠実な護衛である。

この責任を負える者だけに誓いの言葉を述べてもらいたい。誓いの言葉は以下の通りだ。

ドラゴンに仕えることを誓う。命と財産と神聖なる敬意を王に捧げる。王の言葉は絶対であり、私の剣が王の腕となる。王と命を共にする。

クラグローンの秘密

Craglorn Secrets

アガノールの日記Agganor’s Journal

呪術師アガノールの日記より

いつも備えていなければならないと長老達は言う。チャンスが訪れた時には全てそれを掴まなければならないと。そして、それこそまさしく私が今日行ったことなのだ!

* * *
私は長い間、呪術師、牙砕きのラッシュブラの古いやり方の下で奮闘してきた。私は時々、最初の石がこの世界に置かれた時でさえ彼は老人だったのではないかと考える。彼は決して私の提案を聞き入れないし、決して新しい、または違ったことに挑戦したがらない。

だが石は価値ある者に微笑む!スケールドコートが我々の谷にやって来て、我らがゴルトラッガ、ブラードス族長に謁見を求めた時、呪術師ラッシュブラは怒り狂った。彼はよそ者の処刑を求めた。だが、私にはわかっていた。スケールドコートとの戦いは、我らが勝つことができない戦いだと。

それで、私は風が谷の岩を通り抜けて囁くのを聞き、何が成されなければならないかを知った。私はラッシュブラを族長暗殺を企てたかどで糾弾し、彼らが結びつきを築き上げる前に、全力をあげて予言された同盟を崩壊させた。ブラードス族長が何を言っているのか説明を求めたので、私は嘘を長々と話して、精巧な物語を作り出した。それはゴルトラッガの自尊心を満足させ、真実だと思い込ませるのに十分すぎるほど完璧だった。

そして私の言葉により、ブラードスはスケールドコートを歓迎して谷に迎え入れた。牙砕きのラッシュブラに、太陽と羽の死刑を命じた直後であったが。

* * *
私がラッシュブラの処刑の準備をしていると、ブラードスとスケールドコートの指導者、摂政カシピアが同盟と相互協力の条件について話し合っていた。彼女は我らの鎧作りの技能と同様に、刺青を使う技術に大変興味を持ったようだった。ブラードスがためらった時、彼女は私が予想もしなかったことをした。ブラードスに、スケールドコート内での名誉ある地位を申し出たのである。

今や我らの族長は破壊にうねるオフィディアのエグザーチでもある。ブラードス・ロックボーンのような、勇敢で力強い男には調和する肩書きだ。おそらく、アガノールにもふさわしい肩書きがあるだろう。もし石の声を聞き、さらなる前進への機会を伺い続ければ。

* * *
ラッシュブラは打ちのめされ、切り刻まれ、我が民の10の鉄の誓いごとに血まみれになった。それから彼は置き去りにされた。岩に縛り付けられ、太陽に焦がされるとカラス達が集まり始めた。老呪術師がついに最後を迎えるところを見たらさぞかし楽しめただろうが、確実に族長へ助言し、スケールドコートとの交渉を続ける際には側にいなければならない。老人があの世へ行くのを見届ける証人として、2人ほど衛兵を残して行こう。

* * *
後になって戻り、ラッシュブラが去り、衛兵が死んでいるのを発見した。それでは、あの老呪術師には少しばかり奇術をやる力が残っていたわけだ。こうなることは予測しておくべきだった。それでも、年老いた死にかけのアイアンオークに何ができる?1度は打ちのめされ、追放された彼に?何もない!それに私には今、もっと重要なやるべき事があるのだ。スケールドコートとの同盟は合意に至り、締結された。次に私がこの話を取り上げる時には、私もまたコートの摂政として新たな肩書きを発表したいと希望している。

私が今日提供した奉仕に対し、大蛇はどのような名を授けてくれるだろうか?

アッバ・アールの説話:牛の話Tales of Abba Arl: The Ox’s Tale

ある日、子供がアッバ・アールの所へ来てこう尋ねた、「僕たちの両親はだれ?」

アッバ・アールはこう答えた、「人間には2人ではなく、4人の両親がいる。偉大な時の竜神は、彼らの道に星を置き、世界を見守るようにガーディアンたちを指名する。母なる大蛇はその背に世界を休ませる。太った母は人々が道に迷い、飢えた時に、栄養を与えてくれる。そして、牛は人々を生み、背中に背負って墓場まで連れて行く。多くの逸話が、4人の両親について伝えている」

子供達は、アッバ・アールに言った。「最後のやつを最初に聞かせてよ。人々を生んで、背中に乗せて墓場まで連れてく牛の話を」

そして、アッバ・アールはその話をした。

「人々が街に移住するより以前、彼らは野生のままに彷徨う動物の群れを追いかけ、狩って食べていた。狩人の中に、コルヴィーと言う者がいた。ある日彼が狩りをしている時、偶然子牛に出くわした。子牛はとても若くて、まだ歩けず、この母牛は横で死んでしまっていた」

「狩人のコルヴィーは子牛が可哀想になり、彼の小屋に子牛を連れて行った。彼は草原から探してきた野生の穀物と、茂みに育っているベリーと、木の甘い葉っぱを子牛に与えた」

「子牛はコルヴィーの息子のように、家族の一員のようになった。そして子牛が大きくなった後でも、狩人は殺して食べることに耐えられなかったので、彼らと牛はずっと隣で生活した。そして子牛は、いまや力強い雄牛になって、狩人を父のようにも母のようにも慕っていた。夜ごとに、雄牛はコルヴィーの小屋の横で見張り、危険があれば彼に知らせた。その替わり、狩人は雄牛を捕食者から守った」

「そして、コルヴィーが狩りをしている時、蛇の巣に落ちてしまい、とてもひどく噛みつかれたある日があった。そして彼は雄牛に言った。”私は噛まれて、死にかけている。私の元を去って、他の野生の獣の群に加われ。草原を駆けまわるんだ”」

「けれど雄牛はこう返答をした。”あなたは私の父親であり母親だ。放ってはおけない”」

「そして雄牛は狩人の横で、夜遅くまで付き添っていた。その内に毒が回って弱り、狩人はついに死んでしまった」

「そして、雄牛が父親でもあり母親でもあった狩人が死ぬのを見た時、雄牛は大変な力で泣き、地が震えた。動物の群れは、恐怖のあまり四方に散らばった」

「そして、雄牛はコルヴィーを背中に乗せて、他の狩人の所まで行って言った。”この男は私を子牛の時に見つけた。母親が死んだ時、彼は俺に餌を与え、強い雄牛に育ててくれた。彼は私にとって父親であり母親も同然で、自分の命よりも愛おしいものだ。彼は蛇の巣に落ちてしまい、大蛇が彼を噛んで血液に毒が入ってしまった。そしてその夜、彼は死んだ”」

「雄牛の話を聞いて、他の狩人が答えた。”我々に何をして欲しいんだ?俺たちはただの狩人だ。何事についても知っちゃいない。俺たちは仲間が死んでも、そいつを平原に残して、鳥達に食べさせるのさ”」

「雄牛はこう返事をした。”この高貴な狩人の身体をそのまま残して、鳥達に食べさせるべきではない。薪の山を作って、その上にこの男の身体を置く。そして狩人が燃えたら、私を連れて行って殺し、新鮮な肉をこの薪の上で焼いて料理してくれ。そして高貴な狩人を思い出しながら、ご馳走を食べて欲しい。そして次の世界でも彼についていき、彼が以前、私が歩くこともできない時、小屋に連れて行って育ててくれたように、彼を育てるのだ”」

「狩人は雄牛の言葉に知性を見て、そして力強い雄牛が振る舞う素晴らしいごちそうのことを考え、言われたとおりにした」

「それから、コルヴィーへの忠誠を見て、狩人たちは彼の例に倣い、野生の動物を飼い始めた。そして、彼らは世界中に動物を追いかけて狩りをする必要がなくなった。そして今日、偉大な狩人が死ぬと、雄牛が殺されて宴が開かれる。そして雄牛の骨は死者を次の世に運ぶために、薪の上に置かれるようになった」

アッバ・アールが話を終えると、子供達は手を叩いてこう言った。「いい話だね、僕たちの4番目の両親、牛に感謝しなくちゃ」

アッバ・アールの説話:太った母Tales of Abba Arl: The Fat Mother

ある朝、アッバ・アールは子供たちに尋ねた。「我々の両親、太った母を知っているか?」

子供たちは首を振り、「ううん。太った母のことは知らない。アッバ、彼女のことを教えてくれる?」

アッバは頷いて話を始めた。

「人々が農耕を始める前、彼らは草原の動物を狩り、肉だけを食べていた。しかしある朝、狩人達は狩りに出かけたが、動物を一匹も見つけられなかった。そして、族長は彼らにこう言った。「我々は全ての動物を殺してしまったので、獲物がいなくなった。だからこの場所を去り、新たに獲物がいる場所を探さねばならない」

「そして、人々は荷物をまとめると、食料を求めて旅に出た。この旅の一団の中に、オルサと呼ばれる者がいた。彼女は人々から避けられていた。彼らは太っていて、見た目が醜いからという理由で仲間外れにした」

「ある日、人々は高い山の麓にたどりついた。そして、こう嘆き出した。”腹が減って仕方がない!すぐに何か食べなければ、きっと飢え死にしてしまう。食う物もなしに、こんな山に登れるか!”」

「これを聞いて、オルサが前に進み出た。”皆は私を仲間外れにするけれど、私はまだ皆を愛しているわ。こっちに来て、私の左の乳房からお乳を飲んで。そうしたら、山に登る力が沸いて来るかもしれないわ”。人々はとても喜んで、お腹いっぱいになるまでお乳を飲んだ。腹がお乳で満たされると、人々は山を登り始め、死ぬこともなかった。そうであったにも関わらず、彼らはオルサを惨めに扱った」

「そして月日は流れ、人々は川に行き当たった。するとまたこう言って嘆き出した。”腹が減って仕方がない!すぐに何か食べられなければ、きっと飢え死にしてしまう。食べる物もなしに、こんな川を渡れるか!”」

「するとオルサが言った。”私はまだ仲間外れだけれど、皆を愛しているわ。こっちに来て、私の右の乳房からお乳を飲んで。そうしたら川を渡る力が沸いて来るかもしれない”。もう一度、人々は貪欲に腹を満たした。彼らは泳いで川を渡り、1人も死ぬことはなかった。このことがあってからも、人々はオルサと仲間のように交流しなかった」

「さらに月日が流れ、人々は広大な砂漠の端にやってきた。もう一度、人々は嘆いた。”腹が減って仕方がない!すぐに何か食べなければ、きっと飢え死にしてしまう。食べる物もなしに、こんな砂漠を歩けるか!”」

「人々はオルサを見て、助けを求めた。”また乳を飲ませてくれないか、太った女よ?”。こう尋ねた」

「”できないわ”とオルサは言った。”あなた達は山の麓で私の左の乳を飲み、川の岸で右の乳を飲んだ。これ以上はお乳が出ないわ”」

「人々はとても動揺し、がっくりと膝を落として泣きだした」

「その夜、オルサは星に祈った。”ああ、お星様、私はどうすればいいですか?もうこれ以上人々にあげるお乳はない。私たちは、食べる物がなければ飢え死にするでしょう”」

「すると星はオルサにこう言った。”オルサ、なぜあの人達のために泣くの?彼らはあなたを仲間外れにして、ひどい冗談で笑い者にするでしょう?彼らが死ねば、彼らと共に生きる苦しみから解放される。そのほうがいいでしょう”」

「”いいえ”とオルサは言った。”私は太っていて、見た目もよくないから、夫がいないの。私には自分の子供がいないわ。でもこの人達が私の子供になってくれた、だから何があっても子供達の世話をしなければ”」

「星は、これを聞いて不憫に思った。”オルサ、あなたがその子供達の世話をする手助けをして、多くの子供を授けてあげましょう。その代わり、約束をしてください”」

「”はい、どんなことでも!”と、オルサは叫んだ」

「星はこう答えた。”もしその人達があなたを一瞬でも惨めに扱ったら、あなたは彼らに必ず攻撃すること。彼らにあなたをきちんと扱うことを教えてやりなさい”」

「”約束します”とオルサは答えた」

「それから、星は最も強い魔法を使って、オルサをとても太った蜂に変えた。人々は彼女の巣からハチミツを取って食べることを覚え、生きて砂漠を越えた先にある彼らの新たな土地を見た。けれど太った母は約束を守り続けた。もし人々が彼女をきちんと扱わなかったら、オルサとその子供達が彼らを刺して、彼らの幸運を思い出させた。そうして、太った母さんは我々と一緒にいるんだよ」

アッバが話を終えると、子供達はにっこりと笑って、アッバに太った母さんのハチミツをおねだりした。

アミミルへの手紙Letter to Amirmil

愛しいアミミル

色々と冒険はしたが、これが最後じゃないかと思ってる。ブッチャーが僕らに何をするつもりかはすでに分かった。見たんだ、あの哀れなクレグとロフィラが——

いや、今のはなしだ。君が心に浮かぶ映像に悩まされて欲しくない。むしろ、アイアンオークやトロールのことは忘れてくれ。かわりに、一緒に僕らの刺激的な生活のことを思い出そう。僕ら2人ともオーリドン第一海兵隊に入隊しようとしていた時に出会ったよな。2人して酔っ払って、将校を罵って追い出されたっけ。滑らかで繊細なトーニーポートワインを1本開けて、大皿の鹿肉の壺詰めを平らげて、そして恋に落ちたんだ。

楽しかった時のことを全部思い出そう、愛する人。僕の手の感触と、隣にある体の温かさを思い出してくれ。そして、新しい恋を見つけるんだ。幸せになってくれ。生き延びろよ。これは命令だ。

どうやら僕の番が来たようだ。誰かがこれを見つけて君に届けてくれるように願う。そして僕は生きてきたように死ぬ。戦い抜くよ。

忘れないで、愛してる
カマーリー

アリアナへの手紙Letter to Ariana

アリアナ

現在多くの好機が到来しているので、君にそれを伝えたい。さて、私から聞いたことにしないで欲しいのだが、噂によれば腐敗させる者オードゥースと呼ばれるアイアンオークが、傷の渓谷の北部にある、エグザーチの要塞と呼ばれる施設に住み着いたそうだ。

試してみたいのなら、この賞金首は君のものだ。幸運を祈るよ、我が友よ!

レゴル・ホッド、賞金稼ぎ

アリーナに挑戦しようChallenge the Arena

君たちのグループは究極のチャレンジに挑戦する覚悟はあるか?

ドラゴンスター・アリーナで歴史に名を残す戦いに参加しよう!

バトルマスターを探し出して、私達の次元を含めた全次元における、史上最高の戦いに参加しよう。

対戦相手は君たちを待っている。来る前に準備は全部済ませておこう。

アリーナの試練The Trial of the Arena

第2の試練はアリーナの試練。

アリーナのチャンピオンたちを打ち負かすため、アリーナマスターは勇敢な心と強固な意志を持つ者を待っている。

アリーナの追跡Tracking the Arena

謎めいたファイトクラブに関する学術的考察について、エビダズナー・コーノッド 著

私は実態がとらえにくく謎めいたチャンピオンを決める大会を捜し求めて何年も過ごしてきた。最初にその秘密の闘技場についての話を聞いたのはヴァレンウッドだった。そのときは美貌のビーリが大会の伝説的なチャンピオンになったと聞いていた。手を尽くしたが、この噂される大会の所在や、対戦を実際に見た人に出会うことはできなかった。ヴァレンウッドの宿屋ではビーリの腕前について持ちきりだったにもかかわらず、である。

数週間の無駄な捜索の末、ヴァレンウッドの大会の話はまるで何もなかったのように消えていった。何らかの方法により、隠された巨大な複数階層のアリーナが忽然と消えてしまったのである。私はこれにより、この話は真実というより伝説のようなものである証拠と推測したが、その場所については常に心に引っかかっていた。それは夢にも現れ、思いもよらないときに考えを邪魔してくるのである。

次に謎の秘密アリーナについての話を聞いたのは、私がスカルド王のコヌンレイカーのためにウィンドヘルムにいた時だった。薄暗い酒場の影で、ノルドの荒くれ者達が試合ごとに環境が変化する魔法の闘技場について話をしていたのである。勝利することで次の試合に勝ち進み、負けは血塗られた凄惨な死を意味する。私にとってその話は恐ろしくも魅力的であり、ノルドたちはその話をこれまでに飲んだ一番うまい酒を飲んでいるかのように聞きほれていた。

その場所はスカイリム・アリーナと呼ばれているらしいが、私はその闘技場の場所を突き止めることはできなかった。この時、彼らは不愉快なホルグスタッドの輝かしい勝利についての話をしていた。その者はノルドの中のノルドであり、トロールのごとき長身でその2倍の力を持つという。ホルグスタッドは両刃の斧と稲妻を放つ短剣を持って試合に臨むといわれていた。彼らによれば、ホルグスタッドには共に戦う3人のノルドの盾乙女がつき従い、その者たちは対戦相手を片っ端から倒していったという。そしてアリーナの謎めいた主催者を大いに喜ばせた。

もう少しでその秘密の場所が突き止められるというところで、また話が聞けなくなってしまった。それはまた起きた。この古代の石造りのアリーナの噂は登場した時と同じように、ホルグスタッドや盾乙女達と共に唐突に消えたのである。ノルドたちは応援し、輝かしいチャンピオンを祝って乾杯し、その後はまた領内で起きている日常の事柄への対処に戻っていったのである。

アリーナに近づくことは無理なのかと悲観していた時、私はドラゴンスターキャラバン社の荷馬車に乗っていた。そこでキャラバンの護衛の1人が、この旅が終わってクラグローンに戻ったらドラゴンスター・アリーナに参加するということを吹聴していた。彼は現チャンピオンを倒すだけの力があると考えており、後は仲間の護衛を3人説得して正式なチームを編成するだけであった。

夕暮れの焚き火を囲んでの飲み会で、私はその護衛からアリーナについて彼が知る限りの情報を入手した。彼によれば、それは数週間前にドラゴンスターの街の裏側にある丘に突如現れた古代の遺跡であり、クラグローンやそれ以遠から挑戦者が秘密の大会に参加すべくそこに集結しているらしい。彼らはアリーナの入口に仮設の野営地を設営したそうである。私はこれこそが長らく捜し求めていたアリーナであると確信する。大会が行き詰るたびに、何らかの方法により場所を変えていたのだろう。このアリーナは、世界中を少しずつ動いていたに違いない。

今、私は大会へ参加するべくアリーナの中にいる。私はどのようにして環境が変化するのか観察しなければならない。試合ごとに不可能と思われることを成し遂げているのが古代の工学によるものなのか、それとも魔法によるものなのかを見極めねばならない。そして、その謎めいた主催者が誰なのかも突き詰めたい。私にも仮説はあるが、恐らく真実は考えている以上に奇妙な気がしてならない。

アルドメリ法廷の記録Aldmeri Court Transcript

通達:

サリエルとして知られる犯罪者に、サルモール国家の代表により起訴された罪状について、全て有罪の判決が下った。

彼女はあらゆる罪に関して有罪である。罪状は以下の通り:

—サルモールの役人に対する贈賄裁判1件
—アルケインの不正に関する裁判12件
—第一級殺人に関する裁判17件
—第二級殺人に関する裁判27件
—無許可の死霊術に関する裁判6件
—聖職者の財産の破損に関する裁判2件
—公共物破損に関する裁判3件

最終的に、彼女が犯した殺人が彼らに与えた影響の処遇を詳細に記し、サリエルが署名した宣誓供述書を受け取った。この裁判はこれらの行為が吸血症の呪いと一致することを発見した。彼女の凶悪な犯罪の償いのため、サリエルは埋もれた遺跡モラヴァルに投獄される。そこで彼女は焦げた石、息が詰まるような毒に、業火の痛みを永遠に味わうだろう。彼女の運命を、死霊術師や寄生者になろうとする全ての者への警告として奉仕させよう。アーリエルもサルモールも、そのような犯罪を許容しない。全ての事件において、罰は適切に執行される。

アルドメリ司法第七法廷

アルバーダの日記Alvada’s Journal

今日は私たちの仲間の1人、イブルーラが荒野に出かけて戻らなかった。通常なら特に心配しないけれど。星読みはクラグローンに長い間住んでいる。私たちはこの地域で何が危険なのかをよく知らない。

イブルーラはもともと変わっているけど、最近は一段と様子がおかしい。仲間の何人かは彼女が小声でぶつぶつと何かつぶやいていたのを耳にした。彼女は最近、未知の勢力によって世界が攻撃されるという妄想にかられているようだ。

私たちは彼女に、エリンヒルの魔術師に召喚された精霊が虫の教団をうまく処理し、企みのデイドラ公はクラグローンを制圧してはいないと話したが、彼女はそれでも安心できなかったようだ。

彼女の数々の奇行にもかかわらず、いやおそらくそれ故に、私たちは皆イブルーラをとても心配している。朝まで待って、それから彼女の捜索隊を送り出すことにした。

魔法の結界が張り巡らされた小さな家を見つけた。バラバラに引き裂かれた本から、イブルーラがどこかの時点でここにいたことが分かった。また、彼女はこの場所の入口に殴り書きで印をつけている。ここを去るようにとの警告だ。彼女はこの罠の犠牲になったのだろうか?それとも彼女が罠を作ったのか?もしそうなら、一体何のために?私たちを中に入れないため?それとも中に何かを閉じ込めておくため?

どちらにせよ、私たちが考えていたよりもイブルーラの妄想がひどくなっているのは明らかだ。

罠を通り抜けようとして数日が経った後(正確な日数は忘れてしまった。ここにいればいるほど、頭がぼんやりしてくる)、捜索隊のメンバーに不和が生じてきた。夜は悪夢にさいなまれ、昼は絶え間ないささやき声に苦しめられる。

果てしない知識を約束しようとささやく声が頭の中に響き、私を悩ませる。この場所にはデイドラの気配を感じる。

最悪の懸念が現実になってしまった。デイドラが現れて、この場所を誰ともわからない声で満たし、私たちの退路を断った。双子のマエロンとメランソンが死んだ。声にだまされ、この場所の狂気に支配されてお互いに殺し合った。

私に関して言えば、絶望し混乱している。イブルーラを見つけるか、この場所から逃げ出す前に私は死ぬだろう。イブルーラの警告をきちんと聞いて、ここから離れればよかった。

アンカ・ラーのガーディアンの書Tome of the Anka-Ra Guardians

埋められぬ者、ここに立つ
不死の衛兵よ

彼らが瞬きせずに見張りますように
苦痛や闘争が心をかき乱さぬように
死人の夢が自由でありますように

イスルードへの手紙Letter to Isrudde

イスルード・クロウズウォッチへ、

ドラゴンスターの外の十字路にあるあなたの野営地では、珍しい商品を取り扱っていると信頼できる筋から聞いている。具体的には、地域中の倒されたアイアンオークから回収した使用済みの武器や鎧を売っているとのことだ。

情報が正しければ、一般的に「レッド・ブリットル」と呼ばれる成分が僅かでも含まれる商品を入手した場合、ぜひそれを購入したい。該当する商品に対し、相応の対価を支払う用意はある。

できる限り早急にドラゴンスター馬屋で連絡を取り、入手できる商品の数量を教えてほしい。

——逃亡中の錬金術師、エランウェン

イブルーラの日記Ibrula’s Journal

収穫の月1日

この文章は、目が追いつかないような速さで直感のまま書いている。この興奮を抑えることは難しいし、その理由を説明もできない。私が発見したこの知識の泉、この水をいくら飲んでも満たされることはない。けれど私にとってはとても美味で、宝石よりも貴重なものだ。

収穫の月2日

詳細に調べた後、私は壁の古代ルーンを翻訳した。これはシーカーの保管所だ!このとてつもなく巨大な蔵書庫が、クラグローンの地下に昔から存在していたとは驚きだ。明日はさらに奥まで進んでみよう。

床に穴が開いている場所を見かけた。もし行けそうなら、その下に入ってみよう。

収穫の月3日

奥に進むと彼の声が聞こえた。「おいで、探し求める者よ」。私は答えた。「私はイブルーラ!ここにいるわ!」

収穫の月3日

私を目覚めさせたものが何かはわからない。けれど夜に目が覚めた。私はこの数日間に書いたものに目を通した。ページは1つの単語以外は空白だった。

「シーカー」

もっと奥深くへ行こう。私に話しかけるものを見つけなければ。

トンネルを進んでいくと、空白のページに勝手に文字が書かれた。

「もっと近くに」

繰り返し繰り返し、この言葉がページに書かれた。

「もっと近くに」

一足ごとに、走り書きの文字は大きくなった。私がその部屋にたどり着くまでずっと。書物の玉座の上で、それは私を誘うように見下ろしていた。その下には、それぞれに一生分の答えを載せた本の数々。そしてその答えが、さらに別の疑問を生む。

「秘密を教えて」

私は彼と取引をした。私は世界の隠された意味を探し求め、それを彼の元へと運ぶ。その代わりに、私は知るべきことのすべてを学び知るだろう。

イルサグの命令Ilthag’s Orders

調教師達

太陽が山をのぼるまでに、トロール達の準備を整えねばならない。我々とスケールドコートとの間の契約は、成功が要求されている。よって我々は成功する。私の忍耐を試すようなことはするな。これから軍隊を組織することになる!

教えたことを思い出せ。そしてトロール達に実践せよ。弱気になるな。鞭や刃の使用をためらうな。お前達も知っての通り、痛みは良き教師である。

次に確認にきた時には、トロール達が全員調教され、一団として働いていることを期待する。さもなくば、次のトロールの調教運動にはお前達を使うことにしよう。

——イルサグ・アイアンブラッド

ヴィルマリルの日記Virmaril’s Journal

上級王デュラクの側近、ヴィルマリルの日記より

あの男が私を拒絶するとは!長年デュラクの友として、そして側近として側についていたというのに、それに対する彼の返礼がこれか?私と娘であるサラディンとの結婚を拒絶したばかりでなく、その娘をあの森林地域の愚か者であるケスティックに差し出すとは。それもこれも私がネードではないからときた。あの男にとってハイエルフは、自分の愛娘の相手にふさわしくないと思っているのか?今に見ていろ!全員に思い知らせてやる!

* * *
王の議会は会合し、私の提案を検討することに同意した。いいぞ、いいぞ!愚か者どもめ!デュラクさえも、私が奴らをヨクダの侵略者と戦う手助けをすると思い込んでいる。奴らの思い上がりがその身の破滅となるとも知らずに!地下墓地内には死霊術を行うための準備が整っている。あと必要なのは、上級王とその手下どもの協力だけだ。

* * *
すべては計画通りになった!今や私はアンデッドとなり、王の議会も私のものとなった!そして残りの地下墓地の死者が私の軍団の兵となる!さて、どのような新たな命令を下したらいいものか?やはりヨクダを掃討してみるか。もう少し考えてみよう。

* * *
何ということだ、ネードが私と戦うとは!私を倒すために精兵の軍勢を派遣してくるとはいい度胸だ。私を倒す?すでに生きていない者をどうやって殺すつもりなのだ?嵐の中に飛び込もうとするネッチのように、不可能なことに挑戦するつもりらしい。まあ、やってみるがいい!せいぜい楽しませてもらおうか。

* * *
ネードの魂魔法は嫌いだ!番人どもは私が殺せないと理解し、私をこの地下墓地内に封じ込める作戦に出た。生意気な!だが不死の身になったことで、奴らは私の影響と力を受けるようになった。奴らを支配してやる!少し…休んだ…後…すぐ…にな…

ウィンドヘルムへの手紙Letter to Windhelm

愛しき姉妹

お前は私のことを笑いながら未熟者と呼ぶかもしれないが、私がスカルド王の祝賀に関連する問題から逃れるため、ウィンドヘルムを離れたことを覚えているか?実はクラグローンの荒野でも状況は大して変わってはいない。それどころかさらに悪化しているくらいだ。

素晴らしいスカイリーチの遺跡の遠景が望める、北部地域の川の側に家を持った。そこは快適で静かで、私が望んでいたものがあった。

もっとも、それは過去の話さ。あのアイアンオークのホーカー達が騒ぎ出す前、そして自らをスケールドコートと呼ぶ変な連中が現れるようになる前の話だ。そして、セレスティアルや神々が、我々と共にいるとかいう与太話などもね。

私はご存知の通り、思い込んだら結構頑固なところがある。ひとまずここに踏みとどまってこれらの脅威から新居を守り抜きたいと思う。やれるだけのことはする。ただ、状況が本当にまずくなってきたら、お前の空き部屋に数週間の間滞在してもいいか?長くても数ヶ月以上はいないと思う。できるだけ早く返信してくれ、連絡が欲しい。

——敬愛する兄弟より

ウェアウルフハンターのアドバイスA Werewolf Hunter’s Advice

息子へ

もしハーシーンの領域へ行きたければ、止めはしないわ。でも忠告を聞いて。ウェアウルフは決して1人で狩らないこと。もしはぐれたウェアウルフを見つけても、1人で戦うミスを犯してはいけない。ウェアウルフは決して群れから遠く離れないの。そして、群れはいつも腹を空かしているわ。

ウェアウルフは血に飢えた獣の力を持つけれど、狡猾な生物よ。彼らの遠吠えは他のウェアウルフを召喚するだけじゃなく、普通の狼も呼び寄せてしまう。その遠吠えは熊さえ興奮させるの。1匹のウェアウルフと思っても、あっと言う間に数で負けるわ。

熟練のウェアウルフハンターから言える最もいいアドバイスはこれよ。ウェアウルフが遠吠えで仲間を呼ぶ前に、喉を切り裂けってことよ。

愛をこめて、
母より

ヴォシュとラク:歴史Vosh and Rakh: A History

イルサグ・アイアンブラッドの日記より。

俺は戦闘での実力や、アイアンオークや獣を訓練し戦わせる才能など、多くの技量と実績によってその名を知られている。しかし、この私的な日記のなかでは岩と石に告白しなければならないことがある。私はある秘密の情熱に誇りを持っている。俺は我が愛するヴォシュとラクのウェルワ達を、かわいい子供から今の忠実で獰猛な獣に育て上げたことに誇りを持っている。

俺は彼らを入手することになったきっかけは、古代スカイリーチの遺跡近くの荒野で、大人のウェルワを殺さざるを得なくなった時だった。この獰猛な獣を倒した後、俺は近くの洞窟で子供がいるのに気付いた。その時はその場であいつらを殺そうとしたが、1匹が俺の目を見て鳴いたのだ。そして弱々しい足で立ち上がり、俺の皮ブーツにその身をすり寄せた。その時、別の選択肢が俺の前に現れた。

俺は2匹の子ウェルワを塔地下まで連れ帰った。当初の目的は、俺の調教のためにこの獣を育てることだった。しかし、あいつらと一緒に働く中で、その先天的な知性と戦士としての情熱に気づいた俺は、あいつらを自分の護衛、そして仲間として育て上げることにした。その手始めとして、まずあいつらの本当の名を探す必要があった。

俺はまだ幼いクリーチャー達であった彼らと共に時を過ごしてその性格を見極めようとし、彼らも俺の存在に慣れていった。俺を最初に見つめた奴は勇敢で、周辺へ出かけて探索することを恐れなかった。奴は俺にその名前を示した。ヴォシュだ。もう一方はおとなしく、物静かだった。少なくとも俺の仲間が近づくまでは。その後、奴は怒りの塊となり、俺と兄弟を守るために剣のように突進していった。そいつの名は当然ラクとなった。

その体が成長し、俺は力も同じく成長させるよう気を配った。筋肉と骨を鍛えるため、彼らを常に塔の地下中を走らせた。そして最高の餌とこの地域で最も純粋な岩井戸から引いた水を与えた。太い綱やハンドルを使った鍛練法も考案した。彼らが適切な大きさになった時、俺は彼らと一緒に複数の相手と戦う訓練を始めた。ラクが俺のもっとも実力のある戦士を打ち負かした時は、本当に誇らしく思ったぞ!

最近、ウシクにヴォシュとラクのための鎧一式を作ってもらった。彼らはその贈り物を受けることに栄誉を感じているようで、その鉄の防具を誇らしく、そして優雅に着こなしている。今度は自分たちだけでトロールを倒せるか、やらせてみることにしよう。これは石にかけて、きっとすごい光景になることだろう。

エグザーチ・ブラードスへの手紙Letter to Exarch Braadoth

敬愛なるエグザーチ・ブラードス殿

この手紙が我々が初めて出会った日のように力強く、敵に畏怖を与えるように届くことを願います。

私は貴殿の華麗なる鎧と体の装飾にニルンクラッツの粉を植え付けるために使用する手法について研究し、その独創性と職人的技巧を賞賛いたします。貴殿の成し遂げたことについては、ただ畏敬の念を覚えるばかりです。

まず、イルサグ・アイアンブラッドは卓越した戦略家であり、優れた調教師でもあります。彼がどのようにしてこれを成し遂げられるようになったのかについては、ただ驚かされるばかりであり、その手法を再現しようとしましたが、成功にはいたっていません。トロールやウェルワが召使や兵士になるなど想像が及びませんでした。彼らを我が軍勢に加えれば、スケールドコートは常勝無敗となるでしょう!

貴殿の才能ある鎧職人はより軽量で強固、そしてニルンクラッツの力で輝かんばかりの鎧を作りあげました。彼女の技量と経験がなければ達成することができない偉大なる功績です。トロールやウェルワにこの鎧を装備させるというのは天才的なひらめきであり、生産性の向上により、今後我らの軍勢がすべてこの特製の鎧を装備できるように慣れることが期待されます。

貴殿のルーン筆写家が示した芸術性は、私の背筋にぞくぞくする感覚を伝えてきました。彼の意匠は催眠作用があり、その細やかな模様を観察しようとするとまるで動いているような感覚に襲われます。この墨と烙印にニルンクラッツの粉を加えることにより、その対象となった者に植え付けられた魔力は100倍にも強化されます。素晴らしい!訓練と鎧、そして体の装飾を組み合わせることで、トロールはほぼ抑止不能の強さを得ています。

もしよろしければ、この抑止不能な者達をほぼ無敵な者達とする、最後の儀式を提案したいと思います。貴殿のトロールの1体にそれを試し、その結果が私が約束したものであるかどうかをお知らせいただければ幸いです。

——牙の憤怒の摂政、エルスカ

エグザーチの命令Exarch’s Orders

周辺の岩からレッド・ブリットルを収集し、大きな破片は細かく割らないよう注意すること。

レッド・ブリットルを、成分が発熱した燃えさしのように輝くまで加熱する。

レッド・ブリットルが赤く輝いている間に、石臼か蒸気槌を使って深紅色の細かな粉になるまで砕く。

レッド・ブリットルの粉(スケールドコートはこれをニルンクラッツと呼ぶ)を荷車に収集し、防具屋ウシク、ルーン筆写家のクルス、スケールドコートの摂政ボワードの各員へ均等に配分する。

敵には血を、我がクランに鉄を!

——エグザーチ・ブラードス

エランウェンへの手紙Letter to Elanwen

エランウェン

クラグローン北部の東側にある遠吠えの墓地の調査が終了した。少なくとも、調べられるところに関しては。この場所ではさまざまな死者が徘徊している!まあ、動き回って何だか怒っているように見えるから、本当は死んでいないのかもしれない。しかし確かに死んでいるし…まったく、自分でも何を言っているのか良くわからなくなってきた。

死んだ戦士や呪術師や狼が墓地を徘徊し、近づきすぎた生き物を手当たりしだい攻撃している。ここは危険な場所だ!それにレッド・ブリットルも見つからなかった。だがそれはこの場所に入って、あの怒りに満ちた死者達を見た瞬間に振り向いて走り去ったからだと思う。

木登りのクウェンディ

エリンヒルの繁栄The Flourishing of Elinhir

魔術師の街との取引について
ハロルド・ファーフライ 著

クラグローンのある場所、文化の光が輝くと言われる場所がある。エリンヒルの輝く街だ。

古代の魔術師の塔、エルフやヨクダがクラグローンに眼を止める前の、風変わりな異国の記念碑をみればすぐにわかるだろう。エリンヒルは学者と魔術師が他の野生的な住民に対して、文明の力を示すために立っている。

第二紀の始まりまで、エリンヒルはもう少し野蛮で、秩序のない僻地だった。クラグローンの大半のように、帝国の生活が合わない者達によって植民された。そのようなので大変危険な場所であり、本当の指導力や統治の為の法律は欠けていた。そして定期的に、山賊とアイアンオークの襲撃者から略奪の標的にされていた。

しかし第二紀の当初、クラグローンで彼らの技の修行をするために、輝かしきフェリックス「ブラックキャスター」アウグストゥスが率いる魔術師のグループが、魔術師ギルドの安定と制約から離れた。

一般的な神話によれば、ブラックキャスターと彼の魔術師たちは乱暴でモラルに問題があり、魔術師ギルドの権威に抵抗する、訓練されていない境界の魔術師以外の何者でもないことを示している。この物語は、今でもクラグローンに残る無法な要素によって残っている。その話を信じれば、最初にエリンヒルに入植した魔術師たちは、もはや街を定期的に襲う山賊よりも文明的な影響をもっていない。

これ以上真実から遠い話はない!帝都の魔術師ギルドの記録を調べるだけ反証できる。実際のところ、フェリックス・ブラックキャスターは高位のギルドメンバーだったのだ。彼がギルドを去った理由は、規律や訓練に関する意見の相違と全く関係がない。ギルドの範囲にない、新たな領域を求めただけである。書簡によれば、ブラックキャスターはエリンヒルの指導者が頂きの協定に署名してから、ギルドの上官たちと10年も連絡をとっていたようだ。

この書簡はブラックキャスターやエリンヒルへ到着した他の魔術師たちの状況に十分な光を当てている。彼らが無法な人々に、指導と保護を受け入れるよう説得した期間についても。私は詳細を述べる気はないが、要約する。ブラックキャスターとその魔術師たちは、その時空だった頂きの塔に興味をそそられ、以前に市長(実際には単なる軍閥の長だった)へ入る許可を求めていた。何回も拒否されたため、彼らは失望して冒険を諦めようとした。

しかし、彼らの運はアイアンオークが山から来て街を包囲した時に変わった。その目を見張る力を使って、ブラックキャスターと彼の魔術師たちはオークを追い払い、エリンヒルの移り気な愛を勝ち得たのだ。彼らはブラックキャスターを新しい市長にし、そのすぐ後に頂きの協定が結ばれた。この日に結ばれた条約は、今日まで続いている。エリンヒルの頂きの塔の魔術師たちは、街が彼らの魔術学校の運営を支援する限り、この市を守ると宣言した。

アイアンオークの出現は、見かけ通りの出来事ではないと主張する者もいた。彼らはブラックキャスターと魔術師がエリンヒルの人々を味方に引き入れるために、オークと取引をしたと宣言さえした。私はこの示唆は、曖昧で侮辱的だと思っている。このような策略はフェリックス・ブラックキャスターの人物像と評判には相応しくないし、アイアンオークは交渉や協力によって妥協しないことで悪名高いという事実には触れていない。

頂きの協定の時代から今までの真実は、エリンヒルがクラグローンの野生の中の文明の優れた中心となり、ブラックキャスターの魔術師たちの導きと保護の元で繁栄したということだ。

エレネアの日記Elenaire’s Journal

暁星の月2日

今日私は出発する。磨きの日に合わせて。新しい生活、新しい道、すべてが新しい!もしヨクダに同じようなお祝いがあるなら、それを見に訪問したいと思う。

私は危険で、神秘的なレッドガードの先祖が建てた伝説的な要塞、ヘル・ラ要塞を探し求めて行く。アイレイドの遺跡は我々の民にとって、先人への窓のような役割を果たしている。だから、要塞がレッドガードの文化を教えてくれることを期待している。

噂によれば、要塞に入った者は長年に渡って誰もいないと言う。しかし、要塞の中に文化的な価値のある宝が眠っているという噂は、私の耳にも届いている。それらのことを考えると、顔が赤くなる。

薄明の月3日

ついに到着した!タムリエルの道は、いままでにない程厳しいものだった。特に野生生物が。クラグローンのウェルワは私のボズマーの従姉妹と同類だ。臭くて、怒りっぽく、致命的な歯を持っている。けれど、ついにヨクダの建造物の尖った石を見つけ出した。

薄明の月4日

興奮で震えて、羽ペンが真っ直ぐにならない。数千年の歴史の内で始めて、要塞の前にある控えの間が開いたのだ!誰かが魔術師ギルド、神話紀協会、星読み…すべてのタムリエルに連絡するよう取り計らうつもりだ!もちろん、私が一度調査をした後で。

ヘル・ラ要塞を取り巻く伝説によれば、ヨクダ達はアンセイ(「剣聖」という意味)、すなわち剣の達人が輝く功績を残せるよう、訓練のために使っていたのだという説がある。神話では、アンセイはシェハイ、意志の力によってのみ形作られる霊剣を出すために、大変な訓練と瞑想を必要としたそうだ。

私は要塞へと続く道がある控えの間の存在が、その物語への信憑性を与えてくれると思う。古代の武器がここの演壇に残されている(そして、どれも錆がついていない。部屋の魔法によるものか?)。伝説によれば、アンセイは最高位の称号を得るために、もっとも大事な武器と戦いの道具を諦めてから、辛く厳しい試練に挑むのだという。もし彼らが成功したのなら、一般的な武器はもはや必要ないはずだ。

友人たちには私がヨクダの研究にかまけ過ぎていると言われた。早く夫を見つけるべきだとも。おそらく、私の素晴らしい頭脳を羨んでいるのだろう。

用語:
ヨケダ-指導者?戦争の王?
ヘル・シラ-高貴な刀剣?
ヤーバン-時間の単位?不明。考古学者は数字に弱い。
アンカ・ラー-元の戦士?古い戦士?
コツ-武器?エッジ?

暁星の月5日

控えの間は魅力的だったが、要塞自体の捜索に向かうべき時だ。何が私を待っているのだろうか?ミリムディンの九番目の剣か?最高位の剣か。私は剣を持っていないが、日記をここに残していく。アンセイが剣を残したように。おそらく彼らのように、自分のシェハイを作り出す手段が見つかるだろう

ガーディアンの秘術の幻視Mystic Visions of the Guardians

とてつもなく広く高く、空が天国に届きそうな程近く感じられる砂漠に行ったことがある。素敵な旅の間、彼らが夜通しワルツを踊っていた時、光に感じた親近感を言葉にしたいのに、私はそれをできないでいる。

その砂漠の環境は苛酷なものだ。食料にも水にも滅多にありつけない。多くの場合、行商人や他の旅行者に運よく出会ってキャンプに参加するか、わずかな食料の一部を助言や物語と交換するなどして、かろうじて救われた。

だが私は自分の身体が引き締まり強くなるにつれて、幻視が鮮明になることを発見した。私をこのように固定化された姿に結び付けている、必要のない一片が消えて行く。大蛇が脱皮するように、私はそれを脱ぎ捨てた。

この状態で、私は多くの驚きを見て、多くの誘惑に耐えた。私は戦士の横で起こる戦闘へと走る馬に、足を広げて跨り駆けた。そして、魔術師が美しいエルフの女性から髭の年老いた男に変化し、また元の姿に戻るのを見た。夜遅く、彼女は私に変化の原理、純粋な魔術について教えてくれた。眠れない多くの夜には、足の速い盗賊を追いかけた。そして手に負えなくなり、いつも、まるで自分が勝者のようなふりをして、夜明けの青白い光の中に逃げて行くのだ。私は次々にガーディアンを見た。彼らはあまりに美しく、見ているのが恐ろしい程だ。

だがその間、不安定かつ力強いものの存在が常にあった。空から星を落とし、殺戮と混沌の中に世界を落としたいと望む遠くの敵。飢えと渇きによって狂気の淵に追いやられる時、私は彼の存在を感じる。そして孤独な旅人の命を奪って、食べようかと思う。ほぼ毎晩のように、彼は私を栄光の夢、空から星を掴み取り、神として文明化されたタムリエルの地に戻る夢で誘惑するのだ。

夜の訪問者たちは、この通り私にとって自身のようである。そういった理由から、私は彼を他の者たちよりも恐れている。

カエシリウスの日記Caecilius’ Journal

日耀

空に奇妙な動きがあった。一瞬ガーディアン達の出現を見たと思った。戦士、魔術師、盗賊達。そして彼らは一瞬現れて消えた。来るべきものの前兆のように腹の底が不快に感じる。

星水晶占いの書物を調べた。天から落ちる星、破滅の前兆についての極めて不明瞭な予言。この具体的な前兆を証明するものは何もない。

より安全な沿岸へ導いてくれる海図や天体観測儀なしに見知らぬ海にいるようなものだ。我々自身のガーディアン達は消えて、見捨てられた。

ああ悲しいかな、辛い時代の子供達。
子供達が転べば誰が捉まえるのか?
誰もが皆孤児だから、
幼少に母が死に、
戦争で父が死に、
まるで通りの乞食のように、
食べ物を乞い鞭を受ける。

火耀

真の破滅だ。砂の巨人の軍隊が丘に現れてムンダス・ストーンを攻撃している。

セレスティアルと自称する者達がクラグローン全土で攻撃を行った。ダガーフォールがまだ持ちこたえているのは奇跡だ。エリンヒルの街からはもうずっと知らせが来ない。

より良い未来を望むな。
時は自分を飲み込んでいる。
ああ、陣痛に苦しむ女性、
ああ、命を授かろうとしている、
子供達を岩へ投げつけて、
幼児達に毒を盛る。
星が落ちた時、誰が生き残るだろうか?

カシピアの心変わりCassipia’s Change of Heart

大蛇の如き計略の、摂政の執事長、リトルリーフ 著

スケールドコートで、大蛇の如き計略の摂政という肩書きを受けるカシピアは常に12歩先を見ている。戦士が複数の武器を携帯し、どんな状況にあってもふさわしい武器を取り出せるよう準備しているように、彼女は不測の事態を想定し、代案を携えている。だが、私は彼女の最近の行動に混乱している。どのように捉えたらいいのか!わかっていることを書き連ねてみたら、私の進む道がより明らかになるかもしれない。

とはいえ、彼女の複雑な思考を不正確に表現したくないので、見聞きしてきた記録すべきカシピアの行動全てを書き留めるのは気が進まない。彼女の敵に、彼女が大蛇を憎む悪人であるかのように真実をねじ曲げさせたくないのだ。世界中の人々はカシピアの聡明さを、本当にありのまま理解する必要がある。百万の星のように鋭い、取り巻く薄暗い光とは対照的な輝きを。

私達の錬金術師がニルンクラッツと呼ぶ原初の元素と、エセリウスの天空のエネルギーとの間の繋がりに最初に気づいたのはカシピアだった。カシピアは即座にアイアンオークの働きを向上させるため、その元素を使うことを思いついた。そして、新たな生き物を創造するという天才のひらめきは、大蛇そのものともいえる純粋な霊感とともにやってきた。

しかしその後、大蛇の命令で彼女の働きがどのように利用されているか知った時、私の友にして女主人は激しい怒りに燃えていった。彼女は例えばマンティコラを創造するのは好きだったが、それが破壊の原動力以外の何者にもならないことを嫌悪した。彼女はアイアンオークが冶金術と錬金術を持って実証した技能は高く評価したが、このような素晴らしい道具がトロールとウェルワの間で無為に消費されていることを激しく忌み嫌った。

あえて言うのであれば、カシピアは大蛇に背いた。そして私はその事実とどのように折り合いをつけたらよいのかわからない。スケールドコートをこの世界中の人々が見たこともないような偉大なるものへと導くと彼女は言うが、大蛇のお恵みなしに、いかにしてそれを成し遂げられるというのか?私は彼女を信じたい。愛し、理解している女性を信頼したい。だが、私も同様に、大蛇の巻き付くような抱擁に背を向けられるのだろうか?

カシピアは大蛇の如き計略の摂政で、私はと言えばせいぜい彼女の揺らめく影の中に立つのが精一杯だ。私は彼女が何を計画しているか知っている。彼女がどれほど不変のニルンクラッツを使って力を高めたいと願っているか。だが、今は全てが間違いだと感じる。彼女がやりたいと思っていることは、私にはあまりにも危険なように思われる。私は彼女の身を案じている。

カバナント諜報報告2502Covenant Intelligence Report 2,502

私はこれを紛争地域の奥深くで書いている。国境を越えてクラグローンへ入ったときからずっと同じ任務にあたっている。新たに出現したスケールドコートと呼ばれる教団の活動を調査し、同盟を行わないアイアンオーク族との繋がりを、もしあるのであれば見極める。諜報活動中に興味深い場所を発見した。

クラグローン北部として知られる地域の始まりを示す岩の丘に囲まれた、アイアンオークの隠し野営地に偶然出くわしたのだ。それは、その地域中に散らばっている古代ノルドの遺跡の中にあった。丘の頂上の遺跡の崩れかかった塔の下に建てられているこの特別な地下の小部屋は、アイアンオークの一種の訓練場に変えられていた。しかし、オーク達が訓練しているものは、この場所をとりわけ興味深いものとしている。トロールだ。

アイアンオークはトロールを部隊として戦うよう訓練している。彼らがトロールの軍隊で何をしようと計画しているのかは誰にもわからないが、カバナントにとって有益ではあり得ない。

私はこの即席のアリーナを見下ろしている大きな格子窓を見つけた。忍び寄って、彼らが下で何をしているか、もっとよく見るつもりだ。

カルダラの発掘The Unearthing of Kardala

(弟子により編纂されたムハイ・アトトゥーラの覚え書き)

私の業績中で最も人々の記憶に刻まれているであろう発見が、まだ見習いだったときに全くの偶然で見つけた、いわゆるカルダラの遺跡だということは自分にとって皮肉でも何でもない。

私はその年(第二紀101年)を人里離れたドラゴンテール山脈の山麓で小さなギルドとともに過ごした。その一団をギルドと呼ぶのは、他に適当な言葉が見当たらないからだ。彼らは、まるで修道会の司祭のような暮らしをしていた。全てを分かち合い、一日の大半を本に顔を埋めて過ごしていた。

だが彼らを司祭と呼ぶことは、ある意味、敬虔であるということを漂わせてしまうような気がする。彼は敬虔ではなかった。私たちは夜更かしし、酒を飲んでは猥談をした。修道会の年長メンバーまで加わっていたくらいだ。

しかしギルドも、彼らを的確に言い当てた言葉ではない。その言葉は、一様であることを意味するが、タムリエル中から集まった男性、女性は様々であり、若者から年寄り、教養のあるものから頭の鈍い者までごちゃ混ぜの寄せ集め集団だった。彼らは絶え間なく言い争っていた。だが非常に仲は良さそうで、お互いを名前で呼ぶと、次の瞬間には笑い合っていた。彼らは、修道会の呼び方についても意見が違っていた。年配のメンバーは、大仰で古めかしい「神聖な活動と先触れを見し者の貴修道会」という名前を推していたが、若いメンバーは「星読み」という簡潔で示唆に富んだ名前を好んでいた。

集団は1つの関心事によって団結していた。彼らは皆、星と行動の意義についての研究に没頭していたのだ。見習い期間中のその年に彼らと過ごした訳はそこにある。私自身も天に魅力を感じていた。彼らの広い知識からできるだけ多くの恩恵を受け、魔法の特性に対する星の関係についての自分の調査を進めたいと願っていた。

私はここで白状しなくてはいけない。「星読み」と過ごした日々は、まだ若かりし頃の私の目を大いに覚ましてくれた。最初の数ヶ月が過ぎた後、私は重い鬱状態に陥った。魔法と星座の関係についての自分の興味が一つ残らず完結したかのように、既にすっかり調査されていたと気が付いたからだ。私のような見習いは、既に書かれたものを読んで一生を過ごし、結局、たった一語すら自分の言葉を残せないということがありうる

しかしながら、さらに自身の研究に時間を費やし、「星読み」とともに過ごしていうるうちに、星それ自体について答えを出さなくてはならない問いが多いことが分かった。私たちは魔法の仕組みを理解しているのに、天そのものの仕組みをほとんど知らない。実際のところ、一見、その問いが平凡に見えれば見えるほど、その答えはスルリと逃げていく可能性が高いのだ。

あらゆる疑問には答えが出ており、希望は失われたと思ったちょうどその時に多くの問いがあふれ出し、再び元気が出てきた。一つ一つの疑問は、これまでのものよりも驚きに満ちていた。実際、偉大な学者たちは、魔法の理論にあれだけの知識をもたらしたにもかかわらず、答えることができなかった。ムンダス・ストーンがいかにしてそうなったのか、もしくは季節も知らずに、どんな仕掛けで大蛇座が空を横切るのかを。

それどころか、ほどなくして気が付いたのだが、偉大な3人の学者のうち誰一人としてクラグローンに足を踏み入れたことすらなかったのだ。かつてネードが星を崇拝し、ムンダス・ストーンを自分たちの基盤に据えた場所を、どうしてないがしろにできようか?私には決して理解できないだろう。

カルダラを発見できたのは、この事実のおかげだ。現地調査を通して新たな結論に達したいという思いに元気づけられた私は、熱意ある仲間が砂漠に案内してくれることを切望した。大公座と淑女座、駿馬座のムンダス・ストーンを研究し、さらに新たなものを発見したいと思っていたのだ。

カルダラに関する本には、史実を飾りたてて話を面白くしているものもあり、いい気分になる。そのような本によると、その戦士座の守護にあるムンダス・ストーンを調査することで、その位置から、戦士座と関連した別のムンダス・ストーンがその3つのストーンの近くにあるはずだという推測に至ったという。

これは事実とは全くかけ離れている。砂漠を旅している間、私は健康を維持するために大量の水を飲んだ。当然、その水はどこかへ行かなくてはならない。私は失礼して、少し道を外れ、用を足した。ところが仲間のところへ戻る途中で、方向が分からなくなってしまった。そして必死で道を探していると、浮き石が足元で動いた。私は後ずさりし、自分の足元でパックリと開いた裂け目に落ちないようにした。それが、カルダラの入口だったのだ。

当然ながら、連れは言葉に言い表せないほど大喜びした。カルダラの発見に関して広まっているいくつかのデマは彼らのおかげだと思う。事実、砂漠に私を案内したいというあの日の彼らの熱意なくして、発見はあり得なかったのだから。

クラグローンのラミアLamias of Craglorn

セオデリック・ペロン 著

クラグローンに生息するラミアの数については誤った情報が多い。その地域の彼らの存在自体がある種の謎だからだ

本来であれば沿岸地帯を生息地とする生き物が、どうしてそのような厳しく容赦のない砂漠で生き延びる方法を見つけられたのだろうか?

勇敢な案内人であり、反論できないものへの回答者である私は、真実を求めてクラグローンへ旅に出た。

ハイロックからシロディールに伸びる主要街道を経由しベルカースに着いた私は、すぐに住民に取り入り、サマーセットから持参したワインで彼らをもてなした。すると彼らはラミアに関するあらゆる話で楽しませてくれた。

群を抜いて不思議な話はこれだ。私は地元の酒場で、道徳心が怪しい者から聞いた。

フレデリック・クロエンズという名前の魔術師は、移動動物園のため、ひどく変わった生き物を収集しながらタムリエルを横断した。彼はヴァレンウッドで、ウッドエルフとともに多くの夜を過ごした。このエルフたちはグリーンパクトの支持者だった。(詳細は文明化した考えを持つ者の理解を超越しており、この話とは無関係だ)

あえて言うなら、このウッドエルフたちは私たちの魔術師に、効果の高い様々な興味深い調合薬を紹介してくれた。この変わった聖油の影響下にあった3日間から2週間の間に、その魔術師は地元のラミアと結婚していたのだ。

それからベルカースの消息筋は、クラグローンの洞窟と湖に生息するラミアは、フレデリック・クロエンズとその妻の子孫に他ならないと説明を続けた。2人は移動動物園と共に、ここまで旅をしてきたのだという。

この話がデタラメであることは明らかだ。しかしながら、独自の調査でフレデリック・クロエンズと移動動物園が実在したことを確認できた。彼らは以前、実際にヴァレンウッドとクラグローンを訪れたことがあったのだ。とはいえ、ラミアは別な手段でクラグローンにたどり着いたと見るのが妥当だろう。

クラグローンの驚嘆The Wonders of Craglorn

パパ、素晴らしいものを見てきたわ!パパが私をクラグローンに送ると決めたときは言い争ったけど、パパが正しかった。この経験はきっと身になると思うの。確かに未熟者やホーカー達に付き合わなければいけないこともあるけど、それは愛するスカイリムから離れれば当然の事だものね。まずはこれまで経験してきたことを教えるわ。

まず、彼らはこの荒地で、星が空から落ちて人のように歩くと言っている。そのことについては分からないけど、砂と塵の戦士が古代の亡霊のように戦場から立ち上がるのを見た。強かったけど、誠実なノルドの鋼が倒せない敵なんて存在しない。

それからいくつかの獣を組み合わせたような、奇妙な生き物とも遭遇したわ。まるでスコーピオンとワマスが生んだ赤ちゃんのような、そしてその通りのとても恐ろしい相手だった。現地の人たちはそれを「マンティコラ」と呼ぶらしいの。私はブサイクって呼んで、斧で殴りつけてやったわ。何回もね。

それから、前の手紙で信者について言った?そう、クラグローンにもいるの。ただ、この信者達は特別みたい。自分達のことをスケールドコートって呼んで、「摂政」だの「エグザーチ」といった仰々しい肩書きをつけているの。まさにホーカーの集まりね!そして信じられないことに、彼らは何かの空飛ぶ蛇を信じているの!信じられる神々の中でも、よりによって腹で這いつくばる獣を信仰の対象に選ぶなんてね。私は連中を斧で殴りまくったわ。いい気分だった!

今はハチミツ酒を飲みながらドラゴンスター・アリーナに入場する準備をしているところよ。パパなら私のことを誇りに思うと思うの!それなりに腕の立つ戦士の一団を集めて、うまくいけば大会に優勝できるかもしれない。ノルドとダークエルフ、そして2人のアルゴニアンが良いチームになるなんて想像できたかしら?対戦相手については情報がまだ不足しているけど、多分コヌンレイカーの大会よりは厳しくないと思う。戦利品を獲得したら、もしくは対戦した何かに勝ったら、また手紙を書くわ。

あなたの娘、ベリンカ

クラグローンを歩く星A Star Walks In Craglorn

冒険とロマンスの物語
物語の編み手、アダンドラ 著

彼は空から落ちてきた、一般の人々と共に歩むため、エセリウスから下界に降りてきた星。ある者は彼のことをセレスティアルと呼び、またある者は彼を戦士と呼ぶ。では私は?私は彼を「愛しい人」と呼ぶ。

愛しい人と出会ったのは、ドラゴンスターの街からさほど離れていない寂しい道だった。私はあらゆる曲がり角で待ち伏せているようなアイアンオークやスケールドコートの兵士の注意をかわすように、闇の中を急ぎ足で進んでいた。そんなとある曲がり角に差し掛かった時、私は背の高い、古代の鎧を身に着けた屈強な体格の男に出会ったのである。

彼は私が倒れる前に私の身を抱え、空の星々のように輝くような強い手で私を支えてくれた。そして私の全身に震わすような深く、響き渡る声でこう言った。「そのように急いで、どこか行くのですか、美しきお嬢さん」

* * *
ダメだ!これはひどい!やはりこの戦乱に荒れ果てた地域で実際に起こった実話について書いた方がいいのかも。完全な空想物語を書くのは元々得意ではなかったし。待って!いいことを思いついた。あの戦士が、孔雀のコンフィと飲用金が好物というのはどうだろう?

とりあえずこのまま書き続けて、どうなるか見てみるかな。

グラザールの脅迫Grazzar’s Threat

ジョルゴブ

なあ、こんなに簡単に済むと思ってるのか?逃亡して、名前を変えたくらいで、お前を見つけられないと思うか?

状況をよく考え直した方がいいぞ、旧友よ。チーズルシュリーク鉱山で二週間後に会おう。さもなくばドラゴンスターキャラバン社の新しい友人に、お前の過去の偉業を全て話すぜ。

ハイロック街道の殺し屋だと知ったら、奴らはどんな顔をするだろうな?

心をこめて、
グラザール

サソリの観察Scorpion Observations

クラグローンの巨大サソリは、その小さくより平凡な親類とは異なった生理機能を持っている。その巨大さと力に加え、彼らは子供を孵化させた状態で出生し、その背中に乗せて育てるのではなく、巣に卵を産卵することで出生する。これはその巨大さとスコーピオン・マトロンが一度に出産できる子供の数、その大きさに関係があるのだろう。このような違いも研究上驚くべきことであり、非常に興味深い。

この計画では、フィアファングス洞窟の奥に営巣場を持つ強力なスコーピオン・マトロンを選んだ。彼女の同族であれば現段階での錬金術の工程で必要となる捕食者としての特性を提供してくれるはずである。これをあの強大なワマスの卵持ちと至高のクロコダイル・マトリアークが提供する特性と組み合わせれば、サソリの素材がマンティコラへ、我が想像が及ばぬような力を与えることになるだろう。

すでにマトロンの卵のいくつかは収集した。それぞれの殻の中にある素材が産卵場に新たな生物に簡単に引き継がれる特性を植え付けるだろう。はたして大蛇の他の摂政たちで、私ほどの成功を収めているものはいるのだろうか?いないであろう!真祖マンティコラが産卵場から出現した時、大蛇は私にスケールドコート全体の指揮権を授与されるだろう。それはここで成し遂げた仕事に対する正当な報酬である。

——蠢く悪夢の摂政ボワード

サナバールの研究メモSanavar’s Research Notes

1日目
ドワーフには進んだ天文学の知識があったことが知られている。今日に至るまで、星座を象徴するシンボルは、ドゥエマー文字が使われている。

残念なことに、我々の知識はそこから始まり、そこで終わっている。回収されたドワーフの文字の断片は短すぎて参考にならないか、複雑すぎて翻訳できないのだ。

クラグローンのドゥエマー遺跡が、地方に点在する謎めいたムンダス・ストーンの起源を明らかにし、星座との関係を説明してくれることを心から願っている。

具体的に言えば、私はムハイ・アトトゥーラによる非常に貴重な古代ヨクダの天文学の手引きガイドを利用し、ドゥエマーの遺跡の記号学と隣接するヨクダの聖堂を比較している。それにより、失われて久しいより最近のドワーフの観察との関連性を実証できるか調べているのだ。

もしアトトゥーラの理論が正しく、クラグローンに定住したヨクダ人が星座を理解していたとしたら、もっと前の時代に彼らがドゥエマーの遺跡を調査したと推測される。衰退と繁栄を求める日和見主義者が破壊的な仕事をする前に。私がやりたいことは、ヨクダとドワーフの文字を比較し、歴史的文献で不足している部分を埋めることだ。

2日目
私はツイている。この遺跡は、これまで訪れた多くの遺跡よりもかなり保存状態がいい。だがしかし、これは同時に必要以上に注意深く進まないといけないということだ。ちょっとつまずいただけで、ドゥエマーの防御を起動してしまうかも知れない。それは間違いなく私の破滅を意味する。

6日目
物資を取りに地上に戻ってきた。それと、自分の蔵書から発見した断片からなるドワーフの文章の複写を送った。時間に余裕があり、自分の本を手に取れるときにでも、解読するつもりだ。

10日目
クソッ。防御が起動してしまった。どうして、こんなことに。絶対に何にも触れていないと思っていたのに!

うまくいけば、誰かが私のメモを見つけ、この研究を続けてくれるだろう。

サラディンの日記Saradin’s Diary

上級王デュラクの娘、サラディンの日記より

父とヴィルマリルはもう1日、夜のほとんど時間をスカイリーチの地下にあるカタコンベで過ごした。彼らはあの暗黒の技に対する陶酔を分かち合っているけれど、私は時々彼らの友情は複雑すぎないかと思う。父はネードの上級王としてあのような重責を担っているけれど、ヴィルマリルに助言を求める度、その重責をほんの少し私の愛する人に負わせているのではないかと心配している。

* * *
今の所、父には私達のことを話していない。でも、ヴィルマリルはごく近い将来、父に私との結婚を願い出てくれると約束してくれた。

* * *
父は激怒した。ヴィルマリルとの長い友情にもかかわらず、愛する娘がハイエルフと結婚するという発想には全く喜ばなかった。私はとても傷ついたけれど、強くあらねばならない。どうしたって私は上級王の娘なのだし、父や国民に対する義務がある。この結末がどれだけ私を苦しめたって関係ない。そして、かわいそうなヴィルマリル。私は見たことがないわ、あんな…打ち砕かれたような彼を。

* * *
私はケスティク王と結婚する。父がケスティクと北部のクランとの結びつきを強化するためにこの結婚をお膳立てした。私はまだとても強くヴィルマリルのことを思っているけれど、それは後ろに追いやらなければいけない。私達の愛は禁じられたものだし、この結婚はネードのクランをより強くする。ヴィルマリルはもう、彼自身の人生を歩み始めているの?

* * *
野蛮なヨクダ人達が扉のところに集まっている。今日は父とヴィルマリルが一緒にいるのを見た。2人とも不安げに見えた。ああ、2人ともそれは見せないようにしているけれど、私は2人をよく知っている。ヴィルマリルが侵入者を撃退する計画があると言う。彼は父がその案を支援してくれるだろうと思っている。彼らに必要なのは、ただ他のネードの王を説得することだわ。

* * *
ヴィルマリルは今夜の祝宴の間中私を見ていた。かつては見られなかった…渇望が彼の瞳の中にあった。きっと私が想像しているだけね。けれど、今夜のヴィルマリルの頭の中には侵入者や、軍隊や、戦争のことはなかったと断言できる。彼は私のことだけを見ていた。

* * *
ヴィルマリルは王家の部屋にいる私のところへやって来た。最初は、彼と話すことをためらったけれど、距離を置いているとは思われたくなかった。彼はまだ私を愛していると言った。共に逃げ出そうと頼んできた。彼が冗談を言っていると思い込んで、その考えを笑いとばした。けれど、私にはわかった。彼の瞳の中の、私への思いは今までにないくらい強いものだった。私は、私の思いが私を裏切る前に、後ろを向いた。

* * *
今日のヴィルマリルは冷たく、よそよそしかった。ご機嫌を尋ねたとき、彼はただ、私が次の行動の方向を決心させるのを手助けした、とだけ言った。王の議会が終わったらすぐにヴィルマリルを見つけて謝らなければ。決して傷つけるつもりではなかった。

間違いなく、彼はわかってくれるはずよ。

スカイリーチの探検家 第1巻Skyreach Explorer, Volume One

グウィリム大学 歴史学者 レギナス・ブーカ 著

興奮と恐怖をもって、私はこの一連の日記を書き始める。これはいつの日かスカイリーチおよび古代のネードの人々に関する学術的作品の基礎を形成するだろう。グウィリム大学は寛大にも、この目の前にある題材について、少なくとも2冊の本の出版の独占権と引き換えに、この遠征に対する資金提供をしてくれた。

注記するが、これらの日記は完結し、出版された作品ではない。この旅を通して出会った全ての物に対する私の見解、理論、そして一般的な考えが含まれている。この日記はまた、私の学術的パートナーのヴェリタ・ヌミダによる付記も含む。この者の理論は通常、私が提示するいかなる理論とも極めて対照的である。我々の視野の相違点がより完全な過去の概念を創出すると考えたい。しかし、私はここで、ページの中で認めよう。彼女はしばしば私を知的に激怒させる。そうは言っても、私自身のものと並行して、彼女の支援と高い実績が加わっていなければ、この遠征が実を結ぶかどうか確信はない。

なぜスカイリーチなのか?これら古代の遺跡が、我々が最初にシロディールの調査を始めてから興味をそそられている疑問に対する回答を持っているからだ。すなわち、最終的に強力なインペリアルを生み出した古代のネードとは何者なのか?私は常々、彼らはまるでお互いが敵であるかのように戦うような、未開の獣であると考えていたが、ヴェリタは絶えず、彼らは私が信じているよりももっと進んだ文化を持っているはずだと強く主張していた。おそらく、スカイリーチの遺跡の奥深くで、我々は決定的にこの論争の決着をつけるだろう。

* * *
すばらしい!スカイリーチの街はドラゴンテール山脈の周辺だけでなく、山を貫きその地下にさえ広がっていたらしい。この場所の加工をする技術はなんと素晴らしい偉業であることか。どうやら、私は少なくとも1つヴェリタとの論争に負けたようだ。古代のネードは確かに単なる未開の獣ではなかった。しかし、厳密には彼らは何者なのかということを、これらのモノリスはまだ語っていない。

我々が「要塞」と呼ぶことに決めた、廃墟となった街の部分の調査を始めた。最初の目標はこの地域を探検し、このようなネードの大都市における日常生活はどのようなものであったかについて結論を出すことだ。彼らは外部と内部の空間を共に活用していたのだろうか?また、彼らは主に、山のまさに中心から削られた空間に居住していたのだろうか?おそらくあの複雑な彫刻がいくつかの手がかりを提供してくれるだろう。

最初の調査で、私は誇大に称えられている上級王の1人の個人的な邸宅として、この巨大な生活建造物を建設したと理論を立てた。ネード滅亡の責を負う、デュラク上級王の最後の邸宅でさえあるかもしれない。

ヴェリタはいつものごとく同意しない。彼女は一般庶民がこれら今や廃墟となった建物の中や外で生活や仕事をしていたと推測する。我々が見た、生活空間に変換された区域らしいと示す証拠は、ネードがヨクダ人の侵入の結果、山の中へ後退したという理論の信憑性を増すと彼女は訴える。彼女の理論は正しいと言えるかもしれない。さらなる熟考を重ねれば。しかし、私はまだ譲歩するつもりはない。今はまだ。

スカイリーチの探検家 第2巻Skyreach Explorer, Volume Two

グウィリム大学 歴史学者 レギナス・ブーカ 著
グウィリム大学 歴史学者 グウィリム大学 古代研究家 ヴェリタ・ヌミダによる付記

レギナスには休息とジュニパー茶が必要だったので、スカイリーチ要塞の探検の記録を続けるため、私がインクと羽ペンを取っている(いかに彼が嫌っていようが、私はより友好的で刺激的な執筆スタイルを好むの!絶対にね!)。

私はますます、ネードは高度な社会を持っていたと確信するに至ってきている。ひょっとしたら、いくつかの手法においては私達よりも高度でさえあったかもしれない。山の内部に巨大な場所を建設するために必要とされた、工学的技能は計り知れないものだ。私達の最高の技術者と職人が同じ試みを繰り返したら、追い詰められないでいられるかどうか確証がない。入り組んだ庭、アーチ型の天井、精巧な水路と噴水。これらはすべて、シロディールが提供できる最高のものに匹敵するか上回る、高度な知識と美学のレベルを示している。

私達を取り囲む石細工の中に示された全ての技能と職人技は、ネードが戦いを愛する蛮人をはるかに超えた存在だったということをはっきりと表していると私は考える。ごめんなさいレギナス、だけど私はこれを自分が見たままに記録しなければいけない。その建築は、彼らが石細工とレンガ細工を芸術として扱ったことを示している。その彫刻は簡素な装飾以上のものよ。それらは誇り高く力強き人々の、嫉妬深い侵入者により断ち切られた、星に手を伸ばす文化の物語を伝えている。遺跡の中にあってさえ、息をのむような高尚さがここにはある。

さらに印象的なのは、空に向かって開いた場所よ。これらの開いた天井は、新鮮な空気と日光を取り入れ、ペレナールのかけらやその他のものなどのような、古代の文書や石板のおかげで私達が知るところとなった、ネードが好んだ習慣である夜空の観察をするために最適だった。ネードの星に対する執念は、単純なものではないと私は信じている。彼らは星を崇拝していたか、またはセレスティアルとの間に何か他の深いつながりがあったのよ。私は、ネードがまさにセレスティアルという概念の創造物そのものと、何らかの関わりがあったと信じている。私はこの場所や近隣の遺跡の探検中に、この説の裏づけとなるものを発見するつもりよ。

もちろん、レギナスは私の意見に激しく反対している。彼は羽ペンを返せと要求してさえいる。歴史学者よね、まったく!もし、空想から現れた事実が歩み寄って来て、「こんにちは」と言ったとしても、彼にはわからないでしょう。ええ、いいわよ。どの道、手が痙攣を始めちゃったもの。

スカイリーチの探検家 第3巻Skyreach Explorer, Volume Three

グウィリム大学 歴史学者 レギナス・ブーカ 著

今日、我々はスカイリーチ地下墓地として知られる地下墓所へ初めて踏み込んだ。ネードの街の死者が、この広大な迷宮に葬られていることは明白だ。だが、我々はまだ、すべての階級の市民がこの施設を使用することを許されていたのか、または、裕福で有力な者たちだけの場所だったのかを確定できていない。我々はすぐに墓所の標本の分析に取り掛かる。我々が、どんな遺物がそれぞれのネードの遺体と共に埋められていたと見出すか、誰が知るだろうか?

我々の一行の何人かの衛兵と作業員はこの場所について不平を言い始めた。彼らは、このカタコンベが取りつかれているという。実は、私の生徒の1人が、裏切り者ヴィルマリルの伝説を私に思い出させた。通常、このようなばかげたことは認めないが、私の中に恐怖感があることは認めなければならない。そして私も他の者と同じように、聞き取るには低すぎる声で言葉を話す声が聞こえるような心持になっている。もしかしたら、我々はただこの夢物語でお互いを怖がらせ合っているだけなのかもしれない。それでも、我々が調査を完了するのが早ければ早いほど、この陰惨な場所を早く出て行ける。

(現在、レギナスが恐怖でほとんど凍りついてしまっているようなので、再び私が羽ペンを取っている。実際、私達はまだ幽霊とか歩く死人とかを目撃してはいないが、頭の中で奇妙な声がすると訴える調査隊の者がどんどん増えている。しばらくの間彼らを無視して、私達がちょうど横切ってきた素晴らしい部屋について話しましょう。これはきっと、伝説的なネードの王達の会議が行われた場所に違いないわ!それぞれの王は彼らの生命の最後の瞬間を迎えた時のままに違いない姿に見えた。玉座に座って、あたかもこれから崇高な討論に入ろうかとしているような——ヴェリタ・N)

自分に何が起きたのかわからない、だが、私は陰鬱な感覚を振り払って、我らが空想的なヴェリタから羽ペンを取り返した。私はこの発見の我々の記録を完成させるために、これらそれぞれの古代の王の配置を文書に記さなければならない。彼らの名前は歴史の中に失われているが、上級王デュラクの周囲に散在していた各王の肩書きはわかっている。彼らの中には森林王、精霊王、氷結王といった優れた指導者も含まれていた。彼らがなぜこのような肩書きを付けていたかわからないが、彼らが統治したネードの領域の地域と関連があるのは間違いない。また、ひょっとしたら、彼ら個人の力の紹介のようなものと関係があるのかもしれない。

(その羽ペンをよこしなさい!彼らがどう呼ばれていたかなんて誰が気にするのよ。思うに、この部屋は裏切り者ヴィルマリルの本当の精神状態を表しているのよ。彼がアンデッドの軍勢を起こそうとしていたとは思わない。彼は収集家以上の人だったのだと思うわ。この場所は今や彼の収集物なのだと思う!もし目の前にある証拠を見たら、これはかなり筋が通っていると納得するわよ。——ヴェリタ・N)

ばかばかしい!ヴィルマリルは伝説以上の何者でもない。そして、幽霊話は知識と歴史の理念の前進の為には何の役にも立たない。この妄想的な声に我々皆が屈服する前に先に進もう。

スカイリーチの探検家 第4巻Skyreach Explorer, Volume Four

グウィリム大学 歴史学者 レギナス・ブーカ 著

私達がすでに探検した街の他の部分で見たように、同じ奇妙な形状がネードの建築の至るところで見られた。明らかに大蛇のモチーフであるものがあちこちに描かれていた。私は、これはネードがある種の大蛇神を信仰していたという確固たる証拠だと強く主張する。この神に激しく魅了されていたので、どこであれ彼らが見る場所ではその姿を見たいと思っていたのだ。

ヴェリタは、私の理論に一理あると言っている。そのことには感謝する。だが、彼女は他の見解を提供することを強く主張している。これはすべての可能性について検討してみたことをはっきりさせるためだというが、私は、彼女がただ反論したいだけだと主張する。彼女は事あるごとに異論を唱えることを楽しんでいる。彼女の理論で、大蛇は単純にネードの文化で人気のある形象であったのであり、我々の間で人気がある伝説の、友好的なネッチ、勇敢なる小さなスクリブや、贈り物好きなグアルとたいして変わらないということだ。

これもまた人気ある格言の通り、意見の不一致は認め合わなければならない。

その他の、私達が石細工の中に何度も見つけた奇妙なオーク風の顔、ある種の生き物の角付きの頭蓋骨、そして翼のある大蛇を含む像は、他の蛇の像と結びついている可能性がある。神?大衆に好まれた物語の登場人物?特に深い意味を持たない単なる装飾の構成要素?私は、我々はネードのパンテオンを見ているのだと信じている。キャンプファイアー用の物語に出てくる想像上の生き物を描くのに、わざわざ手間をかけているとは想像し難い。

* * *
我々は今や、カタコンベは元々スカイリーチの街の墓地として利用されていたのだと信じている。我々は埋葬されている者が一般の人々から職人まで、貴族から王族まで、あらゆる階層の出身者だという証拠を見つけた。我々はまた、なぜこれらのカタコンベの領域が我々を大いに動揺させるのかということについて、相反する仮説を発展させた。

私は、それは、共有の幻惑だと考える。いつまでも消えない伝説によって与えられた物質が、我々自身の恐怖によって加速されたものだ。我々はただ、我々の知性と意思の強さを信頼する必要がある。そうすればすべてうまく行くだろう。加えて、幻惑は我々を傷つけることができない。このことを、私ははっきりと確信している。

ヴェリタはもちろん、他の見解を持っている。彼女は、現在我々がパレナールのかけらと呼ぶ遺物の文書を通してのみ知っている裏切り者ヴィルマリルに関する伝説が、それに対する少なくとも一粒の真実を持っていると信じている。これは彼女の考えだが、ヴィルマリルはまさに死霊術師で、どうにかして自然の法則に背き、どのような形であれこの迷宮の奥深くにいまだ存在しているというのだ。私はたわごとだと言ったが、彼女がこの遠征に同行することに同意したように、私には何か、彼女が自分の理論を展開することを認める義務があるような感覚がある。それがどんなにとっぴな話であっても。

これはヴェリタの主張だが、ヴィルマリルは計ることが不可能なほどの長い間眠り続けているという。そして、我々は何らかの形で永遠のまどろみから彼を起こす工程を始めてしまったのだと。ただ、一応念のため、我々はカタコンベの探検を早く切り上げて、施設の次の場所へと移動することにした。ひょっとしたら、後でまたこの遺跡へ戻るかもしれない。我々の頭がすっきりとしたら。

スカイリーチの探検家 第5巻Skyreach Explorer, Volume Five

グウィリム大学 歴史学者 レギナス・ブーカ 著
グウィリム大学 古代研究家 ヴェリタ・ヌミダによる付記 歴史学者 レギナス・ブーカ

レギナスは石の歩道の亀裂に足を挟み、足首をくじいてしまった。現在彼はベースキャンプで熱いジュニパー茶を飲みながら休養している。彼は渋々ながら彼の同行なく、遺跡の頂点を探索することに同意してくれた。スカイリーチ施設の調査を完了させるため、彼の足首の回復を待つ余裕はなかったからね。

そして今、私はスカイリーチ遺跡の通行可能な最頂点にいる。施設内の奥にさらに続く長い曲がりくねった通路があるけど、この場所の目的についての仮説を構築できるだけの証拠はまだ目にしていない。ただ、ここにいるのは私だけではないような、不気味な予感はする。もっとも、護衛や研究助手達を除けばね。これは柱や壁に彫られた顔が、覗きこんでいるように見えることと関係がある?

それはさておき、遺跡内に続く通路は過去に損壊を受けた形跡があった。壁の一部は崩れ落ち、通路の一部は加工した石ではなく自然の洞窟で形成されている箇所もある。もしかしたら地震によって損壊を受け、遺跡内に自然の通路が開かれるようになったのかもしれない。そして今でも振り向けば古代ネードの民、あるいはそれ以上の不思議な存在の顔に出会うのではないかという感覚に襲われる。

通路の終わりに到達した。そこから巨大な完成した部屋へとつながっていた。ここで私は自身が遺跡内に侵入してきた通路が元からあったものではなかったように思えた。それは主室をまるで付け足したかのように分断しているように見え、まるで誰か、あるいは何かがスカイリーチの滅亡後のある時点でこの箇所まで穴を掘り進んでいたかのようであり、私は過去の探検家か墓泥棒が進んだ道をたどっていたように思える。

追加のコメントを書き記す前に、少し考えないとね

スカイリーチの探検家 第6巻Skyreach Explorer, Volume Six

グウィリム大学 歴史学者 レギナス・ブーカ 著
グウィリム大学 古代研究家 ヴェリタ・ヌミダによる付記

私がスカイリーチ頂上の調査に関する解釈を続ける間、レギナスはベースキャンプで休養しながら怪我した足首をいたわりつつ、この調査における自分の不運を呪っているのでしょう。良く考えてみれば、もしかしたら彼はこの埃臭い古代遺跡の中を這い回ることに飽き飽きしていて、少し休みたいと考えていたようにも思える。彼なら、私に仕事を全部押し付けることもやりかねない。

私はこの遺跡の一部の主室まで到達した。ここは恐らく何らかの儀礼場であり、もしかしたらそれはネード信仰、またはアルケイン的慣習に関連していたのかもしれない。部屋の主要な場所に4つの召喚サークル、あるいは儀式用の石らしきものがある。私はアルケイン儀式の専門家ではないけど、これらの石の台が何らかの結界であったと知っても驚かない。これらの石のエッチングを作成し、レギナスに何をあらわしているか聞いてみましょう。

部屋の中央には刻まれた儀式用サークルのような装飾が施されており、何かの異形の様相と思われるものを表している。これは我々がまだ完全に解明していないネードの神の一柱?これに関してはひとまず「多分」の分類に入れておくことにする。この古代の場所からはまるで過去に何か重要なことが起こったかのような、何らかの胸騒ぎが感じられる。ここにそのすべてを教えてくれる文書のようなものがあればいいんだけど。ただしその場合、私の大学での仕事はなくなってしまわないかな?

部屋の奥にある高い台には2つの興味深いものがあった。まず、5つ目の召喚サークル(結界石?)が台の床部分に埋め込まれていた。そして壁に開いた巨大な穴からは夜空が観察できるようになっていた。これは何らかの天体観測用の道具だったの?特定の日にはこの場所から特定の星のパターンが表れるようになっていたとか?この件に関してはもっと調査が必要になるかもしれない。ただ、ここで感じる雰囲気が私を不安にさせる。この場所から感じるのは…怒りよ。まるで爆発するのを待っている、闇の感情のスズメバチの巣のような。

さて、私がここでできることは終わった。後はここで発見したものについて、レギナスがどう思うか聞いてみることにしましょう。

スケールドコートでの生活Life In the Scaled Court

星読みのための報告書
ヴァリンカ・ストーンヒーヴァー 著

ついに私の良き指導者、著名な探検家にして冒険家のナルシス・ドレンに教わった単純なトリックを使う機会を得た。その結果、もしあなたが回りの人々と同じ服を着て、うつむき、所属しているかのように振舞えば、現在クラグローンで活動している教団の中でももっとも邪悪で卑劣な教団にさえ潜入できるということがわかった。とは言っても、簡単なことではない。私はあの場にいる間ずっと、密偵だと暴露されるとはっきりと感じていた。しかし私は忍び足で入り込み、体験談を伝えるために再び脱出してきた。かろうじて!それでは、スケールドコートでの生活についてお伝えしよう。少なくとも、前の央耀日の約4時間の間に見た生活について。

スケールドコートキャンプでの生活の大部分は、皆さんが無鉄砲な戦士と魔術師の集まりの中にいたらと想像されるものとほぼ同じである。そこには共に生活し、働き、戦う者の間にはよくある心温まる冗談の言い合いがあった。荒っぽい言葉のやりとりも少なからずあり、教団の誰もが皆いつも仲良くやっているわけではないということを示していた。だが彼らには同じ1つの目的があった。私が交流したスケールドコートの信徒達は彼らの指導者に、神に、そして大義に全力で尽くしていた。これら男女の大蛇に対する献身ぶりには、ぞっとさせられるものがあった。

リベンスパイアーの元山賊の青年はとりわけスケールドコートの指導者達に夢中になっていた。特に指導者達が自らに任命している仰々しく(私見だが)尊大な肩書きと虚飾に興味をそそられているようだった。それは最上層部、見たところ組織を支配しているらしい摂政達の議会から始まっている。私はどの摂政とも会うことはなかったが、大抵は称賛と畏敬の念をもって語られていた。彼らのうち何人かはほとんどセレスティアルの大蛇と同じくらい崇拝されていて、スケールドコートの中心的な立場を得ているのだ。

アイアンオークの首領を破壊にうねるオフィディアのエグザーチとすることには多少の異論もあったようだ。アイアンオークをスケールドコートの雑兵に加えるのであれば素晴らしいアイデアだと賛同しただろうが、凶暴なブラードスをクラグローン北部の大蛇の軍勢の最上の階級に任命することは、キャンプの全ての者にとって受け入れ難いものだった。私は時折こういった意見を集め、ひそひそ話や囁きから解釈し、もっとも冷静でないメンバーにせがんで彼らが進んで共有してくれる追加情報を聞き出した。しかしそれでも、私が会ったメンバーは誰一人として大蛇のエグザーチや他の摂政に楯突こうとはしていなかった。そういう訳で、オークの首領の昇進は揺るぎないものだった。

スケールドコートにおける他の指導者的地位は、蠢く悪夢の摂政(この人物は大蛇に忠実な怪物を作り出すことにかかわっているようだ)、牙の憤怒の摂政、這い回る幻視の高官、そしておそらく彼らが大蛇の如き計略の摂政と呼んでいるカシピアという名の女性を含んでいる。まったく異なる指揮系統がクラグローン南部にあった。私はこのような仰々しい肩書きの人物には一切出くわさなかった。そして、それは良いことであったに違いない。私の変装が彼らを欺くことができたかどうか、定かではないから。

キャンプでの残りの時間は、歩き回り、会話に聞き耳を立て、どんな軍隊のキャンプにもあふれている多数の日常的な仕事をこなす男女を観察して過ごした(間違いなく、スケールドコートは今までに遭遇したどの軍隊にも劣らない、軍事的な組織だ!)。私はいくつか未知の物質についての話を聞いた。それはスケールドコートにとって重要なもののようであったが、それが実際のところ何なのか突き止めることはできなかった。もしかしたら、星読みのどなたかは聞いたことがあるかもしれない。彼らはそれを「ニルンクラッツの塵」と言って話していた。その物質が何に使われるものであれ、スケールドコートはそれを彼らの計画に不可欠であると認識しているようだった。

キャンプでの最後の1時間、私は確かに見張られていると感じ始めた。即座に警戒し、私がよそ者であると気づかれている兆候がないかあたりを見回してみた。けれど、誰も警報を発している者はなかった。誰も私に向かって突進して来る者はなかった。それでも感覚は持続し、私は長居しすぎたのだと判断した。私は集団からの離脱を始め、アイアンオークの一団がフラリと入ってきた時にゆっくりとキャンプの端へ向かって歩いた。オークの一団は私の肝を冷やしたが、彼らに同行していた初めて見る武装したトロールは、私の血を凍らせた。

トロールは全体にグリフを帯びたオーク風様式の奇妙な鎧を着ていて、その姿に私は顔を背けたくなった(多分それは、ただその生き物が私の中に引き起こした恐怖にすぎないのだが)。間違いなくそれは私をよく見ようと振り向いたが、オークの主人達に引きずられて行ってしまったので、私はキャンプの外に出る障害物のない通路を得た。しかし、気が違いそうなほど欲していた自由へと到達する前に、私の肩を優しくつかむ手の感触があった。私は緊張し、神経を落ち着かせるためにいくつか深い息をつくと、誰であれ私を見つけ出した者へと振り返った。

私は鋭い目をした若いウッドエルフを見た。彼女は微笑んだが、それは意地の悪い感じではなかった。そして私に折りたたんだ一片の紙を手渡した。「あなた、いい人よね」彼女は言った。それから彼女はこれ以上何事もなく出発できるようにと私を残して去って行った。最終的に速度を落とし、疲れ切った背中を大きな、冷たい岩に預けて一休みするまで、1時間かそれ以上も歩いた。私は地面に座り込み、紙片を広げた。そこには5つの短い言葉があった。

「あなたが見たことを彼らに伝えなさい」

私は紙を取り落とし、そして走った。猛り狂う大勢のスケールドコートが追ってきているのは間違いなかった。私は何とか無事にベルカースへと戻り、この報告書を書いたわけだが、その間もそれは私の心に鮮明に残った。ひどく鮮明に。そして恐らく私は、悪夢を見ることになる。

スケールドコートの起源Origin of the Scaled Court

星読みのための報告書
ヴァリンカ・ストーンヒーヴァー 著

物品の収集家として、ダンジョンの探求者として、そして名高い(すぐにそうなる予定)探検家として、私はたびたび特定の品目か情報を手に入れる任務を引き受ける。クラグローンの星読みは、スケールドコートとして知られる最近結成されたグループに関連するものすべてを調査するために私を雇った。

スケールドコートはどこからともなくやって来たかのようだった。天空の守護者達の、夜空からの不可思議な消滅のすぐ後、クラグローン中に突然姿を現したのだ。ちょっとした質問と、合法的な無料飲料の申し出や賄賂的なものにより、クラグローンに到着する前のこの集団は、戦闘をしようとシロディールへと向かう傭兵達の、ゆるやかな共同体であったと突き止められた。

元々ノルドの戦士長、ミルヴァーン・ワンソードが率いていた傭兵達は、金と戦利品で相当額の支払いをしてくれる軍隊があれば、どこにでも兵力を提供するつもりでその地域に入った。しかし彼らは、戦いを雇われの殺し屋に任せることを拒んだシロディールの将軍から強く非難され、門前払いを食った。ワンソードが集団のまとまりを保つため他の計画を捻り出そうと奮闘していたので、職にあぶれた傭兵達はしばらくの間クラグローンの荒野をうろつき回った。ドラゴンスターの南東にある荒れ果てた土地でキャンプをしていた時、1つの人影が意気消沈した集団の視界にふらりと入ってきた。

彼女はインペリアルらしい堂々とした立ち居振る舞いで、抗うことを許さぬ自信に満ちていた。「”季節を持たぬ者”からの伝言を持ってきた」。彼女は大きな、威厳のある声で告げた。「あなた方は大蛇がその身の中に同質の魂を見出した、目的なき放浪者だ。私と共に来れば、大蛇は千倍に報いるだろう!」

もちろん、ミルヴァーン・ワンソードは仲間たちに彼を裏切らせようとするこの見知らぬ者に腹を立てた。刀剣を引き抜いて彼女に近づいたとき、彼女は落ち着いて微笑み、囁いた。「大蛇よ、あなたのしもべを守りたまえ」。突然、ぼんやりとした巨大な蛇の姿がその女性を取り巻いた。彼女が指差すと、ぼんやりした蛇はほどけて稲妻のように襲いかかり、ミルヴァーンの鎧を2つの鋭い、毒のしたたる牙で貫いた。彼は体が地面にぶつかるよりも前に絶命していた。

「セレスティアルの大蛇はあなた方を招集するために私を遣わした」。女性は告げた。「あなた方に想像を超えた目標と栄光と力を与えるために!私は大蛇の如き計略の摂政、そして我らは共にスケールドコートである!」

私が調べた限り、以上のようにスケールドコートはクラグローンへやってきたのである。

スケールドコートの書簡Scaled Court Communique

ドラゴンスターの我が密偵に告ぐ

いかなる事があろうと、貴殿の本当の所属を明かしてはならない。貴殿には引き続きドラゴンスターキャラバン社の活動を監視してもらう必要がある。なぜなら彼らには行動を起こすことを決意した場合、我々にとって厄介な存在になるだけの勢力があるからだ。

またエランウェンという名のハイエルフについて聞いている。彼女は貴重なニルンクラッツを大量に購入し、我々の収集活動を阻害している。彼女が我々の計画をどこまで知っているのか調査せよ。

私はドラゴンスターの街の西側にあるフィアファングス洞窟で我が軍を視察する。私を失望させるなよ。

——牙の憤怒の摂政、エルスカ

すり切れて破れたページWorn and Torn Page

同僚のアバンは扉に手を押し当て青くしていた。何週間にもわたり隠し通路、緩んだ石を探していたんだ。彼は何らかの方法でそこへ入ったが、何も見つからなかった。だが今度は、私がそこへ入る方法を見つけた。

1年前、ヘル・ラ要塞に入り込みたくてしょうがなかった。もうずっと誰も中に入ったことがないと聞いていたからだ。その扉にはかんぬきが掛かっていて、魔法で守られていた。アンセイと彼らのシェハイの秘密が隠された扉だ。

今、アバンと同じ道をたどることを純粋に光栄に思う。先人が残した名高い史跡を訪れることで、きっと心は揺さぶられるだろう。

セレーンの手紙Selene’s Letter

マイルズ

フレデリックと話をしてもらえませんか。彼がブラックキャスターに入ると言って、私の話には耳を貸さないんです。彼はいつでも私達の結婚をよく思ってなくて。でもあなたは彼の父親だから、あなたのことを尊敬しているし、私よりフレデリックを理解してると思います。お願いです、彼と話してもらえませんか。

セレーン

ダガーフォール・カバナントの書簡Daggerfall Covenant Missive

ドラゴンスターの南の交易路で最近起きた騒動については、ダガーフォールの司令部が調査中である

交易路周辺で洞窟のネットワークを調査してほしい。秘められしデューン、もしくは埋められし砂と呼ばれているエリアだ。そこで山賊を見つけたら報告するように

以下のことを留意するように頼む。司令部は、砂と石でできた巨大な戦士に関する最近の噂は根拠がないものと考えている。そのような根も葉もない噂話は広められるべきではなく、できるかぎり懐疑的に扱われるべきである

タムリエルのオーク 第3巻Orcs of Tamriel, Volume 3

グラシウス・ヴィリコ 著

我々はクラグローンの「アイアンオーク」に行きあたった。私はどの学者もこの存在する問題について研究をしていないことにショックを受けた。だがその理由を知るまで時間はかからなかった。

アイアンオークについて学ぶことは難しい努力であることが証明されている。彼らは外部の者なら誰にでも一律に敵対するのだ。「敵対的」というのは、この場合控え目な表現ではない。クラグローンに居た時、私は日常的に切り刻まれ引き裂かれ、そして生の鉄の爪で木に刺された死体を見つけていた。これは落ち着かなかったが、情報を与えてくれた。何がそのような残虐性を駆り立てるのか、私は不思議に思った。大体のことと同様に、答えは過去にある。

古代のオークの洞窟絵画とネードの遺跡には驚くべきスタイルの類似性が示されていた。これらのモチーフは原始のオークとネードの間に明らかに豊かな文化的交流があったことを示している。これらの共有されたシンボルの豊かさは、段階的な、長期にわたる離別の期間の存在を示している。紛争がより一般的になって、金属と石の加工で有利になったネードの時代があった。いくつものネードのフレスコ画に武装した戦士が、武装していないオークと戦っている姿が描写されている。我々はこれらの壁画には、あまり発展していない隣人に対して、本物の軍隊が勝利した様が描かれている。

神話紀末期のある時点でアイアンオークの文明が起こり、根本的な再構築が行なわれた。基本的に平和で、呪術的な社会だったものが、急速に鉱山労働者や鍛冶職人、戦士たちのコミュニティーに代わり、より一般的なオーシマーに近くなる。しかし、そこには特筆すべき違いがある。アイアンオークは、戦争のやり方に対してかなり野性的な手法を導入した。仲間と私は、バラバラになった状態の大量の死体が詰め込まれた墓を発見した。壊れた背骨、散乱した頭蓋骨、ひび割れた胸骨。多くの傷は、殺された後についたものだ。そして多くの死体には、武器もあらゆる種類の防具もないようだ。

クラグローンの説得力のある絵画の中に、証拠を発見したと信じている。アイアンオーク(石に対する尊敬の念が今日まで持続する)は、彼らと崇拝する原始の石を守るための必死な必要によって、採掘と戦争をせざるを得なかった。くわとつるはしを手にして、彼らは信じる神への冒涜を行なったのだ。怒りはある日、憎しみに取って代わられた。特に、この神への冒涜へ彼らを駆り立てたネードにとっては。もしこの説明が正確なものなら、アイアンオークの怒りはもっとも危険な種類の怒りだと結論付けることができる。この怒りは、自己嫌悪からくる怒りなのだ。彼らの文化と崇拝する石を守るために、歪めて何か暗いもの、恐ろしいものにする必要があった。私はそれを、怒りと静かな悲しみ、あまりに暗く、本当の意味で回復するにはあまりに深いものではないかと恐れている。我々は彼らの中から文化的な変化が起こることだけが、唯一の希望だと思っている。それには長い時間が必要だろう。

タルガのメモTarga’s Note

愛しきアニヤ

まず最初に、これらを読んだ後に手紙を燃やしてほしい。もっと頻繁にも、長くも手紙を書けなくてすまない。だが問題が、幼い子が母親を追いかけまわすように私の後をついて回るんだ。

君から離れたこの何カ月もの間に経験したことは、言葉にすることが難しい。その理由は、日々自分の考えていることが、神への冒涜に近いものだからだ。

我々の輝かしい皇帝が、蛮族が死の地と呼ぶ場所に我らを北上させた。そこは名前の通り、荒れ果てた土地で、どんな人であれ住むのに適していない。だが輝かしい皇帝は前進し続け、砂漠の真ん中で揺らめく水の街と、不死の軍隊という狂った夢の約束に夢中になったのだ。

わかるだろ?私のペンが俺を裏切っている。だが、不可解な皇帝の計画を他になんと呼べばいいんだ?戦士の報酬は永遠の栄光とその疲れた身体を休めることだけだ。だが休息を拒まれる戦士はどうなる?そんな兵士にとって、どんな安らぎがあるんだ?

我々の輝く皇帝は、彼の栄光のために我々が死ぬことを否定するだろう。彼は我々の肉体を、不自然な形で蘇らせ、年月を越えて彼の為に戦わせることで冒涜するのだ。また私の言葉が、邪悪にも神への冒涜を唱えたようだ。

本当は、我々の素晴らしい皇帝が判断を誤った(私はその可能性を認められない)のではないとわかっている。だが、あの皇帝のそばにいる異国の者が、常にその耳に堕落の言葉をささやいているのだ。彼からは野望の匂いがプンプンするし、彼の悪しきお世辞に辟易する。

けれど、これが最後の手紙になると思うのだ、親愛なるアニヤ。究極の失敗が、私自身に横たわっている。私は主人に従い、死ぬことを誓わされているのだが、彼の後を追いたくないのだ。この手紙を書き終えたら、私は栄誉ある道を選択し、自らの剣で命を絶つつもりだ。

この手紙を受け取ったら、どうか破棄して欲しい。我々の神聖な皇帝が、私の罪を君が分かち合ったと見抜かない為に。

いつでも君を愛している、
タルガ

チーズルシュリーク作業長の記録Chiselshriek Foreman’s Log

蒔種の月9日

生産量:62ストーン。男たちの1人が鉱山で何かを見つけた。女性の形をしており、磨かれたお守りのようだ。ただし、壊れている。片腕と頭がなくなってしまっているようだ。コラットはそれを売って一財産作ろうと考えている。彼に、誰も壊れた小さな像を泥まみれのシャフト・ラットから買ったりしないと言ったんだ。だが彼はどこかに行ってしまった。コラットの賃金をいくらカットするか、覚えておかねばならない

蒔種の月13日

生産量:46ストーン。シャフトのより遠い部分で遅滞が発生した。正確には何が問題かわからない。何組かの作業者を下ろして、支援部分をチェックさせた。彼らは長い間下で確認していた。崩落のことを心配していたが、聞こえて来たのは風と罵声だった。彼らが違うガスポケットを発見したのでないといいが。まだ下には、肺をやられた作業員たちがいる。

蒔種の月22日

生産量:24ストーン。さらに3人の作業員がいなくなった。より多くの男たちを下へ送るのは恐ろしいが、何が起こっているのか知らねばならない。明日は小さな遠征を組むつもりだ。私、ソルカ、そしてハシドだ。ヘイスジャールに、戻るまで作業長の役割をするように記録を見せておこう。

恵雨の月1日
生産量:14ストーン。ヨリックから引き継いだヘイスジャールだ。作業長とソルカがいなくて、活力がなくなっている。ハシドは戻ってから、役に立たない。いまだに「蒼の女」や何かのことをブツブツ言っている。人員不足と士気の低下により、ここで鉱山を閉めることを決めた。この記録は今後ここを占有する人に向けて残しておく。気を付けてくれ。この下には何かがいる。何かはわからないが、危険なものだ。自分の責任で掘ってくれ。

ティシの研究メモTishi’s Research Notes

兆候:筋力と体格の強化に伴って、突然の狂気と方向感覚の喪失。「シャダ」と呼ばれる複数の参照によって特徴づけられたまとまりのない叙述。

原因:シャダの涙の遺跡内の変色した水が、飲んだ者を悩ませる模様。

試験的な治癒:ソムナリウスのシダの調合薬が精神を落ち着かせ、時間につれて悩みを静めるが、それ以降はぶらぶらそぞろ歩きをする。

試験的な治療法1:水を飲んだ後に、嘔吐を引き起こす毒薬を投与する。しかし嘔吐が症状を緩和するわけではない。

試験的な治療法2:銀杏とアロエを頭に貼りつけ、脳内の体液の分泌を刺激する。だが目立った効果はない。

試験的な治療法3:煮沸と各種の中和試料を加えて、水を浄化する。だが呪いは損なわれずに残ったままだ。

デュサンダーへの手紙Letter to Dusandar

親愛なるデュサンダーへ

バルケルガードはどうだ?貴族たちは新しい肖像画を描いてもらうために並んでいるか?

この旅は私の繊細な気質に素晴らしい効果があった。これで充電した気分でまたハイエルフ社会の宮廷での生活に望めそうだよ。もうすぐね。

今の私は非常に生産的だ。戻るまでに3点の風景画を完成できそうだ。そしてあと12点以上のスケッチも描いてきたから、家に戻った時の…はっ!空き時間にそれらを描こうと思う。

この高台からの眺めはまさにすごいとしか言いようがない。君にもぜひ見せたいものだよ。多分完成させた絵を見たら行きたくなるだろう。スカイリーチの遺跡の上にのぼる月は息を飲むほど素晴らしい。その風景の本質を私のつたない腕前で捉えられればいいのだが。

私は何を言っているのだろう?そんなの当然じゃないか!

ああ、あとは君にプレゼントを用意しておいた。君のお気に入りの石コレクションに加えるものをね。現地で取れる石で、趣のある名前の石さ。こちらでは「レッド・ブリットル」と呼ばれている。

また近いうちに会おう。
——ユライメン

ドラゴン・プリースト—出でよ!Dragon Priest—Arise!

出でよ、強大なドラゴンプリーストよ!しもべの前にお姿を現し、その聖なる存在に接する栄誉をお与えください!

蘇れ、アキイアダル!この卑しい巡礼者にその秘密を明かしたまえ。古代の知識を私に与えたまえ。

蘇れ、蘇れ、蘇れ!骨が組まれ、肉体が組成する。死の眠りを振り払い、今すぐここに来るがいい!

汝に命令する!汝を支配する!私の声を聞き、我に従え!蘇れ!

ドラゴンスター・アリーナのゲストブックDragonstar Arena Guest Book

全次元における最高の大会へようこそ!ドラゴンスター・アリーナへようこそ!

私はこの大会における皆様の司会でありバトルマスターである、偉大なる強者ヒアスだ。諸君とは仲良くやっていけそうだな。そして活躍を期待している。いい試合を見せて力の限りを尽くせば、例え死んでしまったとしても、アリーナに出場した勇気のある者として記憶されることだろう。

さて、アリーナの記録に名前の記録を残すため、署名をお願いする。私は一度見た顔は忘れないが、どうも名前を覚えるのは苦手だ。

——アリーナ参加者——

キルシア
カーミオン

エイオラ・ウィンドストライダー
ラムシ・ウィンドストライダー

ダリアン・ゴーティエ
ナイフのスコルド

ホラク
ジュンロック
グンラン

シャリム
チャニサ

ウォスター・フローズンフィスト

ベリンカ
ナリカ
埃を掃く者
ミースク・ラノ

チャンピオン・マルカウルドと戦士ギルド

放浪者カズブル(あ、ここに署名するべきではなかったか)

セリオ
バルロク
ジピティー

ドラゴンスターキャラバン社に入ろう!Join Dragonstar Caravan Company!

大きくて重要なものの一員になりたいか?金を稼いでカッコいい制服を着たいか?それならぴったりの仕事がある!

ドラゴンスターキャラバン社は、我々の増え続けるキャラバンの衛兵の一員として、タフで、優秀で、力量のある男女を求めている。もし、君が威嚇的に見せられるなら、自分の武器を持ち出す必要はない。話に来てくれ。その他すべて欠けている場合は、武器の持参が必要だ。我々は、君がその武器を使っていかなる戦闘にも勝てることを確認したい。

望ましいスキル:強さ、強情さ、冷酷さ、忠誠心、命令に従う能力、逃走中の判断能力、威嚇、差し迫った危険な兆候が敵対状況に変わる前に終わらせる傾向。

ドラゴンスターの街にいる教官フィネモと話をしてくれ。君がキャラバン社ファミリーの一員となることを楽しみにしている!

トランブルのメモTrumbull’s Note

カル

魂石5個とスカイシャード5個の買い手を見つけた。彼は素晴らしい値を提示してくれている。本当だよ。これだけの金があれば、グレナンブラを買えるさ!まあグレナンブラ全部は買えないかもしれない。だがわかるだろ。息子とその息子の代、末代まで続く財産だ。

さて、これらをどこで手に入れるつもりか知らんが、まあどこでもいい。だが必ず見つける。そうだろ?成功しないとな。

トランブル

トレジャーハンターのメモTreasure Hunter’s Note

15年の間調査を続け、ついにそれを発見した。私はルクンゼルフトのドワーフ要塞と、その伝説の地下墓地を見つけたのだ!

彼らは私が愚かだといった。そこにはもうドワーフの宝など残っているはずがない。山賊に奪われたか、時とともに失われたかだと。だが彼らは間違っていた!

明日私は出発する。1週間後には、ファハラジャード王よりも金持ちになっているだろう!私を笑う者たちは皆、私が手に入れる金塊を見れば、きっと媚びへつらうことになるだろう。

トレジャーハンターの日記Treasure Hunter’s Journal

降霜の月3日

騙されたあげく、道に迷ってしまった!ここには財宝もなければ、金の山もない。歯車の歯とバネ、シューッと音をたてるパイプがあるだけだ。私はなんて愚かだったんだ!だが絶望してはいられない。ここにも、なにか価値のある物があるはずだ。隠された何かが。私は見つけよう。今引き返すには、あまりにも働き過ぎた。

降霜の月4日

本を発見した。あの機械グモがどれくらいうろついてるのか、全く見当もつかない。文字は小さく、汚れている。だが何かを建てる計画のようだ。何か巨大なものを。それが何であれ、ここのどこかにあるはずだ。そうに違いない!

降霜の月6日

ステンダールの慈愛にかけて、奴らがたくさんいる。あの巨大な歩行機械が。幸運なことに、彼らはガチャガチャ、ドスンと小さな丸石の上のワゴンホイールよりも大きな音をさせてくれる。

奴らは私がここにいるとわかってる。巡回が頻繁になって来てる。。奴らは何かを護るためにここにいる。なんという幸運だ!価値のない物を守る奴はどこにもいない。まだ財産を成せるかもしれない!

降霜の月8日

奴に発見された。八大神にかけて、巨大だ!全てを聞いている。紙の上に羽ペンを走らせる音まで!私はここから決して生きて出られないだろう。マーラよ、ご加護を!

もしこれを読む者がいたら、これ以上進むのはやめろ。奴は眠らせておけ、奴を起こしてはならない。

トロールへの餌付けと世話The Care and Feeding of Trolls

今やどうしてだか、破壊にうねるオフィディアのエグザーチとして知られることを望む族長ブラードスの命令で、この特別なトロールの手入れが確実に行き届いているようにしなければならない。諸君らをトロールの餌にしたくはないので、以下の手順に従うこと。

1. 水、ニルンクラッツ注入済の泥、そして血を混ぜたものにトロールを浸す。
2. トロールをそれぞれ少なくとも1時間はマッサージする。
3. 飲料用桶に泥鉄鉱エールを満たす。
4. 捕虜を激しく叩き、柔らかくする。
5. 柔らかくなった捕虜をトロールに投げる。
6. 後ろに下がり、食べさせる!
7. 毎日繰り返す。

——ブッチャー・グルゾグ

ニルンクラッツ:研究Nirncrux: A Study

回転する混合剤の摂政
メンダン・フロト 著

なんと卓越した物質をスケールドコートは発見したのか!あるいは「再発見した」と言うべきかもしれない。というのは、古代のネードがこの原初の元素をはるか昔に活用していたからである。彼らはこのエセリアルのエネルギーを吸収し、放出する能力も含めた唯一無二の性質について、知っていたかのようにさえ見える。しかし私は、ネードでさえ発見できなかった、我々が「ニルンクラッツ」と呼ぶ元素の様々な用途を我々が発見したという主張には自信を持っている。

大蛇の如き計略の摂政がスカイリーチの遺跡から出てきてニルンクラッツの贈り物をくれた時、我々はこの原初の元素で何をするべきかわからず、喜びと困惑が半々だった。しかし、大蛇が摂政に囁くと、彼女は次々とこの物質をスケールドコートの力を増大させるためにすぐに活用できるいくつかの方法を説明した。しかし、簡素なトリックと小規模な強化は始まりにすぎなかった。大蛇の如き計略の摂政はもっと大きな計画を持っていて、この元素の有用性を百倍にも増加させるよう、私と私の錬金術師達に命じた。

錬金術師達はまず、自然そのまま固形の状態での元素の実用性について研究した。その物質はクラグローン北部中で密度の高い岩盤を駆け巡る鉱脈として、そして時々、山や丘のふもとや谷の河川敷で砂粒や小さな塊として見つけられる。固形の状態である時、ニルンクラッツは砕けやすく、薄片になりやすい。ほとんどの酸からの攻撃に耐え、水や空気に晒されても変色することはない。とはいえ、武器の鋳造や鎧の作成など、実際に使用できるほど密度が高いわけでも、十分に強いわけでもない。

粉状、または塵状にすりつぶした時に、ニルンクラッツの真価は明らかになる。個々の塵の粒子中に貯蔵されたエネルギーは、より良く大蛇に奉仕するために修正されたネードの儀式を利用することで解放でき、活性化したニルンクラッツは薬や霊薬、それにその他の調合薬に利用することが可能となる。

例えば、予備試験の結果はその塵を、オークが複雑で力を集中させるタトゥーを入れる時に使用するインクに配合できることを示唆している。トロールやウェルワといった生き物をこの儀式的なタトゥーで飾り立てることを想像していただきたい。彼らをよりいっそう強力な破壊の原動力にすることが可能だろうか?断固として「可能」であると我々は信じている。我々はすでに、新たに任命された破壊にうねるオフィディアのエグザーチ、またはアイアンオークの首領として知られるブラードスに、百近い数の野生の生き物を飾り立てるインクを強化するために十分な量の、ニルンクラッツの塵を提供した。そして、私がこれを書いている間にも、さらなる原初の元素が加工のために集められている。

もう1つの塵の活用法については、蠢く悪夢の摂政と彼のチームが陣頭指揮を執っている。これは古代の産卵場と、様々なエキゾチックで危険な生き物にかかわるものだ。彼は増大している大蛇の貯蔵兵器に加えるために、産卵場の原始的な繁殖機能にニルンクラッツの塵を混ぜることにより、全く新しい怪物を作り出すことを期待している。彼の理論がどのように実を結ぶか、興味のあるところだ。

元素のもう1つの状態に関係する有望な研究がある。我々は、溶けた状態の物質が、エセリアルの力のさらなる強力な解放をもたらすに違いないと考えている。我々が発見した古代ネードの文書によれば、失われた民がかつてセレスティアルの生き物の作成、強化をしていた時には、液体状の物質が必要だったと示している。我々は物質を液体に溶解するため、巨大なるつぼを建造している。

錬金術師たちが説明のために数々の理論を展開したものの、なぜ物質がクラグローン北部にのみ出現するのかは謎として残っている。有力な説は、はるか昔この地域に空から落ちてきた岩の塊によって堆積したというものだ。もう一つの可能性として、スカイリーチの遺跡で我々が分析したわずかな壁の装飾がほのめかしているように、ネードが世界のコアの奥深くから物質を引き上げるために、アルケインの儀式を利用したという説がある。

この原初の元素がどこから来たのか、また、それが本当は何なのかを完全に理解することはないだろう。しかし、そのことが、その物質を大蛇と彼の定命の手足である、大蛇の如き計略の摂政の栄光と壮大な目的のために使用することを止めることはない。

バラマスの栄光Glorious Balamath

歌え、おお、バラマスの栄光の女神よ
この絶え間ない歌は、陽気に響く
ガラスを通じて、雷のように引いていく

偉大な風は起こる
節だらけの枝と転がる石の下に
大昔に死んだ学者王の溜息は
ギシギシいう骨を通して常に息づく

ここに解放されてない柱が横たわる
ウェルキンドは強力な闇に対して立ち向かう
アーチは矢を引く形で立つ
学者の印、無限に広がる空、
巨大な嵐の深さの中で
叫び、鼻を鳴らし、荒れ狂う
偉大なる灰色の獣のように
飼い馴らされるのを切望して、待っている

我々はこの場所で力を手に入れた
古代の石の隠された渓谷で
育み、避難させ、隠匿された
忘れられた古アルドメリスのとどろきを

ファイブ・クローの戦いの叫びFive Claws Battle Cries

我らは香り高い!我らはしなやかだ!
我らファイブ・クローに敗北はない!

毛皮と憤怒!

爪となれ!

お前達の方向に向かって鼻を鳴らすぞ!

* * *

香り高いか!次のアリーナでの試合で叫ぶ日が待ち遠しいな。だがまずは練習が必要だ。特にあのぐうたらな砂糖と踊る者はな。あいつは自分の毛皮に名前を彫りこまなければ、自分の名前すら忘れるような奴だ。

——クハサビ

フィアファングス洞窟の完成The Perfection of Fearfangs Cavern

フィアファングス洞窟と呼ばれるこれらの場所は、あらゆる意味で完璧である。研究し、記録できるネードのアーティファクトが多数あるだけでなく、その巨大な部屋はスケールドコートがほぼ隔絶された状態で働き、休むために最適な場所ともなっている。それに加えて、施設内の奥で発見した営巣地もある。この驚くべき発見に非常に満足している。

すでに私の支配下にあるスケールドコートの者達には、フィアファングス洞窟内のすべての部屋の内容物の目録を作成するよう命じている。指示された通り、我々はニルンクラッツと呼ばれる原始の元素の使用および生成に関するあらゆる情報を探している。この元素はかつてネードの者達が深く精通していて、その優れた潜在力を解放することに成功したと考えられている。

後は施設の奥にある営巣場に戻らなければならない。マトロンと同族に対してやらなければならない仕事がある。この仕事によって、この大事業が始まって以来より大蛇が我々に要求してきた、兵士を生産する目途がつくことになる。

——蠢く悪夢の摂政ボワード

フィリップのヤスミンへのメモPhillip’s Note to Yasmine

愛しきヤスミン

この手紙を書くことがどんなにつらいか、君に伝え切れない。偽りの生活は続けられない。つまり、君とアデマールの関係を知っている。3ヶ月前のことだ。君がキスをし、見つめ合っているところを見てしまったんだ。自分にとってはただのキスじゃなかった。その瞬間、疑惑と信頼が真実と裏切りに取って代わった。

なぜそんなことができたのか聞くつもりはない。しかし結婚は続けられないだろう。その名の価値はないのだから。
それでもなお、君のこと、そして私たち2人のことを諦めていない自分がいる。まだやり直せるという希望を持っている。

この望みが無駄でないなら、もうずっと昔に私たちが初めて会ったその時間に、埋められし砂の入口でこの手紙の返事がもらえるよう祈っている。

覚えているだろう。その日は長雨だったけれど、雲が裂け、そこから太陽が顔を出した。そして君の金色の髪を照らしたんだ。それが合図だと考え、勇気を出して君に話し掛けることができた。

その2人が今では、このような受け入れがたい状況に陥っている。

願わくば、君への信頼が見当違いでありませんように。

フィリップ

ブッチャーの追跡Tracking the Butcher

賞金稼ぎレゴル・ホッドの日記より

俺は今、傷の渓谷の伝説的恐怖、グルゾグ・ザ・ブッチャーと呼ばれるアイアンオークの賞金に狙いを定めている。奴は襲撃者と略奪者の一団を率いていて、定期的に危険を冒してアイアンオークの領域に近づきすぎた旅人を恐怖に陥れている。ドラゴンスターキャラバン社はブッチャーの隠れ家を見つけ、奴の動きを止めるために俺を雇った。

* * *
俺のハンティング・ナイフを交えた長期にわたる話し合いの末、捕まえたアイアンオークはついに少しばかり秘密を白状した。今ではどこに行けばブッチャーが見つかるかわかっている。最近、奴は戦術を変えたこともわかった。旅人を襲って持ち物を略奪する前に殺すかわり、捕まえて生きたまま連れ去るようになった。

ブッチャーが何のために生きた捕虜を求めているかを突き止める前に囚人はお亡くなりになったが、良いことなどまったく想像できない。速やかな死はアイアンオークの客人となるよりも好ましい、と何かが俺に囁く。

* * *
その地域にあふれているらしい大量のアイアンオークを何とかかわして、傷の渓谷にたどり着いた。俺の人目を忍び、発見を避ける技術は、あの残忍な野蛮人どもを欺くには間違いなく十分以上のものだった。あの下劣な生物をほんの少し殺すだけで済んだ。

俺は谷の脇の壁のくぼみの奥に隠されたブッチャーのキャンプを見つけた。信じがたいことだが、アイアンオークはトロールをいくつかの能力で奴らに奉仕するよう訓練したようだ。この賞金を回収したずっと後にも、アイアンオークがトロールを率いて戦いに赴くという思考は俺の悪夢に現れ続けるだろう。だが、さらに悪いことに、なぜブッチャーが囚人を連れ去ったかがわかってしまった。トロールに食わせるためだった!

だが、この激しい怒りはやり過ごさなければならない。賞金か否か、これはブッチャー個人の問題だ。俺はあのひどく不快な怪物の頭を肩から切り落とすときには喜びを感じるだろう。もし、それをやれるほど近付けるのであれば。

* * *
ブッチャーにたどり着く前に、アイアンオークは俺を止めた。俺は罠にかかり、追い詰められ、避けられぬ結末を待っている。アイアンオークが俺のところに来るまで長くはかからないだろう。俺は戦って死ぬ計画を立てた。生きたままトロールに食われるのは御免だからな。この計画を達成するだけの強さがあるように、ただ祈るばかりだ。

ブラシウスの未完の原稿Blasius’ Unfinished Manuscript

死の地(後にハンマーフェルとして知られるようになった)と呼ばれた地を征服している間、ヨクダ人は公然と自らを偉大な存在だと称していた。しかし私たちは、彼らによる自己の神話化と実際の歴史を見誤らないよう慎重にならねばならない。

彼らが偉大だと主張したことが何であれ、記録から見るにヨクダ人は残忍で、地元の民衆を徹底して弾圧した。それ以前にあった文明の証拠となるものは、血と骨しか残っていない。

今日もレッドガードの「文明」に、その残虐性が残っているのは不思議でない。

ラ・ガーダの残忍性を象徴する最たるものは、皇帝を自称するタリシュ・ツィだ。彼の信奉社は彼を不死だと宣言した。事実、彼はオブリビオンで生まれたようで、それ故に血の気が多かった。

彼の墓地は今でもクラグローンにあり、野蛮な子孫に崇拝されているそうだ。

ブラックキャスターの通知Blackcaster Notice

通告

エリンヒルの市民はモラヴァルとして知られる遺跡には近づかぬこと。

精霊がいなくなって以来、火山活動がこの一帯で確認されている。そのため我々はここで冒険する者の安全を保証できない旨を通告する。

このエリアへ行く場合、我々は責任を持たない。

—ブラックキャスターの魔術師

ブラッドフェザーの戦闘スローガンBlood-Feathers Battle Slogans

ブラッドフェザーよ、飛べ!

ブラッドフェザーよ、舞い上がれ!

ブラッドフェザーよ、血に塗れる時が来た!

ブラッドフェザーよ、集結せよ!

ブラッドフェザーよ、痛みで奴らをくすぐれ!

* * *

明日のアリーナでこれらをすべて試してみよう。ただ、1番目のスローガンは良い感じかも。
直接的でシンプル、それに自分で言うのもなんだが、受けそうな感じがする。羽のないトカゲにしては上出来だと思わないか、ナハッサール?

—ウタ・ラ

フレデリックの手紙Frederick’s Letter

父さん

あなたとセレーンが賛成してないことは知ってる。けれど、僕は自分がやるべきことをやらねばならない。魔法は心を満足させてくれるものの一つだ。僕は作業台や市場の店で働くようにはできてないし、剣を振るうこともできない。
でも、母さんに起きたことに無関心だと思わないでほしい。母さんとの日々をよく覚えているし、とても会いたいよ。けれど魔法は素晴らしいことに使うものだ。僕たちは母さんに対する悲しみの為に、正義の行為をやめる必要はないんだ。

母さんが僕の幸せを望んでいることはわかる。来週のこの時までに、僕はブラックキャスターの弟子になるつもりだ。父さんが理解してくれるよう願ってる。

フレデリック

P.S. セレーンに、あなたがしてくれた全てのことに感謝してると伝えてほしい。

ヤマヌーコの見習いへの手紙Yamanu-ko’s Letter to Her Apprentice

忠実なる見習いへ

新しい味方との合意を取り付けてくれたと思う。指定されたバラマスの遺跡で、彼らに会えることを楽しみにしているわ。

ケルメン・ロケについてだけど、彼は問題にならないでしょう。彼は精霊が裏切った時に逃げ出した。頼もしい味方は、彼が山賊に誘拐させるよう仕組んでいるはずよ。彼が私たちの計画を妨害することはない。

ただし、仲間の見習いに注意はさせておいてね。ミネルヴァ・ラウゾンが取引に対する支持を撤回しないかどうか、心配なのよ。

あなたの師、
ヤマヌーコ

ヨクダはどうやって星を追いかけたかHow the Yokudans Chased the Stars

…そして星の男とも呼ばれたそのヨクダは星々を研究してその動きを天文図に記した。戦士が空高くにいると勝利が続くことを悟った。そして戦士が空から消えると飢餓と荒廃が訪れた。彼はこの周期を二度の昇りと入りを経験して天文図に記し、戦士の星の軌跡を記録した。

そして星の男は親類に言った。「戦士を追いかけて、休息の場所を見つけるのだ。そして生涯にわたり勝利が到来するよう誓いを立てる。そうすれば永遠に飢餓や荒廃に苦むことはないだろう」

そして合意に至った。星の男はヨクダを船で率い、山や広大な砂漠を越えて戦士の軌跡を辿った。そして勝利が訪れて飢餓や荒廃は彼らの前から消え去った。

また戦士には守護対象が3つあった。大公、淑女、駿馬だ。そしてヨクダ達は贈り物と香をもって敬意を表した…

*****

そうして戦士が頂点に達すると、彼の地で彼らの旅は終わった。彼の地で彼らは旅の途中で死んだすべての戦士達のために聖堂と墓を建てた。また死に至ると戦士が栄誉を授け、その永遠のガーディアンとした。星々のように不滅で美しいガーディアンに。

彼らが留まった場所は如何なる地図にも記載がない。しかし探し出したいと願う者は、彼らが行ったこと、戦士を探すことのみを同じようにしなくてはならない。

ラニスタの日記Lanista’s Journal

物資、熱心すぎる群衆、それに自称剣闘士達をドラゴンスター近くのアリーナに輸送する。今まで引き受けた中で最も洗練された仕事とは言えないだろうが、やり終えればすごくいい報酬が見込める。うまくいけばいいが!頭痛と遅れはあるが。言うまでもなく、絶えず1ダースの酔っ払った戦士の暴走を防がなくちゃいけない。この行程はトラブルの連続だ。

例えば、比較的安全にベルカースを出発した後に起こった出来事だ。荷馬車の御者の1人でゴルソって奴が昨夜、キャンプファイアの周りで「旅客」に混ざって祝いの酒を飲みすぎたに違いない。奴は道にぽっかり開いた穴の上で荷馬車の車輪を走らせてる時に、手綱を握りながらほとんど寝ちまってた。それで今、二つの車輪が砕け、車軸が1本壊れていて、この何もない辺ぴな所に仮設の停車場を設けることを余儀なくされているわけさ。

クラフト台は使える状態になっている。修理は荷馬車の上で進行中だ。ゴルソは最悪の気分でいるが、それは仕事をうまくやれないことに対する罪の意識というよりも、二日酔いなのにやることがたくさんあるからだろう。俺はこの見捨てられた荒野に住んでいるという奇妙なオークのことが少し心配だった。実際この場所がどれくらい防御可能なのか定かでない。だが今の所、その獣の気配はみじんも感じない。

荷馬車の上で修理が続いている間、戦士達が飲むのを止めて見張りを手伝ってくれたらいいんだが。ここ1時間ほど、誰か、あるいは何かが俺達を見ているようなイヤな感じがする。何事もないとわかってる。だが、もしあの戦士とか呼ばれてる奴らが俺達の戦闘を手助けできるような状態だったら気が楽になるんだが…最悪の場合は。

アイアンオークだ!突然現れて俺達を取り囲んだ!なんてこった、あいつら一体どれだけいるんだ!略奪者を追っ払った後でこの先を書こう。この戦闘を生き延びられたら。

ルーン筆写家のクルスへの手紙Letter to Runescriber Kulth

ルーン筆写家のクルス殿

我々の戦士に貴殿のルーンを刻み付け、速度を向上させるため、他に何か必要だろうか?我々はトロールやウェルワにできるだけ早く装飾を施したいと考えており、またアイアンオーク達にも同様にニルンクラッツの力を植え付ける作業を開始したい。

私を失望させないでくれ、クルス殿。貴殿のルーンは我がトロール軍の鍵となるのだ。私は自分の指揮下にあるすべてのトロールやウェルワ、そしてアイアンオーク達が貴殿のニルンクラッツを植え付けたルーンを見につける日を夢見ている。それはまさに輝かしい日となるであろう。

敵には血を、我がクランに鉄を!

——破壊にうねるオフィディアのエグザーチ、ブラードス

ワマスの観察Wamasu Observations

この強大なワマスの卵持ちを選んだことは賢明な選択だった。彼女の同族が錬金術の工程を次の段階に進めるために必要となる、捕食者としての特性を提供してくれるだろう。この特性をあの強力なスコーピオン・マトロンと至高のクロコダイル・マトリアークが提供する特性と組み合わせれば、ワマスからの素材はさらに強化され、マンティコラの力は10倍以上に増加するだろう!

あとは、ワマスの中を通電している電流をマンティコラに移植させることは可能だろうか?それができれば、その生物はさらに素晴らしいものとなるだろう。すでに卵持ちの最初の卵は採取した。それぞれの殻の中にある素材が、産卵場の新たな生物へと簡単に引き継がれる特性を植え付けるだろう。

大蛇がこれまでの私の成果を見たら、必ずやスケールドコート内での私の立場は、産卵場で成長するマンティコラと同様、さらに強大となるだろう。創造物を見るのが楽しみだ!

——蠢く悪夢の摂政、ボワード

隠された試練The Hidden Trials

刀剣の道を乗り越えた者は、隠された試練を探し求めなければならない。

穴の奥深くで、獣が獲物の手足を引き裂く。

最上階の屋根の上で、挑戦者が待っている。

これは探求者の試練なり。

炎の試練The Trial of Fire

第1の試練は炎の試練。

道を守護する翼あるものを打ち負かせ。かがり火を灯せばガーディアンが現れる。ガーディアンを倒した者の前に道は開かれるだろう。

汚されたネードの祈祷書Defaced Nedic Prayer Book

慈悲への祈り

天国へ向かい、我々は我々の目を、手を、心をかかげる。
あなたの光を我々から背けるな、必要でない時間でも
その代わり、エセリウスの輝きを発し、夜の暗闇に灯し火をともそう。
季節への秩序をもたらす者よ、
疲れた旅行者への輝く道しるべとなれ。
我々に慈悲のあらんことを。
荒廃の侵略者から我々を守りたまえ、消耗する飢饉から、燃やしつくす炎から
そして約束された栄光へとあなたの信心を導きたまえ。

____
彼らの魂が星になることを約束された者の祈り

これらの魂は、もろい身体の光を
天国の永遠に燃えさかる光へと捧げる
これらの魂を、長い夜を越えて導きたまえ
そして黄金の階段へ
つまづかずに登らせたまえ

これらの魂を取り、自由に与え、
神聖さを分け与え、
あなたの民から信仰に満ちた誓約を与えたまえ。

必要な時、我々を忘れることなかれ
しかし我々の信仰が続く限り、
ガーディアンたらしめん

____
戦士の祈り

偉大なるガーディアン、輝く戦士
自らの軍隊を力で包め
そして真実へ槍を舞わせよ

その腕の力強さは偉大なり
その力強い肩を見れば、敵も震えあがる

我らを恐怖に屈させるなかれ
だがあなたが我らの前にアイギスを置くだけで、我々は立ち上がる

____
盗賊の祈り

[残りのページは切り離されている。本の裏表紙に、誰かが次の走り書きを残している:]

ああ、まがい物の星よ、
娼家に生まれた。
お前の母はみだらな女だ。
お前の父は病に冒されている。
お前を崇める男どもは、愛への渇望を失う。
女どもはお前にくたびれて、髭を生やす。
お前は子供達を穴の中に導き、
落とし穴の中を彷徨わせた。
エルフが彼らを皆殺しにし、女どもを愛人にした。
マーは彼らをからかい、男どもを奴隷にした。
お前の掌は、彼らの血がついている、
お前の唇から、川のように流れだす。
ああ、沈黙の星よ、無慈悲な星よ、
罰が間近にあるのを見よ
その手には、お前の罪への裁きがある。
砂漠で水の母が復活した
そして死の地に花が咲いた。
人々に悪しき光を退けさせよ
真実の慈悲を抱かせよ
幾千の夜に眠ったが、私は夢を見なかった、
だが栄光の歌を聞いた時
シャダと彼女の娘たちは、ネードの全てにそれを望んだ。

牙の憤怒の摂政よりFrom the Regent of Fanged Fury

強きイナズールへ

どうぞ東クラグローンでの努力を続けてください。アイアンオークの助けがあれば、スケールドコートは間もなく地域全体を支配できるでしょう。

そして、あなたの決意と確固たる忠義は大きく報われるでしょう。お忘れなきよう。

—牙の憤怒の摂政

監視人シャブマーの日記Watcher Shavmar’s Journal

監視人シャブマーの日記より

ヴィルマリルを封じ込めなくてはならない!このカタコンベの外で何が起こっていようが、あの裏切り者は自分の犯罪により罰されなければならない。彼の邪悪さが世界中に広がらぬよう、投獄されなければならない!

我々はあの不快な生き物を殺そうと試みた。ヴィルマリルが裏切って上級王デュラクとネードの王達の議会の出席者を殺した後、我々は彼を追跡して捕らえ、その恥ずべき存在を終わらせるため、戦士と魔術師の小隊をこのカタコンベに送り込んだ。私はその小隊の一員だった。私にとってこの言葉を書くことは苦痛だが、しかし、これは真実で、受け入れざるを得ない。我々は負けたのだ。

それはすぐに明らかになった。我々は本当に生きているわけではない存在を殺すことはできない。そのかわり、我々はすばやく新たな計画を立てた。我々はヴィルマリルを弱らせてカタコンベの奥深くに閉じ込めることはできるだろう。そして、自ら犠牲となろう。魂魔法を使って、自らを不死の者、永遠の監視人とするのだ。我々は、ヴィルマリルの守護者として、囚われし者として時の終わりまで務めるのだ。

* * *
魂魔法はうまくいった。我々はヴィルナリルを魂の結界の後ろに封印し、動きを止めた状態にした——深い眠りと同じようなものだ。我々は今や永遠の監視人として裏切り者を見守り、彼のアンデッドの軍勢を解き放つ計画を決して実現させないことを誓った。

後はただ待つだけだ。そして監視する。永遠に。

* * *
ガラランが頭の中で奇妙な声が聞こえると訴えている。我々は彼を無視した。どの道、我々は皆この終わらぬ拘束の間に少しばかり正気を失っているのではないか?彼は大丈夫だ、間違いない。

* * *
今は私にも声が聞こえる。時々、それは千もの声がいっせいに話しているように聞こえる。雑音と混乱が乱雑に入り乱れている。それから、それはとても低い、かろうじて聞き取れる1つの声の囁きとなる。しかし、時折その声は生き生きとした、はっきりした声になって私に届き、そして私は誰が話者だか認識するのだ。どういうわけか、どうにかして、起きないはずのことが起こった。

ヴィルマリルが目を覚ました。

頑丈者ゼルグマへTo Zelguma the Strong

ゼルグマへ

どうぞ西クラグローンでの努力を続けてください。アイアンオークの助けがあれば、スケールドコートは間もなく地域全体を支配できるでしょう。

そして、あなたの決意と確固たる忠義は大きく報われるでしょう。お忘れなきよう。恐らくあなたは、次の苦悶する虫の司祭のローブを着たいのではないですか?

—這い回る幻視の高官より

奇妙な謎Strange Riddle

ミスター・ナシエン、こっそり忍び込んだ
ミスター・ナシエン、入ってはいけなかったのに
ミスター・ナシエン、逃げればよかったのに
ミスター・ナシエン、頭を失くした

驚くべき好機An Amazing Opportunity

スキーティース

先ほどすごい好機について聞いてきた。何人か友人を集める必要があるかもしれないが、我々で何とかできるはずだ。イルサグの塔地下って場所について聞いたことがあるか?

ここからお前のため息が聞こえてきそうだよ。だが信用して欲しい。アイアンオークの連中はこの地面の穴に多くの資源をつぎ込んでいる。だからそこから何かめぼしいものが獲得できるはずだ。場所はクラグローン北部に通ずる北東の通行路の少し先にある、荒廃した塔の地下になる。

イルサグの爺さんがあそこに何を隠しているのか、見てみたくはないか?

一つ指のドビンスカル

護衛への商人の命令A Merchant’s Orders to His Guards

「忠実な」護衛たちへ

このところ、経費について多くの苦情や不平を受けている。ザルガズの洞窟で再び起きたことについて口にしている者には、それが私の面前であろうが、また聞きで耳に入ってきたものであろうが、厳罰が待っているということを明確にしておきたい。

報酬は減額!仕事は追加!さらに私への奉公をやめ、別な主人の下でこれらの中傷を言いふらした場合、アーケイの司祭の前に連れていき、デイドラの起源に関する悪意ある噂を広めたとして告発をしてやる!

要するに、サリアの休息地について二度と聞きたくないということだ!

攻撃された旅人の日記Waylaid Traveler’s Journal

収穫の月8日

我々はクラグローンの道が危険だと警告を受けた。キャラバンの中にいれば数で安全だと思ったが、ドラゴンスターキャラバン社は我々が望んでいた程善意のある会社ではなかった。彼らは我々の安全を保障するかわりに、巨額の「輸送費」を要求してきた。我々はこの機会に、脇道を旅することに決めた。我々は丘で山賊の話を耳にしたが、武装しているし護衛もいる。大丈夫だろう。

収穫の月10日

いままでの所、この決断は上手く行っている。我々の旅は平穏無事だ。

収穫の月11日

我々の護衛が、夜にうなり声を聞いたらしい。護衛の全員が恐れをなし、旅を続けるためにはもっと金を要求している。

収穫の月14日

護衛はいまだに落ち着かないままだ。だがドラゴンスター社が要求した金額よりも低い額で済んでいる。我々の冒険は、まだ利益をあげている。

収穫の月18日

今日は嵐だった。雷と光と土砂降りの雨だ。こんなことが砂漠で起こるのだろうか?時に雨は降るだろうと思ったが、一度に自分の足の前の道が見えなくなる程の雨が降るとは。

完全にびしょぬれになった後、洞窟に避難することを決めた。朝になったら、また動き出そう。

収穫の月19日

今夜は全員がうなり声を聞いた。護衛たちは臆病になって、我々を見捨てた。この邪悪な洞窟とおさらばするのが待ちきれない。雨がやみ次第、すぐに出よう。

最後の考えFinal Thoughts

イソルダ、許してほしい。あなたはスケールドコートに入るなと言ったけど、私達には金が必要だった。あなたは奴らがどういうものか見抜いていた。だけど私は奴らのもったいぶった言葉と約束に騙されてしまった。なんという間違いを犯したんだろう?

奴らはここがどんな所か知っていた。奴らはいつ私達をここに送り込んだか知っていた。今、私達が選ばれたのは信用されたからではなく、奴らが言ったように消耗品だからだとわかった。

他の者は皆死んだ。でなければ、それより酷いことになった。ミクハイルと私は逃れようと試みたけど、あれはこの場所でのすべてのことを見ている。あの燃え上がる眼は、どこへ行こうと見つけ出す。

私はミクハイルが連れて行かれるのを見た。彼が骨だけになるまでしぼませるのを見た。それからその骨は歩いていった。彼は振り返りさえしなかった。

自分がなぜまだ生きているのかわからない。たぶん、あれは見ていて、私の恐怖を堪能してる。私は足を折って、梯子を上って戻ることができない。ここで死ぬんだ。

安らかに死ねるかもしれない。自然に死ねるかもしれない。もしそうなったら、私は幸運だ。

市民の嘆願書A Citizen’s Petition

レディ・ヤマヌーコ

夫がハドック市場の近くの路上で失踪してから1週間が経とうとしていますが、何も行われていません。交易路にこれほど近い場所でブラックマーケットの運営を認めたことだけでも問題だと思いますが、あなたの市民に対する関心の欠如については驚くばかりです。

ブラックキャスター協定を覚えていらっしゃいますか?エリンヒルの魔術師たちは彼らを守るため、人々の苦痛と共にあります。私の夫が失踪した時、あなたの守護はどこにあったのでしょうか?

私はこの間の手紙(おそらくあなたの生徒が書いたのでしょうけれど)で夫が野生の動物に襲われて死んだとほのめかしていましたが、認められません。彼は有能な追跡者で狩人なのです。彼が動物の餌食になるとしたら、門の外にいる殺人鬼か山賊などでしょう。

善良な市民
アダン・コルドレル

死にゆく我らWe Who Are About To Die

「死にゆく我ら——」

いや、これは直接的過ぎるな。救いがない。ではこれなら…

「戦争にゆく我ら——」

だめだ、メロドラマ調過ぎる。私の回想録の出だしとして、何か覚えやすくかつ記憶に残り、思わずページをめくりたくなるようなものが欲しい。さて…

「かつてリベンスパイアー出身の戦士がいた。その戦士は炎上する剣を持ってドラゴンスター・アリーナにたどり着いた——」

これなら出だしとしては順当だな!しかも韻を踏んでいるし!さて、我々がアリーナに入場するまでどこまで書けるだろうか?まあ、急ぐ必要はないか?勝った後に続ければいいだけの話だ。

死の地のネードNedes of the Deathlands

アーガス・メンダー 著

子供の頃教えられたことが全て間違っていたなんてことがあるだろうか?岩と砂の下に埋められ、ヨクダを征服した記念碑によって視界から隠されているものが、野蛮で未開な人々の岩屑以上のものだということがあるだろうか?

これは、サリマ・アトムハイが最新のネードとハンマーフェルでの活動に関する学術的な発表で主張している内容である。彼は注目せずにはいられないような新たな証拠を見せて、その主張を行っている。最近のエリンヒルの魔術師の塔の研究で、彼はこれらの塔がヨクダが作った時代の物でもなく、アイレイドと同じ技術を使ったのでもないと結論を出した。それはドゥエマーの仕事に似ているが、やや未熟なようだ。これによりアトムハイは、これらの塔がヨクダの故郷から高度な建造物を移植されたのではないという結論に至った。実査には、ネードの文明の残滓なのだ。

もしアトムハイの結論が正しければ、ネードはこれまで歴史家が想定して来たよりも、より組織的で進歩的だったことになる。エリンヒルの塔は石細工に熟達した、進歩した文明にのみ建造が可能だからだ。

これらの塔は、ブラックキャスターの魔術師が彼らの学校をエリンヒルに設立した時から占拠されている。では、どうしてアトムハイがこの驚くべき理論を初めて唱えたのか?

この筆者は、歴史家には盲点が存在する物であると仮定している。ネードは確かにその中でも最大のものだ。その理由は数々ある。

まず最初に、ネードの人々は征服軍の犠牲者となった歴史がある。ドゥエマー、アイレイド、ヨクダは全て、東ハンマーフェルのネードを支配しているとどこかの時点で宣言している。ネードが後進的で支配するべき存在だと主張することで、彼らの支配は正当化されるのだ。

次に、民族としてのネードはラ・ガーダのすぐ後、歴史の記録から消えてしまう。そして現存している記録はほとんどない上に、散在している。最初のヨクダがハンマーフェルに足跡を残した時、ネードの文化はすでに消えかかっていた。人々は散り散りになって意気消沈していた。ネードのほとんどは移住してタムリエルの他の種族と混じり合い、事実上その存在が消滅してしまった。

このネードに関する新たな理論は、真剣に受け止めるべきだ。クラグローンの僻地が将来、ネードの存在を探る調査研究に多くの実りを生むのではないかと思う。最後のネードが消えてから、もっとも変化していない場所なのだから。

死んだ剣弟のメモDead Sword-Disciple’s Note

私には分からない。彼は生徒としてここにやってきた。最後の試練を乗り越えた後、私たち皆の目の前で師範を殺した。私たちはまったく力を使うことができなかった。

一体彼はどうやって私たちを支配したのだろう?何らかの策略だ。おそらく毒薬のたぐいだろう。誰にも気づかれずに学校中を汚染して、剣弟を裏切らせたのだ。

マスターは最後の言葉で私たちに、刀剣の大修道院のカスラに事態を知らせるよう言った。私は逃げ出そうとしたが、他の者が行く手を阻んだ。壁の向こうへたどり着く前に、私は彼らに殺されるだろう。

もし誰かこのメモを見つけたなら、どうか引き返してほしい。この場所を去り、他の者たちに警告して欲しい。そして、もしできるなら、ラーニザの刀剣の学院が陥落したとカスラに伝えて欲しい。

私のことなら、もし生き延びて自分の身に待っていることを考えれば、死ぬほうがずっといい…

字が消えて読めない魔術師ギルドの報酬通知Defaced Mages Guild Reward Notice

掲示:

魔術師ギルドのメラニオンの研究のために、ムサンズの遺跡から回収されたドワーフの品に多額の報酬を授ける

[この案内板は、「メラニオン」と名前が付いたハイエルフのわいせつな絵で汚されている。絵のすぐ下に落書きがある:]

嘘つきのイカサマ師め!ドワーフのギアを6つ持っていったのに、報酬はろくでもない本1冊だけ。しかも、一度読んだことがある本だった

商人、悪党、盗賊Merchants, Scoundrels, Thieves

ドラゴンスターキャラバン社との取引について
ハロルド・ファーフライ 著

現在のクラグローンはボロボロで酷い土地に設立されたことは有名だ。シロディールの帝国の監視から逃れた犯罪者、エバーモアやショーンヘルムの街からの貧民、そして文明の快適さと不自由さから逃亡して、冒険を探し求める者達によって。

ベルカースの通りに見られる道徳ほど、黒い起源を持つ場所はどこにもない。不道徳な商人や盗賊、闇市の密売人の集合よりもほんの少しマシな位だ。ベルカース唯一の政府と思われるものは、ドラゴンスターキャラバン社の悪党の意志だけだ。

ベルカースでは、全ての悪しき行為が認められ、全てが売りに出されている。この腐敗の例として、いまやよく知られるマドリガの話を引用しよう。愛され、尊敬されるクラウンの娘であるマドリガは、ドラゴンスターキャラバン社の密偵から彼女の父の執事が被った負債への支払いとして、家から連れて来られた。彼女は誘拐され、クラグローンの危険な場所へと連れて来られた。そして彼女は10年後、クロスローズ酒場のバーテンダーとなっていたのだ。

今や大人の女性となったマドリガは、まったく彼女の父の家にいた内気で美しい子供ではない。実際、彼女は高飛車で気まぐれな女性に成長したが、その厚かましい態度は地元の売春婦よりも少しいい位だ。父親の家が彼女を家に戻し、貴族や名誉ある地位の者と結婚させるために家に連れ戻そうと衛兵を寄こした時、彼女はこう叫んだ。「結構よ。ここの方が賃金が高いわ」

この話をドラゴンスターキャラバン社と関わる機会がある場合の警告として考えてほしい。商人たちは、貴族や文明社会の繁栄を支えてきた、確立された秩序に対して何の敬意も払わない。彼らの唯一の主人は金で、礼儀正しさや名誉が彼らのサービスと彼らの主の間に介在するのを許さない。

城と貴品箱 第3巻:ヘル・ラ要塞Castles and Coffers Volume III: Hel Ra Citadel

帝国の歴史家たち、特にコロヴィア台地のデュービシャスは、ヘル・ラ要塞が築かれたのは、ヨクダの第二次「戦士の波」の間のどこか、西タムリエルのアリクル砂漠に雪崩込んで来た時だと推測している。その名前から分かるように、隣接したヨクダの街を守る目的で建てられたと一般的に考えられている。街の名前は砂と時間と時間の中で失われてしまった。しかしヨクダ人が要塞に名前を付けたのではない。現代のタムリエルが付けたのだ。その建造物は、自らが守っている街が存在する前からあったかも知れない。第二次の戦士の波、もしくは第一次も合わせた侵略の足掛かりだったのかも知れない。今は失われてしまった多くの砦の1つ、ひいては要塞化された訓練地だった可能性もある。神話によると、「剣魔法」を維持するための剣聖の訓練は大変厳しいことで知られている。侵略部隊の間にあっても、そのスペースは必要としただろう。要塞が現在建っている場所には、元々ネードの要塞があったと主張する人もいる。ヨクダ人がそこを占領し、その上に新たに要塞を建てたのだと。

帝国によると、ヨクダ人の撤退以来その要塞が封鎖されていることは確かに知られた事実だそうだ。中に足を踏み入れた人は誰もいない。主張や話はいろいろとあるが、当然すべてが間違いだ。帝国の記録によると、帝国は中へ入ることに失敗している。またレッドガードの探検でも、要塞の正面入口を迂回できなかった。魔法なのか、建物の仕掛けなのか、とにかく軍隊も攻城兵器もその壁を突破できていない。どんな宝が、どんな古代の秘密が内部で待っているのだろうか?要塞の門は開くことがあるのだろうか?

帝国執政官アルバスは、こう言った:

決してない、と

真実の道の試練The Trial of the True Path

第5の試練は真実の道の試練。

真実の道を見つけるには、蔵書庫の地下へ行き、祭壇の前でかがめ。

これが最後の試練なり。すべての試練を乗り越えた者にのみ道は開かれるだろう。

水浸しの日記Waterlogged Journal

今日市場では、皆が沿岸からの噂話をしていた。彼らが言うには、侵略者で一杯の船が見つかったという。噂によれば、同じ侵略者たちが最近死の地の南に来たらしい。
どうやら毎日新たな侵略者が来るようだ。我らは前回の攻撃に耐え抜いた。水は砂漠で切望されているが、岩と砂が我らを守ってもいる。そして、それはネレイドも同じだ。今回も同じだと思う。

侵略者は手を緩めないと言われている。彼らの指導者はタリシュ・ツィと言うらしい。私に言わせれば醜い名前だが、メリーナは名前が醜いとして何か問題があるのかといぶかっている。その醜い名前の将軍に征服されることは心配していない。

今日ザリク将軍が宣言を行なった。タリシュ・ツィとその軍隊が来るが、ネレイドが我々を守ると約束をした。彼は心配しないよう言った。だが私はどちらにせよ心配だ。

街は混乱している。接近する敵と戦うため派遣された、ザリクの部隊が殺されたのだ。兵士は負傷し、タリシュ・ツィが来るという知らせを持って来た副隊長を除いてすべて死んでしまった。敵軍は不死だという。タリシュ・ツィ自身も不死身らしい。それは信じられないが、初めてこの迫りくる攻撃に不安を覚えた。

ザリク将軍は、街を守るために武器を取るよう皆に命令した。だから私はほうきの柄と古いハンマーから戦棍風のものを作った(鍛冶屋は大変な仕事量をこなしているが、全員に行き渡るには武器が足りない)

どこにも、これで本当に終わりだという予感が漂っている。我々の街は多くの侵略を経験して来たが、ついに陥落する。だが同時に、深い友情のようなものも感じる。市場を多くの騒音で満たして来た小さな言い争いは、友情と勇気を与える言葉にとってかわった。死ぬ時は、みな同じだ。

ザリク将軍がネレイドに支援を求めたという噂だ。皆がシャダとその娘の介入を願っている。最後の望みには、奇跡が必要だ。

[日誌の残ったページは、水浸しになっていて読めない]

崇高なるヴァイパーの夜明けDawn of the Exalted Viper

摂政カシピアはもういない!これからの私は崇高なるヴァイパーだ。セレスティアルの位まで登り、世界を変える力を手に入れた!まあ、少なくとも、じきにそうなる予定である。

これらの古代ネードの民の遺跡内で解き明かした秘密により、私はネードの民が定命の者にセレスティアルのエネルギーを植え付ける方法を再現できた。そしてスケールドコートの錬金術師とアイアンオークのルーン筆写家らが開発し、マンティコラやトロールを相手に実験を重ねた技法を組み合わせることで。私は自らの定命の者としての体をエセリアルの力の導管へと変化させる方法を開発した。

もっとも、これらのことは現地人からレッド・ブリットル、我々錬金術師がニルンクラッツと呼ぶ主要成分の発見、または再発見がなければ不可能だっただろう。この真紅の物質は、自然の状態では非常に危険なものとなる。しかし我々が古代の文書より再現した精製方法により、安定化したこの成分こそが、この変化を可能とする鍵となった。

我々は今、新たな世界の岸辺に立っている。この過程が完了し、崇高なるヴァイパーとなった私が産卵場から現れる時、私はセレスティアルの大蛇と比肩すべき存在となる。私は神となるのだ!だが単なる気まぐれや不在な神としてではない。崇高なるヴァイパーは実在して活動し、古き世界の不完全なものを破壊しながら、私が支配する新しい完成された世界を創造していく。

そして私の愛する、利発で純真なリトルリーフが側にいることだろう。場合によっては彼女も引き上げてあげよう。だがそれは、まず自分の立場を確立した後になる。

星読みの乱文A Star-Gazer’s Ramblings

古代の戦士の墓よ!ついに!とうとう!真の神は沈黙しない。耳を傾けさえすれば、真の神は我々に歌いかける。

自分の研究は純粋な学問だと思っていた。傲慢で愚かだった。高く掲げられた死体のように、厳格な継承において、知識は知識に倣うという信念。それが私を苦しめていた。「死は避けられないものだ。だから死ぬことと生きることは区別できない」と私は言っていた。なんて間違っていたんだ。

どうして幾度も星を眺め、光ばかりを見てきたのか?なんという興奮、自分の手に負えない!

真実を征服することなどできない。真実が我々を征服する。そしてついに、最期に役目を果たすことを学んだ。
知識の行き着くところにあるものは、知ることではなく、崇拝することだ。ああ、偉大な戦士よ、あなたの足元にこの体を横たえさせたまえ

星読みメリスの日記Star-Gazer Merith’s Journal

今夜も、荒野で失われた星座の形跡を求めて上空を探している。

待って、これは何?まあ、なんてかわいい、小さなキツネ!元気いっぱいのいたずらっ子ね!ついて来てって言ってるみたい。面白そう!なんて賢い子なのかしら。

お行き、ちびギツネちゃん!案内してごらん、ついて行くわよ!

あっ、いけない!天の星にかけて、これは凄く大きな——

生きています!It Lives!

もっとも名誉ある、そして崇められる指導者、大蛇の如き計略の摂政へ

実験は予測していたよりもずっとうまくいきました。この報告をできることを誇りに思います。あなたの洞察力のあるご提案のおかげで、合成生物を生み出すことに成功しました。それはサソリ、クロコダイル、ウェルワ、それに人を含むさまざまな肉食獣の特徴を併せ持っています。私はこれをマンティコラと呼ぶことにします。

ご提案くださったように、粉末状のニルンクラッツの塵を原始の産卵場に投入し、必要としていた合成生物のすばやい繁殖に推進力を得られました。今や我々は、さらなる大蛇の栄光に向けて、マンティコラの軍隊を作り出すために利用できる強力な真祖を手にしたのです。

生産性を上げたいと思っていますので、すでに産卵場を拡張する行程に入りました。加えて、できるだけ近いうちにもう1つの真祖を作るべく、2つ目の産卵場を建造しました。そのうちお時間がある時にでも我々の作業場に来ていただきたく思います。我々の労働の成果をお見せして、真祖を紹介させていただくことを楽しみにしています。

大蛇の名の元に、
蠢く悪夢の摂政 ボワード

摂政エルスカの命令Orders from Regent Elska

大蛇の巣と呼ばれる洞窟内で働いている、スケールドコートの要員に告ぐ。これまでの倍努力しろ!作戦の次の段階を開始するには、新たな施設が不可欠となる。

足場の組み立てを完了しろ。食料と武器も用意せよ。そして熊の死体を洞窟から取り除け。見た目が不快なだけでなく、酷い臭いを発すようになっている。

ラミアだけは避けるようにするのを忘れるな。連中は敵と味方を区別できないからな。そして特別な用がない限り、奥にある産卵場には近づくな。

——牙の憤怒の摂政、エルスカ

摂政カシピアの称賛In Praise of Regent Cassipia

大蛇の如き計略の、摂政の執事長、リトルリーフ 著

何人かの私の同国人に、これから私が書く言葉は悪趣味だと見なされるかもしれない。その他の者にとっては、これは神への冒涜に他ならないだろう。しかし、私はもうこれ以上この考えを自分だけで抱えていることはできない。もしそうしようとしたら、頭が粉々に破裂するのではないだろうか!そして、そう経験したいとは願わない。

最初に、私は自分が誰であるかということ、なぜ大蛇の如き計略の摂政と呼ばれている、クラグローン北部のスケールドコート部隊の指導者、美しきカシピアの称賛すべき特質について書く資格があるのかということをお教えすべきだろう。

私の名はリトルリーフ。私達がスケールドコートに加わる前から我が女主人にお仕えしている。私はカシピアに、彼女が魔術師ギルドの高位メンバーであったオーリドンで出会った。彼女は遠くから彼女の力と優美さに感嘆している私に気づいて、彼女のあらゆる用事をこなす者として直々に私をお選びになった。それ以来、私は彼女のもっとも奥底にある考えと静かな思いを世に伝える共鳴板を提供し、腹心の友、聴罪司祭となった。私以上にカシピアのことをわかっている者はいない。そして私のように、全身全霊を込めて彼女を信じる者はいない。

大蛇が私達の主人であり、指導者であるなどとどうして言えようか?ああ、私は大蛇を信じ、崇拝している。間違いなく、心から!そもそも、彼こそ私達がスケールドコートに加わった理由であった。しかし、大蛇が常にスケールドコートへ命令を下すわけではない。彼は昼も夜も私の側にいるわけではない。そして、思い切って言うなら、彼は私の愛するカシピアの美しい顔と素晴らしい姿からはかけ離れている。

誰が大蛇の要求に応えてアイアンオークを私達の集団に連れ込んだのか?もちろん、カシピアだ。彼女は大蛇の命令に従うが、常に彼女自身と信奉者達にチャンスと幸運を作り出す方法を捜し求めている。

だが、私のことを彼女の夢想にのぼせ上がった馬鹿だと思われる前に、なぜカシピアが私達の集団の中でとても高く上り詰められたのか説明させていただきたい。カシピアは断固として容赦しない。彼女は力強くカリスマ性がある。そして、彼女は何がスケールドコートにとって最良なのかを知っている。クラグローン南部で私達が苦しんだ、不運な後退をもたらしたあの鈍くさい愚か者とは違って!大蛇の「選り抜き」が地域の南部で彼らの要塞を失っている間、摂政カシピアはクラグローン北部で多忙だったのだ。

故に、摂政カシピアを称えよ!彼女が末永く大蛇に仕え、スケールドコートを導かんことを!

大気の試練The Trial of Air

第3の試練は大気の試練。

真実の目の砂が足元を導き、隠された道を明らかにするだろう。

大蛇の噂A Rumor of Serpents

ドラゴンスターキャラバン社監察官向けの報告書、斥候ザギュラより作成

噂は正しかったようだ。少なくとも今回に関しては。どうやら大蛇の巣と呼ばれる、クラグローン北部にある古い洞窟地帯の西側の箇所は、その地下に名称と同類の者達を集めつつあるようだ。私はそこからスケールドコートの者達が自由に出入りするのを目撃している。連中はそこを所有しているように考えているふしがある。

連中がそこで何をしているのかは不明だが、近づかないようにするのが賢明だ。ドラゴンスターキャラバン社が不用意にスケールドコートの仕事にかかわってもろくなことがないと思われる。

大蛇の歌The Serpent’s Song

這い回る幻視の高官として、私はセレスティアルの大蛇と直接的、または間接的に関わる予兆か兆候を探している。それらの意図する内容を、いかなる形であろうとスケールドコートの主のために解釈するのが、私の栄誉ある役目である。

大蛇の巣の奥深くで、驚くべき光景を目の当たりにした。アウリーエ、ラウリーエ、タウリーエとして知られるラミアの姉妹(少なくとも、あのクリーチャー達は親類であると仮定するが)が宗教的な歌を歌いだし、我々がここに来てからほぼ休みなく歌い続けている。彼女らの使う独特な言語を翻訳するまでには至ってはいないが、セレスティアルの大蛇を称える歌である可能性が高い。

彼女たちは大蛇に祈りをささげているのだろうか?何か具体的なことを願っているのだろうか?もしかしたら単に、大蛇のこの世界における存在の栄誉の恩恵に浴しているだけなのかもしれない。いずれにせよ、あのラミア達はその歌を使って、大蛇からの褒賞としか考えられない力を呼び出すことができる。蛇を呼び出して自分たちの代わりに戦わせることも、空から稲妻を呼び出すこともできる。そして領域を守るため、自らの周辺の水を毒に変えることも目撃した。

あの獣達についてより深く理解し、彼女らと大蛇との関連性を学ばねば。

——這い回る幻視の高官、バラリウス

大蛇の刀剣The Serpent’s Blade

危険なるヴィスカー

大蛇が貴殿に微笑まんことを、誉れ高き戦士よ!常日頃より貴殿の刃と影を使いこなす技量に一目を置いております。また、その横には共に戦ってくれる蛇の一団が随伴してくれるという祝福まで与えられているとのこと。貴殿が主に目をかけられていることを、羨ましく思う限りです。

偉大なるヴィスカー殿に一つお願いしたいことがあります。実はスカイリーチ聖堂に通ずる参道を守護して頂ける人を探しているのです。道の安全を守り、我々の敵を遠ざけてくれる人を。この重要な役目に考えられるのは貴殿だけでした。道の安全を守っていただけるのならば、大蛇は手厚く報いることでしょう!

大蛇の如き計略の摂政、カシピア

大蛇の如き計略の摂政よりFrom Regent of Serpentine Stratagems

エグザーチ・アーノスへ

スカイリーチ要塞の遺跡での成功を楽しみにしています。私もその古代の場所が、ニルンクラッツの主要な供給源となると思います。どうか、あなたのトロールが抽出できる最大限のレッド・ブリットルを獲得するため、あらゆる努力をしてください。

そして、あなたの決意とスケールドコートに対する確固たる忠誠心は忘れません。

——摂政カシピア

大蛇への祈りA Prayer to the Serpent

セレスティアルの大蛇よ、我の祈りを聞き届けたまえ!

大蛇よ、天から降りし者よ、この取るに足らない声を聞き、我を引き上げたまえ。

大蛇よ、世界の皮を脱ぎ、我々をより純朴で良き世界に戻す者よ、私の卑しい声を聞き、あなたの巣に私の場所をお与えください。

大蛇よ、力と栄光でうねる者よ。私の捧げ物を受け取り、その毒の祝福をお与えください。

セレスティアルの大蛇よ、我の祈りを聞き届けたまえ!

追って通知があるまで閉鎖Closed Until Further Notice

残念ながらオゴンダルのワイナリーは、あの役立たずの甥の替わりの新しい店員が見つかるまで閉鎖します。あの怠け者のホーカーが!

どうか、信用できる従業員の束の間の不在に乗じて、みだりに略奪をしないでください。

その間、何か必要な場合はお気軽にベルカースのクロスロード酒場にいる私にお知らせください。もし仕事をお探しでしたら、解決できると思います。

経営者 オゴンダル

低俗王者ドーゾグのバラードBallad of Dorzogg the Gutter-King

自称吟遊詩人のシェイ・ベークス 著

彼は城を所有したことがなかった、
だが常に王冠をかぶっていた、
彼はスキーヴァーやスリをも分け隔てなく愛した、
威張ることはしなかったが、正義感だけは強かった、
彼は12人の信頼できる騎士を従えた、
彼らはアリーナに入り、困難をものともせず勝利した、
こうして低俗王者ドーゾグの伝説は広まった。

敵には血をBlood for Our Enemies

敵には血を、我がクランに鉄を

伝統的なオシ・オーニムの讃美歌

石が我々に語りかける。それは我々に力とパワーを与える。石は生命を与える。

我々は石の子供たち。我々は岩の人々。我々はオシ・オーニム!

岩の声を聞こう、石の移る音を聞こう。

山よ我々を守りたまえ。大地よ我々を養いたまえ。カラスよ永遠に我々の背中にあれ。

我々はオシ・オーニム!クルン・グラノッシュ!敵には血を!我がクランに鉄を!

刀剣の道The Way of the Blade

刀剣の道は5つの試練から成る。

第1の試練とは炎の試練。

翼あるガーディアンから炎を盗む者が、道を照らし刀剣の道へ進む。

これが第1の試練なり。

破れたページTorn Page

ここを去ろうとすると、首をはねられて死ぬ。留まれば、ここを住処にしている何らかの獣によって死ぬ

なぜそうなのか?なぜ今?もしそれが分からぬ間に死んだなら、この場所に出没することを誓う。彼らに何かをした覚えはない。要塞は鍵を掛けたほうがいいだろう

まだ矢がいくつか残っている。ジェネドゥシルの最後の抵抗の時間だ。そのとおり、これをそう呼ぶのさ。この時期はソブンガルデが素敵なことを願う

破れたページTorn Page

我々を苦しめる悪霊は空から降ってきたのかも知れない。彼らは、太陽が影一つ落とさない真っ昼間にやってきた。どうやって来たのか見当もつかない。

彼らは人間のように動き、人間のように殺すが、しゃべらない。筋道が通らない。

今は彼らの音は聞こえないし、姿も見えない。

でも彼らはそこにいる。矢の雨と炎と刀剣で、我々を何十人も殺した。

他の者は動くのを恐れている。もしあいつらがこの橋で我々を殺さなくても、太陽が殺すだろう

これを読んだすべての人へ。誰かが私に教えてくれていたらと思う。とにかく引き返せ。振り向いて、できるだけ急いで逃げろ。要塞に近づいて、いいことは何もない。

武術の知識の試練The Trial of Martial Knowledge

第3の試練は武術の知識の試練。

試練の書物を正しい順に並べ、己の知識をマスターに示す心づもりをせよ。

並外れた危険のレシピA Recipe of Surpassing Danger

この並外れた料理に不可欠な材料を集めるには、極めて危険な状況を乗り越えられるだけの計り知れない勇気と不屈の精神が必要だ。だが、できあがった料理はとてもおいしく、命懸けで貴重な珍味を探した時間の全てが価値のあるものになると断言しよう

ドゥルーの卵、1ダース
無傷のドゥルーの脚、2本
大きなボールを作れるだけのクモのシルク
ファイアトードの皮、無傷のもの6枚
ラミアの鱗、17枚
亡霊の影キノコ、大1個
デイドラの心臓、1つ、角切り

深鍋かやかんで材料の卵と脚をゆでる。どちらもない場合はたらいで代用する。次に加えるのは…

[レシピは血で汚れており、以下の手順は判読できない]

傍受された星読みの文書Intercepted Star-Gazer’s Document

ハーラ

クラグローン北部でスケールドコートの巣をもう1つ見つけた。やつらはスカイリーチ遺跡の北東にあるロスナ洞窟を乗っ取った。洞窟内にいる軍勢は相当なものだ!大蛇がどのようにしてこれだけの配下を集めているのか、まったく分からない。場合によっては彼らの雇用戦略を見習う必要があるかも(冗談だ!冗談!)

アサシンのヴィスカーがロスナ洞窟に入るのを見た。これはこの洞窟が、スケールドコートにとって非常に重要であることの証拠となる。そしてその危険性は飛躍的に増した。

他に何か分かったら、また連絡する。

星読みオリオール

防具屋ウシクへの手紙Letter to Armorer Uthik

防具屋ウシク殿

我々はニルンクラッツを植え付けた鎧の生産量を上げなければならない。生産量を3倍にするのに必要な条件を伝えてもらえれば、必要な資材や人員をすべて用意させるよう手配しよう。

私を失望させないでくれ、ウシク殿。貴殿の鎧は我がトロール軍の鍵となるのだ。私は自分の指揮下にあるすべてのトロールやウェルワ、そしてアイアンオーク達が貴殿のニルンクラッツを植え付けた鎧を見につける日を夢見ている。それはまさに輝かしい日となるであろう。

敵には血を、我がクランに鉄を!

——破壊にうねるオフィディアのエグザーチ、ブラードス

密売人のメモSmuggler’s Note

これは最後の警告だ。このような不手際は二度と起きてはならない

前回注文した卵だが、少なくとも半数が割れていた。購入者はひびの入った卵を必要としていない。死んだ卵など求めていない!実際に生きたドゥルーが生まれる卵を欲しがっているのだ。理由は分からない。だがそんなことは関係ない。とにかく卵を持ってくるんだ!

あの古いドワーフの遺跡に主要な巣があるというもっぱらの噂だ。ムサーナズ、確かそう呼ばれていたはずだ。卵を持ってくるんだ。センチュリオンに壊されないように頼んだぞ